1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十七年三月二十七日(火曜日)
午前十時四十五分開会
—————————————
委員の異動
三月二十二日委員山本杉君、村山道雄
君及び勝俣稔君辞任につき、その補欠
として大谷藤之助君、秋山俊一郎君及
び松村秀逸君を議長において指名し
た。
三月二十三日委員秋山俊一郎君、大谷
藤之助君及び松村秀逸君辞任につき、
その補欠として村山道雄君、山本杉君
及び勝俣稔君を議長において指名し
た。
三月二十六日委員光村甚助君辞任につ
き、その補欠として永岡光治君を議長
において指名した。
本日委員永岡光治君及び紅露みつ君辞
任につき、その補欠として森中守義君
及び徳永正利君を議長において指名し
た。
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 高野 一夫君
理事
鹿島 俊雄君
村山 道雄君
阿具根 登君
委員
勝俣 稔君
佐藤 芳男君
竹中 恒夫君
徳永 正利君
山本 杉君
横山 フク君
村尾 重雄君
石田 次男君
国務大臣
厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
政府委員
厚生政務次官 森田重次郎君
厚生省医務局長 川上 六馬君
厚生省保険局長 高田 浩運君
運輸省船員局長 若狭 得治君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
説明員
大蔵大臣官房財
務調査官 佐竹 浩君
厚生省医務局次
長 鈴村 信吾君
厚生省保険局船
員保険課長 中村 一成君
—————————————
本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○医療金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○船員保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/0
-
001・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
この際、委員の異動について報告いたします。
三月二十二日付をもって村山道雄君が辞任され、秋山俊一郎君が選任、三月二十三日付をもって秋山俊一郎君が辞任され、村山道雄君が選任、三月二十六日付をもって光村甚助君が辞任され、永岡光治君が選任、また、本日付をもって永岡光治君が辞任され、森中守義君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/1
-
002・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 次に、理事の補欠互選を行ないます。
ただいまの報告のとおり、村山理事が一時委員を辞任されましたために、理事に一名の欠員を生じております。この際、理事の補欠互選を行ないたいと思いますが、その方法は、慣例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/2
-
003・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
それでは村山君の補欠として、村山君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/3
-
004・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 医療金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/4
-
005・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 佐竹財務調査官にお尋ねをいたします。
第一点は、本公庫の設立の趣旨がどうも曲げられているように考えられます。と申しますのは、本公庫を設立いたしました趣旨は、少なくとも私的医療機関の施設その他の整備拡充を主体としてこれが設立されたわけであります。ところが、現在の運営状態を見ますと、必ずしもそうでない。しかも、あたかも無医村対策、医療機関の適正配置に重点が置かれたというような運営がされているように思われるのでありまして、この点まずお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/5
-
006・佐竹浩
○説明員(佐竹浩君) お答えいたします。ただいま鹿島先生から御指摘のように、医療金融公庫の設立の趣旨につきましては、これは医療金融公庫法第一条の目的に定められておりますように、私立の病院、診療所といったようなものの設置、それから機能の向上ということを目ざしてこの融資をつけるという制度でありますが、設立以来今日まで、この目的に沿いまして現在公庫は運営をされておる、かように私どもは考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/6
-
007・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁どおりですと、私も了承するのでありますが、前回、橋口課長に対する質問、その答弁からすると、適正配置がこの公庫の主たる柱だということを言っております。この点は、ただいまの答弁どおり、銀行局におかれまして、その趣旨で今後指導運営をされるということであれば、一応了承いたしますが、これらの点は公庫法第一条にはっきりと、ただいま御答弁のとおり、医療機関の機能の向上並びに必要な施設の向上、改善等に資するということがはっきりうたわれておりますから、この精神において、筋の通る形において運営の実が上がるように特に希望いたします。
それから第二点は、何と申しましても、この公庫の主たる目的は、その貸付条件が低利かつ長期でなければならぬのでありまして、特に利率におきましては、年利一律に六分五厘をもって貸付るということが公約として設立当初いわれております。したがって当然この線になければならぬはずでありますが、この点について何としても熱意が足らないように思われるのです。特に三十七年度におきましては、質本金も総額五十五億円に増強されるわけでありますから、これに見合った措置がとられ、当然金利の引き上げが行なわれなければならぬと思う。この点につきまして明確に御答弁を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/7
-
008・佐竹浩
○説明員(佐竹浩君) お答え申し上げます。
これも公庫法第一条にございますように、つまり一口に融資と申しましても、長期かつ低利な融資ということに規定をいたされておるわけであります。そこで、その趣旨に沿いまして、現在公庫におきましての貸付は各種ございます。病院、診療所等の新築、改良、もしくは機械の導入でありますとか、いろいろあるわけでございますが、その中で特にベーシックなものと申しますか、一番根幹をなすいわゆる病院、診療所の新築等につきましては、御承知のように、六分五厘という低利の金利が定められておるわけでございます。ただ、まあ中には八分もしくは九分というものが御承知のとおりあるわけでございます。これは御承知のように、九分につきましては機械関係でございますし、八分というものにつきましては、これは同じ病院、診療所の改良、改築等につきまして、いわば医療行政の面をも考慮されて、そこに二つの区分が行なわれておる。これは私から申し上げるまでもなく、先生先刻よく御承知のことと思うのでございますが、つまり、いわゆる病床の不足地区と、それから、不足でない地区ということに分けられまして、不足地区については六分五厘、これは何としてもベッドをふやしていかなくちゃならない、そういう趣旨で六分五厘という低利の金利が定められております。ところが、一方、すでにもうベッド数からいって、これは不足ではないというように認定されております地区につきましては、これは緊急度から申しまして、何よりもまず不足地区を充足しなくちゃいかぬということでございましょうから、そこで、不足でない地区につきましては、改良について融資はいたします。融資の対象にはなりますが、その点に若干の金利差が設けられまして、これは八分ということになっておりますことは御承知のとおりでございます。なお、機械等について九分ということは、これは事の性質から申しまして、いわゆる長期資金を要する建築物というものと異なりまして、機械につきましては、御承知のように、きわめて償却期限も短かいものでございますし、また、一件当たりの金額から申しましても、金額的に小さいというようなことで、経済的な理由からいっても、これは特に六分五厘という低利を適用しないでも十分やっていける。少なくとも市中金利並み、もしくはそれよりも若干低いところというところで定められて今日に至っております。かように存ずるわけでございますが、ただ、ここで特に私強調して申し上げたいことは、あくまでこの法律第一条の精神にのっとりまして、いわゆる貸付の中で一番基礎的と申しますか、中心的と申しますか、そういう部分については六分五厘という低利が確立されておるという点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/8
-
009・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 ただ今の御答弁では納得が行かない。というのは、適正配置に中心が置かれてはならないのであって、機能の向上というものも、適正配置と同じ重要度で取り扱われなきゃならぬというところに私の質問の中心があるわけでありまして、ただいまの御答弁であると、やはり適正配置に中心を置くということになる。すなわち、片や甲種、片や乙種というような格差を設けることになるわけでございます。これでは納得できません。あくまでも、適正な配置、機能の向上、この二つのことを並行的に考えなければならぬと考えます。しかも、他方、年金福祉事業団等においては、貸付において、甲種乙種の区別をしておりません。あらゆる面において運転資金につきましても、また、償還期限におきましても、据置期間におきましても、あらゆる点が非常に有利親切にきめられておる。少なくとも本公庫も年金福祉事業団のような形で運営さるべきである、また、そのようなことができなければならぬと思うのです。この点もまことに納得できないのであります。また、あくまでもこの公庫の貸付の中心というものは、適正配置とともに、機能の向上ということになければならぬと思うのであります。これについては、なお重ねて御答弁を求めて、本日は時間の関係もありまするので、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/9
-
010・佐竹浩
○説明員(佐竹浩君) ただいま鹿島先生から御指摘のございましたように、この適正配置と並んで、同時に機能の向上、やはりこれが主眼でなければというお話しでございます。私どもも、これにつきましては、全く先生の御意見と同感でございまして、やはりその大きな二本の柱というものを立てていかなければならぬ、ただ、ここで重ねてどうもお言葉を返すようで、はなはだ恐縮でございますけれども、何と申しましてもこの緊急度と申しますか、つまり何から先にやらなければならぬかという問題がやはりあるのではなかろうか。つまり限られた資金を有効に使って参らなければなりません。そういう意味で、つまり一日も早く不足地区というものは解消しなければならぬでしょう。そういった意味で、不足地区を極力解消する必要については、これは鹿島先生もつとにお認めになっておるところでございます。同時に、全体としてその機能も向上しなければならぬ。そこをどうやってかね合わせて参りますか、なかなかそこのところは苦心を要するところでございます。現在先生御指摘の八分という問題につきましても、まあ発足以来そういうことでやって参りましたが、これに対していろいろ金利引下げの御要望もございます。それに基づきまして、実は現在厚生省との間にいろいろ話し合いをいたしておりまして、将来に向かって改善を要する点があるならば、それはもう改善して参らなければならぬという気持で臨んでおりますが、要は、先生御指摘の趣旨に沿って、私どもは医療公庫の機能を円滑かつ完全な運用に持って参るということにあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/10
-
011・阿具根登
○阿具根登君 簡単に御質問申し上げますが、この法案の趣旨はどちらにあるのか。たとえば現在までに貸付申請に対する決定件数では大体七〇%金額では六〇%ということになっておると思うのですが、このワクを広げて、できるだけ多数の申請者に貸そうとするのが出資金をふやした理由であるのか、それとも、貸付基準の緩和によって、たとえば非常に最近建築資材が高くなってきた。だから個人の貸付のワクを広げるのか、どこに重点を置いておられるか、そうしてそれが前者においておられるとするならば、大体申請に対するどのくらいのワクを取ろうとされておるのか。これは後者に考えておられるならば、一体基準をどのくらい引き上げようとされておるのか、その点をひとつ御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/11
-
012・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 公庫の資金の状況、また、経理の許す範囲内におきまして、できるだけ各般にわたって条件を改善して参りたい、こういう気持で今大蔵省とも折衝いたしておるわけであります。したがいまして、利率のみならず、たとえば融資のワクと申しますか、限度額の問題につきましても、これを引き上げよう、さらに標準単価あるいは標準面積というようなものについても引き上げようということで、各般にわたって、まあできるだけ条件を改善したいということで折衝しておるわけであります。ただ、その場合に、そういうふうに一件当たりの貸付についての条件を改善すれば、資金に限度があるので、借りる人数が少なくなるのじゃないかという御疑問かと思いますが、その点につきましては、来年度総額九十億の資金もございますので、おおむね従来どおりのパーセントにおきまして貸し出しができるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/12
-
013・阿具根登
○阿具根登君 もう少し計数立って、今までの実績は出ておるのだから、だから個人当たりの貸付は、ワクを広げるならば基準をどうするのだ、そうでないならば、現在七〇%が一応認可されておる、これをひとつ八〇%なら八〇%にするためにこうしたのだとか、そういう基礎になっておるものがあるはずなんですね。ただばく然と貸付ワクも広げたい、件数も広げたいという、そういうばく然としたことでは予算は組めないはずだから、これだけふやした基礎になっているのは何なのか、一応説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/13
-
014・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 実は、予算の要求の基礎にとっておりましたのと貸付計画、かなり現実には食い違っている点があるわけであります。で、予算を要求いたしましたときには、そのとおり認められなかった要素等もございますので、かなり現実の貸付の場合には、その条件の各般にわたって違って参るわけであります。したがいまして、新しい条件が加わりますれば、それに応じまして貸付のまた計画を細部にわたって予想を立てる、こういうことになるわけであります。現在大蔵省と盛んに各種の条件について協議をいたしております。それがきまりますれば、さらにそれに基づきまして、貸付の細部の計画というものを当然立てるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/14
-
015・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、現在二十億を五億足して二十五億にしたということだけ、何でも二十五億ふえたということについての基礎資料はないのですか。これがきまったら、今から大蔵省と基準を相談するということなんですか。そんなことだったら、これは上げる必要はないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/15
-
016・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) もちろん予算の入ります際には、各般の基準によって査定されておりますので、その点で九十億という資金がきまっておるわけでありますが、その後に、予算の際に話がつかなかった問題につきまして、その後のいわば実施計画という段階で、今新しい各般の条件について折衝いたしておりますので、それがきまれば、当然新しい貸付の計画がきまって参るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/16
-
017・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、現在まで貸し付けてあるのは、金額で六〇%ですね、件数で七〇%、これは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/17
-
018・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 二月末日現在の数字で申し上げますと、総ワクといたしまして、申請金額が八十五億でありまして、それに対する貸付決定が七十六億であります。それから、件数にいたしますと、三千八十六件の申請に対しまして三千二百二十九件、これは件数がややふえておりますのは、申請に対しまして、査定等によりまして件数を分離した、そういう理由によりましてちょっとふえておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/18
-
019・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、実際問題として、今日までのもので、金額において八〇%苦くらいになっておりますね、八〇%以上になっておる。件数においては一〇〇%ですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/19
-
020・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) これは申請としては、今申しましたように、金額的にはもう八〇%以上九〇%近い数字になっておりますが、件数といたしましては、申請の際には一件として申請したものも、実際には分離して貸付決定等をいたす場合がありますので、ややふえた格好になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/20
-
021・阿具根登
○阿具根登君 そうしますと、件数においては一〇〇%、貸付金額においては八〇数%、そうすると、今度ふやしたということは、貸付の金額のワクを広げるだけですか、そうなってきますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/21
-
022・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 金額のワクと申しますか、資金の総ワクが三十六年度の七十億円に対しまして、来年度九十億と、二十億ふえるわけでありますが、限度額の引き上げ、それから標準面積、あるいは標準単価の引き上げ等によりまして、かなり一件当たりの貸付金額はふえて参ると思います、来年度には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/22
-
023・阿具根登
○阿具根登君 そうすると、私が最初質問いたしましたように、申請の件数をふやすのじゃなくて、個人当たりのワクをふやすためのこれは改正ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/23
-
024・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 個人当たりの貸付金額もかなりふえると思いますが、件数も同時に若干ふえるというふうに予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/24
-
025・阿具根登
○阿具根登君 件数はどうしてふえるのですか。学校法人とか授産所等にはこれは適用されないのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/25
-
026・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 学校法人には貸付を予定いたしております。授産所も同時に貸付対象とすることを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/26
-
027・阿具根登
○阿具根登君 それで件数はふえるというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/27
-
028・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 二十億円の資金がふえておりますし、また、実際問題といたしましては、九十億円の資金がありますと、貸付決定はそれを二十億程度オーバーして実際上は貸付決定いたしますので、大体百十億くらいの資金として運用できるというふうに考えておりますので、件数においても若干ふえるというふうに予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/28
-
029・阿具根登
○阿具根登君 そうしますと、私の考え方が少し違ってくると思うのですが、まあ国民保健に関することですから、もっともっとよくしてもらわなければいけませんけれども、こういう趣旨のいわゆる金融機関ですね、金融公庫等で、これに匹敵するようなもので、貸付状況がこれよりも上回わっているのが何かありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/29
-
030・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 貸付の上回わっているという御趣旨が必ずしもはっきりいたしませんが、他の金融公庫の貸付状況について、私ここにちょっと資料を持ち合わせておりませんので、ちょっとお答えできないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/30
-
031・阿具根登
○阿具根登君 これは突然の質問だから、お答えできないのは当然ですが、たとえばこれは比較にはなりませんが、住宅金融公庫、今国民は家がなくて非常に困っている。政府は建ててやる建ててやるといっておる片そばに、物価は上げるし、土地は上げるし、だれも建てられない。これは確率はきわめて少ないと私は思っているのです。これと比較するわけにはいかないけれども、あなたの説明を聞いておれば、これはほとんど百パーセントこれで需要が達するということになるわけなんです。件数で一〇〇%、金額において現在の二月までが大体八〇数%、これに二十数億の金をふやすというならば、これは金額においても件数においても、百パーセント医療機関だけはできると、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/31
-
032・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 実は、こういうことがあるわけであります。初年度資金が三十億に対しまして、貸付の要望が九十億程度ありまして、申し込んでもほとんど借りられないということで、医療金融公庫には申し込んでもだめだという観念が、かなり医療機関の間に徹底したきらいがありまして、その後に申し込みがやや落ちたわけであります。これは一つには、そういうふうな、申し込んでもだめだというふうな空気と、もう一つは、貸付の基準等が現実の実態に合わないと申しますか、標準面積、あるいは標準単価、あるいは限度額等が医療機関側の希望に非常に沿わない面がありまして、自己資金を相当積まなければ、現実問題として、資金を借りても予定の工事ができないというような事態が若干生じましたので、そのために貸付の要望がかなり減ったということがあるわけであります。以上申したような理由によりまして、相当希望がありながら見合わしている、特に三十七年度は条件の改善がありそうだというようなことから、見合わしている向きもかなりありますので、現実の事態は、さらにこれよりも貸付申請がもっと出てくべき状況にあるというふうにわれわれは予想しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/32
-
033・阿具根登
○阿具根登君 そうしますと、貸付条件が、たとえば六分五厘——まあ私は六分五厘で貸し付けていただきたいと思っているのですけれども、現在はその利率が高い、だから、他の機関から借りたほうが、かえって便利もいいし、金利も安いし、早くできる、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/33
-
034・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 現実には、たとえば現在二千五百万の限度額でありますので、まあ民間でも一億くらいの病院を建てる方もあるわけでありますが、残りの七千五百万円を市中金融機関から調達しなければならぬということで、非常に自己負担がふえる。そういう高い金利を払わなければならぬ資金がふえますために、見合わせるとかいう事態がかなりあるようでありますが、今回、来年度から条件改善されれば、そういう見合わせられておったものが、かなり現実の貸付要望として出て参るというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/34
-
035・阿具根登
○阿具根登君 この法律ではもう一つ改正が出ておりますから、これはひとつ大臣にお尋ねいたしますが、理事長と総裁はどう違うのですか。なぜ理事長を総裁にしなければならぬか、ひとつ納得のできるように御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/35
-
036・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この種の公庫につきまして、理事長制と、それから総裁制というふうなものがあるわけであります。公庫が出発いたしまして何年かすれば総裁にするというような、慣例と申しますか、取り扱いが行なわれておるようでございます。この公庫も、おかげさまで年々資金量もふえて参りました。だんだん貸し出しも広くなって参っておることでございますし、出発以来年数も経過いたしたことでございますので、他の例にならいまして、この際、総裁にお願い申し上げたいということでございますが、さらに申し上げますと、理事長と総裁と申しますと、一見職務の上では変わりないことでございますが、何となしにまあ総裁のほうが格がよろしいような扱いにもなっておりますので、この際、総裁にしていただきまして、さらに責任を持って大いに活動していただきたい、こういうようなつもりで出しましたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/36
-
037・阿具根登
○阿具根登君 何も特別な理由がないようでしたら、ひとつこれは理事長、現行でいってもらいたいと思うのです。総裁々々、日銀総裁、自民党総裁ですね、それに匹敵するようなものだったらいいですよ。しかし、何かしらぬ役だけ大きくして、そうして何かえらくなったような、非常に官僚主義だと私は思う、こういうことは。何も総裁にしなければできないという確固たる理由がなかったならば、総裁にする必要はない。新聞等でもからかっておりました。総裁々々、総裁といえばこれはもう一番えらい人のことをやっぱりいうのですな、一般的の感覚が。そうすると、何も理事長と総裁と、こういうことで少し貸付金が大きくなってきたからこれを総裁にする。そうすると、理事長として仕事をしておるところは、何か格が下のように、こうなっちまうのです、みな。理事長としても、もっと大きな仕事しているところたくさんある。それを特別な理由なくして、少し金額が多くなって、この種のものは総裁という名が多いから総裁という名をつけてくれと、こういうことなら、そんならほとんどのところがもうこれは総裁にしなければ、理事長では格が下と、こういうきめつけになると思う。何も総裁にしなければならぬという確固たる理由がないならば、私は、理事長でけっこうだと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/37
-
038・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) この種の公庫につきまして、ほとんど従来大部分がすでに総裁になっておるわけであります。今回この金融公庫につきまして総裁にしていただく、まあ他にもあるようでございますから、大体全部総裁というようなことになるわけであります。特にこれだけ理事長として残さずに、ぜひ総裁ということにしていただきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/38
-
039・阿具根登
○阿具根登君 私は、そういう名称のとらえ方、あるいは名称のこだわり方というものに対しては、賛成をあまりされないのです。そうしませんと、これは金融公庫ということだから、いわゆる金融機関はすべて総裁というような名称、あるいはそういう考え方が今日の金融機関の横暴を私はもたらしてきておると思うのです。何も金融機関だからといって特にえらいわけじゃないのです。自分の金を貸しておるわけじゃないのです、これは。そんなものに総裁とか何とかというものをどれでもこれでもかぶせるから、自分の金を貸すような気持になっておる。みんな非常に自分がえらい者みたいになってしまっておる。金融機関の横暴という点、これは目をおおうべきものがあるのです。だから、私は、こういうような考え方で、何か金を扱う人は総裁だというような、大臣みずからのそういう考え方があるから、今日のような金融機関横暴をきわめておると私は思うのです。だから、そういう考え方から、総裁なんということは、これはお断わりして、今のままでやってもらいたいと思うのです。
それからもう一つは、この法律に従って役員がきまっておりますが、役員の氏名と前職をひとつどなたか知らしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/39
-
040・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 理事長は安田巌氏でありまして、前の厚生事務次官であります。それから、理事は三人でありまして、一人は河野鎮氏であります。これは厚生省の援護局長をやっておられたのであります。それからもう一人は石橋卯吉という人でありまして、防衛庁の衛生局長をやっておられた方でございます。それからもう一人は小林——ちょっと名前を忘れましたが。小林氏でありまして、大蔵省の印刷局長、造幣局長でありましたか、造幣局長をやっておられたと思います。それから監事は山口氏でありまして、警察庁の大阪管区の警察局長をしておられた方だと思います。役員はそれだけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/40
-
041・阿具根登
○阿具根登君 そのほかに、総務部長さんが厚生省の医務局の課長さん、業務部長さんが厚生省の社会局の厚生課長さん、こう見てくると、役員五名のうち、三名は厚生省、一名は大蔵省、監事さんだけが警察局長、これは監事だから警察がいいかもしれませんね。こういうところへ持ってくる。実際業務をされる部長さんは二人とも厚生省、いずれにしても、全部お役人。これはお役人でなければできぬようにきまってますか、大体。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/41
-
042・鈴村信吾
○説明員(鈴村信吾君) 法律上は、別に前の役人でなければならぬようには書いてございません。しかし、公庫の業務上、たとえば厚生省の関係者、あるいは大蔵省の関係者等が就任することによって、たとえば医療機関の整備に関するいろいろな問題とか、あるいは経理上の諸問題等につきまして、非常に便宜な点は確かにあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/42
-
043・阿具根登
○阿具根登君 私の知った方もございますが、それは個人の方をとってみればりっぱな方ばかりだと私は思うんです。しかし、この種のものができれば、全部役人をやめた方が行かれるわけなんですね。極端なことを言えば、役人のうば捨て山です。個人を攻撃するわけじゃありません。個人はりっぱな方だと思っている。特に私の知った方等はりっぱな方ですが、しかし、考え方が、何かできれば全部これはお役人が勤めることになっている。それじゃ民間の人はこういうことはできないのか、民間の方にはそういうえらい人がいないのか、私は、民間の方にたくさんおられると思う。なら、これは一体だれがきめるのか。理事長は大臣がきめられる、あとの理事は、理事長が大臣の決裁を受けてきめる、こういうことになっていると思うんですね。そういう場合に、厚生省は、自分の所管するところだから厚生省の役人だけ入れる、労働関係のものだったら、できたら労働省関係の者だけ入れる、私は、そういうことで民主的にいけるだろうかと思う。皆さんは便利かもしれません、同じ畑だから。それでは別個の金融機関を作った意味をなさない、私はこう思うんですが、いかがですか。こういう人事のあり方、大臣どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/43
-
044・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 実際の仕事を運営する上の便宜というところが大きく働いておると思うのであります。それぞれの今例に上がりました役員は、かって厚生省に関係あった人が多いと思いますが、いろいろな経歴を通ってきまして、そうしてなっておる人でございますから、必ずしも厚生省の関係の者だけでもございません。まあ適材を選ぶという趣旨でかようなことになりました次第でございまして、民間の人にも適当な人があれば入れるということは、何も妨げのあるということではもちろんないと思います。この医療金融公庫につきましては、理事長を選ぶのはもちろん厚生大臣が選ぶわけでありますが、その理事長の手元におきまして、適当な人ということで出て参りました者を厚生省としましては選んでおるという形のもとにかようになりましたわけでございます。要は、こういう方面のことに経験を持ち、また、役所との連絡等においても都合のよろしい人というようなわけでやりましたわけでございます。その意味において御了承をいただきたいと思うのでありますが、もちろん民間から採ることに妨げがあるということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/44
-
045・阿具根登
○阿具根登君 大臣の今の趣旨の答弁を聞くなら、この医療金融公庫に対する審議は、われわれは資格はございません。率直なところ、私は医者でもなければ、また、金融関係もやったこともございません。われわれみたいなしろうとが、こういうものを審議する資格はないということになります。だから、厚生省管轄のこういう医療金融公庫を作った場合に、厚生省の諸君が来れば、これは便利がいいことはわかっておる。便利がいいことはわかっておるけれども、これでは一方的になって、これはひとつの派閥もできるでしょう。あるいはこういう金融機関を預かる場合に、公正を欠くこともあるでしょう。私はそれをおそれる。このままでいくなら、これは理事長をきめるというときに、大臣なり総理大臣が決裁した、そのあとで自分の一番使いよい人、自分に一番心服しておる人という人を自分が理事に選び、監事を選ぶ。これときめたならば、仕事はやりよいかもしれぬけれども、これは民主的ではない。一番これが正しいというなら、これはお医者さんがみられれば一番いい。われわれしろうとが審議する場所ではない。しかし、しろうとはしろうとなりに、やはり心配してこの問題を突ついていく、法律なら法律そのものを研究していく、金融機関なら金融機関を研究していく、そこに私はいいところがあると思う。全部が全部しろうとでやれと言っているわけじゃない。しろうとでやれと言っているわけではないけれども、こういう人材の選び方では一方に偏してくる、私はこう思うのです。そういう点について、こういう人事のあり方でいいかどうか。これが一番正しいとおっしゃるならば、たとえば今私が並べております七名のうち、五名は厚生省、五名ですよ。監事が一人これは近畿地方の警察局長さんだった。それからもう一人の理事さんは大蔵省の造幣局。そうすると、これはもうこういう専門の方以外にはいけないのだ、こういうことになるわけですね。これは造幣局長さんが最初から造幣局にばかりおったわけじゃないだろうけれども、それはいろいろ大蔵省関係におられたかもしれぬけれども、極端に言えば、造幣局長がなぜ理事に出ていくんだ、金を作る専門の人が金を貸す専門に回されるか、こういうことも言えるとは思うのですけれども、要は、全部お役人だということです。一人残らず全部お役人だ。役所で選ぶ人というのは、全部お役人でなければできぬ、私はその思想がいかんと思う。役人を二人入れたならば、民間を三人入れるとか、こういう考え方はないでしょうか。これならば役人の職場を作るだけじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/45
-
046・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) 役人、いわば官界出身の者で全部占めなければならないという理屈は少しも私はないと思います。この人選がこれでなくちゃいけないのだ、これでなくちゃ正しくないのだというふうな考え方はもちろん私どもいたしておりません。まあ適材を選ぶということによって選んだということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/46
-
047・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/47
-
048・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/48
-
049・阿具根登
○阿具根登君 だから、私はやっぱり理念としてこれは今の方が悪いと言っているわけじゃない。これは偶然こうなったかもしれません。その点非難しておるわけじゃないけれども、これでいけば独裁になるおそれがある。そうすると金融が片寄る。その人に顔の立つ人は、この少ない金でもどんどん借りられる。しかし、その人に反対した人は借りられない、これができるでしょう。これなら、おそらく総裁なら総裁——今度は総裁に昇格するでしょうけれども、総裁なら総裁が、よし、これは許可してやろうと思ったら、これはどんな無理があっても許可できる、これなら。こういうことを私は金融機関にやるべきじゃない。そうじゃなくてさえも、金融機関の横暴というのはほんとうに困っている、ほんとうに借りたい人に貸していない。今の金融機関は、ほとんど何かつてがあるとか、顔がつながっているとか、そういうところに金が貸されておるのが現実でしょう。こういう機構を作るなら、ますますそれが強くなってくる、私はこう思う。だから、考え方として、大体民主主義というのは、反対の人もおる、賛成の人もおる、中立的な人もおる、すべての問題で、これで民主主義というものが成り立っておるので、自分と同じ考え方の者ばかり集まっておったら民主主義じゃないのです。だから、そういうことで今後やっていただけるかどうか、大臣にお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/49
-
050・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) おっしゃる点ごもっともだと思います。たまたま今の人選が前歴がそういう人ばかりであった。これにつきましても、総裁の独断で勝手なことができるわけのものではございませんから、厚生省で十分関与し得る問題でございまするので、将来ともこれをひとつ御趣旨を十分尊重いたしまして、あまりにも非民主的だという批判のないように留意いたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/50
-
051・高野一夫
○委員長(高野一夫君) この際、委員の異動について報告いたします。本日付をもって紅露みつ君が辞任され、徳永正利君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/51
-
052・徳永正利
○徳永正利君 よろしくお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/52
-
053・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ほかに御発言ございませんか。別に御発言もなければ、本案に対する質疑はこれをもって終了したものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/53
-
054・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、順次御発言を願います。
別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/54
-
055・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。本案を原案どおり可決することに御賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/55
-
056・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 全会一致であります。よって医療金融公庫法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/56
-
057・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 私は、各派を代表して、この際、ただいま可決されました法律案につきまして附帯決議の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/57
-
058・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ただいまの鹿島委員の動議を議題にすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/58
-
059・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/59
-
060・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 付帯決議の案文を朗読いたします。
医療金融公庫法の一部を改正する法律案に対する付帯決議案医療金融公庫の各種融資条件の改善に関しては、政府は今後も医療機関(薬局を含む)の整備充実と機能向上の見地から更に努力を払う必要がある。
特にその設備資金の貸付利率は、これを年六分五厘とする等貸付利率全般について引き下げの措置をとること。
なお公庫本来の使命を完うするため、その人事運営の適正民主化について十分な考慮を払うよう要望する。
右決議する
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/60
-
061・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ただいまの付帯決議案に対して質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/61
-
062・勝俣稔
○勝俣稔君 ちょっと伺いますが、「人事運営」というような変なそこのところをもう少し明らかに読んでいただきたいことと、人事と運営ということは、これは別個の問題であるが、運営の円滑をはかるということは、むろん人事も入らなければいけないのじゃなかろうかと私は思うのです。その辺のところをひとつ発案者から御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/62
-
063・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 ただいまの御質問どおり、運営となりますると、運営機構、人事要素、あらゆるものが入ると思うのでありますが、ただいま阿具根委員の御質疑によって御承知のとおり、本公庫の役員構成というものは片寄ってはならぬ、すなわち、官僚出身の理事の構成に片寄ってはならぬというような趣旨から、さような御要望もございまして、これを挿入いたしたわけであります。この点につきましては、運営の中にそういったものも含まれるのだという御議論があれば、私はさような線にも考えられる、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/63
-
064・佐藤芳男
○佐藤芳男君 ただいま勝俣委員の御発言に対しまして、鹿島理事のほうから御説明がございましたが、私は、これを処理するための人事という問題は運営の中に包含されているものという解釈のもとに、ただいまの付帯決議案の「人事」という文字だけは抹消していただきたいと思います。修正動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/64
-
065・阿具根登
○阿具根登君 私は、私の質問で御承知のように、人事というものは運営に入っておらないと思うのです。運営は業務に私は入っていると思うのです。そうすると、この上の「人事」というものを抜かして、運営だということになれば、それは運営は業務運営を指さすことになります。人事はそれに入りません。だから、まず人事を刷新して、それから運営ということになるわけです。だから「人事」ということをどうしても入れてもらわなければ、この付帯決議の意味をなさない、私はこう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/65
-
066・佐藤芳男
○佐藤芳男君 私は運営をなす前提として、人事というものがなければならぬのでございまするから、やはり広義の意味の運営の中には、人事というものが当然入っているものと考えまして、ただいまの各派を代表されましての附帯決議案に対しまして、修正の動議を提出する次第でございます。したがって、こいねがわくは、阿具根委員におかれましても、人事の問題が運営という言葉の中に包含されておるという解釈のもとに、その精神のもとに私の修正に御賛成を賜わらんことをこいねがうところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/66
-
067・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/67
-
068・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。
別に御発言もなければ、本附帯決議案に対する質疑は終了したものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/68
-
069・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
それでは鹿島委員提出の附帯決議案の採決をいたします。本決議案を当委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/69
-
070・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 全会一致であります。よって鹿島君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
この際、灘尾厚生大臣から発言を求められております。発言を許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/70
-
071・灘尾弘吉
○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/71
-
072・高野一夫
○委員長(高野一夫君) なお、議長に提出する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/72
-
073・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/73
-
074・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 次に、船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/74
-
075・村尾重雄
○村尾重雄君 私は、この際、運輸省の方に、船員保険法と標準報酬との関係について、ごく簡単にお尋ねいたしたいと思うのであります。船員保険法と船員法とは、御承知のように、災害補償の面においては表裏一体の関係にあるのであります。船員法適用船員は、船員保険の被保険者となることが強いられているのであります。運輸省は、船員法において、航行船舶の一つの義務として、かなり苛烈な義務をば船員に課せる半面において、船員を保護する責任を持っていられると思うのでありまするが、災害補償の場合の算定の基礎となる標準報酬が、海上に働く船員の所得の実態に見合うよう、これが努力されることは、私は、責任ある義務だと、こう思っているのであります。今回ようやく厚生省が船員保険法の改正を取り上げて、さきに保険審議会並びに社会保障制度審議会に案をば提出され、また、答申を受けてから、この国会に改正案として出されるまでに、運輸省として、厚生省へ十分にその連絡をとられたかどうかということ。私は、もちろん連絡はとられたこととは思いますが、とられたものとするならば、長い問題案となっておった標準報酬の改正等について、どう具体的に努力されたかどうかということ、その間のひとつ経緯についてお話があるならば承りたいと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/75
-
076・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/76
-
077・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/77
-
078・若狭得治
○政府委員(若狭得治君) このたびの標準報酬の改定につきましては、前々からの問題でございますので、運輸省といたしましても、いろいろ検討を加えておったわけでございます。御承知のように、船員保険は総合的な保険でございますので、保険財政のお立場もあると思われます。また、われわれの船員法の運用の面からいたしまして、特に災害補償等につきましては、理論的には当然限度額を設けないというような考え方にわれわれ立つべきであるというふうに考えておりまして、そういう点の検討もいたしておったわけでございますけれども、何分船員保険は総合保険でございますので、そういう一面の問題だけから結論を出すということはなかなかできないということでございますので、われわれといたしましては、できるだけ標準報酬を、今までの三万六千円より高く上げていただくという問題について御検討をお願いしたわけでございます。同時に、この具体的な内容といたしましては、メリット制をさらに検討する必要がないであろうかというような面も御連絡申し上げたわけでございます。と申しますのは、たとえば漁船の関係におきましては非常に災害がある、現在多いわけでございますので、そういう面につきましては、メリット制の採用によってそういう災害を減らすという方向で考えられないものであろうかどうかというような点についても御検討をお願いしたわけでございます。こういう問題については、まだ結論が出ておりませんけれども、とにかく今回の標準報酬を引き上げるということは、暫定的な中間的な措置としてやむを得ないと申しますが、少なくとも現在の三万六千円より上がることについては、われわれ全面的に賛成でございますので、そういうことで今日まで参ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/78
-
079・村尾重雄
○村尾重雄君 いろいろとお話がありましたが、今日ここに現実にわれわれの手元に出されたところの改正案を見た場合において、私は、運輸省として、やはり厚生省にこれが船員の標準報酬引き上げについて十分努力されたとは感ずることができないのであります。私は遺憾にたえないのでありまするが、しかし、時間もないことでありますので、端的に申し上げたいのであります。今あなたがおっしゃったように、いろいろな事情があったということで了解はどうしてもできません。すなわち、三万六千円の最高というものが、この十年間そのまま据え置かれたということであります。その間、健康保険等においては、お聞きになっていることだと存じますが、五年前にはこれが引き上げを行なわれている。ただ、船員保険のみが三万六千円で据え置きになったというふうなことは、今おっしゃったような総合的な保険だからとか、いや、他の保険とのにらみ合わせだとかということでは了解できないのです。まして、漁船の話が出ましたが、より一そうわれわれは了解できないのであります。この十年間、御承知のように、船員の賃金というものは、急速度に経済とにらみ合って上昇しているのであります。それを無視して十年間三万六千円で、なぜこの最高額の引き上げを放任されたかということについて、なお一点、理由があるならお聞かせ願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/79
-
080・若狭得治
○政府委員(若狭得治君) 三万六千円という標準報酬は、現状から見て非常に低過ぎるということは、われわれも当然考えておったわけでございます。しかしながら、まず第一に、この船員の保険料を負担する船主経済というものが非常に逼迫いたしておりまして、なかなか保険料の負担にたえかねるというような状態も一面にあったわけでございます。そういう面もある程度考慮しなければならない。それから、また、現在船員保険の制度というものが、このままの形で標準報酬引き上げをするのが適当であるかどうかという点についても、なお問題があるのではないかという点の検討を進めておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/80
-
081・村尾重雄
○村尾重雄君 私は、この際、時間のことを相当せいておられる模様でありますので、私は議論したくありません。そこで、私は端的にあなたにお伺いしたいのですが、このたびこの標準報酬の改定において、最高額をば五万二千円として、健康保険と並べられているわけです。この五万二千円の最高額について、あなたとしてどうお考えになっているか、あなたの所信を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/81
-
082・若狭得治
○政府委員(若狭得治君) 現在の給与の実態から見まして、五万二千円の最高額というのは、必ずしも妥当なものとは考えられませんけれども、しかし、先ほども申しましたように、船員保険は総合的な保険でございますし、また、今後の引き上げの第一段階としては、その程度の金額が適当ではないかというふうにわれわれは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/82
-
083・村尾重雄
○村尾重雄君 その程度の引き上げ額では不十分だと、こういう御答弁をいただいたのですが、この点は、厚生省の責任者からもその答えはいただいております。また、厚生省におかれても、たびたび衆議院並びに参議院の委員会においても、社会保険審議会なり、また、社会保障制度審議会なりの答申についても十分尊重し、このたびの改正が暫定的なものであり、また、来たるべき国会を目して、これが改定に努力することもある程度誓われているとわれわれは解して満足しているのですが、私は、今あなたのおっしゃったように、今の標準報酬算定においても、御承知のように、それぞれ実情に伴ってアンバランスがあるのですから、その最高を、何も健康保険なり、また、他の保険の標準報酬と並べる必要というものは、船主側の強い反対もあるとか、また、船主経済というようなことも云々されましたが、そういうことをこえて、やはり海に働く船員の所得の実態とにらみ合って、保険をすっきりしたものにするためにも、やはりそれぞれ実態に合うよう、最高額をば引き上げてもらうことが、たとえば運輸省で持っておられる船員の賃金の実態等の調査からいかれましても、私は当然のことだと、こう思うのであります。私がわざわざお急ぎのところ、こうした時間を借りて申し上げた趣旨というのは、厚生省から、これが標準報酬改正に努力するという言葉をたびたび聞いているのですから、運輸省として、やはり船員保護にある立場から、格段のひとつ努力を願うことを要望しまして私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/83
-
084・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ほかに御質疑は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/84
-
085・阿具根登
○阿具根登君 一、二質問いたしますが、第三十四国会におきまして、船員保険法の一部を改正する法律案に対して、本委員会で附帯決議がついております。一、二、三項目に分かれておりますが、これをいかに尊重されて、この改正をなされたのであるか、三項目に合わせて御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/85
-
086・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 第一点の一部負担の点でございますけれども、この点は、一つは陸上における健康保険等における一部負担の問題とも関連をして、慎重に考えなければならない問題でございます。一方、船員労働の特殊性からいたしまして、現実に事業主が払い戻さなければならない点について、関係当局においても十分努力をされておりまして、漸次改善をいたしておりますけれども、なお足らない点があるように考えられます。そこで、この点については、制度の問題と実施上の問題と、その辺のところを慎重に考なければならない点でございますし、同時に、これが、私の承知しております限りにおいては、いわゆる災害補償におけるメリット・システムの問題とも関連をしておるやに聞いておるのでございます。そういう意味も含めまして、さらに検討すべき問題だと考えまして、今回はこの点については触れなかった次第でございます。
それから第二点の標準報酬の最高額の引き上げにつきましては、これはすでに御承知のとおりでございます。
それから、第三点の積立金の問題につきましては、これは徹底した形でいけば特別勘定を設定するということでございます。この点については、これはいわゆる預金部資金全体の問題でもございますし、厚生省としては依然としてそういう考え方を持っておりますけれども、大蔵省との間に、なお意見が一致いたしませんので、この点は未解決でございます。しかしながら、現実の問題といたしましては、いわゆる従来から行なっております還元融資を二五%というワクを設定をいたしまして、その限りにおいては、いわゆるこれの保険料を拠出いたしました者の福祉のための還元融資を実施をするということにいたしております。その実際のやり方については、一面において従来のいわゆる転貸方式を改めまして、年金福祉事業団による融資を実施をするというようなことにいたして、その合理化をはかって参っております。なお、この点については、非常に重要な問題でもございますし、今後も自主管理について努力いたしますと同時に、この還元融資の運営については、万全を期したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/86
-
087・阿具根登
○阿具根登君 そうしますと、三項目の附帯決議をつけておりますが、第一の標準報酬の最高額三万六千円では低いということで、五万二千円に引き上げられておりますが、ちょうど二年前にこれは決議をされております。ちょうど二年前です。三十五年の三月二十八日、二年間たった今日、五万二千円に上げましたよといってこられましたけれども、すでに衆議院では五万二千円では不十分だ、だめだというふうに附帯決議をしている。よく上げてくれましたといっていない。二年たった今日、五万二千円ではだめだという同じ附帯決議ができたわけなんですね。それから二番においては、もうただいま御説明になりましたように、一部負担金についてはこれはどうもできなかった。また、三番目の自主管理については、厚生省としてはやりたいのだけれども、できなかったのだ。そうすると、衆議院からも同じようなものをまた附帯決議案としてつけて、やむを得ない、賛成だということになって、参議院でも、結論から言うならば、また同じような附帯決議をつけて、やむを得ない、また一年、二年たったら同じようなものをやってくると思う。これじゃ附帯決議をここでやるのは何も意味をなさない。尊重しておらない、こういうことになりはしませんか。附帯決議を何かこう、これじゃどうしてもまずいのだということで、しかし、急がねばならぬということで賛成はする、賛成はするけれども、これは心からの賛成じゃありません。少なくとも、これこれはやって下さいという附帯決議がついているけれども、事実上附帯決議は全然守られていない。これでは附帯決議して賛成するということは言えないようになりますね。附帯決議の意味は何もなさない。これは一体どういうようにお考えになるでしょうか。附帯決議というものは名目だけで、法案さえ通ればいいということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/87
-
088・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 先般来、御質問についてお答え申し上げておりますように、今回の改正というものが完全無欠な理想的なものとは私どものほうも考えていないわけでございます。たとえば標準報酬引き上げ等につきましても、これは暫定的なものであるということは、私らのほう自身も認めているつもりでございます。それゆえにこそ、これは今後も引き上げるための検討をして国会の御審議をわずらわしたい、かように考えている次第でございます。その意味においては御不満の点が残ることは、よく私たちも理解できますけれども、しかし、現実の問題として、今日、しからばこの五万二千円に上げることも将来に延ばすかどうかということにつきましても、やはりこの程度でも、今日の段階においてやることが適当である、私はかように考えているわけであります。その限りにおいては附帯決議の趣旨を尊重して、少しでも一歩前進したいという気持ちをおくみ取りいただきたいと思います。
それから、一部負担の問題については、これは先ほど申し上げましたように、やはり制度の根本にも関連する問題でございますので、さらに検討をひとつ進めさせていただきたいと思います。
それから、積立金全体についての、いわゆる特別勘定問題というのは、なお懸案でございますけれども、しかし、いわゆる還元融資は、従来のワクよりも全体の二五%ということに広がったわけでございます。その意味においては、これはかなりの私は前進だと思います。そういう意味において、できるだけ附帯決議の御趣旨に沿いまして努力をし、前進をしている点を御了承いただきまして、なお今後とも御鞭撻をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/88
-
089・阿具根登
○阿具根登君 話題を変えて質問いたしますが、最低額の五千円が七千円に引き上がったということはいいと思うのですが、私どもが承知している範囲では、船員の全体の一・四%はまだ五千円台と聞いておりますが、事実そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/89
-
090・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 三十六年九月の調べでは、一・四%が七千円以下でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/90
-
091・阿具根登
○阿具根登君 これは労働問題になりますから、あまりここで追及するわけにいかぬでしょうが、それと、さらに範囲が三十トン以上から二十トン以上まで適用されるわけですね。そうすると、ますます低所得者がふえてくると思うのです。こういうものに対して一体どういうふうな考えを持っておられるのか。三十トン以上の人が一・四%、今度は二十トン以上になると、このほかの大部分の人は五、六千円の人と、こう見なければならぬ、こういうふうになってきやせぬかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/91
-
092・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 第一に、三十トン未満の問題は、これは三十八年四月から実施の予定をもちまして、その間によく実態を調べたいと考えております。
それからもう一つ、海上におきます労働ないし賃金の実態が、陸上の場合とかなり違っておりまして、その一つは女子がほとんどいない、あるいはパート・タイム的な者がほとんどいないというような点がございます。その意味においては、したがって、陸上における三千円であるとか四千円であるとか、そういうことが海上においてはないというような点が一つであります。それから、さらに最低賃金の決定についての状況を見ますというと、大体特別の十五才程度の者を除きましては、大体八千円、九千円というのが最低賃金の実態になっておるのでございます。これらの点も考えなければならないと思います。それから、さらに給付の点から考えますというと、御承知のように、船員は総合保険でございまして、災害補償等すべて含むわけでございます。したがって、最低額がこの程度に上がることによって、給付の程度がそれにも増して非常によくなるわけでございますから、その意味においては、いわゆる保険料の納付ということと関連をして、被保険者の福祉の増進になる面がこれは多分にあるわけでございまして、これらの点を総合勘案をして引き上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/92
-
093・阿具根登
○阿具根登君 これも労働問題だから別個なんですけれども、二十トン以上までということになってくれば、これは漁船等はほとんど月給制とか日給制ではないと思うのです。ほとんどこれは歩合制だと思うのですね。歩合制だから、魚がうんととれるとか、あるいは調子のいいときは、これは賃金は上がるでしょう。しかし、ほとんどは私は非常な零細企業であるし、賃金は非常に下だ、こう思うわけですね。だから標準報酬自体上げられるのはけっこうだけれども、しかし、その分は拠出しなければならないものは、自分の賃金よりもはるかに多いものをまあ率にして取られる、こういう傾向が私はこれで非常に出てくると思うのです。そういう点を十分注意しておいていただきたいと思うのです。これは労働問題で、労働問題のときにまた御質問申し上げますがね。
それから、もう一つは、遺族年金制度の統合調整によって、少しこれは逆なことになりはしないか、老齢遺族方式でやった場合と、現在やっている寡婦、鰥夫、遺児年金方式の場合と一体どうなるか、お知らせ願いたいと思いますが、一、二、三等級の非常に低い場合には、これは大きく上がっておる。これは確かに言える。それ以後は全部下がっておるということになるのですが、私の調べが正しいかどうか、お知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/93
-
094・高田浩運
○政府委員(高田浩運君) 形式的に両方の数字を比べてみますとお話しのとおりでございます。ただ、この点については、あるいはこれから御質問があるかと思いますけれども、ほかのいろいろ合理的にしなければならない事由がございまして改正をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/94
-
095・阿具根登
○阿具根登君 その点、少し説明をしていただきたいと思うのです。方式そのものが、現在のものは平均標準報酬月額の二倍でしたか、今度のものは二万四千円プラスの平均標準報酬月額の千分の八の百八十倍の二分の一ですか。そうなってきますと、算術方式でいけば、五万二千円の場合は十万四千円もらえたはずなんです、寡婦、鰥夫の場合ですね。ところが、今度は老齢のほうに統一されれば四万九千円と、こういうことになるのですね、最高の金額の場合ですね。そこで、まあよくなったというのは一、二、三等級だけで、これは一等級の場合は七千円だから一万四千円ですね、今の場合は。これを改正していけば一万七千円、これは三千円よくなっておるけれども、よくなっておるのは三等級までで、あとは全部下がるという結果になるので、そのいいところと悪いところ、算術計算でいけばこうなるが、どこが得なところか、一体どうなっておるのか、少し詳しく説明してもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/95
-
096・中村一成
○説明員(中村一成君) 私かわってお答え申し上げます。
今回の寡婦、鰥夫、遺児年金制度でございますね、今回のような制度に改めますと、これは老齢年金とのバランスがとれまして、現実にその場合にそれに適応してくるわけでございまして、これは実は先生御承知のとおり、厚生年金保険とかその他の年金につきましては、この方式は、すでに昭和二十九年当時、全部今回の改正案方式に変わっているわけでございます。この現在の寡婦、鰥夫、遺児年金は、平均標準報酬月額の二カ月分やるというやり方は、これは非常に現実にはアンバランスになる場合が多いのでございます。平均標準報酬月額と申しますのは、被保険者自体の全体の平均をとったものの二カ月分である。そういたしますと、こういうたとえば悪い例をとりますというと、非常に若い船員と年とった船長が一緒に病気で亡くなったという場合に、たまたま二人の方が同様なときに、一方は船長だから月給は高い、船員は低いという場合に、ずっと長い間の平均をとってみますというと、船長さんのほうは長い期間船員をやっておりますが、前に低い時代があった。それでずっと平均化いたしますと、若い船員さんはちょうど船員になって一年目だ、最近でございますから、相当報酬もよくなっておりますし、二万円なら二万円だとすると、二万円で一年間きたという場合には、平均標準報酬月額は二万円、それの二倍ですから、年間四万円ということになる。ところが、四万円の船長さんがおられたという場合、その船長さんは、現在の船員さんより二倍の月給をもらっているけれども、しかし、その方が十三年なら十三年船員をやっておった、まだしかし老齢年金の資格には満たないという場合には、ずっとならしますというと、それが二万円より落ちるということがあり得るのでございます。そういたしますと、長いこと働いた船長さん、かつ、現在の給与も若い方よりも二倍ある方が、むしろ低くなるといったような不合理が出てきた。これはなぜそういうことになったかと申しますと、現在の平均標準報酬月額の二倍やるというやり方は、これは戦後まだ各種の保険におきまして、遺族年金の資格者が出てこない時代において、年金保険に関する魅力がなかった時代には、とりあえずそういう老齢年金の資格に満たなくても、しかし、被保険者がなくなった場合は、遺族の方に何とかして差し上げる。その場合に、そのやり方として、とりあえずもらっておられた報酬月額の二カ月分くらいはどうであろうかというようなことで、暫定的な考え方で実はできた制度である。だんだん老齢年金をもらう方々が出始めますと、そろそろ寡婦、鰥夫、遺児年金という制度が、老齢年金をもらう方がなくなったときの遺族がもらう年金の肩がわりみたいな性格のものでございますから、したがいまして、どうしても一般の遺族年金を、あるいは遺族年金の受給者がなくなったときの遺族の方との本筋のものがだんだん出始めますと、こういう経過的のものはだんだんいろいろな場合におきましてアンバランスが現実に出てこざるを得ない。それで、なるべくすみやかに改正する必要があったのでございまして、実は昭和二十九年度の船員保険法の改正のときに、法律の附則でもって、寡婦、鰥夫、遺児年金は、すみやかに遺族年金方式に統合せよというふうに書いてございます。それで今回の改正の場合にこれを整備いたしたというわけでございまして、今度これをやりますというと、確かに先生おっしゃいましたとおり、あるところにおきましては、確かに形式的に見ますというと、前よりも下がるわけでございますが、しかし、全体としてバランスがとれるということ、それからもう一つは、現在は寡婦、鰥夫、遺児だけが対象になりますけれども、これが一般の今回のような改正をやりますというと、そのほかに祖父母、それから孫、父母といった方も対象になります。それで、今までは寡婦、鰥夫、遺児だけであったのが、対象がふえてきたというので、対象がふえたという点が非常にいいわけでございます。それから、中におけるアンバランスというものがなくなった、これがどうしても大きいわけでございます。今回標準報酬の最高の引き上げの場合がちょうど適当な機会ではないか、こういうふうに判断したわけでございまして、ほかの制度が全部変わっておりますので、これにつきましては、関係者としては、みな異議なく御了承をいただいたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/96
-
097・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/97
-
098・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 速記をつけて。
別に御発言もなければ、本案に対する質疑は終了したものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/98
-
099・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして御発言を願います。
別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/99
-
100・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。船員保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/100
-
101・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 全会一致であります。よって本案は、原案どおり、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/101
-
102・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 私は、この際、各派を代表して、ただいま可決されました法律案につきまして、附帯決議の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/102
-
103・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ただいま鹿島委員からの動議を議題とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/103
-
104・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/104
-
105・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 附帯決議の案文を朗読いたします。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/105
-
106・高野一夫
○委員長(高野一夫君) ただいまの附帯決議案に御質疑のある方は御発言願います。
別に御発言もなければ、本案を採決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/106
-
107・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
鹿島委員提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/107
-
108・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 全会一致と認めます。よって本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
この際、森田政務次官から発言を求められております。発言を許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/108
-
109・森田重次郎
○政府委員(森田重次郎君) ただいま御決定をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、でき得る限り善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/109
-
110・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 議長に提出する報告書の作成、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/110
-
111・高野一夫
○委員長(高野一夫君) 御異議ないと認めます。
本日の審議はこれをもって終了いたしました。次回は、明後日午前十時から開会いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後零時三十二分散会
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014410X01619620327/111
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。