1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十八年二月二十七日(水曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 福永 一臣君
理事 加藤 高藏君 理事 木村 守江君
理事 薩摩 雄次君 理事 二階堂 進君
理事 石川 次夫君 理事 岡本 隆一君
理事 中島 巖君
大沢 雄一君 砂原 格君
丹羽喬四郎君 堀内 一雄君
兒玉 末男君 佐野 憲治君
三宅 正一君 山中日露史君
出席政府委員
建設政務次官 松澤 雄藏君
建 設 技 官
(都市局長) 谷藤 正三君
建設事務官
(道路局長) 平井 學君
建設事務官
(住宅局長) 前田 光嘉君
委員外の出席者
専 門 員 山口 乾治君
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本日の会議に付した案件
住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改
正する法律案(内閣提出第六二号)
共同溝の整備等に関する特別措置法案(内閣提
出第九〇号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/0
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001・福永一臣
○福永委員長 これより会議を開きます。
住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案及び共同溝の整備等に関する特別措置法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。
この際、両案について政府当局より補足説明を聴取することといたします。前田住宅局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/1
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002・前田光嘉
○前田政府委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
初めに、この法律案の大要を申し上げますと、住宅金融法におきましては、住宅の改修に必要な資金の貸付を行なうことを住宅金融公庫の業務に加えるとともに、同公庫が住宅金融公庫宅地債券を発行することができるものとし、かつ、その債券を引き受けた者に対して宅地の譲受人の選定の際に特別の取り扱いをすることといたしたものであります。また、日本住宅公団法におきましては、日本住宅公団が日本住宅公団宅地債券を発行することができるものとし、かつ、その債券を引き受けた者に対して同公団が造成した宅地の譲受人の選定の際に特別の取り扱いをすることといたしたものであります。
以下、条項を追って御説明申し上げます。
まず、第一条は、住宅金融公庫法の一部改正であります。
初めに、住宅金融公庫法におきまして、第十七条に新たに第五項を加えまして、公庫は、住宅の改修を行なう者に対しその改修に必要な資金を貸し付けることができることといたしました。
これに伴い、第十七条及び第十八条中関係条項を整理いたしますとともに、第十八条において改修資金の貸付にあたっては改修を必要とする事由を審査すべきことといたしました。
次に同法第二十条の改正は、第四項において住宅の改修に対する貸付金の一戸当たりの金額の限度を政令で定めることといたしますとともに、関係条項を整理いたしたものであります。
第二十一条の改正は、新たに加えた第三項において、住宅の改修に対する貸付金の利率を年六分とし、その償還期間を十年以内といたしますとともに、関係条項を整理いたしたものであります。
第二十一条の二の改正は、条文整理であります。
第二十一条の三第三項の改正は、住宅の改修に対する貸付金について一時償還の請求をすることができる場合について規定を整備いたしますとともに、条文整理を行なったものであります。
第二十三条第一項の改正は、公庫は、住宅の改修に関する業務についても地方公共団体に対して委託することができることといたしましたものであります。
第二十四条第二項の改正は、公庫は、業務方法書に、貸付をすることができる住宅の改修に関する基準を記載しなければならないこととしたものであります。
第二十七の二の次に新たに加えました第二十七条の三の規定は、住宅金融公庫宅地債券に関する規定であります。
まず第一項におきまして、公庫は、主務大臣の認可を受けて後に御説明いたします第三十五条の二第二項の規定による特別の定めの適用を受けることを希望する者が引き受けるべきものとして、公庫の予算に定められた金額の住宅金融公庫宅地債券を発行することができることといたしました。
次に、第二項及び第三項におきまして、宅地債券の債権者は、公庫の財産について先取特権を有すること及びその順位を規定いたしております。第四項及び第五項におきましては、宅地債券の発行に関する事務の銀行または信託会社に対する委託について規定し、第六項におきましては、宅地債券に関し必要な事項の政令委任規定を設けました。
第三十四条第二項の改正は、公庫は、住宅の改修に対する貸付金についても資金の交付に関し適切な措置をとることができることといたしたものであります。
第三十五条第三項の改正は、公庫の融資により改修を行なった住宅を賃貸するときは家賃その他賃貸の条件に関し、主務省令で定める基準に従ってしなければならないこととしたものであります。
第三十五条の二の改正は、新たに加えました第二項におきまして、同条第一項の主務省令で定める基準においては、第十七条第四項の規定による貸付金にかかる土地の譲受人の選定方法に関し、一定の住宅金融公庫宅地債券を引き受けた者またはその相続人で当該土地の譲り受けの申し込みの際現にその宅地債券の一定割合以上を所有しているものについて特別の定めをすることといたしますとともに、関係条項を整理したものであります。第三十六条及び第四十六条の改正は、条文整理であります。
次に、第二条は、日本住宅公団法の改正であります。
まず、日本住宅公団法第五条の改正は、公団の定款に規定すべき事項に日本住宅公団宅地債券の発行に関する事項を加えたものであります。
次に、同法第三十二条の改正は、新たに第二項を加えまして、同条第一項の建設省令で定める基準においては、公団の造成した宅地の譲受人の選定方法に関し、一定の日本住宅公団宅地債券を引き受けた者またはその相続人で当該宅地の譲り受けの申し込みの際現にその宅地債券の一定割合以上を所有しているものについて特別の定めをすることといたしたものであります。
第四十九条の改正は、新たに加えた第二項におきまして、ただいま御説明いたしました第三十二条第二項の規定による特別の定めの適用を受けることを希望する者が引き受けるべきものとして、日本住宅公団宅地債券を発行することができることといたしますとともに、この宅地債券の債権者の有する先取特権、発行に関する事務の委託、政令に対する委任について規定いたしたものであります。
第五十一条の改正は、日本住宅公団の宅地債券にかかる債務については、政府保証を行なわないことといたしたものであります。
第五十二条の改正は、宅地債券の償還計画について定めたものであります。
第六十一条第一項の改正は、大蔵大臣との協議事項について所要の整備を行なったものであります。
次に、附則についてでありますが、第一項は、この法律は、公布の日から施行することといたしたものであります。
第二項は、公庫の予算及び決算に関する法律の改正であり、住宅金融公庫の予算総則においては、宅地債券の発行の限度額に関する規定を設けるものとすること及び同公庫の収入支出予算における支出には、宅地債券の利子を計上することとし、この場合割引発行の債券にあっては償還金額と発行価額との差額に相当する金額の償還金を計上することといたしたものであります。
第三項、第四項及び第五項は、産業労働者住宅資金融通法、北海道防寒住宅建設等促進法及び地方税法についての条文整理であります。
以上、住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案について逐条御説明を申し上、げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/2
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003・福永一臣
○福永委員長 平井道路局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/3
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004・平井學
○平井(學)政府委員 お手元の資料によりまして、共同溝の整備等に関する特別措置法案の逐条説明をいたします。
この法律案は、六章二十八条と附則三項からなっております。
第一章総則。本章は、この法律の目的及び用語の定義に関する事項を規定したものであります。
第一条は、本法制定の目的を明らかにしたものでありまして、この法律は、共同溝の建設及び管理に関する道路法の特別の措置を定め、特定の道路について路面の掘さくを伴う地下の占用の制限と相待って共同溝の整備を行なうことにより、道路の構造の保全と円滑な道路交通の確保をはからんとするものであります。
第二条は、この法律における用語の定義を規定したものであります。
第二章共同溝整備道路。本章は、共同溝を整備すべき道路の指定及び当該道路における占用の制限に関する事項を規定したものであります。
第三条は、共同溝を整備すべき道路の指定に関する規定であります。建設大臣は、交通が著しく輻湊している道路または著しく輻湊することが予想される道路で、路面の掘さくを伴う道路の占用工事がひんぱんに行なわれることにより道路の構造の保全上及び道路交通上著しい支障を生ずるおそれのあるものを、道路管理者の意見を聞いて、共同溝整備道路として指定することができるものといたしました。
第四条は、共同溝整備道路における占用の制限を規定したもので、当該道路においては、道路管理者は、原則として、車道の部分の地下の占用を認めてはならないことといたしました。
第三章共同溝の建設及び管理。本章は、共同溝の建設、共同溝整備計画、建設の廃止、共同溝の占用予定者、占用予定者の地位の承継及び共同溝管理規程に関する事項を規定したものであります。
第五条は、共同溝の建設にあたっての手続に関する規定であります。道路管理者は、共同溝整備道路の指定があったときは、関係公益事業者の意見を求め、当該公益事業者から共同溝に敷設すべき公益物件の敷設計画書等を添えて共同溝の建設を希望する旨の申し出があった場合で、その申し出が相当であると認めるときは、共同溝を建設することといたしました。
第六条及び第七条は、共同溝整備計画に関する規定であります。第六条は、道路管理が共同溝を建設しようとするときは、共同溝整備計画を作成しなければならないものとし、共同溝整備計画に掲げるべき事項を明らかにいたしました。
第七条は、道路管理者が共同溝整備計画を作成しようとする場合において、当該計画に関係公益事業者の意見が十分反映されるよう必要な手続規定を定めたものであります。
第八条は、共同溝の建設の廃止に関する事項を規定したもので、共同溝の建設ができなくなったときは、建設を廃止し、その旨を公示するとともに関係公益事業者に通知することといたしました。
第九条は、共同溝整備計画に定めらるべき共同溝の占用予定者の要件に関する事項を規定したものであります。
第十条は、共同溝の占用予定者の地位の承継に関する規定でありまして、公益事業者は占用予定者として、建設費を分担するところからその地位の承継を認めることといたしました。
第十一条は、共同溝の管理規程に関する規定でありまして、道路管理者は、共同溝を管理するにあたって、公益事業者の意見を聞き、共同溝管理規程を定めなければならないものといたしました。
第四章共同溝の占用。本章は、共同溝の占用に関して、占用の申請、申請の取り下げ、占用の許可、許可に基づく地位または権利義務の承継または譲渡公益物件の構造等の基準及び監督処分に関する事項を規定したものであります。
第十二条は、共同溝の占用の申請に関する規定でありまして、共同溝の建設を希望する旨の申し出をした公益事業者は、建設の公示があった日以後一定期間内に公益物件の敷設計画書等を添えて道路管理者に共同溝の占用を申請することができるものといたしました。
第十三条は、占用の申請の取り下げに関する規定でありまして、共同溝整備計画が作成され、その通知があったときは、共同溝占用予定者は、一定期間内に占用の申請を取り下げることができるものといたしました。
第十四条は、占用の許可に関する規定でありまして、道路管理者は、共同溝の建設を完了したときは、直ちに共同溝の占用予定者に占用の許可をするものといたしました。
第十五条は、日本電信電話公社についての特例を規定したものでありまして、日本電信電話公社の共同溝の占用については、道路法第三十五条(国等の行なう道路の占用の特例)と同様に、占用の申請及び許可にかえて日本電信電話公社と道路管理者との協議方式をとることといたしました。
第十六条は、共同溝の占用の許可に基づく地位の承継に関する規定でありまして、占用予定者の地位の承継と同様の理由でその地位の承継を認めるものといたしました。
第十七条は、共同溝の占用の許可に基づく権利義務の譲渡に関する規定でありまして、道路管理者の認可を受けなければ譲渡することができないものといたしました。
第十八条は、共同溝に敷設する公益物件の構造等の基準に関する規定でありまして、公益事業者が公益物件を共同溝内に敷設するにあたっては、あらかじめ道路管理者に届け出なければならないものとし、公益物件の構造及び敷設の方法の基準は政令で定めることといたしました。
第十九条は、共同溝に敷設される公益物件の構造または敷設の方法が政令の基準に適合しない場合の監督処分に関する規定であります。
第五章共同溝に関する費用。本章は、共同溝の建設費及び管理費用の負担、国の負担または補助、収入の帰属及び義務履行のために要する費用に関する事項を規定したものであります。
第二十条は、共同溝の建設費の負担に関する規定でありまして、共同溝の占用予定者は、共同溝の建設に要する費用のうち、共同溝の建設によって受ける効用から算定される推定の投資額、換言すれば、共同溝がなかったならば道路を掘り返して公益物件を敷設する費用等当然投資したであろう費用等を勘案して、政令で定めるところにより算出した額の費用を負担すべきことといたしました。
第二十一条は、共同溝の管理費用に関する規定でありまして、共同溝を占用する者は、共同溝の改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理に要する費用のうち、政令で定める費用を負担すべきことといたしました。
第二十二条は、共同溝の建設、改築等に要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものについての国の負担または補助に関する事項を規定したものであります。
第一項は、建設大臣が一級国道もしくは二級国道に付属する共同溝の建設もしくは改築を行なう場合または指定区間内の一級国道に付属する共同溝の維持、修繕その他の管理を行なう場合において、当該建設もしくは改築または管理に要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものについては、国及び地方公共団体がそれぞれその二分の一を負担することといたしました。
第二項は、第一項の場合を除くほか一国は、共同溝の建設または改築にに要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものの二分の一以内を、その費用を負担する地方公共団体に対して、補助することができることといたしました。
第二十三条は、公益事業者の負担金の収入の帰属に関する規定でありまして、負担金は、共同溝の建設、改築、維持その他の管理を行なう道路管理者の収入とすることといたしました。
第二十四条は、この法律によって一定の義務が課せられた場合にその義務を履行するために必要な費用に関する規定でありまして、その費用は、義務者の負担とする旨を明らかにいたしました。
第六章雑則。本章は、負担金の強制徴収、不服申し立て、権限の委任及び道路法の適用除外に関する事項を規定したものであります。
第二十五条は、公益事業者の負担金の強制徴収に関する規定でありまして、公益事業者の負担金は、国税滞納処分の例により、道路管理者が強制徴収することができることといたしました。
第二十六条は、不服申し立てに関する規定であります。道路管理者がこの法律に基づいてした処分に対する不服申し立てについては、一般的には行政不服審査法に定めるところによるのでありますが、本条においては、都道府県または市町村である道路管理者がこの法律に基づいてした処分に対する審査庁及び異議申し立てに対する決定等について行政不服審査法の特例を規定したものであります。
第二十七条は、この法律に規定する道路管理者である建設大臣の権限の委任に関する規定でありまして、政令で定めるところにより、地方建設局長または北海道開発局長に委任することができることといたしました。
第二十八条は、道路法の適用除外に関する規定であります。後に御説明申し上げますように、この法律に基づく共同溝は、道路の付属物としておりますので、この共同溝に関しては、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、道路法の関係規定が適用されることとなりますが、この法律の規定に基づく共同溝の占用に関しては、その占用形態の特殊性から、道路法における占用に関する規定である第三章第三節占用に関する規定は適用しないこととし、この法律に必要な規定を設けてその特殊性を明らかにいたしました。
最後に附則でありますが、この附則においては、この法律の施行期日を定めるほか、道路法及び道路整備特別会計法の一部改正に関する事項を規定したものであります。
附則第一項は、この法律の施行の期日を定めたものであります。
附則第二項は、道路法の一部改正に関する規定であります。この法律に基づいて道路管理者の設ける共同溝を道路の付属物とし、道路法第二条第二項の道路の付属物に関する定義に所要の改正を加えたものであります。
附則第三項は、道路整備特別会計法の一部改正に関する規定で、建設大臣が一級国道もしくは二級国道に付属する共同溝の建設もしくは改築を行なう場合または指定区間内の一級国道に付属する共同溝の維持、修繕その他の管理を行なう場合における地方公共団体の負担金及び公益事業者の負担金を道路整備特別会計の収入とするため、道路整備特別会計法第三条に所要の改正を加えたものであります。
以上、この法律案の条文の逐条説明を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/4
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005・福永一臣
○福永委員長 以上で両案に対する補足説明は終わりました。
両案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
次会は来たる三月一日金曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととして、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X00619630227/5
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