1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月十五日(火曜日)
午前十時五十三分開会
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委員の異動
三月十二日委員大谷贇雄君辞任につ
き、その補欠として高橋衛君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 堀本 宜実君
理事
櫻井 志郎君
大河原一次君
東 隆君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
秋山俊一郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
重政 庸徳君
高橋 衛君
田中 啓一君
藤野 繁雄君
小笠原二三男君
北村 暢君
戸叶 武君
棚橋 小虎君
千田 正君
政府委員
農林政務次官 大野 市郎君
水産庁次長 高橋 泰彦君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
水産庁漁政部長 林田悠紀夫君
水産庁漁政部協
同組合課長 上滝 ろく君
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本日の会議に付した案件
○漁業協同組合整備促進法案(内閣送
付、予備審査)
○中小漁業融資保証法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
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001・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。三月十二日大谷贇雄君が辞任され、補欠として高橋衞君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/1
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002・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 漁業協同組合整備促進法案(閣法第六十一号)及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第六十二号)(いずれも予備審査)を議題といたします。
両案は、去る二月二十三日提案理由の説明を聴取いたしました。まず両案の補足説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/2
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003・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 漁業協同組合整備促進法案の提案理由につきましては、さきに御説明があった通りでございますが、本法律案の概要及びその趣旨につきまして、私より補足的に御説明申し上げます。
申すまでもなく、漁業協同組合は、水産業協同組合法第一条に明記されております通り、漁民の経済的、社会的地位の向上と水産業における生産力の増進をはかるための協同組織として、今日その重要性はますます重かつ大となっているのでございます。しかしながら、その使命の重要性にもかかわらず、漁業協同組合の中には、多額の欠損金のため活動不振に陥っている組合がなお少なからず存在しているため、早急にその整備をはかる必要があることは、提案理由で御説明があった通りでございます。このような事情にかんがみまして、政府は、これら不振協同組合の整備の方策につき種々検討を重ねました結果、今般、組合の整備を促進するための所要の措置を講ずる一方、これと並行いたしまして、所要の立法措置を講ずることといたしまして、今回この法律案を提出いたしました次第でございます。
次に、法律案の内容について概略御説明申し上げます。この法律案は、大きく分けて二つの部分からなっております。第一は、漁業協同組合の整備方式、すなわち整備の目標、整備の手続及びこれに対する各種の援助もしくは特例の措置などにつきまして規定した部分でございまして、第二は、組合の整備につき、指導及び助成を行なうことを目的とする法人といたしまして、漁業協同組合整備基金について定めた部分でございます。
第一の部分から御説明申し上げますと、この法律案は、まず整備の手続につきまして法定してあります。すなわち事業の継続に著しい支障を来たすことなしにはその債務を弁済することができない、いわゆる赤字組合が、この法律案の規定によって整備を行なおうとする場合には、政令で定める日までに、都道府県知事が指定する日現在により貸借対照表を作成いたしまして、これに基づいて整備計画を作成し、都道府県知事の認定を受けなければならないことといたしました。この趣旨は、整備を行なおうとする組合は、一定の時点におきまして、その資産の公正な評価を行ない、これに基づいて組合の整備をはかるための計画を立てて、この整備計画の適否につきまして、都道府県知事の認定を受けしめることとして、組合整備の適正をはかったわけでございます。ここで都道府県知事が指定する日を、政令で定める日までといたしましたことは、このような行政庁の各種の援助措置を伴う組合の整備は、本来一定の期限内においてその実効を期すべきであろうと考えたからでございます。
次に、整備の目標について法定いたしました。これは申すまでもなく、組合の有します欠損金の全部の補てんと、固定した債務の全部の整理を、五年間において行なうことでございます。しかしながら、欠損金または固定した債務の額が過大であるため、五年間にその全部の補てんまたは整理ができないような組合に対する措置といたしましては、一定額を限り、この整備の目標から緩和する措置もあわせ講じてあります。組合の立てます整備計画には、このような整備の目標が達成し得るよう組合員及び関係連合会との利用及び協力を強化するための措置、執行体制の改善に関する事項、固定化債権の資金化、出資金の増加など整備を進めるにあたっての具体的方策について記載することとし、組合が整備計画を立てるに際しては、信用漁業組合連合会または農林中央金庫と協議するとともに、組合員の特別議決を必要といたしております。
次に、以上のような組合の行なう整備をより効果的に促進するため、都道府県知事が必要な助言及びあっせんを行ない得るようにいたしましたほか、法人税法の特例についても定めてあります。すなわち現行の法人税法では、青色申告法人の場合にのみ、過去五カ年間に生じた欠損金につき、その繰り越しの措置を認め、当該年度の所得の計算上損金に算入することが認められておりますが、整備を行なう漁業協同組合に対しましては、それが昭和三十五年度または同三十六年度以降に引き続き青色申告書を提出することを条件といたしまして、当該組合の昭和二十九年四月一日から昭和三十五年三月三十一日までの間に開始する各事業年度において生じた欠損金については、昭和三十七年三月三十一日までにその明細書を提出した場合には、当該欠損金につき当該組合の整備期間中繰り越しの措置を認めることといたしまして、整備期間中の各年度の所得の計算上、これを損金に算入することを認め得る特例を設けました。このような税法上の特例を設けることにより、現在存在している組合の欠損金の補てんは一段と促進されることが期待される次第であります。ただ、このような税法上の特例を受け得るものは、昭和四十二年三月三十一日までにその整備計画につき適当である旨の認定を受けた整備組合に限られるのでございますが、このような限定を設けました趣旨は、それが税法の特例であります以上、適用期間につき明確な限定を設けることが適当と考えたからであります。
組合の整備を促進するための以上のような諸措置のほか、この法律案は、側面的に組合の整備を援助するものとして、信用漁業協同組合連合会の行なう貸付事業の特例についても法定いたしております。現行法では、連合会の行なう貸付事業は、会員たる漁業協同組合の組合員に対して直接行なうことはできず、必ず漁業協同組合の転貸し方式をとることとなっておりますが、この漁業協同組合が整備組合になりますと、その整備計画を達成するためその事業が種々の制約を受けることとなり、その結果、多額の転貸しは制限を受けざるを得なくなります。このようになりますと整備を行なう組合の組合員のうち比較的多額の資金需要を有するものは、組合を通じて金融が受けられなくなり、ひいては組合に対する協力も薄くなり、整備計画の遂行にさえも支障を生ずるおそれがあるため、このような場合には信用漁業協同組合連合会から整備組合の組合員に直接貸付が行ない得ることとして、整備計画の遂行を側面的に援助する措置を講ずる必要があるのであります。
さらにこの法律案は漁業協同組合の整備の一環といたしまして、弱小組合の合併の奨励措置につき法定いたしております。現在沿海の地区出資漁業協同組合は約三千組合ありますが、その半数が組合職員の数も少なく、経済事業も必ずしも活発に行なわれておりません。従いまして、漁業協同組合の整備を効果的に推進するためには、このような弱小組合を合併させることにより経済事業体としての規模の拡大をはかることが必要であります。このような趣旨に基づきましてこの法律案におきましては、都道府県知事は合併することが適当と認められる組合に対し、合併につき協議すべき旨の勧告ができるものといたしまして、また、この合併が成立いたしますと、後ほど申し述べます漁業協同組合整備基金より、合併奨励金を交付することができることといたしております。さらにこのような組合の合併を内部的により容易にするため、組合の合併に際しまして漁業権管理にかかわる定款の設定または変更についての特例を設けることといたしております。
次に、この法律案の第二の部分である漁業協同組合整備基金について御説明申し上げます。不振組合の整備を促進するためには、これまで申し述べましたような諸措置を行ないますほか、信用漁業協同組合連合会及び農林中央金庫の不振組合に対する債権の利息を減免するための措置を講ずる必要であることは申すまでもありません。農業協同組合の整備の場合には、都道府県の行なうこの利子補給に対し、国が補助を行なうという助成方式をとったのでありますが、漁業協同組合の場合には、その整備を促進するための利子補給のやり方を、年々の国の予算措置による方式ではなくて、漁業協同組合の系統諸団体が利子補給を行なうための特別の団体を設けることとし、国はこの特別の団体に必要な資金の一部を助成するという方式をとったのであります。このような方式をとりました趣旨は、協同組合の整備は、本来自主的に行なわるべきものであると考えるからであります。従いまして、漁業協同組合の整備につき重大な関係を有します漁業協同組合連合会、漁業信用基金協会及び農林中央金庫からの出資によって漁業協同組合整備基金という団体を設けまして、この整備基金がこれらの者が出資した資本金及びあとで申し述べます国からの無利息の貸付金を運用して得られる果実をもって、前に申し述べました整備計画に従い整備を行なっている漁業協同組合に対し、利息の減免をした信用漁業協同組合連合会または農林中央金庫に対し、その減免利息の一部を助成する業務を行なうこととし、もって組合の整備を促進しようといたした次第であります。整備基金は、このような利子補給の業務のほか、組合の合併を推進するため、さきに申し述べました都道府県知事の勧告を受けた組合が合併した場合には、これに対し合併奨励金を交付する業務及び漁業協同組合の整備を促進するための指導業務も行なうようになっております。
以上申し述べましたように、漁業協同組合整備基金は、漁業協同組合の整備につき指導及び助成を行なうことを目的として、関係団体により設立される自主的団体でありますが、国は整備基金がその業務を円滑に行ない得るよう、その業務に要する経費の財源の一部をその運用によって得るための資金を無利息で貸し付けることとなっております。すなわち整備基金は、その出資金と、国からのこの無利息の貸付金を運用して得られる果実をもって、前述のような利子補給、合併奨励及び指導の業務を行なうことになるわけでございます。
なお、この法律案は整備基金の設立時の資本金の額は一億円を下るものであってはならないことを法定しております。また昭和三十五年度において、国の貸付金の方は一億円を予定いたしておりますから、整備基金の設立当初の運用財源は合計二億円以上となるわけであります。
次に、整備基金の組織的な面について御説明いたします。整備基金は法人格を有すること、定款をもちまして、目的、名称、事務所の所在地、資本金に関する事項、役員に関する事項などを規定しなければならないこと及び政令で定めるところにより登記しなければならないことなどは、一般の法人の場合と同様であります。整備基金に出資し得る者は、漁業協同組合連合会、業種別協会を除いた漁業信用基金協会及び農林中央金庫でありますが、ここに漁業信用基金協会のうち業種別協会を除いた趣旨は、業種別協会は漁業協同組合の整備についてあまり関津がないと思われるからであります。次に、これらの出資者は、その持ち分の全部の譲渡によってのみ出資者たる地位を失うことができるようにするとともに、整備基金は、出資者に対し、その持ち分を払い戻すことができないものとし、さらに出資者配当の禁止、剰余笠の積立及び繰り越し欠損金の措置をあわせ講ずることにより、整備基金の財政的基礎を安定化し、その業務の遂行に支障が生じないようにいたしました。また、整備基金に出資者総会を置き、これらの出資者は、出資者総会において定款の変更、役員の選任、業務方法書の設定変更につき議決するようになっております。
なお、前に申し述べましたように、整備基金の行ないます業務は、いずれもきわめて公益性の高いものであるため、それが適正に行なわれるように、この法律案は若干の監督関係の規定を設けるほか、所要の罰則規定も設けてあります。また、整備基金に対しましては、登録税法その他税法上の特例を設けてあります。
以上で本法律案の概要と趣旨についての補足説明を終わります。
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次に、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案の提案理由につきましては、さきに御説明があった通りでありますが、本改正案の概要及びその趣旨につきまして私より補足的に御説明申し上げます。
御承知の通り、中小漁業融資保証制度は、中小漁業融資保証法第一条に明記されております通り、漁業協同組合を含む中小漁業者で組織する漁業信用基金協会が中小漁業者の金融機関に対する債務を保証し、さらにその保証につき政府が保険することにより中小漁業者の金融を円滑にし、もって中小漁業の振興に資することを目的とする制度であります。現在漁業信用基金協会は沿岸道府県にそれぞれ一つずつあるほか、カツオ・マグロ漁業と以西底びき網漁業とに業種別の協会が二つ、計三十九の協会が設立されており、中小漁業者のために保証業務を行なっているわけでありますが、その出資金の総額は約四十一億円に達し、債務の保証累計額は、昭和三十四年十二月末で三百六十億円を上廻っております。
しかしながら、債務保証額の累増とともに、漁業信用基金協会が被保証人にかわって弁済した弁済累計額も次第に増加し、昭和三十三年三月末で約十三億九千万円となっております。このうち未回収額は、政府が取得した求償権も含めて約七億五千万円に達しておりますので、これが回収の円滑化をはかることが中小漁業融資保証制度の健全な発展のために、ひいては漁業金融全般のより一そうの円滑化のためにきわめて必要なことは、先日の提案理由説明で御説明があった通りであります。ここにおきまして、政府は種々検討を加えました結果、この法律案を立案して提出いたした次第であります。
次に、改正案の内容について御説明申し上げます。改正点の第一は、政府の保険金支払いに伴う求償権取得の制度を漁業信用基金協会の政府に対する納付金制度に改めた点であります。すなわち現行制度におきまして、政府は協会を相手方として、協会が金融機関との債務保証契約に基づき、被保証人にかわって債務を弁済したときは、その弁済を保険事故とし、保証にかかる借入金の百分の七十か、または百分の五十に相当する金額の保険金を支払う旨の保険契約を結び、現実に協会が被保証人にかわって債務を弁済した結果、保険金を支払った場合には、政府は、協会がその弁済により取得した被保証人に対する求償権について支払った保険金の限度で協会に代位してその求償権の一部を取得するとともに、さらにこの取得した求償権の管理と行使については、権利内容の変更と、これに関する訴訟行為を除いて一切の業務を協会に委託することにいたしております。今回の改正におきましては、政府は、保険金を支払った場合においても、協会が被保証人に対して所有している求償権に代位して、その一部を取得するという制度をやめて、協会は、従来の制度でありますと、政府が代位により取得する部分を含めて、被保証人に対する求償権の全部をみずからの権利として、その管理と回収に努めることとし、これにより回収した金額があるときは、回収した金額のうち、政府の支払った保険金とこれに対する延滞利息の合計額を政府に納付しなければならないとしたことであります。この場合において、政府から保険金を支払いを受けるまでの違約金など協会が回収金の中から優先取得できる部分とか、また政府に納付する金額の計算方法などについては全く従前の通りであります。この結果、求償権の回収に当たる協会としては、求償権の管理と行使の事務が簡易化されまして、債務者の経営状態などをにらみ合わせて求償権を回収するために必要な適宜の措置をとることが可能となり、求償権の回収の円滑化が促進されることになります。
改正点の第二は、協会は被保証人にかわって債務を弁済したときは、そのときから三月を経過しなければ政府に対して保険金の請求ができないのが現行制度でありますが、この三月を一月に短縮したことでございます。その理由といたしましては、弱小協会の保険金の支払いを受けるまでの金利負担の軽減をはかる必要があること、また中小企業金融におきまして、協会と全く同じ保証業務を行なっている信用保証協会とのバランスから考えましても、求償権の回収努力期間としての三月は不適当となって参りましたので、これを一月にした次第でございます。
改正点の第三は、さきに申し上げました第一の改正に伴う経過的措置でございます。すなわち政府は現在すでに代位により取得した約三億八千万円の求償権を所有しておりますが、この権利は、前に述べましたように、その管理と行使の業務を協会に委託しております。このため、すでに発生している政府の所有にかかる求償権の取り扱いを従前の通りにしておきますと、この改正後発生する求償権とすでに発生している求償権とは、協会の保証及び政府の保険という同じ法律関係に基づくものでありながら、その管理と行使の方法につき異なった取り扱いを受けることになります。従って、これを放置いたしますと、政府の求償権を委託されております協会としては、この改正後発生する求償権と従来の求償権とを全く別な手続により回収しなければならず、求償権の回収業務に支障を来たすこととなるとともに、求償を受ける債務者としても、債務の発生時期により不公平な取り扱いを受けることになるため返済意欲を阻害する結果になるかと考えられます。そこで、これを避けるため政府は、現在所有している求償権をそれぞれその回収業務を委託している協会に無償で譲り渡しまして、これを協会自身の求償権とし、この改正後発生する求償権と同様の管理と行使ができるようにすることにしたのであります。この場合において、協会は政府より譲り受けた求償権については、善良なる管理者としての注意義務をもってその管理と行使に当たらなければならず、またこの求償権に基づき回収した金額は、すべて政府に納付しなければならないことになっているのであります。
なお、以上の三点の改正のほか、第一及び第二の改正に伴い、中小漁業融資保証保険特別会計法の歳入及び歳出の規定につきまして所要の改正を加えることといたしております。
以上、この法律案の概要及びその趣旨につきまして補足的に御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/3
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004・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 両案について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/4
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005・藤野繁雄
○藤野繁雄君 質問の前に、幸いにしてここに漁業協同組合整備促進法に関する参考資料というのが出ておるから、これについて大体説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/5
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006・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) お手元に配付してありまするが、漁業協同組合整備促進法に関する参考資料につきまして、それでは漁政部長よりの詳細な御説明を御聴取願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/6
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007・藤野繁雄
○藤野繁雄君 要点だけでいいですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/7
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008・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) まず、日本漁業の現状でございますが、第一図にありまするように、漁獲量は三十三年度で五百万トンを突破いたして着実に伸びてきておるわけであります。それで、第一表にございまするように、その漁業の経営組織別の経営体数の漁獲高はどうなっておるかと申しますると、経営体数が二十二万八千九百十九ございまして、その中の漁家と申しておりまするのが十九万七千二百一であります。そのほかに企業体と官公庁、学校、試験所というふうにありますが、この企業体の中で、会社が千九十四、個人が二万四千七百六十四、漁業協同組合がやっておりまするのが四百六十、それから生産組合は水産協同組合法の中のいわゆる生産組合でございまして、これが三百、共同経営が五千二十四でございます。それで、この中で漁家は経営体のパーセントとしましては八六%を占めておりまするが、漁獲金額の比率におきましては一八・二%であります。で、企業体が、会社が〇・五%のウエートでありますが、漁獲金額では三四・二%を占めております。それから個人が一〇・八%のウエートで、漁獲金額では三四・一%というふうに、この漁家は大体沿岸漁業の漁家が大半でございますが、それが経営体は非常に多いにかかわらず漁獲金額比率では少ないと、そうして企業体の方が経営体としては少ないが漁獲金額の方では多い、こういうふうなことに相なっておるわけであります。漁獲金額としましては二千八十五億円の金額を上げておる次第であります。
それからその次に、漁協系統の組織図がございますが、そこにございまするように全漁連、これは全国の漁協の連合体でありまして、経済事業を営んでおりまするとともに、指導事業をも営んでおるわけであります。それから府県の信用漁業協同組合連合会、そうして同時に経済を営んでおりまする県漁業協同組合連合会、それから別に全国の内水面漁業協同組合連合会というのがございます。それから業種別の漁業協同組合連合会、そうしてそういうのが一番下に——県の経済漁業協同組合連合会の下に漁業協同組合、それからまた、その漁業協同組合の中に漁業生産組合とか、あるいは別個に漁業生産組合があるわけであります。それから湾のような所におきましては郡の漁業協同組合連合会がございます。それから業種別漁連の下には業種別の漁業協同組合がございます。それから三ページに参りまして、漁協の組織別の推移、第2表を見ていただきますると、漁協の数がどれぐらいあるかということがこれで明らかになっております。出資をしておりまする地区沿海漁協といたしましては、三十四年三月で三千百二十になっておりまして、だんだんこれは合併とか、そういうふうなことで減ってきておりますが、まだ合併をする余地が相当あるということが考えられます。それから出資地区の内水面が六百二十三組合、それから非出資地区の沿海漁業協同組合が二十八、これは主として漁業権のみを持っておるというような組合でございます。それから非出資地区の内水面はこれは非常に多くて、これはほんとうに漁業権のみに依存しているというふうな組合で三百十一組合、それから業種別の組合が二百六十九ありまして、四千三百五十一の組合が現在ございます。それから第3表の組合員数の推移でありますが、これは一組合当たり二十六年には百九十三人でありましたのが、三十四年三月の調査では二百三十二人になっておりまして、やや多くなってきておるという状況であります。農協と比べますると、五百人をこえる組合になると漁協は一〇%にすぎない、農協では三五・六%もありまして、漁協の規模は全般的に小さいということがいえるわけであります。それから四ページの4表には、先ほど申しましたようなことがこの漁協と農協を比較いたしまして掲げてあるわけであります。それから第5表に参りまして、一組合当たりの出資金額はどういうふうになっておるかということでございますが、二十六年の三月末一組合当たり二十八万四千円の出資金額でございまして、これはその後いろいろ再建整備とか、あるいは出資の増強運動によりまして出資の増加をはかって参りまして、三十四年三月には二百二十五万八千円になって、相当ふえてきておるわけであります。しかし、これは農協に比較いたしますると、第6表にございまするように、きわめてまだ貧弱であるということになるわけでございます。それから第7表で農協と漁協を比較いたしますると、漁協の規模が小さいということがここに出ておるわけであります。旧市町村未満が漁協では五八・四%も占めております。農協は二七・五%であります。旧市町村一円が漁協が三五・三%、農協は七〇・五%もあります。旧市町村以上になりますると、漁協の方は六・三%ありますが、農協は一・八%と、これは農協の方が少ないのでありまするけれども、この旧市町村一円あるいは旧市町村未満がきわめて多い状況であります。
それから事業の状況でありますが、第8表に信用事業の状況が掲げてございます。貯金は二十七年三月末一千四組合やっておりまして、貯金額が二十億二千三百万円、一組合当たり二百万円でございます。これは三十四年三月末には一組合当たり七百九万円にふえてきております。それから貸付金も一組合当たり二十七年三月末が二百四十六万三千円が三十四年三月には九百四十六万四千円というふうになってきております。それで貸付金の方が貯金より相当多くてオーバー・ローンの傾向を示しておるということになっておるわけでございます。それから漁協の系統利用度が第9表に示してございますが、二十九年十二月末では系統利用率が六六・五%、それが三十三年十二月には預金の方で系統利用率が七四・四%になっておりましてだいぶ上がっております。それから借入金の方では二十九年十二月末が六〇・七%、三十三年十二月末には六四・九%と上昇を示しております。それから第10表は漁家経済の側から漁協の利用度を見たわけであります。漁業経営体の貯金それから借入金の状況は、無動力階層では漁協を利用しておりまするのが、預貯金では二三・七%、借入金では二九・二%、これをごらん願いましても三トン未満あるいは十トン未満というふうなところが漁協の利用率が多いということになっております。それから最近浅海養殖あたりでノリのようなものは割合多く漁協を利用しておるわけであります。それから第11表をごらん願いまして販売事業の状況でございますが、実施組合数二十六年、千九百四十六組合が三十三年に二千五十六組合になっておりまして、販売金額は二十六年が四百六十七億にすぎなかったのでありますが、三十三年度は千十六債というふうに非常に多くなってきておりまして、販売事業におきましては相当漁協が取り扱ってきておる、半分ぐらいに及ぶというような状況になってきておるわけであります。一組合当たり四千九百五十万円ほどの販売金額になっております。その品目別の取り扱い高といたしましては、鮮魚が圧倒的に多いわけでありまして、しかしながら、加工もそれに次いで割合多い数字になっております。最近はモ類が、特にノリでございますが、モ類が非常に多くなって参りまして、浅海増殖がふえてきておるという状況を示しておるわけであります。それから購買事業に参りまして八ページの第16表を見ていただきますと、購買事業の実施組合が二十六年度が千八百四十四組合で、三十三年度は千八百六十三組合、取り扱い総額が二十六年度四十五億千二百万円、それが三十三年度では百五億七千八百万円になって参っておりまして、一組合当たり二十六年、二百四十四万七千円が倍加いたしまして三十三年では五百六十七万八千円と次第に購買事業も系統利用が多くなっておりまして、特に三十年度から始まった全漁連の外貨割当による燃油購買事業がふえてきておりまして、三十年度あたりから相当飛躍的に多くなってきておるという状況でございます。それが16表に取扱品別供給額というのがございますが、そこにあるように、燃油のウエートが二十八年と比べますると、三十二年は多くなってきておりますが、漁網綱あるいは漁具のウエートが滅っておるというふうな状況になっております。それからその系統利用率は、二十八年燃油が一八・一%でありましたのが、三十二年には六一%となってきております。そして漁網綱その他が二四%が二六・三%というふうに、燃油の利用率がふえてそのほかは大体停滞しておるというふうな状況でございます。
それから財務状況でございますが、財務規模は、三十四年は三十年に比しまして一・六倍の増大を示しておりまして、資産負債の各項目とも全般的に増加しておりますが、特にその増加事の著しいものは、資産では現金預金、短長期の貸付金、外部出資、有形固定資産、負債資本では貯金、短長期借入金払込済出資金などでございます。漁協が信用事業の伸長、すなわち貯金増強が急速なテンポで進んでおりますとともに、他方借入金、貸付金も増加いたしておるのを示しておるわけでございます。また財務比率を見ますと、固定比率は、三十年が八二%、三十三年が一一〇%、流動比率で一三一%、一〇九%で、固定比率、流動比率とも悪化しておるのでございまして、良好とはいえないというふうな状況になっております。それで、特に農協の財務状況と比較いたしますと、農協の著しい特色は流動資産、流動負債の比重が高いことで、特に預金、現金の額が大きい比重を占め、また借入金は漁協と同額程度でございますが、貸付金が多く、漁協とは逆に資金需要は短期資金が中心となっており、安定した資金基盤の上に立っているのでありますが、漁協の預金、貸付金の不均衡、貸付金の長期性であるとか、あるいはオーバー・ローンになっておるというふうな資金構造と対照的な状況を示しておるわけでございます。それから20表の損益状況の推移というのがございますが、利益が、二十八年度は千四百六十三組合で調べまして、一組合当たり平均二十四万七千円、損失が三十八万円、損失の方が多い状況でございます。三十三年度におきましても四十一万一千円の一組合当たりの利益で、損失が七十七万七千円というふうな状況になっております。
それから漁業協同組合連合会の状況でございますが、漁業協同組合連合会は大臣認可が五十、知事認可が百二十六で、百七十六でございます。信漁連が大臣認可が三十二、知事認可が二で三十四、水産加工業協同組合連合会が、大臣認可が三、知事認可が八で十一ございます。信用水産加工業協同組合連合会、これが一ございます。
それから連合会の販売事業の状況でございますが、第22表に、県漁連の販売事業の取り扱いがそこに出ております。取り扱い総額が、二十八年度は百二十億でございましたのが、三十三年度におきましては二百二十九億になっておりまして、相当ふえてきております。鮮魚介あるいは海草類が、やはりふえてきておるわけでございます。郡漁連におきましても五十一億が七十二億にふえてきております。それから次に購買事業でございますが、十二ページの23表に、県漁連の取り扱い総額が十五億四千六百万円が、三十三年度は五十三億になっておりまして、特に燃油類が六億八千二百万円が三十四億八千九百万円にふえておりまして、漁網綱類その他は大体停滞しているという状況を示しております。
それで総合的な財務状況は第24表を見ていただきますると、この財務規模は五年間に大幅に増大をしております。資産では、固定資産が過剰設備の処分という方針からむしろ減少の傾向にあるのに対しまして、売掛金とか受取手形は増加してきておりますが、これは事業活動の伸展ということから見まして当然のことと存じております。負債では、買掛金とか、あるいは短期借入金の増加が見られるのも同様の理由からでございますが、固定負債あるいは繰り越し欠損金の激増は、連合会の整備促進の実施によって、整促借入金の借り入れが行なわれたこと、多額の含み欠損を計上した結果と見られております。それから第25表の収益状況でございますが、二十九年度は一億四千六百万円の赤ということになっておりますが、三十三年度は三億五千四百万円の黒というふうになってきております。
それから信漁連の状況でございますが、第26表に貸付金残高の推移がございます。短期の貸付金残高は、二十八年度が五十四億五千六百万円、それが三十三年度は百十一億千六百万円、長期は非常にふえて参りまして、四億一千七百万円が二十六億八千五百万円、それで総計で五十八億七千三百万円が百三十八億というふうに、大体二・七倍ぐらいに増加をしてきております。第27表は、短期貸付金の用途別の貸付状況でございます。それから28表、その短期貸付金の貸付先別の状況が示してございます。地区漁協が最も大きなウエートを占めていることは当然でございまして、これが二十九年度から三十三年度に参りましても相当ふえているわけであります。それから長期貸付金の用途別の貸付状況といたしましては、転貸し資金が非常に多くて、これが二十八年が三億六千四百万円が、三十三年度では十一億七千七百万円というふうにふえてきております。
それから十五ページに参りまして、信漁連の財務状況でありますが、この規模におきましては農協にはるかに及びませんが、二十七年以降毎年増大してきております。財務の構成内容におきましては、信漁連と農信連とは、運用の面において大きな差異が認められます。すなわち信漁連では資金需要の旺盛を反映しまして、貸出金の占める割合が六八%というふうな高率を示しておるのに対しまして、農信連のそれは二七・八%にすぎないわけであります。その反面、余裕金の運用につきましては、農信連は預託有価証券投資等が大きな割合を占めますが、信漁連ではその割合が低く、資金調達面における借入金依存度の割合が、農信連の四倍余にも達しておるわけであります。それから第31表に信漁連の事業収益というのがございますが、貸付金利息の比率が大きいのは当然でありますが、七五・八%のウェートを占めております。それから支払いの方では貯金の利息が七三・八%という状況でございます。
それから十六ページには漁業協同組合と連合会の再建整備についての費用でございます。これは二十六年の四月に再建整備が行なわれるようになったわけでありますが、この再建整備によりまして、固定資産とか欠損金を自己資本をもってまかなうという経営原則をこの再建整備においてはとりまして、これは農協と同じことでございますが、自己資本の充実ということを特にはかったわけでございます。そのために奨励金を交付するというようなことにいたしまして、また固定化債権、在庫品の金利の重圧を排除するために利子補給金を交付して再建を促進したのでございます。それでこの再建整備の結果、相当増資もできてくるということになりまして、もう何ら対策を要しないというふうに更生した組合もあるわけでありまするが、やはりいろいろその後漁協の変化とか、あるいは経営の不健全とか、いろいろな原因によりまして再び悪化を来たすと、あるいはまた十分立ち直っていなかったというふうな組合につきまして、そういう不振組合を対象としまして、今回再び整備促進をやらなければいけないというふうな事態に追い詰められたわけでございます。そうして32表にございまするように、この前の再建整備奨励金は、この増資奨励金と利子補給金と両方で三億九千万円の支出をしておる状況でございます。それから単位組合と連合会で指定しましたのは五百五十四ということになっておりまして、奨励金交付が三億九千万円、そういうふうな状況になっております。そうして目標達成、不達成がその次に書いてございます。
それから十七ページに漁業協同組合連合会の整備促進でございまして、これは昭和二十八年に農林漁業組合連合会整備促進法が制定せられまして、経済事業を行なう連合会の整備を促進することになったわけでございます。それで、それによりまして連合会で指定を受けましたものが、三十九年度に北海道がまず指定を受けまして、それから三十二年度までに十四連合会が指定を受けております。そうして現在この整備を促進中でございます。
それから十九ページに不振漁協の現状が示してございます。この第3図を見ていただきますると、出資沿海漁協は三千百二十ございまして、そのうち販売事業を中心として協同組合活動と呼び得る経済事業を実施している漁協、これは大体職員三人以上を持っているところの漁協をいっておるのでありますが、それが千五百、それから漁業権管理組合または経済事業を実施しましても、きわめて小規模な漁協で大体経済事業を実施しておりまするのが千五百というふうに考えていただいたらいいわけであります。その千五百の経済事業を実施しておる漁協で、黒字または欠損金三十万円未満の漁協、すなわち、まあ何ら対策を要せず、普通の経営を営んでいけるところの漁協が八百ございます。それから欠損金三十万円以上の漁協、これが六百九十五あるわけであります。それから合併を必要とする漁協が二百九十二、それで今回の整備促進は、この欠損金三十万円以上の六百九十五の漁協について、それをまたいろいろな角度から分けまして、段階的に整備促進していこうというふうな考え方で、これを対象にして考えておる次第でございます。それから二十ページに欠損金額別の組合数がございますが、先ほどの三十万円以上の漁協六百九十五につきまして、この自己資本と欠損金との比率をこういうふうにaからhまでの段階に分けまして区分をしておるわけでございます。それでこの中で欠損金と自己資本比率が三〇%未満のものは、大体自力で再建可能な組合というふうに考えております。それが二百三十七組合、それから援助を必要とする組合というふうに考えておりまするのは、欠損金が三十万円から二百万円未満で、欠損金と自己資本の比率が三〇ないし一五〇%未満のもの、これが百二十三組合あります。それから欠損金が二百万円から千万円未満のもので、同じく欠損金と自己資本の比率が三〇%から一五〇%未満のものが百八十八組合、欠損金が一千万円以上のもの、これが六十九組合、それから超不振組合、欠損金と自己資本の比率が一五〇%以上もあるようなもの、これが八十六組合ございます。それでこれら全組合の赤字総額が約四十億円でございまして、一組合当たりでは、自力で再建できる組合が百四十八万二千円、A区分の組合が百三万二千円、B区分の組合が三百九十四万九千円、C区分の組合が二千六十八万五千円、超不振組合は千八百四十八万九千円というふうになっております。
第37表に、恐縮ですがちょっとミスがありまして、37表にBからEまでのものをくくっておりまするが、BからDまでのものをくくるということに御訂正をお願いいたします。それからFとGをくくっておりますが、これはEFをくくっていただく、それからGKまでを一括していただく、こういうふうにお願いいたします。
それから二十一ページに参りまして、それでは、こういうふうに不振な漁協が出てきておるわけでありまするが、この不振な漁協につきましてその原因をいろいろ究明したわけでございます。それで、第39表にございますように、漁況の変化とか、あるいは自営不良、漁港負担金の過大、経営が不適当、あるいは債権管理回収の不良というふうにいろいろ原因がございます。これは六百九組合を対象にしてこれを調べたわけでございますが、七百九十五と申しますのは、これは延べで不振の原因が出てきておりますので、数字の点では六百九と合わないわけでありまするが、この七百九十五の、いろいろな原因の中で、特に経営の不適当というのは相当大きい次第でございます。それから債権管理回収の不良、これも経営不適当の一つでございますが、こういうふうに、やはり経営が放漫経営であるとか、役員の職責不履行とか、事業計画の不備とか不良とか、そういうふうな点が非常に大きいウエートを占めておる。それから漁業では、やはりその次に漁況の変化というのが大きいわけでございます。
それからいろいろその不振な組合につきましての内容については、それ以後ずっと資料が出ておる次第でございますが、これは御説明申し上げましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/8
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009・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) いや、いいです。簡単にわかりやすく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/9
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010・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 二十九ページに不振漁協対策というのがございますが、ここにありまするように、従来予算をもちまして、組合について巡回指導とか、あるいは駐在指導を進めてきているわけでございます。それで、今後におきましても、この指導は従来通り続けて参るということで、三十五年度におきましても、予算措置をもちまして巡回指導と駐在指導を続けていくということにいたしております。それで、特に三十五年度におきましては、先ほど提出しておりまする漁業協同組合の整備基金を作りますことを主にしました法案を出しておりまして、この整備基金を作る。それから不振漁協に対する利子の補給、これをこの整備基金の重要な仕事としてやっていく。それに対しまして、国庫も負担をする。それから弱小組合の合併促進のための奨励金の交付とか、漁協の整備に関する指導をやっていくというふうな対策を集中的に行なっていこうということを考えておる次第でございます。
それからあといろいろ書いてございますることは、この法律の内容といたしまして、たとえば基金制度をとる理由とか、その法案の内容になりまするので、省略させていただきます。これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/10
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011・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ここでしばらく休憩し、午後は一時半から再開いたします。
午後零時五分休憩
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午後二時二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/11
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012・櫻井志郎
○理事(櫻井志郎君) 委員会を再開いたします。
午前に引き続き両案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/12
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013・藤野繁雄
○藤野繁雄君 どうも勉強してないから、あるいは私の質問が資料に出ているかどうかわかりませんけれども、そういうふうなお断わりをして質問します。漁業協同組合整備促進法案の一つの柱である漁業協同組合整備基金について質問したいと思うのであります。漁業協同組合の整備をせなくちゃならないことは私が申し上げるまでもないのでありますが、これをするために特に基金という団体を作って、その団体に指導までやらせるという理由がどこにあるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/13
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014・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 漁業協同組合につきまして、午前中御説明いたしましたように、いろいろ不振な組合があるわけで、これに対して何らかの対策を講じなければならないことは御了承願ったと思っておりますが、ただこの場合にどういう方法でこれを整備していくかというところがただいまの御質問の点かと考えます。これに対しまして補足説明で説明いたしましたように、直接国が予算措置と法制によりましてこれを整備していくのも一つの案でございますが、私どもの考えましたのは、本来、漁業協同組合の現在の状況から見まして、この整備はやはり自主的な組織でこれを整備していくのがやはり本来そうあるべきはずであり、また実態にもそのことが一番適しているというふうに考えたわけでございます。単に利子補給という点だけに問題をしぼりますと、いろいろとこのような基金を設けなくてもよかろうかと思うわけですが、それでは十分に目的を達することができないという点からも、自主的な組織によった方がよかろうというふうに考えたわけでございます。これが第一の理由でございます。
第二には、先ほど御説明いたしましたように、この漁業協同組合の不振の原因の中には漁業状況が変わったということもあげられているのでございますが、このような漁業協同組合に特有な原因によりまして、生産基盤の増強対策を講じてもなお不振組合が相当の期間存在するということが予想されまして、また、このことの整備にはかなり長い時間を要する、このように考えるわけでございます。従いまして、年々国の財政援助を講ずることよりは、やはり団体を設けて、長期間これをめんどうを見てゆくという方がかえって効率的ではないかというふうに考えたのでございます。
それから第三の点は、漁協系統には現在指導連——農協でいいます指導連または中央会というような組織がないわけでございまして、まあ実際は県漁連または全漁連というのが指導事業を実施しておるのでございますけれども、やはり経済事業を主体といたしまする県漁連及び全国漁業協同組合連合会ということを考えますと、やはり指導事業には一定の限界がありまするので、そのためにもそれにかわるべき何かの中央的な組織が必要ではないかというふうに考えられたわけでございます。しかし、現在直ちに中央会というようなものを作ろうといたしましても、なかなか財政負担等にも問題がありますので、一応その中央的な団体の母体といってよかろうかと思いますが、母体としてこのような基金制度というのを考えたことも一つの理由になっておるわけでございまして、このたび提案した中にも指導という事業をやるというふうにも考えたわけでございます。
以上の三点がこの基金制度を設けた趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/14
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015・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ただいまお話の通りであるとしたならば、こういうふうな基金制度というようなものを設けずして、漁業協同組合法を改正して、そうしてそれによって指導をやるというようにした方がよくはないかと思うのでありますが、また、こういうふうな基金制度というふうなものを設けて、今お話のようなことをやるとしたならば、いたずらに経費がかさんで、援助あるいは補助するところの金額が減少してきてかえって最初の目的を達するに困難な状態に追い込まれはせないかというような感がなきにしもあらずでありますが、その点いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/15
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016・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) まず、第一点のこの問題は漁業協同組合法についての本質的な改正問題として考えるべきではないかという御趣旨の御指摘がございましたが、この漁業協同組合法の改正につきましては、目下制度調査会で検討しているわけでございますので、この方の御意見も参酌しなければならないことは当然でございますが、ただ漁業協同組合というものと指導事業ということを結びつけるためには、いろいろと問題があろうかと思われますので、むしろ今回のような基金を設けまして、漁業協同組合の直接の事業ではない形にした方がより効果的であろうというふうに考えたわけでございます。しかしながら、御指摘のように、これにあまりにも費用を要するようですと、本来の利子補給その他の事業がかえって阻害される点があろうかと思われるわけでありまして、その点については慎重に検討いたしておりまするので、具体的には漁政部長よりのそこら辺の計数的な問題に触れた御説明を聞いていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/16
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017・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 今回の整備基金が指導事業を行ないまするにつきましては、この整備のための指導事業を行なうのにとどめておりまして、全般的の指導事業を行なうということにはいたしていないわけでございます。それで水産業協同組合法の八十七条に漁業協同組合連合会の事業がございますが、その第一項の十一号に「水産に関する技術の向上及び連合会の事業に関する所属員の知識の向上を図るための教育並びに所属員に対する一般的情報の提供に関する施設」というのがございまして、一般的な漁業協同組合の指導事業は漁業協同組合連合会が行なうということになっておるわけでございます。それで漁業協同組合のいろいろな事業を考えてみますると、農業におきましては農協中央会というようなもっぱら指導事業を主とするところの団体がございまして、販連とか、あるいは全販連、全購連が事業を行なうことになっておるわけでございます。水産業の方におきましては、それが指導事業と経済事業を一緒に行なうということになっておりまして、全漁連の事業を見てみましても、経済事業を主として行なうのでありますが、指導事業も一般的に行なっておるというふうな状況でございます。それでほんとうのことを申し上げますならば、指導事業を切り離しまして経済事業のみをもっぱら主として行なうということが、すなわち経済事業に徹することがこの漁協の経済事業の主体としてやっていく上においては能率が上るし、いいんじゃないかというふうな考え方があるわけでございます。それで、そういうふうな考え方を将来の見通しとしては持っている次第でございまするが、先ほど先生からの御指摘もありまするように、今直ちに指導事業を全部切り離しまして、それでこの整備基金で指導事業をやるということになりますといろいろ経費もかかりまするし、また、それだけの陣容とか、あるいは予算の面におきましても、そういうふうなことができるように整備基金は整っていないわけでございます。それで現在の考え方といたしましては、一般的な指導事業は全漁連が行なうということにいたしまして、ただ整備促進をやっていく上において特に必要な指導事業を整備基金が行なう、こういうふうな考え方になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/17
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018・藤野繁雄
○藤野繁雄君 どうもまだ説明が十分じゃないけれども、次に出資について、出資は漁業協同組合連合会、それから漁業信用基金協会、農林中央金庫、こう三つあげております。それから附則の第七条で「基金の成立の当初における払込済の資本金の額は、一億円を下るものであってはならない。」、こういうふうになっているのでありますが、この三つのものに対する一億円の割当の大体の方針がきまっているかどうか、あるいは資料にあるかわかりませんが、それを承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/18
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019・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 現在この基金の出資につきましては、全漁連あるいは農林中央金庫、そういうふうな系統団体を中心にいたしましていろいろ案が練られているわけでございまして、まだ最終的にどこから幾らということはさまっていない次第でございます。ただ、しかしながら、一応考えられておりまするのは、北海道の漁連とか、あるいは北海道の信漁連、あるいは北海道の基金協会というふうに北海道がきわめてこの整備促進の面におきまして大きな位置を占めておりまするので、こういうところから相当大口の出資が出て参りまして、それに全漁連、それから農林中央金庫、こういうところを入れまして、初年度において一億の出資を見るということになっております。それで一億の出資以上に実は出資が行なわれるということを期待をいたしているような次第でございます。大体、最小限一億の出資というものは、ここに書いてありまする漁業協同組合連合会、すなわち全漁連、県漁連、それから信漁連、それから漁業信用基金協会、これは業種別の漁業信用基金協会はありますが、地区を中心におきまする漁業信用基金協会、それから農林中央金庫、これだけから出資が行なわれるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/19
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020・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今お話の通りであれば、まだ割当が決定していない、こういう話ですが、そうするとこの法律は大体いつごろ公布される見込みであるか、公布されたらば「九十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」、こう書いてあるが、一体見当はどういうふうにしておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/20
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021・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この基金が実際に活動いたしまするのは、出資が行なわれますると、国からの無利子での一億の貸付が行なわれるということになっておりまして、大体発足は九月ころからということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/21
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022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、九月ごろから発足する予定であると、こう仮定しましたならば、第二十一条の出資者に対しては割当をしなくてはいけない、その割当は何を基準として、北海道の例はとられましたが、その他の出資予定者に対しては何を基準として出資の割当をされるのであるか、割当基準を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/22
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023・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この整備促進におきまするその地区のウエート、それからこの基金に出資をいたしまする系統団体の資本金とか、あるいは事業量とか、あるいはその経営内容、そういうものを基準にいたしまして出資をきめることに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/23
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024・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、出資の割当というものは各出資者の資力に応ずるということが一つ。一つは整備をしてもらうところの漁協の整備程度に応じて割り当てる、中金は別ですけれども、そう承知してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/24
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025・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘の通りな考え方で相談してきめて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/25
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026・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、二十一条の第一項の第一号、第二号のことはそれでわかるが、一号、二号と三号の農林中金との割合はどう考えたらいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/26
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027・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 実はこれはまだきまった方針でないのでございますが、農林中央金庫につきましては、この一億の限度以外のものとして出資を期待するというふうな考え方を現在のところ持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/27
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028・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、今までの私の質問に対しての答弁で明らかになったことは、設立の当時には一億円と予定しているけれども、その一億円というものは二十一条第一項第一号、第二号の出資者で一億円、それで農林中金はそのほかだ。ですから設立当時の金額というものは一億数千万円になるのだ、こういうふうに了解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/28
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029・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 一億数千万円、数千万円というところまではいかないと思いますが、まあ一億二、三千万円のところまではいきたいというふうに期待をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/29
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030・藤野繁雄
○藤野繁雄君 しかし、大体からすれば、農林中金とその他のものとの大よそこういうふうな割合でやりたい、やってもらいたいという腹心はあるんじゃないですか。あるいは速記をつけてあなた方の方からお話しになるまでの段階にいっていないからというようなことであればそれでいいけれども、それだけの腹がまえがあって一号、二号で一億円、それから三号で幾ら、こういうふうなことになってくるんじゃないかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/30
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031・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) この考え方につきまして、具体的にその資本金額をどのように見るかという詳細の具体的な結果はまだ得ておりませんが、大体の腹づもりと腹がまえは練っておりまするので、大体予定通りいくものというふうに確信いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/31
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032・藤野繁雄
○藤野繁雄君 僕の言うのは、一号、二号と三号とは一対二なら一対二だ、二対三なら二対三だというような大まかな考え方があるのじゃないかと、その大まかな数字は言わないけれども、大まかな考えでどういうふうになっておるか、一方の方からいえば一億円というのを抑えてあるのだから、それで一億円に対して何パーセントぐらいは農林中金に出してもらいたいと思うのか、そのほかにですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/32
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033・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 漁業協同組合連合会から五ないし六ぐらいのウェートを考えておるわけでございます。それから基金から三ぐらい、それで実は農林中金は、そうしますると一ぐらいになるわけですが、そのほかに農林中金から一億以外の部分として相当程度出してもらいたいと、こういうふうな考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/33
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034・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ただ僕の心配しているのは、漁連の事業の分量その他というようなことになっているが、次に起こる問題はこういうようなことなんです。これは配当はしないということになっているでしょう。配当はしないということになっているが、今度は出資予定の漁連あたりは整備促進をやっている漁連もあるのだ。一方の方においては、補助金をやって整備促進をやらせているし、一方の方においては、無利息の金を出させるというようなことになるが、その無利息のということはわかるが、一方整備促進で補助金までやっているその団体に無利息の金を出させるという考え方は、どういうふうな考え方で出てくるのか、それを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/34
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035・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 一般的に協同組合につきまして先生が御指摘のように、今まで再建整備とか、あるいは整備促進とか、そういうふうないろいろな施策を繰り返してきておりまして、国からも補助を出しておるということになっておる次第でございます。そういうふうないろいろな協同組合を強化するための施策を考えてみまする場合に、やはり協同組合はみずからの力をもって自分で立ち上がろうという気持を持たない限りは、ただ上から補助で立ち上がらしていくのだというふうなことは、なかなかこの整備はむずかしいわけでございまして、今回の基金はやはり自主的に協同組合が立ち上がろうという気持を持ってもらいたいということが一つの根拠になりまして、基金という制度をとることにしておるわけでございます。もちろんそういうふうな補助によって、今までいろいろ強化をはかってきておるような団体から出資をさせる、無利子の出資をしなければならぬということにつきましては、いろいろ困難もあるということは承知でございまするが、やはりそういうふうな中から、自分たちの金で基金を作って、そして国も別途に支出していくというふうなことによりまして、両者が相待ってやっていくということになりませんと、なかなかよくならないというようなことを考えまして、困難ながらも組合からも出資をしてもらうということにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/35
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036・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そのあなた方の考え方は了承する点があるのですよ。しかしながら、具体的に数字を上げる段になれば、一方の方においては、補助金を出さなくては、もらわなくては、経営が困難だ、整備促進ができないのだ、再建整備ができないのだ、そういうふうな団体に対して、無利息の出資をさせるということが適当であるかどうか、もし無利息の出資をさせるということであれば、それだけ、金額がどういうふうになるかわかりませんが、整備促進がおくれるというようなことになったならば、連合会及び単協の整備促進計画に変更を来たすようなことがありはしないかという心配をするのです。であるから、こういうふうな無知息の基金を出させても、従来の整備計画というものは、修正せずしてそのまま遂行させることができるという自信があられるならばそれでよし、自信があるかないかということを承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/36
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037・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この漁業協同組合連合会からの出資が特に問題になる次第でございますが、これにつきましては、最初力のあるところの漁連から多く出資をするということを考々ておりまして、従って、全漁連が比較的多く持ちまして、県漁連が力がつくにつれて県漁連の方も持っていく、こういうふうに考えておりまして、全漁連は、現在のところ資本金が一億二千万円くらいになっておりまして、三十三年度は九千万円の利益を上げておるというふうな状況でありまするから、今回の出資につきましては、私たちとしましては、自信を持ってこの程度は出せるであろうということを考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/37
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038・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それでだんだんわかってきた。そうするというと、一億円の五割ないし六割を占める漁業協同組合連合会の出資というものは、大部分というものは全漁連が持って、そして整備促進のような漁連に対しては、ただ名目的のわずかの出資をやらせて、再建整備計画に支障がないようにするのだ、こういうふうなことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/38
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039・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 御説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/39
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040・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、これは運営には、理事長一人、理事五人以内、監事二人以内、こういうふうなことになっているが、選挙の方法や何かもここに書いてあるけれど、一体これは会員である者から選挙される、また選挙してみなくちゃわからぬのだけれども、予想としてはどういうふうな方面から役員を出される予定です。役員は総会において選任するというようなことが書いてあるけれども、これは表向きのものであって、構成の理事、監事、あるいは理事以外の者からでも出させるというようなお考えであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/40
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041・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘の役員を全部会員にすることはちょっとむずかしかろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/41
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042・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、今農林中金の役員問題についてもいろいろ問題があるようだが、役員の選挙について、所属組合の役員でなくとも選挙していいというようなどこにか規定があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/42
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043・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 第三十一条に「役員の選任」という規定が設けてありまして、「役員は、定款で定めるところにより、出資者総会で選任する。」ということになっておりまして、出資者総会が選任しまして、それを農林大臣の認可を受けて効力を生ずるということになっておりまして、特にこの出資者の理事とか、あるいは監事とか、そういう役員でなければならぬということは規定いたしていない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/43
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044・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、三十一条によって、出資者の総会で選挙されたならばだれでもよろしい、しかし、その選任された役員は農林大臣の認可を受けなくちやならない。逆にいえば、出資者の総会で選任せられた役員を農林大臣が認可せないことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/44
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045・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) そのような事態は、まあ原則としてはないと思っておりますが、しかし、そういうこともあり得るというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/45
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046・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ただ、基金のところをずっとこう読んでみるというと、何だか屋上屋を重ねて、そうしていろいろと総会その他に経費を多く出すようなことになって経営がおもしろくいかない、そのためには援助すべきところの金が少なくなって、最初設立の目的に沿わないような状態に陥りはしないかという心配があるのです。そういうふうなことはないというようなお話であるのでありますが、そういうふうな心配があるということを申し上げておきたいと思うのであります。
それから附則の第七条で、先に申し上げたように、設立当時は一億円であるが、出資者が一億円出すということであったらば、政府が一億円出す、昭和三十五年度には無利息で一億円出す、そうして二億円になる。将来これはどのくらいまで増資される見込みであるか、それは出資者の方が幾ら、政府が幾ら、こういうふうな内訳をお示しを願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/46
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047・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) このたびのこの基金につきましては、一応予算で、政府が出す金が一億円ということに相なったわけでございますが、今後これをどのようにするかということにつきましては、まだ確定的なことは申し上げることはできないわけですが、ただ私どもの希望といたしまして、将来このようにしたいというような希望は若干あるわけでございまして、その各年度にまたがる事業量と見合う計画を考えなければいけないというふうに思っておりますが、その点につきまして、漁政部長よりの説明を御聴取願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/47
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048・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 当初、この整備基金の基金額につきましては、五億円程度を考えたいというふうに計画をいたしておったのでございます。その五億円の場合は、国が二億五千万円出しまして、系統団体の方が二億五千万円出すということを考えておりまして利子補給は、五分の利子補給をすると、そういう構想でおったわけでありまするが、その後いろいろな状況を勘案いたしまして、三十五年度——初年度といたしましては、団体から一億、それから国が一億で、二億で発足するということになった次第でございます。その第一の考え方の変わりましたのは、幾ら利子を補給するかという問題でございますが、最初、五分の補給をするという考え方はその後、農協がやはり整備促進をやっておりまして、やはり整備促進におきまするそういう団体間の比較とか、いろいろそういうことも考えなければならないということに相なりまして、この基金としては三分二厘の利子補給をするということを現在考えておるわけでございます。従って、当初の構想から利子補給の率が異なってくるということになっておるわけであります。そういうことから、最初五億という計画も、利子補給の率が異なりますると変わってくるということになるわけでございます。それからもう一点は、先ほども御説明申し上げましたように、七百に近いところの不振な協同組合があるわけでございますが、これをどういうふうに取り上げて整備促進をやっていくかということであります。一度に取り上げましても、漁業協同組合の現在の実情から申しまして、なかなか整備促進がそんなに簡単に進むとは思われないわけでございまして、相当な時日をかけて整備をはかっていくという必要があるわけであります。そういうふうな整備計画の、毎年どの程度進ましていくかというふうなことが第二に問題になってくるわけであります。それから第三には、先ほどから先生が御心配なさっておりまするように、系統団体からの出資がそんなに多く期待できるだろうかという問題であります。それで、そういうこともいろいろ考え合わせまして、私たちとしましては、現在ではまあ四億ほどの基金がほしいということを考えておるわけでございまして、まず、初年度の計画をやってみまして、どういうふうになっていくか、そういうことを勘案しながら進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/48
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049・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、三十五年度の一億円は、何カ年間無利息です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/49
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050・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) これは一応、十カ年無利息で貸すということに予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/50
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051・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、第一回の一億円は十カ年無利息と。そうすると、どうせまた国から一億円か幾らか出さなくちゃいけない、それも十カ年間無利息、こういうふうなことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/51
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052・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) そういうことが三十六年度においてきまりましたならば、またそういうことに相なると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/52
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053・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、三十五年度の一億円は、そのときから十カ年、その次のは、その次の年から十カ年というと、一年ずれますね。それはずらす考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/53
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054・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この一億を十カ年無利子で貸すということを現在考えておるわけでございますが、十カ年ということは、実は法律上の規定はいたしていないわけでございまして、これはやはり今後どういうふうに漁協の整備が進んでいくかという事態をにらみ合わせまして、まあ、最初の考え方は十三年ということにいたしておりますが、そういう事態を見ながら最終的にはきめていくということになると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/54
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055・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、その最初は二億円、理想は四億円というふうなことであるが、助成をする、援助をする金が一番よけいに出さなければできない年は何年目ぐらいが一番多く出さなければできないのであって、その後はどういうふうな傾向で減じてくるか。すなわち最初は漸次認めていくし、それからだんだんと完了する、五カ年で。それならばどういうふうなカーブで助成金を出される構想であるか。数字でなくてもいいが、そのカーブの模様を御説明をお願いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/55
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056・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) これは、やはり漁協の整備計画のいかんによるわけでありまするが、もし現在の二億円をもちましてやっていくということにいたしましたならば、利子補給の金額としましては、三十六年あたりが一番大きくなりまして、それ以後におきましてはずっと波のカーフを描いていく。それで初年度は大体半年間でございますから少なくて、初年度に一番多く指定をいたしたいということを考えておりますので、三十六年が一番ピークになりまして、それから若干ながら減って波のカーブを描いていくということに相なります。それから、もし四億円でやっていくということを考えましたならば、一挙に四億に持っていくということはできませんので、三十五年度が二億円で、三十六年度が三億五千万円と、あるいは三年目に四億になるというふうなことになるのじゃないだろうか。そういうふうに考えられるわけでありますが、その場合には相当漁協の整備数を取り上げることができまするので、四十年ごろがピークになりまして、それまで三十五年度から徐々に上がって参りまして、四十年、四十一年ごろがピークになって、それから徐々にまた下がっていくというふうなカーブを描きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/56
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057・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、今の説明によってみれば、この整備計画というものは、ある指定の期を土台にして計算をする、それで、それから五カ年目に完了するということになればどうなるかというと、最初のものはずっと完了してしまう、そうすると、一億円の金を十カ年無利息で出すというようなことになれば、しまいころには金が余って仕方ないようになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/57
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058・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 実はこれだけの漁協の整備をやっていくということになりますると、十年では完了しないということを考えております。それで、十年の予定では金が余って困るというふうなことにはならないわけでございまして、まだ相当かかるであろうというふうな予想をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/58
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059・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それで、今のところはちょっとあれだが、とどのつまりは四億円という金が出てくるのでしょう、希望通りにできたらば。そうすると、四億円という金の利息が出てくる。だから、その利息が一番大きくなる。最初少なくて、だんだん大きくなってくる。今度は整備計画というものは五年ごとに完了していくというようなことになるから、それならばこの法律を変えて、何年までに整備計画を立てなくちゃいけないということでなくて、いつまでも整備計画は立てられるのですか。そういってずっと押していかれるのですか。何年までに整備計画を立てなくちゃいけないということになれば、その後に整備計画を立てる組合がないということになってくるのじゃないですか。そういうことになるのじゃないですか。私の誤解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/59
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060・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) その点は、この計画では四十二年までに指定日を押えまして、それまでに指定をして、整備計画をやるものはそこで計画を作ってもらうということに考えておりまして、それから五年間でやり遂げたいという考え方を持っているわけでございます。それで四十二年に指定しますと四十六年まででございますか、最終がそういうふうなことになるわけであります。それで現在のところ十年間無利子で貸すということにしておるわけでありますので、四十四年まで無利子で貸すということになりまするので、四十二年に指定いたしましたものも、そこで政府が四十四年で貸しておる金を取り上げるということになりますと、四十五年から金利がうんと減るということになりまして、その基金独自の事業として整備計画を完了さしていく、そういうことになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/60
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061・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから、まだ納得のいく答弁じゃないけれども、そのくらいにして、次は合併の奨励をしようとしておる小さい漁協が多い。一体どのくらいのものが標準漁協であるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/61
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062・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 現在計画に上がっておりますのは二百九十二であります。目安といたしましては、これは現在、漁業制度調査会におきましても、いかなるものが適正規模なりやを議論しております。なかなか一つの観念的な適正規模とは何ぞやということをつかむのは、ことに漁業は複雑な階層差がありますためにむずかしいと思いますが、現在の考え方としては、地区の広さにおきましてはおおむね旧町村単位の広さのものを考えていいじゃないか、それから人数等につきましては、大体現在の倍くらいの人数になったらいいじゃないかということを一応の目安に思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/62
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063・藤野繁雄
○藤野繁雄君 現在の倍というのは何人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/63
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064・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 大体五百人です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/64
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065・藤野繁雄
○藤野繁雄君 貿易自由化とか何とかというようなことで、あるいは欧州の共同体というようなものが生まれてきつつあるのであるから、そういった単位漁協というものも、ある程度区域を大きくしなければいけない、組合員も多くしなければいけない、そうしなければ経営の合理化もできない。そういうようなことであれば、原則として旧町村ということでなくて、新町村の区域によるのだ、ただし特別の場合があれば、それは例外として認めるのだ、こういうふうなことでいくのが理想ではなかろうかと、私は想像するのでありますが、現段階では旧町村によるのだ、そして組合員は五百人くらいが適当だと認めるのだ、こういうふうなことでいかれるというのが、はたしてそれがいいかどうかということは、さらに検討を要する問題じゃないかと思うのでありますが、新町村によって計画を立てようというようなことが、水産庁の間に話があったか、なかったか、あったとしたならば、どういうふうなことによって、さっきお話があった協同組合課長の言うような意見に決定したのか、その経過を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/65
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066・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 私どもが漁業協同組合の合併を促進いたしまする場合に、最も障害になる大きな理由の一つは漁業権の問題でございます。現在の漁業協同組合が主として部落単位に構成されているというのでは、経済事業を伸ばしていくというような考え方から見ますと、先ほど漁政部長から説明がありましたように、はなはだ規模として小さなものであって、もう少し大きなものにいたしたいということ、従って一応頭に描くのは、旧市町村くらいの程度を考えたいというようなことを、漁業協同組合課長から御説明しているわけでございますが、考え方としては新町村くらいに地区単協が大きくなることが望ましいのでございます。しかしながら、現実を考えますと、ことに漁業権を持ちながらの漁業協同組合ということを考えますと、なかなかそこのところを一足飛びに踏み切れない点がございます。この漁業権と漁業協同組合との関係をどうするか、この漁業権という問題を背負っている限りにおいては、なかなか漁業協同組合の合併ができないし、合併ができませんと、なかなか経済状態も飛躍的に発展しないのだが、どうするかという問題を漁業制度調査会でただいま御審議をいただいているわけでございまするが、いずれにしても、この漁業権と漁業協同組合という、農協にない点でかなり制約されているということは事実でございます。従いまして一応私どもとしては、とりあえず経済事業体としてはほほ旧町村くらいに持っていくことを、とりあえずの目標にして、しかもその場合の漁業権の行使方法につきましては、特例を設けるということで、まずそこへ持っていこう。その次には、それをやったあとで、さらに漁業権と漁協の問題についての根本的な考え方を漁業制度調査会の方で御審議いただきまして、その面に沿うて漁業法の改正をした上で、もう一段上の目標に到達したいものというふうに考えてはおりますが、まず現在の段階では、ただいま漁政部長と組合課長から説明した程度のことをやるのが最も現実に即しているのではないかというようなことでございました。もちろんこの考え方に到達するまでには、御指摘のようにいろいろな考え方、ことに経済事業に重点を置く考え方、漁業権に重点を置く考え方、特に漁業協同組合の生産事業をどうするかという問題について種々まあ検討をいたしたわけではございますが、ただいまの結論としては、以上のような、説明のような結論になりました点を説明として申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/66
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067・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今、お話の通りに、漁業協同組合と漁業権というものは、これは非常に密接な関係があって、漁業協同組合の経営もこれを土台としていろいろ計画を立てておられるのです。しかし今後、さっきも申し上げましたように、同一の品物はできるだけ同一品種のものを多く作らなくちゃいけない、すなわち、経営の合理化をはかっていかなくちゃできないというようなことになれば、現在の漁業権というものは現在の漁業協同組合が持っていると、こうしてでも何とかこの漁業権の問題については検討を加えて、そうして経営の合理化に一歩前進していくような漁業権の問題を考えなければいけないのではないか。そういうふうな場合においては、どうしたって政治と経済とは同一に歩調を合わしていかなくちゃできないのだから、理想としては、一町村一漁業組合だ、ただし、万やむを得ない場合においては特例を設ける、こういうふうな指導方針で進むのが適当じゃなかろうかという私の意見を述べて、私の質問をきょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/67
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068・北村暢
○北村暢君 簡単に二、三点だけ質問をいたしますが、農林漁業の組合の再建整備法が実施せられて、なおかつ今日整備促進法をもってやらなければならない最大の原因は、そういうふうに促進法でやらなければならなかった、再建整備法で完全に再建できなかった最大の原因は何であるかということですね、これはいろいろ抽象的な説明はお伺いしたのですけれども、どういう欠陥があって再建整備法では再建ができなかったのかということを一つ御説明願いたいのです。それで、そういうことは協同組合自体の問題だけでなしに、やはり沿岸漁業全体の問題として私は解決しないというと、協同組合だけで整備促進をやってもなかなか簡単にいかないのじゃないかという感じがするのですよ。従って、何べんやっても簡単に整備が促進されて健全な漁港に立ち直るというのは非常に困難じゃないかと思うのです。従って、その規模とか何とか、いろいろあるのでしょうけれども、先ほども不振の原因等もいろいろ資料によって説明を聞きましたけれども、協同組合だけの運営、その他の問題だけでなしに、やはり沿岸漁業全体の不振の問題が解決されないというと、協同組合が何ぼ健全になろうとしたってならないのじゃないかというような感じがするのです。従って、根本問題がそこら辺にあるのじゃないかというような感じがしますので、再建整備法で再建できなかった原因がどこら辺にあるのか、もう少しはっきり説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/68
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069・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) かなり広範な、本質的な御質問でございますので、あるいはお答えになるかどうかわかりませんが、一応考えているところを申し述べたいと思います。
まず漁業協同組合の整備促進ということで、現在非常に困っておる沿岸漁業ないしはそれを背景としている漁村が、それで振興できるとは限らないではないかという御指摘でございますが、私も全くそう思います。この漁業協同組合が整備促進すれば即問題なく沿岸漁業が振興できるというふうには考えられないのでございます。しかしながら、逆に沿岸漁業を振興すること、従って漁村のただいまの状況からこれを脱出するためには漁業協同組合の整備促進なくしてはできない、このように考える次第でございます。と申し上げるのは、非常に持って回ったような御説明で恐縮でございまするが、やはり先ほど御説明いたしましたように、沿岸漁業の不振の原因につきましてはいろいろあるわけでございますが、特に魚が来なくなったというような原因、たとえば北海道の南の方につきましてのニシンが来なくなった地帯、それからその他いろいろ各地方にあるわけでございますが、この北海道の南部の地帯につきましては、漁業協同組合の整備促進をはかったからすぐその漁村が立ち直るとは必ずしも考えないわけでございますが、しかしながら、ただいまの道南地方の実例で御説明いたしましても、今ニシンが来なくなったためにほかの漁業に進出したいといたします場合に、やはり何としてもこの問題を事実上、漁民の相談相手にもなり、金融の問題も解決し、いろいろな意味でこれをになうべきものは漁業協同組合以外にはないのでございます。従いまして結論を申し上げますと、やはり漁業協同組合の整備がなければ沿岸の漁業の振興はできないということと、ただこれさえやればほかはいいのだということには決してならないのでありまして、この漁業協同組合の整備とともに他の手段によりまする沿岸漁業の振興をはからなければならないことはもちろんでございます。それがあるいはお答えになったかどうかわかりませんが、このように考えておるわけで、少なくとも沿岸漁業を振興するための具体的な手段としては、漁業協同組合の整備促進をはかることがまず大事だと、このように考えて、御提案した理由の説明になろうかと思っております。なお、そのような事情もございまして、御指摘のように、この再建整備法だけでは十分でなかったわけでございまするが、なおその具体的な御説明につきましては漁政部長より説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/69
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070・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 昭和二十六年度におきまする再建整備法はどういうことをやったかと申しますると、これは欠損金の全部の補てんということではなくて、固定化債権あるいは固定化在庫品を資金化しまして、そのために増資をやっていく。それで自己資本から欠損金を引いたものを固定資産額以上にするということを端的な目標にしておったのであります。それはなぜかと申しますると、この再建整備法の場合は、戦後の協同組合が発足しましてから、その時分には割合高価なものであったいろいろな資材を協同組合が買い込んでしまいまして、ところが、急に技術が進んできまして、そういうものが不要になる、あるいはつまらないものであるということになりまして売れない、従って固定化資産としてかかえ込んでいる。だから、そういうふうなものを何とか流動化しなければ動きがつかぬということになりまして、そういう固定化債権と固定化在庫品の資金化ということを端的な目標にしておったのであります。それで、そういうふうなことにつきましては一応の目的は遂げたわけであります。
で、漁協の方でも五百十九組合がこの再建整備の組合に指定をされまして、連合会は三十五組合が指定をされたわけであります。それで、今回の不振漁協の中で、それではどれくらいこの再建整備措置の対象になった組合があるかと申しますると、大体三分の一くらい再建整備の対象になった組合がございます。しかしながら、これは先ほど申しましたような再建整備法の目標がそういうふうな固定化債権なり在庫品の資金化ということを目標にしておりまして、欠損金の全部の補てんということを目的にしていなかったものでありますから十分な成果を上げなかった次第でありまして、今回はそれ以上に進みまして欠損金の全部の補てん——非常に困難なものにつきましては目標年間では二分の一ということを考えておりますが、それを目標にしてやっていくということにいたしているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/70
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071・北村暢
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、先ほど来、藤野委員も質問しておられるのですが、この基金が政府の出資金で、その運用によって得た利益でもって業務をやっていこう、
〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕
いわゆる再建整備の組合に対していろいろな業務をやっていこう、こういうことのようですが、大体この資金運用についてどの程度の、どういう運用の方法を考えておられるのか。
それから事業の内容ですね、事業の内容の事業資金といいますか、そういうものの総額はどの程度に考えておられるのか。
それから基金を中央と、それから場合によっては地方にもこの基金を置くようでございますが、そのための人件費その他がどの程度にかかるのか。役員についてはここに出ておりますけれども、業務執行のための職員の数だとか何とかというものは出ていないようですが、一体この基金自体の運用についての費用というものはどのくらいかかるのか、これを一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/71
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072・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 今回の整備基金の運用の面でありますが、運用の利率といたしましては六分五厘を一応の標準にしております。従いまして基金額が一億ということになりますると、年間では千三百万円の運用利息になるわけであります。ところが、三十五年度におきましては発足を九月ごろに考えておりまするので、半年間の運用利息の六百五十万円を利子補給の財源とかあるいは整備基金の管理の財源として考えております。従って六百五十万円のうちで、利子補給財源としましては、五百五十万円を利子補給財源に回しまして、あとの百万円を管理費ということに考えておるわけであります。それで、もし二億で三十六年度もやっていくということになりましたならば、運用利息は千三百万円になりまして、利子補給財源が千百万円、それから管理費が二百万円というふうに考えております。それで、これで明らかなように、二億円ではなかなか運用は困難で、すみやかな整備ができないのじゃないかということに相なると存ずるのであります。それで、整備基金のやる仕事といたしましては、利子補給を行ない、管理指導を行なっていくということになるわけでありまするが、そのほかに合併奨励金とかあるいは整備委員会の費用とか、そういうようなものが要るわけでありまするが、これは三十五年度におきましては別途予算で国庫補助で計上をしておるわけであります。それで三十六年度以後におきましても二億でやっていくということになりましたならば、今後においても合併奨励金とかあるいは整備委員会の費用とか、そういう費用は別途国庫補助で考えていきたいというふうに存じております。
それから、この基金がどの程度の人件費でやっていくのかというふうなお話でございますが、これは二億の場合の、初年度百万円程度の管理費のほか計上されないというふうな場合におきましては、常勤理事としまして一名、それから事務職員二名程度、それから指導職員も必要である、そのほかに事務費が若干必要であるということに相なるわけであります。従って、この理事長とかあるいは監事につきましては、これはやはり報酬の要らないところの人で充てていくということにいたしたいと存じております。それにしましても百万円では困難じゃないかということになるわけでございまするが、その点につきましては別途賦課金というような方法もございまするので、そういうことでできるだけ最少の人数で、また最小の事務費をもちましてやっていきたい。それから、これが四億円になりますると、相当ゆとりをもってこの仕事に当たっていけるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/72
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073・北村暢
○北村暢君 この主たる事務所を東京都に置くのですから地方の必要によっては支所を置くということになると思いますが、それで、まあ第一年度はやむを得ないとしましても、これは理事長一人、理事五人、監事二人、これはまあほかの例を見ましても、こういう基金、公庫、こういうようなところの事務人件費、管理費からいって、これはちょっと、今言ったようなことではこれは運営できないじゃないかと思いますがね。それで、別途賦課金をとるというのでしょう。賦課金というのは一体、どの程度とるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/73
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074・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この役員といたしまして、第二十九条に「理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内」というふうに規定してありまするが、これは協同組合の例をとっておる次第でありまするが、「以内」としておりまして、常勤の理事とかあるいは監事につきましては、常勤理事一人というふうに考えておりまして、これはすべて常勤であるというふうには考えていない次第でございます。
それから、支所を置くことも、将来のことを考えまして、あらかじめ支所を置くというふうなこともでき得るようにいたして、想定をして規定をしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/74
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075・森八三一
○森八三一君 今、北村君の尋ねましたその基金運用に関する機構の問題ですが、わずかに、将来はどうなるか知りませんが、今の計画としては、二億円という基金で千三百万円の運用利益が出る。その運用のために二百万円も使う機構を作る必要があるんですか、実際問題として。都道府県が整備計画については十分審査をして、もちろんこれは農林省としてもタッチされると思いますが、そこで確認せられたものに対してどういう金を出していくとか、どういう補助を出すとか、金利の是正をするとか、あとは事務的なことなんですから、六分の一もその資金の中から機構の運営のために使ってしまうということは考えないで、むしろそれだけのものを実効の上がる費用に使うということを考えるべきではないかと思いますがね。そういう機構がなくてはこの制度の運営ができないのですか。お話のように、常務理事を一名置く、それに二名とか三名の事務職員を置いてやったって、僕は、もう実際問題は書類の受け継ぎをするだけで、実態の審査をするとか指導をするなんという能力は持ていないと思うのです。実際は、地方の水産課なり農林省の水産庁が直接指導される、あるいは審査をされるというやつで、あとは事務的な補助金の指令を出すとかいうだけじゃないですか。そうだとすれば、そういうような何か機構を作りませんでも、あるいは元締めである全漁連なら全漁連にそういうことをやらせるということも可能であるし、その中に、全漁連だけで独走してはいかぬというならば、委員会制度でも作って、地方庁で審査をし、農林省で確認をしたものを、月に一回なり二カ月に一回お集まりを願って、そこでさらに広く説明をして御了解を得るという程度で、あとは全漁連なりそういう組織を通して事務を整理させるということでございますれば、そういう費用は要らぬじゃないかと思いますが、そういうことをなぜお考えにならないのか。どうなんですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/75
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076・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 先ほどから御指摘のように、この制度によりましても、あまり人件費で食うことがあっては基金の目的を達することがなかなかむずかしくなるということについては、全くそのように考えるわけでございます。従いまして、その初年度におきましては、全部の出資金を合計いたしましても二億円でございまするので、ただいま御説明いたしましたように、事務費に要する金のウエートが高いわけでございまするが、もし、将来の問題ではございまするが、私どもとしてもそれぞれこの基金の増額を考えておりまするので、その段階におきましては、この事務費のウエートを下げることができるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
しかしながら、かりにそういたしましても、ただいま先生御指摘の通り、そもそも本質的な問題として、このようなところで事務費を捻出していくことは非常にどうも工合が悪いじゃないかという御指摘でございまして、特に地方の水産課ないしは水産庁が事務の一切を持つというような考え方はどうかという御指摘でございますが、まことにごもっともでございまして、単に事務費という点から考えますと、その点はもっともだとも思われるわけですが、やはり、このたび御提案申し上げましたのは、そのような水産庁ないしは地方庁の従来のようなやり方だけではなくて、みずから乏しい中からも資本を結集し、みずから漁業協同組合の整備をはかっていこうという考え方からいたしますと、やはり多少当初の年度におきましては無理でありましても、従来のように役所が全国的に事務を見て、国がそのいろいろな格好での利子補給をしていくという格好にはしたくない。その点は何とか自主的な盛り上がりを見て参りたいということでございます。しかしながら、そうは由しましても、非常に、深く振り返ってみまして、事務費が割高になってはいけませんのでございまして、この点につきましては、御指摘の趣旨に沿うように、なお今後とも私どもの方で十分に検討いたして参りたいと思います。特に実際の問題として、全漁連のタッチの仕方、ないしは県漁連あるいは県信漁連のタッチの仕方というような、そのタッチの仕方いかんによりましては、相当事務費の節約も実際問題としてできるわけでございまするので、その点についても十分考えまして、御趣旨に沿うような方向に持って参りたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/76
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077・森八三一
○森八三一君 まあ今のお話を伺いますと、私の申し上げることに全く同感だという御趣旨の御説明なんですね。だとすれば、この出発のときにそういう機構を作ってしまいますと、あとでこれを廃止をするということは、これは人間がついておりますから、容易ならぬことにこれはなると思うのです。さらにまた、そこに職を奉ずるなり、あるいは名誉職的な存在であるにしても、何々基金の理事様という看板がついてしまうと、えてしてその機構を拡充しようということにこれはなるのです。これはなるのが当然だと思います。そういうような情熱の人でなければいかぬわけですから。そうすると、方向というものは逆になってきてしまう。そこで、今までも再建整備のときには、内容は多少違いまするが、本質的には同じようなことをやったわけですね。そのことについて、別に何も機構はなくてもできてきたわけです。
そこで、お話のように、今回は補助金だけではなくて、民間の資金も集めて自主的にやるということである。だから、役所が全面的に支配をするということは避けたい、その意味はよくわかります。自主的、民主的にやらせる、これはわかりますが、そのためにこそ漁業協同組合の全国組織として全漁連というものがあるのですね。これは私に言わしめまするならば、本来は全漁連がこの旗振りをして、自主的にやるべき私は問題だと思うのです。ところが、全漁連も、今日の経済力なり財政の関係からしては、必ずしもそこまでは手が回りかねるということですから、国がそれに突つかい棒をかってやるということだと私は思うのですよ。全漁連の性格はそこにある。だから、全漁連をしてやらしめるということで十分目的は達するのではないか。実際の審査は、そんな常務理事一名や職員の二名ぐらい置いたって、これはできっこありません。毎日郵便の受付をするぐらいのことで、内容の審査をするなんていう能力なり実力というものは僕はないと思うのです。あくまで実質的には地方庁と水産庁が県漁連あるいは全漁連と協議の上で結論を出される、あるいは指導されるということだと思うのです。だとすれば、残るところは何もないのですから、委員会制度でも作っておやりになればいいのではないか。邪推しますと、ここでまた極言をしますれば、失業救済の場面が出てくるのだという悪い感じを持つのです。これはそうではないと思いますが、これだけのことをやるのに、千三百万円の金をどう配分するかということをやるのに、帯にもならぬ、たすきにもならぬ機構を作ってやるということは、実に経済的に見るとつまらぬことをやるという感じ以外には出てこないのですが、そういうふうにお考えを直されることはどうでしょうか。提案をしたから、無理やりこれを貫こうという態度でなくて、私の申し上げることに同感だということになれば、そういう方向に一つお変えになる。このこと自体は、私はいいのですよ。再建整備をおやりになることについては、ちっとも異議ございません。やってもらわなければならぬが、せっかくの金をそういうところに使うということは非常にむだなことじゃないか。しかも、今までの再建整備の経過を考えれば、実質的にはできるのだと、こう思うのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/77
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078・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 御注意ありました人の問題につきましては、全く先生の御指摘になった通り、従来のようなことがとかく言われるようなことがないよう、今後十分注意して参りたいというふうに考えております。
ただ、全般的な問題でございまするが、やはり全漁連でこのような事業ができるし、またやったらどうであろうかという御指摘だと思いますが、先ほども少し説明いたしましたように、現在県漁連及び全漁連が確かに指導事業を実施しておるわけでございますが、しかし、何と申しましても、県漁連なり全漁連なりは、経済事業体としての性格がございまして、やはり経済事業がおもな柱でございまするから、指導事業というものの推進につきましては、やはり限界があるんではないかというのが私どもの考えでございます。従いまして、確かに事務的な問題としては、全漁連の相当の御協力がなければ円滑にいかないであろうということについては、御指摘の通りでございまするが、しかしながら、経済事業の主体としてあるべき全漁連にすぐそれを、はたして指導事業のにない手ということでしていいかどうかということについて問題があろうと思いまするので、私どもの考えでは、このような基金を設けることによりまして、全漁連の指導事業の全部というわけではございませんが、その一部をやはりこちらの基金の方に移しましてやるのが筋ではあるまいかというふうに考えたわけでございます。なお、御指摘のように、いろいろと理論のほかに経理上の問題がありますので、その点につきましては漁政部長より御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/78
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079・森八三一
○森八三一君 くどく申し上げますが、経理上の問題は僕らにも、内容を区分すれば、明確にする方法は何ぼでもある。
それから、全漁連という元締め機関が経済行為をやっているというお話ですが、そういうことをやっておればこそ、いろいろその再建の計画を立てるのにも益する面もあるのです。それから、お話のように、平常年度になって二百万円程度の事務人件費ということになりますと、せいぜい人間は四人か五人より置けない。置けば俸給だけで、旅費はなくなってしまう、事務費もなくなってしまうということですから、東京に本部を置いて、もちろん独立事務所を作るわけではないでしょうから、家賃も払って、光熱費一切の事務所の費用を出して、その上に人件費ということになると、せいぜい三人かそんなものだと思うのですよ。そうすると、全漁連というような組織を離れ、役所の組織を離れて、一体三人の人が何をやるのか。指導する能力は僕はないと思うのです。個人としてはお持ちになっておっても、指導する力は与えられない。毎日の事務をおやりになる程度です。その程度のことなら、むしろ系統組織にやらしても十分ではないか。しかし、系統組織にまかせ切ってしまうと、そこにいろいろな問題が起きる危険もないわけではございませんので、そこで提案いたしておりまするのは、委員会制度を作って、日に一ぺんなり二回なりお集まりを願って、そこで地方庁、水産庁で審査をされて、でき上がっておる資料について最後の審査を願う機会を作っておけば、間違った方向には行かない。その程度で十分ではないか。おそらく僕は、三、四名の人がおっても、その程度のことしかできぬと思うのですがね。だから、そういう機構に……。機構を変えてなけなしの金を事務費に使わない、ほんとうに役立つ方へ一銭でもよけい持っていってやるということを考えてほしいと思うのですが、そうはいかぬですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/79
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080・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 少し事務的な御説明を申し上げたいと存じますが、今回この基金の構想をとりましたのは、実はこういうふうな方向をとらなくて、国から、直接整備する協同組合に利子を免除するところの農林中金とか、あるいは信漁連とか、そういうところへ補助金を出すということができるわけであります。それで、今回そういう方法をとらなかったのは、先ほど来御説明申し上げておりまするように、国だけでやるというふうなことでは、なかなか協同組合の整備ということが困難で、協同組合も自主的に立ち上がるという気持を持って、そこへ国が援助をいたすということにしなければいかぬ。従って、各系統団体が出資をしますところの一つの基金という団体を作りまして、それを通して国が援助をして整備を進めていきたい、そういうふうな構想をとったわけであります。
私、ちょっと先ほど大ぜい人を雇うような誤解を招くようなことを申し上げたのじわ、ないかと存じますが、実は、考えておりますところは、そういうふうな団体を作りまして、その団体の代表者一人と、そうしてそれを事務的に補佐する者を、それから利子補給をやっていくわけでございまするから、二名程度置くということだけを今のところ考えておるのでございまして、あとはすべて事務所も全漁連にお願いして一緒に置いてもらって、全漁連の人を相当ここで使わしていただいて一緒にやっていくというふうな考え方でありまして、将来支所を設けるというようなことは、実は十年先のことを考えておるわけでありまして、やはり漁業におきましても、全漁連のほかに、農業中央会と同じようなああいう指導団体が、漁業の系統団体から大いに望まれておりまして、そういうふうな方向へ将来は持っていくのがいいのじゃないだろうかというふうなことをもちまして、支所というようなことも規定しておりまするけれども、これは十年先のことを考えておるような状況でありまして、今のところは、ほとんど全漁連に全面的におんぶしてやっていくというようなことを考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/80
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081・森八三一
○森八三一君 私はそれだからこそ申し上げておるので、これが恒久的なものではなくて、あるいは私の認識が間違っておれば御修正をいただきますが、何年間かの期日を指定して、指定されたときまでに再建計画が立って、それから五年間にやってしまおうというのでしょう。ですから、十年先にはこの仕事は大体終わるわけですね。終わるというか、最終の結論にはいきませんけれども、指定して計画も立ってしまって、あとはその計画に従って指導をやっていけばいいというのですから、いわば十年で一応の目鼻はつく。あとは立てた計画をそのままにやってもらえばいいということで、これが二十年、三十年先にこの制度がいくのではないでしょう。十年たてば一応の区切りはついて、その後五年また残りますから、その残った五年間というのは、別段書類を審査したりする必要はないということから、暫定的な時限的な立法だと思っております。だからこそ、そういうような恒常的な機構というものが作られるべきではない。むしろ、全漁連の会長なら会長というものを基金の理事長ですか、兼務さしてしまえば、それでこれも何も要らないし、全漁連職員もそのまま兼務させれば、別に何も要らない。やれるのじゃないか。まあ、その程度の事務よりほかないのじゃないか。実質的な審査は地方庁と水産庁でおやりになるから、あとはほんとうの事務処理だけですから、その人が審査をやるというのならば、これもまた大へんなことなので、そんな二百万や三百万円で何人か置いた人では不十分だと思います。そういう人ではない。だからこそ、なおさらそういうふうにすべきではないかということを申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/81
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082・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この整備計画でございますが、これは四十二年までに指定をいたしまして、それから五年間でこの目標に達したいということを考えておるわけであります。従って、昭和四十七年までこの計画で続けていくということになりまして、大体現在から十二、三年続くということに相なるわけであります。ただ、それですべてこの漁業協同組合の整備ができていくかどうかということにつきましては、実はやはり漁業の特殊性といたしまして、いろいろ漁業の変化とかそういうこともございまするし、また非常に傷の深いところの協同組合もありまして、この四十七年までにすべてできるかどうかということにつきましては、相当疑問を持っておる次第であります。しかしながら、やはりこういう計画でありまするから、そんなに漫然と長くこういうことをやるわけにいかないというので、法人税の免除、そういうふうな関係もありまして、一応四十二年で指定日は打ち切っておりまするが、それ以後におきましても、この整備基金の仕事といたしまして漁業の整備を続けてやっていく。ただ整備だけでなくて、整備強化と申しまするか、そういう漁業をこの整備計画を通してよくしていくという仕事を、それ以後においても続けてやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/82
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083・森八三一
○森八三一君 それは漁業の振、不振というようなことから問題が起きることは、これは一体として存在するだろうと思います。今ここに法律を付して審査を求められておるということは、少なくとも現時点において分析せられた結果、資料にもあるように、何組合が対象でその損失額が四十億で、これをすっきりするためには四十二年までに指定をして、その後の五年でやるということでなければ……。その後に発生する新事態によってその計画というものが動いていくことは、これはあり得ると思います。経済は生きておりますから。けれども、そういうことがないとすれば、四十二年から後五カ年計画にかかりますということでなければ、計画としては私はおかしいと思うのです。その後またどうなるかわかりませんというようなあやふやな整備計画なり法律じゃおかしいので、事態はどうなるか知りませんよ、知りませんが、少なくとも計画を立てておやりになる限りは、十年、十二、三年後にはすっきりしますということでなければ、これは計画としては計画にならぬと思うのです。その後のことはこれは別ですよ。だから、十二、三年で終わるということは時限立法と考えていいのです、僕に言わせれば。
そういうところに常務員を置いたら大へんなことになる。その人が、五カ年、そのあと続いていくことを考える、こうなってしまって、変なことになるのみならず、そういう人はやる仕事が僕はないと思います。実態は地方庁と水産庁でやらなければできはせぬのだから、ほんの郵便屋さんのかわりをする程度の人を置いて費用の六分の一を使ってしまうということは、まことにもったいない話だ。これは今ここで結論を出そうとは思いませんが、本当に真剣に一つ考えてもらいたいと思います。千二百万円の金の中から二百万円を、何ともかともわからないところに使ってしまうという不経済な話はやめたい。それをどうしてもやるとおっしゃると、一体やる仕事はどういうことをやるのだ、こういうことに僕は発展していかなければならぬと思いますが、そんな東京に二人ぐらいや三人ぐらいおって、全国五十都道府県に跨り、そうして六百何組合というものを対象にして指導するということは不可能である。結局、書面審査だけでしょう。その審査も実際問題としては僕はする能力はない、地方庁で認めたものをおおむ返しにただごらんになるだけだという程度以上のことはできぬと思います。だから、これは今ここで結論を出していただきたいとは思いませんが、よく一つ御再考願いたいと思うのです。
それから、それはそれとして打ち切っておきますが、その次に、合併の場合にいろいろ税法上の、法人税法上の特典はこここにありますが、登記の場合の登録税といいますか、そういうようなものについてはお考えになったかならぬのか。これは合併いたしますと、被合併組合の持っている不動産等が当然新設組合なり、あるいは吸収されるべき存続組合の方に移されますね。その場合に所有権の移転が行なわれます。そうすると、ことごとく移転に関する税がかかる。これは実際に売買をしたわけじゃなくて、形式的に売買が行なわれるということになるのですね。そういう場合の登録税の問題をお考えになったのかならぬのか、どうだんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/83
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084・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 実は今回の整備促進法におきまして、農協の整備促進法と税法上の点におきましては同じ考え方でやって参りまして、従いまして、登録税の点につきましては、規定をいたしておりません次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/84
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085・森八三一
○森八三一君 これは政務次官、今私どもは実際、農協等の合併についてもやはり適正規模ということで進めておりますが、一番問題になるのはやはりそこなんですね。農業倉庫とか、政府から助成いただいた作業場とか、いろいろ持っておりますね。そういうものを合併する場合に新設組合に移す場合でも、どこかの組合に吸収合併する場合でも、それは移転の登記が入り用になってくるのですね。その場合その場合に税金がかかるのです。これが小さな組合でありまするというと、そういう施設もたくさんありませんから、まあ大したことはございませんけれども、これは非常に大きな金額になるのです。現在、農協の場合には、例の何組合合併しても、政府の方から十万円でしたか、補助金が出ていますね。十万円ちょうだいしても、税金のごく一部分にしかならぬといったようなことで、これは政府が助成してまで進めていこうということなんですから、少なくともそういうような税は免除をするということが当然だと私は思うのです。これはぜひ新しい一つの問題として、大蔵省では別段昭和三十五年度に、そういうことが行なわれるからとそれを予測して、一兆幾らの税収見積もりにはそんなものはちっとも想定しておらぬのですから、これはただにしようとおっしゃっても、歳入欠陥を生ずることには理論的にならぬので、また金額も国全体から見れば小さなものですから、これはぜひ一つそういう解決をはかっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/85
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086・大野市郎
○政府委員(大野市郎君) 森委員のお説は、一々肯緊をうがっておられまして、われわれも傾聴いたしたのでございますが、ただいまの税の問題につきまして御指摘の問題は重要でございますので、十二分に検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/86
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087・森八三一
○森八三一君 もう検討願えばけっこうですが、これは実際合併ということは非常にむずかしいことでございまして、それを推し進めていくときに、ちょっとでもそういうことが解決されますると、気分的に非常に明るくなってくるということでございますから、これはぜひ御検討の結果は実現いたしまするように、御高配をいただきたいと思います。
それから、第三に、この千三百万円の資金をもって援助をしていくということになりますると、十年間やっても、元計算では一億三千万円ということですね。そして、四十億の赤字をかかえ込んでおるという対象組合なんですね。日本の沿岸漁業の前途というものはそう明るくない。林田さんのおっしゃったように、まだまだ将来漁況が思わしくなくなるという情勢は僕は進んでいくと思うのです。だから、ほっとけば、四十億の赤字というものはもっともっと累積していくということを考えなければならぬ状態にあると、私はそう思っておる。そういうときに、一億三千万円の資金で四十億の赤字を消すということは、実に容易ならぬことと思うのですがね。それが四十億でストップしておるというのならば、まだいいですよ。けれども、まだまだ沿岸漁業の実態というものは、抜本的なことを考えざる限りは、これは進行していくと思うのです。そのときに、計画だけでは、おそらくこれは、龍頭蛇尾といっては失敬ですけれども、十年後に相変わらず不振組合というものは存在しておるという結果になるのではないかという感じを持つのですが、十年間に一億の基金の運用利息によってできるという見通しがございますか。新しい条件を別にしてもいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/87
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088・高橋泰彦
○政府委員(高橋泰彦君) 現在不振漁協は、いろいろな点で、特に赤字組合というものにおきましては、かなりの借金をしょって事業運営がうまくいかないことは事実でございます。従いまして、このたびの措置によりまして、このような重圧を軽減することには役に立つものと私ども確信いたしております。ただし、先生のおっしゃったように、それだけやればただいまの重圧が全部排除できるかという御質問だといたしますると、それはやはり私どもとしては、この措置だけではかなりむずかしかろうと。言ってみると、このような基金による措置が呼び水になりましていろいろな問題が解決されていくというような、側面的な政策ないし運動がなければ、やはり完全な目的を達することができないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
なお、事務的に申しますと、この基金のとりまする措置のほかに、やはり都道府県当局のこれに対する協力も必要ですし、またはいろいろな関係で債権を持つ方々のこの問題に対する協力もやはり必要ではないかと。それらが一緒になりまして初めて目的を達することができるのではないかと、このように考える次第でございます。なお、そこら辺の具体的な問題につきましては、若干考えておることもございまするので、御説明を聞いていただきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/88
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089・森八三一
○森八三一君 最後に、一つ政務次官にお尋ねしますが、結局、僕は、個々の漁民の経済状態というものをよくしてやらなければ、ほんとうにその組織の構成なり発展なりということは存在しないと思うのです。これは別段申し上げるまでもなく、当然なことなんですが、やはり一番漁民の諸君が困っているのは資金の問題だと思うのですが、この参考資料を拝見いたしましても、農協と漁協を比べますると、農協の方には非常に余裕金がたくさんある、漁協の方は大体借金で困っているという数字が出ているのですね。
ところが、地方に参りますると、遠洋漁業は別にいたしまして、沿岸漁業の場合には、大体農兼漁家ということで、僕の県なんかではおおむね両方へ足をおろしておるという実態なんです。そこで、漁業協同組合と農業協同組合を対比いたしますると、これは信用力において必ず漁協の方が一歩おくれておるのです。といたしますると、資金の貯金なんかの集まるということは、農協の方に全部集まってくるのですね。それを、今組織が二つあるからということで、上の方で、やはり組織の発達をはかるために、あっちへ持ってこい、こっちへ持ってこいというので、同じ農兼漁家を対象にして貯金の争奪戦が実際問題としてかなりあるのですね。農協の方では、それが集まって、農林中金の方へ六分ないし六分五厘、特別配当を入れても七分か七分五厘程度で来てしまっておる。それを今度は漁業協同組合が引っぱり出すというときは九分五厘とか一割になってしまう。ここで僕は一つ、農漁村における貯金のルートというものは一本にまとめてしまう。そうして、下の段階、町村段階でそれを融通させるようにすれば、東京まで一ぺん来て、また下へ下げてやらぬでも、その村の中できちんと整理がつくのじゃないか。そうすれば金利の面では一分違っても、これは二億の運用利息くらいのものじゃない。使っておる資金全体から見れば、一分低下すれば何億という利益が出てくると思うのです。そういうことを一つ考えるべきではないか。
ところが、農業協同組合と漁業協同組合ということになってくると、経済局と水産庁と二つの柱がありますから、おのおのセクト的に動いていらっしゃるとは申しませんが、末端ではどうしてもそうなるのです。そうすると、そこの同じ一つの財布を目当てにして、こっちへ持ってこい、あっちへ持ってこいという競争が起きて、実に見にくい。ですから、資材の面とか、そういうものは専門的にやっていいですが、金はしるしがないのですから、農協へ持っていった千円札と漁協へ持っていった千円札と値打ちが違うわけじゃない。同じものですから、これは農漁村というものは一体に考えていく。そして下の段階で組織間の融通をさせるようなことを考えていかなければいけないのじゃないか。
これは山林にも通用すると思うのです。大きな山持ちは別として、木炭を焼いておる連中はやはり農兼林です。あるいは林兼農ですか、そんなわけです。それは森林組合と農業協同組合と、しょっちゅう、おれの方だとか何だとかいってやっているので、資金の面から見ると、非常に非効率的なことが行なわれている。これを抜本的に一つ整理を考えなければいかぬ。そのことが私は漁協の再建整備の上にも非常に大きく裨益すると思う。それは個々の漁民をよくしてやらなければよくなりっこないのですから、個々の漁民が一番困っているのは資金面です。手元にある資金が一ぺん東京まで行って環流するので、そこでコストが高くなっているという事実がある。そのことは再建整備法で解決できませんけれども、別の立法措置によって解決を願うことが必要じゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/89
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090・大野市郎
○政府委員(大野市郎君) 金融制度の全般的な改正につきましては、この制度調査会におきましても、重要な問題として農山漁家の振興策として取り上げておられるのでございますが、その具体的な方法の一つを御示唆いただいたわけでございますので、十二分に、これもまた重要な事項でございますから、私どもお説を尊重いたしまして、そういう方向に研究を進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/90
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091・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 他に御発言もなければ、両案については本日はこの程度にとどめます。本日はこれをもって散会いたします。
午後四時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X01519600315/91
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