1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月一日(木曜日)
午前十一時開議
出席委員
委員長 野原 正勝君
理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君
理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君
理事 山中 貞則君 理事 足鹿 覺君
理事 石田 宥全君 理事 片島 港君
理事 角屋堅次郎君
飯塚 定輔君 大野 市郎君
仮谷 忠男君 草野一郎平君
倉成 正君 谷垣 專一君
内藤 隆君 中山 榮一君
藤田 義光君 本名 武君
東海林 稔君 楢崎弥之助君
西宮 弘君 稲富 稜人君
玉置 一徳君
出席政府委員
農林事務官
(大臣官房長) 昌谷 孝君
農林事務官
(農地局長) 庄野五一郎君
農林事務官
(振興局長) 齋藤 誠君
委員外の出席者
農林事務官
(農林経済局参
事官) 松岡 亮君
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二月一日
理事芳賀貢君昭和三十六年十二月十六日委員辞
任につき、その補欠として足鹿覺君が理事に当
選した。
同日
理事角屋堅次郎君同日理事辞任につき、その補
欠として片島港君が理事に当選した。
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一月三十一日
国有林野開放促進に関する請願(吉村吉雄君紹
介)(第四三四号)
漁業法の一部改正に関する請願(池田清志君紹
介)(第五〇四号)
開拓事業に関する請願(渡邊良夫君紹介)(第
五四八号)
農業災補償法の一部を改正する法律案の成立促
進に関する請願(田口誠治君紹介)(第六一〇
号)
大規模草地開発事業及び草地改良事業に関する
請願(中澤茂一君紹介)(第七九九号)
同(原茂君紹介)(第八〇〇号)
同(松平忠久君紹介)(第八〇一号)
土地改良事業に対する助成措置に関する請願(
中澤茂一君紹介)(第八〇二号)
同(原茂君紹介)(第八〇三号)
同(松平忠久君紹介)(第八〇四号)
てん菜生産振興と支持価格の引上げに関する請
願(中澤茂一君紹介)(第八〇五号)
同(原茂君紹介)(第八〇六号)
同(松平忠久君紹介)(第八〇七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任に関する件
開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三号)
農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
内閣提出第四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/0
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001・野原正勝
○野原委員長 これより会議を開きます。
理事辞任の件についてお諮りいたします。
理事角屋堅次郎君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/1
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002・野原正勝
○野原委員長 御異議ないものと認めます。よって、さように決しました。
次に理事補欠選任の件につきお諮りいたします。
理事芳賀貢君の委員辞任及び理事角屋堅次郎君の理事辞任に伴い、理事が二名欠員となっております。
この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/2
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003・野原正勝
○野原委員長 御異議なしと認めます。それでは足鹿覺及び片品港君を理事に指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/3
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004・野原正勝
○野原委員長 開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題とし、政府当局より補足説明を聴取いたします。庄野農地局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/4
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005・庄野五一郎
○庄野政府委員 今国会に提出いたしました開拓融資保証法の一部を改正する法律案について、若干補足説明を申し上げます。
開拓融資保語法の一部を改正する法律案の趣旨につきましては、先般の提案理由説明で御説明いたしました通りでございますが、戦後開拓地に入植して現在農業経営を営んでいる農家は約十四万八千戸でございまして、これら農家の開墾面積は約三十四万七千町歩に達しております。なお増反者の開墾面積を加えますと、開拓地における耕地面恥は約五十万町歩になっております。これは日本全国の耕地面積の約一割弱に相当するもので、開拓地における営農も年々進展を見せており、特に果樹、畜産物を中心とする生産の増加となって現われております。ちなみに三十工年度の粗生産総額は約四百七十六億円で、四、五年前と比較して年間一〇%をこえる伸び率を示しております。また、乳牛の飼育頭数も成牛、子牛合わせて十万頭をこえるまでになっており、このような営農の進展に伴いまして、開拓者の経営資金に対する需要も年々増加して参っております。
ところで、開拓者が必要とする営農資金のうち、農舎、畜舎その他の施設、農具、大家畜等の基本的な装備については、開拓者資金融通法による基本営農資金または振興対策資金及び農林漁業金融公庫資金を融通することとし、肥料、餌料、農薬、中小家畜など短期、中期の経労資金については、開拓融資保証法により、開拓農協が系統金融機関から借り入れる資金について債務保証を行なって参りましたが、さらに昭和三十六年度からは乳牛導入資金をも開拓融資保証制度の対象といたしまして、開拓者に対する経営資金の融通の円滑を期しております。
開拓融資保証制度の仕組みは、開拓農協が開拓者に経営資金を貸し付けるのに必要な資金を系統機関から借り入れた場合の債務を地方保証協会が保証し、中央保証協会が地方保証協会の保証債務をさらに保証することになっておりますが、中央保証協会の基金の大半は政府の出資金によっておりまして、昭和二十八年度に開拓融資保証制度が発足して以来、政府の出資金も年々増額され、現在中央保証協会の基金六億四千工百六十二万円のうち、政府の…資金は五億四下万円になっております。しかし、前述しましたように、開拓者の経営資金に対する需要が増大して参りまして、中央保証協会の現在の基金による保証ワクでは十分な融資ができませんので、昭和三十六年度において、中央保証協会に対する政府の出資金をさらに三千万増額して、中央保証協会の基金を六億七千五百六十二万円とし、保証ワクを拡大して経営資金の融通を一段と拡充して参りたいと考えているものであります。
なおこの際、開拓営農振興審議会の審議経過及び昭和三十七年度開拓関係予算要求の概要について、ごく簡単にあわせて御報告申し上げたいのでありますが、審議会は、昭和三十五年八月以来、小委員会も含めて前後三十四回の会議を開催して、(一)既入植者に対する営農振興対策の改善に関する方策、(二)開拓事業の今後の基本的万両及びその実施の方策につき審議を重ねたた結果、昭和三十六年十一月十四日に最終的な答申をいただきました。
答申は、開拓事業の意義と今後の開拓のあり方に関する部分と既入植者営農振興対策に関する部分とに分かれておりますが、まず開拓事業の意義については、畜産の伸長に伴う飼料消費の増大等により、国内資源の開発は今後ともゆるがせにできないこと、農業構造改善の根幹である生産基盤の拡大にとって開拓の持つ使命は重大であること、及び開拓は農業構造改善の先達としての任務をもになうものであること等が指摘されております。
今後の開拓のあり方については、昭和三十六年度から農林省が実施している開拓パイロット事業も、既農村に近接した未利用地の開発方式としては一つの適切な方法であるが、大規模の奥地未利用地の開発方式としては不十分であるから、必要があれば国がより積極的な立場で開発を進めるべきであるとされております。
既入植者の営農振興対策については、開拓農家の実態に応じてそれぞれ適切な施策を講ずることとし、特に今後営農の確立が期待できる農家に対しては、開拓者の自立精神を根本としつつ、政府も必要な限度においては思い切った措置を講じ、近傍の中庸程度の農家並みに達することを目標に、建設工事、資金融通等の施策を短期間に完了することを目途に実施すべきであるとされております。なお開拓金融については、必要資金量の確保、金融方式の改善に努めるほか、旧債が負担になっている農家に対しては、その履行条件を緩和する措置を講じ、また開拓者団体についても、開拓農協のほか、一般の総合農協及び声町村等も活用して、振興施策が孤立した施策にならないよう配慮すべきであるとされております。
政府といたしましては、今後答申の趣旨を尊重して、開拓営農振興対策の改善方策を慎重に検討して参りたいと考えておりますが、さしあたり昭和三十七年度におきましては、予備的な調査、全国二百地区についてのテスト的な新計画の樹立審査等を実施して、検討を進めて参る所存であります。
次に開拓関係予算要求の概要について申し上げますが、国費総計で百三十八億六千八百万円要求しておりまして、前年度の百十四億六千三百万円に対して二十四億五百万円の増となっております。
建設工事等の公共事業予算は百二十三億四千九百万円で、前年度の九十九億三千九百万円に対し二十四億一千万円の増となっております。このうち振興対策分は九十三億九千二百万円で、前年度の七十七億二千万円に対し十六億七千二百万円の増となっておりまして、特に建設工事、入植施設等の促進をはかることとし、開拓地改良工事について対前年度五五%増、電気施設について二三%増、飲用水施設について二八%増の予算をそれぞれ要求いたしておりますほか、小団地補助工事により建設した道路の補修に対しても、振興地区については新たに補助金を交付することとしております。
非公共事業予算は十五億一千九百万円で、前年度の十五億二千三百万円に対して四百万円の減となっておりますが、このうち振興対策分は十二億百万円で、前年度の十一億七千六百万円に対し二千五百万用の増になっております。振興対策につきましては、過剰入植地対策として前年同様一千戸の移転を予定しておりますほか、営農指導の充実、開拓農協に対する指導助成、零細農協の事務処理合理化のための合同事務所の増設置等を実施することといたしておりますが、さらに開拓営農振興審議会の答申をいただいておりますので、その趣旨を尊重して振興対策の改善方策を検討することとし、さしあたり三十七年度は約千三百万円の予算で予備的調査等を実施することといたしております。
最後に、財政投融資につきましては、開拓者資金融通特別会計の貸付金及び農林漁業金融公庫資金を合わせて四十七億九千二百万円要求いたしております。このうち振興農家に貸し付ける振興対策資金については、二十六億五千八百万円(前年度二十五億五千七百万円)を計上いたしまして、不振農家の営農振興を促進することとし、このほか二十九年度から三十二年度までに入植したいわゆる谷間農家に貸し付ける営農促進資金一億円(前年度一億円)、災害対策資金一億円(前年度一億円)等を計上しております。
以上で補足説明を終わりますが、よろしくお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/5
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006・野原正勝
○野原委員長 次に農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取いたします。松岡参事官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/6
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007・松岡亮
○松岡説明員 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の内容につきまして、若干補足説明を申し上げます。
改正点の第一といたしましては、資本金規定の改正であります。現在、公庫の資本金は、公庫法第四条に規定してございます通ら、政府の一般会計及び産業投資特別会計からの出資八百六十九億七百万円と非補助小団地等土地改良事業助成基金に充てるために一般会計から出資された六十五億円のほかに、公庫が日本開発銀行から債権を承継したことに伴い政府の産業投資特別会計から出資があったものとされた額二十六億二千六百万円を加えた額九百六十億三千三百万円でありますが、三十七年度に政府が一般会計及び産業投資特別会計から百三十三億を新規に出資することになっておりますので、右の資本金規定を改正する必要があるのであります。
改正点の第二は、公庫の業務に、新たに沿岸漁業者の経営の安定に必要な資金の貸付の業務を加えることであります。
沿岸漁業者は経営体数において全漁業者の九割余を占めておりますが、その規模は零細なものが多く、生産性も低い現状にあります。このため、明年度から沿岸漁業構造改善対策事業を実施して、沿岸漁業の近代化をはかることといたしており、今後ともこの構造改善計画に即応して経営規模の拡大近代化をはかり、意欲的に経営の改善をはかろうとする沿岸漁業者を重点的に援助して、健全な沿岸漁家を育成するため、公軍資金を活用して、これら沿岸漁業者の漁船、養殖施設等の設備資金を重点的に貸し付けることといたしております。しかしながら、現在沿岸漁家は、疾病、負傷、災害、海難、拿捕、不漁のため相当の額の負債が累増、固定化し、その負担のために構造改善計画にのっとって経営の改善を行なう意欲を持ちながらも、その実行が容易でない者があると思われますので、これら沿岸漁業者の経営の安定に必要な資金の貸付の業務を公庫が行なうこととするために業務規定を改正いたすものであります。
なお、この資金の貸付条件につきましては、沿岸漁業者の負担能力、借入者の経営改善事業が軌道に乗る期間等を勘案いたしますとともに、自作農維持創設資金、林業経営維持改善資金など従来公庫が貸付を行なっている同種の資金の貸付条件とのバランスをも考慮いたしまして、利率は年五分玉屋、償還期限は二十年以内、据置期間は三年以内とすることといたしております。
以上が農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の補足説明であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/7
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008・野原正勝
○野原委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X00319620201/8
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