1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年三月十五日(火曜日)
午前十時二十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 清澤 俊英君
理事
北畠 教真君
近藤 鶴代君
吉江 勝保君
加瀬 完君
委員
安部 清美君
小幡 治和君
剱木 亨弘君
迫水 久常君
杉浦 武雄君
野本 品吉君
岡 三郎君
豊瀬 禎一君
常岡 一郎君
岩間 正男君
国務大臣
文 部 大 臣 松田竹千代君
政府委員
外務省情報文化
局長 近藤 晋一君
文部政務次官 宮澤 喜一君
文部大臣官房長 天城 勲君
文部大臣官房会
計課長 安嶋 彌君
文部省初等中等
教育局長 内藤譽三郎君
文部省大学学術
局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
説明員
外務省情報文化
局対外啓発課長 猪名川治郎君
日本ユネスコ国
内委員会事務総
長 武藤 義雄君
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本日の会議に付した案件
○盲学校、聾学校及び養護学校への就
学奨励に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○国立学校設置法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○高等学校の定時制教育及び通信教育
振興法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
○教育、文化及び学術に関する調査
(教科書に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/0
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001・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
この機会に一言ごあいさつを申し上げたいと思いますが、まず、私が病気のため非常におくれまして、文教委員会を今日まで延ばしましたことは、まことに申しわけないと考えております。なお、こういうような事情で休んでおりましたために、ごあいさつの機会を失していましたことをあわせておわびを申し上げておきます。
私は、このたび院議によりまして、はからずも本委員会の委員長の席を汚すことになりましたが、御承知の通り、文教行政にははなはだ不案内でありまして、はたして大過なくこの大任を果たしていけるかどうかということは、内心じくじたるものがあるのであります。どうか一つ、理事の皆さん並びに委員各位の格別の御協力と御鞭撻をいただきまして、何とかこの重責を果たして参りたいと、かように考えておりまするから、今後とも何分よろしくお願い申し上げる次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/1
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002・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) まず、委員尾及び理事打合会の経過につきまして御報告申し上げます。
三月十日及び本日の理事会におきまして協議いたしました結果、本日はまず、現在、当委員会に予備付託になっております三法案につきまして、政府当局より趣旨説明を聴取し、次いで教科書問題について調査をいたし、午後は主として昭和三十五年度文教関係予算の残余の質疑を続ける、かように決定いたしました。
以上、報告いたしましたように審議を進めて参りたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/2
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003・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) 御異議ないと認めます。さように取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/3
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004・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) それでは、盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、国立学校設置法の一部を改正する法律案及び高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案、以上三法案を便宜一括して議題とし、それぞれ趣旨説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/4
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005・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) 今回、政府から提出いたしました盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
御承知のように、昭和三十四年度から、経済的理由によって就学が困難な小・中学校の児童生徒のために、国及び地方公共団体から修学旅行費が支給されることになりましたが、盲学校、聾学校または養護学校におきましても、さらに就学の普及奨励をはかるため、これらの学校の小学部及び中学部の児童生徒に対しましても、新たに修学旅行費を、就学奨励費の対象に加えることといたしたのであります。
次に、これらの学校の高等部の生徒につきましては、学校に付設する寄宿舎において生活する者の数が少なくない現状であり、これらの生徒に対して寄宿舎居住に伴う必要経費を支給することは、就学奨励の上から見て大きな意義がありますので、今回これを、小学部及び中学部の児童生徒の場合と同様に、就学奨励費の対象に加えることといたした次第であります。
以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略を申し上げました。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
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次に、引き続いて国立学校設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、昭和三十五年度における国立大学の学部及び国立短期大学の新設並びに国立大学に包括される旧制の大学の廃止等について規定したものであります。
まず、国立大学の学部の新設につきましては、京都大学に薬学部を、岡山大学に工学部をそれぞれ設置することとし、大学における薬学教育及び工業技術教育につきまして一そうの充実をはかろうとするものであります。
第二に、国立短期大学の新設につきましては、中堅技術者の養成をはかるために北見工業短期大学を設置することといたしましたことと、勤労青年の進学の希望にこたえるために、夜間において授業を行なう室蘭工業大学短期大学部及び香川大学商業短期大学部をそれぞれ室蘭工業大学及び香川大学に併設することといたしたものであります。
第三は、国立大学に包括されて経過的に存続しておりました若干の旧制の医科大学の廃止に伴い、これに関する規定を整理するとともに、国立学校における授業料その他の費用の免除及び徴収の猶予につきまして規定を整備することといたしたものであります。
以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。
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次に、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
このたび政府から提出いたしました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由及び内容の概略について御説明申し上げます。
高等学校の定時制教育及び通信教育は、働きながら学ぶ青年に対し、教育の機会均等を保障する目的をもって戦後制度化されたものでありまして、勤労青年の基礎学力や職業技術その他の資質の向上に重大な役割を果たすものとして、都市、農村を問わず各方面から広く支持されてきたものであります。その後、各般の困難にもかかわらず、関係者の非常な努力によりまして、発足十余年を経過しました今日、ようやくその基礎が固まってきたものであります。政府といたしましても、これら教育の振興につきましては特に意を用い、施設、設備の整備等についてできる限りの努力をいたしてきたのでありますが、この際、一そうの充実強化をはかるためには、施設、設備の整備を一段と強化するとともにその教育に直接従事する校長及び教員の待遇につき特別の措置を講じて、優秀な人材を確保することが特に必要であると信ずるのであります。
御承知のように、定時制教育には、夜間に授業を行なうものと昼間に授業を行なうものがありますが、夜間に授業を行なうものにおきましては、夜間勤務に伴う過労や病気など健康上の障害、のほか家庭生活上の不便も多いのであります。また、昼間に授業を行なうものにおきましても、学校は辺地などにおける地域の中心的教育施設としての特色と使命を有し、単に校内指導にとどまることなく、家庭実習、現場実習などの校外指導にも重点を置かなければならず、勤務量の負担がきわめて大きい実情であります。
また、通信教育は、通信手段という新しい方法を用いて教育する特色のある制度でありますが、その教育には、添削指導、日曜日などの休業日における面接指導、辺地などの遠隔地における巡回指導もあわせ行なう必要があり、その勤務は容易ならぬものがあるのであります。さらに、定時制教育、通信教育を通じて、勤労と学習とを同時に遂行する生徒を対象とするため、生徒の学習や生活の指導には種々の困難を伴う現状であります。
以上申し述べました実情にかんがみ、これらの教育に携わる校長及び教員に対し、その労に報いて専心その職務に精励できるようにするとともに、優秀な人材をこの方面に誘致し、確保し、もって定時制教育及び通信教育を振興するため、このたび定時制通信教育手当を支給する措置を講じようとするものであります。
次に、この手当の支給に要する経費について、当該地方公共団体に対し国庫補助をすることができるものといたしました。一部の都道府県におきましては、従来、これに相当する手当を支給しているところもありますが、その額並びに範囲につきましては、はなはだ不十分のきらいがあります。この際、この手当について国庫補助の規定を設けることといたしましたのは、わが国全体としての定時制教育及び通信教育の振興を期するために、すべての都道府県において必要な額の定時制通信教育手当が支給できるようにするためであります。
以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/5
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006・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) 次に、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案の趣旨説明に対し、内藤初等中等教育局長より補足説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/6
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007・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案の提案理由について、ただいま文部大臣から説明がありましたが、私から補足して御説明申し上げます。
最初に高等学校の定時制教育及び通信教育の現状について申し上げます。昭和三十四年におきまして、定時制の課程を置いております高等学校は、分校を含めまして全国で約三千校に及んでおり、約五十四万人の生徒がこの課程で学んでおります。通信教育を行なっております高等学校は七十校で、約六万人の生徒がこれによる教育を受けております。この法律案は、国立及び公立の高等学校において、これらの教育に従事する約二万四千人の校長、教員に対し定時制通信教育手当を支給しようとするものであります。
まず、第五条は国立の高等学校の校長及び教員に支給します定時制通信教育手当に関する規定でありますが、支給範囲を、定時制の課程を置く高等学校または通信教育を行なっている高等学校の校長と、これらの学校において本務として定時制教育または通信教育に従事している教員といたしております。この法律案において教員と申しますのは、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭及び常勤の講師と、政令による一定の範囲の実習助手とを考えております。
支給率は七%といたしておりますが、現在、校長にはいわゆる管理職手当を支給しており、また教頭及び主事につきましても来年度からそれを支給することといたしておりますので、これらの管理職手当を受けます者については、給与の均衡をも考慮しつつ、職務の複雑、困難及び責任の度合いに応じて併給することとし、その支給率は管理職手当と合わせて、一〇%または一二%になるよう文部省令で定める予定にいたしております。
第六条は、この国立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当を基準として、公立の高等学校の校長及び教員に対し定時制通信教育手当を支給すべき旨の規定でありまして、支給範囲、支給率及び支給方法等につき国のそれを基準とする旨を規定するものであります。
第七条は、都道府県及び市等が公立高等学校の校長及び教員にこの手当を支給いたします経費について、三分の一の国庫補助を行なうための規定であります。ただし、補助の対象となりますのは、実支出額ではありませんで、国の支給率と同率のものまでを限度といたしております。このための経費といたしまして、昭和三十五年度予算案においては約一億七千万円を計上しております。
次に附則でありますが、第一項でこの法律の施行期日を昭和三十五年四月一日からといたしております。
附則第二項は、道府県の一部において、従来からこれらの校長及び教員の勤務の特殊性困難性に着目し、特殊勤務手当その他の名称により一定率または一定額の手当を支給しているものがあるのでありますが、名称のいかんを問わず、定時制通信教育手当に相当いたしますような手当を受けております者について、この手当の月額が従来の手当の月額よりも低額とならないよう、従来の額につき保障するための規定であります。
以上がこの法律案の内容の要点であります。何とぞ、十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/7
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008・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) 本三案に対します質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/8
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009・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) これより教科書に関する件を議題といたします。質疑のおありの方は、順次御発言を願います七発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/9
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010・野本品吉
○野本品吉君 私は児童生徒の学習努力、それから教師の指導努力の大部分が集中されます教科書の問題は、教育上きわめて重要な問題であると考えまして、教科書をめぐります若干の問題について質問いたしたいと思います。
まず第一の問題でありますが、教科書に求められる一番大事な要件は、これは教科書に記載されておる事実が正確であるということ、それからして中正であるということだろうと思うのであります。そこで、記載事実の正確を期するという点から考えまして若干の問題がありますので、最初にその問題についてお伺いいたしておきたいと思います。ここに材料を持ってきておりますが、実は私の友人で長いこと教育界におりました群馬県利根郡に長谷川という男がいるのです。この男は中学時代から天体の研究に非常な興味を日持っておりまして、今ではしろうとの天文学者として中央にも聞こえておりますし、地方でも有名な男なんです。去年、日ごろその男が教科書の内容についての検討を熱心にいたしておりまして、いろいろと文部省等に対しましても誤りを指摘しておりますので、私、会いまして、いろいろその後の話を聞いたわけです。そのときに、またそういう問題に触れてきたのでありますが、ここに長谷川君からきました手紙がありますから、まずこれを先に読んで、それからお伺いいたしたいと思います。「昨日は御多忙中にもかかわらず教科書の件につき時間をおさき下さったことを厚く御礼申上げます。「清水書院」の中学理科の月、地球の公転の方向の誤り、「二葉」理科五年上のハレー彗星の運行を示す矢じるしが逆、暁の明星、宵の明星のさし絵の地球を赤円で表わす不可、全天星図の南の海は南の魚の誤り、獅子座の二等星が三等圧に誤っている等、及び「日本書籍」のオリオン座とエリダヌス座を結んだ誤り、獅子座の誤り、「二葉」中学一年用黄道付近の星座が一等星と二等星を同じ大きさにかいた誤り等は昨年の展示会で発見し文部省に報告しましたが、今年の展示会にも昨年同様の誤りのまま展示されてありましたので文部省へ報告いたしました。訂正の返信を寄せたのは昨日の「日書」だけです。他社では文部省へ改訂の手続を済ませたか知りませんが、私にはわかりません。「二葉」の小学五年のハレー彗星の進行方向の逆は、三十一年ごろ発見し投書したと思っています。同じ誤りを「東京書籍」では三十二年に訂正しましたが、「二葉」は今年も前通りでした。「東書」の訂正の手紙は茅誠司氏に送りました。編集委員はもっと校正を丁寧にすべきでしょう。無責任過ぎます。」、これが長谷川君から私に寄せられました手紙であります。
そこで問題は、最初に申しましたように、教科書の一番大事なことは記載に誤りがないということなんです。もしそれがそのまま長いこと正誤されずにおりますというと、これはうそを教、えているということになる。私は教育で一番注意をしなければならぬことはうそを教えてはいかぬということだと思います。そのうそを、教科書の誤りが幾年かにわたって全国の子供に伝えられることになりますというと、これはまあ非常に重要な問題である、かように考えるわけなんです。そこで、このことにつきましては、何といいますか、文部省の教科書検定規則にもあります通り、教科書の発行につきましては、原稿の検定を出願する、それからして検定規則によりまして検定手数料を取っておるわけなんですね。そこで、文部省が一応国の責任において十分原稿を検定して、これで間違いがないという文部省の太鼓判が押されることによって初めて発行が可能である、こういうことになってくる。従って、この教科書の誤りは、私は発行所の責任というよりも、むしろ手数料を取って、これでいいんだと言って判こを押した文部省も相当この点については責任を負わなければならぬものだと思う。つまり、発行者にその責任を転嫁するのはあまりに重大な問題である。そこで私がお伺いいたしたいのは、今まで教科書の誤りについてどのような指摘があったか、これは相当あろうと思うのです。それがどういうふうな手続で訂正されておるか。それをまず最初に具体的にお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/10
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011・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) お話、御指摘の点はまことにごもっともなことでありまするし、かつ重大な事柄と存じます。担当の局長よりその精細について御説明を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/11
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012・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 従来、教科書につきましては、終戦後検定制度がしかれまして、自来調査員制度をしいて参ったわけであります。調査員というのは非常勤の方でございまして、十分に審査のできなかったといううらみがあったと思うのです。御指摘のような誤りも相当たくさんありまして、実は私ども、各方面からこういうことでは困るという御要望がございましたので、昭和三十一年からこの専門の教科書調査官を四十人増員いたしまして、もっぱらこの調査官が検定に当たっておりますので、以後は御指摘のような誤りはないものと確信しております。ただ従来から教科書につきましては、一たび検定をいたしますと、この教科書は有効期限が永続しておりますので、途中で教科書の検定を取り消すというようなことが制度上できない建前になっております。そこでそういうような誤りにつきましては、私どもが気づく範囲におきましては教科書会社に注意を促しております。で、教科書会社から訂正の申し出がなければ文部省はいかんともできがたいわけであります。それぞれ訂正の個所につきましては、従来から教科書会社から申請がございます。そこで、ございました分につきましては、文部省が訂正を認めてこれを直させるように指導いたしておりますが、訂正の申し出がない場合には、これはどうもいかんともいたしがたいという制度上の欠陥があることを御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/12
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013・野本品吉
○野本品吉君 そこで、そのことにつきましては、これは本人に対して教科書調査官からこういう手紙が行っておる。それは全文は時間がかかりますから省略いたします。「教科用図書の印刷製造は御承知と思いますが、供給時期の五、六カ月前から着手する等の事情により、正誤されるべき個所についても、正誤個所発見の時期いかんによっては遺憾ながら次年度に間に合わない場合が」ある、そうすると、二年続けて指摘されてもうそを教えている、こういうことになってくる。そこで、今内藤局長からいろいろ教科書検定についての話がございましたが、私の考えとしては、誤謬が指摘された場合には、これでよろしいと言って判を押した文部省も何とかお考えいただいて、即時に誤謬を指摘して、そうしてその教科書を採択しておる学校へ知らせる、くらいのことは何とかできないものか、それがほんとうに親切だと思う。それからそういうふうに誤りがあったならば、直ちに直すというようなことを教師に知らせ、教師を通じて子供に知らせることがまじめな学習の慣習がつく、こういうふうに考えるわけです。
次にお伺いしたいのですが、今お話のございましたように、教科書の発行に関する臨時措置法を見ましても、検定規則を見ましても、正誤に関する何らの規定もないわけなんですね。これはやはり法律なり規則なりの上の一つの欠陥ではないか。こういうことについて何とかお考えになってみようとする気持はございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/13
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014・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 実は先般教科書法案が上程になりましたけれども、不幸にして流れてしまいましたので、現行法ではいたし方がないように思います。しかしながら、この事実を放置しておくわけには参りませんので、今後教科書会社と十分連絡をとりまして、今お話しのように二年間も間違った教科書で教えておるということは、これはよくないと思いますので、教科書会社が何らかの便法を用いまして、誤謬については訂正をさせるように指導して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/14
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015・野本品吉
○野本品吉君 それでは今の内藤局長からのお話にもありましたように、結局文部省の検定に手の届かないところがあるという結果がそういう事実を生んでくるのでございますから、従って、調査官の増員、調査員の増員等をお考えになってやっていることも承知しておりますが、現在の調査官、調査員の人的機構で、文部省で期待されるような機能が完全に発揮されておるかどうか、将来さらに補完する、足りないところを補う補完の措置を講ずる必要があるか、そういう点について文部省のお考えを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/15
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016・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 現在のところ、専門の調査官が教科別におりまして、総数で約四十名でございます。で、そのほかに専門の調査官でも手の届かないような点がございまして、と申しますと、やはり現場の教育に適当しているかどうか、こういう点になりますと、現場の先生方の意見も聞く必要があろうと思いますし、また非常に高度な学術の問題になりますと、調査官の能力をこえる場合もあり得ると思うのです。こういうような特殊の専門の事項にわたるものにつきましても、大学の先生方でその方の専門な方を調査員に委嘱する、こういうふうにして調査員が約五百名程度外部から委嘱しておるのであります。ですから現在の制度では、専門の調査官が常時検定に当たるという建前と、さらに現場の先生あるいは学術上の専門家の意見を十分徴する、こういう点で調査員の両方の機能を合わせまして、十分調査を厳重にいたし、その上でさらに検定審議会がございまして、約八十人ほどの方々がそれぞれ教科別に分属されておるわけであります。各専門の部会において慎重に審議されておりますので、現在のところ私どもでは、今お話のような御指摘の点については心配はないのではなかろうかと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/16
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017・野本品吉
○野本品吉君 それと関連してのことでありますが、教科書の配給といいますか、頒布その他につきまして慎重を期するために教科書センターをお作りになった。教科書センターというのは教科書の採択関係のことだけで、今言ったような教科書の内容について研究をするというようなことはないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/17
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018・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) センターの機能は別に法律的の根拠がないわけであります。これも先ほど申しました教科書法案の中に明記されておったものですけれども、法案が流れましたので、予算上の措置として行なっておるわけであります。全国に六百カ所ほどのセンターがございまして、そのほかに臨時分館が、千数百カ所もあるわけでございます。この機能は展示をすると同時に、センターではできるだけ教科書の研究をしていただく、この二つの機能を持たしておるわけでございます。十分教科書の内容を比較検討いたしまして、できるだけ公正な採択ができるように、よい教科書が採択されるように、こういう面で研究の面も強化しているわけでございますが、何分にも予算が不十分でございますので、できるだけ私どもはこの教科書センターにおける研究事業を強化して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/18
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019・野本品吉
○野本品吉君 今の教科書センターが、単に教料書の採択上の機関だけでなしに、私としてはできることなら、やっぱり教科書センターというものは教科書の内容についての研究の方向へも移行していくべきじゃないか、こう考えるんです。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/19
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020・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) まことにごもっともでございます。できるだけ研究の面を今強化しつつあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/20
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021・野本品吉
○野本品吉君 次に、教科書の問題と関連いたしますが、教師用指導書の問題であります。教師用指導書は教師が教科書を取り扱う上におきまして、相当大事な役割を果たしている。従って指導書の書き方のいかんによりましては、教科書の真精神というものが伝えられなかったり、ゆがめられたりする場合も予想されるわけです。で、ところが、指導書については何らその適否を見る場所、機関がないわけですね、放置されている。そこで私は、指導書まで検定制度にしようとか何とかいうことは申しませんが、やはり指導書の持つ重要性から考えまして、指導書についても意見を申し入れられるというような立場を文部省でおとりになる必要があろうかと思う。その点については、どういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/21
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022・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) これもまことにごもっともでございまして、実は教科書は検定いたしましても、指導書を見ますと必ずしも教科書の検定した趣旨に沿わない面があり得ると思う。こういう点、私どもかねがね心配いたしておりまして、実は昭和三十六年度に新たに使う教科書につきましては、教師用の指導書につきましても文部省にお届けいただきたい。で、その場合に検定した教科書の趣旨と違うような方向にあるものにつきましては、会社側に十分御注意を申し上げ、訂正をしていただくように、これは会社側と今懇談をしておるところでありますので、そういう趣旨で指導して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/22
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023・野本品吉
○野本品吉君 教科書の内容の問題につきましては、いろいろ意見もありますししますが、この間新聞で見たことで、私は一つこの際お伺いしたいことがあるんです。今度新しく文部省の指導要領というものが改訂され、その改訂された指導要領に基づいて教科書が編さんされておる。そこで私は汽車の中で見たんですから事実かどうだかわかりませんが、国史の教科書、歴史の教科書について一部の学者から史観、歴史観の問題ですね、それについて異論が出てそれを文部省に申し入れた。こういうことを新聞で見たんですが、それは事実でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/23
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024・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/24
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025・野本品吉
○野本品吉君 それはどういう点についての異論なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/25
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026・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) この学問の自由を尊重しろということが第一にございます。それから教科書の検定に当たっては誤記、誤植、誤謬等について訂正することはもとより大事であるけれども、同時に著者の歴史観を尊重するようにと、こういう申し入れでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/26
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027・野本品吉
○野本品吉君 その著者の歴史観を尊重するということは、これは当然ある程度考えられなければならない問題ですが、そのことについて内藤局長の意見も新聞で散見したわけです。その辺についての話し合いといいますか、訂正といいますかね、そういうようなことについてはどんなお見通しなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/27
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028・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 実は私のところへおいでになったときは抽象的なお話でございまして、内容の個々にわたった御意見はなかったわけでございます。で、私どもの基本的な考えとして、私どもも学者の大いに研究された成果を発表されることは御自由だし、また学者の学問の自由に干渉しようとは毛頭思っておりません。ただ、教科書というものは、これは子供の教育の重要な資料でございますので、しかも、心身の発達の段階に応じて子供たちに理解できる範囲を教えていかなければならぬと思う。ですから、決して私どもは歴史の真実を曲げるようなことを教えることは、これは困りますけれども、その出し方については、小学校の中であまりむずかしいことを教えられても困るし、また学界の定説になっていないような意見をまる出しにされても困る。ですから、十分内容に客観性がなければならぬし、また子供たちの心身の発達の段階に応じて適切に材料が配当されなければならぬと思うのです。私どもは、学者の歴史観は尊重しなければならぬけれども、教科書という一定のワクの中においては、そこにおのずから制約があるのだ、こういうことを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/28
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029・野本品吉
○野本品吉君 歴史をどういう角度から見るか、いわゆる史観の問題というものは昔からずいぶん論議されたこ……。であり、またいろいろな史観があると思います。
そこで問題は、やはり私は純粋な歴史家の学問的な立場、これは尊重されなければなりませんけれども、教科書であるというこの特殊な立場というものは、これはやはり尊重されなければならない、こういうふうに考える。従って、今後も私は、文部省の検定の問題をめぐりましてそういう問題がいろいろな方面から起こってくるであろうということを思いまして、きわめて重大な問題である歴史をどういう角度からとらえ、どういう角度から見るか。これは、昔から史観の問題は議論のあるところでありまして、十分御検討の上善処されることを希望いたしまして、この点については終わります。
次に、教科書の採択の問題でありますが、現在教科書の発行をいたしております図書会社といいますか、書店、それは幾つくらいございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/29
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030・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 私も正確には覚えておりませんけれども、全部小中高を合わせますと八十社くらい、百社くらいのあれでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/30
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031・野本品吉
○野本品吉君 その八十社、百社に近い多数の発行所から自由に教科書が発行されておる。そこで、これは今後のことでありますが、今後その数はふえていく見込みですか。どうでしょうか、今までの経過から見て。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/31
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032・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 今度学習指導要領が改正になりまして、全部今までの教科書は使えなくなって、新しく、小学校は三十六年度、中学校は三十七年度、高等学校は三十八年度の予定でございますが、従来の教科書が一新されますので、この機会に教科書を出そうという意欲の会社が小学校の場合にも、そうたくさんではございませんけれども、出て参ったように記憶しております。中学校の場合にも、やはり新しい会社が出ているように見受けられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/32
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033・野本品吉
○野本品吉君 そういう多くの会社の中には、教科書の完全発行、完全配給といいますか、そういう能力の点から見て、すべてが完全であるというふうにお認めでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/33
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034・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) この点になりますと、私どもも実は疑念なきにしもあらずであります。と申しますのは、やはり教科書の場合に、一定部数を確保いたしませんと採算がとれないという問題が起きてくるわけです。そこで、非常に例外ではございますけれども、採択部数が非常に少なかった、十こういうような場合には、その会社が責務を果たし得ないという場合があり得るということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/34
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035・野本品吉
○野本品吉君 そこで、私は、この問題についてお伺いしたいのは、つまり、会社の能力、信用等について十分御検討願わなければならぬ。私も、これはどうかなと思うような幾つかの会社を知っておるわけです。そこで、会社、発行所に対して、欠格条項といいますか、欠格条項というようなものを設けて、安心できる会社を登録制でいくといったようなことも、私は一つの考え方じゃないかと思う。そういうふうな点についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/35
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036・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 御趣旨は大へんごもっともでございますけれども、これも、先般の教科書法案の中に盛り込まれておった事項でございますが、現在の制度のもとにおいては、こういう制限を設けることは法律的には不可能な状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/36
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037・野本品吉
○野本品吉君 次にお伺いしたいことは、これもまあ新聞記事で知った範囲であり、その後確かめたところが、事実であるということを確認されたのでありますが、今度教科書が非常に変わる。この教科書が変わるに際しまして、採択の問題について、かつて公取から注意されたようなことのないようにということで、文部省がいろいろと御心配になっていることも知っているわけです。そこで、文部省の方から地方へ通達が出されている。この通達を読みますと、採択の自由と公正とを阻害するような何かの動きがあるというように私は見るわけなんです。そういう事実はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/37
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038・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 教科書というものは、生徒数がきまっておりますから、どうしても勢い各教科書の業者間の競争が激しくなるわけでございます。他の商品ですと、宣伝いたしますれば、それだけマーケットが広がるということがあり得るのですけれども、教科書の場合には、生徒数がきまっておりますので、一方が強い宣伝をいたしますと、他方が減るというような実態にございまするので、業者間の不公正な宣伝及び取引の行為は厳に慎しむように、こういうことで、これはかねがね私どもは教育委員会にも、学校側にも、あるいは業者の方面にも御注意を促しておるわけでございます。それ以外に、最近岐阜県の方で、実は教科書の展示会を組合がやるというような動きが出て参りましたので、これも困りますので、業者の不当な宣伝も行き過ぎであるし、また正規のルートでない、すなわち教科書センター以外の所で展示会等をやることも、これも困ったことでございますので、そういうことのないように注意を喚起したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/38
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039・野本品吉
○野本品吉君 局長から地方の教育委員会に出されました通達を見ますと、「特定の意図の下に教科書を展示し、あるいは研究し、採択の資料を提供する等の計画がなされているやに見受けられますが、このようなことは教科書採択における現行の秩序を著しくみだすものと思料されます」ので、十分御注意を願いたい。こういう動きが、まあ私はどこでどういうことをやられたかということを具体的にお伺いすることはこの際遠慮をいたしますけれども、要するに、問題は、採択の自由と公正、これが保たれないというと現行の教科書制度の根底がくずれてくる、従って、この点につきましては十分御注意をいただきたいということを希望として申し上げておくわけです。今後もかような事態に対しましては、どこのだれがやるということを問わずに、要するに教科書の採択の自由と公正を確保して、そうして今の教科書制度の秩序の混乱を起こさないようにということの細心の御注意を希望するわけです。
次に、私は臨時措置法の問題について少しお伺いしたい。これは私が申し上げるまでもなしに、昭和二十三年にできた教科書の発行に関する法律ですね。二十三年。そこで、私が特にこの問題を考えますのは、この臨時措置法の第一条にこういうことが書いてある。「この法律は、現在の経済事情にかんがみ、教科書の需要供給の調整をはかり、発行を迅速確実にし、適正な価格を維持して、学校教育の目的達成を容易ならしめることを目的とする。」と。そこで、この教科書の発行、供給、教育目的達成の全体の上にかぶっておる冠は現在の経済情勢にかんがみているわけなんですね。そうすると、二十三年の経済情勢がどうであったかということをわれわれが振り返って見、そうして今の日本の情勢がどうであるかということを考えるというと、大よそこのくらい時代と食い違っている、合わない法律というのはほかにはないような気がするのです。どうですか、この点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/39
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040・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) まことに御指摘の通りでございます。昭和二十三年と申しますと、終戦直後でございまして、非常に物資が不足しておりました。物資が不足した中においても、教科書だけは子供に全部行き渡らせよう、こういう趣旨でこの臨時措置法ができたわけでございます。確かに時代おくれでございますので、昭和三十一年に教科書法案なるものを提出いたしまして、衆議院は通りましたけれども、参議院において御審議いただけなかった、こういう事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/40
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041・野本品吉
○野本品吉君 そこで、まあ今の日本の経済情勢その他諸般の情勢から見るというと、もうこの臨時措置法というものはナンセンスに属する、私はまあそう思うのです。そこで、この臨時措置法、そういう時代離れのした臨時措置法というものに根本的な検討を加えて、ここに新しく日本の教科書法というものを制定してそうして教科書の問題に対し、教科書の問題を安定させる基盤を作る、基本法を作る、そういうようなことは当然文部省としては考えるべきではないかと思うのですけれども、これはどうですか。あわせて大臣にも一つお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/41
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042・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) 御指摘のように、まことにこの現存の法律は時代おくれである、従ってこれが改正は必要と考えられますが、今国会中にその用意ができるかどうかということについては、検討の上……、しかし、その必要性は十分認めておることでありますから、検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/42
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043・野本品吉
○野本品吉君 なお、この臨時措置法には、教科書の一番大事な教育目的がないのですね。私は教科書の備えなければならない絶対条件は、先ほども申しましたように、記載事実の正確であるということ、中正であるということ、この正確と中正という大きな条件を充足させるというような、そういう教科書の目的自体がこれにないのですね。これらのことにつきましては、非常に遺憾に思うので、今大臣は研究されるとおっしゃっておりますから、おまかせいたしたいと思いますけれども、とにかく御研究を願って、教科書制度というものに安定性を与えるような御措置をお願いしたい、こう思うのです。
次の問題は、これは今私のお願いいたしました関係の方が御欠席のようでありますが、ここにそれに関係を持たれている仕事をなさっておる外務省の方、文部省の方がおられるようですから、十分でない点につきましては、また今後お伺いすることにいたしまして、それはぜひ大臣にお考えいただきたいことでありますので、この際、質問を続けたいと思います。実は、私は、年来、教科書を通しての正しい国際理解の問題について注意を払っております。で、思い出しますと、今からちょうどまる三年前のちょうど今ごろ、この委員会でこの問題を指摘したわけです。それはどういうことかと申しますと、私の友だちによって私の手に入りましたある国の教科書に、日本というものの解説の冒頭に、日本は戦争を好む国民である、中国人は平和を愛する国民である。で、日本人に鉄を与えると直ちに剣を作る、中国人に鉄を与えるというと直ちに農耕用の、すき、くわを作る、こういう書き出しで書かれておる。私はこれを見て、実はこういう教科書が外国で使われておる限りにおきましては、日本というものが正しい姿において把握理解されない、そういうところには日本との親善関係というものも期待できない。非常に大きな問題だと思いまして、委員会で簡単にこの問題を取り上げまして、文部省及び外務省等の善処を要望したわけなんです。自来、この問題につきまして、いろいろと御関心を持たれておることはよく承知しておりますが、その後、教科書を通しての国際理解の問題が、文部省と外務省で、どういうふうに実際に取り扱われ、処理され、どういう結果を生んでおるかということを、この際あらためてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/43
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044・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、教科書を通じて児童に正しい国際間の理解を持たしめるということがきわめて緊要な事項と存じます。ただし、この問題についての、従来のいろいろの努力したことの経緯等については、私はこれをつまびらかにいたしませんが、私の承知いたすところでは、外国の教科書などにも、わが日本の事柄について、きわめて誤った、あるいはまた時代おくれの、明治初年の写真や、あるいは外国の写真を日本のものとして掲載しているようなものも幾多あるということでございます。こういうことはまことに遺憾としてそうして民間の団体においてこれらのことを調査いたしまして、そうしてそれの改正、改善のためにわが日本から新しい現在の写真や正しい姿を理解してもらうための資料などを提供することによって、これが改善をはかっておる団体がありまして、その団体にそこばくの政府は助成をしておるという事実もあると承知いたしております。その他の点については、外務当局なり何なりの方から…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/44
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045・猪名川治郎
○説明員(猪名川治郎君) 政府委員でございませんが、御説明申し上げさせていただきます。
ただいま御指摘の、日本の実情が外国教科書を通じまして誤解されている点について、どういう工合に外務省として処理されておるかというのが御質問の中心だったと思います。で、まず誤解されておるものがどうして集まったというところから少し申し上げたいと思うのでございまするが、先ほど野本委員のお話の中に、日本の国というのは戦争を好む国民であるということが外国教科書に出ておったというところから申し上げたいと思うのでございますが、戦後私どもいわゆる日本の実情というものを知らせますときに、大体まあ二つの柱がございまして、その一つは新しい日本というものが、いわゆる平和憲法に基づく、もはや市国主義の国ではないということを力説する面が一つございました。もう一つは、新しい日本というのは民主国家である、議会制度を中心とした民主国家である、これがまあ終戦直後からその後数年来、それからまた同時に、今でもまあ踏襲しておる二つの柱であると思
います。で、そういう意味におきまして、戦後国際社会に仲間入りをいたすようになりましてからこの二点は絶えず強調して参ったわけでございますが、ただいまのお話は、日本の実情というものが外国教科書ではいろいろ、たとえば説明の方におきましても、あるいは絵の方におきましても非常に明治時代の、あるいは大正初期の日本というものをあたかも描いておるというのが種々あったわけでございます。で、戦後の海外啓発を行なう上におきまして、日本というものがどういう工合に外国の教科書に映っておるかということをまず調査することから始めまして、われわれの方の在外公館を通じましてそれぞれの国の教科書を集める工作をいたしたわけでございます。それに基づきまして、その結果を、国際教育情報センターと申しまする財団法人がございましてこのセンターにその教科書を送りまして、そのセンターではこれを日本語に翻訳し、いろいろ専門の方が、地理学者、歴史学者が検討を加えたのであります。そうして、ただいまその検討の結果、大体十六カ国につきましてその検討の結果をまとめまして、そうして今後、今まで誤解されておるのを一掃するために積極的に、そういう日本ではないということをこれから行なうところになっております。
で、一般的にそれでは誤解をどういう工合に処理するのであるかという点につきましても御説明させていただきますると、結局外国におきまして教科書を作る場合には、日本に関する資料というものが不足しておるように見受けられる、そこで新しい日本についての資料をできるだけまあ教科書を作る人、あるいは教科書を出版する者、あるいは現実の学校におきまして教えておる社会科の先生に新しい資料がいくということが非常に望ましいわけであります。そういう意味におきまして私どもの方といたしましては、基本的な資料というものを作るのが一つと、それからこういう面について誤解があると思われるものにつきまして簡単な資料、まあこれはパンフレットというような本の体裁をなしておりませんけれども、ここに若干現物を持って参りましたのですが、そういう簡単なものをなるべく広く配布するということ、それからまた、同時にもっと直接的、そういう一般的な啓発というものは絶えずやらなければならないのですが、もっと社会科教科書の編さんに直接訴えるものがないかという点も考えまして先般一つの、まあアメリカについてでございますけれども、社会科の先生方の連絡する機関誌といいましょうか、そういったものがあるということも判明いたしましたので、できるだけそういう雑誌に日本の実情を知らしていきたいと、こう思っております。ただ、申し上げたいことは、外国の教科書を改訂する場合に、私どもといたしまして非常に注意を払わなければならないのは、何と申しましても外国政府があまりに干渉がましいような措置をとることは控えたいと思っておりますのは、やはりこの教科書の問題は一国の文教政策に関するものが多いのでございます。従いまして、先ほど申し上げましたような基礎的な資料を配布する、あるいはまた改訂工作につきましても、政府の者が表面上あまり出ないで、先ほど申し上げました国際教育情報センター等の実際の分析検討によりましてそういうレベルでもって行ないたいどいうように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/45
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046・野本品吉
○野本品吉君 今の十六カ国について御調査になったそれはいつごろまとまりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/46
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047・猪名川治郎
○説明員(猪名川治郎君) その結果は、外国教科書に現われた日本の研究という一冊の雑誌に最近なったばかりでございます。これは日本語で一応まとめたわけでございます。それに基づきまして今度翻訳するという問題が生じてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/47
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048・野本品吉
○野本品吉君 この点については、きょうおいでいただけると思いましたが、おいでいただけないで残念でありますが、まあそこで発行されている国際理解という雑誌ですね、あの雑誌の冒頭に外務省の局長さんの記事があって、こういう点について注意されておることを知りまして私も非常に喜んでおるわけなんです。それらの点について局長さんにも十分お伺いしたいと思っておったのですが、いずれあとの機会に譲りたいと思います。
そこで、その問題を別の角度から私はもう一つ取り上げたいのでありますが、それはユネスコの問題なんですね。そこで今年の二月一日から二十六日までニュージーランドで、ユネスコの主催でこの種の会合があった。それは、学校向け出版物の東西文化価値相互理解増進のための資料に関するゼミナール、これがあったわけです。それで文部省からは内海視学官がそこへ出席されておる。私はきょう内海さんも来られないで残念でありますからあとでお伺いしたいと思うのですが、そのときの論議の要点と、それから各国の主張、考え方、そういうようなものがどういうものであったかということをわれわれ承知したいと思うのです。これは内藤局長は直接おいでにならないのですが、多少承知されておると思いますから、あなたがわかる範囲でお答え願って、足らない点は後刻内海視学官から伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/48
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049・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 実は教科書の問題につきまして、おっしゃるように東西文化の交流ということが非常に大事だし、国際理解を深めるということも大事でございます。先般ユネスコ主催で教科書ゼミナーが日本でも開かれまして、実は東京で赤坂のプリンス・ホテルを会場にいたし、ここでもいろいろと論議をされ、今お話のようにニュージーランドでもゼミナーがございました。私よりはむしろユネスコ総長がおいでになっていらっしゃるので、ユネスコ総長からお聞きいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/49
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050・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) ニュージーランドで、ユネスコの主催で行なわれましたゼミナーの報告は、実はまだ私も内海視学官からお話を承っておりません。実は明日報告会を文部省内で催すことになっております。詳細はそのとき承ることになっております。ただ全般の、ユネスコが教科書の改善につきましてどういう関心を持ち、どういうことをしておるかということの全般的なお話ならできますが、ニュージーランドのゼミナーの点については、他日の機会に申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/50
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051・野本品吉
○野本品吉君 そこで、ユネスコの方にもう一つお伺いしたいのですが、これは昭和二十七年の四月の七日にアフガニスタン外三十一ヵ国で、教育的科学的および文化的資材の輸入に関する協定をしておる。それからもう一つは、二十八年の八月十二日にカンボジア外十一ヵ国で、教育的、科学的および文化的性質の視覚資材の国際的流通を容易にする協定、これを結んでおる。ところが、ユネスコの国内委員会で出されておりますユネスコ要覧を見ますと、そのどちらの協定にも日本は未加盟と、こう書いてある。今でも未加盟ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/51
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052・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) お説のように、日本はこれに加わっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/52
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053・野本品吉
○野本品吉君 加わらない理由はどういう点にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/53
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054・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) この点は、この日本の関税の問題と関連がございまして、その方面からいろいろと研究する余地があるということで、日本としてはまだこれに加盟に踏み切っておらない状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/54
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055・野本品吉
○野本品吉君 関税の点というのは、どういう点でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/55
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056・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) 輸入税を免除する問題でございます。ただ、もう一つ実際面としましては、こういう教育のために輸入いたしますこれらの資材につきましては、免税になっておる場合が多いのでございます。でございますから、日本としては、実際問題としては、まずその大部分のものは無税で輸入できる。従ってこの協定に加入しなくても、加入したとほぼ同様な結果が得られておるというのが一つの論拠ではございますが、そのほかに、若干これに加入していないために無税にならないものも多少ある場合がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/56
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057・野本品吉
○野本品吉君 大へんいいことを聞いたのですが、要するに、そうすると、関税の問題が何とかはっきり解決すれば、こういう国際協定に加入をはばむ理由はほかにないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/57
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058・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) 大体そのように了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/58
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059・野本品吉
○野本品吉君 これは、大臣はお聞きの通りでありますが、私はやっぱり教科書問題を通じて正しい国際理解の運動をわれわれが起こし、進めるとすれば、そういう点についての隘路の打開、障害の排除につきましては、文部省としても一応お考えをいただく必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/59
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060・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) 今の問題につきましては、そうした日本のユネスコのこの教育問題の方面で、団体に加入することをはばむようなことを排除していかなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/60
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061・野本品吉
○野本品吉君 そこで、私は、やはり、とにかく教科書を通して誤ったことが伝えられるということは、これは非常に残念なことで、そういう誤った事実を伝えることによって、ある国なり、国民なりを蔑視したり、あるいはこれに対して憎悪の感情を持ったり、反感を持ったりする。教科書によって正しい国際理解が与えられるということは、ほんとうに世界の永遠の平和を促進し、確立する根本の問題だと思う。そこで、やはりその点については、私が申し上げるまでもなしに、国際連合の教育科学文化機関憲章、これをさらに見直す必要があると思うんです。それは、ここで特に私はこの点を強調したいと思っておりますので、わずらわしいようでありますが、ここで簡単でありますから読んでみたいと思います。
国際連合教育科学文化機関憲章
この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。戦争は、人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳、平等、相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。
文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つ、すべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。
政府の政治的及び経済的取極のみに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって、平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。」
私は、このユネスコの大精神に照らして、教科書を通じての国際理解の問題をながめているわけです。そういう点からして今まで遺憾な点があった。文部省、外務省とユネスコの国内委員会の方に、私は一つの提案をいたしたいと思う。それは、日本の政府、日本のユネスコの機関が十分この点につきまして御研究願いまして、皆さんのお力で全世界に向かって一つの提案をしてほしい。それは、義務教育教科書の相互交換協定を提唱する。黙っておっても、外務省が交換を通じて資料を集めるというようなことをしなくも、関係各国というものは自発的にその国の教科書を交換する。それから各国の主要都市の図書館に外国の教科書の一室を設ける。日本で言えば、東京あるいは仙台、福岡、大阪というようなところに、そこの図書館へ行けば外国の全部の教科書がある、それからそこの図書館を通じて、各国による相互研究調査に基づいてお互いに研究して、そうしてその相互の研究調査に基づいて誤謬の相互指摘を民主的に行なう。それから、その正誤措置に関して事後の情報を交換をする、こういうような構想をひっさげて日本の文部省、外務省、ユネスコの当局は、このユネスコの総会その他国連の機関に、この問題を提案することを私は強く切望するわけです。それによって全世界の国民が、少なくも教科書を通してよその国々を誤って認識したり、不当な間違った理解をするということはなくなる、そういうことによって平和の基盤が打ち立てられる、こういうように考えるんですが、これは大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/61
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062・松田竹千代
○国務大臣(松田竹千代君) ただいまのお話は、私はまことに時宜に適した、しかも必要にして重要な御提案であると思います。そこで文部省といたしましては、関係各省、ユネスコの団体等とよく協議をいたしまして、これが実現に対して一つさっそく検討を進めてみたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/62
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063・野本品吉
○野本品吉君 外務省の方は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/63
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064・猪名川治郎
○説明員(猪名川治郎君) ユネスコに提案されるという意味におきましては、実際問題としてはおそらくユネスコの総会のときに提案されるという工合に拝承いたしまするが、ユネスコに提出いたします日本の議案につきましては、文部省と外務省の方におきまして、従来とも協議をいたしまして提案するということになっております。この問題自体につきましては、外務省の方におきましては、ユネスコ関係が国連局ということになっておりますが、この御趣旨はお伝えいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/64
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065・野本品吉
○野本品吉君 いずれまた私は、外務大臣にもこの点につきましては意見を述べて御一考をわずらわすつもりでおりますが、お伝えいただきたいと思います。
ユネスコの方いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/65
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066・武藤義雄
○説明員(武藤義雄君) とくと研究いたしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/66
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067・野本品吉
○野本品吉君 いろいろありますが、要するに私が今まで申しましたことは、平和の基礎を確立する上において、教科書を通しての正しい相互の国際理解ということが、非常に重大な問題であるということで申し上げたわけです。その他教科書の問題につきましてはいろいろとありますが、もう時間も参りましたから、後の機会に譲りたいと思います。
なお、この際、私は明日報告会があるそうでありますから、この間ニュージーランドで行なわれましたユネスコの総会における議題、それからして各国の主張、おもな論点、日本がこれに対してどういう主張をしてきたか、それらのことにつきましては委員会におきましてまた御説明を求める機会を与えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/67
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068・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) ほかに御質疑のおありの方はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/68
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069・剱木亨弘
○剱木亨弘君 ちょっと委員長、資料要求したいと思います。きのうの新聞でございましたか、行政管理庁から産業教育に関する勧告が出たという新聞を見たのです。あれ差しつかえがございませんでしたら、一つ資料としてお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/69
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070・内藤譽三郎
○政府委員(内藤譽三郎君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/70
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071・清澤俊英
○委員長(清澤俊英君) よろしいですか。ほかにありませんですか。
他に御質疑もなければ、本件に関する質疑は後日に譲り、暫時休憩し、午後は一時に再開し、これにて休憩いたします。
午前十一時五十五分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103415077X00519600315/71
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