1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月二十七日(金曜日)
午前十一時十五分開会
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委員の異動
本日委員中野文門君、吉江勝保君及び
大谷藤之助君辞任につき、その補欠と
して徳永正利君、小沢久太郎君及び村
山道雄君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
鶴園 哲夫君
山本伊三郎君
委員
小沢久太郎君
木村篤太郎君
徳永 正利君
一松 定吉君
松村 秀逸君
村山 道雄君
高瀬荘太郎君
政府委員
人事院総裁 入江誠一郎君
人事院事務総局
給与局長 瀧本 忠男君
総理府総務長官 小平 久雄君
総理府総務副長
官 佐藤 朝生君
総理府恩給局長 八巻淳之輔君
大蔵政務次官 堀本 宜実君
大蔵省主計局給
与課長 平井 廸郎君
務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○昭和三十七年度における旧令による
共済組合等からの年金受給者のため
の特別措置法等の規定による年金の
額の改定に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
恩給法等の一部を改正する法律案及び昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案を一括して議題とし、昨日に続いて質疑を行ないます。
政府側から出席の方は小中総務長官、佐藤総務副長官、八省恩給局長、大蔵省より中井主計局給与課長が出席されております。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/1
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002・山本伊三郎
○山本伊三郎君 恩給法の改正並びに共済組合法の改正について質問いたします。
その前に、一言私は、党の立場から委員会運営についての問題で、これは昨日の理事会ではきわめて不愉快な感じがしたのですが、委員長から報告されたかどうか知りませんが、その点について党の立場から明らかにしておきたい。当初われわれ委員会運営については、火木という原則をきめておりました。しかし、国会が終末に近づいたからやはり停滞する法案も相当あるから、金曜日もやろうということで、本日もこの前もやっております。しかるにこの終末になって、委員長の発言があり、自民党の理事の発言を聞きますと、それ以外のもしあしたとかあるいは日曜もやらなければ、いわゆる国会正常化に協力したとは言えない、こういう意味の発言、私非常に不愉快な思いをした。御存じのように、現在の政党政治ですから、自民党の諸君は与党である、出てくる法案はすべて与党を通してその政策を織り込んだ法案が出てきます。したがって、与党としては出てくる法案を全部あげるべきであるという考え方はこれは当然であると思う。しかし、われわれ野党としては、われわれの反対する法案に対してはあらゆる努力をしてこれを阻止するのが野党の立場として当然だと思うのです.われわれとしては、それ以外の賛成する法案については今日までほとんど全部協力してあげてきた。残っている法案については衆議院のいろいろの問題があった法案が今後来ると思うのですから、われわれとしては、その法案に対しては反対の態度を取っているのですから、それ以上のわれわれが許す範囲の審議日程を狂わさないことが、何か野党が国会に協力しておらない、こういうようなことでは、われわれ今まで国会正常化ということで協力してきた立場としては非常に不愉快であった。私はあえてそうしつこく言いませんけれども、たとえそれがどういう立場におられようとも、やはり反対党の立場というものを理解をしておかなければ国会の正常化は私はできないと思う。われわれが、金曜日もやるということは精一ぱいわれわれとしては協力しているつもりなんです。それをそれ以外にやらなければ国会正常化に協力しておらないというような意味のことについてはわれわれとしては非常に言い分がある。したがって、私は、私の言ったことについては委員長なり理事から反論をしてもらえば、その反論を聞いた上でまた私の意見を述べたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/2
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003・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 私から申し上げます。
私は、昨日理事会にはもちろん終始皆さんの御意見を伺い、私からも希望を申し上げたのでありますが、その間において、社会党の諸君が国会の委員会の審議に非協力的というような意味の発言は私はなかったと思います。
なお、従来この委員会の運営にあたりましては、御承知のように、社会党の一方的な意思によって委員会も運営されないし、自民党の一方的な意思によって委員会も運営されない、きわめて双方の間で意思の疎通をはかって円満のうちに今日まできたと思います。この円満な運営というものは、今後も会期未まで持続したいというような関係から、理事会を開きまして、そのつど意見を交換をしていただいております。意見でございますから、双方立場が違いますから、意見の相違はやむを得ませんが、しかし、結論として、一方的な意見によって運営されるという事実はございませんし、また“今後もさようなことは私はあってはならない、かように思っております。これにつきましては、自民党の側からも、また、同志会のほうからも、御意見があれば、この機会にひとつ御発言いただきたいと思いますが、私は、今の山本委員の御発言は、少し誤解があるのではないか、かように考えております。重ねて申し上げますが、今後の運営につきまして、決して一方的な運営をしようというようなことは考えておりません。この点をはっきりと、この機会に言明をしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/3
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004・石原幹市郎
○石原幹市郎君 私も、今、山本理事が言われたこと、ちょっと私自身もふに落ちないのですが、きのういろいろお話ししたことは、来月のうち、火曜日はメーデーに当たるのでこの日はおそらくやれないのじゃなかろうか。それから、その次の定例日の木曜日も休みですから、そういうことで来週どういう段取りでやろうかということを中心に話した。しかも、会期末でいろいろ法案は輻湊してくるから、衆議院と違って、こちらはこういう予算関係法案は後議するものだから、院の性格から、どうも連休にわたっても、衆議院と違って休むこともできないし、定例日がみな休日に当たるので、そのほかの日をどういうふうにするか、あるいはまた、余分に一日やるとすれば、どういう日を選ぼうかということを中心に話したのであって、社会党が非協力であるとかどうとか、少なくとも私に関する限り断じてそういうことを言ったことはありません。山本理事の何か誤解であろうと思います。鶴園委員がおられたのだから、そういうことを私が言ったかどうか、よくわかると思います。誤解だと思います。そういう気持を私ども持っておりませんから、ひとつ残る会期少ないですから、円満にやりましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/4
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005・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それなら、われわれのほうの主張としては、今まで金曜日入れてやってきて、きょうも恩給法とか非常に二百万の大衆を持つ問題もあるし、そういう問題について、われわれとしては党の立場を明らかにしておる。しかし、あした、しあさって——しあさってはメーデーの前日であるし、私も午後から大阪に帰らなければならない。しかも、月曜日やった例はほとんどない。そこで、われわれとしての主張は、一日は火曜日であるけれども、メーデーであるから、二日はやむを得ないと思う。三日は木曜日であるけれども、休日であり、四日は金曜日でも、これもやむを得ないだろう。したがって、そういう点でひとつ運営をお願いをしたいという主張をしておった。われわれの主張というのは、決して無理ないと思う。休むかわりに、代替としてやはり水曜日、金曜日をやっていいじゃないか、こういうわれわれの意見を申し述べております。衆議院は衆議院で特殊な事情があって、本月最後までやって、そのかわり一日から五日まで休む。そのかわりに六日の日曜日もやろうという予定をしたようであります。これはたいへんなことでありますから、私は申しません。そういうバランスから見て、私は来月二日、四日、これは最大限協力してやっていこう、こういうことを言っているので、それが受け入れられておらなかった。それが、今言われたように誤解であれば、私は誤解として、その点ははっきり皆さんのおられる前で言っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/5
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006・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 重ねて申し上げます。今後の会期末の委員会の運営につきましては、慣例によりまして本日の委員会散会後に理事会において御協議いたただきたい、かように思っております。ただ、この機会に申し上げますが、委員長といたしましては送付された法案につきましては、できるだけ審議を長時間かけて、しかもその上において議決したい。これに私は委員長として努力するのは当然でございまして、その点は、委員会の運営について十分御理解のある山本さん初め各位に御了承いただけると思います。しかし、さればといって皆さんの御理解なく委員会を、ただ皆さんの御都合も聞かないで開こうというようなことは考えておりません。冒頭に戻しますが、委員会の運営につきましては、散会後理事会において今後の委員会の運営はそのつど決定していきたい、かように思いますから御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/6
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007・山本伊三郎
○山本伊三郎君 重ねて申しますが、委員長の立場として、本院に回った議案は全部やはり審議して参りたい。委員長の職責はそう言えますけれども、私は冒頭に言ったように、われわれの党の立場としては、反対の議案についてはできるだけ阻止するというのが反対党の立場です。それがどう言われようとも、私は今の国会の運営から言ったらそうやらざるを得ないと思います。いまだかつてわれわれの主張や修正が入れられたことはありません。われわれの意向が通って初めて議案を審議して通すというならばわれわれわかるのですけれども、われわれの反対のやつまでも、議案がこっちに送付されたからといってこれを全部あげなければならぬという立場は野党はとっておりません。反対のものはあらゆる手段を講じてこれを阻止するというのが野党の立場ですから、重ねてそれだけ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/7
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008・河野謙三
○委員長(河野謙三君) よく山本委員と申しますか、社会党の立場はわかりました。それらの論議につきましては、あげて理事会において十分各党の間でひとつ御論議いただきたいと思います。その上に決定し、その上に運営をしていきたい、かように思いますから誤解のないようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/8
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009・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ質問に移ります。委員長の今の言を了解して質問に入ります。
昨日、総務長官が席を立ったりあるいは出たりされたので、実は恩給局長に事務的ないろいろの質問をして終わったのですが、本日は基本的な問題から総務長官に質問を続けたいと思います。
今回の恩給法の改正については、趣旨説明においてもある程度理解されまするが、この点につきまして、共済組合と両案あわせて今日この改正をしなくちゃならぬ経緯、なお、考えようによると、公務員の給与、ベース・アップの年次から考えておそきに失しているという点もあるので、その点の、今日出された政府の経緯、その点を総務長官から御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/9
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010・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 今回の恩給法の改正はただいまお話もございましたとおり、昨年来現職の公務員の給与の改定等もございましたし、また、一般の生活水準の変化等もございましたし、その他各般の情勢から申しまして今回御提案申し上げた程度の恩給の増加も必要であろうという考えから御提案を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/10
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011・山本伊三郎
○山本伊三郎君 共済組合法の改正について。これは大蔵省ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/11
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012・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 今回共済組合法の一部改正等を行ないました趣旨は、総務長官御説明ございましたように、恩給法のレベル・アップがございまして、それに合わせまして従来これと平仄を合わせてベース・アップをやって参りました旧令共済組合あるいは旧法による雇用人の長期年金給付、これらについても同様の趣旨から従来どおりの方針によりましてベース・アップを行なうことにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/12
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013・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この前の恩給の改正は、昭和三十三年だと思いますが、それからすでに四年を経過しておるのですが、今日までこの改正が延ばされておったというこの経緯が若干言われたんだが、聞き漏らしたのかもしれませんが、もう一ぺんお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/13
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014・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 昭和三十三年に法律百二十四号という法律によりまして、一万二千円ベース時代にやめた方々の、その以前にやめた方々の恩給を一万五千円ベースに引き上げた。一万五千円ベースに公務員の給与水準がなりましたのは昭和二十九年一月一日でございます。それ以降でございますが、それ以前にやめた人について二十九年の水準まで引き上げるという措置を三十三年にやったわけであります。ところで、三十三年にその法律によってやりました手法というのは、やはりその当時の財政需要が三百億かかるというので、昭和三十六年にまたがって四年計画でなしくずしに実施いたす、こういうような関係で、したがって、一万五千円ベースに完全に実施されるというのは昭和三十五年の七月に完全実施になる。予算的には三十六年度予算にピークが来る、こういうふうな考え方で実施が行なわれたわけであります。そこで、三十五年度七月には一万五千円ベースが完全実施になって、そのときを契機にいたしまして、さらにこのベースというものについてのその後の状態というものを勘案して、そうして三十六年度の予算編成期において三十七年度からスタートさせるこのベース・アップの計画というものを組んだわけであります。そういうふうな背景で今回の予算措置なり提案が行なわれたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/14
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015・山本伊三郎
○山本伊三郎君 今までの経緯から見ると、昭和二十八年に一応これが復活して、昭和三十三年、私の記録では、三十三年にこのベース・アップ、仮定俸給の変更があったように記憶しておりますが、大体五年置きというようなことになっているんですが、やはり将来こういう、五年置きにやはりそういう仮定俸給の改正というものは今までの慣例から考えざるを得ないという立場におかれるのか、この点、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/15
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016・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) まあこの前、百二十四号のときに四カ年計画でやったから、ことしもそういうことだ、また、将来ベース・アップが行なわれても相変わらずそうした実施三カ年にまたがる四カ年の予算的な期間計画、こういうことでやるのかというお尋ねでございますが、これはやはり財政等のにらみ合いの問題で漸進的に行かざるを得ないというところからくるのでございまして、また、将来の問題といたしましてそういう機会があった場合、もっと短い期間で仕上げる、目的を達していくということにつきましては、そのときそのときの情勢によって考えていかなければならぬと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/16
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017・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それはそういう答弁もわかるのですが、受けるほうから見ればきわめて私は不安だと思う。もちろん財政を無視して無計画に上げるということは、これは政府としてはなかなか困難だろうと思うのですが、当然私はそういうものを、昨日もちょっとそれに触れたと思いますが、当然物価指数の上向、たま、給与の上向等から考えて上げなくちゃならぬ、これは必然的なものがあると思う。したがって、われわれとしては、きのうも総務長官から若干ニュアンスのある答弁をされましたが、われわれとしては、この年金についてはすべて関連性がある、したがって、ある程度そういう物価指数が開いたあるいは給与ベースが非常に開いたというときには、これは期待権というほどの権利ということは言えないかもしれませんが、ある程度必然的ないわゆるベース・アップ、仮定俸給の改正というものがあってしかるべきものだと思う。そういうところによってわれわれも将来考える必要がある。きのう私はこまかいデーターを見まして、まだこれは試算をしておりませんために、一体国の負担がどういうふうな上向状態をたどるのかということは、やはり恩給局当局としてはにらみ合わせて、国家財政にどういう影響があるかということを考えて私はやるべきだと思う。そのときばったりで、財政を考えてやるのだ、そういうことになるから、地方の人々が、いや陳情だ何だといって、政府に陳情し、あるいは国会議員に陳情しなくちゃならぬ。私はそういうことでないと思うのです。国が恩給制度を認めた以上は、やはりそれだけのことをする私は義務があると思う。それでなければ最初からこういうものは認めなければいい。認めた以上は、これによって生活をしているという人についてはそういう期待権が私はすでにあるという考え方でいるのです。したがって、その意味において、財政上の都合によって早めてやるか、おそくなるかわからない、そういう不安な状態は私はもう今日いけないと思う。この軍人恩給の問題については、いつもその問題が問題になるたびにわが党においても党内で論議をかわさなければならない。しかし、どういう傾向で進むのだという、そういうものが国会内部における論議の中で結論が出なくとも、そういう方向が是認されるならば、私は将来そういう傾向が変わってきてもそう大きな論議にはならぬと思う。これは私きのうからそういうことを強調しているのだが、法の建前、また、四囲の事情から考えて、そういう期待権としては認めがたいけれども、そういう必然性があるということも認められておるようで、どうもそうでないような感じもあるのですが、今、恩給局長は財政の実情を考えて早めるかおそめるか言われましたけれども、その点もう一回御答弁願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/17
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018・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) ただいまの山本先生のお話し、気持としては私ども全く同感でございます。その点は、昨日来御答弁申し上げたとおりでございます。もちろん将来にわたって財政上との関係は十分考えなければなりませんが、ただ、それだけというわけじゃもちろんございませんが、先生もお話のとおり、生活の水準であるとか、現職の公務員の給与の関係であるとか、そういうものを考慮いたしまして、これはこの制度を持続する限り当然もうふだんにおいて検討されなければならぬ問題である、したがって、あえて陳情なり何なりを待ってやるといった性格のものではなかろう、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/18
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019・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 関連して。二万四千円ベースに、俸給額に相当する二万四千円ベースに上げられるということなんですが、これはいつの二万四千円ベース、いつですか、これをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/19
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020・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) ここで二万四千円ベースという言葉を使いましたのは、昭和三十五年十月一日の公務員給与の水準ですね、これも二万四千円ベースと言われておりますので、二万四千円ベースという言葉を使った。で、過去の退職者の恩給をどうするかという問題は、結局この過去の退職者の恩給の基礎になるべき仮定俸給、俸給というものをどう見直していくかということでございます。すなわち、一万二千円ベースでやめた人は二万円ベースに見直していくということは、三十四年の十月一日当時の給与水準に見直していくということであり、また、二万四千円ベースに見直していくということは、三十五年十月一日の俸給体系でそれを見直していくということでございます。ただし、厳格に申しまして、きのうも申し上げたのですが、国家公務員の給与水準の三十五年十月一日のもの、そのものずばりではございませんで、上級者につきましては、そのものずばりじゃなくて、三十四年十月一日のいわゆる二万円ベースに対して一二・四%だけ増額した額をもって恩給で、いわゆる二万四千円ベースの仮定俸給として、そしてそれを基礎にして公務扶助料なり、また、傷病恩給の基礎になる増加恩給なり、あるいは普通恩給の計算をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/20
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021・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この三十五年の十月一日に公務員のほうのベースというのは二万四千円だと、こういうわけですね。それでこれが三十九年の七月には完全実施されると、こういうわけですね、そうすると、満四年かかるわけですね、それはまあ一応別にしまして、この二万四千円ベースというのは、これはどういう内容ですか、ベースというのはどういう内容ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/21
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022・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 恩給というものは、退職時の俸給、その人の俸給をもとにして、長年月勤めた人、十七年勤めた人についてはその三分の一が普通恩給というふうに計算されているわけです。ですから、あくまで退職時の俸給というものをもとにしているわけです。しかしながら、その後、物価水準、生活水準などが上がった場合に、一万円ベースのときに八万円という俸給でやめた人の恩給というものを見直していく、あるいは再評価していく場合に、この一万二千円ベース時代の八万円というものは、その後一万五千円ベースになっては九万円になり、また、二万円ベース時代になると十万八千円になるというふうにだんだん上がってきているから、それを標準にとって、そして恩給を再評価していくという手法をとるのがいわゆる恩給のベース・アップでございます。ですから公務扶助料とか、あるいは傷病恩給なんかを考えます場合に、一万五千円ベース時代九万円の俸給の者なら、この人の俸給というものを二万四千円ベースでは十二万二千四百円というふうに見直して、そうして公務扶助料なり、あるいは傷病恩給というものをはじくことによって増額を行なうわけです。ですから増額するための一つの手法としてそういうふうな柱を使っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/22
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023・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 二万四千円ベースというのは、三十五年十月一日に二万四千円ベースだというのは、これは本俸や暫定や扶養手当を入れて二万四千円ベースと言っておられるのですね、そういうわけですね、そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/23
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024・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 一般的に、公務員の給与水準で何円ベースと言っております場合は、本俸ばかりではなく、いろいろな暫定手当であるとか、扶養手当とか全部ひっくるめて、総合計に対する総人員で割った平均の給与額を言っておるわけです。ただ、恩給では、そのときの、その時点における給与体系における本俸というものを言い表わしたいわけで、厳格に言うとそういうことです。その時点においての公務員の本俸額、裸の本俸額ということを、厳密に言えばそう言って表現すべきでございますけれども、そういうふうに言いますとなかなかむずかしゅうございますので、二万四千円ベース時における本俸、あるいは二万円ベース時代における本俸額、こういうような表現をいたしております。でありますから、いわゆる恩給の基礎になるものは、あくまでそのときにおける本俸、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/24
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025・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/25
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026・山本伊三郎
○山本伊三郎君 今の問題ですが、これは若干私は疑惑を持つのですが、最初軍人恩給を復活したときにきめられた仮定俸給そのものに、私はきのうも若干触れましたが、異議があるのです。あえて上厚下薄という言葉は使いませんけれども、繰り返して言うようになるかもしれませんが、あまりにも最初の仮定俸給をきめられたもの自体が、私は、軍人恩給を復活したという時点において合理性がない、やはりもう少し軍人恩給の復活が、軍人が存在しておったときの、軍隊が存在しておったときのものであれば、あるいは納得できるが、すでに復活というときには軍人をやめて、また、傷痍軍人なりその他いろんな事情で生活を補助しなければならぬ、こういう私は多分の意味があって復活ということが一応国会でも承認されたと思うのです。それを基礎にして、いわゆるベース・アップをされるから、先ほど言われましたように、その時点、改正の時点においては、パーセンテージを見ると、下のほうでは三六%、あるいはパーセンテージは伸びておるかもしれませんが、絶対額を見ると、われわれとしてはどうも承服しがたい点があるのです。
そこで質問ですが、そういう考え方からいって、将来もっと根本的に、パーセンテージのわずかな相違でなくして、根本的な仮定俸給というものをもう一ぺん見直して考える時期がきておるのではないか、その点についてひとつ総務長官から政府を代表して考え方を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/26
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027・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 仮定俸給そのものを見直すべきではないか、こういう御趣旨と思いますが、昨日も申し上げましたとおり、恩給制度自体が、その受給資格というものが退職時によってきまる、本来もそういう仕組みでございますので、どうしても仮定俸給表を作るにあたりましても、退職時における本人の給与というものを、やはりこれを基本的には尊重をしなければならぬであろう。ただまあ一言に申せば、時代の変化とともに、必ずしも退職時の状況にだけとらわれずに、いわゆる社会保障的な考え方というものが取り入れられて参らなければならぬのでありまして、今日までも御承知のように、そういう傾向で調整がされて参ったわけでありますが、今後におきましても、調整上社会保障的な要素が現在の傾向としましては逐次大きくなってくると、こういう傾向としては認められるかと思いますが、基本はあくまでもやはり本人の退職時における俸給というものが、これが基本であるという点は間違いなかろうと思います。そこをどう調整いたしていくかという問題が残っていくと思います。結局それは、そのときの諸般の情勢を判断する以外に仕方はないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/27
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028・山本伊三郎
○山本伊三郎君 軍人恩給というものは、永久的にこれが存在して、それで現在公務員の共済制度に変わりましたけれども、そういう永久に存在するというならば、総務長官の言われるように、そのつど若干の調整をしていくということにもある程度考えられるのですが、きのうの質疑の中で、二十五年ないし三十年後には全部これが失権してしまう、こういうものはゼロになってしまうという年限的な考え方から見ると、そう私は徐々にそういう調整をするということには賛成しがたい。というのは、かりに五年に一回これが改定されるとしても、全然これが消滅するまでは五回しかない。しかももう一番必要なのは、ここ十年くらいの人々が一番私は苦しいのじゃないかと思う。その後については、残る人については、家庭の事情も変わってくるし、また、国家財政からいっても数が少なくなる。相当優遇しても、私はある程度でき得ることがあると思う。今急いでおるのは、今回ないしは次の機会におけるベース・アップにおいて相当根本的に考える必要があるという、私はそういう数字的な意味からも聞いておるのです。政府が徐々に考えるという思想は、私はこれも考えられます。これはおそらく財政上からきておる問題だろうと思うのでありますが、そういうことをやっておる間に、もう必要な人が全部なくなってしまう、こういうことが私はあり得ると思っておる。そういう意味において早急にやはり今回のこの法律案を今ここで修正とか、あるいはどうこうということは、おそらくもう予算案が通ってしまった今日ですから、これはとかく申しません。次にはもっと根本的な、いわゆる仮定俸給の改正というもの、改革と申しますか、そういうものを考えなくちゃならぬのじゃないかと思うのであります。そういうことを私は結論的に申し上げたいために昨日から繰り返しておるのであります。私は、今政府が言われたように、徐々に考えていくということは、すでに過去二回において若干考えられておるけれども、この率からいくとおそらくもうこれがいわゆるなくなるまでには、われわれの主張というものは通らずに、そのまま私は消えてしまうと思うのでありますが、その意味において次の、幸いにして改正が出る時期も、私は大体想定されると思う。三年計画のこの改正案が一応終われば、直ちにまた問題が次に起こってくる。これは私は予言するのじゃないのですが、当然そういうものが来るのですが、そういう意味から私は言っておるのじゃなくて、次の機会にやはりそういうことも考え得られるかどうかということをもう一ぺん聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/28
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029・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 基本的な考え方は、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、次の段階におきましては山本先生の御意見等も十分しんしゃくいたしまして検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/29
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030・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはもう総務長官は専門家じゃないのですが、大体もうお聞きだと思うのですが、公務員の給与の現況から見ても、今度の改正案によると、仮定俸給最低の十一号は八万六千円です。最高は九十万五千二百円です。十倍以上の格差があるが、私は、たびたび言うように、現在公務員という一つの階級的と申しますか、俸給制度が現存しておるときには、ある程度私はこういう大きい格差と申しますか、そういうものも認められると思います。今日の軍人恩給の実態から見て、私はそれほど大きい最高と最低の格差があるということは、どれほどパーセンテージ——率で調整されても、一覧表を見れば納得を私はできないと思う。ただし本日資料をもらいますと、最高のものをもらう、現在生存しておられる方は、大将で十九人というわずかの数字ですから、これはもうわれわれとしては十九人の人をとかく言う必要はないのですけれども、それだけにまたこの表に出た場合には、非常にわれわれの感じというものはこれでいいのかという感じを実はいたしますので、執拗に私は言っておるのです。気持ついては、そいう考え方もできるという答弁ですが、もちろん国家財政の問題もあるから、なかなかいけないけれども、これは何かの機会にこれを調整しておかぬと、このまま上がっていけば、上のほうは一%上げても九千円ということになるのですね。下のほうはかりに一〇%上げてもこれまた八千円程度しかならないというようなことで、十倍上げても同じ額に達しないというのですから、パーセンテージで調整すると言ったって、そんなものはとうてい表を根本的に考え直すということにならぬと思う。したがって、これはこの次の機会には相当思い切った考え方を出さなければ、納得できないと私は思うのです。そういう意味において、もう一回ひとつ専門家である思給局長として、あらゆる部面からそういう可能性があるのかどうか、総務長官は政治家でございますから、その答弁というものは政治的な答弁であるが、事務的に見てそういうものが可能であるかどうか、現状から見て、そういう点で恩給局長から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/30
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031・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) ベース・アップというものは、御承知のとおり二つの側面から考えられているわけです。つまり旧退職者のもらっている恩給額というものは、その後の経済事情の変化、物価水準あるいは生活水準の上昇に見合わなくなったという、それを再評価するのにどうするかという側面と、それからもう一つは、公務員の給与水準が変わって参りますというと、その公務員の給与水準が変わった前日にやめた人と、その変わった後にためた人との間のアンバランスが出てくるわけです。たとえば今御指摘の一番てっぺんの八十二号というところで、一万五千円ベース時代にやめた人は八十二万八千円、二万円ベース時代にやめた人は九十二万五千円という仮定俸給になるわけで、一日違いでそうした同じ条件の人が違った恩給の基礎俸給であるというアンバラが出てくるわけです。このアンバランスをどう調整するかという、その問題と生活水準に見合わせるという二つの側面からベース・アップというものが考えられているわけです。そこで、こういうふうな、何もアンバランスを調整する必要はないじゃないかという側面から言えば、前の人、昔の人は、何も現在の八十二号俸の人がこうなったのだからそこまで上げる必要はないじゃないか、こういう議論は成り立つと思います。しかし、それはやはり給与体系が変わったということについて前後のアンバランスを改正することにならない。そこで、その方面から申しまして、できるだけその同じ号俸の人は同じ額にトレースしていくという仕方をとっているわけです。ところで、恩給受給者のグループだけから考えますというと、昭和三十四年十月に恩給から共済に切りかわったわけです。そこで、恩給受給者、恩給のレールの上で年金をもらうという人は、昭和三十四年の十月以降はなくなってしまう。そこで、それ以後のベース・アップというものを号俸を追ってトレースするかどうかという問題があろうと思います。先生御指摘のとおり、それ以後のベース・アップについて従来やってきたような仕方を、さらに一般の普通恩給についてとり得るかどうかということはこれからの問題であろうと思います。そういう意味で、先ほど総務長官がお答えしたのも、将来の問題としては十分そういう点の調整というものについて考えなければならぬという点であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/31
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032・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それに関連あるのですが、ちょっと事務的な問題を聞いておきますが、これは実は表を見て——今、表を探しているのですが、ちょっと会館へ忘れてきて、ないのですが、上級軍人と申しますか、こういう人に対して仮定俸給のみならず、普通思給の年限を一番最短年限で割り出して、それで押えているというように理解しておったのですが、きのう実はあなたのほうの専門家に聞くとそうでなくして、やはり普通恩給は十三年を十五年、二十年、三十年、上級になればなるほど年限が長いのはこれは今までの軍隊の実情である。それらを全部通算、通算というか当然そうするのがほんとうですが、私は最短年限で押えて二十四万円程度と思ったのですが、現実の支給はやはり二十年は二十年、三十年は三十年という年限を全期間を考えて出しておられるようですが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/32
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033・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 文官の恩給と同じように、普通恩給の計算は、やはり年限は、普通恩給のつく年限は兵下士官以下につきましては十二年、将校十三年ということで、将校の場合十三年の年限で本俸の百五十分の五十、それに年限が一年ずつ増すごとに百五十分の一ずつ加わるという計算でやっております。前におっしゃいました普通最短年限だけじゃなかったかという点はおそらくこういうことであろうと思うのです。つまり加算がついて、そうして恩給、ようやく十二年になるあるいは十三年になる、こういった方、たとえばビルマならビルマに行って五年勤めてきて、それに加算が一年について三年つきますと、合せて二十年になって、二十年になってもやはりそれは恩給資格十二年オーバーするだけでありまして、恩給資格というものを取得するだけであって、恩給の額を計算する場合におきましては、実在職年は五年でございますから、それに応じた年金額を計算する、すなわち百五十分の五十より下回った金額を出す、こういうふうなことをやっております。ですから一般的には年功恩給の場合におきましては百五十分の一ずつ一年について追加されるということは文官と変わりございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/33
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034・山本伊三郎
○山本伊三郎君 私は表を見てちょっと理解を間違っておったのですが、そうすると、上級者の人は仮定俸給が今言ったように十倍も高い、これは極端な例で言っておりますが、非常に高くて、しかも年限も長いことは、これはもう実情であると思うのです。そうすると、受けるこの年金恩給という額の差自体を見ると、兵の方々も最短年限ぎりぎりの人が私はほとんどだと思う。そうすると、本人の受ける額というものはもうほんとうに、この表で十倍に出ておりますが、実際のところではもっと、以上な額の相違が私は出てくるのじゃないかと、まだ計算しておりませんが、そういうところに私はせっかく軍人恩給を復活して、昨日言われましたように、百四十万という、公務扶助料を受ける人が非常に多い、困っておると思う。そういう人には、こういうと非常になんですが、非常に零細な年金恩給である、一方は数は少ないけれども、相当そういうことで当然公務員としての恩給から見れば、今恩給局長の言われたような、そういう権利があるということは言えるかしれないけれども、恩給復活の精神から見ると、私はあまりにも上と下との支給額の差が大き過ぎるのじゃないか、そういう意味において、なおさら私はかりに全然今ストップをして上のを上げないという措置をとって、今後伸びてくる財源を全部下に回しても、最後にこの恩給が全部失権してなくなるまでみても、私はなおかつ半分までも下のほうのは伸びていかないという概算推算しておるのです。そういうことからみると、先ほど申し上げました本論に返りますが、なおさら今度の改正には、そういう意味を十分加味をするという考え方を強く出していただかないと、われわれとしては、もう最初この法案を見たときから私はそう思っておったし、党内でもいろいろ論議はされたのですが、ようやく今一応全般的に見て、これは対象がほとんどそういう社会保障的なものでやっておった方々が多いというので、わが党も衆議院でも賛成しておりますし、部会でも私は賛成の態度をとったのですが、なおかつ一抹の、われわれの意見に反対する、しいて反対といえばこういうところにあるということを、十分政府も考えてもらいたい。したがって、私は執拗に内容のこまかい点に入る前に基本的な問題について明らかにしているのです。この点について恩給局長は専門家という立場で政治的にはいろいろと将来発展すると思いますが、専門家としてそういうことが妥当性があるかどうか、それとも依然としてやはり公務員の制度としての恩給だから、やはりそういうことは原則的には認められない、ただ単に、若干の調節をするという意味においては今後見ていくという、基本的な考え方としてはやはり公務員の恩給制度としてのこれを守らなければいかぬという考え方であるか。これは恩給局長と総務長官にひとつ共同で御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/34
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035・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、終戦前、軍人と文官あわせて、いわゆる国の公務員として長年お勤めになったという方々に対する処遇という者にそう変わりがあるはずはないわけでありまして、たまたま軍人であるがゆえにその当時同じ政府の役人であった文官と、特別な処遇をする、こういうのはいかがかと私ども考えます。もちろんその後に軍人の制度というものがなくなってあと今度比較のものがないわけですから、文官の場合において昔の勅任官と今の局長と比較すると、こういうような問題ほどシリアスな問題はございませんけれども、横の系列におきましては同じ時代に同じ勅任官一等なら一等、高等官三等三級なら三級ということでやはり官吏として勤めておったわけですから、横の系列におきましては同じような処遇をしてしかるべきだと思っております。そういう意味で基本的にはなかなかこれを軍人の退職年金であるから、特にこれは窮屈に考えるというふうなことについては私はなかなかむずかしい問題だとこう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/35
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036・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、やはり基本は、恩給の性格上では、私はいわゆる国家保障と申しますか、そういう面をくずすわけにはいかぬのじゃないか。ただ、時代の変化とともに社会保障的な考慮というものが十分取り入れられていく必要がある、軍人恩給が復活した際にもだいぶこれは、一体社会保障なのか、国家保障なのかといったような議論が当時あったように私は思い出したのでありますが、受給される方の立場から言ってもこれは一般の社会保障の一種なんだ、こういう考え方に立つことについてはむしろ賛成なさらぬ方のほうが多いのじゃないか、あくまでもこれは国家保障という立場においてやるべきなんだ、当時そういう議論のほうが多かったように私は今記憶しておりますが、しかし、時代も変わりますから、その根本は維持しながらも、やはり社会保障的な配慮というものは今後十分これはせられていくべきものであろう、先ほど来そういう趣旨で申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/36
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037・山本伊三郎
○山本伊三郎君 根本的な思想の相違とは言いませんが、考え方は私はあろうと思います。軍隊があった当時のあの俸給というものは、いわゆる任官した上の人には私は個々に調べればいろいろと議論はあるけれども、一応公務員としてのものを扱っておったと思う。兵に至ってはあの当時の徴兵制度から見ると、給与ではないのです、一応給与のような形はしているけれども。これはもう国民の義務として徴兵に服しているのだからということで、ほとんど給与の体系になっておらぬ、今の自衛隊の給与から比較してもそういうことが言えると思います。したがって、私は、そういう上の人について、何といいますか、無理じいにこれをどうこうせよということを言っているのではないのです。あまりに復活した当時の仮定俸給のきめ方が機械的でなかった。やはり兵として——まああのいくさのいわれは別として、軍務に服したということについては私は同じような苦労をしておる、責任の度合いは一応別として。むしろなくなられた数というものはそういう人のほうが圧倒的に私は多いと思う。そういう意味から、最初仮定俸給をきめるときには、そういうことでなくして、新しい角度からそういうものを考えて私は仮定俸給をきめ、もっと兵に厚いような考え方ができなかったかどうかということを言ったのですが、それはその当時における給与を引き伸ばして今に換算してやったんだ、こういうように言うのですが、私はそこに若干の考えの違いがあると思う。それで執拗に私は言っているのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/37
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038・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 兵、下士官——兵、特に応召兵なんかの場合ですね、俸給はほとんど実額としてはなかったようなものでございますが、でありまするから、恩給法の上では、この人たちが戦死された場合、あるいは傷ついていた場合、そういうふうな場合を想定いたしまして、やはり恩給額というものをきめなければならない。その恩給額をきめます場合に、どうしても仮定俸給を作らなければならない。そこで、戦前におきましては、兵長の仮定俸給というものは六百円、月五十円、判任官の下のほうですが、そういうところから上のほうは厚くて親任官の七千五百円の俸給体系ができております。そういうものを基礎に恩給が給与される、こういうことであります。もちろん兵あるいは下士官という方々に対する処遇といたしまして、公務扶助料の受給者である遺族の方々、あるいは傷病者といったような方々につきましては、これを基礎にしてフラットな倍率を掛けるといいますか、割合でもって上も下も同じように処遇をするというのでは、その実額において実情に合わないものになる。そういうような観点から公務扶助料の率にいたしましても、傷病恩給の率にいたしましても、下のほうには厚くするということで、実額が相当高くなるように、現実に合うように逆に率をきめておるわけであります。そういうような意味で、今度の公務扶助料の上がり方にいたしましても、現在の五万三千二百円から七万二千四百円というふうに上げてきているわけでありまして、この金額そのものがまだ低いのだ、というふうな問題は、また実感的な問題としてありましょうけれども、そういうふうな立て方になっておりますから、六百円という額が不当に低いのだ、それからそれを十八号に結びつけてきめたということが不当に低いのだということはまあ当たらないわけだったと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/38
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039・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それならば、今度のこのベース・アップによって今最低のほうが二万円上がっておるのですが、最高のほうで幾らになっておりますか。最低のほうが二万円上がったことはきのう言われたのですが、最高のほうは幾ら上がったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/39
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040・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 上のほうのところでは、大将のところで今まで公務扶助料が二十万五千七百円というのが二十五万九千七百四十八円ということで、五万四千円ばかり上がります。しかし、その中には、普通扶助料部分の上がり、こういうものもありますので、それを差し引きますと、大体四万、三万円ぐらいの上がりになる。若干二万円というものよりも大将のほうが、率からいって——その基礎になる俸給が高うございますから、同じ低い割合でも実額としては多少上がる、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/40
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041・山本伊三郎
○山本伊三郎君 私は、まあそういう点を今までくどく言っておるのですがね。いろいろの事情があるが、受ける金は五万と二万ということの差が出てくるのですね。恩給的な性格から当然だという主張が一貫してあるのですが、今日の実情からいって私はそれはいけないのだ、その見解の相違は、これは平行線かしれませんが、そういうものを続けられていく以上は、問題をなくせよといっても、問題は私は出てくると思うのです。それは上がった額だけであって、すべての支給額から見ると相当大きい開きがある。しかも今言われたのは最低年限の比較であって、それが勤務年限を加算すると、絶対額は相当これは本人に現実に支給する金は違ってきておると見ているのです。そういう点から見ると、やはりこれは今日の恩給というものを是認する立場から立っても、そういうものは根本的に是正されなければならぬという主張を続けておるのです。恩給局長はそれはもうやむを得ないのだという主張を続けれる限り、この問題はあとに残らざるを得ない。今日以後この軍隊という組織が現存してある以上は、これは一応やはりそういう見方もできるかしらぬが、もうすでにこれが徐々に失権をしてなくなってくる過程ですから、やはり根本的に考えなくちゃいかない、こういう思想の対立が私あるのです。これは依然として対立したままであるということでは、われわれとしては承服しがたい。ただ総務長官は、徐々にその点は社会保障的な意味も相当強く入れなくてはならない、したがって、改定ごとに今回と同様に考えていくのだ、こういう趣旨の説明があったのですが、今日これで議論をしておっても尽きないと思う。私はこの問題が今後やられる場合に、政府としては十分考慮をすべきであるということを、最後というわけじゃないのですが、この問題についてはもう一回ひとつ政府の所信をただして次の問題に移りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/41
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042・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 山本先生の意のあるところは私ども十分理解することができるのであります。先ほども申しましたとおり、そのような御意見も今後十分検討いたし、また、改正にあたってはそういうお気持をも尊重いたしていく、こういう方向に持っていくべきだと、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/42
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043・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これはまあそれだけでおいておきましょう。きょうは、下村さんもおられますので、きのうの下村さんの発言はきわめて私としてはあの人の実感を言われておったと思うのです。しかし、全般的に見ると、やはりそれは人間の生活ですから、しかもそういう階級の人が、こういう時代になって、まあ職業についた方はいいけれども、つかれない方は、非常により以上に苦しんでおる実情も私はわかる。そういう人々は日雇い稼業にも出られない、しかも相当社会的な体面を保たなくちゃならないという私は実情もよく理解できます。そんな私はむちゃな議論を言っておらないけれども、それはそれにしても、あまりにも下のほうに対しての考え方が少ないということで、まあ二日間にわたって相当これをついてきたのですが、まあ総務長官の答弁がそういう答弁で、一応私は、了解するわけではありませんが、この問題はおいておきたいと思います。
恩給の問題は終わりますが、ちょっと問題点が急に出てきたやつがありますので、共済組合のことについて大蔵省にお伺いいたします。恩給法の改正に伴って、昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案、ずいぶん長い題名の法律案ですが、これを本人の場合は二万四千円という三カ年計画でやっておりますが、この場合に仮定俸給の額を二万円ベースということに限定されておるのですが、障害年金については二万四千円になっておりますが、これはどういう趣旨ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/43
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044・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) ただいま御質問のございました、二万四千円ベースをこの旧令等の共済組合の年金に適用していないんじゃないかという御質問かと思いますが、一般的にはお説のとおり二万円ベースでございますが、公務上の障害年金、殉職年金あるいは障害遺族年金等につきましては、恩給同様に二万四千円ベースまで上げることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/44
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045・石原幹市郎
○石原幹市郎君 私は恩給関係のことですが、同僚下村委員あるいは松村委員からだいぶいろいろお話がありましたので、私は一点だけただしておきたいと思うのです。それは戦没軍人の妻の立場についてですが、これらの人は戦後十数年、長い間苦労されて今日まで来ておる。今回の改正措置によって若干の増額等が行なわれるのでありますが、長い年月の間に遺児が成年に達しておるとかいろいろのことで、子女加給につきまして、これは衆議院の内閣委員会のほうでも意見は出ておったようでありまするが、そういう実情で、今度幾らか増額になるけれども、一方子女加給が減るというようなことで、実質的には何もふえないという内容が相当出てくると思うのですが、でありまするから、今回の措置についても七十才以上の人には年令的に早めて完全支給をやるというような措置がとられておるんでありまするが、こういう人たちに対しては、これもできるだけ早く完全支給をするような措置をとってもらいたい、こう思うのですが、こういう考え方について伺いたい。
それから同時に、長い間、戦没軍人の妻について別に加給の制度を考えたらどうかということがだいぶ長い間論議されておるんですが、この問題が一つ残されておるわけですが、これらの問題についてあわせて御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/45
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046・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 七十才以上の方に対する完全実施を早めたらどうかというお話でございます。同時に、次には未亡人に対する加給という問題でございます。実は今回の恩給の改正にあたりましても、それらの問題の検討をいたしたのでございますが、三十七年度の問題としましては、恩給全般についてベース・アップをいたす。個々の問題につきましては、いろいろ御意見等もございますが、この際は全般的なことを実施する、そういうこと一本でいこうじゃないかということに、結論的にそういうことになりまして、今回の御提案のごとく決定いたしたわけでございます。しかし、御趣旨の点は私どももよくわかりますので、今後関係当局等とも打ち合わせながら十分検討をいたして参りたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/46
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047・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 今回提案いたしておりまする三カ年実施案、予算的には四カ年実施案というものを検討いたしておりますさなかにおいて、いろいろな考え方が出て参りましたのですが、七十才以上の方に三十八年十月から全面的に全額実施せよという考え方が出ましたのは、これは遺族の方々の中であるいは一般の退職者の方の中で七十才と申しますと、もうだいぶ平均余命から申しましても乏しくなっている。できるだけ早くこういう増額措置を均霑させるべきである。こういうような意見が強うございまして、そういうものを反映させたわけであります。かたがた七十才以上ということを考えましたことは、いわゆる国民年金の併給問題というものが現実問題として差し迫っております問題でございますので、できるだけ早く国民年金併給の声と合わせて、こちら側のほうでも、七十才以上の方々につきましては、金額を引き上げる措置をいたそう、こういう考え方で、七十才以上の方々について三十八年十月から全面的に増額する、こういうことに繰り上げたわけでございます。ただいまのお話では、戦争未亡人の方々につきましては、やはりこういう方々と同じように苦しい事情にあるということで、三十八年の十月から七十才以上の方々と同じようにやったらどうか、こういうお話でございますけれども、まあこれは将来予算の編成というものとにらみ合わせて、また検討の素材になるということもあり得ると考えている次第でございます。御趣旨の点は十分承っておきたいと思います。それからまた、未亡人について特別に加給金をつけるという問題については、筋の問題としてどうだろうかということでございますが、私ども一行政技術屋といたしましては、遺族の中で特別に未亡人だけを、妻だけに特別な額を設定するということにつきましては、一般の退職年金法あるいは社会保険的なそういった年金法におきましても、遺族の中で妻だけに特に特別な額を設定するということの思想は出ておりませんので、全体の体系に響く問題であると考えますので、慎重に考慮しなければならない問題だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/47
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048・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 手前の審議は、この程度にとどめ、午後一時三十分から再開いたします。暫時休憩いたします。
午後零時二十八分休憩
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午後二時二十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/48
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049・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を再開いたします。
午前に引き続き恩給法等の一部を改正する法律案及び昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案を一括して議題といたします。
政府側から御出席の方は、佐藤総務副長官、八巷恩給局長、大蔵省主計局平井給与課長でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/49
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050・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それで恩給はちょっと休んで、共済組合関係をひとつ聞きたいと思う。先ほどちょっと、午前中聞いたんだが、要領を得ない答弁で打ち切ったのですがね。これは何ですか、二万円ベースに引き上げるというのは、障害年金以外のものは二万円ベースに増額する、それは恩給法の改正に準じてやる、こういう趣旨に聞いたんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/50
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051・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) ちょっと私説明が非常にまずうございました。もう一度補足さしていただきたいと思いますが、一般的には二万円ベースでございまして、公務に基づく傷病または死亡を給付理由とする年金については二万四千円ベース、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/51
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052・山本伊三郎
○山本伊三郎君 二万円ベースと言ったって、すでにだいぶ前のもので、これは当然二万四千円ベースをわれわれ主張しておるのですが、障害年金、これは公務によるものが重点になっておると思うのですが、これはやはり二万四千円ベースに引き上げなくちゃ合理性がないと思うのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/52
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053・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 公務による障害年金につきましては、二万四千円ベースに引き上げてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/53
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054・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それ以外のものも二万四千円の線にしなくちゃならぬという私の主張なんだが、それに対するお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/54
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055・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) この点につきましては、従来とも恩給と並行した考え方で進んで参りましたので、今回におきましても、やはり公務外については従来と同じような考え方で二万円ベースに引き上げたということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/55
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056・山本伊三郎
○山本伊三郎君 旧共済令による仮定俸給はきわめて悪いんだな、恩給の場合もそう言えるのだが、なお一そう低いのですよ。したがって、廃疾年金なんかを見ますると、これは公務外ですが、きわめて悪いんです。それで今度の仮定俸給が変更されて、最低どれぐらいに二万円ベースでなるか、それを一ぺん調べて答弁願いたいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/56
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057・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 公務外の障害年金の場合は、たしか二カ月分であったと思いますが、仮定俸給のほうも二カ月分ということになりますと、別表第一に掲げてございます金額の二カ月分でございますから、最低一万四千三百三十四円程度というわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/57
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058・山本伊三郎
○山本伊三郎君 遺族年金も大体業務外は二カ月ということになっておるのですが、そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/58
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059・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/59
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060・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、これはいろいろ私資料もらって調べておるんですが、給付額が二万四千円、たとえば仮定俸給が九千八百五十円に今度なるんですが、仮定俸給が一人で一万円、これは月額ですが、これを年額に直して二カ月で二万四千円という程度のものが九万人もおる。給付額が年額で一体二万四千円で、遺族の人がどんな生活ができるか、月に二千円なんです。こういう状態というものは、一体改正案を出すときに認識して出しているのかどうか、この点ひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/60
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061・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 遺族年金につきましては、大体恩給の考え方にならって出したものでございまして、なるほど御指摘のように、非常に金額的に低いものもあることは事実でございますが、まあこういった年金制度というものは、それをもって生活の全般を補うというのではなくして、ある程度生活の補てん的な意味というふうに考えられますので、今回に限って特別に例外を設けるということにはいたさなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/61
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062・山本伊三郎
○山本伊三郎君 私は例外を認めるとかそういうことではなくて、現在の生活保護法による給付でも、このような保護的な給付でも、こんな額というものは私はないと思うんです。それをこういう改正のときにこういうものが残るということは、私はほかにも影響するし、しかもそれが遺族の人が九万人もおるということなんです。月額二千円の遺族年金、先ほど恩給の場合に、公務扶助料のときに申しましたが、あの場合でも、七万円にしても月に六千円弱にしかならない。そういうものが公然と法律改正だといって出される場合に、われわれとしてそういうものが妥当とかそういうことよりも、現在の生活の実態で月二千円くらいで生活の補助——もう子供の小づかいでも二千円くらいは私は要ると思うんですね。そういうことでわれわれとしては、実は納得できないんです。しかし、若干でも上がっているじゃないかということになれば、それはこの場合でも八千百円から九千八百円ですから、約千七百円ほどこれは仮定俸給を上げておるんです。もともと給付額が低いから、こういう状態でいくと思うんですが、こういうものでいいんだ、そういうものはもう二千円くらいでこれはしんぼうすべきだ、大蔵省は根本的にそういう考え方であるかどうか、そういう点をちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/62
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063・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 確かに先生御指摘のように、そのような低額でいいのかという御意見でございますならば、私どもとしても、できるだけそうでないほうが望ましいというふうには考えます。ただ、全体の体系の中で考えます場合には、現在の法律の建前といたしましては、今のところ、特に例外を設けることはいたさなかったというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/63
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064・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この前の恩給のときにも申しましたが、最低は仮定俸給が七千百六十七円、これは月額ですが、最高の場合は七万五千円、これも十倍くらいになっておるわけですね。こういう恩給の場合には、先ほど恩給局長が、だいぶ私らと意見が違うが、説明されたが、われわれは納得しておらないのですが、少なくとも共済制度だというものについて、これはまた同じような比率でこれを大きい差をもってやるということについては、実際われわれとしては常識上考えられない。われわれとしては、こういう点についてはやはり今後改めなくてはいかぬと思うのですが、すべてこういうものは恩給に準じてということで、全部法律の改正が出てくる。独自のこういう共済組合法について矛盾を直すということは大蔵省は言わない。すべて恩給法の改正に便乗する。便乗するとは言わないが、内容的に非常に不合理な点までも同じような形でやってくる。こういう点については、大蔵省としてはどうなんですか、あまりにも、そういうことを言うといけませんが、便宜主義じゃないかと思う。この点どういう考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/64
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065・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 御指摘のとおり、本来共済組合制度においてこういつた形が妥当であるかどうかという点については、確かに先生の御意見ごもっともなところがあるのでございますが、ただ、御承知のように、現在のこの法律の対象といたしておりますのは、旧令による共済組合、つまり旧陸海軍の工廠等の工員の方々、あるいは外地の共済組合の組合員、あるいは国営時代の八幡製鉄の工員であった方々ないしは国家公務員共済組合法等の旧法時代の雇用人の方々についての法律でございまして、率直に申し上げまして、現在の国家公務員共済組合法あるいは公企体共済組合法等の考えておりますところの、いわばある程度保険数理を基礎として社会保険の体系の中でものを考えていくと申しますよりは、いずれかと申しますと、官吏について恩給制度があり、それに代替し、補完する制度として、雇用人等について共済組合制度を持ってきた。こういうような考え方が非常に強かったわけでございまして、その限りにおきまして、これらのいわゆる旧法時代の組合員につきましては、恩給に準じて考えるという考え方を従来とって参ったわけでございますし、今回もこれを踏襲したわけでございます。また、いわゆる旧令ないし八幡の共済組合の方々については、現実の問題といたしましては、すでに実態的に見れば、いわば恩給に準ずるような形のものになっておりまして、その点から見まして、恩給法と同じような考え方で進むのが妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/65
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066・山本伊三郎
○山本伊三郎君 恩給の場合には、また恩給としての、先ほどいろいろ言ったように軍人恩給の場合にはまたそういう特殊な事情があるが、こういう旧令共済組合、これはもちろん恩給に準じてその当時作ったこともわかります。しかし、いずれにしても、これほど大きい格差、しかも、下のほうの給付といえば、常識上考えられないような金額で、しかも、これは改正されるんだというのでは、われわれ法案審議に当たる者としては、こういうものがよろしゅうでございますというような形で私は済まされないと思う。実際、金額から見てそういう点にわれわれは不合理があると思う。したがって、この問題については、大蔵省として、今申しましたように、しかもそれをいろいろの関係で障害年金、公務扶助については二万円を二万四千円とするが、ほかのものは二万円というベースでおくのだという考え方であれば、なおさらわれわれとしては異議がある。これについて、もう少し、この原案に対しわれわれが異議を唱えた場合、考慮する余地があるかどうか、これをもう一ぺん聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/66
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067・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 先ほど恩給に関連した御議論の際にございましたように、軍人恩給等につきましても、本来の恩給の体系から漸次社会保障の体系の中でものを考えるというふうに、漸進的に移行しつつあることは、私ども承っているところでございます。私どもといたしましても、将来の方向といたしましては、こういった恩給の性格の漸進的な変更に伴いまして、これらの旧令の共済組合員等の処遇についても考えて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/67
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068・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これについては、またあとでやりますが、それともう一つ恩給に準ずる、恩給に準ずるということで、非常に意外に思うのは、廃疾年金の実施にあたっては、二段階、三段階に分かれてやっている。七十才以上の者については、昭和三十八年十月で一年早く完全に給付をやる。しかし、それ以下の、六十九才以下の者は三十九年十月まで、一年間あとにするのだ、こういうことが出ている。ほかの給付であれば、あるいはまた、こういう軍人恩給のような年令による差別も、われわれ反対なんです。反対なんだけれども、そういうことも考えられるけれども、廃疾年金というものは、六十九才以下でも両足をなくしている人、こういう人については、もう労働能力というものはほとんどない、そういう人にはいわゆる三十九年十月まで、七十才以上になればそういう廃疾の程度、そういうものも何も考えずに、これが七十才以上という画一的な考え方で一年間早くこれが完全実施しようという、こういう思想はどこから出てきているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/68
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069・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 率直に申し上げますならば、従来の沿革的な考え方を踏襲したということになるわけでございまして、実態的に見ました場合に、公務による廃疾の場合と、公務外の廃疾の場合にどのようにバランスをとって考えるかという点は、確かにごもっともなところもあろうかと思います.今後においてその点十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/69
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070・山本伊三郎
○山本伊三郎君 今後々々、いつでも今後がつくのですが、また出てきたときに、やはりこういうものがいつも出てくる。ほんとうにまじめにそういう点を受給する立場の人のことを考えて一体原案を作っているのかどうか、大体よくなるのだからこの程度だということで一体七十才ということ、先ほど恩給局長は国民年金の関係の併給の関係から七十才ということを考えた、そういうものの基準を考えるよりも、実際の受給者がどういう実態にあるかということを考えて私はこういう年次計画のやり方を考えなくちゃいかぬと思うのです。七十才以上でも、ある程度完全な人であって、また、身寄りの関係なんかで、七十才以上だから苦しんでいるというわけではないと思う。六十九才以下でも両足をなくして、全く困っている、生活に困るという人はだくさんあると思うのです。そういうものを合理的に、ばく然とではなくして、合理的にそういう実態を考えてこういう年次計画をやはり立てるというのが、少なくともこういう法律案を作る担当省としては考えるべきではなかろうかと思うのです。ただ、恩給のほうで七十才というから七十才だというような考え方では、これはわれわれとしては納得できないのです。大蔵省としても、給与課長も相当そういう点では私はくろうとだと思いますが、それなのにそういう点が僕はどうも納得できない。毎回というものが出たときに私はこれを言うので、だいぶ何といいますか、目星をつけられているようですが、私は合理的なものであれば、現段階において若干の無理といいますか、金額においても、こんなものではと思っても私は納得するのですが、案自体のやり方に私は合理性がないと思うのです。実際に両足なくして、ようやく若干今度上げてもらえるという期待をもっておる人が七十才以上でなければならぬという、こういう年令を画一的に切ってそうしてやられるということについてどうも私は役所式と申しますか、何か実態を十分認識せずにやられた改正案だと思う。少なくともこれについてどう考えられるかということと、大蔵省は財政当局だからそういう七十才以外に、六十才以下でも傷病の関係、廃疾の程度、これを一等と二等その他考えて、一等級のものだけを七十才以上に入れた場合に一体幾ら財源が要るか、二等級の廃疾の程度を入れたらどのくらいの金が要るのか、その点、概算でいいからちょっとお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/70
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071・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 最後の数字の点につきましては、ただいま手元に数字がございませんので、今直ちにはちょっとお答えいたしかねるわけでありますが、第一の点につきまして、確かに七十才という年令についてどう考えるか、ことに公務外の廃疾年金についてどう考えるかという問題は、私ども先ほど申し上げたように確かに先生御指摘のような点もございますので、今後十分考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/71
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072・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは廃疾の場合には私はそう数はないと見ておるのです。もう一等級といえば両足両手という程度です、ないと思う。また、二等では片足、片手あるいは片目ですか、そういう程度だからそう私はないと思うのです。私は財政的にはそう影響しない、しかも数少ないけれども、本人にとってはもうこれは唯一の望みをかけおる給付ですから、それくらいのものは何も恩給が七十才以上という限定でやっておるからどうこうではなくして、恩給の場合も、あとでこれは恩給はこれでいいと言っておらない、そういうことは何か役所式ということが当たるかどうか知りませんが、画一的にやるというような、少なくとも社会保障的な考えの一端をすら持っておるとするならば、常識的にそういうことはわかると思う、何のためにこういう年金を出しておるのか、一体その年金というのはどういう意味を持っておるのか、こういうことを考えれば私は大蔵当局でも私の言うことはわからぬことはないと思う。それが膨大な何百億という金が要るなら別として、それほど要りません、金額においてはおそらくわずかだと思う。もしよけい要るならばその数字をひとつ知らせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/72
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073・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 先生のお考え方は一々ごもっともでございます。まあおそらく財政的に見ましても今、私手元に数字がございませんのですが、きわめてわずかな額であろうと思います。ただ、考え方といたしまして、従来と変わった考え方をとるかとらないかということにつきまして、私どもの検討不十分であることも事実でございまして、今後におきまして、十分検討させていただきたいと思います.発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/73
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074・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは給与課長には、まあ私は、そういう質問は無理です、また、大蔵大臣来てくれと言ってもなかなかそういうことにはいかないのですが、十分考えると言っても、これは会期が迫っておるから、そういうことを言っていいかどうか、聞けるかどうか知りませんが、そういう程度のものだけでも修正ということには、給与課長の答弁はむずかしいと思います。まあ事務当局としてあなたどういう考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/74
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075・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) まあ考え方としましては確かに先ほど申し上げたとおりでございますが、今直ちにこれをどうこうするということもなかなか私どもといたしましてはちょっとお答えしかねるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/75
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076・山本伊三郎
○山本伊三郎君 国務大臣おらぬのだから、それは私は無理だと思うでのす。そういう答弁はできないというのですが、総務長官は——副長官でもそれは無理だと思うのですがね、条文の修正は、これは簡単なんですがね。これはまた与党の皆さん等といろいろ話をしてごもっともだと言われた場合には政府としてどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/76
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077・佐藤朝生
○政府委員(佐藤朝生君) これは、この問題、大蔵省所管でございまして、私からちょっとそれがよろしいというお答えをいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/77
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078・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは、無理だと思って、質問しておるのですけれどもね。大臣もおらぬから仕方がない、あなたに言うよりしょうがない。大臣早う呼んで。総務長官まだ来ないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/78
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079・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/79
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080・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記とって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/80
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081・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ今の問題、ちょっともう少し続けますがね。今回の法律改正で、予算が、額がついておるのですが、これは参議院の内閣調査室でやったのですが、平年度、旧令共済分が一億九千百万円、八幡共済分が千七百万円、旧法分一億三千四百万円、その旧令共済分はわかるのですが、旧法分というのは国家公務員の旧恩給法に基づく費用の総額と、こういう意味ですか。旧法分というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/81
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082・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 旧法分と申しますのは、官吏につきましては昭和三十四年十月から、雇用人につきましては昭和三十四年一月から新法に移ったわけでございまして、旧法分と申しますのは、雇用人の昭和三十三年の十二月までのものというふうに理解していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/82
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083・河野謙三
○委員長(河野謙三君) この際、山本君要求の入江人事院総裁、瀧本人事院給与局長が出席されましたことを御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/83
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084・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ、人事院総裁、時間が非常に忙しいようですから、今のやつちょっと中途にして伺いますが、実はお忙しいのに来てもらったのほかじゃないのですが、あなたのほうの管轄外だと私は思います。思うが、人事院は公務員についてのすべて給与とか、そういうものを扱っているところですから、参考までに総裁の意見を聞いておきたい。この軍人恩給を含めて恩給法のベース・アップ、また、言われた旧令による共済組合におけるすでに給付の発生した人の年代によって、物価指数その他によってのベース・アップが出てきますが、先ほど総理府総務長官に聞いたのですが、これは将来ともこの限りのものでない、将来とも給与も上がっていくし、また、物価指数も変わっていく。現在公務員でないけれども、かつての公務員、そういう者に対してはやはりベース・アップをやっていくべきであるという、そういう思想にわれわれは立っているのですが、これに対して人事院総裁は、責任ない立場であるけれども、どう考えておられるか、ちょっと聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/84
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085・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) あるいはお伺いを間違いましたらお許し願いたいと思いますが、国家公務員につきましては、御存じのとおり、ただいまお話のとおり、現在の者につきましては共済組合制度、それ以前の者につきましては恩給制度が適用せられまして、恩給制度につきましては、今度まあベース・アップされているわけでありますが、今のお尋ねの地方公務員についても一じゃないのでございますか、国家公務員についてございますか——国家公務員につきましては、現在の政府の方針に私ども同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/85
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086・山本伊三郎
○山本伊三郎君 念を押しておきますが、これはあなたのほうが責任部局というか、担当ではないですから、ただ、まあ公務員の給与とか、そういうものを扱う所としての参考の意見を……。この改正は、軍人の場合は戦後二回行なわれてきておる。三十三年と、まあ本年ですね。ベース・アップがそういういろいろの要請——要請によってというよりも、必要によってやられるのですが、私がお尋ねしているのは、将来、やはり依然としてこういう問題が出てくる。これで終わりでない。したがって、将来ともそういう必要性があるだろうということを言っておるわけです。それを参考までに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/86
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087・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) まあこの問題は、ただいま、よく御存じのとおり、恩給は恩給法といいますか、戦前、政府の所管になっておりまして、私どもは御存じのとおり、もと恩給というのが国家公務員にございましたけれども、あれはまあ年金ということになり、さらに勧告いたしましてそれが共済組合になりましたので、今、この人事院所管以外のことにつきましていろいろ申し上げることはいかがかとも思いまするし、できればひとつ御遠慮さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/87
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088・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃわかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/88
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089・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 関連しまして……。これは恩給法が今の共済制度の退職年金に変わりますときに、人事院がそれを勧告したんだと……そうでございますね。その場合に、勧告なさったわけですが、その後、この問題については、人事院は全く権限がなくなっているわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/89
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090・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) 大体、こういうふうに思っておりますのでございますが、御存じのとおり、もとの公務員法は恩給制度でありまして、それについて人事院は恩給制度を十分調査して適当な案を勧告しろという規定が公務員法にございました。それで、研究いたしました結果、いわゆる恩給制度といいますか——恩給制度というものはやはり合理的なものでなければならぬということで、退職年金制度として勧告いたしましたのです。これは、大体三点重要な点がございまして、官吏、雇用人の身分の撤廃、それから保険数理に基づく長期計画の樹立、それからつまり拠出制度の確立、こういう三つの要点で、退職年金を勧告いたしました。ところが、それが二十八年でございましたが、しばらく国会並びに政府がお取り上げになりませんで、それで共済組合制度というものがきまりました。まあ率直に申しますと、人事院といたしましては、いわゆる国家管掌による年金制度というものが適当だと思いましたのでございますが、まあ国会の御意思で、結局、まあ国民の御意思として、共済組合制度として確立されまして、それと同時に、人事院のいわゆる年金制度についての年金というのは、国家管掌による年金といいますか、恩給でございますか、それに対する勧告権といいますか、勧告の立場というものは、公務員法でも削られまして、ただしかし、公務員の退職後の給与というものは、公務員全体の問題として重要な問題でございますから、将来、現在できております共済年金制度について、何か人事院が特別な意見があるときには勧告することができるという、前とちょっと違った意味の規定が設けられているわけでございます。ですから人事院といたしましては、共済組合制度について特別な見解があれば、勧告し得るわけでございますが、しかし、これはそういう沿革がございまして、直ちに現在の共済制度のことについて、幾ばくのことを申し上げるという権限はないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/90
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091・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それでそういう経過からいいまして、さっき山本委員が御質問になったのですが、そういう勧告をなさったときに、昭和二十八年、そのころから見ましても、物価の上昇というものは当然想定されることでありますし、将来にわたり、恩給あるいは退職年金というものは、非常に長年にわたる問題でありますから、あるいは公務員の給与というものもやはり漸次上がっていくわけですし、そういうような状況を考えましたときに、人事院が勧告をされた場合に、そういう物価が上がっていく、あるいは公務員の給与が上がっていくその中で、一体その退職年金なり、そういう類似したものは、どう処理したほうがいいかというお考えはあったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/91
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092・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、人事院の、いわゆる国家管掌による年金制度を勧告いたしますときに、今お話のとおり、つまり退職者のいわゆる退職後の給与というものを、物価とかあるいは現職者の給与にスライドといいますか、をすべきかどうかという問題は、一つの議題としてはいろいろ研究いたしました。しかし、この問題は御存じのとおり、なかなか給与全般については非常にむずかしい問題でございまして、いわゆる過去にさかのぼるということを機械的にやるということは、なかなかこれはいろいろ問題がございます。いろいろな問題に波及いたします。そういう意味で、この問題は勧告には盛りませんで、やはり給与一般と申しますか、年金制度に限らず、過去にすべてのことをさかのぼっていくということは、非常に重大な問題でございますから、そのときそのときで、やはり研究したほうがいいのじゃないかという結論に達したわけであります。
現在の恩給の問題は、政府のほうでお考えになっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/92
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093・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もう一つ聞きますが、大体ほかからも聞いておるのですが、人事院は専門ですから、ちょっと確認するために聞くのですが、二万円ベースというのは、国家公務員の勧告をされる際の何年度のベースになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/93
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094・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) まああのベースという言葉は、よく用いられるのでありますけれども、従来人事院が勧告いたしましたものも、一律に、現在ある時点の体系を一律のパーセンテージで上げるというようなことは、まあいたさなかった。やはり体系是正俸給表によりまして、改善の度合いを変える、いろいろなことをやったわけであります。現在ベースという呼び方は非常に不正確だというふうに思いますけれども、今おっしゃっております二万円ベースとまあ俗称されるものが、いつごろのものである、これはいろいろ見方によって違うのでありますが、まあ大体政府筋でお考えになっておりますところは、三十四年当時の公務員の給与体系、そのときの給与体系並びに水準をさして言っておられるように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/94
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095・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それは三十四年に二万円ベースということですが、それじゃ聞きますが、今一体幾らのベースになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/95
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096・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) 現在幾らベースになっているか、これは先ほどから申しておりますように、ベースという言葉が、非常に各人によりまして違うわけですが、現在の公務員の平均給与ということになりますと、これはまたたとえば非常勤職員の定員内の繰り入れがあるというようなことになりますと、平均ベースがぐっと下がるというようなこともあるわけでございますが、現在まあわれわれが昭和三十七年一月現在というくらいで、いわゆる基準内給与というもので、どれくらいになっておるかということを想定いたしておりますが、おおむね二万五千円程度になっておるのではなかろうか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/96
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097・山本伊三郎
○山本伊三郎君 まあそれはベースのとり方には、それはなかなか、われわれもだいぶやっていますが、問題があるが、この問題については、一応人事院についてはそれだけのことだけ聞いておきます。
それで、実はきょう来てもらった問題は、国会の会期末も非常に迫ってきましたので、恩給法の問題をやっていますが、いっそういう機会があるかわからないので、本院でいろいろ問題になっておった寒冷地の問題について、いまだ人事院はこれに対して結論を下さずにやっておられるのですが、本年、この第四十通常国会の締めくくりとしてやはりやっておかなければいけないと思うので、実は来ていただいたのですが、この前の国会では、議員修正ということでいろいろ問題が出たのですが、ああいうことになって幕切れになった。人事院として、寒冷地の支給率の改定についてはどういうお考えで今現在おられるか、この点をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/97
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098・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、先般当委員会でもちょっとお答え申し上げさせていただきましたのでございますが、まあ率直に申しまして、いわゆる支給割合の増加という問題につきましては、国会においても非常な御要望もございまするし、公務員組合その他からも非常な御要望もございます。それは十分承知いたしながら、人事院といたしましては、やはり勧告というものの性質上、一つの合理的な理由が要ると申しますか、それでいろいろ給与局でも検討いたしましたし、また、検討いたしておるのでございますが、御存じのように、光熱費でございますとか、寒冷に伴う消費生活生計費でありますとか、あるいは消費物価指数というものから考えますと、現在二十四年あるいは二十九年を基準いたしまして線を引きまして、支給割合を増加しなければならぬという結論に必ずしも到達いたしません。まあそういうわけで、私どもとしては、どうもこの資料が、現在の段階におきまして支給割合の増加を国会に、あるいは政府にお願いするのにはどうもちゅうちょされまするし、一面、この国会の附帯決議などもございまして、いろいろ苦慮し検討しておるというのが実際の段階でございまして、早急に結論を出すということはちょっとむずかしいような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/98
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099・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記を落として。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/99
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100・河野謙三
○委員長(河野謙三君) それじゃ、速記をとって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/100
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101・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そういうことはまあ大体言われておるのですがね。もう国会もすでに——おそらく人事院総裁に来てもらうのはこれが最後だと思うのです、本国会においては。したがって、私は、特に来てもらったのですが、とにかくこれはもう多年の懸案になっております。で、われわれとしては、抽象的な文言でもいいから、一応政府なり国会に対してそういう意見書なり出してもらって、その上で国会なり政府が判断するという一つの方法もある、確実な数字というものがなかなか出ないというなら。その事情を十分調べてですね、われわれとしてはもうやらなければならぬという一つの意見を持っている。これは残念ながらこの問題については、人事院が勧告しない限りは政府が取り上げないという悪い慣習になっている。別に勧告がなくても、政府なり国会で取り上げたって違法性はないと私は判断する。ところが、どうしても人事院の勧告という段階を踏まなければ、国会もあるいは政府も取り上げないということになっている。やはりあなたのほうが一つの関所になっている。その関所のところで、それが今言われているように、あれやなしこれやなしといって、一年も二年もいうておられると、われわれとしては非常に困る。その点で、とにかく早急に出しがたいだろうけれども、いずれは結論を出してもらわないと困る。その時期は大体どれくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/101
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102・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) いつごろになりますか、はなはだどうも御期待に沿えませんで恐縮いたしますが、いつごろになるということは、まだちょっと申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/102
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103・山本伊三郎
○山本伊三郎君 そうすると、反対に考えると、悪く考えると、じゃあもうそれはだめなんだ。人事院では今のところ勧告には自信がない。だから先ほど言ったように、国会なり政府で勝手に考えてもらったほうがいい、そういうことに解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/103
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104・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) この問題は、先ほどお話のとおり、人事院が勧告いたさなければ政府なり国会がお取り上げになるかならぬかは別問題といたしまして、人事院は人事院として、公務員の給与の問題として、必要があれば勧告する義務があるわけでございますから、決して政府なり国会で適当にお考え願いたいというようなことは考えておりません。やはりこれは私どもとしては、どこまでも取り組んでやっていきたいと思っております。そういう意味で、何といいますか、国会の附帯決議もあるということでございますし、いわゆる投げ出しておると申しますか、そういうことは決してございません。ただ、なかなか、先ほど申し上げたような点もございまして、いついつまでにやるかということがお答えできないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/104
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105・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは給与局長と人事院総裁にお答え願いたいのですが、この問題について相当熱心にやられておるとは聞いているのですが、はたしてどの程度まで作業が進んでいるか、全然やるかやらぬかという一つのあなたらの頭の中の判断がまだできないというのか。これはある程度国会の、今総裁が言われましたように、附帯決議があるのだから、何かやはりやっていかぬといかないという意味の調査を進めて、作業をやっておられるのかどうか、この点ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/105
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106・瀧本忠男
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院といたしまして、ことに事務当局であります給与局といたしまして、いろいろ問題をかかえているわけでございます。二六時中この問題をやっているというわけではございません。ただ、われわれとしましては、やはりただいま総裁からお答えがございましたように、多年の懸案であるということも十分承知いたしておりますし、特にそういう強い国会の御希望があって、附帯決議になっておるということも十分承知いたしております。で、われわれといたしましては、ただひとつ理屈がっかなければなかなかこの勧告ということはむずかしいのではないかという観点から、たとえば先ほどちょっと総裁が申されましたが、二十四年当時、あるいは二十九年というような時点をとりまして、そうして寒冷増高費の増加がどのように上がっているかというようなことにつきまして、また、定率できまっておりまする寒冷地手当、これは薪炭、石炭というようなものもあわせて考えるわけでありまするが、そういうものが定率できまっておりますから、率としては変わっていないわけでありますけれども、本俸のほうが累次の給与改定がございましたので、そのためにやはり金額としては上がっておる。その上がり方がどういう状況であるか、こういうようなことを対比して研究をする、あるいは総理府統計局で出しております生計費調査、寒地と暖地とを分けまして、これは個々の都市ということになりますると、またそれぞれ生活態様の違い等もありまするので、たとえば暖地に東京都を加えて考えますると、これはちょっと比較が必ずしも適切でないというようなこともございまするので、この寒地に対応いたします都市に相当いたしますような暖地の都市というものをとりまして、一つ一つ比べると、これまたいろいろなでこぼこがございまするので、そういうものもまとめまして、いわゆる寒冷増高費というようなものを分析し、それらが一体寒地と暖地とどのような違いがあるかというような調査もいたしておるのでございます。また、別途これは、多少資料が十分でございませんので、われわれ自信を持って公表するという程度にまだ至っておりません。まだ現在この資料等を追加して、ずんずんもう少し精度を高めるような研究もいたしておりますが、たとえば一つの想定いたしました住居といいますか、室といいますか、壁面ないしは天井というようなところから熱が逃げていく度合いでございます。こういうようなものがどれくらい逃げていくか。また、その室温を、たとえば十六度とかあるいは十八度というようなことに保ちますためにはどれくらい熱量が要るものであるかというような問題、その熱量を金額に換算してみればどういうことになるのであるかというような問題、あるいはそのほかの、たとえば防寒、あるいは雪等があります場合には、外出の際に長靴でありますとか、あるいはかっぱでありますとか、そういうようなものも必要なわけでございます。そういうものの耐用年数等も想定いたしまして、そうしてこれを金額に見積もってみればどういうことになるか。いろいろな角度から研究いたしておるのでございます。で、先ほど総裁もおっしゃったように、現在の研究の段階におきましては、なかなか——それではこれは勧告することにきめようという結論にはなかなか達しないのでございますけれども、まあ、現在で研究が終了しておるわけではございませんので、この上さらに十分検討いたしたいということで研究を進めるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/106
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107・山本伊三郎
○山本伊三郎君 その点は了解はできました。それほど熱意を持ってやっておるという点は了解します。しかし、私はたびたび本委員会でも言うように、寒冷地手当はあれは議員立法でやられた。その後人事院で引き続いてやっておられるわけですから、これは人事院の立場は私は了解しておる。ただ、当時、寒冷地の法律が制定されたときと考え方がだいぶ変っておる。寒冷の度合い、日照の度合い、積雪の度合い、そういう暖地と寒冷地帯との間における差や、そういうものだけではなく、生活全般に及ぼす寒冷地と暖地との相違、そういうものもひとつ入っていい要素ではなかろうか。こういうことをわれわれたびたび主張しておるわけです。したがって、先ほど局長が定率で言っておるから、給与が上がればそれだけの金額が上がるということは、これはもうわれわれ百も承知した上なんです。そういう上で、なおかつ定率を引き上げなくちゃならぬという主張はそこに一つの要素がある。したがって、その点も今言われた中には、かっぱとかあるいは長靴あるいはその他室内の設備の状態、こういうものを調べておるんだということは、その意味でわかるのです。われわれといたしましては、そういう観点から一日も早くひとつ結論を出して、人事院がこういう状態でわれわれの言っておる主張も加味されて、こういうことで、なおかつ定率を変える必要はないんだという結論なら結論でいいのです。国会へ出してもらったら、われわれはそれを中心にまた国会自身でやるし、また政府自身もやる。総務長官、あなたは担当だからよくそこで聞いておいて下さい。そういう点で、私はこれはもうすでに二年かかっていると思う。幸いして、その間に石炭手当、薪炭手当が一部上がりましたから、われわれもその点においてある程度考えておるのですが、もともと寒冷地はそのまま残されておる。そういうことですでに本国会中には何らかの形が出て、本委員会でそういうことの対象について政府といろいろな意見の交換ができるだろうと思って喜んでおったが、もうすでにこの国会も終わる。今の人事院総裁の話では、ここ一週間のうちに出るという見通しは私はないと思う。次の国会、また次の国会ということで、非常に問題があとに残る。この点については、私の言っていることがわかるのかわからないのか、先ほどの総裁の言うことを聞くと、こんなものはどうも出すことはできないのだという印象を受けたのですが、今の局長の説明で大体わかったのですが、これはあなたに対する質問は本国会の最後になりますが、その点についてもう一回人事院総裁からこの取り扱いについての態度をひとつ説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/107
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108・入江誠一郎
○政府委員(入江誠一郎君) すでに先ほど来申し上げましたとおり、いわゆる資料を出しまして、人事院としては勧告はできないという意味の資料を出しまして、御審議を願うというような気持は持っておりません。これは御指摘のように、先ほど給与局長からるる申し上げましたように、非常に研究すべき要素もたくさんございまして、今後さらに御趣旨を考えながら検討を進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/108
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109・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/109
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110・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/110
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111・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃ、恩給のことをまた質問いたしますが、今度の改正のベース・アップの要点を見ますと、公務扶助料、それから増加恩給、傷病年金、これらについては一応二万四千円ベースを基礎に考える。それを年次計画にあげていく、こういうことです。その他のものは二万円ベース、こういう思想なんです。そういう普通恩給と公務扶助料、増加恩給並びに傷病年金、これらについての等差、差別をされました理由は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/111
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112・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 今回、昭和三十三年に実施いたしまして、一万二千円ベースが一万五千円ベースにベース・アップした以後のいろいろ公務員の給与の上昇あるいは物価水準の上昇等から考えまして、さらにベース・アップしなければならない、こういうように考えたわけでございますが、全体の思想といたしましては、提案理由にも書いてございますように、公務傷病あるいは公務死没者の遺族に対する恩給につきましては、できるだけ処遇を厚くしていく、こういう考え方を立てたわけでございまして、一般の恩給につきましては二万円ベース、いわゆる昭和三十四年十月一日の恩給から共済に切りかわった時期における給与水準まで引き上げていこう、また、公務傷病あるいは死没者の遺族につきましては、それから先の昭和三十五年十月一日の給与水準のところまで引き上げていく、まあ一歩前進して、裏を返して言えば、一般の恩給については二万円ベース時代にがまんしていただく、こういうようなことで、その間の取り扱いが違うといえば違うわけでございますけれども、そうした重点をこちらのほうに置いたということで今回の措置ができているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/112
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113・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは、そういう区別をしたというのは、公務扶助料とか、あるいは増加恩給、これはいわゆる負傷者とかそういう人々、傷病年金、こういうものを優遇するというような印象にとられるが、私は決してそうじゃないと思う。当然二万四千円、先ほど人事院に聞くと、今日二万五千円になっている、これは実態よりずっと低いと思う。この対象の人を考えれば二万五千円じゃないと思う。二万五千円の中には、恩給の対象にならない低い給与の方々も含めて出している給与であると思う。それに対しまして、それより低い二万四千円にしても今の給与より低いのですから、当然今後公務扶助料の人は、優遇じゃなくて、これは当然のことだ。普通恩給の場合もこれに合わしてやらなければならない。もし公務扶助料とか、そういう特殊な、何といいますか、戦地でなくなった人に対する扶助料、そういうものに対して優遇するというならば別途に私は考えるべきだ。当然われわれの主張からいえば二万四千円ベースにこの際上げるべきだ。そうでなければ、先ほども聞くと、三十四年度は二万円ベースであった、一般公務員が今後改正されるかどうか知りませんが、私言いましたように、おそらく三年計画で段階的にやられるのだから、三十九年以前にこの改正案を出す、政府から出すということは、今の場合想定できない。出すというならそのとおりにしてもらわなければならない。そうすると、今後三年たつと、六、七年というものがまたおくれて、その間に、御存じだと思いますが、こんなことは釈迦に説法だと思いますが、昨年の物価の上昇というのは、これはもうきわめて大きい問題になっておるんです。一般公務員の場合でも、今の二万五千円ベースでも、これはとてもいかない、昨年一年間でも一〇%ぐらい物価が上がっておるんだからどうかしてもらわなければいかぬ、これについてある程度考えなければならぬという立場に立っておるんですが、そうすると、恩給受給者に対しては、三十四年度の二万円ベースでしんぼうしろ、しかも、これからおそらく来年度相当消費物価は上がるだろうと思うんですが、そういうことを勘案すると、この改正の今の時期において三十四年度の二万円ベースにとどめておくということの考え方にはわれわれは承服できない。もちろん、これは財政上の問題ということに帰一すると思いますが、その問題について、総務長官、そういう今の生活の実態から、普通恩給二万円のベースでいいんだという判断をされた根拠をひとつ説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/113
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114・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 二万円でいいという判定をいたしました根拠ということでございますが、それが一定の算式なり何なりではじき出たという性格のものではございません。重ね重ね申しておりますように、恩給ベースをいかに決定すべきかという点につきましては、種々の点を総合的に考慮しなければなりませんので、そういう点から、今回は二万円のベース、特に経済的な能力の少ない遺族であるとか、あるいは戦傷関係の方であるとか、そういう方につきましては、二万四千円のベース、こういうことにしたのでございまして、別段算式的にこういう計算によってこうなったというものは実は持ち合わせておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/114
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115・山本伊三郎
○山本伊三郎君 何か私は非常に粘っておるように見えますが、この前の恩給法改正の三十四年のときだったですか、私は国会に来た当時ですから、あまり言わなかったのですが、どうもこの年金制度全般を考えてみると、不合理性が相当ある。そういう点で、われわれどうもあまりふに落ちない。私はまあ、軍人恩給についてはいろいろまた別な意見を持っておりますが、一応この恩給制度というものがあるということになると、私は基本的にその受給者の権利であるという、法律上の権利と認めておる。そうなっていくと、やはり今陳情なんかよくされておりますが、その陳情も、非常に権利という意識を持っておるかどうかは知りませんが、私はそういう立場で言うておられると思うのです。権利だからこれは主張していいのだという、私はそういう意味じゃないのですが、そういう意味からいくと、政府でも合理的なものを考えぬと、もらっているほうでは、国費を相当、一千億以上使っておるのだから、もらって不服を言われるというのは私は非常に心外だと思うので、私はこういう点を執拗に言っている。ここまで言うと、総務長官もそういう私の言う意図なり、何でくどくど言うかということはおわかりになると思うけれども、そういう考え方を政府部内ではっきり持ってもらいたい。私は、与党の方々等についても、恩給の問題についてはいろいろな意見を聞きます。しかし、きわめて簡単な考え方でおられると思う。とにかく上げてやらなくちゃいかぬからこういうものは上げるんだと。私はそれじゃいかぬと思う。上げるからには、やっぱり合理性のあるもので政府も意見を言って上げなければ、上げたわ、しかし上げたけれども何だ、というような、一部でこれに対して不満よりも反感を持つということでは、私はこの恩給制度というものは生きてこないと思う。そういう意味で言っておる。
今総務長官、二万円ベースについて言われるのですが、私としては、将来なかなかこういう法律案が出ない限り、この機会にやはり二万四千円ベースにすべてをならして引き上げ、増加恩給なり傷病年金なり、そういうものについては考えなくちゃならぬというならば、私は朝方、あるいは前旦言ったような形で優遇の措置を考える。私は別途そういうことは考えられると思う。そういう点で考えておるのですが、この点について、総務長官なり、専門家の恩給局長はどういうお考えでおられるか。この機会に公務員に一番接近した二万四千円ベースになぜ上げる改正案を出せないのか。事務的にどういう障害があるのか、そういう点をひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/115
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116・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 恩給上の処遇について、ベースが一般恩給と公務災害関係の恩給との間で区別をしたという点でございまするけれども、このベースで差をつけるという手法は、これは財政やいろいろ諸般の事情から考えてやられたことでございまして、この例は昭和二十八年に軍人恩給の再出発いたしましたときも、これは逆な例でございますけれども、軍人恩給のほうは一万円ベース、文官恩給は二万円ベースというようなベースの違いがありました。もちろんその後は文官、軍人とも基礎俸給につきましては同じような水準をもってずっと経過して参りました。今回ベース・アップのことを考えるにつきましても、いろいろ国家財政等その他の年金制度いろいろ総合勘案の上、こういうふうにきめたわけでございます。まあ事務的にというお尋ねでございまするからなんでございまするが、財政的な観点からいたしますると、全部をならして二万四千円のベースということにいたしますると平年額で三百六十億、これを公務災害関係の恩給だけでしぼりますと三百三十億、三十億くらいのものが違ってくるということでございます。それからもう一つは、一般恩給の場合におきましては、先ほど申し上げましたとおり、恩給受給者間のアンバランスというものの是正、つまり給与水準の変動に伴ってその前後のアンバランスを是正するということがベース・アップの一つのねらいでもあると、こういうことを申し上げましたが、その意味からいたしまして、実は昭和三十四年の十月一日を境にいたしまして、恩給法によって退職給与を受ける、普通恩給を受ける、扶助料を受けるという方々は国家公務員についてなくなってしまったわけです。したがって、そういった給与体系の違いによる前後のアンバランスというものがなくなったということが一つあるわけです。もちろんそれらの関係の人たちにつきましても、別な観点から、その後の給与水準のアップ率ということを考えて手直しするということは当然考えるわけでございますけれども、ベース・アップの大きなねらいであるその点についての問題が解消された。しかし、なお公務災害関係の恩給につきましては、特に一般の方々よりも優先的に考えていくべきだという思想があるわけでございまして、その手法といたしましては、恩給のベースを、つまりベース、すなわち一番根っ子になる基礎俸給を上げるという手法、あるいは基礎俸給にかける一つの倍率を変えるといういろいろな手法がございます。しかしながら、この手法といたしましては、やはりこの基礎になる俸給を割り増しをするということが一番明々白々な方法でございまして、むずかしくない。そういうような意味で、ここにベースの差を設けて、そうして公務災害関係の恩給の方々についての優遇措置を考え、裏を返してみれば、一般の恩給受給者についてはがまんしてもらっているというふうにも言えるわけでございますけれども、そういうふうな違ったベースの立て方をした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/116
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117・河野謙三
○委員長(河野謙三君) この際御報告いたします。御要求の大蔵省堀本政務次官が出席されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/117
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118・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 その前に今のに関連して。今恩給局長の話を承っておったんですけれども、一万五千円ベース、二十九年の一月なんですが、二十九年の一月の一万五千円ベースから今回二万円。三十四年の十月ですね。これは、この間五千円なんです、このベースの差額は。これが公務員の給与が一番平穏無事な四年間です。二十九年から三十四年といいますのは、約五年間、公務員のベースというのが上がらない時期なんですね。そして、公務員の給与が物価の上昇あるいは民間の給与の上昇というものの関連もありまして、相当大きく動いてきましたのは、三十四年の十月以降なんですよ。おたくのほうで出しておりますのを見ましても、三十四年の十月は二万円ベースですけれども、それから一年たちますと二万四千円ベースになるわけですよ。さらに一年たちますと、三十六年の十月になりますと二万七千円ベースになるわけですよ。私は今お話を承っておりまして、どうも公務員の給与の一番上がらなかったどんじりをつかまえてその考えになっておられると思う。いろいろ理由もあるでしょうけれども、これはどうもおかしいじゃないですか。一番公務員のベースが動かなかった時期ですね。ですから六年たっても五千円しか差がない。昇給で上がったようなものですよ。一番上がらなかったところの最後のどんじりをつかまえた年月が三十四年ですけれども、どうもあまりいい話ではないと思います。それから山本先生の質問等を伺っておっても、これからあと五年かそこら動かないというんです。今一番公務員の給与が激しく動いているわけです。三十五、三十六、三十七年たいへんでしょう。そういうアンバランスは大きく残りますよ。まずいですよ。だから私は、今の山本委員の質問を聞いておりまして、公務員の給与は平穏無事にスムーズに動いてきたところの最後のどんじりを取るんじゃなくて、これから大きく動いていく最初のとこを取っていただかないとアンバラはでっかいですよ。私は給与をもっぱら扱っている立場から見ますと、どうもこれはおかしいと思うんですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/118
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119・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) まあ退職者の恩給が公務員の給与水準の上昇に応じてすみやかに追いかけていくということは非常に望ましいことでございますけれども、いろいろそういう政策をとるかどうかということは、全般の条件と考えながらやらざるを得ないわけで、一万五千円ベースという時代でずっと三十三年から四年がかりで——三十五年の七月に完全実施になったわけです。今度これらの人たちに対してどれだけ上げるかということで、三十四年十月一日の給与水準まで上げるということでは物足りぬじゃないかというお話もございまするけれども、実額として二割方上がるということにもなります。また、公務死没者あるいは公務傷病者の恩給につきましては三割六分くらい上がるということで、まあまあがまんしていただけるというか、喜んでいただけるというか、そういうところでひとつこの措置をとりあえずやっていくという考え方でございます。先ほどいろいろこれでもって未来永劫固定するのかというお話がございましたけれども、これは現在の時点に立ってこういう計画でやりたいというのでございまして、将来の情勢が非常に変化してくるということであれば、また、その時点に立っていろいろ考えていかなければならぬ問題が出てくると思います。しかし、それはそのときの問題であります。今即座にどうこうということはできません。やはり昨年の予算編成の時点において、こういうふうな計画でこういうめどでやるということの目標を設定したわけでございます。ベースに追随していくということが必ずしも従来できない、やはり二、三年くらいずつはおくれる、三、四年くらいおくれるというふうな事態がございました。これが必ずしもいいということを私申し上げるわけではないわけですが、全体の総合的な判断の結果、そうせざるを得なかったということでございまして、この程度の増額措置で満足していただかなければならぬのじゃないかとこう思っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/119
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120・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 せっかく二万円ベースというところまでなんですけれども、先ほど私が申し上げましたように、ここまでは平穏無事なんですよ。公務員の給与、この三十四年の十月以降非常に物価が大幅に上がっているわけです。大幅と言っては恐縮ですが、その前を取りまして——ここでせっかく上げられたけれどもすぐ目に見えるのはたいへんなアンバラですよ。十年間のアンバラです。その前から見てごらんなさい。昭和二十七年から三十四年まで、ちょっと十年近くありますが、その前に昭和二十六年から三十四年まで約一万円の差ですよ。ところが、三十四年からすでに一万円近い差ができてきたんですよ。今年あたり。ですから三十四年のこの二万円ベースから以降は非常な大きなカーブで上昇していくところなんです。その一番下のところで上げてもらっては、これは上げてみたけれども、すぐたいへんなアンバランスですよ。アンバランスといいますか、また足りないという気持になりますよ。これはどうもまずいと思うのですね。政治的に予算的に何とかというお話でしょうけれども、これは不満は直ちに爆発しますよ。どうにもならぬです。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/120
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121・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほど来、総務長官からも申し上げたのですが、古い恩給受給者の恩給額をどう見直していくか、こういう問題なのでございますが、これは当然スライドして上がるのがこれが権利だということではないのでありまして、恩給制度の本旨から言いますれば退職後適当な生活を維持させる。退職当時の条件を基礎にしてというねらいもありまするから、物価水準なり生活水準なりの変動に伴って昔の年金額というものを再評価していく、見直していく、こういうことは必要だろうと思います。ですから私は、必ずしもその公務員の給与が上がったから、それとスライドして上げるべきだという議論には賛成できない。退職公務員の恩給というものが改善されるというためには、もちろん給与水準の上がりというものは、これは物価水準なり生活水準の上がりというものを背景にしておりまするから、それをめどにして上げていくという手法をとっておりまするけれども、公務員の給与が昨年上がったから、すぐ追随してということは一般的に恩給の場合に言えるかどうかということは、非常に疑問だと思うのです。そういう意味では、現在までやって参りましたベース・アップというものが、公務員給与の上昇におくれおくれになっているということを、いばって言うわけじゃありませんけれども、まあそういうふうな状態でもって総合的に判断されてそういうふうになっておるということを考えてみますると、今、非常に二万円ベース以後に変動があったということはよくわかりまするけれども、やはりその程度の、公務員の一般恩給につきましては二万円ベース、公務死没者あるいは公務傷病者につきましては、さらによくするという意味でもって、それより先のベースというものを柱にして増額するということにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/121
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122・河野謙三
○委員長(河野謙三君) この際、十分間休憩いたします。
午後三時四十四分休憩
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午後三時五十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/122
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123・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 休憩前に引き続き内閣委員会を開きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/123
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124・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それじゃまあ理事会でいろいろと話が出ましたので、急いでひとつ聞きますから、答弁はひとつ簡単に、要領を得てやってもらいたい。今度の改正の第二の、「その他」というところで、高額所得者に対する停止問題についてはまあいいですが、刑に処せられた者、または懲戒処分等により年金の権利または資格を失った者についてこれは与えるというのですが、これはここに出ている旧治安維持法等の廃止に伴う等ということがあるのですが、その他に該当のところがありますかどうかちょっと聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/124
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125・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) 要旨のところでは、治安維持法というのをうたっておりますが、法律そのものといたしましては刑に処せられたとか、あるいは懲戒処分などにより恩給を受ける権利または資格を失った者で恩赦とか……、ですからそうした治安維持法関係の刑に処せられた方ばかりではございません。その他の刑に処せられた者も含むわけでございますが、そういう方々で恩赦とかあるいは執行猶予期間を経過した、そして刑の免除になった、あるいは懲戒処分でも懲戒処分の免除に関する法律がございまして、その法律の規定によって政令でもってこういう懲戒処分は免除にするということで行政処分がされるわけでございます。そういう懲戒処分の免除があった人たち、そういう人たちにつきましては、将来に向かって再び年金、恩給を受ける権利を取得させようと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/125
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126・山本伊三郎
○山本伊三郎君 この旧治安維持法によるものは戦後全部消えてしまったと思うのですが、その場合は刑が三年以上とか、そういうものの関係は私はないと思いますが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/126
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127・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) まあこれは全般的に三年、どういうふうな、犯罪というか、犯罪の重罪であっても軽罪であってもということを強く問わないでやったわけじゃございませんで、やはり三年という線を引いて、それ以下の方々について権利を回復させよう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/127
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128・山本伊三郎
○山本伊三郎君 具体的に聞きますがね、旧治安維持法等によっていろいろまあ刑に処せられて、これは相当の刑期の長い人が多いと思うのです。そういう人については結局復権して恩給の権利が与えられるということに解釈していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/128
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129・八巻淳之輔
○政府委員(八巻淳之輔君) その点は、公務員の場合は治安維持法によって権利を失ったという方々についての調べたものもございますけれども、三年以上の刑に処せられて恩給権を失ったという方々は、ほとんど例を見ないことでございまして、大体この線を引くことによってほとんどの方々は救済される、というふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/129
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130・山本伊三郎
○山本伊三郎君 恩給局長だからその点は調査をされた上の答弁だと思いますが、衆議院でもこの問題は相当重点的に審議されたと思います。そういうことでこういう弾圧立法によって不幸にしてそういう権利を剥奪された人に対して復権ということはわれわれとして主張してきたのですが、その点はそれで一応了解します。
それから一応恩給の問題についてはいろいろ問題がありますが、私が昨日からきように言ったことについては、これは附帯決議にはつけません。ベースを先ほど言いましたように二万円ベースにとめたということについても、これはわれわれとしても不合理である、そういうことはるる言いましたので、総務長官あるいは恩給局長も、これはこれ限りでないのだ、将来考えるのだということですから、またの機会にこの点は言いまするが、その点は附帯決議以上によく聞いてもらいたい、かように思いますが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/130
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131・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 山本委員の御主張につきましては、将来とも十分これを尊重いたしまして、逐次そういう方向に努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/131
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132・山本伊三郎
○山本伊三郎君 恩給関係を終わりまして、共済組合の関係についてこれも簡単に質問いたしますが、明瞭にひとつ……。
先ほど給与課長に年金問題で質問をしたのですが、給与課長では無理だというので実は政務次官の御出席を願ったのですが、お話を聞かれたと思いますが、その答弁をひとつ聞きたいと思いますが、御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/132
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133・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) 公務による廃疾年金と、それからそうでない公務以外による廃疾年金との支給による区別が矛盾があるのじゃないかという大体のお尋ねだと思いますが、この問題につきましては御説ごもっともでありますが、従来の経緯等もございましてかようになっておると存じます。そこで、今後私傷病による廃疾年金の受給者の処遇の是正という意味につきましては、なるべく早い機会に検討をして是正して参りたい、かように考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/133
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134・山本伊三郎
○山本伊三郎君 もう一点、いわゆる今度の給与ベース改定について、これは軍人恩給あるいは一般恩給のときにも言ったのですが、非常に低給者と高給者の間の大きい格差がある。そういう点についても附帯決議には入らないけれども、今総務長官が言われたのでありますが、あわせて特別措置法についても検討配慮するということについて、御意見をまず大蔵政務次官に聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/134
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135・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) お尋ねの問題につきましても、将来十分に検討して参りたいと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/135
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136・山本伊三郎
○山本伊三郎君 これは政務次官ではちょっと内容が無理ですから給与課長でいいですが、一問残っておるのですが、先ほどの答弁の中で。ゆっくりまたあとで質問しようと思って残しておったのですが、昭和三十四年の十月一日からいわゆる非現業の公務員に対して共済制度がしかれました。したがって、それによって、それ以後これはすべて平準保険料方式による共済制度で年金が支給される。しかし、まだ現在おる人もそうですが、旧法律、恩給法によってやっておる人もしたがってその新法によって、いわゆる最終給与によってやられるということになっておりますが、その場合に、新法の場合には今言ったようなベース・アップというようなものは、非常に問題がペンディングにされておる。この制度実施のときに、御存じのように、国家公務員の場合でも、地方公務員の場合でもこれは問題になっておりますが、これは当然そういう保険システムでやるなら、当然このベース・アップの問題が起こってくると思うのです。それとその中間においてやめた人については非常に陥没しておるような時期があるのです。これは給与課長だったら詳しく説明しなくともわかると思うから簡略に言っているのだが、そういう期間の人もあるのです。したがって、そういうものもあわせて今後考えなければならぬのですが、それについて大蔵当局としてはどういうふうにお考えになっておるか、これをひとつお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/136
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137・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) お説の点につきましては、衆議院におきましてもかなり討議されておるのでございまして、その結果附帯決議といたしまして、「本法適用者と新法施行後の退職者との間に、支給原因発生時期により共済年金間の均衡が失われるおそれがあるので、今後検討の上是正の措置を講ずべきである。」というような附帯決議をされておるわけでございます。私どももその問題は、この法律案を提出するにあたりまして、当然検討しなければならないことであることは、十分承知いたしておるところでございます。ただ御承知のとおり、新法は平準保険料方式による社会保険の形態をとっております関係から、一方では社会保障制度審議会の答申にございますように、国民皆年金を今日においては、すべからく年金体系の全般の中で考えるべきだという御意見も承っておりますし、一方ではただいまのような附帯決議もございますので、そういったものを総合的に勘案いたしながら、今後十分に検討し、将来不均衡をできるだけ是正して参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/137
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138・山本伊三郎
○山本伊三郎君 最後に、これは将来の問題ですから、ここで大きく問題にならないが、中間の人についてはこれは今後も起こってくる問題でありますので、この点はひとつ大蔵当局としても十分考えておいてもらいたいと思います。この国会の問題ではないが、当然問題になります。時間がないから詳しく説明しないので、速記録を読まれたらその点の質疑応答の理解に苦しむかと思いますが、私どもはいずれ次の機会に明らかにしたいと思います。
それから今後の今言った新しい共済制度についてのベース・アップの問題は、これは全般の問題として大きい問題があります。したがって、この問題については、あの法律が立法されたときにも、相当その当時の佐藤大蔵大臣とも質疑応答いたしましたが、結局はどうあろうとも、あの法律の精神からいって公的年金という以上は、国が最後にやはりめんどう見なければいけないんじゃないか、それをもうどうもならぬから勝手にやれということはできないんだ、こういう意向であったんですが、この問題については十分理解されていない政務次官に答弁しろと言っても無理かと思う。また、そんなことを言われて、あとからこの責任問われたらいかぬと思いますが、給与課長はその点十分御存じだと思いますが、そういうことは大蔵当局としても、将来問題として考えなくちゃならない大きい課題であるということは私は言えると思う。その点ひとつ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/138
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139・平井廸郎
○政府委員(平井廸郎君) ただいまの御指摘の点は、まさに非常に大きな問題であることは私ども十分認識いたしております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/139
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140・河野謙三
○委員長(河野謙三君) この際、委員の異動について報告いたします。
ただいま中野文門君、吉江勝保君、大谷藤之助君が辞任され、徳永正利君、小沢久太郎君、村山道雄君が選任されました。
ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/140
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141・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をとって。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/141
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142・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/142
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143・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。討論は両案を一括して願います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/143
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144・山本伊三郎
○山本伊三郎君 それでは恩給法の一部を改正する法律案並びに昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案の二案に対して賛成の立場から討論をいたします。
時間もないので詳しい討論を差し控えますが、昨日から本日にかけて問題点を実は質疑応答で明らかにいたしました。先ほど政務次官なりあるいは総務長官からの答弁もありましたが、問題点はたくさんあります。特にわれわれといたしましては、今日の段階では二万円ベースより二万四千円ベースにすべてをすべきである。しかも段階的にやるというよりも、特に困っておる公務扶助関係については、本年度から実施すべきであるという意向を持っておりますけれども、国家財政その他の関係でいろいろ答弁がありましたので、一応今回についてはわれわれの希望として述べておきます。
なお、恩給関係の法律案に関しましては、自民・社会両党共同提案の次の附帯決議案を朗読して私の討論を終わりといたしますが、
恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
旧南満州鉄道株式会社等に勤務していた職員の在職期間の恩給通算につき、政府は速かに検討してその実現に努められたい
右決議する。
次に、共済関係の法律案に対して、自民・社会両党共同提案の附帯決議案を朗読いたします。
昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する附帯決議案
一、今回の年金額改定の結果、本法適用者と新法施行後の退職者の共済年金間に不均衡が生じているが、この傾向は、今後、更に顕著となるおそれがあるので、政府は、両者間において、その支給原因発生時期による不均衡を生ぜしめないよう検討し、是正の措置を講ずべきである。
二、廃疾年金については、年令七十才未満の者についても昭和三十八年十月から増額分の全額を支給できるようにするとともに、廃疾年金、遺族年金に最低保障額を設けるよう措置すべきである。
右決議する。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/144
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145・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/145
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146・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。
まず、恩給法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/146
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147・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案を問題に供します。
本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/147
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148・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました両案に対する附帯決議案を議題といたします。両案に対する附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/148
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149・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 全会一致でございます。
よって、両案に対する附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに可決決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/149
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150・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、小平総務長官、堀本大蔵政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/150
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151・小平久雄
○政府委員(小平久雄君) 恩給法関係の附帯決議につきましては、その趣旨のあるところをよく尊重申し上げまして、公務員の共済関係あるいは公共企業体職員共済関係、それらとも十分連絡をとって検討をいたしていきたいと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/151
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152・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま御決議の、旧例共済関係に対しまする附帯決議につきましては、御趣旨を十分尊重いたしまして、今後検討して参りたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/152
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153・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 本日は、これにて散会いたします。
午後四時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02719620427/153
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