1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十日(水曜日)
午前十時二十八分開議
出席委員
委員長 小泉 純也君
理事 青木 正君 理事 岡崎 英城君
理事 辻 寛一君 理事 渡海元三郎君
理事 加賀田 進君 理事 島上善五郎君
上村千一郎君 押谷 富三君
鍛冶 良作君 久保田円次君
長谷川 峻君 藤田 義光君
山中日露史君 山下 榮二君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
検 事
(刑事局長) 竹内 壽平君
自治事務官
(選挙局長) 長野 士郎君
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五月二十日
理事宇野宗佑君同日理事辞任につき、その補欠
として仮谷忠男君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任公職選挙法の一部を改
正する法律案(内閣提出第一六五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/0
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001・小泉純也
○小泉委員長 これより会議を開きます。
この際、おはかりいたします。
理事宇野宗佑君から理事を辞任いたしたいとの申し出がありますが、これを許可することとし、その補欠選任につきましては、委員長の指名に御一任を願いたいと存じます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/1
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002・小泉純也
○小泉委員長 御異議なしと認め、理事に仮谷忠男君を指名いたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/2
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003・小泉純也
○小泉委員長 内閣提出第一六五号、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
前会に引き続き、質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。山下榮二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/3
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004・山下榮二
○山下委員 大臣がおくれるそうですから、事務当局にまず先にお尋ねをいたしたいと思うのであります。法務省当局も見えたそうでありますから、それでは法務省関係を先にお尋ねいたしたいと思います。
昨年の統一地方選挙あるいは十一月に行なわれました衆議院の選挙等を考えてみますると、いろいろ悪質な選挙運動が行なわれたと私は思うのであります。その一例は、あるいは商売の用務を帯びて、かたわら選挙の依頼をして歩くという戸別訪問、あるいは宗教に名をかりて、これが選挙の戸別訪問、こういうこと等が方々で繰り返されてまいってきておるのであります。ところが、一説によると、戸別訪問というものは、一体どの程度が戸別訪問なのか三軒か四軒行っただけでは戸別訪問にならぬ、こういう説等もあって、それらを巧みに利用して回るという傾向が強いということを聞くのであります。戸別訪問というものに対する法務当局の考え方というものをひとつ伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/4
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005・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 戸別訪問の規定は公職選挙法の百三十八条にございますが、これは古くから終始一貫してある規定でございまして、大正十四年の普通選挙が行なわれまして以来ずっと禁止されておるのでございまして、この戸別訪問についての解釈、運用につきましては、今日ではほとんど疑義をいれる余地がないほどに確立した概念というふうに私どもは考えておるのでございます。申すまでもなく、戸別訪問は選挙の目的をもちまして、連続して戸々に選挙人の居宅などを訪問することをいうのでありまして、選挙の目的をもって訪問するのでございますから、そこで訪問をした以上ば投票を依頼するということになるわけでございます。連続して戸々に訪問をするということがこの戸別訪問の最も特徴とされておるところでございます。したがいましてそういう目的があります限り、他の目的をもあわせて持っておるとしましても、やはりそれは戸別訪問罪になる。仰せのようにいろいろな理由をかまえまして戸別訪問が行なわれたことは、過去の統一地方選挙におきましても、また衆議院の選挙におきましてもずいぶん事例としましては見られたわけでございまして、遺憾に存じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/5
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006・山下榮二
○山下委員 戸々に連続してということばだけではちょっとわからぬと思うのですが、ただ三、四軒行って、そして今度はところをかえて行ってしまう。そういうようなことで、なかなかやることが巧妙だということを聞いておるのであります。それが主たる目的を選挙に置かずに、商売その他の目的をもって回る、こういうようなことになってくると、一体選挙違反の判定というのはどういうふうにしておかれるのか。大体戸々に回るというのは何軒以上回ったら戸別訪問だと判定されるのか、その辺は一体基準をどういうところに置いておられるのか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/6
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007・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 解釈といたしましては、戸々ということからまいりまして、一回だけの戸別訪問であって、それをすぐ戸別訪問というふうにいえるかどうかは疑問でございますけれども、二戸以上連続して訪問をしたということになりますとこれは戸別訪問と解して差しつかえない。三戸ならばよろしい、四戸ならばいけないという性質のものじゃないと思うのでございます。ただ実際の処罰をするかどうか起訴価値があるかどうかという問題の判定になりますと、ある程度の戸別訪問にはなりますけれども、それは起訴猶予するという運用をやっておると思いますけれども、解釈、理論といたしましては、二戸以上あるいは戸別訪問をするという意思のもとにたまたま一戸やって、次はやらないうちに検挙される、こういうような場合も含めまして戸別訪問と理解して差しつかえない、かように考えておるのであります。
それから、ほかに大きな戸別訪問の目的がある、商用のためとか、組合活動の連絡のためとか、あるいは宗教上の伝達のためとか、ほかに大きな目的があわせてあったといたしましても、それに加えて選挙の目的を持っているということが認められる限りにおきましては、その行為はやはり戸別訪問、かようになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/7
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008・山下榮二
○山下委員 それじゃ次に伺いたいと思うのは、個々面接についてであります。個々の面接はこれは法律上そう強く禁止されていないと思うのですが、個々の面接というものの定義というのですか、お考えはどういうところにあるか、法務省の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/8
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009・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 個々の面接、これも大正十四年のときに問題になったのでございますけれども、いわゆる個々面接と申しますのは選挙民に面接をして投票を依頼する、これが個々面接でございます。したがって個々面接は戸別訪問をして面接をして依頼する場合もございましょうし、あるいは集会の席へ臨みまして大ぜいいるところで投票を依頼することもございましょうし、道でばったり出会ってその際に投票を依頼するということもございましょうが、そういうふうに個々の選挙民に直接面接して投票を依頼することが、個々面接でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/9
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010・山下榮二
○山下委員 昨年の四月の統一地方選挙の際に、関西で申し上げると、市場、御婦人等が買い出しにお出かけになるこういう場所を選んで、あるいは宗教団体の人あるいはその他の人が、いろいろ買い出しに出てくる人たちに向かって、あなたはもう候補者をどなたかおきめになりましたか、こういうふうに呼びかけをする、そうしていやまだですねというと、それじゃだれだれをひとつお願いします、こういうぐあいに、一つの個々面接という形式で行なわれている。そういう場合には選挙違反だとみなすのですか、みなさないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/10
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011・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 ただいまお話しのような買い出し人の大ぜいいるところへ出まして、いまのような話をして、まだきめていない、ぜひだれ某をひとつ支援して投票してほしいということをお願いした、こういうことになりますと、それは先ほど申しました個個面接に当たるわけでございまして、個々面接は今日では処罰しないことになっておりますので、やはりそれば選挙違反ということにはならないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/11
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012・山下榮二
○山下委員 そこがなかなかたいへんだ。それが選挙違反にならぬということを巧みに利用して、そういう買い出しに大ぜいの人が来るところに、あるいは四つ辻、いろいろなところに待ち受けておって、来る人来る人片っ端からそういうことを言う。これは個々面接の域を脱したものじゃないかと私は思うのですが、しかしながら個々の面接が許されているということを利用した一つの悪質な選挙違反行為ではなかろうか、私はこう思うのですが、一体こういうことに対してどうお考えになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/12
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013・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 先生のお考えはお考えといたしまして、これは立法政策の問題でございまして、そういうこともあるから個々面接は禁止すべきであるというような意見もあって、かつては個々面接を処罰した時代もあるわけでございますが、今日では個々面接は処罰の対象からはずすということで現行法はなっておりますので、いまのような場合は、今日のたてまえとしましては、やはり罰することができないと思うのでございます。それならば、そういうのを処罰していくことがいいかどうかという問題は、これは立法政策と申しますか、選挙法のあり方の問題でございますので、私ども事務当局がこうあってほしい、あああってほしいということを申し上げることは僣越かと存じますので、意見は差し控えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/13
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014・島上善五郎
○島上委員 関連して。私の理解するところでは、個々面接というのは、たまたま外を歩いて、あるいは乗りもの等に乗った、あるいは集会へ行った際に、かねてからの知り合いに会った。どこかで知っている人、一面識か、あるいはじっこんかは別として、知り合いの人に会った。そうして、その際に頼むということは、これは取り締まる必要もないし、また取り締まりようもない。私は法の精神から言えばそうだと思うのです。ところが、それは立法上むずかしいことだと思いますが、見ず知らずの人を片っ端から全部、たとえば国電の駅からおりてくる人を全部つかまえてやる、あるいはいまの山下君の質問のように、買い出しに行った者を片っ端から全部つかまえてやるというのは、立法の精神から若干逸脱していると思うのです。見ず知らずの人だれでもかまわずやるということが許されるならば、戸別訪問を禁止するというのは、一体どこに必要があるかということになると思うのです。戸別訪問ということになれば、うちの中へ入るから何か手みやげを持っていく、買収につながるという危険性もないではないけれども、しかし、個々面接と戸別訪問と、片方は禁止し、片方は禁止してないというのは、私の理解するところによれば、個々面接といえども、一面識か、その他親戚とか知り合いの関係の人にたまたま外で会った際にという精神だろうと思うのです。もしだれでもかまわず片っ端からということになるならば、うちへ入らずに、うちの外におって、そこの主人なり奥さんなりが必ず外へ何回か出ますから、戸をあけて外へ出るのを待ちかまえておって頼むということになれば、実質的には戸別訪問と同じことになってしまうのです。厳密にいま言った個々面接と区別して取り締まるということはなかなかむずかしいけれども、立法の精神から言えば、私はそうだと思うのです。だから法で戸別訪問はいけないから禁止している、片方個々面接は許しておるというのは、だれでもかまわず、見ず知らずの人を片っ端から個々面接する、うちの前に立っておって、出てくるのを待って個々面接する、また隣をやる、その隣もやっていくということは、法の精神からいって好ましくないことであるということは言えるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/14
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015・竹内壽平
○竹内(壽)政府委員 好ましいか好ましくないかということになりますと、好ましくない場合が相当あるのじゃないかと思います。大正十四年の衆議院議員選挙法の第九十八条は、御承知のように戸別訪問を禁止するとともに個個面接をも禁止する規定が同じ九十八条の一つ条文の中に書いてありました。したがいまして、個々面接と戸別訪問とは、同じ類型の選挙運動のやり方だと見ておるわけでございまして、これが削除されましたのは、たぶん、いま先生の御指摘のように、親戚の人や知人などに依頼するという社会常識上当然許されるようなものまでも処罰の対象になることは適当でないという趣旨からおそらくこうしたのだと思うのでございますが、しかし、推してみれば、個々面接という概念に該当する行為は、ただいまでは合法的な行為、こういうふうになっておりますので、これが戸別訪問と見られるということになれば格別、そうでない個々面接という概念の中にとどまります限りは、その態様等につきまして制限はないわけでありますから、親戚、知人等の知己の人たちに面接して頼むという以外の場合でありましても、これはけしからぬからといって法律上戸別訪問にするというわけにはまいらないわけでございまして、ここは先ほど申したように、立法政策の問題だと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/15
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016・山下榮二
○山下委員 次に伺いたいと思うのは、今度改正案が出されました第一の立候補届け出の期間の問題であります。これが衆議院、参議院、地方議員ともに統一されておるのですが、事務的にはなかなかいいだろうと思うのですけれども、選挙の立候補の自由、選挙の公明、自由という点から考えていささかどうかと考えられる節もあるのですが、一体当局としてこれを提案されたところの意図はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/16
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017・長野士郎
○長野政府委員 立候補の届け出期間につきまして、従来からの立候補届け出の状況というものを考えながら調査いたしたのでございますが、それによりますと、いままででございますと、衆議院議員につきましては告示の日から七日の届け出期間があったわけでございます。参議院議員の場合は十日の期間があったわけでございます。それらを見てみますと、届け出から四日までの間に、数字でいいますと一〇〇%になってしまうわけでございますが、ほんとうは四日以降一人ないし二人というごく少ない方が届け出をされておる例はございます。しかしながら、ほとんど大多数の方々が四日以内には——四日と申すよりもむしろ三日程度のところで届け出を済ましてしまわれるわけであります。そしてもう一つは、その立候補届け出期間というものを、四日を過ぎまして届け出をされておる方々の中に、むしろどちらかといいますといわゆる泡沫候補と思われるような方が多いことがうかがわれるのでございます。したがいまして、そういう意味でも、泡沫候補を抑制することに多少はなるわけでございますが、それと同時にもう一つは、公営の拡充を非常に多くやってまいりますと、たとえば選挙公報なら選挙公報というものを発行いたします場合に、七日とか十日とか立候補の届け出期間があります場合は、その十日の締め切りを待ちませんと、まだ届け出られるかもしれませんので、その十日の締め切りを待ってさらに何日以内ということで原稿を届けていただく、こういうことをやるわけでございます。したがいまして、そのうちにもう十日以上過ぎてしまいまして、実際にたとえば選挙公報が各戸に配布されるのが選挙の前日やっとこさっとこ間に合うとか、いろいろなことが出てくるわけでございます。そういう意味でも、ほとんど立候補届け出に支障がない一番最短の時間で立候補届け出期間というものをきめさせていただくことが、泡沫候補の関係からも効果があると期待されまするし、また公営の関係を迅速に的確に行なうことができるということにも相なるわけでございます。そしてかれこれ研究いたしましたところが、いま申しましたように三日あればいいということが大体わかったわけでございますけれども、それに一日加えまして四日ということにしますと、ちょうど地方団体の選挙の立候補届け出期間というのが、町村の場合でございますが、それが四日ぐらいになるわけでございます。そこで、そうなりますとこれから国、地方すべて立候補届け出というものは、公示または告示があった日から四日間のうちに届け出をすればいい。まことに簡単明瞭でございますし、そうすると、皆さんそう心得ておられれば間違いないということにもなります。いまの規定は選挙の期日から何日以内ということで、投票の期日から逆算するようなことをしておりまして、非常にわずらわしい規定のやり方にもなっております。今度は公示または告示の日から四日間ということにいたしますと、非常にわかりやすく、全体に支障がない。そのほうがすべての関係の人たちに便利ではないだろうかということを考えて、そうさせていただきたいということを提案させていただいたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/17
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018・山下榮二
○山下委員 そうしますと大体事務的に一番中心が置かれてあるということが言えると私は思うのであります。
そこで、それでは候補者が辞退した場合あるいは候補者が死亡した場合の次の立候補者の締め切り等はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/18
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019・長野士郎
○長野政府委員 そういうのはいわゆる補充立候補の届け出という言い方をしておりますが、これは従来とちっとも変わらないように、規定をそのままにいたしておりますので、むしろ届け出期間が逆に延びたというようなことで、その点は支障のないようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/19
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020・山下榮二
○山下委員 それでは、大臣がお見えになりましたから、大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
政府は、民主政治の健全な発達を期するために、選挙が公正かつ適正に行なわれることを根本の要件であるとして、さきに選挙制度審議会をつくられて、それに諮問を行なわれたのであります。たとえば選挙区割りの規正に関する事項、議員定数に対する人口アンバランス是正の事項、政治資金規制に関する事項、その他選挙制度に関する基本的な事項について諮問をされたことは御承知のとおりであります。審議会はこの諮問にこたえましてそれぞれ審議を重ねて答申が一回、三回にわたって行なわれてまいっておるのであります。この答申の基本に基づいて政府は選挙法の改正を今回提出されてきた、こう思うのであります。ところが政府はその答申を現在の法案提出で完全に尊重されたとお考えになっておるのでしょうか、どうですか、ちょっと大臣に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/20
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021・赤澤正道
○赤澤国務大臣 できるだけ尊重してその趣旨に即応してやったつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/21
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022・山下榮二
○山下委員 できるだけということばがある限りは、それではまだ尊重していない面もあるということを意味されるのだろうと思うのですが、そのとおりでありまして、今回の提案に、政治資金に関する規制の条項に対しては何らの改正が行なわれてまいっていないのであります。御承知のとおり最近の選挙が、選挙のたびを重ねるごとに物量選挙といわれるほど、選挙資金が高くかかることは世間周知の事実であります。かようなことから考えまして、選挙を粛正し、かつ公明に行なうためには、まず資金の規制をすることが一番先決ではなかろうか、私ばこう思うのでありますが、自治大臣は政府が提案されていないということに対して一体いかようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/22
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023・赤澤正道
○赤澤国務大臣 金のかからない選挙をやれるようにするということはお互いに重大な関心事でございまして、一日も早くそういう形が整うことが最も望ましいと考えております。先般の答申も、ごらんのとおりに選挙資金の問題について若干何行か触れておるわけでございますけれども、それを具体的に扱う面におきましては、現状の政党の組織、また国民のこういった問題についての理解ということから考えまして、すぐこれを右から左に法文化するのは適当でないと考えました。ただ、この考え方を決して放棄しておるわけではございませんので、第一次の審議会の答申、またそれを受けて第二回の答申ができて、だんだんこういう問題が具体的な方向へ入るように審議が進んでおるわけでございます。しかしまたこれは重大問題でございますので、引き続いて次の審議会でももう少しこまかく御検討願って、そしてその結果必ずわれわれとして実現しなければならないというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/23
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024・山下榮二
○山下委員 すでに大臣も御承知だろうと思うのですが、かつて、日にちは私忘れましたけれども、三、四年前に八幡製鉄の一株主が、会社が政治献金あるいは選挙の献金を行なうことは定款違反であるとして、裁判を行なったことは御承知であろうと思うのであります。その判決の結果は御承知のごとく、これは定款違反に間違いはない、会社の定款に政治を行なうことが書いてあるはずはないのであります。こういう社会を騒がせた事実等から考えてみましても、ここに政治資金規正法をすみやかに改正されることが、選挙を公明にし、あるいは政党の資金の出所が明確になるということで、きわめて明朗なる政治の行なわれるゆえんがここにあるのではなかろうかと思うのであります。そういう裁判所の判決等もあることですから、これは早急に政治資金規正法を改正されることが実際問題として急務中の急務ではなかろうか、私はこう思うのです。それが、次の第三次審議会の答申を見てというようなことでは、少しのんびりし過ぎることではなかろうか、こう思うのであります。したがいまして、出ていないのでこれ以上追及はいたしませんけれども、すみやかに政治あるいは選挙、これらの経費の公明化を期するために資金規正法の早急な改正を私はこの機会に大臣に要望いたしておきたい。こう思うのであります。大体、こういう考え方に対して大臣はどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/24
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025・赤澤正道
○赤澤国務大臣 同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/25
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026・山下榮二
○山下委員 先ほど立候補の期日の短縮のことについては質問を申し上げました。この短縮の問題は、一面には泡沫候補の問題も含まれてはおったようでありますが、これと並行して、泡沫候補を規制するために供託金が従来の倍額に改正をされておるのであります。供託金が倍になって泡沫候補を押えるということができるのでしょうか、当局のお考えを伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/26
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027・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これは考えようであると思います。いまの貨幣価値の状態からいたしますと、倍額にしたからといって、一つの計算のもとに立候補をするような人を押えるということはなかなかむずかしかろうと思います。われわれといたしましては、四倍ないし五倍くらいにということもずいぶん議論をしたわけでございますけれども、そうするとまじめな意味で立候補なさる方々に迷惑があろう、一ぺんにそういう大幅な引き上げをするのはどうかという危惧もございまして、不十分であると思いますけれども、一応倍額にしたわけでございます。これで泡沫候補が完全に押えられるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/27
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028・山下榮二
○山下委員 私は、供託金を倍額に増額するということは民主政治というものの発展の上から考えてむしろ逆ではないか、こう思うのであります。まだ日本の民主政治は発展途上にあるときでありまして、今日の段階では、供託金等はできるだけ低くして、いかなる階層といえども、いかなる人といえども、できるだけ立候補しやすいように選挙法というものを持っていくというのが、今日の日本の民主政治の実情から考えて当然ではなかろうか、こう思うのであります。こういうことに対しては一体いかようにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/28
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029・赤澤正道
○赤澤国務大臣 全くそれは正論でございまして、そのとおりでございます。しかし、今日の実情がやはり怪しげな者が立候補いたしますのは事実でございますので、こういう供託金をさらに倍でも三倍でもしなければならぬといったようなことが議論されるのはたいへん残念ですけれども、しかし考え方としては当然山下委員の言われるとおりである、私には同感であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/29
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030・山下榮二
○山下委員 次に伺いたいと思うのは、街頭演説並びに連呼行為の時間の制限の問題であります。さきに行なわれました衆議院の選挙のときの特例のときには、連呼行為は朝九時から午後五時まで、こういう規制であったと思うのであます。ところが個人演説会の呼び込みその他等でそれぞれ皆さんお困りであったであろうと想像するのでありますが、そういうこと等をお考えいただいて、連呼行為が朝八時から午後八時まで、しかも街頭演説も同じころに規制をされた、こういうことになっておるのですが、これも先ほど申し上げましたように、まだ日本の民主政治の発達の過程にある今日では、できるだけ国民に広くその政党、その候補者の政策、主義主張というものを訴える時間を多く与えていくというのが当然ではなかろうかと私は思うのであります。必ずしも選挙が冬にあるときまったものではないのであります。夏になりますならば、午後八時といえばまだ日が暮れて間もないときであります。あるいは午前八時といえばもう日が上がってかんかんの日照りの時間であります。こういうこと等から考えまして、もっと時間を延長する必要がある。たとえば連呼行為が住民の生活のじゃまをするというのでありますならば、連呼行為とあるいは街頭演説とを従来のごとく区別をして規制する何らかの方策をとって民主政治というものの発達助長の道をはかっていく、こういうことを考えるべきではないかと思うのですが、一体、政府はいかようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/30
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031・赤澤正道
○赤澤国務大臣 それも山下委員が仰せのとおりであります。全く同感ですが、ただ、私たちがこういうふうにきめますときの議論は、やはり人口密集地帯もあれば農村地帯もある。農村のああいっただだっ広いところでは夜中にかけてやっても子守歌ぐらいにしか聞こえない地域もあるし、また最近拡声機の発達のために非常に大きな音を出す機械も出てくる。これは人口密集地帯ではびっくりするような音も出るわけでありまして、いろいろ検討した結果ここに落ちついて提案したわけであります。これはただみんなに通ずるルールでございますから、皆さんのほうでさらにこのほうがよりよいのだという御結論があればこれを変えるのにやぶさかではございませんけれども、ただ、ここに至るまであらゆる角度から議論をした結果、最大公約数として出たわけでございますから、そういうふうに御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/31
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032・山下榮二
○山下委員 いま大臣の答弁の中に、もっとよりよい方法があればまた御相談にあずかるのもやぶさかでないということば等もございますので、選挙法規は、いずれの政党が、あるいは個々のだれが一番有利になるというのではなくて、全部の政党が、全部の候補者が公正に競争のできるようにつくられておらなければならぬものであります。これは追って他の党派の方々とも御相談を申し上げたい、かように考えているのであります。
事務当局のほうでは連呼とあるいは街頭演説の区別についてはいかようにお考えになっておりますか。事務的には統一したほうが一番いいのだろうと思いますし、取り締まりの上でも一番いいのだろうと思いますけれども、選挙法というのは、取り締まりがしやすいために、事務がやりやすいために選挙法規をつくられたのでは、これは選挙にはならぬ、私はこう思うのであります。一体、事務当局としてはどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/32
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033・長野士郎
○長野政府委員 ごもっともでございまして、取り締まりのために便利であればいいというわけのものではないと思います。ただ連呼行為と街頭演説あるいは街頭演説の場所における連呼行為−街頭演説の場所での連呼行為というのは連呼行為と全く同じになるわけです。街頭演説そのものも演説と連呼の境目というのは現実にはなかなかむずかしい。そういうことでございますので、選挙運動をなさる方々の側におきましても、ある人は非常に抜けがけ的なことになり、ある人は非常に厳重な態度を持しておられるというようなかっこうになると、非常に不公平な、おっしゃる意味で非常にまぎらわしいことに乗じて相当な意味のルール違反をやられた方のほうが有利であるという結果になることも、決して望ましいわけではないわけです。したがいまして、その点では、連呼行為というものと街頭演説あるいは街頭演説の場所における連呼行為、こういうような戸外におきますところの選挙運動というものは時間を統一したほうが、運動される方についても公平である、それから取り締まるほうも非常にはっきりいたしますから、その点は非常に便利もいたすわけでありますけれども、そのほうがいいではないか。そこで、結局問題は、われわれの現在の社会生活の中で、戸外における社会生活といいますか、ちょっと言い方は変でございますけれども、二十四時間の中で、とにかく社会で生活する時間と、あるいはそれぞれの家庭の中で生活する時間というものを考えた場合、どこら辺が一番適当な時間であるか、非常に大ざっぱでございますが、一応それを半分に分けた場合に、まあ午前八時から午後八時まで、これは一応そういう意味で戸外における生活時間と考えていいじゃないか。しかしそれ以外の時間は、むしろ家庭を中心にした個人の生活、非常に静かな平和な環境で生活することがいいのじゃないか、かたがた連呼行為につきましても、騒音という考え方から非常な非難もございますから、それを中和、調整をいたしますと、現在の考え方になるのじゃないか、こう思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/33
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034・山下榮二
○山下委員 この問題は、先にも申し上げましたように、いずれの党も候補者も共通の問題でございますから、いずれ他の機会にその他の方々ともお話し合いをする機会を得たいと思っておるのであります。
次に、自動車の使用の問題について伺いたいと思うのであります。公職選挙法第百四十一条の第三項に、「積雪その他やむを得ない事情によりこれらの自動車の運行が不可能であると認めてあらかじめ告示した地域においては、これらの自動車以外の貨物自動車を使用することができる。」こういう項目がございます。一例を北海道にとりますと、たとえば山道を行く、あるいは泥棒地帯である、こういう関係から、だれかが一人トラックにいたしますると、もう全部がトラックにならなければならぬ、こういう結果が生じておるというのであります。これについて事務当局は何かお聞きになったことがあるでしょうか。調査されたことがあるでしょうか。またこの条項を適用してトラックを使用した区域がどこどこあるでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/34
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035・長野士郎
○長野政府委員 百四十一条の三項の貨物自動車使用のできますところの例外的な地域についてのこういう規定を設けました理由につきましては、いまお話のありましたとおりでございまして、すなわち積雪、融雪あるいは凍上と申しますか、そういうことによりまして、非常に道路が泥棒化する、非常に悪路と化した場合、普通の乗用車あるいはそういうものではどうしても運行ができないというような——これは季節的にもいろいろあると思いますが、そういうことで、たしか北海道——具体的な地域をちょっといまはっきり覚えておりませんが、北海道にそういうところを相当認めるのが、いままでの慣例になっております。ただ自治省といたしましては、その地域が広がることはなるべく避けたいというようなことでございまして、候補者が独自に泥棒と自分が考えて、かってに乗用車以外の貨物自動車を使うというようなかっこうをとっているわけではございませんで、北海道におきましては、たとえば北海道の選挙管理委員会がそういう地域を指定いたします。そういたしますと、その指定された地域の中では、貨物自動車が使える。お話がございましたように、一人がお使いになりますと、他の方も勢い使わざるを得ぬじゃないか、この事情は、それと同じとおりの事情にあるようでございます。したがいまして、私どももなるべくその地域を、道路の開設その他もございますので、年々狭めていくようにはいたしてまいりたいと思いますし、またそれがそれほどでもないにもかかわらず使うという傾向にあるという話も伺ったことがございます。これは多少技術的な面もあるものでございますから、どういうふうにいたしたらいいか。私どもももう少し勉強したいと思うのでございますけれども、大きなトラックのほうが馬力が強いのか、あるいはジープなんかのほうがやりやすいのか、いろいろあるようでございますから、もう少し検討いたしまして、何かこの辺、そういう例外があまり大きくならないように考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/35
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036・山下榮二
○山下委員 いま一般の選挙用は有蓋乗用車ということになってまいっております。トラックということになりますと、これは有蓋でないのであります。したがいまして、候補者みずから車上から有権者にいろいろ合い図ができるわけです。ここに有蓋車と無蓋車の選挙運動に対する非常な開きが出てまいるのであります。たとえばそういう地帯でトラックでなければならぬといたしましても、トラックでも有蓋にするとか、何らかのやはり規制方法がなければ、あまりにも開きがひど過ぎるじゃないか、こういう感じがするのであります。また、悪く考えますと、この法律があるために、これを悪用して、ことさらトラックでやる、こういう選挙運動が行なわれたのでは、これは法の悪用ということになるのじゃなかろうか、こう考えるのですが、何かもっと、せっかく選挙法改正ということを試みられたのでありますから、有蓋車、こういうことの観念の上に立って、何らかの方法を行なうことができないものであるかどうか、ひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/36
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037・長野士郎
○長野政府委員 確かに技術的にはトラックの上にほろをつける。かりにほろでもつけますとこれは有蓋車になるわけでございますが、そういうことが不可能かといえば、どうも私どもそこまで専門的なことはわかりませんが、決して不可能ではないように思います。そこでせめてそういうことをしたらどうかというような御意見のようでございますが、ごもっともなことではないかしらと私ども個人的にはそう思いますが、今回の改正は特例法を中心にいたしまして、どうしても特例法に相関連するというところだけに制限した規定を、この前の選挙で非常に批判が強かったところというものぐらいにとどめたものでございますので、この選挙運動用自動車の例外扱いの貨物自動車の扱い、そこまで持っていくことはいたさなかったわけでございます。御意見のありますことはよくわかりますので、さらに十分検討いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/37
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038・山下榮二
○山下委員 この問題は、いまお説もございますから、当局としてもさらに検討を加えていただく、こういうことにお願いをいたしたいと思います。
次に伺いたいと思うのは、ポスターの掲示場でございます。過般の特例法では一投票所に三カ所以上五カ所以内ということであったのが、今回はさらにこれを五カ所以上十カ所以内、こういうふうに拡大されてまいりましたことは、選挙候補者あるいは政策をそれぞれ住民に周知徹底せしめる上にまことに適切な処置である、かように考えるのであります。ところが、参議院の全国区候補についてこれをいかように取り扱うか。全国区候補の改選の場合五十名でございますが、たいがいそのつど一、二名の補欠等もあるようでございますから、五十二、三名の改選ということに相なるのが普通の例のようであります。そういたしますと、これに対しまして少なくとも七、八十名の立候補を予想しなければならない。その場合、この掲示場を使用するのか、あるいは全国区候補については他に特別な処置をお考えになるのか、その辺のお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/38
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039・長野士郎
○長野政府委員 この特例法の対象にいたします選挙の種類は、衆議院選挙規模以上の選挙について対象にいたすことをたてまえといたしまして、特例法に盛られました事項について検討いたしたわけでございますが、このポスターの公営掲示につきましては、お話がございましたように、参議院の全国区については非常にむずかしい問題が起こってまいります。と申しますのは、一つには、いままでの例で申しますと、大体百名程度の候補者が立たれるものというふうに予想されるわけであります。それでいままでのような選挙運動用のポスターを公営掲示場に掲示するということにいたしますと、やってできぬことはありませんけれども、実際問題として場所的、空間的に、都市の中では特に支障を来たすという物理的な困難な問題もございます。もう一つは、全国区の参議院議員の方は、かりにそうやりまして、たとえば五カ所つくるということになりますと、いま大体投票区が四万五千ぐらいございますから、それでもう二十万以上になります。いまの参議院の全国区の選挙運動用のポスターはたしか十万枚でございます。同時に参議院の全国区の立候補される方々は、九州だけを基盤にしてお立ちになる方が北海道の果てまで公営掲示場にポスターを張ってもらう必要はない、むしろそれよりは九州地方に濃密に張りたい、あるいは自分のほうは山のほうには要らぬのであって港だけでいいのだ、あるいは自分のほうは農村地帯だけでいいのだ、あるいは自分のほうは山だけでいいのだというような、いろいろ運動される力点が、区域も広うございますので違うようでございます。公営掲示をすること自体は一つの考え方として成り立ち得るわけでございますが、それは何も候補者の方が自分は九州だけでいいのだから北海道は張る必要はないということだけでものを考える必要はない。むしろ北海道の人にもわかり得るようにすべきだということ、これは一つの考え方でございますが、実際問題としては物理的にポスターの大きさに非常に困難をいたします。それから、かりにポスターを縮めてものを考えてまいりますと、百枚張りました場合を想像いたしてみますと、いろいろやってみたのでございますが、非常に小うるさい、見にくい、かえってじゃまになる。そしていい悪いは別といたしまして、現在の参議院の立候補状況あるいは選挙運動の実態にも必ずしも合わないところがございますが、また技術的にもそういう意味の考え方からも、どうもこれは採用するわけにいかないということに相なりましたので、とりあえずのところ、もう少し何か考えるまでは従来どおりの方法を参議院の全国区については認めざるを得ないということに相なっておるわけでございまして、今回の改正法におきましては参議院の全国区のポスターの問題は従来どおりとして触れていないというかっこうに相なっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/39
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040・山下榮二
○山下委員 そうしますと、従来どおりということになりますと、十万枚のポスターを候補者がかってに自由に張る、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/40
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041・長野士郎
○長野政府委員 従来どおりのやり方でございます。ただし、たしか従来でも制限があるのですけれども、従来どおりのやり方でございますが、ある府県を単位にいたしますと、その地方区の参議院議員のポスターの数よりたくさん張るわけにいかぬという制限がございます。それもいまございますから、その範囲では自由にやれる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/41
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042・山下榮二
○山下委員 それではいまの全国区の候補者のポスターのことばひとつ事務当局としてもさらに今後御検討をお願いをいたしておきたいと思うのであります。
次に伺いたいと思いますのは、個人演説会場の文書図画に関する事項であります。過般の十一月に行なわれました総選挙の節には選挙公営をたてまえといたしまして、個人演説会の会場の文書図画に関しましては、公営で選挙管理委員会が、二個ですか、立て看板を出すということになっておったと思うのでありますが、今回はそれを廃止されて候補者個人が二個に限ってこれを出すことができる、こういうことに改正されておるのですが、これは選挙公営というたてまえからいたしますと公営に逆行する結果になってまいるのじゃなかろうか、こう思うのでありますが、どういうことでこういうお考えになったのか御事情を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/42
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043・長野士郎
○長野政府委員 お話のとおり昨年の特例法におきましては、個人演説会は六十回以内という回数制限がございます。衆議院議員選挙の個人演説会につきましてはそれ前までは公営の立て札一個を持っていくということになっておりましたものを二個に広げられて総選挙が行なわれたわけでございます。今回これを廃止するという案にいたしておりますのは、一つはこの公営の立て札を用いました意味が、その公営であるということと同時に回数制限がございましたので、要するにそれでこの回数というものが非常にはっきり確認ができるというようなこともあわせて考えておったところのようでございます。しかし回数だけにつきましてはそういう別の確認の制度もあり届け出もしなければならぬようになっております。それからもう一つ、昨年の結果を見ますと、特定の候補者の方が非常に多くの回数を特定の日に要求される、そうしてそれぞれ二個立て札をすみやかに持っていくというかっこうになるわけでございます。それをだんだん大ぜいの方がおやりになりますととても応接にいとまがないということにも相なりますし、それがまた趣旨にたがってくるようなことにもなります。かれこれ考えますと、やはり個人演説会の回数制限そのものにも問題があると思いますけれども、むしろどちらかといえば、選挙制度審議会などでも、個人演説会の開催は少なくとも自由にすべきだという考え方があるわけです。したがって、そういう意味で演説会の表示その他も、公営といえば非常にいいようでございますが、ある意味で言えば監視つきのようなことにもなるわけでございます。したがって、なるべく自由な方向に持っていくことが考えられていいのではないかというふうにも思われるわけであります。また、公営という面から言えば、お話のように縮小になるということではないだろうかということでございますが、その他の場合におきまして、たとえば新聞広告の回数をふやしますとか、テレビの経歴放送が始まりますとか、あるいはポスター公営掲示、そういうものをふやしますとか、いろいろ総体的に考えますと、選挙公営というものはますます拡充をされておるかっこうでございますので、全体として公営がこれだけで減ったということは、考えることもできるかもしれませんけれども、むしろ私どもの期待いたしますところは、選挙制度審議会などでも、個人演説会などについてあまり制限をすべきでないという考え方が答申にあるわけでございます。それだからというわけでもございませんけれども、そういうこともあるし、かたがたそういうところはなるべく自由な方向に持っていくことがいいのではないか、そういう趣旨から考えても、候補者が自由にやっていただくというかっこうの一つにもなるのではないかと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/43
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044・山下榮二
○山下委員 演説会の自由という立場から話をされたのですが、そういう面からは理解できないわけではないのです。それなら個人演説会の六十回という制限があるのでございますから、その制限を拡大されていまおっしゃるようなら理解できるのですが、それはワクははめておいて言われることでありますから、もう一つ理解しにくいのであります。これは当局のほうでも、さらにひとつ御検討願っておきたい、こう実は考えておるのであります。
次に伺いたいと思いますのは、確認団体のポスターの件であります。今回提案になりましたのは、確認団体が一選挙区ごとに千五百枚以内、同一所属候補者数が二人以上あるときは、一人当て七百五十枚増加ということになっておるのであります。これは政党政治というたてまえからいきますると、候補者の数が多いから数を多くするということは、大政党に非常に有利な選挙法の改正、こういうことになるのではなかろうか、こう思われるのですが、これをお考えになった意図は一体どこにあるのでしょうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/44
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045・長野士郎
○長野政府委員 選挙運動につきましては、個人本位の選挙運動を現在やっておるわけでありますが、だんだん政党本位に持っていこうというようなことから、確認団体の政治活動というものは、活動の態様を規制されながらも、やや選挙運動期間中にもこういうかっこうでなら行なえるという範囲を広げてまいっておるのが現状だと思われます。そこで、そういう意味では選挙運動期間中の政治活動として、確認政治団体が行ないますものの中には、候補者のための選挙運動も、ある場合にはできるようになっておるわけであります。したがいまして、現在の二百一条の五という規定におきましては、たとえば政談演説会の開催回数も所属候補者の数に従ってきまる。それから政策の普及とか宣伝のための自動車につきましても、初め三台以内でございますけれども、二十五人なければ確認団体になりませんが、十人ふえるごとに一台を三台に加えるというふうに、所属候補者の数に応じましてふえればふえるほどそういうものをふやしておるわけでございます。現在そこのところが少し調子が違いますのは、政治活動用のポスターにつきましては、確認団体である限りにおきましては、一選挙区について、衆議院の場合であれば二千枚以内というものが使える、こういうことになっておるわけでございますが、選挙運動期間中の確認団体の政治活動というものの中には、当然選挙運動をある程度加味した約束がありまして、その運動の態様はいろいろ規制されておりますけれども、規制された範囲内ではある程度そういう不可分の関係になっておる。それでほかの場合は、演説会の回数にいたしましても、自動車にいたしましても、全部候補者の数にある程度比例して増減するようになっております。ポスターだけが増減をしないかっこうになっておるのも、考え方としてみればおかしいじゃないか。政策の普及宣伝というものが選挙運動期間中に一定の方法に限って認められているかっこうからいってもおかしいじゃないかということにも相なります。そこでやはり所属候補者の数に応じてポスターの枚数もきめるべきだという考え方が当然成り立ち得るわけであります。むしろどちらかといえば、そういう所属候補者の数に応じて増減をさせるべきものをさせ得なかったいままでのほうがおかしいという考え方も十分成り立ち得ますので、私どもは過去の選挙の実績等を勘案いたしまして現在の改正法を提案したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/45
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046・山下榮二
○山下委員 私は遺憾ながら選挙局長と意見を異にするのであります。確認団体というのは、その候補者の運動ではない、その団体、政党の政策浸透というのが目的でありますから、ポスター等は公平に同数をもって行なうべきものである、こういう考え方を持っておるのであります。このこともあわせて私の意見として申し上げておきますから、今後御検討をいただきたいものだと思うのであります。
次に投票時間の問題であります。過ぐる十一月の衆議院の総選挙の際には、午前七時から午後八時まで、こういうことで特例を設けられたのでありますが、今回の選挙法の改正ではこれが削除されて、従来どおりになってまいってきておるのであります。ことに明年の六月かに控えました参議院選挙等を考えますと、あるいは農繁期であり、あるいは夏のことでございますから、まだ日が長いのであります。そういうこと等から考えまして、十一月のときよりも明年の参議院選挙にこの特例法の時間というものが必要なのじゃないか、こういう感じがするのですが、これに対して、どういうことでこれを恒久化されなかったのか、御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/46
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047・長野士郎
○長野政府委員 投票時間につきましては、この前の特例法で二時間の延長をいたしましたが、特例法の前は、明治二十三年以来午前七時から午後六時までということでわが国の投票時間は一貫してきまっておったわけでございます。特例法によりまして行ないました結果がどういうことであるかというので、いろんな面で調べたわけでございますが、一つは、この選挙の実務に携わった関係の者は、三時間延長されると、いろいろな面でやっかいだということで、あまりいい顔をいたしておりません。それから、世論調査もいたしました。世論調査の中には、むしろ時間延長はいいのじゃないだろうかという考え方のほうが多かったように思います。ただし、この調査した人というのが、二千人か三千人の対象でございまして、その人たちは投票に行った人の率が平均より非常に高うございましたので、そこでそういう意見が出ております。それから、新聞その他は、時間延長はまことに困るということでございます。それから、実質の結果がどうだということで調べますと、時間延長によります、要するに投票人の便宜をはかるということが非常にいい影響を与えたとは思いますが、投票率の上にはそれほど大きな力を加えたようにも思えない。むしろ、午前中に行列をつくって行ないました投票が、夕方、六時以降に回ってしまいまして、六時以降には多少疲れておりますので、脱落者がふえたというようなかっこうになっておるようでございます。しかしながら、現在までのこの投票時間の延長に関する規定は、現行法におきましても御承知のように延長はできるわけでございますが、ただ指導なりものの考え方といたしまして、どうもいままででも、縮めるほうは大歓迎だけれども、延ばすほうは渋い顔をしておるというような状態でございます。と申しますのは、現行法におきまして、選挙人の投票に支障を来たさない場合だけやれる。支障を来たさない場合にやれるということは、一定の時間を縮めても支障を来たさないということのほうが理由になるわけでございますから、縮めるほうにだけ働くということになっております。それで、今度の改正では、そこのところを考えまして、全国一律に二時間延長というのはともあれといたしまして、その場所その場所によって必要なところがあるわけでございます。したがいまして、今度の四十条の改正の規定におきましては、「選挙人の投票の便宜のため必要がある」場合には「繰り上げ又は繰り下げることができる。」こういう規定が新しく加わったわけでございます。そうしますと、全国一斉に二時間延長ということがないにしても、その場所その場所で必要な場合には、二時間延長も十分できる。そうして、その場所の実態に合うようにしていったらどうか。従来でも、漁港などで漁船が夜おそく帰ってくるというような場所では、時間延長をしておったわけです。それが一そうできやすいようにいたしたいし、また場所の状態によりましては、時間延長にいままでのような渋いことを言わないでできるようにさしていくということも指導を加えて、支障のないようにいたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/47
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048・山下榮二
○山下委員 それでは、地方地方の選挙管理委員会が自主的に判断をして、延長あるいは短縮、おのおの自主性にまかす、こういうふうに解釈していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/48
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049・長野士郎
○長野政府委員 そのとおりでございまして、ただ大きな選挙でもございますので、地方地方といいましても、市町村でかってにやりますとわからなくなってしまいますので、府県と連絡をしながら、その地方の実情に応じてきめてもらう、それで支障なくやっていただいてもかまわない、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/49
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050・山下榮二
○山下委員 次に伺いたいと思いますのは、過般来からずいぶん問題になっておりました補充選挙人名簿に関する事項でございます。これが過般来からずいぶん問題になったのですが、ただここに提案されただけではもう一つ了解に苦しむ点が多いのでございます。したがいまして、従来何人でも何十人でも、一括してある者が住居移動の申請、登録、申し出ができておったものが、今回は個々の個人に限る、こういう規制をされただけにとどまっている、こういうことであります。とかく従来問題になっておったものが、それで全部解消できるものと当局ではお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/50
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051・長野士郎
○長野政府委員 二十六条の改正規定で、二十六条の二項におきまして、「政令で定めるところにより、」申し出をする。それから二十七条の三項におきましても、「申請の期間及び方法等は、政令で定めるところにより、」という新しく政令に委任をする規定を入れさせていただきたいということで提案をいたしておるわけでございますが、お話のとおり、法律だけで本人に申請するんだといいましても、それだけのものではっきりするわけではございません。したがって、登録の方法、申請の方法その他を、いささか技術的なものでもございますので、政令で規定をしたいと思っておるわけでございます。それじゃいまはどういうことを考えておるんだということになりますと、この前もちょっと申し上げましたが、本人申請——選挙権を持ち、それから選挙人名簿に登録をするということ、こういうことは個人に専属した基本的な権利でございますから、元来からいいまして、本人が申請するというのは当然なことのようにも考えられるわけであります。ところが、実際問題といたしまして、たとえば一家の状態を考えますと、あるところへ移住をした、そのときに主人が行く、その家族までみんなばらばらに行く、一人一人申請書を持っていかなければならないということにもなるわけでございます。そういう場合、私どもの考えておりますのは、要するに問題は、本人の意思に基づかなければなりませんから、本人が申請するのがたてまえでございます。同時にまた、本人であることが、本人がそこに来た、そこに住所を持っておるということが、本人にかわって本人と同じ程度に説明ができる、こういう間柄の人であるならばそこのところは考えてもいいのではないか。と申しますと、常識にも合う範囲では、たとえば生計を一つにしておるその家族、これはそういうふうに考えてもいいのじゃないか。それからそれ以外に、たとえば病人とか、要するに本人は行けない、家族があれば家族でけっこうですが、それもないというような場合をかりに想定いたしまして、それでも本人がどうしても行けないという理由をつけまして、委任状か何か渡します。そしてその本人にかわって十分説明をし得るというだけの責任を負う人でなければなりません。同時に、そうやって申請してきた人につきましては、もちろん資料その他のみならず説明する義務をつける、要するに説明をし、住所の認定をさせるための義務づけをそこで行なう。そして必要があればさらに新しい資料の追加を求めたり、あるいは関係人の出頭を求めたり、あるいはみずから調査したり、こういうことができるようにいたしまして、そして住所認定に間違いがないようにいたしたい。しかしながら、あくまで自分がどこに住んでおるかということにつきましては、本人の意思だけでは必ずしもきまるものではございませんけれども、要するに一番よく知っておるのは本人でございますから、本人に説明を求める義務を課し、そして同時にそれの補強資料を整えさせる、そして本人の意思と客観的な住所の認定の材料が整うということにいたしたい。多少政令のほうでは少し義務的なものがございますのでこまかくなりますが、多少こまかくなっても、そういう内容を政令の中に盛り込みまして、申請の方法はこうするのだということをはっきりさせるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/51
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052・山下榮二
○山下委員 政令の中ではっきりするとおっしゃるのですが、たとえば政令の中で例をとって、どういうことで一体その証明ができるようになるものですか。先ほど雑談の中で鍛冶委員は、電気の領収書の証明でも、その世帯主しか電気の領収書は出さないから、そういうものでは証明のしようがない、こういうことを言っておられる。米の通帳と言いますと、農村のことはわかりませんが、農村に米の通帳があるのかどうか。一体どういうものをもって、証拠としておやりになるという政令としての基本的なものがあるかどうか、ちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/52
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053・長野士郎
○長野政府委員 従来でも、実は選挙管理委員会におきましては、そういう定めをしておるところも相当あるわけでございます。いまお話のございましたガスとか水道の受け取り書でありますとか、新聞を購読したときの、その土地の新聞販売店に支払った受け取り書でありますとかいうものを材料にいたします。あるいは米穀通帳、あるいは住民登録しております場合には、住民登録を重要な資料にする。いずれの場合でも、それだけでものを考えるというのじゃございませんで、確信を得るまでいろいろな材料を取り寄せまして判定をする、こういうことになります。
それからもう一つ、新しい住所をもって社会的な生活といいますか、社会的ないろいろな関係が生じてきますから、そこへあてて手紙が来ております。家族にも手紙が来ております。戸籍謄本を見れば血縁関係はすぐわかってしまいますが、そういうものが来ている、第三者から来ている。そこに住所があるから来るわけでございましょうし、いろいろな資料を総合的に見まして判定をする。どうしてもそれだけで判定ができないということになれば、実地について調査する。そういう場合に、たとえばその地区の民生委員でありますとか、あるいは町内会長でありますとか、そういう人たちの証言なり認定なりというものも重要な参考の材料になる。米穀通帳はいなかにないかもしらぬというお話、ごもっともでございますが、むしろいなかのほうは実によくわかるのでありまして、問題は都会地で非常に人の移動の激しいところであります。農村のほうの調査なり認定というものは、それほど不自由はしないと考えられます。したがいまして、都会のほうにつきましては、それでも自信が得られない場合は、関係者について実地について調査する。そしてそれでもなおかつ得られないという場合にどうするかということであれば、これからものの考え方を少し改めまして、要するに疑わしき者は登録しない。あとに異議の申し立て期間があるわけであります。疑わしき者は登録しない。いままではどちらかといえば、疑わしき者も登録する。要するに選挙権行使の機会を少しでも与えたいという非常に純粋な動機からでありますが、一応疑わしくても登録するという考え方でございまして、それでも確信を持てない者は登録しない。そして異議の申し立てをしてもらって、いままで以上の十分な資料が整わなければ登録ができないということに考え方を振りかえて、厳格な住所認定ができるだけ行なえるようにする。そして真実に近い正確な選挙人名簿の調製ということに改めてまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/53
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054・山下榮二
○山下委員 御説を聞いておるとなかなかもっともらしいのですが、現在の市町村行政の事務能力でそういうことができるのでしょうか。現実においていま言われるようなことをやろうと思いますと、相当の手数がかかる。現在の市町村の行政能力あるいは人員その他選挙管理委員会の構成等から考えてみまして、私はなかなか不可能じゃないかという感じがするのであります。理屈としてはいまおっしゃるようなありとあらゆる方法があるでしょう。しかしそれは現実にいま法律が改正されなくても、従来でもそういうことが実際にできたはずです。ところがそれが行なわれていないというところに問題が起きておるのじゃなかろうか、こう実は考えているのであります。そういうことに対して自治省がただ一片の通達を各市町村に出しただけでものがうまく処理できるとは想像つかないのであります。しかしここでこれを議論をしておってもやむを得ないことですから、今日の地方自治体の人員その他の行政能力の上から、できるだけ不正の防止できる可能な範囲のことをやっていただきたい、こういうことを希望申し上げておきます。
時間も十一時になったようでございますから、きょうはこの辺で私の質問は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/54
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055・小泉純也
○小泉委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604219X01119640520/55
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