1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月十四日(木曜日)
午前十時四十三分開会
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委員の異動
四月十三日委員梶原茂嘉君辞任につ
き、その補欠として高橋衛君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 堀本 宜実君
理事
櫻井 志郎君
仲原 善一君
大河原一次君
東 隆君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
秋山俊一郎君
石谷 憲男君
重政 庸徳君
高橋 衛君
藤野 繁雄君
亀田 得治君
北村 暢君
藤田 進君
千田 正君
北條 雋八君
国務大臣
農林大臣臨時代
理 菅野和太郎君
政府委員
農林政務次官 大野 市郎君
水産庁長官 西村健次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
水産庁漁政部長 林田悠紀夫君
水産庁漁政部協
同組合課長 上滝 ろく君
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本日の会議に付した案件
○漁業協同組合整備促進法案(内閣提
出、衆議院送付)
○中小漁業融資保証法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
四月十三日梶原茂嘉君が辞任、その補欠として高橋衛君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/1
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002・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 漁業協同組合整備促進法案(閣法第六一号)及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第六二号)を議題といたします。
両案は去る四月七日衆議院より送付され、本委員会に付託されました。
なお漁業協同組合整備促進法案につきましては、衆議院において修正されております。まず、同法案の衆議院における修正部分について、便宜、西村水産庁長官から説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/2
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003・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 私から衆議院の修正部分につきまして便宜御説明をさせていただきます。
まず内容を読みます。
第八条に次の一項を加える。
第八条第二項、都道府県知事は、漁業協同組合が整備計画をたて、若しくは変更し、又はこれを実施するため、債権者とその債務の条件の緩和その他の援助を受ける契約をする必要がある場合には、当該漁業協同組合の申出により、そのあっせんをすることができる。
それから第九条を次のように改める。
第九条(都道府県の助成)都道府県は、信用漁業協同組合連合会又は農林中央金庫が第五条第二項(第六条第三項において準用する場合を含む。)の規定により適当である旨の認定を受けた整備計画(これを変更した場合にあっては、その変更につき第七条において準用する第五条第二項の規定により適当である旨の認定を受けたものに限る。)に従い誠実に整備を行なっていると認められる整備組合に対する債権の利息を当該整備計画に従って減免した場合に、当該信用漁業協同組合連合会又は農林中央金庫に対して、その減免した利息の額の一部に相当する金額を補助し、及び第十四条第一項の勧告に係る漁業協同組合が合併した場合に、当該合併によって成立した漁業協同組合又は当該合併後存続する漁業協同組合に対して、合併奨励金を交付することができる。
以上でございます。
まず第八条の第二項、これは原案の第九条をそのまま第二項として移しましたもので、この点は御説明を省略させていただきます。
実質的に新たに入りましたのは、新しい第九条でございます。(都道府県の助成)、これにつきましては、すでに予備審査の段階でも御説明申し上げましたように、この整備促進法案による整備の方式としましては、漁業整備基金が利子補給をするという格好、そのやり方は、漁業協同組合等が整備促進をする場合に、金融機関がその利息の減免をした場合において、都道府県がその一部を助成した場合に、基金がそれに並行して直接金融機関に対して補給金を交付する、こういう仕組みになっております。従いまして、この仕組みは、従来あります農協の整備促進法とは多少そのやり方が違っております。要するに、国が整備促進、利子補給をするかわりに基金がするということのために、農協において見られるような、都道府県が利子補給をした場合に国が補助するというような規定は、この法案については入れるわけに参りませんので、それにつきましては、業務方法書によって、都道府県が利子補給をした場合には、基金が直接金融機関に対して利子補給をするということにいたしておったわけでございますが、そうしますと、都道府県知事がこの整備促進、特に利子補給についての役割というのがこの法案については明確でないという御批判がありました。衆議院におきましては、その点を明確ならしめるという意味におきまして、第九条の、都道府県知事が金融機関に対して利子補給をすることができるという規定を入れたわけでございます。これによりましてこの法案の建前、仕組みはいささかも変わっておりませんが、都道府県の任務を明白ならしめたということでこの修正がなされた、こういうふうに私どもは了解しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/3
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004・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 両案について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/4
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005・藤野繁雄
○藤野繁雄君 まず漁業協同組合整備促進法案についてであります。この整備促進法の整備計画、この整備計画のいいか悪いかということが、整備ができるか、またできた後にそれがいい漁協になるかならないかの境であるのであります。従いまして、整備計画の適否を認定する方法が最も妥当でなくちゃできないと思うのであります。しこうして、第五条によってみまするというと、第五条の第三項で、整備計画の認定の基準は農林省令で定める、こう書いてあるのでありますが、まず第一に、農林省令で定めるところの基準はどういうふうになっているのであるか、これをお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/5
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006・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 第五条第三項に規定されております基準は、農林省令でどういうことを定めるかということにつきましては、大体現在のところ次のようなことを考えております。第一は、整備計画が、当該漁業協同組合の経営の不振をもたらしたおもな原因について十分に検討された結果に基づき立てられたものであるということ、これが必要である。それから第二に、その整備計画がその漁業協同組合の事業分量、その他の経営条件から見て適正であり、かつ当該漁業協同組合がこれを達成する見込みが確実であるということが第二である、大体こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/6
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007・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それで、そういうふうな省令で認定されるとしたならば、今度は第四条の整備計画の内容でありますが、整備計画の内容が第一号、第二号、第三号といろいろ書いてあるのであります。まず、第一号の組合員及び当該漁業協同組合が会員となっている漁業協同組合連合会との間における利用及び協力を強化するための方策、こういうふうなことが書いてあるのでありますが、これは具体的にはどういうふうにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/7
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008・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 漁業協同組合は農協などと違いまして、たとえば農協のような米の集荷というような特殊なものがございません。結局、自由経済体制すべてのものの購買なり販売が置かれておるわけでございます。従いまして、現実の事態としまして、えてしてそういう協同組合においては共販体制が必ずしも確立していない。言いかえれば、組合員が組合に委託をしないというような場合が往々あるわけであります。整備計画を完全にやっていくためには、そういった組合と組合員との間に、あるいはさらに漁協の連合会との間の紐帯が強化される必要があるということがまず第一の要件であろうと思うわけであります。従って、この点につきましては、現実に協同組合の決議なり、あるいは念書を取るというような格好で、組合員がその生産物を共販で組合に委託するというようなことをまず強化して参るということ、こういうことが必要である。もちろんこれと同様のことは購買の方にも言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/8
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009・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そういうふうなことで、念書を取るとか、あるいは総会の決議をするとかというようなことをやっても、なおかつ、その決議及び念書に違反する者があった場合においてはどういうふうな対策をとられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/9
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010・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在の協同組合法の体制下におきましては、それらの違反する者につきましては、組合の決議違反というようなことがあれば、過怠金というようなもので、自主的な組合内部における制裁を受ける、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/10
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011・藤野繁雄
○藤野繁雄君 違反をしたらば過怠金を取る、こういうふうなことでありますが、それは過怠金を取るとか、あるいは定款違反あるいは決議違反というようなことであるから除名するというようなことまで進まれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/11
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012・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在の協同組合法下におきましては、制度的にもちろん除名まであるいは進み得る場合があると思います。ただ、これは特別決議だったと思いますが、しかし、もっと根底の問題としましては、やはりこの協同組合の整備促進ということは、組合がまず盛り上がって組合の自主性というものがまず第一に押し出されなければならない。その具体的内容というものは共販体制なり、共同購買体制の強化ということにあると思います。従って、もしそういう違反が比々として起こるというようなことであれば、やはりそこの組合の自主的な盛り上がりというものは非常に底が弱いということもいえるのではないか。従って、もちろん今制度的にはそういう制裁もありまするけれども、やはりその前提としましては、全体としての組合員の自覚というものによって、共販体制なり、あるいは共同購買体制というものを強化していく、こういう方向が本来の筋であると、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/12
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013・藤野繁雄
○藤野繁雄君 しかし、多数の者の中には、そういうふうな決議をやり、あるいは共販体制を強化しようとしても、その多数の意見に従わない一、二の例外の者がないとも限らないのです。たとえば今度の輸出入取引法のようなものによってくるというと、組合員内の制限のみならず、組合員外にまでも統制を及ぼそうとしておるところのその際に、こういうふうな整備をやるのについては、いろいろとやり方が困難なことがあるから、そういうふうな困難なのを打ち越えて強化していかなければできないということになれば、それにはある強い力をもって進んでいかなくては整備計画が完了せないと思われる。それで、この整備計画というものはだれが何と言ってもこれだけのことはやるのだ、違反する者に対しては、協力しない者に対しては相当の制裁を与えるのだという、こういうふうな強い力をもって臨まなくては整備ができないと、こう思っておるのであります。その強い力はどういうふうな方法で示すか、こういうふうなことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/13
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014・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 強い方法、それは先ほど申し上げましたように、過怠金を課すとか、あるいは場合により除名というようなことで、当然やることになると思います。私の申し上げたのは、全体としては自主的なものであるけれども、しかし、間々藤野委員の御指摘のような、何と申しますか、全体の整備促進を妨害するようなたまたま組合員が一、二おるというような場合には、そういうような自主的な制裁を強くかけていくというようなことが必要であろうと思います。ただし、これをたとえば専用利用を法令上強制をするということは、現在の段階においては協同組合の精神からいきましても、そこまでいくのはちょっといささか行き過ぎではないかということで、現行法の範囲内においてこれは十分目的を達成されるであろうし、それが適当であろう、こういうように考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/14
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015・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次には事業執行体制を改善するための措置、こういうふうなことでありますが、どういうふうに具体的な案を持たれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/15
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016・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 実は漁業協同組合、これは農協でもそういうことがいわれますが、経営陣と申しますか一の経営のやり方が非常に不適正であるというのが、何といっても不振原因の大きな部分を占めておりますが、この二号ではその点に関連しまして、たとえば事業執行役員の改選とか、あるいは職制をはっきりする、組合内部、たとえば参事を置くとか、こういった人的な機構を、管理機構を改善するためのいろいろの、これはもちろん組合によっていろいろ違いますけれども、そういう措置をこれで予想しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/16
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017・藤野繁雄
○藤野繁雄君 現在の漁協の制度からすれば、三カ年ごとに理事の改選をしなくちゃいけない、しかるに、理事改選ごとに非常な競争があって、改選ごとに混乱に陥る組合がなきにしもあらずなんです。そういうふうなことから考えてきてみまするというと、事業執行の体制を改善するために、そういうふうな改選ごとに組合の経営が支障を来たすようなことがあってはならない。一たん方針をきめたならば、その方針に向かって邁進をすることができる体制を整えなくちゃならない。それに対して水産庁はいかなる方法によって、三年ごとに改選になる理事の異動によって組合の経営がごたつかないようにするのについて、対策があれば承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/17
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018・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在協同組合法によって、理事の任期は三年になっておりますが、これは組合の整備促進とは別個の問題で、一般的に協同組合としましては、改選ごとにごたごたするという事例もあるようでございます。また逆に従来の理事が引き続き重任する、再選されるという事態もある、これはやはり個々の組合のそれぞれの事情によっていろいろ違いますが、われわれの方として、ここで先ほど申し上げた意味は、何もその組合の執行体制を、常に首をすげかえるという趣旨ではございませんので、場合によってはやはり理事の改選ということも必要になってくる場合もある。その個々の事情に即しましてこの問題も考えて参りたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/18
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019・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第三号の「固定した債権及び在庫品の資金化並びに不要固定資産の処分」と、これは農協の場合の例をとってみまするというと、こういうふうなことでいろいろやった結果は、その後の経済界の変動によって、さらに同一の固定資産を作らなくちゃできない、固定設備を作らなくちゃできないというようなことがあって、先に整備した方がかえっておもしろくないような結果を来たしておるような例もあるのです。であるから、この固定した債権及び在庫品の資金化ということは、これはもちろんやらなくちゃできないのでありますが、不要固定資産の処分というようなことについては、現在と将来とを考えていって、現在それがおもしろくないから収支計算が立たないから、その不要固定資産は処分しなくちゃできないというような近視眼的のやり方をやるべきものじゃないと思っているのです。それで、この不要固定資産の処分というようなことについては、具体的にいえばどういうふうなことをお考えになっているのであるかお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/19
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020・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) ここに申しておりまする「固定した債権」と申しまするのは、弁済期が到来いたしてから一年以上経過しておるような債権を申しております。それから「固定した債権及び在庫品の資金化並びに不要固定資産の処分」というふうに申しておりまして、そういうふうな固定した債権、これは両面あるわけでありまするが、組合員に対する固定した債権もありまするし、あるいは組合外にたとえば販売いたしました債権というふうなものもあるわけであります。それから在庫品にいたしましても、購買いたしまして、それが在庫になって長く持って、結局売れないようなものを持ち込んでおるとか、そういうふうなものがございまして、そういうものを資金化していく、農林中金とか、あるいは信連あたりから金を一時借りまして、将来にわたって処分をしていくのでございまするが、一時資金化をする。それから、その次の不要固定資産の処分でございまするが、この不要固定資産は、たとえば現在自営の漁業をやっておりまして、そのために固定資産を持っておるのでありまするが、それが自営が失敗いたしまして、不要になって固定資産を長く持っておるとか、あるいは過大な製氷の施設を持っておりまして、それが漁獲がなくなって十分動かない、そうしてそれが結局、長く固定資産として持たざるを得なくなっておるというふうな固定資産があるわけでございます。それで、これはやはり仰せのように、個々の場合に応じて弾力的にその処分を考えていかなければいかぬというふうに考えておる次第でございまして、その漁協の漁獲がどういうふうになるのであろうかとか、あるいはその漁協が漁港を作りまして、そこに船が入ってくるような場合も考えられまするし、いろいろそういうふうな面を十分勘案いたしまして、この固定資産の処分にあたっていくというふうな考え方を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/20
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021・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから整備の目標の第三条です。これによってみるというと、第一号でも第二号でも、万やむを得ない場合は二分の一をこえない範囲であって、都道府県知事が経営上支障がないと認めた場合においてはよろしいと、こういうようなことが書いてある。しかし、行き詰まっておるところの漁協を整備する場合に、こういうふうななまやさしい考えで整備をしようとするのは根本的な間違いだと私は考える。たとえば呼吸器病をやった場合においても、完全に病気がなおって初めて——半分なおった場合において出てくるというようなことがあっては、また再発のおそれがあるんです。であるから政府の方において漁協の整備をやろうと思うのであったらば、初めからそういうふうなものが一つも残らないようにしていかなくてはできないと思うのであります。しかるに、半分の整備をしたらば、あとはいいんだと、こういうふうななまぬるい考えで、はたして完全に整備ができ、整備後にその漁業協同組合が完全に発達していくという見込みがあるかどうか、私は見込みがないと思っておるのでありますが、この点についての御意見を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/21
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022・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 第三条に整備の目標としてきめられておりますように、この漁業協同組合の整備は五年間でやる、これは農協も同じでございます。従いまして、この整備は五年間のうちに——この整備計当を立てて五年で債務をきれいにするということが本則であります。あくまでそれでやっていくわけでございます。しかし、現実の問題としまして、漁業協同組合のうちには、いわゆる超不振組合という組合がございます。これは債務の額が非常に大きい。たとえば北海道にはそういう組合がニシン地帯等に多いようであります。これらの組合が、五年で整備計画を立てると、どうしてもこれに乗ってこない、この整備に全然乗ってこない、救う手が差し伸べられない、五年をもってしては。従いまして、私の方としましても、いろいろこの点につきましては検討しました結果、そういう超不振組合も、五年の計画には乗ってこないからといってきめて捨ててほうっておくわけにはいかないだろうというわけで、このカッコ書きを設けまして、そういう特別の事情のある組合については、まずその半分の債務を完済する、それだけで体質改善を一度しまして、それから後におきまして、御承知のように、この基金というものは一定の終限がございませんので、またあとへ乗ってくるという場合もあり得ます。私の方としまして、原則はあくまで五年でございますけれども、そういったごく特殊な場合につきまして、超不振の組合も、この整備計画に乗り得るようにするために、こいう除外例を設けたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/22
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023・藤野繁雄
○藤野繁雄君 開拓者の資金計画から考えてみますと、一般の開拓者に対するものと、超不振の開拓者に対する資金の融通の方法と、今度の国会でも区別していろいろと法律案が出ているようです。もしもそういうふうで一方の刀があるとしたならば、漁業協同組合の整備ということは、日本の沿岸漁業振興のために最も重要なものである、最も必要なものであるとしたならば、整備においてでも、今の二段がまえということでなくて、普通のやり方で整備ができるものはやるのだ、しかしながら、超不振の組合は、開拓融資の法律を改められると同じようなあんばいの特別の対策を講じなくては、早急に漁業協同組合の振興はできないと思う。また、そういうふうな超不振の漁業組合を早急に整備して活動ができるようにするのが、日本における現在の沿岸漁業に対する政府のとるべき策であると私は信ずるのであります。でありますから、こういうふうな法律によって二段がまえのやり方をやるのじゃなくて、超不振組合に対する対策は、さらにあらためて何とか考えていくというふうな計画はないかどうか、これをお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/23
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024・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 漁業協同組合の不振原因、特に超不振組合の不振原因というものはいろいろございますが、これは他の農協等の不振原因と違いまして、それぞれ相当深刻な原因がございます。中に一つの大きな原因は、漁況の変化というようなものがございます。従いまして、私どもとして、現在ある赤字をむりやりに解消するというだけでなく、そこに金をつぎ込むだけでなく、やはりそれが立ち直る基盤を作っていかなければならない。そのためには、現在もやっていますけれども、沿岸漁業の振興対策、ああいうものもそういうところに相当重点的に考えて参る。言いかえれば、そこのまず生産基盤を打ち立てていく。それからもう一つ、あるいはそういうことでやらない場合には、漁業の転換というようなことも考える必要がある。これらと相待って超不振組合の整備振興をして参らなければならないわけであります。私どもとしましては、このカッコ書きをもって超不振組合の対策とするわけではございませんで、今申し上げましたように、生産基盤の問題、あるいはそれらに関連する問題というものと並行して、むしろその方が先行して対策を立てて参りたい。こう思っております。
なお、この法案に直接は関係ございませんけれども、そういった超不振組合につきましては、私どもとしまして、これは現在超不振組合が八十六程度あるわけで、ございまして、その全部とは参りませんけれども、ごくその一部でも、本年度から現実に水産庁から現地に調査員を出しまして、資料も調査はいたしておりますけれども、また別の観点から、新たにその原因と、どういう対策を講じたらいいかということももう一度やってみたらどうか、こう思っております。そこにおいて、またわれわれとして考えるべき新たなる構想もあるいは生まれてくるかもしれない、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/24
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025・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は第十条です。「当該整備組合の承諾を得て、当該整備組合の組合員に対し、その事業に必要な資金の貸付けを行なうことができる。」、これは変則の規定を書いたのでありますが、いかなる場合にこういうふうなやり方をやられるのか、具体的に内容を説明していただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/25
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026・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 十条は、信連が整備組合の組合員に対しまして貸付を行なうことができる例外規定を設けたわけでございます。これは、なぜこういう規定を設けたかと申しますると、整備組合でありまするから、十分な資金量を持っていない。そうして整備を一方行なわなければいかぬというふうな点から、どうしても組合員に対して必要な資金の貸付ができないわけであります。しかしながら一方、組合員の漁業経営をやっていきまするためには、どうしても資金が必要である、そういうような点からやむを得ず、普通でありましたならば、農中、信連、単協、そうして組合員というふうに、系統の貸付が行なわれるべきものでありまするが、単協から組合員に対する貸付を省略いたしまして、信連から組合員に貸し付けるという例外的な規定を設けまして整備に資するとともに、整備組合の組合員の漁業経営を維持発展させるというふうな見地から、こういう例外規定を記けることにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/26
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027・藤野繁雄
○藤野繁雄君 その場合における組合と組合員との関係というのは、ただ組合が承諾するだけであって、そうしてその後、その資金がいかに運用されているかということについて、組合は何らかそこに、回収とかなんとか、そういうふうなことについても協力体制をとられるのであるか、あるいは、それは承諾を組合は与えるだけであって、その後は信連が直接その貸した者といろいろの交渉をされるのであるか、間にあるところの漁協はどういうふうなあんばいになるか、その関係を説明していただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/27
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028・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 一般的な場合におきましては、やはり信連の組合員に対する貸付の債権ということになります。ただ、その信連が貸す場合におきまして、やはり従来は組合から貸すのが普通でありまするから、組合の承諾を得て貸すということにいたしておりまするが、債権といたしましては直接の債権でございまするから、信連が組合員に対して取り立てるということになるわけであります。しかし、その取り立てにあたりましては、今後この整備組合は、できるだけ組合員とか、あるいは上級組合との協力関係を整備計画の内容として整えていくということにいたしておるわけでありまして、組合員の販売する水揚げ代をこの整備組合がとっていくというふうなことが今回の整備計画の内容になっていくわけでありまするから、そういう代金から徴収いたしまして信連に払っていくとか、そういうふうなことによりまして、整備組合が信連の組合員に対する債権について十分その取り立てに協力していく、金融に協力していく、こういうふうなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/28
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029・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は第四十条。四十条の二号に、「合併奨励金を交付すること」、こう規定してあるのでありますが、しこうして、資料によってみますると、一件十万円で二十五件、その二分の一の補助で百二十五万円、こういうふうな予算が組まれてあるように考えられるのであります。不振漁業協同組合で、今回整備の対象になっておるところの漁業協同組合も相当数あるのでありますが、合併奨励金の対象になるところのものが二十五件くらいではたして適当な件数であるかどうか、私は整備組合の総体からすれば、この二十五件というのはいま少し増加していかなければできないのじゃないか、そうしたならば百二十五万円では足らないのであります。そういうふうな場合の予算的措置はどうされるのであるか。また今日漁協が不振であるということは、組織があまり小さ過ぎるから不振なのであるから、これはできるだけすみやかに拡大しなければいけない。この前の質問に対しても旧町村の区域に一漁業協同組合を作るようにしていきたい、こういうふうなことであるが、そうするというと二十五件ぐらいでは不足をするのではないか、私はこう考えるのであります。その点について御説明をお願いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/29
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030・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) ここに合併組合についての奨励金の交付の規定があるわけでございますが、これは合併によって成立した漁業協同組合と、または合併後存続する漁業協同組合に対して交付するということにいたしておりまして、初年度は仰せのように二十五件を対象にいたしております。従って、二十五件と申しますのは、五十組合ぐらいが対象になるというふうなことになるわけでございます。それで従来いろいろ調査をいたしまして、今のところ合併が可能である組合というのは大体二百五十ないし三百くらいではないだろうかということが各県の方から調査の結果上っておるような次第でございまして、そういうものを対象にして現在のところ考えておる次第でございます。従いまして、初年度はまだ半カ年くらいの事業よりできない次第でございますから、一応五十組合くらいが対象になっていくのじゃなかろうかというふうな考え方から合併奨励金の件数は二十五件というふうに押えておる次第でございます。しかしながら、仰せのように少なくとも旧市町村くらいの単位の協同組合にはぜひ持っていかなければならないということを考えておる次第でございまして、この推移に応じまして、できるだけ合併を奨励いたしまして、その際には、合併奨励金の交付には事欠かないような十分な対策はとっていきたいというふうに存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/30
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031・藤野繁雄
○藤野繁雄君 その合併奨励金を交付する場合において、二つの組合が合併する場合と三つの組合が合併する場合においては、合併の費用がいろいろ違ってくると思っておるのであります。それで一件十万円というのは、二つの組合の場合であるか、三つの組合の場合であるか、四つの組合の場合であるか、あるいはその合併のときに差があった場合においては、これは十万円というのは予算であるから、三つの場合であったら十五万円、四つの場合は二十万円というふうなことに解していいのであるかどうか、これをお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/31
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032・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) ここに申しております合併奨励金といいますのは、合併をするにあたりまして、いろいろ組合が集まって相談をするための会議費であるとか、あるいはそれについての若干の事務費とか、そういうふうなものを考えておる次第でございまして、特に二組合が三組合になりましたために、それだけ多くなっていくというふうには考えられない次第でありますが、その点につきましては、なお弾力性を持ちましてもう少しよく検討をしていきたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/32
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033・藤野繁雄
○藤野繁雄君 三つの組合の場合と四つの組合の場合は、二つの組合だったらば、二つの組合がその点についての総会を開く。三つの場合だったらば、三つの組合が組合ごとに総会を開かなければならない。経費が違います。それだからその経費が違うところのものを平等に考えるということは間違いであって、弾力性を持たせるということであるからそれでいいが……。その次は第四十五条。第四十五条の第一号に「銀行、農林中央金庫又は農林大臣の指定するその他の金融機関への預金」と、こう書いてあるのでありますが、「農林大臣の指定するその他の金融機関」とはどんなものであるか、それをお伺いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/33
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034・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) ここに申しておりまする「その他の金融機関」というのは、いろいろ考えられるわけでありますが、現在のところ、農林大臣の指定するものとして考えておりまするのは、信用漁業協同組合連合会ということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/34
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035・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は、中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案について質問をいたしたいと思うのであります。漁業信用基金協会が債務の保証をやる場合において、保証の条件はどういうふうなものか、お伺いしたいと思うのであります。現在保証残高が漁協が四十四億円、個人が十五億円、法人が八億円、計六十七億円に、いろいろこう漁協、個人、法人と書いてあるのでありますが——なっているのでありますが、この個々についての債務保証の条件は、どういうふうな条件で債務の保証をやっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/35
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036・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 漁業信用基金業務方法書によりまして保証をいたしているわけでございまして、まず、保証についての借入資金の用途でありまするが、これは漁業経営上必要な運転資金と、それから漁業経営上必要な設備資金、これは個人及び法人も含めております。それからその次に漁業協同組合及び漁業協同組合連合会の事業に必要な運転資金、それを保証の対象といたしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/36
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037・藤野繁雄
○藤野繁雄君 いや、いや、保証の対象としているのじゃなくて、保証する場合にどういうふうな条件でやっておるかということ、たとえば漁業協同組合に融資する場合においては、漁業協同組合の理事であるとか、監事であるとかいうようなものに保証させるのであるか、あるいは担保をとられるのであるか、個人及び法人の場合においても、個人の場合であったらばだれか個人保証をとるのであるか、とらないのであるか、そういうふうな点をお伺いしたいと思うのであまりす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/37
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038・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) ただいま部長から保証の借入金の用途につきましてお話がありましたが、むろんこの用途につきましても、審査の場合に、用途に合致しているか合致していないかを審査いたしますので、これも条件の一つではなかろうかと思います。それから次の条件といたしましては、保証の金額の最高限度がございまして、出資者の被保証人が出資しております金額の五倍以内を保証いたします。これもやはり保証の条件でございます。それから運転資金につきましては、その所要資金の百分の八十まで、設備資金につきましては所要資金の百分の六十まではやっております。最近協会の財務状況のいいところは、設備資金につきましても百分の八十までやっておるところがございますが、一応基本方針としては、運転資金は百分の八十、設備資金は百分の六十でやっております。それから、むろん保証をいたします場合には、当然金融機関が通常の貸付方法その他の方法で調達できることであることを十分確認をいたしまして、従いまして、担保をとりますとか、保証人をとりますとか、すべてそのことは全部同じでございます。
それからなお、こまかくなりますが、保証の借り入れ期間につきましても、あるいは分割弁済の関係につきましても、それぞれその借り入れます資金の内容につきまして、一月でありましたり、三月でありましたり、それぞれの条件がついておるわけであります。それから、当然のことでございますが、平均いたしまして、おおむね日歩四厘の保証料を取っております。それから遅延をいたしますと、協会は違約金という格好で日歩四銭の違約金を、延滞利息を取っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/38
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039・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、漁協が債務の保証をしてもらう場合においては、漁協の理事、監事というものは、個人保証をやらなくちゃいけない。個人保証をやって貸し付けておる、債務保証をしていると、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/39
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040・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 御指摘の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/40
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041・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから、資料の第四表の、年度別保証額及び弁済状況、これによって見るというと、道府県ごとに、保証倍率であるとか、事故率であるとかというのが非常に差があるのでありますが、これはどういうふうな工合で、保証倍率であるとか、事故率であるとか、こういうふうに差があるのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/41
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042・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 保証倍率の問題につきましては、これの、いわゆるこの制度のおい立ちに実は問題があるわけでございます。御案内のように、例の漁業権証券の資金化に伴いまして資金の流亡を防ぐ、同時に、それがまた漁民のためになり、あるいはまた系統の力をつけるということでこの保証制度を作り、各県の基金協会を作ったわけでございます。従いまして、出資の裏づけになりましたその漁業権証券の資金化につきまして、結局、協会に多く出資いたしましたものは、漁業権に基づく金が相当多いところがよけい協会に出資をしたという格好になっておるわけであります。ところが、この制度をほんとうに活用いたしますとなりますと、勢いやはり一県当たりの借入金額にいたしますと、大きい借入金額がおおむねこの制度が活用されるわけでありますが、大体漁業権証券のたくさん参りましたところは、まあいわば根つき、いそつきの漁業協同組合の多いところなどに相当多額の金が行っておりますが、そういうところの資金需要と申しますものは、ほとんどこの保証制度によらないでも、いわゆる組合金融の原則によりまして、まあ組合内部でやれる、転貸されて借り入れできる筋合いのものが多いわけであります。従いまして、そういう関係から、極端に言いますと、協会には出資はしたけれども、実際上資金需要の関係から、あまりこの制度を活用しないで済むというような地帯につきましては、一応出資はしておりますが、利用が低下いたしておりますので、保証倍率が伸びないという格好でございます。それから、これは当然のことでございますが、協会ごとにやはりその人的構成なり、あるいは県内の金融機関の考え方、その他の全般の問題いろいろから見まして、やはり協会ことに非常にこの制度を活用することに熱心である県と、比較的制度的にはあまりまあ動かないという県もあろうかと思いますが、根本的には、私が先ほど申し上げました漁業権証券の見返りから出てきたということから来る一つの根本的な問題があるのではなかろうか。
事故率につきましても非常に差がございますが、これにつきましては、やはりこれも協会のふなれと申しますか、あるいは金融機関相互の連係がまずかったというようなことがございまして、ある県のある特殊の漁業につきまして相当大きな事故を出しますと、これは金額比で事故率をはじいておりますので、ばかに大きな、そういう金額の高いところが事故率が高いという格好が出ておるのではなかろうかと思いますが、やはりこれも協会ごとの性格の差と、それから保証の対象となります漁業種類がやはり最近大体こう固まって参りました。私は大体三つあろうかと思うわけでありますが、一つは、従来から比較的金融として伸びがたい、かなり事故の起こりやすいもり、それがまあこれを使っておる、それから従来は相当いい漁業であったのでありますが、最近のいろいろな国際間の問題でありますとか、あるいは漁況の変化等によりまして、最近やや低下の傾向にある、それから現在非常にうまく回転しておる漁業、この三つのものに大体保証の類型が分かれておりますが、その第一の類型のものと第二の類型のものの多い県におきましては、やはり事故が相当出てくるという格好ではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/42
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043・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今の事故率が全くないというようなところがありますね、一、二、三、四県か。こういうふうなのはどうして全くないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/43
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044・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 全然ございませんところは、まあ実は逆に申しますとあまり保証がほとんど伸びていないところとまあうらはらになるのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/44
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045・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから第五表の組合員別保証残高ですね。これを見てみるというと、漁協が最も多く、個人、会社、こういうふうなものが次いであるのでありますが、この個人及び会社に残高がないということは、これは保証していないから残高がないのであるか、個人、会社は回収率が非常にいいからこういうふうな結果になっているのであるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/45
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046・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 個人、会社につきましては、むしろ出資に対します利用状況からいいますと、先ほど御説明しましたことでおわかりになりますように、漁協よりもむしろ出資に対してはよく利用されておるということでございます。御指摘のように、あるいは回転がよくて残高が少ないのかと思いますが、出資比率に対しましてはむしろ良好でございます。なお、ここに漁協とございますのは、いわゆる漁協の組合の事業資金であります分と、漁協が転貸をして組合員に出しました分と、両方を含んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/46
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047・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから、第七表、金融機関別の保証残高、これによって見ると、信漁連、農林中金、地方銀行、その他、こういうふうになって表が出ているのでありますが、金額が出ているのでありますが、地方銀行及びその他から借り入れしておることは、信漁連及び農林中金が融通をしない、保証をしないからであるか。また、その他というものは何であるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/47
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048・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) その他と申しますのは相互銀行でございます。それから地方銀行その他が多いというところでございますが、これにつきましては、信漁連なり中金がめんどうを見ないというような、そういうことじゃなかろうかという御指摘でございますが、現在の系統の金融のあり方といたしまして、そういうことはできるだけ排除するように指導もいたしますし、また現在農林中金あるいは信漁連等も積極的にその分野を広げておりますので、そこが貸さないから地方銀行に行っておるという性格のものではないと思います。この地方銀行が比較的多いのは、もう特徴的に県が出て参るわけでございまして、たとえば、ごらんになっていただくとわかるのでありますが、はっきり出て参りますのは宮城県、千葉県それから三重県、この三つがおもなるもの、それから最後の日本遠洋であろうかと思いますが、この三、四のところにつきましては、これの会員になっておりますものがほとんど個人会員でありまして、おおむね大きな資金需要を持っておりまして、従来からの地方銀行との関係等からいきまして、従来通りのしきたり通り地方銀行から借りておるものが多い、こういう格好でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/48
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049・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、個人加入が多いということであるが、そういうふうなものは漁信連及び農林中金に肩がわりさせるような必要はないのであるかどうか。あるいは地方銀行と農林中金、漁信連の金利の関係でこれが出てきているのであるか。あるいは地方銀行の金利と漁信連及び農林中金との金利との差等について研究されたことがあったならば承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/49
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050・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 現在、中小漁業者の融資保証法によって貸付の対象にいたしておりまするものは、御承知のように、漁業を営む個人のほかに法人をも対象にいたしております。その法人は、常時使用する従業者の数が三百人以下でありまして、かつ、その使用する漁船の合計総トン数が千トン以下であるものを対象にしておるわけであります。従いまして、金融機関が貸す場合に、農林中金とか、あるいは協同組合系統の金融機関が貸し得ないところの法人、漁業者があるわけであります。そういう者に対しましては、金融機関としては地方銀行とか、その他の信用金庫のような金融機関が貸していくということになるわけでございます。それでここに特に地方銀行が多いように出ておりまするが、この中の四億は、日本遠洋底曳網信用基金協会の保証しておるものについての貸付でありまして、そういうふうなものにつきましては、必ずしも系統金融の方では貸し得ないというような点もある次第でございます。それで特に系統の方が貸さないから地方銀行が貸す、あるいは系統の金利が高いから地方銀行が貸すというふうなことはないのじゃないかと存ぜられるわけでございます。
なお、その金利につきましては、それはいろいろあるのではないかと存じますが、地方銀行なんかにおきましては、そのときの預金の両建とか、いろいろそういうふうな点もあろうと存じまするが、農林中金と地方銀行との金利の差がそんなに大きくあるとは考えられないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/50
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051・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は保証倍率ですね。保証倍率を調べてみまするというと、漁協と個人と法人とを比較すれば、漁協の保証倍率が少ない。一体、漁協の保証倍率が少ないところの理由はどこにあるか。これは漁協に対して融資が困難であるというふうなことであるかどうか。漁協の保証倍率の少ないところの理由を一つ説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/51
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052・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 先ほど申しましたように、個人、法人につきましては、この制度を活用したいからおおむね出資をいたしますので、よく活用されるわけですが、漁協につきましては、さっき申しましたように、とにかく漁協にあります金の流亡を防ごう、そうしてためになる制度を作っていこうということでこの制度が発足いたしました。その結果、漁協は相当の出資はしたものの、ところが、資金需要からいきますと、何もこの保証制度を利用しないでも十分資金がまかなわれるという関係がございまして、漁協関係につきましては、保証倍率が伸びないという格好の数字が出ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/52
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053・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから事故率の推移を調べてみるというと、事故はだんだんと少なくなってきておる。事故率が少なくなってくるということは喜ばしいことであるが、事故率が少なくなってきたところの原因はどこにあるか、お伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/53
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054・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 二十九年、三十年ごろが非常に高かったわけでございますが、これはやはり協会あるいはその他金融機関で、この関係の制度の活用について、若干当初はなれなかった保証審査、現在でも各協会ごとに保証察査の委員会を設けて審査を行なっておるわけでありますが、その保証審査の委員会等についてやはり不なれな点があって事故が多かったのではないかということが考えられる。しかし、最も大きな理由としましては、実はこの金額だけでそういう数字をながめてみますと、昭和二十九年、三十年の事故のうち大きなウエートを占めておりますのは、実は北海道の分が非常に大きなウエートを占めておるので、例の北海道のニシンの不漁でありますとか、その他イカの不漁でありますとか、ああいうものが大体二十八年、二十九年ごろに起こりまして、それが時期がずれて二十九年、三十年という格好で起こっておるのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/54
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055・藤野繁雄
○藤野繁雄君 あまり長くなるから、最後に、特別会計の年次別損益計算を見てみますというと、二十九年と三十年は赤になっておるが、あとは全部黒なんです。そうして三十三年度は七千八百八十二万七千円の利益になっておる。特別会計にこれだけの利益があるとしたならば、保証率を減じて、そうして融資がさらに拡大して漁業が振興するように進めていってもいいじゃないかと、こういうふうに考えるのでありますが、現在の保険料を引き下げる意思があるかどうか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/55
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056・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この九ページの資料にございまするように、昭和三十三年度に財務状況の回復によりまして保険料の引き下げを実施したのでございます。それで仰せのように二十九年、三十年赤字が出ておりまして、それ以後回復して参りまして、年々黒字が出ておりまするので、三十三年度にこういうふうな保険料の引き下げを実施したわけでございます。三十四年度の状況はどうかと申しますると、やはり定置漁業のような漁業に相当損失が出ておりまして、このために三十四年度におきましては黒字が出ないじゃなかろうかということが予想されておるようなわけでございます。それでやはり今後の保険料の引き下げにつきましては、なお少し状況を見さしていただきまして検討をいたしたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/56
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057・千田正
○千田正君 私は、この漁業協同組合整備促進法のうち、衆議院でこの間附帯決議を出してきているようでありますが、私もこの点について長官に一応聞きたいと思うのです。それは今度国の貸付金が一億円、それから出資金約一億五千万、合わせて二億五千万円でありますが、その運用利子としては、平年度が一千五百万円程度だとすれば、整備対象になるところの組合が相当多いということと、大体欠損金が総額において三十七億円をオーバーする。そうだとすると、これだけの金では所期の整備の目的が達成されないじゃないか、衆議院の附帯決議の内容を見るというと、これを来年度から、政府の資金に対する貸付額を増加しろというような意味のことを書いておるようでありますが、そういう見通しでおられるかどうかということ、そういうことをやらないというと、また所期の目的が達せられないじゃないかとわれわれも考えるのですが、その点は長官はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/57
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058・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) この協同組合整備基金の資金の問題、これは本年度は政府からの貸付が一億円、それから漁連、系統団体の出資金が一億円、あるいは一億五千万円まで予定されておる、従いまして、二億円ないし二億五千万円というものは原資になるわけでございます。私どもとしまして、これは衆議院の方でも指摘され、政府側もはっきり意見を表明をいたしましたように、私どもとしまして、この程度をもってしてはやはりこの整備強化を十分やっていくには足らない、こういうふうに考えておりますので、来年度以降におきまして、その格好はどうでありましても、この原資の増大、ことに政府の貸付金の増額ということをぜひとも実現して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/58
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059・千田正
○千田正君 衆議院の附帯決議を見ますというと、来年度以降は政府の貸付額をさらに二億円増加して、資金の総額を五億円にしろというような意味の附帯決議のように見受けられるのですが、実際、来年度予算の上において、それだけ水産庁はがんばっていただかなくちゃならないのですが、その覚悟はどうですか。確実にこれだけは確保できるという見通しはつけましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/59
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060・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 来年度予算につきましては、これはまだ将来のことでございますから、なお予算は、国会の議決を要しますものを私どもでかれこれ言うわけに参りません。私どもとしましては、こういう制度を作りました以上、この制度が十分その使命を達成されるような、十分な資金をこれはぜひとも確保しなくてはいけない、中途半端なことはかえって害がある、こういうふうに考えておりますので、この点につきましては、私どもとしまして、これは過日、衆議院の農林水産委員会でも、農林大臣がはっきり言明され、この方向に向かってはっきり努力する、私どももぜひ実現したい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/60
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061・千田正
○千田正君 私はこの整備と同時に、その裏づけとしては、やはり金融問題が、さっき藤野委員からもいろいろお尋ねがありましたが、中小漁業融資保証法の改正案も出ておりますが、もう一つ、私はやはり何といっても漁業の不振というものの裏づけの対策としては、魚価に対する対策の問題、あるいは漁業に対するところの共済制度の確立の問題、そういうものが並行してこれと相伴ってこなければ、こういう問題の本質的な改革ができないんじゃないかと私は思うのですが、そういう面の準備はできておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/61
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062・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 沿岸漁業の振興ということには、いろいろなやるべき対策はあるわけでございます。すでに現在やり、今後もやらんとしておる沿岸漁業の振興対策、これは漁場の改良というような生産基盤の問題、あるいは今度、経営の改善ということをねらいとします改良普及事業、こういう問題、それから資金の融資等の円滑化を行なうとか、いろいろの問題があるわけでございますが、私どもとしましては、これらの点をみんな総合的に、てんでんばらばらじゃなしに、できるだけ総合的に今後実施して参りたい、こういうふうに考えております。そうした場合におきまして、やはりその沿岸漁業振興のにない手は単位の漁業協同組合であります。その協同組合がしっかりしていないと、すべての施策が漁民にまで浸透しないということにわれわれの最大の悩みがあるわけでございまして、今御指摘の融資の問題も、実はやはり受け入れ態勢、これは何かと申しますと、漁協が弱体であるということで、やはり融資の方も円滑にいかないという実情がございます。従いまして、この漁業協同組合の整備強化、これをもってのみ足りるとは私は決して思っておらないわけでございます。まず沿岸漁業振興の基盤を固めるという意味で漁業協同組合の整備強化を一刻も早くやる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/62
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063・千田正
○千田正君 それはまことにけっこうですが、私は非常に漁業の現在の実態から見ましても、この際、整備を促進する建前から考えますというと、非常に業種別の、あるいは漁業の形態そのものによって、いろいろ漁業組合が多過ぎるんじゃないか、これは農業でもある程度言えるのですが、非常にいろいろな組合がある。そうしてそれの負担の結局しわ寄せは、やっぱり単一の組合に来ておる。これの整備も一緒にやらない限りはますます増加していく。私は、漁業協同組合というものは、一つの大きな漁業の組合は、單位組合多数の共同体制の根幹をなすものであるから、やはり全部そこにほとんどまとめていかなければ、政府の施策もかゆいところへ手の届くような施策ができないんじゃないか。ところが、非常にいろいろの種類がある、遠洋漁業にしましても、あるいろ沿海の漁業にしましても。そうしておのおののボスがその上にすわっておって勢力争いを相変わらず繰り返しておる。こういうことを繰り返しておるのであっては、せっかくの整備法案を作っても、実態においては動かないんじゃないか、そういう方も手をつけられるということを考えておられるかどうか、それはどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/63
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064・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 今、千田委員の御指摘の点は、漁業協同組合は、これは農協とまた違った意味で、農協もある場面ではそういうこともぼつぼつ出てきたようであります。漁業協同組合にはそういう事態が非常に出ておると、このことは漁業自体が非常にいろいろな階層差もあり、漁業の種類も多いということの点から、ある点は全部否認するわけには私参らないと思いますけれども、やはり沿岸漁業の振興ということでは、そういう分立が激しい場合においては、やはりそれぞれが弱体になるというようなことも考えられますので、それらの点は今後十分考えて参りたい。ただこの制度上の問題としてこれをどう考えるかという点になりますと、現在漁業制度調査会におきまして、漁業権制度とあわせて協同組合の制度、団体制度、両者を検討しておりますので、そこでもこの今の問題が一つの大きな問題として取り上げられておりますので、そこの結論というようなものも見合いつつ、政府側としましても、今後この問題をどうするかということをよく検討して参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/64
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065・千田正
○千田正君 もう一点。この法案によって、長官も御承知の通り、たとえば漁業問題で、地方においては一応町村の合併等行なわれた後におきまして、漁業権を中心とした入会権その他の問題についてしょっちゅう小さな単一組合が争いを繰り返しておる。それが一本になると、相当成績も上がり、それから漁業組合の運営もスムーズにいく。財政も確立すべきものが、一つの漁業をめぐって、湾の対立であるとか、隣接との間の入会のけんかであるとか、そういうものが何回も繰り返されて、ちっとも育っていかない、こういう実態が方々に見受けられるのです。この整備法案ができ上がることによって、そういう問題に対して、あるところの強制力をもって統合整備して、そうして実際の漁業組合の育成強化ができるかどうか、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/65
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066・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 漁業協同組合が、漁業権をめぐってお互いに隣接組合と相剋摩擦を起こしておるという実態は相当あります。従いまして、そういった組合が合併していけば、その問題も自然解消するという場面も相当予想されるわけであります。しかし、このことは、反面そういった場合につきましても、実は合併を困難ならしめるという事情の方が大きく出ているのじゃないか、そういう点に対処する場合におきまして、合併の場合におきまして、その漁業権の行使に関する特例というものを設けて、一応合併を容易にするという意味で、この法律案の第十五条におきまして、その漁業権に関する特例というものを設けたわけでございます。この制度がないと、どうしても合併というものが促進されない。そうして幸い合併が実現しました暁におきましては、そこの組合の運営、大きな広域の組合の運営がよろしきを得れば、千田委員の御指摘になりましたような点もだんだん解消して参るのではないか。われわれの方もその方向に今後持っていくべきだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/66
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067・東隆
○東隆君 先ほどだれかお話しになった北海道のニシンでもって失敗した協同組合、それの更生の場合ですが、大ていニシンで失敗をした組合は、大口——一種の親方がたくさん借り込んだというのが、これが一番最初は大きな原因になっております。そこで、そういうような組合が、ニシンがとれなくなったのですから、実は手の下しようがないと、こう言った方がいいようなところがだいぶあるわけです。それが整備計画に乗ってやる場合に、私は、単なる漁業生産を中心にしたものでは組合の更生ということはほとんど不可能じゃないか、こういうふうな考え方を持つわけであります。私もずっと昔、漁村産業組合の整備計画をしたこともあるのですが、そういうような経験を持っておりますが、もう少し視野を広くして、たとえば組合員に小動物を飼わせるとか、あるいは植林をさせるとか、そういうようないろいろな方面の仕事を山の方に伸ばしていかなければ、組合そのものの出資の条項もできないし、その他もほとんどできない。これは私は、漁村における唯一の経済機関である漁業協同組合が立つか、ぶつつぶれてしまうか、もうぶつつぶれておるのですけれども、そういうような場合でありますから、当然そういうような点も組み入れられて計画を立てるべきじゃないか、こういうことを考えるわけです。こういう点どういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/67
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068・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 北海道の超不振組合、これは今、東委員の御指摘のように、ことにニシン不振地帯では、単に漁業の面のみからながめて再建計画の立たない場合が、率直に言って多いと思います。従いまして、その場合におきまして、御指摘のような、小動物を飼うとかというようなこと等は、当然現実の問題として、そういう組合に即するように、そういう対策をしていくべきだ、こういうふうに思っております。
それからさらに、先ほど申しました生産基盤の強化あるいは漁業の転換ということを申し上げましたけれども、やはり率直に申し上げて、北海道のニシン地帯としては、それも立たないという場合もあるじゃないか、こう思っております。そういう点につきまして、これはまあこの法案の多少らち外になりまするけれども、そういう漁民を救うために、あるいは何と申しますか、道内移民みたいなことも考えていく必要があるじゃないか。北海道についても、なお他に漁民を収容し得る所もあるように承知しておりますので、そういう点もやはり考えて、単にこの制度できめられた範囲内のみでなく、もう少し広い視野から漁民の更生対策、漁協整備というものは北海道については考えていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/68
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069・東隆
○東隆君 漁業協同組合が、実は部落民組合のようなものが非常に多くて、そうして回って参ってみましても、店舗はきわめて貧弱だし、それから扱っておる品目はほとんどない。場合によっては、米ぐらい扱っているなんという、そんなような漁業協同組合があったりするのです。そこで、どうしてもこれは統合をしなければならぬのですが、計画を立ててやるためには、やはり役場の所在地等でもって一つにまとめる。そうして、今までの部落的な協同組合は支所にする、そういうふうな調整をいたしますと、通信の連絡、それから輸送関係、船で持ってくるわけには参りませんから、やはりトラックだの何だの、そういうようなものを整備しなければならぬ。それから当然、先ほど不要財産というような、固定資産というようなものになっておる冷蔵庫みたいなものはあまり持っておらぬようでありますけれども、こういうようなものは、そういうものができますると、当然そういう施設を必要とすると思います。それから唯一の、今購買事業の方では石油をやっておるわけでありますが、これも実はそういうような中心的な所で取りまとめて、それを部落組合に配給をする。こういうようなことも、これはほとんど陸上の輸送になるのじゃないか。こういうようなことを考えますと、部落組合を併合して、そうして強力な一つの経済機関を作り上げる、こういうことになりますると、新たに資金を持っていかなければできない。こういう面が私はだいぶできると思う。これらは、実は農業協同組合の方では、共同施設という形になって、農林漁業金融公庫から出ていっておりますけれども、漁業の方面は、実のところを言うと、船だの何だの、海上のものばかりに限定をされておる。あるいはそれに関連をしたものくらいであって、はなはだそっちの方面は手薄じゃないか。そういうふうな面は今後開拓をするお気持ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/69
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070・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在も、沿岸振興対策としまして、今、東委員の御指摘のような点について手を打てるようになっております。私率直に申し上げて、北海道の超不振については、先ほど申し上げましたように、これは特別にいろいろ考えていかなければいけない場面があるのじゃないか。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは北海道庁はきわめて熱心で、系統団体と協力していろいろ調査し、現実にもう不振対策を実施しております。また、その結果等を聞きまして、私どもとしては今後なお打つべき手がどういう方にあるか、どういう有効な手があるかという点は十分検討して参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/70
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071・東隆
○東隆君 沿岸の協同組合が約三千、それからそのうちで経済事業を担当しておるのが一千五百、それから漁業権の管理を主体とする漁協が千五百、こういうようなあらましの分け方をされておるようでありまして、私は先ほど千田委員が質問をせられた中身から考え、あるいはお答えになったことから考えて、どうも水産庁は漁業権管理を主体とする漁協に次第に沿岸の漁業協同組合を今後移していくのじゃないか、こういう心配をいたしておるわけであります。そこで、それをそういうふうなものにしないためには 階層別になっておるから、そういうふうにするのがあたりまえだというお考えのようにも聞かれるわけであります。そこで、先ほどの業種別の組合ですね、これは漁業制度調査会でもっていろいろ問題になっておるというのでありますが、私の方は業種別の組合は作るべきではない。業種別のものを作るなら沿岸の漁業協同組合を会員にした連合会を作るべきである。底びきの漁業協同組合をこしらえるにしても、それは組合ではなくて連合会をこしらえる、そういう態勢をとりますと、私は沿岸における漁業権荒し、例のギャング的な行動をするようなことは、これはできなくなってくるのであります。そういうふうな面でいいし、それから沿岸漁業協同組合そのものが、もし連合会に出資をするものがはなはだ資本を持っておるごく少数のものだ、こういう工合ならば、これは沿岸の漁業協同組合をただ通過してそうして連合会に出資するというような、そういうような形式でもこれはやむを得ないのじゃないかと思う。そういうような形でもって沿岸の漁業協同組合と業種別の連合会との間のつながりをつける、そうしてそういうような形でもって作り上げてくるならば、これは協同組合一本でもって沿岸の漁民がまとまっていく態勢が形の上ででき上がってくると思う。今のような形で進めていくと、ますます資本を持っておる、力を持っておる者は単独組合に加盟をして沿岸の方の協同組合に対しては力を注がないばかりではなくて、親方でありますから、沿岸漁業協同組合の組合長とか、そういうようなものになって、そうして自分の利益をはかる方には力を一生懸命注ぐけれども、沿岸の全般のためにはならないようなことをやるおそれが多分にあるようであります。そういうような点を一つ考えて、この際沿岸漁業振興のために、沿岸の協同組合に強力に力を注ぐという考え方でこの漁業協同組合整備促進が進められておると思うのです。だから、この考え方から言うと、漁業制度調査会におけるいろいろな意味が出ると思うのです。その意見が、私は今の業種別の組合を作ることに賛意を表せられておる人は、実は沿岸の漁業協同組合側を生かしていくというふうな方面の人の意見ではない、こういうふうに私は断ずるのですが、その点はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/71
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072・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 大へんむずかしい微妙な点がございます問題でございます。私さっき申し上げたことについて、ちょっと誤解を招いたようでございますが、業種別組合というものを伸ばすという気持を申し上げたわけではございませんので、漁業の実態からいって業種別組合というものをどうしても否定はできない場面もある、こういうことが申し上げた趣旨でございます。ただ業種別組合というものがはたして協同組合にふさわしいものであるかどうかというようなこともこれは問題であろうと思います。実はその業種別の組合の中には、今これは制度調査会でも当然問題としてぜひ検討してもらいたいと思いますのは、協同組合じゃなしに漁業調整等をやる水産組合みたいなものの制度を考えていく必要があるのじゃないかという問題が一つございます。それからなお業種別組合、たとえば底びき等も全部地域組合、いわゆる沿岸の地域組合に入れてしまえということ、これも確かにある面では長所もございますが、逆に私はそれはいわゆる沿岸漁業の振興のために妨げになるという場面も出てこない場合もないと思います。言いかえれば、そういったどちらかというと沖合いの漁業者というものが地域組合に入ってきた場合に、それらのものは資本力が強いものでございますから、組合に入ってかえってボス化してその組合を牛耳る、そういうもののために組合が不振になる、そういうものは資金量も多く必要としますから、組合の運営がそれらのためにひっかき回されるというような場面が従来もありました。それらの点は一がいに業種別の連中を全部沿岸組合に入れてしまった方がはたしていいかどうか、その点は非常にむずかしい問題があります。先ほど申し上げましたように、漁業制度調査会ではこれらの点も関連しつついろいろ討議されているわけでございます。ただ業種別組合を認めろという主張をされる方が決して沿岸漁業の敵ではなくて、むしろ沿岸漁業の組合というものの発展をはかる意味で純粋化をはかるという議論もそこにあり得るわけでございます。その点はちょっと申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/72
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073・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/73
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074・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 速記をつけて。
この際、福田農林大臣の海外出張不在中、臨時農林大臣の職務を行なう国務大臣に指示されました菅野国務大臣から発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/74
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075・菅野和太郎
○国務大臣(菅野和太郎君) 去る十二日総理から福田農林大臣が留守中農林大臣の代理をせよということを、全く突然でありましたけれども、仰せつかったのでありまして、私としましては農林行政は全くずぶのしろうとでありますので、私のようなしろうとよりもほかに農林行政の権威者の大臣もおられるから、そういう方にお頼みになったらどうですかということを実は申し上げたのでありますが、まあ経済企画庁は経済全般に関する仕事をやっているところだから、君もまた勉強にもなるだろうからやれということで、私ずぶのしろうとを顧みず実はお引き受けした次第であります。
幸い農林省では大野政務次官を初め優秀な政府委員の方がおられまするし、また参議院の農林委員会としては委員長初め各委員は農林行政についてのみなベテランであられますので、私といたしましては一つ皆さま方の御支援、御協力によってこの留守中の大役を果たしたい、こう存じておりまするので万事よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/75
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076・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 午前はこの程度にいたしまして、午後は二時から再開をいたします。
それでは休憩いたします。
午後零時二十一分休憩
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午後二時三十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/76
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077・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 委員会を再開いたします。
漁業協同組合整備促進法案及び中小漁業融資保証法の一部を改正する法律案を議題といたします。
午前に引き続き両案に対する質疑を行ないます。両案について質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/77
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078・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 両案について二、三点お尋ねいたしたいと思いますが、まず漁業協同組合というものの設立された趣旨というもの、これは申すまでもなく漁業者、水産業者の組織を強化して経済的、社会的の発展をはかる、そして漁業の生産の増強をはかるということが趣旨でございますが、この組合か経済行為をやっている組合と、ほとんどやっていない組合、すなわち漁業権の管理を主体とする組合とに分かれておると思います。そこで、出資をしていない漁業協同組合がどれくらい現在ありますか、お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/78
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079・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 出資の組合数は、単協で申しますと、都道府県知事の認可の単協で沿海漁業の場合に二十八、内水面で三百十一、非常に内水面の数は多うございます。それから業種別漁協の出資の漁協、これが九つ、それから大臣認可の、これは県がまたがりますと大臣認可になりまして、単協で出資の組合は、沿海ではございませんが、内水面で三つございます。それから業種別で県をまたがる単協では出資というのはございません。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/79
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080・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうしますと、比較的出資の組合は少ないのでありますが、ここに漁業権を主体として、経済規模の非常に小さい組合というのは、数字で千五百組合出ております。この規模が小さいというよりも、経済行為を全然やってないという組合がありますかどうか。あればどのくらいの数字が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/80
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081・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 一応お手元に差し上げました資料の千五百という数字は、経済事業を活発にやっておるもの、活発と言うと語弊があるかもしれませんが、経済活動を協同組合らしい格好でやっているという趣旨の調べでございます。いろいろな調べ方はあろうかと思いますが、一応、職員数少なくとも三人はおるだろうということで、職員三人以上で切って調べたわけであります。そうしましたところ、欠損金のあるものが六百九十五、それから黒字または欠損金三十万円未満のものが八百二という数字が出まして、結局、合計しますと、千五百弱でございます。大体千五百でございますが、結局、職員三人以上ある組合が千五百あるという格好であるということです。それから私どもの方で持っております統計資料なり、あるいは昨年度統計調査部でやりました協同組合センサスの数字を見ますと、信用事業をやっておるもの、購買事業をやっておるもの、販売事業をやっておるもの、それぞれ一つだけやっているものをとりましても、おおむね千七、八百という数字が出るわけでございます。従いまして、全くもう、およそ経済事業をほとんどやらない、ほんとうの漁業権管理しかやっていないというのは千弱くらい、千に少し満たないくらいの数字ではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/81
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082・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そういたしますと、三千の漁業組合のうちに、千近いところの経済行為をやっていない組合がある。これはここでいう不振組合と称するものが、経済行為をやって不振に陥ったというのも不振でありますが、漁業権管理だけをやっているのは、これは組合が非常に進展しているとはいえない。これなんかも、ある意味からいえば、不振組合のうちに入るのじゃないか。今度の促進法はさようなものを経済的に整備しようという趣旨ではないと思いますけれども、漁業組合そのものが設立された趣旨から見ますと、経済的に発展性、生産の発展というようなことから考えますと、漁業権だけを主体として立っておる組合というのは、およそ私は意味がないと思うのです。こういう性格からいいますと、私はまあわずかなものかと思っておりましたが、数百あるいは千に近いさようなものがある。私どももかつて、古い、戦前のいわゆる漁業組合と言ったような時代に、漁業権だけを持っておって、何にも経済行為をやっていない、そういう組合の扱い方はまことに困ったのですよ、役所としても。ただ漁業権を持っているだけで、そうして、ややもすれば、それが漁業権の行使についてごたごたしている。漁業の発展どころじゃないのです。そこで、私は、これは根本の問題になりますが、漁業協同組合というものを、漁業権管理組合というものを含まないで、これは何か一つ別の、何といいますか、組織体といいますか、たとえば、かりにいえば、漁業権管理組合といったような性格にして、本来、経済行為をやり、漁民の組織を強化して、いわゆる社会的、経済的の地位を向上する、生産を増強するという性格を持たせないのがほんとうである。そんなものを持たせても何にもやらないのだから、個人々々の漁業権の行使をただどういうふうにしていくかとあんばいするというだけのものであるならば別個の組合にした方がいいのじゃないかと私は考えるが、どういうふうに当局はその点についてはお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/82
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083・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 今、秋山委員の御質問の点は、実は現実の事態として漁業協同組合の名にふさわしくないものが千程度もあるということは、協同組合全体から見て、はなはだわれわれとしては、何と申しますか、もの足らないし、沿岸漁民の経済的、社会的地位の向上という法律の趣旨にも沿わないわけでございます。御承知のように漁業協同組合というものが沿革的には漁業権管理団体から発達したものでありまして、昔の漁業法、旧漁業法におきましては、当初漁業組合のみがあったわけでございます。それが漁業組合が経済行為のできる、しかも、出資しないで経済行為のできるというような組合を認め、次いで出資のある漁業協同組合という制度が認められた、そういう発展過程をとってきておるわけでございますが、現在ありまする漁業協同組合のうち、そういった経済行為をほとんどしてないような組合というもの、これをどうするかという点、これは実はここにいいます不振組合の整備というものに乗らないものでありまして、その前段階の組合であります。これらの組合をどうするかということにつきましては、いろいろ制度上の問題も議論があろうかと思いますけれども、私どもとしましては、やはりこれらの組合も経済活動を活発にやるような仕組みに持っていく。たとえば合併ということもありましょうし、いろいろその面についての国なり都道府県の指導というのをもっと浸透していく必要があるのではないかと、こう思っておるわけでございます。ただ、いっそそういうものは漁業協同組合という名をはずして、漁業権管理団体という別個の構成を作ったらどうか、この点は確かにそういう有力な議論も現在漁業制度調査会でそういう点も相当深刻に議論されたわけでございますけれども、大体の方向としまして、漁村にそういう別個に漁業権の管理の団体を作るということは好ましくないという方向に結論が出つつあるように私ども承知いたしております。私どもとしましても、別個のそういう団体を作るということよりも、むしろ現在漁業協同組合という名に値しないような、いわば休眠組合につきましてこれに活を入れるという方向でものごとを考えていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/83
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084・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 私の方もそれは非常に望ましいのですが、三千の組合のうちで三分の一がそういう状態にあるということは、これは非常におかしなものだと思うのです。しかも、各県には県の漁連というものがある。そうして漁連はそれぞれ負担金をもって漁連を維持していろいろやっているが、そういう負担金を出すことについても、これらのいわゆる管理組合というものは負担に耐える組合は少ないのじゃないか、そういう意味からいいましても、同じ漁業協同組合という名のもとに存在しているということが非常におかしい。私は必ずしも別の団体を作るという意味でもないのですが、とにかく、現在のそういう経済行為をやって、組合の精神にふさわしい組合と、ちっともそれにふさわしくない組合とが一緒になっておるということ、そのことがおかしいと思う。何かこれを分けてやっていく、もちろん合併によって活を入れられる組合もありましょうけれども、私の実際に見ておるのは、活を入れようにも入れられぬ組合も相当ある。千のうちにはどれくらい活によって生きていくかということになると、これは生きない組合が多いのじゃないか。そうすると、これは何らかの考え方をしなければ同じような漁業協同組合という名前のもとに、こう眠っておって、漁業権を握ってじっとしているだけという組合では、まことに私は組合精神から見ておかしなものだと思いますので、この点は何とか別途の考え方を考慮してもらいたいということを私は希望いたします。今度の整備促進の法案には、もちろんこれは乗らないのでありますけれども、これもやはり一つの組合の発展を促進するワクの中に入れるかどうかという問題だと思いますので、今回のこの促進法のうちにはないとしましても、水産庁としてはこれは十分考えてどう処置するかということをお考えにならなければ、いつまでも取り残されたものは、そこに、漁業協同組合の名前のもとに、県漁連の中に入っておるかどうかはしりませんけれども、存在するということは、私は組合を冒涜するような感じがするのです。この点は一つ特に考慮していただきたいと思います。
それから次に、先だってから漁業不振の原因がいろいろと述べられておりますが、北海道のように従来、来よったニシンが来なくなった、こういうようなものにつきましては、どうしても漁業の転換をやるなり、仕事を変えていかなければ、いつまでも待っていて、来るものやら来ないものやら待っていては整備も促進もできないと思うのですが、これは組合を進展せしめるのには、その構成員である漁業者が活発な活動ができるのでなければ、ただ借金があるからというので、その利子を補給していっても、あとの金を払っていくとか、あるいはまたさらに仕事を続けていくということにも構成員に力がなければできないと思うのです。そこで、鶏と卵の関係になりますけれども、促進をやりながら漁業組合員の漁業の振興をはからなければならない。あるいはまた、組合自体が漁業をやっておるものもあります。そういうものに対しては、単に促進法の利子補給だけでいけるということは考えられない。それももちろん必要でありますけれども、その他にも考えなければならない。それについてはいろいろ御説明がありましたが、いろいろな施設をするとか、あるいは転換についても方法を講じるとかいうことでお話がありましたが、これはその地区々々によって画一的にいけるわけのものではありませんけれども、何か利子補給をすることのほかに指導もやるでしょうけれども、お考えになっている方法があるかどうか。ただ利子補給ということのみでなしに、どういうことを考えていったらいいかということをお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/84
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085・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 実は組合の整備強化、再建整備ということは、利子補給が軸で動いていくというふうに私どもは考えておらないわけでございまして、むしろ午前中にもいろいろ御質問ありましたように、整備計画をがっちり立てていく、その整備計画はたとえば共販なり共同購買の体制を強化する、協同組合と漁連、あるいは組合と連合会の間の靱帯を強化する、あるいは出荷体制を強化するというような、組合内部においてどういうふうに整備をしていくかということがまず先行すべき問題であります。これを考える場合には、当然当該組合の実情に応じるように、いろいろな今、秋山委員のおっしゃったような点についても考慮を払っていくということは必要であろう。そういった整備計画が立てられた後におきまして、利子補給というものがそこに流れていく。しかし、もちろん外部的にはそういった場合について、たとえば沿岸漁業振興対策というようなもの、あるいはその他のものもそこにそれを考慮しつつ、いわば重点的にそういうものを考えていくということは私は必要であろうと思います。それからもちろんこういうことを考える場合に多少消極的な面かもしれませんけれども、現在の不振の原因のうちにある程度漁港の負担金が過大であるという点がありますので、今後は漁港の整備というようなものを考える場合におきましても、やはり地元の組合の状態というふうなものもあわせつつ考えていく必要があるのじゃないか。それからさらに、漁業の自営を組合がやつているために、非常な赤字を背負っているという組合が相当ございます。六日九十五のうち八十六もあるようでございます。そういう場合には、その自営をやめるかどうかというような問題、そういう具体的な問題は個々の組合について検討され今後の計画は立てられる、こういうことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/85
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086・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 ただいま最後にお話しになりました組合の自営の問題でありますが、御承知のように漁業というものは非常に豊凶が不確定である、いいときもあるが悪いときもある、今北海道の例のように、もう一応とだえてしまったものは別としましても、たとえば定置漁業のごときもの、あるいは小型の定置のようなものをやっておると、非常にいい漁をするときもあるが、それからあるいはまた非常に海流の変化であるとか、天候その他によって漁がない、それがために大きな赤字を出していくといったような場合もしょっちゅうあるわけです。そこで、先ほど千田委員から質問をされた際に、長官はお答えがなかったのですが、そういう場合の救済策として現在漁業共済というものが試験的に実施されている、これが非常に漁民に期待されておるわけです。非常に期待されて、これをやっておれば、かりに不漁であってもある程度カバーされてくるということで、まず安心してその仕事に当たれるのでありますし、組合自営のごときものは非常にこれは助かると思うのでありますが、現在のこの制度というものは、もちろん任意加入でありますし、試験実施というようなことから、思い切った仕事ができないという実情にあると思うのです。発足当時からすでに赤字も出ておるのでありまりが、これに対して政府は債務負担行荷によって、ある程度カバーしておりますけれども、私どもの考えとしては、これを生かしていくためには、最初にうんと力を入れてやらなければいかぬ、初めからちょろちょろしておって、赤字が出てきて、どうもこういうものは一種の保険でありますから、自分で掛け金をかけて、そうして危険を填補してもらうのでありますから、主体が危ういようでは皆が好んで入らない。そこに非常にいい制度であるけれども、今の状態では入りにくいといったような考えもありますし、また場合によっては、相当多額の掛け金をとらなければ今の状態ではペイしない、それでもまだペイしないが、さらにこれを安くするということになってきますれば、今度はさらに主体が危うくなる。せっかく期待されておるものが伸び悩みの状況になる。これは初めのうちがこの制度というものは非常にむずかしい。保険というものは一つのそこに物が、たとえば船であるとか、網であるとか、家であるとかいうような一つの対象物があるが、これは対象物がない漁業共済、そこで非常にむずかしい問題がある。従って、これをやるためには、政府が再保険の制度をとらなければなかなか伸びないだろうということを、私はこれの生まれる前から主張しておったのでありますが、とにかく生まれたわけです。生まれた以上は、これを育てなければならぬ。そこで、私どもとしては、これは政府がもう試験という時代を、一つ三年もやれば本格的に制度化して、政府がもう少し真剣に力を入れていくべきじゃないか。他の農業方面の共済というものが今非常に問題になっておりますが、これとはだいぶ性格が違っておって合理的な性格のもとにこれは発足しておる。それでこの制度を本格化していくということについて、どうもまだ水産庁も踏み切っておらぬようだし、大蔵省あたりもまだもたもたしているようでありますが、水産庁としては、これに対してどういうお考えでありますか。まだだいぶ長い間試験をせなければいかぬものであるか、もうこの辺で一つ踏み出していこうというお考えがあるのじゃないか、その辺の腹がまえを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/86
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087・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 漁業共済制度、これはたしか昭和三十二年の後半から実施されたものだと思います。本年で第四年度を迎えるわけであります。この漁業共済というものを沿岸漁業なり、その他の漁業、主体は沿岸漁業にあるべきだと思いますが、これの危険を除去するという意味で今後伸ばしていかなければならぬということについては、私ども全くそのつもりでおりまして、その方向で従来も実施して参りましたし、今後ももっと積極的に考えて参りたい、こう思っております。ただこれはあくまで共済あるいは保険としてこれを伸ばしていくということで進めて参りたいと思っておりますところを、従来、はなはだ残念ながら保険制度を進める上における諸般のデータは全くないというところでこれは発足したばかりであります。いろいろわれわれとしても、率直なところを申し上げると、いろいろ暗中模索の点も多々あったわけでございます。そうして現在試験実施と通常いわれておりますが、政府から調査を委託するという格好で、全国水産業協同組合共済会がやっておるわけであります。やってみますと、やはりいろいろそこに問題があるようでございます。たとえば保険料の問題、危険率の問題、それから加入の状況、いろいろ問題がございます。たとえば定置が入ることによって、一つの定置が赤字になることによってどっと負担がかかってくるというような問題、従いまして、私どもとしましては、もうちょっとこの点は現在の態勢をもって調査を進めて参る。しかし、その方向としては、これは本格的な実施にいずれ持っていく、その時期はできるだけ早い時期であるようにしたい、こういう念願で行なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/87
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088・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 大体御趣旨はわかりましたが、昨年の秋赤字に対しまして、いわゆる債務負担行為として政府が負担したものが五千万円に足りなかった。そうしてみるというと、さらに二千万円近いところの赤字が出ておる。それをやったところで七千万円かそこいらのものなんです。それを政府が渋るということは、ほかの共済事業に対する政府の力の入れ方と考えるとあまりにもどうもまま子扱いをしているのじゃないか、私どもはこれほど漁民が期待しているもの、これに対してあまりにも力の入れ方が足りない。農業共済はみんないやがっているのです。みんないやがっているのにあれほど力を入れておる。こんなばかなことはない。これほどみんなが期待しているものには五千万足らずの金をやって、あと二千万円という金……、私はそう言っちゃ失礼ですけれども、昨年の暮れの予算を獲得するときに、赤字を補てんするために千六百万円という予算をとった。とったけれども、どうしてもそれを使わせない。こんなむちゃくちゃな話はない。わずか二千万円足らずでその組合がスムーズにいくというのに押えて、ひょろひょろさせているというのは政府としてけしからぬ話だと思う。少なくとも試験実施ということであるならば。今のお話のように委託試験みたいなことをやっているけれども、やってみて赤字が出たら政府がみな負担するのはあたりまえじゃないか。それを試験だから一部は負担するが、あとはお前らかぶれといってもかぶりようがない。かぶるとすれば、共済掛金を上げなければならないというわけです。事実わずかな金をやってみても、二千万円に足りない。そのくらいのものは今後水産庁もびくびくしないで大蔵省に一つかけ合ってもらいたい。われわれが金をとったってそれは使えないようではしようがない。水産庁がもう少し強腰になればその金は使えると思う。現在のところはそういう状態にあるので、私は役人の面子なんという問題じゃなくて、多数の漁民、国民のためにと思えば、自分の面子なんか考えずに一つがんばってもらいたい。そうしてこの漁業共済制度というものを活用することによって、この整備促進と両輪のごとく、これはまた非常にやりよくなってくる。ただ指導するとかなんとかいうことよりも、具体的にこういう問題が、方法があるのでありますから、これを一つ早く生かして、制度化して、安心して組合なり、あるいは個人の漁業者がこの共済制度に加入できるようにしてゆくならば、組合もまた不漁のときにも大きな損失をこうむらずにいくでありましょうし、組合員自体も大きな損失をこうむらずにいくとすれば、そこに初めてその組合は活発に動き得るということになると思いますので、ぜひ一つこの共済制度の制度化ということ、あるいは制度化がまだ急にいかないならば、少なくとも国家の債務負担の額というものはもう少し引き上げて、掛金に見合うところの金とかというようなことで制限をつけずに、もし不足を来たしたならば、それは政府が見るとしたところで大した金ではありませんから、そういうふうな考慮を一つ払うことを特に要望しておきます。それから次に、非常な超不振組合といいますか、一五〇%以上の負債を持っている組合に対しては、まあどうにも手に負えないものもあるかもしれませんが、これは切り捨てるのでなしに、何らかの方途を講じなければ、大きな赤字を出しているということは、かつては大きな活動をしたという組合に違いない。活動のできる組合に違いない。それが何らかの理由でこういうふうになっておるということは、これを生かす道はある。生かせばまた生きて働ける。初めから働かない、じっとしている組合は活を入れても大したことはないが、こういった組合に対しては、一体あなた方はこういう組合が八十何組合かあるのをどの程度までは生かされると、この法律によって、お考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/88
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089・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) いわゆる超不振組合八十六組合あると申し上げましたが、これらの超不振の状況、それの原因等もさまざまでございます。たとえばこれは北海道にはいろいろございますけれども、そのうちにはニシン地帯あたりには漁況の変化で非常に救いがたいようなものも率直に申し上げてあるようでございます。従いまして、私どもとしましては、それらの具体的な各組合の実情に応じて臨床的にものを考えていくほかない、そうして場合によりまして、ある超不振組合、それは確かに秋山委員もおっしゃるように、かつては相当の事業をやった、そこは漁協が自営をやったりというようなことで超不振になったような場合においては、これはやり方によっては必ず再建の道があると思います。従いまして、出資を増額するとか、あるいは場合によっては組合の地区が狭過ぎるというようなことで合併するというようなことで、われわれとしてはできるだけこの再建整備に超不振組合も一つ乗っていくように指導していきたい、こう思っておる次第でありまして、今何組合どういうふうにと、こう概念的にはちょっと申し上げかねますけれども、具体的の組合ごとについて適切に対策を講じて参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/89
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090・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 それから次に、中小漁業融資保証法の件について一つお伺いしたいんですが、今回の改正では、政府が持っている求償権というものを協会に渡して、協会が求償権を実施するということになるようでありますが、これは政府持って請求をして取り立てるのと、これを協会をして取り立てをさせるというのと、その優劣といいますか、得失といいますか、そういった点は、改正するんだからこの方がいいとおっしゃるかもわかりませんが、十分に検討されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/90
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091・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 従来の法律で参りました場合には、国の債権といたしまして国の債権管理法に基づいていろいろな処分もしなければならないということになるわけでございますが、今回は協会の債権になりまして、協会が政府へ納付するということになるわけでございまして、そこに大きな差異が出てくるわけであります。それでその内容といたしまして、どういうふうな点がいい点として出てくるであろうかということでございますが、まず旧法におきましては、履行を延期するというふうな場合には、債権管理法に基づいてやるわけでありまするから、なかなか困難であるわけですが、今回は善管注意義務の範囲内におきまして、協会が任意の機関を設けて自由にやり得るというふうなことによりまして履行を延期する場合に非常にやりやすくなるわけであります。それから次に、債権を免除しようというふうな場合が出てくるのでありますが、旧法におきましては、法律に基づく場合を除いてはできないわけでございますが、今回は原則として、やはり善良な注意義務の範囲内で協会が任意に基準を設けてやり得るというふうなことによって免除が容易になり、従って、償還もそういうふうなことによって容易にできてくるというふうな利点があるわけでございます。それから保険金の支払い後の措置といたしまして、旧法におきましては移転の手続を要しまして、登記とか、そういうふうな問題が生じて参りますが、今回は協会の債権になるわけでありまするから、何ら移転手続を要しないというふうなこともあるわけでございます。それから次に、債権にかかる訴訟行為をやるというふうな場合におきまして、旧法におきましては法務大臣の権限になりまして、これも相当めんどうなわけでございまするが、今回は協会の権限になりまするので、そういうふうに法務大臣の権限としてやる必要はなくなりまして、これも簡易化されるということになるわけでございます。そういうふうな各面から申しまして、債権の管理とか、あるいは徴収に便利な方法が設けられまして、金融上の債権の回収といたしましては、この方がはるかにうまく行なわれるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/91
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092・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 その場合に、今の債権の切り捨てといいますか、債務をある程度免除するという場合に、協会独自でやるというけれども、本来、国が持っている求償権なり、いわゆる債権なりを、それを国に相談なしに勝手にやれるのですか、協会が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/92
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093・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) これは協会が善良な管理者の注意に基づきまして管理を行なうということになっておりまして、協会がその善管注意の範囲内においてはやれるということになるわけでございます。そうしてその場合に約款によりまして、大臣の承認を要するということにいたす予定にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/93
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094・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 そうすると、承認を前もって得て免除するのでなければ、あとで免除してから承認を受けては間に合わぬと思うのですが、そうすると国も免除したということになるのですが、そうするとその点は国がやるのと協会がやるのとあまり変わらぬじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/94
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095・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 今、漁政部長から申し上げましたように、一応約款で——これは現行でも約款によりまして、協会が何か債務処理に対して条件緩和するときには承認を求めることになっております。今後ともそういう方針を引き続き続けて参りたいと思いますが、今回の協同組合整備促進法との関連にかんがみまして、整備計画に従ってもうはっきり確立し、知事も承認いたしましたようなそういう組合につきましては、協会が独自に動いていくことは、あらかじめ承認を与えたような格好で行政指導によりまして、できるだけ簡素化した形で条件緩和ができるようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/95
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096・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 さっきから審議しておりますこの漁業協同組合整備促進法によって整備組合となっている組合の債務の中で、融資保証法によって国とか協会が持っている求償権の対象となっておる債務、その組合に対する……、その整備は普通一般と同じようにやるのですか。何か特典があるのですか。この整備促進法による促進をしている組合の債務、それに対する求償権が、その債務を整備するのにどういうふうにやるか、そういうふうな整備組合でも、整備組合でない組合と同じようにやるのか、何かそこに特典でもあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/96
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097・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) その点につきましては、法律上は特に規定を記けていない次第でありまするが、国が協同組合の整備をはかっていくということにつきまして、特に基金を設けて整備促進法によって整備を行なっていく、そうして系統の金融機関が条件緩和を行ないましたり、あるいは県がそれについて指導を行なったり、あるいは援助を行なうというふうな場合におきまして、国といたしましてもこれに十分な援助を行なっていくということは当然のことでございまして、今後この中小漁業の融資保証法に基づきまする国の求償権を協会の求償権にいたしまして、国に納付させるという制度をとりました場合に、その求償権の徴収にあたって、整備組合の場合にはその整備計画の内容を十分考慮いたしまして条件の緩和をはかっていきたいということを特に考えておるような次第でございまして、法律には規定しておりませんが、そういうつもりでやっていくことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/97
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098・秋山俊一郎
○秋山俊一郎君 最後に、この整備促進法といい、また融資保証法といい、これを実施していって、できるだけ債務者といいますか、あるいは組合員のために政府があたたかい手を差し伸べているということは非常にけっこうであります。がしかし、ややもすればそれになれて一向実効の上がらないところの組合があるのです、現に。そういうものに対しては一つ指導方針といいますか、こういう精神の生まれた温情にただなれてしまって、こうなっているからまあやっているうちには何とかなるわといったようなことではなく、その組合ないしは組合員がともに真剣になって整備をする、あるいは再建をするということでなければ、ただこうしてやってみても実効は非常に上がりにくいと思うのです。そういった点について、今後十分指導なり啓蒙なりということをしっかりやらなければこれは実効が上がらない。その点について政府としては何か考えておられますかどうか、その点を最後にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/98
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099・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 御指摘のように漁業協同組合の整備強化というものは、こういう制度を作っただけでは実際には実効は上がらない。これはまず第一に、やはり漁民の自主的な盛り上がりというものが必要であります。それをそういう方向に持っていくためには、やはり何といっても国、都道府県なり、あるいは系統団体による啓蒙の活動というものがもっともっと促進されなければならない、こういうふうに思っております。本年の予算におきましては、従来と同じように多少増額しまして、組合の指導、職員の旅費を都道府県に対して補助するようにしておりますが、衆議院における農林水産委員会の附帯決議にありましたように、今後はこういう指導体制をもっと強化して参りたい、そうして国、都道府県の線と、系統団体の線とが協力しまして、啓蒙なり、その他事業活動整備促進の強化に努めて参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/99
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100・森八三一
○森八三一君 二、三お尋ねいたしますが、その第一は、今、秋山委員から最後に御質問があった点にも関連するのですが、漁業協同組合に限らず、いかなる共同の組織にいたしましても、その真の発展を完成するということのためには、何といたしましても、組合員の産業といいますか、事業といいますか、そのものがまず振興され、それをその組織である協同組合にいかに結集せしめるかという基本問題が一番重要であろうと思うのです。これは理屈でも何でもない、そうでなければいかぬと思う。ところが、法律の四条に整備計画の樹立の内容として一号から七号まで上がっております。上がっておりますが、きわめて広く解釈すれば、そのことは第一号に含まれているようにも思うのでありますが、どうもこれを読みますると、整備計画の一番根本にならなければならぬことが計画の内容として指摘されておらぬのではないかという感じを持つのですがね。不振組合が更生していくためにどうやるか、現に起きている欠損なり、固定化債務というものを返済する、そのことのために前提となる組合事業の積極的な計画、それはさらに進んで参りますれば、個々の組合員の事業の進展に裨益するような計画というものがまず先行する、それから初めてここに上がっているようなことを整備していくためにはどうなっていくのか、こう及んでいかなければ順序がおかしいと思うのです。これは第四条、一つ魂が抜けているのじゃないかと思うのですが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/100
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101・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 今、森委員の御質問の趣旨は、個々の組合員の、たとえば何と申しますか、漁業についていえば、漁獲の増強ということの対策は必要じゃないか、こういう御質問かと思うわけであります。たびたび申し上げましたように、不振組合の不振原因、それをいろいろ分析してみますと、経営陣の経営が当を得てないというのが相当あります。あるいは自営の失敗というようなこと、あるいは漁港の負担金の過大というような原因がございます。そういう面もございますけれども、漁況の変化というような生産基盤そのものの変化によって不振になっているというような組合、こういう組合につきましては、仰せの通りであろうと思います。しかし、これは当然組合の整備強化の前段階として、そういうことを別個に並行して私は考えていかなくちゃならぬ、この辺につきましては、組合自体の問題というよりは、そこの生産基盤の強化ということとしまして、都道府県なり、系統団体も協力しまして、この問題を考えていく、整備計画それ自体にはなるほどそういうものは乗っておらないし、あるいはそういうものが必要ない組合は相当ございますけれども、ここには特に入っているというふうにはお考えにならなくてもいいと思いますが、当然、前提としてはそういうものも考慮に入るということは当然でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/101
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102・森八三一
○森八三一君 当然のことだと言ってしまえばそれまでですがね。具体的に申し上げますれば、組合員の漁獲した生産物が協同組合を通ぜずに自由に販売されている。そのことは、ときに組合員に利益するようなこともそれはあり得ると思うのです。と思いますが、長い目で見ていけば、共同販売をやった方が有利である、にもかかわらずそれをやっておらぬ。それによって組合の取得する手数料等も上がってこないということにつながるわけですが、ですから整備計画を立てる前提として、組合員が真にその組合を結集していくためにどう利用するかということをきめなくちゃならぬ。同時に、その利用するもとの生産物をいかにふやしていくか、そのためには魚礁を作るとか、いろいろな問題が起きてくると思うのですね。そういうような計画を全部整備計画としてはまず大前提に掲げて、それから組合の収支がどうなると、その上に立っての二号以下の問題が出てこなければほんとうのものではないと思うのですね、この計画としては。事業運営計画といいますか、そういうものが立って、その上に基づいて収支の計画が立って、その収支から及んできてまたどうなる、またそういう事業を執行していくために、執行体制はどう整備すべきであるかということが出てくるのではないか。その前提のことをやはりこの整備計画の内容としてははっきり定めさせ、同時に、それを審査して、その推進に指導を与えるとか、協力をしてやるという体制がなければならぬと思うのですがね。それは別のものでいいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/102
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103・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 今、森委員の御指摘の点は、二つの問題があると思います。一つは、組合の共販体制を強化する。これはもう一号でねらっている全くそのものでございまして、やはり共同販売なり、あるいは共同購買というような体制を強化しなくちゃならぬ。これは午前中も藤野委員からいろいろ御質問がございました。これは全く第一前提としてこの方策をはっきり確立する。で、組合と組合員との間の結びつきを強化し、すべての漁獲物は組合を通る、これはもう全く必要だと、こう思っております。ただ、そのまた前の問題としまして、そのたとえば魚礁を作るとか、生産基盤を強化するという問題になりますと、これはすべての組合を通じてこれがなくちゃいかないという問題じゃないものですから、これは別にこれとしてやはりはっきりして、別途国なり都道府県というものが、そういう施策をどういうふうに実行していくかという場合におきましては、当然この不振組合の整備強化というものと並行してそういうところに重点的に向けられる、こういうふうにやって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/103
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104・森八三一
○森八三一君 今お話のように、そういうような組合と組合員との問題の前に求められなければならぬ基本的な問題を考えなくちゃならぬ協同組合もあれば、そういうことは今当面の問題でなくて整備のつく組合もある。もちろんそういうことが実態であろうと思いますが、そういうことを要する組合については、そのことをやるために漁業協同組合が新しい資金の投入をしなければならぬとか、いろいろな問題が必ず付随してくるのですね。そのことは結局また新しい負担として組合員にも及びまするし、組合の経費の上にも非常な重大な関係を持ってくるのですね。そういうことを織り込んで計画を立てなければ、真の整備計画にはならぬと思うのです。ですから、そういうことが当然考えられなければならぬというのであれば、また考えるべきだというのであれば、第四条の第一号にやはりそういうことを認めてしかるべきじゃないか、こういう感じを持つのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/104
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105・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 先ほども申し上げましたように、その今の生産基盤の問題というものが必ず必然的にひっつく組合とひつつかない組合とある、こういうことでございますので、そういった整備計画を立て、しかも、生産基盤の問題も、また積極的な問題をやるという場合には、当然そういう組合につきましては整備計画でそういう面も考慮しつつ計画を立てる、そうして都道府県がこれに認定をするということで、その計画の中の大きな全体の計画の中にはそういうことも当然織り込む、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/105
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106・森八三一
○森八三一君 もうあまりそんなことを議論してもいけませんが、当然なことだというのでやっぱり切っちゃ、計画種類の中に私はそういうことをうたわれた方が、そうしてそういうことも都道府県なり、どこかで認定をしていくということが、やはり親切ないき方ではないか。それはそれで別だ、ほんとうの根本的の大前提は別の書類で審査をするんだということじゃなしに、一貫のものとしてそれが当然重要なファクターになるのですから、そのことの具体的な計画を樹立せしめ、樹立したものについて十分に審査して、それから出発して、この整備計画というものは遂行可能だというふうに認定をしていく。私は第一号で当然これはやらなければならぬことでありますから、やらなければならぬことであれば、求めて決して支障のないことであるし、求めるのが本来の当然の姿であると私は思う。この第一号の解釈を少し拡大すれば、そういうことをやったって悪いわけではないのですから、実際の行動の上で私はそういうことを期待するのですが、そこまではどうしてもいけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/106
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107・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) あるいは私の答弁がちょっと足らなかったかもしれませんが、ここの第四条で、「次に掲げる事項を定める」とある場合には、必ずこれだけのことはしなくちゃいけない、こういうことでございますので、私は、まあそういうことを一号を拡大するという意味でそういうことが適当であり、必要であると考えるという場合には、当然そのことは一号で含めるということは、これは適当であろうと思っております。従いまして、こういう整備計画の認定は、五条の三項にある「農林省令で定める基準に従って」行なうということによりまして、そういう組合につきましては、都道府県知事がそういうものも当然考慮しつつ認定に当たるということをわれわれは期待しておるわけでございます。
ただ、私のさっきから申しました答弁は、当然一号ですべての組合に定めなければならないというふうには考えてはおらないんで、必要な場合には当然これに含めていいものだと、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/107
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108・森八三一
○森八三一君 それから、次にお伺いしたいのは、第二条の二項に、「資産の適正な評価を行ない、」という表現があります。これは文字をそのまま受け取ることにやぶさかではないし、当然な規定なんですが、「適正」という言葉は、これは非常にむずかしいことなんです。これはどの程度まで、一体、考えておられるのか。「資産の適正な評価」これのやり方いかんによっては、欠損が非常に多くなってみたり少なくなってみたりということになり、それはひいて助成金と申しまするか、利子の補給と申しまするか、そういうものにもつながってくる問題になるので、この認定は物理的にはいかぬことです。いかぬことですが、何年以上利息も入っておらぬとかというものはどうするとかという標準でもお与えになりまするのかどうなのか。これはうっかりしますと、この法律には当てはめていただけないようなことに、まあ救済の措置なしというような組合になると、適正な評価を行なわずに適正な評価を行なったかの、ごとき姿をとって、ある一定年間補助金だけはもらって、五年たったあとにまたお手上げで何にもならないということになる。適正評価ということは、実際、これはむずかしい問題なんです。具体的に指導される場合の心がまえは、これはどうなんですか。これは聞くことが無理かもしれませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/108
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109・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この問題は、個々の漁業協同組合に当たりましてよほど慎重にその整備計画を考える場合にきめていかなければならぬというふうに考えておりますが、一応農林省令でどういうふうなことを定めていくかということを申し上げたいと存じます。
それで、まずこの規定によりまして貸借対照表を作成する場合に、いろいろ適正でないところの、実際は損失であるというふうな債権が出てくるわけでありますが、その債権に相当する額を損失金額といたしまして、これと同額を貸し倒れ引当金として計上するようにしたいというふうに存じております。それで、そういうふうな債権は時効とかまたは債務者の死亡、失跡、解散もしくは破産によりまして、取り立て不能となった債権額、それから債務者及び保証人の弁済能力が不足いたしましてあるいはまた、その担保物件の価額が債権の額に満たないため取り立て不能と認められる部分の債権の額、そういうふうな債権額を損失金額として計上していきたいというふうに考えております。それからこの規定によりまして貸借対照表を作成する場合において、たなおろし資産とかその他の資産の評価にあたりましては、当該資産の帳簿価額のうちで時価を越える部分に相当する金額を損失金額として欠損金に算入するように指導したい。そういうふうな一般的な原則は考えておりまして、あとは個々の場合に適用をしていきたい、こういうふうな考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/109
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110・森八三一
○森八三一君 今の御説明通りで、それ以上はなかなかむずかしいものだと思いますが、これは実際に当たりまするとなかなかむずかしい問題だと思うんです。これは不適正評価をした方が援助がよけいもらえることになってみたり、対象組合に拾い上げていただけるような条件が備わってみたり、こういう点があるということが考えられますので、その辺は今の部長からお話の基準について、さらに私はその内容をなす詳細なものをお考えになる必要があろうと思いますので、この点を希望を申し上げておきます。
それから第三項で漁信連だとか、中金なんかと協議して定めるということになっているようでありますが、ともいたしますと、金融の立場に立つ機関がいろいろの計画を審査いたしますると、きわめてその事業が消極的になるのです。これはもうもうからぬ仕事は一切やめちゃえ現に農協なんかの再建整備の場合に、協同組合は組合員の社会的地位なり、経済的地位の発展をはかるんだという大きな看板からさらに具体的には生産協同体としてしっかりやらなければならぬ、こういうことで高い生産指導だとかということを考えておった。ところが、そういうものは流通過程の仕事とは違って、事業分量にすぐ適合して利益が上がってこないのです。収入としてはすぐはね返ってこない。長い目で見ていけばそれはもちろんよろしいのですよ。ところが、そういうことをやめちゃえというので、現に農協に例をとれば、畜産なんかはやめちゃえ、青果のこともやめちゃえ、一番組合員がやってもらわなければならぬと考えているのはそういうことである。ところが、米を取り扱うような、政府の方からトンネルで金をもらえるやつはこれはよろしいが、そういったことは切り捨ててしまえと今になってみるとそれをやったことが非常にマイナスだ、ここでもう一ぺん再出発をされるというような変な姿になっている、現実は。そこで整備計画を立てることは、一番最初に申し上げた組合のための事業をやるんですから、その組合のために真に今迫っている事業というものは、なかなかそろばん勘定の上には乗ってこないということで切り捨てられてしまう。それでは本来の協同組合あるいは協同組合連合体としての面目を発揮し得なくなってしまうような、ほんとうに多少高利貸し的な存在になってしまうという危険が私は感ぜられるのですが、そういう点は一体どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/110
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111・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) この第二条第三項によりまして、金融機関、信漁連あるいは農林中央金庫と協議する。この協議する内容は整備計画の樹立についての全体をどうするのだということも当然入るのです。また、具体的な問題は、これらの信漁連あるいは農中の当該漁業協同組合に対する貸付金について、利息の減免とか返済期を延期するとか、あるいはその他の援助ということが主体でございますが、しかし、当然整備計画の樹立ということについても協議する以上は、今後どうしていくかという問題を、これらの信漁連あるいは農林中金というものとも積極的に相談しなければならぬ。これは言いかえれば、漁業協同組合は農協と違いまして、幸か不幸か米の供出のごとき座して収入を得る道がないわけでございますので……。座してといいますとはなはだこれは不穏当な言葉でございますからこれは取り消しますけれども、当然入ってくるあれがございません。何か仕事をしないと再建整備ができないわけでございます。そこで、何かそれを見つけていかなくちゃ、当然そういう関係で農林中金なりあるいは信漁連ともこれは貸付金を取るためにも、今後どういう仕事をしていくかということを、こういうことを積極的にそこに当然相談に乗っていただけるもの、こういうふうに思っております。私は座してというのははなはだ不穏当でございますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/111
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112・森八三一
○森八三一君 長官のお話はよくわかります一わかりますが、実際問題として、現に貸付金が固定してそれをどうやって取るかということで、信漁連にしてもその他万般の金融機関債権者は非常な心配をしておるというときに、それを返すためにさらにこれだけの資金を使えばこうなるという計画を立てましても、なかなかそいつを受けて積極的に推進をしていくということは、まあまあよほどの腹のすわった人であれば別問題ですけれども、これはまず常識的に判断するところではないと。そうすると、もうこり固まって小さくなって固定化しておる債権を整理をするということだけに、極端にいえばもう縮小されちまう。だからもっと端的にいえばもう一切の事業をやめなさい、そうして税金的に上がってくる収入だけで利息の補助金をもらって、そうして五年なら五年のうちに債務だけを整理してしまう。そのあとはまたそれから出発すればよろしいのだということになる危険があるのですよ。これはだから、その辺は指導機関としての農林省なり都道府県の水産課なり、あるいは全漁連なりそういうところがしっかりこれは見守っていかなければなりませんが、なかなか全漁連でもりっぱなスタッフはいらっしゃるけれども、債権者の前に行くとそう頭も上がりませんからそこまでは強く言えなくなる。そこをまたバツク・アップするのが役所なんですけれども、その辺はよほどしっかり考えてもらわぬと、このことをやるために漁業協同組合が事業的には後退する、時間的にはですよ。そういうことが生まれる危険を感じますので、ここで「協議しなければならない。」ということが、計画全般の積極的なことについて、あまり債権者の立場からめんどうの起きないように指導していただきたいと思う。その辺はしっかりできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/112
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113・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) この協議は当然まあ利息の減免とかそういうこと、弁済の延期等をしてもらうようにしなくちゃなりませんけれども、ただいま御指摘のような点につきましては、私ども都道府県あるいは系統団体を通じ、そういった単なる整備のための整備に終わらないように、将来の再建でありまするので、再建方向に積極的に乗り出し得る方向でやっていくよりに、関係機関、ことに信漁連なりあるいは農林中金の方にも私の方から積極的に強くこの点は働きかけていきたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/113
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114・森八三一
○森八三一君 それからこの利子補給の限度、それから合併奨励金の交付の内容はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/114
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115・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 基金からの利子補給といたしましては、三分二厘を今考えておるわけでございます。そうしてこれに対応しまして県とかあるいは金融機関が利子補給並びに減免をいたしまして、六分五厘程度減免するというふうな考え方にいたしておるわけであります。
それからその他の合併奨励金とかあるいは駐在、巡回の指導員あるいは整備委員会の費用というふうな今回の整備に伴いまして、他にもいろいろ経費が要るわけでございますが、それにつきましては予算で計上いたしておりまして、合併奨励金といたしましては三十五年度百二十五万円、一組合当たり十万円の二分の一補助ということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/115
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116・森八三一
○森八三一君 利息の方はですね、最終の利息を三分二厘にすると。そのために六分五厘程度を助成するということですね。そういたしますると、現在九分七厘であるということに前提されますが、九分七厘に六分五厘補助するから、三分二厘になるのだ。一体九分七厘という金利はですね、実際固定化債権を持っておる漁業協同組合の、平均金利と見合いますか。現在の固定化債権の、たとえば債務といいますか、その債務の金利と見合うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/116
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117・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 九分七厘二毛というのは、実はこの金利には末端の最終金利といたしまして、いろいろ相違があろうかと存じております。それでまあ一般的に申しまして、大体長期の金利といたしましてはまあ一割くらいなものではないだろうかということが考えられまして、そのほかに短期の運転資金だとかいろいろ考えまして、平均いたしますればまあ九分七厘程度ではないだろうかというふうな考え方を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/117
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118・森八三一
○森八三一君 その大体でなしに、これだけの計画をお立てになるには、不振組合の実態をある程度御調査なすって、金利等についてもおおむねのものをおつかみになった結果としてそういう数字が出てきたと思うのですがね。今お話のように、おおむね九分七厘前後だということでありますれば、それで一応三分二厘は平均的には完成するんですからよろしゅうございますが、私はもう少しこういう不振組合の借り受けておる金利というものは高いんじゃないか。二銭五厘といたしましても一割二厘ほどになりますね、今日金利は非常に下がっておりますけれども、この焦げついておるのはうっかりすると日歩四銭くらいの——これはまあ今度解消するんですけれども——にいたしましても、三分二厘するんだといっておっても、補助金の方で六分五厘という話がございますと、三分二厘にはならなくなってしまう。で皆さんが御説明なすったことが結果的にはうそを言ったことになってしまう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/118
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119・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 日歩二銭五厘にいたしますと、年利に換算いたしますると九分一厘でございまして、大体まあ二銭七厘あるいは二銭七厘五毛程度が、この今まで調べましたところでは最終の金利になっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/119
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120・森八三一
○森八三一君 間違って失礼いたしました。二銭五厘ならそうです。九分一厘幾らですね。そこでですね、具体的には、九分一厘見当のものもありましようし、一割をこえるものもありましょうし、あるいは九分以下の場合のものもありましょうし、これは非常にまちまちであろうと思います。その場合にですね、整備計画が立って利息の助成をする場合に、一律に三分二厘になるようにするということなのか、補助率を六分五厘で押えるということなのか、どっちが優先するのですか。最終は三分二厘にするというと、一割以上のものには、これは七分も八分も補助してやらなければならぬということになりますし、八分見当のものが入っておるところには五分も補助すればよろしいということになるし、補助金の方で調節をして最終をおきめになるのか、最終をきめておいて考えていらっしゃるのか、どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/120
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121・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 利子補給の場合にまず考えますることは、先ほどの金融機関からのいろいろの援助の内容でございます。それで御承知のように、農業協同組合の整備促進の場合におきましては、農中とかあるいは信連が三分二厘程度の金利を一般的に申しまして補給をいたしております。それで今回は信連が特に異なっておりまして、農業におきましては農信連が相当な確固たる地盤を持っておるわけですが、漁業におきましては、まだそこまでいっていないというふうな状況がございまして、一応金融機関から一分七厘程度の補給を希望しておるということでございます。従いまして、基金からは三分二厘の利子補給をいたしたい。県はその半分の一分六厘、その他は金融機関の実情によりまして多少金融機関からの利子補給が動くのではないかということは考えておる次第でございます。しかし、少なくとも末端の整備促進組合におきましては、三分五厘以下の金利を自己が負担すればいいようにいたしたいというふうな考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/121
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122・森八三一
○森八三一君 そうしますと、基金の方から三分二厘、半額の一分六厘というものは固定しておる。考え方としては。ただ、漁信連等の一分七厘を期待しておるというのが、その事態いかんにより、あるいはまた、漁信連の資産の事業運用内容等によりましてこれが二分になってみたり、一分三厘になってみたりする、いずれにいたしましても結論としては、單位組合の負担というものは三分五厘以内になるように措置をいたしたいというように了解してようございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/122
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123・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 基金からの三分二厘というものは、固定しているというふうに考えております。それから県はその半分の一分六厘ということを考えておりますが、県によりましては、今までもっと援助をしてもらっている県もございますし、もっと援助してやろういうことになりましたならば、一分六厘以上の利子補給を期待いたしたい。それから金融機関は、先ほど申しましたように、変化があるというふうな考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/123
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124・森八三一
○森八三一君 そこでわずかな金額ですけれども、都道府県をして、一分六厘程度あるいはそれ以上の補助をさせようということになりますと、地方財政計画には一応織り込んでなければならないと思いますが、それはこの法律作成の過程を通して、自治庁の方とは話し合いが済んでおりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/124
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125・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) その点につきましては、何回も自治庁の方と協議をいたしておりまして、地方財政計画の中には、この利子補給を織り込んでいるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/125
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126・森八三一
○森八三一君 その次に、合併の場合の予算としては百二十五万円で、一組合当たり十万円、その二分の一というものを一応予定しているということですが、この場合、合併後存続する組合を考えるのか、合併される組合の数を考えるのかということは、どういうふうに整理しておりますか。つまり五組合合併して、一組合成立するという場合には、五万円ということなのか、五組合合併すれば二十五万円の補助金をやる、こういう考え方ですか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/126
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127・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 合併後成立した組合あるいは存続した組合を対象にいたしまして、一組合当たり十万円という考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/127
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128・森八三一
○森八三一君 これは実際合併のことをおやりになった経験があるかないかわかりませんが、何組合かを合併する奨励金として最後に残った組合一に対して十万円という金は、それは当然組合が組合らしい業務をやっていくために合併することが妥当であることであれば、補助金のあるなしにかかわらずやらなければならぬことでございますか、なかなか合併ということは簡単な問題じゃないのです。それを将来を見通して奨励していこうとする場合に、一組合当たり十万円の金というものは、現在の貨幣価値では、もらったもももらわぬも、ほとんどそう変わりのないことなんです。しかも、それは漁協は非常に小さなものがたくさんある、そういうものをたくさん合わせて七つも八つも出てくるという場合に、それでも十万円ということじゃ、何だか羊頭狗肉のような感じがするのです。それは当然やらなければならぬことをやるのだからという感じで、積極的に奨励しようという意図ではないということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/128
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129・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) まことに仰せの通りなんでございますけれども、実はこの組合の整備は、農協の組合の整備が今まで行なわれておりまして、合併奨励金も農協と同じ単価ということになっておりまして、それ以上なかなかやはり予算の関係もございまして出し得ないということで、十万円では少ないということは考えられますけれども、そういうふうな事情でございます。しかし、五組合が合併する場合もありますし、あるいは二組合が合併する場合もあるというふうなことがありまするから、一組合十万円という場合に、そこに弾力性をもって補助をいたしていきたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/129
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130・森八三一
○森八三一君 弾力性というのは、先刻のお話では、五組合合併しても最後に存続する組合に対して一と押えておる、こうおっしゃったですね、弾力性ということになると、五組合の場合と二組合の場合では、十万円に多少差等をつける、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/130
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131・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/131
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132・東隆
○東隆君 私は実は農業の方の農業法人に相当するものが、漁業協同組合なり漁業生産組合ではないかと思うのですが、この法律で漁業生産組合と沿岸漁業協同組合については、これは加入できないようになっておるのじゃないですか、法律は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/132
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133・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) 現在の水協法では、生産組合は正組合員でなく、準組合員として地区単協に加入するという格好になっております。それから連合会には単協と生産組合とは同等の資格正組合員になれる、現在の法制がそうなっております。この問題につきましては、先般来からの漁業制度調査会におきまして、少しその点は考え直すべきではないか、単協につきましても生産組合は単協の正組合員としてやるべきではないかという御意見でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/133
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134・北村暢
○北村暢君 まず第一にお伺いいたしたいのは、今回の整備法によりまして、整備を行なう対象の組合について、赤字組合と、それから超不振の組合と考えておるようでございますが、これは再建整備法で、現在まで整備をやってきて、なおかつ整備ができなくて、残ったものを整備するのでありますから、今後の対策として、私は、この法律でも五カ年計画で大体実施して、なお整備できないものが、超不振組合等が残るということのようでございますが、それについて、この法律の五カ年計画後における対策というものは、なお考えられておるのかどうか、この点を一つお伺いいたしたい。それは、なぜそう言うかというと、この法律の実施によって、超不振組合以外のものは、完全に整備せられる、で、この法律実施後、計画実施後においては、もう不振組合というものは残らない、こういう態度で法案の趣旨というものが考えられているように受け取れるのでございますが、超不振組合以外でもまたこの法律実施後に残るということになると、何回も繰り返さなければならないことになってくるんじゃないかと思うのですが、そういう点の見通しについて一つ御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/134
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135・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) この法律で再建整備を五カ年でやるということは、これは一斉に五カ年で、たとえば三年後に指定しまして一斉にやるというふうには考えておらないのであります。これは御承知のように、漁業協同組合の不振原因も、組合々々によっていろいろ事情があるのです。そういう点からも、できるだけ早くやろうという趣旨には変わりないわけでございます。たとえば超不振組合であっても、そこで再建計画をまず立てて、そのうちに不振組合で整備計画に乗ってくるというものもございましょうし、あるいはまた、漁況の変化等によりまして、そのうちに不振組合になってくるというものも考えられないことはないわけであります。そこでできるだけ早く再建整備をするということにいたしたわけであります。これはもちろん資金量等の関係もございます。それで指定日の最終期限は、昭和四十二年の三月三十一日、こういうことに、一応政令では予定しております。もちろんそれまでえんえんとやるという趣旨ではございませんけれども、一応整備しました場合におきましても、今申し上げましたように、あとからまた出てくる可能性もある。あるいは超不振組合等は、計画を立てて、その後初めて再建整備に正式に乗ってくるという面もありましょうし、それらの点を勘案しましてこの基金制度ということを採用したわけでございまして、いわば漁業協同組合における再建整備というものをできるだけすみやかにやりまするけれども、やはりまた残る部分もある、それについても対応し得るという態勢をとるために基金制度をとったようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/135
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136・北村暢
○北村暢君 次にお伺いいたしたいのは、超不振組合でございますが、これは現在の調査で八十六組合あるということですが、これは、固定債務その他の二分の一までの整備をやる、それの残ったものについては、今のところ具体的に再建ということがうたわれておらないのでありますが、超不振組合になりますと、二分の一の整備をしても、なおかつ、今後再建できるという望みがあるかないかということについては、非常に困難だろうと思うのです。従って、私は、ここで債務の相当なたな上げでもする必要があるのじゃないか。二分の一残ったものをなおかかえつつ整備をするということは、非常に困難じゃないか。従って、この際思い切って長期のたな上げ等の措置というものは考えられないものか、こういうふうに思うのですが、これに対しての具体的な措置というものを考えておられるのかどうか、この点を一つお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/136
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137・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 御質問の趣旨は、長期のたな上げをやる——固定化しておる債権とか、あるいは、もうとても取れない債権あるいは悪い債務などというふうなものをたな上げいたしまするためには、それに見合いまして、増資ができない限りは、借入金をいたしてやっていくという必要があるわけでございますが、その場合、その借入金について長期に利子補給をやっていきまして、次第にその借入金の返済、解消をいたすということになるのじゃないかと存じます。それで今回、その債務の二分の一を五年間で消すことにいたしまして、それで結局あとの二分の一は、仰せのように、たな上げということにならざるを得ないわけでございまして、従って、五年で解消はできないわけでございまするから、ほんとうに債務をすべてなくしまするためには、もっと十年もかかっていくという必要が出てくるわけでございます。それで今回は、指定の期間は五年にいたしておりまして、それから債務の二分の一までの完済は五年計画にいたしておりまするが、この整備基金は、年限の制限は考えてないわけでございまして、一応国からの基金への貸付は十年というふうに考えておりまするが、基金は十年以後においても存続いたしまして、そういうふうに超不振組合の整備には、十年以後におきましても万全を期していきたいというふうな考えを持っておるわけでございまして、そのためにこういうふうな基金制度を採用いたしまして、大体仰せのような御趣旨によって整備をはかっていくということになる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/137
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138・北村暢
○北村暢君 そうしますと、この法律で一応五カ年でやる、その後に残るものは、基金を継続して、なおかつ利子補給その他をやっていく、こういう趣旨のようでございますが、そうしますと、この二分の一の整備のできないものは、この五年間は全然手がつかないで、そのままの形で残ってしまう、こういうことになって、それは五年後の、この法律が継続されるかどうかわかりませんが、その後に一つ考える、このように理解して差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/138
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139・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この指定につきましては、五年間でやっておるということは、法人税とかいろいろそういう特典がございますので、指定は五年間でいたします。そうしますると、超不振組合にもいろいろあろうかと存じまするが、大体二分の一を解消いたしまして、それであと二分の一、自分の力で再建ができていくというふうな組合もあろうかと存じます。そういうふうなものにつきましては、できるだけ早く取り上げてやっていく。それからそういうことが困難であるというふうな組合につきましては、五年の範囲内におきまして、あとの方のたとえば三年たって四年、五年とか、あるいは五年目に指定するとか、そういうことによりまして、十年経過いたしましても、それ以後に継続して整備ができていくというふうな方法をとりまして、実情に合った整備計画を作っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/139
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140・北村暢
○北村暢君 次にお伺いをしたいのは、合併組合の件でございますが、この点については、前の質問者からいろいろ出ておりますけれども、大体三百くらいのものを予定しておって、赤字組合と重複するものが、そのうち約半分ある。このようなことの調査になっておるようでありますが、この合併の目標でございますが、これを見ると、資料を見ますというと、大体全国平均と比較しおるようでございますが、従来先ほどから出ておりますように、農業協同組合との比較からいっても、規模が非常に小さい。そのためにまた不振の原因にもなっておる、こういうような点からいって、合併の三百組合というのはどういう基準でこういうような考え方が出てきているのか。いろいろ地域的にあるいは諸種の事情でなかなか簡単にはいかないのかもしれませんけれども、もっと積極的に、やはり合併を促進して健全化するような見通しをとるべきではないか、こういうふうに思うのですが、この合併の三百という調査の出た基準が、一体どのような点からこういうものが出たか、一つ説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/140
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141・上滝ろく
○説明員(上滝ろく君) この二百九十二の組合数は、これは私どもが調べました県を通じての調査でございまして、これは率直に申しまして、われわれの方からこういう基準で合併をしろというような、そういう基準を流して調べたわけのものではございません。むしろ現在県段階で行政指導をしながら、この程度のものはこの二、三年ないし数年の間にやれるであろうという目安のついた対象組合と思っていただきたい。現在漁業制度調査会でいろいろ議論が出ておりまして、組合の規模を大きくするということはすべて確認されたような意見になって参ったのでありますが、その際の組合の適正規模が何であるかということにつきましては、これはいろいろ問題もございまして、まだ確たる成案を実は私ども事務的にも詰められておりませんが、せんだって実はこの予備審査の段階におきまして、藤野先生からも、かなり大きい規模の組合を想定すべきではないかという御意見もございまして、私ども非常に参考にさしていただいたわけでございますが、当面、制度調査会あたりで議論をしておりますことは、漁業協同組合の持っております漁業権の実態なり、あるいは現在のいわゆる漁業の、みさきを回っていく場合に、片方の方は根付き磯付きの漁業、片方の方は漁船漁業をやっておる、そういうようないろいろ実態がさらにございますので、そう極端に大きい規模のものは想定できないのではなかろうかということで、漁業制度調査会の議論では一応旧市町村地域ぐらいの地区を対象にいたしまして、組合員数といたしましては、現在全国平均大体二百人ぐらいでございますが、少なくともこれの倍ぐらいの組合員を考えるべきではないだろうかというところの議論でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/141
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142・北村暢
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、本年度の予算で漁業協同組合の整備に関する予算が、前年度からこれを比較しまして、大体一億円の増加になっております。これは基金に対する貸付金が一億円ふえておる、こういうようなことで内容的には、予算の内容的なものに対しては大体昨年度の規模とほとんど変わらない状態になっておるのでございますが、そういうような点からいって、この整備の実態が今後の予算確保の問題からいってどのような見通しにあるのか。それから基金に対する貸付金の一億というものは、この前の説明をちょっとお伺いたしましたけれども、これは来年も続いて貸し付けをしていく、こういうことのようでございますが、計画量としては一体どのぐらいを考えているのか、それを一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/142
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143・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 協同組合の整備促進に対する予算でございますが、昨年度駐在指導の費用とか、あるいは巡回指導費、こういうものを組んでおったのでございますが、その指導の費用の規模といたしましては、三十五年度におきましても大体同様でございます。三十五年度において特にふえておりますのは合併奨励金の百二十五万円と整備委員会の、これは県に整備委員会を作るわけでございますが、整備委員会の費用の七十五万円でございます。そのほかに、国の貸付金といたしまして一億ふえておるということに相なっておりまして、来年度の三十六年度の予算につきましては、先ほど長官からも申し上げましたように、衆議院におきまする大臣の御答弁もございましたが、できるだけこの基金に対する貸し付けをふやして参りたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/143
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144・北村暢
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、基金のことでございますが、これについては前にも予備審査の段階でもお伺いしておるのですが、今年度の計画である管理費、大体百万を見ておる、こういうことのようでございまして、その内容等についても理事長一名が常勤で、その他は非常勤というような形で、こういうことで、基金としての経費を、なるべく管理費を削減したい、こういう考え方で出ておるようでございますが、私はこの基金というものを、これだけ法律でしっかり制定をして、できる理事長並びに理事、監事の役員という者の給与を基金そのものが支給しない、こういうことは常勤する理事長一人だけという考え方は、私はこういう法律で制定するものの性格からいって非常にまずいのじゃないか、このように思うのです。と同時に、この基金は、必要があれば地方にも置くようなことになっているのですが、この基金の構成というものについてどのような考え方を持っておられるのか、連合会の、全漁連の援助を得てやるのだ、こういうことのようでございますが、こういう法律で制定する基金の性格からいって、そういうことは非常に運営上からいってまずいのではないか、こういうふうに思うのです。で将来これが運営がうまくいって、問題が起こらなければいいですが、相当ないろいろな規定上の罰則、その他なんかもついておるのでございますから、運営がまずくいった場合における責任というようなものを勘案しますと、どうしてもやはりこの基金というものを充実させるためには、常勤が一人というようなことでは不十分ではないか、このように思いまするので、どのような考え方を持っておられるのか、具体的に説明をしていただきたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/144
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145・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 今北村委員の御指摘の点は、まことにそういう感じもするわけでございますが、今現在の基金、政府の貸付が一億円、それから業界と申しますか、系統団体なり、中金なり、信漁連の出資、これが当初の予定が一億円、今年度は一億五千万出る予定でございます。いずれにしましても二億ないし二億五千万円という基金で当初発足いたしました以上は、この運用益というものはおのずから額に限度がございます。従いまして、これをできるだけ利子補給の方に回す、こういう意味におきまして、さしあたりの計画としましては、北村委員のおっしゃったような常勤理事一名、これは当初年の半年分でございます。あとは全漁連から役務の出資を願いまして援助していただく、こういうことになっております。しかし、これでいつまでもこのままの態勢でいくということは、われわれとしても適当とは考えておりません。いずれ基金の資金の充実というものと見合いまして、この方面についても充実して参りたい。特にこの基金というのは、将来中央会的な性格のものに脱皮するという含みをもって発足します関係におきましても、そういう点を見合いながら今後充実していきたい、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/145
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146・北村暢
○北村暢君 充実するのはけっこうなんですが、私は、あまり基金というものに対して賛成ではないのでございますけれども、これが往々にして、やはり機構としてふくれていくということになりかねない。今長官から説明もありますように、将来は中央会に発展させていこうという考え方を持っているようでございますが、この点についても質問したかったのでありますけれども、そういうふうに、機構としてふくれていく傾向になるのではないか、まあこの基金の政府からの借り入れ期間が十年、十年たった後における——その前でも問題が、整備が終わるのが、五カ年計画でありますから、その後どうなるかという問題とも関連するのではないかと思いますが、機構がふくれていくのではないか、その心配があるわけです。しかしながら、基金として設ける限りは、やはり充実したものを、しっかりしたものを設けて、法律の趣旨に従ったものをはっきりやるということでなければならないと思うのです。そこでそのものが、この基金の業務の一つの中に、指導業務をやる。こういうことになっているのでございます。で、指導業務をやるというのでありますけれども、そのほかに指導は、この基金だけが指導業務をやるのではなくして、いろいろな、県または系統団体の巡回指導をやる、駐在指導をやる、こういうことを計画されているようでございますけれども、基金の行なう指導と、県並びに系統団体の行なう指導と、一体この指導というものに対して何か混乱が起きてくるのではないかという感じがする。しかも基金が行なう指導は、法律では規定しておりますけれども、基金の陣容からいって、私はとても指導をやるような態勢にはないのではないかと思います。この基金の陣容からいって、協同組合の指導をやる、しかもそれが常勤の一人の理事で、職員は全漁連から借りてやるというような程度で、指導業務をやるという規定にはなっておるのですが、一体基金の行なう指導と、県あるいは系統団体の行なう指導と、どのような調節をとってやられようと考えておられるか、この点は非常に疑問に思いますので、お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/146
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147・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在全漁連を頂点とする系統団体の指導、それから国、都道府県という方の行政機関の指導、これはお互いに助け合って指導しているわけでございます。県の巡回指導、あるいは駐在指導の場合におきましても、県漁連の職員等もこれに当たるということになっております。そこに基金が指導をやるということになって、混乱が生じはしないかという御質問でございますけれども、この基金の業務としては、ここに指導も書いておりますのは、この基金が長期的に、将来において伸びていく姿というものを想定しまして、この業務として能力を与えておるということでありますので、現在そのまま、あるいは発足当初は率直に申し上げて、その資金量からいっても、指導業務というような方に力を注ぐわけには参らぬ。第一年度であります昭和三十五年度におきましても、あるいは合併奨励金、そういうもの、これはもちろん一般会計から直接従来通り出す。将来におきまして基金の資金が充実しました暁におきましては、今後この基金が脱皮して発展していくということを想定しまして、指導業務というものをそこに入れたわけであります。その際におきましてやはり混乱が生じないかという御疑問があろうかと思いますけれども、やはり基金はここに出資者としまして系統団体あるいは中央会等がいる、結局これも系統団体の一つの姿であります。実際の運用さえよろしきを得れば、決して私は混乱を生ずることはない、ただし、その具体的な指導計画というものは、やはり当初からそれがあるわけではございません、今後においてその辺は十分検討して参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/147
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148・北村暢
○北村暢君 そこで、指導の基金が、先ほども言われておりますように、中央会的なものに発展さしていきたい、こういう考え方のようでございまして、また、この資料にもそういうようなことを書いてあるのでございますが、農業協同組合の中央会的指導業務を行なっているもの、これを考えておるようでございますけれども、この農業団体の整備の中で、やはりこの指導業務なりあるいは経済業務なり何なりで団体の整備の考え方というものが出てきているのです。そういうような点からいって、私は中央会的なものを新たに作っていくということについていろいろ慎重に検討する必要があるのじゃないか、こういう団体の機構を複雑化していって、それで能率が上がるのかどうかという問題についてはやはり相当考える必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのです。従って、その基金の指導業務というものが現在は貧弱であるけれども、将来指導業務というものを全漁連から分離をして中央会的性格のものを作る、こういう趣旨のように承るのですが、これは実際にそのような考え方で、この基金というものの指導業務というものを考えておるのかどうかということをもう一度お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/148
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149・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 私の先ほどの説明がちょっと飛躍したところがございまして誤解を生じたと思いますが、この基金の業務として与えられておる指導業務は漁業協同組合の整備を促進するための指導業務こういうことでございます。もちろうその面につきましてもその系統団体の問題等これはございますが、ただ、その後におきまして、将来の含みとして中央会的なものとして脱皮していくということも一つ描いておいていいんじゃないかということでございまして、その際において、こういう中央会的なものを作ることがいいかどうかという議論はもちろんあると思いますが、まあ現在全漁連が指導と経済をあわせ行なっているということも、これまた一方に非常に強い批判もございます。いろいろ利害得失もあるかと思いますけれども、やはり将来の姿としてはそういうことも描きつつ一つ問題を考えていくという必要がある、こういうふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/149
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150・北村暢
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、この基金の運用の問題でございますが、出資金と国からの低利息で貸し付けられている資金、この運用益をもってやるというのですが、この運用のやり方はどういうようなことを考えておられるのか、一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/150
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151・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) この法律の四十五条に余裕金の運用というのがございまして、業務上余裕金を運用する場合には、第一に、「銀行、農林中央金庫又は農林大臣の指定するその他の金融機関への預金」「国債、地方債又は金融機関の発行する債券の取得」それから「信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託」これ以外の方法によっては運用してはならないことになっております。それで現在考えておりますのは、こういうふうな運用によりまして大体六分五厘程度の利回りで回していきたい、できましたらもっと高い利回りを得たいということを考えておりますが、確実な運用ということが必要でございまするので、一応六分五厘程度で回しまして、その運用益によりまして利子補給とかその他の管理費用に充てていきたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/151
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152・北村暢
○北村暢君 その場合、出資者であります漁業協同組合連合会あるいは信用基金、中金が出資をする、その場合利益金は、これは返済しない、こういう規定になっているかと思うのですが、この関係はどうなりましょうか。中金等において出資をした場合に、それに対して利益というものは配当がないということになれば、中金の方の出資との関係ですね、そういう利益のないものに出資をするということがどうもこの法律によって押しつけるような結果にならないか、このような感じがするのですが、この点をちょっとはっきりいたしませんので、説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/152
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153・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) その点は全く仰せの通りでございまして、出資に対して配当をいたさないということでございます。しかしながら、こういうふうな整備促進を基金によってやっていきますということによりまして、農林中金にいたしましても、あるいは信漁連にいたしましても、自分の債権を将来にわたりましては確保ができていくとか、いろいろそういう系統全体として自分の利益に還元されてくるという面が非常に多いわけでございます。そういうふうなことを考えましたならば、出資をいたしましてその配当がこないということも忍ばれまして、なお系統全体としてよくなっていくということによって利益が上がっていくということも言えるのじゃないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/153
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154・北村暢
○北村暢君 そうしますと、これは団体、協同組合は非常な、先ほど来ほとんど金利のつかない金と低利の金を、そういうところまで利子補給がある、これは非常に助かるわけなんですが、そのために漁業協同組合連合会並びに信用基金協会、中金というものは——中金もその出資をする場合に中金自体の資金、これを出すわけでありますから、これも当然一つの何といいますか、経済行為を行なっておるわけでありますから、そういうふうな観点からいってどの程度の、将来取れないものが取れるということはそれはいいのでありますけれども、どの程度の利子補給をしたものが、中金その他に還元されていくわけですから、それでまあ普通の中金の業務をやっているものから比べて、何といいますか、十分な利益をあげられない、こういう結果になる、その割合はどんな程度になるのでしょうか。先ほどの説明だというと、非常に抽象的で固定債務になっておるものが返ってくる、利益はあるでしょうけれども、実際にその中金が正常な業務を行なっている点からいえば相当なやはり犠牲を払うのじゃないか、こういうふうに考えられますが、その犠牲の程度というのは一体どんな程度のものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/154
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155・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 仰せのように、ある程度犠牲になるという点も出てくるかと存じまするが、先ほどちょっと申し上げました余裕金の運用の点におきまして、農林中央金庫とかあるいは信漁連とか、そういうふうなところへ預金をするというのは相当多いだろうということを考えております。それでたとえば中金が三千万出資をした、従って、その一割の金利としまして三百万ということになりますると、今度は基金の方の余裕金運用で、一億中金に預けたといたしまして七分ほど基金が中金から利息をもらう、そうして中金が一割で回すということは、これはその金だけを一割で回すということは困難でありまするが、もし一割で回すといたしましたならば、それと同じ金額を中金が得るということにもなりまするし、一例を申し上げますると、そういう点もありまするので、もちろん犠牲ではございますが、その犠牲を少なくして協力していくということも考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/155
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156・東隆
○東隆君 私は、この不振漁協対策関係で、この際特に考えていただかなければならぬ問題があると思うのです。それは不振組合のやはり中心的な問題は販売事業と購買事業が、これがお互いに制約をし合って進んでおらないということだろうと思います。それで漁協でもって販売事業を伸ばすためにはやはり農村で肥料を、しっかり購買事業でもってやると同じように、漁協ではその肥料に相当する石油をやはり協同組合が組合員のために供給をする、この態勢を確立しなければ協同組合としての発達はおそらく望めないのじゃないか、こう思うわけです。そこでそれをやるために、今までのような状態でありますと、業者の系統から全部石油を仰ぎますから、従って生産をされたものはまた業者に取られる、そんなような形で両方ともまずい結果になってくるだろうと思います。そこでこの際、活を入れるために、やはり石油を全漁連の系統を通して協同組合に流す、この線を私は確立をする必要があろうと思います。で、中央会などができて、あるいは指導漁業協同組合連合会のようなものがかりにできて、そうしてそこが中心になって、そういう方面の系統利用の道を大いに講ずるというような態勢ができればこれはいいんでありますけれども、まだそういうような形ができておりませんから、この際まず初まりを購買事業のうちに石油を一つ十分に系統を通して流す、こういうことを考えるべきじゃないかと思う。これによって大ていの漁業協同組合は、私は相当な事業分量が目に見えてふえていくのじゃないか、こういうことを考えるのですが、その点はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/156
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157・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 現在全漁連を中心とする系統の石油の購買事業というものは、年々着実に伸びていっております。さらにあるいは去年あたりから安いのを全漁連がソ連などから入れるということもやっております。従いまして、この問題、系統機関による石油の購買事業を伸ばしていくということを、われわれとしてはできるだけこの方向に向かって推進して参りたい、こう思っておるわけでございます。ただ、現在までのところ、従来の取り扱い業者による系統ルート、この方面でなかなか確固たるものがありまして、たとえば外貨割当その他の面においてなかなか全漁連の系統の購買というものが抵抗が大きいというのが現状でございます。私どもといたしましては、石油の購買事業は、今後全面的に力を入れて伸ばしていくようにやって参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/157
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158・東隆
○東隆君 実は私は、先日フィッシュ・ミールの問題で水産庁の次長さんを中心にしていろいろ伺ったのでありますが、あの問題については、実は私は非常にまだ理解に苦しんでおるわけです。そこで先日、通商局の次長が見えたときにこういう皮肉なことを言っておりますが、農林省の方からフィッシュ・ミールの輸入外貨割当について二万トンを持ち出すと、通商局の方ではさっそくOKでもってそれを割り当てる、こういうようなことを言ったが、農林省から来たから割り当てた、こういうようなことを言っておりましたから、この際は一つ全漁連の外貨割当の分は、これは農林省から堂々と一つ相当な量を、こなし得る量を一つ通産省の方へぶっつけてもらいたい。そうしてこれを獲得してもらいたいわけです。これは笑いごとではなくて、私は、全国の沿岸の漁業協同組合に活を入れる、私はこれは一番中心的な問題であると思う。これでもって漁業経営をやる、そこから生産されたものは石油のつながりでもって協同組合に出荷される、共同販売される、その代金が結局借入金に対する支払いと、こういうようなことにもなりましょうし、あらゆる方面でもって回らなかった車がこれで回ることになろうと思う。それで初めて不振組合が解消していく、これだけではございませんけれども、私は中心的なものであろうと、こう考えますので、この金の方面における今回の措置と相待って一つこれを同時に進めていただきたいと思いますが、その点どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/158
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159・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 東委員からフィッシュ・ミールの話と関連して実はあれがございましたが、率直な話、石油の方は、輸入の何と申しますか、外貨割のこれは非常にもうかるものですから、非常に権益的なものである、そういうことでなかなか困難がございます。私どもといたしましては、仰せのように、今後系統団体による石油の取り扱いというものをできるだけ伸ばして参りたい、そうすることによりまして、購買事業あるいは販買事業全体をくっつける、そうして系統組合の組織を強化して参ると、こういうことに向かって進みたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/159
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160・千田正
○千田正君 今、東委員がフィッシュ・ミールの問題を質問しておりますが、これは今度の場合、私は同じ農林省の中において、片や畜産局、片や水産庁と、しかもそこに大きな矛盾をはらんでおる、こう思うのであります。というのは、貿易の自由化に基づいて及ぼす影響のうちで、一番これは、非常に強い影響じゃないかと、こう思うのは、魚価対策として漁業組合その他北海道あるいは三陸沿岸、この地方におけるサンマ、イワシ等の魚価の低落に基づくところの魚かすの生産と、これによって何とか生きていこうという対策と、一方においては安い酪農製品が自由化によって外国から入ってくる。それに対抗するためには、ようやく馬から牛に切りかえたところの畜産行政の面においては、どうしても飼料において安いものを手に入れなければ、外国の輸入品と対抗できない。こういう農業の一つのテーマがあるわけです。この矛盾した姿を解決するということが農林省としては大きな問題になろうかと思いますが、この解決について、水産関係としてはどういうふうに考えておるか。私は今度の場合には、かりにペルーのフィッシュ・ミールが入ってくる。そうしますと、せっかく漁連が中心になって三陸沿岸の魚かすを集めて価格維持をはかっておる、それが途中からくずれていく。魚価対策そのものが根本的にくずれていくということは、とりもなおさず、正しい漁業協同組合の経済運営の面に非常な影響を及ぼしてくる、こう思うのですが、この面においては、非常に私はデリケートな問題だと思うのですが、水産庁長官は、今後どういうふうな方針でこれを進めていくか、所信をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/160
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161・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) ペルー産のフィッシュ・ミールを二万トン入れる、これは臨時緊急のものでありまして、今後こういう態勢をもって入れていくということは、われわれとしては絶対に考えておりません。ただ、在庫品が払底して、端境期を乗り越えるために、臨時緊急であるということで、これは今回限りのものである。しかし問題は、今、千田委員の御指摘のように、われわれも、水産でやりつつある魚価対策と、一体酪農関係の方の、酪農と申しますか、養鶏と申しますか、畜産関係の方の要望等をどう調整していくかという問題は、いろいろむずかしい問題をはらんでいると思いますが、私どもとしまして、やはり沿岸漁業、あるいは日本の漁業者の生産品のコストを維持する、コストを保障するというような対策、現在の魚価対策というものは、一方において、これは今後も強化して、もっと実効ある方法にいろいろ制度を工夫をこらしていかなくちゃならないと思います。しかし、一面において、今のような畜産界の要望もありますので、そういってできたものが不当に高い値段であるということは、また好ましくないわけであります。われわれの望むところは、漁業生産者、漁業者が、自分の生産費を償うというところに目安を置いて問題を考えていくべきじゃないか、たまたまこれは統制経済でございませんので、そこに思惑等が介在しまして、フイッシュ・ミールの値段がつり上がるというようなことがありましても、これは結局魚価には還元しない値幅の問題であり、われわれとして魚価維持対策としては、漁業生産者の生産費を償うということを主眼にして今後考えていきたい。ただ、具体的に、しからばどういうプログラムでもってやっていくかという点につきまして、今具体的な成案はまだ得るに至っておりませんが、漁業生産者及びフィッシュ・ミールの実需者、両方の系統団体なり、そういう代表をもって構成する需給調整協議会というものを最近作りましたので、そこを中心としてまず草案作成等につきましては、そこの意見も聞きつつ政府の案も固めて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/161
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162・千田正
○千田正君 西村長官は非常にそういうお考えでけっこうなんですが、この間、予算委員会で私はあなたの部下の次長に質問した場合、研究が不十分じゃないかと、それは農林省の畜産局長とあなたの方の、あなたのかわりに高橋次長と並べて、現在のフィッシュ・ミールの値段、漁連が獲得している値段を逆算した場合に幾らになるか、逆算した場合に三十円以下なんですよ、一貫目。それで生産費が償うかと、とんでもない話です。だから、生産費を償うような値段にある程度魚価を持っていくためには、今漁連が伊藤忠なら伊藤忠に売っておる値段よりももっとある程度の値段が高くなければ沿岸の漁業団体は食っていけませんよ。ところが、今漁業連が確保して、そしてそれを伊藤忠に売った値段が畜産局からいえば高い値段であると、ペルーから持ってくるとそれの約三分の一か、三分の二安いものを入れられるのだと、こういうことを畜産局長は主張しているわけだ。だから両方が矛盾してくるのですよ。あなたのおっしゃるようないわゆる生産者の間に合うような、漁民の間に合うような生産価格を維持しようとするならば、現在持っておる価格より少なくとも……、現在持っておる価格が最低の値段なわけだ。それを逆算していくと、貫当たりの値段は、一貫目三十円にならない。二十五円か六円にしかならない。これではとてもやっていけない。石油代にも当たらない、こういうような現実の問題をどういうふうに解決していくかということを私はほんとうは聞きたいわけなんです。あなた方、その研究が足りないじゃないか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/162
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163・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 私はサンマかすについて、漁業生産費を償うという、今のすべての漁業者がすべて魚かすに売って生産費を償うということを申し上げた趣旨ではございませんで、やはりそこは鮮魚として、魚の姿において出荷するものとの意味合いにおいてその点は考えていく。従って、すべてを魚かすで償うという、魚かすではこれはとんでもない高い値段になりますし、これは実需者の方にもそれでは耐えられない値段だと思います。まあその方は別といたしまして、現に魚かすは高いのじゃないか。ペルーのは非常に安いのじゃないか、そういう点につきまして、われわれとして今後どう考えていくかという点につきましては、いろいろな問題があろうかと思います。たとえば輸入フィッシュ・ミールというものをもし全体の供給量としてこれの絶対量が足りないなら輸入する必要があろうと思います。その輸入をする場合に、それといわゆる内地産の魚かすをプールするような格好のことも一つ考えられるのじゃないか。それはなるほど研究が足らないと御指摘になれば、それは今のところ成案を得るに至っておりませんから、その限度におきましては私ども研究が足りませんけれども、今後この実情に即するようにいろいろその辺を見まして、なるべく早い機会に、しかもそのねらいとするところは、やはり漁業生産に変な影響を与えないような格好においてそこを考えていく、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/163
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164・千田正
○千田正君 まあ研究が足りないというのはあるいは誤弊があるかもしれませんが、しかし、もう一つの問題は、北洋の漁業によっていわゆる生産する魚かすというものは、フィッシュ・ミールは、これは大体海外に輸出して外貨を獲得するためにあなた方は指導してやったはずなんです。ところが、外貨獲得どころじゃない。外国においてはペルーのような安いものと競争できないから、自然にそれがストックになってしまう。やむを得ないからそれを国内に持って入ってくると、今の沿岸の漁業協同組合の単協の集めておる魚かすとの間に相当影響する値段になって入ってくる、こういう問題が出てくる。現実出てきつつあるわけだ、こういう問題はどう解釈しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/164
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165・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 北洋のフィッシュ・ミールはこれは一昨年から始まったもんで、本年は四船団に増強されますが、これは千田委員の御指摘のように、やはり外貨獲得というとを本旨として始められたもんである。ところが、たまたま去年あたりからペルーのフィッシュ・ミールというものが大増産になって、非常な安い値段なんです。まあいわゆるダンピングされているわけです。従いまして、その影響がイギリスあるいはカナダ、その他いわゆる漁業国に非常な大きな反響を来たして、その辺にも混乱を来たしている。これについての対策というのは非常にむずかしいと思いますが、現状としまして、内需に回すということを考えなくちゃいけません。しかし、たとえば品質の点につきましても、北洋のフィッシュ・ミールの品質とペルーのフィッシュ・ミールの品質とは、相当品質が違うので、やはり長い目で見ました場合に、欧州、ことに西独の市場というものを獲得しておくということは必要でありまするので、私たちとしましてはこれは、いろいろ経済的には漁業会社としては難色もあるかもしれませんけれども、できるだけ多くの数量をやはり輸出に回すということを一つ努力して参りたいと思います。それから国内にそれを向けた場合に、魚かすとの問題でございますが、これは国内における放出の時期等を考えると、適切にやればそれほど心配しなくてもいいんじゃないか。と申しますのは、やはり国内で絶対量としましての需要も年々伸びておりますし、かりにこれらのペルーのフィッシュ・ミールというものがほとんど全部国内に入ったとしても、総量的にはやはり需要ととんとんであるというような計算も出ております。私どもは、かりに国内で放出する場合も、国内の魚かすの値段に悪影響を及ぼさない、それは単に数量的な問題でなく、やはり人気的なものも考慮に入れて、時期的な問題を慎重に考えたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/165
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166・千田正
○千田正君 私は、そういう今申し上げたような魚価対策だとか、共済制度の確立とかというようなものが、同時に、今審議しておりますところの漁業協同組合の育成、強化と相待って、うらはらの制度として考えなければ、幾ら法案で、これが出て通過していきましても、これは時限立法ですから、五年たてばまた同じような累積した赤字を背負って、さらに手術をする場合にはもっと大きなメスをふるわなければならないという時代がやってくるというおそれを感じる。やはりこれを出す以上は、そういうような根本的な政策の、魚価対策であるとか、共済制度というようなものを同時に一つ考えられて、この法案の完全なる、将来漁民の対策に資するように、効果を上げるようなものにしてもらいたいという希望を申し上げて、私の質問は終わりますが、そういう意味で今まで申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/166
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167・東隆
○東隆君 私は、今千田君が言われましたけれども、フィッシュ・ミールの問題は六月までに勝負をつけなければならぬ問題だと思います。それで六月までに入るとしますと、国内における繰り越しの量は、月間消費の量を相当上回って、多分二カ月分くらい繰り越されることになります。七月に繰り越しされる数がそういうような数字になる。これは私は梅雨を控えて入ってきたものや、その他のものが非常に商品としての価値を落とすんじゃないか。そういうような心配もあるし、これは六月までの値段をかれこれ言うわけじゃないのです。そこに影響するのじゃなくて、六月以降のものについて価格を非常に下げていくという、そういう要素になると思う。これは非常に考えていただかなければならぬ問題だと、私はそういうふうに考えているわけです。そこで、この際輸入したものについての価格差がだいぶできてくるわけですが、これを水産方面に相当活用するような方法を講ずべきではないかと、私は思うのです。そういう方法を講じないで、単に業者の間の利益、そういうようなものにそれが使われるということになると、はなはだ残念だろうと思うのです。私はフィッシュ・ミールを輸入して悪いとは言わない。足りないときには輸入しなければならない。そこで、国内で生産されたサンマでも何でも、これが飼料にならないで、あるいは肥料にならないで、食料の方面に向けられる。こういうことになれば、相当漁家の収入もふえて参るのですから、そのためには、いろいろな施設をしなければならない。そういうような方面に対して相当な金を使って、そうして、その上で食料の方面にも回ったら、そこでえさとしての分が足りなくなった、あるいは肥料の方面に使うものが足りなくなった、こういうなら話はわかるのです。ところが、そういう方法は何も講じなくて、しかも政府が、少ない金であるけれども、千六百万円か何か出して、魚かすの価格維持をやってきているわけです。そういうようなことをやっているのですから、これはもう非常に矛盾もはなはだしい形でもって出ていると思う。だから、この際、価格差を何らかの形で吸い上げて、そうして沿岸の漁民が収入がふえればいいのですから、だから貴重な鮮魚を飼料にする必要はない、また、肥料応ずる必要はないのですから、食料として使い得るような形を作り上げる。これは私は、日本における水産業の大きな改革にもなると思う。そういうような意味で、そっちの方面に一つこの際方途を講じて、そういう将来は安い飼料が入るならそういうような道を講ずる、こういうことになりますれば、えさ業者の仕事ができてくるのだし、両方ともいいと思うのですが、それをやらないでこのままぶん投げておけば、これは私が心配したような形になる。この点、一つどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/167
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168・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 東委員の全くお説の通りのことであろうと思います。私どもは、大体魚かすの価格維持ということは、ひいてはそれが魚価の維持になるということでやっているわけでございます。それよりもとをただせば、やはりできるだけ食料に回す。その方が価格がいいわけでございます。その方策を講ずるべきであろう。翻って、産地におけるこういう大量的に取れる漁獲物の値下がりの原因というものを見ますと、その陸揚げ期における加工処理及び出荷の能力、こういう限度をこえた数量が、がたっと下がるわけです。そこで、そういった場合に、そこに冷蔵庫なり冷凍庫をどんどん作ればいいじゃないかということでございますけれども、これは、たとえばわずかサンマ三カ月のために大きな冷蔵庫を作るというのは、これまた過剰投資になって、実は漁村における冷蔵施設というものが、いわゆる組合の不振原因にもなる。そういうことが多少あるようであります。われわれとしては、そこをどう打開していくかとこういうことを従来から苦慮しているわけであります。たとえば大きな冷凍船を持ってきまして、それを海の上の工場として陸揚げ港につないでやっていくということで、その漁期がはずれればほかの用途につかせるというようなことも検討してみたわけでございますが、それによって確かに魚価維持になると思いますが、それが事業的にはやはり冷凍船を持っていくということが成り立たないのであります。従来、今までのところ、そういう成案も得なかったわけであります。今年のサンマ漁業につきましては、漁業調整の面も一段と進歩させますが、なお、今後サンマの価格維持対策というものにつきましては、そういった面、何らかの方途をもう少し考えて参りたい、そうしてできるだけ食料に回すということが必要である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/168
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169・東隆
○東隆君 私は、できないというお答えじゃなくて、価格差が出ると思うのです。だからこの際、これを吸い上げる方法を講ずべきじゃないか。そしてそれを、今言った冷蔵庫なり、そういうものを作れば、それは決して身を切った金じゃないのですから、だから、この金によってこしらえた冷蔵庫というものはきわめて採算のとれる冷蔵庫になりますし、それから冷蔵庫そのものが事業的に成り立つなんという考え方でなくて、その沿岸の漁民がいかにして収入を増すことができるかという形にすればいいのであって、それは一つの施設なんですから、小さな協同組合の計算でもって考えては問題にならぬと思うのです。だから、やはり、北海道でありますならば道の漁連がそれを持つとか、そういうような形でもってやればいいのであって、それを小さな不振漁業協同組合にそれを運営させるなんて、そういう考え方をやれば、これはもう問題になりましょうけれども、適当な個所に連合会がそれを持つ。そうして、その倉庫の採算というものは、場合によってはこれは赤字になるかもしれません。しかし、赤字になっても全体として共同販売を促進することができるとか、そういうようなことになるのですから、だから倉庫の事業そのものによって成り立つ成り立たぬなんて、そんな問題でなくて、今回のいい財源があるから、私はその財源を一つ何とかつかみ出して、そうしてそれを有効適切に使う方法をお考えになる必要があるのじゃないか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/169
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170・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 外国産の安いミールを輸入して価格差を吸い上げて適切に使う。これは確かに非常に示唆に富んだお考えでございます。われわれとしても、先ほど申しましたように、今後具体案を考える場合にもそういった御意見も参考にいたしまして、いろいろな面から考えていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/170
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171・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/171
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172・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。
他に御発言もなければ、両案についての御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/172
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173・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 御異議がないようでございますから、質疑は終了したものと認めます。
それでは、本日はこれをもって散会いたします。
午後五時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02419600414/173
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