1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年三月二十三日(金曜日)
午後二時三十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 梶原 茂嘉君
理事
石谷 憲男君
櫻井 志郎君
安田 敏雄君
森 八三一君
委員
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
木島 義夫君
重政 庸徳君
柴田 栄君
仲原 善一君
温水 三郎君
藤野 繁雄君
小笠原二三男君
北村 暢君
清澤 俊英君
戸叶 武君
天田 勝正君
千田 正君
政府委員
農林政務次官 中野 文門君
林野庁長官 吉村 清英君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
林野庁林政部長 高尾 文知君
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本日の会議に付した案件
○森林法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
森林法の一部を改正する法律案(閣法第八九号、衆議院送付)を議題といたします。
昨日に続き、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/1
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002・安田敏雄
○安田敏雄君 今までの経過からいって、参議院段階における審議は、本法案についてはいよいよ大詰めにきたような感がするわけなんです。そこで、衆議院の農林水産委員会で本法案に対して附帯決議をつけておられるわけです。この附帯決議について、当局の考え方及び今後の対策というようなものを一応御説明願うことが必要ではないか、こういうように考えておるわけなんです。
これはなぜそういうことを申し上げるかというと、今までの本委員会における審議に際しましても、これは当然与党側におきましてもそうでございますけれども、基本問題調査会の答申が出ておる際、あるいは中央森林審議会の答申も出ておる際におきましては、いわゆる森林基本法というような根本的な法律を提案すべきであるという意見が強いわけなんです。そういうような観点からいたしまして、早急に林野庁長官におきましても、この法案につきましては対処していくという意思表示もあったわけでございますから、そういういわゆる意味合いにおきまして、この附帯決議についての考え方をお聞きしたいと思うわけでございます。
そこで具体的に、一の「生産対策としては、造林事業の積極的実施及び林道事業の拡充整備に努め、補助制度並びに融資制度を改善するとともに、林業に関する試験研究、指導普及事業の拡充を図ること。」こういう点につきまして、ひとつ長官の考え方をお聞きしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/2
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003・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 衆議院におきましてかような附帯決議をいただいたわけでございますが、全般的に私どもこの基本問題並びに基本対策に関する答申に沿ってただいま検討を進めておる問題と申し上げても差しつかえない、かように思っております。
まず、最初の問題でございますが、御審議を願う間に御説明をしたところでございますが、ここでまとめて、要約して申し上げますと、この造林事業の積極的な実施については、新しい造林技術の導入、たとえば早成樹種の取り入れ、あるいは密植方法の取り入れ、あるいは肥培の方法の取り入れというような新しい進め方を積極的に進めで参るということを考えまして、さらに造林事業の機械化というものにも、なかなかむずかしいところでございますが、重点を置いて進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。林道事業につきましては、先般御質問がございましたが、林道事業の進め方あるいは計画という問題にも、私ども検討をしなければならぬ問題があるのでございます。したがいまして、三十七年度におきまして、林道の調査を取りあえず実施をいたしまして、これは大体この七月、八月ごろまでに完成をする見込みでございます。その上に立ちまして、林道事業の計画ないしは実施の方法等につきまして、検討を進めて参るというように考えておるのでございます。補助制度あるいは融資制度につきましては、ただいまそれぞれの事業値つきまして造林におきましては、補助と融資の制度をいかに調整をしていくかというような問題、あるいは林道の融資制度というものの再検討というようなことについて進めて参る考え方でございます。次の林業試験研究指導普及事業という点でございますが、この点につきましては、林業の政策というものは技術の裏づけなしでは、私どもとしては真の地についた政策というものはできないというような考え方から、ここに試験研究、指導普及事業というものを重点に取り上げて参らなければならないというように考えておるのでございます。ここで試験研究につきましては、この造林事業の現地における試験というものをさらに進めて参りたいということと、それから共同試験と申しますか、総合試験といいますか、そういうことを今後力を入れて参りたいというように考えております。指導普及事業の拡充という面につきましては、この従来の改良指導員につきまして専門家を配置して参りたいということは、今のような配置の仕方でなしに、やはり地区的にまとめまして、専門的な技術を高度に持った普及員を養成をいたしまして、協力をして普及事業をして参るというような方向で進みたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/3
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004・安田敏雄
○安田敏雄君 この融資制度を改善するということは、結局その融資額は従来のままで、それから従来のその融資制度に悪い点があったから、それですから今度改善する、こういうことなんですか。それとも改善強化という意味を含めまして、従来の林業資金に対してのきわめて不円滑と同時に非常に額の少ないという問題がある。したがって、そういうそのいろいろの欠点を改善していくと同時に、融資のワクを資金的に拡充していく、こういうようなことなんですか、そういう点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/4
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005・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 融資のワクも、三十七年度にはかなり大幅な計上をいたしております。申し上げますと、きのうもちょっと申し上げましたが、三十六年度総計で五十五億二千六百万円に対し六十七億八千万円というように大きく計上をいたしておるのでございます。たとえば造林事業に対します融資あるいは補助というような問題におきましても、現在の造林事業が大体五、六十万人の林家によって実施をされておるのでございます。この特色ありますそれぞれの林業の階層性に応じて、適切な助成制度を確立することが必要であるかと考えまして、三十六年度、三十七年度において造林補助査定基準というものを作りますために、調査を実施しておるのでございます。この調査の結果をまとめて補助、融資の実施の基準を明確にして造林の助成制度の適正を期したいというように考えておるわけでございます。このワクの問題とそういった適正化の問題という両方にわたって検討を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/5
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006・安田敏雄
○安田敏雄君 指導普及事業の拡充をはかるということの中に、先ほどの説明では、専門的な技術者を置いて林業経営に対する試験研究に対する指導を強化していくのだ、こういうことになるわけでございますけれども、これは従来そういう専門的な指導をする人はいなかったのですか、私は初めてなんでわからないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/6
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007・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 現在までの配置の状態を申し上げますと、大体森林区を単位に配置しておったわけでございます。これを地区をまとめて地区主任というようなものを置きまして、それに集中配置制をとりまして、それぞれの専門的な技術を持った指導員を養成して参りまして、これがその地区の中の指導を協力をして参るというように改めるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/7
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008・安田敏雄
○安田敏雄君 これは拡充をはかっていくという問題の中には、従来指導員の再教育の問題もあるかと思いますが、もちろんそれだけでは今後の林業経営の見通し、国土保全というような問題を考えましたときには、やはり新規採用というような問題がある。同時に、その新規採用する人を特に国有林労働者につきましては、いろいろその身分上の問題がきわめて前近代的な労務関係にあるものもあれば、あるいは一般並みの公務員というような人たちと同じ待遇を受けているというきわめて内容が複雑化しておるわけですが、そういう指導員を新規採用する場合も、拡充の一つに考えられるわけなんです。そういうようなときにおいてのその身分上の待遇、そういうようなものについては、どういうようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/8
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009・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この指導員は、民有林関係の県の職員でございまして、国有林のほうとは別でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/9
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010・安田敏雄
○安田敏雄君 県のほうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/10
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011・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/11
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012・安田敏雄
○安田敏雄君 国有林のほうは指導員を拡充しないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/12
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013・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 国有林のほうは、指導員は今のところございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/13
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014・安田敏雄
○安田敏雄君 これは衆議院で自主的につけた附帯決議なんです。この指導員というのは、そういうような民有林、いわゆる県有林に限って限定しているのだというようにあなたは解釈しているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/14
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015・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/15
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016・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連して。この造林事業の融資の問題ですが、これはやはり附帯決議にある拡大ということは、造林事業の融資の拡大ということを意味しておるという受け取り方をしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/16
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017・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 拡大ということは、そういうように考えております。それで三十七年度にも、三十六年度に造林融資では二十二億八千万円に対しまして三十三億六千万円計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/17
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018・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで融資のワクが不足をして繰り越しなり翌年度回しなりその他しているというお話を承っておるのですが、三十三億六千万円ということば十分要求に応じ得る金額として見込んだ金額ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/18
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019・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その点につきましては、御指摘のような事情も本年度まではございましたが、特に大蔵当局とも折衝をいたしまして、来年度の三十三億六千万という融資の額になりますと、大体私どもといたしましては要求に応じられる、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/19
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020・小笠原二三男
○小笠原二三男君 三十三億六千万円というものの融資ワクは、内訳は見込みとして大規模な造林事業とか、農家における小規模なものとか、そういうものを内訳で考えれば、大体大筋はどういう金額になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/20
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021・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これは農家とか何とかということでなしに大規模の造林、これは十二億でございます。それから小造林八億、公有林十二億、樹苗養成が三千万、それから補助残の融資が一億三千万、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/21
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022・小笠原二三男
○小笠原二三男君 大規模なのが民有林でももう法人成りのほうへ渡るのは十二億、公有林が十二億というと大体二十四億、もうそこで取られますね。あとはその他のほうに回っていく。
それでまずお聞きしたいのは、大規模造林というのはどういう向きの造林で、そうして十二億というと相当の金額ですが、どういう根拠を必要があってそういう企業として経営されている森林業者にそれだけの融資が与えられるのか。この辺のところをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/22
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023・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これは面積五百町歩以上の所有者ということになるかと思います。主体は、と申しますか、パルプ業界にかなり多くいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/23
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024・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それらは結局五百町歩をこえる個人または法人が貸付の対象である、従業員が百人以上だ、それが三十六年度において六億か幾らか需要を満たし得ない。年度末に極力調整するというような話も承るところですが、私の聞いておるのは、そういう意味合いから聞いておるのじゃない。そういうパルプ業者などというものに、企業としてもう初めから見込まれて造林の計画や何かもやろうとし、あるいは黒字の、採算のとれておる会社にどうしてそういう大きな金額が融資されるのですか。そのことは日本全国の今日の造林事業を推進していくにおいて、きのう言われました家族的経営を伸ばしていくとか、事業経営を伸ばしていくとかという問題に関係するので、どうしてそういうところに一々援助を与えるのか、非常に不思議でならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/24
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025・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この点につきましては、この造林は、ほとんどパルプ業界等の造林は拡大造林でございまして、伐採当時の収入というものは、ほかの植林的の収入とは比較にならぬ収入であるわけでございます。しかも、そうでない伐採したあとの造林というものが非常に多いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/25
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026・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ですからこれは、会社経営については私しろうとですけれども、持ち山を伐採してパルプ材として使う、あるいは他から買い入れて使う、そのことによって製紙なら製紙という生産なりコストの中に、一切そういうものが入って一つの価格を形成しているのじゃないでしょうか。そういうのは抜きにして、それは国からひとつ長期資金、低利資金を持っていってやるのだ、それで初めて企業採算が取れるのだという経営の仕方をしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/26
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027・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この点につきましては、自分の持ち山の伐採というよりも、パルプ業界に対して通産が認可を与えますときに、計画造林をしなさいという義務を与えておるわけでして、それに従って分収造林等を実施いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/27
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028・小笠原二三男
○小笠原二三男君 しかし、新しい製紙業者というと大昭和製紙ですか、そういうようなところは最近できたのだけれども、ほとんどがしにせじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/28
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029・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 確かにしにせでございますが、造林の何と申しますか、実行の義務と申しておりますけれども、これは割り当てられてやっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/29
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030・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それは割り当てられている、だから造林することによって生きていく会社として、初めからそれが企業経営の中でひとつのウェイトを持って採算の基礎になっておるのじゃないですか。それはもう経営上の資金からははみ出して別のところから持ってきて、伐採した跡地の造林やら分収造林などの資金を求めなければ、会社はやっていけないという状態なんでしょうかというのです。筋道として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/30
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031・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 会社の経理状態というよりも、むしろ私どものほうの資源政策といたしまして、私どもとしてはやはり無理をしてもやってもらわなければならぬというように考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/31
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032・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ですから、それは林野庁としては無理をしてもやってもらわなければならぬし、通産省がこの会社を監督し、認可している建前からいって、当然造林が義務づけられているというなら、やらせたらいいじゃないか。何で国が直接間接、国民の税金を、特定の会社にそれだけ出してやらなければならぬ必要があるのかという点が納得いかない。しかもたくさんある金ならいいでしょうけれどもね。小型造林と申しますか、一般の造林のほうにおける融資というものは、希望を受け入れることには十分な資金があるわけですか、今までの経過から見て。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/32
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033・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 小規模の造林に対しましては、補助するようにいたしております。で、この点を先ほど御説明を申し上げたのでございますが、補助と融資をいかように進めていくかということについても、ただいま三十六年、三十七年度にわたって調査検討をいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/33
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034・小笠原二三男
○小笠原二三男君 この附帯決議では、造林事業の積極的な施策を講じろという中には、融資造林事業、これを進めるのだ、これも一つの重要なウエィトだということ、その内容としては、ほとんどパルプ業者、大規模な造林業者に対する貸付なんだということ、公有林は対等に一応は扱われていますがね。しかし、これは公共性をむろん持っているものです。しかし、これを拡大していくということ、しかもこの財源というものは、国有林事業ですか、それらから得た利益の剰余金の一部かを、特別会計に繰り入れて、財源としている。そういうものに十二億も出すなら、そういう剰余金の一部というものは、他にもっと緊急性をもって使われるという方途が考えられないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/34
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035・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この小造林につきましては、先ほども申し上げましたように、融資よりもむしろ補助でいっておりまして、この八億程度で私どもは事業はまかなえるというように考えております。と同時に、この大造林と小造林、公有林の貸付の条件も違うのでございます。大造林は五分五厘でございますが、小造林は四分五厘、公有林も四分五厘という差があるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/35
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036・千田正
○千田正君 関連。今の小造林ですね。それは五町歩以下は対象としていないじゃないですか。今まで大体の標準は何町歩を小造林としたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/36
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037・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 小造林は五町歩で線を引いておりますから、それ以下でございますが、一反歩以上につきましては、補助を出しておりますし、それから融資も需要がありますればいたすということにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/37
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038・千田正
○千田正君 この前昨年質問したときは、五町歩以下に対しては考えておらない。現実に五町歩以下に対しては、融資あるいは補助をやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/38
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039・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) やっております。五町歩未満の何といいますか、所有者というのが九〇%以上あるわけでございますから、それをやらないことになりますと意味がないと思うのであります。やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/39
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040・千田正
○千田正君 私の村などでは五町歩以下ばかりなんです。それでかって借りたということもないし、借りようとしてもなかなか貸さないのです、現実には。そういうネックがどこにあるかということを研究しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/40
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041・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この補助を受けられました造林につきましては、融資は補助残融資という別途の方法があるのでございますが、その融資も道があるのでございますから、もしそういうことがございましたら、さっそく私ども調査をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/41
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042・千田正
○千田正君 この際ですから、そういうことに対してのPRがすこぶる足らないと私は思います。もう少しこういう法案が改正されるのを機会にして、そうした小造林、苗さえも買えない、伐切の跡に植林しようとしたって苗さえも買えない、そういう農家の現状をもう少し把握して、もう少し協力するような態勢を整えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/42
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043・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 承知いたしました。県それから森林組合等を通じまして、十分徹底するように措置をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/43
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044・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで何度も同じことを繰り返すようですが、今後この種のことを継続しなければならないとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/44
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045・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 昨日資源の政策の問題でいろいろ申し上げたわけでございますが、ああいう長期の展望に立ちましても、やはりこういうことは進めて参らなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/45
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046・小笠原二三男
○小笠原二三男君 会社自体にそういうことをやらせる、義務づける、そのことが国の援助、金の融資というものの裏づけがなければできないのですか。その方針は賛成です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/46
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047・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 先ほども申し上げましたように、伐切した跡等に私どもがそういった政策的な意味で植林を勧めて参りますためには、生産に長期を要する事業、将来の問題等の関係からもやはり続けて参らなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/47
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048・小笠原二三男
○小笠原二三男君 私はこの点が全然納得いかないのですよ。会社が会社として成り立つためには、それはパルプ材が必要です。買うか、植林するかですよ。買う価格というものは、これは払わないで二十年も債務を延滞することでなくて、直接手形なり何なりで短期で払っているわけです。その払っている代価というものは、三十年なり四十年なり成育させた幾多の生産費、造林費と申しますか、そういう費用がかかっていることが見込まれてはっきり買っているのです、会社は。そんなら自分で植林し、造林し、そうして自分が使うというのに、なぜ会社が金を出せないのですか。これがわからぬのです。他のものから買うときには、一部利潤を与えて買っておる。そんなら自分たちが法人として経営上植林をするというのは、それよりもコストが低くパルプ材が得られるはずなんです。資金ぐりの点で長期に資金を寝せるということが不可能であるから、国としてこれが援助をしていくということなのですか。これは資源を培養するということはよくわかっている。しかし、会社自体が経営上からいったって、当然それは伐採跡地に植林するということはあり得ることじゃないですか。それのあと押しを国が援助をする、それが大規模造林者といわれる、内容としてはパルプ業者だといわれている。そんならもう少し別途に、この金が有意義に使われるということでいいのではないかという議論も起こるように思うのですね。何かそういうところが、ある面には同じ造林事業の拡大ということで優遇をし、ある部面については何か冷淡である、そういう感じ方を持っている。もう少し堀り下げて、ただ資源の培養だからということだけでなく、御説明をいただけませんか。もしも資源の培養ということだけなら、何もこういう大規模造林業者というものを、これは五百町歩以上のものを対象にするのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/48
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049・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 特定のものに厚く、特定のものに薄くという考え方ではないのでございます。造林事業は、むしろ補助は小さいものにということで、零細なものには補助をいたしております。その上にその他融資が必要なものには融資ができる道が開けております。しかも、一部金利も低い金利であるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/49
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050・小笠原二三男
○小笠原二三男君 では、またあらためて伺いますが、融資の対象になるものは何町歩以上なんですか、非補助の融資の対象の事業は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/50
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051・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 限定しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/51
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052・小笠原二三男
○小笠原二三男君 限定していなければ、境目にあるところはどうなんです、認定ですか、融資と補助と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/52
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053・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そこのところをはっきりいたしたいということで、ただいま検討をしているということを今申し上げたわけでございますが、この融資と補助は造林者の選択の意思というものも尊重してやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/53
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054・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、五百町歩にならなくとも、相当大きな造林業者でも補助金という形式で造林をするという形もあるわけですね、法人等において。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/54
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055・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) ほとんど法人、この大造林というようなものにはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/55
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056・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そんなら従来の例を例示していただいてけっこうですが、どの辺が境目になっているのですか、常識として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/56
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057・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 指導といたしましては、五十町歩程度以上はなるべく融資に回ってほしいというように指導をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/57
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058・小笠原二三男
○小笠原二三男君 融資と補助と、予算上そんならどういうことを見定めて予算を作っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/58
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059・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この指導に使っております五十町歩の境というようなものを基準にいたしまして算出をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/59
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060・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしてそれが実行されておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/60
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061・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 造林者によってはぜひ補助でいきたいという方も中にはあるわけでございます。で、完全にというとあれでございますが、大体そういう方向に進んでおります。したがって、これを完全に分けて参りますために、その検討の資料を今集めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/61
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062・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、将来検討されますと、やはり今までのようなあいまいな形でなく、法律的にその点を明らかにするということになりますか。あるいは従来のように、ちょっとした法律があるのに対して、あとは要望というような形であなたたちの裁量いかんでどうにでもなるような、そんなやり方でこの事業を進めようとしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/62
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063・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 今のところ法律にはならないと考えておりますが、さらに検討はして参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/63
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064・安田敏雄
○安田敏雄君 このくらいにして、第二項ですが、第二項は読みませんけれども、これについてひとつ考え方を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/64
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065・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これは非常に大きいばく然とした問題が盛られておるわけでございます。こういう問題につきましても、個々の面で御説明をして参ったわけでございますが、民有林の利用の合理化、ただいまの財産保持的な所有の仕方だという、ああいうものから経営の形に持っていく。そのためには、この御指摘にもありますように、まず土地の利用の区分の明確化をいたしましたり、林業の機械化等を実施して参ったり、いろいろやらなければならないことがあるわけでございます。そういう面について私どもただいま内部におきまして検討をいたしておるのでございますが、一部森林組合を中心とする機械化、あるいは作業員の作業班と申しますか、労務班の編成、そういうような組織化というようなことについては着手いたしまして、三十七年度から一部実施をして参るようにいたしておるところでございます。国有林野の利用の合理化につきましては、この点では何と申しますか、地元との関連が含まれておると思いますが、その点につきましても、なるべく早急に結論を出しまして、国有林野の地元の合理化、地元利用の合理化という面について貢献のできるような制度を考えたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/65
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066・清澤俊英
○清澤俊英君 関連して。今の国土の利用というのですか、その問題で、きょう畜産局長いたらちょっと出てもらいたいと思うのですがね。それで畜産関係においては牧野の造成、草地の造成等の問題が強く取り上げられて、畜産振興が取り上げられているのです。こういう点で、あなたのほうで何か今年の予算を組む際に、どれくらいの計画量を持っているのか、また将来どのくらいのものを国有林からそういうものにはずしていくのか、たとえば放牧地帯を作るということになりますと、相当のものがあると思うのですが、そういう問題は大体どう解決しておりますのか。またこれから先、森林計画を行なわれまする際に、そういうものをどういうふうにお取り上げになるつもりか。第三点は、大体そうしたものに向けられると思う国有林はどれくらいあるのか。まずそれからお伺いしたいと思います。私は畜産局があれだけのものを打ち出すからには、相当の地積というものをあなたのほうで分けてくれるという話があったんじゃないかと思うが、そういう点のこまかしいひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/66
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067・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この問題は、やはり土地利用区分の確立という問題に関連してくると思うのでございます。この点につきましては、技術会議が中心になりまして、畜産あるいは林野、農地、こういう関係の局長が集まりまして、この土地利用区分をきめて参ります基準をただいま作っておるところでございます。それによりましてこれが実施をされてくるうよになるかと考えておるのでございます。先生の御質問の、具体的にはただいまのところでは、別に畜産局と交渉は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/67
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068・清澤俊英
○清澤俊英君 基準をきめていくというのは、大体どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/68
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069・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 土地利用区分でございますね。たとえば林地であるべきであるとか、農地であるべきであるとか、あるいは牧野であるべきだというような、そういった判定をする基準でございますね。これをただいま農林水産技術会議を中心にいたしまして検討を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/69
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070・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、それらが完全にきまらなければ、またあなたのほうの完全な造林計画というようなものはできないわけですね。また、それを無視して計画は立てても、あとから問題が出てそれはやめなければならぬと、こういうことになれば、そういう計画はくずれますね。そういう点ではどういう御考慮を払っておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/70
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071・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 問題が起きるようなところは、あえて進めるというようなことにはならぬかと思いますが、もうすでに放牧地等に使われておりますこういうところは、やはり逐次そういった開発の事業をやりていけると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/71
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072・清澤俊英
○清澤俊英君 これは今現在やっておるものは、それは当然の話だろうと思う。これから畜産振興に対して、飼料対策として牧野の開発、放牧地の造成、あるいは草地の造成というようなものが当然問題になっているのです、問題になっておりますならば、これはいずれにしろ、民有林にしろ、国有林にしろそういう問題は出てくると思う。ことに私は一番今の場合だと、そういうことを実行していく場合に、なかなか民有林は無理だと思うのです。畜産局でも一昨々年か、そういうことに使うために土地利用のための研究費というものをとって、そして利用の研究をしているけれども、なかなか国有地と違って、そううまくはいかないと思うのです。そうすると、目標として定められるものは、やはり国有地だと、こう思う。そういうものに対して、何か政府部内において、総合的な話し合いの場というんですか、研究の場というんですか、そういうものが現在あるのか、これから持っていくおつもりなのか、これを一つお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/72
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073・北村暢
○北村暢君 関連。この土地の利用区分の明確化の問題については、先般の当委員会において、開拓関係の法案、開拓融資保証法の一部改正案がとおるときに、農林大臣が明確に私の質問に対して答弁しているわけですが、思い切って農用地の開発をやるんだということを言明をいたしております。そして先般大臣が岐阜県等へ行って、その構想を発表したところが、いわゆる山地主と称する山を持っている人から、大臣は相当猛反撃を受けた。山林の所有権にまで関連する問題について、岐阜県等の航空写真等をとって、土地利用の非合理的に利用されているものについては、もっと合理的な使い方をするんだ、そういうようなことで、大臣はおそらくこの国会の委員会でもそういう問題があったから、勘のいい大臣ですから、とたんに岐阜県へ行って一発やったんだろうと思う。ところが、山林地主から相当猛反撃を食ったということを私も聞いておるわけです。したがって、この問題は清澤委員が言っておりますように、長年林野関係者と、畜産なり農業関係者との間で、非常に意見の相違の起こっている問題なんです。したがって利用区分を明確にしていかないと、そういう土地問題に対する方針というものが確立していかないというと、この関係はどっちにせよ伸びないんです。林業としても伸びないし、畜産としても伸びないんです。その所有関係なり、こういうことが明確にならないというと、いずれにしても国の土地開発、土地利用という面における資源の開発、振興というような点からいって、マイナスの面が出てくるのじゃないか、それでわざわざこの土地利用区分というものを明確にせよ、こういうふうに附帯決議が出ておると思うんです。したがってこれについては、相当やはり従来の考え方というものを改めて、思い切った施策というものに踏み出さないというと、これは言うべくしてどうしてもできないんですね。ちょっと改革的なことをやるというと、すぐ圧力団体から圧力がきてうやむやになってしまう。こういう問題なんです。したがって、これはたいへん重要な問題ですから、一体この問題、この附帯決議について、明確化するというのだが、具体的にどういうふうにこの実現をしようと考えておられるのか、清沢委員の質問に関連をして御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/73
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074・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) まず清澤先生の御質問に対してでございますが、さしあたりの問題といたしましては、やはりケース・バイ・ケースに関係者が十分協議をして、遺憾のないように処理をして参らなければならないと考えております。
それから全般的の問題といたしまして、北村先生の御質問につきましては、御意見のとおりだと私どもも考えております。したがいまして、むやみにそれぞれの立場を固執するということでなしに、関係者と技術会議を中心といたしまして、十分納得のいく議論を進めまして、そういった中において、この土地利用区分というものを明確化して参るように努力をしたいと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/74
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075・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連して。この土地利用の区分の明確化という問題ですが、これは長官のお考えとしては、こめ種のものは林業基本法、あるいは森林法、そういうような名称の一部として取り扱うものとお考えになっていますか。それとも、単独に立法化して、強力な施策としてこれをやらなければ実現が不可能であるというようなお考えを持っておられますか。技術会議等に諮ってということですが、長官自身のお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/75
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076・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) たいへん将来にわたりますので、御回答申し上げにくいのでございますが、一つの林野だけの問題でもございませんので、この点につきましては、もう少し検討を進めまして結論を出さなければならない、これは農林省として結論を出さなければならない問題だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/76
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077・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これは政務次官、大臣等に伺う重要な問題なんですがね、このことは、実際にやらなければならぬ、やり切ろうということで、具体的に技術会議等の問題として早期に結論を得るということについては、確実に皆さんのほうでお約束できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/77
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078・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) まあ、これは技術会議が中心になってやっておるのでございます。これが総合的に農林省として結論が出ることになるわけでございますが、私どもも、やはりなるべく早く結論は出すべきだというふうに考えて努力はしておるのでございますが、なかなかむずかしい問題もございますわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/78
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079・小笠原二三男
○小笠原二三男君 むずかしい問題という一点として伺いますがね、この土地所有の関係にまで触れて、一方は農地法の改正等が行なわれるけれども、これとは趣を異にしますが、林野の関係についてもその点まで触れなければ本物にならぬとお考えですか。触れないで、今、構造改善ということで言われておるようなものが処理できるとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/79
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080・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 現在、私がむずかしい問題がありますと申し上げたことは、技術上の問題で、まだ十分に煮詰まっておらないということを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/80
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081・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで私の答弁には……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/81
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082・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) したがいまして、主地所有関係という問題にまで、私どもは今触れて考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/82
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083・小笠原二三男
○小笠原二三男君 その範囲で、この附帯決議が希望しておるようなことができると長官はお考えになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/83
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084・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 私の記憶しております範囲におきましては、衆議院で御質問のありましたこの土地利用区分と申しますのは、私が先ほど来御説明したようなことであったように記憶しておるのでございます。で、したがいまして、所有関係の問題には、この利用区分というものは触れておらなかったように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/84
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085・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 委員長から希望しますけれども、関連質問は、できる限り簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/85
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086・清澤俊英
○清澤俊英君 今の問題、そういうものがきまって、きまり方によっては、面積が違ってくるでしょう。そうすると、それらがきまらなければ、完全な林業計画というもの、需給計画というものはできないわけだ。こういうことが考えられるが、それについてどうお考えになっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/86
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087・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) まあ、そういう減ったりふえたりするということはないとは申し上げられないと考えておりますが、牧野、畜産関係におきましては、大体、原野のところが多く使われるようになるのじゃないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/87
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088・安田敏雄
○安田敏雄君 機械化の問題について聞きたいと思うわけですが、たとえば国有林における機械化の問題の中で、一応林道の林鉄を廃止をして自動車道に切りかえるわけなんですけれども、いただいた資料によりますと、四十六万六千九百四十八キロ、百九十二路線について、林鉄を撤去して自動車道に切りかえておるわけなんですが、こういう問題については、労働者側との間においての事前の協議というものを、やっぱし、やっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/88
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089・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういう点につきましては、事前に話し合いをしてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/89
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090・安田敏雄
○安田敏雄君 その際、当然自動車道に切りかえますというと、今までの林鉄の従事者というものは、今度は配置転換なり、あるいは一番悪い条件のものは、臨時作業員の常用でない者が多いから、首切りの対象にもなる、こういうことにならざるを得ないと思うのですが、こういう点の問題は、どういうように処理しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/90
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091・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 配置転換をして首切りということは考えておりません。臨時作業員は、臨時に期間をきめて雇用をするわけですから、これは私どもは、いわゆる首切というものとは考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/91
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092・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 安田君に申し上げます。当初お話し申し上げました、大体、一時間のあれが来たのでありますが、関連質問が相当ありましたので、委員長は若干関連質問の時間を考慮するつもりでありますが、できる限り、当初の話し合いの線で進められんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/92
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093・安田敏雄
○安田敏雄君 それはそうですけれども、ちょっと速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/93
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094・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/94
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095・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/95
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096・安田敏雄
○安田敏雄君 そこで、自動車道に切りかえますというと、当然林野庁のトラックを使う以外に民間のトラックをたくさん使うだろうと思うわけなんです。そういうようなことで、今度この切りかえによってどのくらい民間のトラックを請負制にしてふやしておるかという問題はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/96
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097・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これはそういう意味の集計をしておりませんが、資料の七ページに製品生産事業請負比率の輸送というところに上がっておりますが、輸送は、請負事業が逐次ふえて参っておりますが、こういうものがそれに当たるものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/97
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098・安田敏雄
○安田敏雄君 数字はわからぬですが、国有林から見ると、自家用といいますか、官庁のトラックを使うのと民間のトラックを使うのとは、その経費の点は民間のほうが安いのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/98
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099・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 一般的には申し上げかねます。これは高い場合、安い場合、その比較をしてやっておりますが、たとえば民間のトラックを雇い上げるというようなときに、高い場合はどういうことかといいますと、やはり八時間労働ということに私ども限定をいたしておりますので、割高になるということもあるわけでございます。またその逆のような場合もあるわけでございまして、臨時的な仕事というような場合には、民間のほうが安くなるという場合もあるわけでござまいす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/99
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100・安田敏雄
○安田敏雄君 民間のいわば民トラを入れるときには、これはほぼ請負制が多いんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/100
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101・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 請負契約をいたします。直営製品を、国の資材を、原木を運搬するというときは請負契約でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/101
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102・安田敏雄
○安田敏雄君 そうしますと、大体民間のトラックを入れることのほうがいろいろの点について得だ、安上がりだという結論になるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/102
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103・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 特に安上がりだからやるということでもないのでございますが、高い場合もありますし安い場合もあるものですから、そういうものを比較検討をしてやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/103
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104・安田敏雄
○安田敏雄君 こういう機械化、合理化の面から自動車道にするということはやむを得ないことだろうと思いますけれども、そういうようなことによって、従来の林鉄に従事しておった職員が他に配置転換、あるいはその他の問題が出ましても、まあ結局そうでなくても国有林の労働者は非常に賃金が安いということを言われておるわけでございますから、そういうような面において、これはそういう待遇上の問題等につきまして、十分考慮を払う必要があるということを要望しておきます。
それからもう一つの問題として、機械化の導入対策でもって、自動ノコであるとかワンマン・チエンソーの採用というものをやっておりますが、こういうようなことによって、ある地区においては従前二人ぐらいで仕事をしておったものが一人で機械化のために操作を行なう。そういうことによって相当伐倒材の下で犠牲者が出るというような問題が起きておるわけでございますが、そういうような問題についての十分対策を考慮する必要があるんではないか、こういうように思うわけです。これは毎年秋田管内で六人から十人以上の死者が出ておる。三十五年度も死者十人、重傷三百三十五人、軽傷六十七人、合計四百十二人の死傷者が出でおるわけです。その内訳を見ますというと、大体伐木死者が三、機械集材で二というような工合に、機械化に伴ってのいわば犠牲が多いわけです。したがって十分機械化する場合におきましては、それに対するところの指導訓練等ももちろん必要でございますけれども、機械の導入によっていたずらに合理化の面から人員を削減していきますというと、これは思わぬ犠牲者が生ずるという場合も、特に地理的条件が山は悪いわけですから、そういうような問題を考慮して十分対処していかなければならないと思いますが、こういう問題についてのひとつお考えを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/104
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105・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 私はやはり人命が一番大切だと思っております。その考え方に沿って、すべての合理化あるいは機械化というものは進めて参らなければならないと考えております。したがいまして先ほどお話しのワンマン・チエンソー等も、危険をおかしてまで、無理をしないという考え方で進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/105
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106・小笠原二三男
○小笠原二三男君 関連して。この林業経営の協業化という問題についてお尋ねしたいんです。これは林野庁の受け取り方としては、どういう森林の所有者の協業を考えておるか、どのくらいの規模のものが寄り集まって協業していくことを育成しようとしておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/106
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107・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 規模の制限は考えておりません。この調査会の答申の中にもございますように、あまりに零細なものの個々の経営では、十分な目的が達せられないというような考え方もございまして、私どもといたしましては、やはり労務が組織化されまして事業が共同化されるということを主眼にして考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/107
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108・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると一町歩以下のような、ほんとうに零細なものの協業にも補助とか貸付とか、そういうことが認められるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/108
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109・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そのほんとうに零細なものを考えておるのでございまして、今回まず手初めにやりましたのは、森林組合にその機械を持たせまし、て、たとえば先ほどお話しのチエンソー、それから刈払、あるいは集材機、こういうものをセットで持たせまして、労務を組織化して、これで共同的な事業を進めて参りたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/109
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110・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしてそれは林業経営維持改善資金などというものを出し得る対象になるのですか、個々には一町歩以下のものであっても、協業すれば相当規模になるというものには。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/110
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111・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 個々にできます。その経営維持改善資金というのは、ただし二十町歩以下という制限をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/111
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112・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、二十町歩以下で、一町歩未満は切り捨てだ、森林とみなさない、そういうような方針というものはないわけですね、今度の個別経営という問題で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/112
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113・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういうことは考えておりません。特に自家用林というものを知事に申請をしまして、自家用林に指定をされますと、これは森林計画等のまあ制限といいますか、にならないということはありますが、全部であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/113
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114・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ついでにこの際ですから、前に聞こうと思ったことを、ちょっと事務的なことですからお聞きしたい。大規模な森林業者は融資の対象になる。それは大体五十町歩以上。五十町歩未満のところは補助という形で進む。そういう中に林業経営維持改善資金というものは貸し出しで二十町歩以下、それには管理資金と造林資金のうちの保育資金を出す、こういうことですね。そうすると、五十町歩から二十町歩までの間のものは林業経営改善維持資金と申しますか、それの対象にはならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/114
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115・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 二十町歩以上は一応対象に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/115
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116・小笠原二三男
○小笠原二三男君 五十町歩以下二十町歩以上のものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/116
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117・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) それ以上も。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/117
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118・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それ以上も対象にならぬが、その中間層のものは、また特にならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/118
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119・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) それもならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/119
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120・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/120
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121・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) まあ、一応零細な二十町歩以下というものを主眼にしてこういう経営維持改善資金を貸すということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/121
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122・小笠原二三男
○小笠原二三男君 もう二十一町歩になったらいかぬということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/122
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123・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういうことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/123
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124・小笠原二三男
○小笠原二三男君 なぜ、それが二十町歩というものが、それ業務方法書できめたかしらぬが、二十町歩というもので区切ったかという点が、私は将来の林業の構造改善ということに何かポイントがあれば説明をいただきたいと思ってこういうことを聞いている。何の関連もなしに、ただ腰だめで二十町歩以下にする、それ以上はだめだという、その程度の根拠なんですかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/124
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125・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) まあ、私ども大体その二十町歩以上は自立林家の範疇に入るんじゃないかという考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/125
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126・北村暢
○北村暢君 ただいまの問題について関連してお伺いしますが、五十町歩以上は、まあ融資造林で融資の対象になるわけでしょう。ところが五十町歩以下の零細なものについては補助金、造林補助金でやっていくと、こういうことですね。大体の考え方はそうじゃないですか。そういう零細なものは補助金でやっていくのだと、こういう考え方になっておる。ところが林業経営改善資金に限っては二十町歩以下のものでも造林資金というものは貸すわけですね。経営改善資金二十億かのワクの中では、五十町歩以下のものも、二十町歩以下のものでも、造林資金というものは貸す、こういうことになっているようです。そうしますと、五十町歩以下のものは補助金等で、なるべく零細なものは補助金でやっていく、補助金でやるものと、この二十町歩以下で、林業経営改善資金に限っては融資もする、こういうことになるんじゃないかと思うのですね。したがって、今小笠原君が質問している二十町歩以上五十町歩の間のものは、これは補助金だけでやる、こういうことになるのじゃないかというふうなことで、何かつながりが悪いのじゃないかこういうふうな質問だと思うのです。それともう一つは、二十町歩というのは、やはり自立経営林家というものが二十町歩単位に考えられているというのは、基本問題調査会の答申案に出ているわけですね、一応の。所得倍増計画でも出ている。自立の経営の林家というものは二十町歩単位だ。したがって、二十町歩というようなものを育成しようという考え方で、この林業経営改善資金というものは特に造林に融資しよう、こういう考え方なのかどうなのかということを実はお伺いしておるので、どうも融資造林と補助造林と、そのほかにまた林業経営改善資金というものが出てきたものだから、何が何だか複雑になってわからなくなってきた、こういうことなんです。ですから問題は、根本的に言って、基本的な法律を作るというようなことを考えておらぬはうだけれども、とにかく最初に指摘したように、この造林の補助金その他についても、まあ最初の第一のところで小笠原君が盛んに質問したときに、なぜ大規模のものに融資をするのか、融資の保護措置をとらなければならないのかというような問題についても、その造林というものについての理論的根拠というものが、林野庁にはっきりしておらぬ。私はそう思っておるのです。(「何を言うか」と呼ぶ者あり)何をと言うけれども、実際にそういう根拠というものはないのですね。私はその根拠があるなら示していただきたいと思うのですけれども、根拠がないのです。常識的にだれが考えても、巨大なものに補助して、利益を上げているものに無理やり補助しようという考え方というものは私は成り立たないと思うのですね。しかしながら、その場合.に、やはりその造林というものについて補助金を出すという考え方の中には、これは林木というものはやはり土地の肥沃度の蓄積である。そういう考え方からすれば、農業は土地改良資金というものを出しておる。で、天然林よりも人工造林というものは土地の肥沃度というものを有効に利用するという点については、これはもう当然上がるわけですから、したがって、生産基盤を確立するという理屈になってくる。農業でいう反収をふやすというための土地改良のための国家投資というものだ。造林というものは、天然林に置くよりも生産が上がることは、もう確実なんでありますから、そうすればこの造林というものは、農業の土地改良の投資に匹敵するものである。そういう理論的根拠というものは私は出てくるのじゃないか。したがって、そういう点から、実はこの問題についてはまあ林業の地代の問題に関連をして実はやりたかったのですけれども、それはできませんので、私は遠慮しているのです。遠慮しているのですが、とにかくそういう問題なんで、この融資補助、こういうものに対する確立した方針というものがない。法律的にもどういうものにどういうふうにするということは何もないので、全部行政措置で実はやってきておるわけです。でありますから、どちらかといえば、つかみ金というような形になるものですから疑義ができるのでありまして、実際問題として補助金等については、林業関係事業補助金等交付要綱という、補助金を一括して造林も、治山も、林道もこの補助金の交付要綱というものでもって実は林野庁は実施しておる。こういうところにやはりそういう疑義の起こる問題があるのじゃないかというふうに思うのです。ですから、私はこの問題については、法律にするかどうかわからないけれども、とにかく明確にしておきたいということでございますから、そういう疑義がやはり起きてくる原因というものが当然先ほどの説明を聞いておりましても、私どもどういう根拠でこの理由がなっているかということに疑問が出てくるわけです。ですから、そういう点についてはひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/126
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127・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 御指摘の点再度申し上げますが、十分そういう御意見も伺いまして検討をいたしまして明確化をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/127
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128・清澤俊英
○清澤俊英君 これは一のほうでちょっとお伺いしておくつもりのものが、先へ進んでしまいましたので何ですが、一の林業に関する試験研究と、こうなっていますね。この林業に関する試験研究の中に、今の技術会議ができる前に、私ども草資源開発に対する研究会を開いた、夏季の休みに。そのときいろいろ議論がありまして、今立っている立木の下に植えますところの草ですが、草というものが、ある種類によっては立木のために非常に障害があるし、ある種類のものは非常に有効な働きをする、そうしてそれらの中からまた国内的にまあ飼料、草資源としても培養するものもあるのだから、これを林野庁でも畜産局と相談をして、そうしてそのことを十分研究するのだ、これは柴田さんのときだと思うのですが、そういうことが話されたのですが、その後の様子を見ますと、さらにそういうものが行なわれておるようなことは聞かないのですが、それは今どうなっていますか。これは直接あなたのほうばかりでなく、近く畜産価格安定の問題等に対しては重要な問題でありますので、一応あなたのほうは今どうなっているか。
それから、同じく新たに立てられる林野関係の造林計画等に対しまして、この問題をどうお考えになっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/128
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129・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 草の問題でございますが、これは御質問がどういう方面でございますか、畜産に関係をいたしました林地との関連した草の問題になりますと、私どもやっておりますのは治山でございますね。たとえば荒廃地、禿しゃ地の治山にそういった飼料になる草をまず植えまして、土砂の流出をとめる、それにイタチハギでありますとか、ニセアカシアでありますとか、葉を飼料にできます灌木ないしは立木の広葉樹を植栽をしてこの飼料に供するということも一部ではやっております。しかしながら森林が鬱蔽をして参りますと、なかなか草というものは入りにくくなるのでありまして、全面的にはなかなかやはりそういった禿しゃ地の改良というものの過程にそういうものが使えるというようなことになるのではないかと思っております。それは実際にやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/129
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130・清澤俊英
○清澤俊英君 当時で話は、私のまあ記憶違いであれば別ですけれども、とにかく立木の下に植える草によって立木の生長が違うと、したがいましてその草を、これは畜産ばかりじゃない、畜産に関係しないでもそういうものと一緒に研究することが重要性を持つ。これらのものはいずれ新たにできる技術会議等によって研究していく方法を定める、こういうことになっているのですがね。ところが、そういうものがさらに今お話を聞きますと、行なわれておらないと思う。だから、したがって私どもは今これからあなた方が立てようとする森林計画の中に、そうしたものが入らない、こう解釈していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/130
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131・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 御質問のあれから考えますと、あるいは肥料木といいますか、灌木のようなものになるかと思いますが、そういうものが下にありますと、森林の生長に非常にいいという結果は出ておるのでございますので、そういうことはやって参りますが、鬱蔽した森林の中に草を植えるということはちょっとむずかしいのじゃないかという気がするのでございます。そのころの事情を私一度調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/131
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132・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで何かお向かいのあたりのほうから、造林資金等についてものがわからぬような意味合いのやゆ的なあれがあったのですがね、事実私はわからぬのです。わからないから聞いておる。林業経営維持改善資金というものは昨年出ただけで、またあらためて来年度金がふえることから業務方法書や何か変わって、これから農林大臣の告示で発足するような姿勢にあるのでしょう、わからないから聞いておる。まず、この林業経営維持改善資金というものは、事務的に内容がわからぬ管理資金だ、造林資金だ、保育資金だ、相続資金だ、何資金だという.……。体系的にいって二つの項目に分かれ、その中の何々と何とちょっとお話しいただきたい。そうしてこの問題は、今後の林業の構造改善に寄与するという観点からおかれるものか、当座の今の事態をしのいでいくというために、二十町歩以下ということでこれを適用していこうとするのか、その辺の根拠を聞かなけりゃ二の林業改善、経営改善対策という一環の問題としてわからないのです。だらか、お尋ねしておる。さっき北村委員がいいますように、二十町歩が自立林業経営者だとして、それの育成をはかろうとしておる。一方、私が聞いたのでは、一町歩未満のものもそれは対象、零細林業経営も対象なんだという。だから、それならどういうところにこれは力点が置かれて、将来どういう方向にこの二十町歩以下というものが林業経営で育成されるということのために国が援助しようとしておるのか、この点を明らかにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/132
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133・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ちょっと速記をとめて。
〔午後四時八分速記中止〕
〔午後四時二十九分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/133
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134・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/134
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135・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 林業経営維持改善資金の貸付につきまして御説明申し上げます。この貸付でございますが、植栽後の保育等の管理資金、これは造林の資金ではございません。造林の後五年以後の保育管理等の資金と、それから経営規模の拡大のための造林地または幼齢の人工林等の取得の資金、それから経営細分化の防止をはかるための相続資金、それから林業経営維持のための維持資金——これは医療資金、負債整理資金、こういうような四つの種類の資金が指定をされているのでございますが、貸付の金利は五分五厘でございまして、二十年以内といたしておりまして、先ほどの二十ヘクタール未満の所有者ということになっているのでございます。で、先ほど御質問の中にございました、中間の空間といりことでございますが、この造林の助成につきましては、一応私どもは指導的には五十町歩以上の方は融資でやっていただきたいというような指導はいたしておりますが、先ほども申し上げましたように、どちらかを希望をされる場合には補助、融資、どちらかをやっているということでございますので、その点はこの空白のところはないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/135
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136・小笠原二三男
○小笠原二三男君 もう一度お尋ねしますが、管理資金というものに入る資金は何と何で、管理資金と並ぶものは何と何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/136
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137・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この植栽後五年以後の保育等の資金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/137
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138・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、管理資金とは保育資金等、それから管理資金と並んで経営造林維持あるいは造林資金が一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/138
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139・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 造林資金は入りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/139
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140・小笠原二三男
○小笠原二三男君 じゃ、経営維持資金、それから相続……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/140
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141・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 経営規模拡大のための資金でございます。それと、取得資金でございますね、これは。それと、経営細分化を防止をいたしますための相続資金、それから林業の経営の維持のための維持資金、この維持資金と申しますのは、医療あるいは負債整理というようなための資金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/141
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142・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで、もう時間が制限されましたので申し上げますが、森林計画では先に一例をあげました一町歩未満のものは当座もうはずす、あるいは将来はもっともっと大規模のものだけ対象にしてはずしていく、こういう構想があるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/142
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143・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 一町歩未満の所有者の意思によりまして県知事に申請をいたしますと、その許可を得ますと、自家用林の指定が受けられるわけであります。そういたしますと、届出等の手続が要らなくなるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/143
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144・小笠原二三男
○小笠原二三男君 具体的にはそういうことでわかりましたが、将来の構想として下を切ると、計画からはずすという点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/144
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145・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういう考えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/145
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146・北村暢
○北村暢君 私はこの三、四ですかについて、ほかの人は知りませんが、私、五と六の問題についてお尋ねいたしますが、「民有林労務者の安定的確保のため、労働条件の改善、社会保障制度の確立等その福祉並びに所得の向上を図ること。」という附帯決議がついておりますが、民有林労務者の失業保険についてはどのようになっておりますか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/146
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147・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 失業保険でございますが、失業保険法によりまして農林の事業につきましては、当然加入からははずされておるのでございます。で、林業労働者を被保険といたしますのには、事業主は都道府県知事の認可を必要とされておりまして、認可に際しましては、基準によりまして毎年季節的に、また常時循環的に離職者を発生させるおそれのある事業主は認可をしないこととされておるのでございます。三十七年度からこの要件を、常時五年以上を雇用しまして、年間継続して企業をする事業主で、離職率が五〇%以下であるというように緩和をいたしまして適用をすることとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/147
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148・北村暢
○北村暢君 そうしますと、これは労働大臣の認可基準を緩和したと、こういうことになるのであろうと思うのですが、そうしますと、この雇用者の半分の人がまあ離職するということがあっても、一年間続いた場合には、失業保険を適用する。したがって、その事業主と雇用者が事業をやっておるわけですが、それが一カ月でも二カ月でも切れてしまうといった場合には適用にならないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/148
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149・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この要件からしますと、私どもはそういうふうに解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/149
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150・北村暢
○北村暢君 そうしますと、適用にならないということになりますと、一体、今までは労働大臣の認可で、農林業というものは全部はずされておった。ところが、今度は年間仕事を続いておるもので、半分だけは雇用関係からいって減ってしまう、しかしながら、一年間続いていなきゃだめだ、こういうことになるわけですね。そうしますと、そういうことで、そういう業態で救われるものというのは、一体、林業の事業の中で生産並びに造林というものはもう一年間続くということはあり得ないでしょうから、これはもう全然だめだと思う。したがって、この伐木関係ですね。伐木関係、そのほか、まあ、造林も続いていいんじゃないかと思うのですが、とにかくこの林業関係のもので、年間ずっと適用されて、事業が続くというものは、一体、林業関係の中でどの程度あるのでしょうかね。私はせっかく緩和されても、適用されるものは非常に少ないのじゃないかと思うのです。東北、北海道等で、年間通じて林業関係で仕事があるなんというのは、ほとんどないのじゃないかと思うのですね。したがって、せっかく労働大臣の認可基準というものが緩和されても、適用されないものが多いのじゃないかというふうに思うのですが、どの程度に把握されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/150
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151・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これは昨年——本年度でございます、三十六年度に北海道で試験的に実施をいたしまして、三十七年度から全国的にこういう基準でやるということがきまったようでございますが、お尋ねの、どの程度の予想ということは、ちょっと今私、予想をいたしかねておりますが、この実施をされます将来の実績というものには、十分関心を持って注意を払っていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/151
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152・北村暢
○北村暢君 この点については、北海道で試験的に一年間実施したというのだけれども、林業関係でこれを要求、認可の申請のあったものというのは、非常に少ないというふうに聞いているのですよ。したがって、少ないものを基準にして全国的に伸ばされるというと、林業というものは御存じのように北海道、東北と四国、九州とでは業態が全くといっていいくらい違うわけでしょう。したがって、北海道の一つの例をもって全国を律するということは非常に無理だと思うのですよ。したがって、私は今労働省関係の事務当局にこの問題をやはり折衝しているのですが、実際そういうことで九カ月なり十カ月なり続くものがあるとするならば、あと一、二カ月というのだったら、やはりこれは検討しなくちゃならないんじゃないかと思う。半年も何も切れてしまうというのだったならば、これはちょっと労働大臣の認可基準で適用するということは非常に無理だろうけれども、九カ月以上というものであれば、これはやはり対象として考えるべきじゃないか、検討してもよかったんじゃないか、こういう労働省の職安の関係の担当者が言っているわけなんです。したがって、どの程度林野庁は、まあ農林漁業でということでございますから、そういうことでいけば林業の実態というものを、労働省が把握できたというところに私は非常に疑問を持つのです。ですから、この問題は四月一日から実施するということでやっているようでございますが、絶対に認可基準がかえられないものかどうか。法律改正とは違うわけですから、労働大臣の認可基準でいくわけですから、もう少し積極的に林業の実態というもの、しかも職安課長は最近になったばかりでわからないと言うのですよ。だから、わからないものは——やはり実態がわかりませんということを私に率直に言っているのですよ。だから、わからないでそういう基準を作られてやられたのでは、せっかく林業の雇用労働者についての施策が生きてこない、私はそう思うのですよ。したがって、そこまで踏み切ったのでありますから、相当な予算もとってやろうとするわけでありますから、無理のない十カ月なり九カ月なり、こういう事業の続くものについては、どうしてもやはり季節的に一、二カ月切れるということはあり得ることなんですね。ですから、そういう実態を訴えて労働省に、担当者に納得をさせて、大臣の認可基準というものをやはり私はひとつもう一ぺん林業の場合考え直してもらうという余地があるように感ずるのですが、そういう努力はできないものでしょうか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/152
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153・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この制度と申しますか、基準がきまりましたのは初めてのことでございます。さらに御指摘のような私どもの努力の足りませんことは、労働省方面にも十分実態を知ってもらうように努力をしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/153
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154・北村暢
○北村暢君 その点については、労働省——私の話した範囲では、これはほかの方が折衝すればどうかわかりませんけれども、私の話した範囲では何か認識不足のようです。そうしてそれは検討すれば全然不可能なようなことではなかったようです。検討するのに値するという気持のようです。ですから、せっかくの制度を改めようとするのでありますから、北海道の一つの例で、一年間の実施した経験で四国、九州の業態なり、全国に直ちにする、しかもそれは非常に北海道の場合少なかったという事例で全国にやられるということについては、私は業態が違うだけに疑問がありまするので、ひとつこの点は今後大いに折衝してもらいたい。労働省も全然いかぬというつっけんどんな回答のようではございません。林野庁の働きかけいかんによっては、私はもう少し実のあるものになるんじゃないか、こういう感じがいたしまするので、努力をしていただきたいと思います。
それから次に「国有林野事業の運営に当っては直営生産を堅持し、従業員の身分の安定、労働条件の改善に努めること。」と、こういうことなんですが、この直営生産の問題については、もう質問いたしましたからいたしませんけれども、聞くところによると、これはどこから出てきたのかわかりませんが、この衆議院の附帯決議は、「国有林野事業の運営に当っては直営生産を堅持し、」ということなんです。「堅持し」というのは、だんだんだんだん直営生産が先細りになっていって、だんだんなくなっていっても、少しでもあれば堅持したのだと、そういう理解に立っていることをいっているのですよ。堅持ということはそういうことなんだと、拡充ということで、母体として拡充していくというふうに私は理解をしているのですけれども、堅持というのは先細りしていって、少しでもあれば堅持したということになるのだから、そういう解釈でいいのだ、衆議院の決議というものはたいしたことないのだと、こういうまことにふらちな解釈をする向きがあるやに、なければ幸いですが、あるように聞いているのです。これはもう全然附帯決議の趣旨とは変わった解釈、この解釈からいえば堅持というのだからほんとうになくなるまで持っていけばこれは堅持じゃないかと、こういうふうに言われれば、まさにこの解釈のとおりは堅持なんだ、そういう、全く附帯決議をつけた意思とは変わった解釈をする。そういうことがあるから私どもはこの附帯決議について質問をわざわざしなければならなくなってくるのです。そうでなければいいのですけれども、普通の常識でもって普通に解釈するのだったら、そういう常識的な林野庁だったら信用するのだけれども、そうじゃない。そういうことがわれわれの耳に入ってくるのです。これじゃやはり質問して確かめておかなければならぬということになっちゃうのですよ。ですから、こういうことをわざわざ質問せざるを得なくなってくる。こういう点についてはっきりひとつ、この委員会でもこの直営生産の問題についてはやったのですから、長官も意思をはっきりさせられたのでありますから、ひとつ明確に答えていただきたい。したがって、この資料等によりましても、造林事業、直営生産にいたしましても、もう最近においてずっと減ってきていることは間違いない。また、林野庁の指導の方針もそうであった。これは間違いない事実なんです。この実績において減ってきているのですから、請負もしくは直営生産と背馳している方向が実績的にそういうふうに出ているのですから、今度の国会以後そういうことがないように、直営生産の堅持ということは先細りで堅持だなんていうことのないようにひとつはっきりしていただきたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/154
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155・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 直営生産につきましては、先だってお答えしたとおりでございます。この直営生産の量は私もだいぶその後検討をしてみましたが、減っておらないのでございます。また率は確かに減りました。これは確かにほかの、ほかのというよりも増伐その他で数量がふえたということで、その理由といたしましては、私の考え方はやはり現場の仕事だけを一時にふやすということは、これは全体のバランスの上から非常に危険がある。危険があると申しますことは、これは職員のそれぞれの処遇、手当、そういったものを考えに入れまして、それから労働の強化、そういったことも考えに入れまして、やはり全体のバランスを見ながら確実にふやして参らなければならないというように考えておるのでございます。まあ、今後もそういう考え方で進めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/155
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156・小笠原二三男
○小笠原二三男君 五、六と一括して簡単なことで伺いますが、民有林労務者については福祉の向上ということがうたわれ、国有林事業については労働条件の改善に努めるということがうたわれておりますが、それで端的に山林労務者の恵まれない環境の中での生活水準、何ら慰安も求められないというような、そういう状態の中にですね、あるいは子弟の教育なり、非常に困る問題が多々ある、そういう問題について、どっか金を出して、やっぱり重点的に、福祉厚生の施設を遠隔のそういう地域でも置くというようなお考えはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/156
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157・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その問題でございます。確かに私どもこの林野行政を担当いたしておりまして、その中に住む人たちの環境の問題、あるいは生活の文化的の向上の問題、そういう問題と切っても切れない立場にあると思うのでございますが、林業という立場から、私どもだけの立場からやるのがいいか、あるいはまた、私どもでこそやらなければならぬのかという問題は、私どももいろいろと考えておるところなのでございます。民有林の問題等につきましては、そういう確かに問題はございます。国有林につきましては、分教場の設置、あるいは先ほど森林鉄道を自動車道にする問題からの、労働条件からの問題もございましたが、一面そういうことによって奥地化というものを緩和していくということもこれは考えると同時に、やはりそういった国有林内の、あるいは地元の施設としてのそういった問題を取り上げて処理をしつつあるわけでございます。これも、しかし、さらに十分検討をしていかなければならぬ、私どもだけでなくて、やはり関係方面とのいろいろな協議、折衝というものも必要だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/157
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158・小笠原二三男
○小笠原二三男君 民間のそういう労務者に対しては、公務員関係で宿泊施設とか寮とか、そういう設備があって、旅行も割合経費もかからずにできる、そういうような問題もあるのですから、全国的に主要な地点にそういうものを設置するとか、あるいは林野庁職員に対してですね、たとえばそれは北海道であろうが東北であろうが、われわれの知る範囲においては、単身で奥地に入る、あるいは僻地の営林署に転任させられる、子弟の教育、義務制はいいけれども、高等学校、あるいは大学ということになると、全然二重に家計費がかかる、したがって、局々にはそれぞれの宿泊施設を持っておるところもあるようですが、もう少し抜本的に、そういう後顧の憂いもなくなるような施策というものをお考えになることが適当ではないか。これは同じ公務員であっても特殊な環境の中にあって、なおこの大きな将来の大計画を遂行するとなれば、そういうことを積極的に進められるということはできないものかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/158
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159・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 主要な高等学校、大学のありますようなところには指定寮を設けまして、そこへそういった修学の生徒、学生の宿泊を認めておるのでございますが、さらに十分でないところは、さっそくそれを進めて参りたいと思います。単身赴任のような場合、まあ別居手当でありますとか、あるいは住宅の設備でありますとか、そういうものをやって進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/159
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160・小笠原二三男
○小笠原二三男君 単身赴任の問題が出てきましたが、奥地担当の職員などは家庭ぐるみで林野行政に協力しているような状況なんですね。これらはいろいろ具体的に考えられる問題があるようにわれわれは視察した限りでは思われたのです。そこで、もうとっぴな話になりますが、今林政協力費という特別会計から出ておる金が相当額ありますがね、この林政協力費というものの収支は何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/160
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161・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 主として造林、それから水源林の造成、それから治山その他の公共事業、こういうものが主体でございます。で、さらにこの点につきましては、私どもも検討をいたしておるところでございます。何かこう、そういう支出の適切な方法はないかということを検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/161
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162・小笠原二三男
○小笠原二三男君 林政協力費というものを概括してみますと、治山事業、民有林、保安林買い上げ、膨大な金額になっておりますね。これは全く公共事業費を肩がわりしたような形のものにも思われるのですね。あるいは関連林道、林木育種、共用林野に対する援助、海岸砂地造林、これらが林政協力費でございませんか、そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/162
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163・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) それが広い意味の林政協力費でございますが、これは国有林の経営の中で、林政に責献をしている、こういう意味でございます。たとえば、国有林自体でも関連林道といいますものは、国有林自体と同時に、民有林のためにもなる。それから保安林の買い入れというものは、これは民有林を買い入れまして、国有林が経営をして、将来経済林にまで持っていきたいというような考え方でやっているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/163
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164・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、これは正確には国有林野行政協力費ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/164
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165・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 特別会計の金でございますから、ですから国有林の事業と同時に、民有林に協力ができる、こういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/165
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166・小笠原二三男
○小笠原二三男君 全部言いませんでしたが、われわれは地方行政委員会におりましたときにも、地方税法、固定資産税の問題で、この問題をやったことがあるのですが、その際には市町村交付金というもので肩がわりしたように思っているのですがね。この固定資産税関係の代替としてでなく、今出ている五億なら五億という市町村交付金は、これはどういう趣旨で出ているの
ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/166
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167・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) これは先生のおっしゃった固定資産税相当額ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/167
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168・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでね、お尋ねするのですが、ものの本で見ると、この特別会計が成り立ったのは、二十二年かの国会のようですが、その際の附帯決議があるのですね。その附帯決議で見ますと、地元交付金というものを、これが戦前のそれに見合って、なおかつ林政協力費として出ることも期待するが、そのほかに林業労働者の福利施設、林業文化の建設、林業資金への支出援助ですね、こういうことがうたわれておるようですが、これは事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/168
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169・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 地元交付金の中には、そういうものは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/169
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170・小笠原二三男
○小笠原二三男君 いや交付金じゃない、林政協力費として特別会計をもってやる、この法律の附帯決議……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/170
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171・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) たとえば林業試験場等は、最初は特別会計の中で経理をしておりましたが、その後、経理上の問題等もありまして、一般会計に移っております。
それから、その他労務者の福利……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/171
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172・小笠原二三男
○小笠原二三男君 福利施設、林業文化の建設という眼目があるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/172
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173・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういう点について、ちょっと今思い出せませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/173
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174・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それで、公共事業なりあるいは国有林そのものが、当然国有林会計で措置すべき林道の問題なり、これらに出される金が大部分です。そうして地元交付金というものは、三十四年には四億九千万、三十七年は予算としては五億一千万ですか……ところが、よそのものを見ますと、五十一億とか……十五億ですか、相当膨、大なものが出ておるのですね。で、長官がそういう非常に、お考えとしてぜひ福利厚生の問題その他、出し得るものなら、そういう林業労働者に対する環境整備の仕事をやりたいというなら、こういう特別会計で、直接、今後の森林計画を遂行するのに役立つ、こういう部門に金を出す道を検討して、そうしてほんとうに効果の上がる福利厚生施設というものが考えられないのかどうか、特別会計から使ってはいかぬという筋は、もしも附帯決議がこうあれば、ないと思うのです。ただ怠っておったというだけだと思うのです。そうして、一方、附帯決議にも何もないようなものが肩がわりしておると思うのです。
この点についての御意見と、あとはもう時間がないからこちらに譲りますが、もう一つは、共用林野のそれが三億三千万例年度出ておったものが、三十七年では薪炭に対する助成はゼロになっておるのですね。これはどういう理由で削ってしまったのか。この二点、伺いたい。放牧のほうの関係の二億は残っておりますが、薪炭共用の問題のほうはゼロになっておるようですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/174
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175・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) それではさきのほうをお答えいたします。さきの問題はつきましては、どうも私勉強が足りないで恐縮しておりますが、検討いたしまして有効な使途というものを確立をして参りたいと思います。
で、薪炭共用林野の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/175
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176・小笠原二三男
○小笠原二三男君 じゃ、調べている間に、地元交付金の問題ですが、これは一般の固定資産よりは、国有林の場合は見積もりは低いのではないか、計算の基礎が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/176
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177・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その点でございますが、国有林の場合は民有林と違います点は、保安林も交付金を出すことになっております。民有林の場合には固定資産税はかからないのであります。計算の基礎の問題でございますが、これは大体平均の率をかかっておりますが、そのもとになります基礎につきましては、私どもも資産の再評価、あるいはまあその他の方法によりまして、三十七年後に検討いたす予定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/177
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178・小笠原二三男
○小笠原二三男君 これには地元側として、非常な不平不満があるのですね。私の県は岩手県で、旧上閉伊郡附馬牛村というのは、宮内庁所管の林野なんです。その附馬牛村というのはほとんど、おそれ多くも皇室から出るとするその金を財源として、相当の仕事ができる。国有林野に切りかえられ新法になって、この交付金というものだけで何らあとはめんどう見てもらえない。そうして取り巻かれる行政区域は、全部国有林——私は遠野市出身なんですが、遠野市は、松を除いて、まわりは全部膨大な国有林、それから零細な交付金しか出てこない、またそれがあるために、市政の中から出費する金というものは相当額である。もらった金だけでは間に合わない。何ら国有林野のある町村として、特別な思恵が受けられないという問題もあるのです。これらはやはり、さきに言いましたように、今後検討していただけるものですか。こんなにたくさんの林政協力費が出るなら、最も地元の木のはえているその地帯の公共団体に対してこの金が回っていって、そのことによって国有林野に対する各般の協力を願う、私はこれが大事なことであろうし、二十二年にこの法案が通りましたときに、高知市長をやっている現在の氏原さんが、この林政協力費を出すほとんどの趣旨は、地元交付金を増強をするということにあるのだという演説もしているようですが、趣旨からはよほどこれは違ってきたのではないかとも思われるので、固定資産税見合いのものが五億しか出ないというなら、何らかの形で、この点も御研究していただきたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/178
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179・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その問題につきましては、三十七年度に調査をいたす準備をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/179
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180・清澤俊英
○清澤俊英君 今の第二の小笠原君の質問に関連して、私は勉強が足りませんので、したがいまして、詳しいことはわかりませんが、奥地山村においては、おのおの一つの振興計画を持っているわけです。しかもそれに対して特別立法を要求していると思う。こういうことは、私どもよりはかえってあなた方がようわかる。そういうものと、このたびの計画について、どういう関連でいかれるのか、あるいはそういう要求に対してどういうふうに考えていられるのか、ということなんですが。ということは、今のこの法律でいきますれば、国が計画を立てたその範囲において、森林区ごとにですが、県知事等がその区域ごとに実施計画を立てる、こうやって上からずっとくるのですがね。そうすると、地元の山村というものを絶対除外してすべてのものがやられる。今聞いておりましても、なかなかめんどうな問題ができておる、山村自身としては。そういうものとこの計画との取り合わせば一体どうお考えになっているか。全然忘れて、そういうものをもう無視して今の計画が進められているように私はこの法案の中からくみ取るのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/180
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181・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 今のお話は国有林の問題でございまして、国有林の地元交付金が少なくはないかという御指摘でございます。それと、山村の厚生施設その他を国有林の剰余金等を回して使う方法はないのかというお話でございます。したがいまして、そういう点については、この地元交付金の問題にりきましては、三十七年度に検討をいたします準備をいたしておるわけでございます。その他の問題につきましては、私どもこの支出の方法というものをただいま研究中でございますが、今の御指摘の、私どもも勉強の足りなかった点もございますが、そういう点もあわせて検討をいたしまして将来の方針を研究をして参りたいというように考えておるのでございます。それと、この法案の森林計画の上と下との問題につきましては、この上の——上からと申しますか県の地域森林計画の示します範囲内において自由に森林所有者が経営というものを計画的に実施ができるように指導もいたし助成もいたして参りたいということになっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/181
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182・清澤俊英
○清澤俊英君 そうしますとね、今一つの団体がありますわね。奥地山林振興会というのですか、何かそういうものがあるのでしょう。おわかりになりませんか。名前がちょっと違うかと思うのですけれども、奥地山村ですよ、山村の振興会、これはいろいろな問題ですが、保安林の問題から、それから各河川の頭首林の問題から、そういうものをも含めてわれわれに一応計画をまかしてもらいたいと、こういう大体筋じゃないかと思うのですがね。だから、今ただ単に聞かれた官有林に対する村落との、公共団体との関係における補助金以上のものが計画せられておる。こういうものに対して、さらにお考えが別にないのかどうか。これは特別立法をもって何かしてもらいたいと、こういうのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/182
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183・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その奥地山村振興……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/183
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184・清澤俊英
○清澤俊英君 全国会議とか何とかというの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/184
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185・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 全国会議というのですか——ちょっと今思い出せませんが。ともかくこの森林の経営という、まあ経営の計画という問題につきましては、森林法によってやって参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/185
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186・清澤俊英
○清澤俊英君 そこでね、問題になるのは、これからの農業基本法による森林計画、この間から問題になった二十二条ですね、二十二条と今の計画が全然関係ないとして進められるならば、将来において二十二条はどう取り扱おうとお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/186
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187・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) この二十二条との関連につきましては、将来私どもも全然その関連なしに進めるということは考えておりません。で、私どもはそういった農家の経営いたします林業というものは、農業との関連において計画的に経営をすべきであるという考え方を持っておりますので、その点では別個に林業だけを進めるというようなことは考えておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/187
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188・清澤俊英
○清澤俊英君 それはそれに違いないでしょう。だがね、山村においてですね、山村自身が中心になっていろいろなことを考えているでしょう、林業等を中心にして。一番それに資源があるのですから、ごく山村に参りますれば。ほとんど農耕地で水稲などを作っておるのは、自分の飯米をとればいいだけなんです。大体の収入は山林労働者として、もしくは薪炭の生産業者として、それが大体生活の中心なんです。そういう公共団体がいろいろのことを一つ計画して、あなた方のところに言うてきておるのです。これは農民のことであると同時に、一つの、公共団体を中心にした一つの山村基本計画だと思うのです。これからそれを、農民の進むべき道とそれを考え合わせてやるなんていったら、ほとんど二十二条というものの関連においてお考えがないといろことなんです。私はお考えがないと見ておる。別の立場に立ってやっぱりそれは考えなければならないと思うのです、あなた方のほうで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/188
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189・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 私ども、あるいはお答えにならないかと思うのでございますが、山村のそういった振興の問題になりますと、これはまあ私どもも山村振興林道というようなものもただいま実施をしておるのでございますが、そういう地元に計画がございまして、これが出て参りますと、私どもも逐次、何と申しますか、採択基準に照らしまして実施をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/189
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190・清澤俊英
○清澤俊英君 この問題はこれで打ち切ります。いずれまたほかの場合で出てきていただいて御相談することがあるかもしれませんです。
それで、次に私お伺いしたいのは、三十六年の三月かと思いますが——三月じゃない八月だったかな、これは——八月に出ましたね、木材価格安定研究対策。これは二月にも出ているのですね、一応まあ閣議決定の方針が。それを拡大して三十六年の八月に提案せられておる。その計画の跡は、一体実施の跡はどうなっているか。まあ大体この資料を拝見しますと、まず輸入対策としましては約三百五十九万立方メートルですね。これは大体予定計画に入ってたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/190
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191・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 三十六年度に八百五十万立方という計画をいたしておりますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/191
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192・清澤俊英
○清澤俊英君 輸入ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/192
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193・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) はい、輸入でございます。それが三十六年度のうちにはかなり上回る見込みでございます。九百万立方をこえるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/193
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194・清澤俊英
○清澤俊英君 それはおかしい。三十六年、七年では外材輸入が六百万立方になっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/194
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195・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) それはでございますね、三十五年度の実績に対しまして二年間に六百五十方立方ということでございます。ふやすということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/195
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196・清澤俊英
○清澤俊英君 ふえる分ですね。そうしますとね、三十六年度の増加輸入量は、三百五十九万二千立米になっておりますね。これは全部入ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/196
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197・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 入りまして、さらにこえるだろうと思っています。この年度末、締め切ってみないとわかりませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/197
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198・清澤俊英
○清澤俊英君 それで、その次にお伺いしたいのは、三十六年度におけるまあ増伐計画に対して、三十六年増伐実施状況は、国有林において三百四十六万立方ですが、これも増加分ですわね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/198
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199・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/199
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200・清澤俊英
○清澤俊英君 それから、民有林が百二十一万、合計四百六十七万というのは、これは計画どおり切られたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/200
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201・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 国有林におきましては、三十六年、三十七年を通じまして八百万立方、民有林におきまして四百万立方でございます。で、総計で千二百万立方でございますが、三十六年度、これは推定でございますが、実施状況は、国有林が四三・三%、民有林は三〇・三%、総体で三九%の進捗率でございまして、大体三十七年度以内には予定どおりいくだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/201
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202・清澤俊英
○清澤俊英君 そうしますとね、この表の十九ページですね。資料の十九ページへいきますと、大体三十五年度の計画伐採が四百五十四万三千立方ですね。それの九%増しになるから、三十六年には五百六十万四千立方と、こういう数字になりはしないかと思うけれども、この点はどうなんですか。約これを九%増しと、一年を九%増しとして計算いたしませんで、私は一〇%増しとしてみたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/202
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203・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その十九ページの表は、国有林の四月以来の伐採量と生産量、立木処分量と製品の生産量でございます。この数字を見ますのには、製品といたしますれば立木に歩どまりをかけてみないとわからないわけでございます。もし立木に返すのですと、逆に製品を立木に割り出してみないとわからないのでございますが、この結果をまとめましたのは十八ページの表になっておりまして、これと違わないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/203
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204・清澤俊英
○清澤俊英君 これは、立木のほうも出ていますわね。この十九ぺージの表には、三十五年の立木は八百十九万二千立米とね。三十六年が一千四十四万三千立方と、こう出ているのですね。これは、三十六年のは九%をかけた数字ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/204
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205・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そこのところがちょっと私も——九%かけた数字というところがわからないのですが、この表は立木処分に回しましたものと、製品に回したものと、両方あがっているわけでございますから、両方を加えなくちゃならぬわけです。で、加えるのにはへ先ほどの歩どまりをかけて加えなければならぬということになるわけです。これは、計画とは変わっていないはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/205
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206・清澤俊英
○清澤俊英君 それで、これはそうしてみますと、まだたくさん立木としてどこかに残っているのですね。全部出たのですか、市場へ。問題は、市場に出たか出ないかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/206
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207・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 立木処分をいたしましたものにつきましては、まだ市場に出ていないものもあると思います。と申しますのは、一月、二月、三月にも立木処分がかなり行なわれておりますから、そういうものは、まだ市場に出てないものもあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/207
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208・清澤俊英
○清澤俊英君 それはどれくらい残っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/208
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209・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) ちょっと今わかりません。これはもし調べるのですと、営林署へ全部照会してみないとわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/209
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210・清澤俊英
○清澤俊英君 何か聞きますと、だいぶまだ山奥に残っている、労働賃金あるいは運搬の都合で、大部分が残っている。奥のものはほとんど出てない、こういう話を聞いているのですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/210
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211・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) そういう奥のものは、この緊急対策ではやっておらないはずでございますから、ほとんどそういう残っているというようなことはないと思うのでございますが、私も確認をしたわけでないので、わかりませんが、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/211
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212・清澤俊英
○清澤俊英君 これは大体それならば、営林署の貯木場か何かまで出た数字なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/212
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213・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 製品という部分は、処分量でございますから、もうすでに工場に持っていかれた数量だと思いますが、立木の点は、これは立ったのを処分してやるのですから、これは買った人が切って出すわけでございますから、その時期のズレというものは出てくるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/213
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214・清澤俊英
○清澤俊英君 その点は、ちょっと私が聞いておったものとは違いますけれども、一応打ち切ります。それで、ちょうど時間がまだ三分ありますから、いま一点お伺いしますが、それは、最近私らのほうの山村を回りまして、建築の状況を見ると、だんだん木造の建築が絶えて、ブロック建がはやります。あるいは場所によっては、コンクリートでアパート式のものを建てたりする傾向が、山村でさえもだんだん出てきている。こういう建築構造の改善と、将来の森林計画に対する建築用材等の考え方に対しては、基本的にどうお考えになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/214
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215・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) きのう御説明いたしました長期の見通しの中におきまして、住宅のそういう傾向というものも取り入れて計算をしているわけでございます。まあ、存外永久建築と申しますか、そういうものにも木材が必要でございますし、また住宅というものは、なかなかやはり木材というものから離れるということはできないのではないかという、これはアメリカあたりのようなところでさえそうのようですから、そういうように私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/215
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216・清澤俊英
○清澤俊英君 都会においては、アパートがどんどんできるのですが、木材のアパートなんかほとんどない。都会では大体鉄筋、鉄骨とか、あるいはブロックとか、こういう不燃体の構造の建築がふえてきている。山間部や村落でも、そういうものが近ごろの木材の値上がりで、そういう傾向が急速に進んでくるとするならば、長期見通しに立ったならば、建築用材というものに対しては相当の考え方が入り用だと思うのですが、こういうものに対して何か総合的な研究をせられる機関はあるのですか。どれくらい減るだろうとか、まだどれくらい……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/216
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217・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 木材価格の問題になりますけれども、やはり価格というものは、需要というものも調整の役目がある。したがいまして木材の価格と、そういった鉄筋コンクリート等の建築費との比較において、先生の御指摘のようなことが出ますと、やはりそういう傾向になってくると思いますが、このコンクリート建築等、最近御承知のように化粧のタイルを張らない生地のままのものがだいぶ出ております。ああいうものはパネルは非常にえり好みをしまして、非常にいいものを使うようになって参っております。で、その割に木材の消費量というものは案外減らない。それと人口の増加というものもあります。で、私どもといたしましてはそういったものを構造式の中に取り入れまして、計算をして見通しを立てておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/217
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218・清澤俊英
○清澤俊英君 大体不燃化物の建物を建てるということは、ただ単に木材の価格ばっかりじゃないのです。最近は非常に災害があるのです。日本にはことに台風災害が非常に多いのです。それから台風災害の多いところは、もう木造を建ててみても、再建するに国庫ば三十万円くらいしか貸さないんだから、同じ借金するならひとつ思い切ってブロックにしちまえと、こういう考え方が強く出てきてるんです。価格ばっかりでそういう方法がとられているとは考えません。そしたら相当そういう見通しが森林計画の中に長期的なものとして入らなければならないと思う。それをただあなたのおっしゃるとおり、まだ大丈夫なんだからそんなことは考える必要ない、これはおかしいと思うんですがね。あまり独断じゃないかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/218
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219・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) その点は計算の中へ入れておるのでございます。ただ、その気持をあとにつけ加えたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/219
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220・小笠原二三男
○小笠原二三男君 もう終わりですから、やはり委員会の体裁を整えて締めくくりたいのですが、私の質問したことで二点答弁がない。昨日の最終の答弁と、先ほどそういう特別会計の関係法律が出るときにそういう附帯決議があったのかなかったのか、この二点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/220
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221・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) ただいまの審議会の委員の問題、林政部長から御説明をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/221
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222・高尾文知
○説明員(高尾文知君) 昨日の小笠原委員の御質問に対しましてできるだけ調べましたところをかいつまんでお答え申し上げます。
第一点の行政機関職員が委員となっている審議会の例でございますが、これは昨日は自然公園審議会だけを取り上げて申し上げましたが、そのほかに相当ございまして、社会保障制度審議会、それから中央青少年問題協議会、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会、畑地農業改良促進対策審議会、それから国有財産審議会、国土総合開発審議会等でございます。それから第二点の内閣総理大臣の承認を得て各省大臣が委員を任命しておる審議会の例がほかにあるか、こういう御質問でございましたが、総理大臣の承認を得てというものは、ただいまのところ中央森林審議会のほかにはないようでございます。ただ内閣の承認を得て当該所管大臣が任命をするという例が三つでございまして、中央教育審議会、これは文部省設置法によっておりまして、内閣の承認を得て文部大臣が任命をいたします。それから公共用地審議会、これは公共用地の取得に関する特別措置法でございまして、内閣の承認を得て建設大臣が任命をいたす。それから国民金融審議会、これは国民金融公庫法でございますが、同じく内閣の承認を得て大蔵大臣が任命いたす、大体こういうふうになっております。いずれもこれは新しい立法例でございまして、内閣の承認を得てと書いてございますのは、閣議にかけてきめるということで慎重を期しておるということでございます。いずれ将来は内閣総理大臣の承認ということは、あるいは改正をするかもしれませんし、非常に少ない例であるということでございます。ただ農林大臣が任命するよりも慎重を期しておる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/222
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223・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ですから、やはり一つの法体系を整備するという建前からいうて、総理大臣の承認なんということは、その当時の立法事情はどうであるか知らぬが、異例なことでおかしい。どこでどういう違いがあるかというたら、おそらく法制局といえども答弁に困るだろう。この点はやはり政務次官にお尋ねしますが、今後においてこういう改正がある場合に、善処せられたらよいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/223
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224・中野文門
○政府委員(中野文門君) お説の点につきましては、私御趣旨のとおりに十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/224
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225・小笠原二三男
○小笠原二三男君 最後に政務次官にお尋ねしますが、これは政府に対してお尋ねする。今までいろいろまあ御迷惑をかけて審議して参りましたが、審議の経過から見て、あるいは衆議院の附帯決議等から見ても、どうしても森林法の一部改正によって抜本的な当面要求される問題が解決されるとは考えられません。したがって、農業については構造改善の本質的な問題を取り上げた基本法があるのですが、それらと並び、あるいはあわせ、この森林法というものではなし遂げられない部分を基本法として整備せられて、次期国会にお出しになるお考えがありますか。御決意のほどを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/225
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226・中野文門
○政府委員(中野文門君) お説の森林基本法のごとき森林行政の基本的な法律を次期国会に出す決意を今、問われたわけでございますが、まことに重要な事柄でございまして、われわれといたしましては十分に御期待に沿うように、それが次期国会に間に合うようにというところまでは私この席で申し上げかねますが、農業関係に基本法があるごとく、森林行政を推進する上におきまして、森林関係の基本法のごときものが必要であることはそのとおりに解釈いたします。極力御期待と申しますか、に沿いますように努力をいたすことをお約束申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/226
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227・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それではそれらの施策を担当する林野庁長官としてのお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/227
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228・吉村清英
○政府委員(吉村清英君) 政務次官の仰せのとおりに私どもも決意をもって努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/228
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229・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それは言葉を濁されて、と申しますか、抽象的にしか御答弁にならぬ理由もわかりますが、農業基本問題を調査した答申が、一昨年出ており、同じく林業の問題についても一昨年出ておる。一方は曲がりなりにも、われわれとしては不満足であって、今それが露呈しておるわけですが、農業基本法を鋭意作成して、もうこれが法律としていよいよ実体を備えて三十七年度から発足するわけです。林業基本法は来国会を延ばしてまた次の国会であるということなら、一昨年という現時点から考えての基本問題調査会の答申というものが、ここ何年間かこれは作業上困難な点があるとして放置せられる結果になる、そういう形のものを内閣が諮問し、答申をやったものだとは考えられない。したがって、おそくとも来国会までにはこれが提出をするのだ、こういう御決意で作業を進められるということを期待するのですが、それはどうなるかわからぬというような意味でお答えになっているのでは——政務次官、そして農林大臣はどういう御決意を持っておられるのですか。はっきり御答弁いただければ、あとは私は問題はもう解消すると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/229
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230・安田敏雄
○安田敏雄君 関連。私はこの委員会の審議に先だって資料要求をするときに、わが党でも基本法を考えて出す用意がある。しかし、まだ考え方が集約されておらぬので、一応今国会は見合わせましたが、おそらく来国会におきましてはわが党の基本法というのが提案されるだろうということをわれわれは考えております。したがって、わが党が出した上に立って、政府が出さないということは、これはいろいろな観点から見て少しどうかと思うわけなんです。またとにかく与党側といたしましても、やはりそれに対抗してなんか政府が出さなければ、議員提案ということを考えると思います。そういうような情勢も一面にはある以上は、やはりその基本問題調査会の答申が出ている以上は、やはり今小笠原委員のおっしゃるように作業を早くして、そうしてできるだけ周到な計画の中で提出すべきである、こういうように私は考えますので関連して質問したわけでございますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/230
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231・清澤俊英
○清澤俊英君 関連。こういう問題を質疑したあと、一応は大臣に総括的な大ざっぱな質問は言いたいですよ。基本法との関係などがそれでいいというお話だと、なかなかこっちはおさまりかねるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/231
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232・中野文門
○政府委員(中野文門君) 重ねてのお尋ねでございますが、林業基本法をすみやかな機会に成案を得て提出をする用意をせいというふうに受け取りましたが、御説のとおりになるべくすみやかな機会に成案を得て——すみやかと申しますのは、次の通常国会を目途に作業を進めて御期待に沿うようにいたしたい、かように思います。御了承を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/232
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233・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 他に御発言ございませんければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/233
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234・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もございませんければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/234
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235・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/235
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236・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記を始めて。
それでは、これより採決に入ります。森林法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/236
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237・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/237
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238・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後五時四十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X01919620323/238
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