1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年六月三日(水曜日)
午前十時四十七分開議
出席委員
委員長 山中 貞則君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 藤井 勝志君 理事 坊 秀男君
理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
理事 堀 昌雄君 理事 武藤 山治君
天野 公義君 岩動 道行君
大泉 寛三君 大久保武雄君
奧野 誠亮君 木村 剛輔君
木村武千代君 島村 一郎君
砂田 重民君 谷川 和穗君
福田 繁芳君 藤枝 泉介君
渡辺美智雄君 卜部 政巳君
佐藤觀次郎君 田中 武夫君
只松 祐治君 日野 吉夫君
平林 剛君 松平 忠久君
春日 一幸君 竹本 孫一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
出席政府委員
大蔵政務次官 纐纈 彌三君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 遠藤 胖君
大蔵事務官
(主計局
給与課長) 平井 廸郎君
委員外の出席者
厚生事務官
(年金局
企画課長) 高木 玄君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信参事官) 高田 静雄君
日本専売公社
総務理事
(職員部長) 新井 喜一君
日本国有鉄道
常務理事 豊原廉次郎君
日本電信電話
公社厚生局次長 藤田 正君
専 門 員 抜井 光三君
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本日の会議に付した案件
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行
法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二
四号)
国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
案(内閣提出第一七一号)
公認会計士特例試験等に関する法律案(内閣提
出第一五五号)
税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五七号)
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
案(安宅常彦君外九名提出、衆法第五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/0
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001・山中貞則
○山中委員長 これより会議を開きます。
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公認会計士特例試験等に関する法律案、税理士法の一部を改正する法律案及び安宅常彦君外九名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、これを許します。平林剛君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/1
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002・平林剛
○平林委員 私は国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案にについて一、二お尋ねをいたしたいと思うのであります。
初めにお尋ねいたしたい点は、恩給整理資源の問題でありまして、御承知のように、昭和三十四年の共済組合法改正によって、従来の恩給が共済に一本化したので、現在の国家公務員共済組合は多くの恩給公務員をそのまま受け継いでおるわけであります。しかし、当時の予算で約二千億円であったと言われる恩給整理資源は何ら受け継いでおらない。また同じく昭和三十四年公共企業体共済組合の場合におきましても、これに移行するに際して恩給公務員と旧令の共済組合員がありましたが、恩給法による国庫納金は全額国庫に入ったままで公共企業体の職員の共済組合ができても、その国庫納金はそのまま公共企業体の共済組合に交付する措置はなかった。そこで国家公務員共済組合連合会でも、公共企業体共済組合でも、組合員はこの恩給整理資源を一括繰り入れるように要求をしておるのであります。この問題はいろいろ議論されてきたと思うのでありますが、共済組合の運用においても、あるいは将来において組合員の掛け金率の面においても、早急に解決すべき問題でないかと思われるのであります。
そこで、大臣がお見えになる前に、私はこの国家公務員共済におけるところの恩給整理資源というのは一体どのくらいあるのか、また公共企業体共済組合のほうの場合にはそれぞれどのくらいの金額になるのだろうかということを明らかにしたいと思うのであります。この点について、それぞれ担当者からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/2
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003・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 お答え申し上げます。
国家公務員共済組合の場合についてまずお答えを申し上げますと、三十四年の十月に国家公務員全般が共済組合法の適用を受けるようになった時点におけるいわゆる整理資源と俗称されているもの、これが幾らくらいであったかということは、現在のところ職員の前歴調査等を実施いたしておりまして、その結果に基づいて集計いたしませんと正確な数字が出ないわけでありますが、およその感じといたしまして千八百億ないし二千億くらいの間であろうということがいわれております。
それから三公社の場合におきましては、計算のしかたといたしまして、そういった三十一年の移行当時の場合だけを分離するようなやり方をいたしておりませんので、責任準備金の不足額と申しますか、責任準備金引き当て金という形で整理をいたしておりますが、これが三十七年度末決算におきまして国鉄においては四千六百十五億、電電が千百四十四億、専売が二百四十一億というふうに記録されております。ただしその責任準備金引き当て金の中には、そういった移行時の整理資源のほかに、その後におけるベースアップによる不足金であるとか、あるいは既裁定年金をかりに引き上げるとした場合における不足金とか、そういった要素をも責任準備金引き当て金として計上されておりますので、この金額がそのまま移行時のいわゆる整理資源に当たるものということにはならないわけでございます。ただ現在のところでは、その大部分がいわゆる整理資源のワクに当たると考えてよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/3
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004・平林剛
○平林委員 国家公務員の場合と三公社の場合、幾ぶんその示された数字の基礎が違うようでありますから、便宜三公社のほうにしぼってお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、そうすると国鉄の場合四千六百十五億円、電電公社の場合に千百四十四億円、専売公社の場合二百四十一億円、こういうふうになっておるものをそのまま放置しておるわけですか。何かこれについて一括繰り入れるようにしてほしいという要望に対して、政府としてはどういう措置をとられておるか、その点も明らかにしてもらいたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/4
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005・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 三公社のことでございますが、一応共済全般の主管者として私のほうから便宜お答えさせていただきます。
御承知のように、昭和三十一年に公共企業体の共済組合制度が新制度としてできました際は、議員立法という形をとっておりましたので、当時の国の予算を特別に改めるということはいたしておりません。その当時の考え方といたしましては、旧雇用人に対して永久債務方式によって整理資源を計上するというやり方をとっておったわけでございます。そこで新制度移行当時におきましては、こういった雇用人に対する整理資源の永久債務方式による負担額相当額、これが新たな制度によって全職員に適用された場合における給与総額に対する比率が、一応当時における整理資源の負担率と申しますか、公共企業体の負担方式ということに暫定的にきまったわけであります。
そこで、それ以後においてはどういうふうにしてきたかということでございますが、いま申し上げましたように、雇用人に対する永久債務方式による負担額でありますから、全職員に対する負担率としては低きに失するということは事実でございまして、その限りにおいてこれを漸次改めていく必要があるということに考えられたわけでございます。もちろん公共企業体等の経理非情もございまして、一度にそれをふやしていくというわけにもまいりませんので、毎年度おおむね俸給に対して千分の五程度の率をもって増加するというやり方をいたしてきたわけでございます。
そこで三十一年の発足当時における整理資源の計上率でありますが、雇用人の全職員に占める比率が三公社で非常にまちまちでございまして、たとえば国鉄等の場合におきましては、これを全職員の俸給に対する比率に直しますと、千分の二十四になったわでございますが、電電の場合におきましては千分の六・七にしかならなかった。さらに専売の場合におきましては、千分の十七になっておったわけでございます。そこでこれを毎年おおむね同じようなピッチでふやしてまいりましたが、経理事情によって若干の差がございまして、現状におきましては、三十九年度の予算におきまして、国鉄は千分の五十一、電電は千分の三十一、専売は千分の四十三というふうな比率に漸次上がってきておるわけでございます。ただ、このような整理資源を負担しておるというやり方は、いわば暫定的な措置でございまして、三十一年発足以来すでに八年を経過いたしまして、本来の財源率についても、来年度あたり御検討いただくことになろうかと思いますが、そういう時期においては、ある程度恒久的な負担方式についても御決定をいただくのが望ましいのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/5
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006・平林剛
○平林委員 いまお話がありましたように、追加費用の積み増しという形でもって整理資源に充てておるが、絶対額としては低きに失することは事実だとお認めになりましたが、この積み増しの状況を見ると、国鉄の場合に当初俸給総額の千分の二十四であったものが、今日千分の五十一にまで実施するたびに五%ずつふやしてきておるのですが、毎年はやっておらぬのですね。一年、二年たってまた思い出したように積み増しをしておる。電電公社の場合も同じように例年ではない。そして専売公社の場合も同じような経過をたどっておる。この問題を処理するにあたって、いま行なわれておるようなことが当面必要な措置であるとするならば、どうして毎年のようにふやしていかないのでありますか。ときどき思い出したようにこれを繰り入れておるというような状態になっておるのですが、その理由はどこにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/6
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007・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 先ほどちょっと御説明申し上げましたように、整理資源の負担方式自体が恒久的な制度としてきまっておりませんので、国の場合でございますと、毎年の予算をもってきめるという形になっておりますが、同じように公共企業体の場合におきましても、毎年度の経理事情等を勘案して予算でそれぞれきめているわけでございまして、その結果として必ずしも毎年度実質的に増加するというわけにはいかなかったわけであります。ただ御指摘のように、このような事態をいつまでも続けているということがいいかどうかという点は、疑問のあるところでございまして、その限りにおいて先ほども申し上げましたように、少なくとも一定の方式というものをできるだけ早く確立する必要があるということは、私ども感じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/7
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008・平林剛
○平林委員 この問題が昭和三十七年三月十四日の大蔵委員会で議論をせられたときに、平井さんはこのようなやり方は暫定的な措置で、五カ年を経過しておる状態でもあるから、来年度あたりは検討しなければならないと考えておると述べておるわけであります。きょう私この質問をしたら、同じように暫定的措置で大体移行以来八年を経過したので、来年度あたり御検討いただきたいと思っておると答えておる。三十七年のときに来年度あたりというと、もう過ぎたんじゃないかと思う。きょう私お尋ねすると、これまたもう八年経過しておるから、来年度あたりやりたいと思うという答弁ですね。あと二年くらいたってだれかが質問したら、もう大体十年たったので、来年度あたり検討すべきだと言いやしませんか。
私はこの制度について今日まで放置をされ、しかもそれが暫定的でたいへん低いということを承知しながら、一日延ばしにやっておるという態度は適当でないと思うのであります。そこで私は、なぜ同じようなことを繰り返しておるのかということをきょうは詰問したいと思って、この問題を提起したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/8
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009・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 確かに私三十七年当時、そういうことを申し上げましたが、その当時の考え方としては、三公社に対してこの辺のところで整理資源の負担方式について、考え方をまとめてほしいということはお願いをいたしておったわけでございます。しかしながら三公社の実情を見ますと、本来の財源率自体について、国鉄の場合でございますと検討委員会等をつくられて、御検討になっておられたようでございますが、それもなかななか結論が得られないという状況でございまして、これとも実質的には公社の負担にも影響する問題でございますので、そういった点の決着を見ないと、整理資源の負担方式だけを独立してきめることがむずかしいというようなお話でございました。その結果として現在まで当面の負担方式を決定するに至らないままで推移いたしておるわけでございます。
ただ御承知のように、国家公務員につきましては、ここ当分の間の負担方式といたしまして、本年度予算から、いわば修正実額負担方式というようなかっこうで、当分の間の負担方式をきめております。したがいまして公社に対しても、私どもとしては来年度あたりは少なくとも財源率の再検討もやっていただきたいし、同時にまた整理資源の当分の負担方式についても御決定をいただくのが当然であろう。むしろあとからスタートした国家公務員共済組合のほうは、ある程度早くそういう問題を処理しているわけでございますから、相互勘案して早急に結論を出していただきたいということをお願いいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/9
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010・平林剛
○平林委員 平井さん考えて三年間、平井さんのほうに責任があるのかと思ったら、あなたのお答えでは三公社のほうにそれぞれ原因があるように聞きました。ひとつ三公社について、どうしてこういうふうな状態になっておるのか理由を説明してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/10
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011・遠藤胖
○遠藤政府委員 三公社の関係につきましては、概括的に私から申し上げます。足りない点は各公社から御説明を申し上げたいと思います。
ただいま給与課長から御説明いたしましたように、そういう問題の提起は各公社とも受けておるわけであります。財源率の計算につきましても、先般来準備を進めておりますから、近い将来財源率の計算も実施ができるように考えておる次第でございます。そういったような事情でございますので、ただいまの整理資源の負担方式の問題につきましても、若干あと回しになってまだ準備ができておらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/11
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012・平林剛
○平林委員 準備ができてないことはわかっておるのだよ。その理由を聞いておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/12
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013・豊原廉次郎
○豊原説明員 いま給与課長からお話のありましたように、国鉄におきましては収支計画策定委員会をずっと開いていま審議中でございまして、近く答申が出るはずになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/13
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014・藤田正
○藤田説明員 電電公社におきましても、国鉄とほぼ同じような状態でございまして、現存収支計画委員会におきまして検討しておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/14
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015・平林剛
○平林委員 国鉄は収支策定委員会で近く答申が出る、電電公社の場合は収支計画委員会で検討中である、専売公社の場合には具体的なお答えがなくて、現在準備中であるというお答えがございました。
近く答申が出るという近くというのは大体どのくらいですか。最近ここで答弁を求めるのは、二年、三年くらいたってしまうから、近くというのはどのくらいの時期ですか。今年度のうちに結論が出るとか、あるいはことし中に出るとかいうようなめどでおおやりになっておるのか、その点三公社それぞれどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/15
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016・豊原廉次郎
○豊原説明員 国鉄の場合には、少なくとも今年度中には答申が出て、何らかの結論が出るものと期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/16
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017・新井喜一
○新井説明員 いま国鉄さんのほうからお話がありましたが、私どものほうも鋭意作業を進めておりまして、本年度中には結論を得たいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/17
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018・藤田正
○藤田説明員 電電公社におきましても、国鉄あるいは専売さんと同じように、本年度中に結論を得たいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/18
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019・平林剛
○平林委員 そこで、三公社は本年度中に大体結論を出す、こういうお話でございまして、大体線はそろうておる。国家公務員の場合には先ほど平井さんのお話で、整理資源の総額確定のために前歴調査をやっておって、まだ完全ではないというお話で、もうそろそろ九〇%以上を完了しておるという話を聞いておるわけであります。これがもし整い、いま言ったように三公社それぞれの結論が出れば、今日の暫定措置から新しい——あなたのことばて言えば恒久的制度がないというのだが、恒久的制度に移るようなたてまえになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/19
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020・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 整理資源総ワクが確定すれば、直ちに恒久的制度に移行できるかどうかという御質問でございますが、御承知のように、整理資源の負担方式というのは、この問題の先進国であるアメリカの例を見ましても、非常に論議が多いわけでございまして、なかなか結論を得ることはむずかしい問題であるわけでございます。もちろん、われわれとしても、全力をあげて恒久的制度を検討いたしたいと考えてはおりますが、直ちに、たとえば永久債務方式をとるとか、あるいは賦課方式をとるとか、そういったところまで結論が出せるものかどうか、必ずしも私ども自信を持っておりません。ただ、現実の問題といたしまして、毎年度発生してくる追加費用の総ワク、これらについては、組合に立てかえさせないというようなやり方も一つのやり方になるわけでございまして、今年度から国家公務員についてはそういうやり方を採用するということにいたしたわけでございます。ある意味においては、これも一つの恒久的な制度であろうかと思いますが、その限りにおいては、絶対的にこれを恒久的制度というふうに考えておるわけではございませんが、当分の間はこの方式によって行なうことが可能であろうというふうに私どもとしては考えております。
なお、先生から先ほど御質問がございました中で、一括入れるべきではないかというような御議論があって、それが何か財源率に影響する、組合の利益に非常に影響するというようなお話でございますが、これは保険数理の立場から申しますと、そういう事態はございません。かりにこれを一括入れるといたしましても、それ自体はあくまでも追加費用部分にのみ充てられるべきものでございますし、また、ある時点に入れる場合におきましては、それが発生するであろうという時期に登るまでの利息分は逆算して差っ引いて入れるものでございますから、財源率そのものにも影響がない。組合のと申しますか、長期経理の本来の財政負掛とは関係のない問題でございまして、これを直ちに入れることによって、長期経理が非常に変わってくるというような性格のものではございませんので、その点を念のために申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/20
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021・平林剛
○平林委員 永久債務方式とか、賦課方式とか言われたって、私、しろうとだから、一体どういうものであるか、どういうふうに私が指摘している問題が解消するのかということの見当がつかないのですよ、実際問題としては、この問題について、簡単にどういうやり方なんだということを知識を得るために説明してもらいたいと思う。
それからもう一つは、国家公務員の場合に、今度おやりになったという新しい方式、それはどういうふうにしてやったのか、これも説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/21
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022・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 永久債務方式というのは、過去の雇用人時代に一応適用された方式でございますが、年金の発生というのは一度に起こってくるわけではございませんので、漸次退職者が発生するに従って年金債務が起こってくる。その発生した年金債務は、年金を受ける人が死亡し、あるいは遺族年金を受ける人もなくなってしまったという段階で消滅するわけであります。そういったものを将来にわたってずっと計算をいたしまして、これを利息分で割り引いて元に返す、発足町に返すということをいたします。これは、たとえば三十四年の移行時におりました国家公務員が四十八万人なら四十八万人について行なわれるわけでありまして、そういったものを元に返した形で計算をいたしまして、これに対する利息だけを入れていく。いわばその当時において永久公債を発行したと同じような形で、将来利息だけを入れていくというやり方をするやり方が永久債務方式と呼ばれるものであります。
それから、賦課方式と申しますものにもいろいろございますが、一番単純な形で申しますと、毎年度、たとえば今年四千人がやめればその四千人について発生したものを当該年度に賦課して当該年度に国から払っていく、これが賦課方式であろうかと思います。
それから、これら両者の考え方の中間をとって、たとえば組合財政が健全性を失なわないようにして、かといって、あまりに巨額の積み立て金が積み立てられることも不経済であるというような考え方もございますので、そういう観点から、一定の水準を前提として、それに至るまで国は全然負担をしないでおって、その積み立て金を取りくずさなければならぬような時代に補てんをする、こういうやり方も学問的には考えられております。そういったやり方を修正賦課方式とかいろいろなやり方で呼んでおりますが、いろいろあるわけであります。
そこで、私どもが今回とりました方式は、学問的に言えばいまのようなやり方もあり、あるいは永久債務方式というようなやり方もあるわけでありますけれども、当面各共済組合の経理が健全に維持されるということが必要であろう。そのためには、少なくとも毎年やめていかれる恩給公務員についての国の追加費用、この部分が毎年確定してまいります。その確定した債務についてそのつどお払いをしていく、いわば毎年精算方式をとっていくわけでございます。そういたしますならば、現実に各組合が追加費用を自分で負担しないと同じような効果をあげるわけでございまして、その限りにおいて立てかえ払いというような事態は一掃される。かりに恩給制度がそのまま続いておったとして、国が負担するとすればそういうやり方であったわけでありますから、恩給制度が続いておったと同じような考え方に立ったというふうに考えてもよいわけであります。国としてはこういうやり方でやってまいりたい。
そこで、修正ということを申し上げましたのは、実は三十四年十月に移行以来三十八年度末までに、国は、当初十五億からスタートいたしまして、毎年度五億ずつふやすというやり方をいたしておりましたけれども、当時は必ずしも組合の現実の追加費用発生額が的確に見通せないという実情にあったためでありまして、実際に制度を運用してまいりますと、若干の立てかえ払いを生じているわけでございます。それが三十七年度末までで約十七億円程度あったと思いますが、この分を三十八年度発生分のほかに負担しなければならないわけであります。この負担の方法につきまして、今後おおむね数年間にわたって消却をしていく。その分が実は負担のほかにつけ加えられるわけでございますので、その意味において修正実額負担方式という形になったわけであります。
そこで、どうしてそういうことをしたかということでありますが、やはり国の財政負担というものも税金に依存するわけでありますから、こういった負担金の増加の仕方にも一定の法則があったほうが妥当であろう。今年たくさんの金額を入れて来年がたっと落ちるというやり方でなしに、漸次ふえていく財政規模等の増大に見合ってある程度ふえていくという形のほうが望ましい。そこで、今年度発生額のほかに、本年度は約三億円を追加いたしまして計上することにいたしました。来年度も、三十九年度発生額のほかに同じ程度の金額を入れるという形でなだらかに整理資源が増加していく。過去の三十七年度末までの不足分をそういう形で償却をしていくということにしたわけであります。もちろん、この場合につきましては、当然利息も付加してお払いをするということにしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/22
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023・平林剛
○平林委員 私の得た資料によると、国家公務員共済組合連合会が昭和三十四年から昭和三十七年に要した長期給付費用のうち、恩給部分七十五億円に対して、四十二億円を連合会に繰り入れたにすぎない。その結果、連合会としては、差額三十三億円を立てかえていることになって、財政の運用に不足を来たしておるということであります。専売公社の場合、例をとってみますと、先ほど御説明がありましたように、積み立て金の不足として二百四十一億円、今回追加費用として昭和三十九年度から千分の四十三になりましたが、この積み立て不足の三百四十億円、利息を年五分五厘と計算すればおおむね千分の百十くらいに相当するわけですね。そうするとこれからべースアップあり、あるいは恩給の年金の増額などがあれば、千分の百十ずつかかる利息が追加費用として千分の四十三では、それだけ赤字が累積していくばかりになる。国家公務員の場合も私の得た資料ではそういうことになっておる。こういう状態に置かれて、いまだに、長い間議論をされておる恩給整理原資の問題については、解決がはかどらぬ。大蔵大臣お見えになる前に、この問題は昭和三十七年度の段階においても議論されて、そのときは平井さんは来年度あたり賦課方式でいくか、あるいは永久債務方式でいくか、議論のあるところだけれども、結論をつけるようにしたいというお話でした。きょう私がお尋ねしたら、もうそろそろ移行以来八年にもなっておるから来年度あたりはやりたい、こう言って、質問するたびに来年度になってしまう。そこで私はその原因がどこにあるかとお尋ねしたところが、いろいろな資源の総額確定のために前歴調査を公務員ではやっておる。また三公社のほうにおいては、それぞれ委員会をつくって具体案の検討をやっておって今年じゅうにはできる、こういうお話であります。私はこういう問題をいつまでも放置しておいて、組合の側からとにかくこの問題を早急に解決してくれ、極端にいえば即時繰り入れしてもらいたいというような要望があるとき、じんぜん日を送っておったのではならぬ。この問題についてはすみやかに結論をつけるべきである、こういう主張をしておるわけでございまして、大蔵大臣はこの問題について具体的にどういう措置をとられようとするか、これは責任者としてひとつきょうは御覚悟のほどを言明してもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/23
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024・田中角榮
○田中国務大臣 平井給与課長から申し上げておりますようになかなかむずかしい問題でございます。でありますが、むずかしいからといってじんぜん日をむなしゅうしておるわけではないわけであります。新しい制度を大いに積極的に検討しようということでありますから、誠意と前向きの姿勢はひとつ御理解いただきたいと思います。公社その他から調査の結果が出ましたらそれを土台にしまして、可及的すみやかに結論を出すということが一番いいことだと思います。そういう意味で、公社の報告を待ちまして、ただ延ばすために延ばしておるというのではなく、できるだけ合理的に、またできるだけすみやかに結論を出したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/24
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025・平林剛
○平林委員 できるだけ早く、できるだけすみやかに、そして可及的にということは一体どういうことなんですか。給与課長も非常にむずかしい。私も質問してもなかなかむずかしい議論があるようでかなり困難だと思うけれども、さればといって三年前に質問したときもきょう質問したときもそういうことで、ことばは可及的すみやかに早急になんと言ってもわからない。即時繰り入れというくらいの強い要望がある段階ですから、やはりこの問題が前提となて、共済組合の今後のいろいろな運用その他にやはり影響を及ぼすとなれば、根本的な問題として結論を出していかなければならぬ。課長はいささか専門家のようだけれども、あなたは一体いつになったらできるとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/25
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026・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、国の場合については私どもここ当分は修正実額方式でまいりたいと考えております。
それから公共企業体の場合につきましては、来年度どういう結論になりますか、それぞれの委員会の検討の結果御要望が出てまいるでございましょうから、それによって私ども結論を出したいと思いますが、一つの考え方としては国と同じように実額負担方式を基礎にしたやり方も考えられるのではないかと思います。ただ先ほど来の御質問の中で出てまいります即時繰り入れということについては、国としては考えておりませんし、またそういう性格のものでもないわけでございます。これはまあ先ほど説明のときにちょっと触れましたように、本来漸次債務として発生してまいるものでございまして、いわば未確定債務であり、未確定債務の推計にすぎないわけでございます。したがいまして法律をごらんになりましてもおわかりになると思いますが、追加費用を負担するという形でございまして、資源があるという見解にはなっておらないわけであります。ただたまたま永久債務方式における利息相当額を整理資源ということばで呼んでおりましたので、何か資源があるかのごとき錯覚を職員各位がお持ちのようでございますので、そういう点で何か即時入れなければならぬというような議論にも発展してまいっておるようでありますが、そういうものではございません。
なお恩給公務員時代に二%の国庫納金をしておった、それが積み立て金になっておるべきであり、それを入れるべきだというような議論もされておるようでございますが、これは性格は違っておるわけでございまして、いわば恩給時代におきましてはそういった二%というのは当初はなかったわけでございまして、まあ恩給を受けるについて公務員といえども何がしかの拠金は、まあ反対給付という意味においてある程度のことはすべきではないかという立場から、二%が計算されたにすぎないわけでございます。したがいまして、恩給法施行の最後でございます三十四年当時の状況を見ましても、恩給国庫納金の額というものは一割にも満たないというような状況であったわけでございます。逆にもし恩給国庫納金相当額だけ入れればいいというようなお話であるならば、これはむしろ簡単でございまして、そういうものとしてわれわれは理解しておらない。恩給国庫納金とは別に、国が将来にわたって恩給として負担したであろう債務、そういったものを将来に向かって債務として受け入れるという宣言をいたしたのが追加費用の負担の規定でございまして、直ちにそれを入れるべき性格のものかどうかということは、法律的に見ても、うなずけないところがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/26
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027・平林剛
○平林委員 きょうは私時間もあまりないから、なかなかむずかしい問題で最終的詰めにまでいきませんけれども、いま課長がお話しになったのは、長期給付施行法五十五条、あるいは法施行令附則第二十八条、この中の追加費用は国が負担し、額は国が当該年度の予算をもって定めるという形のことをおさしになったと思うのです。公共企業体でも大体同じような趣旨だと思うのです。ところが先ほど私一つの例として指摘をいたしましたように、専売公社の場合千分の四十三では実際の場合この不足額を充てるにもずっと足りない、こうした問題について当面処理すべき問題はないのかということですが、この点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/27
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028・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 国の場合につきましては、先ほども申し上げましたように、今後そういった立てかえ払いが生じないように処理をしていくことによって、問題は一応解決される。ただしそれが永久的な方式として妥当かどうかという議論はございますから、それについてはさらに今後も学者の御意見等も承りながら研究してまいりたい。
公社の場合につきましては、私先ほどもちょっと申し上げましたように、あるいは国と同じような形の毎年度発生してくるであろう債務を負担していくというような意味の実額負担方式というような方式をとれば、少なくとも先生御指摘のような問題はなくなる。ただここで計上されております責任準備金引き当て金というのが、すべて国の債務、公社の債務ではありません。と申しますのは、その中にはベース・アップによる不足原資であるとか、あるいは既裁定年金の引き上げに見合う分であるとか、今後制度上だれが負担するかというような問題もきめていかなければならぬ問題もございます。また責任準備金そのものも直ちに入れなければ公社の共済組合制度が成り立たないというような性格のものではございません。そういった意味におきまして、若干性格を異にしているわけでございまして、これを直ちにその利息相当分も入れなければならぬというふうに私どもは考えておりません。ただ少なくとも国とのバランスから見ましてもある程度共済組合に立てかえが起こらないというような形は、将来の問題として考えていくべきであろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/28
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029・平林剛
○平林委員 この問題はいろいろな、要素を含んでおるわけでございまして、大蔵大臣もお聞きのとおりでございます。したがって私は、いずれにしても近い将来結論をつけてもらわねばならぬ問題は、一体だれが責任を持って担当してくれるかということに相なるわけでございまして、これらの問題についても共済組合法についてはいろいろな要素を含んでおります。これはいずれ同僚の委員からも幾多の角度から質疑があると思いますから、私は、この点についていま知り得た各三公社あるいは政府の意向を把握をされて、私の意のあるところをすみやかに善処せられるように希望いたし、質問は終わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/29
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030・山中貞則
○山中委員長 只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/30
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031・只松祐治
○只松委員 この前から事務当局に私や同僚議員からもいろいろ質問をしております。きょうは大臣がお見えでございますので、ひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
先日からのお話を聞きますと、郵政関係の延べ四百万人をはじめといたしまして、非常勤の労働者というのが非常に多いわけでございます。近代社会というのは御承知のように人間を大聖にする、したがってそういう働く人々の生活を安定させる、これには勤務状態を非常に安定化させる、不安定のないようにする、こういうことが一番大事になってくる、いわば近代社会は近代的な雇用関係を確立することが大事である、こういうことは当然のことでございますが、実際上いまもって非常勤が非常に多い、こういうことでは、一般の民間や日本の社会に及ぼす影響もきわめて大きいわけでございます。大臣はこういうことをいいとお考えでございますか、あるいはやむを得ないとお考えでございますか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/31
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032・田中角榮
○田中国務大臣 すべてを直用にしたいという考え方はよくわかりますが、しかしこういうものは一ぺんにできるものではありませんし、また業態の内容によって、そのようなことが不可能なこともあるわけであります。われわれお互いの生活の中を見ても、なかなか常用的に定員にできないという種類は、事業によってたくさんあるわけでありますので、これを一様に、全部を正規な定員として、身分も地位も、また給与体系の上でも、完全な保障を行なうということは、事実上としてなかなかむずかしい問題を含んでおるということはおわかりになっていただけると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/32
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033・只松祐治
○只松委員 そういう抽象的な話になりますと、なかなか論議がしにくいのですが、順次これを定員化していく、あるいは別の面から見れば、非常勤をなくしていくということに今後努力されるということをお約束になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/33
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034・田中角榮
○田中国務大臣 当然定員化しなければならない者が定員法等によって定員化されない、こういう者は定員化していかなければいかぬ、こういう考え方でございます。でありますから、私も過去二回予算を組みましたが、郵政省等の、当然定員化すべき者でありながら非常勤の状態にあるという者に対しては、相当数定員化しておるわけでありまして、当然定員化すべき者が非常勤にあるような状態に対しては、定員化を逐次はかってまいりたいということはそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/34
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035・只松祐治
○只松委員 こういうふうにたいへんに非常勤が多いので、したがって予算の支出を見ましても、各官庁によりあるいはその一官庁の中でも、試験研究費あるいは一般的な庁費とかあるいは臨時検査員手当とか諸謝金とかなんとか、私たちからいえば、奇怪とまでは申しませんが、非常にあやしいいろんな名目をつけてこの費用が流用されております。国家予算のあり方あるいは予算の使用方法として、こういうふうな流用を好ましいものだ、こういうふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/35
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036・田中角榮
○田中国務大臣 定員でない者に対しては、事業費の中で月給を払っている、こういうのはよろしくない、こういう御質問だと思いますが、これは、事業費の中の人件費というふうに区分はおおむねいたしておるわけであります。これは、事業が非常に大きくなったときに、随時人員をよけいにしなければならないとか、これは定員化されない、こういうものがございます。でありますから、まあ現実に即してやむを得ないというようになっておるわけであります。しかしこれは、実際はほぼ定員に近い状態であるけれども事業費で払っておる、これは建設省かで、定年を越した人や定員外の人、俗に言うはかま人夫、昔から国会でも議論がたくさんございますが、こういう者は全部事業費の中で払っておるわけであります。一体こういうものがいいのか、こういうことを御指摘になっておると思います。しかし、定員以外でありますから、全く臨時的な者、また臨時的でない者であっても定員化されない、いわゆる定年を越しておる人とか、そういう者を一体どういうふうに区分するか、検討は必要な問題でありますが、いままで何回か国会の議論になりましたけれども、なかなかいい方法がないというので、現在事業費の中で月給のようにして、日給月給ということで払っておる者が相当あることは御指摘のとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/36
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037・只松祐治
○只松委員 一言で言うならば、これはやみの人件費、こういうことになるのじゃございませんか。人件費としてあがってないわけですからね。いやしくも、国家が国民を使っておる、働いてもらっておる、しかしそれが人件費としてあがらないで、試験研究費とかあるいは事務諸費とかあるいは何とか調査費とか、いろんな名目で、少なくとも、ここに政府側の出しておる資料ではそういうようになっておるわけです。そういうことで結局人件費を払っている。これは単に給与だけではなくて、その人たちがいろいろ出張する出張費だとかあるいはいろんな行動手当その他もそういう中から出ておるのだろうと思うのです。したがってこれは、やみの人件費やみの行動費、こういうことになるのですが、国家財政ならばもう少し明確にして、いつまでも、少なくとも田中さんが大蔵大臣をしておってこういうものを公然と認める、こういうことはやめていくべきではないか。これを順次やめる、やめるとすれば、これは非常勤の者の人件費というふうに明確にして、やはり人件費は人件費と組んでいくことが、これは国民に明確に、予算をこういうふうに使っております。これは政府の当然の態度だろうと思います。そういうふうにする意思がございまますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/37
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038・田中角榮
○田中国務大臣 やみ給与ではないのです。これは、御承知のとおり、定員化しておるものに対しては人件費は別に出しておるわけであります。これは人件費ですけれども、いまの予算と予算の執行の現状から見ますと、なかなかあなたの言うようには参らない面がたくさんあるわけであります。でありますから、これはまた二つの面から議論をしていただくとよくわかる。一つは、人件費として実際払っておるのだから、人件費をこまかく予算の費目の中で分けて出すこととが一番合理的である。それはそうできれば一番合理的であります。ところが、そうできない面が現実面からはございます。それはなぜかといいますと、公共事業等につきましては、その設計を全部しまして、その中の監督費は幾ら、臨時人夫賃は幾ら、こういうものを全部こまかく積み上げてまいりまして、その積み上げたものに対して予算を最終的に組むということではないわけでございます。御承知のとおり、利根川改修工事費今年度は約三百億、こういうことになりますと、予算が通ってから、それの実施計画をつくりますと、その中でもって臨時人夫費、臨時人件費が幾らというものが出てくるわけでありますから、これはあらかじめその予算の科目の中にきちんと分けて計上するということは、法律でもって定められておるというような人件費以外は、これを人件費と細分することは事実上むずかしいと思うのであります。でありますから、国の立場から見ますと、事業費というものに一括配分をしておいて、それを人件費等に使っておって、それをいいかげんに使われては困る。だから国費のむだづかいがあっては困るということが議論せられるわけであります。だから、その場合は、決算の場合に事業費の内訳はこまかく積算されて決算報告をされるわけでありますので、いまの状態では、人件費というものが事業費の中に含まれておらない、どうも初めから計算のしようがない、こういうものでございますので、現実的な面をひとつお考えいただいて、何か方法がないかなということは私もそう考えるのですが、なかなかないのです。では、もう予算の立て方を、すべて前年度において実施設計がみんな終わっておって、それが積み重なったものが予算である、こういうことに完全に切り変えることができれば、そういうこまかい内訳までできるわけでありますが、事業費の中でまかなわなければならない人件費という特殊な状態が実際に要請せられるだけに、これをあらかじめ細分することはむずかしいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/38
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039・只松祐治
○只松委員 いま大臣が説明されたのは、主として臨時人夫とか臨時の例を引いて言われたわけですが、私たちがずっとここで論議してまいったのは、常勤の非常勤という人たちを中心に論議をしてきたわけなんです。確かにいま、言われたそういう一面の人々もありますが、そのことはそれといたしましていずれまた論じますが、常勤的非常勤の人が依然としてたくさん放置されておる。したがって、ずっと論議しておりますように、この共済も何も適用を受けておらない。こういうことをずっと論議してきたわけなんです。そういう観点を含んで、常勤的非常勤というものをこんなにたくさんそのまま放置しておいていいのかどうか。また、そういうものにいろいろな試験研究費とか何とかいうて名目をつけて人件費を流用して、これは突然としてやっているのではなくて、ずっと例年やっているわけですね。そういう予算のあり方がいいのかどうか。こういうことをお聞きしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/39
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040・田中角榮
○田中国務大臣 御質問の要点はよくわかります。先ほど申し上げたとおり、実際が定員であり、それから将来定員化しなければならないというものに対しては、予算の制約はございますが、予算の許す範囲内においてだんだんと定員化しておるということでございます。ただ、どうしても定員外に置かなければいかぬというものがいまの制度の中ではあります。昔は、臨時傭員、雇員、それからだんだんと一般の定員に組み入れられてきたわけであります。でありますから、あなたの言うには、一般の定員に入っている者は幾ら、それから昔の雇員に匹敵する者、まあ将来定員に繰り入れられるのだという者も何人で幾ら、それから全く臨時でありますとか臨時雇員でありますとかいう者は幾ら、こういうふうに出しておけばいまよりも合理的であろう、こういうことはよくわかりますし、戦前も問題があったわけでありますが、雇員にあたるものはその正員の二分の一にこれを計算するとか臨時雇員の期間は三分の一にこれを通算するとかいうような問題が制度上きちんとしておれば、また問題の解決の道もあると思います。私も郵政省等において、この臨時の問題は相当苦労いたしました。私たちがめんどうを見てもらっておる病院の看護婦は全部定員外である、エレベーターを運転している者はみな定員外であるというような問題、逐次解決をしてきておるわけでございます。でありますから、当然定員として将来も必要であるという人と、それから事業の内容で、林野庁等で木をたくさん切るときにはぱっと人を集めてたくさんやらなければいかぬし、木を切る計画が普通の状態である場合には臨時の雇いは非常に少ないというような、やはり実態によって違うわけでありますので、本省等において一般会計の中におる非常勤等はだんだんと常勤化していくという方針は先ほど申し上げたとおりでありますし、それから、事業の性質上これはもう定員化しないというものは、基本的な人数だけ定員化しておく、あとはやはり事業費か何かでまかなっていくというようなこと以外に方法はないのじゃないかと思います。また制度と共済その他の通算の問題等に対しては、制度が完備していくとあわせてだんだんと整理解決をしていくべき問題だろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/40
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041・只松祐治
○只松委員 そういう、いわゆる定員外の人々というのは、完全な人間として取り扱われてないわけです。共済組合法一つ見たって、あるいは退職金を見たって、あるいは健康保険その他何を見たって、とにかく少なくとも公務員として取り扱われておらない面がたくさんあるわけです。だから、私の言うのは、野蛮国家なら別として、近代的な国家でそういうものをあまりにもたくさんつくっておくということは、きわめて非合理なものである。だから、もっとこれは合理的にしていく、少なくとも人間として取り扱う、こういうふうにしていかなければならない。定員という一つのワクだけでこの問題が論じられておりますからそういう答弁しかできないと思いますが、定員というワクをはずすということも基本でございますけれども、それ以外に、もっと人間としてこういう人々を、たとえば過日から言っておりますように、社会保障制度その他も全部含んで、取り扱っていく、国家がそういうことをしないと、よく日本の雇用関係を二重構造といわれておりますように、民間にはまだたくさんの臨時の人であるとかそういう人があるわけですが、こういう人々は、これはいい例ではありませんが創価学会がふえるとか何とかいう一つの原因もそういうところにもあるわけで、日々これ非常に不安定である。したがって何かもう精神的にだけでも求めていかなければならない。背は、いわゆる観念的な宗教が発達したときにはそういうことでもいいわけですが、近代的な社会においてはそういう精神的な安定だけではなかなかいけないというような面が出てきて、宗教も真善美じゃなくて利を加えるということになって、お前も入っておれば利益なら利益も与えられるのだ、こういう一つの形が出てきている。それはそれとして、こういう不安定なものがあるということは、やはり国定のこういう雇用形態においてすらあるから一般の社会にこういうものがあるわけです。少なくとも政府はそういうものを急速に改めていく、こういう方向をとっていくべきだと思うのです。ひとつ大臣から、ぜひそういうふうにするという御答弁をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/41
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042・田中角榮
○田中国務大臣 これは、非常勤全部無制限に一般職員と同一のものにするというのはなかなかむずかしい問題だろうと思います。国家公務員共済組合法施行令の二条の五項を見ていただくとわかりますとおり、一年間以上勤続しておる者で将来長期に雇用するというような者に対しては適用をいたしております。それから国家公務員等退職手当法によりましても、一条の二項で同じ救済を行なっておるわけでございます。この限度をどこまでやるのかということになりますと、五カ月働いた者も、一カ月雇用されておる者も、臨時に雇われる者というところまで伸ばしていくということになるとなかなかむずかしいと思うのでございまして、やはりどこかで線を引かなければいかぬということでございます。非常勤も定員として当然必要な者に対しては定員化していくという政府の方針でありますので、そのような事情をひとつ御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/42
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043・只松祐治
○只松委員 今度は過去の問題といたしまして、三十三年の十二月以前に退職された方は、この共済の支給の最高額を二万円に押えられているわけですね。三十七年の十月に二万六千円になっておるわけです。本年の三月末で二万二千百八十五人が国家公務員の長期給付を受けられておるわけですが、三十三年の十二月以前に退職された方が約四千人ございます。この人たちは非常に低い給付しか受けておらないのであります。どうかすると一人平均月千円以下の人もあるそうです。これはとりにきているわけではございませんが、とりにくれば、少し遠いところから来れば交通費にもならない、こういうことでございます。そういう低い額しか支給を受けていない方もあるわけです。いわゆる既裁定年金のべースアップというものをお考えになることはできませんかどうか。私たちとしてはぜひ——これは人も約四千人くらいで少ないわけですし、金額にしても少ないわけですから、この前から出ておりますように満州国や上海あたりの特務機関におった人々にも出すのならば、昔国家のために一生懸命働いた方のために、多少なりとも生活の安定をしてやることは当然だろうと思う。これについてひとつ御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/43
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044・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 大臣の御答弁の前にちょっと御説明申し上げておきますが、現在の制度は現業でございますと三十四年の一月から、非現業でございまれば三十四年の十月から適用されているわけでございまして、それ以前の期間というのはいわば旧法による共済組合の規定の適用を受けておるか、あるいは恩給法の適用を受けておるわけでございます。そこで、御指摘のような三十三年十二月以前の方々というのは旧共済組合法の適用者であったと思うのでございますが、それらの方々につきましては、御承知のように一昨年の法律改正によりまして、恩給法の給付水準が三十四年度の予算ベースでございます二万円まで引き上げられた機会に二万円まで引き上げられておるわけでございます。それから新法施行後においておやめになった方は、あるいは三十四年度の予算べースである二万円のべースの方もございますし、あるいはそれ以降漸次上がってまいりましたそれぞれの給与べースにおいて御退職になっているわけでございます。そこで先生御指摘のように、いまの旧法部分のほうだけを上げるということが妥当かどうかという疑問があるわけでございまして、制度的に見るならば、いわゆる既裁定年金がその後において物価の変動その他から見て、社会保険の給付としてあまりに低きに失するかどうかというような判断のもとに一般的に考えなければならぬ問題ではないかというふうに私どもは考えております。その意味におきまして、将来にわたる制度問題として既裁定年金のベースアップを考えるかどうかという問題が一つあるわけでございまして、そういう観点の中で三十三年の十二月以前の方々の問題を考えるべきであろう。そういたしませんと、それだけを切り離してやるということは制度として将来に問題が残るであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/44
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045・只松祐治
○只松委員 いまのお答えでわかったようなわからぬような気がするわけですが、そうすると三十三年の十二月以前の力には特別に考慮はしないが、一般的には考慮してもいいというような答弁に聞えますが、どうですか大臣、大臣として既裁定年金のべースアップ、これは一般の年金のスライドという一般的な問題もございますけれども、それとは別にいたしまして、既裁定年金のベースアップということは好ましいことである、努力する、こういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/45
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046・田中角榮
○田中国務大臣 この問題は国会でも発言がございますし、党でもこういうことを検討いたしております。共済組合法及び恩給法等、戦後だんだん整備をされてきていま残っておるのは先ほどあなたが申されたとおり物価とのスライドの問題がございます。これに対しては本会議でも制度の本旨からいってスライドすべき理由はない、こういうことを計っております。スライドとは全然別に切り離して、わずかな人でも実際において二万円べースである人が、その後二万六千円べースになっているのだからという御発言でございます。いま給与課長から申したとおりいろいな問題がございますので、これをやらなければならぬ、いつやるという方向よりもこういう問題が世の中にありますから、また陳情もあります。大校長でやめた人が、その後やめたうんと若い人よりも低いべースの金額の支給しか受けていないというような問題がありますことも承知いたしておりますので、検討問題として検討はいたしてもおりますし答弁もしておりますが、これをいつやります、やる方向で検討しますということをいま申し上げる段階ではないようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/46
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047・只松祐治
○只松委員 その場合には当然に一律のアップではなくて、三十三年の十二月以前に二万円に押えられておる人と、三十七年十月に二万六千円、こういう人たちのアップの率を考えてやらないと同じ国家につとめておりながら、少し前につとめておったということだけで、物価が——これは池田内閣の失政だと思いますが、物価が上がってきたというこの中で、ただ一方的に、少し古くつとめておったということだけで非常に苦しい立場に立つわけでございます。これはいまはそうですか、やがて今度はいまつとめておられる人々が将来こういうインフレになり、物価が上がってくるという場合に、新しい人はいいけれども、いまつとめておる人は同じくそういう困難な立場に立つわけです。こういうものはできるだけ公平にしていくべきだと思います。ベースアップの率その他についてはひとつ特段の配慮をしていただきたい。
次に、年金の支給問題についてお尋ねをいたします。ずっと前に十年間こうやってつとめておった。ところが途中で民間へ出たりあるいはやめておった、それからまたつとめる、そういう場合に、たとえば前つとめておったのが雇いで十年間、後に雇いで三年間、一般公吏として三年間、現在またこうつとめておる。通算して二十年になる。こういうふうな場合に、いわゆる資格期間というものは二十年でとれるけれども、年金の支払い期間というのは十年で通算されておる、こういうことになっておるように聞いておりますが、その資格期間と年金の支払い期間というものと、こういうふうに分かれて現在もなおかつございますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/47
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048・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 御質問の趣旨あるいは誤解しておるかもしれませんが、現在の制度でございますと、いまのように何回かつとめてまたおやめになって、結果的に見るとつとめられた期間が二十年以上の期間になる、こういうような場合の取り扱いについては、おやめになるときは一応一時金をもらってやめておられる方が非常に多いわけであります。そこで現在の制度としては、いまのような間の期間は別といたしまして、国につとめられた期間を通算いたしまして二十年以上になれば、これは当然年金は差し上げることにいたしております。その場合に二十年に相当する年金は差し上げますが、ただし過去において一時金としておもらいになった分を差し引くというやり方をしておるのが原則でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/48
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049・只松祐治
○只松委員 私もきのう実はその年金の関係者から調査をし、聞いてみたわけですが、その人の説明によれば、そういう場合二十年間つとめておっても、十年の期間の非常に低い年金しかそういう人はもらえない。こういう人をぜひさっき言うように、旧満州国の特務機関につとめておったという人々にさえくれるのだったら、少なくとも政府につとめておった——途中でちょっと民間やよそに行っても、そういうふうにつとめておった。特にこの場合雇いという身分のときに一番関連をしてくるそうでございますが、これはひとつ入れておいてもらいたい、こういう陳情を受けてきたわけです。私もまだよくのみ込んでおりませんので、説明が不十分かもしれませんが、ひとつこの点調査してぜひこういう立法措置をとってもらいたい、こういうふうにお願いしておきます。
〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/49
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050・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 御趣旨の点、実は実例を見ないとわかりませんので、調査の上で検討しなければならぬと思いますが、ただ民間につとめられておった期間まで入れろというお話でございますとちょっと性格が違うと思います。これは民間の場合において厚生年金なり国民年金の通算の問題でございまして、それをも国家公務員期間と同じように扱うということはやや問題があろうかと思います。なお具体的な問題が出ましたら、その上で検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/50
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051・只松祐治
○只松委員 それからせっかく大臣がおいででございますから、これはなかなかいままで容易でないという答弁しかなされておりませんが、さっき申しました既裁定年金のべースアップだけではなく、こういうように物価が上がってまいりますと、なかなか退職者、お年寄りというのは苦しい。日本の定年制は非常に低くて五十五歳でやめておられる人が多いのですが、こういう物価倍増の中でたいへん生活が苦しいわけであります。国民年金のほうには不十分ながらスライドというものが若干うたわれておりますが、しかし共済についてはそれがないわけでございますから、ぜひその点は御考慮していただきたいということをお願いいたしまして、あと大臣がおられる間に卜部君から御質問したい、こういうことでありますから、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/51
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052・吉田重延
○吉田(重)委員長代理 卜部政巳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/52
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053・卜部政巳
○卜部委員 まず冒頭に申し上げたいことがございます。それは昨日政務次官より、ILO三十五号条約を中心といたしまして社会保障に関するILO条約の全部に対して、先進国家群に伍していくためにこれを批准するために努力をしていく、こういう誠意ある回答がありました。そういう関係がありますので、昨日の問題をさらに深めていきたい社会保障の問題が多々あります。しかし私は、その点はそのことばに免ずると言ったらおかしいのでありますが、信頼をしてこの点については省略をいたしますが、大臣も出席されておりますので、念を押すということばは若干語弊があるかもしれませんが、やはりこの点は先ほど申し上げましたように、先進国家群の一員でありますがゆえに、このILO三十五号条約をまだ批准していない——三十六号、三十七号もそうでありますが、そういうかっこうをぜひ実行する、こういうことにその決意のほどをぜひ表明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/53
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054・高木玄
○高木説明員 ただいまお尋ねの三十五号から四十五号の戦前条約、これの批准の問題でございますが、この戦前の三十五号から四十五号までの諸条約は、ILO当局自身におきましても今日の情勢に適合しない条約であるという認識を持っておられまして、再検討すべきであるということを理事会できめておられる問題でございます。今日われわれといたしましては百二号条約の批准が目標でありまして、一九三三年代にできましたこの戦前諸条約は、いずれILOにおきましても百二号条約を基盤にいたしまして整理統合することが正式の議題にのぼってくる性質の問題でございまして、むしろ当面は一九五三年に採択されましたILO百二号条約の批准がわれわれの目標であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/54
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055・卜部政巳
○卜部委員 一九三三年が指折り数えて何年昔かということがおわかりかと思うのであります。その時代に先進国家と名づけておられるアメリカにしてもイギリスにしてもすでにこういう批准が行なわれておるというこの事実は私はりっぱだと思う。なるほどいま百二号の問題が出ました。これは最低基準の問題ですね。さらにそれについて今度は先進国家の云々という形の中の問題が出ておりますが、これはかなり抵抗があってつぶされたということを聞いております。しかし私は、いま御答弁になられましたように、現実に百二号という問題が浮かび出てさらに進展をしていく方向をたどろうとするときに、問題があるなしにかかわらず、その精神を順奉していくということは、当然日本政府として行なっていい措置ではないかと思う。こういうことで、せっかく政務次官も、そういう批准条約があるということであるならばこの点に対して努力をするということを申されたのでありますから、ひとつその点についてば、厚生省云々ということは別といたしましても、大臣はその問題について誠意のあるところを示していただきたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/55
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056・田中角榮
○田中国務大臣 国際条約はもとよりのこと、政府も御承知のとおり社会保障その他が先進諸国に追いつくように毎度努力をいたしておるわけでありますから、この条約を批准するとかしないとかいうよりも、われわれ自体がそういう精神でおるのだということはひとつ御理解いただけると思います。三十五号からの問題につきましては、いま厚生省が申されましたように、これは条約でありますから、これを批准するかどうかという問題については具体的に政府の専門省で検討いたしておりますので、いま厚生省から申し上げたことで御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/56
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057・卜部政巳
○卜部委員 では厚生省にひとつ質問をいたしますが、ILO条約百二号は社会保障の最低基準に関することであります。これを中心としてひとつ社会保障に関する高度の基準を定めようとする動きがいまありますね。この問題に向かっていわゆる日本政府が批准をする、こういう態度を進めていこうというのでありますか、この点をひとつはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/57
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058・高木玄
○高木説明員 社会保障の最低基準に関します百二号条約でございますが、やはりわれわれとしてはこの基準に合致するというふうに諸制度を進展、充実させることが一つの目標であるというふうに考えております。ILOにおきましては先ほど申し上げましたように、この百二号条約というものを基盤にいたしまして、先ほど申し上げました戦前諸条約をその基盤の上に立ってさらに整理統合しようというのが将来の大きな課題になってこよう、かように私どもは見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/58
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059・卜部政巳
○卜部委員 その質問に対する回答がぼけておるのでありますが、少なくとも百二号条約というものは三十五号ないしはそれに関連する、それよりも上回ったものだという解釈をいまされておるわけですね。いま厚生当局といたしましては、百二号というものが一九三三年に批准された。言うならば日本にあった三十五号条約、その点よりも上回るものだという理解をされておる。こういうことをおっしゃっておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/59
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060・高木玄
○高木説明員 百二号条約がこの戦前諸条約を上回るという意味ではございません。実は戦前諸条約は非常に各種の老齢保険なり、疾病保険なり、そういったもののとらえ方が個別的でありまして、また規定の態様が非常にこまか過ぎる、また固定的であるというために、戦後の社会保障の各国におきまする非常な進展に適合しない面が出てきたというわけでございます。特にこの戦前諸条約は給付の水準については沈黙を守っております。
それからまた、特に戦後独立してまいりました低開発諸国の社会保障の指標にもならないというような、現在の社会保障の各国における戦後のめざましい進展を考えますと、現在の情勢には適合しなくなってきておるという意味でございまして、そういった意味において、この戦前諸条約の再検討というものがILOの大きな課題になっている。かように私どもは理解しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/60
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061・卜部政巳
○卜部委員 私ここで論駁してまた論議しようとは思わないのです。この問題で論議しますとはてしないところがあるのです。私が率直に申し上げて三十五号が戦前のものであり、戦前はもちろんでありますが、決してこれは現実に即さないなどということは私は詭弁だと思うのですよ。なぜなら百二号と同時にできたところの社会保障に関する高度の基準というのが、これまた同時に提案されておるのですね。実際問題としてはまだ採択されておりませんが、少なくともそういう方向に向かって日本政府がやるというんなら私はまだそれでも話がわかるのです。それもやらぬ、これもやらぬ、さらにそういう批准もやらぬ、さらにその問題についても検討をいま加えられておるから、その検討が加えられておって、新しくそういう方向に整理統合されていく中で批准するんだ、このように考えておると言いながらも現実に批准されていないということはどういうことか。こういうことに私はあると思うのです。だから、もしそういうかっこうで改正をされ、そしてまた同時にそういう新しい整理統合されたものができる、こういう形の中ではそれをまた批准すればいいと思うのですよ。でありますから、何も古いからいま私たちがこれをもって批准をしなくてもいいということにはならぬと思うのです。この点でひとつ大臣に——大臣せっかくここに来ておられますものですから、しかも大物でありますから、ひとつ閣議の中ででもこれだけの八十七号の問題がいま特別委員会が設けられてやられておるから、これも戦前のものでありますが、どうなんですか。やはりこういう問題も一生懸命やる、こういう点の誠意のある回答を私はひとつ示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/61
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062・田中角榮
○田中国務大臣 百二号につきましては、厚生省でいま検討をいたしておるということでございますが、まだ検討を必要とする問題も相当残っておるというように聞いております。ただ、将来の方向といたしましては、国力の一そうの充実を待ちまして、その批准が実現するようにやはり努力をしていくべきだというふうに考えます。百二号の内容は厚生省から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/62
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063・卜部政巳
○卜部委員 その内容はいいのです。ただ大臣に申し上げたいのは、大臣は、本会議の中でも委員会の中でも、その高度成長並びに産業の基盤の拡充からして、いわゆる先進国家群のOECDなんかの中でも、八条国への加盟の問題についても、決してひけをとらないようなことを口にされます。事この問題に関しては、国力の充実と相まちましてなどということを私は答弁されるのがおかしいと思うのです。これはいいことなんですから、当然やらなければいかぬことをやらないということはどうなんですか。やはり本会議場における答弁と同じように、このILOの問題についても胸を張って、そして自信を持って私は答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/63
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064・田中角榮
○田中国務大臣 IMFとかOECDというのは、財政上私の所管に関係しておりますからいろいろ申し上げます。しかしこのILO関係のものは、政府は連帯責任を持っておりますけれども、専門は厚生省でございます。でありますから厚生省でいま検討しておるということでございます。こういう条約を批准する、しないにかかわらず、私も財政の許す範囲内において精一ぱい社会保障の拡充にいま努力をいたしておるわけでございます。でありますから将来とも私たちも社会保障の拡充ということをやっていきたいということでございますので、先ほど申し上げたようにお答えをいたしておるわけでございます。これは財源も相当今度出さなくてはならぬ問題でもございますし、厚生省で検討しまして、政府としてILO百二号条約は批准しなければいけません、こういうことになれば、私は反対するような気持ちではございませんし、いま閣議の議題になるというよりも、その所管、専門の厚生省で検討しておる段階でございますので、やはり厚生省の結論を待ってお答えをするのが一番正しい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/64
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065・卜部政巳
○卜部委員 私はILO三十五号の条約をめぐって論争しようとは思っていない。なぜならばそのことがやはりいま大臣がおっしゃったように、誠意を持って社会保障云々とは言っておるけれども、現実にいま審議されようとする国家公務員共済組合法にしてもしかり、決して満足すべきものではないのだ、こういうことが根幹にありますから、私はこういうものをやはり基準にして、ひもといていって、このことを私は徐々に討論を深めていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。しかるに大臣は三十五号条約自体のことばかりを念頭に入れられての御答弁でありますが、これからいろいろと質問をしてまいりたいと思いますけれども、少なくとも私はそういう根幹というものがはっきりしていないから、日本政府独自にちゃんぽんな考え方をしてみたりするようなことが出てくると思います。ちゃんぽんにする考え方というのは、これから以下申し上げていきたいと思いますが、しかしそのことは別といたしましても、討論に入る前に、ひとつ大臣からこの根幹には従っていくんだというこの点の決意は示していただきたい。そうせぬと、以下これから入っていく問題についても、大臣もまた答弁を軽く逃げられるとか、こういうあれがありますので、ひとつその点の確認をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/65
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066・田中角榮
○田中国務大臣 ILO各条約の問題につきましては、いま申し上げましたとおり、厚生省が専門でございますから、いま検討しておりますのに、厚生大臣が申し上げないうちに私が厚生大臣にかわってここで積極的な発言をするということよりも、厚生省でいま検討いたしております。こう申し上げておるのであります。
それから社会保障の問題につきましては、ILO条約の百二号等を批准するしないにかかわらず、これは積極的に前向きに対処しておることは御承知のとおりでございます。これはILO条約を批准したからどうだということではなく、もちろん批准すればそういう問題に対しては大いに前向きでやらなければならぬという責任が出てきますが、私たちはこういう問題を批准しなくても、財源の許す限り社会保障を進めてまいる、こういう考えでございますので、財政当局としては非常に積極的な社会保障拡充論者である、こういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/66
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067・卜部政巳
○卜部委員 私はILOの特別委員会に出られないのは残念ですが、ILOに関する限り若干ベテランというふうな自負を持っております。八十七号条約においても大臣、どうなんですか、日本の国のああいう姿そのもの——私は、しっかりしたものを出しておれば八十七号条約なんというものは問題じゃないと思うのです。そうでしょう。それがなされてないところに、調査団が派遣され、その問題に対する勧告が出ておるわけです。それと同じように、この社会保障に関する問題も、大臣は大臣なりに前向きにやっておると思うのです、率直に言って。それは、政治ということはよくわかる。だけど、私が申し上げるのは、全体の仕組みというものは決してそうじゃないと言っているのです。その点は私は徐々に申し上げていきたいと思います。冒頭に、そういう討論については纐纈政務次官の誠意ある回答によって省略するということになったわけですから省略しようと思ったのですが、どうもまた省略できないようになりますが、しかし率直に、冒頭言ったのですから省略します。しかしその点については高木さん、率直に申し上げますが、百二号の条約も批准するけれども、当然社会保障に関する高度の基準についても日本政府としては取り組む、このことについては間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/67
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068・高木玄
○高木説明員 先生御承知のとおり、ILO百二号条約は、その百二号条約に規定いたしております基準三部門において合致することが要件になっておるわけであります。今日まで、遺憾ながらわが国におきましては年金が国際水準から非常に立ちおくれておったわけでございます。今回厚生年金保険法の改正法案を国会に提案いたしておりますが、この改正が実現いたしますれば、この年金法案に関する限り、ILOの最低保障の基準に合致し得る、こういう状態になり得ると思うのであります。いずれにいたしましても、いままで非常に立ちおくれていた年金部門が、今回の厚生年金法の改正が実現しますれば国際水準に到達する、こういう現在の段階でございます。その点を御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/68
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069・卜部政巳
○卜部委員 次に、社会保障に関する高度の基準というのがありますね、関する問題というのが出ておりますね。この点はどういうふうに……。日本の国としてどうか。これはもうよそのことは知らぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/69
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070・高木玄
○高木説明員 社会保障に関する高度の基準というのは、実は私つまびらかにしないのでございますが、この百二号条約というものは社会保障の最低基準でございますね、これを踏まえて、先ほど申しましたように戦前の諸条約を整理統合した条約案がILOで検討される時期がいずれ遠からずくる、かように私どもは確信いたしておりますので、その時期には私どもも年金部門を国際水準に高めるなり、そういった努力をいたしたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/70
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071・卜部政巳
○卜部委員 その努力はよくわかりましたが、そういうものがILO総会に出され、理事会に出された場合には、日本政府としては賛成の立場をとる、こういうことでよろしゅうございますか。ようしゅうございますね。努力するというのだから、そういうことになるでしょう。それでいいんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/71
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072・高木玄
○高木説明員 どうもILO問題は厚生省のみならず、労働省等と関係がありますので、私のいまの立場ではどうもはっきり申し上げかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/72
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073・卜部政巳
○卜部委員 だけど、あれでしょう。高木さんはおっしゃったじゃありませんか。ILO百二号を中心として、その具備した形の中から、その方向に向かって、最低の基準でありますから、今度は高度の基準に向かっていくということは当然であります、努力をいたしますと言った以上は、これはやはり日本の国家としては、その高度の基準に対しては批准すべく、ILOの理事会においても強力に発言することもあってしかるべきだ、こういうふうに考える。よろしゅうございますね。そういうふうにひとつ確認をいたします。委員長にそのように確認をしていただきたいと思います。よろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/73
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074・高木玄
○高木説明員 そのような高度の基準がもし採択されますれば、それはわれわれの努力目標であろう、かように存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/74
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075・卜部政巳
○卜部委員 今度の場合には、百二号とは違ってまだ採択されていないのですね。採択をすべくいま持ち寄られつつあるというわけですけれども、だからその中で日本政府が賛成をするかどうかということです。これは厚生省所管でしょう。だから厚生省に聞いている。そういうことでいいのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/75
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076・高木玄
○高木説明員 実は先ほど申しました戦前諸条約の整理統合が一九六五年議題になると予定しておったのですが、実は一九六五年議題には取り上げられなかったわけでございます。先に持ち越されたような状況でございますので、そういったILOの動き等を今後も注目をいたしまして、その内容を十分に検討して対応していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/76
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077・卜部政巳
○卜部委員 先ほどの答弁と若干食い違っておるのですが、出されたものを見て対応してまいりたいというのと、百二号条約を批准をする過程の中で、年金の問題が出てまいりました、こういうかっこうで懸命に批准に向かって努力をします。同時に三十五、三十六、三十七という各号条約が戦前のものであり、整理統合されてくる形の中では積極的にこの問題に取り組む、こうおっしゃられたわけなんです。でありますから社会保障に関する高度の基準に対しても、当然日本政府としてはその立場を堅持して採決すべく努力をする、このように私は働きかけるのが当然のつとめだと思うのですが、その点でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/77
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078・高木玄
○高木説明員 高度の基準の内容をつまびらかにいたしてまりませんので、何ともお答えいたしかねるわけでありますが、われわれとしてもそういう動きについては絶えず関心を払って、対応する態度をきめていきたい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/78
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079・卜部政巳
○卜部委員 大臣はそうだそうだってやっているが、知っとったら大臣のほうから答弁をしてもらいたいのです。高度の基準というものの内容がつまびらかにされていないというのは一体どういうことなのですか、どうしてつまびらかにされていないのですか。これは全然出たことはないのですか、出ておりますね。それこそ同じように理事会に一九五二年に出ておるじゃありませんか。その内容がわからぬということでは、これは厚生省のほうもちょっと手落ちじゃないでしょうか。全然わからないのですか。わからなければわからないと言っていただくよりしようがない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/79
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080・高木玄
○高木説明員 私自身がまだよく勉強いたしておりませんので、十分に承知してないということでありまして、一九五二年に出されまして採択されなかったという事情は承っておりますが、その内容についてはまだ勉強いたしておりませんので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/80
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081・卜部政巳
○卜部委員 そうすると日本政府の代表はどういうふうな態度をもって行ったかということもわからないわけですか。内容がわからぬで反対、反対、アメリカさんが反対するからおれも反対、こうなったんですか、そんなことはないでしょう。やはり内容を吟味して行ったはずですよ。どうなんですか。その立場ではなくて、どういう態度をとったかをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/81
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082・高木玄
○高木説明員 一九五二年当時のことでありますからよくわかりませんけれども、これまた逃げるような答弁で恐縮でございますが、ILOの窓口機関が労働省となっておりますので、おそらくそちらから代表が出られたのだろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/82
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083・卜部政巳
○卜部委員 これは昨日の委員会でも、三十五号条約は、纐纈政務次官とかなり、渡り合うということばはあれですが、和気あいあいとして話し合ったわけです。その中で当然ILO条約に関するものが今度の委員会に出ることくらいはわかっておるはずだと思うのです。そしてまたそのことを準備されたかのように、厚生省からきょう高木さんがおいでになっているわけですね。高木さんは当然百二号が出ることは御存じであるから、冒頭百二号問題をひっさげて答弁をされています。それに相関連するところの高度の基準の問題に対しては労働省所管でございます。そんなばかなことがどこにありますか。それは準備不足じゃありませんか。そういうことじゃ私はちょっと納得できないのです。しかしまあ納得できないといっても答弁がされないのですから、これは困ったものだと思います。しかし、それほどに私は、この社会保障に関する限り積極性がないと見るのです。
〔吉田(車)委員長代理退席、委員長着席〕
そうでしょう。積極性はありませんよ。あるんだったら、そういう問題が、内容がつまびらかにされ、日本の国内の社会保障と照らし合わせた場合にはどう取り組まなければならないかということが真剣に考えられなければならないのに、そういうことがどうも考えられていないというこれは証左だと私は思う。そういうふうに私からきめつけられても大臣、この点については一言半句もないじゃありませんか。どうですか。そのとおりでしょう。大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/83
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084・田中角榮
○田中国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、戦後政府は格段の努力をいたして社会保障の充実をはかっておるわけでございます。でありますから、政府が全然ILOの問題、各条約との比較をやっておらないから誠意がないんだ、こういうことではなく、これはもう政策の最大の柱としてやっておりますことはひとつ御了解をいただきたいと思います。
それからまあきょうは大体共済の法律に対して御質問がある、こういうことでございましたから、せめて百二号くらいはひとつあるだろう、こういうことで検討はしてきたわけでございます。ところが三十五条から全部、ILOの各条約が全部出る、こういうことでなかったので厚生省も百二条の専門家だけよこした、こういうことでございますから、これはまた各条約とか未採択の問題にまで掘り下げまして政府側の意見をただすということであれば、近くそういう問題に対して御答弁を申し上げるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/84
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085・卜部政巳
○卜部委員 大臣の出席される時間が限られておりますので、この問題ばかりで大臣に話をしておってもなりませんので次へ進めてまいりますが、この問題はだからといって私はいまの問題が終止符を打たれたというふうに解釈してもらっては困ると思う。いま大臣が御答弁なされたように、この問題に対するいわゆる閣議の——ぜひ閣議に出してくださいよ。少なくともいまILO八十七号条約が出ておるところでありますし、ILO三十五号、さらには百二号の問題もあるし、さらに社会保障に関する高度の基準という問題もあるのですから、これは経済状態とからめ、日本が雄飛する姿の中ではそういうものが具備されなければこれは市場の開拓なんかできやしませんよ、これは率直に申し上げますが、なんという忠告を与えながら、ひとつ閣議を開いていただいてその結論を出していただくようにお願いをいたしますが、よろしゅうございますね、大臣、閣議で出してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/85
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086・田中角榮
○田中国務大臣 勉強いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/86
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087・卜部政巳
○卜部委員 ではひとつ続いて、今度は具体的に大臣が要望であられるところの共済組合の問題に入っていきたいと思います。
共済組合は——これはちょっと恐縮でございますが、念を押していく必要がありますので、お伺いをいたしたいと思いますが、国の行政機関とは別のものである、こういうことに認識をしておりますが、メンタルテストみたいで恐縮でございますが、この点でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/87
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088・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 共済組合法の規定を見ましても共済組合の、「組合は、法人とする。」と請いてございまして、当然法律においては別法人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/88
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089・卜部政巳
○卜部委員 いま給与課長がおっしゃられたように、共済組合は一つの法人格を持った法人である、こういうことは申すまでもないところですね。よろしゅうございますね。そういたしますならば、法人であるならば私は組合を組織する主体が何であるかを明確にする必要があると思うのです。一体主体はだれですか、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/89
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090・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 それぞれ組合が定款を持って組合員の範囲に関する事項というものを定めておりまして、その限りにおいて定款で定められたものが組合員の範囲になるわけでございます。ただ御承知のように、その目的が国家公務員の病気その他の疾病等の災厄、災害に対する給付を目的とするものである、一方では国家公務員の「公務の能率的運営に資することを目的とする。」というふうに定められておりますので、当然常時勤務に服する国家公務員が組合員となるものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/90
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091・卜部政巳
○卜部委員 国家公務員がということにはっきりしていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/91
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092・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 国家公務員共済組合法の場合でございますと国家公務員であるということでございまして、公共企業体の場合はもちろん公共企業体の職員並びに役員も入るということでございます。それから地方公務員共済組合法でございますと都道府県、市町村の職員、それからあるいは警察職員、みなこれ当然入るわけでございます。公立学校職員、それぞれの組合をつくって、それぞれが組合員となっておるということでございます。なお現在提出中の地方公務員共済組合法の一部改正によりますと、都道府県関係の六団体等の職員も共済組合に取り入れられていくということを承っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/92
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093・卜部政巳
○卜部委員 そうすると法人格を持っておるところの共済組合はその職員をもって、いうならば団体交渉権を持つことができるということになりますね。ことばを平たく申しますと その点ちょっと飛躍をいたしましたけれども、一つの問題として組合の機関ですから法人格を持っておりますから、そういたしますとそこには評議員会なり、さらにはまた労働組合でいうと大会なり、こういうものがあって、総意というものがその民主的な会議の中で決定をされていく、こういうことになりますね。これが正しいと思うのですが、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/93
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094・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 法律上の制度として、共済組合の場合、国家公務員共済組合を例にとりますと、個々の単位組合につきましては単位組合の長が責任を持って運営をする。その場合に「組合の業務の適正な運営に資するため、各組合に運営審議会を置く。」その場合において職員の意向が反映する、こういう形にできておるわけでございます。さらに連合会の場合を例にとりますと、連合会におきましては議決機関としては評議員会というものを設けておりまして、組合の運営に関する重要事項を審議することになっております。その職務執行機関としては理事長以下の役員規定が設けられておりまして、理事並びに役員がこれを執行することになるわけでございます。なおこの場合におきまして一般職員の意向はいかにして反映するかという問題でございますが、これは評議員会のメンバーである各省を代表する評議員がそれぞれ各省の運営審議会の場において反映された組合員等の意向をも十分参酌して御意見を申し述べることになるわけでございまして、その限りにおいてその意向等は反映するものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/94
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095・卜部政巳
○卜部委員 いま課長が答弁されたことは私は重々承知の上で質問しておるのであります。でありますが、国家公務員法でさえ、「職員は、組合その他の団体を結成」することができると、こうなっているわけです。さらにまた旧共済組合法では、「国に使用される者で国庫から報酬を受ける」職員は、「相互救済を目的とする共済組合を組織する。」こういうふうになっておる。そしてまあ法人格というものの法人の姿というものを明確にしておりますけれども、しかしながら率直に言って、いま課長が答弁をされたように、現行共済組合法では各省ごとに、その所属する職員をもって組織する、そして組合を設ける、とし、さらに連合会についても「連合会加入組合をもって組織する国家公務員共済組合連合会を設ける。」などといってその主体をぼかしておるじゃありませんか。これは私は率直に申し上げて法律自体が誤りだと思う。なぜか。いまの課長の答弁の中では——私はるる申し上げたいと思いますが、時間がありませんから省略をいたしますが、反復した説明は申し上げませんが、ともかくその省の長が執行機関の中の大きなウエートを持つ代表である、さらにその執行機関の中にはみんな国のお役人さんが入る、そうでしょう。さらに運営審議会、評議員会なるものについても学識経験者が三名程度入って、それで組合の意見というものは十分に反映されるものが審議会の中にありまして云々ということを言うわけでありますけれども、法人格を持った組合で組合員の意思が反映されないという団体がどこにありますか。少なくとも民主的に、私たちが代表を選ぶ、さらにまたその中から役員を選んでいくというのが当然の姿だと私は思うのです。この問題でいろいろとたくさん要求が出されておりますが、ここらあたりに問題が出てくるのではないか、私はこのように考えるわけです。大臣はその点についてどう思われますか。これらの共済組合は国の機関とは別の機関ですよ。ところがそのウエートは国の役人の方、総理大臣をはじめ衆議院議長も入っています。さらに大蔵大臣はもちろん大きなウエートとして入っていますが、そういう別個のものが組合の中にあって、それがやられないというのはどういうことですか。非民主的だと思いませんか。私たちが労働組合をつくって、何も大臣にをもってしなくては、たとえば電電公社の場合には大橋総裁をもってでないと代表ができないということではないでしょう、われわれの組合の代表を選ぶのですから。そういうようなことをやれないということはどういうことですか。この点は非民主的だと思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/95
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096・田中角榮
○田中国務大臣 制度としては非常に完備をしておる。ただ、この代表者に官庁から出た人とかいろんなことを言われますが、それは選び方によるわけでありまして、制度の上としては完ぺきに近い制度だ、こういうふうに考えられるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/96
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097・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 ちょっと補足的に御説明を申し上げますと、現在の制度がどうしてこういうふうになっているかということの沿革のようになろうかと思いますが、現存の国家公務員共済組合法は、一つには過去の雇用人の共済組合の引き継ぎでありますとともに、他方では、先ほどの第一条の目的でも申し上げましたように、公務の能率的運営の保証という形においての恩給制度からの引き継ぎの部分もあるわけでございます。かたがたその財源の負担につきましても、使用主としての国の負担と、さらに社会保険主体としての国の負担を有しておるという関係もございまして、当然その管理運営について国なりそれぞれの各省大臣が組合の管理運営の責任を持つということは、たてまえとして不当ではないと私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/97
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098・卜部政巳
○卜部委員 沿革の問題は別といたしましても、まず冒頭に申し上げたように、行政機関とは違った法人格を持った別の機関であるということを確認してもらったわけですよ。だから、恩給の引き継ぎの問題もありましょう、財源の負担の問題もありますが、これはあとで申し上げます。それならそれらしく、私は最初に平林委員が出された問題等について触れなければなりませんが、その点はまたあとから申し上げることにしまして、現在の国家公務員共済組合が衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官さらには会計検査院院長がそれぞれ各省庁の所属の職員を代表する、こういうかっこうになっています。そして国家公務員共済組合の連合会にしましても、各省の共済組合にいたしましても、ことごとくその執行部の中にはそういう系列の方々が多く入っている。それじゃ多数を占める組合員の意志というものはどこで反映されるのですか。そうすると課長の言われることには、それは各省の審議会の中で反映されるなどと言われます。ところがその審議会に労働組合は何名出していますか。ちゃんと多数決で押し切られるような仕組みになっているのです。こういうことから、私は法律の抜本的な改正をまずやらなければいかぬだろうと思います。何も衆議院議長だとか参議院議長なとを代表に置き——大蔵大臣を置くということは話がわかりますけれども、そんな者をずらっと並べてそれが代表者である、こういうかっこうの中ではスムーズな運営がなされていかぬと思う。こういう面では、まず法律の改正をなさることが至当である。抜本的に、法人格を持った共済組合としてのすなおな性格に法律を変えていく必要がある、こういうように思いますが、この問題について大臣どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/98
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099・田中角榮
○田中国務大臣 共済組合の仕組みの中で組合員の意思が反映できない、こういう前提に立っておられますが、私はいまの審議会の中で十分意思が反映できると思います。あなたは何も総理大臣とか衆議院議長とか、そういうものを代表者に置かないでもよいじゃないかということでありますが、これは法制のたてまえ上の問題であります。大体半数くらい組合員からの代表が出ておりまして、大体共済組合はどこの共済組合を見てもうまくいっておるのです。そういう問題でもって中ががたがたして職員の意思が反映できないというようなことはあまりないのじゃないか、私はいままで大体そのように理解をしておりますから、これで抜本的に改正をするのにどういう方法があるかというような問題はいま検討いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/99
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100・卜部政巳
○卜部委員 私は、平林委員がここで質問しておるときに、うしろのほうから、大蔵官僚の締めつけがきついから、こういうことを、ちょっと悪いのですが、やじったことを覚えております。いいですか、そういう仕組みになっておるんですよ。大臣はいま、率直に言って前向きの姿勢で対処しておる、さらに意見の反映ができないようなことはございませんなどと言っておりますが、いわゆる評議員会もありますし、さらに運営審議会もありますが、その中で組合が顔を出せるのは執行機関の中でどこですか。どこのものだけが組合の意見が反映されると思っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/100
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101・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 現在の運営の実情を申し上げたいと思いますが、運営審議会において当然組合員の代表が出ておることば先生御承知のとおりでございます。また評議員会においても運営審議会の意見は当然十分に反映しておると存じておるわけでありますが、それに対しては実際問題として傍聴等の形で運営審議会のメンバーもすわっておられるわけでありまして、必ずしも先生のおっしゃるように全然出ておらないわけではございません。ただ各省を代表し意思決定をする評議員というものはそれぞれ一名であることは当然でありますから、その限りにおいて事務精通者であり、かつ各省の運営審議会を代表するものとしては各省の共済組合担当課長が出てまいるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/101
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102・卜部政巳
○卜部委員 いろいろと申し上げたいことがありますが、法人に意思の決定機関がないということは大臣おかしいと思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/102
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103・平井廸郎
○平井(廸)政府委員 連合組織をとるような非常に大きな組織については、それぞれちゃんと決定機関というものを設ける必要があるかもしれませんが、その場合に現在の制度も、またそういう意味で評議員会という決定機関制度をつくっておるわけでありますが、各省の単位の共済組合について、いわばそういう決定機関と申しますか組織までつくる必要があるかどうかということについては、私ども必ずしも賛成はいたしかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/103
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104・卜部政巳
○卜部委員 賛成いたしかねるとかなんとかいうことじゃなくて、法人なんですから、多数を占める組合員の意思は、多数の組合員の民主的な手段によってきめられるべきでしょう。法律によってきめられるべきじゃないでしょう。そうじゃありませんか。でありますから、連帯はスムーズにいっているなどと言っておりますが、かりにその掛け金率を、千分の二十というかっこうを運営審議会で変更しても、いわゆる大蔵省の大臣、これは大蔵大臣ですよ、大蔵大臣の認可を受けなければ意味がないでしょう。こういうように全部締めつけがどんどんきているわけです。そういうように全然法人としての意思が反映されない、機関としての意思表示をする機関がない。私は意思決定の機関がないということは問題だと思う。この問題は、私は率直に申し上げて、いますぐ法律を改正せよなどということを申し上げてもなかなか困難な問題だとは思いますけれども、やはりそういう非民主的なことはやるべきじゃないんじゃないか。少なくとも大多数を占める組合員ですからね。衆議院議長だとか、参議院議長などは時によってはかわっていくんです。だけれども、十年も二十年も三十年も勤続しているところの組合員というのは、これは動かない。この大きな二十万、三十万、大きいところは四十五万もありましょう、こういうところの代表は一つも出られないものをつくっておきながら、それでみんな政府の機関から出てくるなんということは、これは私は考えなければならぬ問題だと思います。大臣、これはどうですか、やはり考慮すべきことが必要だというふうに考えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/104
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105・田中角榮
○田中国務大臣 先ほど来給与課長から申しましたように、まあ大体現行の制度でいいだろうという観点に立っておるわけでございますが、しかし実情をひとつ勉強してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/105
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106・卜部政巳
○卜部委員 大臣、私はこの問題を深くあれしようとは思いませんが、しかしいまの大臣のことばの中に勉強する云々ということがありますが、少なくとも私が大臣に期待をしたいのは、国の行政機関と別の組合なんですからね。だから、そのことがずばり恩給の関係もあるがゆえに法律改正ができないということになるにしても、少なくとも私はそれを前進方向に結びつけていくという考慮が必要ではないか。たとえば私は共済組合の運営審議委員に決定権を与えるということ、これは暫定的な措置ですね、こういうようなことや、さらに連合会の役員は連合会の評議員会が任命するということ、さらに連合会の評議員は各共済組合の運営審議委員が決定をする、なお各共済組合の利益を代表する者は評議員としないなどというたくさんの問題を持っておりますが、そういうようなのを一つずつ、法改正ということにはならないにしても、そういう方向で多数の組合員の意見を反映されるというような方向に私は持っていっていただきたい、こういうふうに考えますが、いかがなもんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/106
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107・田中角榮
○田中国務大臣 先ほど申し上げましたように、大体現行法の制度でいいとは思っておりますけれども、いまいろいろな具体的な問題を申されましたから、勉強いたしますと、こういうことを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/107
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108・卜部政巳
○卜部委員 先ほどは具体的ではなかったのですよ。今度は具体的に申し上げたのです。たとえばいまの共済組合運営審議会の問題等もありますので、この点については、近い将来、といっても今国会は無理としても、近い将来には何とか検討してそういう方向に——全部が全部私たちの要求がのまれるということにはならぬと思う。しかしながらやはりそういう方向に向かっていく、こういうことだけはひとつ確認をしていただきたいと思います。大臣がおられるときに確認をしてもらわなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/108
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109・田中角榮
○田中国務大臣 いま申し上げましたように、その実情を十分勉強いたします、こういうことを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/109
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110・卜部政巳
○卜部委員 勉強はしても、いま申し上げたように非民主的だということはわかっておるのですから、それは法律を改正しなければいかぬ。しかしながらそうは言ってもそこはむずかしいから、こういういまの制度の中で発言権を与えるようにしてもらってはどうだろう、こういうことを言っておるのですよ、だから勉強どころじゃない。これは当然だ、こうおっしゃってもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/110
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111・田中角榮
○田中国務大臣 あなたはいまの制度は非民主的なものだ、こういう前提に立っておられますが、私は先ほどから申し上げておるとおり、大体合理的です、こういう観点に立っております。こう申し上げておるわけであります。しかしいろいろ具体的なことを申されましたので、その実情をひとつ勉強いたします、こういうところでひとつ御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/111
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112・卜部政巳
○卜部委員 もう時間がありません、大臣が帰られる時間ですから最後ですが、先ほどのILO三十五号問題をからめて、これはひとつ検討した結果というものを大臣から、具体的にこう検討したけれども、現在の時点では十何ぼ要求があるけれども、その十何ぼは入れることができない。しかしまああなた方の意見は十分参酌しなくちゃならぬ問題があるから、六つくらいは何とかひとつ解決をしたいなどというような方向というものが打ち出されてしかるべきだ、こういうふうに考えますが、その点の検討の結果というものを発表していただく。さらにまたそのことをあした得たるるその宝舟というふうに私は期待をしておりますから、ひとつそういうふうに解釈をしたいと思いますが、いかがなものでしょうか。——いや、給与課長じゃない、大臣に聞きます。給与課長はこれからじっくりやりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/112
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113・田中角榮
○田中国務大臣 これは先ほど申し上げたとおり私は勉強いたします、こう言っているのですから、勉強の結果どうだという御質問がございましたら、またお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/113
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114・卜部政巳
○卜部委員 そうですか——まあいいです。わかりました。
一時が約束の時間で、いま五分前ですが、お帰りになっていただいてもよろしゅうございます。しかし私は先ほども質疑の中で、少なくとも非民主的な云々ということを申し上げたのですが、率直に言って大蔵省にも政府の中にも是正しなければならぬ、考えなければならぬという点が数多くあるだろうと思うのです。そういう問題を私は投げかけておりますから、ただあなたと私は見解の相違ということで一蹴するのではなくて、真剣にこの問題に取り組んでいただいて、その結果というものを私はあたし待たるるその宝舟で聞きたい、こう言っているのです。よろしゅうございますね。——それでもって私は大臣を解放をいたしたいと思います。
それでは引き続いて質問をしたいところでありますが、先輩の堀理事のほうから、きょうはもうちょうどいい時間じゃないか、昼食を食べるということもあるのだからというような中止勧告がありました。後輩としてはこれを率直にお受けしたいと思います。委員長におかせられましても、ひとつ今度の金曜日にはたっぷりと時間をいただけることを私は期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/114
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115・山中貞則
○山中委員長 次会は、明後五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604629X04819640603/115
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