1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十三日(火曜日)
午前十時五十二分開会
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委員の異動
本日委員光村甚助君辞任につき、その
補欠として永岡光治君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 安部 清美君
理事
手島 栄君
寺尾 豊君
松平 勇雄君
野上 元君
委員
新谷寅三郎君
最上 英子君
谷村 貞治君
久保 等君
鈴木 強君
永岡 光治君
山田 節男君
奥 むめお君
政府委員
郵政政務次官 大高 康君
郵政大臣官房長 金沢 平蔵君
説明員
郵政省電波監理
局次長 石川 忠夫君
参考人
日本放送協会副
会長 溝上 けい君
日本放送協会専
務理事 前田 義徳君
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本日の会議に付した案件
○簡易保険郵便年金福祉事業団法案
(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基
づき、国会の承認を求めるの件(内
閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/0
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001・安部清美
○委員長(安部清美君) ただいまより開会いたします。
委員の変更についてお知らせいたします。
本日、光村甚助君が委員を辞任せられまして、その補欠に永岡光治君が選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/1
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002・安部清美
○委員長(安部清美君) 簡易保険郵便年金福祉事業団法案(衆議院送付)を議題といたします。
まず、政府より提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/2
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003・大高康
○政府委員(大高康君) ただいま議題となりました簡易保険郵便年金福祉事業団法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
現在、政府におきましては、簡易生命保険法及び郵便年金法の規定に基づき、簡易保険及び郵便年金の加入者の健康を保持し、その福祉を増進するための施設といたしまして、全国に簡易保険診療所二十九個所、加入者ホーム三個所を開設しており、さらに加入者ホーム五個所、保養センター二個所の建設を進めております。
これらの福祉施設の設置及び通常は、現在、郵政省が直接行なっているのでありますが、福祉施設の今後の拡充発展に備え、その効率的な運営をはかり、また、利用者により行き届いたサービスを提供するためには、特殊法人たる簡易保険郵便年金福祉事業団を設立し、これに福祉施設の設置及び運営を行なわせることが適切な措置であると考え、この法案を提出いたしました次第であります。
次に、法案の内容について、概略御説明申し上げます。
まず第一に、簡易保険郵便年金福祉事業団は法人といたしまして、当初の資本金は、事業の設立に際して政府が出資する現金出資額四億三千八百万円と現物出資額との合計額といたしております。現物出資をいたしますものは、既存の簡易保険診療所、加入者ホーム等の用に供している土地、建物、船舶等であります。
第二に、事業団の役員として、理事長一人、理事三人以内、監事一人を置くことといたし、その任期は、それぞれ三年といたしております。
第三に、事業団の行なう業務といたしまして、簡易保険及び郵便年金の加入者に対する福祉施設のうち、老人福祉施設、診療施設、保養施設その他の施設で政令で定めるものの設置及び運営を行なうことといたしております。
第四に、事業団の予算、事業計画、資金計画、借入金等につきましては、郵政大臣の認可または承認を要するものといたし、また、政府は、予算の範囲内で、事業団に対し、その業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することといたしております。
第五に、事業団は、郵政大臣が監督するものといたし、また、郵政大臣は、事業団の予算を認可しようとするとき等一定の場合には、大蔵大臣と協議するものといたしております。
その他、この法案におきまして、事業団の設立に関連して必要な簡易生命保険法等の関係法律の改正を行なうことといたしております。
以上が、この法案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/3
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004・安部清美
○委員長(安部清美君) 本案につきましては、本日は提案理由の説明聴取にとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/4
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005・安部清美
○委員長(安部清美君) お諮りいたします。「放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件」審査のため、日本放送協会理事春日由三君を参考人に追加決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/5
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006・安部清美
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/6
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007・安部清美
○委員長(安部清美君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。
これより質疑に入ります。御質疑のある方はどうぞ順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/7
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008・野上元
○野上元君 きょうは、この新料金による計画についての問題については小町専務がおいでにならないようですから、直接担当者が来られてからこの点については質問することにいたしまして、比較的料金並びに具体的な長期計画の内容等については質問をしないで、その他の問題について質問をしたいと思います。
まず第一に質問を申し上げたいのですが、御承知のように過般アメリカにおいて通信衛星法ですかが突如議会に上程されて、そうして近くテレスターとかあるいはその他の通信衛星が打ち上げられるということが新聞紙上に報ぜられているわけです。で、この内容について若干質問したいのですが、これは現実にはいつごろ打ち上げられて、NHKが計画されている——オリンピックまでに国際中継が全国にできるようにという計画を一時皆さん方からその構想の一端が述べられたことがありますが、それに間に合うのかどうか。その点をひとつお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/8
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009・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 人工衛星によるテレビジョンの国際中継の問題につきましては、昨年来協会の中にオリンピック国際中継委員会を設け、また同時に、オリンピック対策本部という臨時職制の機構を設けましてこれに対処する形はとっておりますが、アメリカのほうの実情もかなりいろいろ変わりまして、また同時に国内的にもいろいろ問題があるようでございます。それから日本全体として先般来郵政省を中心として国際電信電話、それから電電公社、NHKといった関係のところが相談をいたしまして、どういう体制でこれに応ずるかという研究もいたしておりますが、まだアメリカのほうでいわゆるオリンピックに完全に役に立つような衛星をいつ、どういうふうにして飛ばすかということまでは確定していないようであります。ただし、国内体制といたしましては、そういう事態が起こりましたならば、すぐそれに応じ得るように、それぞれの機関が分担いたしまして、現実にNHKといたしましては、たとえば国際電信嘱託株式会社のチャンネルを通じてNHKのテレビジョンの信号が向こうへ送れるように、そのためにはテレビジョンの信号を送れる本来の研究が相当まだ残っておりますので、それを鋭意今進めているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/9
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010・野上元
○野上元君 そうすると、あなたのほうで構想されているそのオリンピックまでにこれが間に合うかどうかという点につきましては、今のところ詳細には不明ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/10
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011・溝上けい
○参考人(溝上けい君) まだ必ずできるともどうともきまっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/11
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012・野上元
○野上元君 実は国際電電では茨城県でしたかに——政務次官の地元ですね、たしか——パラボラの二十メートル直径のアンテナを約四億円くらい投資して作る。郵政省においても電波研究所のほうで同じような地区にパラボラ・アンテナをもう建築中であるというような報道があるのですが、NHKとしてはそういう計画はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/12
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013・溝上けい
○参考人(溝上けい君) この問題は大きく分けますというと、テレビジョンの信号を送り込む問題と、それから国際間のチャンネルを作る、通信回線を作るという二つに分かれます。NHKの立場といたしましては、今のところは、国際間の通信回線を作るということはほかのほうでやっておられますので、これに協力はいたしますけれども、私どものほうの分担といたしましては、テレビジョンそのものの研究、そのものの信号を送り込む研究というものを主体といたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/13
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014・野上元
○野上元君 郵政当局にお聞きしたいのですが、今日、英国ではこの通信衛星法ができたとたんに、米国におけるATT、RCA、ゼネラル・エレクトリック等がすでにこの問題にからんでの独占競争が非常に行なわれておる。したがって、泥沼の利権争いというようなことで非常に問題になって、新たにケネディ大統領が法案を出して、一社で独占できないような法案を作るというようなことがすでに報ぜられて、手を打たれつつあるようなんですが、日本においてもすでにその通信衛星を受けて国際電電が早くもパラボラ・アンテナを作り、電波研究所が作り、あるいはその他民間がこれをやるというようなことになりますと、これまた電波を買い取る利権争いというようなものが起きると思うのだが、その点について郵政当局はどのようにこれを判断し、どのような手を打たれようとしておるか、その点をお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/14
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015・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 現在は電波研究所にいたしましてもあるいは国際電信電話株式会社にいたしましても、実験研究の段階でございまして、おのおのやっておるのでございますが、これが実際に実施するという場合になりますと、現在の法令の建前からいきますと、国際通信ということになりますと国際電信電話株式会社あるいはその委託を受けて国内的には電信電話公社というようなことになるかと存じます。アメリカにおけるような、メーカーがいろいろ出てきて、そこのところで何といいますか、今お話にあったような状態にはできるだけしないようにいたしたいと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/15
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016・野上元
○野上元君 その希望はわかるんですが、現実にもうすでに通信衛星を受けるパラボラ・アンテナができるということになると、もう建築が実施の段階に移されるということになると、郵政当局としては早く手を打たないと、再びこの通信衛星から賃貸を受ける電波の問題について、この争奪戦が始まるというような危険が十分に感ぜられるんだが、その点は郵政当局としては具体的にどういうふうな計画を持っておられるのか、その点をお聞きしておきたいと思うのですが、それは後ほど御質問申し上げますが、FM等についてすでに今日非常に免許がむずかしい段階にきておるというようなこともありますから、いち早く郵政当局は、基本的な抜本的な対策を講じて手を打っておかないと、非常に苦しい立場に追い込まれるのじゃないか、こう考えるのですが、郵政当局としては具体的にどのようにやろうとするのか、もしも構想があれば、この機会に知らせておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/16
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017・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 今のところ具体的に、何といいますか、そういうことに対する対策というようなことについて、確たるはっきりしたきまったものはございません。できるだけ早い機会にそういうものを作って、先生のおっしゃるような混乱の生じないようにいたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/17
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018・野上元
○野上元君 具体的にお聞きしますが、国際電電会社というのはそういう業務をやる会社ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/18
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019・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 国際通信を主たる仕事としている会社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/19
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020・野上元
○野上元君 そうすると、国際電電はその名のとおり、電信電話を取り扱うところであって、パラボラ・アンテナを作って電信電話の通信をやられることは、これは独創的なアイデアとして必ずしも否認すべきものじゃないと思うが、そのアンテナを利用して他にテレビのチャンネルを賃貸するとかいうようなことになると、この国際電電の仕事から、はみ出すことになりはせぬかというような気がするんだが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/20
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021・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 現在やっておりますパラボラ・アンテナの実験は、国際通信、要するに電信電話の範囲内でそういう実験をやろうとしていると承知しているんですが、さらにこれがテレビ中継というようなことをこのアンテナでやるということになると、まあ先生のおっしゃる問題が出てくるかと存じますが、この点はさらに研究してみたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/21
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022・野上元
○野上元君 そうすると、通信衛星が現実にアメリカで打ち上げられて、そこから発する電波を賃借りするわけですね、日本の場合には。その場合、パラボラ・アンテナを作って日本のネット・ワークに乗せるという場合に、それはどこがやるべきなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/22
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023・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 外国からの信号を受け、あるいは信号として発信する仕事は国際電信電話株式会社の仕事ではなかろうかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/23
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024・野上元
○野上元君 現実にもうすでにアメリカにおいては通信衛星の法案ができて、もう実行に移されつつあるというのですから、日本においてもその受け入れ準備ができておらなきゃならぬと思うんだが、その受け入ればどういうふうにやるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/24
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025・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) これは現実の問題になるまでにいろいろそこに研究すべき、あるいは検討すべき問題があるかと存じますが、まあ国際電信電話株式会社の施設を通じまして外へ電波が出、あるいは電波を受けて、これが国内へ入ってきて、実際にテレビの波として出すのは、どこがどういうふうな形でやるのかと、こういうふうなお尋ねだと思いますが、現在のところまでの段階におきましては、実ははっきりそれについて確定しておりません。が、放送につきましてはNHKが主体になってやることとなるだろうと、こういうふうに想像されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/25
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026・野上元
○野上元君 いや、あなたのほうは監督官庁として、想像されると言うのではちょっと困るんだが、たとえばアメリカの通信衛星が打ち上げられて、この所有権をどうするかによって私は相当異なってくると思うんです。たとえば、これをアメリカ国家の所有にするか、あるいは半官半民の公団のようなものにするか、あるいはまた民間のATTあるいはRCA等にまかせるかということによって非常に違ってくると思うんですが、かりに、アメリカのことですから、おそらくこの新聞報道を見ておりますると、まあ民間にまかせるんではないかと、こういう空気が非常に強い。ということになると、その通信衛星は、アメリカのNASAが持っておるロケットの発射を依頼して、それに金を払って通信衛星を打ち上げてもらう。打ち上げられた通信衡量は民間の会社のものになる。そうすると、そこから発射ざれる電波を借りる場合には、民間対民間のコマーシャル・ベ−スによる契約になるのではないか、こう考えるわけであります。そうなった場合には、私は条約ではなくして、直接民間ベースによって、商業ベースによって契約がなされるということになれば、どの民間の会社でも大きなアンテナを作ってそれを受信して、どんどん自分のネットに流していくということも可能になると思うんですが、そういうふうに考えられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/26
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027・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) いろいろな考え方があるということは、ただいま先世の御指摘のとおりだろうと思いますが、現在の段階におきましては、郵政省といたしまして、どういう構想でどういう機関がどういうふうに受けるか、あるいは発するかということについて、はっきりした方針というものをまだ実は打ち立てておりません。まあただいまCCIRにおきましても、宇宙通信のバンドの問題とか、その他あるいはその取り扱い方法につきまして、いろいろ議論といいますか、結論を出すために会議を行なうことになっておりますし、またその際に、郵政省から出かけて行った人たちも、そういういろいろなアメリカにおける実況、あるいはその考え方、その他をいろいろ検討して見てきていただくことになっておりますので、これらを十分に見ました上で、間違いのない方針を立てたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/27
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028・野上元
○野上元君 先ほど石川次長は、おそらくその総括的な仕事を行なうのはNHKだろうと想像されるという発言もあったのですが、NHKとしてはどういうふうに考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/28
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029・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 先ほど来お話のございましたアメリカ側の経営の主体につきましては、現在アメリカは国際通信というものを必ずしも独占的にやっていなくて、その点は日本と事情が違うように思うのですね。日本では今までのところは、私もよく存じませんけれども、国際電信電話が国際間の通信は独占的にされているわけです。で、あとは国内的なマイクロ・ウエーブと同じような関係になりますけれども、この場合もやはり、機械は電信電話の機械とテレビジョンの機械と共用されるわけでございます。電話の場合ですと六回線が使えるものを、全部使えばテレビジョンの信号が送れる、そういう意味で、送信機、受信機そのものは、通信であろうとテレビジョンであろうと同じものになるわけです。したがいまして、もし国際間の通信が、国際電信電話ということがもしそういう方向にあるとすれば、やはりそこが中心になって送受信の機械まではそこが持って、そこから出たものをNHKがもらうとか、あるいはNHK自身が信号を送り込んで六百回線全部使ってテレビジョンの中継を行なうという形になるわけでございますから、NHKといたしましては、今までのところは国際に非常に協力して、国際が当然なすべき研究につきましても、うちの技研で協力しておりますが、そういったものに協力すれば、そういった形の契約になるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/29
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030・野上元
○野上元君 NHKとしては、あくまでその波の契約は国内的なものになる、直接国際的なものにはならないということに了解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/30
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031・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 法律の形態から申しまして、NHKが自分でサテライトについての全部の設備を作ってはいけないとは必ずしも考えておりませんけれども、やはりむしろこれは国内的に統一いたしまして仕事を分担して、はっきりした責任を分担して進めたほうが能率的という考えから、国際電信電話株式会社とはそういうふうな話し合いで送り出す。受けるほうは向こう。それからテレビジョン自体の問題は全部こっちというふうに話し合って、共同研究をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/31
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032・野上元
○野上元君 そうすると、やはり何といいますか、その波を面接日本に配給する配給会社のようなものは国際電電がこれを担当する、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/32
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033・溝上けい
○参考人(溝上けい君) これは先ほど来お話したとおり、政府でお考えいただける問題だと思いますけれども、常識的には私どもはそういうふうに考えて……。これは私どもだけでして、根拠のあるものじゃございませんけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/33
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034・野上元
○野上元君 石川次長にお聞きしたいのですが、それはやはりNHKの今答弁されたように、国際電電がやるべき仕事になるというのが、常識的に日本の法律体系から見てそうなるということでありますが、そうすると国際電電の仕事は、そこまで許されておるのかどうか。今日の国際電電会社法というのですか、何といいますか、定款というのか、そういうもので許されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/34
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035・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 通信としての信号の国際的な授受については国際電信電話株式会社がやるというふうに考えておりますが、よくこの点につきまして検討してございませんので、さらに検討をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/35
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036・野上元
○野上元君 私もまだその点は十分に検討を加えておりません。ただちょっと心配になったので、そういう点をお聞きしておいたので、あなたのほうでも十分検討してもらいたいのですが、もう一つ検討してもらいたいのは、国際電電のみがそれをなし得るかどうか、あるいは民間のテレビ会社あるいはラジオ会社がそういうものを作ることもこれは可能かどうか、この点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/36
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037・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) ただいまの国際電信電話株式会社のなすべき、あるいはなし得る仕事とも関連いたしまして、あわせて検討いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/37
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038・野上元
○野上元君 たとえば日本にもテレビ塔ができましたね、東京に。ああいうふうにして独占的に電波を送るということが可能であるとするならば、国際的な電波を独占することもこれまた法的に許されるのじゃないかというような気がするわけです。したがって、国際電電のみがこれをなし得るのではなくして、民間会社もまた当然やり得る。NHKといえどもやろうと思えばやれぬこともないという解釈が成り立つのじゃないかといい気がするのです。ただ、それが経済的にどうなのかという点については、これはいろいろあると思いますが、そういうことになりますと、アメリカがすでに争奪戦が演ぜられておるというようなことを封ずるために特別の立法がされておるというようなことで、いち早くやっておるわけですから、日本もどんどん、どんどん具体的事実が先行してしまったあとでは、立法措置は手おくれだと思うのです。再び混乱状態になるという可能性があるので、その点は早急にあなたのほうで十分検討を加えて抜本的な対策を立てていただきたい、近い将来のこの委員会で再び質問いたしますから、そのときまでに十分答えられるように準備をしていただきたいと思います。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/38
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039・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) できるだけ早い機会に検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/39
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040・野上元
○野上元君 それからもう一つ重要なことは、アメリカが今日予定している通信衛星から発せられる電波、あるいはまた受信する電波の波の数ですね、それが今日現実に日本で使われている波の数と同一のものが多い、したがって非常に混信状態になるであろう、こういうことがすでに心配されているわけだが、そういう事実はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/40
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041・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 宇宙通信にどの波を使うかということは、実はまだはっきりいたしておりません、今度のCCIRその他で……。終局的には来年の臨時無線主管庁会議ですか、その会議で決定されるというふうに聞いておりますが、いずれにいたしましても、ほんとうのクリヤ・チャンネルが宇宙通信に使われるか否かという点につきましては、公衆通信とぶつかる波が使われる可能性が非常に強いようにも聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/41
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042・野上元
○野上元君 これは二月十八日の日経新聞の記事なんですが、予定されているアメリカの通信衛星テレスターは、地上局から衛星へ送る電波、周波数が六千三百九十メガサイクル、受信周波数が四千百七十メガサイクルである。しかし四千メガサイクル付近は電電公社が表日本十四系列、裏日本八系列のテレビ、電話用マイクロ中継回線に使っており、この中には、衛星の出す四千七十メガサイクルとずばり一致するものもある。六千メガサイクル付近もすでに東海道など八系列を割り当て済みで、三十八年までに全部の波が使われる。またさらに、通信衛星リレーの場合におきましても同様、ダブるものが相当出てくる、こういうことがすでに報ぜられているわけでありますが、こういう波を決定するのはどこで決定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/42
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043・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 決定したというふうには実は聞いておりませんが、どういう波を使うかということが宇宙通信の非常に大きな問題の一つでありまして、これについてはCCIRそり他の会議を通じてきめていきたい、そのときに、その他の公衆通信の波とぶつかるかぶつからぬか、あるいはぶつかる場合にはどうするかというようなことが討議せられるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/43
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044・野上元
○野上元君 そうなると、この新聞に報ぜられている波は、まだ決定していない、したがって、これを決定するのはどこでやるのですか、CCIRで決定するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/44
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045・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) これははっきり私は承知しておりませんが、今まで聞いたところによりますと、結局、宇宙通信は一国だけでどうにもなる問題ではございませんで、国際的に各国で使いますので、国際間で結局この波を使うか使わぬかというようなこと、どういう衛星を打ち上げるかということから、また、どういうふうな波をこれに使うか、そういうようなことを国際会議の席上において取りきめるのだというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/45
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046・野上元
○野上元君 その国際会議は、近い将来というといつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/46
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047・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 来年の多分一月から二月にかけてだと思いますが、臨時無線主官庁会議の席においてきめられる予定になっておると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/47
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048・野上元
○野上元君 私もこれはしろうとですから、内容は、よくわからぬのですが、こういうことがもうすでにアメリカのほうでほぼ決定の段階にきて、もうテレスターが打ち上げられようとしておる、あるいはリレー、エコー等が打ち上げられようとしておる段階において、郵政当局が、相手がきめる波の数あるいはそれがどうなっておるかというようなことを知らないというのは、ちょっと手おくれじゃないかというような気がするのですがね。これはどうなんですか、全然そういう研究はされておらないのですか、郵政省としては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/48
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049・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) どういう波が使われるかということについて、こういう波を使いたいというような、情報としてはある程度は参っております。しかし、これを先ほども申し上げましたように、最終的には国際的な会議によってきめられる、その席上において、日本だけではございませんが、各国とも特に公衆通信との関係についていろいろ討議せられて、その結果、最も適当な波が選ばれるのであろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/49
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050・野上元
○野上元君 そうすると、郵政当局としては、新聞でいろいろなことが出ても、結局、来年一月から二月の間に持たれるその国際会議できまらなければ、これは最終的決定ではないから、別に今のところ心配はない、こういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/50
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051・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) 最終決定は来年の会議でございますが、現在、CCIRの会議も行なわれておりますので、その会議に出席する職長が、まず向こうの状況、情報がどの程度のものであるか、真実性がどの程度のものであるか、あるいはそれらについていろいろ下打ち合わせと申しますか、専門的な打ち合わせを行なうことになっておりますので、まあそういうようなことが行なわれるに従って、漸次、何といいますか、実際の姿がはっきりしてくる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/51
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052・溝上けい
○参考人(溝上けい君) ちょっと補足的に申し上げますが、現在計画されております人工衛星は、全部これは実験でございますから、したがいまして、その周波数をきめることも、国際的にそう慎重に考えないでやったのじゃないかという点もございます。したがいまして、これは聞くところによりますと、最近の分は、たとえばヨーロッパ相手の実験を主にしている、こういうようなことも聞いております。したがいまして、さらに将来、東亜、日本等を相手にする実験が行なわれます場合には、当然、現在国内で使っている周波数とぶつからないような周波数をそのときに選ぶということになると思います。それら全部含めまして、現在のCCIRの、これは技術的な委員会でございますが、これはワシントンで開催されます。これにつきましては郵政省も私のほうからも人を出しておりまして、さらにそういった情報をつかみたいと考えておりますが、正式に国際間の今のような周波数がきまります場合は、おそらく各国の事情を調査した上で、そういう問題が起こらないような点にきめていくのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/52
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053・野上元
○野上元君 そのこともわかるのですが、この新聞の報道によると、今日米国の通信衛星から発し、また受信する周波数について、国際電電と電電公社は、どの程度温情の可能性があるかについて目下共同調査中である、しかしながら、人工衛星自体の電波を変えることは相手の都合があってむずかしい。一方、国内で割当を受けた周波数の電波は、一種の既得権で、これを変えるということは送受信施設を変えなければならぬので、これまた非常にむずかしい、こういうことがすでにいわれておるわけなんですね。ということになると、相当困難性があるのじゃないかというふうに、しろうととしては考えられるわけなので、そういう点については、いち早く手を打たないと既成事実になってしまう。今度はアメリカの人工衛星周波数を変えるということになると、人工衛星の施設をまた変えなければならぬということになる、それは、はたしてアメリカが簡単に受け入れるかどうかというような問題もありますから、その点を早く郵政当局としては、技術専門家のNHKあたりと十分連絡をとりながら手を打ってもらいたい、こう実は考えたわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/53
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054・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) できるだけ早い機会に情報につきまして確かめまして、その上で早い機会に対策についても検討いたすようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/54
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055・山田節男
○山田節男君 今の町上委員に対する宇宙通信の周波数の問題ですが、先ほどNHKの溝上副会長の答弁されたことが実態だと思うのです。しかし一九六〇年の五月にエコー第一号を打ち上げて、実際私見たのですが、アメリカ、カナダ、イギリス、それから西ドイツ、これは協定でもってテストをやっておるのですね。ところが一九六二年の五月以降にエコー第二号を打ち上げる。そうなると、今度エコー第二号はもっと遠方へ打ち上げるから、そうすると、東京でも当然今度は地球全面にくるリレーというのは、中継の実験ができるわけですね。だから、テストに参加する国の協定によって、この周波数はあくまで実験のものであるということでやるように了解しておる、エコー第一号の場合はそうです。第二号のエコーの発射の場合は、これは日本としてはもっと直接的な利害の関係のある問題です。ですから今、野上君の言われたように、私はアメリカに実際一昨年行ってみますと、問題点は、NASAという、ナショナル・アドバイザリー・セクション・フォア・エアラノーティックス——米国航空宇宙局、これなんか周波数の、何といいますか、奪い合いといってはおかしいけれども、衝突しておる状態です。将来わからぬけれども、ソ連もおそらくそういうようなことがあるのじゃないか、これが今度宇宙通信を国際的に中継実験する場合における一つの隘路といいますか、難点にぶつかっている。これはNASAの、これを実際やっているATTあるいはRCAの気象通報宇宙衛星ですね。ですから、いずれにしてもすべてこの周波数に関する問題ですから、暫定的にはこれは協定、アグリーメントでいくのだという建前になる。今度は、第二号のエコーの場合には、日本は当然参加すべく今茨城県下で準備しているように聞いている。ですから、幸い日本はITUの管理理事国であり、しかも国際周波数登録委員会に長谷君が出ているわけでありますから、この点の経過報告を受け、アメリカを中心としての、西欧の一部との共同実験の状況等はこれは精細に郵政省は取り寄せなければいけない。だから、今の石川君の答弁を聞くと、少しその点が抜かっているのではないかと思うのです。ですから、そういうルートをすでに日本はジュネーブに持っているのですから、もっと詳しくこれは取らなければいけない。NHKも直接関係あるのですから、あるいは国際電電も関係あるのですから、郵政省が主体になってそういうものはできるだけ最近のものまでこれを集めて、それを当委員会にも参考として出せるようにしておかないというと、予算に関係しその他の問題に関係する場合には、国内、国際という、両方の関係があるのですから、これは私は野上委員の要求のとおり、もっと私は強く要求しておきますから、至急このNHK、国際電電と協力して資料を集めてもらいたい。準備すべきことは当然だ。これを強くお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/55
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056・永岡光治
○永岡光治君 資料についてですが、今もエコーの問題が質問の議題に上っているわけでありますが、私は野上君がちょっと触れておりましたオリンピック関係の通信放送施設の関係について、どういうことになっているかをお聞きしたいわけですが、あとわずか二年後に控えておりますオリンピックですから、国内通信、国内放送、国際放送、こういうものを含めた郵政省の計画なり組織なりというものがあるはずだと私は思うのですがね、まだ詳しい報告も受けておりませんので、そういう資料があれば——まあ当然あるはずだと思うのですが——この委員会にひとつ提出をしていただきたい。このことを要求しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/56
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057・野上元
○野上元君 直接電波に関係しておられる方々よりも、この送受信機のほうのメーカーのほうは非常に進んでいるようですね。もうすでに国際電電は東芝その他数社に対してこの送受信機を発注しているのですね。今年中にはでき上がる、こう言っているのですが、そのでき上がるといわれる機械は、波には関係ないのですか。波の決定には関係ないのですか、この機械は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/57
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058・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 当然関係がございますが、しかしそれは、正確にきまった場合に多少の調整はできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/58
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059・野上元
○野上元君 その調整をしたければならぬようなことを業界がやるでしょうか。もっと確実な証拠を握って、根拠を握って業界としては金を投じているのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/59
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060・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 注文するほうで不明確な点がありますれば、そのときの責任は注文するはうにも一部あるわけでありますが、純技術的に申しまして、全然周波数がきまらない場合に、全然準備ができないという種類のものではない、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/60
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061・野上元
○野上元君 その周波数が決定した場合に、調整するというのは相当大きな費用がかかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/61
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062・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 調整の幅にもよりますが、非常に変われば作り変えることになりますけれども、おそらくそういう程度じゃなくて、ある程度の内部の調整あるいは多少の構造の変化という程度でおさまれば、たいしたものでないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/62
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063・野上元
○野上元君 郵政当局に要望しておきますが、そういうふうに国際電電がすでにある型の送受信機をメーカーに発注しておるという事実があるのかないのか。その送受信機はどういう波を受け、あるいは送る機械なのか、そういう点についても調べてもらいたいと思うのです。そうでないとあなたがたがいろいろ行政的手段に訴えられるまでに、業界のほうにおいてはどんどん既成事実を作っていってしまうというようなことになるのじゃないかというような気もするし、その業界のほうが正しいのか、政府のほうが手おくれになっておるのか、その点は将来重大な問題だと思うのですが、そういう点についても十分ひとつ調べてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/63
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064・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) できるだけ早い機会に調査いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/64
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065・野上元
○野上元君 その他いろいろと質問したいことはたくさんあるのですが、あまり時間がありませんので先に進めますが、NHKにこの機会にお聞きしておきたいのですが、将来FMが重大な役割を果たすであろうということがいわれておりますし、最後の媒体として十分慎重にやらなきゃならぬという二つの意見があるわけですね。すみやかに決定しなければならぬということと、慎重でなければならぬというふうに考えているんですが、NHKがFMを免許された場合に、どういう方面に使おうとされているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/65
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066・溝上けい
○参考人(溝上けい君) NHKは、先般来実験放送で、すでにFM放送を行なっておりますが、現在までのところ、在来どおり第三放送としてFMに最も適した番組にこれを使用したいと考えて今まで進めております。しかしながら、最近の中波における混信の状況を考えますと、これは大電力という問題も考えておりますけれども、どうも徹底的な対策が中波自身については立ちにくいという点も考えまして、やはり非常に混信の少ない特性を持ちますFMをそういう方面に利用する。必ずしも補足的という意味ではございませんが、そういう二様の利用方法がある。これを将来どういうふうに総合してFMを活用するかということは、今後さらに研究したい、政府の御方針にも沿うように研究したい、さように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/66
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067・野上元
○野上元君 そうすると、NHKとしてはまだFMに対する基本的な最終的態度は決定しておらない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/67
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068・溝上けい
○参考人(溝上けい君) いろいろな案につきまして、大きな方向としては今申し上げたような方向でございますが、こまかくそれをどういうふうな傾向でどういうふうに置局して、それをどこにどういうふうに運用するかということまでは、現在まだ検討中という段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/68
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069・野上元
○野上元君 私が聞きたいのは、FMを使う場合に、従来はいわゆるカバレージを百にするために難視聴区域に対してこのFMを実施したいというのが最初の私は願望であったというふうに考えるのです。ところが最近だんだんそれが進んできて、そうじゃなくて、中波と並行さして同じ程度に使っていこうというふうな意見が非常に強くなってきたというふうに思うのですが、これは私の思い違いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/69
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070・溝上けい
○参考人(溝上けい君) 先ほど御説明申し上げましたように、NHKがFMをスタートいたしましたときの考え方は、全く第一、第二放送以外に第三放送として、ちょうど当時BBCが第三放送をやっておりましたが、それに似通った高度の、音質も優れた、特に芸術的に程度の高い一つのチャンネルを設けて、それにFMを当てたいと。ということは、中波ではもうそういう余裕もございませんでした。同時にFMという新しくしかも優れた性能を持ったチャンネルがこれに非常にマッチしておるというふうに考えて、そこからスタートしたのでございますが、その後数年たって現在の混信状況を見まして、それだけではどうも足りない、やはり混信の除去という点にもこれは十分利用しなければならないというふうに考えて参ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/70
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071・野上元
○野上元君 まあとにかくFMの免許申請は今や膨大な数に上っているわけですが、これを郵政省が免許する根本的方針について、なかなか郵政省としては決定ができないという段階に今日あるようです。で、いろいろな理由があろうかと思うのですが、私は、最初申し上げましたように、難視聴区域を救済するためにFMというものが利用されるということであるならば、これはおそらくNHKだけがやればいいんじゃないか。ほかの民間ではほとんど必要がないと思うのです。ところが、FMをやはり商業ベースに乗せようという動きが出てきたということになると、FMだけで独立して経営が成り立つかどうか、ペイするかどうかという点が非常に大きな問題になってきていると思うのです。で、外国の実績等を調べてみますと、採算がとれないという場合が非常に多いようなんですね。そうすると、FMというものが単独で会社を設立して商業ベースに乗せるということは非常にむずかしいのじゃないかという心配があると思うのです。そうすると、結局今の新聞、ラジオ、テレビを一括して掌握しておる会社が再びFMもこれを持つというようになると、都会の上空はあらゆる電波が乱れ飛ぶけれども、依然として難視聴区域に対しては届かないという、こういう現象が出るのではないかと、こういう私は心配をしておるわけなんですが、そういう心配は杞憂に過ぎるようですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/71
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072・石川忠夫
○説明員(石川忠夫君) まず第一の、先生のおっしゃいましたFM局が単独で採算的に成り立つかどうかという問題につきましても、いろいろな方がいろいろおっしゃっているわけでございまして、現在FM放送の調査会におきましても、まあこの問題だけではございませんが、非常に大きな問題点の一つとなっております。ただいまの現段階では、単独では成立しないんだとも言い切れない。まあアメリカあたりではFM放送を単独でやっているじゃないかというようなことをおっしゃいます方もあります。ただ、アメリカと日本との国柄、あるいは経営の仕方その他を考えてみますと、アメリカだから成立するが、日本も成立するとも言い切れない点もあります。まあそういうようなことで、現在までのところは、実はFM放送が単独でやれるかどうかということにつきましても、はっきりやれないんだ、やれるんだ、というように、結論が出ていない段階でございます。したがいまして、これは今までの既存の放送業者がやることになるんだということもまあ言い切れない段階でございます。経済的に見れば、既存の業者は演奏場その他を持っておりますので、非常に経済的にできるということは考えられますが、現在までのところ、単独では成り立たないんだという結論にも達しておりませんので、民放との関係は、まあその点だけではございませんが、経営の面からもさらに検討をしなければならない問題となっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/72
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073・野上元
○野上元君 この問題についての郵政当局の方針については、二、三回前の委員会でいろいろと質問をいたしまして大体わかっているのですが、まだ研究中というようなことでした。いつまで研究するのか、この点非常に問題があるわけですが、NHKとしては、免許されればいつでもスタートできるという準備はできているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/73
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074・溝上けい
○参考人(溝上けい君) おっしゃるとおりでございます。本年は一応実験局、まだ正式にきまっておりませんから、実験局の形で、七局開設というつもりでおりますけれども、これまた政府の御方針いかんによりまして、弾力的に、必要に応じてはもっとふやす。また来年以降におきましては、一〇局、二〇局ぐらいはやるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/74
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075・野上元
○野上元君 この問題はこの程度にいたしまして、今度NHKとしては、教育放送を非常に新しいアイデアとして三十八年度から盛り込まれるようですが、これはどういう構想ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/75
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076・前田義徳
○参考人(前田義徳君) これは前回の臨時国会で、学校教育法の新しい法律ができまして、広域通信学校を設置することができることを中心に考えまして、昭和三十七年度予算で御審議いただきたいと考えておりますが、東京に広域通信高等学校を作りまして、その教育方法としては、ラジオ、テレビを通じて通信高等学校講座を拡充強化する予定でおります。したがってテレビにおきましても、これは予算案の中で私どもの希望を申し述べておりますが、三十七年度以降は、一日十八時間の放送を考えておりますし、それから教育テレビにつきましても、明年度以降一日一時間半の時間増をいたしたいと、こう考えております。これは現在の全日制高等学校ないし定時制高等学校にも通い得ない方々のために、全国的にこの通信耳等学校講座を放送いたしまして、そのためのテキストも特別に考えたいと思っておりますが、このためには、現在でも、ラジオにおきましては約三〇%のスクーリングをNHKの放送を聞けば免除されるということになっており、テレビにおきましては約五〇%のスクーリング免除ができることになっておりますが、正式に通信高等学校にその講座を開きますためには、同時に法律によってきめられたスクーリングも必要でありまして、そのために広域通信高等学校を東京に設立して、NHKの放送で勉強しておられる方々に、年間、法律によってきめられた時期をスクーリングの場に充てたいと、こう考えているわけでございます。計画といたしましては、昭和三十七年度に、もし予算の御承認をいただければ、直ちに学校法人としての通信高等学校設置の認可及び許可の手続をとりまして、同時に建設にかかりまして、そうして昭和三十八年四月一日から開校いたしたい。したがって明年度の終わりには正式に学生を募集いたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/76
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077・野上元
○野上元君 これは完全な一つの学校法のようなものの学校であって、その目的は一つの資格を与える、免状を与えるということですか。単なる教養を高めるという程度のものなんですか。どちらなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/77
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078・前田義徳
○参考人(前田義徳君) これは、結果的に申しますと、約五年ぐらいのあとに所定の科目数を終えますと、高等学校卒業と同等の資格を与えることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/78
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079・野上元
○野上元君 そうしますと、現在既存の教育関係法との関係はどうなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/79
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080・前田義徳
○参考人(前田義徳君) これは、既存の教育関係の各法律にさらにプラスされた法律でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/80
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081・野上元
○野上元君 そうすると、新しい立法が必要である、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/81
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082・前田義徳
○参考人(前田義徳君) 前回の臨時国会において法律は成立いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/82
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083・野上元
○野上元君 その他いろいろと御質問申し上げたいことたくさんあるんですが、時間もきたようだし、計画立案者がどうも見えそうにないので、きょうの質問は一応これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/83
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084・安部清美
○委員長(安部清美君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/84
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085・安部清美
○委員長(安部清美君) 速記を起こして。
他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日のところ、この程度にとどめておきます。
これにて散会いたします。
午前十二時散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X01219620313/85
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