1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月十五日(金曜日)
午後一時二十五分開議
出席委員
委員長 小泉 純也君
理事 青木 正君 理事 宇野 宗佑君
理事 岡崎 英城君 理事 渡海元三郎君
理事 加賀田 進君 理事 畑 和君
上村千一郎君 押谷 富三君
鍛冶 良作君 仮谷 忠男君
久保田円次君 長谷川 峻君
山下 榮二君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
自治事務官
(選挙局長) 長野 士郎君
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本日の会議に付した案件
公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一六五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/0
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001・小泉純也
○小泉委員長 これより会議を開きます。
内閣提出第一六五号、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
前会に引き続き質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畑和君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/1
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002・畑和
○畑委員 前会に引き続きまして、やはり条文の順序で質問をいたします。
選挙局長に聞きたいのですが、最初の第二十六条、これで第一項が若干修正をされまして、第二項が新しくできた。第一項は随時登録の申し出ができることになったわけであります。その趣旨はわかります。ここでは「申出」としてあって、一方は申請となっておるのは、結局申し出をしてもすぐそのまま登録をするのではないから、それに違いがあるのでこの差異をつけるために、本来のものは「申請」であって新設されたもののほうは、「申出」と書いたと思うのですが、その点。
もう一つ、これは第二項の場合に「年齢満二十年に達した者」とあるわけですが、この住所制限の三カ月というのは、引き続き住んでおれば、満二十歳に達すればもうそれでよろしいのか、二十歳に達して三カ月たたなければいけないのか、この点。
それと「政令で定めるところにより、」と書いてありますが、これはどういうことを政令できめるのか。この要綱のほうには直接本人の申請でなければならぬようにしたと書いてあるけれども、選挙法関係にはそれがない。これは政令で本人でなければ申し出ができないということにするようにきめるということだからことさら書いてないのかどうか。
それからいままでの「申請」ですね、補充選挙人名簿の登録の申請、それについて第一項のほうには政令とも何とも書いてないのです。そうするとこの場合にはその本人の申請でなければならぬということはどこに書いてあるのか。
幾つも問題をあわせて質問しましたが、答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/2
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003・長野士郎
○長野政府委員 この二十六条の改正でございますが、最初の「登録の申請」と「登録の申出」という関係でございますけれども、登録の申請は二十六条の第一項に規定しておりますように、三カ月以来住所を有するものであって、そうして選挙人名簿に載っていない者で選挙権を有しておる者、すなわちそれは二十歳以上の日本国民だ、こういうすべて登録の要件のそろっている者が登録の申請ということはいたすわけでありまして、畑先生お話のとおりでございますが、申し出のほうは必ずしもそういう要件が整っておりませんでも、と申しますことは、三カ月の住所要件がそろっていないというようなことでも新たに二十歳に達した場合、そういうことも起こりますので、そういう人でも申し出ができる。
それから年が満二十歳に達してから三カ月の期間が要るのではないかというお話でございますが、そこに住んでおります場合には、二十歳になりさえすればいいのでありまして、二十歳になってから三カ月の期間が要るわけではございません。ただ、ここへこういうふうに書きまして、三カ月というようなことに書きませんでしたのは、まだ移ってきて一月くらいしかたっていない、しかしそのときに二十歳になったような者も届け出られるようにいたしましたために、こういう書き方をいたしておるわけであります。
それからお話のとおり、「政令で定めるところにより、」という政令によりまして、申し出の手続をさらにある程度具体的に規定をいたしたいということでございます。
申請のほうのところはどうするのだというお話でございますが、これは実は申請のほうにつきましては、あとの条文の順序からいうと少し配列のぐあいがあれでございますが、新旧対照を見ていただきますと、三ページの「第二十七条(略)」というのがございまして、この三項の中に「申請の期間及び方法等」いうのがあるわけでございまして、その「方法等は政令で定めるところにより、」ということで、ここではずを合わせまして、そして「申出」のところの政令と「申請」のほうの政令と、両方とも政令で本人申請の考え方がはっきりするようにいたしたい、かように存じておるわけでございます。
そうして政令でそれじゃ何をどういうふうに規定するつもりかということに相なると思いますが、それは要するに本人が本人の名前で直接申請をするということを根本原則にいたします。ただ、いまのところ考えておりますのは、生計を一つにしておると申しますか家族等につきましては、一人の者がそれぞれ本人の名前で本人が申請するものを持っていても差しつかえないというようにいたしたいと考えております。しかしその場合でも本人が説明ができると同じ説明ができる必要がございます。要するに住所の要件その他につきまして、本人にかわって、本人と同じ程度に説明のできる者でなければ困る。したがってそういう説明を求めるということは政令の中ではっきりさしたいというふうに考えておるわけでございます。さらにそれでもなお疑わしいといいますか、そういう場合もあるわけでございますが、そういう場合には必要な資料なり何なりの追加の提出を求める、あるいは関係人の出頭を求めましてやる、さらにそれでもわからない場合にはもちろん実地において調査をする、そういう積み重ねをある程度詳しく規定をいたしたい。そこで本人申請の取り扱いというものが明確になるようにいたしたいと考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/3
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004・畑和
○畑委員 いまの問題でもう一つ聞いておきたいのだが、そうすると同じところに引き続いてもう三カ月以上おってちょうど満二十歳に達した者は補充選挙人名簿に申請もできるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/4
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005・長野士郎
○長野政府委員 三カ月、二十歳以上に達しておってちょうど申請の期間がきておれば、もちろん申請ができるわけでございます。申し出をする人は年齢なんかはあれでございますが、住所要件三カ月のほうが達したような人、こういう人が申し出をしておく、こういうことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/5
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006・畑和
○畑委員 その次は、第四十条に、「選挙人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合」、これが新たに加わったと思うのですが、前には選挙人の投票に支障を来たさないと認められる特別の事情のある場合に限り投票時間を繰り上げあるいは繰り下げることができるということになっていた。それが今度は一つふえたわけですが、これはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/6
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007・長野士郎
○長野政府委員 第四十条の「投票所の開閉時間」でございますが、現在のただし書きにおきましては、特別な事情で繰り上げ、繰り下げということが二時間の範囲内でできるということになっております。文言といたしまして「選挙人の投票に支障をきたさないと認められる特別の事情のある場合に限り」と、「特別な事情」ということで書いております。ということは、実質その特別の事情に当てはまるのは、時間を切り上げる場合にむしろ当てはまるわけでありまして、その「特別の事情」は切り上げるほうにだけ働くきらいがあるわけであります。そこで今回は二時間延長をもとへ返すということになりますが、地域の実態に応じましてむしろ二時間延長したほうがいいという場合も出てくるわけであります。二時間延長しなければならない場合は、むしろ選挙人の投票の便宜のためにどうしても必要だという場合であるわけでございますので、むしろそういう規定を入れまして、そうしてその場所、その場所の選挙管理委員会等によって時間延長の措置がとれるようにしよう。従来はどちらかといえば、二時間延長のほうはとらないといいますか、むしろ切り上げのほうをすすめるような法文のていさいになっておりましたので、実態に合わせますために、また二時間延長というものの便利さを残しますために、こういう改正の規定を入れさしていただきたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/7
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008・畑和
○畑委員 それはわかりました。
第八十六条の「公職の候補者の立候補の届出等」、この規定でございますが、これは従来は各公職の種類によって投票日前の何日までということになっておったのを全部廃止して、いかなる公職の選挙の場合においても公示または告示があった日から四日間に、郵便でなく文書で立候補の届け出をしなければならぬ、それ以後は立候補はできないということになったわけです。これはおそらくいつまでも不安定では困る、ずっとおそくなってから届け出があるのでは困る、候補者の出そろいを早くしなければならぬということで泡沫候補の問題とかいろいろそういう点もあろうと思いますが、そういうことから一律にきめたのだと思います。このこと自体はわれわれもよろしいと思います。四日間でいいかどうかという問題もあろうかと思いますが、まずまず四日あれば普通の政党あたりの候補者は幾ら何でも出そろうということで、いいかと思うのであります。ただ、これに関連するのですが、これは一つはいままで非常に不確定だった。特に地方選挙等の場合、立ち合い演説会あるいは選挙公報、これがいま任意制ですね。任意制だけれどもできるだけこれをやるようにという指導をしている、しかしながら実際にはほとんどやっていないじゃないか、こういう大柴君のこの間の質問でありましたが、それに関連するのですけれども、こういう点がなかなかやりにくかった点もあったと思う。ところが今度は四日間と日をきめて出そろう、それ以後は立候補させないということになれば、候補者ははっきり確定する。そうなれば選挙公報なども地方選挙においてできやすくなった、こう思うのです。そういう点でこれは希望みたいになりますが、これを機会にむしろこの際それを強制的にやるべきだという論さえあるのです。でもそれもなんでしょうから、こういうことになる以上は、いまの段階ではさらに任意制の立ち会い演説あるいは公報等の指導をさらに強化して地方選挙等にもやってもらいたい、こう思うのです。これは希望だから、答弁はなるべくやりますということになるだろうが、ひとつ答弁してもらいます。特にそれに関連して私はそういう希望を持っているのです。これは社会党全部の意向です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/8
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009・長野士郎
○長野政府委員 ただいままでのところで任意制の公営立ち会い演説会というのをこの前の統一選挙で調べたのがございますが、それで見ますと、県におきましては八県やっております。それから六大市長につきましては四市でやっております。それから任意制の選挙公報の発行でございますが、県におきましては七県やっております。六大市長におきましては五市でやっております。それから市町村にまいりますと、この前選挙いたしました団体の数が総計で三千四百三十五あるわけでございます。任意制の公営立ち会い演説会を市町村長の選挙でやりましたのが七百三十四ございます。二一%になっております。それから任意制の選挙公報が百一市町村で行なわれておりまして、三%になっております。市町村議会議員の選挙における公報は六十九しか行なっておりません。そういうことになっております。
先ほど畑先生のお話がございましたが、確かに今回立候補の期間を四日間というようなことにいたしましたのは、いままで四日以上過ぎてからの立候補の状況を見ますと、それがむしろ泡沫候補と思われる人が多いということが一つと、それから公営が非常にふえてまいりますと、立候補の期間があまり長うございますと公営の措置が早くできない、そうして投票ぎりぎりになっていろんなものがやっと間に合うとか間に合わぬということ相なるわけでございます。そういうものも短くすることによって実は便利を来たすわけでございます。支障もないし便利も来たす。同時に、こういうことができますと、要するに立候補期間というものはもう公示の日から四日間以内だということで非常にはっきりいたします。現在の規定でございますと、選挙の期日の十五日前とか何日前ということで、わけがわからぬというようなこともございまして、今度は投票の期日の前にさかのぼるやり方をやめまして、選挙の公示の日から何日間というやり方をいたしまして、非常にわかりやすくもなったと思います。そういうことがございまして、お話のようにこれによって公営がやりやすくなることは確かでございます。私どもといたしましても、任意制のいろんな公営措置についても、今後それが広く取り入れられるように十分指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/9
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010・畑和
○畑委員 その次、連呼行為の禁止、百四十条の二、それと関連して車上の選挙運動の禁止、百四十一条の三、それと街頭演説の時間の制限をその時間に合わせようということですが、その全部につきまして、この前大柴君が質問いたしましたときに、私も関連して大体質問をいたしましたので、重ねてくどくは申しません。ただ、われわれの考えといたしましては、これはあとで御相談しなくちゃならないのですけれども、これは前にも言ったとおり、連呼を大幅に認める。ただ区別がはっきりしないからいっそのこと大幅に認めて、そのかわり街頭演説もその時間に合わせようというのが今度の改正の目的だと思うのですが、これはわれわれとしては反対。そうだとすれば、むしろ特例法でやったとおりで街頭演説は従来どおりで、また連呼のほうは特例法のとおりでもよろしいとすら思っておるわけです。これは意見でございますから、ことさらに答弁は要りません。順序だから申したのであります。
その次に進みます。百四十三条の文書図画の掲示の項目でちょっと私は問題があろうと思うのです。これの第一項の四号ですね。これを見ますと、第百五十二条及び百六十条の二の立ち会い演説会における演説会場を除いて、要するに「演説会場においてその演説会の開催中」こう書いてあるのですね。これは前のとおりですが、「及び」以下がちょっと、つまり街頭演説用のものがこれは削除になったわけです。これはわかるのです。「ところでこの「開催中」というのと関連して、次の次のページ、一三ページで、同じ百四十三条の六項が七項になるというのを見ていただきたい。これによりますと、いままでは街頭演説の場所というのがあったが、それが今後は街頭演説の場所では、ポスター等のものが掲示ができないということになって、それを削除して演説会場だけになったわけですね。それに演説会場外に掲示する分については、会場ごとに二をこえることはできないということになりました。そうしまして一方ずっと先の条文でありまする百六十四条の二の五項と六項が削除になった。五項は個人演説会の立て看板を選管でやるという規定、これが削られた。こういうことになりますね。そうなりますと、演説会場外に立てる立て看板等は、各選挙事務所でやるようになるわけです。選管ではもう一切それはやらない、各人がやれということになったわけです。そうなると、「開催中」ということが書いてある以上は、たとえばたいてい立ち会い演説は夜ですね。夜行なわれる。そうすると夜開催中だけしか表には看板がかけられないということになるのではなかろうか。いままでは選管でかけてくれるから、しかも条文のほうも「開催当日」としてあって、公衆に見やすいところを選んで立て看板を立てなければならない、そうして名前と日時を入れる、こういうことになって前を通る人は、これであらかじめ日中わかる。今晩だれだれの個人演説会がここであるのだなということがわかる。ところがこれが削られてしまうと、百四十三条の四号の「開催中」というのにひっかかって、それが次の次のページの七項で、演説会場外に立てられるのは二つということで、開催中となると、昼間のうちは立てられない。われわれのほうでは、もう個人演説会告知の方法がただ拡声機で言って歩く場合だけになって、ほかに方法がありませんし、そのための個人演説会告知用のポスターを新しく設けろという声があるくらいであります。そういうことになると、会場外に日中からかけることができるということでもないと、私はかえって非常に不便だと思うのです。これを文字どおり解釈しますと、そうなると思うのです。したがって、結果的にはむしろ従前のほうがよろしいんではないか選管でやっていただくほうがいいんじゃないかとすら思うのです。この点についてはどう考えておるか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/10
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011・長野士郎
○長野政府委員 畑先生のお話のことでございますが、百六十四条の二の条文におきますところの個人演説会、回数制限の演説会につきましては、公営の立て札を一個設けることになっておったわけであります。特例法におきましては、この一個をさらに三個に追加されたわけです。そしてこれをなるべくすみやかに公衆の見やすいところに立てろということが入っておったわけでございます。そういう点からいきますと、その点についてはそのほうが便利ではなかったかというお話でございます。ごもっともでございますが、ただ特例法で公営立て札二個をやるということで、実際やってみたわけでございますけれども、これがすこぶるめんどうでございまして、どうもうまく要求に応ずるのはなかなか手間ひまがかかる。打ち明けて申し上げますならば、特定の日にたちまち二十カ所やる、四十本持ってこいといってもなかなかそう簡単にまいらない。そういうこともありますし、同時にまた、これはそういうことから考えましても、また個人演説会場の実際のあれを見ましても、これは候補者のほうで立てていただくことにして、そのかわり一般原則に立ち返りまして、ちょうちん一個のほかに、先ほどおっしゃいます百四十三条に返ってまいりまして立て札とか看板とかポスターは二個は出せることにいたしたいということで、回数制限のありました個人演説会でない一般の個人演説会の方向へ返したという形に実はなっておるわけでございます。そういうことになっておるわけでございますが、そうしますと、立て札とか看板とかは、開催中に限定されて考えられるわけではないかということが確かに出てくるわけであります。しかし、これは実際問題といたしましては、演説会を開催いたすために会場の準備をする、その他準備をするために開会時刻前からいろいろやっていくことは当然でございますので、そういう一定の時間というものは、準備ということであれば、開催中ということを非常に形式的に考える必要はないというふうに思っておるわけでございます。
しかしながら告知用のものが非常に少ないじゃないかということになります。そこで結局それは街頭演説の場所における連呼でありますとか、あるいは車上の連呼でありますとかいうような際に、個人演説会場の告知ということをあわせて行なうことにならざるを得ないということになるわけでございますが、そういう方法によりましてそれをやっていただく。また公営掲示場所のポスターに個人演説会の開催の日時を張りつけるといいますか、書き込む、そういうことも趣旨としては可能であろうというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/11
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012・畑和
○畑委員 そうすると「開催中」としてあっても、準備行為はいいんだから、その前に掲げておっても差しつかえないと思うという御返事のようです。しかし、これは文字どおり解釈しますと、そのあとは撤去しなければならぬという明文さえあるのだから、その前にあらかじめやっておる時間というものは、開催中じゃないんじゃないですか。自治省は幅を広げてそういうふうに解釈したって、警察はそうじゃないということになります。この点は加賀田さんから聞いたのですが、ずっと前の選挙のときなどは、これがいけないというので、裏返しにしておって、それで開催のときになったら表を向ける、こういうことすらあった時代があったそうです。ところが、そういうことがあったから、結局選管でやるようになって、当日やれということで、時間は限ってない、そういうことになったような歴史があるようでありますが、その点で私は法解釈の問題は大いに問題になると思うのです。これははっきりさせる必要があるのではないか。それと選管にやってもらうのがわれわれは一番いいと思う。一日にどっとたくさんくるというのは、また別に規制をしたらいいのではないか。一人で一日にどんなにやっても最高六カ所くらいです。それ以上は、本人が出るのを原則とすれば、とてもできない。そういう点で通じて六十回というのを、一日何回ということに、別の規定で制限したらどうかこういうふうにすら思うのです。なお、われわれの主張である告知用のポスターにしても、認められた場合などは、そういうときにこそ一度にぱっと張られても困るから、一日に六回なら六回というふうに制限するということなら弊害がないのではないかそれと同じような意味で、そういうふうに考えます。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/12
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013・長野士郎
○長野政府委員 「開催中」ということは、非常にかたく考える考え方からいきますと、まさに文字どおり非常にかたく考えることになるわけでございますが、いやしくもこの法律によりまして、選挙運動のために使用する文書図画としては、掲示を認めている数少ない一つといたしまして、演説会場のポスターなり立て札なり看板なりを認める。要するに、それはここで演説会が開かれているということを示すわけでございますので、そういう意味からいいましても、その看板を見て演説会場に入るということが可能な状態というものを一つの目的にしていることも間違いないわけでございます。また、演説会を開きます場合に、演説会場の用意をいたしまして、演説をいたします準備というものはどうしても必要なわけでございます。演説会が始まって、一日目のことばが出たときにとたんに裏返してあった看板を返さなければならぬ、こういう考え方は実態にも即しませんし、この法が掲示を認めている趣旨にも合わない。したがって演説会開催中と申しますのは、演説会が開会している時間はもちろんのことでございますが、演説会開催に伴う準備行為等を見込んだ、普通に考えられる時間というものの間は、当然掲示をして差しつかえないというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/13
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014・畑和
○畑委員 そうすると、その前は何時までだということになってきますよ。やはり告知するという意味を含めているとすれば、やはり前もってできるだけ早く公衆の目について、朝のうちそこを通って、ああきょうここであるのだなということがわかるようにしなければ親切でない。だから、そのためには、その日の日中、朝から張ってもいいのだということでないと、私は親切でないのだと思う。それには、そういうふうに書かないと誤解を生ずる。ほんとうに開催の一時間、二時間前だったら、準備行為としていい、だが朝のうちからかけるといかぬぞ、こういうことになりゃせぬか。選管さんでやるならけっこうで、そんなおしかりを受けるはずはないのですが、その辺が心配です。まあこれはあとでひとつまた協議があるでしょうから、そのときにいたしたいと思います。
それから百四十七条の二、これは文書図画の撤去の措置ですね、これが新設された。前のほうのやつは、「撤去させることができる。」これは従前どおりです。そのかわり、そのあとにまた、警察署長に通報するということが新設されたですね。それから百四十七条の二の新設のほうは、選挙事務所が廃止されたとき、あるいは自動車がもう用がなくなったとき、あるいは演説会が終了したとき、そういういろいろなポスターその他立て看板等は、撤去する。これは選管でかってに撤去ができる。それは前の場合と違って明らかに違法なものだから、選管がかってに撤去できる。前条のほうは、それと違う場合もあって、ポスターの張るべき場所が違ったりなんかするということがあるから、撤去させることができる、こうした区別だと私は思うのです。その点はどうかということと、それから、この百四十七条の二のほうにも、撤去する前に警察のほうに選管が通報しなければならぬということになっております。これはいままでそういうことが両方とも規定がなかった。だから、どうしていいかわからぬというようなことがあったから、こういうふうにはっきり明確にしたのだということだと思うのでありますが、百四十七条の二なんというのは、これは言わずもがなであって、こういうことはもう書く必要はないと私は思うのです。この辺は、やはり明確にするためだということで新設したのですか、その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/14
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015・長野士郎
○長野政府委員 百四十七条と百四十七条の二の関係でございますが、これは、百四十七条のほうはどちらかといえば全部の違法な文書でございますけれども、百四十七条の二のほうはいわゆる置き去り文書というのでありましょうか、掲示したあと撤去しなければならぬものを撤去していないというものに範囲を限定しておるはずでございます。したがって、その点がありますし、また同時に、百四十七条と百四十七条の二は法文上も何ら関連をつけておりません。と申しますのは、百四十七条違反ということになれば罰則がつきます。百四十七条の二の撤去というものは、単なる撤去というかっこうに実はいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/15
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016・畑和
○畑委員 そうすると、この通報義務は、それをつけても処罰がないとすれば、何もつけなくたっていいのじゃないですか。撤去することができるとして——この場合において事前にあらかじめ警察に通報すると書いてありますね。処罰がないとすれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/16
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017・長野士郎
○長野政府委員 この百四十七条の二の中にも、正規の文書以外、たとえば看板を通じて三つ出したという場合には、二つは合法でございますが、あとの一つは違法でございます。それを持ち去ってしまいますと、あと証拠も何も残らなくなってしまいます。それも、その合法的なものであったものの置き去りだけを持って帰りますと、一つ違法なものだけ残しておかなければならぬようなことになってしまいます。そういう場合もございますので、やはり通報して、まあ証拠がはっきりするように、捜査を妨害しないようにしなければならぬ。また同時に、その撤去することができることは、選挙妨害でも何でもないということもはっきりさせるために、明文を置いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/17
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018・畑和
○畑委員 時間がありませんから、もういいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/18
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019・小泉純也
○小泉委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01019640515/19
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