1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月十一日(火曜日)
午前十時二十五分開議
出席委員
委員長 森田重次郎君
理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君
理事 永田 亮一君 理事 藤田 義光君
理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君
理事 安井 吉典君
大石 八治君 大西 正男君
亀山 孝一君 久保田円次君
武市 恭信君 村山 達雄君
森下 元晴君 山崎 巖君
和爾俊二郎君 秋山 徳雄君
佐野 憲治君 重盛 寿治君
千葉 七郎君 華山 親義君
細谷 治嘉君 栗山 礼行君
門司 亮君
出席国務大臣
国 務 大 臣 早川 崇君
出席政府委員
警察庁長官 江口 俊男君
警 視 長
(警察庁長官官
房長) 浜中 英二君
自治政務次官 金子 岩三君
自治事務官
(大臣官房長) 松島 五郎君
自治事務官
(財政局長) 柴田 護君
自治事務官
(税務局長) 細郷 道一君
委員外の出席者
自治事務官
(税務局固定資
産税課長) 石川 一郎君
専 門 員 越村安太郎君
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二月十日
警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
八号)
同日
大衆飲食に対する料理飲食等消費税軽減に関す
る請願(田中伊三次君紹介)(第二八五号)
同(荒木萬壽夫君紹介)(第五〇二号)
同(井村重雄君紹介)(第五〇三号)
同外一件(内田常雄君紹介)(第五〇四号)
同(大泉寛三君紹介)(第五〇五号)
同(大橋武夫君紹介)(第五〇六号)
同(小宮山重四郎君紹介)(第五〇七号)
同(櫻内義雄君紹介)(第五〇八号)
同(志賀健次郎君紹介)(第五〇九号)
同外九件(白浜仁吉君紹介)(第五一〇号)
同(高見三郎君紹介)(第五一一号)
同(渡海元三郎君紹介)(第五一二号)
同(中曽根康弘君紹介)(第五一三号)
同(永田亮一君紹介)(第五一四号)
同(西村直己君紹介)(第五一五号)
同(福永健司君紹介)(第五一六号)
同(藤井勝志君紹介)(第五一七号)
同(松山千惠子君紹介)(第五一八号)
同(山本勝市君紹介)(第五一九号)
同(吉田賢一君紹介)(第五二〇号)
昭和三十九年度の地方税減税に伴う地方交付税
の増額に関する請願(原
茂君紹介)(第三一〇号)
同(松平忠久君紹介)(第三一一号)
同(下平正一君紹介)(第三六五号)
市町村民税の不均衡是正に関する請願(原茂君
紹介)(第三一二号)
同(松平忠久君紹介)(第三一三号)
同(下平正一君紹介)(第三六六号)
県立高等学校施設建設事業の財源措置に関する
請願(原茂君紹介)(第三二二号)
同(松平忠久君紹介)(第三二三号)
同(下平正一君紹介)(第三七一号)
改正固定資産評価制度に関する請願(下平正一
君紹介)(第三六四号)
公給領収証使用義務制廃止に関する請願(山手
滿男紹介)(第三八三号)
同(木村武千代君紹介)(第四二九号)
農地の新評価方式による課税に関する請願外二
十四件(井手以誠君紹介)(第三八四号)
同(舘林三喜男君紹介)(第四三〇号)
同外十件(井手以誠君紹介)(第五二一号)
同(三池信君紹介)(第五二二号)
警察法施行に伴い自治体警察転出職員の勤続期
間通算に関する請願(川野芳滿君紹介)(第三
九四号)
固定資産評価基準改正に関する請願外一件(永
井勝次郎君紹介)(第四三一号)
同外五件(永井勝次郎君紹介)(第四四九号)
固定資産税及び住民税に関する請願(唐澤俊樹
君紹介)(第四七一号)
水道事業に対する起債対象範囲の拡大に関する
請願(二階堂進君紹介)(第四八一号)
中小都市の上水道起債に関する請願(二階堂進
君紹介)(第四八二号)
水道事業の起債償還期限及び据置期間延長等に
関する請願(二階堂進君紹介)(第四八三号)
水道料金の徴収を銀行その他各種団体等委任に
関する請願(二階堂進君紹介)(第四八四号)
地方交付税における消防費の単位費用引き上げ
に関する請願(二階堂進君紹介)(第四八五
号)
政府資金による償還期限を定めない企業債の発
行に関する請願(二階堂進君紹介)(第四八六
号)
有蓋道路用防火水槽設置費全額国庫補助に関す
る請願(二階堂進君紹介)(第四八七号)
有蓋空地用防火水槽設置費全額国庫補助に関す
る請願(二階堂進君紹介)(第四八八号)
鹿屋市に全額国庫補助による防火水槽設置に関
する請願(二階堂進君紹介)(第四八九号)
評価改定による農地の固定資産税に関する請願
(今松治郎君紹介)(第五二三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
二三号)
警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
八号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/0
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001・森田重次郎
○森田委員長 これより会議を開きます。
地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。安井吉典君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/1
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002・安井吉典
○安井委員 ただいま議題となっております地方税法の一部を改正する法律案は、固定資産評価がえにからんでの問題でございますので、きょう私は、主として法案の前提になります評価がえの問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
今度自治省が、全国の市町村に各資産の評価がえを全面的にやらせておられるのは、三年ごとの定例的な評価がえではなくて、固定資産評価制度調査会の答申を経ての抜本的な対策としての評価がえだという点において、私どもも関心を持っておりますし、国民も非常に大きな関心を持って今日まで見てきているわけです。その結果がどういう形であらわれているかは、ただいま資料をお願いしておりますわけで、これをはっきり見せていただかなければわからないわけですけれども、当面私は、きょうこの評価の方法の問題につきまして初めに伺っておきたいと思います。
今度十二月の二十五日に、自治省は固定資産評価基準等を告示されました。ところが、この評価制度の改正は昭和三十九年一月一日だということは、これはもうすでに早く法律の改正において決定されていたところです。一月一日で評価がえを行なうというその評価基準を、ちょうど五日か六日前の十二月二十五日にやっと告示をされて、そうして一月一日付で評価をやれ、こういうこと自体に私どもふに落ちない点があると思うのですが、まずその点から伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/2
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003・細郷道一
○細郷政府委員 告示は、御指摘のとおり十二月にいたしたわけでございます。この告示におきましては、全体をまとめていたしたのでございます。現実には土地等につきましては、一昨年から実際的な指導をして事務の円滑化をはかってまいった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/3
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004・安井吉典
○安井委員 一昨年から指導をされてきたというわけですが、しかし現実に一月一日付でおやりになるのに対して、十二月二十五日に正式の告示をするということ自体、どうもこれは事前の指導があったからいいではないかというふうなことかもしれませんけれども、やはり法律的な措置としては、告示がなされなければ、はっきりした根拠を得たことにあくまでならないわけです。いままでずっと一年か二年越しに指導されてきたのですが、根拠は何によるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/4
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005・細郷道一
○細郷政府委員 土地等につきましては、現実の行政指導をやってまいったわけでありますが、特にその過程におきまして試案を示すこと等によりまして、事務の円滑化をはかってまいったわけであります。今回告示になりましたものも、試案とほぼ内容は同じものでございます。あくまでもかなりの大作業でございましたので、事前からの現実的指導によってその間を補ってまいった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/5
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006・安井吉典
○安井委員 市町村長に対する自治省の評価そのものに対する指導は、この基準等を示すこと、告示によって効力を発するということのようですが、したがっていままでやってきた指導は、法的な効力なしの指導だったのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/6
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007・細郷道一
○細郷政府委員 法的な形式の整うことを予定しての指導をしてまいった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/7
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008・安井吉典
○安井委員 私はそういう点にもずいぶんこれは問題があると思うわけです。自治省は、いろいろ市町村や都道府県に対する指導を、これまでもこの問題に限らずやられているわけですが、しかしやはり根拠を持ったものにすべきでないかと思うのです。試案の段階で、いずれはこうなるからというふうな予測に立ってのあり方でやるということは、やはり中央官庁の指導が法律的な規制のワクをはずれるおそれがある。私はそういうところからいつも問題が出てくるのではないかと思うわけです。やはり具体的な効果を望む以上は、しっかりした法的な基礎を初めにこさえあげて、それによってやる。そういうことでなければ私はいけないと思うのであります。いずれにいたしましてもただ外面から見れば、十二月の二十五日に告示をして、一月一日にやれ、こういうような形にしかとれないわけです。まずその点をひとつ指摘しておきたいと思います。この基準が告示までおくれた理由はどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/8
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009・細郷道一
○細郷政府委員 何ぶんにも全国市町村をわずらわす仕事でございます。その間の均衝といったようなこともございまして、この基準については練りに練ってまいったような次第でございます。またこれを正式なものにいたしますには、中央の固定資産評価審議会の議も経なければならないといったようなことがございまして、形式的な告示がおそくなっておりますが、先ほど来申し上げましたような現実的な指導によって、その間を補ってまいった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/9
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010・安井吉典
○安井委員 評価方法の問題につきまして、先般「固定資産評価方法の概要」というものを、基準を略記したものだと思いますが、いただいておりますので、これにつきまして伺っておきたいと思うのです。
状況類似地区の区分の問題ですが、初めに田畑が出ていますが、これについてどういうふうな具体的指導をなすっておられますか、それをひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/10
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011・石川一郎
○石川説明員 状況類似地区につきましては、田畑は一応小字の区域を単位として認定をいたすようにいたしております。具体的には状況類似地区と申します場合には、地勢なり土性なり水利なり、それらの状況が類似する地区ごとに区分をいたすわけでございますが、ただその際に手がかりとなるものは、小字の区域を単位として考えていこう、こういうことにいたしておるわけでございます。ただ、市町村の田畑の状況によりましては、小字の区域よりもさらにこまかく細分しなければならない場合もございますし、また状況によりましては、小字の区域を合わせて状況類似地区を少なくするということもできるようになっているのであります。具体的には小字の区域よりも多い場合もございますし、少ない場合もございまして、その状況によって違っておるわけでございます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/11
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012・森田重次郎
○森田委員長 この際、昨十日付託になりました内閣提出にかかる警察法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。早川国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/12
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013・早川崇
○早川国務大臣 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、警察庁の職員の定員を改めること及び都道府県の境界付近における事案の処理にかかる都道府県警察の権限に関する規定を設けることをその内容としております。
まず、警察庁の職員の定員を改めることについて申し上げます。これは、警察庁における事務の増加に対処するために、新たに職員十人を増員しようとするものであります。
次に、都道府県の境界付近における事案の処理にかかる都道府県警察の権限に関する規定を設けることについて申し上げます。
都道府県警察の警察官は、原則として当該都道府県警察の管轄区域内において職権を行なうたてまえとなっておりますため、境界付近における遭難等の事故について、あるいは、二つ以上の都道府県の区域にわたる施設内の事案について、必ずしも能率的な警察活動が期待できないうらみがあります。これを是正いたしますため、管轄区域を隣接する都道府県警察が相互に協議の上、境界附近の政令で定めた範囲内の区域について、必要な区域及びその区域内における事案の処理の方法等を定め、その協議の範囲内で隣接都道府県警察の管轄区域内においても職権を行うことができることとすることにより、これらの区域における公安の維持に万全を期することといたしたいと存ずるのであります。
以上が、この法律案の提案理由及び内容であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/13
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014・森田重次郎
○森田委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本案についての質疑は、後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/14
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015・森田重次郎
○森田委員長 地方税法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。安井吉典君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/15
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016・安井吉典
○安井委員 状況類似地区の区分についての御説明をさっきいただいたわけですが、各市町村で、その区域区分がきわめてこまかくつくってあるところと、非常に大ざっぱなつくり方をしておるところと、二通りあるようです。たとえば、一つの市町村の中で、五十も百もに区分しておるところがあるかと思えば、ごく大ざっぱに五つか六つくらいの区分で評価を進めようというところと、二通りあるようですが、そういう点につきまして、自治省の御指導はどうだったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/16
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017・石川一郎
○石川説明員 先ほど御説明申し上げましたように、状況類似地区の区分にあたりましては、小字を単位として認定をいたすようにいたしております。その際に、市町村で横の連絡をとりまして、土性なら土性については農地関係の人の協力を求めて、土性図なりなんなりをつくるわけでございます。
まず地勢から申しますれば、山間部と平坦部を分けまして、山間部の中でもさらに細分をする。その中で土性がどのように違っているか、あるいは土俵がどのように違っているかということを、それぞれの資料によりまして細分をいたしまして、大きく状況類似地区を分ける作業をいたします。その上で、それぞれの市町村ごとに実情に応じまして状況類似地区の区分をいたす、こういうようにいたしておるわけでございます。
状況類似地区の区分にあたりましては、こまかく区分をいたしますと、後に標準地から比準ずる場合の比準のやり方は簡単になるわけでございます。細分すればするほど、ほぼ同じ状況の田がその中に入る、あるいは畑がその中に入るということになりますので、比準の方式が簡単になります。細分をいたしませんで、場合によりまして、大ざっぱに分けますときにおいては、比準のやり方について相当問題が起きてくると思うのでございます。私どもといたしましては、市町村の実情に応じて千差万別でございますが、なるべく比準のやり方が簡単に済むような指導をいままでいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/17
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018・安井吉典
○安井委員 いまおっしゃるように、非常にごく大ざっぱな区分方法では、一枚、一枚の田畑のバランスというものがとりにくいわけですよ。そういう点、現実に行なわれておるものを見ますと、きわめて細分化されているのとごく大ざっぱにされているのと両方あって、だからそういうような形では全体的なバランスがうまくいかないのではないかと、私ども外から見ていてそんなような気がするわけです。ですから、具体的にバランスをとる場合に、自治省のほうの指導というものはそういうきめのこまかい指導までなされていたのかどうかということをひとつ伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/18
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019・石川一郎
○石川説明員 私どもといたしましては、指定市町村を中心にして指導を行なってきておるわけでございます。その際には、指定市町村のほかに、指定市町村以外の市町村の方にも参加していただきまして、そのやり方が統一できるように指導をいたしております。ただ、形式的には小字と比べてあるいは数が多くなったり、あるいは数が少なくなったりするような状況は、これは市町村の実情に応じて出てくることはやむを得ないことだというふうに考えておるわけでございますが、われわれといたしましては、県の段階でさらにわれわれの指導にならって、市町村をこまかく指導していくようにお願いをいたしております。それから同時に、比準のいたし方につきましても、評点数によって比準をいたしますが、そのほかに各種の要素を見、その市町村内の農地の精通者等にも意見を聞いてやっておりますので、従来のやり方に比べると、格段の進歩をしておるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/19
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020・安井吉典
○安井委員 もう少しいろいろ聞きたいのですが、それよりもっと根本的な問題があります。特に農地の価格評価の方式の問題でありますが、大体におきまして、わが国の農地の価格は、二十五年の農地価格統制解除以来ずっと高騰を続けてきているわけです。収益の限界をかけ離れた非常に大きな高い値上がりを示して今日にきておるわけであります。こういうようなことでは、いわゆる農業基本法の精神だとか、農業構造改善だとか、そういうようなものの推進をはばみ、農業近代化の一番大きな障害をなしているのはこの農地価格の高騰の問題だと思うのです。ところが、今度の農地の価格評価の基本的な原則は、その一番問題のある売買価格に政府は焦点を置いて評価をなされようと、こういうような態度をおきめになっておられるわけです。日本の農業の一番の問題点、弱点のところに、評価の焦点を置いてやろうとしているというところに、私は非常にこれは大きな矛盾があるのではないか、そういうような気がいたします。従来から農地は収益価格還元方式をとられてやってきたわけです。それが売買実例価額という形にどうしてもしなければならなかったという、その点が私どもは理解しかねるわけでありますから、御見解をひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/20
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021・細郷道一
○細郷政府委員 今回実施いたしました評価の基本的な方向につきましては、御承知のような固定資産評価制度調査会、ここで三年にわたって御審議をいただいた結果におおむねよっておるわけであります。その審議会におきましては、価格のきめ方につきましていろいろな議論があったわけでございます。特に農地につきましては、御承知のように収益還元といったような考え方も一つの方法としては出ておったのでございますが、何ぶんにも収益額の客観的なきめ方、あるいはそれの資本還元をする度合いをどう見るかといったような点について、客観性に欠けるものが多いということが一つの難点と考えられたのでございます。また、農地のみならず、土地全体を通じての価格の上の均衡化をはかるということになってまいりますと、農地のみについて適当な評価方法では、他の宅地、山林等との間のバランスがとりにくいといったようなこともございまして、土地全体を通じまして売買実例価額によるというような考え方になったわけでございまして、そういった事情から今回の評価基準でもその方式によっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/21
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022・安井吉典
○安井委員 いまの税務局長の御答弁の中に、私どもはいろいろな問題点が含まれておると思うのでございます。たとえば評価のバランスというふうな表現をいまされたわけでありますが、これはあとで大臣にもおいでいただいて、突き詰めた論議をしなければいけないと思いますのは、評価のバランスだけで問題を処理しようというところにいまの大きな混乱が起きてきておるわけです。評価というのは、これは税金をかけるための一つの基礎資料として評価があるわけです。評価だけがバランスがとれておればそれでいいんだということになれば、たとえば今日宅地の評価は六倍に上がっておるわけです。だから、いまの六倍の評価が正しいというレベルを一つ置けば、税率も一律にすれば、結局宅地は六倍にならなければいけないわけです。だから、評価というものと税率というものを分けて問題を考えようとしたところに、非常に大きな欠陥があらわれてきておると私は思うわけです。しかし、その論議はまた根本的な問題ですからあとに残すことにいたしますが、特に農地の場合には、いま収益の押え方がたいへんだとか、あるいは資本への還元のやり方が非常にめんどだとか、そういうような収益価格還元方式の考え方をおあげになったわけですが、そうかといって売買実例価額方式がそんなに客観的な確実性を持った方式かといいますと、これまた非常に問題があると思うわけです。売買の実例だってたくさんあるわけですよ。そのたくさんある中から、どれがほんとうに正しい売買方式かというその算定の基準ということになったら、これは神さまだってできないわけですよ。私は売買実例価額方式自体にも、本来持っておる非常に大きな矛盾があると思うわけです。それよりも農地の本質的に立って考えれば、現在だってこの方式によって小作料の算定基礎がつくられておるんだし、他にこういうふうな方式で土地の地代の関係、そういうようなものを決定しているほかの例もあるわけです。大体農地は本質的に償却資産とか家屋と違うのじゃないでしょうか。単に評価を均衡ならしめるというふうな名分で売買実例価額方式でそろえるんだという考え方自体、私は誤りもはなはだしいのではないかと思うわけです。その点収益価格還元方式ではだめで、売買実例価額方式でなければならないという、そういうふうな論拠には、いままでおっしゃったところでは私は不十分ではないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/22
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023・細郷道一
○細郷政府委員 全国の土地、地目のいかんを問わず、評価を実施してまいるということになってまいりますと、その間にやはり共通の立場からする評価の仕方ということが必要になってくるのではないかと考えております。その場合におきまして、農地、宅地あるいは山林等の土地全体を通じて、どういう尺度が多数の人の納得するような尺度になるであろうかということになってまいりますと、やはり現実に行なわれております売買、それを通じてあらわれてきます価格というものが、一つの共通の尺度として尊重すべきものではないだろうか、こう考えるわけであります。もとより売買実例と申しましても、その個々の売買にあたりましては、いろいろ特殊な事情がそこに入ってまいると思います。売り手と買い手の立場の相違によりまして、その個々のケースにおいてはその売買実例価額自体が特殊の要素を含んでおるものがあるわけでありますが、今回これを評価に移すにあたりましては、個々の売買実例価額の中から、そういった特殊な例外的な要素を抜き出しまして、そうして正常な状態のもとでは、これはどの程度のものになるであろうかということを見定めた上で、これを評価の基礎に使ってまいるというような行き方をとってまいったのでありまして、そういう意味合いにおきまして、やはり各地目を通ずる土地の評価にあたっては、売買実例価額によることが全国的な均衡化並びに各地口間の均衡化を保つ上に必要ではないだろうか、こういうふうに考えたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/23
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024・安井吉典
○安井委員 農地からの税金は、これは収益から払うわけです。つまり水田や畑をつくってそれより得た収益で、毎年固定資産税を支払うわけです。ところが売買価格ということになれば、その田畑を売るときの価格が売買価格なわけです。だから売買価格ということは、その売買価格を本人がふところです。だから、売買価格を中心にしての考え方は、これは相続だとか贈与だとか、それから土地の譲渡所得だとか、そういうときはこれは売買価格の計算であたりまえだと私は思うのです。だから、今度の答申を得ての政府の考え方も、税務署の相続税や贈与税やそれから法務省の登録税の評価も、固定資産税の農地の評価も、みんなそろえなければいかぬというふうな根拠に立っておられるわけでありますけれども、私はそれはおかしいと思うのです。相続の場合や譲渡の場合は、その財産そのものをもらったときの価格ですから売買価格でいいですよ。しかしながら固定資産税というのは毎年払う税金です。毎年土地を売っているわけではないですから、結局土地から上がる収益で税金を支払わなければいけない、そういう性格づけが、固定資産税ができたころの農地の評価の場合にはあったわけです。だから、収益から還元されました評価で今日まできていたと思うわけです。その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/24
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025・細郷道一
○細郷政府委員 農地につきましては、先ほど申し上げましたような売買実例価額を基礎としてやっておるわけでありますが、その場合、農地においては他の地目の土地と違いまして、農地のいわゆる特殊性からくる要素が売買実例価額に反映しておる、たとえば若干の土地を買い足すことによって収益を増すことができる、あるいは若干の土地を買い足すことによって、そこの経営としての規模が確保されていくついては実施をいたしておるわけであります。
なお固定資産税は収益から払うということでございますが、この点につきましては、固定資産税自体は、やはり財産というものの、持っておりますことによってそこに担税力を見出して課税をするという考え方に立っておるわけであります。ただおっしゃるように、現実の税金額はどういう部面からこれを払っていくかということになってまいりますと、お話のような点もございます。こういったような点もございまして、税制調査会におきましても、新評価額をそのまま税負担に移すことについてはなお慎重な検討をしてまいろう、こういうようなことで今回暫定的な措置をいずれ御審議をお願いすることにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/25
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026・安井吉典
○安井委員 限界収益修正率は、私はこそくな妥協案だと思うのです。筋が通らない妥協案で、大野伴睦式の、売買実例価額と収益還元方式を足して二で割るやつですよ。どうも伴睦さんを妙なところに引き合いに出して申しわけありませんけれども、そういうものでないかと思うのです。大体売買実例価額といっても、農地を農地として売る場合、あるいはまた農地を宅地として売る場合もあるし、それから同じ農地でも自作地と小作地では違うし、あるいはまた大面積を売る場合と、いまの限界収益算定の基礎になったようなごく小面積を売る場合とでは違うわけです。全国的な農地の売買の実例を見ましても、経営面積の狭い、零細化さに、比較的大きな面積を経営しているれた地域では、ごく小さな面積の売買よりおそらくなされていないのだろうと思うのです。それからそうではなしに、比較的大きな面積を経営しているところでは、わりあい大面積の売買実例もあります。そういうようなわけで、売買実例だけをたよりにしたって、これは全国的に非常にアンバランスを生ずるし、同じ地域の中でもバランスを失する場合が非常に多いのではないかと思います。秋田県などで聞いてみますと、八郎潟の干拓が始まったものですから、平場のお米がとれる地帯では、むしろ農地の値段は下がりぎみです。しかし米のとれない、収益の少ない山の地帯になりましたら、土地が少ないものですから、一反歩当たりの値段というものは高いわけです。つまり収益とアンバランスの形があらわれているという例すらあります。だから私は売買実例価額に収益還元によるところの修正率をかけたらそれで何とかいきますよといったような考え方では、私はこの問題の説明にはならないと思うわけです。
〔委員長退席、中島(茂)委員長代理着席〕
それでは、正常の条件における売買価格という言い方を政府はされているわけでありますが、何が不正常な条件で、何が正常な条件かという判断は具体的にはどうなさるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/26
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027・石川一郎
○石川説明員 ただいまお話のございましたように、具体的な売買実例はかなり千差万別のものでございます。したがいましてその中から正常な取引価格を見出して、それによって評定をしていくというのが今回の基準のたてまえでございます。いまお話がございましたように 平たん部と山間部で、需要の度合いの違いによりまして、逆の結果が出てくる場合が考えられるのでございます。これらの場合におきましては、私どもといたしましては、山間部における売買そのものが異常なものである、正常なものでない、したがって、山間部でただいまお話のございましたような高い値段がついておるという場合におきましては、それを当然修正して、適正な値段をつけてもらうようにいたしておるのでございます。また小作地と自作地では当然違いがございます。小作の条件によりまして、それぞれ売買値段が違ってまいりますので、その点は捨象をして考えていかなければならないと思います。また売買には、特殊な関係のもとに行なわれている売買、親戚関係でございますとか、あるいは隣接地で非常に経営がしやすいというようなことから割高になっている要素とか、いろいろな要素がございます。それらは具体的に指導いたしまして、そういう不正常な要因を捨象して、正常な価格を求めていこうというように考えておるのでございます。また先ほど申し上げましたように、具体的にはその市町村内の農地の価額に精通しておられる方々に具体的な値段等をつけていただきまして、それらも十分参酌いたしながら正常な価格を求めようとしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/27
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028・安井吉典
○安井委員 そういうふうな作業が具体的にあれば——現実には、売買実例価額の何が正常かという考え方も、その場その場の判断でいいかげんになるといったら語弊があるかもしれませんけれども、適当なところで折り合いがついてしまって、実際上の正しい売買実例価額といいますか、売買価格といいますか、そういうようなものと、収益価格といいますか、一体何が中心で評価がなされているのかわけがわからぬことになるのです。現地に行きましたら、米が三石とれるところと三石五斗とれるところは農家の人はみんなちゃんと知っていますよ。それから売買実例というものもそういうようなものと並行する場合もあるし、並行しない場合もあるし、実に千差万別なわけですよ。だから売買実例価額でそろえさえすれば、うまくいくのだと言われたって、実際なされているものは、売買実例価額だか、収益価格だか、ごちゃごちゃになった妙なものができ上がっているのではないかと私は思うのです。売買実例価格というふうな一つのものさしにぴっと合ったものではなしに、何もかもまざったような妙なものができているのではないかというふうな気がいたします。そこでいまの正常価格を導き出すという、その具体的な基準というものはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/28
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029・石川一郎
○石川説明員 農地の具体的な評定にあたりましては、上級田の価格の評定はかなり値段がばらばらでございますので、評定がむずかしゅうございます。しかし売買実例、具体的にその市町村の売買を。かなりあとをたどって見てまいります場合におきましては、中級田でございますとか、下級田におきましては、いま私が申し上げましたような、そうした配慮を比較的しないで、具体的にその売買が大体正常であろうというようなものがかなり多いのでございます。上級田におきましては、市街地の近郊にありますとか、あるいは将来の発展などを見越しまして、相当投機的な要素でございますとか、その他の要素で農家の経営としては成り立たないような値段で売られておる場合がございます。そういうようなものにつきましては、いま申したような配慮をいたしまして、具体的に正常な価格を見出していこう、こういうように考えておるわけでございます。
農地の評定にあたりましては、少なくとも農家経営が可能であることを考えあわせながら評定をいたしておりまして、いま申しました市街地では四十万で売買されるとか、五十万で売買されるとか、そうしたようなものは一応われわれの評定をいたします際におきましては除いて考えていっておるわけでございます。正常な条件のもとにおける取引価格の認定にあたりましては、先ほど申しましたいろいろ特殊な要因が売買にはございますので、そうした特殊な要因は除くように考えております。それから売り主と買い主の事情を十分考えあわせ、特に売買の場合におきましては、買い主側の強い要請で買われる場合がございます。そういう点を十分配慮して、堅実なかた目な評価をするようにいたしております。またそういう指導をいたしてきたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/29
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030・安井吉典
○安井委員 私ども現実にいろいろ現地で調べてみますと、たとえば一枚の水田に二十万円という売買実例価額もあれば、二十一万円もある、二十五万円もある、四十万円もある、五十万円もある、百万円という評価もあるのですが、そうかと思うと十八万円もあるし、十七万円もある、いろいろある。市町村のほうは、そのうちの、たとえば十七万円という評価で一応押えて、これが私どもの見たところでは正常価格ですというので出している。ところが県のほうは、それは少し安過ぎるから、正常売買価格はあなたのところは十八万円だという。そうすると、自治省のほうは、二十二万円が正常価格だというんですね。正常価格ということばはいいんですよ。いまあなたがおっしゃったようないろいろな要素を捨象しながら残ったものが正常価格だと言われますが、現実には正常価格というのは幾つもあるわけです。だから正常価格というものの基準がないような形でやるところに私は非常に不安定さがあるのではないかと思う。だから、私は、収益なら、これはだれでも知っているのですから。農村へ行ってごらんになればおわかりになるが、たんぼ一枚、一枚、ここの収益はどのくらいあるかということは、部落の人もみんな知っています。村にもそういう資料があるわけです。収益なら、私はみんなにえこひいきのない比較的正確なものになってくる可能性はあるけれども、売買というふうなことになれば、そういうふうに正常売買実例価格、なるほどけっこうですよ。しかしそういうものに対するものさしというものはあり得ないのですから、それぞれの感覚なりそのときの気分で変わるというわけではありませんけれども、ちょっと弱くするとかちょっと強くすることによって、非常に大きな違いが出てくると思うのです。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/30
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031・石川一郎
○石川説明員 お話のございましたように、売買には、上から下まで相当多様のものがございます。百万のものもございましょうし、五十万のものもございましょうし、たとえば二十万のものもある。しかしその際におきましては、上級田なら上級田のその売買だけをとるのでなしに、中級田なり下級田なり、それぞれ相当確実なものも参酌しながら評価をいたします。なおその際のめどといたしましては、先ほど申しましたように、堅実な評価ということでございますので、精通者価格も参酌いたしながら、下限のもの、下のほうの値段を考えあわせてとっていくわけでございます。ただし上級田で中級田よりも下になるというわけにもまいりませんので、下限と申しましても限界がございますが、多様な売買実例の中でどれをとるかと申しますれば、堅実な評価というたてまえから申しまして、下限の値段をとっていくように、こういう指導をいたしておるわけでございます。たまたま一つの切り離したものでなしに、全般の中でそうしたものをにらみあわせながら、われわれといたしましては指導をいたしてきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/31
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032・安井吉典
○安井委員 東京とか大阪の近郊に、いま農地のことを聞いておるわけですが、農地としての先買実例がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/32
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033・石川一郎
○石川説明員 市街地については比較的少のうございます。しかし、隣接その他のところにもございまして、そうしたところでは、具体的にそれに相当する田の価額を見ながら市街地の近郊の値段をつけておるわけでございます。市街地につきましては、遺憾ながら非常に高い実例ばかりでございまして、そのものものをそのままとってまいるわけにはまいらないというような事情がございますので、純粋の農地としての売買と認められるようなものから参酌いたしまして値段をつけてきております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/33
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034・安井吉典
○安井委員 私はその点が非常におかしいと思うんですよ。おそらくないんですよ、農地として売るなんというのは。みんな売買のある場合には、その地域がいずれ宅地となるという可能性を頭において売買が行なわれているわけですから、市街地付近の農地売買というのは非常に高いわけです。しかしそれを、その地方にないから、どこか隣の県のものまで持ってきて当てはめていく、そういうようなことにしたり、それから精通者の意見を聞いたりということのようですけれども、そういうような客観的な判断のない評価などというのは私はおかしいと思うんです。収益価格でいくのなら、これはもう都市の近郊であろうと、いなかであろうと、そこから上がる収益というものはつかめるのですから、それから逆算の方法はあります。まあ収益価格でいったら都市近郊はあまり低くなり過ぎて、実際の売り買いとあまり開きがあるんじゃないかといわれるかもしれないが、それは私は売買が行なわれたときに別な形で税金を取ればいいと思うんですよ。売ったときの収益なんですから。たとえばいまは水田で、反当たり三石しかとれない、そういう場合でも そのとれた三石から固定資産税を払っているわけですから。しかし三石しかとれないようなそういう土地でも、売ればそれこそ百万円も二百万円も、あるいはもっとそれ以上でも売れる土地があるかもしれません。そのときは、二百万円とかいうふうな高い値段は、その土地を売ったときに入る所得なんですから、そのときに税金と取ればいいんです。その高い所得が毎年あるというようなことで、これが売り買いされたらこれだけになるのだから、固定資産税はこれですよということでは私は困ると思うんですね。つまり月給は二万円だ、一反歩当たりの収益が毎年二万円しかない、そういう人は、たとえば月給が二万円で年収がまあ三十万円ぐらいだ、三十万円ぐらいしか一年間収益がない。その人は三十万円で税金を払っていくわけです。しかしその人が退職すれば二百万円か三百万円退職金が入りますよ。農地の売買価格というのは売ったときの値段ですから、ちょうど退職手当みたいなものですよ。おまえさんはやめたら二百万円の退職金をもらえるん、だから、今月から税金を毎月これだけずつ上げますよと言われたら、これはだれでも腹を立てますよ。農地についてはやはり売買価格というものと収益価格というものと、これは基本的な価格の評価の発想法をあらためて考えなければいけないのではないか、私はそう思うわけです。いまのその論議がだんだん進んでいきましたけれども、初めの部分についてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/34
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035・石川一郎
○石川説明員 先ほど申し上げましたように、市街地近郊の農地につきましては、純粋農地にしての売買値段から考えてまいっておるわけでございます。決していまお話のございましたように百万円で売れれば百万というような評定をするのではございません。同時に、農地につきましては、基準地なり標準地をきめる際には、全体のバランスを考えながら評定をいたしております。御指摘のように収益そのものもわかるじゃないかということもあろうかと思いますが、そういう点ももちろん全然無視いたしておるわけではございません。評点数等をあらわします際におきましては、そうしたものが、農地の生産力というようなものがある程度配慮されておるわけでございます。先ほどお話にありました状況類似地区を分けます際におきましても、大きく上級の田、中級の田、下級の田、それぞれについて当然区分がなされておるわけでございます。その際に上級田、中級田、下級田、それぞれやはりその農地の質等に応じまして売買も一般的には行なわれる。ただ特殊な要因があります際には、それも除外して考えていくわけでございます。中級田、下級田等においては、ほとんど農地としてほぼ同じような方法で売買値段が大体斉一的にその地帯では行なわれている。そういう点から見ますれば、それらのものから正常な値段を付するということは、私どもとしては、妥当な方法ではなかろうかというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/35
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036・安井吉典
○安井委員 私は、特にこの場合の農地の価格というものは、妙なものになっていると思うんですよ。それは売買実例価額方式でそろえるのだというふうにはっきり打ち出しはいたしますけれども、いままでの御説明を聞いていても、収益価格の要素も入ってきたり、生産力も入ってきたり、何か初めのお話とだんだん違ってくるわけですよ。全部を売買実例価額でそろえるのだという筋論を初めお立てになったけれども、具体的な評価になったらだんだんおかしくなってくる。特に私は、都市近郊の農地評価をもう少し具体的に、どうなっておるか内容を知りたいわけなんです。まだその資料をいただけないわけですが、いずれいただけると思いますけれども、客観的な評価基準なんというものは、それはもう宅地として評価あるいは宅地を当て込んだ売買実例価額、いずれもあると思います。しかしながら、純粋の百姓をするんだというそういう評価というものは、私はそうあり得ないのではないかと思います。そういうものを理論的に導き出しているわけですね。そういう点、私はどうしても理解しかねるような気がします。やはり都市近郊のものは収益価格で計算をいたしまして、売買のときはこれはぼろいもうけをするのだとしたら、そのときは別に土地増価税ですか、何かそういう名前で課税するとか、そういう考え方でなければ私はおかしいのじゃないかと思うのです。農地と宅地との区分については、この御説明にもありますけれども、どうも不明確な要素が多いように思うわけです。現在農地であって宅地としての評価をされる場合は、どういう場合か。農地法にいう農地転用の許可の問題があると思いますけれども、それとの関連はどうなのか。もう少し御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/36
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037・石川一郎
○石川説明員 農地法によって宅地転用の許可を受けております田畑につきましては、これはここにございますように、付近の宅地の価額から造成費相当額を控除して評定をいたすことにしております。なおそのほかにも、宅地に転用することが確実と見られるものについても、宅地価額から造成費相当額を控除して評定をいたします。宅地に転用することを確実と認められるものと申しますのは、現に許可を受けておりませんでも、たとえば工場敷地になってしまっておるとか、あるいは住宅建設予定地になってしまっておるとかいうようなものでございます。それらのものにつきましては、たとえば宅地転用の許可を受けた田畑につきましては、現にたまたま農地として利用されておりましても、これはすでに宅地としての実体を持っておりますので、宅地価額から造成費相当額を控除して評定をしょう、こういうように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/37
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038・安井吉典
○安井委員 宅地転用の許可があったというのは、これはもうはっきりしてますけれども、転用確実と認められるものということになると、都市近郊に参りましたら、もうそのけじめがつかないくらいではないかと思うわけです。具体的な基準をお示しになっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/38
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039・石川一郎
○石川説明員 たとえばただいま申しましたように、すでに住宅が建ち始めておるとかあるいは農地をくずして土盛りをして、宅地として使用するということが確定いたしておるもの、そういうような限定的な意味で指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/39
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040・安井吉典
○安井委員 たとえば、私特に心配なのは住宅地帯がある。しかしそこで一軒か二軒農家が残って、どんなことがあったってわしは百姓をやるんだというふうにかたい決意を表明されている人、それからその隣の農家はうまくやれば、とにかく高く売ってやろう、そう思っている人、しかしその地帯は相当な確実性があるわけです、もう宅地のまん中辺にあるわけですから。そういうように本人の意思が二通りあるわけです。そういうような場合にはどう措置されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/40
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041・石川一郎
○石川説明員 いまお話のあった事例は、いずれの場合においても田畑として評定をするというようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/41
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042・安井吉典
○安井委員 それではもう少し問題点を進めてまいりたいと思います。
限界収益修正率は農林省で計算されていたようでありますが、五五%に落ちつくまでにずいぶん紆余曲折もあったように聞くのですか、これがいまの段階における最も合理的な修正率であるというその根拠はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/42
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043・石川一郎
○石川説明員 限界収益による補正率は、農林省で作業をいたしておりまして、農林省で昭和三十七年度の農家経済調査による資料を基礎にいたしまして算出いたしたものでございます。三十七年度は対象農家が非常に多くなりまして、確実度が高いということで、三十七年度のものを採用いたしておるわけでございます。その際に、農林省の算出いたしました数字は五八・九%という数字になっております。
なお、それ以前の数字もございますが、それらのものは対象戸数その他から見て適当でないということで、この五八・九%という数字を基礎にいたしまして、中央固定資産評価、審議会で御論議を願った結果、当分特別の事情の変動がない限り、一応固定率として五五」%の率を用いることが適当であろう、こういうことになりましたので、五五%というように決定をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/43
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044・安井吉典
○安井委員 この限界収益修正率は、その調査基礎によっていろいろ違って出てくるわけです。年がかわってくればまた変わってくる可能性もあるわけですが、今後毎年計算されるのですか、その点どういうふうなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/44
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045・石川一郎
○石川説明員 中央固定資産評価審議会で御審議を願った際にも、その点が問題になったわけであります。実は固定資産評価制度調査会の答申が行なわれた当時におきましては、六〇%前後の率になることを想定いたしておったのでございます。その後いまお話のございましたように、年度によって若干の増減がございます。そういう点から農林省といたしましても、さらに慎重にやってまいりたいということで、三十七年度は対象戸数をふやしまして検討をいたした結果、五八・九%という率を得たのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、年度ごとに若干の変動はあるかもしれませんけれども、現存のところ著しい増減のない限りにおきましては、この五五%の率を固定させていきたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/45
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046・安井吉典
○安井委員 サンプルの取り方によって、これは実はどうでもなるわけです、極端なことを言えばですよ。サンプリングの方法論になりますけれども、これはどうでもなるのです。それから地域的な片寄りでも問題になると思います。そのサンプルが比較的率を上げる要素の地域に囲まればだいぶ違ってきますし、サンプルはどれくらいとったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/46
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047・石川一郎
○石川説明員 三十六年度までは一応継続的にやってまいりまして、対象の農家も移動がないと思います。したがって、地域的にどうこうという問題は、その際にはなかったと思います。三十七年度につきましては、戸数をふやしまして——間違ったらあとで訂正したいと思いますが、約一万二千戸を対象にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/47
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048・安井吉典
○安井委員 まだ資料をいただけないので、全国的な情勢がどうなのか私もよくわからないのですが、地域的なアンバランスがだいぶ出ておるようです——というふうに聞きます。地域的な修正率といいますか、そういうようなもののお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/48
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049・石川一郎
○石川説明委員 この点もいろいろ問題になったところでございますが、現在のところ、ただいま申しましたような対象農家の戸数で地域ごとに区分をすることはできないということでございますので、地域ごとに限界収益修正率を別にするということは、さしあたってはやれないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/49
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050・安井吉典
○安井委員 地域的なアンバランスは、宅地の場合にもずいぶん大きいわけですね。農地の場合にもあるのだろうと思うのですが、これが私は税率の問題そのほか、課税標準をどうかなさるのか知りませんが、いまの暫定措置はいいけれども、この暫定措置が終わったあとにおいてこれは重大な問題になると思うのです。こういう根本問題は、あとでまた大臣においでいただいてひとつ堀り下げて態度をお示し願わなければ、私は今度の評価がえを納得するわけにはいかないと思うのです。いま非常に大きなアンバランスをそのままにして、最後に税金はあまり上げないのだと言われても、そういうふうなアンバランスをあとでどうやって調節するかというふうな方法は、神さまでなければできないのではないかというふうな事態も起きるおそれがあります。そういうような意味で、私どもは評価がえをいま急ぐ必要はないのではないかというふうに主張しているわけです。
それではその修正率の問題はそれくらいにいたしまして、この資料の四ページに総評価額算定等のことが書いてありまして、その一番最後に、市町村間の均衡の必要な場合には、所要の調整が行なわれるというふうな言い力をなさっておりますが、この調整は現実にはどういうふうにしてなされておるのか、またその調整措置が十分にいかない場合も予想されるのではないかということが考えられます。現地でいろいろ聞きましても、うちの市町村は正常価格から何からいっても、これでなければいけないといってがんばっているけれども、県や自治省のほうで言うことを聞かないのだというような話をいろいろ聞きます。これがいわゆる調整の問題だと思いますが、具体的にはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/50
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051・石川一郎
○石川説明員 お話のございました調整の問題は、基準地なりあるいは基準地のほかの標準地なり、場合によりましては、標準地に比準して各筆の評点数を付設することになっておりますが、その付設の状況等を検討いたしまして行なうことにいたしておるのでございます。中心になりますのは基準地でございまして、基準地との関連において標準地の状況を見てまいるということになるわけでございます。その際におきまして、私どもといたしましては、指定市町村がございますので、指定市町村間のバランスをある程度考えていっておるわけであります。ブロックごとにいろいろ御参集を願いまして、それぞれの評定の基礎を示しながら、お互いの、各ブロックごとのバランスというものを考えていくようにいたしておるわけでございます。それから県の段階では、関係市町村にお集まりを願いまして、それぞれバランスを考えてやっていただいております。ただその際におきまして、特に県境の問題が起きますので、それらについては県境同士でもそれぞれ資料を交換しながら調整につとめていくようにお願いをし、また指示をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/51
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052・安井吉典
○安井委員 宅地のほうに入りますと、七ページに「正常と認められない条件がある場合においてはこれを修正して求めた正常売買価格を基準とし」という項があります。つまり売買実例価額そのものを、現にあるやつを修正して正常売買実例価格をつくり上げるということのように私には読めるわけですがこれは具体的にはどういう基準で修正されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/52
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053・石川一郎
○石川説明員 先ほど農地の場合について申し上げましたのとほぼ同様でございますが、たとえば隣接地を店舗の拡張のために買い取るというような事例の場合においては、当然それを買う側の需要も強い、相当無理をしてでも買っておる、こういうように考えられますので、その要素を修正しなければならぬということになると思います。あるいは大企業が稼働地を獲得するためには、どうしても相当の無理をしてでも買い取ろうというような場合が売買実例の中にはございます。そういう場合も、当然その要素を勘案いたしまして、正常と認められる価格を求めていこうとこういうことにいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/53
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054・安井吉典
○安井委員 この評価のしかたも、そういたしますと、修正についての基準というものは具体的な何かで示されているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/54
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055・石川一郎
○石川説明員 具体的には、私どもの調査の段階、あるいは県の調査の段階におきまして、そういう事例について、市町県の評定を基礎にいたしながら話し合いをして、正常な価格というものも基準地については求めていっておるわけでございます。ただいま申しましたような場合においては、一定割合を差し引いて評価しよう、その際には農地の場合と同様に、土地の評価に精通しておられる方々——地元の銀行とか、あるいは土地の精通者でありますとか、全国的に見ますれば不動産研究所の評定価格でございますとか、そうしたものも参酌いたしながら売買実例に基礎を置いて評定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/55
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056・安井吉典
○安井委員 山林の関係については、特に宅地や農地の間に介在する山林及び市街地近郊の山林というふうなものがやはり問題になりがちだと思うのですが、十一ページにも説明が書いてありますが、もう少しこれを具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/56
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057・石川一郎
○石川説明員 ここに書いてございますのは、農家のたとえば宅地の地続きの里山に近いようなもので、もう里山としての実態がほとんどなくなってしまっておるというようなものが場合によっては考えられると思うのでございます。それから農地等の間に具体的に山林として介在しておるようなものでも、実質的には山林としての実態がないと考えられるようなものがございます。そうした山林としての評定をすること自体がその土地の正常な価格を反映するものでないと考えられるものにつきましては、付近の宅地なり農地なりの価額に準じて評定をしていこう、こういう考え方に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/57
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058・安井吉典
○安井委員 山林の評価にあたって、そこに立っている立木の問題ですが、立木がどういうふうな影響を持つのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/58
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059・石川一郎
○石川説明員 立木につきましては、何年程度の立木がそこに上ものとしてのっかっておるかということを売買の際に当然考慮いたしまして、どの程度の石数なら石数が得られるものであるか、その点を勘案いたしまして売買価額から控除するという方式をとることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/59
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060・安井吉典
○安井委員 そうすると立木評価の問題も非常に重要になると思います。ただ山林の土地だけの売買というのは現実にはないわけですから一ないわけじゃないかもしれませんけれども、そうなれば原野というふうなことばになるかもしれません。木が立っているから山林なんです。しかしここで評価されるのは、木も何もない株と仮定しての林地のわけですから、したがってその裸の林地を出すためには、実際の木が立ったままの先買価額から立木分を引かなければならぬわけです。その立木の評価については具体的な基準をお示しになっているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/60
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061・石川一郎
○石川説明員 そこに植えられております木の種類によりまして、一石当たりどの程度のものを算定するか、このような一つの基準を考えてやっております。その際におきまして、その基準等につきましては、林野庁なり関係庁の御意見を聞いて私ども指導いたしております。また市町村でも現実にその土地のそうした場合の値段をあわせ考えながら評定をいたしておおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/61
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062・安井吉典
○安井委員 その他の土地、たとえば池沼だとか牧野、原野等でありますが、こういうものについては売買した実例価額というものもあまりないのじゃないかと思うのですが、売買実例価額方式でおやりになるというたえまえをおとりになっているわけですが具体的にはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/62
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063・石川一郎
○石川説明員 池沼等については実例のない場合がございますので、付近の土地の価額に比準して評価する方法もあわせ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/63
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064・安井吉典
○安井委員 池沼、牧野、原野その三つについて新評価額ではどういうふうな予想をされておりますか。まだ具体的なものは出ておらぬかもしれませんが、値上がりはどれくらいの予想ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/64
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065・石川一郎
○石川説明員 池沼、牧野、原野については、従来から自治省といたしましては、市町村の段階に一応まかせておるようなかっこうになっているわけでございます。したがいまして、いま具体的にどういうことになるかということは正確にはわかりませんけれども、おおむね山林程度の倍率になるのじゃなかろうか、あるいはそれを若干下回る程度だろうというふうに推定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/65
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066・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、約三倍から四倍くらいということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/66
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067・石川一郎
○石川説明員 大体その程度におさまるのじゃなかろうか、これは県あたりからいろいろその様子を聞いて、私どもとしてはそういう推定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/67
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068・安井吉典
○安井委員 物価倍増の時代ですから、池の値段も三倍か四倍に上がるのかもしれませんけれども、市町村に一応おまかせをするというふうなことを言われながら、しかし倍率は山林にそろえるという言い方がどうもふに落ちないような気がするのです。それから、鉱泉地について、基本価額八十万円というふうに掲げてございますが、これはどうですか。現在の評価より引き上げになるお見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/68
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069・石川一郎
○石川説明員 従前の基準では、鉱泉地の基本価額は三十万円というふうにきめられておりますので、三十万から八十万に上がったわけでございます。ただし、温泉地の指数は、県の段階である程度きめられてまいりますので、それによって若干の増減があるかもしれません。基本価額としては三十万から八十万に引き上げられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/69
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070・安井吉典
○安井委員 大体二倍半くらいの上がりですね。こういうものはやはり全体的なほかの資産とのバランスからはじかれたのですか。それとも実際の売買実例価額が、八十万くらいということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/70
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071・石川一郎
○石川説明員 ここの説明の中にございますように、全国的に見て標準となると考えられるような温泉地の具体的な売買を検討いたしまして、たとえば熱海でございますとか、別府でございますとか、伊東でございますとか、そうした代表的な温泉の相当数の売買実例を参酌いたしながら、この基本価額を算定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/71
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072・安井吉典
○安井委員 ゴルフ場あるいは運動場、野球場、競馬場等の土地の評価は、従来の評価よりはわりあい合理的な計算になったようにも思われるわけでありますが、取得価額に造成費を加算した価額というふうなことのようですね。これによって現在の評価額より今度の新しい評価はどれくらい上がりますか、全体が上がるのですか、おそらく上がるのだろうと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/72
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073・石川一郎
○石川説明員 ゴルフ場等の土地の具体的な評価の方法は、実は現在の方法と今回の方法とで異なっておりません。三十八年からこういうやり方をとっております。ただし、価額のベースが今回は上がりましたのでたとえばゴルフ場の用地が山林等の付近にあるという場合におきましては、その付近の価額に比準いたしますと、野球場等で付近が宅地であるというような場合におきましては、その宅地の価額の値上がりですね、それらにほぼならって上がっているのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/73
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074・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、造成費というものの最近の値上がりといいますか、そういうようなものも考慮されるだろうと思うのですが、私どもゴルフ場の税は安いものですから、ゴルフ場の芝に税金をかける方法はないかというような検討を前にしたことがありますが、
〔中島委員長代理退席、委員長着席〕
いずれにしてもこの方法が現実的なものかどうか、これはよくわかりませんが、しかしゴルフ場そのものを売るとしたら幾らか、ゴルフ場を売り買いした実例価額というものは、あるいはあまりないかもしれませんが、これをもし売るとしたらどうかというような算定はできないでしょうか。さっき精通者の意見を聞くというふうに——自治省には精通者が省内にもおられるようだし、お聞きになることもできる精通者もずいぶんお知りになっていらっしゃるでしょうが、それを売ったらどうかというふうな、たとえばいまのこれでいきますと、水田を買ってゴルフ場をつくった場合には、その辺の水田の値段に芝の値段といいますか、そういうようなものをプラスしたのがゴルフ場の価額ということになるわけですね。しかし現実のゴルフ場になってしまったら、もとの水田というような要素ではなくて、ゴルフ場という特別な何かができてきて、評価基準というものも一人歩きするゴルフ場というものの値段が出てくるのではないか、そういう気がするのですが、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/74
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075・石川一郎
○石川説明員 御指摘のような点もあろうかと思いますが、現在では取得価額に造成費を加算したやり方が、ゴルフ場の一応実態に合っておるのではないかという考え方に立っておるわけであります。なお、その際に、取得価額、造成費は相当変動いたしますので、価額のその後の、たとえばゴルフ場ができたことによって相当付近の土地の価額が上がってきた、あるいは造成費そのものが上がってきたというような場合には、その際にその要素をさらに見てあげるように基準の中でもはっきりとあらわしておるわけでございます。なお、ゴルフ場を売買する際の値段ということになりますと、私どももあまり実例は承知いたしておりませんけれども、具体的にはその営業がどの程度になるか、施設の問題とか、そういったものが入ってまいると思いますので、現状ではなおそういう問題も検討いたしたいと思いますが、この方式が適当なのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/75
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076・安井吉典
○安井委員 鉄道や軌道用地の問題について、この幅はどれくらい見ておられるわけですか。というのは、鉄道用地に沿接する土地の価額の二分の一に相当する金額によって評価されるわけですね。ところが、二分の一という特例があるわけですから、その幅をあまり多く見ることによって、そこに住宅を建てるような不心得な者ができたら困るわけです。ですからその幅というものは、二分の一の特例に対する一応幅の基準があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/76
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077・石川一郎
○石川説明員 鉄軌道川地というように定義されておりましても、たとえば駅舎が建っておりますとか、ターミナルのようなところもございます。そうした実際的には宅地と認められるようなものは、当然これは例外的鉄軌道用地の評価をやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/77
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078・安井吉典
○安井委員 住宅の評価の問題でございますが、耐用年数の見方によって、いわゆる経年減点補正率というものがきまってくるわけですが、ごくわかりやすく住宅についての木造とそれから永久構造とに分けて、今度の場合において、従来とこの補正率においてどういうような違いが出てきたか、ひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/78
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079・石川一郎
○石川説明員 まず木造家屋について申し上げますと、現在の、従来の木造家屋につきましては、標準的であると考えられる専用住宅の経過年数、それが六十五年になっておりましたのを四十年に短縮いたしております。したがいまして、約三分の一程度短縮をいたすことにしているわけであります。非木造家屋につきましては、一般の事務所でございますとか、そうした鉄骨、鉄筋コンクリートの最も標準的なものにつきまして、従来百二十年という経過年数を八十年に短縮いたしております。
なお木造家屋につきましては、寒冷地の積雪寒冷による減価を考慮いたしまして、一般に定められております経過年数をさらに最高二五%まで短縮するようにいたしましております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/79
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080・安井吉典
○安井委員 だいぶ時間も過ぎておりますので、あと二、三伺って、きょうのところは終わりたいと思うのですが相続税、贈与税の関係ですね、大蔵省とそれから法務省との関連が出てくるわけでありますが、なかなか話の折り合わない面も出てきているというふうなことも大蔵省側の話として伺うわけでありますが、具体的にはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/80
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081・細郷道一
○細郷政府委員 側々の物件の評価につきましては、先ほど来お話の出ておりますような基準また標準的なものを中心に、それから比準をしながらきめていくわけでありますが、基準的なものにつきましては関係者が得り集まりましてこれを評価いたしたのでございます。その結果、宅地等の指定市町村におきます基準価格のもとになります路線価につきましてはおおむね一致いたしておるのでございます。しかしこれを個々に引き延ばすにあたりましては、その間全面的な調整が全部ついておりません。今回直ちにこのものをもって各税目に全面的に実施するということは若干困難がある、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/81
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082・安井吉典
○安井委員 といいますと、いま市町村がやっているその評価が、全面的に大蔵省や法務省の評価にそのまま取り入れられないで、それ以外に向こうがかってにきめるものも出てくる、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/82
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083・細郷道一
○細郷政府委員 原則的にはなるべく合わしてまいりたい。たとえば、先ほど御指摘のような、税目にもよると思いますが、相続税等については、なるべく合わしてまいりたい、こう考えておりますが、現実の評価については若干これを上下しておる面がございます。全面的にこれを実施することには若干困難があろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/83
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084・安井吉典
○安井委員 とにかく評価制度調査会の答申の中には、あくまでも統一するんだという、そういう原則があるものですから、今日の作業はそれを前提として進んできたように思うわけです。いまお聞きしますと、何だかその点、原則がだいぶくずれかけているような気がするわけですが、そういたしますと、大部分の市町村の評価はそのまま使われる、それ以外のものについては向こうがかってに手心を加えるというようなことになったら、従来の仕組みと変わったところと変わらないところと両方出てくるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/84
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085・細郷道一
○細郷政府委員 御承知のように従来の固定資産税の評価は、全面的に見て相続税の評価等よりも低いところにあったわけであります。今回それを全国的な基準によっていわばこれを修正いたしたわけです。なお相続税等の価額と必ずしも一致しないというものがここにございます。高いのもございますし低いのもあるわけでございますが、そういった意味合いにおいて直ちにいまこれを全面的に実施していくことには困難があろうかと考えます。なお今後の過程におきまして十分努力をしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/85
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086・安井吉典
○安井委員 私は、その点各省もみな同じ評価を使うのだからということが表看板で、今日までこの根本的な評価がえの問題の説得材料に使われてきたような気がするわけですよ。これはやはり相当大きな事業ですね。それにもかかわらず、今日まで市町村がとにかく引きずられてきたというのは、対象品目ごとの評価がまちまちである、あるいはまた国と地方との間で評価がまちまちである、それらを全部統一をするのだ、こういうような大義名分に引きずられながら今日まできていると思うわけなのです。しかし肝心のそういうような問題が、裏のほうから少しずつくずれかけている。ただはっきりしているのは何でもかんでも一月一日に評価だけはやってしまうのだ、こういうような印象を受けます。その点非常に不可解な気がするわけです。この評価に関連してもう一つ伺っておきたいのは、農家の宅地の評価の問題です。農家の宅地というのは今度の場合はどういうふうな評価がなされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/86
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087・石川一郎
○石川説明員 農家宅地につきましても、宅地であります以上は宅地としての評価をいたしております。ただその際におきましては、おそらく農村に参りますれば路線価を付設しないで、その他の評価法によって評価をいたしておるのではなかろうかというふうに考えられます。その際におきましては一定の集落あたりをそれぞれ状況類似地区に分けまして、その中から標準的な地区を見出して標準地の値段をつけ、その標準地に比準をいたしまして評定をする、こういうことになろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/87
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088・安井吉典
○安井委員 農家の宅地というのはいわゆる住宅地における宅地とちょっと違います。その農家の水田や畑のまん中にあって、宅地といわれる部分と農地といわれる部分とのけじめのはっきりしていない場合もあります。庭木が植えられているところは宅地かもしれませんね。草花が植えられているのも宅地かもしれないが、その草花のところは、翌年は大根にかわるかもしれない、こういうふうにけじめがわりあいはっきりしていない場合が非常に多いということ。それからもう一つは、都会の住宅地は建物との比率において比較的狭いわけです。しかし農家の宅地というのは御存じのように広いわけです。しかも寒冷地になればなるほど宅地面積というのは広くなる傾向があるのではないかと思うわけです。そういうような問題について、つまりけじめがはっきりしていないという問題、それからどうしても面積が広く必要になるという問題、寒冷地ほどその広さの、要求度が強くなるということ、こういうような問題についての配慮はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/88
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089・石川一郎
○石川説明員 農家宅地につきましては、都会の宅地とお話しのように違った点がございます。ただ土地としての評定をいたします際におきましては、先ほど申し上げましたような標準地がどの程度の値段を持つかということを売買実例を基準として評定をいたします。その際におきまして、おおむねただいまお話のあったような事情は、売買実例の中に反映されてくるというふうに私どもは考えております。
それから、これはすべてについてそうであるということではございませんが、具体的な事例等を見ますと、一般的に農家宅地の評価額の値上がりの状況は相当低いというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/89
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090・安井吉典
○安井委員 もう一つ、庭の評価の問題をちょっと伺っておきたいと思います。池田総理も石がお好きなわけですが、その庭園の評価については、りっぱな石があるのと草だらけの庭と、庭木のりっぱなやっとそうでないのと、いろいろあると思うのですが、庭園の評価は宅地ということになると思うのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/90
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091・石川一郎
○石川説明員 庭園がいい悪いによって一般的に値段が上下するというようなことはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/91
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092・安井吉典
○安井委員 そういたしますと、庭の上にある芝生だとか、石だとか、石どうろうとか、そういったようなものは、課税的にはいまの固定資産税あるいはそれ以外の税でもけっこうですが、どういうふうなあれになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/92
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093・石川一郎
○石川説明員 芝生等で事業用であると考えられるようなものについては、償却資産として固定資産税の対象になる場合がございますが、それ以外に一般の住宅で芝生を植えておられる、あるいは石どうろうがある、こういうふうなものは、一応固定資産税の課税の対象にはなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/93
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094・安井吉典
○安井委員 ごく最近、庭園をこった設備をするとかそういうような流行があるものですから、そういうような問題についての配慮がないかということを伺ったら、一般個人的にはないということですが、しかし、そういうようなものの課税を評価することがいいかどうかは別問題ですけれども、一応もう少しその点は御検討願っておきたいと思います。
なお、免税点の問題だとか、基礎控除の問題だとか、税率の問題、これは基本的にはたくさんあります。そこで、三年間の一応の経過的の措置だけはお考えになっておられるようだが、それ以後は一体どうするのか。それ以後の段階においては、非常に大きな混乱を生ずるおそれがあるから、もう少しこの経過年数三年の間に、評価と課税と一元的な立場から考え直す必要があるのではないかと私は思うのですが、そういうような問題についてはさらに大臣に御出席をいただいて、もっと詰めた論議をいたしたいと考えます。
もう一つだけ、最後に、固定資産の評価がえを行なった場合に、国有資産等所在市町村交付金に関する評価がえ、それから基地交付金にも関係がないわけでもないと思うのですが、そういうような点について御配慮がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/94
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095・石川一郎
○石川説明員 国有資産等所在市町村交付金は、現在台帳価格によって算定をいたすことになっております。その際、国有財産につきましては、国有財産法で五年ごとに価格改定を行なうことになっておるわけであります。固定資産税は三年ごとでございまして、制度的に三年と五年の相違がございます。国有財産につきましては、三十六年の三月三十一日現在ですでに価格改定が行なわれておりまして、三十七年度からその価格改定によった台帳価格によって交付金の交付を受けておるわけでございます。その際には約五割上がっておるのでございます。したがいまして、三十六年からなお五年たった四十一年の三月にはまたさらに価格改定が行なわれまして、その際に価格改定の結果が反映する、こういうことになりますので、固定資産税の場合と完全に平衡を合わせるということは、現在の制度のたてまえからいってはできませんけれども、期間の相違はございますが、価格改定が相当高い水準で行なわれておりますので、その結果によって反映していくのではなかろうかというふうに考えております。
なお、基地交付金につきましても五年ごとにやはり価格改定が行なわれます。われわれといたしましては、その価格改定の機会をとらえて基地交付金の予算増額要求をいたしておるわけであります。この価格改定の結果、今年度は十三億五千万円になっておりまして、大体この価格改定の結果は、十三億五千万円の要求の中であらわされておるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/95
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096・安井吉典
○安井委員 いまの問題ですが、私は三年、五年というズレはあることはわかりますけれども、今度の評価がえというものはすごくドラスチックなものですね。いままでの宅地なんかのやつは、全国平均六倍半に上がるわけですね。上がるところは七倍も上がるわけです。そういう実態をそのままにして、国有資産等所在市町村交付金のほうは、五年ごとだからそれは知りませんよ、一般の市町村の宅地、農地その他の引き上げは、これで徹底的にするのだ、しかし、国有財産のほうは五年ごとだからそのとき別に考えるというのはおかしいので、むしろいま法改正して、どうせやるなら一緒に国有財産のほうも六倍なり七倍なり上げてしまわなければ片手落ちじゃないかと思うのです。その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/96
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097・石川一郎
○石川説明員 国有財産の価格の評定は、おおむね相続税の評定の方法に基礎を置いておりまして、相続税の水準は固定資産税の水準より非常に高いわけであります。現状において非常に高いわけでございますので、正確には申し上げられませんが、現在の台帳価格そのもの、特に土地の水準は相当高いところにいっておるというふうに考えられるわけであります。ただ先ほど申し上げましたように、時点が三十六年の三月三十一日現在、三十九年一月一日現在、その差はございますけれども、これは制度上やむを得ないのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/97
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098・安井吉典
○安井委員 あとは次にします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/98
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099・森田重次郎
○森田委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/99
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100・門司亮
○門司委員 私は資料だけ要求しておきますが、その前にはっきりさせておきたいのは、先ほど安井委員の質問の中で山林の立木についての価額が認められておるような答弁があったのであります。これは非常に重大な問題でありまして、これは木引税の関係がすぐ出てきます。私はこんなことは事実上行なわれていないと思うのだが、さっきの答弁では何か考えられているように聞こえた。この問題はただ立ち木だと言っておりますが、立ち木については、成木ということばは当たらないかもしれぬが、要するに一定の伐採適齢期までの間の樹木と、それ以後のものと非常に価格の違いがある。同時に伐採の適齢期につきましても、二年過ぎておるか五年過ぎておるかということで非常に違ってくる。同時に、事実上これは査定できないといままでわれわれは解釈しておった。山林の固定資産税は非常に安いので、したがって、これは何とかもう少し取ったらどうかということで、立木税をかけたらどうかという声が非常に強い。しかし立木の換算は非常に困難だ、事実上不可能ということで今日まで延ばされている。これは自治省も知っているはずだし、そういう意向を持っておられると思う。いまの答弁によりますと。ほんとうにあなた方はこれを指示しているかどうかという問題を、ひとつこの際、明らかにしておいていただきたい。そのことのために私は資料の要求をいたしますのは、法の三百八十条に関連いたしまして、三百八十七条並びに三百八十八条の規定がそのとおりに行なわれておるかどうか、もし行なわれておるとするなら、その資料を一応各議員に配付をしてもらいたい。それは固定資産税算定の最も重要な基礎資料でありますから、われわれも不敏にして実際の問題がどうなっているかということを検討しておりません。したがって、一つは、御承知のように、市町村にあります固定資産の課税台帳のほかに地籍、それから土地の使用図、土壌の分類、家屋の見取り図、固定資産売却の記録簿というようなものがどの程度市町村に完備されておるかということであります。それからもう一つは、それに関係して、御承知のように三百八十七条にある土地家屋の名寄帳、これがどういう形で今日はっきりしておるか。それからそれをさらに裏書きいたしております三百八十八条の、自治大臣がこれらに対しまする一応の指示をしなければならぬわけでありますが、自治大臣はこれに対してどういう指示をされておるのか、それが法律上されていなければならぬはずでありますから、これを具体的にどういう指示をしたかということをひとつ示してもらいたい。これは固定資産を評価いたします最大の基礎資料でありますから。私がなぜそういうことを聞いているかと申しますと、日本ではこれらの問題についてきわめてあいまいであります。たとえば地籍にいたしましても、地籍図を備えろと書いてありますが、地籍図というものは日本にどの程度のものがあるかということであります。もし自治省が指示しておるとすれば、その地籍図は六百分の一の地図なのか五万分の一の地図なのか、それをひとつはっきりしてもらいたい。私はおそらく日本の一番大きな欠点は、こういう地籍図のないことだと思います。農業センサスをいたしましても、一筆調査をしても何をしても、地籍ははっきり出てこない。しかも法律の上にはちゃんと書いてある。そうだといたしますなら、この固定資産税を徴収し、この固定資産税の総額をきめる上に非常に大事な資料である。一体どの程度のものが要求されておるか。かりにアメリカの例を引くなら、アメリカでは大体六百分の一の地図が備えつけてある。家屋に対しては見取り図というのではなくして、一つの家屋について十枚くらいの写真がちゃんと備えつけてある。だれがいつどこから見ても、おまえの土地はこれだけの価額ということが明瞭である。日本でそこまでいけとはいわないが、この資料だけはぜひ、ひとつ出してもらいたい。特に地籍については、何分の一の地図を備えろということを要求しておるか。そしてその地籍を証明する台帳が、どれだけ整っておるかということを現実にひとつ資料でもらいたい。わかっていますか。おそらく私はあまり指示はしていないと思う。法律に書いてあるだけだと思うが、あまり答弁がうまい答弁ばかりしておるようだから、少し意地の悪いことを言いますが、実際に聞いておきたい。これを終わるまでにぜひ出してもらいたい。そうしてわれわれの今後の資料にさしていただきたい。これだけを要求いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/100
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101・森田重次郎
○森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X00719640211/101
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