1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月十七日(火曜日)
午前十一時十五分開会
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四月十三日委員野上進君辞任につき、
その補欠として吉江勝保君を議長にお
いて指名した。
四月十四日委員吉江勝保君辞任につ
き、その補欠として野上進君を議長に
おいて指名した。
四月十六日委員占部秀男君辞任につ
き、その補欠として山本伊三郎君を議
長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小林 武治君
理事
野上 進君
増原 恵吉君
秋山 長造君
委員
西郷吉之助君
館 哲二君
津島 壽一君
鍋島 直紹君
湯澤三千男君
小笠原二三男君
加瀬 完君
松澤 兼人君
矢嶋 三義君
山本伊三郎君
中尾 辰義君
国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
自 治 大 臣 安井 謙君
政府委員
法制局長官 林 修三君
法制局第一部長 山内 一夫君
総理府総務長官 小平 久雄君
総理府恩給局長 八巻淳之輔君
大蔵省主計局次
長 谷村 裕君
大蔵省主計局給
与課長 平井 廸郎君
文部省管理局長 杉江 清君
自治政務次官 大上 司君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
文部省管理局福
利課長 清水 成之君
文部事務官 進藤聖太郎君
自治省行政局公
務員課長 松浦 功君
自治事務官 堀込惣次郎君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○地方公務員共済組合法案(内閣提
出)
○地方公務員共済組合法の長期給付に
関する施行法案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/0
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001・小林武治
○委員長(小林武治君) これより委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について御報告いたします。
四月十三日付をもって委員野上進君が辞任、その補欠として吉江勝保君が委員に選任、四月十四日付をもって委員吉江勝保君が辞任、その補欠として野上進君が委員に選任、また四月十六日付をもって委員占部秀男君が辞任され、その補欠として山本伊三郎君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/1
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002・小林武治
○委員長(小林武治君) 理事の補欠互選についてお諮りいたします。
ただいま御報告のとおり、野上君が一たん委員を辞任されたことにより理事一名が欠員となっておりましたが、野上君が再び委員に選任されましたので、この際、同君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/2
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003・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/3
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004・小林武治
○委員長(小林武治君) 前回に引き続き地方公務員共済組合法案及び地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法案を議題として、質疑を行ないます。
なお、午前は、池田総理大臣が出席されておりますので、質疑を総理に集中して参りたいと存じますので、御了承願います。
御質疑のある方は、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/4
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005・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理にお伺いします。
総理は、この委員会はすわって質疑応答をやっておりますので、私もすわってやりますから、すわってお答えいただきたいと思います。
総理にまず伺いますが、社会保障政策の一つの柱としての国民皆年金制度がスタートしたわけでありますけれども、そういうものを実施する以上は、それぞれ国民の関係者が喜んでいただけるようなものを創設、実施されることが大切だと思うんですが、国の責任という立場において、どの程度財政的に国が責任をもってやっていこうというお考えを持っていらっしゃるかということと、現在形だけ一応整ったわけですが、これらの将来の体系的にも内容的にも充実整備することについて、いかような青写真を総理として持っていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/5
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006・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 時間がおくれまして恐縮でございます。
地方公務員の年金制度、これは御承知のとおり、従来から懸案でございまして、いろいろ議論がございました。そうして、また今回提出いたしました案につきましても、不満の点があるというので、私のところにかなり投書が来ておりますので、いろいろな事情はわかっておるのですが、多年の懸案である地方公務員を今のまま置くということは最もいかぬ、今のまま置けないという結論に達しまして、そうして国家公務員に準じてやったわけでございます。ただ議論になりますところは、社会保険だから国で負担すべきだ、こういう議論があるようでございますが、今の状況から申しましても地方公共団体でも違いない。で、地方公務員だから、租税権を持ち国家権力に準じてやっておる地方公共団体がこれに参加して、これが負担するということもあながち不当じゃない、これが私は筋じゃないかと、こう考えまして、財源的には国である程度見ていこう、交付税その他でやっていく。まあ今のところ、こういう方向でいくのが適当と私は考えております。ただ、内容あるいは体系と申しますか、内容につきましていろいろの点があります。社会保障制度審議会におきましても、この共済制度にすることがいいんだという基本的な考え方は私らと同じですが、内容その他につきまして、十分検討すべしという答申が出ております。しかし、検討するだけでこれをじんぜん日を延ばすということは、私は適当でないと、こう考えまして、今後内容その他につきまして、行政に即すように今後改善していくスタート、今スタートすべきだ、こういう結論で御審議願っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/6
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007・矢嶋三義
○矢嶋三義君 施策の方向としては、方向づけとしては、私けっこうだと思うんですよ。しかし、その地方制度調査会で昭和三十五年から実施できるように善処してほしいという答申があったにかかわらず、ここ一二年ばかりおくれていることは、行政府の責任でもあると思うんですが、三年経過した後に出てきたものが、関係者によって非常に喜んで迎えられないということは、まことに僕は悲しいことだと思うのですがね。それでまあ総理としては一応とこらあたりでスタートということでありますが、関係者にとってはそれだけではやはり済まされないと思うのです。それで若干具体的に伺いますが、まず総理の経済政策からいって、国民所得の向上をはかられているわけですが、こういう国民所得というものは向上して参りますというと、給付内容というものは実態にそぐわなくなってくると思うのですね。で、こういう点から年金制度のスライド制というようなものについては、どういうお考えを持っておられるか簡単にお答えただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/7
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008・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) なかなか話しにくいですね、こう広くてあれだと。あなたくらい声が大きければいいけれども、あまり離れているからぴんとこない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/8
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009・矢嶋三義
○矢嶋三義君 いやよく聞こえますよ、非常によく聞えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/9
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010・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは、お話のとおりに年金制度というものが経済の高度成長の場合にこれはえてしておくれる。だから、そのスライド制ということを考えたらどうかということは、一般の国民年金のときにも議論になったところであります。国民年金のほうでも、あれは五年でしたか、で振り返ってみて変える、こういう原則を立てておるわけです。私はやはり所得の上昇によりまして、給付金も将来変えていくようにしなけりゃならぬ、こういう考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/10
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011・矢嶋三義
○矢嶋三義君 歴代の総理にして池田さんは最も金融財政政策を得意とされる総理だと思うのですがね、それで私は伺いますが、今わが国の富裕団体並びにしからざる団体、地方団体の間の財源調整については必要があるというお考えに立っていらっしゃいますか。それとも今やっている程度で十分だというお考えを持っていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/11
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012・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは格差をなくすることが基本問題であります。それで進んでいく、しかし、なくそうといったって、そうすぐなくなるものじゃございません。したがいまして、この交付団体と不交付団体とのやはり財源の調整ということは、私は従来から主張しておった、ある程度は今度でも行なわれたと思っております。もとはやはり基本の格差を少なくするということ、そしてそれまでにおいては、やはり税制その他の不均衡を徐々に直していく、こういうことで両方でいくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/12
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013・矢嶋三義
○矢嶋三義君 原則的な考え方は、総理と私は同一意見であります。で、本法案に関して、本会議で総理は、財源的なものは交付税においてこれを考慮しておるのでございます。こういうふうに答弁しているわけですね。確かに交付税率の引き上げで対処されております。これは総理、やはり間違っているのではないでしょうかね。社会保障制度の一環としてこういう年金制度を実施するとなると、もし国で持つ部分は国の負担に、審議会等の答申があるように明確にして、地方団体間の財源調整は別の方途で考えるというのが、僕はオーソドックスな行き方だと思うのですね。今度交付税でめんどうを見るんだといっても、不交付団体にはこれは無関係でいくわけですからね。そのことと、これは社会保障政策の一環として国がやはり責任を持たにゃならぬという従来の地方制度調査会あるいは社会保障制度審議会等の答申の趣旨からいって、僕はオーソドックスな行き方じゃないと思うのですが、この点については、若干痛いのじゃないですか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/13
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014・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 痛いとか痛くないとかという問題より別に、この問題で相当引いたじゃないですか。この問題で長引いて何だかんだといつまでもそういう問題で議論しておるよりも、今地方財政もよほどよくなって参りましたし、そしてまた地方公務員だから地方公共団体も権力を持っているのだ、何も国でなけりゃならぬというのじゃなしに、地方も、いつまででも国の負担だ、地方の負担だというよりも、早くやったほうがいいということで、国が持つか地方が持つかということで議論はありますけれども、国もある程度交付税であれしておる、そして建前は地方でいこう、こういうことで踏み切ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/14
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015・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そのとおりに私は納得できないのですがね。私は筋、建前という点から言っておるのですよ。この問題が解決しないために、三年その時間を食ったわけですけれども、大蔵省がこのたび、ここにいらっしゃる自治大臣を攻略したわけなんですね。そしてこれが出てきたわけなんです。自治大臣がもう少しがんばっていれば、今の経過からいってこういうことにならなかったわけですが、自治大臣が池田政策に協力したということなんでしょうかね、攻略されて曲った形で出てきた、これは筋、建前からいっておかしいということを指摘しているので、今後ずっと残る問題だと思います。
次に総理に伺いますが、資金運用の点について、この法案では、若干の考慮を払っております、それは認めます。資金運用部資金への預託を一部に限定して、こういう点に政府部内で非常に苦慮され、この点では自治大臣もかなりがんばったのじゃないかと推察しているのですが、しかし、一部預託されたもの、それは大蔵大臣の主管下に入っていきますから、まあちょっとわきにはずしている。それ以外に、先般の委員会で、この資金の一部で地方債を買ってもらうことになる云々ということを答弁されているわけですが、大きな筋として、地方債を買うにしても、いかように責任準備金なり余裕金を運用します場合にも、常に組合員の福祉増進という趣旨からはずれて、地方財政の立場本位に流用されるというようなことは厳に慎まなければならぬと思いますが、この基本方針に対する総理の明確な所見を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/15
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016・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 資金の運用につきましては、ちょっとおほめにあずかったようでありますが、大体におきまして国に関係のある部分以外は、各地方の団体にこれをまかせ、しかも、その目的は組合員の福祉向上、それから地方の行政目的に沿うような運営をする、したがいまして、それはバランスをとりまして、一方へ偏する、あるいわ危険投資のないように十分検討してこれは常にやっていきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/16
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017・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理の明確な答弁を求めておきますが、三月一日社会保障制度審議会においても、年金の積立金の運用について、当審議会年来の主張の趣旨が具現されていないと遺憾の意を表明している。あくまでもこれらの積立金は組合員の福祉増進という趣旨に沿って運用されなければならぬということを強く主張されております。この審議会の答申、主張に沿って行政府において対処する、また、あなたの部下をしてさせるということを明確に確認しておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/17
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018・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) その点、私は十分法文を記憶しておりませんが、こういう年金制度の積立金は、やっぱり組合員の福祉増進に充てるということが一つの大きい目的でございます。しかし、やはり資金の確保と申しますか、適正運用ということになりますと、組合員の福祉増進ばかりでもいかぬ。これはたとえば郵便貯金は、これを貯蓄者の福祉増進というばかりにもいきますまい。それから国のほうでやっております年金につきましても、これは組合員の福祉増進という大きな旗じるしはもちろん必要でございますが、そればっかりというわけにもいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/18
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019・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理はやはり大蔵大臣のくさみが少し残っておっていけないですね。そのくさみがなくなると、僕は大総環だと思うのですが、やはり大蔵大臣のくさみが残っていますよ。矢嶋君の言うとおりだと答弁すると大宰相になるのだがと思うのですが、その程度にして……。
次に伺いますが、この法案の陰に、定年制が陰に隠れていると、こういう警戒心を持って関係者は見ているわけなんですが、総理にはそういう考えはあるのかないのか、簡単にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/19
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020・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは問題が違うのじゃございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/20
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021・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そうじゃないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/21
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022・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) まあそれは邪推すればそういうことも全然考えられないと、想像だにつかぬということじゃございますまいが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/22
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023・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理のお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/23
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024・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 事柄からいって別に定年制と関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/24
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025・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ないですね。そこで総理、この法案の一番争点になっているところは、今の恩給法と同じように、五十五才になってやめると、年金満額いただけるわけなんですよ。一年早くやめると一年について四%減額するというわけですね。減額年金制度をしいているわけですね。部下から御説明聞いたと思うのですが、それで、ことに公立学校共済では、約半数が女教師なんですね。女教師は大体二十年勤めて年金がついて四十三ぐらいでやめると、そうすると五十五まで約十二、三年ありますと、一年について四%の減額になると、約年金の半額しかもらえないわけですね。それが五十五になっても死ぬまで半額しか年金をもらえないわけです。この減額年金制度に非常に不満があるわけです。恩給法は、あなた御承知のように、五十才までは半額、五十から満五十五になるまでは七割支給と、五十五才になるとあと恩給の満額を支給すると、こういう制度になっておったのですが、その現行法に比べて非常に不利だと、特に女性に不利だというので、この法案に対する批判が非常に強いわけなんですが、総理、どうですか。三十億円ぐらいで処理できるらしいのですね。だから、国の社会保障政策の一環ならば、三十億円だけの国の補助金をかりに出しても、もちろん五十五才になったならば、現行法の恩給法と同じように、満額を死亡するまで支給するというような形にしたならば、この法案は非常に私は光彩を放ってくると思うのですが、総理の御所信を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/25
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026・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) あまり詳しいことは知りませんが、国家公務員と同じような方向でいっているのじゃございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/26
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027・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それがいけないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/27
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028・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) それがいけないというのは、また国家公務員のほうにも関係いたしますし、地方公務員のほうは女の先生が非常に多いということはあるかもわかりません。しかし、この減額年金制度というものを国家公務員にずっとこれでいっているのに、地方公務員のほうは法律制定のときに別の方向をとるということはなかなか困難じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/28
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029・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理としては今その場でそういう答弁しかできないと思うのですが、私はぜひ政府部内の適当な機関で検討さしていただきたいと思うのですね。国家公務員も地方公務員も通じて、地方公務員だけこうで国家公務員は違う形じゃできませんよ。国家公務員自体おかしいと思うのですね、今施行されている法律が。だから国家公務員、地方公務員を通じて、こういう減額年金制度というものはいかがなものかと、従来の恩給法のそれと比して。こういう点ぜひ部下職員をして十分検討さしていただきたいと思います。このお約束はしていただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/29
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030・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは保険計算、いろいろな厄介な問題がございましょう。そうしてまた国会でのそういう要望につきましては、政府はやはり謙虚な立場で今後研究していかなきゃいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/30
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031・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その答弁だけは了承します。
次に伺いますが、総理、予算委員会でもちょっと出たのですが、例の満鉄に勤めた諸君の取り扱いですね、あの予算委員会における総理の答弁は、やっぱり少し失礼ですけれども、乱暴であったですよ、答弁はね。そこで、ここであらためて伺いますが、満州国に勤めた諸君は、今度は恩給法の適用になったわけです。だから、この年金の場合にも継続するわけですね。ところが、満鉄に勤めておる諸君は、退職手当だけは満州国のと同じ扱いになるのですが、恩給も年金もあの満鉄で働いた期間というのはゼロになるわけです。今度は恩給法からこういう共済組織の年金制度に変わったわけなんです。この機会に考え直す必要があるのじゃないか、ということは、時間がないから詳しいことを申しませんが、まあ私ずっと人から聞いたり調べてみますと、満鉄というのは、最初は国営でやろうということであったが、いろいろな事情でこれを勅令で設け、それから当時は全額政府出資でやっているのですね。そうして一般会計から出資している。それから会計検査院でその経理は全部検査しております。それから満州国ができた場合に、満鉄から相当数の人が満州国に移っている。そういう人は年金が継続されるわけです。特に満鉄の地方部という行政の部面ですが、これは満鉄から満州国に移ったわけです。そうして満州国の国防とか交通等の部門は全部満鉄が担当をしたわけなんですよ。こういう厳粛なる事実があるわけですね。それで日本と満鉄、満州国の関係、それから人の動き、こういう歴史的なものを見るときに、こういう年金制が施行されたときに、満州国に勤めておったらよろしいのだが、満鉄だったなら何年間でなければならぬ、その当時の政策がよかったか悪かったか別ですよ。国の当時の政策に沿って満州のあの厳寒の地で働いた諸君が、その年金の基礎年数の計算に当たって除外されるということは、人情論でなくて筋として、総理、私はどうしても通らないと思うのですね。したがって、ああいう特殊な会社であった満鉄に勤務した諸君の在職年数の取り扱いについては、満州国職員の取り扱いについて先国会で改正された方向に沿って私は再検討さるべきものだ、これが折り目が立っている。これは政治家としてやらなきゃならぬことだと思うのですが、総理の御所見を承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/31
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032・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) この前、予算委員会でお話がありましたときに実は初耳でして、お答えしたのですが、今の制度としてはできないのです。ただ、あなたが今お話しになったようなことで将来この問題を研究してみろということなら研究いたします。今の制度としては、予算委員会でお答えしたとおり、あのときにも話があったと思いますが、満州国の分は別に法律か何かで通算することにいたしております。満鉄の場合はそれがないのですから、今の法律の制度としては加算、通算というわけには参りませんが、問題だけ提供になりましたから研究はいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/32
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033・矢嶋三義
○矢嶋三義君 今の私の主張を聞いておって、珍しく矢嶋の話が筋が通っておるという……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/33
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034・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 人情論が相当入っておるという感じです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/34
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035・矢嶋三義
○矢嶋三義君 人情論でなくて、折り目がですね。結論としては、総理、部下職員をして十分検討さしていただけますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/35
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036・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 承知いたしました。検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/36
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037・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私の割当時間が少なくなりますから、あと一、二点伺いますが、総理、今度のこの法律案で一番問題なのは、掛金が非常に二・二倍と一挙にふえると、有利な条件を持っておった団体に勤めておる諸君の既得権が剥奪されるということに不安やら不満やらがあるわけなんですね。一部には喜ばれておる部面もあることは事実です。そこで、僕は一番問題なのは若い人にも一挙に掛金が二・二倍になると、で、このことは薄給である諸君の負担能力からいって問題だと思うのですね。それでまあ総理はずっと所得倍増計画というのを一枚看板で政権を担当されて参ったわけです。ごく最近、公営委が仲裁裁定を十四日に出されましたね。これはいずれば公務員の給与とも相関関係があるわけですが、給与政策の一つとして伺うのですが、公労委の仲裁裁定のごときものは、池田内閣としては完全に実施するということにいささかも狂いがないものと私は判断しておるのですが、念のために伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/37
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038・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 完全実施いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/38
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039・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あわせて、今の掛金と組合員の負担の問題ですが、国家公務員もそうですが、地方公務員も、若い層の給与というものが過当に低いのじゃないでしょうか。それに掛金が一挙に二・二倍になるというのがショッキングにくるんだと思うのですね。この点については、数字に明るい総理としては、お子様をお持ちなんですが、どういうふうに見ておられますか。庶民のことはなかなかおわかりにならぬかもしれませんけれどもね。先般、政府委員から答弁させるというと、大学を出て国家公務員として東京という任地に勤めて五年たって二万一千円程度しかいただかないのですよ。結婚適齢期でね。私はそれでは公務員の面子は保てないし、それから妻帯することはできないと思うのですね。こういう給与の実態と掛金が一挙に二・二倍になるという問題がこの法案を中心にやっぱり議論の渦を巻き起こしてくると思うのですが、総理のお考え、御所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/39
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040・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 今の掛金が倍になるということは、これは保険計算の問題で、給付内容をよくしようということになればそうなってくるので、これはやむを得ぬと思います。保険計算の問題ですから。
それからその次の初任給の問題につきましては、これは日本の給与制度が年功加算制になっておりますので、そういう今の状態に合わぬようなところがあることは私も認めます。しかし、徐々に是正されつつあるのじゃございませんか。何も公務員ばかりじゃないので、民間のほうでも初任給というものは非常に安い。これもだんだん上が上がるよりも下の上がり方が多くなってきておりますから、だんだん是正されていくと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/40
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041・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私の割当時間があと三分ありますから、さらに伺いますけれども、総理、ちょうど悪い時期にこの法案はぶつかったと思うのですよ。ちょうど消費者物価が上がって大衆が生活苦に脅かされているときにこの法案が出てきて、しかも、一挙に掛金が二・二倍とくるというので、そういうのが重なったものですから、時期的に非常にまずい時期にきていると思うんですがね。まあそれにつけても、消費者物価の上昇と生活苦ということから、最近の経済論議というのは非常に活発になりましたね。これは、私はある意味ではいいことだと思うんですが、本日は閣議がよほど時間がかかって御出席がおくれるかと思ったんですが、案外閣議が早くお済みになったようですが、藤山発言については円満に片づきましたか、いかがですか。やっぱり総理として率直に私はある程度反省してもらわにゃならぬと思うんですがね。これはこの場と決して無関係じゃないと思うんです。藤山発言があってからの主要なる日刊紙の社説を持ってきていますが、いずれもあの発言は歓迎しているですね。藤山発言は「何よりも閣内においてこそ、強く展開さるべきであったろう。」というのは、これは朝日さんがちょっと指摘している。ごもっともだと思うんです、一部は。しかし朝日さんもああいう論議を非常に歓迎している。それからいずれの新聞も社説に掲げて歓迎していますよ。藤山さんはある意味では大いに株を上げたと思うんですね。毎日さんのごときは、「成長政策に反旗をひるがえしたのであった。」こういう活字すら使っていますね。そうして「健全で良識ある主張」だという活字も使っています。こうなりますと、総理、やっぱり福知山のような演説ではいけないんで、少し顧みられて施策を進めていただき、こういう掛金とか負担金が上がるときに、それらが重なって関係者に非常に不安を与えることのないような総理としての施策をやられる必要があるのじゃないかと、かように僕は——若い僕が先輩のあなたに申すのはぶしつけですけれども、問題は国民の問題ですから伺っているわけですが、総理の御感想なり御抱負なり承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/41
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042・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は、去年のもう今ごろからある程度引き締めなきゃいかぬ。まあ九%というのもこのままほっておいては一・三%、一四・五%行くかもわからぬというので、腹八分目に九%でやっておったところ、やっぱり私の政策は誤解されたのか、どんどん進んでしまって、それで去年の九月から押えた。この予算委員会でも私は羽生さんの御質問に対して答えた。賃金がどんどん上がり、物価が上がり、いわゆるコスト・インフレになりゃしないかということを心配しているということを二カ月ぐらい前に申し上げた。引き締めていかなきゃいかぬということは、もう当然なことで、政府の今の施策なんです。何も藤山君がわれわれの政策と違ったことを言っているわけじゃない。きょうの藤山君の談話が発表になりますのをごらんになればおわかりになると思います。そこで、物価の安いに越したことはございません。しかし、高度成長の場合におきましてはえてしてあることなんです。生活が非常に苦しくなったという声がありますけれども、統計的に申しますと、所得は相当上がっているわけなんです。しかし、所得が上がって物価が上がらないのが一番望ましい。その施策をやっていったのだが、足らぬところがありますから、今後やっぱり政府は、国際収支の均衡と同じように、適正な物価、できるだけ上がらない方法でもっともっと力を入れていこうといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/42
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043・矢嶋三義
○矢嶋三義君 総理、答えは簡単でよろしゅうございますから、最後に一問。それは、私はもういろいろ説明的なことは言いません。ただ、高度成長政策というのは総理の一枚看板です、池田内閣の。藤山談話の経過からいって、私が総理なら、罷免権を発動するか、強い警告反省を国務大臣としてその人に求めるか、あるいは藤山大臣みずからこういう見解であるからやめさしていただきましょうと辞意を表明するのが僕は折り目の立ったことだと思うんですがね。そういうことが本日の現時点まであったかなかったか、また、総理としてはどういう所見を持っておられるか、重要なことでありますから承って、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/43
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044・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) そういうことは考えたこともありませんし、また、必要も全然認めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/44
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045・山本伊三郎
○山本伊三郎君 総理の時間も非常に迫っておるようですから、根本的な問題をひとつ二、三お尋ねしたいと思います。
実は国家公務員の共済組合法の審議のときに、当時佐藤さんが大蔵大臣だったように思うんですが、日本の恩給制度、明治十七年から一世紀にわたって続けられたところの恩給制度を一挙に社会保険システムを変える、こういう踏み切りをしたのはどういう考えであるかということを実は尋ねた。これについては、御存じのように、国家公務員法の第百八条あるいは地方公務員法四十三条等から見ましても、公務員の特殊な地位というものは一応認められておると思う。それを一挙にこういう保険システムに変えられたという考え方、当時池田さんも閣内におられたと思うんですが、どういう考え方で踏み切られたのか、これをちょっと先に聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/45
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046・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私はそのときに閣議におりましたかよく存じませんが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/46
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047・山本伊三郎
○山本伊三郎君 三十四年です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/47
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048・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) まあいずれにいたしましても、あの恩給制度よりもやっぱり共済年金のほうが時代に合うのだ、こういう考えで、今までの恩給だとやはり掛金がございまして、こういう共済年金的の何といいますか、国家がどうこうというのじゃなしに、お互いの職員が共済的にやっていこうという観念が民主的じゃないでしょうか、私はそう心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/48
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049・山本伊三郎
○山本伊三郎君 当時すでに人事院勧告が出ておったのであります、昭和二十八年。それには一挙に掛金負担は折半主義でなくして、やはりある程度漸進的にいわゆる公務員自身の掛金は二五%程度で、そうして内容をそうしたらどうかという勧告が出ておるのです。それと、時間がないから、私の言うことだけ言っておきますが、アメリカにしても、西独にしても、イギリスにしても、今日なおそういう制度を続けておる。日本が一応いろいろ経済的な事情があったか、国家財政の上から考えたか、そういう点で日本だけが、日本だけというわけじゃございません、そのほかにもこういう制度のところが若干ありますが、先進国といわれるアメリカ、イギリスあるいは西独あたりでもやはり依然としてそういう制度を続けておる。そういうことから日本だけこれに踏み切られたというのは、ちょっと私はあまりに一挙に行き過ぎたんじゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/49
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050・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 私は寡聞にして外国の例を研究いたしておりませんが、今までの国家が主で恩恵的といいますか、恩給の「恩」という字で恩恵的ということよりも、やはり共済制度が時代に合うんじゃないか。そうしてやはりこういうものは一方的に恩をあれするというのじゃなしに、共済制度で自分らもかけていこう、国家もある程度めんどうを見ようという、こういうふうなのが新しい型じゃないかと思います。イギリスなんかも御指摘のとおりやっていますが、いろいろな事情もあるでしょうが、とにかくイギリスその他と違って日本は画期的の社会制度の改革と申しますか、考え方が変わってきたから、こういうときに新しい制度に踏み切ったほうがいい、こういう結論になったんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/50
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051・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もちろん新憲法になって公務員の位置づけが変わったからその考え方は僕はわかるのです。しかし、一挙にそこまで持っていくところに、この間から盛んに論じられている掛金が一挙に二・二倍に上がったという問題が実は大きくクローズ・アップされてきた。今、総理が従来恩給は恩恵的だと言われますが、あれはやはり二%程度取るのです。したがって、全部が恩恵的じゃない。ただ昔は恩給といって全然負担せずに出しておりましたけれども、多分大正十二年ですか、ころから一%、昭和八年ころから二%程度取ったと思うのです。したがって、私の言っておるのは、恩給というような観念を去ってもいいと思います。恩恵的にもらうということはわれわれとしてもこれは避けてもいいと思うが、一挙にそこまで掛金を上げるということについての配慮が必要じゃなかったか、こういう一応趣旨で質問しておるのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/51
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052・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは何でしょう、一挙に上げるというのじゃなしに、建前が保険計算でいくようになっておりますから、こうなるのは当然の帰結じゃないでしょうか。前のほうはお話のとおりに大正十一年か、十二年に文官にやって、軍人はまだ出さなかった。そういう何といいますか、つかみ金と言うと言葉が悪うございますけれども、ともかく計算でいっていない。だから、それを改めるというときにはやはり一挙にやる、保険計算でやる。経過的にどうこういうことも考えられるかもしれませんが、今度の公務員でも非常に損する場合は、経過的に措置をやっておりますが、私はこういう制度は料金が上がるからこれはいかぬのだということじゃなしに、あくまでわれわれ自分らの金だという建前でいけば、上がることも私は了承できるのじゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/52
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053・山本伊三郎
○山本伊三郎君 論点がちょっと違うのですが、われわれ言っておるのは、——保険制度、保険システムにしたから保険数理から割り出してこういう掛金になるのだ、こうおっしゃるのだと思う。私としては、一度にそこまで踏み切らなくてもある程度折衷した案ができるのじゃないか。たとえば一応保険数理で掛金を出しても、負担率を割り出しても、この負担の割合でいわゆる持ち方が変わってくるのですね。だから、保険数理でそういうものを出してもいいのです。いいのですけれども、負担割合を変えれば、一挙に四・四%という大きな負担になり得ないと思うのですが、そういう点を言っておる。決して保険数理を言わなくても——保険数理で負担率を出しても、負担割合は変えられるということをわれわれは主張しておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/53
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054・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) それは問題は結局国から少し出せということになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/54
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055・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/55
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056・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) そこで国からはそういうものは出したくない、出しても程度がある、こういうことになる。ですから、国から全然出さぬというのじゃない。とにかく国のためということじゃなしに、組合員自身のためなんです。ですから、その組合にある程度の金を出しましょう、こう言っておる。それを一ぺんに上げるのはいかぬかどうか、上がらぬのに出せ——これは金をどれだけ使うか、制度の問題じゃない、負担の問題、国がどれだけ負担するか、組合が、個人がどれだけ負担するか。そこで、問題は共済制度に国が負担を出すか出さぬかということに帰結するのじゃないか。そこで、今の国としてはそうは出せない、こういうふうに思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/56
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057・山本伊三郎
○山本伊三郎君 総理は少しこの委員会に来るのが早かったように思うのです。実はまだ保険数理とかそういう条文の内容に入っておらない。立法論からいっても非常に矛盾した点が見受けられるのです。したがって、今組合員のためだ、ためだと言われますが、この地方公務員共済組合法の中には、国家公務員共済組合法と違って別の要素が入ってきておる。具体的に言うと、こういうこまかいことは総理は御存じないだろうと思いますが、同じ保険経済の中で、組合員の、一般の公務員の場合は、二十年勤めて百分の四十、こういう給付率ですね。ところが、地方公共団体の長となる人は十二年で百分の三十五、しかも、加算率を二十年まで持っていくと百分の四十七になる、こういう政策的のものをこの法律の中に入れておるのですね。したがって、こういうところから見ると、ちょっと勝手な法律じゃないかと思うのですが、その点どうですか。十分御存じでなければそれでいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/57
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058・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) こまかい規定を知りませんから、自治大臣からお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/58
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059・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そういう自治大臣の答弁はこの前も聞いた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/59
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060・安井謙
○国務大臣(安井謙君) この前も申し上げましたように市長、町長というようなものは、従来の慣習もございましたし、普通の公務員と違った扱いをして特別な規定を置いておるわけであります。それからなお、イギリスやフランスの例、恩給制度じゃないかという今お問い合わせでございましたが、これは恩給制度に違いありませんが、掛金率等も相当日本より多額であるし、年限も相当長いというふうに私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/60
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061・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはどういうデータですか。これは人事院で発表しておるやつですよ。フランスは公務員の俸給の六%、それからアメリカの場合もそうですが、イギリスの場合は全然かけておらない。それから西独の場合にもかけておらない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/61
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062・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 私がとったのは、アメリカとそれからフランスの場合で六%という例をあげておるわけで、日本の四・四%よりは相当高いし、年限も長い、こういう例もあるので、一律にはいくまい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/62
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063・山本伊三郎
○山本伊三郎君 総理に聞いたんですが、自治大臣が答えられましたが、自治大臣に私は聞いておるんじゃないんですよ。総理大臣が組合員がこうすれば喜ぶじゃないかと言われたが、私の言いたいところは、もし公共団体の長たる者にそういう制度が設けられるならば、喜ぶことであれば一般の公務員もそういうことができるんじゃないかと、こういうことを私は総理大臣に聞いておるんです。十二年でもうすでにつくという制度がここに含まれておるんですね。一般の恩給の場合は十七年でついておった。それが二十年しなければ資格がとれないという一方には、同じ法律の中に地方公共団体の長は別な扱いをする必要があるかどうか知りませんが、やはりそういう法律がこの中に一緒に含まれておるんですね。もし喜ぶならばそういう制度もとれなかったか、こういうことを言っておるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/63
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064・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) これは一般の公務員と市長というような特別職にある者との年金につきましての計算を変えるということは、私はこれは考えられることだと思います。今までの一般通念からもそうじゃございますまいか。市長というものはやはり一般地方公務員とは特別の取り扱いをすることが私は妥当じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/64
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065・山本伊三郎
○山本伊三郎君 国家公務員にはそういう制度は全然考えておらないのですよ。大臣は、国会議員である場合はこれは別ですよ。地方公務員の場合は、そういう要素を取り入れているということはちょっと聞き取れないのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/65
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066・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) それが地方団体の実態じゃないでしょうか。私は、それは議論になると思いますが、自治省としては、そういう地方自治の実態からいって、市長なんかは特別に取り扱うのが過去のあれからいっても適正じゃないかというつもりじゃないでしょうか。私はそれがわかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/66
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067・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなたと議論はしたくないのですがね。立法論として私は問題があると思うのです。もしそういう特殊な公選で選ばれる市長であるというならば、国会議員のように、また地方議員のように、別途にそういう制度というものをこさえるべきであると思う。それを同じ保険経済の中にはうり込んでくるということは、これは保険数理からいっても問題であるのですね。一方のものは二十年で四〇%、そういう私は立法論に問題があると言っておる。地方自治体の実態からそうあるべきだ、私はそう考えられない。地方自治と別ですよ。地方公務員の共済制度、年金制度、この点はわれわれとして非常に疑問があるのですが、その点については、答弁がはっきりしなければしていただかなくてもいいんですが、それだけ聞いて私は質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/67
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068・池田勇人
○国務大臣(池田勇人君) 市長等の問題につきましては、ただいまお答えしたとおりでございまして、地方自治体全体から考えまして、そういう特殊の地位に選挙で出てこられたというふうな場合には、特殊な扱いをするのが、私は地方自治の建前からいって考えられるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/68
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069・小林武治
○委員長(小林武治君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/69
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070・小林武治
○委員長(小林武治君) 速記つけて。
午前はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
午後零時五分休憩
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午後一時四十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/70
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071・小林武治
○委員長(小林武治君) これより委員会を再開いたします。
午前に引続き両案の質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/71
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072・山本伊三郎
○山本伊三郎君 文部省から「公立学校共済組合長期給付所要財源率計算の基礎資料」の三十三年から三十五年のやつは出されたのだが、自治省関係のやつはこういう資料はできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/72
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073・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 地方職員につきましては、この前お話し申し上げましたように、三十年から三十二年までの実態調査をいたしましたが、その後の調査をやっておりませんので、その後の計算基礎の数字は今のところ持ち合わせございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/73
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074・山本伊三郎
○山本伊三郎君 公立学校のデータを見ると、この前出されたのとはだいぶ脱退残存表の内容が変わってきておりますが、道府県のいわゆる地方職員共済組合の場合でも相当動くと思うのですが、自治省としては、その点どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/74
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075・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 調査を御指摘の時期につきましてはいたしておりませんので、正確なことは私どもも申し上げかねるのでございますが、地方職員の場合には、そう大きな差はないのではないかと推測をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/75
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076・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはまたあとでひとつ審議するとして、きょうからいよいよ、保険数理を建前にやられているから、これについて若干ただしておきたいと思うのです。
で、資料をもらってから相当いろいろ検討しましたが、どうも納得できないところが相当あります。それで長期給付の各給付の計算式をやってくれということは無理だと思いますが、一番主要な退職年金についてのこれの、このデータをもって計算をして、相当地方行政委員の中にも十分理解されないという方々があるので、それをひとつやってもらいたいと思う。私のほうからここへひとつ。あなたのほうの計算式は、ちょっとくろうとでないとわからぬような式であるから、国家公務員のときに論議のあった式を私ここへ書きます。この式によってひとつ答えを出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/76
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077・小林武治
○委員長(小林武治君) 山本君、速記はつけますか、ちょっと無理なようだが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/77
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078・山本伊三郎
○山本伊三郎君 つけてもらってもけっこうですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/78
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079・小林武治
○委員長(小林武治君) それじゃ、速記をとめて。
〔午後一時五十六分速記中止〕
〔午後二時十五分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/79
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080・小林武治
○委員長(小林武治君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/80
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081・山本伊三郎
○山本伊三郎君 僕ら調べてくると、いろいろ不思議な点が出てくるのです。やはりそういう公式というものは一応厳格に出して、経過措置はそれは経過措置で別にあるが、その考慮するのは別の問題であって、費用の負担はまた別に考えると、追加費用の点もあるし、別に考えなくちゃならぬと思うのです。これは負担金に影響する問題ですから、やはりこの公式としてはそういう要素も入れて考えるべきが妥当でなかろうかと思うのです。あなたのほうの配慮はどういうところにあったか知りませんが、おそらく財源率はそれによって低くなりますよ。そういう点が、私は問題を将来に含んであるんじゃないかと思うのです。経過措置は経過措置で法律があるのですから、これは別の問題なんです。全然保険数理の中に、計算の中に減額退職年金を織り込んでおらないということについては、問題があると思うんですがね。ただ、経過措置にあるからそれで当分の間いいんだ、こう言われますけれども、負担金はその計算によって出すのでしょう。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/81
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082・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/82
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083・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、経過措置とその計算式とは全然別個な考え方であると思うのですが、その点あなたの独断でやられたのですか、上司と相談してそれをやられたのですか、その点をひとつ聞いておきます。あなたは技術屋ですから、あなたに説明さえしてもらえば、あまりあなたを責める必要がないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/83
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084・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) ちょっとただいまの点でございますが、減額退職年金を見込むか見込まないかということは、一応大蔵省と話し合いをいたしまして、向こうのほうは見込むのが適当だろうというお話はありましたけれども、私のほうとしては、たとえば今経過措置で云々ということを申し上げましたが、経過措置そのものの問題ではございませんで、経過措置があるために減額の選択がおそらく少ないだろう、ほとんどないだう、こういう見込みをしたわけでございます。経過措置そのものは追加費用の問題になりますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/84
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085・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはあとで尋ねようと思ったのですが、経過措置について言えば、国家公務員も同じなんです。だから、経過措置でやっておるからといって、そういう理屈は立たないので、もちろん、その減額退職年金を入れると財源率がふえてくることは、これは間違いない。そうすると、逆に言えば、財源率はその式からいくと減っているのだから、あなたの場合減るのだから、掛金も減るのだという淡い考え方じゃいけないというのです。要るものは要るとしてちゃんと公式で出しておいて、その上でどうするかということの判断をしなければ、間違いを起こすというのです。特に自治省管轄の二共済、それから公立学校のやつを見ても、脱退残存率が非常に高いのです。そういう中で、将来一つの大きい問題を残すと思うから、私は特にそれを尋ねたのです。その点は、将来とも減額退職年金というものの要素を見ずにいくという方針ですか、途中で変えるというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/85
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086・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 今のお話でございますけれども、将来長くいつまでも見ないということではございませんで、これだけの要素ではなく、すべての基礎計算の要素になります実績をはっきりつかんだところで再計算をして検討してみたいというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/86
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087・山本伊三郎
○山本伊三郎君 自治省当局に聞きますが、これはまあ技術屋が勝手にやられたとは思わないのですがね。こういう財源率を出しておいて、将来変えるときには相当上がってくると思う。そのときにはこういう工合に上がったからといってまた負担率を上げるという考え方でこうやられたのですか、そこどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/87
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088・松浦功
○説明員(松浦功君) 財源率の問題につきましては、ただいま山本委員から御質問がございましたように、減額退職年金というものは、一応経過措置もございますので、ここ当分の間これを選択する者はなかろうということで、一応数値の中には入れてないのでございます。かりに減額退職年金を選択する人の数を一定につかみましたといたしましても、まあ影響度合いというものは、ただいま計数担当のほうから御説明申し上げましたように、四%減というものは若干低過ぎるというきらいはございまするけれども、五十五才以降でもらうべき金額を若い年にまで戻しまして薄まきにしておるという関係から、大きく数値の狂いが出てくるとは考えておらないわけでございます。もちろん、この問題につきまして、四十四という数字が出ております。さらに、将来五十五才以降にもらっていきます平均期間とか、そういったもの、あるいは給与の上昇率等の変更が当然ある程度は出てくると思います。五年ごとに計算をいたしまして、そのきちんと出て参りました計数に従って、上げるものは上げ、下げるものは下げるという措置をとらなければならないと考えております。将来にわたって、今は少なくしておいて、将来になって必要ならもっと上げればいいじゃないかという安易な考え方は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/88
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089・山本伊三郎
○山本伊三郎君 現実にそうなってくるんですよ。あなたのほうの式でいくと、減額退職年金というものは全然みておらないのだから。全然ないということはない。国家公務員の場合のように二分の一あるかどうか、これは別ですよ。しかし、あなたのほうのやつでは全然みてないのですよ。あることは当然あると思うのですね。なければ、この法律案は削除してもいいんだ。減額退職年金という、そんなわずらわしいものを入れる必要はない。初めから若干停止なら若年停止にしておけばいいんですから。それを入れておるというところに問題があるのであって、それを法律には今入れておいて、財源率の計算の基礎には入れておかないというところに、矛盾があるのじゃないか。論理が一貫しない。法律のほうにちゃんと減額退職年金という項を入れておいて、財源率計算のほうには入れておかない。それは経過措置があるから、しばらくそんなものは有用でない——そんなことを言えば、これはもう二十年たたなければ完全にこの公式は作用しないのですよ。その公式を使って掛金なりあるいは負担金を出しておるのに、減額退職年金の要素だけ入れなかったというところについて、私はまず最初の疑問を持っているんです。ただ、先ほど、専門家ですか、名前をちょっと私は聞いておらないのですが、財源率がふえることによって負担金も上がるだろう、だから最初だから安くしようというような善意な動き方があるんだったら別ですが、それはどうですか、そういう考え方があったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/89
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090・松浦功
○説明員(松浦功君) 減額退職年金を計数上に入れてないということは、担当官から説明したとおりでございますが、御承知のように、減額退職年金は、五十五才からもらうであろう金額というものを、四十五才でやめた場合には四十五才まで引き戻して薄まきに減額をして給付する制度でございます。したがって、保険数値上計算いたしましたもので四%、これがやや低いということは、担当官から説明申し上げましたように、計算式から出てきた上からはそういうふうに言えるわけでございますが、やや低いという部分だけは影響するわけでございます。かりにやや低いという事態がないといたしますならば、これは完全に財源計算には影響しないと考えられるわけでございます。したがって、若干の差でございますので、大きな影響があるとは考えておらないわけでございます。
あとの御質問でございますが、これは、大臣からも御答弁がございましたように、国共というものがすでに施行されておりまして、千分の四十四というものに気持の上で引かれたことは事実だけれども、数字の上での操作を加えたわけではないという大臣から御答弁が申し上げてあるはずでございます。われわれもそのような気持で算定をして参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/90
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091・山本伊三郎
○山本伊三郎君 五十五才からの給与ということになると、現在は若年停止は四十五十から五割、いわゆる百分の五十、五十五才からは百分の七十という措置があるんですよ。それを五十五才までもらう人は少ないだろうという考え方というのは、全く私はあなたらの考え方は間違っておると思う。そんなに公務員は裕福じゃないですよ。できれば早く少しでももらいたい、やめたらもらいたいというすべて希望を持っておると思うんですよ。そういう考え方を、まあわずかであろうというようなことでは、われわれとしては考えられない。しかも、国家公務員の出された計算からよると、相当大きいウエートがありますよ。相当大きく動きますよ。わずかじゃないですよ。だから、そういう点をまず第一に——私はずさんとは言いません。最初出発するのだから、なるべく国家公務員の財源率に合わそうとしていろいろ苦心された跡は私は見られます。国家公務員の場合は、これは専門的になるから速記をつけるのはむずかしいかもしれませんが、分母のほうにも、掛金が本部に集まるまでの一カ月のズレというものをV112でかけたやつがまだ分母のほうにあるでしょう。そうすると、分母の数が減るんですよ。そうすると、財源率はまたふえるようになっておるですね。それも省いてあるんです。そういうところを考えてみると、なるべく財源率を少なくしようという意図が、私は自治省のとられた財源率計算の中にそういうものが見られるんですがね。それはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/91
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092・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) ただいまの話は分母のVの112でございますが、これは旧法の連合会を作りました当時の考え方としまして、単位組合から負担金、掛金を払い込む。したがいまして、連合会へ地方の金が入るのは若干のおくれがあるということから、それをみたわけでございます。新法になりましても、当面としましては、連合会へ実際の負担金が入るのは少しズレがあると、こういうことで、国のほうでは分母に一カ月分の割引をして計算に入れたわけでございます。われわれのほうの組合としましては、単位組合でございますので、その収入の一カ月のズレというのは考える必要がないという見解で入れてないわけでございます。国のほうの単位組合から連合会という組織と、地方の単位組合の場合との考え方の相違でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/92
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093・山本伊三郎
○山本伊三郎君 地方公務員の場合にも、一部連合会方式でやる組合があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/93
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094・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 地方の場合は、連合会で全部長期をプールしてやるという連合会ではございませんで、単位組合でやるというのが建前で、ただ連合会でその資金の若干をプールすると、こういう建前でございますので、国の連合会とはその点はやり方が違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/94
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095・山本伊三郎
○山本伊三郎君 一応V12分の1というやつはそういう説明でいいですよ。これは低くなるのだからやれという私は主張をしておるのじゃないんです。だけれども、どうしてもわれわれとしてはこの点が将来不安になるから、私はまず最初に追及しておるのですが、自治省で、この点については将来直すと、こう言うておるのだが、直すときにはまた一もんちゃくですよ。そういうことを予定しておられますか。できるときはなるべく安い財源率を出しておいて一応出発をして、将来またごたごたと掛金を上げるんだ何だという問題が起こったときには、だれが被害をこうむるか。国家公務員の場合もそうだった。法律が通ってから非常に問題が起こった。掛金をかけるようになってからですね。しかも、この掛金率の更改というのは法律事項じゃないんだ。あとは全部省令なりそういうところでやってしまうのですね。そうでしょう。そうすると、国会でこの法律が通ってしまったら、あとはどうなろうとも——今はそれは労働組合があるからそう簡単には許さないけれども、国会は手を離れてしまうんですね。だから、その点は私は非常に危惧しておるから、おそらくこういう法律が通って初めてですから——国家公務員の場合でも、去年か、掛金率を上げるといってえらい問題が起こったことがあるのです。そういうことが歴然とこの計算基礎から見るとあるような憂いのあるような計算をしているのですね。その点がわれわれとしては聞き取れないので、この点について、将来そういう要素を入れても掛金率に影響はないんだということを言い切れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/95
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096・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 将来どうなってもいいんだ、とにかく発足するんだというような気持は毛頭持っておりません。しかし、先般来山本委員の御指摘もございましたように、私ども計算の基礎につかんでおります資料が、絶対これで間違いない最近の確実な資料だというわけではございませんので、将来再計算をいたしました結果若干の異動が起こり得るということは、私どもも予想いたさないわけではないのでございますが、これはどうもいたし方ないと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/96
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097・山本伊三郎
○山本伊三郎君 行政局長は、あなた、知らぬですよ。僕の言っているのは、将来動く場合もあるでしょう。給付の内容を変えるとか、あるいはいろいろ脱退残存数が変わってくるとか、そういう要素は避けられない。その場合には下げる場合もある。私の言っているのは、最初からそういうものを計算の基礎に入れておかずに、当然上がる要素のものを入れておかずに下げておいて、これをあとから入れたから上がるのだということは許せぬと言うのです。だから、私の言っているのは、減額退職年金というこの計算の基礎を入れたから上げるということは言わないかどうかということを、それを念を押しておきたい。これは議事録に入れておかぬと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/97
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098・松浦功
○説明員(松浦功君) ただいまの御質問でございますが、分子のほうの十二カ月おくれの問題で、これは私どものほうは、制度がそういう建前でございますから、今後とも直すということはないと思います。
減額退職年金の問題につきましては、大臣がその気持を表明いたしておりますように、国共の負担率に合わせるようにといいますか、それに引っぱられるという気持もむろん計算の過程においてあったと思いますけれども、その問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、減額退職年金制度というものを選択する人が将来になって皆無であるとは私どもも考えておりません。それらの実績を十分検討の上で、入れなければならないと思っております。しかし、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、四%という引き方が必ずしも計算上から出た数字と完全にマッチをしていない、引き方が少ないという意味において、その差程度のものが影響は出てくると思いまするけれども、そんなに大きな影響が出てくるとは考えておらないわけでございます。ただいま山本委員から御指摘がございましたように、むしろ数値が動いてくる場合は、生命が延びるとか、あるいは給与の上昇率が高くなる、そういったような問題が影響してきて動く場合がほとんどではなかろうか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/98
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099・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ、将来これだけの要素、いわゆる減額退職年金の計算の基礎を入れたがために掛金をふやさないと、これは五年や十年で出てくるやつだったら別ですよ。私は国会の議事録にとっておきたいというのは、これは将来出てきたときには当然問題になる、案外多いかもわからぬ。若年停止の問題もあるから、勢いそういう問題もこれにひっかかってくる。その際に、いやこれはやむを得なかったというようなことではいけない。したがって、これは、大臣がおらぬければ——公務員課長じゃこれは責任を持てぬから、政務次官なりにそれをはっきりここで言明してもらう。それであれば、私は一応これは善意になされたものだとして了承します。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/99
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100・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 将来も、ただいま公務員課長が申しましたように、おそらく大した影響はないというふうに予想をいたしておりますが、かりに若干の影響が出ましたならば、それはその際修正を検討しなければならないと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/100
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101・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それではちょっと答弁が食い違っているのだが、やはり将来この基礎を入れて負担率を変えるという、そういうことの答弁というか、それだったら、了承しませんよ。今から変えておかないといけませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/101
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102・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 現在私どもが予想をいたしておりますところは、それほどの影響はないという見通しでおるわけでございますが、御指摘のように、十年春二十年もずっと先のことの場合には、絶対に影響がないということを現在断言いたしますのも、私ども実際上これはできないことでございますので、かりにそうした場合に、若干の影響が出て参りますれば、それによって検討をいたさなければならないと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/102
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103・山本伊三郎
○山本伊三郎君 国家公務員の場合、給付の状態は一緒ですからね。脱退残存率とか俸給指数、こういうものは違っても、おのおのそれも率でふえるのですから。国家公務員の場合、これだけの数字が違いますよ。普通の退職年金の支出原価の総額が八万五千四百四十二・七、それから減額退職の場合は九万三千六十四・四ですから、七千近くの原価支出の計数が変わってきているんですよ。これであまり動かぬと言えますか。これは二分の一にしてあるんですよ。数字がちゃんと出ているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/103
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104・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) ただいま山本先生の言われましたように、減額退職年金を選択いたしますと、多少影響は出てくるわけでございますが、ただその見込みを、半分でいいか、どの程度見るかというところのよりどころが——現在のところはございませんので、今申しましたように、実績が出た上で料率の再検討をしたいというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/104
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105・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなたも専門家ですから、あなたをあまり責めたくない。しかし、あなたらのグループというか、統計学者というか、こういう筋の人は、一応そういう場合には、二分の一で一応とっておくのが一番安全率があるというのが大体通説です。全然わからぬから、それは全然その基礎の中に入れてないというところに、私は問題があるということを言っているのですよ。あなたのほうは、全然減額退職年金の支出原価というものは計算しなかったのですか。計算して、それでそういう影響はないということを見られたのか、全然初めからしてないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/105
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106・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 減額のほうは、ただいま申しましたような見解でございましたので、特に計算はいたしてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/106
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107・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そういうところに、私は、先ほど課長が、いやそうは動かぬだとか、いやたいした影響はないのだという答弁をするのだと思うんですよ。一応、入れる入れぬは別として、そういう計算はしておくべきですよ。どれほど影響があるかということを見て、これならばまあ今のところ入れなくてもいいじゃないかという判断はすべきだ。初めから全然減額退職年金の減額率を出さずに、それでそんなものあまり影響ないじゃないかというようなことでは、私はこういう長期にわたる計数を出す場合には納得できないのですね。全然出していないのですか、初めから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/107
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108・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 減額退職年金の減額率そのものが一般の年金を選択した場合と数理計算上ほぼ等しいという前提で考慮いたしましたものですから、減額退職年金を基礎に入れるという計算はやらなかったわけでございます。なお、御指摘の点は十分検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/108
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109・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなたは専門家で、私はこのあなたの計算したやつを見て、苦心の跡はよくわかります。わかりますが、やはりこれはあなたが出すという以上は、一つの法律になるのですからね。だから、やはり慎重な態度で、減額のやつはこういう数字が出る、今回入れたらこうなる、財源率はこうなる、どうしましょうかという相談をして、それで大臣なりあるいは局長なりが、それはもうやめておけ、こういうことの措置であったのならば、私は自治省当局を責めますよ。そんなずさんなやり方はないです。一つここでこういうものが出てくると、ほかの資料も僕はそうでないかという疑いを実は持ってくるのです。これはあとで審議しますけれども、これはずさんと言われても、あなたのほうの返す言葉はないと思う。もちろんこれは、財源率で低くなるのだからそれでいいじゃないか、山本黙っておったらいいじゃないか、大蔵当局もおるんだから、こう言うかしらんけれども、私は、との退職年金については、そんな安易な考えでこの計数を出すべきじゃないと思う。やはりやるものはちゃんとやって、負担率が多くなるなら、また別に政策的にどうしようかと考えるべきであって、こういうところでテクニックを行なうべきじゃ私はないと思う。この点については、私は、将来これが変わってくれば動かすというけれども、変わらざるを得ないでしょう。八万五千から九万三千ですから、約八千ぐらい動いてくるのですよ。八千の単位が動くということは、そう小さい数字じゃないと私は見ておるのですね。この点については、私は、政務次官、そういう要素がきても負担率を変えないという言質を得られるならよろしいが、それを政務次官やれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/109
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110・大上司
○政府委員(大上司君) ただいま所管局長並びに所管課長からそれぞれ説明がありましたが、私といたしましては、いま少し勉強さしていただいてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/110
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111・山本伊三郎
○山本伊三郎君 ほかにもたくさんあるのですが、僕は慎重に審議をさしてもらいたいというのは、そういう点がたくさんまだほかにもあるので言いますけれども、まず最初に私はこの点がどうも納得できない。これは単に自治省だけじゃなくて、文部当局も同じことをやっておるのですよ。これはよそのことと思って聞いておってはだめですよ。同じ方式で出しておるのですね。これはおそらく、自治省がそういう指示をしたかどうか知らないが、こういう点は僕は、最初の日——五日の日だったかと思いますが、平準保険料方式をとるということを、そうしますと言った以上は、少くとも厳格にこういうものを守っておかなければ、将来破綻を来たします。その損失はだれにくるのですか。全部組合員がかぶるのです。池田総理に朝私がちょっと質問したら、きわめてそっけない、国のほうで負担するのは困るからこういう方法でやったんだ、こういう考え方です。それならそれだけに、初めにちゃんと計算をしておかなければ、こんなずさんな計算で、将来財源率が変わったらといって、さあ組合員にこれだけ負担せよと言って、それはどうするのです。大臣以外のあなた方を責めても仕方がないから、大臣が来るまで待ちますが、その点が第一に問題点が出てきたので、これをはっきりと、自治省と文部、警察にも関係がある。それらと打ち合わせて、はっきりした回答をもらうように委員長に特にお願いしまして、私の質問はまだたくさんありますが、政務次官に若干したいと思いますから、僕は休憩いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/111
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112・小林武治
○委員長(小林武治君) 今のことは、御相談して、適当な機会に御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/112
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113・大上司
○政府委員(大上司君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/113
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114・矢嶋三義
○矢嶋三義君 質問あるのですが、政務次臣はお見かけするところお疲れのようだから、この前資料を要求いたしましたね、自治省に。これ配付になっておりますが、これをあまり時間がかからないようにして要点を説明していただきたいと思います。減額退職年金制度と若年停止制度との比較という資料と、全勤続期間三十五年の場合の新旧制度における退職年金の額の比較表、四月十二日付と十七日付で出ておりますね。どなたでもけっこうですから、この資料の概要を説明して下さい。要点は、どういう趣旨で表を作って、こういう結果が出たかというように、概括でつかめるような説明の仕方を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/114
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115・松浦功
○説明員(松浦功君) まず減額退職年金制度と若年停止制度との比較でございますが、これは四十五才で退職したという前提を置きまして、新制度に移行した場合、新制度に移行して、減額退職年金制度をやめて、修正をして、恩給法におけるところと同様に若年停止制度を設けるとした場合、さらに新制度を採用しないで旧法のままで進んだ場合、それをそれぞれ四十五才で退職した場合について計算をしておるわけでございます。
矢嶋先生から御要求がございましたように、新制度における退職年金の額は、第一ページにございますように、施行日前の期間が十年の場合は、マルAの欄にございますように、最終退職時の俸給をそれぞれ仮定をいたしまして計算をいたしますと、十三万五千五百七十六円ということになります。施行日前の期間が十五年になりますと十三万六千四百五十六円、それから施行日前の期間が二十年の場合には十二万四千六百六十四円、こういう格好になります。その場合に、こういう計算になりますが、新制度に移行いたしますると、減額退職年金を選択いたします場合と選択いたさない場合とによって、それぞれ結論が違って参ります。
まず第一に、減額退職年金を選択しない場合にはどうなるかということが書いてございます。減額退職年金を選択しない場合は、十年、十五年、二十年、その期間については、それぞれ経過規定によりまして、過去の制度、すなわち若年停止が働きますので、四十五才から五十才まで施行日前期間十年の場合は三万三千円、五十才から五十五才までは四万四千八百円、施行日前の期間が十五年の場合は、期間が長くなりますと若年停止制度の規定がより強力に働きまして、四万八千円、六万七千二百円、さらに施行日前の期間が二十年の場合は、五万七千六百六十九円、八万七百二十九円という結果になります。いずれの場合にも、五十五才以降は、上に書いてあります退職年金を全額もらうということになるわけでございます。さらに、減額退職年金制度が新法においてはあるわけでございますので、減額退職年金を希望いたしました場合に、(A)の場合には八万一千三百四十五円、(B)の場合が八万一千八百七十三円、(C)の場合が七万四千七百九十八円、四十五才から最後までその額をもらう、こういうことになります。
さらに、第二の問題といたしまして、減額退職年金制度を一応やめて、恩給法における若年停止と同様の制度を新法に持ち込んだと仮定をした場合にどうなるかと申しますと、ここに書いてございますように、施行日前十年の場合に十三万五千五百七十六円の、四十五才から五十才までは二分の一、五十才から五十五才までは七〇%、(B)の場合、すなわち施行日前の期間が十五年の場合には、十三万六千四百五十六円の、四十五才から五十才までが二分の一、五十才から五十五才までが七〇%、(C)の場合は、十二万四千六百六十四円の、四十五才から五十才までが二分の一、五十才から五十五才までが七〇%、そうして五十五才をこえました者については、それぞれ(A)、(B)、(C)の場合について、先ほど申し上げました退年職金の全額がもらえるという格好になります。また、旧制度といたしまして、新制度に移行しない場合、これは退職年金の額は、退職当時の給料を二万七千二百円といたしますと、それの十二倍に、百五十分の五十、それに百五十分の一かける五ということでございまして、十一万九千六百八十円ということでございます。四十五才から五十才までは二分の一、それから五十才から五十五才までが七〇%、五十五才からは満額がもらえるという格好になるわけでございます。そのことを一覧表にいたしたものが、その下に書いてございまする表でございます。
それから、五十才の退職の場合についても、同じように計算をいたしまして、四ページの一倍下の表に全部書いてあるわけでございます。
さらに、いずれも計算の算出根拠といたしましては、二十三才就職、四十五才退職、俸給は二万七千二百円、五十才の場合は、二十三才就職、五十才退職、俸給は三万二百円、そういう計算例によって全部計算をしてございます。
それから、もう一つの表でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/115
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116・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ちょっと、次の表に移る前に、今の御説明いただいた一ページの二万七千二百円という数字は、どういうふうにして拾ったの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/116
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117・松浦功
○説明員(松浦功君) これは、現実の人の給料を押えたわけではございませんで、保険係数によりまする給料の上昇率というものをかけまして、一応この数字を出しました。それを例にとって計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/117
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118・加瀬完
○加瀬完君 関連して。この現実面の、実際の俸給幾らの者が、今御説明のような適用を受けていくとどうなるという数字を出しませんと、保険係数だけの数字でやってはかっちりしませんよ。また、問題の解決にもなりません。これは簡単に出せるものですから、こういう保険係数ばかりで出さないで、もっと現実面に、たとえば二十年勤めた者は——どこでもいい、地方公務員の、東京都なら東京都を押えて幾らか、教職員も、どこかの県を押えて幾ら、あるいは雇用人なら雇用人は幾ら、それがこうなるというふうに出さなくちゃ、全部を含めて基礎数字だけで操作をしては、かっちりしたものが出ないと思うのですがね。どうです、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/118
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119・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のとおりだと思います。ただいま御説明いたしました場合でも、実際の教職員の場合でございますれば、三万六千円ぐらいになっておるわけでございます。至急にその数字で作成をいたしまして御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/119
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120・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それから、一枚目の紙の「四十五才退職の場合」と書いてある下から八行目の(100分の1.5×2)の2はどうして出るの。(A)のところの二行目に100分の1.5×2の2はどことの関係。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/120
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121・松浦功
○説明員(松浦功君) 新法によりますものでございますから、施行日前の期間が二十年ございました場合には、恩給ルール計算をいたしますので、十七年で100分の50あとの三年については150分の1×3ということがカッコの中に書いてございます。勤続年数は二十三才から四十五才在職でございますから、二十二年あるわけでございます。あとの二年については新法の加算率の100分の1.5の二年分、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/121
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122・矢嶋三義
○矢嶋三義君 法案も、そういうところはなかなかきめこまかに、苦労のあとは見えますね。それで、松浦課長さん、二ページの4の所で「1、2、3の場合を一覧表に示せば次のとおりである。」、このように一覧表をこしらえてあるね。この表からどういうことが読み取れますか。あなたなりにこの表を読み取ってごらん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/122
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123・松浦功
○説明員(松浦功君) この表は、一つの傾向をつかむといたしますると、新制度に移行した場合の二十年で減額退職年金を選ばない普通のルールによっていく。すなわち、二十年の欄の不選択の欄、四十五才から五十才は五万七千円がもらえる。ところが、現在の制度を改めなければ、一番下の欄でございますが、五万九千円もらえる。そして五十才から五十五才まででは、二十年の欄で八万七百二十九円もらえるのに対して、新制度に移行しない場合は八万三千七百七十六円もらえる。ところが、五十五才になりますると、に新制度に移りますので、五十五才で十二万四千六百六十四円、逆に新制度に移行しない場合には十一万九千六百八十円、新制度に移行した場合のほうが五十五才以上になりました場合には退職年金がよけいもらえるということがこれでわかると同時に、逆に言いますならば、若年停止制度というものが経過措置で認められている限度においては、過去の勤続年数が長ければ長いほど現行制度というものとあまり差異がないということが一つには読み取れると思います。また逆に、二十年の金額というものを、十五年、十年といううふに比較をしていただきますと、選択をいたさない部分が施行前の期間が短くなればなるほど減って参りますということは、先になればなるほど若年停止制度がなくなったということの影響度合いがはっきり読み取れてくるわけでございます。
さらに申し上げますならば、新制度において減額退職年金制度をやめて若年停止制度を設ければ、非常に職員にとってよくなるということは、この表からはっきり読み取れるであろう、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/123
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124・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたの説明の中で、大部はわかったけれども、一部ちょっとわからないところがあるんですが、やめる前の勤続年数が長ければ長いほど減額年金制度の影響を受ける度合いは薄い。差が出てこない。だから、今問題になっている点は、そう影響性はない。このことを認めましょう。今度それを裏から見れば、勤続年数が短い人、その線をさらにさかのぼると、お若い人といいますか、勤続年数の短い人ほど現行制度との開きがおおむね大きくなる。こういうことが認められるのじゃないの。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/124
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125・松浦功
○説明員(松浦功君) その点は、御指摘のとおりでございまして、法律施行直後におやめになる方々については、影響は若干はございまするが、ほとんど旧制度とのつながりにおいての損得問題はあまり起きない。これははっきり言えると思います。逆に、施行後期間が長くたった後においておやめになる方ほど、現行制度というものとのギャップと申しますか、そういう感じのすき間と申しますか、損得関係と申しますか、そういうものが出てくることは事実でございます。そのかわり、もう一つ顕著な傾向といたしまして、新法施行後の期間が長くなればなるほど、五十五才以上の退職年金は増加する。これは率がよくなっているから当然のことでございます。それとからみ合わせて全体を考えた場合にどうかという問題であろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/125
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126・矢嶋三義
○矢嶋三義君 政務次官にひとつ伺いますが、なかなかこの法律はいろいろな面を僕は持っていると思うんですがね。ある面から見ると、こういうことが言えるんじゃないですか。従来の恩給法、ああいう制度の年金、そういうものをある国にしいている場合——戦後始まったこういう共済組織の年金制度をしいたほうが国の負担は少なくなって恩給亡国になるおそれを防ぎ得ると、それが一つの柱だ。すなわち、国の負担を少しでも軽くしようという柱。それから、今勤めている人、しかも長く勤続している人は既得権があり、そういう人の反撃をあんまり受けると困るから、そういう方々はあまり大きく損をしないように立法して頭をなでて、そして将来育ってくる公務員、これから公務員になろうというような人は、今内容を知らないし、また反対をするような立場でもないから、そういう人々が成長して、新制度のもとに公務員となった場合には、共済組織で組合員の負担をしてもらえば、恩給法の適用のときのように国庫の支出を非常に大きくかけることなくしてやれると、こういう遠大な考え方で、当面相手になる人はちょっと頭をなで、それからそうでないところには将来をおもんぱかって法律案を作ってやると、こんな感じがするんですね。だから、あなた方としては、今一部の人が反対しているが、そうあなた方自身は反対しないで、そんなには痛手を受けないですよということを言いたい気持でおるんじゃないか。だから、ちょっとたちがよくない、僕はそんな感じがするんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/126
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127・大上司
○政府委員(大上司君) 本法案を御審議願うまでに、われわれもいろいろ御相談にあずかりましたが、私個人といたしましての感触は、どこまでも国共、すなわち国家公務員共済年金制度に、地方公務員だけをいわゆる現行法でいくということは、いろいろな面で見ていいかどうか。その一点は、恩給それ自体よりも、いわゆる今度のこの共済組合といいますか、一つの社会の保障といいますか、こういうふうな面に移行せしめることがいいと同時に、実際面として、Aという地方公共団体とBという地方公共団体がある。そこで、それぞれの勤務場所によって、同じ性格を持った公務員が、いろいろな面から見まして非常に不均衡が出てきやせぬかというような大局的な面から見て御審議願うほうがしかるべきである、このように私は考えております。
次いで、いわゆる恩給亡国というお話がございましたが、当然計数的から見て参りまして、共済年金の掛金という点から見ますると、これは国家全体が負担すべきものでなくして、組合員のそれぞれのお方に自己負担願うという面から見まして、そういう感触を私個人として持っているのでございます。そういう建前から全体的にながめてみて、最後に、いわゆる現在お勤めのお方が勤続年数あるいはそれ等によって経過措置等があって大差はないが、新しくお入りになるという人自体を将来どうかという御意見がございましたが、もちろん、老後の保障という面から見るならば、現在勤めておられるお方も、あるいは新しく入ってこられたお方も、ここでは同じような国家の恩恵を及ぼすのが至当である。したがって、新しく公務員になろうとしたお方を除外していくという観念は毛頭持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/127
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128・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまの答弁は、いかにも政務次官らしい答弁です。
そこで、公務員課長さん、あなたは担当課長で一番よく研究されておるわけですが、今私は、この法律案に対する見方、感じを述べましたね。そう御遠慮要らないから、矢嶋の見方は当たっているなら当たっている、間違っているなら、どこの点がどう間違ってるからどういうふうにしろという、反論するという立場であなた答弁されたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/128
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129・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 私から御答弁申し上げます。
従来の恩給制度を、新年金制度、共済制度に切りかえましたことについて、いわゆる恩給亡国のそしりを免れようとする意図があったんではないか、こういうのが第一点のお尋ねであったかと思うのでございますが、恩給亡国という言葉の響きは別といたしまして、従来どおりの恩給方式でやって参りますと、だんだんと恩給の受給権者が逐増いたして参りますので、その結果地方公共団体が負担にたえ切れないことに将来なるんじゃなかろうか、あるいはまた、従来の恩給の納付金というものをいつまでもそのままで据え置くわけにいかないんで、それも相当引き上げていかなければこの制度がまかなえなくなっていくんじゃなかろうか、こういうような心配もございまして、恩給方式を積立保険方式による共済方式に切りかえたということは、これは私はその切りかえにあたっての一つの理由になっておったことは事実であると思うのでございます。
それから、第二番目の、今回の減額退職年金制度の経過措置につきましては、現在まで相当年月勤務をしておった人たちにつきましてはその既得権を保障する、将来新しく入ってくる人たちについては新制慶でいってもらうんだというような考え方で立案をいたしましたことも、これも事実でございます。特に、前段の現在在職しております方につきましての既得権と申しますか、期待権と申しますか、そういう点についてできるだけの配慮をするということにつきましては、立案の過程において意を用いた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/129
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130・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなたの答弁わかりました。
そこで、この資料でもう一つ具体的に伺いますが、公務員課長の答弁でいいんですが、まあ何才で死ぬればこの金が多いのかということを計算して命を縮めたり延ばしたりする人はないと思うのですけれども、まあ数、字の上から考えて、計算上どう出るかという立場から聞くわけですが、四十五才退職という場合に、かりに五十才程度で死ぬる場合は、現行と減額退職年金とでは、どちらがどうなるのか。これは長生きすればするほど得になることは間違いないですね。人間の命のことですから、いつどういうことがあるかわからないですが、なくなる年令によって非常な、損得と言っては適当かどうか知らぬけれども、かりにそういう言葉を使いますと、そういう影響というものは大きいかどうか、その点ちょっと私にわかるように簡単にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/130
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131・松浦功
○説明員(松浦功君) 一般的に申し上げますならば、若年停止制度、あるいは本来の退職年金制度、新法においてどちらをとるが得かという議論につきましては、一定年数を生きるということを前提にいたしまして、原則論の退職年金を計算し、それを四十五才あるいは五十才等のいわゆる若いときからもらう場合は薄めて支給することをしておるわけでございますから、一定の年令のところまで生きる見通しがないという方にとりましては、こういう表現がいいかどうかわかりませんが、そういうふうな仮定を許させていただくといたしますならば、これは減額退職年金を選ぶほうが得になるわけでございます。逆に、一定年令よりよけい生きる自信のある方は、これは減額退職年金をお選びにならないほうが数字上は得になるわけでございます。しかし、この点は、必ずしもあらかじめ予測することができるわけではないわけでございます。本来の制度をとっておきました場合には、かりに一定年令まで達しないで死亡されるというような場合であっても、これは遺族に転給されることになります。減額退職年金を選択しておきますと、遺族に転給される場合も減額退職年金の半分ということであります。しかし、減額退職年金を選択しませんと、本来の退職年金の半分ということでございまして、減額退職年金を選択した場合のほうが遺族に転給される額も少なくなるわけでございます。そういう関係になっておりますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/131
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132・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これはいいでしょう。
それでは、山本さん要求の関係大臣が出席されるまでに、この四月十七日付の全勤続期間三十五年の場合の新旧制度における退職年金の額の比較表、この資料を簡単に御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/132
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133・松浦功
○説明員(松浦功君) 御説明申し上げます前に、ただいま発言の中で、減額退職年金を選択しておりますと、その額の半分と申し上げたのでございますが、これは考え違いでございまして、その場合ももとの制度に戻った半額は保障される仕組みになっております。ですから、早くなくなった場合には、減額退職年金の半分でなくて、本来の退職年金の半分だけは保障される仕組みになっておることを訂正させていただきます。
お手元に御配付申し上げております全勤続期間三十五年の場合の新旧制度における退職年金の額の比較表でございます。この点についても、またおしかりを受けると思いますが、算出基礎といたしまして、在職三十五年は三万四千円と、低くなっておりますので、先ほど局長から御答弁申し上げましたように、この表についても、現実に給与表をたどっていったらどうなるかという給与月額に置き直しまして、もう一度計算をいたしました上で御提出を申し上げたいと思います。三十五年三万四千円という前提で計算しておりますことを、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
京都市の場合では、施行前の在職期間が八年の場合には、新法によります退職年金の額は、吏員の場合は二十九万四千五十六円、それから十五年で二十八万五千八百八十円、二十年で二十六万六千四百四十円、二十五年で二十八万六千八百九十円ということになります。それに対しまして、現行制度におきまして、そのまま現行制度が存続したと仮定しまして、三十五年でやめた場合には二十三万八千円でございまして、新法によりまするほうがそれぞれこれだけ増加になります。そのほかの退職手当の額は、現行制度——京都市で現在とっております条例によりますれば、七十一万四千円支給になりますものが、新制度になりました場合には、国家公務員退職手当法に準じろということになりますので、準じた場合の算定をいたしますと、百六十三万六千二百五十円ということに、大幅な増額になります。
それから雇用人の場合には、八年で二十四万九千二百五十六円、十五年で二十五万七千四百八十円、二十五年で二十六万一千九百七円、それぞれその第一欄に新法によります退職年金の額が出ております。それから、現行制度がそのまま存続して施行されておったということを前提にしました場合には、二十一万七千六百円でございまして、それだけ増加をしていることがわかるのであります。退職手当の額は、雇用人の場合も吏員の場合と京都市では同じでございます。七十一万四千円の現行額に対しまして、新制度で百六十三万六千二百五十円ということになります。
東京都でございますが、東京都の場合には、東京市から引き継いだ吏員につきましては、別の特殊な条例がございます。この条例の適用を受ける者は、少なくとも施行日前の在職期間が二十年になりますので、五年、十年、十五年の方は現実にございませんので、一応その欄は空欄にいたしました。二十年退職で新制度で二十七万三千二百四十円、二十五年で二十九万四千三百六十円、現行制度では三十三万六千六百円でございまして、現行制度のほうがよけいもらえる結果になっています。これにつきましては、この差額の分については、法律の附則に特別規定を設けまして、地方団体がこの差額の範囲内においての金紙を条例で支給することができるという規定を設けまして、損になります分の補てんを考えているわけでございます。
それから、退職手当につきましては、東京市から引き継いだ吏員につきましては、現行制度が百二十四万一千円、それが新制度になりますと百六十三万六千二百五十円ということになります。
それから、府から引き継いだ吏員は、これは都道府県の職員の場合と同じでございまして、五年で二十四万九千百六十円、それから十年で二十四万九千三百二十円、二十五年までそれぞれ第一表に掲げてございます。現行制度によりますると、十八万四千九百六十円でございまして、それぞれ増加をしておることがわかります。退職手当は、百二十四万一千円の現在の条例によりまする退職手当に対しまして、国家公務員どおりの退職手当条例が作られます場合には、百六十三万六千二百五十円というふうに増額をいたします。
東京都の雇用人につきましても、同じように、五年から二十五年までそれぞれの金額を出してございます。現行制度では二十万四千円でございます。退職手当は、百二十四万一千円が百六十三万六千二百五十円ということに相なります。
道府県につきましては、これは五年から二十五年までそれぞれ掲げてございますが、これは東京都の吏員の場合と計数は同じでございます。ただ退職手当は、都の条例のほうがよろしゅうございまして、現在の道府県でやっておりますルールによりますと七十八万二千円に対しまして、百六十三万六千二百五十円と、大幅に増加をすることになります。道府県の雇用人につきましては、東京都の雇用人と全く同じでございますので、この表からは省略をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/133
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134・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それで、提出していただいたこの第一表からは、どういうことが読み取れるわけですか、あなたの立場から言えば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/134
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135・松浦功
○説明員(松浦功君) 京都、あるいは東京都の府から受け継いだ吏員、雇用人、道府県等につきまして、いわゆる一般的に申しまして、退職年金の給付内容というものは、現行制度より新法のほうが上がって参りますということが、この表によってわかっていただけると思います。と同時に、退職手当を国の制度に準じて作らなければならないという趣旨の規定が実行されることによりまして、退職手当が相当大幅に上がっていくということをお読み取りいただけると思います。
なお、東京都の市から引き継いだ吏員の場合のように、ごく特殊なものにあっては、現在の制度より悪くなるものがあるわけでございます。こういうものについては、附則において特別の措置を認めることといたしまして、損失をこうむらないように努めるという考え方をとることといたしておるわけでございます。そういった関係が読み取れるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/135
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136・矢嶋三義
○矢嶋三義君 今のあなたの発言の中に、条件が一つくっつくわけだな。僕はこういうふうに香ったのじゃないかと思いますがね。掛金が現行よりおおむね二倍強ですね。まあ中には、千分のゼロなんというところだったならば、また無限大になるわけだろうけれども、要するにおおむね二倍程度になる条件があり、勤続期間が三十五年というような勤続期間を保てば、すなわち、早くやめて減額年金制度の適用など受けることなく、その三十数年という期間を勤めれば、掛金が約二倍強になっている代償として、年金も、退職手当も、この表のようによくなりますと、こういう説明になるわけですね、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/136
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137・松浦功
○説明員(松浦功君) 三十五年も勤めればということは、必ずしも前提として申し上げる必要はないかと思うのでございます。と申しますのは、比較的短く二十五年というような在職年限で御退職をなさった人々につきましても、退職手当はやはり、率の差はございましょうが、相当上がります。また、現実に退職年金の額も相当上がって参るようにそれぞれなっております。ただ、先生からの御要求が三十五年という御要求でございましたので、この表をお出ししたわけでございます。二十五年でございましょうと、相当程度に増額になるということは否定できない事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/137
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138・矢嶋三義
○矢嶋三義君 続いて、次の資料を大ざっぱに説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/138
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139・松浦功
○説明員(松浦功君) 算出基礎といたしましては、先ほど申し上げましたように、在職三十五年で月額三万四千円。新法による給料年額が退職前の三カ年の平均でございますので、三十九万八千四円円——三万四千円の十二倍より若干低いところに押えて計算いたしております。それぞれ計算の条件といたしまして、京都市の年金条例は、最短年金は吏員については十年、基本率が百五十分の五十、加算率が百分の一、雇用人は、最短年金が十七年、基本率が四カ月分、それから加算率が四日分、それぞれ東京都、道府県について書いてございますような基本のルールをもって計算をいたしております。それから、各団体の退職手当の条例に定められております制度は、その下に書いてございますような割合で計算されておりますので、ここに算出資料として掲げてございます。
その次のページ以下に、個々の分についての算定例を掲げておるわけでございます。たとえば京都市の場合には、施行前の期間が八年のときは、過去の期間については四十万八千円三万四千円の十二倍かける百五十分の五十、これが十年分でございます。これに十分の一となっておりますが、百分の一の誤りでございます。百分の一かける八でございます。——失礼いたしました。年金年限が十年でございますから、百五十分の五十を十で割りましたものに八をかけておるわけでございますから、これでよろしいわけでございます。そういう計算をいたしまして、さらに新法施行後の期間が今度は二十七年——三十五年から八年を引きました二十七年あるわけでございます。それの基礎俸給は三十九万八千四百円、基礎年額でございます。それかける百分の二、二十年までは基本率で参りますから、二十年から八年を引きました十二年分は百分の二、残りの十五年分は百分の下五、それをかけましたものを両方を加える、両者の和を求めたものが二十九万四千五十六円、こういう計算になるわけでございます。この計算を、以下において全部繰り返してあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/139
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140・矢嶋三義
○矢嶋三義君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/140
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141・加瀬完
○加瀬完君 私も資料の御説明をいただきたいのですが、文部省の長期給付所要財源率計算の基礎資料、これを御配付になりましたね。その動態調査集計表、赤い紙の次に第一表、第二表、第三表とありますね。これをちょっと説明してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/141
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142・清水成之
○説明員(清水成之君) 前々回、加瀬先生、山本先生から御要求のございました資料、おくれておりましたが、きょう提出さしていただいた次第であります。お許しをいただきたいと思います。動態調査に基づきます専門的な関係でございますが、私不勉強でございますので、保険数理担当官から説明をさせたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/142
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143・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) この表は、都道府県別の在職期間別の現在人員でございます。調査の基礎になりましたデータは、組合員の十分の一の抽出調査でございまして、この総数が七万六百九名ということになっております。区分と縦のほうにございますのは、北海道から鹿児島までの都道府県別でございます。それから横の区分になっておりますのが、一番最初は全員の合計でございます。それから〇となっておりますのが在職年数がゼロ年から一年未満、1となっておりますのが一年以上二年未満というようなふうに、以下四十九年まで在職期間につきまして調査したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/143
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144・加瀬完
○加瀬完君 十分の一というと、この残存表に合わせるとどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/144
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145・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 脱退残存表は、最初に十万名が採用された、それが年を追ってどの程度やめていき、どの程度残るかという表でございますので、ここにございます在職期間別の員数そのものと脱退残存表の残存人員とは、なかなか簡単には対応関係には参らないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/145
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146・加瀬完
○加瀬完君 しかし、脱退残存表とこの対応関係を求めなければ、残存表が正しいのか、あるいはその実際の今の動態調査が正しいのかわからない。ですから、もう少しこれを関係づけて説明してくれませんか。たとえば動態調査によりますと、五十才の年令の場合には六百九十五人、実残存者がこの表によるとあるわけですね。十分の一だというと、この計算をし直さなければならない。脱退残存表によると、千四百七十七人と出ている。どういう関係がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/146
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147・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 六ページと二十九ページの関係になるのでございますが、六ページの三十五年度脱退率計算表というのがございます。そこの三十五年十二月三十一日現在の組合員数というのがございます。これのたとえば、先ほどのは五十年でございましたか、三十年でございましたか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/147
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148・加瀬完
○加瀬完君 三十八年ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/148
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149・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) たとえば三十八で九百七十名になっているわけでございます、現在者数が。それから二十九ページ——三十八ですと三十二ページでございますが、三十八は計のところで九十七名になっているわけでございます。九十七名でございますが、十分の一抽出でございますから、一けた上げまして九百七十名ということになっているわけでございます。もとの六ページに参っていただいて、在職三十八年の九百七十名でございますが、そのうち脱退者が二百三十五名、これはまた別の脱退者の調査で出て参った数字でございます。脱退者につきましては、全数調査をしてございます。これとの割合がいろいろ数学的の操作を加えまして、最後にございます9の脱退率でございますが、〇・二四六九八、二割四分六厘九毛、二割四分程度が脱退しているというような、こういう関係になっているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/149
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150・加瀬完
○加瀬完君 この動態調査の十分の一というのは、脱退残存表の十かに対する十分の一ということですか。そうではないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/150
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151・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 現在の公立学校共済組合の組合員の十分の一ということでございます。脱退残存表にあります十万というのは仮定の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/151
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152・加瀬完
○加瀬完君 三十五年度脱退率計算表の、たとえば今の勤続年数三十八年の九百七十というのは、これは一番初めの脱退者調査の十分の一ということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/152
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153・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 在職年数三十八年の九百七十名というのは、現在と申しますが、昭和三十五年十二月三十一日現在で組合員である者の数でございます。絶対数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/153
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154・加瀬完
○加瀬完君 もう一回今のところ説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/154
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155・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 九百七十名と申しますのは、三十五年十二月三十一日現在におきます公立学校共済組合の現在人員でございます。もちろん十分の一の抽出をやっておりますから、その十倍という数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/155
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156・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、その動態調査集計表の計とはどういう関係を持つわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/156
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157・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 何ページでございましょうか、動態集計表の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/157
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158・加瀬完
○加瀬完君 第一表。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/158
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159・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 六ページの脱退率の二四六九八でございますか。これの数字が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/159
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160・加瀬完
○加瀬完君 違いますよ。その六ページと二十九ページ以後の第一表がございますね、それとはどううい関係があるのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/160
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161・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) これは先ほど御説明しましたように、ここで関係のありますのは、六ページの現在組合員数九百七十というのと、三十二ページの九十七という数字が二つ関係あるだけで、二つと申しますか、その三十八年の時点ではこの二つが関係あるということでございまして、以下の脱退率そのものは、この現在員数からは出て参らぬわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/161
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162・加瀬完
○加瀬完君 ですから、脱退率の表と、この都道府県の動態調査の集計表と、実際はある程度見合わなければならないわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/162
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163・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) 最初におきます採用人員が一定数である——たとえばこれは三十八年前の新規に採用になった新しい師範学校の卒業生でございますが、これの採用者が毎年同じであるという仮定であると、この数と残存者数というものは見合うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/163
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164・加瀬完
○加瀬完君 十万ですからね。大体四分の一、二千五百人見当とみればいいでしょう、概算は。ですから、四分の一で割り出しても実人員の残存者数というものと合わせると相当開きがありますね。これは開きがあるということは認めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/164
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165・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) かりに四分の一という数字が正しいかどうか……。四分の一というと二万五千人の採用ということになるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/165
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166・加瀬完
○加瀬完君 四十分の一です。二千五百人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/166
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167・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) そうしますと、この一ページの脱退残存表の残存人員が三十八年二万五千七百九という数字も四十分の一になるわけでございます。四分の一が八千でございますから、四十分の一は八百という程度になるわけでございます。そうすると現在は九百七十名、まあこの四十分の一の仮定が正しいかどうかわかりませんが、そういうふうにお考えいただきたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/167
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168・加瀬完
○加瀬完君 その九百七十名というのがおかしい。あなたのほうで昭和三十三年に小学校における都道府県別、年令層別退職本務教員数、同じく中学校のも出してありますね。この表で見ると、五十六才以上の女子の退職者なんというのはほとんどありませんよ。ないというのは、ずっと引き続いて勤続しているのではなくて、退職させようにも該当の年令の人がいないということですね。それからあなたのほうで先ほどお示しになったカーブでも、四十五才から五十才というところは、女の先生は非常に大きなカーブでおやめになっているのです。男もやはりただいまの三十三年の調査を見ても相当やめていますね。一例を申しますと、五十六才以上の年令で、昭和三十三年度には、全然女子では退職者がありません県が、中学校では三十三、小学校で二十八もあります。それほど高年令の人はいないわけですね、現実には。ところが、この残存表や、それから実人員調査というあなた方の出したものを見ると九百七十名もおる。どうも私はその数字がぴたっとこない。けれども、これはいずれも間違いはないということになりますか、お宅のほうは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/168
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169・進藤聖太郎
○説明員(進藤聖太郎君) この表の十四ページを見ていただきたいのでございますが、ここには三十五年度の女子の残存人員が書いてございます。御指摘の三十八年の場合には、四十人しかございません。それからこの調査には大学、それから幼稚園、高等学校、もちろんでございますが、それから雇用人クラスが入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/169
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170・加瀬完
○加瀬完君 そんな調査をするからだめなんです。一方の調査では小中学校しか出してない。雇い人まで入れて、大学まで、大学は六十くらいいますよ。それで若年停止の問題を議論しようったって、その表にはございませんよ、資料には。小中学校だけ出してもらいたい義務制の学校だけ。問題は義務制の学校なんです、若年停止でやめさせられておりますのは。雇用人まで入れてあるということでわかりました。組合員の調査ですからそうかもしれませんけれども、実際の問題点の解明にはこの資料では不足です。課長、小中学校に限ってお出しいただけますか。昭和三十三年の古いのでもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/170
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171・清水成之
○説明員(清水成之君) ただいまの資料は提出いたしますが、現在持っております昭和三十四年の指定統計によりますと、ちょっと年令別に申し上げます。小学校で四十才以上が二万五千六百五十六人、それから中学校で六千八百九十七名、これは女子教員のみでございます。このうち六十才以上が小学校で四十名、中学校で十四名、こういうような数字が載っておりますので、あらためて提出さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/171
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172・加瀬完
○加瀬完君 自治省で昭和三十一年度の定年制の論議のときに出した資料、その中には教職員も含まれている。そのときの表と今度お出しになった表とはまるきり違うのですよ。残存率なんかだって問題にならない。ですから、そのとき出された表は、文部省からおそらく提出されたものでしょうから、三十一年のあなた方のお出しになった表と今度お出しになった表とを比べ合わせて、その間のいろいろのギャップが御説明できるように、もう一回前に出した表を研究し直して下さい。そのときに質問します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/172
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173・清水成之
○説明員(清水成之君) ただいまの御要求でございますが、きょう実は別冊の公立学校教職員の年令別、勤務年数別構成で、三十年に自治省でお出しになりました資料、それに基づきますカーブ、それから三十五年度の動態資料を一応出しておりますので、もし次回、そういうことがございますればお出しいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/173
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174・山本伊三郎
○山本伊三郎君 自治大臣はちょっと感違いして来られぬらしいのですが、文部大臣もやがて来るということですが、それまでちょっと自治省にひとつ聞いておきたい。
これは十日の日の本委員会で私が予定利率が五分五厘から六分に動いたときには、その財源率が一・〇八、これだけ動く、こう言ったら、そうではないのだ、私のほうの計算では〇・八五しか動かない、こういう答弁があったと思うのですが、その通りですか。これは公務員課長が答弁されたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/174
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175・松浦功
○説明員(松浦功君) 予定利率を五分五厘から六分に置き直した場合に、財源率にどういう影響が出てくるかということにつきましては、〇・八九下がるということをこの前申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/175
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176・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは計算されたと思うのですが、この予定利率が動いた場合には、これは支給現価には影響なしにそのままずっと減ってくると思うのです。したがって、国家公務員の場合に、実はいろいろと計算をしまして出したやつがようやく見つかったのですが、これは、これをいろいろ調べましたが、どうもふに落ちぬのですが、それではその計算の基礎、計算基礎表の第一のランクにVtプラス二分の一のこのランクの計数がどう動いておるか、これをひとつ知らして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/176
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177・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 予定税率を六分にした場合の計算は、ごく概算でございまして、この前も申し上げたと思いますけれども、こまかい計算をやってはございませんので、少し時間をおかし願えれば計算いたしますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/177
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178・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはけしからぬじゃないですか。この前は矢嶋委員の質問の際に、先ほど山本委員が一・〇八%と言われたけれども、私のほうでは〇・八五しか計算に合わぬと雷っている。何の根拠でそんなことを言ったのですか。僕は朝三時まで二回やったですよ。家族までたたき起こして計算さしたのです。これは計算はなかなかできないのです。何の根拠でそう言ったのでしょうか、〇・八五だと。ずいぶん苦労してやったけれども合わない。どういう計算の基礎でやったかと聞いたら、概算だと、そんな概算ってすぐ方程式を書いて下さい。どんなものができるのですか。ずいぶんこれはかかりますよ、時間は。これは技術屋の人はわかる。公務員課長、答弁したのは何の根拠で答弁したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/178
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179・松浦功
○説明員(松浦功君) 予定利率五分五厘を六分に置き直した場合の計算を、どの程度の結論が出てぐるかということで堀込担当官に計算をさせました。ちょっと私の説明がうっかりしておりまして、申しわけなかったのでございますが、掛金が四五と五五の割合にいたしますと、掛金率が〇・〇四〇、すなわち千分の四〇、負担金率が千分の四九、それを両方合わせて千分の八十九と申し上げておったわけでございます。したがって、ひとつ私、算式をど忘れしておりますので、現在が九十九という予定でおりますので、千分の十減るというふうに訂正させていただきたいと思います。これは全くの勘違いで、申しわけないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/179
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180・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなたは勘違いかもしれないが、こちらは大きい迷惑ですよ。こういうものを、僕は予定利率が五厘多ければどうなるかということを、これは若年停止期限を見るためにずいぶん苦労していろいろ計算したのです。なかなかできないので、二年半ほど前やったことがあるというのでずいぶん探していろいろ計算をした。これは堀込さんはよく御存じだと思うのです。これは一日十二時間ぶっ通してもできませんよ、この計算は。全部変わってくるのですね。それを簡単に〇・八五、今度はそれを一〇と訂正される。一〇じゃないでしょう、それも概算ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/180
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181・松浦功
○説明員(松浦功君) 概算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/181
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182・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうでしょう。だから、それならそれで、こちらは一つの資料を持って質問しておるのだから、こんなものが概算で出る方程式があるならひとつ出して下さい。そんな便利なものがあるなら、そういうものでやりますよ。あなたの言われるのは根拠があるのだろうと思って、私は委員会で質問する場合には、そう根拠のないものを言ったらいかぬと思って、私はどうも一割以上あったと思うのに、〇・八五だと言うので、自分の思い違いだろうと思ってずいぶん調べたのですよ。それでもどうしても僕のほうが正しいと思っているのです。それで参考までに、あなたはどういう数字かといって聞いたら、そういうものをやってない、概算だと……。そんなものは概算で出ませんよ。堀込さん、これは概算で出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/182
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183・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 概算と申しましたのは、実は新法の基礎で計算したものがございませんために、恩給組合でかつて利率を変動した場合の計算をいろいろやってみた資料はございます。その割合で要するに概算をされたわけでございますから、先生の言われますように、実際の計算には相当時間がかかりますので、ちょっと間に合いかねましたので、その例等を使いまして計算したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/183
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184・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これから答弁をされる場合にも、こちらはきわめて真剣なんですからね、概算でこう思うならこう思う、こういう答弁をして下さいね。あなたのほうはスタッフがたくさんおられるのですから、こちらは一人でやるのだから太刀打ちできませんよ。それをわれわれは目を充血さして夜通しへたなそろばんをはじいて、家族まで動員してやっても、どうしても合わないから、やはり自分の計算が間違いだろうと思ってきょう質問した。そんな恩給のときのものでは合いませんよ、内容が違うから。それは将来戒めておきますよ。
そこで、ひとつもう一ぺん聞きますが、これは専門家の堀込さんに聞きますがね、この俸給指数ですね、これが現実よりもだいぶ上昇カーブが違っておるのですね。この場合に、大体何といいますか、算術計算的に八%、六%とずっとふえていっておりますね。これはどういうところでとらえたのですか。公務員の昇給とかベース・アップとか、そういうものを見てとらえたのですか。この俸給指数のいわゆるbtですね、これはどういう方法で出されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/184
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185・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 俸給指数は、実態調査によりまして在職年数別の平均等級を出しまして、それをその後給与改定がございましたので、各在職年数別の給与改定の率で一応換算をいたしまして、そうして三十五年の四月現在でございましたが、その在職年数別の平均給与を出しまして、それを初年度の加入当時の給料で割って一応実績の給与指数を出しました。それを、これは折線、折れ曲がった線になっております。補正をカーブ、要するに曲線でなしに折れ曲った線として出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/185
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186・山本伊三郎
○山本伊三郎君 現実に見ると零年を一〇〇として二十年で二六〇、実際から見るとだいぶ低いように思うのですがね。実際の、かりに初任給一万円で二十二才で入って二十年たって二万六千円というのはちょっと低いように思うのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/186
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187・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) これは、たとえば初任給一万円で入った者が二十年たって幾らということになるわけでございますけれども、実際に出ております在職年数別の統計は、ある時点における在職年数別の統計でございますから、現在二十年たった者の平均俸給というのは、二十年前に新採用になった者がきているわけであります。したがいまして、こまかく言いますと、現在統計での在職年数の零年のところと二十年のところの比較が、現実には昇給指数とは若干違うのじゃないか。また在職年数の二十年のところ、今例が出ましたけれども、二十年のところは、その前にやめた者が、平均に比較しまして高い者がやめておるか低い者がやめておるかによりまして、実際の昇給率とは違った結果が出るはずでございます。そういった問題がございますので、在職年数別の統計とは若干食い違っておりますが、予定としましては、完全なよるべき指数を表わす実績は、現状では資料がむずかしいわけでございます。一応現在の統計を基礎にして見積もったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/187
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188・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは大体国家公務員の場合、国鉄等三公社の場合も同じ方法で補正されてやっているのですが、国家公務員の場合は若干違うのです。これはいいとして、やはり保険数理そのもの自体がどこにもある程度の安全率を見なくちゃいかぬようにできているのです、総体全部を見まして。それで実際からいくと、二十二才の者が一万円で十万人入る。それからずっと移行するやつの統計を主としたのでしょう、実際問題からいうと。そいつはまあいいのです。その場合に、この上昇カーブが上がるという差が大きくなれば、あの計算式からいくと上のほうはbt三年平均ですね、下のほうはbtバーですね、その場合には、分母のほうが大きくなりますね。btのほうが指数は大きいですね、比較してみると。三年平均とそれからバーbt、大体その近所、二年平均と見ると、btバーのほうが大でしょう。ずっとあなたのほうを計算してみるとそうなると思う。で、専門家としてどうですか、これ見て、表にありますね。比較されるとわかりますね、どうですか。二欄とそれから四欄を比較したらすぐわかりますね。二十年のところをとるとbtバーは二六三ですね、それから(3)btと言っておきましょうか、三年平均は二五二ですね。だから、三年平均のほうが全部低いわけですね。それを総計すると、総額も低くなるということになりますね。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/188
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189・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 右の点が二十年のところで二・六でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/189
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190・山本伊三郎
○山本伊三郎君 二・六。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/190
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191・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) それからbtの三年平均のほうは二・五二になっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/191
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192・山本伊三郎
○山本伊三郎君 低いでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/192
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193・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 過去三年平均ですから、最終俸給では低い、上がりカーブのときは低いわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/193
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194・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それだけ聞いたらいい。だから、各欄の数がbtバーよりも(3)btのほうが低いとなると、このシグマ全部トータルしたやつは低くなるということは、これは算術計算できますね、それでいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/194
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195・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/195
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196・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その場合に、あなたの考え方を聞きたいのですが、あの方程式から見ると、分子のほうは全部(3)btですね、下のほうはバーですから、下のほうの数字のほうが大きいということになりますね、そうならぬですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/196
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197・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) bだけの比較ですと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/197
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198・山本伊三郎
○山本伊三郎君 bだけでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/198
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199・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 上がりカーブですと、必ずbtのほうが三年平均よりは高いわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/199
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200・山本伊三郎
○山本伊三郎君 高いですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/200
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201・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) ただ、あすこにかかるbtのほうが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/201
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202・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/202
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203・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) その影響があります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/203
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204・山本伊三郎
○山本伊三郎君 だから、そのほかのものが同じ条件であれば、かけるやつが同じ条件であれば、あのbtと(3)bが動けば下のほうの分母が多くなるということは、これは小学校三年のかけ算でわかりますね、そういうことですね。そうすると、この俸給指数が、上昇率が、カーブがこれより以上に上がってくれば、それにしたがって分母のほうが大きくなるということも言えますね、差額が大きくなるのだから、計算式。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/204
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205・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) くどいようですけれども、bにかかるのlほうでございます。そのほうの影響を無視すれば、bだけの比較ですと、おっしゃるとおりに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/205
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206・山本伊三郎
○山本伊三郎君 僕は、ltは別ですよ、別にして、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/206
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207・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/207
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208・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、ltは一応固定してあるものと私は見ている。ltは、残存数は。この表でいって、この俸給指数だけがこれよりも上昇率が高くなれば、結局あの財源率は、言い換えれば、分母が大きくなるのだから、あの財源率は、分子のほうがちっちゃくなるのだから財源率は小になるということが言えますけれども、ほかの条件が一緒であればその点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/208
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209・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 今、先生の言われますのは、bのカーブを高くすれば、下のほうの影響が大きいから結果的には少なくなる、こういう御質問でございますね。これはbのカーブが高ければ、それに応じまして分子のほうの三年平均も高くなります。ですから、そのかかる相手方の分布によって結果は違ってくると思います。二、三の例を出して計算してみればはっきりすると思いますが、ただ、かかるほうの因子がございますので、昇給カーブが多ければ、そのまま結果的に比例的に低くなるとか、高くなるとかいうことにはちょっとならないんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/209
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210・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなたは試算しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/210
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211・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 給与指数を変えた場合の計算はいたしてございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/211
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212・山本伊三郎
○山本伊三郎君 分母と分子との間でほかの恥なりct、そういうところにはbtのいわゆる俸給指数の因子の要因の入っているという、因子の入っているところはほかにはないのですよ。あなたが言われるのは、ほかのほうの数が変わればということだと思うのですよ。僕の言っているやつは、ほかの条件が全部一緒であれば、あれは全部かけ算ですから、だから、そういうことになるのじゃないですか。ほかの要素が全部一緒であって、下のほうが大きくなれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/212
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213・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) bのバーと、ほかの因子を除きまして、これとこれの問題でございますけれども、これをもっとそれよりも高いものにした場合には、これも、やはりこれの高くなった影響に応じて、このほうも高くなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/213
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214・山本伊三郎
○山本伊三郎君 いや、それはわかる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/214
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215・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) この分子と分子の比較がこうなるわけです。その結果がどうなるかは、これにかかる、それぞれかかるウエートの分布によって違った結果になりはしないかという気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/215
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216・山本伊三郎
○山本伊三郎君 あなた一ぺんやってみなさい。たとえば、俸給指数を、簡単にいって十五、二十、二十五、三十と、こう動くように置いて、下のほうが十、二十、三十、四十という工合に俸給指数がふえていくように動いた場合に、過去三年とバーと差引すると、結局、下のほうの動く数のほうが、比率は一緒ですよ、だが、額は大きくなるでしょう。一ぺんこれはあなた研究して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/216
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217・堀込惣次郎
○説明員(堀込惣次郎君) 検討してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/217
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218・小林武治
○委員長(小林武治君) 文部大臣が来ました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/218
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219・山本伊三郎
○山本伊三郎君 文部大臣、どうもこまかいことを言っておりましたが、あなたに質問というものはあまりないのですが、よく御存じであれば、したいのですが、どうもそうでないし、無理なことを言ってもいかぬと思うのですが、実は聞いておきたいのですが、この制度に変えるについては、いろいろ実は問題があるのですが、それで、現在文部省が出されておるデータを見ましても、新たにきょう出してもらったやつを見ると、相当掛金の率、負担の率も変わるような要素が出てきておると思うのです。したがって、こういう統計によって、いろいろと数字の動くものですから、われわれとしては、やはりもう一回ひとつ十分自治省なり文部省でその内容を検討してもらいたいというきわめて強い希望があるのです、私のほうに。いろいろ質問しておりますが、答弁のできるところはありますが、なかなか答弁のできないという点もあるのでしょう。これは保険数理ですから非常にむずかしい問題があると思うのです。したがって、そうあわててこのまま押し通してあとからたいへんなことになったということでは困るということを、朝からずっとここで討論しておったのです。少々データが狂っておっても、これはもうどうしても通してしまうのだ、こういう国務大臣としての考え方でしょうか。これは自治大臣が来ないから、あなたから国務大臣として聞くのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/219
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220・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お尋ねの点は、具体的にはちょっとわかりませんが、まあ大体、いわば日本としては有史以来初めての制度に移行するわけだと思いますが、したがって、かりに私の常識をもってしましても、運用の予定利率にしたって、これは一般経済界の情勢の変動によって変わり得る要素だと思うのであります。適切な要素の一つであると想像します。したがって、一たんきまった以上は、もう絶対にぎりぎり結差動かさないのだという性費のものではない、本来の要素があると思います。したがって、そのほかに例示する能力はございませんけれども、おそらくいろいろなことがあり得ると思います。しかし、まず今私ども念頭にありますことは、せっかく御審議願っておるわけですから、通していただいて、実施段階に入りたい、その気持で一ぱいでございます。さりとて、一たん通った以上は、こっちのものだからもう絶対変えない、こういう考え方でいくべき性質のものではない。良心的に、合理的に、これまた高等数学まで出てきますからよけいわかりにくくなりますが、合理的な検討を加えまして、必要があるならば、改善するのにやぶさかであってはいくまい、そういう問題かと心得ておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/220
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221・山本伊三郎
○山本伊三郎君 問題は国家公務員共済組合のときもあったのですが、法律上から見ると、掛け金とか負担金というのは、法律制定事項ではない、これは適時そういう事情に応じて変えたらいいということですが、しかし、一度きまってしまえば、そう簡単に動かせるものではないのです。それで、いまひとつ問題点は、これは出てきたというよりは、私は想像しておったのですが、なるほどあなたのほうの文部省の係の人は、非常に苦労をして徹夜までしてこの資料を作ってもらったのですが、三十三年から三十五年というきわめて近い間の統計数字が出てきたのです。一般の府県の職員も、市町村もおそらくそうだと思うのですが、非常に脱退残存表なんか変わる気配がある。あなたの出された資料を私ちょっとまだ計算しておりませんが、非常に財源率は動いてくると思う。そうして掛金率は、組合員は百分の四・四に押えておる。地方公共団体はそれ以外持たなければならないので、現在でも公立学校共済組合については、地方公共団体では百分の五・六を持つことになっておる。それが七になるやら八になるやら、あまり高くなると、今度は組合員の場合、百分の四・四を上げなければならない結果になるかもしれない。と申しますのは、法律では、その負担割合は、本人が百分の四十五、それから地方公共団体が百分の五十五ですから、その比率で割れば、法律の建前からいえば、組合員もそれを負担しなければならない、こういう結果が出てくるのは、法律上から見たらそうなってくると思うのですね。そういう本質的な変更が来るかわからないという実態があるのだからして、そう軽率に、あとから変えてもいいということは言えないと思う。この法律が通ってしまえば、国家公務員の共済組合のように、国会は何ら関係がなくなってしまう。地方で随時これをいじられて、それは今は民主主義の時代ですから、文部省、自治省自体は変えられないと思いますが、法律上は省令で変えられる。そういうことになると、非常にあとわれわれが心配になるので、もう少しはっきりしたデータで、計算の上でこれを立法化してもいいじゃないかというのが、私は皆さん方の立場を考慮して発言しておるのです。そういう本質的な財源率に影響のある問題があるから、私はそう言っておるのですが、それはなお今後考えるのだからということで、この国会で是が非でも通そうという腹であるかどうか、これを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/221
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222・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今の御質問に的確にお答えできませんけれども、今までたしか二回提案しようとしてできなかったことを思い起こします。今度もし衆参両院を通過できないとしますと、提案する段階までに相当の現実のむずかしさがあることを、私はおそれ過ぎるのかしれませんけれども、そのことが念頭にありますもので、さっきのように申し上げました。今のお話の点について、どういうふうにお答えしていいか、的確には申し上げかねますけれども、かりに省令で変動し得ることがございましても、理論的なことをおっしゃっているので、現実の問題は別個だとお考えかしりませんが、省令にいたしましても、常に国会の監査を受ける対象でもあるわけですから、そうそう変なことができようとも思いません。やるべきでもむろんないと思います。したがって、文部省のみならず政府各省とも相談はあろうと思いますが、良心的な運営をし、省令で変更し得るものは合理的な変更をするということを考えておりますれば支障のないことじゃなかろうかとも思うわけでございます。御質問にぴたりとしたお答えがちょっとできかねますけれども、以上お答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/222
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223・山本伊三郎
○山本伊三郎君 おそらく閣議でこの法律案が審議されたときには、そういうところまで、なかなか大臣諸公は、そんなこまかいことではないのですけれども、専門的なことはやられていないことは私は承知しておるのですが、私は、最初からこれが出るときにいろいろ心配しておった点が出てきておるのです。それで、最初自治省から出されたこの財源率の一覧表を見ましても、これだけでも私はもうこれ、データを出した人はどういう考えであるかということを疑っておるのです。たとえば、これは文部省管轄でないですから、地方職員共済の財源率は〇・九九四七、それを、負担割合を百分の四十五と百分の五十五に割って、百分の四・四は本人、地方公共団体百分の五・五と、こうしているのですが、この点についても若干問題があると思うのです。端数はどこで持つのかということを、これはおそらく公務上の問題があるから地方公共団体が持つのだと、こういう考え方でおるかわかりませんが、厳格な数字を見ると、そうなっておらない。それで地方公共団体ではとにかく財源率の百分の五十五が最高だと思っておるけれども、率から見ると、それ以上ずいぶん伸びておるところがある。そういう点も、私は地方公共団体の首長がそういうことを理解しておるのかどうか。これを、財源は自治省で見ると言っておるけれども、これはやはり地方自治体のあらゆる事業に私はしわ寄せしてくると思うのです。国よりも高いのですよ。国の場合は百分の五・四二五ですよ。そうすると、率からいくと、同じ共済組合の割合でいっても、国のほうが少なく持っておる。この場合は地方公共団体は多く持たなくちゃいかぬ。その上、あまつさえ今言ったように財源率の変わるようなデータが出てくれば、ますますそれが地方公共団体のほうに負担が重くなるのじゃないか。そういう配慮を政府はしておるのかどうか。〇・一の交付税十五億だと言われますが、十五億は一体どうまかなえるのか、そういう点も考えると、私は、この際もう一ぺん、いろいろ問題もあるから、考え直して出直すか、あるいはそうでなければ、本院である程度の修正を認めてやってもらえるか、こういうこと以外にないと思うのです。その点、どうですか。これは数字の問題ですから、妥協がないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/223
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224・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ具体的にはお答えする能力がございません。ただ、さっき申し上げたことを繰り返すほかにございませんが、できれば、ひとつこのまま通していただいて、その上で、具体的な実績に基づいてなお必要なら改正をするということを謙虚にやっていくことがベターじゃないかと私は思うのでございますが、この段階におきましては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/224
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225・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは政府の態度としては、まあそういう答弁以外に、私はできないと思うのです。それは同情いたします。一度出した法律案を、野党から数字をあげて突っ込まれて、それを、じゃ直しますというようなことは、今までの慣例からいっても、できないと思いますが、ほかの法律案と違って、これは組合員に負担のかかることですし、しかも、将来これは一世紀続くか、五十年続くかは一応別として、これからいくと永劫、永久にこれをやっていくという法律なんですよ。恩給は明治十八年からできて、すでに一世紀になんなんとするやつをここで変えるわけですから、これは単に給与の、法律を改定するとか、毎年々々出てくる問題であれば、私はそういうことを言いません。しかし、ほとんど半永久的な制度をここで改変しようとするのですから、もう少し政府としても慎重な態度で私は臨んでもらったほうがいいんじゃないかと思うのです。法律の条文を見ると、なるほど条文は整えてありますけれども、それの基礎となるところについて、私はやはり数字的に弱さがここにあると思うのです。大臣は、まあ私はわからぬと言われますから、私は、そんなこまかい数字を上げて言いませんが、ここでああいう計算式を書かれて、朝からここでがんばっておるのですが、やはりそこにいろいろの問題点があるのです。だから、野党といえども、われわれといえども、何もこの法律は全面的にだめだと言っておらないのです。われわれが主張する点を加味されれば、これは各公務員あるいは学校の先生方が喜ぶことであれば、われわれも率先して賛成してやりたいですよ。ところが、いろいろ問題があるから、私は大臣にまで来てもらって、こうしてるる申し上げておるのです。したがって、あわてる必要はない。この国会でならなくても次の国会でやることもできるし、しかも、今これが成立しなかったからといって、地方公務員は現在の制度があるのですから、しかも、新法はできてもその新法の影響というものは一年、二年、三年と経過措置があるから、一年、二年くらいおくれたって、そうたいした影響はない。そういう性格の法律ですから、問題点のあるやつを無理に押し切るということはしないでも、私はいいじゃないかと思う。なお自治省としては、これは二年間ペンディングになっておったから、自治省の面目にかけても、ということは、自治省の気持もわかると思う。しかし、そういう気持も現実にこれの影響を受ける百八十万の地方公務員の利害から見ると、そう軽率に一年、半年——あわてる必要はないと私は思うのですが、この点、これは人情論ですから、計数の問題ではないですから、大臣、どう思われるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/225
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226・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は、この前の委員会でもお答え申し上げましたが、詳しいことはわからぬなりに、地方制度調査会で一般抽象的な制度論としては、賛成をいたしました。それで意地になっているわけじゃむろんございませんけれども、少なくともいいことであることには間違いない。組合員にとっては。地方公務員にとりましては、今までの制度よりも実質的にはよくなる、少なくともずっとよくなる可能性を持っている。御指摘のように、むずかしい数字的な点について、ある程度の今後に検討を要する問題がありましょうとも、スタートをすることがいいことじゃなかろうか、あと一切手直しができないものでもないわけでございますし、また、御指摘のとおり、一世紀になんなんとする恩給制度を切りかえるという、いいことなるがゆえに切りかえようとしている、このスタートを切ることがこの際なすべきことであって、スタートをした後に、これこそ前向きに、よりょく改善していくことが、現実問題として私はとるべき態度じゃないかと、こう思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/226
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227・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあ文部大臣は、わしはしろうとだと言われますが、これはこういう考えを起こしたというのは、何も組合員がこうしてくれという陳情からなったものではないのです。恩給制度は、今後あれを引き継いでいくと、いわゆる昔は文官恩給——今は軍人恩給が残っておりますが、年々恩給費が累増していく。これでは新しい憲法下における公務員としては、やはり国民の手前、そういうことでもいかぬじゃないかという思想から、国費の節減ということも考えられて着想されたのがこれなんです。人事院は、御存じだと思いますが、急にそういうことをやると、月の掛金が倍以上にふえるということは相当問題であるから、やはり国家公務員法や地方公務員法の精神に従って、まあやるにしたところで、掛金は漸増的にやっていったらいいじゃないかということで負担を、人事院の勧告は二・五%にした、そういう勧告をしたやつを、政府は押し切ってこれを出してきたのですね。なるほど長年勤続者に対してはこれは有利になるような、最高限度を上げております。現在の恩給制度では、四十年たって百分の四十九ぐらいまでいくかどうかわからないくらいですが、この制度でいくと、四十年で百分の七十までいくことになります。長年勤続者には有利にしているけれども、それと同時に、掛金が倍以上上がるのですから、そういうところから保険数理で出しているのですから、もう国のほうは地方交付税云々と言われますけれども、一銭も出さぬ。地方公務員の場合は、自分で地方公共団体の負担金と本人の掛金でやっていくということですね、何もみんなが喜んで歓迎してやったのではなくして、やはり国のほうの施策によって必要だということでやられたのですから、その点の認識もしていただきたいということ、常識的に考えてもらったらいいと思うのです。そんなにあなたの言われるように、何もかもいいと言われるなら、私らは野党といえども反対できませんよ。反対したら、これは野党という立場はなくなってしまう。反対するというのは、反対するそこに根拠があるから反対する。不利益があるから反対する。その点もひとつ着眼してもらいたいということ。だから、いいことばかりでなくてもいいのだ、掛金が二・二倍、百分の四・四になるけれども、こういうところをひとつ考えてやろうじゃないかという親心があればまた別だという話もわれわれは考えている。それをいかにも、原案で、もうこのままじゃなかったらどうしてもいかぬという、こういう行き方は、私はちょっと考えられない。まあ、しつこいですからこれで置きますが、その点、政府、大臣として、閣僚として、もう一ぺんひとつ御返事をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/227
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228・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 相変わらず的確なお答えができかねるのを恐縮に存じますが、先刻も申し上げましたとおり、恩給というのは、読んで字のごとき意味合いにおいてスタートした。それが憲法まで変わって、今の考え方に立ってこの年金制度を考えれば、恩給制度よりも、今度御審議願っているような意味合いの年金制度のほうが適切であろう、抽象的にいえばその点に魅力を感じます。同時に、恩給じゃございませんから、みずからも今までよりはちょっとよけいに負担してでも老後の安定を期するという効果があるならば、それをあわせて考えました場合、ある程度の負担の増加、あるいは御指摘のような待ったなしの、数学的なことは、ちょっとこれは申し上げかねますけれども、ある程度の欠陥がありといたしましても、スタートすることを急ぐべきではなかろうか。お話のように、現在曲がりなりにも制度があるから、ここ一、二年を争うことはないという考えに立ってのんびりしておったら、三べんやりそこないますればあとはなかなか容易でない。現実問題として私はそれを気持の上でおそれます。まあそういう人情話みたいなことでおそれ入りますけれども、そういう気持がするものですから、先ほど来同じようなことを申し上げておる次第でございます。繰り返し申し上げますが、今後に向かって改善すべきものは、客観的にだれが見ても改善すべき点があるにかかわらずほうっておくべき性質のものではない、そういう良心的な態度で、政府はこの問題の将来に対して対処すべきものと心得ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/228
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229・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部大臣、この前の締めくくりを二問だけいたします。
あなたがこの委員会に出席を要請されるのは、委員会におけるあなたの位置づけは、この法案の所管大臣ではないけれども、あなたが主務大臣となる公立学校共済組合員が総組合員の約四割であるということと、それからこの法案の争点の一つとしてクローズ・アップしているのが、減額年金制度の、しかも、それがあなたが主務大臣となる公立学校共済組合に最も影響性が大きいという立場で、先般も本委員会に出席願ったわけです。そうして、締めくくりとは、あの委員会のときに、私は、あなたもこの法案に閣議で署名をして賛成して国会に提出をした法律案であるけれども、あなたは閣議の段階では気がつかなかったということをここで答弁されましたけれども、実際検討すると、減額年金制度は公立学校共済組合に非常に影響が大きいから、懇談会のときでも、自治大臣なり大蔵大臣と話し合ってひとつ善処してみていただきたいという要望を含めて、あの質問を申し上げたわけですが、その後、自治大臣なる大蔵大臣との懇談でも、減額年金制度は何とかならぬかという立場からお話し合いをしていただけたでしょうかどうか。もししたとするならば、皆さんの御意向はどういうふうであったか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/229
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230・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実は、ことさらその後自治大臣ないし大蔵大臣と懇談しておりません。おりませんことは、どうでもいいと思ったわけではございません。懇談するにいたしましても、次の改正をすべき、改善をすべきチャンスに間に合う時期に懇談すべき課題であろう、そう考えていくことで、矢嶋さんも御納得いただけるだろう、勝手ながらそう思いまして、まだ話しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/230
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231・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それは大臣、少し勝手過ぎますよね。それは、だから私は、この前、あなたは公立学校共済組合の主務大臣として、閣議でもう少し強力なる発言をすべきではなかったか、また、あなたを補佐する事務当局としては、適切な資料に基づいて大臣に対して助言すべきでなかったかということを主張しながら伺ったわけです。だから、この際できぬにしても、将来の問題として、そういう声が出ればやはりあなたはもう少し熱意を持たれて、そして当面できるかできないかはともかくとして、御努力いただきたかったと思うのです。矢嶋はこれで了承するであろうという、「勝手に」という言葉を使われましたけれども、御推察で、お話しされていなかった点を私は遺憾に思うのです。
もう一点締めくくりをつけたいことは、この前の質問のときに、衆議院の速記録の、本会議速記録第二十七号、五百五十八ページ、野口委員の質疑に対して、この減額年金制度に関して、あなたの「特別に女子に限って退職勧告をするなどという考えはございません。りっぱな先生は五十五才まで十分勤められるはずでございます。」という答弁が速記録に残されているわけです。これはこの前説明いたしました。そのときにもあなたは、あまり取り消されるような答弁がなかったわけですが、その後本委員会においては、参考人の意見聴取をやったわけです。そうしましたところ、奥山という参考人が御出席されて、公述をされ、私の質疑に対して、大臣のこの答弁を全面的に否定し、大臣は実情を知られないという公述をされて、お帰りになられたのですが、本日文部省からここに資料を出されたこれに基づきますと、男女の異動者在職期間別人員というところを見ますと、はっきり五、六才の差があります。文部省のデータにはっきり出ている、四十七ページに。こういうこととあわせて、この前もちょっと伺ったのですけれども、この衆議院の速記録ですね、これはやはり穏当でなかった。舌が過ぎたか、舌が足りなかったか、それはともかくとして、若干釈明されて、減額年金制度の問題は公立学校共済組合の組合員に非常に関係が深いだけに、今一段とあなたは主務大臣として関心を持って努力されることが適当ではないか、こういう私は主張で要望申し上げて、御答弁をいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/231
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232・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今後検討しようとは思います。結論から先に申し上げれば、本会議で申し上げたことは、実は取り消すのもどうやら穏当でないし、取り消さないのも穏当でないし、困ったことだと思っておるわけであります。と申しますのは、純粋に形式論だけから申せば、申し上げるまでもないことでございますけれども、性別によって差別されるような制度があるべからずと、私はそのとおりに概念的にお答え申し上げたつもりでおります。ところが実際は、今御指摘のようなことがあっておる。それが、それでは憲法違反で、もってのほかだと言うべきかという決心はつきません。そこで、進退両難のお答えをしたような気持でございます。
その具体問題、実際問題とあわせまして検討はしてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/232
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233・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後に、大臣、私は今あなたの責任追及を云々しないし、あなたのお顔色を見ていると、今あなたの心の中が動いていることはわかります。わかるから、これ以上申し上げませんけれども、ただ、徹頭徹尾申し上げたいことは、減額年金制度というのは、あなたが主務大臣になる公立学校共済組合が一番関係が深いのですから、これはお認めになられたでしょう。そうして実際にこういうデータがあるのですから、非常に不利な人が生じないように、でき得べくんばこの法律案の作成過程において、閣内で善処できればよかったわけですが、まあ大臣としては、今の時点では、もう閣議が終わって国会に出しているから、こういう席では何とも言えないという心境だと思うのですけれども、ともかく今まで、関心を持つことが、事務当局においてもあなた方においても、不十分な点があった。今後十分関心を持って、立法府でわれわれが修正するかしないか、それはあなたの関知するところではないけれども、主務大臣として、非常な関心を持たなければならぬ問題だということだけは、はっきり御認識いただけたと思いますが、その点ひとつ明快にお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/233
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234・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 関心を持って検討をすべき課題であると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/234
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235・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今の大臣の答弁に関連して。この問題は今の法案の問題とは直接関係がありませんが、あなたは男女が勤務上差があってはならないものとお考えになっておる。非常にまあ最高行政の責任者として敬意を表するにやぶさかでない、非常に歓迎するところです。これはまた、そうあるべきものと確信します。ただ、あなたがおっしゃるとおり、現実には陰に陽に退職勧奨等によって女子の教員をいち早く四十才なり四十五才程度でやめさせることの動きがある。これは文部大臣の知ったことではない、教育委員会のやることではある。しかし、義務教育費国庫負担法の建前からいえば、国費に非常に影響があるものですから、ややもすると、文部省自身、定年制のない今日、そうした形で退職者のそれが、内容としては高給者が特に女子において退職することについて内々歓迎している向きがあるのではないかと思われる。したがって、私は、大臣の本委員会における答弁は、非常にこれは全国の教壇上に立っておる女子の教員にとって大きな励ましになり、希望を持たせ得る言葉として慶賀にたえないのですが、今後において、地方の県教育委員会等においても、たびたび全国的な会合等もあるわけなのですから、そういう男女の差によって退職勧奨等のあるまじきものであること。そしてなお、積極的に日本の教育が国際的に発展してきた、また歴代の大臣が努力して、国際的にも日本の教育水準が高まっておるとはいうものの、まことに奇異な感じを抱かせることは、諸外国に例を見ない特徴がある。それは、小中学校における校長の性別を考えると、御婦人の校長というのは全く微々たるものです。各県二、三名もおられたらいいくらいかもしれない。千名の女子教員当たり一名の婦人校長も出ない。こういう行政のあり方は、各国に例を見ないところでしょう。少なくとも、アメリカ等においてなら、小学校の校長はほとんど婦人教師であると存じます。社会主義国だって、小学校長はほとんど婦人教師なんです。ヨーロッパだってそうです。東南アジアのほうだって。ところが、日本においてだけ女子の教育がこれほど無意識的にか差別せられる。これはやはり、私は義務教育を伸ばしていくのに非常に大きなポイントになると思う。だんだんに労働に関する情勢がいろいろ変わってくると、ほとんどやはり初等教育は婦人教師にゆだねなければならない状況が起こるでしょうし、現に起こっておる。そういう中で、なおかつ婦人教師からの学校長が採用されないということは、やはり教育の半分以上を背負っておる婦人教師の励ましにもならぬ、また勉強をさせるほんとうの機会も与え得ない、全体の教育界におけるマイナスだと思う。そういう点で、この際、話は横道にそれましたけれども、あとではやはりこれは年金問題にも直接関係がありますが、婦人教師に男女特段の差をつけて、退職勧奨等は直接間接を問わずやるべきものでないという筋道をすっかり文部大臣にお立て願うとともに、ますます婦人教師の中から学校長を採用して、バランスが男女とられるように努力してもらいたいというくらいの指導助言をいただきたいと思う。これは文部大臣まっこうから先ほどの言からいえば御賛成いただけるものとは存じますが、大臣の御所見を承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/235
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236・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のお話の点も、抽象論としてはいささかも異存がないし、私も希望することです。ただ、実際問題として、いきなりそこまでいきかねる条件が遺憾ながら日本の現在の状態としてはたくさんあるのではなかろうか。これは例としてちょっとあげかねますけれども、性別の差別なすべからずということはむろんありますが、これは一種の人間の感情なり社会環境なりの現実に左右される考え方によって影響がある課題であろうと思います。各教育委員会におきましても、もちろん小笠原さんと同じ考え方で対処したいと思っていましょうとも、実際問題がどうもそこまで踏み切りかねている、そういうことではなかろうかと思います。だからこれは、時がたてばだんだんと理想状態にまで前進していくもの、またそんなふうに我々も誘導していくべきものと心得ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/236
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237・小林武治
○委員長(小林武治君) 先ほどの文部大臣の発言中、一部事実に相違する個所がありましたので、委員長において善処したいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/237
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238・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/238
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239・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今のは学校長についてのお話ですが、理想に近づけるということはわかりましたが、現に行なわれている女子教員に対する退職勧奨のことは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/239
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240・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これも、むろん好ましいことではないと思います。現実にやむを得ずそうさせている何かがあるであろうというふうに想像するわけであります。その真相、実態を正確に私自身今把握しておりませんので、確信を持って申し上げかねますけれども、憲法が明らかにそう規定しているにかかわらず、現実にそれと相違している、その原因は何ぞやということをもっと掘り下げて私どもも考えねばならぬだろう、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/240
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241・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それは重大なことです。大臣としては、何らかがあるだろうとお考えになられても、だから仕方がないのだとかいうことになるのでは、大臣の職責ではないと思う。これは国家試験的な、それぞれの一級免許なり二級免許なり免許状を持たれて仕事をしておられ、免許状も剥奪をされない形で永年勤続をする限り、これは練達の教師であることは間違いありません。それが男女の差がついて、しかも四十才なりのほんとうに働き盛りで、子供さんを持つ婦人教師でも、お子さんが手元から離れて、ほんとうに自由に教壇に立ち得るような好条件を持つようになってから、かえって退職勧奨というものが行なわれる。そもそもは、免許状を持つ者である限り、教育委員会が退職勧奨をなすべきものでないのです。原則はあってはならないのです。あるなら、それは懲戒免職にでもしたらいい。事情があるなら。これは国家試験的に資格を持っておるわけですからね。ですから、個々にそれぞれは、教師において能力差があるかもしれません。しかし、校長に採用するのは、有能な方が採用されればいいことですし、まして教壇上に立ち得る資格を持ち、練達の士であることがはっきりしておる。そうでなかったら、教壇上に初めから立ち得べき御婦じゃないのです。そういう人が教壇上に安んじて奉職をし、そのことによって教育界が明朗になり、また教師も熱心に教育、経営に努めるというような、そういう環境を整備する施策を講ずる、援助をする、これが私は文部大臣のお務めだろうと思う。ですから、私は、その点については、積極的に——特段の事情のない限り、非違のない限り、そういうことはあってはならないものであるという形で、積極的に指導をされ、そのことがまた婦人教師にも希望を持たせ、また自戒もしていく、また一生の仕事として、腰かけでなく仕事をするという、そういう前向きの仕事をさせることができると思う。今日婦人教師は全国の半数以上ある。この人たちをそういう否定した形で教壇上で使って、日本の初等教育がほんとうに伸びるものとは私は考えません。私はこの点は真剣に申し上げているんです。今日の小学校の教壇上に立つ教師の六割方は女教師なんです。この人たちのあり方いかんによって、日本の教育というものは、これは伸びるか停滞するかはっきりするんです。であれば、やっぱり文部大臣の立場としては、しっかり勤めなさい、皆さんが勤めている限り、一生懸命勉強している限り、皆さんの身分、地位は安定なんだ、校長にもどんどん出る道があるんです、こういう事例をお示しいただいたら、いくら全国の教育界が明朗になり、また婦人教師が希望を持てるかしらんと思う。これは私は、文部省には、参議院に十二年もおりますけれども、そんな希望は申し上げたことはない。しかし、荒木さん、とやこうのことがあっても、あなたが監督を厳にするならそれはする——これもいろいろ議論のあるところですが、一方やはりそういう希望を持たせるということにおいては、あなた自身県の教育委員会に相当なこれは指導と助言があってしかるべきだと思います。私は、この際ですから、文部大臣の積極的な、諸条件を整備してそういうことのないように努めていくという所見の御発表を期待する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/241
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242・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話の筋道は、一つも異存がありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/242
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243・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでいい、おすわりなさい。よけいなことを言うから、また言わなくちゃならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/243
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244・山本伊三郎
○山本伊三郎君 資料の要求ですが、これは公立学校と警察、それから道府県のデータは、一応曲がりなりに出されておるのですが、市町村のやつは、この前聞いたら、ないんだと、こういうことなんですね。実際問題で、それは法案を出すまで僕ら全然そんなことは予期しなかったのですが、ないままでこの市町村のやつも一緒にこの法律の中に入っておるのですね。三共済だけ分離して無理に通すというなら別ですが、全然そういうデータなしに審議せよといっても、無理だと思うんですがね。私は、資料を要求して、ないと言われたものだから、資料を要求しても出されないかと思うんですがね。この点、自治大臣おられないのですが、政務次官、どういう見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/244
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245・大上司
○政府委員(大上司君) 今日の組織、あるいは資料のあげ方等につきましては、所管局長から説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/245
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246・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 山本委員から御指摘のございました点は、私どもも恐縮に存じておるわけでございますが、実は市町村の共済組合の組織単位をどういうふうに定めたらいいかという点につきまして、特に市の組合の扱い方でございますが、これにつきましては、ごく最終段階に近い時期まで十分意見の調整をみておりませんでした関係がございまして、市町村につきましては資料を持っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/246
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247・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その事情はわかっているから、私は気の毒だと思っておるのですよ。これは審議に入るまでそういうことは予期しなかったのです。三年間もペンディングにされておるのですからね。実際問題で、基本的な資料なくしてやるんだということは、これはまあ常識上考えても無理なんですよ。とにかく都道府県と同じような状態だから、それに準じて考えておけというには、あまりにも重要な問題ですからね。これが各単位の指定都市なら指定都市、東京都なら東京都、あるいはその他指定除外団体の都市共済組合なら共済組合で、おのおの法律上は掛金率をきめるようになっておりますが、実際問題では統一するのでしょう。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/247
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248・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 市町村共済組合につきましては、御承知のように、県単位に組合ができますが、長期給付の財源率等は全国統一いたしまして、連合会単位で決定をいたす所存であります。それから、市町村職員共済組合の中の適用除外になっております各市につきましては、これは各市が、組合といたしましては、単独に、あるいは連合して持つことができわけでございますが、これも長期給付の財源率等の計算は、全国統一いたしまして、連合体を作りまして、そこで決定をいたすということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/248
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249・山本伊三郎
○山本伊三郎君 法律上そうなっておるのだが、それじゃ自主的に各組合会の決定でやっていいですか。形じゃないですよ、実際問題として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/249
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250・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは一番最初は、実際問題といたしまして、それだけの準備ができませんので、主務大臣の告示いたします率によりまして便宜スタートはいたすわけでございますが、その後は、なるべく早い機会に計算をいたしまして、それに基づいて各連合会ごとにそれぞれの機関の御審議によって率を決定してもらう、そうして掛金率につきましては、これは主務大臣の認可事項になっておりますので、その手続もしていただく、こういうことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/250
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251・山本伊三郎
○山本伊三郎君 かりに自主的にきめるとしても、それはできないと思うのですよ。この法律がきまれば、やはりこの法律で覊束されるのですからね。だから、やはり資料なくしてわれわれはこれできめるということは無理だから、簡単に資料を出せと言って帰ってもいいのだが、この前いろいろ事情を言われたから、特に今まで譲ったんですがね。何とか資料を、大体まあ判断のできるような資料を出してもらわなければ、かりに発足するのは一応それで発足して、あとはどうこうと言われても、発足するときが問題であって、今後の問題は、それは実績でどうなるかわからぬが、おそらく私は、今の実情から見て、各個で掛金料率を勝手にきめるというのは成り立たぬと思う。というのは、通算措置があるでしょう。移行したときに、やっぱりそれは持分を持っていくようになるでしょう。この組合の持分は少ない、ここは多いということに実際はいかないですよ。そういう点も私は出てくると思うので、それはどう調整するか。あとの問題ですよ。ここの問題だが、とにかくいい悪いということを私は言うんじゃないんです。やはりこの問題の将来を展望して、出せないことは、まあ準備しておれば出せるのだから、日にちがかかるという意味だと思うんですから、考えてもらいたい、資料を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/251
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252・矢嶋三義
○矢嶋三義君 政務次官、次の委員会に研究してきていただきたいことをお願いしますことが一点。それは、この法案審議に関連して、退職手当、恩給、年金の年限通算の問題をいろいろと処理して参ったわけですが、先般も一、二お聞きのとおりに、質疑し、げたを預けてある問題があるわけです。さらに一つ、私が見出したことが、私の勉強不十分なのかどうか、その点研究してきていただきたいし、今お答えできればお答えいただきたいと思うんですが、それは戦時中に赤十字の看護婦さんで従軍して、そして終戦後解除されて、そして公務員になられたお方、そういう方々の退職年金の年数を計算する場合に、赤十字の看護婦さんとして軍に徴用されてお働きになった期間が通算できないようなんだな、僕が調べてみると。これはまことにおかしいことだと思うんですよ。こういう共済式の年金制度になったならば、当然僕は通算されなければならぬと思うんですが、どうも僕が調べてみるとそうらしいんだな。そこで、それを厚生大臣、それから大蔵大臣、自治大臣の間で話し合われて、私の研究の不十分ならば、もう通算になっているというならば、それでOKだね。でないならば、関係大臣で研究されて、この次にお答えいただきたいと思うんです。私は当然通算すべきだと思うんですね。だから、その研究をお願いすると同時に、当然通算すべきであるという私の主張と自治省の政務次官のお考えとは同じだと思うんですが、それだけ念のために政務次官に伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/252
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253・大上司
○政府委員(大上司君) お説の点は、十分各関係省庁とも打ち合わせいたしまして、次の委員会に確答いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/253
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254・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あなた、通算すべきだと思うでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/254
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255・大上司
○政府委員(大上司君) まあ申し上げれば私もちょうどそういう立場におるんですが、軍に徴用せられまして、通算があるかないかはっきりしてないんです。自分にも関係いたしますから、全力をあげて調査してお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/255
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256・加瀬完
○加瀬完君 局長、山本委員から要求されましたものは出せますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/256
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257・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 市町村の分につきましては、御要求のありました資料は、たいへん申しわけないのでございますが、提出いたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/257
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258・加瀬完
○加瀬完君 それは、きょう警察のが出ましたけれども、警察の出された資料も、年令構成で国家公務員のそれとは違いますよ。それから都道府県と市と町村では、年令構成でうんと違う。その資料が出なくて、負担率なり掛金率なりが、ああいったような方程式だか何か知りませんが、式で、国家公務員に準じて間違いがないという説明の資料を出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/258
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259・山本伊三郎
○山本伊三郎君 僕は、返事しなかったから出すのだろうと思ったけれども、それはお気の毒。こっちがお気の毒というわけじゃない。あなたのほうがお気の毒なんだね、実際問題で僕はいじめておるのじゃないのですよ。こういう僕はデータを見て、大体国家公務員と都道府県の場合は合うだろうと思って僕は期待しておったから、それならば、町村も動いても誤差はわずかだろうと思ったのだが、動き方が大きい。退職年金のあの率でいって、国家公務員の場合は、千分の五十九・二幾ら、都道府県の場合は、千分の六十二・八か幾ら、千分の三ぐらい違う。これはもう大きい動きなんですね。そういう僕は動きを見たときに、これは審議をするまでは、そんなことは全然考えなかったのだが、あなたのデータを見てから、これはおかしいと思って調べて見たのですよ。だから、僕は市町村の分がないから、お気の毒だが、これでひとつお願いすればやれる問題かどうかということは、考えてもらわぬと、政務次官おられますが、どっちが無理かということを考えてもらわなければ、あなたこれは専門家に聞いて下さい。議員がばかとは思っておられぬと思いますがね、これでやれというのは無理ですよ。実際問題としてその点だけ言っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02419620417/259
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260・小林武治
○委員長(小林武治君) 次回は、十九日午前十一時から開会することにし、本日は散会いたします。
午後五時六分散会
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