1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年四月二十一日(木曜日)
午前十時五十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 堀本 宜実君
理事
櫻井 志郎君
仲原 善一君
大河原一次君
東 隆君
委員
秋山俊一郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
重政 庸徳君
田中 啓一君
藤野 繁雄君
小笠原二三男君
北村 暢君
戸叶 武君
中田 吉雄君
千田 正君
政府委員
農林政務次官 大野 市郎君
農林省農地局長 伊東 正義君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○開拓営農振興臨時措置法の一部を改
正する法律案(内閣送付、予備審
査)
○開拓者資金融通法の一部を改正する
法律案(内閣送付、予備審査)
○開拓者資金融通法による政府の貸付
金の償還条件の緩和等に関する特別
措置法案(内閣送付、予備審査)
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001・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第七三号)、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(閣法第一〇五号)及び開拓者資金融通法による政府の貸付金の償還条件の緩和等に関する特別措置法案(閣法第一〇六号)(いずれも予備審査)を一括議題といたします。
三法案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/1
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002・藤野繁雄
○藤野繁雄君 開拓事業の行き詰まっているやつを打開するためには、今までの国会でいろいろ検討されたのでありますが、今回政府がこれらの点にかんがみまして、開拓に関する三法案を提出して、開拓事業の推進に努めるようになられたということは、まことに喜びにたえないのであります。今、開拓者資金融通法による政府の貸付金の償還条件の緩和等に関する特別措置法案の提案の理由を見てみまするというと、こういうふうに提案理由に述べておられるのであります。「従来、大部分の貸付金は、開拓農業協同組合に貸し付け、その組合員たる開拓者に転貸せしめる方式をとって参りましたが、その方式では、弁済充当の関係から、転借人たる組合員の償還と、組合の国に対する償還とが、必ずしも対応しないことがある結果、転借金の償還も消極的となり、かつまた、これが、組合の経理を混乱せしめる一因ともなりまして、ひいては、営農不振の原因の一つともなっていると考えられますので、今後の貸付金については、当初から直接に開拓者個人に貸し付けることを原則とすることとし、一方、既貸付金については、この機会に、個人の債務引き受けを認めることとして、これを個人貸しに切りかえ、国において直接個人ごとに債権管理を行なうこととした次第であります。」、また開拓関係三法案提案理由補足説明の要旨では、「第四条は、従来法人貸をしておりました個人対象資金を個人貸に切りかえるため、開拓者の債務引き受けを認める規定であります。」、以下、前に申し上げたと大体同様のことを書いてあるのであります。そこでお尋ねしたいことは、大部分の開拓農協は信用事業を行なっていない現状である、こういうふうなことなのであります。今資料によってみまするというと、開拓関係法案参考資料の五ページによってみまするというと、開拓農業協同組合の現況という表があるのであります。この表によってみまするというと、総組合が四千百八十四、出資組合が千九百七十二、このうち信用事業の組合が二百二十二、非出資組合が二千二百十二と、こういうようになっているのであります。そこでお尋ねしたいと思うのは、将来も開拓農業協同組合には信用事業を行なわせない方針であるかどうかです。これがまず第一なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/2
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003・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 方針としまして、開拓農協に信用事業を行なわせないという方針は実はとっておりません。私どもとしましては、開拓農協は、総合農協との関係もございますが、やはり今のありますように四千百八十四、お手元に差し上げました資料にございますが、これの中で非出資の組合が大部分だというような形の農協がはたしていいかどうかということは非常に問題でございまして、私どもとしましては、やはり開拓農協をしっかりしたものは開拓農協として育て、それで開拓農協として育てにくいというものにつきましては、これはそのまま既存の農協に加入するというふうなことで、なるべくこれは強化をし、総合農協との関係をまた調整していきたいというふうに考えておりまして、一切信用事業は今後やらせぬというふうな方針はとっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/3
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004・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、現在信用事業を行なうということを定款で規定しているところの開拓農協が、今後の信用事業に対してどういうふうな運営をするかという基本的の指導方針があったらばお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/4
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005・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これはおもに系統金融との関係になりますが、そういう定款で信用事業をやるということでしっかりしておりますような農協につきましては、これは系統金融機関の一環として当然考えていくという方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/5
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006・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうしますというと、市町村区域の農業協同組合があるから信用事業の方はその方でやらしていって、開拓農協というようなものは大体においては信用事業はやらせないのだと、そうして開拓農協のものというものは、すべて他の総合農協を利用させるように指導していくんだ、しかし、開拓農協のうちで大規模のものであって、信用事業を行なってもいいというようなお考えの組合に対しては信用事業を奨励していく、こういうようなことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/6
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007・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 大体そういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/7
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008・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、今提案理由のところでも申し上げたように、政府の方ではある個人は法人に金を返している、しかしながら、その法人は国に返す場合において一括して払うから、各個人ごとの金でないから、その本人は全額を払い込んででも、開拓農協からいったらば、それが借入金の利子が未納であったらば、そういうふうな未納のものに振りか、えられるから、結果においては組合、個人間は完納してでも、組合、国家間の完納ができていないから、そういうふうなことで非常におもしろくないようなことが生じてくる。であるから、今後は直接貸しをするのだというようなことであるのでありますが、そうであるとしたならば、そういうふうなものが現在幾らぐらいの組合があるか、その金額がどのくらいの金額になっておるか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思うのであります。また参考資料の十六ページによってみまするというと、昭和二十八年の七月から昭和三十四年十二月までの返済及び代位弁済した金額というようなことで、個々に現在保証額が一億以上あるのでありますが、一体個人は払ったけれど、組合が払わずにいるというような組合は幾らぐらいあって、その金額がどのくらいになるか、こういうふうなことがあるからこの法律を出そうというようなことであったらば、組合の数及び金額はどのくらいであるかということを一応御検討のことと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/8
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009・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今、十六ページといって御質問になりましたこれは、実は保証協会の関係のことでございまして、保証協会が保証するという関係でございまして、国の債権とはこれは全然別でございます。で、先生おっしゃいました組合の数はどのくらいかという御質問でございますが、実はそういうふうになっているという組合の数の調査はまだございません。ございませんが、国の債権で今貸付残高は百九十三億ぐらいございます。それ4期限が来まして調定をして未収になっておりますのが約二十三億ぐらいございます。それで実は今度個人貸しに切りかえようということの一つの大きな原因としまして、先生が今御指摘になりましたように、組合員は自分は元金のつもりでまあ返している、ところが、組合と国の関係は、返済充当の関係から組合は金利を先に払っておるというようなことで、個人は返しているのに組合からは返っておらぬというようなことが実は往々にしてございます。また組合に貸しました金が組合員個々にはっきりまだ貸付になっておらぬというようなことも、実は例としてたまたまございます。それで、これは実は開拓者の方からも要望がございまして、私の方の債権の管理の方面と両方からいたしまして、やはり国から借りておるというものは、個人別にはっきりした方がいいのじゃないか、私の方も債権管理の建前から、開拓者も個人個人がやはり自分は幾ら借りているのだ、それで幾ら返しているのだということがはっきりしないと、やはりいかぬのじゃ、ないかというようなことで、個人貸しというふうに踏み切ったわけでございます。例といたしましては、今自作農資金は、実は個人貸しでやっております。こんなあれがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/9
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010・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、そういうふうな組合で振興計画を立て、その振興計画を承認せられた組合のうちに、今申し上げたようなことで、個人が払ったけれど、組合が払っていないというようなことがあると存じますが、振興計画を立てた組合のうちで、個人は払いながら、組合が払っていないというような組合がどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/10
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011・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今、先生のおっしゃいましたような組合員、これは振興組合員といいますと、約九万五千人くらいの農家になりますし、組合は約三千足らずでございますが、それにつきまして、個人が払ったのに組合からまだ政府の方に入ってこぬというような意味の厳密な調査の数は、実は政府といたしましては持っておらぬような状態でございますが、事例としましてそういうことを往々にして聞きますし、私どもの方としましては、やはり先ほど申し上げましたような理由で、個人貸しをした方がいいというようなことでやったわけでございますが、先生のおっしゃいました組合の数、ずばり幾らというような調査は、これは実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/11
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012・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、「政府とその法人及びその申出に係る各転借人の三者間の契約」をせなくちゃできない、こういうふうになっているようでありますが、その三者間の契約の内容は農林省令で定める、こういうふうになっているようでありますが、農林省令の内容をお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/12
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013・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 省令等につきましては、手続等がおもでございまして、大体の考え方といたしましては、組合と、それから個人と政府というわけでございますが、契約いたします場合に、たとえばおれはそういうものは引き受けぬというようなことになって参りますと、これは実は個人に切りかえるということができなくなるわけでございますが、実はいろいろ過去の債務、今、先生おっしゃいましたようなことがございますと、かなりこの問題ではいろいろな問題が出るんじゃないかというふうに考えておりますが、省令等で書きますことは、手続の点だけにしようと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/13
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014・藤野繁雄
○藤野繁雄君 引き続いて第四条の第一項の第一号の関係ですが、「当該債務の引受け後においては、当該法人が当該引受け後の債務を保証する旨を当該三者間の契約において定めること。」、こういうふうなことになっておるのでありますが、これは個人が個人に切りかえた場合において、開拓農協が保証をするのでありますかどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/14
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015・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) ここでは、開拓農協、従来の農協が保証するという建前をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/15
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016・藤野繁雄
○藤野繁雄君 開拓農協が保証するということであったならば、開拓農協の保証限度は何か規定がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/16
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017・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 保証の限度の規定はございません。現在も何もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/17
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018・藤野繁雄
○藤野繁雄君 保証の限度の規定はないということであるのでありますが、組合員といたしましては、保証限度というものは重大な問題であるのであります。でありますから、各組合ごとに、借り入れ最高限度と保証の最高限度は、総会で決議せなくちゃできないということになっておるのであります。そうするというと、ここでは保証の限度は総会で決議させられるお考えであるかどうか。また、総会で決議させるということであったならば、いかなる基準によってその最高限度を決定される考えであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/18
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019・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 先生のおっしゃいますようなことで保証いたします場合には、組合として総会できめると思います。それで、この限度でございますが、これは国から各個人に貸しますものは、たとえば基本営農資金でありますれば幾ら、たとえば基本営農類型に入ります場合は四十五万というようなことをきめております。それから振興資金でありますれば十二万、自作農資金でありますれば、最高二十万というふうなことに各個人についてきめておりますので、個人々々につきましては、これは政府との関係については、その政府できめた額が個人につきまして最高限度になる、そういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/19
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020・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それは僕の質問が足らなかったかもしれませんが、個人に対する最高限度と、それから開拓農協が保証する最高限度と、両方を総会で決議せなくちゃいけないと思うのであります。であるから、個人に対するものは、今、局長のお話の通りであるといたしましても、開拓農協が保証することができる最高限度をどういうふうな基準によってきめられるかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/20
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021・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これはやはり開拓農協を構成しているメンバーと、今申し上げましたこれは政府との関係の金でございますので、政府との金につきましては、大体最高幾らというふうに皆きめております。政府と個人との貸借関係が起きます限度と、構成員の数というものを頭に置いて保証していくということに政府との関係においてはなると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/21
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022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうすると、債務の保証を開拓農協がやるとしたならば、今度は個人が償還ができないということだったらば、代位弁済をせなくちゃいけない。そうするというと、直接貸した、保証はしたということになれば、開拓農協の、いざという場合における代位弁済したところの、損害賠償になるような手数料とか、あるいは保証料というようなものを取る手続があるのであるかどうか。もしないとしたならば、開拓農協は保証しただけで、そうして損害を負担しただけで、一体どういうふうに開拓農協の経営をやられるお考えであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/22
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023・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 開拓農協に出ます金としましては、二%の手数料を今度国から出すつもりでおります。今までは県の連合会でやっておりましたが、これは個人貸し、こういうことになって参りますと、それは単協にいくような形になります。それから先生のおっしゃいました保証の問題でございますが、これは法人と、それからそのほかにまた二号で別な保証人の問題も考えております。それで開拓農協は、従来は自分が借りておったというわけでございますけれども、今度は自分は直接の債務者ではなくて、保証するということだけになって参りますので、その場合の保証も、組合だけでなくて、そのほかに個人も立てるということで、従来の面よりしますと、私は開拓農協としましては、負担が軽くなってくるんじゃないかというふうに実は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/23
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024・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今、局長から、お尋ねしようという第二点のお話があったのでありますが、第二号によってみまするというと、「前号に掲げるもののほか、当該引受け後の債務につき相当と認められる保証人の保証を徴すること。」というようなことであるのでありますから、個人貸しにした場合においては、開拓農協が保証し、さらに必要なところの保証人を立てさせられるのであるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/24
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025・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これは今、先生がおっしゃいましたように、従来の債務者でありました農協のほかに、適当な保証人を立ててもらうというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/25
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026・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そういうふうな場合において、開拓農協であれば、他に適当なところの保証人がおそらくないのじゃなかろうかと思う。であるから、お互いに組合員同士が相互に保証しなければできないのじゃないかと思うのです。適当な保証人がない場合においては、相互の保証でいいのであるかどうか。もし、相互の保証であるとしたならば、今度は結論からいえば、相互に保証しているのであるから、組合員全体が無限責任を負っていかなくてはできない、こういうふうなことになると思っている。開拓農協は、従来は開拓農協の保証で、開拓農協を通じてやったのだが、今度の改正によって、組合員の負担は非常に重くなってくると、こういうふうに考えられるのでありますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/26
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027・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) その点は、私どもは従来よりも個人の負担は重くならぬだろうという前提で実は考えております。今、先生のおっしゃいました相互保証は、これは考えているという前提で、何人か、一人か二人かというような保証人を立ててもらうわけでございますが、開拓の組合員としましては、今までは組合として借りておりましたので、幾ら自分が払いましても、組合全部として払わなければ、まだ組合としての債務が残るというような状態であったわけでございますが、今度は、その点は自分個人が引き受けます債務というものは明僚になりますので、私どもとしましては、実は組合員個人は従来よりはその点は明瞭になるとともに、軽くなるのじゃないかという実は判断をいたしまして、これをやりましたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/27
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028・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ついでに、自作農資金の借り入れのことをお尋ねしたいと思うのでありますが、自作農資金を貸される場合においては、原則は担保を取られるのが原則ですか、保証人を立てさせるのが原則ですか、両方とられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/28
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029・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これは、どれを原則にしないとは実は言っておりません。それで、実例を見ますと、保証人だけでやっているところも相当ございます。それから土地を担保に取っているところもございます。また、保証人と土地と両方を、保証人を立てた上で土地の担保を取っているところもございます。いろいろございまして、私どもの方の指導といたしましては、たとえば必ず土地を担保に取りなさいとか、そういうような指導はしておりません。数から見ますと、たしか保証人だけという方が数が多かったはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/29
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030・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それがいろいろ地方によって実情が違うだろうと思うのでありますが、保証人に立ってもらったならば、今度は自分も保証人に立ってやらなくちゃいけない。であるから、自作農のような場合においては、担保を土台にしていってもらいたいという希望が往々にしてあるのです。それはさきも申し上げたように、自分も保証人に立ってもらったならば、向こうから頼まれた場合に自分も保証人にならなくちゃいけない。そういうふうなことからして今度の第二号の保証人というものは、結局は資力のないところの者が、開拓地に行った者が相互保証をやって、そうして資金の融通を仰がなくちやできない、こういうふうなことになる。それで相互に保証をしていくのだから、互いにその人の経営についても注意をするとかいうことで、互い互いに激励し合って償還しようじゃないか、こういうようなことになれば非常に喜ばしいことであるのでありますが、保証人を立てる場合において、どのくらいの財産がなくちゃできないのだとかなんとかいうようなことになれば、この保証人ができずして、資金を個人に流そうと思っても結局は流れない、計画はできても実行が伴わない、こういうふうな結果になりはしないかという心配があるのでありますから、この保証人については十分に一つ検討を加えていっていただきたいと思うのであります。
それから第一条の第一項の第一号の特定の開拓者なんです。この第一号の特定の開拓者というのは、現在開拓事業が行き詰まっておって、これも何とかしなくちゃできないということは、この特定の開拓者じゃないかと思っているのです。この特定の開拓者については、あらゆる方法をもってこれらの人が立ち上がりができるようにしようというのが今回のこの法律ではないかと思うのであります。まことにその点からいえば、政府の今回の計画というものは、時宜に適したものであるということで、喜びにたえないのであります。しかし、そういうふうな行き詰まっているところの開拓者を更生させるためには、今までの貸付金の残はいざ知らず、それに対する未納の利子であるとか、延滞金であるとかいうようなものも元金に組み入れてそうしてそれを元利均等の年賦支払いの方法をとられるということは、あまりにも酷じゃないか、こう考えるのであります。であるから、私のお尋ねしたいと思うのは、そういうふうな貸付金にかかわる未納利子であるとか、延滞利子であるとかいうようなものは、貸付金の元金をまず取ってしまって、その後にこれらの金は回収するというようなことにしていくべきものじゃないかと、こう考えるのであります。そこでお尋ねしたいと思うのは、政府の方においては、未納利子であるとか、延滞金というようなものは、すでに収入があったものとして経理してあるのであるかどうか、これをお伺いしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/30
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031・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これはすでに収納があったとして経理はいたしておりません。今、先生のおっしゃいましたような金額約二十三億ぐらい残っているのでありますが、これにつきましては、まだそういう整理はいたしておりません。今度やりましたのは、先生の今おっしゃいましたようにしますと、たとえば十五年あるいは二十年たったあとでその回収という御意見だと思うのでありますが、私どもの方としましては、実は今約二十三億というものは即時に支払うべきものでございますが、これにつきましては、十五年なり二十年なりに均等の償還をしていくということが私は開拓者にとっては相当に有利な条件になるのじゃなかろうかという判断で、こういうような措置をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/31
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032・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今のお話によれば、未納利子とか、延滞利子であるとかいうものは、収入にしてないというようなことであれば、これを元金に繰り入れるということであったならば、それだけ政府の収入がプラスになると思う。私はこれを直ちに切り捨てろというお話はいたしません。しかしながら、従来、収入にしてないものを収入に繰り入れて、そうしてそういうふうなことをやって開拓者のうちで最も行き詰まっているところの開拓者を更生させようというようなことは、あまりにも心と事実とが相反するじゃないか、こういう気がするのでありまするでありますから、こういうふうな特定の開拓者、ほとんど手のつけようのない開拓者というものは、涙がある方法でやって、政府に直接損害がないような方法でやればいいじゃないか、こういうふうなことからいえば、先ほども申し上げ、また局長からも答弁があったのでありますが、未納利子であるとかいうもの、あるいは延滞金であるとかいうようなものは、これはあとで徴収をするというようなことにすべきであると私は考えるのでありますが、念のため、いま一つこれについてお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/32
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033・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 実はこれは予算的な措置になってくるわけでございますが、予算をやりますときに、先生のおっしゃいました未納のものをどうするかという問題、実はいろいろ議論したのでございます。これは当然一時払いで払ってもらうべきものであるからして、それは払ってもらってあとのものを元利十五年なり、二十年なりの均等償還すべきじゃないかというような議論が、実は財政当局等からだいぶ強かったのでございますが、私どもとしましては、今のような五年据え置き、二十年、あるいは据え置きなし十五年という措置をとったのでありますが、そういう困った人につきましては、据置期間等、五年もということにおそらくなるでありましょうからして、五年据え置き、十五年、全部で二十年で償還していくというやり方の方が有利じゃなかろうかという判断に立ちまして今のような措置をとったのでございまして、実は先生のおっしゃいます元を払ってしまったあとで二十年後なり、十五年後ということまでは、実はいろいろな折衝過程におきましては、そこまでやることはなかなか無理でございまして、今のように二十年というようなことで払ったらどうか、これもかなりな開拓者にとりましては条件緩和とはなるじゃないかという判断に立ちましてこういう措置をとった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/33
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034・藤野繁雄
○藤野繁雄君 行き詰まったところのものは整理する場合においては、涙がある政策をとらなくちゃできない。それは成功払いということなんです。成功払いということはどうであるかというと、元金をとってしまった後にそういうふうなものを払わせるということが成功払いなんです。また、そういうふうなことが現在、他の政府のやり方においてもやりつつあるということを、私はおぼろげであるが知らないでもない。でありますから、私は政務次官にお尋ねしますが、日本の開拓者のうちでこの第一条第一項第一号に書いてあるようなものは特別なものなんです。特別なものは特別な取り扱いをせなくちゃできない。特別の取り扱いをするのに、国家の財政に直接影響のない金であったならば、さっきから私が申し上げるように、政府の貸しているところの金を取り上げた後にこういうような金を取り上げるようにすべきであると私は固く信じておるのでありますが、政務次官、いかがにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/34
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035・大野市郎
○政府委員(大野市郎君) 成功払いのような形で、この貸付金の回収について、事業会社などが棒引きにすべきものを、そういう形で取り扱った例も聞かぬわけでもございませんですが、この開拓者の、特定開拓者の方々は実際、特に終戦後のえらい時期に、まあ御本人の意見でないにかかわらず、国策でお入れしたような例もありまして、御本人のいわゆる無気力ということでなくて、そういう払いたい元利も払えない方もあると思うのでございます。そういう方には大へんお気の毒なんでありますが、先ほど局長から予算折衝の間の過程の問題をちょっと触れてお話をいたしたのでありますが、やはり払っておる開拓者もあるものですから、そういう自分の意思にかかわらず、客観条件でいけなかったのが、怠惰のためであるのかというふうな、行政上判断するのに非常に困難な点がございます。それで財務当局としては、払った人もあるのだから、これはまあ切りかえるからには一ぺん一緒に払ってもらおうじゃないかというふうなお座なりの議論が出たわけであります。そんなので、それが元での話になったものですから、そこまでの強硬な意見であるなら延べ払いで五年後に十五年間払うという方法がいいだろう、こういう説明であったわけであります。従って、ただいま御提案いたしました趣旨は、そういう過程があったのでこういう形でございますが、藤野委員のお説のように、払いたくても客観情勢で払えない者に重荷をこれ以上負わせるのかという御議論はごもっともでございますが、この点について、はたしてこの方たちがこの新しい営農計画によりまして、二十年の間に払い切れるかどうかということも、一応それらの計画を検討するのでございますから、御趣旨はよくわかるのでありますけれども、この意味で特定開拓者の方々もお払い願えるのじゃなかろうか、こういうふうな見通しで実はこの案を立てたのでございますので、御趣旨はよくわかるのでありますが、他の払えた人たちとの行政上の区別がむずかしい点がございますので、一応こういう原案でお出ししてあるわけでございます。御趣旨はよくわかりますが、立法上の、あるいは行政上の取り扱いといたしましては、局長の答弁より以上に私として今日お答えができないのでございます。御了解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/35
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036・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は、開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案です。これによってみますというと、開拓者をよくするために営農計画を立てなくちゃいけない、その営農計画がさらによくなるためには、何とかの方法を研究せなくちゃできないというようなことで、今回九条が挿入されて、農林省に開拓営農振興審議会というものを置かれるようになったと思うのであります。そこでお尋ねしたいのは、この審議会は、九条の二項によってみますというと、「農林大臣の諮問に応じ、第二条第一項に規定する開拓者の営農の改善に関する対策その他開拓営農の振興に関する重要事項について調査審議する。」と、こうなっておるのであります。そこで私お尋ねしたいのは、さっきもいろいろ質問したのでありますが、この営農審議会において特定開拓者のようなものに対しては、私がお尋ねしたようなことは十分に審議せられる考えであるか。農林大臣はそういうふうなことを諮問せられるようなことになるのであるかどうか、それをお尋ねしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/36
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037・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今、先生御質問の点でございますが、ここに書いてありますように、大体大きくねらいまして二つの柱になると思います。一つは、今、先生御指摘になりましたような、既入植者で振興計画を立てておりますもの、または、実は立てておりませんでも、またこれに該当するようなもの、そういうものに対して一体今後の営農振興をどう考えていくかと、御承知のように、基本営農類型というのをこの臨時措置法のあとに、農林省は新規に入る人につきましてはただいま考え方を出しております。これと振興計画との関係というような問題とか、今、先生がおっしゃいましたようなことも既入植者の困っている人についての問題の一つとしてこれは当然出てくると思います。それともう一つは、将来の新規のこれからの開拓については一体どういうふうに考えているかというような、二本の柱でおそらく諮問が出されるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/37
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038・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次は、審議会の構成は委員十人以内となっておるのでありますが、大体どういうふうな方面から委員を出される御予定であるか。内定があったらばお知らせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/38
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039・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 委員は十名以内ということでございます。それでまだはっきりどうというふうにはきめておりませんが、当然、開拓関係の団体の人、あるいは団体の人でなくても、私どもとしましては、実際に開拓をやっているような人でりっぱな人があれば、そういう人も入ってもらう。また、開拓関係にはだいぶ金融機関等から、農中等、その他いろいろから金融関係がございますので、そういう方の代表でありますとか、あるいは一般的に開拓関係につきましての学識経験者というような人から選びたいというようなことを考えておりますが、まだそれ以上、どの分野から何名というようなことはきめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/39
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040・東隆
○東隆君 今の開拓審議会の構成なんですが、それには国会議員はお入れにならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/40
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041・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これは国会議員の方は、まあ国会で議論していただくというような考え方で、一応今の予定は入っていただかないでやったらどうかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/41
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042・東隆
○東隆君 国会議員を入れない理由をもう少しはっきり説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/42
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043・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 国会の先生方につきましては、私どもの考えとしましては、また、ここでいろいろ御審議を願った上で、われわれとしましては実は基本的な問題にある程度取り組みたいという考えでおりまして、そういう問題につきましては、当然、制度の問題等に触れて参りますので、これは当然国会で御議論をしていただくということになろうと思いますので、その前段の審議会におきましては、そのほかの、いわゆる学識経験者なり、あるいは実際開拓をやっている人というような人で審議いたしまして、そのあとで国会で制度の問題として審議していただいた方がいいんじゃないかというような判断で今のような考え方を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/43
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044・東隆
○東隆君 その問題は私はやはり国会議員を入れてもう少し十分に論議を進めていかなきゃならぬものじゃないかと、こういう考え方を持っておりますが、それは別といたしまして……。営農類型の問題ですがね、これを私はやはり法律でもってはっきりと規定をすべきじゃないか。そうでないと、今のように、法律によりますと、結局、一応の形が示されておりますけれども、都道府県の知事がそれを認定をするような形になっております。従って、はなはだその中身が何といいますか、各府県まちまちのものができ上がるのじゃないか、こういうような心配をいたしております。この点はどういうふうに農林省の方で調節をいたしますか、この点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/44
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045・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 営農類型の問題でございますが、これは先生御承知のように、この開拓営農振興臨時措置法をやりますときには、特定な類型というものは示しませんで、法定いたしませんで、ある一定のまだ収入がない人、あるいは償還額が収入の一割をこえるというような人を対象にしまして、そうしてその人たちの経営が黒字に転換する転期までは一つお世話しようというようなことで振興計画を作ったわけでございます。それに対しまして、その後、三十三年に基本営農類型というものを作りまして、新規に入られる人々については、過去のあやまちといってはなんでございますが、過去の開拓で経験しました苦い経験を再び繰り返さないようにというようなことで、ある程度高い基準を設けまして、新しい開拓者はなるべくそういう考えに沿って国の融資もしていこうというようなものをあとから作ったわけでございます。それでこれを法定するかせぬかの問題があるのでございますが、私どもとしましては、今できております振興計画自身が、これはたしか、実績を御配付したと思うのでございますが、建設工事等でも五十何パーセント、自作農資金だけは大体計画通り出しておりますが、このほかでも、まだ四〇%程度のものが多いわけでございますので、私どもとしましては、現在立てております振興計画の達成が第一段階じゃないか、そうして、そのあとで次の段階として今新しく考えております基本営農類型等の調整をどうするかということは、これは相当また大幅な改変にもなりますので、それにつきましては、私どもとしましては開拓営農審議会等でよほど案を練ってもらいませんと、相当な財政投融資の追加にもまたなるだろうと思いますので、それをやりますには、また計画的な間引きというようなことも当然やらなければならぬというようなことになると思いますので、そういうことにつきましては、審議会で一つ基本的に御相談を願って、さしあたりは今立てております振興計画の達成がまず第一段階である。それが半分もいっておりませんので、これの達成をしようということを考えましたのが今度の法律の改正でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/45
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046・東隆
○東隆君 その開拓審議会でもって今営農類型に関係をしたことを審議される、そういうお考えのようでありますから、なおさら私はこの開拓審議会というものを強化しなければならぬと、こういう考え方を持っております。法定をしないというのでありますから、いよいよもって開拓審議会にこれは移されて、そこでもってやるのであるから、私は相当この開拓審議会を強化していかなければならぬと思うのです。それで、今一定の予算しかとれないような考え方でもって議論を進められておるようでありますけれども、私はほんとうに開拓営農を振興させるためには、やはり今まで政府が出した財政その他の方面における補助金であるとか融資の方面、こういうような方面は、私は非常に少なく、しかも、いろいろな災害その他によってみんなほんとうにそっちの、経営その他の基盤を建設するというような方面に使われないで食いつぶしてしまう、こういうような面が非常にたくさんあるのでありますから、これをやはり振興計画によってどれだけの金を投資しなければならぬ、こういうようなものが当然生まれてくる。しかも、それは私はパイロット・ファームだの何だの、その他によっての経験が私は非常に大きく作用しておると思うのです。そういうような意味で、大蔵省の方では非常にむずかしいことを言われると思うけれども、農林省の方では、その点は一つ大きく考えていかなければならぬと思うのです。そしてやはり既設の、早くから入った開拓農家に対しても相当な資金を補給する、こういうような考え方でなければ営農の振興なんというのはほとんどできないと思います。これはもう北海道のパイロット・ファームなんかをごらんになった人は、その付近に早くから入った農家が歴然として証拠を示しておりますから、私はそういう点を一つ十分に考えてやるよう、こういう考え方でもって進めていかなければ、ほんとうの営農振興なんかにならないと思います。間引いたり、その他のことをやってそして特定のものだけを救っていく、こういうのでありましたら、それはなかなかかわいそうな状態がたくさん生まれてくると、こう考えるので、やはり該当をする農家を、振興計画を立てた農家はことごとく営農を振興するような態勢を一つ作り上げてもらわなければ、そのためには私は何らかの形でもって強い発言をする場所が必要だと思いますが、そういうような意味でも、前にさかのぼりますけれども、開拓審議会なんかの中身が、これは強力なものにならなければならない。おそらくこのままでもっておやりになると、農地局の局長さんが最高ぐらいになって、そして、そこでもって農林大臣の諮問に答える、こういうふうな形になると思うのですけれども、農林大臣の諮問ぐらいでなくて、私は国の施策として総理大臣が諮問するぐらいな形のものを作り上げて、そうしなければ大きなこの問題はできないと思うのです。そういうような意味で私は営農類型の法定の問題ができないとするならば、開拓審議会を強化し、そしてその中にやはり国会議員なんかを入れて、そうして相当な国策としてのものを大きく出していくべきであると、こういう考え方を持つのですが、この点再びしつこいようですけれども、局長の意見を聞いておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/46
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047・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 営農類型の法定の問題につきましては、これは先ほど申し上げました通りでございまして、将来、今の振興計画と営農類型をどうするかということにつきましては、これはやはり審議会等でいろいろ問題になるところだろうと思っております。また審議会の構成の問題でございますが、先生のおっしゃいましたような点でなくて、私どもとしましては、やはり相当学識経験者でもこの問題につきましては十分な知識を持ち、意見を持っておられるりっぱな人々に集まっていただきまして、そこでやって参りたいというふうに考えておりますが、先生のおっしゃいましたような国会の先生方を入れぬかというような問題につきましては、これは私どもとしましては、それはそれでまた別な制度の問題として国会で議論をしていただいた方がいいのではないかというような考え方をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/47
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048・東隆
○東隆君 この振興計画の提出期限が、昨年で切れるわけですね。そこで、私はその方のいろいろな問題もございますし、私はこの法律でもって十分に成果を上げるために、これを三十六年の三月末日までこれを延ばすべきじゃないか、こういう考え方を持つのですが、当然延ばすべき筋合いのようにも考えるのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/48
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049・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今、おっしゃいましたように、これは三十三年度で一応提出期限を終わっております。先生の、延期をしろという御意見は、おそらく該当者をもっとよけいにしろということにつながってくるのだろうと思います。これは、この臨時措置法につきましては、私どもはそういう人は三十三年度で一応拾いまして、その拾った人に対して立てました振興計画を達成したいということで実はやっておりますが、まだ実績は、先ほど申し上げましたようなパーセントしかいっておりません。それでまたさらに該当者をふやしましてやっていくということにつきましては、これは先ほどから申しておりますように、もう過去のような振興計画でなくて、将来は、今度は基本営農類型とどういうふうにかみ合わせましてやるかというところで、私はどういう人をそれじゃ対象にするかというようなことを考えていくべきであり、この臨時措置法はすでに三十三年度に出した人についての振興計画の達成、それがこの法律の役目で、対象をふやしますとか、また類型を大きなものにするとかいうことにつきましては、これは別な問題として審議会等で議論していただく問題じゃないかというふうに考えまして、期限を延長しますとかなんとか、そういうことは実はいたさず、今立てております振興計画の達成を第一段階の目的としてやるというような判断で、期限の延長ということはいたしませんで、三十三年度で打ち切っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/49
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050・東隆
○東隆君 実は農林大臣が承認する場合、それからその他の問題に関連して多少のゆとりはあるようにも考えますけれども、やはり延長してじっくり腰を落ちつけてかかるべき筋合いのものだろうと、こう考えておりますが、これは別といたしまして、開拓営農指導員の問題ですね、これも人数は聞くところによると六百名くらいなんですが、三千の組合があるとして、六百名ですと、これは大へん少ないと思うのですが、それでこの開拓営農指導員の関係は、国でもってどれくらいお出しになっているのか。これとよく似ている改良普及員に比べると、私は何だか少し待遇も悪いようにも思うし、いろいろな点でもう少し力を注ぐべきものじゃないかと、こう思うのですが、その辺、どういうふうになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/50
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051・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 営農指導員はたしか七百二十八名、三十名足らずでございます。これは緊急開拓当時は、実は千名近く、約千名くらいおりまして、だんだん減りまして、最近はまたふやしてきておるというのが実情でございます。ただ、三十四年度にもふやしまして、三十五年度には実は増員はできませんでしたが、私どもとしましては、この営農指導員をやはりこれからの農家の営農指導の中心になるということで、この充実をはかっていきたいと思っております。待遇の問題は、実は補助率が違います。改良助長法は三分の二でございますが、こちらは実は従来から、当初から二分の一ということでいっておりますので、地方の負担が多い。待遇については、これは同じ予算単価を使っておりますが、助補率が二分の一でございますので、地方の負担が、改良助長法に基づきます研究員よりは低いということになっております。それから私の方といたしましては、今申し上げましたように、営農指導のこれが中心でございますので、実は今年度、三十五年度は、その中から人を選びまして、東京へ来てもらいまして、試験場等を中心にしていろいろな講習会等もやりまして、内容の充実をはかりたいというようなことを現在もくろんでおりますが、先生のおっしゃいますように、指導員につきましては、将来とも充実をはかっていくという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/51
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052・東隆
○東隆君 この開拓営農指導員は、私ども現地で会ってみましたが、非常にけなげな気持でもって入っておる若い人たちが相当苦しんでおるので、やはり改良普及員程度に国が出してそうしてやる必要があろうと思うので、二分の一はこれは酷だと思うのです。やはり国が三分の二ぐらい出してやるべきじゃないかと、こう思いますので、これも一つお考えを願いたい。
それで、その次に、開拓者資金融通法の改正案関係ですね、これは北海道の例の畑作振興資金ですね、あの関係でもって金利その他の関係でもって条件がよくなりましたから、それに合わせて開拓の方を北海道だけおやりになるのだと。こういう面で北海道とすれば非常にありがたいのですが、私は、全国の開拓農家にこれを広げるべきであって、北海道はマル寒資金よりももう少し条件をよくしたやつを出していただきたいと、こういうことなんです。これは、なかなか大蔵省の方でマル寒資金が通ったときのいろいろなことを考えてみますと、困難な問題があろうと思いますけれども、しかし、普通の農家に対するものよりも開拓農家に対するものの条件をよくしてやらないと、これはもう大困りをするのはあたりまえの話なんですから、そこで、せっかく先例ができたのですから、全国の開拓農家にこれを振り向けることができるように考うべきであって法律の改正をそういうふうにすべきであったと、こう思って、非常に残念に思っているわけです。これは何とか一つ早急にお考え願いたいと思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/52
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053・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) どうも私ども力が足りませんで、全国に及ぼすということができなかったのでありますが、これは、先生のおっしゃいます御意見はごもっともでございますので、なるべく早い機会にできますればそういうふうにしたいという希望は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/53
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054・東隆
○東隆君 条件緩和の関係の法律なんですが、先ほど藤野委員からお話もあったのですが、私は条件緩和の問題でやはり一番今まで上手にやったのは二宮尊徳だろうと思う。二宮尊徳が無利息資金の貸付をやつたり、それから借金の整理をやるときに、金利に入れないでなるべく元金の償却に向けていくと、こういうようなやり方をやっております。元金の償却に振り向けていく方法なんです。それで、たとえば十五年で償還をするときに、年賦金等の形というんじゃなくて、私は十五年のものを十七年で払うということにしてもいいと思うのですけれども、先に残してやるというような方法でもって将来に残す、元金については金利はつかないんだという考え方ですね。これは私は条件緩和の一つの方法としては非常に有効な方法でないかと思うんです。ただ、これは条件緩和ということになっておりますけれども、それ借りかえをやっておるだけの話で、これも今の金融状態のもとにおいては大きな条件緩和かもしれませんけれども、しかし、私どもが昭和の初めに農村負債整理の場合にやった条件緩和というものは、これは国が預金部の資金を三分の一ぐらい出して、そうしてエビでタイをつるような形で借金の整理をやった。だから、これは見ようによっては借金踏み倒しの組合だなんて言われたような、そういうようなことをやった経験もありますが、それが本当の条件緩和であって、この程度のものは私は条件緩和でないように考える。で、私はやはり据置期間中の利子の問題なんかも、はっきり計算をされておるのでありますけれども、これは当初農林省の方で要求されたように、もう少し金利の問題なんかを相当半分ぐらいにするとかいうような方法をやつぱし考うべきであると、こう思うのでありますが、経過中の問題だか何だか関連して政府の方はどういうふうに処置をされてこんなことになったのか。据置期間中の利子の問題、これを一つお話を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/54
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055・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) この法律は単に借りかえだけじゃないかというお話でございますが、これは、私どもとしましては、必要な人には借りかえましてさらに五年据え置き、十五年に延ばすということでございますので、かなりな条件緩和になるのじゃないかというふうに実は考えております。
それから、問題の金利の問題でございますが、先生おっしゃいましたように、実は当初は二分の一ぐらいということで要求しましたことがあったことは、その通りでございます。しかし、今申し上げましたように、相当程度の条件緩和になるのであるからして、当然利子だけは払ってもらうべきじゃな
いかというようなことに相なりまして、実は予算もそういう前提で約四億六百万円ばかり一般会計から繰り入れまして、利子だけは入ってくる、そうして足らぬ分は四億ばかりふえるというような予算も含まれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/55
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056・東隆
○東隆君 私は、開拓農協は、先ほど藤野さんも言われたのでありますが、開拓農協そのものは非常に弱いので、この仕事をやるのに国が相当助成その他をしなければこの仕事はうまくいかないのじゃないかと、こう思うのでありますが、普通なら相当大きな金を動かして、そうして何といいますか、金利の一つの取扱料なんかもあってある程度の仕事はできると思いますけれども、開拓農協が使うものはもう末端のものであり、それから、ほとんど取っていないのじゃないですか。それで、農林中金あるいは信連あるいは公庫等は、ちゃんと金利がきまっているから、これは問題でないです。ところが、開拓農協になると、一つもそこから事務費にも相当するものもない。こんなようなことになると、これはどうも開拓農協がうまくいくはずはないと思う。販売をするものが少ないし、それから購買の方でそんなに取るわけにもいかないし、金利の方はほんとど取り扱い手数料というものに相当するものはない。そうすると、組合を運営していく方面においてもやはり国が相当なことを考えてやらんければ、せっかくの開拓農協は動きがつかない。分担金を取って経営をさすわけにもいかぬでしょうし、そういう点でいろいろな開拓農協に不祥事件が発生したりなんかする、こう見てもいいと思う。そういうような意味で、この条件緩和の法案に関連をして私は、ある程度の事務費その他に対する補助を考えていいのじゃないか。そうしてこの大きな仕事、これは大事業になりますから、こいつをやってもらいたいと思う。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/56
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057・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) この仕事は、中心になってやりますのは、国、県が中心になってやることを実は考えております。問題のところは、国も直接出張りまして二年間でやるという考え方であります。開拓農協につきましては、実は従来は開拓農協が債務者でございますので、何も国から金を借りてこれを組合に転貸していく経費は入らなかったのでございますが、今度は、それにつきましては、先ほどお答えしましたように、若干の経費が今度は組合側に入るということになって参ります。これはただし、県連に入っていたものが単協に入ってくるという実は形になるわけでございますが、今考えておりますのはそういうことでございまして、この仕事の中心は国と県ということで実はやっていきたいという考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/57
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058・東隆
○東隆君 いや、国でおやりになり、それから道その他によって直接おやりになればなるほど、実は開拓農協や、これが何か末端のものになるわけですから、だから開拓農協そのものが経費をやはり捻出しなきゃならぬわけです。動く金はどうしても要るわけです。何ぼ国の方でおやりになるのだといったって、手を取って全部やるわけじゃないんですから、それはやはり開拓農協でもって実際は主になってやらんければならぬ、そして条件をちゃんと整備して、そして初めて国が資金の融通もできるでしょうし、いろいろなこともできるのですから、だから全部、事務から何から全部国がやるといったってできるはずはないのですから、そういう意味じゃなくて、私はやはり相当なものがここへできなければ、この仕事はなかなかできないんじゃないか、というのは、開拓農協が非常に弱いのですよ、見ますと。人数は非常に少ないし、そして普通の取り扱い手数料だの何だのでもってまかなっていけるような筋合いのものでもないし、しかも、一つの村の周囲の非常に山地帯だの何だのの方に行って、非常に中心から離れた所にずっとあるのですから、距離からいっても非常に遠い所にみんないる。連絡がなかなかできない。こんなような状態に置かれている所が多いと思うのです。だから普通の農協の事務能率だの何だのそんな尺度によって計算できないようなところが非常にあります。だからそういうところに対するやり方というのはもっと力をつけてやらなければ、せっかくの仕事がうまくいかないと、こう思うのですが、その辺のところを考えていただきたいというのが趣旨なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/58
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059・大河原一次
○大河原一次君 ちょっと関連して。僕も条件緩和ということを考えますと、むしろ条件緩和というけれども、何か条件の変更だというふうにも考えられるわけですが、そこで、具体的に申しましてもし局長が言われるように、明確に条件の緩和だという、そういうことになった場合、実際この条件緩和の対象になる個々の具体的な開拓農家というものは、具体的にどういう農家が条件緩和の対象になり得るか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/59
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060・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) これはまず対象としましては振興、要振興農家を考えております。全国で九万四千ぐらいございますが、これを対象にして考えておる。そのほかに振興計画を立てておりませんでも、災害等の関係でやはりそれに類するような地方につきましては救っていきたいということで今大蔵省と交渉をいたしております。それから、その振興農家の中でどういうものを対象にするかというお話でございますが、これは収入と、それから農外所得というような、農業所得、農外所得という農家の所得から家計費でございますとか、あるいは優先弁済の債務がございます、これは今の債権管理法で参りますと、ほとんど限定された債務しか差っ引けなかったのでございますが、今度はその点を中金資金でございますとか、公庫資金とかいうようなことまで手を広くしまして、そういうものを所得から差っ引きました残りが毎年の国に返します償還額よりも小さいというような農家に対しまして十五年にする、また、その中で特にひどい人につきましては、五年据え置きにするというようなわけで、個々の人につきまして債権管理法でやるのと同じ思想で具体的に人をきめていくというようなことを考えておりましてまあ私どももまだ政令で、大蔵省ではっきりきまりませんが、振興農家の相当部分はこれで救っていきたいという考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/60
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061・大河原一次
○大河原一次君 償還緩和の問題ですが、これ明確に償還緩和ということになりますると、今、これは、まあ開拓の問題が提起されているようですが、国の債権に対する何といいますか、債権管理ですか、債権管理に関する法律というものがあるわけですが、この場合はこれとどういう関係になるのですか、その関係は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/61
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062・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今までこれのない間は国の債権の管理等に関する法律ということで、約一億足らずのものを延期にいたしております。こういう人もこっちの方が有利であるというふうに、また、こっちで条件を緩和してほしいということになりますれば、その人々につきましても当然こちらで該当しますれば五年据え置き、二十年というようなことに取り扱っていく。向こうでいきますと大体延期が五年以内ぐらいになっておりますので、こちらの方がだいぶ有利になりますので、そういう人でもこっちを受けられる。それから債権管理法は、そのときもう償還期限が来たものだけについてやっておりますが、これは償還期限がまだ来ませんものでも、たとえば来年償還期限が来るというものにつきましても、また、これによりましては五年据え置き、二十年というふうに延ばせるというようなことになっておりまして、国の債権の管理に関する法律よりはだいぶこちらの方がゆるやかに実はなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/62
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063・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) ここでしばらく休憩をいたしまして、午後は一時半から再開をいたします。
午後零時十八分休憩
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午後二時二十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/63
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064・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 委員会を再会いたします。
午前に引き続き開拓関係三法案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/64
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065・北村暢
○北村暢君 きょうは私は、開拓三法案が提案になっておるわけですが、今度の国会では開拓関係の法案に対して開拓者は非常に大きな期待を持っておっただろうと思うのですが、実際に出た法案を見て、開拓者はどちらかといえば、がっかりしているんじゃないか、まあこういうふうに思うのです。そういうような点からいたしまして、私はまず開拓の現状について一つ質問をいたしたいと思うのですが、まず第一番にお伺いいたしたいのは、開拓が実施せられて、その結果、非常な不振の農家が出て、開拓の成果というものが非常に進んでいない、こういう段階の中で開拓営農振興臨時措置法が三十二年に制定されたわけでございますが、まず、この開拓営農臨時措置法の成果について、途中でございますけれども、先ほど来、局長の答弁によりましても、今のところ、この開拓営農振興臨時措置法によって、それのまず段階を踏んで、それの完全実施のためにやっていきたい。抜本的な改正はあとで考えるような話でございますが、これについて開拓営農振興臨時措置法の現在までの実施経過についてまずお伺いいたしたい。その概要を一つ説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/65
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066・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 三十二年に振興臨時措置法ができましてから、この法律に基づきまして計画の承認をいたしました組合が約二千九百ぐらいございます。それから対象農家でございますが、これが大体九万四千戸ぐらいがこの計画で承認を受けております。現実の問題としまして、立てました振興計画でスタートにつきましたのは、法律は三十二年でございますが、大部分は三十三年からでございます。三十三年、三十四年と約二カ年間、その振興計画に基づきまして、われわれ予算的措置、財政的措置を考えておるわけでございますが、建設工事につきましては、実は要振興地区の建設工事、それから開墾作業でございますとか、あるいは開拓地改良事業でございますとか、こういうものの計画は五百七十億くらいになっておりますが、三十五年までには、大体二百八十七億くらいですから、約半分くらいの建設工事でございます。何といいましても、やはり建設工事とか、その他開拓地改良でございますとか、こういうもので開拓者の営農の基盤を作ってやるというのが先決でございますが、これが進行度は約半分くらいというような事情になっております。その中で特に開拓者から実は要望がありますのは、一回建設工事が終わりましたあとに、開拓地改良といいまして、水の問題でありますとか、あるいは道路の問題等の要望がございますが、これは約八十億くらいという大きな計画が出ておりますが、これにつきましてはまだ十億足らずでございまして、特におくれておりますのは、開拓地改良という工事、一度建設工事が終わったあとでございますが、この関係は若干おくれておりますが、総体的には相当、半分くらいが進んでおるような形でございます。
それから資金の面でございますが、これは開拓者資金融通特別会計から出します振興対策資金、これが百四十二億くらいの計画でございます。これに対しまして、三十五年度の予算も入れまして、約六十二億くらいの振興資金が三十三、三十四、三十五で出ます。大体、半分ちょっと足りませんが、開拓者資金はそんなことで振興資金の方を出しております。それから農林漁業資金の公庫資金でございますが、これは計画では九十億ということになっておりますが、これは三十五年度までで二十八億、ですから約三一%くらいの進度でございます。それから自作農資金につきましては五十一億くらいの要望がございますのに対しまして、これは三十五年度で大体全部貸し出すということで一〇〇%進むだろうというふうに見ております。ただし、自作農資金につきましては、もう少し、計画が小さいので足りないという問題が実は出ておりまするので、われわれとしては、そういう追加のものにつきましても考えていきたいというふうに考えております。それから営農改善資金といいまして、臨時措置法の中心をなしました返済資金の借りかえでございますが、これは四十一億ぐらいございますが、これもほとんど三十五年度で全額借りかえになるだろうというふうに見ております。ただ一番おくれておりますのは、開墾作業でございますとか、あるいは土壌改良でございますとか、こういう関係が百三十六億ぐらいの計画に対しまして三十六億ぐらいでございますので、この関係が実は一番おくれております。今申し上げましたのが、大体計画に対します三十五年度までを含めた実績でございますが、個々の開拓者の営農の問題は、年々家畜等相当入っておりまして、若干ずつは収入も上がっておるという形にはなって参っておりますが、実は問題になっております政府から借りております金の返済、その他の問題が重圧になっておりまして、経営自体としてはまだ楽なところにはいっておらぬというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/66
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067・北村暢
○北村暢君 ただいま説明があったのですが、いただいた資料によりましても自創資金、営農改善資金、これは三十五年度で一〇〇%計画目標に対して実施されるだろう、この進度は満足すべきもののように思われますが、まだ内容的には私は意見がたくさんあるのでありまして一応の計画目標には達しておる、しかしながら、今の答弁にもありましたように、土地等の整備等においては、百三十六億五千万の目標額に対して、三十五年度までで三十五億七千八百万、こういうことで二六%である、こういうことになりますと、もう残すところあと二年を目標にやられておるだろうと思うのですが、二年間でこの目標を達成するということは、ほとんど不可能に近いのではないか、確かに自創資金なり営農改善資金が、資金面において努力されているようですが、そのほかにまだ開拓者資金、今回の改正もありましたけれども、振興対策資金の分、これが四四%、農林漁業の資金が三一%、こういうような状態で、資金面においても必ずしも万全とはいえない。しかも、この法案の残年期間において完全に実施できるかどうかということについて非常に疑問があるだろうと思う。従って、開拓農民は今回の開拓営農振興法の抜本的な改正というものを希望しておる、こういうような実情だろうと思うのです。ところが、今度の改正案は、私は開拓審議会というようなものを設けて、それで今後の問題は審議するのだということで、完全にこれも逃げてしまったんじゃないか、これもまあ入ってなかったのが、自民党の政調等において要請されて入ったということ等聞いておるわけです。そういうような点からして、開拓農家の一番期待をしている営農振興法というものの抜本改正がなかったということが、私は大へん開拓農民をして失望させたんじゃないか、このように思うのです。従って、ただいま説明ありました実施状況について再度お伺いいたしたいのですが、何といっても資金面ももちろんでありますけれども、開拓営農の基盤が確立しないというところに非常に大きな開拓農家が安定しない原因があると思うのですが、一体、土地等の整備、開墾作業、土壌調査、土壌の改良、入植施設、こういうものが三十五年度で二六%ということでは、これは大へんおくれているのではないか。計画目標達成に対してあと二年くらいの間、二年か三年だと思いますが、その間においてこれを完遂する予定といいますか、自信がおありなのかどうか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/67
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068・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今御質問の点で、特に基盤整備の必要ということで考えておりますのは、建設工事それから土地の整備、この二つでございますが、建設工事の方は、実は今までの、ことしの予算を前提といたしますと、大体五年くらい残年量がございます。それから土地の整備の方の関係でございますが、これは約六年くらいということになります。先生のおっしゃいましたように、二年で完成できるかというお話でございますが、これはわれわれとしましては、あと五年ということじゃなくてなるべくこれは切り上げていきたいというふうに思っておりますが、また、そういう努力をすべきでございますが、二年で全部これが片づくということは、なかなか困難ではないだろうか、しかし、五年とか六年とはいわず、もう少しこれを切り上げまして何とか早く片づけたいというような努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/68
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069・北村暢
○北村暢君 それから次にお伺いしたいのは、今の御答弁では早くやりたいということですが、この残年量を見ましても、私は非常に言うべくしてなかなか困難な問題だろうと思うのですが、これは予算面においても今後大いに努力をしてもらわなければならないのですが、これはまた後に開拓営農の全体の根本の方針としてお伺いしたいと思いますから、次に譲りますが、次にお伺いしたいのは、振興計画の一戸当たりの所要資金というものが計画で示されて、計画が提出されて、そうしてこれが実施、こういうことになっておるようでございますが、この計画が北海道等において——全国的でございますが、その計画を立てた年度々々によって非常に差がある、それからまた地域々々において非常に差がある、こういうことが現実において出ているのです。で、たとえば例をあげますと、北海道の三十二年度に立てた計画が一戸当たりの金額が二十一万二千円、三十三年度のが二十七万一千円、平均して二十三万三千円、こういうことになっておる。これは道なり県の指導というものが一定のワクというものをはめて、それに合うように計画というものを、振興計画というものを立てさせた、しかも、その行政指導が各地域によって、各農地事務局によって非常にまちまちであったというような点が出ておるのじゃないか。北海道のように二十三万三千円という一戸当たりの振興計画による資金計画になっておる。これに対して非常に少ないのが東京、これが六万七千円、あるいは熊本の八万二千円、岡山の八万二千円というようなことで、地域的に非常に差がある、こういうような点が出ているのじゃないか。しかも、その計画によって計画も先ほど申したように指導のまずさといいますか、そういうような点からいって、また非常に急いで作ったという点からいって、三十二年度の当初においては粗雑な計画になった。たとえていえば、仙台農地事務局の中には、三十二年度に立てた計画には四万四千円というようなのがあるわけです。ところが、一度立ててこれを出してしまうというと、なかなかこれを改訂するといっても受け付けてくれない、こういうような実情の中で、せっかくできた振興法でございますが、法律の目的が事実上達せられないというような事態が各所に起きておる、こういうように思われるのです。ところが、先ほど東委員からも、この点ばかりでなくてこの計画の問題について出ておるわけですが、計画の延期の問題について意見が出ておるのでございますが、この計画は昨年度で終わって、今年度からは受け付けないことになっておる。そういう点からして修正もできない。しかも、延期をしていただいて該当しないところについて再検討をして、振興計画を認めてもらいたいという要望が相当強くあるのでありますが、そういう点がなされていない、できないということのようでございますが、この点は計画そのものが先ほど言ったように非常にずさんな計画であったり、あるいは実情に即しない計画であったり、行政の指導がおおむねのワクをはめて、そしてそれに合うような計画を立てさせたりというような点からいって、ほんとうにこの法律が完全に実施されても所期の法律の目的が達成できない、こういうのが実情ではないかと思います。そういうような点からいたしまして、実はこれに対するもう一年延期をして、しかも、今まで提出した計画の修正を認めてもらいたい、こういう要望が非常にある。そういう面からして資金のワク等についてもやはり修正を加えられなければならない。大ワクの資金ワク等も、あらかじめ予定されたこれのワク内に当てはめるように非常に無理をした計画ができている、これが実情でないかというふうに思うのであります。従って、先ほど来説明がありました振興計画の実施の実績が、まあ、開拓者資金にして三十五年度に四四先まで計画が実施できるのだ、目標を達成せられるのだ、こういいましても、その計画そのものが実際には固定した目標をあらかじめ作ってそうして実態からいえばこの目標を四四%実施しても、実際の効果というものはそれほど現われてこないのじゃないか、こういうことが実はあるのじゃないかと思うのです。従って、そういう点からいきますというと、ただ一つ頼りにしているこの振興法なんでありますから、もう少しやはり親切な形で私はこの法律の延期なり、あるいは抜本的な改正なりというものがなされるべきである、こういうふうに思うのです。これに対してそういうことが今度の法改正の中には残念ながらないわけなんでありますが、これらの私の今申した点について、一つ農地局が今後一体どのように対処せられようとしているのか、この点について御答弁をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/69
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070・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 今の御質問の点でございますが、実は計画の変更の問題でございますが、これは御承知のように法律には何も規定がございませんし、三十三年度で提出期限も終わっております。先生のおっしゃいましたような年度によりまして若干仕組みが違ったりしたことがあることは、これは事実だろうと思います。それで私どもの方としましては、振興計画の運用というものは、そうしゃくし定木で一銭一厘違ってもいかぬということじゃなくて若干の修正というものはあり得るという考えをとりまして、たとえば去年、あの災害の場合に、そういう金を借りるというような場合に、計画の修正ということも通達いたしまして認めております。現に開拓者資金は実は前は百二十億ぐらいだったと思いますが、これは四十二億とその後追加されております。それから自作農資金は先ほど申し上げましたように、これにもっと追加が出るという、あと十億ぐらいでございますが、この追加をしたいという希望がございます。そういうように計画の運用にあたりましては、私はそれで全然動かさぬというようなことでなくて、事実上の修正を、おかしいところは手直しといいますか、修正はこれはやって現実にもやっていくというような態度でおりまして今申し上げましたような資金のワクもふやしたりなんかいたしておりますので、あまり年度によってアンバランスができたというようなことにつきましては、それにとらわれぬで、たとえば自作農、初年度は十万だ、二年目の人は十五万だというような場合には、同じ条件であればめんどうでも十五万まで貸してやってもいいのじゃないかということで、そういうように弾力的に運用しようというようなことでこれに対処していこうという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/70
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071・北村暢
○北村暢君 そこで、自分の都合で時間がなくて非常に申しわけないのですが、お伺いいたしたいのですが、過剰入植の間引きの問題でございますが、これもまあ開拓営農の振興の対策のつとして今度初めて施策として実施せられるようでございますが、これの考え方についてお伺いいたしたいのです。それは、今年度の予算で約七千万程度で、そして六百戸の間引きをやるということのようですが、この六百戸の間引きを全国の不振開拓地にどんな形で割り振られるか。説明にもありましたように、間引き間引きといいましても、ほんの試験的じゃないか、間引きを要する不振開拓地というのは相当あるのじゃないかと思うのですが、今年度初めてやる、こういうことのようですが、これに対する考え方について実はお伺いをいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/71
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072・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 間引きの問題は、先生おっしゃいましたように、金額、戸数やなんかその通りでございます。また三十五年度はどうしても試験的といいますか、そういうふうにならざるを得ないようなことになっております。私どもとしましては、三十六年度以降は少し計画的にやりたいという考え方を持っておりますが、三十五年度は先生のおっしゃいましたように、試験的にこれを行なうということでございます。で、考え方でございますが、三十五年度では、振興計画の中で振興農家が、不振の原因としまして自分の経営面積が足りない、もっと増地してほしいというような、振興計画でそういう計画を立てているところを実は対象にいたしたいというふうに考えております。そして、そういう振興農家をかかえております組合単位に考えまして、そこで組合員が全部相談しまして、自分のところではそういう計画を作ったが、だれか出てほしい、そして残った人に土地を配分してほしいということが、意見が一致しました組合を取り上げて、その組合の中から、全部移る場合もあるかもしれませんし、そのうちの一部の人が移るというようなことで考えたらどうだろうかというふうに思っております。ただ、その場合の面積等につきまして、頭から何町歩以上とか、以下はどうとかいうことは、全国的にはなかなかきめがたいような事情もありますので、三十五年度は、そういう計画を立てました組合を県で選んでもらいまして、その県で選んだ組合の中で、みんなが合意をするならば初めて、どこか再入植するなり、あるいは移民に出るなり、あるいは全然離農するなりという人に対しまして残った人に土地を配分して、残った人の営農が向上するという見通しがついた場合に初めてこれを取り上げようというふうな考えでおりまして、実は、たとえば何県でありますれば面積幾らというふうに、まだフィックスした考えは持っておりませんが、三十五年度は、今言いましたような振興計画を作って、その中で増地をしたいという組合を県に選ばせまして、その中でみんなで相談してやっていくというやり方で三十五年度はやってみたい、その結果を見まして三十六年度以降に少し計画的に考えるというふうなつもりでおる次第でございまする発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/72
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073・北村暢
○北村暢君 それの奨励金の問題ですが、まあ間引きをするような地区における、また、それを希望する入植の開拓農家というものは、これは経営不振であるということは想像にかたくないのでありますが、大体一戸当たり平均十五万円の奨励金、海外移住者は二十万ということで、ここに奨励金を交付するようなことが出ておるようでございますけれども、私はこの移転する農家の何といいますか、借入金、借金ですね、負債というものが、これは全国の開拓農家の負債の平均からいって、奨励金で交付する十五万円ぐらいは、これは今しょっている借金で手一ぱいじゃないか。新しいところに新規に入植するという場合に、この負債整理を一体どんなような形にして新規に入植するのか、あるいは海外に行く場合には、これはもう負債を全部整理していかなければならないと思うのですが、そういう意味で負債の整理のために二十万の奨励金を交付するというのか、あるいは全然農家から、農業ではなしに、他の職業に転換する、他の産業に転換するという場合にも、これは転業資金というものが必要だと思うのですが、そういうような面からいって、この奨励金というものの性格、一体どのような考え方でこの奨励金というものを出すのか、そうしてまた二月当たり十五万円程度の奨励金で海外移住したり、他の産業に転換をする、職業に転換をするというようなものが、これくらいの奨励金で転業ができると考えておられるのかどうなのか。そのほかに融資その他の便宜を与えるとかなんとかいうことを考えておるのかどうなのか、ここら辺のところが私はやはり一番問題になるのじゃないかと思うのです。借金返しはしたが、辛うじて借金だけは払ったけれども、あとはどうにもしようがないということになったり、借金をほうり投げてほかの入植地に行く、あとの残った組合がそれを引き受けてしまわなければならないというようなことが起こったのでは、さっぱり、間引きして、残った開拓農家が、また組合なりが安定するような方向に進み、改善せられる、こういうようなことにならないじゃないか、もう少し徹底した対策というものが必要じゃないか、こういうふうに思うのですが、この奨励金に関連をいたしまして、どんなような考え方でおられるのか、一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/73
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074・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 御質問の中で平均的な数字で申し上げて恐縮ですが、開拓者の負債というものは大体全部で残が三百十数億ございまして平均しますと二十一万ぐらいになっております。出ていく人の考え方でございますが、これはこの奨励金のほかに当然その人は土地も持っておる、あるいは家畜等も持っておる人もおりましようし、あるいは住宅もあるというようなことでございますので、この奨励金のほかに残った土地なり、家畜なりをまた売って収入に充てるということも当然これは考えられるわけでございまして、単に十五万なり、移民の二十万だけでなくて、そういう収入も実はあるだろうということを予定しております。それで残りました人につきましては、また、それを援助する意味で土地の取得等につきましては、自作農資金を貸していくというやり方をしまして、残った人が土地を買いやすくするということも実はやっていきたいというふうに考えております。それでその人の借金の問題でございますが、できますればそういうもので借金を返してもらうということが望ましいのでございますが、それができません場合で、たとえば再入植をするというような場合につきましては、今度のこの償還条件の緩和というものに該当するような人につきましては、これは条件を緩和しまして、新しい所に入植をするような場合には、また新規入植として扱いまして、特別会計から営農資金を貸す、新規扱いをしてこの金のほかに営農資金を貸します、基本営農資金になりますが、そういう手段を講じたいというふうに思っております。それから離農してしまうような人につきまして今いいましたようなことで、金がなおかつ返せぬというような人に対しましては、これは和解をしまして、国の債権の管理等に関する法律という法律がございますが、これに基づきまして、和解をしまして、そして支払いを延期していくというやり方をやったらどうかということを考えております。要するに今まで外へ出たい、たとえば再入植したい、あるいはまた離農したいという場合に、借金が非常にじゃまになって動けぬということがいろいろいわれておりますので、そういうことを解決するための一つの手段として、この奨励金を考えたわけでございまして、再入植する人につきましては、これだけではなくて、今申し上げましたような新規扱いをして、また追加投資をしていく、貸すというやり方をとっていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/74
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075・北村暢
○北村暢君 この点は初めてのことですから、私どもも一体どの程度あれば再入植でき、あるいは転業ができるということは、ちょっとはっきりした資料を持っておるわけではございませんが、まあ常識的に考えて奨励金の十五万や二十万もらったところで、非常に大きな、平均で二十万からの借金を持っているというところへ、借金を払わずに支払いを延期してしまうというような非常に思いやりある処置をとってもらう、そういうようなことで、転業をしてもうかってから払えというようなことでやる、まあそういう開拓農家ですから、転業したからといって急にそううまくいくかいかないかということも非常に疑問のあるところだろうと思うのです。相当なやはり職業訓練なりなんなりを積んでいかないと、これはそう簡単に成功するかどうかという点について問題があるのじゃないか。従ってさしあたって組合、開拓農協等においても、出ていくものに借金だけは整理していけ、というようなことで、借金の整理ということが相当これは強く言われるのではないかという感じもします。従って、これらの問題については、今後実施の段階にあたって、私どもまた時を改めていつか質問をいたしたいと思うのですが、一ついろいろなケースがあると思いますから、綿密な計画を立てて、遺漏のないようなふうにしていただきたいと思うのです。
それからこの間引きという問題が出て参りまして、不振地区の振興計画によって実施せられるようなお考え方のようでございますが、将来のことも含めて試験的に実施されるということのようでございますが、この六百戸程度では、相当な不振の農家というものはあるわけですから、これは一体この間引きというものは、どの程度の思いつきの政策なのか、それとも将来相当本格的にこの間引きというものをやっていこうとするのかどうか。この点を一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/75
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076・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 間引きの問題は、今さっきおっしゃいましたように、今年度は六百戸ということで試験的でございますが、午前中御質問もありましたが、基本営農類型というようなだいぶ高い水準のものを新しい人に対しては考えております。これを相当程度既入植者の人にも、そういう問題を考えていくということがもしもありますれば、これは相当土地の再配分といいますか、間引きというようなことを計画的にやらなければならないと私は思っております。それでこれも審議会の問題にもなりますが、私どもとしましては、ある程度今残っておる人でも離農してもらってもいい人もあるかもしれませんし、あるいは再入植してもらって残った人の経営をよくしていくというようなことも、これは基本営農類型ということを頭に置きながら将来開拓の問題を解決していくということになりますれば、やはりこれは計画的に当然やっていくべきものであろうというふうに思っておりますので、ことしは試験的でございますが、来年度以降は、その点はもう少し計画的なものにして続けていきたいというふうな考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/76
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077・東隆
○東隆君 関連して。今の何ですか、試験的に六百戸というのは、実際に新規にやられるのであるか、それとももう今すでに間引かれたのがいるわけですね。間引かれたのがいるわけですが、それをどういうふうにするかという問題と、それから千戸新しく入れてそうして六百戸を間引くとなると、さしずめ四百戸ということにもなるわけですが、しかし、前に行った問題ですね、関連ですね、それはどういうふうにお考えになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/77
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078・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 前にほかの土地に入ったとかという人につきましての奨励金の問題は、これは奨励金をさかのぼって出すということは実は考えておりません。今後出る人につきまして奨励金を出そうという考え方でございます。そういう意味では奨励金については、アンバランスという問題はございますが、これはやはり新規の人だけのものという考え方でございます。それからもう一つの、千戸で六百戸を間引くとあと四百戸になるじゃないかというお話でございますが、私ども試験的にやります六百戸は、全部再入植するものとは考えておりません。ある程度離農が出てもそれでもかまわないと私は思っております。それから移民に行く人もあるだろうと予想しております。再入植は大体三分の一くらいじゃないかと予想いたしておりますが、かなりの離農等も出てくるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/78
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079・北村暢
○北村暢君 最後に一点だけ、きょうの最後ですが、一点だけお伺いしておきますが、基本問題調査会でもこの開拓の問題が論議されて、今後その中で出てくる方針というものについて行き方が若干変わってくるのではないかと思うのですが、開拓事業としての、終戦直後における人口収容力の増大をはかるための人口対策、失業対策というようなことにおける開拓事業、あるいは農業開発としての経済活動の拡大のための農業開発、この必要性から地方開拓事業、それからまた国内の食糧の自給度を高める、そういう要請から来る開拓事業、いろいろな意義を持って今日まで開拓事業というものを進めてきたのじゃないかと思うのですが、最近、貿易の自由化の問題とも関連をいたしまして、輸入総額の二割程度の食糧の輸入でもって……、最近若干減っているだろうと思うのですが、そういう自給度を高める、こういう点からもこの開拓事業をやってきたと思うのですが、そのために相当な多額の国の予算その他を使用してやってきた。しかも、それが完全な形で実施せられないで、相当多額の国家財政投資をしながら、なおかつ生産性の低い開拓農家を生んだ、こういう大きな結果になっているのですが、それを、今度の法案のいろいろな説明の中にありますように、最近においては、新規入植よりも、既入植者の安定、開拓農家の安定ということに力を入れるのだ、こういうようなことを言われておるのでありますが、しかしながら、農業全体からいって、私はまだまだ開拓というものについて、全体からいえば、考える余地があるのじゃないか、こういうふうに思っております。特に今度の基本問題調査会の小委員会の中間報告的なものを見ましても、農業人口を圧縮して、他へ転出させるというような、相当な考え方を持っておるようでございますが、一体、これらの考え方とあわせて考えて、今後の開拓事業というのを一体拡大していこうとしているのか、もう食糧増産もほどほどでいいのだから、ここら辺で開拓事業というのは必要最小限に食いとめていく、こういう考え方なのか、そこら辺の考え方についてどのように農地局長考えておられるか。これは政府の固定した意見としてきまっているわけでもないのだろうと思うのですが、まあでき得れば、政務次官もおられますし、局長にも一つ、どんなような考え方で今後開拓に臨もうとしているのかということを一つお伺いいたしたいのです。
それで今度、そういう問題をひっくるめて全部開拓審議会で審議するのだ、こういえばあれなんですが、最近、基本問題調査会におきましても、あるいは何々審議会というようにみんな審議会に逃げてしまう傾向があるわけなんですけれども、相当な資料を現在まで持っておるし、農地白書等においても相当な分析をされておるし、従って、私はもう行政府として相当なやはり見識というものを今日持っておってしかるべきだ、今からいろいろな問題を分析して調査しなければ結論が出ないというようなことでは、私は行政府として非常に怠慢だと思うのです。非常に大きな、やはり今日、開拓の問題についても改革が望まれてきて相当な調査もしておるのでありますから、今後の農業政策の一環としての開拓政策について一体どのような考え方を持っておられるのか、一つ意見をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/79
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080・大野市郎
○政府委員(大野市郎君) 政府といたしましての開拓政策は、御承知のように、住宅その他の問題もありまして、土地の造成部分が他の用途に転用されておるやむを得ない事情もありますので、開拓の必要性は当然これは重要な政策として取り上げておるのでございます。ただいまの不振開拓地の問題に対しての対策は、御審議をいただいておる通りでございますが、新しく入れます場合の、たとえば増反、それから新規入植、土地の造成には、幾つかありましょうが、これはどうしてもやらなければなりません。そのために比較的開拓地には経済ベースからいって割高につく場合もございますが、それはやはり国の造成政策としまして耐えて忍びながらそれらのものまで包含して農地の造成を考えて参る次第でございます。従って、御質疑のございました基本問題調査会の結論を待ってそれらの詳細の具体化をはかるというのでないので、すでに計画をいたして、毎年度の予算において年々減少する部分のその埋め合わせも当然必要でありますので、続けて参るのでございます。基本問題調査会の結論は、さらにそれを高度化したいろいろな専門的な点から示唆があると思いますが、その結論をこの問題に関しては待つまでもございませんで、農地の造成に進む、そういう所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/80
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081・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/81
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082・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/82
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083・千田正
○千田正君 ただ一点だけ……。政務次官でも農地局長でもいいのですが、今度三法案を提案されておりますが、この終戦後に入った引揚者や、あるいは復員者その他の大部分がそういう人たちなのですが、先般からいろいろ御説明のある通り、債務の重なっておるという点が非常に大きな難点になっておるわけで、ある程度の時点を一つの段階としてそれ以前のものは一括して一応のたな上げといっては語弊がありますが、ほんとうに返済ができる程度まで一括してめんどうを見るというような方法が考えられないだろうか、こういう点ですね、これは内容を見ると幾段階にも債務が分かれているわけですよ。それを検討していくというと膨大なものになる。だから実際に政府が恩典を与えて貸し付けようと思っても、前の借金を返さなければ借りられないとか、あるいは災害を受けた場合の復旧にしましても、前の利息を入れてなければ借りられないとか、いろいろな難点がそこに生じてきて、今までそういうことばかり繰り返していた。だから一つの段階を基準として、もうこの辺で徳政をしかなければ実際開拓民は生きていけないという段階じゃないですか。そういう点をむしろ私はあまりこまかくきざむよりも、大きな意味でそういう政策を立てなければ開拓行政というものの将来というものは決して私は明るい見通しがないと思うのですが、どうですか。その点だけ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/83
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084・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 私からお答えいたします。実はその点、午前中、藤野先生、東先生からも御質問があったのでございますが、私どもの考え方といたしましては、過去に滞ったのは大体二十三億くらいでございますが、これは一時に償還すべきものでございますが、こういうものを二十年なり、あるいは十五年に分けて償還するということも非常なこれは条件の緩和になるのじゃなかろうか、先生のおっしゃいましたたな上げの問題でございますが、実はこれは現在の法制のもとでは、国の債権につきましては、履行延期をして十年たってなお無資力であるというような場合に初めて免除とか、そういうことができるようになっておりますが、そういう建前でございますので、私どもとしましては、たな上げということでなくて、延ばすという、延ばして末に非常に困った人は五年間は据え置くようなことで、その間に一つ借金も返せるようになってもらうということを実は考えまして条件の緩和をしたわけでございまして、免除あるいはたな上げということにつきましては、実は財政当局と交渉しましたときも問題にはなかなかならぬということでございまして、大体今の条件緩和の程度で立ち直りができるのじゃないかという実は判断をしたわけでございます。もう一歩突き進んで基本営農類型のようなところまでさらに追加投資をするかどうかというようなことにつきましては、これは相当な財政投融資が要りますので、もう少し検討したいというように考えておりますが、この条件の緩和である程度黒字に転化するということをやってもらう、また可能ではないかというような判断をしたわけでございます。
それから先生のおっしゃいました、借金があるから金が貸せぬということは、実は系統金融等にはございません。国の方から貸しております基本営農資金でございますとか、あるいは振興対策資金につきましては、まだ返さぬ人がありましても、その人にはまたさらに貸していく、今度も条件を緩和して延ばして据え置くような人にも当然追加投資をしていきますので、国の金につきましては、まだ借金を返さぬから貸さぬということは実はやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/84
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085・千田正
○千田正君 もう一点。それで今度の三法が通過することによって、私も昨年も一昨年も開拓地の現状を見て特に北海道、東北地区における最近の機械開墾におけるところの大規模な開墾に入植した諸君の姿と、それから旧入植の開墾者の貧困な姿との間にはあまりに格段の差があるのですね。それを今度の三法によってある程度その差が埋められるかどうか、ある程度追っついていけるかどうか、こういうことをわれわれは心配するのですよ。ということは、単に開拓営農の問題のみならず、一つは、半面においては社会問題を含んできている。生活環境その他に及ぼすところの社会問題もともに含んでくるという随伴した一つの社会問題もありますので、その点の緩和あるいは調整という面にどれほど役立つかということは、この法案の通過によっての効果という問題をわれわれは考えざるを得ないのでありまして、その点はどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/85
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086・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) 先生のおっしゃいましたように、北海道、青森、岩手等でやっております。パイロット・ファームという、これは国の金も融資で二百四、五十万貸すというふうな、パイロット・ファームとしての、ほんとうのパイロットとしての役割りといいますか、企業としてやはりこういうこともやれるというような段階のものが一つと、もう一つ、三十三年に新しい考えを出しました基本営農類型、これは新規な人はなるべく基本営農類型というような、ある程度高いところをねらった地区に入れまして、過去の苦い経験を繰り返したくないという段階、それからもう一つ、今、先生の御指摘の振興計画を作りました人々と三段階ございます。今われわれやっておりますのは、この振興計画を達成するということがまず第一段階じゃなかろうか、その上で基本営農類型なり、あるいはパイロット・ファームというようなところとどういうふうに調整をとっていくかということにつきましては、実はこれは相当ないろいろな財政投融資もございますし、間引き等の問題も出て参りますし、かなり大がかりな実は仕事になりますので、私どもとしましては、第一段階としてまず振興計画というものを達成したい。そのじゃまになります債務の重圧からまず救っていこうじゃないかというような考えでやりましたので、これをやりまして一挙にパイロット・ファームでございますとか、あるいは基本営農類型までにすぐに飛び上がるというわけには参りませんで、もう一段階が要るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/86
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087・千田正
○千田正君 最後にもう一点だけ。これは今までのあれは金融面あるいはその他において、補助の面等においてめんどうを見ておるというのが一つの段階ですから、これはもちろんけつこうですが、一面、現地に行って見てみるというと、たとえば二町歩もしくは三町歩が当人の開拓地であり、土地として獲得したものにかかわらず、人手が少ない、畜力がない、金もないというので、三町歩のところが一町歩しか開畑ができない。あとの二町歩というものはそのままやぶになっておる。これを何とかやりたいと思っても、畜力がない、人手がないというのでそのまま放置されておる。むだな面が相当ある。これを何によってしからばやっていくか、そういうところにも、むしろ金ばかりの応援じゃなく、小型の機械か何かをもってこれを手伝って開墾してやることによってその人の明るい希望が持てるのじゃないかという点が相当あるのですね、そういう面の農林省としての施策は特に考えておられるかどうか。ある県においては、私どもの県については、一応開拓公社みたいなものができて、機械を貸し付けてやらせようというけれども、機械を借りる金さえもないわけです。機械は農林省から借りられるが、これはやはり一定の使用料を払わなくちゃならぬ、使用料を払ってまでとてもやれないというところが相当多いのですね。それを何とかしてもう少してこ入れして、やはり一町歩なり二町歩なりになって、どうやら営農類型というものが自然にそこに生まれてくる。そういうところへもってきて今出たような法律によって幾らでも、十万でも二十万でも金が導入されてくるというと、ようやくそこに息がつけるという段階になるのですが、そういう放置をされておるところの未開墾地に対するところの政府としてのてこ入れの何か方策があるかどうか、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/87
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088・伊東正義
○政府委員(伊東正義君) それに対します対策としましては、開墾作業費というのが公共事業費の中でとってあります。これはたとえば先生がおっしゃいましたように、三町歩あった中に一町歩の開墾作業費はもらったが、また予算の関係で開墾作業費がもらえぬで残っておるというような人につきましては、これは実は開墾作業費があまり潤沢でございませんので十分には行っておらぬのでございますが、まだ補助金を、その面積については開墾作業費をもらっておらぬという人につきましては当然これは補助金を出せる仕組みになっております。それからもう一点は、先生今御指摘になりましたトラクター等でございますが、これは振興局の方でもことし中型、大型約八十台、それから私の方の開拓だけの関係で小型を二百五十台でしたか、補助金を出して買うというような予算も実は作りましたので、営農貸金その他、あるいは自作農資金、そういうような金も融資しておりますので、そういう金を回して借りるとか何かそういうことも一つやってもらって開墾作業費と、そういう国でいろいろ出しております金、その他をうまく活用してもらって機械を借りる、何かそういうことが今考えられている対策でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/88
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089・堀本宜実
○委員長(堀本宜実君) 三法案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これをもって散会をいたします。
午後三時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415007X02719600421/89
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