1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十八年五月十日(金曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 福永 一臣君
理事 加藤 高藏君 理事 薩摩 雄次君
理事 瀬戸山三男君 理事 二階堂 進君
理事 石川 次夫君 理事 岡本 隆一君
理事 中島 巖君
井原 岸高君 大沢 雄一君
正示啓次郎君 砂原 格君
山口 好一君 佐野 憲治君
日野 吉夫君 山中日露史君
田中幾三郎君
出席政府委員
総理府総務長官 徳安 實藏君
委員外の出席者
専 門 員 熊本 政晴君
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三月二十九日
砂防法の一部を改正する法律案(稲浦鹿藏君外
一名提出、参法第二七号)(予)
五月七日
近畿圏整備法案(内閣提出第一四七号)
三月二十八日
山形市西部地区に循環道路建設の請願(牧野寛
索君紹介)(第二八五八号)
四月九日
河川法の改正に関する請願(赤城宗徳君紹介)
(第三二七一号)
山形市西部地区に循環道路建設の請願(牧野寛
索君紹介)(第三四六七号)
同月二十日
二級国道津山米子線外二路線の一級国道編入等
に関する請願(足鹿覺君紹介)(第三五三五
号)
山形市西部地区に循環道路建設の請願外三件(
牧野寛索君紹介)(第三五三六号)
中小建設業者育成に関する請願(上村千一郎君
紹介)(第三五九七号)
河川法改正に関する請願(高田富與君紹介)(
第三五九八号)
河川法改正に関する請願(草野一郎平君紹介)
(第三六六六号)
河川法改正に関する請願(松野頼三君紹介)(
第三六六七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
近畿圏整備法案(内閣提出第一四七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X01319630510/0
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001・福永一臣
○福永委員長 これより会議を開きます。
去る七日本委員会に付託されました近畿圏整備法案を議題といたします。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X01319630510/1
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002・福永一臣
○福永委員長 まず、本案について提案理由の説明を聴取いたします。徳安総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X01319630510/2
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003・徳安實藏
○徳安政府委員 近畿圏整備法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
近畿圏は、西日本の中枢に位し、わが国経済発展の重要な一翼をになっておりますことは申すまでもないところであります。ことに、阪神地区は、関東における京浜地区と並ぶわが国工業、商業の一大中心地でありまして、これが盛衰は、わが国経済の隆替に重大な影響を及ぼすものと申しても過言ではありません。しかるに、最近の産業の発展、人口の増大に伴い、当地区はますます過大都市的様相を呈するに至り、首都東京に匹敵する種々の問題を引き起こしつつあるのであります。すなわち、産業及び人口の過密化に伴い、道路、港湾等の狭隘化、工業用水の不足等産業基盤の行き詰まりが顕著となり、ひいては、公害の発生、地盤沈下等生活環境の劣悪化を招来し、当地方住民の福祉に対する重大な脅威をもたらしつつありますことは、すでに御存じのとおりであります。
このような阪神地区の過密状況に対しまして、眼を一たびその外周部に転ずるときは、農業または観光を中心とする、いわば広大な開発を要する地域が見られ、ようやく工業発展のきざしを見せつつある地域といえども、必ずしも産業基盤等が十分確保されているとはいえず、また既成都市区域からの市街地の無秩序な拡大の様相も看取されるのであります。しかも、当地方は、名所、旧跡、観光資源等も多いという特殊事情もからみ、それらの保存、開発が強く要請されております。
以上申し述べましたような実情にかんがみ、近畿圏内における跛行的発展状況を是正しつつ、首都圏と並ぶわが国経済、文化等の中心としてふさわしい地位を保つため、すみやかに近畿圏の建設と秩序ある発展をはからなければなりません。すなわち、一方では、過密区域及びその近郊区域を整備して無秩序な膨脹を防止しつつ、産業、人口の分散をはかるとともに、他方、開発を要する区域は都市開発区域としてもろもろの産業基盤施設、生活環境施設等の充実を計画的にはかり、あわせて、当地方の特殊事情としての文化財、緑地、観光資源等の維持保存及び開発をはかる必要があります。これが本法律案を提出する理由であります。
次に本法律案の要旨について申し述べたいと存じます。
第一に、近畿圏整備計画の立案及びその実施等の事務を所掌するため、総理府の機関として、近畿圏整備本部を置き、その長は近畿圏整備長官とし、国務大臣をもって充てることといたしております。また、これとともに、総理府に、関係行政機関の職員、関係府県知事、市長、学識経験者で組織する近畿圏整備審議会を設け、内閣総理大臣の諮問に応じて計画の策定及び実施に関する重要事項等について調査審議させ、また内閣総理大臣に対して意見を述べさせることといたしております。
第二は、近畿圏整備計画の策定であります。これが本法律案の中核をなすものであります。この近畿圏整備計画は、基本整備計画及び事業計画に分かれますが、基本整備計画には、近畿圏における人口の規模及び配分、産業の配置、土地、水その他の資源の保全及び開発、都市の整備及び開発、交通体系の確立等に関する総合的かつ基本的な方針を定めるとともに、当該方針に基づき、近郊整備区域、都市開発区域及び保全区域の設定に関する事項並びに産業基盤施設、国土保全施設、住宅及び生活環境施設、教育施設、観光施設等についての整備及び開発に関する計画を定めるものとされております。
しこうして、この計画は、内閣総理大臣が関係府県、関係指定都市及び審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して慎重に決定することになっております。
この計画は、各地区のその性格、規模に応じて策定される必要がありますので、この法律案では、産業及び人口の過密地帯である、いわゆる既成都市区域のほか、三種の区域の設定をはかっております。すなわち、近郊整備区域、都市開発区域及び保全区域がこれであります。近郊整備区域とは、既成都市区域の近郊で、当該既成都市区域の市街地の無秩序な拡大を防止するため、計画的に市街地として整備する必要がある区域をいい、都市開発区域とは、既成都市区域への産業及び人口の過度の集中傾向を緩和し、それらの分散をはかるため、工業都市、住居都市等として開発することを必要とする区域であり、保全区域とは、近畿圏の特性にかんがみ、特に、文化財を保存し、緑地を保全し、または観光資源を保全し、もしくは開発する必要があると認める区域をいい、これらの区域を、内閣総理大臣が地方公共団体、審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して指定することとしているのであります。
第三は、近畿圏整備計画に基づく事業の実施であります。
整備計画に基づく事業は、それぞれ当該事業に関する法律に従い、国、地方公共団体または関係事業者が実施することになっておりますが、整備計画の円滑な実施をはかるため、これらの者はできる限り、整備計画の実施に協力すべきこととし、内閣総理大臣は、整備計画の実施に関し、必要な勧告をなし得ることといたしたのであります。
なお、以上のほか、既成都市区域への産業及び人口の過度の集中を防止するため必要があると認めるときは、別に法律で定めるところにより、工場、学校等制限区域を指定し得ること、近郊整備区域及び都市開発区域内における宅地の造成その他整備開発に関係し、必要な事項は別に法律で定めること、政府は、計画実施のため必要な資金の確保等をはかるようつとめるべきこと、国は、事業計画に基づく事業の執行に要する費用を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡し得ること等の規定を設け、近畿圏整備計画に基づく事業が適正かつ円滑に実施されるよう企図した次第であります。
以上申し述べましたように、本法律案を提案いたしましたのは、首都圏と並ぶわが国経済、文化等の中心としてふさわしい近畿圏の建設とその秩序ある発展をはかるために緊急を要するものと考えたからでありまして、去る第四十回国会においても、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同提案として、これとほぼ同趣旨の近畿圏整備に関する決議案が上程せられ、両院において可決されておることはすでに御承知のとおりであります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X01319630510/3
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004・福永一臣
○福永委員長 以上で本案に対する提案の理由の説明聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十五日水曜日、午前十時より理事会、同十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
午前十時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304149X01319630510/4
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