1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月一日(木曜日)
午前十時二十五分開会
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出席者は左の通り
委員長 棚橋 小虎君
理 事
上林 忠次君
佐野 廣君
荒木正三郎君
市川 房枝君
委 員
大谷 贇雄君
岡崎 真一君
木暮武太夫君
高橋 衛君
中野 文門君
堀 末治君
須藤 五郎君
政府委員
大蔵政務次官 堀本 宜実君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
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本日の会議に付した案件
○関税法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○保険業法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○昭和三十六年産米穀についての所得
税の臨時特例に関する法律案(内閣
送付、予備審査)
○通行税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○相続税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○印紙税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○日本輸出入銀行法の一部を改正する
法律案(内閣送付、予備審査)
○地方自治法第百五十六条第六項の規
定に基づき、税関支署及び財務部出
張所の設置に関し承認を求めるの件
(内閣送付、予備審査)
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00319620201/0
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001・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから委員会を開きます。
関税法の一部を改正する法律案、保険業法の一部を改正する法律案、昭和三十六年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、通行税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税関支署及び財務部出張所の設置に関し承認を求めるの件、以上八件を一括議題とし、順次、提案理由の説明を聴取することにいたします。
堀木大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00319620201/1
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002・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま議題となりました関税法の一部を改正する法律案ほか七件につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、関税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、最近における外国貿易の実情に顧みまして、水島港を開港に、鹿児島空港を税関空港にそれぞれ追加しようとするものであります。
以下、改正の内容について簡単に御説明申し上げます。
まず、水島港につきましては、昨年から貿易実績が急激に上昇し、港湾設備及びその将来性についても他の開港に比して遜色がないので、同港を開港に追加しようとするものであります。
また、鹿児島空港につきましては、昨年九月に鹿児島、沖縄間に定期航空港に追加しようとするものであります。
これが、この法律案の提案理由及びその概要であります。
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次に、保険業法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
現行の保険業法は、昭和二十六年の改正以来、船舶保険については、船舶保険料率に関する共同行為だけを独禁法の適用除外としておらず、損害保険料率算出団体に関する法律に基づく、いわゆる算定会料率が適用されてきております。
これは、当時、わが国の船腹がいまだ少なく、かつ、戦標船、老齢船等の劣悪な船舶が多く、保険成績もよくなかったことにかんがみ、船舶保険本来の姿である協定料率制を採用することなく、当分の間算定会料率をもって必要な配慮を加味してゆくことを適当と判断したことによるものであります。
しかしながら、十年を経過した今日におきましては、わが国船腹は相当の拡充を見、新鋭船舶を中心にその保有量もすでに戦前水準をこえ、しかも、各船舶、各船主ごとの特色、特性の事績も相当期間にわたって積み上げられた結果、企業保険としての基礎もようやく確立いたしましたので、航空保険、海上貨物保険などと同様に協定料率制に移行し、船舶保険の特殊性に沿ったいわゆるきめのこまかい料率を実施することが適当と思われる情勢となっているのであります。
このような実情に照らし、この際、船舶保険事業の円滑な運営に資するとともに、海運事業の健全な発展に寄与するため、船舶保険の料率について共同行為をすることができるよう所要の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出する理由であります。
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次に、昭和三十六年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について申し上げます。
この法律案は、昭和三十六年産の米穀につき、事前売り渡し申し込み制度の円滑な実施に資するため、米穀の生産者が川年産の米穀を政府に対し事前売り渡し申し込みに基づいて売り渡した場合において、従来と同様、同年分の所得税について、その売り渡しの時期の区分等に応じ、玄米換算百花十キログラム当たり、一石当り平均千四百円を非課税とする措置を講じようとするものであります。
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次に、通行税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案及び印紙税法の一部を改正する法律案の三案について御説明申し上げます
政府は、国民の税負担の現状に顧みまして、昭和三十六年度の税制改正に引き続く税制の体系的整備の一環として、昭和三十七年度において、中小所得者の負担の軽減を主眼とする間接税及び所得税の減税を中心に、国税において平年度千二百億円程度の減税を行なおうとし、今国会におきましてこれら税制の整備のための関係法律案を提出いたす準備を進めておりますが、ここにさしあたり関係三法律案を提出いたす次第であります。
以下、順次右法律案について、改正の内容を申し上げます。
第一に、通行税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
通行税につきましては、昭和三十六年度の税制改正におきまして、二等寝台料金に対する課税を非課税とすることによって、二等寝台を利用する乗客の負担の軽減をはかったのでありますが、今回、間接税の税率につき、一般的に小売段階で課税するものについては一〇%程度の税率を基準として体系を整備することとした関係から、現在、通行税を課すこととしている国鉄の一等、汽船の特等等の乗客の支払う運賃に対する税率についても、現行の二〇%から一〇%に引き下げることといたしております。
第二に、相続税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
相続税につきましては、昭和三十三年度の改正以来据え置きとなっている相続税の負担について、最近における資産価格の推移等に顧み、相続があった場合の遺産にかかる基礎控除額を引き上げることといたしました。すなわち、この控除額は、従来、百五十五万円に相続人一人当たり三十万円を加算した金額でありましたが、今回、これを二百万円に相続人一人当たり五十万円を加算した金額に改めることとするものであります。この改正により、相続人五人の標準世帯におきましては、その遺産領が四百五十万円程度までは課税されないこととなり、大部分の農家及び中小企業者については、相続税が課されなくなるものと考えております。
第三として、印紙税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、零細な記載金高の手形等に対する印紙税負担の軽減をはかるとともに、実情に即するよう諸規定の整備を行なおうとするものであります。
まず第一に、約束手形及び為替手形につきましては、零細な金額の手形に対する納税の負担と手数を省略し取引の円滑化をはかるため、現行の免税点の一万円を五万円に引き上げるとともに、十万円以下の金額の手形について、現行二十円の税率を十円に引き下げることといたしました。さらに、一覧払の手形、外国通貨表示の手形等につきましても、現在、二十円の税率を十円に引き下げることとし、なお、最近非居住者自由円勘定の開設が認められたことに伴い、外国通貨表示の手形にかえて、自由円表示の手形が使用されることになりましたので、この手形につきましても、外国通貨表示の手形と同様に、十円の税率とすることといたしました。
第二に、相互銀行及び無尽会社の発する掛金通帳につきましては、相互銀行等の通帳形式も整って参りましたので、この際、その掛金通帳を印紙税法上に掲名することとし、あわせて、預貯金通帳との税負担の均衡をはかるため、税率を現行の二十円から十円に引き下げることといたしました。
第三に、印紙納付にかえて認められる一定表示による現金納付の方法につきましては、増資による新株発行の場合には、現行法では、株券の印刷の都合上、払い込み期日から相当以前に印紙税を納付することとなりますが、このため失権株については過誤納の問題を生じて参りますので、この際、株券数の確定時である払い込み期日に印紙税を納付する方法を採用することといたしまして、問題の解決をはかることとしました。
以上が、三法律案についての提案の理由と内容の大要であります。
次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について御説明いたします。
日本輸出入銀行は、昭和二十五年十二月、日本輸出銀行として設立されて以来、プラント輸出金融を中心として輸出入及び海外投資に関する金融を行ない、わが国貿易の振興並びに経済協力の推進に格段の寄与をいたして参りましたことは、御承知のとおりであります。
日本輸出入銀行の業況は、わが国貿易の伸展に伴って着実に伸びてきており、その融資残高は、昨年十二月末において一千七百七十三億円に達しております。今後も海外からのプラント輸出等の引き合いは、東南アジアを初めとして、さらに増加していくことが予想されますとともに、これら諸国等との経済協力も、また一そう、その実を上げていくものと思われ、日本輸出入銀行の融資を必要とする事案は、ますます増加する見通しであります。
昭和三十七年度のわが国経済運営の第一目標は、国際収支の均衡を回復することであり、そのためには、積極的に輸出の伸張をはかる必要があることは申すまでもないところでございますが、その施策の一つとして輸出振興に重要な役割を果たしております日本輸出入銀行の資金源の充実をはかることが緊要と考えられます。
このため、政府といたしましては、日本輸出入銀行の資本金を増額するとともに、借入金の限度額の引き上げを行ない、プラント輸出等の金融に遺憾のないよう措置することとし、ここに日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を提出いたした次第でございます。
次に、今回の改正の要点を申し上げますと、第一に、日本輸出入銀行の資本金を増額することであります。昭和三十七年度の財政投融資計画において、政府は、日本輸出入銀行の融資見込み額を千二百五十億円と推算し、このため必要な資金として、同行に対して、出資及び貸付により、新たに八百十億円の資金を供給することといたしております。このうち二百億円は、産業投資特別会計からの出資金を予定いたしておりますので、これに伴い、同行の資本金七百八十三億円を二百億円増額して九百八十三億円とする必要があります。
第二に、借入金の限度額を引き上げることであります。
日本輸出入銀行に対する資金需要はプラント輸出の伸び、国際競争における輸出条件の変化等、外的条件の変動に左右される面が多く、年度途中において資金需要が急激に増加する場合も予想されるのであります。このような資金需要の急増に対処し、輸出振興に遺憾のないよう措置いたしますためには、現存の借入金の限度額では十分とは申せませんので、これを自己資本の三倍まで引き上げることとしたのであります。
これが、この法律案を提出する理由であります。
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最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税関支署及び財務部出張所の設置に関し承認を求めるの件について御説明申し上げます。
まず、神戸税関姫路出張所を税関支署とすることであります。最近の姫路出張所において取り扱う輸出入申告等の事務取り扱い件数は、飛躍的な増加の傾向にありますが、姫路港は、その港湾設備及び背域産業等の立地条件に恵まれ、さらに将来の伸展が大いに期待されているところでありまして、同出張所を税関支署として独立性を付与し、現地における税関事務をさらに迅速かつ円滑に処理しようとするものであります。
次に、中国財務局岡山財務部に倉敷出張所を設置することであります。最近倉敷市水島地区における発展は著しいものがあり、製鉄事業、石油事業その他重工業地帯として注目されておりますが、同地区における発展に対処し、同地に財務部の出張所を設け、国有未利用財産の転活用をはかるとともに、戦後大量に物納された旧軍需工場財産の管理処分を、一そう迅速かつ円滑に処理しようとするものであります。
以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づいて国会の御承認を求める次第であります。
以上、関税法の一部を改正する法律案ほか七件について提案の理由を御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00319620201/2
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003・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00319620201/3
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