1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月二十八日(水曜日)
午前十時四十七分開議
出席委員
委員長 二階堂 進君
理事 加藤 高藏君 理事 瀬戸山三男君
理事 田村 元君 理事 松澤 雄藏君
理事 石川 次夫君 理事 中島 巖君
逢澤 寛君 綾部健太郎君
金丸 信君 徳安 實藏君
丹羽喬四郎君 廣瀬 正雄君
前田 義雄君 松田 鐵藏君
山口 好一君 佐野 憲治君
實川 清之君 日野 吉夫君
三宅 正一君 井堀 繁男君
出席国務大臣
建 設 大 臣 中村 梅吉君
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
総理府事務官
(行政管理庁行
政管理局長) 山口 酉君
総理府事務官
(行政管理庁行
政監察局長) 原田 正君
建設事務官
(都市局長) 前田 光嘉君
建 設 技 官
(河川局長) 山内 一郎君
委員外の出席者
専 門 員 山口 乾治君
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三月二十六日
委員兒玉末男君及び田中幾三郎君辞任につき、
その補欠として帆足計君及び春日一幸君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員春日一幸君辞任につき、その補欠として田
中幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員帆足計君辞任につき、その補欠として兒玉
末男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
井堀繁男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員井堀繁男君辞任につき、その補欠として田
中幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
駐車場法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇六号)(参議院送付)
建設行政の基本施策に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/0
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001・二階堂進
○二階堂委員長 これより会議を開きます。
駐車場法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
前会に引き続き質疑を続行いたします。中島巖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/1
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002・中島巖
○中島(巖)委員 駐車場法案と関連いたしまして、交通問題、特に首都問題について、川島長官のおいでをわずらわしまして、二、三質問いたしたいと思うのであります。
本委員会に、今国会におきましても、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案であるとか、あるいは本日議題になっておりますところの駐車場法案であるとか、また前国会においては、市街地改造法案であるとか、あるいは公共用地の取得に関する法案であるとかいうような幾多の法律案を、毎国会に政府より提出になりまして、これらの審議に当たっておるのでありますけれども、これらの根本的の問題はいずれも、交通問題をいかに解決するか、それがために市街地を改造する、道路の整備をする、あるいは高速道路のいろいろな条件を備える、こういうことで、このような各種の法案が提出されておるわけであります。ことに、このような見地から、最近、非常に人口の過度集中でほとんど動脈硬化の状態になっておる東京都をどうするか、こういう問題が根本的の問題でありまして、この根本的な問題を解決せぬ限りは、かような幾多の法案が出ましても、一時的のハエ追いであって、根本的の解決ができない、こういうような観点から、私は、この根本的な解決案と申しますか、策を策定するところの何かの機関を作るべきであるというような考えでありまして、こういうような見地から川島長官の御意見をお聞きいたしたいと思うのであります。実は私、予算委員会の分科会におきまして川島長官に出席をわずらわしまして、その第三、四質問をいたしまして、その速記録も実はここに持参いたしておるわけであります。そこで、この問題について官房長官にも質問いたしたのでありますけれども、官房長官の言われますのは、現在首都圏整備委員会があり、またその首都圏整備委員会の審議会にはそれ相当な学識経験者も含めておるのであるから、この首都圏整備委員会にやらしたらよくないか、しかし研究はしてみるというようなお話でありました。川島さんのお話も、そういうようなことも言われましたけれども、ことに注目すべきは、川島さんのそのときの発言で、首都圏整備委員会を首都圏整備庁にしてくれというようなお話もあったけれども、はたして首都圏整備委員会がこうした根本的の問題を策定するに適当であるかないかというようなことについても、まだ研究する余地があるから整備庁にしてくれということついては、一時延期さしたというような意味の御発言があったのであります。
そこで、この首都圏整備委員会の性格というようなことについて、私の意見を申し上げたり、川島長官の御意見をお伺いしたいと思うのでありますけれども、首都圏整備委員会はもともと一種の行政委員会でありまして、行政委員会というものは官庁の一つの機構であります。従いまして、抜本的な革命的な案というものはこれはできない。どうしても改良主義的な、現在を土台といたしまして、そしてこれを若干改良するという案程度以上には出ない性格の委員会でありますから、現在の首都圏整備委員会の構想というものは、非常になまぬるいものでも、これは首都圏整備委員会の行政委員会の性格として私は当然だとこう思うのであります。特に首都圏整備委員会の今まで幾多の構想が発表されておりますけれども、一々これに対して批判を加えるというようなことは時間がありませんが、首都圏整備委員会が昭和三十一年度に、向こう十カ年、すなわち昭和四十一年の東京都はどうなるかというようなことを発表いたしておるのであります。その中で「既成市街地内路線別交通量の推定」というものを発表いたしております。それは国鉄八線と私鉄十五線、二十三線について発表いたしておるのでありますけれども、これが、昭和三十四年度の都市交通年報ですか、その実績を見ますと、首都圏整備委員会が昭和三十一年に発表している昭和四十一年にはこうなるという数字を、すでにオーバーしておるというのが現在の実情であります。すなわち首都圏整備委員会が昭和四十一年の二十三鉄道について、最も混雑する一時間の最大通過人員というものを発表いたしておりますけれども、たとえば東武の東上線の北池袋から池袋の間は、昭和四十一年に一時間の最大通過人員は二万一千四百人になる、こういうことを発表いたしておるのでありますが、すでに昭和三十四年の実績で二万六千一百人、こういうことになっておりまして、ほとんどこの二十三路線の九〇%が昭和四十一年の推定を昭和三十四年でもって突破しておる、こういうような状況でありまして、従って、首都圏整備委員会の構想というものは、あまりにも過度の人口集中のために根本的に非常な狂いがきておる。それから自動車の数でありますけれども、これは私が申し上げるまでもないと思いますが、昭和三十五年度における世界各国の情勢、統計を見ますと、アメリカは百人について四十台ということになっておりますが、日本は百人に対して一台五分、最も自動車の多い東京で三台四分というような数字になっておる。従いまして、今後もますます自動車の激増するということは、これはもう明らかだと思うのであります。それから、幾多の交通に対するところの公共施設をいたしておりますけれども、根本的の問題として、道路面積が、東京は約一〇%くらいしかない。諸外国の大きな都市は、ワシントンなんか四〇%以上になっておりますし、ニューヨークでも三五%、最も少ないロンドンでさえ二〇%というような数字になっております。こういう道路面積からいきましても、絶対量が比較にならぬほど日本は少ない。しかもこの公共投資は、先行的の投資をやることによって非常な効力がありますけれども、これが逆になりますと、ますますそのギャップがひどくなって、ものすごい金がかかってその割に効果が上がらない、こういうことが言えると思うのであります。そこで、東京へなぜこのように人口が集中するかという点でありますけれども、これは、関東大平野を控えて、そうして海に面して、産業経済の立地条件がいいということが第一点、もう一点は、封建的な権力集中の強い日本で行政府、立法府が東京にある、すなわち、この二つがものすごいエネルギーの爆発する原因である、こう考えるわけでありまして、従って、根本的なこの点にメスを入れぬ限りは、いかなる——たとえば、官庁の一部移転であるとか、あるいは首都圏整備委員会で発表しておるところの学園都市の構想であるとか、あるいは東京都の周辺へ都市を作る構想であるとか、こういうようなものも、一時的のものでありまして、たとえば中央線を複々線化すれば、八王子であるとかあるいはあの周辺にたちまち人家ができまして、もとのもくあみになるというのが、東京都の現状だと思うのであります。そこで私は、この首都圏整備委員会というような行政委員会ではなくいたしまして、新たに東京都をどうすればいいかというような調査会を設置して、この調査会において根本的な問題を立案研究して、そうして策定した場合は政府にゆだねて、政府はまたその答申に基づきまして案を策定し、さらに首都圏整備委員会に渡す、こういうような機構にするために調査会というようなものを設置すべきである、こういうように考えるのでありますけれども、川島長官はこの会議録を見ましても、東京都に対しましてはよほど研究しておられるようにもうかがわれるし、また常々新聞報道なんかにおいてもそういうことを拝見しておるのでありますから、詳しくお考えをお聞かせ願いたい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/2
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003・川島正次郎
○川島国務大臣 首都圏整備の問題並びに交通問題につきましていろいろ御意見を拝聴したのでありますが、首都圏整備の問題につきましては、現在の東京都知事、地方公共団体の長としてはきわめて権限がありませんし、また国のいろいろ関係もありまして、むろん十分な行政ができないのであります。一方国といたしましても、現在機構が複雑でありまして、東京都内に対する行政だけでも各省庁に分かれておりまして、これまた統一しておりませんために、現在の東京都政に対する行政措置というものは、きわめて不完全であることは御指摘の通りでございます。これをいかなる方法で打開するかということでありますが、今中島さんのお話によると、新たに東京都政を解決するために調査会を作ったらいいじゃないかという御提案のように承ったのでありますが、実はこの問題につきましては、私は就任以来いろいろ考えまして、最近発足いたしました臨時行政調査会に委嘱しまして、臨時行政調査会で取り上げて検討してもらいたい、こういう考えを持っておるのであります。新たに委員会をあるいは審議会を作るよりも、せっかく権威の高いものができたのでありますから、これを十分活用することがこの際適当ではないか、かように考えます。現在あります首都圏整備委員会は、御存じの通り行政委員会でありまして、いろいろ企画は立てますけれども、これを実行し推進し得る力は全然持っていないのでありまして、ただ現在の首都圏整備委員会を首都圏整備庁と名前を変えただけでは決して役に立たぬのでありまして、もっと抜本塞源的に有効適切な権威のある機関を作りたい、それには一応臨時行政調査会の御審議を願おう、こういうことなのであります。
それからもう一つ、交通問題につきましては、これは東京だけでございません。大阪、名古屋その他都市交通全体について考えておるのでありますが、現在のように交通状態が悪化したことにつきましては、長年にわたりましていろいろの原因が積み重なって、今日みたいな事態に追い込まれたのでありますけれども、その原因の一つとして、交通行政に関する主管省が各省に分かれておりまして、その間の連絡、調整が不十分であったということもこれまた事実でありまして、これは昨年行政管理庁でもって交通行政を監察した結果も、明らかにこういう事実が現われております。そこで、とりあえず昨年十一月以来内閣に交通に関する閣僚懇談会を設けまして、各省庁間の連絡、調整をいたしておりますが、これまた臨時の機関でありまして、交通行政に関しましてはできるだけ一本化した行政庁がほしい、こう考えまして、これまた検討いたしておるわけであります。お考えの趣意はよくわかりました。これをどういう方法で実現するかということについては、今申し上げたように、とりあえず臨時行政調査会に諮問する、あるいは向こうの自主的判断によって研究をお願いする方針を立てております。なお、重大問題でありますから、他に適当な方法があれば考えたいと思っておりますが、今御提案の審議会を置いたらということは、それではたして有効かどうかということを直ちに私は判断ができないのであります。これは一応考えてみます。今すぐに御賛成できませんけれども、考えてみようと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/3
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004・中島巖
○中島(巖)委員 私臨時行政調査会の方の内容というものをまだ研究いたしておりませんのでよくわかりませんから、何とも申し上げられませんけれども、行政調査会はやはり行政部門の関係の調査をするのであって、この行き詰まったところの東京都問題をどういうふうに解決するかという、そういうような問題とはかけ離れておるのじゃないかというように私としては推測いたすのであります。
それから、ただいまお話のありました交通関係の問題でありますけれども、これはかつての日本の機構とすれば、運輸省と建設省と分かれて、建設省に道路局があるというようなことは当然だと思いますけれども、現在のように自動車交通が非常に発達して、そして自動車交通を除外して交通問題は考え得られないというような段階に現在きたわけであります。従いまして、ただいまお話のありましたようないわゆる交通行政の一元化ということになりますれば、これは陸海空の交通行政を一丸とした政策でないと——まあごく端的に申し上げますれば、実は本日鉄道建設審議会が開かれておりますけれども、私の方に飯田−下呂線というのがありまして、長野県の飯田市と中津川を結ぶ鉄道が本日おそらく建設線になるのじゃないかと思いますけれども、これは当建設委員会でたびたび問題になっておる例の中央自動車道と同一の地点を通る路線で、飯田を通って中津川に出る路線なんです。この路線を片方では建設省で中央自動車道として推進する、片方では鉄道建設の予定線にし、調査線にし、さらに建設線にするというように、同一地点の同一路線を両方で審議しておるというようなことが現在あるわけです。これがすなわち交通行政が一元化しておらぬために、こういうような二重投資のような線を両方でやっておるというのが現在の実情だと思うのでありまして、この点はよほど強力に特にお考え願いたいと思うのです。イタリアなんかへ行ってみると、交通省があって、交通省でもって道路の面まで全部一元化したところの行政機構になっておる。それからいわゆる公共事業に対する省がありまして、この公共事業省でもって、現在建設省や農林省でやっておるところのいわゆる国からの公共事業によってやっておる事業を直轄しておる、こういうことになっておるように思ったのでありますけれども、すなわち、国土省と交通省に分けるとかなんとかいうような抜本的な策をそろそろ立つべき段階にきておるのじゃないかと思うのであります。
それから先ほど大臣のお話で大体わかったわけでありますけれども、東京都問題は非常な緊急を要する問題でありまして、地下鉄にしてもあるいは首都高速道路公団にしても、市街地改造にしても、オリンピック道路にしても非常な莫大な資金を投資して、そして道路整備五カ年計画でもって飛躍的に道路整備ができるとわれわれは考えておったのでありますけれども、東京都周辺、都市周辺へは前に比較して二〇何%というような予算が投入されておるにもかかわらず、各県に対してはわずか四%か五%、工事費の値上がりを見れば、むしろ従前の予算の少なかったときの工事もできぬというのが現在の状態であるわけであります。従いまして、市街地に重点を置くところのこの政策も、目先やむを得ないであろうけれども、五年、十年先を見越して抜本的の首都問題の政策をここで立案せんならぬ、こういうように考えるわけでありまして、同じことを繰り返すようでありますけれども、抜本的な革命的な都市問題を、東京都問題を、首都問題を解決するには、私はどうしても国会議員が半数くらい入り、半数くらい学識経験者を入れたところの、ちょうど憲法調査会のような調査会を設置して、その調査会に早急に、二年くらいの間に立案、策定して答申させる、こういうような形を持っていかなければとうていこの東京都問題は解決ができぬ、こういうように考えるわけでありまして、この点特にお考えを御研究いただきたい、こういうように考えるわけであります。
長官は四十分ぐらいというお話でありましたので、以上お願いを申し上げて、他に質問者がありますので、私の質問はまたいずれ何かの機会に譲ることにいたしまして、これで終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/4
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005・二階堂進
○二階堂委員長 石川次夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/5
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006・石川次夫
○石川委員 ただいま中島委員の方から適切な質問があったわけなんですけれども、最近の東京都あるいはほかの大都市でもって道路交通が麻痺状態になっておるということで、おそまきながらこれに本腰を入れて、川島長官が陳頭に立って対策を立てられたということに対しては敬意を表するわけなんですが、ただわれわれの側から一言批判をさしてもらいたいと思いますことは、実は世紀の最大の事故といわれますタイタニック号でもって死んだ者が千五百人だというようなことです。東京都だけでそれぐらいの死亡者が交通事故によって生まれておるのであります。ところがそれが数年来続いておったのでありますが、それに対しては大した対策も講ぜられていなかったのであります。最近になって交通が麻痺をしたということで、産業経済活動に対しては非常な支障があるというようなことが強く表面化してきたために、あわてて、非常におそまきではあったけれども、交通対策というものに乗り出してきたというふうにわれわれは見ざるを得ないわけなんです。すなわち、人間の生命というものは一人でも地球よりも重いというふうなことをいわれておる。人の命の尊厳というものは、最近非常にやかましく言われておるわけでありますけれども、そういう面からこういう問題が取り上げられたのではない。産業活動というものが麻痺してきたという、いわば資本の側の要求から、こういうものが表面切って取り上げられるようになってきたということは、私としては一言批判をさしてもらうわけでありますけれども、非常に残念なことであるというふうに見ざるを得ないわけです。
それはともかくといたしまして、何としてもこの交通麻痺状態というものに対する対策を緊急に講じなければならぬということで、懸命な努力を払っておられることに対しましては、敬意を払うわけでございますけれども、その対策といたしましては道路交通法というものを改正しなければならぬ、あるいはただいま川島長官から言われましたように、総合対策というものを一元化して考えなければならぬというようなことで、対策に苦慮されておるということにつきまして、一歩前進であるという事実は認めます。私非常に不勉強で申しわけないのでありますけれども、何かそういう対策を見ておりますと、いわば現象面を追っかけておる。緊急対策だけで恒久対策というものは、何か思い切った、踏み込んだ対策というものは成り立っておらぬのじゃないか、こういう感じがするわけであります。
先ほど話もありましたように、首都圏整備委員会というものは行政機関でありまして、無力であります。無力と言っては大へん恐縮でありますけれども、現実の実行段階になりますと、たとえば建設省あたりがやらなければならないというようなことになって参りまして、自分の力でそれは立てるということもできないし、また行政機関でありますがために、都市問題に対して基本的な立場に立って、広い視野に立って思い切った対策を立てるということは不可能であります。そういうことで、首都圏整備委員会にこれをゆだねるというようなことでは恒久対策になり得ない、こういうふうに考えるわけでありますけれども、何か現在考えておられる緊急対策以外の恒久対策について、具体的に手を染めようというような構想なり腹案があれば御教示を願いたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/6
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007・川島正次郎
○川島国務大臣 ちょっと失礼ですが、恒久対策は首都圏についてですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/7
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008・石川次夫
○石川委員 交通対策の問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/8
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009・川島正次郎
○川島国務大臣 ただいま政府が取り上げて研究いたしておりますのは、交通混雑をいかにして防ぐかということと、交通事故をどう防止するかという二つでございまして、これはむろん関連性がありますが、対策としてはおのずから違うのでありまして、交通混雑緩和の方は根本的には道路を整備し、また東京の人口を疎開する等、いろいろ恒久対策が必要でございますが、事故防止の方は、これはある程度の設備であとは運転手あるいは歩く人などの交通道徳の高揚によって防ぎ得るのでありまして、昨年じゅうの例を見ますと、一日三十五人以上の人が死亡し、数千人の人が毎日負傷しておるのでありますが、その大部分が土曜、日曜、祭日でありまして、しかもその原因がめいてい運転、スピード・アップ運転、しろうとの運転、暴走などでありまして、こういうことはある程度お互いに努力すれば防げるのであります。
そこで政府といたしましては、とりあえず当面の事故防止に重点を置きながら、根本的の交通混雑緩和、道路整備の方に力を注いでおるわけであります。両面やっておるのでありますが、とりあえずとしては応急対策をやりまして、いかにして今日毎日発生しておる交通事故を防ごうかということに重点を置いております。
根本対策につきましては、ここに建設大臣も見えておりますから、いろいろお話があろうと思うのですけれども、道路の整備につきましてもいろいろ対策を講じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/9
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010・石川次夫
○石川委員 ここで御質問をして、ここでもって、明快な答弁ということは非常に困難だろうと思うのです。実は都市問題、特に東京都の問題は、首都圏整備とそれから大都市の性格と両方兼ねておりますので、これは非常に重要な問題で、この委員会でもたびたび取り上げておるわけでありますけれども、私の考えを申しますと、東京都あるいは大都市もそうでございますが、港湾の荷役の問題にしても、下水道の問題にしても、それから交通対策あるいは騒音の問題、塵埃の問題、それから水の問題——水は東京都でもまだ二割くらいは渇水期でなくても飲めないというような状態、しかも地下水をくみ上げるために地盤沈下が非常に激しい状態で毎年生じておるというような問題、いろいろな矛盾、いろいろな問題が重なり合って出てきている。これの打開はどうするかということになりますと大へんむずかしい問題でございますけれども、今言ったような交通の問題とちょっと離れてくるかと思いますけれども、これは過去の大都会がそうでありましたように、たとえば車の問題につきましても、先ほど中島委員の方から話がありましたように、急速な勢いでふえてくることは火を見るよりも明らかであります。こういうことが重なり合って参りますと、東京都はこのままいったら崩壊せざるを得ないのじゃないか。過去の大都市がその矛盾の拡大の上に崩壊したと同じような道をたどる危険性があるというふうにすらわれわれとしては考えざるを得ないわけであります。従って、これに対してはほんとうに真剣に取り組んで何とか打開策を講じなければならぬ。対策というものを、内閣が中心になって、政府が中心になって、ほんとうに今後根本的な対策をやらなければとんでもないことになるのではないか、こう思うのです。というのは、東京はいろいろな刺激が非常に強くなり過ぎております。こういうところで神経が摩粍しますと、多少の刺激ではとても受け付けないというよう状態になることも、これは人間の生理状態からしても、明らかに言えるかと思うのでありますが、東京都の旧市内のお寺の話を聞きますと、大体墓は三代続かないと言われておった。これは人口の移動も激しいということもあったでしょう。しかしながら、三代続かぬというふうなことが定説になっておるわけです。最近の状態ではもっとその状態が激しくなったのではないか。少しばかりの刺激ではとてもこたえられないというようなことで、非常に激しい、刺激の強いいろいろな流行というものが東京都でもって生まれて、それが日本の流行の先端をなして右へならえという状態になってくるというようなことは、民族の将来の繁栄というか、発展のためには非常に大きな障害になるということも、一つ真剣に考えてもらわなければならぬ、こう考えざるを得ないわけです。従って、われわれとしては、都市が持っておるいろんな機能がございます。たとえば教育とか文化とか産業とか政治とかいうふうな機能というものを一つ学問的に、論理的に解明をしていただきまして、たとえば産業なら産業というものを分割するということになりますと、お互いの交通が頻繁になって、かえって交通緩和にならない。こういうふうに考えますので、このうちの一つの機能をそっくりどっかに移すのだという決意を持った東京都対策でないというと、完全な対策にはならない。ほっておいたらとんだことになるのではないか、こういうふうに考えざるを得ない。それでこれは別に社会党だけの意見ということではなしに、先ほど中島さんから提案がありましたように、この問題については真剣に対策をすることを首都圏整備委員会というような行政機関にまかせるということではなしに、本腰を据えてやらなければ悔を千載に残すようなことになるのではないか、こういうふうに考えざるを得ません。従って、臨時行政調査会でおやりになるということでございますけれども、これは行政機関の調査というふうにわれわれは考えております。それでこの都市問題、ことに東京都の都市問題の解決に専念するという形にするために機関を設けるということは、問題が大き過ぎて手が伸びないのではないか、こう考えざるを得ないわけです。これは火のついた問題だ。とんだことになる。事実これは単なる交通対策というのではなしに、日本のシンボルとしての東京都というものは非常に不健全な形になるということは、日本の国に与える影響というものは非常に大きいのだということをあわせ考えていただいて、どうしてもこの首都圏問題につきましては内閣全体あるいは国会全体が取っ組んで、この解決に、緊急対策ではなくて恒久対策としての首都圏問題というものの打開のために、都市問題全体の上から考えていく。交通対策という面だけではなくて、もちろんこれは大きな要素になる。要素ではありますけれども、それだけではなくく全体ひっくるめた基本的な対策というものをほんとうに考えなければとんでもないことになるのではないかというふうに考えまして、この点一つ御考慮願いたいと思うのですが、川島さんあるいは建設大臣の御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/10
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011・川島正次郎
○川島国務大臣 東京都の問題につきましては、全く御意見同じでありまして、ただ、どういう機関を作って解決をはかるかということなんです。現在の首都圏整備委員会で不十分なことはお話の通りでありますし、また私も申し上げておるのであります。どういう機関を作るかということは、一つ主管大臣によりまして十分研究をしまして適当に処置いたしたいと存じます。このままでいかぬということだけは十分認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/11
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012・中村梅吉
○中村国務大臣 先般も申し上げましたように非常に重大な問題でございますから、われわれとしましても真剣にこの問題を検討して参りたいと思います。ことに私ども現状の既成市街地のままではなりませんので、根本的な何か構想を練りたい。それにはできるだけ識者の意見も拝聴をする機会を作りたいということで、御承知の通り大都市問題の懇談会を作りまして、これは審議会や委員会ではありませんが、学識の高い人あるいは関心の深い人たちにお集まりをいただいて懇談の機会を作っていただき、われわれもそこから知識をできるだけ吸収して、今申し上げたような今後の検討の資料をそこから生み出したいと思っております次第で、これらの会合を通じまして、いろいろ貴重な見解もだんだん出てくるかと思いますから、それらを参考にいたしまして慎重に検討して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/12
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013・石川次夫
○石川委員 都市問題懇談会ですか、そういうものをおやりになっておるというお話は、非常に私はいい着想であると考えておりますが、これは建設省だけでやるといってもなかなか容易じゃないのではないかという感じがしますが、こういう答申あるいは着想、構想というものが生まれてきました場合に、これをどこに移してどういうふうに実施面に移すかということまでお考えになっておりますか。この点もあわせてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/13
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014・中村梅吉
○中村国務大臣 大体さしあたりのところでは既成市街地の現状にかんがみまして、大都市の市街地再開発ということをねらいとして、それに関連をした知識のある方々にお集まりを願い、これもまた一定の委員会ではありませんから、必要に応じて参加していただく人には、新しいいい人があれば参加をしていただくという形で進めて参りまして、その段階で今御指摘のありましたような問題も必ず議論の重要な話題として出てくると私ども思うのです。それを期待をいたしておるわけですが、これらを総合して、結局皆さんのおっしゃるのは、中央官庁あたりをどっかワシントンのように移したらどうか、そういうことを漸進的に検討する機関を作ったらどうかという御意見のように思いますが、これも長い歴史のあることでございますから、われわれだけでそういう方向に調査を進めようとか、機関を作ろうということにはなかなか容易に踏み切れませんので、もう少し世論の現われ方もそういう機関を通して見ていきたい、こう思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/14
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015・三宅正一
○三宅委員 関連して……。ほかの同僚からも希望的な質疑をいたしておるのでございますが、一言だけ川島長官に質問というより希望ですが、御意見を承りたいと思います。
川島長官は非常に御熱心で、官庁の集団移転等を考えておられることについては、われわれ非常に敬意を払っておるのですが、しかし、それも一つの施策には違いないけれども、もうこの段階にきて、東京の過当膨脹を押えるには、私どもは一つほんとうに政治機関全部を別のところへ移すという、ある意味においては遷都でありましょうけれども、そういう感覚をもって思い切った政策をやらなければ問題にならないと思うのであります。おそらく中島君からも申されたと思うのですが、こういう状態のしりぬぐいにだけ金を使っておりますと、公共事業費を幾ら使っても、この間も言いましたが、道路の関係はそれほどでもないが、公共事業費全体といたしますと七割以上が表日本に使われちゃって、後進地域の開発をして格差を解消するというふうなことはできやしない。そういうしりぬぐいばかりやっておりますことをこの辺で切りかえないと問題にならない。東京が大きくなることについては、大きくなる理由がちゃんとあるのでありまして、経済都市としては東京は非常に大きくなる要素を持っておる。そこへ政治が加わっておりますから、これは少々のことをしたっておさまるものではない。しかし、遷都というようなことは、よほどの政治力をもってしてもむずかしいのであって、明治の御一新のときでも東京と西京との両方でときどき向こうへ帰るのだというので、あの革命期においてさえようやくやったのですから、私どもの考えております遷都案というものは、むしろ東京を拡大するのだ、能率化するのだという感覚において、私どもが第一の候補地として考えておるのは、やはり富士のすそ野であります。ここは国有地が一番多い。そうして火山灰地帯でありますから農耕には適さない土地がたくさんある。県有地もたくさんある心こういう事情のもとにあそこへ一つ政治都市だけは全部移してしまう。国会から内閣から全部移す。それでしかも今の高速自動車道、それから地下鉄及び三時間で大阪まで行く超特急を使いますれば四、五十分で東京へ来れる。そうだといたしますならば私どもが吉祥寺から国会へ通う時間で来れますから、東京都民を納得させるには東京の能率的な拡大だということで納得させる。実質的には百キロ近く離れるのでありまするから、いわゆる遷都であります。その程度のことができないような政治であっては問題にならない。行政のばかにむずかしいところをやるのでなしに、大所高所に立って本気に考えるという立場でやる、川島君のような人が入閣された意義もそこにあると思うのであります。せっかく非常な熱意を持って官庁都市の移転だけを考えておられるようであります。しかもそれは不急官庁だ。私はこの段階においては一つそこまで考えるべきではないかと思う。われわれが出しておりまする案も、御承知の通りそういうことを想定しておりますけれども、非常な大きな仕事でありまするから調査会を設置いたしましてそしてそこから発足させる、いろいろの事前事後の手当をしながら発足するという感覚であります。私は、きょうの法律の問題もありますけれども、あとからあとから人がふえ、車がふえるという状態のもとにおいて、ああいうその場だけの法律では問題が解決しないと思うのでありますが、御決意を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/15
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016・川島正次郎
○川島国務大臣 まことに尊重すべき御意見でありますが、それを実施するために、社会党さんの方では審議会を作れという御発案があるということも承知しておりますが、審議会を作ってやるか、それとも現在ある首都圏整備委員会を大改組してやるかというようなこと、むろん臨時行政調査会は仕事の内容でなしに機構を作るということが仕事でありますから、行政機構をまずどうするかということを考えまして、その行政機構に従って根本的に東京都の問題を考えるべきもの、こう思うのでありますが、いかなる行政機構を作るかということにつきましては、行政管理庁におきましても、また主管のそれぞれの役所におきましてもいろいろ考えまして、相談をして進めたいと考えております。この問題は政府としては熱心に取り組みたいということをかねがねわれわれ閣僚の間で申し合わせをいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/16
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017・三宅正一
○三宅委員 私ども調査会を別に作るのがいいか、首都圏整備の中でやるのがいいか、そんなことはおまかせいたします。問題はやはり私どもが前提として考えておる——それからかりに富士のすそ野でなくともよろしい、地理院などに聞きますれば赤城の地帯も非常ないいところだといいますし、茨城県などにもありますからそれもいいけれども、とにかくこの辺で一つこの問題をやるんだという決意で、主導性のもとに、機構はどういうものがいいか、調査会はどういう調査会がいいかということでないと問題にならぬと思います。内閣だっておそらくは参議院の選挙が済めば改造する、あなただっておられるかおられぬかわからない。そのあとでもあなたは有力者として、われわれの同志としてこういう問題については御協力を願わなければならぬと思うのですが、できたらおられるうちに、建設大臣も真意はそれだろうと思いますから、それだけの道はつけておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/17
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018・川島正次郎
○川島国務大臣 御趣旨よくわかりました。全く私と同じ考えでありますから、その方向で一つ研究してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/18
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019・中島巖
○中島(巖)委員 今三宅委員からもいろいろお話がありましたけれども、やはりこれは内閣の中でもよほど有力な方が発案されて、そうしたものを残しておいていただかぬと、また同じことを繰り返しておるようになるわけであります。従って、そういうような意味で川島さんに対しては私ども非常に嘱望しておるわけです。従って、この前の予算委員会においても、お忙しいところを長時間にわたってわずらわしたわけであります。われわれ社会党のそういうようなことを考えておる者も、この前の臨時国会に首都建設問題の調査会法案というものを提出しましたけれども、例の政防法の関係なんかで審議未了で廃案になった。続いてこれを提出しようという意見は、まとまっておったのでありますけれども、川島さんが就任になられていろいろな構想も新聞などで拝見しておりますし、何とか御在任中に調査会くらい発足はしていただけるだろうと、私ども暗に川島さんに期待してまっておるというようなわけでありまして、決して一党のどうこうとか、そういう考えでおるわけではありませんから、これらの大きな問題は内閣提出ということではいろいろ問題もあるかと思いますが、非常に緊急の、火のついた問題であって、それからぬきん出た人があと押しせねば、なかなかこれらの調査会もできぬ話でありまして、今建設大臣並びに川島さんから調査会や審議会の現在の様子は聞きましたけれども、とうていそんななまぬるい機構ではこの問題を解決できない、こういうふうに考えますので、与党の委員諸君も一つ御奮起願って、与党側からこういう案を出していただいてわれわれが推進するという形でもって、この世紀の大問題に取り組んでいただきたいということを心からお願いいたしておくわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/19
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020・二階堂進
○二階堂委員長 石川次夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/20
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021・石川次夫
○石川委員 駐車場法の一部を改正する法律案につきまして、一点だけ伺っておきたいと思います。
それは、この駐車場の整備地域というようなものを、商業地域だけでなく、住宅地あるいは重工業地域まで広げるというようなこと、あるいは三千平方メートル未満でも特定用途に供する場合には、条例でもって駐車場設置の義務を課するという構想は非常にけっこうだと思いますが、われわれとしてはもちろん異議がございません。ございませんが、ちょっと具体的にはっきりしないとわかりませんのは、商業地域内の特定用途というのは、これは多分政令か何かで定まることになると思うのですが、この具体的内容がどの程度に構想として固まっておるかという点を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/21
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022・前田光嘉
○前田(光)政府委員 目下検討いたしておりますが、人の集まりやすい建築物は自動車が伴なってきますので、たとえば劇場あるいは公衆の集まるそういうふうな建物、あるいは集会所、映画館、演芸場、そういうもの、またホテル、旅館、料理店、百貨店、店舗、こういうふうな用途を持った建造物でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/22
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023・石川次夫
○石川委員 非常に片寄った質問でありますけれども、たとえばミカドみたいなところにも今度は駐車場設置の義務を課するような説明を前に聞いたことがありますが、それは今の範囲でいうとどういう範囲になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/23
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024・前田光嘉
○前田(光)政府委員 キャバレー、ナイト・クラブ等も考えておりますので、ミカドはどの部に入りますかわかりませんけれども、あの程度のものは特定用途としていくように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/24
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025・二階堂進
○二階堂委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑はないようでありますので、本案に対する質疑を終局することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/25
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026・二階堂進
○二階堂委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑を終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/26
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027・二階堂進
○二階堂委員長 引き続き本案を討論に付するわけでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに本案を採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/27
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028・二階堂進
○二階堂委員長 御異議なしと認め、本案を採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/28
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029・二階堂進
○二階堂委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。
お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/29
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030・二階堂進
○二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/30
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031・二階堂進
○二階堂委員長 この際田村元君より発言を求められておりますので、順次これを許します。田村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/31
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032・田村元
○田村委員 私はごく短時間、一問だけ大臣に御質問申し上げておきたいと思うのであります。
と申しますのは、公共事業、特に道路問題は大都市集中の傾向が非常に強い、こういうことでは一般地方がだんだんと非常に格差をつけられていくのじゃなかろうかというふうに憂慮いたしておるものであります。それからいま一つは、もちろん他省もそうでありましょううけれども、建設省関係の予算を見ておりますと、各都道府県に対する国費の配分が、前年度の配分の基礎の上に立つ伸び率で計算されておる。でありますからグルントの小さいものは常に大きくなっていけない、基礎の大きいものはだんだんとそれだけ大幅に伸びていく、こういうふうに非常に大きな矛盾が生じて参っております。こういうことでは機会均等であるべき建設行政の予算配分が、ややともすれば一般地方から恨まれがちであるという点もあるいは出てくるのではなかろうか、かように考えるものであります。
そこで各都道府県に対する国庫補助等の配分は、都道府県の財政状態、あるいは要望の姿、実質的な姿を検討して、前年度にこだわらないでおやりになるべきではなかろうか、かように考えておりますし、また大臣に御進言申し上げたいと思うのであります。
それから最近の新聞でちょっと読んだのでありますが、三十六年度の予算の剰余金がひょっとすると二千億を上回るのじゃなかろうかというような記事でありまして、しかも大蔵省内部において剰余金の配分というものを、現在の財政法上では、特に法律で縛られたものを除いては、残りの半分は国債償還にこれを充てるのだというふうになっておりますが、このようなことをやるよりも、むしろ財政法を改正して、大幅に公共事業なんかに振り当てたらどうか、こういう意見が大蔵省内部で非常に強く出てきておるということを伺っておるわけであります。そうしますと、もちろん建設省だけにくるとは考えられませんけれども、そういう金でたとえばオリンピックの道路問題、その他の問題を相当大幅に解決できるのではなかろうかと思います。五カ年計画の、たとえば道路の場合においてもワク内操作であっても、そういう金でもって先食いができるわけでありますから、建設省としても地方に対して、一応予算上の均等配分はできるわけである。それに先食いの姿でだめ押しの剰余金からの支出によるオリンピックその他の措置ができる、私はかように考えるのでございます。この点大臣から特に関係省の大臣と御協議されて、こういう大蔵省内部に非常によい意見があるものならば、大蔵大臣とよく御相談されるのがよいのじゃなかろうか、かように考える次第であります。一つ一つ取り上げて質問を申し上げたいのでございますが、時間の関係もございますので、一括して御意見を承りたい、かように考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/32
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033・中村梅吉
○中村国務大臣 前段の点につきましては、確かにオリンピック開催という国家的な問題が一つありますので、東京のほかの事業が非常に圧迫を受けて、われわれも現状打開の上から困ったことだと思っておるのでありますが、大体オリンピック関連道路街路事業というものがすでに選定されておりますので、これを期限内に完成しようということで、国の方も都の方もかなり他の地域に比較して投資率が多いということになっておることが現状でありますが、それでもなかなか予定の計画が進行困難であるというのが現状でありますことは御承知の通りでございます。その他の一般の道路事業につきましては、御承知の通り国で直轄で行ないます一級国道につきましては、できるだけこの計画通り五カ年内に全国を整備し舗装を完了いたしたいということでございますので、今年度の配分はまだ最終的にきめておりませんが、大体今の見込みといたしましては、すでに開発をされました地域、一級国道が一応一次改良を終わって舗装のできております地域は取り残しまして、改修及び舗装のおくれております地方の伸び率は、率からいえば前年に比較して倍になるところもあれば倍以上になるところもありますし、そういう方面に重点的に投資しないと、五カ年内に計画通りの一級国道の全国整備が完了いたしませんので、そういう方向に進めておるわけでございます。その他地方道につきましては、地方の負担分等の関係もありますので、なかなか思うように参りませんが、考え方としては今田村委員の御指摘になりましたような方向にわれわれとしては努力をし、そうしてまた全国総合開発計画、地方開発計画等とにらみ合わせて、格差是正に道路整備事業が寄与するという考え方は貫いていきたい、従いまして、具体的になかなか思うように進んでおりませんが、基本的な考え方といたしましては、御指摘のような方向に極力全力を尽くして進めて参りたい、こう思っております。
それから後段の点につきましては、私もかねがね、実は年度の自然増収というものが近年経済成長に伴いまして相当額ございますから、この自然増収に基づく剰余金を、今までの財政法に基づいて半分は国債償還に充てるという行き方でいいのか、あるいはむしろこれは大きな政治をやる意味において、防災的な見地から見た治水事業にいたしましても、あるいは産業的な発展をする基本である交通機関の整備にいたしましても、社会資本がいろいろな国情の結果非常に今日おくれておることは何よりも目立つところでありますから、この社会資本のおくれを取り戻すために自然増収のうち一定の比率を財政法なり何なりできめまして、その年度余った金のこれだけは社会資本の立ちおくれ回復のために投資するんだという基本が立てられれば、非常にいいことだ。ぜひそういう姿に改めたいものだ。それによって国の発展による自然増収というものも意義あることになりますから、私どもは今の御指摘非常にありがたい御意見と拝聴いたしました。政府部内におきましても、私もできるだけそういう方向に実らせることのできますように微力を尽してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/33
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034・田村元
○田村委員 よくわかりました。一言つけ加えて私の意見を申し上げたいのでありますが、剰余金の分配でもって行なう公共事業、特に建設省関係はオリンピック道路とかあるいは都市計画の姿ということがいいのである、かように考えております。防災関係特に治水関係におきましては、先般分科会で私が御質問申し上げたように、これはもう三十八年度において新計画でいかなければとうていこれは及びもつかぬことでありますから、治水関係においてはこういうものの配分でもって、ワク内の先食いということをされないで、抜本的な新計画、長期計画をお立てになられて、三十八年度を初年度として発足されるという強い御意思をお持ち願いたいし、そのようにおきめ願いたい、かように考える次第でございます。別に大臣の御意見を承るまでもないと思いますが、私の希望意見として申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/34
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035・中村梅吉
○中村国務大臣 ただいまの点につきましては、かねがね非常に御推進をいただいておりますので、感謝いたしております。御承知の通り三十六年度もやや先食いし、三十七年度は相当大幅に五カ年計画の先食いをいたしましたので、残された二年間を年度を平均的に割りますと、もうかなり使いましたので、率よりも下がっていく数字になりますが、下がるということはあり得ない。どうしてもここで大幅な改定をいたしまして、防災の目的を十分達成するように努めなければならぬ。私どもも全く同感でございますので、努力をいたしますが、よろしく御協力をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/35
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036・中島巖
○中島(巖)委員 河川局長にちょっとお尋ねしたいのですが、その前に委員長に要望しておくのです。今田村委員の発言は実にもっともな発言であって、われわれもそういうような発言の機会を得たい、こう思っておったわけです。ことにオリンピック街路事業に非常に金を使われて、それがために地方の県なんかは、逆に前より工事量において低いというような県があると思う。だからオリンピックなんかの予算は別ワクでもってやらないと、道路整備事業の金額が多くなっておっても実際問題として地域の格差が非常に大きくなる。こういうような点について、いずれ一日委員会を開いてこの問題と取り組みたい、こういうように考えるので委員長の方で適当にお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/36
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037・二階堂進
○二階堂委員長 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/37
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038・中島巖
○中島(巖)委員 河川局長にお尋ねいたしますが、実はたびたび問題になっておる例の門島ダムの関係であります。この問題はいずれ期日をあらためて一日ゆっくりと質問いたしたいと考えておるのでありますが、きょうは緊急な問題のみについてお伺いいたしたいと思います。
実はたしか朝日にも載っておったと思いますけれども、地元の新聞なんかに門島ダムの上流地域の川路付近に大遊水池をこしらえて、二十億からの堤防をこしらえて災害を防止するというような記事が出ておるわけです。それからまた二、三日前も信毎の記者の諸君から私にあの計画はどうなったのだというようなことの質問があったのですが、私も全然わからないから建設省に聞いてみるより仕方がない、こういうことでおったわけであります。何らかの計画を立てておるようには私は聞いておるのでありますが、私の意見としては、かりに川路だけそういう処置をしたところが、それからさらに上流十数キロにわたって同じようなところが各所にあるのであって、結局根本対策としては、建設省がいかなる政策を施したにしても、これは門島ダム撤去以外にない、こういう基本的の考えでおるわけであります。それらについてはまたいずれ日をあらためて十分私の意見を申し上げたり質問したいと考えておるわけでございますが、本日はこの川路付近に対して大遊水池計画があるというようなことが報道されておりますので、これらについて建設省のまとまった案、もしまとまった案がないとすれば現在の計画の過程における状況を詳細にお知らせ願いたい、こう考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/38
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039・山内一郎
○山内(一郎)政府委員 昨年の六月、川路、龍江地区並びにそれから上流の地区におきまして非常に激甚な災害を受けまして、その後の対策を極力進めて参っている段階でございますが、たびたびの災害でございますので何とか根本的にこの地区の解決をしたいという気持で現在調査並びに計画をしている段階でございます。
新聞に出ましたのは大体川路、龍江地区の計画でございますが、建設省としてただいまこれできめたというわけではございません。現在いろいろ計画を比較検討している最中でございますが、その中の一つとしてここに書いてございますような飯田線に沿いまして河川堤防を作る、それから川原の堤外地は買収する、こういうようなことも一つの案ではあるというふうに現在その案の中に入れまして比較検討している段階でございます。天龍川水系全体の調査も今やっておりますので、その調査とにらみ合わせながら今後この地区の基本的な計画を立てて参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/39
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040・中島巖
○中島(巖)委員 今の河川局長の答弁は、多分これをごらんになったと思いますが、こういうような案もあり、比較調査中である、こういうように了解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/40
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041・山内一郎
○山内(一郎)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/41
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042・中島巖
○中島(巖)委員 この地区だけでなしにさらにその上流地帯、たとえば松尾地区であるとかあるいは弁天の狭窄部であるとか、さらに上流地帯の喬木、上佐久地区であるとかいうところも非常な被害をこうむっておって、これらに対しても天竜川一環としての案を策定せねばならぬというように考えるのでありますけれども、これらの案ができ上がるのは大体いつごろになる御予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/42
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043・山内一郎
○山内(一郎)政府委員 災害直後からいろいろ調査を進めておりますが、基本的な問題としてまず基本流量をきめないといけないと思います。この基本流量をきめるのは痕跡等あるいはその他資料によってやっておりますが、この基本的な問題はもう間もなくきめたいと思っております。まずその基本流量の決定したあとに河川全般についてどの地区はどういうふうにするかということをきめて参りたいと思いますが、特に川路、竜江地区が非常にむずかしい問題が多うございますので、今までの調査と並行してやって参っているわけでございます。従ってそれができましてなお基本的な問題がきまれば、上流地区にその考えを及ぼしていく。従って詳細な計画ということはまだ相当期間がかかりますが、基本的な問題としては間もなくきめたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/43
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044・中島巖
○中島(巖)委員 それから具体的の問題として弁天橋のあるところの弁天ですが、あの狭窄部はあのままでおくのですか、それとももっと広げるのですか、これはまだきまっておりませんか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/44
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045・山内一郎
○山内(一郎)政府委員 その詳細もまだきめておりませんが、非常に狭窄部でありますので広げざるを得ないのではなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/45
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046・中島巖
○中島(巖)委員 それから昨年六月の災害で、私が申し上げるまでもありませんが、松尾地区で百町歩、川路地区で六、七十町歩、その他合わせて三、四百町歩ばかり門島ダムの関係でもって広川原になったわけであります。それから浸水家屋も三千数百戸、流失家屋も二百数十戸という状態でありまして、これの補償の問題がまだ何ら片づいておらぬように聞いておるのですが、これに対して県の方から建設省の方へ、何か中部電力へ話をしてくれとかあるいはどうしてくれというようなあっせんの要求もないのですか、それとも何かあなたの方でめんどうでも見ておるわけでありますか、その辺の事情を詳しく御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/46
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047・山内一郎
○山内(一郎)政府委員 県の方からあっせんというお話はございませんが、県が中部電力といろいろ交渉いたしまして、家屋を移転したい者に対する貸付を現在やっている段階で、今後進めますことはさらに進めまして、ただいまお話ございましたような流失田畑の問題とか、それからなお家屋を今後移転したい問題とか、そういう点で委員会を発足させて折衝に入っているということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/47
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048・中島巖
○中島(巖)委員 この問題についてはいずれ日をあらためていろいろ私の考えを申し上げたり、御意見を承りたい、こういうように考えておるわけであります。
本日はこれでもって質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004149X01419620328/48
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049・二階堂進
○二階堂委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五分散会
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