1. 会議録本文
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000・会議録情報
五月八日
壽原正一君が委員会において、航空に関する小
委員に追加選任された。
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昭和三十九年五月八日(金曜日)
午前十時二十八分開議
出席委員
委員長 川野 芳滿君
理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君
理事 西村 直己君 理事 久保 三郎君
理事 矢尾喜三郎君
佐々木義武君 高橋清一郎君
高橋 禎一君 中馬 辰猪君
西村 英一君 長谷川 峻君
細田 吉藏君 増田甲子七君
勝澤 芳雄君 島上善五郎君
泊谷 裕夫君 野間千代三君
山口丈太郎君 内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
出席政府委員
運輸事務官
(鉄道監督局
長) 廣瀬 眞一君
委員外の出席者
運輸事務官
(鉄道監督局国
有鉄道部長) 深草 克巳君
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
日本国有鉄道常
務理事 石原 米彦君
専 門 員 小西 真一君
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五月八日
委員佐々木良作君辞任につき、その補欠として
伊藤卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
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五月七日
定期乗合バス成宗線の存続に関する請願(岡崎
英城君紹介)(第三四五四号)
名古屋市の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(辻寛一君紹介)(第三四六〇号)
三河地区の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(辻寛一君紹介)(第三四六一号)
尾張地区の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(辻寛一君紹介)(第三四六二号)
三重県内の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(田村元君紹介)(第三四六三号)
同(木村俊夫君紹介)(第三四六四号)
富山県内の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(佐伯宗義君紹介)(第三四六五号)
福井県南越、大野両地区の一般乗用旅客自動車
運賃改定に関する請願(植木庚子郎君紹介)(
第三四六六号)
能登地区の一般乗用旅客自動車運賃改定に関す
る請願(井村重雄君紹介)(第三四六七号)
交通の安全対策に関する請願(島上善五郎君紹
介)(第三五〇三号)
水先法の改正に関する請願(野間千代三君紹
介)(第三五六一号)
東北本線の複線及び電化促進に関する請願(鈴
木善幸君紹介)(第三六一六号)
三陸沿岸縦貫鉄道敷設促進に関する請願(鈴木
善幸君紹介)(第三六一七号)
国鉄の安全輸送確保に関する請願(鈴木善幸君
紹介)(第三六一八号)
飯山線の輸送力改善に関する請願(吉川久衛君
紹介)(第三七〇五号)
同(倉石忠雄君紹介)(第三七〇六号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第三七〇七号)
篠ノ井線の輸送力改善に関する請願(吉川久衛
君紹介)(第三七〇八号)
同(倉石忠雄君紹介)(第三七〇九号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第三七一〇号)
信越本線の輸送力改善に関する請願(吉川久衛
君紹介)(第三七一一号)
同(倉石忠雄君紹介)(第三七一二号)
同(羽田武嗣郎君紹介)(第三七一三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
小委員追加選任の件
東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨
げる行為の処罰に関する特例法案(内閣提出第
一五三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/0
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001・川野芳滿
○川野委員長 これより会議を開きます。
東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案を議題とし、審査を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。野間千代三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/1
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002・野間千代三
○野間委員 議題となっております東海道新幹線の列車運行の安全を妨げる行為等の処罰に関する特例法案、この法律の内容についてはいろいろ問題がございます。問題がございますが、まだ全般的にこの新幹線の建設状況等について、われわれとしてはそう明快に承知をしていませんので、最初に新幹線の現在の建設状況等について御報告をいただきたいと思います。法律問題等については新幹線の状況全般について承知をした上でないとなかなか審議が始まらないと思います。そういう意味で、それから始めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/2
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003・廣瀬眞一
○廣瀬政府委員 それでは、お尋ねの東海道新幹線の工事の進捗状況が現在どのようになっておるか、これにつきましてごく概括的に御説明をいたします。私がこれから申し上げますことは、項目によって多少違いますが、四月二十日現在の数字で申し上げます。
まず概況でございますが、全線は、御承知のように五百十五キロメートルでございまして、運転に必要な用地の確保はすでに全部完了しております。
それから、以下申し上げますように、各種の工事も順調に進んでおります。それで全線の試運転は、すべての工事が完了いたしましたあとで七月から行ないまして、営業開始は、かねてから申し上げておりますように十月一日の予定でございます。
それで、各種の工事の進捗状況をやや具体的に申し上げますが、まず路盤工事は、五百十五キロメートルの路盤工事のうちで、川崎、西谷、保土ヶ谷、浜松地区の一部を残してすでに完了しておりまして、路盤工事のでき方は三月末で九九%でございます。なお、この地区につきましても、用地買収は、先ほど申し上げましたようにすべて完了しておりまして、路盤工事は五月末日までにすべて完了するという予定でございます。
それからその次は軌道工事でございますが、路盤工事の完了区間から逐次軌道工事が進められておりまして、三月末で四百三キロメートルの軌道敷設工事が完了しておりまして、軌道工事につきましては六月中旬には全線の敷設工事が完了の予定でございます。
次に電気工事でございますが、電気工事は軌道工事に並行いたしまして進められておりまして、三月の末日で三百三十二キロメートルの電車線路、架線の工事が完了しております。その他、送電線、変電所、通信・信号ケーブル、列車無線基地等の工事も順調に進んでおりまして、電気関係の工事は七月下旬には全線電気が通る、通電可能の予定でございます。
それからその次は車両でございますが、営業用の電車は三百六十両の予定でございますが、製作も順調に進んでおりまして、三月末には鴨宮のモデル線区に六両の一編成を入れております。
なお、大阪の電車基地、これは鳥飼でございますが、ここには四月十三日から数編成もうすでに入っておるようでございます。また東京の電車基地には六月上旬から搬入いたしますが、八月の末日までに三百六十両の組み立てが東京と大阪の鳥飼の両基地においてすべて完了する予定でございます。
それからその次は試運転でございますが、昭和三十七年の十月から綾瀬−小田原間のモデル線で試運転を開始しておりますが、四月十日には熱海まで延長をいたしております。なお、五月中旬にはこれをさらに三島まで延長いたしまして、そこで綾瀬−三島間約八十キロメートル、また大阪付近の米原−鳥飼間、ここはすでに百キロメートルの区間もでき上がりまして、大阪のほうは四月八日から試運転を開始しておるような状況でございます。なお、七月下旬から東京−大阪間が全線、線路あるいは架線がつながりますので、全線にわたって試運転が可能になる見込みでございます。
次に、乗務員の養成状況でございますが、電車の運転士を三十七年の十月から養成を開始いたしまして、養成の予定人員約二百二十名のうち現在百八十名が終了をしております。まだ終了していない四十名の者につきましても、九月までには全部養成を完了する予定でございます。
それから次は車掌でございますが、車掌は三十九年の四月から養成を開始いたしまして、養成予定人員約二百名のうち、すでに東京、大阪におきまして六十四名が終了し、引き続いて目下養成中でございまして、七月末には全員の養成を完了する予定でございます。
その他、保守関係の要員についても適性のある者を選別いたしまして、技術的に高度な再教育を行なっておるわけでございます。
以上が、各班の工事あるいは要員関係について現在までの進捗状況の概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/3
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004・野間千代三
○野間委員 現在状況については大筋はわかりましたが、この十月に営業開始をするということが予定として立っておるようですけれども、今日の路盤あるいはその他の状況なりあるいは乗務員その他職員の配置等の計画からいって、十月ごろに確実に発車ができるものかどうか。それから、十月に発車をすると同時に、この法案の最初にあるような状況になり得るのかどうか、そういう点を少し伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/4
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005・廣瀬眞一
○廣瀬政府委員 ただいま概略御説明いたしましたが、おそくとも七月の末にはすべての運転に関連する工事が完了いたします。したがいまして、八月、九月、まる二カ月以上は東京−大阪間全線を通じまして試運転の段階に入るわけでございます。そこで試運転をやりながら線路の固まりを待つ、あるいは若干のふぐあいのところがあればこの間に直す。まる二カ月ございまして、その間に十分テストができますし、路盤等も逐次固まってまいるというふうに考えておりますので、二カ月間の全線の試運転によりまして十月一日には間違いなく開業できるというふうに考えております。
なお、新幹線の列車の運行計画は、御承知のように一番速い列車、超特急と申しますか、東京−名古屋−大阪、名古屋しかとまらない一番速い列車は三時間の計画でございます。それから途中の駅を停車いたしますのは四時間計画でございますが、二カ月間の試運転の結果によりまして安全サイドをとりまして、営業開始の当初は三時間、四時間ということには必ずしもこだわらない。あくまで安全の見地から運転を開始したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/5
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006・野間千代三
○野間委員 最初の営業開始のときには一応ダイヤの発表があると思うのです。そのダイヤの発表をするときに、いま言われた十月から何カ月間の、三時間、四時間でないダイヤを発表されるのか。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/6
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007・磯崎叡
○磯崎説明員 十月一日の営業開始の際の列車の種類並びに速度につきましては、現在工事の進捗状況に見合った上で専門家の間で検討いたしております。ただいま鉄監局長から申しましたように、どうしても十月一日から三時間でやらなくちゃいけないというような名目にとらわれることなく、あくまでもやはり国民が納得してくれるような態勢のもとに速度をきめたいというふうに考えております。実のところ、現在四時間を少しオーバーするようなダイヤを引いております。大体ダイヤの発表はいまのところ八月末ぐらいでいいんじゃないかというふうに考えておりますが、それまでにやはり当初から三時間、四時間というものは、気分の上から言っても、やはり国民的にも少し何か不安があるという気もいたしますし、私どもといたしましても万遺憾なきを期さなければいけないというふうに考えますので、やはり当初は四時間を少しオーバーするようなダイヤでまいりたいというふうに考えております。しかし、まだ二カ月か三カ月ございますので、もうしばらく路盤の固まる状況、あるいはできてまいります車両の状況等を見ました上できめてまいりたいと考えております。実は、現在は部内的には四時間半前後のダイヤを引いていろいろ検討しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/7
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008・野間千代三
○野間委員 大体わかりました。それから営業開始をするときに、要員の配置等についてはどういうことになっておるのか、それから現在線と比較をして、法案にあるように、速度の面ばかりでなく、各般にわたって現在線と相当変わった形態の労働になると思うのですけれども、労働条件の状態とか、そういう職員に対する労働条件、あるいは給与条件、要員の配置、そういう問題についてひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/8
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009・磯崎叡
○磯崎説明員 職員の中でも最も養成に緊急を要します乗務員関係につきましては、先ほど鉄監局長から御答弁申し上げましたが、その他の電気、それから保線担当の要員につきましては、すでに保線所、電気所という現場機関をつくりまして、責任者も任命いたしまして、現在逐次養成にかかりつつございます。配置転換等につきましても、一応労働組合との間で第一次の話し合いを行なって、すでに転換業務を始めております。それから保守の具体的内容につきましては担当の常務理事から御答弁いたしますけれども、全体の問題といたしまして、まず現場区間を整備する。それから組合との間で打ち合わせをして、主として現在職員を配置転換する。新規採用の職員でなく、すべて現在線のなれた職員を使うというたてまえから相当いろいろの労働問題が伴ないますので、すでに第一回の話し合いを済ませまして、逐次配置転換の仕事を現在いたしております。その他宿舎の問題等も相当問題になっております。現在工事関係の人間の入っている宿舎に入るものと、それから新しい宿舎に入るものといろいろございますので、こういったものは全部、いろいろこまかく、私のほうにおきまして新幹線の開業準備委員会というものをつくりまして、そこでもって各担当部局全部集まりまして、具体的に数字を検討した上で手配をしておるわけでございますが、各職種のこまかい養成状況につきまして、ちょっと石原常務理事から補足説明をいたさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/9
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010・石原米彦
○石原説明員 御答弁申し上げます。
各地域別、職種別にいろいろな問題点がございますが、ただいま副総裁から御答弁申し上げましたように、現場の組織は、車掌所、運転所、保線所、電気所という、「所」という名前をつけまして、従来の区より少し権限の大きい広域な現場を考えております。これで現場の所長と幹部になるものはすでにすべての発令をいたしております。したがって、現場の準備の中核体はすでにできております。
それから職種別の労働条件につきましては、大体の案と定員配置の案をつくりまして、ただいま組合とも折衝中でございまして、最終的に決定いたしますのは、もう少し先になると思います。
それから養成関係につきましては、養成を要するものはどんどん養成をいたしておるという段階でございます。特に地域別に分けて申し上げますと、大阪につきましては、すでに鉄道監督局長から御答弁がございましたように、この四月の末からすでに本格的な試運転に入っております。速度はまだ二百より出しておりませんが、逐次速度も増しつつ、列車もあとからあとから加えて試運転をやっておりますので、営業開始に近い状態にすでになっております。たとえば乗務員その他につきましても、本線で百キロの区間を運転をしながら養成をするという段階に入ってまいっております。そのほか線路の保守上の問題、それから車両や電気の保守上の問題、すでにあとからあとからやっており、初めは三個編成でやっておったのでありますが、現在六個編成ぐらいになっております。それからあとからどんどんつぎ込みまして、実際運転に近づけながら養成もいたしますし、調査もするという段階に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/10
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011・野間千代三
○野間委員 各所ごとの要員の数等についても、もうできておると思うのですが、そういう方面についてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/11
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012・石原米彦
○石原説明員 回数は大体予想しておりますが、労働条件の詳細がきまりませんと確定はいたしかねますので、その細部の点にまでわたりまして現在組合と折衝中の段階でございます。したがいまして、定員を確定するという段階はもう少し先になります。しかし大体の数は予想して計画をいたしまして進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/12
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013・野間千代三
○野間委員 それではその段階でまた御説明いただくことにいたします。
それから、やはり組合との交渉の問題になるかと思いますが、給与の条件などはどうなりますか。たとえば、運転手、車掌等の乗務手当とか、あるいは電気関係の職員とか、そういう方面はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/13
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014・石原米彦
○石原説明員 それらもただいま条件の案をつくりまして折衝中でございますので、いま少しお待ち願いたいと思います。
なお、給与その他に伴います設備、寮とか宿泊所とか宿舎とかいう問題についても目下できるだけの工事を進めておりまして、これも工事の進みぐあいに伴って交渉の内容に入ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/14
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015・野間千代三
○野間委員 それでは、次に営業の形態ですね。いま支社という形になっているようですが、営業を開始するときには、営業の形態はどういうふうになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/15
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016・石原米彦
○石原説明員 お答えいたします。営業の形態といたしましては、現在は御承知のように新幹線局というのがございまして、これが工事の施行と開業準備につきまして責任を持って担当しております。しかし、開業後におきましては、新幹線支社が、中央と申しますか、全体的な責任を持ちまして、東海道新幹線全部を通じまして、東京から大阪まで全部の運営の責任を持つ。その下に先ほど申しました「所」の形で車掌所が東京、大阪に二つできます。それから運転所、これは車両の保守と乗務員の養成監督をいたしますが、この運転所が東京と大阪に二つできます。それから保線所が四カ所できます。東京、大阪、ほかに名古屋、静岡が入りまして、これは線路保守の責任を持つわけであります。それから電気所が、これも同じく四カ所できまして、これは電力、通信、信号関係、そういう電気の各種の技術の保守工事を担当いたします。保線所、電気所は、その下にさらに支所をつくりまして、これが数十カ所、二十前後でございますが支所をつくりまして、地域別にさらに細部を担当する。したがいまして、いま申しました「所」と申しますのは、従来の区よりも少し大きなもの、支所と申しますのは、従来の支区の分区の少し大きなものといった形になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/16
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017・野間千代三
○野間委員 第二条のいろいろある自動列車制御設備、列車集中制御設備、こういう運転上の「設備の機能をそこなう行為をした者は」ということになるのですけれども、こういう列車に、つまりこれは列車の管理になると思うのです。保守なり管理をする。支社とすれば、こういう列車の運行上の機能に対する管理をしていると思うのです。その管理をしているものに対してそこなうような行動があった、そういうものが第二条の場合罰せられることになると思うのですけれども、その場合に主としてこれは運転所の管理になると思うのです。そういう運転所の管理になるものに対して、運転設備を損壊をするという行動になると思うのですが、それは管理の方法はどうなるのですか。こういうことがあり得るような管理ということになるとも思うのですけれども、こういう非常に高度な車両なんですから、それに対する管理あるいは保守、そういうものは相当厳格に行なわれると思うのです。それに対して、この法案でいえば損壊をするという行動ですね、これに対する処罰ということになると思うのですけれども、いま伺っておりますと、主としてこれは運転所の管理になると思うのです。これはどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/17
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018・石原米彦
○石原説明員 お答え申し上げます。ただいまの御質問は、運転、保安に関係するもの、いわば保守管理責任は主として運転所が当たるのかという御質問でございますが、これは実際は各所が分担で当たることになります。要するに新幹線の全設備が安全に非常に深い関係を持っておりますので、全組織が安全に大いに関係いたしまして分担するかっこうになります。さらに具体的に申しますと、車両の検査、修繕、管理という問題は運転所がいたします。それから信号保安設備、あるいは通信設備、たとえば中央指令所から列車に対して直通の無線電話が常時かかるようになっておりますが、そういったような通信設備、それから電力設備、こういったようなものの検査、修繕、保守、管理という問題は電気所長の責任でやります。それから運転保安上、線路の安全という問題は非常に重要でございますが、これは保線所が責任を負ってやることになっております。そういうようなぐあいにいたしまして、おのおのが責任を分担いたします。なお、すぐには起こりませんが、将来車両の一般検査、修繕をいたすというのは、浜松工場が当たることになっております。そういう大修繕につきましては工場が責任を持つということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/18
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019・野間千代三
○野間委員 それはよくわかるのですけれども、つまり第二条の一項にあるようなことは、管理がきちっと適切であれば、そういう——とにかく東海道新幹線のような場合には、まず国鉄側の管理、保守、そういうものを確実に行なう以外に、この罰則にあるような行動が起こってからあとではおそいわけですから、その前に確実に国鉄側において保守、保安をしておく必要があると思うのです。これが前提だろうと思うのです。したがって、この罰則があるからそういう行動がないというふうに期待をすることは多少無理がある。またそれがあったのでは事故が起きたあとでは、法案にあるようにたいへんな問題になるはずですから、その前に国鉄側として十分な保安をする必要があると思うのです。そういう意味で、たとえば車両の中の自動制御装置であるとか、そういうものに一般の人が立ち入りができるとか、あるいは損傷ができるとかというような保守あるいは環境ですね、そういうものがあってはならぬじゃないかというふうに思うのですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/19
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020・石原米彦
○石原説明員 いろいろな施設を、車両を例にいたしまして、ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。
まず車両が一番高速度で走ります本線路、これは一番こわいわけでございますが、これは一昨日御視察いただきましたように、本線全部にわたりまして立ち入り禁止、立ち入りのできないようなさくを結うことにいたしております。これによりまして、立ち入らさないようにする。車庫につきましても同様に、軍の基地や何かと同じようなああいうさくを結うことにいたしております。それから車両に立ち入るのは特に危険でございますので、これはもちろん窓は全部固定式になっておりますし、出入り口はかぎをかけまして出入りができないようにいたします。もちろん車庫内には職員もおりますから、職員がおって警備と申しますか、監視の目がございます。それからさらに車両につきましても、いろいろな故障が起こりました場合、これは故意にやる場合もありましょうし、自然に起こる場合もありますが、それらに対しまして従来とはだいぶ段の違う安全さを考えております。たとえば特に重要な継電器といいますか、リレーといいますか、そういったものに起こる故障を事前に発見するということが非常に困難でございますが、そのようなものは二通り置きまして、一つが故障を起こしますと、自動的に他に切りかわって機能を継続するということになっております。あるいはブレーキなんかにつきましても、従来の鉄道につきましては、貫通制動機で、空気だけの操作によってやっておったのでありますが、電気的な操作と二重になっております。そういったようなぐあいに二段がまえにするとか、個々の機器の設計にいたしましても、故障の起こりにくいということに非常に重点を置きまして考えております。要するに、設計、製作、それから保守、管理といったような面につきまして、従来の鉄道とは格段にけたの違う注意を払って、万全を期することにいたしておるわけでございます。これはいま車両に例をとって申しましたが、電気の諸設備あるいは線路構造物その他につきましてもすべて同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/20
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021・野間千代三
○野間委員 たとえば運転所とか、それから車両、そういうものは建物があり、見張っておるのですから十分な処置ができると思うのですが、それとこの間も見たのですけれども、全線のさくですね、さくだけですべてを防御をすることになるのかどうか。それではたして十分であるかどうか。ほかにたとえば巡回をするとか、あるいはその他の方法があるかどうか。さくだけをおもにするということは、多少問題があるかと思いますが、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/21
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022・石原米彦
○石原説明員 ただいま線路に立ち入りまして妨害をするもののいわば人災の面につきましての御質問でございますが、これに関しましても何段がまえかに考えております。まず防護さくのことはすでにごらんをいただきましたし、申し上げましたが、そのほかに初列車が運転に入ります前に、まず露払い列車を運転することになっております。それは大体モーターカーでやることになっております。初列車が走ります前に、十一の駅間があります、その十一の駅間の上下全部に露払い列車を運転する。これは列車とは限りませんけれども、露払い車両を走らせることになっております。その際に、たとえば線路を妨害するとか、ものが置いてあるというようなことがありますれば、その夜中に起こりましたことは、全部そのときに確認をして線路から取り除くことができるわけでございます。
それから第二に、ただいまの防護のさくの問題であります。この監視の面といたしましては、これは人数がさいぜん申し上げましたように確定いたしておりませんが、保線所、電気所の従事員が大体二千三百程度になると思います。これはいわば線路上を職場とする職種でございます。これは特にそういう警備、保安とかいうことは目的にいたしておりませんが、車両あるいは線路あるいは電気諸設備の検査と修繕とを担当するものでございますが、しかしこれは作業をしながら自然に見ておりますし、また機械なり材料の運搬なりというものは全部線路上の通路を利用いたしまして、自然に目を光らせることになっております。大体キロ当たりにいたしまして四人強くらいの定員配置になると存じます。それから次に、列車が開業当初は大体三十分間隔程度の運転になります。上下を合わせますと大体一カ所で平均しまして十五分ぐらいに一列車が通ることになります。これは開業当初のダイヤでございますが、できるだけ早い機会にその倍ぐらいの列車回数にふやしたいと思っております。これはうまくいけば半年以内、おそくも一年以内ぐらいには五十五本ダイヤぐらいを組みたいと思うのであります。そういたしますと、大体上下おのおの十五分間隔ぐらい、合わせまして七、八分か、長くても十分ぐらいに一つずつ列車が通りますので、これが責任は負わせませんが、運転士の席が非常に高くなっておりますし、また全体の線路も従来の鉄道と比べてカーブは少ないし、築堤の高いところが多くなっておりますから、非常によく見晴らせます。これで列車が通りながら、運転士をはじめ、いろいろな事態が起こる、あるいは異様な人物がおるといったようなことになれば、それがおのずから発見ができる次第であります。さらに最後の手といたしまして、車両の前部を非常に強化しております。これは新聞その他にも出ておりますが、大体車両の前部の下の部分、エプロンと申しますが、おなかがふくれたみたいなものがその下に出ております。あれに十六ミリ鉄板を使っておりますが、さらにその中に十六ミリ鉄板を五重に張りまして、結局合計六枚の十六ミリ鉄板が張ってございます。これは日本の戦時中の戦車でもそんな厳重な厚さはございませんで、大体合計約百ミリ近くなりますので、これはソ連の重戦車ぐらいの厚さでありますが、従来の車両という観念からは非常に離れておりまして、これが最後のとりでになりまして危険防止をする。それから、これはあまり地面をすっていくことはできませんので、大体レール面上十五センチぐらいの高さで、その下にはゴムを、しかも二段に張りまして、その下をくぐってきたものはゴムの厚い板ではね飛ばす。それも一つではね飛ばし切れないのは二段がまえではね飛ばすというぐあいに考えております。いわば三段、四段というかまえで考えておるわけでございます。この法律案との関連について申し上げますと、やはり一番こわいのは、入ってきまして物を置くというのが実際問題として一番こわいのでありまして、これは現在の線路でも非常にたくさんございます。大体過去十年ぐらいの実績を調べてみますと、一日平均にいたしまして三件ぐらい物を置く事故がございます。これは石が一番多いのでございます。試運転線におきましても、これはおととしの六月に試運転を開始いたしましたが、すでに二十三件の石その他の物を置いた事故がございます。そういったようなことで、これは非常にこわいわけでございますが、大部分は知能程度の低い子供あるいは酔っぱらい、いたずらといったものでございます。それで、そういう大部分のものは、ごらんいただきましたさくを結ってございますれば、子供なんかはとうてい入れないようになっております。あれで全部を守りますので、いわば知能程度の低い子供や酔っぱらいの思いつきというようなものはあの物理的な工作で防げると存じますが、しかしどんなことをいたしましても、入る意思で計画いたしますれば防ぎ切ることはできませんので、ある程度の知能のある者がある程度の道具を持ってくればさくを侵して入ることは当然できるわけでございますが、そういったような知能のある者は、法律案で入ればえらい処罰を受けるのだということになりますれば、大いに反省する機会もあるだろうかと存じます。要するに、第一段目のさくは、知能程度の低い者には物理的なさくをしておきまして、それを侵して入れるような知能程度の高い者は法律案というような、いわば精神的なさくで防いでいただきますと、第一段がまず完全、その中に入ってきた者はできるだけの監視をいたしまして、最後の手ははね飛ばす、こういうくらいにかまえますと、大体万全を期することができるのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/22
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023・野間千代三
○野間委員 概括的に伺いましたので、大体概要についてはわかりましたが、もう一回最初の計画に返りまして、輸送計画ですね、この前の話では大体当初旅客が主であるように伺っておったのですが、旅客と貨物のほうはどうなるのかということと、それからいま言われた、先に露払いの列車が走るそうですけれども、この露払いの列車がどの程度の速度で最初の露払いをされるのか。それからいま言われたような諸設備を行なって、しかも全体としては相当人員を要する仕事になると思うのです。営業を開始されてから、いま言われたような設備を全部して、あと各般の要員配置をして、しかも法律案にあるような事態が起きないように営業しなければならぬということになると思うのです。そうなりますと、必ずしも機械力なりあるいは鉄さくなり、そういうものだけですべてを期待をするわけにまいらぬと思うのですが、そういう意味で人的な配置もこれから計画する場合に相当に考慮しなければならぬというふうになると思うのです。そういうことを考えますと、たとえば運賃等についても、そのときの経済情勢なりあるいは他の輸送機関なりいろいろな問題が関連すると思いますけれども、運賃問題等についてはどういうふうに考えておられるか、それについてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/23
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024・磯崎叡
○磯崎説明員 運賃の点、先に私が申し上げます。
実は新幹線をつくりますときから、これは現在の東海道線の輸送のふくそうを緩和するためだという目的でつくったことはもう御承知のとおりでございますので、あくまでも基礎運賃、いわゆる運賃そのものは現在線と全く同じだということを前提といたしております。したがいまして、一等、二等のキロ当たり運賃は現在と同じでございますので、ただ問題は特急料金を幾らにするかということだけの違いになります。これは現在、いま先生のお話しのとおり、やはり飛行機との問題あるいは自動車との問題、いろいろ競争機関の運賃も十分検討しなければいけませんし、また国民の負担力も考えなければいけませんし、また東海道新幹線自体の収益力も考えなければいけない、こういう各般の見地から、現在特急料金を幾らにしたらいいかということでいろいろ検討いたしております。大体現在の運賃と特急料金を合わせまして、場所によって違いますが、いまよりも三割前後、平均いたしまして三割ないし四割ぐらい負担がふえるという程度にいたしたいと思っております。と申しますことは、高くすればするほどやはりお客さんが飛行機に行かれるチャンスも多くなりますし、また大阪から先に行かれるお客さんの負担が非常にふえてきます。そういういろいろな角度から見まして、やはり現在運賃プラス現在料金の三割から四割ぐらいがもう限度だというふうに考えております。いろいろいまこまかい数字を当たっておりますが、もうしばらくいたしまして私どもの案ができましてから、正式に運輸省にお願いいたしまして運輸審議会にかけていただきまして、決定さしていただきたいというふうに思っております。現在特急料金につきましてはいろいろ検討している最中で、大ざっぱな目安が、運賃を含めまして現在よりも平均いたしまして三割から四割ぐらい高くなる、現在と同じところもございますけれども、高くなっても三、四割というところがむしろ逆に限度じゃないかというふうな考え方から検討いたしております。
その他の点については、石原理事から御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/24
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025・石原米彦
○石原説明員 御質問のございましたうちの、露払い列車をどんなふうに運転するかというお話でございましたが、これは大体モーターカーで、速度は時速五十キロ程度で運転することになると存じます。したがいまして、このときには何かありましても非常ブレーキを使ってとまれますので、危険はございません。
それから警備要員の配置の問題でございますが、これはさいぜん申しましたように人数自身が固まっておりませんので、具体的に詳細には申し上げかねますが、ただ公安職員のように権限を持った警備専門の要員は配置するつもりにはしておりません。さいぜん申しましたように、線路の保守あるいは電気施設の保守の要員が相当におりますし、それから列車がかなりひんぱんに通っておりますので、それらが乗務のかたわら監視もする、また相当監視もできるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/25
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026・野間千代三
○野間委員 大体わかりましたが、法案にある四条ですね。法案の内容等についてはまたあとから質問があると思いますので、少しだけ触れておきますけれども、第四条の問題等については、先ほど言われた保線所などの一キロあたり何名という人は、これは主として線路を保守をするという任務が主になると思うのですけれども、そういった場合に、第四条のような行為にはたして監視の目が届くかどうか、その辺はどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/26
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027・石原米彦
○石原説明員 第四条の「列車に向かって物件を投げ、又は発射した者」これでございますけれども、これは従来もだいぶんこういう事例もございますのですが、これは鉄道では原則として防ぎ切れないのでございまして、非常に因りますのですが、警察に緊密に連絡をとりまして、つい数カ月前にもございましたが、こういう問題が多発いたしましたような場合には、厳重に警戒を警察のほうに依頼しております。これは鉄道では線路外から起こってまいることでございますので、防ぐことはできませんのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/27
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028・野間千代三
○野間委員 それはもちろん国鉄の責任じゃないのですが、発射をするような場合は、これは相当遠方からでしょうけれども、投石などというものはそう遠いところからではないと思うのです。やはり国鉄のほうでも、ある程度監視といいますか、そういう程度のことをしておかないと危険ではないか。警察のほうはほかに任務があると思いますから。その辺はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/28
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029・石原米彦
○石原説明員 これは、従来の鉄道などと比べますと、相当高い築堤が大部分になっております。さらに、さいぜん申しましたさくが築堤の下に打ってあるというのが大体の構造になっておりますので、その点はよほど防がれると思っております。今度は線路のほうが低くなっておるところが、これは例外的でございますが、あります。そういうところは実は非常にこわいわけでございまして、ほかのところよりも厳重なさくを結うことを考えております。たとえば最悪の場合に自動車なんかが転落してくるというようなことがありますといけませんので、これは道路管理者とも協議をいたしまして、相当程度の強さのもので、ぶつかってもこっちへ飛び込まないようにする。さらにたとえば荷くずれをするとかあるいはそこから積極的ないたずらをするというようなものに対しまして、それを防げる普通の網と違う鉄板に近いもので、ある程度の高さで防ぐというようなことも、見おろしのところでは考えておりまして、現在設計をいたしまして、道路管理者とも協議をしておる段階でございます。営業開始までには、そういうようなものは全部整えるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/29
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030・野間千代三
○野間委員 一応終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/30
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031・川野芳滿
○川野委員長 泊谷裕夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/31
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032・泊谷裕夫
○泊谷委員 運輸大臣にお尋ねしたいのです。この新幹線の構想が発表された昭和三十三年には、たいへんこれは議論がありまして、極端な意見を吐く人は、世界の三ばかで、万里の長城だとか、またまた戦艦大和をつくるようなものだ、こういう意見が強かったことは大臣御承知だと思います。しかし、いかに道路を整備しようとも、急激な都市周辺の人口増と、それから高速度道路を設置しても車両別の速度の差、それから速度そのものの限界があり、これらで結果的に新幹線の設置がきまったわけですね。それで長い技術の経験を持つ国鉄をしてこれをせしめたわけでありますが、その中で最近新聞を見ますと、またまた高速度道路の発表が建設大臣からなされました。大阪まで三時間、いますぐとはいかないでしょうが、大量の人々を動かして、東京−大阪間を結ぶということになれば、勢いその希望は大阪から先、西のほうにさらに延長してほしいという声が急激に出るのではないかと思うのです。その場合に、最大のネックになると思います土地取得の問題が出てくると思うのでありますが、これに対して大臣は、土地取得に対してどういうお考えがあるか。河野建設大臣が発表いたしました高速度道路とのかね合い、役所が別々で単独に行なわれるということになれば、関連する居住者の補償の問題などもありますし、たいへん大きな問題になると思うのでありますけれども、大臣としてどういう構想をお持ちであるか、明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/32
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033・綾部健太郎
○綾部国務大臣 諸種の法律上の制限がございますので、それを厳格にやっていくならば防げるのではないかと考えておりまして、国鉄がこの新幹線を延長する場合についての特別な考えは、いまのところ私としては持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/33
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034・泊谷裕夫
○泊谷委員 そういうお考えがないということであれば、これからお話してもしかたがないと思うのですけれども、アメリカの鉄道は民営でありますから、民営を廃止して、レールをはずしてバスに置きかえる。それで四年間もアメリカで紛争を続けておることは御承知のとおりでございます。しかし日本の鉄道は国有鉄道ということで、公共性を持っておるということをかすがいにして、この大事業をされたと思うのです。これもまた国内の事情にぴったりしているということになりまして、いままでは二百キロなどということは夢物語だろうというふうに考えられておりましたが、しかし東京−大阪間三時間ということになれば、いまからその問題について答えを出さなければ間に合わないと思うのであります。その緊急性を大臣はお考えになっておらないのかどうか、もう一度お答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/34
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035・綾部健太郎
○綾部国務大臣 もちろん少なくとも岡山までは諸種の調査をいたしまして、必要性を痛感いたしております。そこでそれをどうするかについては、目下最善の方法を検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/35
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036・泊谷裕夫
○泊谷委員 次にお尋ねしたいのは、約二千億の費用をかけてこの工事を進めておるわけです。しかもそれが、先日の国鉄当局の話によりますと、鉄道技術研究所、ここが受け持っておる技術改善だけで約十億の金が使われておるだろうということを漏れ承っておるのですけれども、あわせてその新しい着想について伺いたい。一つの例を申し上げますと、架線とパンタグラフの関係で一つの着想が出た。その関係する人々の中で、私鉄の某幹部がそのパテントを登録する。こういう激しい競争を一面でさせておいて、公社自体にこの新しい技術改善、特に今回世界的に有名だといわれております先ほどからお話のありましたATC、区間に列車が入っておりますものの前方後方の列車を自動的に速度制限を行なう装置、それからCTCといって集中制御、これがあるというところに今回の鉄道の強みがあるわけでありますが、これらの技術改善に伴う費用も相当のものだと思いますし、二千億の工事費と一般鉄道経費の中でまかなうということは現状において困難な事態だということは大臣御承知だと思うのです。いろいろな事情から昭和四十二年には、国鉄は政府借り入れの利子を支払うだけで、年間営業収入の二割を納めなければならぬ。四十五万の従業員がまっ黒になって働いても、そのすべては利子を生み出すために働いておる、こういうことに現在なりつつあるわけでありますが、これについての大臣の打開策をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/36
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037・綾部健太郎
○綾部国務大臣 すべて国鉄に関する諸種の安全運転のため、あるいは厚生施設、要員給与等のため、あるいはすべての保守工事に要する費用等々を推算いたしまして、一定の金額が出ると思います。その金額をいかにまかなうかということが、国鉄としても大事であるが、国家としても大きな問題でございますからして、その点は大体三通り考えられると思います。すなわちその一つは、国の財政で全部まかなうということ、それから一つは、国鉄の運賃というものは、現在の指数におきましては、物価の上昇から言いまして一番低位にありますからして、これを運賃の値上げによって一般物価と平行するように、あるいは平均するように上げていって、一般大衆にその一部を負担してもらうということと、それ以外には国鉄がそういうようなことをして輸送に協力するゆえんのものは、国民もまたその一半の負担をすべきであるというゆえんからいたしまして、公債でやる、この三つより方法がないと思います。この三つのいずれがいいかということにつきまして、御承知のように明日から発足いたします国鉄の基本問題懇談会におきまして、関係当局等によりまして、そのうちのいずれが現時点において適正であるかという結論を得て、それによりましてその基本方針がきまりましたならば、それに従って順次実現いたしていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/37
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038・泊谷裕夫
○泊谷委員 先日国鉄の経理を中心にするお尋ねの中でおっしゃったことを、大臣はきょうもオーム返しにお話しされているのですけれども、私はやっぱり根本的なところがどうもくぎが抜けているような感じがしてしかたがないのです。その事情は、確かに政府出資あるいは運賃値上げそれから公債の発行、この三つによって財政をささえなければならぬという、それは大臣にお尋ねしなくても、私ども一年生でもわかるのです。大臣はやっぱり国の政治に直接執行の責めを負うわけでありますから、抜本的な姿勢というものを出してもらわなければいけないと常々考えております。そこで一面、河野建設大臣のほうは道路整備緊急措置法が出まして、五カ年間に四兆一千億投入する。条件が違うということは承知しておりますけれども、それでも一級国道なり二級国道を含めての舗装を六・七%延ばすという基本的なことが出ますし、閣議で決定するということは、閣議でげたをはくということになるわけです。今回懇談会に切りかえてあしたからできるというのでありますけれども、懇談会は政府に対してどれだけの権限を持つものであろうか、これがまず一つお尋ねしたいところでありますし、それから三つの打開策があるということで政府は懇談会というものを隠れみのにしている。自分たちが国の交通事情として考えるならば、やっぱり大衆の足であります鉄道、それからバス、トラック、これらのものを含めて一番先に手を染められなければならぬものだと思うのです、航空事業や海運と違って。それらについてまだ抜本的な方策が出ないということについて強い不満を持つのでありますけれども、これは私の希望にとどめておきます。強く大臣に御検討いただきたいと思うのでありますが、懇談会はどれだけの権限を行使できるものか、それを明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/38
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039・綾部健太郎
○綾部国務大臣 懇談会ができましたら、懇談会のメンバーは政府の関係それぞれの次官をもって構成しておるのでございますから、その申し合わせと言いますか、結論というものは、これを直ちに閣議で了解を求めまして、そうして閣議事項に持っていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/39
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040・泊谷裕夫
○泊谷委員 大臣にくどいようですが、もう一度申し上げておきます。先日国鉄整備緊急措置法案で、私どもの先輩である久保さんが提案理由の説明をした際にも、野党の私どもですら貨物運賃の適正な是正を必要とする時期に来たのではないかという話をしているのです。与党であり、執行の責めを負います閣議で港湾や道路と同じような姿勢をとらぬということについては、私は何と説明されても大きな不満を持つのです。今後各種の委員会が設置されても、それがそのとおり実施されるということは数少ないのでありますから、その点特に大臣に御配慮いただきたいと思うわけであります。
次に、お金のかからないことで大臣にやってもらえるものがあると思うのですけれども、これから国鉄を中心にお尋ねしたいと思います。
私どもは先日東京駅で、浩宮様がおいでになったときに模型の機関車の前から何としても立ち去らないというので、駅長さんがその模型を献上したという話を聞いてきたんですが、浩宮様ばかりではなくて、子供たちは本能的に汽車、電車というものを小さいときから楽しみにしておもちゃにしております。これは大きくなって変わるべきものだと思うのでありますけれども、先日鶴見事故の直後でさえ列車妨害の置き石あるいは障害物を落下せしめるという事故が出たわけでありますが、この種問題について一般大衆の協力体制をつくるということについて、閣議で議論をされた事実があるか。あるとすれば具体的にどういうものであるか。閣議でないとしても、大臣が中心になって関係閣僚とこの問題を練られた事実があるのか。あるとすればどういう構想のものであるのか。この内容を明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/40
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041・綾部健太郎
○綾部国務大臣 その問題の事故が閣議で議論が出たことはあります。私が閣議でさようなことの注意を喚起したことはしばしばありますが、どういうことをという具体的の問題については、いまちょっとはっきり記憶いたしておりませんが、閣議で問題になったことはあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/41
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042・廣瀬眞一
○廣瀬政府委員 いま大臣の御答弁になりましたことを若干補足いたしますと、私ども運輸省、国鉄一体となりまして——列車妨害、特に先ほど国鉄側から説明のございましたように、子供の置き石、列車妨害が非常に多いわけであります。これは閣議でもお話が出ておるようでございます。どのように事務的に具体的にやっておるかということでございますけれども、国鉄が中心になりましていろいろ沿線等に呼びかける、あるいはPR機関、報道機関等を利用しまして十分PRもやっておりますが、最近は特に文部省に依頼いたしまして、文部省のほうでも低学年の子供を対象にいたしました教育の内容に取り入れまして、積極的に小さいうちからの教育ということにただいま努力している最中でございます。文部省も非常に協力的にやってくれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/42
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043・泊谷裕夫
○泊谷委員 鉄監局長からの補足説明があったのですが、どうもこの点が、私はいままで鉄道で育ってきて釈然としないわけです。鉄道自体から見れば、森林の育成などについても国鉄はそれなりに協力体制をとっているわけです。交通特に線路内における問題は、国鉄なり運輸省だけにその主体性を持たして、施行上その他の管理については、国民全体的な問題として内閣がその責めの中心になる、こういう運動が展開されないように感ずるわけです。技術改良で、レールとタイヤの密着だとか、交流の電気を直流にして速度を上げるとか、いろいろその企業内ではせい一ぱいの努力をして、結局はビニールのトンネルをつくってその中で走ろうかとまで思い詰めて考えておる実態ですね。そういう場合における政府の受けとめ方というのが、何か運輸省と国鉄だけにその主体性というか、それにまかせっきりで、そういう気魄が見られないという感じがするのは私だけなんであろうか、こういう気持ちを持ちます。大臣は、特に運輸大臣ということで運輸省の仕事を担当されておるわけでありますから、閣内において、それが閣議全体のものとして、この問題について長い月日をかけて指導しなければならぬと思うのです。それに対する布石というものは当然なされてしかるべきだと思うのですが、いまは大臣のお話を、ことばじりをとらえるのではありませんが、議論されたことがあるというだけで、わしのほうから意欲的に提案をしていったということが聞けないのが残念であります。大臣、私の受けとめ方が間違っておりますか、大臣のほうから強く訴えたというふうに理解してよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/43
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044・綾部健太郎
○綾部国務大臣 問題によりましては、私のほうが主体性を持って閣議で申し出たこともあります。いろいろな場合がありますが、要するに私といたしましては、国民が鉄道というものに親しまれ、そうしていろいろな妨害をすることのないようにするよう努力することにおいては、人後に落ちないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/44
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045・泊谷裕夫
○泊谷委員 それでは、大臣のほうの質問は以上で終わりにしまして、国鉄側にお尋ねしたいと思います。
ずいぶん長いことかかって検討されてここまで来た。あと予想されるものということになりますといろいろありましょうけれども、先日試乗さしてもらって感じたわけでありますが、これも経験主義で話をするので、的を得てないかもしれませんけれども、国鉄の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
私が駅の助役を経験したときに、百人しか乗れない車両に百二十人満載をした場合、これは東京都心においては別だと思うのですが、総じて事故はないわけです。むしろ八十人ぐらいの中途はんぱなときに、えてして事故が多く出ている。この関係においては、従業員の精神の弛緩ということもありましょう、率直にそれは認めていいと思うのですけれども、しかし、二百キロで走って、障害物を発見しても、すべて計器そのもので許容される限界で制動していかなければならぬということになりますと、一名の運転士はほとんど機械に追い回されるという位置にありはしないか。これは野球の理屈でも同じでありますけれども、二対一ぐらいで、わずかの差で勝っておるときの勝っておるほうの投手は、八回、九回は逆に気が張って、えてして逆転されるというケースが数多く見られます。この理屈は、新しい電車に乗り込む運転士の諸君にも心理的な作用をするのではないか。一名そばにいることによって、自分の直視する範囲外のことについて協力してもらえるという気持ちのゆとりを持たせる必要が、恒久的にとは言わなくても、暫定的にも考える必要があるのではないかと思うのであります。国鉄当局としてはどういうふうにお考えであるか、明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/45
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046・石原米彦
○石原説明員 運転士の勤務の問題につきまして御質問でございますが、すでに二百キロの試運転を一昨年の九月から始めまして、ずっと乗務員の養成をやっておりまして、その間に医学的あるいは心理学的な検査などもいろいろいたしております。率直に申しまして、すでに相当ベテランの連中がおもに来ておりますが、中でも二百キロの高速運転をやりますと、初めは非常に疲労いたします。しかし、なれてきますと、速度が高いということによっての疲れというのはそうはあらわれない。したがいまして、これはある程度長期にわたりまして調べてみませんと、疲労度が、たとえば従来の鉄道運転の場合、あるいは路面の運転の場合、自動車の運転手の場合に比べてどういうことになるかというのがはっきりしないのでございますが、もちろん速度が高いことによりまして疲労のふえるという要素もございます。反面、いろいろ技術の進歩によりまして、苦労の減るほうの要素が非常にたくさんにございます。たとえば、現在運転士が一番心配しておるだろうと考えますのは踏切の問題でございますが、大体これは五百メートル足らずに一つずつ踏切がありまして、いつダンプカーが飛び出してくるかわからない。これはおそらく乗務員として一番心配しておることでございましょうが、これがこの場合は全然ございません。それから次に信号が、在来の東海道線のようなものは非常にひんぱんに信号がありまして、これを一つ見落としましてもいかなる結果が起こるかわからない。しかも、これが霧がかかったり雨が降ったりいたしまして見にくい、あるいはカーブがきつくて見にくいというようなことがございますが、今度は全部車内に、目の前にあらわれますから、制動装置その他を扱うだけで足りるというような点があります。そのほかの機器につきましても非常にデリケートになっておりますが、さいぜん御説明申し上げましたように、故障が起こりました場合にも、二段階、三段階の切りかえといいますか予備装置といいますか、そういったようなことがしてあります。これらはいずれも、安全に関します乗務員の精神的な不安というものを取り除く方向には働くことになります。その他のことで、実際問題としまして、非常に忙しいとか、非常に心労であるとか、疲労が高いとかいうことについての心配はそうないんじゃないかというように予想しております。さいぜん申しましたように、なおある程度の期間をかけまして、期間的に見ましてどういう問題があるかをなお調べる必要があると思いますが、最終的には労働組合と労働条件につきまして最終的な妥結を見なければならぬ問題かと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/46
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047・泊谷裕夫
○泊谷委員 石原常務からお話がありましたが、機械化され、近代化されるということのほかに、今度の最大のよさは踏切通過がないということは、これはいいと思います。それから、速度アップそのもので運転に従事する者の神経作用にそう影響があるかというと、これも私の経験からいえば、むしろ添乗しているほうが速度感が乏しくなりまして、列車と対峙して立っておりますと相当恐怖を持ちますけれども、運転士そのものは、その限りにおいては石原常務のおっしゃるとおりだと思います。なお私の乏しい経験から考えますと、突っ放された車両のブレーキがどうしてもきかぬという場合に、一度また締め直しますね。これは学説的にはどういうことになるのかわからないのですが、学校を出られた方々の考えられていることと実際の仕事をする者と違うのは、試運転のときには、お客さんを乗せていないという気持ちが強く走ります。これが客を乗せて二百キロの速度で衝撃を与えたらどういうことになるだろうかということになりますと、私はその当事者は全く気持ちは張りっぱなしだと思うのです。何かのささえを当分の間つけてやることが、採算論からいっては損に見えるけれども、全体的な面から見た場合には、考慮してしかるべきではないかと思いますので、最終的には組合と相談されることでありましょうけれども、一応御検討をいただけないものかと思うのであります。合わせて十四億かけて今度さくを設けることになって、たいした費用だと思います。数が少ないとはいえ、駅があり、ホームがあります。確かに列車の超特急は中線を通過するような仕組みになっております。せっかくあれだけのさくを立てても、駅のホームからそのさく内に入ることは無防備の状態になるわけであります。そのために関係駅のこれに対する監視要員といいますか——これはいまの場合科学的に阻止するということは不可能に近いことではないか、勢い人為的なものになってしまうことになりはしないかと思うのでありますが、それらについてのお考えがあれば、この機会にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/47
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048・石原米彦
○石原説明員 お答えいたします。いまの最初の乗務員は一人でなく、新幹線の場合は手をふやしたらどうかという問題につきましては、実は開業の当初には車両の検査の問題もございますので、なるべく検査係などの手をさきまして、いわば機関士、運転士のほかに検査の要員なども乗せまして、少なくともスタートは手の回る限りはそういうようなこともいたしたいと思っております。
それから駅の警備の問題ですが、駅で数駅——たとえば熱海駅などのように、通過線がホームのところを通っていくという構造になっているところがあります。こういうようなところにつきましては、ホームから出ていかないように、これは列車のほうの被害ということもごくわずかございますが、お客さん自身が列車に接近したことの危険ということもありますので、やはりこれはホームをずっと通してでございますが、何本かさくを上下させまして、防ぐことができないかということをいま設計的に考えております。つまりある程度以上のところには通過列車が通るときには接近できないようにするということができないかと考えております。それから、それ以外の駅ですと、お話にありましたように、線路を一つおいたさくを通過することになります。したがってホームから出ていけば駅員で制止する以外に防ぐ方法がないわけでありますけれども、列車のホームに人が入らなければならない時期までは、ホームになるべく人を入れないようにする、そして客の乗降のために必要なときだけ入れるというようにいたしたいと思っております。人がホームにおって、列車の妨害にならないようにしようと思っております。最終的にはこれは人手にたよらなければならないと思っております。
それからなお一般公衆は、駅も全部高架になっておりますので、一般公衆が入ってきますときまでは 途中線路も同様であろうと思いますが、途中線路以上に、これはむずかしい問題であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/48
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049・泊谷裕夫
○泊谷委員 先日の試運転に乗って、私なりにどういうことになるだろうかと不安を持っておりますのは、線路の保守なんです。線路の保守については、今回新しい技術導入で、従来よりはずっと安定感があるように感じました。感じましたが、現状においては夜間しか保守はできないわけですね。三十分ヘッドで続行する列車を離していくということになりますと、勢い線路の保守は夜間ということになると存じますが、先ほどの野間君の御質問に答えて、石原常務は、モーターカーなどによる露払いをやるということでありますが、その程度で済むものかどうかということについてたいへん疑問を持つのです。それ以外に措置が考えられないものかどうか、構想があればお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/49
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050・石原米彦
○石原説明員 線路の保守のやり方につきまして御質問がございましたので、お答えいたします。
線路の保守は、御指摘がありましたように、非常に重要な問題だと思っております。これは昼間検査をいたしまして、夜間の列車のないときに修繕をするという、従来のやり方と違いまして、検査と修繕を分けることを考えております。これは昼間の明るいときによく見まして、時間のあるときにゆっくり修繕をする、こういう分け方になります。従来は線路を回りまして検査をいたしたのでありますが、今度は、検査の主体になりますのは、軌道検測車と申しまして、車両を走らせまして、その車両の中で、振動であるとか、線路の狂いであるとかいうものは全部測定することになっております。この軌道検測車は、おそらく世界であれだけ完全なものは他に絶対にないと思っております。これを一週間に少なくとも一度、開業当初は一週間に二度ぐらいずつ走らせようと思いますが、それによって線路のあらゆる条件がグラフになってあらわれるのであります。それをもとにして、いわば生きた車両が通過するときの状態で線路の状態を調べるということになります。それからさらに列車に、大体上下二個列車ぐらい中に測定装置をつくりまして、毎日これは車両の振動状態を調べることによりまして、線路の状態を調べるということを考えております。ですから大体従来のものに比べまして動的な検査をする、それから検査と修繕を分けるということ、それからその検査と修繕を極力機械化するということ、それらによりまして、従来よりも人手は若干少なくてもけた違いに十分な検査ができると思っております。
なお、異常の事態、たとえばあらしのような場合の警戒体制というものは、大体従来の鉄道の警戒体制に似たようなものによりまして全力を傾注することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/50
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051・泊谷裕夫
○泊谷委員 石原常務は担当ですから、機械化で振動車の優秀なものも聞いておるのですが、道床決壊なんということは、そういう列車通過だけでこれは阻止できないのじゃないか、やはり原始的といわれますけれども、相当人為的な方策を立てておかなければならぬと思いますが、それについては自信がおありですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/51
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052・石原米彦
○石原説明員 さいぜんの答弁の最後に申しましたように、異常事態に対しましては、これは検測車のような機械的な措置ではわかりませんので、従来と同じように、いろいろありますが、まず危険個所には警備員を配置する。それからそれまでに至らないところは巡回警備をするというような人の面で防がなければならない。それも雨の量あるいはあらしのひどさによりまして、第一種警備、第二種警備というようなものを発動いたしまして、人の手の動員のしかたを何段にもかまえて考えております。この点は、在来の線路と同じようなことになります。
それから一番大事なのは、あらかじめ——これは天気のいい日に一ぺんにくずれるということは絶対ありませんが、ある程度以上の雨量になり、あるいは出水があったような場合にだんだん危険が出てきますので、どの程度の雨が降りますとどの程度の狂いがあり得るかということをあらかじめよく測定しておきまして、危険の起こります前に十分な警備員を配置する。これは機械ではございませんで、人手をもって十分な警戒に当たるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/52
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053・泊谷裕夫
○泊谷委員 常務、具体的なことで恐縮ですが、いまのお話を要約すると、一種警戒、二種警戒で人為的に人を出す、こういうお話でございますね。そうしますと、いままであります保線区担当職員は、従来と同じように固定しておいて緊急の事態に対処する、こういうふうに理解していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/53
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054・石原米彦
○石原説明員 これは従来の保線区の配置よりも担当区域が一般に長くなって、したがって反面機動力をつけるというようなことに考えております。危険個所というのはおのずからきまってきますので、それに対しましては機動力を発揮して、勤務個所からそれにかけつけて事前に間に合うように警備をするということと、それからさらにこれは取り扱いの実施面でございますが、少なくとも開業半年くらいの線路の落ちつかない前は、まえびろに列車を徐行させるとか、あるいは列車の運転をとめるとか、安全側の措置をとる腹を実は固めておるわけでありまして、十分に自信がつくまでは極力安全側の措置をとるというのを方針に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/54
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055・泊谷裕夫
○泊谷委員 最終的に労使双方できめていただくことになりますけれども、石原常務のおっしゃる機動性があっても、試験車が通過したあと、この直後に列車が突っ込んでいるという事例が数多く出ている。ですから、それは一種、二種で、ある人をある地点まで運ぶことについてのスピードは増したと思うのですけれども、ある程度それから先というものは、やはり担当区域を受け持って、人為的にその人間の足で世話をするよりいまの場合考えられないのじゃないかと思うのです。そういうことについてお尋ねしたのですが、その部分は含まれているかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/55
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056・石原米彦
○石原説明員 警戒の機動性の問題でございますが、道路を利用し得るものはできるだけ道路も利用いたします。なお線路のいわゆる保線通路というのは片側に一メートル幅、反対側に半メートル幅というのをとりまして、従来のいわゆる線路わきの犬走りよりもだいぶ広い幅をとっております。したがいまして、これが整備いたしておりますので、大体スクーター程度のものでは移動ができると思います。それから夜間は列車が通りませんので、この場合にはモーターカーその他を使いまして、相当大規模な機械部隊が移動できることになりますので、昼間の突発的に起きたような場合と夜起きた場合と別々になりますけれども、列車が通っている場合も、機動力は通路から見ましても、道路の機動力からいいましても、従来よりも格段に強くなっておりますし、夜間には機械化部隊が線路の上で十分に活動できるというようなかっこうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/56
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057・泊谷裕夫
○泊谷委員 お話によりますと、きょうはお昼で終わりだそうでありますから、またあとでお尋ねすることにしまして、きょうはこれでおしまいにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/57
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058・川野芳滿
○川野委員長 久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/58
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059・久保三郎
○久保委員 この際資料の要求をいたしたいのです。一つは、新幹線が秋に開業になりますが、新幹線の将来にわたる収支の推移、どういうふうな予想を立てておられるか、これはもちろん運賃の立て方によって違いますが、これが一つ。
それからもう一つは、この法案に関係いたしますが、この法案では、たとえば列車の自動制御装置とか、新しいものが出てまいりましたが、これに類する既成線の信号保安とかいろいろなものがございますが、これに対して営業法なりあるいは刑法に基づく犯罪がどの程度あるか、あるいは線路に立ち入ったり、線路に石を置いたりという犯罪の最近の数字、これは二年ほどの推移を見ればいいと思うのですが、それを出していただきたい。
それからもう一つは、要員の配置でありますが、いわゆる支社そのものでどの程度あるか。それからもう一つは、現場機構として運転所なりいろいろあるようでありますが、そういうものでどの程度必要なのか、そういう人間というか、要員関係。
それからもう一つは、労働条件にもなりますが、宿舎の関係がどういうふうに計画されておるか、そういう資料。
それからもう一つは、先ほど石原常務からもお答えがありましたが、想定される開業並びに開業一年後における列車の運行ダイヤ、これはある区間だけでけっこうです、全区間は要らぬかもしれませんが、そういうものが資料として出していただければけっこうだと思います。
以上、さしあたりお願いしておきます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/59
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060・川野芳滿
○川野委員長 この際おはかりいたします。
航空に関する小委員の員数を一名追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/60
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061・川野芳滿
○川野委員長 御異議なしと認め、それでは壽原正一君を小委員に指名いたします。
次会は来たる十二日火曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03219640508/61
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