1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十三日(火曜日)
午後一時三十八分開会
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委員の異動
三月九日委員竹中恒夫君及び小柳勇君
辞任につき、その補欠として吉武恵市
君及び吉田法晴君を議長において指名
した。
出席者は左の通り。
委員長 武藤 常介君
理事
剱木 亨弘君
中田 吉雄君
牛田 寛君
委員
上原 正吉君
大泉 寛三君
川上 為治君
岸田 幸雄君
高橋進太郎君
吉武 恵市君
阿部 竹松君
近藤 信一君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 佐藤 榮作君
国 務 大 臣 川島正次郎君
政府委員
北海道開発政務
次官 田中 正巳君
北海道開発庁総
務監理官 木村 三男君
通商産業大臣官
房長 塚本 敏夫君
通商産業省通商
局長 今井 善衛君
通商産業省企業
局長 佐橋 滋君
通商産業省重工
業局長 島田 喜仁君
通商産業省鉱山
保安局長 八谷 芳裕君
中小企業庁長官 大堀 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
通商産業省鉱山
局鉱政課長 土屋 正雄君
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本日の会議に付した案件
○輸出保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○家庭用品品質表示法案(内閣提出)
○鉱山保安法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○自転車競技法及び小型自動車競走法
の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○北海道地下資源開発株式会社法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/0
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001・武藤常介
○委員長(武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。
本日は新たに提案されました輸出保険法の一部を改正する法律案外三案について提案の理由の説明を聴取し、北海道地下資源開発株式会社法の一部を改正する法律案、及び中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案の審議を行ないます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/1
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002・武藤常介
○委員長(武藤常介君) それでは、まず輸出保険法の一部を改正する法律案、家庭用品品質表示法案、鉱山保安法の一部を改正する法律案、自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題とし、提案の理由の説明を聴取いたします。佐藤通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/2
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003・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが国経済の高度成長を安定的に維持してゆく上に輸出貿易の果たす役割が非常に重要であることは申すまでもないところでありますが、他方貿易自由化の進展等により、国際間の輸出競争はいよいよ激化の一途をたどっている現状でありまして、輸出貿易の一そうの振興が特に緊要であると存ずる次第であります。この意味におきまして、輸出振興策の一環としての輸出保険制度のもつ意義は今後一そう高まるものと予想されるのであります。
わが国の輸出保険制度は、現在海外諸国の制度に比してさして遜色のないものにまで発展しておりますが、いかんながら輸出契約が成立してから貨物の船積みまでに契約の相手方が破産してしまった場合等いわゆる船積み前の信用危険を担保するまでには至っておらなかったのであります。したがいまして、この船積み前の信用危険をも担保し、輸出環境の改善をはかることにより、輸出の振興に資することを目的としてこの法律案を提案した次第であります。
次に改正案の概要を御説明いたします。
改正点は、普通輸出保険の担保危険の範囲を拡大し、次の二つの事由によって輸出ができなくなったためにこおむった損失をもてん補することとしたことであります。
その一は、輸出契約の相手方が外国の政府、地方公共団体、公社、公団等の公的機関である場合におきまして、相手方が、たとえば予算不足等を理由として、契約を一方的に破棄したこと、あるいは、たとえば当初の契約内容の変更を申し入れ、かつこれに伴う費用を輸出者に負担させるような不利益な条件を提示して譲らないといったように相手方が明らかに不当であると認められる事情によって輸出者が輸出契約を解除したことであります。
今一つは、輸出契約の相手方が破産したことであります。広義の信用危険としましては、相手方の一般的な債務不履行も含まれるわけでありますが、これらの危険まで担保いたしますためには海外の輸入業者の信用調査の完備が前提となるのでありまして、わが国においても鋭意充実に努めてはおりますが、いまだ十分とは申せない現状でありますので、さしあたり破産に限定して担保することとしたものであります。
この改正によりまして輸出者が従来よりもより強い立場で輸出を行なうことができ、ひいては輸出の増大に資することが期待されますとともに限られた範囲ではありますが船積み前の信用危険担保という新しい分野に踏み出した点に大きな意義があるのでありまして、将来はさらに一そうの充実をはかっていきたいと存じております。
以上が、この法律の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上御賛同下さいますようお願い申し上げます。
家庭用品品質表示法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
今日、いわゆる技術革新を背景にいたしまして、新らしい商品が次々と市場に現われており、このために一般消費者が商品選択に際して的確な判断を下すことが困難となりつつあることは、御承知のとおりであります。
かかる事態の改善をはかり、一般消費者の利益を保護いたしますためには、商品にその品質を適正に表示せしめることが必要不可欠と存じます。すでに繊維製品につきましては、このような見地から昭和三十年に繊維製品品質表示法が制定されておりますが、最近の情勢にかんがみますと、合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品のような家庭川品につきましても、同様な措置を講ずる必要があり、さらに繊維製品品質表示法につきましても、その運用にあたって得ました経験に照らしますと、なお改善すべき点があると存ぜられますので、その不備を補ない、かつ、現状に即した規制を加えることとして、同法を廃止し、新たにこの法律を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の主要点につきまして御説明申し上げます。
第一は、正しく、かつ、懇切な表示を確保いたしますために、家庭用品につきまして、品質等の表示の標準を定めることであります。この表示の標準では、成分、性能、用途、貯法その他品質に関するいかなる事項をどのように表示すべきかという基準を一般に対して明らかにすることとしております。
第二は、この表示の標準に従わない製造業者、販売業者等に対しまして、これに従うべきことを指示することであります。これは、品質の表示というような問題につきましては、罰則による強制にいたる前の段階で、いわば誘導ないし指導という形で問題の解決をはかるのが妥当であろうという趣旨に基づくものであります。
第三は、こうした誘導ないし指導によっては問題の解決ができない場合には、表示に関しまして、命令ができることであります。
その一つは、表示をいたします場合には、表示の標準に定められました、どのように表示をすべきかという基準に従うべき旨の命令ができることであります。この段階では、表示を強制するものではなく、表示をするかどうかは製造業者、販売業者等の意思にまかされておりますが、表示をする場合には表示の標準に定められました一定の基準に必ず従うべきこととなるわけであります。
いま一つは、生活必需品たる家庭用品につきましては、特に一般消費者の利益を保護する必要性が高いことにかんがみまして、表示の標準で定めました「表示すべき事項」を表示したものでなければ販売できない旨の命令ができることであります。
この場合、製造業者、販売業者等の行なう自主的な表示に委ねておいては、適正な表示が期待できないときは、通商産業大臣またはその認可を受けた検査機関等が表示をしたものでなければ販売できない旨の命令もできることとしております。
これらの命令は、製造業者、販売業者等に負担が加わることにかんがみまして、その発動要件を厳格にするとともに運用上も特に慎重な配慮を加えることとしております。
第四に、以上の表示の標準を定めたり、表示に関する命令をいたします場合には、その誤りなきを期するために、通商産業省に、家庭用品品質表示審議会を設けまして、これに諮問しなければならないこととしております。
その他、家庭別品の品質の適正な表示を確保いたしますために、一般消費者からの苦情の申出制度を設けるほか、所要の規定を整備いたしております。
何とぞ慎重に御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。
今回提出いたしました鉱山保安法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
鉱山保安法が昭和二十四年に施行されまして以来、すでに約十三年を経過し、この間において、鉱山の保安の状況は、漸次改善され、鉱山災害は、減少の傾向にありましたが、最近におきまして、とくに石炭鉱山において、御承知のような重大災害が発生いたしまして多くの罹災者を生じましたことは、政府としてまことに遺憾とするところでございます。
これがため、政府におきましては、昨年五月閣議決定をもって鉱山保安対策を強力に推進することとし、保安監督の強化、保安施設等の設置についての融資及び補助、石炭鉱山保安臨時措置法による措置等を講じて参っている次第であります。
特に鉱山保安に関する法規につきましては、さきの国会の御決議にもございましたように、鉱山における保安の確保の基礎をなすものでありますので、その根本的な検討を行なうこととし、現在検討を進めております鉱業法の改正におきましても、鉱山保安の見地からする十分な配慮をするとともに、鉱山保安法につきましては、その改正及び運用の各般にわたって、中央鉱山保安協議会において慎重審議を行なって参ったのでありますが、このたび、当協議会において、すみやかに、法改正を要するものとして結論を見た事項について中間答申がなされましたので、これに基づいてここにこの法律案を提出することとした次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
改正の第一は、鉱業権者は、保安委員会に対して、保安に関する重要事項を通知しなければならないものとしたことであります。
保安委員会は、保安管理者の保安に関する重要事項についての諮問機関であり、鉱山の保安の確保のためには、これが積極的に運用されることが肝要でありますので、少なくとも、通商産業大臣、鉱山保安監督局長または部長の鉱業権者に対する保安に関する命令等の特に保安に関する重要事項につきましては、鉱業権者がその内容を保安委員会に通知しなければならないこととして、保安委員会においてこれらに関する改善対策等がその議題となるよう措置したものであります。
改正の第二は、鉱業権者がその使用人以外の者を鉱山の作業に従事させる場合の規制であります。
近年、鉱業権者がその使用人以外の者を鉱山における作業に従事させる事例が増加しており、このようないわゆる請負作業におきましては、その性質上鉱業権者の保安のための指揮が必ずしも徹底していない面もあり、災害発生の可能性を高からしめておりますので、請負については、あらかじめ届出を要することとし、鉱山保安監督局長または部長は、保安管理の面その他届出にかかる事項のうち、保安上不適当と認めるものについて必要な変更を命ずることができるものとして、作業の安全を期した次第であります。
改正の第三は、鉱山保安協議会についての改正であります。
従来、鉱山保安協議会の会長は、中央においては通商産業大臣、地方においては鉱山保安監督部長となっていたのでありますが、これをそれぞれ、学識経験者である委員のうちから委員が選任することといたしますとともに、新たに部会を置くことができることとして同協議会の民主的かつ円滑な運営をはかることとしたのであります。
改正の第四は、罰則の強化等法規の順守を確保するための規制を強化したことであります。鉱山保安の確保の基本は、鉱山保安法規の順守にあることは、もちろんであります。このためには、鉱業権者、鉱山労働者の保安に関する理解と認識に基づいた順法意識の自発的な高揚をはかることが肝要であることはもとよりでありますが、法規違反により生ずる鉱山の災害の人命等に対する影響の重大性にかんがみまして、法の面におきましても、この改正により罰則を強化するとともに、鉱山保安法規に違反した鉱業権者に対しては、鉱山保安監督局長または部長が鉱業の停止を命ずることができることとして、鉱山保安法規の一そうの順守を促すこととしたのであります。
以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、その他の点に関する鉱山保安法の改正につきましては、今後における中央鉱山保安協議会の家蔵の結果及び現在検討中の鉱業法の改正の内容等を勘案して、慎重に検討を進めて参る所存であります。
何とぞ、御審議の上御賛同下さるよう切に希望いたす次第でございます。
自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案につきましてその趣旨及び提案の理由を御説明申し上げます。
御承知のように、現行の自転車競技法は昭和二十三年、小型自動車競走法は昭和二十五年にそれぞれ成立し、数次の改正を経て今日に至っているもので、ございます。
政府といたしましては、これらの改正を通じ、またその法律の運用に際し、競輪及び小型自動車競走の改善をはかるため不断の努力を払ってきたのでありますが、たまたま、公営競技全般について再検討し、基本的方策を定めるべきであるとの社会的要請に基づき、第三十七国会において総理府に公営競技調査会が設置されることになったのであります。
この調査会の答申も去る昭和三十六年七月二十五日に提出されましたので、その答申に沿い、公営競技の存続を前提として競輪等の弊害を除去し、その健全化をはかるとともに、競輪の実施が機械産業及び体育事業を初めとする公益の増進を目的とする事業の振興に寄与することとなるよう現行制度の改善をはかることといたしましてこの法律案を立案し、ここに提出することとした次第であります。
法律案の内容につきましては、御審議の途上で詳細に御説明することといたしますが、その概要を申し上げますと、まず自転車競技法の改正につきましては、第一には、競輪施行者の交代を可能ならしむるよう、競輪を行なうことができる旨の指定を受けた市町村について、指定の理由がなくなったと認めるときは、指定を取り消し得るように改めることといたしました。これは、現在都道府県以外に競輪を実施し得る市町村の指定は、財政事情等を勘案して行なっておりますが、競輪を実施している市町村についてその財政の健全化をはかり得た後においては、この法律の趣旨にかんがみ、指定を取り消すことが適当であると考えるからであります。
第二は、競輪の実施機関として現行の民法法人にかえて、本法に基づく法人としての自転車競技会の設立を認め、同法人が施行者からの委託を受けて競輪実施の事務を行なうことができるように改めたことでございます。現在、競輪実施に関する事務は、都道府県ごとに設立された社団法人自転車振興会が施行者からの委任を受けて行なっておりますが、振興会は、社団組織の任意の法人であるため、これに対する監督には、一定の限度がありますとともに、委託事務の範囲も施行者の自由裁量にゆだねられておる関係上、振興会の業務は不安定なものとなっておりますので、実施機関を従来の自転車振興会から自転車競技会にかえることといたし、これに対し十分な監督をなし得るようにする反面、その業務の範囲を明らかにし、かつ、施行者の委託すべき事務については、競輪の実施に当たり競技の事務を一括すべき旨を定めて業務の安定をはかり、もって競輪実施の事務が公正かつ円滑に行なわれるように配慮いたしました。
第三は、競輪場の施設改善に資するため、入場料の最低額を定めるとともに、勝者投票法の実施方法及び競輪開催の日取りについて規制することにより射倖心の過熱を避けるようにし、また、選手の質の向上をはかり、公正な競技を確保するためには、選手が安心して競技に参加し得るようにする必要がありますので、選手の共済事業に対する助成強化等選手の福利厚生の増進をはかるために必要な措置を講じ得るようにしたことでございます。これらは、いずれも競輪の弊害を排除し、その健全化に資するために必要な改善措置でございます。第四は、現行の自転車等機械産業振興交付金制度にならって新たに体育事業等公益の増進を目的とする事業の振興のための交付金制度を設けることとしたことでございます。公営競技調査会の答申にもございますように、競輪の収益の使途につきましては、競輪発足当時との状況の変化にかんがみまして、売上金の一部を体育事業等にも充当することが適切であると考えられるからでございまして、体育事業等の振興のための事業の補助業務は、日本自転車振興会が通商産業大臣の認可を受けてなし得るものとし、この認可に当たっては、通商産業省に設置されている車両競技関係交付金運用審議会の意見を聞かなければならないものとして交付金全般の運用について遺憾のないよう慎重を期した次第であります。
次に小型自動車競走法の改正でございますが、小型自動車競走につきましては、競走の実施関係等は、おおむね競輪の場合と同様でありますので、すでに御説明いたしました自転車競技法の改正に準ずることといたしましたほか、体育事業等公益の増進を目的とする事業の振興のための交付金制度の新設に伴いましてその取扱機関といたしまして日本自転車振興会と同様な機能を持ちます日本小型自動車振興会を新設することといたしたことであります。
以上が自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案の趣旨及び提案の理由であります。
何とぞ慎重に御審議の上御賛成下さいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/3
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004・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 四案の質疑は都合により次回に譲ることといたします。
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005・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 次に、北海道地下資源開発株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/5
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006・牛田寛
○牛田寛君 北海道地下資源開発株式会社の業務の内容を拡張するという趣旨でありますが、その理由として、設立以来の赤字が累積しておるということがその理由になっておるわけであります。このために北海道の地下資源開発という開発会社の本来の目的を遂行する上において支障を来たすということがその理由になっておるわけでありますが、この点について、本来の趣旨をあくまでも達成するという目的のためには、このたびの措置ではたして実現できるかどうかということに対して、私どもは一応の疑念を持つわけであります。まずこの点についての見通しを伺いたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/6
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007・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 北海道地下資源開発株式会社は三十三年設立以来約四年になりまするが、遺憾ながら設立当初の計画どおりの仕事をしておりません。したがいまして、累年赤常がたまりまして、現在では約一億四千万円に相なっておるのであります。そこで、この会社を維持育成するためには、従来のように北海道だけを活動の地盤としては足りないのであります。北海道地下資源開発会社が意図しておる目的を失わない範囲内におきまして、内地でも事業をするようにして赤字を消していこう。大体当期におきまして計算したところによりますと、昭和四十年度になりますると黒字に転換し得る、こうした計算のもとに今回改正案を提案して御審議を願っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/7
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008・牛田寛
○牛田寛君 四年間に所要の事業をやっておらないというお答えがあったのですが、設立当初これだけの事業をやる、これだけの事業をやれば所期の目的を達するという御計画を一応承っておきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/8
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009・木村三男
○政府委員(木村三男君) お答えいたします。会社設立当初立てました計画によりますと、事業量をメートル数で表わしておりますが、合計を申しますと、三十三年度においては一万三千五百メートルやる予定でありましたが、実績は三千五百三十七メートル、それから三十四年度は六万一千メートルの予想でありましたが、実績は一万九千六百十四メートル、三十五年度は七万三千五百メートルの予定でありましたが、三万二千四百九十六メートル、三十六年度、現年度でありますが、八万六百メートルの予定をしておりましたのが、四万一千、約半分というのが実績でありまして、この点につきましてはお手元に資料として差し上げてございます。そういうところから当初期待しておりましたところの事業量の伸びが実現されなかった。特にその大きな原因としましては、今申し上げました計画では、大体半分程度は石炭のほうに期待していたわけでありますが、石炭の実績は累年大体三分の一くらい、昭和三十六年におきましては、三万七千八百メートル期待しておりましたが、一万メートルくらいしかいかない。おもにこういうところから事業量の計画と実績の食い違いが出ておるような資料になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/9
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010・牛田寛
○牛田寛君 この事業量の予想と実績との食い違いの内容についてはまたのちほどにいたしまして、今の事業量が伸びなかったという理由は、この石炭のほうの関係が根本の理由である、そういうお話でございました。石炭事業の事情は、設立当初からすでにもう問題になっておったと思うのです。すでにもう三十三年当時から相当貯炭があって、各炭鉱がこれ以上事業を拡張するようなことを控えておったような状況で、当時問題になっておったように私は記憶しておるのですが、設立当時にすでにそういうものを予想されておった状況で、こういうものを設立されたわけです。それが四年たって事業量と実績の食い違いが石炭産業の事情であるということは、設立当初の計画そのものに根本的に誤りがあったのではないか、そういうふうに私どもは考えるわけなんです。その点については当局としてはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/10
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011・木村三男
○政府委員(木村三男君) 会社設立の準備期間は相当長かったのでありますが、三十三年の十月一日に会社は発足しております。その計画は、まあかなり前からのいろいろ審議会の建議やらいろいろありまして、それが当初の三十三年の十月の発足したときのいわば長期の計画になっていたわけなんであります。その趣旨といたしましては、会社としてやって参りますので、創業当初、最初は技術も宣伝も行き届いておりませんから、信用の度合いなり何かによって注文がどれだけくるかわかりませんが、ねらいとしましては、創業期間を三年くらいにおきまして、それで三年間くらいは赤字が続きますが、四年目くらいから黒字に転じたいというような意欲もだいぶ入っておりまして、その辺が計画当初においては相当オーバー・エスティメートとなりますか、かなり強気に見ていたという事情は確かにあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/11
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012・牛田寛
○牛田寛君 この会社の設立の目的が北海道地下資源、これは石炭に限らぬ、地下資源開発の促進にあると思います。ですから、北海道地下資源開発の総合計画というものもおありと思うのですが、そういうものに基づいて、大体この開発会計のやるべき役割、その事業量というものが推定せらるべきだと思うのですが、その計画についてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/12
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013・木村三男
○政府委員(木村三男君) 北海道総合開発の中で、地下資源開発に非常なウエートをかけておることは御承知のとおりでありますが、計画の内容の密度につきましては、ただいま第二次計画が進行中でございますが、政府計画といたしましてあまりこまかいところまではきめてないのであります。方向とそれから国のほうとしてどの部門にどのくらいの調査費をとっていくか、いわゆる鉱山関係の北海道開発庁の金を使いまして、地下資源の調査をやる。場所としましてはどこがいいか、たとえば知床とか積丹とか、そういうような地点にあるいは概括的に計画を立てておりますので、各業者がやるところのボーリングは本年度は何メートルであるべきである、来年度は何メートルであるというところまでは実は計画が及ばないのでありますが、会社としましては、いろいろ企業のアンケートをとる、その他通産当局とも打ち合わせをいたしまして、ぎりぎり一ぱいに計画を立てて、それでこんなところでというので私どもしが認可をする。毎年ケース・バイ・ケースでやっておるような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/13
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014・牛田寛
○牛田寛君 最初にお立てになった事業量ですね、毎年六万一千メートルとか七万三千メートルとかという計画であったわけですが、この予定の事業量を大体満足すれば事業収益が上がったわけでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/14
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015・木村三男
○政府委員(木村三男君) 収支計算になりますと、事業利益、つまり委託収入から工事原価を差っ引きまして事業利益が出るわけでありますが、その辺の関係は、やはり資料として逐年の「連続損益計算書」として差し上げてございます。ここでごらん願えば、そこに工事の関係の事業利益率というものが、各年の分が出ております。三十三年度は利益率が九・四%、それから三十四年度が、これは非常におかしいのでありますが一・一%、それから三十五年度が九・四%、現年度——三十六年度が一七・七%、で、私どもがこれから考えます場合には、大体工事利益率を二割見当見ますというと、逐年上がっております。そのくらいのところでやりますと、大体計算いたしまして一年間の事業量が七万五千メートル程度にいけば、今の機構を動かさないで、今の資本を動かさないでも独立採算ができることになるというような計算に和なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/15
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016・牛田寛
○牛田寛君 その場合、事業の内容が幾つかあったわけですね。共同探鉱、受託であるとか、幾つか内容があったと思いますが、それらの収益率はどういうふうに見ていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/16
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017・木村三男
○政府委員(木村三男君) ただいまやっております事業は、改正前の現行法における仕事でありますので、探鉱がほとんど大部分でございまして、今申し上げました数字は委託探鉱、委託ボーリングによるものでございます。委託ボーリングと、それから機械貸付がございますが、それを含めたものでございます。まず、関係のないほうから申しますと、会社の卒業として自社探鉱、共同探鉱、これはほとんど実績がありませんので、今のところ利益率というものは実績をつかんでおりません。それで機械貸付と委託ボーリングの関係でございますが、機械貸付の場合は八・八%くらいと記憶しておりますが、間違いましたら訂正しますが、そういうように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/17
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018・牛田寛
○牛田寛君 それから受託の場合はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/18
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019・木村三男
○政府委員(木村三男君) これは最近の数字を申し上げれば、これが一番近い数字でございますが、一七・七、年度は終わっておりませんが、三十五年度とあまり開きがありますものですから、大きいほうを申し上げますと一七%台と申し上げていいのじゃないかと思います。機械貸付が入りまして、ちょっとこまかく分けてありませんけれども、本年度は一七%くらいになる模様であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/19
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020・牛田寛
○牛田寛君 ちょっと今のお答えよくわからないのですが、損益計算書に記載されておる一七・七%の数字を今おあげになったのですが、この一七・七%は貸付事業の利益率も含めての平均だろうと思うのですが、私の思い違いでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/20
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021・木村三男
○政府委員(木村三男君) 計算は分けてございますから、貸付収入と貸付原価とありますから、今うしろで計算しておりますから、それが出ましたら申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/21
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022・牛田寛
○牛田寛君 まあ大体その辺と理解いたしますが、そうしますと、今の、事業量のメーターの計算で七万五千あれば収益があるという御計算がちょっと私ども納得いかないのですが、これは単価をどのように御計算になっておりますか、これによってだいぶ開きが出てくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/22
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023・木村三男
○政府委員(木村三男君) だいぶ込み入っておりますが、石炭、金属、非金属、天然ガス、地質調査、それからこれを道内と道外に分けます。いろいろございますが、それを申し上げますと、メートル当たりの単価でございますが、石炭八千七百円でございます。それから金属、非金属、これは四千円であります。それからガスが八千七百円、それから今度改正法が成立いたしますと出てくるのでありますが、地質調査が四千円、そうなっておりますが、道外につきましては浅掘りの関係で内地方面は平均で出しておりますが、三千六百円となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/23
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024・牛田寛
○牛田寛君 そうしますと、これは概略の目見当でありますが、四千円の単価として一割で四百円、二割で八百円。八百円としまして、私の計算で大体八百円として、七万五千トートル掘って八百円ではずいぶん多いと思いますが、二割の計算ですから、大体事業収益が六千万、そうしますと、一般管理費が七千万から九千万ぐらいかかっておるわけでありますから、七万五千メートルぐらいあげても、とうてい利益には上がってこない。特に今の私の概算はかなり単価も平均より上回って計算されております。収益率も二割としております。その計算でもその程度では、とうてい利益が上がらないのじゃないかと思うのですが、今のお話を伺うと、非常に簡単に利益が上がっておるような計算になっておりますけれども、はたしてそのようにうまい工合にいくかどうか、非常にこの点に疑問があるわけです。かなり、今まで四年間赤字が出ております。それから石炭産業の事情も考え合わせてよほどシビアーな計算をやらなければ、簡単にこれだけの手を打てば利益が上がるというような結論は出ないのじゃないか、私はこう思うわけであります。その点についてもう少し明確な計算をお示し願わなければならないと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/24
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025・木村三男
○政府委員(木村三男君) これもお手元に長期の収支計算の事業計画、収支計算のアウトラインを書いた表がございます。資料の三ページになりますが、この計算の根拠といたしましては、まずどのぐらいの仕事が今後とれるであろうか、この法律を改正して内地方面にも進出しまして、かたがた新鉱床探査補助金などによって探鉱活動等も活発になるだろうというようなところを、私ども北海道開発庁と通産省のほうで、約半年ほどかけまして個別個別に当たって、そうしてこの会社としてとり得る仕事の量をまず事業のメートル数で表わしたわけであります。これが内容は単価が違いますものですから、石炭と金属、非金属、ガス、地質調査、こういうふうに分けまして、それぞれの予想のメートル数の伸びを見まして、それに先ほど申し上げましたような事業収入部面におきましては、単価を積算いたしまして、それぞれの年度、三十七、三十八、三十九、四十という年度につきまして事業収入をはじいたわけであります。この辺については特別な考慮は加えてございません。それから、そのほか事業外の収入といたしまして、これは最近までのバランスにも出ておりますが、預金とか有価証券を持っておりますが、そういうものが入って参りますので、そういうものも収入の要素として見てあります。それで合計を出しまして、それから事業費、例の原価系統でございます。これは現在の事業現場担当者の数とか、俸給とか、延べ人数とか出しまして計算したわけでありまして、それに間接費、これは倉庫とか運搬部などを入れまして、それから管理費は人件費でありますが、大体この表でごらんになりますように、管理費部門はほとんど人をふやすまいというので、経費のほうもほとんど据え置きになっております。それから租税その他、これは不動産取得税等でありますが、これによりまして各年度とも収支の概算をいたしたわけであります。最初から七万五千あればペイするとかというような心がまえじゃなくて、あくまで積み重ねでいっておりますので、そうやりますと、三十八年度はまだ赤字でありますが、三十九年に初めて六百万という黒字が出て、四十年には千二百万、そういった内容の積み重ねでございますが、もっとも、この辺で大きな要素となりますのは、この事業計画の見通しがどうなるかというようなことで動くかと思いますが、これは多数の人間を使いまして相当長期にやっておりまして、相当意欲的かもしれませんが、やりようによってはこれぐらいまでいけるのじゃなかろうかというかなり強い線を出したのがこの数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/25
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026・牛田寛
○牛田寛君 今のお話伺いますと、これは法律改正をした場合の事業計画ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/26
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027・木村三男
○政府委員(木村三男君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/27
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028・牛田寛
○牛田寛君 かなり強い計画であると、こういう話です。会社設立当時の御計画もかなり今から考えたら強い御計画である、結局結論においては、その計画どおりと思う、目標が達せられないで現在の赤字を作ってしまったと。そうすると、今度法律改正をしますが、この法改正をした場合の事業計画もやはり強気であるということになりますと、また同じようなことが起こりやしないかという懸念が十分あるわけです。で、まあ三十九年度で黒字が出るということでありますが、これはもう少しシビアーな計画で判定しなければならないのじゃないかと私は思うのですが、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/28
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029・木村三男
○政府委員(木村三男君) 申し上げ方がちょっと足りない点がありましたが、実はこの会社の性格上国策会社でありますから、まあできるだけ安い経費で請け負いたいという趣旨が一方にありまして、メートル数は伸びましても、事業支出を差っ引いて期待しますのは、管理部門の経費がまかなえる程度を目標にしてとんとんになるような数字を作るのが筋じゃなかろうか、そういう設けられた性格もありますので、この部面は私どもとしては企業努力といたしまして、工事原価のほうをできるだけ縮めるような方法はなかろうかと、会社設立当時は人員もおりませんでしたものですから、ほかから技術員を招いたり、あるいは技術料を支払っておりますが、そういう面などにつきましても、内部の人間をだんだん養成していくというような行政指道面において相当抜本的な、会社としても相当内部的な経理改善策を十分にやらなければ、このとおりいかないのだと、それからまた実収を多く受けるというには、やはりそこに会社としても相当な努力が必要なんだ、そういう意味で強いと申しますのは、そういった面の努力を相当見込まなければいかぬし、見込ませるべきじゃなかろうかというような意味の感じを申し上げましたのが、かなり強気だと申し上げました趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/29
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030・牛田寛
○牛田寛君 そこで問題は少し戻るのですが、会社として黒字を出すための卒業は、これだけの事業があればよろしいと、まあこういうふうな一つの計画をお立てになったと思うのですが、この北海道のほうの地下資源の開発という観点から考えて、また所得倍増計画のもとに経済計画が推進されておるわけでありますが、北海道としてもそれに即応した態勢がとられなければならない、そういう立場で地下資源の開発を考えた場合に、はたして地下資源の探鉱事業というものはこの程度でもってよろしいのかどうか、その点をひとつ会社の事業計画とは別の立場で北海道の開発という観点からひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/30
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031・木村三男
○政府委員(木村三男君) 問題を少し広げまして開発計画と会社の関係をまあどのように私ども考えておるかという点を申し上げますと、会社をして実行せしむる分町としましては、何と申しましても今までの実績から申しますと、委託ボーリングが主であったのであります。ところが北海道の地下資源開発という大きな観点からみますというと、非常に開発がおくれておりまして、鉱業権者も資力、技術の少ないたくさんの鉱業権者がおりまして、委託を受けようにも受けようがない。そういうところでは、やはりこの第八条の一項に響いてありますような、共同鉱業権に加入しておる会社も大いに金を出してやるのだ、あるいは自分で鉱区を取得してやるのだ、そういう面に今後は持っていかなければならない。ところが今のところは、四十年ぐらいまでは赤字態勢でありますから、思い切った施策をやらせるわけにいかない。まず、体質改善のほうを先にやりまして、次はそういったところで会社本来の使命に邁進させるという二段がまえの構想がよかろうと思います。
もう一つは、そういう経理が脆弱な態勢では、せっかく払込資本金の二倍まで社債が出せるという特典がありますけれども、今のような状態ではそれも期待できない。そういういろいろの脳みがありまして、一気にゆり動かすということはできませんので、そういうふうに順序を追ってやりたいというふうに考えております。
それからまた政府部門においてはどういうことをやるか、これは非常に問題が広くなりますが、地下資源の開発がおくれておるという大きな一つは、道路その他の施設が満足でない。これはやはり公共事業面においても、探鉱関連において大いにやるべきことが多かろう。それは計画を作りまして、毎年相当な予算を使っております。それから道庁も同じ歩調をとっておりますが、道庁のほうでも、探鉱について補助金を出しております。私どものほうも開発計画費をもって、要点要点の場所につきまして調査を進めております。と同時に、試験研究、これはしかるべき研究機関に委託しまして、たとえば砂鉄のようなものを、どういうふうにチタンを利用するかとか、いろいろございますけれども、あるいは石炭管理について北海道開発工業試験所のほうに委託するとか、会社以外の方面にも相当な施策を講じて参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/31
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032・牛田寛
○牛田寛君 今、私が伺っておるのは、もちろんそういう広範な問題もありますが、直接やはり地下資源の探鉱という問題について、北海道全体としての御計画があるはずです。その中でこの会社が一つのその中の仕事を受け持って、そして北海道の開発に貢献するという趣旨だろうと思います。ただいまのお話は、道路云々というお話でございましたけれども、探鉱及び地下資源開発をどういうふうにおやりになるのか。またそれに対してどういう隘路があるのかという点について一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/32
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033・木村三男
○政府委員(木村三男君) 道内地下資源の探鉱、いわゆる探鉱関係でありますが、先ほど申し上げましたように、北海道総合開発計画——五カ年計画とか八カ年計画とか唱えておりますが、そういう関係では細目の点まで触れられない。私どもとしましては、現地におきまして通産局、道庁など網羅しました地下資源関係の協議会を作りまして、そこで今後の年度々々の問題についていろいろ話し合っているわけなんであります。また推進もいたしております。そこで最近の協議会の動きとしましては、今度から新しく共同探鉱をやろうじゃないかというので、それも協議会のほうで検討してもらいまして、その基準なり何かについて話し合いをしております。これも一つだけスタートいたしております。大体管理としましては、本年あたりは全部合わせて十万メートルくらいのボーリングが行なわれておるようでございますが、会社としてはその一割くらいしかとっていないようであります。
そこで、この面についてはどう考えるかというふうな面もありますが、まあ大手筋では自社部門でやる部面がありまして、いろいろそこに、今までの実績としては、そんな程度でありますが、この面にもやはり会社を出る面が多くあるのじゃなかろうかという点も、まだ検討事項として残っておりますが、今度の長期計画ではかなりその面も取り入れることに計画をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/33
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034・牛田寛
○牛田寛君 先ほど伺いました事業計画ですね、法改正した場合の事業計画、この中には共同探鉱あるいは自社探鉱ですね、その事業量は計算に入っているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/34
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035・木村三男
○政府委員(木村三男君) この計画には特別な項目として自社探鉱、共同探鉱というのは入れてございません。それで最初の計画は、全体の中で一割とか一割五分とか書いてあったようでございますが、今回は特に自社探鉱分幾らというふうな入れ方はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/35
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036・牛田寛
○牛田寛君 本年度は自社探鉱あるいは共同探鉱事業はどれくらいあったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/36
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037・木村三男
○政府委員(木村三男君) 共同探鉱四百メートルくらいであります。初めてのケースです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/37
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038・牛田寛
○牛田寛君 これまで共同探鉱、自社探鉱が行なわれなかった理由はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/38
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039・木村三男
○政府委員(木村三男君) 二つの面があると思います。一つは、いろいろ希望があるのでございますけれども、これははなはだしく場合によれば危険を伴うことにもなる、選定をどういうふうに選定したらよかろうか、会社自体で選定するといってもなかなかむずかしい。それから役所関係でも、通産、大蔵などという関係省とも相談しなければならぬし、認可条項になっております。そんな関係もありまして、その共同探鉱をやる場合の選定方式、契約内容、それから今の経営状態でどの程度のことまでやらしてよかろうかと、その辺の検討が持ち越されておりまして、実は委託ボーリングのほうが先に行ってしまいまして、初めて最近になってその辺のことも考えまして、各省の話も、まあ大体この程度ならやらしていけるだろうということになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/39
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040・牛田寛
○牛田寛君 今北海道開発という、地下資源の開発ということを焦点に置いて計画を伺ったわけですけれども、具体的にその計画ができておらない。しかも会社の目的が開発を目的として設立されて、しかもこれから先四カ年なり五カ年の計画を立てる。そういう場合に、その開発の一つの基本の上に積み上げた形じゃなくして、ただ会社の黒字を出すということだけに計画をお立てになっているようです。そういう形になっているということは、非常に会社の設立目的と食い違った形になっている、そういうふうに私は思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/40
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041・木村三男
○政府委員(木村三男君) 説明がちょっと不足したようで恐縮でございますが、収支事業計画、収支計画を作りますのに、半年ばかり時間をかけまして細目の点をやりましたが、その中で特に北海道の内部におきましては、北海道開発の見地からこの程度のことはやるべきだというような施策を入れまして、それで石炭その他の業穂別に出してあるわけでありまして、もちろんこの赤字黒字の問題はありますが、三十九年までのところを見ますと、大体そこで形の上でもとんとんになりますけれども、これはずっと伸びて参りまして、それからずっと参りますと、今までの累積赤字が消えていくような形になると。まあこれはどちらから攻めても攻めにくいのでありますが、私どもとしては、地下資源開発会社が当初与えられた目的を遂行するように、あらゆる業種につきまして有効な事業を獲得して、それでかたがた経理面では経理内容を改善するとかいうことによりまして、原価を低めていく、それで赤字の解消のほうにも努力すると、町方から攻めて参りましていったわけでありまして、まあ、赤字だけから見ますというと、主力を、たとえば北海道だけに限らずに、内地方面で大いにやるとか、あるいはもうかる仕事は大いにやるべきだというようなことも言えないことはないのでありますが、たとえば温泉関係をやるともうかるなんて話もありますけれども、そういう地質調査などはやらせないというようなことで、締めながら、しかも赤字を消していくというような積み上げの考え方に立っておりまして、単に赤字解消だけという考え方ではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/41
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042・牛田寛
○牛田寛君 どうもお答えの趣旨がはっきりしないんですが、北海道の第二期総合開発計画ができております。八カ年ですね、昭和四十五年まで。その中には地下資源探鉱事業の開発ということがうたってあります。特にどういう探鉱事業をやるかということについては、共同探鉱ですね、これを推進しなきゃならぬ、そういう結論が出ているわけです。ところが、今のお話の内容を伺いますと、ほとんど共同探鉱事業は不可能だと。しかも三十九年ですか、三十九年度に約六百万の利益が出るという計算になっている。で、共同探鉱事業あるいは自社探鉱事業になれは、当然リスクは会社の負担となる面が多い。そうすると、六百万円ぐらいの計算上でありましょうが、とにかく受託その他の事業でもって収益を出しても、そういう今度はリスクの多い事業を大幅にやっていくのでなければ、北海道の地下資源開発の推進にならないということになれば、これはとうてい本来の目的を果たすための赤字というものは永久に解消できないんだと、こう思うわけです。その点についてどういう御見解を持たれましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/42
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043・木村三男
○政府委員(木村三男君) 四十年までの計画でありますが、前の第一期の計画と違いまして、全体のうちで一割が自社探鉱、共同探鉱である、あるいは二割がそうであるというような計算の仕方はしておりませんけれども、この事業量の中には全然皆無じゃありませんで、その中から具体的に流用というか、メートル数の中から見ていくということでありまして、本務の計算をした者の話によりますと、赤字も、黒字のほうの関係で、共同探鉱によるリスクの分もわずかでありましょうけど見てある、それを引いて出してあるということでありまして、皆無であるというわけじゃありませんが、必要に応じて今の四百メートルというのをだんだん伸ばして参りたい。ただ各年度何メートルであるかということがちょっと積算できないというようなこともありまして、全体の中に含ましてある。行き方としてはまあ逐次伸ばしていくというような計算の内容になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/43
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044・牛田寛
○牛田寛君 共同探鉱あるいは自社探鉱ですね。これを最後には推進していかなければならないということは既定の方針であろうと思うわけですが、その点についてはお変わりないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/44
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045・木村三男
○政府委員(木村三男君) それは会社設立の趣旨から見まして、私どもとしては当然の行き方であろうと考えて、その方針は変わっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/45
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046・牛田寛
○牛田寛君 そういたしますと、やはり北海道の開発のためには、共同探鉱あるいは自社探鉱の事業量というものは、これだけでなければならないという、こまかい数字はともかくとしても、大きな目標というものは当然立てられなければ、事業の内容その他の計画というものも、その上に積み重ねていかなければ、本来の目的を達成するだけの会社の経営というものは不可能である、こう思うわけであります。ところが一番最初の目的であるところの共同探鉱や自社探鉱の大きな計画というものは、非常にあいまいもこ、ばく然としておって、ただ目の前の利益収入を何とかカバーするというような方法にいったのでは、これはいつまでたっても本来の目的が達せられないということは当然考えられるだろうと思います。先ほどのお話では、残念ながらその点についての基本的な計画は、あるいは大まかな計画というものは承れなかったのでございます。現状としてはどうしてもそういう計画は立てられないのか。あるいは立てておられないのか。この点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/46
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047・木村三男
○政府委員(木村三男君) 計画として、どれだけのボーリングをしなければならないというような意味での計画は非常に立てにくい面がございます。と申しますのは、まあ委託探鉱にしましても、共同探鉱にしましても、まあ申し込みがなければできないとか、いろいろなこともございまして、それでまあ会社の触覚を使いまして、あるいは私どものいろいろな経験から見まして、これくらいはとれるであろうというようなところが、この会社のほうの事業計画の態度でございます。今御指摘になりました開発の見地から、このような北海道においては、これくらいの事業を、これくらいの内容でやらなければならないというような、一つの理想と申しますか、計画とはいかぬまでも、期待するというような数字も実はあるのでありますが、これはまだ計画とかなんとかオフィシャルなものではございませんので、これを見込みました場合の四十年まででといたしまして、北海道としてはどのくらいの事業量といいますか、メートル数のボーリングを期待する。それから全国ではその場合どのくらいかというような数字もあるようでございますから、それでよろしかったら、説明員のほうから大体この四十年までぐらいにどのくらいの——共同探鉱、自社探鉱のほうはちょっといろいろケースがございますので、そのうち幾らというふうにはなっていないと思いますが、大体これをやりました背景になるようなものは説明員から申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/47
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048・牛田寛
○牛田寛君 先ほど伺いました事業計画ですね、御説明はこまかい点を云々すればいろいろ問題があろうと思いますが、これは一応とどめておきますが、私の伺いたいのは、北海道開発のために探鉱会社としては一番重要な事業であるところの共同探鉱、あるいは自社探鉱の事業をどれだけ拡張していかなければならないか、その最終目的を決定した上で、赤字があるなら赤字があるで、その赤字をどうするかということをやはり大きくきめていかなければ、北海道の開発ということはできない、こう考えるわけなんです。ただ一つの特殊法人である開発会社を、利益を云々するだけでは開発会社本来の目的は達せられない、こう考えたので、一番の主要の目的であるところの自社探鉱あるいは共同探鉱の事業量の大まかな計画ないしはこれだけは必要だという点をどう腹がまえとして免租もっているかということを伺いたかったのでありますが、残念ながらそのお答えはないわけです。この点についてはもう少し、基本的な計画等もお持ちになって、その上で会社の方針を決定していただかなければならない、私はこう考えるわけなんです。この点については一つ長官に御意見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/48
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049・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 北海道地下資源開発株式会社が成績が非常に悪い、これは普通の会社ならとうにつぶれているのです。国策会社だからやっているわけなんですけれども、ろくな事業もしないのに赤字ばかり出している、こういうことなんで実際はあります。これから意欲的に仕事をしていこうじゃないかということが必要になってくる。北海道の地下資源を考える場合に、北海道自体の問題と、日本全体としての探鉱事業、両方の面から私ども考えるわけでありまして、日本の国内におきまして、北海道といわず、全国にわたりまして、品位の高い埋蔵量の多い探鉱をしまして、その鉱脈を見つけることは当然必要でありまして、ことに貿易自由化等に備えましても、そういう措置をとる必要がございます。そこで政府におきましては、三十七年度において探鉱補助費というものを三億円計上いたしているのもこの趣旨にほかならないのでありますが、北海道自体から申し上げますと、北海道の第二期開発計画、三十八年度から発足いたしまする第二期開発計画におきましては、鉱工業の発展を重点的に取り上げていこう、したがいまして、探鉱事業に対しても、今までと違って、意欲的にこれをやろうという考え方に立っておるのであります。それには全国的に計算している探鉱補助金、これの相当程度北海道につぎ込ませるし、また北海道庁が計上しておりまする中小探鉱の補助金、それに加えて北海道地下資源開発株式会社が活躍いたしまして、北海道の探鉱を今後一生懸命やろうと思っているのです。先ほど来総務監理官から申し上げているのは一つの理想の数字でありますが、その理想におっつけるように、またおっつけなければ北海道自体の開発も、日本全体の鉱業の開発もできないのでありますからして、ぜひそれにおっつけたい、こういう数字を掲げてやっているのであります。先ほど御批判がありましたように、一体この開発会社はできたときの計画とかなり違うじゃないかとおっしゃること確かにそのとおりであります。そのとおりでありますが、ということは、従来、この地下資源開発株式会社というものがあまり活動しておらなかったということを如実に示すものであります。私どもは今後は十分監督いたしまして、この会社を作りました目的を達成させまして、北海道の開発並びに全国の地下資源の開発をやりたい、こういう趣旨でございますから、あまり数字を詰められると答弁できないのはあたりまえなんです、ぜひこういう目標をおきまして、これを達成するようにしたいという数字なのであります。従来できませんでしたが、今後四十年までにはここに掲げてある数字のとおりにやろうということを、これは政府もまた地下資源開発株式会社の担当重役もみなそういう決意で、今度は改革案を出したわけでありますから、そういった点で御了解願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/49
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050・牛田寛
○牛田寛君 何も数字であげ足をとるつもりは毛頭ないのでございまして、ただ私が申し上げたいのは、計画を立てられて、しかもその計画どおりにいかなくて、赤字を出しておるというその根本原因がどこにあるか。そこがはっきりしなくてまた計画を立てられて一応の計算をなさって、それでまた同じことが起こることは考えられる。ですから当初の計画どおりに実現できなかったその根本の原因はどこにあるかということを明確にしたいわけなんです。そこではなはだあげ足取りにお聞きになったかもしれませんが数字をあげたわけです。ところがただいま伺ってみますと、当初の計画どおりいかなかった理由が、石炭事情であるとこういうことになっておる。単に石炭事情であるというだけで片づけて、それでしかも今度の法改正はどういう形でやるかというと、その利益をあげるために卒業量を伸ばすために、肝心の北海道をよそにして本州、道外の事業をやる。しかも計画を拝見してみますと、道外の事業のほうが率は大きいわけなんであります。それでこのまま何年続くかわかりませんが、そうなると、これはとうてい本来の開発の目的が達せられないじゃないか。こう考えるのは当然だと思う。
長官は、ただいまお話しのあった長官の意図はわかりますが、当初の計画どおりに推進できないで、一つの行き詰まりをきたしておるというその根本の原因がどこにあるかということをどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/50
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051・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 当初の目的どおりいかんのは石炭事情も一つであります。しかし石炭事情だけではございません。もともとこれは国策会社でありまするからして、探鉱をして、発見いたしまして新しいものがどんどん興るなら、この会社自体は損をしてもかまわない性質のものです。しかしそうした考えでなしに、なんとか会社を損しないように、うまくやっていこうというけちけちした考えでやったものですから、こういうことになったわけです。たとえば共同探鉱にしてもいろいろ申し込みはあったけれども、危険の多いことはほとんどしておらないのです。今まで私は多少の危険を冒しても共同探鉱というものはやるべきものだと思うのです。ある程度赤字が出ますと、一方においてこれを償うような仕事をしていけばそれでいいんでありますから、それで今度は北海道内ではかなり危険な仕事をやるかわり、内地でも探鉱事業は要求されておるときでありますから、この仕事に応じようということでありまして、内地で仕事をやることはただこの赤字を埋めるだけではありません。日本全体として探鉱事業は必要でありますから、内地に進出しようということでありまして、赤字を埋めることも一つの目的ではありますが、日本全体として探鉱事業というものは必要だという見地に立ってやっておるわけであります。北海道におきましては今後は共同事業その他どんどんやりまして、多少の危険を冒しましても、鉱工業発展のためには探鉱事業というものは活発にやるべきものだ、こういう考えに立ってこれから運営したい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/51
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052・牛田寛
○牛田寛君 そういたしますと、北海道中心の探鉱事業という事業方針から、広く道外の探鉱事業もあわせ行なうというふうに会社の運営方針を根本的に変更なさったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/52
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053・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) これは先般提案理由の際にも御説明申し上げましたが、北海道探鉱事業に支障を起こさない限りにおいて道外の仕事もやろう。あくまでも基本は北海道でありまするけれども、北海道の探鉱というものを、円満を害さない程度において日本全体のことをやろう。こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/53
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054・牛田寛
○牛田寛君 そこでひとつ矛盾が出てくるのですが、まあ円満を害さない程度に道外本業をやるというその結果が、ひさしを貸して母屋を取られる形になって、道外事業のほうがパーセンテージが大きい。道内事業のほうはあまり伸びない、そういう形になる。ところが本来の事情は今、長官もおっしゃいましたように、多少のリスクは冒しても、自社探鉱、共同探鉱事業までも、これは伸ばしていかなければならないものであるというお答えでありますが、そうなると、むしろ会社内のエネルギーを道内に向けるべきものを道外に向けていく、会社の収益云々は別問題としまして、これは特殊な事業でありますから、あるいはある期間だけは損失が続くかもしれません。北海道開発ということを中心に考えた場合に、やはり一つの国家の資本をもって作った開発会社の能力なり、エネルギーを北海道へ集中すべきものが必然であると私は思うのです。それを道外に向けるということは一つの大きな矛盾ではないか、そのように思うわけです。ですから、あくまでも開発会社としては道内の事業を中心においてあるいは損失が出た場合には別な角度からその損失に対して対策を講ずるといったやり方が、これが当然ではないかと、こう考えるわけなんです。その点について、今度の法改正は非常に会社の性格というものに対してあいまいな一つの法改正になっておる。で、もし会社の性格を変えないで、単に一時的な措置であるならば、期限をきめた一つの時限立法の形でやるというような一つの条件がなければならないと、こう考えるわけなんですが、その点についての基本方針が非常にあいまいである、これをひとつ明確にしていただきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/54
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055・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 非常に明確でありまして、道内の仕事を中心にやります。言いかえれば、道内で損しても道外でもうけようというのが今度の方針であります。したがって、探鉱以外に地質調査などという損しない仕事もやろうということであります。御趣旨のとおりにこれから運営するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/55
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056・田畑金光
○田畑金光君 ちょっと関連して。非常にけっこうなねらいですけれども、心配されることは北海道の地下資源開発という目的から出発したのが、北海道の中だけでは収支が償えないので道外に伸びていく。先ほどの大臣の答弁によりますと、全国をまたにかけてやるのだ、そうすると、九州まで行ってしまうのか、あるいはまた北海道だから東北を中心にやろうというのか。いずれにいたしましても、会社の規模と能力から見るなら、全国といっても、それは言葉であって、まあおもに北海道に近い東北を中心にしてやっていくのだろうと、こう思うのですが、一体その全国というのはどういう範囲を皆さんとしては考えておられるのか。さらにもう一つ疑問に感ずることはですね、ボーリング会社あるいはボーリングの事業をやっておる会社というものは相当あろうと思うのです。北海道はなかなかおくれておるので、そこで国策会社によってスタートしたと、こう思うのですが、その他の地域においてはあるいは株式会社なりその他の民間の企業体が十分にその仕事を進めてきたものと、こう考えるわけで、せっかく国策会社として北海道を中心に開発を目指して出発したものが、収支が償わぬというので本土の地域に入ってきて、その他の会社を圧迫するというようなことになってくれば、これはまた趣旨が違う性格になってきはせぬかと、こうわれわれは疑問を持っておるわけです。そういう点は一体どのように考えておられるのか。
さらにまた、私はきょうは質問をするつもりもないのですが、もう少し勉強してからとこう思っておりますが、東北開発株式会社を見ましても、御承知のように、これは行政管理庁長官として東北開発の検査等やられたかどうか私は知りませんが、少なくとも会計検査院の検査の結果は、いろいろな問題が指摘されておるわけです。一体なぜ東北開発がああいう赤字を出したのかというと、いろいろな原因があるようです。それはまあ会社にその人を得なかったということでありましょうし、武士の商法という点もありましょうし、あるいはまたいうならば、経営の中に非常に国策会社という安易な気持でもって経営をやった結果が、ああいう結果になったろうと思うのです。セメントを棚ざらしにしてしまって使いものにならなくなってしまったとか、あるいはセメントの代理店を設けるにあたっていろいろな不正な行為があったとか、種々言われて、すでにこれは司直の手によって捜査を受けておる段階にあるようです。東北開発会社の現状を見ましても、また北海道地下資源開発会社の実態を見ましても何かそこに私は共通のものがあるように感ずるわけです。問題は私はそこに根本的なメスを入れることが基本的な政府のとるべき態度であると、私はこう見ておるわけですが、この点についてひとつ大臣はどのように考えておられるのか、関連してひとつ承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/56
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057・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 現在でも機械貸与だけは道外でもやっておるわけです。これを拡張して探鉱までやろうと、こういう趣旨であります。必ずしも東北とは限っておりませんけれども、しかし、民間にあるボーリング会社と競争して、ボーリング会社が非常に困るようなことはしない措置をとるつもりでおります。この点は十分配慮するつもりであります。国策会社としての使命があるのでありますから、民間のボーリング会社を圧迫しないようにやりたいと思っております。
東北株式会社についてのお話がありましたが、一般の国策会社がきわめて低能力でありまして、ときには不正の起こることも事実であります。これらは監督権の問題、人事管理の問題でありまして、この問題とは直接関係ないのでありますが、私は行政管理庁長官としては、ふだんこういう点に特に留意をいたしまして、国策会社、公社、公団等その使命を達成することが十分できるようにひとついたしたいと、かねがね考えております。私が在職する限りはそういう点には十分力を尽くしたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/57
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058・牛田寛
○牛田寛君 ちょっとまた数字等をお伺いしたいのですが、道内の事業に支障のない範囲で道外事業をやると、こういうお話ですが、三十七年度の道内事業と道外事業の割合はどうなっておるのですか、この改正案は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/58
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059・木村三男
○政府委員(木村三男君) 三十七年の予想でございますが、メーター数にいたしまして、道内と道外の比率を申し上げますと、道内が三七%、道外が六三%、これを今度は事業収入の比率で分けますと、北海道内が五二%、道外が四八%というふうに予想しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/59
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060・牛田寛
○牛田寛君 メーター数で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/60
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061・木村三男
○政府委員(木村三男君) 道内が二万二千四百十メートル、道外が四万三千六百五十五メートルとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/61
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062・牛田寛
○牛田寛君 現在、会社の機械設備はどういうふうになっておりますか、機械台数。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/62
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063・木村三男
○政府委員(木村三男君) 試錐機械が四十七台、それに電気探層機、電気探鉱機、孔心測定機等が十四台ございます。合計六十一台、これが機械の現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/63
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064・牛田寛
○牛田寛君 まあ、こまかい計算はともかくとして、その四十七台のボーリング機械ですね、それが一年間にフルに動いて何メートルか、概算になりますが、そういうことについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/64
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065・木村三男
○政府委員(木村三男君) 機械の種類によりまして、能力としまして八百メートルから千二百メートルに及ぶものが六台とか、浅掘りのほうでは五十メートルから百メートルに及ぶのが四台とか、それぞれ内訳がございまして、稼働率をどれくらいに見るかということでございますが、五割か六割くらいに見まして、それを積数計算するわけでありますが、ちょっと今判断できませんで、ちょっと御猶予願いたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/65
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066・牛田寛
○牛田寛君 私が伺っております試錐機械の能力と、それから台数の上から、大体能力別にお使いになると思いますが、大体能力の平均どころを掘るものと仮定して、年に一回掘ったとして一万六千メートルくらい。で、私はボーリングのことはよく存じませんから、年に何回くらい働けるか、私ちょっと見当つかないので今伺ったのですが、道外四万三千六百五十五メートルといいますと、何カ月の間お掘りになったかわかりませんが、かなりの量になる。北海道は冬の間掘れませんから、冬の間半年くらいは機械が遊んでいる。その間、ほかに持っていって使うということになると、道内は支障を来たさないということになりますが、道外で四万三千メートルも掘るということになると、これは一年じゅう道外で働く機械が出てくるんじゃないか。そうすると、将来、道内の需要が多くなった場合に、今度は道外の機械が制限を受ける。そういうふうな一つの矛盾が出てくる。ですから、その点ひとつ伺ったわけです。特に四万三千、あるいはそれもだんだんふえていくわけでありますが、パーセンテージは大体道外がふえてくるのではないかと思いますが、そうした場合に道外事業がはたして道内事業に支障なくできるかどうか。あまりこの数字では保証ができないように私は思うのですが、この点についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/66
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067・木村三男
○政府委員(木村三男君) 一つは、先ほど長官から申し上げましたが、ただいま機械貸付の形で相当内地方面でやっておりまして、そのメートル数が三十六年で二万三千いっております。それが相当のあれで伸びてくる。実績として二万三千使うのはどうかと思いますが、現状でもそのくらいのことはやっております。これを今後拡張していきます場合に、御指摘のように、それじゃ機械の稼働場所が散らばります関係で、非常に道内と道外との統制がつきにくくなるんじゃなかろうかという御指摘でございますが、この点、私どもも原則といたしまして、道内の事業に支障を来たさない範囲において道外の事業をやってもよろしいということになっておりまして、どういう場合に道内の事業遂行に支障を来たさないか、それから認可の条件はどういうふうにやっていくか。これは認可事項にかけておりますものですから、これは毎年々々北海道でやるべき事業の量と、北海道で動く機械、おもに動く機械と申しますと、それぞれ機械の今までの稼働率の実績や何かございまして、たとえば内地方面では二百五十メートルから、四百メートルのが非常に使われている。北海道のほうでは割合深掘りが使われているというような関係もございますので、その辺もあらかじめ見当をつけまして、それから季節的にこれを配分しまして、どういうふうにやるかという、いろいろこまかい扱いで、統制していかなければならぬかと思いますが、そういう認可条件などは、一応相当細心の注意を払っていきたい。今後どういうふうな行政行為として、認可のやり方をするかということでありますが、なれるまではやはり相当私どもとしても、監督官庁として北海道の仕事が、機械の面でも、エネルギーの面でも、そこなわれないようにしたいと思いますが、だんだんなれて参りますと、これは商機をつかむということが大事でございますので、当分の間は個別々々のケースで見て参りたいと思います。それから機械が、あまり四カ月以上も一カ所に固まるような場合は、これは認可しないとか、そういった認可の基準をもっと合理的に考えて参りたいと思います。それから、だんだんなれて参りますと、勘どころがわかりますから、包括的に四半期別くらいに一応の認可申請によって認可していく。あくまで認可と行政指導でいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/67
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068・吉武恵市
○吉武恵市君 関連して。簡単ですが、ただいまの機械の台数はお聞きしたのですが、従業員が何人くらいいるのか、そしてそのうちに事務系統と技術系統がどれだけいるかをお知らせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/68
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069・木村三男
○政府委員(木村三男君) 職員の合計が百八十三名おります。管理部門の職員、これは事務系統でございますが、七十九名、現場部門職員、これは技術系統を入れまして、百四人。七十九名と百四人で合計百八十三人という構成になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/69
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070・吉武恵市
○吉武恵市君 それから、ほかの従業員数は、これは主として労働でしょうけれども、それは人数はおよそどのくらい、事業によって違うでしょうが、わかりませんか。常雇でもいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/70
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071・木村三男
○政府委員(木村三男君) 臨時雇が常時百人程度働いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/71
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072・牛田寛
○牛田寛君 受託でも、あるいは自社でも共同探鉱でも同じだと思うのですが、鉱区設定の問題が一つある。試掘をやる場合の鉱区設定について、これはまた鉱山局長のほうにお伺いしなければならぬかもしれませんが、大体三年から四年くらいかかるというのですね。北海道で一万八千件くらい現在申請があります。年に四千件くらい処理する。全国でも八万件、年に二万件くらい処理して、毎年一万八千件、二万件くらいずつの申請があると、こういうわけですが、そうしますと、そのために試掘すればいい所がわかっておっても、なかなか試掘ができないという面が非常にに多いのではないか。
それからもう一つの問題は、かりにボーリングをやったといたしましても、企業化がなかなかできない。ですから、企業化ができないので、ボーリングすれば確実にいいことはわかっておっても、企業化ができないという事情で、これは石炭あるいはメタルに関係なく、差し控える面が出ているということがあると思う。で、そういう問題が解決しませんと、北海道で探鉱事業を伸ばそうと思っても、これは御計画どおりに伸びないのだ。
で、こういうふうないわゆる探鉱会社という一つの局限された問題ではなくて、広く鉱山事業、炭鉱事業に関連した問題を総合的に解決していくのでなければ、結局は、この会社は赤字会社に終わってしまう。そういう点の反省なり検討なりが私は足りないのではないかと思う。まあ十分お考えになっておられるかもしれませんけれども、そういう面のお答えが聞かれなかった。それを一体、どういうふうに解決し、根本的に推進なさっていかれるのかということを承りたいと思います。これが解決しませんと、単に会社の事業をどうするとか、あるいは会社の赤字をどうするとか、会社を責めるということは、今度は会社の立場では非常に気の毒な立場になる。私はこう思うのです。
ですから、大臣として主管される立場から、また北海道開発の責任を持っておられる立場から、この辺をひとつ、どう解決なさるか伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/72
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073・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 企業に結びつかない探鉱事業はあり得ないのでありまして、当然今後の探鉱事業というものは、企業と結びついたことをやりたいと思うのですが、この点については、従来会社の活動もにぶいと思います。もう少し会社が民間に呼びかけまして、民間と提携しまして、共同事業でやるなり、また単独事業なりしまして、企業と結びついた探鉱事業にひとつ向かうべきものだと、こう考えております。私は北海道長官になりまして以来、この主張を特にいたしておるのであります。今後なるべくそういう方針でやりたいと思っております。
それから鉱業権設定が非常におくれるからというお話であります。これもお説のとおりでありますが、これは通産省とも十分話し合いまして、ボーリングした所は、なるべく即急に鉱業権の許可があるようにいたしたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/73
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074・吉武恵市
○吉武恵市君 ただいま御質問になりました御趣旨は、どうかはよくは存じませんけれども、私はこういう御趣旨で御質問になっておるのじゃないかと思うのです。せっかく政府が、こうして北海道開発のために探鉱する会社を作ってやられても、事業自体を企業化し、またその発達させる処置を講じないというと、結局だめだろうと、こういうことなんですね。そのことは私、石炭についてだけ申し上げますと、北海道は、石炭としては非常に処女地だと私は聞いておる。今後探鉱すれば、まあ無限というわけじゃありませんけれども、相当量の地下資源がありますように聞いております。
ところが、現在の段階におきましては、御承知のように油がどんどん入ってきて、石炭を堀りましても、なかなか採算がとれないのです。それで使うほうからいえば、値段が高いから、どうしてもだめだ、これもまあ無理のない話です。しかし値段が安いからと言って、現に石油は、もう国際的にどんどん、どんどん値を割って、ダンピングだと言われておりますが——ダンピングかどうか知りませんけれども——同こうの国で売っているものよりも、うんと安い値段で今非常に入ってきているのですね。それで石炭のコスト引き下げは、これは私どもも、どうしてもやってもらわなければならぬし、また、やっておられるのですけれども、コスト引き下げと言いましても、限界があると思うのです。賃金はうんと割ってといっても、それも生活というものがございますからできませんし、また坑木にしましても、あるいは電気にしましても、それぞれ値上がりもあって、なかなか限界がある。千二百円ダウンというので、一生懸命やっておりますけれども、もう実際言うというと、へとへとでやっているような状況なんです。
ですから自由化されて、安いものを使うということも、一つの産業の行き方でありますけれども、国内資源というものは、ただ安いだけでない、大事なものが私はあると思う。長官はよく御存じだと思うんです。まあ安全の問題と言いましても、ドイツあたりでは国内の石炭を今日まで六割五分から七割五分——それはいろいろな意味で、ただ安いだけでなしに使って助成している。私はただ、石炭を保護するという意味で言っているのじゃなくて、国内の資源というものを開発し、そうして国内資源は、いざというときに、何と言っても国内のものですから、大事にする必要がある。また外貨は、今日まあ非常に産業界で困っている原因というものは、外貨というものがなくなって困っているわけですから、その点言いましても、多少は高くても国内のものを使えば、それだけ外貨を使わずに済むわけですから、私はただいま御質問の趣旨が、そうだったかどうかよく存じませんけれども、私はそういうふうにとれたものですから、これは長官、国務大臣として別に石炭の担当大臣ではございませんけれども、今の政府部内において、議会でも特別委員会というものができて、いろいろ審議されておりますので、ひとつその点を、北海道は相当石炭については、地下資源があるように私聞いておりますので、それと相持って、これをやっていただくというと、開発しても、開発したものが企業化されてやっていけるのじゃないかと、かように存じますので、これはお願いでございますけれども、ひとつ御答弁願えないものかと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/74
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075・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 石炭資源を確保する問題について御質問でありますが、北海道は、粘結炭なども非常に多いので、当然今後の北海道の石炭開発の必要があると思いますが、何としても事業家と結びつく必要がございますので、この会社だけでやれないもので——石炭のみならず一般の金属につきましても、この会社が盛んに民間に呼びかけまして、企業と結びついた探鉱をしようということは、先ほど申し上げたとおりでありまして、石炭もむろんその中に入ります。石炭企業界と結びついて探鉱事業に力をいたすように、ひとつこれから考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/75
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076・阿部竹松
○阿部竹松君 関連して。大臣、さいぜんの牛田委員の質問の最後の鉱業権の設定に四、五年かかると、それに対して大臣の御答弁は、なるほどお説のとおりでございます。しかし、通産省と相談しまして、可及的すみやかに設定するようにいたしましょうという答弁がありました。それは法第十一条に照らしての御答弁ですか、あれは譲渡ということになっていますから、どこの区を指しておっしゃるものか、それと、もしそういうことが今まで北海道地下資源開発株式会社の業務内容に、そういうものがあったかどうか、それを関連してお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/76
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077・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 個々の問題について申し上げたものじゃなくて、大体の国の方針として鉱区の許可等は非常におくれていることは私も知っておりますからして、なるべく早い処理をすることがよかろうと、こう考えているわけでございます。そういう意味で申し上げたわけでありまして、どの鉱区、どの事業とかということを申し上げたわけじゃないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/77
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078・牛田寛
○牛田寛君 私の先ほどの質問を長官よく理解されなかった。言葉が足りなかったかもしれませんが、探鉱事業、いわゆるボーリングですね、試掘だけの問題で、試掘の直接の問題だけで、この会社の事業である探鉱事業を発展させることは非常にむずかしいということを申し上げたのです。その石炭産業についてみれば、ただいま吉武委員から御質問がありましたような石油との競合の問題もありましょうし、いろいろな問題もあります。私はその一例として、一つの鉱区設定の問題を取り上げたわけであります。ただ問題は、そればかりでなく、たとえば鉱区設定の際には、やはり北海道の意見なり、あるいは地元の意見なりを尊重されるわけであります。ところが鉱害の問題であるとか、あるいは汚水が流れて水質が汚濁するための漁業への影響、そういうことから地元民との間の問題が起こってくるというようなことで、いろいろ各種複雑な問題が入り組んで、一つの企業化というものを妨げる。そういう条件下にあれば、当然ボーリングできる場所も、ボーリングを差し控えるというようなことが、実際に起こっておる。で、そういうような客観情勢に、やはり手を打っていかなければ、単に計算だけで事業を伸ばそうと思っても、それは必ずどこかで頭打ちする、あるいは計画がそごを来たす。
ところが、ただいままでのお話の内容では、質問の関連もありましょうけれども、そういうふうなお考えに基づいての基本的な方針なり政策なりということが、どこまで行なわれているかということについては明瞭でなかったわけです。で長官としては、そういう実情に対して、どういう手を打つかというようなことから、そういうふうなことが原因で伸び悩んでおるというふうな、もう少しその実態を明らかにされて、そうして開発会社の将来の運営方針を決定さるべきではないか、こういうふうに私は考えたので、先ほど御質問したわけなんです。
この点についてもう一度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/78
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079・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 個々の問題についてのことは、ここで御説明できないんですが、抽象論として申し上げますと、いろいろな条件が具備しておるのにかかわらず、通産省の認可がおそいということがあるのでありまして、そういう点は早くさせよう、こういうことが申し上げられるのであります。
二面において、ボーリングする場合、いろいろ障害があるので、それがために事業の発展を阻害していることがありましょう、ありましょうけれども、そういうことは、その場合々々で、問題を解決していかなければだめなのであります。ここでどうということは私申し上げにくいのですが、少なくともいろいろな問題がありますれば、急速にそれを解決しまして、炭鉱事業に着手するようにいたしたい、こう思っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/79
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080・牛田寛
○牛田寛君 これで終わりたいと思うのですが、開発会社の事業内容を改善し、本来の目的を果たすためには、今までお話を伺っておりますと、やはり単に道内事業を行なって、その卒業内容を拡張しただけでは、会社の卒業内容も改善されない。むしろやはり北海道開発ということに重点を置いた上で、もう少し幅広い総合的な基本計画の上に立って、会社の行き方なり運営方法なりを決定されなければ、単なるこうやくばりの改正に終わってしまうのじゃないか、そういうふうに考えます。
したがって、今後、その点から開発会社の運営方針を根本的に見直して、早急にひとつ新しい構想のもとに推進計画を立てられるように要望して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/80
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081・阿部竹松
○阿部竹松君 ただいままで質疑応答をお伺いしておりましたが、最初、大臣にお尋ねする前に、北海道開発の意義について、きわめて力強い御抱負を開陳なされましたが、北海道開発庁ができてからここ数年、その数年の間に、川島長官を含めまして十数人かわっています。二十九日か三十日しか北海道長官をお勤めにならなかった方がある。別に任期によって熱意があるとかないとかいうことはいえないにいたしましても、とにかく北海道のあの広大な——四国と九州とを合わせたよりも大きいというような面積広大な北海道に行って開発をするのに、長官が一カ月内外勤めた人を含めて十数人ということは、いかに長官の熱意がここで披瀝されたとしても、前のことを振り返って考えてみれば、信用をおけない。しかし今後は、自民党随一の実力者の川島さんが今度長官になられたことであるから、七月改造などといううわさもあるけれども、ひとつ長官、四、五年北海道開発のために御努力願いたいということが私のお願いです。
それからもう一つ、木村さんが御答弁になっているようですが、木村さんは、ほんとうに北海道の地下資源開発株式会社の担当ではないわけでしょう。たまたま北海道開発庁にお勤めになっておって、法改正ですから、あなたが担当して答弁なさっておる、こういうようになるのじゃないですか。そうであるからあなたの答弁は上っつらで、抽象論で、さっぱり中身のない答弁になっておると思う。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/81
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082・木村三男
○政府委員(木村三男君) 阿部先生御承知のとおり、開発庁の機構としまして、大臣の下に直接課なり室なりがございまして、大体八つの課長あるいは室長、主幹というものがございまして、それをたばねるところの中二階がないので、総務監理官というものを置きまして、官房長に相当するようなポストが私のポストでございます。したがって調整役ということで、いろいろ各課の横の連絡なり予算の関係なりをまとめております関係で、私も三年おりまして、今までにない任期をやっておりますけれども、なかなか北海道のことはよくわかりませんで、できるだけ勉強しておりますけれども、まあ経験もありませんし、機構としましては、そういうことでありまして、法律関係は、どこでも官房長あたりのところでまとめて、政府委員としてお答えするという関係で、私がここでお答えしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/82
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083・阿部竹松
○阿部竹松君 それで、ただいままでの質疑応答を伺っておりまして、最前の御答弁の中にもございましたが、長官いわく、北海道の赤字を内地で埋めるのだと、仕事は主として北海道でやるのだけれども、余力をもって、本州のどこまで手をお伸ばしになるかわかりませんけれども、本州で仕事をなさって、それでそのカバーをなさるのだ、こういうようなお話でしたが、金属鉱山といわず石炭鉱山といわず、通産省は企業を縮小して、集中採石なり集中採炭をやろうとしているわけです。ですから、あなた方の仕事はだんだんなくなるばっかりなんです。今まで十カ所でやったところを今度六カ所でやろうとか三カ所でやりましょうと言っているんですから。そうなると、三井といわず三菱といわず、この種の事業をやっている金属鉱山、石炭鉱山は、皆さん方持っているよりまだ優秀な機械を持って、そうしてこの種の事業をやっているわけです。ですからそうなると、国のお金を投じて日本の数少ない地下資源を開発なさるという政策は、私も大賛成ですが、現実の問題として、なかなか成り立たないのじゃないかという心配があるのですが、こういう点はいかがですか。通産省の御方針と皆さん方の御方針とが食い違っている、同じ政府でですよ、食い違っているように僕はどうも思えてならないのです。
ですから、そういう点が僕の思い違いとか間違いだったら、そういうのは、通産省のと違いませんと、こうこういうことで融合しておりますよというふうに解明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/83
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084・木村三男
○政府委員(木村三男君) この会社の主管省は、御承知のとおり私どもと通産省と共管になっておりまして、仕事の関係では、もちろん常時連絡をとっておりますし、人的な面におきましても、鉱山局系統の経験のある人を私どものほうに出向していただいておるというような親戚関係にありますので、ほかの例にあるかどうかわかりませんが、私どもとしましては、通産省の鉱山、石炭関係とは非常に密接な関係にあって、お互い連絡がよろしいと、私、感じております。
それから、この会社法改正につきましては、まあどちらから言い出したということもないのでありまして、考え方はすべて両者共同の考え方が、この改正ということになったわけであります。それから事業計画を作るにつきましても、やはり両者の共同作業によりまして、先ほど申し上げましたような数字を積み上げたわけであります。先ほど阿部先生から御指摘になりましたとおり、私自身は、実を申し上げますと、山のことを全然存じません。そういったところの動き方、機構同士の連絡のやり方、そういうところからみて、これは信頼の置けるものと私どもとしては考えまして、御説明いたしておるわけでありまして、それから今ちょっとポイント々御指摘になりましたが、この会社を補強して、それでものになるだろうかどうかというようなことも、ずいぶん検討したわけなのであります。通産の全体の立場から見ますと、いろいろ内地方面と北海道共通な面もあるけれども、まだまだ北海道というところは通産行政の面から言いましても、開発の歴史が浅いし、それから地下資源の探鉱活動も非常にまたおくれておるというようなことから考えまして、北海道の地下資源会社というものは、現状においても存在の価値があるとして、補強してやっていくということは、決して悪いことじゃない、お互いにやるべき仕事じゃなかろうかというようなことで、意見の一致は見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/84
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085・阿部竹松
○阿部竹松君 一億二千万円という赤字が出たので、どうしようかということで、あなたのほうから言い出したともなく、通産省から言い出したともなく、法改正ということで、こういう法律にして一億二千万円をカバーし、かつ将来の発展を期そうという御趣旨はよくわかります。
しかし、この法案が昭和三十三年ですか、出て参った、当時の北海道開発庁長官は石井光次郎さんだった、そこで私どもは、これは大いにけっこうだ、しかしながら、大いにけっこうですが、これはなかなかそう簡単にいきませんよという話をした。疑惑に思った場合は、四年前の速記録を読んでいただけばわかる。あなたではなかったのですが、石井さんと、あなたのようにおいでになって説明された方々が、いや、そういうことはございません……。あなたは商売は何かと言うと、大蔵省出身でございます、こういうことですよ。それは知らない人に論議ふっかけたってしようがないということで、いろいろ論争して、こうしてくれ、ああしてくれ、こういうことをいろいろ具申したけれども取り上げられなかった、自民党さんが絶対多数でしたから、われわれの意見は通らなかった。しかしその当時会社がまだ発足したばかりのものですから、抽象論ですから、そんなことをあなたが言ったって大丈夫ですよ、こう言われれば、いやだめだとこういうことは言えぬ。しかし、今日厳然として、いみじくも川島長官のおっしゃった民間企業だったらだめですよ、国策会社ですから云々ということになる、そういうことなんです。私もそれは同感なんです。つまりこれは道楽息子を持ったと同じです。一億二千万円という数字をあれで埋めようたって、通産省云々と言ったって、お役人等——人の名前をあげてはたいへん恐縮ですが、役人の古手と会社の社長とかなんとか、そういう人がやるのでしたらだめですよ、そんなこと、絶対ございませんといって、当時の石井長官が僕らに言明されたのです。確かに通産省の古手の役人も入っていますよ。東京通産局の鉱山部長とかなんとかやられた方、そういう人が入っておりますが、しかし実際問題として全部あれ、お役人の古手と、それから鉱山会社の中小企業の現在仕事をやっておる人がやっているじゃないですか、相当これは専門にかかって熱意を持ってやっても、なかなか簡単にいかぬのに、人事機構からして、まず僕は失敗でなかったかと思うのですよ。
この点はどうなんですか、役員名簿いただきましたね。これの一人々々の前歴を言っていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/85
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086・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 公社、公団、事業団、国策会社等の役員に、民間人を起用するところがあるのです。ところが、民間人で有能な現役の人は、政府や国会の監督があって、安い給料では、なかなか来ません。私も、しばしばそういうものをやった経験がありますが、官庁時代には、ずいぶんやったのですが、有能な人は、みな断わられる、自然官庁から天下った人、民間でも少し月給の上がる人が国策会社に来る例が多いのでございまして、私は、そういうことは絶対反対で、民間の有能な人を起用して、これを経営してもらうところに国策会社、公社、公団の特徴があるわけです。
今後とも、こうした国策会社等の人事というものは政府において十分注意いたしまして、国策会社の特徴を発揮するようにしなければならぬと思うのであります。北海道地下資源開発株式会社の人事については、何とも申し上げられないのですけれども、総体的に政府として、こういう問題については、有能な民間人を起用して国策会社の特徴を発揮するようにいたしたい、これは行政管理庁長官としても、先般こういう意見を内閣委員会で申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/86
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087・阿部竹松
○阿部竹松君 大臣がそう御答弁になっても、これを見ると万仲余所治、この人はおやめになって、雇用促進事業団に行かれたというのですね、あとは三輪さんという人は、これは東京通産局の鉱山部長かなんかやられておった人です、現在はあれですがね、大体、われわれに参考資料として配布したのも、三年前くらいにできた資料ではないですか。国会議員に三年前にできた資料を持ってくる官庁なんてありませんよ、万仲さんの名前が出ているから、万仲さんが社長当時作成した資料を私どもの参考資料として出してきた、三年前の古新聞ということがありますが……、いかに会社が情熱も何もないかということが、こういうことで、ここで論争しようと思いませんが、長官、そういうことを覚えておいて下さい、将来のために。三年前のものを国会議員に並べて、いかに僕らが勉強不足だからといって、三年前に印刷したものを見せて、地下資源開発株式会社が一億二千万円の赤字だと言ったって承知できるものではない。
その次にお尋ねいたしますが、機械が幾ら幾らだから、ボーリング機械が幾ら幾ら、牛田委員の質問に対して、どれだけ探鉱する予定だったけれども、これだけしかできなかったから赤字になりましたと、こうおっしゃいましたが、しかし総体的には、あなたのおっしゃるような石炭産業が悪いから探鉱が減っているのじゃないのですよ、全国の探鉱の延長は、かえっていいのですよ、ふえているけれども、個人企業でやっている分がふえているけれども、皆さん方のほうがふえておらぬわけです、皆さん方のほうが。ですから、総体的に減っているのだから国策会社の北海道地下資源開発株式会社のほうが減っているというならわかるが、利根ボーリング、これはボーリング専門の会社です。その他企業を自分でやっているわけです。
ですからあなたのところに頼みにこない、そういうところが問題じゃないですか、よそも減っておりますということであれば、数字をあげてひとつお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/87
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088・木村三男
○政府委員(木村三男君) 私が最初申し上げました表は、設立当初の計画と実績がどうなっているかということで、まあこれを見ました際に、当初の計画が石炭をオーバー・エスティメートしていたようだけれども、実績がそこまでいかなかったということが、石炭関係で、上下の段が違っているというところが目立ちますということを申し上げましたので、赤字の原因はこれだけだということを申し上げる機会がなかったかと思いますが、後ほど長官から説明がありましたようなことで、事業量も伸びなかったし、また技術面その他の面で、会社のほうでも効率的に動かなかった、そういうようなことがありまして、もし石炭のために赤字を出したというような説明にお聞きとりでございましたならば、私どもミスでございますのでおわびいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/88
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089・阿部竹松
○阿部竹松君 石炭のためというよりも、今お尋ねしたように、炭鉱の延長キロ数が短かかったために赤字が出た、主たる理由としてね。あなたは数回、そういうふうに答弁しておりますよ、ずっと聞いておりますけれども。
ですから、一億二千万赤字が厳然として出ている。何千何百万まではわからない、またそういう答弁は必要としないのですが、大体、何でこれだけの金額の赤字が出たということが明瞭にならなければならぬわけでしょう。ですから、その明瞭にする理由として、あなたは炭鉱の延長キロ数が短かかったのを最大の理由としてお述べになっている。しかし私の仄聞するところによれば、現在とにかく炭鉱のキロ数というものは減っておらぬわけですよ、トン当たりコスト千二百円下げるために、石炭会社、それから一方金属鉱山は貿易の自由化によってこれは影響をこうむるのですから、大手、中小それぞれ自分の力によってやっている。にもかかわらず、あなたのほうだけ伸びないのは、これは問題があるんじゃないですか、こういっているのです。あなたのおっしゃる理由だけではないでしょう。
ですから、僕のいうことは、それは違いますよということで、確たる反証をあげるならばあげていただきたいといっているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/89
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090・木村三男
○政府委員(木村三男君) 会社のバランス上からみましたときの姿が、まあこういうような形になっておりまして、その前の段階において、北海道の炭鉱活動がどうなっているか、その点はちょっと私、手元に資料を持っておりませんけれども、会社自体としての注文をとったものがどれだけだ、その分析をいたしますと、炭鉱活動が総体的に落ちて、それで受注をとったものがそれに比例して落ちたというふうな機械的なことじゃなくして、そこにとるべき活動なり何なりが十分でなかったために炭鉱事業が、炭鉱のメートル数は相当あるのだけれども、とれなかったというふうな面があり得ることだと思います。会社方面が実際に当たっておりますので、私ども実際の衝に当たっておりませんが、感じとしては、やはり注文のとり方、あるいは相手方の信頼の度合と申しますか、技術面やその他の面におきまして、まだ日も浅いしというようなこともありまして、その辺、重役方面の活動いかんも影響すると思います。
そういう面もあるやに聞いておりますが、阿部先生の御指摘のように、炭鉱活動が落ちた比率でこれが落ちているというような比例的な関係はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/90
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091・阿部竹松
○阿部竹松君 それから、この表によると、九億円出資しているのですね、政府と民間企業から。政府以上の出資をさせてはならないと法でなっているようですが、当時、私もはっきり記憶しておりませんが、石井さんと討論の中でお伺いしたことは、毎年毎年政府から出資しますし、それに応じて民間企業からも出資してもらえるようになっています、こういうお話があった。そういう話を石井長官がなされても、それは相手が商売人だから、そう簡単にいかないでしょう、そう、重ねて御質問をしたところが、それは大丈夫ですという明快な答弁があって、これはおそらく速記録にも載っておるはずですが、これで見ると、さっぱり民間の投資がないように記録されているのですが、この記録のほかに投資があるのですか、民間企業から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/91
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092・木村三男
○政府委員(木村三男君) お手元の資料の民間一億、これは当初一億でありますが、その後、政府関係の出資はありましたけれども、既間のほうは、その後ゼロでございますから、当初どおり一億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/92
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093・阿部竹松
○阿部竹松君 そうすると、私に当時説明したことをたてにとってお尋ねするわけじゃないけれども、全然うそをわれわれに報告し、そうして法を通したということになるのですがね。この次の委員会で、国会の速記録を持ってきて、読んでお聞かせ申しましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/93
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094・木村三男
○政府委員(木村三男君) 速記録関係、私どものほうも調べてみますけれども、経過といたしましては、資料にもありますとおり、最初民間一、政府二でスタートいたしまして、三十四年に三億追加いたしまして、その後七億、それから現行に至っているわけなんでありますが、この間、まあ会社自体としましても、特別に民間のほうに出資を求めるということはいたしておりませんで、これも時期が当を得ない、まあ政府でやれる分は、政府のほうでやっていったほうがいいのじゃなかろうかというような会社の方針で最近まで来ておりまして、まあ万仲社長今いませんけれども、大体十億になるまでは政府が九億、民間が一億というようなことで、とにかく十億まで持っていくということで、ここ一、二年は来ておるように私記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/94
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095・阿部竹松
○阿部竹松君 そういう話では、当時とてんで話が違うわけですよ。しかし、情勢が変わったということもありましょうから、その点は深く申し上げませんけれども、政府……まあこの法律を作って、確かにその半分以上の投資をしなければならぬ、出資を求めてならぬということはありますよ。しかし九対一でもって、そうして政府と民間と合併会社を作るなんということは、どうも当時の趣旨と、全く相反するように思うのですが、そうしてあなたのほうでは、民間に出資を求めないから、出資をしないのであって、もし求めれば、民間は出資するということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/95
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096・木村三男
○政府委員(木村三男君) 私どもといたしましては、これは、はなはだ遺憾なことでありますけれども、出初の計画ともくろみよりも、下回った事業の運営をいたしております。大体株式会社等の常識から見ましても、赤字が出ておるような会社でありますと、増資をして、民間から取るというのも時代逆行のような気もいたしますし、当時これを作りますような場合には、できるだけ国策性を持たして、政府出資もどんどんやっていくというようなことでありますので、まあ一つの単位としましてのあれが、資本金十億円ぐらいのところになれば、機械なり設備なりが一応動かせる態勢ができる、それまでは、まあもくろみと違っておりますけれども、初めのもくろみですと、三十四年は十億で、三十六年に十三億五千万円ぐらいになっておるはずであります。まあこういうときは赤字が出ませんから、民間の出資を期待したと思いますけれども、すべり出してみますと、なかなかうまくいかない。まあ十億ぐらいになるまでのところということで政府出資にウエートを置いて、資本の充実をはからざるを得なかったというのがあとを引き受けました私どもの態度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/96
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097・阿部竹松
○阿部竹松君 そのお話はわからぬでもないですがね。今まで出資をこれだけやって、あと一億や三億投じても、はたして立ち直れるかどうか、皆さん方も疑問をお持ちかもしれませんが、私も疑問を持っておる。
ただ、これは国策会社ですから、国の眠っておる地下資源を開発してやるのですから、一億や三億と言ったら言い過ぎになるかもしれませんけれども、しかし、ある程度赤字が出ても、国の地下資源開発に投ずる金ですから、それがやがて四億、五億になって国に寄与する場合もあり得るのですから、私は一億二千万円ということについてやかましく言おうとは思わぬのです。ただ、何のためにやったかわからぬというあいまいもこ裡に、国の税金が八億、九億投ぜられる。これは、出発当初と話が違うのじゃないかと言うのです。
通産省の考えておる構想というものが、佐藤大臣の言うのと違った構想であれば、これは別ですよ。しかし、大企業は大企業なりに集中生産方式——通産省の方式かそうなんですから——とにかく生産方式をとろうとする会社は、全部、たいへん失礼ですが、北海道地下資源開発株式会社の探鉱能力よりも優秀な能力を持っているわけです。それから、大臣が東北に来てやると言いましたが、東北といっても、限定されているわけですよ。限定されているのです。先ほど大臣との鉱業権の設定問題がありましたが、鉱業権は、現在ほとんど設定されて、これから新しく鉱業権を設定されるところなどありませんよ。架空のことで御答弁なさっているようですが、しかし、鉱業権を設定されているところに行って、おそらくやるのでしょうが、やるようなところは、大企業でやっておりますということで、やるのはいいけれども、そういう点について、はたして自信がおありかどうか。私はこういうことをやるのに賛成なんですが、ただ、そういう点が、さいぜんも申し上げましたが、道楽息子を持って、もうよくなるか、もうよくなるかと思って金をつぎ込んだけれども、最終は勘当しなければならぬということになってから、そこで大臣どうやといって文句を言ってもしょうがありませんから、今のうちに、ちょっと聞き苦しいことも申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/97
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098・木村三男
○政府委員(木村三男君) 私が申し上げることが適当かどうかと思いますけれども、ただいま御指摘の点、特に金属鉱山などにつきましては、先出御指摘のとおり、自社内において相当優秀なボーリング・スタッフを持っておるという現状は、私どもとしても承知いたしております。そこで、しかしこの積み上げをいたします場合も、がむしゃらにとっていく、仕事をとるということでなくて、まあ狙いとしましては、石炭と金属鉱業はだいぶ違う。金属鉱業は、ただいま御指摘のとおり、特に地域別に見ますと、北海道あたりはボーリング関係の会社の成長が非常におそいものですから、北海道あたりは相当強く見て、この会社で補強していく。内地方面に至りましては、そういう実態を考えつつ積算いたしまして、こういった計算ができたということでありまして、やはりそういった点につきましては、算用する際にも、通算も、私どもの事務当局十分検討した中に入っているように私は聞いております、考慮しておるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/98
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099・阿部竹松
○阿部竹松君 その点について、さいぜん大臣も御答弁の中で申しておりましたが、よその仕事をとるなどということはやりません、こう言うのですが、僕は、よその仕事をとるくらい能率が上がって低廉でできれば、これは幸いだと思うのですよ。ところが、だれも頼みに来んのです、実際問題として。僕の聞き違いであれば、これは幸いですが、自分のところに設備を持って、機械を持っておるわけですから、だれも頼みに来んのですよ。
ですから、あなたのほうに、よその仕事をとるくらい仕事が注文されればいいけれども、ないわけです。どうせ金を払わなければならぬ。たとい国策会社でもってボーリングしてもらっても、ただでしてもらうわけじゃありませんから、そうすると、大会社はみんな全部持っている。特にボーリングなんて、膨大な、日本中に網を張りめぐらしている、ボーリング会社は東北地方にくると、今木村さんのおっしゃったとおりだめです。九州に働きに行くのですか。一体どこで、大臣のおっしゃった北海道が主で、内地は従ですよ、北海道のもので内地はカバーしますよという、構想としては、どこにあるのですか。具体的に一つでも、そこに行ってやりますというところを明示して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/99
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100・木村三男
○政府委員(木村三男君) 大体、会社の活動の拠点と申しますか、札幌に本社がありまして、東京に支社がございます。その近所に機械なり、人間なりがはりつけてございますので、やはり活動範囲というものも、その近くと申しますか、北海道から東北、関東近郊、まれには近畿地方の奈良県あたりの水銀も、機械貸付でやっている例もあるようでございますが、大体、ただいま機械貸付の範囲が、今申し上げましたようなところに固まっているようであります。
で、この関係ですと、今まで機械貸付という形でやっておりますので、それを今度は、一歩進めて委託を受けてボーリングするような形に切りかえられるものは切りかえるということで、全然何もかもないところに出ていくというわけではございませんので、そこにわずかながらもつながりがある。
それから、内地方面で、どのくらい金属なりその他のボーリング活動なりが、今後進むであろうか、あるいは北海道地下資源などが働く余地があるかどうかというようなことになりますと私どもとしては、めくらのようなものでございまして、通産省のほうと、いろいろ打ち合わせしておりまして、通産の考え方と私どもの考え方は別に変わっていないのでありますけれども、本席に、御要望がありますれば、通産省の鉱政課長が来ておりますので、私どもとしましては、通産省とも相談いたしまして、今言ったような、内地方面でも、仕事がかなりできるのだというような考え方をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/100
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101・阿部竹松
○阿部竹松君 今、例をあげられた奈良県の水銀鉱ですね。水銀は日本の生産の九九・九%まで北海道の野村鉱業の各鉱場でできるのです。奈良県なんか太平洋のアワ粒のようなものです。それも、日本は一トン三百万円、アメリカからくると二百三十万円ですから、貿易の自由化で、当然七十万円安いのが入ってくるのですから、それを通産省が明確に僕たちに言っているのです。ですからそういう、うそを言っているとは言いませんけれども、具体性のない話をしたってだめなんです。ですから、この次、あなたが、そうおっしゃるのであれば、鉱業政策で佐藤通産大臣がおいでになったとき、一緒に、まことに御足労ですが来ていただいて、そのとき通産省の貿易の自由化に対する鉱業政策と、今皆さんのほうでやられる地下資源開発株式会社の法改正と、政策的にマッチするかどうかということをお伺いしたい。私はこういうことは賛成ですが、あまりルーズなことについては、とっても賛成できかねるわけです。この次ひとつ、委員長質問させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/101
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102・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 北海道地下費源開発株式会社の法律改正に関連いたしまして、いろいろ今後の鉱業政策の問題、御指摘になられたようでありますが、多少私どもの考えておる点が誤り伝えられておるのじゃないかというふうなこともございますので、この席をかりまして、説御明さしていただきたいと思います。
北海道地下資源開発株式会社の法律改正につきましては、北海道開発庁から、るる御説明のとおり、通産省と十分御相談の上でやったものでございまして、私のほうといたしましても、もちろん今後における国全体の地下資源開発の重要性というものをますます重要視いたしておるわけでございますが、しかしながら、その建前といたしますと、あくまでも探鉱補助金と、それぞれ民間企業の探鉱意欲を喚起するというふうな建前になっていることは御存じのとおりでございまして、川島長官のお話のとおり、三十七年度予算は従来一億のものを三億にふやしたという経緯がございますが、ただ、大手の六社につきましては今回の探鉱補助金を出さない、中小鉱山に主として三億の金を出すという建前になっておるわけでございまして、まだ配分の方法その他も決定いたしておりませんが、大体北海道には、この中の一五%くらいはいくんじゃないか、東北地方には三五%くらいがいくんじゃないか、合わせて東北、北海道に五割ないし六割近いものが探鉱奨励金として出て参るわけでございますが、ただ北海道につきまして、この地下資源開発株式会社の重要性と申すのは、今さら私が述べるまでもなく、何といたしましても、まだまだ開発がおくれておる、これは後ほど具体的に申しましてもけっこうでございますが、鉱業権の設定に対しまして開発されている鉱区面積が非常に少ないというふうな状況から見ましても、開発意欲を補助金のみでなくて、ある程度この会社の力を借りまして、より一そうふるい立たせる必要があるんではないかと、かように考えておる次第でございまして、御指摘のような野村鉱業の水銀の問題につきましても、私のほうといたしまして、決して死ねと言ったこともございませんし、生きるように今関税制度を考えて、国会にも提案いたしておるわけでございまして、自由化後におきましても、合理化を達成し、国際価格並みに近づけるように努力するとともに、なお足らざる分を関税制度で補っていく、さらに水銀につきましても探鉱奨励金を出すというふうな考え方になっております。このほか鉱種の中には、それぞれ北海道特有のものもございます。たとえば石綿のようなものも全国で見ますと、一〇〇%北海道で自給しているというふうなもの、あるいは重晶石につきましても一〇〇%北海道から供給を受けておる、こういうふうなものにつきましては、十分探鉱奨励金もつけまして、またこの会社の優秀なる技術によりまして、ますます道内の開発を盛んにしたいと、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/102
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103・阿部竹松
○阿部竹松君 野村鉱業の水銀について、死ねと言ったことはありませんと、そこで外国商品に太刀打ちさせるために関税をかける、その他のものにも関税をかける、そう聞きましたが、何パーセントかけるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/103
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104・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 道内の供給率は、水銀は七六%です。それから、多いのがマンガン五〇%、こういうふうな工合で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/104
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105・阿部竹松
○阿部竹松君 関税を外国商品に対し何パーセントかけるかと言うんですよ。あなたの今の御説明は、山を守るために関税をかけます……。ですから、何パーセントかけるんですか。外国から入ってくる商品に対して。それからその他の鉱物資源に対しても、かけるとおっしゃるが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/105
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106・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 水銀のタリフ・クォーターにつきまして御説明いたしますと、三十七年の十月一日以降を自由化というふうに予定いたしておりますが、三十九年まで二次税率を二五%といたします関税割当制度を実施いたす所存でございます。
念のために申し上げますと、関税割当制度というのは、国内の需給状況を勘案いたしまして、国産で供給できるものをどのくらいという想定を立てまして、不足分を幾ら輸入しなけりゃならぬ、その不足分——要輸入量につきましては、一次税率をゼロといたしまして、どうせ輸入するものでございますから、安く需要者にも配給しなけりゃいかぬ、そのために一次税率をゼロとする、しかし、不必要に輸入する必要は毛頭ない、そういう点から、要輸入量以外の数量を輸入しようとするものは二五%の高率の関税をかける、こういうふうな建て方で、水銀のほうを行なっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/106
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107・阿部竹松
○阿部竹松君 ほかの鉱物資源にも税金をかけると言いましたが、どうなるんですか、何パーセントですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/107
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108・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 関税問題を、ここで全部御説明するのはいかがかと思いますが、実は、かような関税割当の制度をとりましたものは十一鉱種ございます。特に中小鉱山にして、自由化によって危機に瀕するというふうなものを主として取り上げて、かような保護政策をとったわけでございまして、マンガンにつきましても、同様にタリフ・クォーターをとっているような次第でございます。なお、石綿につきましては、相当北海道の産品がカナダ、アメリカのものと比べて競争力があるということにより、特別の措置を必要としないのじゃないか、むしろ逆に実情つまびらかではございませんが、カナダのものと比較いたしますと、日本の品物のほうが安く、国際競争力が逆にあるというふうな状況でございます。
その意味から、ただいまのところ関税対策は立てておりませんが、ただ問題は、ソ連圏の安いものが入ってきた場合、いかような対策を立てるか、これにつきましては、全般的に緊急関税、その他を検討いたしているような次第でございます。
さように鉱種々々によりまして、それぞれの山が自由化によって急激に変化を受けないように、関税制度あるいは補助金制度をただいま考えているわけでございます。今後決して大企業のみに集中生産を行なうとか、あるいは中小鉱山が衰滅するのではないかというようなことの起こらないように、あるいは何もしなければ、さようなことになるかとも思いますが、さような現象の起こらないように、通産省としても対策を立てているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/108
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109・阿部竹松
○阿部竹松君 何を言わんとするのか、私わかりませんが、関税をかけて、国内産業を保護するということになれば、石綿のようにわが国のほうが安い場合は、そんな心配はないわけです。一年に二千億も、とにかく金属鉱山の水揚げがあって、このうち一千百億か一千二百億が鈍なのです。この銅は、アメリカでは二十四万円、日本では二十八万四、五百円する。二十四万円のとにかく鉱石が入ってくる。そういうことになると、四万五千円くらい安いものが入ってくる。鉛、亜鉛、すずも、そういうことになるでしょう。そうだとすれば、あなたのおっしゃったことの速記録を読んで下さい。山はつぶしません。関税をかけますということになれば、あなたの今の御答弁の石綿なんか、そういうことを聞いているわけじゃない、総体的に関税をかけるというふうに聞こえるわけです。そうでしょう、そういうつもりでおっしゃっているのでしょう。ですから、佐藤大臣に聞かなければならぬと言ったのです。あなた、課長で責任があるかないかわかりませんけれども、関税をどの程度までかけるかということをお聞きしているわけです。銅の場合だって、現在一〇%かかっているから、もう一五%かけます。鉛、亜鉛は十一万円と七万円で四万円の差があるから、これは二三%かけるということになるわけでしょう。関税をかけるということになれば。そういうことになるわけです。それをあなたは言っているわけでしょう。ですから、それを明確に、銅が何%くらいですか、鉛、亜鉛、すず、あるいは硫化銅は何用くらいですかということを、カナダとかアメリカとか言う必要はないのですよ。何%くらいだろうかということを聞いている。はっきりわかるのですから、それくらい自信持って答弁して下さい、あなた。ここで言うのはどうかと思うなんて、関税かけておいて守りますよと、その守る理由を明確にしてもらわなければ困る。それだったら守れる、これくらいだったら足らぬということになるでしょう。その数字だけでけっこうですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/109
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110・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 関税対策、個々の品物について非常に抽象的に今まで申し上げたわけでございますが、具体的にというお話になりますと長くなりますが、総括的に、今回自由化対策として関税改正を予定いたしますものが六十三品目あるわけでございまして、その中で、おっしゃるとおり一番問題になりますのは、非鉄金属関係としては銅、鉛、亜鉛ということでございます。銅につきましては、現在までの従価税方式を従量税方式に改めまして、四年半の間暫定的に一〇%の関税を三万円あるいは二万七千円というふうに段階に応じて、暫定期間中の段階に応じまして、ある程度関税率の引き上げを行なっておるというわけでございます。鉛、亜鉛につきましても、同様の方式で四年半の暫定期間の間、現行税率をそれぞれ引き上げいたしたわけでございます。そのほかなお銅、鉛、亜鉛関係といたしまして、あと合金くず、その他関連物資を、それぞれ同じような方式のもとに、すべて手直しをいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/110
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111・阿部竹松
○阿部竹松君 それは関税ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/111
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112・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) はい、関税です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/112
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113・阿部竹松
○阿部竹松君 関税としてかける。そうすると、結局三万円かけるというと、一〇%の三万円かけるわけですから、そうすると一二、三%かけると、こういうことになりますね。関税を直してかけるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/113
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114・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) さようでございます。銅の例をとりますと、おっしゃるとおり、前期二年半の間は三万円、つまり一二・五%程度の関税率をかける、後期には、あとの二年のは一一・二五%相当のものをかける、つまり二万七千円というものは一一・二五%相当の分に相当するわけでございますが、そういうふうな関税の引き上げを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/114
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115・阿部竹松
○阿部竹松君 そこで、さいぜんあんたが初めに言うた銅を持っている三井、三菱、三井は売鉱だけですが、三菱、住友、これはあなたは承知しているだろうと思うのですが、おそらくこの種の会社、頼みませんね。それからさいぜんあんたの説明の中に、そういう会社がありますよ、こういうようなところは二十人、三十人という小山ばかりでありまして、北海道地下資源開発株式会社の機械を奈良県に持っていくとか、中国に持っていくとかいったって五、六十人のあれですよ。おそらくそういうことは前例がないでしょう。今その例がありますか。あなたた、そんなことを知らぬと思うのですが、そこが問題でしょう。
あなたのほうで賛成したというのですから、あなたその会議においでになったかどうか知りませんが、どうですか。もしその例があったらお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/115
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116・土屋正雄
○説明員(土屋正雄君) 御指摘のとおり具体的な例と申しますと、私も詳しくは存じませんが、日本の大鉱山は、今さら私が申し上げるまでもなく、中小の山から大きく発展いたしてきたものでございまして、現在鉱山会社も、私が申し上げるまでもなく大鉱山であるからといって品位がよいかというふうなものでなくて、中小鉱山でも、品位の高いものがあれば、十分存立の可能性もございますし、またそういう中小の山が、だんだん発達して大山になるという意味から、今まで、私ども、新鉱床探査補助金というようなものを中小鉱山につけておったわけで、今後も、そうした中小鉱山の保護育成という方面を大いに力を注いでいきたいと思っておりまして、百四十六鉱山も、三十六年度は新鉱床探査補助金をつけているわけでございまして、さよう御了承願いたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/116
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117・阿部竹松
○阿部竹松君 その政府とか、政府委員、説明員は、法律を作ったらどうしても曲げても、どういうことを言っても通したいということで折衝なさる。そのお気持はわかりますよ。しかしながらこの種の法律は、憲法改正とか安保問題と違って必ずしも、安保とか憲法だとかは、私と川島長官の意見は一致をみないと思うけれども、こういう法律については、僕は意見の一致をみると思う。あんたたちは、何でもかんでも雲の上の人のように、ここにおって、全然現実にそぐわないことを法律できめて、そしてしゃにむに押しつけようとするのですね。現実にマッチしないような法律を一たん作れば、行政府に回っていってしまって、われわれ何ぼじだんだ踏んでも仕方がない。
だから、さいぜん私が言ったとおり一億、二億赤字になっても仕方がない場合がありましょう。しかし初めから、これはもうどぶに片足突っ込んだようにずるずる行っては困るということなので、僕なんかは五億円も金をやるのだったら、探鉱費として三分の一金やりますよ、こうやったほうが、これはねじりはち巻で一生懸命やるかもしれません、政府が責任を持って。にもかかわらず政府がこういうことをやっておったのでは、ますます成果が上らぬと、こう思うのですがね。
それから、さいぜんあなたが御答弁になったのですが、関税方式必ずしも通産省は、そう言っておらぬようですが、まああなたが企画しているのですから、うそだとは思わないのですが、その点は、もう少し責任のある人から聞かなければ納得がいきません。私は、これで質問終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/117
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118・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 他に御質疑はありませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
議事の都合により、本日はこれにて散会いたします。次回は三月十五日、午前十時より開会いたします。
午後四時二十八分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X01119620313/118
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