1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月十五日(木曜日)
午前十時五十八分開会
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委員の異動
二月十三日委員鍋島直紹君辞任につ
き、その補欠として林田正治君を議長
において指名した。
二月十四日委員田中啓一君及び林田正
治君辞任につき、その補欠として小幡
治和君及び鍋島直紹君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小林 武治君
理事
西田 信一君
秋山 長造君
基 政七君
委員
西郷吉之助君
津島 壽一君
鍋島 直紹君
湯澤三千男君
松澤 兼人君
中尾 辰義君
発 議 者 基 政七君
政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警察庁保安局長 木村 行蔵君
経済企画政務次
官 菅 太郎君
経済企画庁総合
開発局長 曾田 忠君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
警察庁保安局保
安課長 小野沢知雄君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○旧沖繩県の地域における公職選挙法
の適用の暫定措置に関する法律案
(田畑金光君外二名発議)
○新産業都市建設促進法案(内閣送
付、予備審査)
○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/0
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001・小林武治
○委員長(小林武治君) ただいまから委員会を開会いたします。
理事の辞任許可及び補欠互選についてお諮りいたします。
館君から、都合により理事を辞任したい旨の届出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/1
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002・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
つきましては、ただちにその補欠互選を行ないたいと存じますが、便宜、その指名を委員長に御一任願うこととして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/2
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003・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、野上君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/3
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004・小林武治
○委員長(小林武治君) 旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。参議院議員基政七君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/4
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005・基政七
○基政七君 ただいま議題となりました旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
御承知のとおり、敗戦の結果わが国は、サンフランシスコ条約第三条によって旧沖繩県に対する施政権をアメリカ合衆国の手にゆだねることに同意いたしました。以来今日まで十余年の間、わが国は旧沖繩県に対する領土権を持ちながら、それに対して施政権を行使することはもちろん、部分的にせよ国内法を適用することすらできない状態のまま今日に至っているのであります。
したがって、旧沖繩県住民は、国籍上は日本人でありながら、日本人としての何らの特権も保護も与えられず、アメリカの軍政下の規律と生活に甘んずることを余儀なくされているのであります。
その結果、旧沖繩県の住民たちは、主権者としてだれもが当然に持つ権利、たとえば自分たちを統治する行政の長をみずから選ぶ権利、公共施設に自分の国の国旗を掲げる自由、労働組合を何ら干渉なしに作る自由など、主権者としての基本的権利や自由を持ち合わせていない実情であります。
このような状態の中で旧沖繩県住民はこぞって祖国復帰を熱望し、当地の立法院また、そのことを再三にわたって決議いたしております。
われわれは同じ同胞として、このような旧沖繩県住民の期待を一日も早く実現するよう最善の努力を尽くすことが必要であり、また、そのような方向に一歩でも二歩でも近づく具体的な施策を積み重ねていくことが、日本政府ないしは国会に課せられた重大な使命であると痛感するものであります。
周知のように、旧沖繩県に対するアメリカ合衆国の施政権行使は、それがサンフランシスコ条約に基づくものとはいえ、それには「沖繩を国連の信託統治にするという合衆国の提案が行なわれるまで」という条件がついており、決して無制限に認めたものではないのであります。しかもこの条件は、過去十余年の間に実行されなかったし、今後も実行される見通しは全くないのであります。
これらのことから私たちは、旧沖繩県は、将来日本に復帰することが、最も自然であり、望ましい姿であると考えるのであります。しかも、これの可能性は将来において十分予想される事柄であります。
私たちはこの際、このような事態をあらかじめ予測し、旧沖繩県住民が、みずからの国会議員を選出し得るよう、旧沖繩県の議席について公職選挙法上の暫定措置を講じておくことが必要であると考えるのであります。これがこの法律案を提出する主たる理由であります。
以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。
まず、衆議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法及び奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の関係規定によりまして、四百六十七人とされております議員定数を、当分の間、臨時に四百七十一人とし、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する議員の数を四人といたしました。
次に、参議院議員の選挙につきましては、現在、公職選挙法の関係規定によって二百五十人とされております議員定数を、当分の間、臨時に二百五十二人とし、そのうちの百五十二人を地方選出議員とし、衆議院議員の選挙と同じように、旧沖繩県の地域をもって一つの選挙区として、その選挙区から選挙する地方選出議員の数を二人といたしました。
この法律の施行期日は、公職選挙法が、将来、旧沖繩県の地域に適用されることとなってから別に政令で定めることにいたしております。
また、この法律の施行後最初に旧沖繩県の地域において行なわれる衆議院議員及び参議院議員の選挙は、この法律施行の日から六月以内において政令で定める日に行なうこととし、選挙された衆議院議員及び参議院議員の任期は、この選挙の際、現に在職する衆議院議員及び参議院議員の任期によるものとしました。なお、参議院議員の任期につきましては、憲法第四十六条の参議院議員は、三年ごとにその半数を改選するという趣旨に沿いまして、議員の任期を異にするよう必要な措置を定めました。
以上が旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案の提案理由の趣旨説明でございます。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/5
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006・小林武治
○委員長(小林武治君) 本法案の質疑は、後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/6
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007・小林武治
○委員長(小林武治君) 次に、新産業都市建設促進法案を議題として提案理由の説明を聴取いたします。菅経済企画政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/7
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008・菅太郎
○政府委員(菅太郎君) 大臣病気欠席でございますので、政務次官かわりまして御説明申し上げます。
新産業都市建設促進法案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
わが国の経済が近時めざましい発展を遂げつつあることは御承知のとおりでありますが、今後引き続いて、安定した経済成長を維持するためには、なお解決すべき幾多の課題をかかえているのであります。
なかんずく、京浜、阪神等の既成の大工業地帯における人口及び産業の過度の集中は、いわゆる過大都市化の問題として、工業用水の枯渇や地盤沈下等生産面への弊害のみならず、住宅難、交通難等の生活面にまで深刻な弊害を惹起しつつあり、また、既成工業地帯へのこの集中傾向は、同時に、それ以外の地域との間にいわゆる地域格差を生ぜしめる原因となっているのでありまして、これらはわが国経済の均衡ある発展に重大な阻害要因として作用し、早急に総合的な対策を講ずることを必要としているのであります。
以上のような地域的課題を解決する方策の一つとして、前国会において、いわゆる低開発地域における工業の開発を促進するため、低開発地域工業開発促進法の成立を見たのでありますが、さらに、全国的な視野に立った適正な産業の配置の構想のもとに、産業の立地条件と都市施設の整備をはかることにより、新たに相当規模の産業都市を地方に建設することが特に緊要と考えられるのであります。この対策は、既成大都市の過大都市化の誘因を減殺し、地方の産業や人口が既成の大都市へ流出するのを防いで、そこに定着させ、また、新産業都市が中核となってその地方の開発に大きな波及的効果をもたらすという点で、地域格差是正の有効な手段たり得るものと考えるのであります。
本法律案はこのような趣旨から、地方の開発発展の中核となるべき新産業都市の建設を促進するため、所要の措置を講じようとするものであります。
次に、この法律案の要旨を申し上げます。
第一点は、内閣総理大臣は、関係都道府県知事の申請及び経済企画庁長官等関係大臣の要請に基づき、新産業都市建設審議会の議を経て、大規模な新産業都市となる可能性を備えている区域を新産業都市の区域に指定し、新産業都市の建設に関する基本方針を指示するものとしたことであります。
第二点は、区域の指定を受けた場合は、関係都道府県知事は、新産業都市建設協議会の意見を聞いて当該区域にかかる建設基本計画を作成し、内閣総理大臣に承認を申請するものとしたことであります。
第三点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、新産業都市の建設の促進に関する重要事項を調査審議するため、総理府に新産業都市建設審議会を置くものとし、また、新産業都市の区域の属する都道府県に建設基本計画の作成等について調査審議するための機関として新産業都市建設協議会を置くものとしたことであります。
第四点は、国及び地方公共団体は、建設基本計画の達成のため必要な施設の整備を促進することに努めるとともに、また、これらの施設の用に供するため必要な土地の取得につきましては、公有水面埋立法等の規定による処分にあたり特別の配慮をするものとしたことであります。なお、建設基本計画を達成するために行なう事業に要する経費に充てるために起こす地方債についても、特別の配慮をするものとしたことであります。
第五点は、国及び地方公共団体は、新産業都市の建設に寄与すると認められる製造事業、運輸事業等の事業を営む者が必要とする資金の確保に努めるものとしたことであります。
第六点は、地方公共団体が新産業都市の区域内に工場を新増設する者に対して、不動産取得税または固定資産税の減税をしたときは、当該地方公共団体に交付される地方交付税の算定の基礎となる基準財政収入額の算定につき、特別の措置を講ずるものとしたことであります。
第七点は、新産業都市の一体的な建設を促進するため、関係市町村は、合併により、その規模の適正化に資するよう配慮するものとし、合併に際して議会の議員の任期等に関する特例を設けるものとしたことであります。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/8
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009・小林武治
○委員長(小林武治君) 本案の質疑は、後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/9
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010・小林武治
○委員長(小林武治君) 次に、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題とし、補足説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/10
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011・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案の内容につきまして、逐条御説明申し上げます。
第一は、飛び出しナイフの定義についての改正であります。
第二条第二項は、刀剣類の定義を定め、この定義に該当するものは、第三条によって、特定の場合を除いては、その所持を禁止しているのであります。現在、刃渡りが五・五センチメートル以下の飛び出しナイフにつきましては、飛び出しナイフの定義から除外し、所持禁止の対象としていないのでありますが、この禁止の対象としていない刃渡りの短いものが、数多く犯罪に供用され、また、青少年に悪い影響を及ぼすようになって参りましたので、飛び出しナイフは、刃渡りの長短にかかわらず、所持を禁止することといたしたのであります。ただ、刃渡りが五・五センチメートル以下のもので、開刃した場合に、刃体をさやと直線に固定させる装置がなく、かつ、刃先が直線であって、刃体の先端部が一定の丸みを帯びたものは、比較的危険性が少ないと認められますので、規制の対象から除外することといたしたのであります。
第二は、射撃競技用拳銃の所持許可の道を開くこと及び所持許可の手続についての改正であります。
まず、射撃競技用拳銃の所持許可について申し上げます。現行の第四条第一項は、所持許可の対象となる銃砲刀剣類を掲げ、これを所持しようとする者は都道府県公安委員会の許可を受けなければならない旨を規定しているのでありますが、拳銃については、これを許可の対象としておりませんので、法令により所持を認められている者等のほかは、これを所持することができず、国際的な規模で開催される運動競技会における射撃競技の選手となることもできないのであります。オリンピック競技大会における拳銃射撃競技を初めとする国際的な拳銃射撃競技に参加するためには、一般にも射撃競技用拳銃の所持許可の道を開く必要があると考えまして、所持許可の対象となる銃砲として新たに射撃競技用拳銃を加え、これを政令で定める運動競技に関する社会教育関係団体の推薦を受けた選手またはその候補者に対し許可することができることとし、これに伴い、第三項では推薦する場合の数について、第四項では許可の期間について必要な規定を設けました。
なお、このことに関連して第十条の二の規定を新たに設けておりますが、これは許可を受けた射撃競技用拳銃については、それを競技または練習のために使用する場合のほかは、政令で定める運動競技に関する社会教育関係団体等に保管の委託をしなければならないこととしたもので、射撃競技用拳銃による危害をできる限り防止しようとする趣旨のものであります。
次に、所持許可の手続についての改正でありますが、後に申し述べますように、銃砲刀剣類の譲渡の制限に関する規定を新たに設けることに伴いまして、銃砲刀剣類の所持の許可を受ける前にそれを所持することができないことを明確にするとともに許可を受けた者が、銃砲刀剣類を所持することとなった場合に、それが許可にかかるものと一致するかどうかを確認する必要がありますので、そのために必要な手続規定を第四条第二項に設けることといたしました。
また、このことに関連して第八条第一項第一号の規定において、許可を受けた者が許可を受けた日から三月以内に許可にかかる銃砲刀剣類を所持することとならなかった場合は、その許可が失効する旨を定めたのであります。
第三は、銃砲刀剣類の所持許可の基準についての改正であります。
第五条第一項は、銃砲刀剣類の所持許可の欠格事由を定め、この事由に該当する者に対しては、許可をしてはならないとしており、その欠格事由の一つとして、第一号に「十四歳に満たない者」という規定がありますが、銃砲刀剣類による危害の発生をできる限り防止すべきであるという観点から考えますと、この「十四歳に満たない者」とする年齢の基準は、やや低きに失すると認められますので、これを「十八歳に満たない者」に改め、許可の基準年令を引き上げることといたしたのであります。ただ、空気銃については、射撃競技のために政令で定める運動競技に関する社会教育関係団体の推薦を受けた者に限り、従来どおり、「十四歳に満たない者」といたしたのであります。
次に、同じ第五条第一項の欠格事由の一つとして、第六号に、「人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」という規定があります。ところが、この欠格事由は、許可を受けようとする者自身についてのものであるため、許可申請者の同居の親族中にこの条項に該当する者があり、その者が申請にかかる銃砲刀剣類を悪用するおそれがある場合でも、許可を受けようとする者自身が欠格事由に該当しない限り、許可しなければならない建前となっております。そのために危害防止上好ましくない事態をも生じておりますので、これに対処するため、新たに許可を受けようとする者に第五条第一項第六号に該当する同居の親族がある場合において、その同居の親族がその銃砲刀剣類を使用して他人の生命、財産または公共の安全を害するおそれがあると認められる者であるときは、許可をしないことができることとし、その旨を第五条第三項として新たに規定いたしたのであります。
なお、このことに関連しまして、第十一条の許可の取り消し事由につきましても、同様な趣旨に基づいた規定を新たに加え、許可後においてもこのような事情が生じた場合には、許可の取り消しができることといたしたのであります。
第四は、射撃場の指定等に関する規定を第九条の二として新設したことであります。
許可を受けた銃砲の発射ができる場合については第十条第二項に定めがあり、それ以外の場合には銃砲の発射が禁止されているのでありますが、発射ができる場合の一つとしてその第三号に「都道府県公安委員会の指定する射撃場において射撃をする場合」という規定があります。ところが、都道府県公安委員会が行なう射撃場の指定に関する基準、手続等については、現行法上何らの規定も設けられておりませんので、今回それを明確にするため必要な規定を設けることといたしたのであります。
すなわち、第一項では、射撃場の位置、構造設備、管理者、管理方法等の基準について総理府令で定めることとし、都道府県公安委員会は、その基準に適合する射撃場を、その設置者等の申請に基づき、指定射撃場として指定することができる旨を規定いたしたのであります。
第二項では、指定射撃場に対する都道府県公安委員会の行政上の監督手段として、警察官をして立ち入り検査をさせること、必要な報告または資料の提出を求めることができることを規定いたしました。
第四項は、指定を受けた射撃場の構造設備等が基準に適合しなくなった場合には、指定を解除することができることを規定いたしました。
第五は、銃砲刀剣類の譲渡の制限に関する規定を第二十一条の二として新設したことであります。
銃砲刀剣類の不法所持事犯について、その銃砲刀剣類の入手先を調べてみますと、その多くは、銃砲刀剣類を製造し、または販売することを業とする者から購入し、許可を受けないでひそかに所持しているというものであります。この種の不法所持事犯を防止するためには、銃砲刀剣類を製造し、または販売することを業とする者が銃砲刀剣類を他人に譲り渡す場合について制限を設ける必要があります。そこで、第二十一条の二の規定を新設し、武器製造事業者、猟銃等製造事業者、猟銃等販売事業者等の事業者は、譲受人が第三条第一項の規定により銃砲刀剣類を適法に所持することができる者であることを確認した場合または譲受人が都道府県公安委員会から交付された許可証を提示した場合でなければ、銃砲刀剣類を譲り渡してはならないこととしたのであります。
第六は、刃物の携帯禁止についての改正であります。
第二十二条の規定により、何人も、業務その他正当な理由がある場合を除いては、あいくちに類似する刃物を携帯することを禁止されているのでありますが、刀剣類以外の刃物が犯罪に使用される状況を見ますと、その危険性においてあいくちに類似する刃物と変わらないものがきわめて多いのであります。そこで、あいくちに類似する刃物に限らず、それと同じような危険性を有するものも規制の対象に加えることとし、あわせて規制の対象とする刃物の概念を明確にするため、刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物は、業務その他正当な理由がある場合を除いては、携帯してはならないことといたしたのであります。ただし、刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ、折りたたみ式のナイフ等の日常一般に携帯して使用されることの多い刃物で、危険性の少ない種類または形状のものは、政令で定めるところにより、この規制の対象から除外することといたしたのであります。
第七は、銃砲刀剣類等の一時保管等に関する規定を第二十四条の二として新設したことであります。
警察官には、人の生命及び身体を保護し、犯罪を未然に防止するという大切な責務があるのでありますが、銃砲刀剣類等による危害防止のための警察官の権限については、現行法では明確でないところがあるのであります。そこで、危険な銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している者について危害を防止するため、一時保管その他の手続を明確に規定する必要があるのであります。すなわち、第一項では、銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬していると疑うに足りる相当な理由のある者が、他人の生命、または身体に対して危害を及ぼすおそれがあると認められるときは、警察官は、その銃砲刀剣類等と疑われる物の提示させ、またそれが隠されていると疑われる物を開示させて調べることができるものとし、人に危害を及ぼすことの多い銃砲刀剣類等について、事前にこれを発見するための警察官の権限を明確にしようとするものであります。
第二項は、第一項の調査の結果発見された銃砲刀剣類等を持っている者、または調査するまでもなく外見上明らかに銃砲刀剣類等を携帯し、または運搬している者が他人の生命または身体に危害を及ぼすおそれがあって、危害防止のため必要があるときは、警察官は、それを提出させて一時保管することができるものとし、これらの危険な物件による人身に対する危害の発生をできる限り事前に防止する措置を講じようとするものであります。
なお、第一項ならびに第二項の規定による警察官の調査及び一時保管は、相手方の行なう提示、開示または提出の行為を前提とするものでありまして、警察官が捜索したり、差し押えたりする権限を認めたものではありません。
第三項及び第四項は、警察官が第一項及び第二項の規定による職務を行なうにあたっての注意規定でありまして、第三項は警察官の身分を示す証明書の提示義務を規定し、第四項は権限乱用のいましめを規定いたしたものであります。
第五項以下は、一時保管に伴う手続として、一時保管をした警察官は、所轄警察署長にすみやかに引き継ぐこと、所轄警察署長は、おそくとも五日以内にその物件を本人等に返還すること、その物件が第三条第一項の規定により所持を禁示されている者から提出されたものであるときは、提出した者にはその物件を返還しないこと、一時保管を始めた日から五日を経過しても相手方の所在不明のため、その物件を返還できないときは、その旨を公告し、公告の日から六月を経過しても、なお、返還できないときは、その物件は、国または都道府県に帰属すること等を規定し、その他一時保管に関し必要な事項は、総理府令で定めることといたしました。
第八は、両罰規定を第三十七条として新設したことであります。
今回新しく設けました譲渡の制限に関する規定の違反等本法の規定に違反する行為の中には、法人または人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して違反を行なう場合も考えられますので、他の法律との均衡も考慮し、今回この法律の罰則を整備して第三十七条の両罰規定を設け、違反行為者のほか、法人等をも処罰することができるようにしようとするものであります。
以上、今回の改正案につきまして、その内容を御説明申し上げた次第であります。何とぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/11
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012・秋山長造
○秋山長造君 本筋の御質問は次回にしたいと思いますが、ちょっとこの説明書ですね、このあとについている資料の点について若干ただしておきたいと思うのですが、六十ページ、そこの拳銃のところですが、拳銃の検挙総数、三十四年四百七十件、三十五年五百二十八件ですか、こういうように出ているのですが、現在の法令では、拳銃については特別な人以外の一般的な所持は許されていないわけですね。そういうように銃砲の中でも特に拳銃の場合は、非常に限定されているにもかかわらず、拳銃の不法所持が非常に多いというのはどういうわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/12
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013・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 拳銃につきましては、御承知のように警察官やその他ごく限られた、法令上職務に基づいて持てる者等以外は、全部不法所持になるわけであります。しかし、今御質問のように比較的多数の件数が不法所持として検挙されておりますが、これは暴力団などの検挙にあたりまして、いろいろその出所などを相当追及いたしております。その場合に、終戦の当時すでに自己所持をしておった、以前から、戦争の終わる前から許可を受けて持っていた者もありますし、そういうような自己所持をしておった者が相当あります。それから進駐軍が参りまして、駐留軍関係から流れたものもあるわけであります。あるいは自分で作ったというものもありまして、いろいろでございますが、そういうふうな原因から不法所持をしておる、それが犯罪に悪用されているというような実態で、ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/13
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014・秋山長造
○秋山長造君 法令で所持を許されておる拳銃の数は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/14
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015・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 全体を今すぐ正確に申し上げることはできませんけれども、大体推定いたしますと、警察官は約十三万でありますので、これは全員持っております。それ以外に、鉄道公安官あるいは海上保安官というようなもの、それから自衛隊は、全部とはいえませんけれども、相当多数持っておりますので、数からいいますと、職務上持てる者の数は相当な数になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/15
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016・秋山長造
○秋山長造君 相当の数というのでは、どうも御質問した意味がないのですけれども、しかし、法令で持っている人は、これはきちっとそれぞれどこかに登録しているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/16
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017・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 警察官は、もちろん所轄警察署及び県警察本部ではっきり把握いたしておりますし、それから自衛隊は自衛隊で、やはりそれぞれその所属長が明確に所在をはっきりいたしております。そのほかの法令上持てる、職務上持てる者につきましても、所在はそれぞれの系統においてはっきりいたしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/17
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018・秋山長造
○秋山長造君 私は去年の夏の国会でもちょっとこの点を聞きかけて、会期が終わって、途中でやめになっていたのですが、拳銃の経路については、終戦当時自己所持していた、あるいは駐留軍から流れたというようなお話があったのですが、そうすると、大体不法所持している拳銃というものは、みんな古いものですか。新しい拳銃がふえておるということはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/18
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019・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 大体古いものが大部分でありまして、新しいものが全然ないとはいえませんけれども、きわめて少数であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/19
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020・秋山長造
○秋山長造君 拳銃の製造業者というのは、国内にどれくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/20
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021・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 一つだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/21
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022・秋山長造
○秋山長造君 これはもちろん法令による以外の所持は許されないのですから、拳銃の製造業者から、さっきの長官の逐条説明によりますと、経路として銃砲の製造、販売業者から流れているというお話だったのですけれども、拳銃については、その点は特に厳重な監督をなさっておられるだろうと思うのですけれども、そこら辺はきちっと守られているのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/22
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023・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 拳銃の製造業者は、まだ一つしかありませんので、実態は正確に把握しておりまするが、現在それから流れているということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/23
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024・秋山長造
○秋山長造君 では、その製造業者の製品というのは、今の警察の関係とか自衛隊とかというような、法令できめられた方面に供給するためにだに作っているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/24
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025・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 現在、ただいま申し上げた一つの工場は、それは自衛隊だけの注文に応じて、自衛隊関係だけの製造業者でありまして、それ以外には流れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/25
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026・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、警察官の持っている拳銃は、これは外国からのだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/26
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027・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 現在、警察官が所持いたしております拳銃は、全部アメリカ製のものでありまして、輸入して購入したものでございます、拳銃そのものにつきましては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/27
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028・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、一定の年数がたったら廃棄処分にして、それでまたそれを補充するのに新しい拳銃を入れるというように、漸次更新していっているのですか。警察官の持っている拳銃なんかは何年間ぐらいで更新しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/28
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029・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 大体古くなりまして、少し損傷いたしたものにつきましては、警察に修理工場がありまして、そこでいろいろ修理いたしまして、また使っておりますので、廃棄したものは、現在のところありません。ただ、何年たったら修理するかということにつきましては、ものによりますから、一律には申し上げかねますけれども、正確にわかりましたら、また後刻御連絡申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/29
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030・秋山長造
○秋山長造君 大体拳銃は何年ぐらいもつものですか。たとえばたまを何発ぐらい撃ったらどうとか、何かそういうことがあるのですか。保存命数というのが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/30
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031・小野沢知雄
○説明員(小野沢知雄君) 拳銃につきましては、正確なデータは今ないのでございますけれども、例の猟銃のブローニングという銃がございますけれども、これが五万発といっているわけでございます。それから見ますと、やはり拳銃もその程度はいけるのじゃないかと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/31
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032・秋山長造
○秋山長造君 五万発といったら、ほとんど半永久的に使えるというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/32
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033・基政七
○基政七君 ちょっと関連して。今のことなんですけれども、今言われているように、法律によって所持を許されている人以外の所持の調査という方法はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/33
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034・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) これは先ほど申し上げましたように、不法所持でありますので、本人自体が警察の目に触れないように隠し持っているのでありますので、結局暴力団などの検挙の際に、特に拳銃などの発見については一番力を入れております。そういう意味合いで、暴力団の検挙、刑法その他の特別法令違反の検挙、捜査のときに、努めてその所在を発見する、そのほかにはない、そういう状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/34
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035・基政七
○基政七君 それで、今度法律が出ますと、そういうものは、いろいろ問題があるわけですけれども、むしろ不法所持の人々をぜんさくするために、何かいい方法はないかということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/35
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036・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 不法所持は、ただいま保安局長から申し上げたように、ほんとうにやはり非合法に持っておりますので、なかなか見つからないようにするということで、これをシラミつぶしに調べるということは、きわめて困難じゃないかと思います。ただ、現実に警察でできるだけ隠れているものを出させようという手段といたしまして、行政措置と申しますか、いついつまでに出せば——いわゆる拳銃ばかりではございませんが、銃砲刀剣等について、形の上で不法所持になっているが、たとえば親が蔵にしまっておいた、親が死んだあと子供が見つけた、今さら出せないでいるというようなものもあり得るわけでございますので、そういうふうにして、いついつまでに提出したものは不法所持として取り扱わないというようなことで、任意に届け出をさせ、あるいは拳銃等については提出させるというような方法は、各県で時々とっているわけでございますが、これはあまりまた頻発すると、そのときまで隠しておけばいいということにもなりますし、適宜にそういう措置もとっているわけでございますが、先ほどお話のように、強権をもって調べるということは、ちょっと今の制度からはしにくいことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/36
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037・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の長官の逐条説明の第二点ですが、国際競技のために、選手に拳銃を持たせなければならぬ、これは当然のことだと思うのですが、必要な改正だと思いますが、この説明を見ますと、推薦団体から選手並びに候補者ということになっておりますね。そうすると、やはり私が心配するのは、青少年に、映画の西部劇の関係で、拳銃のブームが非常に強い。拳銃を持ちたがる傾向が非常に強いと思うのですが、こうなってきますと、官、選手並びに、選手じゃなく、候補者も加わるわけですから、大部分は学生になると思うのですが、こういうことは一般民間人には日本では許可してないのです。拳銃をやる者だけ持たすということになると、私の想像ですが、相当個人の所持を許可するために、拳銃競技をやりたいという者がものすごくふえる。そうしますと、候補者も加わっているのですから、相当数に許可をするということになりはせぬか。これはやはりその乱用防止のために……、ことに若い人に非常に多く持たすということになると、私は不測の災いを来たすおそれがあると思うのです。警察は、この規定を置いて、今の予測では、スポーツ団体などとも、いろいろこの条文を作るのに話し合ったと思うのですが、この法律ができますと、選手並びに候補者に拳銃を持たす数は、大体どのくらいだと予想しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/37
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038・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 大体五十名ぐらいでございます。その理由は、体協などともいろいろ具体的に打ち合わせしまして、その辺の専門家の希望もいれたわけでございますが、現在、この法律を作ってもし認めるといたしますならば、政令で予定しております国際競技は、オリンピック世界大会、それからオリンピック・アジア大会、それから射撃の世界選手権大会、この三つに限りまして、そのうちで、一番選手の数の多いのは世界選手権大会でありまして、それが十二名の選手であります。それに補欠若干加えまして、候補者である者も考えまして、三倍ぐらいになるということで、ほぼ五十名、五十名をこえない程度でやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/38
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039・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の御説明で、五十名ぐらいだろうということならば、問題は私はないと思う。これは、そのくらいの数だったら、十分、やる人もほんとうに拳銃の選手を志している人だと思いまするから、その程度なら心配はないけれども、今申し上げたとおり、ガン・ブームが非常に盛んなんですから、この法律が生きてくると、われもわれもとこの競技にのみ集中して所持する者が非常に激増するようなことだけは、厳に警戒してもらいませんと、そういう悪い風潮は作ってはいかぬと思いますので、今の五十名程度という程度なら、私は万全を期せられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/39
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040・津島壽一
○津島壽一君 関連して。今の拳銃の所持、スポーツ関係のことでちょっとお聞きしたいのですが、私もちょっと聞いておりますけれども、推薦といいますか、こういう者が拳銃を持つことが競技上必要だと、こういう申し出というか、推挙するものは、これは日本体育協会とか、あるいはちゃんとした組織体、県でいえば県の体育協会長とかいうことに内定しているのじゃないでしょうか。手続の問題ですがね。ちょっと文章にも書いてありますが、具体的には出ておらぬので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/40
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041・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) スポーツ振興法に基づく社会教育団体のうちで、特に財団法人日本体育協会というものから推薦していただくことだけを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/41
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042・津島壽一
○津島壽一君 地方のなには、やはり県の体育協会から直接には推挙できない、結局日本体育協会でまとめて、そこで一本で、スポーツのための拳銃の所持、競技に参加する具体的なものを協会に書いて出す、こういう手続を想定されているわけでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/42
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043・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/43
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044・津島壽一
○津島壽一君 それでこの競技に参加する者も、主として拳銃に関する限りは、自衛隊員か警察官が多いのですね。ほとんど一般の人は選手の候補にもなれぬのが多いのですね、事実上は。そこで、警察官並びに自衛隊員であるその選手または選手の候補、これもやはりあわせて体育協会で推薦しなければ持てないと、ほかの事情で持ち得るそういう資格のある方、それはどうなりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/44
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045・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 本来拳銃の持てる者については、特に推薦ということを考えているわけではございません。ついででございますので申し上げますが、今回特にこういうことをいたしましたのは、拳銃の競技そのものも、そういう可能性を認めるわけでございますけれども、特に近代五種競技などになりますると、ほかの四種については相当の成績をとり得る者が、拳銃の練習ができないために、五種競技の選手としての資格を持ち得ないようなことになることは非常に残念なことである、これが最初の発端でございまして、あわせて拳銃だけについても、その他ライフルや何かで成績がよくて、拳銃のほうに転向したいというような者にも、その機会を与えようと、起こりは五種競技について、ぜひこれを加えたい気持を持ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/45
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046・津島壽一
○津島壽一君 その手続の点ははっきりしましたが、これは非常に厳重にもし体協がやりましても、今、西郷委員のおっしゃったように、推薦をするという手続の上において間違いのないもの、しかも、それが持った後の保管の問題とか、厳重にすることで、これは決して乱用になるものではございません。今の手続の上からいって、そういうふうなことを考えますが、これはぜひひとつ、今回の改正案を通していただきたい。現にこれは今もう一定の例外がございまして、やっておりますが、有為の選手で、従来これがないために練習が十分できないというような者を、至急養成したいという趣旨で、今回の改正はそういった必要に応ずる意味において、取り締まりの点、また推薦の点は、日本体育協会で厳重にして、間違いないということでありますから、本立法は、私はぜひこの国会で通過さしていただきたいと希望するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/46
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047・秋山長造
○秋山長造君 今の競技用拳銃、五十人程度許可されるのですが、それぞれの拳銃を新しく入手するわけですがね、その経路はどういうことになるのですか。新しく入手されるのは、どういうところから買うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/47
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048・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) これはスイスとか、あるいはソ連とかアメリカとか、外国から輸入して購入するのが常態であります。ですから、それ以外には入手の方法はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/48
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049・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、やはり何かこの法律ができれば、競技用の拳銃として、五十人なら五十人分というものを、外貨割当でもきちっとそれだけワクを別に作って、それで買うわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/49
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050・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/50
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051・秋山長造
○秋山長造君 この不法所持の統計を見ますと、やはり拳銃は年々ふえているのですね。われわれの常識からいいますと、終戦当時のあの混乱の時期に、いろいろな経路から入ったものとすれば、やはりだんだん時がたつに従ってこの不法所持の拳銃というものは、かなり減ってくるはずだと思うのですけれどもね。ところが、逆にふえているというのは、これはどういうわけですか。やはりその後も新しいルートから拳銃がどんどんふえているということになるのですか。その傾向は大体どうなんですか。減りつつあるのですか、ふえつつあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/51
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052・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) ふえている原因には、いろいろ要素があると思いますが、一つは、非常に取り締まりの強化をやりまして、できるだけ拳銃の発見については、あらゆる機会を利用して、たとえば犯罪捜査その他の関係から非常に強調しておるのですから、まあ逐年ふえておる、そういう関係があろうかと思います。
それからもう一つ、実情を申し上げますと、これは三十五年中における犯罪検挙に伴いまして押収した拳銃が三百八十九丁ございますが、そのうちで輸入というのは二件だけであります。したがいまして、外国から許可を受けないで不正輸入しているというのは二件あります。ただ、出所不明というのが三百八十九丁のうちで百四十丁くらいありますので、その出所不明の追及に一番力を入れておりますけれども、だんだんたぐっていきましても、ある程度のところにいきますとなかなか自供しないということで出所がとことんまで追及できないということもございますので、それらの点をもっと追及したいと思いますが、だんだん追及していけば、あるいは新たな道もあるかもしれませんけれども、現在のところは、大体取り締まりの強化ということが相当に大きな原因ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/52
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053・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、やっぱり検挙数はふえておる。しかし、絶対数はその検挙数がふえることによってかえって減っておるということに理解したらいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/53
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054・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 大体そういうふうに御理解いただければよろしいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/54
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055・秋山長造
○秋山長造君 三十三年の六月に、警察庁長官から駐留軍に武器の管理の厳正化についての申し入れをなさったのですね。その申し入れをされてから後の状況はどうなんですか。この警察庁の統計によると、駐留軍関係としてはあまり減っていないような数が出ておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/55
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056・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 今お話のとおり三十三年に、警察庁長官から在日米軍司令官にあてまして、武器の管理の厳正と不法所持の防止について、非常に厳重な申し入れを公文書でぶつけたわけであります。その関係もありまして、向こうでもこれを誠意をもって部内にいろいろ通達しておりまして、その関係が如実に結果に現われております。昭和三十四年に八十八丁、すなわち全体の三百三十九丁に対して約二六%の駐留軍関係からの拳銃が八十八丁ありました。それが三十五年には、先ほど申し上げた押収拳銃が三百八十九丁でありますので、それの一八%に当たる七十一丁に減っております。したがいまして、二六%から一八%ということで相当減っておるということは結果において現われております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/56
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057・秋山長造
○秋山長造君 三十四年と三十五年だけではそうですけれども、しかし、三十三年に申し入れをしたのでしょう。三十三年には七十四丁が、申し入れをした後の三十四年が八十八丁にふえておる。だから三十四年、三十五年だけでそういうことは言えないだろうと思うのですが、その長官の申し入れに応じて駐留軍のほうは、武器の管理の厳正化ということについては、忠実に守られているのですか、今日においても。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/57
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058・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 従来非常に——非常にと申しますか、かなりルーズな面がありまして、警察庁から厳重な申し入れをしたわけでございます。それについて、部隊としては十分注意するように通達を流しておるわけでございますが、ただいま御指摘のように数が減っておると申しましても、厳重に徹底されて、末端まで徹底しておるという状況では必ずしもないわけでございまして、こういう点につきましては、今後も十分に注意を喚起して参りたいと思います。決してわれわれのほうの申し入れをおろそかに扱っておるというわけではございませんが、元来そういう拳銃とか弾薬とかいうものについては、半ば消耗品的に扱っていた従来の風潮があり、また、進駐軍の兵士の中には、かなりルーズなものもなかなか跡を断たないわけでございます。それは別のいろいろ犯罪などにも現われておるわけでございまして、そういうことから完全に徹底するというところにはいっておりませんが、努力はいたしておる跡は見えるわけでございますし、われわれとしても、今後とも一度ぶつけただけでそのままにするということなしに、さらに注意を喚起していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/58
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059・秋山長造
○秋山長造君 正式の申し入れは、三十三年に一回やられただけのようですけれども、この問題について、警察庁のほうと駐留軍のほうとで何か常時連絡はされているのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/59
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060・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) たとえば暴力団を検挙しまして出所が駐留軍であるという場合が明らかになった場合、それが盗難の場合もありますし、あるいは駐留軍軍人から買った場合もあろうかと思いますが、そのつど厳重にそれぞれ所轄の県警本部あるいは警視庁から、厳重にその扱い方について協力をしてもらう申し入れを密接に連絡いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/60
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061・秋山長造
○秋山長造君 拳銃の所持について、法令で所持を許されている、合法的に所持されている拳銃の数とか、あるいは戦前は警察官だって持っていなかったわけですから、今よりうんと少なかっただろうと思うのですが、戦前においての数ですね、それについて正確な数字がほしいと思うのですがね。それから、不法所持はもちろん捕捉し切れぬわけですから、これは推定数字しか出ぬと思いますが、しかし、警察庁のほうで専門的に見ておられれば、ほぼどの程度という大体の概数ぐらいはつかめるのじゃないかという気もするのですが、そういう統計資料を、できればひとつこの次にでも出していただきたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/61
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062・木村行蔵
○政府委員(木村行蔵君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/62
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063・小林武治
○委員長(小林武治君) それでは質疑は、本日はこの程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/63
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064・小林武治
○委員長(小林武治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人から意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/64
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065・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めます。
参考人の人選及びその他の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/65
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066・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
次回は二十日午前十時から、参考人の意見を聴取することにいたしたいと存じます。
本日はこれで散会いたします。
午前十一時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X00719620215/66
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