1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十九年六月十日(水曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 丹羽喬四郎君
理事 瀬戸山三男君 理事 服部 安司君
理事 福永 一臣君 理事 岡本 隆一君
理事 兒玉 末男君 理事 山中日露史君
逢澤 寛君 天野 光晴君
稻村左近四郎君 木部 佳昭君
正示啓次郎君 中村 梅吉君
堀内 一雄君 堀川 恭平君
松澤 雄藏君 山本 幸雄君
渡辺 栄一君 井谷 正吉君
金丸 徳重君 久保田鶴松君
西宮 弘君 山崎 始男君
玉置 一徳君 吉田 賢一君
出席政府委員
建設事務官
(大臣官房長) 平井 學君
建設技官
(道路局長) 尾之内由紀夫君
委員外の出席者
専 門 員 熊本 政晴君
―――――――――――――
六月九日
委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として中
村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員中村時雄君辞任につき、その補欠として玉
置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
六月六日
高速自動車道路のバスストップ設置に関する陳
情書
(第五七二号)
仙台市に日本住宅公団支所設置に関する陳情書
(第五九六号)
土地収用法の一部改正に関する陳情書
(第五九七号)
車両制限令に伴う市道等の改良整備費国庫負担
に関する陳情書
(第五九八号)
県道の舗装整備に関する陳情書
(第五九九号)
札樽第二国道の早期実現に関する陳情書
(第六〇〇号)
一級国道一九二号線の改良及び境目トンネルの
開さくに関する陳情書
(第六七
〇号)
近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に
関する法律案に関する陳情書
(第六九二号)
車両制限令附則第三項に規定する適用除外期限
の延長に関する陳情書
(第六九三
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
道路法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
七〇号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/0
-
001・丹羽喬四郎
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
道路法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/1
-
002・兒玉末男
○兒玉委員 冒頭に、私、意見として申し上げたいのは、この法案は、先般決定を見ました道路整備五カ年計画と密接な関係にありますし、特に本会議における質疑の際にも、道路法の改正は特に重要な問題でありますので、大臣に関するものについてはこれを保留しまして、一応それ以外の問題について、局長にお伺いいたしますが、まず第一に、今回一、二級国道の名称を廃して、一般国道としていわゆる統合したわけですが、この一、二級国道の区別を廃止した根本的な理由というものはどこにあるのか、この点、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/2
-
003・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 一、二級国道は、御承知のように、一級は原則的に建設大臣が建設管理することになっております。二級国道は、地方の公共団体の長が管理する、こういうたてまえでやっております。しかし最近、一級国道の整備というものは、おかげさまでかなり進展してまいりました。他方二級国道につきましても、幹線道路としての重要性が非常に上がってまいりました。二級国道の中には、一級国道に比べまして、道路の性格上、決して劣らないものがかなりたくさんございます。そういうように、この両者の区別が、非常に接近したといいますか、なくなりつつありますので、この整備を促進する、しかもその負担率等におきましては、実質的にほとんど違っておりませんので、この際両者を一体として、国が管理する国道であるということを、はっきり管理体制のもとにおきまして一本化することが、こういった幹線道路を整備することの要求に対して適合する、こういう観点から、この際一本化する、こういうことを考えたわけでございます。根本的なねらいはそういうところにございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/3
-
004・兒玉末男
○兒玉委員 一応一級二級国道のいわゆる目的というものがほとんど接近してきた、こういう説明でございますが、それではこのことが、統合されることによって、道路整備のいわゆる成果といいますか——この五カ年計画が繰り返し連続行なわれると思うのですが、現行の体制における道路整備と、一、二級国道を一本化した場合における整備の状況から判断して、どういうことが期待ができるのか。いまの区別を廃止した理由を申されましたが、現行の状態における整備と、それから一本化した場合の整備の状況というものが、結果において、具体的にどういうふうな違いがあるのか。この一本化したことによる成果といいますか、期待というもの、その点について御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/4
-
005・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 大きく申しますと、二つあると思います。一つは、国が一本化しまして国道を管理する、こういう体制ができますので、いろいろ計画を立てる面におきまして、総合的な計画を立てる。もちろん従来の一、二級国道の制度でもできないことはございませんが、何と申しましても、二級国道につきましては、地方公共団体の長に委任してございますので、その意思といいますか、が強く出る、こういう傾向にあったと思いますが、一本化することによりまして、特に計画面におきまして、そういう一本化がはかられる、こういう実益があろうかと思います。
それから、いま一点といたしましては、従来二級国道でございますと、できましたものを建設大臣が維持管理する、こういうことはできなかったのでございますが、一般国道に一本化することによりまして、従来二級国道でありましたものも新たにその道が開かれる。先ほど申しましたように、二級国道の中には、かなりそういう路線がございますので、この際なるべくすみやかに、そういったものから建設大臣の直轄管理下に置きたい、こういうことができるわけでございます。その点におきまして、国道の整備も促進されますが、またあわせて維持管理につきましても、従来できなかったことができるようになる、こういう点が大きな実益としてあげられるのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/5
-
006・兒玉末男
○兒玉委員 現在までの道路整備緊急措置法なりあるいは道路法との関連から判断しますと、たとえば経費負担等の問題にしましても、あるいは国の直接行なう予算の状態等から判断しましても、そう結果的に多くの、何といいますか、これが一本化されたことによって、期待はできないのではないか。たとえば、今回の道路整備五カ年計画四兆一千億の配分等の問題から判断した場合、これは当然道路法の改正を前提として出されたものか、あるいはそのことは一応将来の問題として出されたものか。この前提案されました四兆一千億の投資の規模による五カ年計画との関連は、どういうふうにそれでは考えておられるのか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/6
-
007・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 ただいまお話しございましたとおり、全体の投資の規模がきまっておりますし、しかもまた費用の負担率につきましても、従来と大体同じでございますから、結果的には、道路法を改正したことによって事業量が促進できるかということでございますが、この点につきましては、御指摘のとおり、この法律の改正だけによって事業が伸びるということは申し上げられないと思います。むしろ先ほど申しましたような点でございまして、従来できなかったことができる。つまり予算の使い方の上におきまして、そういう実益があるということであろうと思います。本格的にこの一本化の成果をあげるということになりますと、やはり全体の四兆一千億という投資ワクそのものを広げることが必要であろうと思います。もちろん国道以外の地方道を優先するわけにはまいりませんので、国道をそういうことによりまして促進することは、やはりどうしても投資のワクということになると思います。そういう根本的な建設に対する期待というものは、やはり四兆一千億という五カ年計画、さらにそれを将来にわたって伸ばすことによって達成できる、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/7
-
008・兒玉末男
○兒玉委員 今回一本化されることによって、将来長い目で見た場合に、道路整備が非常に強化されるということは理解するわけですが、それでは現在、一級国道と二級国道の——これははっきりした数字がわかればそれでいいのですが、一、二級国道の現在の総延長といいますか、それと、この五カ年計画において大体達成し得る整備率といいますか、この点はどういう関係になっておりますか。
もう一点は、これが一本に総合された場合に、いままでのように整備、舗装、改良等の区分とか、あるいは優先順位区間、こういう問題等がなかなか複雑になってくるのじゃないかと思うのですが、この一つの点について、局長の見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/8
-
009・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 四兆一千億の五カ年計画でどういうふうになるかということでございますが、これはまだただいま作業中でございまして、数字的にははっきりしたものを申し上げられませんが、現在の一級国道につきましては、もちろん完了する予定でございます。二級国道につきましては、ただいま申しましたように、一般国道になりましたことによって、従来の考え方を変えていかなければならぬと思います。したがいまして、従来の二級国道のただ延長というわけにまいりませんので、ものによりましては幹線的に取り扱い、非常に早く整備するものも出てくるかと思いますけれども、またそれらのうちには、維持管理の体制を国がやるものに入るものもあるかと思いますが、平均的には、先ほど申しましたように、四兆一千億の事業量のワクでいずれにいたしましても押えられておりますので、結果的には、その路線ごとの差はございますけれども、二級国道については、平均の達成率にしかならないと思います。その数字が幾らになりますか、地方道との関係もございまして、ただいまはまだちょっと数字を申し上げる段階に至っておりませんので、またこれはいずれ新五カ年計画の内容とともに御報告を申し上げ、また御意見を伺う機会があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/9
-
010・兒玉末男
○兒玉委員 ここで非常に問題になってくるのは、一、二級国道を統合して、それを今度は管理する、あるいは整備する場合、地域地域の情勢によって相当の格差が生ずると私は思うのです。その場合において、いわゆる道路整備の計画なり規模というものについて、私はかなり地域間のアンバランスを生じてくるのではないかと思うのです。こういう一本化をした場合、一つの基準によって整備がされるわけですけれども、いままでは明確に一、二級国道の規定というものがされておった。これが一本化されたことによって、全体的な道路整備の規模が落ちてくるのではないか。こういうふうないわゆる一、二級国道の区別がある場合は、地域における人口なり、交通量なり、産業構造等が十分配慮された中でこのような段階があったわけですが、これが一本化されることによって、全体の道路整備の状況が低下するおそれはないかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/10
-
011・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 一本化によりまして整備が低下するということは、ちょっと私どもは考えておりません。国道だけについて申し上げますと、一本化することによりまして——従来、一級国道が約一万三千キロ、二級国道が一万五千キロ、両方合わせまして国道というものが二万八千キロくらいになるわけでございます。これらは延長が長くなればなるほど、各地域に対する普及の度合いは大体バランスがとれてくるのではないかと考えますので、一級国道あるいは二級国道だけについて考えますよりもむしろ平均化するのではないか。ですから、面積とか未改良延長、そういったものを地域配分いたしますと、むしろ地方的には平均化されるのではないかという気がいたしております。もちろん全体の進捗の度合いがおくれるということはございませんが、そういった地域配分の公平さからいいましても、むしろ適正に近くなる要素を持っておるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/11
-
012・兒玉末男
○兒玉委員 昨年の四月から、地方道が相当二級国道に昇格したわけです。それで、昨年の例から見まして、相当の距離を二級国道に編入したいという各地方公共団体等の希望があったはずですが、おそらくこれは今後さらにいわゆる一本化された一般国道への格上げの要請が相当強くなると思うのです。これからの道路整備の計画とにらみ合わせて判断しなければならないのでありますけれども、大体昨年各地方公共団体等から格上げが要請された中において、これが今日二級国道にならないで依然として主要地方道として残った部分はどの程度の距離になるのか、この点ひとつ参考までにお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/12
-
013・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 前回格上げいたしましたものは約三千キロぐらいであったと思います。二級から一級、あるいは県道から二級に格上げいたしましたものは、それぞれ三千キロぐらいであったと記憶いたしております。このときに要望がありましたのは、約その倍くらいあったというふうに記憶いたしております。つまり五、六千キロあったと思いますが、そのうち三千キロぐらい格上げをいたしております。もちろんこういうものでございますから、その後も要望がございまして、今日でも、幾らあるかといえば、かなりの延長が出てくると思います。しかし従来の経過からいたしますと、一級国道を過去において二回、二級国道も同じく過去において二回やっておりますが、いままでやっておりませんのは、むしろ主要地方道の問題でございます。主要地方道は、道路法が昭和二十七年に制定される際に指定して以来、一回もやっておりませんので、むしろ主要地方道についての指定を要望される向きが非常に多いように私どもは感じております。また、なお二回にわたって主要地方道から二級国道に格上げをやっておりますので、主要地方道の延長もそれだけ減っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、国道への昇格よりも、次にやるべきものはむしろ主要地方道の指定ではなかろうか、こういうふうに考えておりますので、ただいまのところ、どちらかといいますと、主要地方道に対する御要望のほうが一般的に多い、こういう実情でございます。国道に対する要望ももちろんでございますが、ここではどちらかといいますと、特殊なものとしてあがっておるものが若干ある、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/13
-
014・兒玉末男
○兒玉委員 そこで、この道路整備事業に対する国の負担の割合、あるいは負担率ということについて局長にお伺いをしたいのですが、補助金の率にしてもあるいは負担割合にしても、道路法に明確に規定をされておるわけです。ところが、現実には道路整備緊急措置法によって、道路法の規定にかかわらず、この緊急措置法において、このような負担の率補助の率というものは実際に行なわれている。せっかくの、いわゆる一、二級国道を廃して一般国道へ一本化するという画期的な道路法の改正でございますから、基本法といわれる道路法において、これを一本化して規定されるべきではなかろうか、なぜこの点をそのままにしておかれたのか。これはきわめて重要な問題だと私は思うのです。これはせっかくの改正でありますから、どうして措置法と両方に分かれた形のまま残されたのか、この辺の見解を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/14
-
015・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 国道の費用の負担につきましては、現行の道路法の規定にかかわらず、いま御指摘のように、緊急措置法等によりまして、高率の補助、助成をするということになっておりますが、この趣旨は、あくまで道路整備の現段階における緊急性に基づいて、特に改築関係、修繕関係に認められた特例でございまして、原則的には道路法の体系によるべきもの、こういう仕組みになっております。実際には、この緊急性というものは、全体の整備がかなり進むまでは続けられるものでございますから、そういう意味におきましては、半ば恒久的という感じもございますが、たてまえはこうなっております。したがいまして、これらの高率負担を、道路法本法におきまして規定を恒久化すということにつきましては、道路以外の他の公物の管理体系、あるいは国と地方との財源の配分、こういったことに関係いたしまして、単に道路法だけの問題ではない、道路だけで考えていい問題ではない、こういうことで、これにつきましても、私どもで提出するまで、いろいろ議論がございましたが、ただいま申しました事情によりまして、財政当局、政府部内におきましても、こういうことでいかざるを得ないということになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/15
-
016・兒玉末男
○兒玉委員 今後の道路整備五カ年計画というものが、単に五カ年だけで完了するものでないということは、大臣も明確に言われているわけです。そういう点から考えますならば、緊急性ということよりも、やはりある一定の長期の展望に立った道路整備というものが行なわれていく。そういう点から考えますならば、今回の五カ年計画というものも、今回限りの打ち切りではなくて、連続的にずっと五カ年計画というものが繰り返し一定期間行なわれるのではなかろうか、こういうふうに考えますならば、緊急措置法等によるそういう特別の措置でなくして、やはり長期の展望に立った計画というものが特に必要ではなかろうか。そういう点から考えますならば、この緊急措置法による負担金の割合の特令等、こういう条項は廃止して、むしろ先ほど言ったように、道路法一本に規定していくほうが正しい姿ではなかろうか。これは今後の問題として、局長どういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/16
-
017・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 道路法の改正問題につきましては、今回お願いいたしております内容以外に、全国の自動車国道問題、これとの調整、ただいまお話しのような費用の関係、あるいはその他道路の占用管理問題について、いろいろ問題がまだあるわけでございます。今回は、そういう点につきましていろいろ議論はされましたが、たいへん広範にわたりますので、とりあえず一、二級国道の区別撤廃を中心にいたしました若干の改正をお願いしているわけでございますが、いま御指摘の点につきましては、そういうような道路法全体の問題、また他の公共事業に対する法律体系ということと関連いたしまして、もう少し議論しなければならない点があろうと思います。また今後の問題として十分研究さしていただきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/17
-
018・兒玉末男
○兒玉委員 それから、現在の二級国道が一本化されることによって、その管理権というものが大臣に移行するわけですけれども、この説明の中において、現在の二級国道に相当するものについては「当分の間、その行なうべき国道の新設又は改築を都道府県知事又は指定市の長に行なわせることができるものとすること。」こういうふうに書いてあります。これはよく読んでまいりますと、せっかく二級国道を一級国道と統一をして、そして先ほど局長が説明されましたように、国道としての整備促進をはかる、しかも総合的な道路計画を確立する上においても必要だ、こういうことを説明されましたが、このいただいた資料によりますと、結局当分の間はやはりいままでの二級国道の管理維持を都道府県知事がやるということに変わらない。そういたしますと、この「当分の間」というのが非常に抽象的な表現でございまして、何かこの法律改正の意図というものが抜けているのではないか、こういうふうな感じがするわけですが、大体「当分の間」というのはどの程度の期間をお考えになっているのか、また「当分の間」というこの表現をどう北てお使いになったのか、この点について説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/18
-
019・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 もちろん、法律改正の趣旨は、先ほど申しましたように、管理体制の一本化ということでありまして、建設大臣の管理に置きたいわけでございますが、何ぶん現在一万五千キロにわたります二級国道、知事あるいは指定市の長の管理下になっておるもの、こういうものを直ちに移しますことは、建設省の側におきましても、人員その他問題を伴いまして、体制ができていない。また他方、各地方公共団体におきましても、こういう事業をしておる人たちがたくさんございます。またその人たちは県道と一緒に仕事をしておられる方でありますので、直ちにその人たちをはずすということもできないということで、地方自治体側にもそういう問題がございます。したがいまして、これを円滑に移行する、管理を移すためには、ここに書きましたように、当分の間、地方の行政機関の長にやっていただくということが利用者のためにも必要であろう、こういうふうに考えまして、こういう規定を設けたわけでございますが、「当分の間」といいますのは、したがいまして、実際には、この移行が円滑にいくような期間と私どもは考えております。おおむねそれがどのくらいかかりますかということは、今後の管理に要する費用、あるいはそれに要する主として人の問題にかかるかと思いますが、やはり三、四年は少なくともかかるのではなかろうか、かように考えておりますが、そのことをはっきり数字で言うわけにはまいりませんので、やむを得ず「当分の間」と書きましたが、私どもといたしましては、可及的すみやかにそういうふうに持っていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/19
-
020・兒玉末男
○兒玉委員 いま局長が言われたのは、非常に重大な問題だと思うのです。いわゆる「当分の間」で、国が管理すべきものを都道府県知事が管理することになっているが、現在の二級国道は、この法律が制定されますと、当然法的に都道府県知事の管理権が消滅すると思うのです。それで、これは現在の二級国道全体がそういう形のままで二年なり三年——まあこれは限定された期間じゃないが、少なくとも最小限三年以上が、いまの局長の話を聞きますと、予想されるわけでありますが、これは現在の二級国道の全区間がそういう形のままで推移されるのかどうか、全部がそうなるのか、あるいは一部分がそういう状態で続けられるのか、ひとつその辺の内容についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/20
-
021・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 ただいま御説明申し上げましたが少し不十分であったと思いますが、できるものはもちろん来年からでも移していくということであります。逐次ということで、ある期間がたったならば全部同時に移すということではございません。できるだけ早く、できるものからやっていく。最後に残るものが四年目になりますか、五年目になりますか、そういう時期には、最後には全部なる、こういう考え方でございまして、いま申しましたできるだけ早く持っていくために、できるものから国の管理のもとに移す、こういうことでございます。ただこれも、一方的にやりましては都道府県のほうも困ると思いますので、それらにつきましては、十分各都道府県の知事等とも相談いたしまして、お互いに円滑にこの移行ができるように持っていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/21
-
022・兒玉末男
○兒玉委員 それから、このどういうものが一般国道に該当するかという中で、第二項に「重要都市又は人口十万以上の市と高速自動車国道又は前号に規定する国道とを連絡する道路」、こういうことが建設省が出されました道路法の一部を改正する法律案の中に書いてありますが、この大都市と直結する高速自動車道路、これは大体新しく設定される国土縦貫高速自動車道路との関係もあるわけですが、これは相当な距離になるのではないか。先ほど局長の言われました一、二級国道の二万八千キロですか、そのほかにこれが新しく設定されたものだと思うのですが、これは大体どの程度のものになっているのか、この点について御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/22
-
023・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 この規定は現行法にもある規定でございますが、これは高速自動車国道ができるにしたがいまして、こういう性格のもので、国道に指定する必要があるものは指定していく、こういうたてまえになっておるわけでございます。それで、まだ現実には、名神高速道路等におきまして、これに該当するほどのものもございませんし、中には、国道でなくて、むしろ市道あるいは県道のほうでいってもいい、こういうものもございますので、もう少し高速自動車国道ができてから実は運用する、というような考えになっておったわけでございます。これからかなり縦貫道その他の高速自動車国道もできてまいりますので、今後は、こういう規定が積極的に運用されまして、一般国道に編入される傾向になろうと思いますが、これらにつきまして、延長どれくらいになるかということにつきましては、まだ十分計算したものもございませんが、全体からいたしますれば、そう長いものではないと思います。むしろこれは、そのインターチェンジと重要都市を結ぶ、どちらかというと、比較的短いものがたくさんできる、こういうことであろうと思います。たとえば、従来の一級国道で、国際空港とかあるいは重要港湾に達する国道がございましたが、どちらかというと、そういうような性格のものになるんではないか。長距離のものでございますと、その間には、おそらくこれまで指定いたしました一級国道あるいは二級国道がございますので、大体そういうものを経由いたしまして到達することができますので、新しくできました縦貫道あるいは高速自動車国道におけるインターチェンジとの取り合いというものは、本数は多いかもわかりませんが、総延長としては、そう長いものにはならない、こういうような推定をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/23
-
024・兒玉末男
○兒玉委員 先ほど、私、もう少し突っ込んでお聞きしたいと思ったんですけれども、これはいま局長が言われて、少し思い出したわけですけれども、この一級国道と二級国道が一本化することによって、全体の道路整備の基準というものが低下するんじゃないか。これでずっといま一号から二号三号、四号というものを見てまいりますと、現在の道路法の第六条の「二級国道の意義及びその路線の指定」、その基準というものが一級国道の基準ではなくして、この二級国道の基準に合わせられている。この点、私は、この前ずっと比較して、いろいろな場合にそういうふうな感じを抱いたので、先ほど申し上げたわけですが、その点で、実質的に、二級国道の基準というものは、一般国道を指定する基準の四号まではそのまま入っておる。その点から、全体的な道路整備の基準が低下するんじゃないか、こういうことを申し上げたわけです。現実に基準がそういうふうになっていますが、この辺の関連はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/24
-
025・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 一般国道の基準としては、おおむね、いまお話しのように、従来の二級国道の基準をベースにとりました。と申しますのは、いまございます二級国道を再編成して、重要なものだけ一級国道並みに扱う、こういう考え方もございましたけれども、それがわが国の幹線道路の整備を促進するという手段にはたしてなり得るかどうかということについて、いろいろ議論いたしました。やはり現行の二級国道、これはいろいろ中には、重要の度合いに差はございますが、やはり大部分は国の幹線として重要なものである、こういう判断をいたしております。すなわち、一級国道が、ほとんど幹線の名称がついてまいりますと、やはり幹線的なものとして考えるのは、これらを補完いたします二級国道網であろう、こういうふうに考えておりまして、その辺を底辺に、今回の一般国道の指定の基準を考えたわけでございます。したがいまして、低下というんではなくて、その辺におきまして、それ以上のものを、できるだけ緊急にといいますか、整備しようというわけでございます。そうなりますと、二万八千キロあるいは二万九千キロにわたります国道をどういう順序で取り上げていくか。むしろ、国道の中におきます整備の優先性、そういうことがむしろ問題になってこようかと思います。それから、先ほど申しましたように、一般国道、特に従来の二級国道の中には、非常に積極的に整備するものもありましょうし、また、あるいは順番として若干おくれるものもできてくるかと思います。これはやはり同じ国道でも、そういうような差が若干できてくるのはやむを得ない。したがいまして、全体の整備が低下するということではなくて、国道として、幹線としてはやはり重要なものであるという認識のもとに立って、ただ、全体の投資の関係上、その中に優先すべきものとそうでないものができてくる、これはしかたがない、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/25
-
026・兒玉末男
○兒玉委員 それでは、この基準の第五号のところで、「国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市」こういうふうな表現を使ってございます。これはおそらく新産都市の指定等、そういう今後の国土総合開発法に基づく問題、あるいは新産都市指定に基づくそういう都市をさしている表現ではなかろうかと判断するわけであります。そういたしますと、これは相当の県——私どもの宮崎県の場合においても、ばく大な先行投資をやって、相当県も苦しい状態にあるわけですが、こういうふうないわゆる国土総合開発法に基づく都市といいますと、私はかなりこの関連について、経費上の問題等について、やはり相当の問題が起きてくるのじゃないかと思う。このことは相当こまかい規定というものがなければいけないのじゃなかろうかと思うのですが、この五号について、ひとつ少し局長のお考えを聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/26
-
027・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 いまおおむね兒玉委員がおっしゃったような意味に解釈できるわけでありますが、「国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市」といいますのは、全国総合開発計画にいっておりますところの開発の拠点都市及び新産都市あるいは工業整備特別地域等をさしておりまして、おおむねこれらは都市を形成すると思いますので、都市という字を使っておりますが、これらのこういう地域または都市が、自動車国道あるいはこの指定の基準にいっております第一号の国道の計画のない場合に、相互にこれらを連絡する道路、こういうふうに考えております。これらは、したがいまして、従来こういうふうなところに一級国道あるいは二級国道がない場合は、やはり新たに認定してつくる線、こういうふうに考えておりまして、こういうものにつきましては、今後、昇格ではなくて新たに新認定という措置が必要であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/27
-
028・兒玉末男
○兒玉委員 次に、先ほど局長の答弁にもございましたが、いわゆる二級国道から一級国道並みに取り扱うということになりますけれども、実際に道路整備をする場合は、全面的な整備が不可能でありますので、当然、かつての一級国道でも指定区間を設けてやられたように、整備の重点地域というものが考慮されるわけですが、この場合やはり指定区間の指定といいますか、これは、大体当初どの程度の区間を考慮されておるのか。まず、この第一次の今度の五カ年計画において——局長は、一応、実際に県の管理から実質的に建設省が維持管理をするまでには最低三年かかるといいますが、今度の五カ年計画において、どの程度の区間指定を行なうという考えでおるのか、その辺の構想についてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/28
-
029・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 いまの一級国道につきましては、もちろん、五カ年計画で改良が終わりますので、これにつきましては、全部国の直接の管理下に置きたいと思っております。現在の二級国道につきましては、建設関係につきましては、これは工事のほう、つまり直轄の工事にはできるだけ移すつもりでございますが、先ほど申しましたように、これは人員の関係がございまして、県との関係で逐次持っていく、それに移行する期間が三年なりあるいは五年なりということになりますが、そのほうは、いま言いましたように建設工事関係でございますので、こちらの——こちらといいますか、建設省関係の陣容の整備され次第、また、管理を移すところの県の事情いかんによりまして、円滑に持っていきたい、こういうことであります。指定区間につきましては、これは現在の二級国道一万五千キロ全体の維持管理には相当の人員を要します。私どもの計算といたしましても、数千人の人員を要する問題でございますので、この人員は単に金の問題ではなくて、実際にそういう人を訓練し養成するということも大事でございますので、なかなかそういう面からもできないかと思いますが、建設省といたしましては、おおむね現在の三分の一くらいまではできれば移したい、こういうような考えで、よりよりただいま検討いたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/29
-
030・兒玉末男
○兒玉委員 いま言われました人員の問題ですけれども、これは結局いままで県がやっておったことを国がやる。そういたしますと、特にこれに従事する職員の異動というものは、いままでのいわゆる県庁の職員から建設省のほうに、地方公務員から国家公務員のほうに異動するという考え方なのかどうか、あるいは新たにそういう技術者なり職員を養成してこれを補っていこうとする考えなのか。これは当然二級国道が一般、一級国道並みに建設省の管理になれば、当然これは建設省の職員に異動する結果になる者が相当あるのではないか。もちろん今後の道路整備というものは、先ほど局長の言われたとおり、地方主要道の整備に力点が置かれるとするならば、そう自由に県庁の土木関係の職員を建設省に持ってくるということはなかなか困難だと思うのですが、その辺の人事の交流面と、そういう関係職員の増強ということはどういうふうな形で行なおうとするのか、これは多少法案の内容と直接関係はないと思いますが、特に人とは密接不可分の関係でございますので、この際特にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/30
-
031・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 まだ具体的な人員充当の計画はございません。県のほうの職員も、先ほど申しましたように、単に二級国道だけを担当しているという職員ではございません。同時に、その人たちは一般県道のことも一緒にやっておられるのが大部分でございます。ですから、そういう人たちをはずしてくるということは、県の側においても困ります。また、地方道の整備もこれからどんどん伸びてくると思いますので、地方側におきましても、決して余っておるということではない、むしろやはり地方側においても不足を感ずる、こういうような状態になってくると思います。現実にこの維持管理をしております人たち、御承知のように、県のほうでは道路工夫と称する人たちがやっておりますので、直轄でやりますような道路の維持管理といいますものは、これからおそらくそういう体系ではなくて、むしろパトロール、常時機動的に動く組織になると思います。したがいまして、従来の道路工夫そのまま移しかえるというようなことも適切ではございません。そういうことになりますと、やはり新しく建設省のほうでそういう人たちを訓練、養成する、あるいは新たに採用する、こういうことになると思います。もちろん、県のほうからの国の職員への転換も考えられますが、おそらく、大部分はやはり新たに訓練して養成する、こういう方向になるであろう、こう見ておりますので、あまり県職員から国の職員への大きな転換は、他のいろいろ給与条件その他もございまして、現実には期待できないのではないか、こういう判断をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/31
-
032・兒玉末男
○兒玉委員 やはりこの二級国道に関連してでございますけれども、先ほど局長が答弁されましたが、実際に管理権は国に移行しましても、やはりこれから当分の間は、先ほど言われたとおり、実際に地方自治体が二級国道に関する部分は、修理から維持、そういうものをやっていかなくちゃいけない。そういたしますと、管理権だけは大臣が召し上げたけれども、道を維持することやらよくすることはおまえらやれ、これはやはり経費分担の面においても相当私は問題が起きてきようかと思うわけです。この点について、当然、これは維持、修繕等実質的な管理を地方自治体なり、特別市の首長が行なうとすれば、その財政的な助成措置というものを考えていくべきだ。管理権だけとって、実際の仕事はそのままやらせる。この辺について、特に財政的な援助措置についてはどういうふうな配慮がなされているのか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/32
-
033・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 御指摘の点は、本法案提出の段階において、いろいろ議論がありました。維持その他の管理については、やはり指定区間と同じように、二分の一の負担をすべきである、こういう議論がございました。これにつきましては、非常に事務的に申しますと、維持その他の管理、これは県にやらせる場合に二分の一の補助をするというかっこうになりますが、国が負担をするということになりますが、実際には、維持その他の管理と申しますのは、たとえば清掃でございますとか、あるいは側溝のどぶさらいでありますとか、あるいは砂利まきでありますとか、あるいは標識の掃除、街灯の掃除だとか、そういった仕事が多いわけでございます。道路に関する工事でありますと、わりに設計が組めまして、幾らということがわかりますけれども、維持その他の管理一になりますと、この金はどういうふうに使われるかということはたいへんつかみにくいわけでございます。その例は、たとえば除雪なんかの場合にもございますけれども、さらにそういうものよりも、この維持管理についての費用の使途について明確に押えるということはむずかしい問題でございます。したがいまして、そういうものに対して国が負担をする、あるいは補助をするということは非常に適切ではない、こういう議論がございまして、かなりそうすべきであるというお話も出ましたが、結果的には、維持、修繕については、従前どおりやはり地方自治体が持つということになったわけであります。それに対しまして、いまお話しのように、管理権だけとって、維持、修繕を全然持たないのはおかしいじゃないか、こういう議論がございました。それに対しては、できるだけ建設大臣の指定区間を伸ばしまして、少なくともそういう区間について、国が半分持つ、地方が半分持つ、こういう方法でいくことが最も現実的であろう。したがってなるべく指定区間を伸ばせ、こういう御意見もございまして、終局的には、せっかくそういう御意見、かございましたけれども、現行の一級国道の体制でいく。そうすれば、いままで一級国道については、指定区間は制度がございませんでしたが、そういう道が開かれたことによって、国が二分の一持てる道が開けた。できるだけその区間をまた伸ばせ、こういうことで一応御了承を願ったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/33
-
034・兒玉末男
○兒玉委員 いまの局長の答弁、少し私は納得できないわけですけれども、やはり維持、修繕ということについては、長い間この二級国道を管理してきた都道府県としては、実際に過去の実績から、どの程度の修繕なり維持費が要ったかということは、はっきり数字が出ているわけです。そういう点から申し上げますと、おそらくこれが占める割合というものは、かなり県の中においては大きいのじゃないか。特に私どもの宮崎県等においては、最近観光客が多い、こういうことで、ほとんど日照りの強い期間は散水車で水までまいて、非常に道路愛護といいますか、そういう点に気を配っているわけでありますが、そのほか道路の両わきに草花も植えて、やはり維持改善等に相当の努力をしているわけであります。こういう点等から考えますと、その費用を負担する根拠というものは非常にはっきりしないということを言われますけれども、過去の実績というものが、はっきりしているのじゃないか、私は、こういう点から考えますならば、いささか局長の言われていることは理解に苦しむわけです。そういう点等について、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/34
-
035・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 従来、そういった府県がやっております維持管理経費につきまして、全く国が手当てをしなかったということではございません。御承知のように、地方の単独事業費の中でそういうことをやっておりますが、その費用につきましては、道路関係の地方交付税、あるいは特別の地方道路税とか、いろいろそういったものがございまして、足りない面は交付税で行なわれておりまして、一応その交付税の起算の根拠の中に、そういった道路延長、それに要する維持経費等も見込まれておるわけでございます。それが十分であったかどうかは別問題といたしまして、一応他の方法で考えられておるということでございますので、決して従来も国がそれに対して全然見ておらぬということではございません。ただ、この道路法改正の際に、管理権を取って何か反対的な給付がないか、こういうことであろうかと思いますが、これはいま言いましたように、維持その他の管理費用は、平均的には上がっておりますけれども、やはりここにいま助成するということになりますと、非常に零細な補助的な形になる、さもなければむしろ財政補助という形になる、財政補助になれば、いまの交付金という形である程度行なわれておるのではないか、こういう議論もありまして、それに先ほど申しましたような理由もありまして、一応現行どおりでいく、こういうことになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/35
-
036・兒玉末男
○兒玉委員 この点は多少問題がありますので、大臣にもお聞きしたいと思っておりますが、先ほど質問した中で、ちょっと抜けた点になりましたが、第五号のいわゆる先行的な道路の投資が新産都市の点で法律にきまりまして、おそらく建設省としても、そういうふうな地域についてある程度具体的な展望なり計画はあるのじゃないかと思うのですが、この点については、特に一般国道の一つの指定基準として新たに追加された項目でありますので、ただばく然とこれが規定されたものではなかろうと思いますが、この第五号に該当する地域については、ある程度具体的な構想というものがあるのかどうか、この点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/36
-
037・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 具体的には、まだございません。これは各新産都市の工業整備特別地域等につきまして、ただいままだいろいろ計画段階でございまして、これがどういう地域計画として、どういうような路線となり得るか、従来の都市計画道路をそのままやればいいのだ、あるいは県道をやればいいのだと、いろいろ議論がございますが、どういう路線が新しく開発される都市に一番必要であるかという計画の度合いによりまして、十分考えていくべきであろうと考えておりまして、これは必要な各地区ごとに、個々に当たるべき性質のものであると考えております。その計画の決定を待ちまして、考えてみたいと思っておりますが、まだ具体的なものを持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/37
-
038・兒玉末男
○兒玉委員 特に二級国道が非常に問題が多いので、これも、総括的なことはあとで大臣にお聞きしたいと思うのですが、局長の考えとして、一般国道に編入された二級国道の大まかな整備が完了するのは、大体どの程度の年限と、どの程度の予算規模を考えておられるのか、この点について、一言だけお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/38
-
039・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 予算規模については、まだはっきりした数字を持っておりませんが、大体昭和四十四年ごろには、いまございます二級国道を第一次的に整備したいと思っております。しかしこれには修理なり改良を行ないませんで、とりあえず現在の道路を利用できるものは利用するという形で、第一次的な整備をやりたいと思います。さらにそれにつきまして、改良を施しますと、それより二、三年おくれるのではないか、しかし一次的には四十四年くらいまでにでき上がる、こういう目標を立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/39
-
040・兒玉末男
○兒玉委員 次に、特に道路交通の安全と円滑をはかるため、交通安全施設に対して必要な規定の整備を行なう、これは今回の道路法改正の特徴点だと思っておりますが、私たちの出身の国鉄とかあるいは各私鉄関係の労働組合から出している交通事故白書を見ましても、特に道路整備に関する不備がもたらしているところの自動車事故なり交通事故が非常に多いということが出ております。この点は大臣に特に御質問したいわけでありますけれども、この七号に書いてある交通安全施設に関して必要な規定の整備を行なう、こういう表現がされておりますが、これは具体的に申しますと、大体どういうようなことを考えておられるのか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/40
-
041・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 交通安全施設関係でございますが、改正点におきましては、道路の構造は、その道路の存する地域の地形、地質、気象等の自然的状況のみならず、その道路の交通状況も考慮しなければならぬ、こういうように第二十九条において改正しております。これは従来どちらかといいますと、道路の構造本位に考えておりまして、現在の交通状況では——道路というものはもちろん交通状況と切り離して考えられない、そういう点についての対策をはかる必要がありますので、特にそういうことを入れたわけでございます。また三十条におきましては、横断歩道橋等の交通安全施設につきまして、その構造の一般的な技術基準、これを道路構造令において規定するように改正いたしております。道路構造令に詳細な点は譲りまして、本法におきましては、きわめて大まかでありますが、交通の条件ということを道路構造において考えよう、その施設として横断歩道橋というようなものを入れて、その細部については構造令に書く、こういう仕組みにしております。それで必ずしも十分とは申せませんが、従来付属物として考えておりました交通安全施設、これらについて、今後道路計画において積極的に取り入れる、こういう一つの考え方だけを出したのでございまして、現実にはこれはむしろ予算措置の問題といたしまして、五カ年計画の際に、具体的に取り上げていきたい。御承知のように、本年度はその手始めと申しますか、道路標識につきまして主要地方道以上を一カ年間に整備しよう、こういうことで予算を取ったわけでございますが、引き続き他の安全施設につきましても、強力に推進していきたい、そういう気持ちで、二十九条、三十条の改正をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/41
-
042・兒玉末男
○兒玉委員 これは非常に重要な問題だと思うのですが、この前、名神高速道路の一部開通の際に見ましたけれども、鉄条網があり、さくがあり、非常に慎重な配慮がされておりますが、これは単に高速道路だけで、一般の国道についてはそういう慎重な配慮がなされておらないということは、特に人命尊重というたてまえからいっても、むしろ非常に手おくれの感がある。しかも最近の交通事故の状況を見ておりますと、やはり何といっても無暴操縦あるいは横断歩道等による交通事故、人命殺傷に関する事故が一番多いわけです。しかも最近は運転手等の非常なモラルの低下によって起こるものが多いとか、あるいは非常に過大なノルマが課されて、そのために非常に交通道徳を無視した運転がなされておる、こういういろんな客観情勢はあるにいたしましても、やはりこの点は道路の構造によってある程度の事故が一ある程度ではない、相当の事故が防げるのではないか、こういうことを考えておるわけであります。特に全国運が出している交通事故白書によりますと、一般歩道の高さというものもある程度高くしたらどうか、あるいはもう少しガードレールをよけいつくれ、こういうなまなましい声が白書にも指摘されているわけです。こういう点について、先ほどの局長の答弁では非常にたよりない感じがするわけです。単なる構想として打ち出したのであって、今後の具体的な問題は、道路構造令等の改正に待たなくてはいけない、こういうことですが、もう少し前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと思うのですが、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/42
-
043・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 私どもはできるだけ前向きの姿勢でやりたいと思っております。構造令を変えるということは、これは実質的にはそう大したことではございません。またそれをしなければできぬというものでもございません。むしろいまお話しのような防護さくなりあるいは照明灯なり、いろいろ必要なものをたくさんやるべきであると考えております。これは道路の改良工事の際には、府県等におきましても、できるだけそういうものを見込んで道路改良をやるように、防護さくでも、標識はもちろんでございますが、街路灯でも、設計に見込めるものはできるだけ見込んでやるように、指導いたしております。従来、どちらかといいますと、そういうものを見込まないで、少しでも延ばすほうへ考えておりましたけれども、やはりそういうことも設計の際に見込むようにという指導をいたしております。そういう指導を進めますと同時に、改良工事を伴わない、つまり単独にやりますものにつきまして、ことしは、いま言いましたように道路標識をやりましたが、来年は、防護さくとか、いろいろ順を追いまして、いま言いましたものをやりたい、こういうことで財政当局に強力に要請しよう、こういう考えでございまして、決して消極的ではございません。最近、各方面から、この点について、指摘されております非常な要請がございますので、十分それにこたえるようにやりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/43
-
044・兒玉末男
○兒玉委員 それでは局長にお伺いしたいのですが、そういう、特に交通安全、円滑をはかるということですけれども、具体的に、先ほど私が申し上げたように、たとえば歩道を高くするとか、そういういろんなことがあると思うのですが、そういう具体的なケースについては、大体どういうことをお考えになっているのか。たとえば非常に道幅の広いところは、単に信号のゴーストップだけでは、子供たちの安全がなかなか保障されない。たとえばそういうところには跨線橋をつくるとか、そういう一つ一つの具体的な例について、たとえばこういうことをやりたいというふうな構想があれば、ぜひそれをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/44
-
045・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 具体的には、防護さくを更新したり、あるいは新設するという方向——道路標識はもちろん先ほど申しましたとおりでございますが、区画線、これの引き直しをしたり、新たに区画線を引くというようなことをやる。それから照明でございますが、照明設備はなかなか維持がたいへんなものでございますから、これを十分維持し、さらに新設するという方向に持っていきたい。それから路面のすべりどめ等について、アスファルト舗装になりますと、どうしてもスリップしやすいものでございますから、すべりどめ等をやっていきたい。それから横断歩道橋につきましては、特に学校等、学生の横断の多い場所には、横断歩道橋を設置するようにいたしたい。また事故の多いところにつきましては、防護さくを設ける、あるいは照明によりましてそういう事故を防ぐような方向に持っていきたい、こういうようなことを考えておりますが、これは、国がやる場合には、わりにまだやりやすいのでございますが、問題は、府県の側において実施する場合には、いいことはわかっておりましても、なかなかやりませんので、先ほど申しましたように、改良工事において一緒に取り上げられるものはできるだけ取り上げるように、指導いたしております。それから単独でやらなければならぬものは、必要最小限度しかやっておりませんが、できるだけこれをやるように指導する。今後の問題といたしましては、五カ年計画で毎年一つずつ何か片づけていくように、国としても従来できませんでした助成の道を開いていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/45
-
046・兒玉末男
○兒玉委員 やはりこの交通安全の面でいま一つの大きな問題としては、踏切の問題だと思うのです。これは国鉄の踏切における事故は、結局国鉄自体における過失よりも、踏切を通る通行者、これによる事故がほとんど九割以上を占めているということは統計にあらわれておるようでございます。いま踏切の改良については、それぞれ、特に国鉄側も頻発するこういう鉄道事故に対して、踏切道について第四種から第三種への積極的な切りかえをやっているようです。これはとても一方側だけの踏切改良では、事故を少なくすることは当然できないと思うのですが、特に建設省とは関係が多いわけであります。単に国鉄だけでなくして、他の私鉄等との交差する部面が相当あるわけですが、やはり相手側の経費分担という面で、このような立体交差なり踏切改良がなされていない点が相当数あるやに聞いておるわけですが、特に、今後の踏切改良に対する建設省としての具体的な対策というものをどういうふうに考えておられるのか、お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/46
-
047・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 御承知のように、踏切は全国で七万カ所ぐらいございます。そのうちで、道路の側においても交通量が多い、あるいは鉄道の側においても交通量の多いものにつきましては、優先的にこれを立体交差にするというような考え方で、去年までやりました五カ年計画におきましても、おおむね千カ所ぐらいの踏切を予定しております。大体そういうような重要な踏切でございますから、一カ所当たり一億円くらいかかる。したがって千億くらいの予定をしておったわけでございますが、今回五カ年計画の改定によりまして、この規模をさらに大きくしなければならぬと思っております。特に国鉄との関係におきましては、非常に話がよく進んでおりまして、相互に協議会を設けまして打ち合わせをして、一つずつ解決をはかっております。指定されました踏切について、個々に解決をはかっておりますが、ただ国鉄と建設省だけでもなかなか解決できぬ問題がございますが、特に地方自治体の負担の関係になりますと、この費用は負担できませんというような場合もございまして、こちらで補助しても、その残りの三分の一の負担ができないというような場合もございまして、必ずしもすべてが建設省と国鉄の話し合いで解決いたしておりませんが、しかしできるだけこの解決をはかるように努力いたしております。幸いにして国鉄にも踏切保安部ができまして以来、この窓口がはっきりいたしまして、従来よりも非常に円滑に進んでおると私ども信じております。問題は、こういうような指定すべきものは今後もたくさんできてくるということであり、まだこういう話の及んでおりませんいわゆる私鉄との関係についても問題が残っております。私鉄の問題につきましては、これは地方公共団体と同じように、非常に財政の弱い私鉄会社につきましては、この費用負担についてなかなか話に応じられないというような場合が多うございますので、これは特殊のケースとしてしか実施できておらぬ場合が多いようであります。しかし、大体都会付近の大きな私鉄業者におきましては、最近むしろ高架にするというような方法でたくさんの踏切を一挙に解決するというようなことも積極的に考えておるようでございまして、これにつきましては、道路側といたしましても、できるだけそれに応じまして、一括に解決する態度で臨んでおります。まだ具体的に何カ所というような数字を押えておりませんが、これにつきましても極力推進をはかりたい、かように考えております。しかしいずれにいたしましても、なかなか一カ所ごとを解決するのに費用がかかりますので、国鉄と建設省、あるいは私鉄と建設省、相互に常に話し合いを進めて促進する、こういう方法でいかざるを得ないかと思います。できるだけ、新五カ年計画においてもその方針は継続してやっていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/47
-
048・兒玉末男
○兒玉委員 この踏切に関する問題で、地方の各自治体等からも機会あるたびに陳情を受けるわけです。というのは、経費の負担割合ということで、それぞれのケースによって負担の割合が違っておるわけです。たとえば特に地方道等の場合は、ほとんど踏切の見通しが悪いので場所をかえたい、こういう場合は、国鉄は負担しないで、自治体で全額負担してもらいたい、こういうことで、特に財政規模の貧弱な地方自治体においてはできない、しかし交通事故言は起きる、こういうことで、非常に問題を提起しておる場所が多いわけです。この点、建設省としては、もちろん一般の地方道まで全部見るというわけにいかないわけですけれども、道路管理の一番中枢である建設省と国鉄当局者の間において、いま少し地方における踏切改良について積極的な話し合いを進めていく必要があるのじゃないかと思うのです。これは新しく道路をつくる場合は別として、現在道路が非常に曲がっている、あるいは当初国鉄を通すときに地域住民がどうしても踏切をつくってくれ、こういういろいろなケースがあるのですが、この点の負担の割合等は、大体現在まで、地方道とか一、二級国道とか、ケース・バイ・ケースで違うと思うのですが、どういうようなことになっているのか、この際、ひとつその詳細がわかっておれば、お聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/48
-
049・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 国鉄と道路との関係につきましては、建設省と国鉄の協定ができておりまして、詳細に協定に示されております。大まかに申しますと、現在両者が交差しておりますものを改善するという場合には、大体三分の二を道路側が持ち、三分の一を鉄道側が持つ。その費用の全体の額は、道路が上をいく場合、あるいは鉄道が上をいく場合いろいろございますが、いずれにしても、それに要した経費の三分の二を道路側が持つ。つまりいずれにしても、道路側のほうがよけい持つというかっこうになっております。ただし、新たに道路を広げる場合、あるいは鉄道を一車線広げるという場合には、その費用を鉄道側が持つ、大まかなことでありますが、こういう原則ができております。ケース・バイ・ケースで、いろいろなものがあります。道路側が広げる場合、鉄道が広げる場合、両者が広げる場合があります。したがいまして、全体の数字は必ずしもそういう数字になっておりませんが、考え方の基礎はそういうふうになっておりますので、これにつきましては、あまり混乱はないわけであります。むしろそういうふうにきまったものを、持てるかどうかということで、自己負担がかかる場合がございますので、それができない場合があるかと思います。また国鉄側においても、非常に最近建設関係予算が苦しいために、もう少し安くできる構造とか、場所等についてもいろいろ条件が出たりいたしまして、そういうためにおくれる場合がございます。また将来そこを電化しようというような問題もございまして、電化の時期がいつであるか、それがはっきりしないたために、また電化のために高くするというようなことで費用がかかる、そういうようなこともございまして、話し合いが事務的におくれておる場合はございます。しかし考え方の基礎については、一応協定ができております。そういう意味におけるトラブルというものはいまのところはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/49
-
050・岡本隆一
○岡本委員 ただいまの踏切の問題に関連して少しお尋ねしたいのですが、道路法の考え方からいきましたら、道路を鉄道が横切って、通行人を遮断機で遮断したりして、いわば優先的に占用しているわけですね。だから道路に対して鉄道その他はやはり二次的な立場に立って道路を使用している、こういう考え方に立つべきであると思います。そこで道路の通行者あるいは通行の車、どちらでもいいのですが、そういう道路を使用するものと、鉄道というものの優先性と申しますか、それは道路法のたてまえではどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/50
-
051・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 道路法では、道路が優先する、あるいは鉄道が優先するということは何も示しておりません。つまり道路の部分は鉄道と兼用的なものと考えております。どちらが優先するということは、道路法では何も言っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/51
-
052・岡本隆一
○岡本委員 従来からある道路に対して、新たに鉄道が−これは最近は立体交差ということが強く言われておりますが、しかしながら最近でも、地方鉄道、あるいは国鉄でもいなかのほうの道路を通るときには、全部平面交差で通るわけです。だから従来から使われておった道路を平面交差で鉄道が通る場合には、車両の通行の優先性ということは、これはもちろんああいう軌道のものですから認めますが、たとえばその場合、端的に具体的な例を申し上げますと、従来三メートルなら三メートルの道路がございました。ところがそこを鉄道が通ることになりまして、どうも三メートルの道路では狭いから、今度五メートルに広げたという場合に、踏切は従来のまま放置されていることがしばしばあるわけです。だから、踏切の部分で相当交通の障害が出てくるわけですから、道路が広げられたら当然踏切も広げられなければならぬ。ところがその踏切を広げるのには、自治体のほうは、原因者負担ということで工事費を持たなければならぬ。工事費を持たなければならぬだけでなしに、その新たに広げる部分については、従来からの道路ではございませんから、その鉄道から自治体は敷地を買わなければならぬ、こういうことが発生してくるのではないかと思うのでございます。ところがその場合道路が広げられれば、当然今度は道路を通さしてもらっているのだから、鉄道側は敷地くらいは提供すべきだ、こういう考え方を持つことができるとわれわれは思うのでございますが、そういうふうな関係はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/52
-
053・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 先ほど、道路法では鉄道優先ということはないと申し上げましたが、これは道交法で、鉄道の頻度が少ない場合は別にしてもという考えもございますが、鉄道優先という考え方を一応出しております。
それからただいまのお話でございますが、道路改良に伴いまして踏切道を広げるということにつきましては、一応原因者負担というたてまえになっておりますが、これは鉄道と道路管理者が特に協議するという仕組みにただいまなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/53
-
054・岡本隆一
○岡本委員 そうしますと、鉄道が道路を現実に兼用で使用しているわけですが、その場合には、使用料を払っているのですか、払っていないのですか。私鉄、国鉄両方の場合どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/54
-
055・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 兼用交差道でございまして、専用ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/55
-
056・岡本隆一
○岡本委員 そうすると、踏切をつくっているだけで、使用料を払わずに通っているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/56
-
057・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/57
-
058・岡本隆一
○岡本委員 そうすると、今度はその道路を広げる場合に、鉄道の敷地が今度新たに道路の敷地になるわけですね。その場合には、工事費は別として、その道路の敷地になる分の従来からの私鉄なら私鉄の私有地は、道路をつくる自治体のほうで、市町村道なら市町村、あるいはまた県道なら県でもって、その敷地を買い上げなければ道路にすることができないのですか。それとも買い上げなくても応じるべきなのですか、どうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/58
-
059・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 これは兼用的な施設でございますから、買収ということはやっておりません。無償で使用するということが通例になっております。それからその次の、兼用の部分は、つまり道路で鉄道である部分の路面につきましては、鉄道側で維持管理する、こういうたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/59
-
060・岡本隆一
○岡本委員 そうすると従来道路が細かった。それを倍なら倍に拡幅をした。ことに都会もしくはその周辺地域では、どんどん道路が拡張されていきますから、そういうことはしばしばあり得ることなんです。ところが道路が拡張されておるのに、踏切は細いままで残されておる。両方から来る車はそこで交差できない。道路の部分については幾らでも利用できるのに、踏切の中の部分については利用できないから、片一方は長く待っていなければならない。そのことが、次から次に電車の往来がはげしいですから、相当いろいろな事故の原因にもなると思うのです。そういうふうな場合、道路の敷地については無償で鉄道側は提供すべきだ、私鉄側は提供すべきだ、そういうことになりますと、問題は、いまのあなたのお説では、その路面の工事費を鉄道側でやるべきだ、いまそういうように私は承ったのですが、そうすると、今度は遮断機の間隔を広げなければなりません。そういうふうな工事費はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/60
-
061・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 ちょっと私先ほど説明が足りなかったと思います。維持管理は鉄道側でやる、工事のほうは、これは大体原因者負担という考え方でございますが、個々に鉄道業者と道路管理者と話し合うということになっております。しかしおおむね道路管理者が持つ場合が例としては多いわけであります。したがいまして、いま都会内では、特に都市計画街路では、いま岡本委員御指摘のような場合がしばしばございます。これは道路管理者で持つというために、都市計画事業でやりますから、つい市が費用を出すことをしぶって、もうそのままでしばらくいいじゃないかということで、放置されている例があると思いますが、だんだんこういう例はなくなりつつあるようでございます。つまり道路管理者が費用を持ちまして必要な踏切幅に広げる。そういう工事までやる。しかしできた後は鉄道側でそれを維持管理する、こういうことになっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/61
-
062・岡本隆一
○岡本委員 そういうふうな例がときどきあるというよりも、ほとんどが踏切は広げられないまま放置されておるのが多い。だからそのためにいろいろ交通障害がありますので、これはやはり道路を広げたら、踏切も必ず付随して広げなければならぬというふうな行政指導、あるいは政令の改正で、道路の改良事業には必ず踏切も一緒にやらなければいかぬ。道路の中の一部が狭く、家が出っ張って残されておるのも、踏切が狭く置かれておるのも、考え方、効果から言えば同じでしょう。それだけでなく、利用効果から言えば同じであるだけでなく、むしろそこは非常にハイスピードのものが横断しているのですから、危険度は相当あると思うのです。だからむしろそういうところこそまず広げなければならないのに、そういうところがいつまでも、他の道路部分は広げられたのに、踏切部分だけが広げられずに残されておるというようなことが至るところにあるので、私は三、四年前のこの委員会でもそういうことを申し上げたのです。それで、そういう面については今後努力していきましょうというふうなお話があったにかかわらず、そういう指導が行なわれないのか、それがいまだに至るところで放置されているというふうなことでございます。これは構造令かどこかに、踏切の道路が広げられた場合にはそれに付随した改良が行なわれなければならぬという規定があるならばいいけれども、なければそういうように政令を改正して、同時にそれを実行に移すというふうにしていただきたいと思います。
それからもう一つは、一般の公衆が使うところの道路を、私鉄がそのように通さしてもらうという立場に立っているわけでありますから、むしろ私鉄側に——私鉄でも国鉄でもそうですが、これは鉄道側にそれに応じたところの踏切の改良くらいはやるだけの責任を負わすべきだと思う。兼用物としてあるのだと言われますけれども、もともと最初はこれは住民の使う道路としてある、そこを鉄道が通るのですから、立体交差の費用までということは無理でしょうが、平面交差の踏切の改良の費用くらいは鉄道側で持ってやるべきだ、こういうふうに思うのですが、その辺はいかがでしょう。
〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/62
-
063・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 現在の踏切道はいろいろなケースがございます。過去においても改良工事が行なわれておりますけれども、現実に踏切のところだけ狭いものがあります。これは多くの場合、鉄道側で踏切の維持費を少なくするために狭くしている場合がある。あるいは都市計画街路あるいは道路改良をやりましても、いまお話しのように狭くなっている場合がありますが、これは同時に広ぐべきであったと思いますが、これはいろいろな事情で、鉄道側も広くなりますと、維持管理するものですから費用がかかりますし、道路側も、その踏切道を整備いたしますとそれだけ金がかかりますから、お互いにまあまあということで狭くなっているという例があると思います。これからやりますものは、都市計画でも道路改良でも——道路改良の場合はもちろんでありますが、私どもは、踏切道の改良は道路改良のときに一緒にやるべきだと考えておりまして、またそういうように指導いたしております。都市計画事業におきましても同様であろうと思います。最近の東京都内の環状道路においてはそういう方式でやっていると思います。考え方は一緒だと思います。これらの現在ございます踏切道の幅の不十分なものにつきましては、道路と鉄道との交差に関する建設省と国鉄との協定がございまして、この細目協定は、鉄道側の責任のものは鉄道側で極力広げる、道路管理者の責任のものは極力道路管理者において広げるように、どちらかはっきりしないものについては、両者協議して広げるように、こういう一条が入っておりまして、具体的に国鉄と建設省の協議会においてやっております。これは国鉄との問題でございまして、まだ私鉄との間にはそういうものができておりませんので、個々に解決していかなければなりませんが、考え方は、いまおっしゃるように、そういう方針でいくべきだと思います。いままでとかくこういうことについての対策がおくれておったことはまことに遺憾でありますが、事実でございますので、そういうことに今後相当重点を置かなければならぬ、こういうふうに私ども考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/63
-
064・岡本隆一
○岡本委員 今日、ことに私鉄の場合には、そういうふうな踏切の改良が非常におくれているところがあるので、格段の努力をこれから進めていただくようにお願いして、私の関連質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/64
-
065・兒玉末男
○兒玉委員 大臣に聞きたい点がありますがまだお見えになりませんので、次に車両制限令の附則三項に期限の規定があって、路線バス等についての経過措置の中で、七月三十一日で、いわゆる制限緩和のこれが解除されるわけです。この点は、この前の本会議でも大臣に質問しましたけれども、全然答弁がなかったわけです。これは全国的に道路整備の非常におくれている関係で、地方のバス等も、また東京都の場合においても、非常に重大なものだと思うのです。それで、一応委員会においては局長に私質問したのですが、そういうようなバイパス等の措置なり、できる限り国民の足が奪われないように措置をする話があったかと思うのです。これは予算編成の過程であったかと思いますが、このバス等の交通制限に対する取り扱いについて、どういうふうな指導をされておるのか。この点、特に東京都の場合は、いつかの新聞だったと思うのですけれども、この制限緩和の規定が解除されると十万人の足がとまるというようなことを書いてあって、バス業界並びに都民の非常に重要な関心事として載っておりましたが、これは大体どういうふうな状況になっておりますか、お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/65
-
066・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 先般当委員会でお答えしましてから、かなり数字的に詳細なものをつかんでまいりました。大体七月一ぱいの期限におきまして、なお全国的に支障のある延長というのは約一千キロくらいございます。しかし、三十九年度の予算措置で、これらが若干解決されます。三十九年度の仕事を全部やりますと、大体千七、八百キロやはり支障個所が全国的に残ると思います。これらにつきましては、いまお話しの東京都と市街地を除きますと、大体金額にいたしますと、対策費といたしまして約百十億くらいになる。あと百十億くらいの金をかけますと、大体それらについての地方的な障害はとれるということがわかってまいりました。いま申しましたのはバス路線です。路線トラックについては、これは大体もう七月一ぱいで、猶予しなくてもよろしいのじゃないか。問題はバスでございますが、地方におきますバス路線といいますのは、バス以外に他の交通機関がないところが多うございまして、そういうところは、直ちにこれをとめるということになりますと、やはり社会的にも非常に御迷惑をおかけすることになりますので、あと百億ちょっとでございますが、そのくらいの予算措置はことしでも六、七十億しておりますので、大体あと一年半くらいの仕事をやれば解決できるのではないか、こういう見通しがついてまいりました。したがいまして、私どもといたしましては、大体来年度一ぱいくらい、すなわちいまから一年半余でございます。そのくらい猶予をすれば、おおむね全国的な、御迷惑をかけないで道路の対策の準備はできるんじゃないか、こういうふうに考えております。問題は、東京都と市街地でございます。市街地におきましては、都市計画の決定された街路計画、あるいは都市計画以外の道路計画というものもございますが、概していま通っておりますところは、残りましたところは、たいへん局部的な路線に限られております。しかもそういうところは一番むずかしいところだということで、これらにつきましては、一、二年で解決できるという見込みはちょっと立たないわけでございます。したがいまして、これは廃止するかあるいはバスを小型化するか、いままでいろいろ迂回路を研究しておりますが、もっと具体的な、若干歩く距離が遠くなるかもしれませんが、迂回の方法なりということをもう少し研究しなければならぬだろう。単に一年ちょっと延ばしただけで物理的に解決できるという事情ではございません。これはこうなりますと、もう個々に一本一本の路線でございます。たとえば阿佐ケ谷の線をどうするか、あるいは五日市街道をどうするかという、個々の路線の問題でありますから、これは道路管理者とバス業者あるいは警察等と、もう一回よく慎重に相談いたしまして、いま言いましたような何か対策を立ててみる、それらは特別なものであるならば、建設大臣の特別の条件を付した許可を得まして、いましばらく通させるということも場合によっては必要であろうか、その点だけが最後にちょっと残っておりまして、この七月末までにその辺の対策を立てまして、この期限が切れる措置を考えたいと思っておりますが、全国的には、おおむね一年半くらい延ばせば、いま言いましたように解決ができるということでありますので、その程度は一般的には猶予したいと思います。いずれまたそういうふうな都市内の対策ができましたら、関係方面とも相談してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/66
-
067・兒玉末男
○兒玉委員 説明でちょっと聞き取りにくいところがあったのですが、二千キロというのは全国の関係区間を言っておるのか、それから路線トラックについてはもうそういう制限緩和をしないということですね。それから百十億というのは、東京都でなくて、全国の制限区間を拡張することによってバスが通れるようにできる予算のことですか。その二点について再度聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/67
-
068・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 二千キロと申しますのは、全国についての支障延長でございます。これはもちろん都市内も入っておりますが、都市内は数十キロでございますが、大部分が地方と考えております。
それから、路線トラックにつきましては、これは他にかわる道がたいていございますから、もう猶予しなくてもいける、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/68
-
069・兒玉末男
○兒玉委員 一応大臣に関する分だけ保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/69
-
070・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、明後十二日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会いたすことにして、これにて散会いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604149X03619640610/70
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。