1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十七年三月二十七日(火曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 野原 正勝君
理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君
理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君
理事 山中 貞則君 理事 足鹿 覺君
理事 石田 宥全君 理事 片島 港君
安倍晋太郎君 飯塚 定輔君
大野 市郎君 金子 岩三君
仮谷 忠男君 草野一郎平君
倉成 正君 小枝 一雄君
坂田 英一君 田邉 國男君
綱島 正興君 寺島隆太郎君
内藤 隆君 中山 榮一君
福永 一臣君 藤田 義光君
本名 武君 松浦 東介君
米山 恒治君 角屋堅次郎君
栗林 三郎君 中澤 茂一君
楢山弥之助君 西宮 弘君
芳賀 貢君 安井 吉典君
湯山 勇君 稲富 稜人君
出席国務大臣
農 林 大 臣 河野 一郎君
出席政府委員
農林政務次官 中馬 辰猪君
農林事務官
(振興局長) 齋藤 誠君
農林事務官
(畜産局長) 森 茂雄君
食糧庁長官 大澤 融君
委員外の出席者
農林事務官
(畜産局参事
官) 保坂 信男君
農林事務官
(食糧庁業務第
二部長) 中西 一郎君
—————————————
三月二十六日
委員米山恒治君及び安井吉典君辞任につき、そ
の補欠として賀屋興宣君及び岡良一君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員賀屋興宣君辞任につき、その補欠として米
山恒治君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
委員岡良一君及び東海林稔君辞任につき、その
補欠として安井吉典君及び芳賀貢君が議長の指
名で委員に選任された。
同日
委員芳賀貢君辞任につき、その補欠として東海
林稔君が議長の指名で委員に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第九三号)
てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法
律案(内閣提出第九六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/0
-
001・野原正勝
○野原委員長 これより会議を開きます。
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。稲富稜人君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/1
-
002・稲富稜人
○稲富委員 本法案につきましては、すでに同僚各位よりいろいろ御質問になっておりますので、私の質問する点につきまして、できるだけ重複は避けたいと思いますが、もしも重複する点がありましたら、そういうつもりで簡明に御答弁願いたいと思うのであります。
まず基本的な問題として、これもすでに質問があったはずでありますけれども、一応お尋ねしておきたいと思いますことは、今回の法の改正によります第一条の骨子は、従来の法にさらに「畜産の振興に資するための事業に助成等のみちを開く」ということを追加してある点が大きな問題であるし、しかも第十二条には「畜産の振興に資するための事業に対する助成等」を事業団が行なう、こういうことが大体主目的でございますが、元来畜産振興に対する事業というものは、当然これは国がなすべきことであるということはもうわかり切っているのでありますが、何がゆえにことさら事業団にこの業務をなさしめようとするのであるか、この点は基本的な問題でございますので、一応考え方を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/2
-
003・森茂雄
○森(茂)政府委員 国の基本的な考え方といたしましては、本法の改正がありましても、国の畜産振興に関する方針といいますか、そういうことはすべて国の予算を中心としてやって参ろう、こういうことでございます。すなわちこの法律第一条あるいは第十二条にそういうことに相なりましたゆえんのものは、一定の額の交付金を確保し、そしてその交付金を運用する機関として新しい機関を作るか、あるいはどうかという場合に、せっかく価格安定等の事業団もありますことでございますので、そこで特別勘定を置きまして、事業団がそういう国の基本的な予算措置以外に何といいますか、補完的にそういう事業ができるようにいたしたわけでございます。あくまでも国の方針といたしましては、直接国が予算編成等において今回の交付金は機動的あるいは補足的にやっていく。そのために新しい機関を作るかどうかというのに対して、作らずに特別勘定を置いて事業団においてやっていこう、こういうわけのものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/3
-
004・稲富稜人
○稲富委員 すでに御承知の通り、農業基本法の成立の目的の中に、将来の農村の大きな伸長部門として、成長部門として畜産が認められ、畜産に対して非常に期待をしていることも大きいのであります。ところが、実際畜産に関する振興部面というものを私たち検討いたしておりますと、いわゆる生産経営等の技術指導の費用というものが今日までは非常に足らなかった。今度はこういう部面を畜産事業団に求められるようでございますが、当然この生産経営等の技術指導というものは、これは畜産事業団がやるべきではなしに、国みずからがやるべきであると私は思うのです。国が何がゆえに積極的にこういうような方策をやらないで、事業団にこれをまかせようとするのか、その点が私たちは真意が疑われるわけなんです。従来のようにこの技術指導に対してはなぜ政府はやれないのか、政府がやれないがゆえに事業団にこれをまかせようとするのか、これは畜産局長として、一つこの生産経営などの技術指導に対する考え方を率直に承りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/4
-
005・森茂雄
○森(茂)政府委員 従来とも三十四、五、六といろいろ研修等につきましては、果樹はもちろんでございますが、畜産につきましては特別の研修を行ないまして、そして府県の方の職員の質的向上に、特に畜産等については努めておるわけでございます。また中央研修所あるいは都道府県の研修所の施設の補助もやりまして、末端の地方公務員あるいは専門指導員等につきまして充実に努めておるわけであります。しかしながら、畜産関係の団体は、戦後特に軍馬等の関係で解散された関係もありますので、非常に職員の活動が弱い、あるいは団体の活動が弱いということであります。団体活動を育成するためには、やはり仰せのように技術の充実に努むる必要があると思うわけであります。特にわれわれとして考えておりますのは、国が直接都道府県等の一応公務員等を充実して補助していく以外に、団体におきまする技術指導を強化して参ろうとするわけであります。予算上一部につきまして経営診断事業をやっている部面もありますが、これは日一雇いとかいうようなことで、非常にまた日数も少ない、こういうことであります。従いまして、今回、基本的には毎年の競馬の益金ということがバックにありますけれども、制度といたしましては交付金制度を設けまして、そうしてそういう技術団体関係、民間関係等の充実に努めて参ろうというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/5
-
006・稲富稜人
○稲富委員 そうすると生産経営あるいは技術指導の問題につきましては、今の局長のお話によりますと、県は県自体でやっていくんだ、さらに事業団は事業団として畜産会その他そういうような民間団体の方に助成をして二本建でやっていくんだ、こういうようなことになるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/6
-
007・森茂雄
○森(茂)政府委員 都道府県の職員の充実は、もちろん予算を中心としてやっていくわけでございます。お話の通りのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/7
-
008・稲富稜人
○稲富委員 そうすると競馬益金なんかは、事業団だけを通じてそういうような畜産振興の事業に回す、こういうことになるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/8
-
009・森茂雄
○森(茂)政府委員 法律制度は競馬益金と面接関係はございませんが、交付金を毎年とろうというゆえんは、一応競馬会法第三十六条の精神にのっとって一定額を確保して参りたい、こういうことで交付金制度を置いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/9
-
010・稲富稜人
○稲富委員 そうすると末端においていろいろな競合その他が生ずるようなおそれはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/10
-
011・森茂雄
○森(茂)政府委員 私どもといたしましては、公共的に国として考えられるあらゆる施策について充実して参りたい。ただ国の予算措置をやるにいたしましても、私的団体の人件費とかあるいは一般的に機動的に盛り得ない性質のものがあるわけであります。そういう意味におきまして、民間団体の充実、活動並びに国の予算の性質上盛り得ないものにつきましてこの交付金制度を活用して参りたいと考えておるわけでありまして、あくまで補足的、機動的な意味を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/11
-
012・稲富稜人
○稲富委員 そうすると、国は従来畜産振興に対する経営指導とか、そういう問題が非常に不十分であったと私は思う。この不十分であったことが、今回の事業団においても、そういう問題に対しても一つ助成をしていこうということになったと思うのでありますが、そうなりますと、従来国が当然やるべき技術指導等に対する部面がますます消極的になるというおそれが多分にあると思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/12
-
013・森茂雄
○森(茂)政府委員 お話の通り裏を返して見ますと、そういうことで交付金に安易によろうという行政庁の態度が見られるんじゃないかということでありますが、われわれといたしましては全くそういうことではなくて、ほかの農林省の産業等についてもやっておりまする以上に発展的に考えておりますので、果樹、畜産と並んで、特に畜産は第一線を切って、そういう方面の充実を予算措置において充実して参ろうというわけでありまして、御心配の向きは、われわれといたしましては、一生懸命に強い決意を持って今までやっていますことについて充実をはかりこそすれ、そういう御懸念の点はないようにいたしたいと存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/13
-
014・稲富稜人
○稲富委員 結論を申しますと、従来国あるいは県あたりでやっておりましたこういう畜産に対する指導助成の方法は、さらに従来よりももっと積極的に増大していくという一つの前提、それと並立して事業団がこういう事業に対する助成をやっていくんだ、こういうような形と解釈して差しつかえないのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/14
-
015・森茂雄
○森(茂)政府委員 大体その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/15
-
016・稲富稜人
○稲富委員 その場合、今申し上げましたように、末端において二つの助成機関といいますか、指導機関と申しますか、そういうものが錯綜され競合するような点が非常に大きな問題として残ってくると私は思うのでございますが、そういうようなことにならないように十分なる自信がおありになってお進めになるつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/16
-
017・森茂雄
○森(茂)政府委員 事業団の事業計画、やりますこと等につきましては、事業団に対する監督権、事業計画の認可等について検討して参りたいと存じます。そういうことのないように十分注意いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/17
-
018・稲富稜人
○稲富委員 局長からだいぶ承ったのでありますが、事業団の業務というものが非常に広範になる。この事業団の業務に対する人件費、経常費、こういうものは相当な額になると思うのですが、大体どのくらいの検討をつけてあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/18
-
019・森茂雄
○森(茂)政府委員 お話の通り事業団は債務保証の業務、それから価格安定の業務をやっておるわけでございます。私どもといたしましては、別途にこの交付金においてまた特別勘定を設けるわけであります。ただ、経費の増高等につきましては、各事業の事業割合等を勘案いたしまして、各特別勘定で公平に受け持つということで、別の機関を作るよりも節約的になると存ずるわけであります。現在の関係では、交付のために相当の額を要するということではなくて、しっかりした人が交付について十分目を配っていけば、交付そのものの仕事としては相当の経費を要するということではないわけでありまして、特別に別の機関を作るわけでございませんで、現在の陣容に一部——理事を一名そのために増加いたしますが、その理事並びに補助者程度でございまして、経費は申し上げるほどの額にはならないと思います。現在予定いたしておりますのは理事が一名、その補佐として職員六名でございまして、年間九百五十万円程度を予定しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/19
-
020・稲富稜人
○稲富委員 これだけ広範な事業団の事業というものを、理事一人、職員六名ですか、これくらいの人員によって運営していこう、こういうようなお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/20
-
021・森茂雄
○森(茂)政府委員 事業団の交付金勘定に関する仕事は、補助あるいは助成、それから来年度で、十億預かります資金の運用業務でございます。そういう意味におきまして、事業団の現在特に活動しております豚買い入れの仕事等、おのずから性質が異なるわけであります。そういう意味におきまして、まず第一に大事なのは資金の運用、第二に大事なのは経理の明確化、第三には、各都道府県の御意向もありますので、農林省並びに各都道府県の意見を聞きつつ仕事を実行していくことであります。そういう意味におきまして、農林省も事業団に対しては面接各地方の都道府県の意見を聞いておりますので、できるだけ節約して参ろう、こういうことで人件費等の節約については御懸念がありますけれども、われわれとしては十分指導監督をして、また都道府県等の御意見等を得まして、仕事を円滑にやって参ろうと存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/21
-
022・稲富稜人
○稲富委員 この事業団の人選等の問題でございますが、そういう問題をよほど考えなければ、先刻申し上げましたように、国及び県あたりの指導的立場にある指導機関との間に大へんな摩擦とかそういう問題が起こると私は思うのです。この点よほど慎重に人事等の問題を考えなければならない。一方に偏すると、これはまた弊害が生じたり、いろいろな非難の的になる。特に助成金等を扱います関係上なおこういう問題が起こってくると思いますが、こういうことに対してはどういうようなお考えを持っておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/22
-
023・森茂雄
○森(茂)政府委員 御指摘の点はよくわかるわけであります。特に価格安定とか債務保証とか、何といいますか、きめられた線でやることでなくて、今度はお金を運用したり交付するということでありますので、われわれといたしましては人選、それから交付金の施行業務等につきましては、十分各方面の意見を聞けるように、評議員会等の制度も活用して、万遺憾なきを期して参りたいと思います。特にお金の交付事務でありますから、事業運用ということになれば、幾らのものを幾らで買うということで、大体それで特別に金をまけたとか引いたとかはありませんけれども、まさに補助金の交付ということになりますので、これは政府並みにやらなければならぬと考えておりますので、われわれの方としては非常に責任のあることでありますが、私どもも十分監督をいたしますし、御注意の点は十分考慮して参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/23
-
024・稲富稜人
○稲富委員 このことにつきましては、もし大臣が来ておれば大臣に注文するつもりでございますけれども、局長から特に大胆に伝えてもらいたい。元来、農林省の人事あるいは農林省の外郭団体の人事、こういうものに対して、河野人事だとか世間でいろいろおもしろからざる批評を聞きますので、こういう事業団の成立に対しましては、その人事等に対しましても慎重に考えて、世間からこの事業団が河野構想だ、あるいはその人事が河野人事に終始したんだということにならないように、この点は一つ特に大臣に伝えて十分慎重にやるようにする必要があるのではないかと思っておりますので、その点は特に注意を申し上げておきたいと思うのであります。
それから次にお尋ねしたいと思いますことは、これは昨年、畜産物価格安定法が制定されまして、一年足らずの間に、またここに改正案が出たわけでありますが、この際お尋ねしたいのは、昨年この法案を通しましたときに、本委員会におきましては、附帯決議を付しておるのでございます。私は少なくとも一年足らずのうちに本法律の改正をやるとするならば、当然この国会の意思を尊重する意味からも、附帯決議の意思等は十分尊重した上で、この法律の改正等はなされるべきであった、かように考えるのでございますが、この点が本改正案を見ますと、あまりにも国会の意思を尊重していないというような点に意外に重きを置かれておって、その点が十分尊重されていないように思うのでございます。これは畜産局長として、その衝に当たられたあなたはどう考えられるか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/24
-
025・森茂雄
○森(茂)政府委員 もちろんお答えするまでもなく、私どもといたしましては、附帯決議の逆をいくようなことは毛頭考えておりません。附帯決議の線に沿いまして努力して参る所存であります。たまたま十一月に通していただいた改正案でございますので、私どもの気持としましては、十分附帯決議の線に沿って努力しつつあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/25
-
026・稲富稜人
○稲富委員 ことに附帯決議の中でこういうことがうたわれておるのでございます。「政府は、畜産業における飼料の重要性に鑑み、飼料価格を安定し、その円滑な供給を確保するため、速やかに飼料需給安定等の根本的改正を行なうこと。」と書いてあります。この飼料対策というものは、畜産物の価格を維持する上から、あるいは価格を保持する意味から、非常に重大な関連を持つものであり、私たちが畜産物の価格の安定をはかろうとするならば、当然これは並行して飼料対策というものは考えなくてはいけないと思うのでございますが、これに対しては、やはり現在の飼料需給安定法の抜本的な改正が必要であるということを、本委員会は前々回において決定しております。ところがこういうものに対しては何ら手をお染めになっているようにも見受けられないのでありますが、これに対しては将来どうするお考えがあるのか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/26
-
027・森茂雄
○森(茂)政府委員 従来もそうでございますが、今後の畜産振興の問題は、先生のおっしゃる通り、飼料の問題を除いてはもう畜産振興はあり得ない。飼料即畜産振興、畜産振興即飼料ということになるわけであります。今後濃厚飼料が相当増高しなければならない。飼料需要増加等を考えますれば、飼料政策の充実ということは、草地ばかりじゃなく、今御指摘の現在やっております飼料需給安定法の関係につきましても、従来までの効果はございましても、今後の関係においては御指摘の通りであります。私どもといたしましては、飼料の関係の委員の方にそれぞれ専門に分かれてもらって、そして御意見を拝聴しておるわけでございますが、必要によってはこれを正式な専門委員として、もっと責任を明確にして御意見を承って参ろうと思います。そういう意味におきまして、今後あの法律等につきましては、結論によってはこれを改正するか、あるいはやめて別の法律を出すか、事務当局といたしましては、真剣にこういう問題につきまして目下検討を続けておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/27
-
028・稲富稜人
○稲富委員 この飼料対策に対しては、早く手を打たなければ、各地方で畜産関係者が非常に困っておる問題ができております。一例をもつて示しますと、こういう問題も起こっているのであります。全国にこういうことがあると思うのでございますが、これは鶏の問題でございます。御承知の通り大きなメーカーでございます大洋漁業が、飼料を売り付けるために、地方の農家に会員を募集して、マルは会というものを作って、鶏のひなを与えるのです。そして自分の方から飼料を提供する。これは契約ができておりまして、ブロイラーを三カ月間で回収するという契約でやっておりますが、その飼料が悪いために、この鶏が大きくならない。そのためにかえって損を与えまして、農家がこれがために破産した。あるいは一軒の農家が百万円という借金を負い、これを差し押え、取り上げるという問題が起こっておるのですが、こういう問題につきましては農林省の方で調査せられておるのでございますか、承っておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/28
-
029・森茂雄
○森(茂)政府委員 関係の係からはまだそういう話は聞いておりません。私たちとしては、行政指導として一般行政的な立場にある関係上、特に飼料工場を法第何条によってどうだということじゃなしに、そういうお話は、私どもとしてもさっそく調査いたしまして、今後また再び、あるいは継続してそういうことが起こらないように、特にお話の事例の相手方は相当な会社でございますから、そういうことはちゃんとしたことができると思いますので、十分調査いたしまして、今後そういうことのないように、あるいは継続してないように、また過去においてあったことにつきましては、善処方を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/29
-
030・稲富稜人
○稲富委員 行政指導の立場からこれを具体的に処していかれるとおっしゃるならば、なお具体的に申し上げておきたいと思うのでございますけれども、私の調査しておるなにによりますと、相手はマルは会、これは大洋漁業なんです。そしてこれはマルは飼料を使用するということを第一の条件としておるわけです。そしてマルは会というものを作りまして、鶏の委託飼育をやるわけです。双方間に契約をして——契約の要点を申しますと、ひなどりは会社が供給する。ブロイラーの代金は飼料代と相殺するということになっている。飼料代の決済は三カ月で、三カ月を最後として決済するということになっておるわけなんです。ところがブロイラーを買い取りますと、これが予定よりも大きくなっていないというところから、かえって今度はブロイラーの価格よりも飼料の価格の方が高くなっておるわけなんです。それで会社側が損害をその農家に請求する、これはいわゆる一つのブロイラー小作なんですね。それで農家としては、向こうさんが飼料を提供してくれるし、ひなどりを提供してくれるから、三カ月間やっておる間には自分たちの労賃が当然もらえるのだ、労賃に相当する収益があるものだと思って、そのは会に入っておるのが相当数に及んでおります。ところが、それがかえって飼料代よりもブロイラー代が安いために、自分たちが働いたのは無償になるばかりでなくして、損害賠償を要求されて、すでに差し押えを受けている、こういうような事例がたくさんあるわけです。それでは何がゆえにそのブロイラーがそれだけ大きくならなかったかというと、これは飼料が悪かったということなんです。同じひなどりをほかの会社の飼料で一緒に飼育してみたのです。ところが成長の度合いが非常に違うわけですね。そのマルはで供給された飼料をやっておるのは大きくならないで、片一方のほかの飼料の方のは大きくなっておる。この点から見て、確かに飼料に欠陥があったということははっきりわかっておるわけなんです。ところがこういうことによって農民は損害をこうむっておる。これは将来やはり畜産意欲というものをなくしてくると思う。こういうものは将来豚その他においても起こってくる問題だと思う。これも早く飼料対策等をやらないと、こういうような農民の欠陥につけ入って、そういうような大メーカーが入ってきて、かえって畜産農民を泣かせるという問題が私は起こってくると思う。これはそういう点から、ほかの飼料とどのくらい違ったかということは、はっきり試験をしてこういうことがわかっておるわけなんです。第一期として、二十五日別な飼料を同じひなどりにやって計算しますと、マルはの飼料をやったのが二百二十八グラム、別な飼料をやったのが二百五十グラム、この差が二十二グラム、第二期の三十日になりますと、マルはが三百八グラム、別な飼料が三百五十グラム、四十二グラムの開きがある。第三期の五十一日になりますと、マルはが四百九十五グラム、ほかの飼料が六百六十二グラム、百六十七グラムの差がある。第四期になると、マルはが五百八十六グラム、ほかの飼料が七百八十グラム、百九十四グラムの差がある。最後の六十五日には、マルはが六百八十八グラム、ほかの飼料は九百四十グラムで、二百五十二グラムの開きがある、こういう結果が損害をこうむるということになるわけです。こういう事実がもう三十四、五年ごろからやられておるのですが、これに対しては一つも行政指導がなされていない。飼料が非常に高価であるということにつけ入って、自分の方で飼料をやるのだし、ひなも提供するのだからこれを飼育しろということで勧誘して、そういう結果になっておるということは、日本の畜産振興に大きな影響を及ぼすものだと思うのであります。こういう問題に対しましても、飼料対策上も考えなくてはいけないし、行政指導の上からも非常に大きく考えなくてはいけないと思うのでございます。こういう点は一つ十分考えて指導に当たってもらいたいと思うわけです。
さらにお尋ねしたいと思いますことは、畜産物価格安定法というものはやはり畜産物価格を安定するのがその目的でなければならぬにもかかわらず、畜産物価格安定法を実施することによって、かえって畜産物の価格が不安定になったという事実があると思いますが、こういう点はお認めになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/30
-
031・森茂雄
○森(茂)政府委員 さきの臨時国会で御協賛いただきましたが、暴落一途、どこまでいくか皆目わからぬ際に、単に行政措置では行なわれにくいことでございましたが、せっかく御協賛いただいた制度でございますので、暴落を告示価格の線で買いささえておるわけでございます。その意味におきまして非常に効果は発揮されたと思います。今後価格をだんだんと告示して全般に及ぼすわけでございますが、そういうことになりますと、自分らの作った畜産物が最低幾らで保障されておるかという指標ができますので、今後ますます安定した経営が行なわれると思います。具体的価格につきましては、極力われわれといたしましては財政と見合いながら充実をはかって参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/31
-
032・稲富稜人
○稲富委員 この価格決定に対しまして財政と見合いながら価格決定を善処するというのは、あなたの方には非常に都合がいいことですが、生産農民からいうとおもしろくないことになるわけです。これはどこまでもやはり原料乳とか指定食肉の安定基準価格というものを決定する場合は、生産農民が再生産をやれるような補償価格を基本として価格決定をやるということが基本でなければならない。ただその事業団の財政上の内容によって価格決定をするということは、これは局長の言いそうなことかもしれぬけれども、そういうものは慎まなくちゃならぬと思います。どこまでもやはり農民の再生産をにない得る生産費を補償する価格で買い上げるということを基本的な考えとして価格決定をやるべきだ、こう考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/32
-
033・森茂雄
○森(茂)政府委員 つい肉体的な疲労をしておるものですから、財政と見合いながらと申しましたが、そういう意味では誤解がございますので、財政と見合いという言葉は取り消したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/33
-
034・稲富稜人
○稲富委員 その問題はお取り消しになりましても、価格決定はやはり農民の生産費を補償するということを基本として価格決定をやる、こういう考え方でまず進むべきだと思うのであります。これに対してはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/34
-
035・森茂雄
○森(茂)政府委員 私どもの根本的な考え方としては全くその通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/35
-
036・稲富稜人
○稲富委員 そうしますと、ところがこの畜産物価格安定法が実施されることによって、かえって価格が安くなっているという事実があるとするならば、こういう点は将来改められるという御意思がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/36
-
037・森茂雄
○森(茂)政府委員 この価格安定法によりまして、最高といいますか、上位価格を低目にきめたということになりますれば、そういうことになると思うわけでありますが、これば需要関係を十分見まして、かつ消費関係を見まして上位価格の決定につきましては、畜産の消費の伸び等も考えつつ決定いたしたいと存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/37
-
038・稲富稜人
○稲富委員 しからば具体的に申し上げますと、たとえば福岡の屠場でいいますと、福岡の屠場では従来は五貫目、いわゆる十八・七五キロ以上が買い上げられる慣習があったわけです。ところが今回の安定法には、事業団の買い上げというものは御承知の通り二十三キロ以上というものが買い上げる対象になるわけです。そうすると従来は十八・七五キロ以上が買い上げられたのが、二十三キロ以上が買い上げられることになりますと、その差額というものは買い上げる対象にはならないということになる。この損害は相当大きい。こういう問題をなぜ改正にならないのか。これがためには生産農民は非常に困るという問題が起こってくるわけであります。こういう具体的な問題に対してはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/38
-
039・森茂雄
○森(茂)政府委員 豚肉の上、それから取り扱い価格等を決定するにあたりましては、関係の方々の御参集を願いまして、そうして検討して参ったわけでございます。現在事業団の買い入れをやった場合におきまする上はどの程度かということの推定といたしましては、七〇%はこれでつかめるのではないかということで考えておっわけであります。ただ非常に飼育頭数がふえたことと、お話の通り一月、二月当初相当の暴落を来たしたものでありますので、小貫物等の出荷が非常に旺盛になったというようなことで、比率的に福岡においては一時的にそういう現象を呈しております。私どもといたしましては、二十三キロを十八キロに落とすか二十一キロにやるか、いろいろ過去において、過去といいますか、これを検討するときに論議のあったところであります。大体これでよかろうというところでやったわけでありますけれども、なおこれが一時的な現象であったにしましても、非常に特別時におけることでありますのでわれわれといたしましては、これは初めての対象規格であったわけでございます。そういう意味におきまして、いろいろの不平、御意見等は十分伺いまして、これが金科玉条ということではないわけであります。農業団体あるいは畜産団体の方でもこの処理関係になりますと、そう申してはなんですが、場合によっては肉屋といいますか、そこまでまだ研究がいっておらない点もあると思います。生産者、流通者等もあわせて十分、これは政府ももちろんでございますけれども、勉強していきまして、どういう措置が一番合理的であるか、また買い入れ後におきます処理につきましても、それが何といいますか、今いう基準価格以上に上がった場合でも、その取引関係上、普通の取引においてもそういう規格が経済的、合理的に動いていくということでなければならぬと思います、一方におきまして。そういう意味におきまして、生産者、流通あるいは指導すべき立場にあるわれわれ等でも集まって検討はして参りましたけれども、こういう事態にぶつかっていろいろ予想以外の現象が加わっているということであります。お互いに勉強しまして、今後通常取引の場合でもどういうことが現在よりベターであるかということにつきましては、十分検討してこれを直して参りたいと考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/39
-
040・稲富稜人
○稲富委員 ただいま申し上げましたように、この事例の方は、単なる一時的現象で気がつかなかったのでは終わらないと思います。従来十八・七五キロまでが買い上げ対象になって生産農民は買い上げてもらっておったが、ところが買い上げ対象が二十三キロになったがために、その中間のものは買い上げ対象にならないのだということになりまして、直ちに農民に損害を与えることは明らかでありますので、これは当然従来通りに、十八・七五キロまでは買い上げ対象にする、あるいはもっと広範に農民の生産したものはできるだけ買い上げ対象にするという、こういう考え方で畜産物価格安定法を適用することが、かえって生産農民がこの法律の恩恵をこうむることになってくると私は思う。この法律ができたがために、かえってかた苦しくこれを買い上げ対象にしない、おそらくこれはつまり上、今局長の言われるように急に豚がふえたので、あんなたくさん飼ったので困るのだという、そういうことでやられたとするならば、なおけしからぬ話で、そういうことは大いに慎まなければならぬ問題だ。ところがそういう点も考えられる。少なくとも豚の生産が多くなったら、人為的に買い上げ対象をなるたけ規格を変えるということはやるべきでないと私は思う。もしもそういう事実が現われたとするならば、直ちにこれは改めて、生産農民がこれがために損害をこうむらないような、法律のためにかえって恩恵に浴することができないような、こういうような結果を生まないようにするということがこの立法の精神であらなくちゃならないと思うわけなんですが、これはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/40
-
041・森茂雄
○森(茂)政府委員 稲富委員のおっしゃることはよくわかります。私どもといたしましては、逆に言いますと、稲富さんはこういうことをおっしゃっているのじゃないと思います。小貫物を出した場合に、小貫物には小貫物の経済価値があぶらの肉への乗り方である。そこで十八なら十八に落としたら、小貫物は商慣習としてそういうものはどんどん普通に出してくるということじゃないと思います。稲富さんのおっしゃることは、こういう事態やむを得ず手放すものについても拾うべきである、こういうお話だと思います。
さてそれでは一般的に取引市場としてはどうかということになると、一番合理的な目方のものを出していくのは、えさ代とかあるいはそのできたものの生体価値という面からおのずから相場がきまってくると思います。そういう意味におきまして、意味はよくわかりますので、われわれとしてはさっそく検討して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/41
-
042・稲富稜人
○稲富委員 生産農民を悪意に解釈するのじゃなくて、いたずらに小貫物を出せと言うのじゃなくて、もしも小貫物を無制限に買い上げるということに対する弊害があるとするならば、せめて従来買い上げ対象になっておった五貫目でございますか、これまでくらいはこの法案の適用にあたってもやはり買い上げ対象にすべきであると私は思う。そうしなければ、今申し上げましたように法律案ができたがためにかえって損をした、今までは買い上げられぬようになった、こういうことになってくる。私たちは、少なくとも畜産物価格安定法というものは生産者が恵まれるようなものにすることが、この法案の主眼でなくちゃならぬと思うのですが、事実は今申しましたように逆なんです。従来買い上げられたものが買い上げられないことになった。これではかえってない方がいいということになるわけです。こういうような事実が現に現われているのだから、こういう問題に対しては一つ直ちに改められなくちゃいけないと思うのだが、改める意思があるかどうか。これは考えるのじゃなくて、当然直ちにやらなくちゃならぬ問題だと思うのです。相談するとか考えるということではなくて、これに対してはもっと局長の的確な考え方を承りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/42
-
043・森茂雄
○森(茂)政府委員 現在におきまする市場においてそういうことではねられるということになりますと、ささえるということは一方におきまして支持的な価格を作る場合でございますので、かえって逆に小貫物がもっとたたかれるということになるわけであります。そういう意味におきまして、経済価値以上にたたかれるという現象は最低価格をささえるときに特に起こると思います。私たちとしましてはさっそく検討して、不当なものは改めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/43
-
044・稲富稜人
○稲富委員 そういう不当な事実があるとするならば、作為的にやっているとかそういうことなら別ですけれども、そうじゃないなら考慮願いたいと思うのです。
次にお尋ねしたいと思いますのは、指定食肉が大阪、広島、福岡は湯はぎであって、皮はぎの肉は買い上げ対象になっておらないのでございますが、これはなぜこういうふうになっておるのですか。将来皮はぎも買い上げ対象にするという考え方はできないものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/44
-
045・森茂雄
○森(茂)政府委員 従来の市場慣習をそのままとったわけでございます。皮はぎを追加するかどうかということにつきましては、市場関係者あるいは生産者の意見も十分に聞きまして、そういう製法が今後どうしてもやられるということになりますれば、私どもとしては採用するにやぶさかでないわけであります。ただお断わり申し上げておきますが、皮はぎの屠法は戦後における皮革の不足から相当芝浦等で伸びてきたわけであります。今後のずっと将来の考え方としては、皮までつぶしてしまう、こういう考え方もあるわけであります。異論はあるにいたしましても、私どもといたしましては、現在の実務者等の意見も聞きまして、特に関西地方についての皮はぎの要望もあるようでありますが、どういうことで皮はぎの点を要望しているのかこまかくお話を伺いまして、皮はぎが価格支持の場合に値段が高かったということだけなのか、別にこういうことでこうしたいということであるのか、そこを詰めまして、私どもとして今後そういう方面に納得ずくで持っていっていいということになりますれば、あわせて九州地方につきましても、またそういう施設もやるということでありますれば、やって参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/45
-
046・稲富稜人
○稲富委員 さらに流通機構の問題でございますが、ただいまも局長の答弁の中に、芝浦の屠場の問題が出たのでございますけれども、私はやはりこれは、この間農林大臣も関西に行かれたときに、芝浦の屠場の問題は将来国がやるようなことを考えなければならぬというようなことも言っておったようでございます。これは現在の中央卸売市場法の規制を適用するような、こういう措置を当然やるべきではないか、そうしなければ現在のようなあの状態では、現にこの間われわれも見たのでございますが、市場としては近代的な設備もないし、また非常に狭いし、ことに九州あたりから来ました豚肉というものは非常にあと回しにされ、その間には目減りする、あるいは死ぬものもできるというようなことで困っている問題があるので、これに対しては、この間農林大臣も何か国がこれをやりたいというようなことも言っておったのでございますが、これに対してどういうような構想を持っておられるのか。これは農林大臣から聞くのがあたりまえだと思いますが、おられませんので、事務的にそういうことを進められているのか、計画をされているのか、そういう点について見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/46
-
047・森茂雄
○森(茂)政府委員 芝浦の問題は、私どもの頭を痛めている問題であります。東京都の屠場長ともいろいろ相談しておりますけれども、さしあたっては入って奥の方にあります場所を取引室に改良いたしまして、そうしてぜひ中央卸売市場体系に持っていきたいと思いますが、中央卸売市場の拡充につきましては、あすこだけの場所では現在不可能であります。いろいろ地所について具体的に大井の競馬場の先だとか検討されておりますが、私の方もこれは東京の市場というよりも日本の市場でございますので、重大な関心を持って、かつ今の御指摘の補助政策等につきましては、大きく予算措置等その他につきまして努力して参りたいと思います。何にいたしましても中央卸売市場の開設は、一時的に卸人が多かったり、あるいはある面では場合によっては企業整備ができないで屋上屋ということになりましても、取引の合理化ということをねらいまして早急に態勢を整えたいと思っております。現在二十五社案あるいは東京都の三社案もありますけれども、あるいは卸売市場一社案ということもあります。一社案をやることになりますと、企業整備はしないでこれは出荷者になってもらうわけであります。いずれにいたしましても取引手数料二、三円の差以上に不明朗な点が、大きい問題でございまして、われわれとしては、まず第一には中央卸売市場にしていくこと、それからその他の場所にその施設を求めたい。これは私どもの方は十分強く都に要望してやって参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/47
-
048・稲富稜人
○稲富委員 これは先般からもこの委員会でしばしば論議された問題でございますが、指定食肉の安定基準価格についての地域的格差の解消の問題に対しては、今日格差をなくするような是正の方法をとる必要があるのじゃないかと思うのですが、これに対して将来どういうような計画をしておられるのでありますか、この点承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/48
-
049・森茂雄
○森(茂)政府委員 現在の指定食肉の市場間の地域差は、製法の差があるとはいえ、それ以外にも運賃ではどうだとかいうようなこともあるわけでありますが、そういう意味におきまして製法の差は、それはそれとして、たとえば製法は同じでも、大阪と広島と福岡は違っておるわけであります。あの比率というものは、過去における三十六年一カ年のうち同じものにつきましての相場差をとったわけでございます。初めてのことでございますので、現在の消費、取引、供給需要等の関係で、新しく、どういうふうにこれをやっていくか、従来の関係を尊重して比率でとったわけであります。これを一本にするということになりますと、これは各産地との関係が、価格差が出てくるわけであります。十分検討いたしまして、適当でないものは直したい。大阪の距離と福岡の距離で同じ値段にした場合に、産地でどういう関係になるか、十分産地側等の御意見も伺いまして、直すべきものは直して参りたいと思います。いかにも具体的な数字が、福岡の二百十円に対して三百二十円ということで非常に御批判を賜わっている問題でありますかな、検討の上、これは産地関係も入れて、十分討議して参らぬと、関係の取引もございますし、初めてのことでございますので、当然御批判はあったかと思いますが、十分衆意の趣くところで、それからわれわれの方の操作の面も十分打ち解けて話し合って、どういうふうにしたらいいということでやって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/49
-
050・稲富稜人
○稲富委員 最後にお聞きしたいと思いますのは、そういうような価格差をなくす一つの方法として、事業団に枝肉の輸送の冷凍車ですか、こういうものを将来作らせようというような御意思はないのでございますか。たとえば、将来非常に国民の肉食というものに対する口が肥えて参りますと、同じ肉でもうまい肉とまずい肉とを食べ分けるようになってくる。そうしますと、同じ牛でも豚でもそうでございますが、これを枝肉にしますと、東京に持ってくれば相当な価格に売れるものが、福岡で売ればこれをはけ切らないという問題がある。こういう問題の場合には、それを買い上げて、枝肉でこれを輸送する。そうすると相当の価格で持ってくることができるという問題も品物によっては起こってくると思う。こういう点からいっても、事業団の事業として、枝肉を輸送する冷凍貨車の設備等というものは、私は将来考えてしかるべきじゃないかと考えているのですが、こういうことに対してはどういうお考えを持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/50
-
051・森茂雄
○森(茂)政府委員 現在の事業団の予算では組んでおりませんけれども、たとえば今の御提示の一本価格にかりにした場合、処理、冷蔵、いろいろな関係でその都市その都市によって経過的には設備がない、力がないという場合もございます。そういうことになりますと、事業団として買ったわ、これは冷蔵できないわということでは困りますので、そういうことは、当然事業団の仕事として入って参ります。店開き早々でございまして、いろいろ御迷惑をかけておりますが、だんだん充実して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/51
-
052・稲富稜人
○稲富委員 現にこういうことが起こっておるのですよ。枝肉品評会を福岡でやりまして、引き取るときに、豚、牛を等級をつけて枝肉にしますと、おのずからその等級が違うのですよ。生きているときはそういい牛ではなかったが、解いてみると非常にいい牛になっている。ところが、東京まで持ってくれば六百円で売れるのが、福岡では三百円にしか売れない、どうしても、はけ切らない。こういう問題が非常に多いのです。だんだん食肉に対する国民の口が肥えて参りますと、やはりいい肉を食べよう、こういうような問題も出てくると思う。こういう点からやはりこれは解いた上で上ものは東京に持ってくるということも考えられるのではないか。こういうものこそやはり事業団あたりが何か方法をとって、生産者がいい肉を作るために努力する。ただ牛を買う、ただ豚を買うのでなくして、いい肉を作るのだ、こういうことも考える必要があるのではないかと思うので、そういう点からおのずからそういう設備というものが必要ではないかということを考えるわけです。当然こういうことは事業団がやるべきではないか、こういう点からお尋ねしておるわけなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/52
-
053・森茂雄
○森(茂)政府委員 事業団直接の所有物ということではなしに、交付金制度等で民間団体に——ノルマルの場合でもそういうことがあるように、むしろ交付金制度等の活用で、事業団が直接持つということではなしに、出荷団体、生産者団体等に補助して、そういうことでやっていける道があると思います。私どもといたしましては交付金の機動的な活動で一番これは時宜に適した事例だと思いますので、十分生産者関係と打ち合わせまして善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/53
-
054・稲富稜人
○稲富委員 それでは私の質問は大体これをもって予定の時間を終わりましたし、ほかに質問者があるようでありますので終わります。ただ最後に、価格決定に際しましては、この畜産物価格安定法ができたがために生産農民の期待を裏切らないような価格決定をするということを前提として一つ本法案を生かしてもらいたい。こういうことを強く政府当局に私は要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。やはり生産費を少なくするためには、あわせて飼料対策、こういう問題もおのずからこの際考えなければいけない。そういうことを総括した上で一つ生産費が補償できるような畜産物の価格決定をするのだ、こういう建前でいかれんことを強く要望しまして、私の質問を終わることにいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/54
-
055・野原正勝
○野原委員長 てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。丹羽兵助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/55
-
056・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 私は、ただいま議題とされた案件について一、二点、政府の考え方、またそれに関連したことにつきましてお尋ねをしたいと思います。
ただいま審議されておるてん菜生産振興臨時措置法のこの改正点は、これがことしの三月三十一日でその効力を失う、だから一年間また延長したい、こういう積極的なものでありますが、これはお互いが承知しておりまするように、この法律は昭和二十八年に、現在の農林委員長である野原正勝議員外四十一名の議員提出でできた法律でありまして、主としててん菜の増産と、それからそのため原料ビートの単価の決定だとか、またそれによってできた砂糖の買い入れというような点が考えられておるのでありますけれども、その後その法律の効力によりまして北海道におけるところのビート糖が非常に生産量が増してきた。そこでわが国の甘味資源全体に大きな役割を果たすようになってきた、こういうことでございますが、これは非常に喜ばしいことです。そこでこの事実を見た政府も、先回いずれでございましたか、よく覚えておりませんが、今後の国内に消費される甘味資源についての基礎的な方針を、どれだけ輸入に待つか、どれだけを国内の生産に待つかということの閣議決定左でして、甘味資源の自給力増加ですか、何か総合対策というようなものをきわめておられるのですが、その後この方針を変えておられるのか変えないのか私ども承知しておりませんが、閣議決定通りやっておいでになるかどうか、これを一つお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/56
-
057・大澤融
○大澤(融)政府委員 今お話がございましたように、二十八年にこの法律が生まれまして、北海道のてん菜は、当時に比べますと三倍近い増加になっているというような目ざましい発展をいたしまして、この法律が大きな役割を果たしてきたと思うのでありますが、片や今後の甘味資源につきましてどういうふうな考え方でやっていくか、かつて総合対策として、閣議決定ではございませんが、農林省としてきめましたものが、今御指摘のものがあるわけでありまして、その当時考えましたことは、需要を見込みまして、その半分くらいは一つ国内でまかなっていこうというような考え方であったと思います。しかしながらその後いろいろ事情が変化しております。所得が増すということにつれまして、砂糖の消費も、その当時考えておりましたのよりははるかに伸び率が高くて、数字は私覚えておりませんが、十年後になるだろうというような数量が、すでにそれに近いものが現在消費されているようなことにも相なったわけでございます。そういうようなことで、当時考えました甘味資源総合対策、どのくらいの需要になってどのくらいを輸入でまかない、どのくらいを国内生産でやっていくかというようなことも再検対しなければならない段階に私ども置かれていると思います。それと当時とは異なりまして、さらに府県のビートの問題も新しい問題として生まれてきております。ただ府県のビートについては、北海道と違いまして、必ずしもこれを取り上げて積極的にやっていくのがいいかどうかというようなことについても多少の疑問がございます。そういう意味で本年度はいろいろな調査もし、今後の府県ビートというような問題をどうしていったらいいかということの研究をしているわけであります。そういうようなことで、あれやこれや県のビートも考えて総合的な検討をはかっていくという段階にあると思いますので、そういう意味で今までありました法律がこの主力末で期限が切れますので、一年延長していただいて、そういうようなことを考えようということでございます。従いまして今後甘味類について自給をどの程度していくかというようなことは、かつて考えましたときとは異なって、今後研究をしていかなければならない問題だと思います。自給度が高いということ、高ければ高いほど望ましいわけでありますが、合理的に自給をしていくという観点から製糖業の合理性とかあるいはてん菜作の合理性といったようなことにも検討を加えて、そうした問題を考えて参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/57
-
058・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 ただいま食糧庁長官自身がお認めになっていらっしゃるように、なるほど私の考えが違っておるとしても、閣議決定でなくても、閣議に農林省の方針を御報告になった。これはお話の通りです。そこでその報告ができるだけ甘味資源の自給力を増加していこう、増加する総合対策なんですが、それが百五十二万トンが四十三年に必要になってくる、その半分は国内で自給生産しよう、こういうことなんでしょう。それが今日すでに御調査になっておりますように、四十三年で百五十二万トンどころか、もうことしで百五十五万三千トンという消費量で、上回っておる。これだけあなた自身がおっしゃいますように、国民所得も上がり、生活の様式も変わってきたのですから、甘味資源というものは非常に必要とされる、こういうことなんです。
そこで二十八年に野原さんたちが、この法律を議員立法で——政府はいろいろの都合があったのでやらなかったのです。それを議員立法でやったことによって、当時から比較すると三倍も、この北海道における寒地ビートというものは伸びてきた。これは、たれがどう言ってもこの法律が大きな役割を果たしてきたと私は思うのですね。そうしてだんだん伸びてくるものの、国内の面だけをまた——もちろんこればかりじゃありません。ブドウ糖にしたって、あるいはカンショ糖でもやはり役割を果たしてきておりますが、今日議題となっております寒地ビート、これの振興に大きな役割を果たしてきた。それが今日すでに十年どころか、きょうその十年先の量をこしてしまっておるのですが、調査室なんかの調査によりますれば、十年たてば三百万トンはこすであろうと想像されておる。
それでお尋ねしたいのは何かと申しますと、三十四年の二月に、何とかして砂糖というものはできるだけ国内において生産していきたい、こういうことを強く言っておられましたが、いろいろ御説明がありますけれども、この方針の、できるだけ国内で生産していきたい、この考え方というものは政府においてもお変わりありませんでしょうか、半分くらいは作りたいという考え方。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/58
-
059・大澤融
○大澤(融)政府委員 甘味資源の自給度を高めるということは非常に望ましいことでありまして、おっしゃる通りだと思います。ただしかし合理的な形で自給度を高めるということは特に考えてやらなければいけない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/59
-
060・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 その合理的ということは私はわからぬですが、それをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/60
-
061・大澤融
○大澤(融)政府委員 農業基本法の思想も、できるだけ自給力を高めるということが望ましいことだという観点だと思います。そういう意味で選択的拡大というようなことをいっておりますけれども、生産性も低いのに、あるいは生産性も今後高まる見込みがないのに、しかも作らして、物としては自給度が高まるというような形での自給度の高まりというようなものは、私の申し上げる非合理な自給度の高まりということじゃないかと思います。そういう意味で、今後生産性も上がる、また生産性も高いんだというような形で自給度の向上をはかっていくということがぜひ考えていかなければならないことだ、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/61
-
062・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 今の御説明の合理的ということはわかるのですが、ただ生産ヒートの価格を高くするんだとか、あるいは望みないような、雲をつかむようなごちゃごちゃの生産対策というものも困るでしょうけれども、私は政府が今お話のありましたように買えずして、あくまで甘味資源の半分くらいは国内で作り上げていきたいという、その国の方針というか考え方であるならば、積極的にその合理化というよりも、ある程度、無謀な積極性ということはいけませんが、もう少し積極性を持っていくべきだ。でないととてもとても、片方の消費の臓はふえますが、国内の生産の量はふえていかないのですよ。ふえていっておりませんよ。そして今日二二・何%ですか、とにかく二割程度国内で確保しておく、こういうことなんです。それでいて片方の方ではまだ手があるのですよ。今直ちに合理的に何もかも含めて総合的な対策は立てられないと言われるかもしれませんが、今日のこの法律の出し方というものは、これは一年間——あとで暖地ビートのことも考えるとか、あるいはカンショ、ブドウ糖のことも考えて、総合対策に合っていくようにするためにと言われますけれども、ためにではなくして、そういうことをほったらかしておいて、ただ昔議員立法でできた寒地ビートだけを一年間何とかお守りしていこうというだけのことなのです。何らほかに具体的なことは考えてないのじゃないですか。何も考えていない。かりに私に言わせるならば、あなたの御説明でいくならば、ここで寒地ビートというものをとって暖地ビートを含めるとかビート全体を見ていくといういき方なら私は積極性のある、合理的な方針だと考えていいのですが、何もほかのことを考えずにしておいて、一年間これだけをほっておいて、延ばしておいて——極端な言い方かもしれ幸せんが、延ばしてあとで考える。考えるといったって何も手がかりはない。これは一年間延ばすだけで国内消費が云々といいますけれども、これは何も国内生産に進んでいかない。実際に二二%だけですからね。これでどうお考えになっていらっしゃるか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/62
-
063・大澤融
○大澤(融)政府委員 暖地のビートについてもっと積極的になれ、こういうお話だと思いますが、私ども暖地のビートをどういうふうにしていくか、生産性を上げて農業経営の中に合理的にはまり込んで大きな工場が経営が成り立つような、生産が上がり得るようにするためには一体どういうふうなことを考えていったらいいのかというような点について、振興局長もおられますけれども、いろいろな試験をし、研究をし、あるいは調査をしておるわけでございます。そういう意味で、そういうことの調査なり検討なり研究なりの成果を見て合理的に府県のビートも農業経営の中に取り込んでいって進め得るのだというようなことは、この段階ではなかなか結論づけるわけにいかないと思うのであります。そういう意味でむしろ積極的にそうした検討、研究をいたしておるのでありますから、その結論が出るまでは府県のビートは別にして、今までの北海道のビートだけの延長をお願いする、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/63
-
064・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 それは理屈からいうと長官の考え方もあるかもしれません。しかし現実から考えて、政府は盛んに国内自給をやかましく言われて、実際消費量が全体に伸びて、現在は輸入と国内自給というものとのバランスが半数どころかだんだん開いておる。この現実をながめて、ちょうど法律の改正をしなくち々ならぬときで、一年でもこれを延期するという改正をしなくちゃならぬときに、ほんとうにあなたが考えていらっしゃるように、国内自給というものをふやして輸入を少しでもとめていこう、そして全体がふえるのだということの前提に立つならば、今度の法律の改正のときに国内産の甘味資源に全体にもう少し誠意を持って考えておっていただいていいと思うのです。なるほど今の説明でいけば、これは暖地における工場ができるかどうか、また工場が成り立っていくだけの、生産の合うだけの耕作反別というものは考えなくちならぬとか、振興局との関係、こういうことをおっしゃる。これは理屈で私は否定いたしませんが、今申し上げたように、政府自身ができるだけ農民のことも考えて、国内に生産が進む、できるだけ輸入を押えて全体はふえていくのだ、だんだんとその率は開いていく、こうなればちょうどいい機会じゃありませんか。私は何も自分の県が暖地ビートをやっておる県でもございませんし、また暖地関係の製糖会社にも神に誓って私は関係しておる者ではない。全然関係していない。しかし私は与党野党一緒になってできるだけ輸入ば押えていこうじゃないか——押えていこうじゃなくて、できるだけ国内で生産させて、それから農民もそれだけの所得を上げるようにしていこうじゃないかというその委員会を作ってやって参りました委員の一人として、私は国内糖というものの生産に情熱を抱いておる一人なんです。今言った関係じゃない、全然関係ない私なんですが、そういうことからいって、この間岡山から九州の方へ参りましたが、これはもうあの辺は盛んに意欲を持っているのですよ。そしてやれるという自信を持っておる。また振興局の方でもこれに対しては深い関心を抱いておられる、こういうときですから、思い切って政府は、少なくともカンショ糖とかあるいはブドウ糖、これはもう将来、今おっしゃったように絶対に考えていかなくちゃなりません。考えようとなさるならば、われわれは一つこの法律を野原さんがお作りになった情熱と同じようになって、今度われわれで作ってでも出すという考えを持っておるのですが、それはそれとしまして、とにかく今日暖地ビートくらいのものは、政府は寒地ビートと限定せずに、いい機会ですから暖地ビートも含めて——寒地を抜いて砂糖用のビートというものをお考えになる——これは無理かもしれませんが、一つお考えにならぬか、その御意思を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/64
-
065・大澤融
○大澤(融)政府委員 昨年先生方が岡山等を御視察、御調査された御報告も、私、拝見さしていただきました。ただ、こういう期限が切れますときに、府県のビートも含めて新たな制度の発足をしたいのでありますが、先ほど述べましたような事情でそういうことにならなかったことは、私も非常に残念だと思っておりますが、ただ国内で合理的な自給度の向上ということをはかる情熱だけは先生方に劣らない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/65
-
066・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 野原委員長から、他の質問者に譲るようにという御注意もありますので、この問題についてはたくさん聞きたいし、また希望も述べたいのですが、与党であまり時間をとることもあれですから、おきますが、とにかく政府の言うことと、今日の法律をお出しになるのと——あなた自身は非常な情熱を持っておいでになるでしょうが、考え方が食い違うのですよ。事実を見てみたって、政府の言うことから考えたって、今度の法律の出し方、こんなことは私はてんで問題にならないと思うのです。これはもう要求になるかもしれませんが、少なくとも政府として将来ブドウ糖はもちろんのこと、カンショ糖から暖地のビートも考えていく——できたら、われわれが修正だなんて言わずに、あなた自身の言葉から、少なくとも国内甘味資源の増産という意味から、寒地という字をとって、ビートを含めて考えていくんだ、こういうぐらいのお言葉をいただきたいのです。もし出なければ、また委員の間においていろいろ相談をいたしますけれども、それぐらいのことを考えていただかないと、一歩前向きの形にはならないですよ。政府の言うこととやっていることは全部違うんじゃないか、こういうことになるのですから、一つ前向きの姿勢のとれるように、寒地という字を抜いて、ビートぐらいは含めていくんだということを、これは無理かもしれません、言えなかったらいいですが、そのくらいの気持を持っているかどうかということをもう一ぺん重ねて承りたい。
ついでに、今度委員長が発言を許してくれませんといけないから聞いておきますが、原糖輸入——この間新聞を見ると、まだ決定してないようでありますが、農林省の考えは、原糖を輸入して政府の手持ちにして、今までのように外貨割当によらずに現物で渡すように、いわゆる政府が一ぺん原糖を輸入して手持ちにして、それから渡すという方針を輸入糖についてはとりたいということを言っていらっしゃるようですが、これは私、続けて質問いたしませんけれども、どのようになっているか、もし御報告をいただけることがあったら、お聞かせを願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/66
-
067・大澤融
○大澤(融)政府委員 前段のお話は、先ほど来私の申し上げたことに尽きると思います。気持はそう変わらないと思います。
それから後段の問題は、目下私ども内部でいろいろ検討をしておる段階でございまして、どうこうするというふうなことを、ここでまだ申し上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/67
-
068・野原正勝
○野原委員長 安井吉典君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/68
-
069・安井吉典
○安井委員 ただいま丹羽委員の御質問で、てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案が提出されますまでのいきさつについて、質疑応答があったわけでありますが、私はさらにその問題についてお尋ねを続けたいと思うのであります。
この法律が今日まで果たしてきた役割だとかそういったようなことについては、先ほど言及された通りでありますが、三月三十一日でこの法律の効果が切れてしまうということは、これはもう法律ができたときからわかっていたことであります。そうして、続いてこのような法律措置を講じていかなければならないというふうな事情もあるということも、ずうっと以前からわかっていたところであります。ところが、政府はそれに対する積極的な措置をなさらずに、期限のくるぎりぎり一ぱいになりまして法案を出してこられる、しかもその内容は、ただ一年だけ延期するというふうな内容で出してこられているわけであります。もっとも、聞くところによりますと、政府自身の作業の中で、てん菜生産振興法案といったような、この臨時措置にかわる措置が立案検討をされていたとも聞くわけでありますが、ぎりぎり一ぱいの段階におきまして、それがまた、今申し上げましたように一年延長、そういうような措置に変わってしまった、こういうようなことはどうしても理解できないところでありますが、さらにその辺のいきさつにつきまして御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/69
-
070・大澤融
○大澤(融)政府委員 もちろん、私ども、甘味資源全般のことについていろいろ検討しておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、この法律ができました以後、三十四年の二月に、丹羽委員からの御質問の中にありました、甘味資源自給力強化総合対策というような考え方もまとめまして、その線でいろいろの施策をやって参ったのでありますけれども、先ほど来申し上げますように、だいぶその当時と今と事情が変わって参りました。そこへきて三月末でこの法律の期限は切れる。北海道ビートについては、なおこうした措置がバックになって生産性を上げていくということが必要なことは、今御指摘のあった通りであります。そういう意味で、先ほど申し上げました府県のビートというような問題もございます。これはまだ研究あるいは調査段階でございますので、そういうものの結論が、不幸にして今日まで出ておりません。そこで御審議願っておるような形で、単純に一年を延長するというような形の改正をお願いしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/70
-
071・安井吉典
○安井委員 この臨時措置法の期限切れを前にして、一般の政府に対する期待は、従来の臨時措置から、これまでの経験を織り込んで、がっしりした国内甘味資源対策というものがそれにかわって登場するものだということをみなが期待していたというように考えるわけであります。たとえば原料ビートの生産対策についても十分な財政的な裏打ちを持ったものがほしいし、もっと計画性を持たせることのできるような法律内容がほしいし、あるいはまた原料価格の指示の問題についてももっとはっきりさせたいし、製糖企業も非常に不安定な状態からもっと安定させたような方向に進めたいし、特に今丹羽委員も強調されておりました暖地ビートの問題もこの中に含めるべきだ、こういうようなことで、非常に大きな期待がこれまであったと思うわけであります。それが今の御説明では、今までいろいろな見通しが立たなかったのだと言われるわけでありますけれども、三月三十一日で切れるということは、もう昭和二十八年からきまっておることなんです。切れる前にはっきり政府としてのお見通しを立てて、これの期限が切れるまでにそういったものをお出しになることが、ほんとうに正しい政治のあり方だと私は思うわけであります。もう今になってどうこう言ってもしようがありませんが、それでは、今まで政府でてん菜生産振興法案といったようなものの作業をされていたそうでありますが、それは今どうなっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/71
-
072・大澤融
○大澤(融)政府委員 てん菜に限らず、広く甘味資源について、もちろん私どもいろいろな角度から検討をしております。そういう過程でそういう考え方があるいはあったかと思いますけれども、まだオフィシャルに申し上げるような形でまとまっておるのではございません。先ほど来申し上げましたような事情、今後の事情も織り込んで、今後の検討に待ちたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/72
-
073・安井吉典
○安井委員 現在自民党で甘味資源振興等に関する法案の立案作業が行なわれているそうでありますが、それについては政府はどういうふうに考え、どういうふうに御措置されようとお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/73
-
074・大澤融
○大澤(融)政府委員 私ども、自民党の方で考えておられます甘味資源全般にわたる総合対策としての立法、こういうことに先ほどから申し上げたような事情で踏み切れなかったというようなことで、今のような一年延長ということをお願いしておる立場から申しますと、ああいう総合立法もその立場から一つ考えなければいかぬというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/74
-
075・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、政府は自民党が今考えておられるのと別な考え方で進むというお考えなのか、自民党のその案を生かしていこうというお考えのか、その点を一つ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/75
-
076・大澤融
○大澤(融)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、主として府県のビートが中心になると思うのでありますが、あるいはまた北海道についても、三十四年、三十五年、三十六年のような、ああした事情もございます。従いましてそういうことも総合的に検討して、甘味資源全般の対策をどうするかということを練り直さなければいけない段階でございますので、にわかにあのようなものが今の段階で一番いいのだということには、私どもの考え方からすれば、なかなかなりにくいのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/76
-
077・安井吉典
○安井委員 社会党も甘味資源についての立法措置を考え、要綱まで作る段階にいっておるわけでありますが、御検討されたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/77
-
078・大澤融
○大澤(融)政府委員 詳しくは伺っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/78
-
079・安井吉典
○安井委員 今後そういう面からも一つ御検討を願いたいと思うわけでありますが、そこで三月二十二日に農林省が輸入糖の政府管理についての案を発表されておるようであります。その内容はどういうことですか、一つ御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/79
-
080・大澤融
○大澤(融)政府委員 従来から砂糖の価格を大体百二十二円くらいのところに安定しようというような考え方でやっておるわけでありまして、そうした関係から国際糖価が低いというような場合に、価格差が出るということがあるわけでありまして、その処理をどうするかというようなことが今いろいろ問題になっておるわけであります。そうしたものを合理的に処理するのにはどういう方法がいいだろうかというようなことも、砂糖の問題全般の一つとして私ども検討しておるわけでありまして、そういう過程で先般新聞に出たようなことも検討はいたしておりますけれども、こういう席上でこうなんだと言うまでに固まっておるものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/80
-
081・安井吉典
○安井委員 先ほども丹羽委員も質問されておったようでありますけれども、農林省案は与党と十分に御相談をなすって発表されたものですか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/81
-
082・大澤融
○大澤(融)政府委員 私ども、内部的の検討の段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/82
-
083・安井吉典
○安井委員 問題がずいぶん大きく新聞に報道されて、それも一社だけのスクープでなく、各社とも非常に大きな問題として取り上げておるようであります。話は別ですが、たとえば公職選挙法などは、私と同じ名前の自治大臣は自民党の各派閥まで入っていって一々説明をして、その結果骨抜きになったそうでありますが、いずれにいたしましても、そこまでやっておる大臣もおるし、農林省の方はあまり相談をしないで新聞の方が先に出てしまったというようなことで、同じ閣内でもだいぶ模様が違うので、これは実力のあるなしかの関係かどうかわかりませんが、今の段階では全く農林省だけで、固まっていないというふうに理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/83
-
084・大澤融
○大澤(融)政府委員 内部で検討しておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/84
-
085・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、何か自民党の方でも一つの案ができておるし、そこへ出てきたテスト・バルーンみたいなもので、ただ上げてみただけのものだ、そういったものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/85
-
086・大澤融
○大澤(融)政府委員 検討の途中でいろいろお話が出ましてむしろそういうことになりました以上は、世間のいろいろな批判もあると思いますので、そうしたことも私どもこれからの検討の参考にして、ああした問題の解決に最もいい方法を考えて参りたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/86
-
087・安井吉典
○安井委員 政府は直接原糖輸入を管理しよう、そういうところまで構想がいっているといたしますと、砂糖の輸入自由化の時期は遠のいたのではないかというふうな見方がありますが、そのように考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/87
-
088・大澤融
○大澤(融)政府委員 御承知のように、砂糖の自由化ということを今考えておりませんで、ああした問題とは別個の問題じゃないか思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/88
-
089・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、自由化とは別個に考えているということは、自由化にかわる一つの行き方だ、そういうふうなお考えだと理解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/89
-
090・大澤融
○大澤(融)政府委員 自由化にかわるとかいうようなことじゃなくて、自由化と別個の問題でございます。そういうことで検討しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/90
-
091・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、砂糖の自由化はやはり早期に進める、そういう方針を持ってお進みになる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/91
-
092・大澤融
○大澤(融)政府委員 御承知のように砂糖の自由化ということは、今やるということにはしてないわけでございます。そういう意味で、ただいま問題になっておりますようなことと相関連して、自由化の問題ももちろん今後検討する必要があるだろう、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/92
-
093・安井吉典
○安井委員 その点、私は微妙な問題だと思うのです。今までの食管の輸入の方式に似たような方式にまであれを持っていくということは、やはり自由化の問題とからんできて、そこで重大な政策の転換といったものも予想されるわけであります。その点もう少しこれは問題を明らかにしていただかなくてはいけないわけでありますが、これは大臣でも出ていただいて、さらにお尋ねをしなくてはならないと思います。
そこで製糖会社の超過利潤の問題に対する対策として、今の農林省の考え方も出てきたわけでありますが、これは確かに大事なことであります。それに対する一つの抜本的な対策というふうな形で現われてくる、そういう契機はあると見ざるを得ません。しかしながらそれに至る道程はいろいろめんどうな問題がたくさんあるのではないかと思います。たとえば現在までの製糖会社の超過利潤に対する措置でありますが、三十四、五年度については一応の措置がなされたと伺いますけれども、三十六年度、あるいはまた今度の新しい考え方が行なわれるにいたしましても、それに至るまでの段階における措置、こういったような問題は残ると思いますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/93
-
094・大澤融
○大澤(融)政府委員 三十四それから三十五年度につきましては、御承知のような処置をとっておるわけでございますが、引き続く三十六年度には、検討しておりますけれども、ああしたような問題が起こらないのじゃないというふうに考えておりますけれども、今後のことにつきましては、そういうものが生まれるというようなことがあれば何らかの処置をとっていくということを検討をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/94
-
095・安井吉典
○安井委員 三十六年度は超過利潤なしというような判定を今されておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/95
-
096・大澤融
○大澤(融)政府委員 大体そういう見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/96
-
097・安井吉典
○安井委員 その点、予算委員会の分科会等でもこの超過利潤の問題をめぐって、きょうも芳賀委員もおいでですが、いろいろな角度から論議をされたのを私も聞いておりますけれども、そういうような甘い見方でいるから、やはり抜本的ないろいろな対策が私はできないんじゃないかと思うのです。もっと問題をしっかり見きわめて、科学的な検討の中から対策を打ち出す、こういうような処置でなくてはいけないと私は思います。その点問題はあとに残します。
そこで、この政府の案の内容はいまだに検討段階にあるというふうなことであります。しかしながら、将来に向けて抜本的な対策を講ずるための一つの手がかりにもなると思いますので、その内容につきまして一、二お見通しを伺いたいわけであります。一部からその案に対する批判として、粗糖の輸入を、御発表になったように指定商社との見積もり合わせやあるいはまた競争入札による外貨割当でやる、こういうようなことになると、買入れ量を公示するため、むしろ価格をつり上げて高い方にいってしまいはしないか、そういうような批判も出ているようでありますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/97
-
098・大澤融
○大澤(融)政府委員 そういう御批判もあろうかと思いますので、そういう点も考慮して、成案を得るまでにはいろいろ検討して参りたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/98
-
099・安井吉典
○安井委員 外国産小麦にならうというふうな表現をなさっているわけでありますが、そうなりますと、関税の問題はなくていいというふうな感じもするわけでありますけれども、その点はどういうふうな御検討になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/99
-
100・大澤融
○大澤(融)政府委員 その問題につきましても、今大蔵省等と検討をしなければならない問題だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/100
-
101・安井吉典
○安井委員 農林省としては、一応関税はなしでいこう、こういうようなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/101
-
102・大澤融
○大澤(融)政府委員 当面は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/102
-
103・安井吉典
○安井委員 今考えておりませんということは、とらないでいこう、とらないような案に一応はなっておる、そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/103
-
104・大澤融
○大澤(融)政府委員 関税には触れないという考え方で今はやっておりますけれども、必ずしもそれが確定のものじゃないので、いろいろ今後検討していくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/104
-
105・安井吉典
○安井委員 いろいろ問題はありますが、特にこの処理はすべて食管特別会計の農産物安定勘定で処理するというふうな表現になっているようでありますが、そういたしますと、差額がこの勘定にだいぶ残る計算に一応なるわけです。その場合に、関税をどうするかということでだいぶ内容は違ってくるわけでありますが、その食管会計の中に残った額を原料価格の引き上げという方に回すとか、あるいはまた原料の生産奨励施設に向けるとか、あるいはまた消費者価格の引き下げに回すとか、もう一つは食管会計の穴埋めに向けるとか、こういうようないろいろな手が考えられるわけでありますが、そういうような点の御検討はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/105
-
106・大澤融
○大澤(融)政府委員 そういうお考えもあろうかとも思いますけれども、私ども今考えておりますのは、とりあえず価格差益の問題として考えていく、甘味資源一般の問題としては、先ほど来申し上げたように今後検討して固めていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/106
-
107・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、いずれにしても集まった金の使い道という問題になるわけでありますが、その勘定の中で、つまり原料価格の方にはどういうふうな考慮になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/107
-
108・大澤融
○大澤(融)政府委員 今申し上げたように、価格差益の問題だけとして考えておって、ほかとの関連ということは全般を検討した上で考えたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/108
-
109・安井吉典
○安井委員 輸入原糖の価格は大へん変動が多いので、今はいいが、特別会計でやった場合には逆に上昇をする場合が出てくる、赤字の要因が起きるのではないか、そういうふうな論調もちょっと見るわけであります。その点はどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/109
-
110・大澤融
○大澤(融)政府委員 私どもこれを考えておりますのは、当面の問題としてこういうような処置をとったらどうかという研究をしておるのでありますが、当面でなくて、長い目で見ますならば、国際糖価の変動の大きいものでございますから、上がって、今のようなことをしておると、食管の赤字要因になるというようなことも考えられないじゃないと思いますけれども、そういうことも含めて検討しなければいかぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/110
-
111・安井吉典
○安井委員 何しろ今のところではつかまえどころのない案のようですから、これ以上強く中身に入ってもしょうがないかと思いますが、ただ製糖業者の方からは相当強い反発のかまえが出てきているように、新聞だけの感じでありますけれども見受けるわけであります。あるいはまた輸入業者の方も大へん反対をしておる、そういうような記事も見受けます。それらの批判の中にも、私も興味を持ってずっとながめておりますと、二十七年の統制撤廃以前に逆行する方向にいく制度だとか、あるいはまた自由買付による私企業の妙味を失わしめるやり方だとか、こういうようなことでは政府の委託加工場的になってしまうとか、そういったような批判が出ているようであります。ただそういうふうな批判と同時にこんな記事も出ていますね。今後関係方面との調整などでその具体策は変わる可能性もあろうと成り行きを楽観視する向きもある、とこう書いてあります。どうも農林省は、砂糖の問題ですが、甘く見られているような感じもあります。かつてこれと似たような法案をお出しになって、業界の強い反対で腰折れがしてしまったという例もあるようでありますが、現在自民党案も出ているし、あるいは社会党案も出ているし、こういうような中で、その案をどういうふうに調整してお進めになるわけでございますか、それを一つ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/111
-
112・大澤融
○大澤(融)政府委員 ただいまおっしゃったようないろいろな意味の御批判があると思いますので、そういう御批判にも耳を傾けて考えて、いいものができれば進めたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/112
-
113・安井吉典
○安井委員 新しい甘味資源全体に対するいろいろな検討が進んでいるということでありますが、そういうようなものがまとまって農林省として国会に提出ができる、そういうような時期はいつごろとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/113
-
114・大澤融
○大澤(融)政府委員 先ほど申し上げたような府県ビートの問題もございます。そういうことの結論を得て全般的な対策を講じて参りたい、できるだけ早いことを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/114
-
115・安井吉典
○安井委員 今度の国会中に間に合うというお考えですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/115
-
116・大澤融
○大澤(融)政府委員 総合対策的な制度改正というようなことは、私どもとしては今国会には間に合わないんじゃないか、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/116
-
117・安井吉典
○安井委員 次に、現行法による原料集荷の問題や価格の問題等についてお尋ねをいたしたいと思いますが、三十七年度の原料ビートの集荷区域の決定をめぐりまして、北海道では、いまだい相変わらず紛争が続いておるように聞きます。たとえば飛び地の集荷区域ができたり、少なからず不合理があるようであり、その案を作った道庁に対して農民の不平がぶつかっていっておる、こういうような姿を見るわけであります。この集荷区域の決定は、現行法の第八条の農林大臣の指示の規定によってなされるものと思いますが、この決定の責任は当然農林大臣でありますけれども、この指示権は製造業者に対してなされるわけで、原料生産者であるところの農民の方を拘束することはできないように思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/117
-
118・大澤融
○大澤(融)政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/118
-
119・安井吉典
○安井委員 今度の集荷区域の決定でその一番基礎になるのは、昭和三十七年の生産が全体的にどれくらいになるかという見通しでありますが、どれくらいの面積で、どれくらいの収穫というふうなお見通しでおられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/119
-
120・大澤融
○大澤(融)政府委員 年次別の五カ年計画によりますと、三十七年度は作付面積が五万三千ヘクタールということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/120
-
121・安井吉典
○安井委員 その作付面積は大丈夫確保できるというお見通しでおられますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/121
-
122・大澤融
○大澤(融)政府委員 大体そういうことになろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/122
-
123・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、ことしより約一万ヘクタールふえるわけですね。大丈夫ですか、一万ヘクタールふえることは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/123
-
124・大澤融
○大澤(融)政府委員 会社関係もあるいは道庁関係も非常な御努力をなさっておられるようでありますので、そういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/124
-
125・安井吉典
○安井委員 それだけを確信を持っておられるとすればけっこうでありますが、これは私どもの目から見てもなかなかめんどうではないかと思います。それはもちろんあとで触れる価格の問題その他に非常に大きく関連がある問題でありますが、万一その原料生産が伸びなかった場合、昭和三十七年から二工場一応ふえる形になっておるわけでありますが、ふえなかって場合に二工場のうちの一工場とか、あるいは両工場とか、そういうものが操業できないというふうなことになるおそれはないか。たとい全体的にふえなくとも、必ず二工場作るという態勢でお進みになるか、その点を一つ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/125
-
126・大澤融
○大澤(融)政府委員 御承知のように二工場が目下建設中でございます。どっちの工場からも煙が出るようにということで道庁あるいは業界全部が努力をしておりますので、そういうようなことにならないようにやっていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/126
-
127・安井吉典
○安井委員 ならないようにやっていくということは、秋までの途中において、あるいはそういう悪い事態になるかもしれない。そういうようなことも一応頭に入れてお考えですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/127
-
128・大澤融
○大澤(融)政府委員 計画通りの作付ができ、生産が上がるということを期待しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/128
-
129・安井吉典
○安井委員 そうなりますと、最後になって、ことしの四万三千ヘクタールくらいしか面積は伸びなかったということが、もし明らかになった場合、まあそういうようなことがないことを私も期待するわけでありますが、万一そうなった場合にはどうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/129
-
130・大澤融
○大澤(融)政府委員 三十五年、三十六年は反収も落ちて、三十四年までの非常な伸び方とは打って変わったような形をとっておりますので、そうしたことから、三十七年度も予定通りいかないんじゃないかというような御心配があるのはごもっともだと思いますけれども、特殊な天候というようなことの関係が強く響いたわけでございます。三十七年度においてはそのようなことがないということを私ども期待ができるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/130
-
131・安井吉典
○安井委員 期待をされているわけですが、これも、作付の面積というのは四月中にわかるというわけではありませんけれども、割合早目にわかるわけですね。私がお尋ねをしているのは、もし、そういうことを期待はしておっても、実際上面積がふえなかった場合はどうかということのお尋ねです。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/131
-
132・大澤融
○大澤(融)政府委員 現段階においては、そのようなことのないように、私ども関係者が努力をしなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/132
-
133・安井吉典
○安井委員 集荷区域の指示は、この間一応指示をされたわけでありますが、あれは固定的なものでなしに、今後も手直しが行なわれるわけですか。その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/133
-
134・大澤融
○大澤(融)政府委員 手直しをするような変化は起こらないものだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/134
-
135・安井吉典
○安井委員 それは昭和三十八年以降についてもずっとですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/135
-
136・大澤融
○大澤(融)政府委員 将来についてはそういう必要が起こるという場合がないことはないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/136
-
137・安井吉典
○安井委員 工場の増設よりも先に何よりも原料の増産というものが進められなくてはならないわけです。原料がなければ、工場はあり得る道理はないわけですね。ところが北海道では、御承知のようにあと先見ずの工場増設騒動の中にずっと巻き込まれてしまって、はなはだアブノーマルな姿ができてしまって今日に至っている、こういう状態だと思います。これは長官もお認めになるのではないかと思います。そういうような中で、新年度は二工場ふえ、さらに三十九年度は操業開始予定四工場というようなふうに農林大臣はお進めになっておられるわけであります。この三十九年度の操業開始予定の四工場も、今度の集荷区域の決定で、いわゆる増産担当区域ですか、そういうような形ではっきりと浮き上がってきたという形であります。しかし今のままですと、昭和三十七年度において一万ヘクタールもこれからふえるのだというふうな御期待はされておるけれども、これも価格のきまり工合で非常に心配な状態もあるし、そんなような姿の中から、昭和三十九年度において、はたしてそういうような四工場が新たにふえるというような形がうまくでき上がるかどうかというふうな心配があるわけであります。そのお見通しはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/137
-
138・大澤融
○大澤(融)政府委員 北海道のてん菜の今後の生産計画といいますか、生産見込み、そういうものから考えれば、今申されたような工場が煙を上げるということが可能になると思うのでありますが、そういうふうになり得るように、生産計画、生産見通しの線に沿って私ども努力して参るということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/138
-
139・安井吉典
○安井委員 そのお気持でお進みになるのはけっこうだと思います。ただ、万一うまくいかなかったという場合だけは、これは行政の責任を負っておられる立場で常に腹の中におさめておかなければならないことであろうと思いますが、あの発表によりますと、増産担当区域における生産があまり伸びなかった場合には工場ができないかもしれない。そういうことは覚悟しておきなさい、こういうような書き方も中にはあるわけであります。ですから、あまり伸びなかった場合には工場ができない、そういうようなことも予想はされておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/139
-
140・大澤融
○大澤(融)政府委員 もちろんあの中で申しておりますように、今後のてん菜生産の伸びということも見定めて決定をしなければならない、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/140
-
141・安井吉典
○安井委員 その新設工場が、自分の増産担当区域の中では生産が伸びた、しかしながら既設工場の集荷区域の方は生産が伸びなかったというような場合も予想されるわけですね。そういうような中で、全体的な生産が伸びないで新工場ができたら、既設工場に大きな影響が起こる、こういうようなことも予想されるわけですね。そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/141
-
142・大澤融
○大澤(融)政府委員 生産は全体として伸びるように努力をして、予定通りの成果を上げたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/142
-
143・安井吉典
○安井委員 三十九年度の新設予定工場に対する敷地の転用許可の問題であります。これはいつごろなさるお気持ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/143
-
144・大澤融
○大澤(融)政府委員 これは農地局の所管でございますけれども、ただいまのところ、いつするというようなことを考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/144
-
145・安井吉典
○安井委員 許可をされる場合には、やはり何としても食糧庁等の意見を十分に聞かなくてはならないと思うわけでありますが、そういうことは考えておられるわけですね。食糧庁としての考え方も農地局の許可の中に当然入ってくると思うわけでありますが、この許可の決定の時期というものもだいぶ微妙な問題になってくるだろうと思うのでありますけれども、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/145
-
146・大澤融
○大澤(融)政府委員 単に農地転用ということだけではなくて、工場を実際に作るというような決定は、先ほど来申し上げたようなことを確実に見通してやるというようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/146
-
147・安井吉典
○安井委員 先ほど申されたということは、結局、生産の全体的な伸びだとかいうような事情を見通した上で転用の許可もする、こういうような意味と思うのですが、その通りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/147
-
148・大澤融
○大澤(融)政府委員 そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/148
-
149・安井吉典
○安井委員 四工場のほかにもう一つ東洋精糖を加える。しかもそれは四工場よりも一年早く三十八年にするというようなことが新聞記事に出ておりましたが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/149
-
150・大澤融
○大澤(融)政府委員 そのようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/150
-
151・安井吉典
○安井委員 工場を作りさえすれば原料なんか自然にできてくるんだといった考え方が——これは食糧庁長官がお持ちだとは言いませんけれども、どこかにあるのではないかと思うのです。そんなような考え方があるような気がいたします。それは工場ができれば生産は幾らかふえるに違いありませんけれども、工場さえできればその工場の付近に六千ヘクタールくらいのビート畑が突如としてでき上がるというものでは決してないわけです。やはり原料の生産ができ、増産ができるその本質的な条件が整わなくては、これは当然ならないわけであります。その条件作りの方をちっともしないで、工場だけを乱立させるというふうな現在の行き方でありますと、これは原料生産農民にとっても、あるいはまた既設、新設を問わず、製糖企業家にとっても決して利益ではないと思うわけです。とりわけ農民の方には、最後的に生産価格が頭打ちになってしまって、伸び悩みというふうなしわ寄せを受けてしまう、こういうようなのが実際の姿だろうと思うのです。先進国の工場では一日の原料処理量は五千トンにいっている。北海道は千五百トンぐらいだ。こういうような状態を改善しなければ、日本のビート工業の前進はないというふうな御報告も、むしろ私ども伺ったわけでありますが、一方にそういうような話がありながら、現実に工場は七工場から九工場になり、十三工場になり、あるいは十四工場になるかもしれない、こういうような事態ではお互いに共倒れになりかねないわけであります。そこで工場設置を、農地の転用許可といったような程度にとどまらず、許可制にしていく、こういうような考え方が、暖地ビートの場合も含めまして、当然政府の中に出てこなくてはならないと思うのですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/151
-
152・大澤融
○大澤(融)政府委員 許可制度にする、しないというようなこととは離れまして、実質的に生産に見合ったような工場の設立ができるということが必要だと思います。すでに北海道は多数の工場がありますし、そうしてただいま御指摘がありましたように、諸外国ではもっと大きな処理をする工場があるというようなことでございますので、ここで許可制度をとるというようなことでなくて、今申されたようなことも含めて考えながら、新しい工場の設定ということも考えていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/152
-
153・安井吉典
○安井委員 今までのやり方が非常に合理的にいっているなら、私は特に申し上げないわけでありますが、今までこんなことなんですから、これから先一体どういうことになるか、わけがわからない。こんなような気がするわけです。特に暖地ビートの問題が出てくると、そのような危惧を一そう深めざるを得ないわけであります。どうでしょう、今度の新しい甘味資源の総合的な立法というふうな中に、許可制というか、認可制というか、そういうようなものを盛り込むお気持はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/153
-
154・大澤融
○大澤(融)政府委員 一つの研究問題だとは思いますけれども、それより先に、今後の甘味資源総合対策の問題を考える場合には、先ほど来申し上げましたような府県のビートをどういうふうに考えるか、どういうふうに持っていくか、生産をどういうふうにやっていくかということが、まず第一の問題だと思います。承認制あるいは許可制というようなことも、もちろん今後の問題を考える場合の重要な検討項目の一つだということは、御指摘の通りだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/154
-
155・安井吉典
○安井委員 最後に価格の問題をお尋ねして終わりたいと思いますが、三十七年産の原料ビートの価格の問題について、私も先般この委員会でお尋ねをしたことがございましたが、決定は大体いつごろになるか、現在どのような段階まできているか、それを一つお話しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/155
-
156・大澤融
○大澤(融)政府委員 御承知のように、生産者最低価格は四月中にきめなければならないということで法律、政令にきめられておりますけれども、私どもとしては、ことしの特殊な事情もございますので、四月末というようなことを待たず、できるだけ早くきめるように、ただいま関係方面といろいろ折衝をし、内部的にも検討を続けている段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/156
-
157・安井吉典
○安井委員 できるだけ早くということは、今月中にはきまりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/157
-
158・大澤融
○大澤(融)政府委員 今月中というようなお約束はなかなかしかねると思いますけれども、できるだけ早くきめたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/158
-
159・安井吉典
○安井委員 北海道も雪が消えて、もう黒い土が見え始めているわけです。特に主産地である十勝や北見などは雪がないのですから、もう四月に入ればすぐ耕期が始まる、こういったような姿になるわけですね。しかも先ほど長官が言われましたように、原料生産を昨年よりも一万ヘクタールも増さなくてはいけないという重大な期待をになったことしの春の耕作であるわけです。それだけに決定は一そう急速さを、要するわけでありますが、生産費所得補償方式あるいはまたパリティ方式というようないろいろな試算が行なわれていると思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/159
-
160・大澤融
○大澤(融)政府委員 いろいろの試算があるようには承っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/160
-
161・安井吉典
○安井委員 承っているということは、食糧庁の中でどういうふうな作業が行なわれているということですか、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/161
-
162・大澤融
○大澤(融)政府委員 中での数字的な作業は、まだここで申し上げる段階には立ち至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/162
-
163・安井吉典
○安井委員 数字的な論議はあとにいたしますが、農民の要求は御承知のように六千七百円でありますが、それに近づけようというふうな御努力はなされているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/163
-
164・大澤融
○大澤(融)政府委員 六千円あるいは六千七百円というふうなお話を承りますが、最も合理的な形できめて参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/164
-
165・安井吉典
○安井委員 この前の質問のときに、農民の方から六千七百円という要求が出ているが、道庁の数字は違いますというふうにたしかお答えがあったはずであります。その数字はあとからきます、今週中にくるでしょうという、これはたしか中西部長の御答弁だったと思うのですが、それはどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/165
-
166・大澤融
○大澤(融)政府委員 内部的な資料として、多少の数字があることは伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/166
-
167・安井吉典
○安井委員 それを資料にして作業されておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/167
-
168・大澤融
○大澤(融)政府委員 そうした動きがあることも重要な一つの材料として、検討の一項目と思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/168
-
169・安井吉典
○安井委員 この場合やはり問題になるのは、今度の引き上げの分をどこに持たせるかという問題であると思います。これは前回の質問のときにもその点いろいろお話を伺ったわけでありますが、その引き上げの分全部を会社に持たせていく方法だとか、あるいはまた標準糖価を改める方法だとか、関税、消費税で操作をするやり方だとか、あるいはまたそれらの方法を混同したやり方だとか、それらの点について、一番有力なものとして考えておられるのはどれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/169
-
170・大澤融
○大澤(融)政府委員 いろいろそういうことを検討の最中でございまして、まだここでどれが最も有力だというようなことは申し上げかねる段階です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/170
-
171・安井吉典
○安井委員 関税、消費税操作の問題は、大蔵省の意向はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/171
-
172・大澤融
○大澤(融)政府委員 今後の応急的な問題としてそういうことも検討しなければならぬと思いますけれども、大蔵省との間というものも、別に話はまだ詰まっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/172
-
173・安井吉典
○安井委員 もっぱら会社側の負担でいくという場合におきまして、これは各社、ことに負担可能性といいますか、そういうようなものが違うんでないかという気がします。たとえばホクレンだとか、日甜だとか、台糖だとか、芝糖だとか、会社ごとにやはり負担能力が違って、ある会社はこの程度まで負担できる、別な会社はとてもそれだけでも負担できない、こういうような問題が、これは当然あると思うのでありますが、そのアンバランスが出た場合に、どういうようなところで結論を出そうというふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/173
-
174・大澤融
○大澤(融)政府委員 会社ごとに考えるというような考え方もあるいはあるかと思いますが、最低価格というようなものを考える場合には、標準的なものを考えるのが至当じゃないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/174
-
175・安井吉典
○安井委員 現在の輸入粗糖の外貨割当量を、てん菜糖の製造業者に、てん菜糖の生産量に応じて割り当てていくとか、そういうような方法で会社の支出力を増していくというような考え方はないわけではないと思うのですが、そういうような検討はされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/175
-
176・大澤融
○大澤(融)政府委員 先ほど来御議論がありましたように、ビート生産をりっぱに育てるというためには、ビート製糖業ということで充実をはかっていくということが大事だと思いますので、ただいま言われたようなことを、私ども考えてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/176
-
177・安井吉典
○安井委員 きょうここで数字をあげて、これではどうだ、あれではどうだというふうな、そういう雰囲気にはどうもなりそうもないようですから、具体的な入り方はいたしませんが、この現在の段階では、私はちょうど農民もそれから工場も、それから農林省も三すくみみたいな形に今あるのではないかというような気がします。価格が従来の段階ではなかなか上がりそうもないし、ことしは思い切って上げてもらえるのかもしれないが、それも未定なので、農民の耕作意欲があまり沸いてこない。農民は一種のすくみを今見せている、そういうようなことであろうと思います。農民の方の面積がふえないというふうな見きわめの上に立てば、工場側が原料あまり集まらないのならば、あまり多くの支出はできないのではないか、そういうふうなすくみ方を工場側もしていると思います。そういうふうな両方のすくみの中において、結局農林省も頭が痛い。こういうようないわば三すくみの状態にあると私は思うわけです。これが改善されて、たとえば価格がぐんと上がって、農民の方に励みができて、面積がふえるとすると、今度は会社側は面積がふえるということが確実になれば、会社の採算的にも有利な状態が現われてくるわけですから、会社も思い切って金を出せるという、そういうようなことに当然なると思う。そういうような見きわめが立てば、農林省の方も思い切って額を計上もできる。そういうような党々めぐりの状態に私はあるというふうな気がするわけです。そういうようなことから思えば、この際思い切ってそのすくみ状態を解決するために、やはり農林省が今ここで原料価格の数字をはじき出すこの段階が、このすくみ状態を解決する一番大きなかぎになると私は思うわけです。そういうような立場から、もっと問題と掘り下げてみますと、相当多額のものを思い切ってお出しになっても、それによって農民の方の生産が伸びるというお見込みが立てば、はっきりそういうふうな約束をすることができれば、これは会社側の方も相当支出ができるのではないか、そういうふうに思うわけです。その辺の事情を頭に入れた上で、農民の側と会社の側と両方に農林省は当たりながら作業を進めていく、こういうようなことが必要ではないかと思うわけですが、その点どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/177
-
178・大澤融
○大澤(融)政府委員 もしそのような状態があるとすれば、三十七年のビートというのは三十五年、三十六年、いわば三十四年までの順調な伸びを示したのに対して、天候等の関係で特殊の条件に置かれて、あのような状態になったというふうなことが考えられます。そうしたようなあとを受けて三十七年のビートはどうしようというようなことを農民の方々が考えられておるとするならば、そういうことを解きほぐすためのいろいろな措置を私どもも業界も、また農民自身も、あるいは道庁の方も考えていろいろのことをやっていかなければならないというふうに考えます。ただしかし生産増強という場合に、この前も申し上げたと思うのでありますが、単に価格だけで解決をするということでは、長い目で見てほんとうの意味のビート策あるいはビート糖業というようなものの健全な発展にならないのではないかというふうに私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/178
-
179・安井吉典
○安井委員 価格だけがすべてではないということは私もわかっておりますし、その点はこの前の質問のときにも繰り返し申し上げたところでありますが、ただ価格以外の刺激要素が生産を増していく、反別を確保していくという、それを刺激する要素は今の段階まできたら価格以外にないのではないですか。今土地改良の予算をこれから大幅に増してやるという約束もおできになるわけはないし、今ここまできた段階においては、価格以外にないわけですよ。そういうような点をやはりお考えをいただかなくてはいけないので、将来において増してやるから、生産対策を非常に力を入れてやってやるからということでは、ことしの面積を増すということにはこれはならないと思うわけです。
そういう点をやはりお考えをいただかなくてはいけないし、それからまた私は先ほど価格の問題についても、相当引き上げることが明らかになればふえるだろうということを申し上げましたけれども、これも時期の問題ですよ。これも時期がおくれれば、幾ら価格を上げたってもうだめだという時期がだんだん近づいてきているということです。額さえ上げればということでなしに、額の問題と、それからそれをおきめになる時期の問題とが、この際非常に重大な問題になってきているということです。何としても昭和二十九年以来八年間の五千二百五十円のくぎづけですから、ここ一両年の間、非常な停滞をしてきている。これももうがまんをし切れなくなった農民的な抵抗の現われです。不耕作同盟だとか、あるいはまた耕作契約を一切しない同盟だとか、こういうようなものがあり、あるいはまた肥料その他の資材も絶対受け取らない、こういうような動きもあるわけです。まきつけの時期がくれば自然に、畑をあけるわけにいかないから結局まくだろう、そうしているうちに何とか落ちつくさというような気持であっては、これは私は大へんだと思うのです。昨年なんか、あるいはまたその前等におきましては、そういうような形がありました。まいてしまってから価格をきめる。だからもう何とも言いようがないというふうな姿に追い込んでしまわれた。そういうようなものが結局その後に対する農政への非常に大きな不信という形に今日なってきているわけです。去年なんかでも、とにかくまけばあとで何か対策を講じてやるからというようなことで、ごまかしてしまわれた。そういうようなものに対する農民の不満感、不信感というものは非常に激しいものがあるようです。ですからこの際一日も早く決定をされるということ、そしてまたその価格は農民の要求に最も近い数字であるべきだということ、こういうようなことを強く要望をする次第でありますが、この点につきまして最後に長官の御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/179
-
180・大澤融
○大澤(融)政府委員 そのような緊迫感を持って対処して参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/180
-
181・野原正勝
○野原委員長 本会議終了後再開することとし、この際休憩いたします。
午後一時十分休憩
————◇—————
午後三時四十二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/181
-
182・野原正勝
○野原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/182
-
183・芳賀貢
○芳賀委員 農林大臣にお伺いしますが、ただいま審議中のてん菜生産振興臨時措置法の一部改正についての問題でありますが、今度の改正は、全く無為無策に単純に一年間現行法を延長するということだけで尽きておるのですが、これでは子供でもやれることであって、たとえば、数年前から府県ビートの問題等も相当関心が高まっておるし、あるいはまた政府においても第二次の調査団をわざわざイタリアにまで派遣したような実情におかれておるのであって、この際やはり延長する場合は、現行法の内容を実情に即するように改める。そうして期限延長をやるということであれば、一応これは筋道は立つわけでありますが、単純延長という全く無策な改正案を出されたことに対して、農林大臣から一応の見解を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/183
-
184・河野一郎
○河野国務大臣 見解を述べろということでございますから申し上げますけれども、無為無策とおっしゃられたのでは見解の述べようがなくなります。頭から無為無策、無為無策と言われると見解を述べたところで仕方がないでしょう。そうでなくて、私たちも御承知の通り何も独走しようという考えはございません。十分皆さんの御意見を承ってやっていくつもりなんでございます。御承知の通り、てん菜につきましては、私、大臣に就任いたしましてから、今一体暖地のビートを日本でやっていらっしゃるが、これで、はたしていけるものかどうかということについて、私も多少の経験がございますから、今やっておるようなことではいかれぬだろう、このままいったらとんでもない失敗をするだろうというふうに考えましたから、イタリアに対して調査団を派遣いたしました。第一回の調査団を派遣いたしましたところが、帰った報告が、だいぶん有望である。日本でもいかれる。ただしそれは今までの日本の考え方ではだめだ。もう少し規模を大きくして、そうしててん菜の生産方法等について改良を加えてやるならばいけそうだという報告を聞きましたので、第二回の調査団を御承知の通り昨年末押し詰まって派遣いたしたわけでございます。その結果、参られた技術者等は、さらに進んでドイツの機械工場等に打ち合わせもしまして、今までのやり方に相当大幅の改良を加えていくならば有望であるという報告を私は受けたのでございます。そこで、さっそく政府におきましては、一年間わが国内あらゆる地区においててん菜の試験栽培を行なって、試験栽培の結果を見た上で基本的に政府の方針をきめようという意味で、すでに御審議をいただきました予算の中に、明年度におけるてん菜栽培の試験の予算を御審議いただいたのでございます。従って、私といたしましては、この一年間の試験の結果を見て、かたがた機械工場設備等についても研究を加え、さらにイタリアの実情等も調べて、そうして国内のてん菜の生産等とにらみ合わせて、明年度において——今申したら明後年になりますか、この冬の予算の編成までに方針をきめて、そうして善処いたしたい、ために一年間の現行法の延長をお願いいたしたということでございまして、決して無為にしておるわけでもなければ、無策でおるわけでもない。なすべきことをいたしておるのでございますから、その点御了承いただくと同時に、今後十分御注意をいただきまして、いやしくもわが国のてん菜政策についての、甘味資源についてのあやまちなきを期していきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/184
-
185・芳賀貢
○芳賀委員 府県ビートを現行法の対象にするかしないかということについては、昨年の秋に、当委員会が府県のビートの生産の事情あるいは設備の実態等に対して国政調査を行なうことにして、調査団が派遣されたわけであります。われわれもその一員に加わってつぶさに実情の調査を行なったわけでありますが、特に現地の府県におけるてん菜生産に従事しておる農民諸君の強い要望は、北海道と同じように内地の栽培するビートについてもぜひ法律の対象にして、そうして将来われわれは安心してその土地における品種の改良であるとか、あるいは生産増強等に努力をしたいという強い要望が述べられたわけです。それと同時に、法律の対象にすることによって長期的な見通しを持って栽倍するてん菜についても、やはりこの制度のもとで最低価格というものが支持されるのであるからして、そういうことになると、何ら制度の対象にならぬという場合と大きく異なるから、ぜひこの対象にするということを実現していただきたい。これは製造業者からの要望ではなくて、生産者側から強い要望をわれわれは受けて、それらのことは、すでに委員会において、調査団の丹羽団長から報告済みの点であります。もちろん立法事項については、これは政府原案がどうあろうと、立法府において必要と認める場合においては、この改正の機会に、内地の府県ビートを対象にするという修正あるいは改正を行なうことは当然でき得ることであるからして、政府がやる考えがないのを、無理やり政府案を改正すべきであるということをわれわれは強要するという考えはないわけであります。
そこでお尋ねしたい点は、この府県ビートを今回の改正の機会に対象にするということにしたならば、対象にしない場合とどういう変化が三十七年度において生ずるかということについては、すでに当局においても検討済みであると思いますので、法律対象にした場合と、しない場合との差異というものを、要点だけを大臣から述べてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/185
-
186・河野一郎
○河野国務大臣 私は、この委員会においてわれわれの提出いたしました法案を一部修正して政府は実行するようにという御意見がありますことは承っておきます。しかし、ただいま申し上げました通りに、暖地のビートにつきましては、農民の要望のありますことは大へんけっこうでございます。ただし、それが政府におきましては、イタリアその他について勉強いたしました結果、見込みがあるという判断に、幸いにして政府も意見を同じくいたしております。従って、政府はその指導をする予定でおりますから、その指導を本委員会の御意見に従って、なるべく早目にその目的を達するように全力を上げてやって参るということにいたす所存でございます。ただし、今申し上げます通りに、本年試験の結果不幸にして所期の目的が達成できなければ、いかに暖地における農民諸君に御熱意がございましても、失敗をするものを奨励するわけには参りません。ただし御意見がありますから、それについて最善の努力をし、最善の研究を重ねて参りますことはもちろんでございます。暖地ビートについて、一日も早く目的を達成するために努力いたす点につきましては申し上げるまでもないことでございますが、いかんせん、今申し上げております通り、試験も済んでおりません。でございますから、新しい品種もしくは製造の過程等、今やっております暖地ビートの扱いは、皆さん御承知の通り、全面的に改良して参らなければならぬことでございますから、その改良の指導等につきましても万全を期して参りたい所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/186
-
187・芳賀貢
○芳賀委員 次に、この点は食糧庁長官でいいですが、府県ビートを法律の対象にした場合に予想される事態は、現行法によりますと、第一に当該府県の知事ば、現行法の規定に基づいて生産振興計画を策定して、農林大臣の承認を受けるということになるわけです。それが第一の段階です。それから政府が法律の定めに従って毎年四月末日までに原料については最低生産者価格というものを決定して告示しなければならぬ、従って現在までは北海道産のてん菜だけが対象になったわけでありますが、当然今度は府県において生産される原料のてん菜もその価格の適用を受けるということになるわけです。第三の点といたしましては、この生産計画、あるいは政府が決定した原料価格に基づいて、製造業者がその原料を買い入れて砂糖の生産を行なった、その生産された砂糖についてば政府が買い入れすることができる、こういうことになるわけでありますが、これを三十七年度の現実に適用する場合、推定される工場は岡山、大分、青森県における三工場であると思いますが、法律の対象になったということで、今後、たとえば府県における初夏まきのビートとか、あるいは秋まきのビート等の生産が従来よりも刺激されるということは明瞭であります。そういう点を考慮に入れた場合、一体三十七年度における作付面積がどういうような実情になるかという点と、それを原料にしててん菜糖を製造した場合においては、どの程度の産糖量が期待できるかという点、それらの諸点について長官から説明を願いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/187
-
188・大澤融
○大澤(融)政府委員 御承知のようにてん菜生産振興臨時措置法の三条で、都道府県知事は、生産振興計画を立てまして農林大臣の承認を受けるということになっておるわけでありますが、これをやります場合は、やはり一つの工場に、企業採算ベースに乗るような数量が集まるような大きさでてん菜が植えつけられるということを当然期待しておりますので、「省令で定める数量以上の」ものについてということが法律にもございます。ただいまのところは北海道だけを対象にしておるわけでありますけれども、省令で七万何がしという数字をきめております。従いまして、大体そのくらい程度以上の生産計画ができるというようなところで、そういうものを立てていただくことになりますので、先ほど来御議論をいただいております府県ビートは、まだとてもそこまでいっておりませんので、生産振興計画を立てていただいて農林大臣が承認をするというような段階には三十七年度におきましてはならないだろう、こう思います。また砂糖の生産は大体二万トン程度のものが見込まれるのじゃないか、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/188
-
189・芳賀貢
○芳賀委員 そこで今お話のあった生産計画を立てる場合の一応最低の生産数量七万トンといったが、これは都道府県単位に生産計画を立てる場合に、最低七万トンの生産というものは府県の場合にはここ数ヵ年間は絶対に期待することができないのですよ。そこを実情に合致するように判断しないといけないという点は先ほど言った通りです。問題は、工場が建設され、その工場に集荷される原料の数量がたとえば幾ばくであるか、岡山の工場の場合にはどのくらいの数量が集荷されるか、あるいは大分の場合にはどうであるとか、あるいは青森の場合にはどうであるとかいうことを考えに入れて、その場合の工場の原料の集荷数量が、たとえば最低七万トンでなければいけないとか、八万トンに達しなければいけないということであればこれは話はわかりますね。単純に、一府県当たり七万トンをこえなければ、生産計画を認めるわけにいかぬというような、そういう現実から全く遊離した議論を担当者の長官が唱えるようでは、これはやはり大臣と同じように、全く府県ビートに対しては熱意がないということになるわけですが、この点は何も法律に七万トンとか八万トンということを書いておるわけじゃないのですから、法律の延長とか改正の機会に、われわれが時宜に適した法律運用上の一つの方針というものを示しますから、それに基づいて適切にやってもらえばいいと実は考えるわけです。
その次に農林大臣にお尋ねしたい点は、昭和三十七年度における、まだ法律改正が行なわれておりませんが、北海道における原料の最低価格というものを農林大臣がおきめになって、これを四月末までに告示しなければならぬということになっておりますが、一体政府におかれては、三十七年度のてん菜の最低生産者価格というものを、どのような額にきめようという努力をされておるか。その方針と作業の内容について、これは大臣から御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/189
-
190・河野一郎
○河野国務大臣 生産者が十分生産意欲を持って増産のできる面を考慮しつつ、工場においてそのビートを処理いたしまして、採算の合うという両面からにらみ合わして、適切な価格を指示いたしたいと考え、せっかく努力いたしておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/190
-
191・芳賀貢
○芳賀委員 もう少し内容に立ち入るわけですが、たとえば昨年の昭和三十六年度の場合には、政府の告示価格は一トン当たり五千二百五十円であります。これに対しましては生産者側から非常に強い不満が出まして、結局昨年末において食糧庁が中心になって、この告示価格に対してさらに実質的に一トン当たり二百円の原料に対する支出を製造業者に行なうべきであるという価格指示を、当時の安田食糧庁長官が製造業者に指示を行ないまして、これが実行されたわけです。従ってその結果は、三十六年における原料の生産者の手取り価格というものは、結局告示価格の五千二百五十円と、さらにトン当たり追加されました二百円を加算しますと、結局は五千四百五十円というのが農家の生産者手取り価格ということになるわけです。しかも昨年の実情は、製造歩どまりにおいては、平年度の歩どまりよりも約一%程度歩どまり率が低下しておる。従って平年時に比べると、企業採算上は非常に悪条件の年でありますけれども、あえて農林省の指導によって原料価格が実際は二百円引き上がったということになるわけです。さらにこれに関連して農林省においては、三十七年度の告示価格については、少なくとも一月中に価格を決定して発表するようにする、しかもその価格の内容については、現在の原料価格が八年間の据え置きで非常に安過ぎるという欠陥を大きく補正して、悪の場合でも一トン当たり六千円をこえる価格で決定して発表したいということが約束として述べられておるわけです。従って、今大臣の言われた鋭意努力中というその内容は、こういう諸点を前提にして、到達目標というものは最低の場合であっても必ず六千円を下らない、上回るというふうにわれわれは理解して差しつかえないかどうか、その点に対して大臣からお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/191
-
192・河野一郎
○河野国務大臣 指示価格はなるべく早い方がよろしいと考えて急いでおりますることば事実でございます。しかし一面物価等の変動もいろいろある際でございますから、計算もなるべく正確を期する必要があるという意味において、慎重な態度をとっておりますことも事実でございます。ただし今お話しのように、トン当たり六千円云々ということを口走った者が農林省関係にあるとは私は考えません。私自身そういうことを聞いたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/192
-
193・芳賀貢
○芳賀委員 ここであえて人物の名前をあげる考えはないのですが、それなら率直にお尋ねします。現在農林省において試算されておる内容は、総額においては六千円に達する、その内訳においては、告示価格についてはトン当たり五千四百工十円にする、それから三十四年、五年の両年度から輸入砂糖の超過利潤を十八億円、甘味資源振興資金管理会に寄付させることに農林大臣が指導して、管理会がすでに発足したと思いますが、この十八億が三十七年度に全部寄付されるわけじゃないわけですが、その管理会がその取り扱う超過利潤のうちから、たとえば二百五十円をてん菜糖の原料価格の方に回す、これで合わして五千七百円ということになるわけです。残余の三百円については、これは製造業者に対する適宜な措置等を講じて、自主的に奨励、施設とかいろいろな名目で、名目はどうであっても、内容的には農家の手取りになるよう加算して、この三つの総計をした場合には、手取りとして一トン当たり六千円に達する、こういう方針で現在作業を進めているというふうに私たちは承知しているわけですが、これは全く的はずれか、大体そうだということであるか、大臣はこれはどう考えておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/193
-
194・河野一郎
○河野国務大臣 私はただいままでお答えした通りでございまして、ただいまのはどういうお話かよく理解できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/194
-
195・芳賀貢
○芳賀委員 それじゃまだ大臣の手元まで届かない、その先端の事務局の作業の段階ですか、長官にお尋します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/195
-
196・大澤融
○大澤(融)政府委員 いろいろ検討しておりますけれども、まだ内容的に申し上げる段階に立ち至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/196
-
197・芳賀貢
○芳賀委員 ただ私の言ったことは、これは事実無根の的はずれかどうかぐらいのことは答弁できるじゃないか、その点も率直に言って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/197
-
198・河野一郎
○河野国務大臣 今お話のあったような考え方も、今承って、なるほどなと私は感心をしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/198
-
199・芳賀貢
○芳賀委員 これは事務当局、長官の方から答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/199
-
200・河野一郎
○河野国務大臣 私は農林行政の全般の責任を持っておりますから長官からでなく、長官がどういう案を承っておりましても、決定は私がいたすのであります。私が不同意のものは外に出るわけがないのであります。お聞きになってもこれは価値がありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/200
-
201・芳賀貢
○芳賀委員 そうでもないですよ。最南の権威者の農林大臣の話であっても、いろいろな構想はあなたの責任で打ち出すが、それが大部分実らない場合が多い。それを事務当局に聞くと、それは単に大臣の個人的な構想ではありませんかということで、事務当局はそれを否定してしまうわけです。午前中のこの問題についての安井委員からの質問についても、たとえば先日あなたが発表された輸入粗糖に対する超過利潤の吸収を目途として、いわゆる国が輸入粗糖の買い入れを行ない、そして製造業者に対しましては、政府が買い入れた輸入粗糖の売り渡しを行なう。われわれとしては、これはおおむね賛成できる構想でありますがこれらの点についても、なるほど河野さんも進歩的なことを考えているなあと善意にわれわれが理解して、ある程度の賛意を示そうとすると、今度は政府部内において、いや、そういうことはけしからぬとか、あるいは業界の方からは河野構想は全面的に反対であるとか、あなたがいいことを考えると、政府部内や業界から反対が起きる、こういう点は非常にわれわれが考えても残念な点です。ですから今言われた通り、あなたが知らないことであっても、事務当局が考えている点については、責任を持つとかそれを容認するということであるならば、もう少し詳しくことしの原料価格については何千円を目途に作業をやらしているとか、自分はこう思うとか、その一応の大筋だけは当委員会にお示しになっても差しつかえないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/201
-
202・河野一郎
○河野国務大臣 私ははなはだ異なことを承りました。私は、いやしくも一国の大臣として責任を持って発表したことにつきましては、一切の責任を私は負います。いやしくも、たとえば粗糖の輸入等の利益を吸収する、これを一体、今何か知らぬが、わけがわからず、お前言っただけじゃないかとおっしゃいますけれども、断じてそうじゃございません。現にきょうの閣議におきましても、この法案はできる限りすみやかに成案を得て、今国会に除外例として、本日までに法案をまとめるということになっておりますけれども、閣議において、除外例を設け、そうして間に合う限り国会にこの法案を出したいということを、閣議の了解を得ております。決して今申されるようにいいかげんな、行き当たりばったりのことを申したような覚えは、断じてございません。他のことにつきましても、いやしくも私は大臣就任以来、私の発言したことにつきましては、たとえば米の問題のように、だれが考えても反対が相当ある、これは慎重に扱うべきだということにつきましては、その経緯を明らかにして、やめる問題はやめます。そうでなしに、私は、一ぺん発言した問題について、やみからやみにゆえなくそれが消えるというようなことは断じていたしません。この点はさよう御承知いただきたい。責任を持っていたします。また事務当局においてみだりに発言しても、そういうものは、事務当局の案なんというものはあるわけがないのです。私が自分で了承せぬものは、外へ出しても何の価値もありません。明確にこの委員会を通じて、私はこの見解を明らかにしておきます。
今の点につきましては、大体幾らくらいで示して作業をさせる、そういうことはいたしません。積み上げ、そうしてこれが適当であるかどうかという判断は私がいたしますが、私から六千円くらいに、そろばんの合うように作ってこいというような無責任なことをいたそうとは考えておりません。先ほど来申し上げたように、両方から考え、経済状況等も勘案いたしまして、最終の案を出せ、こういうことを指示いたしておりますから、その指示通りに作業をしておるものと考えます。まだその報告を聞く段階に至っていないということでございます。たまたま今お話がございましたから、なるほどうまいことを考えられるものだなということを申し上げたのでございまして、今お話しのように、お前いいかげんなことばかりしゃべるじゃないか——いいかげんなことがあったら一つ例をあげて御指摘願いたい。断じて私はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/202
-
203・芳賀貢
○芳賀委員 河野構想であるところの輸入粗糖の政府買い入れの構想が本日の閣議においておおむね了承されたということは、これは御同慶にたえないところであります。先日までは、通産大臣がこれに対しては非常に批判を行なっておったということを、われわれは新聞等において承知しておるが、あなたの説得が効を奏して、一番砂糖行政のガンとも言われた輸入粗糖の取り扱い問題について一歩前進した構想が実現できる緒についたということは、われわれは今後十分それが法制化されて、国会に提案されることを大いに期待しておきます。もしこれがまた途中で挫折するようなことがあると、今の大臣の発言というものは相当権威を失うということは、これは言うまでもない点であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/203
-
204・河野一郎
○河野国務大臣 ただいまも申し上げました通りに、きょうの閣議におきましては、成案を得て、間に合えばこの国会に出すようにするから除外例を要求して、その除外例を閣議の了承を得た。ただし、この法案につきましては、芳賀さんも御承知と思いますが、わが党におきましてはさらに進んだ甘味資源対策の案を党の方で一部作っていらっしゃいます。これとの調整をどうするかという問題が残っております。政党内閣でございますから、大臣において発案いたしましても、党の方との調整をして、いずれにしてもその調整したものをこの国会に出したい、こういう所存でせっかく党と調整をいたしておりますから、すみやかにその法案が出る——案が出たときは一つ一日で委員会が済んで、間に合うように、社会党の方からもあまりおっしゃらぬようにしていただければ大へんしあわせでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/204
-
205・芳賀貢
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、予算委員会の第三分科会において砂糖問題の質疑を行ないました際に、私から資料の要求を行ないまして、昭和三十七年の原料価格、これはいわゆる最低生産者価格でありますが、原料価格を六千円に設定した場合ですね。この六千円の原料を製造会社が買い入れて、現在政府が行政的に定めておる工場における標準糖価であるところの一ピクル当たり五千三百十四円、この標準糖価をくずさないで原料価格六千円を消化できるかどうか、できるとすればどういうような操業の内容においてこれが消化できるか、あるいは消化できるとしても、全部の工場が消化できるとは限らないので、その場合、既設の工場の中で、これを消化できる工場が実績に照らした場合にあるかないか、こういう点に対して資料の要求をしたわけでありますが、これは今年度の原料価格をきめる場合に非常に大事な点でありますから、この点に対して直接農林大臣からお示しになればいいわけですが、もし内容的に明らかでない場合には、これは大臣から長官に命じて答えさせてもらいたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/205
-
206・大澤融
○大澤(融)政府委員 予算の分科会で御要求がありました資料、工場別にどうなるかということをなかなか判定しにくいので、二月二十八日でございますけれども、六千円に引き上げた場合に、工場採算の試算として、製品キログラム当たりどのくらい上昇するだろうかという資料はお出しして、ごらんをいただいたと思いますが、原料てん菜糖トン当たり六千円とした場合は、今までの工場採算の原価計算におきましては、製品キログラム当たり約五円余り上昇するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/206
-
207・芳賀貢
○芳賀委員 それは上げちゃいかぬじゃないですか。工場の標準糖価が上がれば、販売の標準糖価というものは当然影響を受けるでしょう。キロ当たり百二十一円六十七銭というのは、これはてん菜糖並びに輸入精製糖を通じての国内における卸売価格の標準価格でしょう。これを維持するために政府が行政的に、あるいは輸入粗糖の外貨割当の措置であるとか、あるいはてん菜糖やカンショ糖や国産糖の育成措置であるとか講ずる柱になっているでしょう。それからそれに見合うものが、工場におけるいわゆる標準糖価のキロ当たりにすれば八十八円何がしということになる。工場の標準糖価は、これはピクル当たりになっているのですから、五千三百十四円、これが一斤当たり五十三円十四銭の標準価格が五円高くなるということになれば、卸売の標準糖価というものはまた五円狂ってくる。そうなりますということを聞いたのではないですよ。標準糖価をくずさないで、国民にこれ以上砂糖価格で負担をかけないようにということを大原則にして、いわゆる標準糖価はくずさない。しかし不当に安い現行の原料価格は是正する必要があるからして、最低これを六千円に引き上げた場合、一体企業の中でこれが吸収できるかどうか、実現性がなければないでいいし、こうやれば可能性があるとかないとか、この工場に対しては可能性があるとかいうことを内容的に具体的にここで述べてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/207
-
208・大澤融
○大澤(融)政府委員 ただいま申し上げました数字は、原料の価格の値上がりが、その他の条件がみな同じならばこういうふうにいくであろうということを申し上げたのでありまして、工場自体としてはいろいろ合理化の面もあろうと思います。従いまして先ほど大臣が言われたように、三十七年度のてん菜の価格をきめます場合に、農民にも納得いかれる、あるいは工場の方の吸収も可能だというようなことを考えて価格をきめなければいかぬと思いますが、その際にそうしたことをいろいろ検討してやって参りたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/208
-
209・芳賀貢
○芳賀委員 そうじゃなくて、予算の分科会で要求した資料に基づいたその問題点を、ここで答弁の形で明らかにしてもらいたいということを今言っておるのですよ。これから考えるなんということじゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/209
-
210・河野一郎
○河野国務大臣 会社が経営していますその内容に立ち入って、ビート工場の採算はこれこれである、ここから利益が持ってこれるかどうか、こういうことだと思うのです。輸入糖においてもうかるから、そのもうけの方からこっちの方に入れたらそれでいけるか、いけぬか、こういうことをおっしゃっているのじゃないかと思いますが、それで間違っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/210
-
211・芳賀貢
○芳賀委員 それも含めてです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/211
-
212・河野一郎
○河野国務大臣 そんなめんどうなことを、一体個人の会社の内容に立ち入って大臣が考えてみるなんというのは、ちょっと無理じゃないでしょうか。原糖の輸入は今安い、将来高くなるかもしれぬ、年内にもどういうふうに動いていくかわからぬものを考慮に置いて、いやしくも一国の大臣が、これはこのくらいだろう、そうすればこういうふうに吸収して、この利益をこっちに回せばこういうふうにいけるだろうということを勘案して、そしてビートの価格をきめて、いいだろうか、悪いだろうか、そこまで考えてやるということは、少し無理じゃないか。私はそこまで考えるということは考えられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/212
-
213・芳賀貢
○芳賀委員 いや、大臣がそれならそれでいいです。ただ現在の法律によると、現在生きている法律はこういうことを命じておるのです。その当該砂糖年において生産された原料については、政府が告示価格を決定する。製造業者はその告示価格に基づいて原料を購入して、砂糖の生産を行なう。生産された結果については、製造業者は必ず期日までに報告をしなければならぬ。その場合の報告の内容は、どれだけの原料を購入して、その結果は歩どまりがどれだけであったとか、ロスがどれだけであったとか、人件費がどれだけであったとか、そういう細密な報告を行なうことになるわけです。その行なわれた報告、いわゆる製造原価というものを政府が把握して、必要な場合には、その報告された内容が妥当であれば、その価格で政府が製品の買い入れを行なうということになっておるのです。わからぬということはないわけです。今まで数年間その方式に基づいて、法律の定めに基づいて製品の買い入れを行なっておる。だから、大臣がわからぬということは、あなたが十年間運営された現在の法律を知らないということになるわけであって、そういうことを大臣に知らせない事務当局もどうかしておると思う。何も無理は言ってないですよ。だから実績に基づけばということを言っておるじゃないですか。だから、三十六年度の製糖作業というものは終わって、もちろん報告があったでしょう。それに基づいた場合は、私の手元に達した資料によると、歩どまりについては、現在の標準糖価の歩どまりは一三%であるが、異例な年を除いて、通常の歩どまり率にすれば一四%程度で行なっておる工場もあるので、これを採用することも、全部に当てはまらぬけれども、一部可能である。ロスについても、現在までは三・五%を許容しておったが、これも実情は二・五%を下回っておるような現状であるので、これも是正することができる。これらの歩どまりの引き上げとか、ロスの引き下げというものは、これはコストから見ると、いわゆるコスト引き下げのプラス要素になるわけです。しかし、最近の事情は、原料の輸送とか砂糖の輸送等については、公共料金の値上げ等もあって大体一五%の運賃の値上がりが行なわれておる。あるいは賃金の引上げも行なわれておる。これらはやはりコスト上から見ればマイナスの要素になるわけです。これらを勘案した場合、たとえば一工場当たりの原料所要価格については、具体的に中斜里の工場を例にとれば、十八万トンないし二十万トンの原料処理をしておる、これが一四%の歩どまりであるという場合には、この中斜里工場は、原料を六千円に買い入れても操業ができるという結果が出ておるじゃないか。日甜については、納付金対象の三工場分については、少なくもその標準の所要原料である十五万トンないし十六万トンを与えることができるならば、現在のキロ六円の納付金を免除する形をとれば、何とか当分の間六千円の原料を消化することができる。芝浦精糖については、企業内容は非常にいいけれども、設備費が二十六億も八億もかかっておるから、これは一応六千円の吸収はできないようである。台糖に対しては、これは全く赤字になるからして、採用することができない。こういうことが、先般お出しになった資料をわれわれが検討した場合にも、おおよそわかるわけです。だから、ある工場については六千円で原料が買える、ある工場については、キロ六円の納付金をなくすることにすれば、六千円が可能であるという線も出てくるわけです。ですからわれわれば、当然標準糖価の内容についても、その形成された価格要素を現実に即応するように是正することによって、相当原料価格を引き上げる余地というものは、百パーセントではないけれども、企業の内容や努力の中で解決できる問題もあるのじゃないか、それ以外の面については、標準糖価を維持するとすれば、それ以外の立法措置あるいは行政措置によって、実際に農家の手取りが六千円あるいは六千五百円になるようにしなければ、現行法の運用だけで六千円以上の価格をきめるということは不可能であると思うのです。質問の内容があまり詳し過ぎたかもしれぬが、こういう点を明らかにしなければ、農林大臣もなかなかわからないわけですね。これだけの材料を提供すれば的確な答弁ができると思いますが、農林大臣のお考えを聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/213
-
214・大澤融
○大澤(融)政府委員 ただいまおっしゃられたようなことがあるわけです。しかしどこの工場は六千円でできるであろうかというようなことの判断は、いろいろむずかしい問題がありまして、人によって検討の仕方が違うというようなこともありましょうし、政府がこうだというようなことで資料をお出しするということは、なかなかむずかしいと思います。私ども価格を検討する、工場でどのくらい吸収できるだろうかというようなことの検討のためには、今おっしゃったようなことを確かにやって、おおよその見当をつけていく、正確な見当をつけていくということは必要だろうと思いますけれども、おっしゃられたように、これはこうなんだということの資料を出すというようなことは、いろいろ誤解を招くことですし、先般お出しした資料で私どもの気持をお読み取りいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/214
-
215・芳賀貢
○芳賀委員 次に大臣にお尋ねしたい点は、もしも原料が妥当な線に引き上げられて告示される、そういう場合に、改定された価格によって原料の買い入れが行なわれ、製造が行なわれるわけですが、それが一つの原因となって、どうしても標準糖価を維持できない場合、あるいはまた大胆の承認によって生産に合致しない工場の建設が行なわれて、操業が行なわれ、それが原因となってコストが非常に高くなって標準糖価を維持できないという、この二様の場合の原因に基づく標準糖価の維持因難という場合は、当然現行法によっててん菜糖の政府買い入れの発動が行なわれるというふうにわれわれは常識的に解釈しておるわけですが、これに対してはどのように判断されておりますか。これは大事な点ですから、大臣から直接答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/215
-
216・大澤融
○大澤(融)政府委員 芳賀先生の御質問の意味を、あるいは私、多少取り違え点があるかとも思いますが、御承知のように、この法律で買います場合は無条件に買うということじゃなくて、特に必要があると認めるときに買い出動するということでございまして、今までは、工場ができたてであって、なかなか採算ベースに乗らないというようなときに政府がきめる最低生産者価格で買い取ったものを、できてきた砂糖価格というような措置をとっておりますので、今後もそうしたやり方には変わりばないだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/216
-
217・野原正勝
○野原委員長 芳賀君に申し上げます。大臣の時間がございませんので簡略に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/217
-
218・芳賀貢
○芳賀委員 それでは一点だけ大臣にお尋ねしておきますが、現在の輸入粗糖の割当は、これは行政措置でやっておるわけですから、農林大臣の権限で現在のような精製糖の各会社別の割当方式というものを定めて、それによって運営していると思いますが、その点は農林大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/218
-
219・河野一郎
○河野国務大臣 現行の割当はただいまおっしゃった通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/219
-
220・芳賀貢
○芳賀委員 じゃその農林大臣の考えによってどうでもなるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/220
-
221・河野一郎
○河野政府委員 農林大臣の考えによってどうでもならないことはないかもしれませんが、ならしてはいかぬものだと思っております。行政の慣習というものがございまして、行政の慣習はみだりに変更すべきものじゃないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/221
-
222・芳賀貢
○芳賀委員 それでは、もう時間がありませんから、これは資料としてお願いしますが、現在農林省が大臣の権限で採用している輸入粗糖の割当基準ですね、たとえば精糖工業会に加入している十七社については、十七社分を一〇〇%とした場合に、各社別に何%ずつの割当基準になっているかということですね。工業会以外の協会とか中小メーカー等について一定の基準というものがあって、それを農林大臣が定めたその基準によって輸入外貨の発券が行なわれておるわけですからして、これはやはり大臣も検討した結果、弊害があるからこれは輸入糖は政府買い入れが妥当であるという結論を出したと思うし、われわれもここに問題があると思いますので、これを資料としてお出し願って、国会においても十分検討してみたいと思うので、これを委員長から要求していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/222
-
223・河野一郎
○河野国務大臣 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/223
-
224・野原正勝
○野原委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/224
-
225・野原正勝
○野原委員長 この際、丹羽兵助君外二名より三派共同提案にかかる修正案が提出されております。
—————————————
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/225
-
226・野原正勝
○野原委員長 趣旨弁明を許します。丹羽兵助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/226
-
227・丹羽兵助
○丹羽(兵)委員 私は、ただいま審議されておりまするてん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同による修正案を提案いたしたいと思います。
まず、その修正案について朗読いたします。
てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
てん菜生産振興臨時措置法附則第二項の改正に関する部分の前に次のように加える。
第一条中「寒地における」を削る。
第四条第二項中「生産される年(以下「生産年」という。)の四月末日」を「は種される年(以下「は種年」という。)のは種期前の政令で定める期日」に改める。
第五条第一項中「当該生産年において」を「当該は種年においては種されるてん菜につき」に改め、「買い入れた」の下に「当該は種年におけるは種に係る」を加え、同条第三項中「生産年の四月末日」を「は種年のは種期前の政令で定める期日」に改める。
第六条第一項中「生産年におけるてん菜につき定められる」を削り、同条第三項中「生産年の十月末日」を「は種年又はその翌年の政令で走める期日」に改める。
てん菜生産振興臨時措置法附則第二項の改正に関する部分中「改める。」を「改め、同項に次のただし書を加える。」に改め、同項の改正に関する部分の次に次のように加える。
ただし、昭和三十七年九月一日から同年十二月三十一日までの間には種されるてん菜を原料として製造されるてん菜糖に関しては、この法律は、昭和三十八年四月一日以後も、なおその効力を有する。以上であります。
修正提案の要旨をきわめて簡単に御説明申し上げます。
ただいままでにいろいろ審議され、御答弁もあり、特に政府は前々より甘味資源の国内自給度をも高める、これは政府の方針としておられますし、いろいろと大臣並びに政府委員からの御説明もございましたが、質問に聞いておりますると、どうしてもただいま私が読み上げましたような点を修正しなくては将来における自給度を高めていくことは不可能と思われるのであります。そういう意味からして、修正案の要点は三つに分かれておりますが、第一は、現行法は寒地において生産されるてん菜のみを対象としているが、府県で生産されるいわゆる暖地てん菜も本法の対象に加えることとしたのであります。
第二点は、府県産てん菜を本法の対象とすることに伴い、現行法中の生産年をは種年に改めることにしたのであります。
第三点は、秋まきビートいわゆる九月、十月にまきまするビートは、本法が失効した五月ごろに砂糖になるので、それを三十八年の四月一日までというような救済規定を設けたような次第であります。
国内の甘味資源自給度を高めていく意味から考えまして、こうしなくてはならないので修正をいたしたいと思います。満場の御賛成を願います。
以上をもつて提案理由の説明にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/227
-
228・野原正勝
○野原委員長 ただいまの修正案につきまして、別に質疑もないようでありますので、これより政府原案並びに修正案を一括して討論に付します。
別に討論の申し出もないようでありますので、これより直ちに採決に入ります。
まず丹羽兵助君外二名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/228
-
229・野原正勝
○野原委員長 起立総員。よって、修正案は可決いたしました。次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/229
-
230・野原正勝
○野原委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/230
-
231・野原正勝
○野原委員長 この際田口長治郎君より本案に附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。
趣旨説明を許します。田口長治郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/231
-
232・田口長治郎
○田口(長)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議決になりましたてん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、附帯決議を付するとの動議を提出いたしたいと思います。まず案文を朗読たします。
てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
政府は、この法律の施行に当つて、次の各項について遺憾なく措置すること。
一、昭和三十七年産てん菜の最低生産者価格を速かに決定し、これを告示すること。
二、てん菜の最低生産者価格の決定にあたっては、最近において賃金、物価等が上昇している等の現情にかんがみ、農家手取が実情に即するよう充分の配慮をもつて措置すること。
三、てん菜最低生産者価格の引上げに伴い、てん菜糖の製造原価に影響が及ぶときは、政府買入等必要な措置を検討すること。
右決議する。
まずこの第一の問題は、法律では四月末日ということになっておりますが、この価格の決定は次年度の生産に関係することでございますから、でき得れば肥料等の買い入れ以前に決定するのがあたりまえでございますが、今年非常におくれておりますから、これはすみやかに決定して告示をしなければならぬと思います。それから第二の問題といたしましては、価格が八カ年据置になっておる、こういうような実情もございます。また最近賃金、物価等が非常に上昇しておりますから、この状態に即応したような農家手取りの金額でなければいけない、こういうことを処置されたい。
第三には、このてん菜最低生産者価格の引き上げが、糖価の安定価格の関係もありまして、この価格が引き上げられると当然にてん菜糖の製造原価に影響が及ぶと思うのでございますから、この点につきましても、政府は買い入れその他の方法によりまして適当に処置すべきものと思うのでございます。
非常に簡単でありますけれども、以上をもって説明といたします。どうか御賛同をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/232
-
233・野原正勝
○野原委員長 採決いたします。
田口長治郎君の動議に賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/233
-
234・野原正勝
○野原委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付するに決しました。
この際、政府の所見を求めます。中馬農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/234
-
235・中馬辰猪
○中馬政府委員 ただいまの附帯決議に対しましては、十分にこれを尊重して検討いたしたいと好じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/235
-
236・野原正勝
○野原委員長 なお、本案議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと好じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/236
-
237・野原正勝
○野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
明日は午前十時より本委員会を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十六分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02419620327/237
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。