1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月十五日(木曜日)
午前十時三十四分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
石原幹市郎君
塩見 俊二君
鶴園 哲夫君
山本伊三郎君
委員
上原 正吉君
木村篤太郎君
下村 定君
中野 文門君
一松 定吉君
千葉 信君
高瀬荘太郎君
国務大臣
運 輸 大 臣 斎藤 昇君
政府委員
大蔵省日本専売
公社監理官 谷川 宏君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 高橋 末吉君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○公共企業体職員等共済組合法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に続いて質疑を行ないます。関係当局よりの出席の方々は斎藤運輸大臣、高橋国有鉄道部長、谷川日本専売公社監理官、松田郵政省電気通信監理官の方々でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/1
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002・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それでは担当大臣の運輸大臣に聞きたいのですが、実はこの公共企業体職員等共済組合の運用の問題ですが、実は三公社持ち回りで担当大臣をきめておるようであります。したがって、どうも前は木暮さんだったと思うのですが……郵政大臣のときですから、そういうことでどうも法律審議にあたって前の過程、経過というものを十分大臣もお聞きになっておられないと思うのです。何かこれはひとつ適当な、専門大臣でもだれかきめるというような運用方法はとれるかどうか、あなたにこれを聞くのは無理だと思うのですが、この点ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/2
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003・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) まことにごもっともだと存じます。前には郵政大臣が担当であったものですから、郵政大臣が……、内部のことですから、ことに事務当局はいつも連絡をとっておりますから、前の担当省の大臣がどういうような答弁をしたかということは、これは知っているはずですが、それにしてもやはり省が変わりますと、何だか妙だなあという感じを私自身もいたしております。さりとて、三省にまたがっておりますので、三省の間で話し合って、これは何省所管ときめようということになって、主として内閣委員会のほうでもそれがよかろうということでございましたら、そういうようになるのがいいのじゃないかという感じがいたしております。この法律を三つのそれぞれの所管に分けてしまうのも、運用の内容が若干違うにいたしましても、ほとんど同一でございますから、そういうようなことでも考えてみたらどうであろうかというような気持もいたしております。検討いたしてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/3
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004・山本伊三郎
○山本伊三郎君 何省がこれを管轄するという、固定的にきめることも若干無理なことであるということもわかるのです。したがって、一年交代ということではなくして、少なくとも三年ぐらいは持ち回りというようなことも一つの可能性のあるきめ方としてはいいのではないかと思うのです。来年は大蔵省の管轄になるのですが、大蔵省の場合にはちょっと問題があるのです。これは来年になってみないとわからないのですが、専売関係を持っているというけれども、大蔵省は別の立場で監督をする資格を持っているのですね。その問がわれわれとしても問題があるので、これを提起しておるのであって、そういうことを出すと、やはり大蔵省が管轄するということを、皆さん方気が弱いからそうなるのじゃないかという危惧がいたしますから、つけ加えてこの点だけ言っておきますから、そういう点をひとつ、あなたに聞くのはどうかと思いますが、これは希望意見でございます。
それから、もう一つは、こういう法律の性格から言って、やはり法律案の提出については組合員の意向が入るということは、これは社会保障制度審議会においてもそういう意向を出しておった。各国鉄なら国鉄、あるいは専売、あるいは電通では、おのおのの組合においては、組合員が入って運用に参加していることはいいのですが、法律を出す場合には、そういうものを反映している機関としてのそういうものがないので、できればそういうものができないものだろうかというのが、われわれの主張なんですが、この点についてどういう御意向であるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/4
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005・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、この運用自身については、組合の方が代表として参加を——参加というよりは組合の方が運用しておられるようなわけでございますが、法律案の改正等におきましても、各組合の意向を聞いてやっているわけでありますが、その場合に、三公社の組合が一つになって意見を出すような仕組みを考えたらどうかというお話でございまして、ごもっともに存じますが、私はこれは事実上三公社の共済組合の関係の組合の方々が集まって御相談をしていただければそれでいいんじゃないか。恒久的な法律によるような機関というものはなくても、十分組合の方々の御意向——各組合のみならず、三公社の組合の一致した御意見というものも出していただけると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/5
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006・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それから各組合の資金の運用の問題ですが、これはまだそういうことをはっきり聞いておらないのですが、聞くところによると、相当多額な、特に国鉄あるいは電通においては積立金があるようです。これはもちろん積み立てなくちゃいかぬですが、その運用について大蔵当局のほうから政府の資金運用部のほうに出せというような意向があるように漏れ承っておるのですが、これは今度できる地方公務員の共済組合法に関連して現にわれわれは聞いておるのですが、そういう点はないと思いますが、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/6
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007・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) 私が運輸大臣を拝命しまして以来そのことはまだ聞いておりません。あるいは運輸省の事務当局でときどきそういう考えも起こすであろうということは予見できますが、おっしゃいますように、これは預金部で運用をさすということは望ましいことではないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/7
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008・山本伊三郎
○山本伊三郎君 重ねてこの点についてはまあ要望的なことですが、言いますが、実際この資金はあるけれども、大部分は運用されておるようです。住宅貸付でもまだ限度を上げてもらいたいという希望もありますし、使い道が幾らでもあるのですが、一応安全性を見て押えるといいますか、やっているのですから、そこに持っていくのだったら、もっと内部でもって運用の方法があると思います。この点はひとつ十分その主張を持っていただきたい、こういうことを希望的に申し上げておきます。
それから、大臣がおられる間にもう一点言っておきたいのですが、今度の改正については、この前の国会の附帯決議を十分に尊重されて出されましたことは、これは敬意を表します。ただ、まだ問題として残っておるのは、外地の鉄道、いわゆる満鉄とかそういう方面からこちらへ、国鉄にかわった人とか、ほかの公社にもあるのですが、そういう人についてはやはり通算措置がないのです。これについては当局側も言い分があると思うのです。満鉄も、あるいはその他の外地における、まあ公社ではなかったのですが、そういう会社に勤めておって、これは純然たる会社である、官吏ではないんだという言い分があるのですが、当時の日本の国の政治の状態を見ますと、いわゆる満鉄にしましても、すべて国策会社として運用されておる。したがって、官吏ではないけれども、準官吏のような形の運用がされておったのですから、やはりある程度そういうものは、全部通算措置をするということは無理であっても、少なくとも資格期間ぐらいは見たらどうかというわれわれ感じもしておるのですが、その点だけが残された問題と思うのですが、これは大臣なりあるいは高橋部長でもけっこうですが、ちょっと御意向を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/8
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009・斎藤昇
○国務大臣(斎藤昇君) この点も一応考えられて、ごもっともな御意見だと存じます。組合自身の経営者の代表、ことにまた、労働者の代表の方々の御意見もよく伺いまして、善処をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/9
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010・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それでは、出ている法律の案文を確認——理解しているのですが、確認しておきたいと思うのですが、この表にあります減額の問題です。これが一番問題であったのですが、これは図示しなければわかりにくいのですが、いわゆる通算期間における減額は、国鉄に現在いる人は百分の二となっているのですが、通算期間におけるものは、減額は百分の〇・九、したがって、加算率は百分の一・一、こういうことを確認していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/10
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011・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) ただいまのとおりでございますが、現在たとえば国鉄でございますと、従来から、途中で切れるようなことなしに、一貫して勤めてきた人でも、やはり一時退職金関係の場合がありますと、同じく〇・九の控除ということになっておりまして、全く同等の取り扱いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/11
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012・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それでは、大体ある程度理解されているものを、八百長のような質問はしたくないと思いますが、先ほど大臣に申しましたように、外地鉄道なら外地のそういう国策の会社から移籍したというようなものについては、われわれとしては何らかの考慮をしなければいけないという感じでおりますので、この点ひとつ事務当局としてどういう考えがあるか、この点ひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/12
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013・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) この問題につきまして、この法案をまとめて参ります段階におきましても、事務当局としてはいろいろ議論もあったのでございますが、この問題は、この法律だけで解決というのはなかなかむずかしかったのでございまして、御承知のように、この共済組合制度、また、そのほかの共済組合、国家公務員共済組合とかいうものは、恩給法というものを引き継いでずっと参っております。それで恩給法の改正等の場合に、根本的にこういうような範囲までどうするかというようなことと一緒に、社会保障制度審議会のような総合的な場において、十分御検討を願わなければならないということに相なっております。今回は附帯決議の御趣旨もあり、どうしても本国会に提出しなければならぬというので、この程度の法案になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/13
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014・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それから配偶者の分べんは三千円、それから本人のやつは六千円ということに増額されて、国家公務員と同率になるのだということですが、これは今の実情からいって、公共企業体の共済組合のみならず、国家公務員でも六千円ということについては、われわれとしては問題があると思うのです。国家公務員共済組合法についても、実はわれわれその意見を出そうとしているのですが、とにかく三公社の場合、国家公務員のあとを追ってそれに追いつくということだけなんですね、それでは私、独立した共済組合の主体性というものはどうかと思う。やはり妥当なものは国家公務員なんかがこうであるから、あるいは健康保険の場合もこうであるからということでなくて、実情に即した改正案というものを考えられなくちゃいかぬ、これは大臣にお尋ねしようと思ってちょっと漏らしたのですが、事務当局としてはどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/14
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015・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) ごもっともなことと存ずるのでございますが、最低の保障というふうな意味もこざいまして、法体系を整える関係でこのようになったわけでございます。実質的な各三公社の短期給付の実情におきましては、御承知のように、資金の範囲で付加給付ということで、もっと、十分な支給をやっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/15
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016・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点は僕らも実情を知っておるんですが、しかし、法律を作るときは現状を無視した、まあとにかく法律はこうだが現実には付加給付はそういう形でやっておるんだからいいということではなく、やはり妥当なものは法律できめたほうが法秩序を守る上でもいいと思う。いつも選挙のときには法定選挙費用ということを言うが、あれは法律の上だけのものだと、非常に国民の非難を受けておるが、これについては国民は非難しないと思いますが、やはり当局としては、そういう考えで今後改正をする場合には考えていただきたい、こう思います。これは答弁は要りません。
そういうことできようはこれで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/16
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017・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ほかに御発言ございませんか。
他に御発言がなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X00619620215/17
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