1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月九日(金曜日)
午前十時二十二分開議
出席委員
委員長 簡牛 凡夫君
理事 關谷 勝利君 理事 高橋清一郎君
理事 福家 俊一君 理事 井岡 大治君
理事 久保 三郎君
伊藤 郷一君 宇田 國榮君
川野 芳滿君 木村 俊夫君
佐々木義武君 砂原 格君
高橋 英吉君 竹内 俊吉君
西村 英一君 細田 吉藏君
石村 英雄君 加藤 勘十君
勝澤 芳雄君 田中織之進君
肥田 次郎君 内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 齋藤 昇君
出席政府委員
運輸政務次官 有馬 英治君
運輸事務官
(大臣官房長) 広瀬 真一君
運輸事務官
(海運局長) 辻 章一君
運 輸 技 官
(港湾局長) 坂本 信雄君
運輸事務官
(自動車局長) 木村 睦男君
運輸事務官
(観光局長) 梶本 保邦君
委員外の出席者
大蔵事務官
(関税局総務課
長) 武藤謙二郎君
運輸事務官
(港湾局参事
官) 岡田 良一君
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二月九日
委員高橋英吉君辞任につき、その補欠として竹
内俊吉君が議長の指名で委員に選任された。
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二月七日
日本観光協会法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案(
内閣提出第三九号)
日本観光協会法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七三号)
陸運に関する件
港湾に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/0
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001・簡牛凡夫
○簡牛委員長 これにより会議を開きます。
去る七日、本委員会に付託されました内閣提出、日本観光協会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/1
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002・簡牛凡夫
○簡牛委員長 まず、政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。齋藤運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/2
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003・斎藤昇
○齋藤国務大臣 ただいま議題となりました日本観光協会法の一部を改正する法律案の提案の理由について、御説明を申し上げます。
日本観光協会は、外国人観光旅客の来訪及び外国人観光旅客に対する接遇等の改善を促進することにより、国際観光の振興をはかり、あわせて、観光事業一般の健全な発達に寄与することを目的として、昭和三十四年四月に設立されたののでありますが、今後一そう国際観光を振興し、もつて貿易外収支の改善をはかるためには、本協会の活動を一そう充実強化する必要があります。よつて、今回日本観光協会に対して政府出資を行なうとともに、業務の範囲を拡大する等の措置を講ずることにより、その活動の充実強化をはかることといたしたのであります。
今回の改正の第一点は、日本観光協会の事業の充実と発展に資するため、その資本金を一億円とし、政府は、その全額を出資するとともに、必要があるときは、追加して出資することができることとするものであります。この資本金一億円は、昭和三十七年度中に東京に開設される外国人観光旅客に対する総合観光案内所のための資金に充当する予定であります。
第二点は、日本観光協会の運営の適正化をはかるため、会員及び運営審議会に関する制度を整備することであります。まず、会員制度につきましては、会員の加入の拒否及び除名の条件並びに会費の最低額等を法定するとともに、これらに関し、運営審議会の議を経なければならない事項を明らかにしております。次に、運営審議会制度につきましては、従来の運営委員会を改組して、諮問機関的性格を強め、その委員の任命方法も、会長が運輸大臣の認可を受けて会員中から任命することといたしております。なお、会員が運営委員の候補者を推薦できることとして、会員の意思が十分反映できるような措置を講じております。
第三点は、日本観光協会の事業として外国人観光旅客に対する総合観光案内所を設置し、及び運営することができるよう、本協会の業務の範囲を拡大いたすことであります。
第四点は、日本観光協会に対する政府出資に伴い、その財務及び会計等に関し、政府の監督を強化することであります。すなわち、日本観光協会の重要財産の処分並びに役職員の給与及び退職手当の支給基準の設定、変更等についての監督規定を設けることといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/3
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004・簡牛凡夫
○簡牛委員長 本案に対する質疑は、次会に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/4
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005・簡牛凡夫
○簡牛委員長 陸運に関する件について、調査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。加藤勘十君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/5
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006・加藤勘十
○加藤(勘)委員 今日の都市交通の状態に対して、これをどうして緩和するか、こういうことについては、政府当局においても、特に閣僚懇談会を設けてまで対策を協議されておりまするし、先般は車両制限令等が公布されまして、都市交通難の緩和に幾分でも役立てようとされております。こういう点は当然のことで、ごもっともであるし、かつ、政府の苦心の存するところもよくわかるわけでありますが、実は、このことにつきまして、一つの疑問がわいてきたわけであります。それはもちろん、どの貨物車にしましても、貨物を運送するについて、現在の日本の産業経済の活動の上に欠くべからざるものであるということは言うまでもございませんので、それが相当の制限を受けるということは、その事業事業にとっては困難なことだ、これはよくわかります。が、そういう中で、特にこの制限令が公布されて一番痛切にこたえたのが、牛乳の配達車であります。これは御承知のように、牛乳というものが、普通の貨物と違いまして、時間、それから取り扱いの保健衛生等の面から見まして、どうしても他の貨物とは特別に考慮されなければならない点だと思われるのであります。この制限令が出ましたために、従来輸送しておった貨物自動車が使えないということになりまして、非常に大きな支障を生ずることになったわけであります。これらの点に対して、制限令を公布されるにあたりまして、牛乳の配達貨車、トラックについては、特別の御考慮の中に入ったのでしょうか、そういう点は御考慮の中に入らなかったのでしょうか、それをまずお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/6
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007・斎藤昇
○齋藤国務大臣 ただいまお尋ねの、車両制限令の施行に伴いまして、牛乳を運ぶ貨車が相当制限を受けるようだというお話でございますが、実は、私の方ではまだその点を把握いたしておりません。伺いますると、牛乳をやっておられる産業には、相当の支障を来たすのじゃないかと考えます。私の方でも調査をいたしますが、お聞き及びになっておられまする具体的の個所、問題等をお聞かせいただきましたら、具体的問題につきまして、建設省の関係と協議いたしたいと考えております。この制限令は、建設省が主管で、建設省がやっているわけであります。従いまして、路線営業をやっておりますものにつきましては、こちらの方とも話し合いがあるわけでありますが、そうでないものにつきましては、こちらも進んでその影響を検討すべきはずであるわけでありますけれども、今日まだそういうことになっておりません。今後はよく留意をいたしますが、ただいまの点を一つ、後ほどでけっこうでございますから、具体的のことをお示しをいただきまして、できるだけそういうことを避けることができるように交渉してみたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/7
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008・加藤勘十
○加藤(勘)委員 今日東京都内だけで、牛乳の運搬は四百万本から五百万本輸送されておるのです。それで、これらの輸送に当たるトラックの台数は、今度制限を受けました五トン以上のトラックが約五百台、それから小型のトラックが三百台、それでこれだけの牛乳の輸送に当たっておるわけであります。専業小売業者が東京都内に千五百軒ございまして、それから病院、工場、学校等、そういう集団需要のところへも直接輸送しておるわけであります。ただ、残念なことには、これらの病院にしましても、工場、学校、家庭は大部分そうでありまするが、完全な冷凍設備というものを持っておりませんので、どうしても時間的に制約を受けるわけなんです。そういう点を考慮しまして、ことに小売専業店は、前からずっと存在しておるのでありまして、どうしても道が制限を受ける範囲内に入る個所が、比較的多いわけなんです。それを今制限されてしまいますと、輸送上に非常に支障を生じまして、牛乳の衛生、保健という取り扱い上の面からいきまして、大きな支障を生じまして、牛乳の鮮度等にも、これは申し上げるまでもなく、牛乳は搾乳されてから消費者の手に渡るまでほとんど一貫作業として行なわれておって、この間には取り扱い上に非常に衛生上の注意をしなければならない点でございまして、また、これがために特に別な法律も設けられておるような状態です。これが輸送上の制限のために時間がおくれてしまうというようなことになりますと、牛乳の持っておる鮮度が落ちるばかりでなく、このことのために、非常に衛生上の見地からも問題が起こってくるのではないかというおそれがあるわけなんでございます。これらの全乳協会等におきましても、どうして当局の方針に適合するように自分たちの輸送関係を改めることができるか、こういうことについて考慮は十分しておりますけれども、これを一挙にやるということは事実上不可能なんでして、言葉ではやるといえますけれども、五百台の五トン車以上のものを急に小型車に変えるということは、第一、人の手の面からいきましても、その他の機具全部の取り扱いを変えなければなりませんので、事実上非常に困難でありまするので、徐々にそういう方向に向けて、当局の意向に適応するようにしたい、こういう努力はするでありまするが、そういう一定の期間、取り締まりの上において何らかの緩和の方策を講じてもらえないだろうか、こういう気持を持っておるわけなすです。これは私ども、食生活の改善という点から、動物性の蛋白を非常に慫慂しておる立場から見まして、それはなるほど必要なことだ、これは当局がそういう制限令を公布する場合に、特に牛乳の配達というようなことについての考慮が払われなかったのであろう、だから、これは実情を明らかにすれば考慮してもらえるんじゃないか、こういうことには話をしておりますけれども、この点についての政府当局のはっきりした御意向を一つ承っておけば、非常にいいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/8
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009・木村睦男
○木村(睦)政府委員 お話の点は、非常にごもっともな点でございます。それで制限令につきましては、ただいま大臣から御説明申し上げましたように、建設省の方で主管いたしておりまして、運輸省あるいは警察所管の分につきまして、一緒になってやっておった。お話の点につきまして、ここに条文がありますので、かいつまんで御説明申し上げますと、今のお話のような場合、特殊な車両でもってどうしても運ばなければいかぬ、ところが、その車両の構造によりまして、今まで通っていた道路が通れなくなる、しかし、どうしてもそこを通さなければいかぬというような場合には、道路管理者が、この制限令にきめました基準にその場合その車が適合しないが、しかし、その使用目的によってやむを得ないというふうに認定したものは、その車については一応基準に適合するものとみなすことができるという条文が一つございます。そこで、今の実情を道路管理者の方にお話になりまして、道路管理者がなるほどやむを得ないという認定をしてくれますと、基準に合うとみなして通れるようになります。ただし、そういう場合でも、道路管理者が、運行の経路あるいは運行の時間等について、道路の保全、交通の安全をはかるためにいろいろな条件をつけることがありますので、その条件には従って運行してもらわなければいけないという条文がございますので、これによりまして、ある程度御質問の点は処理できるのではないかと考えられますが、なおお話を承りましたから、私の方から道路管理者の主管であります建設省の方にもよく連絡をいたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/9
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010・加藤勘十
○加藤(勘)委員 大体そういうことになっておれば、そういう点を明らかにすれば、道路管理者も今おっしゃるような条項に従って認めてくれるであろうとは思いますが、お伺いしておきたいと思うのは、直接の管理者は、建設省のどこでやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/10
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011・木村睦男
○木村(睦)政府委員 建設省の道路局が主管しておりますが、道路管理者といいますと、国道それから府県道等によってそれぞれ違いまして、国道の場合は建設省あるいは一部地方県知事、それから県道ではもちろん知事、市町村道では市町村長、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/11
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012・加藤勘十
○加藤(勘)委員 そうしますと、直接話をする場合は、全部一々建設省なり東京都の道路局なりにそれぞれ話をしなければいかぬということになるのですか。建設省なら建設省だけでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/12
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013・木村睦男
○木村(睦)政府委員 牛乳配達の問題でございますので、おそらく各地にあろうかと思いますので、一応おまとめになりまして、総元締めの建設省の方へお話になりまして、建設省の方でいろいろ御指導をお受けになることが適当かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/13
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014・加藤勘十
○加藤(勘)委員 それではそのように取り計らいたいと思いますが、運輸省の方においても、そういう特殊の条件があるのだということを一つ伝えておいていただきたいと思います。お願いします。
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015・簡牛凡夫
○簡牛委員長 特定船舶整備公団法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/15
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016・久保三郎
○久保委員 特定船舶整備公団法の一部改正法律案というものについて若干質問をしたいのでありますが、まず第一にお尋ねしたいのは、この共有方式はいかなる方式でやるのか。というのは、いわゆる金利あるいは償還、共有の持ち分、こういうものについて、要点だけ御説明をいただきたい。こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/16
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017・岡田良一
○岡田説明員 共有の問題でございますが、今まで公団で旅客船についてやっておりますのと同じ方式で考えたいと思っております。持ち分につきましては、資金を分担した割合に応じて、業者が三を出す予定であります。業者三、公団七という割合によりまして、その七の部分につきまして、それを十二年償却という考え方でありますので、十二年間に金利と償却分を合わせまして、毎年業者からその分を納める。そういう形で十二年たちますと、所有権を業者の方に移す。そういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/17
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018・久保三郎
○久保委員 新年度は五億の借り入れ融資ということが財源になっておるということでありますが、それではしけは百十何隻、引き舟は三隻程度ということなんだが、全体として特に重要港湾——この間も関谷さんからお話がありましたが、重要港湾が主体でありますが、それ以外にも問題がある。いずれにしても、全体として今日のはしけの実態からいって、今後の経済の推移というか、船舶の出入というか、そういうことからいって、大体どの程度まで充足する必要があると思っているのか。今年計画されている五億の範囲で、はしけ百十何隻、引き舟程度というのは、どういう割合であるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/18
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019・岡田良一
○岡田説明員 引き舟につきましては、一応八隻という予定にしておりますが、これは業者の方の申請その他の状況によりまして、若干変更するときがあるかもわからぬと思います。現在のところ、はしけの需要量は、御承知の通り、非常に波がありまして、昨年の八月の船積みの激しいときには、非常に足りないという数字が出ておったわけでありますが、現在は入港船が減りまして、現状においてはあまり足りないという数字が出てはおらないというようなことでありまして、一年の間でも非常に需要量は差が生じてきますので、結局一定の数字をとりまして、それがあまり高い数字であれば、かえって業者の方の採算上の問題点になりますし、あまり低い数字になると、また実際問題として困ることが起こってくるわけでありますけれども、一応五ヵ年間の荷動きの数字から平均的に考えておるわけであります。それで平均いたしますと、大体五万トン程度のはしけを毎年増加させればよいという数字が出ておりますので、一応公団で二万五千トン程度作りまして、残りはほかの、たとえば自己資金による方法とか、中小企業金融公庫とか、その他の融資の方法を考えてやっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/19
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020・久保三郎
○久保委員 次の機会までに、そういう数字をまとめたもの、見通しを出しておられると思うが、これを出していただきたいと思います。
そこで、大臣もおられるからお尋ねしたいのは、なるほど、御努力によって、はしけの増強もこういう形で芽が出てきたということであります。これは一つの前進ではあると思う。そこで、前進ではあるが、問題ははしけだけじゃなくて、港湾対策としてはいろいろあるわけでありますが、その中でも、これに直接関連するものは荷揚げ、荷おろしのいわゆる機械化の問題であります。ついては、特にこの港湾運送業者が使用せねばならぬ、あるいは近代化するために必要な移動クレーンの問題については、運輸大臣としてはどういうふうに考えられておるか。というよりは、移動クレーンまでこの中に含めてやってやるのが当面必要ではないか、こういうふうにも考えるわけなんでありますが、これはいかがに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/20
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021・斎藤昇
○齋藤国務大臣 私の方も、おっしゃいますように、移動クレーンのようなものもこの中に含めていたしたい、かように思っておったのでございますが、クレーンのようなものを船舶公団でやらせるのははたしてどうだろうかという議論も強く出まして、特定船舶公団でやらせるということはさらにもう少し検討いたす余地があるということになって、このたびはその目的を達成しなかったわけであります。何らかの方法によりまして、融資その他の面で移動クレーンを作りやすいようにいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/21
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022・久保三郎
○久保委員 今のお話では、船舶公団でやらせることはどうかというふうなお話だそうでありますが、船舶公団自体がやることについてどうかということは、これを含めてやることがどうかというならば、話はまた別だと思います。大臣のお考えでは、船舶公団というのだから、船の方が主体だから、荷役機械まで入れるのもどうかというふうにとれるのでありますが、そういう意味でしょうか。いわゆる船が主体なんだから、機械まではどうか、こういうふうにお考えになっておられるのか。それとも、必要性から言って、これを別途考える必要があるからということでありましょうか。いずれでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/22
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023・斎藤昇
○齋藤国務大臣 必要性は、おっしゃいますように、私はあると思っております。ただ、船舶公団の性格にかんがみまして、この中に入れるのはどうか。従いまして、現在のところでは、やはり特別な融資の面で考えていくしか道がないのじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/23
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024・久保三郎
○久保委員 実際をいうと、それはどうかと思います。はしけと直接の関係があり、しかも港湾荷役の近代化ということは、運輸省でも重点施策になっておると思います。そういうことから言うならば、はしけだけで荷役機械は含まないのだというような考え方は、どうも画龍点睛を欠くのではないかと思います。だから、ここで考えられるのは、船舶公団という名前が、どうも船ということになるならば、名前はつけようでありますから、これは変えていいのじゃないかと思います。それからもう一つは、主として船でありまして、荷役機械というのは、実態としてその中のごく一部ということになると思います。この公団自体は、戦標船、旅客船、貨客混載船、引き舟、こういうものが大半でありまして、荷役機械はそのごく一部でありますし、これに含ませて、こういう制度の中で港湾荷役の近代化なり緩和をはかっていくというのが一番いいのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。ついては、運輸大臣がこの荷役機械を入れないと言うこと自体、どうも話がおかしいと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/24
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025・斎藤昇
○齋藤国務大臣 おっしゃいますように、特定船舶公団の名称を変更して入れるということも考えられる道でございますが、この際その点ができませんでしたのは、なかなか大蔵省との折衝にも時日を要しましたし、一年間は先ほど申します特殊の融資の方法で一つ努力してみたいということで、問題を残しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/25
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026・久保三郎
○久保委員 最初からそうおっしゃれば、話が大へんわかるのです。そうだろうと思います。これははしけまで入れるのが大へんな御苦労であって、荷役までどうも見れなかったということだろうと思います。ついては、私たちは、制度そのものとして、やはりこの機会に、まだ今日法案審議中でありますから、われわれ自体としては当然この中に含ませてやるべきだ、こう考えております。そういう意味において一つ御考慮をいただきたい。なお、関谷さんもこれは考えておられるようでありますから、後刻これは御相談申し上げなければいかぬ、こう思っております。
そこで、法案から離れますが、運輸大臣がせっかくおいでになっておりますから、一つだけ引き続いてお尋ねしたいのでありますが、それはオランダ航空の問題であります。これについてかいつまんで御報告をいただきたい、こういうふうに思うのであります。先般新聞等で承知したのでは、定期便、いわゆるDC7で来たと思うのでありますが、この場合は、検査をしたが、そのままいわゆる平服の兵員を乗せて西イリアンへ飛ばした。その後今アンカレジに待機しているのは入れない、こういうことであるそうでありますが、政府の方針としては、先般の定期便によるところの平服の兵員輸送はよろしいと認めたのかどうか、こういう点について、一つお知らせをいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/26
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027・斎藤昇
○齋藤国務大臣 ただいまのお尋ねの点は、オランダが兵員を運ぶためにチャーター機で羽田を経由してといううわさがありましたので、チャーター機になりますると、特別の許可が必要になります。そこでいろいろ検討いたしまして、こういうことは適当でないと考えましたので、そういう申請をされても許可をいたしませんということを、外務省を通じて先方に話をいたしました。そこで、チャーター機の問題はなくなったのでありますが、定期便で数十名来るという話がございました。定期便ですでに認可をされている機種でやってくる分には、お客さんとして運んでくるのでありますから、今日の法制上はこれを拒否する道がございません。そこで、ただ飛行機に兵器、弾薬といったようなものを積んでくることは、これは違反になりまするから、そのおそれがあるものと認めて、羽田に着陸いたしましたときに、そういうものを積んでいるかいないかを検査いたしたわけでございます。次いで、一両日前に、機種を変更して、それにまた乗ってくるという話がございました。機種変更の申請がございました。DC7をDC8に変更するということであったと思いますが、この機種の変更は認可を要する問題でありまするので、従って、この機種の変更は認めないという処置をいたしたわけでございます。従いまして、今申しまするように、すでに許可をされている範囲内の定期便でお客さんとして運んでくるという場合には、処置のいたしようがないというわけでございまするが、しかし、国際的に及ぼす影響もありますので、外務省を通じまして、なるべくこういうお客さんは運ばないような措置をとってもらいたいということを申し入れておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/27
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028・久保三郎
○久保委員 お話では、大体今問題になっているものについては、いずれにしても好ましくないから遠慮してほしいという程度のようでありますが、それは大臣、ちょっと違うのじゃないかと思うのであります。正当な拒否権というものがわが方にあると思うんですが、いかがでしょう。というのはICAO、国際民間航空条約の第四条では、「各締約国は、この条約の目的と両立しない目的のために民間航空を使用しないことに同意する。」目的というのはどういうことかというと、いろいろあるでしょうが、この条約の前文には、こういうことが書いてある。「各国及び各国民の間における摩擦を避け、且つ、世界平和の基礎である各国及び各国民の間における協力を促進することが望ましいので、」云々と書いてある。この条約そのものからいっても、私は、定則便で、きめられた条件のもとにおけるいわゆる平服の兵員の輸送であっても、これはわが方に拒否権があると思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/28
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029・斎藤昇
○齋藤国務大臣 先ほど申しますように、普通の旅客としてやってくるという場合には、今日まで拒否した例はないのでございます。従いまして、明らかに戦争目的のために普通の旅客機を利用するというようなことのないようにということを、外務省を通じて話をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/29
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030・久保三郎
○久保委員 これはもう戦争目的のための軍人でありますから、当然先ほど読み上げた条項に照らしても強い拒否権を持つべきだと思うのですが、どうも皇太子がきょうお帰りになると、あとは少しおかしくなるのじゃないかと、私は思い過ごしに心配しているのです。おわかりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/30
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031・斎藤昇
○齋藤国務大臣 別にあとおかしくするという意図は、毛頭ございません。御趣旨のようなつもりでおります。
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032・簡牛凡夫
○簡牛委員長 港湾に関する件について、調査を進めます。田中織之進君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/32
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033・田中織之進
○田中(織)委員 過日の委員会で、港湾と海運に関する問題について、運輸当局の意向をただしたのでありますが、ちょうど予算委員会の関係で運輸大臣お見えにならなかったので、最高政策に関する部分については責任のある御答弁をいただけなかったので、この機会に、幸い大臣お見えになられましたので、一、二お伺いをいたしたいと思います。
まず、海運政策の問題につきましては、過去の造船融資に対する利子補給の問題が、前年に引き続いて予算が計上されておるわけであります。聞くところによると、過日も海運局長及び政務次官からは、いわばそれはうしろ向きの過去の分に対する補てんということで、前向きの形におけるものについては、目下運輸省の方で積極的な利子のたな上げについて案を練りつつある。その点について、若干大蔵省との間に意見の食い違いがあるやに新聞報道等でも承るのでありますが、特に所得倍増計画の第二年度において、いろいろ物価の問題その他から倍増計画について支障が出てきておる時期でありますけれども、特に海運関係の問題は、経済の成長政策と最も深い関係にある国際収支の改善の基盤として、非常に重要な部分だと思うので、従来の融資に対する利子の補給の問題であるというようなことではなくて、積極的に、特に現在提案になっておる特定船舶公団等による戦標船等の処理の問題も一方では進められておりまするけれども、やはり積極的な新造船計画を進めていくことが必要だと思うのであります。そういう点から見て、今運輸省が考えておられる、できれば本国会に出したいといわれておる、たとえば利子の積極的なたな上げ方式というような問題について、大臣としては今国会に必ず提案せられるという決意を持っておられるかどうか。この点については、過日の委員会で事務当局からははっきりした意向を伺うことができませんでしたので、この機会に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/33
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034・斎藤昇
○齋藤国務大臣 お説のように、日本の海運事業、ことに外航船を持っております海運会社は、非常に基盤が脆弱でございまして、これは御承知のように、戦争中に沈められました船に対する戦時補てんが行なわれなかった、その基盤の上に借金で船を作ってきたというところに原因があるわけであります。従って、今日借金の元本の未済になっておりますものが約七百億、それから減価償却のできないのが、約七百億あるわけでございます。こういうような企業基盤におきましては、国際競争力にも耐えられませんし、今後新しく船を作っていきます場合に、先向きの点だけを考えただけでは足らない、かように考えまして、この海運企業の基盤を強化するということをどうしてもやりたい。そこで今おっしゃいますように、開銀の利子あるいは市中金融の方の利子、これをある程度支払うことを猶予して、そして元本の返済に充していくということによりまして、ただいまの元本の返済の未済あるいは償却不足を五ヵ年くらいに解消されたいという目途で、一つ海運会社の整備計画を立てさせたい、そうしてそれに必要な援助をいたしたい、こう考えているわけであります。その方法につきまして、ことに利子のたな上げ等の問題につきましては、今大蔵省と折衝中でざいます。これをやるのに法律が要るか要らないかという議論もあるわけでありますが、法律が要らないとなれば、ただ政府の施策だけでできるということであれば、法律なしに、政府の方針でやれますが、法律が要るということになれば、私は、この国会中に提案をいたしまして、御審議をいただきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/34
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035・田中織之進
○田中(織)委員 そうすると、明年度の予算に、審議会の経費が計上されておりますが、今大臣がお述べになったような積極的な基盤強化のための積極政策、そういうものは、その整備計画審議会の結論を待ってというお考え方なのですか。それとも、各企業別に整備計画というものを諮問せられるそうでありますけれども、それと並行した形で、本年度の新しい海運基盤強化の積極政策として、今政府部内の意向がまとまれば、関係法律案でも出して一歩進めていこう、こういうお考えなのですか。その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/35
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036・斎藤昇
○齋藤国務大臣 整備をいたしますについて、政府あるいは国が援助をいたします内容が、どうしても法律が要るということであれば、この国会中に法律で御審議をいただいて、その方針によって整備計画を会社に立てさせて、その整備計画を整備計画審議会に諮問をいたしたい、こう考えております。従いまして、整備計画の審議会は、海運基盤を強化するのにはどうしてやったらいいかという方策を審議するのではなくて、個々の整備計画を審議するという審議会にいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/36
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037・田中織之進
○田中(織)委員 現在海運造船合理化審議会があるわけでありますから、それに基づいて、大きな太い線というものは、政府の方でも、この審議会の関係から十分意見を徴することもできるし、民間及び政府の関係においても、先ほどの大臣の答弁にありましたように、この際、やはり内外経済との関連において、海運の基盤を強化するために、内閣としてもっと積極的な政策を打ち出すという意味において、行政運用でやれるかどうか、あるいは法律を新たに制定する必要があるかという点については、私どもしろうと的な考え方から見て、利子補給の場合においても、それぞれやはり法的な処置を講じなければならぬ。その意味で、利子補給ということよりも、もっと積極的な意味における利子のたな上げ、支払い猶予の問題を取り上げるということになりますれば、これは猶予で、全然支払わないという問題でないわけでありますけれども、最終的にはやはりその点も関連を持ってくるものだから、特別な立法を必要とするのではないか、こういうふうにしろうとなりに考えているわけであります。その意味で、今国会で政府の方針が固まって、国会で審議できるように推進をしていただきたいと思います。
次に、港湾整備計画の問題に関連して一、二お伺いしたいと思いますが、過日もお伺いしたのでありますが、港湾整備緊急措置法が昨年制定せられ、それに基づいて、運輸大臣の方から、いわゆる所得倍増計画に基づく港湾整備の、特に当面の五ヵ年計画というものを策定することが義務づけられておるのであります。今日までいろいろ立案について御苦労なさっておられるようでありますけれども、まだ成案を閣議に報告せられたということをわれわれも伺っておりませんし、過日の委員会で、港湾局長からも、その点については近く出されるということであった。すでに、港湾整備五ヵ年計画についても、明年度は第二年度になるわけであります。その意味で、もちろん、特別会計ができて、予算に基づく計画は順次進捗していると思うのでありますが、やはり一定の計画的な目標のもとに、少なくとも最近のような予算執行の過程から見ても、船込みを解消しなければならぬということを予算編成の大きな柱として立てられる以上は、すみやかにこれが策定をせられて、国民にも、こういう方向で政府として港湾関係、特に海運と深い関係を持つ基盤の強化をするのだという線が、打ち出されなければならないと思うのでありますが、大臣としては、これをいつごろまでに最終的なものにして閣議に報告し、また国会にも報告せられるお考えであるか、この際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/37
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038・斎藤昇
○齋藤国務大臣 港湾整備計画の閣議決定がおくれておりますことは、まことに申しわけない次第でございます。関係当局と折衝を進めまして、ここ数日中に閣議決定をいたしまして、御報告申し上げることができると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/38
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039・田中織之進
○田中(織)委員 そこでこの整備計画ができますれば、それに基づいて、いわゆる重要港湾、あるいは鉄鋼、石油、そういうような各重点港の整備の問題について、新たに指定を受けるというようなところも、この計画がきまり次第出てくるのではないかと思います。その点から、現在十二港指定されておるいわゆる特定重要港湾の関係で、あと私の郷里の関係の和歌山下津港、あるいは北海道の室蘭、函館、小樽、大分県の津久見、新潟、坂出、こういうようなところが、たとえば外国貿易の取り扱い量、あるいは港湾全体の埠頭荷役のトン数であるとかいうように指定の基準によって、私が今申し上げたような順序で、特定重要港湾としての指定を待っておるような状況でございます。この点については、特に和歌山県下津港等の関係は、最近住友金属の和歌山への積極的な進出によりまして、鉄鋼関係の強化がなされてきております。御承知のように、日本への石油の輸入の半分以上のものが、やはりここに荷揚げをされておるというのが、実情でございます。それから最近は、木材関係で、特に北洋材あるいは米材というようなものの荷揚げも、非常に大きな量に達してきておるのでございます。その点から、現在十二港の指定を受けておるうちで、横浜、九州の洞海、大阪、神戸、東京、名古屋に次いで、その外貨取り扱いトン数あるいは総取り扱いトン数の関係等も、ふえてきておるわけです。和歌山下津、それから室蘭、やや落ちて函館、こういうような順序になってきておるのであります。その点から見て、大臣の御出身地の四日市、あるいは静岡県の清水、九州の小倉、こういうようなところはすでに特定重要港湾としての指定を受けておりますが、私が今申し上げた関係から見て、室蘭あるいは和歌山下津港等よりも、はるかにこれらの貿易上の貨物の取り扱い数量も少ない状況であります。それにもかかわらず、これらの港湾が特定港として指定を受けて、従って、整備計画においても、国費をもって積極的に建設が行なわれておるわけでございますが、この際、整備計画との関係をもちまして、特定重要港湾の指定を従来の実績、基準に基づいてふやすお考えがあるのかどうか。この点について、大蔵当局との間で、特に外国貿易との関係から、大蔵省の関税部との共管の問題にもなるわけでありますが、積極的なお話し合いをなされておるのかどうか。この点についてお伺いをいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/39
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040・斎藤昇
○齋藤国務大臣 最近の日本経済の伸展に伴いまして、ただいまおっしゃいましたような事柄が相当起きておるのではないかと私は考えます。今具体的に大蔵省と折衝しておる段階でないと思いますが、事務的に検討いたしておると思います。よく報告を受けまして、できるだけ不便のないようにいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/40
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041・田中織之進
○田中(織)委員 港湾局長もお見えになりましたのでお伺いいたしますが、特定重要港湾の指定の基準の問題につきましては、従来の指定基準というものについて再検討を加えて、現在の十二港のほかに、新たに特定港湾としての指定を受けようとしておるところについては、新しい基準に基づいて幾つかを指定する、こういうようなお考えもあるようにも伺っておるのですが、指定基準については、現在まで示されておる指定基準を変更されるとすれば、どういう方向でそれを変更されようとしておるのか。この点は、港湾局長からお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/41
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042・坂本信雄
○坂本政府委員 特定重要港湾の選考基準につきましては、戦後一つの基準を運輸省で作っておるのでございますが、それに載せてございますことは、開港であること、あるいは特定港であることというようなもののほかに、戦前の港湾の取り扱い量が幾らであるかとか、あるいは昭和二十五年の取り扱い貨物の量とか、金額がどのくらいであるとか、そのほか、国際定期航路の寄港地であるかどうか、そういうようなことがきめてあるわけであります。現在の取り扱い量だけではなしに、戦前、あるいは昭和二十五年というようなことを特に表現いたしておりますのは、現在幾ら取り扱っておるかということだけではなしに、一般的に見てわが国の港として一流港であるという、非常に通念的な考えでございますが、こういうことを表現するような趣旨でこういう項目が考えられているのでございます。
今の和歌山下津港につきましては、該当しておる項目もございますし、該当しておらない項目もございます。最近のトン数は非常にふえておりまして、その点では該当しておりますが、戦前であるとか、あるいは昭和二十五年の数字であるとか、あるいは主要なる国際定期航路の寄港地であるというような点では、実は該当しておらないのでございます。
ここに今申し上げましたような基準は、最近の情勢かな少し再検討する必要があるのではないかという声がございますが、その理由は、ここにとられております数字というものが、最近、日本の港湾が、経済発展に対応しまして、どこの港でも取り扱い量が非常に伸びておりまして、ここに述べました基準が、今の日本の水準からいくと、少し小さ過ぎるのではないかという観点がございまして、この取り扱い量についてもう少しふやすというような観点から再検討すべきではないかということが一つと、もう一つは、ここに述べました項目というのは、いわゆる雑貨を主体とした従来の非常に一流港というような概念で考えられておるのでございますが、最近非常に取り扱い貨物の伸びております港は、鉱工業の発展に伴いまして、原油だとかあるいは鉱石だとか、そういうようなものの種類が非常にふえておりますし、今後の港も、一般の商港に比べまして、工業港の比率というものがだんだんウエートを増してくるのではないか、そういうような観点から、そういうようなこともまたこういう項目の中に考えていくべきではないか、こういう考え方がございます。そういう観点から今検討をいたしておりますが、まだ成案を得るには至っておらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/42
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043・田中織之進
○田中(織)委員 私も手元に八項目にわたるいわゆる特定重要港湾としての指定基準を持っておりますが、その中に今港湾局長も言われましたように、昭和二十五年の数字というものがとられておるのでありますが、これはやはり基準をとられた当時の比較的新しい数字として押えられたんだろうと思うのでありますが、それがその後十年以上も経過しておるわけでございまするから、昭和二十五年というような数字を基礎にするということについては、その後の経済の発展段階から見て適当であるかどうかということに私は問題があろうかと思います。しかし、もちろん、その後の経済情勢の推移に基づいて、取り扱い量というようなものも、従来の基準ではなしに、もっと大きなものを押えていかなければならないという趨勢はわかりますけれども、今、たとえば私が申し上げておる和歌山下津港とかあるいは室蘭港であるとかいうような関係から見れば、現在の水準で現在の基準に大体当てはまる。たとえば外国貨物の取り扱い量などは、先ほども大臣にも申し上げたのでありますけれども、四日市だとかあるいは小倉であるとかいうようなところに比べれば、はるかに大きな数字を持っておるのでありますけれども、従来の十二港のうちに入っておらない。率直に申し上げまして、基準になる数字が引き上げられるということになれば、現在の基準に大体当てはまろうかというところで重要港湾に指定してもらいたいというところが、ますますその指定を受けられないという結果になるので、その意味から見て、基準がどういうようにきまるかということと、率直に言えば、現在の基準に当てはまるものは幾つかやはり追加指定をしてもらいたいというのが、関係者の非常に強い希望ではないかと思うのです。その点から見て、基準を改定せられるということであれば、それも早急に一つ結論を出して、それに基づいて、従来のただいたずらに過去の実績ということにとらわれずに、現在、局長も申されるように、鉱工業の原材料あるいは製品の輸入あるいは輸出、そういうような観点から見て、どうしてもやはり入れなければならぬものは、この際早急に、先ほど申し上げた整備計画の確定と相待って、きめていただきたい。ここに、昨年私が陳情申し上げたときの政務次官の福家委員もおられるわけであります。当時運輸省としてのきわめて好意ある見解を伺っておったのでありますが、最近になりますと、いささか運輸省が大蔵省の方から巻き返しを食うたのか、どうもその点でいたずらに数字にこだわったような形で、実質的な条件を備えておるものをもたなざらしにしているような感じを受けるので、あらためて問題を持ち出したわけでありますが、その点については、局長も今基準についても検討中で、まだ成案を得られないというのでありますけれども、現行の基準というものに基づいても、やはり幾つかはきめられる。かりに基準を変更するということになりますならば、古い数字にあまりこだわらないで、やはり現在重要港としての実体があるかどうかという点について、実質的な内容を検討するということによってきめていただきたいと思うのでありますが、重ねてこの点についての局長の見解を伺っておきたいと思いますし、この点については、同時に、大蔵省の関税関係から総務課長がお見えになっておるようでございますが、大蔵省の特定重要港湾の指定増加ということについてのお考えを、この機会に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/43
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044・坂本信雄
○坂本政府委員 特定重要港湾と申しますのは法律で出ておりますのは、港湾法の第五章の港湾工事の費用という中に、「外国貿易の増進上特に重要な港湾で、政令で定めるもの(以下、特定重要港湾という。)」とございますが、この特定重要港に対しては、普通の重要港湾よりも国の負担率をよけい持つことが可能であります。ここで特定重要港湾という名前が出てくるわけでございますが、その費用の負担の率につきましては、重要港湾ははっきり二分の一ときめておりますが、特定重要港湾につきましては、十分の十までという言葉を実は使ってございます。その当時の趣旨は、港湾法制定前まで、神戸、横浜というものは国営港でございまして、ほとんど大部分の費用を国が持っておりましたので、その従来の経過を重んずる意味で、こういう措置が講ぜられたと考えておるのでございますが、そういう意味から、実は特定重要港湾でございましても、その後と申しますか、港湾法制定後特定重要港湾として指定されました東京、大阪等につきましては、重要港湾と同じだけの比率しか国庫は負担しておらないということもございます。そういうような経緯から、この特定重要港湾の指定基準につきましては、戦前の取り扱い量というものまでうたいまして、単に現行の数字だけではなしに、過去にさかのぼって、その重要性が一般的に認められておるものというような基準が選定されたものと存じておりますが、田中先生の御質問の趣旨もよく了承いたしますので、参考にさせていただきまして、さらに検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/44
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045・田中織之進
○田中(織)委員 ただいまの局長の答弁で、私の意見も参考にして基準の改正等の問題についてもお考えになる、こういう意味合いにもとれるわけでございますが、率直に申し上げまして、私どもは、室蘭とか和歌山下津港なんかは、従来の基準なら当然重要港湾として指定を受けられる条件を具備していると思うのです。ところが、大蔵省との話合いにおいて、運輸省が今考えておる重要港湾についての指定基準の条件、端的にいえば、引き上げを行なわれるということになれば、従来の条件に当てはまるものも、引き上げられた条件に当てはまるかどうかという点がわからないわけです。そこに多年の要望でもあるし、すでに重要港湾として指定されておる幾つかの——十二港あるわけでありますが、そのうちの五港は、多体室蘭、和歌山なんかとおっつかっつの条件であるということであれば、幾つかのそういうものをこの際重要港湾として指定して、今局長が申されたように、国費の負担率を引き上げてもらって、さらに整備計画について一段と強化していただきたい。第一次の港湾整備五ヵ年計画がすでに第二年に入ろうとしておるのでありますから、この機会に一つ実現してほしいというのが、関係者の切なる願いでありますが、その意味においてお聞きをいただきたい、こういうわけなんです。大蔵省から関税局の総務課長がお見えになっておりますが、特定重要港湾の指定の問題に運輸省と関係を持つのは、私は関税局のように伺っておったのですが、特に外国貿易との関係から関税局が一番関係が深いんじゃないかということで御出席をいただいたわけなんですけれども、所管はあなたの方とは違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/45
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046・武藤謙二郎
○武藤説明員 私の方では、特定港湾の問題にはタッチしておりません。開港にするかどうかということは私の方の所管でございますが、下津の問題はもう開港になっておりますので、特定港湾の問題は、予算の関係で主計局と運輸省が御相談になることだと思います。簡単でございますが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/46
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047・田中織之進
○田中(織)委員 この和歌山下津港を開港に指定するのは、私大蔵委員当時に、しかも昭和二十三年に行なったわけなんです。そのときにも、重要港湾の場合の指定基準と同じように、戦前の外国貿易の実績という点から見れば、下津港にしかなかったわけです。その意味で、広い海域を和歌山下津港といって、狭い意味に解釈すれば二つの港を、一つの港域だということに指定して、貿易港としての指定を受けたといういきさつが実はあるわけなんです。しかし、現在はやはり経済の区域というものが拡大されまして、かつては二つの港を一つにくっつけて指定を受けたという不自然なものが、現在経済的にはもう完全に一つのものになって運営されておる。そういう点から、私どもは、実は特に主管の運輸省に対して特定重要港湾としての指定を推進していただくようにお願いをしているわけなんです。貿易港としての開港の問題にはタッチするけれども、特定重要港湾としての予算関係の問題は主計局だということでありますれば、いずれまた主計局にも伺わなければならぬと思うのですが、ここで出ておる意向を主計局の方にも関税局の方からお伝えをいただいて、早急にこの点について指定が受けられるように、特に運輸大臣に、あなたの御就任中にこれが実現するように、これは非常に強い希望を申し述べておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/47
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048・簡牛凡夫
○簡牛委員長 次回は、来たる十四日、水曜、午前十時より委員会を開会することにして、本日はこれをもって散会いたします。
なお、十三日、火曜日、午前十時三十分より理事会を開会いたしますから、理事の方々は御了承を願います。
午前十一時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X00719620209/48
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