1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月十九日(月曜日)
午前十時五十五分開議
出席委員
委員長 中島 茂喜君
理事 伊能繁次郎君 理事 内田 常雄君
理事 草野一郎平君 理事 堀内 一雄君
理事 石山 權作君 理事 山内 広君
内海 安吉君 小笠 公韶君
大森 玉木君 金子 一平君
辻 寛一君 保科善四郎君
前田 正男君 緒方 孝男君
田口 誠治君
出席国務大臣
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
行政管理政務次
官 岡崎 英城君
総理府事務官
(行政管理庁行
政管理局長) 山口 酉君
委員外の出席者
総理府事務官
(臨時行政調査
会事務局次長) 井原 敏之君
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二月十六日
委員受田新吉君辞任につき、その補欠として西
尾末廣君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
委員高碕達之助君辞任につき、その補欠として
大森玉木君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員大森玉木君辞任につき、その補欠として高
碕達之助君が議長の指名で委員に選任された。
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二月十九日
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九九号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案(
内閣提出第二七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/0
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001・中島茂喜
○中島委員長 これより会議を開きます。
行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。石山權作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/1
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002・石山權作
○石山委員 私ども、当委員会で、毎国会各省の設置法をばそれぞれ検討しているわけでございます。そのたびにいつも言われていることは、各省の設置法は、各省だけの目で国民に奉仕をする、行政の能力を上げるというふうな傾向が強いのじゃないか。国家全般から見た能力の問題、機構の問題をどうも伏せておいて、俗にいう官庁のなわ張り行政に堕落をしている傾向がある。だから、行管はがんばって、もっと行政査察をば厳格にすべきであるし、機構の研究ももっと進めて、それを政府に提案すべきである、こういうふうにしょっちゅう申し上げていたわけですが、その現われの一つとして、もちろん、これは前々からの査察等からもきておりましたし、われわれの意見もあったと思いますが、通常いわれている七人委員会が、その意味で発足したのだろうと思います。しかし、ここで不思議に思うのは、七人委員会を作ったにもかかわらず、七人委員会をばすっと素通りして、国家行政上から見ればかなりに機構の膨大化を招くような事項、たとえば農林省設置法、防衛庁設置法、こういうふうなものも調査会にかけないで、当委員会にかけて、かなり強引な形で論議を終結さす方向に持っていくような法案を出しているわけですが、七人委員会をせっかくお作りになりながら、われわれが最近例を見ないほどたくさんの設置法をかけるということ、このことは、長官が常に言う、官僚制度、官僚意識を打破して、民間と同じような能率の上がる、国民にサービスをする、役に立つという言葉から見れば、かなり遠いように思うのですが、その方向に向かざるを得なかった、なさざるを得なかった前提について、長官から御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/2
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003・川島正次郎
○川島国務大臣 臨時国会で、臨時行政調査会法案を御審議願う際に御説明申し上げたのですが、臨時行政調査会は、三カ年にわたる継続審議を願うものでありまして、最終的には三十九年三月三十一日までに答申をしてもらうというわけになっております。しかし、世の中が進歩いたしましたり、あるいは内閣の政策等のために必要なる機構の改正は、その間においても実行するのだということを申し上げて、御了解を得てあるわけであります。行政調査会は、現在の行政機構全般に対して根本的にメスを入れるということでありまして、個々の改革につきましては、必要ならばこれをやる、こういう方針をとって参ります。その方針に基づいて、三十七年度におきましても、ある程度の機構の改革をきめまして、今御審議を願っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/3
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004・石山權作
○石山委員 設置法一つ一つを行管がどういうふうにお考えになっているかということをば事務当局にもただしたい、長官の御見解も聞きたいというのが、私たちの趣旨でございます。しかし、きょうはそういうこまかいことは後日に譲りまして、私は、大まかなめどだけでも、当委員会に意見を申し上げておいた方がよろしいのではないかと思います。長官は、七人委員会、臨時調査会をば、最終的な決定あるいは決定的な国家機構に対するめど、その結果においての答申をするように考えているようでございますが、調査会の機能を発揮さすためには、その途中において現われた現象に対して、調査会は論議をしていかぬというのか、あるいは批判をしていかぬということになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/4
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005・川島正次郎
○川島国務大臣 調査会の最終の答申を願うのは三十九年三月でありますが、その途中でも、調査会から政府に対しまして意見の具申がありますれば、政府はこれを取り扱うつもりである、そういう方針で、前回御審議の際も私は答弁してあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/5
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006・石山權作
○石山委員 それで私も了解ができますが、途中でかなりに重要な案件として考えられるのは、先ほど申し上げたような農林省設置法あるいは防衛庁設置法のようなものですが、これらは、発足になった七人委員会におかけになるという予定は全然ございませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/6
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007・川島正次郎
○川島国務大臣 三十七年度でこれを実施する必要がありますので、七人委員会にかけては間に合いませんからして、今国会に提案したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/7
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008・石山權作
○石山委員 三十七年度にやらなければ間に合うとか間に合わないというふうなことは、政府側の主観的なお考えであろうと思う。主観的なお考えだけで国家行政をやるのは、機構の場合にはいかぬということになっているわけです。特に附帯決議の中につげました公務員の身分変更ということは、附帯決議の三つの中の一つの事項になっております。防衛庁の問題の場合は、明らかに公務員の持っている身分の変更に当たるわけなんです。組合を作ることのできる公務員が、労働組合を作られないような格好で防衛庁に吸収される案が出ているわけですが、これは私たちに言わせれば、確かに附帯決議の精神に触れているのではないか。大きな身分の変更でございますから、当然、これらの問題は、七人委員会を経過して、そして政府は立案すべきものではないか。この点は十分研究されたと思うのですが、私はくどく申しませんし、また、そんなにこまかい説明を聞こうとあなたに期待しませんけれども、この身分の変更に対して、長官はどういうふうな御理解のもとで行管としてこれを受け入れているか。土曜日の長官の答弁は、何か先細りだとか、仕事がないとかいうふうな通俗的なことで答弁しているようですが、そういうのではないと思うのです。性格論でございます。機構上における公務員の身分の変更というふうな、原則的なものの考え方です。これに関して、行管当局としては、どういう理解のもとでお出しになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/8
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009・川島正次郎
○川島国務大臣 臨時行政調査会法の御審議は、小澤前大臣時代にも御審議願って、審議未了になっておるわけであります。私のときになって御賛成を得て成立したわけです。こうした状態の審議の内容を通じて考えられますことは、身分変更ということについて皆様が大きな疑義を持っていることは、現在の一般行政職のほかに、さらに、何と申しますか、労務職みたいな一段下の職域を置くことになるんじゃないか、組織上身分変更をするのではないか、こういうことをいろいろ御心配になって、ああいう附帯決議になったと、私は解釈する。そういうことはしないんだ——あの附帯決議は、行政機構を直す前に、行政機構として新しい身分変更をするようなやり方をしては困るということでありまして、ごもっとものことと私は賛成しておるわけでございます。今度の防衛庁の問題につきましては、いろいろ御議論がありましょう。何としても調達庁は仕事がなくなりまして、どうしても減員をしなければならぬという場面にぶつかっているし、これが従前と違いまして、防衛庁長官の管轄内に入りましたから、従って、従来防衛庁にある建設本部と調達庁を合併して、新たなる部局を作ったわけであります。私は、その際に調達庁の職員諸君にも会って、いろいろ意見も聞いております。どうしても、調達庁の仕事が少なくなったのですから、減員をすることはやむを得ない。得ないけれども、しかし、首切りをして生活を奪うということは絶対しないんだということを言って、また、労組の諸君にもそれを了承してもらっているわけであります。そこで、減員を一時にするということははなはだ不穏当でありますから、三十七年は現在の通りにして、三十八年度以降三カ年間に順次減員をしていく。それは従来の実績にかんがみまして、自然退職者も相当ありまして、大体それで手一ぱいになるんじゃないか、なお剰員が出ればそれを配置転換をする、こういう方針をとったわけであります。防衛庁の建設本部と一緒になった関係上、防衛庁の事務をしなければならぬ。しかし、一面におきまして、防衛庁に関係なしに、従来の調達庁だけの事務もあるのでありますから、調達庁だけの事務に従事するのは従来通り一般職として扱うし、防衛庁の事務をする者は当然特別職になる、こういうことなんでありまして、この問題は、制度としての身分変更をしているのではございません。ただ、一緒にするためには、どうしてもそうならざるを得ないのであって、今度は、問題は、いかにして失業者を出さぬか、離職者を出さぬかということに重点を置いて、こういう方針になったと思うのであります。もっとも、身分の変更については私の所管じゃありませんで、私どもは定員を扱っておるのでありまして、身分のことは他のお役所が扱っておるのでありますけれども、私はそういうふうに聞いておるわけでありまして、臨時行政調査会法の附帯決議の御趣意の、組織として身分変更のような制度は作らぬ、このことは、厳重に私は実行したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/9
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010・石山權作
○石山委員 その問題につきましては、お互いが理解を得るあるいは便法を探し求めるには——私は便法があるだろうと思うが、便法を探し求めるのには時間がかかると思いますので、この点は次に保留をしておきたいと思います。
その次にお伺いしたいことは、調査会が二年後——時限法でございますから、そのときに大きなめどを答申するだろう、かなり重要な案件は、途中でも、おそらくその有能な創意工夫が国政に反映するように努力するだろう、こういうのは私も賛成でございますが、最終的な段階に出すべきいわゆる人員整理等の機構との結びつき、長官も、人員整理の問題というものは、国家行政機構全般を見たあとで、その最終的な段階で論じられるものだというふうにお考えではないでしょうか、そういうふうに私は今まで仄聞をして、あなたと質疑応答をしてきたと思っておりますが、先ごろ、何か新聞等にも、七人委員会の一人の方から、どうも最初から人員整理しなければ、国家機構というものは、いじっても役に立たぬというふうな発言の内容が出ておるのでありまして、それでは、国家行政機構のいじり方というものは、即人員整理に通ずる。われわれが考えている合理化、国民に奉仕するサービスがそのまま国民の一人々々に直結していく国家行政機構の改革というものの考え方とは、かなりに違っているものの考え方です。これは形式論だけれども、この形式論が間違うと、しまいにいきますと大へんな問題になりそうな気がしております。この問題は、私は予算委員会でも触れて、一、二長官に御答弁をいただいておりますけれども、いろいろな機構をいじってみました、外郭団体も作ってみました、その結果、最終段階に人員問題というふうなものが論じられるのが、この調査会の一つの性格なのではないか、会の運行の形式なのではないか、こういうふうに思うのですが、その点に関しまして御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/10
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011・川島正次郎
○川島国務大臣 石山委員のおっしゃる通りでありまして、私は、しばしば、その点に触れましては法案審議の際にも申し上げているのですが、今度の機構改革は人員整理を目的とするものではございません。行政の根本を建て直そうということなんであります。実はせんだっての佐藤発言の内容ということを知らなかったのですが、その後立ち会った二、三の人に、新聞記者諸君を通じて聞いてみたのです。佐藤発言というものは、やってみなければわからぬけれども、やってみて、足りないところもあるかもしれない、そういうところは人員をふやすべきだ、また、余る場合もあるかもしれぬ、余ったところは配置転換等によって処理して、なおそれでも足りなければ人員整理もあり得る、こういうふうに数段に分かれて、人員整理ということに重点を置いた発言ではなくて、全体の行政機構をどうするかという発言のようであります。ことに佐藤会長は、この問題は、会長一人が押し切るものではなくて、七人委員会で十分審議するのだということも、つけ加えて言っておるようでありますし、なお、佐藤会長は、これは政府提案の段階においては政府の責任においてやるべきもので、われわれはただ答申するのだということも言っておりまして、人員整理を意図して、この審議会を発足したのだということを佐藤会長は考えていないということを私はっきり聞きまして、それならば、そう大して差しつかえない発言ではないかという感じがいたしておるのであります。しかし、土曜日に申し上げた通りに、二十一日には第二回の会合がありますから、その際に、七人の委員の諸君と十分話し合って、今後の進め方を相談したい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/11
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012・石山權作
○石山委員 私、これで終わりますけれども、最終段階にという言葉の次に、この問題は政府が責任を負うべき問題だ——これは形式的にはその通りですよ。ですが、私たち内閣委員会であなた方をまじえていろいろ討論した中には、これは永久政権、長期安定政権につながるようなものでなければやっていけないのだ、だから、与党も野党もおのおの代表選手を出して、そうして官僚機構というものを整備していくのだ、こういうふうに言ったわけです。その裏を返せば、委員会で答申をされたものは実行に移すという建前だと思うのです。私どもは委員会に容喙したくもございませんし、制肘するような発言もしたくはないのでございます。しかし、決定を見るべき最終段階に苦労して苦労してやっと発言される人員整理という問題をば、一番最初から打ち出すという、このものの考え方、発言の仕方、これは政治的配慮とかいろいろな言葉を使うかもしれませんけれども、人を使うという立場の人からすれば、私は非常な思いやりのない言葉だと思うのです。たとえばここにたくさん並んでいる公務員に、お前たちはもう二年たつと首を切られるかもしらぬぞと、たばこを吹かしている役所もあるなどと言ってみたりされるのですから、そうした人にそうした行く先を示しておいて、いろいろな仕事をしなさいなどと言ったって、あなた、これは、ほんとうに身を入れて仕事できますか。いや、そうじゃないんだ、日本の公務員なんというのはそんなものじゃないと言うかもしれません。しかし、人情として、自分は二年先になるといつ首を切られるかもわからぬ、こういう不安定なもとで、公務員諸君に二年間奉仕しろなどとは、とんでもない言い分だと思うのです。ですから、長官が二十一日に御出席になるようでございますが、十分当委員会で何回となく質疑された要旨——これは私何べんも言う通り、何もその中においては、われわれが委員会を制肘するような発言はしておりませんよ。将来ともしょうとは思っておりません。ただ、この会の法にマッチした運行の仕方に間違いのないようにしていただきたい、そうしてその間二年間、国家公務員の諸君に不安を与えるような言動は、やはり慎しんでいただかなければならぬのではないか、こういうことを私は強く要望して、二十一日の第二回目の臨時行政調査会の模様を見まして、あるいはもう一ぺん長官から御答弁をいただくか、あるいは会運行の仕方に対しましての七人委員会のいろいろな問題をば、佐藤会長さんかあるいは高橋副会長さんから御説明をいただくかということになるようでございますが、私は、前に予算委員会でも、長官には長時間にわたって質問を申し上げたので、きょうはこの程度でとどめておきますけれども、われわれの意図しているところが委員会に一つ現われるように、長官にぜひとも二十一日には出席を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/12
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013・川島正次郎
○川島国務大臣 現在平穏に仕事に従事しておる公務員諸君に不安を与えないように、首切りはしないのだ、かりに定員整理をしても、それは自然減少を待つのだ、こういうことを言って、十分公務員諸君に安心して仕事についていただくように私は発言しているわけであります。
それからもう一つ、佐藤会長の発言ですが、先ほど申し上げた通り、だんだん聞いてみると、佐藤会長は首切りのためにやるということは言っておりません。最終段階においてどうしても定員を減らさなければならぬことがあり得るかもしらぬけれども、ということを言っておるのでありまして、どこまでも今度の行政機構改革というのは、根本的に官僚機構を改善するのだ、こういう発言をしておるのでありますからして、あまり深く疑らなくてもいいのじゃないかと思いますが、なおよく相談をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/13
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014・中島茂喜
○中島委員長 田口誠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/14
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015・田口誠治
○田口(誠)委員 少しの時間ですから、答弁の方も簡単にお願いをいたしたいと思います。
ただいまの石山委員との質疑応答を聞いておりまして、私が不安に感じておりますることは、この七人委員会が発足いたしまするときの、あの附帯決議に対する長官の誠意ある答弁の内容は、私どもは信じておるわけです。ところが、その後、各省の設置法の改正が乱発に提案されておる。こういうところから一まつの不安を感じておるわけなのですが、ことに今問題になっておりますのは、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案です。この問題につきましては、しばしば、現在の防衛庁を防衛省に昇格するのだ、それで昇格する裏面には、新安保条約が結ばれて、日米共同防衛という名のもとに日本の軍備の拡充強化をはかるんだ、こういうような要素を持っておるだけに、この問題には非常に大きな関心を持っておるわけなんです。それで、ただいま石山委員の方からは、七人委員会がせっかく発足しておるにもかかわらず、なぜ七人委員会へかけて提案をしなかったか、この質問に対しましては、とにかく三年間の予定で行政機構の改正を行なおうとしておるのだが、防衛庁の関係は今当面必要だから、これは認めたのだ、提案したのだ、こういうような御答弁であるわけなんです。そこで、私がお聞きをいたしたいことは、それに伴うところの人員整理は行なわないという御答弁でありますけれども、これは長官にこまかいことをお伺いしても無理だろうと思いますけれども、あの三年間に二百名を整理するという考え方は、自然退職以外の人を、やはり配置転換その他の方法で整理をしなければならない内容が含まっておるわけなんです。庁の方で自然退職が年間三十五名なり四十名あると言われておりますけれども、四十名あるとしましても三年間で百二十人、あとの八十名は不当配置転換あるいは首切りをしなくてはならない、こういうことに数字的になるわけですが、この自然退職の四十名なり三十五名そのものが、これは聞いてみますと、希望退職といいますか、肩たたきですね、今年やめたらこれこれの退職金を増してやるから、あなたはやめたらどうだという圧力をかけてやめさせられる人が、やはりこの数字の中には相当に入っておるということなんです。こういうようなことからいきまして、今度の改正について非常に大きな不安を持っておるわけなんです。そういうようなことからいきまして、あくまでも長官としましては、附帯決議のときにあとからこれに対する誠意ある意見を述べられた、その考え方と絶対に変わっておらないかという点を、まずここでもう一度確認をいたしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/15
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016・川島正次郎
○川島国務大臣 臨時行政調査会法案の御審議の際につけた附帯決議、私は尊重いたしております。まず委員の人選につきましては、超党派的にやるということで、各党からとっておるわけであります。今後の委員会の運営の問題でありますが、運営につきましてはとくと委員の諸君と相談をする、こういうことを数回申し上げておるわけでありまして、附帯決議に対する尊重の考え方は一向変わっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/16
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017・田口誠治
○田口(誠)委員 そこで、当面火のつくような問題については、これはやはり七人委員会を通して研究する余裕ががないというお話でございますが、そういう問題もあろうと思います。
そこで、私、問題を変えてお伺いをいたしたいと思いますが、今、何といいましても火のついております問題は、大都市の交通緩和の問題であろうと思うのです。それで、この問題につきましては、これは御承知の通り、免許の問題につきましては運輸省が管轄をいたしておりますし、生産面につきましては通産省が担当をいたしております。また、取り締まりの方は警察、それから道路なんかの改良事業につきましては建設省と、こういうように四つにまたがっておるわけなんです。
〔委員長退席、草野委員長代理着席〕
こういうことから、交通緩和の問題あるいは交通事故をなくする問題につきましては、毎国会ごとに声を大にして各先生方から力説され、また、政府としても心配をされておったけれども、今日まで解決されておらない。そこで、今日は、この問題は、単なる国会の審議とか、国会で討論をするような問題でなくして、国民運動に発展をしてきておるということなんです。そういたしますれば、火のつくような問題について——おそらく川島長官も閣僚懇談会には出席なされておると思いまするが、こういうような問題については、どういうような態度をとっておられるか。これは、今の防衛庁の設置法の問題が当面必要だから出したと言われたから、これに関連して、これと引き合わせして私は考えてみたいと思うので、これについてのお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/17
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018・川島正次郎
○川島国務大臣 臨時行政調査会がどういう調査方針でありますか、まだきまっていないのですが、そうした個々の問題を取り上げていくのか、それとも、日本の行政機構全般の問題と取り組むのかということについては、委員諸君の御意見を聞いた上でなければきまりません。
そこで、交通行政機構の問題でありますが、確かに今日の交通行政機構は複雑でありまして、各省にまたがっておりまして、決して完全な行政とは言えませんので、これにつきまして、行政管理庁から各省に勧告を発している事実毛あります。この交通行政の一元化につきましては、私どもも現に調査をいたしておりまするし、社会党でもそういう案があるようですから、社会党の案も適当な機会にお示し願って考えたい、こういうようなことは、地方行政委員会で私は申し上げてあるわけであります。実は交通行政機構を根本的に一元化するのか、とりあえず連絡調整の有力な機関を作るのかという問題もありまして、この両面を今考えております。しかし、交通問題は、差し迫った毎日の問題でありますから、そうした結論の出るまでは、臨時都市交通関係閣僚懇談会というものを開きまして、そこで各省間の連絡と調整を密にいたしまして、仕事を推進しておるわけであります。この点は今十分考え中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/18
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019・田口誠治
○田口(誠)委員 この問題については、いろいろなおお聞きしたい点がありますけれども、時間がございませんので、保留いたします。
そこで、今幾つか出ておる設置法の改正の法案の取り扱いなんですが、今一番問題になっておるのが、先ほどから申し上げておりますところの防衛庁の設置法の一部を改正する法律案であるわけなんですが、こういうような非常に問題になるところの議案については、なお一度まじめに考慮してみられる余裕がもうないのかどうかということです。それから防衛庁自体といたしましても、今後この問題については、大きな国民的な運動も展開されると思うのでございまするが、そういうような問題については、せっかく七人委員会があるのだから、せめてこの七人委員会の意向ぐらいは聞いてお出しになるというのが、私は当を得たやり方であろうと思いまするし、せっかくできた七人委員会といたしましても、発足と同時に一方的に出された法案が、非常に大きな問題として、国論が二つに分かれて展開されるということになりますと、これは非常に遺憾な次第であろうと思うので、特にこの問題につきましては、私は、七人委員会の意向を聴取して、そして再提出されることが最も好ましいと思うわけなんですが、そういうような余裕は全然ないのかどうかということを、まずお伺いいたしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/19
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020・川島正次郎
○川島国務大臣 調達庁は、御承知の通り、最近事務量が減りまして、どうしても人間を縮小しなければならぬ立場になっておるわけであります。しかし、首切りをしたり失業者を出すということは穏当でないので、いかにして余った人間を処理するかということをいろいろ苦慮した結果が、従来防衛庁にある建設本部と合同させたわけでございます。まず第一に公務員の生活安定というところに重点を置いたのが、今度の処置であります。その一環として、一部特別職に入ったというのでありますが、これは非常に急ぐ問題でございまして、何にも用のないものをいつまでもそのまま役所に置いておくわけにいかないので、防衛庁長官といたしましても、相当研究の結果、まず第一に失業者を出さぬというところに重点を置いて作ったのが、今度の案なのでありまして、すでに提案もいたしておりまするし、七人委員会もまだ本格的に発足いたしておりませんから、今これにかけるということはどうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/20
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021・田口誠治
○田口(誠)委員 全然用のない人がたくさんおるから、とにかく手をつげなければならないという、火のついた問題のように受け取るわけなんですが、私らの把握しておる範囲内におきましては、そういう言葉にはならないわけなんです。従って、こういう問題についての取り扱いはやはり慎重を期してもらいたい。そして、私は、この問題でなおお聞きしたいのですけれども、三十五分から第四分科会の方へ行かなくてはならないので、残念ながら打ち切らしていただきますが、これはやはり理事会等でも、こういう法案の取り扱いについては十分に検討もしてもらいたいし、それからなお、長官の方におかれても、おそらく、用のない人間がたくさんおるんだというその把握は、実態をお知りにならないのだと思うのです。実態をお知りにならなくして提案するということに相なったとするなれば、これは当然引き上げてもらわなくてはならない問題でございますので、もう少し長官もこの問題については勉強をしてもらう面があろうと思いまするから、そういう点を十分に研究していただいて、なおこの問題については後日お伺いをいたしたいということで、まことに残念ですけれども、分科会が三十五分からになっておりますので、私の質問は終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/21
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022・草野一郎平
○草野委員長代理 緒方孝男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/22
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023・緒方孝男
○緒方委員 私は、川島長官に、一、二の基本的な問題について、ちょっとお伺いしておきたい。
昨年、行政調査会を設置したいという御説明の中には、長官の意気込みに非常に感ずるところがあったわけです。歴代の内閣において、この官僚機構、行政機構の抜本的な改造をはからなければならぬ、今までの人は、大へんたび重なってやりたいけれどもやれなかった、やりかかっては失敗した、今度こそは私はどうしてもやり遂げなければならぬ、こういう意気込みを披瀝していただいて、非常に感ずるところがあった。そのために、今度の行政調査会というものが設置されるようになったわけですが、まだ設置されて日がないのですから、その実績を私は聞こうとは思いません。少なくとも行政調査会でも持って、今度の行政機構の根本的な改革をはかろうとするあなたの意気込みは、行政調査会の結論が出るとか出ないとかの前においても、その心組みと作業の方向がきまっておらなければならない問題じゃなかろうかと思うわけです。それがなくて、単に行政調査会ができてその答申を待つだけであったのでは、これは何ぼ調査会がどんな結論を出そうとも、実施することはできない。あなたが今国会に出されております各省の設置法の改正がずいぶんあります。その中には、機構を拡大するものも相当数含まれている。これも当然閣議に出された問題だと思う。こういう設置法が各省から出された中で、あなたがその閣議の中において、なるほどこれは緊急な問題であるということ御賛成をなされたのか、不本意ながらこういう結果になったか、その点を一つお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/23
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024・川島正次郎
○川島国務大臣 行政機構の改革は、私の熱意というよりも、今日国民がみなそれを期待しておるわけでありまして、従って、今後委員会の活動に私ども期待するところが多いわけであります。この国会に出しました機構改正は、差し迫って改正をする必要があるもの、また、特に内閣の方針を実行するために必要なものなどでございまして、中には、数回国会の御要求に応じて改革をしたものも一、二ございます。そういうものに限りまして、実は私の手元に各省から要求されました省庁あるいは部局課の拡張増設案は多数あったのですが、しぼりにしぼって、最小限度としてこれだけお出ししたわけであります。また、定員の方もごく最小限度にしぼりまして、今回提案しているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/24
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025・緒方孝男
○緒方委員 最小限度の改革でこの程度にとどまっておるということなら、今日各省がまだ機構の拡大をはかろうという意気込みというものは相当なものだと考えなければなりません。あなた自身ですら、緊急やむを得ないものや、また、現内閣が行政を進めていく上において必要であったと言うなら、行政の簡素化と抜本的な改革をはかろうという意気込みを持ったあなたですら、すでに閣内でその空気に押されていると断定しなければならない。こういう腰がまえで、行政調査会がどういう結論を出そうとも、これじゃ内閣の意向と行政調査会の意向とは根本的に食い違ってくるだろうと思います。そういう場合に、あなたはどうしてこれを実行ができるという信念がおありでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/25
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026・川島正次郎
○川島国務大臣 世の中が進展するにつれまして、行政組織もこれに応じて直していかなければなりません。二年、三年先を待つことができないものも幾らもありまして、そういう限度のものを今度は出したわけでありまして、非常に根本的に改革するような案は出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/26
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027・緒方孝男
○緒方委員 出されている法案の中で、多少なりとも、この点は従来の複数性を排除して単一化したとか、あるいはこれは二重になって迷惑を及ぼすからこういう点は改正したとかいうものが、出されておる設置法の中で、少なくとも一つなり二つなりともそういう方向に進んでおれば、私はまだあなたの意気込みと御努力を買わなければならぬと思う。ところが、出されておる設置法というのは、必ずしもそういう方向に進んでおらない。なお一そう大きくなっていくような傾向を持っておるとするなら、これはむしろ、行政簡素化の第一を取り上げるならば、失礼な話であるけれども、行政管理庁自身が無用の存在になりやしないだろうかということすら考えざるを得ないような、今日の実情になってくると思う。あなたが、おれの任期中に多少なりともこの行政簡素化の前進のために役立つと思うなら、少なくとも今国会に提出するこの行政機構の、たといいい面であろうと悪い面であろうと問わず、今調査会が発足されておるから、組織の変更は、それを運用するまでしばらく待てというくらいな、強い発言をあなたがなさることこそが当然であるし、また、できた行政調査会に権威を持たせる筋道のものではなかろうかと思います。その点についてはどういうふうにお考えなのか、お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/27
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028・川島正次郎
○川島国務大臣 ただいま申し上げた通り、この世の中が進むにつれて、新しい機構が必要は、これは認めざるを得ないと思います。その反面において、老朽した機構というものは、これを改廃していかなければならぬことも事実です。ところが、あなたもおっしゃる通り、従来の各官庁の態度というものは、機構の拡張だけはいたずらに要求しますけれども、古いものを廃止するということになると、きわめて不熱心でありまして、ほとんどやっていないというのが現状であります。そこで、本年度におきましては、新しい要求はこれを極端にしぼりまして、やむを得ざるもの最小限度を提案したわけでありまして、古い機構の廃止等につきまして、これを審議してもらうということが、行政調査会の一つの大きな仕事になるわけであります。私どもは、今の機構全体が必要とは考えておりません。不必要な機構もあろうと思っております。そういうものを一つ改廃してもらうことが、行政調査会の一つの仕事なのであります。それを行政調査会に私は期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/28
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029・緒方孝男
○緒方委員 実際問題としてそういうふうになってくるものならばという御答弁のように思うのです。新しいもの、必要なものというのは、そのつどそのつど出てくる問題です。新しいもの、必要なものとして積み重なったところの組織が、今日の膨大な官僚機構というものを作り上げてしまった、複雑な行政機構というものになってしまった。これは新しいから、または必要だからという範囲内でものを見ていく場合においては、こういう抜本的な改革は私は不可能であると見なければならぬ。必要なものであろうとも、新しいものであろうとも、今再検討に取りかかったときだ、その再検討の第一段階でも、いい結論が出るまでは行政機構をいじることはまかりならぬというくらいな腰がまえでもって問題に取り組まなければ、今後、あなたの意気込みが単なるから念仏に終わってしまいはしないかということを私は憂うるわけです。それについて、はたして自信があるのかどうか、その点をもう一度お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/29
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030・川島正次郎
○川島国務大臣 昨年の臨時国会で法案を御審議される際に、特に私は申し上げてあるのですが、根本的な問題は調査会でやってもらうが、機構の改正、必要なもの、部分的なものは、順次これをやるのだ、こういうことを言って、御賛同を得ておるわけであります。今回出したものはそういうものなんです。たとえば警察庁に交通局を設けるという問題、差し迫って必要な問題だから、交通局を置いたのです。しかし、人員は一人もふやしておりません。保安局を二つに分けて、中でもって人員をやりくりして、配置転換だけでやっているわけであります。それから今日必要なことは、低開発国に対する経済援助であります。これに対する部局を外務省と通産省に置きました。しかし、これも一人も人員はふやしておりません。のみならず、経済企画庁におきましては、水資源局を置くために審議官を二人わざわざ減らしております。そういう措置も特にとらしておるわけでありまして、人員の増加ということは、もう極端に私は制限しておるわけであります。部局の方は、今申し上げたように、どうしても必要な部分を置くことは、今日の行政上必要と認めたので、そういう処置をとったのでありまして、行政機構全般を改革する熱意に対しては一向変わっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/30
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031・緒方孝男
○緒方委員 どうもふに落ちない御答弁のように私は思うのです。私は、何も人間が減るとかふえるとかいうことを今お伺いしておるわけではない。行政調査会の調査段階においても、政府当局としては、必要なことはどしどし進めていく。進めていくということは、今複雑になっている行政機構を簡素化していくように、臨時行政調査会にいい結論を出してもらうように努力をしていくことだと私は考える。ところが、必要なものはどしどしやっていきますといって、複雑な上にまた複雑なものを重ね上げていくようなやり方をはたしてやっていきよるのか、逆にいきよるのか、私の目から見れば、逆にいきよるのではなかろうかという気持がする。それでは、現在の行政調査会が今後どんな苦労をしても、これはいい結論を出したからといって、お役に立つことはできないだろうと思うので、お伺いしているわけですが、その点一つお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/31
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032・川島正次郎
○川島国務大臣 あなたの御意見よくわかります。その通りですが、どしどしやっているのではなくて、最小限度に食いとめているのです。ここに出したのは、最小限度の機構改革だけを認めているわけでありまして、なるべく機構の拡張は認めないようにしておるわけです。三十八年度予算編成の際には、もとよりそういう方針でやるつもりでおります。
〔草野委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/32
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033・緒方孝男
○緒方委員 最小限度に食いとめたものがこういう事態であるということになると、なおさら私は心痛せざるを得ないわけです。最小限度というものがこういう事態である。してみますと、歴代内閣は最大限度にやっておったかということにもなるわけです。歴代内閣といえども、やはり最小限度に押え押えして今日の状態になってきたのです。ここで抜本的に問題の解決をはかろうとするには、一切の行政機構の改革はこの際まかりならぬという大なたをふるうくらいに、あなたが腰を据えない限り、これがやっていけますか。それくらいな意気込みが、去年のあなたの御答弁の中なり御説明の中ではうかがい知れたけれども、本年度の状態を見れば、再び去年の論議を繰り返さなければならない事態を悲しまざるを得ないわけです。その点についてもう一つお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/33
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034・川島正次郎
○川島国務大臣 従来の内閣がどしどしやったということではございませんけれども、今度は従来の内閣以上に極端に縮小したわけであります。三十八年度予算編成の際には、さらに拍車をかけて御趣旨に沿いたいということは、かなり覚悟しているわけであります。一方、廃止したところもあるわけでありまして、できるだけ私の力で及ぶ限り、行政機構の合理化ということについては、念頭に置いて予算編成に当たりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/34
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035・緒方孝男
○緒方委員 同じことを繰り返しても仕方がありませんが、もう一つお伺いしておきたいことは、行政機構を簡素化していかなければならぬということは、だれも考えていることでありますが、行政機構というものは、一課、一係といえども法律に基づいて今日組織され、運営されております。そこで、法の整備をはからずして行政機構の改革ができるかどうかという一つの問題に直面する。この点について、法の整備まであわせてやっていく御意思があるのかどうか、その点もお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/35
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036・川島正次郎
○川島国務大臣 それはもう当然でありまして、法律を整備しまして、国会の御審議を得るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/36
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037・緒方孝男
○緒方委員 私は、単なる整備するための法の整備をしてくれというわけではないのです。たとえば、先ほど、交通問題についても、四省、五省にもかかわった一つの問題があると言っております。あなたが週刊雑誌か何かに出しておったと思いますが、道路に犬が死んでおる。どの法律を持ってくればどの係がやらなければならぬ、この法律を持ってくるとこの部で扱わなければならぬ、そういうふうな形になっている。地方に行ってみましても、青少年問題一つを取り上げてみても、教育庁もやり、文部省もやっておる。厚生省でもやっておる。自治省の警察でもやっておる。至るところで同じ人間を対象にして、あっちでもこうだ、こっちでもこうだとやっておる。こういう問題は、それぞれの関係省は関係省、関係団体は関係団体、すべてこぞって法律に基づいて組織され、運用されておる。これを一元化するためには、法全体の抜本的な整備をしなければ、行政改革は成り立たないと考える。その点についてはどういう考えであるか、一つお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/37
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038・川島正次郎
○川島国務大臣 法全体を見まして抜本的にやろうということが、今度の調査会の仕事でございます。お説の通りのことを調査会にやってもらおうと思っております。また、調査会を置いた趣意はそこにございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/38
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039・緒方孝男
○緒方委員 あなたが出されておる法案の内容審議は、後日私はまたさしていただきたいと思います。繰り返して申しますが、これはあなたがお声を出して言うほど、またわれわれも痛感するほど、世間もそう考えておるほど、非常に憂慮すべき問題でもあります。相当な決意がなければできるはずのものではない。そのできない障害になっておるのは一体何かといえば、もちろん、それぞれのお役所によるなわ張り的なものがその障害になるかもしれませんが、一番根本は閣議です。一番障害になるのは、集約的に閣議です。閣議がやる気になればどんなことでもやれましょう。けれども、あなたが入っておる閣議が、行政簡素化の一番障害になるだろうと思う。それだから、全閣僚を向こうに回して、これだけは絶対にまかりならぬ、これだけは絶対に答申通りにやらなければならぬという腰を据えた形でいかない限りは、この調査会が今後発足してみても、とても実際の効果を上げることはできないだろうと思います。どうか、大物長官でございますから、閣議ににらみをきかして、実際の目的が遂行されるようにやっていただきたいことを一つ希望して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/39
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040・中島茂喜
○中島委員長 山内広君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/40
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041・山内広
○山内委員 実は長官に最初に申し上げておきたいことは、いろいろ理事会のお話し合いもありまして、きょう長官においで願ったのは、今後のこの内閣委員会の議事の進め方をスムーズにする一助として、こういうあり方がいいのではないかということでおいでを願った、そういう点をまだ十分御理解になっていないので、から回りの御答弁のように思います。というのは、先ほど来指摘されました通り、設置法に関係する十六の法案が出ております。話を聞きますと、まだ二件くらい出るということなんです。そこで、各省ごとにここでいろいろ行管の領域について話が出て、長官にそのつどここへおいでを願うということになると、これは大へんな仕事であろう、そういうことで、今出されております十六の設置法に共通した考え方で、実は好ましくないのであるけれども、この十六は認めたんだ、そこで、長官としての基本的な、今回お出しになりました十六の設置法に関係する共通のお話を出していただいて、それで私ども了解すれば、その点はまた今後繰り返すことがなくてスムーズにいくのではないか、そういうことできようはおいでを願ったはずであります。そういうことで、一つその共通のお考えの点を示していただきたい。今その中で出されておりますことをちょっと聞いておりますと、これは最小限度やむを得ないものを出した、私もそうだと思います。また、臨時行政調査会の諮問と申しましても、これはまた回答までに相当の日時も要ることでありますから、その手続を踏まなかった事情も私理解できます。ただ、この中で、今長官の御答弁の中にも出ました通り、あるところでは部を局にした、あるいは部を新設した、しかし、極力人員は押えたと言われております。ところが、純増の定員増もある。確かに御努力の跡がわかるように、増員を認めないで部を作ったところも私も見ております。こういうことで、この増員に対する基本的な考え方、共通の考え方、それをどういうふうに判断されたのか、その点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/41
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042・川島正次郎
○川島国務大臣 予算編成の当初にあたりまして、閣議で私はこういう発言をいたしておるのであります。機構の新設は原則として認めないこととするが、政府の重点施策を遂行する部門については特段の考慮を払い、やむを得ないものは認めることとするが、この場合でも整理すべき部局は整理して、現在の機構を再編成することにより、機構全体として拡大しないこととする、なお、機構の設置による人員の増加は認めないことにする、それからもう一つは、審議会等についても、臨時の公聴会、専門家の臨時委嘱等により目的を達することができるものについては、これを認めないこととする、やむを得ないものの新設を認める場合も、既存の審議会等を極力廃止することにする、また、その設置の目的から見て、できるだけ存続期間をつけることにする、こういうことを特に私は閣議了解を得まして、行政管理庁としましては、この方針に基づいて各省から来たものを査定をいたしまして、この方針の範囲内でやむを得ないと認めたものだけを提案したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/42
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043・山内広
○山内委員 今の長官の御答弁、わからないわけではないのですけれども、確かにこういう行政機構に手を染めようとするやさきに、各省から全部こういう持ち出し方をされると、何か火事場どろぼうというような印象をやはりわれわれとしては受けざるを得ないと思います。しかし、そういう方針でこれが貫かれておるかどうかは、内容についてまた検討いたしますけれども、そういう方針は一応了承したいと思います。
次に、臨時行政調査会なんでありますが、せっかくああいうことで非常な長官の決意のもとに生まれた調査会でありますので、私どもは、ほんとうはしばらくの間そっとしておいて、その成果を見守りたい、そう思っておったのでありますが、不幸にして初会合のときに、おそらく長官とは全然別個の意見が会長から出たということであります。いろいろ先ほどの委員の質問に対し、長官からも弁明はあったわけでありますが、また二十一日には全委員の方に会って、いろいろ長官も、個人の御意見なり、あるいは国会の意思、あるいはこの内閣委員会で討議された点をお話になると思うのです。私どもはその結果御報告を受け、場合によっては、はなはだ不本意でありますけれども、会長にここにおいでを願って、真意をたださざるを得ない結果になるかもしれません。そこで、若干重複のきらいはありますけれども、ここで議論されました要点を若干申し上げて、そして、長官がこれから七人委員の方方と会うときの確認の事項を、ここで大体取りきめと申しますか、再確認しておきたいと思うわけであります。
この臨時行政調査会の設置は、御承知の通り、社会党は最初反対であったわけであります。ところが、いろいろ審議を重ねる過程において、長官の誠意とそれから方針が、それでは社会党もあくまで反対する必要がないではないか、こういうことにだんだん態度が変わりまして、最終的には満場一致でこれが通ったわけであります。それだけに、これの運営にあたっては、私どもの心配する点も十分委員の諸君は理解していただかないと、これは困ったことになるわけであります。特に、初会合のときに、会長が、すでにもうある一種の先入観と申しますか、人員の整理が目的のごとき印象を持って、今後七人委員会の運営に当たられるということになると、これは大へんなことなんです。そこで、今まで議論されました若干の点について、長官に確認をいたしておきたいと思います。
まず、お聞きしたいことは、こういう委員の委嘱をされる場合、もちろん、その方々のいろいろな経歴なりあるいは日ごろの考え方なりを分析されて、適当と思う人を委嘱されるわけでありますが、それについては、この会の趣旨、どういう目的でやるのか、長官の国会に提案されたときの提案理由の説明、あるいはこの内閣委員会で議論された会議録、あるいは本会議の委員長報告、附帯条件、そういうものは十分御本人にお示しになったと思いますが、その点の経緯を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/43
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044・川島正次郎
○川島国務大臣 各委員の方には、設置の目的というようなことを十分説明してございます。委員会の経緯等は詳細には説明はしてありません。これはいずれ会合の第一回でやろうと考えておったのです。せんだって会合がありましたときに、附帯決議その他すべて配ってございます。二十一日はこれを一切説明するつもりでおりますが、委嘱するときにそういうことを詳細に説明するひまもありませんし、また、私が自身当たったわけではございません、私が頼んだ人もあるし、また電話で済んだ人もあるし、他の人に頼んで了解を求めた人もありまして、そういうことでございますが、しかし、委員選任の方針としましては、各界にわたるりっぱな人を得るという方針でありまして、これは大体私が考えている通りの人が得られたと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/44
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045・山内広
○山内委員 実は、この調査会を設置するときに私ども非常に心配いたしました点は、この調査会を生んだ行政審議会の第五次答申案なるもの、これの内容については、非常に私どもたくさんの意見を持っておるわけです。もしこれがそのまま実行される調査会であるならば非常に困る。そういう判断に私ども立ちましたが、長官は、この審議会の答申は調査会の調査の内容に含むけれども、決してこれをこのまま実行するという意思は毛頭ないんだ、こういう御回答だったと思いますが、今もってその点は変わっておられませんか。そしてまた、これを調査会に十分にお伝え願えるかどうか、その点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/45
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046・川島正次郎
○川島国務大臣 以前ありました審議会とは全く違った性格であります。俗に今度はフーヴァー委員会といっておりますが、フーヴァー委員会とも違った性格であります。そういう趣旨のことは、調査会で一つ私からよく話すつもりになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/46
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047・山内広
○山内委員 では次に、人員整理の考え方でありますが、これは長官も、しばしば私ばかりでなく各委員の答弁には、はっきりと人員整理でないということを言われておるわけであります。特に私はここで確認しておきたいことは、前に小澤長官のとき提案理由の説明がありまして、同じ説明が長官から、なされた。ところが、一カ所だけこれが変わっておったところがあります。それは、政府はこの人員整理を意図しておるのでない、その政府という字句を削って、長官が説明になった。そこで、私は、これだけを変えた意図はどういうことか、たとえば今度新たに作る調査会が人員整理を持ち込んだ場合、政府は、これは調査会の考え方なんで、政府は調査会の答申を尊重しますから、そういう意味では政府はやりたくないんだがということで、責任を転嫁しやせぬかという意味の質疑をいたしたのであります。ところが、そうではない、それは政府は人員整理を意図する気持はない、こうはっきり言われておるわけです。この点について再確認いたしたいと思います。
〔委員長退席、草野委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/47
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048・川島正次郎
○川島国務大臣 前回御審議の際に申し上げた通りでありまして、政府といたしましては、人員整理を考えた機構改革ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/48
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049・山内広
○山内委員 もう一点お聞きしますが、実はあの場合に、官吏が多い、多いということが、一つの世論といいますか、一つのムードになって言われておるわけです。はたしてその公務員が多いかどうか、外国の例を出せという私の質問に、事務当局からこういう答弁が出ております。これは数字に若干の記憶違いがあるかもしれませんが、公務員一人のサービスといいますか、国民の負担は、アメリカが二十三人に一人の公務員である。イギリスが十五人である、フランスは十九人である、西ドイツは二十人であるという外国の例を示されたのであります。そして、日本は三十一人に一人という数字が出ている。従って、これだけを見ますると、公務員の数は決して多いという結論にはならないわけです。そういうことで、この数字も、調査会自体がいろいろこれから検討されてお出しになれば、訂正される余地は十分あると思いますけれども、私どもとしては、公務員は決して多くない、むしろ外国に比べて少ないという見解をここで持ったわけであります。そこで、かりに一歩を進めまして、公務員が多いという結論が出た、それでも首にしないのだ、そうしますと、あとどうするかということについて、それでは勤務時間を短縮をしたらどうか、私はそういう自分の意見を申し上げました。八時間労働を七時間労働にする、それくらいの英断を持って、人員整理をしないのだというはっきりした御回答を願いたい。長官はこれに対してどういうお考えを持っておるか。あのときは、たしかこういう御答弁だったと思います。それは貴重な意見である、それも含めて調査会で審議してもらうつもりである、こういう御答弁でしたが、この点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/49
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050・川島正次郎
○川島国務大臣 公務員が多いか少ないかということは、総体としては調査をしないとわかりません。しかし、アンバランスのあることは事実だと思うのです。現在のやり方は、同じ部局内でもアンバランスの是正ができないような機構になっておるわけでありまして、それをどうして直すかということが問題なのだと思います。こういう点は、十分調査会で研究してもらいたいと思っています。
それから勤務時間を七時間にするかどうかということは、これは重大問題でありまして、ひとり公務員だけでなしに、一般経済界とも関連する問題でありまして、軽々に私がここで申し上げるわけにいかないのですけれども、非常に貴重なる御意見ですから、御意見を調査会に取り次いで、一つ検討してもらうということをこの前申し上げてあります。また、そのつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/50
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051・山内広
○山内委員 前の質問を繰り返したようで、まことに同僚の各位にも申しわけないとは思いますけれども、劈頭に申し上げましたような事情で、こういう点を確認して一つ——委員の方々から、そういうひもをつけられたのでは、私はこの委員は勤まらぬからとおっしゃる方があるいは出るかもしれない。しかしながら、こういう点はあいまいにしておきますと、あとで問題が出て参りますから、その点ははっきりと一つお伝えを願いたいと思うのであります。
いずれ二十一日ですか、お目にかかった上、以上申し上げた点をお話し合いの上御報告いただければ、その上で、また会長によくお話を聞くか申し上げるか、そういう処置をいたすことになろうかと思いますので、私はこの程度で終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/51
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052・草野一郎平
○草野委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる二十二日、木曜日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X00819620219/52
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