1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月二十七日(火曜日)
午前十時四十二分開議
出席委員
委員長 中島 茂喜君
理事 伊能繁次郎君 理事 草野一郎平君
理事 堀内 一雄君 理事 宮澤 胤勇君
理事 石橋 政嗣君 理事 石山 權作君
理事 山内 広君
内海 安吉君 倉成 正君
島村 一郎君 辻 寛一君
藤原 節夫君 保科善四郎君
西村 関一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 藤山愛一郎君
国 務 大 臣 三木 武夫君
出席政府委員
経済企画政務次
官 菅 太郎君
総理府事務官
(経済企画庁長
官官房長) 村上 一君
総理府事務官
(経済企画庁調
整局長) 中野 正一君
総理府事務官
(経済企画庁総
合開発局長) 曽田 忠君
科学技術政務次
官 山本 利壽君
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 島村 武久君
総理府事務官
(科学技術庁原
子力局長) 杠 文吉君
委員外の出席者
総理府事務官
(経済企画庁長
官官房企画課
長) 宮澤 鉄蔵君
総理府事務官
(経済企画庁調
整局物価政策課
長) 嶋崎 均君
厚 生 技 官
(環境衛生局水
道課長) 石橋 多聞君
農林事務官
(農地局企画調
整課長) 相坂 治君
通商産業技官
(企業局工業用
水課長) 藤岡 大信君
建設事務官
(河川局水政課
長) 井上 義光君
専 門 員 加藤 重喜君
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本日の会議に付した案件
経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第二二号)
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第六〇号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/0
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001・中島茂喜
○中島委員長 これより会議を開きます。
経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、これを許します。石山權作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/1
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002・石山權作
○石山委員 経済企画庁で総合的に水資源等を開発するためですか、あるいは調整するためでございましょう、水資源局をお作りになるのは、一応理解できます。ただ、僕らいつも考えていることは、こういうふうな経済的な関係のあるものは、どうも大都市中心からはずれていけない、地方へ伸びていけない、そこにいろいろな問題について難点を示しておるわけなんです。今回の場合も、事の起こりは、結局利根川、淀川というふうなところから問題が起きた。しかも、それが日本の官僚のいいところでもあるが、悪いところでもある、いわゆる仕事を一生懸命したい、よそ様を押しのけても自分は仕事をしたい、こういうなわ張り争いと世俗で言っているむだを経済企画庁では調整をしよう、こういうことだろうと思うのですが、これの起こりは、私たちは、たとえば利根川、淀川の水利形態を統一した中で開発していくのだ、こういうふうに理解しているのですが、その点はその通りでごさいましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/2
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003・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 御承知の通り、昨年の臨時国会におきまして、水資源開発促進法が通過いたしました。同時に、水資源開発公団法が成立いたしまして、それに伴いまして、それぞれ水資源の計画を審議いたします審議会も発足いたしますし、あるいは公団も来月には発足することになるわけでございます。従いまして、企画庁といたしましても、それらの計画を立案、策定し、また、公団等を監督して参りますためにも、相当重要な仕事でございますので、一局を設けてこの衝に当たるということが適当と思いまして、今回の設置法の改正案を提案した次第でございます。従って、とりあえず現在の水資源開発につきましては、利根川水系並びに淀川水系の指定を先般審議会においてされたわけでございますが、しかし、これは、急速に増大しております過大工業地帯における水不足等を補うと同時に、水系全般にわたって、農業用水なりあるいは水道用水、工業用水等の問題をもあわせて解決していく問題でございまして、相当広範な仕事でございますので、各省の非常な協力を要することは申すまでもございません。今お話しのように、さしあたり大きな仕事でございますから、二水系を指定いたしましたけれども、将来は、北九州地帯、あるいは中京地区、あるいはその他国土総合計画等において実行するような問題等についても、もし必要があれば取り上げていくということになろうと思います。現在さしあたりは、利根川、淀川二水系につきまして、これを取り上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/3
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004・石山權作
○石山委員 利根川、淀川の水の開発は、おおむねこれは工業用水になるのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/4
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005・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 この関係におきましては、農業関係もそうでございますし、それから上水道関係の水の供給ということもあわせて、むしろ一致して水系全体の運用に当たるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/5
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006・石山權作
○石山委員 これは事の大小によって違うわけですが、農業だってその中に入るでしょう。しかし、おおむねは工業用水の開発だろうとわれわれは考えているわけです。最近まで、水を論ずる場合は、おおむね工業用としては電源開発であり、飲料用水の――まあ、水といえば大がいそのくらいのものでございました。それが急速に最近において、水を論ずる場合は、むしろそっちの方ではなくして、化学等によるところの工業用水がほとんど中心になっていると思うのです。ですから、水を論ずる場合には、昔は農業なんか非常に大きかったと思うのですが、今は従になってしまった。電源開発の場合もそうでしょう。多目的ダムの場合には、灌漑用水ももちろんその中に入りますけれども、重点は、やはり何としてもその土地の工業開発用の電力だ、こういうふうに私たち解釈しているのです。日本の今の官僚制度、機構というふうなものを見ました場合に、経済企画庁はやはりかなりの高い立場に立って問題を見ていかなければ、どうも通産省は通産省の思惑でやるだろうし、農林省は農林省の思惑でいろいろなことを計画されるというようなことです。それをもう一段高いところに立って見るというのが、経済企画庁に与えられた一つの大きな任務だと私は思っているのですが、今度出された水資源局等を見ても、私は、かつてのいわゆる山脈を境にした、あるいは川を境にした自治形態、こういうものがもう一ぺん考え直される時期がきているのではないかというふうに思っております。
それから、これは何も地勢的とか地形的な問題だけでなく、今度は、農林省で出された設置法を見てみますと、どうも今の県を単位にしては、あの法律の活用というものは非常にむずかしかろうと私は思う。もっと経済というものをば地域的に見直していかなければならない施策があるように思われてならないのです。水資源局はそういうことも兼ねているのでございますが、いわゆるおくれているところの地域開発をやる場合において、今の自治体、これはおもに県でしょうが、県というふうなものを変えてみる、その上に立った構想というふうなものは、庁内では論議されてはおりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/6
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007・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 御説の通り、日本の経済あるいは科学、文化と申しますか、交通輸送関係等の改善というようなことから見まして、従来の行政区画と、いわゆる経済圏と申しますか、それが必ずしも一致しておらぬように考えられます。従いまして、御承知の通り、各方面で府県統合というような声もございますし、あるいは北九州における五大都市合併というような問題もございます。いろいろ行政上の問題については、地方的にもそういう問題について御考慮があるようでございますから、われわれの立場から申しますれば、国土総合開発の上からいって、やはり現在の行政区域にとらわれないで、経済圏としての考え方、それをもっていたすわけでございまして、たとえば利根川水系ということを考えましても、利根川水系の中には、単に現在の行政区画の一県だけの問題ではなくして、数県にまたがっております。また淀川水系の場合におきましても、大阪府と滋賀県という両県にまたがっております。あるいはさらに大きく大阪の水を考えますれば、奈良県というようなものも考えていかなければならぬわけでございまして、そういう意味において、いわゆる経済圏的な考え方でこれらの問題を扱っていくというのが、私どもの立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/7
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008・伊能繁次郎
○伊能委員 関連して。今同僚議員石山先生からお尋ねのあった件について、私もぜひお尋ねしておきたいと思いますが、経済企画庁で水資源局ができた経緯については、私どもいろいろの関係で非常に賛成であります。ただ問題は、水資源審議会その他でも論議されておるだろうと思うのですが、非常に私ども心配しておりますのは、今石山議員は、地域的な面から、行政区画その他で総合的な施策を実施してもらわなければうまくいくまいというお尋ねをされたのですが、私としては、各省の行政所管の面で、せっかく水資源局を経済企画庁が取り上げられたにもかかわらず、今後の問題を総合的に見られる上に、すでに既成事実としていろいろなものが計画され、あるいは実施されんとしておる。とういう点に、今後水資源局設置後に、同じような権限争いの問題が起こりはせぬかということを実は大へん心配しておるわけです。たとえば利根川水系について例をとってみますと、建設省は各地に、利根川の水源地域に二、三カ所ダムを作っております。それで、利根川の水を総合的に利用しようという際に、東京都は東京都で、水道を主とした水路を引こう、また埼玉県は埼玉県で水路を別にとろう、こういうようなことで、下流地域において、せっかく水資源局ができて、水の総合利用ということをこれからやって下さろうという際に、すでに、そういうような個々ばらばらなものが、どんどん既成事実としてでき上がろうとしておるところに、非常に問題があるんじゃないか。
たとえば下流地域における、私の県でありますが、千葉県の印旛沼について例をとってみますと、現状は、数年前に、栄町安食地区の印旛沼用水の排水機場が非常なりっぱなものができたわけです。それに対して、数十年前に先輩吉植代議士が作った利根川の自然排水の関門があるわけです。実を言うと、こういう時期になると、すでに現状においても、川崎製鉄で今後毎秒一・八トンの水を引き上げよう、こういう考え方であり、さらにまた、数年後には五・八トン要るんだ。それと従来の農業用水との関係、その他考えましても、水資源局ができ、水の総合利用をするということですが、栄町のあの数十年前にできた安食の関門について、実は三十六年度に建設省において予算が計上されて、その関門を自然流水で――利根川が増水になったときには、自然に関門が締まって印旛沼に水が入らないというようなしかけのものにして、自動的に水の調整できるような上げ下げの関門に直すという予算も計上されたのでありますが、今回の水資源局を契機として、そういうものを総合的に見ようということで、大へんけっこうだと思うのですが、現にそういうものができた先を考えて、現在は御承知のように一・八トンの水をとるために、臼井地域から川崎製鉄までの水路を構築中であります。一方長い年月をかけて、農林省は御承知のように同様臼井よりやや西寄りの地区に検見川までの農業用水路の掘さくをやっております。さらにまた、建設省の計画を開きますと、その中間、川鉄と農林省の検見川への水路の間辺の地区から工業用水をとるのだというような、ばらばらな計画が依然として残されており、それが工事に着手されるような意向にも伺っておりますので、これらの問題は、金の面からも非常に不経済であると同時に、水の総合利用の面からいってもおもしろくない。水資源局ができても、依然としてそういう所管を異にするような水路を作ったり、水利をそういう方向に持っていこうというような点が、各所に私は残っておると思うのです。従って、そういうものについてぜひ十分な御検討をいただきたい。ことに水資源局が今できようとしておるので、できるだけすみやかに経済企画庁でこれらの問題を、淀川水系といわず、利根川水系といわず、既存のものを全部洗っていただいて、予算的にも行政的にも総合したやり方でやっていただかないと、非常な問題が起こるのではないか。
この問題が論議されている過程において、実はせんだって、党の水資源特別委員会において各地を視察をいたしました際に、全くそういう陳情を現地からも受けますし、われわれが見ても、そういう感じを非常に強く受けるのでありますが、これらの問題については、地域的な問題と同時に、行政所管の問題についても、強力に経済企画庁でおまとめを願いたいと思うのですが、それらについて、大臣初め関係の方々どういうように御調査になり、どういうお考えか、ぜひ伺わしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/8
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009・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 水資源開発促進法ができまして、公団が仕事をすることになりますと、当然今伊能委員のお話のような点を是正して参らなければならぬわけであります。ただ、公団発足当時でございますから、全部にわたってなかなか行き届かない点もございますけれども、先般、水資源公団がやります仕事の中で、各省、たとえば建設省でありますとか、農林省でありますとか、そういうものの現にやっておりますものをある程度継承するということもできるように改正もいたしました。従って、こまかい点については事務当局から申し上げますけれども、たとえば建設省のダム計画でありますとか、各地点について、それぞれ水資源公団の方で仕事を譲り受けてするような状況でございます。こまかい点については、事務当局からお答え申し上げます。
〔委員長退席、草野委員長代理着
席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/9
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010・曽田忠
○曽田政府委員 お答えいたします。
ただいま先生がいろいろお述べになりましたような問題がございまして、たとえばいわゆる上部導水路という、埼玉県を通っております計画線の問題については、建設省案と農林省案というものが実はございます。こういう問題につきましては、実は企画庁といたしましても、調整費を配分しまして、どちらの仕事をやった方が経済効果があるかというようなことを現在御調査を願っている状況でございまして、そういうものがきまりまして、御存じのように、水資源開発審議会、そういうものの御審議をお願いする、あるいはまた地元の御意見を十分お聞きして、基本計画を作って参るというような考えで進んでおります。さしあたり三十七年度といたしまして、公団といたしましては、現在すでに建設省で行なっております矢木沢、下久保ダム、あるいは淀川につきましては高山ダム、そういうものをとりあえず行ないますが、ただいま申し上げました上部導水路の関係につきましては、そういう基本線がきまりましたならば、三十七年度におきましても一部着工したいというような考えで、今調整を行なっておる最中でございます。
それからもう一つ、ただいまの下部導水路の問題でございますが、下流の千葉県側の問題につきましては、これも実は大体の方針といたしましては、印旛沼の事業の具体的にどの部分にするか、まだ問題はございますけれども、一応印旛沼の事業を三十七年度から引き継ぐということに方針はきまっておりまして、ただ、いろいろのむずかしい問題がございますので、農林省に本年度は十カ月分の予算がついてございます。従いまして、その間、いろいろこまかい引き継ぎ問題につきまして検討いたしまして、予定といたしましては、三十八年の二月以降、すなわち、農林省の十カ月分の事業が終わります二月ごろから引き継いでいきたいというような考えで、今農林省にそのための調整をお願いしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/10
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011・伊能繁次郎
○伊能委員 もう一点お伺いしますが、今の基本的なお話は、私どもはよく承知しておるのでありますが、具体的な問題になりますと、ただいまお話しのように、いろいろなむずかしい問題があるという言葉で御答弁をいただいたのですが、それらの点が、私どもとしては、経済企画庁に水資源局ができたにもかかわらず、いまだに各省の仕事を各省の仕事として、どうも既定の事実あるいは既成の事実が、そのままの形でいってしまうような感じがしてならないのであります。これは非常に非能率であると同時に、国費の乱費だ。従って、水資源局というものができた暁には、どうぞ一つそれらの問題を――今からもう問題は明確になっておるわけです。たとえば印旛沼の干拓の問題でも、農林省から経済企画庁に、印旛沼については干拓と水利、工業用水との調整を総合的に見てもらわなければいかぬという地元並びに県の要望も、おそらくそのまま受け入れられるものと私どもも期待しておりますが、そうなりますと、都合の悪いものは経済企画庁の水資源局の方へ移して、県はなるべく金を使わないようにとか、既定の計画のうちでも、三十七年度予算の計上の面に農林省あるいは県当局の間でもいろいろな問題が起こっているわけで、もしそういうことがなければ、もっと大きな予算が計上されてスムーズにいくべきものが、経過的な水資源局ができたために、一年おくれるとか、その面の予算が非常に減らされるとかいうような問題すら起こっております。従いまして、この点は、経済企画庁で現在の実情というものを十二分に御調査を願って、適切な施策もしていただきたいし、また、各省庁間の調整も一つ強力にやっていただきたいということをお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/11
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012・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 ただいまの御希望、御意見の通り、われわれも努力するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/12
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013・石山權作
○石山委員 私、先ほど、地方の経済開発の場合には、今の行政区域のようなものあるいは行政形態、こういうふうなものをもう一ぺん見直す必要があるというふうに申し上げているのですが、たとえば太平洋ベルト・ラインという言葉で通産省が開発をなさろうとして、今回法案なども準備されているようですが、わが党は大反対です。ああいうものの考え方でいろいろなことをやられると、いつまでたっても、地方の開発というものは取り残されていくだろうと思う。たとえば太平洋ベルト・ラインが昭和四十年というふうな規定の仕方でもいいと思います。あるいはもっと多い目に見て四十五年ということになれば、なおさらのことだろうと思いますが、そういう規定の仕方をし、そのあとの余力を持って順次地方開発をするのだということになれば、そうでなくても地方の人口は今減りつつあります。東北六県のうちで、人口の減らない県はございません、人口が減っていくのです。ですから、開発どころの話でないというふうなものでしょう。ですから、私たちとしましては、太平洋ベルト・ラインというふうなものを、たとえばそれを是認した形でやっていかれるとすれば、たとえば今行なわれようとしている千葉県と茨城県の利根川の問題、あるいは印旛沼の問題も出ていますが、これはめいめいばらばらに開発計画を立てておられるわけですが、この計画を見てみると、なるほど海を埋め立てて安い土地を拡張する、茨城県もそういうことをやるわけなんです。しかし、一方突っ込んでみて、そこにできた製品あるいは原料というものをどういう格好で消費地に配給するだろう、こういうふうに見てみますと、これは国の計画と全然マッチしない。そういう形で立案されて、できた品物を何によって配給するだろうという心配が、われわれとしては起きるわけです。それを一体どこで調整をするのか。千葉県と茨城県は隣県で近いのです。こういうやり方は結果的に見て、高度成長経済が今破綻に瀕しているというようなことと同じになるのではないかと私思うのです。今のままでいろいろなもくろみを推し進めていけば、三年ぐらいたって工業都市ができた、にっちもさっちもいかない、それと同じ傾向が生まれてくるのではないか。今の場合、高度成長経済は現在破綻に瀕している。破綻という言葉はいやでしょうけれども、近づいてきたということは認めざるを得ないと思う。それと同じことが、今度は地域開発によって生まれてくる懸念があると思う。一体これをどこで調整をなさるのか。経済企画庁としては、どういうふうにお考えになって各府県の開発計画を見ておられるのか。そのお考えをこの場合承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/13
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014・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 御承知のように、国土の総合開発をやりまして、日本の経済的な力を総合的に高めていくということは、非常に必要なことであって、そうして、それによって地域格差をなくしていこうというのが一つのねらいでございます。そこで、御承知の通り、国土総合開発という一つの計画を立てますが、しかし、それを補完すると申しますか、その拠点地域の開発としては、今回国会に提案をいたしております新産業都市の法律がございまして、これによって、国土開発計画の中の拠点開発構想というものを確立していきたい、同時に、昨年の臨時国会で、低開発地域の工業開発促進の法律を通過させていただきまして、これによって地方的な、いわゆる低開発地域の工業開発の促進ということをやって参る、こういうふうに考えておるのでございます。この三本立で開発計画を促進する。
そこで、お話しのように、そういうような開発の計画を立てます上においては、当然道路の関係、港湾の関係、輸送の関係というものを総合的に考えて参らなければならぬことはむろんでございまして、道路五カ年計画その他に対しても、そういうものをやはり織り込んで考慮していただくということが当然起こって参ると思います。むろん、今日既設の道路の拡充あるいは舗装その他ということを急ぎますものですから、若干そういう点についてはあとになるという点もございますけれども、今のような総合開発計画ができて参りますし、また、地方産業都市の法律が今回の国会で通りますれば、その一連の開発計画を立てる。ただいま低開発地区の準備もいたしております。そして、それぞれ過去におきまして、御承知の通り、開発の地域立法ができております。東北地方開発あるいは九州地方開発、そういうものを合わせて全体としてまとめていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/14
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015・石山權作
○石山委員 太平洋ベルト・ラインの、この通産省の出している案を見てみますと、なるほどと思われる節があるわけですね。しかし、ここで国土全般から見た場合には、新しい意欲があるというふうには見えない。在来の形の中で、現在の経済の効率投資に主眼点を置いていると思うのですが、これはやはり私は退嬰的なものの考え方だろうと思うのです。それは現実を少しよくするということだけなんです。現実的に不満を感じている土地は一体どうすればいいだろう。いつでも僕ら見ているのは、道路五カ年計画というものがしょっちゅうやられているわけなんです。五カ年計画は、見ていると、大体三年半ぐらいたつともう行方不明になる。四年たたない前にまた五カ年計画を打ち出してくる。最終年度にお前のところまで道路をつけますよというわけで、たとえば二級国道ができますよというふうにくる。ですから、五年にならないで、四年で打ち切りをすればそのまま、そして新しくやったときに、またつけますよと言うんだ。いつも同じことを繰り返して、計画書の中には載っているわけなんですよ。地域開発、奥地開発というような名目はちゃんと載る。載るのだけれども、実施の段階になると、新五カ年計画なりあるいは新三カ年計画というふうな面で変わってくるわけです。これは鉄道なんかでもそういうことを言えるだろうと思うのですね。調査線とかなんとかでいろいろな地域を喜ばせているのだけれども、これも大体そんな格好です。ですから、今のままでいけば、地域差をなくすることが日本経済の全般をば向上さすことだという、この定説は、私は間違いないのだと思う。それを太平洋ベルト・ラインに集中的にやるということは、現実的な問題としてはこれは大切だと思う。しかし、これはもう頭打ちが来ているのだろうというふうに見ざるを得ないのじゃないでしょうか。たとえば経済効率はいいかもしれませんけれども、そこに起こる近代文明の社会悪のもろもろというものは、数え切れないほどあるのではないかと思う。それらを計算に入れないで、通産省は通産省のそろばんだと思う。しかし、日本の国家を形成しているものは経済だけではないはずなんです。もしかりに、文明とか文化というふうなものが人間の国家形成に大切なものだとすれば、そろばんの置き方が違ってこなければならぬのではないか。今のように集中された経済の都市、たとえば東京、大阪を見てもわかるのですが、確かにここへ来れば就職もあるでしょう。しかし、かわいいむすこなら東京に置きたくないという人もいる。それはなぜか。社会悪のもろもろがある。空気が非常に濁っているために、早く死ぬかもしれませんね。ほろ酔いで道を歩いたら、自動車にひっかけられるという危険性もある。いろいろあるだろうと思うのですが、こういうこと等をにらみ合わせてみますると、ここに当面だけの投資をするということは、国全般から見た場合には、そんなにいい策なのではない。もっと別なやり方を考えてもよろしいのではないか。特にこれが年限を長くした計画であるとするならば、いわゆる太平洋ベルト・ラインから疎外をされている九州の南あるいは北陸、東北、北海道の大半というものは、いつまでたっても、いわゆる文化というふうなものから、そういう施設からは、遠ざかる運命を甘んじて受けていなければならぬというふうに思うわけです。しかし、政治というものはそういうものではないはずでございます。経済効率のあるところだけに投資をするというものではない。むしろ、そういう不均衡な姿をば是正するのが、政治の一つのおもしろみだと思うし、任務だと思う。特に経済企画庁の場合には、東北開発には大へん力こぶを今まで入れていただいているわけです。太平洋ベルト・ラインというものの集中化、コンビナート等の関係による集中化は避けられないとするならば、第二次産業育成に対する東北開発、これに企画庁はどのくらいの力を入れてくれるかというのが、当面の私たち東北に住んでいる者の考え方です。開発があっちにもこっちにも行なわれまして、東北開発という特殊性は最近ほとんどなくなりつつある。かりにあるとすれば、北海道東北の公庫、金融面で何ぼかめんどうを見ていただくくらいしか特殊性がなくなってきている。しかし、東北開発に手をつける、東北大県、新潟を入れて七県をば開発する、北海道を開発しなければならない、この根底は、そんなに私は消えていないと思う。開発しなければならないという要素が、むしろ濃厚になってきているのではないか、こう思っております。それについて、第二次産業を主体にして東北をば開発なさろうとしていられるようでございまするが、大臣初め関係の局長さんから、一つ計画のあらまし、ほんとうにあらましでよろしいのですが、お知らせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/15
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016・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 お話しのように、東北地方の開発あるいは南九州の開発、北海道の開発というようなことは、日本の残された経済開発の大きな後進地帯でございますので、これらの開発に力を入れますことは、当然国土の総合開発を行ないます上において必要だと思います。そこで、先般来、低開発地域におきます工業促進という見地からながめてみましても、東北地方はそれに該当するような条件のところが多いのでございまして、従って、いきなりたとえば太平洋ベルト地帯のような考え方をすぐに適用することは、あるいは条件からいえば無理だと思います。しかし、今申し上げたような段階的な階段を置いてやって参る必要があるのじゃないか。お話のように、今日過大都市化を防止するということは、単に地方開発というばかりでなく、過大都市自身の問題にすでになっておるわけでございまして、これ以上東京とか大阪とかに過度に人口が集中いたしますことは、単に経済効率を害するばかりでなく、今お話しのような社会面におけるいろいろな問題点が起こってくるわけでございますから、従って、過大都市の防止をし、あるいはそれを地方開発と結びつけて進めて参ることは、当然やって参らなければならぬことであります。ただ、工業的条件がそろっておりませんところにいきなり膨大なものをすぐ作るというわけにもいかぬ点もございます。先般、御承知の通り、東京の豆電球の業者が、秋田県に天然ガスを利用して集団的な疎開をした。ああいうようなことは、非常に意味のある、低開発地域における地方開発、工業開発の一つの例になるのじゃないかと思うのでございまして、そういうような全般的な見地に立ちまして、企画庁としても、それぞれ実施官庁に御協議申し上げ、また、われわれ自身の計画の中にも、そういう点を織り込んで考えていきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/16
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017・曽田忠
○曽田政府委員 後進地域、特に東北あるいは南九州の地域開発といいますことは、先生のおっしゃいます通り、非常に重要な問題と考えて、その促進に努めているわけでございますが、御承知のように、国土の均衡ある発展をはかるという観点のもとにおきまして、全国総合開発計画を策定中でございまして、去年の七月に草案を発表したわけであります。その中におきまして、特にお尋ねの工業の発展を、たとえば東北地方につきましてどういうふうに考えておるかという問題につきまして、お答えしたいと思います。
三十三年の工業の生産の構成比というものを申し上げますと、全国一〇〇の場合に東北地方は大体四・九の比率を占めておったわけでございますが、われわれといたしましては、通産省当局ともいろいろ相談をいたしまして、この比率を昭和四十五年におきましては四・九を六というところまで引き上げたい、三十三年対比約五・三倍というような工業の発展を期待しておるわけであります。具体的にどういう数字になるかと申し上げますと、三十三年度の近畿地方の工業の出荷額というものは、ちょうど四十五年の東北の出荷額に該当するという程度のものかと思いますけれども、これも実は相当の努力を要するのではないか。これがためには、先ほど大臣からいろいろお話がありますように、低開発地域工業開発促進法の運用とか、あるいは新産業都市建設促進法に基づきます拠点の設置、あるいはまた公庫の融資の拡充、そういうような方面でこの目標に到達するように持っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/17
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018・石山權作
○石山委員 第二次産業育成が東北地方には適当だろうという考えで、いろいろな計画を指導したり立案をしているのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/18
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019・曽田忠
○曽田政府委員 お答えいたします。
地域格差の解消という問題の対策といたしましては、要するに、低い生産性の産業の生産性を高める、つまり、農業の近代化あるいは農業構造の改善という施策と、それからそういう地域に高い生産性のある産業を持っていく、いわゆる二次産業の地方分散という二つの施策が相待って、相互に連携をとりつつ進めていくということが、私は地域格差是正の基本観念だと考えております。従いまして、全国計画におきましても、農業の発展の方向と工業の発展の方向と、二つの施策を定めまして、相互に相寄りまして後進地域の格差是正に貢献したいという考えで案を作っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/19
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020・石山權作
○石山委員 私は、たとえば北海道の旭川からもっと北の方に米を植えるというような奨励の仕方は、全般から見たらあるいは問題があるだろうと思うのです。そういう問題が、たとえば地元の反対があるから、実績があるからといって、それを伏せたものの進め方はないだろうと思う。東北全般を見た場合に、たとえば港の関係あるいはその地勢上からして、どうも工業として進展さすよりも、農業として、いわゆる文化都市的な育成の仕方、大学や何かも東北にたくさんやってみる、こういう仕方の方が有効なのか、役に立つのか、私は、いろいろなものを現実的に行なっていきながらも、もう一ぺん高いところで考えてもらいたいのはそれなのです。それは地元で、お前のところは工業をあまりやってはいかんなんて言ったら問題だけれども、その土地の利用価値というものは、私はそういうものでないと思う。他から見て正しいところに落ちつかせることが一番幸福なことなんです。一番有効なことなんですから、その意味では、第二次産業をもって東北を育成するということをおっしゃっていますが、第二次産業は、実際からいうと、最近落ちているのですね。山形県ぐらいが最近第二次産業が伸びていますけれども、皆さんがかけ声をかけなさろうとしているが、現実はなかなか伸びていないのです。ですから、東北地方、北海道を含めて、いわゆる酪農地帯として、農業として育成さしていく、そうしていった方がいいのか、それとも、皆さんの方のお考えになっている農業から工業へ、精密工業への過程として、第二次産業を中間的な立場でやった方が、ほんとうの意味で東北に適するのかどうか。第二次産業というと、農業をやっている人々にもある種の希望を抱かせるでしょうし、どっちでもうまくとれるのですね。けれども、実際第二次産業がわが東北、北海道にとって体質的にいいのかどうか。北海道の指数は持っておりませんけれども、東北六県の指数を見てみると、最近第二次産業が低下をしておる。低下をしておるところには、第二次産業は不似合いなのではないか、体質に合っていないのではないか、私は表を見ながら、そういう印象を受けているわけなのですが、皆さんがお調べになって、実際第二次産業として、東北六県、新潟を含めた七県あるいは同じような要素のある北海道等が、ほんとうによろしいのかどうか、これは総合的に研究されている企画庁でなければこういうことはわからぬと思うので、それをいろいろと研究なさっている皆さんから、もう一ぺんこの点についてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/20
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021・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 お話のように、国土開発計画をやります場合に、農業でいわゆる基本法によります選択的拡大によって、農業の部面における拡大をはかっていく、そして農業の内容をある程度変えることも、あるいは地域によって必要でございましょうし、それによってその方面の発展がはかられるということも考えられるわけでございます。また、お話のように、実際問題として、各地でもって工業都市ということを言っておりますけれども、いわゆる学園都市というふうな考え方が、私は、総合的に考えれば成り立ち得るものがあるのではないか、必ずしも工業立地がよくないというようなところには、その地方の中核都市として学園を集めていくというととも、一つの都市開発の方法だと思います。ただ、経済企画庁として担当いたしております分野から申しますと、総合開発計画と言われますけれども、主として経済部面を担当いたしておりますから、そういう意味で、重点は経済開発という方面の問題になる。それは今局長からも申し上げましたように、一方においては、農業の改善によりまして地域的な農業の発達をはかる、また、その選択的拡大によって、あるいは農業を主体とした農産加工、あるいは水産加工の工業を興していくというようなことが必要な地域もあるわけでございます。また、条件が整っておりますれば、新産業都市というような形によっての発達を考えていくというようなことも考えられるわけでございます。それらのものを、やはり高い見地に立ちまして、日本の国土総合開発の上から考えていかなければならないこと、これは私は当然なことだと思いまして、石山委員のそういうようなお説に対して、われわれも十分な注意をしながら、全体をながめてやっていく、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/21
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022・石山權作
○石山委員 東北開発については、企画庁で今までめんどうを見ていただきました。私はもっとめんどうを見ていただきたいというふうに考えているわけですが、その中で気になることは、第二次産業として東北を開発、育成するという建前で、公庫も作っていただいたし、特殊会社も作っていただいたわけですが、特殊会社の指導の仕方がやや誤っていたのではないか。これは私も東北開発審議委員なのでして、あなたが長官になられる前の長官等にも私ども言っておったのですが、それをあまりくみ入れないで運用した形跡があるわけです。たとえば民間の企業を圧迫しないためという前提が、特殊会社ですからあるわけですね。民間の企業を圧迫しないためということはわかるわけなんです。だからといって、だれが見ても不安定で、不安にたえないようなセメントのかまを許可する、それを据えつけろという、そういう指導の仕方はあり得ないと私は思う。これはわれわれは何べんも言っておった。このかまでは危険があるのではないかということを注意申し上げておる。それにもかかわらず、ああいうかまをつけて、結局そのかまは不良品だというので、東北地建あたりでも道路にはあまり使ってくれなかったという経緯がある。われわれは地元の県等に頼んで、なるべく県営の事業には東北会社のセメントを使うようにしてくれと言っても、なかなかそういうわけにはいかなかったということがある。わかっている。忠告をされた。しかし、民間の企業を圧迫しないという建前で指導なさった。しかも、異質のかまをやる。そういう指導の仕方じゃいけないと思うのです。特殊会社だから、たとえば数量を限定するとか、販路の競合を避けるとかいうならわかる。品質の悪いということがわかっているかまをつけさすということは、これは、指導方針に私は重大な誤りがあったと思う。過ぎてしまったことは決算委員会でやっているから、私は何もそれを追及しようとは思いません。しかし、役人というものの正体はそういう中にあると思うんですね。言われると、うんうんと言っているんです。きょうのこの委員会あたりでもうんうんと言う。そうして、やるときは、われわれ一々見ているわけじゃないんだから、やるときはこっそりやってしまって、損をさせてしまっている。これではいかぬと思うのです。それから、福島でやった例のベニヤの高級なやつ、ハードボードですか、あれなんかもそうなんです。もう私たちの言うことをあまりよく聞かない。板というものは、これはこういう洋間に使えばいろいろ寸尺は違うわけですけれども、日本の家屋に使うとすれば、それは単位は三尺単位、六尺単位なんです。この単位に合わないような製作の仕方をして、余りくずをうんと出して赤字にしている。こういう指導をしている。私は、民間の企業を圧迫しないというのは、そういうロスを出すという形で民間の企業を圧迫しないということは、はなはだもってけしからぬと思うのです。税金のむだづかいをさしているということでしょう。そういうことを指導する役人の顔を見たいと思う。われわれの意見は、ふんふんといってそのときは聞いておって、陰でそういう反対のことをやっている、指導している、許可を与えている人たちの顔を見たいと思う。けしからぬと思うんです。そういうことは二度と繰り返してはいかぬと思う。ですから、これからも会社は継続されるし、大いに私たちは新しい企業をやってもらわなければならぬ、それに対しては、会社自体のいわゆる機能の発揮の仕方があると思う。新しい社長さんは社長さんでいろいろなことを考えているでしょう。理事さんもいろいろ考えているでしょう。それはそれでいい。創意工夫は生かさなければならぬ。創意工夫は生かさなければならぬけれども、お金を出す、許可権を持っている企画庁の立場というものは、これは会社を右にも左にも動かすことができる。ここがきちんとしていないと、会社自体がどんなに創意工夫を持った優秀な人を登用して社長さんに据えても、これはゆがめられていくわけなんです。ですから、民間企業をば圧迫しないということは、一体何の点をさしているか、指導方針について大臣から御意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/22
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023・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 東北開発株式会社の問題につきましては、われわれ政府としても、今後の運営について十分な考えをきめて参らなければならぬじゃないかと私は思います。元来、ああいう種類の会社が自分だけの仕事をやり、また、仕事をやることを役所が直接に関係するということについては、私は、ある限界がむしろあるのではないか、民間企業を圧迫しないという立場にかりに立っていった場合には、企業の種類というものについての非常な考慮が要るわけであります。むしろ、これは私個人の未定稿的な考え方でございますけれども、東北各地に産業を興したいという東北各地の住民の皆さん方の御希望があっても、しかし、それ自体必ずしも十分な技術的な、あるいは資本的な力を持っていない、そういう面を、金融面では国庫がお助けするということになりましょうが、その他の面においては、開発会社がお助けするというような考え方でいかなければいけないんじゃないか。何でも自分が広範な仕事をする。民間の事業をやっておりまして、たとえばセメントの事業とハードボードの仕事を一緒にやる、そういう会社というのは、成り立ちから申すと非常に少ないので、セメントの仕事をやれば、セメントと関連のヒューム管を作るとか、そういうものに伸びていく。技術者にいたしましても、ハードボードの技術者とセメントの技術者とは違います。ですから、そういう広範な仕事をあすこでやるとすれば、開発会社としては大へん大きな負担がかかってくるのではないか。ですから、東北の皆さん方が資本が足りない、あるいは技術者が足りないといっても、将来ある程度進んでくれば、それ自身を東北の方々に払い下げるというか、持っていただいて、育成が終わったら、東北開発というのはまた別の育成の仕事をやるという形を考えていくことが必要じゃないか。これは全くの未定稿な私見でございますが、将来この問題については考える必要があるのではないか。実は役所におきましても、特に企画庁みたいな性格の役所におきまして、たとえば監理官あるいは東北開発を監督する直接の局長その他にいたしましても、それではハードボードの知識があるか、セメントの知識があるかと申せば、そうあるものではございません。従って、ある程度東北開発から出てきて合理的に説明されたものについては、ある程度のオーケーを与えざるを得ない場合がある。その場合に、監督不行き届きと言われれば言われる点が起こって参りますけれども、事態から申せば、これは非常にむずかしいことであり、ほとんど不可能に近いことであろうかとも思います。ですから、そういう点について、やはり東北開発という過去の会社の歴史を調査しながらも、将来の問題として、今度のようなことを機会に、民間の有力な方を総裁に得られたのでありますから、一つ大きな方針の立て直しをしてもらいたい、そして、将来再びこういうことの起こらぬように考えていくことが必要なんじゃないか、また、それが東北開発のためにほんとうに役に立つ行き方なのではないか、こういうふうに考えれば、国費を乱費しないでいくことにもなろうかと思います。そういう点についても、将来十分私としては考えて参りたい、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/23
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024・石山權作
○石山委員 今度の総裁がかわられたときも私は申し上げておいたのですが、経営ということにあまり重心を置く必要は会社にはないのではないか。そうでないと、仕事を離さないという格好にもなるでしょうし、いろいろな問題も起きる。これは、土地の産業を育成するということと経営ということとは違ってもいいと思うのです。ですから、特殊会社の任務としては、こういうこともやれる、われわれしろうとがやってもこのくらいの成績が上がるのだ、本気になって土地の人がやれば十分採算がとれるだろう、こういう形で私はいいと思うのです。ですから、突き詰めていえば、この会社は、ある問題については黒字になることを目的にしなくてもいいと思う。それからがむしゃらに赤字を出してはいかぬということになると、創意工夫というものを実地に移すわけにいかぬということになるでしょう。それからもう一つは、民間企業とのせり合いをあまりしないという前提が特にあるとするならば、些少の赤字をおそれて会社運営をしてはいかぬのじゃないか、こういうふうに私たちは過去の経験から思っているわけです。ですから、政府投資も政府の指導の仕方も、私は、そういうあり方を採用しても不見識ではないのではないかと思う。そうかといって、いい気持になって赤字をじゃんじゃんつけて遊ぶということはいけないかもわかりませんけれども、そこまで人を疑ってはいかぬでしょうし、指導監督の人たちの立場をわれわれはそれほどとやかく言う必要はない。企画庁だってそういう指導精神には欠けていないだろうと思う。ですから、これからの会社の指導にあたっては、地域の開発のための一つのアイデアをつかまえる、そして経営に向きにならなくてもいいと思うのです。見込みがあれば民間は買うわけですから、民間にその権利や何かを経営を度外視した形で譲ってあげてもいいのじゃないか、それが私は東北開発会社の一つのめどだろうと思うのです。例の砂鉄なんかも一つの思いつきだと思うのですが、それ以外にもいろいろなものが考えられていいのではないか。
東北開発が思った通り伸展のルートに乗らない一番の原因は、交通運輸にあるようでございます。この交通運輸がもう少しよくならぬと、そうでなくても消費地が遠隔にあるのですから、相場とは関係のないような格好で仕事が行なわれていく。相場によってうまみのあるような仕事がたくさんあるわけでしょう。その相場のうまみに会えないでしまう。そして、小じんまりと人口希薄な周辺の消費者を相手にする。相場を加味されなければならない立場でありながら、たとえば私の方では木材なんかそうだと思うが、相場によって左右される建設材のようなものが、年末なんか何万トン、何十万トンと滞貨しておる。これはやはり政策的に一つ考えていただきたい。それから事業個々の問題については、さっきも申し上げたように、この会社はアイデアを採用して、赤字にあまり拘泥しない形でやっていくという立場で、この東北開発というものを見ていただきたい。
まだいろいろたくさんあります。たとえば太平洋の方の港では、今五万トン、六万トンという船を入れるのは当たりまえですが、東北では一万トンの岸壁を二つほしいとか、もう話は非常につつましいものです。まあ、いろいろなことを言えばきりがないと思いますけれども、大きな眼目はそこにあるのではないか。まず交通運輸のために、一万トンの港を二万トンにするということも仕事の一つでしょう。あるいは自動車縦貫道路を早く作ってあげるというのもその試みでしょう。あるいは鉄道の電化等、いろいろ考えられると思いますが、いずれにしても、そういうことを政策の中心点にしてやっていただくことが、東北開発の将来のために大切なのではないかというふうに思っております。私は一つだけ中心点を――あなたは東北開発の未定稿をお話しなさったのですが、私のしゃべっていることは、そんなに的はずれていないと思うのですが、大臣から一つ御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/24
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025・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 実は政治をやります前に、私は東北で仕事をした経験を持っておりますので、今石山委員の言われるような、輸送関係の改善ということは非常に重要だということは、私体験をして十分承知いたしております。当時、私などから言えば、どうも運輸省あるいは鉄道の仕事は、東京周辺だけであって、東北の方は列車の改善、輸送の改善はちっともしてくれないと、大いに不平を言ったものでございますから、東北開発のそういう面における必要性というものは、私は十分痛感いたしておるのでございます。だから、今後そういう面で力を入れていかなければならぬことは申すまでもないことでございます。また、東北開発を考えていきますと、今の交通輸送の面と同時に、あの方面に人が非常にたくさん来てくれて、現地を見てくれるということが、私は非常に必要なことだと実は思うのでございまして、そういう意味で、東北各地には相当な観光資源を持っております。従って、東北開発会社というような会社が、単に工業だけではなしに、そういう面の事業も考えていくのが必要なことではないか。そして、人が大ぜい来れば、なるほどこの地帯では工業もやれる、あるいはこういう条件ならは――人がとにかく行って見ないことには、実は何にもならぬ。ところが、見に行くために、東北の観光資源というものは相当あるから、それに対する観光道路をつけるとか、あるいはホテルの設備をするとか、それは単に高級なホテルでなくても、青少年用のホテルを作る、そういうようなことも、東北開発という点からいいますと、私は一つの重要なポイントじゃないかというふうに考えるのであります。
お話のように、東北開発というのは、国策会社として立っておりますから、当面すぐに黒字が出なくても、ある時期の間赤字でも、これはやむを得ないと思います。しかし、それじゃ引き続き赤字でいいかというと、そうはいかぬので、開発に伴ってそういう赤字が消えていって、さらに自己資金が回収されて、再投資していくという方向に持っていかなければならぬことは申すまでもありません。でありますから、最初の数年間が単に赤字というだけでこれを責めるのは、私は無理だと思います。がしかし、その赤字の原因が、経営の放慢、あるいは技術の不足のために起こる事故であるとか、もっと技術的に注意をすればうまくいくというようなものについては、これは厳に戒心をしてやって参らなければならぬと思いますが、御承知のように、開発という特殊の会社でございますから、出発点においてただ単に赤字だというだけでは、責めるわけにはいかぬ点もあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/25
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026・石山權作
○石山委員 まあ、私は、観光をおやりになるとすれば、高級でなければいかぬと思うのです。貧乏者同士のふところから取り合いしたって、これは東北のためには何にもならぬ。いわゆる大都市の上客をお招きするような設備だとか、もっと強く言えば、日本人同士ではなく、外国の人々に来てもらうような施設をするくらいの方が得策でございましょう。
〔草野委員長代理退席、委員長着席〕
これは観光事業としては、手前みそではないけれども、近畿やこっちよりも数等すぐれた、いかにも大地らしいというふうなあたたかい感じ、人情も非常によろしいというような工合で、やり方によっては十分成功する要素があります。
私、やや締めくくりについて申し上げておきたいのですが、水資源の問題を一つ私たちが考えてみても、お役所のいろいろな問題だとか、地域住民の関係とか、いろいろあるようですから、企画庁としては、これは自治省あるいは行管等の関係もあるでしょうけれども、経済面から見た場合、特にブロック経済というものをお考えになった場合、今の自治団体のあり方というものは、もう一ぺん経済的に再検討する必要があるだろうというふうにわれわれ思っております。
それから、東北開発の場合は、今申し上げたように、会社に対しては特殊な、親切な指導をなされなければ、ああいう汚職というものはまた繰り返される可能性があるだろうと思います。この点は十分気をつけていただきたいと思います。
そこで、今までの質疑応答では、私は経済企画庁に味方をして、大体八、九十点ぐらいおあげをしているわけでありますが、この最後の一つはとうも気に食わぬという問題が一つ出た。それはせんだってあなたの方で賃金の問題をお出しになったのですね。日本のいわゆる経済というものと賃金というものです。きょうは賃金の問題ではないのですけれども、あなたがせっかくおいでになったし、せんだって出したばかりのものですから、一つ触れておいた方がよろしいのではないかと思う。
これを見ますと、もう賃上げはあまりやるなということに聞き取れるのですね。今までは生産性と賃金とをにらみ合せてみると、賃金の方は開きがあった、最近はだんだん追いついてきた、こういう意見です。特に、三十六年の場合のたった一つの実績をとって、生産性を上回ったような形ができたと言っておる。そうすると、あなた方は今まで損をしたのは一年で取り返したということになるのじゃないですか。あなた方はだれから教えられてこれを作ったか知らぬけれども、ずいぶんけしからぬと思うのですよ。特に春季闘争とかなんとか組合の連中が騒いでいるときに、こういうことをお出しになる真意というものが、私にはよくわからぬ。ここにある新聞があなたの方の言い分をば図面に書いたものがあるのですが、賃金が生産性と同じような線をたどったということはないのですよ。三十三年に一ぺんちょっとくっついた。今はこんなに離れているじゃないですか。生産性がこれですよ。賃金はここなんですよ。それを、三十六年に一ぺんちょっと同じになったからといって、けしからぬですよ。何です、このものの出し方は。経済企画庁というのは、官僚のうちでも、数字なんかに対しては詳しく、親切にやるお役所だから、尊敬しているのだけれども、これを見たら、とたんに企画庁もごまかすのだなと思った。こういうやり方はけしからぬ。そして、これから賃上げをすると物価が上がるだろうと言っている、一体どこを押せば、物価が上がるのですか。賃金がそれだけ高いの。これからも高くなると言っているの。賃金が物価に影響するなんて、それはアメリカさんの話でしょう。イギリスにも最近はちょっとあった。労働省がやるなら、これはまだわかるのだけれども、あなたのところで何も労働組合に言う必要ないでしょう。それもほんとうのことを言うならいいですけれども、うそっぱちの数字をでっち上げているじゃありませんか。三十三年にちょっとまじわったが、三十四年、三十五年はだんだんとはだかっているじゃないですか。三十六年にまた生産性よりも少し賃金が高くなった。これだって、実際からいえば、まだ三十六年はわかりっこないじゃないか。一体この数字はどこから出したのですか。事務当局はどこが担当ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/26
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027・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 企画庁がごまかしの数字を出して労働組合に挑戦いたそうとは思っておりません。正確な数字を出してやろうと思っておるわけであります。また、実態を明らかにするということは当然でありまして、かりに政府に不利な数字であろうと、有利な数字であろうと、実態に即した正確なものを出すというのが基本の考え方でございます。ただいまお話のように、三十五年までのものについては集計をいたしまして、かなり正確なものを出しております。三十六年は、御承知の通り、労働省の統計をとっておるわけでございまして、速報でございますから、最終的には数字が若干異動するかと思います。ただ、今日の実情から申しますと、産業の合理化をやり、生産性を向上させる、大企業においてはそういう点がございますけれども、しかし、中小企業の場合あるいはサービス業等の場合において、必ずしも合理化ができないような面がございまして、経済が拡大する場合に、やむを得ず、それが価格に反映してくるということが起こっている部面もあるわけであります。そういう点については、大企業の方の生産性が上がって、その賃金が上昇していく、それに均霑して、中小企業あるいはサービス部門等が賃金を上げていかなければならない。その場合、ある場合には価格に反映し、物価問題となるわけでございまして、そこに物価問題の扱い方のむずかしい点もあるわけでありますが、あまり急激に高度に成長いたしますと、そういう過程が起こってくると思います。数字的には、局長がおりますから、御説明申し上げて差しつかえございませんが、われわれの言うのは決してそういうことでない。何か春闘を押えるような意味で出すというようなことは、企画庁としてはやっておらぬのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/27
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028・石山權作
○石山委員 日本の今の全体の経済から見れば、むしろ、企画庁なんか外貨の問題でも勉強すればいいんだ。何も国内の労働者の賃金なんか調べる必要はない。たとえば生産性に見合う賃金であれば、経営者などというのは楽なものだ。経営者なんて要らない。そうじゃないんでしょう。最近の賃金コストを考えてごらんなさい。賃金コストを隠しているじゃありませんか。生産性だけ出しているじゃありませんか。賃金コストは最近においてぐっと下がっているんですよ。しかし、生産性に見合うような賃金コストは困るというのでしょうから、それは一部認めてやってもよろしい。われわれが何のために社長さんだの重役さんに高給を出しているか。生産性に見合うような経営だったら、だれでもできるじゃありませんか。ですから、この場合に、私たちは、皆さんのところでは、もっと賃金コストがどういう格好になっているかということもやはり調べる必要があると思う。そっちの方は伏せておく。これでは、やはり藤山さんは日経連に味方をなさった数字を作成した、こう言わざるを得ないのです。ぼんくらの社長さんをば擁護している。この不況の立場こそ一生懸命になって企業のことを考えなければならぬのに、まあまあ、お前たちはよくやったよ、賃金なんか上げなくてもよいよという表を作っている。企画庁のお役人も何でこんなことをやっているのか。あなた方は外貨の問題を考えてみたら、日本の経済が今どういう立場にあるか、そこら辺に頭を痛めたらどうです。賃金が上がって、些少の消費が物価騰貴を招来するほど、日本人はぜいたくでしょうか。一体ぜいたくするだけの賃金でしょうか。そうではない。そして、今の日本の経済は、在庫指数を見てみてもわかる通り、何とか消費して上げなければ、社長さんたちは腹切りものでしょう。使って上げなければいかぬです。何ぼかシャツだって買って上げなければいかぬ。クツだってそうです。在庫指数を見たならば、賃金を少しく上げて国内消費をふやさなければ、日本の経済の安定はないという数字が企画庁から出なければならぬ。この企画庁の発表だと、賃金はあまり上げるな、物をあまり買うなということになるではありませんか。逆である。そんな指導の方針でしたら、池田内閣は一ぺんにぺしゃんこになりますから、藤山さんが登場するかもしれぬ。ほんとうに私言っているのですよ。あなたたちはこんなところに頭をくだく必要はない。しかも、うそを言っている。今ほんとうの意味の借金政策をやっているのだが、一体外貨は何ドルであるか。借金は何ぼであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/28
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029・中野正一
○中野(正)政府委員 ちょっとお答えいたしますが、今先生がおっしゃいました、最近企画庁で発表いたしました賃金と生産性、物価の関係の研究資料でございます。これはすでに御承知と思いますが、私の方の経済研究所で出したものでございます。どうしてこういう時期に出したかという御指摘でございますが、実はこれは所得倍増計画のいろいろのアフター・ケアを、中山伊知郎先生を会長にいたしましてそれの総合部会でやっておりまして、最近、倍増計画の過程で物価がどうなるのかということが問題になっておりまして、そういうような観点から、一つ生産性と物価、一般賃金の問題も入るものですから、そういう問題も研究したらどうだというサゼスチョンもございまして、実は先般の経済審議会に私の方の経済研究所から報告したわけでございます。先生のおっしゃった通りですが、要するに、二十七年から三十五年までの数字を詳細に分析をいたしまして、その間には、もちろん、御指摘のように、労働の生産性の方が賃金の上昇を上回っている、その間、卸売物価は幾分下がっているということで、結局労務費の比率、いわゆる労務コストというものが低下しているということを、はっきり指摘しているわけでございまして、決してその点を見のがしておるわけではございません。その点はよくお読みいただきたいと思うのです。従いまして、二十七年から三十五年までの傾向を見てみますと、相当生産性が上がって、賃金コストというものが下がり、少なくとも卸売物価の安定に賃金の値上がりが影響していないではないかということを、あのデータは強調しているわけであります。ただ、三十六年に入りますと、これは労働省で発表しておると思いますが、労働の生産性は一〇・七%の上昇に対しまして、賃金はこれを上回る一一・八%の上昇ということになって、その間に卸売物価もだいぶ上がってきたわけでございます。特に消費者物価は、御承知のように、昨年は五・三%も上がるということで、これは一般大衆にも相当な物価問題として、いわゆる所得倍増の前に物価倍増じゃないかというような声も聞かれて、問題を起こしておりますので、この問題は実はまだ研究所としましてもデータが不足で、はたしてこれが好況好機の一つの特殊な現象なのか、あるいは日本の産業の構造上、あるいは労働の問題、賃金構造の問題等で、相当構造的に変化をした結果、いろいろな問題が出てきたのか、その辺の分析は全部後日に譲るということが、はっきり書いてあるわけでございます。むしろ、私は、研究所の者ではございませんが、現実に行政をやっております者の立場から申しますと、要するに、三十六年のこの傾向というものをどう解釈するかということを、もう少し分析して発表すべきじゃないかというふうにも思うのですが、実はデータが不足で、その点は今後研究所が研究することになっておるわけであります。
それからもう一つ、企画庁としまして、外貨バランスなりそういう点をもっと気をつけていかなければならぬのじゃないか、御指摘の通りでございます。その意味で、ことしの一月にも、経済見通しあるいはそれに対する経済の運営の態度というもの、政策というもの、そういうものを出しまして、ことしは国際収支が均衡しないと、国際的に見ましても、日本経済はほんとうに行き詰まる、そういう観点で、相当シビアな引き締め政策というものを企画庁として打ち出して、これは長官がしょっちゅう言っておられるところでございますが、その方針に従ってわれわれも仕事をしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/29
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030・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 企画庁として、政策的に数字を出そう、あるいはいじろうという考え方は毛頭ございません。これはぜひともそう考えていただく。現実の明らかな数字を、よくても悪くても、それを集計して出す、それでなければ経済指標にはなりませんし、また、現実の事態をほんとうに把握いたしませんければ、よきにつけ悪しきにつけ、政治の動向をきめて参るわけには参らぬのでございまして、そういう点については、十分正しいまじめな数字を出していきたい、こういうふうに考えておるので、一つ御了承を願いたいと思います。むろん、今日経済上の問題は、外貨バランスの問題が非常に重要でございますが、その点われわれも十分考えて参らなければならぬのでございますけれども、ただ、非常に滞貨ができたから国内消費をどんどんふやせというただいまの御議論は、私は今の段階ではどうかと思うので、むしろ、滞貨ができたら、それを輸出して、そうして賃金が上がった場合でも、それを貯蓄してもらいたいというのが私どもの考え方です。貯蓄するためには、物価も安定しておらなければなりません。それでなければ貯蓄はできません。そうしてできるだけ消費を節約して、滞貨ができるようなそういうものについては、外国に輸出してもらうということが大きなねらいでなければならぬ、そういう意味でやっております。決して個々の賃金の問題について私ども触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/30
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031・石山權作
○石山委員 長官、私の方の地方では、自分の頭のハエをほうろけとよく言う。人の頭のハエなんかほうろくより、自分の頭のはえを追え、そう言っているのですよ。経済企画庁は、賃金から物価が不安定になるだろうなんという、三年も先のことなんか心配する必要はないのだ、その心配の前に、まず現実を片づけることだ、現実の滞貨、貿易、それから経済の不安定、むしろそこへ頭がいくべきで、労働省がやっておるならやむを得ないと思うけれども、経済企画庁が今ごろ思いついて、経験もないくせにこういうことを出す、水をかけたということを言われてもやむを得ないと思うのです。賃金が上がって物価をつり上げるなどということは、まずまず三年も四年も先のことでしょう。おそらくそうだと思う。日本経済はそれほど小さいものと私は考えておらない。むしろ、皆さんの方で指摘するならば、独占価格をもっと下げるような工夫をしたらどうでしょう、こういうことを言ったらどうでしょう。むしろ、電気メーカー等のああいうふうなものはさっぱり下がらぬ。たくさん物を作って、毎年々々需要供給の表を見ておると、うんと作ってうんと売れておる。それにもかかわらず、物の値段が下がらない。これは労使でうまく利潤を分けておるというのかもしれぬ。しかし、日本の労働者の人たちの賃金が上がっても、なぜ物価に影響を与えないかというと、日本人は非常に貯金を多くします。世界の表をずっと見た場合、日本国民がどのくらい貯金しておるか、優秀なものですよ。これは皆さんの政策に不信だから、自分で老後のことを考えなければならない、病気をしたときに困る、不信の結果が貯金という形になって現われておる。だから、賃金が上がっても、その賃金のふえた分だけすぐ消費には回らないだろうということは、実績で示しておるのです。消費に回る部門を少ないのです。新聞というものは表題を書くのがうまい。賃金と価格の足どり、物価安定なんて並べてごらんなさい。この春賃上げがあれば、物価は上がりますよ、私たちはこれを数字的に認めておりますよと言わぬばかり、とんでもない話ですよ。あなたならばシャツとかハンカチとかいうものにはあまり苦労しないでしょうけれども、私たちは一枚買うのに苦労しておる。せめてまつ白なハンカチを持ちたいと思うけれども、こういう何べんも洗ったものでがまんしておる。白いハンカチを持たして悪いでしょうか。持たしたっていいでしょう。それだけ貿易が減るわけでもないでしょう。あなたは滞貨した分だけ輸出したいと言った。滞貨した分でわれわれに白いハンカチ一枚買えるようにして下さいよ。そういう要素が今度の賃上げの中にあるだろうと思う。ぜいたくじゃない。ぜいたくならば、私はやほり問題だと思う。ぜいたくでない。三割程度は貯金に回るでしょう。消費に回る分はほとんど一割程度じゃないか。ことし何ぼ値上げするかしれぬが、あんたたちの方は四%、五%しか上げないというのでしょう。その金額に見積もれば何ぼかといったら、七百円とか千円くらい、消費を一割と見て、月に消費が百円ふえたからといって、あなたのところの物価の動きが予想通りいけば――皆さんの言うことはちぐはぐなんだ。千円しか上げないぞと言っておる。そして、物価は動くぞ。そうすると、経済企画庁で今度出したのは、全く経営者の千円に合わせようとしておる。千円くらいなら物価は上がりませんよと言わぬばかり、それ以上上げれば物価は動きますよと言わぬばかりなんだ。大体しろうとのくせに何だ。賃金なんか労働省がやったらいいでしょう。それでも大幅な賃上げが行なわれて物価騰貴をしたという前例があるならばいいですよ。前例は一つもない。来年のことを予想しておるのか。予想する能力なんかあるわけないじゃないか。高度経済成長はこうなりますよと春に示した数字が、秋はうそになったでしょう。一ぺんも実例がないのに、何でこういうことをやるのですか。全く私はけしからぬと思う。皆さんのその底意がいけないと思うのです。あなただって経営しておるからお知りでしょうけれども、労使関係などというものは、他からあまりくちばしをいれるべきものじゃない。自然の形で、それこそ腹と腹でこいという場合があるでしょう。何もそろばん通り賃上げが行なわれるわけでもない。その経営者とその企業体の中で行なわれるのだ。あなたの方でも専門外のことでしょうし、私も、水資源にあまり関係のないことだから、あまり言っても悪いと思うのだが、こういうことはあまりおやりにならぬ方がお互いに気分がいいじゃないですか。こんなのは労働省にやってもらいなさいよ。それは日本の経済に一ぺんでも賃金が影響を与えたという形跡が最近あるなら、心配しているからやむを得ないというふうに言ってもいいけれども、そういう要素が全然ないときに、何かこう言っているのを見ると――新聞なんかの解説をごらんになったでしょう。春闘に水をかけるかまえだと言っているんだ。私だけが言っているんじゃないですよ。それも一つの新聞だけが言っているんじゃない。そういうたくさんの例を引いても、今度の経済企画庁の賃金問題と物価を結びつけた出し方は、あまりいいことではなかったというふうに思う。おそらくこんなことをやったって効果もないでしょう。なぜそんな効果のないことに頭をしぼって、印刷して出すのですか。もったいない。国費の乱費です。おやめなさった方がよろしいと思います。大臣、一言どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/31
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032・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 経済関係のすべての動向を調べる数字、統計資料というものは、当然これは経済企画庁としても整備をし、あるいは整理をして、参考にしていかなければならぬことはむろんでございまして、ただ労働賃金の問題だけでなしに、その他すべての関係の経済統計を持って――労働賃金もまたその一つでございます。従って、そういうものを持って参りますことは、これは当然のことと思います。しかし、それを何か政策的に春闘目がけてやったということではなしに、企画庁としては、純粋な経済資料の集合官庁として、これを公正に反映するという立場を今後ともとって参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/32
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033・石山權作
○石山委員 最後に、賃金の問題が出たから、一つだけ言っておきますが、何ぼ経済の方の大臣だからといっても、経済だけで問題を律しないで、やはり国の一つの建前、組織、こういうふうなものは、あなたもやはり尊重されているだろう。経済だけでものを見ているわけじゃないだろうと思う。そこで、公務員の暫定手当というものを知っていますか。これを昨年人事院が勧告しているんですね。暫定手当三・六%、これの恩恵を受けるのは、大臣の場合、例を引いて言った方が一番早わかりでしょう。東北の場合は、この暫定手当の恩恵を直接に受けない市は仙台市だけです。あとは全部このための恩恵を受けるわけです。金額にしてたった三百円、一・二%ですからね。これも毎年、三年がかりで三・六%本給に繰り入れるというのです。たった三百円です。この三百円もまだ予算化しないというのです。あなたは、先ほど私が一生懸命話をしておったら、私に同調したじゃないか。地域開発は行なわなければならぬとか、うまいことを言っていただいた。給料だってそうなんですよ。今の暫定手当というのは、終戦後の主食に非常に苦労したときつけた特別手当です。今たとえは秋田でも東京でも、お米を買うには同じような不自由さでしょう。そんなに不自由はないと思う。それを少し縮めようというのが人事院の勧告です。賃金の問題をあなたの方で出しておるから、私これについて言うけれども、まだ予算化されません。お金に直して何ぼかというと、あなたから見ると、まことに小さくて六億八千万、ジェット機一機分ですよ。これで全公務員が潤う。六億八千万、これを予算化しないのです。これは一つ、あなたは労働大臣の分野まで侵したのだから、労働大臣が給与担当大臣でございまして、給与担当大臣は予算化したいと一生懸命努力しておりますから、あなたは協力していただけますか。いただけるでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/33
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034・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 そういう問題について、大所高所から考えました上で、協力できるものはいたしますし、できないものはいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/34
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035・石山權作
○石山委員 私は何も給与を上げろと言っておるのじゃない。公務員の給与を今上げろと言っておるのじゃない。こういう形式、たとえば人事院が勧告しておるものは、政府は大なり小なり受諾する義務が慣習上あるわけですね。予算化しなければならぬ。全部けっ飛ばすというわけにいかぬ。その予算化する場合におけるあなたの発言の態度を私はお聞きしておるのです。何も公務員の給与を言っておるのではない。その暫定手当が予算化されることについて、給与大臣の側面からあなたが助言をしていただきたい、こう申し上げておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/35
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036・藤山愛一郎
○藤山国務大臣 そういう問題については、各般のそれぞれの事情があろうと思います。そういうものを十分承知した上で、われわれの態度をきめるべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/36
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037・中島茂喜
○中島委員長 それでは本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。
午後零時二十七分休憩
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午後三時二十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/37
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038・中島茂喜
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。西村関一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/38
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039・西村関一
○西村(関)委員 ただいま議題となっております科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、二、三のことをお尋ねいたしたいと思うのであります。
まず最初に、研究調整局の新設の問題でございますが、これはきわめて適切な措置であると考えるのでございます。この研究調整局を新設せられまして、この新しい局においてやろうとしておる業務の内容につきましては、すでに提案の趣旨説明のときに長官から述べられたことで明らかでございますが、これを実効あらしめるために、なお明確を欠く点が若干あるように思うのでございますが、その点につきまして、その趣旨に沿うような実効あらしめるためには、どのような具体的な施策をお考えになっておられますか、その点につきましてお尋ねをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/39
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040・三木武夫
○三木国務大臣 御承知のように、科学技術庁は、科学技術に対する総合調整というのが、役所の大きな使命の一つになっておるわけでございます。今までは、それをやっておったわけですが、十分でない。研究もいろいろ細分化されて参りましたので、何か総合的に、細分化された研究の分野を総合化する必要がある。そこで、研究調整局というものを御審議願って新設をしたい。そして、もう少しきめこまかくやりたい。今までは、総合調整というものが、基本的な、非常に大きな意味の総合調整、予算の調整であるとか、そういうことであったが、研究調整局ができると、問題々々に連絡推進の協議会のようなものを設けて、そして問題ごとにもう少し縦割に研究調整をやりたい。全般の共通の問題ばかりでなしに、問題々々ごとに一つやってみたいというような運営をしてみたい、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/40
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041・西村関一
○西村(関)委員 機構の簡素化が言われておるときではありますが、それでもなおかつ、新しい局を設けるということについて、私どもは必ずしも反対ではないのでありまして、問題の緊急性、重要性から考えまして、この研究調整局が果たす役割の大きいことを認めるのでございます。ただいま長官の言われましたような事柄をやらせるために、この局の所掌事務と申しますか、この中に規定されております第七条の二、第三号で、関係行政機関の試験研究機関の科学技術に関する経費等の見積もりの方針の調整に関すること、こういうふうにここにはなっておりますが、それだけでなしに、さらに原子力に関する経費の場合と同じように、それらの経費の配分計画に関することも、この研究調整局において取り扱わしめることの方が、今長官の述べられたような事柄を行なう上において必要ではないかと思うのでございますが、原子力に関する経費の場合には、それらの経費の配分計画に関することということがきめられておりますが、この新しい局にはそれがございません。むしろ、その点を追加した方がこの局の使命を全うするゆえんではないかと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/41
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042・三木武夫
○三木国務大臣 従来も予算見積もりに対する調整はやっておったわけですが、こういう研究調整局ができると、そういう調整機能というものはもう少し強化されてくると思います。配分は、そういう見積もりができて、大体各行政官庁においてそれをその行政のもとにおいて配分するわけでありますから、この根本にさかのぼっての予算編成に携わるという建前にも今はなっているらしい。そして、大体項目によって各行政官庁の研究機関に割当てられれば、その配分というものはやはり行政官庁で――原子力の場合は、これは原子力局でやっておりますから、科学技術庁の中に入っているのですが、やはり他の行政機関に対して配分まで携わるということは、なかなか問題が多かろうということで、どの程度にしたのでございます。これは、こういうことをやってみて、将来の検討問題にしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/42
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043・西村関一
○西村(関)委員 新しい局を作るという上から、若干の遠慮があったのじゃないかと思いますけれども、原子力の場合においても、配分について計画を立てるということになっておるのでございますから、やはり将来の課題として、せっかく研究調整局というのができるのでございますから、私としましては、ただ単に経費の見積もりの方針だけの調整をやるというのでなしに、経費の配分にまで調整をしていくということが、研究調整局の一貫した使命ではないかと思いますので、そのような方針で各関係方面と御連絡をとっていただいて、将来において、そのような改正をすることが望ましいと思います。なかなか一挙にはいかないいろいろな事情があることも認めますが、長官が、将来に対してはそういう考えを持っているけれども、今回はこの程度で、こういう意味の御答弁でございましたから、それは一応了承するといたしまして、ぜひそういうふうな方針で進められることを、重ねて希望いたす次第でございます。そうしないと――せっかく行政簡素化のさなかにあって、新しい局を科学技術庁の中に作るということでありますから、十分にその局の新設せられます目的が達成されるような工合にしていただきたいと思います。その点、重ねて長官のお考えを伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/43
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044・三木武夫
○三木国務大臣 将来の問題点として検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/44
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045・西村関一
○西村(関)委員 それから第七条の二の四号の中に、「科学技術に関し、多数部門の協力を要する総合的試験研究及び各種研究に共通する基礎的試験研究の助成に関すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)」というふうになっておりますが、この点につきまして、(他の行政機関の所掌に属することを除く。)というふうなカッコの中の文句がついておりますことも、やはり若干遠慮をせられたのではないかと思うのでございまして、他の行政機関の所掌に属することでありましても、やはりこの局の仕事といたしましては触れていかなければならない。各種研究に共通する基礎的試験研究の助成を行なうという上におきましても、必然的に、他の行政機関の所掌に属することでありましても、やはり調整をしていかなければならない面が、私はできてくると思うのでございます。そういう点につきまして、このようなカッコの中の文句がついておりますことが、徹底を欠くというような結果に陥りはしないだろうか、調整という目的が十分に果たせないというようことになりはしないだろうかというふうに考えるのであります。ややもいたしますと、役所のセクショナリズムというものがありまして、そういうことに災いされて、せっかくの調整業務が阻害されるというようなことになりはしないだろうかという心配をするのでございますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/45
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046・三木武夫
○三木国務大臣 このカッコの中にあるようなものに対しても、科学技術庁として調整はやるわけです。助成金などを直接に渡さないということだけで、調整としての役割は全部やるということでありますから、格別不便もないと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/46
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047・島村武久
○島村政府委員 ただいま長官からお答え申し上げました通り、四号で掲げてございますのは、助成に関することでございます。たとえは、多数部門の協力を要する総合的試験研究というものの一例を申し上げますと、水質汚濁でありますとか、大気汚染であるとか、それぞれほかの省でもやっておって、いわゆる多数部門にまたがるものでございます。そのものにつきまして、科学技術庁といたしましては、その基礎になるような研究に対しては、直接補助金を出しますとか、あるいは依託費を出すとかいうようなことをいたしておりますけれども、それぞれの省もまた補助金、依託費等を出します場合には、それまで科学技術庁に持ってきてということでなくて、各省庁でやってもらいますので、このカッコを置いたわけでございますが、同じ第七条の二の一号にございますように、関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整自体は、やはり除くことなく科学技術庁でいたしますので、その辺につきましては、一貫性を持った仕事がやり得るものというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/47
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048・西村関一
○西村(関)委員 この号は助成に関する規定であることは、もちろん明白でございますが、助成をいたす場合におきましても、各行政機関がそれぞれの立場から助成を行なっているわけでございますから、その助成の面におきましても、一方には厚く一方には薄くというような結果が出たのでは、これは全体としての科学技術の振興には相ならぬと思うのであります。従いまして、との(他の行政機関の所掌に属することを除く。)というカッコの文句がありますと、依然としてそのような不公平が是正されないような気がするのでございます。もちろん、科学技術庁に新設せられようとしております研究調整局が、他の行政機関の分野を侵すということがあってはならないと思いますけれども、やはり科学技術庁において、総合的な見地から、積極的な助成の道を講じていくという必要がどうしても生じてくる、各行政機関だけにまかせておけない面がどうしてもできてくると思うのであります。そういうような点につきまして、各行政機関の所掌の事務を変更させるというようなことのない範囲内におきまして、総合的な見地に立って助成を行なうというような配慮が必要ではないか。そうでなければ、この研究調整局の目ざすところがどうも十分でない、成果を上げることができないような気が私はするのでありまして、その点、もう一度事務当局からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/48
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049・島村武久
○島村政府委員 お説の通りでございまして、この字づらの上だけから読みますと、助成に関するすべてのことをこちらで読むように解釈もされるわけでありますが、この点は、従来もやはりこのような書き方をいたしておりましたので、私どもといたしましては、科学技術庁がみずから補助金あるいは委託費等助成金を交付する事務、そのことをこの項目で読んでおったわけでございます。おっしゃいます通り、ほかの省庁で同じような補助金を出します問題につきましては、同じ助成でございましても、実はこれで読むことなく、一号、場合によりまして二号で十分読めるわけでございます。いわゆる事務の総合調整、これは助成も含めまして事務を総合調整するわけであります。また、その金額につきましては、見積もり調整の段階において十分中身も承知いたしますし、きめられました大きな方針のもとに調整をいたすわけでございますので、私どもといたしましては、一応これで先生のおっしゃいましたような趣旨は達せられると考えております。なお、長官から先ほども申し上げましたが、どうも従来その面が、先生の御指摘のようにやや手抜かりの面がございますので、今後は調整局新設の趣旨に沿いまして、そのようなことのないように十分注意してやって参りたい。法制の上からは一応これでいけるんじゃないかという解釈をとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/49
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050・西村関一
○西村(関)委員 放射性降下物による障害の防止に関し関係行政機関が講ずる対策の総合調整を科学技術庁の権限の中に加えるとともに、これを原子力局に所掌せしめる、こういう点が第二の趣旨であると思うのでございます。これは私どもも科学技術特別委員会において主張をし、長官も決意を持ってこのような措置に踏み切っていただいたのでありまして、私どもといたしましては、満腔の賛意をもってこの趣旨を支持いたしたいと思うのでございます。ただ、原子力局に所掌せしめるということにつきまして、特にこの機会に、平和利用の面だけでなしに、射性降下物によるところの障害防止、これは消極的ではありますが、この面につきまして、これは関係行政機関ではみなやっておりますが、それを総合調整するという趣旨はもちろんわれわれ賛成でありますが、具体的に、各関係行政機関の持っておる予算の調整についてまでここでおやりになるお考えでございますか。経費の見積もり並びに配分計画まで調整をやっていかないと、十分な総合調整ができがたいではないかという気がするのでございますが、この点につきましてはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/50
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051・三木武夫
○三木国務大臣 予算については、見積もりの調整、配分、調査分析についてこの局でやるわけでございます。しかし、対策ということになってきますと、これはそのときどきに応じて各行政機関が講ずることになるが、調査分析等のことについては、一切ここでやることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/51
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052・西村関一
○西村(関)委員 調査分析をやり、経費の見積もりを立て、そして経費の配分も行なうというふうに解釈してよいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/52
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053・三木武夫
○三木国務大臣 それでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/53
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054・西村関一
○西村(関)委員 われわれといたしましては、この改正によりまして、原子力局における新しい任務が十分な成果を上げていただくようにお願いをいたしたいと思うのでございます。これは昨年来の核実験再開に伴う具体的な措置として、科学技術庁が新しい方向を打ち出しなされたのでありまして、われわれとしても賛意を表しておるのでありますが、昨年来の核実験再開からだけでなしに、過去の実験で大気圏内に蓄積せられておったものが、降下して海水を汚染し、大気を汚染し、特に日本国民の日常必要な食物、飲料水、あるいは大気を通じて、直接人体に影響を及ぼすことが大きいことにかんがみ、抜本的な施策を立てる、このような現状を防いで参るきめ手はなかなかないのでありますが、ないからといって、手をこまねいていることができない事実を明らかにして、これに対して、消極的ではあっても、この被害をある程度でも食いとめていくという措置を講じないと、非常な禍根を残すことになると思うのでありますが、この改正をして、原子力局にそういう重大な任務を担当させようとしておいでになります長官のお考えを、この機会にもう一度お伺いいたしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/54
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055・三木武夫
○三木国務大臣 御承知のように、昨年九月でありますか、ソ連の核爆発実験に伴って、放射性降下物などの被害を日本は受けるわけでありますので、内閣に放射能対策本部を設けて、全国の各地に放射能調査の機構を整備いたしたのでございます。そして、単に放射能の何カウントというのでなくして、その核種といいますか、放射能の内容について、これを分析する機構も強化いたしたのでございます。そして今やっておりますことは、大体の警戒量と申しますか、どの程度まで放射能降下物が累積するならば対策を講じなければならぬかという、警戒を要する線量というものを、これは近く発表する予定でございます。これはいろいろ問題があって、学者の間にもいろんな議論がありますけれども、行政としてはある程度の目安を持たなければいけないということで、これをきめまして、それ以上に放射性降下物が累積した場合には、いろいろあらゆる場合を考えて今対策を検討しておるわけでございます。アメリカなども、ソ連の核爆発実験の連鎖反応のような状態を起こして、近く核爆発実験をやろうというような形勢もありますので、これに対して、あらゆる場合を考えて、できる限り被害を最小限度に食いとめる対策等も研究しておるわけでございます。しかし、今西村委員の御指摘になりました通り、これは、こうしたならば百パーセント放射能の被害を防げるという方法はありません。一日もすみやかに世界の核保有国が停止協定を結んで、もう核爆発実験をやらないということが最大の対策でありますが、事実上そこまではなかなかいきにくい国際情勢でもありますので、最小限度に食いとめたい、そういう場合の対策というものを、専門家も入れて検討しておるのでございます。私は、内閣に置いた放射能対策本部をしばらくは置きたい。置きたいといっても、本年じゅうぐらいを予定しておるのでありますが、やがてこの原子力局に置いた放射能課というものが、そういう臨時的に置いた対策本部の業務を受け継いでいくことができますならば、対策本部は廃止したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/55
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056・西村関一
○西村(関)委員 放射性降下物の中のストロンチウム90、セシウム137、炭素14、これは半減期の長い人体に対して有害に影響するところの放射性元素というものは、核実験が停止されてから後も、影響が減少しているかというと、減少してないという事実が科学者によって指摘せられておるのでございまして、今も大臣が申されましたように、国際情勢のきびしさの中において、核実験をやめさせる、実験禁止協定を結ばせるということが、特に世界における原爆、水爆の唯一の被害国であるところの日本国民としての悲願である、そういう立場に立って、政府がこの国民の声を代表して、核実験の禁止協定にまで、核爆発物を保有する国々に対して強く呼びかけて参るということが、まず先決問題であるというふうに長官も言われたのでありまして、そういうようなことをさせるためにも、特に放射能によるところの被害を受けておりますわれわれ日本人といたしまして、その被害の実態を、厳格な科学的な調査に基づいたデータを発表し、これを世界諸国民に強く訴えていくということが必要だと思うのであります。これが、やはりこのような人間の愚かさともいうべき核爆発物によるところの世界最終戦争を防ぐ道でもあり、また、核実験によるところの被害を少なくする道である。すでにやったものに対して、これをどうするといっても、今さら仕方がないのでありますが、やめさせるということのためには、特に原爆、水爆の被害を受けた日本国民として、これを強く世界に訴えていく、そういうことのためにも、この原子力局の任務は非常に大きいと思うのでございます。これには寸毫も政治的配慮があってはならないと思うのであります。いずれの国の核爆発物の実験によるところの被害であれ、厳正な科学的な立場に立って正しくこれを処理し、また、世界に訴えていくということが、私は大切であると思うのでございます。ややもいたしますと、過去におきまして、その調査の結果に対するある種の政治的配慮が行なわれて、厳正な科学的な立場に立っての発表に若干の制約が加えられるというようなことがないではなかったと思うのであります。これはソ連の核実験であれ、アメリカの核実験であれ、あるいはフランスの核実験であれ、いずれの国の実験であれ、この人類を毒するところの核爆発による放射性元素降下物の被害の実態を、厳正な立場に立って世界に発表していく、こういうことがきわめて肝要であると私は思うのでございます。そのととが、実験をやめさせる道でもあり、また、同時に恒久の平和へ導いていくゆえんであると思うのでございます。そういうような立場に立って、この降下物の被害についての総合的な研究調査をやっていこうという趣旨にも合致し、この目的をも達成するゆえんではなかろうかと思うのでございますが、その点につきまして大臣の御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/56
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057・三木武夫
○三木国務大臣 西村委員御指摘のように、核爆発実験、核兵器による世界の軍備拡充計画、拡充競争、こういうものは、一面においては、害があるなしにかかわらず、何かのことで平和の脅威にならぬとも限らない。これがやめてほしいという大きな一つの立場、もう一つは、御指摘のような放射能の被害、善意の人類に対して害を与える権利は、いかに大国といえども持っていないわけですから、ソ連であろうが、アメリカであろうが、国によって、日本が抗議の仕方、これから受ける被害の発表というものに対して、何らの甲乙をつけるべきものでないことは申すまでもない。また、今までにもそういうことはなかったということを私は信じますが、今後においても、日本がこういう核爆発実験のようなことはやめてもらいたいという世界への説得力の背景をなすものは、こんなに害があるんだという科学的データがなければ、単なる感情論だけではなかなか説得力にも乏しいわけでありますから、今後は幸いにこういう調査分析の機構も強化いたしましたので、データをそろえて、世界政治の場において日本が発言する裏づけを、今後は記録もちゃんと残しておいて、裏づけを持つようにいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/57
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058・西村関一
○西村(関)委員 第三の問題点は、審議官の定員を減少するという点にあるようでございますが、従来五名であったのを三名に減少したい。科学技術庁における審議官の任務というものは、大臣を補佐する非常に重要な任務を持っておるのであって、これを減らすということは、この時代に、科学技術庁の任務がますます重きを加えて参ります場合にどうも納得がいかない。こういうところにも、さっきも若干触れましたが、御遠慮があるのじゃないか。局を一つ作るんだから、行政簡素化の立場から審議官の人数を減らした、そういう遠慮が、一つ局を作るのにこういう形になって現われてきたのじゃないかと思うのでございます。私は、簡素化すべきところは簡素化しなければならぬと思いますけれども、比較的新しい役所であります科学技術庁、しかも、この時代における重大な任務を持っておるところの科学技術庁において、新しい局まで作って大いにやろう、この科学技術庁としての使命を全うしていこうという長官の非常な意欲が、こういうところに現われておるのにもかかわらず、審議官の数を減らすということは、それだけ科学技術庁の機能を弱めることになると思うのでありますが、審議官の一人は新しい局の局長に予定をするということでありますから、実質的には一人減るということではありましょうけれども、局長の任務と審議官の任務とはおのずから違ってくるのでありまして、この点についてむしろ遠慮をなさらないで、審議官を減らすというようなことをお考えなさらないで、どんどん積極的にやってもらいたいというふうに私は考えるのでございますが、いかがなものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/58
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059・三木武夫
○三木国務大臣 審議官も減らさないでおけば、それだけ基本問題に対する長官補佐の役目を十分に果たし得るわけでございますが、政府として行政機構は簡素化しようという申し合わせがあって、どうもそういう場合に画一的になりやすい弊害があるのです。ここだけは別だと言いますと、みな役所がうちは別だというようなことであって、全体としてその原則を貫いていこうじゃないかという閣議の決定もございまして、こちらとすれば、科学技術庁のような新しい役所は、ずいぶん古くて相当な人間をかかえておる役所とはおのずから別ではありますが、そういうことを言えば、また経済企画庁も、ほかの新しい役所も言うでしょうし、一つの大きな行政を簡素化していこうという政府の方針に従って、一人だけ減らしたわけです。そのかわりに、そういう新しい局もできて、局ということになれば、審議官一人よりも、もっと組織的な長官に対する協力の形が出て参りますから、その場合に局の方をとったのであります。どちらかといえば、両方そのままにしておいてやればいいのですけれども、内閣の決定がある。二者択一の場合に局をとったというのが真相でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/59
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060・西村関一
○西村(関)委員 御苦心のあるところはよくわかるのでありますが、何かもう一つ割り切れないような気がするのです。私も科学技術特別委員会の委員の一人といたしまして、こういう法案が内閣委員会にかけられて参ったときに、内容を検討してみて、どうもやはり遠慮をしておられる、三木大臣ともある方が少し遠慮し過ぎておられるのではないかというような気がいたしますので、今のような質問を申し上げたのでありますが、いろいろな実情がございましょうけれども、この新設の局を育成し、所期の目的を達成するために、格段の配慮を今後も続けていただきたい、かように思う次第でございます。
最後に、先般も問題になりました原子炉部品の輸出の問題でございますが、これが平和目的のために使われるものであるならばよろしい。しかし、これが戦争の目的、軍事力のために用いられるものであるならば、これは基本法の建前に反するということは言うまでもございませんが、この点につきまして、原子力委員会におきましては、どういうめどと申しますか、基準をお立てになっておいでになりますか。この点についてお伺いをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/60
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061・三木武夫
○三木国務大臣 この問題は、きわめて明白な場合は、軍事目的に初めから使うんだということが明らかな場合は、これはもう問題はないわけです。なかなかその用途について非常に複雑な場合もあろうと思います。そういうことで、あまりもう、そういう将来についていささかでも疑いがあったならば、輸出をしてならぬということになれば、原子力産業に対しても非常な打撃を与えるわけになりますから、原子力基本法の原則というものを貫きながら、やはり多少の弾力的な解釈もしなければならぬ。それをどうするかということに対して、原子力産業会議等の意見も徴したい、そういうことで、できるだけ近い機会に、科学技術の特別委員会にも統一解釈を求められておりますので、出したいと思っておりますが、まだ統一解釈の結論は現在出ておらない。しかし、私が考えておることは、原子力基本法の精神は、いかに日本の産業に打撃を与えようが、やはり貫かなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/61
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062・西村関一
○西村(関)委員 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/62
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063・中島茂喜
○中島委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる二十九日木曜日十時理事会、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午後四時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004889X02119620327/63
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