1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年一月三十一日(水曜日)
午前十時四十二分開議
出席委員
委員長 佐藤虎次郎君
理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
理事 小泉 純也君 理事 佐藤洋之助君
理事 廣瀬 正雄君 理事 大柴 滋夫君
理事 栗原 俊夫君 理事 森本 靖君
大森 玉木君 椎熊 三郎君
志賀健次郎君 竹内 俊吉君
中山 榮一君 羽田武嗣郎君
橋本登美三郎君 保利 茂君
畑 和君 安平 鹿一君
谷口善太郎君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 迫水 久常君
出席政府委員
郵政政務次官 大高 康君
郵政事務官
(大臣官房長) 金澤 平藏君
郵政事務官
(監察局長) 田中 鎭雄君
郵政事務官
(郵政局長) 西村 尚治君
郵政事務官
(貯金局長) 荒巻伊勢雄君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 板野 學君
郵政事務官
(電波監理局
長) 西崎 太郎君
郵政事務官
(経理局長) 佐方 信博君
委員外の出席者
郵政事務次官 大塚 茂君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
郵政事務官
(大臣官房人事
部長) 長田 裕二君
専 門 員 吉田 弘苗君
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本日の会議に付した案件
簡易保険郵便年金福祉事業団法案(内閣提出第
三三号)
郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
第三〇号)(予)
郵政事業に関する件
郵政監察に関する件
電気通信に関する件
電波監理及び放送に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/0
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001・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
去る二十五日本委員会に付託になりました簡易保険郵便年金福祉事業団法案及び予備付託となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の両案を議題として審議を進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/1
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002・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 まず両案について提案理由の説明を聴取いたすことといたします。迫水郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/2
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003・迫水久常
○迫水国務大臣 ただいま議題となりました簡易保険郵便年金福祉事業団法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
現在、政府におきましては、簡易生命保険法及び郵便年金法の規定に基づき、簡易保険及び郵便年金の加入者の健康を保持し、その福祉を増進するための施設といたしまして、全国に簡易保険診療所二十九ヵ所、加入者ホーム三ヵ所を開設しており、さらに、加入者ホーム五ヵ所、保養センター二ヵ所の建設を進めております。
これらの福祉施設の設置及び運営は、現在、郵政省が直接行なっているのでありますが、福祉施設の今後の拡充発展に備え、その効率的な運営をはかり、また、利用者により行き届いたサービスを提供するためには、特殊法人たる簡易保険郵便年金福祉事業団を設立し、これに福祉施設の設置及び運営を行なわせることが適切な措置であると考え、この法案を提出いたした次第であります。
次に、法案の内容について概略御説明申し上げます。
まず第一に、簡易保険郵便年金福祉事業団は法人といたしまして、当初の資本金は、事業の設立に際して政府が出資する現金出資額四億三千八百万円と現物出資額との合計額といたしております。現物出資をいたしますものは、既存の簡易保険診療所、加入者ホーム等の用に供している土地、建物、船舶等であります。
第二に、事業団の役員として、理事長一人、理事三人以内、監事一人を置くことといたし、その任期は、それぞれ三年といたしております。
第三に、事業団の行なう業務といたしまして、簡易保険及び郵便年金の加入者に対する福祉施設のうち、老人福祉施設、診療施設、保養施設その他の施設で政令で定めるものの設置及び運営を行なうことといたしております。
第四に、事業団の予算、事業計画、資金計画、借入金等につきましては、郵政大臣の認可または承認を要するものといたし、また、政府は、予算の範囲内で、事業団に対し、その業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することといたしております。
第五に、事業団は、郵政大臣が監督するものといたし、また、郵政大臣は、事業団の予算を認可しようとするとき等一定の場合には、大蔵大臣と協議するものといたしております。
その他、この法案におきまして事業団の設立に関連して必要な簡易生命保険法等の関係法律の改正を行なうことといたしております。
以上がこの法案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、郵便貯金の貯金総額の制限額を引き上げることを内容とするものであります。
現在、郵便貯金の一の預金者の貯金総額の制限額は三十万円でありますが、最近における郵便貯金の利用者の所得及び貯蓄保有額の伸びの状況、財政投融資の原資の確保などの面から見まして低きに過ぎると考えられますので、これを五十万円に引き上げて、預金者の利便と郵便貯金の増強をはかろうとするものであります。
また、貯金総額の制限額の引き上げに伴いまして、積立郵便貯金の一回の預入金額につきましては、現行の百円以上一万二千円以下を百円以上二万円以下に改め、定額郵便貯金及び定期郵便貯金の預入金額につきましては、現行の三千円及び三万円を廃止して新たに十万円を設けようとするものであります。
以上がこの法律案の提案の理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/3
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004・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 これにて提案理由の説明の聴取を終わります。
両案に対する質疑は後日行なうことといたします。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/4
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005・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 郵政事業、郵政監察、電気通信並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。栗原俊夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/5
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006・栗原俊夫
○栗原委員 先般郵政大臣から郵政事業の所管事項の説明をお伺いしたのですが、昨年の年末いろいろと心配されたことも、組合と円満に解決ができて、郵便事業の運行も例年にない好成績をおさめることができた、こういう報告を聞いて、非常に喜んでおったわけです。従って、いろいろ年末にもいざこざがあったけれども、一切が水に流れて、まことに心地よい新年が迎えられた、こう考えておったところが、新聞の報道を見ますと、極刑ともいうべき首切り三名を含めた処分の発表がなされております。これは一体どんな事情でどういう内容なのか、一つこの際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/6
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007・迫水久常
○迫水国務大臣 昨年の七月ごろから年末までの間に闘争が行なわれましたことは御承知の通りでございますが、闘争期間中において、特に著しい適当でない行為をした者に対しては、やはり郵政事業全体の秩序を保持する上から、処分をする必要を認めました。もちろん、ただいまおっしゃいますように、年末非常な成績をあげましたので、この点については、昨日処分の発表と同時に発表いたしました郵政大臣談話にも、「今次年末年始の郵政郵便事業の運行が近来にない成績をおさめたことに関し、従事員諸君の努力を高く評価し、十分これをしんしゃくしたのでありますが、国民の公僕たる公務員としての職責にそむき、国民に多大の迷惑を及ぼした者に対しては、それぞれその情に応じて責任を問わざるを得ないのであります。」と発表いたしました通りの考えであの処分をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/7
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008・栗原俊夫
○栗原委員 闘争ですから、その過程においては、率直にいって、いろいろ好ましくない行動もあっただろうと思うのですが、組合との最終の話し合いの取りきめに際して、いろいろと行なった行動についての責任の追及は、別途に追及するんだというような立場でお取りきめになったんですか、その辺はわれわれにはちょっと理解ができないのです。普通物事の取りきめをするときには、それではここで話をきめよう、ついては、話がきまる以上は、過去の問題については云々というようなことが、大体話し合われるのが通常だろうと思うのですが、その間の事情を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/8
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009・迫水久常
○迫水国務大臣 私は、組合の方から、この場合一切を水に流して、処分についてはよく考えてほしい、全然処分がないようにしろということを言い出すのではないけれども、少なくとも免官ということだけはないようにしてくれという話を受けました。私もその心持はまことに了といたしました。しかし、実際上いろいろ調べてみますと、どうしても免官という格付をしなければならないような不適当な行為のあった者も若干おったのであります。従いまして、その部分については、ほんとうに最小限度のところに――先ほど言いましたように、年末における努力を高く評価し、十分これをしんしゃくして、最小限度三名というところになったのであります。こういうような措置をしなければならなかったことは、まことに遺憾千万なことと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/9
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010・栗原俊夫
○栗原委員 組合の方からも、免官というような、言うならば極刑を具体的に現わすことはやめてもらいたい、こういう希望があったというお話であります。確かにそうだろうと思うのです。闘争のほこをおさめて、しかも大臣から国民に向かって、例年にない好成績をおさめた、そういう態度に入っていったわけですから、組合としてはそういう要求は当然であり、また普通の刑事事件にしても、人を殺しても、その人がかつて人命救助をやっておるとか、いろいろなことがあれば、死一等を減じて云々というようなこともあるのであって、国民に例年にない好成績といえるような態度に組合が出た、そういう態度の中から極刑を三名出すということは、私としては何としても納得できません。それは万やむを得なかったということがあるにしても、免職は、言うならば職場にとっては死刑なんですから、この点はやはり十分考えてもらわなければならぬし、それではと切り返してお尋ねするわけではありませんが、そういう過程において、確かに年賀郵便は大臣のおっしゃる通りうまくいったわけですが、戦いの過程においては、処分しなければならぬような事態の中に具体的に郵便物が堆積して、国民に相当な迷惑のかかったことも事実です。そういう立場に立てば、組合員だけを処分することによって事足れりではなくて、それでは具体的に国民にかけた迷惑の責任は一体だれがどうとったんだ、これを国民としては聞きたいのです。それは一体どうなったんですか、大臣。組合員の処分だけすれば大臣として事足りるのか、そうではなくて、実際に郵便が停滞して国民には具体的に迷惑をかけた、それは首を切ることによって、あるいは処分をすることによって、これでおれたちは事が済んだんだ、責任はのがれるのだ、こういう考え方なんですか。あるいは国民にかけた迷惑は、一方においては、具体的にそういうことをやった人たちには、こういう処分をして責任を明らかにしたのだが、その最高の責任はおれたちがとるのだが、その責任は一体どうしたのか、ここのところを少しはっきりしてもらわぬと、国民の一人としてこれは承知できません。それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/10
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011・迫水久常
○迫水国務大臣 昨年年末以前に郵便の遅配が起こりまして、国民に多大の御迷惑をおかけしました。そのことについては、私は申しわけのない事態であるということを何べんも申しておるのでありまして、それを解消すべく、組合のいろいろな要求事項も十分考えましてこの解消に努力をいたしました。今回の処分の対象になりましたのは、ある一つの郵便局の中において、いわゆる飛び上がったといいますか、はね上がった行動が特に顕著でありまして、しかも従来、中には二度、三度懲戒を受けながらも、どうしてもそういうことをする。免官ということにいたしましたのは、そういう人がこの組織の中におりまして、郵便局の中に置きましては、郵便局全体の一つの秩序保持、ほかのよく働きたいと考えている人たちの立場から考えても、そういう人たちはこの職場にいない方が適当である、置くわけにはいかないという種類の人たちを免官にいたしたのでありまして、この免官をすることによって、郵便遅配という事態に対するわれわれの責任がなくなったとは決して考えておりません。その人個人に対する処置とお考え下すってけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/11
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012・栗原俊夫
○栗原委員 大臣の御答弁と私のお尋ねしておることが、ちょっと行き違っておるのですが、私はあれだけの闘争があったのだから、まあいろいろと話し合った中にも、ある程度の処分ということはあり得るかもしれぬ。しかし、極刑というものはこれはむちゃだ。話し合いがついて、国民にあれだけの見事な仕事をやった、そういう中で極刑はむちゃだ。これについてはあとでいろいろ議論を進めて参りたいと思いますが、私が最後に大臣にお尋ねしておるのはその点ではないのです。それはそういう立場でやったかもしらぬが、それでは一方、管理者の立場に立っては、一体国民にどういう責任をとったんだ、首を切ることだけで責任が済むのか、あるいは大臣が談話を発表して、どうもまことに申しわけなかったということだけで責任がとり切れたと考えておるのか。片一方で減給もした、あるいは停職もした、首も切った、管理者の方は談話だけで事が済むのか、それではおかしいではないか。具体的にやった者はこういう処分をした、これを管理した者もこういう処分をして、とにかく国民におわびし、今後こういうことの再びないようにするのだ、こういうことでなければ話にならぬと思うのだが、どういう考えを持っておるのか、ここを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/12
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013・迫水久常
○迫水国務大臣 仰せられるまでもなく、管理者においても、その職務を実行せず、そうして何かそういうように不適当な行動のあった者に対しましては、当然管理者としての処置をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/13
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014・栗原俊夫
○栗原委員 そういう不適当な行動のあった者ではなくて、そういう事態を起こすような管理をやったということは、これはそのこと自体、やはり何といっても私は行政上の責任だと思うのですよ。従ってポストの入れかえ等によって、大臣の心持の中では一応事は済んでおるようにあるいは考えておるかもわからぬと思うのです。しかしそれだけでは国民にはわかりません。あの事態についてこういうことなんだ、こうなってこなければ、あの遅配に対する管理者としての責任の所在というものは明らかにならない。それを一体どうするんだ。度胸よくそれもやってもらいたい。さもないと、組合側にだけは遅滞の行為に対してはいろいろ処分はするけれども、そういう事態が起こった全体を管理しておる管理者側の方の具体的な責任の所在というものは国民には何らわかっていない。これでは国民が納得できないがここはどうなんだ、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/14
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015・迫水久常
○迫水国務大臣 処分は個人につくものでありますので、その人が従事者として適当でない行動があった、あるいは不当なる行動があった、その人に対する処置をする管理者としても、適当でない処置あるいは不当なる処置があったという場合には、もちろんその管理者に対して処分をいたします。遅配自体にどう責任を負うかということは、これは政治問題でありまして、私がその責任を負うのですから、私はその遅配を解消すべくいろいろ努力をし、今後も努力を続けていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/15
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016・栗原俊夫
○栗原委員 私の質問と大臣の答弁とは平行線で、私がよくわかりましたという答弁をなかなかしてくれそうもありませんが、しかしやはり完全な事態であれば問題が起こるはずはないと私は思うのです。もちろん、一方には個々の行動をとってみれば、法に照らして、これは法に反するとか、あるいはいろいろの問題の中で処分も出てきたのだろうと思いますけれども、それは百パーセント満足な管理が行なわれておる中にそういう問題は起こらぬと思うのです。従って、よってくだんのごとしというような因果関係の具体的な個人の責任にすぐ逢着するような関係においての原因というものは、なかなか把握しにくいかもしらぬけれども、しかし一方的に極刑まで出しておいて、片一方の方には何ら指一本さす瑕疵はないのだ、こういう態度ではどうも納得できません。従って、この際その具体的な内容をすぐ明らかにしろとは言いませんけれども、やはりものが起こったときにはおのずから原因があって果が出てくるのだ、こういう立場に立てば、再びそういうことが起こらないようにすべてを事前に処理していくことができる。それが最善の道であるけれども、かりに起こった場合には、やはりその具体的な現象を十分究明すると同時に、なぜ起こったかをこれまた徹底的に究明して、そうして両々相待って世間が納得するような処分という立場に立たぬと、おれの方には責任がないのだ、片一方は幾ら強く臨んでもいいということではいけない。片一方にも責任があるのだという立場に立てば、そうばたばたと首を切るような極刑も私はできないと思う。首切りばかりが能じゃなくて、再びそういうことのないようにという点に心してやっていただきたい、こういうことを強く要望して私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/16
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017・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/17
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018・森本靖
○森本委員 ただいまの同僚栗原君の質問に対して大臣からの答弁があったわけでありますが、社会党といたしましては、ただいまの答弁だけではなかなか納得がいきませんので、これはいずれ日を改めましていろいろ詳細に質問をしていきたい、こう思いますが、とりあえず資料といたしまして、きのう処分になりました人名と処分の内容、それから処分をいたしましたおもな理由、その処分されたところの対象、こういうふうなものをすべて資料として当委員会にまず御提出を願いたい、こう思うわけでありますが、よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/18
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019・迫水久常
○迫水国務大臣 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/19
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020・森本靖
○森本委員 いずれわれわれの方といたしましては、その資料を手に取りまして、そしてまた私たちの党の組織を通じまして、できる限り現地におきましていろいろ調査をいたしまして、その結果あなた方がおっしゃる点とわれわれの言っておる点の食い違いが出て参りました場合には、これを最後まで質問をしていきたい、このように考えておりますので、あらかじめ御了承願っておきたいと思うわけであります。
それから先ほど大臣から二つの法案についての提案理由の説明がございました。あえて私はここで故意にこれを追及しようという考え方はございませんけれども、ただこの際一言大臣に申し上げておきたいと思いますことは、国会には国会としての慣例があるわけでありまして、法案の審議についてもそういうような慣例が厳としてあるわけでございます。たとえば郵便貯金法のごとき、予算に直接の関連がないとはいえ、間接的に大きな関係のありますものについては、まずこれは衆議院で先議をして、そして参議院に送るのが今までの国会の慣例上の建前でございます。これをかりに参議院で先議をしなければならぬという理由がございましたら、そういうことは一応逓信委員長にお話を願い、そしてまた与野党の理事会においてもどうだろうというふうなお話があって、そうした上において両党が合議の上参議院に先議で送るという話であるならば、これまた話は別でありますけれども、そうでない限りにおいては、やはりそういうような法案の取り扱いについては、非常に簡単な法律案件であると申しましても、そういう国会の慣例等については、政府としても大いに尊重してもらいたい。私はあえて意地悪くこの問題を深く追及しようとは思いませんけれども、今後も問題があることでございますので、特に私は一言この問題について御忠告を申し上げたい、こう思うわけでありまして、大臣のこれに対する所見を一言聞いておきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/20
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021・迫水久常
○迫水国務大臣 郵便貯金法を参議院先議に提案をいたしましたのは、決して深い意味があったわけではなくて、法案の両院における割り振りとか、そういうようなことで国会対策の方とも相談をしてそうきめたのでありますが、今森本さんの仰せられるお話を聞きますと、その間もう少し慎重にやればよかったなということで、私大へん後悔をいたしております。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/21
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022・森本靖
○森本委員 それではこの大臣の所管事項の説明について簡単に聞いていきたいと思います。
詳しいことはまた後日お聞きいたしますが、この中で大臣が郵便貯金法と福祉事業団法と、それから郵政省設置法の一部を改正する法律案、これ以外にも目下検討中の法案もございます、これらについては後日御審議をいただくことになると思います、こういうことを言われておるわけでありますが、現在予定されておりますこの三法案以外に、郵政省が現在検討しておって、そしてこの国会に出すかもわからぬというふうな法律案件についてはどういうふうな案件があるのか、一応御説明を願いたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/22
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023・迫水久常
○迫水国務大臣 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正、つまり切手及び印紙の売りさばき手数料を少し引き上げてみたい、こういうような考え方で、現在大蔵省とどの限度大蔵省が承知をするかということについて相談を進行中の部分がありますのが一件、それからそのほか日本電信電話公社法というものを提案したいと考えております。これは減債基金の制度とか、あるいは余裕金の運用の方法とか、そういうものについて若干の拡大した考え方をしたい、それから電電公社が投資し得る場合を考えたい、こういうことでございます。それから、それは必ず御審議を願う段取りになると思うのでありますが、最後にもう一つ、これからもう少し研究しなければならぬ、それより確率はやや落ちるのですけれども、有線放送電話を公社に接続することに関して、有線放送電話に関する法律の改正をこの国会に出したものかどうかということを目下検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/23
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024・森本靖
○森本委員 切手売りさばき手数料の引き上げと日本電信電話公社法の改正、この二つについてはやや確定的に出したい、こういうお話でございますが、電電公社法の改正については、政府部内においてどういう意見がまとまりつつあるか知りませんけれども、余裕金等の問題についても、なまはんかな改正をするくらいなら、そう大して利益はない。やるのなら、かなり抜本的な改正をしなければならないというように考えるわけでありまして、これは参議院にわが日本社会党が議員立法としてその見本をすでに法律案件として提案をしてありますので、一つあの日本社会党の提案による公社法の改正と同じような、大体似通ったようなものが出てくれば、早く国会は通るということは間違いないと思うわけでありますので、一つこの日本電信電話公社法の改正については、わが党が提案をいたしております公社法の一部改正についても十分大臣としては参考にせられて、省内あるいはまた閣議をおまとめ願いたい、こう思うわけであります。
それからこの際特に私が大臣に申し上げておきたいと思いますことは、もし法案を出すとするならば、なるべく早期に法案を出していただきたい。まぎわになって出して、あれあれと言っている間に何だかわからないことになってしまうということのないように、あまり問題がないような法案だから、国会の末期に出して、さっさっと上げてしまう方が便利だからということで、終わりの方に出すということがないように、早く法案の出すものは出す、こういうふうに、早期に、出す法案については結論をつけてやってもらいたい、こう思うわけでありますが、その点について大臣から、これは初っぱなの委員会でありますので、特に私は早期に法案を提案していただきたいということについて聞いておきたいと思います。この切手売りさばき手数料、日本電信電話公社法の改正案等についても、できればもう――できればではなしに、少なくとも二月の中旬までには出す出さないという結論をつけて、その法案の輪郭というものを明確にしてもらわないと、それ以降になりますと、御承知の通り参議院選挙その他の関係でなかなか私は審議がむずかしいと考えますので、その点についての御意見も聞いておきたいということと、もう一つは、NHKの予算でありますが、これも早く出したら、あっちもこっちも審議せられて、突っつかれて損だという考え方かどうか知りませんけれども、毎年とにかく三月の十日前後になってこないと出てこないわけであります。これはもうすでに省内においても意見がまとまっておるわけでありまして、三月三十一日には衆参両院を通らなければならない、こういう予算案でありますので、これについても一つ早期に御提出を願いたい、こう思うわけでありますので、その点についてのNHKの予算については、一体いつごろ出されるのか、あとの二つの法案についての取り扱いはどうせられるのか、この点について大臣の所見を聞いておきたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/24
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025・迫水久常
○迫水国務大臣 ただいまの考えでは、二月の中旬までには皆さん方に御審議を願う段取りをつけたい、こうまじめに考えて一生懸命やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/25
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026・森本靖
○森本委員 NHKの予算は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/26
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027・迫水久常
○迫水国務大臣 同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/27
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028・森本靖
○森本委員 今のお言葉を信じまして、このことは打ち切りますが、一つ二月の中旬には間違いなくお目見えをするというふうに御努力を願いたい。それ以降になりますと、今度はどうもおそれ入りました、まことに済みませんという断わりだけではいかないということを、あらかじめ私はくぎをさしておきたい、こう思うわけであります。
それからもう一つ、これもはっきりしておいた方がいいと思いますことは、先ほど大臣が有線放送電話の法律案件についても、現在考究をしておる、確率は少ないけれども、場合によっては、この国会に出すかもわからない、こういうお話でございました。そこで、今法律案が三つ出ておりまして、これ以上に二つの法案が出る、それからNHKの予算が出る、こういうことになるわけですが、有線放送電話に関する法律の一部改正案がかりに出るということになりますと、これは有線放送電話だけでなくして、電気通信事業の一元的な行政方法というような点から、問題は小さいように見えながらも、考えようによってはかなり大きな問題になってくるわけであります。そういう点を考えたかどうか知りませんが、郵政省の予算を私が一べつをいたしますると、有線放送電話については、昨年と同じように、本年は郵政省としては調査段階にあるというので有線放送電話の予算を組んでおるわけであります。ただ、その予算というものは、去年から見ますると約五倍程度にふくれ上がっておるということは間違いないわけですが、しかし、依然として調査段階にあるということは間違いないわけであります。それから問題になっておりますこの有線放送電話に関する農林省の補助金等の問題についても、依然として農林省にまだある。こういうわけで郵政省の予算編成方針を見て参りますと、今年の予算の編成方法としては、今急に有線放送電話に関する法律の一部改正をするというふうな考え方ではないやにこの予算編成では見受けられるのであります。そういう考え方からいくとするならば、私は今国会ではこの有線放送電話に関する法律の一部改正はいっそのこと見送って、そうして慎重に調査した結果が出て、その上において法律案件を出すのが建前ではないか。現在の郵政省の予算の組み方を見た場合、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣のお話では、場合によったら出すかもわからぬ、場合によったら出すかもわからぬといいましても、この予算が実際に実行せられますのは四月からであります。この国会はたしか五月の七日か八日までであります。そうすると、この予算にあります三千何百万円という予算が四月一日から五月七日ですから一ヵ月と一週間くらい使ってみてということで法律案件が出されるという形にならないと思う。従って、それはどこの方の圧力かどうかしらぬけれども、出すかもわからないという御回答ではなしに、本年は予算に組んである通りもう一年調査を延長して、慎重に調査した結果、次期の臨時国会なり、あるいは通常国会には結論を得たならば出すかもわからぬ、こういう回答の方が、予算の編成上から見て正直な大臣の回答ではなかろうか、こう思うわけでありますが、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/28
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029・迫水久常
○迫水国務大臣 ただいま森本さんのおっしゃったようなことがあるから、確率は少ないけれどもこれから検討すると言っておるわけです。そこで、実をいいますと、有線放送電話というのは郵政省が当然今後において所管すべき筋のものであって、率直に言うと、ことしの予算からもう少しはっきりした筋のものにしたいと非常に努力しましたけれども、私の力足りずして試験的なものになってしまった。金額は相当ふえたのですが、金額がここまでふえてくれば、次の年からは、三十八年度からは、まあわれわれの願っているような形のものができるだろう、そうすると法律を先に作っておいた方がむしろいいのじゃないかなという感じもするので、そういうことで今研究をいたしておるので、森本さんが言われるように、この次にしたらどうかということをあまりはっきりおっしゃらずに、もう少し検討が進んでから社会党にも御相談をいたしますが、それでもし委員の先生方がやってもいいなというお考えになりましたら一つ御審議を願いたい、打ちあけて言うとそういう立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/29
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030・森本靖
○森本委員 別に食い下がるわけではありませんけれども、こういうものはやはり政治家らしい今の大臣の発言でありますが、あまり政治家らしい発言をしなくても、あっさりものを言った方がいいのではないか、こういうことで親切に言ったわけでありまして、大体出すつもりでないにもかかわらず出すやらわからぬというふうな、何か焼きイモのにおいみたようににおいだけかがして、そのうちずるずる送っていこうというような考え方でなしに、やはり今年はこの調査の予算をフルに使って、十分にあらゆる角度から検討して次の国会にはぜひ成案を得て出したいと思います、こう言った方がもっと迫力があるのではなかろうか。大臣のように出すやら出さぬやらわからぬ、とにかくまあまあというようなことよりは、私の言ったようなやり方でやった方がいいのじゃないか、こういう意味で言ったわけでありますが、いずれにしても、大体大臣がこの国会ではあまり出す気がないということがわかりましたので、これ以上の質問はいたしませんが、こういう点については今後大臣らしくすぱっと、はっきりものを言うように習慣をつけてもらいたい、こう思うわけであります。
次に、この大臣の所管事項の説明の中で重要な点だけ聞いておきたいと思いますが、昨年の九月に郵政省の中にFM放送の調査会ができまして、そうしてわれわれが仄聞するところによりますと、今までの調査会と違って、これは会長の次官がいいのかどうか知りませんが、なかなか熱心に、かなり系統立った審議をして、そうして一つの結論の方向に向くような――今の調査会では、とうてい結論をつけ得るメンバーではないと私は思っておりますけれども、しかし調査審議だけはなかなか系統立って活発にいっておる。この点は特に私はほめてもいいと思うくらい勉強しておる、こう思うわけであります。
ただ、そこで特に私は郵政省にお願いしておきたいのは、FM放送の調査会が調査しておりまする段階におきましての資料も、もしできましたら一つこれは逓信委員の各位にも――あの中では、かなりわれわれの参考になる資料もあるやに見受けられますので、できる範囲内においては、私はどんどん出していってもらいたい、こう思っておるわけであります。本日まとまった資料が出ておりまするけれども、これ以外に散布された資料が出ておるのじゃないか。この資料は手ぎわよく電監局長の方でまとめた一つの資料でありまして、この散布された、われわれがほしいような資料も、新聞報道なんかを見ておりますとたくさんあるわけでありますので、そういう点については私は特にこの際要望しておきたいと思います。
そこで、せっかく勉強されておりまするFM放送の調査会でありますが、私の考えといたしましては、この省内の調査会も慎重に討議を進めておりますし、われわれ当委員会といたしましても、この問題については、かなり関心を前から持っておる問題でありますので、当委員会は当委員会の独自の考え方において、FM放送あるいは現在の中波、あるいはまた現在のテレビ、さらにUHF帯のテレビの問題というふうな、総合的な電波の問題についての一つの的確な系統立った審議を、場合によっては私は進めていきたい、こう考えておるわけであります。そこで、そういう意味におきましての審議にも関係がありますので、特にお聞きをしておきたいと思いますことは、できるだけ早く結論を得るように努力をいたしたいと考えております、とこうあるわけでありますが、その結論を得るに至るのは、省内のFM放送の調査会としては一体いつごろをめどにしておられるのか。われわれとしても歩調を合わせてやっていきたいというように考えておりますので、その省側としての調査会の今後の方向について一つお聞きをしておきたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/30
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031・迫水久常
○迫水国務大臣 本日お手元に差し上げました中間報告は、これの問題点をずっと系統的にあげたものでありまして、たとえばFMというものは、難視難聴の解決あるいは混信の解決、そういうものに重点を置いて使うべきなのか、あるいはFMという一つの電波の形態を、それ自身の独立のものとして使うのか、あるいはFMというものが独立で経営体が成り立つのか成り立たないのか、民放としてFMというものがあり得るのかどうか、FM専門のものがあり得るのかどうかというふうな、そういう検討すべき項目をそこへずっと羅列しているわけです。その一つ一つについて答えをできるだけ早く出していきたいと思っておりますが、いつごろまでに答えが出ますか、これは次官が会長でおりますので、次官の勉強の仕方にもよるわけですけれども、私の希望としては、年度内にはそういう答えを出してほしいということを希望しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/31
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032・森本靖
○森本委員 大臣としては年度内に結論を出してもらいたい、こう思う。当然であると思います。そこで、それなら調査会長に聞いておきますが、大臣の希望が年度内に結論を出してもらいたいと思うということであっても、なかなかむずかしいというふうにも聞いておりますし、もしかりに三月の末に省内か結論を出すということになりますと、これはわれわれとしてもかなり審議を急ピッチにして、あなた方が今までやってきた以上に当委員会としては委員会を開会して、この問題だけでも審議をしていかないと間に合わぬ、こういうことになるわけでありますので、一つこれは会長の所見を聞いておきたい、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/32
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033・大塚茂
○大塚説明員 大臣も仰せられましたように、三月末までにできるだけ各項目についての結論を得たいという目標で努力をいたしたいと思っております。ただここに掲げてあります問題点を見ましても、それぞれ非常にむずかしい問題でございますし、ただいま実験局等におきまして実験をしておるもの等について結果が出ないと、なかなか結論が出しにくいという問題等もございますので、思うようにいくかどうかという点については必ずしも自信がございませんが、できるだけ早く、しかも慎重に一つ取り扱いたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/33
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034・森本靖
○森本委員 そこで、特に会長に聞いておきたいと思います。この調査会は、こういう中間報告として一応出しておるわけでありますが、そうしてまだこれ以上に、今大臣が言ったような重要な問題についてのことがいろいろあるわけであります。それからさらに、FM放送だけでなくして、将来の放送というものをいかにすべきかという根本的な問題にもなってくると思うわけであります。そうなってきますと、現在の民間放送の免許の基準の問題というふうなことにも、やはり私は触れていかなければならぬと思うのであります。そういう点からいきますと、次の大臣の説明事項に出て参りますUHF帯のチャンネルプランを作成することとしたいと思う、というテレビのUHF帯のチャンネル・プラン作成についても、やはりこれは波及をしてくると思うのであります。こう考えて参りますと、FM放送の調査会が単にFM放送のみに結論を急ぐということについては、かなり私は慎重な配慮が要るのではないか。そういうふうに放送全般についての考え方を持っていかなければならぬのじゃないか。それから、かりにUHFの開発をするということになるならば、これはやはりテレビの問題にも影響してくるわけであります。かりにVだけで今やっておるような形でやるとなりましても、そうすると現在のVにおけるところのテレビと、今後行なわんとするところのUとの関係という問題も起きて参る。またそれとのかみ合わせという問題も起きてくるわけであります。だから、私は、このFM放送調査会というこの段階で、はたしてこういう調査会の機能でいいのかという気がしてならないのであります。できれば、いわゆる電波放送という関係から、通信関係は別として、しいてこれを理由をつけるとするならば、同じVあるいはUの波の中におきましても、通信行政に使う場合もありましょうし、そういう考え方からいくとするならば、電波放送に関する委員会というようにした方が、ほんとうの放送行政全般についての結論が得られるのではないか。単にFM放送のみに片寄った結論を得るということは、何か今FM、FMというてブームみたいな格好になっておりますので、そのブームにマッチするためには、FM放送調査会というような名前がいいかもしれませんけれども、本来言うならば、私が言うように電波放送に関する調査会というようなことで、実際に今言ったような総合的な結論をつけていくのが正しいのではないかというふうに考えるわけでありますが、その辺について、次官として、このFM放送の調査会の会長として一つ聞いておきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/34
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035・大塚茂
○大塚説明員 おっしゃられますように、FMだけを取り上げてどうこうということでなしに、最も近い中波との関係をどうするか、ひいてはテレビとの関係をどうするかというふうな、放送全体に関する一つの系統立った政策なり考え方というものが基礎にならなければ、FMだけを抜き出して考えるというわけには参らぬのじゃないかというふうに私も考えておりまして、その辺から、省内の人たちだけで作ったこのFM調査会という内部機構だけで、FMについての決定的な結論を省として出すというわけにはおそらく参らぬのじゃないか。電波監理審議会という既設の機関もありますし、あるいは新たな構成を考えるか、いずれにしても当面の意見を慎重に取り入れながら、放送全般との関連においてFM問題の結論を出していきたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/35
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036・森本靖
○森本委員 そうすると、だんだんわかってきましたが、ざっくばらんに言って、こういうことですか。FM放送というて、なかなかブームに乗ってやかましい。申請も、これはここに書いてあるように、百四十一社、三百四局の多きに達しておる。このままほうっておいたのでは、とにかくどうにもしようがない、何か郵政省はやっておるということを世間に裏づけをしなければならぬ、しかし、これは問題が大き過ぎるので、とてもこれに対する政策的な結論を省内でつけるということはとうていできない、しかし、そうかといって、ほっといたのでは官僚の責任を問われる、何か動かなければいかぬということで、一応FM放送調査会ということをやって――これは内容は非常にいいと私は思うのだ、あなた方の検討しておる内容は。しかし、こういうふうに検討して、そうして最終的には一つ各界に対して参考意見にできるような資料をとにかく収集してやろう、こういう意味なのか、あるいは政策の具体的な結論をこの省内の調査会においてつけようとされておるのか、どちらかだと思うわけですが、私の考えでは、やはり当たらずさわらずで、あらゆる資料を集めてきて、そうしてそれに対して検討して、各社に対する行政機構としての調査あるいは審議をした結果はこういう事情でございます、とこういうことで、あとは大臣の政治的な手腕によるのか、各界の意見を聞くのか、とにかくこの重大な問題の結論はどこかほかの方でつけてくれ、こういうことではないか、こういう気がするのですが、どうですか、その辺は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/36
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037・大塚茂
○大塚説明員 これは私が事務次官として会長をやっておりますので、調査会で出た結論が、形式的、法律的に申しますと、そのまま省の意見とか結論ということにはならぬわけでございますが、しかし、事実上は事務次官、電波局長等が入った調査会でございますので、省の最終的な決定がそう違うはずはあまりないのじゃないかというふうにも考えております。従って、無責任にただ問題をいじくって、一応体裁を作っておるという問題ではなく、郵政省の解決すべき問題として、真剣に調査会としては取り上げてやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/37
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038・森本靖
○森本委員 私が聞いておるのは、真剣に取り上げて調査をし、審議をしておるということは、私がさっきも言ったように、十分賞賛に値するだけの仕事をしておるということは、先ほどから言っておるわけであります。ただ、私が言いたいのは、それがまだ、今次官が言った通りに、一応事務当局としての結論めいたような形でないような結論を出しても、事務次官以下電波局長も入っておって、そうして事務的な結論が出たとしても、これは事実問題としてかなり影響力というものは大きいわけであります。だから、私が聞いておるのは、その調査会というものが、省内のこういうような機関において、これだけの大きな問題について、軽々とは言いませんけれども、そういう政策の根本に触れるような問題に至るまで結論をつけるという自信を持ってやっておられるのか、また結論をつけなければならぬという考え方においてやっておられるのか、あるいはまた各界の意見を十分に聞いて、あるいは資料を十分に収集をして、そうして十分に審議をして、かなり結論めいたことにはなるけれども、かなりまだそこに政治的な配慮を要するところの参考資料というような形において、最終的な結論がまとまるという形になるのか、その辺が非常に微妙な問題になってくるわけであります。かりにFM放送、放送行政についてはこうでなければならぬという確固たる信念に基づいて結論を調査会が出すということであるとするならば、それを大臣が取り上げる、電波審議会がどうこうする、あるいは出委員会においてどう論議をするということは、これは勝手であります。勝手でありまするけれども、次官が今言ったように、少なくとも事務次官以下電監局長の入った調査会がそういうはっきりした結論を出すということは、各界、各方面に対する影響力というものはかなり大きなものがあるわけであります。だから、その辺の、省内にできておるところのFM放送の調査会というものは、最終的にどういう方向に持っていこうとしておられるのか。その考え方によっては、われわれとしても、場合によってはFM放送調査会の人々に、これはあなた方がほんとうに最終的な結論を出して大臣に答申をするということであるとするならば、これはやはりわれわれとしても、相当再三にわたって、今度は調査会自身に対して聞いていかなければならぬ問題が多く出てくる、こうなるわけでありますので、その調査会の方向について私は聞いておるわけであります。それが、先ほど言いましたように、調査会というものが、このFM放送の行政については、単にFM放送だけでなくして、その他の放送行政全般にも大きな関係がある一つの日本の放送行政の大きな今後の根幹になる問題である。しかし、そういう問題については、とても事務的なこの調査会において政策的に結論を出してどうこうするということはできないけれども、しかし、それにほぼ近づくようなあらゆる参考的な意見を聞き、あるいは資料の収集をし、そうして政治的な判断をするところの材料としてのこの調査会の報告書を出すというような形であるとするならば、その調査会の方向が非常に違ってくるわけであります。その辺の今後の調査会の方向というものはどういう方向にあるのかということを聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/38
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039・大塚茂
○大塚説明員 私ども調査会の関係者としましては、できるだけ調査会ではっきりした結論を出したいという意気込みでやるわけでございますが、その結論としては、あるいはさらにこういう機関を作って、この調査会で作った原案というものを審議していただくのが適当だという答申を大臣に出すということになるかもしれませんし、まあ意気込みだけは先ほど申し上げました意気込みでございますけれども、出る結論についてはまだそこまではっきり予定をしていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/39
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040・森本靖
○森本委員 いずれにいたしましても、この問題はかなり重要な問題でありまするから、かりに参考資料的なFM放送調査会としての結論的なものをまとめていくということであるとするならば、そう大した問題じゃないと思いますけれども、しかし政策的な大綱の根本を、一応軽い気持においてでも、結論としてこれを大臣に答申をすることになりますと、かなり大きな影響力を及ぼしますので、その辺の取り扱いについては、かなり慎重な政治的な大きな配慮と考慮とを考えてやっていかないと、私は問題になるのじゃないかと思う。少なくとも今のような中間報告でしたならば、私はこれは内外に自由に発表してけっこうだけれども、最終的な政策的な結論を出して、これを大臣に答申をするということがかりにあったとしても、その取り扱いにはかなり慎重な考慮と配慮とをめぐらさなければ、非常に大きな波紋を描くであろうということを心配いたしますので、今後この問題については、場合によっては、当委員会においてもこの調査会のみの質問をやる場合もあると思いますので、その点をあらかじめ御了承願っておきたいと思います。
ついでに、電監局長が来ておりますので聞いておきますが、これをもとにいたしまして、UHF帯のチャンネル・プランの作成をすることとしたいと考えておりますと、こう書いてありますが、私は、UHF帯のチャンネル・プランについても、テレビのチャンネル・プランについても、これはやはりFM放送にも若干の関連があると思うのであります。FM放送については、おそらく今の考え方ではVを使うという考え方であろうと思いますが、そうなってくると、UとVとのテレビとNHK放送との組み合わせ、あるいはまたテレビのVといわゆる中波の組み合わせというようなことが問題になってくると思いますので、現にUHF帯のテレビの波を若干割り当ててはおりますけれども、これを総合的に、UHF帯のテレビのチャンネル・プランをこのものだけで発表するということは、私はやはりこのFM放送のある程度のチャンネル・プランとの関連がありはしないかなというふうに考えるわけでありますが、その意味の関連はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/40
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041・西崎太郎
○西崎政府委員 今御指摘のUHF帯のチャンネル・プランを作成する問題でありますが、この所管事項説明に載っておりますものは、これは御承知のように先般テレビの第二次プランというものを作りまして、いわゆる難視地域というものを中継所によって救済していこう。ところが、たまたま大都市の周辺、ここに載っておりますたとえば日立とかあるいは大津でありますとかといったようなところは、Vを割り当てる余地がないわけなんであります。勢い難視地域の救済をするためにUを使わざるを得ない。そこでそのための今実験をやっておるわけでありまして、その実験が終わりますれば、いわゆる中継局だけを対象にするUHFのチャンネル・プラン――これは同じUHF帯でも、ごく一部の限られた、そういうところだけにチャンネル・プランを、難視地域を早急に解消するという意味から作って参りたい、こういうことを言っておるわけでありまして、今先生がおっしゃいましたように、このUHF帯の使用計画という点につきましては、いろいろほかの問題とも関連がありますので、そういった点も十分配慮して、このプランを作って参りたい、こういうふうに思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/41
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042・森本靖
○森本委員 中継のUHF帯のチャンネル・プランのみと、こういうお話ですが、それはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/42
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043・西崎太郎
○西崎政府委員 ただいま申し上げましたように、難視地域を救済するために、そういうところに中継所を作るためには、Vを割り当てることができないという地域があるわけでございます。そういうところを救済するためにはUHFを使うほかないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/43
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044・森本靖
○森本委員 それはわかるけれども、何メガサイクルから何メガサイクルにするか知らぬけれども、その間に一つのチャンネル・プランを作る。そうして難視地域はどことどことどこに割り当てる。そうすると、その中継所だけということになると、その間の空間が出てくるですね、具体的に。余ったと、ころがだいぶ出てくるですね。それは何にも発表しなくて、そのままにするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/44
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045・西崎太郎
○西崎政府委員 ちょっと具体的に申し上げないとおわかりにくいと思いますので、多少数字は違いますけれども、大体UHFの放送帯、放送バンドというのは四百数十メガから八百メガ程度、全部で五十チャンネルです。それが国際的にも割り当てられておる。そのうちで、周波数からいって高い方、すなわち七百から八百、この範囲をそういう中継チャンネル専門に使おう、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/45
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046・森本靖
○森本委員 そうすると、この中継専門に使うというチャンネル、一応中継専門に使うチャンネル・プランだけを発表するということであって、四百から七百までの間のものをそれ以外に使う――テレビ局をかりに設置をするということになった場合、それはこの間の周波数におけるところのチャンネルの配分も、やろうと思えばできるわけですね。そういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/46
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047・西崎太郎
○西崎政府委員 さようでございます。今回は七百から八百の間の中継用のチャンネルのチャンネル・プランを作りたい、こういうことでございまして、それ以下の分につきましては、先ほどの先生のお話のように、いろいろほかの放送の問題とも関連があるので、それの使用については後日慎重に検討する必要がある、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/47
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048・森本靖
○森本委員 その場合、くどいようですが、かりに中継用の波であっても、実質に中継用でなくして使おうと思えば使えるわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/48
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049・西崎太郎
○西崎政府委員 それは物理的には使おうと思えば使えるわけですけれども、一応われわれの方としては、中継専門のバンドという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/49
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050・森本靖
○森本委員 そうすると、ここではっきりしておきたいのは、ここで大臣が説明しておるところの、UHF帯のチャンネル・プランを作成することとしたいと考えておりますというこの項については、七百メガサイクルから八百メガサイクルまでの間のUHF帯の、要するに中継用のチャンネル・プランを作成することである、この中継用のチャンネル・プランの作成については近く行なわれる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/50
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051・西崎太郎
○西崎政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/51
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052・森本靖
○森本委員 そうして、このUHFにおいて、全国の中継用として割り当てる地域がどの程度ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/52
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053・西崎太郎
○西崎政府委員 先般発表しました第二次プランに相当する地区といたしましては、個所におきまして三十五、六ヵ所だったと思います。しかし、そのほかに第三次プランとか、もっと世帯数の少ないところ、こういうところに中継所を作るとしますれば、さらに多くなると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/53
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054・森本靖
○森本委員 おそらく、現在の難視地域の問題について、この三十五というのはもっとふえる、こう思うわけでありますが、そのうちNHKがどの程度あるわけですか。それから民放は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/54
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055・西崎太郎
○西崎政府委員 三十五、六ヵ所と言いましたのは地点の数でございまして、NHKは従ってそこには二局ずつ、すなわち総合番組の局と教育番組の局と二局ずつ作るわけであります。民放につきましては、これは場所にもよりますし、また個々の民放の意向にもよりますので、今ちょっとここで何局ということは、資料を持ち合わせておりませんので、申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/55
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056・森本靖
○森本委員 この問題は次にまた私は詳しく聞きたいと思いますが、ただここでは、それじゃここでいうUHFのチャンネル・プランというのは、中継用のチャンネル・プランであって、七百から八百の間である、これは近く発表される、こういうことを一応確認しておいて次に進みたいと思います。
ついででございますので、この際大臣に回答を留保してあった周波数の問題でありますが、例のあなたの故郷とそれから故郷でない熊本との争いになっておりますあの例の牛深と水俣地区の問題でありますが、あれはその後どうなりましたか。まだ検討しておるということなら、それだけでけっこうでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/56
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057・迫水久常
○迫水国務大臣 目下慎重に検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/57
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058・森本靖
○森本委員 これは一つ大臣の任期中に、政治の根本を曲げずに筋を通した解決をつけてもらいたいということを要望しておいて、あえて深追いをいたしません。
次に、太平洋ケーブル、それから東南アジア方面についての布設についても大臣から説明がありましたので、こういう問題についても聞きたい、こう思っておりますが、これは電電公社の内容に対する質問を行なう際に、電気通信行政の一環として一緒に聞きたいと思いますので、きょうはこの問題については控えておきたいと思います。
ただ資料を要求しておきたいと思いますことは、大臣の説明の中に「郵便局舎二百六十二局の新増築及び業務正常化のための機械化、計画推進に伴う所要経費が含まれております。」という項が載っておるわけでありますが、この郵便局舎二百六十二局の新増築、それから郵便事業に対する機械化の増進、そういうものに対する具体的な内容というものを一つ資料としてお出しを願いたいと思います。それからこの福祉事業団の法案に関連がありますところの現在の簡易保険並びに郵便年金の福祉事業として行なっております全国の事業個所、その内容、今後郵政省からこの福祉事業団に移管せられる人員、その人員の場所、そういうふうな資料を一つ御提出を願いたい、こう思うわけでありますが、その資料はいいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/58
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059・板野學
○板野政府委員 よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/59
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060・森本靖
○森本委員 それではそれ以外は明日質問をすることにいたしまして、私の本日の質問は終わりたいと思いますが、最後に一つ小さなことでありますけれども、一般に大きな問題として扱われておりますことを聞いておきたいと思います。
実は新聞紙上を見ますると、赤行のうがよく引き抜きにあって盗難事故を起こしております。これは郵政事業としてはまことに信用が低下をすることでありまして、この間も大阪から宇野へ行く間に五百万円入りの赤行のうが窃取をせられておるということが載っておるわけであります。この問題について、一体この郵袋の盗難ということについて具体的にどういう措置をせられておるのか、この点もちょっと聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/60
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061・西村尚治
○西村政府委員 赤郵袋につきましては、現在主として大行のうにしまして有証扱いということで送達をいたしておるわけであります。その赤郵袋を入れた大行のうについては封緘をいたしまして、普通の赤行のうの入っていない大郵袋とすぐ区別がつくようになっておるわけであり、また票札にもその旨のしるしがあるわけでございます。それで、局と鉄道の乗務員、また鉄道の乗務員と乗務員相互間といったような授受の際には、送達証と個数を当たりまして、これに異状がなければそれでよろしい。また封緘に異状の有無ももちろん点検はいたしております。そして乗務員に例をとりますと、引き継ぎました乗務員は車中において車中整理というものをいたします。その際には送致証の内訳欄につきまして、あて先別に送致証と郵袋に異状はないか、差異はないかということを点検いたしておりますので、授受の際、さらにまた車中整理の際に、そういった事故の有無を詳細に点検してもらっておりますれば、こういった事故はないはずでございます。また、もしそういった際に、郵袋とか赤行のうが紛失したといったような事故を発見いたしますれば、すぐに差し出した郵便局に連絡をする、また犯罪の容疑がありますれば所管の監察局にも連絡をする。いわゆる緊急事故通知といっておりますが、そういう手配をいたしますことによってすぐに事故の調査ができるということに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/61
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062・田中鎭雄
○田中(鎭)政府委員 御参考までに四月から十二月までにおける郵袋亡失事件の概要について申し上げますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/62
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063・森本靖
○森本委員 それは資料で出して下さい。説明はいいです。
私がちょっと聞きたいのは、今の郵務局長の答弁では、赤行のうは赤行のう、一般の郵袋は郵袋としての授受を行なっておる、こういうことでありますが、たとえば赤自動車から郵便局に来て行のうを渡す場合に、それがいわゆる赤行のうが入っておる行のうは何個、一般の行のうは何個、こういうふうにして渡しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/63
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064・西村尚治
○西村政府委員 送致証にそう書いてございますので、総個数を当たりまして、さらに異状がありそうですと、内訳欄で詳細に当たっておるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/64
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065・森本靖
○森本委員 そういたしますと、そのうち一般の郵袋が何個、赤行のうが何個、その赤行のうはどこからどこへ行く行のうであるということを確認して渡しておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/65
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066・西村尚治
○西村政府委員 赤行のうは大郵袋の中に何個か入っておりますから、赤行のう自体の総個数というものはわからぬかもしれませんが、ただその送致証の中には赤行のう何個という内訳が入っております。中を開被すればわかりますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/66
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067・森本靖
○森本委員 だから一般の郵袋と一緒になっておって、郵袋をあけてみなければ赤行のうがどこからどこへ行ったということはわからぬでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/67
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068・西村尚治
○西村政府委員 ただ赤行のうは有証の大郵袋と申しまして、無証の大郵袋と区別して入れてあるわけでありますから、その場合に郵袋自体の行き先はわからなくても、大郵袋の内訳で、大郵袋の開被されるところでわかるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/68
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069・森本靖
○森本委員 有証の行のうというのは、書留の小包も有証の行のうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/69
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070・西村尚治
○西村政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/70
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071・森本靖
○森本委員 そこで問題になるのは、書留の小包も、一般の小包も、一般の郵袋も、ただ有証無証の郵袋に分かれる。そして大阪とか東京のように大きなところは百個、二百個という行のうが中へポンポン積まれる、その中に書留と現金が入っておる赤行のうが一体何個入っておって、どの行のうがそれかということは、中を開いてみなければわからぬでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/71
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072・西村尚治
○西村政府委員 赤郵袋個々の行き先はわかりません。ただ有証扱いの大郵袋につきましては、特に封緘がしてありまして、その封緘に異状があればすぐ手配をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/72
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073・森本靖
○森本委員 有証、無証ということを言うけれども、有証の場合でも、書留小包の小包郵便物のものだけでも外から見れば有証の郵袋でしょう。五百万円、一千万円の現金の入った郵袋であろうが、書留小包が三個入った有証の郵袋であろうが、同じ取り扱いをするわけでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/73
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074・西村尚治
○西村政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/74
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075・森本靖
○森本委員 これは一つ現金と書留の入った郵袋の取り扱いは根本的に検討してもらいたい、私はこう思うわけであります。これは非常に犯罪を作るもとでもありますし、またこれがなくなった場合には、一般の国民に対して非常に迷惑がかかるわけでありますので、今言ったようなのは一例でありますが、一つ赤郵袋、赤行のう、ことに現金書留の送達における郵袋の取り扱いは、十分に根本的な検討をしないと、これから先も、東京、大阪というふうなあれだけの郵袋を送るところで、どこに現金書留が入っておるかわからぬようなやり方では、私は今後も非常に心配になるわけであります。この間もあるところで赤行のうが盗難にあったけれども、一体それをだれがどこでいつ取り扱ったかということがさっぱりわからぬ。これは確かにあなたが言ったように、有証の行のうを十個受けたということはわかっておるわけだ。しかし、その十個受けた行のうをだれがあけてどうなったかということになりますと、三人ぐらいおってさっぱりわからぬわけです。とにかくこの現金書留とそれからあなたの方の過超資金の送付ですね。こういうものの取り扱いについては別途に一つ十分検討してもらいたい。この郵袋の取り扱いは郵務局と監察局に宿題として私は預けておきたい。これは十日ぐらいしてから私が再度質問をしたい、こう思いますので、現実にいろいろ事件が起こった問題でありますから、一つ何局の方で十分御検討願いたいと思うのです。確かに取り扱いはこれは不便になります。また従業員が非常にうるさくなります。なりますけれども、事故が起きてからあとで騒ぐよりも、事故が起きないように、少々取り扱いが不便になっても私はやるべきが至当じゃないか、こう思うわけでありますので、一つこれは宿題として預けておきたいと思うのですが、局長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/75
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076・西村尚治
○西村政府委員 いろいろな要員の関係、事務繁雑化の関係などがございますので、いい結論が出ますかどうかちょっと自信がございませんが、先生のお話も私どもまことに傾聴すべき点がありますので、一つ十分検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/76
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077・森本靖
○森本委員 人員の問題については確かに問題があると思います。その盗難にあった局で私が調べてみると、確かに私が言うようにやれば、あと人間が一人か二人おらぬとどうしてもできないわけです。私が言う通りやれば絶対に犯罪が起きっこないやり方になるわけですけれども、人間が足りない。しかしこれは人間が足る、足らぬよりも、私は郵政省としての責任問題だと思うわけであります。その辺について、一つ要員の問題を何とか克服をしてあなたの方で検討願いたい。要員の問題がひっかかるから検討したけれども、どうにもできなかったというふうな断わりの答弁がないように、この際特に念を押しておきたい、こう思うわけであります。
それから、もう一つ小さい問題でありますけれども、これは大臣もよく知っておいてもらいたいと思うのですが、この前の郵便法の改正のときに私が忠告をしたわけでありますが、書留郵便にすると、一般の国民は書留になった場合は全部保証されておると思うわけですね。ところが実際は、書留郵便というものは最低の保証しかないわけです。だから書留郵便物であっても、かりに二十万円の小切手、三十万円の小切手を入れた場合、それを保証してもらおうとするならば、価格表記と同じ料金を払っておかなければその保証がないわけです。そのことは郵便局の窓口で受けつけるときに徹底をさせよということを、この前の郵便法の改正のときに何回も言ったわけです。これは一般の国民には徹底してないものだから、そういう盗難事故が起こると問題になるわけです。書留でやってあるのにけしからぬ、こういうことになるわけでありますので、これは郵政省は一般の国民に周知宣伝する義務があると思いますので、それ以上の保証をしてもらいたかったならば、あらかじめこれこれの料金を払っておいて下さいというような内容を、一つ一般の国民に特に周知宣伝できるような措置をとってもらいたい、こう思うわけですが、大臣このことは知っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/77
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078・迫水久常
○迫水国務大臣 森本さんがそういうことを言われたということは、聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/78
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079・森本靖
○森本委員 聞いておるだけじゃなしに、これは一般の国民に非常に関係があることでありますので、今の法律を改正することはできませんけれども、今の法律の内容では、書留であってもこれは万能でないということを、受けつけるときにあらかじめよく言っておくような措置を講じてもらいたい。だから、本来五十万円の値打のするものなら、それだけのものに対する価格表記と同じような料金をあらかじめ納めておいてもらいたいということを、やはり窓口で宣伝をするということを、これは一つ事務当局に大臣の方からやらせてもらいたい。こまかいことでありますが、私の手元にも投書がだいぶきておりましたので特に私は申し上げておきたいと思います。
残余の項については明日また大臣に質問することにいたしまして、本日はこの程度で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/79
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080・佐藤虎次郎
○佐藤委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二月一日午前十時より理事会を開き、十時三十分より委員会を開くことにいたします。
本日はこれにて散会します。
午後零時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004816X00319620131/80
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