1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月二十二日(木曜日)
午前十時四十二分開会
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委員の異動
二月二十日委員安田敏推君辞任につ
き、その補欠として相澤重明君を議長
において指名した。
二月二十一日委員相澤重明君辞任につ
き、その補欠として安田敏雄君を議長
において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 梶原 茂嘉君
理事
櫻井 志郎君
安田 敏雄君
委員
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
重政 庸徳君
柴田 栄君
温水 三郎君
大森 創造君
木下 友敬君
北村 暢君
戸叶 武君
千田 正君
政府委員
農林政務次官 中野 文門君
農林省畜産局長 森 茂雄君
食糧庁長官 大沢 融君
林野庁長官 吉村 清英君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○森林法の一部を改正する法律案(内
閣送付、予備審査)
○てん菜生産振興臨時措置法の一部を
改正する法律案(内閣送付、予備審
査)
○畜産物の価格安定等に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣送付、
予備審査)
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001・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
二月二十日安田敏雄君が辞任、その補欠として相澤重明君が、また二十一日相澤重明君が辞任され、その補欠として安田敏雄君がそれぞれ選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/1
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002・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) この際、理事の補欠互選に関する件についてお諮りいたします。
委員の異動に伴いまして、理事が一名欠けておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。
つきましては、互選の方法は成規の手続を省略いたしまして、便宜委員長から指名することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/2
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003・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって理事に安田敏雄君を指名いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/3
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004・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 森林法の一部を改正する法律案(閣法第八九号、予備審査)を議題といたします。本案は去る二月十三日提案理由の説明を聴取いたしております。それではまず本案の補足説明及び配付の資料につきまして説明を聴取することにいたします。吉村林野庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/4
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005・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 森林法の一部を改正する法律案の内容につきまして、補足して御説明申し上げます。
提案理由の御説明にもありましたとおり、今回の改正案の主たる内容は、森林計画制度、伐採許可制度に関する改正及び保安施設制度に関する改正の二点でありますが、このほか、森林審議会に関しましても若干の改正を行ない、さらに、以上の改正に伴って必要となる規定の整備を行ない、必要な経過措置を講じ、関係法律の規定につき必要な整備を行なうこと等にいたしております。
まず、主要改正事項の第一点であります森林計画制度、伐採許可制度に関する改正について御説明申し上げます。これは、第四条から第二十条までの改正であります。
現行森林法第二章の内容をなしております森林計画制度と、その大きな柱であります伐採許可制度は、昭和二十六年、戦中戦後の乱伐による森林資源の危機に対処するために定められ、その後、この法律施行の実績と林産物の需給の動向にかんがみて、広葉樹の伐採規制の緩和を中心とする改正が加えられて、今日に至ったのであります。しかしながら、近年の林業の動向及び森林資源の状況を考慮いたしますと、この制度につきましては抜本的に改正を行なう必要が生じておりますので、積極的かつ弾力的な諸施策推進のための体制を整備することとして、所要の改正を行なうことにいたしたのであります。
まず、伐採許可制度についての改正から御説明申し上げます。従来の制度は、一般の森林の針葉樹の若令林及び保安林等の制限林の立木を伐採するには、都道府県知事の許可を受けることを要することといたしておりましたのでございますが、今回の改正は、これを緩和して、一般の森林の針葉樹若令林につきましては、許可を要しないことにいたすこととしておるのであります。
次に、森林計画制度の改善であります。従来、農林大臣は、全国を二百五十一に分けた基本計画区ごとに、五年を一期として森林基本計画を定め、これに基づいて、都道府県知事は、森林区ごとに、五年を一期とした森林区施業計画と.一年ごとの森林区実施計画を定めておりましたが、これらの計画を廃止いたすこととし、かわりに、農林大臣は、重要な林産物の需要及び供給並びに森林資源の状況に関する長期の見通しを立てるとともに、これに即し全国の森林について、五年ごとに、十年を一期とする全国森林計画を立てることにし、また、都道府県知事は、ほぼ現在の基本計画区と同じ森林計画区別に、全国森林計画に即し、五年を一期とする地域森林計画を立てることにいたしました。
森林所有者等は、この地域森林計画に従って施業することを旨としなければならないのでありますが、もし、地域森林計画を順守しない場合は、都道府県知事は、必要な勧告ができることといたしております。
また、農林大臣及び都道府県知事は、全国森林計画及び地域森林計画の達成をはかるため、森林の施業を行なう者等に対し、助言、指導、資金の融通のあっせんその他必要な援助を行なうよう努めなければならないものといたしております。
なお、地域森林計画につきましては、その重要性にかんがみ、意見がある者に意見を申し立てる道を開いております。また、森林の施業に関する指導を行なう必要上、森林所有者等は、立木を伐採する場合には、あらかじめ、伐採の居出書を提出しなければならないことにいたしております。
次に、保安施設制度に関する改正につきまして、御説明申し上げます。第二十九条から第四十七条までの改正がこれであり、伐採許可制度の廃止との関係等から、保安施設制度の役割が一そう重要となってきましたことに伴う改正でございます。
まず、従来の制度では、森林区施業計画及び森林区実施計画の内容の一部をなしておりました保安林及び保安施設地区についての施業要件を、あらかじめ、保安林及び保安施設地区の指定の際に、指定施業要件として森林所有者に明示することにいたすこととしました。指定施業要件には、立木の伐採の方法、限度及び立木を伐採した後に伐採跡地について行なう必要のある植栽の方法、期間、樹種を示すのでありますが、指定施業要件は、後に御説明申し上げますように、伐採の許可の基準となり、植栽の義務の内容を決定いたすものでありますので、保安林の所有者等に課することとなる制限が必要最小限度のものとなるように定めなければならないものといたしております。第二十九条及び第三十三条を改正し、第三十三条の二及び第三十三条の三を追加いたすこととしておりますのは、以上のような趣旨でございます。
次に、保安林における制限に関する改正であります。現在、保安林における制限のうち、立木の伐採の制限については第十六条において一般の森林の伐採許可とあわせて規定し、土石の採掘等その他の制限は第三十四条に規定しておりますが、今回、一般の森林についての伐採許可制度を廃止することに伴いまして、立木の伐採の許可に関する規定も第三十四条において整備するとともに、立木の伐採の制限以外の制限についても若干の整備をいたしました。右に述べましたように、指定施業要件を保安林等の指定の際明示する仕組みに改めた関係から、保安林の立木の伐採について都道府県知事が許可を行なう場合は、その指定施業要件に定めるところによってこれを行なうこととし、また、保安林において制限されている行為を都道府県知事が許可する場合は、必要な条件を付することができることとし、これに必要な規定の整備をいたしております。なお、保安施設地区における制限は、保安林に準じて行なうこととし、その規定の準用をいたしております。
次は、保安林における植栽の義務及び監督処分についての改正であります。
従来は、森林計画制度の一環として森林一般についての植栽の義務を規定していたのでありますが、保安林の重要性にかんがみ、特に保安林における植栽の義務を明確にいたすこととし、森林所有者等が保安林の立木を伐採した場合には、その保安林の所有者は、すでに指定の際に明示されている指定地業要件に従って伐採跡地について植栽しなければならないことといたすとともに、森林所有者が植栽をしない場合は、都道府県知事は、指定施業要件に従って植栽すべき旨を命ずることができることにいたしました。
なお、これとあわせて、保安林についての造林または復旧の命令等監督処分に関する規定について、若干の整備を行なうことといたしております。以上が第三十四条の二を追加し、第三十八条を改正いたす趣旨でございます。
次は、保安林及び保安施設地区の標識及び台帳に関する改正でありますが、これは従来、保安林等の標識の設置は、政令で委任する場合を除き、すべて農林大臣がこれを行なうことになっておりましたのを、民有林の保安林等については都道府県知事が設置するように改め、また、新たに、都道府県知事は、保安林台帳及び保安施設地区台帳を調製、保管しなければならないことといたしたのであります。このため、第三十九条を改正し、第三十九条の二及び第四十六条の二を追加することといたしているのであります。
次に、第三十九条の三を追加し、保安林の適正な管理についての規定を設けましたのでありますが、これは、保安林の果たすべき任務がますます重大となって来たことにかんがみ、設けることといたしたものであります。
すなわち、農林大臣及び都道府県知事は、保安林制度の負う使命にかんがみ、保安林に関し、この法律及びこれに基づく政令の規定によりその権限に属させられた事務を適正に遂行するほか、保安林にかかる制度の順守及び義務の履行につき有効な指導及び援助を行ない、その他保安林の保全のため必要な措置を講じて、保安林が常にその指定の目的に即して機能することを確保するように努めなければならないことといたしておるのであります。
以上が、改正の主要事項である森林計画制度と伐採許可制度に関する改正及び保安施設に関する制度の改正の内容の概要でありますが、そのほか森林審議会につきましても、改正を行なうことといたしております。すなわち森林ないし林業に関する問題は、近年ますます重要かつ複雑なものとなってきておりますので、森林に関する重要事項を調査審議する機関として農林省に置かれております中央森林審議会に、特別の事項を調査審議するため必要があるときは、臨時委員十人以内を置くことができることといたしたのであります。
第六十九条、第七十一条及び第七十二条を改正いたすこととしておりますのは、このためであります。
さらに、以上のほか、若干の規定につき軽易な改正を加え、また、以上の改正に伴って必要となる罰則その他の規定の整備を行なうこととしております。
また、附則におきましては、この法律の施行期日につき定めるとともに、以上のような森林計画制度及び伐採許可制度に関する改正並びに保安施設制度に関する改正に伴い必要となる経過措置を講じ、農林省設置法を初めとする関係法律の規定につき、所要の整備を行なうこととしております。
以上でございますが、別に提出をいたしております森林法の一部を改正する法律案参考資料について概要を御説明を申し上げておきたいと思います。
第一ページの第一表でございますが、これは森林法の所有形態別の数字でございます。総数が二千四百五十九万七千ヘクタール、そのうち国有林が七百七十一万、そのうちの林野庁所管の国有林が七百四十八万七千で、民有林が千六百八十八万七千、こういう形になっております。
それから第二表でございますが、これは所有形態別森林資源現況でございます。人工林、天然林、竹林、無立木地別に掲上しておりますが、このうちで国有林、民有林別に人工林をごらんいただきますと、面積のところでは国有林が人口林は百十六万九千ヘクタール、それから民有林におきましては、人口林が五百五十六万九千ヘクタール、こういうことになっております。天然林におきましては、国有林は五百七十一万六千、それから民有林におきましては一千五十万一千ヘクタール、こういう振り合いになっておるのでございます。成長量の総量をごらんいただきますと、一番右の端から二行目の一番下の欄を見ていただきますと、年間の成長量は五千九百九十一万八千、大体六千万立方メーターの成長量があるということでございます。
それから第三表でございますが、これは現行の森林計画区でございます。都道府県別に大体大きな流域別に森林計画区を持っておりますが、これが基本計画区でございますが、今回の改正の森林計画区にほぼ一致するようになることになっております。
それから第四表が森林種類別国有林民有林別資源現況表でございますが、これは制限林と普通林とそれから自家用林、特用林というような種類別にいたしましてここへあげておるのでございますが、この制限林のところを見ていただきますと、合計の欄の面積というところをごらんいただきますと、国有林が二百五十一万四千、国有林の約三分の一は制限林になっておって、保安林あるいは国立公園というような制限を受ける森林になっております。それから民有林におきましては二百四十一万六千、大体七分の一程度が制限林になっておるのでございます。で、普通林は国有林の四百九十万一民有林が一千四百万ということでございます。
それから第五表について御説明します。第五表は、開発進度別、用材林薪炭林別、資源現況表でございますが、これはすでに開発された森林、それから今後林道の新設、または延長によって開発をし得る森林、それからもうそういったことによって開発ができそうもない、開発の困難な森林とに分けて掲上をしておるのでありますが、すでに開発をされました森林の面積は千六百九十七万四千、林道の新設延長によって開発可能な面積が六百五十四万八千でございまして、これに開発の困難な森林の八十二万七千を加えますと、やはりこれも三分の一弱がまだ未開発で残っているということが現われておるのでございます。
次に第六表でございますが、昭和二十六年度以降の立木の伐採量でございます。で、総数のところの計をごらんいただきますと、二十六年度からこれは漸次ふえるということでなくて、ふえたり減ったりということなのでございます。三十五年度が七千五百九十七万立方メーターでございまして、これに対して、緊急措置によりまして五百五十万程度の三十六年度はプラスをされたことになるわけでございます。国有林のほうの計の欄をごらんいただきますと、国有林の欄は漸増をいたしております。これは森林生産力増強計画あるいは増産計画等によりまして、漸次国有林の生産量を上げて参ったという形が出ておるのでございます。民有林のほうは、やはりその年その年によって一定した傾向が現われておらないようでございます。
それから第七表の三十二年度以降の民有林の伐採照査実績でございますが、これは県におきまして届出、許可あるいはその他の例外の伐採等の照査の結果を集計いたしたものでございます。これは十五条の届け出と申しますのは、これは適正伐期齢級以上の伐採と広葉樹の伐採が入っております。それから十六条は制限林とそれから適伐以下の針葉樹の立木の伐採の許可に基づくものが入っております。それからこの両者の除外のただし書きの伐採が入っておるのでございます。それから十八条の除外例というのは火災、風水産、異常の場合の伐採後の届け出の数字があがっております。それから公有林におきましては、知事の承認を受けた経営計画に基づいた伐採があげられております。それから自家用林、特用林があがっております。最後の違反伐採にあげておりますのは、これはいずれも届け出の違反あるいは許可の違反、すべての違反伐採があがっておるのでございます。
それから第八表は、これは届け出と公有林のものだけを、前のと同じでございまして、集めたということだけでございます。
それから三十二年度以降民有林の普通林の伐採許可制度の実績でございますが、これは適正伐期齢級以下の若齢林の伐採の許容限度と申請数量と許可数量と伐採量とあげておりますが、ごらんのように許容限度は三十五年度は千五百六十三万二千であったのでございますが、申請数量は九百十八万五手で、許可をいたしましたのは、その約八割の七百八十九万一千、実際に伐採をされましたのは、六百三十七万九千と、かなり下回って伐採はされておるのでございます。
十表は、申請の内容をここにあげてあるのでございます。
それから十一表は、二十七年度以降の造林の実績でございますが、国有林、民有林の総数のところをごらんいただきますと、総数が三十五年度のところをごらんいただきますと、六十七万六千ヘクタール、このうち人工造林が四十万二千ヘクタール、それから天然更新が二十七万四千ヘクタール、この二十七年度からの状況を人工造林でごらんいただきますと、二十九年、三十年、三十二年、大体三十一年で戦中戦後の伐跡地の未植栽地を大体植栽を終えまして、それからこの伐採に伴う造林が行なわれておるのでございますが、三十五年度以降、またさらに拡大造林計画を大きく進めまして、飛躍的に進めて参るという計画の現われ、実績の現われが出て参っておるのでございます。
それから第十二表でございますが、昭和三十二年度以降民有林の造林指定と実績でございますが、これは造林を伐採後二年間植栽をしない森林所有者に対して伐採の指定をしておるのでございますが、この指定をした件数、面積があけられております。三十五年度をごらんいただきますと六万三千ヘクタールが造林がしてない。これに対し指定をします実行量が五万五千で、結局八八%の実行率でありますということでございます。
それから第十三表は森林計画における人工造林計画と実績でございますが、これをごらんいただきますと、国有林が三十五年度、一番下のところをごらんいただきますと、計画に対して一一六%、民有林は一〇五%、かなり計画以上に造林は拡大をして実行をして参っておるのでございます。
次に、第十四表の森林計画における林道計画と実績でございますが、この民有林をごらんいただきますと、まことに低い比率が出ております。実行率が、国有林のほうは三十五年度六三%、その前までは九〇何%というのが出ておるのでございますが、この民有林の計画におきます林道計画に対する実行の比率の低い理由でございますが、これは補助林道の計画のほかに自力あるいは県単の計画の実行も両方入っておりまして、そういうものが非常に進まなかったということでございまして、補助林道の五カ年計画の実績を見て参りますと、三十三年から三十六年度にかけまして、進捗率は六七%になっておりまして、三十七年度五カ年計画を終わりますと、大体八〇%までは実行ができるというような見込みになっております。
次に、第十五表の昭和二十六年度以降の木材需給量でございますが、これは供給の棚をごらんいただきますと、前年度からのランニング・ストックが七百七十八万立方メートルでございまして、これを加えまして素材生産、廃材チップ生産、輸入、こういうのを合計しますと、供給量において三十五年度は六千七十七万七千立方メートルでございます。需要のほうをごらんいただきますと、国内向けのものが五千百八十万六千で、輸出が百六十万九千になっております。合計で五千三百四十一万五千立方メートルの需要があるわけでございますが、この差引が翌年度へまた越されていく、七百三十六万二千立方メートルが越されていくということでございます。この時点に立ちまして緊急対策が計画をされて今実施をされているところでございます。
次に、第十六表の二十六年度以降の木材主要用途別の国内消費量でございますが、この中で最も目立ってふえておりますのは、建築材の三十四年、三十五年ごろのふえ方を見ますと、一三・九、大方一四%近い増加率を見ております。上のほうをごらんいただきますと、この建築材の伸びというものはそうなかったのでございますが、最近非常に伸びているということ、それとパルプ材におきましてもかなりの、二二%余りの伸びがあるということでございます。そのほか坑木、まくら木、その他の用材につきましてはたいした伸びもない。坑木は若干減るというような傾向も見えておるのでございます。
第十七表の二十七年度以降の薪炭生産及び薪炭材の需給量でございます。これは薪炭の生産量は、薪炭生産量の木炭という行をごらんいただきますと、二十七年度に二百十万トンの生産がありましたのが、三十五年度は百五十万トンと、六十万トンの減小を見ております。これは需要も減って参っております。これもさらに減小をする傾向にあるのでございます。
次に、十八表は、安保林の現況でございまして、これはただ並べただけでございますが、ごらんおき願いたいと思います。
それから十九表は、三十二年度以降の森林計画関係の予算を上げたものでございます。これも御参考までにごらんおきを願いたいと思います。
それから第二十表は、都道府県別の林業普及指導職員の配置でございますが、専門技術員が五百四十七人、それから改良指導員が、地区主任が三百七十七人、一般普及員が二千二百五十九人、こういうことになっております。で、大体森林区ごとに一人の一般普及員がいる。そのほか一万町歩以上の森林のあるところに一人というようなことで、大体そろっておるわけでございます。
以上、まことに簡単でございますが、御説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/5
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006・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 以上で補足説明及び資料につきましての説明は終わったのでありますが、この際、ただいまの御説明に関連して御質問がありますれば、御発言を願いたいと思います。
別に御発言もないようですから本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/6
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007・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 次に、てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第九六号、予備審査)を議題といたします。
本案は、去る二十日提案理由の説明を聴取いたしております。
それでは、まず、本案の補足説明及び配付した資料につきまして説明を聞くことにいたします。大沢食糧庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/7
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008・大沢融
○政府委員(大沢融君) 二つ資料をお配りしてございます。一つは、補足説明の概要、これを一応読みます。
てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、若干補足説明を申し上げます。
御承知のとおり、てん菜生産振興臨時措置法は、テンサイの生産増強をはかることによって、寒地における農業経営の合理化を推進するとともに、国内における砂糖の供給量の増大を期することを目的とし、このため、一定数量以上のテンサイを生産する道府県においては、テンサイ生産振興計画を定め、これによりテンサイ生産の計画的振興をはかるとともに、政府は特に必要であると認めるときは、農林大臣が定める最低生産者価格を下らない価格で買い入れたテンサイを原料として製造されたテンサイ糖を買い入れることをその骨子とするものであります。−同法が制定された昭和二十八年当時の北海道におけるテンサイの作付面積は一万五千町歩、テンサイの生産量は三万二千トン程度であったのでありますが、その後作付面積においても、反当収量においても急速な伸長を示し、昭和三十六年におきましては、作付面積において約二・八倍、テンサイ生産量において約三・二倍に達しているのでありまして、この間に同法の果たしてきた役割は、まことに大きなものがあったと考えられるのであります。
また、昭和三十四年二月におきましては、甘味資源自給力強化綜合対策が決定せられ、砂糖の関税及び消費税の振りかえ、特殊法人日本てん菜振興会の設立等国内甘味資源育成のための諸措置がとられ、また結晶及び精製ブドウ糖についてもその生産の助成のための諸措置が講ぜられることとなったのであります。
昭和三十六年について国内甘味資源の生産事情を見まするに、北海道のテンサイ糖で約十二万八千トン、府県テンサイ糖で四千トン、カンショ糖で琉球を含め、十二万七千トン、結晶及び精製ブドウ糖で精糖換算約七万トン、計約三十三万トンに達し、砂糖総消費量に占める国内産糖の比率は「昭和二十八年当時の六%に対し、二一%と増大してきているのであります。
農業経営の改善と農家経済の安定をはかるための措置の一環として今後においてもテンサイ及びカンショの健全にして効率的な生産の増強をはかるとともに、澱粉の消費拡大と関連する結晶及び精製ブドウ糖工業の健全な発展を確保することが必要と考えられるのでありますが、他方、砂糖類は、国民食生活における重要必需物資であることから、消費者の家計の安定との関連についても十分な考慮を払うとともに、国際的商品である砂糖についての国際的な需給及び価格の動向等についてもあわせて考慮する必要があるのでありまして、今後における国内甘味資源の振興にあたっては、これらの各般にわたって十分なる検討を行ない、効果的かつ効率的な施策を展開することが必要と考えられるのであります。
甘味資源についての将来の見通しといたしましては、程度の差はあるものの、わが国の農業生産の中で甘味資源の生産増強の可能性について期待し得るものがあると考えられるのでありますが、現在置かれている状態より見まするに、
一、北海道テンサイにつきましては、最近におけるテンサイの生産事情、テンサイ生産者価格、原料テンサイの集荷等にわたり合理的農業と合理的製造企業の育成等の観点から諸般の問題を包蔵しているのであります。
二、府県テンサイにつきましては、テンサイ集団化導入等の事業が進められつつあり、数県においてテンサイ糖工場の設立とその操業度の向上等につき製造業の努力がなされている段階にあります。府県テンサイの生産の振興に関しましては、政府は、二回にわたりイタリアに調査団を派遣して、テンサイの生産事情、テンサイ糖工場の事情につき調査をいたし、わが国の府県テンサイの生産増強の可能性につきその方向を把握し得た次第でありますが、今後、府県においてテンサイの生産を適切に農業経営に導入するとともに、現在及び今後における府県テンサイ糖工場の健全な発展を確保するためには、さらに検討を要すべき問題が多々あると考えられるのであります。したがいまして、昭和三十七年度予算におきましては、試験研究の推進と相待ってテンサイ栽培適地調査に要する所要の経費等を計上して諸般の調査を実施するとともに、テンサイ集団化導入事業をさらに推進することとしている次第でございます。
三、カンショ糖のうち分密糖につきましては、カンショの計画的生産、特に黒糖生産との調整の推進とカンショ糖工業の健全な発展のための諸措置につき所要の検討を行なうとともに、
四、ブドウ糖につきましても、需要を適正に把握し、これに見合った計画的な生産及び販売を実施して、そのすみやかな自立を確保することが必要と考えられるのであります。
これらの問題の処理のいかんは、今後におけるわが国農業の振興に重大なる関係を有するものであるとともに、国内甘味資源振興の方向づけに決定的な影響を及ぼすものと考えますので、政府としましては、各甘味資源を通じ、農業、製造企業、国民生活の各般にわたって最も効率的かつ合理的な施策を展開するため、各方面の意見を聞きつつ慎重かつ十分な検討を進めて参ることとし、とりあえず、昭和三十七年三月三十一日限りで失効することとなっているてん菜生産振興臨時措置法の有効期限を一年延長して、寒地におけるテンサイ糖の政府の買い入れ等の措置を継続することとしたのであります。
以上をもちまして、てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案の補足説明といたします。
別に、お配りしております統計数字がございますから、簡単にごらんを願います。
二ページ「砂糖類の需要及び国内産糖生産の実績」でありますが、今の説明の中にもありましたが、三十六年度では総需要が百五十五万トン、そのうち国内生産が約三十三万トン、三十年には九%くらいの自給率が二一%になっております。一人当たりの砂糖の消費は三十年に比べて約三割くらい増しております。
それから、三ぺージの国内生産量の内訳、テンサイ糖が十三万トン、カンショ糖が十二万トンブドウ糖がこれは普通の砂糖換算ですが七万トン、こういうことです、これも説明の中にございました。それから四ページの甘味資源自給力強化総合対策、三十四年二月にそういう決定があったのでございますが、四十二年度を目標にしまして、自給率が約半分になるということ、三十六年度実績は先ほど申し上げましたように二一、二割余りということでございます。
それから五ページにいっていただきまして、種類別の輸入実績です。これはもちろん粗糖が多い、約百二十四万トンが三十五年の輸入で、三十六年はこれより多少上回っておると思います。
それから六ページにいっていただきまして、国別粗糖の輸入実績ですが、最近大きなウエイトを持っておりますのは、台湾の三割四分、それからブラジル二割六分、オーストラリア一割、キューバは一割二分くらいになっておりますが、これは三十一年をごらんになっていただきますと、半分以上占めておったものがこの程度に落ちておる、しかし、台湾のウエートは大きくなっておるというようなことが言われます。
それから八ページにいっていただきまして、国際糖価及び国内糖価の推移ですが、CIF価格のところをごらんになっていただきますと、三十六年四月ごろからずっと下がっております。それから卸売価格も七月ごろから百十円台に下がっております。しかし、小売価格はこれは卸売価格の変動と必ずしも並行しないで、割り合い安定した百四十五円程度のところをずっと続けております。
それから十ペ−ジにいっていただきまして、北海道におけるテンサイ生産の推移ですが、これは二十八年に一万五千町歩であったが、今は四万三千町歩くらいになっておりますけれども、三十六年は少し減っております。労力とか他作物との関係とかということで面積が減っておりますが、しかし減ったが、反当たり収量では三十五年は凶作の年でちょっと落ちましたが、三十六年は順調というか、やや伸びております。総量としては去年よりずっといいということでございます。
それからその次は十二ページ、十三ページの表ですが、テンサイ糖の生産実績ということで、三十六年一番下のところをごらんいただきますと、府県でも五万トン程度のテンサイ生産が行なわれておるわけですが、北海道に比べますと、たとえばロスでは大きいし、あるいは歩留りにいたしましても、北海道よりずっと落ちるというようなことが見られます。
それから次の十四ページにいっていただきますと、ここではテンサイ糖工場、北海道、府県の既設のものあるいは新設中のものというようなものについての表でございます。
十六、七ページは、これは説明の中にもちょっと触れましたが、三十四年四月の関税と消費税の振りかえのときの資料です。
それから最後の十八、十九にいっていただきますと、これはテンサイ糖を政府が買い入れた実績でございます。三十六年は買わないで済むということです。
以上をもって私の補足説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/8
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009・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 以上で補足説明及び資料についての説明を終わりました。この際ただいまの説明につきまして御質疑がございますれば、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/9
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010・千田正
○千田正君 ちょっとテンサイ問題で聞きたいのですが、自由貿易になった場合、テンサイに対する影響は相当あるのじゃないですか。その点はどういう工合にごらんになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/10
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011・大沢融
○政府委員(大沢融君) たとえば、自由貿易になったと仮定しますと、自由に砂糖が入ってきて国内の糖価がどの程度下がるか、どの程度のところになるかということで、それと関連してテンサイ糖の今の買い入れ価格、あるいは製造コストというようなこととの関連で、どういう影響を及ぼすかということだと思いますが、どの辺に値段が下がるだろうかということが一番決定的ですが、なかなかこれがどの程度になるかということは、よほど大胆な見通しをしませんと、見通しがちょっと困難じゃないかと思いますが、影響はないということはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/11
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012・千田正
○千田正君 影響はおそらくないということは言えないと思います。相当これはやはり共同市場との関連からいって、今、極東の経済機構の改造というような問題も相当称えられておる今日ですから、自由貿易というものを、やむなくわれわれはやらなくちゃならないということになってくると、一番しわ寄せになるという、こういう問題が出てくると思うのです。ある程度の保護政策というものは考えておく必要がないだろうか。これは今の御説明の点はわれわれも大いに賛意を表しまずけれども、自由貿易というものは、長い間かかってくるというような観点には私は立たないのですよ。急速な姿でやってくると、そういう場合に農林行政の一貫した問題と同時に、これに対するある程度の保護政策を考えなきゃならないのじゃないか、そういう点で一つ十分の御考慮を願いたい。この点を要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/12
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013・櫻井志郎
○櫻井志郎君 今の資料の八ページに国際価格、それから、日本のいわゆる消費者価格等の表が出ておるのですが、各主要国家の国家内の国内消費価格、これは私どこかで見たと思うのですけれども、資料として一ついただきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/13
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014・大沢融
○政府委員(大沢融君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/14
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015・北村暢
○北村暢君 私も資料をちょっとお願いしたいと思与のですが、それはイタリアへ調査団を派遣してやったと言いますが、その報告を、どういう内容になっているのか。これによって府県のテンサイの自信がついたということのようでございますから、これについての報告が一体どんなになっているのか、この資料をひとつ出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/15
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016・大沢融
○政府委員(大沢融君) イタリアへの調査団の報告から、国内の府県のビートあるいは糖類についての方向をどういうふうに判断するかという資料ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/16
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017・北村暢
○北村暢君 いや、そういう資料じゃなくて、報告を、どういう、イタリアの事情はどうだったかという報告されたものの内容が知りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/17
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018・大沢融
○政府委員(大沢融君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/18
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019・安田敏雄
○安田敏雄君 ちょっと資料のことでお聞きしたいのですが、この補足説明の末尾に、「寒地におけるテンサイ糖の政府の買い入れ等の措置を継続することとしたのであります。」として、またこの表で見ると、一番うしろ、十八ページですか二二十五年でずっと少なくなって、三十六年ゼロとありますが、これはどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/19
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020・大沢融
○政府委員(大沢融君) それぞれの工場がみな自立いたしまして、買う必要がなかったと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/20
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021・安田敏雄
○安田敏雄君 そうすると、この補足説明では玖府の買い入れの措置を継続することになっておるのですね、こっちのほうで今度は買い入れないという表が出ておりますけれども……よくわからぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/21
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022・大沢融
○政府委員(大沢融君) 三十七生産年からは、新しい工場の建設も進んでおりまして、操業があると思います。そういうものについては過渡的に買い上げをするというような必要もあるいは起ころうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/22
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023・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 他に御発言もないようですが、本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/23
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024・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第九三号、予備審査)を議題といたします。
本案は去る二十日提案理由の説明を聴取いたしております。それでは、まず本案の補足説明を聞くことといたします。森畜産局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/24
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025・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、若干の補足説明を申し上げます。
まず、改正の主要な点を申し上げますと、第一には、畜産振興事業団の業務といたしまして、畜産物の価格安定、債務の保証の業務のほかに、新たに畜産の振興に資するための各種事業に対して補助しまたは出資する業務を追加することとし、またこれに伴い本業務にかかる資金措置といたしまして政府は事業団に対して交付金を交付できることとしたことであり、第二には、これら畜産の擬真に資するための事業に対し事業団が助成等を行なう場合、助炭等の限度その他業務の案旗について定めることとしたことであり、第三には、政府が事業団に対して交付する交付金及びその運用益については、これを特別の勘定を設けて整理する等交付金の管理についでの規定を設けることとしたことであり、第四には、事業団が畜産の振興に資するための事業に対する助成等の業務を適正に行なうために必要な措置を講ずるほか、所要の規定の整備をはかることといたしたことであります。
まず第一には、事業団の業務を新たに追加した点についてであります。
政府といたしましては、畜産が今後の農業発展の中心的部門であるという点にかんがみ、需要の喚起と需要に見合った生産の拡大とをはかる見地から、家畜の改良増殖、流通飼料の需給調整及び価格安定、自給飼料の増産、多頭数飼育の助長と畜産経営の資本装備の高度化等、各分野にわたり各種の助成を行なって参り、さらに主要な畜産物の価格の安定をはかる措置を講じて参ったのであります。しかしながら最近の畜産物の需要は、急速な増加傾向をたどり、流通部門、生産部門の立ちおくれが目立って参ってきているのでありまして、政府といたしましても、中央卸売市場の整備、加工処理施設の充実、そして多頭数飼育を目標とした生産体制の強化等各種の施策を通じて、これらの隘路の打開に努めておるのでありますが、政府の施策と併行してさらに民間におきまして、産地または消費地の立地条件に合致したきめのこまかい合理化対策が行なわれる必要があると考えるのであります。
以上の点から、第一条の法律の目的を改正し、「畜産の振興に資するための事業に助成等のみちを開く」を追加するとともに、第十二条を改正して事業団が畜産の振興に資するための事業に対する助成等の業務を行ない得ることとしたのであります。またこの事業団の新しく追加された業務についての資金的措置につきましては、政府は、予算の範囲内で事業団に対し交付金を交付することができることとし、このため新たに第五十四条の二の規定を設けることといたしております。なお、昭和三十七年度におきましては、十億円の交付金を交付する予定であります。さらに、本事業の追加に伴い、事業団における業務の執行体制を強化する必要から、第二十五条を改正して常勤理事を一人追加することとしたのであります。
第三十八条におきましては、事業団の業務として今回新たに追加されることとなった「畜産の振興に資するための事業に対する助成等」の業務の内容を具体的に規定しているのでありますが、その一つは国内産の牛乳を学校給食の用に供する事業に対する補助であり、その二は、主要な畜産物の流通の合理化のための処理または保管の事業、畜産の経営または技術の指導の事業、その他畜産の振興に資するための事業で農林省令で定めるもの、以下これを「指定助成対象事業」と総称しております。についてその経費を補助し、または出資することであります。
国内産牛乳を学校給食の用に供する事業に対する補助につきましては、昭和三十二年度から牛乳の消費拡大、需給調整という面から国において実施してきたのでありますが、事業団における牛乳乳製品の価格安定業務の開始もあり、今後は、これと密接な関連のもとに実施して参ることが適当と考えたのであります。
指定助成対象事業といたしましては、畜産物の冷蔵施設あるいは保管倉庫の設置、飼料についての総合的な展示、あるいは指導のための施設設置、農業団体が行なう多頭数飼育に伴う家畜飼養技術、経営技術の普及その他畜産物の品質、規格の向上をはかるための検査機構の充実等の事業を考えております。この場合、農林省令におきましてはこれら助成対象事業の種類及び事業主体の性格について規定する予定であります。
次に第二といたしましては、事業団が畜産の振興に資するための事業に対し、助成等を行なう場合の具体的方法についてであります。
事業団が行ないます助成業務には前述のごとく、牛乳の学校給食事業に対する補助、指定期成対象事業に対する出資及び指定助成対象事業に対する補助の三つの場合があります。このうち、前二者すなわち牛乳の学校給食事業に対する補助及び指定助成対象事業に対する出資につきましては、政府から交付を受けた交付金の範囲内でこれを実施することといたしたのでありますが、指定助成対象事業に対する補助に要する経費及び事業団の助成業務一般の遂行に必要な事務人件費等の支出につきましては、その支出範囲を、政府からの交付金の前事業年度における運用益を基準として農林省令で定めるところにより算出される額の範囲内とすることとし、このため第四十五条の二の規定を新たに設けることといたしたのであります。なお、昭和三十七年度におきましては、初年度に当たりますことから、附則第二項におきまして暫定的にこの支出限度を五千万円としたのであります。
第四十六条におきましては、主として、牛乳の学校給食への供給事業は従来の経緯から見まして都道府県に委託して行なろことが適当と考え、その旨を規定したのであります。
次に第三につきましては、事業団が新たに行なう畜産の振興に資するための事業に対する助成等の業務にかかる経理についてであります。
第四十八条、第五十条及び第五十二条の改正は、事業団の新たに追加された業務にかかる経理については、これを畜産物の価格安定及び債務保証の業務と区分して特別の勘定を設けて整理することとしたことに伴う改正であります。第五十四条の二につきましては、先ほど申し上げましたように、政府は事業団に対し、交付金を交付することができる旨の規定を新たに設けることといたしたのでありますが、第五十四条の三は、この交付金の管理について規定したものであります。第一項は、交付金及び交付金の運用または使用によって生じた収入は、牛乳の学校給食事業への補助、指定助成対象事業への補助または出資に現金として支出できる状態で管理することを規定したものであり、第二項は、交付金の運用または使用の方法について規定したものであります。
最後に第四は、事業団が畜産の振興に資するための事業に対する助成等の業務の適正化その他についての点であります。
第五十六条の二は、事業団が行なう各種助成事業のうち、牛乳の学校給食事業及び指定助成対策事業に対し補助を行なう場合には、補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律をその一部の規定を除いて準用することとしたのであります。また、以上のほか第六十二条におきましては、事業団が解散した場合は、この業務の特別の勘定について残余があるときは、その残額を優先して国庫に納めることと致しますほか、大蔵大臣との協議事項、罰則等に所要の改正を加えることとしたのであります。
以上が、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案の概要.の説明であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/25
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026・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 以上で補足説明は終わったのであります。資料につきましては別の機会に譲りたいと思います。
この際、今の説明につきまして御質疑がございますれば、御発言を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/26
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027・千田正
○千田正君 学校給食に対して予定の表がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/27
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028・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 学校給食に対する計画は、一応最高限度としては六億を限度にいたしておりますが、需給関係等を見計らいまして給食する予定にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/28
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029・千田正
○千田正君 各都道府県から農林省へ要請してある県もあると思いますが、そういう資料がありましたらいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/29
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030・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 来年度、三十七年度につきましては、そう申しましてはなんですが、現在三十六年度一、二月ごろから非常に市乳の需要が増高しておりまして、各府県からはそういう予定は現在出ておりません。一般にはけてしまうものですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/30
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031・千田正
○千田正君 一般にはけてしまうとすると、今のあなたの御説明の、学校給食に対する一部改正法律案の対象としての計画はどういうふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/31
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032・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 一応資金が、学格給食従来一合三円七十銭ですが、一合当たり補助して参りましたが、その資金ファンドとしては、ことし要しました約倍近くを準備しております。需給関係で操作するものでございますので、備えて置いておるわけで、現在の三十七年度の見通しとしましては、四月から八月までは相当生乳自身の需要が旺盛で、現在のところそういう事態が、計画をやりますと、ますます輸入したりいろいろ操作しなければならんものですから、そういう意味から今のところ二学期以降を予定して考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/32
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033・大森創造
○大森創造君 畜産振興事業団というのが今まであって、そして畜産物の価格の安定、債務の保証等の業務をいたしてきたのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/33
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034・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 前の臨時国会までは、債務保証の事業団でございました。前の三十九国会で御改正をいただきまして、そうして指定食肉、あるいは乳製品等の買い上げ措置ができるという直接事業機関に改組する。本日告示いたしましたが、そのように価格調整まで債務保証が行なえるようになったわけであります。今回はさらに畜産関係事業の助成なども行ない得るような政府機関に改組するということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/34
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035・大森創造
○大森創造君 価格安定についての、いろいろな仕事をするこの事業団の経営を、一年、二年というふうに長期間にわたって見た場合に、これはどうなんですか、損する機関ですか、得する機関ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/35
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036・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 現在の政府出資額は十徳になっておりますが、来年度は十五億にいたしますが、これは相当手持ちになりまして、管理費用や品いたみが出ますれば、またその対象物資の値段の価格維持ができて、相当高値になれば計画としては回転的に運用できるという予定でありますが、相当かかえ込みがふえまして、品いたみが出てくるという場合に、三年周期ではプラス、マイナス、ゼロと考えておりますが、その周年度ごとにはプラスの場合もあるし、マイナスの場合もある、こういう計画でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/36
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037・大森創造
○大森創造君 仕事をやればやるほど損をするということにはいかぬのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/37
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038・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 今後の畜産物の生産等を相当計画的に、需要等も見計らって、なるべく損をしないように運用して参りたいと思っております。無計画でいろいろなことで支障が出ますと、そういう損をする場合もありますので、特に、出資といいますか、借入金をやる場合に、政府保証の規定までも入れてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/38
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039・戸叶武
○戸叶武君 学校給食に関連して、牛乳の問題でも、需要が盛んな夏のときには、そのほうには回せないからというので、二学期からというのは……。要するに、需要が旺盛でないときを見計らって、それを学校給食のほうに回すという意味でしょうか、具体的には……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/39
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040・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 三十二年度から学校給食を実施して参りましたが、学校給食という名前ではございまずけれども、需給調整等を主にして運用して参っております。制度論としてはいろいろございますが、特に中小企業等で乳製品施設を持たないものが非常に苦労する場合もありますので、そういう地域的な需給の調整もはかっていきたい、こういう上にかつ学童に負担をかけないということで、一合四円近くの補助をいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/40
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041・戸叶武
○戸叶武君 さっきは一合三円と言いましたが、四円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/41
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042・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) こまかく言いますと、三円七十銭であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/42
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043・戸叶武
○戸叶武君 今度の豚もやはり需給調整からくるのでしょうが、豚肉の値下がりに対して、河野農林大臣はそれをある価格をきめて、無制限に買って、事業団のほうで犠牲を払って、安い値段で学校給食のほうに回すというのですが、これは応急処置でしょうが、そういう応急処置によって、どのくらいの事業団のほうでは金を出し、あるいは犠牲を払わなければならないという見通しを立てておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/43
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044・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 本日、大宮、横浜、名古屋等に二百四十五円で告示をいたしましたが、生産者団体のほうでいろいろ販売計画を立てて、それ以下に割るという場合に、買い入れを開始することになりますが、買い入れたものから金利、保管料を払って置いて、品いたみがあるよりも、むしろ消費の増進をはかる意味から措置しようというわけでございまして、現在のところ六万五千頭を予定しておりますが、それらの経費操作等については、予算的に計画をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/44
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045・戸叶武
○戸叶武君 六万五千頭で、事業団としてはどのくらいの犠牲を払わなければならないという見通しですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/45
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046・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 概算といたしまして、ほうっておいてもやはり金利、保管料がかかるものでございますから、約一億程度は見込んでおります。具体的な問題としましては財政当局と十分なお打ち合わせを進めたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/46
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047・温水三郎
○温水三郎君 えさの対策ですね。あれは緊急対策で多少落ちついているけれども、いつ爆発するかもしれないという情勢に見ているのですが、緊急対策の次の恒久対策については、農林省は案がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/47
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048・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 私どもといたしましては、現在ふすま重点になっております関係を、マイロ、とうもろこし等の輸入増加もはかりまして、三十七年度にはできるだけたっぷり、相当需要が旺盛でございますので、たっぷり準備をいたしたい。今御指摘の大裸麦を中心とする緊急対策につきましては、近日中に決定する予定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/48
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049・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 他に御発言もないようですから、本件につきましては、本日はこの程度にいたしたいと思います。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X00919620222/49
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