1. 会議録本文
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000・会議録情報
本国会召集日(昭和三十五年七月十八日)(月曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次の通
りである。
委員長 中村 幸八君
理事 大島 秀一君 理事 小川 平二君
理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君
理事 南 好雄君 理事 田中 武夫君
理事 松平 忠久君 理事 武藤 武雄君
江崎 真澄君 遠藤 三郎君
岡本 茂君 鹿野 彦吉君
木倉和一郎君 始関 伊平君
關谷 勝利君 田中 榮一君
田中 彰治君 田中 龍夫君
中井 一夫君 中垣 國男君
西村 直己君 野田 武夫君
濱田 正信君 細田 義安君
山手 滿男君 渡邊 本治君
板川 正吾君 勝澤 芳雄君
小林 正美君 櫻井 奎夫君
東海林 稔君 中嶋 英夫君
堂森 芳夫君 八木 昇君
和田 博雄君 加藤 鐐造君
北條 秀一君 山下 榮二君
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昭和三十五年七月二十日(水曜日)
午前十一時二十七分開議
出席委員
委員長 中村 幸八君
理事 大島 秀一君 理事 小川 平二君
理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君
理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
遠藤 三郎君 岡本 茂君
鹿野 彦吉君 川崎末五郎君
關谷 勝利君 田中 榮一君
田中 龍夫君 中井 一夫君
西村 直己君 板川 正吾君
勝澤 芳雄君 小林 正美君
北條 秀一君 山下 榮二君
出席国務大臣
通商産業大臣 石井光次郎君
委員外の出席者
通商産業大臣
(大臣官房長) 樋詰 誠明君
通商産業大臣
(重工業局長) 佐橋 滋君
専 門 員 越田 清七君
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七月十九日
委員江崎真澄君及び南好雄君辞任につき、その
補欠として原田憲君及び内田常雄君が議長の指
名で委員に選任された。
同月二十日
委員田中彰治君辞任につき、その補欠として川
崎末五郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員川崎末五郎君辞任につき、その補欠として
田中彰治君が議長の指名で委員に選任された。
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七月十八日
海外経済協力基金法案(内閣提出、第三十四回
国会閣法第八八号)
割賦販売法案(内閣提出、第三十四回国会閣法
第一一八号)
輸出入取引法の一部を改正する法律案(内閣提
出、第三十四回国会閣法第一一九号)
自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、第三十四回国会閣法
第一五一号)
小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部
を改正する法律案(内閣提出、第三十四回国会
閣法第一五二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、第三十四回国会閣法
第一五一号)
小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部
を改正する法律案(内閣提出、第三十四回国会
閣法第一五二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/0
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001・中村幸八
○中村委員長 これより会議を開きます。
この際、通商産業大臣石井光次郎君より発言を求められておりますので、これを許します。石井通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/1
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002・石井光次郎
○石井国務大臣 石井光次郎でございます。このたび、はからずも通商産業大臣を拝命いたしました。皆さん方と一緒に通産行政についていろいろお話し合いをいたし、りっぱな通産行政を立てていくということに懸命の努力をいたしたいと思っております。世の中がだんだん変わりまして、私が第一回吉田内閣の商工大臣をした時分とは、通産関係の仕事の範囲も深さもいろいろ変わってきておることを、おぼろげながらは承知しておりますけれども、自分で今度入りますと、一年生の心持で勉強しなければならぬことばかりだと思います。一生懸命通常国会までには勉強いたしておきますが、今度は関係いたしまする問題につきましては、皆さん方にいろいろと御討議を願いまして、出したいものが成案できますようにお願い申し上げる次第でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/2
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003・中村幸八
○中村委員長 自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律の一郎を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査に入ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/3
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004・中村幸八
○中村委員長 この両案は第三十四国会より継続審査案件でありまするが、まず趣旨の説明を聴取することにいたします。通商産業大臣石井光次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/4
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005・石井光次郎
○石井国務大臣 ただいま議題となりました自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
本案は、自転車等機械関係事業の振興をはかるため、日本自転車振興会が、競輪施行者から売上金の一部の交付を受けて、これらの事業の振興に関する事業を行なうという現行の制度を、差し当たりさらに一年間存続させることを内容とするものでございます。
現行の制度は、昭和三十二年の第二十六国会において成立した改正法律に基づいて定められたもので、その際この資金の交付及び支出の方法に関する制度については、今後さらに検討を加える必要があるという見地から、施行の日から三年を経過する日、すなわち、昭和三十五年十月一日以後においては、別に法律で定めるところによるものとされたものであります。
従いまして、それまでの間に、この制度を今後いかにするかについての御提案をいたす必要があるのでありますが、たまたま競輪等の公営競技につきましては、最近における諸般の情勢にかんがみまして、公営競技自体について根本的に検討を加えるべき段階にきていると考えられますので、政府といたしましても、別途総理府設置法の一部を改正する法律案を御提案いたしましたように、総理府に公営競技調査会を設けて、競馬、競輪、小型自動車競走及びモーターボート競走に関する現行制度に検討を加え、関係諸問題を調査審議する予定となっております。そこで、自転車等機械関係事業の振興に関する制度を今後どうするかにつきましては、この公営競技調査会の結論等を待って、競輪の制度自体について根本的に検討を加えた上で、御提案をいたす際にその一環としてその中に織り込みたい所存でありますので、この際は、とりあえず現行の制度をさらに一年間だけ延長いたす法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにいたした次第でございます。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。
次に、小型自動車競走法の一部改正問題でございます。
ただいま議題となりました小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
本案は、さきに提案いたしました自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案と同様に、小型自動車等機械関係事業の振興に関する制度をさしあたりさらに一年間存続させることを内容とするものであります。
本案につきましても、自転車競技法の場合と同様に、今後この制度をどうするかにつきましては、小型自動車競走の制度自体について根本的に検討を加えた上で御提案をいたす際に、その一環としてその中に織り込みたい所存でありますので、この際は、とりあえず現行の制度をさらに一年間だけ延長いたす法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにいたした次第でございます。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/5
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006・中村幸八
○中村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/6
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007・中村幸八
○中村委員長 質疑の通告があります。これを許します。田中武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/7
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008・田中武夫
○田中(武)委員 ただいま提案になりました二法案につきまして、通産大臣に簡単に質問したいと思いますが、その前に、一言委員長を含む与党委員の方に申し上げたいのです。七月十二日、当委員会におきまして自民党だけで八法案を単独採決しておられます。そのことは、基本的な問題との関係で、三十四国会の延長が有効か無効かは別といたしまして、今まで当委員会において比較的なごやかにやって参りましたわれわれといたしましては、ああいうことにつきましては了承できませんから、今後は十分——委員長もかわられるかもわかりませんが、与党各委員にも希望だけを申し上げておきます。
そこで、質問に入りますが、この法案は簡単に交付金の支出を一カ年延長しよう、こういうことですから、この法案自体にはさして問題はないと思うのですが、その根本である公営競技、ことに競輪等の問題につきまして、今後新内閣が、また新通産大臣がどのように考えておられるか、こういう点が問題だと思います。そこでお伺いいたしたいのですが、前の通産大臣、今の総理の池田さんは、当委員会におきまして、競輪問題について、われわれの質問に対して、何回かきびしい世論の批判、あるいは廃止せよというような世論、こういうことについては耳を傾けていく、こういうように言われたのですが、新通産大臣は、今後この競輪等の競技につきましてどのような方向をとるべきであると考えておられますか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/8
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009・石井光次郎
○石井国務大臣 この問題は、いろいろな議論が盛んに戦わされ、今も戦わされている問題だと思うのでございます。これを存続しない方がよいというきびしい意見と、これの競技そのものは国民一般の非常な楽しみにも、大衆的にも溶け込んでいるのだ、しかし、いろいろな弊害もあるのだから、これらのものを直してもう少し存続するような意味で考えたらどうだという意見等もあるのでございます。そういうふうないろいろな意見が——私どもの党におきましても、党におります時分に党の中でもいろいろ論議されたのでございます。その結論といたしまして、何としてもこれはもう現に行なわれている問題であり、それから出てくる金というものは非常によい意味に使われておる。なお、今後どうするかという問題につきまして、もっと真剣な検討をしてもらった方がよかろうというので、公営競技調査会という案を考え出したわけでございまして、これにおいて、これが成立いたしまして、その会におきまして十分審議をしていただいたものを題材といたしまして私ども政府の態度をすぐにきめたい、こういうふうに思うておるわけでございます。私といたしましては、今の自転車競技の姿が決してこれでけっこうだということはないのでありますが、そこいらに今申しますようないろいろな意見があるごとく、その姿そのものにもいろいろな見方があると思うのでございます。だから、公営競技調査会の答申を待ちまして私どもの態度をきめて、そうして進んでいきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/9
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010・田中武夫
○田中(武)委員 今大臣の御答弁にもありましたし、また、この提案説明にもうたってあるわけなんですが、本法案の改正、すなわち、交付金支給の期間を一カ年延長するということと、三十四国会に出されました内閣提出百五十四号ですか、総理府設置法の一部を改正する法律案、これは不離一体だと思うのです。これは並行して審議していく、もちろん委員会の所管が違う関係上商工委員会と内閣委員会に分かれておりますが、これは不離一体のものだと考えます。そういたしたならば、今国会における総理府設置法の一部を改正する法律案の取り扱い、これはどういうふうにお考えになっておりますか。これは通産大臣よりむしろ総務長官がほんとうかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/10
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011・石井光次郎
○石井国務大臣 今おっしゃったように、これは一緒に進めていきたい問題でございますが、御承知のように、私の方から提案しましたこの二つの法案は、もう九月という期限があるのでございますから、この臨時国会でぜひ上げていただきたいということでお願いいたしておるわけでございまして、片一方の方は継続審議になっております。この間にでき上がれば間に合うのでございまするから、必ずしもこれと並行して、同時に上がらなくてはならぬということはないと思っておりますが、なるべく早く上げていただきたいということは、私どもとしては念願するところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/11
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012・田中武夫
○田中(武)委員 先ほどの御答弁にもありましたし、またこの提案にもありますように、総理府設置法の一部を改正することによって、公営競技調査会を設けて、一年の間に競輪を初めとする公営競技についてのあり方、それを検討して結論を出そう、そういうことと、この一年間の延長とがやはり関連があると思うのです。なるほど九月三十日をもってこの法の交付金の期限が切れるということはわかっています。だからといって、これだけがかりに通ってしまった場合、それじゃ一方のものが通らなかったときには、一年というものはどうなりますか。またあらためてこの法律を一年なり何カ月なりか延長ということをしないと期間が合わないということになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/12
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013・石井光次郎
○石井国務大臣 今のお話のように、公営競技の調査会が法律が通らないためにでき上らないというようなことを私どもは想像してないわけでございまして、なるべく早い機会におきましてこれを通していただいて、そして直ちにこの審議を始めていただいて、そしてこの一年の間にぜひとも結論が出て、そして、それに従って私どもが次の案を立てるということに、ぜひしていただきたい、そういう心持でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/13
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014・田中武夫
○田中(武)委員 なるほど形式論としてはおっしゃる通り、何も総理府設置法の一部改正法が通らなくてもこれはいけますよ。しかし、ここへくる経過といいますか、そういうところから見て、ともかく一年間でどうするかを結論を出す。とりあえずその間一年間これを延ばす、そういうことじゃなかったのですか。もっと先をいえば、当委員会等で競輪その他が問題になりまして、池田前通産大臣にもわれわれが質問をいたしまして、そして現在の自炭車競技法にあるところの競輪審議会、それの結論を待って云々ということが池田前通産大臣の答弁だった。それによって、昨年の十二月でしたか、その競輪審議会が結論を出した。このメンバー等についてもわれわれ問題を持っておりますが、それから出発をして、そして総理府に公営競技調査会を置く、そして一年間で結論を出すのだ、こういうことになって、そしてこの一年というものがついてきたわけなんでしょう。だから、これだけを通すということなら、一方が残るわけでしょう。岸はやめたが安保は残ったと同じように……。これは通す。そうするとあとには、やはり何ら改正も考えられないままに、あの批判の大きな競輪が残るということになります。その改革を何ら考えずして、これだけを通すということには、われわれどうも了解ができないわけなんです。従って、同時に提案をせられました総理府設置法の一部改正法ということによって、われわれのこの法案に対する態度が変わってくる。もう一ぺんお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/14
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015・石井光次郎
○石井国務大臣 この九月から出発する問題としてこれを一年延期をお願いした。その間に片一方が通らなかったら、また同じじゃないか。もしこの公営競技調査会案が通らなければ、おっしゃる通りになるわけでありますが、これは与党野党とかいうようなことなく、全議員の方々が何とかしてこの公営競技全体の問題をもっとりっぱな形においてやるか、あるいはやめるというような問題になるのか、この問題もあり、全体としての考え方もあって自転車競技だけじゃなく、いろいろな問題をあわせて検討しようということ、これは皆さんの御熱意だと思うのであります。そうすると、そういうことが心持であれば必ず私はできるはずだと思います。総理府の方に関係がありますから、公営競技調査会の問題は必ずできると思うのであります。できたら直ちに審議を始めるのでございますから、御心配いただくようなケースは起こってこないで済むんじゃないか、こういうふうに私は信じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/15
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016・田中武夫
○田中(武)委員 御心配いただくようなケースが起こるとか起こらないとかいうことじゃないのですよ。結局公営競技調査会を置いて、一年の間に結論を出そう、そこで一年という期間がきまったわけですよ。従って、とりあえずこちらも一年延ばしておこう、こういうことなのです。ところがこちらの方がそのままになって、とりあえず一年延ばそう、これが先に通ってしまうということなのです。従って与党とか野党とかいうことでないわけなんです。われわれとしても、その法案に対して、それを通さぬとも何とも言ってないわけです。要は、通産大臣よりかむしろ総務長官に来てもらいたいと言っておるわけですが、この法案を今国会でどうするか、そういうことです。そいつが通らなければ、具体的に言えば、本案の期限は三十六年の九月三十日まで。ところが片方の公営競技調査会の方がこの国会を通らなければ次は秋にあるのかどうかわかりませんが、解散でもあれば通常国会、特別国会、こうなると思うのです。そうしてかりに三十六年の一月に通って始まつたとしても、もう片方は三十六年の九月三十日に切れるわけです。片方はそれだけずれるわけでしょう。その間の関係をどう考えておるのか、こういうことなのです。それなら今申し上げておきますが、これが一カ年で通ったが、ついに結論が出ない、そのときに、来年の九月三十日にどうせられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/16
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017・佐橋滋
○佐橋説明員 私どもは、総理府から出ます設置法の改正がなるべく早い機会に通ることを期待しておりますし、今、大臣から答弁せられましたように、一年というめどをつけておりますから、なるべく早い機会に、一年といわず短い期間に結論を出していただきたいと考えておりますが、ただいま田中先生の御質問のように、もしも今国会で設置法の改正が通らず、あるいはさらにあとの国会がおくれるということになりますれば、今申されましたように来年九月三十日までの延期でありますので、それまでどうしても結論が出ないということになりますれば、あるいは通常国会でさらにこの期限の延長をお願いするというような事態になるかもしれないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/17
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018・田中武夫
○田中(武)委員 結局ここで通っても、今度の国会は特別国会という名前になるかもしれませんが、それでもう一ぺん出しておかなければならぬということになるのですよ。だから結局公営競技調査会を設けるという総理府設置法の一部改正法は、この二法案と、もう一つの運輸委員会のモーターボートと一緒に提案になったのでしょう。それが今度のこういう変則の国会の結果ばらばらになってしまった。だからそれをどうするのかと言っておるわけです。もっと言いますれば、われわれが競輪、小型自動車、モーターボート等の廃止法を用意しておることは御承知の通りなのです。われわれはいつでも提出できるように用意をしておるわけです。そうしてこれが出てくるから、この二法案が出たときにはこれを出して並行審議のつもりでおった。ところがああいう変則なことになった結果われわれは出してはおりません。しかし一方あなた方政府側とすれば、これと同時に一方に総理府設置法の一部改正法を出してこられた。それはくっついておるわけです。従って、おそらく三十四国会で与党だけでやられたときにも、そういう意味もあって両方とも継続審議にされたと思うのです。ならば、同時に審議未了にするか、同時に成立させるかということでなければ、私はつじつまが合わないと思う。競輪自体の本質の問題とかいろいろありますが、そういうことを除いて考えてみましても、この総理府設置法の一部改正法をどう取り扱うか、これとの関連が出てくるわけなんです。だから、これは担当の総務長官の答弁を待たなければできないと思います。それとも九月三十日までに臨時国会を開いて、総理府設置法の一部改正法を成立させるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/18
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019・佐橋滋
○佐橋説明員 確かにこの法案につきましては、先生の御指摘のように、一体として出したものでありますが、たまたま審議が継続になっておりまして、まだ総理府の方から、内閣委員会においてどう取り扱われるかについては、結論を得ておりませんけれども、私の方の提案しておりますこの法律案と、それから運輸関係のモーターボート・レースにつきましては、何せこの九月三十日という期限がありまして、競技法自身は御承知のように恒久立法でありますが、この部分だけそのときに検討するということになっておりましたために、あと十月一日以降におきましては、振興資金の関係が出せないという形になりますので、この期限のある分だけでも、ぜひ一つ御審議を願いたい、こういうふうに考えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/19
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020・田中武夫
○田中(武)委員 九月三十日が期限だから、それが切れてしまうと出せなくなる、従っていやがおうでも、好むと好まざるとにかかわらず、この競技法の一部改正法と総理府設置法の一部改正法とその他の二法案は出てこなければいけない運命にあったわけです。たまたま御承知のような世論の中にありましたので、われわれとしては前から廃止を考えておる、だから出てくるのにきまっておるから、それと並行審議するために、われわれは廃止法を用意した。それがああいうような事態でわれわれは出さなかった。しかしこの問題に関連をいたしまして、通産省はこの交付金のことだけを延ばして、それ自体のほんとうの基礎をなすところの競輪をほおかぶりして逃げようとするのじゃないか、こういうのが当時の世論だったわけです。これはあなたも知っておられると思う。そうすると、それを逃げ道として政府が考えたのは、公営競技調査会を作って、一年間の間にどうするかということで結論を出す、その同ともかく一年間延ばすんだ、こうつじつまを合わせてみたわけです。ところが、たまたまこういう変則国会を経て切り離されてしまって、一方がどうなるかわからないというときに、これだけを通してくれということは、なるほど九月三十日で交付金の期限が切れるから、これが通らなければ振興費が出せない、これはわかるのです。しかしそれならば、当時通産省に対して一般の世論が申しておったように、ともかくそれだけを食い逃げして、世論の批判の的になっておる競輪その他をそのままに温存する、そうではないといったってその通りになったわけじゃないですか。そうではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/20
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021・佐橋滋
○佐橋説明員 内閣の設置法の改正とこの法案が一体の点は先ほど説明した通りでありまして、政府としては公営競技全般について食い逃げをしようとかそういうつもりは毛頭ないのでありまして、設置法の一部改正もなるべく早い機会に御審議の上御決定を願いたいと考えておりますが、先ほど来説明しておりますように、何せこの法律の期限がありますために、より切実というと先生にしかられるかもしれませんが、片方の総理府の設置法も早い機会に御審議御決定をお願いしたい、こう考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/21
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022・田中武夫
○田中(武)委員 なるべく早い機会にということはわかるのだけれども、通産省が重工業局の中に車両課を置いて競輪の施行を監督しておるということのつながりは、現在のところでは、機械工業と自転車工業に対する助成の交付金を出す、これだけのつながりですよ。それを除くと自治省の方が強くなってしまうのです。それはおわかりでしょう。その通産省と競輪との間を結んでいるパイプはこれだけなんですよ。だから競輪それ自体の本質をえぐることなくして、この交付金だけを延ばしていこう、こう考えるのであろうとわれわれは考えており、そのために今まで何回か当委員会で質問を繰り返しておったわけです。ところが結果はかえってそうなったわけですよ。早い機会にといったって、あなたは政府委員だから、九月三十日までにもう一ぺん国会を開くかどうかということの確約はできないでしょう。そうなら私の言っているように、九月三十日までに臨時国会を開いて総理府設置法の一部改正法が通らなければ、同期が合わなくなってくるのですよ。そうするともう一ぺん次の通常国会に半年か一年か知らぬが出すという改正法を出してこなければならぬことになるでしょう。だからこれについてどうするのかということを政府部内における意見を一つ一致させてもらわなくては困るのですよ、一方は総理府ですからね。だから、ここへ総務長官でも来ていただいて、石井通産大臣との間に話し合いをして、こうしますということならわれわれは了承します。しかし今までの答弁では了承できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/22
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023・中村幸八
○中村委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/23
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024・中村幸八
○中村委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/24
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025・石井光次郎
○石井国務大臣 この今出しております法案は来年の九月までございます。その間に内閣に置こうといたしております公営競技調査会というものをそれに合わせるように、それから延びないように前に結論を出し、またこれを土台といたしましてのわれわれの方の結論を出して、これを皆さん方に諮るというようなことに、必ずいたすということをお約束いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/25
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026・田中武夫
○田中(武)委員 この法案によって一カ年延ばす期間、すなわち三十六年九月三十日ということになります。それまでに総理府設置法の一部改正法を出して、公営競技調査会を作り、どうするかという結論を出す、そういうことで周期を合わす、こういうように理解していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/26
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027・石井光次郎
○石井国務大臣 その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/27
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028・田中武夫
○田中(武)委員 それでは総理府設置法の二部改正法と本法案との関係につきましては、ただいまの大臣の御答弁を了承します。
いろいろと本法案につきましては、そのもとである競輪自体のあり方、あるいは現在の競輪の運営のあり方、あるいは競輪と暴力団の関係、あるいは競輪の関係等々については大きな疑惑を持っております。そういう点についても十分に本法案に関連をして私ただしたいと思っておりましたが、きょうはそういうことでやめます。しかし大臣も局長もかわられたときでありますから、やがて廃止されるべき運命をたどるであろうけれども、現に行なっている競輪の運営のあり方その他につきましての一つ十分な監督をし、今までありましたような変なうわさなり、変なことが起こらないようにしてもらいたい、そのように考えております。
なお、この際一言加えておきますが、先ほど申しましたように、わが党といたしましてはすでに廃止法を立案をし、提出ができるように用意いたしております。そういうような問題につきましてもまたの機会に十分競輪の本質についてやる機会を持つということにいたしまして、きょうはこの程度で終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/28
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029・中村幸八
○中村委員長 他に御質疑がございませんか——他に御質疑がないようでありますので、両案の質疑は終局したものと認むるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/29
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030・中村幸八
○中村委員長 御異議なしと認め、両案に対する質疑は終局いたしました。
本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103504461X00119600720/30
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