1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月十七日(火曜日)
午前十一時五分開議
出席委員
委員長 田口長治郎君
理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君
理事 亀山 孝一君 理事 澁谷 直藏君
理事 田中 正巳君 理事 大原 亨君
理事 河野 正君 理事 小林 進君
伊東 正義君 浦野 幸男君
熊谷 義雄君 倉石 忠雄君
小宮山重四郎君 坂村 吉正君
竹内 黎一君 地崎宇三郎君
中野 四郎君 四岡 武夫君
西村 英一君 橋本龍太郎君
藤本 孝雄君 粟山 秀君
亘 四郎君 伊藤よし子君
滝井 義高君 長谷川 保君
八木 一男君 八木 昇君
山田 耻目君 吉村 吉雄君
本島百合子君 吉川 兼光君
谷口善太郎君
出席国務大臣
労 働 大 臣 大橋 武夫君
出席政府委員
林野庁長官 田中 重五君
労働政務次官 藏内 修治君
労働事務官
(大臣官房長) 和田 勝美君
労働事務官
(労政局長) 三治 重信君
労働基準監督官
(労働基準局労
災補償部長) 石黒 拓爾君
委員外の出席者
農林事務官
(林野庁職員部
長) 森 博君
労働事務官
(労政局労働法
規課長) 青木勇之助君
専 門 員 安中 忠雄君
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三月十六日
委員西岡武夫君辞任につき、その補欠として羽
田武嗣郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員羽田武嗣郎君辞任につき、その補欠として
西岡武夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月十七日
委員高田富之君辞任につき、その補欠として楢
崎弥之助君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員楢崎弥之助君辞任につき、その補欠として
高田富之君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十六日
人命尊重に関する請願(小沢辰男君紹介)(第
一二五四号)
公衆浴場業の健全経営維持管理の特別措置に関
する請願(小沢辰男君紹介)(第一二五五号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一二八六号)
同(島村一郎君紹介)(第一四八一号)
同(鯨岡兵輔君紹介)(第二五四一号)
同外一件(長谷川四郎君紹介)(第一五四二
号)
母子福祉法制定に関する請願(金丸信君紹介)
(第一一五六号)
同(佐々木義武君糾介)(第一二五七号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一八七号)
同(松山千惠子君紹介)(第一二八八号)
同(八木徹雄君糾介)(第一二八九号)
同外一件(亀山孝一君紹介)(第一三二三号)
同(久保三郎君糾介)(第一三二四号)
同(坪川信三君糾介)(第二三二五号)
同(西岡武夫君紹介)(第一一三六号)
同(馬場元治君紹介)(第一三二七号)
同(濱田幸雄君紹介)(第二三二八号)
同(古川丈吉君紹介)(第一三二九号)
同(古井喜實君紹介)(第一三二〇号)
同(松田竹千代君紹介)(第一三三一号)
同(森下國雄君紹介)(第一三三二号)
同(小金義照君紹介)(第二二五八号)
同(笹山茂太郎君紹介)(第一三五九号)
同(谷垣專一君紹介)(第一三六〇号)
同(福井勇君紹介)(第一三六一号)
同(赤澤正道君紹介)(第一二六二号)
同(受田新吉君紹介)(第一四一二号)
同(小平久雄君紹介)(第一四一三号)
同(栗林三郎君紹介)(第一四一四号)
同(坂村吉正君紹介)(第一四一五号)
同(永末英一君紹介)(第一四一六号)
同(田川誠一君紹介)(第一四六七号)
同(木村武千代君紹介)(第一四六八号)
同(櫻内義雄君紹介)(第一四六九号)
同(田澤吉郎君紹介)(第一四七〇号)
同(竹内黎一君紹介)(第一四七一号)
同(野見山清造君紹介)(第一四七二号)
同(早稻田柳右エ門君紹介)(第一四七三号)
同(五島虎雄君紹介)(第一四七四号)
同(足鹿覺君紹介)(第一五三五号)
同(安藤覺君紹介)(第一五三六号)
同(水田三喜男君紹介)(第一五三七号)
同(福田繁芳君紹介)(第二五三八号)
療術の制度化に関する請願外三件(岡崎英城君
紹介)(第一一五八号)
同(佐々木義武君紹介)(第一二五九号)
同(河本敏夫君紹介)(第一一八四号)
同(西村榮一君紹介)(第一二八五号)
同(清瀬一郎君紹介)(第一二三三号)
同(阪上安太郎君紹介)(第一三三四号)
同外二件(重盛寿治君紹介)(第二二三五号)
同(坪川信三君紹介)(第一二三六号)
同(原田憲君紹介)(第一三三七号)
同(森下國雄君紹介)(第二三二八号)
同外一件(田邉國男君紹介)(第一二六六号)
川(永田亮一君紹介)(第一四一七号)
同(竹内黎一君紹介)(第一四七九号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一四八〇号)
同(鯨岡兵輔君紹介)(第二五四〇号)
中小企業退職金共済制度の充実に関する請願(
井出一太郎君紹介)(第一二九九号)
戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願(相川
勝六君紹介)(第二一二九号)
同(逢澤寛君紹介)(第一三二〇号)
同(赤澤正道君紹介)(第二三八三号)
同(田中龍夫君紹介)(第一二六四号)
同(高橋清一郎君紹介)(第一二六五号)
同(小川半次君紹介)(第一四七七号)
同(中村寅太君紹介)(第一五〇五号)
同(大久保武雄君紹介)(第一五三九号)
原爆被、害者援護法制定並びに原子爆弾被爆者
の医療等に関する法律改正に関する請願(大村
邦夫君紹介)(第二三二号)
同(山田耻目君紹介)(第一三二二号)
同(受田新吉君紹介)(第一四二号)
公衆浴場業の健全経営維持管理の特別措置に関
する請願(西村直己君紹介)(第一一三二九
号)
同(天野公義君紹介)(第一四一〇号)
生活保護基準の引き上げ等に関する請願(西宮
弘君紹介)(第二二四〇号)
業務上の災害による外傷性せき髄障害者援護に
関する請願(金丸徳重君紹介)(第一四〇七
号)
同(谷口善太郎君紹介)(第一四〇八
同(五島虎雄君紹介)(第一四七五号)
同(齋藤邦吉君紹介)(第一四七六号)
同(小林進君紹介)(第一五五〇号)
生活保護基準の倍額引き上げ等に関する請願(
谷口善太郎君紹介)(第一四〇九号)
緊急就労対策事業の打切り反対に関する請願(
井手以誠君紹介)(第一四七八号)
同(井手以誠君紹介)(第一五〇三号)
同(井手以誠君紹介)(第一五四九号)
消費生活協同組合の育成強化等に関する請願(
佐々木更三君紹介)(第一五〇四号)
失業者就労事業紹介対象者の賃金引き上げ等に
関する請願(伊藤卯四郎君紹介)(第一五四三
号)
同(稲富稜人君紹介)(第一五四四号)
同外一件(内海清君紹介)(第一五四五号)
同外四件(地崎宇三郎君紹介)(第一五四六
号)
同外五件(前田榮之助君紹介)(第一五四七
号)
同外三十五件(本島百合子君紹介)(第一五四
八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を
改正する法律案(内閣提出第五四号)
労働関係の基本施策に関する件(林野庁におけ
る労働問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/0
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001・田中正巳
○田中(正)委員長代理 これより会議を開きます。
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますのでこれを許します。小林進君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/1
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002・小林進
○小林委員 同僚の諸君が微に入り細に入り質問をしてくれましたので、新しい問題もないと思うのでありまするけれども、私はちょっと忙しくて同僚諸君の質問を全部聞いておりませんので、あるいは重複をするかもしれませんけれども、その点はひとつお許しをいただきたいと思うのであります。
労働保険の審査官を現在の在名から六名にふやすとおっしゃるのでございますが、参考までに現在の三名の審査官の略歴をお聞かせをいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/2
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003・和田勝美
○和田政府委員 三人の審査会の委員がいらっしゃいまして、会長が上山さんであります。これは二十二年に労働省を退官されまして、それから以後健康保険関係のお仕事に従事をしておられまして、審査会ができましたときに委員としてお入りになった方でございます。現在引き続いて委員でございます。
その次が四方陽之助さんでありまして、これは昨年東京労働基準局長を退官されまして、審査会の委員におなりになったわけであります。
もうお一方は加藤光徳さんで、これは医学博士でお医者さんでございますが、大学を卒業されて以後はずっと厚生省の労働衛生関係の仕事に携わっておられまして、各県で衛生部長等を御担当になり、労働省において労働衛生課長をしておられまして、退官後審査会の委員になられたわけであります。
以上、三人が現在の審査会の委員でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/3
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004・小林進
○小林委員 これからかりにこの法律が通ったと仮定いたしますならば、あらためて加わる三人の審査官にどういう方を予定しておられるのでございますか、腹案がもうございましょうから、お聞かせをいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/4
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005・大橋武夫
○大橋国務大臣 いまのところ人選についての腹案はまだ持っておりません。しかし先般当委員会におきまして御発言もございましたとおり、現在の人選は官界の出身者に偏しておりますので、広く産業労働界の方々で適任のお方がおられれば、ぜひその方面からもお願いいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/5
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006・小林進
○小林委員 従来三人の審査官の任期は三年でございますね。ちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/6
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007・和田勝美
○和田政府委員 任期は三年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/7
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008・小林進
○小林委員 途中で事故その他で退職された場合には後任者は三年の期間の残された期間を踏襲するという形になっておりまして、従来は法律上は厳格に三年の任期制度が行なわれていたはずでございますね。それに違いありませんね。
〔田中(正) 委員長代理退席、小沢(辰)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/8
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009・和田勝美
○和田政府委員 現行の審査会法の第二十八条にその規定がございまして、「委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。」こうございますので、補欠の場合は前任者の残った部分だけ御担当になるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/9
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010・小林進
○小林委員 今度の改正案によりますと三年の任期に関し、三年、二年、一年の三段階にされたのではないか、そうですね。これは附則の第四項に「この法律の施行に伴い新たに任命される委員の任期は、第二十八条第一項本文の規定にかかわらず、内閣総理大臣の定めるところにより、一人は三年とし、一人は二年とし、一人は一年とする。」こういうふうに段階をお設けになっているのでございまするが、これはちょっと従来の行き方と違っているのでございますけれども、どういう意味でこういうふうに改正をせられたのか、立法の趣旨をひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/10
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011・和田勝美
○和田政府委員 実は、この審査会法は、新たに制定されましたときにも、同じく附則におきまして、この三年、二年、一年という規定がございました。それの趣旨は一緒に三年といたしますと、同町に切れてしまうというようなことがありますので、経験者が全然いなくなるということも問題でございますので、段階的にして、一年ずつ新しく選任をしていくというための全く技術的なものでございます。三人が同時にやめてしまうということのないようにするためでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/11
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012・小林進
○小林委員 そうすると、現在の三人も任期が段階的になっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/12
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013・和田勝美
○和田政府委員 現在の委員の方も一年ごとにお一人ずつ任期が切れるというかつこうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/13
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014・小林進
○小林委員 前会もこの点は滝井君が詳しく質問いたしておりますから、多分明快な回答があったと思いますけれども、私も、この合議体の労働審査会の再審査請求の事件、または審査の事務の取り扱い、この内容がどうもわからぬのですが、これは三人でやる。再審査請求の事件または審査の事務の取り扱いは、三人の委員をもって構成する合議体で行なう。そうすると、一体その六人でやる仕事は何かというこの仕事の区別がどうしても私は明確にならないのであります。いま一回明確にお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/14
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015・和田勝美
○和田政府委員 今回の改正法案によりまして、審査会の委員を六人にしていただきたいということは、審査会の審議を迅速に行ないたい、そのためには六人に増員をしていただきまして、いわゆる最高裁の小法廷のように、審査機能をふやすことによって事案の迅速化をはかりたい、こういうことが改正の眼目になっております。そのためには、改正法案として出しております三十三条の一項にございますように、再審査請求の事件または審査の事務を小法廷的なものでやれるような規定をつくって、いまのところ二つの小法廷的なものを考えて、そういう合議体でやりたい。しからば六人全員でやる場合はどういうことになるかということでございますが、三十三条の二項に、審査会が定める場合においては、委員の全員をもって構成する合議体で、審査に当たることにいたしております。これはどういう場合を大体考えておるかと申しますと、最高裁あるいは社会保険審査会において行なわれております例等を考えますと、従来審査会が行ないました裁決例と違って裁決をする必要があるのではないか、こういうような場合、最高裁が判例を変更する場合と同じような意味合いのことになる、それと三人と合議体でやります審査において、三人の委員がそれぞれ分かれまして、統一した過半数の意見が得られない、こういうような場合には六人でやる、こういうことが一応考えられるのではないかと私どもとしては思いますが、これらは審査会の独立性という点がございますので、審査会のほうでおきめをいただくということにしたほうがよかろうというので、政府原案がそういうことになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/15
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016・小林進
○小林委員 その審査委員が、審査会が前にやった裁決と異なる裁決を行なったという場合でございますけれども、こういう再審事項の中で全く同じような事件が繰り返し出てくるというのが考えられますか。類似の判例はあるでしょうけれども、事件が同じということが一体考えられるでしょうか。これは犯罪の場合は、やはり同じような客観的状況と同じような主観的な状況の中で殺人非が行なわれるということは考えられるだろうけれども、こういうような審査請求などというものの一つの判例があるとするならば、それはあるいはその判例に基づいて直ちに処置されるものと考える。だから、同じような事件のものが再審の請求をされて、しかもその結果において、その前例がくつがえされるというような場合が一体事実上考えられるかどうか。いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/16
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017・和田勝美
○和田政府委員 法律の解釈というのが、最高裁でも同じでございますが、時運の進展と社会事情がいろいろ変化するのにつれまして、法令の解釈に多少の幅、動きがあることは、これは一般的にあることでございます。審査会におきましても、同じく法令の解釈の適用の当否を論ずるわけでございますので、最高裁で法令を判決するのと同じような意味合いにおいて、生きた社会自体にできるだけ法令の適用を合わせるということで、法令の解釈に多少の幅があることはやむを得ないことだと思います。そういう意味で、あまり多くはないとは存じますが、観念的にはそういう変更があり得るだろうということを前提にしますと、特に慎重に審査会としてはそういう変更をすべきものかどうかということについて、やはり全員で御討議願うということになるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/17
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018・小林進
○小林委員 それは実際の場合において、審査会の小法廷と申しますか、そこで前例に反した審査の結論を出すようなことが一体考えられますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/18
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019・石黒拓爾
○石黒政府委員 審査会が前例に反する裁決を行なう場合として考えられますことは、一番多いのは、労災保険につきまして、業務上の災害の補償という業務上の解釈であります。特に多うございますのは、職業病でございまして、それは医学の進歩によりまして、従来は私傷病と考えられておったのが、実際は特定の職業に長く従事したために、そういう私傷病が出てきたというような証明が次第に出てくるわけでございます。そういうような場合に、従来私傷病として評価した事件であるけれども、これは業務上の事件と見るべきであるというように裁決が変わるという場合があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/19
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020・小林進
○小林委員 そういう具体的な解釈があればこれも生きてまいりますので、それは非常にけっこうだと思いますが、最近の事例で一体どういう問題がございますか、お聞かせ願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/20
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021・石黒拓爾
○石黒政府委員 ごく最近におきまして具体的な事例は、私ちょっと記憶がございませんが、だいぶ前の事件でございますが、これはいま申し上げた職業病のニトログリコールの中毒関係で従来よりも幅を広めた裁決が出た事例がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/21
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022・小林進
○小林委員 それではお伺いしますが、いまもちょっと同僚と打ち合わせしたのでありますけれども、難聴病とか、最近は騒音その他によって耳が聞こえなくなるような状況、こういうのが一体どういう取り扱いを受けているのか、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/22
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023・石黒拓爾
○石黒政府委員 御指摘の難聴につきましては、これは労災の裁定上最もむずかしい事案の一つでございます。長い間、たとえば造船のリベット打ちをやっておったという人が耳が遠くなる。ところが、長い間造船工場にいる人は、そうでなくても年をとれば耳が遠くなる、この重複があるわけであります。このどこまでが業務上の難聴であり、どこまでが年齢的な難聴であるかという区分をしようということで、非常に長い問、専門家会議に御検討願っておるわけでございますが、現在のところ、職業性の難聴と自然な老齢による難聴との区別をつけるという方法につきまして、専門家の結論は出ておりません。したがいまして現在の補償といたしまし七は、非常に騒音の激しいところで、年をとらなくてもこういうところでは当然耳が遠くなるだろうというようなものにつきまして、いわば常識的な解釈によりまして難聴の補償をしているということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/23
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024・小林進
○小林委員 その難聴病の問題もこういうものは年々ふえているんですよ。全国ではもう五十万、あなたは調査をやったことがございますか。あるいは人によっては七十万とかいわれるのでありますけれども、そういうものを、職業によるものか年齢によるものか区別がつかないなどということでそのまま放任されたのではこれはやっぱりたまりませんから、こういう問題はつとめて広義に、被害者の有利になるような立場でものを解釈していくのが私は労働行政の立場ではないかと思うのであります。現在は審査会で扱われたという事例はありませんか。昨年も二百七十くらいの問題が出たということでありますが、その中でありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/24
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025・石黒拓爾
○石黒政府委員 最近におきまして審査会の事案で難聴を扱った事例はなかったように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/25
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026・小林進
○小林委員 ないということは、やつぱり職業病に該当せしめないようにきっとあなたのほうで下で押えているんじゃありませんか、なるべく金をくれないように弾圧しているんじゃないか、一体どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/26
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027・石黒拓爾
○石黒政府委員 特に難聴につきまして非常に厳格な査定をするようにいたしておることはございません。むしろ厳格に過ぎる査定をいたしますれば審査事案がたくさん出てくるわけでございます。最近あまり審査会には出ておらないということはそれほど過酷な取り扱いをしていないということであろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/27
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028・吉村吉雄
○吉村委員 ちょっと関連して質問させていただきます。難聴の問題についてはあとで日をあらためて私は少しやらしてもらうつもりでおったのですが、たまたまいま出ておりますから現在の法案の関係で少しお聞きしたいと思うわけです。
この難聴の問題はなかなかむずかしいということについてはわかるのですけれども、これを解決するために労働省の中には専門委員会がつくられたはずです。この専門委員会はいままでにどのくらい会合したのかわかりませんけれども、少なくとも七、八年の期間は過ぎたと思うのです。七、八年の期間を過ぎてなお結論が出せない、そういう専門委員会だったならばこれは何ら価値のある専門委員会というわけにいかぬじゃないか。外国の例などを見ましても、こういった問題をこのように長いこと放任しておくということは許されないことだと思うのですよ。労働省の考え方がどこにあるのかわかりませんけれども、いずれにしてもこの専門委員会で七、八年の日数を費してまだ結論が出せない。私の知る限りではこの専門委員会の会合というのは一年に一回ぐらいしかやっていない。大体いままでに七、八回ぐらいしかその会合はなされていないようです。こういうような状態ではとても労働省がいわゆる職業病に対して労災の適用をなるたけやっていこうというようなことは考えられないのではないかというふうに思うのです。
そこでちょっとお尋ねしておきたいのは、労災法の別表第一の中で、難聴の問題については、職業性の難聴についてはたしか十一級までしかその適用がないようになっているのです。この十一級から十四級までの間を難聴の問題についてだけ適用がないというところに非常に大きな問題があるのではないかと思うのです。そのことについて、現在のこの労災法は大体外傷というようなものを中心にしてできておるようなんですけれども、この点は一体十一級以降が全然ないということについてはどのように考えられておって、それでどう対処しようとしておったのか、これを一つお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/28
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029・石黒拓爾
○石黒政府委員 御指摘のごとく難聴の専門家会議は非常に長いこと続いておりますが、その間非常に御熱心に御審査をいただいております。私が労災部長になりましたのは昨年の夏でございますが、それ以来でもすでに、正確な数は覚えておりませんが、数回開いております。近く結論が出せる見通しになったという連絡を受けております。御承知のごとく非常にむずかしい問題でございますので時間がかかりましたけれども、間もなく何らかの結論が出るものと私どもも期待してお待ちしているわけでございます。
それから補償につきまして、十一級までということは御指摘のとおりでございますが、これは難聴の問題に限らず、現在の障害等級の分け方につきましてはいろいろ問題があることは先生もよく御承知のとおりでございます。現在労災保険法の改正につきましても労災保険審議会に諮問をいたしておりますが、それと並行いたしましてこの障害等級の分け力につきましても最近の医学の進歩にかんがみまして医学的見地から再検討をすべきであるという御意見が多く寄せられておりますので、私どもその作業を早急に進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/29
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030・吉村吉雄
○吉村委員 この施行規則一表の中に、職業性難聴と目されるものについて、少し考えさせられるような文句が入っておるのですけれども、この聴力の問題についてだけ「その他により」云々という文句が入っているのですよ。そのほかの障害については、この文句は入っていない。ただ難聴の問題については「その他により」という文句が入っておるのです。ここはこの立法当時、相当議論をされたことを意味しているのではないかと私は思うのですけれども、この「その他より」ということで現在まで適用されたというような例は一体あるのかないのか、ひとつ御説明願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/30
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031・石黒拓爾
○石黒政府委員 私、不勉強で申しわけございませんが、聴力の欠陥による場合は、鼓膜の欠損によったのか、その他の理由によったのか、いずれによったかにつきまして、ただいまのところちょっと調べをつけておりませんので、いずれ調べまして御連絡いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/31
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032・吉村吉雄
○吉村委員 先ほど申したように、この難聴障害によって非常に困っておる人、これは現在ではびょう打ち作業のようなものがだんだんなくなってまいりましたから、これからは減っていくと思うのです。しかし、いままでにその障害を受けて、普通並みの生活というものをするのに非常に苦労なさっておる数というのはばく大な数にのぼっておるはずだと思います。ですから、全般の問題として、私はあらためてなお詳細に質問させていただくことにして、きょうの関連ではこれで終わらせていただくことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/32
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033・小林進
○小林委員 難聴の問題はひとつ、質問を後日に譲ることにいたしまして、次に一点確かめておきたいと思いますのは、やはり騒音により受けた身体の障害の問題であります。特にジェット機などというようなものに対して一体どういうふうにこれをお考えになっておるのか。あるいはわれわれの同僚が質問したかもしれません。通勤中の事故などを労災の対象にするかという質問が出ましたならば、その問題は一応省略いたしますけれども、やはりそういう職場につとめている者がその通勤の途上において交通事故にあった、これは外国は労災の対象になっておりますけれども、日本も遠からず皆さん方はしていただくと思っておりますが、もうなっておりますか、まだなっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/33
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034・石黒拓爾
○石黒政府委員 通勤途上の災害につきましては、現在は原則的には業務上の災害に入っておりません。ただ特定のコースによって、たとえば経営者が通勤バス等を出して、そのバスに乗って通うように指示したという場合に限りまして、通勤途上も業務上というふうに扱っておりますが、この点につきましてはざらに検討の余地があるのではないかということで、現在労災保険審議会で審議中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/34
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035・小林進
○小林委員 これは外国の立法例を見ましても、通勤途上の災害は労災の中にちゃんと加えられておるのです。これは進歩的な労働政策をとっておる国々の通例でありますから、その点はわが日本はおくれておる。いまごろ審議会に出して、これから結論を出すというのは、それはよろしくありません。早急にこれは解決してもらわなければなりませんが、同じことはこの騒音の場合にも言えるのです。これはジェット機なんかでブンブンやられたら、とてもこれははたまったものじゃない。やはりいまの通勤中における事故と同じぐらいに解釈して、こういう人たちも何かの労災の対象にしてもらわなければ、これは救われない。これは労災とは問題を別にして、何か騒音手当というものを出すように特に要求していることがあるのでありますけれども、まだ政府はこの約束も果たしていない。まるで騒音にやられっぱなしで、耳は聞こえなくなる、神経は鈍ってしまう、そういうような状態を放任せられておるという状況でございますけれども、これを一体どう扱っていただくか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/35
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036・大橋武夫
○大橋国務大臣 騒音に関する問題は二つあると思います。一つはいわゆる公害的な意味において、ある騒音が周囲の一般の人たちに与える影響の問題、一つは、ある騒音を発生する事業場において、その事業場に従事する労働者に対する影響の問題、この後段の問題は当然労働災害補償の対象に相なるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/36
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037・小林進
○小林委員 それはおっしゃるとおりに、騒音を発する、あるいはジェット機の発着等の仕事に従事している労働者がそのために耳が聞こえなくなったというのは、それは当然労働災害の対象にしてもらわなければならぬと私は思いますけれども、たまたま他の職場につとめていたといたしましても、もっと卑近な例を言えば、ジェット機のブンブンいうところに会社の寮があった、そこからジェット機とは関係のない会社に通勤をしておる、そのために朝夕となくやられて耳が聞こえなくなった、こういうような場合は一体職業病の中に入るか入らないかという問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/37
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038・大橋武夫
○大橋国務大臣 それは、従来の考え方からいうと職業病という観念には入らないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/38
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039・小林進
○小林委員 しかし、本人は耳も聞こえなくなって最大の被害を受けておるのですから、どの方法で一体これを救済していただけますか。国務大臣として、総理大臣になったつもりでひとつお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/39
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040・大橋武夫
○大橋国務大臣 これはそういう事情をよく労使間で話し合いまして、自主的に話し合いで解決していただければけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/40
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041・小林進
○小林委員 私はたまたま具体的にいま会社の寮がそういう環境の中にあるという例で言いましたけれども、寮がなくとも、どこの会社、どこの工場、どこの官庁に通おうとも、そこにたまたま自分の住居があった、あるいは行き帰りにそういう騒音の場所をやむを得ず通らなければならないということで被害を受けておる者は、やはりこれは職業とは関係ないのです、住居や住宅がある、通勤の途上における問題だから、それはやはり労災の対象にはならない。おまえの耳が聞こえなくなって、おまえのからだの障害を生じたのは不運とあきらめろということでは、私は国の行政にはならないと思うのであります。一体労災をそこまで拡張解釈して、こういう者を助けていただくわけにはいきませんか。本人についてはつとめていることには間違いないのです。つとめの関係で耳が聞こえなくなったことに間違いありませんから、いかがでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/41
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042・大橋武夫
○大橋国務大臣 それはもう小林先生の卓越した法律的知識で十分解釈のできる問題で、私のほうで何らつけ加える必要はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/42
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043・小林進
○小林委員 それではこの、ジェット機による騒音とか、アメリカ駐留軍によって至るところで受けている損害の問題は、また駐留軍労務者の関係がここで論ぜられる場合にあらためて別の角度で御質問をいたすことにいたしまして、これはこれで取りやめにいたします。
あとは話が少し具体的になりまするが、労働保険審査会の委員は現在月給といいますか、俸給は十五万円でございましょう。それから手当が一万五千円と思いますけれども、違いますか。御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/43
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044・和田勝美
○和田政府委員 審査会の委員は十四万円が本俸でございます。暫定手当が一万四千円、合計十五万四千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/44
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045・小林進
○小林委員 会長は幾らでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/45
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046・和田勝美
○和田政府委員 同額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/46
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047・小林進
○小林委員 こういう制度は社会保険にもございます。その他にもこういう制度がありますけれども、他の類似の委員に比較いたしまして、この俸給や手当はどうなっておりますか。少し安いんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/47
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048・和田勝美
○和田政府委員 同じ性格を持っております社会保険審査会の委員の俸給と労働保険審査会の委員の俸給は同額でございます。それ以外になりますと、いろいろと評価の問題がございますが、政府部内で同じような性格のものであるこの二つは一緒でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/48
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049・小林進
○小林委員 常勤でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/49
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050・和田勝美
○和田政府委員 常勤でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/50
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051・小林進
○小林委員 身分は何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/51
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052・和田勝美
○和田政府委員 国家公務員の特別職でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/52
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053・小林進
○小林委員 国家公務員の特別職になりますと、この間、国から支給される年金といいますか、恩給といいますか、これは停止されますか。そのまま続いていくのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/53
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054・和田勝美
○和田政府委員 国家から別に俸給をもらっておりますので、その間恩給のほうは停止になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/54
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055・小林進
○小林委員 恩給が停止をされるとすれば、この物価高の中にやはり十四万、特別手当の一万四千円じゃなかなかこれは生活は困難で、むしろ仕事に精励することができないと私は思いまするので、いま少しこれをお上げになったらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/55
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056・大橋武夫
○大橋国務大臣 公務員の給与は御承知のとおり、一般的に大体つり合いをとるように定めてございます。特別職につきましては、特別職としていろいろな職務についてつり合いをとって、必要のつど改正をいたしておることは御承知のとおりでございますし、ただいまのところこの官だけについて特別の給与を考えることは適当でない、このように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/56
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057・小林進
○小林委員 理事会で申し合わせをいたしておりました書類の原案の作業も終わったようでありまするから、そろそろ質問を打ち切る方向へ向かいたいと思いまするが、最後にお伺いいたしますけれども、今回人事院が発表いたしまして、それぞれ行政官庁から民間会社に天下りをいたしました人名その他が発表せられまして、世間的に非常に驚異の感を与えるという結果になったのでございまして、幸か不幸か、その中には私どもが関係をいたしております労働省、厚生省は、三十八年度においては天下り式人事をなしたものが一人もいない、こういうことで終わりまして、まことにけっこうなことと存じているのでございますが、しかしこの陰には、通産省、大蔵省等傍系の天下り人事をする民間会社を持っているのに比較いたしまして、労働省や厚生省は定年退職後に落ち行くところがないのはお気の毒だというような同情論も若干わいているようでございますが、こういう問題に関連をして、各役所が定年退職後落ちていく何か窓口をつくろうということで、いろいろなものをおつくりになっている。公社形態でおつくりになったり、あるいはまたその他の方式でおつくりになっているのでございますが、労働省関係でそういう性格のセクションが幾つおありになりますか。大臣からお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/57
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058・大橋武夫
○大橋国務大臣 御質問の御趣旨を十分に理解できない点があるかもしれませんが、御承知のように、労働省の外郭団体といたしましては、労働福祉事業団、それから中小企業退職金共済事業団、 それからもう一つ、労働協会、こういうのがございます。これらの事業団あるいは協会の理事等には若干ずつ労働省から入っているところがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/58
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059・小林進
○小林委員 現在低賃金に縛られて、それから役人には定年制もございませんが、大体、しきたりで五十五歳前後にして退官をしなければならない。一時の退職手当金も少ないし、その後支給せられる年金も少ないということになりましたならば、やはり何とかその後の生活を支えるようなものを持たなければならないという意欲に燃え出すのは当然だと思うのでございまして、そこから見れば、労働省なんかはほかの官庁に比較してむしろお気の権にたえないような次第でございますけれども、私どもから言わせますと、やはりここに行政制度の背景として考えなければならぬ重大な欠陥があると思うのでございます。大臣、これはどうでしょう、いま少し月給をよけいくれるとかあるいは五十五歳の定年などという制度をやめにしまして、まあ人間は長生きしておるんでありまするから、そしてまた俸給制度をもっと引き上げていくとか、こういうような形はできないものでしょうか。この矛盾について、これは必然的につくり上げるわけでありますから、やはり食えなければしかたがありませんから、こういう制度をいまの保険審査会の審議とは直接関係ございませんけれども、こういう機会にひとつ大臣の御意向を承っておきたいと思ってあえて出すわけでございます。この行政あるいは国家公務員制度のあり力でありますが、こんな形で新しいセクションや新しいポストをつくって、そして落ち行く先をきめるような意欲が役人の中から生まれてこないような根本的な制度の改革というものは考えられないものかどうか。いま行政調費会は佐藤何とかという銀行の親方がやっておりますけれども、銀行屋ではやはり問題の解決にはなりません。ひとつこの際池田総理大臣の最も側近にいられて、総理の考えを動かす力もお持ちになっておると世間では言っておるのでありますから、この際ひとつ際は大橋労働大臣の御所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/59
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060・大橋武夫
○大橋国務大臣 御承知のように労働省は終戦後新しくできた省でございまして、その仕事も時代の要求する最も新しい仕事でございまするので、一般に労働省で勉強した人にぜひ手伝いに来てもらいたいという希望が非常に多いのでございます。したがって、労働省関係の官吏等は地方公共団体とかあるいは先ほどの事業団また民間会社等からまことに引く手あまたでございまして、目下のところ退職後のことについて特に御心配をいただくようなことはございません。しかし今後長い将来のことを考えますると、給与の問題その他十分に研究すべき事柄であろうと存じますので、今後とも御指導を得ましていろいろ検討を進めたいと存じます。
〔小沢(辰)、委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/60
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061・田口長治郎
○田口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/61
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062・田口長治郎
○田口委員長 ただいま委員長の手元に、西岡武夫君、小林進君及び本島百合子君より、労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されておりますので、修正案の趣旨の説明を聴取いたします、西岡武夫君。
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労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案に対する修正案
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第三十三条第二項の改正規定を次のように改める。2 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、再審査請求の事件又は審査の事務を取り扱う。
一 前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合
二 前項の合議体を構成する者の意見が三説に分かれた場合
三 前二号に掲げる場合のほか、審査会が定める場合発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/62
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063・西岡武夫
○西岡委員 自民、社会、民社三派共同提案にかかる労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたします。
まず、案文の朗読をいたします。
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第三十三条第二項の改正規定を次のように改める。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、再審査請求の事件又は審査の事務を取り扱う。
一 前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合
二 前項の合議体を構成する者の意見が三説に分かれた場合
三 前二号に掲げる場合のほか、審査会が定める場合以上でございますが、何とぞ皆さま方の御賛同を賜わるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/63
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064・田口長治郎
○田口委員長 修正案について御発言はありませんか。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/64
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065・田口長治郎
○田口委員長 御発言がなければ、次に労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/65
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066・田口長治郎
○田口委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
これより内閣提出の労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決に入ります。
まず、西岡武夫君、小林進君及び本島百合子君提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/66
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067・田口長治郎
○田口委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次にただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/67
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068・田口長治郎
○田口委員長 起立総員。よって労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律案は西岡武夫君外二名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。
ただいま議決いたしました本案についての委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/68
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069・田口長治郎
○田口委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/69
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070・田口長治郎
○田口委員長 軒町休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
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午後二時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/70
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071・田口長治郎
○田口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際委員長より一言御報告申し上げます。
前回の当委員会において、小林委員から質問のあった物品管理法第三十二条に基づく通知の件について、大蔵省及び会計検査院に照会しましたところ、一、物品管理法第三十二条に基づく大蔵大臣に対する通知は、当該事故の発生した日の属する四半期ごとに取りまとめて当該四半期経過後一カ月以内に行なわなければならないこと。一、会計検査院に対しては遅滞なく通知しなければならないこととなっておる旨の回答がありました。
右御報告申し上げます。
この際、川中林野庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。田中林野庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/71
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072・田中重五
○田中(重)政府委員 おわびを申し上げます。
ただいま委員長から御報告があったわけでございますが、先般の当委員会におきまして、小林先生から、物品管理法に基づく物品の亡失あるいは損傷の報告について、その期限はどうかという御質問に対しまして、私は特にその期限はないというような御答弁を申し上げたのでございますが、これはただいま委員長から御報告のございましたように、全く私の誤りでございまして、このような間違った答弁を申し上げましたことにつきましては衷心より深くおわびを申し上げ、陳謝を申し上げたいと存じます。なお、今後もこのようなあやまちはいささかもおかすことのないように、誠心、誠意十分注意をいたしたいと思っております。まことに申しわけございませんでした。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/72
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073・田口長治郎
○田口委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。八木一男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/73
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074・八木一男
○八木(一)委員 林野庁の長官に御質問申し上げたいと存じます。
林野庁は、国有林を管理されまして重要な仕事をしておられるわけであります。長官の責任も非常に重要なものであろうと考えております。全国三千七百万ヘクタールの面積のうちで、国有林の面積は二〇%を占めております。全国の山林の面積の三〇%、この資源の二分の一というような大切なものをあずかっておられるわけでございます。国土の保全のための職員というようなことにより、治山治水の問題なり、森林資源を存続させて木材の完全な供給と価格の安定というようなことを主軸とされ、その他民有林の指導その他について非常に重要な仕事を林野庁が受け持っておられまして、林野庁長官としては非常に重大な責任を持っておられるわけであります。その行政を進められる上におきまして、林野庁長官としてはどういう問題を大切に考えてその任に当たっておられるか、御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/74
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075・田中重五
○田中(重)政府委員 林野庁長官といたしましては、国有林の責任者でもございますし、ただいま先生のお話のとおりに、その森林の面積におきましても、また蓄積におきましても非常に大きなウエートを占めております国有林野事業の運営の責任を担当いたしておりますだけに、その健全な運営について大きな責任を自覚いたしておる次第でございます。それで、この国有林野事業は国の事業として経営をしておりますだけに、この国有林野の事業に勤務する職員の労働の問題につきましては、いろいろな国有林野の経営の中でもきわめて重要な事項というふうに心得まして、その取り扱いにつきまして、できるだけ健全な運営に運びますように努力してまいっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/75
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076・八木一男
○八木(一)委員 林野庁では一番多くの人が働いておられたときは十五万人くらいで、その働いておられる場所が七千カ所くらいに分かれておりまして、深山幽谷の不便なところで非常に激しい労働をしておる状態は申し上げるまでもないわけであります。林野行政の百のうち九十九まではそのような場所で働いている人たちの手によって行なわれているわけです。そういう意味で、どこの場合でも同じでございますが、その働いている労働者の人たちが後顧の憂いなしに、ほんとうに希望を持って安心して働けるということが林野行政の一番大切なことではないかと思うわけでございますが、この点についての長官の御意見を再度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/76
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077・田中重五
○田中(重)政府委員 国有林野事業に勤務をいたしております職員は、お説のとおりに相当数にのぼっております。この職員の労働条件、処遇につきましては、できるだけそれが改善をされますように、常に努力をして進めてまいるという考え方でやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/77
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078・八木一男
○八木(一)委員 いまの御趣旨で非常にけっこうだと思いますが、それをさらに具体的にするためにはどういうことを考えておられるか。たとえば、大ぜいの人たちで、七千の個所に分かれている人たち、そういう人たちがどういう点に不安を感じどういう点に希望を失って、仕事に邁進できない条件があるかという問題については、長官が本庁のまん中にすわっておられてもなかなかわからない。もちろん林野行政については方々出張されてごらんになって、おられると思いますが、大ぜいのことであり、時々刻々と変わる条件であり、また林野行政のやり方や何かいろいろ変わっておりますし、また経済状態、物価の状態なんかが変わっている。それを本庁のまん中で考えても、なかなかわからないことが多いわけであります。そういう点でほんとうに働く人たちの声を聞いて、その労働条件、その他について考えていくことが、使用者として当然考えられなければならない問題でありますし、それは使用者の心がけであって、それとともに現在労働の問題については労使が対等に話し合って、交渉して諸条件をきめていくということが憲法、労働法等ではっきりきめられているわけであります。そういう問題をスムーズに、積極的に労働組合と話し合う、団交する、そういうことをやることが、この林野庁の労働問題を最も適切な方向に持っていくことになる。したがって、また林野庁の業務の目的を最も円満に果たすことになろうと思います。そういう点について長官の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/78
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079・田中重五
○田中(重)政府委員 確かにいまの先生の御説のとおりに、地方に相当数の職員がそれぞれ職場の関係上、不便なところで重労働に耐えて作業をしておるわけでございます。それで、そういう人たちが気持ちよく勤務をするためには、まずその勤務する、あるいは起居する客観条件といいますか、環境をできるだけよくしていくということが必要でございます。そういう意味で環境の改善、特にまた安全衛生の面等で十分に配慮しなければならない、こういうふうに考えておりますが、さらに職員とそれぞれの直接の管理者、そういう人たちの間でも常に何と申しますか、明るい人間関係を保ちながら、円満な雰囲気の中で話をし、仕事ができるように、そういう心がけで管理者のほうもこれを扱っていかなければならないということば、いつも私は注意をし、指示をしておる次第でございます。
労使の関係におきましても、それが相対立するというような考え方よりも、同じ職場の中で同じように、それぞれが分担した仕事に勤務をするわけでございますが、その職場を明るくし、気持ちよくする、それからお互いにまたまじめで、そして当然な要求についてはお互いに話をし合う。そこにわだかまりのないそういう関係を維持しながら、仕事をやっていくことをいつも指示をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/79
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080・八木一男
○八木(一)委員 長官は応問の関係で全部を尽くされなかったと思いますが、先ほどは環境と安全ということをおもにあげられた。それ以上、いや同等以上に大事なことは労働条件だと思います。そういうことについてはもちろん同じように考えておられると思います。先ほど平易なことばで言われましたけれども、積極的に労働組合とどんどんと団交をしていく。むしろ労働組合から要求がなくても、官庁のほうからでも団交をどんどん進めていくというような態度でやられるべきだと考えておるわけですが、まずそれについての御答弁を伺いましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/80
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081・田中重五
○田中(重)政府委員 団体交渉は、労働者として当然認められておる権利でございますし、その点については管理者の側としても十分にそれに応じながら、意の尽くせるだけは、団体交渉の場で十分意見の交換をし合えることは言うまでもないことでございます。そういう心がけで事に当たるように指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/81
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082・八木一男
○八木(一)委員 もう少し具体的に伺いますが、労働組合に対して不当な弾圧をしたり、団交をなかなかしょうとしなかったり、不当労働行為をしたり、そういうことは一切すべきでないというふうに考えますが、それについて、ずばりとひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/82
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083・田中重五
○田中(重)政府委員 労働組合を弾圧するとか、あるいは不当労働行為を行なうとか、これは言うまでもなくすべきでないことでございまして、そういうことは十分に慎まなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/83
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084・八木一男
○八木(一)委員 林野庁の労務対策というものは、昔から非常に反動的でありまして、昭和三十三年にこの国会において、非常に大問題になったことがございます。労務ハンドブックというものが明らかになった、非常に問題になりました。この問題についてこれを破棄撤回をし、林野庁の長官が陳謝されました。そしてそういう問題をやめるということが昭和三十三年にあったわけであります。そのときは以前の長官でありました。それから後にそういうようなことについて勧奨されておる間に、昭和三十七年の六月に、林野庁の労務課長の隅田達人という人が、熊本の営林局の管内の大分ブロックの署長会議でいろいろと講演をしております。労務指導について講演をしてその内容を労務指導の文書として全国に配付いたしました。この配付について昨年の通常国会で、それが数年前に大問題になった労務ハンドブックの再生版だ、新労務ハンドブックである、こういうように国会において非常にけしからぬと追及されたことを裏でまたそのようなことをやっておることは許されないということで昨年の追及が行なわれたわけでございますが、それについては昨年の国会においてそのような文書をなきものにするという答弁が明確にあるわけであります。これは昨年の三月十四日の参議院の社会労働委員会で、藤田藤太郎君の質問に対してそのような答弁をされました。その後そのような文書の配付やあるいは文書を配付しなくても指導上で同様な不当労働行為とかあるいは組合弾圧というようなことでやっておられるか、ひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/84
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085・田中重五
○田中(重)政府委員 私がまいりましてからそのような指導をやったということはもちろんございませんし、まだ聞いていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/85
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086・八木一男
○八木(一)委員 確かにございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/86
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087・田中重五
○田中(重)政府委員 そういうものはないというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/87
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088・八木一男
○八木(一)委員 私どもの調べたところによるとそういうものがたくさんあるわけです。長官はさっきのように非常な円満な労使関係を考え、組合弾圧を考えていない、不当労働行為をすることはいけないという考え方でおられる。この長官の御見解は非常に正しいものだ。ところが長官の部下が方々で暗躍をしてそういうことをやっておる。そういうことについてもしそういうことをやっておるとしたら長官はどうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/88
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089・田中重五
○田中(重)政府委員 もしお話のございましたような不当労働行為なりあるいは弾圧というようなことがございましたら、これは言うまでもなく先ほども申し上げましたように排除すべきでございますので、十分注意をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/89
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090・八木一男
○八木(一)委員 昨年の七月に熊本営林局で庁舎管理規則、これは勤務時間や休暇等を含んだ新取り扱いの通牒を出しております。その通牒の内容を熟読いたしてみますと、この四割くらいが組合を弾圧しようという考え方でつくられたものとしか思えない。二、三長官のほうにその内容を申し上げてみたいと思いますか、長官すでに御承知でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/90
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091・田中重五
○田中(重)政府委員 私はまだ存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/91
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092・八木一男
○八木(一)委員 それではその内容を私どもの調べた範囲でひとつ申し上げてみたいと思います。二十三の条文からなっておるわけでございますが、いままで慣例でやっていたことを全面的にくつがえそうとしておるわけです。
〔委員長退席、井村委員長代理着席〕
まず、庁舎の使用についていろいろの規定があるわけでございますが、いままでになかった、庁舎の建物の中じゃなしに、庭だとか、芝生の土地というようなものを庁舎として指定して規制をしようとして考えておる。その使用目的を書いて、それを使用するときには許可を得なければならないというふうになっておるわけであります。この庭とかそういう構内の建物の中じゃないところを構内に指定したということは、こういうような無意味なことでいろいろの労働組合運動を弾圧しょうという考え方でこれを書いたとしか思われない状況であります。特に使用目的の中に、この第五条には、条件や指示に違反したときはその許可を取り消すという条文がありまして、結局そこでいろいろの会合をしているときに使用目的に違っているかどうかということを調査をする、組合のく会議の中に調査をしに行って、調査をしに行くことが、この規則によって合法化されるようにつくりあげられている。この組合の事務所というのは庁舎の中にたくさんございますから、そういうこともひっかかってくるわけです。
その次に第七条では、物品の販売、宣伝、契約の仲介も庁舎管理者の許可を受けなければいけないということになっているわけであります。宣伝という項目では、組合がいろいろ連絡をとる、組合の指導者が下部の指導者にいろいろの説明をする、そういうこともこの条文でひっかかるわけです。それから物資のあっせん、組合で物資のあっせんをやっておりますが、物資のあっせんもこの条文でひっかかるというおそれが多分にあるわけであります。
次に第八条では、盗難防止のため庁舎外に物品などを搬出しようとする者に対して、質問や物品の調査をしたり、持ち出してもいいという証明を求め、必要なら阻止してもかまわないというふうになっているわけです。そうなると、盗難予防ということで理由づけているわけでございますが、調査をするということで、中の調査をしたり、持ち出しを禁止するということで、組合活動に必要な文書やビラや物品などの閲覧を合法的にそこでやる。そしてビラや何かの搬出もそこにひっかけて禁止をすることができるというふうな条文になっているわけです。
その次には、ビラやポスター、そういうものを張るときには、あらかじめ提示して掲示の許可を受けなければならないというふうになっております。ほかの商売人がいろいろ張るのと違って、中の労働組合運動で必要なものを張るのに一々許可を得なければならない。
その次に、多数の者が陳情などの目的で庁舎内に立ち入るときには、人数、時間、場所の制限ができるし、示威運動になるおそれがあるときは立ち入りを禁止することができると書いてある。その次の条文では、それに対して必要な措置をとることができるということになっておる。この多数の人数という判断は、これは全部当局がするようなたてまえでつくっております。三人でも多数になることもあれば五人でも多数になることがある。場所も制限することができる。それを受けて、次で、そういうことについて禁止することができることを確実にするために必要な措置をとることができる。これは警察を呼んできて、そういういろいろの正しい話し合いをする人を、話し合いをしたくないから許可をしてないということで、外へほうり出すことができるというふうにしようという規定であります。
次に、十二条にはたくさんのことが書いてありまして、組合を弾圧するためにひっかけるような条文がたくさんあります。旗やのぼりや宣伝ビラやプラカードや拡声器や宣伝カーというようなものを持ってきたときには、これを外に出すことができるとか、責任者が入ってはいけないと指定した場所に入ろうとしたときには、これを退去をさせることができるとか、そういうようなことが書いてありますが、その指定の場所がどこだということは全部かってだということになる。極端に言えば、この廊下に入ってはいけないということもできるというようにできているわけであります。庁舎内で多数集合する者は外にほうり出すことができる。歌を歌ったりねり歩く者をほうり出すことができる。すわり込みした者もそうだ、そういうようなことが書いてあります。
十三条も十二条と関連があるわけでございまするが、庁舎内の秩序の維持、職員の安全の保持のため、いろいろ撤去をするとか、庁舎外に物を持ち出すというようなことを当局がかってにできることになっております。組合の物を持っておる者でも当局がどんどんかってにそれを持ち出すことができるというふうに書いているわけであります。
これは大ざっぱに申し上げたわけでございますが、こういうふうに何でもかんでも当局の判断で話をしたり、交渉をしたくないときにはそれを断わる、中に入ってきてはいけない、入ってこようとする者は警察がつかまえて外にほうり出す、組合の秘密を探ろうとするときには許可の条件に合っているかどうかということでそれをのぞくことができる、入ってくる者あるいは出ていく者は身体検査をしてビラを持っているかどうかということをいろいろなものを調べて、それでビラの中身を見る、中に入っている組合の必要はビラとかポスターとか拡声機とか、そういうものをかってに当局側の判断で外に持ち出してしまうことができるというようなことがここにうたわれているわけであります。こういうようなことは非常な間違いであると私ども考えておりますが、それについての長官の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/92
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093・田中重五
○田中(重)政府委員 いま先生のお話しの点は承知をいたしておりませんので、よく調べてみたいと思いますけれども、営林局なりあるいは営林署、これはまたほかの役所でも同様だろうと思いますが、そういう組合運動というようなこととは別個の問題として庁中取り締まりといいますか、それぞれの官署の秩序維持といいますか、そういうことでそれぞれ取りきめなり申し合わせなりやっていると思うのでございます。全然自由放任ということではないと思うのであります。そういうときに簡単にいえば、勤務中に放歌高吟するとかあるいは勤務町間中に物を販売し歩くというようなことは困りますから、そういうことはいけないとかなんとかいうことはいまに始まったことではないと思います。そういった程度のことでの取り締まりといいますか、そういう取り締まりはいわゆる庁中取り締まりとしましてあると思います。特に意識して組合を弾圧するために何らかの取り締まりをするということはないと存じております。しかしいまお説の事柄につきましては十分調べてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/93
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094・八木一男
○八木(一)委員 たくさんの条文ですから一つ一つまた機会を見て申し上げてみたいと思うのですけれども、一般的に長官としては組合の弾圧とかそういうことは考えておらないということでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/94
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095・田中重五
○田中(重)政府委員 それはお説のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/95
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096・八木一男
○八木(一)委員 これについては組合のほうの側はこの条文の大半が、半分くらいが組合弾圧を策してやったとしか考えられないというふうに理解をしているわけです。私どももその理解をします。ですからこういう問題、いままでも盗難予防とか火災予防とかの規定はあったはずです。あったのにそういうものをつくったというところに問題がある。いままでの長官なりいままでの地方の局長なりが盗難予防だとかあるいはまた火災予防だとかそういうようなことを全然考えないで業務管理をしてきたわけではないと思う。だから盗難とか火災とか、そういうものはいままでの規定でできるわけです。それを特にこういうものをつくって新しく変えたというところに、組合の弾圧をしようという意図が十分に盛られている状況があろう。長官は組合の弾圧を考えていないとはっきり言われた。出先では組合の弾圧を考えて、こういうような弾圧に都合のいいものをほかの盗難予防というようなことばを使ってやるわけです。もしそうなればいままで管理者は盗難予防については何もやっていなかったということが言えるわけです。こういうものをつくらなければ盗難が予防できないというならば、いままでの管理者は一切盗難については無責任であったということがいえるわけであります。それを新しくつくったところに組合弾圧の意図がある、そういう点を考えられて、長官としてはいままで別に——どろぼうが何十回入ったとか、そういう事故があったらそれは考えなければならない。そういう事故がないのに、そういうものにひっかけて組合弾圧となるような規定をつくることには断じてこれを直さしていただかなければならない。このような庁舎管理規則をぜひ本庁から撤回をしてもとのとおりにするように考えていただきたいと思いますが、長官の御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/96
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097・田中重五
○田中(重)政府委員 いまお説の内容につきましては十分に調査をいたしたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/97
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098・八木一男
○八木(一)委員 撤回の方向でひとつ前向きに御検討を願って、急速にこれを撤回させるというような措置をいた、だきたいと思いますが、それについての長官の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/98
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099・田中重五
○田中(重)政府委員 よくいまのお説の趣旨に基づきながら調査をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/99
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100・八木一男
○八木(一)委員 前向きに調査をなさって、それをひとつ調査だけではなしに、組合弾圧に一切ならないように、それを撤回さす方向で進めていただきたいと思います。それについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/100
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101・田中重五
○田中(重)政府委員 組合の弾圧につきましては、まあ先ほど来そういうことはすべきでないことは申し上げているわけでございます。いまお話しのその管理規則の内容につきましては十分に調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/101
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102・八木一男
○八木(一)委員 そういう趣旨で調べていただくのじゃなくて、十分に調べていただいてそれに措置をしていただきたい。それについてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/102
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103・田中重五
○田中(重)政府委員 そういういまお説のような内容で管理規則をつくっていると考えられないのでございますから、よく調べまして措置したい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/103
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104・八木一男
○八木(一)委員 その御調査の段階において、こういう労働組合弾圧のおそれの多分にある問題でございますから、労働組合と十分に団交その他で御協議になって、ひとつ調査を進めていただきたいと思います。それについてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/104
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105・田中重五
○田中(重)政府委員 調査自体につきましては庁中取り締まりという問題でもございます。その立場で十分に調査をいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/105
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106・八木一男
○八木(一)委員 その立場で調査したいというお気持ちも、管理者としての気持ちもわからないではありませんが、もっと大きな管理者としてのお気持ちになっていただきたい。というのは、労働者がほんとうに釈然とした気持ちで働ける、労働組合運動も釈然とした気持ちで管理者側との団交でいろいろな話が進められるというためには、特にこういう労働者、労働組合弾圧だと考えられている問題については、官庁側の調査だけではなしに、労働組合の意見も聞いて、こういう点があるからこういう点が弾圧になるのじゃないかという意見を聞いて、それで調査を進めていただきたいと思いますが、それについてひとつ御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/106
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107・田中重五
○田中(重)政府委員 弾圧するという意図でそういう庁内の管理規則、そういうものをつくるというふうには考えられないのでございますが、いまお話しの内容につきましては庁内の取り締まり、そういう性質のものだろうと思うのでございますが、ひとつよく調査をしてみたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/107
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108・八木一男
○八木(一)委員 組合弾圧は断じてしてはいけないという気持ちで調査を進めて措置をしたいということ、それ自体はけっこうです。それについて、この事柄が組合弾圧になるということですから特別に、ほかのこともそうですか、特にそのことについては労働組合の意見なり見解なりを聞いて、調査をされるでしょうが、それも聞いて、その問題の判断をされるべきだと考えるわけです。これは当然のことです。——いま何か変な紙が出てきましたが、長官がほんとうにいい意味での管理者として御答弁をされるときにいろいろな補助をされる。この補助をされる方々に問題がある。これからあとに問題が出てまいります。長官はそういう方々の意見に支配されないで答えていただきたいと思います。そういう点で組合弾圧ということはしない、絶対にいけないという考え方でこの問題を調査し、措置をする、そのときに組合弾圧と組合は考えているわけですから、特にその弾圧をされるおそれのある、それを心配している人たちの気持ちを聞いていかなければ、われわれはそうじゃないと育ったところで問題は片づかない。それを聞いて調査して措置をするということをなさらなければ意味がない。初めからこの規定は盗難予防というようなことに名をかりて組合弾圧をはかった規定でありますから、官庁側の調査だけではこれは意味がない。そういう点で組合の愚見なりそういうものを聞いて御判断になるようにしていただきたい。それについての長官のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/108
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109・田中重五
○田中(重)政府委員 先ほど来申し上げておるとおりでございますが、弾圧のためにそういう庁中取り締まりの規定をつくるということは考えられないわけでございますが、お話もございますので十分に調査をいたします。それからその内容についてそういう心配があるとすれば、組合側にも十分に意見を聞き、説得もする。十分に説明をするというふうにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/109
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110・八木一男
○八木(一)委員 あとの説得というのは変ですが、説明をするということはかまいません。説明をして、しかしそれはそうじゃないのだという考え方があったならば、それはすなおに聞いて検討されなければならない。一方的であってはならない。いま私が申し上げたことについてもう一回……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/110
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111・田中重五
○田中(重)政府委員 それはお説のとおりでございまして、押しつけとかそういうことでなく、虚心たんかいに話をし、話を聞くという態度で臨んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/111
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112・八木一男
○八木(一)委員 この問題についてはまた別の機会に御質問申し上げますけれども、きょうはその問題については置いておきますが、次の御質問に関連してまたもとへ戻るかもしれません。あらかじめ申し上げておきます。
先ほど長官は組合弾圧とか不当労働行為は絶対にやってはいけないし、長官が御就任後やっていないというふうな御答弁がありました。ところが長官は、この気持ちで誠意を持ってやっておられるのでありましょうけれども、長官のかなり有力な部下が、長官のその趣旨と反したことを方々でやっている事実がある。不当労働行為についてはやっておられないと言ったけれども、事実がある。そういう事実があったときにどうするかということについては、先ほど御答弁がありました。事実を申し上げますので、この問題についてはそれについての御処理を願わなければならないと思います。
昭和三十八年の十二月十四日に、熊本営林局の担当区研修の終了式の席上、熊本営林局事業部長鈴木慶治という人がおりますが、この人がこのような発言をしております。「全林野のはね上がりを押え、良識の日林労(第二組合)を育てる」「これはあいさつでない。講義として聞け」という発言をしております。
その次に同じく熊本営林局総務部長名畑高雄という人が昭和三十八年十月の管理官会議の席でこのような発言をしております。「不当労働行為をおそれていては全林野に対決できない。不当労働行為をやっても紙切れ一枚であやまれば済む。その間に分裂させろ。」ということを言っております。
この問題については、もし長官が疑問があれば証人がございますから、適当な方法で証人と対決していただいてもけっこうでありますが、こういうことをあなたの有力な部下がやっておる。それについてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/112
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113・田中重五
○田中(重)政府委員 そういう発言は聞いていないのでございますが、これもよく取り調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/113
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114・八木一男
○八木(一)委員 調べてその事実がおわかりになったらどうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/114
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115・田中重五
○田中(重)政府委員 これはそういう発言をするということもちょっと考えられないのでございますが、よく取り調べてみましてから判断をいたしたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/115
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116・八木一男
○八木(一)委員 あったらどうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/116
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117・田中重五
○田中(重)政府委員 この点はひとつよく調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/117
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118・八木一男
○八木(一)委員 すなおな質問をしておるのですから率直に御答弁願いたいと思います。こういう事実があったらどうなさいますかと言っておるわけです。長官は、調べてみますだけでは答弁にならない。あったらどうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/118
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119・田中重五
○田中(重)政府委員 その発言の内容がそのとおりだといたしますとこれは穏やかでない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/119
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120・八木一男
○八木(一)委員 長官は国家の重要な機関の長官として国の法律を当然守らなければならない。こういうことが労働組合法に違反をしておるということは明らかに御承知だと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/120
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121・田中重五
○田中(重)政府委員 不当労働行為であるかどうかの判断があるわけでありますが、それが明らかに不当労働行為であれば、いまお説の法律によってそれは措置をされるということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/121
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122・八木一男
○八木(一)委員 法律に違反をしたことを行政官がやるときに、この不当労働行為をもとに復帰させるという問題でなしに、こういう行政官がそういうようなことを指導したときには、当然行政官としての完全な責任を果たしていないし、それを汚したことになる。これは当然懲戒免職に当たると思う。長官はそうお考えになりませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/122
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123・田中重五
○田中(重)政府委員 それは不当労働行為であるかどうか、不当労働行為であるとしてもその内容がどのようなものであるか、そういうようなことの判断からそれぞれの処分は考えられなければならない、こう考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/123
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124・八木一男
○八木(一)委員 労働政務次官と労政局長はおられますね。もう一回読みますから、労働省側として御判断を願いたい。
熊本営林局の鈴木事業部長は、昭和三十八年十二月十四日に熊本営林局担当区研修の終了式の席上、次のような発言をしている。「全林野のはね上がりを押え、良識の日林労を育てる」、「これはあいさつでない、講義として聞け」、もう一件は、照本営林局総務部長名畑高雄という人が昭和三十八年十月の管理官会議で次のような発言をしております。「不当労働行為をおそれていては、全林野に対決できない。不当労働行為をやっても紙きれ一枚であやまれば済む。その間に分裂させろ」と、言っております。
これについての労働政務次官と労政局長の御見解をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/124
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125・藏内修治
○藏内政府委員 いまの八木委員がお読みになりました資料によりまして、はたして研修のどういう状況のもとに発言したのか、まだ私もちょっとのみ込めない点もございますが、そのようなことを事実発言しておるとすれば穏当を欠くと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/125
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126・八木一男
○八木(一)委員 労働政務次官は労働大臣の代理としての立場を自覚なさらなければいけないと思う。労働組合法を大切なものとして守らなければならない立場です。不当労働行為をやっても紙きれ一枚であやまれば済む、これは不当労働行為を積極的にやる意思があることは明らかです。それに対して穏当を欠く、そのようなことで労働行政ができますか。もう一回答弁をあらためてやってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/126
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127・藏内修治
○藏内政府委員 先ほど申しましたとおり、その研修会のどういう席上で申したのか私も知りたいと思いますが、研修の席上で確かに不当労働行為を犯しても差しつかえないというような発言をすれば適当ではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/127
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128・八木一男
○八木(一)委員 適当ではないでは労働政務次官としては不適格です。そのほかの点では非常にりっぱな蔵内さんも、あやまちを犯さないように答弁を、——私が申し上げますから、そのとおりにしてください。これは重大な問題で断じて許すことはできない、そういうように御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/128
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129・藏内修治
○藏内政府委員 確かにそういう発言をしておるといたしますならば、いわゆる行政官の発言としては確かに問題になろうと思います。
〔井村委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/129
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130・八木一男
○八木(一)委員 林野庁の方でもけっこうですが、私いまちょっと条文を持っておりませんので、懲戒免職はどういうときに当たるか、条文をそこにお持ちでございましたら教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/130
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131・森博
○森説明員 国家公務員法の第八十二条に「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」とございまして、「この法律又は人事院規則に違反した場合」と「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」それから「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/131
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132・八木一男
○八木(一)委員 人事院規則のほうもよく調べてみますが、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」、法治国である国の行政官が、国の法律で明らかな規定があるのに、それをじゅうりんすることを積極的にすすめる、そういうことをやってもかまわない、あとは一片の紙きれであやまれば済むというようなことは、このような条文の一番重要な点に当たると思います。からだが悪くてなまけて休んだとか、あるいは夫婦げんかをしてそのときに精神が興奮してちょっと扱いが悪かったというようなことは、人間の生活の中に間々ありがちですから、そういうことも非行の中で処分をされておりますが、まだ情状酌量の余地があるけれども、はっきりと法律に規定されてそれはいけないとなっておることを、それをすることをすすめる、自分がするだけでなくて人にすすめる、ばれても紙きれ一枚であやまれば済む、法治国家の行政官がこれだけ法律を無視する発言はないと思います。事実であれば、この懲戒規定の一番まっ先に当たる人物であろうと思います。それについて長官はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/132
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133・田中重五
○田中(重)政府委員 いまお話しの穏やかでない発言でございますが、その発言については十分に調査をして判断をいたしたい、こう考えますけれども、もしそれが明らかに不当労働行為であるというふうに判断をされた場合には、やはりその不当労働行為の程度に応じてそれなりの処分が行なわれるべきである、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/133
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134・八木一男
○八木(一)委員 不当労働行為にはいろいろなものがあります。たとえば、一般的に労働組合に不利な扱いをしたときは、そこで判定されればその人のいろいろな条件がもとに戻る。これは不出労働行為ではあるけれどもそういう問題とは違う。労働法の不当労働行為の規定を国家公務員である行政官が知っておりながら、それを破る。しかも自分が破るだけでなくて、自分の部下のいろいろな幹部に法律を破ることをすすめる。破ってばれても一片の紙きれであやまれば済む、そっちのほうが重要である。そういうことは行政官として全く資格がないだけではなしに、ほかの人たちにそういう悪いことをすすめておるのですから完全な懲戒処分だと思います。ただぼんやりして書類をなくしたとか、そんなものとは違います。極端にいえば使い込みよりももっと悪い。法律を無視することを公然と放言しておる。自分の権力を生かして下部の指導者にそれを強制しておる。最も悪い行為である。労働次官どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/134
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135・藏内修治
○藏内政府委員 そのように、自分の管理下にあります管理職の役職に対して、そのようなことを示唆したとすれば、確かにお説のとおりであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/135
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136・八木一男
○八木(一)委員 林野庁長官にお伺いいたします。
これは調査を至急にされまして処分をしていただきたいと思います。それをじんぜん応問を延ばされることは私どもとしては承服ができません。証人は明らかでございますから証拠の隠滅をなさることもできません。長官はそういうことをなさらないと思いますが、そういうことをもしまたされたならば、それはそれとしてそういうことをした者ばピンからキリまで懲戒処分にしなければならないと思いますが、それについての長官の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/136
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137・田中重五
○田中(重)政府委員 できるだけすみやかに調査をいたします。そういう事実の有無について十分調査をいたしまして、それがもしいまお話しのような不当労働行為に十分値するという内容であれば、これはお説のとおり処分をしなければならない、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/137
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138・八木一男
○八木(一)委員 これに関連して申し上げたいのですが、このように長官の部下の諸君はほかのことには熱心であるかどうか知りませんけれども、不当労働行為ということにはめちゃくちゃに熱心なんです。それから組合弾圧ということについては。ですからさっきの問題を調査されても、そういうような不当労働行為、組合弾圧を一生懸命に考えている人のつくった規定をそういう人たちにどういうふうになっているのだといって調査をしても、そういう考え方のもとにごまかして報告をするおそれが多分にある。それでさっきのことを申し上げたのです。賢明にして率直な長官でございますから、私の申し上げたことはおわかりいただけると思う。そういう観点で、先ほどの問題についても長官はほんとうに間違ったことにいかないように、正しい方向に直るように御判断を願いたい。現にこのような不当労働行為の発言があります。全林野を分裂させろとか日林労を大きくさせろということを役所の担当者が下部の担当者に指令をしている。そういう上級者の指令が非常な圧力になる。言うことを開かないと次にいい職場に転換できない、出世ができない、あるいは逆にひどい目にあわされる、いろいろとぐあいの悪い職場に移されるという懸念があって、下部のほうの管理者はそういう気持ちがなくても、やっぱり上部の管理者にそういうことを言われるとそういうことに一生懸命になる。その結果ずいぶんとそれから日林労が人為的にふえているわけです。そのような発言があったまた管理規則のあったころから、たとえば長崎の分会、直方の分会、竹田の分会、中津の分会、それから対馬の分会、八代の分会、熊本の分会、日向の分会で全林野から日林労に移っている人がございます。日林労の人は、われわれはいい方針でやっているから移ってきたというふうに言われるかもしれませんけれども、ここでこのような不当労働行為が管理者側にあったということであれば、断じてそういうことは許せない。明らかにこういう二つの事実がある。隠れたたくさんの事実がある。そういうことで組合側の分裂をはかる。当局の言うように日林労に入らなければ昇進がおそくなる、あるいは非常に苦しい職場に追いやられるというような圧力を加えているからこういうことが起こってくる。不当労働行為の発言を、方々でやっていると時期を同じくしてやったことは、こういう発言が氷山の頂点なので、ほかのところではどれくらいやられているか、どれくらい巧妙にこうかつに強力にやられているかということの証拠でなければならない。そういうことについて長官は、いま申し上げたことを率直に受け取られて、あなた方の部下が不出労働行為をやっている、その結果、林野行政のためにはほんとうの意味の労働者の声を聞いて後顧の憂いなく仕事をしてもらわなければ正しい林野行政ができないという立場と違った方向があなたの部下によって行なわれているということを強く自覚をしていただき、そういうことをする職員を断じて処分をする、しょうという職員に対して断じてそれをさせないように強力に教育をする、そういう方針でやっていかなければならない。それについての林野庁長官の御答弁を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/138
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139・田中重五
○田中(重)政府委員 不当労働行為がいけないことは申すまでもないことでございますし、また組合のいかんによって昇進したりしなかったりというようなことが許されるわけでもないわけでございます。それでそういうことがあるというふうには考えられないわけでございますが、なお十分にそういうことのないように注意をして今後進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/139
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140・八木一男
○八木(一)委員 熊本のことばかり申し上げましたから、今後は全国的にそういうようなことがあるということで長野のほうの例をちょっと申し上げたい。
昭和三十八年の九月三十日と十一月の一日に、長野営林局の守衛をしている村田貞二という人が公労委でこういう証言をいたしております。私は長野営林局管理者の命令で長野営林局第二組合をつくるためにスパイをやりましたということを証言をしております。林野庁長官これ御存じでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/140
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141・田中重五
○田中(重)政府委員 そういう内容のケースがあるということであって、その事実の有無は係争中にいまなっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/141
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142・八木一男
○八木(一)委員 いまどこで係争中でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/142
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143・田中重五
○田中(重)政府委員 公労委で係争中のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/143
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144・八木一男
○八木(一)委員 昭和三十七年の三月三日に、同じ長野営林局の野尻の営林署で、管理者が組合の事務局の隣の部屋にテープレコーダーを置いて盗聴した事件がございます。これは国会で非常な追及が行なわれまして、その後四十三国会、この前の通常国会の御答弁では管理者を懲戒処分にしたという御報告があった。このテープレコーダー以上に、今度の、人を使ってスパイをやらせたという要件ははるかに悪質な事件です。それについて前と同じようにそれを指令した管理者に対して懲戒処分をする必要があろうと思う。それについての長官の御意見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/144
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145・田中重五
○田中(重)政府委員 そういうスパイの事件があったかどうかの問題について係争中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/145
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146・八木一男
○八木(一)委員 それが明らかになったときには、懲戒処分に必ずされなければならないと思いますが、されますでしょうか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/146
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147・田中重五
○田中(重)政府委員 先ほど来お話の出ております不当労働行為であるのかどうか、そういう点について審査が行なわれておると思いますけれども、もし不当労働行為の事実が明らかだということになれば、もちろんそれはそれに応じた処分が行なわれなければならぬ、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/147
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148・八木一男
○八木(一)委員 それじゃ質問を先に進めたいと思います。
この前の通常国会の第四十三国会におきましての七月五日に、林野庁長官は、国際労働条約第八十七号等特別委員会においてこのように答弁をしておられます。管理運営事項でも労働条件とうらはらの事項は団体交渉をいたします、というふうに御答弁を、されております。その次に三月十四日参議院の社会労働委員会で、労働条件に変更を来たす場合には、十分に組合と協議をして実施するように努力しますというふうな御答弁がございました。このようなお気持ちでやってもらえるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/148
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149・田中重五
○田中(重)政府委員 労働条件の変更を来たすような事項については、これは言うまでもなく、いまお話しのとおりに協議をする必要がある、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/149
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150・八木一男
○八木(一)委員 簡単に答えられましたけれども、二つ申し上げたのです。管理運営事項でも、労働条件とうらはらの事項は団体交渉をいたします。その次に、労働条件に変更を来たす場合には、十分事前に労働組合と協議して実施するよう努力します。このとおりの気持ちであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/150
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151・田中重五
○田中(重)政府委員 そのとおりの気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/151
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152・八木一男
○八木(一)委員 そのとおりのことで団体交渉をどんどんやっていただきたいと思います。いろいろと組合のほうでも不満があるようでございますが、長官はそういうお気持ちでいらっしゃいますので、今後ともに、管理運営事項でも、労働条件とうらはらのことはどんどん団体交渉をスムーズにやっていただきたい。
その次に、労働条件に変更を来たす場合には、十分事前に労働組合と協議して実施するように努力しますということを言っておられた。いま長官から明らかな御答弁をいただいたわけでございますが、最近昭和三十八年四月十二日に林野庁のほうが協約をずいぶんたくさん破棄をしておられます。その破棄をしておられる中に、事前協議の協約がずいぶん入っております。これは林野庁長官の御方針と違うやり方をしているわけです。これは出先の連中が林野庁の長官の正しい考え方を理解せずに、こういうことをやったと思うわけでございますが、こういう問題は、事前協議協約に関しては、もとに戻していただくという必要があろうかと思います。それについての長官の御答弁へを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/152
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153・田中重五
○田中(重)政府委員 いま私が御答弁を申し上げましたような趣旨による協約は破棄はしていない、こういうふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/153
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154・八木一男
○八木(一)委員 協約は百二十六件ほど破棄をされておりましたが、その中に事前協議に関するものが十件ございます。夢前協議に関するものは事前協議をしていくという御答弁が一たんありながら、事前協議を規定した協約が十件破棄をされておる。百二十六件破棄された中で十件ほどそれがあるわけであります。百二十六件全部もとに戻されたほうがいいと思いますが、少なくとも事前協議協約に関する限りは、長官の事前協議をしていくという御趣旨に反したやり方をしているわけであります。そうではなしに、もとに戻すようにぜひしていただきたいと思います。それについての長官のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/154
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155・田中重五
○田中(重)政府委員 それは、破棄された協約の内容によると思いますけれども、いまは申し上げたような趣旨に反して破棄されておるというふうには考えられないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/155
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156・八木一男
○八木(一)委員 長官も、その協約の内容をよく御存じないようであります。私も調査不十分で、協約の内容をいまよく知っておりませんが、少なくとも事前協議に関するものを破棄したということであれば、これは長官のこういう事前協議をたくさんやっていこうという趣旨に反するわけでございますから、そういう状態があれば、これをもとに戻すということをなされなければならないと思う。これは御調査になっていただいてからでけっこうであります。事前協議条二項を破棄したものならば、これは長官の御趣旨と違うので、事前協議を進めていかなければならないと思う。それを破棄しない、もとに戻すという御答弁を、ぜひいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/156
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157・田中重五
○田中(重)政府委員 その事前協議の内容によると思いますけれども、いま申し上げましたように、労働条件のそれの変更であるとか、あるいは管理運営事項とうらはらである場合の労働条件たる部分、そういうものについてこれを協議することは言うまでもない、こう考えるわけでございます。したがっていま破棄されたものの内容はそういうものではない、こう考えるわけでございますが、よくこれも調査をいたしてまいりたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/157
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158・八木一男
○八木(一)委員 よく御調査になると同町に、組合と話し合って団交をして、この事前協議の条項が破棄されておるということをもとに戻して、これは事前協議に戻すだけでなしに、方々のところで事前協議をもっと進めるように問題を進めてもらいたいと思います。それについての長官の御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/158
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159・田中重五
○田中(重)政府委員 それはいま申し上げましたように、その破棄されたものの内容を十分に調査をいたしまして、繰り返し申し上げますが、労働条件の変更にかかわるような問題については、これは十分に団体交渉の項目になり得るものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/159
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160・八木一男
○八木(一)委員 もう一回はっきり伺っておきたいと思いますが、労働条件に大なり小なり変更を来たすものについては、事前協議をやっていかれるというふうに御答弁をひとつお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/160
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161・田中重五
○田中(重)政府委員 それが労働条件の面につきましては、十分に協議が必要だ、十分に協議をすべきだ、協議しなければならない、そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/161
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162・八木一男
○八木(一)委員 先ほどから事前協議と申し上げておるのです。事前協議をぜひしていただくというふうにひとつお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/162
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163・田中重五
○田中(重)政府委員 労働条件の変更にかかわるものについては、事前に協議をするという態度であるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/163
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164・八木一男
○八木(一)委員 前に枯殺剤の問題がありまして、それを使用して死亡者が出ております。いろいろと病人が出ておるということがございます。そういうことで、当然事前協議をやって、そういう死亡者を出したり病気になったり、障害を受ける者がない、そういうふうにやっていくことがほんとうの意味の林野庁の行政だろうと思うのです。そういう点で、長官がそういう問題について、とにかく労働条件に関係のあるものを事前協議をやっていかれるという態度は非常にりっぱだと思うのであります。長官はりっぱなのですが、労務関係のほかの高級公務員が必ずしもりっぱな人間ばかりではありませんで、長官の意思を非常に曲げることが多いのです。そういうことを長官の意思によって絶対に曲げさせないで、長官がどんどんと事前協議と団交をやるというふうにしていただきたいと思います。
その次に、長官に申し上げます。林野庁では、昨年の十二月二日に全林野の組合が二十九分の職場集会を実施したことについて、非常に大量な不当処分をしているわけです。これをぜひ取り消していただきたいと思います。それについての長官の考え方を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/164
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165・田中重五
○田中(重)政府委員 その処分につきましては、取り消すというわけには参らない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/165
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166・八木一男
○八木(一)委員 まあ、一応そう申されました。処分したからには当局はそれがいいと判断してやったのだという見地に一応は立たれているだろうと思いますが、そういうものであっても、誤ったものであったら撤回をするというような考え方でこれを処理していかれることが、林野庁の行政を担当しておられる方のほんとうの立場だろうと思うのです。それについてこれから御質問をしていきたいと思いますが、二万四千名という処分をしているわけであります。二万四千名というのは非常に大きな数でございます。二万四千という人を、そんなに大ぜいの人を処分しなければならないという前に、そういうようなことが起こったのは林野庁の行政のどういつだことが悪かったから起こったかということを林野庁の長官自体は反省されなければならない。それも不当なことが大部分であります。かりに一人や二人の処分をしなければならない場合もあるでしょう。しかし二万四千という大ぜいの人を処分しなければならないその背景、その人たちがそういう当局が処分するかもしれないような職場大会をしなければならなかったというような背景を、ほんとうに真剣に考えられなければならない。それについてはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/166
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167・田中重五
○田中(重)政府委員 処分をする場合には、十分に各般にわたる面から判断をしなければならない。処分をする以上は、正しい処分でなければならない。それから、もしいまお説のように誤りがあるとすれば、これは改めるのにはばかるべきでない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/167
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168・八木一男
○八木(一)委員 二万四千名というような大ぜいの人——普通の家庭にあっては善良な市民である。したがって何も間違いをしていない人が、そういうような職場大会を開かなければならなかった、そういうような背景をどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/168
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169・田中重五
○田中(重)政府委員 職場大会につきましては、管理者の立場といたしましていろいろ判断をするわけでございます。やはり許可できない場合、そういう判断に立ったのに違反してそれが持たれる、そういうような場合に、やむを得ず職場の秩序の維持という面から反省を求める意味で処分を行なわなければならなかったという場合はあると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/169
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170・八木一男
○八木(一)委員 いままでそのくらいの職場集会がたくさんあったのに、こういうようなことはなかった。今回に限ってそのような過酷な大量の処分をされた。これはどういう判断のもとにされたか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/170
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171・田中重五
○田中(重)政府委員 特に過酷という考え方ではございません。考え方としてはいままでと変わりはないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/171
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172・八木一男
○八木(一)委員 いままでにそのような大量処分をされた例がありますか。二万四千名という例があったら聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/172
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173・田中重五
○田中(重)政府委員 一応処分ということでございますけれども、その大部分につきましては口頭によるところの厳重注意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/173
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174・八木一男
○八木(一)委員 いままで二千四百名も大量処分された例がありますか。それを伺っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/174
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175・田中重五
○田中(重)政府委員 いままでにそういう大量の処分はございません。今度のは大量ではございますけれども、いま申し上げましたように、口頭による厳重注意が非常に多いということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/175
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176・八木一男
○八木(一)委員 いままでになくて、今度特にやられた。このときは、田中さん長官ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/176
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177・田中重五
○田中(重)政府委員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/177
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178・八木一男
○八木(一)委員 田中さんは前の長官よりもよほど処分が好きな性質であるのか、それともほかに変わった理由が−あるのか、それをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/178
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179・田中重五
○田中(重)政府委員 いままでの考え方と変化はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/179
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180・八木一男
○八木(一)委員 いままでの考え方と変化がないのに、いままではこのような大量処分はなかった、今度はあったというのは、その労働組合運動の目的について、林野庁が非常に痛いところをつかれた、隠しておきたいこと、何とかそのままにしておきたいことをつかれたというところから出ているのじゃないですか。自分のほうでしなければならないことをなお、ざりにしている、そこをつかれたから、どんどんその運動が激しくなると困るということからそれをやられたのとは違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/180
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181・田中重五
○田中(重)政府委員 そういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/181
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182・八木一男
○八木(一)委員 それでは、いままではそういう大量の処分がなかったのに、なぜこんなに大量処分をされたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/182
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183・田中重五
○田中(重)政府委員 いまも繰り返し申し上げましたように、処分の考え方としては変化はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/183
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184・八木一男
○八木(一)委員 何回も申し上げておると押し問答になりますが、今度の職場大会というのは、差別待遇についての撤廃運動として行なわれた。林野庁の職員は非常に大きな差がある。職種の差がある。待遇の差がある。賃金で、休暇で、宿舎で、あるいはまたいろいろな手当の問題で、ありとあらゆる面で猛烈な差がある。猛烈に低賃金で、猛烈に悪い労働条件で、激しい、危険な労働をされている。これはいけないことでございますけれども、昔からあまりにもひどい状況で、それが改善されていない。さらに、民間のほうは上がっているのに、賃金がこれにつれて上がらないというような条件がある。これでは一生涯うだつが上がらない。何とか人並みの労働者の待遇をしてくれという運動が始まってこの大会になった。林野庁はいままで十万人近くの人をむちゃくちゃの低賃金で、生活保護をちょっと上回るような低賃金で働かしている。それで、山の中で、うっかりすれば木の幹に押しつぶされて死んでしまう、毎日毎日くたびれる、家族とも会えない、そこには文化的な施設が一つもない、親戚とつき合いする時間もない、それでいて幾ら働いても日給制から月給制にはならない、うだつが上がらない、そういうことでは困るから、何とかこれを直してほしいという熱望を持っているのに、林野庁みずからがそれをちっとも積極的に直そうとしない。そういうところから、やむにやまれずしてこういう要求が大きく起こった。ところが、いままでは林野庁はそういうことについても当然具体的な配慮をされて、そういう大量処分をしなかったけれども、自分たちが一番痛いところを、一番なおざりにしているところをつかれる運動が始まったから、これは初めから押えておかなければ、自分たちの怠慢が暴露される、そういうことをおそれてこれをやったとしか判断ができません。二万四千名というような職員を処分をするというのは大きな問題であります。そういう処分をしなければならないならば、これは長官以下全部の幹部がまずみずからの非を認めて、処分と同時に辞職をするということでなければできない。一万人に一人くらいは処分に値するような人たちがどこかで出てくるでしょうけれども、二万四千人の非常に純真な、一生懸命林野の仕事をした人も処分をしなければならない。これは非常に重大な問題であります。そのような処分をもしされるとするならば、長官からあらゆる幹部から、みずからの運命を賭して辞職をすると同時に、それをやるというような気がまえでなければならない。なぜそういうような行動が起こったか。長年の差別賃金、差別待遇から起こっている。それを受けて立って、それを処分などせずして、職を賭してもそれを解決するということを積極的にやられるのが長官の立場である。そのような職場大会がなくても、団交で積極的に、差別的な待遇を直すためにどのようにしてやっていこうか、組合とともにこれを解決しようではないか、解決ができなければ、解決をさせない要件である国の政治の悪い点を世の中に訴えて、私は職を賭してもやり抜くというような覚悟でそれをやっていかなければならないと思う。そういうことをなおざりにして、ささやかな大会の当然な要求に対して、二万四千名の、皆さんのもとで働いておるそういう人たちを処分しててん然としておられる。その前にはそういう大量処分をしたことはない、方針は何も変わっていないと言われるけれども、そのような林野庁のいままでの一番悪い点を明らかにされることをおそれて、それを事前に防ごうとしてそのような大量処分をされたとしか判断ができないわけです。そのようなあやまちを、いまからでもおそくはありませんから、改められて処分を撤回し、このような差別的な待遇を画すために、林野庁の長官がこのためにまっしぐらに進んでいかれる。またこのために全林野の労働組合と団交を重ねて、この問題を着実に実現をしていかれるというような態度で改められなければならないと思うのです。それについても長官の率直な、ほんとうに良心的な御答弁を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/184
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185・田中重五
○田中(重)政府委員 職員の指導法につきましては、常にあやまちのないように反省をしなければなりませんし、またそのためにはみずからの姿勢を正してまいらなければならない、こういうふうに考えて、常に慎重かつ反俗を加えながら慎まなければならぬ、こういうふうに考えております。また、職員の処遇につきましては、常にそれが改善されますように、少しでもこのために処遇がよくなるように努力をしなければならぬ。またそういう要求についての労働組合との団体交渉については、これは率直にそれを受けて、この問題について論議をしなければならない。そうすることによって労使の関係をさらに円満かつ改善をはかっていくように努力するということが私の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/185
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186・八木一男
○八木(一)委員 林野庁の中には、定員内の職員と常勤職員と常勤処遇職員という月給制の職員がおられますが、そのほかに常用作業員といって一年ごとに雇用されるものと、定期作業員といって六ヵ月以上十カ月程度雇用されるものと、臨時月雇い作業員、臨時日雇い作業員、こういう七段階に分かれておるわけであります。最初の三段階を除いては日給制であります。そこで、この人たちの給与の問題でございますが、大体日給制の職員の平均べースが一万八千円、そのうち半分以下は一万五千円というような給与であります。それについては長官、十分御承知だろうと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/186
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187・田中重五
○田中(重)政府委員 定員外作業員の給与について、いまの雇用、区分別の段階は承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/187
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188・八木一男
○八木(一)委員 この半分くらいが一万五千円以下、ことしの生活保護法の基準と大体似たようなものです。生活保護というのは、これはいろいろな点で働けない状態にあって食べられない状態にある人が国家扶助を受けておる金額です。こちらのほうは国の林野庁行政に協力をしておられる。朝早く起きて木を切りに行かれる、非常にあぶないところで重いものを動かす作業をしておられる、あるいは造林に励んでおられる、あるいはその搬出に励んでおられる、すべて非常な重労働であります。私どもは奈良県でいろいろ山林を見たことがございますが、私どものような者であったら、半日働いたならばへばって働けない。長官でも、長官のお年であればそれは半日働いたら、あと腰が痛くて働けない。そういうようなことを朝から晩まで国家のために働いておられる。そういう人が、不幸な事情があろうとも、働けないで国から扶助を受けられる生活保護と同じような給料、そういうものであっていいものであるかどうか、林野庁長官の御者心見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/188
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189・田中重五
○田中(重)政府委員 生活保健を受けておる者と同じような給与かどうか、これはまた問題は別だと思いますが、それでいまも申し上げましたように、雇用区分別の日給制職員の賃金は、これはそれぞれ日給として支給をしておるわけでございます。その場合に定員外作業員の賃金は、これは労働協約に基づいて、それぞれの地場賃金の関連を持ちながら、それぞれ改善をすべき面は改善をしていくということになっているわけでございます。それでその額の是正につきましては、私どもとしてはでき得る限りの改善をはかっていきたいという考え方は十分ございます。一方、またそれが他の同一職種あるいはその他類似の職種との均衡もございましょうし、それぞれの地域別の格差もございましょうし、そういうものを判断しながら考えてまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/189
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190・八木一男
○八木(一)委員 ほかの民有林の同種の職業の人から比べると、そちらのほうが七〇%くらい、民間のほうが平均して二、三〇%は高い。そういうような状況でありますから、非常に低いことは明らかであります。それからもう一つは、その中の差でありますが、同じような仕事をしながら結局日給の人とそうでない人は一日に百四十円ほど違う。月に三千四百円ほど違う。そのように差がある。それからまた家族の扶養手当では、月給制の人と日給制の人と比べると半分だ。寒冷地手当は、日給制の人は全然ない。それから薪炭手当、石炭手当も半分以下だ、はるかに少ない。宿舎も男子しか入れない。それから片一方の人は、国家公務員の共済組合に入っておられるけれども、日給制の人はその適用がない。それから退職金が非常に複雑な制度になっていて、ちょいちょい切れますので、埋没してしまって、二十年、三十年働いても実際には退職金が一文もない。家族と離れて山の中に暮らさなければならない、毎日危険にさらされる、そういうような状況であります。そういう状況で非常に賃金が低くて、もう希望がない、労働が激しくてしんどくてたまらないということがあります。そのほかに同じようなところで働いておって、同じような仕事をしながら、片一方は、給与の点でも休暇の点でも手当の点でも宿命の点でも、また社会保障の点でもはるかに少ない。同じ仕事をしておるのに、なぜこんなに差があるのか、あんまりひどいじゃないかという機運が猛然と出てくるのはあたりまえです。長年それを解決しなかった林野庁のほうに責任があるのであって、あんまり長いこと何もしてくれないから、それを直してもらう運動を始めるのは当然のことであります。その当然な要求をした職場大会に対して、実に驚くなかれ二万四千名の処分をする。そこに林野庁の行政の非常な反動性があります。あなたが通達を出されて、長い間ひどい労働条件で働かして懸かった、それを直してやるということを言うのがあたりまえであります。そういうことを一つも言わないで、一挙に二万四千くらいの処分をして、てん然としておられる。きょうでもほんとうに気があれば、最初に御質問申し上げたときに、そういう状況があります、そういう状況は断じて直すためにがんばります、直すことを、進めます、約束をします、そういうととを言っていただけば、まだ田中さんのほんとうの誠意があると考えられるわけでございますが、こう言ってからしかこういう問題は出ない。そういうところに田中さん初め、林野庁の幹部の人が大ぜいの人を犠牲にして平気でいる態度があるわけであります。林野庁の方々が長年そこで働いておる日給制の人を押えつけて、その人権をじゅうりんして、希望を失わせ、大量処分で対抗した、こういうことになろうと思います。そういう点を考えて、もとへ正される意味において、こういうような処分を撤回をされて、差別的待遇は断じて直す。それとともに、林野庁の全体の職員の待遇の悪いのをどんどん直していくという積極的な態度になられるのが林野庁の長官のおとりになるべき態度だろうと思います。一回処分の者を出した、だからそれを撤回するのはかっこうが悪い、恥ずかしいというお考えを抜きにしていただきたいと思います。処分をした者の処分を撤回する、これはりっぱな行為であります。ほんとうに勇気のある、ほんとうに林野行政を考え、ほんとうに林野の労働者のことを考えている人でなければできない。田中さんがほんとうに林野行政、そして林野の労働者のことを考えられるならば、誤った処分を撤回する、そういう勇気をぜひ出していただきたいと思います。
さらにまたこれを一般的に、もしわからず屋のほかの関係の人が何か言ったならば、それを断じてはね返す理由があります。ILOでは三十五年に決議をして勧告をしております。このILOの八十七号条約の状態がまだまだの問に、刑事処分とか、それから懲戒、労働問題に関してそういうことをしてはならないということを、ILOから勧告をしておるわけであります。国際的に勧告をされているわけであります。そこで処分を撤回して、積極的に林野の差別賃金、差別待遇をなくする、全体の労働条件をよくするという意思のもとに、いままで誤ったことに対する、そういう声の結集であったからこれは当然だ、それを処分すべきものではない、しかも前にはそういうものを処分していないから、処分を撤回するという決心を固められて、もしどこかのわからず屋がおかしいじゃないかと言ったら、その迷夢をさますために、いままでの経過を話せばいい。国際的に、ILOからそのような刑事罰なりあるいは行政的な懲罰なり処分などは、そのような労働運動に対してはしてはならないという勧告が出ている。国際的な見地からしても、一回誤ったものはそれを撤回するのが正しい道だ、それを勇気を持ってやるのだということを説得していただいて、直ちにこの処分を撤回していただくことをぜひお願いをいたしたいと思います。それについて長官の御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/190
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191・田中重五
○田中(重)政府委員 おことばではございますけれども、処分を撤回するということはできません。職員の処遇につきましては、先ほども申し上げたわけでございますけれども、常にその改善につきましては、定員の内外を問わず、極力できる限りの努力をしてまいりたい、できる限り改善を進めてまいりたい、そういう考え方で推進をいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/191
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192・八木一男
○八木(一)委員 処分を撤回することはできませんという御答弁をなさいました。普通の官庁ではそれが普通だろうと思う。処分を撤回することはできない、普通ですけれども、それがいけないわけです。間違ったもの、あるいは形式的に間違ったと言い切れないでも、具体的に妥当でないと考えたものはこれを改める。そういう考え方を持たれることが一番正しい管理者としての考え方ではないかと思うのです。これから待遇を改善なさるとしても、この十何年間、そのような悪い労働条件でこき使った皆さん方の責任はどうされる。そういうことからこういうことが起こってきた。御自分のほうの責任はたなに上げて、処分をしたものは撤回できないということは筋が通りません。いままでほんとうに悪い条件で働かして健康をそこなっております。何十万人と健康をそこなって、その人が二年、三年と寿命を縮めていった。それを換算すれば何百人が死んだことになる。そういう劣悪な労働条件で、希望を与えずにこき使った。先の希望を積極的に示していない。それを示してもらうための運動を起こす。そうなれば受けて立って明るい道を示すことだけにとどめておくべきです。正しい要望を出した、そのことの運動をしたということで処分をすることは不当です。しかもいままでは形式的にそういうことをやっておられる。一番大切な、一番せっぱ詰まったことを言ったときに処分をする。そういうことは、そういうせっぱ詰まった問題を解決してやらないで、差別賃金で、低賃金でまだまだやっていくんだという気持ちのあらわれとしか思えない。ILO条約はそういうことはしてはいけないといっておる。国際的な労働の常識であります。それに反したことをあなた方はやっておる。形式だけとられるならばその形式をもって撤回しなさい。質をとられるならば、これから直してもいままで抑圧をして、そのような貧困な生活で危険な状態でこき使った二とは悪いことでありますから、そういう要望が起こった運動については、処分などは断固としてすべきでない。そういう意味で処分を撤回なさる必要があろうと思う。そういう点でひとつお考えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/192
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193・田中重五
○田中(重)政府委員 繰り返して申し上げますけれども、処分を撤回するという意思はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/193
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194・八木一男
○八木(一)委員 もう一回でも二回でも三回でも続けて申し上げますが、国際労働機関の勧告を無視するお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/194
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195・田中重五
○田中(重)政府委員 この処分は、国家公務員法に基づいてやっておるのでありまして、そういう勧告を無視するということとは、別の問題であると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/195
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196・八木一男
○八木(一)委員 国際労働機関では現在の日本の公務員の労働者をしばっている諸法規が国家公務員法、それもILO条約の今度批准をされようとする精神にたがっている。だからこの問題の解決するまでは、そういう問題について、それに逢っている法律に基づいた刑事罰なり行政的な処罰はしないようにという勧告をしているわけです。ですから国家公務員法の規定によって何とかかんとか言われても、それは国際的には通らないのです。ですから形式をたっとばれるならば、そのように国際的な勧告があるの、だから、これは控えようという形式をとられたらよろしい。実質的に守られるならば、いままで長いこと苦労を、かけた。それは取り返しがつかないが、そのわれわれのいろいろな管理条件の悪さのためにこの声が起こった。それは当然のことではないか。今後は、われわれはよくしていくからこういうような規則については従ってもらわなければならないけれども、こういうものを悪い条件から——われわれが失敗をした、悪いことを重ねていたためにそういうことが起こったのだから、それは具体的に目をつぶろうじゃないか——前につぶった例がある。そういうふうに考えていかれるのが至当であろうと思いますが、それについては、林野庁長官、この場で御答弁にならなくてもけっこうでございますから、そういう趣旨でじっくりとお考えをいただきまして、別な機会にお答えをいただきたいと思います。また私にお答えを下さらなくても、事実をもって処分を撤回していただけば、私は別に伺わなくてもけっこうでございます。そういう意味でぜひお考えをいただきたいと思うわけでございます。
同僚委員が来られましたから、まだまだ質問を申し上げたいことがあるわけでございますが、これでやめておきたいと思いますが、長官、きょう御答弁になりましたことをそのとおり忠実に御実行下さいまして、また前向きに御考慮を願いましたことは、私の申し上げた線のほうに向うようにぜひしていただきたい。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/196
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197・田口長治郎
○田口委員長 吉村吉雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/197
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198・吉村吉雄
○吉村委員 林野庁長官にお尋ねしますけれども、林野庁職員の労使関係については、一般的にどの法律で運営され、規制されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/198
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199・田中重五
○田中(重)政府委員 一般的には公共企業体等労働関係法でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/199
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200・吉村吉雄
○吉村委員 時間がだいぶ超過いたしておりますから、協力する意味であまり前置きを申し上げませんけれども、林野庁の労使関係の中で種々の労働協約があるだろうと思うのですけれども、非組合員の範囲についてはどういうとりきめをしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/200
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201・森博
○森説明員 非組合員の範囲は公労法第四条に規定がございまして、その範囲につきましては、公労委の告示によって定められております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/201
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202・吉村吉雄
○吉村委員 それは公労法にそのように定められております。そのとおりですが、それを具体的にやる場合に、林野庁の労使関係の中でとりきめか何かありますかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/202
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203・森博
○森説明員 告示の範囲につきましては、労使一致したものについて定めるということにいたしておりますが、新しく林野庁の管理職の告示の改正等を行ないます場合におきましては、これは組合と話し合いをするということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/203
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204・吉村吉雄
○吉村委員 その話し合いというのは、当然合意に基づくものというふうに解釈してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/204
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205・森博
○森説明員 これの解釈、その話し合いということは、もちろん十分に意見を交換しなければならないと思いますけれども、その範囲、その意見が対立いたしました場合に、これはあくまで意見が一致するまでは何らの処置もとらないということでなければならないとは考えておりませんので、この公労委の告示によってきめられるものでございますから、公労委の適当な判断、別に第三者の判断があるわけであります。そういう話し合いでつきません場合におきましても、公労委の第三者の判断を仰ぐということが措置としてあり得る、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/205
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206・吉村吉雄
○吉村委員 その非組合員の範囲をきめる場合に、労使間において話し合いをするという取りきめがあるということでございますが、それは正式にはどういう名称の取りきめになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/206
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207・森博
○森説明員 ちょっと先ほどことばが不正確でございましたので訂正いたしますが、告示改正ということでございませんので、新しい管理職のポストを設ける場合には話し合いをするということになっておりまして、これは全林野労働組合と林野庁と三十三年の十月十五日に、労働組合を結成し、またはこれに加入することができない者に該当する官職を新設する場合には林野庁は全林野労働組合と事前に話し合いをするという確認事項がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/207
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208・吉村吉雄
○吉村委員 といたしますと、いまの確認事項によって三十三年十月十五日以降は運営されておった、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/208
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209・森博
○森説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/209
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210・吉村吉雄
○吉村委員 次にお尋ねしたいのですけれども、林野庁の各営林署の中に課長補佐という制度ができたのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/210
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211・森博
○森説明員 これは三十五年に営林局に課長補佐という制度ができたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/211
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212・吉村吉雄
○吉村委員 このごろになりまして、この課長補佐について非組合員の範囲の中に入れたいというようなことで労働組合のほうに申し入れか何かしておる、あるいはその協議をしておる、こういう事実がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/212
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213・森博
○森説明員 先月の二十一日に当方から組合に対しまして、こういう課長補佐を管理職にする申請をいたしたい、つきましては組合と事前に話し合いをしたいということで話し合いをいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/213
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214・吉村吉雄
○吉村委員 課長補佐の制度が設けられたのは三十五年、ところが三十九年の二月になってからこれを非組合員の範囲に入れたいということを組合のほうに申し入れをしたという理由は一体何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/214
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215・森博
○森説明員 本庁では課長補佐をつくっておりましたのですが、営林局では、先ほど申しましたように三十五年から課長補佐というポストをつくっていたわけでございます。これの運用が営林局でもってどういうふうにされますか、一応考え方は持っていたわけでございますが、それが管理職のポストにふさわしい実態になるかどうかということについてはそのころまだ確信がなかったわけでございまして、その後最近におきまして営林局の課長補佐の実態というものは管理職にするのが適当である、すべきものではないかという判断に立ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/215
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216・吉村吉雄
○吉村委員 長官、お尋ねしますけれども、一つの職制を新設するという場合に、その職制がどういう職務内容を分担するかというようなことを当然考えた上で、その必要があって新設をされるものだと思うのです。ところがいまの答弁からいたしますと、三十五年から三十九年までの間約足かけ四年にわたって運営をした結果というお話でございますけれども、そういうように一つの職制、ポストを設ける場合に、その職務内容等について十分検討しないままに新設をされておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/216
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217・田中重五
○田中(重)政府委員 課長補佐の制度は、それぞれ課長を文字どおり補佐し、課長の所掌する課内の事務、管理運営に参画するということでございますから、これはその制度が置かれた当時におきましてその職務内容というものは当然明らかであるはずでございますし、またそういう職務内容の制度が必要であると認めて置かれた、こういうふうに考えてしかるべきだ、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/217
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218・吉村吉雄
○吉村委員 長官、先ほどの答弁とだいぶ食い違っておるということになるでしょう。一つの職制、ポストを設ける場合には、当然その職務内容等について検討した上で設けたものでございますという長官の答弁ですけれども、先ほどの答弁によりますと、実際に運営をしてみて、ことしになってからそれの職務の内容上これは非組合員の範囲に入れるほうが妥当だというふうに考えました、したがって組合のほうに申し入れましたということでございますので、当初からの業務の内容と三十九年度申し入れをしたときの業務の内容というものは何か異なったものがなければ、これは非組合員の範囲に入れるということを何も組合のほうに申し入れる必要はないわけです。ですから、長官のいまの答弁と先ほどの答弁というのは非常に食い違っているように思うのですけれども、食い違いはないですか、長官の回答を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/218
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219・田中重五
○田中(重)政府委員 これは食い違いはないというふうに考えるわけでございます。課長補佐の職務内容はいま申し上げたとおりでございまして、課長を補佐し課の運営に参画をするということでございまして、設置の当初にその必要性を認めたわけでございます。そういう考え方であることには間違いないわけでございますが、食い違ってはいないと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/219
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220・吉村吉雄
○吉村委員 長官、この非組合員の範囲というものをどうするかということについては、御承知のようにILO八十七号等の関係もあって、国内、国際的に非常にむずかしい問題になっているということは御承知のとおりだろうと思うのです。私がいま問題にいたしまするのは、一つのポストをつくる場合に、その職務内容というものは明確にわかって、必要があってつくられたものである。だといたしまするならば、非組合員の範囲の中に属するような職務内容というものは、当然昭和三十五年度新設をする際にわかっていたはずだ、こう申し上げなければならないと思うのですよ。それがきちっときまっていたものが四年間も放置をされておって、新たにそれが本年になってこれこれの者は非組合員にしたいというのは、当初考えていたものとその後の状況が変わったという何らかの条件の変化がなければ、そういうことを林野庁としてはやる必要はないではないですかということをお尋ねをしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/220
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221・田中重五
○田中(重)政府委員 その点につきましては、課長補佐の制度は必要だと認められてその職が置かれたわけでございますが、一方その職に充てられる職員につきましては、人のやりくりの関係上他の職にある者の兼務であるとか、必ずしも専任でそのポストが占められるということはなかったわけでございます。それでそういう状態が漸次その後人の配置によって埋められてま
いっておるわけでございますが、そういうようないまの段階で、いま職員部長が申し上げましたような課長補佐というものの本来の機能といいますか、そういうものからいって、非組合員としての指定を考えることが妥当ではなかろうかという考え方になってきた、そういう沿革的なものがあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/221
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222・吉村吉雄
○吉村委員 もう少し率直に答弁をされたほうがいいと思うのです。そういう苦しい言いわけみたいな、わかったようなわからないようなことを言っても、本質的な問題は私は解決されないと思うのです。私の申し上げておるのは、制度というものをつくるという場合には、その制度の必要性があってつくられるものでなくてはならない、ポストをつくるという場合には、そのポスト、その職制が行なうべき仕事の範囲、業務範囲というものが明確にされて、その必要があって設置をされるはずである。だとするならば、三十五年の際に課長補佐制度というものを設けた、それが非組合員の範囲に属するようなかりに監督の仕事をするということであるならば、当然にそのときに問題になっていなければならないはずのものである。ところが三十九年、本年になってそれが問題になってくるのは、それは何か意図的なものがあるようにも考えられるでしょうし、あるいはまた業務の内容というものが変わったからこうなったのだというような、条件の変化がなくては、納得でき得ないということになるのではないですかということを私はお尋ねしているのです。ところがおたくのほうではそれは同じでございますということだけでは、何も四年間の日時を費やす必要はないわけでしょう。またそういうような仕事の内容というものが明確にわからないままにポストというものを新設しているとするならば、それ自体林野庁の業務のあり方として非常に重要な問題だというふうにいわなければならぬと思うのです。そういわれてもやむを得ないだろうと思うのです。ですから、もう少し率直にその点については答弁をしていただきたいのです。四年間、どうしてこういうふうに放置しておいたのか、ここをひとつ明らかにしてもらいたいということを言っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/222
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223・田中重五
○田中(重)政府委員 その点についてはいまお話しのとおりに、その職が置かれるときには、この内容があり、その必要性があって置かれてきたわけでございます。課長補佐というものの立場からいいましても、それが非組合員として考えられ、たとえばいまの人事に参画するというような場合もございましょうし、課長の補佐ということは課長の代理でもございますし、そういう職からいいましても、非組合員というような立場でその職に当たることが妥当ではないかという考え方はあったと思います。そういうことでその当時にそういう指定がなされておったならばいまのような御質問もないわけでございますけれども、その後いろいろ検討の結果、いま問題になりましたような指定をしたいという結論に到達をして組合側に話をしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/223
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224・吉村吉雄
○吉村委員 課長補佐を非組合員にしなければ業務の運営上まずいということが四年間かかってわかった、こういうふうになるだろうと思うのです。それで課長補佐の職務内容自体についてはいままでの答弁によりますと、変わりはない、課長の代理をするのだということは当初からわかっておったことですから、四年後の今日になって非組合員にしなければどうしても業務の運営上困るという具体的な理由は一体何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/224
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225・森博
○森説明員 課長補佐の制度をつくりましたときにおきましては、人員の関係上係長の併任という形にいたしておったわけでございます。それは住宅事情その他もございまして一ぺんに充足することもできませんし、非常に空席も多かったわけでございます。最近におきまして定員内の職員も非常にふえましたし、したがって仕事も非常にふえてきているわけでございます。そういう独任制の課長補佐に推移してまいったという事情があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/225
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226・吉村吉雄
○吉村委員 どうも課長補佐を本年になって非組合員の範囲に入れなければならないというふうに林野庁が考えたという、その条件の変化というものについてはいまの答弁では納得しがたいのですけれども、そこで次にお尋ねをしたいのは組合のほうに課長補佐を非組合員にしたいということを申し入れをした、話し合いをしておるということでございますけれども、これは何回くらい話し合いをなされておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/226
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227・森博
○森説明員 組合と当局と話しました回数は五回でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/227
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228・吉村吉雄
○吉村委員 先月のことですからいままでの間に五回も話し合いをしておるのでしょうけれども、話は大体具体的にどういうふうに進んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/228
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229・森博
○森説明員 当局の主張に対しまして組合側といたしましてはこれに反対であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/229
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230・吉村吉雄
○吉村委員 いままで労使間の非組合員の範囲の確認事項について話し合いを行なった結果、非組合員の範囲を拡大したという事例はあるのですか。——だいぶ委員会のほうは時間を急いでおるのですけれども、答弁のほうがこう応問がかかったのでは、幾ら時間がかかってもしようがないし、こういった問題は担当の部長が来ておればすぐに答えが出るというのが本来の姿だろうと思うのです。特に労使関係、労務管理の問題についてはもっと真剣な気持ちで取り扱っておれば、しかもきょうこういった問題について社会労働委員会で林野庁の労使関係についての質問があるということもわかっておったはずなんですから、それは直ちに答弁ができ得るようなそういう整理がなされていてしかるべきだと私は思うのです。ところがそういうことがどうもなされていない。ここ三、四回の答弁を見てみますと、そういうところに、——実は先ほど来小林先生なり八木先生なりが指摘をいたしましたけれども、数多くの不当労働行為と目されるような労務管理のあり方、あるいは管理者として不適当だと思われるような事柄を平然として行なっておる、そういう林野庁の職員全般、管理者全般にわたるところの、業務に対して労使の問題というものに不熱心な態度、そういうことが原因をしておるように考えられてしょうがないのです。ですからひとつ労使の問題というのをもっと重要視をする、そういう心がまえで臨んでもらうようにいま特に私は答弁の途中ですけれども、要望しておきたいと思うのです。先ほど来の長官の答弁を見てもしかりです。一体課長補佐というものを非組合員に今日の段階になってしなければならないというその理由についてのあなたの答弁というものは、とうてい納得でき得るような答弁をしていない、こういうふうになってきていると思います。ですから十分そういう点については真剣に考えていくようにお願いをしたいと思うのです。
そこで先ほどの問題ですけれども、こういう覚え書きなりあるいは確認事項なりというものがあるということは、当然その確認事項に従って、そして協議が続けられた上でお互いの合意というものを求めるような立場に立ってそのことを処理する、こういうことでなくてはならないと思うのです。私は従来はこの非組合員の範囲の確認事項の扱い等についても労使双方が合意に達した上で公共企業体等労働委員会のほうに申請をし、その告示を待って、そうして効力を発生する、こういう手続がなされているはずだ、このように考えて質問をしたのですけれども、それに対する答弁はないのです。答弁はございませんけれども、本来の意味で言うならば、やはり労使というものが合意に達した上でやっていくということは当然のことではないかというふうに思いますけれども、長官、この点は一体どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/230
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231・田中重五
○田中(重)政府委員 その点は合意に達して行なわれるべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/231
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232・吉村吉雄
○吉村委員 いまの長官の答弁は、ようやく労使関係のあり方について長官が責任者としての明言をされましたので、私はその長官の言明に期待をいたしていきたいと思います。ですからあまり前言をひるがえすことのないようによく注意していただきたいと思います。
それで労政局長、ちょっとお尋ねをいたしますけれども、非組合員の範囲につきましては公共企業体等労働関係法で言うところの管理監督の地位につく者、すなわち非組合員の範囲と労働組合法でいうところの使用者の利益を代表する者の範囲というものについては、必ずしも同一視されてはいない。どちらかと言いますと、組合法の非組合員の範囲というものは、その範囲が狭いもっと厳格な意味での使用者の代理としての機密の事項を取り扱う者、こういうような理解が一般的だろうと思うのです。その点について、すでにILO八十七号の批准の案件とともに公労法の改正の中でも、いままでの公労法の四条一項ただし書きに対して、今後は組合法に基づいての考え方で非組合員というものをきめていこうということが盛られているのは、そのことを意味しているのではないかというふうにい思ますけれども、そういう考え方に立って間違いないという解釈ですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/232
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233・田中重五
○田中(重)政府委員 先ほど私の御答弁申し上げた内容を訂正いたしたいと思います。非組合員をきめる場合には、労使で話し合うことは言うまでもなく必要でございますけれども、なおこの問題については公労委に申請をいたしまして、そしてそれが告示によって明らかになる、第三者機関の判断を待つということでございます。そのように御了解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/233
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234・吉村吉雄
○吉村委員 労政局長に質問したのですけれども、長官のほうで、質問をしないことに対して答弁をしていますから、だから私は初めに申し上げたんです。この委員会の始まった冒頭にも、この前の私の答弁ははなはだ間違いがありまして申しわけございませんでしたという陳謝を長官はみずからなされたわけです。いまの話を聞いてみますと、いま言ったことに対してまた問違いでしたという趣旨の発言をしておる。これでは私は質問をしてみたところでこれは意味がないと思うのですよ。年がら年じゅう訂正をするようなそういう答弁をしておるような人に幾ら質問をしてみたところで、これは始まらぬと思うのですが、委員長、こういうのはどうすればいいですか、こういう場合は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/234
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235・田口長治郎
○田口委員長 あなた方のほうはどうも勉強が足らないようで、それではほんとうに困るわけなんですが、少しよく突っ込んで勉強してこられて、適当な機会にまた答弁するというような、そういう段取りにしましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/235
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236・田中重五
○田中(重)政府委員 いまの非組合員の規定につきまして先ほど御答弁を申し上げたわけでございますが、第三者機関の判定に待つという点を申し上げなかったのは先生の御理解を妨げたことになりまして、まことに申しわけないと思っております。その点は十分おわびを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/236
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237・吉村吉雄
○吉村委員 どうも困るね。私のいままで質問をしてきましたことは、林野庁と全林野という労使関係の中ではいろいろの協約がありますという答弁をしていますから、非組合員の範囲の問題については、こういう協約、協定がございますかと言いましたところが、三十三年の十月十五日とかに確認事項というものがございますという話だったんです。ですから、私は労使の慣行上から見ましても、その確認事項に基づいて労使の合意というものに到達する、その上で初めて非組合員の範囲ということについては林野庁のほうから公共企業体労働委員会のほうに申請して、そして告示をして効力を発生する、そういう手続をとられるのでございましょう、こう言いましたら、長官はそのとおりでございます。最終的には労働委員会が告示をする——労働委員会はこの場合、第三者機関ですよ。告示をするということは明確でございますけれども、そこに至るまでの過程の労使慣行のあり方として林野庁と全林野との間で、合意に達するという努力を今日までもしてきたというし、これからもそうでしょうと言ったら、そうだということを言っているでしょう。だからそれに変わりはないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/237
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238・田中重五
○田中(重)政府委員 そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/238
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239・吉村吉雄
○吉村委員 それに変わりはないとするならば、私は先ほど訂正をする必要はないんじゃないかということを何も言う必要はなかったのです。ただあなたのほうで第三者機関第三者機関と言いますけれども、第三者機関というこの場合の労働委員会は事務的にそうしなければならない義務もあるし、やる権限もあるから、それは当然のことなんです。問題はそこに至る過程のことを私は労使慣行の問題として聞いておったわけですから、ひとつ誤解のないようにしてもらいたい。
それから、いまも委員長からお話がありましたけれども、そういう問題について、もっとやはり十分研究をしていただきたいと私も思います。そうでないと時間もかかりまするし、委員会の時間かかかるということはともかくとして、労使関係そのものが非常に紊乱をしてくる、起こさなくたっていい問題も起こす、こういうことになるだろうと思いますから、そこはひとつ強くそういうことについての要望をしておきます。
労政局長、さっきのことについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/239
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240・三治重信
○三治政府委員 この公共企業体の管理職の範囲、非組合員の範囲の問題は、先生御存じのように公労委のほうで決定をしてまいりまして、それを労働大臣に——公労委のほうで告示をするように言っておられますけれども、告示だけは現行法は労働大臣がするようになっております。まあこれはたいしたことじゃございません。なお、その関係につきまして、しかしそういう公労委が非組合員の範囲をきめるにあたっては、自分でみずから進んでやるわけじゃないので、やはり関係当事者から申請があって、一般的には企業体のほうの使用者側としてこれだけを非組合員の範囲として認めてもらいたいという申請で、そこで、審査されて決定される、こういうふうになるのが通例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/240
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241・吉村吉雄
○吉村委員 労政局長、ですから公労法四条一項ただし書き、ここにうたわれておるところの管理監督の地位にある者というものと、労働組合法の二条にいうところのいわゆる非組合員の範囲というものについては、必ずしも同一の見解が出されていない。こういうふうに私は一般的に解釈をしておるわけですよ。どちらかといいますると、労働組合法のいうところの非組合員の範囲というものは、公労法上の非組合員の範囲よりはワクが狭められた解釈がとられ、現実にまたそのように運用がされておる、こういうふうに思うのですけれども、そういう理解でよろしゅうございますかということを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/241
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242・三治重信
○三治政府委員 法律上の解釈、その事実、いろいろのケースを別にして一般的なわれわれのほうの労使関係法としての解釈としてはそれは同じであるというふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/242
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243・吉村吉雄
○吉村委員 労政局長、八十七号条約の批准にあたって公労法の四条一項ただし書きについて従来の管理監督の地位にある者の認定のしかたを組合法の第二条によるところの認定のしかたに改める改正案が出ているでしょう。それは一体どういうわけですか。同じだとすれば何も改める必要はないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/243
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244・青木勇之助
○青木説明員 法理的な問題でございますので、私から答えさせていただきたいと思いますが、ただいま吉村先生の御質問のとおり、今回の八十七号条約批准に関連いたしまして、公労法四条一項ただし書きを削除いたしております。公労法の現行四条一項ただし書きは管理監督者の団結そのものを三公社につきましては完全に禁止をいたしております。管理監督者と一般職員とが同一の組織はできないということ自体は直ちに八十七号条約の抵触問題を生じないわけでございますが、団結そのものを禁止しておる。これは抵触するということで削除いたしております。従来、われわれの解釈といたしましては労組法二条一号の使用者の利益代表者の範囲と公労法四条一項ただし書きの範囲というものは、ただいま局長が答弁いたしましたように、一般的に申し上げますれば同じであるというふうに解釈をいたしております。もちろん管理監督者の範囲あるいは使用者の利益代表者の範囲というものは当該企業の実態、あるいは企業の持っております公共性、そういうものによっておのずから差が出てくることも否定できないと思います。そういう事実面において若干広いじゃないかというような御指摘でございますれば、そういう面は全面的に否定はできない面があると思いますが、原理原則といたしましては、われわれは労組法の二条一号の範囲と公労法四条一項ただし書きの範囲というものは同じである、こういうふうに考えております。
なお、これを今回削除いたしましたのは先ほども申し上げました理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/244
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245・吉村吉雄
○吉村委員 ILO八十七号批准に基づくところの国内法の改正案の問題については、日をあらためて十分議論をしなければならないと思いますので、深くは触れません。ただ、いままでのILO八十七号の問題についてILOで議論をされておった経緯の中で、日本政府がILOに対してどういう態度をとっておったかといいますと、本来ILO八十七号というのは労働者の団結権、こういうものを認める、あるいは使用者の団結権というものも認め合う、こういうものでございますけれども、この中でいわゆる労働者の組合団結というものの範囲についても議論をされておったことは御承知のとおりだと思うのです。そこで、その範囲についてどこで線を引くのか、引く方法は一体どうすべきかということについては公労法四条の第一項ただし書きの問題についてILOで議論がされ、日本政府のほうのこれに対する態度としては、将来は組合法の二条に基づいてきめていきたいというような回答、あるいはそういう態度を表明することによって今日まで推移してきたというふうに、各種の報告、文書等では考えられるわけですから、私はそういうような理解に立っていまの話をしてみたのですけれども、そのことにつきましては、先ほど申し上げましたように、日をあらためて十分議論をする機会がありますから、私ここではやりません。
そこで、本論に入っていきますけれども、林野庁職員のうちの課長補佐というものを新たに非組合員の範囲に入れたいということを全林野の組合に申し入れをして、すでに団体交渉が五回くらい行なわれた、こういうのでありますけれども、これは先ほども申し上げたけれども、林野庁の態度そのものの中にも非常に疑問の点があるということを指摘をしなければなりません。というのは、三十五年に課長補佐制度というものができておりながら、三十九年の今年になってその課長補佐を非組合員の範囲に入れたい、こういう態度をとってきたということは、ILO八一十七号批准後の状況を考えられて、林野庁が事前に何らかの手を打つという気持ちになったのかどうか、そこはわかりませんけれども、いまILO八十七号が非常に問題になっているという矢先に、こういうような非組合員の範囲というものを拡大をしていこうというそういう考え方は、決して労使関係を安定の方向に持っていくというふうには考えられないわけです。ですから、これはもちろん労働省にお尋ねをすれば、林野庁独特の考え方によるしかないという答弁しか得られないでしょう。したがって、そこは労政局長に聞いてもしようがない問題ですから、私は深くは聞きませんけれども、この時期に八十七号条約というものが問題になっている、しかもこの国会で批准をしなければならぬだろう、こういう時期に林野庁が数多いところの非組合員を新たにつくろうというような意向を示していることは、労働行政上どのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/245
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246・三治重信
○三治政府委員 具体的な問題につきましては、法制上管理監督者の範囲、非組合員の範囲は公労委のほうできめるわけですから、したがってそこできめていただくということでございますので、私たちとしてはその具体的な問題について、それらがいい悪いはここで申し上げかねるわけでありますが、実際問題としては、そういうふうないろいろな職制が設けられる場合に初めからよく準備されるべきが普通じゃないかと考えます。そういういろいろの非組合員たるべきような地位をつくられるというふうな場合には、つくる前に、つくる時期に、そういう配慮がなされるのか望ましいというふうに一般的には考える。しかし具体的な問題につきましては、いい悪いは申し上げかねるわけなんで、そのどこまで非組合員の範囲にするかは公労委のほうできめていただくように、そちらでやっていただいたほうがいいのではないか、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/246
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247・吉村吉雄
○吉村委員 労政局長、そういう制度ができた場合に当然そうすべきである、しかし具体的な問題についてはあまり差し出がましいことは言えないというお話ですけれども、私はそう言いながらも具体的な話をしていると思うのですよ。私も先ほど指摘をしましたように、新たなポストができた際に当然問題にしなければならないはずのものなんです。それを今日まで放置をしておいて、きょうこの段階になって非一組合員の範囲というものを新たに問題として提供するという、そういうあり方というのは、私は労政上から見てたいへん問題だと思うのです。あるいはまた林野庁はそういう労務管理をやっておるから組合との間に必要以上のいざこざを起こしておるのではないか、このようにさえ考えられます。
そこで、先ほど長官の話がありましたから、くどくは申し上げませんけれども、いま課長補佐を新たに非組合員の範囲に入れようと思って組合側との話し合い、交渉を行なっておる、こういうことでございますので、しかも先ほどの長官の答弁によりますと、その合意に達した上で手続をする、こういう話でございますから、私は、このような合意そのもの、非組合員の範囲を拡大しようとする考え方は、現在の日本の労働情勢から見まするならば非常に問題だとは思いますけれども、しかしすでに問題を提起しておる以上は、現在までの林野庁と全林野の間の労使の慣行というものを尊重する、こういう形の中で解決をしていくという以外には手がないと思いますから、最後までひとつ合意に達した上で事を運んでもらうように要望をし、先ほどの長官の答弁というものを町確認みたいになりますけれでも、確認をしておきたいと思いますが、この点はまた訂正するなんということはないと思いますけれども、よろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/247
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248・田中重五
○田中(重)政府委員 そういう非組合員の指定につきまして、先ほどから申し上げておりますように、労使の双方で合意に達する、そしてそれが告示をされるという形が望ましいわけでございます。そういうことで努力をいたさなければなりません。また合意に達してその上でそれが指定されることが望ましいわけでございますけれども、その意見が一致しないで第三者の判断に待つというような場合も出てくることも考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/248
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249・吉村吉雄
○吉村委員 先ほどの長官の答弁した趣旨と、いま私が再確認しようとしたことに対する答弁というものはだいぶ違いがあります。あなたは自席で立たないで、そのとおりでございますと言ったはずでございます。そういうふうに変わられるのでは私は困ると言っているのですよ。だからひとつ議事録を改めていただきます。これじゃ話になりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/249
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250・田中重五
○田中(重)政府委員 先ほども申し上げておりますように、非組合員の指定につきまして労使双方が意見の一致を見て、その上で指定されるということ、そのことは最も望ましいわけでございます。またそのように努力をすべきものだと考えているわけでございます。その場合になかなか意見の一致が見られないという場合も場合によってはあろうかというふうに考えられるわけでございますが、そういう場合に、第三者としての判断の機関があるというふうに申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/250
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251・吉村吉雄
○吉村委員 公共企業体労働委員会が第三者機関として権限を行使するということは法律上当然のことなんですよ。私の申し上げたのは、そこに至るまでの過程として、おたくのほうにはこういう確認事項がある、したがってその確認事項に基づいて労使双方が合意に達してやるというのが慣行であると言うから、ではそういうふうにするんでしょうねと、言ったら、そのとおりでございますと言っているじゃありませんか。一般問題として第三者の機関のあることを私は否定も何もしょうとは思わないのです。それは当然あるんです。あなたが答弁しなくても、公共企業体労働委員会が労使の紛争についての最終的な判断をするものであることは、そのとおりです。しかし具体的の問題としていままで私が申し上げたのは、非組合員の範囲の点については協約というものがあって、その協約に基づいてやってまいりました、その協約の運営のあり方というのは労使合意に達してからやってまいりましたということですから、したがって今回もそうでしょうと言いましたら、そのとおりでございますと、言っているでしょう。だから一般的な問題としての第三者機関ということを言っているのじゃないのです。具体的な、いま問題になったことを言ったのです。あなたのほうでは、そうですと言うから、なお再確認しようと申し上げただけなんですよ。ひとつ区分けをして、言ってくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/251
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252・森博
○森説明員 この協約の書き方でございますが、告示に定められている管理者の範囲につきましては、これは林野庁と全林野労働組合との間に意見の一致を見た職員に限られる、こう書いてございます。それから労働組合を結成し、またはこれに加入することのできない者に該当する官職を新設する場合には事前に話し合う、こういうことに書き分けてありますので、その辺をわれわれといたしましては、厳密に言いますれば趣旨が違っている、こういうふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/252
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253・吉村吉雄
○吉村委員 あとから言ったことはちょっとよくわかりませんけれども、現実的な問題としては、告示の範囲というものに該当する者は非組合員の範囲を告示するのだから——そうでしょう。したがって当然それは労使の今までの慣行に基づけば交渉をしてきたということでしょう。区分けする必要も何もない。これは明らかに告示の範囲というのは、その範囲をどういうふうにするかということを労使が協定しておるわけですから、その範囲に当たる者は非組合員になるということでしょう。だからそれは新設をされた制度とか、あるいは新設をされなくても新たにこれこれの職種の者については非組合員の範囲に入れるとかというものと何も違ってはいないわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/253
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254・森博
○森説明員 私の説明が舌足らずでございましたので、さらに御説明申し上げますが、一致を見た職員に限られることを確認する、こう印しておりますのは、きめられましたその告示にどういう人が当てはまるかということの、その告示をどういうふうに解釈するかということにつきまして、意見が分かれる場合があるわけでございますけれども、そういう場合には一致した者だけをきめようという趣旨でございます。ですから、この趣旨はすでに告示がありました者の、たとえばいろいろ何職の何々係長とか、それから労務の関係にある首席の者とかいうような定め方がございました場合に、それにつきましての解釈というものが組合と当局といろいろ違うという場合がございます。そういう場合に、それじゃどれとどれがこの告示の解釈に入るのかということをきめます場合に、労使双方が一致した者でなければきめないという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/254
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255・吉村吉雄
○吉村委員 ですから同じことでしょう。あなたはたいへんそれを違うように解釈されていますけれども、同じことでしょう。告示をする場合に、その告示の中に入る職名というものの内容について、どういう仕事をやっているかということについて労使が一致をしなければならないということを言っているわけです。その限りにおいては同じじゃないですか。それは何も異なった解釈が生まれるはずはないでしょう。結果的に言いますと、労使が合意に達して初めて告示の手続をおたくのほうでとるということを言っているだけでしょう。それは当然事務的におたくのほうでしなければならないからそういうことを言っているのであって、問題はやはり労使の合意ということが前提になっているということだけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/255
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256・森博
○森説明員 告示は労働大臣の告示が出ました場合に、それは具体的に課長補佐とか何々とかそういうふうに出る場合もございます。しかしどういう職務に当たる者の首席の者というように出る場合もございます。そういう者に対する告示は労働者できめられるわけでございますけれども、その告示の解釈につきましてはいろいろあるわけでございますので、われわれはいまこれを公労委に判断していただくというそのものを出すことについて話し合うということになっているわけなのです。われわれの告示をしてもらう前の段階のどれを告示に申請するかということについては、組合と話し合います。それが告示になりました場合に、その告示が、たとえば課長補佐ということならはっきりわかりますけれども、いろいろなたくさんの告示があるわけでございます。そういうものの解釈について、どれが入るか、具体的にどの職、どの係が入るかというようなことにつきまして、意見の差があった場合においては、これは労使合致したものを定める、こういう趣旨になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/256
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257・吉村吉雄
○吉村委員 いまの答弁でもぼくは同じことだと思うのですよ。先ほど初めに非組合員の範囲の問題については、本年何月ですか、組合のほうに申し入れをしまして、そしてすでに五回かの話し合いを行なっています。こういうことを手続としてやっているという趣旨は、当然それは労使の合意を目標にしながらやった行為でしょう。だから方的に通告をしてやればいいんだという趣旨でないことは、先ほどの答弁によって明らかでしょう。したがってそういうような協約が結ばれておるということなんですから、告示に至るまでの過程として、労使の間でどういう手続を必要とするかということをきめたのが確認事項でしょう、先ほどの答弁からすれば。違うのですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/257
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258・森博
○森説明員 告示に至るまでの手続についてのことにつきましては、先ほど申しました話し合いでございます。それから告示がきまりまして、その告示が何々ときまりましたことに、それの解釈をするにつきましては、どれがその告示の範囲内に当たるかということにつきましては、お互いに意見の一致を見なければきめないということを言っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/258
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259・吉村吉雄
○吉村委員 そうすると、告示に至るまでの、組合のほうに対して林野庁から話し合いをするその話し合いについては、労使の合意に達する達しないというようなことではないという解釈ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/259
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260・森博
○森説明員 話し合いいたしまして、これが労使の間で話し合いがつくということは非常に望ましいことで、われわれは先ほど長官もおっしゃいましたように、非常に望ましいことだ、こういうふうに思っておりますが、本来われわれが課長補佐としてもらいたいということにつきましては、これはまた別途それが適当であるかどうかということの審査というものが、公労委においてなされるわけでございますので、そこで、望ましいことでございますが、一致しない場合におきましては、そういう第三者の機関に判定していただくということもやむを得ないことだ、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/260
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261・吉村吉雄
○吉村委員 だから最後のことは一般論として当然のこと、だというふうに私は言っているのです。ただ非組合員の範囲のきめ方についてのいままでの林野庁と全林野との間の慣行というものは、話し合い、かっかなくて手続をしたという例はないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/261
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262・森博
○森説明員 その辺申しわけないのですが、ちょっといま記憶いたしておりませんので、よく確かめましてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/262
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263・吉村吉雄
○吉村委員 話し合いをするということを確認事項の中——これは協定と同じ効力を持つと思いますけれども、そういうことをきめておるというのは、当然その話し合いに基づいて労使が合意に達する努力をしていく、達していくということがたてまえにならなければならぬと思うのですよ。だから一方的な通告をすればいいんだという解釈であってはいけないと思うのです。しかも林野庁の労使慣行というものは、そういった場合、当然合意に達した上で、林野庁を通じて公労委のほうに申請をする。公労委では決議をして、労働大臣が告示をする。こういう手続に移されていくのではないですか。こういうことを聞いておるわけですよ。先ほど来の林野庁長官の答弁は、その際に労使が合意に達した上でやるのですかという私の質問に対して、そのとおりですと言うから、私はそのように理解をしておったのですけれども、最後のころになって、それは望ましいことではあるがと、こういうふうに変わってこられたのでは、ちょっと困るのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/263
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264・森博
○森説明員 この話し合いということの趣旨でございますが、これは先ほど申しましたように、書き方が、今度告示の範囲をきめる場合の書き方とも違っております。話し合いということは、必ず合意に達するのだというふうなところまでわれわれといたしては考えていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/264
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265・山田耻目
○山田(耻)委員 一つだけ関連して質問したいのですが、公労法の適用を受けておる組合は、よくこういう問題が起こるわけですよ。ただ、林野庁と全林野の組合との関係は、三十三年にそういう覚え書きを結んでおられて、しかも三十五年に課長補佐制度ができたときには、何ら問題にならずにずっと通ってきた。そのときの林野庁の趣旨としては、あるいは全林野労働組合の趣旨としては、課長補佐というものが非組合員になるべき人ではないという前提で、三十九年まで進んできた。その問分掌規程の変更もないし、抽象的に、課長補佐というものは課長を補佐するものである、こういう性格の変更もないままに今日唐突に出されたところに、きわめて不当な感じを多く持っておるわけです。ですから、三十三年に結んだあの確認事項というものが存在をする以後に起こったケースであるだけに、問題がこのように複雑になってきておりますので、三十三年に結んだ確認事項の協定を順守なさるということは、労使双方のきわめて大事なことでありますから、これは守っていただく。しかもその中で、それ以後起こってきたこの問題については、もっと労使双方が、吉村委員が言っておるように、あるいは長官も答弁なさっておるように、非常にすっきりした部分と非常に、不明確な部分とが同居をしておりますから、これから団体交渉、話し合いを深めていただいて、合意をできるだけ可能なものにするために努力をしていただくという立場をひとつ尊重していただいて、この問題を打ち切られたらと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/265
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266・森博
○森説明員 これはすでに先週でございますか、申請をいたした事件でございます。組合と五回ですか、六回ですか、慎重にやりまして、その結果われわれの従来の考え方については、先ほど来申し述べました考え方を述べまして申請をいたしてございますので、その点御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/266
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267・吉村吉雄
○吉村委員 どうも困りますね、あとからあとから真実を言ってこられては。ですから、非組合員の範囲の問題について労使の間に意見の相違があるらしいが、どういうふうになっておるのですか、こういう趣旨の質問をすれば、話し合いを五回にわたって行なっております。こういうことだから、話し合いの渦中だろうと思っておれば、もう申請をしたと、この段階になってまた言われたのでは困るのです。だからどうでしょうかね、いまの非組合員の範囲の問題については、そういう手続を先週したというお話ですけれども、ILO八十七号の批准というものが、この国会中におそらく実現をしなければならないという状況なんです。林野庁だけではなくて、非組合員の範囲をどうするかという問題については、政府部内全体として方針というものを確立されていかなければならない過程なんです。そういう時期にもかかわらず、長官が希望しておる、労使が合意に達するのが望ましいということであるならば、まだ十日から二十日くらいの間に、話し合いをしました、意見が一致しないから、したがって申請をする、こういう態度では、合意に達することが望ましいと口では言っても、その努力をしていないということになってくると思うのです。だから全般的な問題、現在の労働情勢、こういうものから見て、ひとつもっと慎重を期して、そうして誤りないようにしていくためには、もう少し労使の間で問題を煮詰めていく、あるいは政府全体としての統一した方針に沿った中で処理をする、こういうふうにしていくことが、いまの林野庁の労使関係というものを安定させることにプラスするのじゃないかというふうに思いますので、そのような措置をとってもらえませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/267
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268・田中重五
○田中(重)政府委員 この問題について、お説のとおりに、申すまでもなく政府部内の統一した見解に従うべきはもちろんでありましょうが、また一方先ほども申し上げましたように、非組合員の問題をめぐって五回にわたって双方の意見を交換し、論議をして、そして双方の意見の一致を見ることがきわめて望ましい次第ではございましたが、残念ながらなかなかそこへ到達し得なかったという段階で申請がなされたわけでございます。そこで、公正な第三者の機関の判断を仰ぎたい、こういうふうな考え方でおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/268
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269・吉村吉雄
○吉村委員 あなたのほうは、いままで自分でやってきたことについては常に正当性だけを主張しておると思うのです。間違いを認められておりながらも、いまの行為については正当だという立場をとっておるかのごとく、先ほど労政局長も、言われましたように、本来であるならば、三十五年のその時期にこのことは問題になってしかるべきことなんです。そうやるのが林野庁としての正しいあり方だと思うのです。四年間も放任しておいて、いまの時期にしかもこのILO八十七号の問題が非常にやかましくなっておる、非組合員の範囲の問題等についても何かと国際的な批判を受けておる、こういう時期で、林野庁だけが何も先走りをしてそんなことをしなければならないという理屈はないと思うのですよ。四年間放任しておいたならば、政府としての統一された方針なり、あるいは国会での方針が確定するまでの間くらいは慎重を期していくというのが当然の姿ではないですか。そういうことを、自分たちの考えだけを押し通そうとするところに、八木先生あるいは小林先生が先日来指摘をしているように、林野庁の労使関係というものが非常に困難な問題にぶつかっている最大の原因があると思うのです。ですから、改めるに決して恥ずかしいことではないので、いま少しのところなんですから慎重を期す、そういう態度が私は望ましいと思うのです。それも変えられない、こういうことでいまの答弁のようですけれども、再度その点は考慮なさったがいいのではないかというふうに思いますけれども、これは労政担当の局長のほうの答弁もあわせてお伺いしておきたいと思うのです。経緯は、四年間もそうやっておいたのですから、それをいまこの時期に何でもかんでもきめなければならないというのは少し問題だ、あるいは確認事項の運営のあり方としても、わずか一週間や十日の間に労使の意見が一致しないからということで一方的に申請をする、そういう態度というものは、決して労使関係というものを安定する、それにプラスするものではない、こういうふうにどうしても考えられてなりませんから、再考を促したい、こう思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/269
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270・田中重五
○田中(重)政府委員 申請中のこの問題につきましては、公労委の公正な判断を仰がなければならない段階でございまして、この種の問題につきましては今後一そう十分に慎重を期して扱ってまいりたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/270
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271・吉村吉雄
○吉村委員 ですから、いまの答弁は、いま問題になっていることを含めてという意味でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/271
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272・田中重五
○田中(重)政府委員 いま申し上げましたように、いまの問題につきましては、公労委の公正な判、断を仰いで進めてまいる段階になっております。今後この種の問題については一そう十分に慎重に扱ってまいりたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/272
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273・吉村吉雄
○吉村委員 一〇〇%了解というわけにはいかぬけれども、与党の小沢さんがいま話はわかっているということを盛んに言っていますから、それで了解をしたいと思うのですが、先ほど来私が申し上げておるように、林野庁の長官はじめ、労使の問題の扱いについてはそういうときにこそもっと慎重にやってもらいたいと思うのですよ。だから今度だって、四年間も放任をしておいて、ILO八十七号でてんやわんやというこの時期に、ことさら進んで労使の間の紛争をもたらすようなことをやる必要はないと私は思うので、再三申し上げましたけれども、そういう一般的な情勢をも考えられて、そうして労使の安定のためにこの問題も慎重を期してやっていくという御趣旨の答弁と理解して私の質問を終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/273
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274・田口長治郎
○田口委員長 去る十二日の大蔵委員会社会労働委員会連合審査会において問題となった聖路加病院の問題について、本日の大蔵委員会において大蔵政務次官から次のような発言があった旨大蔵委員長から伝達がありましたので、この際委員長から御報告申し上げます。
政務次官発言要旨
先般、大蔵・社労連合審査会の席上、主税局長から(財)聖路加病院に対しては、医療保健業について収益事業を営んでいるものとして課税しているが、欠損申告をしている旨の発言をいたしました。しかし、その後調査の結果この点について間違いがあったことが判明いたしましたので、私からこの点について訂正いたします。
すなわち、聖路加病院は法人税の申告書を提出しておりますが、これは同病院における売店の収益事業についての申告でありまして、しかも、最近三年間欠損の申告となっております。
聖路加病院の医療保健業については収益事業に該当しないものとして課税をいたしておりません。
なお、この点につきましては当委員会における審議の経過にかんがみ今後十分調査いたしたいと存じます。以上であります。
本日はこの程度にとどめ、次会は明十八日午前十時より委員会を開催することとして、これにて散会いたします。
午後五時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604410X02019640317/274
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