1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十六日(金曜日)
午後四時一分開議
出席委員
大蔵委員会
委員長 小川 平二君
理事 鴨田 宗一君 理事 黒金 泰美君
理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君
理事 山中 貞則君 理事 有馬 輝武君
理事 平岡忠次郎君 理事 堀 昌雄君
伊藤 五郎君 岡田 修一君
金子 一平君 田澤 吉郎君
高見 三郎君 舘林三喜男君
津雲 國利君 永田 亮一君
藤井 勝志君 古川 丈吉君
坊 秀男君 吉田 重延君
芳賀 貢君 広瀬 秀吉君
藤原豊次郎君 武藤 山治君
農林水産委員会
委員長 野原 正勝君
理事 小山 長規君 理事 丹羽 兵助君
理事 山中 貞則君
安倍晋太郎君 仮谷 忠男君
倉成 正君 坂田 英一君
綱島 正興君 中山 榮一君
藤田 義光君 米山 恒治君
淡谷 悠藏君 加藤 清二君
湯山 勇君
出席政府委員
大蔵政務次官 天野 公義君
大蔵事務官
(関税局長) 稲益 繁君
農林事務官
(農林経済局
長) 坂村 吉正君
農林事務官
(振興局長) 齋藤 誠君
農林事務官
(畜産局長) 森 茂雄君
食糧庁長官 大澤 融君
通商産業政務次
官 森 清君
委員外の出席者
農林事務官
(畜産局参事
官) 保坂 信男君
農林事務官
(食糧庁業務第
二部長) 中西 一郎君
通商産業事務官
(通商局次長) 山本 重信君
専 門 員 抜井 光三君
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本日の会議に付した案件
関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正す
る法律案(内閣提出第七九号)
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〔小川大蔵委員長、委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/0
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001・小川平二
○小川委員長 これより大蔵委員会農林水産委員会連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/1
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002・小川平二
○小川委員長 質疑の通告があります。これを許します。湯山勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/2
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003・湯山勇
○湯山委員 今回改正されます関税定率法並びに暫定措置法は、自由化を前提としてこういう改正がなされたということを承っておるわけですけれども、これはどなたから御答弁を願っていいのか、私わかりかねますが、そういうことであるかどうかまずお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/3
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004・天野公義
○天野政府委員 一応自由化を前提としてやっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/4
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005・湯山勇
○湯山委員 その自由化にあたって、従来政府は農産物の自由化については格別な配慮が必要であるということを言われておりますが、そういう点については、今回のこの法改正にあたっていろいろ考慮がなされたのかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/5
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006・天野公義
○天野政府委員 いろいろと配慮いたしておるわけでございまして、その詳細につきましては関税局長よりお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/6
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007・稲益繁
○稲益政府委員 今回の改正は、ただいま政務次官から申し上げましたように、自由化を前提といたしております。従いまして農林物資に限りませず、国内のいわゆる幼稚産業と申しますか、特に零細な中小企業、そういったものの生産いたしますものにつきましては、特段の配慮を払っていくという考えであります。一応全般としてはそういう考えでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/7
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008・湯山勇
○湯山委員 従来政府がこの問題についていろいろな言明をしておられます。それについては、貿易の自由化ということは農林水産物に対して非常に大きな影響がある。これはヨーロッパの例を見ましても、共同市場においてもあるいは自由貿易連合においても、それぞれ関係国の承認を得て農産物の保護政策をとっている。わが国も非常に困難はあっても、つまり自由化という方針を遂行していく上には困難はあるにしても、農産物については保護をするということは、農業基本法が国会に上程されましたときの本会議の答弁で、政府は明らかにしております。原則的に農産物というものは保護していく。つまり大方針は自由化であっても、農産物についてはその自由化の基本線に沿って、機械的にやらないという原則が打ち立てられておったと思いますけれども、それについてはどういう配慮がなされたか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/8
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009・坂村吉正
○坂村政府委員 御指摘の点は、原則的にはおっしゃる通りでございまして、そういう御趣旨で、そういう考え方のもとに自由化計画等については考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/9
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010・湯山勇
○湯山委員 やはり農業基本法の審査の答弁の中に、果実、畜産物は今後成長させていく重要部門であるから、それを育成させていくためには自由化は困難であるということが述べられております。その点は今度のこの改正において守られておるかどうか、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/10
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011・坂村吉正
○坂村政府委員 畜産物であるとか、果実であるとか、そういうようなものにつきましては、おっしゃる通り、今後も成長をさせていく農産物でございますので、これは十分慎重に考えなければいかぬと思いまするし、畜産物等につきましても大部分自由化は困難であろうと思います。しかしながら果実につきましては、日本におきましても、全体といたしまして果実の消費の状況、そういうふうなものを見ましても、まだまだ果実というものは、国民生活からいっても、もっと消費をふやし
てもいいという面もあるのでございまして、これらも物ごとにいろいろ検討
いたしまして、国内の状況あるいは海外の状況、そういうようなものを見比べて検討いたしまして、そして差しつかえのないものは自由化していきたい。しかしどうしても困るものについては、自由化を延ばすというような考え方でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/11
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012・湯山勇
○湯山委員 消費を拡大していくために外国から果実を入れるということは、消費面からだけ考えれば、おっしゃるような論点が成立すると思います。しかし果実の生産者にとって何の影響も与えないで自由化して差しつかえないものであるかどうか、それについてのお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/12
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013・坂村吉正
○坂村政府委員 おっしゃる通り、もちろん消費面からだけ考えておるわけではございませんで、果実の生産者の方に対しまして大きな影響を与えるかどうか、そういう点も総合的に考えまして、そして自由化計画を進めていく、こういうつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/13
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014・湯山勇
○湯山委員 委員会等を通じて明らかにされたところでは、農林水産物の自由化については、米、麦、澱粉は自由化困難であるということが言われておりましたが、それについてはどうなんでしょうか。これは食糧庁長官がお見えになっておられますから、一つ長官の方からお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/14
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015・坂村吉正
○坂村政府委員 米、麦、澱粉等につきましては、現状から見まして自由化することは困難であると考えます。
〔小川大蔵委員長退席、毛利大蔵
委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/15
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016・湯山勇
○湯山委員 これから順次お聞きしていくと、なぜ果実を自由化することが今局長のおっしゃったような意味にとれないのかという要素がはっきりいたしますから、一つずつお伺いいたします。
野菜及びその加工品、トマトについてはトマト加工品以外は早期に自由化する。これはそれではトマト加工品は自由化しない、こういう方針でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/16
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017・坂村吉正
○坂村政府委員 野菜等につきましては、外国から入ります場合、なま野菜はもちろん入って参りましても外国品が競争するというようなわけになかなか参りませんから、と同時に、国内でもいろいろ増産が進んで参りますものですから、これは当然自由化しても問題ないものでございます。それから加工品におきましても、いろいろ国内の消費の状況等を見まして、あるいは生産の状況等を見まして、自由化して差しつかえないものが大部分であろうと思います。ただやはり一番問題になりますのは、トマトジュースとかあるいはトマトケチャップとか、こういうようなものは、今の農村の実態から見ましても、これは自由化が非常にむずかしいという状況でございますので、この点はどちらかと申しますれば、自由化は困難な部類に入るのではあるまいかというような意味で検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/17
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018・湯山勇
○湯山委員 次に畜産局の方へお尋ねいたします。畜産は、酪農製品、食肉及び加工品等は、今後育成する重要部門であるから自由化は困難、こういうことを従来述べておられました。これは今回もその方針に変わりはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/18
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019・保坂信男
○保坂説明員 ただいまお尋ねのございました畜産物につきましては、御指摘の通り酪農製品を初めといたしまして、現在生産の事情から見ましても、これを育成する必要が特にある部門でございます。外国との格差も価格の面からいろいろ生じております現状からいたしまして、自由化は極力避けて参りたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/19
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020・湯山勇
○湯山委員 それから砂糖についてお尋ねいたします。これは食糧庁ですか、砂糖は自由化に所要の対策を初めとして慎重な配慮を払う必要がある。従って当分自由化はしない、これもこの方針に変わりはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/20
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021・坂村吉正
○坂村政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/21
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022・湯山勇
○湯山委員 次に大豆は自由化する、しかし雑豆はこれは自由化が困難だ、この方針はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/22
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023・坂村吉正
○坂村政府委員 雑豆につきましては、地帯別にも非常に特殊な事情がございますので、簡単に自由化するわけには参らないのではないかという感じがいたしますので、そういうような考え方のもとに、いろいろ事情を検討すると同時に、いろいろの措置を講じて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/23
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024・湯山勇
○湯山委員 次に紅茶、菜種等は、対策の成果が上がるまで自由化は困難である、こういうことでございましたが、これもこの方針に変わりはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/24
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025・坂村吉正
○坂村政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/25
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026・湯山勇
○湯山委員 私は、従来政府の方針として発表されておりました五つばかりの方針について、今お尋ねしたのですけれども、今までお伺いした五つのものについては、方針が変わっていないということを、ただいまの御答弁で確認をいたしました。ただ果実につきましては、これも方針としては、果実及びその加工品、バナナ、パイ・カン、果汁及び大部分の生鮮柑橘類は、今後育成する果樹農業の関連から自由化は困難である。これが今お答えいただいたのと並べられた果実に対する自由化の方針でございました。従ってただ思いつきでどうこうというのじゃなくて、先ほど畜産局の方からは、畜産面については今後育成部門である、そこで保護しなければならないから自由化はしないのだ、こういう御答弁がありましたが、それと今私が述べました果実についての自由化の方針とは、これは区別さるべき性質のものではないと思います。局長が言われたように、消費が伸びるという点からいえば、これは畜産物の消費も伸びるでありましょう。果実も伸びるでありましょう。今後成長する部門であり、させなくてはならない部門である。こういう観点から見ても、差別をつけられる余地はないはずでございます。そういう中で、なぜ一体果実だけについて自由化を促進されるのか、私はこの点では、政府の方針について大へん疑義を持たざるを得ません。
ただ、私がここで例外として申し上げる必要があると思いますことは、池田総理に藤田委員から質問をいたしましたときに、レモンについては、アメリカのレモンと日本のレモンとは非常に質が違っておる、むしろ日本のレモンを良質なものにしていくためには、レモンはこの際自由化をして入れた方がいいと思うという御答弁があったことは確かです。しかし他のものについては、将来そういう問題については考慮する。あるいは農林大臣は、そういう関係にある農産物の自由化については、かりに十月からの自由化ということが、一応方針としてきまっておっても、延期するということも考えられる、こういう答弁を私は受けております。それは今申しましたように、これらの、特に今取り上げた果実の自由化が、わが国の果樹農業に非常に大きな影響がある、こういうことを指摘しての質問に対する答弁でございました。従って考慮したという考慮は、一体影響がないということを確認した上なのか、あるいは影響はあるけれども、さっきのレモンのような理由で、無理に押し切ってやろうというのか、その辺が明らかにならなければ、今御答弁いただいた各項目に対する政府の態度が、まことにまちまちで、不公平で、首尾一貫しない、こういう印象を受けますので、その点を一つ明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/26
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027・坂村吉正
○坂村政府委員 ただいまお読み上げになりました自由化計画の中の、果実についての文章でございますが、これはその通りでございます。御承知の通りほかのもの、たとえば米麦とか、あるいは酪農品とか、畜産物とかいう場合には、非常にものがはっきりして参ります。しかし果実及びその加工品ということで、一応概括的に方針をきめました場合には、たとえばサクランボを一つとりましても、酒につけたものもございますし、あるいは塩づけもございますし、カン詰もございます。これは何百種類という種類があるのでございます。こういうものを、果実及びその加工品という表現でやっておりますから、そういうことになっておるのでございますけれども、おのおののものについて、関税の表なんかによりますると、これは非常に数多くの表になるのでございます。そういうものを個個に検討いたしまして、はずしても影響ないもの、あるいはこういう対策を講ずればはずしていいじゃないかというもの、あるいは先ほどレモンについて、総理の御答弁にございましたように、積極的に入れても、国内における今の影響と将来の影響とでは、将来の影響の方が大きなプラスではないか、そういうようなものを個々について検討して、これが自由化を進めていく、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/27
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028・湯山勇
○湯山委員 町長は私の質問を虚心たんかいに聞いていただいていないから、そういう御答弁が出ると思うのです。くだもの及びその加工品という中では、私は品目をあげて質問しております。もう一度申しますが、バナナ、それから。ハイ・カン、それから果汁及び大部分の生鮮柑橘類、政府の方で明らかにされたのはこれだけです。あとのサクランボのことなんかは一度も議論になったことはないし、私も言ったことはございません。問題は、今申しましたように、今後育成する果樹農業に影響のあるもの、これを申し上げておるわけです。今申しましたようなものについては、特に生鮮柑橘類というのが項目にありましたから、その中のレモンについてはこうだということを私は申し上げたまでであって、品目はちゃんときまっているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/28
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029・坂村吉正
○坂村政府委員 ただいま御指摘のものの中で、その後検討を進めて参りまして、あるいはものによっては、考え方が変わったというようなものもございます。先ほどお読み上げいただきましたのは、いつの閣議決定か、私今ちょっと存じませんけれども、バナナにつきましては、これは現状から見まして、国内で生産されるものでもございませんし、それからバナナが、現状消費の面からいいますと、非常に割高でございます。そういうような面もいろいろ考えまして、関税等の措置を講じまして自由化すべきじゃないかというふうに考えているわけでございます。
それから。ハイ・カンにつきましては、国内の果樹産業との影響というものは、もとはいろいろ議論をいたされましたけれども、最近の情勢では、それほどこれを問題にするほどのこともないじゃないかという状況でございますので、これについては自由化をする、こういう考え方でいろいろ検討をいたしておるのでございますが、何といいましてもこの問題は、沖縄の非常に大きな産業でございまして、沖縄の経済に非常に大きな影響を与えるという問題がございますので、そういう点も十分考えて検討いたしておるわけでございます。
それから果樹及び大部分の生鮮柑橘、こういう言葉がございますが、生鮮柑橘につきましては、先ほど申し上げましたように、なまのものでございますので、これは日本のくだものと競争しても競争ができるというようなものが大部分でございます。競争が困難だというようなものにつきましては、あるいは関税の措置をとるとか、あるいは季節関税というようなもので、どっと入って参りましたときには季節的に関税をかける、こういうような方向で、できるだけそういうことで措置を講じまして、自由化していったらどうかというふうに考えているわけでございます。
それから果汁の問題は、これは非常に国内的な問題でございます。果汁が、今後の果樹の生産の振興上も非常に大事な問題でございますが、現状の国内の果汁というものが、ほんとうに果汁として国民が飲んでいいものかどうかという問題は、農林省としても検討しなければならぬことでございますので、これはこの前果樹振興法の御審議のときにもそういう御指摘がございましたので、検討いたしておりますが、最近農林規格を定めまして、そしてこれを中心にして、国内の果汁の品質向上をはかっていきたい、こういうようなことで具体的に進めておるわけであります。そういうような状況でもございますので、今の段階では、果汁を早急に自由化することは適当でないのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/29
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030・湯山勇
○湯山委員 輸入果実の最も大きいものはバナナ、それから。ハイ・カン、こういうものだと思います。その一番大きいものを自由化しておいて、そしてその他のものをどうこうするというのでは、もう果実に対する保護政策はとらないというふうに断定しなければならないと思うのですが、その点はそうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/30
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031・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今パイ・カンとバナナの輸入について御質問がございました。パイ・カンにつきましては先ほど経済局長から答弁いたしましたが、なまのままそのままフリーにするというのではないのでございまして、十分現在の関税率あるいは臨時措置法によって調整金を入れた額まで含めまして関税率の改正をして参りたい、こういうことで検討いたしておるわけでございます。パイ・カン自身は、戦前は全体の割合からしますと二割くらい占めておったのでありますが、現在は一割程度の輸入量になっておるわけでございます。しかし本件につきましては、先ほどお話がありましたように、主として沖縄のカン詰をどうするかという問題でございまして、国内的には関税率によってある程度の調整ができるのではなかろうか、こうわれわれとしては思っておるわけでございます。しかしそういう問題がございますので、それらともあわせまして十分に慎重に検討して参りたいという考えでございます。
それからバナナにつきましては、確かに今後の消費の状況から見ますと、ある程度のものが入って参ると思いますけれども、これは戦前におきましては、御承知のように大衆的な果実でございまして、相当の量が入っておったわけでございます。現在におきましては非常な割高になっておるわけでございます。今後の国内に対する影響も考えまして、果実、バナナにつきましても、関税率の引き上げという措置をとることによりまして、一面におきましては、国内の消費需要についてもやはり考慮して考えなければなりませんし、他方、国内に対する他の果実に対する影響も考えるということで、関税率の引き上げについて検討いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、われわれの今の予測から見ますると、戦前のリンゴとよくバナナが比較され、また実質的には夏ミカンとリンゴに対する競争ということが考えられるわけでございますが、そういう点も十分考えまして検討しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/31
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032・湯山勇
○湯山委員 どうも御答弁では納得できないので、今の点、もう少しお尋ねいたしいと思います。畜産物の場合は今後伸ばしていく産業である、消費も拡大していかなくてはならないし、生産も拡大していかなければならないということで自由化しない、くだものの場合は輸入の主力であるバナナ、パイ・カンについても自由化の方針をとる、そういう区別をした違いというのは一体どこにあるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/32
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033・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 御指摘の通り果実につきましては、特別措置法も作りまして今後大いに伸ばしていかなければならないものでございますが、畜産物と若干違います点は、御承知のように先生の御郷里のミカンについて例をとりますと、これはすでに自由化されておるわけでございますけれども、国内の消費需要はどんどんふえるし、また輸出についても相当量として伸びておるわけでございます。つまり果実につきましては輸出するという性格のものが相当たくさんあるわけでございます。
〔毛利大蔵委員長代理退席、小川
大蔵委員長着席〕
そういうことで、一方においては輸出を拡大すると言っておいて、他方において輸出する以外のものについては自由化しないというのでは、なかなか振興もむずかしいのではないかという点も考えられます。反面われわれといたしましては、やはり今後大いに増産して、価格も下がって、そうして消費量が三倍くらいになるようにというような目安をもって指導しておるわけでございます。そういう諸般の影響等も考えまして検討いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/33
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034・湯山勇
○湯山委員 輸出向けのミカンは、今年は去年よりは少ないですね。これはおわかりでございましょう。輸出は伸びていない。それから従来言われておったのは、柑橘類については、アメリカが日本の柑橘類の輸入を認めれば、向こうもグレープ・フルーツその他の柑橘類の輸入を認める、こういう条件で進めたいということは、農林大臣も委員会で答弁しておられました。しかし今度のこの措置の中には、そういう要素は少しもないのじゃないでしょうか。ただいま局長の御答弁では、そういうものは生鮮食料品だから、そうたくさん入ってくるものではない、だからこれを自由化するのだという、これは大臣の答弁とも違っています。この点はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/34
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035・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 大臣のお話しになりましたのは、特にレモンについてのお話だったと思いますけれども、全体といたしまして、やはり果実については輸出を相当今後期待しなければならない状況にあるわけでございます。そういう意味でわれわれといたしましては、競争力のあるものはやはり自由化していってもかまわないのではないか、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/35
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036・坂村吉正
○坂村政府委員 先ほどの御指摘でございますが、ただそう外国から入ってこないから自由化するのだということだけを申し上げたのではございませんので、そういう面もあるということでいろいろなことを申し上げておるのでございますから、誤解のないように一つよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/36
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037・湯山勇
○湯山委員 そこで生鮮柑橘類の自由化ということになるその交換条件として、従来病虫害の関係でアメリカは輸入を禁止しておりましたが、それは自由化までには解ける見通しでこういう御決定をなさるのですか、その見通しはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/37
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038・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 これにつきましては、さきの委員会でも大臣がお話しになりましたような経緯でございまして、われわれといたしましては、レモンの自由化につきましては、日本の柑橘のいわゆる潰瘍病の駆除等につきましては、あの程度の態勢ができておるのじゃないか、そういう意味で向こうの検疫上輸入差しつかえないというふうなことができますならば、それに応じて自由化するという考え方をとっておるわけでございます。本件につきましては、まだ向こうとも在米日本大使館を通じましていろいろ交渉しておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/38
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039・湯山勇
○湯山委員 では柑橘については、先方が今のような病虫害の心配もないということで日本からの輸入を認めない限りは、こちらも自由化されない、こう解釈してよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/39
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040・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 ただいまのところはそういう考え方で対処いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/40
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041・湯山勇
○湯山委員 ただいまのところというのは大へん心配なのです。もう十月という期限がきまっているわけです。ですから、ただいまのところというのでなくて、その点については、もう今この段階で方針がきまっていなければならないと思います。その点についての方針はきまっておられるのか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/41
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042・坂村吉正
○坂村政府委員 そういう方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/42
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043・湯山勇
○湯山委員 それではその問題は今の御答弁で明確になりましたから、バナナの問題に戻ります。バナナについては、国内の果実生産者を保護する意思はないのかというお尋ねをしましたところが、関税の引き上げその他によってこれをある程度規制していけるというような御答弁で、野放しにしておるのではないということでございました。しかし関税が今度五〇%になるわけですが、こういう五〇%に関税率が引き上げられる。現行二〇%が五〇%になる。それによってバナナの価格は、どこの価格をとりましょうか、卸売価格でもいいし、市場価格でもようございますが、上がるのですか、下がるのですか。浜相場はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/43
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044・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 現在現実に入ってきておりますのは主として台湾でございます。台湾から入ってきますと、調整金がかかり関税がかかるわけでございます。今後特別措置法が廃止されるに応じまして、調整金が関税に肩がわりすることになるわけであります。今の調整金の関係は、あるいは通産省の方からお答え願った方がよいかと思いますが、ずっと年々量によって変動してきているわけであります。そして関税率が五〇ということになりますれば、現在の調整金を含めた額よりは率としては下がるわけでございます。従ってその限度におきましては価格は下がるということにもなろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/44
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045・湯山勇
○湯山委員 どれくらい下がることになるか、局長はおわかりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/45
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046・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 どうもこれは現実に入ってきませんと、私がにわかにどうだということを申し上げるのも誤解を与えることになりましょうから、今のところ幾らだ、こういうことを申し上げる用意をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/46
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047・湯山勇
○湯山委員 それは困るのです。現在の浜相場がどう、つまり輸入価格が幾らで、それに対して差益金が幾ら、それから関税が幾ら、こういう計算をすれば出てくるはずです。そういうことがわからないで、影響があるとかないとかということを判断されてははなはだ迷惑で、農家はたまらないと思います。
それから、ついでだからもう一つ申し上げますが、調整金が関税に肩がわりするということを局長、今御答弁になりました。これは私は間違いじゃないかと思いますが、通産省の方、どうですか。関税は今もあるわけですね。調整金は別にあるわけですから、調整金、つまり差益金というのですか、それが関税に肩がわりするというのじゃなくて、現在の関税がふくれるわけで、肩がわりじゃないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/47
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048・稲益繁
○稲益政府委員 今度の新しい関税率を設定いたしました関係でお答え申し上げます。
関税一般といたしましては、自由化を前提といたしまして、自由化の際に国内産業と輸入品との競争力と申しますか、価格の比率がどういうものであろうか。それを中心といたしましていろいろ国内のその後の合理化計画なり、そういったものを織り込みまして、新しい関税率を設定するわけなんです。バナナの場合でも同様でありまして、五〇%、一応自由化された際、国内のいわゆる青果産業でありますか、くだもの、これを保護するのにどの程度の関税が適正であるか、きめるのですが、バナナの場合には具体的に同種のバナナがございませんで、非常に算定が困難になるわけです。リンゴであるとかあるいはミカンであるとか、性質の違ったくだものとはたして価格の比率から幾らかということは、実際のところは算術的に計算するということが困難なわけであります。昨年来やって参りました中でバナナが唯一の品物だと思うのでありますが、そういった関係で非常に困難である。
いま一つ、今農林省からお話がありました差益がしからば関税の中でどうかという話は、私どもとしては差益をそのまま横すべりさせるということではないので、自由化をいたしました際には差益そのものがほとんどなくなる、あるいはどの程度になるか、これまた算定が困難だ。従いまして、現在ではむしろ差益の八〇と関税の二〇で保護をされておる、こうお考えになります場合には、それが一応五〇に下がるのだということは言えようかと思います。その際には現行の二〇%のほかに差益の部分もある程度は吸収されるのだ、こういうふうに申してもよかろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/48
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049・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 私の今申し上げたのは言葉足らずで、今大蔵省からお答えになったような意味で申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/49
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050・湯山勇
○湯山委員 この点は農林省の方で御認識が非常に足りないと思いますから、大蔵省にもう一つお尋ねいたします。今差益の八〇と関税の二〇というようなお話でしたが、今度は差益が上がるのではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/50
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051・山本重信
○山本説明員 バナナの差益の算定につきましては、外貨割当をいたしますつど一定の前提を置きまして、いわゆる浜相場と申しますか、輸入業者が国内の加工業者に売り渡す価格を想定いたしまして、それを基礎にして差益金の推定計算をいたしてきめているわけでございます。従いまして需要期にちょうど割当をするか、あるいは若干需要期をはずれた時期に入るかによりまして、差益の金額は変わっております。従いましてある時期には八〇%であり、ある場合には一二〇%と、いろいろ変化をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/51
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052・湯山勇
○湯山委員 今回割当になる分は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/52
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053・山本重信
○山本説明員 実はただいままだ計算中でありまして、事務的に一応の結論は出しておりますが、まだ正式に発表する段階まで参っておりません。大体の見当は一一〇%あるいはそれをちょっとこえる率になるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/53
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054・湯山勇
○湯山委員 今のは一一〇%を若干上回るかもしれないという御答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/54
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055・山本重信
○山本説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/55
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056・湯山勇
○湯山委員 そうすると、今度はそれと関税を合わせれば大体二二〇%ということになりますね、それに対する五〇%の関税ですから。これは価格の上から言えば大きな違いになってくることになると思います。振興局長、バナナがそれくらい値段が下がって、それで一向影響がないというような結論が出てくるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/56
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057・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 今差益の率の御質問がございましたけれども、これは輸入量いかんによって一一〇にもなれば、あるいは八〇にもなるということでございまして、昨年度におきます比率を見ますと、相当下がっておるわけでございます。そのときの輸入量いかんによって、ある程度上がったり下がったりするということもあろうと思いますが、私の承知している限りにおいては、最近の差益面における傾向から見ますと、輸入量の増大に伴いまして差益率は年々低下してきたというように承知しておるわけでございます。そこでそういう趨勢のもとにおいて、需要量はあるわけでございますから、だんだんバナナの輸入量も漸増していくだろう、こう考えまして、影響を考えました場合におきましては、五〇%程度ということでありましても、何に一番競合するかということを考えてみる必要があろうと思います。そういう意味で、夏ミカンであるとかあるいはリンゴであるとか、そういうようなことを考慮いたしましてすれば、価格が下がることによりまして全然影響がないかといえば、これは何とも申し上げられません。しかし柑橘類に関しましては、われわれさほどの影響があるというふうには考えておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/57
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058・湯山勇
○湯山委員 今の局長の御答弁で若干事実と違うと思いますのは、輸入壁がふえれば差益金が少なくなる、こういう御答弁がございましたけれども、これはそうではなくて、この差益金というものは、輸入実績に応じてのものではなくて、事前に徴収するのでございましょう。従って実際に割り当てられただけ入らなくても、差益金だけは納めなくちゃならない。今度割当になる場合であれば、かりに輸入実績に対するものではなくて、だれもかれもみんなしようとしまいと、割当を受けたときに一一〇%納める、こういうことで実績が多くなって差益金は少なくなるということは、私は今まで聞いたことがないのですけれども、これはほんとうに何かお間違いじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/58
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059・山本重信
○山本説明員 差益の率につきまして私先ほど、ただいま手続中のものが一一〇%、あるいはそれをちょっとこえるのではないかというふうに申し上げましたが、実はバナナの割当は年に何回かやって参っておりまして、ちょうどこの時期に割り当てるものが最需要期に当たりますので、毎年非常に高いのであります。ただいまちょっと手元に詳細な資料がございませんけれども、おそらく昨年の今ごろは一二〇%、あるいはそれをこえておったかと思います。従いまして秋口に割当をする場合には、差益率がずっと下がって参るのでありまして、昨年の秋割り当てた分は多分八〇%ではなかったかと思います。従いましてその割当の数量を今後ふやして参りますれば、これは相当に下がり得るものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/59
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060・湯山勇
○湯山委員 今の点についてお尋ねしたいのは、割当の数量はこれからふやしていくということですけれども、もし自由化するとすれば、今後何回くらい割り当てになられるか御予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/60
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061・山本重信
○山本説明員 今数量をこの際どの程度出すかにつきましては、関係方面と相談中でございまして、まだきめておりません。従いましてもしこの際数量が相当たくさん出せれば、回数は少なくて済みますが、相談の上できめたいと思っております。ただいまのところまだきめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/61
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062・湯山勇
○湯山委員 回数が多くなる少なくなるということをおっしゃいましたが、ということは、とにかく何回かある。一回ではなくて二回か、三回か、とにかく一回ではないということの内容ですが、そういう範囲内での御答弁なんですが、聞いてみますと、今回は一回限りだということも聞かぬでもないのです。一回限りなら、今の御答弁はまことにいいかげんな御答弁ということになりまして、この点はもう十月という自由化のめどが立っているだけに、そういう一般的な御答弁では了解できないし、納得できないと思いますから、一つその点はもう少し明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/62
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063・山本重信
○山本説明員 十月までの期間を考えますと、毎回割当をする数量が相当多ければ、これは一回であるいは済むかもしれませんけれども、それほど多く出さない場合には、あるいはもう一回出さなければいけないのじゃないか、こういうような考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/63
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064・湯山勇
○湯山委員 今の御答弁では、一回限りの場合もあり得るということですが、先ほどの御答弁では、今後何回かのうちに今の差益金の率については調整する。ですからその御答弁は、今後の割当の場合に、差益金について調整するということは不可能な場合もあるという内容の御答弁なので、従ってその調整はできない場合もあるわけですから、以上お聞きしたことを前提にして、今からいよいよほんとうにお聞きしたい点に入りたいと思います。
現在は今のような形で外貨の割当方式をとっておるし、特定物資法で今の差益金制度をとっている。そういうことですから、バナナの輸入量というものは非常に少ないと思います。これは振興局長も御存じだと思いますけれども、戦前にはトン数にして十二万トン程度のバナナが入っておったのじゃないでしょうか。それに対してただいまのところは大体三方ないし四万トン、こんな数で戦前の状態に比べて三分の一程度しか入っていない。ところが今経済局長もおっしゃったように、果実の消費はずいぶん伸びる可能性があるという御答弁でありましたが、伸びることを前提として自由化しても大丈夫だ、バナナは入っても十分消費がある、こういうお見込みに立てば、一体どれくらいのバナナが輸入されるお見通しなのか、もしも戦前ああいう状態の中で入った率をそのまま適用して参りますと、現在の何倍もの、ひょっとすると何十万トンというようなバナナが入ってくる可能性があるのではないかということを思うわけですが、その点についての見通しはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/64
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065・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 御承知のように、これは国内における需要と関税率をかけました場合における価格によって、どれだけ消費量が伸びるかということの予測になるわけでございます。御指摘のように、戦前から比べれば、量としては今は非常に少ないわけでございまして、現在までの状況でありますと、まだ戦前には達していないわけでございます。われわれの予測といたしまして、これは一応の考え方でございますけれども、よくリンゴとバナナが比較されますので、これに関税率五〇%になりました場合において、リンゴとバナナの値段を想定いたしますと、なお戦前に比べまして、はるかにバナナの値段が総体的に高いという計算も出るわけでございます。そういう状況から見まして、三百万かご以上にはなるだろうとは思っておりますけれども、どのくらいになるかということを正確に申し上げる数字を実は用意いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/65
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066・湯山勇
○湯山委員 その見通しが的確に立たなければ、これは自由化しても影響がある、ないという判断はできないと思います。今おっしゃったように、現在差益金と関税と合わせて、今度は二二〇%あるいは一四〇%近くになる。それに対して自由化後は、五〇%の関税で押えていこう、そういうことになったときに、バナナがどれくらい輸入されるか、これは輸入されるわけですから、計算はしやすいと思います。その見通しはかなり的確でなければ、農林省としてはあとの対策が立たないと思うのです。その点はもう一つ、現在の何倍くらいになって、何トンくらい入るか、今三百万かご程度じゃないかということでしたが、はたしてそんな程度なのかどうか。それからもう一つ考えなければならない問題は、価格の問題です。これは市場の関係者十人ばかりに聞いてみますと、バナナが今の政府の案のような形で自由化されたときには、どうしてもリンゴあるいはミカン、そういう国内産の果実は二〇%ないし三〇%は下がるだろう、これは必至だ。ただしかしそれだけが農家の手取りに影響するならばいいのですけれども、中間経費は下がらないわけです。手数料、運賃等はむしろ御存じのように上がっている。そういう中では実際は市場価格が三〇%程度ミカン、リンゴについて安くなれば、今度は農家の手取りはおそらく五〇%程度になるのじゃないかということを、市場の専門家が言っております。そういうことについては一体農林省ではどういう検討をされて、どういう見通しを持っておられるか。この点は非常に重要な問題ですから、明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/66
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067・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 お言葉の中にありました将来の見通しがどのくらいになるだろうかという点で、私が申し上げました点は、三百万かご以上になるだろうというふうに申し上げたので、三百百だけだというふうに申し上げたわけではないのであります。
それからこの量の問題は、先ほど申し上げましたように、関税をかけた場合における国内価格と、それから他の国内における競合する果実との価格比で判断する以外にはないと思うわけでございます。ちょっと例を申し上げて恐縮でございますが、戦前におきまするバナナのキロ当たり価格が十三年で五十二円でございますが、それに対してリンゴはキロ当たり八十八円、十四年ではバナナがキロ当たり七十一円がリンゴは百一円になっております。現在においてはバナナのキロ当たり価格が百七十二円に対してリンゴのキロ当たり価格が四十一円、こういう状況になっておるわけでございます。そこで関税率が下がりました場合に、現在の価格より下がりますけれども、まだリンゴの価格というものと相対価格を出していろいろ推定いたしますと、むやみやたらにどんどん入ってくるということにはなかなかならないのではないか。やはり価格である程度のバランスをとったところで落ちつくのじゃないか、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/67
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068・湯山勇
○湯山委員 これは私の質問にお答えいただいていないので、かりに今三十五年ですか、バナナが百七十二円、リンゴが四十一円、こういうことでございますけれども、バナナがかりに百円割ると——そういう可能性はあります。ことに自由化されれば、今のような形ではなく、大企業が大量に入れて、そしてビニールの袋に入れてどんどん出していけば、これは値段はうんと下がると思うのです。バナナの場合は。一々手でもいできてどうこうじゃないですから、輸入してごそっといくのですから、合理化は非常にやりやすい条件が今度は整って参ります。そうしたときに、かりにバナナが八十円なら八十円に下がったときに、はたしてリンゴが今の四十一円に維持できるかどうか。できるならば局長のおっしゃる通りです。しかしそういうものではないでしょう。これは四十一円が維持されるのではなくて、市場の人たちは、おそらく二割ないし三割、十円ないし十二、三円、三十円以下になるのじゃないか。こういうことを専門家が言っておるのですから、こういうことを考慮しないで、リンゴが今のままでバナナだけが下がる、こういうことでは全くしろうとの議論で話にならぬと思うのです。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/68
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069・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 もちろん国内価格が一定で他のものだけが動くというふうな比較ということは、これは実際問題としてはあり得ないだろうと思うのでございますけれども、しかし一面リンゴにつきましてもミカンにつきましても、まだまだ国内の需要というものが相当あるのじゃないかというようにわれわれ推定いたしておるわけでございます。そういう意味でリンゴ、ミカンについては、今後とも計画的な増産をする必要がある、需要と関連いたしましてそういうような見通しを立てているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/69
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070・湯山勇
○湯山委員 時間もありませんからですけれども、一体国内の産業を伸ばしていくためにはどういう方法をとるのが、国内の果樹を伸ばしていく道なのか。これを押えていくのが伸ばしていく道なのか。これには農林省が今のようなお考えだと大へんだと思うのです。伸ばしていくものを、伸びる力があるのだから少々風に当ててもいいだろう。これではせっかく基本法で選択的拡大を言っておきながら、また主産地形成をやろうといっておきながら、やりかけると冷たい風に当てる。豚と同じような目にあわす。それでは農家は一体何をもって立っていけるか。もうすでにこういう計画を発表されたとたんに、何か首筋に冷たいものを感じておる。豚でやられ、今度は果樹がこれでいかれる。そうして市況というものは、これも大臣が国営の市場を作ると言われますけれども、それにしたって、こういうかりにバナナがくだもの消費量の一割入ったとします。その一割が大きな価格の変動を来たすことは、畜産物価格安定法のときに何%かの肉を押えれば価格安定ができるというのが、あなた方の御意見だったはずです。今のお話でも、今度一割以上のバナナが入ってくる。これが一体入ってくる来ないが、わが国の果樹価格に影響しない、あるいは大した影響ないだろう、需要があるから伸びるだろう、今までの勢いで伸び続けるだろう、こういう判断はどこから出てくるのでしょう。前後ふぞろいだし、それでは保護政策、選択的拡大、基本法政策が全くでたらめだ、思いつきだということにならざるを得ないと思います。これは一つ私は御答弁の中で今おっしゃったいろいろなお答え、通産省の方からお答えいただいた今後のバナナの割当の問題や、あるいは差益金の問題、そういうことを含めて、あるいは農林省の方からお答えいただいたあの各条目に照らして、絶対にこれは農民は安心できない。そういうお考えでの自由化ならば、農民は絶対にこれは協力できないということを強く警告を発しまして、質問を終わることにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/70
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071・小川平二
○小川委員長 淡谷悠藏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/71
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072・淡谷悠藏
○淡谷委員 畜産局関係の方見えておると思いますが、何か最近うわさに聞きますと、ニュージーランドの羊の肉を輸入するということでありますが、これはほんとうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/72
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073・保坂信男
○保坂説明員 今先生のお話のございました羊肉につきましては、すでに自由化になっておりまして、従いまして若干業界におきまして輸入されておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/73
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074・淡谷悠藏
○淡谷委員 自由化になっておることは知っておりますが、今豚が非常に安くなりまして、農民は豚をつかまされてみなびっくりしている。その場合また羊をつかまされたのでは、ますます豚は安くなってくる。現実的にはどのくらいの羊肉を今入れるというのですか、特にニュージーランドのように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/74
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075・森茂雄
○森(茂)政府委員 ニュージーランドからは三十六年に一万六千トンの羊肉が入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/75
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076・淡谷悠藏
○淡谷委員 本年度はどれくらい輸入します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/76
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077・森茂雄
○森(茂)政府委員 羊肉は自動承認制でございますので、国内の市価に即応して入ってくるわけでございますが、現在国内の市価が比較的下位にあるものですから、今後のわれわれの見通しでは三十六年ほど輸入はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/77
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078・淡谷悠藏
○淡谷委員 もう少し自信のあるはっきりした御答弁を願いたいのですが、語尾がぼやぼやとぼやけたのでは安心ができませんから。現在の農村の畜産の方で非常に大きな問題は、乳価の問題と豚の肉の価格です。従ってこの羊肉の入れ方いかんによっては、非常にこれは影響を受ける。自由化だからと言いますけれども、だからわれわれ自由化を心配するのです。これから入ってくる三十七年度の羊肉が、この豚肉の価格に大きく影響するような心配がありませんかどうか、見通しをはっきり聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/78
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079・森茂雄
○森(茂)政府委員 現在羊肉は加工のハム工場等の原料になっておりますが、現在の安定の豚価格に比しましては、大体輸入価格とはとんとん、あるいはちょっとそれ以下でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/79
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080・淡谷悠藏
○淡谷委員 豚肉の下落いかんによりましては、この羊肉の輸入を何らかの措置によって押えるような可能性がございますか、ございませんか。自由化の場合でも何らかの関税措置や何かで、これを押える方法があると思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/80
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081・森茂雄
○森(茂)政府委員 何らかの措置はないことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/81
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082・淡谷悠藏
○淡谷委員 あるならとりますか。現実に豚価が下がっておる。将来畜産を発展させるためには、これをどうしても維持させる必要がある。何らかの措置があるというならば、なぜおとりにならないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/82
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083・森茂雄
○森(茂)政府委員 われわれといたしましては豚肉の需給、牛肉の需給等も見はからいまして、現在まで非常に進んでおりまする加工の畜産物の需要を増進しつつ、かつ国内の生産安定をはかっておるのでございまして、著しくえらい変動がございまして、現在の国内市価と国際CIF価格が著しい変動があった場合はまた別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/83
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084・淡谷悠藏
○淡谷委員 どうもあなた方の価格論が変なんですよ。豚価が落ちているのは、入ってくる肉があるからなんです。高ければいつでも自由化された肉が入ってくるという見通しがありますから、これはやはり一定の価格で上がっていかない。その場合に畜産を奨励するというならば、少なくともこの安値のために豚の飼育がだめにならないように措置をとるのは、これは畜産振興のもとだと思う。あなたは畜産局長でしょう。それならばやはり一たん伸張した豚の肉の生産を、これより下げてはいけない。けれども今の状態を見ますと、もう農家はばかばかしくなって、豚を飼う気持はなくなったと言っている。それに対して漫然と外国の肉が入ってくるのを見ておるという手はないじゃないですか。通産省なら別だ。あなたは農林省の畜産局長です。それに対してわれわれに言われるまでは漫然として何らかの措置があるものをしないということは、これは無策というものです。そう思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/84
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085・森茂雄
○森(茂)政府委員 三十六年の輸入状況、それから羊肉の価格と生産関係等も十分検討したわけであります。輸入関係につきましては、具体的な措置が表面に現われなかったわけでございますが、私どもとしては内容を十分検討しております。現在でも重大な関心を持って輸入量については監視いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/85
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086・淡谷悠藏
○淡谷委員 十分な検討をしないで落ちたならばまだ恕せられるが、十分な検討をしてあのような大暴落をしているのでは、ますますこれはだめじゃないですか。幾ら検討してもだめだというお手上げの状態でしょう。あなたの力をもってしては、とうてい検討しても検討してもこの豚価の下落は押えることができませんか。それができないならば局長をおやめなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/86
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087・森茂雄
○森(茂)政府委員 羊肉の問題は現在豚肉とまぜまして、畜産物の加工の伸びに非常に貢献しているわけであります。国内対策の豚価の安定につきましては、海外の羊肉の関係のいかんにかかわらず、われわれとしては今後の生産の確保等について、今後とも十分努力するつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/87
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088・淡谷悠藏
○淡谷委員 どういう努力をされる、具体的にはどういうことをされるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/88
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089・森茂雄
○森(茂)政府委員 私たち顧みますれば相当四百円、三百五十円等の豚価の現出がありまして、子豚価格が暴騰したことがございます。私どもといたしましては豚の生産について子豚価格の指導等も行ないまして、幾らの子豚価格であってもそれを買いさえすれば、そのときの時価で将来の生産が安定するというわけのものでもございませんので、われわれといたしましては繁殖豚の農家、それから飼育農家等の飼育指針と申しますか、少なくとも現在では三千ないし四千円程度の子豚価格等で飼育目標を定めまして、そうして今後の農民の生産物の価格安定と収入の関係の指標を作って指導して参りたいと存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/89
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090・淡谷悠藏
○淡谷委員 教科書みたいな問答をしても仕方がありませんからやめますけれども、まあしばらく見ましょう。見ますけれども、実際の農家の方はもっと知っているのですよ。安くなればもう養わない。ただ子豚の価格だけじゃないですよ。子豚の価格だの果樹の苗の価格だの論じているからもう伸張しない。えさの問題があるでしょう。市場価格の問題があるでしょう。安くなればいつでも子豚の飼育をやめるのだ。高くなればどっとまだ養う。これは何十年も繰り返してきた農村の実態なんです。あなたに自信があるならばそれは時をかしましょう。一つこの機会に、この生産が落ちないように、しかもこの生産費が十分に償なえるような豚価が維持できるように、せっかく御努力を願いたいと思います。
次にお聞きしますけれども、最近の成長部門の一つとしててん菜があります。各地を回りますと工場の奪取戦が始まっておりますが、これも砂糖の輸入と非常に関係がある。さっきの話を伺いますと、砂糖の自由化は当分やらないという話がありますが、どうも私は、今のところとか、当分とかという言葉は、非常に用心しなければならないと思う。今のうちはやらないがいつやるかもわからない、当分やらないけれども、そのうちにやるかもしれない。現在かなり大幅な自由化が行なわれますのに、砂糖だけはなぜ自由化をしないかという問題、このほんとうの原因は一体どこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/90
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091・大澤融
○大澤(融)政府委員 砂糖の自由化の問題につきましては、先ほど経済局長からお答え申し上げた通りでございますけれども、外国の砂糖が自由に入ってくるというようなことで、国内のてん菜でありますとか、あるいはその他の甘味資源というようなものに大きな影響がございます。そういうことを考慮して今のような考え方をした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/91
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092・淡谷悠藏
○淡谷委員 砂糖の自由化は、他の甘味資源に影響があるからこれは自由化をしない。経済局長、あとの農産物に影響のあるものの自由化は行ないませんということになるか、砂糖と同じ並みに行ないませんかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/92
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093・坂村吉正
○坂村政府委員 農産物と申しましてもいろいろございますので、その性格あるいは実態に応じまして検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/93
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094・淡谷悠藏
○淡谷委員 砂糖の場合は直接に何に影響がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/94
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095・坂村吉正
○坂村政府委員 直接の影響と申しますと、てん菜であるとか、あるいは澱粉から作っておりますブドウ糖とか、そういうようなものに直接的な影響があるので、そういう点を総合的に検討しなければならぬ、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/95
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096・淡谷悠藏
○淡谷委員 砂糖の影響がてん菜にあるというのは、これは非常に直接的な影響ですが、それでは一体日本の甘味資源として、てん菜の栽培はどれくらいやろうというのですか。振興局長、どこまで一体伸ばそうというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/96
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097・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 寒地のてん菜につきましては、全体の甘味資源の計画につきましては食糧庁の方からお答え願うことにいたしまして、すでに北海道の寒地ビートにつきましては、これは北海道庁で八カ年計画を立てておられまして、それに基づいて一応の目標があるわけでございます。現在四万三千町歩程度でございますが、これを約七万八千町歩だと思いますが引き上げる、こういう見通しに立っておるわけでございます。内地におきましても、だんだん暖地ビートにつきまして面積がふえて参ったわけでございます。現在約二千三百町歩くらいになっておるかと思いますが、まだ暖地につきましては試作の段階にある地域もあれば、また試験研究の段階にある地域もあり、また一面、すでに奨励普及の段階にある地域もあるわけでございまして、確たる今後の計画をどう進めていくかということにつきましては、それらの状況を見まして、われわれ慎重に計画を立てて指導して参りたい、こういう段階にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/97
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098・淡谷悠藏
○淡谷委員 食糧庁長官にお伺いしますが、一体甘味資源の何%を国内産のビートによってやっていこうというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/98
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099・大澤融
○大澤(融)政府委員 淡谷先生も御承知のように、数年前に、甘味資源総合対策といたしまして、砂糖の需要がどのくらいになるだろうか、あるいはその他の需要がどのくらいになるだろうか、それに対応して国内での生産はどのくらいになるかというような計画を立てたことがございます。それに従って、ただいま振興局長からお話のあった北海道のビートなんかもその一環でございますけれども、その後砂糖の需要の見込みというようなことが、当時立てましたものとだいぶ狂って参りました。砂糖の需要にいたしましても、当時見たものよりははるかに需要が大きい。あるいはまた北海道のてん菜の生産の見込みというようなものも、必ずしも計画とは一致していないように思うのでありますが、そこで私どもとしましてはことし今国会に、例のてん菜糖の法律がこの三月に期限が切れるものですから、単純の一年延長ということで御審議をお願いいたしておりますけれども、その意味は、今申し上げたような甘味資源を総合的に一体どういうふうにしてしていったらいいか、あるいは需要はどうなるのだろうというようなことをここしばらく私どもも研究をしまして、今までありました総合対策をさらに高めて、今後砂糖あるいはてん菜糖、ブドウ糖等、あるいはカンショといったようなものも含めまして、甘味資源一般をどういうふうに持っていくかというようなことを考えたいという気持でやっておるわけでございまして、そういうことを検討した上で、国内の生産をどのくらいにするか、またどのくらい国内でまかない得るかというようなことの検討の結果が出てくる、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/99
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100・淡谷悠藏
○淡谷委員 どうも伺ってみますと、まだ甘味資源の見通しはついていないようですが、むろんそれではてん菜を将来どこまで伸ばすかという作付面の計画は立っていないでしょうね。振興局長、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/100
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101・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 北海道につきましては先ほど申し上げたのでございますが、暖地につきましては先ほど申し上げましたように、研究の段階、試作の段階、あるいは奨励の段階というように、地域々々によりましてまだ振興中の状況にあるわけでございまして、われわれといたしまして、すでに青森であるとかあるいは長野であるとか、比較的寒冷地帯の地域におきましては、これは北海道のビートと同じような耕種方法によって大体いくのではなかろうかというような観点に立っておるわけでございます。また岡山であるとか、あるいは大分、鹿児島のようなところにつきましては、すでに企業化されておりますので、また同時に耕種法も大体この程度でいくのではなかろうかというような地域もあるわけでございます。一応府県でどのくらいの将来の見込みであるだろうかという数字をとったものはございますけれども、農林省として何カ年計画にどれだけやっていくという数字につきましては、まだ確定したものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/101
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102・淡谷悠藏
○淡谷委員 局長、一つ私はあなたにじっくりお考え願いたいのは、今は関税の問題をやっているのです。このてん菜の作付が伸びるか伸びないか、また農民がこれを受け入れるか受け入れないかということは、砂糖の自由化と関係があることは御承知でしょう。従って当分は自由化はしないという見通しのもとに甘味資源の計画が立てられている。これがまた一朝にして風の方向が変わりまして——非常に自由に変わるのが自由化の本質ですから、また自由に変わりまして、そのうちには砂糖も自由化するのだと言い出したら、今までの甘味資源の計画というものは根本から変わると思うのですが、局長、どうですか。変わりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/102
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103・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 もちろん野放しの自由化ということになりますれば、当然いろいろの影響を受けることになると思いますけれども、先ほど食糧庁長官からお話がありましたように、一つには国内の甘味資源を全体としてどう増強していくか、さらにビートについてみまするならば、ひとり甘味資源というばかりではなしに、やはりその地方における現金収入の作物として、またローテーションというようなことから必要な経営改善の意味もあるし、また畜産の飼料という面から見ても、意味のある作物であるというようなこともございますので、こういう見地から甘味資源並びに営農改善というような面で、ビートという問題を取り上げる必要があろう。従ってそういうものを十分考えた上で、砂糖の問題についても考えていくべきである、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/103
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104・淡谷悠藏
○淡谷委員 これは関税に関する連合審査ですからね。農林水産のようなお答えでは私は満足できないのです。要するに大蔵省は簡単に自由化をやる——簡単ではありますまいが、ある場合には自由化をする、あるいは押える、これであんばいがつきましょうけれども、これで影響を受ける農産物の計画というものは簡単に変えられるものではない。従って自由化のいかんによっては、非常に振興の前途に動揺があるということは、私ははっきり局長に認めてもらいたい。きょう私はあなたに味方をしようというのですよ。自由化が日本の農業を非常に阻害します。それを何とかあなたの味方をして正しい振興をやろうというのですから、大胆率直にお答えを願いたいのですが、この自由化のいかんが、日本のてん菜農業に非常に大きな影響があることは、あなたも十分認められるでしょう。はっきり言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/104
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105・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 現状のままにおきまする自由化ということになりまするならば、これは影響があると思います。関税自身につきましては、国内における価格対策と同様の意味におきまして、いわば国境における価格政策でございますので、価格政策という見地から十分検討すべきものがある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/105
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106・淡谷悠藏
○淡谷委員 農産物は他の経済とは若干違いまして、かなり遠い見通しが問題になる。特に果樹などにつきましては永年作物ですから、遠い見通しがなければこれは振興ができないことははっきりしている。その通りでしょう。振興局長、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/106
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107・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/107
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108・淡谷悠藏
○淡谷委員 従って自由化の方向も動揺するような自由化の形であっては、気がついたころは取り返しがつかない。その意味で私は振興局長の将来における自由化と果樹振興の見通しというものは、この際はっきり確かめておく必要があると思う。成長部門としての果樹栽培は今までのそれと違いまして、需要という方を中心にして、需要によって振興をはかるという方向を向いておると思いますが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/108
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109・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 成長農産物という考え方には、将来需要の期待される作物を成長農産物という考え方でございますから、お話のようなことで考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/109
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110・淡谷悠藏
○淡谷委員 この需要という面には、価格の問題が非常に重要な要素をなすと思いますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/110
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111・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/111
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112・淡谷悠藏
○淡谷委員 需要と輸入の問題は、これまた非常に大きな影響を持っておると思う。そこで、さっきあなた方のお考えを聞きますと、経済局長はバナナの輸入につきまして、これは国内で生産されるものではないから一応入れてもいいじゃないが、こう言っている。速記録を見なさい、書いてあるから。言いませんか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/112
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113・坂村吉正
○坂村政府委員 国内で生産されるものでもございませんし、とあるいは一つ言っておるかもしれませんけれども、それだから自由化するということを私申し上げてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/113
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114・淡谷悠藏
○淡谷委員 それならあえて追及いたしませんが、私はこの需要並びに価格の関係というのは、非常にデリケートなものだと思う。くだものが安くなればお菓子の売れ行きが悪くなります。砂糖の自由化はおそらく果樹振興に影響があるでしょう。これは大風が吹いて桶屋が繁盛するような関係はないとしましても、それに似たような、非常に複雑な要素を持つのが価格構成の形なのであります。国内で生産できないから、それで関係がないなんということを考えましたら、これはとんでもない間違いなのです。非常にデリケートな輸入と国内価格との影響があるのだ、この点はかえすがえすも考えていただきたいと思う。
そこでこの価格構成を見ました場合に、ことしの大根の値上がりは一体何だと思います。ばかに大根が上がりましたが、この要因について振興局長の分析したところを一つ聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/114
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115・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 確かに本年度におきましては、大根、白菜、いずれも相当の値上がりをいたしておるわけでございます。これは一つは夏以来のいろいろの災害、とりわけ第二室戸台風の災害等の影響によりまして、生産あるいは出荷が非常におくれた、こういう面が一つあると思うのでございます。それ以外に、おそらく価格に対する前年度の影響というものもありまして、御承知のように、前年度は、総体的に価格については非常に低かったわけでございます。そういうようなこともありまして、多少大根、白菜等につきましては、東京近県の例を見ますると、生産がややそういう面で停滞しておった。そういうところに災害があったというようなことも重なって、ことしはいろいろな条件が重なり合いまして高くなったというようなことが大きな原因じゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/115
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116・淡谷悠藏
○淡谷委員 二年ほど前に物価が値上がりの傾向があると言ったら、池田総理は、いや、白菜は下がりましたと言った。われわれは他の物価が上がっておるのに、農産物価格が下がることはむろん困りますが、大根や白菜の価格が上がったからといって生産者はさほど影響を受けなかったことも御存じでしょう。都市近郊の生産者はあるいは受けたかもしれないが、一般の大根作りは、決して一本五十円や百円という大根を売っていない。生産者の側における価格と消費者の側における価格の開きが大きいことも御承知でございましょう。今度の大根の値上がりなどは、ある意味では、経済成長ブームに乗った池田政策の一端だ。池田政策の一端が大根を百円にしたということは、はっきり言えると思う。気分なんです。値が上がると言えば、値が上がる気分に乗じてさっと物が上がる。生産費が五割上がったら価格が十割も十五割も上がっておる。これは大根に限りません。バナナが入ってきた場合のこの心理的な影響というものをどうお考えになりますか。関係があると思いますか、ないと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/116
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117・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 先ほど申し上げましたように、バナナの入ってきました影響というものがどういう影響であるか、とにかく影響はあると思いますけれども、それが具体的な形においてどうなるかということになると、そのときの価格と、競争される他の国内価格との関係がどうなるかというようなことによって影響が具体化するのではないか、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/117
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118・淡谷悠藏
○淡谷委員 振興局長としては、この自由化に対してはっきりものを言った方が賢明だと私は思います。あなたが見通しをはっきりつけて、あらゆる点を検討して、絶対影響がないという見通しがつくまでは絶対にバナナの輸入は許すべきでない、これくらいの気持は持っていいと思う。砂糖を見てごらんなさい。他のどういう要因があるか知りませんが、甘味資源の計画が立つ前に入れないじゃないですか。これはおそらくてん菜栽培という看板をかけておりますけれども、別な要因があると思う。あの砂糖の輸入まで自由化しない今日、大した重要資源でもないバナナを入れることは、一体日本の果樹にどういうふうな影響があるのか、的確な見通しがつくまではおやめになった方がいい。大蔵省はやめないと言うかもしれませんが、あなたは振興局長として、見通しがつかないままにこういう外国の果実あるいは果実の加工品を入れることは、非常に果樹振興上障害があるということをはっきり言い切れる自信はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/118
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119・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 同じように果実につきましては永年作物でもありますし、また国内における今後の成長農産物の一つでありまして、何も自由化を積極的にやる必要は毛頭ないわけであります。われわれといたしましては、慎重の上にも慎重に検討した上で対策を立てるということは、御指摘の通りであろうと思うのでございます。ただバナナにつきまして、一応閣議決定をいたしましたのは、野放しで自由化するということではないのでございまして、今回提案いたしておりますように、五〇%の関税率ということは、ほかの関税率と比べまして相当高い関税率であるわけでございます。戦前は台湾がわが領土であったわけでございますから、どんどん実は自由化されておったわけであります。今後における日本の果樹成長ということにつきましては、十分われわれは明るい見通しを持った上で考えておるわけでございますが、そういうこととあわせまして、具体的にはリンゴというものについての影響はどうであろうかということを一番懸念いたしたわけであります。そういうことも考えまして、異例な、関税率を五〇%ということによりまして、ある程度の影響はあるといたしましても、リンゴに対する非常な大きな影響になって、それが今後の増産に支障を来たさないようにということを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/119
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120・淡谷悠藏
○淡谷委員 あなたがどう考えようと、どう検討しようが、さっきの豚の値段みたいなものです。畜産局長が一年間検討した結果が豚の値を下がらせたように、あなたが一生懸命に考えた結果が、一たん果樹生産というものをだめにしてしまったら、十五年間回復できませんよ。これが与える影響は非常に大きい。生産も何もない。さっきの答弁を聞いておりますと、お先まっ暗だ。入れてみなければわからない。入れてみてわかるようならあなたでなくてもわかります。少なくとも計画を立てるなら、入れる前に十分影響を考えてみるのが至当だと思います。それではバナナがかなり入っておったころの昭和十年のミカンの産額は幾らありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/120
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121・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 昭和十年のミカンの産額の資料を今手元に持っておりませんので、すぐ調べましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/121
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122・淡谷悠藏
○淡谷委員 あなたはまだ自信がないようですから、資料をとりなさい。どうもあなた、振興局長としてはだめです。これは重大な影響があるんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/122
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123・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 昭和十年のミカンの生産量は四十四万トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/123
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124・淡谷悠藏
○淡谷委員 もうちょっとあることはあるのですが、かんべんしてあげましょう。それならば現在幾らありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/124
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125・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 現在は約八十万トンであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/125
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126・淡谷悠藏
○淡谷委員 もっとありますよ。農林当局のことですから、ごみみたいな統計ですから……。少なくともミカンはそこに約二倍半伸びていますよ。リンゴはどうです。十年は幾らとれていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/126
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127・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 リンゴは十五万九千トンでございまして、三十四年が……。(淡谷委員「いや十年だけでけっこうです」と呼ぶ)八十三万六千トンであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/127
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128・淡谷悠藏
○淡谷委員 これは割合に正確ですな。現在は幾らです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/128
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129・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 ただいま申し上げましたが、三十四年が八十三万六千六百トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/129
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130・淡谷悠藏
○淡谷委員 それくらいふえているのですよ。そこでバナナの輸入は昭和十年に幾らありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/130
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131・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 十一万六千トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/131
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132・淡谷悠藏
○淡谷委員 昭和三十一年はバナナの輸入は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/132
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133・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 一万八千五百二十五トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/133
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134・淡谷悠藏
○淡谷委員 バナナの輸入が押えられましたときに、ミカンやリンゴの生産がずっと伸びたという事例は一目瞭然です。これは秘密資料ではありませんから、配りますから、あなたにも上げますから、よく勉強して下さい。こういう形をなしている。ちょうどバナナを押えましたときに、ミカン、リンゴがぐっと伸びている。しかも幾らあなたが果樹振興を説きましても、販売した場合に生産費を償わなければ、幾ら号令をかけても果樹は伸びない。この事実はおわかりでしょうな。一たんここで誤った方向の自由化が行なわれまして、少なくともミカンやリンゴの生産が引き合わないのだということを農民が考えれば、必要以上に木を切ってしまうという事実ははっきり認識されるでしょうな。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/134
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135・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 各農家によりましても、最近はいろいろ合理化されて参りましたので、影響の度合いが違うと思いますけれども、そういうかつての例もあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/135
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136・淡谷悠藏
○淡谷委員 かつての例じゃないんですよ。おそらくはあきんどの方が振興局長よりも深刻に考えている。あなたがまだはっきりつかまないうちに、あきんどの方は全部資料を持っているのです。バナナの自由化によってどういう影響を受けるか、これは実に敏感に考えておりますよ。真剣なものです。それによって見ますと、明らかに見通しはミカン並びにリンゴその他の果樹の生産の落ちることを予想している。これは予想の問題ですからやってみなければわかりませんけれども、そのときになって手を上げたってしようがないんです。大東亜戦争みたいなものです。少なくとも振興局長である限りは、この際じっくり見通しを立てまして、計数的に計算してみてごらんなさい、出てくると思う。大蔵省はいろいろな関係上、この法律案の成立を急いでいるようでありますけれども、これは一日、二日の問題じゃないと思う。特に農産物に対しては、もっと慎重に考えると言ったのは去年のことなんですよ。ことしはもう大体ほとんど全部を解いてしまおうというのです。あなたは関税が高くなるという見通しですが、実際は安くなるのでしょう。そうじゃないですか。差益金の問題を勘定したら半分になるでしょう。今湯山さんが言った通り、明らかにバナナの関税が半分になる。それがあなたはまだ依然として高くなると思ったらとんでもない認識不足です。直しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/136
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137・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 先ほど通産省の方からバナナの差益率のお答えがあったので、それから見ますれば確かに五〇%でありますから、一二〇%から五〇%になれば、その分については価格は下がってくることになるわけでございます。ただ私どもが前に申しましたように、従来のバナナの輸入量がだんだんにふえてきて参っているわけでございます。そういうことで当初非常に高かった差益率もだんだん下がってきたということも事実でございます。今後バナナの需要があるにかかわらず現在の量で押えるかどうかというようなことにつきましては、これは需要量の面、また通商上の面からも、そのまま押えるかどうかということについては問題があるのではないかと思うわけでございます。そういうことで考えてみますと、若干はやはり増加していかざるを得ない方向にあるのじゃないかというふうに思われるわけでございます。それに応じましてどういうふうに差益がなって参りますか、そういうことをにらみ合わせまして、五〇%という関税率を一応考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/137
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138・淡谷悠藏
○淡谷委員 振興局長、あなたは通産省から教えられて差益を考えたりしないで、通産省が気がつかなかったら、あなたの立場から教えてあげるのがほんとうじゃないですか。あなたの方は関税が高くなったと言うけれども、実際は安くなったのではないか、これによって影響はどうかということを、逆に振興局長の立場から農民のために教えてやらなければならない立場なんです。一体だれに遠慮しているのです。全国の農民に遠慮しなさい。それを幾らお役人だからといって、振興局長ともあろうものが農民をそでにして、別な方にしっぽ振っちゃいけませんよ。まず土性骨を据えなさい。土性骨を据えた上でもう一ぺんデータを検討してみなさい。あなたはバナナの輸入は伸びたと言っているが、うそでしょう。昭和三十二年二万八千百十一トン、三十三年三万六千七百三十九トン、三十四年が三万八千三百九十四トン、三十五年が三万一千三百二十三トン、ちっともふえていない。このバナナその他の輸入を押えたために果樹生産がずっと上がっていっているのです。これはもう戦前よりもはるかに下回っております。こういうところに非常にデリケートな値段の動きが拠る。生産意欲を刺激するもとがある。実際見ますと、園芸振興をはかるといってもちっともやっていないでしょう。やっていかれもせぬでしょう。あなたが言っている通り、どうしていいか教えて下さいということをあなたは言ったでしょう。設置法は改正しましたけれども、何をやっていいかお先まっ暗ではないか。お先まっ暗なばかりに片一方はどんどん日本の農産物がだめになるような自由化を行なおうとしている。知ってやっておれば大へんですが、知らないのです。金利勘定や税率勘定では出ませんよ。大地に根ざしている農民の気持がわかっていないのが今の大蔵省であり、通産省です。それにはっきり教えてやるのがあなたの任務です。この資料はあなたに差し上げますから、一晩ぐらいじっくり考えてこれをお読みになって、きょうは一つ関税などはやめて、どうせ急いでも本会議がありませんから、急ぐ必要はありませんから、そうして振興局長の意見もじっくり聞いて、農産物の自由化に関しては少なくとも将来は誤りないように十分な御検討を願いたいと思う。これは自民党の諸君も賛成だと思う。そういう点などは今後の果樹振興には非常に重大な影響があるのですから、これを確立した政策と考えないで、あなたの立場からも言うべきものははっきり言って、この問題は慎重に検討し直していただきたい。私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/138
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139・小川平二
○小川委員長 加藤清二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/139
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140・加藤清二
○加藤(清)委員 私はこの際ただいま上程されております関税定率法の一部改正の件につきまして、ほんのしばらくの間質問を試みたいと思います。ところで同僚の皆さんがすでに生理的現象をしんぼうして清聴をしておっていただく、その河と申しますか、情けに感激しまして、私は短い時間にしぼるために、問題を集約すると同時に、質問の言葉を短くします。従いまして、御答弁なさる方もそのおつもりで簡潔に要点を一つ答えていただきたいと存じます。
まず第一番に、特に関税でございますから、稲益局長にお尋ねしたいのでございますが、ただいま淡谷委員のおっしゃられました通り、貿易の自由化に対処するにあたって、政府は関税というものを一つの大きな防波堤と考えて、これにずいぶんの精力を費していらっしゃるようでございます。ところでこの問題は、事のいかんによっては、内地の産業に及ぼす影響は非常に大きいのであります。と同時に、輸出の振興に及ぼす影響もまた大きいわけです。稲益さん、特に思い出していただきたい。ちょうど一周期になります。去年のほんとうにきょう、あなたは、もうあす、あさって参議院に回さなければならぬ、ですから、きょうはどうしてもやってくれとおっしゃった。そのときに私は、糸へんにかくのごとき関税を課するということは、やがて国内相場をアップして、輸出を難渋させて、輸出成績を下げる結果になります。ここでぜひ一つお考え願いたいと申し上げましたところ、時の委員長は与党の方であったけれども、その通りだとおっしゃって、翌日もう一日やることになりました。ところが突っぱってその通りおやりになった。その結果はどうです。毛製品は千三百円が二百円の三品市場ストップ高まで追い越されていった結果、池田総理が参議院で答えたことは、一カ月たたぬうちにうそだったという結果を招来した。毛製品の輸出はどうです。去年の目標額だけ伸びましたか。通産省にも聞きたい。伸びていないでしょう。予定より下回っているでしょう。こういうことを予見して、私どもが言うことについては、与党、野党とか、あるいは自分の名誉とかいうこと、そういうようなことを一切抜きにして、すなおな気持で、日本経済をどうして建て直すか、ここにしぼって考えていただきたい。
そこで申し上げます。関税定率の一部改正のうちに油がございますね。原油、重油、これについて、簡潔にどのようにどう変わるかという御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/140
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141・稲益繁
○稲益政府委員 簡潔に申し上げます。
変更になりますものは、従来の暫定措置法でキロリットル当たり三百二十円、従価で六%であります。これを撤廃いたしまして、国定税率のキロリットル当たり五百三十円、従価換算約一〇%、これに戻すということであります。趣旨は石炭対策であります。石炭との価格差をできるだけ縮めたい、これに資するという考えでございます。従いまして、石炭の長期引き取りをやっております面、電力、鉄鋼でありますが、こういう向きには、今回の引き上げになります分を還付するという制度を設けたわけであります。
いま一つ、石炭対策と関連は直接ございませんが、石油化学が使用いたします揮発油につきまして、これは諸外国の例にもかんがみ、また、現在の国内の石油化学の現状、こういうものを検討いたしました結果、これは根っこから五百三十円、全部根こそぎ還付する。大体の荒筋はそういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/141
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142・加藤清二
○加藤(清)委員 そのことは大体趣旨の説明のところに書いてある。私が聞いているのは、この内訳を聞いている。と申しますのは、一体時期はいつから行なうか、このことが行なわれることによって、一体税金の水揚げはどのくらい行なわれるか、還付される金額は一体どのくらいであるか、そしてそこから上がったところの金はどこへどう使用するか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/142
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143・稲益繁
○稲益政府委員 まず第一点の実施の時期でありますが、この法案が通りますと四月一日から実施いたしたい、かように考えております。
それから引き上げに伴います税収でありますが、還付いたしますものを差引いたしまして、約五十億円の増収、こういうことになります。これは、現在私どものとっております関税に対する考え方では、目的関税というものは採用いたしておりません。従いまして一般的に国庫に歳入として入るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/143
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144・加藤清二
○加藤(清)委員 目的税でないとおっしゃるのですね。
そこで次に、それでは還付する先はどことどこで、その金額は大体いかほどになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/144
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145・稲益繁
○稲益政府委員 先ほど御説明いたしましたように、還付の一番大きなものは電力、鉄鋼、それから石油化学がございます。還付金額は、現在予定いたしておりますところでは、電力が約十億であります。鉄鋼関係が一億ちょっと上回ります。それから石油化学が、やはりこれも十億をちょっと上回る、この程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/145
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146・加藤清二
○加藤(清)委員 次に承りまするが、その五十億は目的的には使わない、あくまで一般予算の中へ繰り入れる、絶対なぶらせない、こういうことでございますか。そうしてなおかつ、あなたは目的に、石炭対策のためにこれを行なうのだと、こうおっしゃる。はたしてそれは一致していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/146
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147・稲益繁
○稲益政府委員 石炭対策のためにと申し上げましたのは、重油と石炭とのメリット換算後の価格差、これが相当あるわけでございます。従いまして、これをできるだけ幅を縮めたい、そういう趣旨で関税を引き上げた。どこまでも石炭に対する保護関税という建前から、関税を引き上げたわけでございます。従いまして、石炭を全部関税で保護するということになりますと、引き上げの幅がもっと大幅でなければ目的が達せられない、かようなことになるわけでありますが、一方でエネルギー源をできるだけ安く供給いたしたいという要請があるわけなんです。この両方の要請を調和いたしまして、固定の約一〇%、こういうところにおさめたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/147
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148・加藤清二
○加藤(清)委員 私の調査が間違いであることを期待いたしまするけれども、この計画の当初におきましては、これから吸い上げられた金約六十億、これを石炭の離職者対策に使う、あるいは使いたいという希望があった、それからまた三十数億は、同じ原油系統のアラビア石油の今後の開発にこれを使用したい、こういう希望もあったということでございまするが、過去においてそういう希望があったかなかったか、あるいは将来そういうことが起こり得た場合に、それにこたえる用意があるかないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/148
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149・稲益繁
○稲益政府委員 例の関税率審議会がございます。ないしは各省間の折衝で関税率を検討いたしました際に、一部にはそういう要請がございまして、要するに関税を引き上げて、その金額をそっくり石炭対策の方に回してほしいという要請があったことは事実でございます。しかし結果は、そういったいわゆる目的関税というものは採用しない、ただ今回の引き上げは石炭対策のためにやるのだ、石炭対策は私先ほど申し上げましたように、税率を引き上げることによって価格差をできるだけ縮めるということにねらいがあったわけであります。ただ、そういった特殊な、何と申しますか、石炭の離職者対策という面も考慮されて、今回は予算がかなり大幅にその方に向けられたということは結果としては言えると思いますが、それを目ざしてやったものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/149
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150・加藤清二
○加藤(清)委員 今までのところは大体わかりました。
それでは次に進みまして、あなたの方から御提出いただきました、新旧対照表の四十三ページを見ますと、旧法においては農林漁業用重油の免税という項目がございます。しかもここには三十八年三月三十一日まではこれが有効であるとされておるのでございます。ところが改正案によりますと、三十七年三月三十一日、すなわち今月限りでこれは取りやめということに相なるわけでございましょう。そこであなたに承りたいのでございますが、いわゆる石油精製業であるとか、あるいは電力であるとか、鉄鋼であるとか、とのような大手の会社に対しては吸い上げた税金を全部還付する。今度、アップ分を還付するのみならず、石油化学などのごときは全部還付するということにしておきながら、何がゆえに農林漁業用の重油の免税だけは、なくすだけではなくして、現在与えられておるところの権利までも喪失しなければならないのか、その点はっきりお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/150
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151・稲益繁
○稲益政府委員 ただいま加藤先生はこの新旧対照表をあべこべにお読みいただいたようでございます。現在のままほうっておきますとこの三月末で終わります。それを一年延長したいということで御審議をお願いしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/151
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152・加藤清二
○加藤(清)委員 だから私の調査が間違いであることを期待しつつと言っておるのです。(笑声)
ところで、承りたいことは、最初の方はあなたの答弁で事が足りるのです。やれやれだ、あなた、のがれられるから。ところがあとの質問はどうにものがれようがないんだ。あなたの答弁だけでは答えにならないんだ。なぜかならば、農林漁業関係は、過去において、電力料金の設定におきましても、あるいは漁船用の重油その他のガソリンにいたしましても、特別措置が行なわれていたのです。それで、この際、オール特別措置をなくてしまうというなら話はわかる。しかし、今あなたがおっしゃられたように、鉄鋼、電力、石油化学、この大手のところへはごそっと十億も二十億も返してやるという。ところが農民の権利だけは、今まで持っていたものを剥奪されるということになってしまう。これは一体どういうことなんでございますか。この答弁がまだできていない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/152
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153・稲益繁
○稲益政府委員 第一点は、この新旧対照表の上欄にありますように、農林漁業用のいわけるA重油は今後とも免税を続けて参りたい、こういうことであります。それからこの点は、なぜA重油だけを免税するかと申しますと、これは、本来は、できるだけ農林漁業用は免税ないしは戻し税をやって参りたい、考え方としてはそういう考え方を持っておるわけであります。A重油だけが現在免税になっておりますのは、原油から精製するのでなしに、A重油として輸入しますので、従ってこれは免税の手続が比較的簡単にできる。現在でもなお、いろいろ手数が厄介だというおしかりは受けておりますが、まだ比較的簡単な手続でやれるということで、現在免税をやっておるわけであります。そういたしますと、今回の関税の引き上げでありますが、これは原油について引き上げるわけです。従いまして、たとえば先生御指摘の点の、農村で使います揮発油、こういったものに実は影響が及ぶわけです。従って、そういった揮発油あるいはB重油といったものもあろうかと思いますが、そういったものに対する影響は、なるほど仰せの通りあるわけです。ところが、これは実は私どもいろいろ検討してみたのでありますが、現在までのところでは、たとえば揮発油税に例をとりますと、ここに調査したものがございますが、今度の原油関税は、キロリットル当たり二百十円引き上げになる。これが揮発油の価格にどの程度影響するかということを調べてみますと、キロリットル当たり二百五十円程度、従いまして、御承知のように、揮発油税は非常に高うございます。たとえば、東京の三十六年九月の卸売でとりますと、揮発油税込みで三万六千四百円しておる。その中の二百五十円……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/153
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154・加藤清二
○加藤(清)委員 話が長くなってしまうから、要点だけ答えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/154
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155・稲益繁
○稲益政府委員 第一点は、少額であるという点。第二点は、これをあるいは戻し税するというような建前をとりますと、途中の流通段階、それから消費者である農家、それから一番最初の生産者、そういうところから全部これをトレースして、これを戻税の対象として税関でもって全部把握しなければならぬ、こういう手続を要しますが、対象の末端の消費者がどの程度かということを見ますと、現在、農業機械を保有しております農家戸数が約百五十万戸ということでありまして、これはもう莫大な経費を要する割合に、先ほど申し上げましたように、金額的にはわずかである、キロリットル当たり、二百五十円程度でありまして、現在の消費量から見ますと、総額で五千円程度、こういうことになるわけなんです。従いまして、それだけの大へんな手続をかけ、特にメーカーなり、途中の流通段階の方々、末端の消費者、そういう方々に非常な手数をかけて戻し税をやるということは、この際いかがであろうか、事務的にも大体困難だという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/155
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156・加藤清二
○加藤(清)委員 農林省の経済局長にお尋ねしますが、大蔵省では、農民のためには、A重油だけは免税措置をほかと同じようにしてあげようといっておるが、あとの分については、手続が非常に難渋しておるから、過去においてはやってあげたが、今度はできません、こういう答弁です。こういうことについて相談を受けていらっしゃるか、いらっしゃらないかということが一点。それから第二点としては、手続が困難だからという理由ならば、鉄道運賃の場合に、あなたの方は特別措置をされたはずでございます。電気料金設定の場合にも特別措置が行なわれているはずでございます。脱穀機にいたしましても、あるいは湛水地区の悪水を流す、みな特別措置が行なわれておるはずでございます。ずいぶんの手続でございましょう。除外例を作るということはずいぶん難渋するでありましょう。にもかかわらずこれをやっていらっしゃるわけでございます。ところが、このたびはやらぬでもよろしいのか。
次に、今この重油に関して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/156
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157・稲益繁
○稲益政府委員 ちょっと誤解を受けたようでありますが、従来やっておったのに今回はやらないということではございません。従来ともやっておらないので、今回も何とか検討したいということで農林省から申し出がありましたが、ただいま申し上げたような理由で実現しなかった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/157
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158・坂村吉正
○坂村政府委員 初めの一点につきましては大蔵省の答弁と同じでございまして、大蔵省から農林省には相談がございまして、先ほど大蔵省の答弁のように十分これを検討したのでございますが、従来もやっておりません問題でございますし、しかもまたこれをやります場合には、手続上なかなか実行がむずかしい、こういう実態にもなりましたので、大きな部分を占めますところのA重油の免税措置ということで、とにかくあとは農業機械化につきましてのいろいろの、たとえば政府の助成措置等も考えることによってこういう点をカバーしていったらどうか、こういう考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/158
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159・加藤清二
○加藤(清)委員 答弁が一つ抜けておる。A重油と他の重油とをどのくらいお使いになるかということを冒頭に伺った。使用の内訳、農林関係です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/159
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160・坂村吉正
○坂村政府委員 農業関係で、これは昭和三十五年の販売実績でございますが、ガソリンが二十万キロ、それから灯軽油で三十万キロ、A重油が三万七千キロ、B重油が一万五千キロ、C重油が一千キロ、こういうことでございます。それから漁業用で参りますと、水産業関係でガソリンが二万八千キロ、灯軽油で大体十万キロ、それからA重油で百二十万キロ、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/160
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161・加藤清二
○加藤(清)委員 それをトータルすると金額にして大体どのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/161
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162・坂村吉正
○坂村政府委員 今的確な数字がございませんので、調査をしてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/162
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163・加藤清二
○加藤(清)委員 それでは時間の関係上急ぎますから、それはあとでお答えいただくとして、今度は稲益さん、あなたがどうおっしゃられようとも、ともかく農業用のものは、電力料金にしても鉄道料金にしましても、大てい特別措置ということが行なわれ、それによって消費者に渡るところの生鮮魚類あるいは肉類、米穀等々を安値に押える、こういうことが従来行なわれてきておったわけなんです。しかるに今回この関税から見ますと、大企業、大口長期契約者に対してはいろいろ軽減ないしは全免という措置がとられておりますにもかかわりませず、同じ基幹産業でありながら、何がゆえに農民にだけはその特別措置がとられないのかということになりますと、私ども参議院の選挙に行きまして、質問を受けたりあるいは座談会をやったときに、質問を受けると答えることができないのです。よく一般国民にもわかるように一つ——きょうは聞く立場でございますが、郷里へ帰れば私は説明する立場でございます。従って農民の皆さんにこういう差別待遇がとられているその理由を、はっきりわかるようにこの際お教えを願いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/163
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164・稲益繁
○稲益政府委員 先ほど申し上げましたように、戻し税をするという立場で考えますと、実に繁雑な手数でありまして、対象が非常に膨大な数に上る。これは御承知だと存じますが、いつも問題になっておると存ずるのですが、揮発油税でございます。あの増徴の際、非常に大幅な税でありますので、これがやはりたとえば農家の農機具関係というものに非常に影響があるということで問題になるわけなのですが、この税の免税なり戻し税なりをするものが、戻し税のものは一ぺん徴収してそれを戻すわけですが、これが各系統生産者から中間配給業者、末端の消費者、これまでの経路を、税でありますから、物が横流れしませんように厳重にこれを追及していかなければならぬわけなのです。そのためには帳簿書類なりあるいは私どもの関税で申し上げますと、税関の職員が絶えずそれをトレースする。人手も非常に大へんな人手を要するわけなのでありますが、その間に要する経費並びに生産者なり流通段階の方々あるいは現実にこれを消費される方々の数も非常に大きいわけなのであります。従いまして揮発油税の場合も、何度かそれが検討されながら実は実現されない。私どもの場合も大体同様な、いろいろ検討してみたのでありますが、やはり同じような理由で困難だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/164
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165・加藤清二
○加藤(清)委員 事務上の手続が煩瑣であるということならば、電力料金も同じことが言える。同じ線で来て同じ圧力が来てそうして料金の設定は違う。しごく簡単です。どうして簡単か、農業協同組合で農業用に使った電力だけをメーターで調べたらすぐわかる。それでこの油の場合でも、何も農民が油を飲むわけでも何でもないんだ。農業協同組合でどうせ一括購入するにきまっておるのです。農業協同組合へ購入されたものを農村がわざわざ町へ行って売るはずがない。農業協同組合に信頼を置きなさればこれは簡単に調べられることなのです。だから農林省でも今私が聞いた通りトータルは出ているのです。それに対する戻し税ということであればしごく簡単なのです。あなたは別なことを考えていらっしゃるわけだ。
次にもう一点、続いて質問いたしますが、今度のあれが石炭を守るためであるとおっしゃった。石炭を守るためであるならば、ほんとうにそれが必要であるとするならば、なぜ国家の別途予算で行なうように考えられなかったか。なぜかならば、大口消費、長期契約だけは差引いて、残ったものだけにこれを負担させるということは、別な面から見れば農民や中小企業にだけこれをしょわせるということになる。石炭が疲弊してきた理由は、今まで終戦後は石炭を使っていたものが、だんだんと重油あるいは石油に切りかえていったからなのです。ところが中小企業の方はどうかというと、重油に切りかえたいというても通産省が——そこにおられますが、輸出用はいいとして、それ以外は石炭を使いなさいといって石炭を使わされておるわけです。重油を使うことはできないのです。せっかく重油バーナーを作ってもこれはだめである。もと通りの石炭がまにしなさいというて、陶器のごときは輸出以外は全部石炭をたいておるわけです。おふろ屋だってそうなのです。そういう人からは、今後自動車に使ったって何に使ったって関税アップでそこからしばり上げていく。そうして事実ほんとうに石炭を使っていたのを石油に切りかえた、つまり罪を作った者、それには大口に返しましょうというんだ。つまり言うなれば、罪を作った者には今後ほうびをやりましょう、罪を作らなかった、政府の言う通り石炭を使っておった者に対しては、罰則とは言わぬけれども、税金はよけい出していただきましょう、こういうことになるわけです。こういうことを予想されていたのでございまするか、御存じなくおやりになったのでございまするか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/165
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166・稲益繁
○稲益政府委員 石炭電力に今回引き上げ分だけを還付するということにいたしましたのは、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、石炭電力が、言ってみますれば、自由に放任しておきますと、石炭よりも重油の方がコストが安いわけでありますから、当然石炭をやめて重油を使うということになるわけなんであります。それを石炭産業の安定に資したい、協力したいということで、長期にわたって大量のものを引取契約をいたしておるわけなんです。そういった意味で、石炭電力も非常に大きな負担をそこに従来とも負っておるわけなのです。自由に選択をしてもらえば重油を使うべきものを、石炭産業に協力するという建前から高い石炭を引き取っておる。これを実行しておるということでありまして、今回の関税引き上げが、石炭産業の保護だという考えから出発いたしておりますので、そういった従来ともに非常な負担を忍んで石炭産業の安定に協力しておるという向きには、今回の引き上げ分だけはせめて影響がいかないようにいたしたい、こういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/166
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167・加藤清二
○加藤(清)委員 さっき申し上げましたように、局長さん、中小企業の陶器のかま場は併用じゃありません。石炭専焼でございます。それから糸へんの小さい工場も、これは石炭専焼なんです。大体重油をたくことが許されないのです。そういうところのトラックやあるいは三輪等々がガソリンを使えば、今度は上がるわけなんです。片っ方は大口々々とあなたはおっしゃるけれども、なるほど数量からいけば大口に違いない。しかしこれは併用している。安い方を使いつつあるわけなんだ。だから協力しておる方はどっちが協力しておるかといったら、全部協力しておるものの方が協力の度合いは、パーセンテージはそっちが多いはずなんで、そちらからは吸い上げる。半分協力しておる方、あるいは三分の一協力しておる方からは吸い上げぬ。返してやる。こういう結果になるでしょう。おわかりでしょう、その意味が。あなたのおっしゃることはわからないというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/167
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168・稲益繁
○稲益政府委員 説明が足りなかったか知りませんが、今回の趣旨がどこまでも石炭産業の保護だということにありますので、石炭産業に、従来ともに非常に長期にわたってそうした引取契約をしておるという向きに限って還付をしようということでありまして、ほかの面もそれは理由があると思います。たとえば農林漁業の場合など、私どももいろいろ真剣に検討いたしたわけなんでございますが、何分にも手数ばかりかかりまして、還付の金額に比べて手数の経費の方がはるかに大きいといったようなこともありまして、かたがたどの程度の影響かという点も——たとえば揮発油の場合でいいますと、キロリットル当たり二百五十円、これが農家の場合でいきますと、一農家当たり三十三円といったようなことにもなりますので、そういった膨大な費用を使いましてその程度のものを還付するということはこの際いかがであろうかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/168
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169・加藤清二
○加藤(清)委員 まだ納得できません、あなたの説明では。同じことを繰り返していらっしゃるだけです。それで農林の関係、さっきの金額トータル、まだ出ぬようですから次にいきます。
それでは特定物資についてお尋ねいたします。すでにバナナにつきましては、同僚委員がいろいろ御質問なさいましたので省きますが、結論としてお尋ねしたいことは、特定物資のいわゆる臨時措置法が六月四日で期限切れになるわけなのです。これを今このまま野放しにすることは非常に危険である。特に農家にとっては迷惑千万である。農林省にとっては果樹園芸の増殖その他についての長期計画がくずれるもとである。従ってそういうことにかんがみてみますれば、農産物の保護に関する限りは、関税を引き下げると言うておりまするEEC諸国においてもなお保護しております。アメリカが農産物について保護をしていることは先刻あなたたちが御案内の通りで、それが日本の綿加工にも影響し、綿の輸出にも悪影響を来たしていることは御存じの通りでございます。かくのごとき状況の時期におきまして、なぜこの法律をこの際野放しにしなければならないのか。これについて通産省の御意見と、それを受けて立たなければならぬ大蔵省関税局長は、一体母体的にはバナナもパイカンもそれからスジコもみんな自由化ということになりますが、ほんとうの野放しの自由化にするのか、何か別途措置が行なわれるのか。予算委員会の私の質問については、通産大臣は別途措置を考慮するとおっしゃった。別途措置があるとおっしゃるならば、この際承っておきたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/169
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170・山本重信
○山本説明員 特定物資臨時措置法は六月四日で期限が切れるわけでございまして、これをさらに延長するかどうかという問題があったわけでございます。それに対しまして私たちはいろいろな情勢から判断いたしまして、この際この法律をさらに延長することは適当でない、こういう判断に基づいてこの延長をしないことに方針をきめたわけでございます。その一番根本的な理由と申しますのは、この特定物資臨時措置法という法律そのものは、日本の国際収支が順調でないために、やむを得ず不要不急物資を輸入制限をいたします結果、国内の需給に極端なアンバランスが生じて、その結果輸入業者等一部の者に異常な利益を生ずる。こういう状態に対して、公平の見地からこの異常な差益を国に吸い上げる、こういう趣旨でできたものでございます。その後わが国といたしましては、国際情勢等の関係もこれあり、新しい事態に即応するために自由化を進めることになったわけでございます。ことしの十月には九〇%の自由化を達成する、こういう基本方針が決定いたしておるわけであります。また国際的にも十月以降は国際収支を理由にした輸入制限はいたさない、こういう方針を明らかにいたしております。そうした見地から、この際過去の国際収支を理由にする制限に基づく差益徴収という制度は、今後これを続けることは適当でない、こういう判断に立った次第でございます。ただし物資の中には、特定物資の法律が廃止される機会に即座に自由化をするというところまで飛躍することが適当でないものもございます。自由化できるものはできるだけ自由化をする。しかしできないものはしばらく自由化を延期する。こういう措置をとることにいたしておるわけであります。特定物資の中で、腕時計は、昨年の十月に一部関税率の改正をいたしますと同時に自由化をいたしました。従って特定物資からはずれまして、差益徴収という制度はなくなったわけであります。スジコはことしの四月に自由化される予定になっておりまして、これもこの四月から差益徴収がなくなるわけであります。そのほかバナナ、。パイナップルが残っておるわけでありますが、それぞれの物資につきましては、先ほど来いろいろ御議論がございましたので省略させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/170
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171・加藤清二
○加藤(清)委員 聞きたくないところをよけい説明なさって、肝心なところを省略なさって、これはどうも何ですが、一体この特定物資が野放しになってしまうのか、野放しになっては工合が悪いから関税に一部は移行する、一部は別途措置を講ずると通産大臣は予算委員会においてお答えになっておりまするが、別途措置がございますかということを聞いておる。そこで、通産省の方とそれから大蔵省の方に、何ぞ別途措置があれば承りたい、こういう質問なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/171
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172・山本重信
○山本説明員 。パイナップルにつきましては、現在の特定物資臨時措置法の適用は六月四日でなくなるわけでありますが、関税率を五五%に引き上げる、それからバナナにつきましては現行の二〇%を五〇%に引き上げる、このように関税率の引き上げをいたすわけであります。さらに。パイナップルにつきましては、ここしばらくの間、沖縄の。パイナップル産業との関係もありまして、自由化を延ばすべきかどうか検討中でございます。
それからなおこれに関連して申し上げますと、法律が施行されております間に差益徴収して割当をいたしました物資につきましては、関税が途中で上がりましても、ある暫定期間は引き上げ前の低い関税を適用して経過措置をする、こういう考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/172
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173・加藤清二
○加藤(清)委員 大蔵省別途措置ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/173
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174・稲益繁
○稲益政府委員 ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/174
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175・加藤清二
○加藤(清)委員 大蔵省には別途措置がないとおっしゃいまするが、そうするとこういうことなんですか、パイカンに関する限りはまだ自由化をするかしないかはわからない。自由化をしなければ当然別途措置が行なわれるわけですね。
次に、バナナあるいはサケの卵、マスの卵、スジコ等は、これは野放しになってしまう、こういうふうに解釈すればよろしゅうございますか。それで差益の関係だけは関税に移行する、こう解釈すればいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/175
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176・山本重信
○山本説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/176
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177・加藤清二
○加藤(清)委員 その際に、それではますます心配が多くなりますが、内地農産物に対する影響、今度は農林省ですが、あるいは流通機構の秩序保持に関してこれが乱れるおそれが十分にございまするが、それとの関係は一体どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/177
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178・坂村吉正
○坂村政府委員 先ほどの御指摘の、内地の農産物に対する影響でございまするが、先ほど種々御質疑がございましたように、バナナ等につきましては関税を上げるということによって……。(加藤(清)委員「上がりゃせぬが」と呼ぶ)上がりませんが、関税については関税率は上げる、差益まで入れれば下がりましょうけれども、そういう関税措置によりまして、とにかく自由化ということを目途にいたしまして検討いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/178
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179・小川平二
○小川委員長 加藤君、申し合わせの時間が一時間以上過ぎておりますので−…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/179
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180・加藤清二
○加藤(清)委員 私の時間はまだ一時間過ぎておりません。だから、あと十分とか五分とかおっしゃって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/180
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181・小川平二
○小川委員長 あと五分程度にお願いをいたしとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/181
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182・加藤清二
○加藤(清)委員 それでは、この問題は別の委員会に譲るといたしまして、同じような特定物資、準特定物資といわれておりまする韓国ノリでありますが、韓国ノリは一体どうなさるおつもりかということであります。なぜならば、これはすでに御存じの通り農林委員会においては年間一億枚を輸入するということが、農林委員会の決議になっておる、商工委員会の決議にもなっておる。にもかかわらず、これがやみで二億枚から三億枚余分に輸入されておる。その結果はノリ漁業者が買いたたきにあう。買いたたきにあうだけで内地のノリのコストが安くなるというならば、これはまだしんぼうのしがいもございましょうが、失礼ながら韓国ノリが一億枚といえば一人当たり一枚でございます。韓国ノリを韓国ノリとして国民が消費した例があるでございましょうか。一人もない。なぜかならば、南京米なら南京米と銘柄が出ますけれども、韓国ノリに関する限りは全部日本ノリに化けてくるのです。そこで、原価が二円五十銭か三円のものが入る。日本の七、八円から十円のノリは買いたたきにあう。あっただけ生産者は欠損、ところで途中の流通業者は韓国ノリと言わないんだから、日本のりとして出すんですからそれで大幅な利潤がある。そこにやみのおもしろさがあって、やみがなかなかに絶えない、こういう問題でございますが、このものは一体今後どうなさるおつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/182
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183・坂村吉正
○坂村政府委員 韓国ノリにつきましては、先ほど御指摘のように一年間一億枚というような、そういうことで現在までやって参っておるのであります。国内産も非常にふえております。最近では三十億枚程度にもふえておるようでございます。何せそういう養殖の方面に非常に進んで参っておるのでございます。発展して伸びていく情勢でございますが、これにつきましてはなかなかこれを自由化するというようなことで考えるわけには参らぬだろうと思います。そういうような考え方のもとにいろいろ検討したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/183
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184・加藤清二
○加藤(清)委員 残余の質問は委員会に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/184
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185・芳賀貢
○芳賀委員 関連ですが、ただいまの加藤委員の韓国ノリ問題に関連してお尋ねしますが、昨年関税定率法の改正が行なわれて、このノリですね、これは植物性生産品ということに別表ではなっておるが、そこでお尋ねしたいのは、昨年定率法の改正が行なわれてから、韓国ノリはそれ以降どの程度通関しておるかということですね。その数量、改正以後、いわゆる外国品のノリが入ってきて、保税倉庫に入って、それを課税物件として確認した数量、それがわかれば今明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/185
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186・稲益繁
○稲益政府委員 三十六年の通関済みの数量が一億五百万枚であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/186
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187・芳賀貢
○芳賀委員 それは、昨年の定率法改正後に一億五百万枚というものが入ったのですか。はっきり言ってもらわぬと……。これはうそを言う必要もない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/187
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188・稲益繁
○稲益政府委員 改正前にすでに保税に入っておりましてこれが通関したわけであります。従いまして改正後はまだ入っておりません。改正前のものがすでに保税倉庫に入っておりまして、これが引き取られた税率は、改正前の税率が適用されたわけでありすす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/188
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189・芳賀貢
○芳賀委員 おかしいじゃないですか。関税法に基づく課税物件の確認は、いかなる時限でそれはやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/189
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190・稲益繁
○稲益政府委員 輸入申告のあった日現在の税率が適用されます。保税倉庫に入っております。それから保税倉庫に入れておきまして、輸入の申告をするわけであります。その輸入申告があった日の有効な税率が適用される、それで通関されるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/190
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191・芳賀貢
○芳賀委員 それでは申告された月日はわかるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/191
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192・稲益繁
○稲益政府委員 後刻調べまして、また資料を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/192
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193・小川平二
○小川委員 長いかがでしょう。後刻資料を提出しますから、この程度で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/193
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194・芳賀貢
○芳賀委員 それでは資料も出してもらう必要がありますし、大蔵委員会の次の機会にこの問題に対する質疑を継続するということを、委員長において確認していただけば、きょうは保留しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/194
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195・小川平二
○小川委員長 それでは次の適当な機会に資料を提出して、なお御質疑を願うことにいたしましょう。
これにて連合審査会を終了いたします。
午後六時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004681X00119620316/195
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