1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十六日(金曜日)
午前十時二十七分開議
出席委員
委員長 簡牛 凡夫君
理事 關谷 勝利君 理事 高橋清一郎君
理事 福家 俊一君 理事 山田 彌一君
理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
理事 肥田 次郎君
伊藤 郷一君 生田 宏一君
宇田 國榮君 川野 芳滿君
木村 俊夫君 佐々木義武君
壽原 正一君 砂原 格君
竹 俊吉君 細田 吉藏君
増田甲子七君 石村 英雄君
加藤 勘十君 勝澤 芳雄君
内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 斎藤 昇君
出席政府委員
運輸政務次官 有馬 英治君
運輸事務官
(大臣官房長) 広瀬 真一君
運 輸 技 官
(港湾局長) 坂本 信雄君
運輸事務官
(鉄道監督局
長) 岡本 悟君
運輸事務官
(自動車局長) 木村 睦男君
委員外の出席者
日本国有鉄道総
裁 十河 信二君
日本国有鉄道常
務理事 中村 卓君
日本国有鉄道常
務理事 磯崎 叡君
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三月十五日
委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
片島港君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員片島港君辞任につき、その補欠として矢尾
喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十五日
鉄道軌道等の事業における公共負担の国庫負担
等に関する法律案(久保三郎君外九名提出、衆
法第二一号)
同月十四日
国鉄の倉庫業経営反対に関する請願(島本虎三
君紹介)(第二六七五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣
提出第五六号)
陸運に関する件
港湾に関する件
小委員長からの報告聴取
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/0
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001・簡牛凡夫
○簡牛委員長 これより会議を開きます。
この際、都市交通に関する小委員長より、小委員会の経過について報告をいたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。關谷勝利君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/1
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002・關谷勝利
○關谷委員 都市交通に関する小委員会の御報告を申し上げたいと存じます。
さきに当委員会に配置せられました、都市交通に関する小委員会は、設置以来四回にわたり、当面の問題として都市交通混雑緩和対策、並びに地下鉄道建設促進等について慎重審査を続けて参ったのでありますが、この際中間の御報告をなし、本委員会審査の御参考に資したいと存じます。
本小委員会は、まず目下政治問題化しつつありまするところの、公安委員会が、四月中旬に実施を目標として策定いたしました、東京都内の自動車の車種別規制による混雑緩和策をとり上げ、去る二目十五日第一回小委員会を開き、運輸、建設、警察庁当局の出席を求め、その経過及び実施方法について、説明を聴取し、各小委員より質疑を行なったのであります。
本問題に関し、警察庁は、最近の都内交通事情は、昨年五月以来実施してきた総合的規制にもかかわらず、とみに悪化をたどり、その渋滞度は倍化の傾向にあり、今後の道路事情を勘案すると、新たに車種別規制を強化して対処せねばならず、その実施要領としては、第一に、路線トラックと、長大牽引車を対象として都内の昼間通行を禁止し、第二に観光バスを主要三十八路線を限って午後四時より六時までの限時通行を禁止をするとし、今後十分趣旨の徹底をはかって四月中旬実施の意向を表し、本案に対し、運輸当局は、交通規制は、自家用とか営業、旅客とか貨物を問わず根本的に考えて輸送の円滑を期さねばならぬと心得る、本案に対しては検討の余地がある。すなわち、運送事業実態からいって、路線トラックといっても、大型もあれば小型もある。積み合わせもあれば貸し切りもある。強制的に規制する場合いかに発見し得るか、また一方当然トラック、ターミナルの整備を考えねばならぬが、現在の計画では、なるべく都心を離れて建設する方向にあり、二十三区内に強い規制が行なわれるとすれば、実情に応じて計画の変更を考えねばならぬ。こまかい点については、警察当局と目下検討中で、実施にあたって万全を期していきたいとの説明があり、また建設省は、道路整備が自動車との関係においてアンバランスであることは遺憾だ、今日の現情から本案は応急的措置として、やむを得ないものと考えると、関係当局の基本的意向を聴取し、各小委員より具体的事項について活発なる質疑を行なったのであります。
その趣旨として、第一に、車種別規制というが実質的には業種別規制である。
第二に、いかなる理由で自家用車の規制ができぬのか、等でありました。
ここにおいて、小委員会は本問題に関し、直接利害関係者より意見を聴取することに決し、二月二十日参考人として、日通常務石井昭正君、日本トラック協会相談役小倉康臣君、東京乗合観光部長藤原芳蔵君及び日本PTA全国協議会会長松林弥助君の各位を招致したのでありますが、今回の警察庁案に対してはひとしく反対の意見を開陳せられたのであります。
すなわち、その反対の理由とする要旨を申し上げますれば、まず、準拠法規が道交法七条とすればあまりにも拡大解釈であり、車種といって業種を規制することは、憲法違反とも考えられる等であり、トラック業界としては、都内七十万台に及ぶ自動車中、約一千台のトラックのみを対象としてはたして実効が上げ得るか。さらに、第二、第三次の規制が行なわれるようなことがあるとすれば、通運事業に及ぼす影響は大である。さなくとも、現在都民の生活必需物資は年間一千四百万トンに及び、その半数は消費物資であり、都内主要六駅での荷積み能力は一日五千トンくらいである関係上、昼夜を問わず輸送せねばならぬ実情であり、国鉄ダイヤの点からいっても、夜間に集中輸送は、ほとんど不可能事である。またこれを小型車に切りかえる場合前後の余裕を考慮すれば、物理的にむしろ二、三倍の道路面積阻害となり、経済的には、車両費において六〇%の増高を見、三倍の人件費を要し、小型車による不利によりかえって五〇%の能率低下を来たすこととなろう。交通の疎通をはかるというならば、保安上の交通禁止は考え得るが、貨物と人間の差こそあれ、他の自家用車、バスを規制せず、大衆輸送機関である路線トラックを対象とすることは不当であるとし、次いで、観光バス関係としては、交通緩和に協力するにやぶさかではないが、本案のごとく公益性を無視したものは常識外であり、承服しがたい。現在都内貸切りバスは千四百台あり、年間千三百四十万人を輸送し、そのうち五五%の七百三十万人は学生、生徒の遠足、修学旅行の団体に利用せられている。これらは国鉄を利用して都内に入るが、規制案による時間帯に主要駅から発着する臨時列車だけでも二十本をこえ、駅から宿舎、宿舎から駅の送迎が停止され、旅行全体の編成を改めねばならない。数からいって〇・〇二%のこの公益性の強い観光バスを規制し、いかなる理由で自家用車を野放しにするかと強い反対があり、最後にこれら観光バス利用者の大半を占める学生、生徒の新としての立場から、PTA代表は、この規制案の実施によって、もしも子供たちの夢みてる東京修学旅行が、中止あるいは変更にでもなるような事態が生ずるならば、まことに父兄旅行が中止あるいは変更にでもなるような事態が生ずるならば、まことに父兄としてしのびがたい。社会教育の一環としての修学旅行の必要性からかくのごとき制限を加えぬよう方途を講じていただきたいと、切実なる意見、希望の表明があったのであります。
続いて小委員より、参考人及び関係当局に対し、質疑を行なったのでありますが、道路交通法第七条の解釈、自家用車規制の問題、規制案の国鉄輸送に及ぼす影響並びに修学旅行への影響問題に集中せられたのであります。
これに対し、政府は、道交法七条解釈は重大であるから、法制局と打ち合わせて答弁すると保留し、国鉄当局は、その影響について、現在国鉄の都内貨物駅からの発着トン数及び小運送能力からいって、将来大型トラックが規制の対象となれば相当な影響が予想される。過去において、トラック輸送の障害から、荷物の発送どめした事実があるが、そのような方途をとるようになるやも知れぬと答弁あり、また観光バスの問題に関しては、その質疑応答により、実施案による時間とその前後二時間を加えた実際四時間の制限となり、都内観光は時間的に中途半端となり、合理的有効なる観光計画は果たし得ず、有形無形の損失は直接利用者にかかる結果となり、本案の公益性無視が明らかにされたのであります。
次いで、第三回を二月二十八日開き、前回の参考人の意見希望等を参酌し、各小委員より政府に対し重ねて、道交法第七条解釈、第二に自家用車を規制し得ぬ理由について答弁を求めたのであります。
これに対し、国民生活及び経済活動全体に影響の少ないと思われるものから逐次実施していくもので、当該業種別の公共性の大小ではないと答え、第二の自家用車規制については、自家用車、特に乗用車の用途、目的が非常に種々雑多であり、その緊急性、公共性の勘案はむずかしく、昼間における需要が大部分であるため、夜間に回すということは、その使用の使命がなくなり、規制は至難であるというのであります。
しかしながら、一カ月二万台をこゆる増加を示す自家用自動車を野放しに、数的に一〇%にも及ばぬ車両を車種別という名において結果的には公益性のある業種のみ規制するがごとき本案に対しては、その公平の原則から申しても不当性が認められるのでありますので、自家用車の社会的責任の確立、すなわちまず路上放置を禁ずるための車庫設備の義務づけ等による規制をするよう、関係法規の改正の必要性を強く要求したのでありますが、政府においては早急に対策をとるとの確答があったのであります。
次いで、根本的都市交通緩和策としての地下鉄道建設促進問題を議題とし、審査いたしたのでありますが、御承知の通り、三十七年度予算に一億八千万円の補助金の計上を見、当小委員会設置のつど強く要求して参りました点に関しては、一歩の前進とは申せ、その法律的裏づけ、助成策の根拠法の制定こそ望ましいものとして、政府にその意思及び将来対策に関してただしたのであります。
政府は、今回は一応建設費の利子補給のため前述の一億八千万円の予算措置をなし、政府の方針により立法措置は差し控えたが、しかし根本対策としては、より建設促進をはかっていくべきと考えると答弁があったのであります。
ここにおいて、三月十三日第四回小委員会を開き、本日までの審査経過から、本委員会に報告するに決し、中間結論として以下申し上げる件につき意見の一致を見たのであります。
すなわち、今日の交通事情にかんがみ政府当局も、種々方途を講じつつあることを認めるにやぶさかではありませんが、本問題の国民生活、経済産業活動にもたらす影響があまりに大きいものがありますので、次の諸項に関しては、その全機能をあげて早急な諸施策を推進するよう強く要求するものであります。
まずその恒久対策としては、第一に、地下鉄道建設促進であります。これは今さら申し上げるまでもなく、都市の大量輸送機関としての地下鉄網の形成は、抜本的交通難緩和策の一つでありまして、一日も早くその整備を要するところであり、政府はその建設費補助のため、低利、長期の資金援助あるいは企業債に対する利子補給の方策を直ちに法制化する等、思い切った確たる助成方法を明らかにすべきであります。
第二としては、道路の拡幅と立体交差化の促進であります。
わが国の道路の整備状況は、すでに定評のあるところでありますが、これが有機的に、重点的に整備し、必要主要道路の立体交差化は、交通全体の流れから、一日も早く実現さすべきであります。
第三に路面電車の撤去による整備であります。地下鉄の整備に見合って、当然路面電車の統系整理、局部撤去等をはかっていくべきであります。しかしながら、大衆、大量輸送機関としての社会的意味合いから、また、その従業員の配置転換措置に関しては、深い考慮を払うべきは言を待ちません。
第四は、都市近郊電車、バスの都心乗り入れの促進であります。都市周辺の郊外電車のターミナルの現状は、まことに憂慮すべきものがあり、また乗り入れ実施中のバスの切符の共通化等これが系統的、有機的に運用をはかるべきであり、将来は、交通機関の一元化をはかり、運賃格差の合理的解消もあわせ考慮すべきものと考えるものであります。
次いで応急対策としては、第一に、自家用車の車庫の規制であります。乗用車、トラックを問わず、使用の主たる拠点に、車庫を設置して格納することを義務づけることであり、今日の現状から、当然自動車使用者の果たすべき社会的義務と存じます。これには、道路運送法等の所要の改正が急務であります。
第二に、関連して、路上放置の禁止の励行であります。日常至るところでわれわれが体験する路上放置による実害は、多くの言葉を要しません。駐車禁止区域を適正に設け、路上放置は厳に禁止し、道交法、道路法の改正を行ない、交通の疎通と事故防止の実効を上げなければなりません。
第三に、都心乗り入れ禁止区域の適正実施であります。禁止区域の設定はまことにその影響するところ大であります。今回示された警察庁規制案によっては、一方的に交通混雑の責を負い、正当なる業務の遂行すら侵害される業種、業態があるのであります。通行を禁止する区域を設定するならば、合理的に法定すべきであります。
第四は、車種別規制の適正化であります。
車種別規制が業種別規制であっては、公平の原則を欠くと申すほかはありません。車種の選定は慎重に行なうべきであり、公共大衆交通機関に対しては、特に配慮が必要であります。
第五は規制時間の合理的運用であります。
国民生活、経済活動に、規制が及ぼす影響は直接的であります。時間を限って通行の禁止を行なうならば当然その最少限度にとどめるよう、時間帯の決定は最も合理的に定むべきであります。
第六には、車両制限令による措置の促進であります。
車両制限令の全面的実施をはかるため、道路管理者は、もとより実施にあたって必要な事案は早急に整備、あるいは準備し、また、一方諸般の改善、変更を要する業種業態にある向きは、その猶予期間をいたずらに費すことなく、一致して、実施の実効をあげるべく一段の努力こそ必要と考えるものであります。
その他、パーキング・メーターの実情に即した設置を考慮し、また既設の信号機の機能、運用がはたして交通の流れに対して有効適切であるか、再検討の要を認めるものであり、改善を要するものは、此の際思い切って実施、交通の円滑化並びに事故防止に対する全国民の要望にこたえるよう、強く希望するものであります。
以上御報告を申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/2
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003・簡牛凡夫
○簡牛委員長 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますのでこれを許します。關谷勝利君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/3
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004・關谷勝利
○關谷委員 今回の国有鉄道法第六条の改正によりまして、いろいろな方面が非常に危惧の念を持っておりますので、これらを一掃いたしますために、政府当局の御見解を伺って、業界の混乱その他を防ぎたいと存じます。それで簡潔にお尋ねを申し上げますから、わかりやすく、簡潔に御答弁を願いたいと存じます。
まず第一番に、現在対象になっておりますものは。臨海鉄道であります。新規に造成されますこの臨海の大工業地帯に対して、国鉄に直通する鉄道について臨海鉄道を敷設するということは当然であろうと存じますので、私たちはこれに対して異論を唱えるものではないのでありますが、その対象として将来考えられる地区はどのような地区であるのか、これを具体的にお示しを願いたいと存じます。
これは国鉄当局から御答弁を願って、もしその方針に誤りがあった場合には、監督局長から、国鉄がそう思っておっても、監督官庁としてはそうはしないんだ、こういう御答弁をいただくのが一番簡潔であろうと思いますので、まず国鉄御当局から御答弁をいただいて、最後に、全部が終わってから、もし間違っているところがあったり、あるいは監督官庁としての考え方との行き違いがある場合に、監督局長から御答弁を願う、こういうことにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/4
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005・磯崎叡
○磯崎説明員 ただいま関谷先生の御質問の、専用鉄道でなく、臨海鉄道につきましては、現在考えております京葉臨海地帯のほかに、現在臨海工業地帯として造成されております四日市地区あるいは大阪府の堺地区、水島、大分県の鶴崎、そういうようなところなどにつきまして一応考えられる対象として研究しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/5
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006・關谷勝利
○關谷委員 次は、これは自動車のターミナルでありますが、すでに広島のバスターミナル会社に対しましては投資をいたしておりますので、これは以前にも具体的にこのことを議論をした上で投資をしておるのでありますが、地方的にまだほかに要望でもあるようなところがありますか。また、あればやるというふうなお考えですかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/6
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007・磯崎叡
○磯崎説明員 現在まだ具体的に固まっておりませんが、話がございますのは徳島、博多等につきまして、国鉄バスの入っておるところでございますが、やはり広島と同じような形でもってやってほしいという話がごく非公式に出ております。まだはっきり具体化はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/7
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008・關谷勝利
○關谷委員 次は、すでに帝都高速度交通営団に投資をしておるのでありますが、将来東京の帝都高速度交通営団以外に投資をしようというようなお考えがありますか。ありましたならば、具体的にお考えを発表していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/8
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009・磯崎叡
○磯崎説明員 目下のところ、私どもとしては考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/9
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010・關谷勝利
○關谷委員 次に、今後対象となりますもの、これが業界あたりで非常に疑心暗鬼と申しますか、大へん心配をいたしておるところでありますので、一つお尋ねをいたしたいと存じます。これにつきましては、項目を一つ一つお尋ねするのも時間的に長引きますので、私がずっとその項目を申し上げますから、それをそこへお控え願って、それについて一括して御答弁願いたいと存じます。
その第一は倉庫業であります。これは、今度この法案が提出せられる際に、業界等が非常に騒いだ問題でありますので、はっきりとお答えを願いたいと思います。次が空間利用業、いわゆる不動産業で、民衆駅、ガード下、貸ビルというものであります。第三は東海道新幹線荷役会社というふうなもの、東海道新幹線関係の荷役は、全部直営にするというふうにいわれておるのでありますが、それがどういうふうになるのか、その点もあわせて伺いたいと思います。第四はピギーバック会社、これはどういうふうなことになりますか、この点を業界あたりが間違えないようにはっきりとお答えを願いたいと思います。第五が切符代売機関の系列化、第六が混載会社、第七がパレットコンテナ等の梱包事業、第八が路線事業への進出、たとえば自動車便というふうなことであります。九が新免業者への投資、十が集約継送事業への進出、十一がヘリポート事業、十二がモノレール輸送事業、十三がヘリコプター輸送事業、十四が水中翼船による輸送事業、十五がホテル事業、十六が観光事業、遊園地その他であります。
一括してお尋ねいたしたので、簡潔に一括してお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/10
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011・磯崎叡
○磯崎説明員 ただいま御列挙されました各事業につきましては、内容のはっきりしないものもございますが、一応今私どもの考えておる立場からだけ御回答申し上げますと、第一の倉庫業でありますが、これは大都会の雑貨駅につきましては、鉄道の貨物輸送力を確保するという面からも、また都市交通の、先ほど小委員会の結末を拝聴いたしておりましたが、都市交通の混雑緩和という面からいたしましても、駅頭に倉庫が必要だということは、何人も疑わないところでございますが、それのやり方といたしまして、私どもといたしましては、今後極力業界と話し合いをいたしまして、業界と完全な了解のもとに、できるだけ早くやれるような態勢に持って参りたいというふうに考えます。
それから、空間利用業につきましては、たとえば不動産事業だとか、あるいは貸ビル等につきましては考えておりません。
それから、三番目と四番目の、東海道の新幹線関係の貨物輸送でございますが、東海道新幹線関係の貨物輸送を私どもの方が直営する意向は全くございません。しかしながら、東海道新幹線の貨物輸送は、原則として、先ほど四番目のピギーバック、すなわち自動車の足のついたまま貨車に載せるという案よりも、むしろ足をとりまして、現在町中でごらんになるコンテナの輸送を考えておりますので、コンテナ輸送につきましては、通運業者と国鉄と合体した会社を作る必要があるのではないかということを今研究いたしております。
それから、五番目の切符代売機関でございますが、御承知の通り、交通業者は、財政的にきわめて脆弱でございまして、国会等におきましても始終御論議されている点でございますので、これらにつきましても、目下具体的には考えておりませんが、検討の必要ある問題だというふうに考えております。
六番目の混載会社、七番目の梱包会社等につきましては、目下考えておりません。また、トラック路線事業への進出等につきましては、全然考えておりません。
また、九番目の新免業者と申しますが、多分通運業者の新免業者と思いますがこれも考えておりません。
それから十番目の集約継送事業というのも、多分九番目と同じようなことだと思いますが、これも全く考えておりません。
それから以下のフェリー・ボートあるいはモノレール、ヘリコプター、水中翼船等につきましても、今具体的に何ら私どもといたしましても考えておりません。
最後のホテル事業でございますが、これは御承知の通り昔駅のホテルを直営しておった時代がございますが、やはりこれは私の方といたしましては、自分の方でやるのはふさわしくないということで、委託経営をいたしておりまして、現在これをまた投資事業として考えることは毛頭考えておりません。それから観光事業につきましても、遊園地その他につきましては、目下考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/11
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012・關谷勝利
○關谷委員 監督局長から、今の御答弁に対して、もし食い違いがありましたら、一つ御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/12
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013・岡本悟
○岡本政府委員 改正法案で、御承知のように国有鉄道が、もしいろいろ対象事業として希望しておりましても、具体的に投資し得る場合には、限定がございまして、まず政令でその対象事業をきめるということ、
〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
それから、政令で対象事業としてきめられましても、予算に計上されること、しかも、個々の投資の場合には、大臣の認可が必要である、こういうことでございまして、運輸省といたしまして目下のところ考えておりますのは、現在すでに投資いたしております自動車ターミナル事業、それから臨海鉄道事業、こういった程度のものでございます。倉庫業につきましては、国鉄は熱心な希望を持っておるようでございますけれども、御案内のように、倉庫業界と国有鉄道との間におきまして、必ずしも意思の調整が十分できておりませんので、そういった調整を待ちまして、円滑に事が運ぶという見通しがつきました上で、その対象事業として、政令の上に取り上げたい、かように考えておりまして、それ以外、いろんな御指摘の対象事業が出ましたけれども、目下のところはほとんど検討いたしておりませんので、ここでかれこれ申し上げることは、差し控えたいと存じます。
ただ、あくまでこの趣旨は、国有鉄道の運送事業等と密接な関連を持つ運輸に関する事業に投資することができるということでございまして、これはやはり旅客、荷主の便益をはかるということに基本的な主眼点が置かるべきものと思いますが、そういった見地から、今後先ほど国有鉄道の方で希望しておりました事業については検討を進めて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/13
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014・高橋清一郎
○高橋(清)委員長代理 久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/14
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015・久保三郎
○久保委員 日本国有鉄道法の改正の質疑に入る前に、二つほど運輸大臣に緊急の問題としてお尋ねをしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/15
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016・高橋清一郎
○高橋(清)委員長代理 それでは、この際、陸運に関する件及び港湾に関する件について、あわせて調査を進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/16
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017・久保三郎
○久保委員 まず第一に、最近伝えられるところによれば、私達の大手十四社に対する運賃値上げの問題について、運輸大臣は態度をきめられたごとく報道されておりますが、御承知のように、最近ある新聞社の世論調査が出ております。この世論調査によれば、いわゆる池田内閣を支持するかしないか、こういうようなことが重点になっているわけでありますが、その池田内閣を支持しないという率は、約五%最近上がっておる。支持率も四〇%以上であったものが、最近の世論調査によれば、三十四%に低下しているわけであります。その低下した理由というのは、どういうわけかというと、支持しないというか、減った理由の過半数は、まず第一に、池田内閣の経済政策に対して、支持しないということなんです。経済政策といえば、言うまでもなく高度成長計画ということで打ち出して参りましたが、最近におけるところの経済のひずみというか、これは拡大する一方であり、特にこれとあわせて世論調査がなされた、いわゆる暮らし向きの調査でありますが、ここに端的に現われておる。暮らし向きの調査では、結局池田内閣になってから生活が苦しくなったというのが、統計上四一%になっておる。こういうことを見ますと、この中には、言うまでもなく消費者物価の値上がりがございます。でありますから、今日政府が真剣に世論にこたえて政治をやろうとするならば、この消費者物価に対する抑制あるいは値下げ、こういう積極的な政策が打ち出さるべきではないだろうかと思うのであります。もちろん、最近において政府の内部においても、物価安定総合対策なるものを立てようということであります。いろいろ経済閣僚が寄り集まって、今月一ぱいにはその総合対策を立てるというふうに報じられております。しかしながら、今日運輸大臣が私鉄運賃の値上げについて踏み切ったやの報道を見ますると、この総合物価安定対策というものはごまかしではないだろうか。さらには、真剣に国民生活に直結した政治をやろうというような気がまえはちっとも見えないのではなかろうかと思うのであります。
よって、ここでまず第一にお尋ねしたいのは、今日の私鉄運賃値上げという問題と、現政府がやろうとするところの総合物価安定対策というものは、いかなる関係があるか。極端な言い方をするものは、どんどん先に値上げをしておいて、全部値上げが終ったあとで、総合物価安定対策なるものを、いわゆる書いたものとして出す。これによって世間をごまかしていくというようにとられても、やむを得ないのではなかろうかと思うのであります。この点について運輸大臣いかに考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/17
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018・斎藤昇
○斎藤国務大臣 ただいま池田内閣の支持率の点からお話がございましたが、私はこの点についてそう深く答える御質問でもなかったように思いましたが、暮らしがどうかという質問に対しまして、今苦しくなったというのは四八%とおっしゃいますが、楽になったというのが四六%どっちでもないというのが六%ということになりますと、むしろそういう意味で、なるほど早く給料が上がった、あるいは所得が増したという人と、そうでない人との間のひずみであろうと思うのであります。急速に経済が成長して参りますときに、国民所得が平等に上がってくれればよろしゅうございますが、早く上がった人と、上がり方のおそい人とのひずみを直していきたいというのが池田内閣の考え方であります。従って、苦しくなった方の所得も逐次増強していくのであろうと思いますが、楽になったという数字も四六%あり、そして変わりがないというのが六%あるわけでありますから、そういうようなことも御考慮に入れていただきたいと考えます。
それから物価対策と公共料金の問題でありますが、物価対策は物価全体として考えていかなければならない問題だと思います。公共料金はできるだけ抑制をしていかなければならぬという内閣の方針には変わりはございません。変わりはございませんが、しかし、公共料金なるがゆえに、その企業が破産に瀕してもかまわないのだという行き方はとれません。公共料金の値上げも慎重に検討をいたしまして、そうしてそれが日本経済成長の中で吸収し得るということであれば、やはり企業体が健全に経営していけるということは自由主義経済の根本原則でございますから、この原則を破壊して、何でもかんでも押えていく、幾ら破産が多くてもかまわない、企業の経営ができなくてもいいのだという対策はとれない、私はかように考えておりますし、また政府の物価対策もさようでございます。みな健全に経営をしながら、しかも全体物価としては、できるだけ上がらないような方策をとっていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。私鉄のみならず、運輸省関係の公共料金はそういった意味から検討を要するものが多々あるわけであります。私鉄の運賃の問題は、私が当初から申し上げておりますように、目今の交通の状態から考えまして、交通混雑を緩和するというためには、どうしても私鉄にその任務を負わせなければなりません。これを、しからば国の財政援助だけでやるか、あるいは一般の利用者の負担も考えてもらうかという点があるわけでございますが、全体といたしましては、そういうようなことを考えて、そうして施策を打ち出して参らなければならぬ、こう思っておるわけであります。私は、私鉄の運賃の値上げをいつやるか、あるいはどういう形でやるかという点は、これは検討を加えておると申しておるわけでありますが、何らかやらなければなるまいということは前から申しておるので今急に決心をしたという問題ではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/18
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019・久保三郎
○久保委員 池田内閣になってから生活が楽になったという者が四六%あるからと、こうおっしゃいますが、やはりあなたがその中でおっしゃった格差の拡大というのが今日の一番大きな問題、しかも公共料金というものの与える影響はどの部面に多いかというと、この四八%に現われた、生活が苦しくなったという階層が一番多いのであります。四六%もあるところの生活が楽になったという部面には実際あまりないのです。そういうことを考えれば、ここで公共料金はさらに物価の基本であるということを考えれば、慎重にかまえていかなければならぬということ。それからもう一つは、物価安定総合対策という、総合的な対策の中の一環としてこれは考えるべきでありまして、総合対策がいまだ出てこないうちに、かかる方針を考えていくこと自体に私は問題があると思う。もちろん今日の私鉄経営には相当の問題点がある。これは今国会にもわれわれは提案しておりますが、あなたのおっしゃる通り、政府の責任で解決しなければならぬ部面については、当然政府の責任において解決すべきであって、これは私鉄経営者やあるいはこれを利用するもの、大衆の負担においてのみ解決すべきでないと思う。それに対する積極的な政策が一つもなくては、結局経営が安定しない、不安定で危機に瀕するだけで、そのたびに運賃の値上げということは、あまりにも安易な道であると同時に、政治ではなかろうと私は考える。この私鉄の経営に対して積極的な政策が今日ありましょうか。いかなる政策が三十七年度予算の中に出ておりますか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/19
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020・斎藤昇
○斎藤国務大臣 積極的な政策と申しますと、私が先ほど申しましたのは、当分この運賃に、負担をかけないで、国が財政援助をやるかどうかという問題であります。これはただいま検討中でございます。他の問題につきましては、あるいは税制の面におきまして、私鉄の資産のうちでこれは公共的なものだと考えられるようなものにつきましては、このたびの税制におきましても軽減をはかっております。さらにもっと進めなければならぬ点もあると思いますが、これらも検討いたしております。また、私鉄でありましても、非常に経費のかかる地下あるいは高架というようなものに対しましては、政府の財政資金を融資するという道も開いております。従いまして、無策でおるわけではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/20
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021・久保三郎
○久保委員 いや、私は無策であるとは言っていない。積極的な政策はありますかとお尋ねしておるのです。いずれにしても、これはなかなかむずかしい問題だろうと思うのでありますが、少なくとも今日の段階において、公共料金というのは慎重にかまえていかなければならぬと同時に、政府の責任を忘れて運賃値上げは考えるべきでないだろうとわれわれは考えておる。
そこで、お尋ねしたいのは、具体的に運輸審議会に諮問されているわけでありますが、その諮問の結論は出ておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/21
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022・斎藤昇
○斎藤国務大臣 運輸審議会の答申はまだ出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/22
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023・久保三郎
○久保委員 答申が出ていない。毎回申し上げておることでありますが、政府の諮問機関に対する態度というのは——最近特に選挙制度の問題やら旧地主補償の問題やら、いろいろ続いてあるわけでありますが、どうも政府の方針というのはわれわれにとってわかりかねる。諮問機関というのは、単純な考えかもしれませんが、少なくともこの問題についていかように考えられるか。運輸審議会についていえば、大手十四社なら十四社の運賃値上げの申請について、なまのまま運輸審議会にかけて、その答申を待って、運輸大臣はこれを尊重して決定するということになっておるわけであります。運輸大臣そのものは、政治的な立場からいろいろ検討されるのはなるほど当然でしょう。しかしながら、それはあくまで運輸審議会の答申をもらってから、なおかつ政治的に判断すべきではないかとわれわれは考えるのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/23
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024・斎藤昇
○斎藤国務大臣 その点は、運輸審議会の自主的判断にまかせておるわけであります。私は、運輸審議会から答申をするのをもう少し待ってくれということは一度も言っておりません。何どきでもこの答申を出して下さい、それによって私は善処をいたします。ただ運輸審議会といたしましては、今申し上げますように、政府からある程度この際財政的の援助があったならば、たとえば値上げ率についても、こういうふうに考えなければなるまいということじゃなかろうかと私は思います。従って、運輸審議会は、政府の大体の考え方がきまったときに答申をしたい、こう思っているのじゃないかと私は推測をしておるのであります。しかし、そういう推測はともかくとして、御自由に答申をして下さいという態度を私はとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/24
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025・久保三郎
○久保委員 運輸大臣が推測されているようだとするならば、運輸審議会は自主性を失った、何というか、運輸大臣のかいらい機関ということになると私は思うのでありまして、そういう気配があるとするならば、再検討をしなければならぬと思うのであります。いずれにしても、運輸審議会の答申がある前に、政府は公式か非公式かわからぬけれども、
〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
そういう方針を発表することは、少なくとも運輸審議会の答申の結論を得る過程において、悪影響なり何なりを残すものではないか、自主性を阻害することがある、こういうふうに思うわけであります。この点はぜひ改めてもらわなければいかぬのではないかと考えておるわけであります。いずれにしても、運輸審議会という公的な諮問機関の結論を得ずしていろんなことをおやりになること自体について、われわれは疑問を持っているということだけ言っておきたい。
さらにもう一つお伺いいたしたいことは、最近新聞紙上伝うるところによりますれば、あなたは四月中旬ごろには値上げの決定をしたいということが一つ、もう一つは一斉値上げということで、値上げの率は別として、一斉値上げということで方針を発表になっているようでありますが、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/25
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026・斎藤昇
○斎藤国務大臣 運審の答申でございますが、私は今おっしゃいましたような意味で運審が自主性を失っておるとは思いません。これは見解の相違かもわかりませんが、これは政府あるいは運輸大臣が、運審に圧力をかけて、その圧力に屈しているならば自主性を失っていると思います。しかし運審は諸般のいろんな情勢を勘案して答申をしたいと思っているのだろうと思う。私は運審の一つの行き方として——御批判はあるかもしれませんが、りっぱな自主的なあり方だと考えております。
それから、一斉にやるのかどうかというお話でございますが、先ほど申しますように、今日の交通事情の緩和をするために、新しく相当の施設をしなければならぬ。これは社会の要請でもあるわけでありますから、その要請に従ってやるという場合に、その資本費の圧迫をどうするかという問題、これを取り上げますると、これはやはりそういう関係を持つ会社はすべて同様に扱うべきだ、私はかように考えております。四月中旬と申しますることは、これは運審の答申もないわけでありまするから、運審の答申なしに私はやるわけにも参りませんし、閣議の了解も必要といたします。ただいろいろ諸般の情勢を考えてみて、そこらが山であろうかというような新聞の判断で、ああいう記事が出たのであろうと思います。私が四月中旬にやるんだということを今言える立場でないことは、御承知の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/26
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027・久保三郎
○久保委員 最近経済閣僚の間でこの運賃値上げの問題が論議されておりますかどうか。これが一つ。
もう一つ、お答えの中で最近の輸送量に見合った輸送力増強ということが膨大な新しい投資が必要だということでありますが、なるほどそういう部面が所々にありましょう。これについては、先般私が申し上げたように、われわれが持っている一つの法案の精神に基づいて、この際少なくとも公共負担的な立場に帰らざるを得ないではないか。政府の責任において解決すべきものは解決して、なおかつ運賃値上げに盛り込むということならば、これは国民も了解するものであると思うのですが、全然そういう積極的な政策がないのでは了解しにくい問題もあろう、こういうふうに思うのです。それは単に運賃値上げによってのみまかなうべきものではないとわれわれは考える。むしろ今日私鉄経営の中で負担になっている、相当大きな比重を占めているところの公共負担的なものを取り除く努力が、政府自体に今日あるのか、ないのか、こういうことを聞きたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/27
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028・斎藤昇
○斎藤国務大臣 その点は、非常にむずかしい問題でございまして、たとえば、交通は今日こういうように混雑をしてきた、政府の政治的責任だといえばそういわなければなりますまい。しかしこれは、いわゆる都市が非常に発展する、都市集中の状態になってきた。この方が経済活動として便利だというので集まってき、人も集まってくる。そのために要する施設ということになりますと、やはりこれを利用して恩恵を受ける人の負担ということも考えるべきだろうと考えます。ただ一ついわゆる割引の点でありますが、今日一番負担になっておりますのは運賃割引率が相当高くなっておって、このために企業的な圧迫を受けている、いわゆる定期旅客あるいは学生生徒、これをスムーズに運ぶための施設を準備するというためには、今の割引率ではペイしないという点があるわけです。これを利用者に負担させるか、あるいは政府が負担をするかという問題だと思う。直接の利用者でなしに、間接に利用する人——間接にと申しますのは、定期旅客ではない旅客にそれをかけるのが適当かどうかという問題があるわけでありまして、従って、定期割引の率をもっと引き下げるということになれば、これは定期旅客で負担するわけでありますから公平になりますが、しかしこれは、先ほどもおっしゃいましたように、社会的に相当影響もあるというので、この点はそう急に——しからばそれについて政府が補助をするかということになりますと、相当な金額を必要といたします。財政その他の面もありますので、今急にこれを政府負担にするということは実施困難だと思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/28
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029・久保三郎
○久保委員 ただいま御答弁が抜けておりましたが、この問題では、関係閣僚の間では、特に経済企画庁長官との問では最近話が出ているのかどうか、お話になっておられるか、どうかいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/29
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030・斎藤昇
○斎藤国務大臣 企画庁長官とは緊密に連絡をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/30
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031・久保三郎
○久保委員 企画庁長官は、物価の総合対策というか、そういう観点から、経済の全般から見て、それではあなたのお考えに同調されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/31
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032・斎藤昇
○斎藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、企画庁長官の考えておられる物価総合対策というものは、物価全体を総合的に考えていくべきだという考えでおられます。そこで公共料金は、その総合対策の中で考えていく、今申しましたように、やはり公共事業をやっておるものも、その企業の健全ということも念頭に入れて、物価対策を考えていかなければならないというのが企画庁長官の持論だと私も聞いており、またそういう観点のもとに進めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/32
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033・久保三郎
○久保委員 時間も限られておりますから何でありますが、少なくとも私から先ほど申し上げたように、今日の段階において、運賃値上げという問題は慎重に考慮すべきではないだろうか。いわゆる公共料金の値上げによってその他の物価が上がっていく、先ほど申し上げたような生活の問題に直接響いてくるという、やはり政治の問題として率直に受けとめて、これを解決するというのが政治的責任ではなかろうか。よってなるほど予算も参議院段階に今日参っておるわけでありますが、少なくとも、物価安定対策には一文の金も出さぬでやっていくというならば、やはり運賃値上げの方向にならざるを得ないだろう。よって、私が申し上げたいのは、公共負担の一部でいいから、この際負担するような積極的な政策をまず第一に政府は真剣に考えて、しかる後運賃の問題はいかがするのかということが、手順ではなかろうかと思います。しかも、総合物価安定対策というか、そういうものは、いまだできておりません。全般的な中で解決するというならば、その全般的な対策を立てておいて考えるべきだと思いますが、運賃値上げはやむを得ないというお考えに立っておる運輸大臣のお考えについては、われわれはどうも了承しかねるということだけを申し上げて、次に移ります。
次に申し上げたいのは、この二十七日に、日本の港湾労働者ばかりじゃなくて、国際的な港湾労働者の日本政府に対する一大抗議のストライキがあることは、御存じだと思うのであります。これは、先般わが党からあなたにも申し入れをしたはずでありますが、去年から今年にかけて、御承知のように、六大港を中心にするところの日本の港湾の船込みは大へんなものであります。待船時間七十二時間という新記録まで出ておる現実であります。しかも、今日多少緩和されたというものの、残念ながらいまだその見通しは立っておりません。そういうときに問題になるのは、もちろん港湾の設備の問題も一つありましょう。さらにもう一つ大きな問題は、何といっても港湾荷役に従事するところの港湾労働者の問題であります。今日の港湾労働者の実態は、私から申し上げる必要はないほど、いわゆる海と陸との谷間にあって、近代的な労働慣行等が今日ございません。しかも、終戦後、新しい民主的な労働慣行なり労働条件というものが、今日では確立されておるはずであります。ところが、残念ながら、内陸との間にはさまれた港湾労働者の労働条件というのは、前近代的な陥没地帯になっておるわけです。これを解決する意欲というものがなければ。港湾の施設が多少前進いたしましても、これは残念ながら、港湾荷役というものは完全にいかないだろうと思うのであります。
そこでお尋ねしたいのは、すでに御案内の通り、ILO三十二号条約、すなわち、船舶の荷積又は荷卸に使用せらるる労働者の災害に対する保護に関する条約、これを早急に批准する態勢を今日作るべきではないかと思うのです。さらにもう一つは、内陸運輸委員会の港湾労働者の雇用向上化に関する決議、これを尊重した立場において、港湾労働法というようなものを確立し、港湾労働者の雇用の安定を期するということが先決ではないかと思うのでありますが、これについていかが考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/33
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034・斎藤昇
○斎藤国務大臣 港湾の労務問題についてのお考えは、私、おおむね久保さんと同感でございます。今まで港湾労働問題協議会というのが労働省に事実上設けられてありまして、そうして関係官庁、関係業者の方々が集まって、いろいろ港湾労務行政の進展上、協議をしておられたのでありますが、これでは弱いので、従って、労働省を中心にすることはもちろんでございますが、港湾関係に特別の関係を持ちます運輸省も加わり、内閣に強力な港湾労働等対策審議会というものを今度法律によって設けていただくように、設置法の改正を今提案いたしておるわけであります。それらも、今おっしゃいますような観点に基づきまして、港湾労務行政の推進をはかっていきたいというわれわれの考え方の現われと、御承知いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/34
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035・久保三郎
○久保委員 この二十七日に行なわれますストライキは、特にアメリカ、カナダ、メキシコ、こういう中南米を含むところの国際沖仲仕倉庫労働組合を初めとして、アジア地域においてもそうなんでありますが、こういうことで、二十七日に二十四時間ばかりではなくて、さらに拡大する傾向がある。特に日本の船の荷役についてはこれを拒否する、こういう態度まで出てきておることは、単に日本の港湾労働者だけの問題ではなくて、その関心が世界各国の港湾労働者の的になっておるということを、十分御承知になっていただかなければならぬ事態であると思いますが、ただいまお話のありました運輸省設置法の一部改正で、これに対する審議会をお作りになるということで、それもけっこうでありましょう。しかしながら、私が早急にあなたに望みたいのは、わが党は、先般来、港湾労働者の雇用安定の法案を提出しておりますが、これに対して、運輸大臣としては、いわゆる閣僚の一人として——労働大臣も関係がありますが、あなたとして、かような法制化を今国会において何とかやるつもりがあるかどうか、そういうことを私はお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/35
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036・斎藤昇
○斎藤国務大臣 このたびの国際港湾ストの問題は、日本だけを対象にしておるのか、また、日本の船に対してボイコットをするのかという詳細な状況は、まだ確かな筋といたしましては不明でございます。いずれにいたしましても、こういう政治的なストというものは、今おっしゃいましたようなアジア地域における港湾労務者の待遇改善ということから起こってくるのであろうかとも思いますが、そういうことのあるなしにかかわらず、今おっしゃいますような線におきまして、日本の港湾労務行政といいますか、港湾労働者の労働条件の改善ということは、日本の港湾の能率を上げるという意味からも、私は必要だと考えております。この主管は労働省でありますが、私の方にも非常に関係がありますので、関心を持っておるわけであります。社会党の考えておられます法律の内容は、私、申しわけありませんが、まだ十分検討いたしておりません。従って、今直ちにここで意見を申し上げるわけには参りませんが、今申しました港湾労働問題等の審議会で十分審議をしていただく。そういう社会党の案を審議するというわけではありませんが、そういう考え方も入れて審議をしていただくことになるであろう。その答申を待ちたいと思っております。この審議会は、運輸省設置法とおっしゃいましたが、そうじゃなくて、これは内閣に設けるわけでありますから、総理府設置法に入っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/36
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037・久保三郎
○久保委員 いずれにしても、ここでお尋ねしたいのは、運輸大臣はわが党の案はまだごらんいただいておらぬそうでありますから、別にわが党案のみを押しつけるわけではなくて、港湾労働者の雇用安定というか、前近代的なこういう雇用関係を近代的なものに改めていくということが、港湾荷役を円滑にする大きな柱だと思うので、この際、当面の責任者であられます港湾局長は、わが党の案を見たことがあるかどうか。あるいはそういう問題について具体的に今何を考えておられるか。さらに大臣からお話のあった総理府の設置法の中で審議会を作るというのだが、審議会は、労働法を作っても各種の問題が出てくるわけでありますから、それはそれなりに設置されることもけっこうでありましょう。しかし、当直する大方針として、審議会を作ってからゆっくりやりましょうでは、間に合わないと思います。また、今年も四月から七月にかけて大きな船込みがくるのではないかと思います。そういう情勢に対応して、少なくともこの国会において、運輸省自体が労働省に働きかけて、共同の作業として港湾労働の基本法というか、基本的なものだけはきめるべきだと思いますが、いかなる考えを持っておられるか、港湾局長にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/37
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038・坂本信雄
○坂本政府委員 私、社会党から御提出になっている法案につきましては、三十六年の四月、前国会に御提出になった法案は拝見しております。本国会の関係は、実はまだ資料を受け取っておりませんので、存じません。
それからわれわれとしまして、港湾労働に対してどういう処置をとっているかというような御質問だと思いますが、港湾労働の問題は非常に関係するところが多うございまして、直接の担当は労働省といううことになりますが、港湾の機能が完全にうまく発揮されなければならないという意味で、われわれとしても非常な関心を持っておるわけでございます。御承知のように、昭和三十一年に労働省に港湾労働対策協議会というものが設けられまして、港湾局長もその一員となっておるわけでございますが、その会議におきましては、労使、政府、それから公益を代表する者、四者が集まりまして、数次にわたりましていろいろ調査検討いたしました結果、いろいろの意見書の策定を見ております。われわれといたしましても、この意見の内容を尊重して今までやってきておるつもりでございますが、必ずしも今までやりましたことだけが十分とは決して申すわけではございませんが、港湾労働者の手帳制度の実施だとか、あるいは港湾労務者用の住宅の建設だとか、そういうことを行なうことによりまして、港湾における労務者の安定が確保されますように、徐々ではございますが、あらゆる機会にやっておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/38
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039・久保三郎
○久保委員 いろいろお話がありましたが、私の方から出した案も見ていただきたいと思います。最近あなたの方へも資料が行くと思うのです。
それで、具体的なILOの三十二号条約の批准態勢はどうなっておるか。それについてはどういうふうに今日まで作業を進めておるか。いわゆる船舶の荷積または荷卸に使用する労働者の災害の保護に関する条約、これについては、今まで政府部内においていかなる対策というか、受けれ入態勢というか、批准の準備をしているか。あるいはそれともこれについては全然関知しないということになっているのか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/39
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040・坂本信雄
○坂本政府委員 ILO三十二号条約の関係では、私の方として直接やる部面は非常に少ないのでございますが、私が今まで聞いておるところによりますと、昨年の暮れに、労働基準法に基づきます労働安全衛生規則の中で、港湾労働に関する部分を改正いたしております。それから、この条約につきましては、労働者の安全衛生と同時に、船舶の施設の方からその安全を確保するという趣旨になっておりますが、これは実は私の所管ではございません。船舶局の方の所管でございますが、現在船艇安全法に基づきます船艇荷役設備規則の改正を準備中でございまして、近くこれが設定を見ることになっておるというふうに聞いております。この二つの規則ができ上がりますと、実質的にはILO三十二号条約がほとんど満足されるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/40
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041・久保三郎
○久保委員 それでは、この内陸運輸委員会の港湾労働者の雇用恒常化に関する決議は、いかがに考えておりますか、どういう作業になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/41
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042・坂本信雄
○坂本政府委員 ILOでは、内陸運輸委員会で港湾労働に関するいろいろな決議が数次にわたって出ておるわけでございますが、その趣旨は、政府と労使の団体に対する指針を示したものと考えております。この決議の中にも、各国における実情をよく考えてやれというようなことも書いてございますし、われわれとしては、この趣旨を尊重してやって参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/42
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043・久保三郎
○久保委員 そこで運輸大臣にお尋ねいたしますが、ただいままで港湾局長からお答えがありましたが、ILO関係のこの種条約の批准ということは、今年早々にできますか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/43
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044・斎藤昇
○斎藤国務大臣 これを批准いたしますためには、やはり諸般の法律改正が必要と存じますので、早急に批准をすることは困難だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/44
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045・久保三郎
○久保委員 国内的ないろいろな法制の整備というものが前提でありますが、三十二号条約は、今の港湾局長の答弁によれば、大体荷役規則というか、そういうものができれば批准される態勢にあるということでありまして、それとだいぶ違うようですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/45
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046・坂本信雄
○坂本政府委員 先ほど申し上げましたのは、二つの規則を改正いたしますと、ほとんど条約の内容は満足されると思うということを申し上げたわけでございますが、ただ、この条約が今から三十年くらい前に採択されたものでございまして、現在の実情と多少違うところがございますので、そのままそれを批准することは困難であるというふうに私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/46
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047・久保三郎
○久保委員 いずれにしても、港湾労働者の置かれておる実態は運輸大臣も御承知のようでありますから、早急にこれらが安定した近代的な労働環境の中に働き得られるように、政府は責任を持って体制を整備することが先決だと思います。これに対して、審議会の発足を待つまでもなく、政府自体においても、その責任において解決しなければならぬというふうなお気持を今日持っておるとするならば、少なくとも近い閣議の席においてこれは政府の方針として固めていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/47
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048・斎藤昇
○斎藤国務大臣 政府はそういう方針を持っておりますので、今度審議会も強化して、そこで早急に検討して結論を出したい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/48
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049・久保三郎
○久保委員 政府はそういう方針を持っておるから審議会を強化するというようなお話でありますが、それも一つの方法でありましょうが、まず第一に、審議会にかけるまでもなく問題点はおわかりのことでありますから、そういうことを早急に逐一片づけていただきたいということを言っておるわけであります。なお、二十七日のこういう大きなデモンストレーションというのですか、そういうものがある際でありますから、政治的配慮もこれに加えて、少なくともそういう御方針をさらに再確認するなり、きめていただきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/49
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050・斎藤昇
○斎藤国務大臣 関係閣僚と相談をいたしまして、できるだけ推進をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/50
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051・久保三郎
○久保委員 それでは次の日鉄法の問題でお尋ねをするわけでありますが、先ほど来の質疑の中で、まずさしあたり臨海鉄道というか、そういうものを対象にしていきたい、こういうことでございます。なるほどそういうことも考えられるわけでございますが、翻って一つの考え方としては、そういうものは国鉄自体でやるものではないのかということを考える向きもなきにしもあらずであります。なるほど先般見せていただきました京葉の臨海鉄道というか、そういうものの規模というものを考えますと、今日、新線建設費は、毎年度七十五億の予算を組んでおる。なるほど新線建設には、たくさんな予定線、あるいは調査線、着工線がいろいろございまして、この七十五億も、ともすればこま切れ予算に終わるわけでありますが、しかしながら、これは焦眉の急である、これはどうしても短期間にやらなければいかぬというのならば、新線建設七十五億の中でまかなおうとするならばまかない得られる額ではなかろうかと思う。何ゆえにこういうふうに投資条項にして合弁にしなければならぬのかということもございますので、これについてはいかがに考えておられるか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/51
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052・斎藤昇
○斎藤国務大臣 私は、こういうように考えております。国鉄の財政が許すならば早急に国鉄のものとしてやるべきではないかという御意見もごもっともだと存じますが、しかしながら、京葉臨海地帯のごとく、これを利用するものが特定の会社——これは一つに限りませんが、数社が特に利益を受ける。その数社だけでも、自分たちでやりたい、そういうところに国鉄も出資をするということは、私は適当であろうと思うのです。ただ臨海を走っているから出資をしていいというのではなく、やはりそういう特定のものでも出資をし合って、そして自分たちの荷物を軌道によって国鉄につなぎたい、その方がいい、こういうような要求のあるところに国鉄が出資をするということは適当であろう、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/52
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053・久保三郎
○久保委員 大臣のお話も、わからぬわけではございません。ございませんが、一つには、臨海鉄道というものが特定の会社が使うのだというふうになりますれば、専用線の形の変わったものであるというようなものの見方もあるわけであります。ついては、この専用線の建設というか、そういうものの考え方からすれば、国鉄自体がそれに建設投資をするということ自体にも、これは問題がありやしないかという考え方も出てくるわけであります。これについては、なかなか専門的なことになると思いますので、磯崎常務からお伺いした方がいいと思うのでありますが。専用線の建設とこういうものとの関連というものは、どういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/53
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054・磯崎叡
○磯崎説明員 この京葉臨海工業地帯鉄道は、さしあたり十一社がこれを利用するわけでございますが、いずれこれが将来もう少し南の方へ、富津地区、木更津地区等に延びますから、相当多数の利用者の方、また場合によりましては一般の公共的な荷主の利用ということも考えられるわけであります。さしあたりは十一社だけの使用ということにもなりますが、たといそれといたしましても、実は専用線を一社だけでなしに数社で使うということは、事務的なことで恐縮でございますが、非常に問題があって、建設費の分担とか、また貨車の配分にいたしましても、またお互いの間のいろいろな利害関係の問題からいたしましても、非常にむずかしいのでございまして、現在の実例から申しましても、一線をせいぜい二社程度で使っているのが限度でございます。なお、この鉄道は、ごらん願います通り、十七キロになりますので、これは運輸省の方の御関係になりますが、専用線で回りますと、鉄道としての安全の法規の問題なり、一般大衆に対する保安設備の問題ということも考えなければいけない。専用線と申すにはあまりにもスケールが大き過ぎるということで、実際上も法規上もいろいろ問題があるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/54
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055・久保三郎
○久保委員 そこで鉄監局長にお伺いしたいのですが、昨年の国会できめられました京葉地帯における臨海鉄道というか、鉄道施設法によるところの調査線になったと思うのですが、これと今お話に出ている臨海鉄道との関連性については、何もないのかどうなのかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/55
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056・岡本悟
○岡本政府委員 仰せのように、昨年の法律改正で、いわゆる湾岸鉄道と申しますか、品川から東京湾に沿いまして千葉県の木更津に至る路線というものが、予定線に追加に相なったわけでありますが、これも、東京湾地帯の工業地域がどんどん発展して参りますので、当然必要であるということが予想されましたので、追加されたわけであります。従いまして、その建設の必要度も非常に高いわけでありますから、相なるべくは国鉄といたしましても早期に着工すべきものと私は考えております。ただ京葉工業地帯におきましてかような方式をとりましたのは、先ほど大臣が申し上げましたように、主として建設に要する資金源の調達の考え方から出て参った方法でございまして、そういう見地から申しますと、一方、湾岸鉄道を国有鉄道みずからが建設していくといった場合に将来どういうことになるかということでございますが、この一貫的な、相当長距離の幹線的な役割を持つ湾岸鉄道というものが形成されていきました場合には、やはりこういった投資の形でできる。つまり地方鉄道としてできますところの臨海工業地帯における臨港線というものの扱い方については、目下のところでは慎重に考える必要があると思いますが、これを行く行くは日本国有鉄道の方が買収するというふうなことにした方が、一貫した湾岸鉄道の形成になるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/56
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057・久保三郎
○久保委員 さらに、これは大臣にお伺いした方がいいかと思うのでありますが、先ほど来のお答えでいろいろたくさんの事例をあげられましたが、当面、いわゆる業界といわれる方面、民間という方面、そういうところでは、この投資条項というか、今回の法律改正には警戒的な気配が多い膨大な資産を持っている国有鉄道にどんどんやられたのでは、民業圧迫である。だから、今度の法律改正にあたっては、少なくともそういう投資条項の中身について、法律でやってほしい、こういう要請も強くあるようでありますが、これに対してはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/57
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058・斎藤昇
○斎藤国務大臣 私は、国鉄がその資本の力をもって民間企業を圧迫するということがあっては、絶対に相ならぬと考えております。事業としては、あるいは将来考えられるようになるかもしれませんが、それは国鉄の運営上直接に必要であり、同時に民間の方もその事業に参画をする、国鉄から投資をしてほしいというような場合にすべきであって、こちらから、民間が反対しているのに、民間事業に参画をしていくというようなあり方があっては絶対に相ならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/58
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059・久保三郎
○久保委員 そこでまた磯崎常務にお伺いするのでありますが、先ほどあげられた幾つかの事業がございますが、これらの中には、当然国鉄自体がやるべき筋合いのものもあるように考えられます。これ自体についての御検討は、されているわけですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/59
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060・磯崎叡
○磯崎説明員 先ほどお答え申し上げましたいろいろな事業の中で、私どもといたしまして将来やってみたい、あるいはやるべきであるというふうに申し上げた事業は、ごくわずかでございますが、総合事業につきましては、すでに御議論がありましたので省略いたしますが、その他の、たとえば新幹線の貨物輸送にいたしましても、やはり国鉄自体として末端の民衆と接するサービス業務まで直営でやるということには、多少問題がある。やはり国鉄といたしましては、幹線の輸送力ということに最重点を置いておりますので、末端の輸送サービスにつきましては、直営することにおいては多少欠点があるというような点から申しまして、先ほど申し上げましたような事柄につきましては、やはり投資という形でもってやっていくのが一番いいんじゃないか。むしろ、国鉄の担当いたしております輸送のさらに先の毛細管に近い仕事をやってもらうという意味で、国鉄が直営することは必ずしも適当でない仕事だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/60
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061・久保三郎
○久保委員 そこで、これは聞いた話でありますからどうかと思いますが、総裁の言ということになっているわけです。総裁はある席で、デパートまでも考えるというようなことを何か言ったという話を私は聞かされた。これはちょっと違うんじゃないかと思うのですが、この機会でありますから、そういうことまで考えられておるのかどうか。これに御言明をいただいた方がいいと思う。御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/61
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062・十河信二
○十河説明員 私は、さようなことを考えてもおりませんし、言った覚えもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/62
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063・久保三郎
○久保委員 そうだろうと思うのですが、ただ、そういうことがまことしやかに伝わってはいろいろな面で支障を来たすかと思うので、御確言をいただいたわけですが、そんなことまで考えられるひまはないだろうと思うのです。ただ問題は、民業圧迫になるかどうかという問題と、民業がようやらぬでおいて、なおかつ民業圧迫だと言うことではこれは話が違うと思うのであります。だから、投資条項そのものの、おのおのの考え方も、国鉄を主体とした輸送を円滑にするということ、これを重点に考えていかなければならぬと思うのでありますが、そうなれば、今日世間で反対の一つになっているいろいろなものがありますが、こういうものも、しさいに監督官庁としての運輸大臣に検討すべきだと思う。ところが、聞くところによれば、運輸省内部においても問題があるというんです。私は不愉快に思っております。こういうものも、ところとあるいは時期、そういうものを限定して物事を判断しなければならない。ただ単に業界からはこういう反対意見があるからというので、運輸省内部も何か意見がまとまらなかったこともあるということであります。私は、非常に不愉快に思っております。だから、先ほど申し上げたような方針でいくべきだと思うが、運輸大臣、これはいかがですか。これは確認をしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/63
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064・斎藤昇
○斎藤国務大臣 方針といたしましては、私は、国鉄の運輸を円滑にやるというのが、伸ばす最大の限度であります。そこで、今運輸省内にも意見が分かれておる、こうおっしゃいますが、これは今いろいろ検討中でございまして、私は、国鉄でやらなくても、倉庫業者がそれをやるということになれば、それでもいいのじゃないだろうか。あるいは倉庫業者が国鉄と一緒になってやるということについても、どこまで反対をするのか。何も反対があるからどうというわけではありませんが、これらを十分きわめて、そうしてやるとすればどちらかのやり方で、国鉄にも、あるいは一般の民衆といいますか、貨物関係の人たちにも、都合のいいようにやっていきたい、かように思っておるわけでありまして、右から左に急に方針はこうだからというわけにはなかなか参りにくい点があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/64
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065・久保三郎
○久保委員 それでもう一つ、この投資条項に対する具体的なものをやる場合の方針として、国鉄の財産というか、資産というか、そういうものは、特定のものに奉仕されていくべきではないという原則を立てていられると思うのです。なるほど、結果としては国鉄の輸送自体の円滑化にはなるが、しかしながら、見ようによっては、国鉄の財産が特定の業者なりあるいは個人に利用されることが、投資条項の中では出てくるかもわからない。投資条項の中というより、外で……。そういう問題がありますので、この投資条項を適用すべき場合は、少なくとも単に国鉄の輸送にプラスするからというだけでやるべきではなくて、いわゆる国鉄の財産が国民のものであるという観点からやるべきだと思うのですが、これはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/65
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066・斎藤昇
○斎藤国務大臣 もちろんそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/66
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067・久保三郎
○久保委員 ところが、そういうものがえてして今日のいろいろな意見になって現われていることも、これは運輸大臣初めこの衝に当たる者が、十分考えてもらわなければいかぬと思うのであります。
それからもう一つ、もちろん先ほど磯崎常務から答弁がありましたが、投資条項の具体的項目を法律の中に書かぬでも、政令できめるときには、監督官庁がこれはチエックする、さらにはその投資については、予算でもってこれまたチエックができる、こういうことでありますが、なおかつ、業界というか、一般民間業者は非常に不安を持っておるというのでありますから、これに対して、もう一つ御解明いただきたい。なおかつ、そういうことではどうも安心できない。こういうことなんです。先ほどお話があったように、国鉄は膨大な資産を持ってやっているから安心ならぬという、これに対してはっきりした運輸大臣の答弁をいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/67
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068・斎藤昇
○斎藤国務大臣 まず、この法律で相当厳重なしぼりをかけているわけでありまして、「日本国有鉄道の運送事業と直通運輸を行なう運送事業その他これらに準ずる日本国有鉄道の運送事業と密接に関連する運輸に関する事業」、こういうことでありますので、従って、運輸に関する事業以外のところまで発展していくことができないことは、もう法律で明確にいたしております。同時に、「密接に関連する運輸に関する事業」ということであります。のみならず、法律の精神といたしまして、日本国有鉄道は何をなすかということが国有鉄道法に掲げられているわけでありますから、その範囲をいたずらに逸脱するということは、法の精神でないことは、これは明瞭であります先ほど申しますように、民間の企業を圧迫するということは、たとい国鉄本来の仕事であっても、民間でやり得るものは民間でやるべきだという方針を、従来から持っております。今後もこれを続けていくわけでありますから、御心配のないように、政令制定の際におきましてはもちろんでありますが、さらに個々に認可をいたす場合に、その精神をもって御心配をかけないようにして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/68
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069・簡牛凡夫
○簡牛委員長 勝澤芳雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/69
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070・勝澤芳雄
○勝澤委員 私は、鉄道営業法の改正の問題を簡単にお尋ねしたいのですが、ILOの批准に伴う鉄道営業法の改正というものが、従来、何かちょっとばかり顔を出してはまた消えちゃったのですが、ILO条約の批准に伴う鉄道営業法の改正は、今の国会に出てくるのですか、どうなんですか。その見通しについてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/70
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071・斎藤昇
○斎藤国務大臣 ILOの批准の承認を求める案件を提案いたします際に、国内法をどこまで御審議を願うかという点は、まだ決定をいたしておりません。さよう御承知願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/71
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072・勝澤芳雄
○勝澤委員 そこで、従来のILO批准に伴う鉄道営業法の改正案を見てみますと、大へんおもしろいものが出ているわけですね。今、列車は定員乗車させなければならぬのですが、批准に伴って廃止をするという条項、まさにILO条約と何の関係もないような改正案なんですが、それはそれとして、また一ころ伝えられるところによりますと、これとは全然関係なく、全面的な鉄道営業法の改正が検討されておると言われておりますが、その点どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/72
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073・岡本悟
○岡本政府委員 仰せのように、鉄道営業法は明治三十三年に制定されました非常に古い法律でございますので、その後の経済の伸展に照らし合わせてみますと、そぐわない条文もいろいろ出て参りました。そういうようなことで、全面改正すべきだという意見が有力になって参りまして、運輸省といたしましても、一昨年来その全面改正については検討して参っております。しかし、相当膨大な法律でございますし、かたがた商法あるいは民法の特例となるような個所も相当中にはございますので、やはり全面改正になりますというと、専門家の意見も徴しまして、慎重に検討する必要がある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/73
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074・勝澤芳雄
○勝澤委員 今、改正について一昨年から検討されておるということでありますが、改正の骨子というようなものは、どんなものなんですか。簡単にお話しできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/74
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075・岡本悟
○岡本政府委員 改正の骨子と申しますのは、先ほど申し上げましたように、時世にそぐわない点を是正しようということでございまして、先ほど一例をあげられました定員乗車の点もそうでござがます。あるいは懲戒規程をきめまして、政府当局の認可を得る必要があるというふうなことになっておりますが——あるいは服務規程もそうでございます。こういったものは、最近の近代的な労働法規体制下にありましては、労使双方が団体交渉できめるべき筋合いのものでございますので、そういったことにまかせる方がいいというふうなことから、こういったものも届け出に改めるとか、それからその他は、旅客荷主対運送事業者の間の権利義務関係の問題でございまして、現在おおむね運輸省令の運輸規程にまかされておる問題が非常に多いのでございますが、こういった重大な権利義務を規定するようなものにつきましては、やはり法律で明確に規定する必要があるということから、これを法律に吸収するということが大きな骨子になっております。
それからさらに国鉄の近代化と申しますか、すでに御承知のように、日本国有鉄道は、鉄道運送として申し込まれたものを一部自動車によって代行いたしておりますが、そういった近代的な施設あるいは輸送方法に相応するような改正も、当然取り上げなければならないというふうな点でございまして、民商法の特例に関するようなこまかい点につきましては、今手元に資料を持ち合わせておりませんので、また、別途の機会に詳細に御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/75
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076・勝澤芳雄
○勝澤委員 鉄道営業法の改正の問題は、大へんこの委員会としては重要な問題だと思いますが、出てくるときには相当のいろいろな問題があると思います。そこで、今の国会にこれは改正案が出るのですか、あるいは改正案はいつごろ国会に提出——今国会あるいは次の国会なり何なり、大体見通しはどういうところにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/76
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077・岡本悟
○岡本政府委員 ただいまのお尋ねは、全面改正についてのお尋ねだと存じますが、実は運輸省内部の事務当局におきましても、この全面改正につきましては、先程来申し上げておりますように、民商法の特例に関する事項が大へん多うございますので、その道の権威者につきまして十分意見を聞いて、慎重にやるべきだという有力な主張がございます。また、内閣の法制局におきましても、そういう議論が非常に強いのでございますし、また、法務省あたりにおきましても、全面改正となりますと、十分の時間をかしてもらいたいこういう意見もありますので、そういった点をもう少し詰めてみまして、場合によりましては、あらためてそういった専門家の審議会といったようなものを設けまして、あるいは二年なり三年なり、十分の時間をかけまして、審議し、検討しなければならないということに相なるかとも存じますが、目下のところは、事務当局の意見をきめまして、大臣の御裁定を仰ぐというところに参っておりませんので、いましばらく時間をおかしいただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/77
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078・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうしますと、今事務的な段階でまだ意見がきまっていない。そうすると、今の国会に出てこないということは明確なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/78
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079・岡本悟
○岡本政府委員 大体仰せの通りでございまして、時間的には、まず今国会に提案することにはならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/79
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080・勝澤芳雄
○勝澤委員 そうすると、三十七年の、ことしの暮れの通常国会には大体出す見込みで進んでいるのですか。今言われましたように、これは相当検討しなければならぬから、鉄道営業法の改正の審議会というようなものを作って検討しようということになるのですか。その辺の御見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/80
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081・岡本悟
○岡本政府委員 大へん重要な問題でございますので、十分検討さしていただきまして、あらためて大臣の御指示を仰ぎましてお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/81
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082・勝澤芳雄
○勝澤委員 それでは、この国会には提出の見通しが困難のようでありますし、また次のときといいますれば、まだだいぶ時もありますので、あらためてお尋ねいたしたいと思います。
そこで、磯崎常務がおりますので、ちょっと国鉄の座席指定の制度についてお尋ねしたい。最近私が経験した二、三の例を申し上げて、ぜひ善処していただきたいと思うのですが、特急、急行、準急なんですが、汽車に乗ってみると、席があるわけです。しかし、駅で聞くと、満員です、あるいは席がありません、こういうことをよく言われてお客さんが困っておるときに会うわけでありますが、これはやはりあいておるということがもっと駅にわかるような、徹底をした制度を作らなければいけないではないだろうかと思うのです。たとえば、一番いい例が、浜松、静岡から乗る場合、上りの特急はみながらがらです。しかし、駅に電話をかけて聞くと、座席がありませんという答弁が多いわけです。乗ってみると、あいておる。あるいは準急が熱海に待避しているときに、そこへ上りの特急が入ってくる。上りの特急は、熱海から割り引き運賃ですから、あいておりますから、お乗りかえの方はホームの何とかで売りますとやれば、もっと積極的に特急に乗りかえるのですよ。それで、一時間か三十分早く東京に着くのです。そういうサービス、商売精神が足りないではないかという感じがするのです。あるいはまた、関西だと思いましたけれども、駅へ行くと、急行券はありません、しかし、隣りの交通公社へ行くと、売ってくれる、こういうようなロスがあるわけです。こういう点は、もう一回十分に再検討していただきたいと思うのですが、何か計画によると、四十年ごろには電子計算機で電子センターを設けてやるというのですが、それまで国鉄はそう損する必要はない。もうかるのですかな、現実に熱海から乗りたいが、断わられて困って立っておる、汽車は半分ばかりすいているという例を間々見つけておるわけであります。こういう点については、内部的にいろいろ検討されて、このために熱海辺に一人や二人の人をかりにふやしたとしても、採算がとれることだと思うのですが、一つ御検討願いたいと思います。
もう一つの問題は、指定制度の問題です。実は私のところでこの間仲人をやりましたが、新婚旅行に日光に行きたい、日光号に乗りたいというのですが、日光号に乗るのが実は問題なんです。大体結婚式というのは、このごろは半年ぐらい前からきまっているわけです。新婚旅行先もきまっているわけです。しかし、日光号は静岡からは乗れないようになっている。乗れないようになっているというのは、東鉄管内の交通公社とか東鉄管内の駅でないと、一カ月前から予約しない切符を買うときも、三日前から東鉄管内の駅でなければ買えない。ですから、静岡から日光号を買うために、婿さんが東鉄の湯河原の駅に買いに行かなければならぬ。予約に行って、また買いに行って、そうしてその日に泊って乗らなければならぬという、実に手間が要るわけです。そして日光号を見ると、またがらがらです。大体鉄道は、一生懸命もうからぬように、もうからぬように汽車を運転しているんじゃないかということを実は思うわけです。それで日光号を利用する人たちは、東京におるかというこ、これは東鉄管内の人たちじゃないんです。関西やそっちの方の人たちが、熱海とか湯河原とか下田とかに泊って、そのあした日光号に乗って日光に行く。そういうことから考えると、ますます実情に即しないやり方をやっているということを私はまざまざ見まして、実は、おれは東京に行っているから予約を申し込んでやろう。日光号の指定券も買ってきてやろう。そしてわざわざ私は指定券を置くために一回国に帰ったことがあるんです。この点も、まだ旅行案内を見でも直ってないように思うんですけれども、そんなのは簡単ですし、ここに常務と総裁がおるわけですから、あしたから直しますと言えば、すぐ直るわけです。そうすれば、あしたから何億、とは申しませんけれども、たくさんもうかりますし、若い人たちが国鉄の粋な裁きを喜ぶわけですから、これは一つ御検討願いたいと思います。
それからもう一つの問題は、発売時間の問題なんです。これは朝九時から発売しているわけですが、私はこの点実情をよく知りませんけれども、朝九時という発売をもっと十二時なり一時に繰り下げれば、小学生や中学生を使ったアルバイトがまっ昼間から並ぶことはないだろう、こういう意見が一つあるわけです。ダフ屋があまり入り込む余地がないだろうと思う。あんなところできたない格好をして、昼間から百円か二百円で並んでいることは不可能だろう。そうすれば、ほんとうに利用する人たちが、朝——時差出勤ですから、九時半、十時に来て並んでも、買えるんじゃないだろうか、こういう意見があるわけです。ですから、九時の時間は一二時、一時の方が適正じゃないかという意見があります。これは私はよくわかりませんけれども、今は乗る人が買っているわけじゃなくて、ダフ屋が商売で買っている例が多いわけです。それから、さっきちょっと言いました空席が多いということも、買っておりながら乗らないというのもあるそうです。ですから、そういう点もわかりませんけれども、やはり少し検討するときに来ておるのではないか。
それから最後に、汽車に乗るのに二時間も三時間も待たして、そうして弘済会の腰かけを五十円か百円で借りてすわっている。あれは、そういう込む列車は全部予約をとってしまえば、そういうことはなくなるんじゃないかと思うんです。やはり国鉄がここらで一人か二人の手数をかけることによって、何百人という人が、時間にしたら何千時間、何万時間になると思いますが、それをなくすことができると思うんです。国鉄は、二人の給料をかければ損かもしれませんが、国民全体から見れば、一人が一時間、二時間待つ時間を短くするだけでも、私は相当な利益になると思うんです。こういう点についても、これは実情もいろいろあるでしょうけれども、一つ私の体験を話しながらいろいろ考えた点を申し上げましたので、ぜひ御検討願いたいということをお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/82
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083・磯崎叡
○磯崎説明員 一つ一つお答え申し上げるのもあれですが、いずれも私どもの日常のことで、大へんおそれ入ります。十分検討いたしまして、できるだけ早く実施いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/83
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084・關谷勝利
○關谷委員 ちょっと関連して一つお尋ねをしておきたいのですが、これは今、全国の遺族会あたりが靖国神社に参拝をいたしておりますが、具体的な例を申し上げますと、愛媛県の遺族会の五百名ばかりの者が東京に来ております。この来ておりますのが、松山を立ちましたのが午前八時四十三分、品川へ着きますのが翌日の十一時十八分というようなことで、大体二十六時間半から二十七時間近くかかっておりますが、これが急行料金を取られるということであります。これは、遺族の団体は、もちろん国鉄当局からもいろいろ御配慮にあずかってはおりますが、これは地方の公共団体といたしましても、参拝者に対しましてはいろいろ補助をしたり、いろいろな関係で援助をして、ようやく参拝をさしておるというような状態であります。二十七時間近くもかかるのに、急行料金を三百円取っておる遺族のことでありますので、二百円や三百円が非常な重い負担になります。これが往復で六百円取っております。そうすると、これは大へんなことになりますので、その点を前にも非常に問題にして、これがかりに普通の急行のように、松山から参りますのに十六時間でくるとかいうことなら、これはまた話が合うと思いますが、松山−東京間を二十七時間もかかって、それで急行料金を三百円ずつ往復取るというようなことにつきましては、非常に困っておるのだということを痛切に訴えてきておるのでありますが、これはどうでしょう。二十七時間といえば、これは急行でなくして鈍行ですが、これで急行料金を取るというのはちょっとむずかしいと思うので、今勝澤君が、国鉄はもうからぬように、もうからぬように営業をすると言うが、国鉄はこういうふうに無理をして、逆にもうけるようなことを考えておるようでありますが、これを一つお考えを願いたいと思います。どんなものでしょう。遺族の関係でありますので、特別のお考えをわずらわしたい。すぐきょう御答弁を願うということも何ですが、一つよく内部で御相談をなさって、戦死者の遺家族でありますので、これは温情のある解決を願いたい。要望をいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/84
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085・勝澤芳雄
○勝澤委員 ちょっと一つ忘れましたので…。これは最近そう問題にはなっていないのですけれども、上級乗りかえの問題なんです。東京を出るときに二等の乗車券で一等へ乗っておる。検札をやって、一等の人が立っているので譲ってくれという問題があるわけです。これは車掌と乗客でなかなか——二、三問題があったことも私は聞いております。これはやはり車掌の扱いいいように——空席がないときは乗りかえを認めませんという車内放送をやっておりますけれども、それでさえ実は車掌と乗客と間々問題になっておるのを、私は車内でよく見るわけです。これは何か一般にも徹底させると同時に、乗務員も、規定の上からは、それは空席があったときに乗りかえをさせることができるのだということにはなっているらしいのですけれども、その点の伝達がなかなかはっきりしていないので、車掌としても常識的な扱いになっているらしいのですけれども、この点も一つ、これから春で、込んで参りますと、お客と車掌の間にときどき問題になりますので、ぜひその点は外に対する問題と内に対する問題をきっちりやっていただきたい、こういうことを要望いたしておきます、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/85
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086・簡牛凡夫
○簡牛委員長 次会は公報をもってお知らせいたすこととして、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104003830X01519620316/86
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