1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月四日(水曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 丹羽喬四郎君
理事 加藤 高藏君 理事 木村 守江君
理事 瀬戸山三男君 理事 廣瀬 正雄君
理事 福永 一臣君 理事 岡本 隆一君
理事 兒玉 末男君 理事 山中日露史君
逢澤 寛君 天野 光晴君
稻村左近四郎君 木村 武雄君
正示啓次郎君 田村 元君
服部 安司君 堀内 一雄君
堀川 恭平君 松澤 雄藏君
渡辺 栄一君 井谷 正吉君
金丸 徳重君 中嶋 英夫君
西宮 弘君 原 茂君
玉置 一徳君 吉田 賢一君
出席国務大臣
建 設 大 臣 河野 一郎君
出席政府委員
厚生事務官
(児童局長) 黒木 利克君
郵政政務次官 金丸 信君
建設政務次官 鴨田 宗一君
建設事務官
(大臣官房長) 平井 學君
建設事務官
(住宅局長) 前田 光嘉君
委員外の出席者
大蔵事務官
(管財局国有財
産第一課長) 宮川 国生君
文部事務官
(社会教育局社
会教育課長) 福原 匡彦君
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社総務理事 平山 温君
日本電信電話公
社営業局長 千代 健君
日本電信電話公
社施設局長 橋本 一郎君
参 考 人
(日本住宅公団
総裁) 挾間 茂君
参 考 人
(日本住宅公団
理事) 稗田 治君
参 考 人
(日本住宅公団
理事) 水野 岑君
参 考 人
(日本住宅公団
理事) 関盛 吉雄君
参 考 人
(日本住宅公団
宅地開発部長) 浅野 英君
専 門 員 熊本 政晴君
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二月二十九日
委員渡辺栄一君辞任につき、その補欠として江
崎真澄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員江崎真澄君辞任につき、その補欠として渡
辺栄一君が議長の指名で委員に選任された。
三月三日
委員吉田賢一君辞任につき、その補欠として竹
谷源太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員竹谷源太郎君辞任につき、その補欠として
吉田賢一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
日本住宅公団法等の一部を改正する法律案(内
閣提出第四五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/0
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001・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
日本住宅公団法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
この際、おはかりいたします。
本案審査のため、日本住宅公団の総裁挾間茂君、理事水野岑君、理事関盛吉雄君、理事稗田治君、宅地開発部長浅野英君、以上五人の諸君を参考人として、意見聴取をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/1
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002・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
参考人からの意見聴取については、質疑応答の形で行ないたいと存じますので、御了承願います。
なお、電電公社当局が御出席になっておりますから、申し添えておきます。
本案に対する質疑を続行いたします。兒玉末男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/2
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003・兒玉末男
○兒玉委員 この前の質問に引き続きまして、住宅公団関係について御質問をいたしたいと思います。
この前の質問で、総裁はたいへん力んで答弁されましたが、私は、御年配でありますし、あまり感情的にものを言っているつもりはございませんので、冷静なお気持ちでひとつお聞きとり願いたいと思います。
この前私が御質問した中で、こういう点が特に問題だと思うが、どうかということでございましたが、総裁としては、そのようなことは知らないというふうに言われたわけですけれども、やはり火のないところには煙も立たないということわざもございますが、実は私は質問しました翌日、大阪に参りまして、直接現地には参りませんでしたけれども、いろいろな人たちに事情を聞いたわけであります。ところがその周辺なりまたはこの光明池団地よりもきわめて交通の便利なところでも、まだ、この公団が買い上げた四千百円という価格よりも、その三分の一以下で買える敷地がたくさんある。しかも今度のこの光明池団地は二十数万坪という非常にまとまった団地でございますから、単価の面においても、むしろより安く購入できるのが至当ではないか、しかも当初大阪支所においては千円以内であったならば買い取っても損はないだろう、しかも先ほど申し上げましたように、いわゆる団地の適格性というものについて、特に排水なり上水道なり道路取りつけに一キロ以上の工事が必要だ、こういうことが具体的に指摘をされているように私は聞き及んでおるわけですが、現在そこの団地はどういうふうな見通しと、それから現在どのような整地作業がなされているのか、またこれに対してどの程度の予算でりっぱな住宅団地として利用できるのか、まずこの点について御答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/3
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004・挾間茂
○挾間参考人 ただいま兒玉委員からお尋ねのございました点につきましては、前委員会において私より具体的にお答え申し上げたわけでございますが、当初に申し上げておきたいと思いますのは、泉北丘陵地帯の大住宅市街地造成計画というのは、かねて大阪府においてごく内的に調査研究を進めておられたのでございます。その前に、御存じの千里丘陵の大団地造成計画がございまして、その進行と見合いつつ、泉北丘陵地帯の大団地造成という計画を進める予定でございました。三十七年におきまして大体具体的な案ができて、大体八百万坪前後、人口四十万という計画で進められておるのでございます。その一環といたしまして、先般も申し上げましたように、国有地の払い下げ、また国有地の出資つまり信太山でございますが、それと私のほうで今回購入いたしました光明池地帯というものを合せまして、約六十万坪を住宅公団において造成するという計画で進めておりますが、なおそれよりも広くこの地帯の開発をいたしたいと思っております。と申しますのは、御存じのとおり、堺市から泉大津、和泉市一帯におきまして、臨海工業地帯の異常な発達が計画されておりまして、すでに住宅地帯としての背後地が非常に緊迫してまいっております。これに伴って約八百万坪の宅地造成をするという計画が具体化してまいっておるのでございます。全面買収方式によりまして、この光明池地帯の買収をいたしたのでございます。
この評価につきましては、いろいろだだいまお話もございましたが、私のほうで調査したところによりますと、時点において相違ございますが、たとえば三十六年七月に原野坪六千円で購入したところもございまして、これは時点修正を、不動産研究所の物価指数表を参照していたしますと、七千七百四十円ということになるのであります。なおこれは三十五年一月でございますが、二千円で購入をしておるのがございますが、これを時点修正いたしますと二・〇四倍ということになりますので、四千八十円という、これは山林でございます。なおそのほか山林につきまして、三十七年に四千円で購入したところもございまして、これは時点修正をいたしますと、一・〇三倍ということになりますので、四千百二十円ということになります。不動産研究所の調査に基づきますと、四千二百円という数字が出ておるのでございます。折衝の結果四千百円でこれを購入したのでございます。時価といたしましては適正な時価であると考えておりますし、またこの泉北丘陵地帯は、現在大阪府において計画しておるその一環をなすものでございますので、公団はこの信太山地帯と光明池地帯と合わせて、まず第一段階として、これに五十九万坪の宅地造成をいたしたい、こういうふうに考えまして、今年当初購入いたしたのでございます。この計画は早急に着手をいたしまして、造成をすみやかに完成して、宅地の造成をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/4
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005・兒玉末男
○兒玉委員 私はこの前の質問を繰り返すわけではないのですけれども、本日は、宅地開発部長なり担当理事もお見えになっておるようですが、総裁は、この地域が不適当であるということに対する大阪支所からのそういう監査書というものは知らないということを言われましたが、少なくとも担当理事なり開発部長等は、直接その担当の衝に当たるんでありますから、総裁は万事御存じはないと思うのですけれども、その買収金額が十五億近いという膨大な国費を使うわけでありますから、少なくとも地理的条件なりあるいは現地の実態というものは、いま少し慎重なる調査と配慮が私は必要であろうと思うのですが、ほかの担当者は、私が先般質問いたしました内容について、何らその事実を知らないのかどうか、その点について、ひとつ担当理事なり開発部長のほうから、責任ある御答弁を私は求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/5
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006・関盛吉雄
○関盛参考人 ただいま総裁からお答えされましたとおりでございますが、公団の宅地造成の計画といたしましては、関係公共団体のいわゆる大規模な土地造成計画あるいは都市計画というものに合わせまして、大規模に実施しようということにつきましては、三十八年以来建設省からもこの委員会で御説明があったことと思うのであります。したがって、近畿圏の区域につきましては、当初各団地のいろいろな特色について、各支所におきましては調査検討いたしておったのでございますけれども、先行的な大規模な宅地造成という基本的な態度がきまりました三十八年度事業計画から、そういうことが具体化することになりましたので、したがって、その地域の取り上げ方なり、あるいはこの公共投資の関連のこなし方なりを総合いたしまして、この地域の決定は、先ほど総裁からお話が出ましたような検討を、所要の機関を経て行ないました結果、公団といたしまして、事業の実施計画を立てるという段階において買収計画を進める、こういうことになったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/6
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007・兒玉末男
○兒玉委員 先ほどの総裁の答弁によりますと、不動産研究所の査定した価格が絶対的なものであるように言われますが、少なくとも不動産研究所だけに限定すべきでなくて、大阪には有名な銀行もたくさんあるわけでございます。こういう金融機関等は、おそらく公平なる経済価値というものを算出する有力な調査機構を持っておるわけですが、こういう金融機関等の調査には全然依頼していないのかどうか、不動産研究所だけが最も信用ある評価が出せるものかどうか、その点について総裁の見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/7
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008・挾間茂
○挾間参考人 調査につきましては、不動産研究所も調査をいたしました。それからなおその他の参考資料といたしましては、近傍における類地の最近の売買実例を多数参照いたしました上で決定をいたしたわけでありまして、時価といたしましては適正な時価と思います。なお御参考までに申し上げておきたいと思いますが、ただいま申し上げました国有地、すなわち防衛庁の所管に属します信太山の国有財産の払い下げ、なお出資の価格について申し上げますと、国有財産につきまして払い下げを受けましたのが三十七年十月、出資を受けました五万五千坪は坪当たり四千百七十円でございます。三十八年に国有地の払い下げを受けましたのが五千九十円でございます。国有財産の出資並びに払い下げの価格等もこのような状況でございますので、彼此勘案をいたしまして、適正な価格である、こういうふうに考えたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/8
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009・兒玉末男
○兒玉委員 総裁は非常に買い入れ価格のことに固執しておられるようですが、大阪支所の、大体千円程度だったら買ってもいいというふうな、口頭か文書か知りませんけれども、四千円では高過ぎるという、そのような反対意見があったということは全然知らないのかどうか、その点、総裁がわからなければ、担当理事なり開発部長は、あえて四千百円が最低の価格である——その付近は現在でも千円程度で買える土地があるということを、私は実は大阪に行って聞いたわけです。なお、私は有力な銀行を通じて、現在この地区の価格はどうなっておるかという調査も実はいたしておりますが、四千円ということにどうして総裁は固執しなければいけないのか。たとえば防衛庁から買った敷地が三十七年で四千百七十円だと言われるけれども、私はむしろ宅地の場合は、そういう地域であれば、まだまだ安く買うことこそが、宅地造成の上からも、あるいは地価抑制の上からも、建設省の基本方針でもあると思うのですが、そういう安い土地はないと思っておられるのか、その辺の比較なり調査をしたことがあるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/9
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010・挾間茂
○挾間参考人 御意見拝聴いたしましたが、ただいま申し上げましたとおり、国有財産の出資並びに払い下げについてもそういう状況でございますし、なお現在この地方の土地を買収いたすということになりますと、これは各小地主の意見をまとめなければなりませんので、とうてい千円というような価格のところは全くあり得ないことであると思いますし、大阪にも連絡して尋ねましたけれども、千円というようなことはこの段階においてはかつて考えたこともない、こういうことでございまして、大体不動産研究所の調査、あるいは近傍類地の売買価格、並びに国有財産の出資、払い下げの状況等が最も適正なものであると思います。それ以下の価格で購入をいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/10
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011・兒玉末男
○兒玉委員 光明池団地を買うような計画をしたのはいつか、それからどういうふうな相手から買ったのか、それは個人か団体か、その点についてお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/11
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012・挾間茂
○挾間参考人 宅地造成につきましては、従来は区画整理方式のみで進んでいたわけでございますが、三十八年度以降全面買収方式が新しく定められまして、区域整理方式によらずして全面買収によって土地を購入することができるようになったわけでございます。この光明池一帯の地帯は会社所有地でございますので、その会社よりこれを購入したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/12
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013・兒玉末男
○兒玉委員 その会社は何という会社で、どこにあるのか、それをまずお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/13
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014・挾間茂
○挾間参考人 興亜建設株式会社、所在地は東京でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/14
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015・兒玉末男
○兒玉委員 私が調査したところによりますと、これは間違いであれば訂正していただいてけっこうでありますが、私が特に価格の問題をやかましく言うのは、この団地が公団に入るまでに、少なくとも五つの会社がこれに関連をしておる。AからB、BからC、CからD、その間において同じ会社が二回この土地を買っておることは事実であります。こういうことをするから、たらい回しに利ざやを稼いで、だんだん高くなる。そうすると、この興亜建設の前に、どのような会社がこれをたらい回し的に持ってきたのか、総裁はその辺の事情を知っておられるかどうか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/15
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016・挾間茂
○挾間参考人 興亜建設が購入するまでの経過は、詳細には存じませんが、これはある会社がゴルフ場の建設をしようというので計画を立てましたけれもど、大阪府といたしましては、先刻申し上げましたように、臨海工業地帯の背後地の住宅地としてこれを大規模に造成するというようなことで、それに対しては反対の態度をとりまして、これが実現しなかった。その土地は、他の会社に譲渡するというようなことがあったと思いますが、公団といたしましては、当時の土地の所有者と折衝の上、購入したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/16
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017・兒玉末男
○兒玉委員 総裁の答弁は少し明確を欠くと思うのですけれども、少なくとも私は、この土地は相当いわくつきの土地ではないかという疑いを持つわけです。というのはおそらく当初は個人所有の土地だったと思うのですが、それがどういう中身の会社か、そこまで私は調査しておりませんけれども、少なくとも名称だけでも、神港建設、東洋棉花、それから日本電建、さらに東洋棉花、また興亜建設、こういうルートを通じてだんだん値段が上がってきていると私は思うのです。私は専門家ではございませんけれども、一体この五つの会社が転売してきて、最終的に公団がこれをまとめて買ったということを、常識論的に考えましても、公団は相当不当に高い値段でつり上げたものを買ったのじゃないかと、もう一つ私は常識的な判断として、疑いを持たざるを得ないわけであります。この点について、公団当局としては、このようないわくのありそうな、しかもその中に同じ会社が二回も買って、利ざやをかせいでいるという誤解を受けるような土地を買収する場合においては、もう少し事前に周到な調査があってしかるべきではないかと思うのですが、大体興亜建設なるものが、その前の会社から買うときほどの程度の値段で買ったのか。この辺の調査が当然なされてしかるべきだと思うのですが、その辺はどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/17
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018・挾間茂
○挾間参考人 その点につきましては、私のほうとして、買収をいたしまするにあたりましては、現在時点における時価を最も重要視しておりまして、それが不当に高価であるという場合には手はつけません。適正な時価を認定いたしまして、これを買収するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/18
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019・兒玉末男
○兒玉委員 総裁、先ほどの私の質問に対して明確な答弁がなかったのですが、この光明池団地の買収計画について、最初調査を指示したのはいつか。それからそれに対して、大阪支所から当時どういうような調査の報告がなされたのか。この点、大臣もお見えになっておりますので、最も基本的な問題でございますので、その点がわかっておれば、答弁願い、またわからなければ、担当者のほうから、調査をして私のほうに報告をしていただきたい。その点についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/19
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020・挾間茂
○挾間参考人 現地の調査は、もちろん大阪支所において調査をいたしております。なお、本所の宅地開発担当の責任者が現地の調査もいたしました上で、あわせて府における泉北丘陵地帯の大市街地住宅建設方針にのっとって、これをやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/20
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021・兒玉末男
○兒玉委員 その調査を指示したのはいつか。また大阪支所は実際いつから調査をしているのか。その点についてお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/21
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022・挾間茂
○挾間参考人 正確な日付は今日ここに持ち合わせておりませんが、三十八年の当初であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/22
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023・兒玉末男
○兒玉委員 少なくとも三十一万坪という膨大な、しかも十五億円になんなんとするばく大な国家投資をするわけですから、少なくとも私は相当詳細にわたる調査の結果が、大阪支所から公団本所のほうに出されるべきだと思います。同時にまた監事もおるわけでございますから、当然こういう重要な土地買収については、相当専門的な立場から、監査がなされたものと私は考えるわけですが、その辺の事務的な手続なり、あるいは監事等の監査はどういうふうになされたのか。この点について、経過をひとつお知らせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/23
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024・挾間茂
○挾間参考人 調査は、ただいま申し上げましたように、支所、本所ともに調査をいたしたわけでございます。また価格の決定、地区の選定につきましては、公団の本所並びに大阪の支所に、それぞれ地区選定の審議会がございます。また本所には役員会もございます。地区選定をするにつきましては、その議にかけて検討の上、決定をいたしたわけであります。なお地価につきましては、近傍類地の売買実例、権威ある機関の認定、査定、また国有財産の出資の状況等を勘案いたしまして、支所、本所における地価の評価審議会というのを設けておりますが、そこで再検討の上、この値段で購入するということが適正であるという決定を見た上で、公表したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/24
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025・兒玉末男
○兒玉委員 答弁が一つ抜けておったのですが、大阪支所からのそういう意見というものは、口頭で単になされたのか、私は少なくとも書面を通じて正式に公団にはあがってきておると思うのです。同時にまた大阪支所における、少なくともこのような宅地買収に関する監査書というものが当然作成されるべきだと思うのですが、そういうものは本所にはあるかどうか、その点をひとつお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/25
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026・挾間茂
○挾間参考人 大阪支所より推薦の文書は書面をもってまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/26
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027・兒玉末男
○兒玉委員 私の調査したところによりますと、昭和三十八年六月十一日から十九日までの間に、大阪支所の監査書なるものがあるやに聞いておりますが、その点は総裁は御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/27
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028・挾間茂
○挾間参考人 監事の監査につきましては、報告書が私の手元にまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/28
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029・兒玉末男
○兒玉委員 今後また重要な問題があると思いますので、この際、ひとつ委員長を通じて、資料として、監査書の写しを提出することを要求します。
次に、私は大臣にこの際お伺いしたいと思います。特に大臣の住宅政策に対する基本的な考え方として、宅地造成と地価の暴騰を抑制するということに非常に努力をされておるわけですが、問題となっております大阪の光明池団地については、私、先般の質問で指摘をしたわけですけれども、大阪から出されました監査書の一部の内容が、きわめて重大な問題の点であると思って、先ほど監査書の提出を求めたのですけれども、この光明池団地を、先ほど申しておりますように、五つの会社がたらい回しをしておる。これが最終的に住宅公団に買収されたという現実の失態であります。これがしかも四千百円という、私たちが調査したところでは、非常に高いということをいわれておるわけですが、この団地買収をめぐって、私はまだすっきりしない点を持っておるわけです。この点について、行政上所管の責任者である大臣は、そのような状況について、どの程度総裁から報告を受けておるのか。また、価格そのものが十五億近いというばく大な価格であるにかかわらず、いまだに整地の作業にもかかっていないという実情であります。ばく大な金を寝せておくことは、国家的な損失から見ましても軽視できない問題だと思うのですが、これに対する大臣の見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/29
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030・河野一郎
○河野国務大臣 公団が土地を買収いたします場合には、いまもお話を承っておりましたが、不動産研究所、勧業銀行、その他不動産に権威があるといわれております関係が二、三ございます。私は、これらの関係の価格以下で入手できるということならば、一応価格としては肯定してよろしいのじゃないか、こう思っております。あとはそこに団地をつくることのぜひでございます。このぜひにつきましては、いまお話を伺っておりました泉北方面に、大阪として大規模な住宅団地をつくるということは、しばしば話題にのぼっておるところでございまして、演習場を払い下げて大規模のものをやったらどうだとか、これについて私は多少関与して、残さずにもっと演習場を払い下げたらどうだと言いますが、防衛庁のほうでなかなかそこまでいかないようでございます。ただいまこの方面に団地をつくるということを計画されておる——話の内容は私あまりつまびらかに存じませんが、いま申し上げますように、価格と場所については十分意見は申し述べますが、その場所が人手する前にどういう経路でどうということについては、いまもお話のありますように、あまりあちこち持ち回ったということは好ましくない姿かもしれませんが、しかし今日の段階におきまして、いろいろなものが登場しておるものをまとめなければ、なかなか大きなものはまとまらない。たとえば、東京でいまこれからやろうとしておりますものは、聖蹟桜ケ丘一帯のところを数百万坪ひとつ開発しようということを計画いたしております。すでにこれは東京都並びに建設省等が指示してやっておりますが、これらとても相当いろいろなものがまとまって、相当まとまって総合的にやらなければ、大規模の開発はできないと思うのでございまして、したがって、こまかなものを方々にやるということについてもどうかと思いますし、相なるべくは適当なところに大規模なものをまとめてやることのほうが合理的であり、経済的であり、そこに住居される人についても、将来理想的な団地ができるんじゃないか、こう考えて、なるべく大きなものを計画しておやりない、その場所については十分考えておやりなさい。価格については、いま申し上げるように、少なくとも値段は不動産研究所、勧業銀行その他少なくとも三つぐらいという考えを私は持っております。しかしいま承っておりますれば、その近所でその演習場を——国有財産を処分したときの価格、国有財産の処分は厳重な価格でお出しになることであって、これは安く出しても高く出すことはないだろうと思いますので、大蔵省が国有財産を住宅の敷地として出した値段よりも、その前後か、もしくは安いというものであれば、価格の点についてはそう問題はないだろう。ただ経緯についていろいろ御意見があるようでありますので、なお十分監督いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/30
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031・兒玉末男
○兒玉委員 私は、こういうことが今後繰り返されるとしますと、結局たくさん資本を持っている人が、予定された土地を片っ端から買い占めて、これを同じような系列の会社が次々にたらい回しにして、そうして利ざやをかせいで、しかも最終的には公団にこれを押し売りする。しかも公団が買う場合には、不動産研究所等が、きわめて合理的な値段でございます。そうして公団がこれを買わされる。こんな国費のむだな使い方はないと思う。今後とも、公団として、団地買収が必要であるとするならば、法的には、そういう行為は、二年間なり少なくとも最低一年間は法律でこれを禁止すべきである。そういうことをしない限りは、どんなに土地価格の抑制を唱えてみても、あるいは法律をつくってみても、何にもならぬ。こういうことについて、大臣の根本的な考え方をひとつお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/31
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032・河野一郎
○河野国務大臣 お話でございますけれども、世間の不動産研究所の評価というものは、一応通念的に肯定しておることは御承知のとおりでございます。したがって無理に、不動産研究所できめて評価したものを、それより高くというわけにはまいらぬ。それよりも安く、もしくは不動産研究所だけではいけませんから、勧業銀行とかその他不動産の評価に適切なものは、一応道路の買収をいたします場合にも、大体これらの標準価額というものを勘案いたしまして、それより安い値段であれば、これを人手するということにいたしませんと、なかなか土地の入手が困難ではないか、こう思います。しかも相当大口にまとめてやります場合には、ときには先行投資ができると非常にいいのでございますけれども、いままだ先行投資の道が開けておりませんので、どうしても好ましい姿ではございませんが、どこかの会社がちょっとなめてみて、つばをつけているからというようなことをきらっておりましたら、大口のものをまとめて入手するということは、おそらく困難ではないか、こう思うのでございまして、それは好ましい姿だとは思っておりません。なるべく避けなければならぬと考えまして、新しい道路を考える場合に、この辺に道路を考えるのだが、先回りしてこの辺の地所を得たらどうかというようなことを、緊密な連絡をとっておやりなさいという指導はいたしております。しかし何さま、やはり半官半民のかっこうでございまして、これが出かけて手をつけるときには、やはりちょっかいの早いやつが先に手をつけるというような姿でございます。私は、ただブローカー的な人が持ち込んだものの相手になることは、なるべくおやめ下さいという意見は極力申し上げておるのでありまして、ただいまのようなことについては十分注意をして、そのようなことのないように心がけたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/32
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033・兒玉末男
○兒玉委員 今度は総裁にお伺いしますが、先ほど、この土地の買収の相手会社は東京にあると言われましたが、この興亜建設の社長は何という人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/33
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034・挾間茂
○挾間参考人 大橋という人です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/34
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035・兒玉末男
○兒玉委員 公団が売買契約をする場合には、やはり契約当事者というものが私はあると思うのですが、契約当事者はだれになっておるのか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/35
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036・挾間茂
○挾間参考人 契約当事者は、公団側におきましては、大阪では大阪支所長でございます。相手方は興亜建設株式会社ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/36
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037・兒玉末男
○兒玉委員 公団との契約について、私の聞いたところでは、以前この土地を持っておった神港建設の前社長、現在東洋殖産社長となっております岡林和夫という人ではないかと聞いておったのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/37
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038・挾間茂
○挾間参考人 会社が東京にございまして、土地は大阪にございますので、興亜建設株式会社が、売買契約等についての権限の委任を、その人にしたものであると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/38
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039・兒玉末男
○兒玉委員 売買の取引は大阪でなされたにしましても、少なくともこれだけの重大な取引が、しかも最初この土地の所有者であった東洋殖産社長の岡林和夫という人が契約当事者になっておることは、私はどうしてもなおさら疑わざるを得ないわけです。場所はどこにあろうとも、それだけの公団の土地であるならば、当然現在の当事者であるところの興亜建設の代表責任者が、契約の当事者になるのが常識ではないかと思うのですが、この点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/39
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040・挾間茂
○挾間参考人 これは会社の内部事情であると思いますが、東京の会社でございまして、この手続等の委任を、地元の会社の代表者に委任して、手続を進めたものであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/40
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041・兒玉末男
○兒玉委員 そういうふうな重大な契約は、全然関係のない第三者と契約ができるものかどうか、その点についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/41
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042・挾間茂
○挾間参考人 契約の当事者は、むろん興亜建設株式会社でございまして、その事務的の手続の折衝を、岡林という人に委任して行なったものであります。契約の当事者は大阪支所と興亜建設株式会社でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/42
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043・兒玉末男
○兒玉委員 大臣にお伺いしたいと思いますが、このような重大な住宅公団の土地が、少なくとも興亜建設の直接の代表者でなくて、しかも次々に売りかえてきた、最初の神港建設の前の社長がこの重要な契約当事者になっているということは、常識的に考えましても、何らかの関連があるのじゃないか、こういうことをわれわれは疑わざるを得ないわけです。この点は、当然この契約当事者というのは、興亜建設の代表責任者に私は変えるべきだと思う。そういうことをするから、たらい回しにしてうまいことをやっているのじゃないかという疑いを持たざるを得ないわけです。これは常識だと思うのです。この点について、責任ある大臣として当然契約当事者を変えるべきだと考えますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/43
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044・河野一郎
○河野国務大臣 いまの総裁の御答弁は、契約の当事者は大橋君ということでありました。ただ契約に至るまでの条件の交渉は、その何とかという人と交渉いたしましたが、最終的に契約は所有者と契約しておる、こういうふうに言っておられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/44
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045・兒玉末男
○兒玉委員 私は監査書の提出を求めておりますので、この経過を見て、さらに質問を保留いたしまして、本日はこれで私の質問を一応打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/45
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046・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 岡本隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/46
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047・岡本隆一
○岡本委員 この間、予算委員会で、団地電話の問題について、電電公社の総裁にお伺いをいたしましたが、きょうまたお越しを願いましたので、まずその問題からお尋ねをいたしてまいりたいと思います。
この前の委員会では、総裁は、いままでの共電式の団地電話ではいろいろな不便や欠点があるので、自動式の団地電話に切りかえていきたい、こういうお話でございました。そしてその時期については、来年度の初めごろまでに実はやりたいと考えておる次第でございます。こういうお答えでございました。そこで、まずお尋ねをいたしますが、来年度の初めごろと申しますと、ことしの夏までには実施可能、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/47
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048・大橋八郎
○大橋説明員 私どもの希望といたしましては、夏ごろまで待たずに、もっと早くやりたいという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/48
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049・岡本隆一
○岡本委員 非常にけっこうなことでございます。
そこで、いま十三の団地で希望をいたしておりまして、その申し込みが五千八百二十七個である、こういうふうに聞いておりますが、その十三の団地に夏ごろまでにできますのは、どの程度の速度で消化していただけるのでしょうか、第一着手が夏まで、だんだんと順々にやるというのでしょうか、どの程度の消化能力なのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/49
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050・千代健
○千代説明員 お答えいたします。住宅公団のほうからお話をいただいております十三団地は、関東、近畿、九州の三カ所にわたっておりますが、これも、先ほど私どもの総裁からお答えいたしましたように、早く受付を開始いたしまして、できるだけ早い時期に開通したい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/50
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051・岡本隆一
○岡本委員 できるだけ早い時期に、というのは非常に便利なことばでございまして、どのようにも解釈できる。だから、私がお尋ねしておりますのは、その申し込みをどういうふうな速度で消化していくのか、こういうふうにお尋ねをしているわけですよ。もう少し具体的にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/51
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052・千代健
○千代説明員 ただいま、この十三団地につきましては、規模がそれぞれ違いますので、詳細にあたっておりますので、この席で、これは何月、これは何月ということはちょっと申し上げにくうございますが、前向きでやることだけは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/52
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053・岡本隆一
○岡本委員 規模はなるほど違います。大きな団地もあれば小さな団地もございます。たとえば、その希望者が二千三百もあるというような高根台団地、あるいは五、六百程度のもの、中には百二十、百三十というふうな団地もございます。そういたしますと、それぞれ備えつける無人交換機に相当な、規模の、大きさの段階があると思うのです。だからそういうふうないろいろの種類のものができておるのか、あるいは画一的なものをお取りつけになるのか、たとえば百の回線を扱うものを、必要に応じて二台、三台、五台というふうに据えていくのか、あるいは一つずつ、大きさによって、それぞれ注文に応じてつくっていかなければならないのか、とにかくいまあなたのほうで新たに開発せられた無人交換機——無人交換機というものはどういうものか、私たちには具体的にわかりませんので、いろいろな疑問も出てくるわけでございますが、それではまず第一に、無人交換機というものの規模、あるいはどういう性質のものか、そういう点を、少し具体的に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/53
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054・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。団地につきまして、無人自動交換機はどういうものかというお尋ねでございますが、交換機の容量といたしましては、最低二百程度のものを考えておりまして、そこから先はどういうことになるかと申しますと、同じものを、規模に応じまして積み重ねていくと申しますか、規模に応じて設置していく、したがって、交換機の種類は規模によって幾つもあるわけじゃございません。そこで、規模に応じて、そこに適当量の交換機の数を設置しまして交換をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/54
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055・岡本隆一
○岡本委員 そういたしますと、二百程度の無人交換機の製作費はどのくらいにつきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/55
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056・平山温
○平山説明員 交換機だけの製造費は幾らか、こういうお尋ねでございますが、いま私、はっきりした数字を持っておりませんが、大体交換機だけですと、一加入当たり三万円くらいじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/56
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057・岡本隆一
○岡本委員 お尋ねしておりますのは、もう開発できているでしょう。開発できているのだから、あなたのほうも、一加入当たり三万円という数字をはじき出されるのについては、製作費が、たとえば一台について二百万円につくのか、三百万円につくのか、およその数字というものがあって、それを積算して、一加入について三万円になる、こういう何が出てくるのじゃないかと思うのです。たとえば、共電式の交換機でありますと、小さいのですから、二、三十万円か四、五十万円でございますね。それが自動式になれば相当高くなる。たとえば、衆議院の交換機などでありますと、中からは自動的にかけられますが、外からかかってくるのは一度交換台を通らなければならない。それが今度は交換台を通さずに、またダイヤルで落としていくのですから、いま国会で備えつけている交換機よりもより精密な自動交換機になってくるわけです。そういたしますと、私どもが想像するのには、相当高価なものになりはしないか。だから、二百もの何を取りつけるそういう自動交換機であるとするならば、相当大がかりなしかけであって、たとえば、どれくらいの容積の部屋におさまるのか、それからまたどれくらい経費がかかるのか、こういうことも、やはりわれわれとしては、あなたのほうが、それではどんどんつけます、こう言われますが、これからあとお尋ねをするいろいろな点について関連がありますから、一応どういうものかということを、ばく然と雲を見ているような話でなしに、もう少しはっきりした形で御説明願わないと、どうも信用できないような気がいたすのでお尋ねするのですが、開発済みのものなら、もう少し具体的に、どういう程度のものかということをお教え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/57
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058・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。
はっきりした数字を申し上げないでたいへん恐縮でございますけれども、場所は非常に小さいのでございます。それで無人の——要するに家を建てません。二百の場合は家を建てずに、端的にいえば、箱の中に置いておけばいいという程度のものでございます。ですから、大きさはどのくらいかということにつきましてはっきり申し上げるといいのですけれども、私の感じで言いますと、せいぜい八畳間一つといいますか、ですから二間四方でございますか、その中にもちろんたっぷり入るという感じでございます。
それから、先ほどの交換機の機能、局線にも直接つながるから高いものじゃないだろうか、こういうお話でございますが、一台の交換機幾らというものはもちろんあるわけでございますが、それを私いま記憶していないでたいへん恐縮でございますが、さっき一加入当たり三万円くらいじゃないかと申し上げましたのは、せいぜい五、六百万円じゃないかということで、逆算して申し上げておるのであります。しっかりした数字を持っていないでたいへん恐縮でございますが、およそそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/58
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059・岡本隆一
○岡本委員 それ以上あまりお聞きしてもなんですから。
それでは、電話債券はどれくらいですか。その二、三万円の中には、電話債券も入っておりませんか。二、三万円出せばそれで加入できるのか、あるいは別に架設費とかそういう経費のほかに、電話債券はどれくらい持たなければならないのか、そういうことをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/59
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060・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。
いまの電話債券はどこまでかというお話の前に、先ほどお尋ねのありましたのは、交換機だけの値段ということでお答え申したのですが、これには、やはりさらにそれを入れる箱と申しますか、局舎というほどのものではございませんが、そういう金とか、そこへ設備する金とか、あるいは電力費とか、あるいは団地の中に配線する線路の金とか、もちろんそういうものがございます。ですから、そういうものを全部ひっくるめまして、一加入当たり三万円でできるということを申し上げたのじゃございませんで、交換機だけの値段を一加入当たりに換算しますと、大体その程度と申し上げたわけでございます。
〔発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/60
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061・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/61
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062・岡本隆一
○岡本委員 一応私がお尋ねしたいのは、公社のほうで、この夏までにやるのだと言っておられる限りにおいては、費用あるいはその他の点において、どういう形でやれるかという見通しですね。もうシェーマは立てられておると思うのです。だから、それをお尋ねいたしておるのであります。
それでは、営業局長にお尋ねをいたしますが、大体電話債券をどれくらい持たせて、それから架設料金をどれくらい取って加入をさせるのか、その辺をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/62
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063・千代健
○千代説明員 お答え申し上げます。一般の加入電話と大体同額に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/63
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064・岡本隆一
○岡本委員 そうなってまいりますと、従来加入しておるのは、大体三万円くらいで団地電話ができておると思う。ところが今度のは一加入当たり普通の加入者と同じであるということでありますと、都市周辺あるいは都市内というふうなところであります。十五万円の債券を持たなければならない、こういうことになって、加入者にとっては非常に大きな開きが出てまいります。そうすると、一体これは地域団体加入電話ということになるのですか、それとも普通の加入電話になるのか、どちらになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/64
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065・千代健
○千代説明員 これはいろいろ研究してまいっておりまして、監督官庁等とも御相談申し上げてきましたが、結局、普通の加入電話と考えるほうがいいという結論に達しまして、普通の加入電話としていこう、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/65
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066・岡本隆一
○岡本委員 普通加入電話と考えるとおっしゃいますが、それじゃ、大体一つのケーブルについて電話を幾つ接続されますか。その自動的に落ちるというのは、一つの親に幾つ子がつくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/66
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067・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。
この団地の中に設置します無人自動交換機から団地の各加入者の家まで、御承知のように線が行くわけですが、その線に対して幾つぶら下がるのか、こういうお尋ねかと思いますが、私ども考えておりますのは、単独加入というのは、二本の線に一つしかぶら下がらないもの、それからもう一つは、二共同加入——一対の線に二つの加入者をつなぐ、こういうような、単独加入または二共同加入の二種類を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/67
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068・岡本隆一
○岡本委員 そうすると、従来の団地電話とか、集団加入電話というものは、大体五ないし十個を一つの親につなぐ、こういう方式でございますね。そういうことはあなたのほうから出しておられる営業規則の中に出ておりますが、大体一つの親に対して五ないし十の電話を取りつけるのだ、それからそのなには大体五つ以上のものでなければ扱わない、こういうような形の集団電話の営業規則というものがございます。そうすると、そういうふうな団地電話とはすっかり性格が違うことになるのですね。だから、私がいままでお尋ねしたのは、団地電話をつくりなさい、そうすると、非常にいろいろな点で、たとえていえば、大体そういう電話というものは住宅用の電話になりますから、あなたのほうでつくっておられる、加入に対して応じるという場合の基準がございますね。それは五番目か六番目のはるかにあとのほうの順位に回されておりますから、住宅電話というものはなかなかつかない。ところが、そういうようなことがあるから、そういう住宅電話だけをまとめて、ケーブルを出して、そこから子電話をつけるようにすれば、需要に数多く応じられるのじゃないか、こういうことから団地電話をつくれという要望もあるし、また私どももそれを主張してきたわけですが、そうすると今度は、共同電話かあるいは個人加入かということになってまいりますと、そういうあなた方がつくっていられる営業規則にあるところの順位との関係はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/68
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069・平山温
○平山説明員 お答え申し上げます。従来ある一つの線に五あるいは十をぶら下げる電話との関係をまずお答え申し上げますが、おそらくいま先生のおっしゃっておられますのは、在来あります地域団体加入電話のことをおっしゃっているのではなかろうかと存じます。その場合には、確かに一つの線に五ないし十電話機をつなぐことを考えておりますが、今度の団地の場合には、先ほど申しましたように、団地の中に設置します無人自動交換機の先には、一つまたは二つの電話機しか接続しない考えでおります。それから、団地に急激に住宅電話の需要が出まして、急速に電話がつけられない、あるいは先生のお話がありました優先順位等もあって、住宅電話だけそうたくさんつけられない、かようなことがあって、団地電話が生まれたのではないか、こういうことにつきましては、御指摘のとおりでございます。そこで、いまその団地の電話を、新しく団地の中に無人自動交換機を置きませんで、在来ある電話局から直接その団地内の加入者に対して電話をつけよう、こういたしますと、お話のように優先順位もございますし、とても急激に出ました団地の需要に応ずるだけの設備が在来の電話局にございませんので、困難でございます。そこで、いま私どもが考えましたのは、その従来ある電話局ではなしに、団地の中に別に先ほどから申し上げております無人の自動交換機を置きまして、その無人の自動交換機から先は、いわば団地内だけは単独または二共同の線をつなぎますけれども、その団地につくった交換機と在来ある電話局の間は、かりに団地の中に二百名の加入者がおられましても、その二百名分の線を親の電話局まで結ぶのでございませんで、中が二百名であれば、五、六加入分程度の回線で親局に結べば、御承知のように、団地のほうは、工場と違いまして、比較的トラフィックが少ないものでございますから、親局のほうの端子といたしましては、五、六名分程度のもので、しかも団地のほうの御要望、二百名分程度の方の需要を、そこに交換機をつくることによって満たすことができる、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/69
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070・岡本隆一
○岡本委員 そうなりますと、利用の頻度というものは、なるほど一応は低いだろうと思います。しかしながら、二百個に対して五、六本の回線でもって充当していくといえば、普通の単独加入から見れば、四十分の一か三十分の一のケーブルでもって親局とつながれているわけなんです。だから、場合によれば、電話の利用というものは、一日の延べ回数においては少なくても、ある時間にはやはりピークがあるのです。そのピークのときには話し中が多くなってくる。だから、それが、そういうふうな団地電話と単独の電話と同じで、設備の料金も、それから後の使用料も全く同額であるということになりますと、公社側の採算ベースは非常にいいかもしれませんが、使用者側の採算ベースから申しますと、すこし話が——私どもの考えからいえば、公社の採算第一主義的でありはしないか。もう少し需要者側の立場に立って、従来の団地電話が、二、三万でついて、そういうような交換機がそんなに安いものなら、もっと安い施設費でもって、たとえばいまの公債にいたしましても、十五万円も持たなくても、二、三万の公債、それも一本のケーブルについて十五万円持つのなら、それに二十本ぶら下がるとすればその二十分の一の電話公債でいいはずです。しかし、あえて二十分の一とは申しませんけれども、五分の一とか十分の一の電話公債で十分事足りるのではないか。また架設費にいたしましても、そういうふうな子電話は中間のなにから架設するわけですから、そういう点の採算というものを、もう一度練り直してやられる必要があるのではないかと思います。これは総裁にお尋ねいたしますが、総裁、いかがお考えになりますか。たとえば一本のケーブルについて大体二十本、三十本の子電話がつくような中間の無人交換機をつくって、しかも、そこから引かれるところの子電話に対して、単独加入と同じだけの電話公債を持たす。単独加入と同じだけの電話の架設費をとる。それから後の使用料も全く同じである。こういうふうなことになりますと、公社は全く自分のほうの採算ばかり考えておって、使用者の立場、利用者側の立場というものを全然考えていない、こういうふうに考えられるのですが、総裁、いかがお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/70
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071・大橋八郎
○大橋説明員 先ほど説明申し上げましたように、いわば無人の分局をつくったと同じ考えでありますから、したがいまして、私どもは決して不公平な取り扱いをしていないつもりでございます。いまなにか非常にビジーのときに、朝晩の繁忙時に、話し中が多くなりはしないかというお話でございますが、大体住宅だけの問題でありますから、そのためにそう話し中がふえるということのないように、適当な数の、親局とつなぐ装置を入れるはずでございますから、決してそういう御不便はないはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/71
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072・平山温
○平山説明員 いま総裁から御答弁申し上げましたことを、ちょっと補足させていただきます。
御承知のように、東京の都内にたくさん電話局がございますが、自分のもよりの電話局までの間は単独の線で結んでありますけれども、局と局の間はずっと少ない中継線というものでつないでおるわけでございます。団地の中の加入者の方も、決して団地の親局の加入者とだけお使いになるのではなくて、あらゆるところとお電話されるのだと思います。そこで、一番近い交換機との間を単独の線で結べば、それから先はやはり電話のトラフィックによりまして、私どもとしては、話し中の確率が、大体百ぺん呼んで一ぺんあるいは二百ぺん呼んで一ぺん程度のことは普通の電話でもあるわけですが、その程度のものしかないようにいたしますので、お使いになっている場合に、一般の電話と全然差異がないように設計いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/72
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073・岡本隆一
○岡本委員 利用の頻度というふうなものから見れば、そう大きな開きは、あるいはおっしゃるように、ないかもしれません。しかしながら、架設に要するところの原価計算をすれば、一戸当たりの電話の架設費というものはものすごく安くなるのですね。だから、あなたのほうの架設に対する条件というものは、やはりある程度の原価計算——公社というものはもうかればもうかるだけもうけていいという性質のものではない。国民にどれだけの電信電話の利益を享受させるか、ということが公社設立の目的なのです。たとえば住宅公団にいたしましても、希望者があれば何ぼでも家賃を高くとっていいというわけではないのです。やはり原価計算をして、それを償却するだけの家賃より、住宅公団はとっておらない。同時にまた、古くに建った家の家賃は、それを償却するだけの家賃よりとっておらないのです。だから電電公社の場合にいたしましても、ある程度の電話のなにの原価計算から見て、それにふさわしい料金なり架設費なりをとっていくのが公社の使命だと私は思うのです。それにもかかわらず、そういうふうな、中間に自動の設備を備えることによって——それは技術開発はいいけれども、技術開発されたことが公社の大きな利潤のもとになって、それでもって利用者に何らの利益ももたらさないということでは、これは私は公社の運営方針というものは非常に間違っていると思うのです。(「そんなことは逓信委員会でやれ」と呼ぶ者あり)だからそういう点、公社のほうで考え方を直される必要があるの、ではないかと思うのです。
そこでもう一つ伺いますが、それでは、従来の共電式のものがたくさんございますね、すでにできたものがございますね、それはどうされますか。それはそのまま続けていかせるのですか。それともどんどん無人式に切りかえていくのですか。それはどうされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/73
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074・大橋八郎
○大橋説明員 ただいま御指摘の、共電式もしくは磁石式でやっております現在の団地電話は、これは試験的にやっておるのでございまして、まだ法規上認めた制度にはなっておりません。したがいまして、理屈から申しますと、試験した、この四、五年やった結果、もういいのだからすべてやめるということを言ってもいいかもしれませんけれども、そういう無理なことを言うつもりはございません。当分の間、やはり続いてそれをお使い願ってけっこうだ、しかし将来つけかえの時期等が来た場合に、できるならなるべく今度の新しい方式に改めていっていただくことが望ましい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/74
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075・岡本隆一
○岡本委員 そういたしますと、これはそのときにまたたくさんの電話公債を持たなければならぬということになってくると思うのです。いままで出しておった出資額よりもはるかに多くの公債を一人ずつが持たなければならぬということになってくるのです。そうなると、従来加入していた人は、自分の経済力に応じて加入しているわけですから、いままで二百戸、五百戸とあったところの組合電話の加入者が、そんなにたくさん一時にお金を出さなければならぬのならやめましょう、こういうふうなことに、これは当然なってくると思うのです。そのことは、公社本来の目的は電信電話をできるだけ多くの人に享受させるという目的でありながら、切りかえをやることによって、うんと縮小してしまうというふうなことになるわけでありますが、そういうことでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/75
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076・河野一郎
○河野国務大臣 私はここで発言して失礼かもしれませんが、だんだん承っておりまして、私は建設大臣としてこの問題について、発言者の御意思を体して、すみやかに結論を得るように、郵政省へ交渉いたします。そしてこの国会中に結論をここでお答えいたしますから、この程度でひとつ……。大体私は了承いたしましたから、私から、郵政省を通じて、電電公社へ交渉いたしまして、結論を申し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/76
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077・岡本隆一
○岡本委員 それでは、まあ河野建設大臣におまかせしてもいいですが、しかし大体の方向、自分はどう考えるという点だけはおっしゃっていただかぬと、無条件で白紙委任というわけにはいかない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/77
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078・河野一郎
○河野国務大臣 先般、予算委員会であなたが御発言になったときに、私は非常に感心したのです。選挙の投票等を得るためにああいうふうにやらなければいかぬのか、あれまで公団住宅の人に親切にしてあげなければいかぬのか、こういう感じがいたしました。しかし、きょうここでだんだん承っておりまして、公団住宅内における電話の問題ということでこれを取り上げまして、そして電電公社の言い分を十分聞き、われわれとしても、公団住宅の中に電話というものの必要性は十分認めます。認めますから、どのクラスの公団住宅には将来どういうふうにこれを考えていくかということも、公団住宅建設の一つの方式としてこれを取り上げて、そうしてはっきりした答えを電電公社のほうから承るということにいたしたいと思います。いまお話しのように、変えたならばすぐ高くなってしまう、そういうことは許さるべきでないと私は思う。すでにこの問題につきましては、地方の農業会を通じて集団加入しているとか、農業会を通じての電話の先例もございます。したがって、それらについても、私は農林大臣時代に経験済みでございますから、十分その点を考慮いたしまして、電電公社と交渉いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/78
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079・岡本隆一
○岡本委員 それでは、私も大臣の誠意に期待をいたしまして、まだたくさんお尋ねするつもりでおったけれども、一応この程度で電話の問題は打ち切ります。
しかしながら、団地というものは、一つの特別な社会だと思うのです。住宅難のために、まあ消極的に、パッシブな立場で集まってきたということが一つの条件ですね。さらにまた、そこに集まっていられる人たちというのは、同じような立場の人ですね。比較的収入の程度がそろい、しかもサラリーマンということで、大体同じような人たちで住んでいられる。さらにまた、非常に急激に、人工的に一挙につくられた町だ。そこには、古い、昔からのしきたりもなければ、つながりもないというふうな点で、一つの共同社会として形成されたものではない。だから、そういうところに住んでおられる団地の住民に、一つのまとまりを与えるということ、これはやはりわれわれとして、まあ国もそうでございますし、また国会といたしましても、そういう集団に対して、一つのりっぱな共同社会になるような援助をするということは当然であろうと思うのです。だから私は、この委員会で団地のいろいろな施設の問題を取り上げていくのは当然であると思うのです。それを、そんな話は逓信委員会じゃないかとか、そういうことを言うこと自体が認識を誤っていると思う。だから、くだらぬやじはやめなさい。
そこで、お尋ねをいたしたいと思いますが、まず第一に、そういうふうな社会に一つのまとまりを与えるのには、やはり私は集まる場所というものが必要だと思うのです。団地を見ますと管理事務所がございます。しかし管理事務所に、集まれるような集会場の併設されたところはないように思うのです。あってもごく規模が小さいのです。だからやはり団地には、管理事務所に付随して公民館のようなものが、私は必要だと思うのです。だから、これから団地をつくっていかれる場合には、そういうスペースだけは公団のほうで用意していただきたい。しかしながらそれをだれがつくるかということになれば、従来の何からいけば、当然これは市町村がつくるのでございますけれども、市町村としても、団地が入ってきたためにいろいろな経済的な負担があるから、そうはいかないかと思うのですが、そういう点について、自治省やあるいは公民館を所管しておられます文部省は、従来はどういう援助をされてきましたか。あるいはまた今後どういうふうな用意をお持ちになっておられるか、そういう点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/79
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080・河野一郎
○河野国務大臣 お話の点、ごもっともに考えます。ただ、たまたま住宅問題が非常に緊迫いたしておりまして、質よりも量という意味合いで、一軒でも、一世帯でもよけい入れることに急でございましたために、いまのような点で怠っておる点が多いと私は思います。しかしこれからは、お話もありましたように、だんだん不燃性のものを建てるとか、一戸当たりの坪数をふやしていくとかいう方法を考えなければならない段階にきておりますので、あわせて諸般の設備についても十分配慮いたしまして、明年度予算の編成の際には、必ずそういう点を十分考慮いたしまして、初めから建設省においてこういうものの補助を入れまして予算を組む。これを公団でつくれと言えば、家賃が高くなりますから、何戸以上の集団団地にはどういうものをつくって、それについては政府が何分の一補助するとか何とかいうような形式を、明年度予算の際には考慮するというふうにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/80
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081・福原匡彦
○福原説明員 ただいまお尋ねの公民館に対して、いままでどういう何をしてきたかということにつきましては、まだ十分力が足りませんで、団地に公民館を必ずつくるという指導にまでは至っておりません。現在は、熱心な市町村におきましては、そこまで手が行き届いているかと思いますが、市町村におきまして、公民館のまだ設置されていないところがあるような状態でございますので、文部省として、そちらのほうを十年計画で整備しているような状態でございます。できるだけ早い機会に、そういう段階に持っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/81
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082・岡本隆一
○岡本委員 大臣の代弁をするわけではございませんけれども、従来、そう何から何までも御世話はできない、こういうふうにいつもおっしゃっておられますし、それは私どももわかります。だから十分なことはできなくても、やはり団地の中でそういう強い要望が出、また団地の人みずからが、自分たちの手である程度そういうことをやっていこうという動きが出てまいりました場合には、政府のほうもそれにこたえて援助してやろう、こういうかまえを今後とっていただくように、この機会に私はお願いをいたしておきたいと思います。
それと同じように、保育所の問題があると思うのです。保育所に対する要望は非常に強いのですが、厚生省では、いままで団地内にどういう対策を立てておられますか。公団のほうからいただきました団地サービスの模様を聞きますと、団地サービス株式会社でもって保育所の建設をいたしております。この保育所の建設の数が現在のところまだ六つよりございません。日本に非常にたんくさんの団地があるわりあいには、保育所の数が少のうございます。しかも経営がかなり苦しいようでございますけれども、こういう団地サービスがいままで建ててまいりました保育所に対しましては、他の保育所と同じような補助があるのかないのか、その点、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/82
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083・黒木利克
○黒木政府委員 保育所につきましては、厚生省として補助の条件がございまして、保育に欠ける子供——共かせぎをしておるとか、母親が長い間病気だとか、そういう保育に欠ける子供が過半数入っていなくてはならぬ。それと経営の主体が公立であるかあるいは社会事業団体でなければならぬというようなことで、それに対して設備費の補助、運営費の八割を負担しておるわけであります。団地の場合はその条件に該当すれば認可をいたしておりますが、現に武蔵野市等では、公営の保育所をつくっておりますが、そういう条件に合致するように指導申し上げまして、条件に合致すれば、積極的に認可をしたいという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/83
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084・岡本隆一
○岡本委員 団地に住んでおる人には、共かせぎとか何か、保育に欠ける子供は相当あると思う。そういう点あなたのほうでよく御調査願って、今後団地サービスでもそういう企画が出てまいりましたら、適当な援助をしていただきたいと思います。
いろいろまだお尋ねしたいことがございますが、この程度で団地に対する施設の問題を終わりまして、今度は法案の内容についてお尋ねしようと思います。
新たに住宅債券ができ、私どもこれは非常に期待しておったことなんで、けっこうなんでございますが、この法案を見ましただけでは、全体の姿というものが立体的にわかりませんので、もう少し具体的に、どういう制度なのかということを御説明願いたいと思います。
まず第一に、住宅の分譲を受けるまでに、どの程度の積み立て額を必要とするのか。あるいは積み立て期間はどれくらいの間にやらせるのか。あるいは分譲を受ける住宅の価格、それから規模、それから分譲はいつごろになるのか。さらにまた分譲をする住宅の建設戸数、たとえばことしの予算の三億に対しては、どれくらいの建設戸数と見合っておるのか、大体の計画、そういう点をもう少し具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/84
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085・前田光嘉
○前田(光)政府委員 いま試算をいたしておりますが、簡単に概略を申し上げますと、この債券によってでき上がる家は、三百万円程度の耐火構造の住宅を考えております。場所は住宅公団の仕事をする、住宅難の著しい地域を考えておりますが、この三百万円くらいの家に対しまして、住宅債券を五年間くらい積んでいただきます。そういたしまして、五年間にその三百万円の分譲価格の約三分の一程度を積んでいただく。簡単に申し上げますと、三百万円のうちの約百万円を五年間に積み立てる。そういたしますと一年間に二十万円、春秋二回いたしますと、一回十万円くらいを積み立てていただきまして、あと五年たったときに家をつくります。債券を発行いたしますときに、大体どの場所でどの程度の家ということを計画いたしますので、五年たったときに家をつくりまして、あとの残った約三分の二の資金につきましては、住宅公団の割賦分譲の方式によりまして、二十年間、七分五厘の利子で、償還をお願いする。家の規模は、大体十五坪から二十坪程度の、希望に応じまして、住宅をつくる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/85
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086・岡本隆一
○岡本委員 そうしますと、積み立てを始めた人は、五年後には大体分譲を受けられるのか、ということですね。あるいは五年後から始まって、例の無尽式に順番があって、くじに当たった者が入居できるのかということが一つ。それからもう一つは、計算していけばわかるかもしれませんが、これによって大体どれくらいの建設を年々計画していかれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/86
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087・前田光嘉
○前田(光)政府委員 住宅債券を買いまして、五年間継続的に積み立ててくれた方には、全部住宅を購入してもらう予定でございます。本年度は、とりあえず試験的に三億発行いたしますので、千戸ないし千五百戸程度の中で、今年度の債券発行にかかる分は五年後に建設いたしますが、今年度の売り上げ状況を見ました上で、来年度以降は、御希望が多ければ、それに応じてうんと数をふやしていくつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/87
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088・岡本隆一
○岡本委員 大臣にお尋ねいたしますが、宅地債券は初年度十億でございました。今度は宅地の上に家まで乗っけて、それで初年度二億というのは、宅地債券のわりあいには、出発の計画が小さいと思います。これはいろいろ理由もあるのでしょうが、しかしながら宅地債券と比べると少し小さ過ぎますから、これをひとつもっと大きくしていく必要があるのではないかと思うのですが、将来どういうふうな規模に広げていくような気持ちを大臣としては持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/88
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089・河野一郎
○河野国務大臣 実は、この案を持ちまして、各方面と折衝いたしました。ところが、いまお話し申し上げましたとおりに、金を積んでしばらくそのまま置くということだと、そんなものは入る人があるものかというような意見も相当ありました、それで、これは今日に至るまでにも、政府内部においても、なかなか異論が多うございました。そのために、私といたしましては、最大限に譲歩いたしまして、初年度ごく試験的にやってみる。私は必ず多数の人の応募があるものと思いますけれども、いま申し上げましたように、そういうことは、宅地のほうはともかく、なかなかうちのほうはないだろうという意見もありまして、金額を少なくいたしまして、初年度で非常に申し込みが多ければ、二年度からは、決してこれでチェックするという意味はございませんので、どんどんふやしていく、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/89
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090・岡本隆一
○岡本委員 それから、いまお伺いいたしました年間二十万円ずつ、五年間積み立てる、そして三百万程度のもの、なるほど、これから質の向上ということがいわれる段階では、当然の措置であると思います。しかしながら当面もう少し小さな規模のものもあっていいのではないか。たとえば百五十万から二百万程度のもので、たとえばいま団地に住んでいる2DK、3DKといったような程度のもの、それよりも少し規模が大きいですが、そういうような程度のものも、いまの住宅事情から見れば、あってもいいのではないか、こう思いますが、これから後の計画に、そういうものを組み入れられますか、組み入れるおつもりはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/90
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091・河野一郎
○河野国務大臣 いま申し上げましたように、ごく試験的にスタートしたのでございまして、各方面の御要望にこたえて、いろいろなケースを取り入れていいのじゃないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/91
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092・岡本隆一
○岡本委員 さらに、いま住宅債券の制度は分譲だけでございます。しかし、私は、賃貸し住宅にやはりある程度の積み立てというものをさせて、入居を優先的に認める、こういうような住宅債券の制度、賃貸し住宅債券と申しますか、こういうものがあってもいいのではないかと思うのです。それはどういう理由かと申しますと、たとえていえば、賃貸しの単身者住宅に入ります、あるいは2DKに入ります、一応住生活は安定いたしました、しかしながら五年か十年近くたてば、家族構成が非常に大きくなりまして、必ず大きいところへ移りたいということになって、その場合に、やはり、住生活が安定して一部余裕のある人は、自分で金を積み立てて、大きいところへ移れるだけの金を積み立ててもらう、そして公団のほうで建てたところへ移ってもらう。だから2DK、3DK、4DK——4DKはあるかどうか知りませんが、そういうところに、建設費の差額といった程度のものを積み立てることによって、次々に大きいところに移っていって、小さいところをあける、そうして小家族に回していく、こういうような制度が制度的にできてもいいのではないかと思います。だから、単に分譲だけの住宅でなしに、賃貸し住宅にもそういうふうなある程度のワクをとって、そのワクの範囲内——全部の人にそういう積み立てをしろ、こういっても、それは無理だと思います。しかしながら、一部経済的に余裕のある人には特別のワクをとって、そこへ優先的に移していく、こういう制度をつくってはどうかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/92
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093・河野一郎
○河野国務大臣 岡本委員からそういう御発言がありまして、私も非常に意を強くいたしました。実は私もそういうことを考えました。ところが、いま申し上げましたように、どういうものか大蔵当局があまりこういう点が好きじゃございません。そこで、まだ今日その運びに至っておりませんが、なお積極的に研究いたしまして、そういうものをつくるという方向で、ひとつ進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/93
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094・岡本隆一
○岡本委員 ここで心配いたしますのは、地価の値上がりが著しいのですから、積み立てていっても、結局最初出された案に対して、地価が上がってしまって、そのときになかなかその規模のものが提供困難になりはしないか、ということを私ども懸念いたしておりますが、そういう点についての御見解を、念のために承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/94
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095・河野一郎
○河野国務大臣 これは、全国のそういう希望を持っておられる方に、よく聞いておいていただいたらたいへんけっこうだと思うのですが、いま岡本さんのおっしゃるような点を懸念いたしまして、公債発行と同時に宅地だけは手当てをして、うちを建てるほうは多少おくれましても、地所だけは確保いたします。そうしてそのことのないようにする、こういうつもりでございますから、その御心配は絶対にないと申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/95
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096・岡本隆一
○岡本委員 では、これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/96
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097・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 吉田賢一君。——吉田君にあらかじめ申し上げますが、大臣は参議院の予算委員会のほうもございますから、ひとつ簡単にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/97
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098・吉田賢一
○吉田(賢)委員 参議院も大事ですけれども、きょうは法案が上がりますので、簡単にいたしますから、ひとつしばらくおつき合い願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/98
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099・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 時間がきまっておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/99
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100・吉田賢一
○吉田(賢)委員 何時に行くのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/100
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101・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 三十分までですから、二十五分までにお願いいたします。あと八分です。あらかじめの御通告じゃなくて、ここへ来てからの御通告ですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/101
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102・吉田賢一
○吉田(賢)委員 そうじゃない、あらかじめ言ってあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/102
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103・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 きょうの理事会では聞きませんでした。理事会には出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/103
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104・吉田賢一
○吉田(賢)委員 だって、八分に時間を制限するということは、言論の暴圧ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/104
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105・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 御協力ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/105
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106・吉田賢一
○吉田(賢)委員 住宅公団の代表者に説明を聞きたいのでありますが、三十九年度の工業用地の開発の継続についてですが、ごく簡単に説明しておいてもらいたい。すぐ大臣に対する質問に入るのですから、簡単に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/106
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107・前田光嘉
○前田(光)政府委員 三十九年度におきましては、住宅公団におきましては、工業用地を、継続三百九十万坪、新規百万坪の事業を行なう予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/107
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108・吉田賢一
○吉田(賢)委員 大臣に伺いますが、最近の中小企業の不況状況は相当深刻な様相を呈しております。現に手形の不渡り高におきましても、昨年十一月の東京都なんか九万一千余枚、百四十億の不渡りを出しております。二月はそれよりもさらに増勢の様子であります。こういうようなときにおきまして、各地の計画が若干そごを来たしているのじゃないだろうか。あるいは中小企業が団地へ計画を進めようといたしましたけれども、途中でその経済的な不況を受けましてだんだんしり込みするのじゃないか、こういうような情勢を各地の模様として聞くのでございます。したがいまして、この影響が今後この計画を進める上において相当大きな支障になるのではないかと思うのですが、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/108
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109・河野一郎
○河野国務大臣 お話のように、これまでにすでに分譲いたしました団地で建設途上にありますものは、途中これを他に転売せざるを得なくなっておるというものも皆無ではないと思います。しかし御承知のように、わが国の経済界はいま不渡り手形が少々ふえたということによって、東京もしくは大阪の中小工場主がその持っておりまする工場を郊外に移すということが主になっておりますかり、それを販売することによって相当差益が出てくる。それによって工場がより立地条件のいいところに出られるということでありますので、依然としてこれに対する要望は非常に強いというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/109
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110・吉田賢一
○吉田(賢)委員 これはやはり強い要望がございましても、経済の推移状況等をかんがみまして、団地の計画は相当選択の方法を考えなくちゃならないかと思うのでありますが、かなり深刻になりつつあるということは事実で、三月危機とまでいわれておるのであります。したがいまして、現在の実情に対しましても、計画に対しましても、再検討する必要があるのじゃないかとさえ思うのでありますが、これはいろいろな資料によって言わなくちゃなりませんけれども、時間がないから結論だけを申しますと、その点再検討するということは必要でないか、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/110
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111・河野一郎
○河野国務大臣 しかし、東京もしくは近畿一帯が今日の人口過剰の状態にありますることは、これはどなたも御異論のないところでございまして、これをしかるべく、近畿におきましても、東京におきましても、都市の整備が必要である。大学を地方に移したらどうかとか政府を地方に移したらどうかというお話さえあるくらいでございまして、まして中小の工場が適当な立地、もしくは適当な道路交通が新設せられます際に、地方に出ることは相当に有利であるというような場合は当然想定できるのでございまして、私は一時的に三月危機がある、六日危機があるといいましても、確かにそれがないとは言いません。しかしその反面に、そういうことに関係なしに、非常に多い要望があるということも事実でございますので、新たにここで計画を変えるという必要はないじゃないか、こう私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/111
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112・吉田賢一
○吉田(賢)委員 その辺につきましては、かなり全国のそういう要望があるということも事実でありますが、同時にまた消化難におちいっている地域も相当あるということは、これも事実なのでありますから、これはしばらく様子を見守りまして、後日の課題として検討していきたいと思います。
研究学園都市の計画につきましてでありますが、これは最近地価高騰のためにかなり土地の入手難といいまするか、その辺の地価高騰の圧迫がありまして、計画の進行に支障を来たすのではないかといわれておりますが、これは、真相はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/112
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113・河野一郎
○河野国務大臣 お話のとおり、当初におきましては、茨城県をあげて非常に強い御要望でございました。現地も、各市町村長諸君もあげて非常に期待をされたのでございますが、その後一部にお話のような点が起こってまいりましたので、私は無理してこれを実行しようという意思はございません。したがって、規模を半分にするとか、地元の人が喜んで受け入れられる程度にいたしまして、何も一カ所でなければならない理屈はないのでございますから、他に適当なところがあれば、適当なところに移すという所存で、第二の候補地を目下物色しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/113
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114・吉田賢一
○吉田(賢)委員 それから、宅地造成につきまして、同様に継続が千三百二十五万坪、こういうことになっておるようでありますが、最近、だんだんと当委員会におきましても議論の一焦点となりましたが、地価高騰の圧迫によりまして、計画の蹉跌を来たすのではないかというふうな懸念が各方面にされておるのでありますが、予算を見ますと、一割五、六分の用地費の増ということになっておりますが、このようなわずかな増額をもちまして、はたして全体として可能であろうかどうか。同時に、宅地造成の問題は全体の計画実現の基礎になるものでありますが、その点についての見通しはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/114
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115・河野一郎
○河野国務大臣 御承知のように、高い安い——一体どれが高いのでどれが安いのかということになりますと、たとえば東京駅の前の坪三百万円、五百万円というのは高い。それからしばらく都心から離れまして、坪二万円、三万円というところも、これは一体高いのか安いのかということになりますので、一体高いとか安いとかいいましても、先ほどもお話のありましたとおり、安いところをさがせといえば、いまでも、東京から一時間も行けば、坪二、三千円出せば買えるところがたくさんあるわけでございます。だから、どこに建てるかということが問題であって、ただ宅地が高い高いといってしまえば、それは高いところは幾らでも高いところがある、そして安いところは幾らでも安いところがあるということなのでございますから、これはやはりある程度の標準をきめて、この程度のところへ建ててくれということにせなければいかぬだろうと思うのであります。それを、地方の府県等が、国の計画はそうであるが、しかし自分のところでは、こういう行政上の都合もしくはこういうふうな関係で、少々高いけれどもここへ建てるという場合があり得るのでざいます。たとえば先日、仙台の話で、非常に仙台が高いというやかましい御発言がございましたが、私も、宮城県知事さんと非常に懇意にしておりますので、、仙台にまいりまして、仙台の川のほとりの非常にりっぱな団地を拝見しまして、なるほどああいうふうにりっぱにやれば、団地も高くなるだろうという気が、実は行ったときにいたした経験がございます。したがって、同じ仙台でも、あそこに建てなければいかぬとか、それとも仙台からバスに乗って三十分も東北のほうに出てまいりますれば、あそこに大きな団地を形成しておられます。あの山の中ほどに、河北新報かどこかがやっておられるようでありますが、あそこまで行けば、坪一体幾らぐらいになるかということになれば、これは相当に安い宅地が入手できるということでございますから、これをいま政府が一割五分の値上げで安いじゃないか、建つものか、ということには、私はならないと思うのでございまして、したがって、おおむね公営住宅であれば、この程度までの宅地のところを選んでやっていただく、住宅公団の場合には、少々高いところであっても、立体的に五階建て、八階建てのものを場合によればつくって、十分に都心に通勤ができる、家族を入れて利用度を高めるというようなことを十分勘案されまして、そして宅地の合理的な利用をしていただく、ということにしていただかなければいかぬのでございまして、ただ一がいに予算の数字の上で、高かろう安かろうということにはならぬのじゃないか、こう私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/115
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116・吉田賢一
○吉田(賢)委員 しかし、問題はやはり都市に集中する人口、都市に居住する人々の便益をはかるということが、いま一番切実になっております。農村におきましては数百坪の土地を持った上に家を建てておるというのが多いのでございます。一方都市の地価の趨勢というものが、また遠隔の地価のあまり上がらないところと比べまして、目をむくほど高くなっておるということ、これもまた公然の事実でございます。したがいまして、ここにこまかく数字を述べませんけれども、東京におきましても、新しい住宅建設におきましては、やはり半ばお手上げの状況と申してもよいのであります。やはり地価の圧迫ということがこれをなさしめておるのであります。としますると、不便な土地を選ぶことは公団としては望まない。不便でないところを選ぼうとすると、都市に近接する、もしくは都下に近いところになるといったような場合には、よい条件のところは断然高い。事実上は数万円でも得られないのじゃないかと思うのです。そこで、念のために聞きますが、公団の代表の方、都下におきまして一万坪以上の土地を入手するのには、普通一体どのくらいの目安で値段をおきめになっておるか、一言だけでよろしゅうございますが、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/116
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117・挾間茂
○挾間参考人 同じ都内と申しましても、三多摩方面もございますし、都心に近いところもございますので、いろいろでございますが、地価が高くなっておるということは事実でございますが、これは都市計画または交通機関等とも関連して考えまして、なるべく安い四、五千円のところを買います。また、交通便利なところでございますならば、数万円のところもございますが、その利用方法については、できるだけ経済的にこれを使う、こういう方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/117
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118・吉田賢一
○吉田(賢)委員 私が聞きたかったのは、やはりずばっと大体どのくらいということを出してもらいたかったのです。積算の基礎はそこからくるのでありますから、その辺のところがいろいろそごを来たしておりますので、なかなか住宅の建設は思うにまかせない。個人も同様であります。国も同様である。政府の施策の住宅政策というものが、そうスムーズにいっておらないのであります。個人はもちろんのことであります。みんな地価の高騰にさえぎられておるのです。こういうことですから、ずばっと大体の値段を言ってもらえばいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/118
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119・挾間茂
○挾間参考人 素地は四、五千円にいたしましても、これを造成いたしまして宅地に使うということになりますと、全体を平均しまして、大体二万円前後になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/119
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120・吉田賢一
○吉田(賢)委員 なかなか二万円前後でまとまった土地は容易に得られません。これは見ておりますが、あなたのほうで都下の府中で一万八千円というのを去年入手したのが一つあるようでありますが、これは例外でしょう。だから、こういうこともありますので、この点は、何としても抜本的に手を打たなければいかぬと思うのです。
そこで、大臣に一言だけ聞いておきますが、いま大蔵省のほうで審議いたしておりまして、三年計画で国有地などの調査を進めております。そこで、国有地といたしまして、たとえば一万坪、二万坪くらいのものならば、これを利用いたしまして、公団の建物の敷地にするというようなことは可能な地が相当あろうと思うのです。きょう大蔵省から来てもらっておるのですが、あなたはお急ぎになっておるから、事務的なその辺の説明を十分聞く機会がないのですが、相当あるのであります。でありますから、これらの問題につきまして、公共用地に可能な地域、場所を物色して、できるだけこれに利用するというふうに、閣議、大臣折衝においてなさってはいかがかと思うのです。一つの着想に違いないと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/120
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121・河野一郎
○河野国務大臣 ただいまお話しのような点は、私は閣議で再三発言しておりますが、第一大蔵省は、国有財産は時価をもって処分すべしということになっておりますから、安い土地はございません。都内ならやはり何十万円いたします。決して国有財産だからといって安く出さない。それから第二には、国有財産の一万坪前後のもので住宅を建ててよろしいというところは、たいてい物色して、圧迫をしてやっております。やっておりますけれども、これも出てこない。極力やっておりますが出てこない。これが現状です。幸いにしてあなたから、いまどこにどういうものがあるから、これをやってみたらどうかという具体的なお話がありますれば、私はできるだけ一生懸命やる熱意と決意は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/121
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122・吉田賢一
○吉田(賢)委員 実はその熱意と決意を私は買いたくて、きょうは大蔵省に資料も持ってきてもらって、一々について検討したいのでありますけれども、これは三時間、五時間かかるのです。私らもそこの問題の重要さはわかっておるのです。それに国のものを、時価をもってするのでなければ公共の用地に提供しない、そんなべらぼうな行政のやり方がありますものか。やはり公共の用地として、たとえばこの公団が使う八百数十億円の本年の予算にいたしましても、やはり粒々辛苦の国民の財政投融資の金も多分に出すのであります。外国から金も借りるのであります。民間から融資もするのであります。というようなことをいたしますというと、国有地を宅地ないしは公共用適地といたします以上は、これは時価をもってしなければ処分できない、そんなばかげた大蔵行政はあるものでないと私は思うのです。国民の利益を守るならば、その辺は断固として排除して、閣議は統一していかなければならぬと思うのです。積極的にやってもらいたいのですが、ひとつもう一ぺん決意を述べてもらいたい、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/122
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123・河野一郎
○河野国務大臣 できるだけ努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/123
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124・吉田賢一
○吉田(賢)委員 この件はこれで終わりますが、これはなお他にいろいろ大事な問題がたくさん残っておりますので、別の機会にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/124
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125・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 他に質疑の通告もございませんので、これにて本案について質疑を終局するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/125
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126・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/126
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127・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 本案に対しまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、瀬戸山三男君外二名から修正案が提出されております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/127
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128・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 まず、提出者から、その趣旨の説明を聴取いたします。瀬戸山三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/128
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129・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 ただいま委員長からお話しのように、三党共同の修正案を提出いたします。
日本住宅公団法等の一部を改正する法律案に対する修正でありますが、その案文はお手元に差し上げておりますので、ごらんを願いたいと思います。要するに、日本住宅公団法の監事の規定の改正案、それから住宅金融公庫法の一部改正案に対する監事の規定の改正案で、この中に、監事が必要ある場合には、建設大臣に対しては「総裁を通じて」こうありますのを削除して、そして監事の職責を明らかにする、こういう趣旨でありまして、前の首都高速道路公団法の場合と同様でありますから、御賛成を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/129
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130・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
別に質疑の通告もありませんので、これより原案並びに修正案を一括して討論に付します。
別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決に入ります。
まず、瀬戸山三男君外二名提出の、日本住宅公団法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/130
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131・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/131
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132・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 起立総員。よって、日本住宅公団法等の一部を改正する法律案は、瀬戸山三男君外二名提出の修正案のとおり、修正議決いたしました。
おはかりいたします。ただいま修正議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/132
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133・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/133
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134・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は六日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X00919640304/134
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