1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月二十七日(金曜日)
午前十時二十六分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小林 武治君
理事
野上 進君
増原 恵吉君
秋山 長造君
基 政七君
委員
小柳 牧衞君
西郷吉之助君
津島 壽一君
鍋島 直紹君
湯澤三千男君
矢嶋 三義君
衆議院議員
修正案提出者 小沢 太郎君
修正案提出者 坂上安太郎君
国務大臣
自 治 大 臣 安井 謙君
政府委員
警察庁長官 柏村 信雄君
警察庁長官官房
長 宮地 直邦君
警察庁交通局長 冨永 誠美君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○市の合併の特例に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・小林武治
○委員長(小林武治君) ただいまから委員会を開会いたします。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提案理由の説明を聴取いたします。柏村警察庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/1
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002・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、大型自動車免許の資格年令を十八才から二十一才に引き上げること、及び大型自動車免許の受験資格として、現に一定の運転免許を受けており、かつ、一定の自動車の運転の期間の経験が通算して二年以上の者でなければならないこと、並びに必要な規定の整備をすることをその内容としております。
現在、わが国における交通事故及びそれに基づく死傷者の増加は、まことに著しいものがあり、昭和三十六年度中に発生した交通事故の件数は約五十万件で、これによる死者の数は約一万三千人の多きに達しております。このため、交通事故を防止するための諸対策を早急に講ずることが要請されているのでありますが、最近特に砂利トラック、ダンプカー等の大型自動車による交通事故が急激に増加しつつある傾向にあります。これらの事故はその被害がきわめて大きく、人命にかかわる場合も非常に多いのでありまして、これらの事故の発生を未然に抑制し、防止することは、目下の急務となっているのであります。
これら大型自動車による事故の内容を検討してみますと、まだ思慮が十分でない年少者とか、あるいは運転経験が浅い者によって起こされた事例が多いのであります。
このような交通事故の実態から考えますと、運転操作が比較的困難であり、かつ、危険の発生するおそれの多い大型自動車の運転については、その運転者が肉体的にも精神的にも成長を遂げた者であるとともに、相当期間の運転経験を有している者であることが必要であるということが言えるのであります。よって、この際、自動車の大型免許につきましては、その資格年令を従来の十八才から二十一才に引き上げるとともに、その免許の受験資格として、現に一定の免許を受けており、かつ、一定の自動車の運転の経験の期間が通算して二年以上の者でなければならないことといたした次第であります。
なお、以上二点の改正に伴って、必要な経過規定を設けるとともに、法文の整備をすることといたしました。
以上が、この法律案の提案理由及び内容であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/2
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003・小林武治
○委員長(小林武治君) 次いで衆議院における修正点について説明を聴取いたします。衆議院議員小澤太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/3
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004・小沢太郎
○衆議院議員(小沢太郎君) ただいま議題に供せられております道路交通法の一部を改正する法律案に対しまして、衆議院における修正の内容及び趣旨の概要を御説明申し上げます。
修正の第一点は、政府提出の法案のごとく、大型免許の資格年令を二十一才に引き上げ、かつ、受験資格として、自動車の運転の経験期間が通算して二年以上の者でなければならないとすることは、やや制限が急に過ぎると思われますので、大型免許の資格年令等は現行のままといたしますが、現在の交通事故の状況から見て、大型自動車の運転については、制限を付することが必要と考えられますので、大型免許を受けた者であっても、その者が二十一才以上で、かつ、自動車の運転の経験期間が通算して二年以上の者でなければ、政令で定める大型自動車は運転することができないことといたしました。
この政令においては、大型自動車のうちで、車体の大きさが特に大きいもの、特定の貨物を運送するものなどを定めますが、同時に、自衛官が運転する自衛隊の大型自動車は除外して制限を加えないことを予定いたしております。
第二点は、大型自動車の運行を直接管理する者に対し、新設される制限規定に違反して運転することを運転者に命じてはならない等の義務を課することといたしました。
第三点は、新設される制限規定に違反した者について、無免許運転と同様の刑罰を課し、また、この違反した者が酒気を帯びていたときは、刑罰を加重することができる旨の規定を設けました。
第四点は、この法律の施行の際現に大型免許を受けている者については、新設される制限規定を適用しない旨の経過規定を設けました。
その他必要な法文の整備を行ないました。
以上が、修正内容の概要であります。何とぞ、御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/4
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005・小林武治
○委員長(小林武治君) これより質疑に入りますが、なるべく修正点についての質疑を先にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/5
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006・矢嶋三義
○矢嶋三義君 修正者に質疑をする前に、委員長にちょっと伺いますが、この法律案の提案理由を説明するのに、大臣でもない、政務次官でもない、警察庁長官の政府委員が説明するというのは、非常に異例なことじゃないかと思うのですが、将来のこともありますので、これは念のために委員長の御所見をひとつ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/6
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007・小林武治
○委員長(小林武治君) これは矢嶋委員のおっしゃるとおりでありまして、常に大臣の出席を要請いたしておるのでありますが、本日は、当方の多少時間の都合もあり、なお大臣が閣議のためにまだお見えにならぬ、こういう都合、しかも警察庁には政務次官がありませんので、やむなく警察庁長官の説明を求めたということで、異例のこととして御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/7
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008・矢嶋三義
○矢嶋三義君 委員長の御発言を了承いたして、注意を喚起する意味の発言にとどめておきます。
修正者に若干お伺いしますが、「政令で定める大型自動車」というものは、具体的にどういうふうにお考えになっておられるか、御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/8
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009・小沢太郎
○衆議院議員(小沢太郎君) 政令において定めます大型自動車の大体の内容でございますが、御承知のように、今の道路交通法では、五トン以上の貨物自動車、これを大型車と言っておりますが、その中で、先ほど御説明申し上げましたように、特に大型であるとか、あるいは特別の用途に供せられるもの、こういうふうに考えておりますので、内容といたしましては車両の総重量が十一トン以上のもの、これをおおむねそのつもりでしております。最大の積載量が六トン半以上のもの、それから人を乗せる車につきましては、大体現在と同じように乗車の定員が三十人以上のもの、これが第一であります。
それから砂利、砂とか砕石、あるいは玉石を含む、または土の運送をする場合、その運送に供しておる車、こういうことにいたしております。
それから第三点といたしましては、火薬類などの危険物を一定数量以上積載して運送しておるものと、大体これを内容といたしたいと思います。
さらに、先ほど申し上げましたように、自衛官が自衛隊の大型車を運転する、この場合に限るということにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/9
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010・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまのあなたの説明された部類に入る車両は、全国で、さらに東京都内で何両程度あるものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/10
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011・小沢太郎
○衆議院議員(小沢太郎君) 政府委員からひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/11
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012・冨永誠美
○政府委員(冨永誠美君) 全国で申しますと、大体トラックが百三十六万ぐらいでございますが、そのうち、重量で申しますと、五トンから六トンまでの数が約十四万三千六百六十六で、全体の一〇・五%ぐらいに当たります。
それから東京で申し上げますと、東京が全部で二十二万千五百五十九ぐらいでございますが、五トンから六トンまでが一万八千九百九十になっております。ただし、その用途別をこれからまた除かなければなりませんが、これは同じ五トン、六トンの間におきまして、この用途に、砂利とか、こういったものが約二三%。したがって、残りが七七%、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/12
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013・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もうちょっと明確にしていただきたいと思うのですがね。政府原案において対象になる車の数と、衆議院で修正されることによって対象になる車とは、数が違いますわね。どの程度差が出てくるのかという点、その点がわかればけっこうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/13
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014・冨永誠美
○政府委員(冨永誠美君) 政府原案でいきますと、先ほど申し上げましたように、トラックが全体で百三十六万ぐらいでございまして、五トン以上が十六万九千七十三でございます。それが修正案になりますると、約二万六千になりますので、十四万三千六百六十六という違いが出てきます。それからそのうちで今度用途が入りますから、それと先ほど申し上げました約二三%が上に上がると思いますので、これの残りの七七%、約十一万というふうになるわけでございますが、それだけ違いが起こってきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/14
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015・矢嶋三義
○矢嶋三義君 あのね、われわれ政治家はそうこまかな数字はわかる心要はないのでね、政府原案を修正されたことによって全部と一部の関係でどの程度変化するのかという点がつかめればいいわけです。大まかなあなたのさっきの数字でわかりましたから、政府委員とそれから修正者お伺いしますが、大型免許の資格年令を二十一才に引き上げる、この大型免許という点を取り上げたこと、それから二十一才という数字を選んだこと、それから二年以上の経験という、この数字をピック・アップするにあたっては、やはり現在交通戦争とか言われているが、それらの事故発生の実態、実績等のやはり根拠があってこういう活字並びに数字を取り上げて法律案化したものと僕は推察しているわけですよ。その前提でこの修正を考えた場合に、政令で定める大型自動車に限定してきたわけですね。そうすることによって対象となる自動車は、さっき答弁ありましたように、数が変わってくるわけですね。このことと過去において、並びに現在において起こりつつある事故の実態との相関関係はどうなっているのか。でき得べくんば、こんな法律はないにこしたことはないのだが、交通戦争でやむを得ず一つの対症療法としてこういう法律を考えようというわけで実際作ったものが、自動車の数がうんと減るとか多くなるとかということは第二義的であって、現在の交通事故に対する対症療法として、永久的にとは言わなくても、当面効果を発揮しなければならぬわけで、その点は政府委員はどういうように原案立案者として認識されておられるのか。また修正された側におかれては、そういう点の実態、実績に基づいての根拠と申しますか、やや合理性、科学性というものについてどの程度の見解を持ってこういう修正をされたのか、その点を私は伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/15
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016・小沢太郎
○衆議院議員(小沢太郎君) 修正者としてお答えいたします。この年令を二十一才に引き上げたという理由でありますが、これはいずれ数字は政府当局から申し上げると思いますが、十八才、十九才、二十才という低年令層の運転者の起こす事故が非常に多いのであります。二十才以上の人よりも非常に多いということが第一点であります。それからさらに、これは御承知と思いますが、世界の各国におきましても大体長距離輸送並びに重量貨物の輸送に当たる運転手は二十一才以上ときめておるのが大多数の例であります。ことにILOにおきましては、若年労働者のこういう重労働になりますことを禁止する意味合いにおきまして、報告書にやはり二十一才以上ということを明記しておりまして、そのような勧告をいたしております。そのような事情もございますし、先ほど申しますように、国内における二十一才未満の人の起こす事故が非常に多いという事情もありまして、私どもは政府の案の二十一才は適当であろうという結論に達したわけでございます。
それから、二年の経験年数を必要とする、これはやはり二年未満の経験者、これは年令のいかんを問わず非常に事故を起こす率が高いのであります。御承知のように、道交法によります免許の第二種免許、これは経験年数三年といたしております。それから免許を受ける資格が二十一才以上としておりますが、三年と二年との間の若干の開きがありますので、それをどういうふうに考えるかという問題もございます。いずれにしましても、政府の説明等を聞きましても、経験二年以下というものが非常に多いものですから、二年未満というので一応この程度でひとつやろう、三年まで引き上げるということはやや急に過ぎはしないが、こういうような点を考慮いたしました。
それから、大きさの制限でありますが、政府の原案は道交法によります大型貨物自動車、これを対象といたしております。そういたしますと、五トン、六トンの普通の箱型のトラック、これは含まれるわけであります。これを含みますと、実際には、中小企業それから地方のトラックを使っておる人たちが用いておりますのが大体五トン、六トンというのが相当多いようであります。そういうふうなことで、これらまで全部を規制いたしますということも少し急に過ぎはしないか、したがって、五トン、六トンの普通のトラック、これを除外したらどうだろう、こういうふうに考えてみたわけであります。実際の数字もいずれ政府の側から申し上げると思いますが、この事故を起こしますのはダンプ・カー、砂利トラックとか、そういうものがかなり多いわけでございます。したがいまして、このような特別の用途に供せられるものについては、これは五トン以下でも対象にする、普通のトラックは五トン、六トンは除外していこう、こういうふうな考えでございます。大体政府からお出しいただいた資料などを見ましても、大型の、いわゆる五トン以上の大型貨物自動車の中で、今申し上げたものが、六〇%くらいに当たるのではないか。これは実は政府の側で、詳しい五トン、六トンくらいの資料などの十分な的確なものを取っておりませんので、多分の推定ということが入るわけでございますが、大体そのような話でございます。要するに、このような規定は矢嶋委員のおっしゃるように、なさざるをもって最も適当だと思います。けれども、現在事故の起こりました実情からいたしまして、やむを得ざるの措置として、この最も事故の多いものを選んだということでございます。
それからもう一つは、政府の原案は、免許を受ける資格、それから試験を受ける資格、それについての規制をいたしておりますが、このような免許制度そのものに触れて参りますと、免許制度そのものにいろいろ問題があるわけでございまして、また、手続上も非常に複雑になって参りますので、修正案としては、その免許を受ける資格とか試験を受ける資格についての制限でなしに、大型の資格を持っている者がこれを運転をすることについての制限を行なう、こういうことでいたしたわけでございます。
以上、御説明を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/16
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017・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) ただいま小沢先生から詳細お述べになりましたので、年令、経験年数等について特に御説明を申し上げる必要はないかと思いますが、統計が示すところによりますと、年令におきましては、やはり十八才が一番事故が人数比にしまして率が多い。その次が十九、二十、こういうふうになりまして、二十一才までずっと事故が下がって参ります。二十一才以上になりますると、大体横ばい程度ということに相なりますので、二十一才未満についてやはり事故が多いという結論をもちまして、年令の点はそういうふうに定めたわけでございます。また、経験年数につきましても、ただいま小澤先生お話しのように、二年未満の事故が非常に多いということでございます。
それから、今回修正案におきまして、砂利トラック等の除外ができるということになりますると、事故の相当部分というものがそれで防げるのではないかと思うのでございます。と申しますのは、昭和三十六年中の自動車別の交通事故を見ますと、大型自動車、普通自動車、その他の自動車というふうに分けまして、大型自動車におきましては千台当たり事故数二百二件、それから死者が七・八人となっております。普通自動車におきましては、事故件数が百三十五、死者が二・五、その他の自動車におきましては、件数が五十三・七、死者が一・一ということでございます。したがって、自動車全体について見ますると、件数が九十・五、死者が二・一ということになっておるのでございますが、そのうち砂利トラックとダンプ・カーだけを取り上げてみますると、件数において三百九十七・六、死者において二十二・七という状況でございます。したがいまして、また、私どもの手元には、六・五トン未満とそれ以上とを区分けした事故件数というふうに詳細を取っておりませんので、その点はわかりませんけれども、何と申しましても、六・五トン以上になりますと、構造その他において非常な違いが出てくるわけでございます。六トン以下でありますると、四・五トンなどと、大体、型、構造においてはそう大差はないということでございますので、私どもの原案におきましては、とりあえず現在の大型というものを一括しておりますので、これについて事故防止ということを強く考えまして、全部に適応するように、二十一才、経験年数二年ということにいたしたのでございますが、審議の過程におきまして、いろいろ御意見があり修正案のごとく、六・五トン以上、「政令で定めるもの」として、大体六・五トン以上ということになれば、これはやはり運転の困難度というものから見ても、特別に規制と申しますか負担を多くするということの必要度が強いわけでございます。それからまた、用途別に、ただいま申しましたような非常に事故の多い砂利トラック、ダンプ・カー等を除く方途がありますれば、同時にまた、運転手の給源難という問題も、いわゆる経済の発展等に関連しましてお考えいただいたということでございますが、そういうことも考慮いたしますれば、修正案の意図されるところもわれわれは了解できるわけでございまして、あえて原案に固執しないという態度をとっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/17
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018・矢嶋三義
○矢嶋三義君 両者の意向よくわかりました。私が伺った点は、車を基準に考えた場合は、対象は違ってくるわけで、それで一番心配になる点は、六・五トンと線を引くことによって、交通事故を減らそうという主目的が達せられないようなことでは立法の趣旨に沿わないし、さりとて、産業経済に及ぼす影響というものも他面考慮せねばならぬ。その両者の最大公約数としてこういうものが出たのであろうと推察はするわけですけれども、実際に年令は的確なデータがあるわけですね。修正の眼目になっている車の大きさですが、それはどの程度のところが一番多いのか、五トン台が非常に多いのだとなれば、そこをある程度規制しなければ立法の目的が達成されないわけです。それが懸念されるから一応伺ったのですが、責任者である警察庁長官がそういう御見解でこの修正案を見ておられるならば、これ以上僕は懸念し質疑する必要もないと思うので、この法律が修正の形で成立した暁においては、責任官庁としては、修正の趣旨に沿って、政府原案以上に立法の趣旨を遂行できるように御善処いただかなければならぬと思います。
もう一点、修正者にお伺いをいたしたいと思います。修正の第二点、第三点については、お伺いするまでもなく明確であり、きわめて適切だと思います。もう一点お伺いいたしたい点は、この法律案が国会に提案される過程において、政府部内でもいろいろ紆余曲折があり、議論があったことを伝え聞いているわけですが、自衛官に対して特別な扱い方をしたという点については、業界においても、また、運転を業とする国民諸君にとっても、また、一般国民にとっても、十分納得理解できるような一方において説明がなければいけないことだと思います。だから、そういう立場から、修正者としての御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/18
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019・坂上安太郎
○衆議院議員(坂上安太郎君) 矢嶋委員の御質問まことにごもっともでございます。私どもこの政府改正案に対してさらに修正案を出す場合に、一番大きく問題になったのは、今御指摘の点だと思うのであります。このことにつきまして、特に政府の原案によりますと、年令によって自衛隊と一般とを区別しようという考え方に立っておったわけであります。これは大げさに言いますと、法のもとにおけるところの平等に欠けるところがあると思ったので、そこでわれわれといたしましては、年令あるいは経験年数等によって自衛官と一般との間の差別をつけない方向へ持っていくことがきわめて肝要である、こういう考え方に立ったわけであります。その意味におきまして、用途別、車種別等によって制限を加えていくという方向をとって、年令によるところの制限につきましては、自衛官も一般も同様とする、こういう建前に持ってきたわけであります。これがこの修正の一番大きな眼目であったとわれわれ考えております。そういうような意味合いにおきまして、用途別、車種別ということになりますれば、これは一般と自衛官との間の大きな差別というようなものが比較的出てこないのじゃないか、そういうことによって、業者も納得できるのじゃないか、こういう立場をとったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/19
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020・矢嶋三義
○矢嶋三義君 年令のほうはわかっておりますが、用途別、車種別の点から見れば、差はついているわけですね。自衛官でなければ運転できない車が——自衛官なら運転できる車があるわけでしょう。そこのところはどういうふうにお考えになっておられるのか、そこを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/20
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021・坂上安太郎
○衆議院議員(坂上安太郎君) 御承知のように、われわれの規制しようという考え方が、大型を全部規制しようという考え方でないことは御承知のとおりであります。そうなりますと、その大型の中で規制の対象になっていくということになりますと、当然これは車種別、用途別で考えなければならぬ、こういうことなんであります。それで先ほど申し上げましたのは、ちょっと誤解があったと思いますけれども、年令によって、年令の面から見た差別ということは許されないということは、政府原案よりはそのほうがいいという考え方に立ったわけなんでありますが、しかし今言われるような点につきまして、自衛隊の車が全部用途別という観点から特別な扱いを受けるということは、これは事実であると思います。しかし、この程度のことは、これはこういったものを実施する場合に、むしろこれは認めてもらわなきゃいけない。それよりも大事なことは、年令によるところの差別ということのほうが私はいけないんじゃないか、したがって、そちらのほうをとったわけであります。今御指摘のような点については、多少のやはり差別があるということはやむを得ぬじゃないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/21
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022・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この点について政府委員に伺いたいのですが、そのこと以上に、自衛官の運転する車によって過去において事故がどのように起こったかどうか、今後起こる可能性があるかどうかということです。より以上に、僕は関心を持っているわけですがね。事故があまり起こらないというならば、その角度から考慮していいと思うのですがね。そこで、それを参考に聞きたいと思うのですが、自衛官が運転事故等を起こしたのを分析した場合に、部隊として行動している場合と、そうでなくて、個別的な運転に従事している場合と分けて、あるいは自衛隊以外の一般民間における事故発生状況と比べて、彼此比較した場合どういう状況なのか、参考に承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/22
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023・小沢太郎
○衆議院議員(小沢太郎君) いずれ政府の側から御答弁申し上げると思いますが、修正者としてお答えをいたしたいと思います。
先ほど坂上さんからお答えしましたように、年令によって国民の間に区別をつけるということは、いろいろこれは問題でありますので、車種別、用途別ということになれば——先ほど私が申し上げましたように、非常に事故の多い用途別、車種別、これをねらって規制しよう、これは元来規制しないほうが、何もしないで事故のないのが一番願わしいのでありますが、やむを得ざるの処置としてやるわけでございます。そういう観点から実質的に見ると、自衛官が自衛隊の車を運転しておる場合は、過去の統計から見ますと、十八、十九、この制限を今回受け得る立場の年令の人たちが起こしました事故というものは、きわめて少ないのでございます。むしろ、その若い人のほうがもっと年寄りの自衛官の起こす事故よりも少ないというのが現実の姿でございます。これはいろいろ理由があろうかと思うのですが、訓練中でございますし、一定の規律のもとに、主として部隊行動を行なうというような事情もありまして、非常に少ない。こういうことから、この修正案全体の一貫しておりまする、事故の多いものをとらえてそれを制限していこうという、その建前から申しましても、自衛官が自衛隊の車を運転する場合においては、過去において非常に少ない。事故が少ないという事実からいたしまして、これを除外するのが適当であろう、こういう見方もいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/23
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024・冨永誠美
○政府委員(冨永誠美君) 自衛官によりまする交通事故、今こまかい数字がなくて、非常に恐縮と存じますが……。一般の交通事故と比較しまして、件数と運転免許者の概数との比率、ないしは死傷者と運転免許を持っています概数を見ますると、十八才におきまして、大体事故の場合が六十分の一、死傷の場合が六十分の一。それから十九才の場合が、件数の場合が三十分の一、死傷の場合が十二分の一。それから二十才の場合が、件数の場合が自衛官のは二十分の一、それから死傷者が十八分の一ぐらいになっておりまして、実数は非常に少ないわけでございます。自衛官のほうがなぜ少ないか、いろいろ検討いたしますると、運転免許に適する適性検査ということを非常に厳重にやっておることが第一でございますし、第二がいわゆる二重免許と申しますか、普通の運転免許のほかに自衛隊の中でまた運転免許を取っておるという二重の防止装置といいますか、そういったのが第二。それから訓練を非常にやかましくやっております。それから部隊行動が非常に多いのでございまして、そういうことで事故が少ないのではないかと思うわけでございますが、今御指摘の、団体行動中とそうでない場合との比較は、ちょっと私のほうに出ておりませんが、総体において、そういうふうに非常に事故が低い統計が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/24
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025・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これで修正者に対する質疑を終わります。
承りますと、第一院で、非常に慎重に審議され、いろいろな角度から配慮されたことはわかりました。敬意を表します。ただ政府原案を提出された警察庁当局に、この修正部分に関連して要望し、伺っておきますが、この種の法律案というものは、国の労働人口、その構成とも関連があるし、また個人の生活権の問題とも結びついておるし、さらに産業経済に及ぼす影響等、その他皆さん方が所管する交通行政とも結びついてくるわけですが、それだけに及ぼす影響は大きく複雑な点があり、なかなか至難な点があると思いますが、しかし、最近のわが国の十七、八才から二十一、二才というこの年令層の諸君の交通事故の発生状況なり、さらにそれ以外に、この法案と直接関係はないが、一般犯罪の動向等から見ても、まことに軽視すべからざるものがあると思うのですね。だから、政府原案がこういうように修正されましても、この法律の立法趣旨を生かし遂行するためには、よほど積極的な適切なる指導というものが、細密な計画のもとに根気強く継続的に行政府において行なわれるところの用意と決意がなければ、この法案の立法趣旨というものは、なかなか私はなし遂げ得ないのじゃないかという一縷の懸念を持っているのであります。この点に関して警察庁長官の御答弁をいただいて、修正者に対する質疑は一応終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/25
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026・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) ただいま矢嶋委員からのお話まことにごもっともでございまして、二十才未満の青少年交通事犯のみならず、いろいろな面で憂慮すべき状況でございます。
ただ、一面におきまして、大部分の青少年というものは、また非常に明るい面を持っておる、また新しい感覚というものも持っているわけでございます。そういう意味で、単に規制する、取り締まるということだけでなしに、十分そういういいところを伸ばしていくような方法を、やはり社会全体としても、考えていっていただかなければならないと思います。私ども取り締まりの立場にあります者としましては、将来できるだけすみやかに適性検査をいたしますとか、あるいは、免許を与えたけれどもこれが非常に危険性があるというような者については行政処置、いわゆる免許の取り消しであるとか、あるいは特に講習を受けさせるとかいうような適切な方途を考えていかなければならぬというふうに思っておるわけでございます。
本案が修正案どおり実施されることに相なりますれば、その趣旨を十分に体しまして、遺漏のないように努めて参りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/26
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027・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それじゃ、大臣なり政府委員なりに少し引き続いて伺います。
この国会の冒頭に、本委員会では、この交通問題をまっ先に取り上げたのです。そうして内閣のほうでも、いろいろとそれぞれの部局において関心を持たれ、努力されて参ったわけですが、そのつど解決をし、実行に移しましたことを本委員会に報告するようにということを要請しておいたのですが一まあそういうことでこの法律案は出てきているわけですけれどもね。承りたいことは、この交通問題は、今国民の最も大きな関心事になっておるし、したがって、この国会の冒頭でも本委員会はこれを取り上げたわけです。そうして、その後のこの交通事故の状況の変移というものは、大ざっぱに言ってどうなのか、また、本国会の冒頭に要請しておりましたように、その後どういう研究をされ、善処をされ、実際に解決をした点とか、さらに、これから解決し、実施に移そうとされているような点等、その後の経過について、簡単に御報告を求めたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/27
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028・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) まず、交通事故の状況、特に死者について申し上げますると、これは非常に交通問題についての関心が高まり、非常に自省自戒するように相なった結果であろうと思いまするが、一昨年は一昨々年に比べましてたしか二〇%くらいの増であったわけでございますが、一昨年の募れに道交法が制定されまして、一月から三月くらいまで、非常に事故が激減いたしました。しかし、その後、昨年は四月ころからまた非常にふえて参りまして、一昨年よりも死者数も相当ふえたわけでございます。しかし、そのふえ方は大体六%程度で、ふえ方の何と申しますか、率は、それ以前よりはだいぶ減ってきたわけでございます。ところが、今年に入りまして、ことしの一月におきましては、たしか百数十名去年より多かったかと思いますが、二月は昨年よりも減り、三月はさらに減るということでございまして、たしか四月二十日現在では三十九名昨年より死者数が少なくなっております。この傾向をずっと持続して参りますれば、今年末におきましては、死者数においては昨年より相当減少し得るのではないかということで、一応明るい見通しも出ておるわけでございまするが、しかしながら、まだまだ交通の問題は非常に複雑でございまして、今後なすべきことが非常に多いわけでございます。政府におかれても、関係閣僚懇談会等で各種の手を次々に打っておられることは、これは御承知のとおりでございますが、警察の取り締まりといたしましても、単に都道府県だけの取り締まりにまかせずに、広域にわたって一斉に取り締まりをするというような方策を購じておるわけでございます。東海道をずっと、近畿方面から東京までの一斉取り締まりも、今年に入りまして二度行なっておりますが、相当の成果をおさめておりまするし、そういう取り締まりを実施することによって、かなり事故の防止に役立っているのではないかというふうに思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/28
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029・矢嶋三義
○矢嶋三義君 重ねて伺いますがね、具体的な解決措置として、四月の二十五日から車種別規制を実施されておりますね、その実施状況はいかようにあなた方は評価しておられるのか、お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/29
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030・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 今お話しの警視庁管内におきまする車種別の交通規制第一日の状況をちょっと申し上げまするが、結局都内の主要二十路線につきまして、午前は朝八時から十一時まで、午後は一時から七時までという時間帯におきまして、最大積載量七・五トン以上の車、あるいは長大物件を運ぶもの、それから長い自動車、トレーラーというようなものについての規制をいたし、さらに観光バスについても、夕方の時間を規制することにいたしておるわけでございます。
そこでこれに対しまして、まず当初は、厳罰主義をもって臨むというのではなくて、できるだけ指導をして、改善をはかっていくという方法を今とっているわけでございまするが、午前八時から十一時までの間におきまして、この指導の対象になりました自動車が七十一台ございます。そのうち大型トラックが五十九台、長物運搬車が十一台、長大牽引車が一台ということでございます。また午後一時から午後三時までの間指導の対象になりましたものが二百三十八台、合わせまし三百九台の自動車が指導の対象と、三時までに、なっているわけでございます。どういうことでそういった違反が起こっておったかということで、これはその違反者の申し立てでございまするから、うそももちろんまざっていると思いますが、一つは、そういう規制が行なわれているということを知らなかったという者があるわけであります。また規制が二十六日からと思っておったというような者、それからずうずうしいのは、行ける所までとにかく行って見ようと思ったいうようなのがあるわけであります。これらについて指導をいたしたわけでありますが、この当日におきまする交通の渋滞の及ぼした影響でございますが、これは午前八時、十時、十二時、午後二時、四時、六時と、六回調査の対象といたしたわけでございますが、三月二十日から二十八日までの九日間の一日平均と、四月二十五日だけの状況を比較いたしてみますと、午前八時は、三月の一日平均が一回でありますのに対して、二十五日は二回の渋滞を見ておった、このときは渋滞が多かったということでございますが、午前十時には、前者が十二・五回の平均でございますのに対して、四月二十五日は五回、それから十二時には十四回であったものが六回、午後二時は十一回であったものが八回、四時には十五回が十四回、六時には十二・八回が四回ということになっておりまして、全体合わせて平均いたしますると、三月が六十六・三回の渋滞に対しまして、四月二十五日は三十九回にとどまったということでございます。すべり出しとしてはまずまずという成績ではなかったかと思いますが、引き続き、十分警察官を第一線に配置いたしまして、指導取り締まりに当たって参るというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/30
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031・矢嶋三義
○矢嶋三義君 新道交法が公布施行さた直後は成績をあげたわけですが、数カ月して黙阿弥になった。したがって、この車種別規制は紆余曲折を経て二十五日から実施されたわけですが、いかにその効果を継続するかという点にあると思うんです。その一つの方法としては、適切なる指導と取り締まりですね、これが大事だと思うんです。だから、本国会の前半において、本委員会は当局に対して、現在の定員のワク内の操作によっても、配置転換等によって工夫をこらして交通警察官の充実をはかり、適切なる指導と取り締まりをすることによって交通事故の減少を期すべきだという要請をしたわけですが、その後具体的にいかように行政部内で措置されたか、公安委員長から伺いたいと思います。この点はよほど注意しないと、先ほども答弁にありましたように、時間が当初警視庁で考えたような案と違って参りましたから、たとえば具体的にいえば、十一時から午後一時の間は規制してないわけですから、十一時前後と一時前後というものは気もあせり、暴走するおそれは非常に私は可能性がある、特に若い運転手諸君なんかにはね。あるいは狭い裏道に、さっき言ったように、逃げ込むようなこともありましょううし、表——大通りで起こった事故が今度は裏道に移動するとか、規制してない十一時前後から十三時前後並びにその間というもの、これは適切な指導と取り締まりが行なわれなかったら、そういうところに集中的に事故が起こるようなことになれば、何のための車種別規制かということになるわけで、そのためには、今すぐ道路がよくなるわけはないんだから、とりあえず、一番可能であり、やるべきことは、かって本委員会で要請した交通警察官の、質的もそうでありますが、量的確保ということが、当面可能にして最も喫緊な事柄だと思うんです。で、その後、公安委員長はどういうことを部下に指示し、どういう措置をされたか、また、今後されようとするのか、この点お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/31
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032・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 交通取り締まり警官の陣容整備につきましては、前回もいろいろ御注意がありまして、仰せのとおりだと思って種々検討を進めて、また必要な措置をとっておるわけでありまして、基本的には、御承知のとおり、一万人増員計画のうちの四千人をこれへ振り当てるという計画は、もう実施の段階へ入っておるわけであります。なお、現在、時間規制等の関係で、特に夜間等に特別な配慮を払わなきゃならない、こういうお話も十分ごもっともだと存じまして、これには、できるだけ現在、配置転換等によってその所要の人員を補充をいたしております。しかし、全体から申しまして交通関係の職員が手不足であるということは、前々からお話しのとおりであります。これにつきましては、近く基本的な全体の所要警官の増員計画というようなものを立てまして恒久的にも対処していく、こういうふうにいたそうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/32
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033・矢嶋三義
○矢嶋三義君 時間を急いでおるようですから、もう数点伺って終わりますが、内閣に臨時交通関係閣僚懇談会等が設けられていろいろと御研究、対処されておられるわけですが、その後、この交通問題解決のために特別予算の支出をきめたようなことがあるのか、ちょっと気にかかることは、この車種別規制一つとっても、運賃の値上げとかあるいは物価の値上げ等の要因になる可能性は相当あると思うのですよ。郊外から都内に入る地点においてターミナルを一つ作るについても、それが必ずやそういう方面に影響してくると思うのですね。そういう運賃の値上げとか物価の引き上げが行なわれそうになるのをチェックするためには、何らかの一つのやはり対策があってしかるべきじゃないかと思うのですが、そういう点を研究をされ、すでに予算の支出等について方向づけがされておられるのかどうか、これは要望も含めて経過を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/33
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034・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話しのとおり、たとえば車種別の規制でありまするとか、あるいは登録自家用車についての車庫の充実、あるいは車の常置場の設置といったような問題につきまして、物価の面、あるいはそういう施設の費用の面というようなものに若干の影響があることもお話しのとおりだと思います。これにつきましては、今度、閣僚懇談会へ特に大蔵大臣、通産大臣も入ってもらいまして、それぞれ具体的に検討いたしまして、必要なこの予算も計上すべく目下準備中であります。また、たとえば東京都といったような、予算の関係上、道路計画といったようなものが交通の面から不足しておると思われるところは、別個に警察、警視庁関係から指摘をいたしまして、これに対する財源措置を今後具体的に、今計数も出ておりますので、検討いたすという段階を進めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/34
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035・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に伺っておきたい点は、二月ごろの本委員会でしたかね、交通問題の解決策として、チケット制は四月から実施しますとここで方向を示されておられたようですが、あの点に関する自治大臣のお考えなり今後の方向というのはいかようになっているのか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/35
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036・安井謙
○国務大臣(安井謙君) チケット制につきましては、私どもこれは非常にこの交通事故の整理をするのにいい案だと思ってやっておりましたが、若干この法理論的な解釈の疑義も出てきまして、それにかわるような、切符制といいますか、英語を日本語に直しただけでありますが、もうちょっと——手続だけででき得るという別個の案を法務省が実は提案して参りました。それならば、同じ効果を期待するならば、今そのほうをとりあえず採用してはどうかということで、目下それを採用するという建前で、この具体的準備を今進めておるわけであります。この分には、法律の改正を要しないというようになっております。今の私どものほうのは、どうしても法律改正を要しますので、これは通常国会へ出したいということでやっておりましたが、刑を課する場合のこの標準その他につきまして、ちょっと法務省側との意見の不一致もあるのでありますが、しかし、これは引き続いてもう少し、この国会には間に合いませんが、引き続いて検討して、できるだけ早く実現の措置をとるように運びたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/36
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037・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それはまあ、そういう方向でひとつ御研究いただくとよろしいと思います。
警察庁長官に伺いますがね、近ごろ社会面を見ると、そういう記事が多いわけですね。僕はちょっちょっと読んでおって非常に不思議に思うのは、幹線道路に沿っておるうちで、トラックに四へん飛び込まれた、五へん飛び込まれたというような記事がよく出ますね。そうして、飛び込まれただけじゃなくて、その家族の人が死傷するという報道がよくありますよ。非常に不思議に思うのですけれどね。そういう多発地点については、僕ら旅行しても、ときどき標識がありますけれどもね、何か四へんも五へんも同じうちに飛び込まないような程度の指導とか対策というのがありそうなもんだという気がするんですがね。僕が家族であり親戚の者であったら憤慨すると思うのだけれどもね、その適切なる標識を、ちょっとくらい金がかかっても知れたもんですよ、こしらえるとか、あるいは、よくこの前もあなたが答弁されておりましたが、そういう事故が起こりそうな所の標識はよく見えるように、付近にある広告等は撤去するということを答弁されておりましたが、これも金がかからないで簡単にできることですが、いかように認識をされ、今後されようとしておるか承り、あと一問で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/37
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038・柏村信雄
○政府委員(柏村信雄君) 確かにお話しのような何らかはっきりとするよううな予防措置、標識等を考える必要があると思います。そういう点では、特に第一線にも指導をいたしているわけでございます。ただ、そういうものと合わせまして、やはりそういう事故を起こす原因というものを考えてみますと、酔っぱらい運転であるとか、あるいは居眠り運転というものが多いわけでございます。これは、やはり本人の性格という問題もありまするが、同時にまた、雇用者等の労務管理の問題もあるというふうに考えますので、そういう方面も多角的に検討をして参らなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/38
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039・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後に、自治大臣並びに国家公安委員長としての安井大臣にお伺いしますが、この法律案は当面のいわゆる交通戦争への対処策として考えられた法律案だと思いますが、公布施行後、できるだけ立法の趣旨が生かされるように、御善処を特に要望いたします。
同時に、御要望申し上げておきたい点は、先般厚生省から出された国民の死亡者の統計表ですね、こういうものを見るというと、ともかく事故死というものが非常に多い。その中で、水による水死と交通事故死が最も多いわけですね。しかも、それが若い年令層のところに集中的に多いということは、これは政権担当者としては一番僕は配慮して、こういう統計数字が変わってくるように努力をいたしていただかなくちゃいかぬと思いますね。その一つの具体策として、この法律案は出てきているものと認識をするわけですけれども、大臣の御認識、それから今後の努力の方向というものを承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/39
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040・安井謙
○国務大臣(安井謙君) おっしゃるとおりでありまして、青少年を中心にした、これは一般犯罪もそうでありますが、ことにそういう過失が非常に多い。まことに憂うべき現象なんでありまして、今後も全力を尽くしてその防止に努めたいと思います。また必要な取り締まりあるいは必要な法案の整備、そういうものも今後努めてやっていき、減少を期したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/40
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041・小林武治
○委員長(小林武治君) これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/41
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042・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないものと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/42
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043・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないものと認めます。
これより採決に入ります。道路交通法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/43
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044・小林武治
○委員長(小林武治君) 全会一致でございます。
よって、本案は全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/44
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045・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/45
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046・小林武治
○委員長(小林武治君) 次に、市の合併の特例に関する法律案を議題といたします。
本案の質疑は昨日終了いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/46
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047・秋山長造
○秋山長造君 私は社会党を代表して、本法律案に賛成するものであります。本法律案は、さしあたっては北九州五市合併に適用されるものでありますが、私どもはこの際、同合併問題が幾多の紆余曲折を経ながら今日の段階に到達した経緯を顧み、関係各方面の方々の御労苦に敬意を表するとともに、今後関係者が本法律案の趣旨並びに本委員会における審議の内容に十分留意されて、関係地域住民の声に謙虚に耳を傾けつつ、地域経済の発展と住民福祉の向上のため、円満かつ民主的に合併計画を進められるよう一そう努力されることを願ってやまないものであります。
なお、本法律案は、今後の地方自治の動向に種々重大な影響を及ぼすことが予想されますので、この際、次のような各派共同の附帯決議を行ない、政府当局の善処を求めたいと思います。便宜、私から朗読して御提案申し上げます。
市の合併の特例に関する法律案に対する附帯決議(案)
本法の実施に当り、政府は左の諸点について検討し、適切有効な措置を講ずべきである。
一、新都市の建設にあたっては、住民福祉の増進に特に留意せしめるよう強力みな行政指導を行なうこと。
一、職員の身分の保障、給与の改善等に十分配慮すること。
一、新都市と他の市町村との間の格差の是正、特に貧弱団体の行政水準の向上に努力すること。
一、産炭地域の市町村合併はその特殊事情によるところ大であるから財政上その他特別の措置を講ずること。
一、市の合併は地方自治の根本にふれる重大問題であるならその取扱いについては適正厳密な基本方針を確立すること。
一、いわゆる広域自治行政については、これを市の合併に限定することなく、事務の共同処理あるいは都市連合等の方策についても慎重に検討すること。
一、町村合併促進法により行なわれた町村合併の実績をつぶさに再検討し、新市町村の建設育成りに一層効果的な行財政上り措置を構ずること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/47
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048・小林武治
○委員長(小林武治君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/48
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049・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。市の合併の特例に関する法律案を問題に供します。本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/49
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050・小林武治
○委員長(小林武治君) 全会一致でございます。
よって本案は全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/50
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051・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
次に、ただいま秋山君の討論中に述べられました各派共同提出にかかる附帯決議案を議題といたします。本附帯決議案を当委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/51
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052・小林武治
○委員長(小林武治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
ただいま決定いたしました決議に対し、所管の大臣から発言を求められましたので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/52
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053・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 本案の採決に際しまして、附帯決議が加えられたわけでございます。いずれもごもっともな御決議と存じまして、御趣旨に沿って政府は善処したいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014720X02919620427/53
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054・小林武治
○委員長(小林武治君) 次回の開会は四月三十日とし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時三十九分散会
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