1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月二日(火曜日)
午前十時十三分開議
出席委員
委員長 川野 芳滿君
理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君
理事 西村 直己君 理事 久保 三郎君
理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君
木村 俊夫君 佐々木義武君
進藤 一馬君 壽原 正一君
高橋清一郎君 高橋 禎一君
中馬 辰猪君 西村 英一君
増田甲子七君 井岡 大治君
勝澤 芳雄君 島上善五郎君
泊谷 裕夫君 野間千代三君
藤田 高敏君 内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
委員外の出席者
運輸事務官
(鉄道監督局国
有鉄道部長) 深草 克己君
日本国有鉄道総
裁 石田 礼助君
日本国有鉄道常
務理事 河村 勝君
専 門 員 小西 真一君
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六月一日
委員佐々木良作君辞任につき、その補欠として
西村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
同月二日
委員島上善五郎君辞任につき、その補欠として
藤田高敏君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員藤田高敏君辞任につき、その補欠として島
上善五郎君が議長の指名で委員に選任された。
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六月一日
鹿児島本線の電化及び複線化に関する請願(池
田清志君紹介)(第四一〇四号)
放出貨物駅拡張に関する請願外九件(井岡大治
君紹介)(第四一三三号)
同外二十三件(井岡大治君紹介)(第四一五一
号)
同外二十九件(井岡大治君紹介)(第四一九二
号)
同外四十二件(井岡大治君紹介)(第四二二二
号)
同外四件(久保田鶴松君紹介)(第四二二三
号)
同外四件(久保田鶴松君紹介)(第四二四八
号)
同外四件(久保田鶴松君紹介)(第四二六一
号)
同外九件(久保田鶴松君紹介)(第四二八二
号)
同外八件(久保田鶴松君紹介)(第四二八六
号)
農林畜水産関係物資国鉄貨物運賃公共政策割引
の恒久制度化に関する請願(佐々木秀世君紹
介)(第四一三四号)
九州地域の国際観光地及び国際観光ルートの総
合的形成に関する請願(池田清志君紹介)(第
四二五四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(
内閣提出第一〇八号)(参議院送付)
日本国有鉄道の経営に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/0
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001・川野芳滿
○川野委員長 これより会議を開きます。
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましてはすでに質疑を終了いたしておりますので、これより討論に入ります。
別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/1
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002・川野芳滿
○川野委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/2
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003・川野芳滿
○川野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定しました。
なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/3
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004・川野芳滿
○川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/4
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005・川野芳滿
○川野委員長 次に、国鉄の経営に関する件について調査を進めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/5
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006・川野芳滿
○川野委員長 参考人出頭要求の件につきましておはかりいたします。
日本国有鉄道の経営に関する件について、日本鉄道建設公団総裁太田利三郎君から参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/6
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007・川野芳滿
○川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
なお、参考人招致の日時等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/7
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008・川野芳滿
○川野委員長 御異議ないと認め、さよう決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/8
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009・川野芳滿
○川野委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/9
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010・久保三郎
○久保委員 国鉄当局にお尋ねするわけですが、先般新聞に報道されたところによりますれば、何か四十年度を起点にして長期計画を一応策定しているようであります。これはもちろんまだ政府部内においてもコンクリートはしていないだろうし、さらには基本問題懇談会というものを設けて、四十年からの長期計画、これは資金計画を含めてやっていこうということでありますので、この懇談会にも時間的にいってまだその意図するところを伝えてはおらぬと思うのであります。そういう時期でありますから、私が二、三お尋ねをするのは、そういう進行過程にあるということを前提にして二、三お尋ねするのですが、一つは、この発表されたようなものは、国鉄として資金計画その他は抜きにして、現状から大体この程度は改良を必要とするというような観点から一応策定した策でありますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/10
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011・河村勝
○河村説明員 いまお尋ねのございました新聞に報道されました今後の長期計画の問題でございますが、これはいまお話がありましたように、内閣に設置せられた国鉄基本問題懇談会において御審議いただくことになっておりまして、われわれといたしましては、その御審議をいただくための基礎データを整理いたしておる段階でございまして、それがたまたま何かの行き違いで新聞に漏れまして、何か国鉄がそういった長期計画を発表したかのように疑いを持たれましたことは、たいへん遺憾に存ずるところでございます。そういうわけで、これは単なる御審議をいただくためのデータを整理しておる段階でございますので、まだ計画と言えるような性質のものではないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/11
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012・久保三郎
○久保委員 そうしますと、討議の素材として提供しようとした案が新聞に出たということでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/12
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013・河村勝
○河村説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/13
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014・久保三郎
○久保委員 そういうことでありましょうが、実際新聞などは論説においてもこの問題を実は取り上げておるわけであります。そこでやはりこういう新聞等に取り上げられた問題の所在点は、今後十分これを勘案して、懇談会にも持ち込み、政府部内にも持ち込んで、整理をしないというと、再び混乱が起きると思うのであります。そういう点を御配慮いただきたいのが一つであります。
そこで国民的な感情から申し上げますならば、ある新聞の論説にも取り上げておりましたが、第一次、第二次五カ年計画とも、御承知のように、一二%ないし一三%の運賃値上げを見合いにして実はすべり出した、ところが第一次、第二次の——第二次は進行中でありますが、これは四年で打ち切り、打ち切りについては大体六、七〇%——七〇%はまいりませんで、五割ないし六割で計画が挫折するといっては語弊がありますが、約束どおりうまくいかなかった、こういうことで、これに対してはかなり強い不満があろうかと思います。特に現在進行中の第二次五カ年計画では、東海道新幹線は時代と輸送の要求から、なるほど年度内に計画どおり一応一〇〇%完成、今年秋開業という段取りになりましたが、その他の関係は御案内のとおりこれは六〇%を下回るほどであります。こうなりますというと、特に通勤輸送などは五割程度でありますから、これではなかなかどうも、再び三たび長期計画を起こそうとも、国鉄がやることについてはどうも信用がならぬ、こういうふうになると思うのです。この一つの原因は、いわゆるこの計画自体にオーソライズされたものがないということ、さらにそれがなおかつ、かてて加えて資金計画に見通しがない、こういう二点だと思うのです。これに対して国鉄当局はどういう反省を今日いたされているのかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/14
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015・河村勝
○河村説明員 ただいまのお話のように、国鉄の五カ年計画その他長期計画が一般からオーソライズされたものでなかったところから確かに破綻を生じたわけでございまして、そういう意味でわれわれとしても深く反省するところがございまして、今回政府与党その他関係の方々とのお話に基づきまして、内閣に基本問題懇談会が設置されましたのも、そういったところから生まれたものでございますので、この基本問題懇談会で詳細にわれわれの提出しますデータを検討していただきまして、今度は間違いのない計画を策定していただきたい、そういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/15
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016・久保三郎
○久保委員 それからもう一つは、この運賃の調整というか、値上げというかわかりませんが、総裁もきのうも予算委員会でこれに言及されているようであります。もちろんこの運賃の調整というのは、別な観点から論議をしなければならぬと思うんですね。これはもちろん密接な関係がありますが、運賃論というのはいわゆる経営全体の問題であります。輸送力増強も経営の問題ではございますが、それ以上にやはり一つの範疇としてとらえて論議され、正しい方向を見出す必要があると思います。ところが、たまたま今までも、先ほど申し上げたように、改良計画と並行して問題を論議されるところに、私は運賃の問題にゆがみが来ていると思うのであります。でありますから、これはいわゆる国鉄が今日総括原価方式でとる、あるいは負担力主義に基づくところの運賃制度をとっているということと改良計画と関係はありますが、これは別個の問題としてやはり論議すべきだと思うんですが、どうもたまたまこういう改良計画が出ますれば、当然金の問題が出ますので、運賃の値上げというか、調整についてどうしても先走って論議される。これでは混同されますし、第一次、第二次計画でも経験済みのように、これを先行して論議するとどうも計画どおりいかない。ことばをかえて言うならば、もっと長期の安定的な見通しの上に立って、その中での改良計画というものを立てる筋合いではなかろうかと思うのですが、そういう考えはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/16
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017・河村勝
○河村説明員 これも新聞に一部報道されましたが、総裁が運賃の問題に言及されましたのも、これはそういう一つの考え方として発言されただけでありまして、われわれとしましては今後の長期計画を策定するに際して、相当大きな設備投資のための資金を必要とすることだけは予想できますけれども、その資金をいかなる方法で調達し、どういう形で経営をバランスさせるかということは、これは全く別問題でございまして、われわれは運賃値上げであろうと何であろうと、政府出資であるとか、あるいは公共負担の是正であるとか、いかなるものによってもさしつかえないわけでございます。そういう何らかの方法によって資金が獲得できて、しかも国鉄経営の安定ができさえすればよろしいのでございまして、そういった方法論はすべて基本問題懇談会その他の御審議の結果いかんによっておきめいただくことが望ましい、そういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/17
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018・久保三郎
○久保委員 河村常務は、大事なところは全部げたを懇談会に預けるという、これも一つの方法でございます。でありますから、国鉄当局としては運賃の問題に言及する必要は今日ただいまない。それは運賃論は別途の立場で、別途の場所でやることが正しいと私はさしあたり思うのです。もちろん、この改良計画が一応総合的な立場から立てられる際には、当然考慮さるべきものは運賃でありますが、だからといって、いまお話しのように、運賃だけじゃない。むしろ、今日やらねばならぬのは、公共負担の問題をどう理解し、どう処置するか、あるいは投資不足と日本経済の発展との関係からして政府の責任というものはどうあるべきか、こういう点を追及されるのが先決条件だと私は思う。そういう意味で資金計画その他についても当然政府の責任なり公共負担の処置というものを優先的に解明し、措置したあとにおいて、なおかつどうするかは、これは運賃の問題に言及する以外に方法はない。でありますから、そういうことを考えると同時に、もう一つは、運賃の問題は御案内のとおり最近のような物価の上昇に伴って軽々にこれを論ずるべきでないと私は思う。だからそういう点を警戒しながら懇談会を通し、政府に対し要望してもらいたい、かように思うわけであります。そこでわれわれどもはこの国会に日本国有鉄道整備緊急措置法案というものを出しておりますが、これはものの考え方として御承知かと思うのでありますが、一つには、計画をコンクリートする、オーソライズする、そのためには、国鉄自体が立てたものは政府がこれを承認する。それからもう一つは、資金の問題でありますが、これまた政府の責任を明確にする。おおよそ三分の一については政府の責任で処置してもらいたい、こういうのがものの考え方であります。こういう思想をぜひ懇談会なり何なりを通してやはり堅持されるのが賢明な方策かと思うので、この点も要望しておきたい。
それから次に、先ほどお話しのように、発表されたか、漏れたかわかりませんが、その中には幹線の輸送力増強ということで、山陽新幹線の問題が出ております。これはその通りになるか、ならぬかは別といたしまして、ものの考え方としては一部にはあるわけです。ところが、東海道新幹線はこの秋に開業するわけです。でありますから、二百五十キロ、二百キロという速度で走る列車というか、特殊な列車、さらには東海道の輸送力、こういうものを見てから今後かかる形式のものをどうするかは考えるべきであって、少なくともまだ開業に至らないものを基礎にして長期計画といって押し進めるのは、私は少しせっかちじゃないかと思うのであります。
それからもう一つは、運輸省で先般出しました「運輸経済図説」でありますが、これによりましても実はふしぎでたまらぬのであります。実はこの書物の中に、主要線路の利用状況があります。これには二つの方法で図示してありますが、一つは飽和度がどの程度か、あるいは飽和の比率は幾らかということでありまして、これはたいへん的確な資料だと思いますが、たとえば、山陽本線の神戸−門司間の飽和度はなるほど九八%になっておる。ただし、この飽和の比率は二〇%。ところが、それ以外にたとえば東北本線は、飽和度はなるほど八三%だが、この飽和の比率は五五%。あるいは常磐線は八九%の五〇%、こういうふうになっておる。あるいは鹿児島本線についても同様であります。門司港から八代間でありますが、飽和度が一〇五%、飽和の比率が八一%。こうなりますれば、どれを先にとるかというのは順序がある。なるほど将来の伸びは、瀬戸内海沿岸ベルト地帯というところも、これからの成長度を見ればあるかもしれない。しかし、これには御承知のように道路網の整備というものがあわせ行なわれているのであります。でありますから、むしろ道路網の整備があまり行なわれない地区の、いま私が指摘しましたような地区を先べんして取り上げるべきだと私は思うのです。これ以上にあると思うのです。だから、そういう点で、山陽新幹線のごときはまだまだ長期計画に載せる時期では私はないと思う。部分的な線増はもちろんありましょう。そういう点について当局はどう思っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/18
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019・河村勝
○河村説明員 いま運輸省でお出しになりました飽和度、飽和率の数字は、実は私は見ておりませんので、どういうところを基礎にしたか、よく存じませんが、おそらく飽和度というのは線路容量であり、飽和率というのは一日中を通じた乗車効率ではないかと思うのでありますが、それがどれほどの意味を持つのか、少しわかりかねるところもございます。しかしながら、いずれにしましても山陽新幹線ですか、これも発表したわけでも何でもございませんで、そういう計画を持っているというわけではございませんが、広軌で新幹線をつくりました関係で、ほんとうに幹線の輸送力をフルに活用するにはこれを延長していかなければならぬ必然性があるということは言えると思うのでありますけれども、それが、緩急順序がどの程度になるかということは、いまおっしゃったようないろんな事情を検討しまして、これから慎重にきめていかなければならぬ問題であろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/19
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020・久保三郎
○久保委員 河村常務はごらんにならなかったようですが、飽和度というのは平均列車回数を線路容量で割ったもの、それから飽和比率は、列車回数が線路容量をこえる区間の延長を全延長で割ったもの。でありますから、むしろ飽和比率を重点に置いてものを見たほうが正しい、こういう意味なんです。
それで、山陽線のごときは二〇%であります。鹿児島本線、東北本線、常磐線という、そういう区間は五〇%並びにそれ以上、こういうようになっていますから、これはわりかた正しい見方だろうと私は思うのであります。いずれにしても山陽新幹線の必要があるかどうかということについては、私はちょっと疑問を持っているのです。というのは、大体東京−大阪間ならまあまあ、あとの区間はどうかというふうにも一つには考えるし、先ほど言ったように総合的な輸送力のつけ方、こういうものを考えますれば、どうもあまりせっかちにやるべきではない、むしろいま困っているところをどうやるかということだと思うのです。
それからもう一つは、だいぶ数字が出ておりましたが、二兆九千億ですか、でありますが、この金はかなり大きな金であります。しかし、その中で安全対策というものに対してどの程度か、残念ながら新聞の報道ではあまり的確に行なわれておりません。ただ立体交差を幾らかやるというだけでありますが、先般も当委員会の小委員会から、結論として国鉄の安全輸送に対して何項目かにわたっての指摘がなされました。これは国会において当然承認され、当時運輸大臣も国鉄の当局もこれを承認いたしましたのでありますから、四十年度からの長期計画においては、この小委員長報告どおり優先的に計画の中に入れらるべきだ、かように考えておるのでありますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/20
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021・河村勝
○河村説明員 先ほど申し上げましたように整理中のデータでございますので、具体的にどれくらいということは申し上げられませんが、いずれにいたしましても安全対策については万全を期するというつもりで、今後計画してまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/21
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022・久保三郎
○久保委員 もちろん小委員長報告の具体的内容でありますから、これらについては逐一具体的に、数字その他を積み上げて計画されるべきでありますね。
それから次には、最後でありますが、二兆九千億という計画は、もちろん現時点においては妥当かもしれません。しかし、これは言うなれば経済の発展をいまのような状況で野放しにしているという中で国鉄輸送があとを追いかけるという態度の数字だと私は思うのです。そうであってはならぬと思うので、私自身提案説明の中でも申し上げたように、これはやはり強くチェックしないというと、輸送力をさらにつければそこに過度集中が生まれる。これはイタチごっこであります。こういう愚かしさはこの際やめるべきだと思うのであります。これは一国鉄だけの力と計画では不可能だと思う。むしろ政府全体の立場からこれをやるべきだと思う。そういう意味で、深草鉄道部長はこういう問題についてどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/22
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023・深草克己
○深草説明員 ただいまの件でございますが、実は国鉄から説明を伺った今度の構想でございますが、もちろん五年ないし六年の計画もございますが、その前提といたしまして、十年程度先のことも考えております。それによりますと、ただいま先生のおっしゃいました、あとあとをくっついていくというようなあれでございませんで、相当意欲的に、少なくとも戦前並みの需給関係に返りたいというような長期の構想もあるわけでございます。それの一環として今回の五年ないし六年計画が立てられたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/23
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024・久保三郎
○久保委員 あなたのおっしゃることと私の質問はちょっとずれがありますので、失礼ですが、あなたのおっしゃるのは、国鉄側は先行投資の姿に置きかえたいという意味のようであります。もちろん先行投資けっこうでありますが、私はその前の話をしているのでありまして、たとえば都市の通勤輸送の緩和にいたしましても、それでは都市の膨張の問題をこのままにして、その中で輸送力をつけていくという場合には、現状の上にさらにこれが混雑を増し、膨張を増していくということが、一つ例としてあるのですね。あるいは太平洋沿岸ベルト地帯の問題、東海道筋でありますが、これにしても、輸送力をつければつけるほどここに集中していく、これは否めない経済の事実であります。そういうものを政策的にある程度チェックし、分散するということは、今日だれもが言われている。これはなかなかむずかしい。むずかしいんだけれども、やらぬければイタチごっこの形をとっていくだろう、こういうことであります。ぜひそういうチェックの方法を政府部内で考えて、その中における先行投資を含めたところの国鉄輸送のあり方、こういうものをやっていくべきだと思う。私は、そういう点をどう思うかをお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/24
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025・深草克己
○深草説明員 いわゆる輸送需要の分散の問題だと思います。一つは通勤輸送でございますが、これは前々からわれわれとしても主張をいたしておりまして、政府全体としましても、効果はまだ十分ではございませんが、たとえば学園都市の問題とかその他つとめ場所の郊外移転というような観点から取り上げているわけでございます。それから貨物輸送の需要の分散の問題でございますが、これまた、先ほど指定になりましたたとえば新産都市の問題、こういったことも一つの輸送力の分散、輸送需要の分散の問題になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/25
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026・久保三郎
○久保委員 時間もありませんから以上で切り上げておきますが、願わくばいま私から申し上げたようなことを含めて、十全を期してもらいたい、こう思うし、われわれの提案した筋合いについても十分理解してやってもらいたい、こう思っておるわけです。
最後に申し上げますが、何といってもやはり資金の問題だと思う。資金の問題については運賃の問題を先鞭つけて論議する場所はない、こういうふうに国鉄当局も運輸省も考えてやってもらわぬというと、やはり第一次、第二次の失敗をさらに繰り返す、こういうことになると思う。その点を要望して一応質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/26
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027・川野芳滿
○川野委員長 藤田高敏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/27
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028・藤田高敏
○藤田(高)委員 本日の委員会の日程はたいへん詰まっておるようでございますので、簡潔に以下数点、特に予讃線関係について御質問をいたします。具体的に適切な御答弁を願うために、昨日あらかじめ問題点だけは事前に事務的に申し上げておきましたので、要領よく御答弁をお願いいたしたいと思う次第です。
まず第一点として、準急料金、急行料金は原則的には距離、キロによって設定しておられると思いますが、その点は間違いないのかどうか、また宇高連絡船、青函連絡船のように、国鉄が運営しておる連絡船の距離算定についてはどういう基準で算定をしておるのか、この点をまずお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/28
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029・河村勝
○河村説明員 急行料金を例にとりまして、距離三百キロ未満、三百キロ以上というように分けておることはそのとおりでありますけれども、これは一列車ごとに計算するのでありまして、列車がかわればこれは別に計算する、そういうたてまえになっております。それから宇高、青函等の連絡船は、特別の運賃を別につくっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/29
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030・藤田高敏
○藤田(高)委員 準急については一律、急行については三百キロを限度にしてそれ以内とそれ以上、一列車ごと、こういう基準設定によって料金設定がなされておる点については理解できるわけですが、ただ私は愛媛の出身として、あるいは四国の出身として、かねがね非常に不合理に思っておることがあるわけです。それは宇高連絡船は、国鉄が経営し管理しておる。ところが普通四国へ帰る場合に、尾道から今治経由で帰る場合、あるいは東京から岡山まで帰って、岡山から乗りかえて広島に出るというような場合と、四国に帰る場合とはケースが違うわけですね。というのは、宇高連絡船で帰るという場合には、普通列車の乗りかえとか列車ごとというそういう基準ではなくて、国鉄連絡船を利用する場合には、それ以外にコースがないわけです。そういう場合に、一つの例でありますが、東京から帰る場合に広島まで帰っても急行料金は一緒だ、ところがその広島に匹敵する今治ないしは松山あるいは徳島そういうところへ帰る場合には、高松でまた新しく準急券ないしは急行券を買い直さなければならぬ、これは非常に不合理じゃないかと思うのです。この点については、いま河村常務の御答弁もありましたが、料金設定をしておる、一列車ごとに乗りかえるという、そういうものと基本的に性格が違うという立場で、追加料金的な急行券ないし準急券を新しく買い直さなければいかぬということは、ぜひ是正すべきじゃないかと思うわけですが、この点についてのお考えを承りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/30
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031・河村勝
○河村説明員 連絡船が間にはさまっているといないとを問わず、すべて乗り継ぐ場合には、別の料金をいただいておるわけです。四国あるいは北海道の場合に、ほかの直通する手段がないからという特殊事情はございますが、総括的に見まして、そういう別々に急行料金をいただくという体系でもってすべての収支計算をいたしておる関係で、議論としてはいろいろな見方があろうかと思いますけれども、現在それを動かすことは、全体の体系をくずすことになりまして、経営上も重大な問題を生ずることになるので、ごかんべんいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/31
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032・藤田高敏
○藤田(高)委員 私は、体系上の問題があるというのであれば、こういう料金設定をしたそれ自体に体系の矛盾があるのじゃないかと思う。私は、経営上ということになれば、不合理なことであっても、国鉄は利用者あるいは国民に対するサービスよりも経営上、経理上の理由で、そういう料金設定をやっておるということになると思うのです。それであればますますもってそういう不合理な新たな料金を取るような制度——制度といいますか、仕組み、システムは、これは当然やめるべきじゃないかと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/32
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033・河村勝
○河村説明員 もしやめるということになりますれば、全体の急行料金をそういう仕組みでもう一ぺん先に直しまして、現在より高い急行料金を設定しなければならぬという勘定になるわけでありまして、まあそういう点もあわせ考えまして、今後検討さしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/33
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034・藤田高敏
○藤田(高)委員 これは先ほどの答弁にもありましたように、距離できめておるのですから、乗りかえしても同じ国鉄の線でずっと行くのであれば、あくまでも距離できめていくのが合理的じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/34
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035・河村勝
○河村説明員 その理論としては、いろいろあろうかと思うのでありますけれども、理屈を言えば一本の列車を通していく場合のコストと、それから別々に仕立てる場合のコストとは相当の違いがあるということが言えるわけでありまして、まあしかし理論としては、先生のおっしゃるような矛盾点もないとは申せません。そういう点を全部総合してどっちがいいかという判断になるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/35
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036・藤田高敏
○藤田(高)委員 この一本の列車ごとという場合に、先ほども例を引きましたが、たとえば東京から大阪まで帰って、大阪で一つの所用をたして、これからまた乗りかえてそうして岡山に帰るとか、あるいは愛媛に帰るという場合と、私がいま言うように東京から直通で松山まで帰る、あるいは高知まで帰る、あるいは徳島まで帰るという場合とは、これは性格が違うわけなんです。ですから、通しでいく場合には、私は、急行料金あるいは準急料金の新たな購入制度といいますか、購入し直さなければいけないような、そういうシステムはぜひ早急に改善すべきだと思うわけですが、近い機会にいわゆる前向きの姿勢で検討され、改善される御意思があるかどうか、この点ひとつ承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/36
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037・河村勝
○河村説明員 途中に用事があっておりる場合ということに限定されませんので、かりにたとえば東京から酒田まで昼間の汽車で行こうとすれば、新潟行きの急行に乗って新津まで行って、それから羽越線の急行に乗るという場合は、途中で用向きがなくても別々の急行料金をいただいておるわけでありまして、いま先生のおっしゃるのとはちょっと違うのです。そういうこともございますので、いまここでもって簡単に、全部通して急行券を売りますということを申し上げるわけにもまいりませんので、そういったすべての点を勘案して、今後検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/37
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038・藤田高敏
○藤田(高)委員 私の質問要領も悪いかもわかりませんが、私は釈然としないのは、例を引いたたとえが悪かったかもわかりませんけれども、これは岡山でもいいのです。岡山から急行で四国へ渡る場合、あるいは大阪から渡る場合、非常に不合理だと思うのは、大阪から広島まで約三百二、三十キロでしょうか、これを仮定として三百キロとする。ところが宇高連絡船で新居浜並びに今治まで帰る、徳島まで帰るときには、距離としては大体同じなのです。その同じ距離に対して急行でいえば二百円よけい出さなければいかぬ、準急券でいえば百円よけい出さなければならぬというのは、不合理だとは思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/38
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039・河村勝
○河村説明員 いろいろな事情で三百キロまでと三百キロ以上というふうに一律に二つに分けてあるところに問題があるのでありまして、かりにこれが五百キロあるいは七百キロというように刻めば自然と矛盾は解決するわけであります。そういう点もやはり考えていくべきであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/39
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040・藤田高敏
○藤田(高)委員 それでは、この問題については、私がいま指摘しておる要素だけでなくて、他の要素もあるようでございますので、ぜひこれは料金改定あるいはその他先ほど久保議員が指摘しましたような将来に向かっての問題を含めて、もよりのこの種の合理化問題を検討されるときにぜひ善処してもらいたい、検討してもらいたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
第二点は、同じ料金問題に関連をするわけですけれども、座席指定についてです。座席指定制度というのはどういうところから国鉄当局としてはつくっておるのか、その理由がつまびらかでないわけです。これまた予讃線の問題について指摘をいたしますと、高松から松山までのこれは一種の準ローカル線といいましょうか、そういう短距離の線でわずか二両しかつないでない。この六月の一日から一両ふやして三両になったようでありますけれども、わずかのこういった短距離で、しかも二両ないし三両しかつないでいない列車を全部座席指定にするということは、私は非常に不合理だと思う。これは地元といいますか、予讃線を利用する人の意見を聞いてもらえばわかると思いますし、すでに高松当局にはそういった陳情も出ておると思いますが、これは明らかに利用者のサービスを重点に考えておるのではなくて、極端にいえば料金を取ることのほうが目的のようにさえ思われるわけです。この点については、せっかくそういう準急の線を一本ふやすという措置をとられることが、こういう全部を座席指定にすることによって非常に不評判を買うておるわけです。この点については、こういった二両、三両編成の車両については全部座席指定にすることについてはやめてもらいたい、これに対する見解をひとつ聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/40
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041・河村勝
○河村説明員 座席指定制度の趣旨といいますのは、いつ行きましても安心確実にすわれるというところの魅力にあるわけでございまして、そういう意味で一般の要望が非常に強かったために全部座席指定にしたというふうに聞いておりますけれども、いま先生がおっしゃいましたように、六月一日から一両増結いたしましたので、その分は、それによって年間の輸送需要は十分満足できるというふうに地元からの報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/41
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042・藤田高敏
○藤田(高)委員 いや、私の質問は、そういった列車を全部座席指定にするのは不都合じゃないか、これは座席指定じゃなくともいいんじゃないかということを言っておるわけです。これは現地の事情をあなたは知らぬのじゃないかと思うのです。これは乗ってみたら大体すいているのです。それほどまでに座席指定にしなければいかぬほど私はその列車は込まないと思うのです、何回か利用していますけれども。そういう列車に対して全部座席指定にするのは不都合じゃないか。これでも六両ないし七両編成して一両あるいは二両程度、三分の一ぐらい座席指定にするというのであればわかりますけれども、たった二両ぐらいでそれを全部座席指定にするなんていうのは、これは岡山から東京まで直通の特急とかそういうものであればわかりますけれども、準急列車についてそういうような全部座席指定にするというのは、これはよそにあるのですか、他の線にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/42
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043・河村勝
○河村説明員 それはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/43
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044・藤田高敏
○藤田(高)委員 どういうところにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/44
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045・河村勝
○河村説明員 たとえば東京−熱海間の準急のようなものは全部座席指定にしております。しかし、いずれにしましても、一両増結しなければならぬというのは、いま先生がおっしゃるように、いつでもすわれる状態でないから一両増結と相なるのであろうと考えるのでありますけれども、いずれにしましても私地方の事情をよく確認しておりませんので、これは地方にまかせてある問題でございますので、なお四国地方の事情もよく聞きまして結論を出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/45
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046・藤田高敏
○藤田(高)委員 私が他に例があるかと言ったのは、まあ東京−熱海間のことは私もいなか者でございますけれどもあらかた知っております。しかしながら、一種の僻地と目されるようなそういう地方にあるかということを尋ねたわけであります。座席指定を編成する場合には、先ほど常務も言ったような理由のある場合に座席指定をするのが常識だと私は思うのです。しかし準急列車が二両編成ぐらいのもので全部座席指定にするのは、どう考えても地元の声としても不合理だ、こういうふうに私としては考えるわけであります。これは地域の利用者の立場からいけば、これまた先ほどの準急ないしは急行券の料金問題ではございませんが、ぜひ全廃をしてもらいたい。そして、これは座席指定にしないで準急として一ぺん走らせてみて、どうしても座席指定にせざるを得ないという理由が発生した場合においてやってみるというのが順序ではないかと思うのです。そういう点で、ぜひ国鉄当局としては、四国の鉄道管理局ですか、そちらのほうにそういう指示ないし要請をしてもらいたい。これは私、不勉強でこの機会に事務的なことをお尋ねしておきたいわけでありますが、そういう権限は四国の管理局にあるわけですね。その点ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/46
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047・河村勝
○河村説明員 先ほどお答えしましたように、四国支社に十分検討させたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/47
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048・藤田高敏
○藤田(高)委員 次に、先ほど先輩議員のほうからも質問がありましたが、実は私もしろうとながら、一昨日でしたか国鉄のいわゆる第三次国鉄増強計画というものに関連して若干質問したいと思っておったわけでありますが、先ほどの答弁を聞いておりますと、これはいまいろいろな資料作成の段階であって、具体的にこういう第三次計画というものが正式な決定版として出たものではないのだ、こういうことでありますし、かたがたきょうの日程は詰んでおるようでございますので、その点についての質問は留保いたしたいと思いますが、ただ一つ、将来第三次計画というものが出るとすれば、初年度を四十年度にするという点についてはどうも間違いないように思うわけでございます。そうしますと、例の新産業都市の建設も、これは四十年度から始まるわけです。そうして、政府の新産都市計画に関する基本方針の内容を、指定された十三地区についてことごとく検討してみましても、いわゆる交通網の整備ということが重点項目としてあがっております。また新産都市を形成する場合に当然のこととして、国鉄を中心とする交通網の整備ということが重要な課題として取り上げられることは、これまた当然でございます。そういう点からいって、特に東予新産都、あるいは徳島新産都の場合に、予讃線を中心とする四国線の複線化の問題ということはこの第三次計画とも関係がありますが、第三次計画の発表があるとかないとかということを越えても、新産都問題と四国線の複線化という問題が具体的な日程にのぼってくると思うのです。この点について、国鉄当局としてはいつごろから予讃線についての複線化というものについては手をつけられる御計画なのか。そういう点がいま計画策定中であるといえばそれまでかもわかりませんが、将来に対しての見通しをひとつお聞かせを願いたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/48
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049・河村勝
○河村説明員 予讃線につきましては、高松−多度津間が非常に線路容量が逼迫しておりまして、現状においてももう増発余力がありませんので、これは新計画とは別に手配をしなければならぬというふうに考えております。現在すでに高松方から一部着工しておりますので、資金手当その他が順調にまいれば、四十年度末ぐらいまでには高松−多度津間は複線化していけるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/49
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050・藤田高敏
○藤田(高)委員 四十年度中には高松−多度津間が大体複線化ができる、工事ができるというわけですか。そうしますと、ものはついでではございませんが、予讃線の幹線としては大体松山までが一つの重要地域ですし、かたがた、新産都のなにから言いますと、むしろ多度津から今治、松山にかける間が重点になると思うのです。新産都の地域としては愛媛の川之江から今治の区間でございますので、むしろ、その区間の複線化というものは大体何年ごろになりましょうか。これはひとつ念のためにお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/50
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051・河村勝
○河村説明員 それ以後の問題につきましては、先ほど申しましたようにデータを整理中でございまして、いま具体的なお答えをするわけにはまいりませんので、われわれの一応の計算によれば、それ以外の地区はかなりおくれても間に合うのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/51
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052・藤田高敏
○藤田(高)委員 せっかく高松−多度津間を四十年度までにやるということであれば、継続してこの新産都市の中心地帯になる地域に複線化を実現さしていくことが順序じゃないかと思うのです。いわゆる中を切らないで継続的にやっていくというそういう努力をされることが当然ではないかと思うわけですが、その点についてのお考えをひとつ聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/52
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053・河村勝
○河村説明員 必ずしも機械的にそういうふうに考えるわけにはまいりませんので、全国的に隘路区間がたくさんございますので、そういうものとのバランスをとって考えていくべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/53
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054・藤田高敏
○藤田(高)委員 それは私も何事も決して機械的にはなされないくらいのことは常識問題としてわかりますが、しかし一応そういう方向に沿って努力をされる御用意があるかどうか。もし、これは失礼な言い分ですけれども、常務として、実質的にはあなたのところで計画を立てられるわけだから、あなたたちのところでそういう努力をしようということになれば、よほど政治的な事情がない限り、そういう計画というものは前を向いて進むと私は思うわけだけれども、私が答弁を聞いておると、何かあなた自身の答弁のほうが機械的だというふうに感じるわけです。たまたま運輸委員でないやつが来てこういうふうに質問しておるから半ば小ばかにしたのかどうか知らぬけれども、あなたの答弁のほうが機械的だと思う。よその委員会に私二回ばかり出たけれども、もう少し誠意を持って答えますよ。そういう点では、いま少し、木で鼻をこすったというか、そういう態度じゃなしに、私は誠意を持って答えてもらいたいと思う。そういうことでなければ、私も時間の関係があるからやめるけれども、実際言うたら、もっと突っ込んで聞きたい問題があるのだ。だから、そこらについてはいま少し誠意を持ってお答えを願いたいということと、私の要求としては、せっかく四十年度に多度津までできるということであれば、いま言った国の計画案から言っても、国鉄の輸送計画だけではなくて、新産都を形成する池田内閣の——われわれにとっては問題点はありますよ。社会党の立場から言って言い分はあるのだ、あるけれども、しかし池田内閣の基本的な重要施策として新産業都市を形成する方向を打ち出しておるのだから、これとのからみ合いにおいては、当然複線化の問題というものは西に向いて、多度津から松山方面に向いて延長されることが当然じゃないかと思うのですね。これは機械的な問題ではなしに、筋の問題だと思うのです。政治の施策の正攻法の施策としては当然そうあるべきだと思う。そういう観点からひとつお答えを願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/54
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055・河村勝
○河村説明員 予算的にまだ確定しておりませんところでありますけれども、それでも多度津までは四十一年度末までにはやりたいと申し上げたので、決して機械的な答弁をいたしたつもりはありませんでしたが、それより西の問題につきましては、先ほど久保委員の御質問に対して目下データを整理中であると申し上げたとおりでありまして、新産都市の指定がありましても、それが一体どういうスケールで行なわれるのか、どういう見通しを立てられるのか、そういう点を検討いたしませんと、実際複線化が必要であるかどうか、これはわかりませんので、そういう意味でわからないと申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/55
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056・藤田高敏
○藤田(高)委員 新産業都市の建設問題については、いま御承知のように政府が二月、三月の段階で全国十三地区に対して基本方針を出しましたね。そうしていよいよ七月ないし八月くらいまでにそれぞれ指定を受けた各県においては具体的な基本計画を出してきなさい、こういう一つの段階です。そうしますと、当然愛媛の東予新産都の地域にとっては、予讃線の複線化という問題を具体的に計画に載せてくると思いますね。しかも、先ほどの河村さんの答弁では四十年度と言われた。これはいまの答弁とちょっと違ったと思うのです。これは事務的なことですが、四十一年度末ですか、それとも四十年度末ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/56
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057・河村勝
○河村説明員 四十一年三月です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/57
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058・藤田高敏
○藤田(高)委員 四十一年三月だったら四十年度末、これは間違いないですね。四十年度末ですから、四十一年の三月末までには多度津までが複線化できるということであれば、先ほど来から私が指摘しておるように、新産都の計画案がことし出てくるということになれば、当然これは指定を受けた地域としては、東予の場合を例にとれば、愛媛は多度津まで複線化されておるのだから、そのまま続いてやってもらいたい、こういう計画案が出てくることは、これは河村さんが、もし新産都計画の責任者になっても私は考える案だと思うのですよ。そういうことになれば、なるほど責任ある立場としては、まだ正式に計画案がきまってない、それに対する予算の裏づけも確定してないということになれば、確定的なことは言えないにしても、そういった新産都計画の推移から見て、予讃線の場合には当然引き続いて複線化するための努力はやってみようというくらいなことは答弁されてもよろしいのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/58
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059・河村勝
○河村説明員 それは非常に御無理な質問だと私は思うのでありまして、目下データを整理中であって、それが一体どういう結論になるかがわからないわけでありますから、結論がわからないものに対して、ただ地元の要望があれば努力せよというのは、少し御無理じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/59
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060・久保三郎
○久保委員 関連して河村常務、それはあなたのおっしゃる表現がよく通じないのだろうと私は思う。だから結局、いま藤田委員が言っておるように、新産都市の計画案が現実の問題として現在進められつつある。あなたのおっしゃることはそのとおりなんですが、それは結局前向きで検討すべき事項である、そのとおりですね。検討しなければならぬ。その答弁が、質問者の側から言えば実はあってしかるべきだという考えだと思うのです。あなたのは至って簡明直截過ぎて、どうもほんとうのことが通じないのではないかと私は思う。どうですか、そういう意味ではないですか。当然国の施策として進めているのですね。そうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/60
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061・河村勝
○河村説明員 それはそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/61
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062・藤田高敏
○藤田(高)委員 いま助言的な関連質問で、大体私も理解できたと思うのですが、決して私は地元が計画を立ててきたからそれをやるべきじゃないかということじゃなしに、むしろ国の方針として新産都形成というものは出ておるわけですから、地元からそういうことが出る前に、当然新産都をつくっていくという国の基本方針として、いわゆる国鉄を中心とする交通網の整備の中には、極端に言えば地元のほうからそういう計画案なり要望がなくとも、国の方針としてはそういう方針でやっていく、こういう積極性が、前向きの姿勢があってもよろしいのじゃないか、こういうふうに私は思うわけなんで、そういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/62
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063・河村勝
○河村説明員 先ほどから申し上げましたように、当面だけでなしに、将来に向かってのその地帯の経済成長の見通しを立てて、それに基づいて複線化が必要であるかないかを判定するわけでありますから、いま先生のおっしゃるとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/63
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064・藤田高敏
○藤田(高)委員 きょうは、これ以上この問題について申し上げても、河村常務としてもこれ以上の答弁はできがたいと思いますので、私としては最後に要望をいたしておきたいと思いますが、多度津まで複線化するということであれば、具体的にこれから第三次六カ年計画ではないけれども、この中にも、きょう私はこれに触れることは目的にしませんが、たとえば四十年度から山陽線の新幹線の工事に着手するとか、準主要幹線の複線化も進める、こういうふうにこれは先ほどのような性格のものとしてきょうは受け取っておきますが、そういう複線化の問題についてはぜひ重要施策として入れてもらうように強く要望しておきたいと思います。
最後に一つだけ、これは非常に事務的なダイヤ編成について、これはここで質問をしたり、国鉄当局の労をわずらわすまでもなく、地元で解決をしたらよろしい程度のものでありますが、この予讃線の場合、急行ないしは準急列車のために普通列車ないしは通勤列車が犠牲になっておるわけです。これは国鉄の運輸行政としても、それこそ先ほどのこの計画案ではないけれども、通勤列車を重点的に改善をしていきたい、こういう御構想もあるようですが、そういう立場からいっても、ぜひこれは早急にダイヤの改正をやってもらいたいと思うわけです。個々の問題は省略しますけれども、ひどいのになりますと二十分から二十五分ぐらい待たなければいかぬことになっておるのです。しかもこれが全部通勤列車なんです。これはちょっとひど過ぎますね。それはああいった線ですから、場合によれば三分、四分の時間の待ち合わせということはありましょうけれども、二十五分から汽車がとまっておるなんというのは、私は名物になると思うのですよ。これはぜひ国鉄当局からも四国のほうへ強く相談をしてもらって、最も早い機会に現在のような状態を改善するためのダイヤ改正をやってもらいたい。
特にせっかくの機会でありますので、そのことに関連をして、全く事務的なことになりますが、いま新居浜地帯というのは御承知のように住友の工場地帯があるところなんです。ちょうどいま西条どまりというのが夜中の二十三時〇三分、下りが同じく新居浜を二十三時四十一分というのがあるのですが、せっかくこういうダイヤを編成するのであれば、たまたま二勤の交代勤務者がこの列車を利用するので、それをいずれも利用できるようにいま少し時間のやりくりをしてもらったらこの通勤条件を非常に緩和するわけです。この列車が利用できないために、二勤者で通っておる労働者がいわゆる仮眠施設に四時間ないし五時間泊まって、あくる日帰ってまた出てこなければいかぬ、こういう不便がありますので、非常にこれはささやかな問題かもわかりませんけれども、せっかくの予讃線についての質問なり予讃線に関連をする改善策について要望をいたしました機会に、当局としても善処を願いたい。この点、ひとつ要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/64
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065・川野芳滿
○川野委員長 次会は来たる五日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104603830X03919640602/65
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