1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十七年四月十三日(金曜日)
午後一時二十五分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 梶原 茂嘉君
理事
石谷 憲男君
櫻井 志郎君
安田 敏雄君
委員
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
木島 義夫君
重政 庸徳君
温水 三郎君
藤野 繁雄君
大森 創造君
戸叶 武君
天田 勝正君
政府委員
農林政務次官 中野 文門君
農林省振興局長 斎藤 誠君
農林省畜産局長 森 茂雄君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 高橋 末吉君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
経済企画庁調整
局交通課長 蘭村 泰彦君
厚生省環境衛生
局乳肉衛生課長 恩田 博君
農林省農林経済
局参事官 松岡 亮君
—————————————
本日の会議に付した案件
○畜産物の価格安定等に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○農林水産政策に関する調査
(農林畜水産関係物資の国鉄貨物運
賃等に関する件)
○農業機械化促進法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/0
-
001・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第九三号、衆議院送付)を議題といたします。
本案の質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/1
-
002・安田敏雄
○安田敏雄君 厚生省……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/2
-
003・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 厚生省の乳肉衛生課長恩田君が出席されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/3
-
004・安田敏雄
○安田敏雄君 最近牛乳が非常に加工品が多くなってきておるわけです。そこで、実際農家から業者が買うときには、脂肪率が三・三を基準にして上下あるわけですが、そういうのが市販される場合におきましては、一応白い牛乳でも脂肪率が二・五ぐらいに低下してしまう、こういうことを問いておるわけです。さらにまた、最近は非常にジュースを入れたりあるいはコーヒーを入れたりというような工合で、加工品が盛んに多くなってきておる。そういうことで、それらの加工品の脂肪率は〇・五ぐらいしかない、こういうことを聞いておるわけです。そういうような加工品がどんどん出てきたり、あるいはまた白い牛乳の脂肪率が低下するというような問題は、特に最近牛乳は一日三合飲めば体質改善が三月ぐらいできる、こういうような工合に特に牛乳の需要というものは、非常に国民の食糧というような工合に重要視されてきておるわけです。そういうような場合に、一体これらの取り締まりといいますか、公衆環境衛生の面から、これらに対する対策というものは厚生省では講じておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/4
-
005・恩田博
○説明員(恩田博君) 局長が参りませんのでかわりまして申し上げますが、農家から買うときは脂肪が三・三あるようであるが、市販されるものの中には脂肪が二・五ぐらいに低下するものもあるようであるが、それは事実かどうか、これについて取り締まりをしているかどうか、こういうことが一つと、それからジュースとかあるいはコーヒーとかその他加工品に牛乳がうまっている、そのものは脂肪が〇・五ぐらいしかないようであるが、これはどういう取り締まりをいたしているか、こういうふうなことに承っておりますが、これについてお答えを申し上げます。
私どものほうでは、牛乳は脂肪が三コンマ以上あればよろしい、こういうことで取り締まりをいたしております。それでしからば三・三あるものを買いました場合に、三・三ある牛乳を農家から買ってきました場合に、三コンマでいいために水を入れて三にする、こういうことが可能かといいますと、そういうことができませんように、ほかに比重とか、あるいは酸度とかをきめまして、自然のままの状態で牛乳が販売されるように規格を作っておるのであります。ですから、かりに三・三のところに水を入れまして三・〇の牛乳を作りますならば、そのものは比重のほうで失格になる、こういうふうな規格になっておるのであります。ですから、三・三の牛乳と二・八の牛乳がかりにございますならば、牛によりましてはそういうこともあり得るわけでございますので、そういうものをまぜまして三・〇あるいは三・一になるというふうな牛乳でございますれば、それは規格におきまして合格する、こういうふうなことで規格ができておりますので、現在御指摘のように水を加えて薄めるというふうなことは、私のほうではただいまのところ実は存じておらないのでございます。そのように相当強く取り締まりをいたしておりますので、現在はそういうことを聞いておりませんので、もしそういう事実がございましたならば、相当厳重に処置をとりたいと考えております。
次にジュースであるとか、あるいはコーヒーでございますとか、その他加工品についてたくさん牛乳が使われており、それに脂肪が非常に少ないようであるがと、こういうことでございますが、これらのものの原料である牛乳は原則として脱脂乳を使っておりますので、脱脂乳の利用方法としてこれらが利用されてきたのでございます。あるいは最近になりますと、脱脂乳が不足を来たしますために、脱脂乳でない普通の牛乳をまぜるのもあるかもしれませんでございますが、原則的には脱脂乳の利用法として今日にきておりますので、このものについては一応脂肪が少ないということが原則でございますので、これにつきましては、一応そういう特殊なものにつきましては、それなりの取り締まりをいたしておるのであります。しかしながら、色が白いものでありまして牛乳の形をいたしているものでございますが、遠くから見ますと、牛乳びんに入っておって色が白いために牛乳であるというように見える牛乳類似の、牛乳ではないすなわち牛からしぼってそのまま消毒した牛乳ではないが牛乳のようなもの、こういうようなものがございますが、それらにつきましては、全部規格は牛乳と同様の規格を当てはめまして取り締まりを厳重にいたしておるのが現状でございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/5
-
006・安田敏雄
○安田敏雄君 規格を定めて取り締まりをするということですが、一体取り締まりの状況はどういうことであるか。ただ規格だけをきめて、あとばそこのメーカーに回わっていって、そうしてこれがある部分だけ規格に合格していればそれでいいんだ、こういうようなことでやっているわけですか。実際その規格に適合しているかどうかということを見る場合には、むしろメーカーにいってやるよりもこれが末端の小売りですね、小売りにいってそのびんの中に入っている牛乳を買って、これはしれた金ですよ。それを持ってきてやったらもうすぐわかるじゃないですか。そういうことはやっていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/6
-
007・恩田博
○説明員(恩田博君) 私どものほうの検査は前ぶれをいたしませんで抜き取り検査でございますので、今御指摘のとおり、配達の途中を収去いたしますこともございますし、店舗で収去いたしますこともございます。あるいは処理工場におきまして製品になりました直後を収去いたしますこともございます。なお、かつ牛乳工場に搬入されましたときに検査いたすこともあるのでございます。しかし一応私どもが非常に関心を持って検査いたしておりますのは、びんに詰められまして客の手に渡る状態になりましたものを検査の対象としてやっておるのでございます。それ以前の検査は主として指導という形で検査をいたしておるのでございます。大体月に一回ぐらいずつは、各保健所等におきましてやっておりまして、その報告は私どものほうへ全部集まるようなしかけになっておるのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/7
-
008・安田敏雄
○安田敏雄君 そこで、最近まあ私どもがよく駅で牛乳を買って飲むわけなのですけれども、確かに白いのでも自分で飲んでみますと薄いのと濃いのがあるのがわかります。あっちこっちで飲んでみますからね。それともう一つは、白い牛乳が早くなくなってしまって、あとは加工品ですね、加工品しか残っておらぬ。しかもそれは値がはるかに高い、こういうようなことで、非常に大衆としては迷惑しておるわけなんです。こういうような状態が一体、この点は畜産局長に聞きますけれども、牛乳の需要が多くなり過ぎて、そういうような方向へ間に合わないのかどうかという問題が一つと、それからもう一つは、その他の加工品へ回すためにどうしても白い牛乳がなくなっていくのか、こういう二つの問題が考えられるわけなんですけれども、こういう点はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/8
-
009・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 普通牛乳が供給上少なくてというお話は、たまに御忠告を受けるわけであります。私どもといたしましては、まず普通牛乳を確保することが大事である、こういうようなことで、従来から極力そういう点の注意を特にメーカーに対していたしておるわけであります。今回の二月末の価格問題の際も厳重にそういう点は、特に都はおひざ元でございますので、都庁の人も来てもらいまして、一緒に指導したわけであります。そういう意味でときどき、特に夏場等でそういう問題が持ち込まれる場合もあるわけでございますが、これらは主として、先ほどもお話しありましたとおり、脱脂粉乳で加工処理をいたしておるわけであります。私どもといたしましては、非常に夏場で普通牛乳、なま乳の供給力が需要に合わない、こういう点で極力普通牛乳の確保に努めておりますが、やはり夏場は相当脱乳粉乳で補給しておる状況であります。そういう点で必ずしも絶対ないとは申し上げられませんけれども、十分注意をいたしておるわけであります。それから特に今御指摘の駅売りのものは弘済会が一手に処理しておりますので、むしろ指導上からいいますると、やりやすいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/9
-
010・安田敏雄
○安田敏雄君 次に、まだ問題がありますけれども、次に厚生省のほうにお伺いしたいのですけれども、実はなま乳を製乳にする過程において、まあ大体メーカーがこの点はやっておるわけなんですよ。そういうことによって生産者から一合五、六円で買ったものが実際市販の過程にいきますと十六円以上になってしまう。まあ駅売りあたりでは十九円になってしまう。こういうふうな中で非常に幅が多いわけなのですね。そこで、そういう問題をとらえたときに、結局酪農の地帯において、酪農の組合がみずからその製乳の工程を自分が所有しておるならば、それを製乳して、そしてこれを市販のほうへ、まあどういう過程を通るかわかりませんけれども、回していくということになりますというと、需要家は相当安い牛乳が飲めて、農家の手取りも多くなるという問題が出てくるわけです。ところが、現在の状態では、これが環境衛生といいますか、そういうような面で厳重な取り締まりを受けておるために、結局、酪農の主産地でもってみずからそういう酪農家が設備を持とうといたしましても、なかなか持てない。いわば簡易な処理工場ですか、そういうようなものが持てない。これは一番何がガンになっておるかというと、環境衛生といいますか、厚生省の所管でありますから、そういう問題が容易には解決されない、こういうことになろうかと思うわけでございますが、こういう点について、もっと牛乳の処理方法というものを環境衛生の面から考えて、もっと簡易な方法ででき得るようなことは、厚生省としては考えておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/10
-
011・恩田博
○説明員(恩田博君) 生産地帯におきまして、牛乳を安く飲むために簡易な方法が何かないか、こういう御質問かと思いますが、私どものほうでもこの点につきましては、牛乳関係については食品衛生法の中に別に省令がありまして、規定が実はあるわけでございますが、そういう地帯につきましては、特別に簡易な方法を持ち得るようなここに規定が作られてあるのでございます。なお、簡易といいますと、非常に管理が、何といいますか、簡便というふうにとられますけれども、一応消毒だけは完全にしてもらう、こういう意味でございますので、小規模の施設、こういうふうなことで、現在まあ生産地の中心におきまして、消費者の数からいいますならば二百人とかあるいは三百人とかいうくらいなところで間に合うような程度のものを、この三年前ごろから現地に参りまして指導いたしておるような事実が、実はあるのでございます。なお、最近は酪農組合等も非常に大規模になりまして、大じかけの規模のものがふえて参りましたので、何か私どもの考えておりましたものが伸び悩みになっておるような気がしないでもないのでありますが、私どもといたしましては、生産地におきましては、小規模のものでやりますと、あまり経費をかけないで完全に消毒したものは、地元で飲んでもらってもけっこうだと、こういうふうに考えております。その残ったものが都市に入ればなおけっこうだと、こういうふうに考えて、今後ともその指導は続けるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/11
-
012・安田敏雄
○安田敏雄君 私らの考えでは、酪農をやっておる農家の手取りがふえて、そして片方の国民大衆には安い値段で売られて、しかも、それが衛生上害をもたらさない、こういうようなことが、三者一体に行なわれなければならないと思うわけなんです。そういう場合に、環境衛生のほうの許可権限あるいはまた、その他の取り締まりの権限、こういうようなものを厚生省が持っておるということで、酪農の事情を十分認識しないままに、そういう許可の問題を厚生省が一方的にさばくというところに、私は問題もあろうかと思うわけです。そういう場合に、これは農林省の畜産局の出先機関なり、あるいはその地域の地方庁なり、そういうところと十分厚生省のほうで連絡をとっていけば、そういう小規模の処理の問題が、今後合理的に解決されていく。そういうことが達成されて、初めてそこに農家の手取りもふえていく、で、いろいろの問題が解決される端緒になるのではないかというように考えられるわけです。したがって従来「そういうような問題について、畜産当局との間において十分話し合いをしたことがあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/12
-
013・恩田博
○説明員(恩田博君) 酪農の事情に非常に詳しい、実際酪農指導に当たっている、生産の監督をしている畜産当局と、衛生の担当をしている厚生当局とが、もっと連係を密にしてやってくれという結論のようでございますが、この点につきましては、実は先ほどちょっと漏らしたのでございますが、私どものほうの行政は、ほとんど全部が知事の委任になっておりまして、厚生省で直接やっている仕事はほとんどないのでございます。そのために特別なそういう小規模のもの等につきましても、知事の承認事項で知事が許可をするということになっておりますので、この点つけ加えてお答え申し上げるわけでございます。
それからこの問題につきましては、この規則が出ましたのが、一番初めこの問題にひっかかりましたのが、昭和二十五年のことでございます。そのときからずっとこの問題につきましては、農林当局と折衝をいたしておりまして、その了解がつきまして、この規則が出たのでございます。ですからこの問題につきましては、牛乳の規則が出た初めから農林当局と畜産当局と話し合いが進められて、今日に至っておるのでございます。現場におきましては、いろいろ悶着もあろうかと思いますが、私のほうは努めてそういうことのないように、現場の気持を生かすようなふうに指導をいたしておるのでございます。なお、今御指摘がございましたが、最近におきましても、これは場所としてはこの近県でございますが、ちょうど今お話しのような事態がございまして、小規模のものを作ったらいいじゃないか、機械等につきましても、非常に当時からいたしますならば、当時というのは昭和二十五年ごろからいたしますならば、量産になっておりまして、小さい規模のものはたいへん格安になっておるようでございますので、おそらく現在、その計画をしておりまする人たちが考えますよりも、相当安い規模でできるということで進めているところが、この近くに実はあるのでございますが、そういうことで私どもも、相談がありましたならば直接出向いて指導をしておる、こういう状況でございます。なおこのことにつきましては、畜産当局、農林省当局とも連絡を密にいたしますし、今まであるいは連絡が密じゃないというふうな御指摘もあるかと思いますが、今後はそういうことがございませんようにさらに連絡を密にいたしまして、片ちんばでないようなふうに持っていきたい、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/13
-
014・安田敏雄
○安田敏雄君 何か農林省と今まで話し合っておるのだが、十分対策をしてきたのだというようなお話が、今、答弁の中にあったわけですが、もしそうだとするならば、やはりそういうふうな処理の問題については、何かしら一定の標準となる基準をやはり両省で話し合ってきめて、そうしてそういうようなものの中で、知事が許可する場合においても、そういう何か標準になるものがないと、結局、知事の裁量というものが、どういう作用によって、あるいはせっかく処理工場を作りたい、ところがまわりのほうから圧力が来れば、これは許可しちゃいかぬということにならざるを得ないような場合がきっとあるわけです。ですから、そういうような問題に十分対処するために、従来よりも密にすることのほうがいいだろうと思う。というのは、私は、厚生省という省の内容はよく知りませんけれども、とにかく国民が牛乳を飲むことによって体位がよくなるということになれば、問題は、豊富にして低廉な牛乳を国民にたぐさん飲んでもらうということ、しかも幅広くたくさん飲んでもらうということが、これが国民体位の向上に資するゆえんなんです。それを、そういうことをしないで高い牛乳を飲まして、そうして今度、環境衛生の面からしばりつけるということについては、これではその趣旨に大きく反していくのではないかというように思うわけです。特に今日十八円の牛乳を飲んで、そして十九円のおふろへ入って、一家五人暮らしならば、月に五千円以上かかっちゃうですよ。おふろ代と牛乳代で五千円以上月にかかったら、これじゃ勤労大衆はどうにもこうにもたまらぬわけなんです。生活が成り立っていきません。ですからそういうことを考えたときには、どれかを、特にこういう牛乳あたりをもっと幅を圧縮していく、生産者の要するに再生産ができるようないわば乳価をきめる、そしてメーカーのもうけというものを圧縮していく、こういう建前をとらなければならないと思うわけなんです。そういう意味で処理工場の問題をお聞きしたわけなんです。ですから、今後とも十分もっと積極的に各地の主産地の状況を把握して、そしてその問題の解決をはかられたいということを要望しておきます。この点どうですか、今のところ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/14
-
015・恩田博
○説明員(恩田博君) お答えいたします。これはなかなかむずかしい問題で、私どもとしましては複雑でございますので、御期待に沿うように部内で相談いたしまして努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/15
-
016・安田敏雄
○安田敏雄君 もう一つ、それから最近の傾向としては、東北あたりの山地の酪農家が牛を手離してやめていくという状況もある、それで大都市の付近の酪農家のほうがふえてくるという傾向が最近目立っておるようでございます。これはやはり起因するところはどこにあるかというと、問題は乳価の問題なんですよ。乳価の問題がそういうような工合にさしてきたわけなんです。ですからこういう状態でいきますというと、幾ら畜産振興といっても、結局都市周辺の酪農家はどうにかこうにか採算が合うけれども、僻地のほうに行ったら全然合わないという結果が出てきてしまう。そうするとそのこと自体が、酪農自体の問題だからいいけれども、あるいは農家やメーカーの問題だからいいけれども、問題は国民の体位という問題を考えたときには、重大な問題になってくるわけです。ですからそういうような問題も、単に公衆衛生だけの関係で問題の処理を考えるということでなくて、やはりそういう大きな面から牛乳を確保するという面から、十分私は農林省との問においての連絡をもっと強化していくように努めなければならないと思いますが、こういう点について両省の御意見をひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/16
-
017・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 農民の手を離れた生乳が家庭に配給される場合の価格差の問題につきましては、私ども特に重大な関心を持って処理して参ることであります。対厚生省の問題でございますが、過去二十五年以来、先ほどお話がありましたが、たびたびいろいろな問題が起こってきておるわけであります。そのつど、農林省からもいろいろ御要望も申し上げまして、ただ一点衛生上の点ばこれはまた重大な問題になりますので、許容し得る限りにおきまして認めて話をきめておるわけであります。牛乳の簡易処理施設につきましても、一時農村処理で奨励はやって参っておるわけであります。今後安田先生のおっしゃる問題にらきましては、私といたしましては、むしろ積極的に各酪農民の声を聞きまして、厚生省にまた私たちの見地から各衛生等のことも考えて、積極的に厚生省と必要があれば交渉したい、積極的に食品衛生の観点から、あるいは栄養上の観点から需要を伸ばしていくという点も考えまして、積極的にそういう点は解決していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/17
-
018・恩田博
○説明員(恩田博君) 先ほどから私のほうにいろいろ御要望があったのでございますが、今の畜産局長のお話もございまして、私どものほうといたしましては、これは昭和二十九年でございますが、農山村地帯の牛乳の殺菌法についてという次官通知が出されておりまするが、その後昭和三十年一月に農業協同組合等が設置する牛乳の集団飲用促進のための施設につき協力方依頼というものを、各都道府県の衛生部長に出したこともございます。いろいろ相談をいたしているつもりであったのでございますが、御指摘のように円満にいっておらぬようだというふうな空気でございますので、今後とも十分連絡をとりまして、間違いのないように、筋違いがありませんようにやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/18
-
019・安田敏雄
○安田敏雄君 最後に、これは要望事項ですが、もっとほかに聞きたいこともあるわけですが、時間がありませんから、実は農業の基盤の整備だといって構造改善事業をいろいろ推進しているわけでございますが、問題は、主産地形成をして、農畜産物がそこから大量にとられても、あるいは価格がある程度保証されるようになっても、やはり結局農業というものは、私の考えでも、問題は農畜産物というようなものは、果樹にしても、牛乳にしても、これは腐敗してしまうわけです。あるいは天候に非常に左右される場合も出てくる。そういうことによって、どうしてもこれを加工貯蔵するということにしなければ、農家の収入というものはふえてきません。構造改善というものによって、農家の所得を増大させるということに一つの柱を置いているわけですから、そういう意味合いにおいて、農畜産物の加工貯蔵ということは絶対に構造改善については必要な条件なのです。そういう意味合いにおいて、今後系統資金としても相当大きな融資をするワクがあるようでございますが、そういうようなものを農家が使いやすく、これを指導していくということが建前だと思うわけです。そういう意味合いにおいて、加工貯蔵の方向への農政を強力に展開していくということが必要ではないか、特に構造改善には必要ではないかということを私は感じているわけですけれども、そういうような方向に畜産関係のほうも推進していかれることを要望して、私の本日の質問は、これで打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/19
-
020・天田勝正
○天田勝正君 昨日も質問をいたしましたが、そのうちまだはっきりしておりません点をば先にただしたいと思います。今度の事業だと、業務規模が拡大されまして交付金もまた十億渡される、こういうようなことになって、それは学校給食に、牛乳で言えば、その事業に補助を与えるとかいろいろあるんですが、その相手方というのは法律ではただそういう事業ああいう事業というばく然たる文字を用いておるわけですが、どういう団体なり、どういう個人なり、あるいはどういう業者なり、そういうものにこの補助を与えるのかその次の「指定助成対象事業」これにしても一体結局これは業者にやってしまうのではないか、「農業団体が行なう多頭数飼育に伴う家畜飼養技術、経営技術の普及」これはどうも、どうやら農業団体らしいのでありますけれども、これには経営技術の普及とかそういうことになっておりますから、まあ「検査機構の充実」こういうようなところにだんだん結びついていってしまって、これはやはりちょっと農業従事者自体が直接にこの補助を受けられるということではないんじゃないか、というふうな感じがいたしますが、この点はちゃんと明らかに調べられてこられたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/20
-
021・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 第一の学校給食の問題でございますが、学校給食は従来どおり都道府県が計画いたしておりましたそういう対象学校に、都道府県と相談して、都道府県単位の学校給食会の要望に応じまして、そうして従来実施して参りましたが、今後とも相手方といたしましては、やはり学校給食の製品を配給したということで、そのメーカーに一合当たり三円七十銭を補給しているわけであります。この関係は対象としては従来どおりであります。それから指定対象事業といたしましてただいまのところ予定いたしておりますのは、第一に技術指導関係でございますが、これは畜産関係の農業団体を対象にして技術あるいは指導方面の力の足りないところを充実して参る、こういうわけであります。すべて都道府県知事の意見を十分聞きまして処置して参りたいと存ずるわけであります。
それから保管流通段階の問題でありますが、最近全販連あるいは全購連、あるいは県単位の経済連、あるいは畜産関係の農業協同組合等におきましても、一番現在強く計画されておりますのは、配合飼料工場の充実でありますが、なお食肉加工あるいはそれの冷蔵施設等の問題があるわけであります。私どもといたしましては生産者団体あるいは生産者団体が過半数を占めまする法人に対して、それぞれの計画が企画された場合におきまして実施して参ろうというわけであります。そういうことでみずからの資金であるいは普通銀行その他の金融機関で十分措置できる法人等につきましては対象にいたしておりません。まず生産物が処理される段階におきまして、従来非常に農業団体関係の流通分野におきまする活動が十分でないため、いろいろ流通段階における価格差の問題が問題になっておりますが、私どもといたしましてば、こういう制度もひとつそういう方南に意味あるように使うことを指示して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/21
-
022・天田勝正
○天田勝正君 なかなか説明が長いのですが、学校給食のほうは、また後に聞きますけれども、「指定助成対象事業」これをひとつ分解して聞きますが、「畜産物の冷蔵施設あるいは保管倉庫の設置」と、これは農業団体がやる場合にこれを補助するというのか、そういう前提じゃなくて、業者がやろうとだれがやろうと、こういう施設をするものには助成していこう、こういうのか、これが一つ。それから飼料の「総合的展示、あるいは指導のための施設設置」と、こういうのは「体だれがやるのか。飼料メーカーがやるのか、そういうものとは全然別なものがやるのか、あるいは今度の事業団それ自体がやるのか、こういう関係、その点。
次は「農業団体が行なう多頭数飼育に伴う家畜飼養技術、経営技術の普及その他畜産物の品質、規格の向上をはかるための検査機構」こういうものもこの農業団体が行なうと、こう言っておりますから、全部下までその農業団体というものがかかってくるように感じられますけれども、この規格の向上をはかる検査機構というのは、一体事業団もまたやるのか、そういうことは農林省令において、「助成対象事業の種類及び事業主体」こういうものの性格を規定する、こういう予定だと書いてあります。そうすると省令の事業主体の性格、こういうものは今のところどういう範疇でこれを規定しようとされるのか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/22
-
023・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 畜産物価格安定等に関するこの改正案の第三十八条第一項第六号の指定助成対象事業につきましての御質問でありますが、第一に加工処理冷蔵の事業といたしましては、農業者またはその組織する団体が一定割合以上の出資をする会社などが行なう畜産物加工処理冷蔵事業であります。
第二に、農業団体が行なう技術あるいは指導の関係でございますが、これにつきましては、畜産物経営または農業技術について農業団体が行なう指導事業を対象といたしたいと考えているわけであります。
それから試験研究展示普及の事業でございますが、公益法人が行なう畜産に関する試験研究展示普及の事業に対して行なわんとするものであります。
なお、食肉乳製品の格づけに関する事業でございますが、これは公益法人が行なう乳製品または食肉の格づけ検査事業を対象といたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/23
-
024・天田勝正
○天田勝正君 それでその一番初めの答弁によりますと、冷蔵の施設、保管倉庫、そういうようなものは農業者の一定割合出資をした会社である、その一定割合というのはどういうことですか。過半数ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/24
-
025・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 過半数を予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/25
-
026・天田勝正
○天田勝正君 それじゃ、学校給食を質問しますが、結局従来も、給食用に渡した牛乳について業者に補助をするのだと、こういうわけです。ここでもしょっちゅう議論をされることは、一体、正しい牛乳というか、正しい牛乳をわれわれは飲んでいるか飲んでいないか、年中これが議論になります。そうすると、業者に補助したのでは、はたして一定の品質が確保された牛乳が学校のほうに渡されているかどうかということもわからなくなって参ります。そこで、ちょうど、きょう厚生省が来ておりますから、どちらから答弁を受けてもよろしいのですが、そういうものについては、抜き打ちか何かの検査をたびたびされますか、どうなんですか。ただ、補助だけはするけれども、一向、その品質が保持されているかどうかということは、野放しになっているのですか、いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/26
-
027・恩田博
○説明員(恩田博君) 学校牛乳の品質につきまして、検査が厳重に行なわれておるかどうかということでございますが、この件につきましては、学校牛乳の品質は、非常に重要な問題でございますので、この検査は、非常に厳重に、かつ数多く実施をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/27
-
028・天田勝正
○天田勝正君 責任官庁は厚生省ですか、文部省ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/28
-
029・恩田博
○説明員(恩田博君) 牛乳の品質につきましては、厚生省が責任を持ってやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/29
-
030・天田勝正
○天田勝正君 品質は、われわれしろうとだから、品質についての内容をとやかぐ言いませんが、基準もあると思いますが、その基準で、全部合格されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/30
-
031・恩田博
○説明員(恩田博君) 学校牛乳の大体の状況をちょっと申し上げますが、生産者から生産されました牛乳は、いち早く冷却をいたさしております。学校牛乳のは、しるしをつけまして、それを学校が必要とする時刻までずっと冷却を保っております。必要とする時刻に間に合うように消毒をいた、ます。それで、土地によりましては、冷やさないで、消毒したまま、熱いものをそのまま持っていくところもございます。東京及びその付近は、熱いものをそのまま出す施設がございませんので、当然冷やしてしまいます施設でございますので、そこは、学校が何時に持ってこいというときに、すぐ、消毒する施設から出しまして、そのまま届ける。ですから、工場に学校給食用として搬入されました牛乳が、学校給食用に入りますまでの間は、非常に時間が短くなっておるのでございます。その間に持ってきました牛乳、農家から搬入されました牛乳になるわけでございますが、その牛乳と、搬出されますときの牛乳、学校におきまして配給されまする牛乳とにつきまして、毎日というわけにも参りませんので、大体、十日に一ぺんでございますとか、あるいは一週間に一ぺんでございますとか、抜き取り検査をいたしまして検査をいたしておりますが、現在までは事故はございません。規格にはずれた牛乳もございません。もし規格にはずれました牛乳がございますならば、学校に搬入します前に、いい牛乳と取りかえる、こういうことになるわけでございます。ですから、現在までにおきましては、そういう牛乳は一応ないのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/31
-
032・天田勝正
○天田勝正君 よくわかりました。ところが、この学校給食は僻地まで今日行なわれているので、そういうところへ厚生省が全部出張っていくということは、至難であろうと思うのです。そうしますと、大都市を離れたところにおいては、どういう機関で、実際には検査されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/32
-
033・恩田博
○説明員(恩田博君) 厚生省は、先ほどちょっと申し上げましたのでございますが、直接機関ではございませんで、全部知事に委任しておりますので、現場におきましては、保健所が全部やるわけでございます。それで、山の非常に奥等になりますならば、脱脂粉乳というものがございますので、それらが別用されているわけでございます。しかし生乳、いわゆる牛乳を飲みたいというところにおきましては、そういう形態で検査をして、非常に安全なものとして利用されているのでございます。
なお、申しおくれましたが、学校給食用の容器につきましては、学校給食用という札をつけまして、だれにもわかるようにいたしまして、ほかの用途には一切使わない。こういうふうに区別をいたして、厳重に監視をいたしているのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/33
-
034・天田勝正
○天田勝正君 よくわかりました。畜産局長に聞きますがね。この業者というのは、たとえば郡単位ぐらいの業者もありますし、いろいろ大中小取り混ぜであろうと思う。どういう業者を入れるのかというのは、それぞれの学校にまかせて、それでこの業者から取ります、あるいは実際に酪農協同組合、そういう団体から取ります、いろいろ希望を言わせるならば、あると思うのです。学校給食会の指定した業者とか団体、そういうものには、どこでもこの補助を与えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/34
-
035・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) まず、農林省といたしましては、都道府県からの予定申請といいますか、予定見込みを取りまして、そうして牛乳の数量をきめて、指示しております。これは、特に一合三円七十銭の補助がつきますものですから、厳格に数量を内示いたしております。で、メーカーの選択の問題でございますが、これは都道府県内で、あるいは学校側と相談をして、都道府県と学校側の意見できめているようでございます。一定の手続を経まして、そうして現在、これは予算による補助でございますので、財政法の規定によりまして、厳格な手続を経て、補給金が配給後出る、こういうことでございます。補助のやり方として、メーカーとかあるいは学校とか、あるいは生産者団体とか、いろいろ方法が考えられますが、一応、各都道府県の御意見では、配給後それを確認いたしまして、そうして学校が受けた数量とメーカーが出した数量をちゃんと確認をいたしまして、財政法の規定によりまして、処理いたしております。先ほど申し上げましたが、メーカーのうちには、大メーカーも含まれておりますが、中小のメーカーがほとんどであります。そのうちには農協もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/35
-
036・天田勝正
○天田勝正君 最後に、一点聞きますが、この提出されました資料、これを見ますと、昭和三十七年二月、三月、値上げ前、値上げ後というのが、生産者、卸、小売、こういう段階ごとに分配額及び分配率が出ております。そこでまずお聞きするのは、この価格というのは、算術平均したものですか。年間価格なんかじゃ、算術平均したのと、加重平均したのじゃ、おそろしく違うという事態があるのですけれども、これはどういう内容のものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/36
-
037・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 本日提出いたしました資料の三枚目の牛乳流通段階別価格及び分配率でございますが、注の三に書かれてありますように、東京都を対象とした価格でございます。算術平均ではなくてそのものずばりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/37
-
038・天田勝正
○天田勝正君 そこで、私はむしろ質問というより、政府側に今急に要望するんじゃなくて、かねがね要望しておったことなんですが、分配率を見ると生産者が三九・五%、卸売者が二五・五%、小売が三五%、こういうふうに分配率を見ると、まあややその各段階妥当だなあという錯覚に陥ると思う。これは錯覚なんです。私が常に指摘することは、この生産のほうの三九・五%というのは確かに売り値なんです。価格なんです。それでそいつが確かに取得価格だというなら取得価格だけれども、その内容は全部卸、小売とそれぞれによって違うんです。ことに生産者の場合は労働賃金に対応すべきようなものはこれは別として、そのほかに生産費というものがかかっておる。現に農林省でお調べになっておりましても、おそらく一頭飼育の場合は黒となる、二頭の場合は赤字となる、三頭の場合はやや黒になる。以下だんだん黒字になってくるということだと思います。この一頭の場合は、何かわからぬうちにちょっと片手間というか、何分の一手問というか、そういうようなことでちょろちょろと片がついてしまう。こういうところから、一頭は黒、二頭は赤字、三頭は赤字か黒字かの中間をうろついている、以下だんだん黒字になる、こういうこです。ですから、おそらく手間になるのは今日十五頭ぐらい飼わないと、とてもどうやらということにはいかない。したがって、その六円三十二銭の手取価格には違いないけれども、これを労働賃金の部分として見るならばおそらく一円くらいのはずであります。ところが今度小売価格の、小売の価格差である五円六十銭というほうを見れば、このほうは全部労働賃金に値する分である。だから、比較すれば一円対五円六十銭で比較しなければだめなんであって、卸の場合はやはり同様に一円対四円八一銭、とういうもので比較しなければならない。だから私は明らかにこの分配というのは悪平等だというふうに思うんですが、この点については、農林省は農業者を保護する立場にある役所としてどうお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/38
-
039・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 小売の価格の改定に関連いたしまして、非常に従来から私ども痛切に感じておりますのは、特にそういう各段階におけるマージンの問題でございます。今回、非常にやむを得ず昨年末から値上げ攻勢でありましたのを、特に組合側に指示してたえさして参ったわけでございますが、お話しのように、小売関係は都会で配給しておりますものですから、相当労働賃金が高くなっておるわけであります。それに比例して、農村におきまする労働報酬というものは非常に安いというのであります。今回の改定にあたりましても、卸の、卸といいますか、メーカーの出し値は上げましたけれども、それはすべて生産者に還元するということで、メーカーの従来からの幅というものはがまんをしてもらったわけであります、小売について半分。だからこの場合におきまする小売は、十五円が一円上げになりましたが、五十銭はすべて生産者に返してもらうということで処理したわけでありますが、なおなお酪農民におきまする手取り内容等につきましては、各地におきましてメーカーといろいろ折衝があるわけであります。私どもといたしましては、今後三十七年度におきまして、特に酪農関係に関する協議会なり、会議を設けまして、そしてメーカー側と生産者団体を一体とした市乳の取引価格についての協議を積極的にさせ、個々のメーカーと個々の農協団体と陰で処理をしてしまっておる傾向が強いものでありますので、これをオープンに出して、そして県庁段階で、極力双方の意見も十分県庁で聞いて、実際上の取引価格につきましては、均等な配分になるように努力いたしたいと思います。ただ、小売のマージンの問題でございますが、これは私どもといたしましては、なかなか指導ができにくい点もあります。場合によりましては今後、現在中小企業団体法等によりまして、届出だけで値上げができるという制度を認めていくかどうか。非常に組合体制が強固で、勝手に末端において値上げした場合にメーカーの出荷停止措置をとるということで、メーカー側にも十分、これは小売団体側にも納得させておる問題でございますが、なお山ネコ的に末端価格におきまして、また特に警戒いたしておりますのは、夏の時期におきまする牛乳の需要増加であります。場合によっては、もっと強い制度で末端価格につきましては、これだけ酪農民が生産増加に努めておるものですから、制度としてさらに検討する必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/39
-
040・天田勝正
○天田勝正君 これはまあ冒頭に申し上げたように、農林省だけで解決つかない問題だということは私は十分承知しております。これは私ども野党の立場におる者であっても、ほんとうに国民生活に直接響く商品については、これは小売商、中小企業という言葉で弱くなってはならない、これは私はだれが何と言おうと基本的な考え方なんです。ですから質問よりも要望しておくと申し上げたのは、これは他の業種もあることでありますから、私は今急に間に合わないにしても、経済企画庁あたりで総合的に調査をしてもらわなければならないし、それと常に農林省は密接に連携をとってもらいたいということです。これはおそらく日本の小売商で、どの小売商にどういう業種のものを聞いてみてももうからないということを言う人はないのですよ、事実。それはかみしも着た話になるから、いやもうかりませんと言うが、個々の商品についてもうからないという商品はありません、どういうものでも、私の聞き知った限りにおいては。そうじゃない。たくさん売れさえずればいいのですけれども、売れないから、こういうことなんです。だから一個々々のものは、それはただここへ問屋から持ってきてもらって、この物を渡してやるというだけでもって二割五分、三割なんですから、どう考えたってもうからないと言いっこない。ただたんと売れないというだけなんです。だから早い話が、一日に一つ売っておればおそろしくもうけてもいいという論理と同じなんですよ、理屈の裏返しをすれば。特にこういう食料品などはいつも言うように、生産者が損なら、その部分だけが消費者が得だという話ならばわかるけれども、肉のことではありませんが、生産者のほうは半分以下に下がっちゃって、買うほうは一向元の値段で買っておる。ちっとも生産者の損というものが消費者の有利ということにさっぱり結びつかない。ここに問題があるんですね。ですから、たまたま牛乳の問題で、私は生産者の立場を擁護するようにささやかながら努力されたということについては、私はけっこうなことだと思います。どっちかというと、一戸の農民が牛乳を売るよりか、東京あたりで見ているところでも、駅あたりでは一人が売っている牛乳のほうがはるかに多い。そうすると、一合について農民ばどうやら一円しか手間部分ばない。そこに対して六倍もあるということになる、一人あたりでも。じゃあといってあそこらで売っているのは労働賃金をそれだけ上げているかといえば、いつも指摘するように上げていやしない。せいぜい倍あげようと思って一円上げるくらいです。あとは小売商といったって、実は自分がちっとも働かないでそれを経営さしておる、駅なんかに店を出している連中が、不当にもうけているというだけだ。だからそこで働いている者の賃金をとやかく言うことにはならない。それを錯覚を起こして、農林省あたりも、何かそこに従業して現実に売る者の労働賃金が下がるのだなどと考える必要はさらにないのであります。私は、いろいろなことを申し上げましたけれども、結局はこの問題だけをとらえて解決する問題ではございませんから、ことに国民生活に関係のある諸商品につきましては、ぜひひとつ政府全般として、さらに一そう調査を完璧にしてもらいたいと要望しておきます。以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/40
-
041・戸叶武
○戸叶武君 この資料が出ないうちは、流通機構の矛盾という点に対して具体的なメスが入れられないので、関連のある予算委員会でも、また農林委員会でも、要請してやっとその資料が出たのですが、この資料とともにそのとき言い残したのですが、農林省におきましてこの資料と対比するためには、各国の、各国といっても、主としてイギリス、アメリカ、フランス、ドイツぐらいでけっこうですから、この統計を私ば農林省で出してもらいたいと思います。私は、五年ほど前に要求しましたときに、これは農林省のほうで準備がありましたから、今でもあるのだと思います。この問題は、主要農作物の価格の問題、特に生産者の手取りと、消費者の買い値、その間におけるところのいろいろな矛盾、これを是正するというのが、今の一番大きな問題だと思いますが、やはり私は、特に牛乳の問題にしぼりますと、十六円の値段だといたしますと、やはり八円は農家に渡らなければいけないと思います。これは今までの悪慣習の上に積み上げて、それであとのほうだけが先ほど説明がありましたように、生産者と農家と末端の小売のほうに回してメーカーは取らないと言いますが、それはあとのほうのちょっとした値上げの配分であって、根本的な分配のあり方に対してメスが入っていないのですが、農林省といたしましては、ところによって若干の相違はあるでしょうが、やはり末端の小売値段の半分は生産者である農家に渡すべきであるという原則を当分確立できないかどうか、それを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/41
-
042・森茂雄
○政府(森茂雄君) 牛乳の生産者から小売に至るまでの問のマージンの問題でありますが、実際上の問題といたしまして、私どもも酪農民の生産価格を、特に牛乳の問題につきましては、生産加工の観点から申しましても、また現在労働報酬の手取りの点から申しましても非常に不十分な状況でありますので、常にそれについては頭を痛めているわけであります。弁解するわけじゃございませんけれども、かつて牛乳の乱売戦といいますか、販路拡充等の歴史的のこともございまして、率直にへたな言葉で言いますると、小売屋は非常に強い態勢があるわけであります。必ずしも、私ども指導しておりますが、性質上非常にいろいろな複雑な問題があるわけであります。段階を極力少なくして、そうして卸しと小売のマージンと、それから酪農民がメーカーに売る段階につきましては、先ほど申し上げました生産者関係につきましては、特に共販態勢を今年度一せいに呼びかけまして、そうして実際の取引価格について十分両方側の意見を聞いて生乳の生産加工に努めて参りたい、そのために一千余万円の予算をも組んだわけでございます。
外国の例につきましては、後日また提出いたしますが、アメリカの農務省の調査でただいまつかんでおりまするのは、メーカーの出し値が一合にいたしまして十三円四十銭、小売価格は十七円四十銭、換算いたしますと、程度となっておりまして、小売マージンは四円程度であります。これは私どもといたしまして、わが国と比べて国民の飲用規模が大きくて、また大型の容器による販売、それから店頭売りの割合が大きい、それから家庭における冷蔵庫の普及などによる大量な購入等によって、労働の生産性も高いことによって販売の経費が少ないということではございますけれども、やはり外国等におきましては、こればほんとうの主食でございます。それだけに各国におきましても、いろいろな補助政策なり徹底した政策をとっておるわけであります。今後牛乳の家庭における重要性にかんがみまして、私どもといたしましては、むしろ小売の組合の中へ入っていって、そうして十分懇談的にもそういう点につきまして団体の御協力を仰いでいきたいと思います。一番むずかしいのは、やはり小売段階の流通改善であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/42
-
043・戸叶武
○戸叶武君 問題は、確かに一番むずかしい点は小売だと言われておりますが、小売は平均どのくらいの量を取り扱っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/43
-
044・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 大体平均一日当たり二千七百本配達いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/44
-
045・天田勝正
○天田勝正君 ちょっと。私は質疑は終えたつもりですが、どうも今の畜産局長の戸叶さんの質問に対する答弁を聞くと、また心配になってきた。それはアメリカの小売マージンとこっちの小売マージンをそう単純に比較されちゃ困る。国民の一人当たりの所得は大体アメリカは十二倍、だから小売マージンも多かろうし、卸し売りも多かろうし、生産も多かろう、そんなことば当たりまえです。問題は貧乏な日本において、全体の価格のうちどういう配分をするか、それを比較してもらわなければ困る。ですから牛乳は外国、アメリカの販売価格より日本の販売価格のほうが低くしたい、低くしなければ消費者は十分使えないのですから。その低い価格のうちで、要するに手間分です。労働賃金に当たる分を比較すればいい。単純に私はわかると思う。生産者のほうが六円三十二銭に売ったって、平均すれば一円くらいです、実際。それが労働賃金に対応する分です。卸売のほうはどういうことになるかというと、要するに生産費というものは二円八十六銭。その生産費の二円八十六銭のうちには、使っておる労働賃金も入っておるんですよ。ところが、取りまえ四円八銭でありますから、労働賃金を全部差し引いても業者の完全なる利潤、それが一円二十二銭、こういうことになる。これは利潤です。手間分を差し引いた後のですよ。およその見当ですが。そうすると、今度は店頭並びに配達という場合、大体配達の場合は二円かかりましょう。冷蔵庫にもちょっと入れておかなければいけないし、配達に持って出る手間もある。そうすると、その分が三円六十銭。店頭の場合は一円ですから、四円六十銭になる。その配分率を若干直したから私はまあけっこうだと、こう申しているんですけれども、貧乏な日本では、外国のマージンがどうだといえば、小売りマージンだけを擁護するような結果に陥りますよ。生産者の、ことに貧農が、酪農ででも息をついていこう、ことに御説明でも、所得倍増の成長の中心的な部門だと、こういうことを農林省も説明されておるのです。ですから、農業者の立場のほうからいけば、もっともっと擁護してもらわなければならないのですから、私はこれは答弁を求めようというのじゃない。そういう観点にひとつ立ってもらわないと、ことに零細農の日本なんかじゃ、農業者は立つ瀬がないということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/45
-
046・戸叶武
○戸叶武君 その二千七百本ですが、これは何軒くらいに配られていますか。平均二千七百本。そういうものは統計とっておりませんか。一軒でもって三本も四本も取るところは、このころはざらにできていると思います。それがわからなければ、小売り店でこのごろはオートバイなり小型自動車で配っておりますが、その配達に幾人くらいの人を使っておりますか。二千七百本を配るのに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/46
-
047・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) いろいろ規模によって、店舗によって違いますが、大体平均的に見まして、先ほど申し上げました一日販売量二千大百本から三千本程度が一日の経営といいますか、販売規模でございます。第二に、従業員をどのくらい持っておるかという点でございますが、社長といいますか、店主といいますか、それが一、それから主任が一、女事務員が一、配達人が六名ないし七名というのが、大体の平均の状況であります。こういう点で主として最近における状況といたしまして目立って上がっているものは、配達人の人件費が一カ年に二五以上上がっておる。それからあとは建物費等であります。主力をなすのはやはり人件費ということで、私ども内容を洗った結果は、一部氷代とかそれから小さいものがありますけれども、大きい因子はやはり人件費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/47
-
048・戸叶武
○戸叶武君 その労賃は平均どのくらいになっておりますか。配達の労賃は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/48
-
049・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 一本当たり単価で私どものおさえましたのは、三円三十九銭ないし三円二十四銭ぐらいの、いろいろ内容を洗ってみたのですが、そういう程度っ人件費を見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/49
-
050・戸叶武
○戸叶武君 ここいらに問題があるんですが、そうすると店でもって平均二千六百本ないし三千本というと、四十万ないし五十万の収入があるんです。これは私はこまかくもう少し検討してもういたいと思うんですが、一本当たり三円三十九銭というのもずいぶん高いと思いますよ。それから関東と関西と比べると、関西のほうは小売のボス組織が伸びているんです。大阪、神戸なんかでは弱っているんです。これは私はいろいろな手づるをもって調べたことがありますが、お役所でもどうぞ調べてもらいたい。そのときには、とにかく淡路島からメーカーのところへ六円で入って、しかもメーカーから小売に渡すときは九円です。九円で渡したときに、今度は大阪、神戸では十四円ないし十五円で売られている段階です。なんと、九円から十四円ないし十五円というのは、五円ないし六円の幅があるわけです。ところが、最近はそういう方向へ関東も来つつあるわけですが、関東で私のところの宇都宮では先般までは十円牛乳で確保した段階にあった。農家から四円五十銭ないし五円三十銭ぐらいで買ってもそうして十円でも売れたんです。やっていけたんです。そういうのに、東京のほうではどんどん値上げブームに乗って、これは外国では主食だというが、日本でも主食になりつつあるんです。政府も主食にしようというかまえでやっているんです。その事業に対して私は政府の取っ組み方というものが少し生ぬるいと思う。それで、特に小売り段階に対してもっとこまかいメスを入れてもらいたい。ほんとうに一合当たり幾らの請負でなっているのか、それとも人件費はどうなっているのか、それから店舗の関係はどうなっているのか、そういう業態を正確に把握してもらいたい。そうでないと、日本の今の零細企業というのを擁護しなければならないという名のもとに、先ほど天田さんが指摘したように、実際は不当なボス支配によって、働く労働者よりも、とにかく店舗の権利を持っておる者、そういう者が非常な吸い上げをやっているんです。だから、これの小売りの問題に対して、これをほんとうに勘定してごらんなさい、三円三十九銭だと、一人が何本担当しているか、それを見ると、非常な高い労賃になってしまうと思う。一体一人でもってどのくらい配達できると思っていますか。六人ないし七人というのも疑問の数が考えられませんか。このごろはみんな小型の簡単な安い自動車で配って歩いているんです。そんなに私は労働力を必要としないと見ているんですが、農林省のほうではどう見ておりますか。数字のつかみ方がおかしいですよ。昔と違って、このごろは幌みたいな簡単な小型自動車でタッタッターと配って歩いているんですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/50
-
051・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) もっと私ども突っ込んで勉強する必要があると思いますが、ただいま申し上げまする私どもの検討した資料では、六、七人に対して二千六、七百本から三千本でございますので、五百本程度ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/51
-
052・天田勝正
○天田勝正君 関連。どうもその農林省の不勉強にはいやになっちゃったね。私のほうが教えますよ、そんなことは。あれね、牛乳配達というものは昔一あさで一本ぐらいしか取らない時代でも、二百本以上配達した、どんなことをしても。それでこのころみたいに町へ来るというと一軒で二本も三本もあれするのに、どんなに少なくても四百本、ちょっとの連中は五百本あれします。もう場所によっては、東京みたいに混んでないのですよ、われわれの田舎町でもそうなんです。五百本は絶対配達できるのです。しかもアルバイトみたいな連中を使っているのです、業者は。それで今のあなたのおっしゃるとおりを数字ではじいても、一人当たり千五百三十幾円ですね、毎日月給を払わなくちゃならない。現実にそんな金を払っていますか、あなた。半分だって払っていませんよ。これが実情だ。だから小売商云々というけれども、それは働いている者をちっともいじめることにはならないのだと思う。二五%しか上がらないというものは、結局何ですよ、二十七、八銭上げれば用が足りるのです。しかるところ何でしよう、実際は三円ずつも上がっちゃって、その幅は全部それは業者のよけいなもうけになっているのです。僕は農林省でどういう調査をされたか知りませんけれども、業者の言い分だけですよ。どうして配達する者に千五百円以上の給料をくれている者がありますか、冗談じゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/52
-
053・森茂雄
○政府委質(森茂雄君) 先ほど申し上げました人件費というのは社長一名、主任一名、女事務員一名、配達人が六名ないし七名でございます。したがいまして、社長なり主任なりも突っ込んでの話でございまして、配達人六人で三円三十九銭ないし三円二十四銭ではございません。したがいましてその分け取りということになりますが、最近におきまして非常に申しておりますのは、なかなか牛乳配達を募集してもなかなかないということでありますが、私どももなお突っ込んで勉強いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/53
-
054・天田勝正
○天田勝正君 関連関連。またそういうことをおっしゃるけれども、私がそう突っ込むというとそれはこうだと言うけれども、その店主まで含めたって、それだと一人の配達人に千三百五十幾円払うということになってしまうんですよ、あなたのその数字から言っていって。店主のもうけはもっとずっと高く見てもそういうことになります。計算してごらんなさい、あなた。牛乳配達がさっぱり集まらないというのは千三百円くれてないからです。千三百五十円くれたら、あなた、牛乳配達なんか幾らでも集まります。だからそうその業者の言い分だけ言わんで、働く者にばたんとやって、生産者にももうちっと配分をよくして十分できるのですから、もっと行政指導を強力にやってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/54
-
055・戸叶武
○戸叶武君 農林省は数字にどうも弱くていけないと思うんです。これは池田さんに話をすればすぐわかると思うんですが、とにかく三円三十九銭で五百本としても、そうすると一カ月には四万六千百七十円になります。だからそれは店主までひっくるめてだけれども、どういう配分になっているかということを調べてみて下さい、一本に対して。こんなばかげた、今の小売商というのは、大阪、神戸では暴力を伴うようなので、うっかりメーカーなんか手がつけられないとまで言っていました。これは全くやくざの世界の支配に私はわれわれの主食たるべきものの配給機構が握られているというような状態なら、政府は警察でも何でも握っているんじゃないか。それでいてそういうお互いに弱点を持っているから、小売をつつけば、メーカーがうんともうけているということがわかっているから、メーカーは簡単な設備によって、低温殺菌などといったって簡単ですよ、大量的なやり方なんです、それをつつかれるから、それだから弱い者をいじめる、といっても弱くなんかありはしない、小売商のところのやくざ組織というか、ボス組織というものが警察すらもこわがって手がつけられないというところに、メーカーも弱点を持っている、小売に手をつけるとメーカーもつつかれる、そうしてアベック闘争で、このやくざの世界みたいなものと、このメーカーのごまかしとで、そうしてしわ寄せが農民の中へきている、これが実態ですよ。私はこんなような形において、ほんとうに日本の牛乳需要が伸び悩んでいるのは、アメリカと同じような値段につり上げてしまったが、アメリカの諸物価というものは日本から見ればみな少し高い、日本のほうが安いじゃないか。労賃は日本より八倍、九倍取っているじゃありませんか。アメリカ並みに牛乳の値段をつり上げてしまって、そうしてアメリカより八分の一か九分の一しか取らないような労賃、それ以下なんだ。今度ば農民は底へたたきつけておく、こういう矛盾、こういう矛盾点を突かないで、生産者をいじめ抜き、それから消費者にはアメリカ並みの高い牛乳を売りつけるというやり方であっては、どうしてこれが伸びますか、牛乳需要が伸びますか。需要を伸ばすという要請と、この生産と消費との間の流通機構の矛盾というものをいち早くつかんで、これを是正するという二つの題目で今農政が立ち上がっているのを知っていながら一つだって、中途半端でまともに取っ組んでいないじゃないですか。こういう状態を等閑に付しておいて、酪農振興だ、何だといったって、これはこの矛盾の上にさらに増大がなされるだけであって、この今の反省なしに、独占資本の大メーカの一種のカルテル組織の矛盾と、その下におけるところのこの小売商が持っている旧来の非常な古い形のボス組織とのアベック闘争によって生産者と消費者が迷惑を受けている、これが実態なんです。この実態に対してメスを入れることを避けて、どんな屋上屋を建てるような法律を作ってみたって、そういう矛盾を増大してゆくだけであって、何ら私は酪農振興には貢献するところが少ないと思う。もちろんそれによって収奪をほしいままにするのは、今までの流通機構における矛盾の中に幡踞しているところの旧来の組織形態というものがますます太ってゆくことになるのだと思う。私は今までしばらく政府のやり方をながめていたんだが、まともにほんとうに畜産の問題と取っ組んでいるのか、畜産の問題を奨励すると称して河野農政のもとにおいて河野農政に結びついているところの一個のボス組織というものを育成するためにだけ国家の金を乱用しようとしているのか、非常にその点が疑問な節があるので、もう少しこの問題に対しても、私はこの小売の問題から、このメーカーの問題からメスを入れなければならないと思いますが、もう少し流通機構のあり方というものは、一番末端における配給機構のあり方の正しき姿というものを私は作り上げなければ何にもならないんです。そのデータを要求しているんだが、どうも今までの畜産局長の答弁では、これはとても論議にならない、これはほんとうに論議にならない。私はもう少し正確に今の流通機構をどう是正するかの材料になるような、今の牛乳を配達するところの末端の配達機構の矛盾というものを、われわれが鏡に照らしてすぐわかるような具体的なやはり統計というものがなければ、抽象論によって、これはどうします、こうします、慎重にやりますと言ったって、もうそんなことはこの六年、七年やってきて何にもならないんだから、それをもう少しそろえてもらいたいと思いますが、畜産局長、早急にそろえてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/55
-
056・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 流通段階、特に小売、卸売の間の関係等につきまして複雑な事情のあることは戸叶先生よく御承知で、私どもといたしましても、こういう、生産者と配給段階における公平な分配につきまして、ひしひしと現在感じておるわけであります。合理的な配分が行なわれるよう、特に現在複雑な流通関係、特に小売関係につきまして、強い考え方で臨みたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/56
-
057・戸叶武
○戸叶武君 四大メーカーなり何なりが牛乳を取り扱う量というのはどんな工合になっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/57
-
058・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 現在では約七五%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/58
-
059・戸叶武
○戸叶武君 七五%がどんな振り合いになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/59
-
060・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 正確な数字といたしましては、ここに手持ちに三十五年度があるので申し上げますが、集乳量、百七十七万九千トンが全国の集乳量であります。そのうち四社分が、三十五年度では、百八万八千トンでございます。したがいまして、三十五年度では六一・一%でございます、全国の総計に対しましての集乳量は。さて、その四社の割合でございますが、六一・一%のうち、明治乳業が、六一・一に対してではなくして、全体に対しまして一九・一%、三十五年度の実績でございます、森永乳業が一六・三%、雪印乳業が二二ちょうど、協同乳業が三・七であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/60
-
061・戸叶武
○戸叶武君 それで、このメーカーのほうの処理費というのは、一合当たりどのくらい考えてはじき出しておりますか、主として低温殺菌や何か。メーカーの、流通過程におきましては、今度だと、五円八十一銭から九円九十銭という、あれですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/61
-
062・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) きょう提出いたしました価格差の欄の卸売価格というのがメーカーの出し値で、ございます。したがいましてその欄の四円〇八となっておりますのが、メーカーが受け取ってから小売に渡す間の全部の一合当たりの経費並びに利潤全部含んだもので、ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/62
-
063・戸叶武
○戸叶武君 ここではだれが見ても非常に大量な処理なんです。私は、たいへんなマージンだと思っているのです、これに対するつき方というものは……。私はこの機会に、ほんとうに委員会の審議なり、審議を権威あらしめようとするならば、メーカー側も呼び、それから農家、生産農民も呼び、それから小売業者の代表も呼んでじっくり私はやらないとだめだと思う。いつまでもこんな大まかな議論をやっていたのでは、いつまでたっても流通機構の改善というものはできません。大体メーカーのほうで経費として換算しているものは、この一合当たり四円九銭ですが、どういうものが換算されていますか、メーカーとしての経費は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/63
-
064・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) ただいま押えております数字で申し上げます。集荷費として三十六銭、包装梱包費五十銭、労務費五十八銭、これは百八十ccで、一合当たりでございます、燃料費十五銭、消耗品費八銭、減価償却費二十四銭、その他の経費として三十八銭。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/64
-
065・戸叶武
○戸叶武君 その他の三十八銭というのは、その他にはどういうものが見込まれております、具体的な例として一、二。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/65
-
066・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 今調べて御報告申し上げますが、全部読ましていただきます。労務費からただいまその他の経費までで小計していただきまして、それを製造経費といたしまして一円四十三銭であります。さらに加うるに、一般管理販売費として一円三十四銭、集荷費と包装のほうの三十六銭と五十銭のほうは外にいたしまして、労務費から、燃料費、消耗品費、減価償却費、その他の経費、これを合わせまして製造経費ということでカッコにくくっていただきます、それが、全部が製造に関する経費でありまして、しめますと一円四十三銭でございます。そのほかに一般管理販売費、製造経費に対しましてさらに一般管理販売費として一円三十四銭、それから利子割引料二十五銭、それに原料乳代平均六円三十二銭、加えまして締めますと十円二十銭であります。以上が大体の内訳別の経費の概要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/66
-
067・戸叶武
○戸叶武君 原料乳代が六円三十二銭ですか、これは今、一合五円で買ったり六円五十銭で買ったりしているから、それを平均したものですか。この輸送関係の費用はどこが担当しているんですか。この集荷費の中へ入っておるわけですか。集荷費、これはメーカーのほうがしているわけですね。それから、小売店のほうに運ぶ輸送料はどっちがかぶってるんですか、メーカーから小売のほうへの輸送料。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/67
-
068・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) この欄、ただいま申し上げました説明の欄では一円三十四銭の内訳とお考えになって差しつかえないです。一般管理販売費として申し上げました一円三十四銭でありますね、その中へ販売費といいますか、配達店舗まで届ける費用を入れてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/68
-
069・戸叶武
○戸叶武君 そうすると、いよいよメーカーにも一つの問題があります。これは教字でこまかくはじけばわかりますように、この減価償却の問題なり、あるいは利子割引料なり、そういう問題も、私らで入れるよりはひとつ役所でそろばん出して見て下さい。そのほか、さっき言った製造経費の中のその他の問題でも、今すぐにどうこうというのはわからないと思いますが、その他というものは具体的にはどういうものか、そういうものもやはり私は見てもらいたいと思います。それから燃料費の十五銭なんてのは、あれだけの大量にやる燃料費としては、私たちはやはり合点がいきません。そういう点にひとつ、これはこの機会を逸すると、なかなか私はメスが入らないから、この機会に十分役所が資料を集めてもらいたい。そうしないと、いつまでたっても日本の流通機構の矛盾というものは是正できません。そういう観点からいたしまして、これから小売段階、それから、びんの破損は、あれは小売店がかぶるんですか。メーカーから小売に行って、小売から末端の消費者のところへ渡るまでの間にできる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/69
-
070・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 取引慣習といいますか、話し合いで大体折半になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/70
-
071・戸叶武
○戸叶武君 大体破損というものはどのくらいの率になってますか。大したことはないと思いますが、全体のあれとしては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/71
-
072・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) ちょっとわかりませんが、係のほうからの話によりますと二%ぐらいじゃないかと、今ちょっと教字を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/72
-
073・戸叶武
○戸叶武君 このごろのびんは、昔のように割れないようになってますので、三%なんてないと思います。やっぱりそういうようなもののはじき出し方にも、まあ正確には教字でないでしょうからしませんが、いろいろなところでごまかしができるというようなシステムになっているんだと思うんです。
で、問題はやはり私は、酪農奨励というからには、米麦本位から国民の食生活の嗜好というものも動物性蛋白質をとろうという形における、牛乳も飲もう、肉も食べよう、肉や牛乳を飲むと、やはりパンも食べなくちゃならない、それには果物も食べなくちゃならないというふうに、この数年間における食生活の革命というのは、日本の革命の中で最も私は大きな革命だと思うんです。私たちは今、日本の食生活の革命と農業革命のあらしの中にあるんです。この革命にどう対処していくかというのが、この近代農政の私はかまえだと思うんです。それでそういう点からいたしまして、たとえば牛乳屋だって、今のような牛乳屋という考え方だけを守っている必要はないと思います。米屋だって気のきいたやつ見てごらんなさい。みんなパン配っています。牛乳とパンはつきものじゃないですか。注文とって牛乳と一緒にパンを載せていくというのはどこが悪いか。外国だってみんなやっている。それを依然として牛乳だけやって、いつもなわ張りだけ守っていればえらいもうけできるから、その上にあぐらをかいて、一つも新しい態勢に順応するだけの販売組織というものができていない。それからメーカーのほうも考えなくちゃならないのは、東京は世界のマンモス都市です。ニューヨークや、ロンドン以上に人間がいる。人間は大消費者群です。このあるところに、勤め人なりアパートなりというところに、そこに簡単に消費組合や、消費組合でなくても、ロンドンにあるようなコーナーの小売店ならば小売店のところへばっと大量におろしていけば、そこに取りにいけば、少なくとも三円五十銭のびんだって三円ぐらいに安くなるはずです。安くならなければならないはずです。大きなやつでががっと、大びんもくそもあったものじゃない。大どころへおろしていけばいいのですから。そういうものも何か今までのなわ張りを持っている小売業者にけつをまくられたらメーカーはどうしようもない、自分自身が弱点を持っているから。けつをまくられたら、おれのほうにしわ寄せするのかと言われたら、縮み上がって手のつけようもない。こういう悪因縁というものは切断しなければならない。牛乳はもはや大衆のものです。牛乳屋と称するメーカー、牛乳店と称する小売店の独占物じゃないのです。これを生産者と消費者の手によってその利益を守る機構が政府なんです。この大きな革命の中において、生産者と消費者の利益を守るためのこの流通機構の抜本的な改正というものができないようでは、役所がどうかしている。そういう意味では、それをやらせるには、どういうところへ金輪をはめたらいいかといえば、長野の農民がすでにのろしを上げているように、十六円の場合においては、それは半分は生産者に返せ、生産者によこせ。生産費、労賃みなひっくるめたもの、そういうことがばさりときまれば、大体においてその基準がきまれば、そのあとの半分においてやっていくのには、どうこれを合理的にしたらいいかということが、メーカーと小売店において今度はほんとうに頭で考える。ところが考えないのだ、今。どうやってつかみ取ろうかというこのなわ張りに幡踞しての私はつかみ取りっくらだ。それに乗っかって役所の農政というのが行なわれているのでは情けない次第なんで、まず畜産局長に、これは河野さんでも出してこなければ、畜産局長では荷が重いと思うんですが、とにかく末端の消費者に渡る価格の半分は農民のほうへ外国並みに返すように努力したいというぐらい、その発言ができないうちは、とうせんぼするのじゃないのですけれども、私はこの問題に対しては応ぜられない。そういうものをぴしっときめなければ、この流通機構の改革のめどがあかぬのです。畜産局長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/73
-
074・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 特に卸、小売段階におきまする複雑な状況について、よく戸叶先生御存じで感服しておるわけでございますが、私どもといたしましても、今回小売価格その他の価格改訂にあたりまして、いろいろこの問題については考えさせられたわけでございます。今後牛乳が一そう需要が旺盛になっていく、かつ牛乳の生産の伸びがそれになかなか即応していきにくいという状況でございますので、私どもといたしましては、一例をあげますれば、小売価格につきましても非常に公共的になっておりますし、かつ規格もきっぱりきまるものでございますので、だんだんと公益的な価格ということになってくるものですから、業者の協力等も得て、必要によれば認可制というようなことも考えなければあらゆる方途を考えて中を洗っていく。かつ政府といたしましても、配給上の小売関係につきまして、融資あるいはいろいろな運搬施設等につきましてもめんどうを見てやるということで、積極的に業者側の反省を求めつつ、私どもといたしましてもできるだけの必要な援助はやっていくということでなければならぬと思います。だんだんのお話全くよく拝聴いたしまして、よくお気持も十分私ども同感の点が非常に多いわけであります。ぜひ努力して参りたいと思います。
それから、先ほどのびんの関係でございますが、〇・七%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/74
-
075・天田勝正
○天田勝正君 関連。〇・七%というのは、それは年間使って、そういうこと。つまり単純に一日配達して〇・七なのか、一月なのか、年間でそれだけしか出ないというのか。〇・七%だって……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/75
-
076・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 大体六十回転と見て〇・七%。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/76
-
077・天田勝正
○天田勝正君 二月で〇・七。そうすると、一月一万本で一日に一本もこわれないということでしょう。そういうことだ、一日では。〇・七もちょっと多いな。広口びんになってから特にぶつけなければこわれなくなってしまったんだ。まあ、いいや。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/77
-
078・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) もっと精査いたしまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/78
-
079・戸叶武
○戸叶武君 もうそのびんの問題にも入りましたが、びんの問題は前から、もう二、三年前から農林省でもいっているのですけれども、三合びんなり五合びんなり一升びんなりできないものですか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/79
-
080・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) メーカー側でも最近二合びんを非常にふやしております。やはり消費者の希望とマッチさして、またメーカー側でも積極的にそういう点を実際上の問題点として常に御意見を伺い、また研究しているようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/80
-
081・戸叶武
○戸叶武君 とにかくこの牛乳屋というのは怠慢で、酒屋へ行ってごらんなさい。ウイスキー屋だってびんをいろいろにそろえて商売やっているじゃないですか。全く切り捨てごめんでもって、手前勝手に一合びんだけでやっていて、しかもこういうやり方ですから、これはさっそくもう少し消費者本意にものを考えるようにしてもらいたい。それから夏場の問題ですが「夏場の問題は、牛乳が足りない足りないといって各メーカーが自分のなわ張り争いをいつでもやっているのですが、この各メーカーが牛乳だけじゃなくてアイスクリームでえらくもうけている。これはアイスクリームのもうけというのは、これは世界中のできごとだが、これはもう日本ではますますことしあたりアイスクリームが伸びる。だんだん子供の嗜好が変わってきてわれわれの育った時分はあめ玉なんか喜んでいたが、このころはいなかに行ってもとにかく子供はアイスクリームと言って、外国並みになってきて、私は、ことしなんかたいへんな争いで、そしていろいろなメーカー間における紛争、その問に酪農協同組合のボスがしこたまふところ工合を肥やすというようなできごとができると思うのですが、今までのこの夏場におけるところの牛乳騒動というのがあるようですが、農林省のほうではそういう問題で手をやいたようなことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/81
-
082・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 毎年夏場になると、全国どこかで集乳合戦が勃発するわけであります。勃発するといいましても、なかなか関係団体で話してももんちゃくになってなかなか解決できないという問題であります。方々で勃発しておりますけれども、大体収拾されるようでございますが、昨年経験いたしましたのは、岩手県における不二屋の進出に伴うその他の会社あるいは経済連等の関係であります。知事以下努力いたしまして、私どものほうの課長も乗り込みましてどうやら解決したわけであります。私どもといたしましては、県単位ごとに極力問題を上に上といいますか、オープンにいたしまして、個々のメーカしと個々の一農協単位のヤミの奨励等は極力なくして、冬場になっても安定した収益を得るように、広場で公開の取引契約等を結ばせていくという考え方でおります。このまた夏、相当の天候が続きますればそういうことが行なわれますので、特に新しく進出する——一定の集荷業者のきまっているところに新しく進出する場合に、値段等とからんで混乱が起きるわけであります。酪農民が安定して長く相当の価格を享受できるということであればまたともかくも、一時的な集乳というようなことはあとでまた問題が起こりますので、私どものほうといたしましては、公正な立場で極力この問題の円満な収拾にあたっていきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/82
-
083・戸叶武
○戸叶武君 私はことしの夏のアイスクリームをめぐるところのこの夏の陣というものはたいへんな争いになると思う。世の中が非常に手前勝手になりて、とにかく野球の選手から、タクシーの運転手からスカウトが始まったように、この商業戦争の中において、これは非常な派手な私は商業戦争が展開されるのじゃないかと思うので、こういうことを中心として、しかもこれを理由として、だんだん牛乳の値が上がって、生産者の手にぐっと率が高まっていくのならばいいが、今のようなやり方で、結局はしわ寄せば消費者にきて、牛乳の値段を高くする。高くするだけじゃなく、まともな牛乳が飲めない。皆水が入ったような牛乳だけ飲ませられて、しかも一そこで承りたいのですが、東京で一体まともな牛乳はどのくらい各戸に配達されているのですか。この間主婦連の奥さんの一いや、あれは市川さんの主張でも、東京では加工牛乳のほうが多くなったというような意見もあったようですが、農林省のほうでつかまえている統計の数字ではどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/83
-
084・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 東京では普通牛乳が三、その他加工乳飲料と申しますか、その部分が二、それからホモとかいろいろ強化しておりまする加工乳が五であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/84
-
085・戸叶武
○戸叶武君 強化牛乳というのですか、あれは全国は幾ら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/85
-
086・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 全国的に言いますると、こまかい数字で言いますると、市乳普通牛乳が五三・七%、それから加工乳が三一・六%、それからさっき安田さんからお話の出ましたコーヒー牛乳と総称して言っておりますが、乳飲料、それが一四・七%、四大都市でこれを言いますると、割合は変わってきます。四大都市突っ込みで普通牛乳が三九・四%、それから強化しているホモとかいろいろ牛乳がございますが、加工乳、これが四〇・五五、それからコーヒー牛乳等の、乳飲料と称していますが、それが二〇・一の概況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/86
-
087・戸叶武
○戸叶武君 乳飲料というのはどんなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/87
-
088・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 先ほどのコーヒー牛乳とか、そういう色をつけた色物、通称色特と私ども称しておりますが、そういうものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/88
-
089・戸叶武
○戸叶武君 それから、強化牛乳というようなのは加工乳の中に入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/89
-
090・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/90
-
091・戸叶武
○戸叶武君 さっき加工乳五といった……。さっき、どういうふうに言いましたか。加工乳の、強化牛乳と称するものはそれはどのくらいですか、東京都の場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/91
-
092・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 最近加工乳が伸びておりまして、五といったのは五〇%です。三、五、二と申しましたが、四大都市は約四〇%近い三九・……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/92
-
093・戸叶武
○戸叶武君 東京では五〇%ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/93
-
094・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) に近づきつつあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/94
-
095・戸叶武
○戸叶武君 要するに、高いやつを飲まなければ配達してくれないですよ。もう二十一円ですよ、売りつけられているのは。だんだんこの調子で、何とかかんとか口実をつけて、しかも五〇%になっている。私がまじめに普通牛乳で論じていても、今度は普通牛乳の十六円だけじゃなくて、とにかく二十一円だ何だというのは五〇%になってしまうという状態では、またこの論議の対象が違う。これはえらいことになっていますよ。やはりこの機会に私はほんとうにこの法案の問題をめぐって、法案をストップしてもいいから、ひとつメスを入れないとメスを入れる機会がなくなってしまう。これはみんな大衆に関係があるのですよ。大衆の迷惑をかまわないで、との法案を通すというなら別だ。
それからもう一つ、やはり国会だけでもせめて、森さんにだけ重荷を背負わせて、とにかく声明することは、おそらくは河野さんの心臓でも声明はできないだろうけれども、国会くらいは超党派的な申し合わせで、とにかく牛乳の流通機構の矛盾を是正するためには、市販で卸される半値はとにかく、生産農民に還元するだけの考え方、これは世界各国の、インターナショナルの時代です。貿易自由化が唱えられている時代です。あるいはILOの批准が問題になっているときです。こういうときに、日本だけ特殊な関係でいつまでも農民がばかにされているというような状態でもって畜産奨励を——一体農民のための畜産奨励か何か、それは論議していればおかしくなってしまう。ほんとうにメーカーや古い形の配給のボス組織を太らせるための畜産奨励、ほんとうに生活に困りつつあるところの農民のためになるのか非常に疑問になってしまう。私は今の五〇%のことを聞いて、やはり奥さんや市川さんが家庭の主婦の声を代表して、非常に予算委員会その他で警鐘を乱打した気持がわかると思う。これはどういう形かでひとつ、農林省にぶつけてみても、森さんの上手な答弁ですっかり逃げられてしまって、これは逃げるのも無理はないので、森さんにだけかぶせるのはどうかと思う。これは与野党とも農林委員会で責任を持って、もっと今のような主食にかわりつつある牛乳の流通機構の矛盾の是正に対してどういう処置をとったらいいかという基本的なかまえを出さないと、農民や末端の消費者からも非常なうらみを買うと思う。そういうことを無視して、そういうことをこの機会に片づけないで、この法案をとりあえず上げるというなら、与党の責任においてどんどん進めていただきたい。これは天下に訴えてほんとうに生産者と消費者の声からはさみ撃ちさして、世論の制圧によってこの問題を片づけるより仕方がない。国会もたよれない、政府もたよれないという声が生産者なり消費者から出てこなければ片づかないほどの大問題ではないかと思うのですが、その前に、まずわれわれは選挙民、国民から選ばれて出てきている国会議員なんだから、特に選挙を前にしている参議院においては、参議院の良識においてこの問題に四つに組むというかまえを示してくれたか、示してくれなかったかということがはっきりするいいテストになりますから、この際委員長を初めとして、なおかつ慎重審議をやるか、この際とにかく政府の要望に従って、とにかく何でも上げてしまうという形でまかり通ってしまうか、この問題はほんとうに政党政派を抜きにして考えなければならない問題だと思います。これを私は森君に言うのは無理だから、ほんとうに自社党首の話し合いなり何なりでやらなければ、私のほう、私だけでなく、これは真実を生産者と消費者に訴えて、やがて生産者と消費者の声を通じて私はこの政治をゆさぶるという形を、国会で破れたら処置を講じたい。私はこのように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/95
-
096・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 夏の集乳合戦、もちろん私たちもそういうことが起こらないように注意はいたしております。ただ、市乳の問題は非常に酪農民の、特に手取りの原料乳の問題よりも、最近における集乳は集乳県を拡大して参りまして、先ほどのお話のように、岩手県まで集乳県を伸ばしていくというような傾向になっております。したがいまして、畜産当局といたしましても、特に市乳についての需給調整のために、酪農に関する関係会議あるいは県に対する協議会の経予を新しく組みまして、国といたしましては積極的に生産者団体に呼びかけまして、生産者が一丸となって共販体制を本年度展開いたそうと考えておるわけであります。いずれにいたしましても、生産者が個々のメーカーと、あるいは生産者団体の組合長だだけが個々のメーカーの末端と陰でつるんでおっては、問題がいつまでも解決しないと思います。そういう意味におきまして、メーカー側と生産者団体に対しまして、特に生産者団体には共販体制、共販出荷という態勢を立てるように、特に予算措置、行政措置で展開いたしたいと存じます。御注意の小売の関係につきましては、私でも十分東京都の中まで入っていきまして、東京都知事とも十分論議いたしまして、また各県知事等に要請いたしまして、十分目標といたしまして流通の合理化をはかろうと存じます。価格問題につきましては、現在の末端の関係で必要がありますれば現在の組合員等の協力は得られないということになりますと、やはりある程度、ものによりましては、特に牛乳等によりましては認可制でもとって、そうして家庭の配給の価格の公正化ということにつきまして、やはり、組合同志でも山猫といいますか、個人的な立場のものもどうしてもある場合がありますので、ものの重要性に応じまして、私ども指導で徹底しては参りまずけれども、なお、その指導が徹底しないということになりますれば、そういう制度も考えなければならぬかと私ども考えております。一生懸命で努力するのでございますので、よろしく本法案の通過に御協力願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/96
-
097・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/97
-
098・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御発言もございませんければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/98
-
099・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって、本案の質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/99
-
100・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) この際、農林水産政策に関する調査のうち、農林畜水産関係物資の国道貨物運賃等に関する件を議題といたします。
本件について質疑の御要求がございます。順次御発言を許します。
なお、出席者は運輸省鉄道監督局国有鉄道部長高橋末吉君です。
温水君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/100
-
101・温水三郎
○温水三郎君 農林水産物の輸送の問題なんですが、聞くところによると、丹那トンネルの事故がその原因だということですが、四月四日付で、国鉄総裁名で通牒が出されて、家畜の輸送に使う有蓋車の使用に関して厳重な、何といいますか、荷作りというのですか、それが指令されたようでございます。そのために、目下家畜市場におけるところの牛、馬の値段がかなり安く取引されているということなんですが、これに対して国鉄の責任のある方にお伺いいたします。大体家畜の輸送運賃は二級を適用しておるのは、家畜専用車に対する料金だと思うんですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/101
-
102・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) ただいまのお話、私初めてお聞きいたしたようなことでございますのでちょっとわからないのでございますが、家畜車というものがございますから、お話のように、家畜車によって家畜は輸送されるのが本体でございますから、そのようになっておるのではないかというふうに思いますが、専門家でないとちょっとお答えにならないと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/102
-
103・温水三郎
○温水三郎君 大体今牛乳のことでも問題になったのですけれども、農民は、価格以外の問題で、価格以外の経済行為で非常にしわ寄せを受けておる。たとえば、碁にたとえるならば、ヨセでもって二十目も三十目もいかれておる。今答弁が正確でないのですが、家畜専用車があるという以上は、その運賃は、家畜専用車を使うことによって定められた運賃だと思う。それを、代用品たる有蓋貨車を使用して不便をかけるということについて、本物の家畜専用車の料金を徴収するということは、これすなわち契約違反だと私は思う。その上に今度は、丹那トンネルの事故、これは鉄道の責任による事故だと思うんですが、この事故のために、荷主にあたる者に対して非常に高価な角材等をもって厳重に有蓋車を家畜車に転用するための費用を出させるということは、これはどうも合点がいかないことなんです。その上に、家畜の運送に使用した貨車の清掃消毒というものが、従来荷主の責任において行なわれておる。こういうようなことは、農産畜産物の輸送以外にはないことだと私は思う。この点も質問したいんですが、専門家がいないとおっしゃるので、一括して質問いたしておきます。そういう清掃消毒といったようなことが農民の責任に帰せられているということは、どうも合点がいかない。大体本物である家畜専用車によって値段を契約してその運賃を払っておる上に、代用品をあてがわれて同じ運賃を支払う。その主に今度は、丹那トンネルの事故その他の鉄道の責任、国鉄の責任に関する原因によって、荷主であるところの農民が大きい負担を受ける。また別問題として、この清掃消毒の費用が農民に転嫁せられておるということは、これは別個な問題なんですが、これは契約違反というようなことにもなるかもしれないと思いますが、さらにこの今度の国鉄総裁の通牒によって、家畜を輸送する場合において、家畜の輸送上におけるところの損害というものが非常に大きい。さらに、これに上乗りをするところの人間の問題なんですが、貨車ですから、一駅に一時間も二時間もとまる場合がある。こういう場合におけるところの上乗りの人間の衛生上の問題等考えると、これは人権問題にまで発展すべき問題であると思う。こういうようなことが平然として行なわれておる。そして運賃は、運賃という金額はそこに示されておるけれども、輸送上の、すなわち今申し上げるような経済上の負担というものはことごとく農民に転嫁されておる。これは公共性のある国鉄のとるべき態度であると私は思えない。さらに、農林省にしても、こういう農林水産物の輸送の問題を解決することに閣議の了解まで得て見込んでおられるが、これらに対して、国鉄当局と農林省側のこれに対する対策というようなものをお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/103
-
104・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) 前半のほうのことにつきまして、私の考え方をちょっと申し上げたいと思います。家畜、特に牛とか豚というふうなものでございますが、馬は御承知のとおり、ワムで運ぶのが常態のようになっておるわけでございますが、家畜車によって運ばなければならないものを、代用のほかの貨車によって運ぶということが契約に対して違反というふうなお話もございましたんですが、おそらくこの場合は荷主さんの御了解のもとに別な車を配車するというふうなことでやっておるんじゃないかというふうに考えます。それで、私といたしまして、今お話もございましたので、国鉄のほうに、帰りましてすぐそういったことを返答させ、審議いたしたいと思いますが、家畜車を一般貨物のほうにまで運用して総合的に使っておるように考えられますので、今お話もございましたので、家畜車は家畜車に専用にこの部分を運用するというふうにいたしまして、今のお話にございました特殊な費用の御負担——おそらくそれも、待っていたんではなかなか家畜車が配車されぬ、待っておれぬというふうな御事情やなんかで了解というふうなことも行なわれるようなことになりかねないというふうにも推察できますので、家畜車はおそらく国鉄は六百両ぐらい保有しておるはずでございます。それを、一般用でなく、家畜の多く動くような所が大体わかっておるわけでございますから、こういうようなところに専用に運用するようにいたさせたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/104
-
105・温水三郎
○温水三郎君 荷主の了解を受けて使っておると言われるけれども、そこに問題がある。国鉄というものは、これは専売なので、国鉄を利用せざる限り、生体の輸送ができない。だから、国鉄が家畜専用車が足りないから有蓋貨車を使用してもらいたいといえば、一了解も何もあったものじゃない。これは至上命令だ。それは農民は聞かないわけにいかない。全くこれは殿様の命令と一緒だ。そういうようないいかげんな考え方だから困る。農林省としてはどう考えるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/105
-
106・森茂雄
○政府委員(森茂雄君) 農林省といたしましては、そういう各種の問題につきまして、経済局が主体になりまして常時国鉄と話をいたしております。今回の牛の輸送の問題でございますが、あるいは市場が開かれて牛の売買をやるのでございますので、家畜車を配車していただくのが筋でございますが、地方によりましては、やはり配車が行き届かないという状況になっておるわけでございます。私どもといたしましては、配車のためにせっかくの売買される牛が値段が非常に安価に売られてしまうということの御注意でございますので、昨日も国鉄当局と連絡いたしまして、特別に総裁指示で門鉄あたりでも自由のきかないような指示があったというような御注意がありましたので、有蓋車でも、あるいは無蓋車でも一定の保護施設をすれば、輸送上便宜がつく限りにおきまして国鉄に便宜供与方をなお交渉して、農民に、あるいは家畜商に不便をかけないように努力いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/106
-
107・温水三郎
○温水三郎君 農民が、すなわち荷主が了解したからといってすましておられてははなはだしく困るので、これはもうそういうことが最も大きな問題点なので、農民というのは人間でないといったような思想があるからそういうことになると私は思う。ほかの荷主だったらやかましく言うところを、農民はしょうがないから、やむを得ないから、殿様の命令のようにこれを聞いておる。そういう現状を把握した場合に、公共性を持つところの国鉄として、そういう態度が正しいかどうか反省していただかなければならぬと思う。だが、その問題は別として、一歩譲って有蓋貨車を使用するということにしても、もっともそのほかに上乗りの人権の問題があります。家畜専用車だと人間も病気をしないで行けるけれども、有蓋貨車を使ったら、夏なんか一ぺん行ってきたらほとんど病気になってしまう。これは人権の問題です。それは別として、当面の問題としては、国鉄総裁の通牒が出されて、三十頭積めるところを二十頭しか積めないということから、運賃が非常に割高になっておるということと、今までどおりの貨車しか来ないために、積載量が少ないから、いつ積めるかわからないという事情のもとに非常に安く買いたたかれておるという事実がある。大体専門家の意見を聴取してみるというと、ああいうぶかっこうな、ああいう費用のかかる、ああいう変なことをしなくたって、専門的に見て家畜の安全をはかり、丹那トンネルのような事故ができないような方法が別に十分あるそうであります。こういうような輸送上の問題について畜産のそういった専門家の意見を聞かないで、ただ単にほかの貨物と同じように、厳重にしさえすればいいという、そういうような考え方でやられていると思うのですが、専門家の意見を徴されたかどうか、この点が一つの問題。専門家の意見を聞かれなかったとするならば、早急に専門家の意見を聞いて、安くて積載頭数が減らずに衛生的に安全にいける方法があるはずですから、早急にそれを改める意思があるかないか。
それからもう一つの問題は、国鉄におきましては最近九千台も貨車を新造されている。家畜専用車の足りないことはもう何年も前からの現象なんだ。この九千台の貨車を建造されるにあたって何台家畜の専用車を建造されたかどうか。家畜の専用車の建造ということはそうむずかしいことではないので、古い貨車を家畜専用車に転用するということは何でもないということはしろうとにもわかることなんですが、その点、そうして将来家畜専用者を建造される予定があるかどうか、その点を質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/107
-
108・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) 国鉄の関係の責任者が出席いたしておりませんので、私もただいまお聞きするようなことで、帰りまして国鉄のほうに指示いたしまして調査いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/108
-
109・温水三郎
○温水三郎君 ただいま答弁を求めることは不可能のようでありますから質問を打ち切りますが、これに関してはぜひひとつ誠意のある答弁と、かつ実行をお願いして、早急にひとつ答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/109
-
110・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 委員長より申し上げますが、ただいまの温水委員の御質問の御趣旨は御承知のとおりでありますから、早急に調査をされて、明確なる御答弁ができますようにお考えおきを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/110
-
111・石谷憲男
○石谷憲男君 企画庁見えておりますね。この農林畜水産物の公共割引の問題につきましては、すでにこの委員会でしばしばの機会に議論をいたしまして、そのつどこれの存置、さらにこの制度を恒久化するということについての強い要望を申し上げて参っているわけでございますが、いまだに恒久化の実現を見ておらないという状況にありますことはまことに遺憾千万に存じているわけであります。たしか昨年の十二月の末と思いまするが、六月三十日まで半年間この制度を存置する、こういうことになりまして今日に至っておるわけでございますが、その間におきまして、関係の各省は、企画庁を中心にして、いろいろとこの問題についての結論を得るということできておられるというふうに私どもは承知しております。そこで、六月三十日と申しましてもやがてくる。すでに関係の各方面におきましては、これが一体どうなるかということにつきましては、非常に深刻に考えておるような状況もありますので、その後の状況、検討の進行状況なり、その中間においての検討の結果、こういうものにつきましては、どこからでもけっこうですから、企画庁お見えになっておれば企画庁からひとつ状況を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/111
-
112・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) 従来行なわれておりました農水産物資に対する暫定割引制度が本年の六月末で半年の期限が切れることは承知しておりますけれども、これにつきましては経済企画庁として、一般的に申し上げまして、まず運賃等の公共料金につきまして値上げをできるだけ抑止していきたいという方針がございますが、それと同時に、現在の国民生活上運輸交通が隘路になっておるという現状もございますので、前向きの輸送力増強につきまして金がかかって、そのために経営上悪化を来たしまして、やむを得ず値上げを認める場合もあり得るというような態度で、一般に公共料金について検討を続けていることは御承知のとおりでございますが、この暫定割引の制度につきましても、ケースは違いまするけれども、同様な観点から物価安定の立場と、それから前向きの輸送力増強のための国鉄経理に与える影響というものを両方勘案していかなければいけないと思いますので、その両面から今後慎重に検討を続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/112
-
113・石谷憲男
○石谷憲男君 昨年の十二月末に延ばされてこの六月三十日ということになっておるわけです。ところが、その前にも、御承知のように、何回にもわたって小刻みに延ばされてきた。そのつどいろいろお尋ねをしまするというと、あなたが今答弁されたと同じようなことで、検討々々と言っておられる。六月三十日といいますると、もう今から数えて明らかに二カ月半しかない。そこで、そういう通り一ぺんのことじゃなしに、これはぜひとも恒久化してもらわなきゃいけない。同時に、今あなたが暫定割引ということをおっしゃったけれども、これは国鉄が好んで使用する言葉だ。要するに、暫定的に割り引いたんだから、したがって、時を得てなるべく早目にそういうものはやめたいんだという国鉄側の主張です。しかし、われわれはそうは考えていない。しかも、こういう制度が相当期間にわたって存続されておるという事実の上に立って、しかも、これは恒久化する必要があるという強い主張を私ども持っている。そういうことなんですから、もうちょっと何と申しますか、一般的抽象的な検討々々じゃなしに、あなた方の検討された中間段階における結果、そういうものを明らかにしてもらわぬと、非常にたくさんな人間がこの問題に、これは生産者も消費者も非常に広範な問題になる、非常に深い関係がある。こういうことですから、もうちょっと突っ込んだ説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/113
-
114・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) 先般農林省のほうから、総合的な物価対策の問題で閣議に御報告になった中にも、こういった輸送面からのコストの引き下げということに触れられまして、他省への要望事項の中で、たしか二つ上げられておりまして、一つは輸送力を増強して貨車のまわりなどよくしろということ、二つ目には公共料金をできるだけ値上げを防止しろという、二つの観点から他省への要望事項としてお考えを述べておられましたことを私ども承知いたしておりますので、その御趣旨に沿って、二つの点からこの制度のことについて考えていきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/114
-
115・石谷憲男
○石谷憲男君 そこで、もうちょっと突っ込んでお伺いしますけれども、私どもはこの制度をとにかくすみやかに恒久化してもらいたい。そうして、もう長年にわたってこういった問題に対しましていろいろと論議をする余地をなからしめてもらいたいということを言っているんだが、まあしたがって、企画庁を中心として関係各省で今までいろいろと御検討になったこの段階におきましては、まだ恒久化の結論は出ないということですか、どうですか。出そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/115
-
116・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) この制度は、国鉄の公示として出ます制度であることは、先刻御承知のとおりでございますので、経済企画庁としては関係官庁——国鉄、運輸省、農林省、その辺の考え方を今後とも十分よく聞いて検討を続けていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/116
-
117・石谷憲男
○石谷憲男君 そこで、あと二カ月半の中に、そういった私どもがかねて要望している恒久化の結論というものが出る目標で検討しようとしておられるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/117
-
118・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) われわれは現在の割引制度は、いわゆる先ほどおしかりを受けましたけれども、暫定という名のもとに半年ずつ限られて繰り返されてきておるという現状をもととして考えておりますので、現在の段階においてはそれを恒久化していく考え方が国鉄にあるのかどうかということもはっきりしておりませんので、今の段階ではお答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/118
-
119・石谷憲男
○石谷憲男君 国鉄にはあるかどうかじゃない、国鉄にはないですよ。あなたのおっしゃったように暫定の考え方、しかし、暫定の性格というものだから小刻みに延ばしてきたというもんじゃないんですよ。これはしっかりした理解の上に立って検討していただかなければ——そういうことじゃない。この制度そのものが暫定的な制度なんだという建前を国鉄はとっておる。しかしながら、それに対してはいろいろ問題があるものだから、検討心々と言いながら何べんにもわたって小刻みに延ばしてきているという状況、そういう問にあって今さらこれを途中で打ち切られるということになっちゃたいへんです。したがって、当然これは恒久化すべきだ、そこで問題を取り上げた、こういうことです。そこで、十分にこの問題の本質なり成り行きをお考えになった上で、企画庁が中心になって早く恒久化の態勢をとるような結論を出してもらう、こういうことを、これは何べん言っても同じことでしょうから、強く御要望申し上げておきます。が、しかしながら、やがて二ヵ月半たつと六月末というふうになる。昨今企画庁が中心になりまして、物価安定のために総合対策というふうなものをお立てになって、これに対して各省を動員してそれぞれの問題ごとにさらにきめのこまかい対策を立てておられる、こういうような状況があるわけです。そういうようなものからは少なくともただいまのような問題がこの六月を期して一斉に取りやめられるなんということは、私どもとしても当然あり得ない、そんなばかなことはあり得ないと考えておるんですが、今企画庁がおやりになろうとしているこの総合対策の見地から、まああなた方としてはぜひともこれを少なくとも存続をして、六月以降も存続するという必要性というものは、十分お認めになっているだろうと思う。その点につきまして、ひとつはっきりした考えを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/119
-
120・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) 冒頭にも申し上げましたとおり、この制度の存廃につきましては、狭い意味の物価安定対策の見地から、従来のままの制度を続けていくべきであるか、またもちろん広い意味の総合物価対策にも入るわけでありますけれども、輸送力増強の立場から、現在国鉄がやっておる五カ年計画を初めとする輸送力増強の計画に対して、経理上どの程度の影響を与えるかということを両面から今後とも検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/120
-
121・石谷憲男
○石谷憲男君 そこで、国鉄からは見えておりませんが、運輸省は見えておりますから、ひとつ運輸省の部長に聞きますが、あなたはこの委員会に出て、そうしてただいまの問題をじかにお触れになったことがあるかないか。非常に数多い機会に、これはかなりやかましい議論というものが行なわれてきた。これは速記録をごらんになればよくわかると思うんですが、そこでいつの場合でありましても、絶対これはかりに延ばすにしろ、あるいはどういう措置をするにしろ、抜き打ち的に事前に知らさないでやるということは絶対やめてもらいたいということを今まで要望しております。そこで、国会は来月の七日でもって終了する。それからそれ以後は閉会になるわけです。おそらくこの問題もこの国会の場で直接にいろいろやるということはそう数多くない。しかも、六月三十日というのは国会の閉会中にその危険がくるわけです。そこで、どういう事情がございましょうとも、本来の委員会の審議の経過なり要望というものをあくまでも尊重するという建前をとられた以上は、さまざまなる措置について抜き打ち的なことはおやりにならぬはずである。そのことはお約束できますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/121
-
122・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) ちょっと抜き打ち的と言いますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/122
-
123・石谷憲男
○石谷憲男君 委員会に十分知らしてもらって、委員会で議論してからおやりになっていただくということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/123
-
124・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) 抜き打ち的——全然委員会のほうにお知らせしないで継続実施してきておるというふうなことも今までなかったと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/124
-
125・石谷憲男
○石谷憲男君 多くの場合に大体そういうふうになるような状況というものが委員会でも確認をしながら延ばされてきたという経緯があるわけです。少なくとも延ばされるという場合はまだしも、あるいはちょうど国会の閉会中でもあるし、この際やめてしまえなんということが万が一あるといたしますならば、それはたいへんなことになりますから、そんなこともやっぱり委員会に成り行きを報告していただきながら、その結論を出してもらうということをぜひともお約束いただきたい、こういうことを要望しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/125
-
126・高橋末吉
○政府委員(高橋末吉君) 先ほど企画庁のほうからお話がありましたが、この制度の建前といたしましては、国鉄総裁が事実上実施するということでやっているわけでございますが、事柄がわが国全体の経済あるいは国民生活、そういうものに非常に関係が深いということで、今までのお話にもございましたように、企画庁が中心になりまして関係の大臣等がいろいろ最終的に検討されまして、国鉄としても国に準ずる機関として実施をしていくというふうな国の経済政策とつながった方向で参っておりますので、私がここでお約束というわけにも参らぬのでございますが、関係大臣その他ほんとうに重要な物価問題、民生安定といいますか、そういったものと一緒に検討されましてやって参るわけでございますので、そのように御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/126
-
127・石谷憲男
○石谷憲男君 従来の経緯なり、あなたがきょう初めてならば、今御紹介したことが十分おわかりいただいたことと思いますが、あくまでもただいま御要望申し上げましたことは、ひとつ中心になって調整をとっていただくところの企画庁には、すみやかに恒久化の方法において結論を出していただくということを御要望申し上げておきます。運輸省当局には少なくとも、要するに抜き打ち的に処置をされるということのないようにということを、それぞれ上司にまでお伝えいただきまして、必ず実行していただきますことを強く要望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/127
-
128・温水三郎
○温水三郎君 名目運賃はいずれにしても、四月四日の国鉄総裁の公示一本で輸送費が三割五分以上上がったことを経済企画庁は御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/128
-
129・松岡亮
○説明員(松岡亮君) ただいまの公示の運賃につきましては、かねて私のほうも一応、これは御連絡をいただいたわけではないのですが聞いておるのでございます。ただ、それが三割五分上がったかどうかというようなことについては、まだ確かな事実は承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/129
-
130・温水三郎
○温水三郎君 名目の運賃以外に、取り扱いによって運賃がはなはだしく上がることがある。今の問題は、家畜列車を使えばいいところを、有蓋貨車を使わす。事故が起こったからといって、三十頭積めるところを二十頭しか積めない。しかも、荷主の責任、荷主の負担においてさせるという現象が起こっている。さらに今度は、貨車回りが、そうでございますから三分の一減ったと同様の結果を生じてくる、そういうような料金以外の経済的負担をかける。すなわち、運賃を高くするというようなことは経済企画庁としても十分御承知の上で善処していただきたい、かように考えますが、そういうことはお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/130
-
131・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) 今お話の具体的問題については、私も初めて承りますので、三割五分というお話でございましたが、運賃そのものが変わってということではないとひとまず思うのですが、実際の荷物の取り扱い方法などについて、実質的にどう上がったかということは、私ども一度調査をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/131
-
132・温水三郎
○温水三郎君 その名目上の運賃以外に、取り扱いがちょっと違うと非常に運賃が高くなる場合がある、そういうようなところまで企画庁として十分くみ取っていろんな考え方を推進していただかなければならぬと思うので、その点も質問申し上げておるのですが、そこまでひとつ調査を十分して、十分意を用いて計画してもらいたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/132
-
133・蘭村泰彦
○説明員(蘭村泰彦君) 先ほど申しましたように、具体的な例について一度よく調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/133
-
134・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/134
-
135・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記をつけて。
農業機械化促進法の一部を改正する法律案(閣法第四一号)を議題といたします。本案につきましては、提案理由の説明及び補足説明等はすでに聴取いたしております。
なお、本案は、十二日衆議院から送付せられ、本委員会に付託せられました。
それでは、これより本案の質疑に入ります。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/135
-
136・藤野繁雄
○藤野繁雄君 農業機械化関係資料の七ページの「農業固定資本形成の推移」というところで、三十五年度の数字を見てみまするというと、総金額は二千八百六十億九千万円になっておるのであります。しこうして、これをどういうふうな方面にこの金が使われておるかという点について構成比を見てみまするというと、農機具が三四・八%、土地が二八・七%、建物が一七・四%、動物が一二・七%、植物が六・六%、こういうふうになって、農業の固定化資金のうちで一番金額の多いのは農機具であるのであります。
〔委員長退席、理事石谷憲男君着席〕
そして農機具の比重は、年々増加しつつある状況であるのであります。こういうふうな点から考えられて、いろいろと今度の農業機械化促進法の一部を改正し、農機具の改善に力を入れていかれるということはまことに喜ばしいことであるのでありますが、この農機具についてはいろいろと問題があるのであります。
まず、農機具で問題になるのは、法律に書いてあるように、農機具の型式の問題であります。この型式が多種多様であって、それが各メーカー及び全購連というようなものを通じて入ってくる。そしてその入ってきたところのものは、自分の系統で入ってきたものでなくては修理その他もできない、こういうふうな現在の状況なんです。したがって、その農機具を購入した場合において、ある部分の修理や補修をやる場合においては、型式が違っているかと、違ったところの型式のものを応用することができないために農機具は買うたがあとの補修その他に非常に困っておる。であるから、こういうふうなことをなくするように、型式というものはある程度に制限して、そしてある地方には一定の型式を入れて、どの農家が持っているところの農機具であっても簡単に補修その他ができるよは、農家の負担はますます大になって、改良農具はいいけれども、改良農具の使用が非常に狭まるという部面があると思うのでありますが、こういうふうな点について政府はどういうふうにお考えになるか、まず、これからお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/136
-
137・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) 御指摘のとおり、最近農村に入りまする農機具の数が増大するに応じまして、いろいろの型式の農機具が入りましたことは、御指摘のとおりでございます。これは一面におきましては、急速に農機具が伸びたという関係もありますと同時に、農機具の改良、開発の過程におきまして、いわば日進月歩という形で改良され、それが農村に入っていくというふうなことに伴うある程度やむを得ない事情もあったかと思われるわけでございます。しかしながら、利用者の面から見ますると、はなはだ不便な面も多々あるわけでございまして、今御指摘になりました部品についていろいろに規格が不統一である、いわば部品についての互換性が非常に少ないというようなことからくる利用者側の不便のあることも十分承知いたしておるわけでございます。農林省といたしましては、今後におきましては、ある程度普及の台数を見ました農機具につきましては、できるだけ利用者側の便利に沿うようにこれを統一化していくような方向で考えていきたいと思っておるわけでございます。現在、そのような一つの手段といたしまして、検査制度というものがあったわけでございます。この検査制度を通ずることによりまして、従来とも検査にあたりましては、できるだけ部品についての互換性、統一性を保持するようにという意味で努力いたしておったわけでございますが、この部品については、主として通産省の工業規格、JISと称しておりますが、工業規格によってきめられるものが多々あるわけでございます。そこで、検査等にあたりましては、できるだけJISによるべきものについてはJISを採用した部品を使う、こういうようなことによって努力をいたして参ったわけでございます。しかし、全体の型自身につきましても、できるだけ互換性が強化されるように、たとえばあるメーカーのものにつきましても、他のメーカーが作った作業機が取りつけられるように、いわば動力部と作業部の取りつけ部分について汎用性があるようにするというようなことについては、特に今後努力すべき点があろうと思っておるわけでございまして、現に一部そのような方向で検査も進められつつあるわけでございます。今申し上げましたようなことを通じまして、つまり検査制度によりまして、できるだけ優良な農機具であると同時に、使用者にとって便利なような配慮も加えて、今後においては検査に留意する、こういう考え方をとっておるわけでございます。
ただ冒頭に申し上げましたように、やはり今後の農業の機械化につきましては、まだまだ開発、改良する分野が残されておるわけでございます。そこで、どうしてもその間、いわば日進月歩で開発、改良を進めていく過程におきましては、型式の複雑化ということは一面やむを得ない部分もあるわけでございます。今後こういう分野につきましても、優良な農機具を作って参るというような意味において、検査と相待ちまして、今回改正法案によりまして、農業機械化研究所ができました際におきましては、そういう面からの開発、改良についての研究も一段と進めて参る必要があろう、こういう見地に立って今回の法案を提案いたしたような次第でございます。
〔理事石谷憲男君退席、委員長着
席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/137
-
138・藤野繁雄
○藤野繁雄君 日進月歩の世の中だから、次から次に機械は変わってくる。機械が変わっていくから、その改良されたところの機械を使用したほうが能率が上がるというようなことになれば、またその機械を買わなくちゃいけない。そうするというと、さっき申し上げましたように、農機具が一番よけいに金を使っておるのであるが、ますます金をよけいに使わなくちゃできないようになるから、今後私らの希望としては、また指導方針としては、古いところの農機具であってでも、ある程度の修理をしたならば、新しいところの型に振りかえることができるというような部分もなきにしもあらず、あるいは大部分がそうかもわかりません。であるから、そういうふうな場合においては、農家の希望に応じてその古いものを一定の価格で買い上げて、そして古いところの部分だけを新しい農具で、部分品で補充して、そして農家の手に渡るところのものをできるだけ安くするような方法を今後研究していかなければいけないと思っております。こういう点についてどういうふうにお考えか伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/138
-
139・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) まあ、小型トラクターに例をとりますと、型式としては二百八十種類ぐらいございますが、現在実際に市販されているものはその半分程度ではなかろうかといわれております。しかし、この型式の相違に基づいて農家が現実に次から次へ新しく買えるということには必ずしも現状はなっていないようでございまして、ただ当初におきましては、非常に故障が起こるかというようなことで、買いかえを余儀なくされたという面もあるわけでございます。また部品がこわれたということで取りかえざるを得ないという例もございますが、農林省といたしましては、これらの機械を購入するにあたりましては、メーカーにアフター・サービスを必ず条件としてやるように、こういうことで一貫して指導をいたしておるわけであります。そういう関係もありまして、この農機具については、比較的に取り扱い業者の扱い量のほうが農協に比べて現在までは多くなっているわけでございます。今後におきましても、このアフター・サービスということについては、絶対に機械化を進める上において、使用者側の便利の上から必要であるという考え方で指導して参りたいと考えているわけでございます。今、御指摘になりました、かりに新しいものができた場合に、古いものを引き取ってもらって、そしてできるだけ有利なといいますか、経済的負担を少なくして購入できるような措置を考えるべきではなかろうか、こういう御指摘でこざいます。われわれもそのように考えておるわけでございまして、現に今まではまだそこまで一般化しておりませんが、だんだん業界におきましても、今先生の御指摘になりましたやり方、つまりこれを下取り制度と申しておりますが、ある程度修理を加えればさらに使えるというようなものも中にありますので、そういうものはまた安く他のほうに販売もできるという利便もありまして、農家としては新品までいかなくてもセコハンで安く買えるという利便もあるし、それから取りかえる、買いかえる農家から見れば、それだけ負担力が少なくして新品に取りかえることもできるというふうな利便もありますので、だんだん業界におきまして、この下取り制度というものについての研究と、それから実行案が進められているのでございます。農林省といたしましても、これらの動きには重大な関心を持って今後推移を見きわめていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/139
-
140・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それから、農機具は固定資産税が非常に大きいのですね。それだからまず、農機具を現在の制度そのままにしておいたならば、償却年限を短縮せなくてはできないと思っているのです。それで、農機具の償却年限の短縮については新たな構想を持っておられるかどうか、それをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/140
-
141・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) 御指摘のとおり、農機具については一般的に十五万円以上のものにつきましては固定資産税がかかることに相なっておるのでございます。耐用年数につきましては、三十六年四月に従来の耐用年数を引き下げることにいたしまして、たとえば動力耕転機でありますと、従来七年であったものを五年にするというようにいたしまして、できるだけ農家の負担の面から、また実際の面から、現実に適応するような努力をしようということで、農林省の統計調査部におきまする固定資産に伴う耐用年数の調査等も進めまして、固定資産税の耐用年数を引き下げる措置をとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/141
-
142・藤野繁雄
○藤野繁雄君 さっき、補修の問題を申し上げましたけれども、農機具が日進月歩で改良されるから、二年か三年か使ったらば新しいものとかえなくちゃいけないのです。かえるというようなことになったらば、今までとほとんどゼロになってくる。そうすると、五年で償却していくということだって、それで、それが新しい農機具にかえなくちゃいけない場合においては、それを二年でかえたらば残りの三年というものは償却ができない。一度に四年分を償却しなくちゃならない。こういうことになってくる。そういうようなことから考えて、農機具の償却というものはできるだけ短縮していかなくちゃならない。また一方のほうにおいて、農機具というものは、これがなくては農業ができないのですから、すべて農機具に固定資産税を課するということが根本的に間違いなんだから、固定資産税を課さないという方針で検討せられておるかどうか。また大蔵省とは、どのような農機具の固定資産税についての考えを持っておられるか、交渉されたか、その結果を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/142
-
143・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) 現在の段階におきましては、やはり一応償却対象物資につきまして、これを全免するというわけには参らないのではなかろうかと思うのでございますが、御指摘のように、実際の耐用年数と税法上の耐用年数と著しく違うというようなことがあったのでは、それだけ農家の負担が過重になるわけでございますので、われわれとしては常にそういう実際に合うような耐用年数にすべきである、こういう見地でおるわけでございます。農機具といわず、一般的に農業の生産資材につきまして、固定資産税といわず、他の一般の税制につきましても、、できるだけ生産手段でありますから、税の軽減ということについては農林省としては一貫して努力いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/143
-
144・藤野繁雄
○藤野繁雄君 これはさっきも申し上げたように、おそらく現在の農機具というものは二年と同じものを使いはしないですよ。新しいものを入れてこなくちゃならないのです。それは、現在は新しい農機具を入れてくれなくては、現在の農業をやっているところの青年が親の言うことを聞かない。農機具を入れてくれるか、くれないかが、子供が村にとどまっているか、とどまっていないかの境になってくる。親子げんかの原因にもこれがなってくるのです。そういうふうなことで、新しい農機具を入れ、あるいは一年入れて翌年はかえてしまうということになるかもわからない。そういうのにもかかわらず、これは五年だ、五年で償却するのだという期間はあまり長過ぎると思っている。であるから、どんなことがあっても一年で償却する、それでなければ二年で償却するというふうなことになれば、ほとんど無税と同様なことになってくるから、この償却年限というものを、今日の事態においては少なくとも二年以上で償却するというようなことはできないから、二年に短縮するということで、局長、御尽力を願いたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/144
-
145・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) 農家の立場かち見ますれば、償却年数をできるだけ短縮するということも必要でしょうし、また企業等につきましては、特別に奨励する場合には償却年数を短縮するというような措置もとられておるわけでございますが、しかし、そのものの性質によっておのずから耐用年数というものがあるわけでございまして、五年のものがかりに二年で償却しました場合においては、あとの三年分については残存価値がそれだけ残って不当に利益を得るということにも計算上は相なるわけであります。したがって、農家が実際にかえたということだけによってこの耐用年数をどうするということとはちょっと違うのではなかろうかと思われるわけでございます。まあ、しかし、実際に農家がそういうことでありますならば、実情に合わせるようにわれわれとしては努力したいと思っておりますけれども、現実に農家がやっておるかどうかというだけで耐用年数を縮めるかどうかというのは、これまた税法上の別の面から検討される面が残されておるように私は思うのございます。ただ、実際問題といたしまして、藤野先生のお隣の佐賀県で調査いたしました結果によりますると、耐用年数程度の状態をしておるようで、むしろ、なかなか逆に新しいものが買えなくて耐用年数以上に使っておるというような事例がありまして、案外に、言われるほどにどんどん二年、三年で回転しておるというふうにも言い切れないのではなかろうか。これはもちろん農家により、あるいは地方によって実情は違うかと思いますけれども、金目の高いものでありまするならば、おのずからそういう面で制約を受けるのではないだろうかというふうな気もいたします。しかしながら、今御指摘になりました点について、本来は、農機具自身の経済効率をいかに高めていくか、それによって農民の経済負担を少なくするようにするということが基本と思われるのでございます。そういう方向で一面指導いたしますと同時に御指摘のような実情がありまするならば、われわれとしては実際に合うような耐用年数に修正するというような検討なり努力は今後とも続けて参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/145
-
146・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今のお話によれば——僕はたとえば二年と、こう言ったでしょう。二年で償却するようなことで税金をとられた、しかるにそれは三年使用したというようなことであったらば、追徴金をとる制度でもいいと思っているのです。あるいは五年の期限で償却するということでやっておったが、二年でなくなった、そういうふうな場合においては三年分は返納という形で処理してでも差しつかえないと思っているのです。であるから、今後の問題は、実情に応じて、たとえば五年なら五年としておったところのものが二年で使用ができないようになった場合においては、三年分は税金を戻すというようなことも考えていかなくちゃいけないのではないか。そういうふうなことにしたならば、新しい農機具が農家に進んで使用されるようになってくるのではないか。これは行政手段でできることなんです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/146
-
147・斎藤誠
○政府委員(斎藤誠君) まあ、先生の御見解と若干私の考えとは違うかも存じませんが、むしろ農林省としましては、堅牢にして耐久性のある農機具をできるだけ普及したい、そういう見地で検査制度につきましても、今回さらに性能を高めまして、従来耐久力検査ということにつきましても十分な施設がなかったというようなことから、あるいは人員が足りなかったというようなことから十分な耐久力検定ということもでき得なかった部分も、さらに施設なり人員を拡充することによりまして、もっともっと耐久力を高めるような、精度の高い検査制度にやっていく。たとえばエンジンでありますならば、連続従来は三時間くらいで一応検査の基準にいたしておりましたが、これを八時間程度に連続運転をやってみるということによって合格の基準とすると同時に、精度を高めていくというようなことにするほうが、むしろ現在においては必要なことではなかろうか。農民から見れば、新しいもの、新しいものということでなしに、形は悪くても一番耐久性が強く堅牢である、むしろそういう方向に持っていくように、検査につきましてもそういうような考え方で臨んでいったらどうであろうかというようにむしろ考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/147
-
148・藤野繁雄
○藤野繁雄君 時間が参りましたから、まだ質問すれば一時間以上あるが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/148
-
149・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) この次ひとつおやり願います。
本日はこの程度にいたします。
これにて散会いたします。
午後五時散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X02819620413/149
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。