1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月十五日(木曜日)
午前十一時十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
石原幹市郎君
塩見 俊二君
鶴園 哲夫君
山本伊三郎君
委員
上原 正吉君
木村篤太郎君
下村 定君
中野 文門君
一松 定吉君
松村 秀逸君
伊藤 顕道君
高瀬荘太郎君
国務大臣
文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
自 治 大 臣 安井 謙君
政府委員
総理府総務長官 小平 久雄君
文部政務次官 長谷川 峻君
文部大臣官房長 宮地 茂君
文部省社会教育
局長 斎藤 正君
自治大臣官房長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
文部省大学学術
局大学課長 村山 松雄君
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本日の会議に付した案件
○自治省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○文部省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○国家行政組織及び国家公務員制度等
に関する調査(農地被買収者問題調
査会に関する件)
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
自治省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続いて質疑を行ないます。
政府側から出席の方々は、安井自治大臣、柴田官房長初め長野総務課長であります。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/1
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002・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ、まず議案について直接大臣にただしておきたいのですが、参与を二名増員、この前の当委員会で官房長から大体趣旨なり実態を聞きました。特に今度の増員の必要は地方開発、そういう方面における識者を求めよう、こういうことですが、参与の今までの運用について聞いたのですが、顔ぶれを見ましても大体六団体の代表、その他学識経験者として三人入っておるのですが、これは特異であるのですが、どうも私としてもあまり有用に運用されていないように思うのですが、経費の点からいって問題にならないらしいです、何か千円くらいの日当ですから、委嘱しておけば何かになることもあるが、やるならもう少し、そういう経費の問題もあまり考えずに、もう少し価値のあるような運用も必要じゃないかと思うのですが、大臣の諮問機関といいますか、相談相手ですから、大臣自身としてやはり必要があるのだということが言えるかどうか、その点ちょっとお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/2
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003・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のように、参与制については自治大臣の諮問機関としまして、自治行政全般にわたってのいろいろ御意見を徴するという制度になっております。これは御承知の地方行政という部門がいろいろ複雑でございます。また、いろいろな財政問題等につきましても特別の知識を必要とする面もあるというようなことから、ぜひ必要な機関だと思っております。しかし、御指摘のように、その手当等もまことに僅少でありまして、そういう待遇といったようなことも、なかなか思うにまかせない状況であることは御指摘のとおりでございます。私ども何とかもうちょっとそういったものをしっかりした形にいたしまして、名実ともにそろったものにいたしたいという考えでございますが、なかなか財政その他の事情から思うにまかせません。しかし、徐々にこのほうの改善もいたしておりまして、新年度からは若干形のつくものになろうかという気もいたしておるわけでございます。まあそういう事情で、非常に純事務の面から離れたそういう一般の諮問機関でありますので、一体、一足す一はどういうふうに二になるのだというふうなお話になりますと若干説明しにくいところもございますが、全体としては非常に有効な働きをしていただいていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/3
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004・山本伊三郎
○山本伊三郎君 きのうは、この点委員長から、河野委員長から質問あったのですが、私からもう一ぺん聞いておきますが、——聞いておくというよりもただしておきたいのですが、六団体のこの代表は、おのおの知事なり議長が当たっておるのですが、この場合には経費というものはおのおののところでこれは負担してもいいと思うのですが、今度の増員されるやつは、おそらくそれ以外だと思うのです。そういう人に対してはやはりある程度見る必要があるのじゃないか、こういことをきのう委員長からも官房長にただしておりましたが、この考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/4
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005・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これはもうお説のとおりでありまして、公的のそういった機関の責任者をお願いしておる場合と、民間の有識者を直接お願いする場合とではかなり待遇等についても考えなければならぬと思います。ただ明確な予算措置というものがまだはっきりできておりませんが、そういう趣旨に沿って新年度からできるだけのことをいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/5
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006・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ、これと直接関係ないんですが、今度の北九州五都市合併を一応の目途として特別な法律案が出されたんですが、それに対して小林次官が現地に行って調査——地方自治法による指定都市であるか、あるいは当時自治省が提唱しておった新産業都市の建設問題のその指定都市かどちらかは知りません、とにかく合併すれば指定都市としてやる考えである、こういうことを地元で発表された。これが非常に五都市合併の機運を助成したと、こういうことだと思う。この点その真偽はどうであるか、ちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/6
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007・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これは既成都市が合併をいたしまして、百万を標準の新しい都市になるわけでございまして、そういう意味からは、これを自治法上で指定都市というものに指定することになろうかと思う。ただ同時に、新産業都市建設促進法というような法律が、ただいま御審議願っておるわけでありますが、そういうものが成立いたしました場合に、今度新しい産業的な分野から、またそういうものの指定をしようということは、これはこれでまた別に可能であろうと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/7
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008・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃそこではっきりしておきましょう。自治省としては、現在の地方自治法による指定都市として、指定することは一応その方針である。しかし、現在国会にかけられておる新産業都市建設促進法による、そういう何といいますか、大拠点都市ということとは別であると思うのですが、後者の新産業都市建設促進法による、そういうものについては、自治省としてはきまっていないという、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/8
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009・安井謙
○国務大臣(安井謙君) その点はお説のとおり、まだ確定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/9
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010・山本伊三郎
○山本伊三郎君 地元では非常にそれを誤解しておるようです。自治法によるのもそれはもちろんあると思いますが、今度の新産業都市建設促進法による、そういうものになるのだ、しかし、われわれの考えでいくとおそらくならぬと思う、もう既成工業都市ですから、もし政府が新産業都市建設促進法による構想からいくと、低開発地方におけるものを目標としておると思うのです。したがって、北九州とか、太平洋ベルト地帯による既成の、そういう産業工業都市には考えておらないと思うのですよ。もしあるとすれば、あの法律案自体に対して、われわれは疑義を持たなければならぬと思う、この点はっきりしておきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/10
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011・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 今のような、山本さんのお話のような方向だと思う。自治法上の指定都市になる。これはすでにでき上がった都市であるから、新しい産業都市の指定に入れて、新しい開発を特別必要とする性格のものじゃないというふうに思いますが、実はあの周辺にもこれから相当開拓していきたいといったような面もあるようであります。そういうようなものを、もう一回新しい角度から取り上げてみまして、今度新産業都市としてどう扱うかということをもう一ぺん再検討する。当然の成り行きとしては、今のお考えのようなものだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/11
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012・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それから、それはそれとして大体考え方はわかったのです。この前の委員会で官房長にただしたのですが、大臣、もう一ぺんただしておきたいのです。なるほど大都市、自治省のいう基幹都市と申しますか、そういう大都市の建設ということも、ある意味においての経済開発、そういう点からいくと、確かに一つの利点があることは認めますが、地方自治という立場からいくと、やはり住民の不便というものは必ずついてくると思う。たとえば例を申しますと、今日まで市町村合併促進法によって相当合併された。それによって得るところもありまするけれども、戸籍謄本一つ取るために、三時間もバスで市役所に行かなければならぬ。出張所は当時はあったけれども、だんだん合理化されて、統合されてしまった。こういうことで相当住民が不便——犠牲にしておる点があるんですよ。今度の五都市の場合は、相当開発された都市であって、交通の便もいいといいますけれども、私どもも実は行って一回視察いたしました。まだその周辺へ行くと、今言われたようないなかの地域もありますから、その点について、今後五都市を合併したあとは、どうせ市役所は一カ所へ集中されると思うんですが、こういうことについて、現地のほうの意向を聞いておりませんか。自治省としては、どういう指導をしようと思っておりますか。現在の五都市の市役所の所在地を区役所とするとか、そういう方法でやられるのか、その点ひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/12
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013・安井謙
○国務大臣(安井謙君) この五都市は、御承知のように、地元の要望の線に沿って、自治省がお世話役をしておるというような形でございまして、今のような純事務的なもので、住民の利便といったようなものをどう片づけますか。これはあるいは合併後の団体の意思によって、今の区のような施設を置くか、あるいはもっと違った形にしますか、これはこれから検討しまして、どういう形になりましょうとも、今お話のように、住民に著しい不便を与えないような方法を、ぜひ考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/13
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014・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この問題について最後に聞いておきたいんですが、国会の論議のとき、あるいはまた、そういう意見を交換する場合には、抽象的にそういうことが言えると思うんですが、現実にそういう広地域の大都市が出現すると、非常に固有の事務といいますか、市町村の固有の事務がなおざりにされる憂いがある、憂いというより傾向がある。環境衛生の点につきましても、小じんまりとした市のほうが、そういう点は非常に能率よくやっておるんですが、東京のような大都市になると、集中的にやられて非常に波がある。波というよりもへんぱになっておる。こういう点は今後自治省としても専門的な参与が置かれるんですが、そういう点は十分検討される必要があると思うんです。本委員会は地方行政委員会でないんですから、もうこれ以上これについてはやりませんが、そういう点はひとつ参与の増員について十分考えて、今後適当な行政指導をしてもらいたいということを希望するんですが、これをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/14
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015・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のような点も、市の団体の、区画が非常に大きくなればできてこようかと思います。大体指定都市になれば、それぞれの旧市というものは、区といったような扱いを受けるようにはなろうと思いますが、今の御注意の点は、ひとつ十分に留意して、今後の地方行政の運営で気をつけてやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/15
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016・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それから大臣、一つ二つの点でちょっと聞いておきたいと思うんですが、実は最近各市で、特に中小都市で、管理規則というものをほうぼうで作っているんです。それで私も二、三カ所いろいろと市長にも会い、また、実態を見ましたが、やはり全自労のすわり込みとか、あるいはその職員団体の集団交渉とか、こういうものについて、どうも何かこれを押えなければいかぬということが、大体の規則を作る考え方の基礎になっております。それがために地方自治法の第百四十九条による財産及び営造物を管理するという、そういう目的以上に、何といいますか、域外に出ておるというような点が見られるのですが、それは行き過ぎな点が相当あると思うんです。たとえば禁止行為というようなものを、条例を設けて集団の行為や、行動を禁止しておる点がたくさんあるんです。こういう点は私は大臣に言っておきたいと思うんですが、こういうものをこさえても、罰則というものを作るわけにいかない、規則でありますから。それでそういうものを作るとかえって刺激をして、やり方がより深刻になっておる実情があるんです。こういう点について官房長はそういうことはあまり知らぬということですから、ましてや大臣はそういうことは聞いておらぬかもしれませんが、よほどこれはうまく行政指導せぬと、理事者の考えの逆の結果になっておるのですが、たとえば松本市は今やろうとしておる、小倉市はもうすでにやっております。非常にこれを作ったために市民の反感とか労働組合の反感が強く、なぜそういうことをするのか、われわれには市民権があるのだということで、かえって混乱を起こしておるが、この点大臣はどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/16
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017・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 庁舎の管理規則というのは、御承知のとおり、庁舎を維持管理していくための必要限度のものであるはずのものであります。そのことが組合等の活動を特別妨げるとかなんとかいうことを目的にすべきでないことはもちろんでありますが、ただ、実際問題としまして今御指摘のように、一方から言えば組合自身にも従来行き過ぎがなかったとは言えないので、そういう場合に非常に秩序が乱雑しておる、それを新しい規則によって直す場合に、やり方によって若干摩擦が起こるということもあるいはあろうかと思います。そういう点についてはひとつ十分気をつけまして、行き過ぎのないように、本来の目的を達するように今後指導して、いきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/17
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018・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そういうことはぜひ指導していただきたいと思います、逆の結果が出ておるところがあるのですから。こういうことは注射の免疫みたいなもので、作ったときはなるほどこれはいかぬなと思っても、やってしまったら何だということで慢性になってしまっておる、規則というものの価値もない、こういうことは理事者知らないんですよ。したがって、聡明な自治省の方々はそういう点に着眼してうまく指導してもらわなければならないと思います、この点念を押しておきます。
それからもう一つ、これは大臣御存じだと思いますが、昨年の十月の国家公務員の給与引き上げ改定に伴って、地方ではこれが現在問題になっておる。ところが、そのいなかの町村に行きますと、一応今までは組合と理事者がそういう話をして、団交といいますか、交渉したところのないところが現在やりつつあるわけです、これは具体的に申しますと、茨城県の筑波郡の筑波町を初め六カ町村で郡の町村長の会合で一応妥結をして文書まで協定を取り交した。ところが、たまたま財政局長通達ですか、あれが出て地方課から指導があって、それはもういけないということで破棄するという結果が実は出ました、私も二日行ってずっと町村を回っていきますと、もちろん組合の人にも会ってきましたが、非常に勘違いをしておるのです、現在議会ではこれは結局組合との協定は破棄されてしまって、理事者が一方的に出したものが議会を通ったということで非常に地元では不満を持っておる、特に若い人は非常に危険な方向に考えが行っておる。地方公務員法の第五十五条で認められておる協定を一方的に誠意もなく責任もなく破棄されておる、こういうことで現在押えられておるような形ですけれども、これはいつ爆発するかもしれない、私どもは国会でこういうことを取り上げるのはあまり好まない、地元で解決したほうがいいのですが、そういう将来の憂いがあるからひとつ大臣に聞いて、できればよりよいように指導してもらわなければならぬ、こう思うのですが、この点お聞きだと思いますので、大臣からひとつ所見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/18
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019・安井謙
○国務大臣(安井謙君) この町村の給与につきましては、大体基準としては自治省は公務員に準ずる基準を示しておる、財政基準の計算上もそれに見合うものを計算はしておるわけであります。町村自体の財政的な事情その他から必ずしも一律にいかない、そういうような場合に今お話のような摩擦が起きる場合もあろうかと思いますが、私どもとしてはできるだけそういうものを、ギャップをなくして、うまく取りきめできるように今後も留意してやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/19
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020・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはぜひ行政局なり財政局に十分調べて指導していただきたいと思うのですが、画一的に考えてやっておるのじゃないかと思う。そういういろいろ筑波郡の町村を調べまして、一番いいところで現在のベースが一万三千円です、今度組合との協定でうまくいって一万五千六百円になるところが一番いいところです、いつも自治省がこの町村の給与は低いから何とか改善してやるということで、地方財政計画では今度は多分市町村は一人単位費用二万二千六十六円ということになっておると思うのです。そこまで一挙にやるということは無理でも、せめて二万円近くやらぬと、これはしんぼうできないと思うのです.特にこの労働力不足でそういう入手難で理事者自身も困っておる、ただ問題はひとしく現われておる問題で、理事者は比較的そういう点に気づいておっても、町村議会が農村地帯ですから、非常にがんこな人が多い。そういうところに一つの隘路があるので、せっかく理事者と協定を結んでやってやろうといっても、市議会の全員協議会ですか、あれは地方自治法では権限がないと思うのですが、そういうところにまず事前に相談すると、もう圧倒的に反対されて執行者、いわゆる市町村長の考え方というものは、そこで抹殺されてしまう。したがって、組合と協定してあっても、議会の意向がそうだから、やはりこれは工合が悪いということで、一方的に破棄したということが多いのです。そういう点はよほど考えてもらわなければ、町長がいいというのに議会が反対する。そういうことで非常にまた別のほうに不満がある。これについてひとつ具体的に、行政局長おられないのですが、ぜひ早急に手を打ってもらいたいと思う。そうでないと、これも先ほど申したように、今、一応はおさめられるかもわかりません、非常に純朴な農村ですから、そんなきつい思想的なものも私はおらないように思いますが、ひとつそういうものが入ってくると、これは非常に問題になる。今実は弁護士に頼んで訴訟を起こすとかなんとかいう話がありますが、まあしかし、そういうことよりも、一ぺん自治大臣とも、その意向を聞いて、会ったほうがいいだろうということで待たしておるのですが、そういう点をひとつどう考えられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/20
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021・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 今もお話し申し上げましたように、町村全体の事情によって、あるいはこの不均衡を来たしておるところも相当あろうかと思います。でき得る限り、これは標準に近づけるように行政的な、財政的な措置、指導もいたしておるわけであります。実際からいいますと、近所におる農協の団体の役員の給与あるいは職員の給与、そういった類似の団体の給与等とのバランスもあって、なかなか思うようにいかぬ場合もあろうかと思います、しかし、この建前はできるだけ標準に近づけていくということが大事なことでありますので、これはよく事務当局にも申しまして、実態を調べてできるだけそのように指導さしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/21
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022・山本伊三郎
○山本伊三郎君 しつこく言うのじゃないですがね、実は地方交付税を調べても、この給与関係の費用を余しておるところがあるのですね。ところが、御存じのように、地方交付税交付金は別の人件費だと言ってひもついていないから違法だとは言えない。しかし、違法だと言えないけれども、これは妥当でないことははっきりしていると思うのです。今そういうところを指摘したら、係の人は、そりゃ議会の意向だからと言って押えられている結果がある、したがって、その財源が人件費として地方交付税できておるのに、それまでもほかの方へ回されておることは、こればわれわれとしてはどうも納得できないのです。特に現在もういなかでも相当工場が出てきましたから、そういうことから町村で働こうという優秀な人材がもう来ないようになる、これが地方自治の発達のために大きい障害なると思うんですが、少なくとも自治省では、その点では特に町村の給与に対して関心を持って指導してもらいたい。重ねて大臣の所見を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/22
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023・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 給与の関係がどうしても、公務員が悪くて民間の一般のレベルより低いために、人材が集まりにくくなると、これは一般的な傾向としてあると思います。まあ、できるだけ留意してこれは今後も考えていかなきゃならぬと思っております。それから、まあ市町村自身が自治体で、御承知のように、自主的にものをきめるような建前になっておりまして、この基準財政需要の額と行政水準という意味からは一定の財源計算をして交付税を出しておりましても、その市町村の特異性から見て必ずしもその計算どおりいかないというような場合もこれはあろうかと思います。自治省としてはこれはできるだけ標準化したもので指導していくということをやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/23
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024・山本伊三郎
○山本伊三郎君 今、大臣ちょっと気になること言われたんで言わざるを得ないんですが、たとえば若干全国的な標準から伸びたところにはきつい逆の指導をされるわけですね。もうすでに言わぬでもわかっておる、腹の中ではね。そして弱いところではそういう工合に、地方自治法によってこれはおのおのきめるんだからやむを得ぬ、というような意味にとれる。だから私いつも気になるんです。その点がわれわれとして、首尾一貫するんだったらいいけれども、ちょっと伸びたところにはきつい。財政局長おらぬが、これは奥野さんを一ぺんやってやろうと思うんですが、そういうことが大臣、われわれではあきたらないんです。筋が通ってるんだったらいいです、どちらもやるんだったらいいが、そうじゃない。したがって、われわれは、弱い者の味方というわけじゃないんですが、特に標準より低いところにはそういうことを言わずに、いつも自治省がわれわれに言われるように、こういうことではいかぬのだから何とかしてやる方法はないかと、——命令権はありません、ないけれども、地方課の指導というのは町村長はおそらくよく聞きますよ。だから、そういう悪い方面の指導だけじゃなくして、若干職員の有利になる指導を積極的にやってもらいたい、私はこう言っておるんですから、それだけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/24
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025・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 御説のとおりで、高過ぎるところもどうかと思いますし、低過ぎるところもどうかと思うので、これは企業体じゃありませんから、できるだけ公務員としての一般のレベル——水準というものを保っていくことが一番好もしいと思って、財政措置なり行政指導はそういうふうに自治省としてやっております。一方、あまり力関係というようなことだけで不当に高くなったと思われるものについてそういった注意をしておるといったようなこともあろうかと思いますが、要は今申し上げますように、できるだけ一定の水準を保っていくように今後も努めていきたいと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/25
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026・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それからこれは、高いところと言われたが、僕は調べておりますが、大阪市あたりだと私は出身だからよく知ってますが、今度の場合でもあれがあってまあ高いと言われているところでも、平均、前は二万五千六百円か八百円、大体五十五才の、定年制ではないんだが、優遇措置でそういう措置をしているから平均がプラスをするんです。したがって、今度の三十七年度の財政計画では市町村平均二万二千六十六円になっておるというんですが、これをちょっと政府の委員のほうに確認しておきたい。そうなっておると私は聞いておるんですが、その点どうですか、だれか御存じないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/26
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027・柴田護
○政府委員(柴田護君) ちょっと調べますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/27
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028・石原幹市郎
○石原幹市郎君 その間に……。
先般の委員会で官房長にお尋ねしておいたんですが、今度の自治省改正の中に主要眼目として参与の待遇というものが、出てくれば一日千円前後という……。これは委員長からも意見が出たんですが、市町村の理事者であるとかあるいは議会とか、そういうふうに費用弁償の出るほうの人はそういうほうから出さして、そのかわり、大学教授であるとかいろいろの方面からも参与を得ておられると思うんですが、そういう人の処遇はもう少し考えるべきじゃないかと、だから自治体で負担さす人にはもう出さない。一方では非常に参与を活用しようというようなお話であるにかかわらず、一回千円ぐらいの手取りではひどいのではないか、これは今回の参与に限らず、そういうものが相当あるのじゃないかと思うんですが、これについて自治大臣からもひとつお考えを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/28
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029・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 今の石原委員のお尋ねにつきましては、当委員会でかつても問題になったということも伺っておりますし、また、今のお話はしごくごもっともだと私どもも思っております。実は昭和三十七年度の予算を編成いたします際にも、この点は私強く閣議でも申しましたし、また、予算折衝の際も非常に強く要求をしたのでありますが、何分今委員会、参与といったものが非常に数が多いことだし、今これを一律にやるというわけには今すぐはいかない、もう少し時期を待ってくれというようなことで、これは根本的な改正までいっておりません。おりませんが、三十七年以降につきましては、ひとつこの運営面におきまして今お話のような点を十分考慮してひとつやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/29
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030・石原幹市郎
○石原幹市郎君 それからもう一つお伺いしたいのは、今度例の地方公務員年金制度の切りかえでそれに伴って今回の改正案で六人ばかり増員になっている。まあこれだけ大きな制度の創設で六人程度の人でいいのかという問題もありますが、いま一点私が特に大臣から聞いておきたいと思ったことは、これは年金共済制度を論ずるときにまたあらためて論じてもいいと思うんですが、この事業内容は例の年金給付——長期は年金給付、短期は健康保険のようなことをやるのですね、それが仕事の実体であるわけです。だからこういう社会保障的の仕事の面については厚生大臣というものがそれぞれの部局を設けて監督しているわけですね。だから私は、この共済組合もそういう仕事の面については、これはやはり厚生大臣も監査できるとか、監督できるとかいうような建前をおいて、そのかわり主務大臣は組合の経理とか、実体の面はやる、こういう行き方がいいのじゃないかと思うんですがね。共済組合ができると、全然厚生大臣が従来やっている年金であるとか、健康保険の給付のような仕事にノータッチになって、それがすでに一千万なり何なり相当の人をこしているわけですがね。こういうところに制度上のいろいろ問題があるのじゃないかと思うんですが、ちょうどまあこの自治省設置法でも増員の問題がそこへ出ておりますから、関係のある問題として私は自治大臣の所見を一ぺん聞いておきたい。またあらためて年金制度のところでいろいろ検討願ってもいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/30
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031・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のように、この共済組合の積立金の運用については、これはやはり職員の福祉、あるいはその団体の行政目的に沿うような運営が大いにやられなければならぬと思っております。その意味で厚生大臣とも十分な連絡をしていく必要があろうと思いますが、一般の年金のように国民全般を相手にした福祉事業とも違いますので、これはやはり地方公務員というものを直接対象にしてやっておりますので、まあ直接的には今のところ自治大臣なり、大綱的なこの金融面という意味からは若干大蔵大臣というものが関与するという形になるのでありますが、それの運営の実体については、今のようなことはぜひひとつ厚生大臣とも連絡を密にしてやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/31
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032・石原幹市郎
○石原幹市郎君 積立金の運用とか、そういうことばかりでなしに、共済組合の仕事の実体にやはり健康保険事業があるのですがね。だから健康保険事業のような面については、厚生大臣がやはり全体をずっと全部を総括して見るということも、私はむしろ必要なんじゃないかと思うのです。共済組合ができると全部それで全然抜けてしまうというやり方については、今後これは政府部内でも検討していただきたい。宿題として残しておきます。
それからもう一つただしておきたいのですが、地方債の起債やなんかの仕事の関係で、大蔵省と自治省と両方でやっておるわけだが、そこらの人員の比較を見ると、大蔵省は同じようなことをやっておるのに倍くらいの人がおる。こういう点について、これは自治省をふやせという意味じゃないのですが、大蔵省のほうが多過ぎるのじゃないか。そこらが省別によって非常にそういう人の配分とか、あんばいとかいうことがあまりに懸隔があるということでは、これはやはり今度の行政調査会あたりで検討すべき問題と思いますが、こういう問題について今までいろいろ自治省でも問題としておられると思う。自治大臣としてもどういう感じを持っておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/32
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033・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 起債の問題につきましては、これは石原委員もかつて自治省の責任者としていろいろ御苦労があったと思いますが、現在御承知のとおり、一種の二重査定のような建前になっております。大体こんなものは自治省に、大ワクだけで、あとはまかせてくれればいいと思っておりますが、なかなか今の事態がそう簡単に運ばないという実情にあります。したがいまして、自治省でも全体が非常に少ない人数で相当オーバーな仕事を片づけておるという実情があります。ここらの大蔵省との人員あるいは仕事の調節も今後の課題としてひとつ今の御趣旨のような線で考えて参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/33
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034・石原幹市郎
○石原幹市郎君 これはこの前は出さなかった問題でありますが、今度は自治省のほうから辺地整理に関する法案とか、いろいろ出ております。こういう考え方からずっと推し進めて考えていきますと、今経済企画庁が中心でやっておる離島振興の仕事、これは辺地整備とか、あるいは離島方面にも辺地の問題がいろいろあると思うのですが、そういう点から考えると、離島振興の仕事を経済企画庁にしたというのは、どうも当時いろいろな権限争いみたいなことで、折衷論として経済企画庁にいったのじゃないかと思うのですが、こういうふうにだんだん軌道に乗ってきて、しかも辺地の振興まで手を伸ばしてやろうということにまで自治省が踏み切ってきた以上は、離島振興のような仕事は当然自治省の中に包含されてしかるべき仕事じゃないかと、私前々から考えておるのです。ちょうど設置法の改正も出ておるのに、一向進んでないようですが、こういう問題についてどういう見解を持っておられるか、この機会にそれを聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/34
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035・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 御説のように、離島振興の問題と辺地というものは非常に密接な関係がありますし、将来は統合さるべきものと考えております。しかし、離島振興は従来の実績、いきさつがありますので、この際直ちにどういう形をとるかまだ法案自身も成立していない段階でございますので、どうかと思って、この次の段階まで待とうと思っておる次第であります。将来必ずそういうふうにならなければなるまいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/35
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036・柴田護
○政府委員(柴田護君) 先ほどの山本委員の御質問にお答えします。市町村一般職員並びに非義務制の教員——市町村の教員でございますが、これの財政計画上の三十七年度の単価は本俸で二万二千円、諸手当を入れまして二万三千九百円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/36
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037・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大臣お聞きのように、そういう状態になっておる。もちろんこれは地方財政計画上のいわゆる単価ですが、これを実は自治省で聞きますと、これは国家公務員の基準をフィッシャー方式で換算したのがこうだ。したがって、当然これより低いところはこれまではやるべきだ。そうすると高いところはここまで落とせばいいじゃないかということをいつも自治省は言うのですが、しかし、高いところは今までの過程といいますか、経済的な事情、生活実態、そういうことから上がっている。したがって、この点は私は無理は言わないのです。現実に町村のそういう職員も何とか生活できる程度になればそれでいいのですが、今までといなかのほうの生活実態が変わって参りまして、親とか、また兄貴とか、何か家の補助でやっていくという時代は過ぎ去って、しかも町村といえども、事務内容というものは都会と変わりがありません。明治時代、大正の地方の村役場のように、半日行ってあとは野良仕事というようなことは全然できないし、また法律が許さない、そこに給与が依然としてそういうものが残っていること、これはこういうような後進地域の開発とかいろいろやられておりますが、役場自体の開発ということもこれは考えなければならない。今は優秀な人が役場におらないために、農村における経済的な産業指導というものも非常に低下しているのです。それは町長さん自身がそう言っているのです。優秀な人をとろうといっても来ないと言うのです。そうすると、きのうまで何か別なことをしていた人が町会議員の紹介で入ってきて、予算書ひとつわからない人が事務をとっている、それでは困るのです。くどくどしく申しませんが、今、官房長から申させましたが、これは地方財政計画上の単価ではあるけれども、やはりそこまでは必要であるということは財政計画で認めているのでありますから、この点十分指導してもらいたいということを重ねて要望しておきます。具体的に申しますと、筑波郡の市町村のことで、あれは茨城県の地方課で相当きつく指導したらしいのです。向こうはわが党の知事でありますから、知事からも注意したようですが、もう一回自治省から指導をしてもらいたいと思いますが、これはひとつ自治省に要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/37
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038・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 今の二万二千円ですか、二万三千何百円というのは、これは五大市の入った全体の数字でございます。したがってそれがそのまま市町村の平均と言われるかどうかは別として、今お話のように、非常に格別偏差があるというようなところにつきましてはさらによく調査もいたしまして、今のできるだけ標準化していくという線について今後も努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/38
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039・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはそれでいいのですが、大臣ちょっと誤解しておられると思います。官房長の補佐よろしくないと思います。今言われた六大都市を含めた平均ではないのですね、その単価の計算は、これはあなたのほうの係に聞いたのだから。フィッシャー方式で国家公務員を基準にして二万六千四百円の、やつを学歴別、勤続別、年令別にして、そうしてこうなるということでその二万二千何がしというものを出しているのですよ。だからそういう点の平均のやつを全部寄せてこれが一人単価になるという出し方ではないのです。もしそうすると決算と合わないのです。これは合わないのです。しかし、一応単価を出す場合にはそういう方法でやっているということを大臣知っておいてもらわないと、都会のやつばかり入っているのじゃないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/39
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040・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは私が数年前までやっておりましてよく知っているのでありますが、これは各個の公務員を国家公務員というものとかりに仮定した場合にいう給与の平均値でありまして、したがって、同じようなことを大臣は言われているわけであります。個々の村についてその平均値がどうなるかということは、二万二千円の水準をそのまま持ってくるわけにいかぬ。個々の村の職員の学歴なり経験年数というものを国家公務員に引き伸ばした場合にどうなるかということをやりますと、個々の村は二万八千円のところもあれば、二万一千円ところもある。したがって、一般的に二万二千円が金科玉条のものではない、市町村、ことに違う、こういうことを大臣はおっしゃったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/40
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041・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大臣のはそこが違うのですよ。大臣は地方財政計画等から高いところと低いところと平均してそうなると言って……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/41
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042・安井謙
○国務大臣(安井謙君) そうじやないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/42
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043・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうじゃないですね。それを言っておかぬと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/43
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044・安井謙
○国務大臣(安井謙君) よくわかります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/44
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045・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これが当然こうあるべきだという、国家国務員を基準にしてこうあるべきだということを言っているということ、わかりました。それならそういうことでひとつ指導してもらいたい、そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/45
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046・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/46
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047・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/47
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048・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
自治省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに御賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/48
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049・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/49
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050・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
午後は一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
午後零時三分休憩
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午後一時五十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/50
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051・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないます。政府側からの出席者は、長谷川文部政務次官、宮地官房長、齋藤社会教育局長、なお説明員として村山大学課長、板谷大学病院課長、福原社会教育課課長、渋谷著作権課長、三角社会教育施設主任官が出席されております。
御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/51
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052・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 前回伺ったんですが、国立大学の附属病院に七千五百七十三名という無給の職員がおる。それで、またそのときに問題がありました東京工業大学に約三百名ほどの無給職員がいると、こういうことだったんですが、そこで、理工系の大学には今の工業大学と同じように相当多数の無給の職員がおるように聞いておりますし、そういうようなものが一体どの程度あるのかどうか、それをまず伺いたいわけです。で、附属病院の場合におきましては七千五百七十三名ということですが、そのほかの国立大学、さらに附置してある研究所、さらに文部省の所轄している研究所、こういうところにどの程度の無給職員がいるというふうに推定していらっしゃるのか、その辺のことを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/52
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053・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これはこの前鶴園先生から工業大学に約三百名くらいという、これは昨年もそのような数字をお話しいただきましたが、大体工業大学にはそれに近いくらいのものがいるようでございます。しかしながら、各大学を通じまして、どの程度いるかということは、私のほうは概数もつかんでおりません。と申しますのは、前回も申し上げましたように、研究生の実態が非常に病院の無給副手と比べまして不確定でございます。と申しますのは、発令行為もいたしませんで、ある一人の教授が十名くらいまでは研究生としていいであろうといったような大学内の申し合わせによりまして、たとえば研究生に任命するといったようなことじゃなくて、研究生であることを証明するといったような、いわば証明書を出したような形で学校に出入しているという実態でございますので、教える日にちによりまして、きょうは研究生になっておったが、あすはなっていない。あるいはきょうはなっていなかったが、あしたからはある先生のところへそういうことで出入りを許してもらうというようなものも相当ございますので、数字を詳細につかんでおりません。したがいまして、前回も申し上げましたように、来年度約二十万円ばかりで、わずかな金でございますが、こうしたものの調査をする予算も計上してあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/53
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054・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これは三十五年の十二月ですか、私がこの問題を取り上げたのですが、東京工業大学を一例にとりまして、大学にこういうような無給の職員が、たとえば東京工業大学に三百名ほどいるというふうに質問いたしましたら、文部省のほうで直ちに調査されて、確かにその程度のものがいるということなんです。病院にはこういうふうに七千五百七十三名というふうな数字がわかっているわけですけれども、大学の理工系、その他の大学並びに附置してある研究所、文部省所管の研究所等にどの程度のそういうような無給の職員がいるか、こういう点を文部省が推定もなかなかつかないというのでは、私はたくさん問題があるのではないかというふうに思っているわけです。先般この問題について伺ったときに、まあその発生原因のようなもとをお話しになったのですが、私はそれは確かにこういうような無給の職員がたくさんおられる——私は総体として約二万名程度のものじゃないかというふうに推定をほぼしているのですが、大まかに言いまして、研究所も入れましてそういうような無給の職員がいるということ、その発生原因についてはいろいろあると思いますし、また存在理由もいろいろあると思います。ですが、そういう人たちがいることによって、大学の運営なりあるいは研究所の運営なりというものが行なわれているという半面を見のがしてはならぬのじゃないかというふうに思うのです。きょうはいてあしたはいないというような職員がいるのだというふうなお話なんですけれども、それは個々の例をとればそういうこともありましょうが、しかし全体を通じまして二万名前後のものがいるのじゃないかという推定が行なわれている。それはいろいろな事由によって発生をしているわけですけれども、半面そういう人たちがいなければ、研究所なり大学なり、そういうものが運営がむつかしいという面もこれは否定できない。にもかかわらず、その数字が推定もつかないというんじゃ、私は文部省としましてはなはだ遺憾の意を表明せざるを得ないんですけれどもね。特に今申し上げたような、こういう人たちがどうしてもやはり運営上研究上必要であるという半面は、これはほとんど全部がそうだとは言いませんけれども、否定できないわけでして、どうも私その推定ができにくい、推定しておられないという点、ことし始まったわけではない。去年始まったわけではないだろう。長年にわたってこういう存在が許されておる。あるということが、どうも私不可解なんですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/54
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055・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは前回も申し上げたように、研究生の実態というものはまちまちでございます。したがいまして、この中には、私どもの推定では、数字は先ほど鶴園先生二万とおあげになられましたが、その数字は詳細に把握しておりませんけれども、実態といたしましては、多くのものはむしろ授業料を取りまして、いわゆる大学院の研究科の学生のように、授業料を取って研究をさせるといったようなものが相当大きな数字になってくるのではなかろうかといったようなことをむしろ考えまして、逆に、鶴園先生がかねがねおっしゃいますように、今おっしゃいました二万名ですか、そのうちの特に定員にしなければいけないような仕事をしておるものというのは、むしろ授業料を取るべきものに比べまして少ないのではないかというように考えております。これは数字は私のほうはそういう研究生について詳細につかむということは、定員化するために特につかむ必要はないので、むしろどっちかにウエートを置くとすれば、授業料を取るために調べるといったほうが、調べた結果ではそのようになるのではないかということをおそれたことも一つの原因で、十分な調査をいたしてないのですが、逆に申しますと、それらの人のうち、特に大学の本来の仕事をしておる、たとえば助手に相当するような仕事をしておるそういう人々が何人くらい必要なのかというようなことでございますれば、私のほうは調べがございます。
大体大学の講座は、これは御承知のように、教授一、助教授一、助手一名ないし三名といったような、これは実験講座、臨床講座、非実験講座でいろいろ違いますけれども、そういった形で全国の大学を調べて参りますと、いわゆる不完全講座としまして、助手が四百二十八名これを充実する必要があるという調査はできております。したがいまして、極端に言いますれば、あと四百名ばかりのものを助手として充員すれば、現在のところはそれでいいんだという結論にもなりかねないということでございますので、ただ大学のほうとしましては、今申しました一、一、一ないし三といったような講座の組み方が、進展していく研究、教育上の必要に応じ切れないといったような考えから、その大学では特に理・工・医等の分野におきましては助手をもっとふやそうというような御意見もございますが、少なくとも、現在の私どもがとっております講座組織から計算して参りますと、そう鶴園先生がおあげになられました二万人といったようなものを必要とする数字が出て参りません。そういったようなことから、多少文部省としましてもこれをいろいろ気にかけつつも、むしろ厳重な調査をして、逆に授業料を取る学生が相当出てくるということになっても気の毒だというような考えもございまして、そういうことも一因で十分な調査ができていなかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/55
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056・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は無給の職員と申し上げましたが、これは国が給与を支払っていないということでありまして、この病院関係で七千五百幾らというもの、総体としまして二万名前後というふうに推定されておるこの人たちの中には、今答弁のように、そういうものに該当する人もおられると思うのです。ですが、学校後援会なり、あるいは学校校友会なり、その他のいろいろな関係において給与を支払っておる人たちも相当あるというふうに見なきゃならぬわけなんです。現に、私が昨年、一昨年、東京工業大学の例を申し上げまして、三百名ほどおるじゃないかという主張をいたしましたのに対して、文部省のほうで御調査になったところが、確かに三百名前後おられる。その中で三十名程度は定員化しなければならぬというようなお考えになったようであります。これは無給でありますけれども、これは国が払っていないという、無給であるはずのその中には相当なものが、やはり学校後援会なり、校友会なり、あるいは教授のポケット・マネーなり、そういうものによって支払われておるという実態になっておる。これは否定できない大きな問題としてあると思うのです。ですから、今おっしゃったように、四百名というようなお話では、これは私としてはとうてい納得できない。工業大学ですら一校だけでも定員化しなければならないものが三十名程度あるということであるからして、全国で国立大学なり、国立研究所なり、あるいは文部省所轄の研究所で四百名程度だというお話では、これは私としては納得できない、詳細な資料を示していただければともかくとしまして。ですから、そういう点につきまして二十万円ほどの経費を文部省として組まれて、今回明年度調査をされるというのでありますが、これは調査された結果、この間の答弁ですと、定員化といいますか、定員の中に入れたいということだったのですね。私はその定員化されるということが、三十七年の一月の十九日の閣議決定の第一号との関係で、定員に繰り入れるということは今回で終わりだ、しかし文部省としては特殊な関係もあって、ぜひひとつ新規に人員をふやすということによって処理していきたいというようなお話なんですが、さしあたって一例として出ております東京大学等もそうだと思いますが、そういうような方向で定員の中に入るということに該当するものを入れるということに理解してよろしゅうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/56
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057・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 鶴園委員がたびたびあげておられます研究生、無給副手、こういった種類のものは、いわゆる閣議決定に基づきます定員外職員の定員化の対象外の方々でございます。したがいまして、閣議決定では三十七年度の定員に定員外職員を定員化した後はもうしないと申しますか、三十七年度限りで、定員繰り入れの措置は終了したものとする、というふうに閣議決定になっておるのであります。したがいまして、閣議決定の定員外職員の定員化は、三十七年度、今回で終わりになりますが、おそらく文部省独特のものであろうと思われます研究生、無給副手等につきましては、この閣議決定の対象外の職員でございますので、文部省独自の調査を来年度してみたいということを前回も申し上げたわけですが、この調査いたしました結果、その中には、いわゆる勉強に来ておる人、そうじゃなくて助手のような仕事をしておる人といったような幾つかの勤務形態、研究形態が出てくると思います。その結果、助手的な仕事をしておる人全員が、定員いわゆる新規増員要求を文部省がいたしますその中に入ってくるかどうか、また採用するかどうか。これは御承知のように、定員外職員の定員化のように機械的に入るものではないと思います。それは採用にいたしましても、大学では御承知のように、それぞれ大学の中で教授会等で教官の選考をいたします。助手の選考も教授会でやっておる大学も多いわけですが、そういうわけで、一応採用という場合は、別の角度から教員として助手として適当であるかどうかをそれぞれの大学で一応ふるいにかけますから、そのことからもってしましても、助手と同じような仕事をしておるという実態がわかっても、それからまた新規に文部省が定員要求をして定員が取れたとしましても、具体的にこの人がそのまま採用されるかどうかは、形式論でございますが、これは別個の問題でございます。ただ、そういう前提におきまして、文部省としては独自の調査をして、しかも、先ほど言いました四百二十八名というのは、いわゆる現在の講座の立て方から計算しますれば、全部完全講座に充実していくとすれば四百二十八名足りないということなんです。しかし、先ほども申しましたように、世の中がだんだん進み、研究、教育も進んでおります。したがいまして、今までの文部省がきめております一・一・一というああいう講座組織では不十分だという大学の当局から声もございます。特に理工系統については、教授一、助手一といったような講座のやり方は十分でないという声もございますので、したがいまして、現在の計算でいけば四百二十八名足りないんですが、今申したような、もう少し新しい角度からいけば、もっと不足するという計算はおのずから出てこようかと思います。
以上、鶴園先生、四百二十八名に対してちょっと不審な点がありましたので、それにお答えを付加して申し上げさしていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/57
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058・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今の四百二十八名というのは、講座制のところでいえば一・一・一、理工系でいえば一・一・二というようなものから判断をし、あるいは各大学等の附置や文部省所轄等の試験・研究施設の大型化というようなところから一・一・三、あるいは一・一・四というようなところも出ておる。講座全体の数その他の判断の中から推定せられた数字じゃないかと思うのですが、私はともかく二万名前後のものがあるというふうに言われておる、それをやはり調査なさって、その中からやはり数字というものを出していただく。それから助手の問題も盛んにおっしゃいましたけれども、しかし助手と同じような仕事をしておる教務職員で、あるいは研究補助職の人たち、あるいは技術者、その人たちもポケット・マネーなり、あるいは後援会なり、校友会等の金によって雇われておる人、国は払っていないが、そういう人たちも相当あるというふうに見なければならぬ。そういう意味のものがどうも含まれていないようにさっきから伺っておるわけです。つまり一・一・二あるいは一・一・一というような講座制の建前から見て、どうも足りないようだというような判断で、大体の大まかの数字が推定されておるんじゃないかというように私は受け取るんですが、それじゃ困るわけですよ。やはり二十万円程度のせっかくの予算ができておるわけですから、それ以外の教務職員で教(一)になっておるものもありますし、教(二)になっておるものもありますし、あるいは研究補助職員あるいは技術者という人たちだって、国は払ってないけれども、現実に働いておるというのもりっぱにあるわけですからね。そういうものも判断していただかないと私は困ると思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/58
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059・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 来年度調査いたしますのは研究員だけではございませんで、お説の教務職員につきましても、あわせて実態調査をいたす予定にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/59
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060・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 もう一点。私四百二十八名という推定について伺っているのでございますよ。どういうところから四百二十八名という数字が出てきておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/60
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061・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは先ほど申しましたように、現在の国立大学の講座でございますが、これは教授一、助教授一、助手は一ないし三という講座組織になっておるわけであります。御承知のように、助手が一ないし三といいますのは、非実験は一、実験は二、臨床三という計算でいっているわけです。したがいまして、大学の各講座を今の基準数に講座数をかければトータルの数字が出てくるわけでございます。ところが、その中には、必ずしも今言いました一・一・一ないし一・一・三という、私どもこれを完全講座と呼んでおりますが、完全講座になってない、いわゆる不完全講座の講座もあるわけです。したがいまして、あるべき講座の組織の数から現実の数字を差し引きますと、四百二十八名というものが出てくる。非常に形式的で恐縮ですが、現在の講座の立て方からしますと、不完全講座に一部なっておる。その不完全講座を完全講座に直すのには、四百二十八名の助手を充当すれば足りるということでございます。それじゃ二万人ばかりおる研究生等のうち、たった四百二十八名しか定員化しないのか、そのように結びつけられると、これは全然別な話ですから困るわけであります。もちろん二万人ばかりおりますうちに、この四百二十八名足りない助手に当たる仕事をしておる人もおるかもしれません。それから全然そうでない、勉強しておるものもあるかもしれない。ですから、それを来年調査しようということなのであります。その結果、四百二十八名の不足している助手に相当する仕事をきちんと四百二十八名のものがやっておった、それ以外のものはみな研究しておったということになりますれば、計算的にはその四百二十八名の助手的な仕事をしておる人を助手として移しかえれば一番簡単なんですが、しかしこれは定員外職員の定員化とは違いますから、各大学でそれぞれ新たな資格審査等もしまして助手に採用するという形になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/61
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062・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そこで問題が二つあるように思うのですけれども、私も先ほどから答弁を承っておりまして、この四百二十八名という数字が、講座の単位その他から割り出されたものだというふうに判断したのですか、おっしゃるとおりのようです。これははなはだ不十分なわけでして、おっしゃるように、二万名の中には助手的な仕事をしているものもおりましょうし、あるいは補助職員的な仕事をしている人もいましょうし、さらには研究所等におけるところの技術者として働いていらっしゃる人もおられると思うのですよ。ですから、そういう広い意味で考えてもらいたいと私は思っておるわけですよ。助手というふうに言われますと、一・一・一あるいは二あるいは三というふうに言われますと、これは非常に限定された問題になりますし、もう少し、やはり実態を調査なさるわけですから、補助職員で定員外におる人たち、あるいは技術者で定員外におる人たち、そういうものが研究所あるいは大学の講座、研究等の運営上、やはりこれは定員に入れるべきであるという判断をなさった場合には、これは四百二十八名という助手に限ることはないのではないかというように私は思うのですよ。そこをもう少しはっきりしておいていただかないとまずいように思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/62
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063・宮地茂
○政府員(宮地茂君) 鶴園先生があげられたいわゆる二万名、これは私のほうは承知いたしませんが、かりに二万名といたしますと、その二万名のうちには、おっしゃいますように、助手の仕事をしておるものと勉強しておる人だけではなくて、教務員的な仕事、教(一)の六等級ですか、あの教務職員のやるべき仕事をしておる人もおると思います。したがいまして、そういう実態を来年度の調査だけで完結しますか、続いて次の年もやらなければならぬようになるか、それは今のところはっきり申せませんが、とにかく来年度調査いたしますのは、そういう人も全部調査するわけでございます。その結果、ある人は助手のような仕事をしておる、ある人は教務職員のような仕事をしておる。しかもその教務職員のような仕事をしておる職員が勤めている教室は、なるほど教務職員が足りないということでありますれば、文部省としては、その教室に教務職員をつけるべく新規定員の要求をいたします。その結果、またそこで働いておる教務職員が定員が新規に取れた場合に、おそらく定員外の職員の定員化とは違いますけれども、結果的にははまり得るようになろうかと思いますけれども、形式的には一応そういうことになります。したがいまして、多少鶴園先生に誤解があれば繰り返しますが、四百二十八名の助手にだけこだわるわけではございません。助手として不足しておるのはそれだけだということを申したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/63
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064・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この設置法で今度五千四百五十二名定員化されるわけですが、そこでこの問題につきまして若干伺っておきたいのですけれども、五千四百五十二名定員化されるわけですが、これは給与の積算はどういうふうになっておりましょうか。五千四百五十二名の予算上の給与の積算ですね、一体どこを基準にしてこの予算はできておるのか。それによりましては、かりに八の三より、八の二なり、あるいは八の一なりというような給与を積算の基礎にされますと、種々問題が出てくるように思うのです。ですから給与の積算としてはどこを基準にしておられるのか、伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/64
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065・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 一応八等級を基準といたしております。
それから御承知のように、文部省の予算は、給与が大学は一本になっておりますので、一応八等級で積算して入れておる。しかしながら、すべての人が八等級になるわけじゃございませんで、もっと上の人もできるわけですが、実態に即して実質的な給与は不都合がないようにきめていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/65
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066・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は少しばかり理解がつかないのですが、八等級というのは、要するに八の一からずっとあるのですが、その平均のお話ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/66
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067・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは一応大蔵省のほうで各等級につきまして予算単価がございます。たとえば学長でも、教(一)一等級ですが、現実には一等級の一号の学長から、八号、九号の学長もございますし、教授になりますと、二等級の一号から二十何号までございますが、大蔵省のほうといたしましては、それぞれ教授ですと二等級の十四ですか、その数字はちょっと不確かでございますが、たとえば二等級の十号とか、あるいは十四号というところを予算単価としてきめているわけですが、それに従っております。ですから、八等級の何号かちょっと失念いたしましたが、大蔵省がきめております八等級の予算単価の号俸ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/67
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068・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それは、文部省だけではなくて各省ともそういうふうにしておる、こういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/68
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069・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) よその省のことは存じませんが、教育職関係はそのようにいたしております。教育職以外の一般の行政職ですと、おそらく他官庁と同じだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/69
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070・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私はその考え方が少し各省と違うような気がするものですから伺っているわけですけれども、それじゃ私もう一ぺん各省のやつを調べてみまして伺いますが、どうも文部省のほうでこの定員化の問題について非常に実情にうといように私は判断しているわけですよ。何せ今ごろになって五千何百名というのを定員化しなければならぬというのも、これは少し定員化についてうといような気がしているわけですよ。それから無給職員の問題なんかについても推定も立たぬようでは、どうも文部省の大学附置研究所なり、所管研究所に対する人事管理といいますか、そういうものについてどうも少しばかり甘いように思いますし、そういう点からこの八等級のどこに基準を置かれたのか知りませんが、どこに基準を置いておられるのか。単に八等級の平均へ置いておられるようなふうに聞くのですけれども、そういうことであれば、また私もこの点についてはもう一ぺん伺ってもいいです。何か少し定員化についてうといような気がするものですから聞いているわけですよ。文部省だけに特に大蔵省はそういうような案を出しておるように伺ったものですから聞いたのですが、そうじやないですか。各省共通ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/70
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071・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 文部省だけ定員化がうといと言われまして非常に恐縮に存じますが、別に私どもはうといと思っておりません。ただ文部省といたしましては、いわゆる学校というよその官庁にはない特殊な機関をかかえておるものでございますから、どうもよそと比較のならないものが大部分なのでございます。定員にいたしましても、文部省定員約八万前後ございますが、そのうちのほとんど九割何分までが大学でございまして、まあそういう関係で、非常に今度の定員化が三十七年度五千名も出るのはぐずぐずしておるのじゃないかというお話でございますが、これは従来からよその官庁にない学校の独得のやり方といたしまして、庁費等から支弁しておった職員が多かった。もちろん大学では学年進行とかあるいは講座とかといったようなきちんと数字の出る職員は出るのですけれども、何しろそれぞれの研究室等で研究をいたしますのに、その主任教授なりがいろいろやはり補助職員を必要とするということは、まあ人によっても違いますし、学校によっても違う。そうしますと、ある学校ではきちんとその定員以外はまかなわない。あるいはある学校は大学附置の研究所では研究費の一部をさくとか、これまあいろいろ画一的に私のほうでいたしておりませんので、できる限りその研究に都合のいいような形をとっていただいておりましたためにこういう非常勤職員ができたわけでございます。したがいまして、五千人も今度定員化されるということは、おそらく各省にはないと思いますが、だからといって、文部省だけがうとかったというように御判断いただくと、恐縮には存じますが、多少酷評ではないかと思いますので、御了承願いたい思います。
それから今の八等級のあれですが、これは定員外職員の定員化でございますから、教育関係の職員以外につきましては、行(一)、行(二)の一般行政職はこれは官庁と同じでございますから、これは大蔵省に聞いていただいても、おそらくといいますか、大丈夫他官庁と同じだと思います。教育職員は、これは文部省だけの独得のものですから、これは違った形になる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/71
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072・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 よくわかりました。
次に、今度五千四百五十二名定員化されるわけですが、この五千四百五十二名の定員化の現実の処理としまして、現に国から給与を受け、恒常的に勤務し、フル・タイムに働いておるというものは今度定員化されるというふうに見ていいわけですか。それともこの定数を——五千四百五十二名という定員化の数を、各大学あるいは各研究所等に割当しまして、その大学なり研究所におけるところの判断によって処理されるというふうに考えていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/72
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073・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) この五千四百五十二名の定員化によりまして、いわゆる行管の調査、閣議の決定に基づきまして五千四百五十二名が定員化されて、それ以外になおかつ残るものは国立大学で百五十二名おります。この百五十二名という人は定員化されないのですけれども、前回にも申し上げましたように、この中には、昨年の七月二十日現在で調査したときに、たまたま夏場の季節的労務者として労務をしておったというような職員も全部この調査の対象になったわけです。その結果、季節的労務者がたまたま七月二十日におったということです。これは季節的に雇えばいいので、定員に入れるべき職員ではないというふうに判断された人、それからあるいは芸術大学等にはモデルがおりますが、モデルというのは何も定員に入って国家公務員になる必要がないと言っては恐縮ですが、むしろモデル自身が国家公務員になりたくない、いろいろほかの職場もございますから。そういう関係で、そういった非常に季節的なもの、臨時的なものが百五十二という残った数字の中に入っているわけであります。したがいまして、定員化する必要のある職員は、百パーセント定員化されたというふうにお考えいただいていいと思います。もちろん前回に申しましたように、国費で支弁されていない職員につきましては、これは別でございます。いわゆる病院の無給助手とか、あるいは研究生とか、そういう人は別でございます。ですから、定員化すべくして定員化されなかった職員は、全然いないというふうにお考えいただいてけっこうです。
それから五千四百五十二名はどのように割り振るのか。これは昨年の七月二十日行管で調査いたしました結果、トータルがこういうふうに五千四百五十二とか、あるいは百五十二という数字になるのでございまして、それぞれの各大委とか個々の研究所についての積算があるわけです。したがって、これを配分しますのは、それぞれの大学のほうに配分するわけでございますが、大体大学から申し出てきておられる積算の基礎になった数字にほとんど一致すると思います。しかしながら、ただ大学によりましては、特殊な事情で非常にこういう非常勤職員をたくさんかかえておった、ある大学ではそういうようなことは極力避けておったといったように扱いがまちまちの点もございますので、双方に支障のない限り、ある若干の修正は本省のほうで適正にしたほうがいいのではなかろうか、このように考えております。ですから、大体実態調査の結果、それぞれの大学におった人、大学から出された数字が大半基礎になりますが、若干の修正はいたしたい。しかしながら、定員化さるべくして定員化されない職員は全然出ないように、もちろんいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/73
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074・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/74
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075・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/75
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076・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私そういうことを伺っていますのは、大学によりましては、今回五千四百五十二名定員化になるその場合に国からは支給されていないけれども、学校校友会なり、あるいは後援会なり、あるいはポケット・マネーから支給されている人、そういう人を定員化するという動きが相当あちこちに出ているように私は聞いておるのですよ。つまり今は無給なんです。国が支払っていないわけですね。しかし、その人が二年なり、三年なり、さきに言ったような校友会等の金によって支給されておる。国から支給されているものが一年か一年半しか出てない。そこで、国の、一年か一年半程度勤めておる人はやめて、二年なり三年なり校友会等によって支給されている人たちを定員化したいと、こういう動きがあるものですから動きあがるというふうに聞くものですから、伺っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/76
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077・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 私のほうといたしましては、定員化されるべき人が定員化されないで、定員化されなくてもいい人が優先的に定員化されるようなことは絶対にないように、定員化さるべき人は全部定員化するように大学に指示いたしております。ですから、御心配のような点は万々起こらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/77
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078・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 御承知のように、この五千四百五十二名という数字は、個人調査、悉皆調査をやってその上にきまった数字だったですね。ですから、個々の職員にとってみれば、定員化される人たちにとってみれば、これは調査されたから、おそらく定員化されるのではないかという期待感を持っておるわけです。もちろん、その中には百五十二名も定員化されない人たちがいらっしゃるですが、圧倒的にほとんど全部の人たちが定員化されると思っておるのだけれども、どうもそうでない。国の経費で支給れていない人たちがなるのじゃないかということを聞いておる。ですからお伺いしておるのですが、今の官房長の答弁は、そういうことはないということで了承いたしたいと思います。
次に、教務職員の問題についてちょっと伺いたいのですが、これは一昨年の八月に、行政管理庁が、大学におきます科学技術教育行政監察というものを行ないまして、その結果に基づいて勧告を行なっておるわけですね。で、私はこの問題を、その年の年末に、この勧告に基づきまして、教務職員等の問題について文部省としてどういうふうに勧告を実施されるのかという点を、若干の点にわたって伺ったわけなんです。それが現実にもう私は軌道に乗らなければならぬと思うのですが、この勧告は、御承知のように、非常にはっきりしておるわけでして、大学における科学技術教育研究体制は全般的に不十分な面が多い。もろもろの点について画期的な拡充が必要であるというふうに指摘しておるわけですね。その中で問題になります教務職員の問題を取り上げて伺ったわけですが、これは教務職員の数を補充するということは非常に強く要望しておるわけですね、行政管理庁の勧告の中で。したがって、そのときも伺ったのですが、努力したいということだったが、一体、教務職員というのはどういう形に増加してきておるのか、画期的な措置がとられておるのかどうかということを伺いたいわけなんです。なお、御存じのように、同年に日本学術会議が、これは行管がやらなかった面、附置研究所、所管研究所等について全面的に調査を行なって、この教務職員について同じような意見を出しておるわけですね。ですから、この教務職員が不足しておる、すみやかにこれは補充しなければいけないという強い勧告なんですけれども、一体、これはどういうふうになっておるのか。私の調査したところによるというと、どうも甲乙という教務職員、教育職俸給表の五、四というところは逆に減っておるように見ておりますし、それから六等級の教務職員についてはちょっぴりふえていますけれども、画期的にふえておるというふうには受け取れないわけですね。だから、その点について伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/78
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079・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 教務職員は三十七年度で、三十六年度千九百二十七名に対しまして六十二名の増の千九百八十九名でございます。ただ、いろいろ大学におきます教職員につきましては、いわゆる行(二)の技能職員を行(一)の技術職員にかえる、行(一)の技術職員が教育職(一)のいわゆる教務職員にかわるべきであるというような陳情等もございますし、実態もそれにこたえてやる必要のあるものもおりますので、そのような措置もいたしております。技能職員が技術職員に来年度、行(二)から行(一)に三百一名振りかえております。それから行(一)の技術職員から教育職(一)の教務職員に二百二十四名振りかえおります。それに、そういう基礎に立って教務職員六等級は三十七年度六十二名ふやしておるという関係になっておりますので、御趣旨のような点は、これで十分とは申せませんが、相当努力いたしておるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/79
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080・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この勧告によりますと、講座制大学においては一・一・二という、これは守られておるけれども、補助職員に至っては全く考慮が払われていないという指摘をしておるわけですね。逆に振りかえ人事によって、教授、助教授の定員を増加する場合に、その引き当てにされておる、減員されておるという場合が多いということを指摘しておるわけですが、私の承知しておる限りにおいては、教務職の甲乙は逆に減っておるというふうに見ておるのです。本年の三十七年度においても全然増加していないのじゃないかというふうに見ておる。ただ、丙について、今おっしゃったような若干の増加があるのじゃないか、ちょっぴり増加があるのじゃないか。ただ、勧告が示しておるような非常に画期的なものにはとうてい及びもっかない。三十五年の勧告ですから、三十六年に実施できがたかったとしても、三十七年度はやはりはっきりすべき問題だと思うのです。科学技術振興々々とお話しになりますけれども、実際、現場においてはなかなかそういっていないという実情じゃなかろうかと、こう推察をしておるわけです。ですから、この行政管理庁が勧告いたしました画期的な措置をとるという点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/80
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081・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 教務職員の増員の問題は、大学における教育研究を充実させるために、教官のみならず、教官の補助的な職員を充実すべきであるという趣旨において、行政管理庁なり学術会議なりで勧告されておるものと承知しております。元来、国立大学におきまして講座を設置する際には、積算の基礎といたしまして、教官の教授一、助教授一、助手一ないし三というのが、非常に確立した予算の基準として運用されておりますが、補助職員の積算につきましては、従来、必ずしも明確な基準がなくて、特に、最近におきましては、定員増加が、政府職員の増加抑制というような一般原則に国立学校も規制されまして、非常に困難になりましたために、補助職員が増員できないというのが、非常な問題になっておりまして、行政管理庁や学術会議の勧告にもかかわらず、はかばかしくいっておりませんことは、これは事実でございまして、文部省といたしましても遺憾に存じております。ただ、昨年ごろから定員増加抑制が、特に政策的に、重点的な分野、たとえば理工系の技術者養成のための学部学科の設置などにつきましては緩和されまして、ここ一両年の学科の増設や講座の増設の場合の定員増加の場合には、単に教官だけでなしに、補助職員もつけて予算が措置されております。最近できました学部学科につきましては、著しく改善されております。ただ、従来ありました学部学科につきまして、補助職員が足りないというのは、これは、文部省といたしましても認めておるところでございまして、これの充実には努力いたしたいと思います。実は昭和三十七年度の予算におきましても、特に教育研究を重点的にやらなければならぬ。大学院、大学におきましては、一講座当たり非実験で〇・五人、実験系統では一講座当たり一人といったような、研究補助職員の増員を要求いたしましたが、これも予算の政府原案の査定の段階で認められるに至りませんで、実現を見ておりませんが、引き続き、大学における教育研究の画期的な充実という見地から、努力いたしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/81
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082・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この問題は、実際その大学にある者にとって、あるいは自然科学、技術研究、基礎研究等をやっている人たちにとりましては深刻な問題でして、行政管理庁もそういう意味で、非常に強い勧告を出しているわけです。日本学術会議だって同じような趣旨だと思うのです。ですが、私の拝見するところでは、先ほども申し上げたとおりに、教務職の甲、乙というものは逆に減少している。それはおそらく転出していくのだろうと思うのです。転出していくということと定員がふえないということとあると思うのですが、丙についてもまことに微々たる増加しかない。おっしゃるとおりに、はかばかしくないことは、はなはだ遺憾だと思います。これについては、大臣にもひとつ、伺っておきたいと思います。
続いて、この教務職の問題につきまして、前回私、取り上げましたときに、これは待遇が悪いのじゃないかという点を取り上げまして、特に各省の試験研究機関、研究職に該当するのですが、研究職の人たちの俸給表を見ました場合に、これは折れ曲がりに入っているものというものは、ほとんどいないのです。コンマ以下のパーセンテージになるわけです。ところが、教育職俸給表の一番下のほうの六等級では、二五%という人たちが折れ曲がりに入ってしまう。あるいは五等級でいいますと、実に四〇%近い人たち、三九%という人たちが折れ曲がりに入っている。こういうことは、各省の試験研究機関にはないと思うのですよ。コンマ以下なんです。そこは一体何からきているのか。何か非常に古い講座制といいますか、あるいは身分制といいますか、そういうようなものから影響されて、こういうような折れ曲がりのところへみな入ってしまったのじゃないか。したがって、こういう面についての努力を払うべきじゃないか。それには定員をふやすということもありますけれども、等級別定数を根本的に考える必要があるのじゃないかという質問をいたしました際に、大学学術局長は、そういう意味でぜひ努力をしたいということでしたのですが、どうもそういう努力が行なわれていないのじゃないかという私は考えを持っているわけなんですよ。ですから、具体的に言って、それは等級別定数が直らないと、改定しないわけなんですから、そういう面についての努力がどういうふうに行なわれているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/82
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083・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 等級別定数につきましては、私どものほうといたしましても、人事院なりとも、十分予算時期のみならず、四六時中、平生からその定数改定はお願いしております。予算時期には大蔵省にも申しますが、ただ頭打ちになりましたり、折れ曲がりになる、これは非常にただそれだけを見ますと、そのようになっているのですが、原因がいろいろございまして、たとえばその大学が自分は好きだ、あるいは特に都会地の大学ですと、いなかへ行けばもっと助手の人は講師にでもなれるというような人でも、都会地がいいのだということで動かないとか、それからもちろん大学ごとで採用をいたしますので、文部省が一本で人事を握って、大学人事を自由にやるというようなこともできません。大学独特の理由もございますが、おっしゃいますように、頭打ちになっている者、折れ曲がりにきている者、これらにつきましては、等級別定数を、十分とまではいきませんが、毎年ふやして、少しずつよくしているつもりでございますが、当事者のほうにもいろいろ理由もあることでございまして、なかなかむずかしい問題ですが、今後とも等級別定数を上げる努力はいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/83
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084・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 個々のいろいろな場合もありましょうし、そういう場合というのは、これは各省の研究機関だって同じです。東京の中央の研究機関にいたいという気持だってあるわけです。そういうものを取り立てここで論議する必要はないように私は思うのです。問題は、そういうものが、とにかく非常に多数折れ曲がりから先に入ってしまっているということは、これはどうもやはり根本的に是正をする必要があるのじゃないか。私のところでは東京大学の附置研究機関すべての教務職員の資料が全部来ております。その附置研究所、六つですか七つですか、全部来ております、略歴から年令から学歴から。これを詳細に検討してみますと、私、検討したわけじゃないのですが、専門家に検討させてみると、非常にいけないように思うのです。ですから、私は等級別定数に努力をなさっているならば、容易ならぬ努力をしなければ、前進しないのじゃないかと思うのですがね。特に戦後の教務職員というのは、非常に学歴も高くなっています。見てみますと、はっきり学歴も高くなっています。大学を出ている、短大を出ているという形になっているわけですから、それがこの行政管理庁に勤める行(一)の人たち等と比べてみましても、あるいは研究所の人たちと比べてみましても、はなはだしく劣っているように思うのです。ですから、こういうものは通り一ぺんのお話では、私は了解しない。等級別定数について、私は専門家ですから、どういうことをしておられるかということは知っているわけです。容易な努力ではいかぬと思うのですがね。何か今お話を承っておりますと、通り一ぺんのお話のように聞くわけです。いいですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/84
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085・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 鶴園先生のおっしゃいます折れ曲がりは、たしか昨年十月の俸給表の改正から折れ曲がりがなくなっておると思いますが、一年ごとで上がるということになっておると思います。したがいまして、一時、数年前まで折れ曲がりにきたというので非常に問題になっておった点は、その意味では解消しておるとみてもいいのじゃないか。ただ昇給の額で若干少なくなっておるという点で、また別な問題にはなっておりますけれども、言葉じりをつかまえるようで恐縮でございますが、折れ曲がりは解消しておると御了解いただいていいんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/85
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086・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/86
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087・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/87
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088・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今度は技術者について伺いたいんですが、これもやはり勧告並びに科学技術会議で出しているのですが、技術者が非常に不足しておるのです。両方で指摘しているように非常に不足しておる。この人たちが行(一)におったり、行(二)におったり、あるいは非常勤でいたりするわけです。これは勧告の中にこう書いてあるのです。技術者というのは昔の観念では律せられないという面が相当に強く出ておるということが書いてありますね。特殊の技術を要する場合が非常に多くて、特別の考慮を払う必要があるという言い方をしておるわけです。これは確かにそうだと思います。これは自然科学系統におきますところの近代的な試験研究施設あるいは大型化、こういうようなものからいいますと、こういうものは特殊なやはり考慮を払う必要があるということになるのだろうと思うのですが、そういう意味の特殊な考慮が払われていないように思うのですね。今回この技術者という人たちは定員化されるのでしょうか、はっきりしないのですが、私のところにある資料では、大体今のところ三割から四割の人たちが定員外だと、こういうのですね。あるいは定員内に入っている者も行6に入っている、行(二)に入っている、いろいろあるのです。あるいは教育職俸給表の丙に入っておる人たちもある、六等級ですね、それに入っているところもあるのですが、この不足をすみやかに補充しなければならぬということと、職務等について特別な考慮を払わなければならぬのじゃないかというふうに思うのですが、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/88
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089・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 鶴園先生のおっしゃいます技術者の意味がよくわからないのですが、学校工場等におります旋盤工とかガラス工とか、ああいったものでございますか、その意味がよくわからないのでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/89
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090・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 原子力研究所なり科学研究所なりにおきまして、試験装置から実験装置あるいは機械を実際に運営している技術者ですよ。それでなければ教授が動かすわけにいかない、助教授が動かすわけにいかない、技術者が動かしているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/90
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091・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 行(二)の職員であろうと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/91
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092・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 行(一)にも(二)にも入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/92
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093・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) わかりました。行(一)、行(二)のそういった技能職員、技術職員のことだと存じますが、これらにつきましては、先刻来たびたび申し上げておりますように、常労職員かあるいは非常勤職員で国費で支弁されておった者は定員化さるべきものは全郡定員化することにいたしております。それらの職員が、いわゆる、鶴園先生のおっしゃいます国費外の、ポケット・マネーとかその他の経費のものであるとすれば別でございますが、そうでなければ、全員定員化されることになります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/93
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094・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 質疑の途中ですが、この際、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、農地被買収者問題調査会に関する件について山本委員より御質疑の御要求がありましたので、これを許します。なお政府側からは、小平総務長官がお見えになりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/94
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095・山本伊三郎
○山本伊三郎君 文部省関係の審議中ですが、ちょっと総務長官お忙しいようですから、ほんのわずかですが、質問したいと思います。
実は予算委員会で、総理と大蔵大臣、農林大臣に質問したのです。きょうも総理大臣と思ったのですが、なかなか忙しいので来られないのですが、当面の、何といいますか、関係者として……。
農地被買収者の問題の調査会、昨日ですか一昨日の調査会で相当いろいろ問題が出たようです。予算委員会では一切そういうことを私も聞かなかったのですが、発表されていないのです。新聞では、二十億融資が不満であるということで申し入れをされたようですが、どういう問題が紛糾しておるか、私らもこの法案を取り扱った一員として非常に関心を持っているのですが、許せる範囲でひとつ聞かしていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/95
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096・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) まず結論から申しますと、本日午後二時ちょっと過ぎでございましたが、調査会の工藤会長が総理のところに見えられまして、一昨日の調査会における決定に基づきまして総理に申し入れをなされました。きわめて簡単でありますから、念のため、御参考までに申し上げますと、
申し入れ書
農地被買収者問題調査会は昭和三十六年七月十二日以来、政府の諮問事項につき鋭意審議検討中でありますが、いまだ答申の運びに至らざる前に政府において農地被買収者に対し二十億円の融資が公表せられたことはなはだ遺憾であります。よって当調査会は諮問事項に対し答申のあるまで、右資金の貸し出し実施等、農地被買収者に対する特別措置の実行を延期せられるよう厳重に申し入れる次第であります。
昭和三十七年三月十三日
農地被買収者問題調査会
会長 工藤昭四郎
内閣総理大臣
池田 勇人殿
こういう内容になっております。そこで、一昨日十三日の調査会におきまして、私に出てくるようにというので出て参りました。その前回の調査会——先月の二十七日の調査会にも出てこいということでございましたので、その際も出て行ったのでありますが、先月二十七日の際におきまして、今回政府が二十億円の貸し出しをする、そのために法律といたしましては、これは御承知のとおり、国金法の増資というだけでございますが、そういう処置をとったことに対して説明を求められましたので、これは総理なりあるいは大蔵大臣なりが国会において御説明申し上げているとおりの立場でやったものであるということを私からお伝えいたしました。さらにその際話が出ましたことに、まあ委員の中から国金貸し出しというものが一般の国金のやり方でやるならば、他に前例もないわけではないから、一応調査会の調査しておることとは関係のないことであるというふうに理解できないこともないといったような御発言もございました。そこで、この貸し出しの方法について、実際貸し出しを行なう場合において、それ以前に調査会のほうの答申がかりに出たという場合に——その答申もまだどういうものが出るか、これは一向何もわからないのでありますが、これまたかりに今回政府がとらんとしておる処置と何らか関連するような内容の答申が出た場合においては、政府の考えておる貸し出しの方法等について、これを答申との間で調整をする意向があるかどうかという話が出たわけであります。それについて一昨日の調査会で回答を求められたわけであります。
なお実は、私は、今申し上げた点だけが先月二十七日の調査会で問題になったと、こういう報告を受けておったのですが、その点だけお答えしょうと思って出て参ったのですが、一昨月の調査会でさらにもう一点、調査会の答申が出るまで貸し出しの実施を延期するということができるかどうか、そういう考えがあるかどうかということをやはり先月の二十七日の会合の際でも話が出たのである、こういうことを申されました。結局まあその二点について説明しよう、こういうことでございました。
そこで、第一点のほうにつきましては、政府の貸し出し実施が開始前にこれと関連のある答申が出まするならば、その間調整をいたしてやることには何ら差しつかえがありません。それは十分答申を尊重して調整いたすつもりでありますと、こういう御説明をしたわけであります。
それから、ただ貸し出しの実施自体を答申が出るまで延期せよと、この点につきしては、今政府の立場としては、すでに閣議決定も御承知のとおりしたわけですから、閣議決定をして提案をいたすという際において、あの法案が今後国会でどういう取り扱いになるかはわかりませんが、かりに最初から、法案を出す以上は貸し出しの実施自体を調査会の答申が出るまで延ばしますということを私のほうとしては、政府の立場からすれば、これをさように申し上げるわけにも参りませんという、実は御説明をいたしたわけであります。そこで政府側は退席をしておりまして、委員の皆さんだけで御相談をなさいまして、その結果いろいろ今述べましたような申し入れをさらにいたすということに決定をいたした次第であります。そのことは一昨日、会が終わりましてから工藤会長から口頭で私ども承りました。本日書面で正式に申し入れをされた、こういう事情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/96
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097・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この問題は、実は小平総務長官もすでに御存じのように、三回の国会を経てようやく第三十四国会で成立した問題だし、非常に問題点を含んでいることは御存じのとおりです。われわれとしては、基本的には反対であるのですが、これは党派を一応別にいたしまして、われわれ内閣委員会で各種審議会なりあるいは調査会を一致して通すのですが、文部省の中にもまたこの調査案件の問題もありますが、われわれが誠心誠意をもっていろいろ質疑応答して、わが党が反対するせぬは別にして、通したやつをその趣旨に沿わない運用を政府がされるということになれば、われわれここで審議したってどうせ政府は守らないのだ、こういうことになると、国会の審議に対する一つの冒涜ではないかと私は予算委員会で言ったのですが、それとこれとは別だと農林大臣は特にそういう点を主張しておられる。この審議のときに、小平総務長官の説明だと思うのですが、そのときの説明を聞くとそうではないのです。融資の措置は別であった。一体何を審議するのか。私は融資も——それから補償の問題はこれははっきりしておりますから、そういうことは別として、その他の何らかの社会的問題をうまくおさめるための方法は考えられる。したがって、社会的な問題が出ておるが、それをうまくおさめるという中に、そういう方々に融資をするのだという考えは含まれておると思います。これは常識上だれも考えておった。それが不幸にして政府はそれを独自の立場で今年度予算に二十億という融資を国民金融公庫を通じて出す。これ自体も相当問題がある。きょうは私融れませんけれども、小平総務長官は非常にまじめな人だと思います。答弁を聞いておっても、けれんみのある答弁はされないのですが、あなたが問題の幹事役と申しますか、そういう方であるということを聞いておるのですが、これは相当将来に尾を引くということも十分考えてひとつ閣僚に進言をしてもらいたいと思います。申し入れは今聞きました。私はもっともな申し入れだと思います。また、審議会、調査会ですが、調査会の権威というものは私は地に落ちたと思っている。政府ももしそうやるならば口頭でもこういうことをやるのだということを別に諮問をして、それだけを早期に結論を出してもらって、そうしてそこから措置するのがこれは調査会に対する政府の態度だと思います。それを片一方で調査会で一生懸命調査さしておいてこれは別だということを出すということは、国会の立場からいってもわれわれは承知しない、調査会の立場としてもこれは承知しない。この点はひとつそういうお申し入れがありましたので、私は特にあなたを通じて総理大臣なり、大蔵大臣なり、あるいは関係閣僚に言ってもらいたい。もう一回ひとつ誠意をもってその申し入れについて閣議決定ではあるが、申し入れがあった以上はこれを中心に僕は相談してもらいたい。そうして誠意を尽くしてもらわなければわれわれとしておさまりません。これだけひとつあなたに言っておきます。時間もありませんから、きょうは事情を聞くために来てもらったのですから、申し入れについて閣議でもう一回諮って相談してもらいたい、これについてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/97
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098・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) だんだんのお話でございますが、実は政府がこの措置をとるに至ったについて、先月二十七日の調査会の際に、今山本先生からお話のように、こういう措置をとる以上は調査会のほうにもお話をすべきではなかったかというお話も実は出ました。出ましたが、私はあの際も実はいろいろ考えたのでありますが、政府としては——これは先生と考え方が遺憾ながら違うわけですが、一応別個の措置をとるのだ、こういう立場をとっております関係上、もし調査会に政府としてはこういうことをやるつもりだがというようなことをお話しすることによって、かえって調査会に何らかの影響を与えるというようなことでもありますと、調査会の独自の御判断、自主的な御判断というものを妨げることになりはせぬか。そういうことも一応想像もできるものですから、私自身、総理府にある調査会のほうには何らその点御連絡も実は申し上げなかったわけであります。これはいろいろ見解があろうかと思いますが、私はそういう立場からなるべく調査会には独自のあるいは自主的な御判断、御審議を願いたい、こういうつもりでやったことである、連絡をしなかったことであるという——私は初めからそういう考えでございましたからそのまま御説明をいたしておいたわけであります。今回のことも、これは先ほど申しましたとおり、調査会の独自の御判断でこういうふうなお申し入れをちょうだいいたしたわけでありまして、先ほど申しましたとおり、申し入れは会長から総理大臣に直接お申し入れがあったわけであります。総理としてももちろんこれをよくごらんになっているわけでございますから、われわれといたしましては、申し入れの趣旨というものを十分理解をいたしまして今後やって参りたいと考えております。ただ念のために申し添えますが、この申し入れをして下さいまして、きょう総理と面会の際の会長のお話も、できるだけ調査会としても審議を急いで結論を早く出すつもりである、こういうお話もございまして、次回は今月の二十六日に調査会をお開きになられる、こういうことにきまったようであります。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/98
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099・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もう一つだけ。これは答弁はできなければ要らぬですが、これは大蔵大臣に言うべき問題ですから、これは特に問題が関連しておりますから言うておきます。国民金融公庫にこれを取り扱わせること自体相当問題がある。国民金融公庫におけるこの分については利率を特に引き下げるという方針らしいのです。大体国民金融公庫は九分だと思う。それを六分五厘でやるということを——僕は質問の最後であったので追及できずに時間切れで終わっておりますが、いろいろこの問題については、国民金融公庫自体の運用上非常に困るということを国民金融公庫運営者自身からも私は聞いておるのです。したがって、私は、これは将来大きな問題を——わずかながら道を開くのだと盛んに大蔵大臣、言っておられるが、これは相当問題が各方面に発生するので、十分その点を考慮して、国民金融公庫法を改正するならばその点を十分審議せぬと、何かこういう強い与党の力があったからといって簡単にやることは、これは相当大きく問題が発生するということを特にあなたから伝えていただきたいと思う。あなた専門でないから答弁を私求めませんが、特にこういうことを言っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/99
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100・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 関連。別だという話を今聞きましてね、ちょっと別だという理屈を聞きたいのです。これは総務長官に伺ってもしようがないような気もするんですけれども、「別に」という論理を聞きたくなるわけなんですよ。私は、選挙制度審議会にしても、それから農地被買収者問題調査会にいたしましても、非常に関心の高い審議会なり調査会なんですね。しかも最も今注目されている審議会なり調査会なんですが、そういうものが、一方は答申して、一方はすっぽかしてしまった。そしてストライキ宣言まで審議会がやってしまう。今度はこっちのほうの調査会は、盛んに文句をつけているというようなやり方は、どうもうしろを向いているような気がしまして、自分みずから、政府みずから自分の首を締めているような気がするんですけれども、そういううことになりますれば、さっき山本委員が言うように、今後審議会の設置については、よっぽどわれわれも腹を据えて締めに締め上げておかなければならぬというような気がするんです。どうですか。あまり変じゃないですか。別だという論理を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/100
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101・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 実は、その点につきまして、私が御説明申し上げる資格はないんじゃないかと思うんですが、御承知のように、予算委員会等において、山本先生言われましたようなことにつきまして、総理あるいは大蔵大臣などと十分質疑応答があったわけですが、今度の処置は国金法の一部改正、表向きはそういうふうな改正だけでやられているわけであります。それは大蔵大臣の所管でありますので、私が直接その点に触れることはいかがかと思いますので御遠慮申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/101
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102・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 議題をもとへ戻し、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。鶴園君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/102
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103・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうもさっきの答弁を聞いておりますと、何か弱いですね。何か技術者とはどういうものかという私の聞くような話ではまずいですね。ですから、技術者が不足しておる、どうにもならなくなっておるということを盛んに指摘しているわけです。その充足をどうするかという問題、それから処遇上特別な考慮を払う必要があるというような言い方、そういう問題について、どういうふうに文部省としては考えておられるか聞きたいわけです。充足の問題と処遇の問題、二つについて聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/103
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104・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 大学で勤務いたしております技術者にもいろいろな種類がございまして、ただいま御指摘になりましたような、たとえば原子炉ですとか、それから大型加速器のような非常に高度かつ複雑な操作技術を必要とするものもございますし、それから官房長がちょっと口走りましたけれども、大学の学校工場等で働いておるかじ屋とか大工とか、そういった者も技術者としてそれぞれ必要な職員でございまして、これをいかに充足し、いかに取り扱うかということは、大学教育を円滑に推進するためにきわめて重要な問題であることは御指摘のとおりでございます。そこで、これらを充足し、使う場合の第一義的な処置は、国立大学の場合ですと、各大学におかれまして、それぞれ実情に応じて定員を必要とするものは概算要求の形で要求し定員化して、それで具体的な人を採用し勤務せしめるというような形をとるわけでございます。そこで、相当高度の作業内容を要するような、たとえば原子炉の運転責任者ですとか、あるいはファン・デ・グラーフとか、サイクロトロンとか、そういう機械の操作責任者などは、その資格や御本人の将来の問題なども考慮いたしまして、技官という形よりはむしろ教官として所要の定員を措置し運営していくほうが妥当ではなかろうかという工合に考えておりまして、現実にもむしろそのような形で措置されております。それからごく一般的な技能者につきましては、雇用人あるいは場合によっては優遇の必要がある場合には、雇用人の中で教育職給与表を適用したいわゆる教務職員というような形で定員化し、それから運営するといったようなことをやっておりまして、それぞれの段階に応じて、第一義的には大学の計画に従いまして、文部省と大学と話し合いまして定員化し運営するといった措置を講じておりまして、これの充足にはかなり困難は感じておりますが、個々の場合についてそれぞれ善処いたしまして、今日までのところは大遇なく運営されておるように承知しております、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/104
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105・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今の大遇なくというようなお話なんですけれども、しかし、学術会議の文書を見ましても、勧告を見ましても、非常に困難を来たしておるという書き方をし、それからこれは充足しなければいかぬという勧告ですし、それから処遇も特別の考慮を払う必要があるという言い方なんですね。ですから、おっしゃったような原子炉の問題だけではなくて、こういうような場合が非常に多くなっておるという言い方をしておるわけですね。ですから、一例や二例の例ではなくて、もっと広範にわたる問題になってきておるわけですよ。それを、学校当局がどうだこうだというようなお話で、しかも大遇なくやっておるというようなお話では理解がつかないわけですけれども。それから今の発言に雇用人という言葉がありましたが、文部省では雇用人という人たちがいらっしゃるわけですか。雇用人という人たちが、いずれにしましても、待遇改善なり充足についての積極的な見解なりあれがないように思うのですけれどもね。これは私一昨年来問題にしている問題ですけれども、どうも積極的な見解がないように思いますね。それにもこたえていないことになりますよ、それでは。もう少し明確にひとつ答弁をいただきたいと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/105
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106・村山松雄
○説明員(村山松雄君) 技術職員の中には、教官もおりますし、技官もおりますし、それから行(一)ないし行(二)適用の職員もおります。雇用人と申し上げましたのは、ちょっと古い用語がつい口に出ました次第でございまして、御訂正申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/106
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107・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この技術系の助手待遇の教務職員あるいは技術系の助教授待遇の教育職俸給表を適用するというようなことのお考えはございませんですか。もっとやはりそういう面を考える必要があるじゃないかと私は思っておるのですけれどもね。特殊な例になりますけれども、今言ったような考えはないかどうかということを伺っておきたい。技術系の教務職員の四、五、六というものに該当するものを作っていくという考え方ですね。そうでないと待遇改善にならないわけですね。なかなかなりにくいと私は思っていますが、いかがでしはう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/107
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108・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 実は、技術職員でありながら、助手相当、講師相当、しかもごくわずかのものが助教授相当というものがございます、これは御承知のように、はっきりした年次は忘れましたが、数年前俸給表の改正がございましたときに、その当時いた者につきましてそのような措置を講じたわけで、その後それが一般的なものとしての通用はされていないわけでございます。したがいまして、お説のように、今教育(一)の六等級の教務職員を助手相当の五等級あるいは講師相当の四等級、できれば助教授相当の二等級にしたらどうか、これはいろいろ関係者からも承っております。ところで、現在の教育職(一)の俸給表の立て方が教(一)の一等級は学長、二等級は教授、三等級は助教授、四等級は講師、五等級は助手、六等級は教務職員とはっきりした区分になっておりますので、お説のようにするとしますれば、教(一)の俸給表の考え方を全面的に直さなければならない。と申しますのは、それは教務員に限らず助教授だって一等級の助教授があっていいじゃないか、あるいは助手だって五等級じゃなくて四等、三等の助手があっていいじゃないかというふうになりますので、少なくとも教(一)の俸給表全部について根本的に考え直さなければできない問題ではなかろうか。こういうふうに考えますので、一つの考え方としては当然考えられる問題ですが、相当波及する点も広うございますので、また、問題もただ教(一)の俸給表に限らず、相当その他の俸給表にも影響いたしますので、今直ちにおっしゃるような方向に進むという考え方はまだまとめていませんが、一つの傾聴すべき考えとは思います。しかし、当面の問題といたしましては、現在の六等級の一号から二十何号までありますが、その上のほうをもっとふやしていくということでも五等級相当くらいなものは実質的には六等級を伸ばすことによって目的は達せられないでもないのではなかろうかというふうに考えております。一つの考え方として研究さしていただきたいと思いますが、今直ちにそれに転換するというところまでは熱しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/108
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109・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私、今までこの教務職員、補助職員あるいは技術者といわれる人たちの問題を取り上げて論議をしてきたわけですが、確かに学術あるいは技術的理工系の振興が盛んにいわれておる。しかし、現実の問題としてここらが非常に大きなネックになっているように思うのですけれども、そういう意味でこの人たちの問題について待遇なりあるいは要員の充足なり等の画期的な勧告もしておるわけですね。ですから、私はすみやかに文部省におかれても、これらについての積極的な見解を伺うような事態に至ることを切に望みたいと思います。なお、これらの人たちはいろいろ学部に配属されている者あるいは研究所に配属されている者等によっても若干の違いがありますし、あるいは行(一)に入っておる者もあれば行(二)に入っておる者もある。それから教務職員に入っている者もある。教育職(一)に入っておる者もあるというふうに、非常に雑多な処理の仕方をしておられると思うのです。そういう意味もかねまして、すみやかにひとつ是正の積極的な見解なり考え方が出ますように要望いたしまして、次に試みにいろいろ伺いたい点もあるのですが、学科、講座等新設に伴う五百七十四名という数字が出ておりますが、この中で一体どういうふうな区分けになっておるかということも伺いたい気も非常にするわけですよ。だが、これらはやめまして、熊本城の修理完了に伴う減五名とありますね。これはあとの処理は十分ついておるわけですか、五名城だけで、それを伺っておきます.発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/109
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110・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 十分措置されることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/110
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111・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 国立科学博物館、これはいろいろ言われておりまして、なかなか日本は一流国といいますけれども、博物館はまことにさびしいというようなことは有名な話です。特にここでどうこうということは申し上げませんが、ただ、この内容を見てみますと、今ありますのは五課あるのですね。学芸部の中に五課ありますが、いずれも五名程度ですね。五名で課を編成して、日本の唯一最高の科学博物館が運営されておるわけですが、どうもさびしいですね。それでこれは地学関係につきましても、とにかく科学博物館に飾らなければならぬようなものが一ぱい、学校なんかに行ってみますと、教室にガラス張りの中に置かれておるのですね。全国的な傾向だと思うのですね。なかなかどうもこの博物館というものはお粗末な状態に置かれておるように思いますね。大いに文句もつけたいところですが、遺憾ながらどうも……。まあとにかくこの代表的な唯一の博物館の内容が植物学課、動物学課、地学課、工学課等いずれも五名で課ができておるというのはさびしい話ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/111
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112・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 自然科学を担当いたします博物館としては、おっしゃるように、研究機能といたしましても不十分でございますので、今回いわゆる自然科学博物館らしい科学博物館に拡充、改組して、その第一歩を踏み出したいということで、設置の目的も変え、また、予算といたしましても、主として本年度は、教授級と研究職員の増加ということで、十人の増員をいたしました。将来といたしましては、私どもは研究の単位を八部二十二課というような編成にいたしたい。
それから御指摘の各大学に散在しております資料につきましても、大学の研究はそのときの担当者によって非常に必要なときがあるといたしますと、次に担当者がかわりますればその資料が活用されないというような状況でございますので、今回博物館がそういう研究の連絡のセンターにもなり得るようにしたいということで、そういう面で各研究機関に所在しておりますところの資料等もだんだんに博物館のほうに移すように措置して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/112
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113・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/113
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114・山本伊三郎
○山本伊三郎君 政務次官も見えておりますが、主として政府委員に来年度から出発する高等専門学校の設置についてひとつ聞いておきたい。たくさんありますが、要約して言いますから簡単に要を得た答弁を願います。
まず、国立学校関係の増員の、高等専門学校設置十二校三百二人、一校当たり二十五名になっておるのですが、来年度から出発する高等専門学校、特に政府が力を入れた高等専門学校のいわゆる教習に、これで十分満たされておるのかどうか、これをまず聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/114
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115・長谷川峻
○政府委員(長谷川峻君) 三十八国会でできましたこの国立高専十二校は、まさに先ほどから御論議のありました科学者養成、しかも最も不足といわれている中級の技術者養成に当たる出発でありますので、初年度の問題については、文部省としては鋭意検討を続けまして、校長、事務長、その他初年度の教官の手当は全部済んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/115
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116・山本伊三郎
○山本伊三郎君 済んでおるというのは、これはまだことしから雇っておるわけじゃないのですが、もうすでにこの教授に当たる人は、いわゆる予約済みといいますか、すでにきまっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/116
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117・長谷川峻
○政府委員(長谷川峻君) 法案を御了解いただければ、三月一ぱいに上がるということを期待申し上げまして、いろいろ選考準備などをして、準備行為としていろいろ選考が進んで校長予定者という名前、あるいは事務長予定者という名前でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/117
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118・山本伊三郎
○山本伊三郎君 くどいようですが、校長、それから管理者、それはいいんですが、この教授に当たる、いわゆる先生方、これも準備は進んでおるわけですね。念のために……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/118
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119・長谷川峻
○政府委員(長谷川峻君) 進んでおるように了承しております。初年度は簡単なあれなもんですから、すぐ技術を教えるわけじゃありませんから、割によく準備ができているように了承しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/119
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120・山本伊三郎
○山本伊三郎君 次に、施設関係ですがね、もう施設関係はこの間の予算委員会における文部大臣の答弁では、一時仮校舎でやるということですが、十二校ともすべて仮校舎でやる準備をされておるのか、それとも新しく校舎を建てられておるのか。まあ、予算がまだ通らないんだから、そうはいかないと思うんですが、新設されることになっておるのか、その点の予定をちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/120
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121・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは十二校とも一応仮校舎で発足する予定にいたしております。仮校舎は準備万端整えて、四月一日からでも、法律が通りますれば、いつでも使えるように用意いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/121
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122・山本伊三郎
○山本伊三郎君 具体的に言いますと、旭川に一つ建ちますね。旭川の場合にはどこに仮校舎を求められますか、一つだけ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/122
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123・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは北海道の学芸大学の旭川分校の一部使用しないところを使用する予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/123
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124・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこで聞きますが、仮校舎でいかれる場合は、来年度予算の文部省所管の国立学校の九項目の校費というところで出ておるのですが、金額を言うて下さい。これは十二校全部です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/124
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125・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 初年度経費を申し上げますと、トータルといたしまして十三億四千三百六万円でございますが、運営費が一億六千九百五十九万円、これは教員の給与を含んでおります。設備費が二億九千八百六十四万円、施設費八億七千四百八十三万円、総計十三億四千三百六万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/125
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126・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、この施設費八億七千四百八十三万円、これは何ですか、すべて仮校舎ということで計上してあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/126
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127・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) 今申し上げましたのは仮校舎ではございませんで、新年度、三十七年度になりまして新しく鉄筋の校舎等を建てます経費でございます。仮校舎等は今申した数字の中に入っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/127
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128・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、十二校で……ちょっと僕は頭が悪いので、すぐ計算できないのですが、一校当たり幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/128
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129・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは、今十二校全部で申し三げましたが、一校ずつ若干違っております。一校ずつ申し上げましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/129
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130・山本伊三郎
○山本伊三郎君 平均で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/130
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131・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これは十三億四千万ですから、十二で割れば大体一億少しということでございます。学校によりまして一億二千万のものもございますし、一億一千万のものもございます。若干上下いたしておりますが、大体一億余りということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/131
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132・山本伊三郎
○山本伊三郎君 全部で十二億四千三百六万円。施設費というものは、私は建物と土地について八億七千四百八十三万円だと聞いておるのですが、そういうことにならぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/132
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133・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) これはいわゆる施設費でございまして、校舎等でございます。土地は含まれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/133
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134・山本伊三郎
○山本伊三郎君 さっきあなたが土地は含まれていないと言われたのですが、土地を含まずに建物だけの予算でどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/134
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135・長谷川峻
○政府委員(長谷川峻君) 私が承知しておる範囲では、国有地あるいは県が寄付した県有地、そういうところを使えるものがあるので、土地代金が非常に場合によっては安くもなっておるし、ただになっておる分もある、こういうように承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/135
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136・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは大臣に……まあ政務次官だから間違いないと思いますが、予算委員会でも、若干そういう意味の突っ込みが足らなかったのですが、いわゆる国有の土地を使うというのだが、それだけかと念を押したら、いやそれだけじゃない、やはり農地も必要があるのじゃないかというような意味のことを言っておるのですね。したがって、私ら心配するのは、国有地であれば文部省と大蔵省と話をして無償で出ると思いますが、県有地になると、やはり県が若干財政を無理して自分のところにそういう専門学校を建てたいという意向で、地方財政、地方自治体の財政から無理をして寄付するという場合もあるのです。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/136
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137・長谷川峻
○政府委員(長谷川峻君) 今おっしゃったような御議論が出ておりますことも了承しております。今度の国立高専につきましては、私の了承しておる範囲では、とにかく国民待望の中級技術者養成ということでありまして、非常に各地が熱望されまして、初年度において四十七校ほど作りたいという各県からの要請がありました。そこで時によって国有地あるいは県有地あるいはまた県が工面してでもその地方々々で何とかしてもらいたいというふうなことなどがありましたので、無理しない範囲においてそういう御要望に私のほうで沿うたような実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/137
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138・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/138
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139・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/139
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140・山本伊三郎
○山本伊三郎君 実は今度の法案の中で、現在ある著作権審議会を改組して著作権制度審議会に改める、こういうのが出ているのですが、大体この趣旨説明を読むとわかるのですが、念のためにひとつ、この制度という名前を入れて再出発する文部当局の構想をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/140
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141・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 現在の著作権審議会と申しますのは、著作権の制度を審議する任務が法律上ございまして、これは著作権の仲介業法に基づきます使用料をきめます場合に大臣の諮問に答える、あるいは著作者が不明の場合に償金を納めまして利用者が利用する、あるいは放送事業者が著作権者と協議が整わない場合に償金を供託して使用する、そういう場合の償金の額を審議するのが任務でございます。提案理由にございますように、著作権法は明治三十二年に制定されまして、部分的な改定はございましたが、六十年を経て参りまして、現在の時点にかんがみますと、いろいろ全般的に検討すべき問題がございますし、また、特に国際条約の関係で終戦後改定されましたブラッセル規定に加盟すべきかどうかという問題もございまするし、他面昨年締結されました隣接権条約、実演家あるいはレコード製造業者、あるいは放送事業者の権利の保護に関する条約の関係等もございまして、先ほど申しました著作権の仲介業法の運用について、戦前の法律でございまして、いろいろ運用上問題がございますので、これらの問題を全面的に審議していただく改正案を得たい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/141
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142・山本伊三郎
○山本伊三郎君 文部当局、この法律案の制定についてそういうことを考えておられるかどうか知りませんが、著作権の保護に関して文部当局は相当の著作者からいろいろの意見が、私もだいぶ聞いておるのですが、文部当局としてもそういうものについては、いろいろ研究されておるということも聞いておるのですが、その点についてはどういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/142
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143・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 一つは著作者側からの要望がございます。保護機関を現在現行法で死後三十年となっておりますのを五十年にしてもらいたいということが一つ。それからもう一つは、レコード等に吹き込まれました作詞、作曲家の権利が現在放送等に使います場合に出所を明らかにすればこれは使える。自由に使えるというような、主として音楽関係の著作者の要望がございます。これらの問題は、いずれ条約との関係もございますし、かなり基本的な問題でございますので、私どもも検討は進めておりますけれども、やはり審議会で権利者も利用者も、あるいは公共の立場に立ちます学識経験者等の御意見を聞いて、そうして結論を出したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/143
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144・山本伊三郎
○山本伊三郎君 先ほど言われた著作権に関する条約等について、各国がすでに保護期間を五十年にしているというところも相当あるやに聞いておるのですが、その実態はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/144
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145・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) わが国が加盟しておりますベルヌ条約の関係の四十五カ国のうち、五十年に満たないものは四カ国でございます。日本とタイ、ルーマニア、ポーランド、そのほかに米州の条約関係が、これば二十カ国くらいのうち、半数に近いものが五十年に満たないものでございます。それからそれ以外の国では、ソ連、中華民国、韓国等が十五年あるいは三十年というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/145
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146・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/146
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147・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/147
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148・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それでは、先ほどの問題に返ります。政務次官からちょっと聞いておいていただきたいのですが、問題は、国立の高等専門学校の施設の問題で、大体事務的な問題は聞いた。問題は、集約してくると、一応施設費八億七千四百八十三万、十二校から見ると、政府が非常に力を入れておるというにしてはあまりに私は、これでいけるかどうかという心配がある費用ですが、文部大臣としては、それで十分施設としてやれるという、そういう自信がありますか、この点ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/148
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149・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 高専の施設、設備の実施につきましては、学年進行で、初め一年が入ってくれば一年生のためだけのものを施設する、習年また二年生のものをやる、こういうことで、学年進行でいくことになっておりまして、ただいま御審議願っております予算で第一学年時の措置は十分できると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/149
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150・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もちろん施設費ですからいろいろのやり方があると思いますが、政府が主張しておるのは、技術者養成ということが重点です。普通の文科系統と違って技術関係は設備に相当金がかかると私は思うのです。これはしろうとですから。そういう意味において大臣がやられるというならいいのですが、党はこれに対して反対の意向を……。せっかくやるなら合理的なものでなければいけない。そういう設備に要する費用、そういうものは学年進行によるけれども、やはりある程度の設備は必要だと思うのですが、これは間違いなくやれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/150
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151・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) やれるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/151
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152・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはやれないと言えないとは思うのですが、そこで問題は、私が聞きたかったのは、土地の問題なんです。先ほど政務次官に聞くと、国有地を利用する。あなたも予算委員会でそういうことを答弁されたと私は記憶しておるのですが、国有地か、あるいはまあ県有地と申しますか、そういうもので満たされる今の見通しであるかどうか。ただ単に、それでいけるだろうということではないと思います。すでにそういうものが見通しがあるならば、もう話がついておるんだと、これをちょっとお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/152
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153・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御案内のとおり、三十七年度十二校を発足させる予定をいたしております。そのうちの二校−宇部、長岡は、県に短期大学がございます。したがって、敷地の問題はほかのところよりもはるかに問題がないわけであります。残りの十カ所につきまして、まあ半分近いものが国有地で何とかなりそうだという見当をいたしております。残りの五つか六つの高等専門学校は、国有地ではまかなえないという見当だと心得ます。ところで、十二の国立高等専門学校の敷地の問題でございますが、すでにお話が出たということを承ったので、ついでながら申さしていただきますが、この国立高専を設置します予算の概算要求をします場合に、私も実は、事務当局に念を押した事柄でございますが、敷地は一体どうなるだろう。ところが、国立学校を設置します場合に、敷地は地元でもって心配していただくということが、もう戦前からのずっと慣例になっておるということで、また、現地からおいでになる陳情の方々も、敷地の問題は別に心配してもらう必要ないというふうなことを異口同音におっしゃっていました。理論的に考えてどうかということを一応別にしますると、そういういわば民間の浄財をもって敷地を心配していただくならば、それに依存することも、また一つの考えじゃないか、こう思いまして、概算要求はいたしておらないのであります。言いかえますれば、敷地の問題は、地元の浄財をもって原則としてお考えいただくという建前で、予算の要求をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/153
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154・山本伊三郎
○山本伊三郎君 僕はそれに対して絶対反対なんです。いつもそういうことで、地方の要望なり、そういうものがあるから、それで政府はそれに乗っかってやるんだ。地方財政法にも、国の施策について、国のやるべき仕事については、地方にそれを持たしてはいけないという、私、探しておるのですが、ちょっと時間がないからできないのですが、十三条か十四条に、はっきり出ておるのです。ただ、地方のほうからそういう要望があるからといって、国が何といいますか、それに乗っかって甘えてやるということは、これは地方財政上からいっても、非常に負担が多くなってくる。多くなってくるよりも、予期しないものが入ってくると思う。地方がそれで潤うのだから、こういう高等専門学校ができると地方が開発されるのだという考え方でおるけれども、この種学校は、そういう地方に対してだけじゃなくして、国の施策として、高度成長経済のそれの線に沿って、そういう技術者を養成しようと、こういうことでしょう。それを地方の浄財によってやるんだという大臣の考え方では、われわれとしては納得できないですね。政府が建てる国立学校については、やはり政府があらゆるものの費用を考えて計画すべきだと私は思う。法律上もはっきりしているやつを、そういう浄財は、要望があるから、陳情があるから、そういうことだけで、文部大臣がそれに乗っかってやるというような考え方では、われわれとしては承服できがたいのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/154
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155・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 地方の民間の浄財に依存するという考え方でございまして、地方公共団体に負担してもらうという考え方ではございません。ちょっと見方を変えてお考えいただく意味もあろうかと思いますが、私立学校を中心に国公立の学校施設の整備等につきまして、民間の浄財がなるべく多く集まり得るようにという一つの考え方が、教育政策上あり得るかと思います。たまたま、高等専門学校が創設されます初っぱなに、敷地の問題という具体化した課題を中心に考えますと、民間浄財に依存することはちょっと妥当でないようにも思えますが、先ほど申し上げましたように、あくまでも地方公共団体に出してもらうというのじゃなしに、高専の誘致される当該都道府県等における産業施設を中心として、民間の浄財をもって敷地を心配して下さるとなれば、民間の浄財が学校施設、研究施設等に寄付せられまして、教育の振興に寄与するという一面もあろうと思います。しかしながら、国立学校を作るときに、敷地は全部地元の民間でありましょうとも、民間浄財でありましょうとも、負担に待つのだという従来の慣例となっておるような考え方が、理論的に、制度的に正しいことだ、こう私は言い切れないと内心、思います。思いますが、現実問題としましては、従来、公立学校の設置については、当初申し上げたとおりの歩き方をしてきておる。また一面、今申し添えましたような考え方もないではない。ごかんべんいただけようかと思って、この敷地の概算要求はいたさなかったわけでございます。将来の問題としましては、御指摘のとおり、検討すべき課題であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/155
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156・山本伊三郎
○山本伊三郎君 文部大臣は自分からさっき言われたから、私は文部当局に追及したいのは、そういうものを一応、こういう学校を、政府が一応これを施策として出したのだから、こういう土地もこういうものが要るのだということで文部当局は要求して、なおかつ政府において、それはだめだ、金がないから、こういう方法でやれというなら別ですが、文部当局は初めから、これは民間の浄財によるのだという考え方で、土地の問題は、これは全然触れずに計画されておる。ここに私は問題があると思って質問しておるのですが、あなたからさっきそう言われたのですが、そういうことが、私は、文部当局の頭を切りかえてもらわぬと、小中学校におけるPTAの負担なんかも、だんだんといろいろと解消されつつあるようですが、文部当局の頭から、とにかく、民間の浄財にすべてよるのだという、そういう既成概念を持っておられる以上は、これは承服しがたいと思いのです。学校を建てるのに土地が要ることは、初めからわかっておるのだ、そういうものを入れて、なおかつ、予算措置上できないという結論が出て、ある部分については浄財によるのだ、そういう結論が出たのならいいが、初めからそういう考え方で出発されるということについては、私は文部大臣に対して追及したいと思うのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/156
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157・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻申し上げましたように、従来の国立学校設置の場合の慣例に従ったということ、そのことに検討を要する問題があるという御指摘だと思いますが、私も、気持の上でそう感じないわけではございませんが、今後、将来の検討の課題とさしていただきたいと思うわけでございます。ただ、いささか申し添えさしていただけば、弁解じみますけれども、先刻申し上げましたように、民間の浄財が教育機関に集まるということ、そのことは拒まるべき性質じゃなかろう。また、中学卒業の生徒を募集いたしまして、いわば工業高等学校の第一学年にも比すべき高専第一学年から始まりまして、五年間の一貫した専門教育を授けるというわけですが、その都道府県に工業高等学校が国費をもって一校新設されるということでもございますので、高校急増対策の一つとしても、変則なことでありますが、しいて言えば言えないことはない、工業高等学校一校建てれば、三億なり四億の施設設備が要る、維持費が一億円近いものが要るということを、国が国民にかわり施設するんだという受け取り上が都道府県の住民側からいえば一応あろうかと思うわけであります。そんなことも念頭に置かれているんじゃないかと想像するわけですが、非常に熾烈な誘致の御要望があり、しかも敷地については公共団体の負担ということでなしに、民間の浄財で何とかしたいという御意向もあったものですから、それに便乗したような格好の予算になったことは御指摘のとおりでございます。今後の一般問題として、どう考えるかとおっしゃれば、御指摘のような意味合いもございますから検討をしたいとは考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/157
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158・山本伊三郎
○山本伊三郎君 民間の浄財と言われますが、先ほど官房長は、県有地もやるんだと、そういう答弁があったのです。大臣はそういうことは全部否定されておるのですか、その点の食い違いだけはっきりさして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/158
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159・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現実に十二の高専の敷地として県有地を予定しているところがあるかどうかは、私自身確かめておりませんけれども、あり得ることだと思います。ですけれども、それは県の負担においてでなしに、これも民間の浄財をもって県有地を払い下げてもらって提供してもらうというのでなければ筋は立たないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/159
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160・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは間違いないですね。それについて問題があるのだから、一応県有地であろうとも、それをそのときの時価によって、浄財によって買ってそれを学校の敷地として寄付する、これに間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/160
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161・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽君) これはまあさっき御指摘ございましたように、公共団体が、国の施設の敷地としましても、当然に負担することは制度上禁止せられておる建前から申しましても、私の今申し上げるような措置は必要なことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/161
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162・山本伊三郎
○山本伊三郎君 必要ではなくして、それは現実に問題があるやに私聞いておるのですよ。したがって、大臣が国会で言われても往々にして末端では間違ったほうにそれていく場合が多いから、私は特にきょう大臣に来てもらって聞いておるのです。そうでなければ別に政務次官さんでもほかの人でもいいのであって、大臣に聞きたいのはそこであって、県有地、私は県有地を民間が買って寄付するということについても、その払い下げるというけれども、きわめて名目的であって、県がそれを他に利用すれば相当価値のあるものを、ただそれをやることになるといろいろ問題になるので、一応民間に払い下げて、そしてまた逆に寄付するという、そういう方法をとろうとしておることもあるやに聞いておる、これは私実際見てきておりませんが、そういうことがないかということを私今確かめておるのであって、そういうことが必要ということでなければそういうことはないのだ。先ほど冒頭に言われましたように、民間の浄財だけで土地を獲得してそこに建てるんだ、こういうことの方針がはっきりと大臣から言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/162
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163・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/163
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164・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこで民間の浄財と言われますが、私心配するのは、今度初めて発足するのですね。どこの学校でもそうなんです、国立学校の場合でもそうですが、それがいつの間にかそこに入学する生徒なり、その父兄の負担に転嫁される憂いがないかどうか。憂いというよりも、それは文部省として厳にそういうことはないのだと、ここれは国立学校ですから文部省の運営でできるのです。そういうことはないと思いますが、念のために……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/164
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165・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/165
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166・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そこでもう一つ聞いておきます。そういう浄財でやるという、それはもうすでに見通しがついて、候補地ももうはつきりしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/166
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167・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はっきりしておるはずでございます。一々私みずから当たっておりませんので、具体的なこともお答えしかねますけれども、今まで私の報告受けました範囲では、見通しはついておると了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/167
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168・山本伊三郎
○山本伊三郎君 関係の政府委員の方、どうですかその点は。もうすでに三十七年の予算はおらく成立することは間違いないし、やられると思うのですが、候補地については、そういう浄財で提供するという土地は、話は進んでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/168
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169・宮地茂
○政府委員(宮地茂君) それはそのとおりでございます。それから予定地もほぼ確定いたしております。
それから補足でございますが、先ほど官房長が県有地をと言ったという話ですが、私は今までこの問題につきましては、この席ではまだ発言いたしておりません。あるいは政務次官が言われたのかとも思いますが、県有地はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/169
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170・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは速記録見たらわかるが、おそらく政務次官だと思いますがね、県有地ということを聞いたと思うのですが、それはあなたがそれを否定されればけっこうです、県有地はそういうものはないのだと。
そこでもう一つ聞いておきますが、浄財でやると、なるほどここの議論ではもっともらしゅう聞こえるのですが、実際問題でいやと言えないように農地を提供しなくちゃならぬという、そういうことの事実が将来あれば追及しなくちゃいけませんが、今の話ではそういうことは全然ないように文部大臣言っておられるのですが、そういうことは聞いておられませんか。また、そういうことはあってなかるべきだと思いますが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/170
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171・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日予算委員会でもどなたかにお答えしたわけですが、文部省としましては、できるだけ国有地で済ませるものなら済ましたいという気持は本来あったわけでございます。結果が先ほど申し上げたとおりになっておるようですが、まあそこでやむを得ず、農地を充てるといたしましても、農民を圧迫してどうだなどということは、これはあり得ざることで、これは現地におまかせするほかにないことですけれども、そんなことのないようにも指導もしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/171
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172・山本伊三郎
○山本伊三郎君 予算委員会でも私あなたの答弁を聞いておって、あのときの問題は農地の転用について、いわゆる農林大臣と、あなたに言ったことで、僕は費用の負担の問題できょう聞いておるのですがね。もちろん、学校は建てるのだというその雰囲気に押されて反対はできない。で、農地を提供するのに反対はできないのだが、非常にまあ価格を低く見積もられて、強制とはいわぬけれども、そういう方向にやられるやに心配している向きもたくさんあるのですよ。したがって、きょう聞きたいのは、そういうことはしない……。先ほど大臣の話では、民間の浄財、ほんとうに学校を建てるために国の教育にいわゆる協力するのだ、したがって、私が言いたいのは、農民の負担でなくして、そういう浄財を出し得る奇特家のそういう浄財でやるのだと私は受け取っておるのです。それに間違いないでしょうね。農民がそういうことに非常に土地を提供して、それに対する代償としては非常に不満なものでしんぼうせざるを得ないという、そういう結果がないということを私今言われたと思うのですが、その点もう一ぺんひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/172
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173・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん、今御指摘のようなことは、あらしめてはならない問題だと思います。ただ実際問題としますれば、道路その他の公共施設等にもあるように聞きますが、ほんとうに自発的に値段を安くする、あるいは一部を寄付するなどという方があるのを形式的に拒むのは、必ずしも私はそこまでいかぬでもいいのじゃないかとは思いますけれども、いやしくも農地ならば農民本人の意思を無視てし強圧的にやるなどということは絶対にやるべからず、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/173
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174・山本伊三郎
○山本伊三郎君 しつこいようですが、もう一ぺん聞いておきたいのですがね。ちょっと大臣のお話を聞いていると、民間の浄財というといわゆる昔から教育に対する奇特家がたくさんございますから、そういういわゆる金持というか、相当資産家が寄付をして、その金でひとつこの土地を獲得するという意味に聞いているのですが、そうですか。それとも、その地方の人々にある程度、強制でないが、若干そういう気分を盛り上げていって寄付をさすという、そういうことでないのですね、大臣の言われている奇特家ということは、浄財というのは、そういう相当の資産家が、教育に対して相当造詣の深い人々が出すと、こう理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/174
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175・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ大体仰せのとおりですけれども、貧者の一灯ということもございますから、御当人の自発的な意思によって集まった浄財、こういうふうに私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/175
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176・山本伊三郎
○山本伊三郎君 しかし大臣——それはそれでいい。しかし、私の経験でもあるのですよ。地方住民からしてみると、これは小、中学校に限らず、学校ということになると、これは実は反対できないのですよ、実際問題として。それが今までPTAの負担をなくせよといっても、なくならない原因がそこにあるのですよ。政府が正当な金を出してやらない限りは幾らわれわれが反対しても、かわいい子供を持っている親としては出さざるを得ない気持に押しやられるのです。私も経験がある。それはもう大臣もそれは経験あると思うのです。子供が帰ってきて、寄付を持っていかなければ学校へ行けませんと、親が言われると、これは親としてはもう反対しようと思っても反対できないような立場に押し込められる、今度の場合は、農民がそういう、土地を取り上げられるというわけではないが、そういうムードにかられて自分の土地を出さなくちゃならぬ、しかも金銭的な負担もしなければならないということのないように、これは単に今度の高専の問題だけではないのですが、文部大臣とし、文部当局としてその配慮が必要だと思う。私は地方行政の立場でも、自治大臣はいつもそれは言うのです。とにかく学校という、教育というものは別な一つの住民には感覚を持っておりますから、先ほど道路とかその他言われましたけれども、それとは違う一つの住民の受け取り方がありますので——それは別の話になりましたが、今度の高専については、特に土地の問題について先ほど大臣の言われたその方針でやっていただくように特に大臣に要望しておきます。
なお、それに対してちょっと所感だけ述べていただいて、それで大臣けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/176
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177・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 建前としてお説はごもっともなことだと拝聴しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/177
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178・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大臣は人はいいのだけれども、いつもそっけない言い方をするからちょっと心配するのですが、建前としてはそうですが、私は少なくとも建前でなくして、そういう方向で、大臣が先ほど言われたことを集約すると、しかし、実際は予算措置なりができないのだからやむを得ないと言うのと、建前はそうだけれども、いわゆるわしはそうでないのだという取り方、したがって、あなた方が、私がさっきから言っているように、国立学校は国費ですべてをまかなうという、そういう方針である、しかし、今度の場合にはそれができないので、浄財をまあ使わざるを得ないのだ、すべてについては、その方針は文部当局としては審議していかなければならない、こういう答弁を、しいるわけではないけれどもこういう私は答弁がほしいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/178
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179・荒木萬壽夫
○国務大臣(荒木萬壽夫君) どうも言葉が足りませんでしたが、最後におっしゃったとおりに思っております.発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/179
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180・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/180
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181・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/181
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182・山本伊三郎
○山本伊三郎君 ちょっと審議が腰折られましたが、著作権の問題でお聞きしておきたい。先ほど各国の状態をお聞きしました。これはもう私から言うよりも、あなた方専門家ですから十分その事情を御存じだと思いますが、著者というものは、自分の作品には執着のあるということはこれはもう当然だと思います。先ほど諸外国の例を言われましたが、まあ大体保護期間五十年というところが多いようです。われわれから見ると——これは党の意見ではない、私の意見ですが、私も若いときにはそういう方面には若干いろいろ持っておったんですが、大体著作権というものは本人に帰属することはもちろんのことですが、これを、保護期間というものは永久であってもいいと私自身は思います。それを、三十年なり五十年といえば相当であるから、ほぼ半永久的ですから、もしその期間を過ぎてしまえば国がその管理をする。もしそれの相続人があればこれはもちろんそれにまたやらなくちゃいかぬ。相続人というものがなくなれば、これは国が管理する。というのは、私は、作品にもいろいろありますよ、いろいろありますけれども、やはり一つの国の宝といいますか、そういうものでなければならないと思います、私自身は。それは、今日やはり出版会社の一つの営利的な運営になりつつあるんじゃないかと思う。著者自身も私は反省すべきところがあると思う。中にはりっぱな著者の方がおられますけれども、私は作品というものは非常に貴重なものだと思います。その民族の特徴なり、そういうものが永劫将来残すものですから、そういう意味において、私が唐突にここでそういう議論を吐くのはどうかと思いますが、ぜひひとつ各国並みの少なくとも段階としては考えていかなくちゃならない。私はそれに加えて、これは消滅させて、それが一般に悪用されるということのないように、その相続者が絶えた場合には国が管理をする、これも一つの私は著作権としての考え方でないかと思うのです。そう言うと、また官僚的になって、これを大衆にずっと、何といいますか、普及する場合に非常にそれが悪くなるという考え方もあります。しかし、少なくとも国がそれを管理してやっていけば、もっといい作品が一般国民に普及できるんじゃないかと思うのです。端的に言えば、私は今のこのいろいろ著作、これはもう単に文芸だけじゃないのです、あらゆる作品は若干商売的でなかろうか、こう思うのですが、この点についてどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/182
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183・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先ほど申し上げましたように、著作権の保護期間の問題につきましては、ベルヌ条約加盟の国が、多くの国が五十年以上、それから戦後改正されましたブラッセル規定におきまして、最低の条件が死後五十年、したがいまして、審議会で御議論される場合にも保護期間の延長という角度で保護期間の問題は御議論になっておったと思いまして、これが逆になるというようなことはもちろんないのではないか。しかし、いずれにいたしましても、保護期間の問題は単に経済的な問題もございまするし、まあ、無限にされました場合に、いろいろその遺族の財産ということだけでなくて、どこまでも追及していきますと、その利用につきましてはいろいろ支障もある面もございますもので、その調和をどこの限度に求めるか、こういう問題だと思います。
なお、後段のお話の著作権が切れた後にいろいろな制度で、たとえば遺族の共済制度のような形でただいま置いておる国もございまするし、いろいろな点につきましては審議会で十分御検討願う、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/183
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184・山本伊三郎
○山本伊三郎君 大体考えは一緒だと思いますが、私は後段で申しました方法で、これはこの審議会でいろいろ議論になりますが、審議会の委員がどういう人かつまびらかに知りませんが、私はやはりこういう作品というのは、やはり国が責任をもって国民にいいものを普及するという、やっぱりこういう方法が正しい考え方になるのじゃないかと思うのです。業者にまかせて非常に勝手な方法でやられて、いい作品であれば普及しようとしても、非常に業者の利用にまかされて高くなって一般的にならないということも私は知っております。そういう点でもちろん財産権ですから、この相続人が続く限りはいいのですが、そのなくなった後において非常に放任ではなくて、ある程度考える必要があるのではないかと思います。これはひとつそういうことを考えていただきたいと思います。
そこで最後にひとつ聞いておきますが、この審議会は継続して進めていきますか。大体審議会は期限がついておりますか。これは無期限ですか、ちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/184
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185・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 期限はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/185
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186・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、現在あるの著作権の審議会も、それもこの中に危含されていくということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/186
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187・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/187
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188・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、問題はこれは文部当局もすでに聞いておられると思いますが審議会となると非常に結論を出すのが何といいますか、おそいのです。また、先ほど問題になりました農地買収者問題調査会問題を引き出すわけではないが、しかし、刻々にこの問題は進行しておりますね、保護期間の問題は。すでにもう著作権が喪失しようという人もあると思いますが、そういうことについてはこれは逆のことになりますが、問題によってはこの農地買収問題と違って、答申で出なければ措置できないということでは、個々の人に逆に利害関係が出てくる。そういう点については文部当局はどういうお考えですか、ちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/188
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189・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 重要な問題でございますから、慎重には審議していただかなければなりませんけれども、差し迫った問題がございますので、重要な問題につきましては、全体の体系を待つまでもなく、御答申願えるものは御答申願いたい。なお、御審議の必要な準備等は、私たちといたしましては積極的に問題の資料を出して御審議がすみやかにいくようにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/189
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190・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは大臣にお願いしておきますが、この問題はひとつ非常に問題が範囲は広いか狭いか知りませんが、非常に問題があるものですから、特に、まあこれが法律が成立すれば至急にその点だけでも審議を促進してもらって、措置されるように特に要望いたしまして、私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/190
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191・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/191
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192・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないしと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようでございますから討議は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/192
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193・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。文部省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに御賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/193
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194・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致でございます、よって本条は、全会一致をもって原案どおり可決するべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/194
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195・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X01119620315/195
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