1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十七年三月二十二日(木曜日)
午前十時三十八分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 村松 久義君
理事
天埜 良吉君
金丸 冨夫君
谷口 慶吉君
大倉 精一君
委員
江藤 智君
重宗 雄三君
鳥畠徳次郎君
平島 敏夫君
松浦 清一君
加賀山之雄君
国務大臣
運輸大臣 斎藤 昇君
政府委員
運輸大臣官房長 広瀬 真一君
運輸省海運局長 辻 章男君
運輸省船員局長 若狭 得治君
運輸省港湾局長 坂本 信雄君
運輸省鉄道
監督局長 岡本 悟君
運輸省自
動車局長 木村 睦男君
運輸省観光局長 梶本 保邦君
事務局側
常任委員
会専門員 古谷 善亮君
—————————————
本日の会議に付した案件
○船舶職員法の一部を改正する法律案
(第三十九回国会内閣提出)(継続審
査案件)
○日本観光協会法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
(港湾に関する件)
(都市交通に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/0
-
001・村松久義
○委員長(村松久義君) ただいまより委員会を開会いたします。
まず、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/1
-
002・松浦清一
○松浦清一君 海運の経営基盤の強化をはかっていきまする問題に関連をして、ちょっとお伺いしたいのですが、この間、運輸大臣がこの席を去られて、あとで大倉委員のほうから若干の御質問がございましたが、きょうの新聞によりますと、日本、アメリカ、オーストラリア等の太平洋を取り巻く主要国の港湾労働者で組織しておる全太平洋アジア港湾労働者連絡委員会というのが、日本の港湾労働法の制定運動を支援するため、二十七日を中心に日本船の荷役をボイコットするということを決定したということが報道されておるのです。しかもハワイの国際沖仲仕倉庫労組支部では、すでに二十日から日本船の荷役の拒否をやっておる、こういうことが報道されておる。しかもこの運動に対しては、国内の労働組合でも日本検数労組、全海事、自治労、全農林、全税関等の十二単産で組織しておる港湾共闘会議がこれに対して支援をする、そういうことになっておるのですね。これは日本船舶の稼働率に非常に大きな影響を及ぼすんじゃないかということを心配するのですが、大臣が把握しておられまする現状と、これに対する対策についての御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/2
-
003・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、新聞等でそういう情報をお聞きしておるわけでございますが、しかしながら、外務省筋を通じて情報キャッチをしたいと、かように考えておるのでありますが、そのほうからもまだ的確な通報がございません。また国内におきましても、御承知のように賃上げにからむ争議も行なわれておりますことは知っておりますが、今の点を特に取り上げて、いわゆる政治的ストという形におきましてはまだ私のほうにあまり触れてこないのであります。関係業者あるいは海運業者等からもまだ何の話も聞きません。したがって、できるだけ詳細な情報をつかみたい、かように考えておりますが、今そういう状態でございます。で、これに対する対策もそういった現状の把握がまだ十分でございません。言われておりますとおりといたしまするならば、諸外国におきましても、何といいますか、日本の労働組合の政治的要求に対して、しかもその政治的要求の政府等に対してまだ何の意思表示もない現状のもとに、そういう政治的ストが、もし伝えられるごとく行なわれるといたしますると、これは正常な、何といいまするか、労働争議と違いまするので、したがって、こういうことは各国政府がどういふうに扱うのか、これも外交筋を通じまして情報を確かめますると同時に、これに対する関係諸国の考え方も問い合わせたい、かように思って関係筋には連絡をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/3
-
004・松浦清一
○松浦清一君 二十七日に二十四時間ストをやるということなんですが、まず実際にこれが行なわれた場合、どういうことになるんですか。それを予想してどうのこうのということを今とやかく言う筋合でないかもしれんけれども、何か対策ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/4
-
005・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 伝えられるごとく、太平洋沿岸の各港湾労務者全部がそういうストに入るのか、その点がはっきりいたしておりません。また日本国内におきましても、必ずしも全部の港湾労務者がストをするようには聞いておりません。いわゆる総評系に属しておりまする団体がもし入るとすれば、いわゆる賃上げストに名をかりてやるのではないだろうかというような気がいたしておる程度でありまして、もしそうだとすれば、日本の国内におきましては若干の支障を来たすであろうと存じます。外国におきましては全部がやるのかやらないのかよくわかりませんので、もし全部の港湾労働者がストをやるとすれば、日本船が二十七日にはどの程度の荷役をやる予定になっているかわかりませんが、その日の荷役はとまると、こう考えなければならぬと思っております。まだ海運業者等からもそれに対する何の措置も、また何の意見もこちらのほうに申し出ておらないという現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/5
-
006・松浦清一
○松浦清一君 これはけさの読売新聞に出ておった記事で、ほかの新聞にも出ているかと思って全部探したが、見当たらなかったのですが、全港湾の組合のほうにハワイから連絡が来たところからすると、二十日から二十七日にかけて、サンフランシスコ、ロスアンゼルスそれからオーストラリアなどの主要港で日本船の荷役を拒否する、それからインドネシア、ニュージーランド、セイロンなどの港湾労働者も支援をするということに決定したということが報道されている。政治ストであるかないか私はわかりませんし、私はこれがいいとか悪いとかいうことをここで議論しようとは思いませんが、そういう対策が——世界的といいますか部分的というかわかりませんが、ここに書いてある規模で実行されるということになれば、日本船の荷役に対する影響はかなり大きいと思う。お前、そういうことをやるのは悪い、悪いと言うばかりでなしに、どうしたらいいかという対策を考えておかないと情報を収集している間に船がとまってしまったということになるのですね。これに対しては今のところ無策というわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/6
-
007・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 今のところは正確な情報をつかみたいということで、労働大臣とも、こういう動きがあるようだ、したがって、労働省としても、それぞれそういった情報を収集されると思うが、これによって対策も必要といたすように考えるから、至急に労働省としてもお考えを承りたいということを数日前に労働大臣に直接会って話をしているわけであります。だいぶ時日が迫って参りましたから、関係業者の意見も聞きまして、必要とあらば対策も立てたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/7
-
008・松浦清一
○松浦清一君 そうすると、労働省の対策も外務省の対策も、目下連絡中であってきまっていないというのが現状というわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/8
-
009・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/9
-
010・松浦清一
○松浦清一君 それをひとつ早急に確かめてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/10
-
011・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) けさからも、そういうように考えて、それぞれ手配をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/11
-
012・松浦清一
○松浦清一君 こういう話をしている間に、どなたかひとつ係の方で、きのう、きょうの労働省の対策、外務省の対策部連絡をしていただきたい。ここで何か議論をしている間に船がとまってしまったというのではたいへんなことになるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/12
-
013・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 御趣旨のようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/13
-
014・松浦清一
○松浦清一君 大臣、この間私があなたに質問をしかけておったのですが、そのときに、日本海運の現状について、今の日本海運の経営基盤が非常に弱体で困っておるという実情を話したのです。大まかにいって三千億の借金をしょい込んでおる。二百五十億なりの年額利子を払わなければならぬ。五百億円の償却不足がある。七百億円の元本の延滞金がある。そういうことが現在の日本海運の経営基盤を非常に弱化しておる原因だというところまで申し上げたのですが、一体どうしてそういうことになったかということを私申し上げてなかったのですが、これは、運輸大臣よく御承知のとおり日本の船というものは戦争中にほとんど全部沈められてしまったわけです。戦争が始まるときには六百二十万トンの外航船を保有していて、戦争中に六百万トン船を作って、千二百万トン以上の船が戦争中に稼働したわけです、延べで。その船がほとんど沈められて、戦争終わって、ふたをあけてみたところが、百六、七十万トンしか残ってなかった。しかも外航にたえる船はほとんど皆無であった。それが日本の海運の現状です。これは正確に計算することは不可能かもしらんけれども、今までいわれておるところによると、当時の金で二十六、七億円の戦事災害に対して一文の補償もしてもらえなかった。こういうことはたびたび議論をしてきたのだけれども、そういうことを申しておると、戦時災害をこうむって、そうしてそれの補償を受けられなかったのは海運ばかりじゃないじゃないか、こういう反論を受けてきたのです。それに対して私は、それはそうであるかもしらんが、陸上の産業では会社、工場が焼かれても土地くらいは残っていたはずだ。船のほうは何にもなくなったのだ。人間とともに船もなくなったのだ。だから同じ戦時災害に対して補償がされなかったとしても、土地だけでも残ったものと、何にも残らなかったものと違うじゃないか。今の時価に換算すると七千億円くらいになるということを言っておるが、その全部を政府の責任で何とかしてくれという、そういうむちゃなことを言っておるのじゃなしに、そのことが現在日本の海運の経営基盤を弱体化しておる最大原因であるのだから、これを建て直すということくらいは国の責任においてなさるべきである。こういうことを私は長年の間主張してきた。今度の予算編成の前ごろから、去年の夏ごろから、これだけ国民的な世論として、海運の助成を強化して、そして経営基盤を強化しなければならぬという大局的な世論の高まったことはやはり十二年間の議席を持った経験の中で初めてだったのです。ここに皆さんお持ちだろうと思うけれども、この中にあるどの関係の団体の意見を見ても、ほぼ運輸省が最終的にきめられてそうして要求をなさったあのことと、もうほとんど同じようなことを言っておる。海運造船合理化審議会、経済団体連合会、経済同友会、それからさらにまた神戸の商工会議所、自民党さんの政調会の運輸交通特別委員会、それから民社党、日本船主協会、日本鉄鋼連合、そういう団体が声をそろえて、今までの借金と利子を軽くして、経営基盤を強化しなければ、何ぼこれから先の計画造船を推進していっても、借金と利子が累増していって、海運経営は困難になる。残念ながら国の立てておる経済成長政策に対応して船を作ることは不可能である。こういう断定をして、うしろ向き、前向きという言葉を使っておったけれども、うしろ向きのことについては利子のたな上げ、それから今後の造船については、利子補給の強化、この二本立によって今の日本の海運というものを政策的に考えていかなければだめだということを断定しているのです。ここにあるほかに、門司の市会が一番先にこれと同様な決議をやっているはずです。その他に神戸の市会にもあるが、その他の重要港湾都市、海運に関係の深い港湾都市の地方議会が、みんなそれぞれ決議をして言ってきているはずであります。それにもかかわらず何もできなかったということは、いかにも私は残念でならない、だから、こういうことで運輸大臣がひとしく努力されその跡は私知っておりますから、運輸大臣も海運局長も、一生懸命力一ぱいやられたことは知っておりますから、運輸大臣や海運局長に抗議的な意味でものを言うのじゃないが、これでは日本の海運というのは前を向いて歩けない。だから、私はこの間も言ったようにこういうことは運輸大臣や海運局長に言うたところでしようがないのだから、総理大臣と大蔵大臣と経済企画庁の長官の三人おいでになるところで、日本の長期経済政策を推進するために海運をこのまま放置しておいてよろしいのかということを言いたいのであります。だから予算委員会が終わって向こうがひまになったら、ひとつここに出て来てもらってお伺いしたい、こう思っているわけです。これは委員長どうでしょうか、可能なことでしょうか、不可能なことでしょうか。このことを申し上げたところが、これは予算委員会でやったらよかろうということなんです。予算委員会でやれば、三人おそろいのところで意見を述べることはできるのですが、運輸委員会として、それは予算委員会でやったらよかろうということで、ここではいいかげんに、みんなわかり切った議論をしているのはおかしいと思います。総理大臣が運輸委員会に出て来たことがないということはない、やはり重要な法案の審議の際には、総理大臣、大蔵大臣も委員会に出席したことはあるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/14
-
015・村松久義
○委員長(村松久義君) 松浦君にお答えいたしますが、その前に運輸大臣より発言を求められておりますから、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/15
-
016・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 委員長の御判断の参考にもなろうと思いますから……。
先般も申し上げましたが、いわゆる利子のたな上げの問題、政府としましては、これは近く法案として提案をいたしたい、かように考えているわけであります。その時期はというお尋ねもありましたが、でき得るならば今月一ぱいまでにはというように考えているのであります。今日まだ提案の運びに参りませんのは、主として大蔵事務当局に対しまして、海運界の現状を個々の会社についてそれぞれ分析をして今説明をしている段階でございます。先般の予算の決定をいたしまする最終の段階におきまして、閣議の席で、総理もこれはやるということを断言をせられ、ただ実施の時期は、いろいろと各会社の合理化整備案を作成し、それを審議をした後でなければ実現できませんから、実施は、実際にたな上げするのは、来年の四月一日以降になるだろうが、しかし、三十七年の利子からたな上げするということは、実は内面的には政策としてきまっているわけであります。これを当初は政府の方針の決定だけでやれるのではなかろうかということであったのでありますが、やはり少なくとも法律を出すのが適当であるという結論に達しまして、今、もっぱら法案の作成中でございます。しばらくお待ちをいただきまして、その時期があまりにおくれるようであれば、今のような措置をおとり下すっても、政府としては、あるいは運輸大臣の私といたしましては、異存はないと思っておるのでありますが、今そういう段階でございますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/16
-
017・松浦清一
○松浦清一君 予算委員会は今月一ぱいで終わるから、そうすると、もう重要法案といえば、ガリオア、エロアとタイ特別円の協定の問題と、選挙法と、中小企業基本法が社会党のほうから出ておりますから、そういう問題が重要法案で、大臣もそう毎日縛られるということはないわけですね。私がそういうことを希望するばかりでなしに、これはもう各委員の方々も、こういう重要問題の審議だから、運輸大臣ばかりに責任を負わしてどうのこうのというのではなしに、総理も大蔵大臣も出てきてもらって、真剣にやろうじゃないですか。日本海運の助成、強化という問題については、十分自民党さんも率先して法案を出して真剣にやっておられるわけなんだから、同じような気持を持っておる者同士がここでどうだこうだと言ってみたってしようがないでしょう。そのときに運輸大臣はどこかうしろのほうにすわっておってもらって傍聴してもらって…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/17
-
018・村松久義
○委員長(村松久義君) 〇お答えいたします。
ただいまの御要求はごもっともなことだと思いますが、ただ、今議案の審査中でございますので、したがって、議案に直接関係のあるものはもちろん考えなきゃならぬと思いますが、当委員会の運営といたしましては一般運輸事情等に関する調査をいたしておりますので、その際にお譲りを願うこともあり、また、ただいまの大臣の発言によりますると、あなたの問題にしておられる問題は、やがて提案をするということになっております。したがって、その提案の時期においても機会がある、こういうことでございますので、したがって、予算委員会の終了後この問題については理事会に諮って決定をいたしたい、かように委員長は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/18
-
019・松浦清一
○松浦清一君 せっかく委員長のお考えであるけれども、委員長は船舶職員法の一部改正法律案の提案の趣旨をあなたは誤解なさっておる。もう一ぺん読んでみて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/19
-
020・村松久義
○委員長(村松久義君) よく存じております。海運の企業合理化の問題もあるということはよく存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/20
-
021・松浦清一
○松浦清一君 知っておられれば、そういうお諮りをすることは間違いじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/21
-
022・村松久義
○委員長(村松久義君) したがって、時期については、あなたの御要求を満たし得る時期があるということを申し上げておるのです。どうでしょう、予算委員会終了後にひとつ理事会に諮って、さらにあなたのおっしゃるような広範なる運輸行政全般に関する御発言をなさる機会があると思いますから、そのときに譲っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/22
-
023・松浦清一
○松浦清一君 そんなことないですよ、あなた。船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由の説明に、船舶職員法を改正しなければならぬ主たる理由としてあげられておるものは、わが国海運企業の現状がきわめて困難な事態に直面をしておるので、政府としては、海運、企業の国際競争力を強化するためにこれをやるのだ、あらゆる努力をするのだ、あらゆる努力の主たるものは、日本の海運の力を強くすること、これが法案の提案の主たる理由なんです。ほかに何もない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/23
-
024・村松久義
○委員長(村松久義君) 理由に「かんがみ」という言葉を使っております。したがって、時期がございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/24
-
025・松浦清一
○松浦清一君 時期と言ったって、本法案に関連をしてやらなければならないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/25
-
026・村松久義
○委員長(村松久義君) 内容については、いろいろありますから、そこで、時期はあなたのおっしゃるように、予算委員会の終了後において大臣をそろえたい、こういう御趣旨をくみまして、その時期には、ちょうど大臣の言われるような直接の問題が出て参ります。したがって、その機会にお譲りを願いたい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/26
-
027・松浦清一
○松浦清一君 だから、この法案を分けて審議をするということに対しては賛成できませんよ。この法案を提案した主たる理由というものが、海運企業の国際競争力を強くしなければならぬと、こういうことが主たる理由なんですよね。理屈じゃないですよ。いかにすれば日本の海運企業の国際競争力が強くなるかということを掘り下げて検討していかなければ、本質的にこの法案の審議をするということはできないわけです。切り離すべからざる問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/27
-
028・村松久義
○委員長(村松久義君) よくわかりました。よって理事会においてこれを決定いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/28
-
029・松浦清一
○松浦清一君 それじゃ、そのときまで質問を保留しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/29
-
030・大倉精一
○大倉精一君 関連。これは理事会でやるというお話ですけれども、この法案と関連して、そういう取り扱いを理事会で相談しようと、こういうことですね。今、松浦君の言っておることは——この人は海運の専門家ですから、この法案の主たる理由であるところの海運企業の合理化あるいは育成ということに対して、はたしてこの船舶職員法というものがこれに役立つものかどうかと、こういうことなんですから、これはこの法案に関連をいたしまして、そういう措置をとるように理事会で取り計らうと、こういう趣旨に承知して差しつかえありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/30
-
031・村松久義
○委員長(村松久義君) 問題は、——これはちょっと速記をとめていただきましょう。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/31
-
032・村松久義
○委員長(村松久義君) それじゃ、ひとつ速記を始めましょう。
松浦委員、ひとつあなたの出席大臣の要求を御発言を願って、速記にとどめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/32
-
033・松浦清一
○松浦清一君 この船舶職員法の一部改正法律案の提案趣旨の基本をなすものは、日本の海運基盤を強化して、国際競争にたえ得るようにせなければいかぬと、こういうことが提案趣旨の根本なんですね。それは、運輸大臣のみの力によってはなかなかたいへんだから、総理大臣、大蔵大臣、経済企画庁長官、三人そろってもらって、日本の経済成長政策に関連して、そして国際競争にたえ得る日本の海運にするためにはどうしたらいいかということを質疑をしたい。したがって、以上の三人の大臣の御出席を要求をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/33
-
034・村松久義
○委員長(村松久義君) 御要求の大臣出席等については、あらためて理事会に諮ってこれを決定いたしますから、さよう御承知を願って、あなたの質疑は、もし、運輸大臣に対する質疑があれば、その部分をひとつ御継続願い、しからざる場合においては、質問を留保されたいことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/34
-
035・松浦清一
○松浦清一君 運輸大臣と、海運をどうして増強しなければならぬかということについては、別に話し合ったことはないけれども、僕らと見解は違わないのだ、運輸大臣とともに総理、大蔵、経済企画庁長官に詰め寄ろうと、こういうわけです。よろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/35
-
036・村松久義
○委員長(村松久義君) それじゃ、運輸大臣に対する質疑はなしと認めまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/36
-
037・松浦清一
○松浦清一君 そうじゃない、保留しておくのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/37
-
038・村松久義
○委員長(村松久義君) せっかく出席しておられるのですから、もし質疑ができたら、やって下さいな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/38
-
039・松浦清一
○松浦清一君 いや、そのあとに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/39
-
040・村松久義
○委員長(村松久義君) 留保のまま、よろしいですか。——それじゃ、理事会において決定いたします。
本日の本案に対する質疑はこの程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/40
-
041・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に、日本観光協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/41
-
042・大倉精一
○大倉精一君 まずお尋ねしますが、観光協会の従来の運営、それから今度改正してからの運営、これの根本的な相違について御説明を願いたいと思います。そうしてその必要と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/42
-
043・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 日本観光協会は、御承知のとおり日本観光協会法によってできております特殊法人でございますが、その運営は、大ざっぱに申しますと、政府からの補助が三分の二、会員の会費、賛助金等が三分の一、二対一の比率で協会の運営がなされておったのでございまして、概略の数字を申し上げますと、国からの補助一金が二億八千万円、会員の会費が約一億四千万円弱、合わせて四億二千万円、二対一の比率、これが日本観光協会の財源であったわけでございます。ところが諸外国における国際観光の現状というものをつぶさに検討いたしてみますると、政府が海外活動宣伝にみずから直営で当たるか、あるいは政府が全額補助をいたしました特殊な協会を作って、それによってやらしているというのが諸外国の実情でございますので、どうしてもわが国も諸外国並みにもっともっと政府が本腰を入れてやるべきであるというのが私どもの強い主張でございまして、その観点から多年運輸省としましては政府の出資を要求いたしておったのでございますが、今回ようやく一億円の政府出資が認められたわけでございます。つまり、政府の補助金とそれから政府の出資のこの二本立になったわけでございます。何と申しましても、単なる補助金でございますと、まあ俗な言葉で申し上げますと、そのときの予算の状況で補助金が削減されるようなことも考えられるわけでございますし、現に過去においてそういうふうな苦しい経験も私どもなめたわけでございまして、国内事業ならとにかく、海外活動宣伝をやっておりまして、ことし実は補助金が削減されましたので、去年はこうやりましたけれども、ことしはもうこういう実情ですということも、海外宣伝であるだけに言えないわけでございまして、その意味からいたしまして、この出資というものを強く要求いたしておったわけでございまして、それが今回認められた。御審議いただいております日本観光協会法の一部改正と申しますものは、政府出資に伴います所要の手続を改正さしていただきましたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/43
-
044・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、従来の協会は、政府の補助金が二億八千万円、会員の出資金が一億四千万円、合計四億二千万円くらいあったわけですね。今度政府の出資一億円ということになりまするというと、運営資金というものはどうなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/44
-
045・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) お手元にお届け申し上げております「日本観光協会予算の推移」というのがございますが、これをごらんいただきますと、今私が申し上げました三十五年度、三十六年度の数字、それの増減が出ておりまして、その次の欄に三十七年度の数字と、そうして三十六年度と三十七年度の対比したものが出ておるわけでございまして、指数がその下に書いてございますから、三十七年度は三十五年度の倍以上の予算になっておるということは、私ども関係者として非常に喜んでおる点でございますが、その支出のところをごらんいただきますと、海外事務所費、海外宣伝資料作成費、それから総合観光案内所施設費、これが今回の政府出資金一億をもって施設を行なうものでございます。それから総合観光案内所の運営費、これは千百二十万ついたわけでございますが、この一億が施設費に充てられますので、その施設を運用するところの人件費、それから初度詭弁費だとか庁費関係のもの、これが千百二十万三千円に当たるわけでございます。それから管理費等が来年度は九千二百十五万円、それから受入体制整備費が四千四百万円、合わせまして六億六千三百七十三万九千円、こういうふうなことになっております。なお、海外事務所費のところでございますが、来年度は西独のフランクフルト、アメリカのテキサス州のダグラスの二カ所に海外事務所が設置されることが認められましたので、それができますと合計十一になるわけでございます。ホノルルとサスフランシスコとシカゴとニュヨークとトロントとそれからシドニーとバンコックとパリーとロンドンにございまして、九カ所でございます。その上に、ただいま申し上げました二カ所がふえまして、合計十一、こういう状態になりまして、将来私どもの目標といたしましては、内閣にございます観光事業審議会の答申が十五という数字をちょうだいいたしておりますので、それを目標に海外事務所の設置を考えていきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/45
-
046・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、従来の政府の補助金及び会員の会費、賛助金というもののほうに一億円という金額をプラスするわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/46
-
047・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/47
-
048・大倉精一
○大倉精一君 それはそれでわかりました。
次には、会員という資格が、——会員の資格というよりは、むしろ種別というものは、日本観光協会は、国有鉄道、地方公共団体、旅客輸送業者、ホテル業者、旅館業者、旅行あっせん業者というような、大体団体並びに業者なんですか、会員というものの範囲は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/48
-
049・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) お説のとおり法律の第八条に明記されておりますのが会員でございまして、この会員が四百十二ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/49
-
050・大倉精一
○大倉精一君 その中で旅客運送業者、ホテル業者、旅館業者のおもなる会員はどんなところでしょうか。数がわからなければ何か書いたものがあればお出し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/50
-
051・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) せっかくでございますから全部申し申げます。都道府県では東京都の約一千万を初めといたしまして、神奈川、京都、大阪、栃木、愛知、静岡というふうな公共団体がほとんど全部入っておられます。それからその次が地方観光協会は、これは北海道だとか神奈川だとかいう各府県ごとに観光協会と申しますか、あるいは観光連合会とか、いろいろ名前は異なっておりますけれども、そういった地方の観光協会がそれに入っておられます。それから運輸機関といたしましてはバス協会、それから日航、それから西武だとか東急だとか東武だとかいう大きな私鉄から、あるいは地方の山梨交通だとかあるいは近江鉄道とか江若鉄道とかいうような地方的なものまで運輸機関としてこれに入っておるわけでございます。そのほか、なお日本郵船とかあるいは関西汽船とかいうふうな海運関係もこれに加入をいたしておられるわけでございます。それから宿泊関係では、まず一番大きなのは日本ホテル協会が協会として会員になっておりますが、それから国際観光旅館連盟、俗に国観連と申すものでございますが、これも会員になっております。それから個々のホテル、たとえば帝国ホテルだとか、あるいはそのほか第一ホテルだとかいうような個々のホテルが同時にまた会員になっております。それから全国旅館環境衛生同業組合連合会というふうなものもやはりこの会員になっておられるわけでございます。それからその次に、観光関係では鉄道弘済会、それから日本通運、それから国際観光みやげ品協会、あるいは交通協力会あるいは近畿ツーリスト、東急観光、藤田観光、日食、日本旅行会、こういうようなところが観光関係として会員になっておられるわけでございまして、それからなお最後に商工会議所、各地の商工会議所が会員になっておられる。こういうふうなわけで、ただいま申し上げましたように数えますと、一番大きな国鉄を筆頭にいたしまして四百十二の会員によって成り立っているのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/51
-
052・大倉精一
○大倉精一君 その会員の会費及び賛助金というものの決定の基準というものはあるのですか。金額の決定基準。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/52
-
053・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 今度最低で十万円ということで法定をしていきたい、かように考えておるわけでございます。ただいまのところ、別に内規としましてはあるようなないような格好で、何と申しますか、できるだけ会員を多く入っていただきたいというようなことで、別にどのくらいというようなものはきめていなかったのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/53
-
054・大倉精一
○大倉精一君 その会費、賛助金というのはきまっていなかったというのですけれども、これは相当の金額がやはり出ておるわけですね。先ほども三分の一という従来の出資があったと聞いておるのですけれども、これはやはり協会のほうで大体新しい会員なり何なりに対して、本年度はこのぐらい出せというようなことを指示するのですか。あるいは任意に会員が拠出してくるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/54
-
055・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) やはり一番大きい国鉄の四千万とか、日本交通公社の二千万とか、東京都の一千万というようなところがまず大口のところで、何と申しますか、実際の運営を申しますと、話し合いで、今年度はこれくらいということで先にきめまして、それできまるものでございますから、あとは、何と申しますか、個々の会員の方には、よろしくお願いすると、そうしますと、大体地方公共団体でございますと、従来地方議会に諮って出しておられたような点もございますので、従来これくらいだったから、ことしもこれでいこうではないかというようなことでございました。今度は法律の二十一条で、運営委員会で会費のことをきめるというふうなことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/55
-
056・大倉精一
○大倉精一君 次にお伺いしたいことは、提案理由の説明の中に、「業務の範囲を拡大する」ということが出ておるんですけれども、業務の範囲を拡大する内容はどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/56
-
057・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) これは法律の目的の中に当てはまるかどうかということでずいぶん私ども議論したんでございますけれども、実例を申し上げますと、インドネシアから日本へ観光のことについて講習生が現在来ておるわけでございまして、これを今東洋大学にお願いをいたしまして、そこに預かってもらいまして、いろいろ六カ月間の講習をやってもらっているというふうなこともございます。これがはたして観光協会法でいわれておるところの第一条の目的に当たるのかどうかというふうなことがいろいろ議論になりましたので、「業務の範囲を拡大する」というふうなことがここに入り、それからもう一つは、多年希望のヴィジターズ・ビューローというふうな問題、これが一番大きな問題になるわけでございまして、これが今度の改正の出資の一億、即ヴィジターズ・ビューロー、こういうふうに御了承をいただきたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/57
-
058・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、大体業務の範囲を拡大するということは、ヴィズィターズ・ビューローというようなものを新しく作る、そういう仕事を加えるんだと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/58
-
059・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/59
-
060・大倉精一
○大倉精一君 次にお伺いしたいことは、「役職員の給与及び退職手当の支給基準の設定、変更等についての監督規定を設ける」という工合いに書いてあるんですけれども、かりにこの協会に職員の労働組合ができた場合、労働組合の性格はどうなるんですか。これは公務員に準じてやるのか、あるいは民間の労働組合としてやるんですか、団体交渉その他は自由にやれるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/60
-
061・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 御指摘の役職員の給与、退聴手当、こういうふうな点につきましては、現在政府から出資が出ておりまして、特別の法律でできておりますいわゆる特殊法人が二十八ございます。その二十八の特別法をつぶさに検討いたしました結果、今度政府出資を機会に、いわゆる出資に伴う当然のこととしてこういった規定を、何と申しますか、国の監督を強化するといいますか、国家意思が協会の中に反映していくと申しましょうか、そういうようなことでこれを入れたわけでございます。
それから労働組合と申しますか、今協会の職員全部で五十人足らずでございまして、よく笑うんでございますけれども、観光局が、ちょうど私以下ユース・ホステルの職員を入れまして五十人なんでございますが、両方合わせてちょうど百人ということを茶飲み話によく申すのでございますけれども、労働組合ができました場合、私はやはり民間の労組の範疇に入るものだと、かように存じております。ただ、国の出資とか補助金がございますものですから、予算の範囲で、ある程度の制約を受けていく、こういうことになるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/61
-
062・大倉精一
○大倉精一君 まあたとえ五十名でも百名でも労働組合ができれば組合活動をしなければなりませんが、今の御答弁で大体民間労組と同じような性格だと承知しておきます。
最後に承っておきたいのですが、観光客の誘致と同時に、輸送あるいはその他のサービスの点に対して、監督指導というものはどういうふうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/62
-
063・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 先生の御指摘のとおり、一番やはり心配になりますのは、海外活動宣伝をやって外人が日本へやってきた、さて日本へ来てみると暗に相違の状態じゃないか、こう言われますと、もう何と申しますか、百日の説法何とやらと申しますが、九仭の功を一簣に欠くような結果になるわけでございまして、むしろ聞いてきたよりももっとすばらしかったというふうな印象を与えて帰したい。そうすれば口から口へ宣伝が伝わりましてますますよくなるんじゃないか、かように考えておるわけでございますが、一番問題はやはり受入態勢としまして私は宿舎の問題、それから運輸省の所管ではないのでございますけれども、道路の拡充というふうないろいろの問題、それから国立公園地帯の問題、これは厚生省になるわけでございますが、そういったいろいろのこともございますが、運輸省の関係で申しますと、宿泊施設、それから旅行あっせん業者、これが親切にやってもらうというふうなこと、それから日本へ来てのガイド、これが親切に扱うというふうなことが、やはり一番大きな運輸省としての眼目になっていくんじゃないか。それから観光協会を中心に随時運動を展開いたしております国土美化運動、こういうふうなこともこれは私やはり大いに進めていかなければならぬ問題だと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/63
-
064・大倉精一
○大倉精一君 それで運輸省の所管の事項については、運輸省として指導し監督もする、その他の今おっしゃったような道路の問題なり、公衆衛生の問題なりあるいは万般の問題があると思いますけれども、そういう全般の事項に対する監督、指導、助成というものはどこでやるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/64
-
065・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 全く観光についての行政が多岐にわたっておりますことは、非常にこの問題を強力に進めていきます場合のいつも障害になって、私ども残念に思っておるのでございますけれども、今そんなことを言っても始まりませんので、現在では総理府に観光を担当する部局と申しますか、内閣審議室で観光の問題を調整と申しますか、各官庁にわたっております観光の問題を総合調整するという格好で、事務を進めておるわけでございまして、また同時に総理府に観光事業審議会というものが設置されまして、そこでいろいろ内閣総理大臣からその審議会に御諮問をされ、そうしていろいろ御審議をいただいて答申をちようだいして、その答申にのっとって運輸省がやるものはやる、厚生省がやるものはやるというふうな格好で、ただいま実際の行政は進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/65
-
066・大倉精一
○大倉精一君 運輸大臣にお尋ねしますけれども、今の問題についていろいろ協議をする、審議をするというのじゃなくて、現実に具体的な問題として次から次へいろいろ出てくるわけですね。そういうような問題について総理府が総合的な調整をするというのですけれども、実際それは可能ですか。こういう問題についてどこを窓口にするか、そういうふうな問題があるのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/66
-
067・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま観光局長が申しておりますように、内閣に観光審議会を設けました。そこで、審議をして重要な項目を関係各省に答申の形で出してきてもらっておるわけです。その答申の趣旨に沿って関係の各省庁がやることになっておるわけでありますが、何といっても観光行政の一元化と申しましても、たとえば運輸省が現在の状態で道路を作るわけにも参りませんし、また衛生をやるわけにも参らないというようなことで、これは連絡調整といいますか、すべて日本の観光ということを主にして各般の行政をして参らなければなりません。しかしながら観光行政の中心は運輸省にあるわけでありますから、したがって運輸省が中心になりまして関係各省に強く要望し、そうして観光行政の推進に努力をしてもらうということよりなかろうかと思っております。運輸省といたしましては関係各省に強く呼びかけ、依頼をいたしましてそうしてやって参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/67
-
068・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと運輸省が中心になるということは、これは当然と思いますけれども、総理府に交通対策本部というようなものがあるわけですか、観光に関して。そこでいろいろ調整しながら、関係者に対して所管事項の通達をする、そういう組織になっておるのですか、そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/68
-
069・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) そういうものはございません。今、官房の総務長官が中心になって交通対策本部というようなものを設けておりますが、観光対策本部というようなものは設けられておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/69
-
070・大倉精一
○大倉精一君 私の懸念しておることは、外人の観光客を誘致するといいましても、これからはそう金持ちばかりこないと私は思うのですよ。簡単に暑中休暇を利用して来るようなそういう庶民的な観光客が多いし、それはまた誘致しなければならないと思う。その場合における観光客の受入態勢というものは、道路とか何とかそういう恒久なものじゃなくて、もっと足場の手近なものにいろいろ欠陥があると思う。たとえば旅館にしても来てみると日本の旅館は高い。私いつか昭和二十七年でしたか外国へ行ったときに、ロンドンの新聞に出ていました日本はばかにしておる、日本に行くと旅館はべらぼうなものだというような意味の記事を見たことがある。そういったような監督は一体どこでやるか。あるいはまた交通問題にしましても、私は国鉄によく言うのですけれども、最近は特急車以外の車は急行でもだめですよ。一等車に乗りましても洗面所はまっ黒け、きたない話だが便所にしても非常にきたない。しかし観光客は高い特急ばかりに乗るものじゃないと思う。そういう点の監督なり指導はどこでやるか。しかもそれは身近なことで審議をする必要はない。じゃそれを運輸省のほうでやる、あるいはどこかへ行ってすぐ直すかどうかということですね。そういうような点についてどこで監督するかということが心配ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/70
-
071・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 全くお説のとおりでございまして、お言葉に出ました日本のホテルが高いということはもうずいぶん方々から、特に海外旅行をなさいました方々から、お帰りになるたびにまるで私がホテル料金を高くしておるようにおしかりを受けるのでありますけれども、今度新しく運輸省としてはこういう政策をいたしたのであります。今ホテルの建設費はどのくらいかかるかと申しますと、大ざっぱに御了承いただきます金額を申し上げますと、一室一千万とお考えいただいてけっこうだと考えております。ホテルにはロビーも要れば食堂も要るそれから調理室も要るし機械室も要るしというふうなことで、そういったいわゆる部屋を有効に働かすための設備が要るわけでございます。ホテル全体の建設費を有効な部屋割りで割りました場合には、大体一室一千万円見当の建設費がかかると、かように御了承いただいていいのでございます。そういたしますと、一室一千万円かかる、そこへ一人あるいは二人が泊まるということになりますと、勢いホテル料金が高くならざるを得ない。これを一体どうすればホテル料金は安くなるのかということが私どもに与えられる課題でございます。で、その課題を解決いたしますために、今後私どもは一室五百万円見当のホテルを建設しようじゃないか、こういう政策を強力にただいま打ち出しておるところでございます。で、それはどういうことかと申しますと、それじゃ五百万円以上のホテルというものはお前たちは認めないのか、こういうお話になるかもしれませんが、それはそうじゃございませんで、国が財政投融資の対象として考えるホテルの建設は、一室五百万円を限度とする、五百万円の三分の一は開発銀行の融資で考えましょう、こういうことなんです。じゃあ一千万円のホテルをお作りになりたい方は、当然お作りになっていただいてけっこうです。それは当然自己資金でやるなり、あるいは増資をするなり、市中銀行から借り入れをするなり、適宜に自己資金を運用してやっていただきたい。国がお世話を申し上げるのは一室五百万円見当のホテル、こういうふうな政策を強力に打ち出しているわけでございまして、それになりますと、大体二千円見当の部屋代でいけると、かように私どもは見当をつけておるのでございます。二千円になりますと大体今の半分くらいになると思いますので、これをひとつ強力に進めていきたい。
それから、何も百万長者の方々だけが日本へ来られるわけじゃございませんで、先生の全く御指摘のとおり、いわゆる低所得者層が日本へやって来る。これも当然考えなきゃなりませんし、それこそ観光国策の大きな推進でなきゃならないわけでございますが、それが今までのような日本へ着いたとたんにガイドが丸がかえである、便所へ行くだけ一人で行って、あとは全部ガイドと一緒だというふうな旅行のあり方じゃ、これは金がかかると思うんです。そういう意味で、最近の旅行のしぶりをつぶさに交通公社なり、日本通運なり、あるいはいろいろなところに伺ってみますと、たとえば東京へ着くと、はとバスに外人コースというのがございますから、それに切符を買って乗り込む。乗ればちゃんとバスガイドが英語で案内してくれる。降りると、切符だけ交通公社に買ってもらい、東海道は自分一人で単身で下っていく。京都へ着いたとたんに、京都でいわゆる何と申しますか、東京のはとバスのような市内循環バスに乗ってそれで見て回るというような、いわゆる丸がかえの旅行から必要な個所だけガイドを使う。汽車にきせる乗りというのがありますけれども、ガイドのきせる利用のような格好の利用がふえつつございますので、したがって、そういう面からガイドを全国一般、東京のことも京都のことも九州のことも知ってるというふうな、全般的なガイドからローカル・ガイドというものを考えていかなければならないのじゃないか。そういう制度を作ったほうが料金も安上がりになるし、そういう方向に進むべきじゃないかというふうなことを考えておるわけでございまして、全く先生のお話のとおりだと私ども考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/71
-
072・大倉精一
○大倉精一君 旅行をして一番やっぱり旅行者の気分をこわしたり何かするものは宿舎、寝泊まりするところですね。特に私はこの際観光ホテルもけっこうなんだけれども、ともすれば外人用のホテルとなれば豪華ホテルを作りたがっておる。一室五百万円の基準で助成をするというのですが、そのほかに外人が日本へ来る、日本を知りたい、日本に触れたいというですから日本の畳の上とか日本の旅館、そういうようなものを非常に好くという傾向がある。ある外人が日本に来たら日本がどこにもなかっれという人がおるのです。こういうこともやはり観光客誘致にそれは考えなければならぬと思うのです。そういう点について私はいろいろ気になっているのは、一体、全体的な指導監督というものはどこでやるか、ここが私は問題だと思うんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/72
-
073・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) まことにおっしゃるとおりごもっともだと存じます。で、役所の権限ということになりますと、先ほど申し上げたようでございますが、しかしながら、役所の権限がありましても、これを実際に行ないますのはホテルであればホテル、あるいは旅館の業者、あるいは衛生関係であればやはりホテル関係とか、あるいは観光地にいる人たちのやり方、考え方というものでございます。したがいまして、私はこのたび日本観光協会が非常に拡大整備せられました機会に、この観光協会の会員にこれらの人たちが入っているわけでございますので、今後日本の観光国策を通じまして、今おっしゃる点が今後日本の進んでいく道だろう、したがってこの観光協会が中心になりまして、そうして会員を指導しながら、あるいは会員ともどもに今おっしゃった方向に指導し進んでいくというあり方が一番手っとり早いし、一番効果的であろう、そういうふうに観光協会を運用して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/73
-
074・大倉精一
○大倉精一君 この点は特にひとつ政府も関心を持ってもらいたいと思うのです。特に大衆的な観光客の誘致とこれに対する国内の取り扱い、あるいはまた処遇等が最も有力な国際親善の方法になると思うのです。そういう意味で外貨獲得以外にそういうようなことがあるので、特にひとつ関心を持ってやってもらいたい。
それから、これは国内の問題も同様ですから、この際お聞きしておきたいと思うのです。どうも団体客の誘致ですね、これは盛んに各機関でやっておるんですが、ともすればこれと輸送が伴わないという点がありますね。たとえば国鉄にしましても輸送が逼迫しているのにどんどん団体客を誘致している。一般の輸送に非常に大きなしわ寄せがきている、こういう傾向が方々に見られるんですが、団体客の輸送と団体客の誘致というものに政府はどういう指導方針を持っているか、これをひとつ聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/74
-
075・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 団体客の誘致をいたす場合に、何といっても輸送というものが前提に相成ります。主としてこれを担当いたしておりまする国鉄も、自分の輸送力をまかのう限度で団体の申し込みに応じているわけであります。したがって、何としても全体の輸送力を増強をしながら、一般の需要と団体の需要両方満足させていかなければならぬと考えておりますが、しかし一般の需要を抑制をして団体客を誘致をするというわけには参りません。したがって、一般の輸送に支障のない限度において団体客を扱う、そういう方針でなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/75
-
076・大倉精一
○大倉精一君 という方針でなければならぬことはもちろんなんですけれども、現実の問題としてそのバランスがとれていない場合がたくさんあるんですね。ですから団体客の誘致は交通公社もやればその他の団体もやる。これは営利会社ですからどんどんと輸送力におかまいなしにやっていく、こういうことでもって非常に列車なんかまでも一般の輸送にたいへんどうも犠牲が寄ってくる、こういう面がたくさんあるんですね。そういう面についてもひとつこれを機会に政府としても関心を持って御指導願いたい。
それから最後に資本金が一億円なんですけれども、大体観光事業を百パーセント効果的にやっていくにはどのくらい要るのですか。これでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/76
-
077・梶本保邦
○政府委員(梶本保邦君) 私ども大体二十億の政府出資が必要だと考えております。これはジェトロ日本貿易振興会が昭和三十三年にできまして、観光協会は一年あとの昭和三十四年にできたのでございますが、ジェトロのほうはできた当初三十三年から政府出資が二十億ついたのでございますが、わが観光協会のほうは一年おくれてできたにもかかわらず、補助金のみで今日まで運営されておったわけでございまして、私ども目に見える見えざるの差こそあれ、ともに国際収支の改善に寄与するのは同じじゃないかというので、ジェトロ並みということを強く機会あるごとに関係方面と折衝いたしておったのでございますが、それで当初の要求は十億の政府出資をちょうだいいたしまして、資金運用部へ預託いたしまして、その利息の六分五厘、六千五百万円というものを毎年変わらざる財源として活動の原資にしたい、こういうお願いであったのでございますけれども、いろいろの御方針もあったようでございまして、今度は出資が一億、そのかわりこれは昭和三十七年度に施設費として使い切ってよろしい一億である、こういうふうなことになったわけでございまして、見かけは十億のほうが非常に多いわけでございますが、それがとれた場合には六千五百万円、これはまるまるの場合で一億でございますから、結果としては三千五百万円のプラスというようなことになったのでございますけれどもジェトロが二十億の政府出資で昭和三十三年以来やっておりますので、私どもはやはりジェトロ並みということで努力を今後続けていきたい。六分五厘でございましたら一億三千万円というものが毎年入ってくるわけでございまして、これでこそ初めて国家的な安定した長期計画が海外活動宣伝に立てられるのだ、かように信じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/77
-
078・大倉精一
○大倉精一君 大臣に要望しておきますけれども、今の御答弁によりますと、二十億要る、そうして一億三千万円という毎年の運転資金確保の必要がある、こういうことなんですね。ですからせっかく作るならば、帯に短かしたすきに長しというものを作らずにちゃんとしたものを作り、しかも観光客の誘致は単に外貨の獲得ばかりでなくて、これは日本の国際的な一つの立場からいって非常に有効な外交手段であると思う。そういう意味からいっても、この協会の強化についてはさらに積極的に努力を願いたいと思う。これを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/78
-
079・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/79
-
080・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をつけて。
ほかに御質疑はないようでございますから、質疑は終局し、討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います——別に御発言もなければ直ちに採決を行ないます。
本案に賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/80
-
081・村松久義
○委員長(村松久義君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
なお、報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/81
-
082・村松久義
○委員長(村松久義君) 引き続いて運輸事情等に関する調査を議題といたします。
港湾に関する件について質疑の通告がございます。この際御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/82
-
083・大倉精一
○大倉精一君 先ほど松浦委員のほうから発言ありましたが、この前の運輸委員会において、港湾の労働事情というものが非常に逼迫をしておる。であるからその実情をよく把握して、それに対する対策というものを示してもらいたい、こういうことをこの前の委員会に注文をしておきましたが、それに基づいて港湾の現在の事態に対する対策というものについて御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/83
-
084・坂本信雄
○政府委員(坂本信雄君) 港湾運送事業の実態は、われわれ考えましても、いろいろ過去の因襲もございますし、必ずしも労働条件その他について近代化しているとは考えられないわけでございます。その点でわれわれ大いに今後努力をしていく必要があると思っておりまするが、この前の委員会でも申し上げましたとおりに、労働省に港湾労働対策協議会というものがありまして、運輸省もそれに参加しておるわけでございますが、その席で非常に慎重な討議が行なわれまして、まあわれわれ問題と思っておることをほとんど取り上げて意見書が出て参っております。その意見書のうちで、まあ運輸省として所管している問題につきましては、それを尊重いたしまして、次々にわれわれとしては実現に移して参っておるつもりでございますし、労働者の安定の方法といたしましては、できるだけ常用の労働者の資質を高めあるいは福祉厚生施設に力を入れる、これは私のほうの所管ではございませんが、職業紹介の業務を円滑に進めるとかいろいろあると思うのでございますが、われわれといたしましては、現在までやって参りましたことを、今後さらに強力に一つ一つを実現できるように進めて参りたいと考えておるわけでございます。しかし、それだけではなかなか根本的の方策じゃないんではないかという御議論もございますが、港湾の労務の雇用の安定につきましては関係する官庁も多数ございますし、本国会に総理府の中に港湾労働等対策審議会というものも設けられる案が提出されておりますし、そこに関係者の方がみんなお集まりになって論議をされるということも伺っておりますので、その御意見を尊重いたしまして今後対処していきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/84
-
085・大倉精一
○大倉精一君 大臣にお伺いしますけれども、先ほど松浦委員に対する御答弁は、どうも現状認識というものが的確ではないと、私はそういう印象を受けました。そこで、二十七日には国際的な規模において統一行動を行なう、すでに外国では二十日ごろから日本船のボイコットに入っておる、こういう事実が今日の前にあるのですね。これに対して労働問題は労働省だということと、半面やはり港湾の運営あるいは港湾運送というものに対する所管が運輸大臣でありますから、これは他人事として見ておるわけにはいかぬと思うのです。今度の港湾労働者の争議というものの本質は、現場ではいろいろな経済問題というものが前に出ておるようでありますけれども、何といっても日本の港湾労働者の置かれておる条件というものが全く前時代的なものがいまだに残存しておる。タコ部屋なんかもあるし監獄部屋もある。あるいは神戸においては傷害事件まで発生しておるという、そういうような港湾労働者の前時代的な状態から脱却したい、しなければならぬというこういう本質的なものを持っておるわけです。これに対して外国の労働組合が同情をし、支援をし、共同して立ち上がって行こう、こういうのですから、こういう認識のもとに政府としては今どうするという具体的なものがなくても、誠意を示してやらなければならぬと思うのです。そういう点について大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/85
-
086・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 大倉さんのおっしゃるとおりだと考えております。何といっても港湾労働者の労働条件を近代的にいたしますについては、やはり港湾運送業者といいますか、これらの人たちの経営をやはり近代的なものにして行く必要があろう、かように考えております。前回の委員会でも私はお答えしましたように、今までの届出のあったものを今度は登録許可というように直して参りたいというのもその一端でございまするが、これをさらに強化をいたしまして、そうして今おっしゃるような、港湾労働者の労働条件ができるだけ一日も早く近代的な労働条件に切りかわるように努力して参りたい。このたび設けられることになりました港湾労働等対策審議会も、もっぱらそういう趣旨に従ってその熱意の政府の現われとひとつお考えをいただきたいと思います。運輸省は労働問題直接の所管ではありませんが、しかしこれの影響するところは、やはり港湾の機能の十分な発揮という点でございまするから、これは他省の所管とは考えないで、労働省と同じように重要性をもって推進して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/86
-
087・大倉精一
○大倉精一君 まあ港湾の問題は、大臣も就任当時の所信表明の中で、海運の問題、港湾の問題を重点施策として考えるという御発言がございましたが、これは港湾の問題と一口に言いますけれども、非常に間口が広く奥行きが深い、なかなか容易なものじゃないと私は思うのですね。なかんずく港湾の施設等については、これはもうお金をかけて専門家が設計をして作ればすぐできるのですが、問題はやっぱり人間だと思うのですね。港湾に働く労働者の問題というものを解決しなければならぬ。これには付随して今おっしゃったように運輸省の所管として港湾事業、運送事業者、港湾事業者の問題がある。で、両方とも労働者の問題あるいは港湾事業者の問題も制度的な検討を加え改正を加えて行かないと単なる宿舎を作ったりあるいは退職金を設けるというようなことでは私は解決しないと思うのです。したがって、要は港湾に必要な労働者を確保するためには、やはり港湾労働者が港湾に働くことによって生活の安定、将来の保証というものを得られるというような根本的なものを考えていかないと問題は解決しないと思うのですね。ですから政府としてもこの際港湾問題につきましては、特に労働問題については制度的な検討を加え改革をしていく、こういうことでなければならぬと思うのですけれども、お考をひとつ聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/87
-
088・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 全く同感でございます。港湾における労務者の制度あるいは法律その他によりまして、改善をいたして参らなければなるまいと考えております。港湾労働審議会におきましてもそういう点を中心に取り上げてもらうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/88
-
089・大倉精一
○大倉精一君 そういうために御承知のように社会党からも港湾労働法案が出ておりますけれども、これの賛否は別にいたしまして、そのねらい、目的とするところのものは、港湾労働者の制度的な改革をねらって出してきておるわけです。したがって、今私の趣旨とは全く同感だとこういうようにおっしゃれば、この法案は法案としまして、そういう方向に政府としても努力をしてもらわなければならぬと思う。それについては、やはり労働省、運輸省が一緒になって港湾労働者の連中ともひざを突き合わせてその誠意を示してやる心要があると思う。そうしてまた港湾労働者みずからの声を聞いてやらなければならない。そういう機会をお作りになったらいかがかと思うのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/89
-
090・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 社会党の提案をしておられまする法案等も重要な参考の御意見として検討をいたして参りたいと思っております。また今おっしゃいます港湾労働者等の意見も、直接聞いてはどうかという御意見でございますが、私もかねがねそういう考えを持っております。予算国会等で非常に多忙でありましたために今までその時期を得ておりませんが、時期を得次第私はぜひそういう機会を持って参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/90
-
091・大倉精一
○大倉精一君 今のお話でそういう機会を持ちたいというこれについては、今度の二十七日の統一行動がどこまで発展していくか、どこまで緊迫化していくか予想がつきませんけれども、その場合にはやはり政府が誠意を披瀝して、こういう国際的な事態というものを事前に解決をするという努力をしなければならぬと思うのですね。当然労働問題ですから自主的に労使関係でやればいいんですけれども、しかし事は一般産業と違った非常に大きな意義のある問題に発展してきていると思いますから、事と次第によっては事前にそういうような機会を作って、ひざを突き合わして話をし合う。労使関係の問題は別にしましてですよ別にしまして、ひざを突き合わして話をするという機会を持つ必要があると思うんですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/91
-
092・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 心がまえは持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/92
-
093・大倉精一
○大倉精一君 そういう心がまえがおありになるようでありますから、心がまえは、これはもう実施をしてもらうという前提だと思いますので、事態の進展いかんによってはこういう努力もひとつしてもらうということを強く私は希望したいと思います。この問題はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/93
-
094・村松久義
○委員長(村松久義君) 次に都市交通規制の問題を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/94
-
095・大倉精一
○大倉精一君 この前の委員会におきまして、今度陸運局長と警視総監において一応意見の一致を見たといわれる案について、その及ぼすところの影響、これに対する対策というものについて実際にお知らせ願いたい、こう言っておきましたが、これについてひとつ御報告を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/95
-
096・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 一昨日先生から今のお話に関する資料の御要求がございましたので、現在資料にいたすべく検討いたしておりますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。この次の委員会に資料として差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/96
-
097・大倉精一
○大倉精一君 どうもそういうことがおかしいと思うんですがね。これは相当重要な交通規制でありますから、これをやったら対象者はどれだけあるか、あるいはこれによって及ぼすところの影響はどういう方面にどんな影響があるか。たとえば自家用トラック、小型トラックを規制すれば、中小零細企業にはどんな影響があるか、これに対する対策はどうか。あるいは大型車の交通を規制した場合に、これが都市経済——東京都におけるところの経済活動にどういう影響があるかということ、あるいはこれに伴って自家用車あるいはトラックのターミナル、あるいはモーター・プール等についてはどんなことをやるか。こういうことをあらかじめ検討をした上に立って、じゃこうしようと、こうならぬと、うそだと思うんですが、どうも資料ができないからというお話なんですけれども、これはそういうことをあとから検討されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/97
-
098・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 資料としてまとめております点は、ただいま申し上げましたように、この次ぐらいにでき上がるつもりでございますが、お話の点の影響その他につきまして現在私たちが調べておりますことをそれでは概略申し上げさしていただきたいと思います。
今回の規制の案によりますと、まずトラックにつきましては七トン半以上の大型の車ということになっております。それで、現在しからば七トン半以上のトラックがどの程度あるかと申し上げますと、これは東京都区内で所有しております車についての数字でございまが、七トン半から八トン未満、これが千二百二十二両ございます。それから八トン以上全部含めまして二千二百一両ございます。したがいまして、七トン半以上を合計いたしますと三千四百二十三両という車がございます。なお、都外から都内にはいります車が六%以上の率で、はいってきております。で、七トン半以上の車についてもほぼ同じ程度だという推定のもとで、この三千四百両の六%増しで考えますと、三千五百から三千六百というふうな数字になると思います。これだけの車が規制の対象になるわけでございます。もちろんこの中には特殊の車、トレーラーあるいは長物車等も含まれておりますので、これらにつきましては必要性に応じて許可を与えて不都合のないようにするということになっておりますので、これらを除きます。一般の七トン半以上の車というものは、自家用が約八百両、営業用が二千二百ですから、約三千両というものが普通車としての七トン半の車でございます。そのうち路線用の車が、もちろん営業車でございますが、約六百四十両ほどございます。
こういう状況でございまして、これらが規制の対象になりますが、時間帯におきまして当初の案よりよほどゆるくなりましたので、昼間の二時間を穴をあけました関係上、全然昼間、外から、はいれない、あるいは中から外へ出られないということでございませんので、かなり緩和をされております。
それから道路につきましても、最初の案でいいますと三十八路線。この三十八路線全部押えますと、ほとんど川に囲まれています二十三区から外に出るということが、不可能な状況でございましたが、これが二十路線にいたしましたので、都内都外への出入りも道路によりますればできるというふうな状況でございますので、その点で影響は相当小さくなっておるというふうに考えております。なお、今後とも昼間の通行のことを考えまして、行政指導でできるだけ夜間に回るようには指導を続けますが、まずまず今の時間帯、それから道路の二十路線ということ、それから昼間二時間の穴あけということによりましてそう大きな影響はないであろう。心配されますのは、鋼材あたりを運ぶ場合の特殊車あるいは長物車でございますが、これも警察のほうで必要に応じて一々許可制で走らしむるように考えておりますので、まずこの程度ですとそう大きな影響はなしに、多少の影響は忍んでいただかなければなりませんが、その程度のことで済むのではないかということで一応の見当をつけて、現在こまかく検討をいたしておるわけでございます。
それから、その次の三十人乗りのバスでございますが、これも時間が夕方の五時から七時までの二時間でございますので、その上にこの二時間内でございましても、修学旅行等、前から計画がきまっておりますようなもの、この時間帯に貸し切り列車で東京駅に着くというふうなものも多数ございますので、駅から旅館への輸送、それから一応遊覧を終えて帰校する、あるいは旅館に帰るというふうなものは除外いたしておりますので、夕方の二時間という時間帯におきましても、これだけの例外措置を考えておきますれば、これもそう大した影響はなくて済むのではないかというふうに一応は考えておるわけでございます。
なおトラックにつきましてのもっと詳細な影響等につきましては、いましばらく時間をかしていただきたい。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/98
-
099・大倉精一
○大倉精一君 都心における駐停車の禁止はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/99
-
100・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 都心におきます駐停車の問題につきましては、特に自家用車、また自家用車の中で自家用乗用車、これに対する対策としてわれわれも議論したのでございますが、一応今回の通行の規制の対象には、なかなか自家用乗用車のうちからどういうものを押さえるかということで、技術的にも非常にむずかしい点があるというふうなことでございまして、これは都心におきます駐車あるいは路上放置、こういう点を徹底的に取り締まることによって、都心に車を持って、はいっても置き場所がないからはいれないというふうに、間接的に都心の乗り入れを規制できるようにしようではないかという考え方で、今後そのほうの措置を強く講じようということで両省話ができております。
なおこの問題につきましては、交通対策本部の関係各省のわれわれの会議におきましてもこの問題をいろいろ検討いたしまして警察当局といたしましても、駐車禁止区域の拡大、これを強化するということについて相当思い切った措置を講ずるというふうに言っておりますし、また路上の放置につきましては、車庫の義務づけの問題と関連いたしまして、目下対策本部におきましても議論をいたしておるところでございますが、路上放置を取り締まるためにも道路交通法あるいは道路法等によりますいろいろな措置を今後さらに強化していく。なおこれには法律政令の改正の必要の場合もございますし、またこれを待たずに行政指導の強化によってやり得る面もある。かように考えられますので、これらにつきましては目下具体的な案につきまして、関係各省集まって検討いたしておるのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/100
-
101・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、自家用乗用車の都心における駐停車禁止は、まだ具体的にはきまってないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/101
-
102・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 現在でも駐車禁止はやっておりますが、さらにこれを強化いたすことによりまして、もっとその実効を上げようということで警察当局のほうでその方法を進めて参っているような実情になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/102
-
103・大倉精一
○大倉精一君 私は自分で計算しないからわかりませんけれども、大体まあ勘でいきますと、都心における駐停車禁止という制限を相当強化すれば、都内における交通緩和というものに非常に大きく役に立つと思うのですね。私の知りたかったのは、都心における駐停車の禁止の範囲とその規模ですね。これによって都内にはいってくる自家用乗用車はどのくらい削減されるか。こういう見通しを立ててもらいたかったのですが、そういう点は計算はされなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/103
-
104・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) この点につきましては警視庁と警察当局のほうでいろいろ検討をしてもらっておりますので、今私のほうではちょっと具体的な内容については、まだはっきりは存じておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/104
-
105・大倉精一
○大倉精一君 まあ私はずっと一貫して主張してきているように、公益優先という立場からすれば、自家用車の規制——間接規制になりますけれども、これをやることによって私は千台や二千台のトラックのことは手を触れなくてもいいという気になっておったのですね。しかしこれはどうも何かこのきまった内容を見ますと、はたしてこれでもって交通緩和になるのかならぬのかという疑問なきにしもあらず。というのは自家用車というものはまだ放置されているから。さらにまたきょうの新聞でございましたか、トラック・ターミナルを作って、そこからは小型トラックで都内にはいってくるということになれば、大型トラック一台で来たものが三台、五台になって車の数がふえるのじゃないかという気もするわけですね。そういう点についてどうもはっきりした見通しもおありにならぬようですけれども、この際自家用自動車については早急に具体的に計画を立てて、その及ぼす影響等について計算をされたらどうかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/105
-
106・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 一昨日の警視庁と陸運局の話し合いによります結果の発表によりましても、通行の禁止のほかに自家用の、特に乗用車につきましては、道路の効率化をはかるために駐車の禁止、あるいは駐車時間の制限、こういう区域を拡大する。それから特定地域への乗用自動車の乗り入れを間接的に制限するというような規制を行なうというようなことをいっております。この方針によりまして警視庁当局を中心に陸運局も協力いたしまして、今申し上げました間接的な制限の具体策を今後実行していくというふうになる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/106
-
107・大倉精一
○大倉精一君 そうした場合にいろいろな付帯する事態を考えていかなければならぬと思うのですね。第一番には都心にはいってくるところのバス等の大衆あるいは大量輸送機関の増強を、早急にやらなければならぬと私は思うのです。と同時に、郊外それぞれの場所におけるところの自家用乗用車のとりあえずの駐車施設、こういうものを並行しなければいかぬと思うのですが、そういう用意もおありになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/107
-
108・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 御指摘のように自家用乗用車等を相当強く都心の中心に規制いたしますと、かわりの輸送機関としてのバス等の輸送力の増強等は当然考えなければならぬと思います。バスにつきましては、ただいま申し上げました問題よりもさらに以前の問題といたしまして、現在の都心に乗り入れておりますバスの運行系統、あるいはその状況等が実情に合っておるかどうか、まずこれを実情に合うように修正もしたい。そういう意味合いから現在都心に入っておりますバスの運行系統等を陸運局が詳細に調べております。その結果、修正すべき点があればバス事業者をして運行系統その他の修正をやらすというふうに現在いたしております。それからさらに自家用の乗用車等の間接規制によりまして、ある路線につきましてはバスの輸送力を増強しなくちゃならぬという点も出てくると思います。そういう点もあわせて検討をさせておりまして、具体的に各運行系統の現在のバスの輸送力、輸送効率、そういう点から輸送力の増強の必要のある所は増強措置をとるように指導いたすつもりでございます。なお、駐車場あるいはターミナル、この問題につきましても、実は先般来行政管理庁を中心にいたしまして、都内におきます空地あるいは埋立予定地を交通施設として有効に利用し得るための方策を、現在いろいろ関係者寄って検討いたしております。運輸省といたしましても、埋立予定地等につきまして、こういう地帯にトラック・ターミナル、あるいはバス・ターミナル等を作ることが好ましいのではないかという線で検討しておりまして、昨日でございましたか、けさでございましたか、新聞にちょっと載っておりましたのは、これはそういった埋立予定地をこういう施設にできるだけ使いたいという私のほうのごく試案でございまして、一応の希望として行政管理庁中心の会議に申し出たのが記事になったのでございまして、ああいう埋立地あるいは空地等につきまして、さらに今後具体的な方策を検討いたしまして、運輸省といたしましても最終方針をきめたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/108
-
109・大倉精一
○大倉精一君 バスの路線の系統を調査する、あるいは必要な場所には増強するというお話でありましたが、けっこうだと思うのですが、ニューヨークのお話を聞きましても、バスはどんどん通っておる、バスは都内にどんどん狭い道路を通っておる、狭い道路といっても、これは限度があるのですけれども、乗用車が通ろうと思うとああいうものがじゃまになるが、そうでなければじゃまにならないのですね、バスというものは。ですから、乗用車を規制した場合におけるバスの交通時については、今までと違った観点から考えなければならぬと思うのです。これは特にひとつ考えていただきたいと思う。それから駐車場の問題について、まあ国有地、あるいは埋立地というお話がありましたが、これはきのうの新聞でございましたか、相当具体的にこの場所、この場所、この場所という工合に、図面をかいて解説してあったのですね。これは私は悪いとは言わない、悪いとは言いませんけれども、この前もちょっと質問申し上げたように、すでに大手筋ではそれぞれ個人のターミナルを作っておるわけですね。そこへ今度指定してトラック・ターミナルを作るということになるというと、これは相当問題が複雑になってくると思うのです。特に競合路線を持った共同ターミナルでしょう、おそらくお考えになっているのは。この競合路線を持った共同ターミナルというものは、現在のトラック業界の現状から申しますと、非常にむずしかい問題がある。たとえば帰り荷物とかあるいはその他の競合関係とか、いろいろな複雑な問題があって、はたしてうまくいくかどうか。アメリカにおいても競合路線を持ったターミナル経営は失敗しておるという体験もあるわけです。ですから、特にこれは慎重に考えていただきたいと思うのです。それから特に駐車場の問題に関連して、川島さんにもお伺いしたのですが、都心において駐車場を拡張しよう、増強しようということを考えているわけですけれども、しかし、頭から否定しませんけれども、都心における乗用車の駐車場というのは、都心に対して流れを誘致するものであって、これはかえって都市交通政策に逆行するものである。ニョーヨークあたりにおきましての都心における駐車場計画は、これは無用の、むだな事業であるということで、廃止をされたと聞いておりますが、そういう点について論議されたことがございますか。都心における駐車場の問題について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/109
-
110・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 都心におきます駐車場の問題につきましては、今お話のように、かえってこれを作れば車の都心への集中を誘導する結果になるという議論も大いに出ております。それからまた一方では、大きなビル等を作れば必然的に人も車も集まることは当然であるので、こういう場合には集まった車が交通の障害になってはいけないので、適当な駐車場の設備を持つべきであるという議論も出ております。両方とも意味のある議論でございますので、現在まあ駐車場につきましては、建設省のほうで具体的な案を検討されておりますけれども、この両方の議論をわれわれ集まりましていろいろ話し合っております。決して駐車場を都心に必ず作らなければいかぬという一方の議論だけでまとめておるわけではございません。よくその点も考えてやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/110
-
111・大倉精一
○大倉精一君 この問題は、この前、川島さんも、都心に作るという意味は、商店、中小企業等で自家用車を持って置き場がないから、その入れものを作ってやるのだという答弁があったんですが、そういうことであれば、これは共同車庫であって、駐車場ではないわけですね。と同時に、毎日新聞かどこかで交通閣僚は公約するという中で、川島さんもこの乗用車の駐車場は郊外適当な場所に作るという意見もありました。そういう案をひとつ大いに検討してもらいたい。外国において——外国のことばかり言うようですけれども、この機会にいろんなものを読んだり何かしたもんですから……。今ではアメリカあたりでも、都心におけるビルディングにつきましては必ずしも車に乗って通ってくるということを期待しないらしいのですね。こういう問題もあわせてこの際検討してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/111
-
112・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 都心の駐車場の問題は、交通閣僚懇談会で強く大倉さんのおっしゃるとおりに要望をいたしております。ただ、日本の東京の道路の交通計画は、今後相当進んで参ります。したがって、その場合のことを考えてみますると、今よりももう少し上がってもよかろうかと、かように考えております。現状においてのあれを前提とすれば、これ以上駐車場を作るのはやめてもらいたい。しかしながら、今後の改良あるいは道路の状態等を考えれば、もう少しくらい上がってもいいかもしれないけれども、とにかく都心には駐車場をあまり作らないというその方針を堅持してもらいたいということを強く私から要望いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/112
-
113・大倉精一
○大倉精一君 全く同感でありまして、であるから駐車場法案には反対しないのでありますけれども、作る時期、運用によってはかえって弊害があるということもひとつお考え願いたい。と同時に、都心における駐車禁止の——自家用車ですね——範囲を拡大し、強化するということになるというと、いろんな問題が起こると思うのですね。たとえば今ニューヨークで問題になっておりますところのお医者さんの車はどうするかとか、外交官の車はどうするかとか、報道用の車はどうするかということもあるのですが、こういうこともこれから研究すると思うのですが、万般、ひとつ新しい交通政策ですからして、そういう点も、これはお考え願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/113
-
114・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 今の点も、そこまで私は突き進んで警察当局に要望をいたしております。ほとんど路上には駐車ができないということを原則にし、しかし、その場合において特に駐車させなければならぬものというものを考えて、それ以外のものは駐車をさせないということを将来の目標に置いて、駐車禁止をもっと一日も早く拡大してほしいということを強く要望いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/114
-
115・大倉精一
○大倉精一君 私は今度の東京陸運局長と警視庁の間できまった案については必ずしも賛成しないのです。ということは、前から言っておるように、まず自家用車の間接的な抑制をやってどのくらいの効果があるか、おそらくこれを適当にやれば、都市交通は、現状においては私は相当効果があるのじゃないかと考えておったわけなんです。しかし、こうきまったということになれば、こういういろんな問題が想定されるのです。昼間二時間の穴というのは、はたして路線トラック等の場合において、都心における交通を利用する時間が十分であるかどうかということです。規制される範囲は、どこからなんですか。東京都のたとえば例を言ってもらえばいいのですけれども、そこから入ってきて、二時間で、はたして東京都のある地点まで行けるかどうか。そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/115
-
116・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 二十路線の各路線について、どこからどこまでが規制の対象になるかという具体的な最終案は、これを今後公安委員会で公示し、実施するまでにさらに詰めていくことになっておりますが、一応予定されておりますもの一、二の例をあげますと、たとえば第一京浜国道につきましては、日本橋の橋の上から新橋一丁目、八ツ山橋及び大森六丁目各交差点を経て大田区の六郷の橋の東詰めまでということで、これは六郷川の橋のところから押えるということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/116
-
117・大倉精一
○大倉精一君 どこの橋。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/117
-
118・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 六郷です。川崎と東京の間を流れております。
それから中原街道でいいますと、品川区の西大崎の交差点から大田区の丸子橋の東まで。それから甲州街道でいいますと、新宿の旭町の交差点から幡ケ谷の交差点を経まして世田谷の給田町というところがございますが、そこの交差点までというふうなことで、一応それを予定しておりますが、詳細はさらに多少の変更があるかと思います。大体そういうふうな押え方をするという考えでございます。
なお、昼間のたった二時間では、ことに路線トラックなんかとても無理ではないかという御意見でございますが、私たちも若干その心配はいたしております。規制の時間は二時間になっておりますけれども、その前後の三十分ぐらいはどうしても、何といいますか、二時間を有効に使わすためには、ある程度の考慮を考えなくちゃいかぬだろうということを、両者の話し合いのときにも話し合っております。したがいまして、時間的には十一時から一時という二時間ということできめましたけれども、十一時前の三十分、一時以後の三十分の程度は、例外的にやむを得ぬものは通さなきゃいかぬ。そうでなければ、出かかったものが出られない、入りかかったものが途中でとまるということになりますので、そういう点は、運用におきまして無理のないようにいたそうというふうに話し合っておりますから、そういうふうな運用の仕方になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/118
-
119・大倉精一
○大倉精一君 それから駐車路線の時間帯が昼間二時間、前後三十分ずつ三時間ですね。その間の待機場所というのは予定されておるんですか、トラックの待機場所は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/119
-
120・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) これにつきましては、これははっきり公示になりますと、特に路線トラック等につきましては、あらかじめ事業者のほうでいろいろ考慮してもらいまして、道路の途中で時間がきて立ちんぼしないように方法を講じてもらうということも要請せざるを得ないと思っております。中には、突然道路で時間がきて立ちんぼせざるを得ないということも初めのうちは起こるかと思いますが、その点につきましては、事前にPRをよく警察のほうでやってもらいまして、なるべくそういう事態が起こらないように、自主的な措置ができる指導をやってもらうように、これも両方の間で話しておりますから、円滑にそこはいくようにやってもらうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/120
-
121・大倉精一
○大倉精一君 やってみてもらうのはいいが、実際問題としてこれの取り締まりなり指導ができるかどうか疑問に思うんですね。たとえば十一時から一時までになりまして、一時十分前にはもう入っちゃいかぬことになると、十分前には、あるいは三十分前には入っちゃいかぬかもしれません。かりに十分前に入ってきたものはとめるわけにはいかないでしょうが、十分前の信号にひっかかってとまっちゃったらどうするか、そういう問題が出てくると思います。ですから、私は非常に実行がむずかしいと思うんです。一ぺんおやりになることはけっこうだと思うんですけれども、私は実際問題としてむずかしいのじゃないかと思います。むしろ乗用車なり自家用車等の規制の方法についてお考えになったほうがいいと思いますが、あまり言えば業界擁護になりますからやめますが、私は決して業界擁護じゃないんです。実際おやりになってみて、これはおそらくむずかしいのじゃないかと思う。これの計象は荷を積んだ車ですか、から車ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/121
-
122・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) それは差別をつけて考えておりません。実車も空車も同じように一応適用になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/122
-
123・大倉精一
○大倉精一君 そうしますと、都内における荷役は、その荷を持って行かないことになりますね、時間帯によっては。だから十一時ごろに入り込んで、荷を積んで出てこれない。時間が足りないから翌日まで待たなければならない、そういう問題も起こってくると思うのです。さらにこれを指導する警官の数も問題があるでしょうし、私はこれは非常にむずかしいと思うのです。やれないことは初めから私はやらんほうがいいと思うんです。これは技術的にむずかしいと思うんです。
もう一つ心配になりますことは、路線トラックでも、たとえば七トン半以上を主体とする業者があるだろうと思うのです。あるいは一台、二台、三台を持っている零細な路線業者もいる、こういう業者の補償といいますか、そういう対策はどうしますか。これでもってつぶれてしまう業者がありますね、商売ができないこともありますね、これはどうしますか。これはしかもつぶれていいということはないと思う。国家が免許したんだから、国家の免許業者をやめてしまえということはできない、これはどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/123
-
124・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 今回のこの規制の案は、実は初めてでございますので、いろいろわれわれも議論をして参ったのでございますが、これが完全だと、効果の点におきましてもあるいは影響の点におきましても、これがほんとうに完全な案だというものは、実はなかなか発見できなかったんです。しかし、何とか規制をしなければいけないという段階であることには考えが一致しておりまして、できるだけいろいろな角度から検討いたしまして、一応このような話し合いになったわけでございますので、これを実施いたしまして、その状況を見ながら、不十分な点、あるいは欠陥のある点は私は改めるべきであると考えております。と同時に、この案を実施することによりまして、深刻な影響を与えるような場合が起こります場合におきましては、私たちといたしましては、この方法に対する再検討あるいは他にこれを指導いたしまして、その影響を除去する方法等も真剣に考えてやっていきたいと思っております。何にいたしましても最初の試みでございますので、いろいろ欠陥もあろうかと思いますが、一応これでやりまして、その実態をも一応見まして、次にこれを修正するなり何なり、よりよい方向にだんだん仕向けていかなければいけないのじゃないかというように考えて努力をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/124
-
125・大倉精一
○大倉精一君 このきまった案は実施されるだろうと思うんですが、大臣にちょっとお伺いするんですが、今私が申し上げました、これによって生ずる具体的な犠牲が直ちに出てくると思うのです。ですから、今申し上げたような二台か三台かを持った路線業者ないしはトラック業者が、これでもってほとんど営業活動ができないか、あるいは非常に大きな犠牲を受けてそうして倒産しなければならぬ、事業を廃止しなければならぬという問題が出てくると思う。あるいは七トン半以上の大型トラックを主体として営業を営んでおります業者もあるのですね。これは直ちにもうこれでもって倒産だというような、非常に犠牲になるものがあるのですが、こういうような問題に対して大臣どう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/125
-
126・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) あるいはおっしゃるような場合も出てくることはあり得るかとも思っておりますが、しかし今までも大体六割程度は夜に回しておりまするし、七トン半以下の車もあるわけであります。時間帯が八時から七時まで、その間二時間というさらに穴があいているということであれば、まあ例外的なものもあるいは起こり得るかもしれませんが、大体これでたいしたことはなしにいけるのではないかと考えております。実際の状況を見まして、そしてそういう事態があるというようなことになれば、また適当なことを考えて参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/126
-
127・大倉精一
○大倉精一君 非常に甘いと思うのですよ、考え方が。現実にさっき私が指摘したように、二時間よりない、都内における業務活動は二時間よりない。トラックの使命というのは、早く送るということが使命です。その日に行ったらその日に積み込んで出発する、これなんですけれども、東京都内に関する限りは、しかも東京都内にそういう取引先を持っている、荷主さんを持っているような零細業者、一台、二台、三台という業者は、十一時ごろから都内に入って、荷物を積むが、翌日でなければそこから出られない、これでは商売にならぬのですよ。これは大きな業者は別ですよ。さらにまた七トン半以上を持っている、しかも東京都内のものが主要なものだという場合に、翌日でなければ、しかも十一時にならなければ出てこれられないということになると、これは商売にならぬと思うのですがね。たいした影響がないというふうに考えるのは、ちょっと甘いのじゃないかと思いますが、局長そういうケースは起こりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/127
-
128・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) 実はそういう点もいろいろ議論をしてみたのでございますが、まあ最初のことでもありますので、そうたいした大きな影響なしにやれるんではないかというふうな感じを持って、最終的にこれでまとまったわけでございますが、もちろんおっしゃるような特に大きな影響を受けるところがあるいは出るかとも思います。そういう点は実施の状況を見まして、そういうことがあるとすれば、大いに改めていきたいと、かように考えておりまして、融通性を持ってひとつ実施の実情を見ながら、より一そういい方法に持っていきたいと、かような気持で、まあこの程度でということで話し合いをやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/128
-
129・大倉精一
○大倉精一君 要望しておきますが、こういうような現象について調べてもらいたいとこの前言ったのですね、これをやった場合はどういう現象が起こるか、これに対する対策はどうかということを調べて報告してもらいたいと、こういうことを要望したのですけれども、そういう点についての調査がまだされていないようでありますけれども、これは非常に重大な問題ですよ。国家に免許した責任がありますよ。免許した業者が、これによってできないということになったら、これは大いに責任をとらなければならぬと思うので、これはぜひともデーターを作ってもらいたい。これは簡単にできると思うのです。七トン半以上持っている業者の分布状態がどうなっているか、あるいは一台、二台、三台という東京都内を主たる活動範囲としている業者はどんなにおるか、これはたいへんに多くなると思うのですね。ですから、これは簡単なことだとおっしゃるけれども、私は相当重大な影響があると思うので、ぜひともひとつ調査して報告してもらいたいと思うのです。いいですか、そういう資料が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/129
-
130・木村睦男
○政府委員(木村睦男君) はい、現在いろいろ調べておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/130
-
131・金丸冨夫
○金丸冨夫君 今、大倉委員がお話になりました問題ですね、特に時間の規制の問題について、私どもの考えとしては、やはり一番大事なのは八時から八時までということはこれは暴論であるということ。次には、少なくともその間にいろいろな今までの動いておる実績等から見て、十一時から二時半ないし三時までという線は、現にりっぱに谷間ができておる。この間にぜひ少なくとも四時間程度はあけてもらいたいということを強く要望を申し上げておったのですが、今度の規制でもわずかに二時間というようなことになって、これは先ほど大倉委員が言われると同様な結果が非常に起こってきやしないかと思われます。また、今から折衝されるであろういわゆる区域の問題ですね。路線になったから円ではなくなって、結局路線という規模になりましたから、それは私はいいと思うのです。裏通りのいわゆる迂回線というものが考えられる場合においては、これは救える問題が一つ起こってきた。しかしながら、路線の問題でも、たとえば東海道を入ってくる場合には京浜一号、二号というような線しかないのですから、これは六郷からすぐとまるんだということになってくると、非常にこれは問題は起こってくるわけですよ。ことに二時間という時間の制限をされるというような、若干のアローアンスはあるにいたしましても、入ってくるのにやはり少なくとも一時間以内で入ってくるという距離の程度に縮めてもらうということ。それから積みおろし両方がおそらくできないでしょう。だから持ってきた物をおろすということだけで、急いでやっつばり一時間見なければならない。その車がどこかに退避するのにやはり一時間かかる。だから三時間というものはぎりぎりということになるのではないか。かようにわれわれは考えておったのですが、これが二時間に運輸省のほうで譲歩して引っ込んだということは、非常に影響が大きくなってくるので、特にトラック関係の集配も今度は相当引っかかります。引っかかりますが、今の路線営業者というもののうちには、ター、・、ナルその他をちゃんとその会社で持っておるというようなところでは、私はかけ込めばそれでいいと思いますが、そうでないものは、やはり大型車に積んだ荷物というものはそうコンソリデートした、言いかえれば混載式品目が非常に多いということではないと思いまするので、普通の関係において、そういうターミナルを持っておらないような人は、やはり都内において一応ニカ所、三カ所にこれを配達をしていくというようなことになるのではないかと思うのですね。そういうことから考えてみても、業者に対する影響というものは、今、大倉委員のお話のとおりに、非常に問題のところが多いと思います。東海道方面から入ってくるのでも業者は百をこしておりましょう。そのうちでトラック・ターミナルを持っておるのは私は数えるほどしかないと思う。そうすると、あとはどうしておるかといえば、事実小さい営業所でみなおろして、それから配達の車に積みかえるというようなことをやっておるのが半分あればいいという見当で私は見ておるわけです。そうすると、そういうものがみな影響を受ける。業者をどういうふうに運輸省はお考えになっているか、これの免許は、あるいは経営全般について、再三御考慮になり、御指導になり御監督になっている立場から、どういう手を打たれるかそれは別ですけれども、荷物自身がこれはやっぱり非常におくれてしまうということにもなるでありましょう。こういうふうにきまったということであれば、一応やるということにこれはなるでありましょうが、先ほどからのお話を伺うというと、今後の情勢に応じて相当にてこ入れもできないこともないような御答弁の意味も含まれておるようですから、この点はひとつよろしく御注意になって、そしてこの時間帯というものを少し広げていただくということにしてやっていただかなければならない。私は今度の規制で一番無理だと思われる点は、昼間のその点だろうと思うのです。それから七トン半ということでありますけれども、あれは車自体は七トンから七トン半の間というものは少ない、大体七トン半あるのです。そうするとそれから上がかかりますので、八トンと七トンということになると、たいへんな事実違いになる。もともと規制する目的であるからといえば、これはそうでありまするが、やむを得ないことでありまするけれども、この影響はそう簡単に、たいしたことはないじゃないかということにはならない、かように考えるので、今後この点については、ひとつぜひ時間帯の点と、それから今後ターミナルができるまでの間においては、いわゆる弱小企業者というか、そういうものに対する考えをやはり御考慮の上に、運輸省としてはひとつぜひやっていただきたい。これをお願いしておきます。
運輸大臣にお伺いしたいのですが、今回の規制を見ますというと、なるほど路上取り締まりあるいはその他についての取り締まり方面というものは、相当に強くやるのだとは言っておりまするが、たとえば警官の措置であるとか、そういうものはあまり話題になっておらぬ。言いかえれば、こういうのは幾らやってみたところがたいしたことはできないから、まあいきなりなり行きにまかせるというようなことであるかもしれません。しかしこれは非常に重大な問題であって、これはぜひひとつ十分閣議なり閣僚懇談会において強く主張していただきたいと思うのですが、特に車庫設置義務というか、乗用車、自家用トラックというような点について、そういうことは取り締まりができないから、これはとても立法しても音心味がなかろうというようなことを閣僚懇談会でお話があったというのですが、これはどうも取り締まりができないから、むずかしいがらいけないだろうというのであるならば、これは私は政治じゃないんじゃないかと思う。むずかしいことをやりたくないと言うなら、何にもやらなければ一番いい。ことに閣僚の上の方だけを決して私はなにするわけじゃありませんけれども、そういうお方々が、ただ御自分の観念だけでそういうことをお考えになっておきめになるということが、一番私は今日の政治において危険だと思うのですが、この点は十分御主張になっておりましょうかどうか。その点が一つと、それからもう一つは、今回の規制は、もちろん車をとめるということで、これの積極的なはやり言葉の前向き的な、立体交差その他、いわゆる横断人道施設とかいうようなものについても、今後の問題になるでありましょうが、これはぜひひとつ十分主張せられ、補正予算等でも組んでこの打開をしていくという御決意があり、またそういう御意思がおありでありましょうかどうか。もしそうでないといたしますれば、規制だけで参りますと、これはたいへんなことで、特にトラックを目のかたきのようにして、まずもってやるというようなことになりまする結果は、これは一番影響するところは、やはり業者もさることながら、私は都民の経済生活だろうと思う。非常にこの点を一般にまだ軽く見過ぎておりはせぬかと思われるわけです。というのは、トラックあたりは、言いかえれば自分で地下鉄に乗るとかまたバスに乗るとか電車に乗る、国鉄に乗るというわけにはいかないのですから、どうしてもそれだけのものを1今特に集配のごときは、これはトラックを動かさざるを得ないというような状況になっておる。それをトン数においてなるほど少ないということであっても、非常に私は影響がある、特に生鮮野菜というようなもの、特に果物というものには、今回の規制は私は相当に問題になりはしないかと思われるわけですね。関東地方とか、あるいはまた一定の距離サークルからの集散については、八時まで、あるいは午後一時の間だけを縫って出入りするということでどうかこうかいいかもしれませんが、たとえばもう一つその次の距離になりますと、夕方向こうが出発地を出てくるというのにも、ある程度限度がありまして、ちょうどここに入ってきた場合がやはり昼間にならざるを得ないというのが、野菜等においては相当私はあると思う。現に今日東京の郊外に類するところでも、大根一本五十円近くしておる、都心においては七十円、八十円、これが百五十円になるのは目に見えておると私は思うのです。ことに物価というものがそういう工合に上がることを今の政府はできるだけ押えようということに今いろいろの施策をやるんだということを言っておられるが、その影響というものは、そうなまやさしいものではない。もしそういうことになれば、これはほんとうに今一般でいわれておるように、レジャーとか、あるいはそうでなくても、もし乗用車等のそれほど必要のないというようなものの運用のために、都民全般がその費用というものを今度は物価の上において全部負担しなければならぬということにもなり、非常に政治上から考えても変なことになるように思うので、この物価の影響というものを大いに今までもやはり運輸省としては経済企画庁等に強く認識をしてもらうように努力をされてこられたかどうか、その点を一つ。合わして三点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/131
-
132・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) この車種別の規制は、運輸省の横やりによって骨抜きになったなどと新聞が報じておるくらいであります。私は今おっしゃいましたような趣旨から、まず交通規制というか、車種別の規制をやる前に、取り締まりあるいは交通指導というものをもっと厳重に、あるいは強くやるべきだと要望をいたしております。警察庁あるいは警視庁もその予定をいたしております。まず交通警察官というものをもっと増すようにということも強一く要望いたしております。これはおそらくそのうち、実現をすると思っております。それから、ただ単に規制だけでなくて、道路の拡幅あるいは立体交差等、おあげになりました点も、これは強く要望いたしております。交通閣僚懇談会にも東京都知事及び都の道路関係の人たちを呼びまして、警察庁、警視庁が要望しておる程度の、少なくとも道路の差しあたっての拡幅あるいは改善というようなものをやるについて、東京都はどういう考えでおるか、東京都の今日の工事能力をもってして、今東京都が予算に出しておる以上に、さらにどれだけやれるかということを検討いたしておるわけであります。数百億に上ると思いますが、これは補正予算あるいは予備費の支出等によってやろうということで、今具体的に計画を進めております。ただ、これは本年度中にやるといたしましても、でき上がるのは、あるいは本年の末になるとか、来年にまたがるということになって、あすからすぐ実効のあがるものではございませんが、それぞれそういう意気込みでやっているわけであります。規制によって物価が上がる、物価に影響を及ぼすということも承知いたしておるわけでありますが、今申しましたような方法によって乗用車は間接的な規制でやっていこう、なお、申し落としましたが、車庫の設置という点は、道路を車庫がわりに使ったり、あるいは長時間路上に駐車をしているということは困るわけでありますから、これをひとつ厳重にやるようにしようというので、これは警視庁はその方針で進むはずでございます。少なくとも都心部において今よりも駐車禁止区域を広める。そしてさらに路上を車庫がわりに使う一これは法制上非常にむずかしいようでありますけれども、しかし、おのずから常識的にわかるわけでありますから、場合によればそういう立法措置をやろう。ただ、その車庫または車の常置場所を、いやしくも車の所有者は持つべきだというのも一つの行き方でありますが、これは全国1いなか、都会を問わず、いやしくも車を持っている者は車庫を、あるいはまた車庫といわなくても道路以外の所に常置場所を持つべきだというこの観念はわかります、わかりますが、しかし、これを罰則をもって臨むということになりますると、法律上非常にむずかしい問題が起こってくる。持つべきだという観念だけから、もしその常置場所に車を入れていないというような場合に処罰をする、処罰をする理由は何かといえば、これは路上に放置をして、そして交通の妨げをするからいけないのだという理由であれば、これはよくわかると思うのでありますが、一車の所有者たる者は車庫を持っていないということだけで処罰をするということになりますると、これは立法技術上非常にむずかしい問題になります。この点は法制局も入れて検討いたしておりますが、今日までの検討いたしましたところを御披露申し上げますると、路上に長時間駐車をしたり路上を車庫がわりに使うということが、その一定の路線、あるいは一定の地域においては非常に困るということで、道路を指定してそういうようにやっていくというのが筋道じゃなかろうかというので、その方向に今立法の準備をいたしつつあるわけであります。結論を得次第、さようにいたしたいと思いまするし、また、これは今申します方法ならば、新しい立法なしでも、警察の道交法の取り締まりででき得る面が大部分あるのでありますから、これを早く実行に移すようにということで、強く要望をいたしております。
物価にはね返らないようにできるだけの措置を考えていきたいということも同感でございまして、これも努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/132
-
133・大倉精一
○大倉精一君 最後に運輸大臣にお尋ね−お尋ねよりも要望かもしれませんが、交通警察官の増強というのは、たびたびいわれておりますから、これはもう重複するからやめますけれども、同時に運輸省における関係の職員ですね、これは非常に足らぬと思うのですよ、私は。施設も足りない。これをやはり飛躍的に増強させなければならぬと思うのですが、この問題、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/133
-
134・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) まあ車の増強に伴って運輸省の職員が不足をしておりますことは御承知のとおりでございます。しかしながら、昨今のいろいろな情勢から、官庁職員をふやすことはきわめて困難でありまするし、必要なものはこれはやむを得ませんけれども、できるだけ事務の簡素化をはかって、そうして職員の能力を必要なところに持って参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/134
-
135・大倉精一
○大倉精一君 まあその問題は私はなかなか了承できないのだ。私はそういう人間の問題を非常に消極的な考えでやっておったのでは、おそらく今度の規制あたりは、これはもう仏を作って魂入れずということになるだろうと思いますので、これは大臣ひとつ積極的に人員、施設の強化についてはお考えを願いたいと思います。これは要望ですから……。それで、速記をちょっとやめて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/135
-
136・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/136
-
137・村松久義
○委員長(村松久義君) 速記をつけて。
じゃ本件に関する質疑はこれで終局いたします。
本日はこれで散会します。
午後一時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104013830X01619620322/137
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。