1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十九日(金曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 丹羽喬四郎君
理事 加藤 高藏君 理事 瀬戸山三男君
理事 服部 安司君 理事 廣瀬 正雄君
理事 岡本 隆一君 理事 兒玉 末男君
理事 山中日露史君
逢澤 寛君 天野 光晴君
木部 佳昭君 木村 武雄君
正示啓次郎君 中村 梅吉君
堀内 一雄君 松澤 雄藏君
山本 幸雄君 井谷 正吉君
金丸 徳重君 久保田鶴松君
辻原 弘市君 西宮 弘君
原 茂君 玉置 一徳君
吉田 賢一君
出席政府委員
建 設 技 官
(道路局長) 尾之内由紀夫君
委員外の出席者
議 員 瀬戸山三男君
大蔵事務官
(主計官) 青鹿 明司君
専 門 員 熊本 政晴君
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五月二十九日
委員山崎始男君辞任につき、その補欠として辻
原弘市君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として山
崎始男君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
奥地等産業開発道路整備臨時措置法案(瀬戸山
三男君外七十名提出、衆法第四九号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/0
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001・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
奥地等産業開発道路整備臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。辻原弘市君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/1
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002・辻原弘市
○辻原委員 私は、奥地等産業開発道路整備臨時措置法案という、ただいま議題になりました法案に関しまして、若干御質問を、提案者にいたしたいと思います。
最初に私が申し上げたいことは、最近のわが国政治の上での一番大きな問題は、これは私の理解なんですが、何といっても、各方面にわたる格差の是正だと考えます。そこで、もちろん国のやっている施策がすべて格差是正に通ずるということは、一がいには言えませんけれども、そういう観点を浮き彫りにいたしまして、数年前から、われわれ議員の側でも、国土の総合開発ということを大きな命題として取り上げ、さらにまた、それについて各般にわたる開発の計画を進めておられるわけなんです。
その中で、たとえば首都圏の開発、それから昨年立法化いたしました近畿圏開発、あるいは新産業都市の開発、さらにまた各ブロック間におけるそれぞれの地域開発等々を取り上げて、われわれもこれに参画をしてやってきたわけでありますが、そのいずれを見ても、現実にはどうも工業偏重のきらいがある。それから、いま一つは、何といっても都市における人口集中を排除する等の考え方から、都市中心に片寄らざるを得ない、こういう傾向を今日持っていると私は思うのです。そういう地域開発をいろいろ進めてまいりましても、はたしてそれだけでもってわが国の均衡のとれた経済開発なり産業開発というものが行なわれるかというと、必ずしもそうではない。特に私がかねてから心配をいたしておりますのは、そういう開発の中に取り残されているのは、離島とかあるいは山間僻地、この問題であります。特にわが国の場合には、地勢上、山間僻地の占める部分が非常に大きいわけであって、それぞれの都道府県を見ましても、都道府県の範囲における山間僻地の占める部分というのは五割、六割に達しているところがかなりあるわけであります。そういう意味で、私は、今回与党の諸君から、議題になっております奥地等産業開発道路の整備なる法案が提出せられたということは、野党側であるわれわれも、かかる問題については政党政派を越えて大いに提唱しなければならぬ問題であるという観点から、これを私は歓迎するものであります。ただ、ここで提案者に私が一言言っておきたいことは、いま私が申し上げたような観点は、まさにこれは公共的、社会的、国家的立場からでの大きな観点であります。そうであるとするならば、何人も今日おくれているこの奥地等の道路開発についていなやを申す者はないはずでありますから、したがって私どもの党におきましても、この問題について鋭意諸般の検討を進めておった段階であります。しかもわれわれのほうから、当委員会の理事会を通じて、提案者に対しても、でき得ればこうした問題は一党において事をなすべき問題ではなくて、それぞれ各党の協力を求めて法案化をすることのほうがより地域住民の福祉になるし、より強力な奥地対策になるのではないか、こういうことを申し上げておったはずであります。ところが、そのことについてお聞き入れなく、ここに一党だけの議員提出の法案としてまかり出たということについては、これはいささかどてっ腹の関係において考える点があるのじゃないかということを私は与党のために惜しむ者であります。提案者はいかにお考えでありますか。まずこの点についてお答えを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/2
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003・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 辻原委員から、たいへんありがたいおことばをいただきまして、感謝いたします。ただ現在の日本の情勢下において、こういう奥地等の開発の前提となる道路政策はきわめてけっこうであるが、この法案を提出するについて、与党といいますか、自由民主党だけで出したのは必ずしも適切ではないのじゃないか、社会党の方々においても検討されておったのであるからというおことばで、ごもっともであります。そういう御連絡も、最終段階にいただいたことはございますが、実はこの問題は、御承知かと思いますけれども、数年前から検討をいたしておりましたもので、三十九年度の予算編成をいたします際に、与党の立場といたしまして、予算編成大綱にもこの問題を取り上げて、実際欠けておる部面の補足をしなければならぬ、こういう考え方で進めておりましたので、最終段階に至ってお話がございましたが、やむを得ず与党だけで出したという事情であります。おことばは全くごもっともでありますけれども、そういういきさつでございましたので、どうか御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/3
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004・辻原弘市
○辻原委員 それでは、以下、私は重要な部分につきまして、順次お伺いをいたしてまいります。
まず、法文の中身にも関係を持つのでありますが、問題は、奥地の道路開発をするということの最も必要なことは何かと言えば、一体いつまでに、どの程度のものを、どの程度の予算をもって施工し、完成をするかということに対するめどであります。もちろん全額を国で持って施工するということでありますならば、またおのずから考え方は変わると思いますけれども、しかしこの法律から見ますると、若干部分については、それぞれ地方の負担に相なるわけでありますから、そういう長期にわたる計画を地方に対しても示して、地方のそれぞれの財政事情の中で、それに見合うものを支出してもらうための十分な準備、受け入れ態勢というものを考えてもらわなければなりません。したがって、そういうような長期計画がどうしてもなければならぬと私は思います。そこで提案者にお伺いをいたしますが、この法律でもって整備計画なるものを策定することになっておりますが、立法に当たって、ただそういうことはあとでいいのだというわけにいくものではありますまい。したがって、一応のプランというものを持ってこの法律をお出しになったに違いないと私は推察をいたしますので、そこで、この奥地道路に関する長期計画というものはどういうふうに構想を策定せられておるか、これを伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/4
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005・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 ごもっともな御発言でありまして、実は結論を申し上げると、お話のような長期計画の内容はまだこれからであります。これは形式的なお答えになって恐縮でありますが、辻原委員もおおむね御承知だと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、これは数年来検討を続けてきております。そこで、この法律が成立いたしますと、これに基づいて、政府の各省関係で協議をして全体の構想を立てる。この法律は時限立法として提案いたしておりまするが、少なくとも第一期として、今度策定中のいわゆる四兆一千億の五カ年計画の中に含ませるという段取りでやっておりますけれども、その前に、この法律で取り上げたいというような日本の道路網を非公式に検討いたしております。その途中においては、さきにもお話がありましたように、日本が非常に山岳地帯で奥地というものが非常に多いわけでありますから、理想的に申し上げますと、これは幾らでもあるわけであります。それをいろいろこの法案の趣旨を体して、日本全体の道路について、非公式な検討でありますが、少なくとも五千キロはこういう道路の取り上げをしなければならない、あるいはそれは膨大であるから三千キロくらいは必要ではないかというようないろいろな試案をつくりまして、しかしこれも当てずっぽうでやったわけではありませんけれども、今度の五カ年計画でそういう問題点がどのくらい織り込まれるか、キロ数にしてどのくらいのキロ数、あるいは資金のワクにしてどのくらい認めたらいいかということは、この法律制定後すみやかに——現在各都道府県等から要望があるようでありますから、それを集計して、その中の必要なものを取り上げ、五カ年計画のそれに関するワクを決定いたしたい、こういう考えでありますので、いま直ちに、これはどのくらいということは申し上げられない状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/5
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006・辻原弘市
○辻原委員 もちろん、計画が法律に基づいて、法案成立後に定まるわけでありますから、私は、決定的なことをお伺いしようというようなやぼなことは考えておりません。しかし提案者の構想というものはあるわけであります。したがってその提案者の構想——構想ということばがぐあいが悪ければ、提案者の意欲と申してもいいと思いますが、法案を提出するにあたっては、大蔵省あるいは建設省あるいは林野庁等との十分な協議も遂げられたやに聞いておる。したがって、その過程において、法律制定後においてはこのくらいのことをやろうという意欲がなければ、法律の価値というものは私は何らないと思う。したがって、いまお話の中にありました、一応提案者としてはこの法律によって少なくとも五千キロ程度のものはやりたい、こういうことが一つの構想の中の意欲であるのか、ないしは三千キロというふうな考え方が、その過程にも一方において出ておるということであるが、そういうことを提案者が了承せられておるのか、その辺のところをこの機会に明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/6
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007・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 これは、全くそういう確定的な構想をまだ持っておりません。ただ規模というお話でありますから、この程度の部分であれば一キロ三千万円くらいではないか——これは大体の見当でありますが、そういたしますと千キロで三百億、二千キロで六百億、この程度のものは少なくともあってしかるべきではないか、こういう考え方を持っておりますことを申し上げておきます。間もなく道路局長が見えると思いますが、相当作業は進んでおるようであります。まだ最終的にお答えできないと言いますけれども、おおよその荒見当はあるいはお答えはできるのではないかと思いますから一いま道路局長が見えましたから、伝えてお答えさせることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/7
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008・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 奥地の道路の計画についてでございますが、実はまだこの法律によりまして政令として出すべき地域の基準、これが第二条の一項の基準と同じく、第二条の三項の基準があるわけでございますが、その両方の基準によりまして、地域を指定いたすわけでございます。この地域の指定のしかたによりまして、その範囲等が変わってまいります。したがいまして、全体の規模というものはわかりませんが、私どもが従来いろいろ調べて持っております数字を申し上げますと、こういうような奥地におきます、主として交通がまだ不能な区間、これらを改良する、こういう観点に立ちますと、県道で約四百キロくらい、市町村道で六百キロくらい、合わせまして千キロくらいのものが一応対象になるのではないか。これらについてどれを実施するかということは別問題といたしまして、対象となる路線というものはおおむねそのくらいではないかということを内々検討いたしておりますが、ただいま申し上げましたように、これからつくります基準によりまして、なお詳細に調べていかなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/8
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009・辻原弘市
○辻原委員 そこで、私はちょっと疑問が出るわけなんだが、いまお答えの千キロというのは、これは一体どういう計画なのか、千キロというのは四兆一千億の道路十カ年計画の中において実施のできるキロ数、こういうことですか。それとも、ここで立法するというのは、私がもっと端的に言えば、われわれが意欲を持って奥地道路の整備、開発というものを促進しようというのは、もちろん道路政策を推進していくという本来の意味と、いま一つは、冒頭に私が申し上げた、わが国における重要な命題である格差是正については、要するに、言い古されたことばであるが、高いところへの土持ちはある場合においてはいささか遠慮してもらってもよろしいが、しかし低いところはいろいろな形で力を貸していかなければならない。てこ入れをしていかなければならない。そのてことは何ぞやということになれば、それはやはり国は国でお金を出す、県は県でお金を出すということなんだ。とするならば、一般的な基準のほかに、こうしたいわゆる辺地、奥地等の道路開発については、通常の力では、その当該地域はやれないわけだから、より以上のものをあてがう必要がある、こういう観点がある。これは一般的に理解できるだろうと思うのです。したがって、そういう観点から言うなれば、法律を立法化したのだから、新たな構想で、新たな立場でこの問題を推進していく必要がある。だから私は、道路十カ年計画はどうなっているか詳しいことは知りません、知りませんが、それがいかがあろうとも、この法律を制定することによって、いま私が瀬戸山さんにも申し上げたとおり、新しい構想、観点がなければいかぬ、そういう意味で申し上げた。そこで、私の質問にお答えになったただいまの千キロというのは、私が言っておる新しい構想に基づく、いわばこの法律を施行することによって、わが国の奥地道路の開発は一千キロである、こういうことであるならば、私は力を入れてこの法律を推進する価値はない。その一千キロというのは、どういう関係の上にお考えになっておるか、この点を明らかにしていただきたい。すなわち、道路十カ年計画の中で一千キロというのか、そのことはそのこととして、ともかくこの法律ができた機会に、建設省として一千キロくらいのものはまずやろう、こういう程度のものであるか、これをひとつ明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/9
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010・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 先ほど申しましたように、地域の指定の前提になります条件が明らかでございませんので、その千キロというものも、もちろんそういう前提で申し上げておるのでございます。実はもっと大きな数字を申し上げれば、協会等でお調べになっておるのは五千キロくらいの数字もございます。しかしいずれにいたしましても、基礎がそういうふうにございませんので、私どもはいま一応千キロくらいと考えております。
ただ、従来、こういう法律がございませんで、奥地の開発のために道路の整備をやっております事業の量は、三十八年度におきまして、お金にいたしまして三億三千万くらい、三十九年度、本年度におきましてそれに相当いたしますものは四億三千万くらい、こういう規模のものでございます。千キロと申しました数字も、五カ年計画はこれから内容をきめるのでございまして、まだそれにどのくらい見るかということは未定でございますが、千キロといいましても、実際にはかなり大きな規模の事業になります。従来の、ただいま申しました三億、四億という規模をはるかに上回る大きな規模でございます。したがいまして、その千キロが五カ年でできるということば非常にむずかしい。私どもはこの数字の何分の一、たとえば二百キロとか三百言キロ、こういう程度くらいしか実際にはなかなか見込めないのではないか、これはもちろん四十年度以降の話でありますが、そういうふうに推察されます。したがいまして、いずれにいたしましても、まだそういう資料を十分持ち合わせておりませんので、数字的にはっきりしたことは申し上げる段階ではございませんが、従来の三億、四億といったものの単なる延長でないことは明らかであります。さらにそれよりも延ばした、この法律の制定によりまして、かなり事業量をふやしたものにしていかなければならぬのではないか、こういうふうに考えております。ただ、あまり急速に延ばしますと、これは本法の制定にあたりまして基本的に問題になりますところの奥地以外の、他の地域との補助率のバランスということもございますので、その辺の事情も考えなければならぬというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/10
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011・辻原弘市
○辻原委員 大体千キロといえば、おおむねどの程度のものか、私もしろうとながら推定がつくわけなんですが、実は千キロという数字を出されたので、私もいささか驚いている。さらにそれが実際には、諸般の事情から、あるいはそこまでやれるかどうか疑問だという消極的なことでは、いささかこの点は困ると思う。やはり法律をつくる以上、しかも従来のおくれを取り戻すという立場から、相当の意欲を持って政府にも当たってもらわなければいかぬ、こういうことを、私はこの機会に強く要望するわけであります。
そこで、千キロとあなたが一応の数字を出されたことには、若干の基礎があるはずだと思うのですが、先ほどお話しになった法律の二条一項、三項に基づいて、それぞれの地域指定をする、その結果大体そういうことになるだろう。こういう限りにおいては、すでにそれぞれの基準についての一応のプランというものを、あなた方のほうでお考えになっておるものと私は推察をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/11
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012・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 先ほど申し上げましたように、この第二条一項の地域の指定並びに第二条三項の地域の指定、この二つの基準をどうきめるかということは、基準をきめる考え方の問題もありますし、他方、五カ年計画でどのくらいの事業が見込み得るかということもございます。したがいまして、これらにつきましてはまだ申し上げるべき基準は持っておりませんが、ただいまそういう点で五カ年計画もこれから作業にかからんとしているところでありますので、いろいろ研究いたしておりますが、まだ申し上げる段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/12
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013・辻原弘市
○辻原委員 それじゃ問題をもうちょっと前に戻しまして、さっき瀬戸山さんもおっしゃったわけだが、要はいかほどの金がかかるかということが一番の眼目であろう。瀬戸山さんのさっきのお話によると、キロ当たり三千万というお話がありましたが、奥地道路という特殊な道路を考えてみた場合に、これは道路局長は専門家であられるから、われわれが議論をしてあるいは間違っている点があるかもしれませんけれども、大ざっばに言って三千万という形で、新設をも含んで、奥地道路の建設ができるかということに私は疑問を持っております。その点、提案者としてはおおむね平均その程度のものでできる、こういうふうにお考えになっておられるのかどうか。これもこの際ひとつ明らかにしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/13
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014・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 専門家からひと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/14
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015・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 奥地道路でありますから、交通量というのはあまりないと思います。したがいまして、先ほども申し上げましたように、むしろ通れないところを通すというのが第一義的な目標でございますので、そこにはおそらく従来の林道的なものもあり、あるいは農道的なものもある程度利用し得ると思います。したがいまして、そういうものを手直ししながらいく改良でありますから、平均的に三千万といいますと、十分二台の車が通れる道幅を確保することができると思います。大体、カーブあるいはその他路面等におきましても、規格に十分合致したような道路というところまでには足りないかと思いますが、一応交通には支障ないような道路ができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/15
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016・辻原弘市
○辻原委員 時間の話し合いがついたようでありますから、少し先に急ぎます。
第二にお伺いをいたしますが、これは提案者にであります。この法律は五カ年の時限立法とされておる点が、いささか私は理解に苦しむ点であります。なぜかといえば、もちろん役所仕事で、ただ金がこれこれだからというので、その必要度合いは別として、適当に計画をつくり適当に切っていくということであれば、これはどんな形にでもやれます。しかし本来の意味を達成するために、十分この際奥地開発をやろうという心組みである限り、私は三年や五年で片づくものとは思わない。とすれば、今日の積寒法を見ても明らかです。積寒法はこれは時限であったが、順次延ばされておる。そういう意味で、初めから五年でやれぬということがわかっておりながら、五カ年の時限でもってこれを推し進めようとすることは、これは私は法律の立法としてはいささかどうかと思うのです。その点、提案者の瀬戸山さんが時限を了承せられたということは、時限でもってわれわれに審議しろということは、これは奥地道路についてあなたが構想され、一般がぜひと言っておるそういう点について、この五カ年でことごとく完了できるという確信をお持ちになってこの法律を出されたのか、その点を私はこの機会にはっきりしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/16
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017・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 これには考え方がいろいろあるわけだと思います。そこで結論から申し上げますと、この趣旨の道路が五カ年や六カ年で目的を達成するとは全然考えておりません。こういう時限立法にいたしました理由を二つばかり申し上げますが、一つは積寒法の場合とはやや趣を異にいたしまして、いわゆる奥地道というものは、これは法律がなくとも、道路の整備をしようと思えばできるわけでありますけれども、先ほど辻原委員もお話がありましたように、どうしても都市に集中する、あるいは既開発地帯に、いまの交通事情から道路整備が集中をする。これは一面やむを得ない事情があるわけであります。したがって、都道府県等において自己の負担部分を出して道路整備をやりますときには、どうしても山間僻地、いわゆる奥地等が事実上あと押せと申しますか、ないがしろにされる場合があるわけであります。しかもこういうところは、できることならば一日も早く整備をしなければならない、そういう意味で、これを恒久立法としてゆうゆうとやっておるということは、私どもの目的からは非常にかけ離れておる、それが一つの理由であります。したがって四分の三という最高の国の補助率を出して、そこに政府の意欲を出してもらうというのがこの法律の大きなねらいでございます。したがって、奥地だからやればいいのだということではなしに、できるだけそういう——まあことばが当たるかどうかわかりませんけれども、不幸な地帯の道路の整備をすみやかにするという意味において、時限立法にしたのが一つの理由であります。もちろんこれで、五年でできるとは考えておりませんが、そういうのが一つの含みであります。
と同時に、実は御承知だと思いますが、道路整備緊急措置法が五年、五年になっておりまして、それに基づく国庫補助率を最高ときめておられるわけであります。それと符節を合わせるという意味で、昭和四十四年ですかの時限立法にした、こういうことでありまして、これは当然に、その段階になると、また計画に従って法律は延ばさなければならない、これは予定の行動だというふうに御理解を願って、ある程度時限ということにしておきませんと、ゆうゆうとやられるということでも困る、まあ急げという趣旨もあるということを御理解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/17
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018・辻原弘市
○辻原委員 急いで、どうしても五年たってやれない場合は、それは当然、その際にその時限に即してやるのだ、こういう提案者の意欲でありますから、私は、その趣旨において、法律のていさい上としてはおかしいけれども、お考えとしては、一応了承をいたしたいと思います。しかしそのことは、とくと建設省においても御理解を願いたいと思います。
そこで、先ほど触れました、第二条の指定の基準についてでありますが、先ほど局長の御答弁によれば、まだ完全な構想がまとまっていないから、いまここではっきりすることはできぬという話であります。ただ、ここで私が考えることは、先刻お話しの、建設省の一千キロということと、それからこの法律の立法の手続、すなわち私どもしろうとの考えで言えば、奥地道路といえば、大体において、これは常識的な概念から、それを定めるについて特別な困難性はない、だからそうしちむずかしい基準をつくらぬでもいいじゃないかという——これはラフでありますけれども、そういう考え方が常識的にある。しかしさればとて、一方において、そういうラフなことでは、昔から——これはいまの時代ではありませんが、われわれの先輩の明治、大正等においては、往々にして、道路というものが政治的道具に利用された、まあ今日においても、あるいはなきにしもあらずでしょうが、そういう意味から、ある程度合理的かつ公正に行なうために基準というものが必要だ、こういう意味は私も理解できる。しかしここで、この二条の基準を見ると、二重にかぶせておる。すなわち奥地等の基準をきめ、さらに奥地道路等の基準をそれによってきめる。いわばおしぼりを二重にしぼり上げるという、そういう法律の立法をいたしておるわけであります。それが必然的にどうなるかといえば、結局は、かなりの構想を持って出発をしたけれども、法律なり予算の段階にいたると、それがだんだんしぼり上げられて、まあある程度従来よりは色がついたというていに事済まされる危険性があるのではなかろうかというのが、私の非常に危惧する点であります。やはり、国土の開発とか、あるいは大きな国策というものは、大胆にしてかつ勇気を持って、強力に推進するということが必要である。それが、本日お見えになっておらぬが、河野大臣が、かなり一般世論の中に、いわゆる行動、決断のある大臣として評価されているゆえんであると思う。そのもとにある建設省なりあるいはそのもとにある行政が、もしかりにもそういうような意図を持って、この法律を了承しあるいは予算化をするということであるならば、私は大臣の意思にも沿わぬと思うし、今日のこの、山間僻地、わが国の総合開発という観点から、いささか事務的になるきらいがあると思う。そこで、そういうきらいはないかどうか、しぼるために一つのむずかしい条件をはめんとしておるのではないか。この心配に対して提案者はどういうふうに解明をせられるか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/18
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019・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 辻原さんの御心配は、当然あり得ると思います。ただ、お話の中にもありましたように、第二条の第三項に一号から七号まで、いわゆる奥地等の定義らしいものを掲げております。かといって、こういうところは、御承知のように、日本全国至るところ、津々浦々まであるというようなかっこうでありますから、これだけでは必ずしも趣旨を達成することはできない、行政がきわめてこんとんたるものになるであろう、そういう意味で、そういうものを前提として、その中である程度のしぼりと申しますか、基準をきめておくことが行政運営上必要だろう。同じようなところや似たようなところがたくさんありますけれども、やはりその中にも事の軽重がある。その軽重の基準というものをやはりきめておく必要がある、そういう意味で、第二条の第一項にまたさらに一つの基準を設ける必要がある、こういうふうにしておりまして、いまお話しのように、こういう基準基準で、せっかくの構想が小さくしぼり上げられてしまうということでありますと、これはゆゆしいことでありますから、行政運営の面において、大いにわれわれとしても注意をしなければならぬ、注目をしなければならぬ、こういう考えであることを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/19
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020・辻原弘市
○辻原委員 そこで、建設省に、もう少し私はその点について伺っておきたいと思いますが、三条一項のいわゆる辺地基準というものは、詳細にわたった、数字等までも入れた、そういう基準をおつくりになる構想であるのか、ないしは、そこの第三項に掲げておるていの一般的な基準、一般的、抽象的な基準を掲げられるおつもりであるのか。それによっても、私は非常にしぼり方が違ってくると思うのです。なぜ私がこういうことを言うかというと、僻地基準というものは、今日法律あるいは政令で初めて定めるものではない。かつて私どもがへき地教育振興法というものを立法いたしました際にも、ずいぶん議論をしたものです。ところが、実際にこれを運用してみると、まことに不都合きわまる。そうして二年、三年たつうちに矛盾だらけ、そうしてそれをまた改正をしなくてはならぬ。これはへき地教育振興法等のごとく、給与を支給する等の目的でもって基準を定めた場合は、これはそのつど変更いたしましても、大きな障害にはなりません。ところが道路などというのは、これは一朝一夕にでき上がるものではない。長期計画を必要とする。ばく大な経費を必要とする。それが、その基準の定め方によって、やらなければならぬところと、あながちそうでもないところとが、不公平に、もしその基準によって取り扱われるということになりますると、せっかくきめた細部にわたる法律は有害無益である、そういうような感じが私はするわけです。もっと言えば、従来定めておる僻地基準等において何が弊害であったかというと、いわゆる平板的な基準をとった。しかし、それには詳細な数字が入っておる。たとえば県庁の所在地から当該地方公共団体の町村役場の所在地に至る距離は何ぼである、あるいはその地方を通っておる交通機関は何である、またその交通機関からその公共団体の所在地はこれだけである、あるいは人口密度であるとか、これは一例でありますが、そういう比較的平板な基準をもって律した。そうすると、わが国の離島あるいは北海道等の広域的なそういう僻地とは違う、わが国の中部、いわゆる本州における辺地というのは、むしろ地形複雑、または、そのためにつくろうとしておるのですから、もちろんこれは交通不便。だから、そこに立体的な要素が非常に大きなファクターになっておる。したがって、私は、こまかく数字をもってきめるのか、あるいはだれが見ても常識的にこれはそういうことだとわかるような基準をお定めになるかによって、将来その地域の設定が非常に異なってくると思うので、そこで、こまかくきめるのか大ざっぱにきめるのか、質問としてはいささかおかしいが、そういうような考え方をひとつお示しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/20
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021・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 先ほどお断わりいたしましたように、まだ十分内容を練っておりませんので、ただいま申し上げることは変わることがあり得ると思いますが、この法案の目的は、奥地等における産業開発道路の総合的活用をはかるということでありますので、いま言いますことがただ一つの要素じゃなくて、総合的にこういうことが加味されるという立場に立つわけであります。たとえば交通条件等につきましては、それがきわめて悪いということでありますから、一、二級国道がそういうところへ到達しているか、どうか、あるいは鉄道、軌道のような輸送施設が到達しているかどうかというようなことも考えなければなりません。また産業の開発が十分に行なわれていないということでありますから、その開発の度合いがどの程度であるか、それをたとえば人口密度で示すことが妥当であれば、そういうものは数字として使えると思います。あるいはまた産業人口の構成比によってあらわすことが妥当であれば、そういうものも使えると思います。また地形というような要件から、高度何メートル以上というようなことが、海岸線を除きまして、一般的にいわれるならば、そういうものもまた基準になり得ると思います。そういうような点につきまして、あるものは一般的な表現で間に合い、あるものは数字を使うことが妥当なものもあろうと思います。そういうことを政令で書くことが適当な場合におきまして、数字で示し得るものは数字で示したいと思っております。三項の各号につきましては、これはすでに関係の条項に従いまして地域をはっきり示されておるものもありますので、そういうものはそれに従う。そうでないものにつきましては、新たに地域を考えなければなりませんが、これは一般の場合と違いまして、個々具体的なケースについての問題でありますので、そのケースごとにあらわしていきたい。これにつきましても、国道の場合と同じように必ずしも数字によらなくともわかるものは、そういう方法をとらなくてもいいと思いますが、ものによっては数字を示すことのほうが的確なものもございます。そういうものはケース・バイ・ケースに応じまして取り上げていきたい。それらを総合いたしまして、第一条の総合的効果をあげるような路線を選んでいきたい、こういうふうに考えております。きわめて抽象的でありますが、そういう考え方に従いまして、これから内容をつくっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/21
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022・辻原弘市
○辻原委員 この基準の設定ということは、ある意味において、この法律の根幹をなすものであって、その定め方によって、幾らでもしぼられる、幾らでもふくれる、こういうことになりまするので、したがっていまお話しのような形では、私はちょっと理解がしにくいのでありますが、ただわれわれとして要望いたすことは、あくまでもこの基準が、先刻申したように、ただできるだけ地域を小地域に限定をするというような底意などを持たずに、公平かつ妥当に、しかも少なくとも何人がながめてもこれは当然だというような道路が指定されるごとき、そういう基準を、はなはだ抽象的な言い方でありますけれども、やってもらいたい。具体的には、私は、先ほど申し上げましたように、辺地基準などというものは平板的にやるものではない、また程度をはかるに必ずしも数字をもってやることが妥当とは考えません。五百キロときめたものが、五百十がはたして不適当であるか、そういうことは、もう常識的にわかるわけでありますから、そういうことの弊害が将来起こらざるよう、十分検討してもらいたいと思います。
時間がありませんので、この二条の三項についてはもっと具体的に聞きたいのでありますが、これはまた別の機会にいたしたいと思います。
次に、私が法文を読みました中で疑問に思いました点を申し上げておきたいと思いますが、それは、二条の二項に、奥地道路の概念規定をいたしております。それによれば、「道路法による道路」ということなんです。ところが、奥地道路の性格を考えてみれば、先ほどのお話にもあったように、これは既設のものばかりでなくて、未開発地に新しく道路を通じなければならない。また奥地でありますから、従来の道路法によらざる道路がちょいちょいある。特に最近には、林野庁もしくは都道府県が林道計画を持ってどんどん道をつけております。そういう道をつなぐことが私はきわめて重要であり、また現実の問題としては、必ずそうなると思うのですが、その場合、道路法の道路でなければいわゆる奥地道路ではないのだ、こういうようなきめつけ方をいたしますと、運用上重大な支障が起こりはしないか。この疑問であります。
そこで、私はこの法文を実はこういうふうに解釈いたしたい。だから提案者はこの解釈が誤りであるかどうかをお示し願いたい。それは、ここで「道路法による道路」ということで指定をせられた場合は、その指定をせられたものが「道路法による道路」になるのだ、すなわち既存のものばかりではないのだ。たとえば一本を指定いたしますと、その中には県道もありましょう。市町村道もありましょう。あるいはつなぐための林道もその中間にはあるでありましょう。しかしそれは、あとのほかの条文に出ておるように、主要なる幹線であって、重要なる線とつなぐものであるという意味において指定をされる。そうすると、指定をされたものは「道路法による道路」というように類推解釈をして差しつかえないんだ、こういうふうに私は考えますが、この解釈でもって法を運営せられるかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/22
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023・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 結論を申し上げると、いま辻原さんがおっしゃったとおりに考えております。その趣旨であります。と申しますのは、なるほどいまお話しになりましたように、奥地道路といいましても、林道あり、あるいは開拓道路あり、あるいは酪農道路、鉱山道路等いろいろあります。これは御承知のとおり、各省がばらばらになっておりますから、その総合性がなかったというところに奥地等の道路交通の整備が非常におくれておる、ここに私どもは非常に関心を持っておるわけであります。したがって現在はなるほど県道の部分もあるし、あるいは町村道の部分もあるし、あるいはそれをつなぐべき林道もあるであろう。あるいは場合によっては開拓道路があるかもしれない。そういうものが、ここに書いてありますように、幹線道路としてその奥地の交通上必要であるということで、あとの規定にありますように、各関係庁が協議をいたしまして、それを奥地等産業開発道路の法律に従って、指定をする。それが一本となってあるいは県道となることもありましょう。奥地は県道の場合が多いと思いますが、それは、したがって道路法上の道路となってしまう。そのもとにおいて、建設省が主管をしてその整備をはかるのだ、こういうふうな構想でありますから、さっき辻原さんの言われたとおりに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/23
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024・辻原弘市
○辻原委員 次の問題であります。同じく二条の三項で、いわゆる奥地等産業開発道路というのは、道路の中でどういうランクに所在をする道路か、ということを定めておるようであります。それを読んでみると、「「奥地等産業開発道路」とは、奥地等における次に掲げる地域で政令で指定するものと主要な道路とを連絡する地方的な幹線たる道路」である。そこで、私はこれをもう少しこの機会にはっきりさせておいていただきたいと思います。文言はきわめて文学調でありますから、これはこのままではわかりかねる。そこで、連絡をする主要なる道路とは一体何ぞや。時間の関係で、私の理解をひとつ申し上げて、よろしければよろしいとお答えを願いたい。
主要な道路と一般的な道路という概念で言う限りは、今日の日本の状態において、最近特に縦貫高速道路とかあるいは横断高速道路とかいわれるいろいろな高速道路、もう一つは国が所管する国道、これは何といっても主要な道路に違いない。そこでこの主要というのはどの辺まで使ったらいいかということでありますが、その定義をひとつお教え願いたい。主要なる幹線道路というのは、高速道路、それから主要なる国道、国道の中でも一級、二級がある。そこまでのランク分けはむずかしいと思うが、どの程度までを言うのか。
それから「地方的な幹線たる道路」、これもまことに文学的表現でありますので、「地方的な幹線たる道路」とは一体何ぞや。そうなりますと、奥地道路というのは、これは一当該地方公共団体の範囲だけの道ではない。奥地において、定義に一あるごとく、いわゆる主要なる道路と結ぶ道路であるとするならば、その「幹線たる道路」という意味はどう理解してよろしいのであるか。これを県道であると理解するか、しかし県道ならば県道と書けばよろしい。しかしあえて「幹線たる」ということばを使ったにおいては、かなりの立法者の技術がここに存しておると私は実は拝察した。そうするとここにある「地方的な幹線たる道路」というのは、最近の地方のあれから見ると、県道以上の−今度道路法の改正も出されておりますが、おいおい地方的ないわゆる重要道路というものは国道に編入されつつある。そういう意味合いからいって、国道に準ずべき幹線道路である、そのくらいの大きな気がまえを持ってこの道を通すのだ、こういうふうに理解をするのがきわめて自然な常識だと思うが、そういうふうに理解してよろしいかどうか、提案者に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/24
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025・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 御承知のとおりに、現状では一、二級国道あるいは都道府県道とございます。ところが一級国道、二級国道、都道府県道については、その要件が詳細に道路法に規定されておるわけであります。そこで地方的幹線道路ということばを使いまして、国道とも書かないし、県道とも書かない、あるいは市町村道とも特定しないのは意味があると、私どもは提案者として申し上げておきたいと思います。なるほど、場合によっては、国道たる資格を有するものもあるでしょう。いわゆる国道の要件がありますし、あるいは県道としての要件を満たす場合には県道になり得る場合もある。しかしそういう要件を満たさなくとも、その地方の幹線道路として、どうしても必要だという場合があると思う。ですから、そういうものを含めて、総合的に、その地方にはどうしても幹線道路が必要である。しかも県道の要件をいろいろこまかく規定しておりますけれども、奥地ですから、そういう場合には当てはまらない場合があると思います。そういうものを含めるのだという意味で、特定の現状の概念を使わないで「幹線たる道路」、こういうふうにしておることを御理解願いたいと思います。場合によっては、市町村道といえどもこの「幹線たる道路」になり得る場合がある、こういうふうにお考えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/25
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026・辻原弘市
○辻原委員 若干、お答えとしては舌足らずの点もありますが、趣旨は理解をいたしました。
そこで、次でありますが、計画を策定するについては、法四条二項において、道路審議会にこれをかけて定めるということになっております。そこで、私はこの機会に、道路審議会のあり方なり運営、人選、こういうものについて、本来なら少し時間をかけて建設当局なり大臣からでもお考えを伺いたい問題であると考えてまかり出てきたわけでありますが、本日は大臣もおられませんし、多くのことは省略いたします。ただここでもって申し上げたいのは、道路審議会にかけるという意味は、あくまでも、道路の決定その他については、他とのいろいろなバランス、それから本来の目的を達成するに十分な要件を具備しておるかどうか、あるいはそれが公正妥当なそういう立場を疎外されて考えられておりはしないか等々の事柄を十分精査をして、正当に定めるための役割りを持っているのが審議会だろうと思う。ところが、この審議会の運営の状況を聞くと、どうも時間をかけてやっているようには実際私は思えない。そういうことで複雑かつばく大な国費を使い、しかも権限のある審議会が十分その役割りを果たしておるとは、これはだれが考えても言えない。これはこういう機会に大いに改めてもらわなければならぬ。これは建設当局にも責任があると思う。もし必要があれば逐次その資料をお示ししてお尋ねをしてもよろしい。しかしここではそれは省きましょう。ただ、一つ必要なことは、審議会のそれぞれのメンバー——二十人でありまするか、それぞれのメンバーは、いずれも学識経験者でありますが、ほんとうにこの法律に基づく、いわゆる辺地事情というものをつまびらかにせられておる人が何人いらっしゃるかということについては、私はいささか疑問であります。幸い、今回、改正によって委員が追加されるということも承っているが、その機会にぜひとも奥地の事情をつまびらかにし、奥地道路開発について、経験と、しかも抱負と情熱を持っておるような人たちを必ず入れていただきたい。何人入れろということは申しませんが、ぜひ入れていただきたいということを私は強く要望するわけでありますが、まずそれについて提案者のお考えを承り、同時に大臣を代理して、ひとつ局長からも、その点についての見解を承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/26
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027・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 道路審議会の運営等については、建設当局からお答えしたほうが適当だと思いますが、いまお話しのように、この道路審議会にかけるということは、先ほども御議論がありましたように、これに基づく道路はやはり道路法上の道路であるという関係から、道路審議会の審議を得る、こういう組織にいたしております。
そこで、いまもお話がありましたが、こういう趣旨の、こういう眼目を持った道路の整備をするについては、やはりこういう事情に通じた審議会の委員が必要である。従来の審議会の委員の皆さんがこれに通じておられないというわけではありませんけれども、従来の概念にとらわれた道路政策と非常に趣を異にする、こういうことでありますので、この奥地等の産業開発道路の法律を制定いたしますについては、この点を考えて、道路審議会の構成を再編成しなければならぬ、こういう趣旨をもちまして、最初の立案の当時は、実はこの法律で道路審議会の組織を改正したい、こういうことでありましたけれども、さっきお話が出ましたように、一般道路法の改正を政府が準備をいたしておりますので、やはり本来の姿に返って、道路法の一部改正の中で、審議会のメンバーを五人増員する予定になっておりますが、それはこの第二条第三項各号に書いてありますが、そういう部面のエキスパートと申しますか、学識経験者をできるだけ多く取り入れる、こういう意味で審議会のメンバーをふやす、こういう改正の案を出しておることを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/27
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028・辻原弘市
○辻原委員 時間がございませんので、あと一、二問、はしょってお尋ねをしておきます。
それは、問題になっておった一番の眼目である補助率の問題でありますが、形式的かもわからぬが、法律には四分の三の範囲ということが書かれております。これは私のみならず、わが党でいろいろ議論をいたしましたときにも、国家財政のたてまえはあるが、奥地という立場から考えてみたときに、先刻私が申し上げましたように、単に他の道路との比較均衡ということではなくて、地域格差是正、後進地域の開発という大きな命題を持ってやるなれば、これはその地方の財政事情、経済能力等を勘案して、もう少し負担を軽減してもしかるべきではないか、こういう議論が非常に強く行なわれたわけであります。したがって、四分の三であながちわれわれは満足すべき立場をとっておりません。しかしながら、いろいろ御努力をいただいて四分の三になったという経緯も聞いておりますから、これについては、不満ながら了承せざるを得ないのでありますが、将来、四分の三の範囲ということが、実際に生きて運用されるようなことがありましたならば、これはたいへんだと考えて、老婆心ながら念を押しておくわけです。それは法律に範囲と書いておるが、四分の三だ、そういうふうに理解をしてよろしいですか、これは提案者に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/28
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029・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 およそ補助率をきめます場合にはこういうやり方になっておりますので、こうしておりますが、もちろん四分の三という趣旨であるということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/29
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030・辻原弘市
○辻原委員 そこで、私は先ほど触れられた問題についてお尋ねをいたすのですが、今後各関係機関、各地方公共団体相互間における連絡調整、この問題であります。これは、私は実際上非常に大切なことだと思います。たとえば、具体的に言いますと、先ほどの議論の中ではっきりしておりますように、奥地道路というものは、県道、市町村道、林道、開拓道路あり、いろいろでありまして、それを指定をして、指定をした後には道路法の道路とみなされるわけであるが、ところが、おのおの着工の時期も違う、目的も、性格も違うものが寄り集って一つの体をなすわけであります。そうすると、その間に連絡調整がなければ、たとえば林道のほうは、おれのほうは幅員四メートルだから四メートルの道をつける、おれのほうは市町村道だから四メートル五十でよろしい、わしのほうは県道で、これは本来奥地道路として指定を前提としてきたものであるから、ひとつ五メートル半なら五メートル半でいきましょう。そういう形でやりますと、将来はたしてそこに書かれておるような幹線道路になり得るかという疑問が出てくる。だから、私は可能な限り、幅員改修の方法、あるいは着工の時期、そういうものについても、できるだけの調整と連携をはかる必要がある、こういうふうに考える、ここまでは常識なんです。ところが一体だれが首唱して、それを積極的にとりまとめをやるかということが法律には何も書いてない。その辺のところを私は聞かしてもらいたいのです。連絡調整を密にしなければいかぬという精神規定は、この法律の六条に、協力とか配慮するということがありますが、しかし私は歩を一歩進めて、むしろでき得べくんば、そういう調整機関をつくってはどうか、あるいは連絡機関というか、そういうものを明示することが必要ではないかと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。これは十分提案者もお認めになっておられると思いますが、何か歯が抜けておるような感じがするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/30
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031・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 ごもっともであります。ごもっともでありますが、実はこれを立案いたしますときに、そういうお話になりますと、御承知のとおり、まあ経済企画庁が調整庁であるというようなことになりまして、屋上屋を重ねて、手続が煩瑣になって、仕事は進まない、こういう実情でありますので、最初に戻りますが、道路法上の道路という規定をいたして、そこで第三条にありますとおり、建設大臣が主宰する。第三条は、「建設大臣は、関係行政機関の長及び関係都道府県知事の意見をきいて、」とありますが、そこで調整と言いますか、道路法上の道路を扱うのでありますから、そうなりますが、そのときには、第六条の二項で、ひとつ皆さん方に御協力を願いたい、どうもいままでのようにばらばらでは困ります、こういう考えであります。これを調整機関とか、各省関係があるからというので、非常に議論をしてまいりますと、それじゃこの法律の扱いは経済企画庁だなんというのが従来のしきたりでありますから、そうなりますと、屋上屋を重ねて、議論倒れになって仕事ができない、こういう配慮から、こういうふうな法律のたてまえをとった、こういう事情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/31
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032・辻原弘市
○辻原委員 そうすると、建設大臣がその連絡調整の最終的責任者であり、積極的にその取りまとめに当たる、こういう趣旨でありますか、その点は。
私はもう一つ、これは検討しておいていただきたいと思うのですが、実際、道路を策定するときに、連絡調整といったって、ただお互いにそのつどつど、何の資格も何の権限もなく、ただ連絡し合うというだけでは、これはお互いのなわ張りを主張し合うということだけにすぎない。最終的に、それは建設大臣がそうするということであれば、それでよろしいのですけれども。だから、そういう場合に、必要とあらば、そういう横の連絡機関というものを、一応ただ連絡というだけでなくて、ある程度機関化するというような構想も、私は、場合によっては有効に働く、そういう可能性もある、こう考えますので、その点は、ひとつ提案者においても、建設省においても、実施上何らかくふうをしてはいかがか。これは提案であります。
それから最後に、これはこの法律から若干離れますが、この機会に建設省に承っておきたい。それは、道路の改良率という問題ですが、いままでやってきた各都道府県、市町村における改良率を統計によってみますと、たとえば、私は和歌山でありますが、和歌山県の場合には、改良率は一五・七%であります。それで、和歌山県にほぼ類する府県というものをあげると気の毒でありますから、あえて都道府県の名前−これは統計を見れば明らかでありますが、ほぼ私の県と似通ったような後進県でありますが、数府県ある。それを考えてみると、要するに、後進県になるほど、おくれている地域ほど、よりおくれているということが統計上明らかであります。こういうことは、私は格差是正を主張する現内閣において、まことにその政策と行なっていることがうらはらであるということを感じてならない。本日は私は穏やかに申し上げますけれども、そういう点から考えてみれば、ここらに私はかなり——政治的にやれという意味ではありませんが、後進県に対する配慮というものがもう少しあっていいんではないか。今回の奥地開発道路というのは、いわばこれは後進県開発、そういう観点からするならば、これらの普及率等を十分勘案の上、指定にあたっては、やはりそれぞれの基準に照らす、こういうことはもちろんでありますが、十分そういう後進地域の道路開発が他の先進県に劣らないよう、国としても当然配慮すべきではないか、これは非常に次元の高い考え方でありますけれども、そういったような考慮も含めて、法律の運用なりあるいは十分予算の執行というものを考えていただきたいと思うのでありますが、これはひとつ提案者からの構想と、それから建設省からもひとつお考えを、(「大蔵省からもやれ」と呼ぶ者あり)うしろのほうからそういう意見もありますから、ついでに大蔵省のほうからも御意見を承っておきましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/32
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033・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 辻原委員と同じ考えを持っておるのであります。
さっき申し上げたと思いますが、日本の道路政策を進めてまいります場合に、非常におくれておりましたから、産業の急速な発展に応ずる道路の機能がなかった。したがって、今度のは第四次でありますけれども、従来の第三次道路整備五カ年計画までは、どうしても開発地中心、あるいは大都市偏重のきらいがありました。
〔委員長退席、廣瀬委員長代理着席〕
これは全くそうであります。これもしかし、一面においては日本の急速な産業構造と申しますか、経済の発展に応ずるという一つの理由があったわけであります。しかしいまや、御承知のとおりに、いまお話もありましたが、そのために、原則的に言って非常な偏差が出てきている。これは社会問題としてもゆゆしい問題だろうと思います。都市問題としても農村問題としても、両面からゆゆしい問題であろうと思います。そういう意味で、政府もそうでありますが、われわれも今度の五カ年計画の内容策定にあたっては、これは百八十度の転換ということは事実上不可能でありますけれども、できるだけ従来の大都市偏重を避けて、いわゆる地域格差と申しますか、地方開発に重点を置いた道路政策を立てるべきである、こういうことを主張し、建設省もそういう考え方でいま作業を進められている、かように了解しております。御意見は全く同感でありますということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/33
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034・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 本法の運用につきましては、提案者の趣旨をできるだけ尊重いたしましてやりたいと思っております。一般的に、地域格差の問題につきましては、いま瀬戸山委員もお話のとおり、従来どちらかといいますと、オリンピック等、都市偏重の向きもございましたが、単に前年度の伸びをどうするということではなくて、いろいろおくれました要素を勘案して、予算の配分をいたしまして、調整していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/34
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035・青鹿明司
○青鹿説明員 道路投資の基本的な考え方といたしまして、隘路打開に重点を置くか、あるいは開発個所をねらうかという二つの考え方があります。それで、従来の考え方は、隘路打開という当面の問題にどちらかといえば関心があったと思います。ただ最近、隘路打開のためにも、やはり産業を地方に誘導しなければならないということがありまして、逐次地方への開発投資のほうに重点が移行しつつあるということも事実ではないかと思います。当面五カ年計画の際どう考えているかという点になると思いますが、これはいま建設省のほうからお話し申し上げましたように、視角を地方開発というふうにかなり広げまして、十分地方開発のための格差是正にもつとめてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/35
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036・辻原弘市
○辻原委員 お三人の方からそれぞれ承りました点は、実際に実行していただきたいし、実行していただくならば、われわれは大いに歓迎するところであります。
最後に、私は締めくくって要望いたしておきたいと思います。それば、先ほども道路局長からお話がありましたように、奥地道路を指定はしたが、大体それに見合うようなものは三十八年度においては約三億六千万、三十九年度においては約四億四千万程度しか得られておらない。したがって、この法律が施行され、そうしてわれわれが期待するようにこれをおやりいただくということになれば、三十九年度をはるかにしのいで、四十年度には大幅な予算の設定をしていただかなければならないと思いますが、われわれはそのことを十分期待をいたしまして、次期予算審議にあたっては、十分そのことが盛られておるやいなやをわれわれは期待をいたしておりますから、幾ら法律がりっぱにできましても、幾らここで議論をいたしましても、わずかの金でやれということでは意味をなしません。どうか、その辺のことは私が申し上げなくても十分おわかりだと思いますから、清水の舞台から飛びおりたようなつもりで、ひとつ奥地道路のために、奥地開発のために、ぜひこの上とも、各省においても御努力を願いたいということを付言をいたしまして、たいへん時間がおそくなりましたが、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/36
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037・廣瀬正雄
○廣瀬委員長代理 兒玉末男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/37
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038・兒玉末男
○兒玉委員 時間の制約も受けておりますので、要点をまとめて御質問したいと存じます。
ただいま、辻原委員のほうから大筋としてはほとんどを網羅して質問されましたが、特に第一点として、提案者にお伺いしたいのは、もちろん私たちもこの提案の趣旨には全面的に賛成でございますが、少なくとも戦後すでに二十年、国道の開発ということは政治の中心的課題でなくちゃなりませんし、現在の情勢から判断しますと、まだ大体国道の七割近くが未開発であり、また低開発地域である。そこに住んでいる住民というものは、進歩している今日の政治、経済の分野から遠く離されているわけです。その点から考えます場合に、当初この法律の名称はたしか奥地等産業開発道路整備促進法、こういう形で作業が進められたように聞いておるわけですが、むしろ私たちは、こういう戦後二十年間の経過から考えましても、臨時措置法という時限法でなくて、当初のとおり、恒久的な立法として考えるのが至当じゃないか、これが臨時措置法という時限法に変わったのはどのような理由で変わったのか、まず、この点について、提案者の見解を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/38
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039・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 その点は、先ほども辻原委員の御質疑にお答えしたわけでありますが、なるほど最初案を策定いたしましたときには、道路整備促進法、道路の整備を促進するのだという、タイトルと申しますか、考え方を持っておりました。しかしいろいろ政府等との話し合いをいたします段階において、臨時措置法ということにいたしたわけであります。これはさっきも申し上げましたように、こういう奥地等はできるだけ急速に整備してやるべきものだが、実際は、奥地ばかりでありますから、財政その他の関係で、そう簡単にいかないと思いますけれども、やはりその中でも最大の努力をして、急速に整備をすべきものだ。そういう意味で、奥地等の道路というのは、いつまでもゆうゆうとしてやるという趣旨ではその目的を達成することはできない、こういう考え方で、一つの臨時措置、緊急措置といってもいいくらいのものである、こういうように考えておるわけであります。
もう一つは、さっきも申し上げたのでございますけれども、御承知のとおりに、全般的に道路の整備が非常に緊急だ、したがって緊急整備措置法というのがあるわけであります。これで五カ年計画を立てて逐次やっておるわけでありますが、それと平仄を合わせるという意味で、臨時措置法ということにいたした、こういう事情でありますから、御了解を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/39
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040・兒玉末男
○兒玉委員 道路局長にこの際お伺いしたいのでありますが、少なくとも、産業開発道路にいたしましても、一般高速道路の設定にいたしましても、やっぱり国土の低開発地域、あるいは未開発地域の開発を含む、その基本法である国土総合開発法に示された国土総合開発計画と関連する国土調査法との密接な関係というものがなければ、単に奥地であるから道路をつくらなければいかぬという場当たり的な構想に立ってはいけないと考えるわけです。そういう点から考えます場合に、特に主管である道路局長として、昭和二十五年に国土総合開発法が制定されてから、なかなかこの総合開発の基本的な計画が策定されない、こういう点等から考えます場合に、今回のこの奥地等の産業開発道路の立法措置というものはきわめて重要な意義を持つものでございますが、これとの関連について、道路局長としてどういうふうなお考えを持っているか、まず第一点、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/40
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041・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 国土総合開発法に基づきますところの各地域の投資につきましては、従来地域ごとに、いろいろな数字や考え方を出されておりますが、最近各地域開発の計画というものがつくられつつございます。これと奥地等産業開発道路整備との関係でございますが、前者は地域に対する投資のむしろ総ワクという考え方で全国的な調整をはかる、またこの奥地等につきましては、その中でこういう特殊な地帯、あるいは路線について特別な整備をはかる、こういう考え方でいくべきだと思っております。したがいまして、私どもといたしましては、各地域計画のバランスをとり、開発をはかるという基本方針に従いまして、その中でまたこういう奥地等の地域内における路線に重点を置く、こういうことで調整をはかっていけるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/41
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042・兒玉末男
○兒玉委員 提案者にお伺いしたいのでありますが、この法律に用語として書かれてありますけれども、産業開発道路の関連ですけれども、やはり高速縦貫自動車道路があるように、この産業開発道路においても、これは道路構造令との関係もあるわけでありますが、やはり幹線道路、支線道路、こういうような、計画上一応区分される計画がなされるものであろうと思うのでありますが、その辺の考え方は、まず重点をどういうふうにお考えになっておるのか、また産業開発道の区分をどういうふうな基準にお考えになっておるのか、この二点について御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/42
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043・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 あるいはちぐはぐなお答えをすることになるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。この点は辻原委員にもお答えいたしましたが、問題は第二条の第三項各号、一号から七号までございます、こういう地点に対して、道路網の整備がきわめて総合的に行なわれておらない、これが現在の実情であろうと思います。したがって、その地帯のせっかくの資源の開発あるいは産業開発をするということについて、道路の面において、交通の面において非常な支障を来たしておる、これを補いたいというのがこの法律の大きなねらいである。したがって産業、経済、文化と申しますか、そういう面の前提条件となるような道路網をできるだけすみやかに整備いたしたい、これがねらいでございますが、しからば、そういう道路はいろいろあるわけでありまして、全部この地帯に通ずる道路をこういうようなかっこうで整備するということは、言うべくして実現はできない。したがって、あるいは農道あり、あるいは林道あり、あるいは開拓道路もありましょう、あるいは観光適地もありましょう、そういう部面の幹線となる道路をまず整備いたしたい。幹線となる道路は一体何であるか、こういうことになるのでありますが、ここではおおむね一、二級国道などというものは想定いたしておりません。法律には入らないというわけではございませんけれども、現実の道路整備、御承知のように一級国道はあと二年くらいで整備をされます。あるいは二級国道もあと七、八年のうちにはおおよそ整備をされる。しかもこの整備については四分の三の国費を出す、こういう状況になっておりますので、この法律はおおむねそういうところは目標にいたしておらない。したがって、さっき申し上げましたような趣旨で道路を整備するわけでございますが、そういう意味の幹線道路を補うような幹線道路ということでありますから、道路の規格ということになりますと、あるいは県道であったりすることもありましょう、あるいは市町村道であったりすることもありましょう。それがこの法律のねらいとする幹線となる道路であれば、それを整備する、こういうふうに考えておるということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/43
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044・兒玉末男
○兒玉委員 道路局長にお伺いしたいのでありますが、いま提案者の説明で、大体その構想の基底となるべきものがわかったわけですけれども、いわゆる一、二級国道等の道路構造令によるそういう基準以下のものである、こういうことであったわけでありますが、特にこの点は、いずれにいたしましても道路整備五カ年計画と密接不可分の関係にあるかと思うのでありますが、今後の全体的な一、二級国道を中心とする道路整備計画との関連において、特に道路局長としては、産業開発道路の整備については、全体的な国の道路整備予算の中においてどの程度のウエートをかけて五カ年計画との関連をお考えになっているのか。たとえば総体予算の何割とか、そういうふうな一つの構想は持っておられると思うのですが、この関連についての見解を承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/44
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045・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 まだ五カ年計画をいろいろ準備中でございまして、どのくらいかということは数字的に申し上げる段階ではございませんが、この奥地開発道路は、先ほど申しましたように、従来やっておりました量というものはきわめて微々たるものでございます。それは他の道路とのバランスその他におきまして、各地方におきましても十分そこまで手が及ばなかった、こういうことであろうと思います。しかし、今回の臨時措置法案が通過いたしますれば、国としてこういう施策に重点を置くという線が出されたわけでございますから、何割、何%というようなことは申し上げられませんが、従来とは格段の予算上の措置をしなければならぬ、かように考えまして、目下五カ年計画にどのくらい見込むかということにつきまして、地域の指定等とあわせて、いろいろ検討しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/45
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046・兒玉末男
○兒玉委員 局長にもう一点お伺いしたいのです。先ほど辻原君から質問があったかと思いますが、第四条の第二項に「奥地等産業開発道路整備計画の案を作成しようとするときは、道路審議会の意見をきかなければならない。」というふうにしてありますけれども、むしろ私は、道路審議会の議を経なければならないと、こういうふうに改めたほうが妥当ではないかというふうに考えるわけですが、これについて、この解釈上の問題と、意見を聞かなければならない場合と、審議会の議を経なければならない場合と、どちらがどういうふうな相違があるのか、この点についての見解をひとつ局長から承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/46
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047・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 道路審議会につきましては、道路法によりまして、重要な事項をはかることになっております。これは付属機関として置かれておるわけでありますが、従来重要なことはみな相談しておるわけでございます。また非公式に相談していることも多々あるわけでございます。実はこういうような特殊な立法をされます道路整備が——整備事業は他にもたくさんあります。そういうことで、各特殊立法的なものを全部、道路審議会の議を経なければならないということにもなりかねないわけでございます。今回この臨時措置法が「意見をきかなければならない。」と書いたことについても、そういった従前の特殊立法的なものに比べますと、かなり違った表現になっております。議を経なければならないということになりますと、さらにそういうような他の法律との関連もございますので、私どもといたしましては、せいぜいこのくらいで十分審議会の意向を反映できるではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/47
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048・兒玉末男
○兒玉委員 私は、特にこの国土の七割を占める未開発あるいは低開発地域の開発という意味から考えると、すでに一、二級国道等は、その計画も明らかにされている点から考えますならば、むしろこの法案の趣旨を尊重し、しかも道路整備が持つ国民生活への影響というものを考えますならば、当然これは道路審議会の議を経る、こういうふうに改めるのが妥当ではないか、こういうように私たちの考え方を申し上げたいと存じます。
次に、財政上の問題でございますけれども、第五条に「国の財政の許す範囲内において、」という表現をされております。そしてまた負担の割合は「四分の三の範囲内で、」こういうことが表現されておるわけですけれども、少なくとも戦後二十年間たちましてもいまだに未開発であり、また低開発地域の地域住民の負担の限界というものから考えまして、むしろこれは四分の三以上というふうに明確な規定をすべきだと思うのですが、特にこの点は財政上の問題でございますので、青鹿主計官に、ひとつ財政上の問題について——特にこのような負担の率を高めなければ、とうてい所期の目的を達成することは不可能だ、こういうように判断をするわけです。特に高度の経済成長政策のひずみの中において、このような未開発地域住民の、政治経済等諸般のおくれている分野にある住民の立場というものを考えれば、当然これはそういう多くの負担は期待できないわけですから、国の負担を四分の三以上、こういう形にすることが理想的な考えであろうかと存ずるわけですが、この点についての見解をひとつ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/48
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049・青鹿明司
○青鹿説明員 五条一項の補助規定でございますが、大蔵省の一般的な考え方を申し上げますと、できるだけやはり補助率の引き上げはしたくないというのが忌憚のない私どもの考えでございます。ただ今回の奥地等産業開発道路の性格から考えまして、これが恵まれない山村僻地の開発の基盤であるという、第一条に書かれている目的にもかんがみまして、やはりある程度の高率補助の規定を入れるという必要性はあろうかということで、原案にしいて異議を唱えないということにしたわけであります。しからばどの程度やったらいいかという点でございますけれども、現在最高の補助率が、御承知のように、国道につきましても四分の三ということになっておるわけでございまして、一応の目安はそこに置くべきではないかというふうに考えておったわけでありますので、原案にも四分の三以内ということでございますので、大蔵省としても、その程度の補助はやむを得ないのではないかという考えを持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/49
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050・兒玉末男
○兒玉委員 この法律の用語について、私はよく勉強しておりませんけれども、「四分の三の範囲内」、こういうふうにしたことは、四分の三であってまた四分の三以下である場合もあり得る、こういうふうに解釈できると思うのですが、この「四分の三の範囲内」というのは、最高限を表現したのか、あるいはこれ以下にはならない、こういうふうな表現をとっているのか、この点、提案者の見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/50
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051・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 さっきもお答えいたしましたが、法律の解釈上は、四分の三以下であれば法律違反とはならないと思います。しかし四分の三ということで出しておるのは、法律の意向は、先ほど来兒玉委員もお話しのとおり、この趣旨は、早く道路を整備するためにこういう特別立法をしておるのですから、四分の三を下って政令が定められるということは絶対にない、ならない、またまかりならない、こういうように申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/51
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052・兒玉末男
○兒玉委員 時間が経過しましたので、まだたくさんお聞きしたいし、また要望もありますけれども、私の質問はこの程度で打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/52
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053・廣瀬正雄
○廣瀬委員長代理 井谷正吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/53
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054・井谷正吉
○井谷委員 先ほど、この法律案の提出の手続について、辻原委員からも御意見があり、さらにそれに対する御説明がありましたが、私はそれを了解いたすわけであります。われわれはどういう法律案が出ようと、たとえば公明会がお出しになろうと共産党がお出しになろうと、いい法律は御協力して通さなければならぬと思っておるわけです。この趣旨の御説明を見ますと、これは実に、こうした法律案の説明としては文学的な、よくできた、珍しいあれだと思って感心して読んでおるのです。そこでこの法律案については、いろいろ審議があり、完全によりよくしようという御努力がこれからなされると思います。
そこで私は、時間もありませんが、これに関連して一、二問お問い申し上げたいのでありますが、産業開発道路協会というのがありまして、それから印刷物をいただいております。私はこの産業開発道路協会というものを知らない。ところが、この内容が御提案の要旨とほとんど類似しておるのでありますが、これはどういう実体のものか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/54
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055・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 実は、私も実体と言われるとよくわからないのです。ただ、日本の産業と申しますか、特に山村地帯の産業あるいは山村地帯の国民の状態、こういうものについて非常に心配をされて、長い間研究をされたほんとうの学識経験者がおられるわけであります。どういう人々ということを詳しく承知いたしておりませんが、そういう人々が、あるいは山を歩き、あるいは海岸を歩きして、つぶさに日本の実情を検討されて、やはり道路というものは先行すべきものだ。こういうことを十年以来唱道されて、そして各県にも呼びかけられてきておるという事実は承知いたしております。その中には、あるいは森林の専門家もおられるし、あるいは道路の専門家もおられる、いろいろな学者もおられるわけでありますが、私はこれは何と申しますか、非常に奇特な人であると思います。こういうふうに、私自身は観察をいたしております。
従来は、各県ともこういう唱道に対して、そういうことはできないであろうというように、各県の各位は非常に軽く考えておられた人々が多いと思います。数年前、実はそういう研究団体から——個人的なことを申し上げて恐縮でありますが、私が平素道路の問題を検討いたしておりますので、御連絡がありまして、こういう問題をひとつ国会において解決してもらいたいというお話がありましたのが、だいぶ前のことであります。しかし問題は財政の問題にかかっておりますので、そううまくまいらない、こういうわけで、案文の検討に相当長年月を要した、こういう事情で今日に至っておるわけでありますが、私は協会というものはその程度にしか知らないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/55
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056・井谷正吉
○井谷委員 局長にお伺いしたいのです。局長は、この産業開発道路協会というものを御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/56
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057・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 私も、数年来この協会の方々と接触いたしております。いま瀬戸山先生のお話のような協会でございまして、きわめて熱心な方々のお集まりでございます。従来は、こういう特別な法律を出さないで、その協会の方々の熱心さによりまして、一歩一歩こういう開発道路をやっていくという、どちらかというときわめて穏やかな運動をされております。何ぶん道路も急速に伸びておりますので、いま瀬戸山先生がおっしゃったような、何か特別に制度化したい、二、三年来こういう御意向がまとまりまして、ようやくこういう御提案になったように拝聴いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/57
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058・井谷正吉
○井谷委員 これが相当具体的なものをお持ちだろうと思いますけれども、全国の予定の図面までも添えてある。たとえばこの「開発幹線道路は、原則として道路構造令の二級国道に準拠するも、場合によっては、更に規格を下げた暫定構造とする」ということや、「産業開発幹線道路の当初(五カ年)実施計画路線は、大概ね左の路線図に示すもの」として、図面を添えて、総延長が約五千キロ、工事費二千億ですか、こういうような具体的な内容も出ておるのだが、これらの構想の上に、やはりこういう関係者とも御相談なりして、意思を通じられたのか、そういう点をひとつ承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/58
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059・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 いま井谷委員のお読み上げになった資料というものを、私も承知いたしております。そういう資料と申しますか、調査の結果がだんだんに出て、たくさんございます。それはほとんどそういう人々が現地を歩かれて、そしてまた現地の熱心なところも、あまり関心のない府県もあったようでありますが、非常に熱心に現地をほとんど全部踏査されて、そうしてこういうところが日本のすべての資源の開発上も、あるいは生活の基盤をつくるゆえんにおいても必要ではないかという試案を、その協会の案として——もっとほかにもあるようでありますけれども、あるわけであります。しかしそれは一つの理想案であって、われわれ政治家から見ますと、とうてい現実のいまの財政状態、あるいはほかのいわゆる道路整備五カ年計画と二級国道の整備方針等を合わせますと、必ずしもそこにいわれておるもの全部が考えられる対象にはならない、こういうように私は考えておりますが、そういういろいろ実際の調査をされて、その結果はおおむね建設省の事務当局に報告されております。事務当局は、それに対して、日本全体の道路網の立場から、いろいろ検討はいたしております。検討はいたしておりますが、それが原案になるということは、私はないと思っております。しかし相当深く実地を踏査されておりますから、取り上げられる部面も相当にあるだろう。それは先ほど来説明があっておりますが、この法律の第一条、この基準に照らして、かなうものは取り上げる、かなわぬものは取り上げないということになると思います。
もう一つつけ加えておきますが、いまお読みになったように、二級国道云云とありますが、これはだいぶ前の時代でありまして、その図面の中にも、当時どうしてもいわゆる産業開発道路として必要だということで、長距離の道路網もあがっておりますが、すでにこの前の国道再編成のときに、二級国道に昇格された線もたくさんあります。これは十年ばかりだいぶ長く検討されたものでありますから、それとは相当違った形が出てきやしないか、こういうことを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/59
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060・井谷正吉
○井谷委員 いまの御説明でよくわかりましたが、私もこの図面を見て、お話のような欠点が出てくるし、さらにこれ以外にまだ検討を要するところがあろうと思うのでありますが、ただお問いしたのは、これがどういう権威があって、どの程度重点を置いて御参考になっておるか、また将来どういう関連を持たれるかということを関連してお問いしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/60
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061・瀬戸山三男
○瀬戸山議員 誤解があってはいけませんから申し上げますが、これは全国の問題でありますから、さっき申し上げましたように、これは全く同好の士がそういう研究をされたものでありまして、したがってその当時はいわゆる権威のあるというとおかしゅうございますけれども、いわゆる日本流にいう権威ある協会でありませんので、そういう人々が熱心にやられましても、地方公共団体等では、あるいは都道府県等では、歯牙にかけないというとおかしゅうございますが、それはもの好きがやっておるとしか思っておらなかった方が相当おる。たとえば、北海道には産業開発道路というのが現にございます。したがってこういう研究に対しては、ほとんど今日まで関心を持たれておらなかった、したがって御協力がなかった、そういう府県がたくさんあります。そういうところが、したがって——こういう民間の少数の研究団体でありますから、調査研究もなかなかできませんので、今日まで、こういう趣旨の奥地開発という問題で、重大なる関心を持っておらなかったところが、おおむねその図面に出てきておらないのは、そういう理由でございまして、北海道あたりは、この法律が提出されたとたんに、たくさんの希望案件を持ってきておられます。大体そういう事情でありますから、必ずしもそれにとらわれることはない。今後、各県あるいは各地方の実情において必要なる路線を指定することになる。これだけは申し上げておきませんと、誤解を生ずる地方があっては困りますから、つけ加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/61
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062・井谷正吉
○井谷委員 私は権威ある町村長が関係しておるかと思って、だいぶそこに食い違いがあるように思いましたから、お尋ねしたわけです。よくわかりました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/62
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063・廣瀬正雄
○廣瀬委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる六月三日水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03319640529/63
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