1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月十二日(木曜日)
午前十時五十四分開議
出席委員
委員長 森田重次郎君
理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君
理事 永田 亮一君 理事 藤田 義光君
理事 川村 継義君 理事 佐野 憲治君
理事 安井 吉典君
伊東 隆治君 大石 八治君
奥野 誠亮君 亀岡 高夫君
久保田円次君 武市 恭信君
登坂重次郎君 村山 達雄君
森下 元晴君 山崎 巖君
和爾俊二郎君 秋山 徳雄君
重盛 寿治君 千葉 七郎君
華山 親義君 細谷 治嘉君
栗山 礼行君 門司 亮君
出席国務大臣
国 務 大 臣 早川 崇君
出席政府委員
自治政務次官 金子 岩三君
自治事務官
(大臣官房長) 松島 五郎君
自治事務官
(大臣官房参事
官) 宮澤 弘君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
自治事務官
(財政局長) 柴田 護君
自治事務官
(税務局長) 細郷 道一君
委員外の出席者
自治事務官
(行政局振興課
長) 森 清君
自治事務官
(税務局府県税
課長) 佐々木喜久治君
自治事務官
(税務局市町村
税課長) 森岡 敞君
自治事務官
(税務局固定資
産税課長) 石川 一郎君
専 門 員 越村安太郎君
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三月十一日
委員伊東隆治君辞任につき、その補欠として三
池信君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
委員三池信君辞任につき、その補欠として伊東
隆治君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出第四八号)
地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
第一〇九号)
市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の
特別排置に関する法律案(内閣提出第一一〇
号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/0
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001・森田重次郎
○森田委員長 これより会議を開きます。
奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/1
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002・細谷治嘉
○細谷委員 奄美大島の振興計画の問題につきまして、すでに多数の委員の方から御質問があったわけでありますが、重ねて御質問をいたしたいと思います。
まず第一にお伺いいたしたいことは、この復興計画の財源内容のうち、特に一般財源三十二億六千九百万、この内訳はどうなっておるのか、これをまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/2
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003・佐久間彊
○佐久間政府委員 復興十ヵ年計画におきまして、一般財源の総計は三十二億六千九百万円になっております。そのうち県分が二億一百万、市町村分が三億六千一百万、団体その他の分が二十七億七百万でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/3
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004・細谷治嘉
○細谷委員 この団体というものはどういうものか、少し……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/4
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005・森清
○森説明員 お答えいたします。団体の内訳は農協、森林組合あるいは特殊な振興のために必要な企業でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/5
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006・細谷治嘉
○細谷委員 そこでお尋ねいたしたい点は、今度の振興計画によりますと、三十九年度五億二千万円という一般財源になっております。この内訳はどうなりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/6
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007・森清
○森説明員 お答えいたします。
県分につきましては二億一千六百万、市町村分四億六千八百万、それから団体分八千三百万、合計七億六千七百万でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/7
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008・細谷治嘉
○細谷委員 もう一度お願いします。五億二千万よりオーバーしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/8
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009・森清
○森説明員 県分二億一千六百万、市町村分四億六千八百万、団体分八千三百万、それに融資分が千五百万ですから九千七百万ばかりでございます。——補足いたします。いま御質問の五億は、その中から府県、市町村の起債分として一応予定いたしたものを除いたもので表に掲げておりますが、まだその起債分が確定いたしておりませんので、いま申し上げました数字は府県、市町村の起債分と一般財源負担分を全部含めたいわゆる府県、市町村の地方負担分の合計でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/9
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010・細谷治嘉
○細谷委員 せんだっての質問で、起債の元利償還については、満度で普通交付税なり特交で見るという財政局長のお話があったのですが、私は一般財源としての自己資金の五億二千万の内訳を聞いているのですが、いまのやり取りでやられたのでますます混乱したんですよ。五億二千万の内訳でけっこうですから、それをきちっと教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/10
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011・森清
○森説明員 起債の充当率につきましてはまだ確定いたしておりませんので、御参考までに差し上げました表は一応のめどを書いておるわけでございます。したがいましてそれを県、市町村に振り分けますと、あまり正確な数字ではございませんが、大体県において一般財源、かりに起債を七割程度といたしますと、五、六千万円の負担、市町村につきましては一億五、六千万円の負担、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/11
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012・細谷治嘉
○細谷委員 先ほどお尋ねいたしますと、復興計画では県は一年平均いたしますと二千万円程度、市町村全体では三千六百万円程度、団体では七千万円程度、平均いたしますとそういう数字になります。
ところで、三十九年度の振興計画を見ますと、どうもいまの数字は明確じゃないわけですけれども、相当大きな負担になる。端的にいいますと、復興計画の年間平均約二十億円、今度は一・五倍の三十億円程度になるわけでありますから、少なくとも一・五倍以上に、前回のものをそのまま踏襲しても一・五倍以上になる。ところが、あとでまた御質問いたしますが、それぞれの補助率等が変わってまいっておりますから、もっと大きな負担にならなければならぬわけでございます。
そこで、いまのお答えでは、県分は何か五千万幾らとか市町村は八千万ぐらいということでありますけれども、この数字は非常に重要な問題で、いままでの委員会でも質問のあった点なのです。負担能力があるのかないのか、こういう問題でありますから、当然おわかりになっておらなければいかぬ。あとで調整ということがあるにしても、基本的な点はおわかりになっていなければならぬと思うのであります。もうちょっと明確にお教え願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/12
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013・森清
○森説明員 お答えいたします。
府県、市町村の起債がどの程度許されるかということは、大体のめどはついておりますが、最終的には起債の許可をもってきまりますので、現在正確にお答えいたすことができますのは、現在組んでいる予算に基づく地方負担といたしまして、県分において二億一千五百八十七万二千円、市町村分において四億六千八百三十八万三千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/13
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014・細谷治嘉
○細谷委員 そういたしますと、県で二億円、市町村で四億円を、これは一年の計画でありますから一年間に負担する能力があるとお考えなのかどうか。これは行政局でおわかりにならないとすれば、財政局の局長さんにお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/14
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015・柴田護
○柴田政府委員 従来の奄美群島の財政状況、それから鹿児島県の財政状況から見ていきますならば、従来のやり方をそのまま踏襲していきますならば、この負担につきましてはなかなか骨の折れることだという感じを持つのであります。しかしながらそういう点も配慮いたしまして、地方債の配分等につきましても、先般お答え申し上げましたとおり、復興事業の時代、つまり高率補助がありました時代、その時代と配分方法を変えない、つまり充当率を低めない、同じ充当率を維持していきたい。それから、特に市町村財政につきましては、負担が急激にふえますので、これは振興事業と直接関係はございませんけれども、奄美群島の市町村の財政力を強めるという意味合いにおきまして、今回隔遠地補正等を行なって財源の充実をはかることを考えておるわけでございます。隔遠地補正を行ないますと奄美群島等につきましては、非常に大きくそっちのほうに財源がいくわけであります。そういうことも考慮いたしまして当面の財源措置をいたしますとともに、それだけではおそらく地方債の元利償還金がだんだんかさんでまいりますので、これが昭和三九年度におきましては、直ちにどうこうということはございませんでしょうけれども、将来は非常に大きな負担になります。これについての措置でございますが、どういう措置をとるのがいいかということは、なおしさいに検討をいたしてまいりたいと思いますけれども、とりあえずは、やはり特別交付税の配分の際にその元利償還金を十分計算に入れていく、こういう方式をとっていかなければならぬのではないだろうかというように考えておるわけでございまして、私どもといたしましては先般お答え申し上げましたとおり、当面地方債をある程度充当して事業効果の早期達成といいますか、事業の促進に資しますとともに、その元利償還金につきましては、将来特別交付税の配分、普通交付税の配分等を通じまして吸収をしていく。そうしてこの振興事業がうまく処理されるように財源的な配慮を十分やってまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/15
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016・細谷治嘉
○細谷委員 財源的なものについては十分していくということでございますけれども、三十九年度の振興計画というのは事業費三十億円、国費十四億五千万円、起債が四億二千万、融資が六億七千万、一般財源五億二千万ということになっておるわけでございまして、一般財源と起債の充当率をからみ合わせておるということが納得できないわけであります。四億二千万という起債は計画でありますから、どういう事業にどういう充当率をかけていくかということは別として、四億二千万というワクは確保されるわけであります。一般財源の負担は五億二千万、こういうことになるわけであって、せんだって来御質問がございましたように、日本全体の平均の国民所得の四二%しかない奄美大島、端的に言いますと東南アジアの未開発、アジアの貧困な国々と同じような所得水準なんです。そういうところで市町村が一年間に三億とか四億をこういう振興計画に出せるとは、鹿児島県はともかくとして、とうてい考えられないのでありますが、重ねてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/16
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017・森清
○森説明員 お出しいたしました資料の中の五億二千万の内訳でございますが、その中には農協等のいわゆる自己資金、それから一般の企業が持っておる自己資金を含んでおります。したがいましてこの数字の根拠になったものを申し上げますと、農協等の団体分の自己資金が八千三百万、それから一般の企業の自己資金の一億七千三百万というものが五億二千万の中に含まれておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/17
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018・細谷治嘉
○細谷委員 それにいたしましても約三億七千万円程度は県と市町村の負担ということになるわけですね、そういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/18
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019・森清
○森説明員 約三億円の自己負担になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/19
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020・細谷治嘉
○細谷委員 私はこの地方負担というのを非常に危惧しておるわけでありますけれども、次にお尋ねいたしたい点は、この振興計画というものについて、全体計画は百七十七億、三十九年度は三十億だ、こういって三十九年度の計画だけ出された。その計画についても、どうも少しはっきり確信のないような数字のようでございますが、お尋ねいたしたい点は、それはかっきりきまっておらぬというお答えになるかもしれませんけれども、少なくとも計画を推進された自治省としては、百七十七億というものの財源構成はどうなっているのか、これをひとつ教えていただきたいと思います。百七十七億の全体計画の財源構成はどういうことなのかお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/20
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021・佐久間彊
○佐久間政府委員 この百七十七億という数字は、私どもが大蔵省に対しまして予算を要求いたします案といたしまして一応作成をいたしました数字でございます。その後、予算が査定を受けまして、ただいま御審議をいただいておるわけでございますが、これの国庫負担分の予算が確定をいたしますれば、さらに本法が成立いたしますれば、この法律に基づきまして振興五ヵ年計画を正式に樹立するわけでございます。その場合には奄美振興審議会の議も経まして、関係各省の意見もさらに徴しまして決定をされることになるわけでございますので、この百七十七億の数字は、そういう過程におきまして若干変更があることを予想いたしておるわけであります。ただ当初予算要求の段階におきまして一応つくりました百七十七億の内訳といたしまして私どもが考えておりますのは、百七十七億のうち国費負担が九十三億、起債が十五億、融資が四十七億、一般財源、自己資金が二十億、大体そういう数字で考えておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/21
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022・細谷治嘉
○細谷委員 全体計画の財源のあらかたの割合がわかったわけでありますが、そこで大臣にお尋ねいたしたいのです。今度の振興計画たいへんけっこうでありまして、せひ推進していただかなければならぬことでございますが、ただ問題は、私が憂慮いたしておるのは、一体そういう地方負担ができるのかできないのかという事柄でございます。復興計画は、年間平均をとってみますと二十億程度のぺースでいったんですが、振興計画は昭和三十九年度十億程度ふえております。その十億程度ふえた内訳を見ますと、どうも国費の支出というのがあまりふえておらぬで、一般財源のほうに増加のウェートがかけられておるように考えるわけでございますが、こういう計画で実際にあの低開発の奄美大島の振興ができるとお考えになるのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/22
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023・早川崇
○早川国務大臣 御承知のように新しい五ヵ年計画は、一応前の十ヵ年計画と違いまして、国費の補助率というものが下がっております。それは奄美といたしましてもできるだけ自主再建という方向に持っていくという段階にきておるわけでございまして、この意味では御指摘の地方負担が約五億円増加するわけでございます。これに対しまして、自治省といたしましてはこの地方負担分に対しまして地方債の充当措置を十分講じ、なお財政力が貧弱な市町村が地方債の充当残額の負担にすら困難を来たすというような場合が出てまいりました場合には、別途適切な措置を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/23
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024・細谷治嘉
○細谷委員 佐久間行政局長にお尋ねいたしますが、いまお聞きしました百七十七億の財源構成から見ますと、五ヵ年計画にいたしましてもだんだん年を追って力がついてくる、復興計画十年のうちに大体一二%程度の所得水準が上がったというのが前回のあれでありますが、全体として一般財源は二十億だ、こういうことでありますけれども、今度は五ヵ年計画を平均しますと四億。四億であるのに、力のつかない初年度において一般財源をよけいかけさせるというのは一体どういうことですか、どういう御意図があるのかお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/24
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025・佐久間彊
○佐久間政府委員 この五ヵ年計画におきまして、各年次ごとの事業費のそれに伴います国庫あるいは地方負担の計画は、先ほど申し上げましたように一応予算要求の段階においてつくりましたものでございまして、その後の予算のつきぐあい、あるいは国会における御審議の経過の御意見も勘案いたしまして、若干調整を要する点があると考えておるのでございます。ただいま御指摘の数字の中には、一般財源と申しまする中に、府県、市町村だけでございませんで、先ほどお答え申し上げましたように、その他の関係団体の負担分もあるわけでございます。それを考えますと、三十九年度の負担分は大体後年度と平均をしておるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/25
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026・細谷治嘉
○細谷委員 大体平均をしておるものと考えるということではなくて、やはり十年間に一二%上がった、だんだん力がついてくるということでありますから、振興と並行して負担を上げていくということならばこれは理屈が合いますけれども、むしろ私が申し上げたように、初年度に一般財源の負担というのが多くかかっておる、こういうことは奄美の実態を親切に把握して、前向きで取り組んでおる姿ではないのではないか、私はどうしてもこれの負担が過重じゃないか、こういうふうに考えておりますので、お尋ねいたしたわけでございます。いずれにいたしましても、この問題につきましてはもうたくさんの委員の方からそういう点が指摘されておるわけです。特にいろいろな点の補助は後ほどお尋ねいたしますが、重点的なものであるにかかわらず補助が削られておる、減っておる、あるいは融資にかわっておる、こういうところに非常に大きな問題点があると思う。数字をお聞きしましてもどうも具体的にお答えがないのをたいへん残念に思うわけでございますが、いずれにしても、振興計画をやる以上は、振興が前向きに前進するように、ひとつとくとお願いをいたしたいと思っておるわけであります。
大臣がいらっしゃっておりまして、忙しい時間でありますので少し順序を変えましてお尋ねいたすわけでありますが、川村委員から御質問があり御意見があったことでありますけれども、今度の国会においていろいろな基金というものをやる場合に、軒並みにとにかく自動的に、立法措置を講じないでもいい、出資するのならばたとえば三億なら三億というものがありますと、あとは予算の範囲内で自動的にやっていくという考えで貫かれておるわけでありますけれども、少なくともいまお聞きした計画自体が固まっておらぬ、これから発足しようというこの奄美大島の問題なんというのは、これは非常に重要なことであります。常に国会においても、その動向を見きわめていくということが必要であろうと思う。どうしてこの問題について、そういう機械的な、立法措置を講じないで自動的にいくという法案を出されたのか、これをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/26
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027・早川崇
○早川国務大臣 これは奄美信用基金の問題だけでなく、ほかの立法もそういうようになっておりますが、これに合わして同じようにやった、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/27
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028・細谷治嘉
○細谷委員 合わせるということですが、実態として合わすべき趣旨のものでないというのが川村委員の質問された点でありますし、私もそう思う。お考えを変える御意思はないかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/28
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029・早川崇
○早川国務大臣 政府の統一見解として、予算の範囲内で、一々その内容まであるいは金額の増減まで御審議願うということが煩瑣であるという政府の統一見解がございますので、いろいろな計画についての御質問なりあるいは御意見なりというものは、むろん国会において審議を尽くすべきものでございますが、法律上はほかの法律との関係でそういうようにいたした次第でございまして、そういう点を御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/29
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030・細谷治嘉
○細谷委員 煩瑣であるということだけで機械的に適用するというのは、ある意味ではやっぱり国会軽視ですよ。やはりこういう問題につきましては、煩瑣という問題ではなくて、着実に実態を把握していく、そういうことが必要であろうと思う。特にこの問題は、公営企業金融公庫というような自治体を対象にした融資事業ではなくて、現実には県を相手にするあるいは市町村を相手にする、農業団体を相手にする、森林団体を相手にするというような問題であり、しかも計画自体がいまお聞きしたところによりますと、かちんと固まっておらぬ、そういう内容のものでございますから、煩瑣だということだけで機械的に他のものと同じようにして議論するということは、これはきわめて遺憾なことだと存じますが、重ねてひとつ、この問題についてお考えを変えるべきではないかと思うが、所見をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/30
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031・早川崇
○早川国務大臣 御指摘の点は、まことにごもっともでございますが、法律できめなくても、もう一つ予算審議におきまして、基金が増額されるというときには予算で御承認願わなくてはならぬわけであります。そういう関係もございますので、決して国会の立法というものを、めんどうくさいからどうこういうような意味ではございません。十分予算審議においてこれを論議するということは、もちろんできるわけでございます。そういう意味でほかの法律との関係もございまして、統一的にそういうことにするという政府の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/31
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032・細谷治嘉
○細谷委員 これはどうしても納得できない点でございます。
次に質問をいたします。せんだっての委員会でも質問が出た点でございますが、私がお尋ねいたしたい点は、電力料金に関連する問題であります。大島電力、それから與論とか各島にありますその電力の供給状態、消費状態を見ますと、大島電力というのが、一番規模が大きいのです。その規模の大きい電力会社の料金が、一番高いというのは納得できないことでありますが、どういう原因があるのかお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/32
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033・佐久間彊
○佐久間政府委員 電力会社の経営状態からいたしまして、そのような高い料金がきめられておるというように伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/33
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034・細谷治嘉
○細谷委員 電力会社の経営からそのようにきまっているということになりますと、答弁にならない。私が質問しているのは、少なくとも電力会社というのは、大きければ大きいほどコストが下がらなければいけない。この表を見ましても、供給量がずいぶん違うのです。これを電力会社のコストがそうだからというなら、では一体——うわさに聞きますと、この大島電力というものの発電機というのは、中古の機械を買ったので、きわめてエフィシェンシーの悪いものだ、こういうことをお聞きしますが、そういう点について御調査になったことございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/34
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035・佐久間彊
○佐久間政府委員 自治省といたしましは、所管の官庁でもございませんので、格別な調査をいたしたことはございませんが、最近、御指摘のようにこの問題が非常に大きな問題になってもおりますし、私どもも所管ではございませんけれども、せひこの問題は早急に解決をいたしたいものだ、かように考えて、最近いろいろ現地の事情も伺っておる状況でございます。承りますと、通産省のほうにおかれましても、その点関心を持たれまして、先般係官を現地に派遣をいたしまして、現地調査を行なったようでございますので、その調査の結果も伺いまして、私どもも解決に協力をしてまいりたい、かように考えておる状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/35
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036・細谷治嘉
○細谷委員 通産省はいつごろ調査されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/36
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037・佐久間彊
○佐久間政府委員 ただいま現地で調査中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/37
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038・細谷治嘉
○細谷委員 先ほど私がお尋ねいたしたこの大島電力は、中古の発電機を買って、きわめてエフィシェンシーが悪いと伺っておりますが、そういう事実はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/38
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039・佐久間彊
○佐久間政府委員 そのような話は私どもも仄聞をいたしておりますが、しかとは存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/39
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040・細谷治嘉
○細谷委員 そこでお尋ねいたしたいのでございますが、せんだってのお尋ねで、電気料金がとにかく九州電力管内に比べますと一・五倍とか二倍とか、あるいはそれ以上、こういうことになっておりまして、 これは島民の生活ばかりではなく、将来の軽工業発達、こういう点からいっても非常に重要な問題なんです。
そこでお尋ねいたしたい点は、この復興計画では三分の二の補助であったのを、振興計画では十分の五といたしたということでございますが、そういう大きな問題があるのを、どうして補助率を減らしたのかお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/40
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041・森清
○森説明員 御指摘の点は、未点灯解消の補助金でございますが、これは全般的に奄美の復興時代を経まして、さらに振興計画に入っていくというその段階におきまして、全体的に国の補助負担率のあり方を再検討いたしまして、復興の過程から振興へ移る間におきまして、自力振興という面を加味して補助率を全面的に再検討いたした次第でございます。その一環としてこの未点灯の解消につきましても、三分の二から十分の五に引き下げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/41
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042・細谷治嘉
○細谷委員 こまかいことをお聞きしますが、この補助というのは、外線工事ですか、内線工事いずれにも適用されるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/42
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043・森清
○森説明員 外線工事でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/43
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044・細谷治嘉
○細谷委員 国内でかつて未点灯部落の解消という問題をやりました際には、全部ということじゃないと思いますけれども、三分の一は国費、三分の一が県費、三分の一が地元の市町村及びその受益者という形であったのです。これは内地の問題です。ところが今度は三分の二から二分の一負担になる。しかも内線工事は全額取りつける人が負担するということになりますと、相当大きな負担になるかと思います。しかも二十ワットの電灯をとっているのが八二%もある、こういう困難な困窮しておる実情からいって、補助率を減らしたということはきわめて不適確であるし、しかもこういう振興計画を進める過程において未点灯部落の解消というのが重点であるとすれば、これは内線にもある程度の考慮を払ってやるということが必要ではないかと思いますが、内線等について融資等の措置があるのかどうかお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/44
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045・森清
○森説明員 外線工事につきましては市町村が主としてやりますので、それの負担分については、融資、起債を認めておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/45
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046・細谷治嘉
○細谷委員 外線工事については融資の方法を講ずる。内線についてはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/46
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047・森清
○森説明員 内線には従来とも、今度の振興計画においても特別の措置は講じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/47
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048・細谷治嘉
○細谷委員 私は、二十ワットが八二%なんという実態のところでございますから、少なくとも復興計画時代の補助率は確保してやるべきだ。しかもこの振興計画では、一つの重点になっておる。しかも内線工事というのは、かなり大きな負担なんです。おそらく二十ワットとるといっても、住んでおるところが相当距離が離れておりますから、相当な負担というのが起こってきます。そういうことでありますから、内線工事等についてもそういう融資の道を講じてやるということが、実態に即した措置ではないか、こう思うのですが、そういうふうに考えてやる——これはそう大きな金になりません。考え直す余地があるのかどうか、重ねてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/48
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049・佐久間彊
○佐久間政府委員 内線工事につきましては、個人の負担としておるわけでございますが、御指摘のように、それにつきまして融資等の措置も考える必要があるではないかという点につきましては研究をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/49
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050・細谷治嘉
○細谷委員 研究するということでありますから、ぜひ研究していただきたい、こう思っております。
ところで、いま電気の問題について触れたんでありますけれども、この振興計画の重点としてあげられておるもの、いま申し上げました未点灯部落の解消あるいは電気事業の振興という問題ばかりでなく、林道の問題にいたしましても、あるいはほとんど進んでおらない——奄美大島が大火災になった、たまたまそういう機にある程度の区画整理事業は進んだということでありますけれども、まだ旧態依然たるものがある。したがって土地区画整理事業には重点を置こう、あるいはもっと農村住宅等には文化も、ひとつにおいだけでもかがしてやろう、こういったようなことが重点になっておるようでありますが、いずれも補助率が落ちるかあるいは補助が融資にかわるか、こういう形態をとっておりますが、これで一体重点的に取り上げたということになりましょうか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/50
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051・佐久間彊
○佐久間政府委員 全体のたてまえといたしまして、これまでの十ヵ年の復興計画からさらに一歩進みまして、だんだんと自主振興の方向に持ってまいりたい。十ヵ年計画を実施いたしました結果、すでに申し上げましたように相当な成果もあげておるわけでございますので、今回の五ヵ年計画におきましては、従来よりも自主振興と申しますか、自己負担を増加いたしまして、だんだんにそういう方向に持ってまいりたい、こういう考え方でおります。したがって、補助率につきましては、従来よりも若干落ちておるわけでございますが、しかし一般の離島におきまする離島振興の補助率よりも相当高くしておるわけでございます。しかもまたその補助率につきましては、項目によりまして検討をいたしまして、このくらいのところであるならば妥当であろうというものに内定をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/51
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052・細谷治嘉
○細谷委員 計画をおつくりになった方にお聞きするのですから、妥当であろうと思うということ以外に答弁はないと思うのですけれども、計画というのが非常にのっぺらぼう、しかも漸進的に自力で振興をはかるように指導していくのだということでありますけれども、少なくとも十ヵ年計画をやってきて、どういうところに成果があがったか、どういうところに穴があるのかという点も十分に把握した上で、振興五ヵ年計画を立てた以上は、重点は重点として、その重点が生きていくようにするということが必要であろう。私は端的にいって、この今度の振興五ヵ年計画で、鹿児島県平均水準に到達するという目標でありますけれども、これでもう奄美大島の問題は全部済んだという問題ではないので、次の第二次の振興計画というものが必要であろうと思うのであります。そういう場合には、復興計画の中の穴をどういうふうに埋めていくか、前向きでどういうふうにこの島を建てていくべきかという観点から、重点的に取り上げていかなければならぬのじゃないかと思いますけれども、残念ながらこの計画にそういう点が見受けられないで、機械的に平均的にその補助を落とす、したがって、重点政策は重点政策になっていない、こういうことだろうと思いますが、この点についてひとつ御所見をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/52
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053・佐久間彊
○佐久間政府委員 先生のおっしゃいますように、奄美群島の置かれております諸事情からいたしますと、この五ヵ年計画を実施いたしまして、はたして目標どおりの達成ができるかということにつきましては、私どもも相当な努力をいたさなければならないというふうに考えておるわけでございます。ただ、いつまでも従来のように、中央に依存をしていくということではございませんで、だんだんに自力で振興をはかっていくという方向に持っていかなければいけないという方向は正しいものと考えておるわけでございます。しかし、それにいたしましても、一挙に無理をいたしましてもいけませんので、先ほども申し上げましたように、他の離島と比べますと相当に高い補助をまだいたしておるわけでございます。一例をあげますと、先ほど御指摘のございました未点燈部落の解消にいたしましても、離島振興事業の場合におきましては三分の一補助になっております。道路の改良にいたしましても、離島振興におきましては三分の二でございますけれども、奄美の振興におきましては十分の九にいたしておるというような状況で、全体といたしましては奄美の事情を考慮いたしまして、そう無理のない程度に若干下げておる。しかし漁港整備などにつきましては、引き続き十分の十でいくというふうに、私どもといたしましては、個々の事業ごとに検討をいたしたつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/53
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054・細谷治嘉
○細谷委員 次に移ります。せんだっての川村委員の質問の際に、復興計画でつくられた漁船が、本拠地というものが、奄美に在籍しないで、焼津とかその他のところに在籍しているという御指摘がございましたが、復興計画で何隻つくって、その在籍状態は現在どうなっているのか、これをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/54
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055・佐久間彊
○佐久間政府委員 復興計画で三十七隻つくりました。現在稼働をいたしておりますものが、うち二十二隻でございます。九隻は沈没をいたしました。二隻は廃船になりました。四隻は転売されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/55
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056・細谷治嘉
○細谷委員 その二十二隻の在籍はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/56
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057・佐久間彊
○佐久間政府委員 全部船籍は奄美群島にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/57
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058・細谷治嘉
○細谷委員 うわさに聞きますと、水産関係の幹部の所有という形で、船籍を移されたものが相当数あるということを耳にいたしておるのでありますが、そういう事実はございませんも発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/58
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059・佐久間彊
○佐久間政府委員 川村委員から御指摘がございましたので、調査をいたしたわけでございますが、私どもの調べましたところでは、そのような事実はございません。現在船籍が奄美群島外になっておるものが四隻ございますが、これは先ほど申し上げました転売によるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/59
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060・細谷治嘉
○細谷委員 そういう事実がないという局長さんのおことばでありますから、それを信用いたしますけれども、漁船がせっかく復興計画でつくられたけれども、奄美に根拠地がない、本土のほうに移ってきておる、こういうことで、復興計画の期待どおりにこの面については成果をあげておらない、こういうことをときとして聞きますので、そういうことがないように、復興計画が期待どおりの成果をあげるように、今後の振興計画もそういうふうにしていただかなければならぬ、こう私は思います。特にそういう点がないように今後御指導願いたいと思います。
そこで、こういう問題に関連してお尋ねいたしたいのですが、沖繩との関係で漁業権といいますか、漁区といいますか、あるいは捕鯨といいますか、そういう問題が制限されておる、そういう点が復興計画ないし振興計画に若干の支障を来たしておるのだということをお聞きするのですが、そういうことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/60
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061・佐久間彊
○佐久間政府委員 そういうお話が、昨年でございましたか御質問ございましたので、その当時関係先に紹介いたしまして調べたのでございますが、そのようなことはないというふうに当時私どもは承知をいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/61
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062・細谷治嘉
○細谷委員 鯨もとれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/62
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063・佐久間彊
○佐久間政府委員 ごくまれに一、二頭とれるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/63
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064・細谷治嘉
○細谷委員 漁業関係も、そういう点で私が懸念したりあるいはうわさに聞いておったことが、事実でないようでございますので、けっこうなことだと思いますが、そういううわさが起こらないように、またそういう懸念が起こらないように、重ねて御指導をお願いいたします。
最後にお聞きしたい点は、ハブの被害の問題でありますが、せんだっての質問に対して逐次減少しておる、こういうお答えでございました。ところが奄美群島の発展を阻害しておるのは、やはりハブの被害だ、こういうふうにいわれております。かつて、いつか忘れましたけれども、週刊誌にもこの問題が取り上げられております。このハブの退治というのを徹底的にやらなければ、この島の発展の一つの阻害になるのじゃないかと思います。
そこでお尋ねしたい点は、ハブの被害がだんだん減少しておるのだ、こういうことでございますが、具体的にどういうふうな形で減少しておるのか。振興計画ではどういう点まで持っていこうと考えられておるのか、その点を一つお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/64
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065・佐久間彊
○佐久間政府委員 ハブの被害は、達観いたしますと減少方向に向かっております。これは年によりまして相当でこぼこがございます。昭和三十一年ごろまでは被害者が大体三百人前後、多いときは四百人になったこともございますが、ここ数年来は大体二百人台になっております。しかしこれも全体から見ればごくわずかな減少でございまして、十分とはもちろん申せません。特に顕著に見られますのは、被害を受けた方の中で死亡されました方の数は、当初は十人前後、十人以上ございましたのが、最近では昭和三十六年が一人、昭和三十七年が二人というように、死亡者の数は激減をいたしております。
なおハブの生息数がどのくらいあるかということは、なかなか正確につかみにくいわけでございまして、絶滅することを期待はするわけでございますが、効果の十分あがる方法というものも現在まだないわけでございます。奄美振興計画におきましては、引き続きましてハブの買い上げを継続することにいたしております。振興計画に一応予定をいたしておりますのは、三万七千五百匹を買い上げるということを考えております。それと同時にハブの生態研究につきまして、従来から復興事業費の中で研究費を出しまして研究を専門家に委託しておりましたが、これも引き続き続けてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/65
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066・細谷治嘉
○細谷委員 ハブの対策には、ひとつ十全を期していただきたい。
最後ですが、もう一つ大臣にお願いしたいのですが、冒頭私が質問いたしましたように、非常に貧困な島でございますので、せっかく復興計画から振興計画へと進んできておるわけであります。復興計画の中でもいろいろと十分な——どうも食いものにしておる面もあるということを聞きます。そういうことでなしに、しかもこの振興計画の推進にあたって、私は地方敗政の現況からいって、島民の能力からいって、この負担はいささか過酷にすぎるのではないか、そういうふうに思います。振興計画をしつつ、みずからの力というのはそのために振興計画にはぎ取られてしまう、 こういう実態ではないかと思う。自力を増大することはけっこうでありますけれども、自力の増大の振興計画で、みずからの力がやせ細ったということでは困るわけでございまして、その点をとくとお考えいただいて、地元に過重の負担が起こらないように、有効適切にこの振興計画を進めていただくように、大臣としても特に万全の指導なりあるいは監督をしていただくようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/66
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067・森田重次郎
○森田委員長 次に、地方税法等の一部を改正する法律案及び市町村民税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/67
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068・華山親義
○華山委員 大臣がお見えになっておりますので、この前の委員会で私が最後に申し上げました点につきまして訂正する点がありますから申し上げておきます。
とっさの場合でございましたので計数に違いがありますが、私といたしましては山形県の出身なものですから、山形県のことを申し上げるのは恐縮でございますけれども、私の経験から申しまして一番資料等も集まりますので、大体同じような財政基準のところはこういう意味だということでお許しを願いたいのでございます。
この前予算総額が二百億と申しましたのは、今年度におきましては二百八十億でございます。そのうちの単独事業は十三億でございます。したがって、単独事業というものをもって、自治というものは三割自治とかいうようなことが言われますが、そういうことで言いかえますならば、五分自治でございます。なお、義務的経費は全体として四七%だとおっしゃったことにつきまして、山形県につきましては教育費が四七%であると申しましたが、人件費が四七%でございます。この人件費におきましても最近では人をとれないで困っておる、ぎりぎり一ぱいの仕事を県庁職員がしている実情であります。なお教育費は四〇%でございます。前に申し上げましたことが違っておりますので、大臣おいでになりましたので冒頭に訂正をいたしておきます。
次に、各税のことにつきましてお伺いをいたしますが、事業税というものは性格は一体どういうものかということでございます。これは私、当時その問題にもタッチいたしましたので存じておりますが、シャウプの勧告におきましては、付加価値税というものを考えた、こうであるならば地方税といたしまして一応も二応も理由があります。それだけの経済活動をするのはそれだけ、地方に対してもいろいろな恩恵を受けるのであるから、その基準として付加価値ということであるならば、これは一応の理由があったわけであります。それを事業税付加価値ということはわかりにくいしということで、事業税ということになりました。事業税ということになりますと、これはいろいろな法人税、そういうものとダブって、そしてまことに悪税になってきている。しかも付加価値税でございますれば割合に変動が少ない。事業税になりますと景気の変動を受けて、その変動が多い。したがって、安定であるべきところの地方税に対しまして、不安定な要素を加える。そろそろ付加価値税に戻るべき時期ではないか、そういうふうにも考えまするし、付加価値の概念もだんだん浸透しております。この点につきまして税制調査会等にも御出席になっておいででございましょうし、いろいろな点をお聞きになっていると思いますし、お考えにもなっておると思いますが、その事業税というものの性格、そういうものについて伺ってから、事業税の内容をお聞きいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/68
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069・細郷道一
○細郷政府委員 事業税は事業に対する負担、事業を行なうことに対する負担、こういうふうに考えておるわけであります。府県の行政経費のうち、その県内において事業を行なっておるものがいろいろと県の行政から利益を受けておる、その経費の一端を事業税という負担をしてまいる、こういうふうに考えておるのであります。そういう性格からいたしまして、この税には応能というよりは応益的な要素が比較的強く要請される。そういう点から、たとえば課税標準につきましても、いわば外形的な課税標準が選ばれるほうが望ましい。そういうことによって、御指摘のありましたように財政収人の安定性も得る、こういったような考え方から、確かに付加価値税的なものがそういった税の性格から見て望ましいと私どもも考えておりますし、従来からそういった意味で御指摘のような経緯をたどってまいったわけであります。したがいまして、事業税につきましては、そういう意味では確かに検討を加えるべき部分がかなり基本的にある、こういうふうに思っておるのであります。現在のままの姿でずっと恒久的にいくべきであるかどうか、これは十分検討してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/69
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070・華山親義
○華山委員 税にはなれということはもちろん必要でございますから、まあ一挙にこれをどうこうするという問題はどうかと思いますけれども、まことにおかしな税になっている。ひとつほんとうに税制調査会等でも御検討願って、納得のいくような税に持っていっていただきたい、これを希望しておきますが、現在のこの事業税に、いたしましても、さらに先ほど申されたような方針によって、もう少し応益的なそういう方向に内容を変えていく必要があるのじゃないか。一挙に付加価値税に持っていかなくとも、そういう点においてさらに検討すべき点があるのではないかと思いますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/70
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071・細郷道一
○細郷政府委員 先ほど申し上げましたような性格の税でございますので、課税標準にいたしましても、現存も全部が全部所得課税ということではなくして、電気供給業のような特定の事業につきましては、収入金額課税という外形方式をとっておるのであります。また税制上の取り扱いにおきましても、この税のそういった性格からいたしまして、所得税、法人税の経費の計算におきましても損金または必要な経費としてこれを落としていくといったような行き方で、やはり現在でもこの税の性格にのっとった措置がとられておるという点は言えると思うのでございますが、反面において、付加価値税創設当時のいろいろの議論にもかんがみ、応能性というのが非常に強く出まして、現在のような形になっておるのであります。もちろん、いまの姿につきましてもいろいろと付加価値的要素というものを加味することはできないであろうか、たとえば給与にかかる部分はこれをある程度遮断をするといったような議論もなされておるのでございます。どういう姿に持っていくのがいいか、いずれにしてもある程度方向は示されておるのではなかろうかと思います。その具体的な措置につきましてはなお研究をいたしてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/71
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072・華山親義
○華山委員 ひとつ御検討を願いたいのございますけれども、そういう意味からいきまして、免税点というものはもっと——とにかくあまり根本的な問題にはなりませんけれども、もっとうんと上げるべきものじゃないか。大きな会社が、利益がなかったからといって何も出さない、小さな商店が、利益が上がったからといって事業税を出す、そういうことには私はどうも納得しかねる。私は、免税点というものは、とりあえずの点からいいまして、先ほど私から申し上げた点からいいましても、もっと上げるべきものだ、こういうふうに考えますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/72
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073・細郷道一
○細郷政府委員 事業税が、そういうことで付加価値税にとってかわってできました当時、個人の事業主に対しては免税点というような考え方がとられておったわけであります。その後、免税点の持っております一つの機能と申しますか、免税点は、御承知のようにやはり最小徴税費の原則から来る一つの問題、また反面では低所得者といいますか、所得を課税標準といたします場合には低所得者の負担の軽減をはかるといったような機能を持っておると思うのでございますが、その免税点制度が最初の時代とられておったのでございます。だんだんとやはり所得課税ということになってまいりますと、免税点を境といたします負担のバランスの問題、特に税率が比例税率であります関係からしまして、負担をなだらかなカーブにしたいといったような考え方も働きまして、現行の基礎控除制度、そして基礎控除制度につきましては、おおむね最初は所得税の個人の基礎控除というものに当時スライドをいたしておったのでございますが、さらにその後のいろいろな経済情勢等を反映いたしまして、三十四年に一挙に現行の二十万円という事業基礎控除制にし、それを事業主控除というような名称に変更しましたが、思想としてはそういった考え方で現在に至っておるのでございます。その後、三十四年以後、事業税の個人の負担につきましては専従者控除制度がはっきり法定をされました。また税率の引き下げ等も行なわれてきておりますので、現在の段階におきましては、先般他の委員の方の御質疑にもお答えいたしましたように、三十六年税率改正後の変化に対応するという意味におきまして、二十二万円に今回引き上げたような次第でございます。したがいまして、従来のレベルは十分維持されておるもの、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/73
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074・華山親義
○華山委員 事業税は、何といってもこれはなれっこになっておりますので、一般の人々はあまり奇異の感じを持たないような状態でございますが、それだからといっていいという性質のものではないと思いますので、この事業税を、先ほどから局長の言われるような性格に、だんだん持っていく方向に努力をしていただきたいと思います。
次に伺いますが、この前も私は非常に困難だろうということを申し上げました料理飲食税の外人に対する徴税の方法でございます。これは私から申し上げるまでもないことでございますけれども、料理飲食税は、地方税法の百十三条によりましても、利用行為の料金を標準としてかける、こういうふうになっておるわけでございます。したがって、外人に対しまして遊興には課税をするという方針でございますので、どうしても、遊興と飲食とをともにやった場合には、これを分離してかけなければいけない、そういうことは、私の考え方が間違えておりますかどうですか、ひとつ御見解を示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/74
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075・細郷道一
○細郷政府委員 地方税法の百十三条におきまして、遊興飲食税の対象となる場所と行為と課税標準とが規定されておるわけでございます。そのうちの行為につきましては、今回飲食と宿泊のみを免税の対象にいたしておりますので、当然遊興にかかる部分につきましては課税をしてまいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/75
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076・華山親義
○華山委員 そういたしますと、とにかく直接の部下ではないわけでございますけれども、この飲食税等につきましては、徴税に当たる人々は一番苦労する。そういうふうな複雑なやり方、一体これができる御自信がございますか。とにかく局長の部下には——部下ではございませんけれども、それだけの人がいるのです。何千という人がいるのじゃないか。そういう人々がこういう複雑な税金を取り立てる、そういうことができる御自信がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/76
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077・細郷道一
○細郷政府委員 料理飲食等消費税につきましては、確かにこの税本来の性格からくる徴税上の非常なむずかしさがあろうと思っております。したがいまして、自来徴税吏員におきましても、十分その方面について経験と知識を持った者がこれに当たっておる。それによって非常にむずかしい県財政の一つの支えになっておると考えておるわけであります。私どもも、現場にあってこの税金の賦課徴収に当たっておる税務の職員には、そういう意味合いにおきまして敬意を払っておる次第でございます。今回、このうち外人につきまして飲食と宿泊の部分のみが非課税、免税、こういうことになってまいりましたので、他の行為、特に遊興行為との区分につきましては、確かに御指摘のように非常に徴税上むずかしい点があろうと思うのでございます。何分にも、そもそもこの税自体が非常に徴収のむずかしい税でもございますので、一そう従来からの経験、知識、それに徴税の技術、さらには場所におきます調査を綿密にするというようなことによって、その区分の適正を期すように指導いたしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/77
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078・華山親義
○華山委員 私は非常に困難だと思いますが、こまかな点をお聞きいたしますと、キャバレーとかバーとかございます。また地方に参りますと割烹料理店というのがございます。この前も申し上げましたから、もう少し具体的な方法をお考えになっていると思いますけれども、そういうところで、具体的にはどういうふうな徴税をなさるおつもりでございますか、どういうくふうで遊興と飲食とを区分して徴税をなさるお考えなのか、これにつきましては当然各府県に対しまして指示をなさらなければいけないと思いますので、どういうふうな具体的のことをなさいますか、お聞きいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/78
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079・細郷道一
○細郷政府委員 何分にも人の行為でございますので、その捕捉の方法はいろいろあろうと思います。またその地方々々、またその場所々々に応じた最も適確に近い方法があろうと思います。一般的に言いまして、現在の料理飲食等消費税につきましては、その徴税の把握という点から公給領収証制度を使っておるわけでございます。公給領収証につきましては、この外客の免税部分につきましても領収証を発行してもらうようにいたしたい。その場合に、領収証の中の消費金額の記載面においても、これを遊興部分と飲食部分を区分するように指導いたしてまいりたいと思っております。現在でも、たとえば花代のようなものは、区分経理をするようにいたしておるわけでございます。そういった点をさらに綿密にすることによって適正を期してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/79
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080・華山親義
○華山委員 大臣に伺いますが外客が事情も知らないあるところに行ったところが、税金を取られた。あるところに行ったところが税金を取られない。外人客はふしぎな印象を持たないものでしょうか。遊興したからといってとにかく取られる、そうでない場合には取られない。バーというものがございますね。バーには男のボーイがいるだけであって、われわれの行くところは別に遊興的なものではございません。そこに行きますとこれは税金がかかりません。ところが、キャバレーに行くと税金がかかる。あそこの店では税金がかかって、こっちの店では税金がかからい。外客はふしぎな印象を持たないでしょうか。かえっておかしなことになりませんか。その点、大臣にお聞きするのもいかがかと思いますが、どういうものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/80
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081・早川崇
○早川国務大臣 まあ諸外国では女のウエートレスといいますか、女給さんといいますか、そういうものは非常に少ないわけでありまして、日本のようにバーやキャバレーに行きますと、直ちに女の子がやってくるということ自身が、外人には異様に感ずるわけであります。したがってどうせホテルなんかに泊まりますから、ホテルのあれとか食事とか遊興でないものは当然免税になる。しかしそういった女性関係のサービスというような遊興は、税金がかかって高くなるということについては、区別して外人も考えているのではないだろうか、なかなかむずかしい問題でありますが、それによって非常に不愉快に感ずるというようなことは、そう気にするほどの問題ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/81
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082・華山親義
○華山委員 外国では少ない、日本では多い、これが日本の欠点でございます。東京ほど遊びよいところはないということになっておる。とにかく東京に行くといろいろな点で遊べる。遊ぶところの楽天地になっておる。こういう点は日本といたしまして、どうしても正していかなければならない問題だと私は思うのでございますけれども、しからば、外国人がこの店に入ったら税金を取られる、この店に入った場合には税金を取られない、そういう点を、親切なものであるならば、表示をしておかなければいけない、表示をなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/82
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083・細郷道一
○細郷政府委員 おっしゃるとおり、奇異な感じを持たせては趣旨が徹底いたしません。また反面、店の経営にも影響をいたすと考えるのでございます。したがいまして、やはり外客でありますと、ホテル等その宿泊する場所に、よくそういったことの案内あるいは店舗につきましてもそういう表示をする。いずれにいたしましてもPRにつとめる必要があろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/83
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084・華山親義
○華山委員 同じバーという表示が出ていても、この店では税金を取られなかった、あの店では税金を取られたということになる。この店に入った場合には税金が取られない、この店に入った場合には税金が取られますという表示を、各店になさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/84
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085・細郷道一
○細郷政府委員 表示のしかた等については、なお具体的によく研究をいたしてみたいと思います。やはり飲食の行為には免税になる、その他の行為には課税になるということの意味がわかるような表示をする必要がある、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/85
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086・華山親義
○華山委員 私は、それは国辱だと思いますよ。占領直後オフ・リミットとかいう看板が出ていた。今度はどういう表示になりますか。外国人にはこの店は無税でございますというふうな表示をするのかどうか。私は非常にこれは国辱的なものだと思う。一面から申しますというと、それが一般国民に対して反感を買います。遊ぶ場所でございます。そこに行って——りっぱな外人ばかりはおりません。その外国人がよくバー等で、キャバレー等でじゃんじゃん騒いでも、ある連中には税金がかかららない、われわれには税金がかかる、そういうふうなことは、私は大衆の反感を買うと思う。そういう国辱的な看板を掲げることがおかしい。そういうふうなことはやめなければいけない。そういう点につきまして、大臣、いかがお考えになりますか。キャバレーというようなところはおいでにならないでしょうけれども、私もめったに行きませんが、そこで外国人には税金がかからない、おれには税金がかかるんだ、表のほうには外国人には税金がかかりませんと看板が出ている、これは感情的に矛盾しはしませんか。中に入っておる者は酔っぱらいなんです。かえって私は悪いと思う。いかがでございますか。あまりおいでにならないと思いますが、ひとつ御感想、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/86
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087・早川崇
○早川国務大臣 大体華山先生、女相手に遊興するというものは、さいふの計算をしないものです。どうせ高くつくという覚悟でわれわれも行く、また外人もおそらくそうだろうと思うのであります。奥さんを連れて食事に行くというものはそろばんずくの問題であって、芸者を呼んだり、あるいは女給さんを呼んだり、ダンサーとやったりということは、おそらく私は外人も同じだと思うのですが、相当高くとられる、かなり金はつくんだという心がまえは、私は外人も日本人もそう変わらぬと思うのであります。したがって、そこまで免税する必要はあるだろうか、かく考えますと、遊興飲食税までは免税措置をしない、こういうことに考えたわけであります。
なお、店々に、ここは外人に免税だとか何とかいう具体的なことは、お説の御意見もまことにごもっともでありますので、そういうことはよく検討して、外人がそういうところに入れば遊興は免税にならないんだということさえわかってもらえばいいと思いますから、御指摘のようにオフ・リミットというような看板を掲げるかどうかということは、よく御趣旨に沿って事務当局で検討いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/87
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088・華山親義
○華山委員 外人が帝国ホテル等であるパーティをやった、百人、二百人の人を呼んでいる、外人が支払うその場合には旅券を出しますというと全部が免税になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/88
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089・細郷道一
○細郷政府委員 今回のたてまえが外客の行為にかかる部分だけが免税、こういうことでございますので、たてまえといたしましては外人の自分の飲食あるいは宿泊行為にかかる部分だけが免税になる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/89
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090・華山親義
○華山委員 わかりましたが、そうしますというと、何ですね、日本人が外人を呼んだ、そして日本人が十人いて外人が一人だという場合には外人の分だけが一人の分だけが免税になる、こういうことでございますね。——たいへんな手数ではございませんか、いろんな申告をいたしましたり、公給領収証を出す場合、それは一々どうしてなさるのか。私は先ほどからお尋ねするのですが、そんなこと、徴税官にできるものでしょうか。一体、飲食店でもそういうことができるものでしょうか。そうしたならば、二重にも三重にも、いろいろな点になっちゃいますね。徴税技術としてそういうものができるものですかね。税はたいへんむずかしいと思いますが、いかがなものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/90
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091・細郷道一
○細郷政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、この税自身がかなり徴税技術のむずかしい税でございます。御指摘のようなことにつきましては、やはり場合によりますれば、領収証を外人とそうでない者と別個に書いてもらうといったようなことも必要かと思います。それらの捕捉につきましては、先ほども申し上げましたようにかなり調査を綿密にするというようなことによって捕捉をする必要があろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/91
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092・華山親義
○華山委員 私は、局長はやむを得ずそうおっしゃっておるのだろうと思います。そういうことは私はできないと思います。それでいいかげんな税のとり方をするということが、税全般に悪い影響を与え、徴税の地方公務員に非常に悪い影響を与えはしなか。それがオリンピックの間だけ、あるいは半年とか何とかだったならば、これはがまんもしよう、しかし当分の間といっていつまでだかわからない、こういうような状態、徴税の困難な状態を半恒久的に続けるなどということは、私は税全般に対して、徴税について悪い影響を与えるものであるというふうに考えざるを得ません。ことに私の心配するのは、こういうふうに複雑でなくても、各府県によって飲食税のとり方が微細な点でみな違っておる。それが悩みの種になっておる。今度の場合は、またこれは各県で違いますよ、やり方が。外人は東京ではこうだったけれども京都に来たらこうだとか、いろいろなことが起きる心配があります。私は弊害が多くて。こういうふうなことはやめるべだというふうに、徴税の関係から考えます。
次に伺いますが、まあ国内で消費せられる消費税でも、日本で買ってこれを外国に持ち出す、こういうものとは違う、国内で消費する税、国内消費税に、外人に対して特典的な免税をするという例は、私は寡聞にしてあまり聞かないのでございますけれども、こういうふうな例というものは至るところにあるものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/92
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093・細郷道一
○細郷政府委員 外国の例は、十分調査の結果を把握しておりませんのではっきりいたしませんが、一般的には例は比較的少ないのではないか、こう推定をいたしております。国内的には、現在物品税等において海外に持ち出すものについての免税というような措置は講じられておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/93
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094・華山親義
○華山委員 私はこれはいたずらなことを言って恐縮でございますけれども、税というものも国際的な通則がある。いろいろ税の学者等が考えたところの通則がある。そういうものに反しまして、そうして国内で消費されるところの消費税、そういうものに外人に特典を与える、そういうことは、私は税の国際的な原則に反すると思う。いまおっしゃったとおり、ほとんど聞かないとおっしゃった、それがあたりまえです。私は一面からいうと国辱だと思う。オリンピックの際にひとつ歓待してあげましょう。それならいいですよ。これを半恒久的にこういうことをするというのは、私はなぜそこまで日本というものは卑屈にならなければいけないのか、非常に情けないと思うのです。やっぱりき然たる態度で、とるべき税は外国人からもとったらいい、歓待すべきものは歓待したらいい、そういう態度でないと私はばかにされると思うんです。これは日本の政府、日本人の姿勢に関する問題だと思います。大体日本人は外国人に卑屈だ、そう言われている。ここにまた政府が卑屈性をあらわしている。私はこういうふうな制度は、百害があって三十か四十の利益しかないと思う。大局的立場に立ってこういうことは私は撤廃していただきたい。
次に、ガソリン税につきましては道路計画の面、これは地方財政計画とも関連がありますので、道路計画についてお聞きいたしたい。今度の新五ヵ年計画によりますと四兆一千億円、地方に期待するところの単独事業が八千億ということだそうでございますが、八千億というのは、私聞いたところでは都道府県だけだということでございますが、さようでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/94
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095・柴田護
○柴田政府委員 都道府府県及び市町村でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/95
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096・華山親義
○華山委員 都道府県と市町村の分け方はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/96
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097・柴田護
○柴田政府委員 ちょっと資料を調べましてすぐお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/97
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098・華山親義
○華山委員 分けてはあるのでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/98
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099・柴田護
○柴田政府委員 一応の分別でありますが、財政計画並びにこれに伴う交付税の算定等との関連から三十九年度千二百四十億円になるわけですが、千二百四十億円の内訳は県が七百五十億、それから六大市が九十六億、市町村が三百九十四億、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/99
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100・華山親義
○華山委員 これは一応能力を勘案されて、これだけのものが出るであろうという考え方からお出しになった数字でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/100
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101・柴田護
○柴田政府委員 大体従来のあり方等を勘案して割り出した数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/101
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102・華山親義
○華山委員 私非常にわからないのでございますが、府県が七百五十億という数字は、一体どこから出てくるのですか。私また山形県の例を引いて恐縮でございますが、山形県の来年度予算によりますと単独事業が三億円、二百五十分の一でございます。これは一体どこからそういう数字が出てくるのでしょうか。山形県ではことしの当初予算で大体三億しかありません。その三億のうち二億ばかりのものは固定したものであって、これはある一つの道路につきましてことしはやろうということであって、ほんとうの意味の一般的なものになりますと一億しかございません。どこから七百五十億という数字が出てくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/102
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103・柴田護
○柴田政府委員 これは決算等を基礎にしまして、一応の三十八年度の計画があるわけであります。そしてその後、道路の状況等を建設省当局とも話をいたしまして、これは主として建設省であれするのでございますが、私どものほうの意見も申し上げて、協議の上できめた数字でございます。しかし、おっしゃるように、精密に申し上げますならば、地方の単独道路の整備の必要性というものを具体的に積み上げてまいらなければならぬ、政府の作業を申しますと、そういう作業をしていかなければならないわけでございますが、現在の段階では、道路の必要は必ずしも正式に積み上げていない、そこには推定が入っておるということは申し上げられるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/103
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104・華山親義
○華山委員 大臣にもお聞きしたいのでございますが、このようにして七百五十億が府県の単独事業だ。そのうちで貧弱県は一億ないし二億あるいは三億だ、そういうふうになりますと非常な地方格差が地方税に出てくると私は思います。地方格差の解消ということを口癖のようにおっしゃっていて、こういうふうな財政のあり方でいいものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/104
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105・柴田護
○柴田政府委員 私がただいま申し上げました数字を基礎にいたしまして、交付税の計算をするわけでございます。したがって、地方団体といたしましては、そういうことによって与えられました財源、つまり一般財源でございますが、これと、それから一般の税収入、目的財源というものをかみ合わせて道路事業を計画していくわけでございます。山形県の一億円という数字は、具体的に私は承知いたしませんが、国としてはその程度のものを期待するわけでございますけれども、実際の地方団体の予算は、そのときの都合によって適宜地方の自主性に基づいて判断するということになるのでございますから、正確にはいまの一億円というような問題は、基準財政需要額というものを計算した暁において、それと実際の山形県なら山形県で使われると予定される道路費というものを検討した上でないと、何ともいえないのじゃないか。言いかえますならば、県といたしましては、その財源を保留しておって、とりあえず一億円という計画をつくったのかもしれません。あるいは筒一ぱい固く見積もっておるのかもしれません。そこのところは少し詳細に見なければ、お話の点にすぐさま賛成するわけにはいかぬのでございますけれども、私どもといたしましては、府県全体で単独事業七百五十億と申しますと、大体一県平均十五億前後ですね、十五億前後のものを予定しておる。もちろん県の大小によっていろいろあるわけでございますが、それが実際は県においてどういうぐあいの形になっておるかということは、先ほど申しましたように決算との関係を対比してみなければ見当つかぬというものでございます。お尋ねの点でございますが、お尋ねの論旨を突き詰めていきますならば、結局一般財源によって道路整備を行なっていくということに不安があるんじゃないかということはなるかとも思うのでございます。そうなってまいりますと、やはり目的財源というものを増強していくことによって、この単独事業の推進をはかっていくという方向をとっていかざるを得ないんじゃなかろうかと私は考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/105
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106・華山親義
○華山委員 これからどうなるかわからないということでございますが、私は山形県のことを一つのモデルとして申し上げたのでございますけれども、大体こんなものでございます。大体毎年一億五千万から二億、その程度が道路単独事業、そういたしますと、私はどうしても地方格差が現在あるという事実、これを証明するところのもの、また今後地力格差がこれによってさらに拡大するであろうということ以外には考えられません。こういうことで国政というものはいいものかどうか。一県平均十五億とおっしゃいましたが、先ほども申し上げましたとおり、山形では単独事業だけでも十五億になりません。この単独事業の中でもならないのでございますから、道路等に回すのは知れたものです。これはもうたいへんな一つの地方格差拡大の現象であり、地方格差が今後もっとひどくなる一つの問題ではないか、こういう問題につきまして、自治省といたしまして、国の重点がそうであるならば、道路についてのいろいろな点、交付税、そういう点につきまして、重点的でなければいけない、あるいは交付税をそれだけ増して道路のほうにやる、こういうふうでなければいけないと思うのですが、現在のままでは決して地方格差はなくなりません。私はそう思います。ひとつ御所見を承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/106
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107・柴田護
○柴田政府委員 まさにお話しのようなつもりで地方財政計画も組みましたし、地方交付税の算定方法も変更しようとしておるのであります。ただ地方交付税の場合は一般財源がございますので、それが道路に必ず使われるという保証は、御承知のようにございません。県によりましてはほかのものを食っておるところもあるかもしれません。場合によっては他の必要なものも減らして道路に回しておるというところもございましょう。したがいまして、そこのところは先ほど申しましたように、決算と対比してみなければわからないだろうということを申し上げたのでございます。
なお、この五ヵ年計画の単独事業八千億でございますが、具体的に県にあらわれてまいりました場合には、公共事業が集中的に投資される県におきましては、公共事業費の地方負担分がふえるものですから、勢いそっちのほうに財源が回ってしまって、単独事業の規模が減るということもございます。おそらく山形県の場合などは、私が承知していますところでは、ここ数年来公共事業が非常に多くいっておりまして、そのしわが単独事業に寄っているということも考えられるのではないかと思います。全体といたしましては、県分は三十九年度は大体昨年の倍になっておるわけであります。単独事業費として倍、公共も何もかもひっくるめますと大体五割増しぐらいのところでございます。これに基づきまして財政計画を組み単位費用を計算しておるわけでございます。したがいまして、私どもが立てましたとおり府県がやっていただければ問題はないのでございますけれども、それがおっしゃるとおり行なわれない。これは注意を喚起をして、ぜひひとつこういうことに重点を置いておるからやっていただきたいということを指導してまいる以外には方法はない。私どもは、おっしゃるように地域格差をほったらかしておるわけでは決してないわけでございまして、格差是正を志しておりますがゆえに、こういう計画を組み、こういう必要な措置をとったわけでございますので御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/107
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108・華山親義
○華山委員 これがちょっとのことであれば、三分の二とかそういうことであれば、別に何とか努力すればできるであろうとか、あるいは自治省のお考えによってこれをカバーすることができるであろうとか、いろいろなことが考えられますけれども、あまりにもひど過ぎる。その点、根本的な地方格差解消についての施策がなければ、この問題は解消できない。
次に伺いますけれども、この道路計画によりますと、地方の単独事業が三十九年度におきまして一千二百四十億円ですか、それに大体見合って地方一般財源が一千二百四十三億となっている。ですから単独事業は一般財源でまかなえということです。そういうふうな財源の伸びというものはございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/108
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109・柴田護
○柴田政府委員 この計画によりますと、地方負担の総計は二千二百八十九億になりますが、その中から後進地域の補助率の精算分としてまいりますものを控除いたしますと二千二百四十五億円、これを目的財源である特定財源と、基準財政需要額による交付税でもってまかなうということになるわけでございます。そこで目的財源を計算いたしますと百八十六億円、これを差い引きました額二千五十九億円を基準財政需要額に算入したわけでございます。したがってこれに関します道路、橋梁その他の単位費用を大きく上げておるわけでございます。したがいまして、計画からいいますならば、計画上は十分措置ができるようにいたしておるということは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/109
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110・華山親義
○華山委員 それは全部について言えるわけですね各県、各県、できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/110
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111・柴田護
○柴田政府委員 府県単位は、道路面積並びに延長をとっておりますので、その道路の面積及び延長による道路、橋梁の基準財政需要額、それから別途包括算入でとっておりますその他の土木費関係の経費で、大体各県ごとに単独事業も含めまして基準財政需要額を出していくわけでございます。小さなでこぼこはあるかもしれませんけれども、大体その線に沿って計算もされると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/111
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112・華山親義
○華山委員 私はどうも了解いたしかねます。とにかく先ほどおっしゃったとおり、大体府県十五億程度の単独事業とおっしゃるけれども、これは中流程度といいますか、そういう程度の県がやるのであって、東北諸県のように、ようやく二億とか三億とか、そういうふうな単独事業しか道路について組めない、それが現実なんです。そのことによって地方格差やなんかもっとひどくなると思うし、それで私は結論的にお願いしたいのでございますけれども、これだけの財源を付与しなければいけない、財源を持たなければいけないということであるならば、地方交付税というものをもっと増すべきである。地方交付税というものをもっと増して、それによって道路を整備しろ、こういうふうにいかなければ、いままでのやりくりで、これだけの財源をまかなえといったって、まかなえるところもあるかもしれませんけれども、一般の府県はまかなえないと思います。
これはひとつ大臣にもお考えをお伺いいたしたいのでございますけれども、いまの状態のままで、各県の財源というものをそのままでは、とうてい道路五ヵ年計画というものに対する地方単独事業の負担は負い切れません。どうしても地方交付税でこれを補っていくなり、あるいは別個の財源を与える方法なりをとらなければ、この計画は地方道路につきましては画餅に帰します。むしろ地方格差の状態がまざまざと出てくるということは、わかり切っておる。大臣の御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/112
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113・早川崇
○早川国務大臣 八千億円の新計画は、五ヵ年間にはむずかしい、努力を要する数字であろうと思うのでありまするが、同時にこれは不可能な計画でもございません。御承知のように昭和三十七年度をとりましても、単独の道路事業は大体七百三十億円くらいすでに実績があるわけであります。三十八年度はさらにそれを上回っていっておるわけでありまして、現在の地方財政の伸び、また交付税の伸び、起債のワクの伸び、いろいろ考えまして、非常にむずかしい目標、計画でありますけれども、達成ができない計画ではないと信じております。
なお交付税率の引き上げの問題でございますが、現在のところ御承知のように自主財源を来年度二千三百億円、交付税も八百億円をこえる自然増収もありますので、むしろそういうものの配分なりあるいは低開発地域に対する、現在も山形県、鹿児島県その他には、後進地域のかさ上げをやっておりますけれども、さらにそういった面で相当くふうをして、できるだけこの格差を縮めていくという努力は極力やりたいと思っておりますが、いまのところ交付税率、パーセンテージをさらに上げるということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/113
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114・華山親義
○華山委員 大臣としてはそれだけしかお答えができないでございましょうけれども、私は財政の非常に窮屈な府県にとりましては、このようなやり方で、大臣の言われたとおり全体としてはそれだけのことが考えられても、これがばらばらになった場合に、貧弱な府県につきましては絶対にできません。これはもう地方格差が増すだけでございます。平均十五億と申しましても、大体貧弱な県につきましては十億でございましょう。あるいは七億、八億と考えてもよろしい。七億、八億のものでも絶対できません。道路の単独事業に七億、八億かけるなんということはできないです。これが現実です。私はここで結果において地方格差が出てくる、こういうふうに言わざるを得ません。そういうことで、自治省といたしましても、いろいろな面で地方格差を是正するということを言っておられる。地方格差を是正するというのは地方の繁栄という意味もありましょうけれども、地方行政水準の格差をできるだけ縮めていくということは、これは政府の力だけでやれることなんです。地方行政水準の格差を縮めていく、そういう意味におきまして、私はどうしても交付税の増額、そういうこと以外にはないと思うのです。根本的なことを言うならば、基準財政需要額から上回るところの府県、たとえば東京とか大阪とか名古屋とか、基準財政需要額から上回る府県の財源、それをほかのほうに持ってこれるならばいいですよ。持ってこれないじゃありませんか。地方自治のたてまえからいっても、また大都市における現在の情勢からいって、いろいろな事情がありますから持ってこれない、そういう根本的な問題がありますから、私は今度の道路計画は、少なくとも地方道路に関する限り失敗に帰すると思います。もしも失敗に帰さないで、このとおりの計画ができたとすれば、それは地方格差の拡大という結果になると私は思う。この点につきまして、何とかしてそういうことのないように、地方格差の拡大を来たさない、縮めるという方向で財源措置をお願いすることに御配慮を願いたいと思いますが、お見込みがございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/114
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115・早川崇
○早川国務大臣 格差是正について、建設省ともいろいろ相談もし考えているのは、たとえば国道その他につきましては、従来の実績ということではなくて、むしろ格差是正、先行投資という面で新しいくふうをやろう、こういうことでやっていただいておるわけでありますそういう面で、単に道路の単独事業という視野で見ないで、そういうものを含めて地域格差の是正、それには分担金は交付税で直ちにわれわれは算入できるわけでありますから、単に単独事業というワクだけでなく、全体的な国庫補助事業、そういうものを含めまして後進地域の格差是正をどうしていくか、総合的に考えていきたいと思っております。したがって、われわれといたしましては、単に交付税を上げる、これは正直申しますとなかなかむずかしいのです。地方財政のワク内で、華山先生の御趣旨に沿うように、あらゆる方法を検討して格差是正をいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/115
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116・華山親義
○華山委員 交付税は、貧乏人同士の一升ますの中の分け合いにすぎません。これが増さなければ貧乏人はだめなんです。交付税というものは、一升ますがきまっているのです。これはいろいろ国民経済の発展によって増すかもしれませんけれども、それを貧乏人同士が分け合ったって、ちっともよくならないじゃありませんか。そこに後進地域が追いつけないという根本の問題がある。ほんとうに政府が、後進地域というものについて行政水準を上げたいという考えがあるならば、交付税を増す。現存の制度としては交付税を増す、それ以外にない。あるいは道路、河川等の負担、そういうものを徹底的に改める、それ以外私は方法はないと思う。
この問題は長くなりますからこれで打ち切りますが、私は来年度の決算、そういうものを見まして、そして、はたしてどういうふうになっているか、その決算を見た上でまた御質問をいたしたいと思います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/116
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117・森田重次郎
○森田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
地方税法等の一部を改正する法律案及び市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案の両案審査のため、来たる十六日月曜日、参考人の出席を求め意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/117
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118・森田重次郎
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、参考人として税制調査会委員松隈秀雄君の出席を求むることとし、なお他の参考人の人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/118
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119・森田重次郎
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104604720X02019640312/119
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