1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十七年四月三十日(月曜日)
午後二時二十四分開会
—————————————
出席者の左の通り。
委員長 梶原 茂嘉君
理事
石谷 憲男君
櫻井 志郎君
森 八三一君
委員
植垣弥一郎君
重政 庸徳君
田中 啓一君
温水 三郎君
藤野 繁雄君
大森 創造君
清澤 俊英君
天田 勝正君
北条 雋八君
政府委員
農林政務次官 中野 文門君
農林省農林経済
局長 坂村 吉正君
農林省農地局長 庄野五一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農地法の一部を改正する法律案(第
三十九回国会内閣提出、衆議院送
付)(継続案件)
○農業協同組合法の一部を改正する法
律案(第三十九回国会内閣提出、衆
議院送付)(継続案件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/0
-
001・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
農地法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六六号)、農業協同組合法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六七号)、以上いずれも衆議院送付の二案を一括議題といたします。
両案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/1
-
002・清澤俊英
○清澤俊英君 先般構造改善について資料を要求しておりましたが、まだそれが参りませんので、この農地、農協法を推進する上に関係がありますのでひとつ……。
先般、大臣から実は基本的な考え方をお伺いしょうと思っておりましたが、時間がなくて大体のお伺いする構想だけは申し述べて御返答をもらっておりません。と申しますことは、この農業構造改善事業促進対策の推進という項目を見て参りますと、この文書の中から受け取られますことだけでも、パイロット地区等につきましては、水先の改善のパイロット、農業機械化実験集落とか、果樹経営改善実験集落というようなことを大体パイロット地区として指定せられて、これが進められようとしている。なお、この二十七年度において講じようとする農林省の農業施策の第二節の農業構造改善事業促進対策の推進というものを見て参りましても、大体この農用地の集団化であるとか、経営規模の拡大であるとか、あるいは農業生産基盤の整備、家畜その他施設の導入による資本装備の増大、農業技術の高度化、流通合理化等のために事業を総合的に、有機的に行なおうとする、こういうような打ち出しになっております。したがいまして、大体の方針は、協業を中心にして構造改善を進められようとしているのじゃないか、こう思うのです。ところが、この農地法の一部改正を見ますると、せっかくでき上がりました法人組織が、それがその要件を失った場合に土地をどうする、これはいいですよ。ところが個人脱退等を行たう場合、そういう場合には、農業協同化でそれを利用したほうがいいのか、あるいは自作農としてそれを持っていって経営したほうがいいのか、そういうものを勘案してこの脱退を認めるというようなことも説明書にある。そうしますると、協業というものを主体として考えているのか、やはり基本法それ自身の自立農家というものの育成を中心に考えているのか、これがわからない。国の施策としてはこの第二節でいわれるとおり、明らかに協業的態度をとらなければならない、そういう形で進めるのだ。それが協業という形でいくのかいかないのか知らないけれども、農地の集団化というものをどうしてやるのか、それに高度の経営規模の拡大をしていくとか、その上その集団者の農地の保有の合理化を行なうとか、こういうことになれば、協業化以外にない。いろいろの形はあるにしても、一つの協業体という以外に今の日本の現実としてはないと思う。ところが一方において国が指導しない場合における農民自身の創意工夫によって一つの協業体系というものを進めていくときには、自由脱退が認められて、そしてその脱退の要件としてただいま申し上げましたようなものができる、こういうことになると、実際問題としてこの本案を審議していく上において、腹がどこにあるのか、将来における農業の構造の改善の中心をこの二節にいわれるがごとく、三十七年の施策でいわれるがごとく、構造改善を協業的体系において進められようとするのか、これは私は大臣に納得がいくまで御説明を願おうと思ったのだけれども、もうあすあたりソ連に行かれるからこれはどうしようもない。この点に対するひとつ御見解を明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/2
-
003・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 構造改善事業の促進対策といたしまして、三十七年から御指摘のように二百市町村につきまして事業を開始し、三百地区につきまして調査を始める、こういう予算が組まれております。それで、この構造改善の方向、こういうものにつきましては、この計画は、自立経営の育成と協業の助長に資するもの、こういうふうにうたってあるわけでございます。自立経営の育成ということ協業の助長というのが二つの柱になっているわけでございます。協業だけでいく、こういうふうには割り切ってないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/3
-
004・清澤俊英
○清澤俊英君 だから、法律を見ますと二本建になっている。言われるとおりだ。三点の改正点ですからね。三点の改正においてまず一番先に、土地の所有制限を考慮する。そこには自立経営の制限緩和の問題が出てきている。それはわかっていますよ、わかっているが、全体としてのこのなにを見て参りますと、施策の点を見ていくと、大体が協業的方向に構造改善を持っていくのではないか、こう私は見ていいと思うのです。そして、しかもそれを説明するために説明書には、農民が意欲的に協業しょうとする形だ、現実のように労働力が自然的に他の産業に流れていって、労働力の不足から自然的な一つの形として協業が進められるような形が出てきている。この二つの点をやはり指摘しておられるのだ。そういう中で、私はいずれかにしろはっきりしたものを一つ出してもらわなければ、これは非常な混乱の中でものしていることになると思う。というのは、一つの例としてせっかく農民が創意工夫によって作った法人組織による協業体制というものに自由脱退を認めている。自由脱退を認めているでしょう、まずそれからひとつ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/4
-
005・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 認めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/5
-
006・清澤俊英
○清澤俊英君 そうでしょう。その自由脱退を認めたとするならば、これは重大問題じゃないですか、私はそう思うのだ。あなた方どう思われるか知らぬけれども、十人なら十人の人が寄って、そこにまず大体の目標は土地を出し合って、その上に労力を調整して、いろいろな機械だとか、あるいは他の施設をやって共同で行動していくのだ、何かの都合でおれいやだからといってぽんとやめたとしたならば、それはどうなる、先般も私はそれを出した。そういうことになったならば、せっかくの法人組織による協業というものはくずれてくるじゃないか。そういうものの制限というものをさらに規定してないということは、私は一大欠陥じゃないかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/6
-
007・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 御指摘でございまするけれども、協業をやろうというようなことで、たとえば農業組合法人を作りました場合におきましても、協業というようなものは、ほんとうにその気になって自主的な者が自主的に集まって、そうして一緒の経営に持っていこう、こういう意思がなければ、なかなかこれはうまくいかないのでございまして、そういう関係で、一応農事組合法人という新しい制度も農業協同組合法と同じ精神で、加入脱退自由という考え方で一応考えたわけでございます。ですから、したがいましてとてもいやな者を無理に法律で縛りまして、お前は一緒になって経営するのだ、こういうことになりましても、これは協業自体の動きがなくなるのではないかと思うのでありまして、そういう場合には、それに応じていやな者は脱退をして、財産上の処理もこういうことをしませんと、ほんとうの意味の協業の助長にはならないのではないか、こういう工合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/7
-
008・清澤俊英
○清澤俊英君 これは非常な議論になると思うのです。今の農業協同組合は、それまでの営利的な立場における直ちに自分の経済に響くような経営体系じゃありません。そういう体系は一つもないのでしょう。今の協同組合というものはそういうものはたいしてやっておらない。全然ないということはいわれませんが、そういう体系はあまりできておらない。農協が直接生産に従事したりなんということはあまり数がない。大体それは特殊組合でやっているだろうと思う。そういう形でやっていると思います。その場合でも、今の場合は土地まで全部提供して、そうしてこれからやるというような形が出ておらぬと思う。こしらえるときは、何も無理に入れるのではないでしょう。強制で入れるのではないから、出発するときは、おのおのの合意でみんなでやろうということでやってみても、それが中途にしていろいろな障害に会って、そこで脱落者が出てくるのではないかと思う。あるいは欲でもってよそへ行くのではないか。先般私のお伺いした一つの特例というのはこれは現在今、川崎方面でナシ畑を作っている。ナシを生産しておる。この者が、十人か二十人か寄って、そうして十万坪くらいのナシの経営と同時に、その下でまあいろいろのイチゴを作るとか、ナシのある部分を改良してモモを作るとかいうような果樹園を作って、そうして果樹園自身を一つの遊園地的なものに形態を変えて経営を持っていこう、こうされてそれが中途でやめられては、一人でもやめられては、それで体系がくずれてくるから、そこで一応その土地を全部法人経営体が買い上げるわけではないが、そこに譲渡税が取られるということで問題になった。十万坪で一千万円も取られるそれが問題になって質問した。ところがこれはやむを得ない、こういうようなお話しになったわけです。それを防がなければ、経営体がもっていかない。一番大事なところが欠けてしまったら、それば問題にならない。だから、今の経済局長の言われるような、そんな善意のことでものがくずれるとはばかり考えられませんよ。何を一番おそれたかというのです。何を一番おそれたかというと、この地区はもう工業地区ですね、あの付近は、始終団地経営族というのですか、そういうものがうしろから始終誘惑しているのです。その誘惑に乗って、そんなものを売られたら、たいへんなことなんです。これが中心なんですよ。だから、初めの意思が善意でばかり変わるものではないだろうと思うのです。そういった不測の薄意でも変わる場合がある。そういう脱退をする場合でも、経営のなにを見て云々というようなことを、それを勝手に認められて、その理由はどうかというと、自立経常のほうがいいということになればやるのだ。何も、それをやめるときに、私ば、そういう、売るためにやめますというばかな表現をする者はないのです。こうこうやって、自分でやったほうがもっとうまく経営がいくからやめますと言うに違いないのだ。ここに脱退というものが、それをだれが認定するかといえば、認定をする者をしっかり書いてないのだ。これを、二つの場合を比べて、そうして、どちらがいいかを認めて許すと、こういうことでしょう。確かに二十条の四項か三項の改正は、こういう書きっぷりなんです。だから、そこにはまだ、私の言うのは、その事情を言うのじゃないのだ。自立経営というもの、自立農家というものの育成というものが頭から取れないわけです。前にうたってあるのですから、だから、どちらを主にするかということがはっきりきまらないで、農業改造を進めても、非常に無理じゃないか、こういうことを私は言うているのです。だから、農林省としては、もうここまで来た以上は、基本法成立当時のいきさっというものをある程度まで考え直して、社会党の言うように、共同でいくのがほんとうならほんとうなんだと、そういう方向にこれから持っていかなければならない、ひとりでいくような方向が出るんだからと、こういうふうに改められないのかどうか、こういうことなんです。これは、だから局長に言うのはちょっと無理だと思うのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/8
-
009・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) いろいろの御指摘でございまするけれども、先ほど申し上げましたように、かりに農事組合法人で農業経営をやる、こういうことをきめます場合におきましては、もちろん、この農事組合法人といいますのは、ほんとうの農村の末端におけるところの非常に、何といいますか、人的信用の、つながりの団体になろうと思うのでございます。非常に小範囲の、もう何もかもわかった連中が一緒になって、それで土地まで投げ出して共同経営をやろうじゃないか、こういうようなものでございまするので、人的結合が非常に強い性格の団体になろうと思うのです。だから、そういうようなものであればこそ、農業経営が一本の経営までできるわけでございまして、ですから、かりにそのときに、それじゃ、どうしてもわしは経営に参加するのはいやだからやめよりという場合に、これをあくまで法的に縛っておくのがいいのかどうかということは問題であろうと思います。その問題は、自立経営に重点を置いておるからとか、あるいは協業に重点を置いておるからというような考え方から来る問題じゃないと思うのです。ほんとうに一緒になって、五人なら五人、十人なら十人一緒になって経営をやろうという場合に、どうしてもいやだという者が出た場合には、これはやっぱりきちんとした手続をとって、抜けてもしょうがない。こういうことにやっておきませんと、これはほんとうの意味の共同経営というものはできないのではないか、そういう考え方でございます。ですから、社会党の御零のように、社会党でも生産組合という法案をすでに提出されたこともございますけれども、その中の生産組合というのも、これは加入脱退自由なにっております。そうしませんと、人間のそういう経営まで一緒になってやろうというもののつながりを、法的に強制して縛りつけるというようなことは、実際問題として無理じゃないかというように私どもは考えておるのでございまして、清澤委員の社会党の案も、そういう加入脱退自由の案になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/9
-
010・清澤俊英
○清澤俊英君 社会党のほうはもっと違うのです。社会党の案だったら、だれか呼んで聞きましょう。私も二、三べん読んだが、あなたの言うようにできておらないと思う。社会党は生産組合一本やり、あなたのほうはそうじゃない、原案は。私は、有限会社とか、あるいは合資会社とか、あるいは合名会社という商行為の会社と、こう言うていいか悪いか知りませんけれども、こういうものも入っておる、協業の中に。それで協業をやらせるというのも入っておる。それから同族会社だけじゃありません。そういうものが脱退するとき、一つの施設までしてしまって、あと、土地だけ持ってごめんこうむる、これは問題がないから、だから、これは自由に脱退するということと同時に、これが、このなにを認めますときは、それが脱退することがいいか悪いかを認めるときは、自立経営をやっていくことがいいか悪いか、会社経営でやっていくことが法人経営でやっていくことがいいか雇いか、これを見て云々と、こうなっておる。そこまでは出ておる。だから、自立経営というものに頭をとられておる。少なくとも、法人経営をした限りには、人が迷惑してそれでいいという話はないだろうと思う。人の迷惑、仲間の他の人の迷惑になることをやって、それですらすらとやめていかれる。幾ら、なんだって、農協の加入脱退とあれとは違うと私は思うのです。ここに一つの施設を持つ、これは一つの例ですよ。あなたは土地の出し合いをすることばかりを言うのですよ。土地を出し合わぬで一つの経営体を作るとしたら、どうですか。一つの何かの経営体を作るとしたら、土地を出さないで、この後に質恥しようと思っておる、土地を出さたいで一つの経営体を作る。そうすると、この法律からいきますと、農業並びに農業の付帯事業はいいでしょう。加工業も経常体にしていいでしょう。そういうものはかまわないでしょう。そういうものを作られるでしょう。それからひとつお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/10
-
011・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/11
-
012・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、まあ、その前提としてお聞きしますが、この場合の農業ということをはっきりしてもらいたい。農業という、ちょっとこれにはわからぬところがありますので、農業ということをはっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/12
-
013・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 農業協同組合法におきまして、今度の農事組合法人は農業協同組合法の体系の中に入れておるのでございまして、そこでいう農業というものは、農業協同組合法の農業でございまして、第三条、「この法律において、農民とは、みずから農業を営み、又は農業に従事する個人をいう。」ということで、この農業につきまして、三条二項で「この法律において、農業とは耕作、養畜又は養蚕の業務(これに附随する業務を含む。)をいう。」、こういう内容になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/13
-
014・清澤俊英
○清澤俊英君 これは付帯する事業、こうなるのですよ。これがあまりぱっとしない。その付帯する事業というのは、どの範囲ですか。私は、今までの農業という中には、耕作、養畜、養蚕と、こうなっておる。「これに附随する業務」としては、養蜂とか果樹とか種苗、種子、製材、製炭、これらみな含むことになるのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/14
-
015・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 「附随する業務」といいますのは、たとえば農業をやって、その農産物の加工をやるとか、そういうような関係で、常識的にいろいろ農業の付帯業務というようなものがあるのでございまして、この例示は、ただいま頭にもこまかく浮かびませんけれども、そういうような考え方で付随業務というものを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/15
-
016・清澤俊英
○清澤俊英君 そういった場合、加工等の布設だけを中心にして協同組合を作った、それは同じ法人でも会社法人ですね。そういうものを作ったという場合、これはやめます、こういうことでぽろっとやめていかれたらこれは問題にならないと思うのです。そこには何らのあれもないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/16
-
017・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおりでございますけれども、施設やなんかを作りまして法人を作った、しかし、これが何らかの事情でとにかく法人として一緒に経営するのはいやだという場合に、法律上強制的に縛っておくということは、いわゆる北同経営の実態からいいまして非常に無理じゃないかというふうに考えるのでございまして、そういうようなことで脱退するなら脱退する場合の財産上の処理、そういう問題をはっきりさせれば、それはやはり脱退さしてもらっていいんじゃないか、こういう考え方をとっておるわけでございます。ですから、したがいまして、たとえば現物を出資した、そういう場合に脱退する場合、現物を返す場合もございますし、それからあるいは現物を返すことによって全体の経営自体が非常にこわれてしまうような場合は、これは場合によっては金に換算して現金でこれの持ち分の払い戻しをするとか、いろいろそういう方法を考えて、経常体自体にはなるべく影響を与えないようにして、しかも個人がどうしてもその経営から脱退したいという場合には、これを法律上押えていくのはなかなかこれは問題ではあるまいかというふうに考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/17
-
018・清澤俊英
○清澤俊英君 私ば、さっきから何もやめていくのを縛っていけないということは言うていない。一つも言うていない。あなたが言われるとおりなんです。私の考え方は、土地を中心に提供して一つの共同体を作った場合、会社にしろ、生帝事業組合にしろ、いわゆる農協方式による生産組合にしろ、いずれにしろそれを作った場合、やめることは勝手です。またこれを拒否する力はないだろうけれども、そのやめることそれ自身によって経営体に大きな支障や損害を与えるような場合に、それをまず規定しなければならないのじゃないか、法人というものの協業体というものを尊重するならば。ところが、この法律でいうと、そういうことには一つも触れていないというのです。こういう形でこうやるのだということには触れていないというのです。ただ土地の遼遠において、何条かにおいて、第五項か何かの説明によりますと、法人がその亜件を失った場合においては、かくかくのことを命じていくことができる、こう書いてある。その次には個人の脱退のことが書いてある。その個人の脱退のときには二十条の四項かを改正して、そうしてその脱退していく場合、これを自立経営がいいか、会社経営でさしたらいいかと、こういうこと、それ自身を中心にして個人経営のほうがいいとなれば土地も何も返させる、こういうんですよ。だからその考え方のうしろには、自立経営というものを非常に尊重した強いものが残るから、そういう考え方になっているんじゃないかという私の質問なんです。間違わんで下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/18
-
019・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農業生産法人が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/19
-
020・清澤俊英
○清澤俊英君 農業生産ばかりじゃない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/20
-
021・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農業生産法人と、こう申しております。今度できまするいわゆる農業経営を中心といたしまして、農地法上の権利主体になり得る農業法人は農業生産法人。これには農事組合法人も有限会社も、それから合資会社も、それから合名会社、これを総称して農地法上農業生産法人、こう申しております。で、農業生産法人がその法人の組合員または構成員から土地を借りている場合は、この組合員が脱退したような場合に賃貸借をどうするか、これが農地法二十条の第二項の四号を追加したところでございます。それで農業生産法人が農地法上の権利主体になる場合は、これはその出資を受けて農地法の所有権を取得する場合もございますし、それから構成員から売買によって農業生産法人が所有者になる場合もある。それから構成員から農地の賃貸借を受けて借り主ということになる場合もございます。で、その借り主になった場合の規定が二十条の第二項の四号でございまして、その場合に構成員が脱退した場合には、賃貸借の解約あるいは解除ということを申請した場合には四号によって処理する、こういうことになりまして、その場合に、その脱退した構成員だったものの農業経営が、主としてその労働力によって効率的に利用して耕作または養畜の事業を行なう、その業に問題の農地を供する場合に限って許可できる、こういうことになっておるわけでございます。そういった自分の農業経営に使わないといったような場合には、やはり法人の経営の安定を考えて許可しない、こういうことを明確にした次第でございます、御指摘のようにその法人の農業経営の安定を期している条文でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/21
-
022・清澤俊英
○清澤俊英君 農業法人の安定を主として考えている、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/22
-
023・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) ここの四号に規定した事項以外は許可できない。許可できるときは、こういった構成員が脱退して事業の経営を効率的に主として自分の労働力でやる場合、こういう場合に限って許可できる。こういうふうに許可事項を限定していますから脱退してこれ以外の理由で農地を取り戻すというときには許可できない、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/23
-
024・清澤俊英
○清澤俊英君 これはちょっと面倒だと思いますので、その論争というわけじゃない、そんな気のきいた男じゃないですけれども、まあやめまして、そこで次へ移りますが、何かしらん、この施策を見ると、今の農業改善事業促進対策のところを読んでみますと、農業法人なんというものは作りたければ作りなさい、こういうふうにしておやりなさいということで、先般も森さん、それから小笠原君によって、この農業法人に対する資金の問題がだいぶ長く詳しく御質問があったようでありますから、私はあまり触れたくないんです。同じことをあまり繰り返しておってもしょうがないですから触れませんですが、この施策の、今もらいましたパイロット地区と構造計画の地域とその方法の一覧表等、まだはっきり見ませんのでしっかりしたことは言えませんですが、今与えられているこの総合施策の二節だけを読んでみましても、何かしら、全部がこれに集中せられているんじゃないかと思うのです。総合的助成を講じていくこととし、「各種補助金の全部または一部を可能なかぎりこの助成の中に」補助金は大体「吸収する。」「事業費および助成額は、一般地域」云々と、こう書いて、そしてこのパイロット計画のパイロット地区は、改善事業計画の地域計画等には大体四十二億の補助総額を出して、そうしていろいろな丁寧なことをやっていくと同時に、これに対する資金計画としましても、農業信用基金の金であるとか、あるいは農林漁業金融公庫の令であるとか、そういうような金融機関の金は、その上総じてこれに大体回していくと、こういうんですわね。そうすると、実際いろいろ金が余っているから、近代化資金が五百億今度ふやしていくんだからそれで借りてやったらよかろうなんていっても、なかなか、会社は作ってみた、資本は不足してくる、そっちのほうへは回らぬじゃないかと思う。そこで、きのうから大事な資本の問題で議論が非常に高まっているんですが、大体この農業法人を進めて、そして農民自身の自主的な見解に立ってこれからやっていこうという農業法人の育成に対しては、一体どれぐらいの心がまえがあるか。それはどこに大体そういうものが出ているのか。もっとそういう点を明確にしたものが実はほしいと思うんです。ただ、第一節の農業構造改善の第四に「協業の助長」として、「偉業生産法人の育成」と、こう書いて、「生産規模の拡大の手段として協業経営の普及進展を図ることが重要であるが、農地改革の成果の維持のための農地統制を主眼とする現行農地法が法人形態による鰻業経営を予想していないことに起因する不備を改めるため、「農地法の一部を改正する法律案」は、農業者が農地についての権利と労力を提供しあって経営規模の拡大を図ろうとする場合、一定の要件のもとに法人形態での農業経営を行ないうる途を開いている。」、これはまあわかっておる。「すなわち、「農地法」上云々として一応の法人形成の問題がずっと並べてありますけれども、そのあとに出て参りまするいろいろな助成というようなものは、資金の問題などがあまり具体的には出ておらない。だから、本気に農民みずからが創意工夫をもって作ろうとするいろいろの体型があると思う。これからの農業というものに対する実際の体型を整えていくのには、いろいろの体型があると思うんです。少なくともこれからの農業というものが一つの経済所得を中心にして准もうとする場合には——生きものですよ、生きものなんだ。生きた体型に向かって農民自身が本気に考えて、意欲的に、あるいは、自然的な労働力の不足からみずから立ち上がってしようとするときの、その体型に対する国の施策としての構造改革の一つの方向には、いろいろの金を使ったり、補助金の大部分あるいは一部を吸収してというふうな書き方をして、そしてそれで足らぬ場合には近代化資金から、あるいは金庫の金なり、基金の金なり、そういうものを回してやると、こういうふうにしてやりなさいということをやって、国が中心になってやっているけれども、農民みずからがやろうとするものに対しては、あまりそういうものははっきり出ておらない。そこで、私は一つの疑問を持つんだ、そういうものを農民があまりやるのはよくないんじゃないか、こういうことじゃないんですか。まあしかし、これにはよくないなんていうことは一つも書いてないです。そういうものは大いに補助育成するとは書いてあるんですけれども、その育成の具体的なものがない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/24
-
025・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、農業基本法にも、農業の構造改善、それから近代化牛、こういうようなものが一つ大きなねらいでございまして、そのためには、大体農業芸本法におきましては自立経営農家の育成と、こういうことをもちろんいっておりますけれども、それで、あるいは地域によって、ものによっては協業というものがどうしても必要な場合もあるのでございまして、それはやっぱり実情々々に応じて、自立経営でいかなきゃならぬという場合もありましょうし、それから協業でいかなきゃならぬという場合もあろうと思うのでございます、構造改善、近代北を進めていきます場合に。その場合におきまして、そういうような実態でございまするから、そこで、その構造改善対策事業というようなものにおきましても、もちろんその県なり、あるいはその町村の実情に応じまして、自立経営を中心でいくものもございましょうし、それから協業というものをそれに織り込むものもございましょうし、あるいは協業中心でなければできないようなものもございましょうし、そういうようなものは、農業あるいは農村の実態に応じて作られていくのでございまして、それに応じていろいろの政府の施策を織り込んでいこう、こういう考え方でございます。ですから、そこで清沢委員のおっしゃいますように、いろいろの形態があると思うのでございます。ですから、そこいらの形態が、農民としては今後協業を進め、あるいは近代化を進めていく場合に、いろいろな形態を時に自由にとにかくとる。そしてそれらがいろいろな施策に応じて国の援助も得られるという格好が必要であろうと思うのでございまして、ですから協業のものを考えました場合におきましても、ここに言うように、合名会社もあり、合資会社もあり、あるいは有限会社もあり、それから協同組合法による農事組合法人というものもございます。それから、いわゆる法人にまで至らなくても、この農業協同組合法ででは、やはり農事組合としてあるいは任意の組合もあってもいいし、それから農事組合法人といっても、出資をしてもいいし、出資をしないものもございましょうし、そういういろいろの形のものがございまして、それらが完全に共同経営といってする場合もありましょうし、いわゆる一部の共同をやっていくという場合もございまましょうし、いろいろの事態に応じましていろいろの組織が作れるように、こういうようなことで要するに道を開きまして法律上は道を開いて、そしてあとは指導でございますので、ですから、法律上こういうものに対してはどうしなくちやならないのだということを書いておく必要は、ひとつも法律としてはないと思うのです。あとは指導の問題ということであろうと思うのです。ですから、それは地帯々々に応じて、その実情に応じたように、どういう組織ができてきますか、それに対しては金融面はどうやっていくか、補助金はどういう工合にやっていくか、そういう指導の問題が大体中心になってくるのじゃあるまいかというふうに考えているわけでございまして、ですから、考え方はちっとも違っていないのじやないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/25
-
026・清澤俊英
○清澤俊英君 そうしますと、これはもちろんパイロット地区だから模範地区ですからね。こういうふうにおやりなさいという、これを作ろうと、こういうことなんです。それからこういう構造改善事業計画地区の進め方ですね、まあ、これの進め方は、どうなっているか、まだ拝見しませんが、これには非常に熱意を込めて、まあ金など、資金などのことや、補助金などのことは特別に考えられて、今年だけでも四十二億も補助金を出してやるのだ、そのほかにいろいろなものが、補助金の大部分ここで吸収して、これをやっていくのだ、こう言われるなら、今言いました。これから見ますと、「第一節農業構造の改善」の「4協業の助長」というのは、これこれだからこういうところを直してこうしていくのだ、これだけが書かれて、そしてその次に、ずっと読んでみますと、「協議のための施設の助成」というところへいきますと、その個人を中心にした、国の指導以外の農民自身がやるものに対しては、助成のことはあまり書いてない。最後のほうへいきますと、「協業のための施設の助成については別に述べる農業構造改善事業促進対策による助成と農業近代化資金等の積極的活用を進めるとともに、果樹経営改善実験集落、農業機械化実験集落、麦作改善パイロット事業等の各種の施設により協業の促進に資することとしている。」と、こうなっているのだが、これもいいだろうと思うのです。こういう指導機関を作って模範指導をしていかれることもいいだろうが、一方においては燃え上がる一つの協業体系というものがいろいろの面ででき上がっている。実際われわれはまあ寡聞にしてどういう形で進んでいるかというようなことはわかりませんけれども、これはまあ新聞やあるいは雑誌等で見ましても、いわゆる愛知県の安城地区の婦人が協業を行なっている問題だとか、実質上そこまでいかなければ耕作ができないというようなことから、おのずからもうそういうものがぐんぐん進んできているのだ。若い人たちによってはそれを進めようとする形も出てきている、意欲的に。これはあなた方が指摘しているとおりなんです、説明によって。前の場合は次善的な一つの条件によって協業を進めなければならないという条件に追い込まれて、協業が進められている、こういうものに対して、何らこれに対してと、こういうことなんです。施策の中に協業ということがいわれているけれども、こういう意味ではいろいろなものを作って農業法人でこういう形でおやりなさい、そのために農地法を改正するのだし、協同組合法を改正するのだ、これだけの話で、これを進める実体がないのだ、こういうことになっている。全部はその第二節ですか、第二節に集中せられてこれを言われているが、そうしてしかもさっき言う、その民間で作りました協業体が、そういうものに対する脱退等を中心にして一つの問題点を残している、こういうようなことだったらほんとうに農民自身がやる協業体なんというものをどれまで考えているのだ、こういうことが言いたくなるのです。これは議論になりますからもうこれでやめますが、私の言わんとするのはそれなんです。一体どこまでこれを、この法律改正によって行なわれる自主的な協業体というものに期待をかけて、どこまでひとつこれを育てようとしておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/26
-
027・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、農地法や農協法には、協業についてどういう援助をするかというような規定はございません。ございませんが、ここで協業しょういう場合に、そういう法律上道が開けて、そうして協業が、いろいろな姿の協業が可能なんだというようなことが農地法の規定で開けたわけでございまして、これに対しまして政府がどういう態度で本腰を入れて協業というものと取っ組むかという問題は、これは、先ほど申し上げましたように、政府の指導の問題でございまして、もちろん今お読みの構造改善対策事業の、対策事業の中におきましては、協業の問題等が地帯地帯に応じて取り上げられて、重点的にこれに対する融資あるいは補助、そういうような措置が講じられるわけでございますが、その他の地帯におきましても、これらの協業の助長というような意味もありまして、近代化資金の制度であるとか、こういうような例を一応とりましても、近代化資金の中でも協業に対しては特別に融資ワク等も非常に大きなものを考えて、そうして協業とか、あるいは自立経営農業を近代化していこう、こういうようなものの施設資金に対して重点的な融資をやっていこう、こういう制度を作りましたわけでございまするので、そういう意味であらゆる方面からそういう近代化のための指導をやっていこう、こういう態勢をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/27
-
028・清澤俊英
○清澤俊英君 これはここでやめます。やめますが、打ち切ったんじゃありません。ということは、きょうせっかくちょうだいした資料がありますので、これを見て、いま一度私は時によって質問するかもしれません。ここで打ち切ったんじゃないですよ。これは、実際問題として、この間大臣が来れらたとき、私はここまで言うて、そうして大臣と対決したかったんです。まあ、局長あれだからいいですけれども、この施策からいくと、私の言うことがちっとも出ていない、これだけは私は言うておきます。調べまして、質問を残します。
それで次へ移ります。その改正法の、七項というのですか、何か私はあまり法律は見ないのです。説明書だけを中心にやっているんですが、二条の、七項ですね、これ一つどうしてもこの間からわからぬのがあるんでして、法人の事業、農業とは云々というのは、これは今局長が言われたとおりですが、そのあとの方へ参りまして、七十二条、農業協同組合法七十二条の八の第一項の第一号に掲げられたる事業という表現になっているんですね、そうじゃないですか。ところが、七十二条を幾ら調べてみても、私のところには見つからないんですが、七十二条は清算事務のことが書いてあるようですが。農協法の七十三条ば、これば農業中央会のものにずっと移っているんですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/28
-
029・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 七十二条の八というのは、改正法の七十二条の八になっておりますから、現行法の七十二条じゃないわけです、ここで引用しておりますのは。改正後の条文を引用いたしておりますから、ですから耕しいこの法案のほうをごらんいただきますと、七十二条の八に、「農事組合法人は、次の事業の全部又は一部を行なうことができる」これだけ書いてありまして、 一、二、三号とございます。新しい法案の七十二条の八をごらんいただけばいいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/29
-
030・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/30
-
031・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/31
-
032・清澤俊英
○清澤俊英君 農地法でこまかいところだけ、上からずっとまたお伺いしたいと思いますが、これの五ページのうしろから二行目、「移転後省令で定める一定の期間内に構成員となり、引き続き構成員となっている他人以外のものを除く。」この一定の期間とは何ですか。構成員となっている個人以外のものを除く、これはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/32
-
033・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農地法の第二条の七項の二号の問題と思います。これは農業生産法人の要件を定めたものでございますが、第一号が農業生産法人の事業、第二号が農業生産法人の構成員、その法人の組合員または社員はどういうものか、こういうことをきめたものでございます。それで御質問の、「その移転後省令で定める一定期間内に構成員となり、引き続き構成員となっている個人以外のものを除く。」というところの、「省令で定める一定期間」というのは、農林省令で大体六カ月ということにきめたいと、こう思っておりますが、これは結局、その農業生産法人に農地を提供する場合に、提供と、それから組合員になるということの間に一定の期間を限っておかないと、非常に、初めは構成員にならないつもりで提供したが、ずっと長くなってから、また構成員になる、そういうことのないように、初めから構成員になるつもりで農地を提供する、こういう場合に一定の期間を限るということで六ヵ月にいたしております。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/33
-
034・清澤俊英
○清澤俊英君 その次にあれですね、その次のページ、六ページだ。やはり同じ項目ですね、七の二の中にあるのですが「その法人に農地若しくは採草放牧地について使用収益権に基づく使用及び収益をさせている個人であるか」これはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/34
-
035・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) これは農業生産法人の組合員、または社員になる、これは法人の構成員と、こう申しておりますが、構成員の資格は、法人に対して農地を提供する者か、または法人の事業に常時従事する労務を提供する者か、こういう二つに限っておるわけでございまして、いわゆる農地を提供する者か、あるいは労務を提供して、そうして農業生産法人を作っていく、こういった構成員の資格を定めた規定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/35
-
036・清澤俊英
○清澤俊英君 そこでですね、この場合はあれですか、農地もしくは採草放牧地だけを提供してこれに従事、一緒に仕事する、いわゆる常時事業をしない人も構成員となることができる、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/36
-
037・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/37
-
038・清澤俊英
○清澤俊英君 これは後ほど非常に私は問題になるのじゃないかと思う。土地だけ出すのですね。土地やそういうものだけを投資して構成員になっているだけで自分は仕事しないのだ。それから一方の、常時事業者としての労働だけを提供する、これは土地を出さないでもできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/38
-
039・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/39
-
040・清澤俊英
○清澤俊英君 その場合どういう形になるのです、形は、ひとつ具体的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/40
-
041・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 組合員になる場合もございましょうし、有限責任、有限会社の社員になる場合もございます。それから合資、合名の社員になる場合もあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/41
-
042・清澤俊英
○清澤俊英君 そのときは何か定款等による出資金の持数というようなものがありますね。そういうものが定められると思う。それをもってやはり入ると、そういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/42
-
043・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/43
-
044・清澤俊英
○清澤俊英君 この土地を出しまして、土地だけを提供して、そうして家族はどうなるのですか。土地を出して、あるいは一口の金を出してそこに仲間入りをして構成員となって、常時従業員なり従事者なり、構成員となっていれば、その家族はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/44
-
045・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 家族は関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/45
-
046・清澤俊英
○清澤俊英君 すると土地を出して構成員となって、家族はその事業に参加は絶対できないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/46
-
047・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 労務を提供する場合は社員になることはできます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/47
-
048・清澤俊英
○清澤俊英君 その場合には、この今いう労務だけを提供する常時事業者として構成員に参加できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/48
-
049・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 出資の幾口かを持てばですね。そうして法人の事業に常時従事するということになれば、構成員になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/49
-
050・清澤俊英
○清澤俊英君 その次にお伺いしたいのは、この場合の土地だけを出した人が法人の収益に対しても、また組合法人である場合においては剰余金のある場合に、事業就業分量等の配分や剰余金配分八分の配当を認められるのですね。法人である場合には利益配当だけを認められる、まあこういうようになっているかと思うのですが、それはあとのほうにお伺いするとして、そうするとまあ一言で言ったならば、土地だけを出して実際事業に仲間にはいらぬとすると、これはやはり地主的存在になりはしませんですか。仕事の仲間にはいらぬと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/50
-
051・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 法人に対しまして農地上の権利の提供の仕方は、所有権を出資として出す場合と、それから売買の形で所有権を移転してしまう場合と、それから賃貸しする場合、こういう三つの形態があるわけです。それで構成員になる場合には、その法人に農地を出資すればそのまま法人になれましょうし、売り渡す場合は当然農地の提供をしましてから法人の出資の口数の幾口かは引き受ける、こういうことに相なろうかと思います。それから賃貸している場合にも、やはり組合員ならば出資の一口以上を引き受ける、こういうことになるかと思います。その場合の利益の配当は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/51
-
052・清澤俊英
○清澤俊英君 利益配当はあとでいいです、あとでお伺いしますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/52
-
053・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 二条に規定いたしてございます。そして構成員になっておりますれば、この議決権を持つのは農地法上常時従事する者が二分の一以上なければならない、こういうことになっております。それで大体その常時従事する者が法人の執行なりあるいは議決、意思決定なり、これをしていく、こういうことになるわけです。それで法人に農地を提供して、そして常時従事しない者はあるわけでございます。しかしそれは賃貸ししている場合においても売り渡した場合にもこれは従来と同じように、賃貸ししている場合は、もちろん賃貸料は公定小作料を払ってもらう、こういうことになるわけでございます。売り渡した場合はこれは所有権がない、それから出資している場合は、それに常町従事しない場合と常時従事する場合と二つある。常時従事する場合は、もちろん法人の意思決定等に参加する、常時従事しない場合は構成員ということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/53
-
054・清澤俊英
○清澤俊英君 これはあとで総まとめでお伺いしようと思っているんですが、ついでにお伺いしておきますが、大体これをこう読んでみますと、何々「個人」何々「個人」となって、個人だけの集団で法人を作る、こういうふうに大体なっておるんじゃないかと思いますが、たとえてみれば農協等が寄って一つの共同体を作る、その作った中へ個人の農民も参加する、こういうような混合体のものはできますか、そういう構成の法人は作られるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/54
-
055・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) ここで「個人」と、こう申しているのは、いわゆる法人が法人を作るといりことを否定しているだけの話でございます。それで農業法人ができましたあとで、農民がそれに土地を提供するとか、労務を提供して新しく参加するということは、これはできるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/55
-
056・清澤俊英
○清澤俊英君 そういう場台に、土地は出す、資本は出すが、実際従事をして働かないんだと、いいかね、そうして構成の順序としては構成員の半分、二分の一以上がまあかりに常時従事をしているのでなければならぬ、こうなっているんでしょう。だからそこのところはいいんですが、実際の問題としてそういう問題が出たら、指導権は全く、約半数に近い権力を持った力のある者が実際とって、そうしてそこには内実的な一つの地主支配のようなものができやせぬか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/56
-
057・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) そういう点もあろうかと思いまして、いわゆる法人の意思決定をする重要なる議決権は、その法人に常時従事する、いわゆる農業労働に従事しているそういう者の二分の一以上が占めなくちゃならぬ、こういうことになっておるわけでございます。それで土地だけを提供して、そうして構成員になったが、常時従事しないといったような人の発言力というものをそれで押えてあるわけです。それで結局農地を提供して常時従事するか、農地を提供しないが、労働力を提供して常時従事している、こういった者の議決権を尊重しておるわけでございまして、いわゆる働く農民の意思を尊重する、こういう形にいたしまして、御指摘のような問題の起こらないように配慮しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/57
-
058・清澤俊英
○清澤俊英君 これはね、私は実は困っておることがある。農協の組織の中にそういう問題が起きたんじゃないんですけれども、漁業組合の中にあるんです。漁業組合の中にやはりこれと同じような規則になっておる。ところがいま一千万円の漁業協同組合がかりにでき上がったとするんだね、そのうち半数ですからまあ四百九十五万円持っている、それから一方の漁民層が五百五万円持っている、こういう協同組合。だが、実際はその出資数はごく少数の昔の網元が、大体三人か四人でそれだけのものを持っている、約過半数に近いものを持っている、こういう形態になりますとね、これはいかにじたばたしましても、実権はおのずからそのほうにいってしまうと思うのです。これはなるほど理論からいえば、衆満でものを決していくのだと、こうなりますけれども、事実はそうでない。そうでない形が出てくる。これはもうしばしばこの委員会でも、その組合のあり方について私どもは数回、あなた方の農協の問題じゃないんですよ。水協の問題ですけれども、だから水協につきましては、これは生産経営体である、この組合はもう強力な一つの定置漁業を行なっている。佐渡のブリ定置網を持っている。今年でも約十五億くらい水揚げを持っているのじゃないかと思うのです。ところが、法律によって配当率は五分だ。五分くらいもらってもなかなかおさまりがつかない。そこで、別に加茂水産組合という任意組合を作って、そしてそこで、これは任意組合ですから、力のある者が幾ら出してもいいと、こういう組合を作って、そこで大部分を、そこで全部持っていってしまって、そしてそこでは五分で、残ったやつをまた全部うちで再配当してしまう。だから、農民のほうでは五分しかもらえない。そこへいきますと、逆な形が出てきますから、利益の大体七割くらいのものをわずかの者が独占して持っている、こういう形が出てくるのです。だから、ここでこういう形が出てくることば、非常に私は一つの危険性があるのじゃないかと、それを考えますとき思うわけです。たとえてみますれば、今まあ土地の山間部たどで、ひとつ採草放牧地を作って何かやりたい、こういう一つの問題が起きてみましても、ちょっとまとまったいいところは、これはあまり農民は持っていませんよ。幸いにして部落有林があったとか、あるいは国の国有林がその間近にあると、こういう場合には、それを利用して、まあ完全なる一つの法人体もできるかもしれませんけれども、ない場合に、ひとついろいろの活をして、その人から土地を提供をしてもらって、入ってもらう。だがおれは仕事はいやだ。構成員だけはやる。放牧はずんずん進んでいくが、片方の部落民として参加しました者は、これは土地は何も出していない。一人の持っている土地の上にいろいろの施設をつけて畜農をずんずんと進めていく、こういう形になりましたら、当然の道行きとして、これはもうその部落に存在する旧来からの力を持ったその人が当然支配権を持って進んでいくに違いないと、こう思うのです。単なる従事員的な形に、そこに残るだけのものじゃない、私はそう思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/58
-
059・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) そういう任意組合等では、そういうような弊害も起こるというような御指摘でございますが、この農地法上農業法人としての適格要件といたしましては、先ほどから申しますように、農地法の二条の第七項の第四号に、「その法人の常時従事者たる構成員が、農事組合法人及び有限会社にあっては、その法人の議決権の過半数を保有し、合名会社及び合資会社にあっては、その法人の社員の過半を占めること。」結局法人の実権は、常時従事著たる構成員が持たなければならぬということを農業生産法人の要件にいたしておるわけでございます。それは御指摘のように、いわゆる出資だけして働かない、法人の業務に働かないようた人の圧力が法人を支配するということのないように、結局働く人がその労働の公正な結果を享有するという農地法の根本理念に即して、こういう人たちが実権を握れるという配慮をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/59
-
060・清澤俊英
○清澤俊英君 非常にこれはめんどうな問題だと思うのですが、確かに言われるとおりだと思う、実際問題は。そこでお伺いしますが、持ち口数というものを制限せられますか。農地法の建前によれば、持ち口数によらず一人一票の平等議決権でいくのだ、これが今言うた会社法人になった場合には、そういうことができますかどうか。会社法人の建前としては、出資数を考えないで、一対一で議決権をきめられるのかどうか。その点はどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/60
-
061・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 持ち口数の制限はいたさないつもりでございます。ただし、定款等で可能な範囲はできると思っておりますが、法律でそういう制限をしない、そういう半面において、ただいま第四号で申しましたような、常侍従嘉する者が議決権の過半数以上を占めるというような要件を、法人の要件として法律に入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/61
-
062・清澤俊英
○清澤俊英君 これは持ち口数をある程度まで制限するか、それらの権利というものまで考えないと、非常に問題になるのじゃないですかね。それば安易に、今局長さんが言われましたように、圧野さんのように、議決権の数が多いからでは、なかなかこれは決定しないと思うんですよ。というのは、今はやる、かりに養豚を伊藤忠がやる。農協がそれと一緒になってひとつやってみよう、そこで養豚施設をやり、あるいは飼料、いろいろと施設をやるのです。それで農協と、伊藤忠なら伊藤忠が大部分の投資をやっていく。そうしてそれに参加する。その辺の農民というものがこれに従事者として一口ぐらいずつ持って参加してそこからの委託の形式になるか、どうなるか、いろいろの形でその法人を維持する事業構成員として成立したとしてみても、実際問題としては、投資の約六割も持ち、そうして施設を持ち、実質上の力を持った者がこれを支配する、これは実質上、実際問題としてはそういう形で進んでいきはせぬかと思う。そうした力のある者が今種々問題になっているのです。そういう加工とかそういうような施設に対して、そういう力のある、信用のある者には、今中金の金などどんどん回っているわけです。なかなかわれわれの作った小さい協同組合、生産法人など作っても、これはこの間から議論になっているとおり、信用の限度に応じて、実質上貸したい、あるいは育成していきたいと、こう思っても、信用の限度によってそれは貸されるものじゃないのだ。金のことは、あれがいいとか悪いとかいいましても、それはそう信用のない者に貸したらたいへんだ。担保力の何もない者に貸したらたいへんなことですよ、金融業者としては。また、そんなめちゃくちゃな貸し出し方をしたら預金をしている農民として問題が起きる。そうすると、やはりそういう力のある形がでまきすれば金融の能力もあり、国の金融も回ってくる。どんどん力ができてそういうものができ上がったら、これはたいへんな問題じゃないかと思います。だから、そういう点を何らかの形で、私はやはり農民のための共同施設で、農民の共同の力によって構造改善するのだったら、そういうものが入ってくることのできない、余地を残さないようなひとつ法律の整備が要るわけじゃないか。資本は、持ち口数は幾らでもいい、資本の持分は幾らでもいいのだ、こういう形になりますと、確かに表通りは数は多い。弱い人が行ってみましても実質はそうはいかない。加茂水産なんというものはそれで数回争っている。何とも方法がつかない。年間少なくとも十億から十何億の水揚げをしている強大な漁場のボスの実権なんというものには、いかなるものが飛びつこうとしても、これは太刀打ちはできませんですよ。そういう危険性がありはせぬか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/62
-
063・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) この農業生産法人、今度新しく農地法で農地上の権利主体を認めようという、こういう農業生産法人の要件は、先ほどから申しますように、農地法の第二条の第七項に規定しておるわけでございますが、その農業生産法人の組合員または社員なるものの資格はここで法律上きめられておるわけです。それで、ただいま御設例のような伊藤忠がこういうものに入ってくるかどうか。伊藤忠は金は持っておるかしりませんが、農地を提供するという場合の農地は持っていないわけであります。ただいま農地を持っているのは自作農かあるいは小作農が耕作権を持っておるだけであります。農業生産法人に伊藤忠がどういう形で入ってくるか、あるいは研究してみなければわかりませんが、この第七項第二号で構成員となる資格の者は、農地を提供するか、あるいは農地を提供するとともに、農業労働力を提供するか、あるいは農業労働力のみを提供する、これだけが要件になっている。命だけ出資して構成員になるということはできないことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/63
-
064・清澤俊英
○清澤俊英君 それはあなたは、そういう形が出るときに農地を取得するくらいのことは、別にまた考えるでしょう、かれらは。そうしてその上でやるくらいのことは、この事業を進める上にいいということになれば考えていくでしょうけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/64
-
065・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 一般の農業生産法人以外の法人は農地を取得することは農地法上できません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/65
-
066・清澤俊英
○清澤俊英君 いや、私は一つの例で伊藤忠ということを言うたのだけれども、伊藤忠がやればみなそこらじゅうがするというのじゃない。不幸にして伊藤忠とか丸紅のようなものが方々でそういう事業を始めているから、それを一つの例として私は言うただけの話であります。ですから、さっき言ったように、山間地主が山を持っている、そういう場合に、そういう形で出てくる。こういう場合にはやはり同じ形が出てくると思うのです。土地は提供するんですよ。ところが、その土地を提供してもらわなかったならば牧場や放牧地は実質上できないのだ、今の情勢としては。だから、それを中心にしてそういう力のあるものがわんわん始められたら、しまいに地主的な支配的なものができ上がるのじゃないか。不労者がいわゆる投資の形で入ってきて全体を牛耳る不純な法人ができ上がりはしないか、こういうことを言っておるのです。そこで、出資の制限あるいは構成員の地域の制限等はないようですが、これはどうなっておるか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/66
-
067・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 金だけ出して農業生産法人の構成員になるということは、ただいまこの法律では禁止されております。それから出資の口数については定款できめることになっております。法律では最高限をきめるということには相なっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/67
-
068・清澤俊英
○清澤俊英君 構成員の地域と出資の口数に対しては、最高の口数に対しては定款できめる、こういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/68
-
069・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 定款できめればきめ得るということを申し上げたのであります。出資口数の最高限も地域の問題もでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/69
-
070・清澤俊英
○清澤俊英君 定款できめ得るのじゃなく、そういう危険を防止するために、まあ農林省としての開発を指導する場合の心がまえだけでなく、法律でやはりそういうものをある程度きめておかなかったら間違いが起こりはせぬか、こういうのが私の考え方なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/70
-
071・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 先ほどから再々申し上げておりますように、農業生産法人の法人たる要件としては、金だけを出して法人に参加するということはできないようになっております。農地を提供するか、労働力を提供するか、その両方を一緒にするか、こういう形になっております。御指摘のような点は心配はなかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/71
-
072・清澤俊英
○清澤俊英君 これはまたあとで問題が起こってまただれかやると思うのですよ、いろいろ疑惑のある問題だから。労働力というのは、耕作なら耕作、養畜なら養畜、養蚕なら養蚕、それにくわやかまやいろいろなものを持って従事するだけが労働力じゃないわけです。現にその経営に参加して、そうしてその規模によりましてはどうせ事業経営の社員というものもいるでしょうし、経理上のものを取り扱う者もこれは必然的に私は出てくると思う。これもやはり一つの法人体系の事業構成員だと思うのです。常時事業構成員だと思う。そういう構成員として金を出してくるんです。だから、そういうものを明確にしておかないと、あとでもってそんなんじゃなかったとか、法律上は労働を提供する者は参加できるのだからこれはやむを得ないじゃないかというふうなことになったら、これはこっちがお手あげだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/72
-
073・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘のように、法人の事業に常町従事するというのが要件になっておる。それから常時従事するという常時は、これは法人の業務の分量から何日以上常時従事するかというふうに省令で大体基準をきめる、こういうことに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/73
-
074・清澤俊英
○清澤俊英君 要綱の第三号の「その法人の構成員以外の者から使用収益権の設定又は移転を受けて耕作又は養畜の事業に供している農地等の面積が」云々と、こうなっている。面積のことを書いて「面積の二分の一に満たないこと。」と、こうなっていますが、これはどういう意味合いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/74
-
075・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 第三号の要件でございますが、この豊業生産法人は、いわゆる農民が経営を合理化しあるいは近代化するために、協業の形をもって経営を行なう、こういうのが主眼でございます。それでこの法人に参加する農民は、自分の土地を法人に提供して、そして、その法人の業務に従事するというのが本則かと思います。それで、全然その法人に参加しない構成員以外の人から土地を借りてくるということは、そのウエイトが二分の一以下ならばいいが、自作農のやはり一つの延長発展というふうに農業生産法人を考える場合には、自分の土地を提供し合うというのが主眼だから、それが主たる部分を占めることが農業生産法人の本則であるということで、規定したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/75
-
076・清澤俊英
○清澤俊英君 それからその前のほうですね。その前のほうに、さっきも問題になっていろいろお伺いしましたそこにはですね。九ページの初めから四行目、「又はその法人の事業に常時従事する者(疾病、負傷による療養等特別の事由により一時的にその法人の事業に常時従来することができない者で当該事由がなくなれば常時従事することとなると農業委員会が認めたもの)及び省令で定める一定期間内にその法人の事業に常時従事することとなることが確実と認められる者を含む。」という「確実」ですね、この確認はだれがするのです。前の場合は農業委員会が認めた、あとの場合は認められる、だれが認めるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/76
-
077・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 政令で定める一定期間内にこれは省令でその法人の構成員となった日から起算して六ヵ月、こういうふうに規定いたしますから、六カ月以内ということに、はっきり客観的にわかるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/77
-
078・清澤俊英
○清澤俊英君 その確認は常時従事することとなることが確実と認められる、その認めた、認める、確認するものはだれが確認するのですか、農業委員会ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/78
-
079・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 法文上そういうふうに認められる者、こういうことでございまして、認定行為があるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/79
-
080・清澤俊英
○清澤俊英君 それはどういうことなんです。もっと親切に教えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/80
-
081・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 六カ月以内にその法人の事業に常時従事することとなることが客観的に見てですね、確実である場合、こういうことでございまして、特にその認定行為は必要じゃないのでございます。客観的にそういうことが明確になっておればいいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/81
-
082・清澤俊英
○清澤俊英君 ちょっとわからないな。それが、認定行為というものをだれがするのです。構成員の中で、あれでするんですか。あれではもう法人ができ上がった形なんですからね。その場合、その法人自身が認定して大丈夫、こういう形のことを言うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/82
-
083・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 今は常時従事していないわけなんですね。しかし、これを自分の今やっているほかの仕事を整理して、そうして常時従事できるような状態になる。こういったものが六カ月以内にそれができるということに客観的に明確であればよろしい。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/83
-
084・清澤俊英
○清澤俊英君 だから、それはよろしいはわかったですよ。わかるが、よろしいということは法人自身が今でき上がっておる。でき上がっているんですからね。だから、そのでき上がる過程においてその準備会というんですか、発起人会ですか、そういうものが認めたらよろしい、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/84
-
085・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 法文のほうから言えば、客観的にそういうことが明確になっておればよろしいということになっておるわけでございますが、それがもし法人の要件等の問題になってくれば、要件を欠くか欠かないかの問題になってくる場合の認定は県庁がやる、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/85
-
086・天田勝正
○天田勝正君 関連。局長、その点をはっきりしておきたいと思うのでね。清沢さんの質問されておることは、私は段階が二つに分かれると思う。一つの段階は申請のとき及びその申請から認可ですか、届出制でしょうから認可という言葉を用いていいかどうか知りませんが、それが成立過程に起きることと成立してしまってから起きることと、こう二つに私は分かれると思う。成立する過程においては五人の発起人でやる。その五人の発起人のままで五人でできる組合もありますね。そのままで五人が最低の要件になるのですから、五人発起人はあるが、発起人以外に一人も加わらないで五人のままで組合はできる、これを見ているとそう解釈できるのです。たしかそうだと思うんです。ところが、それが五人に満たないで当初四人であった。当初四人であるけれども、五人になり得るというのは、今あなたのおっしゃるように、たとえば、いなかでうちの軒数によっては、戸数が三軒しかない。戸数が三戸しかないけれども、他に、三戸のうちに一人の人は今直ちに常時従事者になり得る。もう一人は、今は他の通いで商店の手伝いに出る、しかし、商店をやめてしまえばこれが加わる。そうすれば五人になり得る。世帯主が三人とあと二人と、こういうことで五人になり得る。そういう場合には、初めの発生の要件に適合しないから、これはだめなんだ、認められない組合なんだ、こういうふうに私は解釈するんですよ。そういう私の解釈でいいのかどうか。さて、今度は五人の発起人で五人の組合として発生してしまってから、途中である一人がなくなった、なくなれば四人になってしまうから、これは欠格の組合になります、どうしたって。欠格の組合になったけれども、今度は今までの五人、死んだ人はとても生きては返らないんだから、これを再び常時従事者にすることはできない。これが病気ならば、またなおれば常時従事者に加わる、そういう場合は六カ月たてばなおってくるから常時従事者に加え得る、これはいいでしょう、病気の人は。しかし、死んだというときは、他のだれかが、別の仕事に携わっているものをやめてこっちへ加わりますと、こういうものが明確でなければならぬわけです、明確でなきゃ。そういう明確に六カ月以内に、これが他のだれかが常時従事者に加え得るというのが客観的に明らか、その客観的に明らかなのをだれが認めるかというと監督官庁なんでしょう。今のお答えだとそういうことになって、四人に一たん転落したといえども、これは存続し得ると、こういうことになるんですね。そういう解釈でいいのか。それから、もう一つ心配になってくるのは、さっき言うように、病気で常時従事者にならなくなった、そこで四人になった、しかし、病気が六カ月でなおればいいけれども、六ヵ月をこえる——私も六カ月をこえる病気をしたことがあるからちょっと考えるんですが、そのときに一ぺん解散されてしまうのか、その組合は。解散されてしまって、もう一ぺんその病気の人がなおって五人に満ちたとき、それはすんなり前の実績があるから認めていく、こういうことになるのかならないのか。なかなかこれは微妙な問題だと思いますので、どうですか、その三点については。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/86
-
087・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 法人を設立する場合の発起人の数というものと、それからここで規定いたしております法人の事業に常時従事する者というものとは違うわけでございます。この法人の要件の二号に規定いたしております法人の事業に常時従事する者というものの一時的な障害でなれない者でも、その障害が一時的なものというふうに農業委員会で認定できるもの、あるいは六カ月以内に当然法人の業務に常時従事できるという客観的な事実があり、こう認められるもの、これは常時従事する者と、こういうふうに解釈を法律上いたしておるわけでございます。それで発起人の数はやはり五人要ると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/87
-
088・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) ただいまのお答えは農地法の関係のお答えでございますけれども、農協法の関係の農事組合法人についての御質問もあったようでございますのでお答え申し上げますが、これは農協法の七十二条の十七という条文で、五人未満、五人以上というのが農事組合法人の要件でありますが、五人未満になりました場合にも、その日から六カ月間は、解散するというふうなことになるとやっかいでございますから、とにかく六カ月間に組合員が五人以上になったらいい。それから五人以上に六カ月たってもならなかった場合にはそのときは解散する、こういう考え方をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/88
-
089・天田勝正
○天田勝正君 坂村局長、あなたにお聞きしますが、だから私の心配の一つは、これはあなたに質問は構成員のこと——発起の人のことは触れない。構成員のことでお答え下さい。構成員が五人、よろしい、それで認可されて、ずっと法人としていく。ところが、常時従事者の解釈なんですが、さっき言うように、重病にでもかかった。それが六ヵ月かかって、六カ月目の日にぴたっとなおって常時従事者になればいいけれども、そうはいかない。そうはいかないから、それが六ヵ月以上にわたる病気のときはどうなりますか。明らかになおらないときから逆算すれば六カ月前に一応の欠格、一応というゆとりがあります。一応の欠格の組合になっちゃっている、法人になっちゃっている。なっちゃって、六ヵ月たってもその要件が満たないここに書いてある六カ月期限になる。そういうときはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/89
-
090・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) 問題を区分して考えていただくと非常にいいと思うのでございますが、私のほうの関係では、農事組合法人の組合員の関係、法人の人格の問題でございます。ですから、これは七十二条の十七におきまして六カ月間は欠けましてもとにかく法人として存続をいたしまして、六カ月以内に五人以上になればいい、法人は存続する、こういうことになるわけでございまするが、その法人に農地法上農業生産法人として農地法の特例を認めるか認めないかという問題は、先ほどの庄野農地局長のお答えのように扱う、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/90
-
091・天田勝正
○天田勝正君 しつっこいようですが、微妙だから聞くのですが、この間うちからこの要綱で質問しているからそれを見ていただきたい。要綱の四十八ページの11、そこの説明ならば、「その組合員が五人未満になり」「なり」なんです。「そのなった日から引き続き六月間その組合員が五人以上にならなかった場合においても、その六月を経過したときに解散するものとすること。」、こういうのです。だから、この日本語の用語例ならば「その六月を経過したときに解散する」という、その「その」とは初めに欠格になった日から起算するというふうに私は解釈するわけです、この説明では。そう私のように解釈するのが用語例からいえば普通だと思う。そうだとすれば、今言ったように、常時従事者でなくなったというのを病気の場合は除外するというお話なら、あなたの説明ですぐうなづくのですよ。ところが、常時従事者の解釈が、常時従事者という文字どおり解釈すれば、重病にでもかかった場合常時従事者でないのだ、とりあえず一時的でも。それが一時的でもその常時従事者でなくなったのだから、そのときを起算に欠格の法人になっておるわけですね。六ヵ月というゆとりがるあるから、潜在的な欠格法人になっておるけれども、六ヵ月のうちにその常時従事者が一人という場合もあるし、二人という場合もある。そのときになおればいいけれども、六カ月たてばなおるわけには病気というものはいかぬ。現実に一年もかかっておる人もあるし、特に胸の病気というものは二年もかかってなおり切らないのがある。そういうものは除外するのだというのならば、すんなりわかりますよ。だけれども、それも普通の言葉からすれば常時従事者じゃないのだから、そういうときに六カ月たってもなおらないというと、欠格してから六カ月経過して、この説明からすれば元のとおりに戻らないから一たんは解散する。あとでもう一ぺん五人に満ちたときにやり直しをしなければならぬ。まあ、関連質問ですから長くかかっては悪いですが、それがどうしてもひどく心配になるのです。それから過日質問したのですが、今庄野局長がいみじくも答えられましたが、発起人の五人と、常時従事者の五人とは違うとおっしゃる、私もそうだと思う。それで過日質問したことば、発起人が農民五人以上、こうなっております。その農民とはどういうものをさしますかという質問をしたのです。それは農林省の統計でもいろいろなものがあるから、一年のうち一日働いても農業従事者だと、こういう統計のとり方もあるし、いや一週間以上でなければだめだという統計のとり方もある。といって、一方からすれば新しく買い入れるのは、まあ指導上でありましょうけれども、三反から持っていなければ新しく増反するということは、農業委員会の指導上そういうものを許さないというやり方なんです。さまざまなんですね、農民という解釈は。そうすると、だから、さっきのような私の質問が出てくるのは、今発起人になる五人という人はどういうカテゴリーか知らぬけれども、とにかく農民、二反持っていても農民、こういうことになる。そこで、二反持っていても農民となるから、だから、発起人にはなるけれども、自分は常時従事者にはならぬという場合もうんとあるでしょう。だから、発起人は五人そろった、しかし、常時従事者は五人ない、ここにはないということもあり得るのです。あり得るから、それじゃ五人そろはなければならない。五人、五人というのは、両方が必要要件なんです。発起人の五人というのも必要要件、常時従事者五人というのも必要要件、これが充実した場合には片方も自然五人になるが、そうでない場合もあるから、そこでその場合に常時従事者のほうは四人であるということが起きてきた場合でも、半年たてば五人になり得るという場合には許可を初めにするのだろうか、しないのだろうか。同時に、発起人は六人も七人もあっても、常時従事者はだんだんよそへ勤めて、六人のところが三人しか常時従事者がいないという場合もここに想定できる。そういう場合には初め五人あって三人ということになった場合であってもあと六カ月は猶予期間をこの説明ですんなり置いて、そこへ二人なり三人なりというのがプラスされる見込みがあれば、三人になってもこれは法人としてちゃんと認めていくのか、こういうところなんですよ。極端に言うと、一人になるということも、そんなことはないだろうと思うけれども、法律議論をするにはそういう想定ができるのです。それはここに書いてあるから、あくまで五人になる見込みというものがありさえずれば、二人、一人にたった場合であっても、それは潜在主権的なものはずっとある、こういう解釈でいいんだろうか。私はそういう解釈ができそうなんですがね、この説明からすれば。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/91
-
092・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃるとおり、農協法の関係で申し上げますれば、五人というのは、その農事組合法人の組合員が五人以上ということでございまするから、そこで組合員というのは、農協法にいういわゆる農民が組合員だと、こういうことで農協法の三条にございまするから、そういうことで、組合員でなくなった、いわゆる組合員が欠けたという場合でございまするが、たとえば脱退したとかあるいは農民ではなくなったというような場合に、五人ではなくて、あるいは三人なり二人になったというような場合に、本来この趣旨からすれば、五人以上ということで考えておりますので、当然そのときには解散をさすべきであろう、そのときには消滅するんだという考えが当然であろうとは思いますけれども、それでは実際に合いませんから、六カ月間にとにかくあとの者が入るんだとか、あるいは組合員の充足ができればそれでいいんだという、こういうことにしたわけでございまして、そういう考え方でありますから、まあ先ほどからいろいろ御質問ございまするような、たとえば病気で寝ているという場合には、これは農民でなくなったといえないじゃないか。そういたしますると、具体的な例としてはこれは農民だから、ただ病気で寝ているんですから、組合員資格を失ったということはいえないじゃないかというふうに考えております。だから、その点はそれでいいわけでございまして、ただ、農地の関係で、いわゆる農地法の特例を認める条件として、常時従事といういろいろ条件がございますから、その関係はまた別でございますけれども、組合としての関係は、ただいま私が申し上げたような関係でいいじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/92
-
093・天田勝正
○天田勝正君 それでいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/93
-
094・清澤俊英
○清澤俊英君 それでその次に出てくるのが、同じページのさっきのところになるのです。さっきお伺いした常時従事する者と、それからさっき私は伊藤忠が常時従事者として資本を投資して入ってくる、こういう一つの表現をしたときに、それはないんだと、これは構成員というものは法人に土地を提供した人たちが構成員だと、こうなっているが、それはやはり要綱を見ますと、この与えられた法律要旨を見ますと、一ページの一番しまいのほうに、その法人の構成は、すべてその法人に土地を提供し、土地を売り渡し、貸付等をたした個人またはとなって、その法人の業務に常時従事する個人である。二つケースが構成員として許されておる。構成員たることができる。これは初め言うたときもそういう形になっているので、そこでこれははっきりしておるのですから、それであまりめんどうなことをお伺いすることはやらないが、それと、これは構成員に常時従事する者を含むことになるが、その次を見ますと、ここには労働者を雇い入れることができるのですね。何かずっとあとのほうにそういうことがあると思うのですが、ある定数を労務者として雇い入れることができる。その数が何分の一だかもあると思います。ちょっとしまいのほうにいくとあると思いますが、これとの関係はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/94
-
095・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) この農地法上農業生産法人を認める場合は、第二条に農業生産法人の定義が書いてあるわけでございます。その農地法上の農業生産法人たるものは、二条の七項の一号から六号まで、この六要件を備えたものが農地法上農地の特例を認められる、こういうことになるわけであります。それで、今構成員のところでは、法人に農地に関する権利を提供する。これは所有権を売り渡す場合もありましょうし、出資する場合もある。県が出資する場合もある。だだし、そういう農地法上の権利を提供して組合員になるか、法人になるか、それからもう一つの、構成員は農地を提供して業務に従事する場合もありましょうし、農地を提供しないが——組合の構成員となって、その法人の事業に常時従事するところの構成員ということにたる。ただいまお読みになりましたように、農地を提供するか、常時従事する個人かと、こう二通りになるわけですね。その場合に、組合員にならない、あるいは社員にならないで雇用される場合もあるわけでございます。それは構成員ではないわけでありまして、いわゆる単なる雇用関係、それの常心従事する構成員の働く割合が、法人においては法人の業務の二分の一以上を構成員が働いていなければならぬ、こういう規定がありまして、雇用労務は二分の一以下、こういうことになります。その要件は新旧対照表九ページの五号に、「その法人の事業を行なうのに必要な労働力のうちその構成員以外の者に依存する部分が省令で定める基準をこえないこと」と、この省令は二分の一、こういうことになるわけでございます。雇用労務は二分の一以下と、それから構成員の労働は過半数以上、こういうことになります。やはりこれが自作農主義の一つの発展なり延長と、こういわれるゆえんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/95
-
096・清澤俊英
○清澤俊英君 また同じことになりますが、農事組合の場合ですね、農協法に従って一人一権利、持ち株数によらないで、これはそうに違いないのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/96
-
097・坂村吉正
○政府委員(坂村吉正君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/97
-
098・清澤俊英
○清澤俊英君 そこで有限会社とか、いわゆる会社法人の場合の議決権はどうなんですか、農協と、同じ方法をとられるのですか、どうですか。農協は農協法によってそういう特例が認められる。だが、普通株式等の場合においては、大体持ち株数によって一口一個の権利があるのか——あまりそういう商法は私はわかりませんからお伺いしているのですが、そういう場合はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/98
-
099・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農事組合法人は、各組合員は平等の議決権を持つ、これは農協法で当然でございますが、これが農地法の農業生産法人になるためには、常時従事する者が議決権の過半数を占めなければならなぬ、こういうことになるわけでございます。それから有限会社は、原則として出資一口について一個の議決権を有する。ただし、定款で別段の定めをしたときには二口一つの議決権、こういうことができるわけでございますが、これも農地法がかぶって参るわけでございまして、出資一口について一個の議決権が原則でございますが、議決権の過半は、その法人の常時従事者たる構成員が持たなくちゃならぬ、これが法律上、農地法でそういうふうになっておるわけでございます。合名会社、合資会社、いずれも同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/99
-
100・清澤俊英
○清澤俊英君 持ち株数は制限してあるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/100
-
101・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 持ち株数という、株ではございません、株式会社ではございませんので。ただ、持ち分は、出資口数は制限いたしておりません。ただし、出資口数によらないで、議決権は全部の過半数を常時従事する組合員なり、構成員、社員でございます、それが持たなくちゃ、農地法上のいわゆる特権でございますね、所有権を取得するとか、そういった許可はしない、こういうふうに制限してあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/101
-
102・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、やはりそれは逆の方法だが、やはり制限してありますわね。成立の上には、制限してある、こう解釈していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/102
-
103・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 法律上、農協法なり有限会社法、商法では制限してないわけでございます。しかし、これが農地法上の農業生産法人となってくる場合には、農地法上で制限してあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/103
-
104・清澤俊英
○清澤俊英君 それは制限できるのでしょうかね。そういうやり方で制限できるかということは、構成員が過半数であっても、持ち口数というものが違う。ところが、会社法によっては大体、持ち口数でやるということになれば、構成員が幾ら多くても持ち口数はふえるという形になるか、何か、そこらが私はあまり法律がわからぬから割り切れないものが残っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/104
-
105・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 八ページから九ページの四号でございますが、「その法人の常時従事者たる構成員が、農事組合法人及び有限会社にあっては、その法人の議決権の過半数を保有し、合名会社及び合資会社にあっては、その法人の社員の過半数を占めること。」ということが、この農地法上の農業生産法人として農地の権利主体になり得る要件になるわけでございますから、そういうふうに定款なりで定めてこなければならない、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/105
-
106・清澤俊英
○清澤俊英君 その構成員の数の過半数はわかりますが、農協法でいう場合には、一人一権利になるのだ、だから、構成員が多ければ、そこに議決権の優先権は認められる。今度は片方の会社法人になりました場合には、それが適用できないで、構成員だけが数が多くなっても、その議決権というものは口数でいくという場合には、これはもう会社法でそういうふうになっているのじゃないかと思うのですが、そうした場合には構成員だけでは議決権が形成できないのじゃないか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/106
-
107・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) その農地法の、法律の四号は、常時従事者たる構成員が、議決権の過半数を保有する、こういうことをいっておるわけでございまして、持ち株を持たなくちゃならぬとか、そういうことじゃない。議決権の過半数を法人の常時従事者たる構成員が持っている場合に、農地法しの権利主体にその法人がなり得る、こういうことですから、そういった御指摘のような法人については農地法上の許可はしないということに相なるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/107
-
108・清澤俊英
○清澤俊英君 そうすると、ここからひとつはっきりしていきましょうじゃないか。その会社法人からいって、ただ構成員だけで議決権が形成するのか、持ち口数によって決定せられるのか、これがはっきりしないとやはり幾ら同じことを言い合っていたって、これは始末はつかないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/108
-
109・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農事組合法人といたしましても、それから合名会社、合資会社にいたしましても、これは社員の多数決ということになって、口数によっていないわけです、それ自体が。農協法も多数決、一人一口、それから合資会社、合名会社についても業務の執行は無限責任社員の過半数をもってこれを決する、こういうことに商法上なっておるわけでございます。それからそれについては、四号は当然かぶってくるわけでございます。社員の過半数を占めること、それから有限会社だけが出資一口につき一票、こういうことになっているわけです。これは出資口数に応ずるわけです。ただし、その出資口数に応ずることを原則として定款で別の定めをすることができるわけです。定款で別の守めをして、さっき申しましたように、常時従事者たる構成員が議決権の過半数を有するように定款で定めてきた場合に限って農地法上の権利主体になる、許可をする、こういうことに相なるわけであります。それをしてない農業生産法人たる有限会社には、農地法上の許可をしない、こういうことで規制しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/109
-
110・清澤俊英
○清澤俊英君 それでその次の五号ですね、「構成員以外の者に依存する部分が省令で定める基準をこえないこと。」となっている。ここらの説明では、五分の一となっていると思うのですが、さっきは二分の一だが、これはどうなんでしょうね。どれかのさっきのほうには五分の一になっているように記憶しておりましたが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/110
-
111・庄野五一郎
○政府委員(庄野五一郎君) 農地法上は、九ページの第五号のところは、「その法人の事業を行なうのに必要な労働力のうちその構成員以外の者に依存する部分が省令で定める基準をこえないこと。」、政令で定める基準は、先ほどお答え申し上げましたように二分の一ということになりますので、構成員の労働力による部分が過半数を占めるということを原則にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/111
-
112・清澤俊英
○清澤俊英君 あと始めたらたいへんですからここでひとつ切って、二時間というのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/112
-
113・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 大体そういうお話し合いでありますから、さようにいたします。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/113
-
114・梶原茂嘉
○委員長(梶原茂嘉君) 速記を起こして。
本日はこの程度にいたします。
明後二日午前十時から委員会を開会する予定であります。
本日はこれで散会いたします。
午後四時四十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104015007X03519620430/114
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。