1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年四月七日(火曜日)
午前十時五十二分開議
出席委員
委員長 二階堂 進君
理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君
理事 始関 伊平君 理事 中川 俊思君
理事 早稻田柳右エ門君 理事 板川 正吾君
理事 中村 重光君
遠藤 三郎君 小笠 公韶君
小沢 辰男君 岡崎 英城君
海部 俊樹君 神田 博君
小宮山重四郎君 田中 龍夫君
中村 幸八君 長谷川四郎君
南 好雄君 村上 勇君
大村 邦夫君 加賀田 進君
桜井 茂尚君 沢田 政治君
島口重次郎君 藤田 高敏君
森 義視君 伊藤卯四郎君
加藤 進君
出席国務大臣
通商産業大臣 福田 一君
出席政府委員
通商産業政務次
官 田中 榮一君
通商産業事務官
(大臣官房参事
官) 宮澤 鉄藏君
通商産業事務官
(鉱山局長) 加藤 悌次君
委員外の出席者
通商産業技官
(工業技術院地
質調査所所長) 斎藤 正次君
参 考 人
(日本鉱業協会
開発機関委員会
委員長) 新井 友藏君
(日本鉱協業会、
中小企業対策推
進本部副本部
長) 宮崎 茂薫君
専 門 員 渡邊 一俊君
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四月七日
委員砂田重民君辞任につき、その補欠として大
石八治君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
金属鉱物探鉱融資事業団法の一部を改正する法
律案(内閣提出第九七号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/0
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001・二階堂進
○二階堂委員長 これより会議を開きます。
参考人出頭要求の件についておはかりいたします。
理事会において御協議願いましたとおり、内閣提出の金属鉱物探鉱融資事業団法の一部を改正する法律案の審査並びに中小企業に関する件についての企業倒産に関する問題の調査のため、参考人から意見を聴取することとし、人選、日時等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/1
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002・二階堂進
○二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/2
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003・二階堂進
○二階堂委員長 内閣提出の金属鉱物探鉱融資事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑の通告がありますので、これを許可いたします。沢田政治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/3
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004・沢田政治
○沢田委員 私は、この前は主として地質の面から御質問いたしたわけでありますけれども、きょうは法案の内容につきまして御質問いたしたいと考えるわけです。時間がございませんので、一応質問の要点をまとめてきておりますので、答弁のほうもあまり長くむだな答弁をしないようにお願いしたいと思います。
まず第一点として、法案の第二十条の七、八に、地質構造調査に要する費用の一部を、その地域の全部または一部をその区域に含む都道府県と、その地域内に存する鉱業権であって、金属鉱物を目的とするものにかかわる鉱業権者に負担させる、こういう規定があるわけであります。私はこの規定そのものの矛盾というものよりも、むしろこの具体的な負担はどのような基準とどのような比率において負担させるか、まず第一にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/4
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005・加藤悌次
○加藤政府委員 現在考えておりますのは、これは政令で定めることになっておりますが、国が全体の経費の六割を補助金として出し、残りの四割を、それぞれ二割ずつ関係の都道府県、それから関係の鉱業権者が出す、こういうことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/5
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006・沢田政治
○沢田委員 そこで、負担金について都道府県、地方自治体に負担されるという考え方は一応わかるわけでありますが、しかしながら、鉱業権者からも負担金をとることは私としては非常に矛盾があるのじゃないかというように考えるわけであります。というのは、鉱業権者の利害の問題、負担能力の問題、こういう問題から非常に負担能力がない、また負担するのならばやってもらわないほうがいいというような苦情や異議がたくさん出てくる可能性もあると思うわけです。そうなりますと、地質調査がいろいろな障害にぶつかるのではないかというように考えておるわけです。たとえばフランスの例なんかを見ても、鉱業権者から負担金をとっておらないわけであります。そういう意味で、私は諸外国のそういうような制度を参考として見た場合でも、これは国と地方自治体がなすべきじゃないか、利害関係者からも一とるということになると、なかなか利害関係者と国、自治体の意見というものが非常に錯綜して、目的に対して大きな障害を来たすのじゃないかというように考えるので、この点についてどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/6
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007・加藤悌次
○加藤政府委員 私ども実は予算要求の段階では、関係の鉱業権者にこの費用の一部を負担させないで、国と府県だけでやりたいという要求を出したわけでございますが、関係の当局、大蔵省あるいは法制局等といろいろ論議をいたしました結論がこの法案になったわけでございます。それで、こういった負担金をとる考え方でございますが、公共事業等にございますいわゆる受益者負担金に全く性質の似たものである。普通本来からいえば、こういった限界は非常にむずかしいわけですが、鉱業権者がそれぞれやらなければいけないような仕事を、ある程度まで国の政策目的に即応して、国と府県と協力いたしましてやろうということでございまして、結果的には関係の鉱業権者が利益を受けるわけでございます。そういうことになると、この事業団の今後とも対象になっていく地域は限られるわけであります。そういう地域に入らない鉱業権者との不公平の問題、こういった問題も出てまいりますので、受益者負担金的な考え方と負担の公平といったような見地から、先ほどお答え申し上げました二割の金額を関係の鉱業権者も持っていただきたいということになったわけであります。ただいま御指摘の、鉱業権者の中には、個人の鉱業権者で負担能力が非常に薄弱であるという方もずいぶんいらっしゃるのではないかというふうにも感じますので、負担金の徴収の金額の割りつけの方法なりにつきましては、十分業界と話し合いをいたしまして、たとえば当該鉱業権者の鉱区の面積であるとか、あるいはその鉱区の中に何本ボーリングをすることになるかといった、単に形式的な基準で金額をきめるということだけではなくて、個々の鉱業権者の負担能力も十分に勘案したところで、無理のないような金のとり方をいたしたいというように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/7
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008・沢田政治
○沢田委員 さらに質問を進めますが、第二十条の十の納付金の考え方についてお尋ねしたいと思います。地質構造調査のために行なったボーリングによって金属鉱物の鉱床が発見された、これにより利益を受ける者に対して、その利益を受ける限度において、当該ボーリングに要した費用に相当する金額の全部または一部を納付させる考え方というのが出ておるわけでありますけれども、私もこれには賛成したいと思うのです。しかしこの第二項においては、徴収した納付金は国庫や、また第二十条の七による負担金を支払った都道府県及び第二十条の八の規定による負担金を納付した鉱業権者に支払うことになっておるわけです。この点について、先ほど質問した点とも密接な関連を有してくるわけでありますが、まず国庫に納付すべき点、及び都道府県について、探鉱促進事業団を今後公団的なものとして発展させるためには、自己資金の充実、こういう観点からものを考えるべきじゃないか、こういうように考えておるわけです。端的に言うと、これを事業団の自己資金として、そうして事業団の資金的な内容を充実していく、こういう考え方を私としては持っておるわけです。したがって、さきに質問したように、鉱業権者については負担金も取らないし、納付金から還元も行なわないようにする、こういう考え方を持っておるわけだけれども、はたしてこの点についてどう考えるかということです。やはり限られた事業団の財源であるならば発展の要素はないわけです。したがって、やはりそういう納付金は全部事業団の財源の蓄積としてそれを拡大していく、こういう方向をとるべきじゃないかと思うわけだけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/8
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009・加藤悌次
○加藤政府委員 御指摘のような考え方は、もっともな点もあるかと存ずるわけでございます。実はそういう議論もあったわけでございますが、簡単に申し上げますと、先ほども申し上げましたやはり関係者の負担の公平を期するという点からこういう結論に相なったわけでございます。第一回の特定の地域につきまして精密構造調査をやります場合に、最初に拠出した金が、こういう事柄がありましたために当初の予定よりも少なくて済むということに結果的には相なるわけでありまして、そうだとすれば、最初に金を出した人にそれぞれその出した割合に応じて返してやるのが至当ではなかろうか。これをもし他の地区の第二回目の精密構造調査の地域に充当するということになりますと、その地域から金をそれぞれ負担金として出されるその金額が第一回に出された場合よりも少なくて済む、結果的には負担の不公平ということになるのではないか、こういう議論が実はございましてこういう結論に相なったわけでございますが、それと同時に、これは法律を変えればあるいは可能かもしれませんが、現在の事業団法の二十四条の一項の規定がございまして、この事業団で、毎事業年度、剰余金、利益が生じたときはこれを国庫に納付しなければいけない、こういう規定がございまして、年度を越すとどうしてもこの規定によって国庫に持っていかれるということにも相なりますので、最初に申し上げましたような考え方に基づいてこのような規定に相なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/9
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010・沢田政治
○沢田委員 現在の法律では国庫に納付しなければならぬということは知っておるわけです。したがって私としては、将来こういうことを真剣に——フランスの例が非常に参考になっておるわけですけれども、ああいうようにやっぱり拡大していく、こういう方向に視野を広げて検討すべきじゃないか、こういう意見を含めておるわけです。そこで、今度事業団がどんどん発展していくと、非常に広域な地域において探鉱事業というものが促進されるだろう、こういう可能性があるわけです。そこで、問題は、現在までいずれの人も探鉱しない地域にやはり探鉱事業を行なっていく場合があるわけです。これはないとは言えないわけです。鉱業権を設定されない地域をやはり探鉱する、こういうことも一つの仮想としてはあり得るわけです。その場合、いずれの人も鉱業権を設定されておらないところに大鉱床を発見した、こうなったならば、事業団としてそれを発見した、探査の結果当たった、こうなったならば、それをどうするかということです。事業団がこれを開発していくのか、それを賃貸するのか、譲渡するのか、その点は私もかなり詳しく調べてみたけれども、いまの規定には全然ないわけです。たまたまこれは地質構造の精密調査じゃなく、広域調査のためにボーリングをおろした結果として偶然にも当たったということはあり得るわけです。そういう場合どうするかということは、一つの仮定の問題だけれども、鉱山の場合はリスクが多いわりに偶然もあり得るわけです。したがって、そういう点に対する考え方を聞きたい。このように考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/10
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011・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま御指摘のような場合は、非常に希有と申しますか、ほとんどあり得ないというふうに私ども考えておるわけでございますが、かりにそういったことが起こった場合にどうするかという御質問でございますが、私どもは、事業団が全然のさら地にボーリング等をやりまして有望な鉱床に当たったという場合、これは全然ないわけじゃないと思います、そういう場合には、事業団がもっぱら鉱業権設定の出願をする。それによって自分の利益を確保するために、鉱業権を取得したあと、自分で鉱業を営むことは本来の目的からいって逸脱することに相なりますので、設定後適当な方法によってこの鉱業権を処分する、このことによって利益を確保する、こういうふうにいたしたいと思います。これは事業団の仕事としては精密構造調査をやる場合の付帯業務ということで読みたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/11
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012・沢田政治
○沢田委員 そういうような、偶然にも何人も鉱業権を設定されてないところに発見された場合には、鉱業権を取得して、処分する、こういうことを言っておるけれども、しからば、いまの鉱業法によって、租鉱権の設定以外は、これは譲渡できないわけですね。したがってそれをどうするかということですよ。鉱業法との関係はその点どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/12
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013・加藤悌次
○加藤政府委員 恐縮でございますが、御質問の趣旨がちょっとはっきり了解いたしかねますので、もう一回お願いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/13
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014・沢田政治
○沢田委員 たとえば事業団で鉱床を発見した、その鉱床を発見した地区にはまだ鉱業権を何人も設定しておらなかった。したがって、先ほどあなたの答弁では、事業団が鉱業権を取得して、それを処分すると言ったでしょう。これは賃貸ですか、権利を売るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/14
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015・加藤悌次
○加藤政府委員 鉱業権の譲渡をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/15
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016・沢田政治
○沢田委員 そうなると、現行の鉱業法では、私の理解する限りにおいては、賃貸とか、そういう場合については、租鉱権の設定以外は禁止されておると思うのですよ。できないことになっておるわけですね。したがって、そういう法的な問題をどうするかというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/16
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017・加藤悌次
○加藤政府委員 租鉱権と申しますのは、鉱業権者がございまして、その方自身その鉱業権に基づいて仕事をなさっておる。ところが、たとえば石炭等でよくありますが、いわゆる残炭掘り等で、これはむしろ自分でやるよりも——鉱業権そのものは自分のところに保有はいたしますが、その鉱区の特定の鉱床なり、残炭掘り等について、第三者にやってもらったほうがはるかに能率的であるというような場合が実はあるわけでありまして、そういう場合に鉱業権は鉱業権者の手元にそのまま置いて、いま申し上げました特定の鉱床なりあるいは特定の鉱区の地域について租鉱権を設定するということでございまして、鉱業法で、いわゆる斤先掘りだとか、あるいは賃貸借とかいうことを禁止しておるために設けた制度であるわけであります。先ほどお答え申し上げました事業団が鉱業権者になった場合はそういうことは考えておりませんでして、鉱業権そのものを適当な第三者に売っ払う、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/17
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018・沢田政治
○沢田委員 それじゃ鉱業法との関係においては別に問題は出てこないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/18
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019・加藤悌次
○加藤政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/19
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020・沢田政治
○沢田委員 売っ払うと言っておりますけれども、売っ払う、賃貸、いろいろあるわけでありますけれども、かりに売っ払ったとして、相当有望なものであれば何億と売れるわけです。その事業団が売った金の処置はどうしますか。先ほどの問題と関連してくるわけです。その場合、私の意見としては、あくまでも事業団の財源にして、そうして事業団の探鉱事業を促進していくべきある、こういう考え方を持っておるわけですけれども、売った場合、金の行くえはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/20
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021・加藤悌次
○加藤政府委員 利益が出ました場合に、それを翌年度に繰り越して使用するということは、先ほど申し上げました条文がございまして、これは認められないわけでございます。したがいまして、もしその金をこの規定によって返すということになりますと、先ほどお話のように、鉱業権者が全然いないというお話でございますから、国庫と関係都道府県に返す、こういうことに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/21
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022・沢田政治
○沢田委員 最近の新聞でありましたけれども、今度省令によって規定すべき対象鉱種に水銀を加えるという点が出ておりましたけれども、水銀以外に、対象鉱種にすべきであるというような鉱種はたくさんあるわけです。水銀のみを一つピックアップして入れたというのはどういう検討に基づくのか、説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/22
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023・加藤悌次
○加藤政府委員 あるいはきょうの新聞記事にそういうのがあったのじゃないかと存ずるわけでありますが、ただいまお話しの水銀を追加するというのは、事業団法に基づきます金属鉱区の指定ではございませんでして、金属鉱業等安定臨時措置法に基づきます鉱種の追加でございまして、この事業団法とは関係がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/23
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024・沢田政治
○沢田委員 第二十条の二の二項で、「実施計画案を公表して、これにつき意見を有する利害関係人(当該地質構造調査を行なう地域内に存する鉱業権に係る鉱業権者及び租鉱権者並びに当該地域内の土地又はその土地に定着する物件につき所有権その他の権利を有する者をいう。)に対し、意見書を提出する機会を与えなければならない。」こういうようにあるわけでありますけれども、この場合、提出された意見はどの程度検討されるか、この点について具体的にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/24
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025・加藤悌次
○加藤政府委員 この条項に基づきましてどういう意見が出てまいりますかということでございますが、私ども、具体的にどういう意見が出るだろうかということは、実際やってみないとまだわからないというふうに考えておるわけでありますが、その地域をこの辺まで広げてもらったらどうか、あるいはこの地域についてはボーリングは要らないから、こちらにボーリングをしてもらったほうがいいじゃないか、おそらく出てくる意見はそういった性質のものじゃなかろうかというふうに予測をいたしておるわけであります。私どもの考え方といたしましては、そういった関係の鉱業権者なりあるいは土地所有者等の御意見にも傾聴すべき点も多々あるのじゃなかろうかというふうに存ずるわけでありまして、この精密構造調査の本来の趣旨を貫徹することは大前提でございますが、その範囲内においてはできるだけ尊重いたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/25
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026・沢田政治
○沢田委員 省令によって決定されておるところの鉱種の問題について、四鉱種しかないわけでありますけれども、簡単にこの際申し上げておきますと、たとえば鉄鉱、金、まあ水銀は今度入るようでありますけれども、硫黄、それから硫化鉱、タングステン、キリブデン、石膏、石綿、硅石、耐火粘土、これは岩手県にあるわけでありますけれども、こういうものも含むべきであるという意見を持っておることをこの際申し上げておきたいと思うわけであります。現在新鉱床探査補助は中小企業に行っておりますけれども、財投の融資の対象にはなっておらないわけです。したがって、大企業の場合はある程度自己によっても探鉱能力を持っておるわけです。ところが中小企業になればなるほど、危険度が多い探鉱ということからいって、なかなかでき得ないわけですね。したがって、やはり中小企業に対しても融資の措置、道というものを当然やるべきである、こういうふうに考えておるわけです。たとえば中小企業の問題でずっと長い問最近まで議論したわけでありますけれども、やはり事鉱山についても中小企業というものについては非常にあたたかい金融措置とか、そういうものがとられておらぬという点を非常に遺憾に考えるわけです。したがって、将来の問題として、特に金属鉱山の中小企業の場合は危険が多いから、何億という金をばくちのように、投機のようにつぎ込むということは不可能だと思います。したがって、これに対して金融措置を講ずる考えがあるかどうか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/26
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027・加藤悌次
○加藤政府委員 事業団ができまして、大手の鉱山に対する探鉱資金の融資をやろうということになる場合に、いま御指摘の点、いろいろ議論になったわけでございます。それで、その議論の結果整理いたしましたのは、中小鉱山に対しては探鉱費の半額を融資ではなくて補助金としてくれてやろう、補助金でございますから非常に負担が軽くなる、半分で済むということでございまして、負担が軽くなる。大手につきましては、従前の補助金をやめにいたしまして、これを融資ベースに切りかえるということで、この業務方法書には大体六割、場合によっては七割を限度にして融資をしよう、こういうことに相なっておるわけでございまして、先生の御指摘のような議論も当然あるかと思うのでございますが、現在の補助金の対象になっておる中小鉱山に対して、さらに残りの金額についてこの事業団を通して融資をするという考えは目下は持っておらないわけでございます。私ども、大手といわず中小といわず、非常に資金的に困っておりますので、そういった面の一般的な金融問題についてはかねていろいろと配慮をいたしておるわけでありますが、幸い中小鉱山につきましては、たしか一昨年じゃなかろうかと思いますが、全国を地域といたします協同組合が設立されまして、協同組合に対する、あるいは組合員に対する商工中金等の中小企業関係の金融制度を現在までかなり活用してやっておられるわけでございます。金融の問題は、全体として考えれば当然探鉱のほうにも金が回るのじゃなかろうかという考え方で、今後ともそういう面からの中小鉱山に対するお手伝いをできるだけ進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/27
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028・沢田政治
○沢田委員 まあ三億ぐらいの——ぐらいというのはぼくは軽視する意味ではないのですけれども、鉱山というものの持つ特殊な産業の状態、内容というものからいっても、これで中小企業に対してもやることをやってやったんだこういうことじゃないと思うのですよ。これでは非常に微々たるものだと思うのですよ。したがって、そういう面についての特段の研究をお願いしたいと思うのです。
それで最近は、銅、鉛、亜鉛の建て値が国際的な関連において高騰しておるわけです。この理由として、どういう面から——たとえば海外の相場というものも若干上がってきた、この背景というものをどう考えておるか、お聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/28
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029・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま御指摘のように鉛、亜鉛等につきましては、昨年の初頭以来非常な国際価格の上昇もございます。大体五割くらい上がってきておる。こういう関係があるわけであります。また銅につきましては、ことしになりましてから非常に顕著な値上がりをいたしておるわけでございます。大体現在まで三割くらい上がっておるのではなかろうか、こう思っておるわけであります。これは世界的な現象でございまして、この前の世界的な不況は、ある程度そういった金属関係の生産の面における生産減というものがあったのではなかろうかという感じがいたすわけであります。そこへ最近急に需要が旺盛になりまして、鉛、亜鉛の話を伺ってみますと、いままでわれわれ考えなかったような新規の需要等が出てまいりました。御承知のように、鉱山というのは非常に生産に弾力性がないわけでございまして、需要が急に旺盛になったからといって、それに十分即応するだけの生産の増加ができないというふうなことにも相なって、現在のような世界的な価格のいわば暴騰の現象を来たしておるんではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/29
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030・沢田政治
○沢田委員 イギリスとかベルギー、フランスが、北ローデシア等、アフリカに入って、相当増産をやっておるわけでございますが、ちょうど北ローデシアの労働協約の改定期は今年に当たるわけであります。そこで、特に北ローデシアの労働協約の改定期になるというと、相当闘争が伴うわけです。特に近時は北アフリカでどんどん独立しておるような関係から、民族主義というものが非常に台頭しておる、こういう関係から、非常に純粋な経済闘争よりも民族主義的な闘争の傾向が強まっておるわけです。たとえば、白人と黒人の労働条件の差を見ても、約十分の一です。この十分の一というのは、この前の大ストライキをやって、相当戦って十分の一になったわけです。そういうことから非常に民族主義的な様相を強く持ってきておるわけです。そういうような意味で、今年も相当長期にストライキがやられるんじゃないか、そういうような思惑。
もう一つは、ぼくはどうも金属鉱産物のロンドン相場というものについて非常に疑問を持っておるわけです。生産の規模とかそういう内容から見て、あそこで相場をきめること自体がおかしいんではないか、こういう疑問を持つわけです。非常に投機的な様相を強く持っておると思うのです。これは非難をするわけではないけれども、共産圏あたりもあそこを利用するわけであります。高いとき売るとか買うとか、そういうことで、ロンドン相場に対して、あそこが非常に適正な建て値をきめる一つの基準になってもいいのかどうか、その点についてどういう見解をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/30
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031・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま御指摘のように、最近のロンドン相場、特に銅の相場には、多分にそういった投機的な様相があるやに聞いております。したがいまして、こういうものを基準にして国内の建て値等をきめるということは非常に危険であるわけでございまして、そういった面は非常に慎重に考える必要があるというふうに考えておるわけであります。銅の建て値は、ことしに入りましてからすでに三回の改定をやっておりますが、この改定は、ただいま御指摘のロンドンのLME相場、これを基準にして改定をしたというわけではございませんで、ただいま御指摘の北ローデシアのメーカーの建て値の改定、これはアフリカだけでなくて、カナダ、アメリカ等でもあった。実質的な売買がこれで行なわれるであろう値段であるということに基づいて、そういうものを参考にいたしまして、国内の需要家とも話し合いをいたして改定をいたした、こういういきさつに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/31
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032・沢田政治
○沢田委員 アフリカの産銅地帯の方方と私も会ったことがございますけれども、最近も人を介していろいろお話を聞いておるわけでありますが、特にアフリカの場合には、政治的には独立しておるけれども、経済的にはまだ完全に独立したという立場にないわけです。したがって、これに対して強い不満を持っておるのは当然だと思うわけです。したがって、イギリスとかフランスとかベルギーじゃなく、大体似通っておる日本人にひとつやってほしいというような希望を非常に持っておるわけです。これは率直に言っておるわけです。ただその場合、向こうから原料を持ってきてやるということじゃいかぬと思うのです。したがって、やはり向こうに製錬所をつくってやる、そうしてあがった鉱石をこっちへ持ってくるというようなことも考えなきゃならぬわけです。やはり植民地的なやり方じゃいかぬと思うわけです。したがって、たとえば海外に対する鉱石の買い付けとか、いろいろな政策を考えておるようでありますけれども、これはずっと遠い将来になるかどうかわかりませんけれども、そういうことに対する構想とか考え方があったならばちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/32
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033・加藤悌次
○加藤政府委員 御承知のように、国内の金属鉱産物に対する需要は非常に今後伸びてまいる見通しを持っておるわけであります。そういうことになると、どうしても相当の部分を原料の鉱石なりあるいは製品の地金というかっこうで輸入する必要もあるわけでありますから、ただいまわれわれが努力をいたしておりますのは、国内の製錬所をやはり相当合理化する必要があるわけでございますが、そのためにはある適正な規模が考えられなければいけない。そういう適正規模を前提にいたしまして、国内だけの鉱石では足りないわけでありまして、その足りない部分を海外から持ってくる、その鉱石をいかに有利に、あるいは安定的に確保するかということにいま重点を置いておりますけれども、御承知の海外鉱発会社はじめ、その他各企業において最近は共同体制でいろいろな投資開発あるいは融資開発という方向で努力をいたしておるわけであります。さらに一歩前進して国外で経済協力、技術協力のかっこうで地金までするといういまのお話でございますが、これは目下のところまだそこまで手が届きかねるという状況でございまして、現に西アフリカあたりからも一特定の鉱種を買い集め、さらに現地における加工についてのお話もあるようでありますが、日本は今後そういうお話がだんだん出てまいりましたら、どうするかということで検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/33
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034・沢田政治
○沢田委員 ちょうど日曜の日だったと思いますけれども、選挙区に帰っておったわけなんですが、たとえばNHKのニュースで、おそらく東北方面でしょう、通産省は鉱業試験所を設ける、こういうようなニュースがあったわけでありますけれども、はたして鉱業試験所を設立する考え方を具体的に持っておるのかどうか。NHKが一方的に推測してああいうニュースを流したのかどうか、この点をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/34
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035・加藤悌次
○加藤政府委員 この前の御質問にもございましたように、黒鉱の処理についての技術的な研究がまだ不十分でございまして、こういった面も相当今後積極的に国としてもやる必要があるんじゃなかろうかという感じが実はいたしておるわけであります。何と申しましても一東北は鉱物の豊庫と申しますか、将来相当有望な地域が——秋田の北鹿地帯もその一例でありますが、あるわけであります。そういった点から東北の鉱業界で、そういった面の技術的な研究をする機関を東北に設けてほしい、こういうお話も実は最近伺っておるわけでございます。これにつきまして、いますぐどうするという考え方は私自身として持っていないわけでございますが、いずれお話等を伺いまして、今後どういう方向でまいるか検討いたしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/35
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036・沢田政治
○沢田委員 その場合、私はやはりそういうものを設けるべきだと思うのです。というのは、この前もお話したように、黒鉱は分解して回収するには非常に複雑な鉱種であるわけです。そういう意味からも、国家がそういう試験所を設けるべきだと私も考えておるわけです。その鉱業試験所を設けた場合でも、ただ学術研究のような、象牙の塔になってはいかぬと思うのです。したがってそういうものをつくるならば、やはり現地につくる必要があるのじゃないか。たとえばいまの秋田大学の前身である鉱山専門学校でやったように、これは秋田県に一つだけあったわけです。そういうわけで現地へ行ってひとつ鉱石を採取して実地に研究するということでなければ、東京や仙台にそういうものをつくっても、単なる研究機関、生産に役に立たない研究機関になる可能性があるので、私の意見としては、つくるならばやはり現地の秋田とか大館とかにつくるべきじゃないかと考えておるわけです。ただその場合に、そういう試験所をつくるという仮定に立って考えるならば、タスクフォースのように、専門家を各所からずっと集めて御協力を願うという方法も必要じゃないか。同和なんか非常に経験のある人がおるのだから——そういうように考え方が具体的じゃないから、そこまで考えがないかもしらぬけれども、もしあったら、どういうふうにしてその機能とか機構とか、人的な配置をやるのか、そういう点を念のためにお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/36
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037・加藤悌次
○加藤政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、東北の鉱山業界でそういう御要望があることはまだ正式に具体的な話を伺っておらないわけであります。それからさっきもお答えいたしました黒鉱の処理の問題について、かつて工業技術院の傘下にありました試験技術研究所で取り上げたいきさつがあるわけであります。そういった過去のいろいろないきさつ、あるいは現在における業界のそういった面の研究体制と申しますか、そういった点をいろいろ勘案いたしまして検討したらどうだろうか。これはまだ御要望も聞いていない段階でございますので、私のほんとうの個人的な感じでございますが、そういうふうに思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/37
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038・沢田政治
○沢田委員 それから法案の第一条の問題ですが、たとえば電発の場合でも、目的と現在というものが非常に違っておる。また石油開発の問題でも、当初は帝石のほうはガス、石油資源開発のほうは石油開発となっておるけれども、ある部分については競合するということで、目的を明確にしておかなければ、目的と結果が、違うような結果が出てくる可能性が非常に強いわけです。したがって、そういうことを考慮に入れて私も質問したいわけですけれども、目的にはただ「等」という字で非常にぼかしておる。これは前の附帯決議あるいは本会議における決議を見ても、探鉱事業というものを明確にしておるわけです。なぜ「等」の中にとういうものを含ませるかという点を明確にしてもらいたいと思うのです。たとえば第三章の業務の規定も、探鉱融資業務に関連して必要な場合というふうに、どうでも解釈できるような非常に抽象的なものになっておるので、これを明確にする必要があるのじゃないかと考えてますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/38
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039・加藤悌次
○加藤政府委員 今度の新しい事業をするにつきまして、いままでの法律と表現のしかたが変わっておる点がいろいろあるわけでございますが、その第一は、法律あるいは事業団そのものの名前でございます。これは御承知のごとくいままでは融資事業団ということであったわけであります。これは融資業務も探鉱の促進に資するという趣旨でございまして、今度新しく行なう精密構造調査も、やはり同じ探鉱の趣旨から業務に加えるわけであります。そういった面を広く含む意味で、促進事業団というふうにいたしたわけでござます。
それから業務の書き方で一項、二項と別に書きまして並べてあるわけでありますが、先ほど御指摘のような貸し付け等の業務ということで、今度新しくふえてまいります精密構造調査、これを「等」の中に含めておるわけでありますが、確かに感じといたしましては、先生御指摘のように非常にばく然としておる。しかも本来はやはり融資事業が本来の仕事であって、付随的にこの事業団の新しい精密構造調査をやるのではなかろうかという感じを抱かせるような表現であることは、確かに御指摘のとおりであるわけでございますが、私どもは、確かに感じとしては、この表現にございますように、融資業務に関連して行なうということでございますので、そういう感じがしておるわけでございますが、実際の運用といたしましては、この前、大臣から御答弁申し上げましたように、ちょうど車の両輪のように両々相待って、名前の示すがごとく探鉱を促進したいというふうに考えておるわけでございまして、この第十八条二項の表現は、要するに融資業務なりあるいは精密構造調査の業務がてんでんばらばらに無関係に行なわれてはいけない、お互いに相補いながら有機的に関連させたらどうか、そういうことによって資金の有効な効率的な使用に資したいというつもりでこういう表現になっておるわけでございまして、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/39
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040・沢田政治
○沢田委員 ちょっと納得できない面もありますけれども、時間がまいりましたので質問を終わるわけでありますけれども、私、考えてみますと、この鉱業政策については最近緒についただけで、りっぱな政策だとは言えないと思うわけです。したがって、たとえば亜鉛の生産でも、世界的に見るならば非常に位置が高いわけです。二位ないし三位で、鉛についても八位くらいになっておると思います。消費の面については、鉛の場合はドイツを抜いて二位くらいになっておるわけでありまして、金属鉱物は基礎産業であるという観点から、もっと充実した前向きの政策をとる必要があるのではないか、そういう点を強調したわけであります。
これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/40
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041・二階堂進
○二階堂委員長 板川正吾君。
大臣が参議院の商工委員会で呼ばれておりますから、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/41
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042・板川正吾
○板川委員 大臣に一言だけお伺いいたしたいのですが、前回の委員会で、始関委員の質問に答えまして、鉱床補てん準備金というものは検討に値するというような大臣の答弁でしたけれども、鉱床補てん準備金制度をつくれということは、前に本委員会で可決をされた決議の中にもその趣旨があるのであります。これは日本の鉱業の安定的な発展のためにぜひ、その場の答弁のがれというだけではなくて、真剣にひとつ検討していただきたいということを、院の決定でもありますから要望いたしておきます。
それとやや関連した考え方なんでありますが、いま沢田委員が申されましたように、最近非鉄金属関係は非常にいわゆる好況であります。好況といってはおかしいけれども、とにかくいままでえらく景気が悪かったのが、海外相場の暴騰によってたいへん上向きになってきて、いい。しかしこの数年間のうちに、常に上がったり下がったりしておるわけですから、いいときにうんと配当したり税金をうんと払ったということになって、悪いときになるともう万歳だという形では、どうもこういう鉱山の安定的な経営は成り立たぬじゃないか、だからこういう制度もひとつ検討願いたいと思っておるのですが、それは、最近のような情勢がさらに続いていく場合には、将来の価格変動に備えた準備金制度というのを考えたらどうだろうか。その例は、御承知のように電力に渇水準備金という積み立て制度があります。これは長い間天候の関係で異常な渇水のときにはたいへんな金がかかる、しかし満水の場合にはコストの安い電力がつくれるということで、渇水期に備えた準備金制度があります。今度のこういう非鉄金属のような場合にも、非常に調子のいいときに蓄積した金をあるいは不測の事態で——今度いつ暴落するかわかりませんから、そういう場合に備えた積み立てを社内に留保させるという制度をつくったならば、鉱床補てん準備金と相まって、こういう非鉄金属等の変動の激しい鉱業の安定のために役立つのじゃないかと思うのでありますが、その点に関する大臣の御見解を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/42
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043・福田一
○福田(一)国務大臣 お説のとおり銅、鉛、亜鉛というような鉱物は価格の変動が非常に激しくて、したがって、経営上もそのためにいろいろ困難を来たしておる事情もあり、それがひいては労働問題等にも影響を与えております。われわれとしても板川委員のお説には賛意を表するものでありまして、何らかの意味で——いま少し景気がよくなったといっても、過去の赤字を埋めるのが精一ぱいで、まだとてもいい配当などというところへはいかぬと思いますけれども、これでも半年以上こういう市況が続きますとかなりカムバックできるのじゃないか、そういうことを考えて、この際景気のいいときにこういう問題を考えるのは非常に重要なことであろうと思うのであります。したがって、そういう意味で努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/43
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044・二階堂進
○二階堂委員長 大村邦夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/44
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045・大村邦夫
○大村委員 私の前に沢田さんや板川さんからいろいろきめのこまかい質問がありましたから、そう多く言うこともないと思いますが、若干ダブるかもしれませんけれども、御了承いただきたいと思います。
地質調査所の広域調査と事業団の行なう地質構造調査との違いです。これは私が説明するまでもなしに、広域調査と地質構造調査はどっちも民間企業の行なう探鉱に指針を提供する、つまり民間の行なう探鉱を合理的に促進するのを目的としておるということが申されております。ただ、その内容として、たとえば広域調査は二十キロ範囲、あるいは地質調査は一キロ範囲というように、範囲は若干違いますが、いずれにしましても探鉱を直接の目的としていないということは事実でありまして、そういうものが一方では政府の地質調査所、それから一方では事業団のほうで行なうというように、ばらばらでやらなければならないという理由は一体何か。これは鉱業審議会の答申の中にもあるのですが、この種のものは国または国の機関で実施すべきであると考えるということも述べております。なるほど事業団は政府が出資をして、いわば政府の準機関みたいなものですが、一方調査所のほうは純然たる国の機関であります。そういうものが広域と地質構造調査と、異なった機関で相関連する事業をやらなければならないという理由をお尋ねしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/45
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046・加藤悌次
○加藤政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生御指摘のように、地質調査所も、いわゆる広域調査とわれわれいっておりますが、探鉱の前提になるようなボーリングを含めた地質の調査をやるわけであります。今度新しく事業団で行なおうとするのも、個々の企業が企業のリスクにおいて探鉱するその前段階として、その指針を与えるような意味での精密な構造調査をやるわけであります。地質の構造を調査するという意味では同じであるわけでございますが、私ども、地質調査所の一般的な業務との関係等からいきまして、今度の事業団で行なおうとするようないわゆる精密調査まで地質調査所でやっていくことがいいかどうかということを実は検討いたしたわけでございますが、先ほど沢田先生からも御質問がございましたように、これは地質調査所が行ないます地質調査、ボーリング等に比べまして、さらにそれをある特定の地域に集約的にじゅうたんボーリングをやるわけでありまして、かなり狭い地域にやるわけであります。したがいまして、先ほど御質問のあった受益者負担という関係で、関係の都道府県なりあるいは関係の鉱業権者から何がしかの出捐を願うというかっこうにいたしておるわけでありまして、これを国の予算でまかなう仕事を行なう地質調査所の中でやるよりも、せっかく事業団もあるわけでございますので、そういうところで、はっきりと経理等も行なうことが可能でございますので、やったらどうかということで、全般的に申しますと、いわゆる大構造調査、広域調査は普通地質調査所でやる、その結果鉱物の胚胎しそうな、いわゆる小地溝構造と申しますか、これが発見を目的にして、特定の集約した地域について事業団がいわゆる精密構造調査を行なうというふうに整理をいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/46
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047・大村邦夫
○大村委員 ただいまの御答弁には十分納得しかねるのですが、私も専門家でありませんからよくわかりませんものの、広域調査は大体二十キロでやるでしょう、それからさらに範囲を集約して事業団が地質構造調査をやるでしょう、それはなるほど内容的には違うかもしれません。しかし、広域調査をやったその資料に基づいて、ある特定の地域を一キロなら一キロ間隔でやる、これは関連があると思うのです。そうしますと、あなたの御答弁を聞いておると、何か事業団の行なう地質構造調査については、これは政府だけの出資でなくて鉱業主にも一負担をかける、つまり理由は、予算的な面から切り離してあるようにしかとれないのです。先ほどの業務の範囲のところに、必要な場合というのがあったと思います。この必要な場合というのは、融資と探鉱とが相関連をしておるからということでありましたが、そのことをかりれば、広域調査と地質構造調査というものはきわめて関連の密接なものだと思うのです。そういう密接なものについて、異なった機関でやるよりも同じ機関でやるほうがより能率的だと私は思います。かくあるべきではないという説なら別ですが、あなたはそうお考えですか。別々に切り離して行なわなければならない、異なった機関でやらなければならないとお考えでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/47
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048・加藤悌次
○加藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、これに必要な経費の負担の面で、国が直接やる場合と今度の事業団が行なう場合と違うわけでございまして、そういった意味から、別な機関でやるということも一つでありますが、この法律の規定にもはっきりうたってありますように、事業団の行なう精密構造調査はそれだけ単独でやるわけじゃございませんで、もう一つの重要な業務であります探鉱のための融資業務、これと相関連さす、相補いながらやろうという趣旨があるわけでありますので、そういった趣旨からも、個々の企業がやる探鉱の一歩手前であるこの精密構造調査というのは、融資業務をやる事業団が一緒にやったほうがいいのじゃなかろうか。ちょうど融資業務の関係で、事業団の中には地質関係、鉱山関係の技術者もおられるわけでございますので、同じ技術者が一緒になって、それから精密構造調査の面両方でいろいろ見るという関係からいたしましても非常に都合がいいのではなかろうか、こういう考え方に基づきまして、こういう分担にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/48
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049・大村邦夫
○大村委員 見解の相違といえば見解の相違かもしれませんが、広域調査と地質構造調査をある一つの同じ機関でやれば、それぞれ緊密な関係があるのですから、能率的にもロスはない。それから非常に効率的に運営ができる。これを一緒にした場合に、それじゃ今度は事業団が融資を行なって自主的に探鉱をやる、それはやはり広域調査や地質構造調査の資料に基づいて、その関連においてやるのですから、私の申しますように広域と地質と一緒に同じ機関でやっても、事業団の融資に別に差しつかえはないと私は思う。一緒にしたから事業団には資料を提供しないのだ、それから技術員を派遣したり指導もしないのだ、そういう理屈は私は成り立たないと思う。結局つづめて言うと、やっぱり予算上の関係だ。もし予算上の関係なら、昨年の附帯決議あるいは一昨年の金属鉱物の危機打開の決議、つまり自主探鉱を強化せい、あるいは鉱業審議会が大臣の諮問を受けて、こういうものは国または国の機関がやるのが妥当だ、こういうことも言われておりますから、私は将来そういう方向に行くべきだと思いますが、その点はどうでしょう。やはり切り離してやらなければ、融資との関係で都合が悪いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/49
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050・加藤悌次
○加藤政府委員 最初に、同じ一つの機関でやるほうがロスがなくて効率的でないかという御指摘でございますが、地質調査所の行ないます大構造調査と、事業団の精密構造調査につきましては、はっきりと限界を画しております。しかも、この事業団の行なう精密構造調査の地域の選定なり、やり方については、地質調査所の調査の結果を十分活用いたしまして、地質調査所の関係の方も一緒に中に入りまして、計画を具体的に立てるというふうなことにいたしておりまして、決して、いま御指摘のようなロスというふうな面
はないのではなかろうか、こういうふうに存ずるわけでございます。
それから、ただいま御指摘の当委員会が昨年の三月、事業団法の御審議を願ったときの附帯決議でございますが、これは事業団自身で、いわゆる自主探鉱も行ない得るようにすべきである、こういうふうな決議でもございましたので、私どもはこの決議の趣旨に沿って、事業団自身が本来やるべき方向で考えるべきじゃなかろうかということで進めてまいったわけでございまして、あるいは考え方によって、この二つの機関の間で仕事の分担をいたしますのは一つの便宜論であるかもしれませんが、先ほど来申し上げておるような考え方に基づきまして、今度の精密構造調査は事業団でやることにいたしたいという結論に到達をいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/50
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051・大村邦夫
○大村委員 広域調査の内容と地質構造調査の内容は違うし、したがってそれに従事する技術屋の知識、そういうものも違う、そのことはよくわかります。しかしお互いに関連のあるものですから、AからBに転ずるような、百八十度の転換というようなものはないと思います。要するに常識的なような話ですけれども、そこには、事務所の関係を一つにしても、分割の方法はあるでしょう。私はそういう点ではいろいろ疑義のあるところですが、あなたのおっしゃるように、じゃ、決議を尊重したとおっしゃるなら、自主探鉱を強化せいという決議ですね、そのとおりになっておるでしょうか、どうでしょうか。予算上からひとつ聞きたいのです。八千万円ですか、それくらいで自主探鉱の強化ということになるのか。あなたが忠実に守ったということですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/51
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052・加藤悌次
○加藤政府委員 私ども、現在のこの予算だけでは必ずしも満足をいたしておらないわけでございます。何ぶん初めての仕事でもございますので、本年度は一応これでやってまいりまして、その実績等を見ながら来年度はさらに範囲を広げて、仕事の量もふやしていく方向で考えたいというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/52
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053・大村邦夫
○大村委員 参考人が来られたそうですから、途中で打ち切りますけれども、私が先ほど、一緒にしたらどうかと言えば、いや決議がこうなっておるからそのとおりやったのだ、決議どおりに自主探鉱が強化されておるかと言えば、今年は初めてでございますから、まあまあこの程度で、そういう言いのがれは私はないと思う。もっと発展して言えば、じゃ金利についてはどうでしょう。審議会では金利を七・五%から六・五%にしなさい。もちろん諮問機関であります。しかし決議の中でも長期低利、こういうことがちゃんと決議されております。そういうことについては守られていないじゃないですか。あなたが完全に守るというなら、それも守ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/53
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054・加藤悌次
○加藤政府委員 まことに御指摘のとおりで、私自身も遺憾であるわけでございますが、本年度の予算等につきまして、この事業団について要求を出しましたのは大ざっぱに言って三つあるわけでございます。一つは融資業務の範囲の拡大、これは資金量の増加であるわけです、それから第二点は、ただいま先生御指摘の金利の引き下げ等を含めました融資条件の改善、この問題でございます。それから第三点は、ただいま御審議を願っております新しい業務としてのいわゆる自主探査をやりたいということでございまして、いろいろ関係方面とも折衝をやってまいったわけでございますが、遺憾ながら本年度につきましては、融資条件の改定ということにつきましては実現に至らなかったわけでございます。原資面で新しく本年度の出資を二億もらったということになっておりますが、この出資をさらに来年度以降逐次ふやしていくということによりまして、いま御指摘の金利の引き下げも可能じゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。来年度そういった面の努力をぜひいたしたいというふうに考えておりますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/54
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055・二階堂進
○二階堂委員長 この際、本案審査のため、参考人として日本鉱業協会開発機関委員会委員長新井友藏君並びに日本鉱業協会、中小企業対策推進本部副本部長の宮崎茂薫君の両君が御出席になりましたので、参考人から意見を聴取することにいたします。
両参考人におかれましては御多用中のところ急遽御出席をいただき、まことに恐縮に存じます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
両参考人におかれましては、それぞれの立場から最初に十分程度御意見をお述べいただき、後刻委員からの質疑もありますので、それに対しまして忌憚なくお答えを願います。
それでは、まず新井友藏君から御意見を承ることにいたします。新井参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/55
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056・新井友藏
○新井参考人 ただいま御紹介をいただきました新井でございます。
探鉱事業団は昨年発足いたしまして、おかげさまで昨年中の探鉱実績は非常に上がったと考えております。何と申しましても、鉱山事業の維持発展には探鉱が重要だということを昨年来申し上げておるわけでございますが、おかげさまで探鉱事業団というものが発足いたしまして、昨年中の開発工事というものは、非常に多量なものを開発したと信じております。さらに本年度は、探鉱融資のみならず、この事業団が自主探鉱する。昨年、たまたま地質調査所に広域地質調査という予算がつきまして、大体の広域調査の結果は出ましたが、これのあとを追いかけるものとして、さらにこれを究明するものとして自主探鉱の制度ができましたことはまことに意義深いものでございまして、必ずやわれわれが期待するとおりの成果をあげるものと信じております。
ただ遺憾ながら、探鉱融資でございますが、現況におきまして、大体鉱山界で使います探鉱資金というのが年間約七十億になっておりますが、このうちで新しい鉱床を探すいわゆる新鉱床探鉱費といたしましては、そのうちの約四十億を年間使っております。銅につきましては、年間約一千万トン以上掘っておりますので、一トン当たりに直しますと約七百円ぐらいかかっておりますが、このうちの約四百円というものは新鉱床探査に使っておるわけであります。ただ、この探鉱融資を受けます額が、昨年度が約十五億、本年度が二十億ということを承っておりますが、まだまだ現在の鉱業事情におきましては、これをさらに増額していただくということをお願いしておるわけでございます。これにつきまして、増額の問題と、それから現在融資を受けております金利が七分五厘ということになっておりますが、大体探鉱融資の性格上、この融資条件につきまして、もっと低利な長期な融資を受けたいということをお願いしておるわけでございます。本年はまだその域に達しておりませんが、この点、十分御審議の上、われわれの要望を満たしていただきたいということを熱望しておるわけでございます。
以上、私の探鉱事業団につきましての全般的の意見を申し上げましたが、突然の委員会の御招集でございまして、十分な資料も用意してございませんが、後ほどまた御質問によりまして補足説明をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/56
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057・二階堂進
○二階堂委員長 次に、宮崎茂薫君から意見を聴取することにいたします。宮崎参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/57
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058・宮崎茂薫
○宮崎参考人 ただいま御紹介をいただきました宮崎茂薫でございます。本日は突然のお呼び出しをいただきましたので、十分な資料の持ち合わせがございませんので、したがって意見を申し上げるのはやや抽象的になるかと思いますけれども、その点お許しをいただきたいと思います。
われわれ金属鉱業は、数年来開放経済に立ち入る前の準備としての、いわゆる自由化対策として、あらゆる努力を重ねてまいりました。この各企業各部門にわたる合理化、特に企業の核心になる鉱床の探査、こういうものについて深い努力を払ってまいりましたが、ほかの産業と違いまして、体質の改善とか企業の合理化というものが非常に時間がかかる、こういう点をまず皆さんに御理解をいただいて、すべての問題についての御判断をお願いしなければらなぬのじゃないか。たとえば、われわれ業界の中に大鉱山と中小鉱山がございますが、その中小鉱山におきましては、大体鉱山全体が国際的に非常に脆弱性を持っておる、この中で特に中小鉱山はそういう要素が大きい。これにつきましては、政府に新鉱床探査補助金として数年間助成金を徐徐にふやしてもらったのでございますが、これが三十八年度におきまして三億円、雇用の総数が七万人をかかえております。その上に生産量におきましても、鉱種によりましては一〇〇%のものもあり、あるいは六〇%のものもありましょうが、全体としては四、五〇%のものは出ておるはずでございます。そうして新鉱床の探鉱費といたしましても十数億円を要するわけでございます。これに対して政府の補助が三億であります。そうしてその三億円の内容におきましても、現在は所要経費の五〇%となっておりますが、実際はメートル当たりが一万二千円も一万三千円も、あるいは立て坑の掘さく費は三万円も四万円もかかる、こういうものに対し、とにかく一万円の想定で五千円しかもらえない。経費は一万四千円もかかるものに対して五千円ということでは、実際は五〇%でなくて、三五%ぐらいにしか及ばない。あとのものは各企業が自分の努力によって補っていく。だがら非常に大事な新鉱床の探査補助金にしてなおかつ十分に行き届いた御援助はととのっていない。こういう点は、こちらに鉱山局長さんも御臨席でたいへん申しにくいわけですけれども、どうしても、われわれとしては実際の価格から見て十分な、われわれがほんとうに努力すればいけるというような施策をやっていただかないといかぬ、こういうように考えております。これは探鉱費の問題で、全体はいま新井社長さんの話がありましたので触れませんが、どうしてもこの三十九年、四十年度におきましては、単価の引き上げと総額の大幅の増額をぜひやっていただきたいとお願いする次第でございます。
次に、金属鉱業は国際価格にそのまま直結して、そうしてそれに対処した経営をしていかなければならぬ。ところが、非常に騰落がはげしいのです。私のところでやっておる一つの鉱種の例をとりますと、アンチモニーがございますが、これが一昨年の十二月から去年の春におきましては、ソ連及び中共も一のが、トンが大体百七十ポンド。それが今日では三百五十ポンドに上がっておる。そういうような非常に大きな波乱を価格の上に出す。これはまたあしたの日には十六万円にならぬとも限らぬ。そういうように非常に変動のはげしいものが多いわけでありまして、これはどうしてもこういう価格変動に対しましては、現在の企業経営の環境からいいまして、なかなか大きいところでもたいへんじゃないか。いわんや中小鉱山会社におきましては、これはなかなか対処がむずかしい。したがって従来からわれわれ業界は常にお願いしておるわけですが、価格安定策としての——自由化というものから考えると、非常にむずかしいような面もあるかもしれませんけれども、日本の重要な産業を守るという意味におきまして、この価格安定策としての対外機関の設置等、何らかの措置をもってこういう不当な、企業努力ではいかんともしがたい問題に対しての政府の御施策をお願いしたいのであります。
それからなお、やはりこれに関連いたしますけれども、そういうものに対処していく上にも、やはり企業が十分な資本蓄積をしていかねばいかぬ。一般的な産業と違って、非常にいろんな困難な要素をたくさん持っている金属鉱業でございますから、やはり諸外国——アメリカとかフランスとかというように、金属鉱業に対する税制制度、減耗控除制度、こういうものはぜひ一つ取り上げて、企業の体質の強化策というものをお認めをいただかなければならぬと思います。
なお、そのほかにいろいろ申し述べたいことはございますけれども、要は金属鉱業というものは体質改善が非常に迅速にいかないということでございます。そうして、むずかしいいろいろな要素をたくさん持っておる、価格の面で非常な騰落がはげしい、普通の企業経営管理理念だけではなかなか処理しにくい問題をたくさんかかえておりますので、そういう全体的な観点から、政府の総合的な、かつ各問題に対しての理解ある援護措置というものの確立をお願いいたしまして、はなはだ簡単でございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/58
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059・二階堂進
○二階堂委員長 以上で参考人の方の意見の陳述は終わりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/59
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060・二階堂進
○二階堂委員長 次に、参考人の方々並びに政府に対する質疑の通告がありますので、これを許可いたします。大村邦夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/60
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061・大村邦夫
○大村委員 ただいま参考人からるる要望がありましたが、その一つは資金規模の拡大、資金量の増額、これが一つだったと思います。その次に融資条件。長期低利な融資をしてほしい。さらに需給並びに価格の安定についての要望であったと思います。この点については、私の前の質問者からそれぞれ政府にも要望され、あるいは大臣からも答弁があったかと思います。たまたま私はほかの関係がありましておりませんでしたが、そこで重ねて政府の所信をお尋ねしたいわけでありますが、需給安定等については安定臨時措置法がつくられております。これは長期基本計画が立てられ、毎年実施計画がそれぞれ長期計画に基づいて立てられて実行に移されておるわけでありますが、その長期計画を眺めてみますと、昭和三十八年度におきまして新鉱床に要する予算は、銅鉱、それから鉛、亜鉛鉱、こういうものをすべて合わせて、大体三十八年度では三十四億五千三百万円が見込みとして計上されておるわけです。計上というより見込まれておりますが、この政府の長期計画は、ただいま説明のありました新鉱床のための必要な額は、大体四十億だという説明でありましたが、こういう食い違いが長期計画の中に随所に出てくるんじゃないかと私は思うのです。昭和三十八年度一年間の実績は、まだ四月に入ってかあまり期間がありませんから、必ずしも明確に出ていないと思いますが、一体政府は融資をし、さらにそれに基づいてそれぞれの探鉱主が新鉱床等について着手したと思いますが、大体どれぐらいの資金を必要としたか、そこら辺についてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/61
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062・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま御指摘のように、将来探鉱に要します資金量がどの程度のものになるかということにつきましては、鉱業審議会の下に探鉱分科会並びに資金税制分科会というのを設けまして、各社の御計画をもとにいたしまして、ただいま御指摘の基本計画にある目標に到達するためにどの程度の探鉱が将来必要であるかというふうな考え方から数字を作成をいたしておるわけでございます。ただいま御指摘の数字の中には、安定措置法で指定いたしておりますもう一つの鉱種がございます。マンガンが実は抜けておるわけでありまして、これを含めますと、先ほど新井参考人からお話のございましたように四十億、こういうことに相なるわけであります。これは一応四十二年度までの見込み、合計三百九十五億ばかりになるわけでございますが、各年度ごとに実施計画をつくってまいるわけでございまして、この実施計画をいよいよ御審議願うために、きのう鉱業審議会でスケジュールをおきめいただいております。この実施計画の裏づけになる探鉱その他の資金についても並行してさらに精細に検討いたしたい、こういうふうに思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/62
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063・大村邦夫
○大村委員 それじゃお伺いしますが、実施計画と本年度の実績との比較をひとつお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/63
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064・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいままだ年度を終わったばかりの時点でございますので、もう少し御猶予を願いたい、こういうふうに存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/64
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065・大村邦夫
○大村委員 要約して言えば、いま参考人が申されたように昭和三十八年度約七十億の中で、新鉱床に必要な資金量が約四十億ということでありまして、政府が計上した昭和三十八年度のこの種の融資規模十四億六千五百万円、さらに本年度の二十億というものを資金の必要量と対比した場合に、きわめて少ないということが言えると思うのです。この点について将来の方向を早急に、来年度あたりは予算に計上されると思いますけれども、政府当局として、できるだけ期待に沿えるように努力をするのかどうか。つまり資金量の確保。それから重ねて言っておきますが、この長期低利の融資七・五%を六・五%にしろという答申が出ておりますが、そのとおりにいけないにしても、長期かつ低利の方向に努力をするかどうか、その点を重ねてお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/65
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066・加藤悌次
○加藤政府委員 第一点の融資比率を含めましての全体の資金量の問題でございますが、先ほども参考人からお話がございましたように、三十九年度を例にとりますと、新鉱床探査だけで大手で大体二十億あるわけでございまして、本年度の融資に回し得る金が大体二十億でございますので、五〇%しか見れない、こういう関係に相なるわけであります。一方、業務方法書等には、原則として六割までは融資を見ていいのだ、場合によれば七割までを貸し出していいのだということに相なっておりますので、私どもとしては、今後業務方法書で許される最大限のところまで資金の確保ができるように努力を続けてまいりたい。一方融資条件、特に金利のお話が先ほどもございましたが、この点につきましても今後逐次改善の方向に努力してまいりたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/66
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067・大村邦夫
○大村委員 同時に、つけ加えておきますが、説明にありましたように、新鉱床探査補助費の単価がきわめて辛い。具体的に説明がありましたように一万四千円も要するのに五千円程度、三五%程度しか見積もっていない。全体の資金量をふやしても、そういう単価のほうがきわめて低いということでは、のどから手が出るほど金はほしい、探鉱をやってもらいたいと思っても、自分の出資金が負担が多ければ勢い鈍ってきますから、そういう点もあわせて要望しておきます。つまり単価の引き上げであります。
時間も経過しますから、おもな点だけ一、二質問しますが、先ほど板川委員も質問の中で大臣の所見をただされた問題でありますけれども、重要金属鉱物の需給及び価格の安定についてでございます。これは私が申し上げるまでもなしに政府自体が認めておられますように、単に金属鉱業という一つの産業の問題だけではありませんで、基礎物資の安定需給に関する国民経済全般につながる問題でありますから、政府としても相当考えてみなければならないと思います。御承知のように、数年前には金属鉱業はきわめて状態が悪化しまして、危機的な様相を示しました。しかし最近において国際価格が上昇しまして、昨年の十月の銅の自由化あるいは今年二月の鉛、亜鉛の自由化の実施でも、それほど影響を受けておりません。しかしこの国際価格は、沢田委員の質問あるいは板川委員の質問にありますように、かなり投機的な要素があると思うのです。鉱山局長の御答弁も、経営も弾力性が乏しくて、それに加えて旺盛な需要にこたえられない、旺盛な需要がある、したがって十分需要に供給が追いついていかないから高値を呼んだ、こういうことでありましたが、なるほどそうだと思います。この今日の国際価格の高騰がそういう原因であるということはわかりますが、この状態が一体どれくらいまで続くか、これはなかなか見通しがむずかしい問題でありますが、政府のほうではこういう状態がどの程度続くとお考えになっておられるか、その見通しのほどを聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/67
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068・加藤悌次
○加藤政府委員 たいへんむずかしい問題でございまして、私、その点についていろいろ気を使っておるわけでございます。まだ深く具体的に検討いたしておらないわけでございますが、業界筋の一部の有力な御意見としては、年内一ばいくらいは続くのではなかろうかという有力な御意見もあるということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/68
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069・大村邦夫
○大村委員 私の質問がきわめてむずかしい質問ですから、その程度でけっこうだと思いますが、そういう年内程度で価格変動がかなりあろうというときに、もし価格の変動が、いいほうならいいのですけれども、いまのお答えでは、この国際的な高値がダウンするであろうという御回答であったと思いますが、そういう場合に、政府はどういう価格安定方策を立てておるのか、ここら辺についてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/69
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070・加藤悌次
○加藤政府委員 かいつまんで申し上げますと、一つは関税の面の対策であるわけでありますが、御承知のように、銅地金におきましては、昨年の四月から形式的には自由化いたしておりますけれども、いわゆる暫定的な関税の制度で、銅につきましてはいわゆるタリフ・クォータ制をとっておりまして、国内の需給状況から見まして必要な分については無税で輸入を認めるけれども、それ以上の数量の輸入については高い関税を課す、これは一例でございますが、そういった暫定的な関税制度あるいはタリフ・クォータ制度といったような面の措置をとっておるわけでございます。
それから、いま御指摘のような場合が今後起こり得るわけでございまして、そういった場合には、いわゆる緊急輸入制限なり、緊急関税制度という制度がございまして、これをできるだけ弾力的に運用をしてまいりたい。特に今度の関税の改正で、新しい制度といたしまして、鉛、亜鉛につきましては安定帯価格的なものをつくり、それに準拠しまして、ある一定の幅に国際輸入価格がある場合は、ある一定金額の関税を課するが、それよりも安く国内に入ってくる場合は、累進的に関税が自動的に高くなるというような制度も今度新しく実施をいたしたような次第でございます。
それからもう一つの点は、特に関係需要業界との協調の面であるわけでございますが、御承知のように、一例といたしまして、銅につきましては、業界の自主的な発意によりまして銅鉱業振興協会というものができております。今後合理化をいたしまして十分国際的に対抗し得る価格に達するまでの間、国内の鉱山に対して、需要業界からの出捐によりまして国際価格との価格差を補助する、交付金というかっこうで差額を埋めるということで、いま非常に順調に動いておるわけでございます。これは一例でございますが、そういった需要業界との協調体制を今後とも密にしてまいります。安定臨時措置法の中にもそういった規定があるわけでございますが、そういう規定も今後の状況の成り行きによりましては発動する、それにまいりますまでにおいても、われわれの行政指導と申しますか、そういった面では相当協調体制を確立して、そういう外部からの撹乱要素をできるだけ食いとめる、こういうふうにいたしたいと思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/70
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071・大村邦夫
○大村委員 関税措置とかいう点も、御承知のように開放経済体制を迎え、貿易の自由化がどんどん進んでまいりますと、ある程度は許されるにしても、そうそう高額に伸びていくということは問題のあるところで、なかなかその面だけでは対処できないと思います。それから御説明にあたりましたように、銅地金会社についてですが、この実績を見ますと、昭和三十二年手持ち自己資金が一億五千万円、五百トンの買い付けを行なっております。昭和三十七年手持ち自己資金三億四千万の買い付け、この金額は大体千三百トン相当のものであると思います。一方国内の好質の地金は約十万トン、そのうちの千トン程度しか取り扱うだけの資金能力がない。こういうことでは、ある程度は役に立つでしょうけれども、ただいま御答弁になりましたように、年内で高値がダウンするかもしれないというような状況の中ではむずかしい。少なくとも十万トンの半分くらいの買い付けができる、これくらいの内容でなければならないと思います。さらに銅鉱業振興協会についてですが、御承知のように三十八年四月に発足しして本年二月までの拠出金、交付金は、拠出金が大体十四億二千七百万円、交付金が八億九千万円ですが、これとて同じことが言えるのじゃないかと私は考えるわけです。
そこで、いままでの議論の中でもいろいろ出ましたように、銅、鉛、亜鉛という金属は、その性質上特に移動、保存に便利である、それから変質をしない、価格も高い、資源が偏在して、特定の資源国の事情あるいは世界の政治、経済事情によって供給量が変動しやすいという点があります。さらに地下資源産業ですから、経営の弾力性がない。先ほど鉱山局長がお答えになったとおりであります。そういうことですから、需給変動に対して直ちに生産を調整するということがむずかしい。このような産業の特殊性から投機の対象になりやすいということは御承知のとおりでありますが、そういう需給の著しく変動しやすい傾向を持っておるのですから、いまのような好況のときに対策を立てなければならないと思います。極端に言いますと——極端というより、これは実績があるのですが、好況のときには高値で輸入する、不況になると減産、あるいは安値で輸出をやるということが繰り返される。言いかえますと、不況時に日本から安い価格で輸出をしたものが、高くなると日本の商品がそのまま入ってくるということが繰り返された実績があると思います。これはたくさんという意味ではありませんが、昭和三十七年五月から三十八年六月までに、銅について、つまり不況だから減産をしたその総額が約五万四千トン、輸入は翌年の三十八年度では七万八千トン、この輸入の七万八千トンを、トン二十三万三千円、つまり一トン当たり価格で換算してみますと約百八十一億であります。五万四千トンの減産の一方では翌年に七万八千トンも輸入をしておる。これは外貨確保の上から私は非常に問題があると思います。ですから、この差し引きを見ますと大体五十五億、もし政府のほうで需給安定機関を持って、安いときでもそれを買い付けておれば、今度品不足のときにそれが出されるわけでありまして、百八十一億も外貨を失わなければならないということにならない。この計算でいきますと大体五十五億円程度で済んでいます。鉛についても同じであります。昭和三十七年六月から三十八年六月までに減産量が大体二万五千、一方、推定でありますが、輸入量が三十八年度で約三万、価格に換算しますと二十四億、減産した量を換算しますと二十億、これが需給安定対策機関があれば四億程度で済んでおるわけであります。亜鉛については逆でございまして、そういう必要がない。こういう実績が出ていますから、鉱業界の安定ももちろん必要でありますか、さらに大乗的な見地に立って、外貨の確保という意味からすれば、大臣の答弁にもございましたように、これはおざなりじゃないでしょうけれども、早急にそういう対策は講じなければならないと考えるのですが、その点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/71
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072・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま御指摘のような経験が過去にもありまして、これではいけないということで、お話がありました銅地金会社というものができたわけでございますが、その後のこの会社の運用を見ておりますと、一つは資金面、一つは独占禁止法等との関係から、必ずしもうまくいっていないというのが実際の状況であるわけでございます。たまたま開放体制にいよいよ突入するということもございまして、ただいま問題になっております価格、需給安定という面を、そういった広い立場から考える必要もあるのではないかということで、先ほど参考人からも御要望のございました需給価格の安定機関の必要性ということが出てまいったわけでございます。実は私ども多少ニュアンスが違うわけでありますが、本年度の予算要求の際に、そういった半官半民的な特別の機構をつくったらどうだということで、仮称ではございましたが、鉱産物会社構想なるものを持ち出して折衝をやったわけであります。たまたま先ほど来御指摘のような、世界的に鉱産物市況が非常によくなってきております。一方、先ほどちょっと触れましたが、関税の制度におきましても、たとえばスライド関税制度とかいろいろそういった面の裏づけができまして、この問題につきましてはもう少し時間をかけて検討したほうがいいのではないかということに相なりまして、一応本年度の施策としては見送りというかっこうに遺憾ながらなったわけでございますが、私ども引き続きましてこの問題について検討いたしてまいりたいというふうに存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/72
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073・大村邦夫
○大村委員 時間がございませんので、これでやめますが、締めくくりとして申し上げておきます。
先ほど参考人がるる申し述べられましたように、一般の企業概念、理念ではなかなかこの種のものは経営ができない、それほど複雑であり、国際的な価格等に影響されるところも大きいし、企業自体が自由化を控えてきわめて劣悪な条件にある、あるいは金属鉱業そのものが経済発展に不可欠の物資を供給するきわめて重要な産業でありますから、そういうものについては早急に強化する必要があると思います。ところで、今日事業団の内容を見てみますと、なるほど地質構造調査が入ることになりましたが、対象はともに大手に限定をされておるのは御承知のとおりでございます。これをさらに発展強化する意味におきまして、将来大手だけでなしに、中小双方を対象とする、そして業務も今日の業務をもう少し拡大して、先ほど申しました需給価格の安定あるいは合理化の推進、こういう機能を十分発揮できるような、かつ一手に引き受けるような機関にする、たとえば石炭の場合には合理化事業団がありますが、そういう総合的な、十分機能が発揮できるような事業団に将来すべきではないかと考えるのですが、その点についてのお考えはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/73
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074・加藤悌次
○加藤政府委員 今度新しく事業団が行ないます精密構造調査、これは現にその地域にある鉱業権者が大手であろうと中小であろうと、そういうことにかかわりなしにやるわけでございまして、したがって、この精密構造調査によりまして利益を受ける鉱業権者の中には当然中小鉱山も含まれるわけでございます。
それから、事業団のもう一つの仕事でございます融資業務をさらに対象として中小鉱山に向けたらどうかという点でございますが、これは先ほども沢田先生の御質問にお答え申し上げましたように、かつて議論をいたしまして、その結論として、中小鉱山には、将来返さなければいけない融資ではなくて、やり切りの補助金にしたらどうか、大手につきましては新しい事業団の融資業務の対象にするということで結論を出したわけでございまして、中小鉱山に対する探鉱の面の促進といたしましては、ただいま参考人からも御要望のございましたように、将来、やはり現在の三億という金額では足りないという感じを私自身も持っておりますので、これをできるだけ増額するように努力いたしますと同時に、先ほど御指摘のございました単価が最近の物価、労賃等の値上がりから必ずしも実情にそぐわない点が出てきている、こういうことでございますので、そういった単価の面においても努力をいたしまして、この補助金制度をさらに実のある有効なものにいたしたい、こういうふうに考えております。
それから事業団で何もかもやれるようにしろという実はお話なんでございますが、今後そういった点、一つの御意見として拝聴いたしたいというふうに考えますが、先ほどございました新しい需給価格の安定機関、そういった機関をどうするかという問題等にもからみまして十分検討をさしていただきたい、こういうふうに存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/74
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075・大村邦夫
○大村委員 私がいま申し上げたのは、別に奇想天外な着想ではありませんで、石炭事業にもちゃんとあるのですから、そういう方向にひとつこれから検討していただきたいと思います。
まだいろいろ小さい点もありますが、あまり小さい問題で時間をとっても皆さん迷惑でしょうから、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/75
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076・板川正吾
○板川委員 せっかく参考人が来ましたから、二、三伺います。
新井さんにまず第一に伺いますが、先年融資事業団が発足して、多年の業界の要望というものもある程度通ったものと思うのですが、融資事業団の発足した後の融資事業団の効果というのですか、そういうものはどの程度業界として感じられておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/76
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077・新井友藏
○新井参考人 融資事業団ができまして、非常に窮屈であった探鉱資金がだいぶ潤沢になりまして、まだ集計はできていないと思いますが、おそらくこの四月末の発見鉱量というものは戦後最大だろうと思います。これは戦後最大の発見鉱量を出していると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/77
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078・板川正吾
○板川委員 もう一点伺いますが、今度の法律で、前の委員会の決議に基づいて、融資事業団が融資のほかにさらに地質調査という名前でみずからも探鉱をするということになったわけですが、今度の法律改正による地質調査という名目の探鉱に対して、たとえば業界全般としてどういう期待を持っておるのですか。実は御承知のように、今度の場合には補助金の予算が八千万しかない。都道府県や鉱業権者の負担を合わせましても二億三千四百万の事業規模しかない。これでは指定地域における地質構造探査の上で、どの程度の貢献があるだろうかと実は思うのですが、そういう点を業界の空気として、宮崎さんでもどちらでもけっこうですが、御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/78
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079・新井友藏
○新井参考人 昨年、地質調査所に八千万の広域調査の予算がつきまして、地質調査所を中心としてやったのは、おもに地表調査と一部の構造ボーリングということでございます。これではその地帯の地質断面をつくるには不十分なものでございます。したがって、昨年の成果に基づきますこの地帯を究明したならば、この地域の地質構造の概要がわかるのではないかという地帯を選んでいただいたわけですが、この概要がわかりますと、地質構造というものは一地域におきましてはそう変わるものではなくて、それが類推されて初めて鉱床の場が発見されるということでございまして、これは昨年の広域調査に関連いたしまして非常に重要な仕事だろうと思います。ただ、御指摘のように一億三千五百万ですか、この程度の自主探鉱では、まだ昨年いたしました広域調査の範囲内におきましても不十分じゃないか、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/79
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080・板川正吾
○板川委員 宮崎さんに伺いますが、新鉱床探査補助金が通って、その適用を受けておる団体だと思うのですが、この補助金の単価ですね。ボーリングの場合には一メートル千二百五十円が補助の限度である、坑道の場合には一メートル五千円ということになっておる。それで、それが二分の一ということになりますから、ボーリングの場合には二千五百円見当であれば半分が補助になるわけです。坑道の場合には一万円ということになるわけです。しかし、実際どのくらいの費用がかかっておるのですか。ボーリングの場合に、千二百五十円の補助金をもらうことになった場合の実際の一メートルについてのボーリングの費用はどのくらいかかるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/80
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081・宮崎茂薫
○宮崎参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。各鉱山によりまして、鉱床の状態とかいろいろな点で多少単価が違いますが、大体において、たとえば水平坑道なんかは大体一万三、四千円はかかるのではないか。そうすると、それの半分ならば、少なくとも七千円くらいはなければやれない。したがって、現在のような探鉱の助成措置では、実際の経費の三分の一くらいに当たる場合が往々にして出てくる。したがって企業意欲としては探鉱をやらなければいかぬと思いながら、どうしても自己資金の充足ができないために、やはり差し控える。そうすると鉱山は勢い衰退を招くということになりまして、非常に危険なことでございますから、この点よく御理解をいただきまして、ぜひ実際の現在の経済情勢の中での真実な価格、それに対して六〇%なり七〇%出していただくようにしていただかなければいかぬのではないか。外国の数字なんかをいまここで申し上げますと、間違ったときにまことに申しわけないから、数字をなるべく差し控えたいと思いますけれども、アメリカなんかにおきましても、こういう五〇%というようなことでなしに、大部分が大体七〇とか六〇とかいうように出されておるようでございます。フランスあたりでは、国家が非常に大きな探鉱をやっておる。私の考えでは、要するに国家として国策的な探鉱をやるがために、フランスでは本国においても属領においても石油資源とか大きなものをつかんでいる、それが要するにフランスの世界における大きな発言権の背骨になっているのじゃないか。これがやはり非常に重要なポイントじゃないか。だから日本におきましても、いろいろな輸出、産業の交流とか、そういうこともまことにけっこうなことですけれども、やはり基本的な資源の増産、開発ということは長期展望に立って、国が腰を据えてやっていただかなければいかぬのじやないか、こういうふうに思います。これは毎年毎年お願いしていることでございます。ひとつよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/81
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082・板川正吾
○板川委員 専門家の沢田君の調査によると、ボーリングが約三千円見当だそうです。坑道のほうが一万四千円くらいなんですね。そうしますと、半分補助といっても、実は三割何分か四割そこそこということになるので、これは実情に合わぬし、補助単価を引き上げなくちゃならぬということにもなると思います。
もう一つ伺いたいのですが、新鉱床探査補助金というのはいわゆる出来高払いですね。補助金というのは先にくるわけじゃないので、やった結果補助をするということに法律上もなっておる。したがって、中小鉱山のような場合、特に金属鉱物探鉱事業団の適用を受けない中小探鉱の場合は、自前でやって、あとになって補助金をもらう、こういう形になるのです。その間資金の手当てをしなくちゃならないのですが、現在どういうふうな資金の手当てをされておるのですか。商工中金からそういう場合に一時借りておって、そうして補助金がきたときにはその令を返す、こういうような形になっておって、業界としては別に心配ないじゃないかという説もございます。われわれの考えとしては、融資事業をこの事業団でやるのですから、一定のワクを設けて、新鉱床探査補助金をもらうグループにもその補助金の範囲で融資をしてやったらどうだろうか、こういう検討もしたり議論もしたりしたわけですが、実情は商工中金から借りておって、そういう心配はあえてない、こういうふうなこともあるというふうに聞いておるのですが、その関係はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/82
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083・宮崎茂薫
○宮崎参考人 ただいまの、探鉱費の政府から補助を受けるまでのつなぎでございますが、これは各企業において自主的に金融機関から借りるのもあります。それからまた、われわれの業界内で全国鉱業協同組合というものをつくりまして、そしてそれの信用力を各企業にプラスしまして、協同組合が保証いたしまして、そして商工中金で融資を受けるというような形もとっておりますが、まだこれが万全だとは言い切れません。したがって、先ほども御質問がありました、中小も事業団のほうの融資を受けたらどうだ、あるいは私のほうももちろん業界内でそういう意見を出す、こういうことですが、ただ、われわれが心配するのは、両方をとって、要するに探鉱奨励金もほしいのだ、これをうんとふやしてもらいたい、しかしそれを言うと同時に今度は融資のほうもやってくれ、それなら片方は融資をうんとやるから探鉱の補助金を削ってしまうというような誤った方策をもしとられると非常に困るわけですね。要するに金があっても、それがいつかは返さなければならぬという金では、実際上ほんとうの意味の助成にはならぬわけですから、中小としては新鉱床探査補助金の増額の上に、なおその補助金がおりるまでの融資ばかりでなしに、現在においては少なくとも半分、あるいは六〇%、七〇%自己資金を出して探鉱しなければできないのですから、要するに補助金の出るのは施行が終わって、役所の検査が済んでからもらうわけですから、したがって、要するに作業を完全にやるための自分の資金というものをやはり探鉱事業団から出してもらうようにすればわれわれは非常に望ましいという考えを持っておりますけれども、ただ一番大事な補助金がそれがために大きな犠牲になるということがあっては困るというので、私はここでの主張をちょっと御遠慮したわけですけれども、ほんとうは補助金の増額と同時に、補助金と、プラスして自己資金とで、要するに探鉱するその金を貸してもらえればこれは非常にありがたい。こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/83
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084・板川正吾
○板川委員 時間がございませんから、局長に二、三聞いておきたいと思います。
やはり当委員会の決議に基づいて海外鉱物資源開発株式会社というのが設立を見た。これは知っておりますか。それのその後の状況を簡単に御報告願いたい。それと、あとでけっこうですから、資料としても出していただきたいと思うのです。
それと第二は、これは前に聞いたかどうか知りませんが、この法律で非常勤を一人ふやす。この非常勤の理事というのは無給ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/84
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085・加藤悌次
○加藤政府委員 海外鉱物資源開発株式会社のいままでの実績を簡単に申し上げたいと思いますが、御承知の三十七年の九月に発足をいたしております。大体仕事を三つぐらいに分けて、頭を整理してやっておりますが、一つは、海外の鉱山の事情をいろいろ調査するという点でございます。この事業につきましては、発足後三十七年の十一月の初めから約二カ月間にわたりましてチリ、ボリビア、ペルー、こういった諸国の鉱山の事情をいろいろ調査をいたしております。それからさらに昨年の九月の下旬から一カ月ばかりの間におきまして、ペルーの鉱山事情の調査をいたしております。さらに最近帰ってまいりましたが、本年の初頭から約二カ月間、アフリカの東海岸におきますところの鉱業の事情の調査をいたしたわけでございます。それからその次の仕事は、海外に将来みずからの手で開発をすることを目途にいたしまして探鉱事業をやるわけでありますが、これにつきましては昨年の十一月から実施をいたしております。チリのシェラゴルダというところがございますが、この探鉱調査を進めておるわけであります。それから最後に、いよいよ開発という問題があるわけでございますが、昨年の初めごろから三井金属鉱山さんの手によりまして、前の段階の折衝があったわけでございますが、ボリビアのマチルデの鉱山、これは鉛、亜鉛鉱石でございますが、これがいよいよ基本的な契約がことしの一月にできまして、さらに細部にわたって準備の段階にあるというわけでございます。以上、簡単でございますが……。
それから探鉱融資事業団の理事の増員でございますが、これは、現在理事が二名ということになっておるわけでございますが、そのうちの一人は非常勤理事ということになっておりまして、これは日本鉱業協会の副会長さんにお願いをいたしておるわけであります。これはもっぱら業界との連絡を密にするという趣旨でお願いをいたしておるわけでございますが、今度この法律の改正によりまして、新しく、いわゆる地質構造の探査等の仕事を行ないますために、理事を一人増員するということでございまして、今度一人増員するのは常勤の理事で、新しい仕事を主として担当する、こういうことに相なっております。それから非常勤の理事さんの給与の問題でございますが、これはほんとうのしるしだけということでございまして、月額二万円というお礼程度のものでございますが、差し上げております。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/85
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086・板川正吾
○板川委員 この海外鉱物資源開発会社も、調査の段階を終わっていよいよ開発の段階に入り、ボリビアの鉛、亜鉛を初めてやることになったと思います。その開発の計画は、聞くところによると三十九年、本年中にひとつ計画をつくり上げて、四十年、来年から開発をして、四十二年には出荷できるような体制だ、こういうような計画が進んでおるということです。海外鉱物資源開発株式会社は、当委員会で満場一致で附帯決議をして、それに基づいてできた半官半民の会社なのです。これも調査の段階を終わって、いよいよ開発をするということになると、その開発をやる場合に、会社自体が技術陣を持ってやるのか、あるいは加盟企業に委嘱をしてやらせるのかということにも問題があろうと思いますが、政府は将来どういう形でこれを育成していこうとされるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/86
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087・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま申し上げましたマチルデ鉱山の開発、いま先生御指摘のようなスケジュールで進んでおります。いよいよこれが事業開始となると、まず開発からやらなければならぬわけですが、当然そのために必要な資金が要るわけでございます。その資金は、考え方としては、いま五億の資本金であるわけでございまして、五億のうちの半分の二億五千万が海外経済協力基金、残りの二億五千万を関係鉱山会社二十二社から御出資をいただいておるわけでございます。当然この出資金をふやすということも考えられるわけでございますが、そのかなりの部分を経済協力基金なり、あるいは輸出入銀行の融資によってこれをまかなうというふうな考え方にあるわけでございます。
それから、現地の実際の開発の事業をどうするかということでございますが、現在考えておりますところでは、マチルデの鉱山は、向こうとの合弁で新しく会社をつくるわけでございますが、開発業務の実態は海外鉱発自体が責任を持って行なう、こういうことでやっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/87
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088・板川正吾
○板川委員 この海外鉱物資源開発会社の最近の実情と今後については、資料をあとでいただきます。これはまた別の機会に質問しようと思いますが、もう一つ、今度の法律で非常勤の理事を一人置くというふうに改正になるでしょう。いままでは、法律としては理事何名だ、その中に扱いとして非常勤があるかもしれませんし、常勤、非常勤含めて理事何名というふうにあると思うのです。今度の場合には、理事を二人以内置くと八条にあって、その二項で、前項の理事のほか非常勤を一人置くんだ、あえて非常勤一人置くという法律体系をとったのはどういう意味なのですか。理事を一人ふやして、しかし、その扱いとして、うち一名は今度は非常勤になるんだ、こういったほうがいままでの法律の形と合っているんじゃないですか。なぜこういう形をとったのか、ちょっと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/88
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089・加藤悌次
○加藤政府委員 ただいま先生御指摘のような考え方も当然あるわけでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、いままで一人非常勤の理事があったものでございますから、的にはこういう規定のしかたでも支障がないということで、これは立法例といたしましては、ほかに農林関係ですが農業機械化促進法とか畜産振興事業団法、こういったところの立法にも先例があるのでございます。実質的にこれで支障がない、当然非常勤理事は、先ほど申し上げましたような意味で業界代表ということでお願いしたいということでございますから、こういうことにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/89
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090・二階堂進
○二階堂委員長 沢田政治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/90
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091・沢田政治
○沢田委員 事業の内容につきましては、参考人も私どももある程度理解しているので、こまかいことは聞きません。そこで新井さんにお伺いするわけですけれども、これは局長も御答弁願いたいと思いますけれども、鉱山の場合は、やはり一つの社会的な責任を持っておるんじゃないかと考えておるわけです。と言いますのは、鉱山は非常に工業の発達したところに存在するわけじゃないわけです。たとえば非常に不便なところ、さらには未開発のところ、非常に貧乏な県に多いわけです。たとえば委員長の出身県だと思いますけれども、鹿児島県の串木野にしても大口にしても、金持ちの県じゃないわけです。青森県の鉱山にしても秋田県の鉱山にしても後進県です。それで地域格差の是正という意味では非常に大きな役割りを果たしておると思うわけです。そういう意味で、鉱山がつぶれるとかつぶれないとかいうことは、非常に地域社会に対しても大きな影響を持つ。たとえば秋田県の花岡、尾去沢、小坂、これもほとんど後進の自治体です。岩手県の鴬沢、宮城県の細倉鉱山、岐阜県の神岡、こういう鉱山とともに生きておる人は多いわけであります。したがって、五反百姓でも、鉱山で幾らか賃金を得ればということで生活しておるわけであります。そういう意味で、鉱山がつぶれることは決して鉱山だけの問題じゃない、その地域に対しては大きな影響を与える、こういうふうに考えておるので、大げさなことばで言えば社会的な大きな責任を持っておるんじゃないかと考えるわけです。さらに鉱山をつくるということになると、煙害、鉱毒水の害、こういうことで地域に悪影響を与えるわけです。それで、つぶれた、どこかへ行っちゃうということになったら、非常に大きな社会問題になるわけです。したがって、鉱山というのは決して鉱山という立場だけでなく、これは経営者も考えなければならぬことでありますが、鉱山行政としても考えるべきことじゃないかと思うのですが、地域社会に非常に大きな影響を持っておる社会問題でもある、こういう角度から考えるべきじゃないかと考えておるわけであります。その点に対する理解、認識を新井さん並びに局長から若干お述べいただきたい、こういうように考えます。
さらに、新井さんは先ほど非常に融資の利子が高い、七分五厘、私も非常にこれは高いということできのうも力説したわけでありますけれども、当たるか当たらないか、確率は非常に少ないのでございますから、ざっくばらんに言うならばばくちのようなものです。いつも言うように山師の間には万三つ、千三つということばがあるように、それほど非常に危険度が多いわけです。それに対して七分五厘は非常に高いと思います。本来ならば国の資源なんだから、たとえば林野庁が森林をやっておるように、あれは国の資源だ、国がその資源を保護したり開発すべきである、こういうふうに考えておるわけだ。しかし、そこまでいかなくても、少なくとも七分五厘という利子は向い、こういうふうに考えておるので、私自身としては相当長期返済の、しかも五分以下にすべきである、こういう意見を持っておるわけだけれども、この点に対して新井さんはどう考えているか、この点をお伺いしたいと思います。
それから宮崎さんにお伺いしたいわけでありますけれども、たとえば全般的な産業のことを議論する場合には、どうしても大企業より中小企業に政治の恩恵が薄い、こういう点をわれわれは指摘しておるわけです。したがって、鉱山についてもその点は謙虚に言えるのではないか、こういうふうに考えておるわけです。三億円のただの金をやっておるのだから、これは大企業より歩がいいんじゃないかと言いますけれども、大企業と中小企業はどだい力が違うわけです。企業力が違うわけです。したがって三億円という額は少ない、しかも融資の面も考えるべきである、こういうように考えておるわけであります。ところが、先ほどあなたは、融資ということを力説すると、今度は補助金のほうをとられるのは重大事だ、こういうことを言っておられる。あなたはいみじくも本心を言ったので、私は非常に敬意を表するわけでありますけれども、私の聞くところによりますと、通産当局が大蔵省に予算折衝をする際に、やはり中小企業に対しても融資をやるべきではないか、こういう意見を述べたのに対して、ではこの補助金は要らぬじゃないか、こういう議論が出たとか出ないとかいうように聞いておりますけれども、私は、少なくとも企業力は中小企業と大企業と、鉱山の場合でも違うんだから、これはやはり補助金は補助金、そうしてさらに融資もしてやる、こういうことが必要だと思うので、あなたの偽りのないほんとうの所信をその点に対してお述べいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/91
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092・加藤悌次
○加藤政府委員 鉱業の特殊性として、特定の地域と切り離せない、いわゆる地域社会を形成しているということでございまして、これは単に一企業なりあるいは一産業という感じだけでものごとを処理してはならないという御趣旨の御質問でありますが、私ども全くそのとおりに感じておるわけであります。鉱山が特定の地域とつながりを持ちながら発展していくということは、ひいては当該地域の開発のためにも非常に貢献するわけでございます。今後ともそういった感じで鉱業政策を推し進めていくべきであろう、こういうふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/92
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093・新井友藏
○新井参考人 特にいま問題になりましたのは金属鉱山のことですが、金属鉱山は先生も御存じのように、その地方の労働力を使うということであります。ほとんど出かせぎ、いわゆる悪いことばで言うと出かせぎの労働力でありますが、その地方の振興に非常に貢献していると思うのであります。直接に従事するもの以外に、その鉱山町の経済というもの、またその付近の経済に非常に貢献していると思うのであります。こういうことを申し上げるとなんですが、現在地域格差の是正とか、各特定地域の振興とか言っておりますが、鉱山は動くわけにいかぬので、自然条件、その位置しかございませんので、それでやっておりますが、現在そういう御趣旨の地域振興につきまして十分尽くしていると思いますけれども、これの認識が非常に足らないと思うのです。いろいろな病院の問題にしろ、学校の問題にしろ、道路、その他公共的な問題、全部企業の負担においてやっているのが現在であります。したがって、いま先生も言われたように、これを地域格差の是正という方面から見ますと、どうしても国といたしましてもこれに対する施策が少ないのじゃないかということを私たちは当事者として非常に考えているわけでございまして、今後国としても積極的にそういう施策を反映すべきである、そういうふうに考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/93
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094・宮崎茂薫
○宮崎参考人 ただいま沢田先生から御質問がありましたが、私は考えますのに、鉱業の中での中小の差と、それからまたほかの産業と鉱業との比較、こういう点に政府は非常に欠けているところがあるのじゃないか。つまり、高度成長政策というようなこと、これは国民経済の全体の伸長ということでわれわれは双手をあげなければなりませんけれども、これがあまりにも時間的に走り過ぎると、産業によっては、その速度についていけないような産業もたくさんの中にはあるはずなんです。それからまた、大きいものと小さいものと、順応性が非常に違うじゃないか、そういう点において、社会のいわゆる経済評論家にしても、そこにちっとも思いがいっていないというように私は感ずるわけです。
いま、これは私に対する質問ではありませんが、地域社会の考え方のお話がありましたように思いましたが、たとえばアメリカである鉄鋼会社が合併問題が起こった。そうしますると、その小さいほうの鉄鋼会社の所在地は、その鉄鋼会社だけによってその町が形成されていた、だから町は絶対に反対した。ところが、事業体そのものは大企業と合併したほうがいいというので合併を決議した。ところが、アメリカの最高裁はこれを許可しなかった、合併を認めなかった。それは要するに、地域社会に非常に影響を与えるからいかぬというような判決例が出たのですね。それと同じように、日本の経済全体を成長さしていくということはまことにけっこうなことだけれども、それがばく進するような勢いで行くときに、その中に飛沫を受けてつぶれるものがたくさんできるということは、これはあらゆる産業政策の中で、一つ一つの産業政策と同時に全体の産業政策の中でも、やはり総合的にそういう悪い影響がなるべくないようにして、そうして時間をかけてやってもらわなければいかぬものがあるのじゃないか。
中小鉱業の対策におきましても、ここに通産省の局長さん以下課長さんおそろいでまことに申しにくいのですけれども、自由化というものをわれわれが叫びまして、自由化対策というものをやってもらわなければ困る、特に中小は非常に深刻な打撃を受けるから困るのだということでいろいろお願いしたのですが、自由化対策のほんとうに顕著なものというものはあまりございません。深鉱奨励金というものはもともと一般的な鉱業政策として、自粛化対策とは別にあったのですね。一般的な鉱業政策の一環として探鉱奨励金が中小にある、これがやや増強されたということですね。そのほか日本銅鉱業振興協会による交付金の内容において多少の格差がある。要するにこの程度の鉱業施策をわれわれはちょうだいしているわけです。この自由化というものは、これからは非常に深刻な影響を持ってくるのじゃないか、だから鉱業全体でなく、特に中小なんかにおいては、この程度の施策でもう自由化対策ができたというような考えを持たれたら非常に困るのじゃないか、私はこういうように心配しておりまして、先生の御指摘をいただきましたので、まことにわれわれの努力も足りなかったが、これから一そう先生方の御理解のもとにこの施策を十分にやっていただかなければいかぬ、こういうように考えております。よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/94
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095・沢田政治
○沢田委員 中小企業の政策、特に中小鉱山に対する政策の貧困については、あなたも一致されましたし、私も同感でございますので、これ以上は聞きません。
ただ、小さい問題ですけれども、最後に、附帯決議では中小鉱山振興のために機械の貸与等の援助をする、こういうことが出ておるわけでありますけれども、機械なんかも非常に不自由だ、足りないという不平を聞くわけです。したがって率直に中小企業の立場から、附帯決議に盛られた機械の貸与等がなされておるのかどうか、いまの現状で満足しているのかどうか、一言だけでいいから簡単にお願いいたしましす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/95
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096・宮崎茂薫
○宮崎参考人 従来いろいろな問題につきまして、衆議院におきまして附帯決議をいただきまして、十分な御配慮をいただいておるようでございますが、しかし中小企業の助成策というものはいろいろな法律とか規制の中に生まれておりまして、大体鉱業の基本的なものに関しては従業員が千人というような規定になっておりますけれども、中小対策の中には、この千人の適用を受けられないいろいろな保護策があるわけですね。そのある部門においては、これは鉱業は千人だ、千人までは保護を受けるんだという適用を十分に受けられないようなものも私はあるように思いますので、きょうはあまり詳しくそういう問題にお答えするような準備もなしに、いきなり三十分前に連絡を受けてここへ飛んできたようなわけで、十分な御説明のできないことはまことに申しわけないと思いますが、十分われわれもこまかく検討いたしまして、今後先生方にも、またお役所のほうにもお願いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/96
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097・中村重光
○中村(重)委員 時間がございませんから簡単に、関連して参考人にお尋ねいたしますが、新鉱床探査に鉱業権者が年間投資している費用はどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/97
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098・宮崎茂薫
○宮崎参考人 ただいま中村先生の御質問は中小の範疇ですか、全体ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/98
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099・中村重光
○中村(重)委員 中小です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/99
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100・宮崎茂薫
○宮崎参考人 全体の探鉱費の中で新鉱床だけに局限いたしますと、十億ないし十二、三億くらいのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/100
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101・中村重光
○中村(重)委員 審議促進で急に来ていただいて、たいへん御迷惑をかけました。むずかしいお尋ねになりますが、生産費に占める探鉱費は大体どの程度になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/101
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102・宮崎茂薫
○宮崎参考人 お答えいたします。全体のコストの中で占める探鉱費が約三分の一、その三分の一の中に新鉱床だけがまた三分の一ということになって、たとえば十億のうち三億が全体の探鉱、その三億のうちの三分の一が新鉱床の分、こういうようになっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/102
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103・中村重光
○中村(重)委員 金融機関が、探鉱をおやりになる場合どういう反応を示すのですか。たとえば危険であるということであまり金を貸したがらない、そういうような実情にあるのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/103
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104・宮崎茂薫
○宮崎参考人 探鉱費の融資ということは、一般的には金融機関は、取り上げません。大企業ですればどうかわかりませんが、少なくも中小勢企業において、探鉱をしますから探鉱費を貸してくれということじゃ、なかなかそういう名目だけでは融資はほとんどないのじゃないかと思います。ただ先ほども申しましたように、新鉱床探査の政府の助成がきまりますと、それに対しての融資については、協同組合を通じるとか、あるいは県によっては、県が融資しているところもあるようでございますが、それは要するに政府の補助額がきまりまして、それは必ずあるときがくれば、探鉱を完了すればもらえるということで、対象にすれば融資の対象になる、それ以外はなかなかならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/104
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105・中村重光
○中村(重)委員 そこで探鉱はやりたい、金はない、こういうことで実際足踏みしておるのが現状ではないかと思います。資金の面が隘路になりますか、あるいは探鉱事業のコストが先ほどお答えのように非常に高くついておるわけですが、このコスト面から足踏みをするのか、どちらのほうが降路になっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/105
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106・宮崎茂薫
○宮崎参考人 これは要するに町方でございます。たとえばいまのコント三分の一を占める、これを倍にするということは非常に大きな影響力を持ちますから、資金があるのみでも、なかなかそんなものは、経営にいわゆる弾力性がなければできません。したがって中小で新鉱床探査補助金をよけいふやしてもらいたいという切実な叫びをしておるのもそこにあるわけでありまして、資金の面からいうと、いわゆるコストの面から無謀な探鉱はできないわけですが、そのできないのを政府の助成によってやらしてもらいたい、探鉱は鉱山の生命ですから、その生命を、基本的な一番大事なところを政府に十分保護してもらいたいというのが、新鉱床探査補助金の大幅増額のお願いの根拠であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/106
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107・中村重光
○中村(重)委員 そこで鉱山局長にお尋ねしますが、探鉱融資事業団をおつくりになったということは、ただいま参考人がお答えになったような実情に即して、どうしてもこれは国が積極的に取り組んでいかなくちゃならぬ、そういうことでこの事業団をおつくりになったと思うのです。そのとおりに考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/107
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108・加藤悌次
○加藤政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、中小鉱山につきましては補助金でいこう、中小以外の大手につきましては融資でいこうという整理のしかたをいたしまして、現在の三億の金で十分であるかどうかという御質問等あるわけでございますが、これにつきましては、先ほどもお答えを申し上げておりますように、全体の金額を今後増加して、さらに単価の点についても問題がございますので、それも適正化の方向に努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/108
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109・中村重光
○中村(重)委員 あなたの基本的な考え方はどうなんですか。地下資源の開発というものは、きわめて重要なことですね。石炭と違った意味でその重要度合いというものは高いわけですね。それが実際の実情は、各委員から指摘されたとおりであるし、参考人がるるお答えになったとおりなんです。いまあなたは、ことばとしては前向きな答弁をしておられるようでありますが、どのような前向きの答弁をされても、政府がどのようにこの問題に取り組んでいくかということで、問題はその方向がきまっていくわけです。中小鉱に対する補助金の問題にいたしましても、あるいは大手に対する融資の問題にしましても、いま政府のやっておるような、裏づけをしておるようなことではどうにもならぬ。これははっきりしている。だからあなたとしては大蔵省に対する予算折衝も、もっと補助額をふやしてこい、あるいは融資ももっとふやさなくてはならぬ、こういうことで取り組んだのだろうと思いますが、まず大蔵省と折衝する場合に、あなたの基本的な態度が私は一番重要だと思う。探鉱事業というものは国でやらなくてはならぬのだというあなたの基本的な考え方があるならば、おのずから大蔵省と折衝する場合でも迫力が出てくる。そのことが補助額にいたしましてもあるいは融資額にいたしましても違ってくると思う。基本的なあなたの考え方はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/109
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110・加藤悌次
○加藤政府委員 探鉱の面につきまして国が直接的にやりますのは、私のいまの段階における感じといたしましては、今度の新しい事業団の精密構造調査を逐次地域も広げまして積極的に行なう、それによりまして、これは実を申し上げますと、従前は個々の企業でおやりになったわけでございます。少なくとも事業団が新しくそういう仕事をやる限度においては、いままでの個個の企業で負担なさっておった負担分が少なくなるいとうことになりますので、この事業団の結果を直接的な参考にされまして、個々の鉱山会社でいわゆる新鉱床の採鉱を進めていかれる、こういうふうに考えるべきではなかろうかという感じでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/110
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111・中村重光
○中村(重)委員 事業団運営について、融資に比重を置いて運営をしますか、あるいは自主的な探鉱ということにウエートを置いて運営しようと考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/111
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112・加藤悌次
○加藤政府委員 先ほども答え申上げましたように、これはいわば車の両輪である。融資事業と精密構造調査は相関連せしめながら、融資業務もできるだけ効率的にやるようにいたしたいというのが私の感じでございます。ただ、この新しい精密構造調査は何分本年度が第一年度でございますので、現在の融資業務との関連において、必ずしもこれが十分バランスしていくかという点になると、十分とは言えないわけでございます。いま申し上げましたような基本的な考え方で今後両方の業務をふやしていくように努力したいというように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/112
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113・中村重光
○中村(重)委員 車の両輪だと言われるけれども、少なくともこの事業団をつくろうとされたときは、どうしてもこの事業団に探鉱を自主的にやらせなくてはならなぬ、ここにウエートがあったと思う。ところが当初はそういうことではなかった、大蔵省との折衝の結果は、むしろ通産省が期待はずれをしたということが実情だろうと思うのです。ところがどうにかそういう当初の方向に進む形になってきた、やれやれというお気持ちだろうと思う。だから今回はこれはいかんともいたし方がありませんが、この後の取り組みですね、これは鉱業権者にまかしておっても、先ほどお答えのような隘路もあってどうにもできません。やはり積極的にあなたのほうがこれに取り組んでいくということでやっていただきたいということを強く要請をいたしておきたいと思います。補助金にいたしましても、こういう実際の現状、実情に合わないようなことではどうにもならないじゃありませんか。融資にしてもそうなんでございますから、どうかひとつ積極的に取り組んで、四十年度におきましては、こういうことであまりあなたのほうも委員から締めつけられることのないようにやっていただきたい。また、数回附帯決議もついておる。ところがこの附帯決議も全然問題になってない。先般ある会合の際に、国会はどうも附帯決議ばかりおつけになるけれども、少しも実行されないじゃないか、何のための附帯決議だといって御指摘を受けた。全く汗顔の至りでございますといって、私ども平あやまりにあやまらなければならぬという状態であった。四十年度は大いに期待をしますから、業界の期待にこたえ、また国会の附帯決議の期待に沿うように、そのことが開放体制下に臨む当然あるべき姿であると思いますから、大いにひとつがんばっていただきたい。そのことを強く要望いたしまて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/113
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114・二階堂進
○二階堂委員長 参考人におかれましては、長時間御出席をいただき、まことにありがとうございました。
次会は、明日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604461X03019640407/114
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