1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月二十七日(金曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 早稻田柳右エ門君
理事 内田 常雄君 理事 岡本 茂君
理事 白浜 仁吉君 理事 中村 幸八君
理事 板川 正吾君 理事 田中 武夫君
理事 松平 忠久君
浦野 幸男君 小沢 辰男君
海部 俊樹君 齋藤 憲三君
始関 伊平君 首藤 新八君
中垣 國男君 中川 俊思君
中村三之丞君 林 博君
原田 憲君 村上 勇君
岡田 利春君 久保田 豊君
小林 ちづ君 多賀谷真稔君
西村 力弥君 山口シヅエ君
玉置 一徳君
出席政府委員
総理府事務官
(公正取引委員
会事務局長) 小沼 亨君
通商産業政務次
官 森 清君
中小企業庁長官 大堀 弘君
委員外の出席者
議 員 首藤 新八君
通商産業事務官
(中小企業庁振
興部長) 加藤 悌次君
専 門 員 越田 清七君
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四月二十七日
委員伊藤卯四郎君辞任につき、その補欠として
玉置一徳君が議長の指名で委員に選任に選任さ
れた。
同日
委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として伊
藤卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
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四月二十七日
商店街組合法案(松平忠久君外二十八名提出、
第三十九回国会衆法第一三号)
委員会の許可を得て撤回された。
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本日の会
議に付した案件
中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第一一〇号)(参議院送
付)
商店街における事業者等の組織に関する法律案
(首藤新八君外四十四名提出、衆法第三九号)
商店街組合法案(松平忠久君外二十八名提出、
第三十九回国会衆法第一三号)の撤回に関する
件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/0
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001・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 これより会議を開きます。
首藤新八君外四十四名提出の商店街における事業者等の組織に関する法律案及び松平忠久君外二十八名提出の商店街組合法案の両案を議題といたします。
この際お諮りをいたします。松平忠久君外二十八名提出の商店街組合法案につきましては、提案者より成規の手続で撤回の申し出がなされております。
本案は委員会の議題とした案件でありますので、委員会の許可が必要であります。よって、本案の撤回を許可するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/1
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002・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/2
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003・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 引き続き首藤新八君外四十四名提出の商店街における事業者等の組織に関する法律案について審査を進めます。
本案について質疑を終局するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/3
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004・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
本案は予算を伴う議案でありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に御意見があれば、発言を願いたいと存じます。森政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/4
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005・森清
○森(清)政府委員 私たちといたしましては、中小商工業者の組織化につきましては、かねてから非常な関心を持って、何とかこの立法化について考えておったのでございますけれども、国庫補助金の交付その他について多少の問題がございますし、あわせていわゆる中小企業基本法等の問題もからみまして、いろいろと準備を進めておったやさきでございますが、ただいまのこの御提案になりました法律につきましては、私どもとしては、法案の趣旨に対しては全く賛成でございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/5
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006・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 本案に対しては、松平忠久君ほか三十七名より修正案が提出されておりますので、まず提出者より趣旨の説明を聴取することといたします。松平忠久君。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/6
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007・松平忠久
○松平委員 首藤新八君外自民党の衆議院の諸君の提出にかかります商店街における事業者等の組織に関する法律案に対して修正案を提出したいと思うのですが、実はただいま委員長から報告がありましたように、社会党におきましても商店街組合法案という、ほとんど同趣旨の法律案を昨年十月の臨時国会において提出をして、ただいままで継続審議になっておったわけであります。そこで審議の過程におきまして、実は両党の案を撤回して、あらためて共同で商店街振興組合法案というものを作成しようという考えをもちまして、自民党側と折衝をしておったことは皆さんも御承知の通りであります。
しかるに自民党においては党内事情もありまして、共同提案は困るということでありますので、しからば大乗的見地に立って、われわれが自民党案に対して修正を加えて、これをよりよいものにしようという考えのもとに、修正案を提出することになったわけであります。
この修正案の骨子は、お手元にあるところの修正案要綱でおわかりになると思いますが、修正の全文について最初に朗読をいたしたいと思います。
商店街における事業者等の組織に関する法律案に対する修正案商店街における事業者等の組織に関する法律案の一部を次のように修正する。
題名を次のように改める。
商店街振興組合法
第一条、第六条第一項及び第八条中「商業」を「小売商業」に改める。 第九条中「三分の二以上が商業」を「二分の一以上が小売商業」に改める。
第十三条第一項中、第十号を第十一号とし、第九号中「指導及び」を削り、同号を第十号とし、第八号中「及び指導」を削り、同号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。
七 組合員の従業員の集団的雇入れ及びその従業員に係る賃金、労働時間、宿舎等の労働条件の改善に関する事業
第十三条第三項中「同項第十号」を「同項第十一号」に改める。
第十九条第一項中第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号の次に次の一号を加える。
九 会員たる商店街振興組合の組合員の従業員の集団的雇入れ及びその従業員に係る賃金、労働時間、宿舎等の労働条件の改善に関する事業
第三十五条第六項、第五十六条、第六十五条及び第七十八条中「商店街における事業者等の組織に関する法律」を「商店街振興組合法」に改める。 第八十八条各号列記以外の部分中「第十九条第一項第九号」を「第十九条第一項第十号」に改める。
附則第四条第一項中「三月以内」を「六月以内」に改める。
附則第五条及び附則第十条中「商店街における事業者等の組織に関する法律」を「商店街振興組合法」に改める。
附則第十四条中「商店街における事業者等の組織に関する法律」を「商店街振興組合法」に改め、同条を附則第十五条とし、附則第十三条を附則第十四条とし、附則第十二条を附則第十三条とし、附則第十一条中「商店街における事業者等の組織に関する法律」を「商店街振興組合法」に改め、同条を附則第十二条とし、附則第十条の次に次の一条を加える。
(中小企業等協同組合法の一部改正)
第十一条中小企業等協同組合法の一部を次のように改正する。
第七十四条第一項第一号中「及び商工組合連合会」を「、商工組合連合会、商店街振興組合及び商店街振興組合連合会」に改める。以上でありますが、この修正案は少しややこしいようでありますから、若干説明を加えたいと存じます。
まず題名を改めるということにつきましては、実はこの法律案は、商店街の方から、商店街組合法とかあるいは商店街振興組合法というようなものにしてもらいたいということで従来から要望があったわけであります。従って、自民党の法律案のごとくに長ったらし題名ではなくて、きわめてわかりやすいことにしなければならぬ。法律は大体わかりやすくしなければなりません。従って、そういう意味におきまして、この題名を商店街振興組合法、こういうふうに改めることといたしたのであります。
それから「商業又はサービス業」とありますけれども、商店街の多くは小売商でございます。従って、小売商にイニシアチブを持ってもらう、その上において商店街の振興をはかっていかなければならない。その中におけるところのデパートとかあるいは問屋とか、そういう方々がイニシアを持っていくということは、法の趣旨に若干背反するのではないか、そういう考えで、実は社会党の案の中には小売商という言葉を使っております。従って、商業という言葉は、小売商とは若干ニュアンスが違いますので、これは社会党の案のごとく直したい、こういう考え方であります。従いまして、組合の設立に関しましても、小売商及びサービス業が二分の一以上おればできるんだ、こういう格好にしなければならぬので、われわれ社会党案の設立の要件について、これをこのまま自民党案の中に取り入れるということにいたしまして、これを提案いたしておるわけであります。
その次に、商店街の組合の事業でありますけれども、現在の商店街あるいび将来予想される商店街における事業のことを考えてみると、現在の日本人の教育の程度と申しますか、とかく民間の団体に大きな権限を持たせるということは、私は現在の日本の教育の程度からいうと行き過ぎになりやしないか、こういう考え方を持っております。日本人の民主主義的な考え方というものが、まだ欧米のごとくには至っておりません。従って、民主主義に反するような考え方と申しますか、そういうものがやはり官僚制度にもなり、あるいは民間においては一種のボス支配ということになるわけであります。従って、商店街におきましても、なるべくボス支配というものを排除していくということが必要である、そうして民主的にこれを運営していかなければならない、そういう考え方に立脚をいたしておりますので、商店街の責任者が、いわゆるリーダーシップをとって指導をやたらとやるということは民主主義にも反すると考えておりますので、私どもは責任者が指導原理というものを振り回してやるということに反対をいたしておるわけであります。従って、いろいろな事業について指導するのだ、こういう立場に立たずに、助言をするとかあっせんをするとかという程度にとどめておくべきである、そういう考え方から指導という文字を削っておるわけであります。
なお、もう一つ追加いたしましたことは、今日の労働条件、求人難等のことに関してでございまして、それは商店街の組合において、従業員の雇用の集団化、つまり集団的雇用とかあるいは賃金、時間、あるいは宿舎等のいわゆる労働条件の改善ということをはかっていかなければ、この求人難は解決できない、かようにも考えているわけでありまして、そういう機能をやはり組合に持たせる必要がある、その考え方から社会党案にありますところの今申しました事項について、事業としてつけ加えたいと考えているわけであります。
もう一つは、この法律ができますと、同じ名前のいわゆる商店街振興組合というものが今日ありとすれば、その名前を変えなければなりません。その名前を変えるのに登記の手続その他が要りますので、六カ月くらいの期間を置く必要があるというので、原案の三カ月を六カ月に改めることといたしているわけであります。
最後には、これは商店街振興組合並びに連合会というものは一体どういう組織であるか、組織論を考えますと、ただいま三党で中小企業の基本法を提出いたしておりますが、その中小企業基本法の中に現われている三党の考え方というものは、組織はなるべく簡単にして、なるべく一本化していくということがよろしいというのがこの基本法の基本的な精神であるわけであります。この点に関する限りは、三党の中小企業基本法の根本を貫いている共通の考え方であると考えております。従って、商店街振興組合並びに連合会というものが、今日の組織から離れた一つの組織になるということは、われわれの基本法の考え方からいっても合わないわけであります。自民党の原案におきましては、その点が何らの規定もなく、従って、現在ある組織の外にまたこういう組織ができるということになるわけでありまして、いたずらに組織の混乱を増すこととなるわけであります。この商店街振興組合法の設立を推進している方々の立場は私どもはわからないことはございません。しかしながら、大局的に考えるならば、やはりこれは国の中小企業に関する組織の一環としてその機能を発揮されなければならないわけであります。従って、中小企業の中央会の会員とならなければならない、会員となる資格を持たせなければならない、かように考えておりますので、ただいま申しましたように、中小企業等協同組合法を改正しまして、新たにできるところの商店街振興組合並びに連合会は、都道府県の中小企業中央会、全国の中小企業中央会の会員たる資格を持つ、そういうふうに改めなければ、法体系として一貫しておりませんので、そのように改めることにしたわけであります。
以上が本法律案に対する修正案の説明の概要でございます。
実は、法案を作るときには、そこにすわっておられる首藤さんとも数回にわたって私は折衝してきたわけでありまして、大体提案者もほぼその線は納得していることと私は了解をいたしておるわけでありますので、どうぞ一つこの際満場の御賛成あらんことをお願い申し上げます。
以上によって提案の理由の説明を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/7
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008・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/8
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009・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 本修正案については、質疑の通告もありませんので、引き続き本案並びに修正案を一括して討論に付するのでありますが、しかし、討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。
まず、松平忠久君外三十七名提出の修正案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/9
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010・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決いたされました。
次に、ただいまの修正部分を除いて原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/10
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011・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたされました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/11
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012・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 次に、白浜仁吉君外三十七名より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、まず、趣旨の説明を聴取することといたします。白浜仁吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/12
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013・白浜仁吉
○白浜委員 私は、ただいま採決されました商店街における事業者等の組織に関する法律案に対しまして、提案者を代表しまして、附帯決議を付することの動議を提出いたします。
案文を朗読いたします。
商店街における事業者等の組織に関する法律案に対する附帯決議(案)
小売商業者又はサービス業者その他の者の結成する組合を発展強化させるため、政府は、次の諸点の助成措置につき配慮すべきである。
一、商店街振興組合等が設置する街灯に使用する電気については、一般の電灯料金よりも軽減されるようにすること。
二、商店街振興組合等及び組合員に対して、税制上、金融上特別の措置をとること。
三、小売商業又はサービス業の従業員の福利を増進するため、労働福祉施設の設置とその運営及び組織的福祉活動その他の福利事業に対して必要な措置をとること。
なお、地方公共団体においても右の同様の措置をとるよう指導すること。
以上であります。
理由については説明するまでもないと思いますので、全員の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/13
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014・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。本動議を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/14
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015・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、本動議の通り附帯決議を付することに決しました。
この際、通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許可いたします。通商産業大臣代理森政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/15
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016・森清
○森(清)政府委員 ただいま附帯決議になりましたところの御趣旨を体しまして、十分努力をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/16
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017・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 お諮りいたします。
本案に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/17
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018・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
提案者首藤新八君より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/18
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019・首藤新八
○首藤議員 商店街振興組合法は、今日まで小売商業者に対しまして十分な立法はなかったのでありますが、欠陥を補いたいと考えまして提案いたしましたところ、ただいま全員の御賛成をいただきまして、まことに感謝にたえません。われわれは今後立法の趣旨を強く推進いたしまして、小売商業ができるだけすみやかに振興できますることを期待するものであります。
一言ごあいさつ申し上げます。(拍手)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/19
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020・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 次に、内閣提出、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、これを許します。田中武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/20
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021・田中武夫
○田中(武)委員 まず最初にお伺いいたしたい点は、中小企業団体の組織に関する法律の一部改正、こういうことになっておりますが、この改正は中小企業商工組合の性格及びこの法律のできました基礎を大きく変更するような、いわば基本的な改正であります。
そこでまずお伺いしたいのですが、昭和三十二年に本法が制定せられました当時の本法制定の理由はどういうことでございますか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/21
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022・大堀弘
○大堀政府委員 現在の団体法制定の際には、中小企業の過当競争によって中小企業業界が必要以上にものを安く売る、そういった事態に対処して、この不況を克服するための経営の安定をはかるという趣旨で、その点が本団体法の中心の考え方になっておったと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/22
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023・田中武夫
○田中(武)委員 今も長官が言われたように、この団体組織法を制定いたしました当時は、いわゆる中小企業の不況打開ということが目的の第一であったと思います。ところが、今回の改正によって、設立要件から不況要件をとり、さらに不況カルテルだけでなく、合理化カルテルも認めていく、あるいはそれをなお強化していくということであるならば、中小企業団体組織法のできましたときから今日までの施行の経過にかんがみて、中小企業は常に不況である、こういう上に立っての改正でございますか、それとも中小企業団体組織法を全然違った性格のものにしてしまうのだ、こういう上に立った考え方なのか、いずれでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/23
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024・大堀弘
○大堀政府委員 今回の改正におきまして、先生御指摘のように、設立についての不況要件を撤廃いたしまして、組合としては同業、当該業種の全業界をできるだけ多数包摂をいたしました組合を作って、そして常時は、教育、指導事業といいますか、一般的な同業者団体として活動いたしますと同時に必要な場合には合理化のためのカルテルの結成もできる。もちろん認可が必要でございますが。そうして不況が至りました場合には、従来通り不況要件によって安定のための調整などもできる、こういう一種の同業者団体的な性格を導入いたしておるわけでございまして、その点におきましては、確かに従来の経営の安定だけを主たる目的とする組織に対して、かなり大きな変化になると私どもは考えておる次第でございますが、この点は従来、こういった同業組合的な組織がございませんために、実態的に業界でも非常に困惑しておられる事情でございまして、数年来の業界の要望にこたえて、そういった方向に本法律を改正して参りたいという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/24
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025・田中武夫
○田中(武)委員 今までは中小企業関係の組織法としては、中小企業等協同組合法あるいは本法等がありまして、それぞれの分野における活動目標に従って結成をせられてきたわけです。ところが、後にも触れますが、今回の改正で本法によって設立せられた商工組合が共同事業までもやる、こういうようなことになりますならば、中小企業等協同組合法による協同組合を吸収するという考え方に立っておられるのか。なお一歩前進せしめるならば、われわれが中小企業基本法の付属法規として今国会に提出いたしておりますように、中小企業組織法、こういうものに一本にまとめてしまう方がいいのじゃないか、このように考えるのです。この改正案がそのまま通るとするならば、協同組合をわざわざ作らなくても商工組合で協同組合のやることもできるようになる、そういう趣旨で、将来中小企業関係の組織法を一本化するという上に立ってこういう改正を考えられたのか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/25
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026・大堀弘
○大堀政府委員 私どもといたしましても、実は先生御指摘のように、中小企業団体法並びに協同組合法全体として、あるいはまたそれ以外の中小企業の組合を含めて、将来は中小企業の団体法を一本の方向にすべきか、その辺について検討を重ねておるわけでございますが、今回、取り急いで、当面の必要に応じますために、団体法だけの改正を持ち出し、御審議をいただくようにいたしたわけでございます。協同組合法にいたしましても、やはり今後全体として検討を加えていく必要があると考えております。それで、ただいまの共同事業の問題につきましては、確かに商工組合におきましても、十七条の第二項事業として共同事業を行なえることにいたしております。これは目的といたしましは、付随的な考え方でございまして、私どもは、協同組合の組織といいますのは、どちらかといいますと、やはり小数の方が同士的に集まって相互扶助の精神によって企業的な組合を作って、企業活動を共同でやるという趣旨の運用が本来の性格ではないか。同業界全体のための活動をいたします商工組合のほかに、やはりそういった少数の方が集まって、あるいは共同加工なり、共同生産なり、共同販売なり、そういった仕事をやるという分野もあるいは必要じゃないか、かように考えております。その辺は今後さらに検討を重ねていきたいと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/26
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027・田中武夫
○田中(武)委員 さしあたり緊急に必要な部門、こういうことでございますが、むしろ緊急に必要なのは従来の商工組合なんです。不況克服のために必要である。それを不況要件を削除することによって、これは恒常的なものになるわけです。そうすることがどういうわけで緊急に必要なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/27
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028・大堀弘
○大堀政府委員 私どもといたしましては、結局全体の同業者を広範に包括いたしました同業者団体という性格のものを作る方法が、現在のところないといいますか、商工組合は不況克服のための組合ということになっておりますので、結局協同組合が多少広範囲に解釈されまして、これを使ってその目的を達成しようというふうに今日まで参っておるというのが実情ではないかと考えております。やはり同業組合のような性格を、商工組合を広げまして、それで必要な場合に、不況な場合に不況カルテルもできるのだ、こういう態勢に持っていくことがよろしいのじゃないかと考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/28
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029・田中武夫
○田中(武)委員 どうも長官の答弁では、まず緊急に必要なものだけを改正するんだということの説明としては不十分だと思います。
そこで、大臣代理としての森政務次官にお伺いいたしますが、先ほど来言っておるように、この改正をやるならば、中小企業等協同組合法は影が薄くなる、そういった関係になります。従いまして、わが党が考えておりますように、将来中小企業の組織関係法は一本にするんだ、そういう上に立ってのまず改正というなら、一応筋道としてわかるのです。ところが、そうでなかった。今までは協同組合は協同組合としての役目を持ち、商工組合は商工組合としての役目を持っておったわけです。それを改正するという。商工組合が協同組合と同じようなことまでやれる、こうなってくるのです。政府としての中小企業組織に対する考え方を統一する、こういう上に立って、たくさんありますから一ぺんにはできないにしても、まず整理をし、これを基本法でも通ればそれに基づく一本の体系にするんだ、その場合には環境衛生その他の問題をも含めて考えていくんだというような、わが党のような考え方ならば一応これはわかるわけです。そういう点について、政府はどのような方針を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/29
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030・森清
○森(清)政府委員 確かに田中先生のおっしゃるように、抜本的に中小企業対策を考えた場合には、中小企業基本法というものを作って、そしてその中にそれぞれ十分盛り込まれるようにすべきでございますけれども、私ども政府といたしましては、その中小企業基本法についてまず実態を把握することが一番問題であろうと思いまして、鋭意その実態の把握のために努力をいたしておる最中でございまして、ただいま仰せの通りに、確かに協同組合あるいは商工組合、いずれかに偏重してくるのじゃないかという弊害はあるかもわかりません。わかりませんけれども、私どもは今日直接中小企業者からの強い要望にも基づきまして、この法律を作ることを決意した次第でございまして、それらの点につきましては、今後も十分行政指導上で万全を期していきたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/30
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031・田中武夫
○田中(武)委員 そういう答弁で了承はできませんが、考え方が出されたということで一応ここを通過したいと思います。
次にお伺いしたいことは、第十条なんですが、これは現在の法にもありますが、今度も改正の中に入りまして、商店街組合と商工組合との地区の重複を認めておるわけです。ここでいう商店街組合というのは一体何をいっておるのか、先ほど当委員会で可決を見ました商店街における事業者等の組織に関する法案では、商店街振興組合としたのですが、これはまだ法律としては成立いたしておりません。従って、ここでいう商店街組合というのは一体何をさしておるのか。
もう一点といたしましては、ただいま決議をいたしました商店街振興組合、これに対して自民党の強い意見として、商工会との重複はさせないんだ、こういう強い線が出ておるわけです。こちらにおいては商工組合と商店街組合とは重複を許すという考え方、そこに一貫した考え方としてはどのように受け取ったらよろしいのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/31
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032・大堀弘
○大堀政府委員 十条に商店街組合とございますのは、これはこの法律の中の仮の名称にいたしておりまして、正式にできます場合は、商店街商業組合といったような名前になる性格のものでございます。この団体法の規定によりまして、商店街商業組合という形で組合を結成することもできるいうこととが、従来からございます規定でありまして、今回できました振興組合は、特別法の形で内容も違っておるわけでございます。そういうことで、私の方としましては、団体法の規定によってもそういった組合を作ることができるという組織法として一応認めておるわけでございます。
なお、後段の問題につきましては、商店街の商業組合につきましても、省令で指定した地域ということにいたしておりまして、実際必要なのは、主として大都市等において必要であろうというふうに考えておりまして、いなかの市町村等は指定地域に入らないように運用いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/32
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033・田中武夫
○田中(武)委員 先ほど可決いたしました商店街振興組合が成立するならば、ここでいう商店街組合は、その法に基づくものと解釈するのですか。それともここでいう商店街組合というのは、俗にいわれておる、これを指さしておる。商店街という言葉は、先ほど可決した法律が成立すれば、この法律以外のものには使えないという名称の禁止があります。そうしてくると、ここでいう商店街組合とは一体どういう格好になるのか、こういうことになるのですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/33
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034・大堀弘
○大堀政府委員 ここにございますのは、「商工組合(以下「商店街組合」という。)」ということで、法律の中におきまして仮称といたしておりますが、これに基づいてかりに商店街組合ができました場合は、何々商店街組合、あるいは商工組合、そういう名称に相なるわけでございまして、その点新しい法律によります組合の名称とは重複しない、そのように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/34
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035・田中武夫
○田中(武)委員 これが問題なんだ。これはもちろん議員提案としてなされたわけです。だから中小企業庁長官との間には十分打ち合わせがなかったとは思うんだが、この法律で商店街組合という、すなわち商店街商業組合、そういうことを認めておるわけです。いいですか。ところが今可決をいたしました商店街振興組合——振興という言葉が入るか入らないかは別といたしまして、先ほど可決した法律によってこの法律以外のものには商店街ということを使わせないんだ、こういうことになっておるんですね。この間をどう調整して参りますか。だから商店街振興という言葉だけがこれにかかってくるのか、その上の商店街ということにかかるとすれば、このいわゆる団体組織法のいうものと先ほど可決したこの商店街振興組合との間に違った点が出て参るわけなんです。それをこの法律、すなわち商店街振興組合法が成立した暁には、こちらの条文をどう読んでいくのか、そういう点です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/35
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036・大堀弘
○大堀政府委員 新しい、たとえば御可決になりました法律によります名称は、商店街振興組合または商店街振興組合連合会という名称になっておりますが、団体法によりましてできますもの、あるいはできておりますものは、何々商店街商業組合、あるいは何々商店街商工組合、これは商工組合という名称だけが専用になっておるわけであります。この点は、私どもは実は立法の過程におきまして、商店街法をどう扱うかという最初の原案におきまして、私どもは実は団体法の中に商店街組合という名称の専用規定を入れておったわけでございますが、商店街の問題は別途扱うという考慮から、名称専用規定は削除いたしまして、商工組合としての名称専用だけが使えるわけでございます。そういう意味で、私どもは一応重複はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/36
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037・田中武夫
○田中(武)委員 これは立法の提案者がいないのでちょっと困るんですが、そうすると、商店街振興組合と商店街商業組合というのが二つとも法律で認められたものとして存在する。しかも双方における名称の専用は禁じられているというこの両法案の関連性をどう解決しますか。そうでなくて、このままならば、その商店街が希望によって商店街振興組合になろうとも、あるいは商店街商業組合にして本法の適用を受けようとも勝手だ、こういう解釈ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/37
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038・大堀弘
○大堀政府委員 団体法によります場合は、中小企業者の利用になるものでありまして、今回議員提案になっておりますものは、商業者以外のものも相当入れる対象になっておりまして、団体法の関係は、中小企業者の団体ということで、範囲がそれよりも狭いということで、調整事業の点その他も違ってくると思いますが、この団体法によります場合は、名称としては商工組合というようになるわけでございます。今度の振興法による場合は商店街振興組合、上に商店街という文字が両方とも入っておると思いますけれども、名称としては明らかに違っておりますので、混同することはないように、私どももちろんそういう意味で監督して参るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/38
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039・田中武夫
○田中(武)委員 今まで通りの団体法であるならば、不況要件等もありますから、区別がつくんです。ところが今度のものにおいては設立は常時できる、こういう態勢に変えるんでしょう。今あなたは中小企業だけが云々と言われておりますが、今度決議いたしました商店街振興組合法にも「商業」を「小売商業」を改めているんです。そうなりますと、同じ中小企業者になるんです。範囲で言うならば、むしろ商店街振興組合の方が狭いのではないか。いかがでしょうか。これは同じ政府と自民党が出してきたものであって、その間に調整がとれておるものだと思います。議員提案でなされたものに対して中小企業庁長官であるあなたを責めるわけではないが、こういう点は調整未了のまま出されたということは明らかなんです。従って、これはむしろ政務次官に御答弁願いたいと思うのですが、このまま置いておくということは、どうあってもおかしい。この法を改正するならともかく、片方は不況のときに作るんだから、一地区が商店街を結成しておる、それが不況の状態になったということで、この法でやるということは特別意味があると思う。ところが一方改正して不況要件を取ってしまう、こういうことになると、常時できるということになれば、同じような名前のものが二つ存在する。しかも両方とも法律で認められたものである、こういう格好になるわけです。しかも両方で名前を勝手につけていくと言い合っている。その点の調整をはかるべきである。この商店街振興組合法案が、成立するかどうかは一応わからないとして、成立すればこの法律との関係を再改正といいますか、どちらかに変えなければいけない。そういう点についてはどういうように政府として与党との間の調整をするのか、こういう点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/39
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040・森清
○森(清)政府委員 確かに田中さんのおっしゃること、もっともでございます。私どもの解釈といたしましては、今、大堀長官からお答えしましたように考えておったわけであります。しかし、まだ多少の疑義もございますし、非常に競合してわずらわしい点もございますし、立案者である党とも十分相談の上で最終的な決定をいたしたいと思っておりますが、われわれは今、大堀長官のお答えしたような考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/40
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041・田中武夫
○田中(武)委員 これは結局議員提案と内閣提出との間に若干の食い違いといいますか、事前の十分な連絡協議がなされなかった結果、盲点が出てきたということです。従いまして、これはここでと言っても一方の運命がわからないのだから言えないが、はっきりと振興組合法が成立した場合には、これはいずれかを直していく、少なくとも振興組合法がそのものずばりの、いわゆるこれに対しては特別法というような格好になるから、こちらの方でいくなら、こちらを削除していく、こういうことが望ましいと思うのですが、検討を進める用意ありゃいなや。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/41
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042・大堀弘
○大堀政府委員 今後検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/42
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043・田中武夫
○田中(武)委員 それではそういうことで次へ参ります。
大堀長官、ちょっと中小企業等協同組合法を見ていただきたいのですが、条文を読み上げますから、条文をぱっと頭に浮かべて下さい。三十五条、三十六条の二、八十二条の六、それから団体法の四十七条二項で協同組合法の三十五条ないし五十五条を準用しておる。それから団体法百一条で商工組合中央会のことが書いてある。この条文を照らし合わせて何かお気づきになりませんか。立法に大きな誤りがあるということをお気づきにならぬですか、今申し上げた条文をずっと見てみて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/43
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044・大堀弘
○大堀政府委員 はなはだ恐縮でございますが、不勉強でちょっと先生御指摘の点、どういう点か今すぐにちょっとわかりかねますので、お教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/44
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045・田中武夫
○田中(武)委員 三十五条には単協、すなわち単位協同組合の理事のことが書いてあるわけです。それから三十六条の二で理事会の規定があるわけなんです。それから中央会の方のやつを見ましたら、八十二条の六、ここに中央会の理事のことが書いてある。従って三十五条と八十二条の六とが同じ規定なんです。ところが中央会には三十六条の二、すなわち理事会に関する規定がないわけであります。団体組織法の条文を読み上げましたのは、団体組織法もこれと同じことをうたっておるわけなんです。そういう点をお伺いしておるわけであります。——どうやら私の指摘するところが条文ではわからぬようですから、私申し上げます。中小企業庁長官は、よろしいか、中小企業庁の関連法案くらい頭の中へ入れておきなさい、何条と言われたらぱっとあの条文だと。そういうことじゃ中小企業庁長官は勤まらぬよ。僕の方がよく知っている。(「かわってやれよ」と呼ぶ者あり)かわってやるけれども、ばからしいからやめます。ともかく今指摘したのは単協、単位協同組合の理事は理事会を構成し、執行機関となるということなんです、単位協同組合と連合会は。——ところが、中小企業の中央会は理事という役員はあるが、これは一体何をするのかということが抜けておる。理事会をできないということになっている。従いまして、単位協同組合及び連合会の理事は執行機関の構成員である。ところが中央会のやつはそういうことがならないわけですね。従って、理事が一体何をしておるのかといえば、何もすることがないわけだ。実際の運用を見ると、理事長の諮問にこたえるくらいの程度しかやっていない。すなわち中央会には執行機関としての規定が抜けておるわけですね。団体組織法もその欠点をそのまま取り入れているわけです。従って、単位組合及び連合会は執行機関たり得るが、中央会にはこれは連合会がならない、こういうことになるわけです。わかりますか。
〔委員長退席、白浜委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/45
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046・大堀弘
○大堀政府委員 先生の御指摘の点のお答えになりますかどうかわかりませんが、団体法の方には三十五条までの規定が準用されておりますが、確かに、中央会につきましては、御指摘のように、理事会についての規定が準用されていないということは事実でございますので、その点については多少一般に見る理事会というものからいうとおかしいという御意見、ごもっとかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/46
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047・田中武夫
○田中(武)委員 いや、そこで中央会の理事に執行機関たる任務を与えるのか与えないのかという点なんです。今の法律でなら単位協同組合並びに連合会の理事は執行機関として法律にうたってある同じ理事という名前でありながら、一方は執行機関たり得ないわけなんです。一体何をする理事かといえば、法律上何の裏づけもない。定款で定めるとかなんとかなっておるが、できないわけです。従って中央会の理事、それに執行機関としての理事会を認めなかった理由、それはどういう点にあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/47
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048・大堀弘
○大堀政府委員 理事の職務につきましては、協同組合法の八十二条の七に、「理事は、定款の定めるところにより、会長を補佐して中央会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。」これが一つの職務上の規定になっております。一般の理事会に関する規定がございませんことは、多少その点に疑義が生ずる点はごもっともかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/48
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049・田中武夫
○田中(武)委員 この条文は、先ほど私内容を言ったと思うのです。定款に定めるところとなっておる。会長を補佐するとか、会長が欠員のときに代理するとか、こういうことであって、執行機関たり得るというなにはないわけです。従って、単協及び連合会の理事は執行機関であるのに、中央会には執行機関を置かないといいますか、これは定款で定めるのかどうか知りませんが、法律上そういうことがないのはどういう理由なのか。これは法の欠陥なのか、それとも特にそういうことをする必要上からこういう法律を定められたのか、聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/49
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050・大堀弘
○大堀政府委員 中央会は、多少一般のものと違って、組合の事業の方は全体の指導をやるという立場でございまして、政府の補助も受けておりますが、そういった特殊な立場を考えて、こういう機構にいたしたのではないかと思いますが、実は、はなはだ申しわけございませんが、私立法当時の経緯もただいま不勉強で承知いたしておりませんので、今後よく検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/50
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051・田中武夫
○田中(武)委員 立法のときに何らかの特別の理由があってこうしたのか、あるいは立法者の手落ちでこうなったのか、それは私はわかりません。そこでこうなったという経緯が一体どこにあるのかということと、今後中央会の理事も執行機関構成員とするということにして、執行機関を認めるのがいいのか悪いのか。悪いとならば、どういう理由に基づくのか。今できなければ文書をもって六日までに答弁を願いたいと思います。それができなければ、解決しなければ、残念ながらこの法案の採決はできないものと考えていただきたい。——いいですか、委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/51
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052・白浜仁吉
○白浜委員長代理 大堀君、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/52
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053・大堀弘
○大堀政府委員 ただいまのところ至急検討いたしまして、御要望の時期までにできるだけ早く申し上げるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/53
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054・田中武夫
○田中(武)委員 じゃ、そういうことで……。その結論は、同時に準用しておるのですから、本法案に関連がある。従って、その結論によっては本法案の修正ということも考えられるわけです。団体組織法で協同組合の方をそのまま準用しておるのでしょう。だからそこの回答いかんによっては、この際この団体法の中央会といいますか、これの考え方を変えなくちゃならぬ。それにはまず協同組合法を直して、それを準用するという格好に持っていかねばならない。あるいは一応団体法だけはこの際直しておいて、協同組合法は次期国会で直すということにするか、そういうことになると思うのです。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/54
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055・大堀弘
○大堀政府委員 協同組合法の規定の関係が、先生御指摘の点じゃないかと思いますが、この点はさらに将来協同組合法を検討します際に、われわれは十分検討の対象にいたしたいと思います。
団体法の規定につきましては、ただいまの点は三十五条からの規定が準用されておりますから、関係がないのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/55
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056・田中武夫
○田中(武)委員 商工組合中央会はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/56
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057・大堀弘
○大堀政府委員 中央会は協同組合法の中に規定がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/57
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058・田中武夫
○田中(武)委員 連合会は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/58
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059・大堀弘
○大堀政府委員 連合会につきましては、三十五条を適用しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/59
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060・田中武夫
○田中(武)委員 団体法の単位組合と連合会は三十五条以下をそのまま適用している。
それでは、そういうふうに一つ協同組合法の答弁を至急に文書でいただきたい、このように思います。
ついでですが、協同組合法の九条の二の一号に「生産、加工、販売」云々と書いてありますね。三月の十一日ですか、公正取引委員会が東京石油販売協同組合の三円値上げの問題で独禁法違反だ、こういうことで調査していることは御存じですね。そこでこの九条の二の一号の販売ということはどういうことをいうのか。販売価格を含んでいるのか、いないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/60
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061・大堀弘
○大堀政府委員 この九条の二の一号の販売の解釈につきまして、いろいろ法律上厳格な解釈をしますと、疑義の点もありますが、協同組合法ができました二十六年以来、中小企業庁としましては、販売の中に、共同販売はもちろんでございますが、販売価格の協定もいいという取り扱いをして、十年くらいやって参っているわけであります。
なお関連して申し上げますと、結局は、協同組合が中小企業者だけの組合である、そういう趣旨で、七条の「従業員の数が三百人(商業又はサービス業を主たる事業とする事業者については三十人)」というものに限って、それらの者の組合だけは独禁法二十四条の適用について、それから除外されるものとみなすという規定をしているわけでありまして、協同組合本来からいうならば、少数の、どちらかと申しますと、全体の業界をカバーするというような形ではなく、相互扶助的なものが相寄ってやるという建前で、そういった解釈を認めてきたのではないか、私はかように考えているわけでございまして、実は十年くらいそういう解釈をして参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/61
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062・田中武夫
○田中(武)委員 ところがそれならおかしい点が出て参ります。今までのあらゆる法律で販売価格ということを特にうたっておるわけです。中小企業団体法の十七条でしたかに販売価格という言葉があるはずです。それで、あなたの言うように販売の中に価格の協定も含むのだということであるならば、なぜ特に販売価格云々というのか。それからあなたの方で協同組合の価格協定についてというものを模範定款集ですかで出しておられる、あるいは通牒を出しておられるが、これとの関連ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/62
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063・大堀弘
○大堀政府委員 私どもは販売に関する共同施設というふうに読んでいるわけでございますが、この場合に、販売でございますから、あるいは商店あたりが十軒ぐらいチェーン・ストアで共同購買共同販売でいこうというケースもあろうかと思いますが、そういうことを協同組合で認めておる。しかしながら、チェーン・ストアの場合、プール計算までしなくても計算は個々でやろうじゃないか、ただし品物はこういうものは同じものにしよう、値段も同じにしようという協定も、この販売に関する共同施設ということで、やはり共販がいいならそこまで解釈してよろしいのではないか、こういうふうな考え方を一応いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/63
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064・田中武夫
○田中(武)委員 ちょっとこの問題中心でやりますが、さっきあなた方が言った団体組織法の百一条、ここには「中小企業団体中央会については、協同組合法の定めるところによる。」とこうなっておるんですね。そうすると、中央会には、やはり協同組合の中央会の規定が入ってくるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/64
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065・大堀弘
○大堀政府委員 実はこの団体法があとでできて、しかも団体法が全体の組織法をカバーするという建前をとった関係で、ただいまの百一条の中央会の規定は協同組合法の中にありますのですが、これは、そちらに規定してあるということをここへうたった趣旨ではないかと思います。それから、たとえば中小企業協同組合という規定も第二章の四条にございますが、これもやはり協同組合のことは協同組合法に規定しておるということをうたっておる、そういう意味でこれが入っておるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/65
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066・田中武夫
○田中(武)委員 いや、先ほど私が、協同組合法による単位協同組合の連合会と中央会とは理事の権限が違う、そのことについて、これと関連してこちらの組織法も考えなければならぬと言ったら、それは関係がないという答弁があったのですが、この百一条の中央会ということは、やはり協同組合の中央会なのでしょう。そうすると、協同組合の中央会の規定がここへ入ってくるということになると関係がないことはない。やはり僕が言うのが正しかったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/66
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067・大堀弘
○大堀政府委員 御指摘の通り団体法は、協同組合法を包摂した形で書いてございますから、むろん関係があるわけでございまして、先ほど、ちょっと規定の関係で、商工組合の理事の規定に関連しては、ただいま指摘の点とは直接矛盾はないようになっているんじゃないかということを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/67
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068・田中武夫
○田中(武)委員 先ほどは違った答弁で、僕もその違った答弁を納得しないところがあるが、そこはあとで整理してもらわなければならぬと思うのです。答弁が違っておるのですからね。私も、あなたがそう言うから、中央会はありませんから、そうかと言ってすわったのですが、今調べてみて百一条にちゃんとあるのですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/68
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069・大堀弘
○大堀政府委員 実は今回の改正の中には関係ないというつもりでございましたのですが、中央会は協同組合法の中に本来の規定がございまして、商工組合も協同組合も中央会に入っているという形になっておりますから。言葉が足りなかったのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/69
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070・田中武夫
○田中(武)委員 ということは、結局単位協同組合と中央会の理事は違ったことにするのがいいのだという積極的意義があるならわかるのです。そうでなければ、中小企業協同組合法を改正し、そしてそれをこれに持ってこなければいかぬ、それができないとするならば、一応こっちを先に改正して、それからあらためて協同組合法を改正するというふうにするか、やはりこれは私の理論の方が筋が通っておるように思うのです。これはまあそれくらいにしてあとで検討してもらいましょう。
もとへ議論を戻しますが公正取引委員会の小沼事務局長が見えておられるのですが、公取委員会で三月十一日に、東京石油販売協同組合ですか、これをいわゆる独禁法違反、カルテル行為違反の疑いありとして調査に入られたわけです。今あなたが来る前に中小企業庁長官との問に論議しておりましたのは、協同組合法九条の二の一号でいう販売に販売価格を含むやいなや。中小企業庁の今までの取り扱いは、販売価格を含むという観点に立って指導してこられたわけです。現にそういったものが出ておるわけです。しかし、法律的に見るならば、販売という言葉と、この改正案の十七条には販売価格と出ておる。そうすると販売の中に価格が含まれるならば、販売価格というようなことを特に法律で書く必要はないと思う。あらゆる法律に販売価格となっているのは、俗に販売と販売価格は違うという観点に立っておると思うのです。中小企業庁長官あるいは中小企業庁が今日まで指導してきたところのこの模範定款ですかの中でうたっておること、あるいは中小企業庁の通牒と公正取引委員会との解釈が食い違っておることになるのですが、あなたの方は、どういう観点から東京石油販売協同組合の調査を開始さられたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/70
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071・小沼亨
○小沼政府委員 独禁法の建前からしますと、第二十四条に、小規模事業者の相互扶助を目的とするものについてはこの法律の規定を適用しないということで適用除外をいたしております。しこうしてその適用除外をされた協同組合につきましては、小規模事業者とみなされておるわけでございます。その小規模事業者が相互扶助の範囲で、適用除外された範囲で価格の打ち合わせをしておるということは、独禁法上違法でないということで、事実上協同組合のいろいろな価格の相談がなされているものだと思っております。ただし、それにはだたし書きがございまして、「但し、不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りでない。」ということで、適用除外に限度がございますので、過日調査を開始いたしました石油販売協同組合については、あるいはこの不当な対価の引き上げが行なわれているのではないかという容疑の点で調査をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/71
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072・田中武夫
○田中(武)委員 従って協同組合法九条の二、一号の販売に価格を含むというならば、二十四条前段に来ると思うのですよ。含まないということになれば、大体独禁法二十四条のただし書き以降はやはり価格協定の問題が多く予想せられておると思う。少なくとも協同組合でも、取引分野において不公正な取引をするということであれば、独禁法除外から免れないのですよ。従って、あなたの方は、ただし書きの点において東京石油販売協同組合の行為は独禁法二十四条の適用を受けない、いわゆるただし書きの方に入れるのだという観点で調査に入られたと思うのです。大堀長官の答弁では、これが含んでおるということならちょっと相互の間に食い違いが出てくるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/72
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073・大堀弘
○大堀政府委員 私どもの扱いとしましては、九条の二において販売の価格の協定もできるというふうに解釈しておりますが、これは二つの問題がございまして、一つは先ほどちょっと申し上げましたが、事業協同組合が従業員数三百人以下、サービス業については三十人以下の限度、これをこえました場合は七条の二項で、公正取引委員会は独禁法二十四条の排除の適用を受けるかどうかという認定ができることになっておりますが、要するに大きなものが入っておる。大きなものが入っておる場合は、この価格協定をしておっても、二十四条の当然の免除を受けられないで、独禁法の規定に返ってくるという点が一つあるわけであります。
それからもう一つは、私どもはそういう協同組合の性格から見て、価格協定も共販を認めているのだからいいだろうという取り扱いをしておりますが、かりに一定地域全体をカバーするような、同業者全部が入って価格協定をしておるというような場合は、協同組合法の乱用といいますが、行き過ぎになるのではないか。従ってこの場合は、やはり二十四条ただし書きの一定の取引分野における競争を実質的に制限するという規定にひっかかって、違法性が出てくるというふうに解釈して、その二つの面で取り締まりがされるのではないかというふうに考えられて、そういう意味の指導をして参っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/73
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074・板川正吾
○板川委員 関連でちょっとその点についてお聞きしたいのですが、四月十三日の油業新聞というのにこう書いてあるのです。公取の臨検が行なわれて、価格協定に関する資料などが押収された。しかし、東京石油販売協同組合、ここでは定例理事会で益田理事長が、価格是正運動は従来の方針通り進める、各組合員においては一そう推進してほしい、こういうふうに理事会で言明しておるということを報道しています。そうしてその理由は、価格協定は不当なものではない。中小企業等協同組合法に認められた範囲で中小企業者が販売価格の協定を行なっているので、法律上問題はないという解釈をとっておる。今回の価格協定是正運動は法的には合法なんであるから、何ら価格是正運動の方針を変える必要はない、こういうふうに言っておられるのです。そこで結局、従来協同組合が出発当初以来、中小企業庁が九条の二の一号で、ある地域の小規模の範囲の共同施設を通じて価格の協定が行ない得るようなものは、価格協定もいいだろうというような方針を、二十八年に出された模範定款例の中で十年間指導してきておったのです。その小規模の範囲ならいいというようなことがだんだん拡大をされてきておるように見えるのです。具体的に、この東京地方を一体とした東京石油販売協同組合が、この九条の二の一号の適用を受けるかどうか。中小企業庁長官としてその間の法的な見解。問題は法的な見解が違っているから、そういう行為をしておると思うのです。また模範定款例の中で中小企業庁が指導したときに、頭の中で考えておる価格協定の範囲というのは一体どういう程度のことを具体的に考えておったのか。そういう場合ならいいと思っておった、しかし、この東石協のような場合には、中小企業庁の長官としてはどういうふうな見解をお持ちなのか。またそれに対してどういうふうな指導をされてきたか。また今後いくつもりか。その点について一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/74
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075・大堀弘
○大堀政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、私どもの解釈は、やはり事業協同組合というものは、広範な地域をカバーしたいわゆる商工組合なり、現在改正しようとしております商工組合のような、同業界全般をカバーするような性格のものでなく、むしろあるグループの方が共同事業をやるための組織ということが主体になって考えられておったのが、制度の関係でこれがかなり広範に利用されておるというのが現状ではないかと思うわけであります。販売に関する共同施設の点では、私どもは事業としては一応価格もやれるという解釈については、ただいまの例について言いますと、たとえば少数の同業者がプール計算の共同販売をする、これはもちろん問題がないわけであります。あるいは計算は別個にしよう、しかし販売価格は協定しよう、物も同じようなものにしよう、共同購入で同じ価格で売ろうという、一種のチエーンストアのような場合、これはむしろゆるい統制になるわけですが、これは小範囲なら大した影響がないからいいだろうということで認めている趣旨だろうと思います。ただいまの石油の問題は、この間公取委員長とも話し合ったのでありますが、これはどうもわれわれの解釈では疑義がある。全体の地域、全業者を網羅したような形で価格協定をするということをこの協同組合の解釈でいくことは、一定の取引分野における競争を実質的に制限するという方の規定と、それから協同組合法の乱用と言っては多少差しさわりがありますが、少し解釈が拡大解釈し過ぎるというふうな意味で問題があるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/75
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076・板川正吾
○板川委員 石油の一せい値上げについては、東京都の方では大体了承して指導したんじゃないですか。それでなければこの東石協の人々がこういうふうに、法律的に認められてあるのだから心配ないのだと言って、公取が入ってからもなおかつ合法性を主張はしないと思うのです。疑義があるならば、それは向こうでもそういう主張はしないと思う。だからあの三月一日より三円一せい値上げ、しかも堂々と組合が申し合わせによって価格値上げをするのだと言ったことは、東京都なり中小企業庁の指導下にある部署で大体了承して、いいと言ったんじゃないですか。そうでなければ、私は常識的にはああいう値上げということについて公然とやらないだろうと思っておるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/76
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077・大堀弘
○大堀政府委員 現在のところ、私ども全部の協同組合の事業について直接監督をいたしておりませんので、あるいはその解釈が府県当局の扱い上多少差があり、拡大しておるような場合があろうかと思いますけれども、私どもは三十五年のときとこの三月に、二度にわたって、協同組合の価格協定については取り締まりを強化するという方針を、公正取引委員会と連名で通達を出しておりまして、私どもやはり今回お願いしております団体法改正ができます場合に、この機会に、協同組合でやっております価格協定につきましては厳格な態度で、行き過ぎのないように具体的な指導をするようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/77
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078・田中武夫
○田中(武)委員 今、東京石油販売協同組合のことが具体的問題になっておりますが、やはり中小企業等協同組合法九条の二の一号の販売に価格を含むかどうかということに対してあいまいな態度がある。そこに問題があると思うんです。しかも政府機関内において解釈が違う。さらに協同組合法第百十五条の一号に「この法律の規定に基いて組合又は中央会が行うことができる事業以外の事業を行った場合には罰則があるのです。従って、九条の二の一号の販売とは何ぞやということを明確にしないと、百十五条の適用の問題が現われてくる。さらに独禁法二十四条ただし書きとの関係が出てくる。従いまして、これは政務次官と言うより仕方がないと思いますが、政府部内において統一した見解を一つわれわれに文章ではっきり示してもらいたいと思うわけです。今じゃなくてけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/78
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079・森清
○森(清)政府委員 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/79
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080・田中武夫
○田中(武)委員 本法に戻りまして、十七条、ここに商工組合の事業が列記してあって、先ほどもちょっと触れたように、共同事業がやれる、こういうことの改正なんですが、そうすると、具体的に協同組合の共同事業とはどういう点が違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/80
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081・大堀弘
○大堀政府委員 協合組合の共同事業とそれから商工組合の場合の共同事業と書き方は同じでございます。ただ商工組合の場合は、現行法でも十七条の一項に特掲しておるものがございまして、そのほか、とこうなっておりますから、それだけ違っておりますが、私どもは実体的には、商工組合の場合の共同事業というものは、むしろせっかく商工組合ができておる場合に、その組合がたまたま協同組合の共同事業のようなものをやりたいという場合に、できないでは、また別な組合を作らなければならぬというのでは不便だというので、付随的に認めているものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/81
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082・田中武夫
○田中(武)委員 そこで最初のことに戻るのだが、結局中小企業関係の組織を一本にして整備する必要が出てくるわけです。これ以上言っても答弁できないと思いますので、この程度で次へ行きます。
次は二十九条、ここに組合交渉の応諾義務がありますね。これは組合交渉を申し入れた場合に応諾しなければならないというだけで、しりがふいてないのです。たとえば労組法であるならば、団体交渉の申し入れを受けたならば、理由なくしてこれを拒否したら不当労働行為となるわけです。ところがこの場合は応諾せねばならぬというだけで、それを断わったときに一体どうなるのかということです。しかもかりに交渉に入ったとして、交渉が成立しない。いわゆる紛争が生じたときに、どのようにして解決していこうと考えておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/82
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083・大堀弘
○大堀政府委員 この点につきましては、確かに最終的に縛る規定はないかと思いますが、少なくともやはり交渉に応じろ、交渉に応じました場合には、当然そういった問題の場合は政府あるいは行政官庁が中に入って事実上の調停というか、話し合いの中をとる、勧告という規定はございますけれども、行政上の運用でそこはやれという趣旨ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/83
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084・田中武夫
○田中(武)委員 憲法では、国民はすべて法の上で平等であると規定せられておるのです。俗に、農民、中小企業、労働者といわれる。労働組合の団体交渉に対しては、これを拒否すれば不当労働行為となりまして、この交渉が難航し、紛争が起こるならば、中央、地方の労働委員会が出かけていって、あっせん、調停あるいは仲裁までやれる。同じ国民の層でありながら、平等な法のもとの保護を受くべき中小企業の紛争が、法のもとに解決の規定がない。あなたが言うように、行政指導ということだけでは納得できません。この応諾義務に関連して、このしりをどうふくのか、応じなかったときにはどういうようにするのか、あるいは紛争解決のときにはやはり中小企業紛争解決のための機関を使用する現にわが党が国会に提出しております基本法並びに組織法ではこの点に明確にこたえておるのですが、あなた方としてはそういうような問題についてただ看板だけ応諾義務と書いても、これは何にもならない。どのように考えておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/84
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085・大堀弘
○大堀政府委員 ただいまの点につきましては、私どももかなり基本的な問題の一つに考えておりますが、この処理をどうするか。労働組合の場合でございますと、これは人権に関する直接の問題でございますから、現在相当制度が充実しておりますが、事業者団体あるいは事業者同士の話し合いの問題になりますので、これは今後私どもとしましては、基本法についての検討をいたします際に、方法論あるいは実際的な解決の方法についてどういう方法をとるか、法制的にどういう方法をとるかといった点については検討したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/85
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086・田中武夫
○田中(武)委員 そこまで検討しなければ、せっかく組合交渉権を認め、これに対する応諾義務を法で定めても、それから先がそれじゃ何にもならない。これが何にも裏づけがないということだ。これは本日直ちにとはいわないまでも、速急に検討し、解決してもらわねばならないと思います。この点大臣にかわって政務次官のお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/86
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087・森清
○森(清)政府委員 従来厳格な行政指導でやって参りましたけれども、確かに御指摘のような問題もございますのでわれわれとしても早急に検討はしてみたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/87
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088・田中武夫
○田中(武)委員 時間がないから次へ移ります。
途中は飛ばして、九十三条の二を見ていただきたい。ここで、業務の停止命令が出せることになっております、いわゆるアウトサイダー規制命令に違反した者に対して。そこで一年間の期間内で事業の全部または一部の停止を命ずることができる、ということはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/88
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089・大堀弘
○大堀政府委員 従来アウトサイダー規制命令を出しました場合、これは具体的なケースとしましては、主として生産数量統制をいたしまして数量割当をいたしております場合、その割当数量を超過して、そのために市場を混乱させ、多数の組合員に、同業者に迷惑をかけているというケースの場合、あるいは設備制限の規則があります場合に、これに違反して設備を作って稼働させる、こういった場合に、これを使用停止をするということが考えられるわけでございまして、割当数量を超過した場合、割当数量の削減と設備使用制限といいますか、この二つが、私どもとしましては罰則の内容と考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/89
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090・田中武夫
○田中(武)委員 この法律でいう業務の停止命令の効果があるのは、その事業が許可、認可あるいは承認及び繊維工業設備臨時措置法のごとく封緘手続をとる、こういうときには実効がある。しかし、それ以外に一体業務の停止命令というのは何があるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/90
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091・大堀弘
○大堀政府委員 私どもは大部分がそういうことではないかと考えておるわけでございます。現在のところでは、一般的な違反に対して罰則がかかることになっておるわけでございますけれども、なかなか現実の問題として、たとえば実効が期待できませんものですから、悪質な人が出まして、そしてしかも一度だけでなく繰り返しそういったことをやっておるというふうな場合に、その個別の人に対して、これは通産大臣なり主務大臣が省令を出して、規則を出して制限していくわけでございますから、それに違反した人で、しかも悪質な人に対して、むろんこれもまたできるだけ勧告等の措置をとって、なおいかぬ場合になろうと思いますが、この人に対する違反の事実と同時に、こういうふうにやるべしという内容の処分をいたしまして、それに従わないときは、これはなかなか法律の問題としてはむずかしい問題があろうと思いますけれども、重い罰金が加わる。この場合は具体的に人を指名しておりますから、政府の処置というものが具体的にされておりますから、取り締まりが容易ではないか。そうしますと、業界全体のための実効を上げ得るのではないか、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/91
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092・田中武夫
○田中(武)委員 長官が今御説明したような解釈にこの条文は読めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/92
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093・大堀弘
○大堀政府委員 法律の書き方といたしまして、こういうふうに書いてございますが、これは主務大臣がやることになりますが、その内容としましては、私がただいま申し上げましたような運用で参るべきものと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/93
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094・田中武夫
○田中(武)委員 なるほど五十六条ないし五十八条で一つのきめ方をしておるのです。そうしてあとが何もないのです。従って、たとえば小売商でも、先ほど来論議した商店街の問題と関連して、この法律の組合員たり得るわけなんです。それがそこの申し合わせに違反して大臣が命令を出した。これに対して業務の停止あるいは一部の停止、こういうようなことができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/94
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095・大堀弘
○大堀政府委員 業者同士の自主調整の段階では罰則が参らぬわけでございますけれども、小売商のような場合、実はアウトサイダー規制命令をどうやって出すかという問題について、われわれもいろいろ研究しておりますが、一般の場合にはなかなかそういったケースは少ないのじゃないか。特殊などういうケースがありますか予測はされませんが、アウトサイダー規制命令まで出して、主務大臣が取り締まりをしなければならぬというケースがそれほどあり得るだろうか、そういうふうに考えておりまして、主として現在やっております生産及び販売、輸出、そういった関係が中心の現在やっておりますような調整行為、数量割当とか設備制限、こういったところがやはり今後も中心になっていくのではないか、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/95
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096・田中武夫
○田中(武)委員 たとえば、いわゆるこの法律による商店街商業組合ができた。小売屋はこれに入っていないところがある。開店あるいは閉店の時間を申し合わせる、あるいは休日を申し合わせる。ところが入っていないのが言うことを聞かない。そこでアウトサイダー規制命令が出る。それでもなおうちは勝手にやるのだといった場合に、これに作用がくるんじゃないですか。きたところが、この小売屋さんが、いわゆる許可、認定事項でない限り何の役にも立たない。かりにもし全般的にこれがあるとするならば、憲法二十二条を一ぺん読んでみて下さい。どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/96
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097・大堀弘
○大堀政府委員 アウトサイダー規制命令を出すこと自体が主務大臣の権限でありまして、業界が幾ら要望しましても、適正でない場合は、主務大臣としてはアウトサイダー規制命令を出すべきでないというふうに私どもは考えております。従いまして、ただいま小売業あるいはサービス業等の場合において実態が非常に複雑でございますから、私どももまだそういったケースに当面いたしてございませんけれども、アウトサイダー規制命令を出すということは、よほど実態について的確な判断なり実情に合った解決ができるというこの見通しを持たない場合については、アウトサイダー規制命令も慎重に考えていくべきだと考えておるわけでございまして、そういう意味で私どもは罰則の規定について当面こういった面について発動するということをあまり予想していないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/97
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098・田中武夫
○田中(武)委員 おかしいですよ。発動することも予想しないやつを法律で特に入れるということもおかしいし、あなたの論法をもってするならば、通産大臣の出すまずアウトサイダー規制命令は憲法二十二条でいう公共の福祉に合致したものであるという前提が一つある。そうでなくちゃいかぬ。その保証というものはないわけなんです。さらにこの業種についてこう一般的なばくとした掲げ方になると、今のような疑問が起こる。従って、業種を政令か何かで指定する、こういうようにしなければ、このばく然たる規定では、私の言っていることが正しいと思うのです。どう思いますか。通産大臣は当然だというかもしれませんが、憲法二十二条の公共の福祉に合致したところの常に命令を出すものだいう保証がどこにありますか。それがないとすれば九十三条の二はまさに憲法二十二条違反である、こういうことになりますよ。そこをもっとしぼっていって、なお整理しないとだめだと思います。
そこで、さらにあなたは適用することがないと思うというような規定をなぜこんなところへ入れるのですか。
〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/98
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099・大堀弘
○大堀政府委員 ないと言いましたが、はなはだ言葉足らずでございましたが、むろん可能性と申しますか、そういう場合も出てくることも考えられるわけでございまして、販売のような場合、小売のような場合は、やってもあるいは一日か二日営業停止というようなことがあるかもしれません。これはたとえでございますが、そういう意味で非常に広範な対象でございますので、規定としましてはやはり一般的に書いてございますが、私どもその実施の責任の衝にあたる者といたしましては、十分慎重な心がまえでやっていかなければならぬ、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/99
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100・田中武夫
○田中(武)委員 慎重にやりますとか、そんなことはめったにないとか、こう言うておるけれども、その保証は一つもないのですよ。こういう書き方なら、先ほど来言っているように、許可、認可、承認あるいは封緘、このようなことを必要とする業種以外には何もならないということなんですね。もしそれをもやるのだということなら、憲法二十二条との関係が出てくるということです。従って、これは大臣のアウトサイダー規制命令は公共の福祉に適合してということまでも入れるかどうかは別として、まず大臣の出すアウトサイダー規制命令は、公共の福祉にのっとったものでなければならぬということが一つ示されなければいけない。さらにもう一つは、こういうばくとした業界全体、全部に網をかぶせるということは、これも憲法二十二条との関係が出てくる。従って、ここは政令で指定するとかあるいはなんとかということにしなければ、この条文自体が意味をなさないのです。同時にまたそれがそうだというならば、憲法二十二条との関係が出てくる。従って、これはこういう条文はそのまま認めることはできません。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/100
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101・大堀弘
○大堀政府委員 繰り返して申し上げるようで恐縮でございますが、私ども今日までいろいろ調整をやって参りまして、その結果から見て、現行の規定だけですと、どうも実効が期しがたい。その結果は結局まあ一部の非常に悪質な方があった場合に、それによって全体の業者が迷惑を受けている。これを取り締まろうというのが本来のねらいでございますので、ごく悪質なものについては、やはりこれは何らかの方法でこういった措置を講じなければならないと考えておるわけでございます。私どもとしましては、適用は主務大臣で、これは委任をしてございません。これは通産大臣なり主務大臣がみずからの命令でやるわけでございますから、一件々々きわめて慎重な措置を要する行政処分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/101
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102・松平忠久
○松平委員 関連して——森政務次官、ちょっと聞いて下さい。今お聞きのような質疑応答があったわけですね。つまりアウトサイダー規制命令で、命令違反に対して、その罰金を納めない、それに対して一部または全部の事業を停止するということを通産大臣が命令する、こういうことなんです。これは今質疑応答の中でわかるように、一般的にやろうとすれば、憲法の違反なんですね。またそんな憲法違反のことをいったって、だれも聞きませんよ。もしやったとすれば、憲法違反だから重大なことになる。そうすると業種や何かを規定しなければならぬということになるけれども、この法文ではばく然と一般的にできるようになっている。僕は首藤新八君に、こんなつまらぬ法案をなぜ推進するんだ、実際言いますと、今の中小企業庁長官は実に困っているのですよ。通産当局は困っている。なぜ困っているか。首藤君その他がこういうふうにやれやれと言って、自民党がハッパをかけたから、こういう法文になったわけですよ。そこで私は首藤君に、君、つまらぬことをやるなと言って、この修正案を出してくる前に数回交渉している。ところが首藤君はこういうことを言うのです。これはおどしだ、法律でばっとおどしをかけておけば、アウトサイダーの連中がみな自粛してやらぬことになるから、これはおどしで載せておきたい、こういう議論なんです。ところが、私は法律を作るのには、そういうものじゃないと思う。国の法律というものは、国民をおどして、適用しないようなものをちゃんと出してやるということは、これはほんとうに昔の代名か何かがやった封建時代のやり方ですよ。そこで、これはぜひあなたが中心になって、そして首藤君、その他のそういうことを考えておる人に、あなたはこれはいかぬということを言って、通産大臣なり政務次官というものはその中で調整をとらなくちゃならぬ立場にあるわけです。中小企業庁というものは実に困っている。そのいきさつを私は今暴露したんだから、私どもは修正を出しますが、そうしたら、そういうような推進論者にはあなたが中に立って説得しなければならぬと思うが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/102
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103・森清
○森(清)政府委員 私もこの問題につきましてはかねがね承知をしておりましたが、ごく特殊な例の場合に当てはまる問題でございまして、松平先生の御指摘のようなことも十分考えなければならぬと思います。そこで案を作るにあたりまして、法制局等とも連絡をとりまして、一応の了承を得ましたので、これを皆さん方の御審議にゆだねているわけでありますが、さらに私どもといたしましては、特に松平先生から名ざしで私への調停方の慫慂がございましたので、もう一ぺん最終的な相談をしてみるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/103
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104・松平忠久
○松平委員 あなたもおそらく立法ができたいきさつは知っていると思う。そこでごく特殊のケースであるというならば、特殊のケースらしく、法文の法体系を改めていく、こういうことにしなければならぬと思うのです。おどしでやるんだというような考え方でやられるのでは、これは中小企業者はまことに迷惑する。そういうことから、これはあなたの党内の問題なんだから、一つあなた方は責任を持って、われわれが修正しようということについて納得の上で取りまとめを願いたい。これは要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/104
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105・森清
○森(清)政府委員 十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/105
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106・田中武夫
○田中(武)委員 先ほど来私も申し上げ、あるいは松平委員からこの条文ができるまでの経過等について申し上げたわけなんですが、あなた方の答弁に関する限り、この九十三条の二はおかしいのです。これをこのまま条文で読むならば、今言った憲法の問題が出てくる、まさにその通りだと思います。これは役にも立たぬような問題です。もしやるなら、もっとしぼって、前提をしぼる、そしてここをもっとしぼって指定する業種にするか何かしないと、これは何にもなりません。ばくっと全部やるというなら、これは憲法違反です。まさにおかしな話ですよ。そういうことで、これは一応私の方から申し上げておく程度にしておきます。
さらに今社会労働委員会の方でも問題になっておりますが、サービス業、特に環境衛生同業組合の関係の面、これがやはりアウトサイダー違反の場合には三カ月間の業務停止、環衛法の適用を受けているところは、その後ふえたかもしれませんが、たしか七つ、これがほとんど許可、認可にかかるもの、あるいはまた届出制のものです。それでも三カ月です。これはそうでなく、一般的なばくとしたその全部に網をかぶせるものだのに、一年というのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/106
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107・大堀弘
○大堀政府委員 これは実は御質問の点に多少はずれるかもしれませんが、環境衛生法の衛生基準をきめるという建前から出ておりまして、われわれの中小企業団体法とだいぶ性格の違うものを今度同じような性格のものに直す案のように承っております。私どももそのことについてだいぶ検討しなければならぬ問題が多いように思うのでございますが、私ども一年としましたというのは、これは常時一年というつもりはないのでありまして、通常の場合は短期間の発動になるかもしれませんが、たとえば割当数量などについては、倍くらい割当を超過してやったというようなケースの場合に、それでは次の一期で、三カ月でその倍額全部削除するということになると、まるまる商売ができないことになるというケースも考えられますので、そういった場合は、四分の一ずつやるというのが妥当ではないかというケースも予想されますので、その辺のこともやはり従来一般に一年というのがこういった規定の例文といいますか、一般のルールになっておりますので、そういうことで一年ということで法制局も認めたものと考えているわけでございまして、決して全部に対して一年というような考え方はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/107
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108・田中武夫
○田中(武)委員 先ほど来の論議を、白浜委員長代理及び委員長もお聞きになったと思います。この条項に対する答弁はまことにあいまいである。やる気持はそうないが、入れておいたとか、一年というようなことは考えていないが、まあ一年にしておいたとか、これは法律改正の答弁になりません。従いまして、この点につきましては、さらに法律的に、ことに憲法との関係等を考慮の上で出直す必要があると思います。このことも委員長に申し上げて、これ以上あなたに聞いても、そういうつもりはないけれども、一応こうしておきましたとかいうようなことでは答弁になりませんので、従って、ここはおあずけにしたまま次に移ります。
次に九十六条、「事業協同組合への組織変更」という点があります。これは従来までの団体法であるならば意義があった、と申しますのは、不況条件のもとにできた商工組合が、その不況条件を克服した、苦境状態を脱した、従って、今度は協同組合としてやっていこうというところに意味がある。今度は、この法律自体の性格を百八十度転換させる、そうして、あなたが先ほどの答弁でも言われているように、協同組合がやることをもこの組合はできるわけなんです。そうするならば、九十六条の事業協同組合への組織変更ということは一体何を意味するのか。従来、組合の団体法ではそういう意味があった。ところがこれが改正になったときに、九十六条は一体どういうことにするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/108
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109・大堀弘
○大堀政府委員 実体的には、確かに協同組合から商工組合に組織変更が行なわれる場合が多いと思います。しかしながら、制度といたしましては、やはり商工組合でやって参る。しかし、まあ組合員が脱退をして、残ったものだけで協同組合でいこうという場合も予想されるわけでございますので、制度としてはやはりこういった制度を残しておく必要があるんじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/109
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110・田中武夫
○田中(武)委員 これも答弁になりません。今までの法体系のもとなら意義があった。しかし、今のように、いつでもできる、さらに協同組合のすることまでできるということになったときに、九十六条は一体何を意味するかといえば、あなたは今脱退者等が出た場合に残ったものだけで云々とこう言うのですが、その脱退者が出たために二分の一を割った場合ですね。いわゆる設立の要件を割った場合は改組でなく解散ですよ。それからあらためて協同組合法による条件を備えて出直すということになる、そのままの組織の変更ではなくなる。私はこの点の答弁がいただきかねるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/110
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111・大堀弘
○大堀政府委員 確かに不況カルテルの場合の商工組合の場合よりも、この組織がえの規定の必要性は少ないという事実は、私もさようなことではないかと思いますが、こういう二本立ての組合がございます場合に、こういう規定がありましても、従来通りやはりやれる道を開いておくことも、現状におきましては必要ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/111
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112・田中武夫
○田中(武)委員 現状においては必要ではないかということが、今度の改正によって必要でなくなるのですよ。ということは、先ほど来私は数カ所にわたって協同組合との関係あるいは独禁法との関係を質問して参りました。それに対してどんぴしゃりの答弁はいずれもなされておりません。ということは、改正すべき点だけをあげてきて、それに関連して整理すべき点を怠っておった、こういうことなんです。まさに今国会での一番まずい改正法案になっております。従いまして、時間の関係上きょうはこの程度にしておきますが、これは一々やっておると全部がおかしなものになってくるというような法律です。ことに商工組合を作るこの条件、不況要件をはずしてしまうことは、この法律を作ったときの目的と全然変わったものになってしまいます。それならば全条にわたって検討しなければいかぬわけです。それができていない。従って、あなたの私に対する答弁は、あとで議事録を読んでごらんなさい。全部答弁になっていない。従って、この点をもう一度考え直して出直してもらいたい、こう言いたいところです。そういう点につきましては、後日与党委員とも相談の上、善処したいと思います。この程度にします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/112
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113・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 次会は明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004461X03719620427/113
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