1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月二十三日(金曜日)
午前十時二十三分開議
出席委員
委員長 簡牛 凡夫君
理事 關谷 勝利君 理事 高橋清一郎君
理事 塚原 俊郎君 理事 山田 彌一君
理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
理事 肥田 次郎君
伊藤 郷一君 生田 宏一君
宇田 國榮君 川野 芳滿君
木村 俊夫君 佐々木義武君
壽原 正一君 砂原 格君
西村 英一君 細田 吉藏君
石村 英雄君 加藤 勘十君
勝澤 芳雄君 田中織之進君
内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 齋藤 昇君
出席政府委員
運輸政務次官 有馬 英治君
運輸事務官
(大臣官房長) 平瀬 眞一君
運輸事務官
(自動車局長) 木村 睦男君
運輸事務官
(観光局長) 梶本 保邦君
気象庁長官 和達 清夫君
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二月二十日
委員佐々木義武君辞任につき、その補欠として
堀内一雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員堀内一雄君辞任につき、その補欠として佐
々木義武君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
委員内海清君辞任につき、その補欠として伊藤
卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員伊藤卯四郎君辞任につき、その補欠として
内海清君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
委員細田吉藏君・勝澤芳雄君及び田中織之進君
辞任につき、その補欠として古井喜實君・山花
秀雄君及び木原津與志君が議長の指名で委員に
選任された。
同日
委員古井喜實君・木原津與志君及び山花秀雄君
辞任につき、その補欠として細田吉藏君・田中
織之進君及び勝澤芳雄君が議長の指名で委員に
選任された。
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二月二十日
中小都市におけるハイヤーの大資本業者の進出
阻止に関する請願(壽原正一君紹介)(第一三
〇一号)
同外一件(澁谷直藏君紹介)(第一三〇二号)
同(伊藤幟君紹介)(第一三五六号)
同外一件(大竹作摩君紹介)(第一三五七号)
同(亀岡高夫君紹介)(第一三五八号)
同外一件(齋藤邦吉君紹介)(第一三五九号)
同外一件(鈴木義男君紹介)(第一三六〇号)
同外一件(野口忠夫君紹介)(第一三六一号)
同(八田貞義君紹介)(第一三六二号)
同(伊藤幟君紹介)(第一四二〇号)
同(大竹作摩君紹介)(第一四二一号)
同(亀岡高夫君紹介)(第一四二二号)
同(鈴木義男君紹介)(第一四二三号)
同(八田貞義君紹介)(第一四二四号)
同外四件(吉村吉雄君紹介)(第一四二五号)
福島合同タクシー株式会社新規免許申請反対に
関する請願外一件(澁谷直藏君紹介)(第一三
〇三号)
同外二件(伊藤幟君紹介)(第一三六三号)
同(齋藤邦吉君紹介)(第一三六四号)
同(鈴木義男君紹介)(第一三六五号)
同(八田貞義君紹介)(第一三六六号)
同外一件(野口忠夫君紹介)(第一三六七号)
同外十件(亀岡高夫君紹介)(第一四二六号)
同外一件(八田貞義君紹介)(第一四二七号)
同外三件(吉村吉雄君紹介)(第一四二八号)
信越本線軽井沢、長野間電化促進に関する請願
(下平正一君紹介)(第一三一九号)
同(井出一太郎君紹介)(第一三八一号)
甲府、長野間国鉄複線電化に関する請願(下平
正一君紹介)(第一三二〇号)
同(井出一太郎君紹介)(第一三八二号)
国鉄自動車加治木線蒲生町駅の貨物取扱いに関
する請願(村山喜一君紹介)(第一五〇一号)
戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する
法律による乗車券の家族共用に関する請願(松
野頼三君紹介)(第一六五六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
南大東島における高層気象観測に必要な物品の
譲与に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出第三七号)
日本観光協会法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七三号)
陸運に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/0
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001・簡牛凡夫
○簡牛委員長 これより会議を開きます。
南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
本案について質疑の通告も別にありませんので、本案に対する質疑を終局いたします。
これより討論に入ります。
本案に対する討論の申し出も別にないようでありますので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/1
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002・簡牛凡夫
○簡牛委員長 御異議なしと認めます。
これより採決をいたします。
南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/2
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003・簡牛凡夫
○簡牛委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。(拍手)
なお、この際お諮りいたします。
ただいま可決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/3
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004・簡牛凡夫
○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。和達気象庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/4
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005・和達清夫
○和達政府委員 本案を御採決いただきまして、まことにありがとうございました。私ども、気象事業のため、今後ますます努力いたしたいと思います。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/5
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006・簡牛凡夫
○簡牛委員長 日本観光協会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。梶本観光局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/6
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007・梶本保邦
○梶本政府委員 先般、観光小委員会におきまして、勝澤先生から資料の御要求をいただきましたので、それにつきまして、お手元にお届けいたしておりますものにつきまして、御説明さしていただきたいと思います。
小委員会における先生のお話は、海外事務所はなるほどわかったが、宣伝嘱託員というものをどの地区にどういうふうに置いてみるか、こういう御質問でございました。
今お手元に配付いたしておりますように、アメリカではワシントン・D・C、ロスアンゼルス、シアトル、ダラス。カナダのバンクーバー、メキシコにはメキシコシティ、それからブラジルにはサンパウロ、アルゼンチンにはブエノスアイレス、イタリアはローマ、ベルギーのブラッセル、それから西ドイツのフランクフルト、それからスエーデンとありますのはデンマークのミスプリントでありまして、デンマークのコペンハーゲン、そのほかアジア地区におきましては香港、シンガポール、カルカッタ、この十五カ所に宣伝嘱託員を置いておるわけでございます。
その宣伝嘱託員に対する報酬は、年間一人当たり六百ドル払っております。
そして宣伝嘱託員の主たる業務というのは、ここにも書いてございますよに「宣伝印刷物の配布、映画・スライドの貸出及び上映、旅行に関する情報の提供などによる現地における観光宣伝」、それから現地の国際観光に関する情報を本部へ報告をしていただく、こういうことが宣伝嘱託員にお願いいたしておることでございまして、そして現地におる日本人に、古くからおる日本人にお願いしている場合と、それから現地の親日家を宣伝嘱託員にお願いしておる場合の二通りがございますが、とにかくこの十五カ所に宣伝嘱託員を配置いたしまして、今、観光宣伝に努めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/7
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008・簡牛凡夫
○簡牛委員長 御質疑があればこれを許します。——なければ、次会にこれを譲ることにいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/8
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009・簡牛凡夫
○簡牛委員長 次に、陸運に関する件について調査を進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/9
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010・井岡大治
○井岡委員 議事進行について……。
われわれはまじめに審議をしようと思って、おるわけですが、政府の人は、御承知の通り、今大臣がやってきたところなんです。われわれは、ふだん大臣が見えなければ審議をしないのじゃないわけです。大臣が来なくても、あなた方の都合の悪いときにはわれわれに話をして、きょうはおらぬから、だれそれを出すからということで審議をさせておるわけなんです。しかるに、政府委員が一人もおらないじゃないですか。大臣、これをどう考えるか。御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/10
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011・斎藤昇
○齋藤国務大臣 まことに申しわけのない次第だと存じます。私は、ただいま本委員会で法律案をお上げいただくということを伺いまして、すぐ座を立とうといたしておったわけですが、ちょうど交通閣僚懇談会で、かねての路線トラック等の問題について発言中でございましたので、その発言だけを終えて今ここへかけつけたわけでございますが、おくれましたことをおわび申し上げます。さらに政府委員につきましては、どういう連絡の手違いか、いずれにいたしましても非常に申しわけのない次第だと存じます。今後かかることのないように、厳重に注意をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/11
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012・井岡大治
○井岡委員 毎日、その当日になって今ここで何をやるといったのではなく、前の日から質問通告をしてあるのです。従って、その質問を通告し、しかも十時から開くということがわかっておる。しかるに、だれもお見えにならない。これは大臣、少し弛緩をしておるじゃないですか。大臣のいわゆる指揮命令というものは、どういうように行われておるのですか。これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/12
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013・斎藤昇
○齋藤国務大臣 まことに申しわけがございません。私は、弁解の余地はございません。今後こういうことのないように、厳重に注意をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/13
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014・井岡大治
○井岡委員 大臣を怒るという意味もあるけれども、少なくとも国会開会中は、委員会を開くことはわかっておるわけなんです。前の日からわかっておるわけです。そして前の日からどういう問題について質問をするという通告をしてあるわけです。大臣がお見えにならない、あるいは局長がお見えにならなければ、われわれは審議をしないといったことは一度もないはずです。われわれは、部長さんでも、参事官でも、あなた方の御都合の悪いときには、審議をしておるはずなんだ。しかるに、きょうはだれもお見えになっていないじゃないですか。これはどういうことなんです。国会というものをどう考えておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/14
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015・斎藤昇
○齋藤国務大臣 おっしゃられる通りでございます。どういう手違いでありましたか、十分取り調べまして、今後こういうことを再び起こさないように、厳重に注意をいたします。御了承いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/15
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016・簡牛凡夫
○簡牛委員長 肥田次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/16
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017・肥田次郎
○肥田委員 それじゃ質問いたします。
実はその前に大臣にお伺いをしますが、あれは日にちは昨日でしたか、大臣が上林山議員の質問に対して、タクシー料金の値上げは、あれは確認をいたしますが、当面必要はないというふうに発言されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/17
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018・斎藤昇
○齋藤国務大臣 当面は考えていない、今すぐやるつもりはない、こういうふうに申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/18
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019・肥田次郎
○肥田委員 大臣、今すぐ必要がない、あるいは当分必要がないという、その内容はともかくとしまして、タクシーの料金にかかわらず、現在トラックだとか何とか、それからバスだとか、こういういろいろな輸送関係の料金値上げというものの申請が相当出ておりますけれども、これは全体としてどういうふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/19
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020・斎藤昇
○齋藤国務大臣 最近の経済情勢から、相当コストが上がって参っております。従いまして、いつまでもこの情勢のもとにほっておくわけにはいかないと私は思います。ことに都市におきましては、非常な車両の混雑を来たしておりまして、これはハイヤー、タクシーも同様でありますが、トラック事業も、非常に車の効率が落ちております。従って、何とか考えなければならぬと私は思っておりますが、しかし、今すぐというわけにも参りませんし、今交通対策を立てておりますが、しかし、交通対策の立て方で非常な負担を来たすというようになれば、これはやはり営業として成り立っていかなければならぬものでありますから、その料金もやむなく考えていかなければならぬだろうと思います。今そういう段階でありますので、検討はしなければならぬと考えておりますし、検討も命じておりますが、一方、交通規制のあり方というものも、今関係方面といろいろと検討中でございますので、そういうものを勘案いたしまして、その上で方針をきめたい、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/20
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021・肥田次郎
○肥田委員 これは当時の所管大臣は小暮大臣でしたが、国鉄の運賃を値上げしたときに、政府は、国鉄運賃の値上げとそれから一般物価との関係はない、こういうような答弁がありました。それから国鉄の運賃の値上げをすれば、それに関連して、私鉄の運賃だとか、あるいはトラックだとか、あるいはバスだとか、タクシーだとか、必ずこういうものは上げなければならぬようになりますよ、そういうことはどういうふうに考えておられるのかという質問をしましたけれども、当時は、やはりそういうものとは関係ない、国鉄運賃の値上げはそういうものに響かないというふうな答弁があったのですが、それと現在の状態と、大臣はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/21
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022・斎藤昇
○齋藤国務大臣 小暮前大臣は、国鉄の運賃値上げをした、それに便乗した値上げは認めません、こういうように答弁をいたしておるように速記録等で私は見ております。しかし、方々の委員会その他がございましたから、今おっしゃったようなこともあったかもわかりませんが、私は、国鉄の運賃は国民経済生活に全然響かないということは、おそらく言われていないであろうと思いますし、もし言われておったとすれば、私は所見を異にいたします。若干の影響はあります。どの程度か知りませんが、あります。しかしながら、日本の産業の発展の上から考えてみて、国鉄運賃は日本の産業の成長の伸びの中に運賃値上げの影響は吸収をされて、そう大した影響はないであろうということは、私もさように考えます。今述べられました各種運輸関係の運賃につきましては、国鉄が運賃値上げをしたから上げるというのではございません。コストの計算等から考えまして、しかしながら、できるだけ国民生活に影響を来たさないようにということが一つの公共料金のあり方でありますから、その点も勘案をいたしますが、しかし、営業が成り立たないということであれば、これは公共の使命も果たせないわけでございますので、営業の成り立つということも一つの条件でありますから、今日の状況から考えまして、絶対に必要はないとは私は申せない、よく検討をする必要がある、検討すべき材料はいろいろ今複雑でありますから、それらを勘案をして検討をして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/22
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023・肥田次郎
○肥田委員 これは議論をしても仕方ないと思います。当時私は、国鉄の運賃を値上げすることによって、既存の物価バランスが必ずくずれる、こういうことを言いました。ところが、それは承知をしながら、言葉の上では、今言ったようにそういうものには関係はないという表現をし、また、あいまいに便乗は許されないというような答弁を繰り返しておる。これは事実であります。しかし、本質的に池田経済政策は、一年後の今日では、こういうふうに非常な矛盾を生じてきておるということは事実である。ですから、私は、その議論によってその当時の問題を繰り返そうとは思いませんけれども、今日そういう状態が起こってきたのは、偶然ではなしに、国鉄の運賃の値上げということを原因として起こってきておることは、私は間違いはないと思っております。そこでそういう状態の中にあって、私は、運輸大臣としては、先ほど言いましたように、すでに私鉄の運賃の値上げの問題、あるいは都市交通の運賃の値上げの問題トラックの値上げあるいはバスの値上げ、さらには最近起こってきているところのタクシーの値上げ、こういうものについて、すみやかに大臣としての考え方を出すべきだと私は思う。私は、上げなさいということを言うのではないのですよ。矛盾が生じてきた今日のような状態になってきておるときに、大臣が質問をされたから上げる必要はないとか、あるいは上げることについてどうだこうだというように言葉をあいまいにするような御答弁があるということは、いわゆる関係大臣としては適当ではなかろう、こういうふうに私は思うのです。ですから、一説には、こういう風説が飛んでおるのですよ。これは風説ですから、真偽はわかりませんが、おそらく今度また私鉄の運賃は値上げするだろう。この私鉄の運賃の値上げについては、本来ならば昨年の八、九月ごろにやっていたものである。たまたまああいうへんな問題が飛び出してきて、前々大臣が何だかんだというような問題が飛び出してきて、これがお流れになった。今度また選挙を前に控えて、いろんな状態のときに私鉄運賃の値上げの問題が出てきておる。これが一般の風説としては——これは自民党さんに怒られるかもしれないが、大方政府与党が選挙資金をとるために値上げを認めるのだろう、こういう風説さえ飛ぶような状態である。そういう風説が飛ぶということも、これは大臣の考え方、大臣の処置というものがすみやかに行なわれておるならば、そういうものとは関係なしに物事の処理ができていたと思うのです。そういうことがあることを私は大臣によく検討をしておいてもらいたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/23
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024・斎藤昇
○齋藤国務大臣 私は、運賃問題に対しましての考え方を、先ほども申し述べましたように、私鉄等につきましても、私は考え方をはっきりいたしております。今おっしゃるような忌まわしいことは、私は絶対にないと確信をいたします。また、そういうように受け取られることがあってもいけないと存じまするので、主務大臣といたしましてはこういう考え方であるということを、私鉄の問題についてもはっきりいたしております。今日おくれておりまするのは、今後の私鉄の設備の増強が、交通混雑を緩和するために非常に要請をされておりまするので、これを個々に検討をいたしまして、しかも十四社ございまするから、それらの将来の資金コストがどうなるかということを検討しておりまするので、手間がかかっておるわけでありまして、政治的に、今おっしゃるような関係は、絶対にございません。この点は、私は政府のためにもはっきりといたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/24
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025・肥田次郎
○肥田委員 今大臣のおっしゃったのは当然のことでありまして、そういうことは本来であるべきことではない。あるべきことではないのに、時期がいろいろこんがらかってくると、そういう風説が飛ぶということを私は申し上げたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/25
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026・壽原正一
○壽原委員 関連。お急ぎのようですから、大臣にちょっとお伺いしておきたいのは、昨日でしたか、東京のタクシー、ハイヤーの増車の件について、運送協議会というものがあって、それが増車の答申を行なわぬというようなことであったらしいんですが、大臣は、増車ということを今まだ必要というふうに認めるかどうか、これをちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/26
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027・斎藤昇
○齋藤国務大臣 私は、達観をいたしまして、東京都では今ハイヤー、タクシーを増車すべきではない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/27
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028・壽原正一
○壽原委員 それでは大臣、もう一点だけ。
きょうの朝日新聞に出ておるのですが、タクシー運賃の値上げをする必要はないという御答弁をきのう分科会でなすったそうですが、その申請の内容はまだ検討ができておるはずがないし、また申請がどういった意味合いでなされておるかということも、まだお考えになっておらぬだろうと思う。それにもかかわらず、必要は認めぬという断定的なお言葉があったようですが、これはちょっと軽率なお答えじゃないかというふうに私は考える。そこで、それに対してちょっと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/28
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029・斎藤昇
○齋藤国務大臣 私は昨日の分科会で、まだ内容も見ておらぬし、検討もしておりません。従って、実情は数字的に、具体的によく心得ていない。ただ、私の感じとしては、今すぐにはどうであろうかと思うと申し上げたのであります。こういう考え方は、先ほどお答えを申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/29
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030・壽原正一
○壽原委員 それじゃ、この朝日新聞に出ておる、直ちに値上げの必要は認めぬという言葉は、これはほんとうの言葉じゃなかったのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/30
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031・斎藤昇
○齋藤国務大臣 運輸大臣として今直ちに認めないというふうにとられておるとすれば、言葉が少し行き過ぎているであろうと思います。私は、そういう前言葉をつけて申しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/31
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032・壽原正一
○壽原委員 それじゃ、これからこの問題については検討して、必要があればこれを認めないわけにはいかぬというふうに解釈をしていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/32
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033・斎藤昇
○齋藤国務大臣 今も申し上げましたように、最近自動車効率が非常に下がっておりまするから、従って、そういう点については何らか勘案を要するのじゃないかと私は思っております。きのうも申し上げようと思ったのでありますが、質問者の受け持ち時間が非常に迫っていたようでありますから、簡単に申し上げましたが、私は、さらに腹の中では、あるいは距離制と時間制を加味するようなことも考えられないだろうかというような考え方を持っておりますが、それが今すぐ適用できるかどうかという問題もございましょう。いろいろそういう点で考えをめぐらしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/33
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034・關谷勝利
○關谷委員 大臣、ちょっと今の関連のまた関連になってまことに恐縮なんですが……。
今大臣から、東京都のハイヤー、タクシーの増車は適当でないというお話がありました。それで了承をいたしておるのでありまするが、あの例の、自動車運送協議会の協議せられた事項に対してはこれを尊重しなければならない、と書いてあるのであります。私たちは、これを審議いたしました際にも、これに従わなければならない、ではないので、自動車運送協議会が適当でない結論を出した場合には、その際にはこれに従わないでいいというふうなことも加味いたしまして、尊重しなければならない——従わなければならないではないというふうなことで、あのような文句ができ上がったのでありまするが、今の運転手不足の状態、あるいは都市交通混雑の状態等、いろいろ勘案いたしますると、これは今増車をすべきでないという大臣のお言葉の通りであります。ところが、陸運局長あたりは、この尊重ということがどういうふうな意味でできたのか、そういうことを知らずして、そういうふうな答申を出して、運転手不足も都市交通緩和も、みんな自動車運送協議会が考えなければならぬ事柄であるのに、それさえないような委員の言うことに盲従しようとするようなことがありまするので、その点、大臣がよく陸運局長を指導しておいていただくように、私は、これを御注意までに申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/34
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035・勝澤芳雄
○勝澤委員 関連して。大臣お急ぎのようですから、一つだけ御質問いたします。
いつもこの委員会で問題になっておる問題ですが、運輸審議会と運輸大臣との関係なんですけれども、まだ運輸審議会で結論が出ないうちに、上げるとか上げないとかいう話がいつも出ているわけですね。今の大手の私鉄問題も同じわけなんです。運賃値上げをだれがきめたのか。運輸大臣がきめないで、経済企画庁長官がきめたような印象を最近受けているのですが、それだったら、運輸審議会というものは、いつも問題になるように、国鉄のときも問題になりましたように、ここで何回もやらないといけないですよ、あちらこちらでやっているのですけれども、いつも運輸審議会でものをきめないうちにもう方針がきまってしまうということなら、運輸審議会なんかやめればいいと思うのです。ですから、運輸審議会と、経済企画庁長官なり運輸大臣なりが運賃値上げをするとかしないとかいう発言をしておることと、どういう関係があるのか。運輸審議会というのは、今までと同じように置くのか。運輸審議会に運賃値上げについての諮問中に、担当大臣である運輸大臣がそれについていろいろな意見を言うことの可否。この問題を一つだけ、再質問いたしませんので、一つわかりやすく御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/35
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036・斎藤昇
○齋藤国務大臣 前にもこの委員会で同様な御質問があったかと思っておりますが、経済企画庁は、物価全体を統制というか、にらんでおりまするので、従って、ここと考え方を合わせる必要がございます。また、閣議了解を得るということになっておりまするので、その手続もしなければ相なりません。ただ運輸審議会と運輸大臣との関係は、これは、運輸審議会は運輸審議会としての答申を出してくるでありましょう。運輸大臣は、この答申は尊重をすべきでありますが、しかし、これに全面的に拘束をされるというものでもないと思います。運輸審議会の答申に反した処分をした場合に、政治的にどういうようなことがあるかという点は、いろいろ問題によってありましょうが、それは法律的にはあり得ると私は考えます。
そこで、運輸審議会がいつ答申をするかということは、運輸審議会の独自の判断で答申を出すわけであります。物価、運賃等の値上げの問題については、今申しましたように、経済企画庁あるいは閣議の了解というものを経て、初めて運輸大臣はやるわけでありますので、それらの情勢も見ながら運輸審議会は答申をするということもあり得る、私はかように考えております。私は、運輸審議会に対して、政府の方針を決定するまで答申を出すことを待てとも言っておりません。むしろ出すなら早く出してもらってもよい、どちらでもよろしい、自主的に考えて下さい、かように言っておりますので、運輸審議会は適当と思うときに適当な判断で答申を出すであろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/36
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037・肥田次郎
○肥田委員 それでは自動車局長に御質問いたしますが、実は数日前にタクシー料金の値上げ申請を出したという内容が出ております。その前に、ちょっとお伺いいたしますが、自動車局長の所管で、今新たに問題になるタクシー料金の値上げ以外に、どういう方面の値上げ申請が出ておりますか。その申請というのは、表向きの申請じゃなしに、その状況というのですか、一つわかっていれば御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/37
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038・木村睦男
○木村(睦)政府委員 本日の委員会に私おくれまして御迷惑をおかけいたしたことを、冒頭におわび申し上げます。
ただいまの御質問でございますが、現在の自動車関係の運賃料金の値上げの申請の状況について申し上げますと、現在申請が提出されて受理いたしておりますものは、一般乗合自動車、バスでございます。全事業者全部は出そろっておりませんが、大半申請が出ております。それからトラックにつきましては、路線事業につきまして、特に東京、大阪の市内の路線事業の貨物の集荷配達料金につきまして、交通混雑のために能率が低下しておるということで、東京、大阪両市内における集荷配達の料金改訂の申請が出ております。そしてただいまお話のありました東京都内のハイヤー、タクシーの運賃の料金改訂申請が出ております。地方的には、一部の地方都市等におきまして、タクシーの料金改訂の申請が一、二出ております。正式に出ておりますのは、それだけでございます。
一般的な状況等につきましては、いまだつまびらかにしておりませんが、たとえば通運事業等につきましても、あるいはトラック事業全般につきましても、最近の全般的な交通の混雑、あるいは人件費の高騰等で、現在の経営では収支のバランスがくずれるおそれがあるというような意味で、料金改訂を考えたいといった意味の陳情その他はありますけれども、正式な申請は、それ以外は出ておりません。これが状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/38
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039・肥田次郎
○肥田委員 もう一つお伺いしますが、運賃改訂、料金改訂の申請の理由というものは、主としてどういうことによって申請しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/39
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040・木村睦男
○木村(睦)政府委員 いろいろ事業種別によっても達いますが、おしなべて申し上げますと、一つは、最近の人件費の高騰、特に昨年春におおむね三千円程度の大幅のベース・アップがございましたが、これによって非常に経費がかさんできた。それから料金によりますと、非常に長い間全然改訂をされないままに置かれておるものがございまして、当時の料金改訂の原価計算のときの経済事情と今日との間に、一般的な物価の高騰、あるいはその他いろいろな要因が違って参りまして、収支のバランスがとりにくくなっておるというような理由もございます。それから交通の混雑、ことに大都市におきます交通混雑による作業能率の低下がコスト高に響いてきまして、収支のバランスがそこなわれてくる。一般的に申し上げますと、大体以上のようなことがそれぞれ理由になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/40
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041・肥田次郎
○肥田委員 この中で、効率が下がったということは、料金値上げの理由に考えられますか。ちょっと簡単にあなたの考えておられることでいいのですが、たとえば今おっしゃったように、自動車が思うように動かせなくなった、それで効率が悪くなったから料金を値上げするのだ、こういう理由に対して、妥当性があると考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/41
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042・木村睦男
○木村(睦)政府委員 これは、それぞれの事業の態様によってもいろいろ差があると思います。従いまして、一がいには申し上げられませんが、この混雑によりまして能率が下がるということが、場合によってはコストの方に影響がある、あるいは収入そのものの方にも影響があるというふうな場合も、考えられると思います。しかし、個々の場合、実情を調べた上でないと、この場合にそれが当てはまるか、あの場合には当てはまらないかということは、個別的に検討する以外に方法がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/42
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043・肥田次郎
○肥田委員 そこで一つ具体的にお伺いいたします。タクシーの料金改訂申請の内容ですが、これは具体的に載っておりまして、たとえば今まで七十円、八十円のタクシーは、それぞれ基礎キロは二キロで、そうして五百メートルおきに上昇していくという率がありましたが、これによりますと、二キロという基礎キロが一・六キロになって、そうして上昇率は別として、基礎運賃は八十円と九十円ということになっておりますね。こういう関係について、どういうふうに考えておりますか。というのは、こういう計算のやり方ですね。先ほど料率改訂の理由の中に、人件費が上がったということを一つ言われましたが、その次には、非常に長期にわたって基礎的料率というものがそのまま据え置かれたから、これを変えなければならぬという理由をあげられておりましたが、この二キロを一・六キロに下げて八十円にする、あるいは二キロを一・六キロに下げて九十円にする、こういうやり方について、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/43
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044・木村睦男
○木村(睦)政府委員 今回の東京都内のタクシーの料金改訂申請の内容につきましては、実は二十日に陸運事務所に出たばかりでありまして、私も新聞に出ておることを存じておる程度でありまして、まだ内容について陸運事務所から詳細な報告を受けておりませんので、その中身については何とも言えませんが、大体新聞の報ずるところがその内容であろうと私も考えております。
今の御質問の点でございますが、こういった料金の改訂の場合には、まずタクシー事業そのものが現在どういう収支の状況にあるかということを収入の面、特に経費の面においていろいろ検討をいたしまして、そして経費が非常に増大しておって、今のままの収入では健全な経営を維持できない。従って、よきサービスを提供することもできない。あるいは輸送力をふやすこともできないというふうな状況になるというふうにかりに判断をいたした場合に、値上げをしなければならぬであろうということに——その他いろいろな国の方針なりあるいは一般的な社会事情等ももちろん考慮いたしますが、仮定の問題として、そういう場合に料金を改訂しなければいかぬということになりますと、じゃ全体としてどの程度の改訂をしたらいいかということを、次に検討するわけであります。どの程度の改訂をすれば、どの程度の改訂による増収があるか、その増収が得られれば事業は健全な経営が指向されるかということで、まず増収の割合といいますか、そういうことを一応頭に置きまして、その次に、しからば、そういう増収を得られるためのあるパーセントの値上げということになりますと、具体的に今のタクシーならタクシーの料金制度をどういうふうに変えることによってそのパーセントの増収が得られるかということで、初めてどういう方法でこれをやるか。お話しのように、今まで二キロであったものを一何キロにするか、あるいは今まで四百メートル、五百メートルで変わるものを三百何十メートルにするとか、そういうことを考えていくわけであります。もちろん、運賃改訂の方法については、申請の内容に従って私どもは検討するのでございまして、現在の申請の内容がそういう方法であれば、そういう方法でもってはたして妥当な増収になるかどうかということを、そこで検討するということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/44
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045・肥田次郎
○肥田委員 それではもう一つ具体的にお伺いしますが、今、ガソリンは、平均して一リットル大体四十五円と見ておけばいいですね。若干の高い安いはありますがね。それでこれも車によって相違はあるけれども、大体十二、三キロ、リットル当たりと見ておけばいいと思います。そうすると、一日に三十リットルとこれを仮定すると、大体千三百五十円。それから今度は人件費、運転手の給料が平均すると、いい方で四万円程度だと思うのです。これも二十五日稼働で計算すると、隔日勤務ですから、一日大体千五百円くらい、こういうことになる。それから車の償却ですが、これも大体今日の稼働率で見ていくと、まちまちの点が若干あるだろうと思いますけれども、これも二千円で、七十万円と見て十二カ月くらいで償却ができる、こういうことになるだろうと思います。そうすると、その総所要するものと、大体今一日三百キロ前後走っているという状態から見て、それからさらに水揚げが八千円から多いときには一万円——これも事業によって違います、六千円くらいのところもあるようですけれども、そういうものを見ると、大体そういうところから見たところの料率というものをどういうようにお考えでしょうかね。実際今の具体的な、そういうふうに占めておるところの人件費、償却、それからガソリンを含めたところの消費率、こういうものを含めて、大体私は今の基準数字を申し上げましたが、こういう形の中で、現行の料率が出ておるとすると、経営のやり方にもよるでしょうが、それでもなおかつ一台の稼働率というものが相当高い。四千円ないし五千円くらい。この中から利益がはじき出されるというふうに考えられる。そういう状態の中で、さらに料金の値上げの必要があるというふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/45
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046・木村睦男
○木村(睦)政府委員 ただいまお話しのように、支出の面におきまして、原価をお話しのような項目それぞれについて査定いたしまして、一両の車が一キロ走る場合に、キロ当たりの経費がどのくらいかかるかということを当然見るわけでございます。また、お話のように、お客を乗せて走る比率がどのくらいあるか。これは収入の側の計算でございますが、そういうことを検討いたしまして、結局一キロ当たりの現在の経費がどうであるか、一キロ当たりの収入がどうであるかということまで掘り下げまして、その上で収支はどの辺で見合うべきかということを見るわけでありまして、その点につきまして、一昨日出ました申請の内容を検討いたすことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/46
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047・肥田次郎
○肥田委員 今問題になるのは、タクシーの料率がこれでいいのか悪いのかということがやはり基礎的に検討されないと、今までがこういう状態であったから、今度こう上げるのだという——国鉄運賃にしても、私鉄運賃にしても、みなそうですが、常に前の状態がこうだからというのが理由にされるということは、いいかげんに改める必要があるのではないかと思うのです。実際にこれだけのものが要るのだという数字をはじき出さなければ、満足して、では仕方がない、上がってもやむを得ないだろうということには、なかなかならないだろうと思うのです。そういう意味で私は申し上げたのです。ですから、料率については、もちろん業者の言うこともよく検討されなければならぬと思いますが、科学的にはじき出されるものは科学的にはじき出すという方法をとられることが、一番大切だろうと思うのです。
もう一つ、これもいろいろと風評の中で私らが聞くことはなんですが、たびたび聞くようになったので、この点については、料率を変えるというぎりぎりのところで非常に問題がありそうなんで、一つお伺いしておきます。参考のために何か意見があれば聞かしてもらいたいと思うですが、たとえば八十円の場合には、百円出して二十円のつりは出すと思います。七十円の場合にも、百円出して七十円ですから三十円のつり、これは出します。八十円の場合には、二割の比率を占めるのですから、出します。ところが、九十円になれば、十円のつりは出ないだろうといううわさが流れています。これは実際に利用する者にとっては、ちょっと注意を要する問題だと思うのです。これは業者にとっては関係のない問題であります。十円よけいくれたからといって、それは業者に入るわけではないのですから、必ず運転手のふところに入るだろう。こうなると、九十円というぎりぎりの料金は、実に検討を要する料金だと私は思っておる。九十円にするなら、百円にしなさい。百円にして、基礎キロを二キロにするとか、こういう方法をとった方がむしろきれいだろう。十円のつりはもらうにもらえないで、手を出しても、運転手はもじもじして時間がかかってつりを出さない、えい、めんどくさいということで、そのまま車から離れていくというような、まことに不愉快な気持が——なかなかおもしろいことを言う人がおりまして、話を聞かせてくれたことがあります。ですから、こういう料率の変更はよほど検討の必要があるのではないかということを参考のために申し上げておきますけれども、これは局長、何かそういう点についてお感じになったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/47
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048・木村睦男
○木村(睦)政府委員 ただいまお話しの前段の点でございますが、長い間据え置きになっておったから、こういうことで、それだけの理由で、その以前の原価計算だけを問題にして改訂をするとかいうふうなことは考えておりません。あくまでも現下の状況はどうであろうかということを、お話しのように科学的に分析いたしまして、標準的な指数というものを求めた上でやるように、これは運賃全般の考え方としてそれを貫いております。
それから支払いの方法でございますが、今非常にいいお話を承ったのでございますが、私たちも、常に、そういう問題について考慮いたしております。たとえば一番基礎的な点は、そういう考え方からいいますと、料金というものをラウンド・ナンバースにするというのも、そこから出ておるわけでありますが、今お話しのように、九十円の場合だと、めんどうくさいからということで百円払うようになる、こういう点の支払う側の心理状況、そういうことも、十分常に勘案いたしてきめるようにいたしております。今後につきましても、そういうことを十分考慮いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/48
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049・肥田次郎
○肥田委員 もう一つ技術的な面で。たとえば、これはあくまで申請内容ですが、今までの五百メートルを四百三十メートルに縮めて、これを二十円、いわゆる超過率によって収入を上げていこうという考え方ですね。これなども、私は二十円という基礎数字にこだわる必要は少しもないと思うのです。二十円という数字に刻むのが、十円になったっていいと思うのです。話が横へ飛びますが、電話料金の値上げについては、時間を縮めて額を下げるような案があるように聞きました。ところがこれの中で注意しなければならぬことは、時間を縮めるのは、三分という時間を縮めて、そして一通話の料金を下げる。だから二分に刻むのか、一分に刻むのか、こういう点で……。ところが、三分に刻むと、それが今度は高くなる。こういうやり方はいけないと思うのです。けれども、四百三十メートルが四百メートルになって、そしてこれが二十円だ、こういうことなら、二百メートルで十円にしたっていい。二百メートルで十円にして、四百メートルで二十円、こういう率にすれば、大体かたっと上がって、あとまだ四百メートル走れる、ああ惜しいことをした、こういうことはなくなる。こういうことも再検討する必要があると思う。ことさらに二十円刻みにならなければならぬということにはならない。こういう点も十分検討しておく必要がある問題じゃないかと思います。しかし、いずれにしても、私は、今日の状態の中で、こういう絶対の料率が上がるということについては賛成できない。大臣は、先ほどの答弁の中でも、池田の経済政策と国鉄運賃の値上げとか、こういうものとは関係がないように言われておりますけれども、この根本的原因というものはすべてそこにあるのですから、もし政府が上げなければならぬということになれば、みずから政府の失敗を認めて、そこで生じた矛盾はすみやかに改めるんだ、こういう態度を明らかにしなければ、いつまでたっても、まちまちばらばらにいわゆる料率改訂の申請が出て、当局も困る、業者も一体どうしたらいいのかというように迷う。こういうような状態というものは、すみやかに解消すべきだと私は考えておる。ですから、いずれにしても、料率の値上げというものについては賛成できない。それから今日のような経済状態の中で、当局がすみやかにそれらに対する方針を明示するということを、この点は必要だろうと思う。たまたまこれについて勝澤委員から運審の関係等の話がありましたが、運審の考え方と、それから当局、運輸省の考え方というものは、私は異なったものがあっていいと思う。ただ運審という機関が答申を出した場合に、それを尊重するかどうかという問題、これが必要になるのであって、運審がやっておるから運輸省は知らぬ顔をしておっていい、こういうことにはならないだろう。やはりこれは運輸省の積極的な態度というものが必要だと思う。それがないから、いろいろな方面で混乱が起きてくる、こういうことになるんだろうと思います。料率改訂という問題は、今日の状態ではもう相当重要な問題になっておるのですから、私は、すみやかにそれぞれの関係者が確固たる方針を出すことが必要だということを繰り返して申し上げて、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/49
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050・木村睦男
○木村(睦)政府委員 非常に参考になるお話を承りまして、今後十分参考にいたしたいと思っております。運賃の申請は、御承知のように、現在は申請者の自由意思によって申請する建前になっておりますので、運輸省の方で、申請しなさいとか、あるいは申請してはいけないというふうなことは言えない仕組みになっております。従いまして、申請が出たから直ちにその申請は認めるのであるということでもないということも、はっきりいたしておりますので、受けました申請は、いろいろな観点から検討いたしまして、今御指摘のような点は十分考慮いたしまして、正確な判断のもとに、申請を認めるか認めないかということを今後きめていく問題でございますので、その作業の段階にあたりましては、いろいろ御指摘になりました点も十分心に入れまして、検討いたしたいと思っております。
なお、運輸審議会との関係でございますが、このタクシーの料金は、運輸審議会には諮問いたしませんが、一般的に運輸審議会に諮問いたします事項について申し上げますと、運輸審議会に諮問いたして、運輸審議会で検討を願うと同時に、役所の側もその間手をこまぬいておるわけではございません。役所側といたしましても、いろいろ検討を続けてきておるというのが実情でございますので、その点も申し添えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/50
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051・簡牛凡夫
○簡牛委員長 壽原正一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/51
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052・壽原正一
○壽原委員 局長にちょっとお伺いしておきたいのは、増車の問題ですが、昨日は、何か運送協議会の委員の定員の不足でこれを開催しないということの結論のようであったが、定員が満つれば、再度この協議会を開いて増車という問題をきめるのか、それをちょっと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/52
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053・木村睦男
○木村(睦)政府委員 現在、輸送力の策定について、東京陸運局では自動車運送協議会に諮問いたしておりますので、運送協議会といたしましては、その輸送力策定の諮問の答申を出すことになっておりますので、おそらく今後運送協議会が開かれますときには、この諮問に対する答申の事項が当然議題になって審議されるものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/53
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054・壽原正一
○壽原委員 それは今までの例から見て、運送協議会というものは、この自動車全般、あらゆることをやらなければならぬというように私は解釈をしておったのだが、今までの状態だと、集まりさえすると、増車という結論きり出ておらぬ。今回の内容がどういう諮問を発しておるか、その諮問の内容がわかったら一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/54
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055・木村睦男
○木村(睦)政府委員 昨年の八月に、自動車運送協議会の会長から、それまでの諮問についての陸運局長に対する答申がございました。その答申の中身は、昨年増車いたしました事柄が中身になっておりまして、これは終了したのでございますが、その答申の要望事項といたしまして、付帯要望事項がついておるわけでございます。その要望事項が二つでございまして、一つは「鉄道駅における配置輸送力及び供給輸送力の比較的希薄と認められる地域における配置輸送力を増強するための抜本的な対策について検討されたい。」これが一つであります。次の要望事項は「次期増強輸送力が昭和三十七年当初より稼動できるようにするため、すみやかに諮問されたい。」という要望がついております。この第二の要望がございましたので、昨年のたしか十月かと存じますが、陸運局長が次期の輸送力についてはどういうふうに策定したらよろしかろうかという諮問を運送協議会にいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/55
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056・壽原正一
○壽原委員 それではちょっとお伺いしますが、駅の問題については、とうに今回二月一日でもって大体結末がついておる。その他、この間からの国会内で交通の問題がいろいろ論議されておって、一体車の処置をどうするかというふうなことを考えておるやさき、なお二千台なり三千台なり増車をしなければならぬ。あるいは運転者の不足の折柄非常に困難を来たしておる営業現状を見、また現在毎日——一カ月じゃないですよ、一日二千台から二千二百台までの間の、運転者不足のための休車を業界が行なわなければならぬというような現状を見て、そういう諮問を発する必要があるかどうかということ。あなた方の意思、あなた方の国会における答弁と、地方陸運局長の考えとは、必ずしも一致しておらぬ。意見の不一致である、意思の疎通を欠いておるというふうに私は考えられるのだが、その点ちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/56
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057・木村睦男
○木村(睦)政府委員 ただいま申し上げました東京陸運局長から自動車運送協議会に出しました諮問は、昨年のたしか十月だと思いますが、その当時の陸運局長の判断といたしましては、八月の答申の要望事項もありますし、輸送力の策定を三十七年においてどういうふうにしたらよかろうかということについて、諮問をしたわけでございますので、別段その点につきましては、どういうふうに輸送力をつけたらよかろうかという諮問でございますので、それに対して私たちも別に意見はございません。その後の経過を申しますと、この諮問を受けまして間もない十月の三十日でございますが、十月の三十日に、この諮問を受けた協議会がどういうふうに今後考えていこうかということにつきまして審議をいたしまして、一応の結論に達したということをお互いが確認し合っております。
これをちょっと申し上げますと、「東京都区内における一般乗用旅客自動車運送事業の適正供給輸送力については、当協議会より、昭和三十五年十二月二十四日及び昭和三十六年八月十九日の両度にわたり、本年内」と申しますのは三十六年でございますが、「本年内に合計五千五百両程度の増強を行うべく答申し、これらの車両は本年中」つまり三十六年でございますが、「本年中に全部稼動することとなるので、当該事業の需給関係は相当緩和されるものと見込まれる。」第二点が、「政府においては、最近の国際収支の急激な悪化に対処し、景気の過熱を防止するため、先般来、総合的な施策を実施しつつあり、来年の景気動向については予断を許さないが、首都の人口増加傾向の著しいこと、また、最近数年間の首都における個人の経済活動や消費生活の水準が、景気変動の影響を受けること比較的少く、着実に上昇傾向を続けていること、更に社会経済活動や、個人の消費生活の面で、ハイヤー・タクシーの利用に慣れた公衆の需要が急に衰えるとは思えないこと、等の事情を考慮すれば、来年においてもなお相当のハイヤー・タクシーの輸送力増強措置を講ずる必要があろう。」第三点は、「しかしながら、現段階においては来年の経済動向についての明確な見通しが必ずしも容易でなく、また本年の増強輸送力も未だ完全に稼動していない状況なので、本日は、具体的な増強車両数の策定までは行わず、今後引続き慎重な検討を重ねた後、すみやかに、これに関する答申を行うこととする。」という申し合わせをいたしておるのでございます。この経過をたどりまして、その後協議会といたしましては、この諮問をどういうふうに扱うかということを検討するような進行状況になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/57
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058・壽原正一
○壽原委員 先ほどから話を聞いておると、どうも運送協議会は絶対に自動車をふやさなければならぬという前提に立ってものを考えておる。私の聞いておるところでは、現在二千二百台も毎日休んでおる車があるのにもかかわらず、経済の動向なんという言葉を使っておるけれども、どの委員が一体そんなことの見通しをつけてやっておるかということを見ると、あの委員の中でも四十年くらい前の考えを持って協議会に出ている連中もある。今の交通状態、あらゆる交通状況を勘案し、景気の状態等もことしは必ず下回るということを総理もちゃんと言うておるでしょう。三十七年度は下回るということを言うておる。それの逆の答申を行なわんとしておることは、まことに遺憾千万と私は思う。そして、この交通をどうしようということを考えておるやさき、その逆の答申を行なわんとしておることがわかりつつ、これに諮問を発しなければならぬということは、局長の考えとあなたの考えとは必ずしも一致していないと私は思う。この間からあなたが答弁しておることを聞いておっても、今は車をふやす時期じゃないということを大臣も言うておるし、あなたも言うておる。それにかかわらず、一陸運局長のくせに、(笑声)こういう生意気千万なことを勝手気ままに政府の方針に相反し、また上級官庁の考えにも相反したようなことを考えること自体がおかしいと思う。そして、この三月七日にはあの委員の任期が切れるそうだが、その委員の任期の切れる前に、何かめくら判を押して逃げようという格好になるのかどうか知らぬが、その前にどうしてもきめておかなければならぬという考えらしいように私は聞いておる。そういうけしからぬ考えのもとにこういう重大な問題を取りきめるということは、まことに遺憾千万だと私は思う。あの協議会の答申は尊重するということで、絶対服従せいということには書いておらぬはずだ。ところが、私が一昨日陸運局長と会って考えを聞いてみたところが、絶対これに服従しなければならぬような言動をはいておる。それじゃ役人が要らなくなってしまう。陸運局の中にあるああいう協議会なんというのは、陸運局長の隠れみのでしかない。あんなものはやめてしまった方がいい。ああいうばかばかしい論議をはくようなものはやめてしまって、これから増車をするときには公聴会でも開いてやった方がよほど気がきいておる。学者だか何だか知らぬけれども、どういう考えのもとに今日の交通状態を考えておるのかということを考えたときに、全くけしからぬと思う。あなたはその協議会の答申が出たならば、二千三百台というような答申らしいが、これを三月七日の任期が切れるまでにやらせる方針でおるかどうか。これは陸運局長と打ち合わせてみましたかどうか、その点を聞いてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/58
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059・木村睦男
○木村(睦)政府委員 現在諮問を陸運局長がしておりまして、諮問を受けた運送協議会の方で検討しておる段階でありますので、どういう答申が出ますか、そういうものはまだ知りませんので、答申が出た結果につきまして陸運局長がこれを尊重することになっております。御説のように、尊重という意味は、服従ということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/59
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060・壽原正一
○壽原委員 服従と言っておるよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/60
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061・木村睦男
○木村(睦)政府委員 もし陸運局長が服従だと考えておりますれば、その考え方は私が責任を持って改めさせますが、私と陸運局長とがいろいろ話し合いをいたしまして、陸運局長の考え方を聞いてみますと、尊重ということは服従することであるとは申しておりませんから、私はそれを信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/61
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062・壽原正一
○壽原委員 大体運送協議会は、二千三百台というものは増車するということをすでにきめているんだよ、当局と協議会で話して。そうして今業界の状態はこうであるということをしっかり話しても、実際問題としてそれはわかってくれないんだ。これは三月七日で任期が切れるんだから、三月七日を過ぎたら、今の委員は交代させるんだか、また再任するか知らぬが、それまでのうちにきめるという腹には変わりがないかどうか、ちょっとそれを聞いてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/62
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063・木村睦男
○木村(睦)政府委員 その点の委員さんの気持なりそういうものは、全然私は聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/63
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064・壽原正一
○壽原委員 それじゃ、この増車問題というのは、政府当局のあなたの考えは、現段階で増車を必要と認めるかどうか、これをはっきり聞かせて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/64
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065・木村睦男
○木村(睦)政府委員 その点につきましては、先ほど壽原先生から運輸大臣にも御質問がありまして、運輸大臣が申し上げた通りでありますが、私も運輸大臣の意見と全く同じ見解を持っております。現在の交通の混雑の状況あるいは運転手の状況等がどういうふうな推移、経過を今後たどるかということをしばらく見た上でなければきめるべきではない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/65
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066・壽原正一
○壽原委員 それじゃ私はあなたに要望しておきますけれども、要望って、これは注文ですけれども、三十七年に車を動かすとか動かさぬということは神様でない限り、この交通事情がどういうふうになるのだか、まだ行き先はわからぬ。交通閣僚懇談会などでまごまごやっているうちに、また五万台も七万台も車はふえてしまう。幾らやってもこれはけりがつく問題ではないんだ。そこで本問題は、三十七年度になってから、三十七年度のはっきりした見通しがつくまでは諮問を行なわないというような基本的な考えになってもらいたいということを要望もするし、注文もつけておく。そういうことができるかどうか。あの運送審議会なるものは、三十七年三月七日に任期が切れたら、再任するかどうか、それも聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/66
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067・木村睦男
○木村(睦)政府委員 諮問の点でございますが、最初申し上げましたように、すでに昨年の十月諮問をいたしておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/67
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068・壽原正一
○壽原委員 七日を過ぎたならば、任期が切れるんだから、その諮問はやるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/68
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069・木村睦男
○木村(睦)政府委員 諮問事項は委員の任期とは関係がございません。運送協議会に対する諮問でございますので、委員の任期が切れて重任されようと、新しい委員が出られましょうと、運送協議会は継続するわけでございますので、昨年の八月の諮問はそれによって影響は受けないとわれわれは解しております。それから委員の任期が今度来ますときに再任するかどうかという問題につきましては、私は何とも考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/69
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070・壽原正一
○壽原委員 私は現在の委員全部をかえなければいかぬと思っている。どんな学問をしている学識経験者か知らぬが、実際に現在の交通状態というものをよく考えてやっている委員さんは、まずいないと私は思う。そういうことでありますから、この自動車業界全部を見たときに、自動車の状態を見たときに、こういう交通輻湊をこれ以上混乱に導いてはいけないという基本的な考えに立ってものをやらなければ困る。そういうことは関係ないんだ。交通が幾ら混雑しようともかまわない、自動車をふやすことをきめるのはわれわれの権限だと暴言している。そういう委員さんを選んでもらってはいかぬ。今の委員さんだけは全部かえてもらわなければならぬ。あなた方がどうせ任命するんだろうから、これだけは注文をつけておく。
それから料金の問題ですが、これは先ほど肥田君が一台で四千円もうかるというようなことをいろいろ言っておったが、タクシーというものはそんなにもうかるしかけにはなっておらぬようですよ。私は商売人だからよくわかるんだが、現在のタクシー経営というものは、人件費だけで約五五%、それから燃料が幾らかというと二割五分、その他管理費あるいは税金、あらゆるものを勘案して、今自動車の事業者というようなものは崩壊寸前にある。肥田さんは商売をやったことがないようだからよくわからぬのだろうが、私は長い間運転手から事業者になって今日まできているのだから、自動車事業というものはよくわかっておる。肥田さんの御意見でも大へん有益な御意見があった。十円のつり銭のことから二百メートル十円刻みのことまで、いろいろ問題はあったが、基本的には、現在の業界というものは、今日の交通麻痺、運転者不足、労働賃金の暴騰等あらゆる問題で事業が継続できないような現状にまで追い込まれている。そういうときに、この朝日新聞にある通りきのう運輸大臣が、審議もなにもしていないうちに、ものを調べてもいないのに、その必要は認めぬという答弁はおかしいということで、私はちょっと聞いてみたら、これから調べるということだから、これは納得しておきましょう。そういう点をあなた方もよく考えてもらいたい。この運賃を上げるというのじゃない、改定しようというんだから、どっかの部門で下がっている部門もあるはずである。改定ということで、料金の値上げという言葉じゃないですよ。その点も業界全般を育成する義務がある当局は、よく勘案してもらわなければならぬと思う。そういうことで、この問題についてはまだいろいろあなたにも質問はあるんだが、きょうはこの程度でやめておきますが、もし運送協議会の答申がそのままなされるような姿であったならば、私は身命を賭してもこれを阻止して見せる。私は業界人であるから、業界としてきのうの朝八時に千人動員しております。増車のために運送協議会を開くなんという無暴なことをしたら、全勢力をあげてもこれを阻止すると、私はあなたにはっきり注文をつける。私は、どんな状態になろうとも、ああいう運送協議会の無暴な委員だけはかえなければならぬ。尊重するという言葉に惑わされて、それを絶対の神様のお言葉のようにあがめ奉っている陸運局長に対して、よくあなたからも注文をつけて、そういう間違った考えにならぬように教育をしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/70
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071・木村睦男
○木村(睦)政府委員 政府委員自動車運送協議会の委員の任命につきましては、改選前でございますが、御参考までに申し上げますと、道路運送法の第百四条に「自動車運送協議会の委員は、関係行政庁の職員、学識経験のある者、自動車運送事業者及び自動車運送事業を利用する者のうちから、運輸大臣が関係者の意見を徴して任命する。」こうなっておりますので、運輸大臣の任命でございますので、一言申し上げておきます。
それから、運賃の問題につきましては、肥田先生の御質問のときにお答え申し上げましたように、慎重に検討いたしたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/71
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072・關谷勝利
○關谷委員 今、壽原委員からいろいろ自動車運送協議会の問題等につきましてありましたが、これは今まで陸運局長の諮問の仕方に私は疑義があるんじゃないかと思うのでありまして、需給調整というその点だけを諮問して、そのほかのことは諮問していないのじゃないかと思うのです。私は、大事な第四の「従業員の服務及び養成に関すること。」その他五の「その他輸送に関する重要な事項」こういうふうなことについての諮問を陸運局長の方は発したことがないのじゃないかという気がするわけです。これをすぐに御答弁を願うというわけにもいきますまいが、要はどういうふうな諮問を出しているか、その諮問の出し方に私は疑義がありますから、参考にしたいと思いますので、陸運局長が出した諮問の全文といいますか、これを一度資料として御提出を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/72
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073・簡牛凡夫
○簡牛委員長 次会は来たる二十八日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
なお、理事会は、来たる二十七日火曜日午後一時に開会いたしますから、御了承下さい。
午前十一時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01019620223/73
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