1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月八日(木曜日)
午後一時三十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 棚橋 小虎君
理 事
上林 忠次君
佐野 廣君
荒木正三郎君
市川 房枝君
委 員
青木 一男君
大谷 贇雄君
岡崎 真一君
木暮武太夫君
西川甚五郎君
林屋亀次郎君
堀 末治君
木村禧八郎君
平林 剛君
須藤 五郎君
政府委員
大蔵政務次官 堀本 宜実君
大蔵省関税局長 稲益 繁君
大蔵省銀行局長 大月 高君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
説明員
大蔵大臣官房日
本専売公社監理
官 谷川 宏君
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本日の会議に付した案件
○外国為替銀行法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
○しよう脳専売法を廃止する法律案
(内閣送付、予備審査)
○参考人の出席要求に関する件
○関税法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○保険業法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/0
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001・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) ただいまから委員会を開きます。
外国為替銀行法の一部を改正する法律案、しよう脳専売法を廃止する法律案、以上両案を一括議題とし、順次、提案理由の説明及び補足説明を聴取することにいたします。堀本大蔵政務次発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/1
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002・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま議題となりました外国為替銀行法の一部を改正する法律案及びしよう脳専売法を廃止する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
まず、外国為替銀行法の一部を改正する法律案につきまして御説明をいたします。
外国為替銀行法は、昭和二十九年四月、外国為替取引及び貿易金融の円滑化をはかるため、これらの業務に専念し、国際市場においても一本立ちのできるいわゆる為替専門銀行の制度を確立するため制定されたものであります。
この法律に基づき免許を受けた外国為替銀行は、以上の目的を達成するため、その組織及び業務の面におきまして、法律上、外国為替業務を営む他の市中銀行とは異なった、取り扱いを受けておるのであります。すなわち、貸し出し業務につきましては、貿易その他対外取引に直接または間接に関連する貸し出しのみを行なうこととなっており、店舗につきましては、外国為替取引及び貿易金融上重要な地に限り設置できることとなっております。
近年、わが国貿易の進展に伴い、貿易関係の資金需要は急速に拡大して参りましたが、外国為替銀行は、その機能から見まして、当然これらの資金需要を円滑に充足するよう努力して参る必要があるのであります。
他面、外国為替銀行は、これらの所要資金の調達につきましては、預金の受け入れによりますほか、日本銀行からの借り入れ、コール・マネーの取り入れ等によりまかなっておりますが、さきに申し述べた業務の特殊性や店舗配置の制約等の事情から、預金の伸びは、一般の市中銀行と比較してきわめて低い実情にあります。このため、外国為替銀行の資金調達としては、日本銀行借入金やコール・マネー等に大きく依存せざるを得ないのでありますが、これらの外部資金、特にコール資金等は、今日の金融の環境におきましては、安定した資金源として期待し得ない実情であります。したがいまして、このような金融の環境のもとで、外国為替銀行が今後その業務を円滑に遂行して参りますためには、何らかの方法により、安定した資金源を持つことが必要であります。
以上の理由によりまして、外国為替銀行に債券発行の道を開き、その所要資金の一部をこれによって調達することを適当と考えるのであります。この点につきましては、さきに金融制度調査会の審議におきましても、同様の結論を得ているのであります。
そこで、今回、外国為替銀行法の一部を改正し、外国為替銀行がその資本及び準備金の合計金額の五倍を限度として債券を発行できることとし、これに伴う手続等について所要の規定を設けることといたしたのであります。
これがこの法律案を提出する理由であります。
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次に、しよう脳専売法を廃止する法律案につきまして御説明申し上げます。
しょう脳専売制度は、明治三十六年、旧台湾におけるしょう脳専売事業による財政収入を確保するため、内地におけるしょう脳生産高を適当に統制し、その価格の維持をはかるとともに、わが国の特産物としての天然しょう脳の生産を維持することを目的として制定されたものでありますが、終戦によって台湾を喪失した後は、国内の生産額は少額となり、また、合成しょう脳、プラスチック等各種代替新製品の出現を見た今日では、特にしょう脳を即売制度のもとに置く必要も失われましたので、先般の専売制度調査会でもその専売制度を廃止すべきである旨の答申がありまして、政府としましても最近の実情にかんがみ、昭和三十六年度限りでこれを廃止するとともに、廃止に伴う所要の経過措置を講ずることといたし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
本法の本則におきましては、しよう脳専売法を廃止することといたしておりますが、これに伴う経過措置として次のことを定めております。
まず、今後のしょう脳生産の維持発展の必要性、現在の粗製しょう脳またはしよう脳原油の製造業者の零細かつ前近代的な業態等を考慮し、専売制度廃止に伴い必要となる事業合理化資金等を補うため、昭和三十六年度において粗製しょう脳等の製造予定数量の割当を受けてこれを生産した者及びこれらの者の組織する製脳協同組合に対し、日本専売公社が昭和三十七年度において交付金を交付することができることとしております。
次に、しょう脳の専売制度廃止後、民間において粗製しょう脳等の自主的な流通秩序が確立するまでの間の措置として、日本専売公社は、専売制度廃止後も一年以内は、粗製しょう脳等の買い入れ、販売等の業務を行なうことができることとしております。
また、専売制度廃止後のしょう脳産業の行政所管庁を通商産業省といたすこと等所要の措置を講じております。
なお、この法律施行後六カ月間、大蔵大臣の諮問機関として臨時しょう脳事業審議会を設置し、しょう脳専売事業の廃止に伴う所要の経過措置について調査審議させることとしております。
以上、外国為替銀行法の一部を改正する法律案及びしよう脳専売法を廃止する法律案の二案につきまして、提案の理由を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/2
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003・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 大月銀行局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/3
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004・大月高
○政府委員(大月高君) それでは、外国為替銀行法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足して御説明申し上げたいと存じます。
現在、外国為替銀行法に基づく外国為替銀行といたしましては東京銀行があるのでございますけれども、東京銀行は一般に外国為替専門銀行として呼ばれておりまして、今日の金融経済の情勢のもとにおきましてその機能を円滑に実施するためには、ほかの外国為替銀行、つまり市中銀行で外国為替をやっております銀行と並びまして、為替取引の金融の円滑化をはかっていく必要があるわけでございます。それで、そのためには単に輸出入手形の買い取りというような直接な為替資金の供給だけではなしに、輸出入貨物につきまして集荷をする、それを引き取る、そういうような金融もやる必要があるわけでございます。で、そういうふうに、直接間接貿易に関連する資金を供給するにつきまして、最近のように経済が大きくなって参りますと、需要も増加して参りますので、この供給にいろいろ苦心をしなくちゃいかぬ、こういうような状況になっておるわけでございます。
ところが、東京銀行の資金調達面におきましては、先ほど提案理由の中で御説明がございましたように、店舗の配置に制約がございまして、貿易金融に直接関連のある場所に限って置ける。そのために一般の普通銀行のように広く支店網を張りまして預金を集めることができない。それから、貸し出しにつきましても、一般の銀行のやっております貸し出し業務は制限されておりまして、貿易に直接間接関係がある貸し出しだけをやらなくちゃいかぬ。そういたしますと、貸し出しのはね返りの預金というものもなかなか集まらない。こういうことで、預金の伸びがほかの為替銀行に比べまして悪いというのが実態でございます。
で、具体的に申し上げてみますと、過去三年の統計によりまして、一年間の預金の増加を見てみますと、年率にいたしまして、一般の都市銀行が二割強の増加を示しておるわけでございますが、東京銀行の預金の増加率はわずか一割程度でございます。それから、貸し出しの増加額に対しましてどのくらいの割合になっておるかと申しますと、外国から参りますいわゆる自由円を除外いたしますと、貸し出し増加額の五割強程度の資金をまかなうにすぎない、こういう状況でございます。したがいまして、同行の円資金の調達の実情を資金源別に分析してみますと、預金による調達が約四割強でございます。そのほかに日本銀行借り入れが四割弱、コール・マネー等の市場資金が約一割、こういうような構成になっておりまして、預金以外の外部からの借り入れの割合がきわめて大きいという実態になっておるのであります。それで日本銀行借り入れにつきましては、日本銀行といたしましても、こういう特殊な銀行で、かつ貿易関係の重要性にかんがみまして、従来から種々の配慮を行なっておりまして、弾力的に貸し出し政策の運用を行なって参っておるのでございますが、現在すでに相当の額の貸し出しをやっておるわけでございます。また担保繰りという点から申しましても、技術的に限界に達しつつある状況でございます。コール・マネー等の市場資金につきましては、御存じのように、現在のようなコール市場の状況から考えますと、これを安定的な資金源として期待することはなかなかむずかしいということでございます。
今申し上げましたような資金の運用調達の現状から考えまして、為替専門銀行である東京銀行が今後業務を円滑に遂行して参りますためには、何らかの方法によりまして所要資金を安定的に調達して参るという必要があるわけでございます。最近、為替専門銀行と他の市中金融機関、特に一般の為替銀行との協調関係がだんだんよくなりつつある点にもかんがみまして、このような協調関係に基づきまして、債券発行によってその所要資金の一部を安定的に調達せしめることが適当だと、こういう結論に達したわけでございます。なお、この問題につきましては、さきに金融制度調査会におきましても種々御検討願いまして、同様の結論に達している次第でございます。
この法律案の内容といたしましては、まず第九条の二におきまして、為替専門銀行がその資本及び準備金の合計金額の五倍を限度として債券を発行することができるということにいたしております。これは為替専門銀行の債券発行の趣旨が、預金による資金調達を補いまして、また不安定な外部借り入れに代替する性質のものでございますので、預金等とのつり合いを考えまして、いわゆる自己資金の五倍を発行限度といたしたわけでございます。
発行限度の点を除きましては、債券発行の手続等の法律上所要の規定につきましては、すべて現在ございます長期信用銀行の例に準じておるわけでございます。具体的におもなものを申し上げてみますと、第九条の四におきまして、債券発行を事前届け出制といたしておるのであります。また、第九条の五第三項以下で、売り出しの方法により発行することができるということにいたしております。そういうような規定を設けました。また、同条第九項以下におきましても、登記の簡易化をはかる等、在来の金融債と同様の規定を置いておるわけでございます。また、債券を発行することに伴う銀行法の規定の準用等につきましても、所要の整備をいたしておるわけであります。
なお、附則におきまして、登録税法を改正いたしまして、為替専門銀行の発行する債券につきましても、その取り扱いを在米の金融債と同じとするということにいたしております。
以上、簡単でございますけれども、補足説明をさしていただきました。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/4
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005・谷川宏
○説明員(谷川宏君) しょう脳専売法を廃止する法律案の提案の理由及び内容の概要につきましては、先ほど政務次官から御説明いたしたとおりでございますが、さらに補足いたしまして御説明申し上げます。
最初に、しょう脳の専売制度を廃止するに至りました理由につきまして申し上げます。
しょう脳は、御承知のように、まず山元製脳業者がクスノキを切り、これを蒸留、冷却いたしまして、粗製しょう脳及びしょう脳原油を作り、これを加工業者が精製、加工するものでありまして、従来から日本、台湾、中国等で生産され、おもにセルロイドの原料、防虫、医薬、香料及び塗料原料等に用いられております。
このしょう脳の専売制度がわが国において実施されましたのは、明治三十二年、まず旧台湾におきましてこれが実施されたわけでございますが、この制度は、旧台湾を日本が併合した後において同島の天然クス資源の保護育成と財政収入の確保を目的として実施されたものであります。ところが、この旧台湾における専売制度の実施後におきまして、内地においてもしょう脳の生産が大いに増大いたしまして、世界市場において内地と台湾の商品が価格面等において競合関係に立ち至りました。そこで、旧台湾の専売事業の円滑な実施が困難となるに至ったのであります。そこで、このような事態に対処して、内地におけるしょう脳生産高を適当に統制し、その価格の維持をはかることによりまして旧台湾における専売時業の円滑な運営に資し、あわせてわが国の特産物としての天然しょう脳の生産の維持をはかることを目的として、明治三十六年、内地、台湾共通の専売制がしかれるに至ったのであります。
しかるところ、今次大戦後、その様相はだいぶ変わって参りました。まず、終戦によりまして旧台湾を喪失し、わが国のしょう脳生産高は著しく減少することになりました。すなわち、明治年代の年産約六千トンから戦後昭和三十五年度までの年平均は三千三百トンと、著しく減少したのであります。
次に、需要供給の両面におきまして、科学技術の発達により、新製代替品の出現を見、しょう脳の地位がだいぶ低下するに至りました。すなわち、供給面におきましては、テレビン油から化学的に製造する合成しょう脳の生産が発達いたしまして、今や、世界におけるしょう脳生産中、合成しょう脳が約七割を占めるに至りました。また、その価格も天然しょう脳よりは幾分安いという状況となっております。他方、需要面におきましても、しょう脳の半ばを原料として消費しているセルロイドが、プラスチックの著しい進出、また不燃性フィルムの出現によって押されぎみであります上に、ナフタリン等合成防虫薬の進出により、しょう脳の用途も昔に比べてだいぶ狭まってきたのであります。
そこで、国民経済的に見て、このようなしょう脳産業を専売制度によって保護する必要があるかどうかということが問題となりまして、先般専売制度調査会に諮りましたところ、昭和三十五年三月、しょう脳事業は現在専売制度を存続する意義を失っているから、政府としては専売廃止に伴うしょう脳取引機構の育成山元製脳業者の転廃業対策等を十分考慮しつつ、専売制度の廃止に踏み切ることが適当であるという答申があったのであります。
一方、最近のしょう脳専売事業の運営の実情を見ますると、昭和二十八年度以降、毎年赤字が累積しておる状況でありましたので、昭和三十三年度に公社は収納施設の統一、人員、機構の簡素化、試験研究の縮小、あるいは新規造林の中止等、中間経費の節減を目ざす大幅な合理化を行なうとともに、販売価格、収納価格の引き下げを行なったのであります。この措置は、経済情勢の好転と相待ちまして、しょう脳の売れ行きの増大をもたらすとともに、専売公社のしょう脳事業会計の好転に寄与いたしまして、昭和三十五年度におきましては、専売公社のしょう脳事業会計は若干の黒字を見るに至ったのでありますが、他方、しょう脳の生産は零細業者であり、また前近代的な業態のもとに行なわれておりますので、最近における原木代、労賃の上昇、それからまた農村の労働事情の変化に適応することが困難となりました。その結果、最近生産はかなりの減産を示すに至ったのであります。そこで、しょう脳の生産の増大をうながし需給の不均衡を是正するために、専売公社は昨年八月に収納価格の引き上げを行なったのでありますが、その際、これに対応して公社の販売価格を一挙に引き上げることは売り行きの減少をもたらすおそれがありましたので、公社の販売価格の引き上げを段階的に行なわざるを得なかったのであります。幸い三十六年度につきましては、収納価格引き上げ以前の安い価格により収納した製品の在庫が相当ありましたので、なお若干の黒字となる見込みでありますが、昭和三十七年度においては販売価格をさらに相当程度引き上げなければ、しょう脳専売会計に相当な赤字が発生することが必至でありまして、現在の山元製脳業者の業態に加えて、今後の経済事情、しょう脳の国際価格の動向等を考えますと、しょう脳専売事業の健全性を将来にわたって維持することはきわめて困難な状況に立ち至ったものと考えるのであります。しかも、しょう脳の生産は、昨年八月の収納価格の引き上げ後も思うように増大いたしませず、この際しょう脳専売制度の抜本的な改革が各方面から望まれるに至ったのであります。
このようなしょう脳生産及びしょう脳専売事業の現状を見ますると、あらかじめ製造割当を行なって、一定の価格をもって収納しているという現在の専売制度が、しょう脳製造業界の自主的な合理化及び増産努力を妨げ、価格の自動調整機能の円滑な発現をはばんでいると考えざるを得ないのでありまして、合理化のおくれた弱小の製脳業者を近代化し、いかなる経済事情のもとでも動揺することのない企業体に育成するとともに、関係業界において自主的に原料対策あるいは需給調整策等将来の問題と取り組む態勢を助長するためには、この際むしろ専売制度による恩恵と制限を除去して、ほかの産業並みに業界の自己責任にまかすことが必要であると考えまして、専売制度調査会の、前に説明いたしました答申の趣旨に沿って、昭和三十六年度限りでしょう脳の専売制度を廃止することといたした次第であります。
しかしながら、長年続けられました専売制度を廃止するにあたりましては、廃止に伴う業界の混乱を防ぐとともに、廃止後もしょう脳の生産及び加工利用が順調に発展していくよう十分措置する必要がありますので、この法案の附則におきまして所要の経過措置をいろいろ規定しているのであります。
その第一は、法案の附則第六条におきまして、昭和三十六年度において日本専売公社の製造割当を受け、粗製しょう脳またはしよう脳原油を製造した者及びこれらの者の組織する製脳組合に対して、昭和三十七年度において公社が予算の範囲内で、これらのものにとってしょう脳専売事業廃止に伴って必要となる資金を補うため、特に交付金を交付することとしたことであります。元来、専売制度の廃止は本質的には営業の自由の制限を除去することを目的とするものでありまして、その対象となる業界に対して新しい損害を与えるものではありませんから、これにより政府に法律上当然に補償の義務が生ずることはないと考えるのであります。しかしながら、現在の粗製しょう脳等の製造業者の実情を見ますと、そのほとんどすべてが、その業態は、前に述べましたように、きわめて零細であり、かつ前近代的なものでありまして、専売制度廃止に伴って転廃業せざるを得ないものも出ましょうし、また事業を継続しようとする場合にも、専売制度廃止後の自由化の過程に混乱なく対処していくためには、事業の合理化がぜひとも必要と考えられますので、専売制度廃止後のしょう脳生産の維持発展を助長する意味もありまして、今回これら専売制度廃止の直前である昭和三十六年度に公社の製造割当を受け、これに基づいて実際に製造の実績のある者及びこれらの者が組織する製脳協同組合に対して、事業合理化資金等しょう脳専売事業の廃止に伴い必要となる資金を補うため、特に交付金を交付することとした次第であります。
この交付金の対象となる昭和三十六年度の粗製しょう脳等の製造業者の数はまだ確定しておりませんが、昭和三十六年度の製造割当を受けた業者の数は四百九十名、製脳組合は現在二十五ございます。また、交付金は総額五億六千万円を昭和三十七年度の日本専売公社予算案に計上しております。なお、この交付金の額の算定の基準、それから交付の方法、手続等交付金に関し必要な事項は政令で定めることといたしております。
経過措置の第二は、法案の附則第八条におきまして、専売制度廃止後も公社が一年以内の期間において、粗製しょう脳等の買い入れ、販売その他必要な業務を行なうこととしたことであります。専売制度廃止後の粗製しょう脳等の流通秩序につきましては、目下粗製しょう脳等の取引機関の設立が関係業界によって進められておりますが、この民間の流通秩序が確立するまでの間、公社が経過的に粗製しょう脳等の買い入れ、販売を行ない、専売制度廃止後粗製しょう脳等の取引秩序が混乱することを防ぐよう配慮しておるわけであります。
なお、現在専売公社が販売した粗製しょう脳等の販売代金につきましては、四カ月の延納を認めておりますので、専売制度廃止後に公社が販売する粗製しょう脳等の販売代金についても四カ月以内の延納の特約ができるように規定して、取引条件の急激な変化による混乱を避けるよう配意しております。
経過措置の第三といたしましては、法案の附則第九条におきまして、大蔵省設置法の一部改正を行ない、この法律の施行の日から半年間大蔵大臣の諮問機関として、臨時しょう脳事業審議会を設け、しょう脳専売事業の廃止に伴う山元製脳業者の合理化の方途、民間流通機構の育成方法等の経過措置について、調査審議させることとしたことであります。
最後に、専売制度廃止後のしょう脳産業の行政所管庁といたしまして、通商産業省を予定し、法案附則第十条において、通商産業省設置法の一部改正を行なうこととしております。粗製しょう脳等の製造業はクス原木の利用という点で農林省の所管行政とも関連しておりますが、他方でしょう脳の利用加工業界と密接な関連を有し、しかも専売制度廃止後は和製しょう脳等の製造業を含めたしょう脳関連産業全体を統一的に指導していく必要が一そう増大すると思うわれますので、このように即売制度廃止後の行政所管庁を通商産業省といたした次第であります。
なお、法案附則のその他の各条においてしょう脳専売法の廃止に伴う所要の経過的措置を定め、また日本専売公社法の所要の一部改正を行なっております。
以上で法案の主要な事項についての御説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/5
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006・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 両案に対する質疑は後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/6
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007・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) この際、お諮りいたします。
外国為替銀行法の一部を改正する法律案の審査のため、十五日の委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/7
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008・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。
なお、参考人の人選及び手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/8
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009・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/9
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010・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 次に、関税法の一部を改正する法律案及び保険業法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/10
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011・須藤五郎
○須藤五郎君 質問はあるのですが、まだ準備が不十分なんです。きょう質問することはやめて、次の機会に質問いたしたいと、こういうふうに考えておりますから、そういうふうにお取り計らい願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/11
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012・荒木正三郎
○荒木正三郎君 若干、それじゃ私のほうから質問をいたします。この水島港を開港に指定すると。一つはその問題ですが、開港に指定する場合、大体、どういう条件がそろったらやるのか、そういう点をひとつお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/12
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013・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 法律的に申し上げますと、開港につきまして、特別こういう基準で開港にしてよろしいとかいった基準は、法律では明示いたしておりません。ただ、消極的な穴吹でありますが、関税法の九十六条でありますが、九十六条で規定しておりますのは、開港に指定いたしましたあとで、こういう条件になった場合にはその開港を取り消すわけです。そういう意味の条件が規定してあるわけであります。これによりますと、一つは、「一年を通じて当該開港において貨物の輸出及び輸入がなく」、つまり全然ないわけです。貨物の輸出入がない。「又は外国貿易船の入港及び出港がない」、こういう場合には開港を、取り消すという意味であります。それから第二は、「一年を通じて当該開港において輸出され、又は輸入された貨物の価額の合計額が」、つまり輸出入貨物の合計額が一年を通じて「五千万円をこえ、かつ、外国貿易船の入港隻数及び出港隻数の合計数が十一隻をこえることが引き続き二年なかったとき。」と、要するに二年間引き続いて輸出入額が五千万円を割るとか、あるいは外国貿易船の入出港が十一隻を割るとかといったような場合には、開港を取り消すという意味の規定があるわけであります。したがいまして、御趣旨のような、積極的に、たとえば外国貿易船の入出港が何隻であって、外国貿易の輸出入額が何億円であるというような規定はございませんが、最低これ以上であるということは必要になって参るわけであります。
あとは、私どもとしまして行政的な判断になるわけでありますが、やはり開港といたしますると、税関としてもそちらに相当な人手を割かなければならぬわけであります。あるいは支所、出張所というようなものも設けなければならぬというような事情もありまして、ある程度継続的に今後外国貿易船の入出港があり、あるいは外国貿易が行なわれるという見通しがある程度はっきりいたしました場合に、開港として取り上げる、かような行政措置をとって参っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/13
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014・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで、水島港とともに、今年開港の問題で、そのほかにも秋田港等を開港にするかどうか、そういう点で論議があったように聞いておるわけですが、今の基準で行きますと、一年を通じて五千万円をこえる、あるいは十一隻をこえる、大体それくらいの基準で開港を指定しておるということになるわけですか。それと関連して、秋田港とかそのほかの港が開港にならなかった理由等も、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/14
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015・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 今の秋田港でありますが、前々から地元では、一応開港として指定してほしいという意味のお舌は伺っております。ただ、ただいま私読み上げましたのは、法律上の、言ってみますると、開港を取り消さなければならないという一番最低のあれでありますが、実際上の行政的な取り扱いといたしましては、先ほど申し上げましたように、税関として非常に人手と申しますか、そういったものも割かなければなりませんし、実際上の扱いとしましては、従来おおむね、現在の秋田、そのほかにも一、二出ているようでありますが、そういった程度のあれでは、いましばらく様子を見まして、開港に指定するほうが妥当ではあるまいかということで、従来とも検討はいたしておりますが、いましばらく様子を見たい。と申しますのは、今度の水島の場合で申し上げますると、大体昨年の、たまたま統計が一月から十一月まででありますが、外国貿易船の入出港がすでに百二十隻というように、かなり大きく出てきておるわけであります。それから貿易の輸出入額で申し上げますると、合計で約九十七億円、大体かなりもう大規模な港、外国貿易が行なわれる港といったような姿を示しておるわけであります。したがいまして、これらと比べますると、秋田の場合には、いましばらく様子を見たほうが妥当ではないか。開港にいたしましても、先ほど申し上げましたような、いろいろな私どもとしての準備も必要でございます。そういった点をかれこれ勘案いたしまして、今回は見送りたい、かような判断をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/15
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016・荒木正三郎
○荒木正三郎君 水島港の場合、大蔵省から出しておられる資料がございますが、で、三十六年度には、今お話しになったように九十七億円、相当な金額に上っておるわけですが、三十五年度は全然なかったのですか、統計は出ていないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/16
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017・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) ちょっと、今、三十五年の資料が手元にございませんので、調べまして、またお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/17
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018・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでは、開港に指定して、将来の問題になるわけですが、この港湾の設備、いろいろ設備があると思うのですが、そういう設備の充実、あるいは港のいろいろな条件をよくしていくと、こういう問題で、国のほうはどういうふうな考え方を持っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/18
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019・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 開港に指定されましたことにより、何か自動的に、港湾の設備その他について、特別な国が助成措置をとるということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/19
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020・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それは、どこの港でもそういうことになっていますか。たとえば、海が非常に浅いからこれを掘っていかなければならぬとか、あるいは桟橋が非常に短いからこれを長くしていかなければならぬとか、あるいは倉庫、いろいろ問題があると思うのです。そういうことについて、政府が補助するとか助成するとか、そういうことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/20
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021・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 私の承知いたしております限りでは、関税法上の開港に指定したから、直ちにそういう措置が行なわれるということはないと思います。ただ、一般的に、何と申しますか、財政投融資と申しますか、そういう面での港湾設備の拡充と申しますか、そういう面でのあれは、別途運輸省のほうで予算をとって投資あるいは融資をやっておるということはあろうかと思いますが、関税法上の開港になったから、それと結びついて、面接どうこうということは、現在のところないと承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/21
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022・荒木正三郎
○荒木正三郎君 この前の関税法の一部改正を審議するときに質問したのですが、税関事務が非常に年々増加しておると。それに対して、税関に配属される人員が仕手の量の増加に比してそれに伴わないということのために、一つは過重労働にもなるし、一つは税関事務にも相当な支障を来たしておるというふうなことがあったわけですね。この点は、相当この委員会でも論議されて、若干の手直しがあったようでありますが、まだまだ十分でないと思うのです。そういう点から見て、人員の確保、こういうことについて、税関のほうではどういうお考えを持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/22
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023・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) お説のとおりでありまして、最近の貿易量の伸張に伴いまして、税関での仕事、特に輸出入の件数、あるいは入出港の外国貿易船が非常にふえて参っておる。これの検査その他税関の当面いたしております仕事の量も、かなりふえて参っております。私どもとしましても、毎年この仕事の増加に伴う定員の増加というものをはかって参っておるわけなんであります。三十六年度の予算の際には、定員四百名の増加、大体六千名余りの定員でありますが、四百名の増加、さらに今度の三十七年度の予算におきましては、定員がさらに四百名増加ということで、予算舌に組み込んでおるわけであります。一面におきまして、仕事の増加をただ定員増のみでまかなっていくということはいかがかと、諸般の大勢から見ましてそういうことも考えられますので、一面におきまして極力仕事の簡素化、これをはかって参りまして、できるだけひとつ職員の仕事が過重労働になりませんように、定員の増加と仕事の簡素化と、この両面を極力進めて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/23
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024・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで、水島港を開港に指定した場合、どれくらいの人員配置を今度していかなければならぬのか、その人員配置の増加は四百名の増員の中に見込んであったのかどうか、そういう点はどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/24
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025・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 水島の場合で申し上げますと、大体あそこに出張所を設ける予定でおります。人員でありますが、実は今のところその四百名は、各全国で八つほど税関がありますが、その各税関ごとの定員の配分を今検討しているところであります。神戸税関としてどの程度の定員増がはかれますか、それを決定します際には、水島の出張所が新たにできる、このためにどの程度の人員を必要とするかという点も、十分勘案しまして決定するわけであります。大体出張所でありますので、十名前後の人間を考えなければならないかと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/25
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026・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は今この数字は持っていないのですが、たしか税関の貿易の増大による事務量というものは、最近十年間に大体五倍ぐらいになってきたのじゃないかというふうに記憶しているのですがね。それに対する税関に従事する職員の数は非常に少ない。この問題はまだ十分に解決されていないのじゃないかというように思うのですがね。税関の担当者としては、将来この問題の解決も大体いいというような考え方でおられるのですか、あるいはもっと年次計画でふやしていくというような考えがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/26
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027・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 今後の貿易の、まあ貿易量と申しますか、私どもで申し上げますと、外国貿易船の入出港の数あるいは輸出入の申告件数、これの推移がどの程度従来のような率で伸びますかどうか、こういう点も勘案しなければならないかと存じます。ただ、一般的にいえますことは、おそらく貿易が日本の場合に伸びていく方向であります。毎年二割というところにいけるかどうか、これは別といたしまして、かなり伸びる傾向にありまするので、私どもとしましては、どうしても定員をさらにふやすという方向で考えなければなるまい。ただ一面、先ほど申し上げましたように、事務のやり方につきましても、諸外国の例ーー諸外国でも同じような現象があるわけなんであります。貿易量の伸びに応じまして、仕事のやり方などにつきましてもいろいろ思い切った、何と申しますか、簡素化をやっているようなところもございます。そういうところも十分私どもとして参酌しまして、手を省けるところは思い切って手を省きまして、できるだけひとつ事業を円滑に進めるようにしてもらいたい、かように考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/27
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028・荒木正三郎
○荒木正三郎君 水島港に関する質問は、一応これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/28
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029・平林剛
○平林剛君 今の税関の行政に携わる定員の問題について、私も二、三お尋ねしておきたいと思うのです。
現在あなたとしては、税関行政を担当するにあたりまして、昭和三十六年、四百名の定員増加、三十七年、四百名の増加ということで、十分であると考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/29
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030・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 率直に申し上げまして、私どもとしましては、予算の要求の際には、さらに大きな数字を実は要求をいたしたわけであります。その意味におきましては、四百名の増員で十分であるということは、私からは申し上げるのは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/30
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031・平林剛
○平林剛君 幾ら要求しました、大蔵省に対して。昭和三十六年のときは何ぼ要求して、三十七年には何人要求している、その結果こうなったということを、少し説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/31
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032・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) ちょっと昨年の要求数字があるいは的確にここにあれしておりませんが、ことしは千九百名要求いたしまして四百名の増員、いろいろ算出の根拠につきましては、もし御要望がありますれば、算出の根拠も御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/32
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033・平林剛
○平林剛君 あなたのほうで三十七年度に約千九百名要求されたということは、税関行政に携わっている当事者としては、それだけは最低限必要であるという見込み数だろうと思うのであります。それがいろいろな過程で四百名に押えられたという結果、今後の税関行政にどういう事態の発生が予想されると思っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/33
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034・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 私ども千九百名という要求の際に、いろいろ分析いたしました事務量、これで申し上げますると、たとえば外国貿易船が入って参りました場合に、これに乗船官吏が乗り込むわけであります。一船について一人といったような算定をいたしておるわけであります。これはまあ非常に理想的に、監視取り締まりなりあるいは税関業務の遂行をはかります場合には、理想的な姿としてこういうことが一番望ましいということで、実は算定をいたしておるわけでございます。現実は大体一職員で、検船率と申しますか、そういう場合の監視をいたします外国貿易船の数が三隻ないし四隻になっておるわけであります。こういう点につきましては、今回の増員をこういう面に配置いたしまして、少なくも三隻以下に検船率がいくようにしたい。これは仕事のやり方とも関連いたしますので、私どもとしてまあ、何と申しますか、密貿易あるいはいろいろな反則関係を完全に責任をもってやっていくには、この程度の人員配置が望ましいということで描いた数字なんであります。行政管理庁等におきましても、いろいろ行政監察の結果の何と申しますか、調べができておるようであります。私どもその方面と折衝いたした際にも、やはりこういう点につきましては、それは理想ではあるかもしらぬが、ある程度はやはり現状とそう大きな開きをつけた理想的な人員配置というのは無理じゃないかといったような意見もありました。そういった点から、一応本年度は四百名増員ということにとまったわけであります。これで完全であるかという御質問でありますると、私どもとしては完全であるということは申し上げかねます。ただ、仕事のやり方につきましては、いろいろ重点的な監視取り締まりといった面で工夫をこらして参りたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/34
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035・平林剛
○平林剛君 たとえば、あなたが要求する定員数に満たない定員増の結果、今後の税関行政については自信がないと、その結果たとえば密貿易の件数などについても、あるいはこの結果そういう問題を処理していくだけに、能力という点においてはなはだ自信がないというふうに私はお聞きしたのでありますけれども、最近の密貿易の実情について少しあなたから説明をしていただきたい。これと定員との関係についても、あなたこの機会に述べておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/35
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036・須藤五郎
○須藤五郎君 関連。密貿易の話、たいへんけっこうで、私も伺いたいと思うのですが、その前に、この定員の数の問題でそれに入る前にちょっと、平林君、数の点で二、三質問したいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/36
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037・平林剛
○平林剛君 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/37
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038・須藤五郎
○須藤五郎君 税関は、今度増員するという話ですね。現在やっている仕事でも数が足りないというので、増員するんだろうと思うのですが、現在神戸で、いわゆる水島は神戸税関の管轄ですね。それから鹿児島は長崎税関の管轄。現在神戸税関と長崎税関の現在数はどのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/38
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039・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 昭和三十六年の四月一日現在の定員でありますが、神戸税関の定員は千五百三十八名であります。それから、長崎税関が三百九十八名であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/39
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040・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、今度増員する数はどれだけですか。神戸税関においてどれだけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/40
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041・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 先ほど申し上げましたように、四百名の全体のワクがとれておりまして、年度末までに各関の実情を調べまして配分して参るわけであります。まだ現在のところ、各関別の配分が決定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/41
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042・須藤五郎
○須藤五郎君 こういう結果になるんじゃないか、結局水島税関を開港する、水島港を開港する、税関を作るについて、水島へ何人か行くと言われました。先ほど何人行くと。それから、鹿児島へ何人行くかということは、現在の千五百三十八名のワクの中で水島へやる、それから三百九十八名のワクの中で鹿児島へやるという結果になるんじゃないですか。要するに、水島と鹿児島へやる、増員する、それだけ以上に神戸税関なり長崎税関に増員をするということなんですか。そこはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/42
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043・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 水島ないしは鹿児島空港、その分は別に算定いたしまして、したがって長崎にはたとえば十名以上、あるいは神戸で申し上げますと、今のところ私どもは最終的なあれは出しておりませんが、場合によりましては百名前後が神戸に定員として配置される。したがいまして、そういう場合には、水島の新しい出張所に十名前後、あるいは十名要らないかとも思いますが、そういうものを含めて定員を配置するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/43
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044・平林剛
○平林剛君 先ほどの私の質問に対して答えてもらいたいと思います。最近の密貿易の件数を並べていただいてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/44
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045・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 一応件数で申し上げますると、これは関税法、いわゆる密輸という意味より若干範囲が広くなるわけでございますが、要するに関税法違反事件として検挙いたしました件数でございます。総計で年度別に申し上げますと、合計では、昭和三十年から申し上げます。昭和三十年で千六百八十一件、三十一年が二千二百四十四件、三十二年が二千六百八十二件、三十三年が二千二百九十八件、三十四年が三千五十七件、三十五年が三千四百二十六件、三十六年が三千九百八件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/45
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046・平林剛
○平林剛君 これは関税法違反事件として表に出たものであって、あなた、今日までの体験からいきまして、表に出ないものはどのくらいあると予想しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/46
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047・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) これはちょっと、私どもも、検挙する検挙実績以外にどれくらいの密貿易があるかという想定は実は持っておりません。算定の方法もないものでありますから。まあ私どもは、検挙がはたしてほんとうに行なわれておる違反事件の何%に当たるかということは、ちょっと見当もつきかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/47
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048・平林剛
○平林剛君 この関税法違反としてあげられるものより相当数上回っておるということだけは言えるでしょう。一般のこれに関係する人たちの意見、あるいはそういう関係者の人たちの世論などから総合して、まだかなりあるということだけは事実だと思うのです。あなた、どれくらいの見当だと見ているか。私は、責任者としての判定する材料にもなる。大体これは全想定されるもののどれくらいだというふうな数字はあるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/48
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049・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 残念ながらそういう想定は私どもいたしておりませんので、ちょっとここで、どの程度の検挙の割合になるかということは申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/49
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050・平林剛
○平林剛君 それじゃ、それでよろしい。それでは、これだけの違反事件が——三十年から比較しましても、かなり増加しておりますね。これは何のために増加していると見ていますか。定員がある程度ふえてきたから、その行政に関連して、その手が行きわたってふえたものと見るべきものか、他の事情によってこういうふうにふえたというふうに理解しているか、あなたの考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/50
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051・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 御質問のような点は、これはどちらというふうにちょっと断定するわけにはいきかねるかと思うのでありますが、まあこういったつまり検挙、私ども必ずしも件数にこだわっておるわけではございませんで、一件でも非常に微細なものをあげる場合と、やはりかなり大きな密輸事件をあげるといった場合でありますと、必ずしも件数だけで問題を考えるわけにもいかないのであります。たまたま数字的には、ある年においては、たとえば三十三年、これは前年よりかなり減っております。その後はまただんだん件数が増加しておりますが、一方でこういった反則の起こり得るような原因がかなり多くなっているということも言えましょうし、私どものほうである程度こういうものを、反則の検挙をやりますやり方その他についての職員の努力、そういった面が反映しておる面もあろうかと思います。両々相待ってとういった数字が出ておるのではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/51
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052・平林剛
○平林剛君 もう一回繰り返してお尋ねしますが、税関行政の定数が最近非常に足りないために、今後どういう事態の発生が予想されるか、もう一度その点を再確認する意味で、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/52
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053・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 先ほど申し上げましたように、理想的に、——私どもが理想と申しましては語弊があるようですが、できるだけこうやりたいといって描えております面からいきますと、定員の増加がまだ足りないということを先ほど申し上げたわけです。私どもとしましては、たとえば昨年の四百名、今年度四百名ということの増加で、税関の業務が非常な支障がある、たいへんな支障があるというような見方はいたしておりません。たとえて申しますと、最近私どももいろいろ検討いたしておりますが、輸出貨物の場合の貨物の検査、これなども諸外国の例から見ますと、現場を一々あけるといったやり方の検査はほとんどやっておらないというのが諸外国の実情でございます。私どもでは従来これを、輸出につきましても大体二割程度は現物を一々あけて点検する、検査をするというやり方をとっておりましたが、こういうような二割というものにこだわりますと、現物ではやっぱり現物をあけまして検査する、それだけ人手を食うわけでございます。そういったいわゆる検査事務関係におきまして、たとえば輸入の場合——ただいまは輸出の場合を申し上げたのでありますが、輸入の場合におきましても、無税品といったようなものにつきましては、だんだん貿易の自由化が進みまして、為替管理上の違反事件というものもあまり考えられなくなって参ります。そういったAA物資で、しかも無税品である原料物資であるとか、そういったものにつきましては、一々現物を検査するといったような手間は、これは省略してしかるべきではなかろうかというようなことで、そういった面の新しい年度におきます仕事の簡素化を、各川場の税関の部長なり課長も呼びまして、現在協議を進めております。新しい年度におきましては、そういうこともまあ思い切ったやり方の改善をやって参りたい。そういたしますれば、それほど懸念されるような現場での税関が仕事の上で非常な混乱が来るとか、あるいは大きな支障があるといったようなことは起こらないで済むであろう、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/53
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054・平林剛
○平林剛君 それでね、私の言いたいことは、税関行政の定数が足りないという結果、どういう事態の発生が予想されるかと、あなたに予測をお尋ねしたのでありますけれども、あまりはっきりしない。何とかやっていけますとか、行政管理やその他検査の回数を少なくするというようなことだけであって、的確なお答えがありません。一方密輸の事件として、関税法違反として摘発されたものを見ましても、かなり累増されておる。私は、表面に出たものよりはもっと大きなものがかなりあるのではないか。あるいはまた定数が足りないために、今後思いがけない事件が起きはしないかというようなことを、あなたから聞きたかったわけです。そういうことが予測されないかどうかということを確めたかった。もし私が心配しているようなことが起こり得ないというなら、それは話は別です。しかし、もし将来このために思いがけないような問題が起きたという場合の責任はだれがとるのか、私はその点聞いておきたいのです。要するに、あとで、いやこういう事件が起きたのは定数が足りなかったために行政管理も悪かったし、検査もある程度定められたものをやればよかったやつを、それを省略したために起きたんですというような言いわけをするより前に、責任者としてどうしてもこれだけ必要だということを強調しておくか、もし、かりに将来そういう問題が起きたときの責任はだれが一体とるのか、ということを聞いておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/54
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055・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 私どもとしましては、そういった混乱が起こらないようにいろいろ専務のやり方を考えて参るということが先決だと思います。なおかつ、定員の、私どもが理想といいますか、目標といたしました定数がとれなかったために、ある程度の支障が起こったという場合には、もちろん責任は私どもにございます。一々の検査、管理の責任を問うといったような考えは持っておりません。ただ、問題は、要するに仕事のやり方のこれはかね合いに実はなって参るものでありますから、私どもとしましては、そういったことが起こらないように、定員増加にも極力努力はしたつもりでありますが、なおまた事務改善の面で努力を続けて参りたい。そうすれば私はそういう支障は起こらないようにやっていける、かように思っております。起こりました場合の責任云々は、もちろん私どものほうでとる考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/55
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056・平林剛
○平林剛君 まあこれはその程度にしまして、最近の神戸税関における紛争問題について、最近の現状を報告していただきたいと思いますが、これは口頭でなくてよろしいから、あとで、最近どうなっているかという現状を私に文書にして報告をしていただきたいと思います。文書で、現在どういうふうになっているかということを報告して下さい。これは最近における外国製易の実情にかんがみ、定数増加とからんで労使の間に若干紛争があるという話を聞いておりますので、その実情はどうなったかお知らせをいただきたいと思います。私の質問はこれで終わりにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/56
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057・木村禧八郎
○木村禧八郎君 簡単に三つばかり伺いたいのですがね。さっき水島開港に伴って神戸税関の出張所を設ける、約十名内外の職員を配置するお話がありましたが、三十七年度の予算にはどのくらい予算措置として計上してあるのですか。出張所を設けるためにどのくらい予算を必要とするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/57
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058・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 予算としては、新しい庁舎その他はまだ考えておりませんので、そういう物的な面での予算については水島についてはいたしておりません。ただ、人員につきましては、先ほど申しましたように、四百人の中から相当数をさいて増員させる。その際に、水島の分を神戸税関につけてやるということで考えておるわけであります。ですから、水島については四百人の定員増加という面で出て参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/58
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059・木村禧八郎
○木村禧八郎君 庁舎等を考えていないというのは、それは何かなければならぬでしょう、施設がなければならぬし。ですから、四百人考えるについても、この出張所を設けるについての増員、それに給与等で、大体出張所設立に伴う予算というのは、年間幾らの予算というのはなければならぬじゃないですか。予算等を考えないで、そういうことをきめたのですか。四百人のワクの中できめたなんて、そんなばかなことはない。ちっとも積算できていない。予算の裏づけなくて、そんなことできないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/59
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060・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 最初説明があるいは不足だったかもしれませんけれども、四百人の定員増には、その際に水島の分も織り込んであるわけです。四百人の定員増に伴います経費の増加は、人頭当たり幾らというので全部予算には組まれて、ただ水島で幾ら、鹿児島港では幾らというふうには出ておらないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/60
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061・木村禧八郎
○木村禧八郎君 しかし、大蔵省に要求する場合、水島港開港に伴って神戸税関の出張所を設立するに伴う予算要求をどういうふうにするのですか。それは予算要求しなければならぬじゃないですか。それじゃなくて出張所を設けるにしても、予算の裏づけがなくて、何をもとにして設けるのですか。一応見積もりあるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/61
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062・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) ちょっと申し忘れましたが、いきなり出張所ができるというふうに実は私申し上げたかと思うのですが、現状は分室がございまして、こういう外国船がかなり不開港のままで入って参っておるものですから、その関係で実は分室を作っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/62
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063・木村禧八郎
○木村禧八郎君 分室はすでにあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/63
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064・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) はあ分室がございます。それから、人件費の問題については、先ほど申しました四百人の増加の中に組み込まれておる。それから、将来の庁舎の問題につきましては、地元の県当局でかなり水島港の発展を大きく期待しておるものでございますから、港関係の税関以外のほかの役所も入るような合同庁舎式なものを考えたいということをまあ申しておるわけであります。現在のところ私どもとしては分室を使って、若干手ぜまでございますが、やっていけるという予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/64
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065・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それにしても、人件費、物件費について出張所に伴う予算措置というものは見積もりがなければならぬはずでしょう。私は概算どのくらい予算増加になるかということを伺いたいわけです。そういうものがはっきりしていなければいないでいいでしょう。しかし、そこは問題ですけれども、しかし出張所にすることによってどのくらいの予算増加が伴うであろうという予想を聞いているわけです、まずその点。手元に資料がなければないでいいですがね。おかしいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/65
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066・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 後ほど調べまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/66
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067・木村禧八郎
○木村禧八郎君 予算の裏づけがないなんというのは、ただ、今まで分室があるからそれで予算の見積もりをしなくてもいいという、そんなことはないと思いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/67
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068・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 水島関係でどの程度の人件費、物件費であるか、水鳥関係だけを切り離してやりました数字は後刻お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/68
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069・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それがわからぬと困るんですが、それはそれとして、もう一つは、開港することによって不開港の場合と違っていろいろな利益が出てくるわけですね。特に入港に伴って手数料の負担が軽減されるわけですね。そこで、水鳥港はなぜ開港するかといえば、参考資料があるんですが、それによると、三菱石油とか日本鉱業——大会社の工場進出によって貿易が非常に激増する、ことに輸入が非常に多いようですね、これを見ますと。そうすると、そういう大会社は開港することによって非常に便益を得るわけですね。大体どのくらいの、従来に比べて、開港することによって利益を得るか。大体の何か御調査はしたことがありますか。今までの開港前と開港後においてこういう大会社はどのくらいの利益を得るものであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/69
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070・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 開港になりますことによっていろいろ利便を受けるということはあろうかと思いますが、開港と不開港との違い、私どものほうから申し上げますと、不開港の場合には不開港の入出港手数料というものが取られるわけなんであります。開港になりますと、これが成規のトン税、特別トン税という姿に変わるわけです。金額的には、手数料の場合もトン税の場合も、違いないわけなんです、金額的には。それで、利便と申しますのは、不開港でありますると、主として船舶に非常に影響があるわけなんで。ございまして、船舶の船長が事前に神戸税関なら神戸税関の税関長の承認を求めてその港に入る。不開港の場合はそういう非常に、何と申しますか、そういう意味での間接的な経費が船会社にかかるという点が実質上の違いではなかろうか。それから、その結果港の背後地と申しますかにある工場なり、そういうところの便益というものは、直接には出て参らない。開港に指定されることによりまして、外国貿易船が出入りがやりやすくなり、一々事前に承認を求めなくていいということから来ます間接的な利益というものは考えられるかと思いますが、直接的な利益というものは算定するようなものはない、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/70
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071・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それだけですか、開港、不開港の違いというのは。実質的に私は利益がなければ……。秋田でもその他でも問題になっているでしょう。蒲郡とか大船渡とかが開港にしてくれといって一生懸命あれするのは、ただ外国船の入港が自由であるということだけでしょうか。もっと実質的な利益があるに違いない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/71
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072・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 私どものほうで違いと申しますのは、ただいま申し上げましたトン税、特別トン税——地元が非常に、何と申しますか、こういうことに熱意を持たれますのも、開港ということで一つは譲与税を受けるわけですね、特別トン税を。この歳入が入るという点はあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/72
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073・木村禧八郎
○木村禧八郎君 特別トン税をその自治体がもらう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/73
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074・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) ええ、自治体が。それ以外には直接の、何と申しますか、利益とかというものを受けるというものは出て参らないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/74
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075・木村禧八郎
○木村禧八郎君 その手数料は少なくなることは事実ですね。入港に伴うその手数料とトン税ととんとんになってしまうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/75
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076・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 従来の手数料の取り方は、大体トン税と同額という手数料で取っております。したがいまして、金額的には、開港になりまして手数料がトン税、特別トン税と変わりましても、名前が変わりますだけで、金額は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/76
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077・木村禧八郎
○木村禧八郎君 その不開港の場合には、手数料という形で取るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/77
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078・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/78
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079・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それから、開港になりますと、特別トン税になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/79
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080・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) トン税並びに特別トン税でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/80
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081・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ああ、両方ね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/81
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082・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/82
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083・木村禧八郎
○木村禧八郎君 トン税は、開港、不開港にかかわらず取っている——取るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/83
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084・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) トン税として取りますのは開港の場合。開港として指定しました場合には、トン税が取れるわけです。不開港の場合にはトン税というものはございませんで、そのかわりに手数料という形で取っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/84
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085・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうすると、特別トン税は、これは開港になった場合に取るわけですね。トン税に特別トン税がまた加わるということになるのですか、開港になると。そういうととなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/85
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086・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) そういうことでございます。それで、その特別トン税分が地方団体に譲与されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/86
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087・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そのほかに、まあ関税の手続は簡単になりますね。出張所ができますからね。それは、今まで神戸税関まで——分室であるために非常に不便だったのが、今度は増員しますね。増員することによって、今までよりも簡易になるという、そういう点では利益を受けるでしょう。受けますね、今までよりも。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/87
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088・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 確かにそういう手続上の便益は非常に受けます。主として船会社でございます。出入りします船がでございますね。事前に船長が承認を税関に行ってもらわなくても、自由に出入りできるようになるわけでございます。主として船会社がそういう便益を非常に受けるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/88
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089・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それから、私の聞きたいことは、まあこういうこととの関連で聞きたいのですがね。大会社がどんどん、地域開発等で埋め立てしたりなんかして、設立される。そういうときに、道路とか港湾とかというものは、公共事業費でまかなうわけですね。その利益を受けるのは大会社ですね。そういう負担は私は当然大会社にもさせるべきだと思う。道路だとか港湾だとか、そういう建設の一部は当然負担させるべきだと思うのです。今、公共事業費は国民の税金でまかなわれている。それと関連して、水鳥港を今度は開港すると。それで今までの分室を出張所にすることによって予算はふえるわけですね。そういうものは他面開港することによって利便を受ける、そういうところに負担させる方法というものはないか、そういうようなことを私は聞きたかったわけです。何でも国民の税金でやっちゃって、その利便は大会社とか船会社とか、そういうところが受けちゃう、こういうんでは、まあさっき一番最初に申し上げたのとは多少違うところがあるかもしれませんが、しかし似たところもあると思うのですね。そういうことをどうも割り切れなく思っているのですが、その点はどうなんですか。ことに水島港の場合に限ってまあ質問しているのですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/89
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090・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) ちょっと私の所管外になろうかと思いますが、関税の面では直接そういった、たとえば出張所を作るその費用を国費でやらないで、これで便益を受ける民間の工場なり会社なり、そういうところからある程度、何と申しますか、便益を受ける者が負担をするといった形でやるかという問題になりますると、ちょっとこれは税関の庁舎だとかそういう関係の経費は、これはそういうところから分掛で出させるといった性質のものではないのではなかろうかと。やはり直接の国の機関でございますから、開港とした以上は、そこに税関が庁舎を設ける、あるいは人員を派遣する、これは国費でやるべきではない、だろうか。ただ、おっしゃいますようないろいろの港湾の投資なり、あるいはそういう面でございますね、こういうものが背後にある大きな会社なり工場なりが便益を受けるために、そういう港湾の投資関係の金をある程度そういうところに応分の出費と申しますか、そういうものをさせるかどうか、こういう問題になりますと、ちょっと私所管外でありますが、まあ考え方の問題で、地方ではある程度そういうことが行なわれているやにも開きますが、場所によるのではなかろうか。
たとえば、私、これはたまたま税関長をしておりました時代に、記憶があるのでございますが、日立という港がある。これなんかは、やはりあそこで日立製作所というのが一番大きなものです。その関係で、非常に重量な貨物が出入りする。そこで、ある程度港を深くする、一万トン級の船が出入りするというような際には、かなりの負担をするというような手付があるようでございます。一般的な税関のこういう庁舎を作るとか、そういう考え方は、私どもはとっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/90
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091・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それも考え方によれば同じことだと思うのです。それでは、それはどうするかということについては、これはまだわれわれも考えさせていただきます。
最後に一つ、これは簡単なのですが、さっき荒木委員の御質問された点ですが、今懸案になっていますね、秋田とか蒲郡とか大船渡、これは開港すれば船も入っていく、それで貿易量が多くなる、しかし開港しないからそこが栄えない、こういう点もあると思うのです。ですから、その点はどういうふうにするか。もし開港すれば、さっきの九十六条二項ですか、そういうふうにならないで済む。そこのところは、開港にしないから、五千万円をこえないとか、十一隻をこえないということになるのか。そのきめ方はどうなんですか。おそらく要求としては、開港すればこうなる、五千万円をこえるだろう、十一隻をこえる、だろうということにちゃんと理由を述べて請願していると思うんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/91
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092・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 大はお説のような点も私ども考えられると思っております。ちょうど鶏と卵みたいな話で、どっちが先か。私どもいろいろ陳情と申しますか、要請を受けます際には、まだこの程度の入出港の隻数ですか、貿易額ですかということを実は申し上げるわけでございますが、要請される側では、開港に早く指定してもらうと、船がどんどん入るようになる、こういうことをおっしゃるわけです。その点若干水かけ論のようなところがございますが、やはり従来でも、私どもの指定します際には、かなりな、開港になりますようなところは若干の、先ほど申し上げましたような、事前に入港の許可が要るといったような不便を押しても外国貿易が伸びますようなところは、どんどん入って参るわけです。したがいまして、ある程度実績が出ましたところで指定して参るということでよろしいのではないかと現在では考えております。具体的な秋田なり蒲郡につきましては、いましばらく検討さしていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/92
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093・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 平林委員の要求にかかる、神戸税関における労使紛争の現状についての資料は、委員会に提出するよう委員長から要求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/93
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094・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それから、さっきの予算の二つ。水島港出張所と、それから鹿児島空港の予算です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/94
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095・荒木正三郎
○荒木正三郎君 さっきの質問に関連をして資料を出してもらいたいと思うのですが、秋田港、蒲郡港、大船渡港、この三つの港の最近の輸出入額、貿易額、それから出入外国船の状況、そういう資料をひとつ出してもらいたい。
それから、鹿児島の空港の問題ですね、私どものほうにいただいておる資料を見ますと、これは昨年の九月に開港といいますか、定期航空を開始しているというふうに伺っておりますが、三十七年度の見通しでは、年間予想として四百六十機の出入機数を予定しておる、こういうことですが、下の注を見ますと、伊丹空灘で昭和三十五年度で六百機ですね。そうすると、鹿児島空港に発着する飛行機数というものは伊丹空港の三十五年度の六百機に近いということで、私驚いているわけです。なぜ沖縄と鹿児島、それだけの必要がどういうところから生まれてきておるのか、そういう点の少し説明をしておいてもらいたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/95
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096・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 御指摘のように、三十七年度が四百六十機、伊丹の場合は昭和三十五年度でありますが、六百機、かなり多いように思われますが、大体現在私どものつかんでおります、これは全日空がやっておるのでありますが、予定のあれではこういう数字が出ております。航空会社のほうでこういう予定を組んでおるということでございますので、ここに計上したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/96
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097・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで内容ですが、それは鹿児島から沖縄へ行った人が帰ってくるということになっているのか、あるいは沖縄のアメリカの軍人ですね、そういう者の行き来、そういうものが内容になっているのか、あるいは沖縄との商売をするために行き来する人が多いのか、そういう乗客の内容がどういうふうになっているのですか。あまり人数が私は多いから、少し聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/97
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098・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 将来のところはあれなんでございますが、現在の沖縄と鹿児島の間の航空機による、何と申しますか、乗客、これは大部分が観光ないし商用ということになっておるようであります。観光客が特に多いというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/98
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099・荒木正三郎
○荒木正三郎君 最近、私も沖縄へ観光のために行く人が相当多いというふうに聞いているわけなんですが、それに関連をして、密貿易ということになるのかどうかよく知りませんが、税金がかからぬというて外国の商品を相当国内に持ち帰る、それだけでも観光に行くというような人もあるように聞いておるのですが、そういう実情はどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/99
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100・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 実は御指摘のような鹿児島だけでなしに、最近、一昨年の暮れでしたか、後半からでございますか、海外渡航が割に為替の関係で自由になりましてから、羽田でも実はそういった、何と申しますか、規定の免税で一応通関できますようなものを越えます携帯品が非常に目についておるような実情であります。特に鹿児島の場合に、最近まで私どもが長崎の税関から報告を受けております限りでは、どうも沖縄関係のあれで旅行者が特に観光地に多いわけでございますが、旅行者の持ち帰られる携帯品の中に、非常にそういったたとえば香港から参りましたもの、あるいはアメリカから来たもの、そういった物資の持ち帰りが非常に多い、かなり違反事件としてのそういうものが現場で起こっておるという実情も報告が参っております。私どもとしましても、携帯品はある程度、たとえば時計の一、二個といったようなものについては、一々これを課税するのもいかがかといったようなところで、ある程度の免税通関——ほんとうにその方の身の回り品と思われるものは免税通関を許しておるわけです。それを越えますようなもの、国内に持って帰って売れば往復の航空質が浮かぶといったたぐいのものは、やはり反則でいけないのですが、そういうものがかなりあがっておる実情でございます。しかし、私どもとしましても、そういった注意が行き届かない、あるいは承知の上でなさる方が多いかもしれませんが、注意が行き届かないで起こっておるとすれば困りますから、近く私どもとして、そういった出航される方々に、出航の際に、持ち帰りの場合にこういう場合には物品は没収されて罰金がかかりますよと、十分御注意していただくように、場合によってはそういうことを記載した印刷物をお渡しするとかいった措置を講じたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/100
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101・荒木正三郎
○荒木正三郎君 沖縄と鹿児島のいろいろの交流が盛んになるということは、けっこうなことだと思うのです。ただ、これが正常な交流というようなことから若干はずれておる面も相当あるのではないかというふうなことを考えます。特に、今お話にあったように、観光客が多い。この目的が外国製品を無税で持って帰るというふうなことのためにかなり使われておる面があるというふうに思われる。そういう点が相当やはりきびしく取り締まる必要があるのじゃないかというふうに感ぜられておるわけです。それで、まあ今のような御質問をしたわけですが、麻薬等がああいうルートから入ってくるという心配はあまりないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/101
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102・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 麻薬は、実は非常に、密輸の中でも検挙に一番困難な問題でありまして、現に厚生省もそのための麻薬の取締官を派遣しておる。税関でも極力いろいろな情報の入手等に努めてやるわけなんでありますが、最近では、この正月でありましたか、門司税関で若干検挙したものがございます。それはやはり情報をつかんでやった結果、つかまった。一般には香港を中心に動く、日本の場合香港を中心に動くという場合がありますので、たとえば船の場合でも、香港から参ります船といったものにつきましては、要注意船といったような形で検索する、情報をとるといったようなことで進めておる。残念ながら実績としては、麻薬の関係は検挙の中ではごく少ない件数であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/102
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103・荒木正三郎
○荒木正三郎君 麻薬の密輸の場合、航空機を使っておる場合が多いのか、あるいは船を使っておる場合が多いのか、今までの実情はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/103
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104・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 現在まで検挙されました実績のほうから申し上げますると、大体船舶の船員でございます。どうもやはり香港方面から参ります船に乗り込んでおる船員、これを中心に密輸が行なわれるという例が実績としては多いようでございます。航空機では現在までのところあまり、これは全然ないとは申し上げられませんが、検挙いたしました実績としてはあがっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/104
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105・荒木正三郎
○荒木正三郎君 いつか新聞には、航空機の乗務員と連絡をとってやったということが出ておったじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/105
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106・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 私の承知しております限りでは、税関のほうのあれではございませんで、あるいは麻薬取締官のほうか警察のほうでそういうことをやった例があるかと存じますが、税関のほうではまだああいうことをやっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/106
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107・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで、鹿児島の場合、麻薬取り締まりの専門的な人、こういう人を配置しているのですか。そういう必要はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/107
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108・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 厚生省のほうでは特にああいう麻薬取り締まりの何を派遣しておるようなところもありますが、私どもとしましては、いろんな関係の密輸が入るもので、ございますから、特に麻薬関係の専門の職長というものは現状では配置しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/108
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109・荒木正三郎
○荒木正三郎君 これは鹿児島空港に限定した質問ではないのですが、麻薬の取り締まり、これは税関関係だけであなたに注文するのは行き過ぎですけれども、しかし何とか私ども麻薬の取り締まり、これはもうあらゆる関係者が協力してそうして成果を上げなければ、その日本国民に与える害毒は非常なものだというふうに常々思っているのですがね。そういう観点から、相当対策を立ててもらう必要があるのじゃないかと痛切に感じているわけなんです。それできょうこの問題に関連して若干質問したのですが、私は実情の詳しいことは知りませんが、いろいろ報道されるところでは、相当大がかりな密輸が行なわれておるというふうなことに対して、これは税関だけに質問するのはちょっと当を得ていないかもしれませんが、そういう問題については政務次官はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/109
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110・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいまお話しの、警察あるいは厚生省と緊密な連絡をとって、麻薬の密輸防遏につきましては努力しておると思いますが、やはり税関等におきましてもこれらの対策については今後十分な検討が必要であろう、こういうふうに考えます。また、総合的な、全般的な立場からも、強力にこの問題は推進をしていく必要があるというふうに痛感をいたしております。将来この方面につきましては特段の研究をいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/110
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111・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで、こういう麻薬の取り締まりの第一義的な責任というのはどこにありますか。税関にあるのですか、警察にあるのですか、どこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/111
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112・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 税関としましても、決して責任回避するわけではないのでございますが、この麻薬に関しましては、大体厚生省が中心にみな相談をするという形で今進めておりますので、厚生省では特に麻薬の専門の麻薬取締官を派遣しているわけであります。そういった関係もありまして、厚生省中心にいろいろな情報交換なり取り締まり方法なりというようなものを連絡協議をやっているという形でありますが、ただ、私ども絶対責任回避するわけじゃございませんので、十分税関としても、海なり空の関門にいるわけでありますから、取り締まりについていろいろ工夫はこらして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/112
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113・荒木正三郎
○荒木正三郎君 これは密輸という概念に入るわけですね。密輸、密輸入といいますか。そうすると、やはり税関が責任をもって必要な対策を講ずるというふうにしないと、厚生省が中心になっているということでは、それは厚生省が麻薬等に対する知識とか経験という点については、それは格好な省だろうと思うのです。けれども、これを検挙するとか、防止するとか、そういう取り締まりの任は厚生省では十分でないと私は思うのですが、そういう点、やはり責任の所在というものがはっきりして、それにほかが協力するという態勢を固めないとまずいかんぬじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。今までに何らの不便感じませんか、その点について。麻薬の取り締まり、そういうことについて、現状で不便を感じないということであればよろしいが、どうもこれはむずかしい問題ですけれども、なかなか、どこからか入ってくるという問題を防止することができないのじゃないかと思うのですが、こういう点について御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/113
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114・稲益繁
○政府委員(稲益繁君) 先ほど申し上げましたのは、私どものほうにいたしましても、警察にいたしましても、たとえば港でありますとか、空港でありますとか、そういうところでの手足という意味ではこちらのほうが多いわけであります。ただ、麻薬の特殊性と申しますか、いろいろな取引形態なり、どういう方面から——世界じゅうこれは、実はこの問題には弱っているわけです。たとえばアメリカではどういうルートで麻薬が入ってきているとか、イギリスではどういうルートから入ってきているとか、そういった非常に、何と申しますか、麻薬の産地からの各消費地と申しますか、そういうところへの流れが、実は厚生省あたりで専門的ないろいろの検討が行なわれているわけですが、できます限り私どもとしましても、そういう基礎的なと申しますか、そういうものを中心に中央では打ち合わせを厚生省中心にやりまして、現場におきましては、私どもとして監視の、麻薬だけというわけには参りませんけれども、麻薬につきましても十分監視の力をそちらのほうに振り向けまして、現場でそういう取り締まりをやるというように力を注いで参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014629X00519620208/114
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115・棚橋小虎
○委員長(棚橋小虎君) 本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十八分散会
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