1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十八年三月八日(金曜日)
午前十時二十六分開議
出席小委員
小委員長 小澤 太郎君
伊藤 幟君 久保田円次君
高田 富與君 太田 一夫君
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出席政府委員
自治事務官
(税務局長) 柴田 護君
小委員外の出席者
地方行政委員 亀岡 高夫君
地方行政委員 纐纈 彌三君
地方行政委員 川村 継義君
地方行政委員 阪上安太郎君
自治事務官
(税務局府県税
課長) 降矢 敬義君
自治事務官
(税務局市町村
税課長) 佐々木喜久治君
自治事務官
(税務局固定資
産税課長) 石川 一郎君
専 門 員 曽根 隆君
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本日の会議に付した案件
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304752X00319630308/0
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001・小澤太郎
○小澤小委員長 これより地方行政委員会地方税法の一部を改正する法律案審査小委員会を開会いたします。
地方税法の一部を改正する法律案について審査を進めます。
前会と同様、懇談の形式で行なうことといたしますので、さよう御了承願います。
それでは、これより懇談に入ります。
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〔午前十時二十七分懇談会に入る〕
〔午後零時四十六分懇談会を終わる〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304752X00319630308/1
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002・小澤太郎
○小澤小委員長 これにて懇談を終わりまして、本日をもって小委員会の審査を終了いたしたいと存じます。
つきましては、本小委員会の審査におけるおもな論点を申し上げます。
まず住民税について申し上げます。多くの市町村において準拠税率をこえて課税が行なわれているために、それらの市町村における負担が相当重くなっているほか、さらに課税方式に本文方式とただし書き方式があるために、地域によりその負担に相当の格差がある。かような現存する負担の不均衡を是正するためにいかなる指導を行なっているか。市町村民税としては将来いかにあるべきか。ただし書き方式を廃止して本文方式に統合する意思はないか。また、現行の準拠税率を標準税率として法定し、超過税率について制限をしたらよいではないかという意見があり、いずれにしても準拠税率を超過して課税せざるを得ないというその原因を徹底的に究明し、必要な財源措置とともに、かような不均衡状態を早急に解決すべきであるという意見が圧倒的でありました。
また、給与所得者の負担が過重である現状にかんがみ、ことに、ただし書き方式採用市町村における給与所得者の負担の軽減をはかるために、給与所得の勤労割増控除を大幅に増額する必要があるという意見がありました。
また娯楽施設利用説に関連しまして、ゴルフ場の利用の実態は、ゴルフの普及に伴って漸次大衆化しつつあるというが、その入会金及び利用料金の額からいっても高所得者階級の娯楽であるということは争えない。すなわちゴルフは奢侈的行為であって、しかも見る者にも楽しみを分かつ一般娯楽とは性質を異にすることにかんがみ、ゴルフ場の利用に対する課税は娯楽施設利用税でなく、別途の課税体系によって課税すべきではないか。またゴルフ場の芝に対して、固定資産税の評価を引き上げるべきではないかという意見がありました。
狩猟者税につきましては、今回の改正によって、狩猟地における知事の免許を受ける者に対し課税されることにより、課税対象の捕捉が困難になる結果、ことに県境における狩猟者について脱税行為を増長せしめることとならないかという意見がありました。
固定資産税につきましては、昭和三十九年度より改正評価制度による評価額に基づいて課税が行なわれることになるが、この改正評価制度の実施に伴い、資産によってその評価額が引き上げられることにならないか。評価制度の改正はいかに進められているか。評価がえに際し、従来負担の過重となっている資産について、その不均衡を是正しているか。たとえば現行の評価基準によれば、寒冷地における単作地帯の農地の評価は、二毛作地帯の評価の評点を基礎として定められているため、その評価額は過重となっているが、これをどのように是正するのか。また、建物も積雪寒冷地帯で広い建坪を必要とし、構造も強靱にする必要があるため、坪当たりの評価額が高く、しかも耐用年数は短い。これらを是正するために減価補正をやっているが、この点改正評価制度ではどのようになっているか。また、旧地主等の家屋で現在利用価値のないものについては、その負担能力を考慮に入れて負担の緩和をはかるべきではないか。土地及び家屋評価に際して、いまだに賃貸価格を基礎として評価しているところがあるが、これらの評価方法は再検討すべきではないかという意見がありました。
電気ガス税につきましては、税率引き下げは電力料金の値上げを前提としたものではないか。産業用電気の非課税品目の追加を要望している向きもあり、また、本税の地方税収に占める地位の重要性や地方財政の事情より、将来本税のあるべき姿をいかように考えているか。また、税率の引き下げは大いにけっこうであるが、反面免税点の引き上げが忘れられているのではないか。最近の電気ガスの使用の実態等から見て、免税点をいま一段引き上げる必要があるのではないか等の意見がありました。
国民健康保険税について申し上げます。
国民健康保険税については、保険料なのか、税なのか、問題があるが、今日税負担として見た場合、この税ぐらい負担が重く、しかも逆進的なものはない。加入者の生活実態にかんがみ、早急に保険の観念から一歩出て、むしろ社会保障の観念を導入して、国の責任において負担の軽減をはかるべき時期にきているのではないか。また、今回の改正によって、低所得者に対する負担の軽減をはかっているが、たとえば十五万円をこえる所得の者については、保険税自体は若干引き上げられる結果となるので、負担の軽減が適用される階層の範囲を引き上げるべきではないかという意見がありました。
法定外普通税に関連して、京都府において法定外普通税として自動車取得税を課しているが、これは自動車が道路損傷の負担的性格を有することにかんがみ、道路整備の必要性からその財源捻出の一方法として設けられていると思うが、今日の自動車の著しい増加に対処して、これを法定として自動車取得税を設ける考えはないかという意見がありました。
以上のほかにも、各税目にわたって有意義な論議が行なわれたのでありますが、これらのすべての論議に対しまして、政府当局は、政府原案の趣旨とするところを税制調査会の答申等をも援用して説明し、今日の場合、住民負担の均衡と地方財政の現状に照らし、もとより遺憾の点はこれなしとしないけれども、この程度の改正にとどめざるを得ない実情と、将来の見通し等につき詳細な説明を行なったのでありますが、本小委員会の論議の存するところについては、これを尊重して、若干のものについては将来の検討を約したのであります。たとえば電気ガス税の軽減については、その方向で検討するということであり、また、市町村民税の課税方式の一本化については検討する趣旨において目下市町村の財政構造を中心とした調査を行なっているという答弁がありました。小委員会としてはこれを一応了としたのであります。
なお、この委員会に日本社会党から地方税改革要綱が提出されたのでありまして、太田委員からの御説明によりますと、今回の政府提案の地方税法改正案につきましては、これが国民負担の軽減という建前からして、本質的に反対すべき筋ではないけれども、これがきわめて不十分であって、なおこの際考慮しなければならない事柄が多々あるという意味におきまして、日本社会党としては、これらの点について印刷物を提出して、今後の検討を要望したいということでございましたので、これを付言いたします。
本委員会の方には、ただいま申し上げた趣旨の報告をいたすことにいたしまして、小委員会としては結論を出さずにおきたいと思います。御了承いただきたいと思います。
本日はこれにて散会します。
午後一時散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104304752X00319630308/2
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