1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年五月六日(日曜日)
午前十一時八分開議
出席委員
委員長 園田 直君
理事 金子 岩三君 理事 纐纈 彌三君
理事 高田 富與君 理事 渡海元三郎君
理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君
理事 阪上安太郎君 理事 野口 忠夫君
伊藤 幟君 小澤 太郎君
大沢 雄一君 大竹 作摩君
久保田円次君 津島 文治君
前田 義雄君 山崎 巖君
川村 継義君 二宮 武夫君
野口 忠夫君 松井 誠君
安井 吉典君 山口 鶴男君
門司 亮君
出席国務大臣
自 治 大 臣 安井 謙君
出席政府委員
自治政務次官 大上 司君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
委員外の出席者
自治事務官
(大臣官房調査
官) 大塚 惟謙君
専 門 員 曾根 隆君
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五月六日
委員滝井義高君及び安井吉典君辞任
につき、その補欠として和田博雄君
及び渡辺惣蔵君が議長の指名で委員
に選任された。
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四月三十日
道路交通の改善に関する請願(佐野
憲治君紹介)(第五四四五号)
地方公務員共済組合法案に関する請
願(田中武夫君紹介)(第五四九五
号)
特別区の区長公選に関する請願(鈴
木仙八君外二名紹介)(第五六七七
号)
五月一日
地方公務員の新共済組合制度に関す
る請願外十三件(安宅常彦君紹介)
(第五七八一号)
同外十二件(山口鶴男君紹介)(第
五七八二号)
同(阪上安太郎君紹介(第六〇五九
号)
地方公務員共済組合法案に関する請
願(川上貫一君紹介)(第五七八三
号)
同(志賀義雄君紹介) (第五七八四
号)
同外一件(谷口善太郎君紹介)(第
五七八五号)
同(日野吉夫君紹介)(第五七八六
号)
同外七件(高田富之君紹介)(第五
九九一号)
同(勝澤芳雄君紹介) (第六〇五八
号)
地方財政の健全化に関する請願(池
田清志君紹介) (第六〇六〇号)
法令外負担金及び寄付金等の規制に
関する請願(池田清志君紹介)(第
六〇六一号)
奄美群島振興計画の早期樹立に関す
る請願(池田清志君紹介)(第六〇
六二号)
道路交通の改善に関する請願(志賀
義雄君紹介)(第六二四三号)
交通政策確立等に関する請願外一件
(志賀義雄君紹介)(第六二五九号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
住居表示に関する法律案(内閣提出
第一一一号) (参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/0
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001・園田直
○園田委員長 これより会議を開きます。
住居表示に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑を行ないます。太田一夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/1
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002・太田一夫
○太田委員 住居表示に関する法律案について一、二お尋ねをいたしたいと存じます。
最初にこのねらいでありますが、住居表示という新しい法律上の制度ができますと、在来の番地というものは無用に帰するような気がするのです。あるいは番戸というのもありますね。こういうものは全然不用になって、前時代的なものになるのか、それともこれは何か法律上ないしは日常生活上、まだなお有用なものとして存続をさせるのか、その点お考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/2
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003・佐久間彊
○佐久間政府委員 従来、町名、地番の混乱をどう解決するかということからこの問題が起こったわけでございますが、従来用いておりました町名、地番—今おっしゃいました番地でございますが、これは本来土地の権利関係を表示するためにできたものでございまして、いわば不動産の財産番号ともいうべき性質のものであったわけでございます。それを便宜日常生活関係の住居を表示する手段として用いられておりましたところにこの混乱の原因があったように判断をいたしておるわけでございます。そこで、この法律案によりますと、土地の財産番号としての性質を持っております従来の番地というものとは別に、新たに住居を表示するための制度を確立しよう、こういう考え方でございます。従いまして、この住居表示に関する新しい制度が実施されましても、土地の権利関係を表示するための従来の番地というものは、それはそのまま残るわけでございます。具体的に申しますと、不動産登記簿の関係で土地の財産関係を表示いたすためには、従来の番地をそのまま使用をして参る、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/3
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004・太田一夫
○太田委員 お話によりますと、不動産登記上の番号というのは固有の番地を用いるということになりまして、いわゆる財産番号だ、不動産番号だ、土地番号だということになろうかと思います。ところが実際上手紙その他日常の書類上には全部この新しい表示方法を用いるわけでございますね。従って、何番地というのは全然なくなってしまう、意識からなくなってしまうために、それが死滅するのではないかと思いますが、将来はそれをも整理なさる予定であるのか、将来とも並行しておいきになるつもりであるのか、この点はどういうふうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/4
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005・佐久間彊
○佐久間政府委員 この番地につきましては、先ほども申し上げましたように土地の権利関係を表示するナンバーといたしまして、引き続き用いて参るわけでございます。そこで将来といえども、その限りにおいてはこの番地をずっと使用して参る。かりに新しい制度によります住居表示が整備されましても、番地の方は、たとえば土地の売買が行なわれますと、そこにまた分筆をしなければならないといったようなことになりまして、権利の移動に伴いましてまた番地も変わっていくということになりますので、そういうものを住居表示に引き続き使うということはやはり適当でないので、これは将来とも分離して考えて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/5
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006・二宮武夫
○二宮委員 関連。この法律が施行されることになりますと、責任は地方自治体が持たなければならないということになると思うのです。自治省の中に審議会が諮問機関として構成をされる、こういうような状況になるようでございますが、三十九年三月、四十二年の三月という一応の期限を切っての実施の状況でございますけれども、これは相当に困難な問題が実態としてあろうかと思うのです。従って、委員会の構成等について、人選そのほかにもいろいろ苦心をしなければならぬ問題があろうかとも考えます。同時に地方自治体としては、この法律でもって住居表示の責任を持たされるということになるわけなんですから、お聞きしておきたいことは、この法律施行に伴うところの経費そのほかについては、どのように配慮をされるおつもりであるかということを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/6
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007・佐久間彊
○佐久間政府委員 これを実施をして参りますためには、御指摘のように、地方公共団体におきまして相当の経費を負担しなければならないということはその通りでございます。この法律によりまして、昭和四十二年三月三十一日までに実施を完了するように努めなければならないということに規定をいたしましたのも、一応のめどでございまして、なるべく早く、しかし一度には参りませんので、大体五カ年計画ぐらいで、町名地番の混乱をしております地域から順次実施をしていって、一通りこの程度のことを必要とする市街地にはできるようにいたしたい、かような考え方でこの期限を設けたわけでございます。
そこで予算の点でございますが、これは本来は市町村がその自治体の仕事としてやっていくべき仕事ではないであろうか、ただ国が法律を作りまして、または期間を定めまして、その間に整備をするようにいたすわけでございますから、その意味におきまして、いわゆる奨励的補助金と申しますかそうした性質の補助金を国が出していく、そのような考え方で、三十七年度におきましてはとりあえず全国で一府県一都市平均でモデル都市を定め、その都市の中でモデル地区を作りまして、その地区につきましてこの住居表示の実験をやって参る、そのための経費を予算に計上いたしております。一地区約四十万坪を対象といたしまして総額で約千八百万程度の補助費を計上いたしております。三十七年度はそういうことでモデル地区についてテストをいたしまして、その結果によりましてさらに今後の実施の細目についても検討を加えまして、三十八年度から全般的に実施に着手するようにいたしたい、その実施に着手いたしました後も、大体ただいま申しましたような奨励的補助金という形で必要によって予算措置をいたしていく、かような考え方をいたしているわけでございます。
なお、審議会につきましては、審議会の所要の経費は三十七年度予算に計上をいたしております。
それからただいま申しました補助金だけではなお不十分であるわけでございますが、表示板の費用その他につきましては、郵政省におきましても相当な配慮をしてもらうというような話し合いになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/7
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008・二宮武夫
○二宮委員 その附属機関としての審議会の構成は、どのように考えているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/8
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009・佐久間彊
○佐久間政府委員 この審議会は委員十五名と予定いたしております。構成につきましては、関係行政機関の者と民間の学識経験者をもって構成するようにいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/9
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010・二宮武夫
○二宮委員 問題はその四十万坪をめどに、千八百万というモデル地区の設定ですけれども、これらの費用の基礎になるところの起算基準というものが大体問題になろうかと思いますが、これは地域によっては四十万坪といってもいろいろのケースがあるようです。道路方式によるというような方式があるようですが、道路方式によってしても、あまり人口が稠密でないところは比較的費用がかからないのではないかと思いますが、東京都のように非常に入り込んだ場所では、四十万坪、千八百万といっても、これはなかなかそういうわけにはいかぬと思うのです。これはどういう起算地方の基礎になっているのですか。今の私の質問違っていますか。四十万坪千八百万というのはいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/10
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011・佐久間彊
○佐久間政府委員 ちょっと私の御説明が足らなかったかと思いますが、五十万坪で約四十万円、これを坪当たり一円五十銭の半額を国が補助するという計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/11
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012・二宮武夫
○二宮委員 それは、あとから、それだけじゃなくて別に奨励的な補助を出すということなんですが、その点を一つあなた方の方でも大蔵省と十分交渉して、こういうことをやることはいいのですけれども、しかしこれは郵政省関係の郵便の配達その他にもPRをしなければならぬし、直接これは選挙人名簿の関係もあるし、いろいろな面でPRもやらなければならぬと思うので、その起算の算定の基準というものが非常にあいまいだと思うのです。こういうことで地方自治体が責任を持たされるということの内容はわかりますけれども、地方自治体にまた再び財源的に非常に迷惑をかけると思う。何をやっても、自治省の方で何か法律を作れば、地方自治体に迷惑をかけるというようなことにならないように一つ御考慮がいただきたいと思うのです。それは大へんな問題ですよ。そういうことをやられて、三十七年度はモデル地区でやろうけれども、三十九年の一応義務年限が切られますと、その間におけるところの地方自治体の経費の支出というものは相当になろうかと思うのです。そのはっきりしたことを、実態に即して三十七年度やってみた結果をよく分析をして、そうしてその間に一つ三十八年度予算の組み方なり実施の状況、五カ年計画の裏づけとしての財源措置というものを考えてくれないと、それをやられたことのために大へん迷惑をかけるというようなことになろうかと思うのです。その点を要望として申し上げておきます。
それからもう一つお聞きしておきたいのは、公簿または公証書類の記載については申請に基づいてやるということになっておるようですが、これは申請をやらないものは義務づけはできないということに裏返すとなるようにちょっと読んだときにはなるのですが、申請というものが前提で、申請をすればそれが変更される、申請をしなければ、言いかえると変更されないという格好になりますと、非常に不統一な状態ができるのではないかというように思うのですが、それは年度的に三十九年なりあるいは四十二年の三月末というような、年度的に申しますとその間には大体それらを全部終了してしまうというような計画なんですか、どうなんですか。ある時期には一応錯綜することはやむを得ないと思うのですけれども、ある時期がきましたら、やはりその間にきちっとした法律が施行されて、すっきりしたものになるということでないと、いたずらに混乱を起こすというような結果になりはせぬかと思うのですが、そこはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/12
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013・佐久間彊
○佐久間政府委員 この公簿につきましては、第六条で規定をいたしておりますように、関係機関がこの新しい住居表示の方法によりまして、なるべく早く整理をすることにいたしておるわけでございます。これは職権で整理をする建前でございますが、ただ先生の御指摘の第七条かと思いますが、これは現行の法令の規定によりまして、この記載事項につきまして変更を生じました場合に申請を要することになっておる場合がございまして、その申請をいたしました際に手数料等の徴収金を徴するということになっておる場合があるわけでございますが、この住居表示の関係ておきまして変更を生じましたものにつきまして、一々手数料その他の徴収金がとられるということでは、これは理屈に合いませんので、そういう場合の手数料その他の徴収金は徴収をしないという趣旨を明瞭にいたしたわけでございまして、この住居表示の施行に伴います公簿の整理を一々申請に基づいてやる、こういう趣旨ではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/13
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014・太田一夫
○太田委員 先ほどの地名、番地の問題でありますけれども、これは佐久間さん、番地というのがだんだん分化されていきますと、何番地の何の何の何というようなふうになってくるし、地名の住居表示ということは、土地というものがある程度簡素化されてもそちらの方が非常に複雑なままに放任されるのはあまり好ましいことではない。あわせてこれは御勘考いただく必要があるのではないかと思いますが、できるだけ一つ勘考していただきたいと思います。十分御検討いただきたい。
そこで簡素化されるという実例を承りたいのですが、衆議院のあり場所は、東京都千代田区永田町二丁目十四番地が本院の所在地でございますね。
〔委員長退席、高田(富與)委員
長代理着席〕
これを今度の街区ないしは道路方式によりますと、具体的にどう呼ぶのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/14
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015・大塚惟謙
○大塚説明員 お答え申し上げます。
街区方式でございますと千代田区二丁目までは従来の町名をそのまま踏襲いたすわけでございます。これが大きな一街区でございますから、公道で囲まれた一つの大きな街区になっておりますから、これに二番なら二番というようなものがつきますると、そのまま二番を使ってもいいのではないだろうか、こういうふうに考えております。従いまして千代田区二丁目二番という形で、変らないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/15
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016・太田一夫
○太田委員 永田町は抜けるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/16
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017・大塚惟謙
○大塚説明員 千代田区永田町二丁目でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/17
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018・太田一夫
○太田委員 もうちょっと正確に言うていただきたいんですがね。東京都千代田区永田町二丁目十四番地というのが本院の所在地だ。今度街区方式によってこれが東京都千代田区永田町二丁目までが残るのですか。町でとまるのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/18
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019・大塚惟謙
○大塚説明員 東京都千代田区永田町二丁目までは残るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/19
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020・太田一夫
○太田委員 二丁目まで残って、その次に街区の番号が入って家屋番号が入る、そういうことでございますね。もうちょっと言って下さい。かりにこれは一街区の一番の家だとしますと——一街区というとおかしいですか。一街区一番だとすると、東京都千代田区永田町二の一の一でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/20
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021・大塚惟謙
○大塚説明員 千代田区永田町二丁目十四番地というのが今度は千代田区永田町二丁目、さらに街区の符号が入るわけでございますが、それが二といたしますと、千代田区永田町二丁目二街区ということになるわけでございます。さらに今太田先生の御指摘のように住居番号までもつけて表示いたしますると、二番の三号なら三号、こういう形に相なるわけでございます。しかしながら先ほども申し上げましたようにこの国会は大きな一つの行区に囲まれておりますので、別にこれにつきましてほかの建物と申しますか、郵便のあて所というものが分けて区別する必要がない、こういうような場合におきましては、そのまま街区符号だけで表示しても差しつかえない、こういうふうに考えておりますので、千代田区二丁目の二番という形だけで済むわけでございます。しかしながらさらにそこに数個の建物がございます場合におきましては、二の二、二の三、二の四、こういう形に相なるわけでございます。この点につきまして旧番地と比べて、いささか簡素化されないではないか、こういうような御疑念が生ずるかも存じませんが、現在のいわゆる地番整理の場合におきましても、先ほど申し上げましたようにそういう飛び番が生ずるというような形から、現在のつけ方といたしますと、十四番地のそこにさらに数個の建物があります場合におきまして、十四番というのは一つのブロックの親番でありまして、さらに枝番をつけて、いわゆる地番を付しておるということが多いわけでございます。そういたしますと、やはりそれは千代田区永田町二丁目の十四の一、二、三、こういうような形に出て参りますので、その点は簡素化はいたしておりませんけれども、従来よりも複雑になるというような形にも相ならないのではないだろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/21
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022・太田一夫
○太田委員 それは国会議事堂が大きいからということでなしに、一戸の家として例示してほしいと思うのです。それは簡素化されるというけれども、簡素化されない面も出てくるし、迷いはしないかと私は心配をするのです。千代田区永田町二丁目という丁目までが残るのですね。丁目はなくなるかと思ったら丁目は残るとすると、その次に街区番号が出てきて、家屋番号が出るのでしょう。街区の番号というのは普通表示する場合に、二街区とか三街区とか五街区とかのその数字を使い、街区という文字を使うのじゃないのでしょう。二という数字を使うのでしょう。二の一とか、二の三とか、こういう最後の数字が家の番号でございますね。そうすると二丁目というのは、在来は二丁目と書かないで二と書きます。二のその次に街区の二が出てきて、二の二の二、これは簡単になったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/22
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023・大塚惟謙
○大塚説明員 その点は確かに御指摘の通りでございますが、そのような場合におきまして、現在の番地の場合におきましても、いわゆる十四番地という形でやっておりませんで、そこにやはり街区の符号と同じような親番の符号というものが与えられている場合が多いわけでございます。従いまして二の十四の一、こういう形で表示しているのが現在でも多うございます。そのような場合におきましての街区符号の場合とはあまり違いがない、こういうように審議会でも——確かに簡素化という点では同じでございまして、そういう一つの例はあまり簡素化という点になっておらない場合もございますけれども、しかしながらいわゆる地番の財産番号としての住居を明確に表示してないというような点から考えまして、そのようなほかの点をいろいろ加味した場合におきましては、非常に簡素化されておる、こういうことがいえるわけだと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/23
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024・太田一夫
○太田委員 佐久間さん、何丁目というやつを省略するわけにはいきませんか。もしも丁目を知らないで、永田町、それだけしか知らない人は、二と書いたのが、これは丁目であるのか、街区番号であるのか、家の番号であるのかわからなくて、これは一か二か三か四か五か六か七かなんと言って、一から九までの数字をめぐって郵便配達さんや電報配達さんは迷うだけじゃありませんか。この一は、丁目の一であるか、街A番号の一であるか、家屋番号の一であるかさっぱりわからぬということは、どういうふうになさいますか。一というのをアラビア数字をもってあれするとか、まるをつけて街区を表示するとかすれば、この数字は街区の番号だとか家屋の番号だというふうに識別できますけれども、それがないと——ここがかりに永田町二丁目の二街区の二番の家だとすると、永田町二の二の二と書かないと衆議院へ来ないのです。ところが永田町二の二と書いたらどうでしょう。二が一つ抜けておる。そうすると二丁目二街区であるだけなのか、何だかわからない。丁目の数字を使うことは混乱しませんか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/24
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025・佐久間彊
○佐久間政府委員 御指摘のように先生のおっしゃいました場合には、簡素化という点ではあまり簡素化になっておりませんが、ただその住居番号のつけ方が従来飛び飛びになっておりましたものが、街区の周辺に沿うて順序よく番号が並べられるということで、日常生活の上で非常に便利になるという点が一つあると思います。それからそれにいたしましても、町の下に丁目があったりいたしまして、大へん何段階にも数字が並ぶという点での不便があるということは確かだと思うのでございます。そこで私どもといたしましては、指導の細目は先ほど二宮先生のおっしゃいました審議会で実施の細目を検討していただくわけでございますが、その際の一つの問題点として考えてみたい。確かに丁目というものは、あまり大きな丁目があるということは、合理的じゃない、むしろ非常に大きな、かりに永田町というのが大へん面積の広いものでございますならば、その一丁目を何町にしますとか、二丁目を何町にするということで、丁目ごとに町の名前を別々に変えていくということも一つの方法ではないだろうか。この法案におきましても第五条で、新しい街区方式に適したように従来の町の区域も合理的にもう一ぺん区画をするように努めろということをいっておりますので、そういう点の工夫も一つしなければならないのじゃないか。さらに街区番号と、それから個々のハウス番号でございますが、これも太田先生から算用数字と漢字とい話もございましたが、全部数字でいくものか、あるいはあるものはアイウエオ順にするとか、ABCというようなものを用いますか、こういう点も実は審議会の席上でいろいろ御論議も願ったらどうだろうか、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/25
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026・太田一夫
○太田委員 佐久間さん、非常にいいアイデアだけれども、アイデア売りましょうの段階ではいいですけれども、さらにそれを実用化する場合には、この方式は、若干非科学的な点があるのです。だれやらが、こんなものは役人の仕事作りだ、こういうことを言っていたのですが、この批判がありましたけれども、これは少々茶目っけぶっていらっしゃったか知りませんが、そういうことも考慮に値する。必ずしもこれが合理的だとは思われない。しかし永田町というところを四分割、五分割して、そして新しい町名を作ろうとおっしゃるけれども、これはやはり長年住みなれておるところの人たちの気持には合わない話なんです。そんなことによって街区番号を作ったり、住居表示法によって住みなれた永田町なら永田町といっておったところを、今度は永田町ではなくて、横田町に変えるということもいかがかと思います。しかもあなたの方の法案によれば、市町村にまでそれを及ぼそうというのです。市町村の町名とか大字名とかいうものも変えなさいということを言っておるのです。こんなことは非常に住民感情というものを無視したものであって、けしからぬ話だと私は思いますが、そんなことは必要ないじゃないですか。大字なんか端から端まで何里あろうといいじゃありませんか。大字は街区によって、これは何々山通り、何々峠通りと言ってみたって、その中にある家は二軒か三軒だ。そんなばかなことを考えて、金を使ったり、あるいはやったりする必要はないじゃありませんか。市の繁華街ならいざ知らず、町村の大字名にまで及ぼそうというような考え方は、およそ繁文縟礼を奨励しておるような気がしてしようがないのですが、御感想はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/26
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027・佐久間彊
○佐久間政府委員 その点は、私も先生と全く同感でございます。この法案におきましては、実は法律の規定上は市街地についてということで規定をいたしておりますが、附則の第二項として、従前の表示の方法が日常生活に著しい不便を与えておる地域から順次実施するものとするということで、考え方の一端を表わしておるわけでございますが、何でもかんでも、必要のないところまでこれの実施を強要するということではなくて、従来の住居表示の方法で混乱を来たしておって、日常生活に不便を来たしておるところ、言いかえますと、この新しい方式を用いる必要度の高い地域から順次使用していく。そしていなかの市といいましても、新市あたりで何市何町地方というだけで手紙も一向混乱せずに届くようなそういうようなところにつきまして、この方式をしていて実施をさせるというつもりは毛頭ございません。そうしてまた、そういうようなところにつきましては、従来の番地を便宜住居表示の方法として引き続き用いておっても別に不便はないじゃないか、そのような考え方をいたしておりまして、運用上は十分配慮をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/27
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028・太田一夫
○太田委員 従って、あなたの方の当局としては、市町村の町村段階に至る部分で何市何町程度、市でも何町程度ですぐ着くようなところにこの街区方式並びに道路方式の住居表示を適用するという意図はないのだ、そういうところは。ましてや町村というところでは、まずもって適用するようなことはないであろう、議会の議決を経ればやれるようになっていますが、ないであろう、こういう御方針でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/28
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029・佐久間彊
○佐久間政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/29
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030・太田一夫
○太田委員 それならばわかるのですが、市町村は、議会の議決を経て、市街地について、こう書いてある。なぜ町村というところまで入ったか。町村を市とか都に並べさせたというので、格上げさしたことは非常に気持がいいかもしれませんが、何々郡何々村というところが街区だ、道路方式だ、ちょっとこれは実情に合いませんよ。これは私は無用な規定だと思いましてちょっと驚いておったのですが、そういうことはない、大字名など変えさせない、変える必要はないのだ、また何々町の何番地というところを、しいて番地を用いてはいけないということはないのだ、従来の通りでそこはよろしいのだということならば、実際的だと思いますが、それは間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/30
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031・佐久間彊
○佐久間政府委員 私もその通りに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/31
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032・太田一夫
○太田委員 そうなればこれはよくわかると思うのです。わかりますけれども、東京、大阪あるいは横浜、名古屋、京都というような人家の非常に稠密のところはよほどよく考えて、町名など変えなければならぬようなところが出てくるような気がしますけれども、あまり住民の意思を踏みにじることもいかぬと思いますが、何か表示法に違った場合に、これに違反したら罰がありますか。禁錮以上の刑に処せられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/32
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033・佐久間彊
○佐久間政府委員 処罰はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/33
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034・太田一夫
○太田委員 順守する義務というのがあって、旧来の慣習というものに非常にノスタルジアを感じて、昔の町名を守っておる人たちを裁判にかけることがないというならばけっこうだと思うのです。少なくとも、住居表示法というものが、そんなにむやみに押しつけであってはおかしいと思うのですね。そういうことはないように、ぜひ実情というものを十分認識の上御配慮いただければけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/34
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035・高田富與
○高田(富與)委員長代理 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/35
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036・門司亮
○門司委員 私はごく簡単に聞いておきたいと思うのですが、これは郵政省とは十分に話し合いができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/36
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037・佐久間彊
○佐久間政府委員 これは郵政省とは非常に緊密な連携をもちましてこれまで作業をいたして参りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/37
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038・門司亮
○門司委員 むしろこの法案は、出せば郵政省関係の方が関係が深いのじゃないかと私は思うのですが、この種の問題がありますのは、たとえばアメリカの例を見てみましても、町名番地というのは、町名は書いてあるのですが、番地はやはりポスト・ナンバーで大体表示しているのが多いのであります。ところがこれはポスト・ナンバーで表示をしているが、実際はいなかに使われておるだけであって、市街地では私はあまり見ない。
〔高田(富與)委員長代理退席、
委員長着席〕
広漠な土地で、そうして家がところどころしかない、それから同時にまた新しく家ができてくる、そういうところにはポスト・ナンバーが非常に便利に使われる。地番と異なった、家のできたところ、できたところに、新しいポスト・ナンバーを指定すればいいのであるから、割合に楽に使われておるが、しかし日本のような現在の状態の中でこのものを使用してくると、先ほどから話がありますような非常に大きな、複雑な問題が出てきやしないかと私は考える。むしろこういうものよりも、やるならば思い切って町名地番の変更を命じた方がよろしいのじゃないか。これは非常に時日と金がかかります。がしかし、徹底するならばそれでしておかないと、要するに土地の所有権と上に建っておる家との関係は非常に密接な関係を持っておるのと、もう一つ時間が迫っておりますのでついでに申し上げておきますが、もう一つのの問題は、居住を主体にして番号をずっとつけていきますと、これから新しく伸びていこうとするような土地は非常に大きな問題を起こしやしないかというような気がするのであります。だから地番の方をきちんと書いておけば、どんなに新しく市街が発展しようと、どういう形になろうと、その上に家があるなしにかかわらず番地というものははっきりしてくる。しかしこれは居住だけを主にして考えると、そこに不都合ができやしませんか。私の経験からいえば、どうしても町名地番をやはり改正すべきである、時間と金はかかってもこれはやるべきである、そうしないと完全なものにならない。だからこの法律は、私は中途半端なものだと思います。この点はどうなんです、そういうことはお考えにならなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/38
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039・佐久間彊
○佐久間政府委員 実は、最初は町名地番を先生のおっしゃるようなふうに整理をすることによってこの問題を解決するということも検討をいたしたわけでございます。町名地番制度審議会という審議会を設けまして、その審議会で御検討も願ったわけでございますが、その結果、町名地番の整理の方法によりますと、先生のおっしゃいますように莫大な経費と時日がかかる。一つ一つ、一筆々々の土地につきまして正確な地籍調査をいたしませんと、番号の整理もできないというようなことで、これはとても実際上実行ができない。主管の法務省関係でもそう申しております。そこでその点から、この御審議いただいておりますような方法によることがいいという、審議会でも御答申をいただいたわけでございますが、その莫大な経費と時日がかかるということ以外に、やはり問題の性質上、町名地番というものは土地の財産ナンバー、権利関係を表示するものじゃないか、そこで一たんかりにきれいに整理ができましたといたしましても、その後土地の権利関係に変動がございますと、またその番号を枝葉をつけるとか分筆をするということにもなりますし、あるいは現在国有地などにつきましては無番地になっており、相当広大なところがあるいは一つの番地になっておるというようなところもあるわけでございますが、そういうところまで一々この際、将来のそこに建つ建築物を念頭に置きましてこまかに番号を振るということも、これも必要のないことではなかろうかというようないろいろな点を検討いたしました結果、御審議いただいておりますような方法で解決するのが一番いい、こういう結論に達したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/39
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040・門司亮
○門司委員 あまりはっきりしない答弁ですが、財産番号というけれども、日本の土地というのは、御承知のように従来居住権の考え方は、土地の上に家が建っておるのです。財産番号であろうと居住番号であろうと何の番号であろうと、私はナンバーは同じだと思うのです。財産番号だからいけないという理屈はどこにもないのです。財産番号を整理させればいいのであって、これは当然行なうべきものである。
この方式でいきますと、私はもう一つ次に聞いておきたいと思いますことは、これと都市計画はどうなりますか。市街地は、この番地の未整理なところでは大体都市計画の路線だけが入っておって、行なわれていない。そうして区画整理を行なっておる場所であれば、これは新しく土地台帳の変更ができるのですね、やらざるを得ないのですね、いやが応でも。私はむしろこの際政府がやるべきことは、区画整理をやはり進めていくことが最も合理的である。これは都市の将来の発展あるいは交通、これを考えてごらんなさい区画整理以外にないということです。従って、地方この区画整理をそのままにおいておいて、片一方には都市計画をそのまま存続しておいて、そしてこれを現在の街路で分けるということになりますと、その中に将来予定されている区画整理の道路というものはずっと入っているのですね。将来はそれは変わってくるのですね。その区画というものは必ず変わってこざるを得ないのですね。それとのかみ合わせばどうなりますか。そういう新しい道路ができたときには、また番号を変えますか、変えざるを得ないでしょう。政府がこういうことをやるのなら、こういう思いつきの中途半端な法律ではなくて、むしろ区画整理なら区画整理を全部やらせるという建前をとって最近の道路交通の問題もそうでしょう。わけのわからぬ道路がたくさんあるから困っているのであって、やはり道路の整理をするということと、町名、地番を整理するということを一体としてものを考えなければ、都市は非常は迷惑すると思いますよ。こういうものをこしらえておいて、将来これはどうするつもりなんですか。ここに図面がありますが、区画がこういうふうにできたところはあるいはよろしいかもしれない。しかしこういうふうになっていないところはたくさんあるのですよ。将来また区画整理をやると計画路線が入ってくるというところはたくさんあるのですよ。こういうものとの関係はどうなりますか。ただ現状だけでやっておれば、将来新しく道路ができて区画が変更されたときに、また変えなければならぬ、区画の変更が当然あり得るのです。これだけ道路交通の問題がやかましくなってきて、そしていろいろな問題を引き起こしているときにお出しになるのなら、思い切った区画整理の案をお出しになってそしてこれでやれということの方が実際に即しており、将来のためにも、それの方がよろしい。それでなければ、いつまでたっても解決せぬ。この地図は非常にごまかしの地図だ。こういうふうにきれいにできているとこなら、こういうことはやれるかもしれない。しかし、これから先発展というところ、これから先整理しなければならないところが日本の市街地のほとんど全部なんです。それに対してはこの法律はきわめて迷惑な法律であって、あとで問題を起こす種をまくようなものであって、悪口を言えば、自治省の役人の思いつきで住民が迷惑する一番悪い考え方がこれに出ているのじゃないか。そういう保証は画然とできますか。将来の区画整理とこれとの関係はどうなりますか、それから都市計画との関係はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/40
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041・佐久間彊
○佐久間政府委員 これは都市計画あるいは区画整理との関係を十分考慮してやらなければならないということは、その通りでございます。ただ都市計画の指定を受けておりますところにつきましても、その計画が相当先に着手をするというようなところでございますならば、これはやはり現状において町名、地番の混乱を解決をいたしますために、この方法でやってもらうより仕方がないのじゃないか。ただその都市計画の実施が近い将来かなり具体的に予想されておりますところにおきましては、この住居表示の方法を実施いたします際に、あらかじめ将来に対する見通しを立てました上で街区の区画もやってもらいたい、そのように市町村に対して指導はいたして参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/41
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042・門司亮
○門司委員 今の答弁だと、ますます複雑になってきて、わからなくなりますよ。都市計画の路線というものは既設の道路じゃないのです。地図の上の道路ですよ。地図の上の道路でありますから、従って、将来そこが道路にはなるが、現在はずっと家が建っている。そして一つの区画の中に入っている。それを考慮して番地をつけようといってもつけようがないじゃないですか。架空のものがまん中に入っておって、その外にあるものはどうにもならぬのですよ。だから、私ははっきり聞いておきたいのは、ここに出ておりますのは一体どこの地図なんですか、こういう地図は東京の地図ですか、大阪の地図ですか。こういうふうにできたところは比較的楽なんですよ。しかし私らの言っているのは、東京都の中でも、現在まだこういう形でなくて、将来道路を広げなければならない、将来区画を変更しなければならないところがたくさんあるのです。まして、地方の町村に行ってごらんなさい。小さな市などに行ってごらんなさい。ほとんど都市計画の路線だけしか入っていない。将来どうなるのだか、実際の問題として見当がつかない。それにこういう架空なものを一つのものと見て番地をつけていく住居だけを主体にしてこしらえていくことになると、今言ったような問題の解決はつきません。今の局長の答弁だけでは納得するわけにはいきません。区画整理と今申し上げました都市計画との関係等については、建設省の考え方を十分に配慮されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/42
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043・佐久間彊
○佐久間政府委員 このお配りいたした資料でございますが、これは架空なものではございません。街区方式の例として出しておりますのは東京の渋谷区代々木富ガ谷町の例でございます。それから道路方式の方は、これは道路方式というものをややわかりやすく御理解をいただきますために、少しモディファイいたしておりますが、これも東京都の文京区のある部分でございます。
それから、今の区画整理と都市計画との関連の点でございますが、これは各市町村でこれを実施いたします場合には実施の計画を作らせるわけでございますが、その際、その関係は十分検討をしてもらう。その考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように一応計画になっておりましても、まだ実施の時期が遠い将来になりますものにつきましては、これは一応現状でやっておいて、それができました際にさらに変更する。これは二度手間にはなりますけれどもやむを得ない。しかし、もう間もなく実施に着手するというところでございますならば、その点を考慮して計画を立ててもらう。特に一つの都市につきましても、一度に全部その都市について端から端まで実施をするわけには参りませんので、一つの都市の中でも、おのずから三カ年とか五カ年の計画を立ててやって参らなければなりませんので、そういう不確定の要素のありますところは、実施の順序をあと回しにするというようなことで、できるだけ御指摘のような二度手間が避けられますように計画を立ててもらいたい、そのように思っておるわけであります。
なお、建設省との連絡はというお話でございますが、今度できます住居表示審議会の中には都市計画関係の方も入ってもらいまして、建設省側の御意向も十分伺って参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/43
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044・門司亮
○門司委員 建設省側の意見を法律を作ってから聞くというと、これはどうなりますか。おかしいでしょう。これはすでに法律をこしらえられるときに建設省の意見がはっきりしておって、いわゆる町名地番の変更あるいは道路の計画等についても、建設省側との打ち合わせができておらなければならぬ。これを実施するにあたって建設省と相談して何になりますか。できやしませんよ。これはだから委員長にお願いしておくのだが、建設省の役人を呼んで下さい。建設省の役人はこれでいいというのかどうなのか。そうしないとこの審議は進められないですよ。都市計画と区画整理との関係が明らかにならないで、ただ建っている家だけを、道路なら道路を標準にしてこしらえる、あるいは街区なら街区を標準にしてきめるということでは、これはどうにもならぬです。これはポスト・ナンバーでやる場合には、広い農村ならある程度そのままでよろしいと思うのです。しかし都会の密集したところにポスト・ナンバーでやる、そういうものの考え方で仕事をしていこうとするところに非常に大きな無理があると思うのです。だから、どうしても市街地は、私どもの考え方としては少なくとも区画整理を行なう場所、あるいは都市計画を立てる場合においては、少なくとも町名地番までは変更するという建前の上でなければ、あの整理はできないはずです。これはよくても悪くてもそうなるでしょう。そういうことで一つ整理をどうしてもする必要がある。同時に、町名地番といっておりますけれども、まだ日本には御承知のように都市におきましても飛び地がたくさんあるのです。東京都の土地が神奈川県にあったり、神奈川県の土地が東京都の中にある。川崎の土地が横浜市のまん中に——まん中ではありませんが、まわりは横浜市になっておって、そういう飛び地がどこにでも必ず存在しておる。こういうものの整理をきちんとすることが、私は町名地番制度審議会の責任だと思う。そのためにできた審議会なんです。その審議会がこういう答申をすること自身が私はおかしいと思っておる。そうしませんと幾らこういうものをこしらえてやっても、将来急に発展していこうとする最近の都市については非常に迷惑なものになると思う。どうなんです。もう少し思い切って町名地番の変更をするということは、金と時間はかかりますが、やればやれるのです。またやらなければならない仕事なんです。そうして普通の場合と違って特に区画整理なんかをやれば、いやがおうでも登記所の番地を変えなければならぬ。区画整理をやってごらんなさい、必ず登記を変えなければならぬでしょう。昔のままで登記が済むわけではないでしょう、全体が変わってきますから。だから私はどう考えてもこの法律は中途半端というか、全く役人の一番悪いくせで、何か法律さえこしらえて地方に仕事を与えて、その仕事について金をとりさえすればいいんだ、この中には大臣の勧告権とか何とか書いてある。役人の権限だけを強くすればいいという、こういうものの考え方でできた法律ではないですか。自治大臣の都道府県に対する権限というものをちゃんと書いてある。これでは地方の自治体は非常に迷惑をするのではないでしょうか、どうせ迷惑をするならさっきから申し上げておりますように、こういう法律でなくて、町名地番の整理をしなさい、それについて政府が金を出せばそれでよろしい、やれるのだ、自治省が権限だけを強くして、そうして財政的なめんどうをみないで、何とか地方自治体をいじめる——いじめるという言葉は悪いかもしれませんが、動かしていこうというものの考え方から出たものであって、これは決して地方自治体のためにならない法律じゃないですか。これで地方の自治体はどれだけの便利を得ますか、同時に、地方の住民がどれだけの便利を得ますか、その点を一つ明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/44
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045・佐久間彊
○佐久間政府委員 第一の建設省と立案の過程でよく打ち合わせをしておるかという点でございますが、それは建設省とよく打ち合わせをいたしておりますし、町名地番制度審議会の幹事にも建設省の官房長に入っていただいておりまして、またこの法案を作成いたします過程におきましても、建設省ともよく打ち合わせをいたしておりますので、この点は建設省側も異存はないわけでございます。先ほど住居表示審議会の委員に入ってもらうと申しましたのは、さらにこの法律実施の過程におきまして、具体的に都市計画との関係でいろいろ問題も起こって参ると思いますので、それらの点についていろいろ意見を反映させていただくために審議会の委員にも入ってもらう、かように考えておるわけでございます。
それから第二の町名地番の整理でいった方がいいじゃないかという点でございますが、これは先ほどもお答え申し上げましたように、町名地番と申しましても、正確に申しますと、町名は今度の場合におきましてもそのままになる、ただできるだけ合理的なものにするという点だけでございますが、違いますのは地番の点でございます。いわゆる地番を整理いたしますことになりますと莫大な経費がかかりますし、一筆々々の土地につきまして、さらに地籍調査をした上でないと整理ができませんので、これは実際上実行が不可能である。これは主管の法務省でもそう申しておるわけでございますので、理論上も先ほど申したような難点がございますが、実際上も不可能なので、その方法によるわけにはいかないという考えを持っておるわけでございます。
それから第三点の、これによって住民がどういう利便を得るかという点でございますが、番地が大へん混乱をしているところが、東京その他の大都市地域に非常に多いわけでございますので、それらの点についてはこの方式によりまして、順序よく番地をつけ直すというだけでも、非常な住民の利便が増進されるというふうに確信をいたしておるわけでございまして、その点は、郵政省当局も私ども以上にむしろ大へん熱心に、ぜひこれは早急にやってもらいたいということで、いろいろ御協力をいただいておるわけでございますが、それらの点から考えましても非常な便宜になるであろう、このように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/45
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046・門司亮
○門司委員 大臣に来てもらえませんかね。今の答弁の中で、実に聞き捨てならないものがありまして、大臣に一つ来てもらって、大臣にはっきり聞く必要があると思います。政府次官でなく大臣に来てもらいたい。今の局長の答弁は、そんな答弁でよろしいですか。日本の国民は全部税金を納めておりますよ。よろしゅうございますか。土地には固定資産税をあなた方おとりになっているでしょう。だとするならば、日本で一番大きな問題は、税の公平を期そうとするならば、日本の最大の欠陥は地籍がはっきりしないという一ことですよ。どこの役場に行っても、六百分の一の地図がありますか。厳密な地図を持たないで、厳密な地図をはからないで、税金をかけているのが日本の現状でしょう。これでいいですか。少なくとも日本でこういうことを問題にするなら——私がさっきから申し上げておりますのは、区画整理をする場合、あるいは都市計画の場合におきましても、これをやることによって地籍が明確になるのである。実測化されるのである。日本の一番大きな欠陥はそこにあるのですよ。地籍がどれだけあるかわからないでしょう。一つの村に対して、この村が一体何坪あるのか聞いてもわかる人がありますか。実測した人がありますか。地検をいつやったのですか。今までの地検は、ある場合においては家康がやったり、秀吉がやったり、いろいろやっている。その場合は、六尺が六尺六寸に延びたこともある。あるいは悪大名のところは五尺八寸でやっている。そういう地籍が一体いつ日本で改革されたか。いまだに日本には厳重な地籍はないのです。にもかかわらず、今の局長のような答弁を聞くということになると、こういうことはやめてもらって、そして私がさっき申し上げたように、まず全国の町名地番をはっきりしなさい。面積をはっきりしなさい。登記簿をはっきりしなさい。そうすれば、こういうことは簡単にやれる。そういう政府が安易なものの考え方で答弁をするということは、私は言語道断だと思う。どこの町村にいっても、明確なものがございますか。私はアメリカのことを言うわけじゃありませんが、私が十何年か前にこういう問題について視察をしたときに、アーリントンでございますが、あの都市は六百分の一の地図がちゃんとあるのですよ、そしてお前の土地はこうなっておるのだということは、だれにでも明確にわかるようになっている。固定資産税課に行けば、十枚くらいの写真がとってある。お前のうちはこうなっておる、玄関はこうなっておる、ここはこうなっておる、だから区画は幾らだから税金は幾らだ、こうなっている。税金をとっている政府が、土地の台帳を明確にするというようなことは困難だというようなあほうなことがありますか。あほうという言葉が悪ければ取り消しておきます。しかも、こういう会議の席でそういうことを言われては、そのまま見のがすわけには参りません。税金をとっていながら、役所が町名地番の整理をするということ、あるいは広さというか狭さというようなことを明確にすることが、困難だとか何だとかいうような言葉を使われる義理合いじゃないでしょう。大臣を一つ呼んで下さい。そしてもう少しこれを明らかにしていただきたい。大臣が来てから返事して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/46
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047・園田直
○園田委員長 門司亮君の質疑に安井自治大臣の答弁を求めます。安井自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/47
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048・安井謙
○安井国務大臣 住居表示に関する法律案につきまして、その方法について、門司委員から現在の登記簿による番地を中心にして整理すべきものではないか、こういう御質問があったと承っております。私どもも根本的趣旨におきましてはその御趣旨に全然反対じゃございません。ただ、実際にこれをやります場合に、非常に手数と費用を食います。これを現在一度町名地番を整理しますのにできるだけ便宜な第二段の方法として、手数等のかからないそうしてわかりやすくなるというために、この法律案を出しておるのでありまして、将来は門司委員のおっしゃるような問題を、さらに掘り下げて、時間をかけて取り上げていかなければなるまいと思っている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/48
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049・門司亮
○門司委員 大臣はきわめて体裁のいい答弁をされておる。先ほどの局長の答弁はそうではなかった。非常にめんどうなことがあるので、こうする方がいいのだ、こういうことですが、私の考えておりますのは、こういうことを考えられるなら、徹底的にそれをおやりになる必要がありはしないか。かつて国土総合開発法が出たときに、私は、あのときの大臣はだれでしたか、係の大臣にお聞きしたのですが、日本に地籍がはっきりしていないじゃないか、こういう総合開発などという法律を出すのなら、まず日本の地籍をはっきりした方がよろしいのじゃないか。聞いてみますと、何か五万人くらいの人間を使って、三年くらいかかって、航空写真と実測を全部やるには、費用として約三百億ないし四百億くらいかかるだろうという資料をいただいたのであります。なかなか大へんだと思う。それが実態だと思います。日本の実態は、どこの町村に行っても、今日はっきりした地籍はないわけであります。これの実証をあげろと言えば幾らでもあげますが、従って、政府が幾ら今日までたとえば農村の問題について農業センサスをやっても、あるいは一筆調査をやっても、何をしても、面積というものが食い違っているでしょう。しかもその登記における、帳簿の面積における税金を取っているでしょう。従って、その帳簿の台帳は実際やっていなければ税金はきわめて不正確なものだと言わざるを得ない。税金が不正確であれば、国民の中には必要以上の税金を納めている者があると言っても差しつかえない。また非常に税金が助かっている人があると言っても差しつかえない。私どもは、市街地におけるこの種の問題を解決しようとするには、少なくともはっきりした町名、地番を改正をしていくという建前に立って行なうべきである。ただ暫定的にこういうものをこしらえているというような今の大臣のお話ですが、そうすると、いつの日にかすぐまたこれのあとを変えなければならぬ。
これは費用をどうするのですか。この費用は、先ほどの答弁を伺いますると、費用は何か補助金のような形ででも幾らか出したいというお話をちょっとされたようでありますが、費用は全額国が負担するのですか、それとも地方が全部出すことになるのですか。この点はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/49
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050・安井謙
○安井国務大臣 今申し上げます通り、門司さんの言われる根本的に地番を整理するということは、いずれにしろ政府として十分に取り上げていかなければならぬことはもうお説の通りだと思っております。しかし、とりあえず区画を明確にしていくという意味でこの方式を取り上げるのでありますが、これにつきましては、政府としては適当な補助金を出すという建前で、一応自治体が主体でやります。しかしこれには広告等も入れることによりまして、実質的な費用というものは非常に僅少でできるというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/50
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051・門司亮
○門司委員 この点だけもう一つ明確にしておきたいと思いますが、私が非常にやかましいことというかめんどうなことを聞いておりますのは、御承知のようにこの法律の十条に大臣の権限が書いてあります。これについては都道府県知事、大臣は勧告できるという大臣の権限が非常に大きくなって出てきておる。そうして事業の主体は市町村なんですね。都道府県知事ではないのです。そういたしますと、大臣の権限がそこに書いてあるようなことで、しかも事業の主体は市町村だということになって参りますと、市町村における今日の状態は——先ほどからも行政局長に話をしているのでありますが、日本の市街地というのは、都市計画が完成しないうちに家の方が先にできている。そこで都市計画の路線というものはどこまでもおくれがちになっておる。あるいは旧市街地で非常に込んでいるところに新しい都市計画の路線というものを入れて、そうしてそれが二十年先になるか三十年先になるか、その家の全くの建てかえをするときでなければ路線ははっきり出てこない。ただ計画だけになっておる。しかしいずれにしてもそういうものをこしらえなければならないことは明らかであります。それが今の大臣の答弁のように、暫定的にやるんだというようなお話でありますと、迷惑するのは市町村なんです。市町村は一ぺんこういうことをやって居住ナンバーをきめておいて、またそこへ新しい道路ができてくる。そうすると区画が変わってくる。区画が変わってくればまたこれを変えなければならぬ。こういうめんどうなものができてくるわけです。だから、役所の方ではこういうことをとりあえずとおっしゃるけれども、場合によっては非常に迷惑をすることが出てきはしないかと私は考える。あくまでもこの法律の建前というものは、一応の地区を限定して、そうしてこの地区についてはこういう形でやってもらいたい、あるいは審議会でそういうことはきめられるのかもしれないが、一般論としてこういうものが出て参りますと、市町村がどういうふうにこれを受けて立つかということに私は問題があろうかと思うのです。その点は大臣はどうお考えになりますか。費用はごく僅少で済む、なるほどこれだけのことをやるのなら大して金はかからぬかもしれない。しかしさっき申し上げましたような、都市計画との関係、あるいは区画整理との関係というものが輻湊してきて、ごく近い将来また変更しなければならぬような時期が必ず出てくると思う。その場合にはもう一ぺん変更せよ、何回でもやり直せ、こういうのですか。その点を明らかにしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/51
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052・安井謙
○安井国務大臣 できるだけ都市計画の現実とか区画整理の現実にはめどをつけまして、その実態に合わすように設定していきたいと思っておりますが、何年か先に都市計画が根本的に変わってくるという場合には、この表示の形式自体が比較的簡便にできておりますので、それを部分的に修正することも可能であろうと思いますし、またやらなければなるまいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/52
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053・門司亮
○門司委員 最後に大臣に聞いておきたいと思いますが、先ほどの地籍の問題について、局長の答弁は大臣はお聞きになっていないかと思いますが、さっきから申し上げておりますように、町名、地番をこの際思い切って登記の面でも全部変えるような性格のものにしていきたい、そうすることが一番時宜に適したものでもあり、またそうしなければならない。そうすることによって、この法律と離れた税金の負担等についてもやや明確なものができてくる。地籍というものがはっきりしてくる。これが行なえないで、そうしてただ単に、手数がかかるから、あるいは費用がかかるからこういう暫定的なものにするということにはどうしても私どもは納得がいきかねるのです。この法案も、もし郵政事務の関係からこういうものがよろしいというなら、私は大して文句はありません。また言う必要もない。しかし少なくとも自治省がこれをお出しになった限りにおいては、私はそれだけの理由では済まされないと思う。自治省がお出しになった限りにおいては、少なくともさっき申し上げましたような、やはり自治省の仕事としてやっていく上においての正確なものにし、そうして間違いのないものにする必要がありはしないか。本来なら郵政省がこういうものを考えるべきで、そうして郵政省からこういう案が出て、それによって市町村が行なっていく。そうして郵政事務が非常に円滑にいくというなら、それはそれでよろしい。しかし自治省が出すのに、土地との関連性、税金との問題を全然考えないで、そうしてただ便宜だからこういうことをやる。そうしてそこに自治省の大臣の権限というものが強くなっておる。大臣の権限だけが強くなっている。私はこれだけの理由ではこの問題は自治省としての仕事ではないと考えているのだが、大臣はやはり自治省の仕事だとお考えですか。私は郵政省から出てくるなら話はわかるが、大臣はやはりこれは自治省の仕事としてお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/53
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054・安井謙
○安井国務大臣 最初にもお答えいたしましたように、理想形態から申しますならば、確かに門司委員のおっしゃる通りだと思いますが、これが今の時間の関係、手間、経費といったふうな関係から、とりあえず非常に簡便な方式を使うということにいたしたわけであります。これはやはり地方自治体のいろいろな行政面を担当しております自治省が受け持つのが至当であろうかと思います。確かに郵政省に非常に関係の多い面もありますので、そういう面では郵政省とも十分協力をいたし、また郵政省からのいろいろな協力も得てやることには事実上なっておりますが、郵便配達だけの問題じゃございません、その他にもいろいろ関係がございますし、また地方自治体自体がいろいろとやらなければならぬ面、補助の面、そういったものもかみ合わせまして、これは自治省がやるのが至当であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/54
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055・門司亮
○門司委員 そうするとこの住居の売買の場合の取り扱いはどういうことになりますか。このナンバーを使用するのか、あるいは土地台帳を使用するのか、どちらを使用するのですか。どっちがはっきりする問題なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/55
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056・安井謙
○安井国務大臣 その売買の基本になる登記番号といったようなものは、従来の登記番号そのものを使っていく。しかしいろいろな名あて人だとかそういった人の住居表示をするとかいうのは、これによってきまった戸番制を使っていくということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/56
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057・門司亮
○門司委員 そうすると税金の問題もやはり土地台帳による番地ですか。土地台帳による何番地に家が建っているということで税金をおとりになるのですか。居住番号をお使いにならないのですか。どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/57
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058・安井謙
○安井国務大臣 税金そのものの対象になるものは登記番地を従来通り使う、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/58
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059・門司亮
○門司委員 そうすると結局結論はこう考えればよろしいのですか。土地や建物には従来の登記番号が一つあって、そのほかの居住番号がもう一つできるという複数制になるというふうに考えておいてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/59
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060・安井謙
○安井国務大臣 若干複雑でございますが、そういうふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/60
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061・門司亮
○門司委員 これは自治行政の建前の上から言うならば、私がさっき申し上げておりますような方法をどうしてもとっていって一本のものにしなければ、行政の簡素化にもならなければ何にもならない。自治体も非常に迷惑されると思うのです。この家は土地台帳では何番地に建っているが、居住表示では何番地だ、手紙はそこへやらなければならないということになるのです。その辺は非常にめんどうなことになりはしませんか。それからたとえば税金をとられる場合でも、やはり登録されておる番地の上に家が建っておる。ところが通知はこの表示でお出しになるということになりますと、受け取った方も、自分の住んでいる番地とどうも居住の番号が違う、こういうことになるのですが、それでよろしいのですか。そういうことがあるから、むしろ郵政省なら郵政省の仕事にしておけば——単なるそういう便利でやったというようなことでよろしいのですが、役場の便宜にはちっともならないのじゃないですか。それは大丈夫なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/61
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062・安井謙
○安井国務大臣 おっしゃるような不便は一見あると思います。あると思いますが、これは今のそういう税金の対象あるいは土地売買の登記の際の対象だけに現在の登記簿によるものを使う。これは依然として残ってくるわけであります。その他の住所の表示とか、あるいは手紙のやりとりといったものは今度の新しい制度によることになりますので、若干二重の問題が起こってくることは事実でありますが、それよりも全体がわかりやすくなるという方が全体の便利からいえばいいという結論に——始終審議会等も非常に慎重に検討もいただきましたし、またその他の居住民あるいは自治体の関係者の意見もいろいろな角度から徴しました結果、今御指摘のような二重の問題はできてくるが、それでもこの方が非常に便利であるという結論に達したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/62
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063・門司亮
○門司委員 これだけでやめますが、そうしますと、町村役場には二つの台帳を備えなければならない、こういうことになるのですね。一つは現在あります税金その他をかけておる土地あるいは建物の登録されたもの、明確なものがなければならぬ。もう一つは、この番地によって選挙人名簿をこしらえるとか、いろいろ書いてあるようでありますが、そういうもの。そうすると、町村役場には、その土地におります居住民の名簿というものが二つできなければならないという結論になると思うのです。それだけ地方の自治体に迷惑と複雑性をかけるのじゃないですか。だから私は自治行政の上からどう考えても簡素化になると考えられないが、手紙や何かの番地を探したり何かには便利になるかもしれません。しかし自治行政の建前の上からいけば、それだけ複雑性を地方の自治体に押しつけることになって、決していいものじゃない。むしろ、こういうものをおこしらえになるのならば、さっきから言っておりますように、郵政省なら郵政省が地元の協力を得ておやりになるのならば、それはちっともこの際かまわぬと思うのです。そういうポスト・ナンバーの制度をとるならば、それでもよろしい。しかし自治体でそういう二重の帳簿をこしらえて、両方見なければわからない。この番地にだれがいるのだかわからないというようなことでは、自治行政の上で非常にやりにくくなりはしませんか。要するに、登記されておる登録番号と居住番号とが違うのですから、非常に複雑になりはしませんか。その点は戸籍を扱う人はどうなんですか。あるいは実際に市町村の仕事をしている人はどうなんですか。こういう二重の組織がいいか悪いか。私は悪いと考えているのですが、自治大臣はこれの方がいいとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/63
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064・安井謙
○安井国務大臣 おっしゃる通りに二重になるわけです。従来の登記簿によるものはそのまま残っておって、新しい居住表示によるものが今度できるわけで、選挙人名簿の作成とか、そう一つた一般の事務はすべてそれでやることになります。ただ土地の売買とか固定資産税の税金の対象になる場合には、従来のこの登記簿による番地が生きる、そういう格好になりますので、その意味では確かに二重に相なります。しかしこれは私どもが独断で考えたわけじゃないのでありまして、審議会でも長い間専門家に各方面から検討していただきましたし、また自治体自体の意見も十分に徴してみました結果、これが一番簡便で非常によかろう、こういう結論になってやっておりますので、いろいろな御懸念も確かにあるかと思いますが、これは相当慎重に検討いたしました結果、各方面の御意見に徴してやっておりますので、一度ぜひこれでやらしてみていただきたい、こう思う次第でありまして、御賛同をぜひお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/64
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065・門司亮
○門司委員 これは行政局長に聞きますが、今言ったようなことで、単に町名地番を作るという補助金だけでは済まないと思います。恒久的な費用が要ると思います。役所の中に係ができざるを得ない。帳面が二つあれば、帳面を整理する費用ができざるを得ない。だから、恒久的な費用がかなり町村役場にかかると思います。だから、これは単なる補助金では済まされない。これだけ事務がふえることはわかり切ったことです。ふえざるを得ないということです。一時的に名簿を切りかえるとか、あるいは書きかえるというだけでなくて、二重のものを備えなければならない。二重に仕事をしていかなければならない。補助金で何とか間に合わせる、あるいはその場で間に合わせるということはできないと思います。恒久的な経費としてどのくらいのものがかかるのか、そんなことを計算されたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/65
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066・佐久間彊
○佐久間政府委員 これは大臣が申されましたように、土地、不動産の権利関係の表示をいたします関係の帳簿は、従来の地番を使うことになりますが、そのほか住民票でございますとか、あるいは選挙人名簿でございますとか、各種行政に使われております帳簿は、みな新しいこの方式によっていくことになるわけでございます。そこで一見二重になりまして、複雑なようではございますけれども、書きかえが終わりましたあとにおきましては、この現在住民を対象にいたしております各種の帳簿をむしろなるべく統一的に、ごくわずかな帳簿ですべての行政の用に間に合うということも、この法律の施行と関連をいたしまして、自治省でも各省と連絡をいたしまして検討をして住民を対象としていきます帳簿に関する事務も、帳簿そのものも、簡素化をはかって参りたい、かように考えておるわけでございます。具体的に帳簿の整備にどのくらいの経費がかかるかということにつきましては、一応坪当たり一円五十銭見当という推算はいたしておりますけれども、これは実施をいたしてみませんとまだ正確なことはわかりませんので、三十七年度は先刻申し上げましたモデル地区につきまして実施をいたしてみまして、その結果によりまして、三十八年度以降財政措置を講じて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/66
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067・門司亮
○門司委員 そうすると、大臣一つはっきり約束をしてもらいたいんだが、今局長は、財政措置は三十八年から、こういうお話ですが、そういう今の答弁を聞いてみますと、これはどう考えても行政の仕事ではないですね。モデル地区をこしらえて、そこでやってみてよければやるのだというようなあいまいなことでこの法律を出されることは、実際は迷惑だと思うのです。しかし一応これで整備ができるというならば、一応やってみられることはいいかもしれない。しかしこれはどうしても自治省のやる仕事でもなければ——それならばもう少し徹底したものがよろしい。
それから同時に約束をしておいてもらいたいのは、今の局長の答弁では、そう費用はかからないようなことを言っておりますが、土地の売買とかなんとかいうことだけではなくて、従来の関係である税金その他のすべてについても、今までは何番地のどこはだれが住んでおってだれの所有だからということだけで、土地台帳だけで税金との関係はやれたのです。しかし今度は居住のナンバーが違って参りますと、照らし合わせなければならない。ここにはだれが住んでいるか、この番地の所有者はだれであるか、どうしても新しい名簿によらなければならないのです。そうすると、台帳を二つ備えなければならない。二つ備えなければならないということになりますと、二重の手間がかかることははっきりわかっておる。だから、この費用は必ずここで出す、めんどうを見るということだけははっきりしておいてもらわないと、うっかりこれを通して、あとで地方自治体が迷惑をして、多少便利になったからよかろう、住民の便利になることだからよかろうということで、財政的負担が伴わないことがあってはならないと思う。だから、この際くどいようですが、大臣に、財政的の問題については、地方の自治体に迷惑をかけないということだけはっきり約束をしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/67
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068・安井謙
○安井国務大臣 これはモデル地区といいましても、特に繁華で複雑になっておる市街地を中心に、まず進めていきたいということでありますが、それを進めました結果、今御説のような財政的な問題につきましては、十分慎重に検討いたしまして、自治体々々々に非常な迷惑のかからない十分な措置を考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/68
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069・門司亮
○門司委員 大臣、もう少しはっきり言って下さい。自治体に非常な迷惑のかからないようにということですが、非常なという字をとっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/69
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070・安井謙
○安井国務大臣 門司委員の御意思の線に沿って善処するようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/70
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071・園田直
○園田委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ本案についての質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/71
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072・園田直
○園田委員長 これより法案を討論に付すのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決に入るに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/72
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073・園田直
○園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
これより住居表示に関する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/73
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074・園田直
○園田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/74
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075・園田直
○園田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
この際、暫時休憩いたします。
午後零時四十二分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕手
〔参照〕
住居表示に関する法律案(内閣提出第一一一一号)(参議院送付)に関する報告書〔別冊附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X03819620506/75
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