1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月二十七日(水曜日)
午前十時五十分開議
出席委員
委員長 山中 貞則君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 藤井 勝志君 理事 坊 秀男君
理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
理事 堀 昌雄君 理事 武藤 山治君
天野 公義君 伊東 正義君
岩動 道行君 大泉 寛三君
大久保武雄君 奧野 誠亮君
木村 剛輔君 小山 省二君
砂田 重民君 田澤 吉郎君
渡辺美智雄君 卜部 政巳君
佐藤觀次郎君 只松 祐治君
日野 吉夫君 平林 剛君
松平 忠久君 春日 一幸君
出席政府委員
人事院事務官
(管理局長) 小林 巖君
大蔵政務次官 纐纈 彌三君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 遠藤 胖君
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 平井 廸郎君
大蔵事務官
(主税局長) 泉 美之松君
林野庁長官 田中 重五君
委員外の出席者
人事院事務官
(管理局法制課
長) 長橋 進君
農林事務官
(大臣官房参事
官) 岡田 覚夫君
農林事務官
(林野庁職員部
福利厚生課長) 西尾 八起君
郵政事務官
(人事局要員訓
練課長) 江上 貞利君
郵政事務官
(人事局厚生課
長) 船津 茂君
建設事務官
(大臣官房人事
課長) 大津留 温君
専 門 員 抜井 光三君
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本日の会議に付した案件
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行
法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二
四号)
国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
案(内閣提出第一七一号)
公認会計士特例試験等に関する法律案(内閣提
出第一五五号)
税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五七号)
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
案(安宅常彦君外九名提出、衆法第五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/0
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001・山中貞則
○山中委員長 これより会議を開きます。
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公認会計士特例試験等に関する法律案、税理士法の一部を改正する法律案及び安宅常彦君外九名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、これを許します。只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/1
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002・只松祐治
○只松委員 すでに多くの同僚委員から質問が行なわれておりますから重複する点もあるかと思いますので、できるだけそういう点は避けまして、質問いたしたいと思います。
まず、資金関係についてお伺いをいたします。簡単にお答えをいただいて、でき得ればあとで資料にして御提出をお願いしたいと思います。
現在共済関係の資金は総額幾らになっておるか、それから貸し出し額、おもな貸し出し先、その返済状況、焦げつきその他の回収状況のものがあれば、そういう点についてお答えをいただきたい。それから不動産の取得その他そういうものがあれば、不動産なんか相当値上がりを来たしております。変動を来たしておりますので、そういう関係はどういうふうに見積もっておられるか、資産内容ですね、そういう点についてお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/2
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003・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 共済組合の総資産の状況でございますが、決算の確定しているのは三十七年度末でございますので、三十七年度末の数字について申し上げますと、積み立て金としてほとんで全額を占めておりますのが長期給付の関係の積み立て金でございますが、これが国家公務員共済組合連合会、郵政省、造幣局、林野庁、建設省並びに印刷局を合わせまして、総額で千三百九億円ということになります。また公共企業体共済組合、つまり国鉄、電電並びに専売の三公社の共済組合におきまして千三百二十七億円、さらに地方公務員の共済組合、つまり地方職員共済組合並びに公立学校職員共済組合、警察職員共済組合、これらを合わせまして四百二億円ということになっております。御承知のように一昨年の十二月の地方公務員共済組合法の制定によりまして、従来雇用員だけに限られておりました地方公務員の長期給付制度が、共済組合制度によって全部規律されることになったわけでございまして、昨年以降におきましては、この年度末積み立て金の増加は、やはり急ピッチにのぼっているであろうと推定されております。
そこで、その運用の問題でございますが、共済組合の資産運用につきましては、国家公務員共済組合の場合並びに公共企業体職員の共済組合の場合、あるいは地方公務員共済組合の場合で若干の差がございます。ことに組合の性質によりまして、たとえば地方公務員共済組合の場合においては、直接国庫負担がないというような関係がありまして、資金運用部に対する預託制度が公立学校職員共済組合にのみ適用されておるというような関係もございますので、全体を通じて一律に論ずることはできないわけでございますが、まず典型的なものである国家公務員共済組合の場合を例にとりますと、まず当座の支払い手段としての現金資産が百分の五、それから、いわば共済組合の資金を有利、確実に運用するという観点できめられております資産が、資金運用部預託を中心といたしまして百分の五十、そのうち百分の三十は資金運用部預託ということになっております。ただ経過的に申しますと、毎年の積み立て金の三分の一を積み立てていって、最後には静態的に百分の三十になるように考えておるわけでございます。
それから第三に、不動産または組合の行なう事業のうち、不動産取得を目的とする貸し付け金、このグループは百分の二十でございます。
それから第四といたしまして、不動産の取得以外の組合の行なう事業に対する貸し付け金というのが百分の二十五と定められております。この第四のグループと申しますのは、実質的に申しますと、個々の組合員に対して貸し付けられる貸し付け金、これを、たとえば連合会でございますと、単位共済組合に貸し付けまして、これが個々の組合員に貸し付けられることになるわけでございます。こういう原則的な規定が設けられております。その場合に、さらに経過的な取り扱いといたしまして、当分の間は四号の組合員貸し付けに充てられる資産は百分の三十に達することができるというように定められておるわけでございます。
そこで現実の問題として、資産の運用状況がどういうふうになっておるかということでございますが、連合会に例をとりまして資産の構成割合を見てまいりますと、資産の、いわば現金資産の割合が三十八年の十二月末現在におきまして二・三%でございます。これは先ほど五%と申し上げましたが、当分の間におきましては毎年どんどん積み立て金がふえていくような状況でございます。いわば入ってくる金で支払うべき資金は十分まかなっておる状況でございますので、当分の間三%程度ということに定められておりますので、こういう数字になっております。
それから第二号の、いわば有利なる運用をはかるという見地で定められております資産の運用が五四・八%でございます。その中で預託金つまり資金運用部預託に充てられておる資産が二二・八%、その他が三二・〇%、これは定期性の預金であるとか、あるいは貸付信託であるとか、あるいは有価証券等の運用に充てられているものでございます。
それから第三号といたしまして、先ほども申し上げました不動産並びに不動産取得を目的とする貸し付け、これに対する運用が一三・六%でございます。そのほとんど全部が福祉事業のための不動産の取得のための資金でございます。
それから第四号といたしまして、各単位組合に対する貸し付けと申しますか、組合員が、たとえば住宅取得であるとか、あるいは教育資金であるとか、生活資金等のために借り入れを行なう場合のこの貸し付けでございますが、これの運用割合が二九・三%という数字になっておるわけでございます。しかも最近におきましては、準公務員宿舎に対する運用というような問題も大きく取り上げられることになりまして、本年度の資産運用の予定によりますと、不動産貸し付けと組合員貸し付けを合わせまして五割程度の運用が行なわれることになろうかと思います。
そこで、先ほどお尋ねがありました第三点の不動産の現状並びにその再評価の問題でございますが、不動産につきましては、先ほどお話し申し上げた三十八年の十二月末現在で連合会の所有不動産は百十四億七千六百万でございます。これについては再評価はいたしておりません。再評価をいたしました場合に、どの程度の含みがあるかという問題でございますが、これは再評価をやったことがございませんし、福祉施設にいたしましても取得の時期が非常にまちまちでございますので、現在の段階でどの程度になるか的確な数字はつかめないという状況でございます。
なおその他の共済組合につきましても、大体これに準じた運用が行なわれているわけでございます。先ほど申し上げましたように、資金運用部預託が行なわれる場合とその他によって若干差がありまして、たとえば地方公務員共済組合の場合でございますと、地方債の引き受け等が資金運用部預託にかわって行なわれているというふうに御理解を願ってよかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/3
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004・只松祐治
○只松委員 きょうは、この問題を中心にお尋ねしようということではございませんので、一応お聞きする程度にとどめておきますが、こういう膨大な、しかも日本国じゅうのほとんどの公務員関係者の老後の問題を扱う、あるいは現在のいろいろな不時の災害の費用を扱うたいへん重要な任務を負っているわけですが、この資金を運用しておる機構と、それから運営状況というものについて、ひとつ簡単に御説明をいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/4
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005・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、共済組合のグループにも三グループございまして、それぞれ必ずしも同じような制度にはなっておりませんが、基本的に申しますと、単位組合で長期給付を行なって積み立て金を持っておるところ、こういったところにつきましては、運営審議会というものが設けられておりまして、その運営審議会におきまして、毎年の事業計画を審議し、運営してまいることになるわけでございます。その運営審議会の構成でございますが、それには職員を代表するものも参画することになっておりまして、職員代表と当該官庁の代表とが協議して運営をしてまいるというかっこうになっておるわけでございます。なお連合会組織をとっております場合におきましては、二通りございまして、地方公務員の場合におきましては、評議員会制度によりまして、評議員が議決機関として各種の基本的な運営を定めておるわけでございます。それからその評議員会の構成員に組合員等が入っている場合もございます。それから国家公務員の場合でございますが、先ほど申し上げたように、各省単位の運営審議会というものが設けられておりまして、ここにおいて職員の意見等を反映いたしながら、各省を代表する一名の評議員が集まりまして、連合会の評議員を形成する、これが意思決定機関になるということになっておるわけでございます。このような形でそれぞれ運営が行なわれているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/5
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006・只松祐治
○只松委員 これは労働者全体の中で共済組合等対策委員会とか、あるいは総評であるとか、あるいは国家公務員、地方公務員その他各関係労働者の中からいろいろな要求が出ておることは御承知だと思います。それからいま表面上あるいは形式上は一応そういう民主的な形で各方面から選出されてきたもので運営されておる、こういう形になっておりますが、一口に言うならば、ほとんどそういう人々は管理者側、いわゆる当局者側の人々が出てきておる、あるいは多い、こういうことは御承知のとおり明らかなところであります。したがって、この対策委員会から運営の民主化というようなことが強く要求されてきておるわけでございます。そういう点について、いまきわめてこれが民主的に行なわれていない、しかも大金を納めておるいわゆる労働者側の意見というものがあまりに少ない、こういうことを率直にお認めになり、今後そういう人々の意見をもう少し聞く、あるいはそういう人々がもっと多く選出されてくる、こういうふうになさる御意思があるかどうかお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/6
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007・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 各共済組合の運営審議会におきまして、少なくとも労働組合に所属しておられる方々の運営委員とそれからいわば官側と申しますか、管理者側の運営委員との数は同数ないしは一名程度の差ということになっているわけでございまして、その限りにおきまして、現在の制度を特に改めるという議論はないのではないかと私ども考えております。
さらに評議員の中に労働組合の代表をもう少し入れてはどうかという議論があるわけでございますが、それらは各単位共済の委員を代表するという形で連合会に出てくるわけでございまして、その限りにおきまして、何人が最も適切であるかという観点から考えますならば、いわば管理の責任も負担しており、かつはまた事務にも精通しているという、いわば共済組合の担当課長と申しますか、主管課長が一応それに当たるのが妥当であろう、もちろんその主管課長といえども、個人の意見において行動するわけではございませんので、それぞれ各省の運営審議会の意見を十分取り入れて、その観点において発言し、行動するわけでございますから、現在の制度を特に改める必要はないと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/7
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008・有馬輝武
○有馬委員 ちょっと関連して。この問題につきましては、本委員会において何回も論議をされまして、いま御答弁になったような形ではなくて、民主的な運営のために構成についても将来考えようという答弁があったことを記憶いたしております。それで二、三の単位共済の現在の構成をお示しいただくとともに、政務次官のほうからこれについて現在までどのような検討が加えられてきたか、御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/8
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009・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 各省の単位共済の構成でございますが、大蔵省におきましても一九名の運営審議会の委員がございますが、その中で四名が職員組合の代表というかっこうになっております。それから郵政省の場合でございますと、五名、五名という形になっておりますが、ただ議長が理事者側から出るという形になっているように考えております。大体そういうようなタイプに分かれると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/9
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010・纐纈彌三
○纐纈政府委員 いまの有馬委員の御質問に対して事務当局のほうから構成の問題については再検討するというようなお話がございましたが、私もその辺の内容をよく承知いたしておりません。少なくとも私が大蔵省に参りましてからはそういう問題で検討いたしたことはなかったように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/10
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011・有馬輝武
○有馬委員 負担率の問題等で、いま各単位共済の意見を代表して連合会に持っていくという御答弁でありましたが、その持っていく際には各単位共済にわいてその権限がどのような形で委任されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/11
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012・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 ちょっと御質問の御趣旨が必ずしも理解できない点もございますが、たとえば事業計画とかあるいは財源率再計算というような問題につきまして、各省単位組合がどういう考え方でどういう仕事をするかというふうに考えましてお答えを申し上げますと、専業計画の場合でございますと、たとえば国家公務員共済組合連合会で年度の事業計画を大ざっぱに立てます場合、まず基本的には各単位共済からいろいろの希望をとるようにいたしております。その希望をとる段階におきまして、たとえばこういうところに宿泊所をつくってほしいとか、あるいは保養所をつくってほしいとか、その他共済組合連合会の運営各般にわたっての希望が述べられるわけでございます。その段階におきまして、当然各省単位共済組合において運営審議会にどういう考え方で出すかということが付議されておるわけでございます。それから、このようにして作成して提出されました意見に基づきまして、修正すべきところは修正して連合会の事業計画等が一応策定されるわけでございますが、その連合会の事務局なりあるいは理事会を経て作成されましたものにつきまして評議員会で決定をいたすということになるわけでございます。その評議員会で決定すべき議案につきましては、事前に当然各単位共済組合に、配付されまして、単位共済組合の運営審議会でもう一度その点を議論する機会があるわけでございます。そういった運営審議会の段階におきまして、事業計画等については十分組合の方々も参画して論議される余地が認められているわけでございます。
それから財源率の再計算の問題でございますが、財源率の再計算の問題につきましても、われわれといたしましては当然職員にも利害関係のある問題でございますから、各単位共済にも周知徹底をはかる必要があるということは考えているわけでございます。そこで、まず基本的に申しますならば、財源率の問題というのは保険数理に基づいて所要の費用の総見積もりが幾らになるかという問題があるわけで、いわば数学的な問題になるわけでございますから、基本的には専門家であるアクチュアリーの意見によってきめていくわけでございます。このアクチュアリーの意見の決定にあたりましても、各種の共済組合の担当のアクチュアリーが昨年初めから集まりまして、どういう観点で検討するか、どういう指標をとってやるのがいいのかという議論を十分尽くした上で、それぞれの各共済組合なりあるいは連合会の総費用の見通しが過去五年間とどう違ってきているかということを検討されたわけでございます。そういった検討の結果が、一応試算された財源率の形で出てまいりまして、それを郵政省あるいは印刷局、造幣局、林野庁という現業の共済組合につきましては、それぞれの運営審議会に付議いたしておりますし、さらに国家公務員共済組合連合会の場合におきましては、いわば財源率を客観的な立場で検討するために検討委員会というものをつくりたいということで、これには労働組合の方々も参加するように呼びかけまして、検討委員会という場において十分論議を尽くしていただきたいということにいたしておるわけでございます。その労働組合からの参加される方々につきましては、各省の単位組合に呼びかけまして、単位組合からそれぞれ御推薦いただくというような形で運営いたしているようでございます。そういう意味におきまして、もちろん試算されました財源率等についても各省単位組合にも周知させておりますし、さらにそういう場を通じて十分御意見を承るようにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/12
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013・只松祐治
○只松委員 いま有馬委員からもお話がありましたし、あるいはこれは参議院でございますけれども、かつてこれらの運営については共済組合制度が相互扶助の組織であることを考慮して必要な配慮を加える、こういう附帯決議さえついているわけでございます。あるいは関係帯団体からも具体的に法案の修正条項まで出て、もっと民主的にこの会を運営するように、こういう要望が出ておることは御承知のとおりでありますから、ぜひここで附帯決議その他もついておるという国会の意見も尊重して、民主的にするように改めていただきたいと要望しておきます。
次に、法律は御承知のとおり国民全般に適用するものである、したがって法律は国民に対して平等でなければならぬということは当然でございます。しかし過日来論議されておりますように、今回の改正法は満州や上海等におられた人々、端的に言えば特殊的な人々に対する適用ということが主眼になってきております。しかもこの立証方法その他は、いままでとは違って非常にゆるやかに何らかの形で立証できればそれが適用される、皆さん方政府当局の答弁もそういうことになっておるのです。したがって今後いろいろなケースに適用していく場合、外地あるいはそういう特殊的な任務についた人々はゆるやかにする、あるいは内地でいろいろ適用する場合に非常にシビアーにする、こういうように人によって法の適用を誤らしめてはならないと思います。そういう点について、今回のようにこの共済法を適用する場合には国民すべてに寛大にする、こういうことをお認めになるかどうか、お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/13
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014・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 三機関の職員の勤務の実態について、認定にあたりましてはできるだけ客観的な資料に基づいて認定をいたしたい、その点については基本的な態度としては変わっておりません。ただ現実の問題といたしまして終戦時の、しかも外地のことでございますから、正確な公的な資料が完全に備わっているかどうか、これらについては必ずしも自信がないわけでございます。その限りにおきまして少なくとも公正な第三者の目から見て間違いないという資料が出る限りにおいて、これを認定してまいりたいという考え方をとっているわけでございます。そこで、ひるがえって先生御指摘のように、かりに今後ほかの問題を内地等について考えたとした場合において、同じ態度で進んでいくべきであるかどうか、これはもちろん基本的には同じでなければならないと思います。ただ問題は、少なくとも第三者から見て客観的に認定できるか、あるいはこれ以外の認定の方法はないというような場合についての認定の問題、いわばある程度上司なり同僚等の証言等を認定材料にするということはあろうかと思います。ただいろいろ意見が違っている場合に、どれか一つをとってきめるというようなことはなかなかむずかしい問題でございます。そういう点については、具体的な事案が起こりました際にあらためて検討いたすことにせざるを得ないと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/14
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015・只松祐治
○只松委員 法というのは基本的に同じであることはこれは当然のことで、具体的に適用する場合に同じでないと効果がないわけです。基本的には同じだけれども、具体的にはというようなことばの濁された答弁がありましたけれども、やはり一つそういうふうにあいまいにするならば、あるいは簡単な立証方法でするならば、ほかの場合にも当然それはそういうことにならなければならないと思う。基本的には考え方は同じだけれども、具体的には個々に当たって見なければならない、こういうことでは国民に対して法の平等を説き、あるいは法を守るということにはならない、当然そういうことになると思います。
重ねて、こういうふうに満州国関係や上海やそういう人々に対して、いままでよりもゆるめた、こういう形でおやりになるならば、今後もいままでのそういう資格条件というものもゆるめる、端的に言うならば、そういう形でお臨みになることが当然だと思う。そういうふうにおやりになりますかどうか、重ねてお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/15
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016・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 基本的には同じ考え方であることはもちろんでございます。ただ本人が、ある制度をつくりました場合に、自分は適用になるという申告をいたしただけでは認定はできない。これはいまの場合におきましても同じでございまして、少なくともある程度第三者が間違いないという認証をしてもらわなければ困るであろう、その場合に内地等の人の場合であれば、いろいろな機関があるわけでありますから、その限りにおいて、それらの所管の機関なりなんなりが間違いないという認定をしていただかないことには、本人の御申告その他だけですべてを律するという考え方にはならないであろう。そこで、現実の問題として、どの辺が限界になるかということは場合場合によっても違ってまいるでございましょうから、そういう具体的な事例に即して考えていく以外にはないというふうに私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/16
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017・只松祐治
○只松委員 本人の申告だけで認める、こういうことを私は言っておるのじゃなくて、やはり何らかの客観的な立証というものは必要なことですが、いままでは相当それがシビアーであった、きつかった、こういうふうに聞いておるわけですが、今度の場合は戦時中とかいろいろなこともありまして、何か一つでもあればいい、こういうふうになってきておるわけでございます。したがって、そういうことならば、いままでよりも多少条件がゆるんできておるのじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。したがって、今回そういうふうにゆるめるならば、今後いろいろな問題についても——戦中という特殊の条件があったにしたところで、私たちから言うならば、そういう不急不要の人々を今回皆さん方は急いでなさっておる。こういうものは政府の反動的な政策の一つのあらわれである、こういうふうに私たちは思っておるわけであります。こういう不急不要の者をするならば、もっとほかにたくさんする人がある、こういうことは先日来同僚委員が指摘しておるとおりであって、そういうことをしないで、そういう特務機関か何かに働いておられた人たちをやっておるわけであります。そうするならば、他の機関の人々が今後適用される場合にも当然幾つもの立証でなくて、一つだけの立証、客観的な資料があるならば、これを認める、当然こういうことになってくると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/17
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018・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 誤解を避けるためにちょっと私の発言の不足した部分を補足させていただきますが、先ほど申し上げたような立証方法は今回初めてとられたものではございませんので、一般公務員の前歴等につきまして、たとえば市町村の役場が戦災で焼けた、こういった場合に必ずしも客観的なデータばかりで証明できない場合も一般的にあるわけであります。そのような場合におきましては、上司とか同僚とかその他第三者の証明をもってかえるという方法は、すでに共済組合について開かれておるわけでございまして、その限りにおいては新しい方法ではない。ただ、今回の三機関等についてはそういうケースが比較的多いであろうということが言えるわけでございます。したがいまして、今後の処理につきましても当然同じような処理方法でやってまいることは、もちろん先生の御指摘のとおりでございますが、ただ事案の性格によりまして、極端な事例を申しますと、職員側はそういうふうな勤務をしておった、しかし官側は必ずしも認めない、そういった場合に一体どう考えるかというようなことを想定いたしますならば、一がいに職員の側の意見だけで議論することもできないであろう、その場合に、第三者から見て当然そういった勤務があったというような客観的な認証のできる資料があれば、それによって問題を判断する、これは先生御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/18
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019・只松祐治
○只松委員 そこで、農林省の方にお伺いをいたしますが、たとえば食糧庁では昭和二十四年の九月十五日から常勤、非常勤という区分になったわけでございますが、当時何名くらい非常勤の方がおいでになりましたか、もし資料があれば、たいへん古い話でございますが、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/19
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020・岡田覚夫
○岡田説明員 昨日も申し上げましたように、調査をいたすことにいたしておるわけです。現在調べてみましたけれども、当時は相当古いときでございまして、しかも食糧事務所において採用いたしておりました関係から、はっきりした統計資料を持ち合わせがございません。今回、その点は調査をすれば十分明らかになるというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/20
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021・只松祐治
○只松委員 おおよそでもわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/21
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022・岡田覚夫
○岡田説明員 おおよそというのもよくわからないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/22
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023・只松祐治
○只松委員 いままで職員の組合側からそういう非常に強い要望が数年来農林省関係ではあったと思います。この三年来くらい急速にそういう要望が強くなってきておるということは当局者は御承知のことだと思います。それを全然放置されておったのか、当局側はおおよそもそういうことの数字がわからないということはきわめて怠慢だと思いますが、どうですか。全然そういうことをお考えになりませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/23
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024・岡田覚夫
○岡田説明員 私のほうで聞いておりますのは、大体昨年の暮れあたりからそういう強い要望を受けておるわけでございます。ことしに入りましてからいろいろそういう点で検討の準備をいたしておったわけですが、いよいよ調査にかかった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/24
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025・只松祐治
○只松委員 あなたの下部機構で自主的にしろいろいろな形にしろ、そういうことの実態調査が相当行なわれておる、しかも的確な数字がすでにあらわれておる、こういうことを御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/25
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026・岡田覚夫
○岡田説明員 具体的には立証するべき資料というものが、相当年月がたっておるわけでありますから、いろいろな方面で資料の収集をしなければならぬ、そういうことで準備はいたさせておりますけれども、まだ具体的にその数字を把握しておるということについては存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/26
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027・只松祐治
○只松委員 たとえばここへ来てごらんになってもよろしゅうございますが、埼玉県の農林省関係の官庁では、労働組合のほうが自主的に調べております。こうやって全部調べがついております。一例を申し上げますと、埼玉食糧事務所で約七百三十名中十五名、統計調査関係で三百十名中二十二名、農事試験場関係で二百八十名中五十七名、荒川中部水利事業所で五十五名中十八名、川口の機械管理所で十七名中九名、約千四百名程度の中で百二十名、一割程度の人がこの非常勤関係で問題になっておるし、非常に苦慮して当局側に訴えておる。こういうことは職員の中では明確に調査が済んでおるのです。ところが、当局側では全然わからないし、何名くらいおるかわからないということでは、職員管理上きわめて怠慢のそしりを免れないと思うのです。これはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/27
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028・岡田覚夫
○岡田説明員 組合のほうで調査をしておるという話は伺っております。組合から出されました資料として、七千七百名程度の者がいるというふうな資料は承知をいたしております。しかし、これは申し上げるまでもありませんが、相当古いことでありますし、それから当時どういうふうな雇用形態であったのかというふうなことも詳細に調べてみませんと、断定的なことはなかなか申しにくいというふうに思われるわけであります。したがいまして、私のほうでもこの数字が正しいとか正しくないとかいうことを申し上げておるのではございませんで、私たちの立場からひとつ徹底的に調査をして実態を明らかにしようというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/28
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029・只松祐治
○只松委員 いま聞けば、組合側で調査しておったということは聞いておりました、こういうことなんですね。これはほかのところで論じたいと思うのですけれども、やはり近代社会、近代国家、こういうことばを使う以上は、雇用関係も近代的であらねばならぬ。むしろ、雇用関係の近代化というのが近代社会、近代国家の一番基本をなすものだ。雇用関係を昔のままの封建的な状態に放置しておいて、いわばいまのように、昔の雇用関係その他も全然やられていない、非常勤関係者が非常に多い、こういう状態にしておいて、自分たちだけ近代人ぶったり、近代国家ぶったって、それは通用しないことです。だから、そういう点は、皆さん方、率直に反省して改めていただきたい、こういうふうに思います。
そこで、お伺いをいたしますが、今後徹底的に調査をするというおことばがいまございましたけれども、それではいかなる調査方法で行なうか。すでにその調査方法その他が決定しておりますか。たとえば、職制を通じて何かあなたのほうで一方的におやりになるのか、あるいは、職員組合、労働組合等と協議して、その上で民主的に調査を進められるのか。こういう具体的な調査方法がきまっておればお教えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/29
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030・岡田覚夫
○岡田説明員 準備は相当前からいたしておるわけでございます。調査方法につきましては、どのように具体的に調査するかという点につきましては、相当むずかしい問題もありましたので、かなり時間をかけて調査要項を練ってまいったわけでございます。その間、組合の意見等も十分伺いまして、それで要項をつくってまいっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/30
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031・只松祐治
○只松委員 原則としてこれはどうですか、自主申告というような形になりますか、皆さん方の強制調査というような形になりますか、そこはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/31
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032・岡田覚夫
○岡田説明員 調査方法といたしましては、まずもって、その当時、非常勤職員、常勤職員というのがある年代から分かれておりますが、その以前は、必ずしもその点はっきりいたしておりません。そういうふうな関係から、少なくとも定員に入っていなかった職員につきまして、当時、そういうふうな常勤ないし非常勤、それ以前の常勤、非常勤、明らかでなかったのは、非常勤時代でありますが、そういうふうな人につきましては、人事記録カードで全部洗いまして、その中から、勤務の形態がどのような形であったかということを調査するという形になるわけでございます。したがいまして、一応職制を通じまして、そういう点を明らかにしまして、それから、具体的に勤務の形態がどうであったかということにつきまして、いろいろな資料の収集もするし、いろいろな人の意見も聞くというような形になってまいろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/32
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033・只松祐治
○只松委員 そこで、ぼくは、さきに給与当局に聞いたんですが、いまの話を聞くと、自主申告ではなくて、あなたのほうで職制を通じて一応調べる。しかも、記録カードというのは、御承知のとおり、臨時ですから、一カ月に切り変わったり、あるいは、一カ月働いても二十日しか書かない、こういう形の記入しかしていないのですね。そうすると、きわめて条件が悪くなったり、あるいは、常勤にひっかからなかったりする人も出てくるわけです。だから、いまあなた方がほんとうに親心を持って、すまぬことだということで始めるとするならば、むしろ実態調査から始める、こういうことがほんとうの親心だと思うのです。それから、さっき言われたように、何らかの客観的な立証方法が一つあれば、今度の場合は、これは適用されるわけなんですから、したがって、それがあなたが言うように、職制を通じて非常に厳密に調査をして、まず記録カードで調べて、それから実態調査に移る、こういう形では、今回の適用とは相当矛盾してくるわけですね。だから、ぼくは、一番最初、今回こうやってルーズにするならば、ほかの点もそういうふうにゆるめるべきだ、こういうお尋ねをしておったところなんです。さっきの給与課長の答弁とは食い違っております。だから、あまりそうきつく調べるのではなくて、職制から調べる、調べないは、もう少し労働組合なり職員組合関係者と話し合って、調べるにしても、あまりそう職制カードだけにたよる、こういうことでは不公平になる。したがって、そういう点については、ひとつ十分配慮をしていただきたい。そういう点どうですか。どうしてもやはり自主申告じゃなくて、あなたのほうから職制で強制調査するというような調査でもないのですか。そういう形になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/33
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034・岡田覚夫
○岡田説明員 その点は、最後にどうするかこうするかという問題はまた別個の問題だと思うのですけれども、調査の段階といたしましては、単にその客観的な資料が得られるということだけでは必ずしも十分ではないと私は思っておるわけです。それは、相当古いことでありますし、必ずしも十分資料があるかどうかということもわかりませんし、したがいまして、単に物的証拠というようなことだけではなくて、相当心証的なものも得られるかどうかという点にまで一応調査をやってみたいというふうには考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/34
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035・只松祐治
○只松委員 だから、一応あなたのほうで調査されて、それから本人の意向なりまわりの人の事情聴取というものは必ずなさりますか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/35
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036・岡田覚夫
○岡田説明員 ちょっといまの御質問、よくわからなかったのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/36
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037・只松祐治
○只松委員 あなたのほうの一方的な調査だけで終わらせるのでなくて、必ず周囲の人の意見を聞く、あるいは本人の申し出を聞く、あるいは、それでも意見が合わないというようなときはどうやって苦情処理をするのか、こういう問題にまで最後はなってくると思いますけれども、そういう点について十分配慮なされて、その上で調査なさりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/37
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038・岡田覚夫
○岡田説明員 その点は十分考慮していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/38
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039・只松祐治
○只松委員 それから、今回なされる調査というのは、これが最終的ないままでもいろいろ問題になったと思うけれども実際上できなかったので、これは一ぺん調査だけして、これが適用される場合にはあらためてまた調査する、こういうことを何か言っておられるようにも聞いておりますけれども、そうじゃなくて、今回なされた調査が、これが適用される場合の基本調査、こういうことになりますか、もう一ぺん調査される、こういうことですか。今度の調査の意義ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/39
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040・岡田覚夫
○岡田説明員 今回の調査は、そういうふうな過去の雇用形態がどういうふうな形態であったかということを調査することを目的にしております。したがいまして、その調査から出ました結果につきましてどのようにするかということについては、大蔵省と協議をいたしまして、どのような措置をとるかということが結論されると思うのですけれども、それから何らかの形でいろいろな方法がとられたとしまして、その人たちを、そのままその資料が使えるかどうかという問題につきましては、具体的な適用になりますと、また別個の問題だと思うのであります。したがって、その場合にはあらためて、その適用する人につきましてさらに調査するということはあり得ると思います。とりあえずは、前段階の、どの程度あるか、どういう形態であったかというふうな点を中心にして調査をしてみたい、こう思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/40
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041・只松祐治
○只松委員 給与課長のほうにお伺いをいたしますが、四十年度からこれを適用するということになれば、きのうの話では八月ごろまでに調査を終わりたいという話もございましたが、その程度までにできれば、明年度の予算を組むのに差しつかえない、こういうことでございますか。その調査の期間はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/41
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042・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 予算の立て方にもよると思いますが、かりにこれらの場合につきまして追加費用として国が負担するという場合でございますれば、必ずしも八月でなければならぬということはないであろうと思います。ただ、制度問題にいたしましても、ロングランに見れば必ず国家財政に響いてくる問題でございますから、その限りにおいては、予算の編成期までには間に合うようにいたさなければなるまいというふうに考えております。ただ、御指摘のようなケースが、かりに調査の方法あるいは調査から得られました結果が直ちにそのまま予算の基礎として論議されるようなものになるかならないか、この辺のところは、具体的な事案を拝見いたしませんと、いま直ちに、四十年度の場合に適用できるようになるかならないか、この辺のところは、私どもいまお答えを申し上げることはできないと思います。ただ、私どもといたしましては、四十年度を目途といたして検討いたすことはやぶさかではございませんが、出てきた事案につきましてさらに慎重に検討いたしまして、その可否を決定いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/42
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043・只松祐治
○只松委員 事務当局でさえも四十年度を目途として努力するということでございますから、当該官庁の農林省としては、当然それに間に合うように、急いで調査なされる必要があると思います。どうですか、八月までにはいまの話では、まだ実施に着手していなくて、大体調査方法が何とか意見が一致した、こういう段階だと聞いておりますが、夏休みその他を控えまして、八月一ぱいくらいに完成の見通しですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/43
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044・岡田覚夫
○岡田説明員 これはやってみないと、必ずしもわかりませんけれども、私のほうとしては、大体三カ月くらいを目途にして、できるだけ努力をしてやろうということを考えておりまして、六月の初めからは、おそらく具体的に調査方法も確定しまして、調査に取りかかれるような形になろうかというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/44
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045・只松祐治
○只松委員 それから、こういうことは調査の上でという答弁になるかと思いますが、しかし、現在雇用されておる人ですから、およそ御存じだと思いますが、農林省関係で、非常勤でおられて、いわゆる今回適用すれば、おおよそ何年ぐらい繰り入れになるというふうにお思いになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/45
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046・岡田覚夫
○岡田説明員 それは先ほど申し上げましたように、実態がわからないものですから、調査の上でないと的確なお答えはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/46
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047・只松祐治
○只松委員 大体埼玉で適用されるであろう百二十名前後の調べでは、およそ三年から、長い人で六年ですね。三年——五年という程度が一番多いわけです。だからそういう点も、三年——五年というのは当該者にとっては非常に大きな問題ですから、ひとつ農林省は急いでやっていただきたい。
それから、さっきちょっと農林省当局に申しましたけれども、いわゆる近代国家というのは、近代的な組織、表面上の組織だけじゃなくて、内容そのものが一番大事なのです。日本では中小企業の問題をはじめといたしまして、そういう経済の二重構造から始まって、いろいろな立ちおくれた部面がある。そういう中で結局雇用関係というのは、日本の立ちおくれた大きな部面で、封建制度の残滓として強く世界的にも指摘されておる。ところが政府の中で、こういうふうにたくさん——過去にもあったし、それがまだ救済をされておらないし、現在もなお非常勤者が多い、こういうことは、端的に、そういう日本の雇用制度が、民間その他にも非近代的な形態で残っている、こういうことを意味するものだと思いますが、きょうは人事担当者はお見えになっておられないかと思いますので、給与課長でけっこうですが、こういうことをいつまで続けていくお考えですか、あるいはこういうことはやむを得ないというふうにお考えですか、お伺いをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/47
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048・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 御質問の範囲がきわめて大きな問題でございますから、私どもからお答えしていいのかどうか疑問を感じますが、日本の社会保障制度自体が、社会保険という形におきましては、ようやく近年に至って整備されたわけでございまして、その限りにおきまして、いろいろな問題をかかえておることは事実でございます。ただこういった問題、特に過去期間の取り扱いについて、いろいろな問題を遡及するということは、社会保険全体を通じてなかなかむずかしい問題でございます。たびたび御非難をいただいておりますが、三団体の恩給公務員期間への繰り入れは、いわば恩給という立場において可能になるわけでございまして、社会保険という立場においては、そう軽々には取り上げることが困難なわけでございます。したがいまして、御指摘のような問題については、確かに御本人の立場から見れば、たびたび申し上げているように、同情に値するところはあるわけでございますが、いまの社会保険の体系の中で直ちにそういう過去期間をすべて現在の制度の中に取り込んでやっていくことが可能かどうか、この辺のところは、制度全般を通じていろいろな問題があるわけでございまして、そういうものを取り込んでしまうという場合におきましても、それを全部国が見るべきであるのか、あるいは保険料という形で将来に向かって組合員なり国が負担していくという形がいいのか、こういう点もあわせて議論しなければならないわけでございまして、その限りにおいては非常にむずかしい問題であろうと私どもも考えざるを得ないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/48
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049・只松祐治
○只松委員 こういう問題は、一課長のあれでなくて、大臣が来たときに論議する問題かもしれません。きょうは大臣が来るということで予定しておったのですが、金曜日お見えになるということですから、またあらためて質問をしてよろしゅうございますけれども、いまおっしゃっておりますが、こういうのは論議の問題ではないのです。たとえば小さく自分の家庭を例にとっても、不具者とか廃疾者とか病弱者、こういう人があれば何をおいてもやはりこういう人たちを主人あるいは母としては救わなければならないのです。ところが日本では、そういうことを家庭ではなかなかよくやるけれども、社会や国家の段階に移ってくると、そういう弱い者は放置してしまって、全然顧みない。きょう列席の皆さんというのは、いわば官僚としては特権のグループに属する人々で、こういう人たちとは無縁、無関係のような存在なんですね。ところが社会、国家というのは、何も一家庭が離れて存在するのではなくて、家庭の延長なんですから、当然国家は、こういう一番困っておる人々に何らかの形で救済の手を差し伸べていくというのが国家の任務になってきておる。ところがいまの日本の国家というものは、強い者なり何なりには迎合していって、そういう者にはあたたかい手を差し伸べる——私たちが租税関係でやったように、租税特別措置法などはどんどんやっていくけれども、こういう非常に弱い人々には何らかの救済対策も講じていないというのが現状なんです。こういうものは論議の段階でなくて、自分の家庭にこういうかたわの人や不具者、病弱者がおったらどうするかという、こういう卑近な例から考えても、これは何より急いでやらなければならぬということは当然過ぎるほど当然のことでございます。これは論議を越えて、私は、過去の人々もそうだし、現在なおかつたくさんおる非常勤の、何らの社会保障制度にも、そういう関係の恩典にあずかっておらないこういう人々——近代的なビルが立ち並んでいるが、そのビルにいくと、やはり何の恩恵も与えられない掃除婦とかなんとかそういう臨時の人が日給幾らで来ておる、こういうところへ行って見てごらんなさい。あなたたちは、ああいう大ビルディングの中で日本の哀れさというものをつくづくと感じませんか。そういう状態を政府自体が放置しておるから、その努力をしようとしていないから、結局民間なり日本全体にあらわれてくるわけです。そういう点について、ぜひ一日も早くなくしていくようにやってもらいたい。
それからこれも大臣段階の問題だけれども、一応大臣が来たとき質問するために、この前各項目その他は並べられましたが、そういう非常勤の人々に使っておる金は、人件費あるいはいろいろな行動費その他を含めておおよそどの程度になりますか、その費用の概算がわかりましたら、お知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/49
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050・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 非常勤給与につきましては、先般の委員会でも御議論がございましたように、大部分がそれぞれの事業費の中で支出されておるわけでございます。したがいまして、目の積算にあたりましては、どの程度非常勤を使われるかというようなことを考えたことはございますけれども、現実にその事業の遂行にあたって、どの程度の方々を使用するかということは、それぞれの省庁にまかされておるわけでございまして、現在の段階でそれを総員として的確に把握することは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/50
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051・只松祐治
○只松委員 これは、自分の国家予算がどういうふうに使われておるかわからない、裏を返せばそういうことと同じことなんです。これは国民に対しても失礼千万な話であります。ぜひ次会あたりまでに、臨時職員の各省庁間で使われておる費用——これは人件費だけではなくて、多少の手当も出ているでしょうし、行動費も出ているでしょうし、いろいろあるでありましょうが、それを含んで、ぜひ資料として御提出をいただきたいと思います。そのことを要望いたしまして、きょうは大臣がお見えになっておりませんので、それ以上の基本問題を論ずることもできませんので、一応私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/51
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052・山中貞則
○山中委員長 只松君、いまの資料ですが、具体的にはなかなかこまかく詰めるのはむずかしいのです。そこで、主計局段階の予算の中で、事業費、非常勤職員の人件費、あなたの指摘されたような賞与その他掌握できるものを拾って、一応資料として出させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/52
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053・只松祐治
○只松委員 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/53
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054・山中貞則
○山中委員長 堀昌雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/54
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055・堀昌雄
○堀委員 非常勤職員の問題は、先般来だいぶいろいろな角度から論じてこられたのでありますけれども、私は少し、原則的な部分についてお伺いをしておきたいと思います。
いろいろと資料を拝見いたしておりますと、非常勤職員にもいろいろな形のものがあるということが、少しはっきりしてまいりました。その中で、どうも私が見て共通しておるような感じがいたしますのは、厚生福祉施設の職員というものが一般的に常勤的非常勤職員として、あるいは建設省において、あるいは郵政省においてあるように、実は資料をいただいておるわけです。そうすると二つの省にまたがって厚生福祉施設の職員、たとえば寮母その他、こういうふうな表現になっておりますけれども、これが常勤的非常勤職員だということになりますと、これは各省にわたって相当そういうものがあるのではないかという感じがいたします。いまわかっているのはこの二つの省でありますが、全体としてそういうものは常勤的非常勤職員ということになっておるのかどうかを最初に伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/55
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056・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 こういった寮母とかあるいはまかない婦とか、いろいろな形の職種がございますが、一般的にいいまして、厚生福祉施設に勤務する職員は、各省庁にわたってどういう取り扱いを受けているかという御質問でございます。実はこれも、率直に申しまして、いろいろな形態がございます。たとえば現業官庁、郵政省でございますとか、あるいは林野庁等の中におきましては、病院等のお医者さんあるいはその他の看農婦あるいは病院のまかない婦その他の者まで定員内の職員でやっているケースもございます。これは現業官庁の特殊性として、労務管理上そういった施設が必要であるという観点から、いわば沿革的にそういう取り扱いをしてきているわけでございます。しかしながら現実の動きは、必ずしも、定員法等との関係がありまして、すべてそういうふうに定員内で処理されるというわけでもございません。一昨年の定員法の改正にあたりましても、行政管理庁で御決定になりました定員内繰り入れの基準にあたりまして、こういった厚生管理施設の職員は定員内に入れないというような方針をお立てになっておられます。したがいまして、先ほど申し上げたように、すでに定員内に入っておられる郵政等の場合その他を除きまして、一般的にはむしろ福祉関係の職員はこういった常勤的非常勤の杉になっているか、あるいはさらに進んで共済組合の職員になっているか、そういった形のものが多いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/56
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057・堀昌雄
○堀委員 雇用する側からいいますと、それはいろいろな形に放置しておいてもいいかと思うのですが、雇用されている者の側からしますと、同じ国の機関につとめていて、あるところでは定員になっておって——定員になるということは国家公務員の一般職のすべての権利を持つことになるわけですから、それについてはおそらく国家公務員共済組合法の全面的な適用ということに当然なるのだろうと私は思います。そうすると、同じような国の機関につとめておりながら、その勤務形態も同様でありながら、片やそういう共済組合等の取り扱いにおいて必ずしも同様の取り扱いを受けていないということになると、これはこれまでの議論と非常に似通った問題が出てくるわけですけれども、やはり私は使用される者のほうの権利も、国が雇用する限りにおいては、同様の勤務形態においては同様の権利を与えるのが当然であって、行政管理庁が何ゆえにそれを定員の中に入れていけないと言ったのか、ちょっとつまびらかに私もいたしませんけれども、その点問題がありますから、行政管理庁の担当部局の責任者を呼んでください。これはあとで論じます。
〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕
そこで、いまの常勤的非常勤職員というものの身分ですね。これは一体国家公務員法上どういうことになるのか、人事院のほうでひとつお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/57
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058・長橋進
○長橋説明員 お答えいたします。
国家公務員法は常勤、非常勤職員につきまして定義を設けておりません。実は非常勤任用ということは公務員法の三十三条の一号に出てまいりますが、現在そういう状態にありますので、結局非常勤か常勤かという区別につきましては、その雇用期間とか、あるいは勤務時間ということを基準にしまして区別するよりほかないのではないかというふうに考えられます。実は非常勤職員の定義につきまして、かつて二十六年に福井地裁の民事部長から照会がございまして、行政解釈として公にしたものでございますが、事務総長の回答がございます。「国家公務員法上の非常勤とは、常時勤務に服しない一般職の国家公務員をいう」ということでございまして、実態的には結局先ほど申し上げましたように、雇用期間でありますとか勤務の実態、つまり勤務時間から判断せざるを得ないというふうに考えております。実は御承知と思いますので、申し上げるまでもないと思いますが、公務員法は昭和二十二年の十月に公布されたわけでございますが、その場合に臨時人事委員会に関する規定に関しましては、二十二年十一月一日から施行したわけでございますが、その他の規定につきましては二十三年の七月一日から施行するというたてまえになっております。ところが公務員法は御承知のとおり特異な適用方式をとっておりまして、二十三年に大改正が行なわれました後にも、人事院と服務に関する規定は二十二年の七月一日から適用するけれども、その他の規定は人事院規則とか人事院指令で実施できる範囲から逐次実施していくという特異な適用方式をとっておりまして、それまでは結局官吏その他政府職員の任免等に関する法律で従前の例によって処理されております。したがいまして、公務員法上でいわゆる非常勤職員という制度が確立されましたのは、非常勤職員の任用に関する人事院規則八−七が制定されました昭和二十四年の五月三十一日でございます。それから非常勤職員の勤務時間とか休暇につきまして規則が制定されましたのが昭和二十四年五月三十一日。このときに一応公務員法上の非常勤制度というものが確立されたというふうに申し上げて差しつかえないのじゃないかと思います。
その間それに至るまで嘱託制度でございますとか、あるいは臨時職員制度等いろいろございましたけれども、それはいわゆる定員法が昭和二十四年五月三十一日に公布されまして、二十四年六月一日に施行されたのでございますが、一応そういった定員法で、その問題につきましては、つまり恒常的に勤務する者につきましては、それを定員化したという前提のもとに、それを受けまして人事院規則はできておりますので、結局人事院規則制定当時におきましては、いわゆる非常勤職員といいますものは、人夫、作業員のような日々雇用される者を除きましては、大体パートタイムの職員ということで運用されておったわけであります。ところがその後いろいろな関係で、いわゆる日々雇用される者が非常に長期化しまして、結局日々雇用される者につきましては、規則の十五の四で一日の勤務時間が八時間以内ということが規定されておりますので、こういった職員が長期化しましていわゆる俗称常勤的非常勤職員というものが発生したという経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/58
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059・堀昌雄
○堀委員 非常にこまかい御説明がありましたけれども、要するに非常勤職員と常勤職員の区別は、勤務時間の状態が土台となる、こういうふうに確認してよろしいですね。それと勤務の状態が一つの基準になる。ところがいま私が取り上げた福利厚生施設にいる従業員、これは寮母にしたっておそらく日々雇用できておるわけではなく、相当長期間にわたって実質的には定員化された一般職と同じように勤務しておるから、片っ方では定員の中に入っておる、片っ方では定員の外におる者があるということになると、いまの勤務の状態なり勤務時間に基づいて、常勤、非常勤の区別をつけるというあなたの答弁では通らない現状があるということは確認できますね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/59
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060・長橋進
○長橋説明員 先ほど申しました常勤、非常勤の区別は、雇用期間と勤務時間という二つの基準がもとになるだろうと思います。雇用期間と申しますと一日の期間を、いわゆる日々雇用の形式でございますが、この場合につきましては一日八時間でございますが、更新されまして長期間雇用されるという結果になりますと、常勤職員とほぼ同じような勤務状態になるわけでございます。形式的にはそういう区別になっております。
それからあと、定員の内外の問題でございますが、公務員法上の常勤、非常勤の別は、必ずしも定員の内外にこだわっておりませんので、御承知のように常勤労務者制度がございますが、これは定員の外になっておりますけれども、公務員法上は常勤職員として取り扱われておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/60
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061・堀昌雄
○堀委員 ちょっといま伺って、また新しい事実に気がついたのですが、そうすると現在でも定員外の常勤職員というものがあるわけですね。
ちょっと給与課長のほうに伺いますけれども、定員外の常勤職員というのは取り扱い上、給与その他については定員と同じですか。定員であるとないということの差は一体どこから出てくるのかということになってくると思うのですが、給与上の問題はどうなりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/61
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062・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 いわゆる先生の御質問の趣旨は、常勤的非常勤と呼ばれる職員に属するものであろうと思いますが、これらの職員の処遇につきましては、一般的には定員内外で差はないというふうに理解いたしております。ただそれがさらに日々雇用という形になりますれば、性格は違うものでございますから、給与その他についての処遇は異なっております。こういうふうに考えるわけであります。
なお、さらに給与についての処遇はそういうことであるといたしまして、共済組合法の適用とか、あるいは退職手当法の適用については、それにさらに制限がつけられておるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/62
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063・堀昌雄
○堀委員 これは非常に複雑な制度で、何か話をすればするほど前より複雑になってくるのですが、私はいま常勤的非常勤職員というものの議論をしておったわけです。ところが人事院の話によるとそうではなくて、常勤職員で定員外がまだある、こういうことになったわけです。いまの法制課長の答弁によると、定員外の常勤職員というものがあるのだということです。だから、そこに要するに定員というものが一つありますね。それからその定員の外に常勤職員というものがあって、またそのほかに常勤的非常勤職員というものがあって、形態は同じ仕事をしている者を、国家が三段階に分けて雇用しておるという状態がここではっきりまた出てきたわけですからね。
そこでいまの定員内の一般職員と定員外の常勤職員と常勤的非常勤職員というものを三つ並べて、それについていまの給与の条件、あるいは身分上の条件、それから共済組合等の取り扱いの条件というものは——実態は同じなんです。やっておることは同じだけれども、何か政府の都合でそういう分け方をしている。そういう政府の一方的都合での分け方をされて雇用されておる者の側の権利は、一体どういうかっこうで保障されておるのかということを、ひとつ三つに分けてこの説明をしていただきたいと思います。内容は同じことなんですからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/63
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064・長橋進
○長橋説明員 俗称常勤的非常勤と称しますものは、これは制度的に申しますと、定員外の常勤職員とそれから二カ月の期間を限って雇用される常勤労務者でございますが、この常勤職員とそれからあとは非常勤職員ということでございます。その非常勤職員につきましては、先ほど申し上げましたように、日々雇用の形式をとる者と、それから一週間について常勤職員の四分の三の勤務時間で勤務をする者とございまして、そうして日々雇用される者につきましては、一日の勤務時間が八時間ということが可能でございますので、更新の結果長期化する者がある。この者をとらえて常勤的非常勤と俗に称しておるのでございます。
それから次に身分その他の取り扱いでございますが、一応共済関係の取り扱いを除きまして、任用上について申し上げますと、一応常勤職員につきましては、試験または選考において採用するというたてまえになっております。それから非常勤職員につきましては、試験、選考ということでなしに、任命権者が自由に採ってよろしいというたてまえになっております。
それから身分保障につきましては、非常勤職員といえども非常勤職員たるの地位につきましては、他の常勤職員と同じように身分保障いたしまして、その意に反して懲戒処分等受けた場合には、他の常勤職員と同じように審査請求権がございます。
それから給与の問題でございますが、この場合、いわゆる常勤職員につきましては定員の内外を問わず、同じように給与法の適用を受けまして、等級号俸の適用をいたしております。それから非常勤職員につきましては、給与法の二十二条でございますが、委員、顧問、参与につきましては四千九百円をこえない範囲内で人事院の承認を得て各庁の長が定めることになっておりまして、それ以外の非常勤につきましては、他の常勤職員との権衡を考慮して、非常勤手当を支給するということになっております。
それからあと災害補償関係につきましては、これは常勤職員たると非常勤職員たるを問わず、同様に災害補償をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/64
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065・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 共済制度につきましては、先般も御説明申し上げたと思うのでございますが、二年以上継続雇用されておって、しかも将来に向かってそういう雇用が継続するであろうと認められる者にに限って適用されるということになるわけでございます。そこで、先ほどお話のありました二カ月雇用で常勤職員となっておる者、これについては、どうなるかということでございますが、これにつきましては、厚生年金法の適用が受けられる道は開かれております。ただし先般林野庁当局の御説明もございましたように、事業所の性格によりまして、全部について適用されておるわけではなしに、事業所の非常に末端で小さいもの等については、厚生年金法の適用は任意になっておるという関係もございまして、約五割程度しか適用されておらないという状況になっておるわけでございます。非常勤以下のところにつきましては、現在のところそういったたてまえからいきまして適用はないということになっておろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/65
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066・堀昌雄
○堀委員 そうすると、いま非常勤については共済組合の適用がないのだということで、非常勤の中に二カ月以内を限るのは、いま人事院のほうはこれは常勤職員という理解でしたね。非常勤ですか。あなたのほうのいまの人事院の答弁は、従来四分の二以上出る者と八時間の者、これが日々雇用のかっこうで非常勤であって、一カ月以内を定めて雇用するものについては常勤職員として取り扱う、こういう答弁になっておったように聞いたのですが、それでよかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/66
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067・長橋進
○長橋説明員 いわゆる定員外として認められる常勤職員につきましては、二カ月の期間を限るという雇用形式でございまして、非常勤につきまして二カ月に限るということを別に禁止しておりませんので、非常勤につきましても四分の三以内の勤務時間については、二カ月以上の雇用ということもあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/67
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068・堀昌雄
○堀委員 実は制度が非常に複雑なので、ちょっと、戸惑うのですが、少し整理をいたしますと、定員というものと定員外のものそれから二カ月以内の期限を定める定員外の常勤職員とそれから日々雇用で四分の三の勤務時間をするものですか、あるいはまた一日八時間勤務するもの、ただしこれは更新をされるから、場合によっては二カ月とかいろいろなものがこの中にある、こういうふうになりまね。そうすると、ここでちょっとわからなくなるのは、いまの給与課長の共済組合の適用については、常勤、非常勤の問題ではなくて、要するに勤務の様態のほうがどうも主体になってくるようですから、そこでさっき話の出た定員外の常勤職員で二カ月の期限を限ってするものでも、これが共済組合の適用になる場合とならない場合がある。これはいま御答弁があったとおりですね、だけどその中では、これは長期——短期もそうするとあれですか、いまのは厚生年金の長期給付ですけれども、いまの常勤的一カ月雇用定員外の部分というものの短期給付——短期給付というか、たとえば医療給付その他は、そうすると、これは一体何をやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/68
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069・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 先ほど申し上げましたように、共済組合員となる資格が一年以上の継続雇用であって、かつ勤務の態様が常勤職員と同じである、常勤的勤務であり、かつ将来に向かってそういう仕事を継続していく、こういう条件になっておるわけでございますから、短期、長期を問わず適用がないわけでございます。そこで理論的には健康保険法が適用になる、あるいは国民健康保険法が適用になる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/69
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070・堀昌雄
○堀委員 国民健康保険の適用ということになると、私、非常におかしな問題が起きてくると思うのですが、日々雇用であれば、やはり日雇い労働者ですから、少なくともこの部分についての医療保険は、これは政府管掌の日雇労働者健康保険の適用にならなければならぬ。国民健康保険にするなんということはもってのほかですが、その点の現実の姿はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/70
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071・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 実はその点についていろいろ各省に問い合せをいたしておるわけでございますが、現在までのところ必ずしも正確にわかっておりません。あいまいなことを申し上げるよりは、実態的な問題をもう少し調べた上で御返事を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/71
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072・堀昌雄
○堀委員 いまのところ、政府が日々雇用をしておいて、国民健康保険でやらせているなんというのは、ともかくもってのほかですよ。これは、各省いつまでに調査できますか。こういう形態の一番多いのは林野庁じゃないですか。各省、何日までに調査をして正確な答弁ができるのか、ちょっとそれを答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/72
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073・西尾八起
○西尾説明員 三十八年度はまだ調査未済でございます。私どものほうは健康保険を主体にいたしておるわけでありますが、三十七年度で定期作業員につきましては、その六四・七%が健保に加入いたしております。月雇いにつきましては、五五・一%の加入でございまして、人数にいたしますと、三万六千人くらいが加入いたしておるわけであります。この適用関係につきましては、これは健康保険法の十三条の一号で規定されておりまして、事務所関係は強制適用、それから現場の事業所関係は任意適用、こういうふうな三本立てになっているわけであります。したがいまして現場の事業所関係で任意適用の場合に、そこに働いておる方々の二分の一以上の同意がないとできないわけでございます。任意適用にならない場合は、その方々は大体国民健康保険に加入していらっしゃるから、健康保険に加入することを希望されないという場合であろうと考えておるわけでございます。私どもはできるだけ健康保険に大ぜいが加入するように強力に指導いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/73
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074・堀昌雄
○堀委員 いまの答弁、ちょっとよくわかりません。まず六四・七%が健康保険の加入者だと言われたのですが、政府管掌の健康保険ですか、それから五五・一%というのは何と何でしたか、もう一ぺん言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/74
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075・西尾八起
○西尾説明員 これは月雇い作業員の加入率でございます。六四・七%は定期作業員の六カ月雇用の者でございます。月雇いで一カ月ぎめの方につきましては五五・一%、こういうような結果になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/75
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076・堀昌雄
○堀委員 そうすると、要するに約半分くらいが健保の適用外にあるわけですね。
そこで、あなたのいまの答弁で実に納得のいかないことをあなたはおっしゃっている。国保に入っておるから健保の適用になるのは望まない。しかしいま健康保険と国民健康保険が一体どの程度に本人の負担状況が違うかということを御存じですか。健康保険については、少なくともその半分は使用者側が負担をすることになっております。それから標準報酬に基づいて本人の報酬だけが基準になって、家族が何人いたって健康保険は標準報酬に基づく同じ掛け金だけ、それも半分だけ払えばいいわけでしょう。国民健康保険については、基準割、世帯割、個別割等あって、家族が多ければたくさん払わなければならぬ。いま国が二割五分補助しておるけれども、実質的な負担というものは健康保険、国民健康保険というものを比べてみると問題にならないほど国保は悪いのですよ。国家公務員の、一応雇用形態が何であるにせよ、少なくともいまの形の中で健康保険の適用ができないものならば、これは政府管掌の日雇労働者健康保険の中に入れるような措置を講じなければいかぬと思うのです。少なくとも国民健康保険で払っておるなんてもってのほかですよ。これは重大問題ですから、日をあらためて、こういう非常勤的職員のそういう社会保障関係の問題を——きょうはこればかりをやっておると時間がありませんから、後日本式に厚生省以下関係各省全部でやるということを保留しまして、先へ進みます。
そこでもう一つ、さっきの話の中で出ておりました非常勤職員の中で、要するに八時間の日々雇用を延長した者と、四分の三の勤務時間等の関係の者とであるという話が出たのですが、いまの寮母その他の非常勤職員というのは、一体どちら側の概念で扱っておることになるのでしょうか。実際持っておる非常勤職員、郵政省はいま常勤的非常勤職員ですね——郵政省来ておりますか、その人たちはいまのカテゴリーの中で非常勤職員として、どういうスタイルをあなた方は頭に置いておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/76
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077・船津茂
○船津説明員 お答えいたします。私のほうで非常勤職員として一つのカテゴリーとしていわゆる寮母、全国で約三百六十名でございますが、非常勤職員と申しましても給与の支出科目が常勤職員給与という目から出ておりますので、共済組合法の施行令二条によりまして、採用の当初から共済組合員ということで、名称は非常勤員でございますが、その実態に即しまして、扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/77
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078・堀昌雄
○堀委員 いまのような取り扱いがされておるならば私けっこうだと思うのです。あと電電公社のほうは、ここにやはり二カ月以内の期間を定めて雇用されておる、七千百名は共済組合員の資格を与えられておる、こうなっておりますから、資格が与えられた以上は、これは短期、長期の給付は組合員として同等の権利を持っておると思いますから、これも私問題はないと思います。建設省のほうはここに六百六十三人がやはり同じようなかっこうで定員外になっておるけれども、これも共済組合に全員加入しておる、こういうことになっておりますね、ですから建設省のほうとしてはこれまでの者はみな定員に一応入って、あと残っておる者は純粋な日々雇用しか残ってない、常勤的非常勤というようなスタイルの者はすべて終了したと書いてありますから、これについてはもう問題がない、こう理解してよろしいですか、建設省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/78
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079・大津留温
○大津留説明員 おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/79
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080・堀昌雄
○堀委員 そうしますと、ここへ出ている各省の中で問題があるというのは、これまた農林省だけのようですね。専売公社はこれだけはきわめてどうも簡単なあれしか出てないのでよくわからないのですが、専売公社の臨時職員数というのは医師が百三十一名、その他六ということで、この臨時職員というのは、専売公社なんですか、いまのカテゴリーではどれに入りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/80
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081・遠藤胖
○遠藤政府委員 臨時職員百二十七名というのは医師等でございまして、雇用形態は週または月ぎめで、一日の勤務時間が八時間に足りない者という者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/81
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082・堀昌雄
○堀委員 そうするとこれは嘱託的なものだというふうに私理解をいたしますが、私がここでいままで論じたような非常勤職員、純粋の日々雇用でなしに、二カ月の期間を定めて雇用をしたり、あるいは八時間ずつの日々雇用であるけれども、それが延長されて相当長期間にわたるところの非常勤職員というのは専売公社にはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/82
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083・遠藤胖
○遠藤政府委員 いま堀先生指摘のような者は専売公社にはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/83
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084・堀昌雄
○堀委員 そうするといまの問題については、ここに資料をいただいた郵政、建設それから電電公社、専売公社については大体問題がないようですから、残っておるのは、やはりどうも農林省関係のところに一番大きな問題があるようですから、これはあとで伺います。
その前に建設省にお伺いをいたしますけれども、全部定員化をされたということでありますが、その以前に非常勤職員の形態であった時代があるのではないか。ちょうどいま実は私どもが農林省の問題を中心に議論しておりますが、昭和二十四年ですか、定員法が施行されて以後、本来定員であるべきにかかわらず、定員法の影響のために定員外の非常勤職員というかっこうで、相当長時間に雇用されておって、それがその後定員化をされたというケースはどんなふうになっておるのか、ちょっとお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/84
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085・大津留温
○大津留説明員 建設省におきましては、定員化の以前に常勤的な勤務に服しております者を昭和二十六年から常勤労務者という扱いをいたしまして、定員外でございますが、常勤的な常勤の労務者として扱っております。これは二十六年から共済組合に加入せしめております。それから三十三年にわたりましてこういう常勤労務者以外の常勤的非常勤職員を調査いたしまして、そういう常勤的な実態を有する者一万十八名につきまして、登録いたしまして、これを三十三年から共済組合に加入せしめております。これらの二つの種類のものがその後全部定員化して、わずかに六百六十三名だけが厚生福祉職員として常勤労務者の扱いを受けておる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/85
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086・堀昌雄
○堀委員 そうすると、いま残っております六百六十三人は三十三年にすでに共済組合員になった、こういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/86
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087・大津留温
○大津留説明員 そういうふうに考えていただいてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/87
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088・堀昌雄
○堀委員 そうすると、実はちょっといまのお話を聞いてわからない点がありますのは、常勤労務者という形でおった者は二十六年に全部組合員の資格を与えた。それから七年間たって三十三年に調査をしてみて常勤的非常勤職員というものを登録をしたら、それが一万十八人ですか出てきた、こういうお話ですね。そうすると、この人たちも三十三年に登録をされた一万十八人については、それ以前は共済組合員でなかったわけでしょうね。常勤的非常勤だけれども、なかった。二十六年に常勤労務者として共済組合員の資格を得た人も、実は二十四年くらいから、いつからかその前はわかりませんが、要するに常勤労務者として仕事をしておったけれども、定員外だったために非常勤のかっこうになっておった。そうすると、その前の部分における非常勤の職員として勤務をしておった期間の共済組合に入ったときの長期給付等の加算の問題の処理は、建設省じゃどういうふうにしたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/88
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089・大津留温
○大津留説明員 おっしゃる御指摘のような実態がある面も相当多くございます。しかしながらその共済組合に加入いたしました以前の期間の扱いにつきましては、建設省に関しましては特にそういう要求はただいまのところ来ておりませんので、その加入せしめました以降の期間で取り扱ってまいっておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/89
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090・堀昌雄
○堀委員 私どもはただいま農林省の問題についてこの問題を取り上げておるのですけれども、これもやはり公務員ですから、農林省のものだけは通算をされた。しかし建設省のものは黙っていたら通算されなかったということには、これはしていけないとわれわれは思うのです。そこでいまの事情が一つわかりましたから、建設省については、ひとつこれはどうせあとで主計局の給与課から統一的な処理はしてもらうことにいたしますから、それについては要するに農林省同様に早急にひとつ調査をしていただいて、これは調査はできておるのかしれませんけれども、要するに、もしそういう取り扱いがどこか一つの省で行なわれるならば、これは単に建設省にとどまらず、全部の省で同じ待遇が受けられるようにしなければならぬと私どもは思いますから、その点についてはひとつ建設省側としては主計局とよく御相談をなさって、早急に調査をしていただきたい。もし調査ができておるならば、できておるという御答弁をいただけばけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/90
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091・大津留温
○大津留説明員 そういう調査は現在までいたしておりません。御指摘のように大蔵省とよく御相談いたしまして調査いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/91
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092・堀昌雄
○堀委員 郵政省はどうですか。現在のところは郵政省の資料を拝見するともうずいぶんたくさんな非常勤職員がおりますが、これはまさに日々雇用でありますから問題はありませんけれども、いまは職員だけれども過去において非常勤職員である。そのような者に該当する者がありますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/92
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093・江上貞利
○江上説明員 郵政省におきましては昭和三十六年、三十七年と二度にわたりまして非常勤職員の定員化という措置を行なっております。人数は昭和三十六年度におきまして約六千六百七十名、三十七年度におきましては千二百五十名程度でございます。この二回は大量に非常勤職員を定員化いたしました数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/93
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094・堀昌雄
○堀委員 私が伺いたいのはおそらくそういうことがあっただろう。そうするとその人たちのそれまでの状態、それはいまちょっと区切りをしなければなりませんけれども、いま農林省のほうで問題にしておるのは、昭和二十四年の定員法が出て、本来ならば定員化されるものが定員法のために定員化されなかった者という要件、これはちょっと建設省のほうも頭に置いていただきたいのであって、ただ非常勤職員だったから共済組合に変わったからそれにすぐ通算するという議論ではないのです。もちろん将来の問題としては検討の余地はあるかもしれません。国が使っていた時間においてはおそらく何らかの社会保障を受けておったわけですから、それについてもあるでしょうが、いまやっておるのはちょっと古い話のほうをやっておるわけです。いま昭和三十六年に六千六百七十人、三十七年に千二百五十人というものは、これは大体において一体どのくらい非常勤職員として勤務をしておったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/94
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095・江上貞利
○江上説明員 定員化される前のことは実態を把握しておりません。ただ郵政省におきましては、例年相当数の郵便物の増加に伴いますところの問題がございますので、非常勤として雇用されている期間はさほどに長くはないというふうに、承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/95
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096・堀昌雄
○堀委員 こまかい一人一人の調査はけっこうですけれども、全体でマクロ的に大体どういうものであったか、一番長期的な者はどのくらいであったかということを一ぺん調査をしていただきたいと思います。
〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕
そこでこういうふうにずっと見てきますと、いま私がちょっと触れましたように、この問題の中には二つ問題がある。
一つは非常に古い、いまの農林省等で出ておる定員になるべきであったけれども、定員法のためになれないで非常勤職員のかっこうで、いうなればいま私どもがここで議論しておるところの常勤的非常勤職員としておった者が定員化されて、またもとに戻してきたということをいまここでわれわれが取り上げているわけですけれども、その次の問題として出てきているのは、今後も各省で起こるであろうところの非常勤職員から定員化をされる者というのがその次の問題として起こってくると思うのです。そうするとこれについてはやはり同じように社会保障関係がどういう形でつながるかということも、これは今後の問題として検討していかなければならない問題なんです。
最初の問題は今回処置をすると大体終わるのですが、あとの問題というのは今後もずっと出てくる問題になると思うのです。だから今後の出てくる問題については、やはり統一をした社会保障の恩恵に少なくともこれらの人は浴せられるような措置を今後検討する必要がある。その検討の必要があるということは、裏返して言えば、共済組合法のあり方にいま給与課長が答えております一年以上云々という問題があるのですが、少なくとも公共企業体職員等共済組合法のほうを見ますと、ここの第十二条で、臨時に使用される者を除くけれども、職員はすべて組合員となる。その職員以外の者であっても運営規則の定めるところによって組合員になれるのだ、こういうような取り扱いが実はされておって、それが比較的電電公社などで二カ月以内の期間を定めて雇用された七千百人が共済組合員の資格を持たれているというのは、ここらに運営規則が弾力的に行なわれていることに基づくのではないか、こういう感じがするわけです。そこでそういうことになりますれば、国家公務員共済組合法等においても、要するにいまのそういうコンクリートの考え方でなくて、将来これが定員の中に入るであろうと目されるものと、完全な日日雇用とを整理をしておいて、完全な日々雇用については私もそれは触れましたけれども、少なくともそのニュアンスが常勤的非常勤職員に近いようなスタイルをとる。おそらく先ほど郵政省が三十六年六千六百人、三十七年に千二百五十人を定員化したというものを少し分析をさせてもらえば、一体そういう非常勤職員の中で定員化されるものと、定員化されない完全な日々雇用というものは区別ができるのではないかと私は思います。一日平均にしても約一万人も実は郵政省は使っているわけですから、そういうような非常にたくさんの臨時職員を使っている中で、この程度のものが定員化されることになれば、定員化されるものについては何かめどがついているのではないかと思いますが、ここらについては、国家公務員共済組合法の資格のあり方を少し再検討してみる必要があるのではないか、こういうような感じがいたしますけれども、それについては大蔵省は何かお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/96
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097・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 これらの三公社の運営規則におきまして若干の規定を設けておりますが、その考え方といたしましては、二カ月以上の雇用者すべてを拾い上げるという考え方ではございません。それらの中で将来職員として採用される予定の者、それがはっきりしている者を拾っていこうという考え方でございます。ただ国の場合でございますと、先ほども申し上げましたように二カ月以内の期間を限って雇用する者、これらの者を採用の当初から将来職員として採用する予定という形ではとっておらないわけでございます。その限りにおいては当然組合員として取り入れていくということはむずかしい問題があろうかと考えるわけでございます。したがいまして一方においては掛け捨てという問題もございますので、ある程度継続的な雇用者でなければやはり本人にとっても利益になるものでございませんから、そういう限りにおいて制度そのものを考えます場合にも、永続的に本人に利益になるような場合、そういう点を念頭に置いて適用しなければならないのではなかろうかと考えているわけでございます。
なお、私どものところではございませんので正確には申し上げかねますけれども、公社の場合におきましてもこれら本社で把握されております資料のようでございまして、支社その他においていわば中間的な、雇用されている者が皆無であるかどうか、これも必ずしも完全に把握されていないようでございますから、そういったものも考えますと、やはり公社の段階においても若干のニュアンスの差があろう、そういうものもあるのではないかということを考えざるを得ないわけでございます。そこで将来制度のバランスを考えていく場合におきましても、そういった観点を念頭に置きまして検討を進めていくべきではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/97
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098・堀昌雄
○堀委員 いまの問題は確かに国家公務員の場合身分が定まっていないから定員化されるのかどうかわからないという問題はあると思います。しかしさっき私が聞いたときに、日々雇用のほうは別としても二カ月の期間を定める分については、これは一応試験任用ですね。要するに日々雇用だけは所属長が一方的な採用はできるけれども、二カ月の中で定めるところの常勤職員というものは、試験のある職員だったと私は記憶しておりますがどうでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/98
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099・長橋進
○長橋説明員 お答えいたします。ただ二カ月の期間を限って雇用される職員につきましては、途中制度の変遷がございまして、現行におきましては試験採用を原則といたしておりますけれども、途中、昭和二十九年でございましたか、制度の改正がございまして、常勤職員と二カ月の期間を限って雇用される常勤職員とは、試験または選考いずれにもよらないで任用する制度がとられたことがございます。実は、そういう制度にいたしまして、そういう職員が試験対象官職へ異動する場合は、やはり通常制限を設けております。ところが、大量定員化の問題と関連いたしまして、現行制度におきましては、そういった定員外のいわゆる二九月の期間を限って雇用される常勤職員というものが、質的にも固定化されておりますし、数的にも減少しておりますので、制度を改めまして、現行制度におきましては一応そういう自由任用というワクからはずしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/99
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100・堀昌雄
○堀委員 要するに自由任用ではないということは、この人たちは将来定員化をされる、可能性の一番多い部分だ、こう理解していいと私は思うわけです。その点はどうですか。もちろんそれは官庁のいろいろな状態によって違うかもしれないけれども、しかし定員外におるものを定員化の中に入れる場合に、日々雇用のほうから入れるよりも、少なくともやはり常勤職員として二カ月の期間を定めて試験任用しておる者から入れるのが順序でしょうね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/100
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101・長橋進
○長橋説明員 試験によって任用するかしないかということになりますと、単に定員の内外のみではございませんので、その官職がはたして試験によって任用すべきが適当かどうかということも基準になろうと思います。先ほど申しましたように、当初はそういう二カ月の期間を限って雇用される常勤職員につきましても試験制度を設けておりましたけれども、やはりこれは実態に沿わないということで、規則を改正いたしまして、自由任用にしたわけでございます。ところが、最近になりまして、規則をまた変えまして、原則的には競争試験で競うことになっておりますけれども、しかし大量定員化が行なわれまして、実質的にはそういう試験制度をかぶる職員というものはいないのではなかろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/101
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102・堀昌雄
○堀委員 いまのところ、調べたら、よそのところにはあまりないので、農林省だけが多いようですから、これは特殊的条件として考えておく必要があるかもしれませんけれども、要するに私がここで言いたいことは、一ぺんここで一つの措置をしますが、またその同じようなことが次々と継続して出てくるということになると、これは問題があるので、これについての対策もあわせて考えておかないと、古い人たちは処理をしたけれども、新たにまたこれから出てくるものがあって、ではわれわれのやつは一体どうなるのだという問題もあとから出てくる可能性があるものですから、そこはひとつ制度的にも検討しておく必要があるのではないかということを申し上げたいわけです。
それから、もう一つ人事院のほうにお伺いをいたしますけれども、この定員化をされる職員ですが、いまの農林省等において定員化された職員の給与における通算です。勤務期間というのですか、勤続年数の通算の措置というのは、これはどういうふうになっておるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/102
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103・長橋進
○長橋説明員 非常勤職員を常勤官職に異動させました場合の給与の切りかえの問題と思いますが、十五級制度の時代におきまして——現在はもう等級号俸でございますが、十五級制度の時代におきましては、一応級の決定につきましては級別試験基準表というのがございまして、つまり職務内容に応じまして給与の決定をいたしまして、それから号俸の決定につきましては、その同じ職務に従事しておる同輩等との均衡も考慮いたしまして決定しておったようでございます。それから、最近等級号俸制度によりましてから、非常勤職員からそういった常勤職員に異動する際には、一応等級の決定につきましてはそういう在職期間を要するに経験期間としては見ておるようでございます。号俸の決定につきましても、そのケース、ケースに応じまして所要の換算その他をやっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/103
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104・堀昌雄
○堀委員 大体給与の面においては非常勤職員であったときも一応公務員としての勤務年数として計算の基礎にしておるということのようでありますから、このことは、共済組合においての通算をする場合にもやはり一つの有利な条件というふうに私は判断をしていいのじゃないかと考える次第であります。
大体以上で各省庁にわたる問題は一応触れたわけでありますけれども、最後にいま残っておりますのは、日をあらためてやらせていただくところの農林省関係の日々雇用されるものその他の問題、それからもう一つ、これは郵政省にお伺いをいたしますが、郵政省でここに一日平均にいたしますと約一万人と書いてありますけれども、一日平均で一万人雇っておるのではなくて、おそらく年賀郵便のときとかあるいは暑中見舞いの時期とかいうときに相当大量に使って、実はこの日々雇用というものはそう長い期間ではないのではないかという感じがするわけですが、一体郵政省における日々雇用の比較的長期にわたるものというのはどの程度まででしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/104
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105・江上貞利
○江上説明員 郵政省におきましては、非常勤職員に関しまして内部の規定をつくっております。それによりますと、二カ月をこえる予定期間というものは雇ってはいけないということになっておりまして、予定期間二カ月ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/105
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106・堀昌雄
○堀委員 いま聞くと、二カ月をこえて雇ってはいけないということは、その他のいろいろな制度上の問題があるので、一応そこで打ち切りにして、そして同じ人間が二カ月またいくことはないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/106
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107・江上貞利
○江上説明員 全くないということはないと思います。大体、昨年の十月のある日を限定いたしましたところ一日に七千数百人雇っておったわけでございますが、郵政省の場合、ほぼ三十万の人間がおるわけでございますけれども、この中の九%程度が常時休んでおるという程度に考えてよろしかろうと思います。そのうち年次休暇で休んでおるものが二万人、病気であるとかその他の理由によりまして休んでおるものが七、八千名ということでございますので、大体一日のうち二万七、八千名というものは欠務しておる。非常勤職員の雇用をいたしましたのは主としてそういう欠務の人の補充でございますので、ほとんど大部分のものが文字どおりの日々雇い入れの人間ということであろうかと思います。ただ、御指摘の点でございますけれども、ごく最近の事情を申し上げますと、東京のような非常な大都市におきましては、日々雇用というような人間を雇い入れることが非常に困難であるという事情もございますし、それから、一日を通じまして雇うというような事情は困難であるが、たとえば学生の場合なんかには授業が終わりましたあとで毎日来るというような人間もおりますので、そういう事例をつかまえれば二カ月終わったあとでさらに更新しているという例はあろうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/107
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108・堀昌雄
○堀委員 いまお話しのように相当多量の人数ですから、目々雇用を職業安定所を通してとっておるわではないでしょうから、そうすれば、いまのように日々雇用であるけれども長期間にわたるものが都会地ではかなり出ておるのではないかというふうに私は判断いたしますが、そういう人たちの社会保険その他の取り扱いは郵政省はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/108
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109・船津茂
○船津説明員 お答えいたします。
大体三十八年十月現在で調べましたところの七千数百名いるそういう人たちの社会保険の取り扱いでございますが、実はこれは調査をしておりますので、友をめくりますとどういう取り扱いかはっきりしますけれども、いまのところ、大体たてまえとしては、日々雇い入れの方は日雇い健康保険、その他の方は健康保険、こういうふうなたてまえになっておりますが、調べれば、定数が入っておるか入ってないかどちらであるかということがわかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/109
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110・堀昌雄
○堀委員 これはあとで資料にしてひとつ出してもらいたいのですけれども、いまの、日々雇い入れの者が日雇い健康保険の対象になり、その他長期的な者が健康保険の対象になっておるならば、これは私、大して問題がないと思いますが、その点は、一応、いまの非常勤職員の社会保険のあり方について、一ぺん出していただきたいと思います。大体この問題は、そういうふうに非常勤職員の現在の社会保険、社会保障の受け方の問題が、やはり将来特に常勤になる者についてどうなるかという問題が残っておるわけでありますけれども、大体上記のいろいろな問題を勘案してまいりますと、特に私が一番問題があると思うのは、農林省における日々雇用の問題の中に、約半数近くが国民健康保険の対象で、そのままほうっておかれるということは許しがたい問題だと実は思うのです。ですから、この問題についてだけは、一応日をあらためて、ひとつ詳しく議論をさしていただくことにいたしますが、大蔵省のほうでも、いまの共済組合のこの問題、非常勤職員の問題がたまたまここへ出まして、相当洗いざらい議論をいたしましたけれども、やはり今後は、将来的な展望としては、各種の保険がいずれも通算をされて、かけた人たちの側としては、むだなくそれが生かされるようになるべきでありますけれども、現在の段階では、残念ながらいろいろ格差がひどくて、それが一律に通算できないいろいろな問題が残っておりますけれども、少なくとも勤務をしておる者の側に立って、その人たちの権利が公平に守られるような措置については、ひとつ前向きで今後とも検討を進めていただきたいということを強く要望いたしまして、本日の私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/110
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111・西尾八起
○西尾説明員 林野庁関係の健康保険関係で誤解がおありのようですので、ちょっと補足さしていただきます。
健康保険法十三条で、強制適用の範囲がきめられておるわけです。それから十四条で任意包括保険の場合の規定があるわけでございます。したがいまして、この十二条と十四条を適用してまいりますと、任意適用の範囲がございまして、そのほうにつきましては、被保険者の二分の一以上の同意が必要でございますから、同意が得られない場合には、これは強制することはできないたてまえになっておりますので、誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/111
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112・堀昌雄
○堀委員 いまのあなたの考えは全然納得できません。いいですか。私がさっきちょっとここで触れたように、国民健康保険と現在の健康保険の格差をあなた方が詳細にその人たちに話をして任意包括になるべきものをそのまま放置しておるのだと私は思うんですよ。現場を一回私のほうで調査をいたしますけれども、そうなれば、——いいですか、現存の健康保険と国民健康保険の適用の差を、あなた一ぺんおっしゃってください。私は健康保険の専門家ですから、どうぞ一ぺんおっしゃってください。どれだけの差があるのか、その理解がないから、そういうことになるのです。一回やってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/112
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113・西尾八起
○西尾説明員 その点につきましてはできるだけ啓蒙をいたしまして、そしてこの加入者が上がってきておるわけでございまして、できるだけの指導をいたしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/113
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114・堀昌雄
○堀委員 できるだけの指導をする。そうするともう一ぺんその点伺いますが、さっきの六四%とか五十何%ということは、低目に見積っても四〇%ぐらいは国民健康保険の対象になっていると思うのですが、該当人員数として何件になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/114
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115・西尾八起
○西尾説明員 日雇い健保を除きまして、一般健康保険の関係で申しまして、定期と日雇いと三十七年度五万九千八百五十九名のうち、三万六千百五十九名が健保に入っておるわけであります。したがいまして、定期と月雇いと両方通算いたしますと六〇・四%という形になりまして、区分すると先ほど申し上げたような率になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/115
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116・堀昌雄
○堀委員 だから国保のほうを言ってください。いま国保のほうの加入をそのままにしておるのは何名か。いま、健保のほうは三万六千人と言ったですね。それを差し引きして、それじゃ一体国保は何人残っておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/116
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117・西尾八起
○西尾説明員 その関係につきましては、目下調査をやっておる最中でございますので、まだまとまっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/117
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118・堀昌雄
○堀委員 その調査はいつまとまりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/118
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119・西尾八起
○西尾説明員 あと数カ月かかると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/119
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120・堀昌雄
○堀委員 あなた林野庁ですね。林野庁長官にちょっと入ってもらってくれ。冗談じゃない。林野庁官が入る前にちょっと休んでください。数カ月かかるなんて、人をばかにした……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/120
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121・西尾八起
○西尾説明員 それは実は社会保険関係は、そのほかの詳しいものを入れまして、この加入率だけではございませんで、ほかの関係、たとえば退職手当関係でありますとか厚年でありますとかいろいろな関係につきまして、私どものほうでありますと山の現場の事業所とか、たくさん僻地に所在しておる官署ばかりでございます。そういうところの過去に雇った人の分も全部拾わなければならぬわけでございます。したがいまして、そういう関係でいま申し上げた分もだいぶ長期間かかったわけでございますが、そのほうもさらに調査中であることを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/121
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122・堀昌雄
○堀委員 私がいま伺っているのは、そんなに全部のことを言っているのではないのです。要するにいまのあなた方のほうの非常勤職員の中に、少なくともざっと私が見ただけで二万何千人かの人が、相当長期にわたって雇用されておりながら、国民健康保険のままで放置をされておるというようなことは、われわれ黙って見ておれないということなんです。だから現在あなたのほうで非常勤職員でおる人間が五万九千人ほどあるのなら、この人たちが一体国民健康保険に加入しておるのか、健康保険に加入しておるのかを調べるのに数カ月かかるというのでは、これはやらぬということと同じようにわれわれ理解できるわけです。それが一カ月か二カ月かかるということについては私も理解しましょう。しかし数カ月かかるということは、少なくとも五カ月か六カ月をさすわけでして、五万九千人日本じゅうに散らばっておるか知らぬけれども、やる気になれば二カ月もあれば、それが国保の対象者か、健保の対象者か、そんなことぐらいわからぬことはないじゃないですか。その点はどうですか。国保に入っておるか、健保に入っておるか、どちらに入っておるかということを早急に調べてもらいたいと思うが、それについての調査は何カ月かかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/122
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123・西尾八起
○西尾説明員 数カ月かかるということは、決して五、六カ月というほど長い期間をさしておるつもりではございません。ただしこの中は、過去の実績を全部拾っておるわけでございまして、林野の場合は御承知のように春の雇用者と夏の雇用者と秋と冬と、季節的な仕事が多いものですから、人数が変わるわけです。したがいまして、一年間を調べようと思いますと、すでにやめた方に御照会をしなければならぬというような場合も出てまいります。われわれのほうでは役所で負担いたします。保険料を負担します、そういう任意包括なり強制適用の場合は数はすぐつかめるわけでございますが、それ以外の調査ということになりますと、この面はやめた方の御照会も含めまして相当手間がかかることを申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/123
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124・堀昌雄
○堀委員 そういうことならば、そんなやめた人までさがしなさいとは私は言いませんから、少なくとも今日から先へ向かって、これから夏なら夏に雇う人、現在雇っている人についてはどうなのかということを、これから二年間毎月一回一回やってください。そうすればいまの問題は解決しますから。何月何日の時点における非常勤職員何名、それに対する健康保険は幾ら、国民健康保険はどうなっていますということを毎月一回調査をして出してもらえば、一年間を通じて大体どうなっているかということがわかりますから。私が言いたいことは調査をしてくれということが主体じゃないわけですよ。何とかしてこの人たちは日雇い健康保険なり、健康保険なり、負担の軽いものにしてあげたい。同じ国の仕事に携っておるのだから——国民健康保険というのは何も国に関係のない一般の人が入るものです。われわれが言っておるのは、現在の健康保険法で任意包括は少なくとも五名ということにしておったのを一名でも任意包括できるというところまで持ってきたわけですから、そういう段階にきているのに、あなた方の姿勢は全くいまの社会保障の前進という姿に背を向けておる。少なくとも林野庁なら林野庁が雇っておる人たちは国が雇ったに間違いないわけですから、そういう人たちに対して、もう少しあたたかい気持で負担を軽減し、社会保障の上で少しでも優遇措置を与えてもらいたいというのが趣旨でありますから、何も調査だけをしたらよろしいということではないのであります。ひとつそういうことで調査をしていただいている中でだんだんとそれが減って、さっきの郵政省のように、少なくとも健保なり日雇いなりのどれかに入れるという形にしてもらわないと、雇用しておる者の責任が果たせないということを私は言いたいのです。だから林野庁の長官にひとつ出てきてくれということになる。その点は農林省の参事官等もおられるから、ひとつ農林省としても一ぺん内部で検討をして、少なくともそういう脱漏のないような措置を前向で検討してもらいたいと思うのです。一応これで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/124
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125・山中貞則
○山中委員長 小山省二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/125
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126・小山省二
○小山(省)委員 私は、さきに本委員会に付託になっております税理士法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたしたいと思います。
まず第一に、本法の改正にあたりまして、これに最も関連の深い税理士会、これはおそらく全国の税理士会の人々がこぞって反対をいたしました。また納税者の一部にも強い反対があることは御存じのとおりであります。私はこのような関係業界が強い反対の意を表明しておるにもかかわらず、あえて改正案を提案なさろうとする当局のお考えをこの機会にお伺いをしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/126
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127・泉美之松
○泉政府委員 税理士法の改正につきましては、御承知のとおり昭和三十六年の税理士法の改正の際におきまして、国会におきましてすみやかに税理士制度全般につきまして根本的な検討をとげて改正案を拠出するようにという附帯決議があったわけでございます。その後この問題につきましては税制と関連の深い点がございますので、税制調査会におきまして検討をすることにいたしました。税制調査会に税理士制度特別部会というのを設けまして、そこで検討いたしたのでございます。
お話のように税理士制度を改正するということになりますと、その業会であります税理士会、それから関連業会でございますところの公認会計士協会あるいは経理士会、こういったいろいろの関連業会がございますので、私どもといたしましては、特に関連の深い税理士会につきましては、いろいろの改正要望意見がございますので、それをできるだけ取り入れるという考え方のもとに、税理士制度特別部会には税理士連合会の会長、副会長二人のうちの一人を特別部会に委員として御参加願いまして、また特別部会の開催のつど、税理士会の役員の方にお集まり願いまして、審議の状況を詳しく御説明を申し上げまして、税理士会との間にそごのないようにつとめるようにいたしたのでございます。税制調査会の答申がまとまる段階におきましては、税理士会としてではございませんが、その委員として最終的意見の表明を留保したいという点が一、二ございましたけれども、おおむねの点につきましては特別部会の方の一致の御意見によりまして答申がまとまったのでございます。ただその後におきまして、税理士連合会の中にもいろいろのいきさつがあったことと思うのでございますけれども、税理士制度の改正につきましていろいろ御意見があるやに拝察いたしたのでございますが、その意見につきましては、大きく分けまして一つは税務職員のうち、経験年数が二十年以上の者につきまして税理士になる制度、この点についての意見と、それから試験科目についての意見といった点にしぼられてまいりまして、最終的には、試験科目の点につきましては、簿記及び財務諸表論を選択科目とすることについてはそれでいいということになりました。結局税務職員のうち、経験年数が二十年以上の者につきまして税理士になる資格を与える場合に、短答式の試験をやるのかあるいは口頭試問をするのかというだけの点にしぼられたのでございます。その点につきまして税理士会の御意見はあったのでございますが、答申にもございますように、アメリカの制度あるいは西ドイツの制度などをも参考にいたしまして、今回の改正案におきましては、税務職員で経験年数二十年以上、そして管理職的地位に五年以上の者につきましては、試験委員会におきまして口頭試問を行なうことによって税理士の資格を与えるという制度にいたしまして、ここに提案をいたしたような次第でございます。
当初答申案がまとまる段階におきまして、またその後答申案がまとまる段階におきましては、今回の改正につきまして税理士会のほうからさほど強い反対はなかったのでございます。その後のいろいろの税理士会の事情が加わりまして反対といったような点が出ておりますが、その反対の最終的な点は、いま申し上げました点にしぼられておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/127
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128・小山省二
○小山(省)委員 いまお答えを聞きますと、連合会の反対はおおむね了解がついておる、こういうような御答弁のように私は聞いたわけです。当局がもし了解がついておるという即断をされますれば、それは代表として出られた方自体が了解したのであって、その下部組織である一般の税理会全体に十二分にそれらの趣旨が徹底されておらない。したがって一部の人が了解したのであって、大部分の人はいまなおこの改正案に対しては強い不満の意を持っておる。したがって私は、将来この改正法が施行されました場合に、はたして緊密な協調を保って今後の税務行政が行なえるかどうかという点についていささか不安の念を持っておる。したがって、これは税理士法の改正ではありませんが、公認会計士をめぐって一部いろいろな週刊誌上に問題が提起されておるような事態も起こっていることを考えると、この法案の作成にあたった、十二分にそういう関係業者との間の連絡、協調というものが保たれておらなかった、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、いわゆるPRが足らなかった、もう少しその代表者だけでなく十二分にこの法案の改正の趣旨を徹底すべきだ、こういうふうに私は思うのですが、その点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/128
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129・泉美之松
○泉政府委員 お話のように、税理士制度の改正につきまして、その趣旨を税理士会の所属の税理士の方に十分徹底すべきであったという点は、私もそのように考えるのでございます。ただ私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、答申が出る段階におきまして、またその答申が出ましたあと立案の段階におきまして、税理士会の会合には常に出かけまして、その点を御説明申し上げまして、そうして私どもが拝聴したところでは、その場合にはあまり御反対がなかったのでございます。ただ、いよいよ国会提出というような段階になりまして、私どものほうには直接お見えにならないで、いろいろ他の方面から反対であるといったような意見が伝わってまいったのでございます。私どもといたしましては、直接そういう御意見を拝聴することができませんでしたので、このような結果になったのは非常に遺憾に思っております。したがいまして、私どもといたしましては、今後とも機会あるごとに改正の趣旨を税理士の方によく徹底いたしたい、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/129
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130・小山省二
○小山(省)政府委員 それから本案の改正の理由といたしまして、いま局長があげられました、税理士法は十数年前に実施をされておる、そうしてその後社会、経済情勢の変化、税制の著しい推移に即応したそういう制度を確立したい、こういう理由と、それから税制調査会から税理士制度に関する答申がなされておる、この二つの理由と、あるいは三十六年の国会におけるすみやかに税理士法全般にわたって検討するようにという附帯決議、この三つの理由によって今回改正に着手されたということですが、私はそれ以外に、何か現行法で特に改正しなければ非常に不便だ、こういう点で欠陥があるのだこういう特に改正をしなければならない他の理由というものがあるかどうか、その点についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/130
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131・泉美之松
○泉政府委員 その点につきましては、税理士法が御承知のとおり昭和二十六年に制定されまして、今日まで中数年の施行の結果からいたしまして、税理士法の規定にいろいろ不備な点があることが判明いたしておりますので、それらの点を直したいというのでございます。その点を申し上げますと、一つは税理士法施行当時におきましては、所得税、法人税、相続税といったような直接税についてだけ申告納税制度がとられておったのでございますが、御承知のごとくその後間接税全般につきまして申告納税制度かとられてまいりました。そのために、従来税理士法の規定によりますと、税理士の独占業務とされておるのは所得税、法人税、相続税といったような特定の税目に限られておるわけで、特定の税目につきまして税務代理を行ない税務相談を行なうといったような事柄が税理士の独占業務とされておるわけでございますけれども、そのように申告納税制度が広がった現状におきましては、そのような限定された税目だけではなしに、広く国税、地方税につきまして税理士の独占業務にしたほうが適当ではないかというふうに考えられるに至ったのであります。同時にこのことは、税理士に対しまして事前通知をする場合にも、現在そのように独占業務とされておる税目に限られておりますけれども、その税目を広げる必要があるということになるわけでございます。それからさらに従来税理士の備えつけまする帳簿につきましては記載義務が課せられておるのでございますが、その帳簿の記載要件の中に報酬の金額などをも記載するというようなことが規定されておりますために、実際問題として税理士がそういった帳簿を記帳することがなかなか困難であるといったような点がございます。したがってそういった報酬なんかについては、必ずしも直接的にできなくて、税理士の備えつけの帳簿につきましては、依頼人別に一件ごとにどういう事件の依頼を受けてその経過がどうでどういう処理になったということを記帳しておいていただくことが、納税者のためにも、また税理士の方自身のためにも必要であろう。そういう点からいたしますと、帳簿の制度につきましては記載要件を緩和したほうが適当ではないかというふうに考えられますので、そういった点を緩和する必要がある。それから税理士の報酬につきましては、公共的な問題として国税庁長官が定めるというのが現行規定になっておったのでございますが、しかしこの報酬のきめ方は地域によりましてかなり違いますので、なかなかこれを定めるということが困難でありました。本来こういった事柄は税理士会の自主性を高めるために税理士会がみずから定めるといったほうが望ましいと考えられますので、そういった規定を直したほうがいい。あるいは現在におきましては、規定の解釈上、税理士に対しまする行政上の懲戒処分は、その確定したときに効力が発生するということになっておりますが、行政上の懲戒処分としては、裁判によって確定するまでに数年あるいは十年以上もたつといったような場合がございますので、それでは懲戒処分として効果の発生がいかにもおそくなりまして、その間税理士として適当でないというふうに判定されながら、なお税理士業務を続けていくことができるというのは制度として問題であるというような点がございますので、懲戒処分があったときから発生させるというふうにしたほうがいい。あるいはそうするについては、従来懲戒処分は国税庁長官の専決権となっておるのでございますが、そういうふうに懲戒の効力を早く発生させるのであれば、懲戒処分が公平を得るように、懲戒審査会を設けて、国税庁長官が懲戒処分をする場合には、その税理士懲戒審査会にはからねばならないというようにする制度が望ましいのではないか。こういった点がいろいろございます。
それからまた、従来税理士の業務を営むことができる介護士あるいは公認会計士のうち、通知弁護士あるいは通知公認会計士の方は必ずしも税理士会に入会しておらないわけであります。それらにつきましてもいろいろ検討したあげく、弁護士の方でも入会の希望があれば税理士会に入会していただいたほうが会の自主性を高める上において望ましいというような点がある。それから税理士事務所につきましては、現在増設を許可することになっておりますけれども、弁護士事務所が一カ所に限られておると同じように、税理士事務所につきましてもできるだけ一つの事務所に限ったほうがいい。たくさんの事務所がございますと使用人まかせになりがちであります。そうなりますと、結局にせ税理士といったような問題にも発展してまいりますので、できるだけ事務所を一つにしたほうが望ましい。そしてまた現在事務所については、統一した名称がございませんで、統一した名称を与えることが適当である。いろいろ申し上げましたが、そのような点からいたしまして、現行規定のいろいろの不備の点を直したほうが適当である。そしてその直す際におきましては、できるだけ税理士会の自主性を高めつつ、税理士がその業務を行なっていく上におきまして、納税者の信頼をかち得るような方向で改正するのが適当ではないか、こういうような点からいたしまして、改正の必要があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/131
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132・小山省二
○小山(省)委員 いま局長から御答弁いただいたような、そういう趣旨のもとに改正が行なわれておったとすれば、業界からそう猛烈な反撃といいますか、反対はないはずだというふうに私は考えておる。その改正に便乗して、ややもすれば他の部面がこの改正法案の中に織り込まれてきておるところに、一部業界から猛烈な反対が起こっておるのではなかろうかと私は考えておるわけであります。こまかいようですが、順次法案の内容にわたって、これからお尋ねをしてまいりたいと思います。
改正の第一に、税理士の職務は、中正な立場において納税義務者の信頼にこたえる、こうなっておるのですが、ほんとうに税理士が中正な立場に立った場合、納税者の信頼にこたえられるかどうか。さらには納税義務者に対する税務援助について一そうの充実を期するため、こういっておるのです。一体納税者の信頼にこたえたり、税務援助について一そうの充実を期するという、こういうたてまえに立った場合、税理士の立場が中正であることがほんとうにそれらの目的を達成することになるかどうか。この辺について今回の改正でどのような御検討がなされたか、この点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/132
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133・泉美之松
○泉政府委員 お尋ねの点につきましては、第一条に従来「税理士の職責」といたしまして規定がなされているわけでございます。その規定によりますと、「税理士は、中正な立場において、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務を適正に実現し、納税に関する道義を高めるように努力しなければならない。」というふうに規定されておったのでございます。この点につきまして税理士会のほうから、この「中正な立場」という点を削除してほしいという御意見があったのでございます。これらにつきましていろいろ検討いたしましたが、税制調査会の答申にもございますように、この点につきましては、税理士は単に納税者の依頼を受けて、その納税者の依頼どおりにするというのでなくて、税務の専門職業家といたしまして公正な判断を加えて、その仕事の処理をはかっていくべきものである。したがって、単に納税者の依頼を受けて、納税者の利益に奉仕するというだけであっては、税理士の公共的な使命というものが果たされないではないかということからいたしまして「中正な立場」というのはそういう意味の表現であるからこの点は削除しない。ただ、従来「税理士の職責」というように第一条の題目がなっているのでありますが、この点につきましては弁護士法の規定なども参照いたしまして「税理士の使命」というふうに改めたほうが、税理士みずからが積極的にそういった立場にあるということを自覚いたしまして、独立の職業人としてその使命感に燃えて業務に励んでいただくことが望ましいというようなことからいたしまして、第一条の題目を「税理士の使命」と改める。しかし「中正な立場において」という点は削らないということにいたしたのでございます。その点は重ねて申し上げますと、納税者の依頼がある場合に、やはり納税者の依頼だけでなしに、税法の規定している目的からして、どのように税法を解釈し、運用するのが最も正しい行き方であるかということをよく考えて、そして納税義務の適正な実現に努力するようにしていただきたいという趣旨でございます。そのように第一条の題目を改めることになったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/133
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134・小山省二
○小山(省)委員 私は、税理士という制度ができたということは、国民が税法の専門家でない、精通していない、したがって納税義務者にかわってそういうような点を補ってやらなければならぬ。そういうたてまえから税理士という一つの仕事が生まれてきた。したがって、これは中正な立場というけれども、実際は納税義務者のいろいろな点で、助言、代行というような点が相当大きな使命になると思う。そうなると勢い中正という問題はかなり疑問になってくる。したがって、もしその中正という問題が税法上いろいろ問題になるとするならば、税法をそういうふうに改正して、あるいはそれに適合するように制度を改めてからでも、今度の税理士法改正はおそくはない、こういう点で、少なくともこれからますます税法というものが複雑になろうとする趨勢下において、納税者にかわって、そういう点を補うとすれば、やはり納税者の意思を代行することになりがちになるので、中正な立場という点ではいささか納得できないような感じがする。たとえばそうなると、弁護士は税理士の仕事ができるわけです。弁護士にそういう点を依頼しない限りは、納税者の立場を擁護する人がいない、こういうことになる危険があると思うのですが、そういう点について中止というその限界をどのようにお考えになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/134
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135・泉美之松
○泉政府委員 お話のように、税理士の制度が生まれましたのは、税法がいろいろ複雑でございまして、納税者の方がそれを全部知っておるということを期待することができませんので、税理士が納税者を助けて、納税者に助言して納税義務の実現について納税者の便宜をはかる、これがために税理士の制度が生まれたことはお話のとおりでございます。したがいまして、税理士の方が、その業務をやっていかれる際におきまして、納税者の依頼を受け、そして納税者のためにいろいろ税法の解釈について、自分の経験と知識を投入することは当然のことでございます。私どもはもちろんそういうことを期待いたしておるのでございますが、ただ税理士がその業務をやっていく際におきましては、単に納税者の依頼であれば、どのようなことでもやっていいというものではなくて、やはり納税者の依頼を受けて、その業務をやっていくにあたって、税法の規定しておるところの正しい納税義務の実現ということを目ざして仕事をやっていただくべきものだという観念をあらわしておるのでございます。したがってこの「中正な立場」ということが、いま申し上げましたように、納税者から依頼を受けて、その納税者のためにいろいろ利益をはかるということと矛盾するものとは考えておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/135
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136・小山省二
○小山(省)委員 その点で、いまお話しのように、納税者の依頼があればどんなことでもしていい、それは私はならぬと思うのです。やはり税法という一つのものさしがあるわけです。その税法の範囲において最大限の便宜をはかるということが、税理士の仕事になってくるわけです。ですから依頼さえあればどんなことでもするということは、私はやはりできないと思うのです。したがって、もし厳格な意味において正しい納税をするということになれば、これは税理士でなくても、一々税務署で法律的な解釈を、あるいは弁護士から法律的な解釈を受けた範囲で納税すれば、それは正しいあれですが、それは法律に書いてある条文以外に、やはり記帳上いろいろ問題があると思う。たとえば減価償却をどの程度にしたほうがその年における決算上合理的であるか、減価償却をしない場合もあります。できてもしない場合もあります。あるいは目一ぱいする場合もありまして、経理の状況によって、そういうことは私は違うと思うのです。そういうふうに税法にないいろいろな部面に、やはり納税者にかわってアドバイスする必要があるわけです。私は、税理士というものはあくまでも納税者にかわって納税義務者の利益を擁護するという使命観に徹しなければいかぬと思うのです。しかしそれは税法を踏みにじってもいい、依頼があれば何でもいいという意味ではない。あくまでも税法の範囲において納税者にかわって最大限の利益を擁護してやる、こういう立場に立つのが私は税理士の本来の使命でなければならぬ。それは税務署の立場とどうしても相反するということは、税を不当に隠匿しようということでなくて、法の許す最大の利益を擁護する、こういう意味において、私はあくまで税理士は納税者の立場を弁護するという立場に立たない限り、公正な税額というものは生まれてこないというふうに考えております。この点、局長とちょっと見解が違うと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/136
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137・泉美之松
○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、税理士が納税者の依頼を受けまして、その業務を行ないます場合におきましては、税法の解釈につきまして税務官庁といろいろ意見の相違を来たす場合があろうと思います。またお話のように、税法で必ずしも明確に規定されておらない、取り扱いにゆだねられている点もいろいろございますので、そういった点につきましても、税務官庁の取り扱いと税理士のほうの考え方といろいろ違う場合があろうかと思います。それらの場合におきまして、税理士がその業務を行なっていく場合におきまして、納税者のためにできるだけの利便をはかるべきだという点については、私も同じ考えを持っておるのでございます。ただ、それだからといって、いま規定されている「中正な立場において」ということを削除する必要があるかどうかという問題になってまいりますと、この点については、その「中正な立場」というのが十数年来行なわれまして、その点についていろいろ問題があったということがございませんので、むしろ「中正な立場において」というのを削ることによる反動的な影響のほうが多いのではないか。そういった心配がございます。先ほども申し上げましたように、またお話もございましたが、納税者から依頼を受けたから、税法に規定されていない、税法に違反したようなことをしてもいいということではもちろんないという御趣旨だと思いますけれども、しかしこの「中正な立場において」ということを削除することによる反動的な影響を心配いたしまして、今回の改正におきましては、そういった点については触れない。ただ、先ほど申し上げましたように、税理士の使命というものをここに表現したほうが、職業人のあり方として適当ではないかという考えを持ったのでございます。この点についてはあるいは見解の相違ということになるかもしれませんけれども、私どもはこういう規定があるからといって、税理士の方が納税者の利便をはかるという点において困るというようなことはないというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/137
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138・小山省二
○小山(省)委員 この点が私は一番問題のポイントになると思うのですが、「中正な立場」でというこの中正という文字よりも、その中正という意義に制約を受けて、私はいまだに全国の納税義務者の利益がほんとうに守られているというふうには考えにくいんです。この文字は税理士の仕事を相当制約していると思うのです。そういう点が納税義務者の間にも相当強く叫ばれておりますし、また事実この職業に関係している実際の経験者からも一そういう声が強いのであります。これはひとつ十分御検討を願いたいと私は思う。この中正という立場において私はほんとうに納得義務者の信頼にこたえることもできないし、またその税務援助というものが一そう充実されるとは考えていないので、これをとることによって一そうの充実が期せられる、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。この点について十二分に御検討を願いたいと思う。
それから第二条で、業務は税務代理及び代行あるいは税務書類の作成、税務相談、こういうふうになっておりますが、従来の規定は明確を欠いて、業務の取り締まり、納税運動の推進に支障が見られた、こう言っておる。一体どういう点に、これらの仕事で業務の取り締まり及び納税運動の推進に支障があったかどうか、ちょっとお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/138
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139・泉美之松
○泉政府委員 税理士の業務を規定いたしておりまする第二条の規定につきましては、従来の規定は御承知のようにきわめて簡単でございまして、もちろんその内容といたしましては税理士の独占業務としては税務代理と税務書類の作成と税務相談、この三つがある。これは従来からありましたし、また今回の改正におきましてもその大きな筋は変わっておらないのでございます。ただ税務代理とはどこまでの範囲をいうのか、また税務相談というのはどこまでの範囲をいうのか、また税務書類の作成とはどういう書類を作成することかという点につきまして、従来の規定は抽象的に簡単でございましたので必ずしも明確でなかったのでございます。たとえて申し上げますと、この税務相談という場合に、税について何らか聞かれて答えることがすべて税務相談かどうかということになりますと、所得説の申告納税の時期などに青色申告会というのがございまして、青色申告の推進をやっておるわけでございますが、そこに青色申告会の会員から質問があったときにそれに答えることがすぐに税務相談になるということでございますと、税理士でなければできないというようなことになります。そこで税務相談というのは一体どこまでをいうのであるかということを明らかにする必要がある。そうしないと青色申告会がいろいろな仕事をやっていく上において、どこまでは青色申告会としてできる、どこから以上は税理士たる者でなければできない、その限界を明確にしないと困るというような問題になったわけでございます。そこで今回の改正におきましては、納税相談というのは申告書の作成あるいは課税標準とか、税額について申告、申請、請求不服申し立てをする場合、これらの場合について具体的事項について相談に応ずる、これが税務相談であるというふうに規定いたしまして、たとえば青色申告会の場合に抽象的にこれこれの金額になります、課税標準によればどれだけの税額になりますかといったようなことを聞かれるような、抽象的な事柄についての設例を設けての説明等は税務相談に該当しないというように、そこのところを明確にいたす必要があったわけでございます。
それからまた税務書類の作成につきましても、税務書類とは何ぞや、法人税の申告につきましては小山委員御承知のように決算書を添付するわけでございますが、決算書は税務書類なりやいなやといったような点につきましていろいろ意見があるわけでございますが、今回の改正におきましてはそういう決算書といったものは税務書類ではないということを明確にいたしました。したがって、決算書を作成するということは税理士の独占業務ではないというような点を明確にする。
それからまた税務代理の点につきましても法律上の代理とそれから事実上の行為の代行、こういった点もございます。そこでそういった法律上の代理と事実行為の代行、こういうふうに分けてその関係を明確にすることが望ましい。こういった点から今度の改正になったのでございまして、いま申し上げました税務相談の範囲等が特に納税団体、青色申告会とかあるいは納税貯蓄組合といったような場合、あるいは青色申告運動を行なう場合と、それから税理士の独占業務との関連を明確にしておく必要があるということで、今回の改正になった案を出したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/139
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140・山中貞則
○山中委員長 先ほどの堀君の質問の林野庁長官に関する件、いま林野庁長官着席しましたから答弁いたします。田中林野庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/140
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141・田中重五
○田中(重)政府委員 常用作業員でない非常勤職員の健保につきましては、先ほどもその加入の実態については御答弁を申し上げたようでございますけれども、なおその加入の率が低いわけでございます。その点につきましては、そういう職員の厚生その他福祉の向上をはかるという意味から、できる限りその加入できるようにPRをいたしまして、また指導をいたしまして、できる限りその制度の恩典に浴させるように持ってまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/141
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142・堀昌雄
○堀委員 いま大体お聞きをいただいておりますからその方向でひとつ努力をしていただきたいと思いますが、取り扱い上は、健康保険の適用になる場合と、それから日雇い健康保険の適用になる場合と二つあるかと思います。実態に応じまして、状態その他においては二カ月以上継続して勤務をしない場合があるかもしれませんから、しかし少なくとも健康保険かあるいは政府管掌の日雇い労働健康保険か、このいずれかになるのが至当であって、国民健康保険では非常に負担も高うございますしいたしますから、その点についてはひとつできるだけこれらの政府の機関に働く者はそういう措置において遺憾のないような方向で調査を進め、同時にそのような方向が実現するようにひとつ御検討願いたいと思いますが、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/142
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143・田中重五
○田中(重)政府委員 いまのお説、まことにごもっともだと存じます。そういう御趣旨に基づいてできるだけ努力をいたしたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/143
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144・山中貞則
○山中委員長 林野庁長官、国で雇用している者が国民健康保険のままで放置されておるというのは異例な事態なのか、そういうことは原則としてないような方向に努力していかなければならない、わかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/144
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145・田中重五
○田中(重)政府委員 よくわかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/145
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146・山中貞則
○山中委員長 小山君、二時ごろまででやめるつもりで一応区切りの質問にしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/146
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147・小山省二
○小山(省)委員 いまお話しのように税務番数の定義についてこの機会に明確にされた、その点は一応けっこうだろうと思うのですが、税務相談とは申告に際して個別相談をいう、こうなっているのです。申告のときだけが税務相談であって、それ以外平素のいろいろ主張上の相談、そういう点はこれは税務相談の範囲に入るのですか、入らぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/147
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148・泉美之松
○泉政府委員 申告に際しての相談だけではもちろんないわけでございまして、第二条の第三号にありますように、「第一号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、」ということでございますので、申告、申請、請求、不服申し立てあるいは調査もしくは税務官公署の処分に対して主張する場合、あるいは陳述をする場合、これらすべてを含んでおります。したがいまして、申告書の作成のときだけをいうのではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/148
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149・小山省二
○小山(省)委員 次に、第三条の税理士の資格という点ですが、この中に「税理士試験に合格した者」あるいは「弁護士」「公認会計士」、その次に第四として、「次に掲げる者で、官公署における国税又は地方税に関する事務を管理し、又は監督することを職務とする職で政令で定めるものに在職した期間が通算して五年以上になるもののうち、税理士試験審査会が、主として簿記に関する実務につきその必要と認める口頭による試問を行なって、」——これからが問題です。「第一号に掲げる者と同等以上の学識を有する旨の認定をしたもの」とこうなっている。一体試験をした者としない者と、ここに二色あったうち、試験をしない人を試験をした者以上と——第一号というのはつまり税理士試験に合格した者です。「第一号に掲げる者と同等以上の学識を有する旨の認定をした」、これは私は試験制度を軽視したものであると思う。少なくとも口頭試問によってその人の資格を認める、そういう点でつまり試験を省略してその資格を認めるというそういう場合において試験をした者以上と認定するということばは、これは試験制度というものを軽視したことになる。これを同等以上——同等と認めるということは、これは私は差しつかえないと思う。同等以上と認めるということは、これはよほどわずかなような字句ですけれども、試験制度というものがやはり根本でなければならぬ。これが一番厳正でなければならぬとすれば、やはり試験でない者をこれ以上と認めるということはちょっとどうかと思うのですが、この点どういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/149
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150・泉美之松
○泉政府委員 この点につきましては、税理士制度特別部会におきましていろいろ検討をいたしたのでございます。
まず外国の制度から申し上げますと、それほど多くわかっておるわけではございませんが、まずアメリカにおきましては、内国歳入庁に最小限七年間継続して雇用されており、かつその雇用期間の少なくとも五年間は所得税、遺産税、贈与税、雇用税または消費税について規定する内国歳入法典及びそれに基づく規則に関する諸条件の適用及び解釈の業務に従事しておった者は、試験を受けることなく、日本の税理士に相当する登録代理人となる資格を有するものとされております。また、ドイツにおきましては、退職前十年のうち五年間ある一定の地位に従事しておりますれば、税理士試験を受けなくて税理士となることができる、こういうような制度がとられておるのでございます。
またわが国の税理士制度といたしましても、従来そういった国家の税務職員につきましては、所得税、法人税の仕事なんかに十年以上従事いたしておりますれば、税法を試験免除にする。その他の仕事に従事しております者につきましては、十五年以上従事しておりますれば税法の試験を免除する。したがって、簿記と会計について試験を受ければ税理士試験に合格することになる、そういう制度がございましたし、また臨時的ではございますが、特別試験の制度がございまして、税務の経験が二十年以上ございますと特別試験を受ければいい。その特別試験は、簿記及び会計について筆記試験並びに口頭試問を受けるという制度になっておったのでございます。
今回の改正におきましては、税制調査会の答申もございましたので、それらを参考にしたあげく、国税の職員でございますと、二十年以上の経験を持っておって、しかも五年以上管理的な地位にあった者につきましては、従来自分が在職中に行なっておった仕事が、すでに税法の解釈、適用に関する仕事でございますので、そういう点におきましては自分が納税者から提出された申告書の審査をし、あるいは所得の調査をするというようなことをいたしておったわけでございますので、そういった経験といったものを重視いたしまして、その経験に基づく知識を評価して特別に税理士になる資格を与えたほうが適当ではないか。外国の制度等から見てもそういったことがいいのではないかということから、今回の改正を行なうことになったわけでございます。
なるほど、口頭による試問というのと筆記試験とは違うかと思います。しかし試験の種類といたしましては、筆記試験だけが試験であって口頭試問は試験でないとは、私は申されないと思うのでございます。したがって、ここにありますように、簿記に関する実務について口頭試問をする、その口頭試問によって税理士試験に合格した者と同等あるいは同等以上——この法文で「同等以上」とございますのは、もちろん同等を含むわけでございまして、したがって同等または同等以上というふうに認めることができるのではないか。口頭試問によっても、その人がどの程度の学識を持っており、どういった人物であるかということは評価し得るものと考えておるのでございます。またそういったことは試験審査会で十分行ない得ると考えまして、今回のような改正案にいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/150
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151・小山省二
○小山(省)委員 いま御説明を聞きまして私もわからないわけではないのです。税制調査会の答申を見、あるいは各国のそれらの制度を調べた上でそのような試験制度を立法化したわけですから、私はこの制度自体が悪いというふうに否定はしません。否定はしませんが、しかし、少なくとも試験というものはどのような価値があるかどうかという判定をする一つの機関ですから、その判定をする機関が二度あるより一度のほうが軽いわけです。なければもっと軽いわけです。だから、それを試験を経た者以上とそういう認定をするところに、私は試験制度というものを幾らか軽視しているような感じをこの字句の上から受け取るわけなんです。ですから、試験が少なくてもそれ以上の人があるかもわからない。しかしそれは少なくとも同等と考えるべきが普通じゃないですか。それをそれ以上とそういうふうな判定をするということは私はどうかというふうに考えております。それは試験の内容によるから、必ずしもそれによって決定づけるものじゃない。決定づけるものじゃないけれども、こういう法文の上にあらわれる場合においては、試験の内容というものがあるいはどういうふうな問題をどうということはないわけですから、一応、ただ試験を経て資格を与える者と、そういう過去の実績を十分認めて、試験を省略して資格を与えるものと、こういう二つの制度があるということをあらわしている。その実際の実務の経験者はこちらの制度でいくのだ、といっている、だからその制度でいくのだ、でいいと私は思う。それを同等以上だと認定しようとする考えがちょっと私は納得ができない、こういうふうに申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/151
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152・山中貞則
○山中委員長 小山君、きょうはここら辺にして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/152
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153・小山省二
○小山(省)委員 これで終わります。
実務経験者は本試験に統合しろとか、あるいは旧五、六、七条を維持してくれというような請願でありますとか、あるいは第八条の二の中に簿記論を入れろというような、いろいろな要求が私どものほうにきているわけです。もちろんこれを立案されるまでには、そういう要望があなたの手元にきていると思います。そういう点についてどのような検討がなされたかということをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/153
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154・泉美之松
○泉政府委員 先ほどのおことばでございますが、あるいは表現の問題かとも存じますけれども、同等以上というのは、同等を越えておるというのではもちろんないのでありまして、同等または同等を越えているので、同等も含んでおるわけでございますので、そのように御了解いただきたいと思うのでございます。
それからその他の事項につきまして、いろいろ請願等がございます。それらの点につきましては、この立案の過程におきましていろいろ検討いたしまして、できるだけ、この要望の趣旨で適当なものは取り入れることにいたしたのでございます。しかし税理士試験を予備試験と本試験に分けるという点につきましては、従来の税理士試験の経過からいたしまして、どうしても受験人員が相当多数でございますので、本試験だけで処刑をしようとすることにはなかなかむずかしい点がございます。したがって一応予備試験と本試験というふうに二つ分けて、予備試験である程度ふるいにかけておいて、そして本試験を行なう、本試験につきましては、従来の試験制度が一科目ずつの合格制度でございましたので、そうすると、合格者を一定数というふうに考えますと、どうしてもむずかしい問題ということになりがちでございます。そのためにかえって非常な暗記を要するというようなことになるわけでございます。しかし税理士の仕事というのは、何もすべての税法を暗記するというようなことはとうてい期待すべきものでなくて、税法を見ながら、そして自分の判断を加えて、この問題はこういうふうにあるべきだ、この規定はこういうふうに解釈すべきだというような判断をしていくのが税理士に期待されることでございまして、税法をまる暗記していることは望ましいのではございませんので、試験の制度としましても、そういった暗記に走ったことでなしに、むしろ税法を試験場に備えつけておきまして、その税法を見ながら実務の問題について解答をしていただく、このほうが税理士としての能力に期待される試験としてはいいのではないか、そういう点から本試験と予備試験に分けるという制度にいたしました。試験科目等につきましてはできるだけ要望の趣旨を取り入れましたけれども、予備試験と本試験に分けるという本質的な問題につきましては、税制調査会の答申もございますし、また従来の試験の経過から考えまして、現行の制度よりも今回の改正案の制度のほうが望ましいというふうに考えたのであります。
世間では、今回の制度は、税務職員には口頭試問で税理士になれるようにし、試験を受ける人には非常にむずかしい試験を行なう、予備試験と本試験と二回も試験を行なうのだという御印象があるかに拝聴するのでございます。私どもの考えは、むしろ従来のような試験制度でございますと、かえってむずかしい問題になって、むずかしい試験になりがちなんで、それよりも常識的な点について予備試験を行なう、そうして実務応用能力を税法を見ながら答えて、答案をつくっていただくことにしたほうが、むしろ試験を受ける方にはやさしくなる、それがまた税理士の仕事の性質から見て、試験として適当であるというふうに考えたのでございます。その点、あるいは冒頭にお話がございましたように私どものPRが足らなかったかもしれませんけれども、そういった点につきましては十分御理解をいただきたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/154
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155・山中貞則
○山中委員長 小山君の質問は次会に譲ります。
次会は、来たる二十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04519640527/155
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