1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十三日(火曜日)
午前十時三十七分開会
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委員の異動
三月八日委員上原正吉君及び千葉信君
辞任につき、その補欠として下條康麿
君及び江田三郎君を議長において指名
した。
三月九日委員下條康麿君及び江田三郎
君辞任につき、その補欠として上原正
吉君及び千葉信君を議長において指名
した。
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
石原幹市郎君
塩見 俊二君
鶴園 哲夫君
山本伊三郎君
委員
上原 正吉君
木村篤太郎君
下村 定君
一松 定吉君
松村 秀逸君
千葉 信君
高瀬荘太郎君
政府委員
文部大臣官房長 宮地 茂君
文部省社会教育
局長 齋藤 正君
自治大臣官房長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○自治省設置法の一部を改正する法律
案小内閣提出、衆議院送付)
○大蔵省設置法の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
自治省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。政府側より出席の方は、自治省柴田官房長であります。なお、安井自治大臣は、後刻お見えになる予定になっております。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/1
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002・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まず最初に、ちょっと聞いておきたいんですが、大臣の提案説明は大体聞いておるのですが、特に官房長から、今回参与を二人増員した、それの理由を具体的にちょっと御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/2
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003・柴田護
○政府委員(柴田護君) 自治省に置かれております参与は、現在定員十名でございますが、重要な省務に関しまして自治大臣に意見を申し述べるということ、これがその職務でございます。現在地方六団体、いわゆる地方公共団体の代表者が六名、あと学識経験者が四名ほどでございますが、最近の自治省の仕事の中で、地方開発関係の仕事がふえて参りまして、この関係がふえて参りますと、どうしても地方行政の従来の行財政関係だけでは、円満な地方行政の伸展が見られませんので、また、従来の参与の中にも、そういう方面の専門的な学識経験者もおりませんし、自治省の職員自体も、そういう方面にはふなれでございます。この際そういう方面の有識の方を参与にお迎えいたしまして省務の遂行に遺憾なきを期したい、かような理由で参与を二名増員することにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/3
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004・山本伊三郎
○山本伊三郎君 地方開発と申しますか、そういう点について、有識者の意見を聞くというのですが、主としてどういう……、もちろんこれは経済の高度成長に伴って地方のいろいろの開発の問題があるんですが、これは今回本国会に提案される新産業都市建設促進法に関係あるのですか、どうですか、それをちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/4
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005・柴田護
○政府委員(柴田護君) 直接新産業都市建設促進法とは関連を持っておりません。しかしながら、その仕事の大部分は新産業都市も含めてより広い意味におきます地方開発全般の問題、そういった観点から、経済界、主として実業界方面の実際の御意見、実際面からくる御意見を聞きたい、こういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/5
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006・山本伊三郎
○山本伊三郎君 今度の国会にも都市の合併、特に九州の五都市の合併の関係の法律案が出されておると思うのですが、そういう関係でやはりこれに関連性がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/6
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007・柴田護
○政府委員(柴田護君) ちょっと御質問の趣旨がわかりかねましたが、合併とこの参与の増員とは直接関係はございませんけれども、北九州五市の合併も、将来の合併後の建設計画につきましては、やはり経済的な問題が主たる問題になろうかと思うのでありまして、その意味では無関係ではないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/7
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008・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それではもう一ぺん聞いておきますが、北九州五都市の合併ですね。これがいろいろ問題があるように聞いておりますし、われわれ自身も問題はあると思うのですが、これは自治省としてきわめて強い意向を持っておられるのか、地元の要望が強いのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/8
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009・柴田護
○政府委員(柴田護君) 北九州の五都市の合併問題は、大体は地元の熱意がそもそも始まりでございまして、これは御承知のように、長い間懸案になっておった事項でございますが、最近合併の機運が高まって参りました。その機運を助長し、また、その住民の意図する合併を実現するために、合併の障害になりますものを法律案をもって取り除こうというのが市の合併特例に関する法律の規定の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/9
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010・山本伊三郎
○山本伊三郎君 将来この種の合併がいろいろ各方面で問題になると思うのですが、われわれとしては、やはりこれが新産業都市建設の一環だと見ておるのです。自治省の立場からいえばそうでないかもしれませんが、やはり国の政治から見ると、そういう方向に進んでおると思う。地元の要望が強い、もちろんそれも私は聞いておりますが、地元の要望を誘発しておるということも考えられると思うのです。小林次官が現地に行かれて——これは新聞の報道ですから、私はその信憑性についてははっきりわかりませんが、五都市合併によって新産業都市の指定都市にするとかということを言っておられるのですが、それについて自治省はそういうことを考えておられるのかどうか、それについてひとつ聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/10
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011・柴田護
○政府委員(柴田護君) 市の合併特例に関する法律を提案いたしますまでの過程におきまして、お話のような時期が一時あったことは事実であります。と申しますのは、地元から市の合併を促進するために必要な措置をとってもらいたいというような話がありましたころに、たまたまいわゆる新産業都市、われわれの用語では基幹都市と言っておりましたが、その問題が起こっておりまして、この基幹都市の問題にのっけたらどうかというような考え方も一部あったのでございます。しかし、新産業都市の方向が、あのような既成の都市というものを連続したものを一緒にするということではなくて、むしろ大都市と、それから地方の小都市と申しますか、その中間的なものと申しますか、層をねらいにいたしまして、開発の一種の核、ケルンを作るといったような構想に変わって参りましたので、この北九州の五都市を新産業都市にのせることは無理だ。それで、それと切り離しまして、市の合併に関する特例法を提案した、こういう運びになったわけでありまして、したがいまして、一時点においては、そういう何と申しますか、観念が混淆した時代があったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/11
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012・山本伊三郎
○山本伊三郎君 先ほど言いましたように、そういう自治省のいわゆる指定都市にしてやるのだ、まあそれはどう言うたか知りませんが、そういうことが地元の五都市合併の機運といいますか、気持が動いた大きい要素になっておると思います。私も地元へ行きましていろいろと聞きましたが、もちろんいろいろの意見の方々があります。合併を要望する人もありますし、そうでない人もありますが、要望している人の意見では、五都市が合併すれば、何か政府が特別に見てくれるのだ、財政的にもあるいはそういうものがあるのだという一つの気分で賛成しているというか、要望しておる人が多いと思うのです。今後五都市を合併しても、必ずしも、これはわが国の初めてのケースですから、なかなか運営は困難なものにぶち当たると思うのです。そういう際に、自治省はどこまでめんどうを見るのか、なかなか問題が政治的にも、経済的にも、財政的にも私はあると思うのです。そういう点についてどう考えておられるのですか。自治省としては、ただ地元の要望だからするのだ、あとは財政的に困っても、また、行政的に困っても、それは合併した五都市の責任だ、こういうふうに突っ放されると非常に地元じゃ困ると思います。自治省としては確たる自信があるのか、こういうことを聞いておきたい。これはもちろん大臣にも聞きますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/12
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013・柴田護
○政府委員(柴田護君) 合併問題につきまして、市の合併の特例法まで制定するというその動機になりましたのは、何と申しましても地元側からの要請というのが大きな原因になっておることは事実でありまして、さような意味合いで地元からの熱意ということを申し上げたのでございます。もとより特例法まで出して合併するのでありますから、合併が実現しました暁においては、新都市の育成については、自治省といたしましては全力をあげてこれを応援していく、こういう態勢をとるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/13
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014・山本伊三郎
○山本伊三郎君 北九州の五都市は、これは非常に近接している都市であり、しかも工業都市として似通ったところがあるので、まあそういうことも可能でなかろうかとわれわれ自身も思っておることもあるのです。しかし、あの法律は何も北九州だけだということを指定しておらないのですね。北九州の五市だけの合併ということであれを立案されたのか、あるいはその他にもやはりこういうものが自治省としては好ましいと、こういう考え方であれを立案されたのか、この点ちょっともう一ぺん聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/14
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015・柴田護
○政府委員(柴田護君) 同じような事例はほかにもあるわけでございます。北九州だけの問題ではございません。相互に相隣接し、近接しておりまして、その住民の桂会経済生活が全く一体不離となっているといったようなものにつきましては、合併の機運さえ出てくれば合併をして決して悪くないのでございまして、したがいまして、全国的に一般法としてああいう法律を制定し、そういう機運のあるところにおきましては、むしろより大きな意味における一体性を作り上げて、そうして新しい都市として発展していく、こういう体制を作る必要があるのでありまして、そういう場合を考えまして、一般法として提案したのでございますが、ただ、直接法案を提出する動機になったと申しますか、そういう考え方を刺激したもとは.何と申しましても北九州の五市の問題だと、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/15
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016・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあ根本的の問題に触れてきまずから、大臣が来ましたら再質問するとして、今非常に合併とかいわゆる新産業都市の建設とか、やはり基本的には同じような線から考え出されておると思います。日本の経済開発と申しますか、いわゆる高度経済成長の線に沿った一つの私は政策だと思うのですが、なるほど合併によって経済的な開発と申しますか、運営と申しますか、ある程度広域にやるほうがいいということは、これは言えると思うのです。しかし、地方自治から見ると、逆に住民の意思というものが、その地方自治に反映をする度合いが、濃度が薄くなってくることは、これは大都市と農村と比較すると、それはすぐわかるのです。したがって、そこをどうこれを調整するかということが、今後の大きな問題だと思う。少なくとも自治省は地方自治に対する指導する官庁ですから、一がいに経済的な面だけで広域行政といいますか、そういうもので指導することはあやまちを起こすことも私はあると思いますので、その間の運営ですね、大阪とか東京のように、もうすでにこれだけのある程度の経験と成長したところでは、問題は起こらないけれども、逆にまた区のほうでは問題を起こしておるというように、必ずそういう問題が起こってくるのです。ましてや似通った五つの都市を合併すると、そういう問題が私は将来尾を引くと思うのです。したがって、この点にはひとつ自治省としては、いろいろ考えがあると思うのですが、ただばく然と、合併したらいいんだというような考え方ではないと思うのですが、地方自治の立場からいって、そういう住民の意思を反映する方法として、たとえば区制をしくということも考えられますし、また、どういう方法でこれを調整するか、その点の何か考え方があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/16
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017・柴田護
○政府委員(柴田護君) お話のように、何も経済開発を遂行していく場合に、合併が必ずしも前提要件でないということはお話のとおりでありまして、私どもも経済開発を進めて参ります場合に、前提として市町村の合併ということを考えておりません。それは市町村が相互に行政の協力態勢をとって、開発を進めていくという方式もあり得ましょうし、また、それから起こってきた形が合併でありましょうが、合併をする機運になれば、それは合併したらいいのでありまして、そこのところは必ずしもまず合併があって、次に経済開発がある、こういうようには考えておりませんので、経済開発は経済開発といたしまして、機運が熟しておればそれは合併をして、その相互間の経営を総合的に、一体的にやる態勢をしけばいい、かように考えておりまして、新産業都市建設促進法におきましても、その辺の考え方は従来の合併と若干考え方を異にしておりまして、やや弾力的な考え方をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/17
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018・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大体五都市合併についての自治省の考え方は一応わかって参りました。新産業都市建設とは、絶体に無関係だとは言わないけれども、やはり別な要素もあるということが言われております。そうすると、五都市合併によってそこの住民がどういう工合に、どの程度いわゆるよくなるか、こういう点について具体的にひとつ……、単に大きくしたからいわゆる役所の仕事が合理化する、そういうことだけではなく、行政上どういう利点があるのか、この点ちょっと説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/18
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019・柴田護
○政府委員(柴田護君) ちょっと計数資料を持ち合わせておりませんで、その辺のところ計数的に御説明いたしかねますけれども、簡単に考えますれば、少なくとも行政経費は能率化するはずであります。したがいまして、それだけのものは従来いわば管理経費に回っておりましたものが、当然住民の直接福祉に使われる、いわゆる投資的経費に使われて参るのは当然でございますし、また、たとえば港の管理ということにいたしましても、若松の港、その他関連する港の管理が一貫的にできますし、上水道一つ考えましても、あるいは交通事業を考えましても、すべてこれ一体的に、一本で能率的にやっていけるわけでございます。どうしてもそれを経理面にとらえてみますならば、管理経費の合理化ということになりまして、余ったものは、住民にいろいろな形で還元され、公共投資という形で還元されます。あるいは料金の合理化という形で還元される場合もありましょう。これはそのときどきの場合によって違うわけでございましょうが、一般的に申し上げるならば、経費の使い方が非常に効率化してくる。これが合併一般の原則でありまして、北九州五都市の場合も同じだろうと考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/19
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020・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その考え方は、政府一般の考え方と、私は見ているのですが、そういうことをやることによって、住民の犠牲ということは相当出ている。これは今までの市町村合併促進法による合併のあとを見ましても、たとえば私、長野方面の場合も視察しましたが、戸籍謄本をとるために三時間ほどバスに乗って、——これは特異の例ですよ、山を越して来て、そしてもらって帰るということも出ている。そういうことで、そういう合併によって合理化されて経費が節約される反面に、住民の負担というものは、いわゆる表面に現われてこない、また、税外負担、そういうことでない負担がかかっているという事実があるのです。北九州の場合は、相当交通が発達しているから、そういうことはないと言われるが、やはり行政運営上において非常に住民負担が加重されるということは、これはいなめない。なるほどあなたが言われるように、港湾の運営あるいはそういうものは非常に能率的になるということは確かでしょう。しかし、それがはたしてその土地に住む一般住民に、直接間接には、日本の経済が発展すれば、国民は幸福になるのだということは、いつも総理大臣は言うけれども、現実に農村地帯に住んでいる人、また、僻地に住んでいる人が、港湾の運営が非常にうまくいったとか、また、工場の便利がよくなったとか、工場がたくさんできて発達したということ自体は、それほど住民に対して直接利益を及ぼしておらない。私の言いたいのは、そういうことをやることによって、ほんとうに零細な住民は非常に犠牲を払っているというこの事実を見のがして、単に合併がいいのだということで合併することは、私は間違いだと思う。こういう点について、私先ほど言ったように、五都市の場合、具体的に言うと、五つの市役所が合併されて一つになる。どこに置くか一つの問題があり、政治上の問題もからむわけです。その場合、暫定的には現在の市役所のあったところには区役所なりあるいは出張所を残すだろうと思うのですが、やがてこれは全部吸収されてしまうのが今までの合併の常態です。そういう運営上の問題が、あの五都市の場合起こらないかどうか、私はその点もうすでに考えられておられるかどうかということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/20
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021・柴田護
○政府委員(柴田護君) その辺の細目のところは、まだ実ば明確ではございません。もし合併を行なって住民の不便が倍加するというようなことがあっては、もちろんならないのでありまして、そういう場合には、あるいは出張所みたいなものを置くといったことも出て参るかもしれません。しかし、一般的に合併によって不便が増すということは、むしろ合併が無理の場合には、さようなことも起こり得ましょうけれども、合併が相互の団体、住民の熱意によって、当然に起こるべくして起こったといった場合におきましては、まあさようなことはないというのが、一般的じゃないかと思うのでございまして、特に北九州五市の場合などは、従来からもう何年も問題になっておった問題でもございますし、お話のように、交通機関も発達しておりますし、しかも遠距離でもございません。したがいまして、その辺のところは、それによって住民の不便が倍加するということは、まずあり得ないのではないかと思います。むしろ管理経費を合理化することによって行政経費が効率化され、行政が住民のすみずみまで行き渡るようになるのではないかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/21
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022・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは大臣が来たらいろいろ聞くけれども、官房長も地方自治の専門に育ってきた人ですから、よくわかると思うのですが、現実に市町村合併によるあとを見ると、今の段階から見ると、非常に不便を強要しておるのですよ。とにかく大きな都市になれば何か自分らにいいのじゃないかという淡いムードというか、市民はそういう感じを持つのですよ。東京都に住んでいると何かいいところに住んでいるような気持を持つのと同じように、大きい都市になると、何かそこに住んでいることはいいと思うが、実際のところは不便が非常に倍加しておる。東京の場合には、東京都というと非常に完備したように思うけれども、辺陬のところに行くと、環境衛生にしても全くなっておらない。区のほうで権限のあることですら、区でも区自体ももうあまり膨大になってしまって、これはもうあなたも経験があると思うのです。私は世田谷に住んでいるので具体的にわかるのです。とにかく塵埃収集は月に一回しか来ないですよ。それをどう処分するかというと、しようがない。それがそういうことが考えられずに、今も直進的に日本の経済開発ということに重点を置かれて、そういう地方自治の本来の仕事というものは第二義的になっておるのです。そういう点を私は心配して遠回しに聞いておるのです。私は必ずそういう点が出てくると思うのです。なるほどそういう行政機関を集約的に運営するということは、それは能率的なんでしょう。能率的になるけれども、それは大きい数字だけは能率的になって、こまかい血管には血が渋滞するということは避けられない。そういう点は私は、今度の合併について無理のある点があるのではないかと私は思うのですが、これはまた大臣にも一ぺん基本的な問題ですからお聞きしたいと思うのですが、で、問題はもとに返しますが、この参与二人というのは先ほど聞くと、そういう専門家だと思うのです。参与は一体諮問機関として大臣がいろいろ意見を聞いて、何ですか、そういう意見は上申すると、そういう役目ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/22
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023・柴田護
○政府委員(柴田護君) 参与は意見を自治大臣に申し述べるという、法律上はそういう職責になっておりますが、具体的な運用といたしましては、毎月定例に参与会議を開きまして、そこに省務の重要事項を全部付議いたします。そしてその付議事項について、あるいは付議事項以外のものにつきましても参与から自由に省務の運営について意見を申し出てもらう。それを十分傾聴しながら省務を運営していく、こういう機能を持っておるわけであります。いわば公式のしかつめらしい会議じゃなくて、いわばひざを突き合わせて御意見を承る、こういうような仕組みでやって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/23
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024・山本伊三郎
○山本伊三郎君 ここにいろいろ東さんとか高山さん、まあいろいろの人、これは知事、市長の代表、また、学識経験者として田中さんとか伊藤さんあたりが出ておるのですが、どうですか、参考になりますか、こういう人の意見。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/24
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025・柴田護
○政府委員(柴田護君) この六団体との関係について申し上げますならば、やはり公式の会議の席上におきましてははっきり言えない意見なども、この席においてはざっくばらんに話せる。むしろ公式の会議を重ねていっていろいろ仕事を進めていくよりか、むしろ血の通った行政という点から考えますと、こういった仕組みがやはり生きるのではないか。特に学識経験の方々は、六団体と申しましても、市の立場、あるいは県の立場、あるいは町村の立場、それぞれ立場上の対立がある場合がございます。こういう場合に学識経験者の御意見というのは、調整面的な役割を果たす。今回特に経済関係に、あるいは開発関係に造詣の深い方をお迎えしたいと申しますのは、まあそういう方面の参与が現在おられませんので、どうしても現在の定員の中では、そういうような参与をお迎えすることができない。そこでまあ必要最小限度の増員をお願いした。こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/25
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026・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあ失礼な話ですが、これはそこらの六団体の人を私はよく知っておるんですが、この人にはこの人の意見が私はあると思うのです。しかし、参与として特に自治省が重要視してどうこうという考えを持っておらないと思うのです。先ほど言ったように、お茶飲み友だちといいますか、何かいいことを言えばとってやろうという程度のもので、すべて自治省の施策について一応これを諮問するという、そういうことではないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/26
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027・柴田護
○政府委員(柴田護君) 大体、重要な施策は御相談をいたしております。そうしてまあざっくばらんな御意見を拝聴いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/27
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028・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ聞きますけれども、北九州五都市の問題で、この人々はそれはいいということでみな言われましたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/28
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029・柴田護
○政府委員(柴田護君) もちろん、この特例に関する法律案を提案することにつきましては、お諮りをいたしております。参与の方々、皆さん御賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/29
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030・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあこれは、私は言いませんけれども、もう一ぺん確認して言いますが、この中では、二、三、やはりそういう大都市については反対の意見の方があると見ております。名前を言うとまたいけませんが、そう必らず全部が一致して合併に賛成だとは私は考えておらない。それは自治省の言うことだから、それはこういう意見もあるけれども、それはいいじゃないかということでおさまったのじゃないか。これが全部がそういう大都市という五都市の合併が賛成だということで私ないと思う。それはあなたが間違いないというならば、それでよろしいが、私はそういう簡単なものであるならば、かえって私は危険だと逆に思うのです。やはり反対の意見の人もなくちゃ、もう全部の賛成の人だということがかえって私は危険だと思うのです。ものを諮る上において、それはどの場合でも、やはり別な意見というものはあるものですよ。それが全部賛成であったということについては、私は疑問を抱くのですが、それは私はまたいずれこの人たちに会って私は意見を聞きますが、私はそう思う。その点でつけ加えておきます。
次に参与のほうはそのくらいにしますが、職員の定員は三十三人、これは何ですか、今度の地方公務員共済組合法の実施に伴うというのと、固定資産ですか、評価に関する問題、消防庁関係……。地方公務員の関係で六人ふやす。こういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/30
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031・柴田護
○政府委員(柴田護君) 公務員関係は六名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/31
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032・山本伊三郎
○山本伊三郎君 六人、これは私この法律案については問題あるが、それは一応別として、六人であれだけの大きいものを管理が実際できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/32
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033・柴田護
○政府委員(柴田護君) 年金関係につきましては、その準備段階といたしまして、本年度すでに五名増員になっております。これに六名を加えまして十一名を増員することによって、年金関係の事務を円滑にやっていく。こういう建前でございます。もとよりその年金の個々の業務そのものは、それぞれの組合に事務局があるわけでございますから、そこでまあやる。自治本省といたしましては総合的な指導監督ということになるわけでございまして、大体、今必要最小限度の人員がこれで満たされているのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/33
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034・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/34
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035・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/35
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036・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それで、これは直接は関係ないのですが、この機会に大臣に聞きたかったのですが、これは議案の審議促進ということもあるので、あなたに聞いておくことにします。実は各方面で庁舎管理規則というようなものがほうぼうに作られつつあるのですね。もちろん、その管理責任者は市長なり、いわゆる市町村長あるいは知事ですから、これはいいのですが、どうも行き過ぎたような規則が作られている。松本市で今問題になっている。行商するとか、あるいは庁内で喧騒であるとか、そういうことであれば別としても、正当な法律で許された組合の交渉なり、あるいは地方団体がいわゆる市長なりその他に問題を陳情するとか、そういう場合でも、その運用規則によって拒否するという、そういうものが見られるのですが、こういう点は、私は少し行き過ぎではないかと思うのです。もちろん民間の工場なんかは、これは公共の建物ではないから、一般の関係者以外は、これは一つの私有物ですから、入れない。しかし、役所なんかは公共の建物である。政治を、特に地方政治を行なう所ですから、議会が開かれるとか、その他のときは相当いろいろ陳情とか、そういうもので行くのが例だと思うのです。もちろんそれがやってはいけない行為、あるいは関係者の制止も聞かぬというようなことになれば、これは別ですが、規則できちっとそういうものをやることは行き過ぎだと思うのですが、自治省としての見解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/36
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037・柴田護
○政府委員(柴田護君) 問題になっております管理規則がどういうものか、実は承知いたしておりませんので、一がいにぴったりとお答えすることはできないかとも思いますけれども、一般に庁舎管理規則と申しますのは、その団体の管理責任者である首長がそれぞれ正常な業務運営というものを維持するために、かつまた、その財産の善良な管理を行なっていく上において必要な限りにおいて、そういうことをきめておるわけでございまして、もとより正常な行為を不必要に縛るというようなことは万々ないだろう、また、あり得ないというふうに考えておる次第でございます。管理規則そのものが、およそ管理の責任を負わされている以上、それがまた大衆の出入りする所である以上は、当然にある程度の規律があってしかるべきだと思うのです。その限りにおいて管理規則をきめることは当然だと思うのでありますが、それが行き過ぎているということは今初めて伺ったのでございまして、それらのことはまあないのではないかと思っておりますが、なお、事例をよく調べてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/37
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038・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それではちょっと、これは小倉市の庁舎管理規則、これはもうすでにできたやつなんです。この表面づらを見るともっともらしく書いてあるのですが、たとえば集団と申しますか、集団的に庁舎に入って、そしていろいろな話をしている間に、その廊下で待っておると、それがすわり込みとかなんとかいうことでいけない、こういうことでまあ言葉はやわらかく出ていますが、そういう点をきめておるのです。それから宣伝ポスターといいますか、そういうものは、禁止された所に張ることはこれはいかないですが、特に認められた所でも、それはいかないようにする。具体的に言うと、大体職員組合の場合は掲示板をとります。そういうものもいわゆるいかないと、こういうものがぼちぼち出てきておるのです。したがって、規則の文言だけを見ると妥当らしく見えるが、その運用によっては一切そういうものができないのだということになりつつある。そういうことでは、もちろんそんなことがあってもやりますが、やるとかえって僕は混乱を起こしている事例があるのですね。したがって、そういう点を、いわゆるうまく運営をしなければいけないと思うのですが、規則が一つできると、それによって取り締まる、それが完全に取り締まられたらいいけれども、警察権も入らないし、結局そこで混乱を起こしてよけい問題が大きくなってくるということが現在松本市であるのですが、こういう所で、もちろん自治省は干渉できないと言われるが、何とかそれを指導しなければ、これは当の松本市の職員組合だけの問題ではない、その地方の労働組合が非常に大きく立ち上がって問題が展開されておる、そういう点は御存じないか。御存じなければ、そういう問題についてどういう自治省の考えであるか、それをちょっときょう聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/38
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039・柴田護
○政府委員(柴田護君) 実は私も庁舎管理規則というものを作った覚えがございます。しかし、それは問題は運営の問題だとおっしゃいますが、大部分はそのとおりかもしれません。その規則が、その庁舎保全に、善良なる管理者の注意をもってやるために必要な限度であり、また、その庁舎でもって行なわれます行政の正常な運営を確保するに必要な限度でありますれば、御指摘のような問題は起こらぬのじゃないか、起こりようがないのじゃないかと実は考えておる次第でございます。今お話のような事例が全国的に起こりつつあるといったようなことは実は聞き初めでございまして、よく調査したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/39
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040・山本伊三郎
○山本伊三郎君 官房長の言われること、そのとおりです。そういう建物の保全を目的に管理するということだったら問題はないのです。地方自治法にも言っている。われわれもそうあるべきだと思うのだが、やはりそこに行き過ぎというか、私は知らずに、そういうことはうるさいことですから、実際市長としてはなるべくそういうことを避けたいために規則ででも押えようという感じであったと思うのですが、それがかえって私は混乱していると思う。市役所というのは市民だったらだれでも入れるのですから、市長にも、これは市長は公的なんですから、普通の人と違って強要するということはどうかと思いますが、これは市長としても時間さえあれば市民に会うという考えでいかなくちゃいけないと思うのですね。そういうことを一切運用によって行なうということはいかないと思いますので、その点ひとつきょうは大臣もおられませんから、ひとつ調査してどういう事情かということだけ明らかにして下さい。きょうはこれ以上これについては言いません。
もう二つ、これも私も行ってきたんですが、これは行政局長なり財政局長がおれば一番はっきりするのですが、きょうはおられぬからあなたに言っておこうと思うのですが、昨年の十月の公務員の給与ベースの改訂に伴って、地方公務員がおそまきながら今やっておるのです。すでに年度が迫って大体終わりつつあるのですが、一応地方公務員法第五十五条によって、理事者との間でいろいろ話をして、そうして協定といいますか、文書まで取りかわしてやったやつを、隣の町がそういうことがやれぬからわしもやらぬといって、それをまた取り消したという例が、茨城県の筑波郡に六カ町村あるのです。私も来てくれというので、実は国会の合間を見て行ったのですが、ある一つの町長あたりは全然地方公務員法を知らない。そういう文書はどこにあるのかといって、いや、それはどうもわしは知らなかった、しかし、それは議会が反対したからこれは撤回したのだ。議会にかけたのかと言うたら、議会にかけてない、議会が反対する意向が強かったから、組合と話し合って、文書を取りかわしたが、それは破棄した、こういう説明なんです。われわれとしては、もちろん地方自治法と地方公務員法において矛盾はあります。地方公務員法の第五十五条によって協定をしてもそれは議会で拒否権があるということの解釈と、ないということで争っておりますが、しかし、いずれにしても、議会にかけてそれが否決されたということになればこれは一応わかるのですが、議会のあの全員協議会というものをよくやりますね、いわゆる県会、市町村会でもそれは法律上何らの権限も何もないのですが、そういうところで反対の意向が強かったからというのでやめたと、こういうのですが、これについて自治省はどういう見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/40
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041・柴田護
○政府委員(柴田護君) これも実は聞き初めの話でございますが、自治省といたしましては、昨年国家公務員の給与改訂が行なわれました際に、地方公務員につきましても国家公務員に準じて、必要な給与改訂をやってほしいということを通達いたしておりますし、これに必要な財源措置もいたしておるわけでございまして、国家公務員の給与改訂に準じた給与改訂が行なわれることを期待いたしておる次第でございます。ただ、それぞれの団体で事情が違いますので、必ずしも一がいに国家公務員の場合のように、すぱっと一本でできない、地方公務員の実態上やむを得ないことでございますけれども、お話のような事例はなお近く事実を調べますればまた別の事情が出てくるのかもしれませんが、自治省といたしましては、必要な財源措置もいたしておることでございますので、地方公務員につきましても国家公務員に準ずる給与改訂が行なわれることを期待しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/41
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042・山本伊三郎
○山本伊三郎君 一ぺん調べて下さい。きょうは官房長一人で、どうこう責め立てるということも無理だと思いますから。町長、村長さんあたりはこう言うと悪いのですが、頭が変わっております。おれがやってやるのに、そういうなまいきな集団で交渉するとはけしからぬという、そういう頭の人が多いのです。私はじゅんじゅんとして説き伏せたのですが、なかなか聞かないのです。とにかく職員が町長に向かって何を要求するか、要求せぬで頼みに来るならばまた考えてやる、こういうことなのです。まああの人々の考えとしてはそれが妥当かしれぬのです。しかし、現在地方公務員法でこういうことになって職員団体はみな認められておるのだ、もちろんそれがために自分らの仕事をサボったりするということはいかないけれども、正当な要求を出すことはできるのだ、こういって話しておるのですが、なかなかそういう点の理解ができない状態です。したがって、自治省が二年前から町村の低い給与を打開するためにいろいろ措置をとってもらっておることは、一応私は感謝しておるのですが、そこで阻害されてしまって一向いっておらない、伊奈村へ行きましたが、茨城県筑波郡の伊奈村ですが、まだ平均、今度のあの話し合いがきまって一万五千円です。現在一万三千円平均です。私、茨城県を歩きましたが、なかなか物価の高いところです。土浦からずっと入っていくのですから。したがって、いろいろ調査しますと、昭和二十七年ごろまでは一回もベースアップも昇給もしておらぬ。町村の財政が悪かったときですから、農村が困っているのだからお前らしんぼうしろといって上がっていない。ようやく最近といいますか、問題になって、自治省もだいぶ行政指導した関係で、ちょっと上がってきて、現在平均一万三千円です。それでもまだやり過ぎだという町長さんの頭です。事ここまでくるとわれわれも想像つかないのです。私は別の立場で言えばもっときついことを言えるのですが、きょうはそういう立場でなくて、そういうことでずっと押していくと、あの農村の青年諸君にどういう思想関係を与えるかということを私は心配しているのです。非常に変わってきております。それはそういうことを押えておるから農村の若い人は東京なんかにいる人以上に考え方というものは非常に積極的になってきているのです。こういう点が私は将来非常に心配なんです。押えておくということで、それでうまくいけばいいけれども、逆の効果がある、逆の効果といいますか、結果が起こりつつある、私も驚いたのです。そういうことも自治省では一ぺん考えておかれなければいけないと思うのですね、人件費が安く済んだからそれでいいのだということの考え方でなくて、それがどういう工合に村政なりあるいは町政に影響するかということまで今後非常に憂うべき事実が起こりつつあるということを私は初めてそこへ行って気づいたのです。村長とか町長がきわめて古い感覚でおられるけれども、その感覚で安んじておる間に、自分らの知らない問に若い人々はどういう方向に持っていかれているかという事実をどうするかという問題、これは官房長は自分の管轄ではないでしょうが、きょうはそれだけ言っておきたい。
これは大臣に言っておきたいのですが、やはり自治省の一つの町村の給与が低いのだからこうしなければならぬということで、地方財政計画でも相当単位費用を上げているのだが、そういうものは一つも通じておらない、こういう点をひとつ十分考えてもらいたいと思うのですが、その点についてはどういう考えに官房長はおられるか、ちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/42
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043・柴田護
○政府委員(柴田護君) お話のように、地方公務員、特に市町村の地方公務員の給与問題につきましては、数年来、たしか地方行政委員会であったと思いますが、お話等もあって通牒指導をいたして参っております。したがって、徐々にではありましょうけれども、逐次そういうようなものはだんだん減ってきているだろうというふうに実は考えておりますが、ただお話のような事例も事実でございましょうが、また、そういうような事例が全国にほかにないかといえば、率直に言ってあるだろうと思います。何分特に市町村の給与の関係の諸規定の整備というものが大体できておらぬ、その辺のところから始めていかなければならぬのでありますし、また、村に参りますと、その村の役場だけの問題でこれを片づけるわけにも参らぬ面もありましょうし、たとえばほかの労働組合の諸君とのバランスというものも実際問題として起こってくるでしょう、だんだん直すにいたしましても、それは一挙に持っていけないというような事情も、村の事情の例もあるのではなかろうかと思うのでございます。で、お話のように、非常に極端に低いような状況のまま市町村の公務員の給与をほっておくわけには参らぬのであります。ただ短兵急にやっても無理な点もあるだろうと思います。まあ気長に逐次合理的なものに持っていく以外にないだろう、私といたしましては、気長に指導をいたしていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/43
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044・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もう一つだけ官房長に伝えるという意味で言っておきますが、あなたの答弁から見ると、それはいいように聞えるのですが、気長と言っても限度があるのです。もうすでに一般はそういうことの時代ではないのです。物価も上がっておるし、いなかだからといって、そう野菜、イモとかなんとかを食べているだけでは生きていけない。ことに若い人に対する気持というものは、池田総理が施政演説の冒頭に、青少年の教育問題を言われた点は、政府がいいところに着眼したと思うが、あとの施策はなっていないと思う。着眼だけはいいと思う。そういう点が握られていない。したがって、私は給与の問題だけで言っているように思われますが、年とった人はもうやむを得ぬのだという形でおられます、話をしていてもね。若い人はそうではない。なぜ自分らだけはこうなのだろうか、こういう一つの疑問があった。そして一つの闘争といいますか、運動が展開されてそれが爆発して、町長も驚いてしまって、まあ協定に応じてきたというような——これが実際の状態でしょう。おそらく町長もそういうことを考えられなかったと思う。若い人はそういうことではいけない。自分らだけが安い給料でしんぼうしなければならない、いなかの役場だからといってなんでそういうことがあるのだろうかという、きわめて反感を持っておる。そういうものをつかんでやらなければいけない。徐々によくしていったらいいという私は一般の給料の問題だけにしぼって言っておるのではない。そういう人に、どういう希望とどうすれば合理的な納得を与えさせることができるかという点に私は自治省は指導をしてもらいたいと思う。町長なり、理事者が、あなたのところに行ったら、なるほど自分の立場だけを説明しておると思う。そういう組合の職員は、そういうようなところから出てくる旅費もないから、まあわれわれに実情を見てくれ、こういうことになるのですが、私はそういうことを伝えておるのです。その点十分ひとつ——あなたの管轄でないなら、行政局長なり、あるいは次官なり、大臣なりに伝えてもらいたい。
きょうは、実は官房長ですから、大体本法案について一応の質問をいたしました。
それから、大臣に先ほど申しましたもっと基本的な問題を聞くことと、今言っている庁舎の管理規則、それから給与の問題について私のほうからもう少し具体的に言いますから、大臣からひとつ自信のある答弁をしてもらえるように、あなたからちょっと伝えておいてもらいたい。以上できょうは終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/44
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045・石原幹市郎
○石原幹市郎君 先ほど参与の問題、いろいろ意見が出されましたが、官房長の御答弁で参与会をいろいろ活用されているというようなお話ですが、どの程度参与会を開いておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/45
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046・柴田護
○政府委員(柴田護君) 大体毎月一回定例で開いておりまして、なお必要がありますればそのつど招集いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/46
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047・石原幹市郎
○石原幹市郎君 参与の手当といいますか、そういうようなことがどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/47
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048・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは実は非常に少なくて申しわけないと存じておりますが、予算の関係等におきまして、一回千円少しだということであります。予算上の措置といたしましては平均一回千四十円程度で組まれております。実際はもうちょっと出る程度であります。いずれにいたしましても非常に少ないのでございまして、常に大蔵省のほうにも増額方をいろいろお願いしておりますが、なかなか予算がとれないというような実情にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/48
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049・石原幹市郎
○石原幹市郎君 今度参与を二人増員するという計画のようですが、どういう方面から得られるか。ことに経済方面の知識のある人とかというようなことのようですが、一回千円とか、千四十円とか、こういうことでいろいろな人の知識を活用しようとか、そういうことはちょっと無理じゃないんですか。失礼じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/49
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050・柴田護
○政府委員(柴田護君) おっしゃるとおり、私どもとしては少なくて失礼とは思いますが、ただこの予算の積算上の単価は、予算の統一単価になっておりましてこれを変えるわけにはいかない。そこで、内部的にはいろいろ操作が行なわれるということで、現在大蔵当局といろいろ話し合いが行なわれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/50
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051・石原幹市郎
○石原幹市郎君 統一単価というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/51
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052・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは毎々国会でいろいろおしかりを受けるのでございますけれども、予算の積算単価として一人一回幾らというように、たとえばこういう非常勤の特別職については幾らというようにきまっておるわけでございます。まあそれはそれで予算づらでありまして、実行上の面は、予算上のやりくりがつけばある程度ふやせることも可能だ、そういう意味合いでいろいろ事務的にはいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/52
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053・石原幹市郎
○石原幹市郎君 まあ給与の制度もいろいろな面から検討されておりますが、こういう面ももう少し現状に合うというか、実情に合うように——まあ極端には、一日出ていろいろ会議することもあるでしょうからね。みな相当の公務なり、いろいろの仕事を持っておられる。それを千円で出てこいというような頭は、これはある程度切りかえていかなければならぬでしょう。まあそれは希望しておきます。
それから次の定員の増、先ほどの地方公務員の共済制度の切りかえに六人という、これは主としてどういうことに当たるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/53
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054・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは公務員共済組合法ができますれば、この地方公務員の共済制度に関連をする事項の付議機関として地方共済組合審議会というのができます。これに関します事項、それから各共済組合連合会に関しまする指導事項、共済制度の企画、立案、調査、こういった仕事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/54
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055・石原幹市郎
○石原幹市郎君 私は人のふえることはあまり歓迎しないのですけれども、こういう新制度の切りかえで、相当大きな仕事だと思うのだが、六人ぐらいでやれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/55
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056・柴田護
○政府委員(柴田護君) この関係の職員といたしましては、御承知のように、年金制度の問題は数年来の問題でありまして、すでに五名ばかりは増員になっておりまして、今度六名ふえまして大体十一名この関係のものがございますので、何とかやっていけると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/56
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057・石原幹市郎
○石原幹市郎君 この点は私は大臣に、今言ったように、ただしておきたいと思うのだが、この共済組合の仕事というのは、会計とかそういうことばかりでなしに、今度大きな年金計画、それから健康保険の給付等もあるでしょうが、そういういわゆる社会保障的の仕事の監督とか監査とかいうようなことはどうやってやるのですか。全然ノー・タッチなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/57
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058・柴田護
○政府委員(柴田護君) 全然ノー・タッチではございません。これは地方公務員共済組合法で詳しく定められておりますが、報告を徴したり、あるいは認可事項があったり、そういうものを通じて法律上の指導なんかというものが行なわれます。また、実際問題といたしましては、そういった事務の遂行を通じて具体的に指導していくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/58
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059・石原幹市郎
○石原幹市郎君 しかし、この共済組合に、こればかりでなくて、今までの各共済組合も同じことですけれども、短期給付のことについては、健康保険組合と同じようなことをやっておる。健康保険組合というものに対しては厚生省であれだけの組織なり、地方の国民保険かなんかをもって、いろいろ監督なり、指導、監査というものをやっておるわけだが、共済組合というものに対するそういう面の監査、指導というものをどういう形でやっておるのか一度僕は聞いてみたいと思うし、大臣にも聞いて、私自身の意見も述べたいと思っておりますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/59
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060・柴田護
○政府委員(柴田護君) 現在は、府県の職員につきましては、国家公務員共済組合の地方支部という形になっておるわけでございます。これは短期でございます。長期の給付もございます。それで今度共済組合になりますと、御指摘の監査の問題が確かに起こってくるわけでございます。監査の問題につきましては、自治省の職員が監査をやるわけでごさいますが、その陣営という形から言いますならば、この現在おります五名だけではもちろん不十分でございますので、なお、将来これを充実をしていかなければならないと考えますけれども、それは年金制度を初めて創設して、これから仕事を始めるんだということでは、まあ不十分ではございますけれども、最小限度の人員である、かように考えているわけでごさいまして、将来おっしゃるように、監査関係が充実をして参りますためには、これだけの人員ではもちろん足りないので、増員の必要があろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/60
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061・石原幹市郎
○石原幹市郎君 私は不十分とかなんとかいうことより、ちょっと国全体としての方針が統一されていない、不一致なところがあるように思うのですね。だから率直に言えば、こういうことの増員ばかりよりも、厚生省にあれだけの機能があるんだから、年金給付であるとかあるいは健康保険の給付であるとか、そういう面については厚生省の機能を活用をしていくというようなやり方を僕はしたらいいんじゃないか、いたずらに自治省には自治省あるいは大蔵省には大蔵省あるいは極端にいえば学校職員の共済制度については文部省に同じようなものを置かないで、社会保険的給付の面についての指導であるとか、監督であるとかいうようなことは厚生省の機能で見ていくというやり方が僕はいいんじゃないかと思うのですがね。これは意見になるし、官房長だけの問題でもないので、大臣にも伺ってみたいと思いますが、そういう意味で六人というようなことでは、よほどしっかりしてやってもらわなければならぬと思うのですが、それからもう一つたとえば起債の事務なんかを見ても、大蔵省の組織と自治省の組織を見てみると、同じような仕事をやっておるのに、大蔵省が倍ぐらいの人がいるんですね。これは僕は自治省のほうをふやせと言うのじゃないが、大蔵省のほうにも考えてもらわなきゃならぬと思うのだが、こういう面については官房長としてどういう感じを持たれますか。財政局の理財課ですね、地方の起債の仕事をやっておる、大蔵省と自治省と同じようなことを半面ずつやっておるわけですが、どういう感じを持っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/61
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062・柴田護
○政府委員(柴田護君) 御指摘のように、大蔵省と自治省の同じような仕事の関連からいきますと、われわれとしても非常に少ない、言いかえれば、非常に不均衡だという感じを常々持っておるわけであります。機会あるごとに大蔵省には話をいたしております。それは石原先生のおっしゃるように、自治省の人員を大蔵省と同じようにするというやり方も一つございましょうし、また、お話のように、そうでない、まあ大蔵省の職員を合理化するという問題も起こって参りましょう。しかし、この問題は、根本的には起債制度をどうするかという問題に深くつながっている問題でございまして、こういう問題と関連して片づけなければなかなか片づいていかないのじゃないかと考えております。非常に不公平だということは、常々考えておりまして、しょっちゅう交渉いたしておりまするが、力が足りませんのか、なかなか思うように参らないというのが実情でございます。根本的には、起債制度そのもののあり方を合理化していかなければ片づかないという感じを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/62
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063・石原幹市郎
○石原幹市郎君 こういう問題に関連して、この次、自治大臣にいろいろ聞きたいと思いますから、山本委員が言われるように、自治大臣が十分答弁できるように大いに準備していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/63
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064・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私からもちょっと、今石原委員から御質問のありました参与の手当の問題ですが、この参与の中に府県知事とか府県の議会議長がおりますが、そういう者は大学の先生と区別を私はすべきじゃないかと思うのです。たとえば各種の審議会に国会議員が出ているのがありますが、その場合には国会議員は手当をもらっておりません。おそらくこの参与の中でも府県知事とか府県の議会関係の人は、それぞれの団体なり、所属の機関から手当、日当をもらって出てきていると思う。こういうのはむしろはっきりして、それぞれの機関で出張手当なりをもらっている者は、国会議員と同様にこの参与会の手当はもらえないとすることのほうが、かえって私はすっきりすると思う。そのかわりに、一般の審議会等の委員と同じように、大学の先生たちのいわゆる学識経験者という者には、ちょっと千円というような失礼なことを言わないでよけい出すというような御意見はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/64
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065・柴田護
○政府委員(柴田護君) 現在の運営は必ずしもそうなっておりませんけれども、お話のような点はごもっともだと思いますので、研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/65
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066・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 重ねて伺いますけれども、非常にこまかい話になりまするが、参与の中で府県議会の代表とか府県知事の代表という者は、それぞれの機関から旅費、日当をもらって出てきているのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/66
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067・柴田護
○政府委員(柴田護君) 参与会に出るための旅費等はこちらで出しておりますので、団体からそのためにもらうということはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/67
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068・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ないと思うということで、その点は詳細調べてないと思う。私は実情はそうじゃないと思う。それぞれの機関からちゃんと旅費なり日当をもらって来ていると思う。そうだとすれば、千円を出すことも不合理ですよ。それらも含めてひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/68
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069・柴田護
○政府委員(柴田護君) さようなことはないと思います。調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/69
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070・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 午前の審議は、この程度とどめ、午後は一時三十分に再開することにいたし、暫時休憩いたします。
午前十一時四十七分休憩
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午後一時五十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/70
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071・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。政府側出席者は、宮地官房長、齋藤社会教育局長であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/71
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072・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この国立科学博物館の機構を改正されるわけですけれども、その来たるゆえんは、日本学術会議の第二十六回の総会の議によって作られるということなんですが、私はこの点で、三十三年の五月の決議になっておるわけですね、約四年ですか、日時がたっているわけですが、どういうわけでこういう長いことたっているのかという点をひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/72
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073・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 今お話になりましたように、自然史科学研究センターの設立につきましては、昭和三十三年の五月三十日に科学技術庁の長官に対して勧告があったわけでございます。実は当時文部省といたしましては、昭和三十年に原子核研究所、それから昭和三十二年に物性研究所、昭和三十三年に蛋白研究所等基礎科学に関するかなり大規模な研究所の創設に乗り出しておりまして、これはたとえば物性研究所でありますれば、二十部門に相当するような大きな研究所でごさいまして、これを手がけておりまして、年々拡充整備に努力をしておりまして、物性研究所につきましては昭和三十六年に完成したようなわけでございます。もう一つは、この三十三年の研究所に関する勧告はいろいろございまして、数理に関するもの、あるいは海洋研究所、いろいろのものがございます。その具体化に、文部省としては具体的な構想を練るのに相当事務的に時間もかかりまして、加えて、先ほど申しましたように、基礎的な共同研究所の大きなものが進行中でございましたので、ようやく三十七年の予算に拡充計画の第一歩を踏み出すような原因になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/73
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074・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 定員の改正につきまして、今度文部省の関係で五千六百三十一名という定員外職員が定員内に入るわけですが、この数字は政府の中でも非常に大きな数字を占めておるわけです。前々からこれについては非常に問題がありまして、この中で国立学校の五千四百五十二名という定員化、これの各国立学校に対する割当数を一ぺんひとつ見せてもらいたいというふうに思っているわけです。種々該当の学校から聞きますと問題があるようでありますし、相当アンバラにもなっているようですし、それから残った方々もまだ相当おられるというふうに聞いておるわけなんです。そこでどういうような配分になっているのか、それからなお、文部省として国立学校でこれだけの定員化をするのだが、どの程度のものが各大学に残るのか、そこら辺の数字を一ぺんひとつ具体的に提示してもらって、それに基づきまして、私次の機会に大いにかみつこう、こういう算段なんです。前から人事課長に連絡はいたしてありましたけれども、その後私が東京にいなかったりしまして、けさ帰ってきたものですから、いただいてないのですが、ぜひ内訳を、どういうような形になり、どれだけの人間が残るのかというものについて、提示をしていただき、なお御承知のとおりに、定員化するのは、今度で終わりになるわけですし、あとは新規増という形でやらざるを得ないわけです。なかなか新規増というのがむずかしい面がありまして、できるならば、この機会に、あまりアンバランスのないような形でうまく定員化しておく必要があるのじゃないか。こういう気持がするものですから、ありましたら、ひとつそれをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/74
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075・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) ただいまの御質問でございますが、国立学校、この中には大学付属病院、付置研究所等もございますので、トータルにおきましては、定員外職員の現在員は、国立学校で五千六百四名でございます。そのうち、今回この法律案で定員化を予定いたしております数字は五千四百五十二名でございます。したがいまして、差し引き百五十二名の定員外職員が定員化されないまま残るという一応の計算になります。ただこの百五十二名でございますが、これは行管の、昨年七月二十日現在で調査いたしましたそれをもとに定員化すべきものを定員化したわけですが、御承知のように、常勤の者で、しかも恒久的なポストについておる、また、国で経費を支出しておる者、こういった原則に立ちまして調査した結果、今の数字になったわけでございますが、で、その百五十二名という内訳でございますが、これはたとえば絵をかく場合のモデルであるとか、あるいは筆耕でありますとか、そういったような者、それから季節的な労務者というような者で、七月二十日現在につかまえた数字の中にはそういう者がおるわけですが、七月二十日を過ぎましたある時限でつかまえますれば、今申しました百五十二名の中の季節的労務者という者は、七月二十日以降のある時限を押えて計算すれば、そのときはもう季節的労務者としてその学校にいないという者も含まれております。それからモデルのような者は、これはずっと定員化して置くという性格のものでございませんので、また、そのモデル自身が公務員になるよりも、いろいろな職もございますから、そういったような数字が一応百五十二というふうになっておるわけでございます。したがいまして、今の鶴園先生の御質問に端的にお答えいたしますと、文部省の定員外職員定員化、特に国立学校におきましては、定員外職員の定員化を必要とする職員は全部定員化した。そのように御了承いただいていいのではなかろうかと考えます。また、各大学ごとの数字を示せということでございますが、実は以上のような観点に立ちまして、各大学への定員配分をいたしております。で、どこかの大学に若干ずつ集計すれば、先ほど申しました百五十二というものが定員化されないような数字で、形の上では残るのでございますが、実質的には、先ほど申しましたような理由で各大学の割り振りの数字はまだきまっておりませんが、きまりましても、鶴園先生の御心配のような点は残らないと思います。各大学ごとの定員を今示すということは、これは実は政令の段階で各大学ごとにきめていかなければいけないのですが、目下作業中でございますので、資料の提出としては、一応四月一日までは作業中で、恐縮でございますが、お許しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/75
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076・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今のお話ですと、百五十二名しか残らなかったというお話なんですね、それが私ひとつ不可解なわけなんですよ。百五十二名以外にはいないのだというお話ですが、そうではなくて、もっと相当にいるのではないかというふうに見ているわけですが、それでいつかこの委員会でも取り上げましたけれども、やみで置いている職員というものは相当いるわけです。おそらく若干の例しか私承知していないのですが、百名や百五十名程度の人間というものはいるのじゃないでしょうか。そういうものが今おっしゃるような五千六百四とかいう数字の中に出てこないのではないかと思うのです。そういう問題を何らかの形で解決すべきじゃないだろうかというわけで、かつてこの委員会で問題にしたことがありまして、東大においてはそういう点が割合とスムーズに行なわれているように思うのです。ところが、東大はまあいい例なんですが、それ以外の大学の場合におきまして、たとえば東京工業大学ですか、というような例をとりましても、相当、やみといってはおかしいのですが、要するに働いておるわけですよ。これはちょっとやそっとの数字ではないと私は思っております。そういう問題がやはりすっきり片づかないと、依然としてあとからあとへこの定員の繰り入れの問題というものが尾を引く、しかも今回で繰り入れば終わりということになっているのですから、そうしますと、新しく定員をふやしていくということはなかなかむずかしいわけでして、新しい講座を作るとか、あるいは新しい研究所を作るとかということなくしては、定員をふやすということはなかなかむずかしいわけです。そうしますと、やはり根本的に考えておく必要があるんじゃないかというふうに思っているわけなんです。そこで今お話のように、政令でおきめになるわけですが、各大学への配分というのは、確かに資料としてお出しになるのはたいへんだろうと思うのです。ですから見せてもらうだけでもけっこうだと思います。刷ったりなんかたいへんですから、私に見せてお返しするということでいいと思います。そうでないとはっきりしないわけなんですよ、いろいろな大学でそういうような人たちが五十名、百名ずつ残っておる、しかし、それがどうなるのかということがはっきりわからないのですよ。入っているのか入っていないのか、私も推定で言っているんですが、おそらくこの中に入っていないのではないかという推定でお話しをしているのですけれども、そうすると、各大学の数字が、一応ラフな数字でもよろしゅうございます、わかりますと、これは入っているということがはっきりするわけですが、調査の対象になっていないようにも聞いているのですけれども、そういうものがありますから、確かに資料を刷られるということはたいへんですし、また、がっちりまだきまっているものでもないと思います。ですからラフな数字でよろしゅうございますから見せてもらう、それはすぐお返しするという程度でよろしゅうございますが、この点をひとつ要望いたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/76
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077・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 今の鶴園先生のお話で、実は昨年この委員会で先生から東京工大に三百人ばかりのいわゆる無給副手がいるのじゃないかという、私速記録を調べてみましてそのような御質問も出ているわけであります。今の御質問に関連いたしまして、その点で御指摘になったんだろうと思いますので、その点一言触れさしていただきますが、先ほど私が申し上げました百五十二名の定員外職員が定員化されないでともかく残っておると申し上げました中には、おっしゃいましたように、鶴園先生が先ほど、昨年おあげになられました工業大学の例等に見えます研究生等は入っておりません。これは先ほど御説明いたしましたように、国費でまかなわれておる者、しかもフル・タイムで働いておる、あるいはパーマネントなポストにおるといったような行管の調査の基本的な点がそのようになっております。したがいまして、先生のおっしゃいます無給副手なる者は、これはいわゆる無給ですから国費が出ておりません。したがいまして、三十六年度の行管の調査の対象にはなりませんでした。したがって、数字は入っておりませんが、これらにつきましては、昨年も政府委員のほうからお答えいたしましたとおり、実態がまちまちでございまして、昭和二十三年ですか、嘱託制度が廃止されまして、こういう新たな臨時職員というような制度が設けられ、しかし、臨時職員ではいろいろ工合が悪いといったような性格から、特に病院等にはお医者さんの無給副手ができましたし、それから御指摘のように、工業大学のような理工系のところにも無給副手とかあるいは無給研究生、いろんな名称で呼ばれておりますが、そういうものが発生いたしました。この実態はいろいろでございまして、たとえば数を申し上げますと、病院の無給副手というもの、これも調査の押える日によって少しずつ違うのですが、去年の七月に私のほうで調べました数字は、七千五百六十三名病院関係におります。ところでこれらの人々は、診療の仕事に若干携わっておる人がおります。たとえば一週のうち一日くらい、あるいは二日くらい、あるいは三日くらい、しかもその内輪には、研究生として授業料を払っている者もある、あるいは少しも授業料を払わない人もおります。いろいろやっております。患者に接する点につきましても、いわゆるそこの職員として患者に接するいうよりも、自分自身の研究を進めていくために、文科系の者が本を読むといったような性格の患者に当たる方もおります。そういうようなこと。それで無給でございますので、これらの人は先般の行管の調査の対象になりません。しかしながら、事実はそうでございますし、それから理工系のところにおります研究生につきましても、会社に就職しておって母校に研究に行っておる、あるいは自分が論文を書くために、大学は出たんだけれども、やはり指導教科のもとについておる、ただこれを研究生とかなんとか呼ばないと工合が悪いのは、その学校へ出入りする、先生の研究室にも入るという場合に、全然形式的に、その学校との関係がついていませんと工合が悪うございますので、それぞれの大学では、教室の先生がお前は出入りしてよろしいということで、研究生という証書みたいな、門札のようなものをもらうといったような者もおります。ただほんとうに職員のような仕事をしておる者もごく——これは工業大学で調べた例ですが、一割くらいはおりました。三百人のうち三十人くらいは実際に給料を払うべきような仕事をしておる人もおるようでございます。しかし、その人は、いわゆる国費でないほかの経費から支給されておる、そういうようなことで、今回定員外職員の定員化のために行管が調査しました基本的な考え方が違っておる形においてそういう人がおりましたので、文部省としましては、文部省独自で調べたんですが、行管のほうは一応対象外ということになりましたので、来年度は今申し上げましたようなものを根本的に調べ上げて、定員化すべきものは定員化するということで、調査費も予算には計上しておるような次第でございます。したがって、百五十二名残っておりますものについては、もう全部御心配はないと思いますし、今申しましたような国費でまかなわれていなかった職員につきましては、来年文部省独自の調査をいたして、その結果、定員化すべきものは定員化したい、そのように考えております。
それから資料は要らないが見せてほしいということですが、私のほう、資料ができますれば、別に秘密でもございませんのでお見せしてもいいのですが、四月一日の政令をぜひ出したいと思いまして、目下作業中でございますので、できる限り御要望に沿いたいと思いますけれども、それ以前はまあちょっと間に合わないかもしれませんので御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/77
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078・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今おっしゃったように、国費で払っていない、あるいはフル・タイムでない、あるいは恒常的に勤務していないというような形のものがさっきおっしゃったように、病院だけでも七千五百名おる、その大部分は今おっしゃったような人たちであるというようなお話です。しかし、自然科学系統の数字も相当大きな数字があるだろうと思うのです。その場合に私は一例として申し上げたのですが、東京大学の場合だったと思いますが、そういうような、今お話のような、当然国費で持っていくべき人たちが、国費で持たれていない、それを国費に持つようにされた、そうすると東京大学の場合においてはすでに国費になっておるからして、今回の調査の対象になるということになるわけですね、残った人たちは——それ以外の人たちは今回の行政管理庁の調査の対象にならない、文部省のお考えとしては、文部省独自として来年調査してと、そうして定員化すべきものは定員化したいというお話なのですが、それは閣議決定は、これから定員外職員を定員内に繰り入れるということをやらないという決定とは別に、そういうようなことを調査をして、文部省としては独自でやられるというお考えですか。あるいはそういう了解が成立しておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/78
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079・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 大部分の定員外職員の定員化が昨年夏、七月二十日現在で、行管がおやりになったものはおありになろうと思いますが、しかし、まだ残った者の扱いについては来年行管で御調査なさるかどうか、はっきりいたしておりませんが、行管で御調査なさるとすれば、もちろん文部省でもそれに協力して調査いたしたいと思いますし、行管のほうではもうなさらぬということであれば、文部省で責任持って独自に調査したい、このように考えております。
それから先ほど言い落としましたが、この百五十二名、定員外のものが定員化されないで残るという数字は、先ほど言いましたようなことで、現実には大学におきましてはいろいろな事情もございますが、定員化する必要のある者は全部定員化して、なおかつ定員が残るといったような計算になるところも相当ございます。したがいまして、来年無給副手等の、あるいは研究生等の調査をしてと申しましたが、それを待つまでもなく、現実にそういうように欠員ができた場合は、一刻も早く定員化すべきものは今回の措置で現員以上の定員化されるところもございますから、その欠員補充はそういった方々を優先して行なうようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/79
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080・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 さっき病院関係で七千幾らというお話、それで自然科学系統の大学で、東京工業大学の例が出ましたが、東京工業大学の場合に約三百名前後の国費でない人たちがいる。その中で三十名程度は定員化すべき人たちのようだ、こういうお話でしたのですがね。これは一例として東京工業大学が出ておるのですけれども、そのほかの自然科学系統の大学、お調べになりますと、やはりこれに該当する、これに前後する数字というものが全国的にあるというふうに私は見ておるわけなんですよ。そうしますと、東京大学においてはその人たちをすでに国費に切りかえてしまっておる、三、四年前から切りかえてきておる、それ以外の自然科学系統の大学、あるいは国立病院等において、あるいは附属病院等において、そういうような措置がとられていないということになりますと、相当な大きなアンバランスが出てくるというふうに懸念しておるわけです。今お話のように、今度のこの五千四百五十二名という数字の中で、それらの者についての若干のお考えを進めていきたいというふうに受けとったのですが、しかし、そういうもので間に合うものではないのじゃないかという私は推測をしておるのです。そこで先ほどお話のように、文部省独自として調査をなさる、そうして定員化をするということですが、それが閣議決定の線とどうも私行き違いがあるように思いますし、来年度行政管理庁が再度調査をして定員外職員を定員化するということになるかどうか。なればよろしゅうごさいますが、定員化しないということになったのじゃないですか。これははなはだけっこうな話ですから、これは喜ばしいことですが、今の点のようなお話ですと非常にいいことだと思います。ですから、ぜひやってもらいたいと思いますし、ただそこのところが行管の方針と食い違っているように私は思うわけですよ、今後を除いては定員化というものはないというふうに私は閣議決定の趣旨は了解をしておろのですがね。ですから私としては、ぜひこの機会にやらなければならぬのじゃないかというふうに考えているわけです。来年ということでなくて、この機会に根本的にひとつ考えてもらわなければその人たちが残ってしまう、そうして閣議決定は御承知のように、新規増という形になるわけです。新規増というのは、これは言うまでもなく、講座がふえるとか、新しく研究所が建つとか、あるいは仕事の量がふえるとか、学生の数が相当大幅にふえるとかいうような、新しい仕事量の増加というものがないならば定員を新しくふやすということはないわけですから、そういう意味で私疑問に思いますので、その点をもう一ぺん伺っておいて、それから各大学の割当の数字がはっきりまだおきめになっていないようなお話ですが、あとで私が疑問に思います学校等についてメモを差し上げますので、その点だけについてこれこれだというふうにおっしゃっていただければ、それだけで用事が足りるわけですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/80
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081・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 先ほど、多少くどくなりますが、行管の調査は、国費で支弁している者につきまして、その人がフル・タイムの勤務体系にあるか、それからパーマネントなポストにおるかということを基本として調査したわけであります。したがいまして、フル・タイムであるとかパーマネントなポストであるとか、国費でまかなわれていないという者は調査の対象になっていないわけであります。したがいまして、無給副手のように金を出していない、これは国費以外に何を出しているかといえば、出していない。それからいわゆる研究生というようなもの、これはポケットマネーといいますか、教授のポケットマネーといっても民間からの委託研究費の一部がいっているという場合もございましょう。で、給料はもらっているけれども、それは国費ではないということで、ともかく行管のこれは文部省関係独自のものであろうと思いますが、各省にはこういう人はおそらくいないだろうと思います。そういうような関係もございまして、行管の調査対象外になった、したがって、私が先ほど申し上げましたのは、もともと行管の調査対象外の人だからこれは文部省として責任を持って調査をすべきである、したがいまして、来年は行管は御調査なさらないと思いますけれども、なさろうとなさるまいと、文部省としては責任を持って調査をする必要がございます。行管がことしほとんど定員外を定員化したけれども、まだ若干定員化が残っておるので、来年もまた各省を通じてやろうということになるならば、もちろんそれに御協力申し上げていきたいということを申し上げたわけであります。
それから工業大学等におります研究生、これは私のほうで全部の実態調査をいたしておりません。来年度したいと思っておりますので、正確な数字はもちろんないわけですが、工業大学のように三百人もおるというのは非常にまれなようでございます。教育大学にも若干おります。私ども昨年鶴園先生から言われまして、ある程度のところは電話連絡なりその他でいたしました。まだ実態調査はやっておりませんが、工業大学の三百人は、各理工系の大学に類推されるような数字ではございません。それから工業大学にしましても、先ほど言いましたように、一割程度のものは定員外を定員化す必要があるような職員のようであるという学校の話で、まだ私のほうは十分調査いたしておりませんが、そういったような職員につきましては、これは各大学で、たとえば科学技術振興で来年度は二千二百十七名の新規増がございます。こういったものの新規増の補充財源としましてそういう人を優先的に充てるとか、それから先ほど申しましたように、今回の定員外職員の定員化で押えました時限が七月二十日ですが、それの前後によってそれよりも少ない場合もあるわけでございまして、大学によりましては、このために欠員の人が充員できる。外から現在のものを定員化す以外にまた充員ができるというような数字にもなりますので、そういうものには、こういう研究生で定員化す必要があるものは優先的に調査を待つまでもなくやるといったようなことである程度間に合うのではないか。また、無給の副手にいたしましても、昨年三十三名、三十七年度では七十一名、こういうものを診療助手として新たに定員をとっております。そういうようなものに、現在の人で定員化す必要のあるものは振り向けるということで相当措置もいたしておりますし、その上なおかつ残る人があれば、来年の調査の結果、大蔵省とも、行管とも十分話し合って定員化す必要のある人をほっておかないように措置したい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/81
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082・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうも同じ問題でくどくどしておるのですけれども、今例としてあがりました東京工業大学で、国費ではないけれども、三十名程度は定員化すべき人たちがある。これは国費ではない。こういう人たちが自然科学系統の各大学なり、国立病院、そういうところにおるんだというふうに私は言っておるわけです。その場合に、東京大学ではこういう人たちを前に国費に切りかえておった。その人たちは、国費に切りかえておきましたから、ことしは定員化になる、それ以外の大学等において国費に切りかわっていない、そのために残ってしまったのだ、こういうわけです。その数は、今おっしゃるように、東京工業大学では三十名という数字ですが、自然科学系統の大学では、この数字とは違っても、かりに十人おりましても相当大きな数字になってしまう。あるいは病院関係にいたしましても大きな数字になるわけです。そういうものが今おっしゃるような形のものによってなかなか吸収されるというわけにいきますまい。そうすると、来年の話になるじゃないか。来年の話は、文部省としては独自の調査でもやりたいとおっしゃるけれども、それは閣議決定の趣旨とは反するじゃないかというふうに私は理解しておるわけです、閣議決定というものは。それなら手を上げざるを得ないということになりはしないか。それだからことし何らかの措置をとらなければならないのだが、遺憾ながら文部省はそういうような調査をやっていない。実態調査もやっていらっしゃらないということならば、この人たちはほっておかれることになりはしないか。そこで私としましては、もう少し詳細に各大学の実情というものをここへ出して論議をいたしたいというふうに思っておるわけですよ。その場合に、大体各大学どの程度定員化されるかということを伺ってみないと、どの程度残るかというのがはっきりわからないわけですよ。それで前から人事課長に対しまして要望しておったわけです。まあ電話であしたでもいいのです、お伺いしますから……。この大学はこの程度、この大学はどのくらいだということがわかれば、はあこの程度ということがすぐわかるわけですから、それで木曜日にその点、本格的にやりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/82
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083・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これはあまり研究生のことにつきまして論議いたしましても、お答えしましても、実はこれ非常に沿革的なものがございまして、おわかりにくいかとも思うのですが、これは大学によりましていろいろ実情が異なりますが、東京大学には非常に少ない。極端に言えばいないということになっておるのです。これは東京大学のほうは、先ほど申しましたように、二十三年以降嘱託制度を廃止して以来、そういうことはしないのだという方針を貫いておる。ところが、工業大学のほうですと、ある教授が、それのまあ確かに覚えていませんが、教え子が自分の教室に来て、卒業後もやはり教えを請いたい、こういう者がまあ門札なく来るのではあれだから、一応研究生という名前をやる、それも発令行為をしていないわけです。ですから、大学の事務局でも、その者に事務局で発令行為をするようなことをいたしておりません。で、ある教授、たとえば一人の教授が十名か十五名まではそういうことをやっていいとかといったような、何か教室の申し合わせでございましょうか、ですからまあそういうものはなくても先生のところへ研究に行きたければ行ってもいいだろうと思うのですが、まあそういうことをやっておりますし、したがいまして、きょう調べた数とあす調べた数はまた違うと思うのです。ある先生のところへ弟子が行きまして、ひとつ研究生として先生のところへときどきおじゃまさしていただきたいといえば、そうかということで、きょうその人が許されれば、またきょうの数字ときのうの数字は違いますし、まあそういうことでございますので、要はそのうちにほんとうに大学の職員としてしなければならないような仕事をしている人が何人おるかということが一番の問題だと思うのです。ですから、三百人のうちそういう人は一割と申し上げましたが、結局三百人の数はたいしたことはないので、それが一割なのか五分なのか、ともかくほんとうに国家公務員として定員化されるべき仕事をしておる者が何人おるかということだと思うのです。これは先生のせっかくの御質問に言葉を返すようで恐縮なんですが、特にこの大学はというように御指摘になれば、私どもそこをできる限り早く調べてでもお伝えできますが、その三百人、工業大学で三百人のうち大体一割ぐらいだろうということも正確に大学としても実態調査をした結果ではございません。したがって、十分なる資料を出してそれからとおっしゃいましても、遺憾ながら無理ではないか、ただ具体的にこことここについて調べてみろということでありますれば、近くの大学であれば、木曜日までに要るとおっしゃれば、できる限りの御便宜は計らいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/83
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084・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それから私のもう一つ出しております疑問点は、何回も繰り返しますけれども、来年文部省独自の調査をして、そうして必要があれば定員化をしたい、そのことができないのじゃないかということを私は聞いておるわけですよ。閣議決定の線ではできないのじゃないか、定員に繰り入れるという形では。それはどうなんですか、それができますれば、私は大いに喜ばしいことだし、けっこうだと思っておるのですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/84
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085・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 先ほども申し上げましたように、行管の調査は国費支弁、フル・タイム、パーマネントなポストということでございますから、国費で支弁していない、そういうものは調査の対象になりませんでした。したがいまして、本年度行管がやったような、定員化で残ったという人ではございません、先ほどから先生のお尋ねのものは。したがいまして、行管としてそういうものについても国費支弁、フル・タイム、パーマネントという、そういう者以外について、残った者について調査しようということにでもなりますれば、これは行管の調査になるかもしれませんが、そういうことにはおそらくならないと思います。したがいまして、私は先ほど文部省独自で調査したいと申し上げたのですが、しかし、まだ文部省のようなところがほかにもあるから、それも行管また来年やれということに今後なれば、行管が調査されるかもしれません。そのときはまた協力して調査したいということで、今のところでは文部省独自の調査になろうと思います。したがいまして、そういうものについて文部省独自で調査したものの定員化ができるかどうか、これは今までのものとは違いますから、閣議で今まできめられた趣旨でそのまま定員化されるとは思いません。しかし、現実に工業大学に例をとりますれば、今の三十人という者がほんとうにそこで定員としての仕事をしている。しかもそれだけの定員がなければ工業大学はやっていけないということであれば、これは定員外の定員化というよりも、形式的には新規増ということになろうと思いますが、そういう形でも大蔵省に要求して、それらの人を定員化したい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/85
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086・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これで私は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/86
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087・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめ
て。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/87
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088・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけ
て。
他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。本日は、これにて散会いたします。
午後二時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01019620313/88
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